JP2017020861A - センシング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧電体11に弾性表面波Wを発生させて、圧電体11に接触させた被検体Tの物理量を求めるセンシング装置10において、被検体Tの接触位置Pを通過する弾性表面波Wを、圧電体11に発生させる入力電極12と、圧電体11を進む弾性表面波Wの進行路の接触位置Pより下流側に光を照射する照射手段13と、進行路の接触位置Pの下流側で光が反射して生じるr次回折光及びs次回折光の各強度を計測する光検出手段14と、計測されたr次回折光及びs次回折光の各強度を基に弾性表面波Wの振幅を算出し、被検体Tの物理量を求める演算機15とを備える。
【選択図】図1
Description
特許文献1には、入力電極に電気信号を与えて圧電体に弾性表面波を発生させ、出力電極で生じた電気信号を基に、弾性表面波の速度を計測し、センシングを行う方法が記載されている。特許文献2には、入力電極に電気信号を与えて圧電体に弾性表面波を発生させ、出力電極で生じた電気信号を利用してセンシングを行う方法が記載されている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、圧電体に生じる弾性表面波を利用して、被検体の物理量を安定的に計測するセンシング装置を提供することを目的とする。
図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係るセンシング装置10は、圧電体11に弾性表面波Wを発生させて、圧電体11に接触させた被検体Tの物理量を求める装置である。以下、これらについて詳細に説明する。
圧電体11は、図1、図2に示すように、外部から電界を与えられて歪が生じる素材を用いて、矩形の板状に形成されている。本実施の形態の圧電体11の素材は、ニオブ酸リチウムであるが、これに限定されず、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛やタングステン酸ナトリウムであってもよい。
信号生成器21は、演算機15に信号接続され、演算機15から送信される指令信号に応じて、電気信号を出力する。演算機15は、信号生成器21の動作の制御も担う電子コンピュータによって構成されている。
弾性表面波Wは、接触位置Pを通過の際に、接触位置Pに設けられた被検体Tにエネルギーの一部が吸収され、振幅が小さくなる。
照射手段13は、図示しない支持部材によって支持されて、レーザー光が光反射片16に照射されるように、照射方向が調整されている。従って、照射手段13は、圧電体11上を伝わる弾性表面波Wの進行路の接触位置Pより下流側にレーザー光を照射することになる。
櫛歯部材22、23及び圧電体11表面のレーザー光が当たる領域においては、弾性表面波Wによって周期的な歪が発生するため、当該領域でレーザー光が反射することで、光の回折が生じる。以下、光の回折と弾性表面波の関係について説明する。
△l1及び△l2は、aを弾性表面波の振幅、ω1を弾性表面波の角周波数、θを圧電体11表面の傾きによる反射光の反射角の変位、λを光の波長、kをk=2πcosφ/λの値として、それぞれ以下の式1、式2で表わされる。
従って、被検体Tのエネルギーの吸収によって小さくなった弾性表面波Wの振幅の変化量が導出できれば、被検体Tの物理量を検知可能である。
この被検体Tの物理量の算出には、弾性表面波を出力電極によって電気信号に変換した値が用いられていないため、出力電極が空間中の電磁波を受信する点について影響を受けることはない。
まず、光検出手段14が、圧電体11に被検体Tが非接触な状態で、0次回折光の強度及び1次回折光の強度を計測し、演算機15が、計測された0次回折光の強度及び1次回折光の強度を基に、式7を用いて、弾性表面波Wの振幅(以下、「第1の振幅」とも言う)を算出する。次に、光検出手段14が、圧電体11の接触位置Pに被検体Tが接触した状態で、0次回折光の強度及び1次回折光の強度を計測し、演算機15が、計測された0次回折光の強度及び1次回折光の強度を基に、式7を用いて、弾性表面波Wの振幅(以下、「第2の振幅」とも言う)を算出する。そして、演算機15は、第1の振幅と第2の振幅の差異から、被検体Tの物理量を求める。
n次回折光は、nの値が大きくなると、強度が弱まる傾向があることから、0次回折光及び1次回折光の各強度を採用することは、被検体Tの物理量を安定的に求める点において、好適である。
被検体として気体を採用する場合は、圧電体11に被検体である気体が触れていない状態で、0次回折光及び1次回折光の各強度を基に算出した弾性表面波Wの振幅と、被検体である気体の雰囲気内に圧電体11の接触位置Pを配した状態(即ち、圧電体11の接触位置Pに被検体が接触した状態)で、0次回折光及び1次回折光の各強度を基に算出した弾性表面波Wの振幅とから、被検体の物理量が求められる。
なお、液体が被検体であるセンシング装置として、例えば、バイオセンサーが挙げられ、気体が被検体であるセンシング装置として、例えば、ガスセンサーが挙げられる。また、固体の被検体の一例として、半導体が考えられる。
本実験においては、試料を載せた圧電体に、入力電極に与える電気信号の大きさを変えて弾性表面波を発生させ、1次回折光の強度を計測した。
試料は、濃度が7.3wt%、19.3wt%、28.9wt%のグルコースであり、試料ごとに1次回折光の強度を計測した結果を図6のグラフに示す。
実験結果より、1次回折光の強度が、試料の濃度(物理量の一つ)に依存していること(即ち、異なる弾性表面波の振幅において、各試料の1次回折光の強度の関係が一様であること)が解り、回折光の強度から、試料の濃度が求められることが明らかとなった。
例えば、圧電体は、矩形の板状である必要はない。
また、光反射片を用いる場合、光反射片は、複数の金属線部を備えたものである必要はなく、例えば、光反射片に金属製のシートを採用してもよい。
更に、圧電体に照射する光はレーダー光でなくてもよく、例えは、アーク放電を利用した高輝度放電ランプを用いてもよい。但し、レーザー光を用いた場合、センシング装置のコンパクト化及び設計の簡素化を図ることが可能である。
Claims (5)
- 圧電体に弾性表面波を発生させて、該圧電体に接触させた被検体の物理量を求めるセンシング装置において、
前記被検体の接触位置を通過する前記弾性表面波を、前記圧電体に発生させる入力電極と、
前記圧電体を進む前記弾性表面波の進行路の前記接触位置より下流側に光を照射する照射手段と、
前記進行路の前記接触位置の下流側で前記光が反射して生じるr次回折光及びs次回折光の各強度を計測する光検出手段と、
計測された前記r次回折光及び前記s次回折光の各強度を基に前記弾性表面波の振幅を算出し、前記被検体の物理量を求める演算機とを備えることを特徴とするセンシング装置。 - 請求項1記載のセンシング装置において、前記進行路上には、前記光を反射する光反射片が設けられていることを特徴とするセンシング装置。
- 請求項2記載のセンシング装置において、前記光反射片は、平行配置された複数の金属線部を備えることを特徴とするセンシング装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のセンシング装置において、前記演算機は、前記接触位置に前記被検体が接触した状態で計測された前記r次回折光及び前記s次回折光の各強度を基に算出した前記弾性表面波の振幅と、前記圧電体に前記被検体が非接触な状態で計測された前記r次回折光及び前記s次回折光の各強度を基に算出した前記弾性表面波の振幅との差異から、前記被検体の物理量を求めることを特徴とするセンシング装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のセンシング装置において、前記r次回折光は0次回折光であり、前記s次回折光は1次回折光であることを特徴とするセンシング装置。
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JP2011047874A (ja) * | 2009-08-28 | 2011-03-10 | Yamatake Corp | 水素ガスセンサ及び酸素濃度センサ |
WO2015046577A1 (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-02 | 京セラ株式会社 | センサ、検出方法、検出システム及び検出装置 |
WO2015079789A1 (ja) * | 2013-11-29 | 2015-06-04 | 京セラ株式会社 | センサ装置 |
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2015
- 2015-07-09 JP JP2015137817A patent/JP6598194B2/ja active Active
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Title |
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塩川祥子、外2名: "弾性表面波の伝搬パターンの光学的観測 -FTH法について-", 応用物理, vol. 第46巻、第7号, JPN6019007334, 1977, pages 第719頁−第725頁 * |
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