JP2017012249A - 食事時間推定方法、食事時間推定プログラム及び食事時間推定装置 - Google Patents

食事時間推定方法、食事時間推定プログラム及び食事時間推定装置 Download PDF

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康之 中田
森 達也
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達也 森
大輔 内田
Daisuke Uchida
大輔 内田
明大 猪又
Akita Inomata
明大 猪又
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Abstract

【課題】食事時間の推定精度が低下するのを抑制すること。【解決手段】情報処理装置100は、心拍を表わす信号を取得する処理と、信号から隣接する心拍の時間間隔を算出する処理と、時間間隔のうちの2つの時間間隔の差を算出する処理と、時間間隔の差に基づき、該時間間隔に対応する時刻に嚥下が有ったか否かを検出する処理と、嚥下に対応する時刻から食事時間を推定する処理とを実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、食事時間推定方法、食事時間推定プログラム及び食事時間推定装置に関する。
メタボリック症候群や糖尿病を始めとする生活習慣病の予防や、ダイエット、医療サービスなどのヘルスケアが注目されている。かかるヘルスケアを行う場合には、日頃の運動や食事などの生活習慣を記録することにより、自己の生活習慣の問題点に気付き、改善していくプロセスが求められる。
例えば、「食事」に関する予防策として、下記の通り、「いつ」、「何を」、「どれだけ」などの食事のコントロール方法が挙げられている。具体的には、規則正しく三食を摂る(いつ)、朝食をとる(いつ)、バランス良く栄養をとる(何を)、カロリーを摂取し過ぎない(どれだけ)、塩分は控える(何を)といった項目が挙げられている。
ここで、例えば、「いつ」食べたのかという記録があれば、不規則な食習慣を検知し、予防のアドバイスを提供するなどのサービスを実施することもできる。
例えば、食事判定を行う技術の一例として、食行動検知システム、発話・飲食状態検出システムや食行動検出装置などが提案されている。例えば、食行動検知システムでは、食物摂取の際の、腕を上げて降ろす動作を加速度センサを用いて検出することにより、食事判定を行う。また、発話・飲食状態検出システムでは、物を食べる際に咀嚼する事を利用し、体内音の咀嚼特有の周波数パターンを検出する。また、食行動検出装置の場合、食卓上などに赤外線センサを設置した状況の下、食卓付近で人体を検出した後に人体が頻繁に動いているかどうかを閾値処理する。
ところが、これらの技術のいずれにおいても、食事行動を推定するために、食事の仕方が制限されたり、あるいは食事行動を推定する場所に制約があったりするので、汎用性に欠ける面がある。例えば、食行動検知システムで想定される加速度の傾向は、あくまでも食物摂取時になされる腕の動作の一面にしか対応しておらず、それ以外の腕の動作がなされる場合には加速度の傾向が異なるので、検出漏れが発生する。また、発話・飲食状態検出システムの場合、食事時にマイクを首に装着させることになるので、身体に負担がかかり、かつ見栄えも悪くなってしまう。また、食行動検出装置の場合、赤外線センサが設置された場所などのように、固定された環境での食事しか認識することはできない。
また、食事判定に脈波を用いる技術の一例として、生活管理端末装置も提案されている。この生活管理端末装置では、食事時に起る咀嚼特徴が現れることに加え、脈拍数が上昇し、かつ皮膚導電率に急激な上昇がない場合に食事中であると判断する。
特開2007−48180号公報 特開2011−115508号公報 特開2008−61790号公報 特開2003−173375号公報 特表平10−504739号公報 特開2013−31650号公報 特開2006−68091号公報
しかしながら、上記の技術では、次に説明するように、食事時間に誤判定が起こる場合がある。
すなわち、上記の生活管理端末装置では、食事判定に皮膚導電率が用いられる。かかる皮膚導電率は、発汗時等にその計測精度が低下するので、食事判定にも誤判定が発生する可能性が高まる。また、上記の生活管理端末において皮膚導電率を用いずに脈拍数だけを用いたとしても、食事以外の原因、例えば精神の緊張、環境温度の変化や運動行為などにより脈拍数が上昇するので、この場合にも誤判定が起こる。
1つの側面では、本発明は、食事時間の推定精度が低下するのを抑制できる食事時間推定方法、食事時間推定プログラム及び食事時間推定装置を提供することを目的とする。
一態様の食事時間推定方法では、コンピュータが、心拍を表わす信号を取得する処理と、前記信号から隣接する心拍の時間間隔を算出する処理と、前記時間間隔のうちの2つの時間間隔の差を算出する処理と、前記時間間隔の差に基づき、該時間間隔に対応する時刻に嚥下が有ったか否かを検出する処理と、前記嚥下に対応する時刻から食事時間を推定する処理とを実行する。
食事時間の推定精度が低下するのを抑制できる。
図1は、実施例1に係るヘルスケア支援システムの構成を示す図である。 図2は、心電信号の一例を示す図である。 図3Aは、RR間隔の波形の一例を示す図である。 図3Bは、RR間隔の波形の一例を示す図である。 図4は、RR間隔の差の一例を示す図である。 図5Aは、食事嚥下時刻の判定方法の一例を示す図である。 図5Bは、食事嚥下時刻の判定方法の一例を示す図である。 図5Cは、食事嚥下時刻の判定方法の一例を示す図である。 図6は、食事嚥下時刻の一例を示す図である。 図7は、食事イベントのマージ処理の一例を示す図である。 図8は、実施例1に係る食事時間推定処理の手順を示すフローチャート(1)である。 図9は、実施例1に係る食事時間推定処理の手順を示すフローチャート(2)である。 図10Aは、心拍数の時系列データの一例を示す図である。 図10Bは、心拍数の時系列データの一例を示す図である。 図11は、食事時間の重複例を示す図である。 図12は、実施例1〜実施例2に係る食事時間推定プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
以下に添付図面を参照して本願に係る食事時間推定方法、食事時間推定プログラム及び食事時間推定装置について説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[システム構成]
図1は、実施例1に係るヘルスケア支援システムの構成を示す図である。図1に示すヘルスケア支援システム1は、各種のヘルスケア支援サービスを提供するものである。例えば、ヘルスケア支援サービスの一例として、センサ端末10により採取されるセンシングデータを用いてセンサ端末10のユーザの生活行動、例えば食事時間を記録するサービス、さらには、その記録を活用する派生のサービスなどが挙げられる。
かかるヘルスケア支援サービスの一環として、ヘルスケア支援システム1は、心電信号等に代表される心拍に関する時系列データから求まる心拍の時間間隔、例えばRR間隔の差をもとに嚥下があった時刻を検出し、嚥下の時刻から食事時間を推定する。ここで言う「食事時間」とは、食事開始時刻、食事終了時刻及び食事所要時間のうち少なくともいずれか1つに対応する。これによって、食事以外の原因、例えば精神の緊張、環境温度の変化や運動行為などによって心拍数が上昇する場面で食事時間が推定されるのを抑制し、もって食事時間の推定精度が低下するのを抑制する。なお、上記のRR間隔の表記は、RRI(R-R Interval)とされる場合もあるが、以下では一部を除き表記を「RR間隔」で統一する。
図1に示すように、ヘルスケア支援システム1には、センサ端末10と、情報処理装置100とが収容される。なお、図1には、センサ端末が1つである場合を図示したが、ヘルスケア支援システム1には、複数のセンサ端末を収容することとしてもよく、その場合、各センサ端末ごとに上記のヘルスケア支援サービスを提供することができる。
これらセンサ端末10及び情報処理装置100の間は、相互に通信可能に接続される。ここでは、一例として、センサ端末10及び情報処理装置100がBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)などの近距離無線通信により接続される場合を想定するが、有線または無線を問わず、任意のネットワークを介して互いを接続することができる。例えば、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)などの構内通信網を始め、インターネット(Internet)などの任意の種類の通信網を介して、センサ端末10及び情報処理装置100を接続することができる。
センサ端末10は、センサを実装する端末装置である。
一実施形態として、センサ端末10は、ヘルスケア専用の端末装置として実装されることとしてもよい。また、センサ端末10には、既存のウェアラブルガジェット、例えばスマートグラスやスマートウォッチ等を流用することもできる。
センサ端末10には、少なくとも後述の心電センサ11が実装される。この心電センサ11を用いて、センサ端末10は、例えば、センサ端末10を利用するユーザの心電信号をセンシングする。このようにセンシングされる心電信号は、上記の食事時間の推定に用いられる。なお、ここでは、心電センサ11が搭載される場合を例示するが、搭載可能なセンサが心電センサに限定されるわけではなく、センサ端末10に他のセンサ、例えばジャイロセンサやGPS(Global Positioning System)受信機などが搭載されることを妨げない。
このようにセンサ端末10によりセンシングされた心電信号は、ユーザの識別情報、例えばセンサ端末10のマシン名やシリアル番号などと対応付けられた状態で情報処理装置100へ伝送される。このとき、心電信号は、心電センサ11が心電信号を出力する度にリアルタイムで伝送されることとしてもよいし、所定期間、例えば12時間、1日間、1週間や1ヶ月などにわたって蓄積してから伝送することとしてもかまわない。なお、ここでは、センサ端末10から情報処理装置100へ心電信号が伝送される場合を例示したが、必ずしも心電信号そのものが伝送されずともかまわない。例えば、センサ端末10は、心電信号から算出されるRR間隔を情報処理装置100へ伝送することとしてもよいし、複数のRR間隔から算出されるRR間隔の差を情報処理装置100へ伝送することとしてもよい。このようにRR間隔やRR間隔の差をセンサ端末10に算出させる場合、2つの装置の間で伝送されるデータ量を低減すると共に、個人情報とも言える心電信号を伝送することによりこれが漏洩する可能性を低減できる。
情報処理装置100は、上記のヘルスケア支援サービスを提供するコンピュータである。かかる情報処理装置100には、携帯端末装置、据置き型やノート型のパーソナルコンピュータを含む計算機全般を採用できる。なお、上記の携帯端末装置には、スマートフォン、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)などの移動体通信端末のみならず、タブレット端末やスレート端末などもその範疇に含まれる。
一実施形態として、情報処理装置100は、パッケージソフトウェアやオンラインソフトウェアとして上記のヘルスケア支援サービスを実現する食事時間推定プログラムを所望のコンピュータにインストールさせることによって実装できる。例えば、情報処理装置100は、センサ端末10から受け付けた心電信号を用いて、センサ端末10のユーザの食事時間を推定する。その上で、情報処理装置100は、食事時間を記録することができる他、それまでに記録された食事時間から所定期間、例えば1週間などにわたる食事時間帯の一覧表を生成した上で出力したり、それまでに記録された食事時間から食習慣またはダイエットに関する分析を行った上で各種のアドバイスを出力したりすることもできる。例えば、情報処理装置100が有する表示デバイス、音声出力デバイス、印字デバイスなどの出力デバイスを通じて、上記の各種の情報を出力させることができる。また、情報の出力先は、必ずしも情報処理装置100に限定されず、ユーザが使用する他の端末装置とすることもできるし、その関係者、例えばユーザの親族、医療または介護の担当者などが使用する端末装置とすることもできる。これによって、上記のヘルスケア支援サービスが実現される。
[センサ端末10の構成]
次に、本実施例に係るセンサ端末10の機能的構成について説明する。図1に示すように、センサ端末10は、心電センサ11と、通信I/F(InterFace)部15とを有する。なお、センサ端末10は、図1に示した機能部以外にも既知のコンピュータが有する機能部を有することとしてもよい。例えば、ヘルスケア専用の端末装置、ウェアラブルガジェットまたは携帯端末装置がセンサ端末10として実行される場合、これらの各装置が標準装備するハードウェア及びソフトウェアを実装できる。
心電センサ11は、心電信号を検出するセンサである。
一実施形態として、心電センサ11は、複数の電極間の電位差を採取する。図示は省略するが、一例として、導電性の粘着ゲルを付着させたディスポ電極がセンサ端末10のユーザの生体の表面、例えば胸部や四肢などに少なくとも2つ以上取り付けられる。このように装着された複数の電極間の電位差を採取することによって、数mV程度の電圧、0.1〜200Hz程度の周波数、1〜20kΩ程度のインピーダンスを持つ生体電気現象、いわゆる心起電力が心電信号として測定される。このような心電センサ11は、一例として、電極間の電位差の検出および増幅を行う電子回路や所定のサンプリング周波数で電位差のアナログ信号をデジタル信号へ変換するデジタル信号回路などにより実装できる。
通信I/F部15は、他の装置、例えば情報処理装置100などとの間で通信制御を行うインタフェースである。
一実施形態として、通信I/F部15には、センサ端末10及び情報処理装置100の間が近距離無線通信により接続される場合、BLEモジュールなどを採用できる。この他、LAN(Local Area Network)やVLAN(Virtual LAN)などの無線通信網により接続される場合、通信I/F部15には、LANカードなどのネットワークインタフェースカードを採用できる。例えば、通信I/F部15は、上記の心電信号などを情報処理装置100へ送信する。また、通信I/F部15は、心電信号を情報処理装置100へアップロードする指示や心電信号を情報処理装置100へアップロードする間隔に関する指示などの他、食事時間の推定結果やそれを用いた診断結果などを情報処理装置100から受信することもできる。
このように心電センサ11により検出される心電信号は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)などの制御部の指示にしたがって通信I/F部15により情報処理装置100へ伝送される。このとき、電極間の電位差がサンプリングされる度に当該電位差の振幅が情報処理装置100へ伝送されることとしてもよいし、所定の期間、例えば12時間や1日間などにわたって図示しないメモリへ心電信号を蓄積してから情報処理装置100へ伝送されることとしてもかまわない。
[情報処理装置100の構成]
次に、本実施例に係る情報処理装置100の機能的構成について説明する。図1に示すように、情報処理装置100は、通信I/F部110と、取得部120と、第1算出部130と、第2算出部140と、検出部150と、推定部160とを有する。なお、情報処理装置100は、図1に示した機能部以外にも既知のコンピュータが有する機能部、例えば各種の入出力デバイスなどを有することとしてもよい。
通信I/F部110は、他の装置、例えばセンサ端末10などとの間で通信制御を行うインタフェースである。
一実施形態として、通信I/F部110には、センサ端末10及び情報処理装置100の間が近距離無線通信により接続される場合、BLEモジュールなどを採用できる。この他、LANやVLANなどの無線通信網により接続される場合、通信I/F部110には、LANカードなどのネットワークインタフェースカードを採用できる。例えば、通信I/F部110は、上記の心電信号などをセンサ端末10から受信する。また、通信I/F部110は、上記の心電信号をセンサ端末10にアップロードさせる指示やセンサ端末10が心電信号を情報処理装置100へアップロードする間隔に関する指示などの他、食事時間の推定結果やそれを用いた診断結果などをセンサ端末10へ送信することができる。
取得部120は、上記の心電信号を取得する処理部である。
一実施形態として、取得部120は、センサ端末10から近距離無線通信を通じて心電信号を取得することができる。このような通信によるアクセスの他、取得部120は、ハードディスクや光ディスクなどの補助記憶装置またはメモリカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリなどのリムーバブルメディアに保存された心電信号を読み出すことにより心電信号を取得することもできる。なお、ここでは、心電センサ11を搭載するセンサ端末10から心電信号を近距離無線通信により取得する場合を例示したが、情報処理装置100が心電センサを内蔵または付設する場合には、心電センサにより出力される心電信号をそのまま取得してもよい。
第1算出部130は、上記の心電信号から心拍の時間間隔を算出する処理部である。
一実施形態として、第1算出部130は、取得部120により取得された心電信号の波形上で心拍のR波が現れる時刻を検出する。このようにR波を検出する場合、第1算出部130は、心電信号の波形から所定の閾値以上の電位差が計測される時刻を検出したり、心電信号の微分波形上のゼロクロス点を検出したりすることにより、心電信号の波形上にピーク、すなわち極大点が現れる時刻を検出する。このとき、第1算出部130は、取得部120により取得された心電信号をハイパスフィルタへ入力することにより、心電信号に重畳する筋電信号のノイズを低減させることもできる。このようにR波の発生時刻が検出された後、第1算出部130は、心電信号に含まれるR波の発生時刻ごとに当該R波とその1つ前のR波の間で互いの発生時刻の差を計算することにより、RR間隔をR波の発生時刻ごとに算出する。
図2は、心電信号の一例を示す図である。図2に示すグラフの縦軸は、電圧(mV)を指し、横軸は、時刻を指す。図2には、取得部120により取得された心電信号の一部が抜粋して示されており、取得部120により取得された心電信号の波形が破線で示されると共に、ハイパスフィルタの通過後の心電信号の波形が実線で示されている。図2に破線で示す通り、心電信号には、R波以外のP波、Q波、S波、T波やU波などの他の成分が含まれる他、筋電信号が重畳する場合がある。かかる心電信号をハイパスフィルタへ入力することにより、図2に実線で示す通り、筋電信号等が除去される結果、20mV程度のピークが周期的に現れた心電信号の波形を得ることができる。このようにハイパスフィルタの通過後の心電信号からR波を検出する場合、例えば、心電信号に含まれる振幅の最大値が7割や8割程度に減じられた値を閾値とし、当該閾値を超える時刻をR波の発生時刻として検出することができる。その後、R波の発生時刻ごとに当該R波と1つ前のR波の間で互いの発生時刻の差が計算される。例えば、心電信号に含まれるm個のR波のうちk番目のR波の場合、当該R波が発生する時刻tからk−1番目のR波が発生する時刻tk−1を減算する計算、すなわち「時刻t−時刻tk−1」を実行する。これによって、k番目のR波が発生する時刻tにおけるRR間隔Iを算出することができる。
なお、ここでは、ハイパスフィルタの通過後の心電信号からR波の発生時刻を検出する場合を例示したが、R波の検出に必ずしもハイパスフィルタを用いずともかまわない。さらに、ここでは、あくまで心拍の時間間隔の一例としてRR間隔を算出する場合を例示したが、心電の他の成分に関する時間間隔を求めることとしてもかまわない。心電のR波以外の成分、例えばP波、Q波、S波、T波やU波などの時間間隔を算出することとしてもよい。
第2算出部140は、RR間隔の差を算出する処理部である。
一実施形態として、第2算出部140は、第1算出部130によりRR間隔が算出された時刻tごとに、当該時刻tのRR間隔と、当該時刻tから所定の時間幅wまでの時間窓Wに含まれる各時刻のRR間隔のうち最小値を持つRR間隔との差を計算する。ここで言う「時間幅w」は、1度の嚥下が行われる場合の所要時間を基準に設定される窓幅を指し、例えば、数秒程度の値を設定できる。以下では、上記の時間窓Wに含まれるRR間隔のうち時刻tのRR間隔のことを「RR間隔1」と記載し、最小値を持つRR間隔のことを「RR間隔2」と記載する場合がある。
図3A及び図3Bは、RR間隔の波形の一例を示す図である。図3A及び図3Bに示すグラフの縦軸は、RR間隔を指し、横軸は、時刻を指す。図3A及び図3Bには、第1算出部130により算出されたRR間隔の波形の一部が抜粋して示されている。これら図3A及び図3Bのうち、図3Aには、RR間隔の波形上に時刻tを始点に設定された時間窓Wが示されると共に、図3Bには、RR間隔の波形上に時刻tk+1を始点に設定された時間窓Wk+1が示されている。
図3Aに示すように、k番目のR波が発生する時刻tに時間窓Wが設定される場合、時刻tが時間窓Wの開始時刻に設定されると共に、時刻tに時間幅wが加算された時刻t+wが時間窓Wの終了時刻に設定される。このような時間窓Wの下、時間窓Wの開始時刻のRR間隔1と、時間窓Wに含まれるRR間隔の中でも最小値となるRR間隔2との差が計算される。このとき、RR間隔1−RR間隔2の計算を実行することとしてもよいし、|RR間隔1−RR間隔2|または|RR間隔2−RR間隔1|を計算することもできる。かかる計算によって、時刻tにおけるRR間隔の差「RRIdiff(t)」が算出される。
RRIdiff(t)が算出された後、k+1番目のR波が発生する時刻tk+1に時間窓Wk+1が設定される。図3Bに示す通り、時刻tk+1が時間窓Wk+1の開始時刻に設定されると共に、時刻tk+1に時間幅wが加算された時刻tk+1+wが時間窓Wk+1の終了時刻に設定される。このような時間窓Wk+1の下、時間窓Wk+1の開始時刻のRR間隔1と、時間窓Wk+1に含まれるRR間隔の中でも最小値となるRR間隔2との差が計算される。これによって、時刻tk+1におけるRR間隔の差「RRIdiff(tk+1)」が算出される。
このように心電信号に含まれるR波の発生時刻ごとにRR間隔の差が算出されることになる。なお、ここでは、RR間隔の差が1番目のR波の発生時刻、2番目のR波の発生時刻、・・・、m番目のR波の発生時刻の順に算出される場合を例示したが、これらのRR間隔の差は順番に算出されずともよく、並列処理で算出することができるのは言うまでもない。
検出部150は、RR間隔の差が算出された時刻のうちRR間隔の差が嚥下に対応する心拍変動条件を満たす時刻を有効嚥下時刻として検出する処理部である。
一実施形態として、検出部150は、第2算出部140により算出されたRR間隔の差ごとに当該RR間隔の差が所定の閾値Dth以上であるか否かを判定する。ここで、RR間隔の差が所定の閾値Dth以上である場合、当該RR間隔の差が観測された時刻tで嚥下が行われた可能性が高まる。この場合、検出部150は、図示しない内部メモリのワークエリアに保存される有効嚥下時刻のリストに対し、上記の閾値Dth以上であるRR間隔の差が観測された時刻tを追加登録する。一方、RR間隔の差が閾値Dth未満である場合、当該RR間隔の差が観測された時刻tで嚥下が行われた可能性は低下する。この場合、当該RR間隔の差が観測された時刻tは、有効嚥下時刻とはみなされず、上記の有効嚥下時刻のリストには追加されない。
図4は、RR間隔の差の一例を示す図である。図4に示すグラフの縦軸は、RR間隔の差を指し、横軸は、時刻を指す。図4には、第2算出部140により算出されたRR間隔の差に関する波形が示されると共に、検出部150により嚥下に対応する心拍変動条件の一例として用いられた閾値Dthが示されている。さらに、図4には、内部メモリに保存されたn個(nは自然数、但しm≧n)の有効嚥下時刻のうちj番目の有効嚥下時刻T、j+1番目の有効嚥下時刻Tj+1、j+2番目の有効嚥下時刻Tj+2、j+3番目の有効嚥下時刻Tj+3が示されている。これに加えて、図4には、呼吸センサが出力する信号の波形が示されており、信号の振幅の乱れから嚥下が検出された区間がリファレンスとしてハッチングで示されている。
図4に示すように、検出部150によりRR間隔の差が閾値Dth以上であると判定されることにより、j番目の有効嚥下時刻T、j+1番目の有効嚥下時刻Tj+1、j+2番目の有効嚥下時刻Tj+2及びj+3番目の有効嚥下時刻Tj+3が検出される。このように検出部150により検出される4つの有効嚥下時刻は、図4に示す通り、いずれも呼吸センサから嚥下が検出されるハッチングの区間と重複する。かかるリファレンスとの対比の結果、次のことがわかる。すなわち、嚥下中には、気道が封鎖されて呼吸が一時停止することが原因となって頻脈になるので、嚥下が心拍に対し、RR間隔の減少という影響を与えるという知見の下、嚥下に対応する心拍変動条件の一例として、上記の閾値Dthを用いることにより、嚥下があった可能性が高い時刻を推定できることがわかる。
なお、ここでは、嚥下に対応する心拍変動条件の一例として、上記の閾値Dthを用いる場合を例示したが、他の条件を用いることとしてもかまわない。例えば、検出部150は、RR間隔の差の微分波形上で極大値を持つ時刻を有効嚥下時刻として検出することもできる。
推定部160は、有効嚥下時刻から食事時間を推定する処理部である。
一実施形態として、推定部160は、検出部150により検出された有効嚥下時刻Tごとに当該有効嚥下時刻とそれに後続する有効嚥下時刻とが次の関係を満たすか否かを判定する。例えば、推定部160は、j番目の有効嚥下時刻Tとj+1番目の有効嚥下時刻Tj+1の時間間隔が下記の式(1)を満たすか否かを判定する。下記の式(1)における「Tth1」は、下限の閾値を指し、例えば、人体が嚥下を連続して行う場合の最短所要時間が設定される。一方、下記の式(1)における「Tth2」は、上限の閾値を指し、例えば、人体が嚥下を連続して行う場合の最長所要時間が設定される。
th1≦|T−Tj+1|≦Tth2・・・式(1)
図5A、図5B及び図5Cは、食事嚥下時刻の判定方法の一例を示す図である。図5Aには、有効嚥下時刻T及び有効嚥下時刻Tj+1の時間間隔が上記の式(1)を満たすケースが模式的に示されている。一方、図5B及び図5Cには、有効嚥下時刻T及び有効嚥下時刻Tj+1の時間間隔が上記の式(1)を満たさないケースが模式的に示されており、このうち、図5Bには、|T−Tj+1|<Tth1に該当するケースが示される一方で、図5Cには、Tth2<|T−Tj+1|に該当するケースが示されている。
すなわち、有効嚥下時刻T及び有効嚥下時刻Tj+1は、図5A〜図5Cのいずれかのケースに該当することとなるが、図5Aに示すケースに該当する場合、j番目の有効嚥下時刻Tは、食事に由来する嚥下である可能性が高まる。なぜなら、食事が行われる場合、食事による嚥下は、散発的に行われる可能性が低く、ある程度連続して行われる可能性が高いからである。この場合、推定部160は、内部メモリのワークエリアに保存される食事嚥下時刻のリストに対し、上記の式(1)を満たす有効嚥下時刻Tを食事イベントを識別する食事イベント識別情報と対応付けて追加登録する。かかる有効嚥下時刻Tには、上記の式(1)が連続して満たされる限り、同一の食事イベント識別情報が対応付けられる一方で、有効嚥下時刻Tが上記の式(1)を満たさなかった場合には、異なる食事イベント識別情報が対応付けられる。
一方、始点をT+Tth1、終点をT+Tth2とする窓を設けて、窓内に有効嚥下時刻Tj+1が後続しなければ、図5B及び図5Cに示すケースに該当することになるので、有効嚥下時刻Tは食事嚥下時刻とは判定されない。
その後、推定部160は、内部メモリに保存された食事嚥下時刻のうち同一の食事イベント識別情報が付与された食事嚥下時刻の数が所定数、例えば5回以上であるか否かを判定する。このとき、推定部160は、同一の食事イベント識別情報が付与された食事嚥下時刻の数が所定数以上である場合に、これら一連の食事嚥下時刻を食事時間の推定に用いる。図6は、食事嚥下時刻の一例を示す図である。図6には、同一の食事イベント識別情報が付与された食事嚥下時刻が示されている。図6に示す通り、食事による嚥下は、散発的に行われる可能性が低く、ある程度連続して行われる可能性が高いので、上記の判定によって、食事の嚥下ではなく、唾液の嚥下等のように、散発的に行われる嚥下が食事イベントと誤認識することを抑制する。以下では、同一の食事イベント識別情報が付与された一連の食事嚥下時刻のことを「食事イベント」と記載する場合がある。
例えば、推定部160は、図6に示すように、食事イベントに含まれる食事嚥下時刻のうち先頭の食事嚥下時刻を食事開始時刻TSWstartと推定すると共に末尾の食事嚥下時刻を食事終了時刻TSWendと推定し、さらに、食事開始時刻TSWstart及び食事終了時刻TSWendの時間間隔を食事所要時間と推定する。なお、ここでは、食事開始時刻、食事終了時刻及び食事所要時間の3つを食事時間として推定する場合を例示したが、これら3つのうち少なくともいずれか1つを食事時間として推定することとしてもよい。
このように同一の食事イベント識別情報が付与された食事嚥下時刻から食事時間を直ちに推定することもできるが、異なる食事イベントに分類されていたとしても、互いの食事イベントの間隔が短い場合には、1つの食事の単位、例えば朝食、昼食、夕食、これら以外の間食に含まれることも想定され得る。
このことから、推定部160は、異なる食事イベントが一定の条件を満たす場合に、条件を満たす食事イベントを統合する食事イベントのマージ処理を実行することもできる。例えば、推定部160は、互いが連続する2つの食事イベントのうち先行の食事イベントに含まれる末尾の食事嚥下時刻と後続の食事イベントに含まれる先頭の食事嚥下時刻との時間間隔が所定の閾値Tth3、例えば5分間以下であるか否かを判定する。そして、推定部160は、当該時間間隔が閾値Tth3以下である場合に、2つの食事イベントを統合する。この場合、推定部160は、2つの食事イベントに含まれる全ての食事嚥下時刻に同一の食事イベント識別情報を改めて付与することにより、食事イベントを統合することとしてもよいし、互いの食事イベント識別情報を関連付けることにより、食事イベントを統合することとしてもよい。このような食事イベントのマージ処理を先頭の食事イベントから繰り返し実行することにより、2つ以上の食事イベントを統合することができる。
図7は、食事イベントのマージ処理の一例を示す図である。図7には、食事イベントE1、食事イベントE2、食事イベントE3の順に並ぶ3つの食事イベントが例示されている。図7に示す例では、食事イベントE1に含まれる末尾の食事嚥下時刻と食事イベントE2に含まれる先頭の食事嚥下時刻との時間間隔が閾値Tth3以下であり、かつ食事イベントE2に含まれる末尾の食事嚥下時刻と食事イベントE3に含まれる先頭の食事嚥下時刻との時間間隔が閾値Tth3以下である。この場合、食事イベントE1、食事イベントE2及び食事イベントE3の3つの食事イベントがマージされる。このように3つの食事イベントがマージされた場合、推定部160は、食事イベントE1に含まれる食事嚥下時刻のうち先頭の食事嚥下時刻を食事開始時刻TSWstartと推定すると共に食事イベントE3に含まれる食事嚥下時刻のうち末尾の食事嚥下時刻を食事終了時刻TSWendと推定し、さらに、食事開始時刻TSWstart及び食事終了時刻TSWendの時間間隔を食事所要時間と推定する。
このように推定部160により推定された食事時間、例えば食事開始時刻、食事終了時刻、もしくは、食事所要時間のうち少なくともいずれか1つは、食事時間を記録したり、それまでに記録された食事時間から所定期間、例えば1週間などにわたる食事時間帯の一覧表を生成した上で出力したり、それまでに記録された食事時刻から食習慣またはダイエットに関する分析を行った上で各種のアドバイスを出力したりする「サービス提供処理」の実行先へ出力される。かかる実行先は、情報処理装置100のプロセッサ上で実行される処理部であってもよいし、外部のサーバ装置などであってもかまわない。
なお、上記の取得部120、第1算出部130、第2算出部140、検出部150及び推定部160などの処理部は、次のようにして実装できる。例えば、中央処理装置、いわゆるCPUなどに、上記の各機能部と同様の機能を発揮するプロセスをメモリ上に展開して実行させることにより実現できる。これらの処理部は、必ずしも中央処理装置で実行されずともよく、MPUに実行させることとしてもよい。また、上記の各機能部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジックによっても実現できる。
また、上記の各処理部が用いる主記憶装置には、一例として、各種の半導体メモリ素子、例えばRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリを採用できる。また、上記の各処理部が参照する記憶装置は、必ずしも主記憶装置でなくともよく、補助記憶装置であってもかまわない。この場合、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスクやSSD(Solid State Drive)などを採用できる。
[処理の流れ]
図8及び図9は、実施例1に係る食事時間推定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、一例として、情報処理装置100のプロセッサ上で上記のヘルスケア支援サービスを実行するアプリケーションプログラム等が起動された場合、あるいは動作中のアプリケーションプログラムでサービスの提供指示を受け付けた場合などに処理が実行される。
図8に示すように、取得部120は、センサ端末10等から心電信号を取得する(ステップS101)。そして、第1算出部130は、取得部120により取得された心電信号の波形上で心拍のR波が現れる時刻を検出する(ステップS102)。その上で、第1算出部130は、ステップS102で検出されたR波の発生時刻ごとに当該R波とその1つ前のR波の間で互いの発生時刻の差を計算することにより、RR間隔をR波の発生時刻ごとに算出する(ステップS103)。
続いて、第2算出部140は、R波のカウンタkの値をゼロに設定することにより初期化し(ステップS104)、R波のカウンタkの値を1つインクリメントする(ステップS105)。
そして、第2算出部140は、k番目のR波が発生する時刻tで観測されるRR間隔IをRR間隔1に設定すると共に、当該時刻tから所定の時間幅wまでの時間窓Wに含まれる各時刻のRR間隔のうち最小値を持つRR間隔をRR間隔2に設定する(ステップS106及びステップS107)。
その上で、第2算出部140は、ステップS106で設定されたRR間隔1と、ステップS107で設定されたRR間隔2との差、すなわち|RR間隔1−RR間隔2|を計算することにより、時刻tにおけるRR間隔の差「RRIdiff(t)」を算出する(ステップS108)。
続いて、検出部150は、ステップS108で算出されたRR間隔の差が所定の閾値Dth以上であるか否か、すなわちRRIdiff(t)≧Dthを満たすか否かを判定する(ステップS109)。
ここで、RR間隔の差が所定の閾値Dth以上である場合(ステップS109Yes)、当該RR間隔の差が観測された時刻tで嚥下が行われた可能性が高まる。この場合、検出部150は、内部メモリのワークエリアに保存される有効嚥下時刻のリストに対し、上記の閾値Dth以上であるRR間隔の差が観測された時刻tを有効嚥下時刻Tとして追加登録する(ステップS110)。なお、RR間隔の差が閾値Dth未満である場合(ステップS109No)、当該RR間隔の差が観測された時刻tで嚥下が行われた可能性は低下する。この場合、ステップS110の処理をスキップし、ステップS111の処理へ移行する。
そして、R波のカウンタkの値がR波の総数mになるまで(ステップS111No)、R波のカウンタkの値がインクリメントされ(ステップS105)、上記のステップS106〜ステップS110の処理が実行される。
その後、R波のカウンタkの値がR波の総数mになると(ステップS111Yes)、図9に示す通り、推定部160は、有効嚥下時刻Tのカウンタjをゼロに設定することにより初期化し(ステップS112)、有効嚥下時刻Tのカウンタjの値を1つインクリメントする(ステップS113)。
続いて、推定部160は、j番目の有効嚥下時刻Tとj+1番目の有効嚥下時刻Tj+1の時間間隔が上記の式(1)、すなわちTth1≦|T−Tj+1|≦Tth2を満たすか否かを判定する(ステップS114)。
ここで、上記の式(1)を満たす場合(ステップS114Yes)、j番目の有効嚥下時刻Tは、食事に由来する嚥下である可能性が高まる。なぜなら、食事が行われる場合、食事による嚥下は、散発的に行われる可能性が低く、ある程度連続して行われる可能性が高いからである。この場合、推定部160は、j−1番目の有効嚥下時刻Tj−1が食事嚥下時刻と判定されたか否かをさらに判定する(ステップS115)。なお、上記の式(1)を満たさない場合(ステップS114No)、ステップS119の処理へ移行する。
このとき、j−1番目の有効嚥下時刻Tj−1が食事嚥下時刻と判定されていた場合(ステップS115Yes)、推定部160は、1つ前に食事嚥下時刻と判定された有効嚥下時刻Tと同一の食事イベントにj番目の有効嚥下時刻Tを分類する(ステップS116)。一方、j−1番目の有効嚥下時刻Tj−1が食事嚥下時刻と判定されていなかった場合(ステップS115No)、推定部160は、1つ前に食事嚥下時刻と判定された有効嚥下時刻Tと異なる食事イベントにj番目の有効嚥下時刻Tを分類する(ステップS117)。
その上で、推定部160は、内部メモリのワークエリアに保存される食事嚥下時刻のリストに対し、上記の式(1)を満たす有効嚥下時刻Tを食事嚥下時刻としてステップS116またはステップS117の分類結果に対応付けて追加登録する(ステップS118)。
そして、有効嚥下時刻Tのカウンタjの値が有効嚥下時刻の総数nになるまで(ステップS119No)、有効嚥下時刻Tのカウンタjの値がインクリメントされ(ステップS113)、上記のステップS114〜ステップS118の処理が実行される。
その後、有効嚥下時刻Tのカウンタjの値が有効嚥下時刻の総数nになると(ステップS119Yes)、推定部160は、内部メモリに保存された食事嚥下時刻のグループ、すなわち食事イベントのうち、食事イベントが含む食事嚥下時刻の数が所定の閾値以上である食事イベントを抽出する(ステップS120)。
そして、推定部160は、ステップS120で抽出された食事イベントのうち食事イベントを1つ選択する(ステップS121)。その上で、推定部160は、ステップS121で選択された食事イベントよりも1つ前に先行する食事イベントに含まれる末尾の食事嚥下時刻とステップS121で選択された食事イベントに含まれる先頭の食事嚥下時刻との時間間隔が閾値Tth3以下であるか否かを判定する(ステップS122)。
このとき、当該時間間隔が閾値Tth3以下である場合(ステップS122Yes)、推定部160は、ステップS121で選択された食事イベントと、それに先行する食事イベントとを統合する食事イベントのマージ処理を実行する(ステップS123)。なお、時間間隔が閾値Tth3を超過する場合(ステップS122No)、ステップS123の処理をとばし、ステップS124へ移行する。
その後、ステップS120で抽出された全ての食事イベントが選択されるまで(ステップS124No)、上記のステップS121〜ステップS123の処理を繰り返し実行し、ステップS120で抽出された全ての食事イベントが選択されると(ステップS124Yes)、ステップS125の処理へ移行する。
すなわち、推定部160は、食事イベントごとに当該食事イベントに含まれる食事嚥下時刻のうち先頭の食事嚥下時刻を食事開始時刻TSWstartと推定すると共に末尾の食事嚥下時刻を食事終了時刻TSWendと推定し、さらに、食事開始時刻TSWstart及び食事終了時刻TSWendの時間間隔を食事所要時間と推定し(ステップS125)、処理を終了する。
[効果の一側面]
上述してきたように、本実施例に係るヘルスケア支援システム1は、心電信号等に代表される心拍に関する時系列データから求まる心拍の時間間隔、例えばRR間隔の差をもとに嚥下があった時刻を検出し、嚥下の時刻から食事時間を推定する。これによって、食事以外の原因、例えば精神の緊張、環境温度の変化や運動行為などによって心拍数が上昇する場面で食事時間が推定されるのを抑制できる。したがって、本実施例に係るヘルスケア支援システム1によれば、食事時間の推定精度が低下するのを抑制することが可能になる。
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
[心拍数に基づく食事時間の推定との併用1]
上記の実施例1では、嚥下に対応する時刻から食事時間を推定する場合を例示したが、心拍数から食事時間を推定する技術と併用することにより、食事時間の推定精度を高めることもできる。例えば、情報処理装置100は、心拍数の上昇および下降のパターンの特徴を抽出して、食事開始時刻、食事終了時刻を検出し、これらの差から食事所要時間を推定する。
図10A及び図10Bは、心拍数の時系列データの一例を示す図である。図10A及び図10Bには、心拍数の時系列データの波形が示されており、グラフの縦軸は、心拍数(bpm:beat per minute)を指し、グラフの横軸は、時刻を指す。図10A及び図10Bに示す心拍数の時系列データは、取得部120により取得される心電信号から導出することができる。例えば、10拍分のRR間隔の合計値がT(秒)であるとき、心拍数(HR)は、HR=600/T(bpm)として求められる。このように10拍ごとに得られる心拍数の波形に対し、線形補間、多項式補間、スプライン補間などを行うことにより、図10A及び図10Bに示す心拍数の時系列データが得られる。
例えば、食事開始時刻を推定する場合、情報処理装置100は、心拍数の時系列データに含まれる時刻及び心拍数のデータ点ごとに次のような処理を実行する。すなわち、情報処理装置100は、ある時刻から所定の期間後までの心拍数の上昇幅が閾値以上であり、かつ当該時刻から所定期間前までの心拍数のデータ列に近似された近似直線の傾き0と当該時刻から所定期間後までの心拍数のデータ列に近似された近似直線の傾き1とが所定の条件を満たす場合に、当該時刻を食事開始時刻TUDstartと推定する。図10Aには、食事開始時刻が推定される例が示されており、上記の近似直線の傾き0及び上記の近似直線の傾き1が水平線からの角度として示されている。図10Aに示す例では、上昇幅が閾値以上であり、かつ傾き1から傾き0が減算された減算値が所定の角度、例えば60度以上であるので、当該時刻が食事開始時刻TUDstartと推定される。
また、食事終了時刻を推定する場合、情報処理装置100は、上記の食事開始時刻以降の心拍数の時系列データに含まれる時刻及び心拍数のデータ点ごとに次のような処理を実行する。すなわち、情報処理装置100は、ある時刻から所定時間後までの心拍数の減少幅が閾値以上であり、かつ当該時刻から所定期間前までの心拍数のデータ列に近似された近似直線の傾き2と当該時刻から所定期間後までの心拍数のデータ列に近似された近似直線の傾き3とが所定の条件を満たす場合に、当該時刻を食事終了時刻TUDendと推定する。図10Bには、食事終了時刻が推定される例が示されており、上記の近似直線の傾き2及び上記の近似直線の傾き3が水平線からの角度として示されている。図10Bに示すように、減少幅が閾値以上であり、かつ傾き2から傾き3が減算された減算値が所定の角度、例えば−60度以下であるので、当該時刻が食事終了時刻TUDendと推定される。
図11は、食事時間の重複例を示す図である。図11には、心拍数の時系列データの波形と、RR間隔の差の波形とが上下に併記されている。図11の上部に示すグラフの縦軸は、心拍数(bpm)とし、横軸は、時刻を指す。また、図11の下部に示すグラフの縦軸は、RR間隔の差を指し、横軸は、時刻を指す。
図11の、左側で縦線に挟んで示した領域では、上半分では心拍数の上昇および降下が見られ、下半分でも嚥下を示すRR間隔の差の変化が見られ、それぞれで食事時間が推定され、実際にも食事が行われている。一方、図11の右側では、上半分のグラフでのみ破線に挟まれた領域で心拍数の上昇および降下が見られるが、下半分では嚥下は検出されず、実際にはその期間には食事でなく運動が行われている。
このように、「心拍数の上昇及び下降の特徴」と「RR間隔の差の時間変化」の2つの食事時間の推定方法を併用することにより、例えば、2つの推定方法の両方で食事時間が重複する場合に、少なくとも両者が重複する区間を食事時間と判定することにすれば、食事時間でない時間を食事時間と誤って判定する事態を抑制し、もって高性能な検出を実現できる。一方、「心拍数の上昇及び下降の特徴」と「RR間隔の差の時間変化」の推定方法のうち一方でも食事時間が推定された場合に、食事時間と判定することにすれば、食事時間を検出し損なう検出の漏れが少なくなる。このように、目的に合わせて、食事時間の検出方法を変更できる。
より具体的には、情報処理装置100は、推定部160により推定される食事時間候補と心拍数の上昇及び下降の特徴から推定される食事時間候補とを照合する。例えば、心拍数の上昇及び下降の特徴から推定される食事開始時刻が「TUDstart」であり、食事終了時刻が「TUDend」であり、推定部160により推定される食事開始時刻が「TSWstart」であり、食事終了時刻が「TSWend」であるとする。このとき、下記の式(2)または下記の式(3)のいずれかを満たす場合に、「RR間隔の差の時間変化」から推定される食事イベントと、「心拍数の上昇及び下降の特徴」から推定される食事イベントとが一定以上の度合いで重複することを検出できる。このように両者の食事イベントが一定以上の度合いで重複する場合、一例として、食事開始時刻TSWstart、食事終了時刻TSWend、これらの差から求まる食事所要時間を推定結果として出力できる。この場合、食事所要時間、すなわち「食事終了時刻TSWend−食事開始時刻TSWstart」が所定の閾値Tth5以上である場合に絞って、食事開始時刻TSWstart、食事終了時刻TSWend、食事所要時間を出力することもできる。なお、ここでは、食事開始時刻TSWstart、食事終了時刻TSWend、食事所要時間を最終的な推定結果として出力する場合を例示したが、食事開始時刻TUDstart、食事終了時刻TUDend、これらの差から求まる食事所要時間を出力することとしてもよいし、また、互いの食事イベントが重複する重複期間、その重複期間の開始時刻及び終了時刻を出力することとしてもよい。
UDend−TSWstart>Tth4 … 式(2)
SWend−TUDstart>Tth4 … 式(3)
[心拍数に基づく食事時間の推定との併用2]
例えば、情報処理装置100は、心拍数の上昇及び下降の特徴から推定される食事時間の尤もらしさを当該食事時間内に含まれる有効嚥下時刻の個数により評価することもできる。
(1)TUDstartからTUDendまでの食事時間の中に含まれる有効嚥下時刻の数NSWが所定の閾値Nth1より大きい場合に食事があったと判定できる。
(2)TUDstartからTUDendまでの食事時間の中に含まれる有効嚥下時刻の頻度が所定の閾値より大きい場合に食事があったと判定する。なお、頻度は、有効嚥下時刻の数NSWを食事所要時間TUDdurationで除算する計算等により求めることができる。
(3)TUDstartからTUDendまでの食事時間の中に含まれる有効嚥下時刻が周期性を持つ場合に食事があったと判定する。ここで周期性があるかどうかは、式(4)を満たす嚥下(周期性を持っている嚥下)が所定の閾値Nth1より大きい場合に、周期的な嚥下があるので、食事があったと判定する。
m・Tinterval≦TSW (m)≦(m+1)・Tinterval・・・式(4)
なお、TSW (m)は、検出されたm番目の嚥下の時刻を表し、Tintervalは、Tinterval=(TUDend−TUDstart)/NSWで求められる、嚥下が均等に行われた場合の時間間隔を表わしている。
[心拍数に基づく食事時間の推定との併用3]
上記の2つの食事時間の推定方法は、互いを並列して実行させることもできるし、一方を先に実行してから他方を後に実行させることもできる。例えば、「心拍数の上昇及び下降の特徴」から食事時間を推定する方法が先に実行される場合、食事終了時刻TUDend−食事開始時刻TUDstartが所定の閾値Tth5以上である場合に絞って、上記の実施例1で示した「RR間隔の差の時間変化」から食事時間を推定する処理を実行する。また、「RR間隔の差の時間変化」から食事時間を推定する方法が先に実行される場合、食事終了時刻TSWend−食事開始時刻TSWstartが所定の閾値Tth5以上である場合に絞って、「心拍数の上昇及び下降の特徴」から食事時間を推定する方法を実行する。これによって、少なくとも一方の食事時間の推定方法が閾値Tth5以上である場合に絞って他方の食事時間の推定方法が実行される結果、無駄な処理を削減できる。
[間食等の検出]
間食など摂取量が少ない場合は、心拍数は殆ど上昇しないが、嚥下による心拍変動は摂取量に関わらず観測されると考えられる。このことから、情報処理装置100は、2つの食事イベントの中間で飲み込みによる心拍変動が生じた時に、間食イベントと判定することもできる。
例えば、食事イベント1の食事開始時刻をTUDstart1、食事終了時刻をTUDend1とし、かかる食事イベント1に後続する食事イベント2の食事開始時刻をTUDstart2、食事終了時刻をTUDend2とする。この場合、当然のことながら、TUDend1<TUDstart2であるとする。この場合、食事の直前、直後には間食しないものと想定し、間食を判定しない間食非判定の時間幅TDZ1、TDZ2を設け、有効嚥下時刻Tが下記の式(5)を満たす場合に、当該有効嚥下時刻Tを間食イベントとして検出することもできる。
UDend1+TDZ1≦T≦TUDstart2−TDZ2・・・式(5)
[食事スピードの検出]
さらに、ヘルスケア支援サービスの一環としてユーザの食物摂取のスピードに関する通知方法について示す。食事時間中に嚥下を行う頻度は食物を摂取する頻度であるから、その逆数は食事のスピードを表わしていると考えられる。具体的には、食事のスピードは式(6)のように表される。
V=NSW/(TSWend−TSWstart)・・・式(6)
式(6)のVは、食事のスピードを表わしている。求めたスピードが大きければ「早食い」、小さければ「遅食い」ということになる。具体的には、早食いの判定値をVth1、遅食いの判定値をVth2として、V>Vth1 のときに早食いと判定、V<Vth2 のときに遅食いと判定ができ、その結果をユーザに通知して、食生活の改善を促すことができる。ここでは、食事のスピードを求め、それに基づき通知を行う例を示したが、食事時間が所定の閾値より長い場合に「遅食い」と通知してもよい。このように、食事に関しては様々な観点から評価を与えることができるので、上に示した以外にも、さまざまな条件を設定して通知を行うことができる。
[入力データ]
上記の実施例1では、心電信号を食事時間の推定に用いる場合を例示したが、心拍の時間間隔を求めることができれば入力データは必ずしも心電信号でなくともかまわない。例えば、光電脈波センサ等により採取される脈波の時系列データを入力データとすることもできる。
[他の実装例1]
上記の実施例1〜実施例2では、センサ端末10及び情報処理装置100を含むヘルスケア支援システム1として構築される場合を例示したが、これに限定されない。例えば、心電信号の取得から食事時間の推定までの一連の処理をセンサ端末10、情報処理装置100、あるいはその他のコンピュータにスタンドアローンで実行させることとしてもかまわない。
[他の実装例2]
また、図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されておらずともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、上記の実施例1では、食事時間推定処理を情報処理装置100が実行する場合を例示したが、処理の実行主体はこれに限定されない。例えば、センサ端末10からの心電信号を中継する中継装置として情報処理装置100を機能させ、上記のヘルスケア支援サービスを提供するWebサーバやアウトソーシングによって上記のヘルスケア支援サービスを提供するクラウドに、上記の食事時間推定処理を実行させることとしてもかまわない。また、情報処理装置100が有する処理部の一部をセンサ端末10に持たせることとしてもよい。例えば、情報処理装置100が有する第1算出部130と第2算出部140とをセンサ端末10に持たせることとしてもよい。これにより、センサ端末10で心電信号からRR間隔およびRR間隔の差を算出して情報処理装置100へ伝送できる。
[食事時間推定プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図12を用いて、上記の実施例1〜実施例2と同様の機能を有する食事時間推定プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。
図12は、実施例1〜実施例2に係る食事時間推定プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。図12に示すように、コンピュータ1000は、操作部1100aと、スピーカ1100bと、ディスプレイ1200と、通信部1300とを有する。さらに、このコンピュータ1000は、CPU1500と、ROM1600と、HDD1700と、RAM1800とを有する。これら1100〜1800の各部はバス1400を介して接続される。
HDD1700には、上記の実施例1〜実施例5で示した情報処理装置100の構成要素と同様の機能を発揮する食事時間推定プログラム1700aが記憶される。この食事時間推定プログラム1700aは、情報処理装置100の各構成要素と同様、統合又は分離してもかまわない。すなわち、HDD1700には、必ずしも上記の実施例1〜実施例2で示した全てのデータが格納されずともよく、処理に用いるデータがHDD1700に格納されればよい。
このような環境の下、CPU1500は、HDD1700から食事時間推定プログラム1700aを読み出した上でRAM1800へ展開する。この結果、食事時間推定プログラム1700aは、図12に示すように、食事時間推定プロセス1800aとして機能する。この食事時間推定プロセス1800aは、RAM1800が有する記憶領域のうち食事時間推定プロセス1800aに割り当てられた領域にHDD1700から読み出した各種データを展開し、この展開した各種データを用いて各種の処理を実行する。なお、CPU1500では、必ずしも上記の実施例1〜実施例2で示した全ての処理部が動作せずともよく、実行対象とする処理に対応する処理部が仮想的に実現されればよい。
なお、上記の食事時間推定プログラム1700aは、必ずしも最初からHDD1700やROM1600に記憶されておらずともかまわない。例えば、コンピュータ1000に挿入されるフレキシブルディスク、いわゆるFD、CD−ROM、DVD、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させる。そして、コンピュータ1000がこれらの可搬用の物理媒体から各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ1000に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などに各プログラムを記憶させておき、コンピュータ1000がこれらから各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。
1 ヘルスケア支援システム
10 センサ端末
11 心電センサ
15 通信I/F部
100 情報処理装置
110 通信I/F部
120 取得部
130 第1算出部
140 第2算出部
150 検出部
160 推定部

Claims (12)

  1. コンピュータが、
    心拍を表わす信号を取得する処理と、
    前記信号から隣接する心拍の時間間隔を算出する処理と、
    前記時間間隔のうちの2つの時間間隔の差を算出する処理と、
    前記時間間隔の差に基づき、該時間間隔に対応する時刻に嚥下が有ったか否かを検出する処理と、
    前記嚥下に対応する時刻から食事時間を推定する処理と、
    を実行することを特徴とする食事時間推定方法。
  2. 前記推定する処理は、前記食事時間として、食事開始時刻、食事終了時刻及び食事所要時間のうち少なくともいずれか1つを推定することを特徴とする請求項1に記載の食事時間推定方法。
  3. 前記推定する処理は、
    前記検出した嚥下に対応する時刻と、隣接する前記検出した嚥下に対応する時刻との間隔が第1の閾値以上かつ第2の閾値以下である、一連の嚥下にそれぞれ対応する時刻のうち、少なくとも第1の食事開始時刻候補として最初の時刻または、第1の食事終了時刻候補として最後の時刻のいずれかを推定することを特徴とする請求項1または2に記載の食事時間推定方法。
  4. 前記推定する処理は、前記一連の嚥下が所定数以上あるときに、前記第1の食事開始時刻候補および前記第1の食事終了時刻候補をそれぞれ食事開始時刻および食事終了時刻と推定することを特徴とする請求項3に記載の食事時間推定方法。
  5. 前記推定する処理は、前記食事開始時刻および食事終了時刻を推定した後に、新たに食事開始時刻および食事終了時刻を推定した場合、先に推定した食事終了時刻と後に判定した食事開始時刻の間隔が第3の閾値以内の場合に、先に判定した食事と後に判定した食事は、先に判定した食事開始時刻を食事開始時刻とし、後に判定した食事終了時刻を食事終了時刻とする同一の食事イベントと推定することを特徴とする請求項4に記載の食事時間推定方法。
  6. 前記コンピュータが、
    心拍数の時系列データを取得する処理と、
    前記心拍数の時系列データから前記心拍数の上昇に対応する第2の食事開始時刻候補を、前記心拍数の下降に対応する第2の食事終了時刻候補を推定する処理とをさらに実行し、
    前記推定する処理は、前記第1の食事開始時刻候補から前記第1の食事終了時刻候補までの期間と、前記第2の食事開始時刻候補から前記第2の食事終了時刻候補までの期間が所定時間以上または所定以上の割合で重なった場合に、前記第1の食事開始時刻候補、前記第1の食事終了時刻候補、前記第2の食事開始時刻候補および前記第2の食事終了時刻候補に基づき食事開始時刻および食事終了時刻を推定することを特徴とする請求項4または5に記載の食事時間推定方法。
  7. 前記コンピュータが、
    第2の食事開始時刻候補から第2の食事終了時刻候補までの期間の前記検出した嚥下に対する特徴量を算出する処理をさらに実行させ、
    前記推定する処理は、前記特徴量が所定の条件を満たす場合に、食事開始時刻および食事終了時刻を判定することを特徴とする請求項6に記載の食事時間推定方法。
  8. 前記推定する処理は、前記時間間隔に対応する時刻に嚥下があったと推定され、かつ、前記心拍数の上昇および下降を検出する処理が心拍数の上昇も下降も検出しなかった場合に、該嚥下が間食に対応すると判定することを特徴とする請求項6または7に記載の食事時間推定方法。
  9. 前記コンピュータが、
    前記食事時間から求まる食事の摂取量が所定の閾値以上である場合に通知を行う処理をさらに実行することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の食事時間推定方法。
  10. 前記コンピュータが、
    前記時間間隔の差から求まる食事のスピードが所定の条件を満たす場合に通知を行う処理をさらに実行することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の食事時間推定方法。
  11. コンピュータに、
    心拍を表わす信号を取得する処理と、
    前記信号から隣接する心拍の時間間隔を算出する処理と、
    前記時間間隔のうちの2つの時間間隔の差を算出する処理と、
    前記時間間隔の差に基づき、該時間間隔に対応する時刻に嚥下が有ったか否かを検出する処理と、
    前記嚥下に対応する時刻から食事時間を推定する処理と、
    を実行させることを特徴とする食事時間推定プログラム。
  12. 心拍を表わす信号を取得する取得部と、
    前記信号から隣接する心拍の時間間隔を算出する第1算出部と、
    前記時間間隔のうちの2つの時間間隔の差を算出する第2算出部と、
    前記時間間隔の差に基づき、該時間間隔に対応する時刻に嚥下が有ったか否かを検出する検出部と、
    前記嚥下に対応する時刻から食事時間を推定する推定部と、
    を有することを特徴とする食事時間推定装置。
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JP2019136256A (ja) * 2018-02-08 2019-08-22 富士通株式会社 食事推定プログラム、食事推定方法及び食事推定装置
JP2020092817A (ja) * 2018-11-30 2020-06-18 株式会社リコー 生体機能評価装置、生体機能評価方法、及びプログラム

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