JP2017012130A - 植物育成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多年生植物が経験した生長サイクルの回数を特定することができる植物育成装置を提供する。【解決手段】植物育成装置100は、多年生植物1の画像データを取得する撮像部95と、撮像部95によって取得された画像データから多年生植物1が経験した生長サイクルの回数を特定可能な特徴情報を抽出する情報抽出部Iと、生長サイクルの回数を特定するための特徴回数関係情報を記憶する関係記憶部Mと、情報抽出部Iによって抽出された特徴情報と関係記憶部Mに記憶された特徴回数関係情報とを比較することによって、生長サイクルの回数を特定するサイクル数特定部Cと、を備えている。【選択図】図1
Description
本発明は、多年生植物を育成する植物育成装置に関するものである。
多年生植物は、個体として複数年にわたって生存する。一般に、多年生植物は、生育に適さない時期には、地上部が枯れるため、地下部のみが残存する状態になる。この時期は休眠期と呼ばれる。多年生植物は、その休眠が打破されると、地下部から新しい地上部が萌芽する。
多年生植物は、休眠期と生長期とを繰り返すごとに、つまり、生長サイクルが繰り返されるごとに、その全体またはその特定部分の長さ、高さ、または幅などの外形が変化する。そのため、多年生植物は、生長サイクルが繰り返されるごとに、その外形の変化に適した空間で育成することが好ましい。これに関連する文献として、次の特許文献1が挙げられる。
従来においては、多年生植物が経験した生長サイクルの回数は育成者の目視で特定されている。言い換えると、多年生植物の生長サイクルの回数の特定する装置は存在しない。また、植物工場において人工的に多年生植物を育成する場合、多年生植物の1回の生長サイクルの期間が1年とは限らない。そのため、任意の時点で多年生植物が経験した生長サイクルの回数を特定することができる植物育成装置が求められている。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものである。そして、その目的は、多年生植物が経験した生長サイクルの回数を特定することができる植物育成装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る植物育成装置は、多年生植物の画像データを取得する撮像部と、前記撮像部によって取得された前記画像データから前記多年生植物が経験した生長サイクルの回数を特定可能な特徴情報を抽出する情報抽出部と、前記特徴情報と前記生長サイクルの回数との対応関係を規定した特徴回数関係情報を記憶する関係記憶部と、前記関係記憶部に記憶された前記特徴回数関係情報に基づいて、前記情報抽出部によって抽出された前記特徴情報に対応する前記生長サイクルの回数を特定するサイクル数特定部と、を備えている。
本発明の第2の態様に係る植物育成装置は、多年生植物の全体または特定部分の重量を測定する重量測定部と、前記多年生植物の全体または特定部分の重量と前記多年生植物が経験した生長サイクルの回数との対応関係を規定した重量回数関係情報を記憶する関係記憶部と、前記関係記憶部に記憶された前記重量回数関係情報に基づいて、前記重量測定部によって測定された前記重量に対応する前記生長サイクルの回数を特定するサイクル数特定部と、を備えている。
本発明の第3の態様に係る植物育成装置は、多年生植物の育成の開始後の所定時点から経過した時間を計時するタイマと、前記所定時点から経過した時間と前記多年生植物が経験した生長サイクルの回数との対応関係を規定した時間回数関係情報を記憶する関係記憶部と、前記関係記憶部に記憶された前記時間回数関係情報に基づいて、前記タイマによって計時された前記所定時点から経過した時間に対応する前記生長サイクルの回数を特定するサイクル数特定部と、を備えている。
本発明によれば、多年生植物が経験した生長サイクルの回数を特定することができる。
以下、図面を参照しながら、実施の形態の植物育成装置100を説明する。
(植物育成装置によって栽培される多年生植物)
図1〜図6に示されるように、実施の形態の植物育成装置100を用いて栽培される多年生植物1の例として、オタネニンジン(高麗人参または朝鮮人参)等の根菜類が挙げられる。ただし、実施の形態の植物育成装置100によって栽培され得る多年生植物1は、これに限定されるものではない。実施の形態の植物育成装置100は、宿根草の水耕栽培に適している。宿根草は、多年生植物のうち、生育に適さない時期(多くの場合冬であるが、夏のこともある)には地上部が枯れてしまうが、その時期をすぎると発芽して再び生育を始めるものいう。
図1〜図6に示されるように、実施の形態の植物育成装置100を用いて栽培される多年生植物1の例として、オタネニンジン(高麗人参または朝鮮人参)等の根菜類が挙げられる。ただし、実施の形態の植物育成装置100によって栽培され得る多年生植物1は、これに限定されるものではない。実施の形態の植物育成装置100は、宿根草の水耕栽培に適している。宿根草は、多年生植物のうち、生育に適さない時期(多くの場合冬であるが、夏のこともある)には地上部が枯れてしまうが、その時期をすぎると発芽して再び生育を始めるものいう。
(用語の定義)
本明細書においては、休眠は、多年生植物の地上部が枯れたことを意味する。休眠打破とは、多年生植物の地上部が枯れた後に、植物ホルモン処理または低温処理等の萌芽促進処理を多年生植物に施すことを意味する。萌芽とは、育成時期が休眠期である多年生植物の地下部から新しい地上部が出現することを意味する。生長とは、茎および葉等の地上部が根等の地下部から伸長すること言う。
本明細書においては、休眠は、多年生植物の地上部が枯れたことを意味する。休眠打破とは、多年生植物の地上部が枯れた後に、植物ホルモン処理または低温処理等の萌芽促進処理を多年生植物に施すことを意味する。萌芽とは、育成時期が休眠期である多年生植物の地下部から新しい地上部が出現することを意味する。生長とは、茎および葉等の地上部が根等の地下部から伸長すること言う。
1回の生長サイクルは、地上部が枯れた休眠期と地上部が枯れていない生長期とを1回ずつ経験する期間である。具体的には、1回の生長サイクルは、多年生植物の地上部が存在しない地下部から地上部が伸長し、その後、地上部が枯れることによって地下部のみ残存するまでの期間である。生長サイクルの回数は、休眠期と生長期とからなる1生長サイクルを経験した回数である。
通常、自然栽培の場合、1回の多年生植物1の生長サイクルの期間は、1年であることが多い。しかしながら、本実施の形態においては、1回の多年生植物1の生長サイクルの期間は、1年とは限らず、育成者が実現可能な範囲で任意に変更することができるものとする。
生長サイクルの回数の特定とは、ある時点での多年生植物が既に経験した生長サイクルの回数を決定することである。多年生植物の移植とは、多年生植物を1つの育成領域から別の育成領域へ移動させることである。
(実施の形態の植物育成装置の構造)
図1〜図7を用いて、実施の形態の植物育成装置100を説明する。植物育成装置100は、いわゆる土壌を使用せずに、多年生植物1の根1Cを水または養液60に浸して多年生植物1を栽培する、いわゆる水耕栽培装置である。
図1〜図7を用いて、実施の形態の植物育成装置100を説明する。植物育成装置100は、いわゆる土壌を使用せずに、多年生植物1の根1Cを水または養液60に浸して多年生植物1を栽培する、いわゆる水耕栽培装置である。
図1は、育成領域67Aで育成されている多年生植物1の第1の生長サイクルの休眠期の状態を示している。図2は、育成領域67Aで育成されている多年生植物1の第1の生長サイクルの生長期の状態を示している。ただし、図1に示される多年生植物1の第1の生長サイクルは、第1回目の萌芽後の生長サイクルであっても、2回目以降の萌芽後の生長サイクルであってもよい。
多年生植物1は、次の休眠期の後の萌芽期に、図2に示される育成領域67Aから図3に示される育成領域67Bへ移植される。
図3は、育成領域67Bで育成されている多年生植物1の第2の生長サイクルの休眠期の状態を示している。図4は、育成領域67Bで育成されている多年生植物1の第2の生長サイクルの生長期の状態を示している。
多年生植物1は、次の休眠期の後の萌芽期に、図4に示される育成領域67Bから図5に示される育成領域67Cへ移植される。
図5は、育成領域67Cで育成されている多年生植物1の第3の生長サイクルの休眠期の状態を示している。図6は、育成領域67Cで育成されている多年生植物1の第3の生長サイクルの生長期の状態を示している。
図1および図2に示される育成領域67A、図3および図4に示される育成領域67B、および図5および図6に示される育成領域67Cの大きさは同一であるが、それぞれにおいて育成される多年生植物1の数および大きさが異なる。図7に示されるように、育成領域67A、育成領域67B、および育成領域67Cは、この順番で、それぞれの育成領域で育成される多年生植物1の数が少なくなる一方で、それぞれの育成領域で育成される多年生植物1のサイズが大きくなるように構成されている。そのため、育成領域67A、育成領域67B、および育成領域67Cは、多年生植物1の1個のサイズが大きくなっても、平面視における多年生植物1の面積密度が大きく異なることはない。
図1〜図6に示されるように、実施の形態の植物育成装置100は、コンテナのような筐体200内に設置されている。筐体200は、実質的に密閉された空間を構成している。筐体200には、図示されない扉が設けられている。多年生植物1の育成者は、その扉を開閉することにより、筐体200に入ることができる。筐体200内の空間が植物育成装置100の地上空間26を構成している。
実施の形態の植物育成装置100は、光照射部5、栽培槽6、地表面部7、温度検出部9、噴霧部20、制御部50、温度調整部78、および操作部300を備えている。噴霧部20と温度調整部78とは、いずれも萌芽促進部(20,78)を構成している。萌芽促進部(20,78)は、多年生植物1の萌芽を促進できる機能を有していれば、噴霧部20および温度調整部78以外の機構であってもよい。
栽培槽6には水または養液60が貯留されている。栽培槽6は、水または養液60を排出するための排出配管6Cを備えている。栽培槽6には供給配管6Aから水または養液60が供給される。栽培槽6は、水槽のような構造をしている。
植物育成装置100は、水耕栽培用の培地30が挿入され得る貫通孔7Aを有する板状の地表面部7を備えている。栽培槽6内においては、多年生植物1の地下部1Aが、水耕栽培用の培地30を媒介として地表面部7に保持され、それによって、水または養液60の上方に位置付けられている。地表面部7は、多年生植物1の地下部1Aが成長する地下空間16と多年生植物1の地上部1Bが成長する地上空間26とを仕切っている。
植物育成装置100の培地30は、図1に示されるように、多年生植物1の地下部1Aを囲むように配置され、浸透した水分を保持し得るスポンジ等により構成されている。培地30は、多年生植物1の周囲に円筒状に形成されている。多年生植物1は、多年生植物1とスポンジとの間に生じる摩擦力によって支持されている。培地30を構成するスポンジは、成長していく多年生植物1の大きさに応じて弾性変形することができる。
また、培地30内には、多年生植物1の重量を測定する重量測定部30Aが設けられている。重量測定部30Aは、多年生植物1の重さに応じて上下方向に弾性変形する培地30の変形量を計測し、培地30の変形量から多年生植物1の重量を測定するためのものである。重量測定部30Aの一例としては、培地30の弾性変形の大きさに応じて電流に対する抵抗値が変化するワイヤゲージ等を含むひずみゲージが挙げられる。
栽培槽6と地表面部7とは、多年生植物1の地下部1Aが成長する地下空間16を内包する栽培室地下部67としての筐体を構成している。栽培室地下部67は、多年生植物1の根1Cが浸るように水または養液60を貯留し、地上空間26から分離するように、地下空間16を内包している。栽培室地下部67は、図1および図2に示される育成領域67A、図3および図4に示される育成領域67B、図5および図6に示される育成領域67Cのそれぞれで同一である。
本実施の形態の植物育成装置100においては、地上空間26の多年生植物1の上方に多年生植物1の地上部1Bに光を照射する光照射部5が設けられている。多年生植物1の葉は、水耕栽培用の培地30から上方に突出しているため、光照射部5からの光を受けて、光合成を行うことができる。一方、多年生植物1の根1Cは、地下部1Aの下側部分から、水または養液60に浸るように垂れ下がっている。したがって、多年生植物1は、その根1Cから水または養液60を吸収することができる。
温度検出部9は、地下空間16の雰囲気の温度を検出し、地下空間16の雰囲気の温度の情報を制御部50へ送信する。温度調整部78は、水または養液60の温度を調整することにより、地下空間16の雰囲気の温度を調整する。
噴霧部20は、地下空間16へミスト状の水または養液60とともに、萌芽促進剤を多年生植物1へ向かって噴霧する。噴霧部20は、制御部50から送信されてきた信号を受けて、開状態から閉状態へ変化する。それにより、噴霧部20は、ポンプ11によって送られてきたタンク12内の水または養液60とともに、萌芽促進剤供給部13から送られてきた萌芽促進剤を多年生植物1の地下部1Aに向かって噴霧する。したがって、噴霧部20は、萌芽促進部として機能する。
温度調整部78は、栽培槽6内に供給される水または養液60の温度を調整することにより、水または養液60から地下空間16内に存在する雰囲気へ伝達される温熱または冷熱によって地下空間16内に存在する雰囲気の温度を調整する。
具体的には、温度調整部78は、ヒータ70およびチラー80を含んでいる。温度調整部78は、地下空間16の雰囲気の温度に応じて、ヒータ70およびチラー80のいずれかが地下空間16の雰囲気の温度を調整する。これによれば、水耕栽培に必要な水または養液60の循環経路を利用して地下空間16の温度を調整することができる。それにより、たとえば、多年生植物1の育成時期が休眠期である場合に、地下空間16の雰囲気の温度を一旦低下させた後に温度を上昇させることにより、多年生植物1の休眠を打破することができる。つまり、多年生植物1に冬が過ぎて春が到来したのと同様の経験をさせることができる。したがって、温度調整部78は、萌芽促進部として機能する。
植物育成装置100は、撮像部95を備えている。撮像部95は、一般的に使用されているビデオカメラである。ただし、撮像部95は、多年生植物1の地上部1Bの画像データを取得し、制御部50へ送信する。制御部50は、光照射部5を制御する。また、制御部50は、温度検出部9によって検出された地下空間16の雰囲気の温度の情報に基づいて、温度調整部78を制御する。
制御部50は、ポンプ11の駆動を制御する。それにより、タンク12に蓄えられている水または養液60が栽培槽6に供給される。また、タンク12内の水または養液60が噴霧部20へ供給される 制御部50は、萌芽促進剤供給部13の開閉弁を開くことにより、萌芽促進剤をポンプ11に供給する制御を実行する。ポンプ11に供給された萌芽促進剤は、水または養液60に含まれた状態で、噴霧部20から多年生植物1へ吹き付けられる。萌芽促進剤は、スポンジの培地30に吸収され、萌芽が生じる地下部1Aの頂部まで到達する。操作部300は、多年生植物1の育成者によって操作され、制御部50へ情報を送信する。制御部50は、操作部300から送信されてきた情報に基づいて、各機器を制御することができる。
(多年生植物の休眠打破)
植物育成装置100は、前述の多年生植物1の休眠を打破する萌芽促進処理を実行する萌芽促進部(20,78)と、萌芽促進部(20,78)を制御する萌芽促進制御部Jとを備えている。萌芽促進制御部Jは、撮像部95の画像データ、多年生植物1の重量情報、および多年生植物1の栽培時間情報のいずれか1つに基づいて、多年生植物1の育成時期が休眠期であるか否かを判定する。それにより、萌芽促進制御部Jは、育成時期が休眠期であると判定された場合に、萌芽促進処理を萌芽促進部(20,78)に実行させる。
植物育成装置100は、前述の多年生植物1の休眠を打破する萌芽促進処理を実行する萌芽促進部(20,78)と、萌芽促進部(20,78)を制御する萌芽促進制御部Jとを備えている。萌芽促進制御部Jは、撮像部95の画像データ、多年生植物1の重量情報、および多年生植物1の栽培時間情報のいずれか1つに基づいて、多年生植物1の育成時期が休眠期であるか否かを判定する。それにより、萌芽促進制御部Jは、育成時期が休眠期であると判定された場合に、萌芽促進処理を萌芽促進部(20,78)に実行させる。
多年生植物1の地上部1Bは、休眠期に枯れる。そのため、制御部50は、地上部1Bが撮像部95によって取得された画像データに存在しない場合に、育成期間が休眠期であると判定してもよい。この場合、制御部50は、地上部1Bが撮像部95によって取得された画像データに存在する場合に、育成期間が生長期であると判定する。
多年生植物1は、休眠期に地上部1Bが枯れるため、その重量が減少する。そのため、制御部50は、重量測定部30Aによって測定された重量が減少した期間を休眠期であると判定してもよい。この場合、制御部50は、重量測定部30Aによって測定された重量が増加しているか、または、維持されている場合に、育成期間が生長期であると判定する。
多年生植物1の休眠期および生長期のおおよその時間帯は、事前の実験から把握され得る。そのため、制御部50は、タイマTが計時する時間に基づいて、現時点の育成期間が、休眠期であるのか、それとも、生長期であるのかを判定することもできる。
前述の多年生植物1の育成期間が休眠期であるか否かの判定に用いられる手法は、後述される生長サイクルの回数の特定のために用いられる手法と同一であることが好ましい。
なお、萌芽促進制御部Jは、撮像部95の画像データ、多年生植物1の重量情報、および多年生植物1の栽培時間情報のうちの2以上の組合せに基づいて、萌芽促進処理を萌芽促進部(20,78)に実行させてもよい。
なお、萌芽促進部(20,78)は、噴霧部20および温度調整部78のうちの少なくともいずれか一方であってもよい。
(生長サイクルの回数の特定方法)
<多年生植物の地上部の画像データによる生長サイクルの回数の特定>
植物育成装置100は、図1〜図6に示される撮像部95、情報抽出部I、関係記憶部M、およびサイクル数特定部Cを用いて、生長サイクルの回数を特定することができる。そのため、撮像部95は、多年生植物1の画像データを取得する。情報抽出部Iは、撮像部95によって取得された画像データから多年生植物1が経験した生長サイクルの回数を特定可能な特徴情報を抽出する。
<多年生植物の地上部の画像データによる生長サイクルの回数の特定>
植物育成装置100は、図1〜図6に示される撮像部95、情報抽出部I、関係記憶部M、およびサイクル数特定部Cを用いて、生長サイクルの回数を特定することができる。そのため、撮像部95は、多年生植物1の画像データを取得する。情報抽出部Iは、撮像部95によって取得された画像データから多年生植物1が経験した生長サイクルの回数を特定可能な特徴情報を抽出する。
本実施の形態においては、特徴情報は、多年生植物1の葉の枚数を特定可能な情報である。ただし、特徴情報は、多年生植物1の特定部分の長さ、幅、および高さを特性可能な情報等の他の情報であってもよい。特定部分は、地下部1Aまたは地上部1Bであってもよい。
情報抽出部Iは、特徴情報として、撮像部95によって取得された画像データの色情報から葉の枚数の情報を取得する。関係記憶部Mは、前述の特徴情報と生長サイクルの回数との対応関係を規定した特徴回数関係情報を記憶している。
本実施の形態においては、関係記憶部Mは、葉の枚数と生長サイクルの回数との関係を特徴回数関係情報としてデータテーブルの形式で記憶している。葉の枚数と生長サイクルの回数との関係は、予め多年生植物1の生長サイクルの観察結果に基づいて作成されている。
本実施の形態においては、たとえば、多年生植物1の葉の枚数が1枚であれば、多年生植物1の生長サイクルの回数は、1回目であるものとする。また、多年生植物1の葉の枚数が2枚であれば、多年生植物1の生長サイクルの回数は、2回目であるものとする。さらに、多年生植物1の葉の枚数が3枚であれば、多年生植物1の生長サイクルの回数は、3回目であるものとする。
サイクル数特定部Cは、関係記憶部Mに記憶された特徴回数関係情報に基づいて、情報抽出部Iによって抽出された特徴情報に対応する生長サイクルの回数を特定する。たとえば、情報抽出部Iは、撮像部95によって取得された画像データに基づいて多年生植物1の葉の枚数が3枚であるという特徴情報を取得する。それにより、サイクル数特定部Cは、関係記憶部Mに記憶された前述のデータテーブルを参照して、その多年生植物1が第3回目の生長サイクルのものであることを特定する。
<多年生植物の重量に基づく生長サイクルの特定>
植物育成装置100は、図1〜図6に示される重量測定部30A、関係記憶部M、およびサイクル数特定部Cを用いて、生長サイクルの回数を特定することもできる。この場合、重量測定部30Aは、多年生植物1の全体または特定部分の重量を測定する。重量測定部30Aは、培地30にかかる力から多年生植物1の重量を推定する。本実施の形態においては、前述の重量情報は、多年生植物1の地下部1Aの重量を特定可能な情報であるが、他の部位の重量情報であってもよい。
植物育成装置100は、図1〜図6に示される重量測定部30A、関係記憶部M、およびサイクル数特定部Cを用いて、生長サイクルの回数を特定することもできる。この場合、重量測定部30Aは、多年生植物1の全体または特定部分の重量を測定する。重量測定部30Aは、培地30にかかる力から多年生植物1の重量を推定する。本実施の形態においては、前述の重量情報は、多年生植物1の地下部1Aの重量を特定可能な情報であるが、他の部位の重量情報であってもよい。
関係記憶部Mは、多年生植物1の全体または特定部分の重量と多年生植物1が経験した生長サイクルの回数との対応関係を規定した重量回数関係情報を記憶している。本実施の形態においては、たとえば、多年生植物1に関して、地下部1Aの重量が20g以上かつ200g未満であれば、多年生植物1の生長サイクルの回数は、1回目であるものとする。また、地下部1Aの重量が200g以上かつ400g未満であれば、多年生植物1の生長サイクルの回数は、2回目であるものとする。さらに、地下部1Aの重量が400g以上かつ600g未満であれば、多年生植物1の生長サイクルの回数は、3回目であるものとする。地下部1Aの重量と生長サイクルの回数との関係は、多年生植物1の生長サイクルの観察結果に基づいて予め作成されている。
サイクル数特定部Cは、関係記憶部Mに記憶された重量回数関係情報に基づいて、重量測定部30Aによって測定された重量に対応する生長サイクルの回数を特定する。たとえば、サイクル数特定部Cは、重量測定部30Aによって取得された地下部1Aの重量が、250gであれば、その多年生植物1が第2回目の生長サイクルのものであることを特定する。
上記の実施の形態においては、重量測定部30Aが培地30内に設けられている例を示したが、重量測定部30Aは移植機構90に含まれていてもよい。この場合、地下部1Aを持ち上げた状態で、重量測定部30Aが地下部1Aの重量を測定する。
<多年生植物の育成時間に基づく生長サイクルの回数の特定>
植物育成装置100は、図1〜図6に示されるタイマT、関係記憶部M、およびサイクル数特定部Cを用いて、生長サイクルの回数を特定することもできる。この場合、タイマT多年生植物1の育成の開始後の所定時点から計時を開始する。関係記憶部Mは、所定時点からの経過時間と多年生植物1が経験した生長サイクルの回数との対応関係を規定した時間回数関係情報を記憶している。時間回数関係情報は、複数の生長サイクルの時間を特定可能な情報を含み、複数の生長サイクルの時間が同一である。ただし、複数の生長サイクルの時間が、多年生植物の種類や育成方法の相違に応じて異なっていてもよい。
植物育成装置100は、図1〜図6に示されるタイマT、関係記憶部M、およびサイクル数特定部Cを用いて、生長サイクルの回数を特定することもできる。この場合、タイマT多年生植物1の育成の開始後の所定時点から計時を開始する。関係記憶部Mは、所定時点からの経過時間と多年生植物1が経験した生長サイクルの回数との対応関係を規定した時間回数関係情報を記憶している。時間回数関係情報は、複数の生長サイクルの時間を特定可能な情報を含み、複数の生長サイクルの時間が同一である。ただし、複数の生長サイクルの時間が、多年生植物の種類や育成方法の相違に応じて異なっていてもよい。
本実施の形態においては、関係記憶部Mは、多年生植物1の育成の開始からの経過時間と生長サイクルの回数との関係を時間回数関係情報としてデータテーブルの形式で記憶している。多年生植物1の育成の開始からの経過時間と生長サイクルの回数との関係は、多年生植物1の生長サイクルの観察結果に基づいて予め作成されている。
本実施の形態においては、たとえば、多年生植物1の育成の開始後の所定時点からの経過時間が3ヶ月未満であれば、多年生植物1の生長サイクルの回数は、1回目であるものとする。また、多年生植物1の育成の開始後の所定時点からの経過時間が3ヶ月以上かつ6ヶ月未満であれば、多年生植物1の生長サイクルの回数は、2回目であるものとする。さらに、多年生植物1の育成の開始後の所定時点からの経過時間が6ヶ月以上かつ9ヶ月未満であれば、多年生植物1の生長サイクルの回数は、3回目であるものとする。
サイクル数特定部Cは、関係記憶部Mに記憶された時間回数関係情報に基づいて、タイマTによって計時された所定時点から経過した時間に対応する生長サイクルの回数を特定する。たとえば、サイクル数特定部Cは、タイマTによって計時されている時間が、2ヶ月であれば、その多年生植物1が第1回目の生長サイクルのものであると特定する。
植物育成装置100は、関係記憶部Mに記憶された時間回数関係情報を変更可能な操作部300を備えている。そのため、実際の生長サイクルと所定時点からの経過時間との関係と関係記憶部Mに記憶された時間回数関係情報とのずれを修正するように、関係記憶部Mに記憶された時間回数関係情報を変更することが可能になる。たとえば、第1の生長サイクルが2週間短くなれば、第2の生長サイクルの開始時点を2週間早めるように、時間回数関係情報を変更することができる。
<育成者への特定された生長サイクルの回数の報知>
本実施の形態の多年生植物育成方法は、サイクル数特定部Cによって特定された多年生植物1の生長サイクルの回数を報知可能な報知部をさらに備えていてもよい。報知部は、操作部300に設けられたディスプレイまたは音発生器であってもよい。この場合、移植機構90を用いることなく、多年生植物1の育成者が生長サイクルの回数に応じた育成場所に多年生植物1を移植させる。
本実施の形態の多年生植物育成方法は、サイクル数特定部Cによって特定された多年生植物1の生長サイクルの回数を報知可能な報知部をさらに備えていてもよい。報知部は、操作部300に設けられたディスプレイまたは音発生器であってもよい。この場合、移植機構90を用いることなく、多年生植物1の育成者が生長サイクルの回数に応じた育成場所に多年生植物1を移植させる。
本実施の形態の植物育成装置100においては、上記したサイクル数特定方法のうちのいずれか1つが選択して用いられる。
(多年生植物の移植)
図7に示されるように、植物育成装置100は、複数の育成領域67A,67B,67C、移植機構90、および1つの移植制御部Kを備えている。植物育成装置100は、少なくとも1つの移植機構90を備えていればよいが、移植の時間短縮の観点から、協働作業をすることが可能な複数の移植機構90を備えていることが好ましい。
図7に示されるように、植物育成装置100は、複数の育成領域67A,67B,67C、移植機構90、および1つの移植制御部Kを備えている。植物育成装置100は、少なくとも1つの移植機構90を備えていればよいが、移植の時間短縮の観点から、協働作業をすることが可能な複数の移植機構90を備えていることが好ましい。
複数の育成領域67A,67B,67Cは、それぞれが多年生植物1を育成し得るように構成されている。移植機構90は、複数の育成領域67A,67B,67Cのうちのそれぞれへ多年生植物1を移植する。移植機構90は、マニュピレータのような機構であって、多年生植物1を掴んだ状態で多年生植物1を移動させることができるように構成されている。移植制御部Kは、生長サイクルの回数に応じて複数の育成領域67A,67B,67Cのうちのある育成領域から他の育成領域へ多年生植物1を移植機構90に移植させる。
具体的には、移植機構90は、第1の生長サイクルが終了すると、図2に示される育成領域67Aから図3に示される育成領域67Bへ多年生植物1を移植する。また、移植機構90は、第2の生長サイクルが終了すると、図4に示される育成領域67Bから図5に示される育成領域67Cへ多年生植物1を移植する。
これによれば、複数の多年生植物1のそれぞれを、それぞれが経験した生長サイクルの回数に対応する育成領域に移植することができる。
また、本実施の形態においては、萌芽促進制御部Jは、育成時期が休眠期である場合に、萌芽促進処理を萌芽促進部(20,78)に実行させる。これによれば、生長サイクルの回数を特定するための情報を利用して、自動的に休眠期における多年生植物1に萌芽促進処理を施すことができる。
複数の育成領域67A,67B,67Cは、生長サイクルの回数が増加するにつれて、それぞれの育成領域67A,67B,67Cにおいて育成される単位面積あたりの多年生植物1の数が減少するように構成されている。これによれば、多年生植物1の生長サイクルの回数が増加しても、1つの育成領域における複数の多年生植物1の面密度を適切な状態に維持することができる。
本実施の形態においては、育成領域全体は、4個の育成領域67A、9個の育成領域67B、および36個の育成領域67Cからなっているものとする。1個の育成領域67Aでは、9本の多年生植物1が育成され、1個の育成領域67Bでは、4本の多年生植物1が育成され、1個の育成領域67Cでは、1本の多年生植物1が育成されている。したがって、1回の生長サイクルが終了するごとに、36本の多年生植物1が移植される。
(移植処理)
次に、図8を用いて、実施の形態の植物育成装置の制御部50が実行する移植処理を説明する。
次に、図8を用いて、実施の形態の植物育成装置の制御部50が実行する移植処理を説明する。
図8に示されるように、移植処理においては、ステップS1において、制御部50は、多年生植物1の栽培が開始されたか否かを判定する。ステップS1において、多年生植物1の栽培が開始されていなければ、ステップS1の処理が繰り返される。一方、ステップS1において、多年生植物1の栽培が開始されていれば、ステップS2において、タイマTをスタートさせる。
次に、ステップS3において、制御部50は、生長期処理を実行する。生長期処理においては、制御部50は、図2、図4、または図6に示されるような地上部1B、すなわち葉を有している多年生植物1の周辺の温度および湿度ならびに水または養液60の供給等を実行するための処理を実行する。多年生植物1の育成期間が生長期であることは、前述の(多年生植物の休眠打破)の項目に記載の方法を利用して特定される。
ステップS4において、制御部50は、休眠期処理を実行する。休眠期処理においては、制御部50は、図1、図3、または図5に示されるような地上部1B、すなわち葉を有していない多年生植物1の周辺の温度および湿度ならびに水または養液60の供給等を実行するための処理を実行する。多年生植物1の育成期間が休眠期であることは、前述の(多年生植物の休眠打破)の項目に記載の方法を利用して特定される。
次に、ステップS5において、制御部50は、休眠打破・萌芽促進期処理を実行する。休眠打破・萌芽促進期処理においては、制御部50は、図1、図3、または図5に示されるような地上部1Bを有していない多年生植物1に対して、萌芽を促進するための処理を実行する。
具体的には、温度調整部78により、水または養液60の温度を調整することにより、多年生植物1の地下部1Aを低温の雰囲気に曝す。また、萌芽促進剤供給部13を駆動し、噴霧部20から萌芽促進剤が含まれる水または養液60を多年生植物1の地下部1Aに吹き付ける。これにより、図2、図4、または図6に示されるように、多年生植物1は、萌芽し、葉を含む地上部1Bを有する状態になる。
次に、ステップS6において、制御部50は、サイクル数特定処理を実行する。サイクル数特定処理においては、制御部50は、多年生植物1の生長サイクルを特定するための処理を実行する。サイクル数特定処理は、後に詳細に説明される。
次に、ステップS7において、制御部50は、サイクル数特定処理において特定された多年生植物1の生長サイクルに応じて多年生植物1をある育成領域から他の育成領域へ移植機構90に移植させる。
その後、ステップS8において、制御部50は、多年生植物1の栽培を終了すべきか否かを判定する。多年生植物1の栽培を終了すべきか否かは、多年生植物1の生長サイクル全ての生長サイクルが終了したか否かによって判定される。多年生植物1の全ての生長サイクルが終了したか否かは、サイクル数特定処理によって特定された生長サイクルの回数またはタイマTによって計時されている時間によって判定される。
(実施の形態1)
図9を用いて、実施の形態1の植物育成装置の制御部が実行するサイクル数特定処理1を説明する。
図9を用いて、実施の形態1の植物育成装置の制御部が実行するサイクル数特定処理1を説明する。
図9に示されるように、サイクル数特定処理1においては、ステップS6A1において、制御部50は、撮像部95に、多年生植物1の画像データを取得させ、取得された画像データを情報抽出部Iへ送信させる。ステップS6A2において、制御部50は、撮像部95によって取得された画像データから多年生植物1が経験した生長サイクルの回数を特定可能な特徴情報、たとえば、多年生植物1の葉の枚数を特定可能な情報を情報抽出部Iに抽出させる。
ステップS6A3において、制御部50は、関係記憶部Mから多年生植物1の特徴情報と生長サイクルの回数との関係を規定した特徴回数関係情報を読み出す。関係記憶部Mは、図10に示されるように、複数の生長サイクルの回数とそれぞれの回数に対応する葉の枚数とをデータテーブルの形式で記憶している。ステップS6A4において、制御部50は、サイクル数特定部Cに、情報抽出部Iによって抽出された特徴情報と関係記憶部Mに記憶された特徴回数関係情報とを比較することによって、生長サイクルの回数を特定させる。
(実施の形態2)
図11を用いて、実施の形態2の植物育成装置の制御部50が実行するサイクル数特定処理1を説明する。
図11を用いて、実施の形態2の植物育成装置の制御部50が実行するサイクル数特定処理1を説明する。
図11に示されるように、制御部50は、重量測定部30Aに多年生植物1の重量、たとえば、地下部1Aの重量を測定させる。ステップS6B2において、制御部50は、関係記憶部Mから多年生植物1の地下部1Aの重量と多年生植物1が経験した生長サイクルの回数との関係を規定した重量回数関係情報を読み出す。関係記憶部Mは、図12に示されるように、複数の生長サイクルの回数とそれぞれの回数に対応する多年生植物1の地下部1Aの重量帯(重量の範囲)とをデータテーブルの形式で記憶している。ステップS6B3において、制御部50は、サイクル数特定部Cに、重量測定部30Aによって測定された重量情報と関係記憶部Mに記憶された重量回数関係情報とを比較することによって、生長サイクルの回数を特定させる。
(実施の形態3)
図13を用いて、実施の形態3の植物育成装置の制御部50が実行するサイクル数特定処理1を説明する。
図13を用いて、実施の形態3の植物育成装置の制御部50が実行するサイクル数特定処理1を説明する。
図13に示されるように、ステップS6C1において、制御部50は、タイマTによって計時されている多年生植物1の育成の開始後の所定時点から経過した時間情報を取得する。ステップS6C2において、制御部50は、関係記憶部Mから所定時点から経過した時間と多年生植物1が経験した生長サイクルの回数とを規定した時間回数関係情報を読み出す。関係記憶部Mは、図14に示されるように、複数の生長サイクルの回数とそれぞれの回数に対応する時間帯とをデータテーブルの形式で記憶している。ステップS6C3において、制御部50は、サイクル数特定部Cに、タイマTによって計時された時間情報と関係記憶部Mに記憶された時間回数関係情報とを比較することによって、生長サイクルの回数を特定させる。
以下、実施の形態の植物育成装置100の特徴的構成およびそれにより得られる効果を説明する。
(1) 植物育成装置100は、撮像部95、情報抽出部I、関係記憶部M、およびサイクル数特定部Cを備えている。撮像部95は、多年生植物1の画像データを取得する。情報抽出部Iは、撮像部95によって取得された画像データから多年生植物1が経験した生長サイクルの回数を特定可能な特徴情報を抽出する。関係記憶部Mは、特徴情報と生長サイクルの回数との対応関係を規定した特徴回数関係情報を記憶する。サイクル数特定部Cは、関係記憶部Mに記憶された特徴回数関係情報に基づいて、情報抽出部Iによって抽出された特徴情報に対応する生長サイクルの回数を特定する。これによれば、植物育成装置100が多年生植物1の生長サイクルの回数を特定することができる。
(2) 特徴情報は、多年生植物1の葉の枚数を特定可能な情報、ならびに、多年生植物1の特定部分の長さ、幅、および高さを特性可能な情報のうちの少なくともいずれか1つであってもよい。これによれば、比較的簡単な画像処理で多年生植物1の生長サイクルの回数を特定することができる。
(3) 植物育成装置100は、多年生植物1の休眠を打破する萌芽促進処理を実行する萌芽促進部(20,78)と、萌芽促進部(20,78)を制御する萌芽促進制御部Jとを備えていてもよい。この場合、萌芽促進制御部Jは、画像データに基づいて、多年生植物1の育成時期が休眠期であるか否かを判定し、育成時期が休眠期であると判定された場合に、萌芽促進処理を萌芽促進部(20,78)に実行させる。これによれば、生長サイクルの回数を特定するための画像データを利用して、休眠期における多年生植物1に萌芽促進処理を施すことができる。
(4) 植物育成装置100は、重量測定部30A、関係記憶部M、およびサイクル数特定部Cを備えている。重量測定部30Aは、多年生植物1の全体または特定部分の重量を測定する。関係記憶部Mは、多年生植物1の全体または特定部分の重量と多年生植物1が経験した生長サイクルの回数との対応関係を規定した重量回数関係情報を記憶する。サイクル数特定部Cは、関係記憶部Mに記憶された重量回数関係情報に基づいて、重量測定部30Aによって測定された重量に対応する生長サイクルの回数を特定する。これによれば、植物育成装置100が多年生植物1の生長サイクルの回数を特定することができる。
(5) 重量は、多年生植物1の地下部1Aの重量であってもよい。これによれば、多年生植物1の休眠期に生長サイクルの回数を特定することができる。
(6) 植物育成装置100は、多年生植物1の休眠を打破する萌芽促進処理を実行する萌芽促進部(20,78)と、萌芽促進部(20,78)を制御する萌芽促進制御部Jと、をさらに備えていてもよい。この場合、萌芽促進制御部Jは、重量測定部30Aによって測定された重量に基づいて、多年生植物1の育成時期が休眠期であるか否かを判定し、育成時期が休眠期であると判定された場合に、萌芽促進処理を萌芽促進部(20,78)に実行させる。これによれば、生長サイクルの回数を特定するための重量の情報を利用して、自動的に休眠期における多年生植物1に萌芽促進処理を施すことができる。
(7) 植物育成装置100は、タイマT、関係記憶部M、およびサイクル数特定部Cを備えている。この場合、タイマT多年生植物1の育成の開始後の所定時点から経過した時間を計時する。関係記憶部Mは、所定時点から経過した時間と多年生植物1が経験した生長サイクルの回数との対応関係を規定した時間回数関係情報を記憶する。サイクル数特定部Cは、関係記憶部Mに記憶された時間回数関係情報に基づいて、タイマTによって計時された所定時点から経過した時間に対応する生長サイクルの回数を特定する。これによれば、植物育成装置100が多年生植物1の生長サイクルの回数を特定することができる。
(8) 植物育成装置100は、関係記憶部Mに記憶された時間回数関係情報を変更可能な操作部300を備えていてもよい。これによれば、実際の生長サイクルと経過時間との関係と関係記憶部Mに記憶された時間回数関係情報とのずれを修正するように、関係記憶部Mに記憶された時間回数関係情報を変更することが可能になる。
(9) 植物育成装置100は、多年生植物1の休眠を打破する萌芽促進処理を実行する萌芽促進部(20,78)と、萌芽促進部(20,78)を制御する萌芽促進制御部Jと、をさらに備えていてもよい。この場合、萌芽促進制御部Jは、タイマTによって計時された所定時点から経過した時間に基づいて、多年生植物1の育成時期が休眠期であるか否かを判定し、育成時期が休眠期であると判定された場合に、萌芽促進処理を萌芽促進部(20,78)に実行させる。これによれば、生長サイクルの回数を特定するための時間情報を利用して、自動的に休眠期における多年生植物1に萌芽促進処理を施すことができる。
(10) 植物育成装置100は、複数の育成領域67A,67B,67C、移植機構90、および移植制御部Kを備えていてもよい。この場合、複数の育成領域67A,67B,67Cは、それぞれが多年生植物1を育成し得るように構成されている。移植機構90は、複数の育成領域67A,67B,67Cのうちのそれぞれへ多年生植物1を移植する。移植制御部Kは、サイクル数特定部Cによって特定された生長サイクルの回数に応じて、複数の育成領域67A,67B,67Cのうちの1つの育成領域67Aから他の育成領域67Bへ多年生植物1を移植機構90に移植させる。これによれば、複数の多年生植物1を生長サイクルの回数ごとに適切な育成領域に移植することができる。
(11) 複数の育成領域67A,67B,67Cは、生長サイクルの回数が増加するにつれて、それぞれの育成領域67A,67B,67Cにおいて育成される単位面積あたりの多年生植物1の数が減少するように構成されている。これによれば、多年生植物1の生長サイクルの回数が増加するにつれて、多年生植物1の1個のサイズが大きくなっても、1つの育成領域における多年生植物1の面密度を適切な状態に維持することができる。
1 多年生植物
20 噴霧部(萌芽促進部)
30A 重量測定部
67A,67B,67C 育成領域
78 温度調整部(萌芽促進部)
90 移植機構
95 撮像部
100 植物育成装置
C サイクル数特定部
I 情報抽出部
J 萌芽促進制御部
K 移植制御部
M 関係記憶部
T タイマ
20 噴霧部(萌芽促進部)
30A 重量測定部
67A,67B,67C 育成領域
78 温度調整部(萌芽促進部)
90 移植機構
95 撮像部
100 植物育成装置
C サイクル数特定部
I 情報抽出部
J 萌芽促進制御部
K 移植制御部
M 関係記憶部
T タイマ
Claims (11)
- 多年生植物の画像データを取得する撮像部と、
前記撮像部によって取得された前記画像データから前記多年生植物が経験した生長サイクルの回数を特定可能な特徴情報を抽出する情報抽出部と、
前記特徴情報と前記生長サイクルの回数との対応関係を規定した特徴回数関係情報を記憶する関係記憶部と、
前記関係記憶部に記憶された前記特徴回数関係情報に基づいて、前記情報抽出部によって抽出された前記特徴情報に対応する前記生長サイクルの回数を特定するサイクル数特定部と、を備えた、植物育成装置。 - 前記特徴情報は、前記多年生植物の葉の枚数を特定可能な情報、ならびに、前記多年生植物の特定部分の長さ、幅、および高さを特性可能な情報のうちの少なくともいずれか1つである、請求項1に記載の植物育成装置。
- 前記多年生植物の休眠を打破する萌芽促進処理を実行する萌芽促進部と、
前記萌芽促進部を制御する萌芽促進制御部と、をさらに備え、
前記萌芽促進制御部は、
前記画像データに基づいて、前記多年生植物の育成時期が休眠期であるか否かを判定し、
前記育成時期が前記休眠期であると判定された場合に、前記萌芽促進処理を前記萌芽促進部に実行させる、請求項1または2に記載の植物育成装置。 - 多年生植物の全体または特定部分の重量を測定する重量測定部と、
前記多年生植物の全体または特定部分の重量と前記多年生植物が経験した生長サイクルの回数との対応関係を規定した重量回数関係情報を記憶する関係記憶部と、
前記関係記憶部に記憶された前記重量回数関係情報に基づいて、前記重量測定部によって測定された前記重量に対応する前記生長サイクルの回数を特定するサイクル数特定部と、を備えた、植物育成装置。 - 前記重量は、前記多年生植物の地下部の重量である、請求項4に記載の植物育成装置。
- 前記多年生植物の休眠を打破する萌芽促進処理を実行する萌芽促進部と、
前記萌芽促進部を制御する萌芽促進制御部と、をさらに備え、
前記萌芽促進制御部は、
前記重量測定部によって測定された前記重量に基づいて、前記多年生植物の育成時期が休眠期であるか否かを判定し、
前記育成時期が前記休眠期であると判定された場合に、前記萌芽促進処理を前記萌芽促進部に実行させる、請求項4または5に記載の植物育成装置。 - 多年生植物の育成の開始後の所定時点から経過した時間を計時するタイマと、
前記所定時点から経過した時間と前記多年生植物が経験した生長サイクルの回数との対応関係を規定した時間回数関係情報を記憶する関係記憶部と、
前記関係記憶部に記憶された前記時間回数関係情報に基づいて、前記タイマによって計時された前記所定時点から経過した時間に対応する前記生長サイクルの回数を特定するサイクル数特定部と、を備えた、植物育成装置。 - 前記関係記憶部に記憶された前記時間回数関係情報を変更可能な操作部を備えた、請求項7に記載の植物育成装置。
- 前記多年生植物の休眠を打破する萌芽促進処理を実行する萌芽促進部と、
前記萌芽促進部を制御する萌芽促進制御部と、をさらに備え、
前記萌芽促進制御部は、
前記タイマによって計時された前記所定時点から経過した時間に基づいて、前記多年生植物の育成時期が休眠期であるか否かを判定し、
前記育成時期が前記休眠期であると判定された場合に、前記萌芽促進処理を前記萌芽促進部に実行させる、請求項7または8に記載の植物育成装置。 - それぞれが前記多年生植物を育成し得るように構成された複数の育成領域と、
前記複数の育成領域のうちのそれぞれへ前記多年生植物を移植する移植機構と、
前記サイクル数特定部によって特定された前記生長サイクルの回数に応じて、前記複数の育成領域のうちの1つの育成領域から他の育成領域へ前記多年生植物を前記移植機構に移植させる移植制御部と、を備えた、請求項1〜9のいずれかに記載の植物育成装置。 - 前記複数の育成領域は、前記生長サイクルの回数が増加するにつれて、それぞれの前記育成領域において育成される単位面積あたりの前記多年生植物の数が減少するように構成されている、請求項10に記載の植物育成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015135454A JP2017012130A (ja) | 2015-07-06 | 2015-07-06 | 植物育成装置 |
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JP2015135454A JP2017012130A (ja) | 2015-07-06 | 2015-07-06 | 植物育成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015135454A Pending JP2017012130A (ja) | 2015-07-06 | 2015-07-06 | 植物育成装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2017012130A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019068768A (ja) * | 2017-10-10 | 2019-05-09 | 株式会社大林組 | 樹木の生育方法及び樹木生育システム |
KR102099610B1 (ko) * | 2019-07-19 | 2020-04-10 | 한홍규 | 식물공장 시스템 및 이를 이용한 식물의 발아여부 및 육성정도 판단방법 |
JP7523257B2 (ja) | 2020-06-05 | 2024-07-26 | 株式会社クボタ | 植物栽培システム |
-
2015
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