JP2017000546A - 歩行評価システム - Google Patents

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Kazunori Hase
和徳 長谷
詩織 村田
Shiori Murata
詩織 村田
鳴尾 丈司
Takeshi Naruo
丈司 鳴尾
翔平 柴田
Shohei Shibata
翔平 柴田
良信 渡邉
Yoshinobu Watanabe
良信 渡邉
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Abstract

【課題】センサで測定したデータから歩行評価の情報を取得すること。【解決手段】被験者に装着されたセンサと、人の身体力学系をモデル化した神経筋骨格モデルに基づいて、人の歩行運動パターンを生成する歩行運動パターンの生成手段(53b)と、生成された歩行運動パターンにおいてセンサの装着位置に対応して生成された生成データ(ωs,as)と、センサで実際に測定された実測データ(ω0,a0)と、に基づいて、実測データ(ω0,a0)に生成データ(ωs,as)が近づくように、歩行運動パターンの探索計算を行う探索計算手段(53)と、探索計算手段(53)で探索された歩行運動パターンに基づいて、被験者の歩行運動に関連する歩行評価データを算出する歩行評価データの算出手段(54)と、を備えた歩行評価システム(S)。【選択図】図2

Description

本発明は、歩行評価システムに関する。
近年、実験室環境だけでなく屋外を含めた一般環境で簡便に歩行動作を評価するために、加速度計や角加速度計といった慣性センサを使用して、人の歩行動作を検出して、評価することが行われている。このような技術として、特許文献1,2に記載の技術が従来公知である。
特許文献1(特開2013−59489号公報)には、対象者に装着された加速度センサから得られた加速度信号の周波数スペクトル分析を行って、最大パワー値の第1ピーク周波数と、2番目に大きいパワー値の第2ピーク周波数との関係から健常歩行か異常歩行かを判定する技術が記載されている。
特許文献2(特開2013−094316号公報)には、対象者に装着された加速度センサから取得された加速度データの分散値が、閾値以上であるか否かに基づいて、歩行の開始時点を判定し、加速度データの平均値等から特徴量を算出して、特徴量から歩行状態を算出する技術が記載されている。
また、特許文献1,2に記載の技術と異なり、人や動物の歩行をコンピュータ上において模擬的に再現、いわゆる、シミュレーションを行う技術として、神経筋骨格モデルによる順動力学歩行シミュレーション技術も知られている(例えば、非特許文献1)。
特開2013−59489号公報(「0012」〜「0016」) 特開2013−094316号公報(「0016」〜「0030」)
Hase K, et.al, "Computer Simulation Study of Human Locomotion with a Three-Dimensional Entire-Body Neuro-Musculo-Skeletal Model (I. Acquisition of Normal Walking), JSME International Journal, 45(4), 1040-1050, 2002
(従来技術の問題点)
特許文献1,2のように、慣性センサを使用するシステムでは、得られるデータが、装着部位の加速度、角速度のみであるため、歩幅や歩測、あるいは、地面反力のような歩行評価に有用な指標を直接的に得にくい問題がある。特に、ノイズ等の誤差を含む加速度データを積分して位置データを導出し、歩幅等を得ようとすると、誤差が大きい問題がある。
また、非特許文献1に記載のような神経筋骨格モデルでは、人の動きをカメラ等で実測したデータから作成されておらず、神経筋骨格モデルを使用してコンピュータ上で計算したシミュレート結果が、実際の人の動きとどの程度近似しているかどうかを比較する程度にとどまっていた。すなわち、神経筋骨格モデルと、慣性センサとの連繋は行われておらず、神経筋骨格モデルを使用して、実測された加速度データを使用して、対象者の歩行評価は行われていなかった。
本発明は、センサで測定したデータから歩行評価の情報を取得することを技術的課題とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の歩行評価システムは、
被験者に装着されたセンサと、
人の身体力学系をモデル化した神経筋骨格モデルに基づいて、人の歩行運動パターンを生成する歩行運動パターンの生成手段と、
生成された歩行運動パターンにおいてセンサの装着位置に対応して生成された生成データと、前記センサで実際に測定された実測データと、に基づいて、前記実測データに前記生成データが近づくように、前記歩行運動パターンの探索計算を行う探索計算手段と、
前記探索計算手段で探索された歩行運動パターンに基づいて、被験者の歩行運動に関連する歩行評価データを算出する歩行評価データの算出手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、神経筋骨格モデルに基づいて実測データに生成データが近づくように歩行運動パターンの探索計算を行うことで、センサで測定したデータから直接的に取得することが困難な歩行評価の情報を取得することができる。
図1は本発明の実施例1の歩行評価システムの説明図である。 図2は実施例1の歩行評価システムにおける端末の本体の機能ブロック図である。 図3は実施例1の神経筋骨格モデルの説明図である。 図4は実施例1の歩行評価処理のフローチャートの説明図である。 図5はシミュレーション結果である定常歩行の様子のスティックピクチャである。 図6は算出された右足接地からの歩行1周期の鉛直方向反力波形である。 図7は歩行速度についての実測とシミュレーション(運動復元)結果との比較結果を示すグラフである。 図8は歩幅についての実測とシミュレーション(運動復元)結果との比較結果を示すグラフである。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
図1は本発明の実施例1の歩行評価システムの説明図である。
図1において、実施例1の歩行評価システムSは、対象者に装着される検知部材の一例としてのセンサユニット1を有する。実施例1のセンサユニット1には、慣性センサが内蔵されている。実施例1の慣性センサは、加速度と角速度を検出可能なセンサであり、一例として、3軸角速度計および3軸加速度計とが組み合わされた構成を採用可能である。なお、実施例1では、センサユニット1は、対象者の足首部に装着されている。
実施例1のセンサユニット1には、通信部材の一例としての無線通信モジュールが内蔵されている。なお、実施例1では、無線通信モジュールの一例として無線LANモジュールを使用しているが、これに限定されず、例えば、携帯電話回線やBluetooth(登録商標)等、任意の通信方式のモジュールを採用可能である。
また、実施例1の歩行評価システムSは、端末の一例としてのパーソナルコンピュータ11を有する。パーソナルコンピュータ11は、本体12と、表示部の一例としてのディスプレイ13と、入力部の一例としてのキーボード14およびマウス15と、を有する。前記本体12には、図示しない無線通信モジュールが内蔵されており、センサユニット1との間で無線通信が可能に構成されている。
(実施例1のコンピュータ本体12の制御部の説明)
図2は実施例1の歩行評価システムにおける端末の本体の機能ブロック図である。
図2において、実施例1のコンピュータ本体12の制御部41は、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な起動処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータ及びプログラムを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM等に記憶された起動プログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)ならびにクロック発振器等を有するコンピュータ装置により構成されており、前記ROM及びRAM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
制御部41には、基本動作を制御する基本ソフト、いわゆる、オペレーティングシステムOS、アプリケーションプログラムの一例としての歩行評価プログラムAP1、その他の図示しないソフトウェアが記憶されている。
(実施例1の制御部41に接続された要素)
制御部41には、キーボード14やマウス15、無線通信モジュール等の信号出力要素からの出力信号が入力されている。
また、実施例1の制御部41は、ディスプレイ13等の被制御要素へ制御信号を出力している。
(制御部41の機能)
実施例1の制御部41の歩行評価プログラムAP1は、下記の機能手段(プログラムモジュール)51〜54を有する。
図3は実施例1の神経筋骨格モデルの説明図である。
神経筋骨格モデルの記憶手段51は、歩行運動パターンを生成するための神経筋骨格モデルを記憶する。神経筋骨格モデルは、人の身体の筋骨格系の力学モデルと、神経振動子などの神経制御系モデルとを組み合わせたものである。図3において、実施例1の神経筋骨格モデル61は、人の身体力学系を23の関節自由度をもつ骨格モデルにより表している。骨格モデル61において関節62を結ぶ各リンク63のセグメント座標系は、原点を近位の関節上に定め、リンクの長軸方向にZ軸を取る。図3に各々の関節の自由度を示す。なお、図3において、円柱の軸周りの回転を自由度として表している。また、生物の周期的な運動は体内の中枢パターン生成器によって制御されており、この神経回路内のニューロン間の興奮・抑制メカニズムをモデル化したものが神経振動子64である。実施例1のモデルでは関節自由度に対応する23対の神経振動子64によって歩行運動のリズムを発生可能に構成されている。
なお、神経筋骨格モデルは、従来公知であり、例えば、非特許文献1や「長谷和徳,西口純也,山崎信寿、“3次元筋骨格系と階層的神経系を有する2足歩行モデル”、バイオメカニズム、第15巻、187−198ページ、2000年」等に記載されており、種々の構成を採用可能であるため、これ以上の詳細な説明は省略する。
実測データの取得手段52は、センサユニット1で実際に測定された角速度ω0および加速度a0のデータを取得する。実施例1の実測データの取得手段は、角速度ω0および加速度a0のデータの波形、すなわち、経時的な履歴のデータを取得する。
探索計算手段53は、センサユニット1で実際に測定された値と、神経筋骨格モデルから生成された値とに基づいて、実際に測定された値に応じた歩行運動パターンを探索計算する。実施例1の探索計算手段53は、遺伝的アルゴリズム(GA:Genetic Algorithm)を使用して、歩行運動パターンの探索計算を行う。実施例1では、遺伝的アルゴリズムにおける遺伝子は、神経振動子モデルにおける各種係数により構成されている。なお、実際に測定された値と連繋はさせていないが、神経筋骨格モデルにおいて、神経振動子モデルにおける各係数を遺伝子とし、遺伝的アルゴリズムを用いて歩行運動パターンを生成する技術は、公知であり、例えば、「“神経振動子と遺伝的アルゴリズムを用いた実2足歩行類似運動の生成”,計測自動制御学会論文集、第33巻、第5号、1997年5月」等に記載されているため、詳細な説明は省略する。
神経パラメータ設定手段53aは、GAで使用される神経振動子の係数(神経パラメータ)を設定する。
歩行運動パターン生成手段53bは、設定された神経パラメータから構築された神経筋骨格モデルに基づいて、歩行運動をコンピュータ上で生成する。
生成データの取得手段53cは、生成された歩行運動パターンから、センサユニット1の位置における角速度ωおよび加速度aを取得する。実施例1の生成データの取得手段53cでは、センサユニットが身体剛体リンクモデルの第iリンク上に装着され、そのリンクの近位側(身体の中心に近い側)が第i関節、第i関節をはさみ、隣り合う近位側の身体リンクが第i−1リンクであるとして、以下の式(1)〜(3)より身体モデル上のセンサユニット1の位置における角速度ベクトルω、加速度ベクトルaを演算する(いずれも第iリンク座標系で記述されたベクトル)。
Figure 2017000546
ここで、i−1は第i−1リンク座標系から第iリンク座標系への回転行列、ωはリンクi座標系からみた第iリンクの角速度ベクトル(左上の添え字はそのベクトルを記述するリンク座標系番号を示す)(ωωと同じ)、dq/dtは歩行運動パターン生成手段53bから取得される第i関節の回転軸まわりの角速度、eは第i関節の回転軸方向を表す単位ベクトル(第iリンク座標系表記)、は第iリンク座標系からみた第iリンク原点位置の加速度、i−1i−1は第i−1リンク座標系からみた第i−1リンク原点位置の加速度、i−1は第i−1リンク座標系からみた第iリンクの原点位置、sは第iリンク座標系からみたセンサユニットの取り付け位置ベクトルである。角速度ベクトルi−1ωi−1や加速度ベクトルi−1i−1は基準座標に対する角速度ベクトル、加速度ベクトル(基準座標は固定なので角速度、加速度はともにゼロ)から式(1)や式(2)の計算を漸化的に繰り返すことによって求めることができる。
適応度の算出手段53dは、遺伝的アルゴリズムにおける適応度(評価関数)を算出する。実施例1の適応度の算出手段53dは、実測された角速度ω0および加速度a0に対して、生成された歩行運動パターンから演算された角速度ωsおよび加速度asの差異と、歩行運動の生体力学指標である移動仕事率(単位時間当たりのエネルギ消費)との重み付き線形和を最小化するように定める。すなわち、これらの値が小さくなれば高い適応度とし、差異や移動仕事率が大きく(歩行のエネルギー効率が悪く)なるに連れて適応度が低くなるように適応度を算出する。なお、適応度の算出は、上述した算出方法に限定されず、例えば、差異と移動仕事率のいずれかの最小化や、連続歩行の歩行1周期のはじめと終わりの運動変位の差異の最小化などを考慮したり、歩行安定性を確保するために遊脚期トウクリアランスの低下に対してペネルティを与えるといったことも可能であり、これらを補足的に組み合わせることも可能である。
神経パラメータの調整手段53eは、適応度の算出手段53dで算出された適応度に応じて、神経パラメータの調整を行う。実施例1の神経パラメータの調整手段53eは、適応度に応じて、遺伝的アルゴリズムにおける選別(淘汰)、交叉、突然変異の処理を行うことで、神経パラメータの調整(選別、交叉等)を行う。
繰り返し回数の計数手段53fは、遺伝的アルゴリズムを繰り返した回数N1を計数する。
繰り返し閾値の記憶手段53gは、遺伝的アルゴリズムを繰り返す回数の閾値Naを記憶する。実施例1では、閾値Naの一例として、Na=50000[回]を記憶する。
繰り返し回数の判別手段53hは、繰り返した回数N1が閾値Na以上になったか否かを判別し、遺伝的アルゴリズムの処理を終了する時期になったか否かを判別する。
歩行評価データの算出手段54は、探索計算手段53で計算された、実測の角速度ω0、加速度a0に近似した歩行運動パターンに基づいて、歩行評価のためのデータを算出する。実施例1の歩行評価データの算出手段54は、歩行運動パターンから、歩行評価のデータとして、歩行速度、歩幅、歩行周期、床反力、関節モーメント(関節駆動力)、全身の歩行姿勢を算出する。なお、歩行運動パターンから歩行速度等を算出する技術については、非特許文献1等に記載されており、従来公知であるため、詳細な説明は省略する。
(実施例1の流れ図の説明)
次に、実施例1の歩行評価システムにおける制御の流れを流れ図、いわゆるフローチャートを使用して説明する。
(フローチャートの説明)
図4は実施例1の歩行評価処理のフローチャートの説明図である。
図4のフローチャートの各ステップSTの処理は、コンピュータ本体12に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理はコンピュータ本体12の他の各種処理と並行して実行される。
図4に示すフローチャートは、コンピュータ本体12において、歩行評価プログラムAP1が起動された場合に開始される。
図4のST1において、次の処理(1),(2)を実行して、ST2に進む。
(1)実測された角速度ω0,加速度a0の波形データを取得する。
(2)繰り返し回数N1を0に初期化する。
ST2において、遺伝的アルゴリズム(GA)の神経パラメータを設定する(初期設定)。そして、ST3に進む。
ST3において、設定された神経パラメータを使用した神経筋骨格モデルに基づいて、歩行運動をコンピュータ上に生成する。そして、ST4に進む。
ST4において、生成された歩行運動のセンサ位置における角速度ωs、加速度asの波形データを取得する。そして、ST5に進む。
ST5において、繰り返し回数N1が閾値Na以上であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST6に進み、イエス(Y)の場合はST9に進む。
ST6において、実測された角速度ω0,加速度a0の波形データと、生成された角速度ωs、加速度asの波形データとの一致度(差異の少なさ)を遺伝的アルゴリズム(GA)の適応度として算出する。そして、ST7に進む。
ST7において、適応度に応じて、神経パラメータの調整を行う。そして、ST8に進む。
ST8において、繰り返し回数N1を1加算する。そして、ST3に戻る。
ST9において、生成された歩行運動パターンから、歩行評価データ(歩行速度等)を計算し、ディスプレイ13に表示する。そして、歩行評価処理を終了する。
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の歩行評価システムSでは、神経筋骨格モデルに基づいて、実際に測定された角速度ω0、加速度a0に近似する歩行運動パターンが、探索計算で探索される。そして、探索された歩行運動パターンから、歩行速度や歩幅だけでなく、床反力といった歩行評価データが算出される。
従来技術では、神経筋骨格モデルと実測データとを連繋させることが行われておらず、神経筋骨格モデルを使用する研究では、コンピュータ上で完結していた。一方で、実測された角速度や加速度から、歩行速度や歩幅は直接的には測定が困難であるとともに、床反力や全身の歩行姿勢を取得するには、専用のセンサやモーションキャプチャ装置のような大掛かりな装置が必要になる問題があった。
これらに対して、実施例1では、従来連繋が行われていなかった実測の角速度ω0、加速度a0に近似する歩行運動パターンを神経筋骨格モデルに基づいて算出している。そして、センサユニット1で測定された角速度ω0、加速度a0から、モーションキャプチャ装置等を使用しなくても、歩行速度や歩幅、床反力、全身の歩行姿勢が取得できる。すなわち、センサユニット1のみから直接的に測定することが困難であった歩行評価データを推定することができる。
実施例1の歩行評価システムの効果を確認するために、実験を行った。
実験では、自由歩行、低速歩行、高速歩行、歩幅の小さい歩行の4種類の歩行を被験者に行わせた。その際の運動を、慣性センサで測定するとともに、妥当性評価のため、モーションキャプチャ装置でも測定した。
被験者は、47歳健常男性1名とし、身体に5箇所(上腕部、腰部、大腿部、下腿部、足部)に慣性センサ(3軸角速度計、3軸加速度計、サンプリング周波数:500Hz)を装着した。モーションキャプチャ装置としては、カメラ11台からなる光学式モーションキャプチャ装置(サンプリング周波数500Hz)を使用し、床反力計2枚(500Hz)を用いた。歩行計測は各3試行行った。その後、前後15サンプルを用いた移動平均により取得データを平滑化(角速度、加速度データのノイズを除去)した。シミュレーション結果を実測値により一致させるため、評価関数中の重み係数や床面モデルの粘性係数などを試行錯誤的に調整した。
図5はシミュレーション結果である定常歩行の様子のスティックピクチャである。
なお、図5は、描画は0.1秒毎である。図5において、遺伝的アルゴリズムによる探索計算により、歩行の安定性は向上し、角速度、加速度波形は探索計算開始前よりも実測値に一致している。すなわち、実測データに近似する全身の歩行姿勢が算出されている。
図6は算出された右足接地からの歩行1周期の鉛直方向反力波形である。
図6において、ある程度のズレは見られるものの、ピークが2箇所ある2峰性のように歩行床反力波形の特徴をよく表したシミュレーション結果(運動復元結果)となっている。
図7は歩行速度についての実測とシミュレーション(運動復元)結果との比較結果を示すグラフである。
図8は歩幅についての実測とシミュレーション(運動復元)結果との比較結果を示すグラフである。
図7、図8において、歩行パラメータの誤差は、最も小さい歩行では8.8%、最も大きい歩行でも23.8%であった。
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H05)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、神経筋骨格モデルの関節の数は、実施例に例示した数に限定されず、精度等に応じて増減可能である。
(H02)前記実施例において、慣性センサを足首部に1つ設ける構成を例示したが、これに限定されず、任意の位置に複数個設けることも可能である。また、装着位置も足首部に限定されず、実験例で示した各部位のいずれか1つ又は複数としたり、両足首部、あるいは、靴に内蔵したり等、被験者の任意の部位に任意の方法で配置することが可能である。
(H03)前記実施例において、歩行評価データとして、歩行速度、歩幅、歩行周期、床反力、関節モーメント、歩行姿勢を例示したが、これに限定されない。6つのうちの5つ以下とすることも可能であるし、関節の回転角のように追加の評価データを使用することも可能である。他にも、歩行シミュレーションモデルの関節駆動を関節モーメントではなく、個々の筋モデルを考慮し、筋力によって運動生成するようにすれば、歩行評価データとして、関節モーメントだけでなく、個々の筋の筋力などの筋活動を追加することも可能である。
(H04)前記実施例において、探索計算をする場合に、遺伝的アルゴリズムを使用する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、焼きなまし法(Simulated Annealing:;SA)や強化学習等の非線形性問題に対応し且つ局所解に陥りにくい方法であれば、他の方法を採用可能である。
(H05)前記実施例において、センサとして、角速度と加速度を測定する慣性センサを使用する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、センサとして、関節角度計(関節をまたぐ2つの身体節の相対角度を検知)や傾斜計(重力方向に対する傾きを検知)を使用することも可能である。他にも、マーカーを用いる光学式モーションキャプチャ装置において、身体に取り付けるマーカーの数を極端に少なくして測定しても、本発明を使用すれば、運動の復元と評価が可能である。
53…探索計算手段、
53b…歩行運動パターンの生成手段、
54…歩行評価データの算出手段、
S…歩行評価システム、
ω0,a0…実測データ、
ωs,as…生成データ。

Claims (1)

  1. 被験者に装着されたセンサと、
    人の身体力学系をモデル化した神経筋骨格モデルに基づいて、人の歩行運動パターンを生成する歩行運動パターンの生成手段と、
    生成された歩行運動パターンにおいてセンサの装着位置に対応して生成された生成データと、前記センサで実際に測定された実測データと、に基づいて、前記実測データに前記生成データが近づくように、前記歩行運動パターンの探索計算を行う探索計算手段と、
    前記探索計算手段で探索された歩行運動パターンに基づいて、被験者の歩行運動に関連する歩行評価データを算出する歩行評価データの算出手段と、
    を備えたことを特徴とする歩行評価システム。
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