JP2016538354A - アミドアミンガスハイドレート阻害剤 - Google Patents

アミドアミンガスハイドレート阻害剤 Download PDF

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Abstract

本明細書に記載される技術は、粗炭化水素ストリームの中で結晶性ガスハイドレートを妨害、阻害または別の方法で修飾するための使用に適したガスハイドレート阻害剤に関する。当該技術は、ガスハイドレート阻害剤添加物、添加物製剤、そのようなガスハイドレート阻害添加物および添加物製剤を含む組成物、ならびに結晶性ガスハイドレート形成を妨害、阻害または別の方法で修飾することにおいてそのようなガスハイドレート阻害添加物および添加物製剤を使用する方法およびプロセスに関する。

Description

本明細書に記載される技術は、粗炭化水素ストリームの中で結晶性ガスハイドレートを妨害、阻害または別の方法で修飾するための使用に適したガスハイドレート阻害剤に関する。当該技術は、ガスハイドレート阻害剤添加物、添加物製剤、そのようなガスハイドレート阻害添加物および添加物製剤を含む組成物、ならびに結晶性ガスハイドレート形成を妨害、阻害または別の方法で修飾することにおいてそのようなガスハイドレート阻害添加物および添加物製剤を使用する方法およびプロセスに関する。
低分子量の炭化水素、例えばメタン、エタン、プロパン、n−ブタン、およびイソブタンは、しばしば天然ガスストリーム中に見出され、原油ストリームの中にも存在し得る。水が典型的に帯油層中に存在するため、水もこれらのストリームの中に極めてしばしば存在する。帯油層の中およびそのような材料を回収するために使用されるプロセスにおいてしばしば見られる条件を含む、高圧および低温の条件下では、水と、ときに低級炭化水素と呼ばれる上記炭化水素、または他のハイドレート形成化合物の多くとの混合物は、炭化水素ハイドレートを形成しやすい。これらのハイドレートは、ときにクラスレートと呼ばれる。これらのハイドレートは、一般に、水が低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物分子の周りにカゴ状構造を形成した構造の結晶である。例えば、約1MPaの圧力において、エタンは摂氏4度より低い温度において水とガスハイドレートを形成し得る。3MPaの圧力において、エタンは摂氏14度より低い温度において水とガスハイドレートを形成し得る。このような温度および圧力は、天然ガスおよび原油が生成されて輸送される際、例えば限定ではないがパイプラインにおいて輸送される際に見られる環境および使用される装置において通常遭遇するものである。顕著な例は海底において使用されるパイプラインであろう。海底の条件に暴露されてガスハイドレート形成に屈したそのような原油パイプラインは、メキシコ湾において油漏れの事故を引き起こした。
ガスハイドレートの形成および凝集は、天然ガスまたは原油ストリームの生成および輸送の間のパイプラインの流路閉塞に寄与し、原因にすらなり得るので、パイプラインにおいては特に問題となる。ガスハイドレートはパイプまたは類似の装置の内側に形成されて凝集するので、パイプラインおよび付属するバルブおよび他の装置を閉塞させたり損傷し得るものであり、費用のかかる修復および非稼働の時間をもたらす。そのような詰まりを防ぐために、物理的な手段、例えば遊離水の除去、ならびに高温および/または減圧の保持が用いられてきたが、これらは実施するのが非現実的であり得、もしくは効率性および生産性の損失のために望ましくない可能性がある。化学的処理も利用されたが、それらにも限界がある。熱力学的なハイドレート阻害剤、例えば低分子量のアルコールおよびグリコールは大量に必要であり、これら阻害剤を回収して再利用するための努力は他の問題、例えばスケールの形成をもたらし得る。低用量のハイドレート阻害剤の他の群も知られている。低用量のハイドレート阻害剤の1つの群は、動力学的阻害剤として知られる。動力学的阻害剤は、亜冷却が高い条件に関して大きな限界を有する。例えば、ガスハイドレートの起泡点温度よりも約12°Fを超えて低い温度になると、低用量動力学的阻害剤は効果がなくなり得る。凝集防止剤と呼ばれる低用量動力学的阻害剤の別の群は、一般に、パイプラインを通して回収される生成物中に50%(体積基準)を超える油を必要とする。しかしながら、回収される多くの生成物、例えば天然ガスは、50%油を含まない。よって、既知の凝集防止剤は、多くの生成物に関してハイドレート形成に対して有用ではなかった。即ち、予定外の操業停止、維持管理、および修理を最小にするため、および天然ガスまたは原油ストリームを利用する生産設備および/または交通機関のより安全な操作を提供するためには、ガスハイドレートの形成および凝集の妨害および/または阻害を可能にする添加物に関する要求が引き続き存在する。
ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンは、粗炭化水素ストリーム中のガスハイドレートの形成を阻害するための有効な凝集防止剤添加物であることが見出された。同様に、ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミン、掃酸剤および相溶化剤の間に相乗作用が存在することにより、粗炭化水素生成坑井、例えばメタン坑井、粗天然ガス坑井、および原油坑井からの粗炭化水素ストリーム中でガスハイドレートの凝集を妨害することが見出された。
したがって、ガスハイドレート阻害剤、当該ガスハイドレート阻害剤を含む組成物および粗炭化水素ストリーム中で当該ガスハイドレート阻害剤を用いる方法が提供される。
1つの実施形態において、ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンである凝集防止剤添加物であるガスハイドレート阻害剤が提供される。別の実施形態において、少なくとも1つのヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンおよび掃酸剤、相溶化剤またはそれらの組み合わせである少なくとも1つの追加の成分を含む、凝集防止剤添加物製剤であるガスハイドレート阻害剤が提供される。
さらに、以下の式I:
Figure 2016538354
(式中、Rはヒドロカルビル基であり、Rは2価のヒドロカルビル基であり、RおよびRは各々独立に水素またはヒドロカルビル基であり、そしてRは独立に水素またはヒドロカルビル基である)
により表される少なくとも1つのヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンを含む凝集防止剤添加物であるガスハイドレート阻害剤が提供される。またさらには、式Iの少なくとも1つの凝集防止剤添加物、および1)掃酸剤、例えばアミン;酸素含有化合物、例えばオキシド、アルコキシド、ヒドロキシド、カーボネート、カルボキシレート、および上記の酸素含有化合物のいずれかの金属塩;および上記アミンおよび酸素含有化合物のいずれかの混合物;2)C1〜C12のヒドロカルビルにより表される相溶化剤;および3)それらの組み合わせである少なくとも1つの追加の成分を含む凝集防止剤添加物製剤であるガスハイドレート阻害剤が提供される。なおさらには、ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンがコカミドプロピルジメチルアミンまたはココを含む凝集防止剤添加物、およびヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンがコカミドプロピルジメチルアミンを含み、そして上記少なくとも1つの追加の成分が水酸化ナトリウム、n−オクタンを含むヒドロカルビル相溶化剤またはそれらの組み合わせを含む掃酸剤である凝集防止剤添加物製剤が提供される。
また、メタン坑井、天然ガス坑井、または石油坑井からの粗炭化水素ストリームの中に見出されるような組成物も提供されるが、当該組成物は、水、1つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物を含む粗炭化水素ストリームであって、これらの低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物の何らかの部分および水がガスハイドレートの形態であり得る上記粗炭化水素ストリーム、およびガスハイドレートの形成を修飾することができ、上記凝集防止剤添加物または凝集防止剤添加物製剤を含むガスハイドレート阻害剤から構成される。同様に、粗天然ガス坑井、または原油坑井からの粗炭化水素ストリームの中に見出されるような組成物も提供されるが、当該組成物は、水、2つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物を含む粗炭化水素ストリームであって、これらの低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物の何らかの部分および水がガスハイドレートの形態であり得る上記粗炭化水素ストリーム、およびガスハイドレートの形成を修飾することができ、上記ガスハイドレート阻害剤(即ち、凝集防止剤添加物または凝集防止剤添加物製剤)を含むガスハイドレート阻害剤から構成される。
さらに、ガスハイドレート形成を修飾する方法であって、若干の水および1つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物を含む粗炭化水素ストリームを、ガスハイドレート形成を修飾することができ、上記凝集防止剤添加物または凝集防止剤添加物製剤を含む少なくとも1つのガスハイドレート阻害剤に接触させることを含む方法が提供される。また、ガスハイドレート形成を修飾する方法であって、若干の水および2つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物を含む粗炭化水素ストリームを、ガスハイドレート形成を修飾することができ、上記凝集防止剤添加物または凝集防止剤添加物製剤を含む少なくとも1つのガスハイドレート阻害剤に接触させることを含む方法も提供される。上記の方法は、坑井からの粗炭化水素ストリームの捕捉および/または炭化水素ストリームを運ぶフローラインにおいて用いられ得る。
また、粗炭化水素ストリーム中の凝集防止剤添加物として、より特定すれば粗メタン、粗天然ガスストリームまたは原油ストリームの中のガスハイドレート凝集防止剤添加物としての、上記ガスハイドレート阻害剤の使用も含まれる。
様々な好ましい特徴および実施形態が、以下において非限定の例示により記載される。
粗炭化水素ストリームの中で結晶性ガスハイドレートの形成を妨害、阻害または別の方法で修飾することにおける使用のためのガスハイドレート阻害剤が提供される。
本明細書において使用される場合、用語「粗炭化水素ストリーム」は、天然の炭化水素生成坑井からの未精製生成物、例えば、メタン生成物、天然ガス生成物、原油生成物、またはそれらのあらゆる混合物を意味する。1つの実施形態において、粗炭化水素ストリームは、メタンを含むか、メタンからなるか、またはメタンから本質的になることができる。別の実施形態において、粗炭化水素ストリームは、天然ガスを含むか、天然ガスからなるか、または天然ガスから本質的になることができる。1つの実施形態において、粗炭化水素ストリームは、凝縮物を含むか、凝縮物からなるか、または凝縮物から本質的になることができる。本明細書において用いられる場合、凝縮物なる用語は、粗天然ガス中でガス状成分として存在し、温度が原料ガスの炭化水素露点温度よりも低い温度に低下した場合に原料ガスから凝縮する炭化水素の液体の低密度混合物を意味する。さらなる実施形態において、粗炭化水素ストリームは、原油を含むか、原油からなるか、または原油から本質的になることができる。なおさらなる実施形態において、粗炭化水素ストリームは、天然ガスと原油との混合物を含むか、該混合物からなるか、もしくは該混合物から本質的になることができるか、またはメタンと原油との混合物を含むか、該混合物からなるか、もしくは該混合物から本質的になることができる。粗炭化水素ストリームはガスの上では重くなり得るため、当該ストリームが液体炭化水素よりも多くのガス状炭化水素を含むことを意味し、または粗炭化水素ストリームは油の上では重くなり得るため、当該ストリームがガス状炭化水素よりも多くの液体炭化水素を含むことを意味する。1つの実施形態において、粗炭化水素ストリームは、ガス状炭化水素を含むか、ガス状炭化水素からなるか、またはガス状炭化水素から本質的になることができる。別の実施形態において、粗炭化水素ストリームは、液体炭化水素を含むか、液体炭化水素からなるか、または液体炭化水素から本質的になることができる。これらの炭化水素ストリームは、1つもしくはそれより多い低級炭化水素もしくは他のハイドレート形成化合物、またはある場合には2つもしくはそれより多い低級炭化水素もしくは他のハイドレート形成化合物を付加的に含み得る。
結晶性ガスハイドレートの形成の修飾は、例えば、ガスハイドレートの核生成、成長および/または凝集を遅延させるか、減少させるかまたは排除し得る。本明細書において用いられる場合、用語「ガスハイドレート」は、低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物の結晶性ハイドレートを意味する。用語「低級炭化水素」は、メタン、エタン、プロパン、ブタンのあらゆるアイソマー、およびペンタンのあらゆるアイソマーのいずれかを意味する。他のハイドレート形成化合物は、例えば、二酸化炭素、硫化水素および窒素を含み得る。「タイプIガスハイドレート」は、メタンまたはエタンのたった1つから選択される1つの低級炭化水素の存在下で形成されるガスハイドレートを指す。「タイプIIガスハイドレート」は、2つもしくはそれより多い異なる低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物の存在下で形成されるガスハイドレートを指す。
本明細書において提供されるガスハイドレート阻害剤は、特定のヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンを含む凝集防止剤添加物であるか、または少なくとも1つのヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミン、および1)掃酸剤、2)相溶化剤、または3)1)と2)との組み合わせのうちの少なくとも1つの相乗的な組み合わせである凝集防止剤添加物製剤であり得る。
ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンは、いくつかの実施形態において、アルキルアミドアルキルアミン、例えば、コカミドアルキルアミン、またはアルキルアミドプロピルアミンを含む。いくつかの実施形態において、ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンはコカミドプロピルジメチルアミンを含む。
いくつかの実施形態において、ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンは、以下の式:
Figure 2016538354
(式中、Rはヒドロカルビル基であり、Rは2価のヒドロカルビル基であり、各RおよびRは独立に水素またはヒドロカルビル基であり、そしてRは水素またはヒドロカルビル基である)
により表される1つもしくはそれより多い化合物を含み得る。Rは1〜23の炭素原子、5〜17の炭素原子、または7〜17、9〜17、7〜15、またはさらに9〜13、またはさらに約11の炭素原子を含み得る。いくつかの実施形態において、R1はモル基準で少なくとも50%がC11(即ち、11の炭素原子を含むヒドロカルビル基)である。Rは1〜10の炭素原子、または1〜4、2〜4、またはさらに約3の炭素原子を含み得る。Rは水素であるか、または1〜23の炭素原子、もしくは1〜18の炭素原子、もしくは1〜16、1〜14、1〜12の炭素原子、もしくはさらに約1〜8の炭素原子を含む炭化水素基であり得る。Rは水素であるか、または1〜23の炭素原子、もしくは1〜18の炭素原子、もしくは1〜16、1〜14、1〜12の炭素原子、もしくはさらに約1〜8の炭素原子を含む炭化水素基であり得る。いくつかの実施形態において、RおよびRは共に1〜8または1〜4の炭素原子を含むアルキル基であり、いくつかの実施形態において、RおよびRは共にメチル基である。Rは水素であるか、または1〜23の炭素原子、もしくは1〜18の炭素原子、もしくは1〜16、1〜14、1〜12の炭素原子、もしくはさらに約1〜8の炭素原子を含む炭化水素基であり得る。いくつかの実施形態において、Rは水素である。なおさらなる実施形態において、RおよびRは共にメチル基であり、そしてRは水素である。
いくつかの実施形態において、ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンは、以下の式:
Figure 2016538354
(式中、Rはヒドロカルビル基であり、各RおよびRは独立に水素またはヒドロカルビル基であり、そしてR、RおよびRは各々先に定義したとおりであり得る)
により表される1つまたはそれより多い化合物を含み得る。
ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンは、モル基準で少なくとも50%の1つもしくはそれより多い上記ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミン、またはさらに少なくとも60%、70%、80%、またはさらに90%の、1つもしくはそれより多い上記ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンを含み得る。いくつかの実施形態において、これらのパーセンテージは代わりに重量パーセンテージとして適用され得る。
ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンは、植物油、例えば、ココナツオイル、パーム油、大豆油、なたね油、ヒマワリオイル、ピーナッツオイル、綿実油、オリーブオイル等に由来することができる。ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンは、植物油の脂肪酸誘導体であることもできる。いくつかの実施形態において、ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンは、ココナツオイルに由来する。いくつかの実施形態において、ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンは、ココナツオイルの脂肪酸に由来する。なおさらなる実施形態において、ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンは、コカミドプロピルジメチルアミンを含む。ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンは、モル基準で少なくとも50%のコカミドプロピルジメチルアミン、またはさらに少なくとも60%、70%、80%、またはさらに90%のコカミドプロピルジメチルアミンを含み得る。いくつかの実施形態において、これらのパーセンテージは代わりに重量パーセンテージとして適用され得る。
いくつかの実施形態において、凝集防止剤添加物は、適当な溶剤、例えば、水、アルコール、およびグリセリンに含まれたヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンを含む。いくつかの場合、ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンは大部分の溶剤を含むことができ、いくつかの場合、ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンは50重量%までの溶剤を含み得る。溶剤は重量基準で約0.01〜約50%、または0.1〜約40%または0.5〜約30%、またはさらに約1.0〜約25%のヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンと共に存在し得る。いくつかの実施形態において、溶剤は約1.5〜約20%、または2.0〜約15%、またはさらに2.5または5〜約10%で存在し得る。
1つの実施形態において、ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンは、50/50の重量比でコカミドプロピルジメチルアミンおよびグリセリンを含む。別の実施形態において、ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンは、約60/40、または70/30、またはさらに80/20の重量比でコカミドプロピルジメチルアミン対グリセリンを含む。1つの実施形態において、ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンは、約90重量%のコカミドプロピルジメチルアミンおよび約10重量%のグリセリンを含む。
ガスハイドレート阻害剤凝集防止剤添加物の例は、10〜30重量パーセントの上記ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンおよび70〜90重量パーセントのアルコール、例えばメタノールを含み得る。ガスハイドレート阻害剤凝集防止剤添加物の別の例は、10〜30重量パーセントの上記ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンおよび10〜30重量パーセントのポリマー動力学的阻害剤、20〜40重量パーセントの水、および20〜40重量パーセントの2−ブトキシエタノールを含み得る。
ガスハイドレート阻害剤凝集防止剤添加物製剤は、上記のとおり凝集防止剤添加物(即ち、ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミン)を含み得る。凝集防止剤添加物製剤は掃酸剤も含み得る。理論に拘束されるものではないが、掃酸剤の存在は粗炭化水素ストリーム中に存在するあらゆる酸、または粗炭水化物ストリーム中に存在する硫化水素もしくは二酸化炭素と水との反応から形成される酸に干渉して、当該酸がヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンのガスハイドレート阻害効果に干渉することを妨害すると考えられている。即ち、凝集防止剤添加物に適した掃酸剤は、特定の粗炭化水素ストリームの中に存在するかまたはその中で形成される特定の種類の酸に干渉することができるあらゆる塩基性化合物であり得、当業者には容易に決定することができるものである。
凝集防止剤添加物製剤において有用な掃酸剤の例としては、例えば、塩基性化合物、例えば、アミン;酸素含有化合物、例えば、オキシド、アルコキシド、ヒドロキシド、カーボネート、カルボキシレート、および上記酸素含有化合物のいずれかの金属塩;および上記アミンおよび酸素含有化合物のいずれかの混合物を挙げることができる。
アミン掃酸剤はヒドロカルビル置換アミンを含み、モノアミン、およびポリアミンであり得る。ヒドロカルビル置換アミン中のヒドロカルビルは、直鎖または分枝、飽和または不飽和であり得、一般には約1〜約12の炭素原子、または1〜10の炭素原子、または1〜4もしくは6もしくは8の炭素原子を含む。アミン掃酸剤の例としては、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジ−、およびトリ−メチルアミン、プロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチレントリアミン トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン等を挙げることができる。
酸素含有化合物、即ち、オキシド、アルコキシド、ヒドロキシド、カーボネートおよびカルボキシレートは、金属塩の形態であり得る。金属はあらゆる金属であり得るが、特に適切な金属は周期表のI族のアルカリ金属(即ち、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム)および周期表のII族のアルカリ土類金属(即ち、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム)であり得る。
適切なアルコキシド掃酸剤は、約1〜約12の炭素原子、または1〜10の炭素原子、または1〜4もしくは6もしくは8の炭素原子のアルキル基を有することができ、直鎖または分枝、飽和または不飽和であり得る。例示のアルコキシドとしては、メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド、および第三級−ブトキシドが挙げられる。他の例示のアルコキシドとしては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、ナトリウムペントキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムプロポキシド、カリウムブトキシド、カリウムペントキシド、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド、マグネシウムプロポキシド、マグネシウムブトキシド、マグネシウムペントキシド、カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、カルシウムプロポキシド、カルシウムブトキシド、およびカルシウムペントキシドを挙げることができる。
例示のヒドロキシドは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、リチウム、およびカルシウムヒドロキシドであり得る。同様に、例示のオキシドは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、およびカルシウムオキシドを含み得る。
掃酸剤は、ガスハイドレート阻害剤製剤中に、凝集防止剤添加物と共に、粗炭化水素ストリーム中に含まれる酸のレベルと同量に含まれ得る。即ち、十分な量の掃酸剤がガスハイドレート阻害剤製剤中に添加されることにより、約7もしくはそれより高いか、または約8もしくはそれより高いか、または約9もしくはそれより高い、粗炭化水素ストリーム中のpHを達成することができる。いくつかの実施形態において、ガスハイドレート阻害剤製剤は、凝集防止剤添加物および約0.01〜約10重量%の掃酸剤、または約0.05〜約5重量%、または約0.1〜約3もしくは4重量%を含み得る。いくつかの実施形態において、掃酸剤は、ガスハイドレート阻害剤製剤中に約0.1〜約2重量%、または約0.2〜約1.5重量%、または約0.4〜約1.0重量%で存在し得る。いくつかの実施形態において、掃酸剤は、ガスハイドレート阻害剤製剤中に約1.0〜約6重量%、または約1.5〜約5重量%、または約2〜約4重量%で存在し得る。
凝集防止剤添加物製剤に適した相溶化剤は、粗炭化水素ストリーム、例えば天然ガスまたは原油ストリームの中でヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンの相溶性を補助することができるあらゆる相溶化剤を含み得る。凝集防止剤添加物中において有用な適切な相溶化剤の例は、例えば、約5〜約12の炭素原子の直鎖または分枝アルキルであり得る。そのような例としては、n−オクタン、ヘキサン、ヘプタン、ノナン、デカン等を挙げることができる。
1つの実施形態において、コカミドプロピルジメチルアミン、水酸化ナトリウムおよびn−オクタンを含む凝集防止剤添加物製剤が提供される。別の実施形態において、コカミドプロピルジメチルアミンおよび水酸化ナトリウムを含む凝集防止剤添加物製剤が提供され、さらなる実施形態において、コカミドプロピルジメチルアミンおよびn−オクタンを含む凝集防止剤添加物製剤が提供される。
いくつかの実施形態において、凝集防止剤添加物製剤は、適切な溶剤、例えば、水、アルコール、例えば、エチレングリコール、およびグリセリンを追加で含み得る。
例示のガスハイドレート阻害剤凝集防止剤添加物製剤は、10〜30重量パーセントの上記ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミン、約40〜60重量パーセントの掃酸剤、および約10〜約30重量パーセントの相溶化剤を含み得る。さらなる例示のガスハイドレート阻害剤凝集防止剤添加物製剤は、10〜30重量パーセントの上記ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンおよび約90〜約70重量パーセントの掃酸剤を含み得る。
さらなる例示のガスハイドレート阻害剤凝集防止剤添加物製剤は、70〜90重量パーセントの上記ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンおよび約30〜約10重量パーセントの掃酸剤を含み得る。
さらなる例示のガスハイドレート阻害剤凝集防止剤添加物製剤は、10〜30重量パーセントの上記ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンおよび約90〜約70重量パーセントの相溶化剤を含み得る。
さらなる例示のガスハイドレート阻害剤凝集防止剤添加物製剤は、70〜90重量パーセントの上記ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンおよび約30〜約10重量パーセントの相溶化剤を含み得る。
凝集防止剤添加物製剤は、約70〜約90重量パーセントのアルコール、例えば、メタノールに希釈され得る。別の実施形態において、凝集防止剤添加物製剤は、約10〜30重量パーセントのポリマー動力学的阻害剤、20〜40重量パーセントの水、および20〜40重量パーセントの2−ブトキシエタノールの混合物に希釈され得る。
本技術には、水、粗炭化水素ストリーム、および粗炭化水素ストリーム中でガスハイドレート形成を修飾することができるガスハイドレート阻害剤から構成される組成物も含まれる。そのような組成物は、例えば粗天然ガスストリームおよび/または原油ストリームパイプラインの内側、および/または粗天然ガスストリームおよび/または原油ストリームを取り扱って加工するのに使用される装置内に見出されると予測されるものを説明する。
上記組成物の中のガスハイドレート阻害剤は、上記凝集防止剤添加物を含むか、上記凝集防止剤添加物からなるか、または上記凝集防止剤添加物から本質的になることができる。当該ハイドレート阻害剤は、上記凝集防止剤添加物製剤のいずれかでもあり得る。
1つの実施形態において、組成物は、水、2つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物を含む粗炭化水素ストリーム、およびガスハイドレートの形成を修飾することができ、上記凝集防止剤添加物(即ち、ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミン)を含むか、上記凝集防止剤添加物からなるか、または上記凝集防止剤添加物から本質的になるハイドレート阻害剤から構成され得る。1つの実施形態において、組成物は、水、2つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物を含む粗天然ガスストリーム、およびガスハイドレートの形成を修飾することができ、上記凝集防止剤添加物を含むか、上記凝集防止剤添加物からなるか、または上記凝集防止剤添加物から本質的になるハイドレート阻害剤から構成され得、別の実施形態において、組成物は、水、2つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物を含む原油ストリーム、およびガスハイドレートの形成を修飾することができ、上記凝集防止剤添加物を含むか、上記凝集防止剤添加物からなるか、または上記凝集防止剤添加物から本質的になるハイドレート阻害剤から構成され得る。上記の実施形態において、2つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物は、低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物、例えば、メタン、およびエタン、プロパン、ブタンのあらゆるアイソマー、ペンタンのあらゆるアイソマー、二酸化炭素、硫化水素、窒素およびそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれより多くのあらゆる組み合わせを含むことができる。
別の実施形態において、組成物は、水、1つもしくは2つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物を含む粗炭化水素ストリーム、およびガスハイドレートの形成を修飾することができ、上記凝集防止剤添加物製剤(即ち、少なくとも1つのヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミン、および掃酸剤、相溶化剤、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む)を含むか、上記凝集防止剤添加物製剤からなるか、または上記凝集防止剤添加物製剤から本質的になるハイドレート阻害剤から構成され得る。1つの実施形態において、組成物は、水、1つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物を含むメタンストリーム、およびガスハイドレートの形成を修飾することができ、上記凝集防止剤添加物製剤を含むか、上記凝集防止剤添加物製剤からなるか、または上記凝集防止剤添加物製剤から本質的になるハイドレート阻害剤から構成され得る。1つの実施形態において、組成物は、水、1つもしくは2つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物を含む粗天然ガスストリーム、およびガスハイドレートの形成を修飾することができ、上記凝集防止剤添加物製剤を含むか、上記凝集防止剤添加物製剤からなるか、または上記凝集防止剤添加物製剤から本質的になるハイドレート阻害剤から構成され得、別の実施形態において、組成物は、水、1つもしくは2つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物を含む原油ストリーム、およびガスハイドレートの形成を修飾することができ、上記凝集防止剤添加物製剤を含むか、上記凝集防止剤添加物製剤からなるか、または上記凝集防止剤添加物製剤から本質的になるハイドレート阻害剤から構成され得る。上記の実施形態において、1つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物は、低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタンのあらゆるアイソマー、ペンタンのあらゆるアイソマー、二酸化炭素、硫化水素、窒素およびそれらの組み合わせのあらゆる組み合わせを含むことができる。
そのような組成物の含水量は大幅に変動し得る。本技術のハイドレート阻害剤の1つの利点は、上記のものが、他の添加物がもはや有効ではない相対的に高い含水量においてさえ有効な凝集防止剤であることである。即ち、上記のガスハイドレート阻害剤は、高含水量に遭遇するものを含むより広い範囲の組成物および操作条件において性能を提供する、より有効な凝集防止剤である。
いくつかの実施形態において、本明細書において記載される組成物は、少なくとも30重量%の水、またはさらに少なくとも20、30、40、50、60、70、80またはさらに90、95またはさらに99重量%の水を含む。いくつかの実施形態において、組成物は含水率を有するものとして記載され得るものであり、含水率とは、いかなるガス状の相も無視して存在する全液体に対しての存在する水相の量を指し、そして上記のガスハイドレート阻害剤は水相の一部と考えられる。上記組成物中のそのような含水率は、上記パーセンテージのいずれかであり得、そしていくつかの実施形態においては30〜約100重量%であり、100%とは本質的に油相が存在しないことであり、これは湿性ガス状況として記載されてもよい(即ち、いくらかの量の水を含むが油成分は含まないガスパイプライン)。これらの組成物中に使用されるガスハイドレート阻害剤は、上記の凝集防止剤添加物または凝集防止剤添加物製剤のいずれか1つまたはそれより多くであり得る。
いくつかの実施形態において、上記の組成物はいくらかの量のガスハイドレートも含み、粗炭化水素ストリームの中に存在する水の少なくとも一部、および1つもしくは2つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物の少なくとも一部が1つもしくは2つもしくはそれより多いガスハイドレートの形態である。
本技術の別の側面は、ガスハイドレートの形成を修飾する方法に向けられ、当該方法は、それ自体が水および1つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物から構成される粗炭化水素ストリームを、ガスハイドレート形成を修飾することができる少なくとも1つのガスハイドレート阻害剤に接触させることを含む。1つの実施形態において、当該方法は、水および1つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物を含む粗炭化水素ストリームを、少なくとも1つの上記ガスハイドレート阻害剤、例えば、凝集防止剤添加物または凝集防止剤添加物製剤に接触させることを含む。別の実施形態において、当該方法は、水および2つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物を含む粗天然ガスストリームまたは原油ストリームを、少なくとも1つのガスハイドレート阻害剤、例えば、凝集防止剤添加物または凝集防止剤添加物製剤に接触させることを含む。
上記の方法は、坑井からの粗炭化水素ストリームの捕捉および/または炭化水素ストリームを運ぶフローラインにおいて用いられ得る。
ガスハイドレート阻害剤は、それら自体で、またはあらゆる互いの所望の混合物内における、もしくは当業界において既知の他のそのような凝集防止剤添加物製剤または凝集防止剤添加物との、またはガスハイドレート阻害以外の目的のために含まれる溶剤または他の添加物とのあらゆる所望の混合物内におけるガスハイドレート形成に対しての防御を提供し得る。
有用な混合物は、有力なハイドレート形成流体に対する導入の前に混合することによるか、または有力なハイドレート形成流体に対する同時もしくは逐次の導入により、得ることができる。
凝集防止剤添加物製剤と組み合わせて使用され得る他の阻害剤の非限定例としては、熱力学的阻害剤(限定ではないが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールを含む)、動力学的阻害剤(限定ではないが、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニルピリジン、ビニルフォルムアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、エタアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−ドデシルメタクリルアミド、1−ビニルイミダゾール、および1−ビニル−2−メチルビニルイミダゾールのホモポリマーまたはコポリマーを含む)、および凝集防止剤(限定ではないが、テトラアルキルアンモニウム塩、テトラアルキルホスフォニウム塩、トリアルキルアシルオキシルアルキルアンモニウム塩、ジアルキルジアシルオキシアルキルアンモニウム塩、アルコキシル化ジアミン、トリアルキルアルキルオキシアルキルアンモニウム塩、およびトリアルキルアルキルポリアルコキシアルキルアンモニウム塩を含む)が挙げられる。
上記凝集防止剤添加物製剤と組み合わせて使用され得る追加の阻害剤としては、米国特許第7,452,848号に記載されたものが挙げられる。
ガスハイドレート凝集防止剤添加物製剤を含む製剤を作成するための適切な溶剤としては、上記熱力学的阻害剤ならびに水、4〜6の炭素原子を含むアルコール、4〜6の炭素原子を含むグリコール、4〜10の炭素原子を含むエーテル、2〜6の炭素原子を含むグリコールのモノ−アルキルエーテル、3〜10の炭素原子を含むエステル、および3〜10の炭素原子を含むケトンが挙げられる。
上記阻害剤を調製するプロセスは、副生成物、例えば、グリセリンをもたらし得る。1つの実施形態において、ガスハイドレート阻害剤に対する言及はそのような副生成物を包含する。1つの実施形態において、ガスハイドレート阻害剤は、本質的に副生成物を含まないか、またはさらに副生成物を含まない。本質的に含まないとは、約5重量%未満、または約2.5重量%未満、またはさらには1重量%または0.5重量%未満であることを意味する。本質的に含まないとは、約0.25重量%未満、または0.1もしくは0.05重量%未満をも意味し得る。
ガスハイドレート凝集防止剤添加物製剤と混合され得る他の添加物としては、限定ではないが、腐食阻害剤、ワックス阻害剤、スケール阻害剤、アスファルテン阻害剤、抗乳化剤、消泡剤、および殺生物剤が挙げられる。そのような混合物中のガスハイドレート凝集防止剤添加物製剤の量は、1〜100重量パーセント、またはさらには5〜50重量パーセントの範囲にわたり変更することができる。
1つもしくはそれより多いガスハイドレート阻害剤の存在は、結果的にハイドレートの形成の速度を減少させるか、および/または量を減少させ得る。それは、ガスハイドレート阻害剤の非存在下で所定の環境において観察されてきたであろうものに比較して、ハイドレート結晶サイズの減少も、あるいは代わりにもたらし得る。ガスハイドレート阻害剤と掃酸剤との組み合わせは、ガスハイドレート形成の動力学的阻害ももたらし得るものであり、あるいは換言すれば、ガスハイドレートが形成される温度を低下させる。本明細書に記載されたガスハイドレート阻害剤は、水および低級炭化水素またはガスハイドレートを形成することができる他のハイドレート形成化合物のストリームまたは静止質量(static mass)に添加された場合、ガスハイドレートが凝集する傾向も減少させ得る。そのような能力は、これらの炭化水素の生成および/または輸送の間、より特定すれば粗天然ガスストリームまたは原油ストリームの生成および/または輸送の間に有益となる。より慣用的な添加物の添加の方法は当業界においてよく知られており、例えば米国特許第6,331,508号に開示されている。ガスハイドレート阻害剤は、類似の方法において使用し得る。
不可能ではないにしても、所定の応用においてガスハイドレートを阻害するのに有効となる成分の用量または比率を前もって予測することは極めて困難であると認識される。限定ではないが、水の塩分、炭化水素ストリームの組成、水および炭化水素の相対量、ならびに温度および圧力を含む、参酌しなければならない複雑で相関性のある多数の因子が存在する。これらの理由のため、成分の用量および比率は、一般に、所定の応用のための実験室および現場における試験を通して、当業者によく知られた技術を用いて最適化される。
ガスハイドレート阻害剤は、水および1つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物を含む組成物に添加され得るが、その際、ガスハイドレート阻害剤は、組成物全体のガスハイドレート形成を減少させるかまたは修飾するのに有効な量で添加される。典型的には、そのようなハイドレート形成は、高圧、一般には少なくとも0.2MPa、またはさらには少なくとも0.5MPa、そしてさらには少なくとも1.0MPaにおいて生じる。ガスハイドレート阻害剤は、水が添加される前に、低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物を含む組成物に添加され得るか、その逆であり得、あるいは、両者をすでに含む組成物に添加され得る。添加は、組成物が高圧または低温に供される前または後に実施され得る。
例示の組成物は、約0.05〜約1.0重量パーセントの上記ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミン、ならびに残部の水および粗炭化水素ストリームおよび他の添加物を含むことができる。
別の例は、約0.05〜約1.0重量パーセントの上記ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミン、約0.1〜約1.0重量パーセントの掃酸剤、約0.05〜約1.0重量パーセントの相溶化剤、ならびに残部の水および粗炭化水素ストリームおよび他の添加物を含むことができる。一般に、ガスハイドレート阻害剤として凝集防止剤添加物製剤を含む組成物においては、組成物のpHを約9より高いか、または約10より高く保持するのに十分な量の掃酸剤を存在させるべきである。これは、余分な掃酸剤を添加すること、または十分な量の凝集防止剤添加物製剤を添加することにより十分な量の掃酸剤を提供して所望のpHを保持することを伴う。
本技術に従って処理され得る組成物は、水および低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物の分子を含む流体を含み、水および低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物の分子は一緒になってクラスレートハイドレートを形成することができる。当該流体混合物はガス状の水または有機相、水性液体相、および有機液体相のいずれかまたはすべてをあらゆる比率で含み得る。当該流体は、酸性種、例えば、二酸化炭素、硫化水素、およびそれらの混合物も含み得る。処理される典型的な流体は、原油または粗天然ガスストリーム、例えば、油またはガス坑井、特定すれば海中の油またはガス坑井から生じるものを含み、高圧および低温がガスハイドレート形成に寄与し得る。
ガスハイドレート阻害剤は様々な方法により流体混合物に添加し得るが、ただ1つの要求は、選択されたガスハイドレート阻害剤が流体混合物に十分に取り込まれてハイドレート形成を制御することである。例えば、選択されたガスハイドレート阻害剤は、流体システム、例えば、流れる流体ストリームに混合され得る。したがって、ガスハイドレート阻害剤を生成坑井中の油井の穴の位置に注入して、坑井を通して生成される流体中のハイドレート形成を制御し得る。同様に、ガスハイドレート阻害剤を、坑井ヘッドの位置において生じた流体ストリームに、またはライザーを通して伸びるパイプに注入し得、これにより、生成された流体が沖合の生成操作において海底から水の表面または表面上に位置する沖合の生成設備に輸送される。さらに、ガスハイドレート阻害剤は、混合物を輸送する前に、例えば、海中パイプラインを通して沖合の生成位置から陸上の採集および/または加工設備に向かって流体混合物に注入され得る。
ガスハイドレート阻害剤を流体混合物に取り込むかまたは混合することは、例えばパイプライン中の静的インラインミキサーの使用を含む、当業界においてよく知られた機械的手段により補助され得る。ほとんどのパイプライン輸送の応用においては、しかしながら、流体の流れの激しい性質のために十分な混合および接触が生じ、機械的な混合の補助は必要ない。
ガスハイドレート阻害剤は、ガスハイドレート凝集防止剤として、特に、高含水組成物中において極めて良好な性能を提供することができる。ときに、慣用の添加物は高含水組成物中では有効性が劣り、例えば、20、または30、またはさらには40重量パーセントの水を含む粗天然ガスストリームおよび/または原油ストリームにおいては何ら性能を提供しないことがあり得る。対照的に、上記ガスハイドレート阻害剤は、高含水量、例えば、20、30、40、50、60、70、またはさらに80重量パーセントを超える水を含む粗天然ガスストリームおよび/または原油ストリームにおいても良好な性能を提供することができる。上記ガスハイドレート阻害剤は、25、45、55、65、またはさらに75重量パーセントを超える水を含む粗天然ガスストリームおよび/または原油ストリームにおいても良好な性能を提供することができる。
用いられる水は、かなりの量の塩を含む塩水の形態であり得る。例示の塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、および塩化マグネシウムであり得る。あらゆるそのような塩水の塩含有量は、約0.1〜約10重量%、または約0.5〜約5重量%、またはさらに1〜約1.5もしくは2.5重量%であり得る。
本明細書において用いられる場合、用語「ヒドロカルビル置換基」または「ヒドロカルビル基」はその通常の意味において用いられ、その意味は当業者にはよく知られている。特定すれば、それは、分子の残りの部分に直接結合した炭素原子を有し、そして主として炭化水素の特性を有する基を指す。ヒドロカルビル基の例としては、炭化水素置換基、即ち、脂肪族(例えば、アルキルまたはアルケニル)、脂環式(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル)置換基、および芳香族−、脂肪族−、および脂環−置換芳香族置換基、ならびに環が分子の別の部分を通して完結した(例えば、2つの置換基が一緒になって環を形成する)環状置換基;置換された炭化水素置換基、即ち、この発明の内容に照らして、置換基の主な炭化水素の性質を変えない非炭化水素基(例えば、ハロ(特に、クロロおよびフルオロ)、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルメルカプト、ニトロ、ニトロソ、およびスルフォキシ)を含む置換基;ヘテロ置換基、即ち、この発明の内容に照らして、主に炭化水素の性質を有するが、環または鎖の中に炭素以外を含むか、もしくは炭素原子により構成される置換基が挙げられる。ヘテロ原子としては硫黄、酸素、窒素が挙げられ、ピリジル、フリル、チエニルおよびイミダゾリルとして置換基を包含する。一般に、2つを超えない、いくつかの実施形態においては1つを超えない非炭化水素置換基がヒドロカルビル基中で10炭素原子ごとに存在し;典型的には、ヒドロカルビル基中に非炭化水素置換基が存在しない。本明細書において使用される場合、用語「ヒドロカルボニル基」または「ヒドロカルボニル置換基」は、カルボニル基を含むヒドロカルビル基を意味する。
上記の材料のいくつかは、それらの使用の間に互いに相互作用し得て、その結果、最終的な製剤の成分が最初に添加されたものとは異なり得ることが知られている。それにより形成される生成物は、その意図された用途において本発明の組成物を用いる際に形成される生成物を含めて、簡単な記載が可能ではないかもしれない。にもかかわらず、すべてのそのような修飾および反応生成物は本発明の範囲に含まれ;本発明は、上記の成分を混合することにより調製される組成物を包含する。
本発明を、以下の実施例によりさらに例示する。実施例は本発明を例示するために提供されるが、実施例は本発明を限定することを意図しない。
実施例1−凝集防止剤添加物による油/水混合物中のメタンガスハイドレート阻害
サファイアロッキングセル装置を用いて実験を実施した。各セルは20mLの容積を有し、撹拌を補助するためにステンレス鋼のボールを備える。セルに10mL液体サンプルを入れる。水相は蒸留(DI)水または塩水(水+NaCl)のいずれかである。セルを試験ガス(メタンまたは天然ガス混合物のいずれか)により加圧して所望の圧力にする前に、水浴を満たす。ロッキングの頻度を15回/分に設定する。ロッキングの間の浴の温度、圧力およびボールの稼働時間を記録する。セルに試験サンプルを入れた後、セルを約20℃で約30分間ロックして平衡にし、クローズドセル試験の初期条件として設定する。次に、水浴を初期温度から2℃へ、−2℃/時間〜−10℃/時間の異なる速度で冷却するが、セルはロックされたままである。次に、それらを2℃において一定時間保持し、温度が初期温度へ徐々に戻る前にガスハイドレートを十分に発生させる。急激な圧力変化はハイドレートの形成/解離を示す。長いボール稼働時間はセル中の高い粘度を暗示する。ハイドレートの詰まりが起きたとき、鋼ボールは稼働を止める。有効性を目視観察およびボール稼働時間により評価する。
以下の表1は、10重量%のグリセリン中の90重量%のコカミドプロピルジメチルアミンを単一のガスハイドレート阻害剤として含むガスハイドレート阻害剤の使用を、試験油としてのn−オクタンと原油ブレンドの間で比較する。当該表は、n−オクタンまたは粗製のいずれかの試験ストリーム中のガスハイドレート形成による詰まりを阻害するのに有効なガスハイドレート阻害剤の量を、含水率を変えながら示す。メタンガスをハイドレート形成低級炭化水素として用いた。ガスハイドレート阻害剤の有効な量を存在する水の量に基づいて報告する。
Figure 2016538354
データは、ガスハイドレート阻害剤が、低用量において有効であり、n−オクタン試験油においてはもっとも低い用量において有効であったことを示す。
実施例2−含水率を変えて凝集防止剤添加物を用いた天然ガスハイドレート阻害
実施例2は実施例1におけるものと同様のサファイアロッキングセル装置を用いて実施した。しかしながら、ハイドレート形成のために除去されるガスを置換するために試験の間ずっとガスを連続してセルに添加することにより、100バールの一定圧力で試験を行った。さらに、20℃から4℃に冷却するように温度プロフィールを設定し(原油に関しては約4℃/時間、そして凝縮物に関しては8℃/時間で)、次に、24時間保持し、16時間のロッキング時間、シャットインの6時間、および再開始の2時間を伴った。
10重量%のグリセリン(AA)および掃酸剤(即ち、水酸化ナトリウムまたは水酸化リチウム)中の90重量%のコカミドプロピルジメチルアミンの混合物を、北海ガス混合物(表4を参照)および30〜80重量%の含水率(DI水またはNaCl塩水)を含むストリーム、およびヘキサン、ベンゼン、エチルベンゼン、キシレンおよびトルエンを含む原油または凝縮物におけるガスハイドレート阻害に関して試験した。粗の結果を表2に示し、そして凝縮物に関する結果を表3に示す。
Figure 2016538354
Figure 2016538354
実施例3−含水率を変えて凝集防止剤添加物を用いた天然ガスハイドレート阻害
実施例3は実施例1におけるものと同様のサファイアロッキングセル装置を用いて実施した。しかしながら、ステンレス鋼のボールの代わりに磁気撹拌バーを用いて撹拌を補助した。また、ハイドレート形成のために除去されるガスを置換するために試験の間ずっとガスを連続してセルに添加することにより、一定圧力で、または実施例1に記載されたとおりに一定容積にて、試験を行った。さらに、約8℃/時間で20℃から4℃に冷却するように温度プロフィールを設定し、次に、24時間保持し、16時間のロッキング時間、シャットインの6時間、および再開始の2時間を伴った。
10重量%のグリセリン(AA)中の90重量%のコカミドプロピルジメチルアミンの混合物を、2つの異なるハイドレート形成低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物混合物中のガスハイドレート阻害に関して試験しており、表4に示すとおりである。
Figure 2016538354
最初の試験においては、AAの0.5%処理を、30重量%含水率(モデル原油としてのDI水およびヘキサン)を含むストリームの中で45バールの一定圧力でGOMガス混合物と共に約11℃の亜冷却にて用いた。結果を表5に示す。
Figure 2016538354
結果は、コカミドプロピルジメチルアミンが、2つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物のストリームのガスハイドレート阻害剤として用いられ得ることを示す。
実施例4−100%含水率において凝集防止剤添加物製剤を用いた天然ガスハイドレート阻害
実施例1における手法に従い、100%含水率におけるガスハイドレート形成低級炭化水素としての天然ガス混合物に関してさらなる試験を行った。天然ガス混合物は表6に示す組成を有した。
Figure 2016538354
以下の表7は、10重量%のグリセリン中の90重量%のコカミドプロピルジメチルアミンを、塩基としての水酸化ナトリウム、相溶化剤としてのn−オクタン、または上記2つの組み合わせのいずれかと共に含むガスハイドレート阻害剤の使用を比較する。当該表は、天然ガス/水試験ストリーム中のガスハイドレート形成による詰まりを阻害するのに有効なガスハイドレート阻害剤の量を示す。ガスハイドレート阻害剤の有効な量を存在する水の量に基づいて報告する。
Figure 2016538354
データは、ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンと塩基性化合物、相溶化剤または両者との組み合わせが、ガスハイドレート阻害に関して有効な凝集防止剤添加物製剤を提供することを示す。結果は、システムのpHを約9より高く保持した場合に当該製剤が機能することも示す。
実施例5−100%含水率において凝集防止剤添加物製剤を用いた天然ガスハイドレート阻害
10重量%のグリセリン中の90重量%のコカミドプロピルジメチルアミンを、塩基としての水酸化ナトリウム、相溶化剤としてのn−オクタン、または上記2つの組み合わせのいずれかと共に含むガスハイドレート阻害剤を用いて、実施例3におけるように実験を実施した。結果を表8に提供する。
Figure 2016538354
データは、10重量%のグリセリン中の90重量%のコカミドプロピルジメチルアミンと、塩基としての水酸化ナトリウム、相溶化剤としてのn−オクタン、または上記2つの組み合わせのいずれかとの組み合わせが、ガスハイドレートを阻害する相乗性の製剤を提供することを示す。
実施例6−100%含水率において凝集防止剤添加物製剤を用いた動力学的阻害
10重量%のグリセリン中の90重量%のコカミドプロピルジメチルアミンを、塩基としての水酸化ナトリウムおよび相溶化剤としてのn−オクタンと共に含むガスハイドレート阻害剤を4℃/時間の冷却速度で用いたことを除いては、実施例3におけるように実験を実施した。結果を表9に提供する。
Figure 2016538354
先に言及した文献の各々は参照により本明細書に組み込まれる。実施例における以外または他に明確に示される場合以外、材料の量、反応条件、分子量、炭素原子の数等を特定するための本明細書におけるすべての数値は、用語「約」により修飾されるものとして理解されるべきである。別に示される場合以外、材料の量または比を特定する本明細書におけるすべての数値は、重量基準である。他に示されない限り。本明細書において言及された各化学物質または組成物は、市販のグレードの材料であるものと解釈されるべきであり、アイソマー、副生成物、誘導体、および市販グレード中に存在すると一般に理解されている他のそのような材料を含み得る。しかしながら、各化学成分の量は、他に示されない限り、市販の材料中に慣例上存在するかもしれないいかなる溶剤または希釈剤油も除いて提示される。本明細書に記載された上限および下限の量、範囲、および比率の境界が独立して組み合わされ得ることは、理解されるべきである。同様に、本発明の各要素に関する範囲および量は、他の要素のいずれかに関する範囲または量と共に用いることができる。
本明細書において用いられる場合、「含む(including)」、「含む(containing)」または「により特徴付けされる(characterized by)」と同義の移行句「含む(comprising)」は、すべてを含むかまたは制限がなく、そして追加の記載されていない要素または方法の工程を排除しない。しかしながら、本明細書中の「含む(comprising)」の各記載においては、当該用語が代替の実施形態において「から本質的になる(consisting essentially of)」および「からなる(consisting of)」なる句をも包含し、「からなる」は特定されていないいかなる要素も工程も排除し、そして「から本質的になる」は、検討されている組成または方法の本質的または根本的および新規な特徴に重要な影響を与えない追加の非記載の要素または工程の包含を許容する。
本発明を例示する目的で特定の代表的な実施形態および詳細を示してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更および修飾が本発明においてなされ得ることが当業者には明らかであろう。この点において、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。

Claims (19)

  1. I)ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミン、ならびに
    II)
    a)掃酸剤、
    b)相溶化剤、および
    c)a)とb)との組み合わせ
    のうちの少なくとも1つ
    を含む凝集防止剤添加物製剤。
  2. 前記ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンが、以下の式:
    Figure 2016538354
    (式中、
    は1〜23の炭素原子を含むヒドロカルビル基であり;
    は1〜10の炭素原子を含む2価のヒドロカルビル基であり;
    各RおよびRは独立に水素または1〜23の炭素原子のヒドロカルビル基であり;そして
    は水素またはヒドロカルビル基である)
    により表される、請求項1に記載の凝集防止剤添加物製剤。
  3. 前記ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンが、以下の式:
    Figure 2016538354
    (式中、
    は1〜23の炭素原子を含むヒドロカルビル基であり;
    各RおよびRは独立に水素または1〜23の炭素原子のヒドロカルビル基である)
    により表される、請求項2に記載の凝集防止剤添加物製剤。
  4. 前記ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンが植物油またはその脂肪酸誘導体に由来する、上記請求項のいずれかに記載の凝集防止剤添加物製剤。
  5. 前記ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンがコカミドプロピルジメチルアミンを含む、上記請求項のいずれか1項に記載の凝集防止剤添加物。
  6. 前記掃酸剤が、アミン;オキシド、アルコキシド、ヒドロキシド、カーボネート、カルボキシレート、または前記のいずれかの金属塩;および前記のいずれかの混合物のうちの少なくとも1つから選択される塩基性化合物である、上記請求項のいずれかに記載の凝集防止剤添加物。
  7. 前記オキシド、アルコキシド、ヒドロキシド、カーボネート、およびカルボキシレートの金属塩が、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩である、請求項6に記載の凝集防止剤添加物。
  8. 前記掃酸剤が、オキシド、ヒドロキシド、アルコキシド、またはそれらの2つまたはそれより多くの混合物である、請求項7に記載の凝集防止剤添加物。
  9. 前記掃酸剤が、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムおよび水酸化リチウムのうちの少なくとも1つである、請求項8に記載の凝集防止剤添加物。
  10. 前記相溶化剤が、5〜約12の炭素原子の直鎖または分枝のアルキルである、上記請求項のいずれかに記載の凝集防止剤添加物。
  11. 前記相溶化剤がn−オクタンである、上記請求項のいずれかに記載の凝集防止剤添加物。
  12. 水、1つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物を含む粗炭化水素ストリーム、およびガスハイドレート形成を修飾することができ、上記請求項のいずれか1項に記載の凝集防止剤添加物を含む添加物を含む組成物。
  13. 前記水の少なくとも一部および前記1つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物の少なくとも一部が、1つまたはそれより多いガスハイドレートの形態である、請求項12に記載の組成物。
  14. 前記粗炭化水素ストリームが、メタン坑井、天然ガス坑井、または石油坑井からのストリームである、請求項12に記載の組成物。
  15. 前記粗炭化水素ストリームが、二酸化炭素、硫化水素、またはそれらの組み合わせを含む1つまたはそれより多い他のハイドレート形成化合物を含む、請求項12に記載の組成物。
  16. 水および1つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物を含む粗炭化水素ストリームを、請求項1〜11のいずれかに記載の少なくとも1つの凝集防止剤添加物に接触させることを含む、ガスハイドレート形成を修飾する方法。
  17. 前記粗炭化水素ストリームがメタン坑井、天然ガス坑井または石油坑井からのストリームである、請求項16に記載の方法。
  18. 水、2つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物を含む粗天然ガスストリームまたは原油ストリーム、およびガスハイドレート形成を修飾することができ、ヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンを含む添加物を含む組成物。
  19. 水および2つもしくはそれより多い低級炭化水素または他のハイドレート形成化合物を含む粗天然ガスストリームまたは原油ストリームを、少なくとも1つのヒドロカルビルアミドヒドロカルビルアミンに接触させることを含む、ガスハイドレート形成を修飾する方法。

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