JP2016537594A - 機械力生成装置および関連する運動機構 - Google Patents

機械力生成装置および関連する運動機構 Download PDF

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Abstract

本発明は、機構を基礎に連結するジョイントにおける反力、反力モーメント、および摩擦力が可能な限り低減されるために、コスト、保守コスト、およびエネルギー消費を可能な限り低減し、アクチュエータを含まず、任意の望ましい力の変動を生成可能な機械力発生装置(MFG)(11)に関する。MFG(11)は、3つの新規な運動機構によって達成される。これらの運動機構を用いることによって、汎用機構を得ることも可能である。この機構は、MFG(11)と同様の利点を有し、アクチュエータを含んでもよく、あるジョイントにおける相対並進運動が別のジョイントにおける相対並進運動の任意の所望の関数として得られてもよく、液圧および空気圧で作動される機械、内燃機関、ならびに圧縮機などの多くの異なる用途において使用されうる。【選択図】図2

Description

本発明は、コスト、保守コスト、およびエネルギー消費が可能な限り低減され、アクチュエータを含まず、任意の望ましい力の変動を生成可能な機械力発生装置(MFG:mechanical force generator)に関する。また本発明は、MFGが導かれる元となっている3つの新規な運動機構によって達成され、液圧および空気圧で作動される機械、内燃機関、ならびに圧縮機などの多くの異なる用途において使用され、MFGと同様の利点を有し、アクチュエータを含み得る汎用機構にも関する。
文献には、1自由度の平面機構が多数存在しており、それらの入力リンクおよび出力リンクは並進式である。例えば、図1においては、1自由度の平面機構である両スライダ機構が示されており、入力パラメータおよび出力パラメータが、sおよびsによって示されている。この機構では、運動寸法(kinematic dimensions)、使用されるばねの自由長さ、およびばね定数kを適切に設計することによって、任意の所望の力F(s)、および、式(E1)によって与えられる任意の入力−出力関係を、近似的に生成することが可能である。式(E1)によって与えられる入力−出力関係および所望の力F(s)は、両スライダ機構においては近似的にのみ生み出され得るが、カム対および/またはシリンダ−イン−スロット(cylinder in slot)ジョイントを含む機構を使用することによって、物理的制約が許す限りは、何ら近似を行うことなく、すなわち正確に所望の様式で、任意の所望の入力−出力関係および任意の所望の力を生成することが可能である。
図1に示される両スライダ機構は、2つの直動ジョイントによって基礎に連結される。これらの2つのジョイントにおいて生じる反力、反力モーメント、および摩擦力は、基礎に及ぼされる振動力および振動モーメントを構成する。上述された振動力および振動モーメントは、生成されるF(s)の力、ダランベールの原理によって運動中のリンクに作用する慣性力および慣性モーメント、ならびにリンクの重量によって決まることになる。一般に、この種類の用途では、振動力および振動モーメントの大部分は、F(s)の力ならびに慣性力および慣性モーメントに起因するものである。また、振動力および振動モーメントに対するリンクの重量の寄与は、相対的により小さくなる。
よく知られているように、振動力および振動モーメントは、機構を基礎に連結する軸受において、望ましくない騒音および振動を引き起こす。これらの理由により、機構は、不快なほどに騒音の多い様式で作動し、軸受は急速に摩耗してしまう。騒音および振動を防止するためにとられる方策は、完全に満足のいく解決法を提供することはできないにもかかわらず、システムのコストを高くする。さらに、機構を基礎に連結する2つのジョイントにおける摩擦によって余分なエネルギーが消費され、このことは機構のエネルギー消費に悪影響を与える。
本発明の目的の1つは、
機構を基礎に連結するジョイントにおける反力、反力モーメント、および摩擦力の大部分がリンクの重量のみに起因することで、当該ジョイントにおける摩耗が最小化されるように、
機構を基礎に連結するジョイントにおける反力、反力モーメント、および摩擦力の大部分がリンクの重量のみに起因することで、当該ジョイントの寿命が最大化されるように、
機構を基礎に連結するジョイントの寿命が可能な限り最大化されていることで、当該ジョイントの保守コストが最小化されるように、
これらのジョイントにおける反力、反力モーメント、および摩擦力の大部分がリンクの重量のみに起因することで、基礎に伝達される振動力および振動モーメントが最小化されるように、
基礎に伝達される振動力および振動モーメントが最小化されていることで、機構によって生成される騒音が最小化されるように、
基礎に伝達される振動力および振動モーメントが最小化されていることで、基礎に伝達される振動が最小化されるように、
基礎に伝達される騒音および振動が可能な限り最小化されていることで、機構における騒音および振動を防止することに関連するコストが最小化されるように、
機構を基礎に連結するジョイントにおける摩擦力の大部分がリンクの重量のみに起因することで、機構のエネルギー消費が最小化されるように、
アクチュエータを使用せず、ばねのみを使用することによって任意の所望の力変動を生成可能な機械力生成装置を実現することである。
本発明の別の目的は、
機構を基礎に連結するジョイントにおける反力、反力モーメント、および摩擦力の大部分がリンクの重量のみに起因することで、当該ジョイントにおける摩耗が最小化されるように、
機構を基礎に連結するジョイントにおける反力、反力モーメント、および摩擦力の大部分がリンクの重量のみに起因することで、当該ジョイントの寿命が最大化されるように、
機構を基礎に連結するジョイントの寿命が可能な限り最大化されていることで、当該ジョイントの保守コストが最小化されるように、
これらのジョイントにおける反力、反力モーメント、および摩擦力の大部分がリンクの重量のみに起因することで、基礎に伝達される振動力および振動モーメントが最小化されるように、
基礎に伝達される振動力および振動モーメントが最小化されていることで、機構によって生成される騒音が最小化されるように、
基礎に伝達される振動力および振動モーメントが最小化されていることで、基礎に伝達される振動が最小化されるように、
基礎に伝達される騒音および振動が可能な限り最小化されていることで、機構における騒音および振動を防止することに関連するコストが最小化されるように、
機構を基礎に連結するジョイントにおける摩擦力の大部分がリンクの重量のみに起因することで、機構のエネルギー消費が最小化されるように、
出力リンクの並進運動が、入力リンクの並進運動の任意の所望の関数として得られ、
液圧でまたは空気圧で作動される機械、内燃機関、および圧縮機などの多くの異なる分野で使用することができる、汎用機構を実現することである。
本発明の別の目的は、
機構を第1リンクに連結する4つのジョイントにおける反力、反力モーメント、および摩擦力の大部分が、リンクの重量、第1リンクにのみ作用する外力、外力モーメント、慣性力、および慣性モーメントに起因することで、当該4つのジョイントにおける摩耗が最小化されるように、
機構を第1リンクに連結する4つのジョイントにおける反力、反力モーメント、および摩擦力の大部分が、リンクの重量、第1リンクにのみ作用する外力、外力モーメント、慣性力、および慣性モーメントに起因することで、当該4つのジョイントの寿命が最大化されるように、
機構を第1リンクに連結する4つのジョイントの寿命が可能な限り最大化されていることで、当該4つのジョイントの保守コストが最小化されるように、
機構を第1リンクに連結する4つのジョイントにおける摩擦力の大部分が、リンクの重量、第1リンクにのみ作用する外力、外力モーメント、慣性力、および慣性モーメントに起因することで、機構のエネルギー消費が最小化されるように、
あるジョイントにおける相対並進運動が、別のジョイントにおける相対並進運動の任意の所望の関数として得られ、
液圧でまたは空気圧で作動される機械、内燃機関、および圧縮機などの多くの異なる分野で使用することができる、汎用機構を実現することである。
機構は、ジョイントによって互いに連結されたリンクからなり、かつ運動および/または力をある場所から別の場所に伝達するために使用される、機械的システムである。高い反力および反力モーメント、ならびに機構のジョイントにおいて生じる高い摩擦力および摩擦モーメントは、軸受の早い摩耗を引き起こすだけでなく、機構のエネルギー消費をも増大させる。さらに機構は、それが取り付けられる基礎に振動力および振動モーメントを及ぼす。この振動力および振動モーメントは、機構を基礎に連結するジョイントにおいて生じる反力、反力モーメント、摩擦力、および摩擦モーメントに起因し、基礎での望ましくない振動および騒音を引き起こす。
本明細書において説明される発明は、(その実際の使用に関する限り)1自由度の、過拘束の(overconstrained)(すなわち恒久的に臨界形態にある(in permanently critical form))、新規な平面機構に関し、その入力および出力リンクは並進する。本明細書において、入力リンクおよび出力リンクは、基礎にジョイントで連結される任意の2つのリンクを指す。入力リンクが機構を作動させるリンクであるとする典型的な仮定は採用されない。上述された最初の機構の出力リンクの並進運動は、入力リンクの並進運動の任意の所望の関数として得られる。さらに、この新規な機構の運動寸法、リンクの慣性パラメータ、および負荷条件が特定の条件を満たすならば、基礎に伝達される振動力、基礎に伝達される振動モーメント、および機構を基礎に連結するジョイントにおける摩擦力は、これらがリンクの重量のみによって決まることになるので、最小化される。摩擦力が最小化されるので、機構のエネルギー消費は最小化される。本発明に係る機械力生成装置は、任意の所望の力を生成可能であり、機構を基礎に連結するジョイントにおいて基礎に伝達される振動力、基礎に伝達される振動モーメント、摩擦力、ひいては機構のエネルギー消費を最小化するものであり、上述された新規な機構のいくつかのリンクの間にばねを取り付けることによって得られる。
本明細書においてEqMFG1&2機構と称される機構は、MFG機構において第1リンクと第2リンクとを互いに連結する直動ジョイントをシリンダ−イン−スロットジョイントで置き換えることによって得られる機構である。これは、恒久的な臨界形態ではない(すなわち過拘束ではない)機構である(図4を参照)。MFG機構およびEqMFG1&2機構の運動寸法および入力運動(input motions)が同じである場合、2つの機構の運動は同一になる。一方、EqMFG1&3機構は、MFG機構から第1リンクと第3リンクとを連結する直動ジョイントをシリンダ−イン−スロットジョイントで置き換えることによって得られる、恒久的な臨界形態ではない(すなわち過拘束ではない)別の機構である(図5を参照)。EqMFG1&2機構と同様に、MFG機構およびEqMFG1&3機構の運動寸法および入力運動が同じである場合、2つの機構の運動は同一になる。MFG機構における場合のように、EqMFG1&2機構およびEqMFG1&3機構の運動寸法、リンクの慣性パラメータ、および負荷条件が特定の条件を満たすならば、機構を基礎に連結するジョイントにおいて基礎に伝達される振動力、基礎に伝達される振動モーメント、および摩擦力が最小化され、さらにこのことにより機構のエネルギー消費が最小化される。
MFG機構、EqMFG1&2機構、およびEqMFG1&3機構が導かれる元になる運動機構から運動学的置換(kinematic inversion)の方法によって得られる機構は全て、MFG機構、EqMFG1&2機構、およびEqMFG1&3機構と同様の利点を有する。運動学的置換方法によって得られるこれらの機構では、あるジョイントにおける相対並進運動が、別のジョイントにおける相対並進運動の任意の所望の関数として得られる。さらに、上述された機構の運動寸法、リンクの慣性パラメータ、および負荷条件が特定の条件を満たすならば、これらの機構の第1リンクを第2、第3、第4、および第5リンクに連結する4つのジョイントの各々における、反力、反力モーメント、およびクーロン摩擦力の大部分が、第1リンクに作用する外力および外力モーメント、ならびにダランベールの原理によって第1リンクに作用する慣性力および慣性モーメントから生じることになる。また、これらの大部分は、第1リンク(1)以外のリンクに作用している外力および外力モーメント、ならびに第1リンク以外のリンクの加速度から独立しているであろう。
本発明の目的を達成するように実現される「機械力生成装置および関連する運動機構」は、以下に列挙する添付の図面において示されている。
文献に存在する両スライダ機構の概略図である。 本発明に係る機械力生成装置(11)の概略図である。 本発明に係る機械力生成装置(11)において使用されるジョイントを示す表である。 機械力生成装置(11)において第1リンクと第2リンクと(1,2)を連結する直動ジョイントをシリンダ−イン−スロットジョイントと置き換えることによって得られる、等価な機械力生成装置1&2(EqMFG1&2)(12)と称される機構の概略図である。 機械力生成装置(11)において第1リンクと第3リンクと(1,3)を連結する直動ジョイントをシリンダ−イン−スロットジョイントと置き換えることによって得られる、等価な機械力生成装置1&3(EqMFG1&3)(13)と称される機構の概略図である。 負荷条件に関してのみ機械力生成装置(11)と異なる、摩擦および振動が最小の−あらゆる並進に対して並進する(MinFaS−TaT)(14)機構の概略図である。 機械力生成装置(11)機構およびMinFaS−TaT(14)機構が満たさねばならない条件を示す表である。
図面において示される全ての部品には番号が付されており、以下に列挙される対応物を指している。
1.第1リンク
2.第2リンク
3.第3リンク
4.第4リンク
5.第5リンク
6.第6リンク
7.第7リンク
8.第8リンク
9.第9リンク
10.ばね
11.機械力生成装置
12.等価な機械力発生装置−1&2機構
13.等価な機械力発生装置−1&3機構
14.摩擦および振動が最小の−あらゆる並進に対して並進する機構
機械力生成装置(11)の概略図が、図2において与えられている。MFG(11)には、第1リンクとして示される基礎を含む全部で9つのリンクが存在する。O、O、O、O、O、O、O、O、およびOの座標系は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、および第9リンク(1,2,3,4,5,6,7,8,9)に結び付けられる基準系であり、x軸、x軸、x軸、およびx軸はx軸に平行であり、一方でy軸、y軸、y軸、およびy軸はy軸に平行である。図をこれ以上複雑にしないように、第6、第7、第8、および第9リンク(6,7,8,9)に属するx軸およびy軸は、図2には示されていない。
MFG(11)において使用されるジョイントが、図3において示されている。この表において、R、P、およびCはそれぞれ、回転ジョイント、直動ジョイント、およびシリンダ−イン−スロットジョイントを表す。図3を用いて、どのリンクが他のどのリンクに、どの種類のジョイントを用いて連結されるかを見て取ることが可能である。例えば、図3において与えられる9×9行列の第4行によると、第4リンク(4)が、第1、第7、および第8リンク(1,7,8)に、それぞれ直動ジョイント、回転ジョイント、および回転ジョイントによって連結されることが見て取れる。
MFG(11)において使用される第6リンクのローラ(6)は、第3リンク(3)の溝内を移動する。LO3Rと表示された(図2を参照)、この溝のちょうど真ん中に位置付けられるカーブは、第3リンク上での第6リンク(6)上の点Aの軌跡である。ここで、Aは、第6リンク(6)上の点Aを表す。汎用的にいえば、Pはi番目のリンク上の点Pを規定する。ここで、点Bは、第3リンク(3)上のカーブLO3Lに従う。同様に、点Dおよび点Cは、それぞれ第5リンク(5)上のカーブLO5RおよびカーブLO5Lに沿って移動する。
機械力生成装置(11)の出力リンクは、第2および第4リンク(2,4)であり、これらの位置は、s(t)によって示される。一方、図2における力F(s)および力F(s)は、機械力生成装置(11)によって生成された力(すなわち生成装置の出力)を示す。これらの力は互いに等しいはずなので(式(E50)を参照)、いずれの力もF(s)によって表すことができる。使用されるシンボルから理解できるように、力F(s)およびF(s)は出力リンクの位置によって決まる。
図2においては、固定された筐体(1)と第3リンク(3)との間に、ばね定数kを有するばね(10)が存在する。一方、筐体と第5リンク(5)との間のばね(10)のばね定数は、kとして示される。
機械力生成装置(11)は、平面機構であり、その入力リンクおよび出力リンクは並進運動を実行し、その実際上の自由度は1であり、入力リンクの位置s(t)と出力リンクの位置s(t)との間の任意の関係を得ることが可能であり(図2を参照)、MFGの運動寸法が適切に設計されるとき、この関係は以下の数式として表されうる。
=f(s) (E1)
ここで、f(s)はsによって決まる任意の関数を表象し、この関数およびその導関数は連続的なものになる。
MFG(11)を使用することによって、所望の入力−出力関係を生成することに加えて、機械的トルク生成装置(11)の運動寸法、使用されるばね(10)の自由長さ、ならびにばね定数kおよびばね定数kを適切に設計することによって、任意の所望の力F(s)を生成することも可能である。
機械力生成装置(11)の自由度を求めるために、以下の式が使用されうる。
Figure 2016537594
ここで、F、λ、l、およびjはそれぞれ、機構の自由度、機構が動作する空間の自由度、機構のリンクの個数、および機構のジョイントの個数を表し、fは、ジョイントiの自由度である。MFG(11)は平面機構であるので、以下のようになる。
λ=3 (E3)
さらに、図2および図3を使用して、以下が得られる。
l=9 (E4)
j=12 (E5)
図3に示されるように、MFG(11)には、4つの1自由度の回転ジョイント、4つの1自由度の直動ジョイント、および4つの2自由度のシリンダ−イン−スロットジョイントが存在する。したがって、以下が得られる。
Figure 2016537594
式(E3)〜(E6)を式(E2)に代入すると、以下が得られる。
F=4 (E7)
一方、機構の現実の自由度は、以下のようになるであろう。
=5 (E8)
式(E2)を使用することによって得られる自由度と現実の自由度との間の差の理由は、MFG(11)が、恒久的に臨界形態にある機構であることである。換言すれば、MFG(11)において使用される特別な運動寸法[式(E10)〜(E25)を参照]のために、MFG(11)のジョイントに起因する拘束は、互いから独立していない。これらの特別な運動寸法のため、基礎(1)に固定されたO座標系に関する、点A、B、C、およびDの座標(図2を参照)は、第6、第7、第8、および第9リンクのローラ(6,7,8,9)の中心であり、運動の全体を通して、それぞれ(x,y)、(−x,y)、(−x,−y)、および(x,−y)である。
一方、機構の使用が考慮されるとき、機械力生成装置(11)の実際の自由度は
g,p=F−4=1 (E9)
であるといえるが、これは、点A、B、C、およびDをそれぞれ通過するz軸に平行な軸を中心とした第6、第7、第8、および第9リンク(6,7,8,9)の回転が、用途において重要性を持たないことによる。
MFG(11)において使用される上述された特別な運動寸法が、以下に列挙されている。
Figure 2016537594
式(E13)〜(E16)における記号「⇔」は、「一致する」を意味することを意図されている。一方、式(E17)において、r、r、r、およびrはそれぞれ、第6、第7、第8、および第9リンクのローラ(6,7,8,9)の半径を表す。(xLO_3R,yLO_3R)は、O系に関する、カーブLO3R上の点のx座標およびy座標を表す。一方、(xLO_3L,yLO_3L)は、O系に関する、カーブLO3L上の点のx座標およびy座標を表す。同様に、(xLO_5R,yLO_5R)および(xLO_5L,yLO_5L)はそれぞれ、O系に関する、カーブLO5RおよびカーブLO5L上の点のx座標およびy座標を示す。一方、pはパラメータを表し、その下限および上限はpminおよびpmaxである。換言すれば、以下のようなパラメータpに対する制約が存在する。
min≦p≦pmax (E26)
最後に、fおよびgは、カーブLO3R、LO3L、LO5R、およびLO5Lを規定するために使用される2つの関数である。ここで、以下の関数は、連続的であるはずである。
Figure 2016537594
MFG(11)の運動寸法が式(E10)〜(E25)によって与えられる条件を満たすならば、力発生装置(11)の運動全体を通して、以下のようになる。
Figure 2016537594
図2において、長さOおよび長さOは、それぞれs(t)およびs(t)として示されている。
MFG(11)のリンクの慣性パラメータによって満たされるべき条件も存在する。これらの条件は、以下に列挙されている。
Figure 2016537594
ここで、G、m、xG_i、およびyG_iはそれぞれ、重心、質量、i番目のリンクに連携されたO系に関する重心のx座標、およびi番目のリンクのO系に関する重心のy座標を表す。一方、IG_iは、Gから延びるzに平行な軸に関するi番目のリンクの慣性モーメントである。
最後に、MFG(11)に加えられる外力および外力モーメントによって満たされるべき条件(図2を参照)が、以下に与えられる。
Figure 2016537594
式(E47)において、ベクトルFk_uおよびベクトルFk_lは、それぞれ、ばね定数kおよびkを有するばね(10)によって第3リンクおよび第5リンク(3,5)に加えられる力を示す。
図4では、等価な機械力生成装置(EqMFG:Equivalent Mechanical Force Generator)−1&2(12)と称される平面機構が示されている。この図において、カーブC12は、半径aおよび中心U2を有する円上の弧である。ここで、U2は、x軸上に存在する、第2リンク(2)上の点を表す。EqMFG1&2(12)および図2において示されるMFG(11)を比較すると、第1リンクと第2リンクと(1,2)を連結するジョイントの種類を除いて、これらが同じ機構であることが理解されるであろう。MFGにおいては、第2リンク(2)と基礎(1)との間に、直動ジョイントが存在する。一方、EqMFG1&2(12)においては、第2リンク(2)と基礎と(1)は、シリンダ−イン−スロットジョイントによって互いに連結される。このシリンダ−イン−スロットジョイントは、リンク(1)上で、点U2の経路をx軸に一致させる。また、このシリンダ−イン−スロットジョイントはさらに、第2リンク(2)を第1リンク(1)に対して、点U2を通過するz軸に平行な軸を中心に回転させる。さらに、EqMFG1&2(12)機構の運動寸法は、条件(E10)〜(E25)を満たす。EqMFG1&2機構の自由度が式(E2)を使用することによって計算されるとき、以下が得られる。
F=5 (E51)
このようにして得られた自由度は、EqMFG1&2機構の実際の自由度である。このため、MFG(11)機構とは対照的に、EqMFG1&2(12)機構は、恒久的に臨界形態にある機構ではない。EqMFG1&2(12)機構およびMFG(11)機構の運動寸法および入力運動が同じである場合、これらの機構の運動も同じになる。
図5では、等価な機械力生成装置(EqMFG)−1&3(13)と称される平面機構が示されている。図5におけるカーブC13は、半径bおよび中心U3を有する円上に存在する。ここで、U3は、第3リンク(3)上に存在しかつy軸上に位置付けられる点を表す。EqMFG1&3(13)と図2において示されるMFG(11)とを比較すると、第1リンクと第3リンクと(1,3)を連結するジョイントの種類を除いて、これらの機構が同じであることが理解されるであろう。MFG(11)においては、第3リンク(3)と基礎(1)との間に、直動ジョイントが存在する。一方、EqMFG1&3(13)においては、第3リンク(3)と基礎(1)とはシリンダ−イン−スロットジョイントによって互いに連結される。このシリンダ−イン−スロットジョイントは、リンク(1)上で、点U3の経路をy軸に一致させる。また、このシリンダ−イン−スロットジョイントはさらに、第3リンク(3)を第1リンク(1)に対して、点U3を通過するz軸に平行な軸を中心に回転させる。さらに、EqMFG1&3(13)機構の運動寸法は、条件(E10)〜(E25)を満たす。EqMFG1&2(12)機構と同様に、EqMFG1&3機構(13)は、恒久的な臨界形態にはない5自由度の機構である。ここでも、EqMFG1&2(12)機構の場合のように、EqMFG1&3(13)機構およびMFG(11)機構の運動寸法および入力運動が同じである場合、EqMFG1&3(13)機構およびMFG(11)機構の運動も同じになる。
一方で、等価な機械力生成装置−1&4(EqMFG1&4)機構は、MFG(11)において第4リンク(4)と基礎(1)とを連結する直動ジョイントを排除し、これをシリンダ−イン−スロットジョイントに置き換えることによって得られる。このシリンダ−イン−スロットジョイントは、第1リンク(1)上で、点U4の経路をx軸に一致させる。また、このシリンダ−イン−スロットジョイントはさらに、第4リンクを第1リンク(1)に対して、点U4を通過するz軸に平行な軸を中心に回転させる。ここで、U4は、第4リンク(4)上に存在し、かつx軸上に位置付けられる点を表す。同様に、等価な機械力生成装置−1&5(EqMFG1&5)機構は、MFG(11)において第5リンク(5)と基礎(1)とを連結する直動ジョイントを排除し、これをシリンダ−イン−スロットジョイントに置き換えることによって得られる。このシリンダ−イン−スロットジョイントは、第1リンク(1)上で、点U5の経路をy軸に一致させる。また、このシリンダ−イン−スロットジョイントはさらに、第5リンク(5)を第1リンク(1)に対して、点U5を通過するz軸に平行な軸を中心に回転させる。ここで、U5は、第5リンク(5)上に存在しかつy軸上に位置付けられる点を表す。EqMFG1&4機構およびEqMFG1&5機構は、EqMFG1&2(12)およびEqMFG1&3(13)と同じ特性を有する。
ここで、図4に示されるEqMFG1&2(12)機構に関連して、以下に与えられる6つの条件を検討する。
(C1) 機構の運動寸法が、式(E10)〜(E25)を満たす。
(C2) 機構の慣性パラメータが、式(E29)〜(E44)を満たす。
(C2) 機構の負荷条件が、式(E45)〜(E50)を満たす。
(C4) 重力加速度g(ベクトル)がゼロである。
(C5) 機構における4つの回転ジョイントの摩擦関連特性が互いに等しい。
(C6) 第6、第7、第8、および第9リンク(6,7,8,9)を第3および第5リンク(3,5)に連結する4つのシリンダ−イン−スロットジョイントの摩擦関連特性が互いに等しい。
上記の条件が満たされる場合、機構を基礎(1)に連結するジョイントにおける全ての反力および反力モーメントが、常に[すなわち、任意の所与の入力運動s(t)に対して、式(E1)によって与えられる任意の所与のs=f(s)の関係に対して、および任意の時間tに対して]以下のように得られるであろう。
Figure 2016537594
ここで、ベクトルF1i(t)およびベクトルM1i(t)[i=2,3,4,5]は、直動ジョイント、またはシリンダ−イン−スロットジョイントに起因して生じる、基礎によってi番目のリンクに及ぼされる反力および反力モーメントを表す。さらに、ベクトルi、ベクトルj、およびベクトルkは、x軸、y軸、およびz軸に平行な単位ベクトルである。式(E52)〜(E58)から明らかに理解できるように、EqMFG1&2機構(12)によって基礎に伝達される振動力および振動モーメントのz成分はゼロである。さらに、機構を基礎に連結する4つのジョイントの各々における反力および反力モーメントはゼロであるので、これらのジョイントの各々におけるクーロン摩擦力もゼロになる。なお、ここで、EqMFG1&2(12)によって生み出される力F(s)がどのようであれ、またEqMFG1&2(12)のリンクの加速度がどのようであれ、振動力、振動モーメント、および摩擦力は依然としてゼロである。
EqMFG1&2(12)機構が満たさねばならない条件、すなわち上で与えられた条件(C1)〜(C6)が、EqMFG1&3(13)機構、EqMFG1&4機構、およびEqMFG1&5機構においても同様に、生成された力F(s)およびリンクの加速度から独立して満たされる場合、機構を基礎に連結する4つのジョイントの各々において基礎に伝達される振動力、基礎に伝達される振動モーメント、およびクーロン摩擦力はゼロになる。
既に説明されたように、図2において示されているMFG(11)は、恒久的に臨界形態にある機構である。この理由により、機構の動的な力の分析は、静的な不確定性を含む問題になる。換言すれば、機構の動的な力の分析を行うためには、剛体力学から得られた方程式に加えて、リンクの柔軟性から生じる変形方程式も必要である。この理由により、剛体力学から得られる方程式のみが使用されるとき、MFG(11)の動的な力の分析は、無数の解を生むことになる。MFG(11)が、先立って与えられたEqMFG1&2機構(12)に関連する6つの条件(すなわち条件C1〜C6)を満たす場合、上記の解は、EqMFG1&2(12)機構、EqMFG1&3(13)機構、EqMFG1&4機構、およびEqMFG1&5機構の動的な力の分析の解、すなわち式(E52)〜(E58)によって与えられる解をも含む。このため、MFG(11)のリンクの柔軟性を適切に設計することにより、機構を基礎に連結する4つの直動ジョイントの各々において基礎に伝達される振動力、基礎に伝達される振動モーメント、およびクーロン摩擦力を、ゼロまたはほぼゼロにすることも可能である。
MFG(11)機構、EqMFG1&2(12)機構、EqMFG1&3(13)機構、EqMFG1&4機構、およびEqMFG1&5機構に関連する6つの条件のうちの1つである条件(C4)が満たされない(すなわち重力加速度gがゼロではない)場合、機構を基礎に連結する4つのジョイントの各々において基礎に伝達される振動力、基礎に伝達される振動モーメント、およびクーロン摩擦力は、ゼロにはならないものの、基本的にはこれらは、リンクの重量のみに起因し、生成された力F(s)およびリンクの加速度から独立しているであろう。
図6では、負荷に関してのみMFG(11)とは異なる機構が示されている。この機構では、MFG(11)において存在する2つのばね(10)が排除されている。そして、代わりに外力F(s)およびF(s)が加えられている。上記2つの外力は、以下で与えられる条件を満たすものとする。
(s)⇔(y軸) (E59)
(s)⇔(y軸) (E60)
(s)=F(s) (E61)
図6において与えられる機構は、摩擦および振動が最小の−あらゆる並進に対して並進する機構(MinFaS−TaT:Minimum Friction and Shaking−Translation to any Translation)(14)と称される。この機構は、MFG(11)機構と同様に、恒久的に臨界形態にある。MFG(11)機構およびMinFaS−TaT(14)機構の、運動寸法、慣性パラメータ、および負荷条件によって満たされるべき条件は、図7に示される表において与えられる。
ここで、EqMFG1&2(12)機構と同様に、等価な、摩擦および振動が最小の−あらゆる回転に対して並進する−1&2(EqMinFaS−TaT1&2)機構と称される機構について検討する。第1リンクと第2リンクと(1,2)を連結するジョイントの種類を除いて、EqMinFaS−TaT1&2機構とMinFaS−TaT(14)機構とは同じである。MinFaS−TaT(14)では、第2リンク(2)と基礎(1)との間に直動ジョイントが存在する。一方、EqMinFaS−TaT1&2機構では、第2リンク(2)と基礎(1)とが、シリンダ−イン−スロットジョイントによって連結されている。このシリンダ−イン−スロットジョイントは、リンク(1)上で点U2が従う経路を、x軸に一致させる。また、このシリンダ−イン−スロットジョイントはさらに、第2リンク(2)を第1リンク(1)に対して、点U2を通過するz軸に平行な軸を中心に回転させる。ここで、U2は、x軸上に位置付けられる第2リンク(2)上の点を表す。MinFaS−TaT(14)機構とは対照的に、EqMinFaS−TaT1&2機構は、恒久的に臨界形態にある機構ではない。EqMinFaS−TaT1&2機構およびMinFaS−TaT(14)機構の運動寸法および入力運動が同じである場合、これらの機構の運動も同じである。
EqMinFaS−TaT1&3機構、EqMinFaS−TaT1&4機構、およびEqMinFaS−TaT1&5機構も、EqMinFaS−TaT1&2機構と同様に規定される。(機構を基礎に連結する4つのジョイントの各々において基礎に伝達される振動力、基礎に伝達される振動モーメント、およびクーロン摩擦力に関連する)MFG(11)機構、EqMFG1&2(12)機構、EqMFG1&3(13)機構、EqMFG1&4機構、およびEqMFG1&5機構に関して先立ってなされた主張は全て、MinFaS−TaT(14)機構、EqMinFaS−TaT1&2機構、EqMinFaS−TaT1&3機構、EqMinFaS−TaT1&4機構、およびEqMinFaS−TaT1&5機構に関しても有効である。換言すれば、MinFaS−TaT(14)機構、EqMinFaS−TaT1&2機構、EqMinFaS−TaT1&3機構、EqMinFaS−TaT1&4機構、およびEqMinFaS−TaT1&5機構において、機構を基礎に連結する4つのジョイントの各々において基礎に伝達される振動力、基礎に伝達される振動モーメント、およびクーロン摩擦力は、基本的にはリンクの重量のみに起因するであろう。
既に説明されたように、負荷条件が考慮されない場合、図2および図6において示されるMFG(11)機構およびMinFaS−TaT(14)機構は相違しない。換言すれば、運動学的な観点からは、MFG(11)機構およびMinFaS−TaT(14)機構は、同じ機構である。いずれの機構も、[4つの回転ジョイント、4つの直動ジョイント、および4つのシリンダ−イン−スロットジョイントを図3の表に従って使用して、9つのリンクを互いに連結することによって得られ、運動寸法が条件(E10)〜(E25)を満たす]平面運動機構から、第1リンク(1)を運動不可能にすることによって(すなわち第1リンク(1)を基礎とすることによって)得られる。本明細書においては、上述された新規な運動機構は、4つの最適な直動ジョイントを有する運動機構(KCw4OPJ:Kinematic Chain with 4 Optimum Prismatic Joints)と称される。KCw4OPJは恒久的に臨界形態にある機構であるので、この機構から運動学的置換方法を使用することによって得られる全ての機構も、恒久的に臨界形態にある機構になる。
本明細書において、負荷条件を除いて相違しないEqMFG1&2(12)機構およびEqMinFaS−TaT1&2機構が導かれる元となっている運動機構は、4つの最適な直動ジョイントを有する等価な運動機構−1&2(EqKCw4OPJ1&2:Equivalent Kinematic Chain with 4 Optimum Prismatic Joints-1&2)と称される。EqKCw4OPJ1&2は、その運動寸法が条件(E10)〜(E25)を満たしており、恒久的な臨界形態にはない平面運動機構であるので、この運動機構から運動学的置換の方法を使用することによって得られる全ての機構も、恒久的な臨界形態ではない機構になる。
同様に、[負荷条件が考慮されなければ全く相違しない]EqMFG1&3(13)機構およびEqMinFaS−TaT1&3機構が導かれる元になる運動機構は、本明細書では、4つの最適な直動ジョイントを有する等価な運動機構−1&3(EqKCw4OPJ1&3)と称される。さらに、EqMFG1&4機構およびEqMinFaS−TaT1&4機構が導かれる元になる運動機構、ならびにEqMFG1&5機構およびEqMinFaS−TaT1&5機構が導かれる元になる運動機構は、本明細書ではそれぞれ、4つの最適な直動ジョイントを有する等価な運動機構−1&4(EqKCw4OPJ1&4)、および4つの最適直動ジョイントを有する等価な運動機構−1&5(EqKCw4OPJ1&5)と称される。EqKCw4OPJ1&3、EqKCw4OPJ1&4、およびEqKCw4OPJ1&5の平面運動機構は、それらの運動寸法が条件(E10)〜(E25)を満たしており、恒久的な臨界形態ではない運動機構であるので、これらの運動機構から運動学的置換の方法を使用することによって得られる機構も、恒久的な臨界形態ではない機構になる。
運動機構EqKCw4OPJ1&2およびEqKCw4OPJ1&4は、実際には同じ運動機構であるが、本明細書においては、表記をこれ以上複雑にしないように異なる名称を有する。同じ理由により、運動機構EqKCw4OPJ1&3およびEqKCw4OPJ1&5は、異なる運動機構ではないが、本明細書においては異なる名称を有する。
EqKCw4OPJ1&2運動機構、EqKCw4OPJ1&3運動機構、EqKCw4OPJ1&4運動機構、およびEqKCw4OPJ1&5運動機構から運動学的置換の方法によって得られる全ての機構が、条件(C1)〜(C6)を満たすならば、第1リンク(1)を第2、第3、第4、および第5リンク(2,3,4,5)に連結する4つのジョイントの各々における反力および反力モーメントならびにクーロン摩擦力は、第1リンク(1)のみに作用する外力および外力モーメント、ならびにダランベールの原理によって第1リンク(1)に作用する慣性力および慣性モーメントから生じることになる。換言すれば、EqMFG1&2(12)機構、EqMFG1&3(13)機構、EqMFG1&4機構、およびEqMFG1&5機構と同様に、上述された4つのジョイントにおける反力、反力モーメント、およびクーロン摩擦力は、第1リンク(1)以外のリンクの加速度、ならびにF(s)、F(s)、ベクトルFk_u、およびベクトルFk_lから独立したものになる。
既に説明されたように、運動機構KCw4OPJから得られる機構は、恒久的に臨界形態にある機構になる。この理由により、これらの機構の動的な力の分析は、静的な不確定性を含む問題をもたらすであろう。一方、KCw4OPJ運動機構から運動学的置換の方法を用いて得られる機構が条件(C1)〜(C6)を満たす場合、そしてさらに、MFG(11)機構と同様に、リンクの柔軟性が適切な様式で設計されている場合、機構において存在するする4つの直動ジョイントの各々における反力および反力モーメントならびにクーロン摩擦力の大部分が、第1リンク(1)のみに作用する外力および外力モーメント、ならびにダランベールの原理によって第1リンク(1)に作用する慣性力および慣性モーメントから生じることになる。換言すれば、上述された4つのジョイントにおける、反力、反力モーメント、およびクーロン摩擦力の大部分が、第1リンク(1)以外のリンクの加速度、ならびにF(s)、F(s)、ベクトルFk_u、およびベクトルFk_lから独立したものになる。
運動機構KCw4OPJ、EqKCw4OPJ1&2、EqKCw4OPJ1&3、EqKCw4OPJ1&4、およびEqKCw4OPJ1&5において、条件(C4)が満たされない場合、すなわち重力加速度がゼロでない場合、第1リンクをその他のリンクに連結する4つのジョイントの各々における反力および反力モーメントならびにクーロン摩擦力はさらに、リンクの重量にも依存することになる。
知られているように、実際の用途では、直動ジョイントによって互いに連結される2つのリンクは、加圧された油または気体を収容するピストン−シリンダ対と等価である。この理由により、運動学的置換の方法を使用して、4つの直動ジョイントを有する運動機構KCw4OPJ、ならびに、それぞれ3つの直動ジョイントを有する運動機構EqKCw4OPJ1&2、EqKCw4OPJ1&3、EqKCw4OPJ1&4、およびEqKCw4OPJ1&5から得られることになる機構は、液圧でまたは空気圧で作動される機械、内燃機関、および圧縮機などの多くの異なる分野において有用であると期待される。上述された機構では、任意の数のアクチュエータが使用されてもよい。さらに、機構における任意の2つのリンクの間に、ばねおよび/または緩衝装置が取り付けられてもよい。

Claims (10)

  1. 固定リンクを含む9つのリンク(1,2,3,4,5,6,7,8,9)、4つの回転ジョイント、4つの直動ジョイント、および4つのシリンダ−イン−スロットジョイントからなり、
    前記固定リンクが第1リンク(1)であり、
    平面的、すなわち前記9つのリンク(1,2,3,4,5,6,7,8,9)が同じ平面内、または複数の平行な平面内で移動するものであり、
    負荷条件および摩擦条件に応じて、任意のシリンダ−イン−スロットジョイントの自由度は、滑りが存在する場合には2であり、滑りが存在しない場合には1であり、
    第1リンクと第2リンクと(1,2)が直動ジョイントによって連結され、第1リンクと第3リンクと(1,3)が直動ジョイントによって連結され、第1リンクと第4リンクと(1,4)が直動ジョイントによって連結され、第1リンクと第5リンクと(1,5)が直動ジョイントによって連結され、第2リンクと第6リンクと(2,6)が回転ジョイントによって連結され、第2リンクと第9リンクと(2,9)が回転ジョイントによって連結され、第3リンクと第6リンクと(3,6)がシリンダ−イン−スロットジョイントによって連結され、第3リンクと第7リンクと(3,7)がシリンダ−イン−スロットジョイントによって連結され、第4リンクと第7リンクと(4,7)が回転ジョイントによって連結され、第4リンクと第8リンクと(4,8)が回転ジョイントによって連結され、第5リンクと第8リンクと(5,8)がシリンダ−イン−スロットジョイントによって連結され、第5リンクと第9リンクと(5,9)がシリンダ−イン−スロットジョイントによって連結される機構において、
    前記機構の運動寸法および関数f(p),g(p)が、条件
    Figure 2016537594
    を満たすことを特徴とする、機構。
  2. 固定リンクを含む9つのリンク(1,2,3,4,5,6,7,8,9)、4つの回転ジョイント、4つの直動ジョイント、および4つのシリンダ−イン−スロットジョイントからなり、
    前記固定リンクが第1リンク(1)であり、
    平面的であり、
    負荷条件および摩擦条件に応じて、任意のシリンダ−イン−スロットジョイントの自由度は、滑りが存在する場合には2であり、滑りが存在しない場合には1であり、
    第1リンクと第2リンクと(1,2)が直動ジョイントによって連結され、第1リンクと第3リンクと(1,3)が直動ジョイントによって連結され、第1リンクと第4リンクと(1,4)が直動ジョイントによって連結され、第1リンクと第5リンクと(1,5)が直動ジョイントによって連結され、第2リンクと第6リンクと(2,6)が回転ジョイントによって連結され、第2リンクと第9リンクと(2,9)が回転ジョイントによって連結され、第3リンクと第6リンクと(3,6)がシリンダ−イン−スロットジョイントによって連結され、第3リンクと第7リンクと(3,7)がシリンダ−イン−スロットジョイントによって連結され、第4リンクと第7リンクと(4,7)が回転ジョイントによって連結され、第4リンクと第8リンクと(4,8)が回転ジョイントによって連結され、第5リンクと第8リンクと(5,8)がシリンダ−イン−スロットジョイントによって連結され、第5リンクと第9リンクと(5,9)がシリンダ−イン−スロットジョイントによって連結される機構において、
    前記機構の運動寸法が条件(E10)〜(E25)を実質的に満たすことによって、少なくとも前記機構の運動の特定の部分に関して、前記機構の実際の自由度が、
    Figure 2016537594
    によって与えられる自由度よりも大きいことを特徴とする、機構。
  3. 第1リンクと第2リンクと(1,2)を連結する前記直動ジョイントをシリンダ−イン−スロットジョイントで置き換えることによって得られる機構において、
    第1リンク(1)上での前記x軸上の点U2の軌跡が前記x軸に一致し、
    第2リンク(2)が第1リンク(1)に対して、前記点U2を通過するz軸に平行な軸を中心に回転できるようにしたことを特徴とする、請求項1または2に記載の機構。
  4. 第1リンクと第3リンクと(1,3)を連結する前記直動ジョイントをシリンダ−イン−スロットジョイントで置き換えることによって得られる機構において、
    第1リンク(1)上での前記y軸上の点U3の軌跡が前記y軸に一致し、
    第3リンク(3)が前記点U3を通過するz軸に平行な軸を中心にして第1リンク(1)に対して回転できるようにしたことを特徴とする、請求項1または2に記載の機構。
  5. 第1リンクと第4リンクと(1,4)を連結する前記直動ジョイントをシリンダ−イン−スロットジョイントで置き換えることによって得られる機構において、
    第1リンク(1)上での前記x軸上の点U4の軌跡が前記x軸に一致し、
    第4リンク(4)が前記点U4を通過するz軸に平行な軸を中心にして第1リンク(1)に対して回転できるようにしたことを特徴とする、請求項1または2に記載の機構。
  6. 第1リンクと第5リンクと(1,5)を連結する前記直動ジョイントをシリンダ−イン−スロットジョイントで置き換えることによって得られる機構において、
    第1リンク(1)上での前記y軸上の点U5の軌跡が前記y軸に一致し、
    第5リンク(5)が前記点U5を通過するz軸に平行な軸を中心にして第1リンク(1)に対して回転できるようにしたことを特徴とする、請求項1または2に記載の機構。
  7. 運動学的置換、すなわち請求項1から6のいずれか一項に記載の機構のいずれか1つにおいて第1リンク(1)の固定を解除して、代わりに第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、または第9リンク(2,3,4,5,6,7,8,または9)のいずれか1つを前記固定リンクとすることによって得られることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の機構。
  8. 1もしくは複数のばね(10)、および/または1もしくは複数の緩衝装置が前記機構の任意の2つのリンクの間に取り付けられ、前記機構が1または複数のアクチュエータを有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の機構。
  9. 前記機構が任意の所望の力の変動を生成可能な機械力生成装置(11)として使用されることを可能にする1または複数のばね(10)が、第1リンクと第3リンクと(1,3)の間、および第1リンクと第5リンクと(1,5)の間に取り付けられ、
    前記各リンクの慣性パラメータが、
    Figure 2016537594
    によって与えられる条件を満たし、
    前記各リンクに作用する外力および外力モーメントが、条件
    Figure 2016537594
    を満たすことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の機構。
  10. 外力F(s)、F(s)、F(s)、およびF(s)がそれぞれ、第2、第3、第4、および第5リンク(2,3,4,5)に加えられ、
    前記各リンクの慣性パラメータが条件(E29〜E44)を満たし、
    前記各リンクに作用する外力および外力モーメントが条件(E48)〜(E50)および条件
    (s)⇔(y軸) (E59)
    (s)⇔(y軸) (E60)
    (s)=F(s) (E61)
    を満たすことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の機構。
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