JP2016537354A - ピラゾロピリミジン化合物 - Google Patents

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Abstract

本教示は、以下の構造式(式(I))で表される化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。それらの医薬組成物およびそれらの使用方法も開示される。

Description

関連出願
本願は、2013年11月15日に出願された国際出願第PCT/CA2013/000957の利益を主張する。上記出願の全教示は、参照により本明細書に援用される。
発明の背景
プロテインキナーゼは、多様な疾患、例えば癌における新規治療剤のための探索において、広い研究の主題である。プロテインキナーゼは、ヌクレオシド三リン酸からシグナル経路に含まれるタンパク質受容体へのリン酸基転移に作用することにより、細胞内シグナル伝達を仲介することが知られている。細胞外および他の刺激が様々な細胞応答を細胞内に発生させる、いくらかのキナーゼおよび経路がある。
チロシンスレオニンキナーゼとしても知られているヒトTTKプロテインキナーゼ(TTK)、二重特異性プロテインキナーゼTTK、モノポーラスピンドル1(Monopolar Spindle 1)(Mps1)、およびホスホチロシン−ピックドスレオニンキナーゼ(Phosphotyrosine-Picked Threonine Kinase)(PYT)は、大腸菌において発現したときに、セリン、スレオニン、およびチロシン残基をリン酸化し得る、保存された多重特異性キナーゼである(Mills et al., J. Biol. Chem. 22(5): 16000-16006 (1992))。TTK mRNAは、ヒトにおける生理学的に正常な組織の大多数において発現されない(同上)。TTK mRNAは、精巣および胸腺などの、いくつかの急増する組織ならびにいくつかの腫瘍において発現される(例えば、TTK mRNAは、腎細胞癌において発現されず、乳癌試料の50%において発現され、精巣腫瘍および卵巣癌の試料において発現された)(同上)。TTKは、正常な対応物に対するいくつかの癌細胞株および腫瘍において発現される(同上;WO 02/068444 A1も参照)。
したがって、プロテインキナーゼ、特にTTKを阻害する薬剤は、癌を治療する可能性を有する。プロテインキナーゼ阻害剤、特にTTK阻害剤として作用し得るさらなる薬剤の必要性がある。
さらに、癌の再発、薬物耐性、または転移は、癌治療における主要な課題の一つである。初期の抗癌治療に好ましく応答した癌患者は、しばしば、薬物耐性および疾患の再発を引き起こす二次的な腫瘍を発症する。最近の調査証拠は、腫瘍が成長および増殖する能力は、腫瘍内の細胞の小集団に依存すると示唆する。これらの細胞は腫瘍始原細胞(tumor-initiating cells)(TIC)または癌幹細胞と称される。TICは、薬物耐性、癌の再発、および転移の原因であると考えられている。これらの腫瘍始原細胞の成長および生存を阻害し得る化合物は、癌、転移の治療、または癌の再発の予防に使用し得る。したがって、腫瘍始原細胞の成長および生存を阻害し得る新規化合物の必要性がある。
発明の概要
現在、出願人は、特定のピラゾロピリミジン化合物が、TTKプロテインキナーゼなどのキナーゼの有力な阻害物質であることを見出した(実施例B参照)。出願人は、細胞培養の研究において、これらの化合物が、乳癌、結腸癌、および卵巣癌の細胞に対して有力な抗癌活性を有することも見出した(実施例C-D参照)。これらの知見に基づき、ピラゾロピリミジン化合物、その医薬組成物、およびピラゾロピリミジン化合物を使用して癌を治療する方法が、本明細書において開示される。
本教示は、少なくとも部分的に、下記構造式:
Figure 2016537354
(式中、R1は、-NH-CH2-Cyであり、
Cyは、アルキルおよびヒドロキシルから選択される1つまたは2つの基で任意に置換されるC3-C4シクロアルキルであり、
R2は、-O-ピリジニル;シクロプロピルもしくはイソプロピルで任意に置換される-NH-(C2-C6)ヒドロキシアルキル;またはヒドロキシルもしくは(C1-C2)ヒドロキシルアルキルで任意に置換される-NH-(C3-C6)シクロアルキルであり、
R4は、水素、ハロゲンおよび(C1-C3)アルキルから選択され、
Rdは、シクロプロピルであり、好ましくはR4は、塩素またはメチルである)
により表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩に関する。
一態様において、本教示は、薬学的に許容し得る担体または希釈剤、および前記構造式(I)により表された化合物またはその薬学的に許容し得る塩を含む医薬組成物を含む。
別の態様において、本教示は、構造式(I)の化合物またはその薬学的に許容し得る塩の有効量を、癌を有する被験体へ投与する工程を含む、癌を有する被験体の治療方法を提供する。
本教示の別の態様は、構造式(I)により表された化合物またはその薬学的に許容し得る塩の有効量をTTK活性の阻害の必要がある被験体へ投与する工程を含む、TTK活性の阻害の必要がある被験体において、TTK活性を阻害する方法を提供する。
本教示の別の態様は、治療において、構造式(I)により表された化合物またはその薬学的に許容し得る塩の使用を含む。いくつかの態様において、この治療は、癌を有する被験体の治療のためのものである。あるいは、この治療は、TTK活性の阻害の必要がある被験体において、TTK活性を阻害するためのものである。
本教示の別の態様は、癌を有する被験体の治療用医薬の製造のための、構造式(I)により表された化合物またはその薬学的に許容し得る塩の使用を含む。
本教示の別の態様は、TTK活性の阻害の必要がある被験体における、TTK活性阻害用医薬の製造のための、構造式(I)により表された化合物またはその薬学的に許容し得る塩の使用を含む。
発明の詳細な説明
一態様において、本教示は、構造式(I)により表された化合物またはその薬学的に許容し得る塩に関する。該発明はまた、実施例において、構造により示されるおよび/または名称により記載される化合物を含み、その中性の形態および薬学的に許容され得る塩の両方を含む。本明細書に記載される場合、これらの化合物を用いた治療および/または化合物(その中性形態および薬学的に許容され得る塩を含む)の使用も該発明に含まれる。該発明の化合物の具体例は、以下に示す
Figure 2016537354
またはその薬学的に許容し得る塩、
Figure 2016537354
またはその薬学的に許容し得る塩、
Figure 2016537354
またはその薬学的に許容し得る塩、および
Figure 2016537354
またはその薬学的に許容し得る塩である。
単独またはより大きな部分の一部として使用される用語「アルキル」、例えば「ヒドロキシアルキル」等は、飽和された脂肪族直鎖または分岐鎖の一価の炭化水素ラジカルを意味する。他に特定されなければ、アルキル基は、典型的に1〜6個の炭素原子を有し、すなわち(C1-C6)アルキルである。本明細書で使用する場合、「(C1-C6)アルキル」基は、直鎖配置または分岐鎖配置中に1〜6個の炭素原子を有するラジカルを意味する。
「シクロアルキル」は、任意に1つ以上の二重結合を含む飽和脂肪族環状炭化水素ラジカルを意味する。これは、単環式、二環式(例えば架橋された二環式環)、多環式(例えば三環式)であり得るかまたは縮合され得る。例えば、単環式(C3-C7)シクロアルキルは、単環式環中に配置された3〜7個の炭素原子を有するラジカルを意味する。(C3-C7)シクロアルキルとしては、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが挙げられる。
本明細書に記載される特定の化合物は、種々の立体異性体または互変異性形態で存在し得る。立体異性体は、その空間的配置のみが異なる化合物である。開示された化合物を命名するかまたは立体化学を示すことなく構造により示す場合、名称または構造は、全ての可能性のある立体異性体、互変異性体、幾何異性体またはそれらの組合せを包含することが理解される。
幾何異性体を名称または構造により示す場合、命名または示された幾何異性体の幾何異性体純度は、少なくとも60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、99重量%または99.9重量%の純度であることが理解されよう。幾何異性体純度は、混合物中の命名または示された幾何異性体の重量を、混合物中の幾何異性体の全ての総重量で割ることにより決定される。
ラセミ混合物は、50%の1つのエナンチオマーおよび50%の対応するエナンチオマーを意味する。本教示は、エナンチオマー的に純粋、エナンチオマー的に豊富、ジアステレオマー的に純粋、ジアステレオマー的に豊富およびラセミ混合物、ならびに本明細書に記載される化合物のジアステレオマー混合物の全てを包含する。
エナンチオマー混合物およびジアステレオマー混合物は、キラル相ガスクロマトグラフィー、キラル相高速液体クロマトグラフィー、キラル塩複合体としての化合物の結晶化、またはキラル溶媒中の化合物の結晶化などの周知の方法により、それらの成分のエナンチオマーまたは立体異性体に分解され得る。エナンチオマーおよびジアステレオマーはまた、周知の非対称合成法により、ジアステレオマー的またはエナンチオマー的に純粋な中間体、試薬、および触媒から得られ得る。
化合物を1つのエナンチオマーを示す名称または構造で指定する場合、他に示されなければ、該化合物は、少なくとも60%、70%、80%、90%、99%または99.9%光学的に純粋である(「エナンチオマー的に純粋」ともいう)。光学的な純度は、両エナンチオマーの混合物中の総重量で割った、命名または示されたエナンチオマーの混合物中の重量である。
開示された化合物の立体化学を命名するかまたは構造により示し、命名されるかまたは示された構造が1つより多くの立体異性体を包含する場合(例えば、ジアステレオマー対の場合)、包含される立体異性体の1つまたは包含される立体異性体の任意の混合物が含まれることが理解されよう。さらに、命名または示された立体異性体の立体異性体純度は少なくとも60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、99重量%または99.9重量%であることが理解されよう。この場合の立体異性体の純度は、名称または構造により包含される立体異性体の混合物中の総重量を、全ての立体異性体の混合物中の総重量で割ることにより決定される。
本明細書に開示される化合物の薬学的に許容され得る塩が本教示に含まれる。開示される化合物は、塩基性アミン基を有するので、薬学的に許容され得る酸(1つまたは複数)と、薬学的に許容され得る塩を形成し得る。本明細書に記載される化合物の適切な薬学的に許容され得る酸付加塩としては、無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸および硫酸)の塩および有機酸(例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、メタンスルホン酸およびp-トルエンスルホン酸)の塩が挙げられる。カルボン酸などの酸性基との本教示の化合物は、薬学的に許容され得る塩基(1つまたは複数)との薬学的に許容され得る塩を形成し得る。適切な薬学的に許容され得る塩基性塩としては、アンモニア塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムおよびカリウムの塩)およびアルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウムおよびカルシウムの塩)が挙げられる。第四級アンモニウム基との化合物はまた、塩素、臭素、ヨウ素、酢酸塩、過塩素酸塩等の対アニオンを含む。かかる塩の他の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、安息香酸塩およびグルタミン酸などのアミノ酸との塩が挙げられる。
本明細書に記載される化合物は、TTKを含む種々のキナーゼを阻害し得る。したがって、一般的に本明細書に記載される化合物は、かかるキナーゼに関連する疾患または状態の治療に有用である。いくつかの態様において、本明細書に記載される化合物は、TTKを阻害し得る。
一態様において、本明細書に記載される化合物は、TTK阻害剤であり、癌などの、かかるキナーゼ(1つまたは複数)に関連する疾患を治療するために有用である。
本教示の別の局面は、癌を有する被験体に、本明細書に記載される化合物の有効量を投与する工程を含む、癌を有する被験体を治療する方法に関する。一態様において、本明細書に記載される化合物は、腫瘍の増殖を阻害する。例えば、本明細書に記載される化合物は、TTKを過剰発現する腫瘍の増殖を阻害する。
本教示の方法により治療(例えば、再発の可能性の低減)され得る癌としては、肺癌、乳癌、結腸癌、脳癌、神経芽細胞腫、前立腺癌、黒色腫、多形性神経膠芽腫、卵巣癌、リンパ腫、白血病、黒色腫、肉腫、腫瘍随伴病変、骨肉腫、胚細胞腫、神経膠腫および中皮腫が挙げられる。一態様において、癌は、白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、乳癌、脳癌、結腸癌、結腸直腸癌、頭部および頸部癌、肝細胞癌、肺腺癌、転移性黒色腫、膵臓癌、前立腺癌、卵巣癌ならびに腎臓癌から選択される。一態様において、癌は、肺癌、結腸癌、脳癌、神経芽細胞腫、前立腺癌、黒色腫、多発性神経膠芽腫または卵巣癌である。別の態様において、癌は、膵臓癌、前立腺癌、肺癌、黒色腫、乳癌、結腸癌または卵巣癌である。さらに別の態様において、癌は、乳癌、結腸癌および卵巣癌である。さらに別の態様において、癌は、乳癌である。さらに別の態様において、癌は、基底亜類型乳癌(basal sub-type breast cancer)または管腔B亜類型乳癌(luminal sub-type breast cancer)である。さらに別の態様において、癌は、TTKを過剰発現する基底亜類型乳癌である。さらに別の態様において、基底亜類型乳癌は、ER(エストロゲン受容体)、HER2およびPR(プロゲステロン受容体)陰性乳癌である。さらに別の態様において、癌は、軟組織癌である。「軟組織癌」は、身体の任意の軟組織由来の腫瘍を包含する専門用語である。かかる軟組織は、身体の種々の構造および臓器、例えば限定されないが、平滑筋、骨格筋、 腱、繊維組織、脂肪組織、血管およびリンパ管、脈管周囲組織、神経、間葉細胞ならびに滑膜組織を連結、支持するかまたは周囲を取り囲む。したがって、軟組織癌は、脂肪組織、筋組織、神経組織、結合組織、血管、リンパ管および繊維組織の癌であり得る。軟組織癌は、良性または悪性であり得る。一般的に、悪性軟組織癌は、肉腫または軟組織肉腫という。脂肪腫、脂肪芽細胞腫、冬眠腺腫、脂肪肉腫、平滑筋腫、平滑筋肉腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、神経線維腫、神経鞘腫(schwannoma)(神経鞘腫(neurilemoma))、神経腫、悪性神経鞘腫、神経線維肉腫、神経性肉腫、結節性腱滑膜炎、滑膜肉腫、血管腫、グロムス腫瘍、血管周囲細胞腫、血管内皮腫、血管肉腫、カポジ肉腫、リンパ管腫、線維腫、弾性線維腫、表在線維腫症、線維性組織球腫、線維肉腫、線維腫症、隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)、悪性線維性組織球腫(MFH)、粘液腫、顆粒細胞腫、悪性間葉腫、胞状軟部肉腫、類上皮肉腫、明細胞肉腫および結合組織形成性小細胞腫瘍を含む多くの種類の軟組織腫瘍がある。特定の態様において、軟組織癌は、線維肉腫、胃腸肉腫、平滑筋肉腫、分化した脂肪肉腫、多形性脂肪肉腫、悪性線維性組織球腫、円形細胞肉腫および滑膜肉腫からなる群より選択される肉腫である。
いくつかの態様において、本教示は、抗癌療法を受けている被験体において、腫瘍始原細胞の増殖を阻害するかまたは癌の再発の可能性を低減する方法を提供する。該方法は、
a) 被験体を評価して、癌が寛解にあるかどうかを決定する工程;および
b) 癌が寛解にある場合、該被験体にTTK阻害剤(例えば、構造式(I)で表される化合物)の有効量を投与する工程を含む。癌が寛解状態にない場合、該方法は任意に、癌が寛解になるまで抗癌療法を継続する工程、次いで、b) TTK阻害剤(例えば、構造式(I)で表される化合物)の有効量を投与する工程をさらに含む。
本明細書で使用される場合、用語「腫瘍始原細胞(tumor-initiating cell)」または「TIC」は、自己再生および自己増殖する能力を有する、いくつかの腫瘍内に存在する細胞をいう。これらの細胞はしばしば、癌幹細胞(CSC)と称され、幹細胞様の表現型および機能などの特定の特徴を、正常な幹細胞と共有することが観察され得る。いくつかの態様において、TICは、免疫不全マウス中の異種移植後に腫瘍を形成する能力を特徴とする。
いくつかの態様において、本教示は、癌が寛解状態にある被験体において、腫瘍始原細胞の増殖を阻害するまたは癌の再発の可能性を低減する方法を提供し、該方法は、該被験体にTTK阻害剤(例えば、構造式(I)で表される化合物)の有効量を投与する工程を含む。
例えば被験体が癌の再発の可能性を低減するように治療されているいくつかの態様において、被験体は、既に抗癌療法で治療されている。代替的に、被験体はすでに、抗癌療法で治療されており、被験体は寛解状態にある。
いくつかの態様において、本教示は、癌を有する被験体に、構造式(I)で表される化合物の有効量と組み合わせて、効果的な抗癌療法を投与する工程を含む、癌を有する被験体を治療する方法を提供する。一態様において、癌は転移性の癌である。「転移性の癌」は、最初の身体の部位から他の部分へと拡散した癌である。
別の態様において、本教示は、薬物耐性癌を有する被験体を治療する方法に関する。「薬物耐性癌」は、癌の治療に典型的に使用される1、2、3、4、5以上の薬物に応答性ではない癌である。一態様において、薬物耐性癌は、腫瘍始原細胞の増殖により媒介される。
当該技術分野において公知の適切な方法は、被験体を評価して、癌が寛解にあるかどうかを決定するために使用し得る。例えば、腫瘍の大きさおよび/または腫瘍マーカー、通常腫瘍に関するタンパク質をモニターして、癌の状態を決定し得る。腫瘍の大きさは、X線、MRI、CATスキャン、超音波、マンモグラフィー、PETなどの画像化デバイス等により、または生検によりモニターされ得る。
本明細書に記載される方法、例えば共投与方法について、抗癌療法は、手術、放射線療法、免疫療法、内分泌療法、遺伝子療法および抗癌剤の投与からなる群から選択される。代替的に、抗癌療法は放射線療法である。別の選択において、抗癌療法は免疫療法である。別の選択において、抗癌療法は抗癌剤の投与である。さらに別の選択において、抗癌療法は手術である。
放射線療法は、癌を殺傷、破壊または治療するための放射線の使用である。例示的な放射線療法としては、限定されないが、ガンマ線照射、中性子ビーム放射線療法、電子ビーム放射線療法、プロトン療法、近接照射療法および放射性同位体療法(例えば、全身性放射性同位体療法)が挙げられる。
内分泌療法は、ホルモンを追加、遮断または除去する治療である。例えば、乳癌を治療するために、エストロゲンの産生または活性を遮断する化学療法剤が使用される。また、腎細胞癌および黒色腫などの特定の癌を治療するために、免疫系のホルモン刺激が使用される。一態様において、内分泌療法は、天然のホルモン、合成ホルモンまたは身体の天然のホルモンの産生を遮断もしくは増加し得る他の合成分子の投与を含む。別の態様において、内分泌療法は、特定のホルモンを産生する腺の除去を含む。
本明細書で使用される場合、遺伝子療法は、癌などの疾患を治療するための、被験体の細胞および生物学的組織への遺伝子の挿入である。例示的な遺伝子療法としては、限定されないが、生殖細胞遺伝子療法および体細胞遺伝子療法が挙げられる。
免疫療法(生物応答改変療法、生物学的療法、バイオセラピー、免疫療法、生物学的療法とも称される)は、疾患に抵抗するために免疫系の一部を使用する治療である。免疫療法は、免疫系が、癌細胞を認識することを補助し得るかまたは癌細胞に対する応答を高め得る。免疫療法は、能動免疫療法および受動免疫療法を含む。能動免疫療法は身体が有する免疫系を刺激し、受動免疫療法は一般的に、体外で作製された免疫系成分を使用する。
能動免疫療法の例としては限定されないが、癌ワクチン、腫瘍細胞ワクチン(自系または同種異系)、樹状細胞ワクチン、抗原ワクチン、抗イディオタイプワクチン、DNAワクチン、ウイルスワクチン、またはインターロイキン2(IL-2)もしくはリンホカイン活性化キラー(LAK)細胞療法を用いた腫瘍浸潤リンパ球(TIL)ワクチンを含むワクチンが挙げられる。
受動免疫療法の例としては、限定されないが、モノクローナル抗体、および毒素を含む標的化療法が挙げられる。モノクローナル抗体としては、ネイキッド抗体およびコンジュゲートモノクローナル抗体(タグ付加、標識化または負荷抗体とも称される)が挙げられる。ネイキッドモノクローナル抗体には薬物または放射性物質が付加されないが、コンジュゲートモノクローナル抗体は、例えば、化学療法薬(化学標識)、放射性粒子(放射性標識)、または毒素(免疫毒素)に結合される。これらのネイキッドモノクローナル抗体薬の例としては、限定されないが、例えばB細胞非ホジキンリンパ腫を治療するために使用されるCD20抗原に対する抗体であるリツキシマブ(リツキサン);例えば進行した乳癌を治療するために使用されるHER2タンパク質に対する抗体であるトラスツズマブ(ハーセプチン);例えばB細胞慢性リンパ性白血病(B-CLL)を治療するために使用されるCD52抗原に対する抗体であるアレムツズマブ(Campath);例えば進行した結腸直腸癌ならびに頭部および頸部癌を治療するために例えばイリノテカンと併用されるEGFRタンパク質に対す抗体であるセツキシマブ(アービタックス);ならびにVEGFタンパク質に対して作用し、かつ例えば転移性結腸直腸癌を治療するために化学療法と併用される抗脈管形成療法であるベバシズマブ(アバスチン)が挙げられる。コンジュゲートモノクローナル抗体の例としては、限定されないが、癌性Bリンパ球に直接放射能を送達し、例えばB細胞非ホジキンリンパ腫を治療するために使用される放射性標識抗体イブリツモマブチウキセタン(ゼヴァリン);例えば特定の種類の非ホジキンリンパ腫を治療するために使用される放射性標識抗体トシツモマブ(Bexxar);およびカリチアマイシンを含み、かつ例えば急性骨髄性白血病(AML)を治療するために使用される免疫毒素ゲムツズマブオゾガマイシン(マイロターグ)が挙げられる。BL22は、例えば毛様細胞性白血病を治療するためのコンジュゲートモノクローナル抗体、例えば白血病、リンパ腫および脳腫瘍を治療するための免疫毒素、ならびに例えば直腸結腸癌および卵巣癌のためのOncoScint、ならびに前立腺癌のためのProstaScintなどの放射性標識抗体である。
使用され得る治療抗体のさらなる例としては、限定されないが、転移性乳癌を有する患者の治療のためのヒト化抗HER2モノクローナル抗体であるハーセプチン(登録商標)(トラスツズマブ)(Genentech, CA);血餅形成の予防のための、血小板上の抗糖タンパク質IIb/IIIa受容体であるレオプロ(登録商標)(アブシキシマブ)(Centocor);急性腎臓異種移植片拒絶の予防のための免疫抑制剤、ヒト化抗CD25モノクローナル抗体であるゼナパックス(登録商標)(ダクリズマブ) (Roche Pharmaceuticals, Switzerland);マウス抗17-IA細胞表面抗原IgG2a抗体であるPANOREXTM (Glaxo Wellcome/Centocor);マウス抗イディオタイプ(GD3エピトープ)IgG抗体であるBEC2(ImClone System);キメラ抗EGFR IgG抗体であるIMC-C225(ImClone System);ヒト化抗αVβ3インテグリン抗体であるVITAXINTM(Applied Molecular Evolution/MedImmune);ヒト化抗CD52 IgG1抗体であるCampath 1H/LDP-03(Leukosite);ヒト化抗CD33 IgG抗体であるSmart M195 (Protein Design Lab/Kanebo);キメラ抗CD20 IgG1抗体であるリツキサンTM(IDEC Pharm/Genentech, Roche/Zettyaku);ヒト化抗CD22 IgG抗体であるLYMPHOCIDETM(Immunomedics);LYMPHOCIDETMY-90 (Immunomedics);Lymphoscan (Tc-99m-標識;放射性画像化;Immunomedics);Nuvion (CD3に対する; Protein Design Labs);ヒト化抗ICAM3抗体であるCM3 (ICOS Pharm);霊長類化抗CD80抗体であるIDEC-114 (IDEC Pharm/Mitsubishi);放射性標識マウス抗CD20抗体であるゼヴァリンTM (IDEC/Schering AG);ヒト化抗CD40L抗体であるIDEC-131 (IDEC/Eisai);霊長類化抗CD4抗体であるIDEC-151 (IDEC);霊長類化抗CD23抗体であるIDEC-152 (IDEC/Seikagaku);ヒト化抗CD3 IgGであるSMART抗CD3 (Protein Design Lab);ヒト化抗補体因子5(C5)抗体である5G1.1 (Alexion Pharm);ヒト化抗TNF-α抗体であるD2E7 (CAT/BASF);ヒト化抗TNF-α Fab断片であるCDP870 (Celltech);霊長類化抗CD4 IgG1抗体であるIDEC-151 (IDEC Pharm/SmithKline Beecham);ヒト抗CD4 IgG抗体であるMDX-CD4 (Medarex/Eisai/Genmab);CD20ストレプトアビジン(+ビオチン-イットリウム90; NeoRx);ヒト化抗TNF-α IgG4抗体であるCDP571 (Celltech);ヒト化抗α4β7抗体であるLDP-02 (LeukoSite/Genentech);ヒト化抗CD4 IgG抗体であるOrthoClone OKT4A (Ortho Biotech);ヒト化抗CD40L IgG抗体であるANTOVATM (Biogen);ヒト化抗VLA-4 IgG抗体であるアンテグレンTM (Elan);およびヒト抗TGF-β2抗体であるCAT-152(Cambridge Ab Tech)が挙げられる。
本教示において使用し得る免疫療法としては、補助免疫療法が挙げられる。例としては、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、マクロファージ炎症性タンパク質(MIP)-1-α、インターロイキン(例えば、IL-1、IL-2、IL-4、IL-6、IL-7、IL-12、IL-15、IL-18、IL-21およびIL-27)、腫瘍壊死因子(例えばTNFα)およびインターフェロン(例えばIFNα、IFNβおよびIFNγ)などのサイトカイン;水酸化アルミニウム(alum);カルメット-ゲラン杆菌(BCG);スカシ貝ヘモシアニン(KLH);不完全フロイントアジュバント(IFA);QS-21;DETOX;レバミゾール;およびジニトロフェニル(DNP)、ならびに例えばインターロイキンの組み合わせ、例えばIL-2とINFαなどの他のサイトカインの組み合わせなどのそれらの組み合わせが挙げられる。
代替的に、本明細書に記載される抗癌療法は、抗癌剤の投与を含む。「抗癌剤」は、癌を有する被験体に有効量で投与された場合に、部分的または実質的に以下:癌の増殖の拘束、程度の低下(例えば、腫瘍の大きさの低下)、癌の増殖速度の阻害、および癌に関する臨床状態もしくは指標(例えば組織または血清の成分)の改善もしくは向上、または被験体の寿命の増加の1つ以上を達成し得る化合物である。
本明細書に記載される方法における使用に適した抗癌剤は、癌の治療について承認された任意の抗癌剤を含む。一態様において、抗癌剤としては限定されないが、標的化抗体、脈管形成阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗物質、ビンカアルカロイド、タキサン、ポドフィロトキシン、トポイソメラーゼ阻害剤、ホルモン性抗新生物剤および他の抗新生物剤が挙げられる。
本教示の方法において有用なアルキル化剤の例としては、限定されないが、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロレタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン等)、エチレンイミンおよびメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラミン、チオテパ)、アルキルスルホネート(例えばブスルファン)、ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン等)またはトリアゼン(ダカルバジン(decarbazine)等)が挙げられる。本教示の方法に有用な代謝拮抗物質の例としては、限定されないが、葉酸アナログ(例えば、メトトレキサート)、またはピリミジンアナログ(例えば、フルオロウラシル、フロクソウリジン、シタラビン(Cytarabine))、プリンアナログ(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)が挙げられる。植物アルカロイドおよびテルペノイドまたはそれらの誘導体の例としては、限定されないが、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン)、ポドフィロトキシン、およびタキサン(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル)が挙げられる。トポイソメラーゼ阻害剤の例としては、限定されないが、イリノテカン、トポテカン、アムサクリン、エトポシド、リン酸エトポシドおよびテニポシドが挙げられる。抗新生物剤の例としては、限定されないが、アクチノマイシン、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、バルルビシン、イダルビシン、エピルビシン)、ブレオマイシン、プリカマイシンおよびマイトマイシンが挙げられる。
一態様において、本教示において使用され得る抗癌剤としては、アドリアマイシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、シスプラチン、アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール(acodazole);アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン(ambomycin);酢酸アメタントロン(ametantrone);アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン(asperlin);アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン(azotomycin);バチマスタット;ベンゾデパ(benzodepa);ビカルタミド;塩酸ビサントレン(bisantrene);ジメシル酸ビスナフィド(bisnafide);ビセレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレナキルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン(cactinomycin);カルステロン;カラセミド(caracemide);カルベチメール(carbetimer);カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン(carzelesin);セデフィンゴール(cedefingol);クロラムブチル;チロレマイシン(cirolemycin);クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン(dezaguanine);メシル酸デザグアニン;ジアジクオン;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン(droloxifene);クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;ダウゾマイシン(duazomycin);エダトレキサート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン(elsamitrucin);エンロプラチン(enloplatin);エンプロマート;エピプロピジン(epipropidine);塩酸エピルビシン;エルブロゾール(erbulozole);塩酸エソルビシン(esorubicin hydrochloride);エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン(etoprine);塩酸ファドロゾール;ファザラビン(fazarabine);フェンレチニド;フロクソウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン(fosquidone);フォストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモホシン(ilmofosine);インターロイキンII(例えば、組み換えインターロイキンIIまたはrIL2)、インターフェロンα-2a;インターフェロンα-2b;インターフェロンα-n1;インターフェロンα-n3;インターフェロンβ-Ia;インターフェロンγ-Ib;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール(liarozole);ロメトレキソール(lometrexol)ナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン(losoxantrone hydrochloride);マソプロコール;マイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン(metoprine);メツレデパ(meturedepa);ミチンドミド;ミトカルシン(mitocarcin);ミトクロミン(mitocromin);ミトギリン(mitogillin);ミトマルシン(mitomalcin);マイトマイシン;ミトスパー(mitosper);ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン(oxisuran);ペグアスパルガーゼ;ペリオマイシン(peliomycin);ペンタムスチン(pentamustine);硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド(perfosfamide);ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン(prednimustine);塩酸プロカルバジン;ピューロマイシン;塩酸ピューロマイシン;ピラゾフリン(pyrazofurin);リボプリン(riboprine);ログレチミド(rogletimide);サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルホセート(sparfosate)ナトリウム;スパルマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル(sulofenur);タリソマイシン(talisomycin);テコガラン(tecogalan)ナトリウム;テガフール;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシビリン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ(uredepa);バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン(vinepidine);硫酸ビングリシナート;硫酸ビンロイロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシンが挙げられる。
本教示において使用され得るさらに他の抗癌剤/薬物としては、限定されないが、20-エピ-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス(amidox);アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド(andrographolide);脈管形成阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス(antarelix);抗背側形態形成タンパク質-1(anti-dorsalizing morphogenetic protein-1);抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;アンチネオプラストン(antineoplaston);アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィディコリングリシネート;アポトーシス遺伝子調節因子;アポトーシス制御因子;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン(asulacrine);アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1 (axinastatin 1);アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;βラクタム誘導体;β-アレチン(beta-alethine);ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビサジリジニルスペルミン(bisaziridinylspermine);ビスナフィド;ビストラテンA;ビセレシン;ブレフラート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリポックスIL-2;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロリン(chlorln);クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェンアナログ;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチンアナログ;コナゲニン;クランベスシジン(crambescidin)816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシン(curacin)A;シクロペンタトラキノン(cyclopentanthraquinone);シクロプラタム(cycloplatam);シペマイシン(cypemycin);シタラビンオクホスファート;細胞溶解性因子;サイトスタチン(cytostatin);ダクリキシマブ(dacliximab);デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド(dexifosfamide);デクスラゾキサン;デクスベラパラミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス(didox);ジエチルノルスペリミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;9-ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン(ecomustine);エデルホシン(edelfosine);エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチンアナログ;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン(exemestane);ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルビシン;ホルフェニメックス;ホルメスタン;フォストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン(galocitabine);ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン(idramantone);イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫刺激ペプチド;インスリン様成長因子1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;ヨーベングアン(iobenguane);ヨードドキソルビシン;イポメアノール、4-;イロプラクト(iroplact);イルソグラジン;イソベンガゾール(isobengazole);イソホモハリコンドリン(isohomohalicondrin)B;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリド(kahalalide)F;ラメラリン-N三酢酸;ランレオチド;レイナマイシン(leinamycin);レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球αインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミゾール;リアロゾール;直鎖ポリアミンアナログ;脂質親和性二糖ペプチド;脂質親和性白金化合物;リソクリナミド(lissoclinamide)7;ロバプラチン;ロンブリシン(lombricine);ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン(lurtotecan);ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン(lysofylline);溶解性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシン阻害剤;マトリクスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニン分解酵素;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシンアナログ;ミトナフィド(mitonafide);マイトトキシン繊維芽細胞成長因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン(mofarotene);モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛膜ゴナドトロピン;モノホスホリル脂質A+ミコバクテリア(myobacterium)細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子阻害剤;多重腫瘍抑制因子1系療法;マスタード抗癌剤;ミカペルオキシドB;ミコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン(myriaporone);N-アセチルジナリン;N置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ(nagrestip);ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン(napavin);ナフテルピン(naphterpin);ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン(nemorubicin);ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン(nisamycin);酸化窒素調節因子;窒素酸化物酸化防止剤;ニトルリン(nitrullyn);O6-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン(okicenone);オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン(oracin);口内サイトカイン誘導因子;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン(oxaunomycin);パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール(panaxytriol);パノミフェン;パラバクチン(parabactin);パゼリプチン;ペグアスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;パーフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニル酢酸;ホスファターゼインヒビター;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチン(placetin)A;プラセチンB;プラスミノゲン活性化因子阻害剤;白金複合体;白金化合物;白金-トリアミン複合体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス-アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインA系免疫調整剤;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤、微細藻類;プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレンコンジュゲート;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras-GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン(retelliptine);レニウムRe 186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ログレチミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノン(rubiginone)B1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン(saintopin);SarCNU;サルコフィトール(sarcophytol)A;サルグラモスチム;Sdi 1模倣物;セムスチン;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達調節因子;一本鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテイト;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール(solverol);ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン(sonermin);スパルホス酸;スピカマイシン(spicamycin)D;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン(spongistatin)1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;スチピアミド;ストロメライシン阻害剤;スルフィノシン(sulfinosine);超活性(superactive)血管作用性小腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ(suradista);スラミン;スウェインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルルラピリウム(tellurapyrylium);テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン(tetrazomine);タリブラスチン(thaliblastine);チオコラリン(thiocoraline);トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣物;チマルファシン;トロンボポエチン(thymopoietin)受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;エチルエチオプルプリンスズ;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン; 全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシビリン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリン(variolin)B;ベクター系、赤血球遺伝子療法;ベラレソール;ベラミン(veramine);ベルジン(verdin);ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン(vinxaltine);ビタキシン(vitaxin);ボロゾール;サノテロン(zanoterone);ゼニプラチン;ジラスコルブおよびジノスタチンスチマラマーが挙げられる。好ましいさらなる抗癌薬は、5-フルオロウラシルおよびロイコボリンである。
一態様において、本明細書に記載される方法において使用され得る抗癌剤は、パクリタキセル、ドセタキセル、5-フルオロウラシル、トラスツズマブ、ラパチニブ、ベバシズマブ、レトロゾール、ゴセレリン、タモキシフェン、セツキシマブ、パニツムマブ、ゲムシタビン、カペシタビン、イリノテカン、オキサリプラチン、カルボプラチン、シスプラチン、ドキソルビシン、エピルビシン、シクロホスファミド、メトトレキサート、ビンブラスチン、ビンクリスチン、メルファランおよびそれらの組合せからなる群より選択される。
一態様において、抗癌剤および構造式(I)で表される化合物は同時に投与される。同時に投与される場合、抗癌剤および化合物は、同じ製剤中または異なる製剤中で投与され得る。代替的に、化合物およびさらなる抗癌剤は別々に投与される。代替的に、化合物およびさらなる抗癌剤は、別々の製剤として、臨床医に決定されるように適切な時間枠(例えば、癌治療期間(session)/間隔(例えば、約1.5、約5時間、約10時間、約15時間、約20時間;約1日間、約2日間、約5日間、約10日間、約14日間))内(例えば治療の医薬効果の重複が可能なるのに十分な時間)で、連続的に投与され得る。化合物およびさらなる抗癌剤は、所望の治療効果(例えば、腫瘍増殖の阻害)を達成するのに適した順序およびスケジュールで、単一用量または複数用量中で投与され得る。
一態様において、本明細書に記載される方法における被験体は、TTK阻害剤(例えば、構造式(I)で表される化合物)で以前に治療されていない。
用語「腫瘍始原細胞の増殖を阻害」は、腫瘍始原細胞の増殖速度および/または生存率を低下することをいう。
本明細書で使用される場合、用語「癌の再発の可能性を低減」は、原発性の部位もしくはその近傍および/または寛解期間後の二次的な部位での癌の戻りを部分的または全体的に阻害、遅延することを意味する。本明細書に記載される治療により、その非存在下よりも癌が戻る可能性が低いことも意味する。
本明細書で使用される場合、用語「寛解」は、典型的に被験体が抗癌療法により成功裡に治療された後に、癌に関連のある臨床的な症状または指標が、消えたかまたは検出できない癌の状態をいう。
本明細書で使用される場合、「治療」は、臨床的な結果を含む有益または所望の結果を得るためのアプローチである。有益または所望の臨床的な結果としては、限定されないが、1つ以上の症状または状態の緩和または改善、疾患の程度の減少、疾患の安定化された(すなわち、悪化しない)状態、疾患の拡散の可能性の低減、疾患進行の遅延または減速、検出可能または検出可能ではないかにかかわらず、疾患状態の改善または一時的緩和が挙げられる。「治療」はまた、治療を受けない場合に期待される生存と比較して、生存の延長も意味する。「治療」はまた、疾患の再発の可能性の低減も含む。
本明細書で使用される場合、「癌を有する被験体を治療」は、以下:増殖の拘束、癌の程度の低減(例えば、腫瘍の大きさの低減)、癌の増殖速度の阻害、癌に関連のある臨床的症状もしくは指標(例えば組織または血清成分)の改善もしくは向上、または被験体の寿命の増加の1つ以上を部分的または実質的に達成し、癌の再発の可能性を低減することを含む。
一般的に、本明細書で教示される化合物の有効量は、所定の薬物または化合物、医薬製剤、投与経路、疾患または障害の種類、治療される被験体または宿主の同一性などの種々の要因に依存して変化するが、それにかかわらず当業者により常套的に決定され得る。本教示の化合物の有効量は、当該技術分野において公知の常套的な方法により、当業者により容易に決定され得る。
用語「有効量」は、被験体に投与した場合に、臨床的な結果などの有益または所望の結果を生じる、例えば対照と比較して、(例えば、臨床状態または癌細胞の量により決定された場合に)被験体において癌を阻害、抑制または低減する量を意味する。
ある態様において、本明細書に教示される化合物の有効量は、約0.1〜約1000mg/体重kg、代替的に約1〜約500mg/体重kg、および別の選択において約20〜約300mg/体重kgの範囲である。別の態様において、本明細書に教示される化合物の有効量は、約0.5〜5000mg/m2、代替的に約5〜約2500mg/m2、および別の選択において約50〜約1000mg/m2の範囲である。特定の要因が、癌に苦しむ被験体を効果的に治療するまたは癌の再発の可能性を低減するために必要な用量に影響し得ることを、当業者は理解する。これらの要因としては、限定されないが、疾患または障害の重症度、以前の治療、被験体の一般的な健康および/または年齢、ならびに他の疾患の存在が挙げられる。
さらに、本明細書に記載される方法(癌を有する被験体を治療することまたは癌の再発の可能性を低減することを含む)について、本教示の化合物の有効量を用いた被験体の「治療」または投与養生法(dosing regimen)は、単一の投与からなり得るか、代替的に一連の適用を含み得る。例えば、本教示の化合物は、少なくとも1週間に1回投与され得る。しかしながら、別の態様において、化合物は、所定の治療について1週間に約1回から毎日1回、被験体に投与され得る。治療期間の長さは、疾患の重症度、患者の年齢、本教示の化合物の濃度および活性、またはそれらの組み合わせなどの種々の要因に依存する。該治療に使用される化合物の有効用量は、特定の治療養生法に沿って経時的に増減され得ることも理解されよう。用量の変化は、当該技術分野における公知の標準的な診断アッセイによって生じ得、かつ明らかになり得る。いくつかの例において、慢性的な投与が必要となり得る。
「被験体」は、哺乳動物、好ましくはヒトであるが、獣医学的な治療を必要とする動物、例えばペット動物(companion animal)(例えば、イヌ、ネコ等)、農場動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ等)および実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモット等)でもあり得る。
本明細書に教示される化合物は、当業者に理解されるように、選択される投与経路に依存して、種々の形態で患者に投与され得る。本教示の化合物は、例えば、経口、非経口、口内、舌下、経鼻、経直腸、パッチ、ポンプまたは経皮的な投与により投与され得、それに従って医薬組成物が調製され得る。非経口投与は、静脈内、腹腔内、皮下、筋内、経表皮、経鼻、肺内、鞘内、経直腸および局所の形態の投与を含む。非経口投与は、選択された時間にわたり連続注入によりなされ得る。
本明細書に教示される化合物は、被験体への投与のために医薬組成物へと適切に調製され得る。本教示の医薬組成物は、任意に、ラクトース、デンプン、セルロースおよびデキストロースなどの1つ以上のその薬学的に許容され得る担体および/または希釈剤を含む。調味剤、甘味剤、ならびにメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベンおよびブチルパラベンなどの保存剤などの他の賦形剤も含まれ得る。適切な賦形剤のより完全なリストが、Handbook of Pharmaceutical Excipients (第5版、Pharmaceutical Press (2005))に見られ得る。当業者は、種々の型の投与経路に適切な製剤をどのように調製するかを知っている。適切な製剤の選択および調製についての従来の手順および成分は、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences (2003-第20版)および1999に出版されたThe United States Pharmacopeia: The National Formulary (USP 24 NF19)に記載される。医薬組成物の他の成分と適合性であり、かつその受容者に対して有害でないとの意味において、担体、希釈剤および/または賦形剤は、「許容され得る」。
典型的に、経口治療投与について、本教示の化合物は、賦形剤と一体化され得、接種可能な錠剤、口内錠剤、トローチ剤(troche)、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、オブラート剤等の形態で使用され得る。
典型的に、非経口投与について、本教示の化合物の溶液は、一般的に、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合された水中で調製され得る。分散剤は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、DMSOおよびアルコールありまたはなしのそれらの混合物中、および油中でも調製され得る。保存および使用の通常の条件下で、これらの製剤は、微生物の増殖を防ぐための保存剤を含む。
典型的に、注射用の使用について、滅菌注射用溶液または分散液の即席の調製のための本明細書に記載される化合物の滅菌水溶液または分散剤および滅菌粉末が適切である。
経鼻投与について、本教示の化合物は、エアゾール、滴剤、ゲルおよび散剤として調製され得る。エアゾール製剤は、典型的に、生理学的に許容され得る水性または非水性溶媒中に活性物質の溶液または懸濁液を含み、通常、噴霧デバイスを用いた使用のためのカートリッジまたは補充品の形態をとり得る密封された容器中に滅菌形態で、単一量または複数用量で存在する。代替的に、密封された容器は、使用後の使い捨てを意図した単一用量経鼻吸入器または定量計測バルブを備えたエアゾールディスペンサーなどの単位分配デバイスであり得る。剤型がエアゾールディスペンサーを含む場合、圧縮空気などの圧縮気体またはフルオロクロロヒドロカーボンなどの有機高圧ガスであり得る高圧ガスを含む。エアゾール剤型は、ポンプ噴霧器の形態も採り得る。
口内投与または舌下投与について、本教示の化合物は、糖、アラビアゴム、トラガカントゴム、またはゼラチンおよびグリセリンなどの担体と共に、錠剤、トローチ剤(lozenge)または香錠として調製され得る。
経直腸投与について、本明細書に記載される化合物は、ココアバターなどの従来の坐剤ベースを含む坐剤の形態で調製され得る。
発明の化合物は、以下の一般的なスキームおよび手順ならびに以下の調製例で説明されるように、当業者に公知の方法で調製され得る。全ての開始物質は、市販されるか、または当業者に公知の方法および以下に記載される手順により調製されるかのいずれかである。
本発明の別の局面によると、本発明の化合物は、当該技術分野で確立された方法と類似の方法により調製され得る。特許請求される化合物を合成するための一般的な方法を、以下の実施例Aに詳述する。
実施例
実施例A:合成
一般方法
市販されている開始物質、試薬および溶媒を理解されるように使用した。一般的に、窒素またはアルゴンなどの不活性雰囲気下で無水反応を行った。PoraPak(登録商標)Rxn CXは、Watersから入手可能な市販のカチオン交換樹脂のことである。
Biotage Initiatorマイクロ波反応器を使用して、マイクロ波反応を行った。反応の進行は、一般的に、分析用HPLCまたはLCMS (Bruker Exquire 4000またはWaters Acquity UPLCシステム)により、254nmでのUVにより視覚化したMerckシリカゲルプレートを使用して、TCLによりモニタリングした。EMD chemicalsもしくはSilicycleの230〜400メッシュシリカゲル60を使用して中間体または最終生成物のフラッシュカラムクロマトグラフィー精製を行ったか、またはKP-SILもしくはHP-SILシリカカートリッジを備えたBiotage Isolera、またはKP-NH塩基性修飾シリカおよび対応する試料(samplet)を使用して、精製した。H2O中、約5〜30% MeCNまたはMeOH/0.05% TFA-H2Oから70〜90% MeCNまたはMeOH/0.05% TFAを使用して、30〜80mL/分の流速で、20〜40分かけて、Varian Monochrom 10μ C-18逆相カラムを備えたVarian PrepStarモデルSD-1 HPLCシステムで逆相HPLC精製を行った。逆相精製は、H2O中10〜95% MeOHまたはCH3CN/0.1% TFAを使用して、KP-C18-Hカラムを備えたBiotage Isoleraを使用しても行った。Bruker 400MHz分光計でプロトンNMRを記録し、Bruker Esquire 4000分光計またはWaters Acquity UPLCシステムを使用して、質量スペクトルを得た。
化合物名は、CambridgeSoft-PerkinElmer's ChemBioDraw Ultraバージョン11.0または12.0に構築したソフトウェアを使用して作成した。
略語:
aq 水性
Ar アルゴン
Boc tert-ブトキシカルボニル
br. 広範
calcd 計算
d 二重
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
dppf 1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
h 時間
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LC-MS 質量分析に連結した液体クロマトグラフィー
min 分
m 多重
MS ESI 質量スペクトル、電子スプレーイオン化
NMR 核磁気共鳴
O/N 一晩
PE 石油エーテル
PMB パラ-メトキシベンジル
prep 調製的
rt 室温
s 一重
t 三重
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
Figure 2016537354
中間体:
4-ブロモ-N-シクロプロピル-2-メチルベンズアミド
Figure 2016537354
DCM(300mL)中の4-ブロモ-2-メチル安息香酸(43.0g、200mmol)およびオキサリルジクロライド(30.5g、240mmol)の懸濁液に、DMF(0.1mL)を添加した。得られた反応混合物をrtで16h撹拌した。反応は、黄色透明溶液に、16hかけてゆっくり変わった。次いで、真空下で溶媒を除去し、粗生成物を、さらに精製することなく次の工程に使用した。粗生成物をDCM(300mL)に再溶解して、0℃に冷却した。DCM(100mL)中のTEA(42mL、300mmol)およびシクロプロピルアミン(12.6g、220mmol)の混合物を15分かけてゆっくり添加して、得られた混合物をrtで2h撹拌した。反応をDCM(200mL)で希釈して水を添加した。得られた混合物をDCMで抽出して、合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥させ、濃縮して、所望の生成物を淡いピンク色の固体として得た(50.1g、99%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.37 (s, 1H), 7.31 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.93 (br. s, 1H), 2.90-2.85 (m, 1H), 2.40 (s, 3H), 0.90-0.85 (m, 2H), 0.62-0.58 (m, 2H); MS ESI [M + H]+ 253.9, calcd for [C11H12BrNO+H]+ 254.0.
N-(4-ブロモ-2-メチルフェニル)シクロプロパンカルボキサミド
Figure 2016537354
100mLのRBF中、4-ブロモ-2-メチルアニリン(3.7g、20mmol)およびDIPEA(6.95mL、40mmol)をDMF(40mL)と合わせた。反応を、氷浴中で0℃に冷却し、シクロプロパンカルボニルクロライド(2.1g、20mmol)を添加した。混合物を0℃で1h撹拌した。水およびEtOAcを添加して、相を分離し、水相をEtOAcで抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して表題の化合物を白色固体として得た(4.76g、94%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.85-7.72 (m, 1H), 7.38-7.28 (m, 2H), 7.15-7.02 (m, 1H), 2.27 (s, 3H), 1.57-1.48 (m, 1H), 1.10 (quint, J = 3.9 Hz, 2 H), 0.92-0.79 (m, 2H); MS ESI [M + H]+ 253.9, calcd for [C11H12BrNO+H]+ 254.0.
N-シクロプロピル-2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズアミド
Figure 2016537354
DMF(37mL)中の4-ブロモ-N-シクロプロピル-2-メチルベンズアミド(3.73g、14mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(5.59g、22mmol)およびKOAc(4.29g、43mmol)の混合物に、rtで10分間、Arを吹きかけた。次いで、PdCl2(dppf)・DCM(0.59g、5mol%)を添加して、反応を、油浴中100℃で4h加熱した。反応の完了後、反応物をEtOAc(200mL)およびH2O(100mL)で希釈した。合わせた層をセライトパッドでろ過して、少量のEtOAcで洗浄した。さらに、水層をEtOAc(50mL)で抽出して、合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮して、粗製の油状残渣を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(勾配:EtOAc/hex 0〜100%)で精製し、表題の化合物をクリーム色の固体として得た(4.15g、94%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.66 (s, 1H), 7.63-7.61 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 7.32-7.30 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.85 (s, 1 H), 2.93-2.87 (m, 1H), 2.46 (s, 3H), 1.35 (s, 12H), 0.90-0.86 (m, 2H), 0.63-0.59 (m, 2H); MS ESI [M + H]+ 302.2, calcd for [C17H24BNO3+H]+ 302.2.
3-ブロモ-5,7-ジクロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン
Figure 2016537354
ナトリウム(281.3g、12.0mol)およびEtOH(10L)から従来の方法により調製したEtOH中のナトリウムエトキシドの撹拌溶液に、マロン酸ジエチル(963.7g、6.02mol)を周囲温度で添加し、次いで化合物1H-ピラゾール-3-アミン(500g、6.02mol)を添加した。反応混合物を12h還流した。室温に冷却後、ろ過して沈殿を回収し、水に溶解した。水溶液を2M HCl(pH=2)で酸性化した。得られた沈殿をろ過して回収し、減圧下で乾燥させ、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5,7(4H,6H)-ジオン(649g、71%)を黄色固体として得て、これをさらに精製することなく次の反応に使用した。
POCl3(2.00kg、13.2mol)中のピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5,7(4H,6H)-ジオン(265g、1.75mol)およびN,N-ジメチルアニリン(335.6mL)の撹拌懸濁液を4時間還流した。室温に冷却後、反応混合物を氷水に注ぎ、30分撹拌し、飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和してEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄しMgSO4で乾燥させ、ろ過して蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(勾配:EtOAc/PE 1:10)で精製し、5,7-ジクロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(287g、87%)を黄色固体として得た。
CH3CN(1.8L)中の5,7-ジクロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(246.6g、1.31mol)の溶液にNBS(245g、1.38mol)を添加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。溶液の除去後、反応混合物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(勾配:EtOAc/PE 1:5)で精製し、表題の化合物(313.5g、89%)を明黄色固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ ppm 7.04 (s, 1H), 8.21 (s, 1H); MS ESI [M + H]+ 265.9, calcd for [C6H2BrCl2N3+H]+ 265.9.
3-ブロモ-5-クロロ-N-(シクロプロピルメチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン
Figure 2016537354
DCM(50mL)中3-ブロモ-5,7-ジクロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(5.0g、19mmol)の溶液に、シクロプロピルメタンアミン(1.48g、21mmol)およびDIPEA(6.6mL、38mmol)を添加した。反応物をrtで2h撹拌した。水およびDCMを添加して相を分離し、水相をDCMで抽出した。合わせた有機抽出物をNaSO4で乾燥させ、ろ過して濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(勾配:EtOAc/hex 0〜50%)で精製して、黄色固体として表題の化合物を得た(5.25g、92%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.97 (s, 1H), 6.50 (br. s, 1H), 5.97 (s, 1H), 3.25 (dd, J = 7.3, 5.5 Hz, 2H), 1.26-1.13 (m, 1H), 0.74-0.65 (m, 2H), 0.37 (q, J = 5.0 Hz, 2H); MS ESI [M + H]+ 301.0, calcd for [C10H10BrClN4+ H]+ 301.0.
(1s,3s)-3-(((3-ブロモ-5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ)メチル)-1-メチルシクロブタノール
Figure 2016537354
DCM(200mL)中3-ブロモ-5,7-ジクロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(14.6g、55.3mmol)の溶液にシス-ヒドロキシ-3-メチルシクロブタン-1-メチルアミン(7.0g、60.9mmol)およびDIPEA(19.2mL、110.6mmol)を添加した。反応物をrtで16h撹拌した。水およびDCMを添加して相を分離し、水相をDCMで抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、ろ過して濃縮し、黄色固体として表題の化合物を得た(18.1g、95%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.96 (s, 1 H), 6.60-6.49 (m, 1H), 5.99 (s, 1H), 3.47 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.38-2.27 (m, 3H), 1.96-1.85 (m, 2H), 1.43 (s, 3H); MS ESI [M + H]+345.1, calcd for [C12H14BrClN4O + H]+ 345.0.
tert-ブチル(3-ブロモ-5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(シクロプロピルメチル)カルバメート
Figure 2016537354
DCM(150mL)中3-ブロモ-5-クロロ-N-(シクロプロピルメチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン(5.25g、17.5mmol)の溶液にBoc2O(5.70g、26.2mmol)、DMAP(0.21g、1.75mmol)およびTEA(7.3mL、52.5mmol)を添加した。反応をrtで4h撹拌した。水およびDCMを添加して相を分離し、水相をDCMで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥させ、濾過して濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(勾配:EtOAc/hex 0〜40%)で精製し、黄色固体として表題の化合物を得た(6.24g、89%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.12 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 3.72 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 1.39 (s, 9H), 1.05-0.94 (m, 1H), 0.46-0.37 (m, 2H), 0.13-0.03 (m, 2H); MS ESI [M - C4H8]+ 345.0, calcd for [C15H18BrClN4O2 - C4H8]+ 345.0.
tert-ブチル(3-ブロモ-5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(((1s,3s)-3-((tert-ブトキシカルボニル)オキシ)-3-メチルシクロブチル)メチル)カルバメート
Figure 2016537354
DCM(200mL)中(1s,3s)-3-(((3-ブロモ-5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ)メチル)-1-メチルシクロブタノール(18.1g、52.6mmol)、Boc2O(34.3g、158mmol)およびTEA(22mL、157.8mmol)の溶液にDMAP(1.28g、10.5mmol)を添加した。反応物を40℃で16h撹拌した。真空で溶媒を除去し、水およびDCMを添加して相を分離し、水相をDCMで抽出した。合わせた有機抽出物をNaSO4で乾燥させ、ろ過して濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(3Biotage 100g SiO2並列カラム、勾配:EtOAc/hex 0〜30%)で精製し、ベージュ色の固体として表題の化合物を得た(12.7g、44%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.11 (s, 1H), 6.74 (s, 1H), 3.88 (d, J = 6.5 Hz, 2H), 2.17 (s, 3H), 1.99-1.88 (m, 2H), 1.47 (s, 3H), 1.45 (s, 9H), 1.35 (s, 9H); MS ESI [M + H]+ 545.1, calcd for [C22H30BrClN4O5 + H]+ 545.1.
(1s,3s)-3-((((3-ブロモ-5-(クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(4-メトキシベンジル)アミノ)メチル)-1-メチルシクロブタノール
Figure 2016537354
DMF(50mL)中(1s,3s)-3-(((3-ブロモ-5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)アミノ)メチル)-1-メチルシクロブタノール(12.0g、34.7mmol)および4-メトキシベンジルクロライド(5.2mL、38.2mmol)の溶液にK2CO3(9.6g、69.4mmol)を添加した。得られた混合物を60℃で3h撹拌した。水およびEtOAcを添加して相を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過して濃縮した。粗生成物を並列した3本のカラムを使用してフラッシュクロマトグラフィー(勾配:EtOAc/hex 10〜100%)で精製した。不純な画分を回収して、上述の条件を使用してフラッシュクロマトグラフィーで精製した。純粋な画分を合わせて濃縮し、淡黄色固体として所望の生成物を得た(13.1g、81%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.01 (s, 1H), 7.17 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.67 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.02 (s, 1H), 4.98 (s, 2H), 3.83 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 3.81 (s, 3H), 2.25-2.16 (m, 3H), 1.76-1.72 (m, 2H), 1.36 (s, 3H); MS ESI [M + H]+ 467.1, calcd for [C20H22BrClN4O2+ H]+ 467.1.
tert-ブチル(3-ブロモ-5-(((1S,2R)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(シクロプロピルメチル)カルバメート
Figure 2016537354
NMP(90mL)中tert-ブチル(3-ブロモ-5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(シクロプロピルメチル)カルバメート(9.0g、22.5mmol)を用いた溶液に、(1R,2S)-2-アミノシクロヘキサノール・HCl(4.08g、27.0mmol)およびDIPEA(3.47g、25.1mmol)を添加した。反応物を分割し、6本のマイクロ波バイアルに密封した。それぞれのバイアルに130℃で3時間マイクロ波照射を行った。水およびEtOAcを添加して相を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、ろ過して濃縮した。粗生成物を並列した3本のカラムを使用してフラッシュクロマトグラフィー(勾配:EtOAc/hex 0〜50%)で精製し、ベージュ色の固体として表題の化合物を得た(8.51g、79%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.80 (s, 1H), 6.08 (s, 1H), 5.33-5.19 (m, 1H), 4.26-4.14 (m, 1H), 4.13-4.06 (m, 1H), 3.61 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 2.51 (br. s, 1H), 1.89-1.62 (m, 8H), 1.55-1.45 (m, 2H), 1.40 (s, 9H), 1.06-0.95 (m, 1H), 0.47-0.38 (m, 2H), 0.17-0.07 (m, 2H); MS ESI [M + H]+408.3, calcd for [C21H30BrN5O3 + H]+480.2.
tert-ブチル(3-ブロモ-5-(ピリジン-3-イルオキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(シクロプロピルメチル)カルバメート
Figure 2016537354
DME(5mL)中tert-ブチル(3-ブロモ-5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(シクロプロピルメチル)カルバメート(400mg、1.0mmol), 3-ヒドロキシピリジン(475mg、5.0mmol)、DBU(0.75mL、5.0mmol)の混合物を合わせてマイクロ波バイアルに密封した。混合物に85℃で1h、マイクロ波照射を行った。水およびEtOAcを添加して相を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、ろ過して濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(勾配:EtOAc/hex 0〜50%)で精製して、茶色の油状物として表題の化合物を得た(367mg、80%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.64 (d, J = 2.5 Hz, 1H) 8.54 (dd, J = 4.5, 1.5 Hz, 1H) 7.97 (s, 1H), 7.78-7.72 (m, 1H), 7.44-7.38 (m, 1H) 6.61 (s, 1H) 3.71 (d, J = 7.3 Hz, 2H) 1.39 (s, 9 H), 1.06-1.01 (m, 1H) 0.45 (s, 2H), 0.13-0.09 (m, 2H); MS ESI [M + H]+460.0, calcd for [C20H22BrN5O3 + H]+460.1.
tert-ブチル(3-ブロモ-5-(シクロペンチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(((1s,3s)-3-((tert-ブトキシカルボニル)オキシ)-3-メチルシクロブチル)メチル)カルバメート
Figure 2016537354
NMP(4mL)中のtert-ブチル(3-ブロモ-5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(((1s,3s)-3-((tert-ブトキシカルボニル)オキシ)-3-メチルシクロブチル)メチル)カルバメート(0.45g、0.83mmol)の溶液にシクロペンチルアミン(0.085g、1.0mmol)およびDIPEA(0.21g、1.66mmol)を添加した。反応物に130℃で3h、マイクロ波照射を行った。水およびEtOAcを添加して相を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、ろ過して濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(勾配:EtOAc/hex 0〜60%)で精製して、白色固体として表題の化合物を得た(0.40g、67%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.79 (s, 1H), 5.94 (s, 1H), 5.08 (br. s, 1H), 4.23 (br. s, 1H), 3.85-3.72 (m, 2H), 2.28-2.06 (m, 5H), 2.02-1.89 (m, 2H), 1.81-1.61 (m, 5H), 1.48 (s, 4H), 1.44 (s, 9H), 1.36 (s, 9H); MS ESI [M + H]+ 594.3, calcd for [C27H40BrN5O5 + H]+ 594.2.
tert-ブチル(3-ブロモ-5-(ピリジン-3-イルオキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(((1s,3s)-3-((tert-ブトキシカルボニル)オキシ)-3-メチルシクロブチル)メチル)カルバメート
Figure 2016537354
tert-ブチル(3-ブロモ-5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(((1s,3s)-3-((tert-ブトキシカルボニル)オキシ)-3-メチルシクロブチル)メチル)カルバメート(12.7g、23.3mmol)、3-ヒドロキシピリジン(4.43g、46.6mmol)およびK2CO3(9.65g、69.9mmol)の混合物をDMF(100mL)中で合わせ、rtで一晩撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄してNa2SO4で乾燥させ、ろ過して真空で濃縮した。粗生成物をEt2Oで粉砕し、ろ過して、ベージュ色の固体として表題の化合物を得た(8.43g、14.0mmol)。真空で母液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(勾配:EtOAc/hex 0〜40%)で精製し、明るい橙色固体として表題の化合物を得た(4.07g、6.74mmol)。粉砕およびフラッシュクロマトグラフィーにより得られた固体を合わせて、明るい橙色固体として表題の化合物を得た(12.50g、89%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.65 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.55 (dd, J = 4.6, 1.4 Hz, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.78-7.73 (m, 1H), 7.46-7.40 (m, 1H), 6.50 (s, 1H), 3.89 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 2.30-2.15 (m, 3H), 2.02-1.93 (m, 2H), 1.50 (s, 3H), 1.45 (s, 9H), 1.38 (s, 9H); MS ESI [M + H]+ 604.3, calcd for [C27H34BrN5O6 + H]+ 604.2.
(1s,3s)-3-(((3-ブロモ-5-(ピリジン-3-イルオキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(4-メトキシベンジル)アミノ)メチル)-1-メチルシクロブタノール
Figure 2016537354
DMF(70mL)中(1s,3s)-3-(((3-ブロモ-5-クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(4-メトキシベンジル)アミノ)メチル)-1-メチルシクロブタノール(13.1g、28.2mmol)および3-ヒドロキシピリジン(4.0g、42.3mmol)の溶液にK2CO3(7.8g、56.3mmol)を添加した。得られた混合物を80℃で22h撹拌した。DMF中60% NaH(0.6g、15mmol)および3-ヒドロキシピリジン(1.4g、14.7mmol)の混合物をrtで30分撹拌して、その後該反応混合物に添加した。得られた溶液を100℃で20h撹拌した。水およびEtOAcを添加して相を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過して濃縮した。粗生成物を3本の並列したカラムを使用してフラッシュクロマトグラフィー(勾配:EtOAc/ヘキサン10〜100%)で精製した。不純な画分を回収し、フラッシュクロマトグラフィー(勾配:EtOAc/ヘキサン50〜100%)で精製した。純粋な画分を合わせて濃縮し、淡黄色固体として所望の生成物を得た(9.5g、64%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.56 (d, J = 4 Hz, 1H), 8.45 (d, J = 8 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.69-7.65 (m, 1H), 7.36 (dd, J = 4.8, 0.4 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.85 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 5.71 (s, 1H), 4.91 (s, 2H), 3.87 (d, J = 6.7 Hz, 2H), 3.87 (s, 3H), 2.30-2.15 (m, 3H), 1.77 (t, J = 8.1 Hz, 2H), 1.37 (s, 3H); MS ESI [M + H]+ 524.2, calcd for [C25H26BrN5O3+ H]+ 524.1.
N-シクロプロピル-4-(7-((((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)メチル)(4-メトキシベンジル)アミノ)-5-(ピリジン-3-イルオキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)-2-メチルベンズアミド
Figure 2016537354
THF(100mL)中(1s,3s)-3-(((3-ブロモ-5-(ピリジン-3-イルオキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(4-メトキシベンジル)アミノ)メチル)-1-メチルシクロブタノール(9.5g、18.1mmol)、N-シクロプロピル-2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズアミド(7.6g、25.4mmol)、2M K3PO4(23mL、45.3mmol)の混合物に10分間Arをパージし、その後PdCl2dppf.DCM(1.5g、1.8mmol)を添加した。得られた混合物を油浴中で84℃、16時間加熱還流した。反応混合物をDCMおよび飽和NaHCO3で希釈した。水相をDCMで抽出して、合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥させ、ろ過して濃縮した。粗生成物を3本の並列したカラムを使用してフラッシュクロマトグラフィー(勾配: EtOAc/hex 50〜100%)で精製した。不純な画分を回収し、上述の条件を使用してフラッシュクロマトグラフィーで精製した。純粋な画分を合わせて濃縮し、橙色固体として所望の生成物を得た(9.6g、85%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.90-8.84 (m, 1H), 8.55 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 8.29 (s, 1H). 7.88-7.83 (m, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.58-7.53 (m, 2H), 7.35-7.31 (m, 1H), 7.23 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.89 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.19 (br. s, 1H), 5.82 (s, 1H), 4.99 (s, 2H), 3.90 (d, J = 10.0 Hz, 2H), 3.80 (s, 3H), 2.93-2.90 (m, 1H), 2.40 (s, 3H), 2.36-2.28 (m, 1H), 2.22-2.20 (m, 2H), 1.89-1.88 (m, 1H), 1.80 (t, J = 8.7 Hz, 2H), 1.38 (s, 3H), 0.88-0.85 (m, 2H), 0.68-0.64 (m, 2H); MS ESI 619.3 [M + H]+, calcd for [C36H38N6O4 + H]+ 619.3.
発明の例示的な化合物の調製
A1: N-シクロプロピル-4-(7-((シクロプロピルメチル)アミノ)-5-(((1S,2R)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)-2-メチルベンズアミドヒドロクロライド
Figure 2016537354
THF(60mL)中tert-ブチル(3-ブロモ-5-(((1S,2R)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(シクロプロピルメチル)カルバメート(8.48g、17.7mmol), N-シクロプロピル-2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズアミド(6.92g、23.0mmol)、PdCl2dppf.DCM (1.44g、1.76mmol)および2M K3PO4(26.6mL、106.2mmol)の混合物を分割して、4本のマイクロ波バイアルに密封した。それぞれのバイアルにArを充填し、マイクロ波によって125℃で3h加熱した。水およびEtOAcを添加して相を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、ろ過して濃縮した。粗生成物を2本の並列したカラムを使用してフラッシュクロマトグラフィー(勾配:EtOAc/hex 20〜100%)で精製して黄色固体を得た。
上述の化合物をDCM(20mL)に溶解し、rtで1h、TFA(20mL)で処理した。反応の完了後、真空で溶媒を除去し、粗生成物をDCM(20mL)に再度溶解し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で中和して、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をNaSO4で乾燥させ、ろ過して濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(勾配:50〜100% EtOAc/hex次いでMeOH/DCM 0〜10%)で精製し、Et2Oと一緒に粉砕して、遊離塩基(白色固体)として表題の化合物を得た。遊離塩基をDCM(25mL)およびMeOH(50mL)の混合物に溶解し、次いでHCl(1M Et2O、2当量)をゆっくり添加した。溶媒を真空で除去し、HCl塩の状態の淡黄色固体として表題の化合物を得た(2.09g、2工程で25%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 8.21 (s, 1H), 7.51-7.37 (m, 3H), 5.67 (br. s, 1H), 4.04-3.82 (m, 2H), 3.46-3.37 (m, 2H), 2.93-2.82 (m, 1H), 2.47 (s, 3H), 1.89-1.64 (m, 6H), 1.61-1.42 (m, 2H), 1.31-1.21 (m, 1H), 0.88-0.78 (m, 2H), 0.70-0.58 (m, 4H), 0.46-0.36 (m, 2H); MS ESI [M + H]+ 475.3, calcd for [C27H34N6O2+ H]+ 475.3. HPLC純度: 254nmで98%.
A2:N-シクロプロピル-4-(7-((シクロプロピルメチル)アミノ)-5-(ピリジン-3-イルオキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)-2-メチルベンズアミドヒドロクロライド
Figure 2016537354
THF(4mL)中tert-ブチル(3-ブロモ-5-(ピリジン-3-イルオキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(シクロプロピルメチル)カルバメート(367mg、0.80mmol))、N-シクロプロピル-2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズアミド(289mg、0.96mmol)、PdCl2dppf.DCM(65mg、0.080mmol)および2M K3PO4(1.4mL、2.8mmol)の混合物をマイクロ波バイアルに密封した。バイアルにArを注入し、マイクロ波によって130℃で4h加熱した。水およびEtOAcを添加して相を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、ろ過して濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(勾配:EtOAc/hex 20〜100%)で精製し、黄色油状物を得た。
上述の化合物をDCM(6mL)に溶解し、rtで1h、TFA(2mL)で処理した。反応の完了後、溶媒を真空で除去し、粗生成物をMeOH(4mL)再度溶解し、ろ過して、prep HPLCで精製した。画分をPoraPakカラムに通し、Et2Oと一緒に粉砕し、遊離塩基として表題の化合物を得た(白色固体、119mg)。次いで遊離塩基の一部(67mg、0.15mmol)をMeOH(10mL)に溶解し、HCl(1M Et2O、2当量)をゆっくり添加した。混合物を濃縮し、Et2Oと一緒に粉砕し、HCl塩の状態の黄色固体として表題の化合物を得た(55mg、2工程の収率25%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 9.10 (s, 1H), 8.82 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 8.73-8.66 (m, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.24-8.15 (m, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.60 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.07 (s, 1H), 3.39 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 2.89-2.78 (m, 1H), 2.29 (s, 3H), 1.37-1.23(m, 1H), 0.86-0.75 (m, 2H), 0.70-0.56 (m, 4H), 0.45-0.38 (m, 2H); MS ESI [M + H]+ 455.2, calcd for [C26H26N6O2 + H]+ 455.2. HPLC純度:254nmで95.9%.
A3:4-(5-(シクロペンチルアミノ)-7-((((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)メチル)アミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)-N-シクロプロピル-2-メチルベンズアミドヒドロクロライド
Figure 2016537354
THF(4mL)中tert-ブチル(3-ブロモ-5-(シクロペンチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(((1s,3s)-3-((tert-ブトキシカルボニル)オキシ)-3-メチルシクロブチル)メチル)カルバメート(0.40g、0.67mmol)、N-シクロプロピル-2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズアミド(0.26g、0.88mmol)、PdCl2dppf.DCM (0.055g、0.067mmol)および2M K3PO4(1mL、2.01mmol)の混合物にArを注入し、マイクロ波によって130℃で3h加熱した。水およびEtOAcを添加して相を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、ろ過して濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(勾配:EtOAc/hex 20〜100%)で精製し、黄色油状物を得た。
上述の化合物をDCM(10mL)に溶解し、rtで3h、TFA(3mL)で処理した。反応の完了後、溶媒を真空で除去し、粗生成物をMeOH(5mL)に溶解した。混合物をろ過してprep-HPLCで精製した。化合物をPoraPakカートリッジに通し、Et2Oで粉砕し、遊離塩基(白色固体)として表題の化合物を得た。遊離塩基をMeOH(5mL)に溶解し、次いでHCl(1M Et2O、2当量)をゆっくり添加した。溶媒を真空で除去し、HCl塩の状態の明るい橙色固体として表題の化合物を得た(75mg、2工程で21%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 8.18 (s, 1H), 7.42 (s, 3H), 5.52 (br. s, 1H), 4.23-4.11 (m, 1H), 3.68-3.54 (m, 2H), 2.93-2.81 (m, 1H), 2.46 (s, 3H), 2.38-2.27 (m, 1H), 2.26-2.07 (m, 4H), 1.99-1.89 (m, 2H), 1.88-1.59 (m, 6H), 1.35 (s, 3H), 0.86-0.79 (m, 2H), 0.66-0.58 (m, 2H); MS ESI [M + H]+ 489.4, calcd for [C28H36N6O2+ H]+ 489.3. HPLC純度: 254nmで99%.
A4: N-シクロプロピル-4-(7-((((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)メチル)アミノ)-5-(ピリジン-3-イルオキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)-2-メチルベンズアミドヒドロクロライドおよびその遊離塩基
Figure 2016537354
A). Boc脱保護による:THF(4mL)中tert-ブチル(3-ブロモ-5-(ピリジン-3-イルオキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(((1s,3s)-3-((tert-ブトキシカルボニル)オキシ)-3-メチルシクロブチル)メチル)カルバメート(0.23g、0.38mmol)、N-シクロプロピル-2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズアミド(0.15g、0.49mmol)、PdCl2dppf.DCM(0.15g、0.49mmol)および2M K3PO4(0.57mL、1.14mmol)の混合物にArを注入し、マイクロ波によって130℃で3h加熱した。水およびEtOAcを添加して相を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をNaSO4で乾燥させ、ろ過して濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(勾配:EtOAc/hex 20〜60%)で精製し、黄色油状物を得た。
上述の中間体をDCM(10mL)に溶解し、rtで3h、TFA(3mL)で処理した。反応の完了後、真空で溶媒を除去し、粗生成物をMeOH(5mL)に溶解した。混合物をろ過してprep-HPLCで精製した。化合物をPoraPakカートリッジに通し、Et2Oといい書に粉砕し、遊離塩基(白色固体)として表題の化合物を得た。遊離塩基をMeOH(5mL)に溶解し、次いでHCl(1M Et2O、2当量)をゆっくり添加した。溶媒を真空で除去してHCl塩の状態のベージュ色の固体として表題の化合物を得た(96mg、2工程で47%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 9.14 (br. s, 1H), 8.89-8.82 (m, 1H), 8.79-8.71 (m, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.31-8.21 (m, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.59 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.06 (s, 1H), 3.56 (d, J = 6.5 Hz, 2H), 2.88-2.79 (m, 1H), 2.40-2.31 (m, 1H), 2.29 (s, 3H), 2.26-2.18 (m, 2H), 1.99-1.89 (m, 2H), 1.37 (s, 3H), 0.85-0.76 (m, 2H), 0.63-0.53 (m, 2H); MS ESI [M + H]+499.3, calcd for [C28H30N6O3+ H]+ 499.2. HPLC純度: 254nmで99.5%.
Figure 2016537354
B). PMB脱保護による:DCE(70mL)中N-シクロプロピル-4-(7-((((1s,3s)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)メチル)(4-メトキシベンジル)アミノ)-5-(ピリジン-3-イルオキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)-2-メチルベンズアミド(9.6g、15.5mmol)、TFA(50mL)の混合物を油浴中50℃で4h加熱した。反応の完了後、真空で溶媒を除去し、粗生成物をMeOH/DCM (100mL/25mL)の混合物に溶解した。次いで2M Na2CO3(150mL)を添加して、得られた混合物をrtで30分間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈して、相を分離した。水相をDCMで抽出し、合わせた有機抽出物を水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過して濃縮した。粗生成物をDCM/Et2O(10mL/70mL)の混合物中で粉砕および超音波処理し、遊離塩基の状態のオフホワイト色の固体として表題の化合物を得た(5.9g、77%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 8.58-8.53 (m, 1H), 8.50-8.46 (m, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.86-7.80 (m, 1H), 7.76-7.72 (m, 1H), 7.61-7.55 (m, 2H), 7.18 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.92 (s, 1H), 3.52 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 2.86-2.77 (m, 1H), 2.38-2.28 (m, 1H), 2.25 (s, 3H), 2.24-2.18 (m, 2H), 1.99-1.88 (m, 2H), 1.37 (s, 3H),0.84-0.75 (m, 2H), 0.64-0.54 (m, 2H); MS ESI [M + H]+499.2, calcd for [C28H30N6O3 + H]+ 499.2. HPLC純度: 235nmで96.1%.
A1〜4の合成と同様に以下:
Figure 2016537354
の最終化合物を合成した。
実施例B:TTK阻害アッセイ
活性TTKを、全長ヒトTTKのアミノ末端GST融合体としてInvitrogenから購入した。アミノ末端6ヒスチジン、sumoタグ付加ヒトTTK(残基1〜275)を大腸菌内で発現させ、>95%均質性まで、Ni2+アガロース、ゲルろ過およびイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。
間接ELISA検出系を使用してTTK活性を測定した。GST-TTK(0.68nM)を16μM ATP(Sigma、カタログ番号A7699)または100μM ATPのいずれか、50mM Hepes pH7.2、1mM EGTA、10mM MgCl2および0.1% Pluronicの存在下で、アミノ末端6ヒスチジン、sumoタグ付加TTK(アミノ酸残基1〜275)で予めコートした96ウェルマイクロタイタープレート中でインキュベートした。
反応を30分間進行させ、次いでプレートを洗浄バッファ(0.2% Tween 20を添加したリン酸塩緩衝化食塩水)で5回洗浄し、1:3000希釈の一次抗体(Cell Signaling、カタログ番号9381)と30分間インキュベートした。プレートを、洗浄バッファで5回洗浄し、西洋ワサビペルオキシダーゼと共役した二次抗体(BioRad、カタログ番号1721019、1:3000濃度)の存在下で30分インキュベートし、洗浄バッファでさらに5回洗浄し、TMB基質(Sigmaカタログ番号T0440)の存在下でインキュベートした。比色反応を5分間続け、次いで停止溶液(0.5N硫酸)を添加し、単色またはフィルターベースのプレートリーダー(それぞれMolecular Devices M5またはBeckman DTX880)のいずれかを用いた450nmでの検出により定量した。
化合物阻害は、固定濃度(10μM)または可変阻害剤濃度(典型的に、10点用量応答力価(dose response titration)において0.5μM〜0.001μM)のいずれかで決定した。化合物は、ATPの添加前に、酵素の存在下で予め5分間インキュベートして、上述の活性アッセイを使用して残存活性を定量した。化合物の%阻害は、以下の式:%阻害=100x(1-(実験値-バックグラウンド値)/(高活性対照-バックグラウンド値))を使用して決定した。IC50値は、非線形4点ロジスティック曲線適合度(XLfit4、IDBS)を使用して、式:(A+(B/(1+((x/C)^D))))(式中、A=バックグラウンド値、B=範囲、C=変曲点、D=曲線適合度パラメーター)により決定した。
以下の表1において、例示的化合物についてのIC50値範囲は、100μM ATPを使用して与えられる。IC50範囲は、0.1μM以下の値;0.1μMより大きく0.5μM以下の値;および0.5μMより大きい値のそれぞれについて、「A」、「B」および「C」で表される。アスタリスクで記されたIC50範囲は、アッセイに16μM ATP(Sigmaカタログ番号A7699)を使用したことを示した。
実施例C:発明の例示的化合物に対する癌細胞株データ
乳癌細胞(MDA-MB-468)、結腸癌細胞(HCT116)および卵巣癌細胞(OVCAR-3)を、化合物を敷く(overlay)24時間前に、96ウェルプレートに播種した(細胞成長速度に依存して、1ウェルあたり80μl中1000〜4000)。化合物は、100% DMSO中10mMストック溶液として調製し、これを10% FBS(ウシ胎仔血清)を含むDMEM(Dulbecco's Modified Eagle's Medium)細胞増殖培地(Invitrogen, Burlington, ON, Canada)で、50nM〜250μMの濃度まで希釈した。それぞれの濃度からのアリコート(20μl)を、96ウェルプレート中、80μlの予め播種した細胞に重ねて、10nM〜50μMの終濃度にした。細胞を5日間培養した後、スルホローダミンBアッセイ(SRB)を行い、化合物の細胞増殖阻害活性を決定した。
スルホローダミンB(Sigma, Oakville, ON, Canadaから購入)は、細胞タンパク質の塩基性アミノ酸に結合する水溶性色素である。したがって、結合した色素の比色測定により、細胞数に関連する全タンパク質質量の推定値が得られる。培養培地を緩やかに吸引除去し、1ウェルあたり50μlの氷冷10%トリクロロ酢酸(TCA)を添加することにより、細胞をその場で固定し、4℃で30〜60分間インキュベートする。プレートをH2Oで5回洗浄し、5分間風乾させた。1%(v/v)酢酸中0.4%(w/v)SRB溶液50μlの、それぞれのウェルへの添加およびRTで30分間のインキュベーションにより染色反応が完了する。染色後、1%酢酸でプレートを4回洗浄し、結合しない色素を除去し、次いで5分間風乾させる。1ウェルあたり100μlの10mM Tris、pH10.5で染色剤を可溶化する。570nmで吸光度を読む。
相対増殖阻害のパーセンテージ(%)は、DMSOのみで処理した細胞(100%)と比較することにより計算した。細胞傷害活性を有する化合物についてGI50を決定した。GraphPad PRISMソフトウェア(GraphPad Software, Inc., San Diego, CA, USA)を使用してGI50を計算した。GI50(増殖阻害)は、細胞増殖の50%阻害を引き起こす化合物濃度である。
以下の表1に、乳癌細胞株(MDA-MB-468)、結腸癌細胞株(HCT116)および卵巣癌細胞株(OVCAR-3)に対する化合物例についてのGI50値範囲を示す。例示化合物は、乳癌、結腸癌および卵巣癌の細胞に対して変動する増殖阻害/細胞殺傷活性を示した。GI50範囲は、0.1μM以下の値;0.1μMより大きく0.5μM以下の値;および0.5μMより大きい値のそれぞれについて「A」、「B」および「C」で表される。
実施例D:例示的化合物の結腸癌および卵巣癌の腫瘍始原細胞データ
材料および方法:非組織または組織培養処理したT-75フラスコおよび96ウェルプレートをVWRから購入した。ビタミンB-27補充物、MEM NEAA (最小必須培地非必須アミノ酸)、ピルビン酸ナトリウム、L-グルタミン、N2補充物、ペニシリン-ストレプトマイシンおよびファンギゾン/アンフォテリシンBは、Invitrogenから入手した。脂質混合物、ヘパリンおよびEGFはSigmaから購入した;BD BiosciencesからのbFGF。結腸由来の腫瘍始原細胞(TIC)は、0.2XB-27補充物、4μg/mlヘパリン、1XMEM NEAA、1Xピルビン酸ナトリウム、1mMグルタミン、10pg/μl bFGF、20pg/μl EGF、1X N2補充物、脂質混合物、ペニシリン-ストレプトマイシンおよびファンギゾン/アンフォテリシンBを含むDMEM:F12培地中、非組織培養処理したT-75フラスコを使用して、常套的に維持した。卵巣TICは、1XB-27補充物、4μg/mlヘパリン、20pg/μl bFGF、20pg/μl EGFおよびペニシリン-ストレプトマイシンを含むDMEM:F12培地中、組織培養処理したT-75フラスコを使用して、常套的に維持した。
アッセイプロトコル:本明細書に記載される化合物をDMSOに溶解し、GI50決定のために細胞培養培地にさらに希釈した。結腸TICをトリプシン処理して、非組織培養処理した96ウェルプレートに、4000細胞/ウェルで播種した。24h後、細胞培養物に異なる濃度で化合物を添加して、DMSOの終濃度を0.1%に調整した。次いで細胞を、37℃で9日間培養した。卵巣TICをトリプシン処理して、組織培養処理した96ウェルプレートに、1000細胞/ウェルで播種した。24h後、細胞培養物に異なる濃度で化合物を添加して、DMSOの終濃度を0.1%に調整した。次いで細胞を、37℃で6日間培養した。細胞生存能力をAlamar Blueアッセイで評価した:10μlのAlamar Blueをそれぞれのウェルに添加した。37℃で4時間のインキュベーション後、励起544および発光590で蛍光を記録した。GI50(増殖阻害)は、GraphPad Prism 4.0ソフトウェアを使用して計算した。本明細書に記載される化合物についての細胞増殖阻害データを以下の表に示す。
以下の表1に、TIC(結腸12および卵巣2393A)に対する化合物例についてのGI50値範囲を示す。GI50範囲は、0.1μM以下の値;0.1μMより大きく0.5μM以下の値;および0.5μMより大きい値のそれぞれについて「A」、「B」および「C」で表される。
Figure 2016537354

Claims (9)

  1. 以下の構造式:
    Figure 2016537354
    (式中、
    R1は、-NH-CH2-Cyであり、
    Cyは、アルキルおよびヒドロキシルから選択される1つまたは2つの基で任意に置換されるC3-C4シクロアルキルであり、
    R2は、-O-ピリジニル;シクロプロピルもしくはイソプロピルで任意に置換される-NH-(C2-C6)ヒドロキシルアルキル;またはヒドロキシルもしくは(C1-C2)ヒドロキシルアルキルで任意に置換される-NH-(C3-C6)シクロアルキルであり、
    R4は、水素、ハロゲンおよび(C1-C3)アルキルから選択され、
    Rdは、シクロプロピルである)
    で表される化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  2. R4が塩素またはメチルである、請求項1記載の化合物。
  3. 以下の構造式:
    Figure 2016537354
    で表される化合物またはその薬学的に許容され得る塩である、請求項1記載の化合物。
  4. 以下の構造式:
    Figure 2016537354
    で表される化合物またはその薬学的に許容され得る塩である、請求項1記載の化合物。
  5. 以下の構造式:
    Figure 2016537354
    で表される化合物またはその薬学的に許容され得る塩である、請求項1記載の化合物。
  6. 以下の構造式:
    Figure 2016537354
    で表される化合物またはその薬学的に許容され得る塩である、請求項1記載の化合物。
  7. 前記請求項いずれか記載の化合物、および薬学的に許容され得る担体または希釈剤を含む、医薬組成物。
  8. 癌の治療を必要とする被験体に、請求項1〜6いずれか記載の化合物または請求項7記載の医薬組成物の有効量を投与する工程を含む、癌を治療するための方法。
  9. 癌が、膵臓癌、前立腺癌、肺癌、黒色腫、乳癌、結腸癌または卵巣癌である、請求項8記載の方法。
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