JP2016535830A - エンジンのノズル配置 - Google Patents
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Abstract
エンジンが大気から取り入れられた空気をその貯蔵からの水素と燃焼する、エアブリージングモードでも、エンジンがその貯蔵からの酸素をその貯蔵からの水素と燃焼する、ロケットモードでも、動作可能であるエンジンのノズル配置である。ノズル配置は、ロケットノズルにロケットスロートによって流体結合されるロケット燃焼室を含んでよい。ロケットノズルは、ロケットスロートに隣り合う第1部分と、第2部分と、を含み、第2部分は、ロケットスロートから離れ、ロケット位置とエアブリージング位置との間で第1部分に対して軸方向に移動可能であり、ロケット位置では、それらがほぼ連続したロケットノズルを形成し、エアブリージング位置では、それらが環状スロートをそれらの間に定めるように重なり合う。ノズル配置は、ノズルの第1および第2部分がエアブリージング位置にあるときに環状スロートに流体結合するように配置された少なくとも1つのエアブリージング燃焼室も含んでよい。【選択図】図1
Description
関連出願への相互参照
本出願は、参照によって本明細書に組み込まれる2013年10月11日に英国で出願された英国特許出願第1318112.8号の米国特許法§119(a)の下での優先権を主張し、2014年6月5日に出願され、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許出願第14/296,628号から、米国特許法§§120および365の下で、優先権を主張し、先の出願日の利益を主張する。
本出願は、参照によって本明細書に組み込まれる2013年10月11日に英国で出願された英国特許出願第1318112.8号の米国特許法§119(a)の下での優先権を主張し、2014年6月5日に出願され、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許出願第14/296,628号から、米国特許法§§120および365の下で、優先権を主張し、先の出願日の利益を主張する。
この発明は、エアブリージングモードでもロケットモードでも動作可能なエンジンのノズル配置に関する。実施形態では、エンジンは、1段式軌道宇宙飛行機で使用される。他の用途も想定される。
英国、オックスフォードシャーのリアクション・エンジンズ・リミテッド(Reaction Engines Limited)によって開発されたSABREエンジンは、1段式軌道宇宙飛行機などの用途に動力を供給するための航空機エンジンである。エンジンは、エアブリージングモードでもロケットモードでも動作可能である。より低い高度で、エンジンは、エアブリージングモードで動作する。このモードでは、エンジンは、ターボ圧縮機のタービンを通じて閉ループに含まれるヘリウムガスの搭載貯蔵を膨張させることによって作動し、ターボ圧縮機の圧縮機を駆動し、吸入大気を圧縮する。圧縮空気は、液体水素の搭載貯蔵からの水素と混合され、結果として生じる混合物は、燃焼して排出され、推進力を提供する。高い高度で、エンジンは、ロケットモードで動作する。このモードでは、大気を取り入れる代わりに、エンジンは、液体酸素の搭載貯蔵からの酸素を水素と混合し、混合物を燃焼させ、混合物は、推進力を提供するようにその後排出される。ターボ圧縮機は、ロケットモードで使用されない。
2つのモードのそれぞれでの燃焼および排気の提供の仕方に問題が存在している。1つの解決策は、エアブリージングモードおよびロケットモードのそれぞれに別々の燃焼室およびノズル‐すなわち、エアブリージングモードで使用される第1の燃焼室およびノズルと、ロケットモードで使用される別の燃焼室およびノズルと、を提供することである。しかしながら、このアプローチは、かなりの重量およびドラッグペナルティーをもたらし、望ましくなくする。
代替アプローチは、共通の燃焼室と、両方の動作のモードで使用される関連したノズルと、を提供することである。しかしながら、ロケットモードで推進力を提供するために、燃焼室がロケット燃焼室である必要があり、酸素および水素が、その室で燃焼されて、ロケットノズルを通じて膨張および排出される必要がある。しかしながら、そのような配置は、エアブリージングモードでの動作に最適化されない。ロケットエンジン燃焼室は、必然的に高圧動作用に設計される。結果として、エアブリージングモードで作動するとき、約100:1の吸入大気の圧縮比が必要とされ得る。当然のことながら、この高圧縮比は、水素の高燃料流量を必要とする。結果として、さもなければそうであるよりも多くの水素が運ばれなければならず、重量が増加し、性能が低下する。従って、この解決策も望ましくない。
それ故、これらの不都合な点に対処する配置を提供することが望ましい。
この開示の第1態様によると、エンジンが大気から取り入れられた空気をその貯蔵からの水素と燃焼する、エアブリージングモードでも、エンジンがその貯蔵からの酸素をその貯蔵からの水素と燃焼する、ロケットモードでも、動作可能であるエンジンのノズル配置が提供され、ノズル配置は、ロケットスロートによってロケットノズルに流体結合されたロケット燃焼室を備え、ロケットノズルは、ロケットスロートに隣り合う第1部分と、第2部分と、を備え、第2部分は、ロケットスロートから離れ、ロケット位置とエアブリージング位置との間で第1部分に対して軸方向に移動可能であり、ロケット位置では、それらがほぼ連続したロケットノズルを形成し、エアブリージング位置では、それらが環状スロートをそれらの間に定めるように重なり合い、ノズル配置は、少なくとも1つのエアブリージング燃焼室をさらに備え、エアブリージング燃焼室は、ノズルの第1および第2部分がエアブリージング位置にあるときに環状スロートに流体結合するように配置される。
ロケットモードおよびエアブリージングモードのそれぞれに別々の燃焼室を、しかし共通のノズルと共に、提供することにより、別々のノズルを提供することのドラッグの不都合およびかなりの重量が回避される‐大気飛行の少なくとも部分にとって「デッド」である追加のノズルを提供することのドラッグペナルティーはかなりである‐一方ロケット燃焼およびエアブリージング燃焼のそれぞれに最適化できる別々の燃焼室を同時に提供する。さらに、エアブリージングモード用の環状スロートを提供するように重なり合うことができる2つの部分を備えるノズルを提供することは、(少なくとも1つの)エアブリージング燃焼室が、ロケット燃焼室と同じノズルを共有できるようにする、簡便な解決策である。そのような環状スロートは、‐少なくともある動作状態で‐エアブリージングモードにあるときにノズルの壁に沿う付着流を促すということも、見いだされている。
ノズルの第1部分は、径方向面にある大径端部を有するほぼ円錐台形部分であってよい。第2部分は、径方向面にある小径端部を有するほぼ円錐台形の部分であってよい。第2部分の小径端部は、第2部分のネック部分からほぼ軸方向に延びるほぼ円筒形の部分を備えてよい。ロケット位置にあるときに、第1部分の大径端部は、第2部分のネック部分と係合し、ほぼ連続したロケットノズルを形成し得る。係合は、ほぼ封止された係合であってよい。
ロケット燃焼室およびロケットスロートは、ノズルの第1部分に固定されてよい、またはノズルの第1部分に関連して固定されてよい。
少なくとも1つのエアブリージング燃焼室は、複数のエアブリージング燃焼室を備えてよく、それぞれ、ノズルの第1および第2部分がエアブリージング位置にあるときに、環状スロートに流体結合するように配置される。エアブリージング燃焼室は、ノズルの周りに周辺に分布してよい。それらは、ノズルの第1部分の周りに周辺に分布してよい。それらは、ほぼ一定の角度ピッチで分布してよい。少なくとも1つのエアブリージング燃焼室は、ノズルの第1部分に固定されてよい、またはノズルの第1部分に関連して固定されてよい。
少なくとも1つのエアブリージング燃焼室は、環状プレナムを介して環状スロートに流体結合されてよく、環状プレナムは、ノズルの第1および第2部分がエアブリージング位置にあるときに、環状スロートに流体結合される。環状プレナムは、ノズルの第1部分を囲んでよい。環状プレナムは、ノズルの第1部分に固定されてよい、またはノズルの第1部分に関連して固定されてよい。環状プレナムは、環状プレナムの出口と、エアブリージング位置にあるときにノズルの第2部分によって重ねられるノズルの第1部分の外表面と、の間に封止係合を提供するように配置されてよい。環状プレナムは、第2部分の小径端部と係合するように配置されてよく、環状プレナムの出口と、エアブリージング位置にあるときのノズルの第2部分の内表面と、の間に封止係合を提供する。環状プレナムは、第2部分の小径端部の円筒形部分と係合するように配置されてよく、環状プレナムの出口と、エアブリージング位置にあるときのノズルの第2部分の内表面と、の間に封止係合を提供する。フレキシブルな流体密封結合が、環状プレナムと、ノズルの第2部分の内表面と、の間に提供されてよく、ノズルの第2部分の内表面は、相対運動を可能にしながら、それらの間に流体密封結合を提供する。フレキシブルな流体密封結合は、ベローズ配置を備えてよい。
少なくとも1つのエアブリージング燃焼室は、ノズルの第1部分を囲む単一の環状エアブリージング燃焼室を備えてよい。単一のエアブリージング燃焼室は、ノズルの第1部分に固定されてよい、またはノズルの第1部分に関連して固定されてよい。単一のエアブリージング燃焼室は、単一のエアブリージング燃焼室の出口と、エアブリージング位置にあるときにノズルの第2部分によって重ねられるノズルの第1部分の外表面と、の間に封止係合を提供するように配置されてよい。単一のエアブリージング燃焼室は、第2部分の小径端部と係合するように配置されてよく、単一のエアブリージング燃焼室の出口と、エアブリージング位置にあるときのノズルの第2部分の内表面と、の間に封止係合を提供する。単一のエアブリージング燃焼室は、第2部分の小径端部の円筒形部分と係合するように配置されてよく、環状プレナムの出口と、エアブリージング位置にあるときのノズルの第2部分の内表面と、の間に封止係合を提供する。フレキシブルな流体密封結合が、少なくとも1つのエアブリージング燃焼室と、ノズルの第2部分の内表面と、の間に提供されてよく、ノズルの第2部分の内表面は、相対運動を可能にしながら、それらの間に流体密封結合を提供する。フレキシブルな流体密封結合は、ベローズ配置を備えてよい。
少なくとも1つのエアブリージング燃焼室は、圧縮大気およびその貯蔵からの水素を受け入れるように配置されてよい。ロケット燃焼室は、酸素および水素それぞれをそのそれぞれの貯蔵から受け入れるように配置されてよい。
ノズルの形状は、エアブリージングモードにあるときに、重なり合うノズルの第1部分と第2部分との間の環状スロートに発散があるようになっている。
環状スロートの発散は、環状スロートの領域でより良い伝熱特性をもたらすということが見いだされている。特に、この領域の伝熱量は、他の環状スロートの形状より少ないことが見いだされている。
環状スロートの発散は、スロートのその入口での径方向幅に対するスロートのその出口での径方向幅の比が、1:1より大きく4:1より小さくなるようであってよい。それは、1:1より大きく、3.5:1より小さくてよい。それは1.5:1と3.5:1の間であってよい。スロートは、ノズルの第2部分と第1部分との間の重なりの領域と定められてよく、入口および出口の位置がそれに応じて定められる。
ノズルの第1部分の面積比、すなわちロケットスロートに対する第1部分の出口の比、は20:1と50:1の間であってよい。それは25:1と35:1の間であってよい。実施形態では、それは30:1であってよい。
ロケットモードで形成されるほぼ連続したロケットノズルの面積比、すなわちロケットスロートに対する第2部分の出口の比、は、所望の排気速度を実現するように少なくとも100:1であってよい。それは110:1と130:1の間であってよい。実施形態では、それは120:1であってよい。
ノズル配置は、アクチュエータ配置を備えてよく、アクチュエータ配置は、2つの位置の間でノズルの第2部分を動かすように配置される。アクチュエータ配置は、少なくとも1つの電気機械アクチュエータおよび/または少なくとも1つの電気油圧式アクチュエータを備えてよい。
この開示の第2態様によると、エンジンが大気から取り入れられた空気をその貯蔵からの水素と燃焼する、エアブリージングモードでも、エンジンがその貯蔵からの酸素をその貯蔵からの水素と燃焼する、ロケットモードでも、動作可能であるエンジンが提供され、エンジンは、複数のノズル配置を備え、それぞれのノズル配置は、ロケットスロートによってロケットノズルに流体結合されたロケット燃焼室を備え、ロケットノズルは、スロートに隣り合う第1部分と、第2部分と、を備え、第2部分は、スロートから離れ、ロケット位置とエアブリージング位置との間で第1部分に対して軸方向に移動可能であり、ロケット位置では、それらがほぼ連続したロケットノズルを形成し、エアブリージング位置では、それらが環状スロートをそれらの間に定めるように重なり合い、ノズル配置は、少なくとも1つのエアブリージング燃焼室をさらに備え、エアブリージング燃焼室は、ノズルの第1および第2部分がエアブリージング位置にあるときに環状スロートに流体結合するように配置される。
第1の態様の選択的な特徴は、第2の態様の選択的な特徴でもある。
図1は、エンジンの一部を示す。エンジンの一用途は、1段式軌道宇宙飛行機に動力を供給することである。エンジンは、2つのモード:空気が、大気から吸い込まれ、ターボ圧縮機を用いて圧縮され、液体水素の搭載貯蔵と燃焼する、エアブリージングモード;および、大気が吸い込まれず、水素が、代わりに搭載貯蔵からの酸素と燃焼される、ロケットモード、で動作可能である。
図1を続けて参照し、4つのノズル配置10が示されている。これらは、それらが一部を形成するエンジンに一般にあるので、空間的に配置される。この4つのノズル配置10は、最もコンパクトな仕方:それぞれの軸が同じ正方形のそれぞれの角を通るような2つずつの配置、で配置される。エンジンの他の部品(推進力を提供するときにノズル配置10が反動する主構造部材10など)も示されている。
それぞれのノズル配置10は、いくつかの部品を有する。それぞれについて、ロケット燃焼室32は、ロケットスロート33に接続されて流体結合され、ロケットスロート33は、ロケットノズル35に接続されて流体結合される。ロケットノズル35は、2つの部分:ロケットスロート33に隣接して接続される第1ノズル部分30;および、第1部分30に隣接するが、その部分から分かれる、第2ノズル部分40、である。この後の記載から理解されるように、ノズル35の2つの部分30,40は、2つの位置の間で互いに対して移動可能である。「ロケット位置」と称される一つの位置で、2つの部分30,40は、それらの内側が連続したロケットノズルを形成するように、位置付けられる。この位置は、エンジンの動作のロケットモードの際に使用される。「エアブリージング位置」と称される別の位置で、第2部分40は、エンジンの残りの部分に対して軸方向に動き、第1部分30の大径端部に部分的に重なるようになっている。この位置は、動作のエアブリージングモードの際に使用され、図1に示されている配置である。2つの位置は、図2および図3を参照してさらに説明される。
図1を続けて参照し、それぞれのノズル配置10は、3つのエアブリージング燃焼室42をさらに備える。これらは、一定の角度ピッチでノズル35の第1部分の回りに配置される。エアブリージング燃焼室42のそれぞれは、プレナム41の形の環状マニホールドに接続され、それと流体連通している。プレナム41は、ノズル40の第1部分30の周りに広がり、その第1部分30に取り付けられる。
図2は、配置をさらに詳細に示す。この図は、エアブリージングモードでのノズル10の代表的なものを示し、ノズル10の第2部分40は、エアブリージング位置にあり、エアブリージング位置では、第1部分30とその部分30の大径端部とが部分的に重なることが見られる。見られるように、断面で示されているプレナム41は、3つのエアブリージング燃焼室42用の排気マニホールドを形成する。
ノズル10の第1および第2部分のそれぞれは、概ね円錐台形である。ノズル10の第2部分40の小径端部は、しかしながら、ノズル10の残りの部分と同軸の円筒形部分43を追加的に備える。円筒形部分は、第2部分40がこの位置にあるときに実質的に封止される形で、プレナム41の径方向外周縁と係合するようになっている。ノズル10の第1部分30の外表面は、ショルダー部分34を有し、ショルダー部分34は、実質的に封止される形で、プレナム41の径方向内周縁と係合する。ノズル10の第1部分30がプレナム41(または第2部分40を除いて実際全ての他の記載された部品)に対して動かないので、この係合は、動作中に永続的である。共に、円筒形部分43の内側とショルダー部分34の外側とは、ほぼ一定断面積の環状流通路を提供し、それはプレナム41と流れ連通している。代替実施形態では、円筒形部分は、第2部分40の一部を形成しないが、代わりに、プレナム41に取り付けられ、プレナム41の一部を形成する。これが、実際、同じ結果を提供する代替的方法であることが、理解される。
ノズル10の2つの部分30,40の間の重なりは、第1ノズル部分30の大径端部の外側と第2ノズル部分40の小径端部の内側の周りの環状スロート50を作る。環状スロート50は、円筒形部分43とショルダー部分34との間の環状流通路と流体連通している。説明を簡単にするために図2および図3から省略されたが、ノズル10の第1の30および第2の40の部分の形状は、環状スロート50が発散するようになっている。言い換えれば、環状スロートの断面積は、燃焼室42から離れて軸に沿って増加する。環状スロートの発散は、環状スロートの領域でより良い伝熱特性をもたらすということが見いだされている。特に、この領域の伝熱は、環状スロート50の軸方向長さに沿ってあまり遠く延びない、環状スロートの入り口に隣り合ったスパイクの形であるということが、見いだされている。これは、伝熱が軸方向長さに沿ってむしろ高いことが見いだされている、より一定の断面積を有する環状スロートと対比されるべきである。従って、それが発散形状で設計されていれば、環状スロートの効果的な冷却を提供するのが格段に容易である。効果的な冷却は、配置の安全性、維持費、および耐用年数に影響を大いに及ぼし得るので、本実施形態のようなノズル配置の設計で非常に重要な考慮すべき事柄であることが、理解される。
図3は、ロケットモードでのノズル10の代表的なものを示す。このモードでは、第2ノズル部分40は、ロケット位置に位置する。この位置では、第2ノズル部分40は、環状スロート50が閉じるように内側ノズル部分30に対して位置付けられる。言い換えれば、第2ノズル部分40は、第1ノズル部分30に対して図3の右に移動する。これは、2つのノズル部分30,40の概ね円錐台形の部分がもはや重なり合わず、代わりに従来のロケットノズルと形状が同様である連続した発散するロケットノズルを形成するようになっている(第2部分40の円筒形部分43が依然として第1部分30に重なることが留意されるが)。
概念実証モデリングの際に、様々な形状が、表1に示されている結果として生じる低温流動性能でモデル化された。この表では、ARは、ロケットスロート33に対するノズル10の第1部分30の出口の面積比であり、Eは、環状スロート50の断面積に対する環状流路出口35の断面積の比である(比Eは好ましくは1:1より大きく4:1より小さい)。行は、EおよびARの異なる値を有するノズルの結果を示す。列は、異なる大気圧でのそれらの異なるノズルの結果を示す。異なる大気圧は、動作の異なる高度に対応する。セルの文字は、以下の意味を有する:
1番目の文字
・A:十分な付着流
・S:分離流
2番目の文字
・O:後流が開いたままである
・C:後流が閉じる
3番目の文字
・S:壁に沿った再圧縮(すなわち衝撃)がある
・N:衝撃がない
1番目の文字
・A:十分な付着流
・S:分離流
2番目の文字
・O:後流が開いたままである
・C:後流が閉じる
3番目の文字
・S:壁に沿った再圧縮(すなわち衝撃)がある
・N:衝撃がない
これらの結果は、より高いARおよびEが分離を最小限に抑えるのに望ましいこと、および(この開示の他の部分に記載されているように)環状スロートに発散があるように1より大きいEを有することは伝熱特性を改善できること、を示す。他の実施形態では、表1に示されている形状のいずれかが使用され得ることが、想定される。従って、例えば、ARが20〜50の範囲にあり得ることが想定される。しかしながら、約30:1より大きい面積比を有することは、第1部分30に対するノズル10の第2部分40に必要な引き込みの量に関する工学的問題につながることがあるので、本実施形態では、30:1の面積比が選ばれている。
この実施形態では、ロケットノズルの全体的な面積比、ロケットスロート33に対する第2部分40の出口の面積比、は120:1に選ばれている。この場合も先と同様に、他の比率が、他の実施形態で可能であり、想定される。例えば、少なくとも100:1の比率が想定される。
この実施形態では、Eは2.0に選択されている。この場合も先と同様に、Eの他の値が、他の実施形態で可能であり、想定される。例えば、Eが1〜3.5、または1〜4の範囲であることが、想定される。
動作中、および図2に関し、エンジンは、通常離陸のためにエアブリージングモードで始動し、低い高度での動作中このモードのままである。圧縮大気は、3つのエアブリージング燃焼室42のそれぞれに運ばれ、そこで搭載貯蔵からの水素と混合されて燃焼する。燃焼生成物は、燃焼室42から環状プレナム41へ、および環状プレナム41から円筒形部分43とショルダー部分34との間そして環状スロート50へ、流れる。燃焼生成物は、環状スロート50の軸方向長さに沿っていくらか膨張し、そこからノズル10の第2部分40の残りの部分へ、その部分40およびノズル10を完全に出る前に、移動する。環状スロートが、‐少なくともある動作状態で‐エアブリージングモードにあるときにノズルの壁に沿う付着流を促すということも、見いだされている。これは、必ずしも動作の全ての高度に当てはまらないが、環状スロートが発散しているかどうかに関係なく、環状スロートのさらなる利点になる。従って、ある実施形態では、環状スロートは発散しなくてよく、他の形状であってよい。
図3に関し、大気が希薄になるより高い高度で、エンジンは、動作のロケットモードに移行する。これは、ロケット位置にノズル10の第2部分40を軸方向に移動するように作動するアクチュエータ(図示せず)を伴う。この構成では、空気が大気から取り入れられない;代わりに、搭載貯蔵からの酸素と搭載貯蔵からの水素とが混合されて従来通りにロケット燃焼室32で燃焼し、その燃焼の生成物は、現在実施されている連続した従来型ロケットノズルでのように膨張および排出が行われる。
すでに言及したように、ロケットモードおよびエアブリージングモードのそれぞれに別々の燃焼室を、しかし共通のノズルと共に、提供することにより、別々のノズルを提供することのドラッグの不都合およびかなりの重量が回避される‐大気飛行の少なくとも部分にとって「デッド」である追加のノズルを提供することのドラッグペナルティーはかなりである‐一方ロケット燃焼およびエアブリージング燃焼のそれぞれに最適化できる別々の燃焼室を同時に提供する。さらに、エアブリージングモード用の環状スロートを提供するように重なり合うことができる2つの部分を備えるノズルを提供することは、エアブリージング燃焼室が、ロケット燃焼室と同じノズルを共有できるようにする、簡便な解決策である。
Claims (21)
- エンジンのノズル配置であって、エンジンが大気から取り入れられた空気をその貯蔵からの水素と燃焼する、エアブリージングモードでも、エンジンがその貯蔵からの酸素をその貯蔵からの水素と燃焼する、ロケットモードでも、動作可能であり、
ノズル配置は、ロケットノズルと、ロケット燃焼室と、少なくとも1つのエアブリージング燃焼室と、を備え、
ロケット燃焼室は、ロケットスロートによってロケットノズルに流体結合され、ロケットノズルは、ロケットスロートに隣り合う第1部分と、ロケットスロートから離れた第2部分と、を備え、第2部分は、ロケット位置とエアブリージング位置との間で第1部分に対して軸方向に移動可能であり、ロケット位置では、第1部分と第2部分とがほぼ連続したロケットノズルを形成し、エアブリージング位置では、それらが環状スロートをそれらの間に定めるように重なり、ロケットノズルの第1部分は、径方向面にある大径端部を有するほぼ円錐台形部分であり、第2部分は、径方向面にある小径端部を有するほぼ円錐台形の部分であり、第2部分の小径端部は、第2部分のネック部分からほぼ軸方向に延びるほぼ円筒形の部分を備え、ロケット位置にあるときに、第1部分の大径端部は、ほぼ封止された係合で、第2部分のネック部分と係合し、ほぼ連続したロケットノズルを形成し、
少なくとも1つのエアブリージング燃焼室は、ロケットノズルの第1部分と第2部分とがエアブリージング位置にあるときに環状スロートに流体結合するように配置される、ノズル配置。 - 請求項1に記載のノズル配置であって、少なくとも1つのエアブリージング燃焼室は、複数のエアブリージング燃焼室を備え、それぞれ、ノズルの第1部分と第2部分とがエアブリージング位置にあるときに、環状スロートに流体結合するように配置される、ノズル配置。
- 請求項1または2に記載のノズル配置であって、エアブリージング燃焼室は、ノズルの周りに周辺に分布する、ノズル配置。
- 請求項3に記載のノズル配置であって、エアブリージング燃焼室は、ノズルの第1部分の周りに周辺に分布する、ノズル配置。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載のノズル配置であって、少なくとも1つのエアブリージング燃焼室は、ノズルの第1部分に固定される、またはノズルの第1部分に関連して固定される、ノズル配置。
- 請求項1〜5のいずれか1つに記載のノズル配置であって、少なくとも1つのエアブリージング燃焼室は、環状プレナムを介して環状スロートに流体結合され、環状プレナムは、ノズルの第1部分と第2部分とがエアブリージング位置にあるときに、環状スロートに流体結合される、ノズル配置。
- 請求項6に記載のノズル配置であって、環状プレナムは、ノズルの第1部分を囲む、ノズル配置。
- 請求項6または請求項7に記載のノズル配置であって、環状プレナムは、ノズルの第1部分に固定される、またはノズルの第1部分に関連して固定される、ノズル配置。
- 請求項6〜請求項8のいずれか1つに記載のノズル配置であって、環状プレナムは、環状プレナムの出口と、エアブリージング位置にあるときにノズルの第2部分によって重ねられるノズルの第1部分の外表面と、の間に封止係合を提供するように配置される、ノズル配置。
- 請求項6〜請求項9のいずれか1つに記載のノズル配置であって、環状プレナムは、第2部分の小径端部と係合するように配置され、環状プレナムの出口と、エアブリージング位置にあるときのノズルの第2部分の内表面と、の間に封止係合を提供する、ノズル配置。
- 請求項6〜請求項10のいずれか1つに記載のノズル配置であって、ノズルの第2部分の小径端部は、第2部分のネック部分からほぼ軸方向に延びるほぼ円筒形の部分を備え、環状プレナムは、円筒形部分と係合するように配置され、環状プレナムの出口と、エアブリージング位置にあるときのノズルの第2部分の内表面と、の間に封止係合を提供する、ノズル配置。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載のノズル配置であって、少なくとも1つのエアブリージング燃焼室は、ノズルの第1部分を囲む単一の環状エアブリージング燃焼室を備える、ノズル配置。
- 請求項12に記載のノズル配置であって、単一のエアブリージング燃焼室は、ノズルの第1部分に固定される、またはノズルの第1部分に関連して固定される、ノズル配置。
- 請求項6〜請求項8のいずれか1つに記載のノズル配置であって、単一のエアブリージング燃焼室は、単一のエアブリージング燃焼室の出口と、エアブリージング位置にあるときにノズルの第2部分によって重ねられるノズルの第1部分の外表面と、の間に封止係合を提供するように配置される、ノズル配置。
- 請求項6〜請求項9のいずれか1つに記載のノズル配置であって、単一のエアブリージング燃焼室は、第2部分の小径端部と係合するように配置され、単一のエアブリージング燃焼室の出口と、エアブリージング位置にあるときのノズルの第2部分の内表面と、の間に封止係合を提供する、ノズル配置。
- 請求項6〜請求項10のいずれか1つに記載のノズル配置であって、ノズルの第2部分の小径端部は、第2部分のネック部分からほぼ軸方向に延びるほぼ円筒形の部分を備え、単一のエアブリージング燃焼室は、円筒形部分と係合するように配置され、単一のエアブリージング燃焼室の出口と、エアブリージング位置にあるときのノズルの第2部分の内表面と、の間に封止係合を提供する、ノズル配置。
- 請求項1〜請求項16のいずれか1つに記載のノズル配置であって、エアブリージングモードでは、重なり合うノズルの第1部分と第2部分との間の環状路に発散がある、ノズル配置。
- 請求項17に記載のノズル配置であって、環状路の発散は、環状スロートの断面積に対する環状流路出口の断面積の比が、1:1より大きく4:1より小さくなるようになっている、ノズル配置。
- 請求項1〜請求項18のいずれか1つに記載のノズル配置であって、アクチュエータ配置をさらに備え、アクチュエータ配置は、2つの位置の間でノズルの第2部分を動かすように配置される、ノズル配置。
- エンジンであって、エンジンが大気から取り入れられた空気をその貯蔵からの水素と燃焼する、エアブリージングモードでも、エンジンがその貯蔵からの酸素をその貯蔵からの水素と燃焼する、ロケットモードでも、動作可能であり、エンジンは、複数のノズル配置を備え、それぞれのノズル配置は、請求項1〜請求項19のいずれかによる、エンジン。
- 添付図面を参照して本明細書に実質的に記載される、ノズル配置。
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