本発明によれば、第一の態様においては、長手方向に延在する(例えば、実質的に円筒形である)、外周(例えば、円周)が14〜17mm(例えば、16〜17mm)のタバコ煙フィルタ材料からなるコアと、該コア内に完全に封入された添加剤放出容器(例えば、カプセル)とを含むタバコ煙フィルタまたはフィルタエレメントであって、フィルタ材料は、5.3以上の単糸デニールおよび18,000以下の総デニールを有するフィラメント材料(例えば、フィラメントのフィルタトウ)であるタバコ煙フィルタまたはフィルタエレメントを提供する。
長手方向に延在するタバコ煙フィルタ材料からなるコアは、実質的に円筒形であるタバコ煙フィルタ材料からなるコアであることが好ましい。
長手方向に延在するタバコ煙フィルタ材料からなるコアは、円周が16〜17mm(即ち、フィルタまたはフィルタエレメントは、スーパースリムのフィルタまたはフィルタエレメント)であることが好ましい。
フィルタまたはフィルタエレメントは、長手方向に延在する(例えば、実質的に円筒形である)コアの周囲に係合した包装材(例えば、紙、プラグラップ)を更に含んでもよい。包装材は、例えば、空気透過性の紙包装材等の紙包装材であってもよい。
添加剤放出容器(例えば、カプセル)は、長手方向に延在する(例えば、実質的に円筒形である)タバコ煙フィルタ材料からなるコア内に完全に封入されている。これは、(喫煙者が)使用時において、添加剤放出容器(例えば、カプセル)をフィルタ/フィルタエレメントの口もしくは口腔側端部において、または本発明の本態様のフィルタを含むシガレットの口側端部において、視認できないことを意味する。長手方向に延在する(例えば、実質的に円筒形である)タバコ煙フィルタ材料からなるコアの少なくとも一方の端部は、均一な外観を有することが好ましい。コアの端部において、タバコ煙フィルタ材料のみを視認することができるように(例えば、コアの端部において、添加剤またはチャネル等の他の成分を視認することができないように)、長手方向に延在する(例えば、実質的に円筒形である)タバコ煙フィルタ材料からなるコアの少なくとも一方の端部は、均一な外観を有することが好ましい。端部の均一な外観(例えば、コアの端部において、煙フィルタ材料のみを視認することができるような外観)は、喫煙者にとって快適であり、有利である。
長手方向に延在するコアのタバコ煙フィルタ材料は、タバコ煙フィルタを製造するのに従来から使用される任意のフィラメント材料であってよい。フィルタ材料は、例えば、綿もしくはポリエチレンまたはポリプロピレン等のプラスチックからなる天然または合成のフィラメントのトウ、もしくは酢酸セルロースフィラメントのトウであってよい。フィルタ材料は、酢酸セルロースフィラメントのトウであることが好ましい。
本発明によれば、一態様においては、長手方向に延在する(例えば、実質的に円筒形である)、外周(例えば、円周)が14〜17mm(例えば、16〜17mm)のタバコ煙フィルタ材料からなるコアと、該コア内に完全に封入された添加剤放出容器(例えば、カプセル)とを含むタバコ煙フィルタまたはフィルタエレメントであって、タバコ煙フィルタ材料は、5.3以上の単糸デニールおよび18,000以下の総デニールを有する(例えば、フィラメントの)酢酸セルロース(例えば、酢酸セルロースのトウ)であるタバコ煙フィルタまたはフィルタエレメントを提供する。
長手方向に延在するタバコ煙フィルタ材料からなるコアは、実質的に円筒形であるタバコ煙フィルタ材料からなるコアであることが好ましい。
長手方向に延在するタバコ煙フィルタ材料からなるコアは、円周が16〜17mm(即ち、フィルタまたはフィルタエレメントは、スーパースリムのフィルタまたはフィルタエレメント)であることが好ましい。
フィルタまたはフィルタエレメントは、長手方向に延在する(例えば、実質的に円筒形である)コアの周囲に係合した包装材(例えば、紙、プラグラップ)を更に含んでもよい。包装材は、例えば、空気透過性の紙包装材等の紙包装材であってもよい。
酢酸セルロース等のフィラメントのタバコ煙フィルタ材料(例えば、フィルタトウ材料)の仕様は、単糸デニール(denier per filament,dpf)、総デニール、および繊維断面形状を用いて説明する。単糸デニールは、単糸9000mあたりのグラム重量として定義し、総デニールは、単純に、dpfにトウのフィラメントの数を乗じたものである。従って、例えば、5Y30,000トウは、9000mあたり5gのdpfを有し、Y形状であり、9000mあたり30,000gの総デニールとなる6,000のフィラメントを含むフィラメント材料を説明し、5.2Y18,000トウは、9000mあたり5.2gのdpfを有し、Y形状であり、9000mあたり18,000gの総デニールとなる約3,500のフィラメントを含むフィラメント材料を説明し、6.8Y15,000トウは、9000mあたり6.8gのdpfを有し、Y形状であり、9000mあたり15,000gの総デニールとなる約2200のフィラメントを含むフィラメント材料を説明する。
フィラメント材料(例えば、フィラメントのフィルタトウ、酢酸セルロース、および酢酸セルロースのトウ)は、5.3以上、例えば、5.3〜13、例えば、5.3〜12、例えば、5.3〜9、例えば、5.4〜8、例えば、6〜7の単糸デニールを有することができる。フィラメント材料(例えば、フィラメントのフィルタトウ、酢酸セルロース、および酢酸セルロースのトウ)は、5.3〜7.9または5.3〜7.5、例えば、6〜7.5の単糸デニールを有することができる。フィラメント材料(例えば、フィラメントのフィルタトウ、酢酸セルロース、および酢酸セルロースのトウ)は、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9の単糸デニールを有することができる。実施例において、フィラメント材料は、5.3以上、例えば、5.4以上、例えば、5.5以上、例えば、5.6以上、例えば、5.7以上、例えば、5.8以上、例えば、5.9以上、例えば、6以上、例えば、6.1以上、例えば、6.2以上、例えば、6.3以上、例えば、6.4以上、例えば、6.5以上の単糸デニールを有することができる。
フィラメント材料(例えば、フィラメントのフィルタトウ、酢酸セルロース、および酢酸セルロースのトウ)は、9,000〜18,000、例えば、10,000〜18,000、例えば、12,000〜17,000、例えば、14,000〜16,000の総デニールを有することができる。フィラメント材料(例えば、フィラメントのフィルタトウ、酢酸セルロース、および酢酸セルロースのトウ)は、15,000〜18,000、例えば、15,100〜18,000、例えば、15,500〜17,000、例えば、15,500〜16,000の総デニールを有することができる。フィラメント材料(例えば、フィラメントのフィルタトウ、酢酸セルロース、および酢酸セルロースのトウ)は、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、および18,000の総デニールを有することができる。実施例において、フィラメント材料は、18,000以下、例えば、17,900以下、例えば、17,800以下、例えば、17,700以下、例えば、17,600以下、例えば、17,500以下、例えば、17,400以下、例えば、17,300以下、例えば、17,200以下、例えば、17,100以下、例えば、17,000以下の総デニールを有することができる。
フィラメント材料は、任意の断面であってよい(例えば、Y字形断面、X字形断面、および円形断面等、当業者は、様々な断面が当技術分野において既知であることを理解するであろう)。Y字形断面のフィラメント材料が好ましい。
添加剤放出容器は、例えば、易破壊性のカプセル等のカプセルであってよい。(例えば、易破壊性の)カプセルは、香味剤の形態で添加剤を含む場合がある。添加剤放出容器[(例えば、易破壊性の)カプセル]は、例えば、香味剤および/または活性炭素等の液体、固体、または他の材料等、例えば、煙を濾過する一助となる1種類以上の添加剤を含むことができる。フィルタに添加剤を含むカプセルの使用は、当技術分野において周知である。
香味剤は、シガレット等の喫煙物品において、公知のまたは使用に適した任意の香味剤、例えば、メンソール、スペアミント、ペパーミント、フェヌグリーク、またはクローブ等であってよい。香味剤は、メンソールである、またはメンソールを含むことが好ましい。容器(カプセル)は、2種類以上の香味剤を含んでもよい(異なる香味剤の混合物を提供する場合があり、これは、メンソールを含んでも含まなくてもよい)。
フィルタまたはフィルタエレメントは、[例えば、添加剤放出容器{(例えば、易破壊性の)カプセル}内に]香味剤の形態で添加剤を含むことができ、添加剤(香味剤)の分量は、(フィルタ/フィルタエレメントあたり)35mg未満である。フィルタまたはフィルタエレメントは、[例えば、添加剤放出容器{(例えば、易破壊性の)カプセル}内に]香味剤の形態で添加剤を含むことができ、添加剤(香味剤)の分量は、(フィルタ/フィルタエレメントあたり)5〜30mg、例えば、7〜25mg、例えば、10〜25mg、例えば、10〜20mgである。
添加剤放出容器[(例えば、易破壊性の)カプセル]は、(フィルタを挟んだ方向に最も広い箇所、即ち、長手方向に延在するコアが延びる方向に対して垂直である箇所を測定するとき、)2.0〜4mm、例えば、2.5〜3.9mm、例えば、3.0〜3.8mm、例えば、3.2〜3.7mm、例えば、3.5mm幅であってよい。添加剤放出容器[(例えば、易破壊性の)カプセル]は、35mg未満の香味剤を含むことができる。添加剤放出容器[(例えば、易破壊性の)カプセル]は、5〜30mg、例えば、7〜25mg、例えば、10〜25mg、例えば、10〜20mgの香味剤を含むことができる。
フィルタまたはフィルタエレメントは、10〜30mm、例えば、14〜27mm、例えば、17〜25mmの長さを有することができる。
以下の実施例1に記載するように、本出願人は、カプセルを含まないスーパースリムフィルタを製造して、関連するフィルタ寸法用の最小、最大、および最適なトウ重量を決定し、続いて、対応するカプセル含有フィルタを製造し、圧力損失におけるカプセルによる影響を評価した。驚くべきことに、出願人は、5.3以上(例えば、6.8)の単糸デニールおよび18,000以下(例えば、15,000)の総デニールを有するフィラメントのフィルタ材料(例えば、酢酸セルロースのトウ)からなるコアを有するフィルタに、カプセルを含むことによる圧力損失は、ごくわずかな増加のみを伴うことを発見した。これは、5.3以上(例えば、6.8)の単糸デニールおよび18,000以下(例えば、15,000)の総デニールを有するフィラメントのフィルタ材料(例えば、酢酸セルロースのトウ)は、特にカプセルを含むスーパースリムまたはマイクロスリムのフィルタにおいて、使用に適していることを示す。
本発明によるフィルタエレメントは、例えば、二重、三重、他の多重フィルタからなる、多重セグメントスリムフィルタのセグメントとして使用してもよい。このようなフィルタは、当技術分野において周知である。フィルタエレメントは、多重セグメントフィルタのセグメントとして、または多重セグメントフィルタのセグメント内で使用する場合、フィルタの口または口腔側端部のセグメントにおいて(またはフィルタの口または口腔側端部のセグメント内において)、あるいはフィルタの任意の他のセグメントとして(またはフィルタの任意の他のセグメント内において)使用してもよい。フィルタエレメントは、多重セグメントフィルタのセグメントとして、または多重セグメントフィルタのセグメント内で使用する場合、他のセグメントは、例えば、包装または非包装酢酸エステル(wrapped or non−wrapper acetate)からなるセグメント、活性炭素またはフレーバー(例えば、活性酢酸フィルタからなるセグメントまたはフレーバー・スレッド・フィルタからなるセグメント)等の粒子状添加剤または液体添加剤を含むセグメント、紙材または不織材料を含むセグメント、または他のカプセル含有セグメント等であってよい。例えば、スーパースリムまたはマイクロスリムフィルタの単一セグメントとして、(例えば、モノアセテート・フィルタと同様に)本発明によるフィルタエレメントを単独で使用してもよい。
本発明のフィルタは、包装して販売し、手巻きシガレット等の自分で巻く(Roll Your Own)または自分で作る(Make Your Own)喫煙物品において使用してもよい。自分で巻く(Roll−Your−Own,RYO)喫煙者用に、フィルタは、「Pop−a−Tip(商標)」フィルタと同様に包装してよく、該フィルタは周知であり、フィルトローナ・フィルターズ社(Filtrona Filters)で入手可能である。Pop−a−Tipフィルタ・タイプは、例えば、BOPPまたはセロハン等で製造した透明のフィルムにより包装した一続きのフィルタ(フィルタチップ)を備える。RYO製品の喫煙者は、フィルタを透明のラップから個別に押し出し(または「飛び出させて(popped)」)、続いて、シガレットを巻く際に該フィルタを使用する。本発明によると、更なる態様においては、本発明のいずれかの態様による複数の(例えば、2個以上の、例えば、4〜6個の)個別のタバコ煙フィルタ(または本発明のいずれかの態様によるフィルタエレメントを含む複数の個別のタバコ煙フィルタ)を備える、端部と端部とが当接した製品ロッドと、複数のフィルタまたはフィルタエレメントの周囲に係合した(共通の)包装材とを提供する。共通の包装材は、例えば、BOPPまたはセロハンから製造した透明の材料である場合がある。
本発明によるフィルタ・シガレットにおいて、本発明のフィルタ(または本発明のフィルタエレメントを含むフィルタ)は、フィルタの一端をタバコ側にして、包装したタバコロッドに接合する。フィルタは、包装したタバコロッドに、[(包装した)フィルタおよびロッドの隣接端部の周囲に係合されるにすぎず、フィルタラップの大部分を露出したままとする]リングチップ(ring tipping)によって接合してもよい。フィルタは、(フィルタの全長およびタバコロッドの隣接端部の周囲に係合する)フルチップ・オーバーラップ(full tipping overwrap)によって接合してもよい。
本発明によるフィルタ、フィルタエレメント、またはフィルタ・シガレットの通気は、当技術分野において周知の方法によって行えばよく、例えば、予め穿孔された包装材または空気透過性包装材を利用する、並びに/あるいは、包装材およびチップ・オーバーラップ(存在する場合)をレーザー穿孔することを利用することによって行えばよい。通気用フルチップ・オーバーラップは、同様に、本来的に空気透過性であってよく、または通気孔を設けてもよい。包装材およびチップ・オーバーラップの両方が存在する通気性製品において、オーバーラップの通気部は、通常(および好ましくは)、包装材(例えば、プラグラップ)の通気部と位置合わせする。フィルタ包装材を貫通する通気孔、チップ・オーバーラップを貫通する通気孔、またはこの両方を同時に貫通する通気孔は、当技術分野において周知のように、フィルタまたはフィルタ・シガレットの製造中に、レーザー穿孔によって形成してもよい。
本発明によれば、更なる一態様においては、上述したように、フィルタ(またはフィルタエレメント)を複数(例えば、2、4、6個等)含み、および/または、本明細書に記載したように、これらが鏡像関係になるように端部と端部とを一体に接合した複合ロッドを提供する。
次に、添付の図面を参照して、本発明を説明する。
図1(および図2)に示すフィルタ1は、長手方向に延在し、実質的に円筒形である、外周が16.8mmおよび長さが27mmのタバコ煙フィルタ材料からなるコア2を含む。(実際には、円筒形のコア2は円形断面であるため、コア2は、16.8mmの円周を有する。)フィルタ材料は、6.8Y15,000の酢酸セルロースフィラメントからなるフィラメントのトウである。フィルタ1は、長手方向に延在するコア2の周囲に係合した包装材3であって、当技術分野において周知のように、重ねて張り合わされてなる継ぎ目(lapped and stuck seam)によって固定したプラグラップからなる包装材3も含む。
フィルタ1は、フレーバーを含む易破壊性のカプセル5の形態で、円筒形のコア2内に完全に封入された添加剤放出容器も含む。フィルタ材料は、カプセルを完全に包み込んでいる。これは、恐らく、(フィルタおよびカプセルの破断図である)図2において最も分かりやすいが、コア2内のカプセル5の位置は、点線5aによって図1にも示す。添加剤放出容器は、ゼラチン等の破砕可能な外殻6を含む3.5mmの直径を有する球状カプセル5であり、メンソールを含む液体7を封入する。中に香味剤を含む、このような易破壊性または破砕可能な球状カプセル5およびそれらの製造方法は、当技術分野において周知である。
カプセル含有フィルタの製造方法は、周知である。長手方向に延在するフィルタロッドは、酢酸セルロースのトウ等のフィラメントのフィルタ材料から製造することは周知であり、酢酸セルロースフィラメントのトウをソースから引き込み、長手方向に前進するトウを(例えば、ノズルを通過させることにより)集合させ、集合した/圧縮したトウをガーニチャ(garniture)を通じて前進させ、新たに形成した長手方向に延在するフィルタ材料からなるロッドを、重ねて張り合わされてなる継ぎ目を利用して固定したプラグラップにより包装することによって製造する。長手方向に前進するロッドを別個のフィルタに、または、より一般的には、複数(例えば、2、4、または6個等)のフィルタを含む複合ロッドに切断してもよい。本方法は、カプセルを挿入する機械(このような機械は、周知である)による、カプセル含有フィルタの製造工程において適している。このような機械においては、(球状)カプセル5は、積み重ねて保持され、長手方向に前進する酢酸セルロースフィラメントのトウが集合するときに、その中に連続的に送り込まれる。したがって、前進するトウは、ノズルを通過してガーニチャ内に入るときに、カプセル5の周囲に集合し、圧縮される。得られた長手方向に前進するカプセル含有ロッドを、常法によって、フィルタ/ロッドに切断する。
図1のフィルタは、当技術分野において周知の方法により、フィルタの一端をタバコ側にして、包装したタバコロッド(図示せず)に接合してもよい。フィルタは、包装したタバコロッドに、包装したフィルタ1およびロッドの隣接端部の周囲に係合されるにすぎず、包装材3の大部分を露出したままとするリングチップによって接合してもよい。または、フィルタは、フィルタ1の全長およびタバコロッドの隣接端部の周囲に係合するフルチップ・オーバーラップによって接合してもよい。
(実施例1)
スーパースリム・カプセルフィルタの試作
当技術分野において既知の方法により、多様な長さの「モノ(mono)」フィルタロッドを製造した。多様な長さの各フィルタロッドは、長手方向に延在し、実質的に円筒形である、長さが108mmかつ円周が16.8mmの酢酸セルロースフィラメントからなるコアを含む。本ロッドは、長さが27mmの4個のフィルタ(いわゆる「4アップ」ロッド)に切断することができる複合ロッドであることが理解されよう。5.2Y18000および6.8Y15000の2つの異なる酢酸セルロースのフィルタトウを使用した。周知のように、第1の数字(5.2または6.8)は単糸デニールを意味し、Yはフィラメントの断面形状を意味し、第2の数字(15000または18000)はトウの総デニールを意味する。
カプセルを含まない上記のモノフィルタ/フィルタロッドを評価し、これらのフィルタ寸法における最小、最大、および最適なトウ重量を決定して、いわゆる「トウ性能曲線(tow capability curve)」を描くことができた。このような曲線は、当業者にとって周知である。「モノ」ロッド用のこれらの3点を決めてから(かつ、これらの値が、標準的なモデリング・プログラムである「仮想トウ選択装置(virtual tow selector)」によって予測した値と一致することも確認してから)、ロッド内のフィルタあたり1個のカプセルを有するように、108mmのロッドあたり4つの均一に離間したカプセル(球状で直径が3.5mm)を有する対応するロッドを製造して、フィルタの圧力損失におけるカプセルの影響を評価した。
以下の表1および表2は、5.2Y18000トウ(表1)および6.8Y15000トウ(表2)を含む、「モノ」フィルタロッドおよびカプセル含有フィルタロッドにおける圧力損失に対する性能を評価した結果を示す。これらのデータは、図3および図4にグラフ表示もする。
完成したロッドに1mmの凹部を付与するトウ重量における最小点を決定した(即ち、トウは、「スプリングバック(sprang back)」して、切断後の完成したフィルタ/ロッドに皿状端部(dished end)を付与した)。トウ重量により最大点を決定し、圧力損失において約6%の変動係数を得た。6%より高い変動値は、一般的に許容できないものとみなされる。トウ重量を仮想トウ選択プログラム(virtual tow selector program)に入力し、表に示す「能力百分率(capability percentage)」を決定した。5.2Y18000トウ製品は、−1〜36%の能力範囲を提供した。6.8Y15000トウ製品からは、0〜70%の能力範囲を得た。
フィルタ設計において、圧力損失は、重要なパラメータである。利用可能な圧力損失範囲の決定基準は、典型的には、トウ製品からの6%以下の変動係数を生じるデータ点に基づく。従って、これらのトウを使用したカプセルフィルタの利用可能な圧力損失範囲は、6.8Y15000トウにおいては、水位計が270〜380mm、5.2Y18000トウにおいては、水位計が480〜550mmであることが判明した。この範囲外のトウを使用した場合、不十分に稼働する製品または不十分な性能の製品(即ち、製造が困難であり、性能が劣る製品)が得られるであろう。
予想どおり、カプセルを付加することにより、ロッドの圧力損失が増加した。5.2Y18000トウにおける(108mm/4アップロッドの結果に基づく)平均の圧力損失の増加は、チップあたり33mmであった一方で、6.8Y15000トウにおける平均のチップ圧損の増加は、たったの18mmであった。
従って、予想外に、出願人は、フィラメントのフィルタ材料(例えば、酢酸セルロースのトウ)からなる、5.3以上(例えば、6.8)の単糸デニールおよび18,000以下(例えば、15,000)の総デニールを有するコアを含むカプセル含有フィルタの圧力損失は、ごくわずかな増加のみであることを発見した。これは、5.3以上(例えば、6.8)の単糸デニールおよび18,000以下(例えば、15,000)の総デニールを有するフィラメントのフィルタ材料(例えば、酢酸セルロースのトウ)は、カプセルを含むスーパースリムフィルタまたはマイクロスリムフィルタにおいて、特に使用に適していることを示す。