JP2016531320A - 直線又は角運動量バイアスに基づく非相反音響装置 - Google Patents

直線又は角運動量バイアスに基づく非相反音響装置 Download PDF

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Abstract

直線又は角運動量バイアスを介した非相反性を達成する非相反音響装置を提供する。非相反音響装置は、方位角的に対称な又は平面状の音響キャビティ(例えばリングキャビディ)を含み、キャビティは、該キャビティを満たすガス、流体又は固形媒体の円運動又は直線運動を課すことによってバイアスされる。複数の音響導波路は、キャビティに接続され、該キャビティは、周辺媒体から励起される。この装置のポートは、音波で励起される。キャビティが適切にバイアスされる際に、音波は他の音響導波路のうちの一の音響導波路に伝達されるが、他の音響導波路では音波の伝達が起こらない。その結果、線形非相反性は、入力信号を歪ませずに又は高入力パワーや嵩高性装置を必要とせずに、音響学において現在実現される。【選択図】図1D

Description

関連適用分野の相互参照
本出願は、参照することにより本明細書に組み込まれる、2013年8月21日出願の米国特許仮出願番号第61/868,178号「角運動量バイアスに基づく非相反音響装置」に対して優先権を主張する。
政府利益
米国政府は、国防脅威削減局付与番号HDTRA1−12−1−0022の条件に従い、本発明において特定の権利を有する。
本発明は、一般的には非相反装置に関し、より詳細には、角運動量バイアスに基づく非相反音響装置に関する。
波動伝搬の非相反性は、時間反転対称性の破れからくる媒体の魅惑的な特性である。カシミア−オンサーガ原理によれば、装置が非相反になるには、その散乱マトリクスは、時間反転時に奇数ベクトルに依存しなければならない。例えば、そのような非相反装置(例えば、アイソレータ、ダイオード)では、波は全て一の方向に伝達され、他の方向に完全に反射される。近年、線形装置における一方向音伝播を達成するための幾つかの提案について議論されているが、これらの概念の大部分では、いずれの種類の奇数ベクトルバイアスも無い非対称線形構造が用いられており、これは時間反転時に装置を完全対称にし、よって完全相反にする。これらの線形装置は、アイソレータとしてよりはむしろ非対称モードコンバータとして挙動する。これらの線形装置は遮音には用いることができない。なぜなら、二のポート間にあるダイオードとしての装置で必要とされるように入力及び出力が反転される場合には、伝搬が厳格に相反であるためである。
遮音に適した音響非相反性を達成するための実行可能な解決策は、非線形媒体を用いることである。例えば、フォノニック結晶と、波動周波数を変換できる非線形媒体とをペアにすることができる。一方の側からは、結晶がバンドギャップで作用しているので、波は反射される。他方側からは、波動周波数は結晶の伝搬バンドの値に変換され、従って構造を介して伝達される。しかしながら、この解決策は非常に高い入力パワーが必要であり、線形音響で通常遭遇する低強度信号との効率的な作用を難しくする。更なる欠点としては、特に音波にとっては問題であるのだが、信号周波数を著しく変更してしまうことである。原理的には、線形システムにおける非相反伝搬は、物理の法則では可能である。磁気バイアスは、音響ファラデー効果の場合のように非相反性を誘発するが、磁気音響効果は比較的弱く、波長よりも相当大きい装置が必要とされる。機械運動が音響ジャイレータ(非相反位相器)を実現するために提案されているが、磁気バイアスの場合のように得られる装置は非常に嵩高く、パイプの横波に厳格に限定される。ガス(例えば、空気)内の縦波向けの線形且つ小型の音響非相反装置は依然見つかっておらず、可聴音の遮音のために非常に望まれている。
本発明の一の実施形態では、非相反装置は、角運動量バイアスを有する方位角的に対称な音響キャビティを備える。非相反装置は、前記方位角的に対称な音響キャビティに接続される複数の音響導波路であって、該複数の音響導波路の各々は入力及び出力ポートに関連する複数の音響導波路を更に備える。加えて、非相反装置は、音波によって励起される前記複数の音響導波路のうちの第1音響導波路の入力ポートを備える。前記方位角的に対称な音響キャビティは、前記複数の音響導波路のうちの第2音響導波路の出力ポートに前記音波の総伝達を誘発するように、且つ前記複数の音響導波路のうちの第3音響導波路の出力ポートに前記音波の伝達を誘発しないようにバイアスされる。
本発明の他の実施形態では、非相反装置は、角運動量バイアスを有する音響キャビティであって、該音響キャビティは、互いに連結したサブキャビティからなり、前記角運動量バイアスは、前記サブキャビティの音響特性の時間変調によって達成される音響キャビティを備える。非相反装置は、前記音響キャビティに接続される複数の音響導波路であって、該複数の音響導波路の各々は入力及び出力ポートに関連する複数の音響導波路を更に備える。更に、非相反装置は、音波によって励起される前記複数の音響導波路のうちの第1音響導波路の入力ポートを備える。前記音響キャビティは、前記複数の音響導波路のうちの第2音響導波路の出力ポートに前記音波の総伝達を誘発するように、且つ前記複数の音響導波路のうちの第3音響導波路の出力ポートに前記音波の伝達を誘発しないようにバイアスされる。
本発明の他の実施形態では、非相反装置は、横移動媒体又は時間変調を介して直線運動量バイアスが印加される平面キャビティからなる音響キャビティを備える。非相反装置は、前記音響キャビティに接続される一対の音響導波路であって、該一対の音響導波路の各々は入力及び出力ポートに関連する一対の音響導波路を更に備える。加えて、非相反装置は、音波によって励起される前記一対の音響導波路のうちの第1音響導波路の入力ポートを備える。前記音響キャビティは、前記一対の音響導波路のうちの第2音響導波路の出力ポートに、前記一対の音響導波路のうちの前記第1音響導波路の前記入力ポートで励起された前記音波の総伝達を誘発するようにバイアスされ、且つ前記一対の音響導波路のうちの前記第1音響導波路の出力ポートに、前記一対の音響導波路のうちの前記第2音響導波路の入力ポートで励起された前記音波の伝達を誘発しないようにバイアスされる。
本発明の他の実施形態では、非相反装置は、横移動媒体又は時間変調を介して直線運動量バイアスが印加される平面キャビティからなる音響キャビティであって、該音響キャビティは、自由空間を伝搬する音波によって励起される音響キャビティを備える。前記音響キャビティの面は、前記音響キャビティへの前記音波の侵入を可能にするために、一部透過性を有している。
本発明の更なる実施形態では、人工音響媒体は、非相反装置の格子からなり、該音響媒体は、角運動量バイアス又は直線運動量バイアスを前記格子の各要素に印加することによって非相反にされ、その結果、前記人工音響媒体のバルクモード及びエッジモードの両方の非相反伝搬が生じる。
上記には、以下に続く本発明の詳細な説明をよりよく理解するために、本発明の一又は複数の実施形態における、むしろ一般的な特徴及び技術的利点を概説した。以下に、本発明の特許請求の範囲の要旨を形成する本発明の更なる特徴及び利点を説明する。
本発明は、以下の図面と併せて詳細な説明を考慮するとよりよく理解されるであろう。
本発明の実施形態に係る内部流体の循環によってバイアスされる音響リングキャビティを示す図である。 本発明の実施形態に係る本発明の解析モデルに応じた、バイアス速度に直接比例する第1対向伝搬固有モードの分割結果を示す図である。 本発明の実施形態に係る右モード及び左モードに関連する固有振動数の分割を示す解析予測と全波シミュレーションとの比較を示す図である。 本発明の実施形態に係るバイアスリングキャビティとそれに連結される三の音響導波路とから構成される3ポートシステムへの音響ダイオードの汎用化を示す図である。 本発明の実施形態に係る図1Dの音響サーキュレータにバイアスが印加されない際にポート2及びポート3における伝達スペクトルが同一であることを示す図である。 本発明の実施形態に係る図1Dの音響サーキュレータにバイアス速度を適合させることによって共振周波数においてポート2ではゼロ伝達が得られ、ポート3では総伝達が得られることを示す図である。 本発明の実施形態に係る図1Dの装置の非相反伝達特性に関するバイアス速度を変化させる効果を示す図である。 本発明の実施形態に係る図1Dの非バイアス装置内に分布された音圧場を示す図である。 本発明の実施形態に係る図1Dの装置が適切にバイアスされる際に、第2音響導波路の音響レベルはゼロである一方、音波は第3音響導波路で完全に伝達されることを示す図である。 本発明の実施形態に係る本発明の原理を組み込む加工装置を示す図である。 本発明の実施形態に係るファンの電源が入っていない際にポート1から入射された音波からのポート2及びポート3への音伝達の測定を示す図である。 本発明の実施形態に係るファン速度が最適な非相反挙動を生じるようい調整される際にポート1から入射された音波からのポート2及びポート3への音伝達の測定を示す図である。 本発明の実施形態に係るファン速度に比例する入力電流の関数として、非バイアスの場合に対して正規化された測定伝達スペクトルを示す図である。 本発明の実施形態に係る設計速度における大量(>30dB)の非相反性を示す入力電流の関数として測定されたデシベルでの遮音性を示す図である。
背景技術において述べられたように、遮音に適した音響非相反性を達成するための実行可能な解決策は、非線形媒体を用いることである。例えば、フォノニック結晶と波動周波数を変換できる非線形媒体とをペアにすることができる。一方の側からは、結晶がバンドギャップで作用しているので、波は反射される。他方からは、波動周波数は結晶の伝搬バンドの値に変換され、従って構造を介して伝達される。しかしながら、この解決策は非常に高い入力パワーが必要であり、線形音響で通常遭遇する低強度信号との効率的な作用を難しくする。更なる欠点としては、特に音波にとっては問題であるのだが、信号周波数を著しく変更してしまうことである。原理的には、線形システムにおける非相反伝搬は、物理の法則では可能である。磁気バイアスは、音響ファラデー効果の場合のように非相反性を誘発するが、磁気音響効果は比較的弱く、波長よりも相当大きい装置が必要とされる。機械運動が音響ジャイレータ(非相反位相器)を実現するために提案されているが、磁気バイアスの場合のように、得られる装置は非常に嵩高く、パイプの横波に厳格に限定される。ガス(例えば、空気)内の縦波向けの線形且つ小型の音響非相反装置は依然見つかっておらず、可聴音の遮音のために非常に望まれている。
本発明の原理は、角運動量バイアスに基づく音波用の、線形音響ダイオード又は線形音響アイソレータ等の線形非相反装置を発展させる手段を提供する。本発明の原理の結果、現在、線形非相反性は、入力信号を歪ませずに又は高入力パワーや嵩高性装置を必要とせずに音響学で実現される。このような非相反音響装置を発展させる方法は、角運動量が小さい環状キャビティをバイアスすることに基づいた、ゼーマン効果と同等の音響の導入に基づく。方位角的に対称な音響キャビティを考えると、例えばリングキャビティ100は、本発明の実施形態に係る図1Aに示すような固形ブロックに彫りこまれる。図1Aを参照すると、キャビティ100は、共振周波数において充填媒体102(例えば、空気等のガス、流体、水中のゴムリング等の固形物)に円運動101を課すことによってバイアスされる。バイアス速度は、eφベクトルに沿って方位的に方向づけられると仮定され、半径距離rに依存してよい。しかしながら、一般性を失わずに、その大きさは一定でvに等しいと仮定される。外部バイアスが無い場合、リングキャビティ100は、その平均円周が波長の整数mとほぼ等しいときに共振し、方位角依存性有e±imφを有する対向伝搬固有モードの縮退を支持する。これは、本発明の実施形態に係る基本モードm=1については、リングキャビティ100の寸法は、波長よりも小さいことを示唆する。モデル伝搬のバイアス効果を理解するために、時間に依存しないリングのシュレーディンガー方程式を考える。
但し、|Ψ>はモデル状態ベクトル、ωは固有振動数、Hはバイアスが無い場合のシステムの時間発展演算子、Pは移動媒体による摂動を示す演算子である。この方程式は、非回転流(渦なし流れ)や等エントロピー流れを仮定して導かれる。高次モードを無視すると、二の固有値ω及びωは、次のように求められる。
但し、ωはバイアスが無い場合の基本モードの縮退共振周波数、Ravは平均リング半径である。本発明の実施形態に係る図1Bに表されるように、バイアスは、速度が線形である周波数分割を有する縮退を解き、これは静磁場が存在する際の原子内電子へのゼーマン効果に類似する。速度循環が右(RH)の場合、左(LH)モードは高周波数側に移動するが、RHモードは同量だけシフトダウンされる。速度循環がLHの場合、RHモードは高周波数側に移動するが、LHモードは同量だけシフトダウンされる。この提案された音響ゼーマン効果の我々の解析モデルを確認するために、バイアスキャビティについて固有値問題を数値的に解決した。固有値は、本発明の実施形態に係る図1Cに示すように、数式(2)と完全に一致することが判明し、公式論及び仮定を確認した。
強磁性材料では、ゼーマン効果は電磁波の非相反伝搬の原因である。今、リングキャビティ100の状態空間は、時間反転時の奇数ベクトル、即ち移動媒体の角運動量に依存するので、電磁波の量子対のように、提案された音響ゼーマン効果は非相反性を誘発できると期待される。その点では、本発明の原理は、音響ダイオードをサーキュレータとして知られる3ポート線形装置に汎用化する。このような装置によって、ポート1で入射された音響パワーは、ポート3において完全且つ単独で伝達できる。ポート3からは、パワーはポート2に伝達され、ポート2からポート1へ伝達される。本発明の実施形態に係る図1Dに示したサーキュレータの散乱行列Sは非対称であり、これは非相反性のしるしである。
但し、本発明の提案されたダイオードは、音響サーキュレータのサブシステムであり、初めての音波用音響サーキュレータのサブシステムでもある。確かに、ダイオードは、複数ポートのうちの一つを一致させ、システムを遮音可能な入力−出力装置に減少することで、サーキュレータから簡単に得ることができる。例えば、図1Dに示すように、このような装置103は、周りに120度で配置された三の音響導波路105Aから105Cと小穴を介して連結される(リングキャビティ100等の)音響ゼーマンキャビティ104を含む。音響導波路105Aから105Cの各々は、夫々、音波を音響導波路105Aから105Cに入力/出力する、入力/出力ポート1から3等の入力及び出力ポートに関連する。音響導波路105Aから105Cは、夫々、統一的に又は個々に複数の音響導波路105又は一の音響導波路105として称されてよい。モード分割により、ポート1で入射した音波は、異なる振幅a及びaを有するRH及びLHの両モードと不均等に結合し、それらの間の干渉を可能にし、また潜在的にはポート2及びポート3における異なる出力も可能にする。時間結合モードを用いると、ポート2及びポート3のパワー伝達係数は以下の通りであると判明した。
但し、γ±は、RH及びLHモードに関連する減衰率であることに留意した。数式(4)及び数式(5)からは、三の音響導波路105に連結されるキャビティ104のモードが、ω±=ω±γ±/√3のように分割できる場合、T1→2=0及びT1→3=1を得ることができ、対称性により数式(3)の全散乱行列を得ることができることは明らかである。故に、これにより、音響ゼーマン効果とともに、線形サブ波長非相反応答を有する音響サーキュレータが可能となる。
音波がポート1から入射される際の図1Dの三のポートシステム103の挙動を調査するためにシミュレーションを複数回実施した。本発明の実施例に係る図2Aから図2Eにこの結果の概要をまとめる。
図1Dのシステム103をバイアスしない場合を示す図2Aを参照すると、バイアスが無い際には、圧力伝達係数の大きさはポート2及びポート3で算出される。その場合、ポート2及びポート3の伝達係数は同一であり、装置103の対称性に一致する。システム103はパワー分割器であり、出力ポート(例えばポート2及びポート3)の各々にパワーの4/9を伝達するが、残り(1/9)は反射される。
図2Bは、本発明の実施形態に係る、装置103が適切にバイアスされる際に変更された伝達スペクトルを示す。ポート2への伝達は、固有振動数でゼロまで著しく減少する。同じ振動数では、ポート3への伝達は単一となり、全てのエネルギーがポート3に向かうことを示唆する。同様に、音波がポート3から入射されると、音波はポート1に戻る代わりにポート2に送信されたが、これは装置103が相反的であれば予想されることである。同様に、ポート2からの励起はポート3の総伝達を導く。
図2Cは、本発明の実施形態に係るポート1からポート2及びポート3への伝達に関するバイアス速度を変化させる効果を示す図である。速度がゼロ(バイアスされていない装置)の際には、振幅伝達係数は2/3に等しい。速度が増すにつれてポート2への伝達は次第にゼロとなるが、ポート3では増加して、バイアス速度の固有値に対する値となる。この値は、完全なサーキュラを得るための音響ゼーマン分割の補正量を与える。この値を過ぎると、Sパラメータ|S21|は再び増加するが、|S31|は減少する。興味深いことに、この方法は平均速度値の変動に非常にロバストである。確かに、高い遮音度が得られ、最適値の周りの広い速度範囲で比率|S31/S21|として定義される。
装置103内の音圧場挙動への更なる洞察を得るために、非バイアス操作下及び最適速度バイアス下の音圧場分布を、夫々、本発明の実施形態に係る図2D及び図2Eに示す。非バイアス操作下では、図2Dに示すように、モードは縮退されて均等に励起され、その結果、ポート1の軸に対して完全に対称的なキャビティ内に界分布を生じる。ポート1の軸に対して対称的なポート2及びポート2は均等に励起され、非相反伝搬は全く関連がない。黒い矢印で表された平均パワー流は、二の出力ポート(ポート2及びポート3)の間で均等に分割される。しかしながら、装置103が適切にバイアスされると、分割モードは異なる方法で励起されて干渉しあい、ポート1の軸に対してもはや対称的ではない界分布を生じる。図2Eのプロットからは、弱め合う干渉がポート2で生じるが、ポート3ではモードが建設的に干渉しあうことは明白であり、独特の非相反応答が説明される。パワー流は、左出力ポート(ポート3)のみに完全に且つ一貫して送られる。
本発明の原理を用いて加工された装置300を、本発明の実施形態に係る図3Aに示す。一の実施形態では、キャビティ302に120度間隔で配置された三の低ノイズCPU冷却ファン301Aから301Cは、約800Hzの可聴範囲における動作のために回流を生成する。ファン301Aから301Cは、統一的に又は個々に複数のファン301又は一のファン301として称されてよい。複数のファン301の入力電流を変動させることで、キャビティ302のバイアス速度は変動される。装置300は、ポート1等の上流に配置されるスピーカによって励起される。図3B及び図3Cは、夫々、本発明の実施形態に係る非バイアスの場合(図3B)に対して正規化された、ポート2及びポート3で測定された伝達スペクトルを示す。図3Cでは、入力電流は130mAに設定され、非相反性が非常に明確に観察され、理論と非常に良好に一致した。図3Dは、本発明の実施形態に係る伝達係数に関してファン入力電流、即ちファン速度を変動する効果を示す。実験測定値は、図2Cの理論予測値を良く実証している。装置300の性能を数値化するために、入力電流の関数としての遮音|S31/S21|によって特徴づけられる非相反量は、本発明の実施形態に係る図3Eに示すように測定された。本発明の原理を用いると、最適バイアス値の周りで30dBよりも大きな遮音性が得られた。実験中、その他のポートにおける励起に対する装置300の応答が試験された。120度の対称性から期待されるように、その結果は励起ポート1から得られるものと一致した。バイアスは電子的に制御されて高い同調度が可能となるため、相反動作から非相反動作へ瞬間的に切り替えることができ、また入力電流の符号を変更することによってサーキュレータの循環方向も反転できる。狭いバンド信号はωで送信され、非相反性は観測者が聴くことができるものであった。
図3Aから図3Eは、空気充填キャビティ302の回流を与えることによって角運動量バイアスを実現させるための低ノイズCPU冷却ファン301を用いることを議論しているが、本発明の原理は、撹拌器を用いてキャビティを充填する流体の回流を与える等の、角運動量バイアスを実現させるその他の手段を用いてよい。更に、角運動量バイアスを有する非相反装置は、角運動量バイアスを有する音響キャビティを含んでよく、該音響キャビティは、互いに連結したサブキャビティからなり、前記角運動量バイアスは、前記サブキャビティの音響特性の時間変調によって達成される。加えて、非相反装置は、横移動媒体又は時間変調を介して直線運動量バイアスが印加される平面キャビティからなる音響キャビティを含んでよい。
波動物理学の全ての分野では、サブ波長の波の操作は、関連装置の小型化により、確かに厳しいながらも究極に望まれている。本発明のサブ波長音響ダイオードは、可聴周波数で遮音を大いに達成するために実際的な集積同調可能装置において用いられてよい。サブ波長リングキャビティの角運動量バイアスに基づく音響ゼーマン効果により、新世代の音響スイッチ、騒音制御装置、又はイメージングシステムで空気伝達音波の伝搬を利用できる新たな場が開かれてよい。
本発明における各種実施形態を例示のために説明したが、開示した実施形態に特定又は限定されるものではない。記述された実施形態の範囲或いは思想に反しない範囲で多数の変更や変形が当業者に明白であろう。ここで用いられた文言は、実施形態の原理、市場で発見された技術の実用化又は技術的改良を最良に説明するために、又は当業者がここで開示された実施形態を理解できるように選択された。

Claims (22)

  1. 角運動量バイアスを有する方位角的に対称な音響キャビティと、
    前記方位角的に対称な音響キャビティに接続される複数の音響導波路であって、該複数の音響導波路の各々は入力及び出力ポートに関連する複数の音響導波路と、
    音波によって励起される前記複数の音響導波路のうちの第1音響導波路の入力ポートと、
    を備えており、
    前記方位角的に対称な音響キャビティは、前記複数の音響導波路のうちの第2音響導波路の出力ポートに前記音波の総伝達を誘発するように、且つ前記複数の音響導波路のうちの第3音響導波路の出力ポートに前記音波の伝達を誘発しないようにバイアスされることを特徴とする非相反装置。
  2. 前記角運動量バイアスは、前記方位角的に対称な音響キャビティを満たす流体の円運動によって達成されることを特徴とする請求項1に記載の非相反装置。
  3. 前記角運動量バイアスは、前記方位角的に対称な音響キャビティを満たす固形媒体の円運動によって達成されることを特徴とする請求項1に記載の非相反装置。
  4. 前記角運動量バイアスは、前記方位角的に対称な音響キャビティを満たすガスの円運動によって達成されることを特徴とする請求項1に記載の非相反装置。
  5. 前記ガスは空気からなることを特徴とする請求項4に記載の非相反装置。
  6. 前記角運動量バイアスは、前記方位角的に対称な音響キャビティを満たす空気の回流を与えるファンによって達成されることを特徴とする請求項1に記載の非相反装置。
  7. 前記角運動量バイアスは、前記方位角的に対称な音響キャビティを満たす流体の回流を与える撹拌器によって達成されることを特徴とする請求項1に記載の非相反装置。
  8. 前記角運動量バイアスは、前記方位角的に対称な音響キャビティの右及び左共振の周波数縮退を除去することを特徴とする請求項1に記載の非相反装置。
  9. 前記複数の音響導波路は、三の音響導波路を備えることを特徴とする請求項1に記載の非相反装置。
  10. 前記三の音響導波路は、前記方位角的に対称な音響キャビティの周りに120度で配置されることを特徴とする請求項9に記載の非相反装置。
  11. 前記非相反装置は、3ポート音響ダイオードの機能性を有することを特徴とする請求項9に記載の非相反装置。
  12. 前記非相反装置は、音響アイソレータの機能性を有することを特徴とする請求項9に記載の非相反装置。
  13. 前記方位角的に対称な音響キャビティは、リング形状で実施されることを特徴とする請求項1に記載の非相反装置。
  14. 前記角運動量バイアスは、前記方位角的に対称な音響キャビティを満たす音響媒体の時空間変調によって達成されることを特徴とする請求項1に記載の非相反装置。
  15. 角運動量バイアスを有する音響キャビティであって、該音響キャビティは、互いに連結したサブキャビティからなり、前記角運動量バイアスは、前記サブキャビティの音響特性の時間変調によって達成される音響キャビティと、
    前記音響キャビティに接続される複数の音響導波路であって、該複数の音響導波路の各々は入力及び出力ポートに関連する複数の音響導波路と、
    音波によって励起される前記複数の音響導波路のうちの第1音響導波路の入力ポートと、
    を備えており、
    前記音響キャビティは、前記複数の音響導波路のうちの第2音響導波路の出力ポートに前記音波の総伝達を誘発するように、且つ前記複数の音響導波路のうちの第3音響導波路の出力ポートに前記音波の伝達を誘発しないようにバイアスされることを特徴とする非相反装置。
  16. 横移動媒体又は時間変調を介して直線運動量バイアスが印加される平面キャビティからなる音響キャビティと、
    前記音響キャビティに接続される一対の音響導波路であって、該一対の音響導波路の各々は入力及び出力ポートに関連する一対の音響導波路と、
    音波によって励起される前記一対の音響導波路のうちの第1音響導波路の入力ポートと、
    を備えており、
    前記音響キャビティは、前記一対の音響導波路のうちの第2音響導波路の出力ポートに、前記一対の音響導波路のうちの前記第1音響導波路の前記入力ポートで励起された前記音波の総伝達を誘発するようにバイアスされ、且つ前記一対の音響導波路のうちの前記第1音響導波路の出力ポートに、前記一対の音響導波路のうちの前記第2音響導波路の入力ポートで励起された前記音波の伝達を誘発しないようにバイアスされることを特徴とする非相反装置。
  17. 横移動媒体又は時間変調を介して直線運動量バイアスが印加される平面キャビティからなる音響キャビティであって、該音響キャビティは、自由空間を伝搬する音波によって励起され、前記音響キャビティの面は、前記音響キャビティへの前記音波の侵入を可能にするために、一部透明である音響キャビティと、を備えることを特徴とする非相反装置。
  18. 前記音波は、逆方向に沿って伝搬することを特徴とする請求項17に記載の非相反装置。
  19. 前記バイアスは、一の方向に沿って伝搬する第1音波の総伝達を誘発するように、且つ前記逆方向に沿って伝搬する第2音波の総反射を誘発するように印加されることを特徴とする請求項18に記載の非相反装置。
  20. 前記音波は、前記音響キャビティの面の正規方向に対して反射方向に沿って伝搬することを特徴とする請求項17に記載の非相反装置。
  21. 前記バイアスは、一の方向に沿って伝搬する第1音波の伝達を誘発するように、且つ他の方向に沿って伝搬する第2音波の総反射を誘発するように印加されることを特徴とする請求項20に記載の非相反装置。
  22. 非相反装置の格子からなる人工音響媒体であって、該音響媒体は、角運動量バイアス又は直線運動量バイアスを前記格子の各要素に印加することによって非相反にされ、その結果、前記人工音響媒体のバルクモード及びエッジモードの両方の非相反伝搬が生じることを特徴とする人工音響媒体。
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