JP2016527515A - 診断のための平面コンフォーマル回路 - Google Patents

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Abstract

特許請求する発明は、ハンドヘルド型計測装置を用いてインピーダンス分光法を実施するための装置および方法である。多孔性ナノテクスチャ基材と、固体基材の上面上に回路デザインで位置する導電性材料とを含むコンフォーマル分析物センサ回路は、単独で使用されてもよいし、またはハンドヘルド型電位差計とともに使用されてもよい。また、ハンドヘルド型計測装置を使用して試料中の標的分析物を検出および/または定量する方法も開示する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2013年7月31日出願の米国特許仮出願第61/860,434号、2013年7月31日出願の米国特許仮出願第61/860,460号および2013年12月31日出願の米国特許仮出願第61/922,336号の恩典を主張する。引用される出願の内容全体が参照により本明細書に組み入れられる。
1.発明の分野
本発明は概して検出装置の分野に関する。より具体的には、本発明は、生体分子および他の標的分析物を検出するための紙マイクロフルイディクスおよびハンドヘルド型ポテンシオスタットの使用に関する。
2.関連技術の説明
廉価かつ使い捨てであり、生分解性でもある診断および分析プラットフォームを設計する能力は、健康管理および環境にとって大きな価値がある。生体分子のサイズベースの閉じ込めが、診断において感度増強を達成するためにきわめて重要であることが立証されている。一般に、サイズベースの閉じ込めは、相補型金属酸化物半導体(CMOS)技術に使用されるような複雑な製作プロセスを通して達成され、それが1個あたりのコストを増し、技術の有効コストを増す。低コスト技術は、処分し難く、低い生分解性のせいで環境への損害を増すプリント回路板を使用する。一般にスクリーン印刷技術を使用する紙ベースのマイクロフルイディクスが開発されたが、表面上で制御された流体流を達成することに関して課題が残る。
同様に、現在利用可能な市販品ポテンシオスタットは、広い範囲の電気的/電気化学的技術への適用性を重視して設計されている。これは、大きなフォームファクタおよびそれらの構築に使用される高額な部品につながる。そのうえ、電気化学的用途に使用されるように設計されている。そのような市販品ポテンシオスタットに伴う特定の問題は、それらが、ポイント・オブ・ケア設定における使用を困難にする大きな装置フォームファクタを有し、低電流および低電圧設定で高いノイズを有し、高額かつ度重なるソフトウェアおよびファームウェアコストを有し、アナログシリアル入出力インタフェースを有し、かつグローバルな用途において低いロバストさおよび非普遍性を有するという事実を含む。反対に、ハンドヘルド型ポータブルポテンシオスタットは、一定範囲の用途へのカスタマイズ性および適用性が非常に限られる。ポータブルポテンシオスタットは、生物学的用途の場合にノイズ効率が悪く、したがってロバストさを欠く。ハンドヘルド型ポテンシオスタットに伴う特定の問題は、低電流および低電圧設定における高いノイズ、バイオセンシングへの適用の場合の低いロバストさおよび電気化学的用途の場合の最小限の動作選択肢を含む。
したがって、手ごろな価格で効率的かつ生分解性の診断プラットフォームの必要性が残る。
特許請求する発明は、ハンドヘルド型電位差計を用いてインピーダンス分光法を実施するための装置および方法である。
いくつかの局面において、本明細書に開示されるものは、多孔性ナノテクスチャ基材と、固体基材の上面上に回路デザインで位置し、それにより、作用電極および参照電極を含む回路を創出する導電性材料とを含むコンフォーマル分析物センサ回路である。ナノテクスチャ基材の多孔度は、計測される標的分析物によって決まる。いくつかの態様において、多孔性ナノテクスチャ基材は、10×105および10×1020個/cm2またはそれらの間の多孔度を有する。いくつかの態様において、多孔性ナノテクスチャ基材は、10×107および10×1016個/cm2またはそれらの間の多孔度を有する。いくつかの態様において、多孔性ナノテクスチャ基材は絶縁基材である。いくつかの態様において、多孔性ナノテクスチャ基材は紙またはニトロセルロースである。
いくつかの態様において、多孔性ナノテクスチャ基材は疎水性コーティングを含む。いくつかの態様において、疎水性コーティングは、パリレン、ポリアミド、PEG、ポリカチオン溶液、およびポリジメチルシロキサンを含む。いくつかの態様において、多孔性ナノテクスチャ基材は表面コーティングを含む。いくつかの態様において、表面コーティングは、センサ基材の特定の領域に疎水性を誘発し得る予め調合されたスプレーおよびエアゾールを含む。いくつかの態様において、表面コーティングは、エタノール、ポリジメチルシロキサン、硫酸エチル、クロロトリメチルシラン、シロキサン、およびシリコーンの混合物ならびに予め調合されたブロックコポリマー混合物を含む。いくつかの態様において、多孔性ナノテクスチャ基材はトラックエッチング膜を含む。いくつかの態様において、トラックエッチング膜はヌクレオポアおよびシクロポアフォームファクタを含む。いくつかの態様において、多孔性ナノテクスチャ基材は酸エッチング膜を含む。いくつかの態様において、酸エッチング膜はシリコンおよびアルミナ足場を含む。いくつかの態様において、多孔性ナノテクスチャ基材はポリマー膜を含む。いくつかの態様において、ポリマー膜は、ナイロン、ポリアミド、ニトロセルロース、およびPTFEを含む。いくつかの態様において、多孔性ナノテクスチャ基材は電着膜を含む。いくつかの態様において、電着膜は、パターニングされた金属およびハイドロゲルマトリックスを含む。いくつかの態様において、多孔性ナノテクスチャ基材は陽極酸化膜を含む。いくつかの態様において、多孔性ナノテクスチャ基材はセラミック膜を含む。いくつかの態様において、セラミック膜は、アルミナとシリカとのレシオメトリック混合物として調製され、かつ化学蒸気または酸エッチングによって付着かつ酸化される場合、コンフォーマルまたは可撓性にすることができる。
導電性材料は、当業者に公知の任意の適切な材料であり得る。いくつかの態様において、導電性材料は導電性インクまたは半導電性インクである。いくつかの態様において、半導電性インクはカーボンインクおよび添加剤を含む。いくつかの態様において、導電性インクはカーボン、銀、または金属ナノ粒子注入カーボンインクである。いくつかの態様において、金属ナノ粒子注入カーボンインクには金、白金、タンタル、銀、銅、スズ、またはグラフィーム(grapheme)が注入されている。いくつかの態様において、カーボンインクには、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5容量%、またはそれより多くの容量%の金属ナノ粒子が注入されている。いくつかの態様において、カーボンインクの厚さは0.1nm〜1μmの範囲である。いくつかの態様において、カーボンインクの厚さは付着法によって制御され得る。
回路は非線形回路または非オーム回路であり得る。いくつかの態様において、回路はさらに、ベース電極面として画定されている。いくつかの態様において、ベース電極面はさらにソース回路に接続されている。いくつかの態様において、ソース回路はポテンシオスタットである。いくつかの態様において、ソース回路は電圧源である。いくつかの態様において、ソース回路は電流源である。いくつかの態様において、回路は捕捉リガンドまたは標識分子を含まない。いくつかの態様において、コンフォーマル分析物センサはさらにレドックス物質を含む。
いくつかの態様において、本明細書に開示されるコンフォーマル分析物センサ回路のいずれかは、(a)固体多孔性ナノテクスチャ基材を提供する工程;および(b)導電性材料を使用して、分析物センサ回路デザインを多孔性ナノテクスチャ基材の上面に転写する工程を含む方法によってアセンブルされる。いくつかの態様において、回路デザインを転写する工程は浸漬被覆を含む。そのような態様において、回路のフィーチャ分解能は100ナノメートル/0.1ミクロンまでである。いくつかの態様において、回路デザインを転写する工程はエンボス加工を含む。そのような態様において、回路のフィーチャ分解能は100ナノメートル/0.1ミクロンまでである。いくつかの態様において、回路デザインを転写する工程は、回路を3Dプリンタで設計し、かつ基材上に回路をエンボス加工することを含む。そのような態様において、回路のフィーチャ分解能は100ナノメートル/0.1ミクロンまでである。いくつかの態様において、回路デザインを転写する工程はマスキングおよびリソグラフィーを含む。そのような態様において、回路のフィーチャ分解能は1〜10ミクロンである。
いくつかの態様において、ハンドヘルド型電位差計は、LCDスクリーン、ミニジョイスティック、作用電極ポート、参照電極ポート、プログラマブルマイクロコントローラ、およびプログラマブルゲイン増幅器を含む。他の態様において、ハンドヘルド型電位差計は、スマートフォン、ケーブル、ポテンシオスタットアダプタ、作用電極ポート、参照電極ポート、プログラマブルマイクロコントローラ、およびプログラマブルゲイン増幅器を含む。いくつかの態様において、ハンドヘルド型電位差計は、プログラマブルマイクロコントローラの代わりにプログラマブルマイクロプロセッサを含む。
いくつかの態様において、標的分析物を計測するためのハンドヘルド型装置は、(a)作用電極および参照電極に動作可能に結合されるように構成されたプログラマブルゲイン増幅器と、(b)プログラマブルゲイン増幅器、作用電極、および参照電極に動作可能に結合されたプログラマブルマイクロコントローラとを含み、プログラマブルマイクロコントローラは、作用電極と参照電極との間に交流入力電圧を印加するように動作可能であり;プログラマブルゲイン増幅器は、作用電極と参照電極との間を流れる交流出力電流を増幅するように動作可能であり;プログラマブルマイクロコントローラは、入力電圧と計測された出力電流とを比較することによってインピーダンスを計算するように動作可能であり;プログラマブルマイクロコントローラは、計算されたインピーダンスから標的分析物濃度を計算するように動作可能である。
いくつかの態様において、プログラマブルマイクロコントローラは、2Hz〜15kHzの周波数を有する入力電圧を作用電極と参照電極との間に印加するように動作可能である。いくつかの態様において、プログラマブルマイクロコントローラは、作用電極と参照電極との間に入力電圧を印加するとき周波数を50Hz〜15kHzの間で変化させるように動作可能である。いくつかの態様において、プログラマブルマイクロコントローラは周波数を2Hz間隔で変化させる。いくつかの態様において、プログラマブルマイクロコントローラは、正弦波である入力電圧を作用電極と参照電極との間に印加するように動作可能である。いくつかの態様において、プログラマブルマイクロコントローラは、のこぎり波である入力電圧を作用電極と参照電極との間に印加するように動作可能である。いくつかの態様において、プログラマブルマイクロコントローラは、方形波である入力電圧を作用電極と参照電極との間に印加するように動作可能である。いくつかの態様において、プログラマブルマイクロコントローラは、三角波である入力電圧を作用電極と参照電極との間に印加するように動作可能である。いくつかの態様において、プログラマブルゲイン増幅器は1〜200の可変ゲインを有する。いくつかの態様において、マイクロコントローラは、1mV〜10Vの入力電圧を印加するように動作可能である。いくつかの態様において、ハンドヘルド型計測装置は、10pA以上の出力電流を検出するように動作可能である。いくつかの態様において、プログラマブルマイクロコントローラはアナログ-デジタル変換器およびデジタル-アナログ変換器を含む。いくつかの態様において、プログラマブルマイクロコントローラは、入力電圧と出力電流との間の位相の差を計測することができる。いくつかの態様において、プログラマブルマイクロコントローラは、入力電圧および出力電流にフーリエ変換を適用して、周波数の関数としてインピーダンスを計算するように動作可能である。いくつかの態様において、プログラマブルマイクロコントローラは、リサジュー曲線を使用して入力電圧と出力電流とを比較して、インピーダンスを計算するように動作可能である。いくつかの態様において、プログラマブルマイクロコントローラは、マルチスライス分割および信号分析を使用して、インピーダンス変化が最大または最小となる周波数を決定するように動作可能である。いくつかの態様において、装置はさらに、プログラマブルマイクロコントローラに動作可能に結合された液晶ディスプレイと;プログラマブルマイクロコントローラに動作可能に結合されたミニジョイスティックとを含み;ミニジョイスティックは、ユーザが入力を提供することを許容するように動作可能であり;液晶ディスプレイは出力データを表示することができる。いくつかの態様において、装置はさらに、プログラマブルマイクロコントローラに動作可能に結合されたスマートフォンを含み;スマートフォンは、ユーザが入力を提供することを許容するように動作可能であり;スマートフォンは出力データを表示することができる。いくつかの態様において、出力データは標的分析物濃度を含む。いくつかの態様において、ハンドヘルド型計測装置はレドックスプローブを含まない。
いくつかの態様において、本明細書に開示されるコンフォーマル分析物センサ回路のいずれかおよび本明細書に開示されるハンドヘルド型計測装置のいずれかを含むキットが開示される。
本明細書に開示されるハンドヘルド型ポテンシオスタットおよび多孔性ナノテクスチャコンフォーマル回路は、標的分析物を検出および/もしくは定量するために、別々に使用されてもよいし、または組み合わせて使用されてもよい。いくつかの態様においては、開示されたコンフォーマル分析物センサ回路の上に試料をスポット塗布する工程であって、試料が多孔性ナノテクスチャ基材および回路デザインを通って運ばれる、工程、コンフォーマル分析物センサ回路をソース回路に取り付ける工程、および試料中の標的分析物をソース回路によって検出する工程を含む、標的分析物を検出する方法が開示される。いくつかの態様において、ソース回路はポテンシオスタットである。いくつかの態様において、ソース回路は電圧源である。いくつかの態様において、ソース回路は電流源である。いくつかの態様において、試料は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15μL、またはそれより多くの量またはそれらの間の任意の量の流体を含有する。試料は、たとえば、血液、尿、汗、唾液、溶解バッファー、アッセイバッファー、ヒト血清、血漿、河川水、流水、および脱イオン水であり得る。いくつかの態様において、標的分析物は、タンパク質、DNA、RNA、SNP、小分子、病原体、重金属イオン、または生理学的イオンである。いくつかの態様において、試料は標識されていない。いくつかの態様において、試料は標識されている。いくつかの態様において、標的分析物を検出する工程は、電気的変化を検出することを含む。
いくつかの態様においては、ハンドヘルド型計測装置を使用して試料中の標的分析物を検出または定量する方法であって、(a)参照電極と作用電極との間に入力電圧を印加する工程、(b)プログラマブルゲイン増幅器を使用して、参照電極と作用電極との間を流れる出力電流を増幅する工程、(c)プログラマブルマイクロコントローラを使用して、入力電圧を出力電流と比較することによってインピーダンスを計算する工程、および(d)プログラマブルマイクロコントローラを使用して、計算されたインピーダンスから標的分析物濃度を計算する工程を含む方法が開示される。いくつかの態様において、入力電圧は2Hz〜15kHzの周波数を有する。いくつかの態様において、入力電圧は50Hz〜15kHzの周波数を有する。いくつかの態様において、入力電圧は正弦波である。いくつかの態様において、入力電圧はのこぎり波である。いくつかの態様において、入力電圧は方形波である。いくつかの態様において、入力電圧は三角波である。いくつかの態様において、入力電圧は1mV〜10Vである。いくつかの態様において、入力電圧は1mV〜100mVである。いくつかの態様において、入力電圧は100mV〜10Vである。いくつかの態様において、出力電流は10pA〜10mAである。いくつかの態様において、出力電流は10pA〜100nAである。いくつかの態様において、出力電流は100nA〜10mAである。いくつかの態様においては、出力電流を1〜200倍増幅する。いくつかの態様において、方法はさらに、入力電圧と出力電流との間の位相の差を計算する工程を含む。いくつかの態様において、方法はさらに、フーリエ変換を適用することによって周波数の関数としてインピーダンスを計算する工程を含む。いくつかの態様において、方法はさらに、リサジュー曲線を使用してインピーダンスを計算する工程を含む。いくつかの態様において、方法はさらに、マルチスライス分割および信号分析を使用して、周波数の関数としてインピーダンスを計算する工程を含む。いくつかの態様において、方法はさらに、計算された標的分析物濃度を表示する工程を含む。いくつかの態様において、方法はさらに、LCDディスプレイ上に出力を表示する工程を含む。いくつかの態様において、方法はさらに、スマートフォン上に出力を表示する工程を含む。いくつかの態様において、方法はさらに、ミニジョイスティックを使用して入力を提供する工程を含む。いくつかの態様において、方法はさらに、スマートフォンを使用して入力を提供する工程を含む。いくつかの態様において、計測されたインピーダンスは非ファラデーインピーダンスである。
ハンドヘルド型電位差計は、作用電極と参照電極との間に交流電圧を印加することによって標的分析物の濃度を検出する。印加された交流電圧は、作用電極と参照電極との間を流れる電流を生じさせる。得られた電流は、プログラマブル増幅器によって増幅され、プログラマブルマイクロコントローラに通される。プログラマブルマイクロコントローラは、印加電圧と得られた電流とを比較して、被検試料のインピーダンスを計算する。インピーダンスは、被検試料中の標的分析物の濃度を計算するために使用される。いくつかの態様においては、ハンドヘルド型電位差計を使用して標的分析物の試験を実施するために、まず、既知量の標的分析物を含有する試料のインピーダンスを試験し、計算することにより、ハンドヘルド型電位差計を較正する。いくつかの態様において、システムは、様々な周波数の電圧を印加し、特定の被検分析物に関して最大インピーダンス変化が起こる周波数を決定する。特許請求するシステムは、レドックス電極を使用することなく試料を試験することにより、非ファラデー電気化学的インピーダンス分光法(「EIS」)を実施し得る。
いくつかの態様において、本明細書には、既知の標的分析物濃度を有する複数の溶液を試験することによってハンドヘルド型計測装置を較正する方法であって、(a)複数の溶液それぞれに関して参照電極と作用電極との間に入力電圧を印加する工程、(b)プログラマブルマイクロコントローラを使用して、入力電圧を出力電流と比較することにより、複数の溶液それぞれに関してインピーダンスを計算する工程、および(c)式zi=b1x2+b2x+c(式中、ziはインピーダンスであり、xは既知の標的分析物濃度であり、b1、b2、およびcは係数である)の係数を計算する工程を含む方法が開示される。
本明細書の中で使用される「一つの(a)」または「一つの(an)」は一つまたは複数を意味し得る。特許請求の範囲の中で「含む」とともに使用される「一つの(a)」または「一つの(an)」は一つまたは二つ以上を意味し得る。
特許請求の範囲における用語「または」の使用は、択一のみを指すこと、または択一が相互に排他的であることが明示的に示されない限り、「および/または」を意味するために使用されるが、本開示は、択一のみおよび「および/または」を指す定義を支持する。本明細書の中で使用される「別の」は、少なくとも二つ目またはさらなるものを意味し得る。
本出願全体を通して、用語「約」は、数値が装置に固有の誤差を含むことを示すために使用され、方法は、数値、すなわち研究対象の間に存在する変動を測定するために用いられる。
本発明の他の目的、特徴および利点が以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかし、この詳細な説明から、本発明の精神および範囲内の様々な変形および修飾が当業者に明らかになるため、詳細な説明および具体例は、本発明の好ましい態様を示すが、例として記されるものであることが理解されよう。
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明の特定の局面をさらに実証するために含まれる。本発明は、本明細書に提示される具体的な態様の詳細な説明と合わせて以下の複数の図面の一つまたは複数を参照することにより、より良く理解され得る。
表面多孔性および孔と電極面との間の相互作用を実証する高解像度光学顕微鏡写真であり、電極と周囲マトリックスとの間のコンフォーマルフィーチャ生成を示す走査型電子顕微鏡写真と、計測実体と周囲マトリックスとの間の相互作用の描画とを含む。 ヒト血清中のトロポニン-Tを検出する場合の、インピーダンス形式のアッセイ実証例である。 飲用水中のアトラジンを検出する場合の、インピーダンス形式のアッセイ実証例である。 DNA診断におけるコンフォーマル回路のゲーティング特性である。 代表的な2電極ハンドヘルド型ポテンシオスタットの略図である。 ヒト血漿中のトロポニン-Tを検出する場合の、本発明とRoche Elecsysとで性能を比較したインピーダンス形式のアッセイ実証例である。 ヒト血清中のPSAを検出する場合の、インピーダンス形式のアッセイ実証例である。 ハンドヘルド型ポテンシオスタット装置である。 ポテンシオスタットの動作を説明する流れ図である。 ハンドヘルド型ポテンシオスタットのスマートフォン態様である。 ポテンシオスタットによって実施されるインピーダンスおよび分析物濃度計算を説明する流れ図である。 リサジュー曲線の見本である。
例示的態様の詳細な説明
本明細書に開示されるコンフォーマル回路は、コンフォーマル電気回路を設計するための紙および他のナノ多孔性基材上にナノスケールで存在する表面粗さを利用する。単一工程イムノアッセイ形式による生体分子の検出によって回路素子が変調されると、電流およびインピーダンスなどの回路パラメータが変調する。この技術は、タンパク質、DNA、RNA、SNP、および多様な範囲の生体分子を含むが、それらに限定されるわけではない多様な標的分析物を検出し、かつ定量する場合に適用することができる。
いくつかの態様において、本明細書には、多孔性ナノテクスチャ基材を含む、上面を有する固体基材と、固体基材の上面上に回路デザインで位置し、それによって回路を創出する導電性材料とを含むコンフォーマル回路が開示される。また、同回路を製造する方法ならびに同回路を使用して多様な標的分析物を検出および/または定量する方法が開示される。図1はそのようなコンフォーマル回路の例示的デザインを示す。
これらのコンフォーマル回路は、トラックエッチングと導電性インク付着とを併用して非線形の非オーム回路を創出することによって開発される。三つのタイプの回路:(a)インピーダンスベースの抵抗容量(RC)結合回路、(b)2端子非線形装置ベースの回路、および(c)非線形装置ベースの回路が生成される。RC回路は電気化学的インピーダンス分光法の原理で作動し、2端子非線形装置および非線形装置回路は、AC電圧源によってバイアスを加えられて、関心対象種の検出の関数として電流特性の変化を生じさせる。
本明細書に開示されるコンフォーマル回路は、導電する二つの電極を有し得る。導電率の増加は、インピーダンス計測形式において感度増大を達成するために適切である。好ましい態様において、1mV〜10VのAC電圧が電極に印加される。好ましい態様においては、2Hz〜15kHzの間で変動する周波数を有するAC電圧が電極に印加される。
本明細書に開示されるコンフォーマル回路は、電気化学的変化とは違い、電気的変化を生じさせる。特に、本明細書に開示されるコンフォーマル回路は、レドックス電極を通して媒介される電気化学的変化とは違い、還元酸化プローブを使用することなく電気/電気化学的変化を生じさせる。電気化学的検出のためのレドックスプローブの使用は、生体分子に不可逆的変化を生じさせて、生体分子を表さない、間接的で改変された検出を生じさせる。還元酸化プローブを使用することなく電気/電気化学的変化を生じさせる能力は、ナノ多孔性基材への導電性材料の付着をカスタマイズすることによって達成される。加えて、パッシブセンシングおよびアクティブセンシングの両方が具体的に考慮される。
本明細書に開示されるコンフォーマル回路および検出装置は、定量的に検出するように設計され得る(たとえばEIS電子読み取り装置)。加えて、システムは、検出および/または分析される分析物の種に依存して、一つの回路を使用して一つの分析物を検出するように設計されてもよく、または同じであっても異なっていてもよい別々の回路を使用して複数の分析物を検出するように設計さてもよい。
A.基材および導電性材料
考慮される基材は多孔性ナノテクスチャ基材を含む。いくつかの態様において、紙、ニトロセルロース、布、葉、樹皮または貝殻の使用が考慮される。しかし、毛管作用によって流体を運ぶ任意の多孔性親水性基材を、本明細書に記載される方法および装置における基材として使用することもできる。非限定的な例は、セルロースおよび酢酸セルロース、紙(たとえばろ紙およびクロマトグラフィー紙)、クロスもしくは布、多孔性ポリマー膜、多孔性プラスチックまたは葉を含む。いくつかの態様において、基材は生分解性である。いくつかの態様において、基材は紙である。可撓性を有する厚さ500μm未満の任意の天然物質が、その分解温度が付着の温度よりも高いならば、基材として働くことができる。
いくつかの態様において、基材は、疎水性コーティング、たとえばパリレン、ポリアミド、PEG、ポリカチオン溶液、およびポリジメチルシロキサンを含む。疎水性コーティングは、アクティブセンサ基材上に流体を単離し、収容するために使用される。いくつかの態様において、基材は、生体適合性であり、かつ基材の特定の領域に疎水性を付与することができる表面コーティング、たとえば予め調合されたスプレーおよびエアゾールを含む。表面コーティングの例は、エタノール、ポリジメチルシロキサン、硫酸エチル、クロロトリメチルシラン、シロキサン、およびシリコーンの混合物ならびに予め調合されたブロックコポリマー混合物を含む。いくつかの態様において、基材は、トラックエッチング膜、酸エッチング膜、陽極酸化膜、ポリマー膜、セラミック膜、および電着膜を含む。セラミック膜は、アルミナとシリカとのレシオメトリック混合物として調製され、かつ化学蒸気または酸エッチングによって付着かつ酸化される場合、コンフォーマルまたは可撓性にすることができる。トラックエッチング膜の例はヌクレオポアおよびシクロポアフォームファクタを含む。酸エッチング膜の例はシリコンおよびアルミナ足場を含む。ポリマー膜の例は、ナイロン、ポリアミド、ニトロセルロース、およびPTFEを含む。電着膜の例は、パターニングされた金属およびハイドロゲルマトリックスを含む。
基材の多孔性を導電性インクスクリーン印刷とともに利用して、コンフォーマル回路をパターニングすることができる。基材の寸法は回路の機能にとって重要ではないため、任意のサイズおよび厚さの基材を使用し得る。回路の性能に影響する重要なパラメータは基材の多孔度である。多孔度は10×105〜10×1020個/cm2の間で異なることができ、基材は、その多孔度を含め、標的分析物のサイズに基づいて選択される。この多孔度は、多様な技術、たとえばコーティングまたは処理を使用して調節またはチューニングすることができる。孔径は1nm〜200nmの間で異なり得る。孔径は、標的分析物のサイズおよび印加電気信号の周波数に基づいて用途ごとに決められる。孔間隔は常に膜基材上の平均孔径よりも大きい。可能な処理およびコーティングの例は、酸またはアルカリエッチングなどの湿式処理、自己組織化単分子層の一層ずつの付着の使用、ならびに反応性イオンエッチングおよびプラズマエッチングなどの乾式処理を含む。
基材は、厚さが500μmまでであることができ、横方向寸法に対する上限設定要因はない。いくつかの態様において、基材は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10cm×1、2、3、4、5、6、7、8、9または10cmもしくはそれらの間の任意のサイズであり得る。特定の態様において、基材は1cm×1cmである。
任意の適切な導電性材料が導電性インクとして使用され得ることが考慮され、一定の範囲の導電性インクが考慮される。導電性インクは通常、導電性材料、たとえば粉末状またはフレーク状の銀および炭素様材料を含有する。いくつかの態様において、導電性インクは、炭素、銀、または金属ナノ粒子注入カーボンインクである。真空下で付着される非低融点ガリウムは加熱されたチャックを使用し、標的を使用して、その後、低融点ガリウムインク合金化を実施することができる。いくつかの態様において、金属ナノ粒子注入カーボンインクには貴金属が注入されている。特定の例において、カーボンインクには、金、白金、タンタル、銀、銅、スズ、またはグラフィームが注入されている。カーボンインクへの金属ナノ粒子などの添加剤の使用は、導電性カーボンインクを半導電性インクに変化させる。いくつかの態様において、カーボンインクには、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5容量%、またはそれより多くの容量%の金属ナノ粒子が注入されている。いくつかの態様において、カーボンインクの厚さは0.1nm〜1μmの間で異なる。カーボンインクの厚さは付着法によって制御される。いくつかの態様において、この半導電性インクパターンは、2端子非線形装置および非線形装置挙動を設計するために使用され得る。いくつかの態様において、インピーダンス変化を得るために天然導電性インクが使用され得る。インク基材(すなわち、インクと基材との組み合わせ)はベース電極面であり、この面上で、分子診断を達成するための生体分子化学反応が実現される。
インクの性質は、望まれるセンシングおよび分析のタイプに依存する。いくつかの態様において、電気読み取り装置を用いるパッシブセンシングが必要であるとき、インクは導電性であるのみである。より具体的には、パッシブ装置の場合、導電性/半導電性ナノ粒子をマトリックス中に分散させてもよいし、またはインクが金属ナノ粒子または電気活性ポリマーマトリックスを含有してもよい。アクティブセンシング、たとえばマルチメータまたはポテンシオスタットが使用される状況において、インクは、導電性および半導電性である、または導電性スタックであることができる。
いくつかの態様において、コンフォーマル回路は、レドックス物質、たとえば銅、カリウム、マグネシウム、およびルビジウムの誘導体を含み得る。これらの材料は、コンフォーマル回路上に固定化される分析物のレセプターと結合する。レドックス物質を伴うレセプターへの分析物の結合中、レドックス物質の還元または酸化によって、コンフォーマル回路を通って送られる電荷の数が増幅する。このプロセスは、レドックス物質がレドックス電極そのものの上に固定化されているレドックス電極の使用とは異なる。そのプロセスにおいて、レドックス電極上のレドックス物質へのバイアス電位または電流の印加中、この材料は還元または酸化のいずれかを受け、それにより、この状態で標的分析物に結合し、試験/評価されている標的分析物を変化させる。
B.パターニング方法
いくつかの態様において、コンフォーマル回路は、標準的な紙製品に対してエンジニアリングを実施することによってアセンブルされる。紙の多孔性は、回路形成における制御を達成するように利用される。回路デザインのステンシルが任意の適切なやり方で基材表面に転写される。所望のパターンのパラメータは、検出される分子によって決まる。当業者は、所望のパターンを考慮して適切な転写法を理解するであろう。たとえば、小さめのパターンまたは小さめのフィーチャサイズは、より進んだプリント技術、たとえばマスキングおよびリソグラフィーを要する。これらのプロセスは以下さらに詳細に説明する。
ステンシルは穴または開口のパターンを含み、それらを通して導電性材料を親水性基材に付着させることもできる。または、エッチングプロセスにおいて、ステンシルは穴または開口のパターンを含み、それらを通して導電性材料をエッチングして親水性基材上に金属のパターンを形成することもできる。ステンシルは、金属、プラスチック、またはドライフィルムレジストのパターン層などの多様な材料から作られることもできる。ステンシルを製造するための金属の非限定的な例はステンレス鋼およびアルミニウムを含む。ステンシルを製造するためのプラスチックの非限定的な例はマイラーを含む。または、ドライフィルムレジストのパターンニング層をステンシルとして使用することができる。一つまたは複数の態様において、ステンシルを製造するために金属またはプラスチックが使用され、金属経路のパターンは、コンピュータ上、レイアウトエディタ(たとえばClewin, WieWeb Inc.)を使用して設計することができ、デザインに基づくステンシルは、任意の供給業者(たとえばStencils Unlimited LLC(Lake Oswego, Oreg.))から得ることができる。特定の態様において、ステンシルは、付着後、紙から剥がすことができる。特定の他の態様において、ステンシルの片側にスプレー接着剤(たとえば3M Photomount, 3M Inc.)の層を吹き付け、ステンシルを紙基材に一時的に添付する。付着ののち、ステンシルを紙から剥離させることができる。ステンシルは、複数回、たとえば10回よりも多く再使用することができる。他の態様においては、ドライフィルムレジストのパターン層をステンシルとして使用することができる。ドライフィルムレジストは、透明マスクを通してUV光に暴露し、希釈水酸化ナトリウム溶液中で現像すると、パターニングすることができる。パターニングされたドライフィルムレジストは、プラスチックのコーティングシートに取り付けることができ、またはレジスト側を親水性基材の表面に押し当て、マルチシート構造をポータブルラミネータ(たとえばMicro-Mark, Inc.)中の加熱されたローラに通すことによって親水性基材に直接添付することができる。そして、プラスチックのコーティングシートを剥離させると、片側にパターニングされたドライフィルムレジストを有する紙のシートを得ることができる。
導電性材料をマイクロ流体装置の親水性基材に付着させるためには、多様な付着方法を使用することもできる。付着方法の非限定的な例は、ステンシルを使用して導電性材料を付着させる方法、導電経路を引くことによって導電性材料を付着させる方法、インクジェットまたはレーザプリントによって導電性材料を付着させる方法、市販または手製の導電性材料テープを親水性基材に取り付けることによって導電性材料を付着させる方法、導電経路を引くことによって導電性材料を付着させる方法または導電性流体をマイクロ流体装置の親水性基材または親水性チャネル上に導入することによって導電性材料を付着させる方法を含む。または、導電性材料を含む親水性基材を製造することを許容するために、導電性材料を、親水性基材を製造するためのパルプまたは繊維に埋め込むこともできる。
具体的には、回路デザインは、(a)浸漬被覆、(b)エンボス加工、または(c)マスキングおよびリソグラフィーによって基材表面に転写され得ることが考慮される。浸漬被覆およびエンボス加工は1ミクロンよりも大きいフィーチャ分解能を可能にし、マスキングおよびリソグラフィーは1〜10ミクロン領域のフィーチャ分解能を可能にする。これらの技術は当業者には周知である。Reighard and Barendt, 2000を参照すること。特定の態様において、回路は3Dプリンタで設計されてもよく、その回路を基材上にエンボス加工することによってデザインを基材に転写してもよい。
基材の横方向多孔性を利用して、本明細書に開示されるコンフォーマル回路を生成する。垂直方向多孔性は適当ではなく、したがって、いくつかの態様においては、厚さ数100nm程度の金属バリヤがこの目標を達成する。付着される材料の厚さはまた、基材の電気的挙動を変化させるために、いくつかの領域における基材の厚さに対応する。横方向多孔性は、パターニングされた金属電極に対する可撓性を可能にするのに役立ち、それが他方で、基材の物理的形状適合性を可能にする。付着された材料は、基材の物理的形状適合性を損なうことなく、金属電極を支持し、かつ導電率を増減するために使用することができる。
いくつかの態様においては、紙面全体が浸漬被覆される。導電性インク面と相互作用する生体分子だけが計測シグナルを担う。流れを考慮に入れる必要はない。したがって、生体分子相互作用は主に、駆動される拡散および毛管作用であり、したがって、孔が大きければ大きいほどますます相互作用は速くなる。適切な場合、複数の浸漬被覆層が採用されている。この技術は、センサプラットフォームに組み込まれた複数の分子層を要するイムノアッセイを設計することを意図する場合、もっとも適切である。
C.生体分子の検出
これらのコンフォーマル回路は、広い範囲の分子診断および分析に適用することができ、したがって、関心対象の分子を含有することが疑われる任意の試料、たとえば食品、水、土壌、空気、体液、たとえば血清、洗浄剤、イオンバッファーなどに対して使用することができる。いくつかの態様において、試料は、任意の液体試料または液体中に可溶化もしくは分散させることができる固体である。回路は、酵素および生理学的イオンの存在をマッピングするための簡単なアフィニティーベースのアッセイを設計するために使用することができる。これらは、抗体−抗原相互作用を研究するために、また、超高感度濃度で発現する広い範囲のタンパク質バイオマーカーの有無を判定するためのアッセイを開発するために、使用することができる。これらの回路を使用してゲノムアッセイを開発することもできる。
一工程イムノアッセイをコンフォーマル回路とともに使用することができる。いくつかの態様においては、電気化学的センサを使用するラベルフリーイムノアッセイが適切である(Vertergaard, et al., 2007)。タンパク質診断の具体的な態様においては、タグを有しない一つの一次抗体を使用し、ベース回路に基づいて、タンパク質の検出中、電気回路パラメータに対する制御され、マッピングされた変調を達成する。システムは、定量的に検出するように設計され得る(たとえば電気化学的インピーダンス分光法電子読み取り装置)。
本明細書に開示されるコンフォーマル回路は、任意の適切なやり方のイムノアッセイのために調製され得る。一つの態様においては、リンカーを基材に付着させ、基材を、標的分析物に特異的な成分、たとえば標的特異的抗体で飽和させ、ブロッキングバッファーをレセプター成分飽和コンフォーマル回路表面に塗布して、センサ表面への他の競合分子の非特異的結合または吸着を最小限にし、バッファー洗浄を実施し、標的分析物、たとえば抗原を回路に添加する。抗原などの標的分子のための較正曲線を設計する中で、増大する量の抗原をコンフォーマル回路に塗布し、定常状態に達するまでインピーダンス計測値を得る。抗原などの標的分子の量の増大とともに、計測インピーダンスの変化の増大が予想される。ひとたび較正曲線を設計したならば、未知の量の試験標的分子、たとえば抗原を、抗体/レセプター成分飽和センサ面上で試験し、次いで、インピーダンスの変化を較正曲線に照らして評価して、試験標的分子の量を決定する。
分析物閉じ込めは基材のナノスケールテクスチャ内で達成され、基材への標的分析物のサイズベースの閉じ込めは導電性インクを使用して達成される。一工程イムノアッセイ形式で導電性インクと相互作用する分析物は、(a)電気二重層、(b)2端子非線形装置中の空乏層中の電荷、および(c)非線形装置のゲート電流特性を攪乱させて、関心対象の生体分子の検出を生じさせる。概して1〜10マイクロリットルの範囲の超低量が使用されるが、制御流れの問題は存在しない。主に、基材表面への流体のスポット塗布が、生体分子検出のための関連する相互作用を達成するのに十分である。
シングルチャネルアッセイの場合、125μL未満の試料量が必要であり、それは0.1pg/mL〜10μg/mLの検出ダイナミックレンジを有し、それは、1nmおよび1μmまたはそれらの間の分子に有用であることができる。
D.検出装置
標的分析物を検出し、かつ定量するために、多様な電気部品を導電性材料経路に取り付けることができる。電子部品の非限定的な例は、集積回路、レジスタ、キャパシタ、トランジスタ、ダイオード、機械的スイッチ、バッテリ、および外部電源を含み、バッテリの非限定的な例はボタン電池バッテリを含み、外部電源の非限定的な例はAC電圧源を含む。電気部品は、たとえば公知の接着剤を使用して取り付けることができる。いくつかの態様において、先に詳述したコンフォーマル回路は、生体分子を検出するためにソース回路に結合することができる。特定の態様において、コンフォーマル回路は、ポテンシオスタット、電圧源、電流源、または広い範囲の簡単および複雑な数学的演算、加算、減算、積分および微分を実行するための演算増幅器回路に結合することができる。
インピーダンス分光法は、電極における材料結合効率を研究するために広く使用されている2または3電極電気化学的技術である。近年、伝統的な電気化学的インピーダンス分光法に対する革新的変更が、それを生物医学的研究への応用に適したものにした。これらの変更は、非常に低い電圧の印加および非常に小さな電流での検出を要求し、それらのいずれも、既存の装置のノイズしきい値内に相当する。加えて、市販されている最新のポテンシオスタットは、コンピュータなどのさらなる装備および詳細なユーザ入力を要し、それをポイント・オブ・ケア実現にとって困難なものにしている。
本明細書に開示されるものは、2電極形態を使用して固定および可変周波数で電気化学的インピーダンス分光法を実施するためのカスタマイズ可能なハンドヘルド型ポテンシオスタット装置である。開示される装置に使用される新規な技術はノイズ効果を減らし、高感度検出を達成し、使用される部品は、所望の用途に合わせてプログラム可能かつ高度にカスタマイズ可能である。その結果、これは、望まれる特定の作業のための所望の動作範囲で最良に機能するように装置をプログラミングすることにより、装置から最大性能効率を達成する。
本明細書に開示される装置においては、電極表面上の結合活性を検出し、かつ定量するためにインピーダンス分光法が使用される。電極表面への生体分子の結合が電流の変化を生じさせ、それを使用して、結合している生体分子を検出または定量することができる。装置の検出しきい値は約0.1pg/mLである。
本明細書に開示される装置においては、ヘルムホルツ(Helmholtz)プロービングが使用される。ヘルムホルツプロービングとは、電気二重層を断片/面へと分け、それを時空間的に研究する能力を有する技術である。断片/面におけるキャパシタンスおよびインピーダンスの特定の変化を使用して、捕捉プローブへの標的の特異的結合を検出することができる。
本明細書に開示されるハンドヘルド型ポテンシオスタットは作用電極および参照電極で構成されている。AC電圧が作用電極端子および参照電極端子に印加される。AC電圧は、正弦波、のこぎり波、方形波または三角波信号であり得る。そして、作用電極端子と参照電極端子との間を流れる、得られた電流が計測される。
一つのハンドヘルド型ポテンシオスタット形態の例を示す図が図8に見られる。ハンドヘルド型ポテンシオスタット200はLCDディスプレイ104を含む。LCDディスプレイ104は、入出力データを表示するユーザインタフェースを提供する。たとえば、LCDディスプレイは、入力電圧、入力周波数、波型、および分子濃度を示し得る。ハンドヘルド型ポテンシオスタット200はまた、ユーザがハンドヘルド型ポテンシオスタット200に入力を提供することを可能にするミニジョイスティック110を含み得る。たとえば、ミニジョイスティック110は、LCDディスプレイ104上でメニューをナビゲートし、電圧および周波数値を増減させるために使用され得る。いくつかの態様において、ハンドヘルド型ポテンシオスタット200は、ミニジョイスティック110に加えて、またはそれに代えて、ボタンまたはキーパッドを含み得る。ハンドヘルド型ポテンシオスタットはさらに、作用電極ポート202および参照電極ポート204を含む。電極ポート202および204は、ワイヤリードを作用電極および参照電極に接続するために使用される。
一つの可能なポテンシオスタット/電極形態を表すブロック図が図5に見られる。ポテンシオスタットの動作の核心はプログラマブルマイクロコントローラ/マイクロプロセッサ100の中で実行される。マイクロコントローラの第一の動作は、LCDディスプレイ104を通してユーザインタフェースサポートを提供することである。マイクロコントローラ100中で処理された情報をLCDディスプレイ104に送るためにシリアル周辺インタフェース138が使用される。マイクロコントローラ100は、ライン134および136を使用してLCDディスプレイ104に電力を供給する。
LCDディスプレイ104に表示されたオプションへのユーザ入力/応答が、ミニジョイスティック110とマイクロコントローラ100との間のアナログ-アナログ通信を介してアナログ信号として受けとられる。ユーザは、ミニジョイスティック110を使用して、作用電極106および参照電極電108に印加される電気信号パラメータ、たとえば電圧、周波数、波型を選択し得る。または、ミニジョイスティック110は、検出される分子のタイプを選択するために使用される。試験が終了したのち、LCDディスプレイ104は被検試料中の分子の濃度数値を示す。
次に、マイクロコントローラ100は、取り付けられた電気化学的センサ上でインピーダンス分光法特性決定を実施するようにプログラムされる。ユーザによって選択される電気信号パラメータまたは分子に基づいて、プログラマブルマイクロコントローラ100は、作用電極106および参照電極108に印加されるAC電圧をそれぞれライン130および132上に生成する。AC電圧は増幅器112および114によって増幅され得る。いくつかの態様において、作用電極106の得られる電圧は、ライン140上でマイクロコントローラ100にフィードバックされ得る。得られる電圧は、被検溶液中の化学反応が原因で印加電圧とは異なり得る。マイクロコントローラ100は作用電極106の電圧値をデジタル化し、デジタル化された電圧は、ライン130および132上の印加AC電圧レベルを調節するためにマイクロコントローラ100によって使用される。いくつかの態様において、作用電極106の電圧は、ライン122上でプログラマブルゲイン増幅器102にフィードバックされ得る。プログラマブルゲイン増幅器は、作用電極106の電圧値をデジタル化し、デジタル化された電圧をライン128上でマイクロコントローラ100に送り得、デジタル化された電圧は、ライン130および132上の印加AC電圧レベルを調節するためにマイクロコントローラ100によって使用される。
AC電圧が印加され、導電性溶液の試料がセンサと接触したのち、AC電流が作用電極106から参照電極108に流れる。作用電極106および参照電極108を通って流れる電流の量は、作用電極および参照電極に印加される電圧、電極上の分子の結合、ならびに使用される溶液に依存する。プログラマブルゲイン増幅器102が、作用電極106と参照電極108との間を流れる電流を計測する。具体的には、相互コンダクタンス増幅器116がライン124上で電流をプログラマブルゲイン増幅器に供給する。電流はバンドパスフィルタ120によって濾波され得る。バンドパスフィルタ120は、印加周波数の信号を許容しながらも他の周波数の信号を拒絶するように自動的に調節される。そして、プログラマブルゲイン増幅器102が、電流から、増幅された電圧を生成し、これはライン126上でプログラマブルマイクロコントローラに供給される。マイクロコントローラ動作しきい値は、このインピーダンス分光法用途において発生する小さな電圧および電流よりもずっと高いため、増幅が必要である。いくつかの態様において、ライン126上の増幅された電圧は20mV〜6Vの範囲である。ライン126上で増幅された電圧が高すぎる、または低すぎるならば、マイクロコントローラ100は、ライン128を介してプログラマブルゲイン増幅器102に信号を送ってゲインを増減させる。いくつかの態様において、プログラマブルゲイン増幅器102のバイナリゲインは1〜128の間で調節され得る。いくつかの態様において、プログラマブルゲイン増幅器102のスコープゲインは1〜200の間で調節され得る。ライン122は、ゲインを計算するための参照電圧をプログラマブルゲイン増幅器102に提供する。ライン122の電圧は、増幅器118によって増幅され、バンドパスフィルタ120によって濾波され得る。
マイクロコントローラ100はアナログ増幅電圧をデジタル信号に変換する。そして、マイクロコントローラ100は、作用電極106と参照電極108との間を流れる電流の量を表すデジタル化増幅電圧を、作用電極106および参照電極108に印加された電圧と比較して、被検溶液のインピーダンスを測定する。マイクロコントローラ100は、算術演算を実施して、印加電圧に対する増幅電圧の位相および振幅の変化を周波数の関数として計算する。インピーダンスは以下の式を使用して計算される。
Figure 2016527515
式中、Vmは、印加電圧の振幅を表し、Imは、電極間を流れる得られた電流の振幅を表し、ωは、印加電圧および得られた電流の角周波数であり、φは、印加電圧と得られた電流との間の位相の差である。いくつかの態様において、マイクロコントローラ100は、フーリエ変換を使用して、周波数の関数として位相および振幅の変化を測定する。いくつかの態様において、マイクロコントローラ100はリサジュー曲線を使用して位相および振幅の変化を測定する。いくつかの態様において、マイクロコントローラ100は、マルチスライス分割および信号分析を実施して、どの周波数でインピーダンスの変化が最大になるかを決定する。この推定は、電極表面で起こる生物電気化学的反応を特性決定するのに役立つ。マイクロコントローラ100は、振幅および位相の変化を使用して試料中の分子の濃度を計算する。
ハンドヘルド型ポテンシオスタットは、未知の量の標的分析物を計測するために使用される前に、較正され得る。較正は、既知の量の標的分析物を含有する溶液のインピーダンスを計測することによって実施される。具体的には、ユーザは、好ましくは四つの異なる濃度の標的分析物を含有する四つの異なる溶液のインピーダンス計測を実施し得る。較正試験ごとに、ユーザは、ミニジョイスティックを使用して、標的分析物濃度をハンドヘルド型ポテンシオスタットに入力する。ハンドヘルド型ポテンシオスタットは試験ごとにインピーダンスを記録する。試験が完了したのち、システムは、以下の式において係数を決定することにより、較正を完了する。
zi=bnxn+bn-1xn-1+...b1x+c
式中、ziは計測インピーダンスであり、xは既知の標的分析物濃度であり、bn、bn-1、b1、およびcは係数である。多項式の次数nは、2〜5、好ましくは2であり得る。ハンドヘルド型ポテンシオスタットは、線形回帰および最小二乗解析を使用して未知の係数値を決定する。
ハンドヘルド型ポテンシオスタットを使用する分子の検出を示す流れ図が図9に見られる。工程400において、ユーザが、ハンドヘルド型ポテンシオスタットが試料に印加する電気信号に関して、入力、たとえば電圧または周波数の選択を提供する。工程402において、マイクロコントローラが電気信号を作用電極および参照電極に印加する。電気信号の特性、たとえば電圧および周波数は、工程400においてユーザによって提供される入力に基づく。工程404において、マイクロコントローラは作用電極から参照信号を受信する。具体的には、作用電極電圧はゲイン増幅器によって増幅され、増幅された電圧が、アナログ増幅電圧をデジタル信号に変換するマイクロコントローラのデジタル-アナログ変換器(「DAC」)に送られる。いくつかの態様においては、プログラマブルゲイン増幅器がアナログ増幅電圧をデジタル信号に変換する。マイクロコントローラは、デジタル作用電極電圧の値を、ユーザによって選択された所望の電圧と比較する。そして、マイクロコントローラは、工程402において印加された電気信号を、工程400において選択された所望の電圧に一致するように増減させる。工程406において、作用電極電圧値はゲイン増幅器に供給され、電流に変換される。工程408において、プログラマブルゲイン増幅器中のゲイン増幅器が電流信号を増幅し、その電流信号を電圧信号に変換する。そして、電圧信号はマイクロコントローラのADCに入る。工程410において、マイクロコントローラはアナログ電圧信号をデジタル電圧信号に変換する。工程412において、マイクロコントローラは、デジタル電圧信号を、マイクロコントローラのメモリ中に記憶された較正データと比較する。いくつかの態様において、マイクロコントローラは、アナログ電圧信号の計測値を、記憶された較正データと比較する。いくつかの態様において、マイクロコントローラは、デジタル電圧信号を較正データと比較して、周波数の関数として振幅および位相の差を測定する。いくつかの態様において、マイクロコントローラは、デジタル電圧信号を較正データと比較して、周波数の関数として振幅および位相の差を測定する。方法の選択は信号のノイズレベルに依存する。送信ライン中でノイズ信号が非常に高い場合、フーリエ変換を使用することが最良である。
いくつかの態様において、マイクロコントローラ100はIntel(登録商標)マイクロコントローラである。他の態様において、マイクロコントローラ100はIntel(登録商標)マイクロプロセッサである。他の態様において、マイクロコントローラ100はARM Cortex(商標)Mマイクロコントローラである。他の態様において、マイクロコントローラ100はARM Cortex(商標)マイクロプロセッサである。
好ましい態様において、マイクロコントローラ100は1mV〜10VのAC電圧を作用電極106および参照電極108に印加する。マイクロコントローラは、周波数が2Hz〜15kHzの間で変動するAC電圧を作用電極106および参照電極108に印加する。周波数は、最低周波数から最高周波数まで上げる、または最高周波数から最低周波数まで下げることによって変化させる。いくつかの態様においては、ユーザが最低および最高周波数を選択し、マイクロコントローラ100が、選択された最低周波数と最高周波数との間で変化する周波数を有する電圧を印加する。いくつかの態様において、マイクロコントローラ100は、周波数を最低周波数と最高周波数との間で2Hz間隔で変化させる。
いくつかの態様において、本明細書に開示されるハンドヘルド型ポテンシオスタットは、バイオセンシングプラットフォーム上でインピーダンス分光法分析を実施する。タンパク質および生体分子は高感度であるため、バイオセンシングに適用可能であるためには、これらのポテンシオスタットの使用のために非常に低い電圧が必要である。いくつかの態様において、適切な電圧の範囲は1mV〜10Vであり得るが、適切な電圧は用途に依存する。タンパク質ベースのセンシングへの適用において、電圧は1mV〜10Vの範囲であろう。細胞およびDNAへの適用において、電圧は1mV〜10Vであろう。同様に、非常に小さな電圧の印加に起因して、電流応答は同様の範囲である、またはバルク溶液媒体よる損失があるため、ずっと低い。いくつかの態様において、適切な電流の範囲は10pA〜10mAであり、電圧と同じく、適切な電流応答は用途に依存する。タンパク質ベースのセンシングへの適用において、電流応答は10pA〜100nAの範囲であろう。細胞およびDNAへの適用において、電流応答は100nA〜10mAであろう。ハンドヘルド型ポテンシオスタットによって要求される電力は2mW〜10Wの範囲であろう。電力レベルは、ケーシング、容積、時間、分析物サイズ、および一つの分析物の検出であるのか複数の分析物の検出であるのかに基づいて変化する。
開示されたポテンシオスタットは、固定周波数で使用されてもよいし、または可変周波数で使用されてもよい。用途に基づき、固定および可変周波数範囲は異なる。大部分のバイオセンシング用途の場合、使用される周波数の範囲は2Hz〜15kHzである。関心対象のタンパク質に対応する電気デバイ距離変化を最適化すると、固定周波数を推定することができる。それぞれの周波数における検出が検出速度を改善し、非特異的信号を減らすことができる。
インピーダンス分光法を実施することに加えて、本明細書に開示されるハンドヘルド型ポテンシオスタットは、LCDディスプレイ上の選択しやすいオプションを通して、ソースメータとして、また、ボルタンメトリーツールとして使用することができる。
本明細書に開示されるハンドヘルド型ポテンシオスタットは、容易に持ち運びでき、手で持ちやすいフォームファクタを有する。それは、約または少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10インチ×約または少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10インチであり得る。具体的には、約5インチ×約3インチであり得ることが考慮される。また、具体的には、プログラマブルゲイン増幅器、プログラマブルマイクロコントローラ、および図に示される出力のためのLCDディスプレイを含めた装置全体がこれらのサイズ内であることが考慮される。
ハンドヘルド型ポテンシオスタットのスマートフォン態様を示す図が図10に見られる。ハンドヘルド型ポテンシオスタットはスマートフォン300およびポテンシオスタットアダプタ306を含む。スマートフォンは、ケーブル304、好ましくはマイクロUSBまたは専用コネクタを使用してポテンシオスタットアダプタ306に動作可能に結合される。ケーブル304は、スマートフォン300とポテンシオスタットアダプタ306との間の双方向通信を提供する。ポテンシオスタットアダプタは、作用電極ポート202、参照電極ポート204、マイクロコントローラ100、およびプログラマブルゲイン増幅器102を含む。ユーザがカスタムポテンシオスタットソフトウェアアプリケーションをスマートフォン300にインストールすると、そのアプリケーションが、ユーザ入出力およびマイクロコントローラ通信機能を提供する。ユーザは、タッチスクリーン302を使用して、入力電圧、入力周波数、および波型を含む入力をスマートフォン300に提供し得る。他の態様において、ユーザは、キーパッドを使用して入力をスマートフォンに提供する。スマートフォン300は、標的分析物の濃度などの出力をスマートフォンのタッチスクリーン302上に表示する。
本明細書に開示されるポテンシオスタットはまた、バイオセンシングのための所望の動作範囲で、低いノイズしきい値で機能する。現在、ポテンシオスタットは、電気化学的用途を念頭に設計されている。これらの用途に使用される集積回路は妥当なノイズしきい値を有する。バイオセンシングに適用する場合、利用可能な装置の計測信号は、多くの場合、ノイズしきい値内にあり、したがって、利用可能なポテンシオスタットの大多数を不適当にしている。
本明細書に開示されるポテンシオスタットはまた、フーリエ変換およびリサジュー曲線法を使用して2電極インピーダンス分光法を実施するようにプログラム可能である。既存のポテンシオスタットは、リサジュー曲線法を使用して、計測された電流応答の位相変化を推定する。これは、高い電圧および電流を伴う用途の場合には完成されているが、バイオセンシングに必要であるような電圧および電流応答の分析には最適化されていない。これらの用途により適切であるフーリエ変換ベースの推定は、高いプロセッサ速度を要求するため、実現の複雑さのせいで広くは使用されていない。リサジュー曲線およびフーリエ変換の使用は、ノイズを減らし、シグナルインテグリティを保つことにより(いずれもバイオセンシングにはきわめて重要である)、デジタル信号分析を支援する。
フーリエ変換およびリサジュー曲線を使用するポテンシオスタットの計算を実証する流れ図が図11に示されている。工程500において、マイクロコントローラが、V(t)=v sin(ωt)(式中、vは信号の振幅であり、ωは角周波数である)の形の正弦波電圧を印加する。好ましい態様において、マイクロコントローラは、異なる周波数で正弦波電圧を印加する。工程502において、マイクロコントローラは、I(t)=i sin(ωt+φ)(式中、iは信号の振幅であり、φは信号の移相である)の形である、得られた電流信号を計測する。工程504において、マイクロコントローラは、フーリエ変換
Figure 2016527515
を適用することにより、印加電圧信号を時間領域から周波数領域へと変換する。同様に、工程506において、マイクロコントローラは、フーリエ変換
Figure 2016527515
を適用することにより、得られた電流信号を時間領域から周波数領域へと変換する。工程508において、得られた電流周波数信号を印加電圧信号で確認し、他の周波数で起こるノイズを濾波する。工程504〜510の代替として、工程512において、マイクロコントローラは、v(t)およびi(t)のリサジュー曲線をプロットしてインピーダンスZ(t)を推定する。図12はリサジュー曲線の見本を示す。図中、Eは印加電圧を表し、Iは得られた電流を表す。この例において、印加電圧は、15〜−15mVの間で変動する正弦波であり、得られる電流は45〜55nAの間で変動する。この例におけるプロット上の電圧と電流との交点は楕円であり、それは、系が安定であることを示す。楕円形領域の分析が、得られるインピーダンスの推定を提供する。工程514において、マイクロコントローラは、式
Figure 2016527515
を使用して、インピーダンスを周波数領域に変換する。工程516において、マイクロコントローラは、式ΔZ(ω)=Zb(ω)−Z(ω)(式中、Zb(ω)は対照試料のインピーダンスである)を使用して、インピーダンスの変化ΔZ(ω)を計算する。工程518において、マイクロコントローラは、印加周波数スペクトルが個々の別々の周波数ポイントへとスライスされるマルチスライス分割を使用して、最大インピーダンス変化が起こった周波数を測定する。そして、工程520において、マイクロコントローラは、最大インピーダンス変化が起こった周波数を、試験される特定の分析物に関してメモリ中に記憶された基準周波数点と比較する。工程522において、マイクロコントローラは、較正に使用した同じ式:zi=bnxn+bn-1xn-1+...b1x+c(式中、ziは、最大インピーダンス変化が起こった周波数におけるインピーダンスであり、bn、bn-1、b1、およびcは、較正中に計算された係数であり、xは、計算される標的分析物濃度である)を適用することにより、被検分析物の濃度を推定する。好ましい態様において、工程522における式は二次式である。工程524は、インピーダンスの変化を標的分析物濃度の関数として示す。
本明細書に開示されるポテンシオスタットはまた、費用効果的な部品を含み、製造は、非常に簡単な表面取り付け装置アセンブリを含み、開示される装置は、最新の増幅器およびプログラマブルゲートアレイの使用によって低い熱ノイズを有する。
最後に、本明細書に開示されるポテンシオスタットは、ソースメータとしての、ボルタンメトリーツールとしての、および標準電流計測のための適用性を有する。ポテンシオスタットは、動作を実行し、結果を出す変更をプログラムに加えることにより、様々な用途に合わせてカスタマイズすることができる。プログラマブルゲイン増幅器は、広い動作範囲(mV-V/pA-mA)を有し、したがって、バイオセンシングへの様々なボルタンメトリーの適用および一般的用途に使用することができる。マイクロプロセッサ/マイクロコントローラは、幅広いプログラミング自由度を提供し、したがって、様々な動作へのポテンシオスタットの適用は、ソフトウェアの変更を要するだけであり、ハードウェアの変更を要しない。
本明細書に開示されるポテンシオスタットは適応性が高く、速やかに結果を出す。シングルチャネルアッセイの場合、シングルチャネルEIS検出スキームおよび16ビットマイクロコントローラ(40〜10kHz)が使用されるとき、40秒未満の読み取り時間で結果を出す。
E.キット
いくつかの態様においては、コンフォーマル回路およびポテンシオスタットを含むキットが考慮される。いくつかの態様において、これらのキットは、特定の標的分析物、たとえば特定の関心対象タンパク質を受け入れるように設計されている。一つの態様において、キットは、標的分析物に適切である多孔性ナノテクスチャ基材を含むコンフォーマル回路を含み、それには適切なパターンが転写されており、そのパターンは適切なインクで構成されている。加えて、キットはさらに、特定の標的分析物に関し、関心対象のデータをユーザに生成するように較正されているポテンシオスタットを含む。
以下の表は、キットが検出し得る捕捉プローブ、印加電場の周波数、膜のタイプ、膜の孔径、および所要電力の例を示す。
Figure 2016527515
たとえば、C反応性タンパク質を検出するように設計されたコンフォーマル回路は、200nmの孔1013〜1015個/cm2の多孔度を有するナノ多孔性材料の基材、たとえば紙を有し、回路は、交互嵌合もしくはエッジフリー交互嵌合しているパターンでできているか、または金/白金/銀/銅/ニッケルが注入された金属ナノ粒子注入カーボンインクを使用して作られた同心リングでできている。ポテンシオスタットに入力されるであろう関心対象のパラメータは、10mVの印加電圧および20Hz〜10kHzの範囲の印加周波数を含む。最後に、分析のための関心対象のパラメータは、分析の周波数、印加電圧、計測された電流、計算されたインピーダンス、推定濃度、および標準較正曲線を含む。
F.実施例
以下の実施例は、本発明の好ましい態様を実証するために含まれる。当業者には、以下の実施例に開示される技術が、本発明の実施において良好に機能することが本発明者らによって見いだされた技術を表し、したがって、その実施に好ましい形態を構成するものとみなすことができることが理解されよう。しかし、当業者は、本開示をかんがみて、開示される具体的な態様において多くの変更を加えることができ、それでもなお、本発明の精神および範囲を逸脱することなく同様または類似の結果を得ることができることを理解するはずである。
実施例1
本アッセイを、ヒト血清中のトロポニン-Tを検出する場合にインピーダンス形式で使用した。0.1pg/mLの感度が達成された。90日間にわたりデータを収集した複数回の反復試験が図2に示されている。回路は、コームベースの交互嵌合電気回路を利用したが、作用電極と参照電極との任意の直線的組み合わせがこの用途に適当である。基材はナノ多孔性ナイロン膜であり、パターンは、添加剤析出技術である、金スパッタリングとしても知られる、金インクの低温蒸着を使用して形成されたものであった。試料量は1〜10マイクロリットルであった。回路をインピーダンス読み取り装置に接続し、ミリボルト領域のバイアス電位を印加すると、アッセイの様々な成分、リンカー、分子、レセプター、およびリガンドの段階的導入によるインピーダンスの変化が計測可能な段階的インピーダンス変化を生じさせる。
装置を較正するために、本発明者らは、まず、金電極に効果的に結合することができるチオール系リンカーを付着させた。DMSOに溶解したDSPを使用した。金電極との硫黄結合が形成し、開放したアミン端がタンパク質/生体分子固定化のために残る。こののち、本発明者らは、リンカー付着センサ面をモノクローナルトロポニン-T抗体で飽和させた。バッファー洗浄を実施して過剰な抗体を除去した。次に、アルブミンからなるブロッキングバッファーを使用してすべての非抗体固定化リンカー分子を封鎖した。これは、リンカー部位への標的分析物の非特異的結合によるノイズ信号を減らすのを効果的に助ける。バッファー洗浄を実施して過剰なブロッカー分子を除去した。この工程は、ゼロ用量の抗原が存在するアッセイのベースライン点または対照工程である。抗原用量、この場合はトロポニン-Tを、バッファー媒体中、漸増する対数用量で調製した。使用したバッファー媒体は、リン酸緩衝液、ヒト血清、およびヒト血漿であった。トロポニン-T抗原用量を、濃度昇順で一つずつ、センサ表面にスポット塗布した。スポット塗布とは、センサ基材への試料の接種、ピペットアウトまたは塗布をいう。アッセイの工程ごとにインピーダンス計測を実施した。2Hz〜15kHzの範囲の様々な周波数点で、印加電圧と計測された電流応答との間の比としてインピーダンス計測値を計算した。最大インピーダンス変化は100.4Hzで起こった。フーリエ変換を使用して、周波数の関数としてインピーダンスを計算した。最大のインピーダンス変化が起こった周波数を有する電圧を印加して、インピーダンスの変化を、用量ごとに、ベースラインにおけるインピーダンスと、計測されている現在の用量におけるインピーダンスとの間の差として計算した。インピーダンスおよびトロポニン-T抗原濃度の変化をプロットすることによって較正応答曲線を構築した。二次方程式を使用して較正応答曲線を当てはめた。この当てはめ作業によって多項較正式を得、それを、試験試料からトロポニン-Tの濃度を推定するために使用した。試料を試験し、トロポニン-Tの濃度を推定するために、以下のアッセイプロトコルを使用した。まず、チオール系リンカー分子をセンサ表面に付着させた。トロポニン-Tに特異的なモノクローナル抗体を検出に使用した。ブロッキングバッファーを使用して非特異的結合部位を封止した。中間工程でバッファー洗浄を実施して、表面に結合していない過剰な分子を除去した。ブロッキングバッファー適用ののちバッファー洗浄において実施されたインピーダンス計測を、ベースラインまたは対照インピーダンスとして使用した。こののち、試験試料をセンサ表面に塗布し、インピーダンス計測を実施した。試験試料のインピーダンスを計算し、上述の二次方程式に使用して、試験試料中のトロポニン-Tの濃度を推定した。計測されたインピーダンスに対する用量依存性の変化が見られた。
超低濃度の極微量農薬を検出する場合のコンフォーマル回路の金属スイッチ挙動をマッピングした。代表的な例として、都市給水に混入したアトラジンの検出を実証している。データは、30日間にわたり収集された複数回の反復試験から得られたものである(図3)。コンフォーマル回路はANDゲートのように働く。回路への二つの入力および一つの出力がある。回路の入力領域がレセプターまたはリガンドだけを含むとき、出力は低のままである。しかし、抗体および小分子の両方の存在において、出力は高になり、金属スイッチがそのしきい電圧に達するターンオンを示して、出力におけるマイクロアンペア範囲の電流計測を生じさせる。このアッセイに使用される量は1〜10マイクロリットルであった。
DNAを検出する場合の非線形2端子装置挙動の移動特性が実証されている。標的および対応するバックグラウンドのための様々なバイアス電圧の場合の移動電荷または相互コンダクタンスの変化が実証されている(図4)。コンフォーマル回路中の導電路の幅、ひいてはその電流容量を変化させた。幅は、標的リガンドと、回路の半導電性表面上に固定化されたレセプターとの相互作用によって変化する。カルボキシル、ヒドロキシル、硫黄、またはアミンベースの化学反応を使用して表面修飾を達成する。標的種の結合が導電路電流を変調させる。印加される特定のバイアス電位の場合、導電路の電流容量は、回路上の標的分子の用量依存性相互作用によって変調される。このアッセイを実施するために使用された量は1〜10マイクロリットルであった。
実施例2
ペーパーカートリッジ上、20塩基対オリゴ標的miR21を使用して、miR21に富む細胞の試料を試験した。野生型細胞を対照として使用した。miR21の相対濃度は高く、すなわち200コピー/細胞よりも高かった。これらの計測は、核酸ベースのセンサによって実施した。センサは、まず、成熟マイクロRNAのcDNAを保持するプラスミドからインビトロ転写によってmiR21プローブを生成することによって調製した。コンフォーマル回路は、金インクの低温蒸着を使用してパターニングされたナノ多孔性ナイロン膜でできたものであった。miR21の領域に相補的な核酸プローブを金電極に結合させた。電気的オリゴヌクレオチドアッセイプロトコルにおいて、この構成は、細胞溶解物からのRNA単離物中のmiR21の捕捉、検出、および定量を可能にした。
実施例3
敗血症
敗血症の根本的病原を診断するために患者から試料を採取した。リポ多糖(グラム陰性菌の指標)、リポテイコ酸(グラム陽性菌の指標)、およびプロカルシトニン(細菌によって引き起こされる重篤な敗血症のマーカーであり、概して、敗血症の程度に合わせて変化する)のためのマーカーを使用した。試料は、臨床的に敗血症と確定されたICU患者からの五つの全血試料を含むものであった。
装置を較正するために、本発明者らは、まず、金電極に効果的に結合することができるチオール系リンカーを付着させた。DMSOに溶解したDSPを使用した。金電極との硫黄結合が形成し、開放したアミン端がタンパク質/生体分子固定化のために残る。こののち、本発明者らは、リンカー付着センサ面を、リポ多糖、リポテイコ酸、およびプロカルシトニンのためのモノクローナル抗体で飽和させた。バッファー洗浄を実施して過剰な抗体を除去した。次に、アルブミンからなるブロッキングバッファーを使用してすべての非抗体固定化リンカー分子を封鎖した。これは、リンカー部位への標的分析物の非特異的結合によるノイズ信号を減らすのを効果的に助ける。バッファー洗浄を実施して過剰なブロッカー分子を除去した。これは、ゼロ用量の抗原が存在するアッセイのベースライン点または対照工程である。抗原/タンパク質バイオマーカー用量を、バッファー媒体中、漸増する対数用量で調製した。使用したバッファー媒体は、リン酸緩衝液、ヒト血清、およびヒト血漿であった。これらのバッファー媒体それぞれを別個のセンサに塗布した。抗原/タンパク質バイオマーカー用量を、濃度昇順で一つずつ、センサ表面にスポット塗布した。アッセイの工程ごとにインピーダンス計測を実施した。2Hz〜15kHzの範囲の様々な周波数点で、印加電圧と計測された電流応答との間の比としてインピーダンス計測値を計算した。リポ多糖は99.3Hzで最大インピーダンス変化を示し、リポテイコ酸は120Hzで最大インピーダンス変化を示し、プロカルシトニンは110Hzで最大インピーダンス変化を示した。フーリエ変換を使用して、周波数の関数としてインピーダンスを計算した。最大のインピーダンス変化が起こった周波数を有する電圧を印加して、インピーダンスの変化を、用量ごとに、ベースラインにおけるインピーダンスと、計測されている現在の用量におけるインピーダンスとの間の差として計算した。インピーダンスおよび抗原濃度の変化をプロットすることによって較正応答曲線を構築した。二次方程式を使用して較正応答曲線を当てはめた。この当てはめ作業によって多項較正式を得、それを、試験試料から抗原/タンパク質バイオマーカー濃度を推定するために使用した。試料を試験し、タンパク質バイオマーカーの濃度を推定するために、以下のアッセイプロトコルを使用した。まず、チオール系リンカー分子をセンサ表面に付着させた。タンパク質バイオマーカーに特異的なモノクローナル抗体を検出に使用した。ブロッキングバッファーを使用して非特異的結合部位を封止した。中間工程でバッファー洗浄を実施して、表面に結合していない過剰な分子を除去した。ブロッキングバッファー適用ののちバッファー洗浄において実施されたインピーダンス計測を、ベースラインまたは対照インピーダンスとして使用した。こののち、試験試料をセンサ表面に塗布し、インピーダンス計測を実施した。試験試料のインピーダンスを計算し、上述の二次方程式に使用して、試験試料中のタンパク質バイオマーカーの濃度を推定した。
定量結果は20分未満で得られ、マーカーの最低検出限界は10fg/mLであった。表1を参照すること。重篤な敗血症と高いプロカルシトニンレベルとの相関が確認された。
Figure 2016527515
コンフォーマル回路は、金インクの低温蒸着を使用してパターニングされたナノ多孔性ナイロン膜でできたものであった。使用したプロトコルは、基材電極へのタンパク質特異的モノクローナル抗体の結合を含む電気的イムノアッセイプロトコルであった。敗血症感染を疑われる患者から血液試料を採取した。三つの異なるマーカーであるプロカルシトニン、リポ多糖、およびリポテイコ酸に関して血液試料を試験した。電極表面に固定化された捕捉抗体への特異的タンパク質マーカーの結合の結果としてのインピーダンス変化を研究することによって検出を実施した。
心臓血管マーカー
早期診断のためのマーカーとしてのトロポニン-T(心臓マーカー)の挙動および信頼性を分析するために、心筋梗塞イベントを起こした患者からの12のヒト血漿試料を試験してトロポニン-Tを定量した。
装置を較正するために、本発明者らは、まず、金電極に効果的に結合することができるチオール系リンカーを付着させた。DMSOに溶解したDSPを使用した。金電極との硫黄結合が形成し、開放したアミン端がタンパク質/生体分子固定化のために残る。こののち、本発明者らは、リンカー付着センサ面をモノクローナルトロポニン-T抗体で飽和させた。バッファー洗浄を実施して過剰な抗体を除去した。次に、アルブミンからなるブロッキングバッファーを使用してすべての非抗体固定化リンカー分子を封鎖した。これは、リンカー部位への標的分析物の非特異的結合によるノイズ信号を減らすのを効果的に助ける。バッファー洗浄を実施して過剰なブロッカー分子を除去した。この工程は、ゼロ用量の抗原が存在するアッセイのベースライン点または対照工程である。抗原用量、この場合はトロポニン-Tを、バッファー媒体中、漸増する対数用量で調製した。使用したバッファー媒体は、リン酸緩衝液、ヒト血清、およびヒト血漿であった。トロポニン-T抗原用量を、濃度昇順で一つずつ、センサ表面にスポット塗布した。アッセイの工程ごとにインピーダンス計測を実施した。2Hz〜15kHzの範囲の様々な周波数点で、印加電圧と計測された電流応答との間の比としてインピーダンス計測値を計算した。フーリエ変換を使用して、周波数の関数としてインピーダンスを計算した。最大のインピーダンス変化が起こった周波数を有する電圧を印加して、インピーダンスの変化を、用量ごとに、ベースラインにおけるインピーダンスと、計測されている現在の用量におけるインピーダンスとの間の差として計算した。インピーダンスおよびトロポニン-T抗原濃度の変化をプロットすることによって較正応答曲線を構築した。二次方程式を使用して較正応答曲線を当てはめた。この当てはめ作業によって多項較正式を得、それを、試験試料からトロポニン-Tの濃度を推定するために使用した。試料を試験し、トロポニン-Tの濃度を推定するために、以下のアッセイプロトコルを使用した。まず、チオール系リンカー分子をセンサ表面に付着させた。トロポニン-Tに特異的なモノクローナル抗体を検出に使用した。ブロッキングバッファーを使用して非特異的結合部位を封止した。中間工程でバッファー洗浄を実施して、表面に結合していない過剰な分子を除去した。ブロッキングバッファー適用ののちバッファー洗浄において実施されたインピーダンス計測を、ベースラインまたは対照インピーダンスとして使用した。こののち、試験試料をセンサ表面に塗布し、インピーダンス計測を実施した。試験試料のインピーダンスを計算し、上述の二次方程式に使用して、試験試料中のタンパク質バイオマーカーの濃度を推定した。
最低検出用量は0.71pg/mLであり、これは、このマーカーの場合、ELISAよりも三桁大きい感度である。図6。コンフォーマル回路は、金インクの低温蒸着を使用してパターニングされたナノ多孔性ナイロン膜でできたものであった。使用したプロトコルは、基材電極へのタンパク質特異的モノクローナル抗体の結合を含む電気的イムノアッセイプロトコルであった。この場合、それはトロポニン-Tタンパク質バイオマーカーに対する抗体であった。患者12名から血漿試料を採取した。これらの試料を感知基材に塗布した。電極表面に固定化された抗体へのトロポニン-T結合の結果としてのインピーダンス応答を計測することによってトロポニン-Tの存在および量を定量した。
癌マーカー
前立腺特異抗原(PSA)を添加した10のヒト血清マトリックス試料を試験して、前立腺癌の診断における使用に関してPSAを定量した。
装置を較正するために、本発明者らは、まず、金電極に効果的に結合することができるチオール系リンカーを付着させた。DMSOに溶解したDSPを使用した。金電極との硫黄結合が形成し、開放したアミン端がタンパク質/生体分子固定化のために残る。こののち、本発明者らは、リンカー付着センサ面をモノクローナル前立腺特異抗原抗体で飽和させた。バッファー洗浄を実施して過剰な抗体を除去した。次に、ウシ血清アルブミンからなるブロッキングバッファーをthermoscientific専売試薬とともに使用してすべての非抗体固定化リンカー分子を封鎖した。これは、リンカー部位への標的分析物の非特異的結合によるノイズ信号を減らすのを効果的に助ける。バッファー洗浄を実施して過剰なブロッカー分子を除去した。この工程は、ゼロ用量の抗原が存在するアッセイのベースライン点または対照工程である。抗原用量、この場合は前立腺特異抗原を、バッファー媒体中、漸増する対数用量で調製した。使用したバッファー媒体は、リン酸緩衝液、ヒト血清マトリックス、およびヒト血漿であった。前立腺特異抗原用量を、濃度昇順で一つずつ、センサ表面にスポット塗布した。アッセイの工程ごとにインピーダンス計測を実施した。2Hz〜15kHzの範囲の様々な周波数点で、印加電圧と計測された電流応答との間の比としてインピーダンス計測値を計算した。フーリエ変換を使用して、周波数の関数としてインピーダンスを計算した。PSAは128.4Hzで最大インピーダンス変化を示した。最大のインピーダンス変化が起こった周波数を有する電圧を印加して、インピーダンスの変化を、用量ごとに、ベースラインにおけるインピーダンスと、計測されている現在の用量におけるインピーダンスとの間の差として計算した。インピーダンスおよび前立腺特異抗原濃度の変化をプロットすることによって較正応答曲線を構築した。二次方程式を使用して較正応答曲線を当てはめた。この当てはめ作業によって多項較正式を得、それを、試験試料から前立腺特異抗原の濃度を推定するために使用した。試料を試験し、前立腺特異抗原の濃度を推定するために、以下のアッセイプロトコルを使用した。まず、チオール系リンカー分子をセンサ表面に付着させた。前立腺特異抗原に特異的なモノクローナル抗体を検出に使用した。ブロッキングバッファーを使用して非特異的結合部位を封止した。中間工程でバッファー洗浄を実施して、表面に結合していない過剰な分子を除去した。ブロッキングバッファー適用ののちバッファー洗浄において実施されたインピーダンス計測を、ベースラインまたは対照インピーダンスとして使用した。こののち、試験試料をセンサ表面に塗布し、インピーダンス計測を実施した。試験試料のインピーダンスを計算し、上述の二次方程式に使用して、試験試料中のタンパク質バイオマーカーの濃度を推定した。
最低検出用量は0.0052ng/mLであった。図7。コンフォーマル回路は、金インクの低温蒸着を使用してパターニングされたナノ多孔性ナイロン膜でできたものであった。使用したプロトコルは、基材電極へのタンパク質特異的モノクローナル抗体の結合を含む電気的イムノアッセイプロトコルであった。この場合、それは前立腺特異抗原バイオマーカーに対する抗体であった。ヒト血清マトリックス試料を調製し、様々な濃度の前立腺特異抗原を添加した。これらの試料を感知基材に塗布した。電極表面に固定化された抗体への前立腺特異抗原結合の結果としてのインピーダンス応答を計測することによって前立腺特異抗原の存在および量を定量した。
殺真菌剤検出
ストロビルリン殺真菌剤を添加された六つのジュース試料を試験して、試料中のストロビルリンのレベルを定量した。最低検出用量は10pMであった。表2。
Figure 2016527515
コンフォーマル回路は、金インクの低温蒸着を使用してパターニングされたナノ多孔性ナイロン膜でできたものであった。使用したプロトコルは、感知基材への殺真菌剤特異的抗体またはアプタマーの結合を含む電気的イムノアッセイプロトコルであった。様々な濃度の前記殺真菌剤を添加された新鮮なジュース試料を用意し、センサ基材に塗布した。
装置を較正するために、本発明者らは、まず、金電極に効果的に結合することができるチオール系リンカーを付着させた。DMSOに溶解したDSPを使用した。金電極との硫黄結合が形成し、開放したアミン端がタンパク質/生体分子固定化のために残る。こののち、本発明者らは、リンカー付着センサ面をモノクローナル抗体またはアプタマーで飽和させた。バッファー洗浄を実施して過剰な抗体を除去した。次に、アルブミンからなるブロッキングバッファーを使用してすべての非抗体固定化リンカー分子を封鎖した。これは、リンカー部位への標的分析物の非特異的結合によるノイズ信号を減らすのを効果的に助ける。バッファー洗浄を実施して過剰なブロッカー分子を除去した。この工程は、ゼロ用量の抗原が存在するアッセイのベースライン点または対照工程である。殺真菌剤用量を、バッファー媒体中、漸増する対数用量で調製した。使用したバッファー媒体は、リン酸緩衝液、水、または各種ジュースであった。殺真菌剤用量を、濃度昇順で一つずつ、センサ表面にスポット塗布した。アッセイの工程ごとにインピーダンス計測を実施した。2Hz〜15kHzの範囲の様々な周波数点で、印加電圧と計測された電流応答との間の比としてインピーダンス計測値を計算した。フーリエ変換を使用して、周波数の関数としてインピーダンスを計算した。殺真菌剤は104Hzで最大インピーダンス変化を示した。最大のインピーダンス変化が起こった周波数を有する電圧を印加して、インピーダンスの変化を、用量ごとに、ベースラインにおけるインピーダンスと、計測されている現在の用量におけるインピーダンスとの間の差として計算した。インピーダンスおよび殺真菌剤濃度の変化をプロットすることによって較正応答曲線を構築した。二次方程式を使用して較正応答曲線を当てはめた。この当てはめ作業によって多項較正式を得、それを、試験試料から殺真菌剤の濃度を推定するために使用した。試料を試験し、殺真菌剤の濃度を推定するために、以下のアッセイプロトコルを使用した。まず、チオール系リンカー分子をセンサ表面に付着させた。殺真菌剤に特異的なモノクローナル抗体を検出に使用した。ブロッキングバッファーを使用して非特異的結合部位を封止した。中間工程でバッファー洗浄を実施して、表面に結合していない過剰な分子を除去した。ブロッキングバッファー適用ののちバッファー洗浄において実施されたインピーダンス計測を、ベースラインまたは対照インピーダンスとして使用した。こののち、試験試料をセンサ表面に塗布し、インピーダンス計測を実施した。試験試料のインピーダンスを計算し、上述の二次方程式に使用して、試験試料中のタンパク質バイオマーカーの濃度を推定した。
電極表面に固定化されたアプタマーまたは抗体への殺真菌剤結合の結果としてのインピーダンス変化を計測することによって様々な殺真菌剤の存在を検出し、定量した。バイオマーカーおよび生体分子の捕捉および検出のためにアプタマー、すなわちオリゴヌクレオチドプローブを使用することができる。
本明細書に開示し、特許請求する方法はすべて、本開示をかんがみると、過度な実験なしに達成し、実施することができる。本発明の組成物および方法は好ましい態様に関して説明されたが、本発明の概念、精神および範囲を逸脱することなく、本明細書に記載された方法および方法の工程もしくは工程の順序に変更を加え得ることが当業者には明らかであろう。より具体的には、化学的および生理学的のいずれにも関連する特定の薬剤を、本明細書に記載された薬剤に代えて用いても、同一または類似の結果が達成されることが明らかであろう。当業者に明らかであるそのような類似の代用および変更はすべて、特許請求の範囲によって画定される発明の精神、範囲および概念に入るものとみなされる。
参考文献
以下の参考文献は、本明細書に述べられた詳細を補足する例示的な手続き上のまたは他の詳細を提供する程度に、参照により特に本明細書に組み入れられる。
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Claims (91)

  1. ハンドヘルド型計測装置およびコンフォーマル分析物センサ回路を使用して試料中の標的分析物を検出または定量する方法であって、
    (a)参照電極および作用電極を有するコンフォーマル分析物センサ回路を提供する工程;
    (b)該コンフォーマル分析物センサ回路の該参照電極と該作用電極との間に交流入力電圧を印加する工程;
    (c)該交流入力電圧の周波数を最低周波数と最高周波数との間で変化させる工程;
    (d)プログラマブルゲイン増幅器を使用して、該参照電極と該作用電極との間を流れる出力電流を増幅する工程;
    (e)プログラマブルマイクロコントローラを使用して、該入力電圧を該出力電流と比較することによってインピーダンスを計算する工程;ならびに
    (f)プログラマブルマイクロコントローラを使用して、計算されたインピーダンスから標的分析物を検出する、または標的分析物濃度を計算する工程
    を含む、方法。
  2. 入力電圧が、2Hzの最低周波数および15kHzの最高周波数を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 入力電圧が、50Hzの最低周波数および15kHzの最高周波数を有する、請求項1に記載の方法。
  4. 入力電圧の周波数を2Hzきざみで変化させる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 入力電圧が正弦波である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 入力電圧がのこぎり波である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 入力電圧が方形波である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  8. 入力電圧が三角波である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  9. 入力電圧が1mV〜10Vである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 入力電圧が1mV〜100mVである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 入力電圧が100mV〜10Vである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  12. 出力電流が10pA〜10mAである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 出力電流が10pA〜100nAである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  14. 出力電流が100nA〜10mAである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  15. 出力電流を1〜200倍増幅する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. プログラマブルマイクロコントローラを使用して、入力電圧と出力電流との間の位相の差を計算する工程をさらに含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. プログラマブルマイクロコントローラを使用して、フーリエ変換を適用することによって周波数の関数としてインピーダンスを計算する工程をさらに含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. プログラマブルマイクロコントローラを使用して、リサジュー曲線を使用してインピーダンスを計算する工程をさらに含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. マルチスライス分割および信号分析を使用して、周波数の関数としてインピーダンスを計算する工程をさらに含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 計算された標的分析物濃度をLCDディスプレイ上に表示する工程をさらに含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. LCDディスプレイ上に出力を表示する工程をさらに含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. スマートフォン上に出力を表示する工程をさらに含む、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. ミニジョイスティックを使用して入力を提供する工程をさらに含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. スマートフォンを使用して入力を提供する工程をさらに含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 計算されたインピーダンスが非ファラデーインピーダンスである、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 多孔性ナノテクスチャ基材を含む、上面を有する固体基材と;
    該固体基材の該上面上に回路デザインで位置し、それにより、作用電極および参照電極を含む回路を創出する導電性材料と
    を含む、コンフォーマル分析物センサ回路。
  27. 多孔性ナノテクスチャ基材が10×105〜10×1020個/cm2の多孔度を有する、請求項26に記載の分析物センサ回路。
  28. 多孔性ナノテクスチャ基材が10×107〜10×1016個/cm2の多孔度を有する、請求項26に記載の分析物センサ回路。
  29. 多孔性ナノテクスチャ基材が絶縁基材である、請求項26〜28のいずれか一項に記載の分析物センサ回路。
  30. 多孔性ナノテクスチャ基材が紙またはニトロセルロースである、請求項26に記載の分析物センサ回路。
  31. 多孔性ナノテクスチャ基材がポリマーで処理されている、請求項30に記載の分析物センサ回路。
  32. 基材が疎水性コーティングをさらに含む、請求項26〜31のいずれか一項に記載の分析物センサ回路。
  33. 基材が表面コーティングをさらに含む、請求項26〜31のいずれか一項に記載の分析物センサ回路。
  34. 基材がトラックエッチング膜をさらに含む、請求項26〜33のいずれか一項に記載の分析物センサ回路。
  35. 基材が酸エッチング膜をさらに含む、請求項26〜33のいずれか一項に記載の分析物センサ回路。
  36. 基材が陽極酸化膜をさらに含む、請求項26〜33のいずれか一項に記載の分析物センサ回路。
  37. 基材がポリマー膜をさらに含む、請求項26〜33のいずれか一項に記載の分析物センサ回路。
  38. 基材がセラミック膜をさらに含む、請求項26〜33のいずれか一項に記載の分析物センサ回路。
  39. 基材が電着膜をさらに含む、請求項26〜33のいずれか一項に記載の分析物センサ回路。
  40. 導電性材料が導電性インクまたは半導電性インクである、請求項26〜39のいずれか一項に記載の分析物センサ回路。
  41. 半導電性インクがカーボンインクおよび添加剤を含む、請求項40に記載の分析物センサ回路。
  42. 導電性インクがカーボン、銀、または金属ナノ粒子注入カーボンインクである、請求項40に記載の分析物センサ回路。
  43. 金属ナノ粒子注入カーボンインクに金、白金、タンタル、銀、銅、スズ、またはグラフィーム(grapheme)が注入されている、請求項42に記載の分析物センサ回路。
  44. 非線形回路である、請求項26〜43のいずれか一項に記載の分析物センサ回路。
  45. 非オーム回路である、請求項26〜43のいずれか一項に記載の分析物センサ回路。
  46. さらにベース電極面として画定されている、請求項26〜45のいずれか一項に記載の分析物センサ回路。
  47. ベース電極面がさらにソース回路に接続されている、請求項46に記載の分析物センサ回路。
  48. ソース回路がポテンシオスタットである、請求項47に記載の分析物センサ回路。
  49. ソース回路が電圧源である、請求項47に記載の分析物センサ回路。
  50. ソース回路が電流源である、請求項47に記載の分析物センサ回路。
  51. 捕捉リガンドまたは標識分子を含まない、請求項26〜50のいずれか一項に記載の分析物センサ回路。
  52. コンフォーマル分析物センサがレドックス物質をさらに含む、請求項26〜50のいずれか一項に記載の分析物センサ回路。
  53. (a)固体多孔性ナノテクスチャ基材を提供する工程;および
    (b)導電性材料を使用して、分析物センサ回路デザインを該多孔性ナノテクスチャ基材の上面に転写する工程
    を含む方法によってアセンブルされる、請求項26〜52のいずれか一項に記載のコンフォーマル分析物センサ回路。
  54. 回路デザインを転写する工程が浸漬被覆を含む、請求項53に記載の回路。
  55. 回路のフィーチャ分解能が100ナノメートル/0.1ミクロンまでである、請求項54に記載の分析物センサ回路。
  56. 回路デザインを転写する工程がエンボス加工を含む、請求項53に記載の分析物センサ回路。
  57. 回路のフィーチャ分解能が100ナノメートル/0.1ミクロンまでである、請求項56に記載の分析物センサ回路。
  58. 回路デザインを転写する工程が、該回路を3Dプリンタで設計し、かつ基材上に該回路をエンボス加工することを含む、請求項56に記載の分析物センサ回路。
  59. 回路のフィーチャ分解能が100ナノメートル/0.1ミクロンまでである、請求項58に記載の分析物センサ回路。
  60. 回路デザインを転写する工程がマスキングおよびリソグラフィーを含む、請求項53に記載の分析物センサ回路。
  61. 回路のフィーチャ分解能が1〜10ミクロンである、請求項60に記載の分析物センサ回路。
  62. 請求項26〜61のいずれか一項に記載のコンフォーマル分析物センサ回路の上に試料をスポット塗布する工程であって、該試料が多孔性ナノテクスチャ基材を通って作用電極上および参照電極上に運ばれる、工程;
    該コンフォーマル分析物センサ回路をソース回路に取り付ける工程;ならびに
    該試料中の標的分析物をソース回路によって検出する工程
    を含む、標的分析物を検出する方法。
  63. ソース回路がポテンシオスタットである、請求項62に記載の方法。
  64. ソース回路が電圧源である、請求項62に記載の方法。
  65. ソース回路が電流源である、請求項62に記載の方法。
  66. 試料が1〜10μlの流体を含有する、請求項62〜65のいずれか一項に記載の方法。
  67. 標的分析物がタンパク質、DNA、RNA、SNP、小分子、病原体、重金属イオン、または生理学的イオンである、請求項62〜66のいずれか一項に記載の方法。
  68. 試料が標識されていない、請求項62〜67のいずれか一項に記載の方法。
  69. 標的分析物を検出する工程が、電気的変化を検出することを含む、請求項62〜68のいずれか一項に記載の方法。
  70. (a)作用電極および参照電極に動作可能に結合されるように構成されたプログラマブルゲイン増幅器と;
    (b)該プログラマブルゲイン増幅器、該作用電極、および該参照電極に動作可能に結合されたプログラマブルマイクロコントローラと
    を含む、標的分析物を計測するためのハンドヘルド型装置であって、
    該プログラマブルマイクロコントローラが、該作用電極と該参照電極との間に交流入力電圧を印加するように動作可能であり;該プログラマブルマイクロコントローラが、該交流入力電圧の周波数を最高周波数と最低周波数との間で変化させるように動作可能であり;該プログラマブルゲイン増幅器が、該作用電極と該参照電極との間を流れる交流出力電流を増幅するように動作可能であり;該プログラマブルマイクロコントローラが、該入力電圧と計測された出力電流とを比較することによってインピーダンスを計算するように動作可能であり;かつ該プログラマブルマイクロコントローラが、計算されたインピーダンスから標的分析物濃度を計算するように動作可能である、装置。
  71. 最低周波数が2Hzであり、かつ最高周波数が15kHzである、請求項70に記載のハンドヘルド型計測装置。
  72. 最低周波数が50Hzであり、かつ最高周波数が15kHzである、請求項70に記載のハンドヘルド型計測装置。
  73. マイクロコントローラが、周波数を2Hzきざみで変化させるように動作可能である、請求項70〜72のいずれか一項に記載のハンドヘルド型計測装置。
  74. プログラマブルマイクロコントローラが、正弦波である入力電圧を作用電極と参照電極との間に印加するように動作可能である、請求項70〜73のいずれか一項に記載のハンドヘルド型計測装置。
  75. プログラマブルマイクロコントローラが、のこぎり波である入力電圧を作用電極と参照電極との間に印加するように動作可能である、請求項70〜73のいずれか一項に記載のハンドヘルド型計測装置。
  76. プログラマブルマイクロコントローラが、方形波である入力電圧を作用電極と参照電極との間に印加するように動作可能である、請求項70〜73のいずれか一項に記載のハンドヘルド型計測装置。
  77. プログラマブルマイクロコントローラが、三角波である入力電圧を作用電極と参照電極との間に印加するように動作可能である、請求項70〜73のいずれか一項に記載のハンドヘルド型計測装置。
  78. プログラマブルゲイン増幅器が1〜200の可変ゲインを有する、請求項70〜77のいずれか一項に記載のハンドヘルド型計測装置。
  79. マイクロコントローラが、1mV〜10Vの入力電圧を印加するように動作可能である、請求項70〜78のいずれか一項に記載のハンドヘルド型計測装置。
  80. 10pA以上の出力電流を検出するように動作可能である、請求項70〜79のいずれか一項に記載のハンドヘルド型計測装置。
  81. プログラマブルマイクロコントローラがアナログ-デジタル変換器およびデジタル-アナログ変換器を含む、請求項70〜80のいずれか一項に記載のハンドヘルド型計測装置。
  82. プログラマブルマイクロコントローラが、入力電圧と出力電流との間の位相の差を計測するように動作可能である、請求項70〜81のいずれか一項に記載のハンドヘルド型計測装置。
  83. プログラマブルマイクロコントローラが、入力電圧および出力電流にフーリエ変換を適用して、周波数の関数としてインピーダンスを計算するように動作可能である、請求項70〜82のいずれか一項に記載のハンドヘルド型計測装置。
  84. プログラマブルマイクロコントローラが、リサジュー曲線を使用して入力電圧と出力電流とを比較して、インピーダンスを計算するように動作可能である、請求項70〜83のいずれか一項に記載のハンドヘルド型計測装置。
  85. プログラマブルマイクロコントローラが、マルチスライス分割および信号分析を使用して、インピーダンス変化が最大または最小となる周波数を決定するように動作可能である、請求項70〜84のいずれか一項に記載のハンドヘルド型計測装置。
  86. プログラマブルマイクロコントローラに動作可能に結合された液晶ディスプレイと、該プログラマブルマイクロコントローラに動作可能に結合されたミニジョイスティックとをさらに含む装置であって、該ミニジョイスティックが、ユーザが入力を提供することを許容するように動作可能であり、かつ該液晶ディスプレイが出力データを表示することができる、請求項70〜85のいずれか一項に記載のハンドヘルド型計測装置。
  87. プログラマブルマイクロコントローラに動作可能に結合されたスマートフォンをさらに含む装置であって、該スマートフォンが、ユーザが入力を提供することを許容するように動作可能であり、かつ該スマートフォンが出力データを表示することができる、請求項70〜86のいずれか一項に記載のハンドヘルド型計測装置。
  88. 出力データが標的分析物濃度を含む、請求項86〜87のいずれか一項に記載のハンドヘルド型計測装置。
  89. レドックスプローブを含まない、請求項70〜88のいずれか一項に記載のハンドヘルド型計測装置。
  90. 既知の標的分析物濃度を有する複数の溶液を試験することによってハンドヘルド型計測装置を較正する方法であって、
    (a)該複数の溶液それぞれに関して参照電極と作用電極との間に入力電圧を印加する工程;
    (b)プログラマブルマイクロコントローラを使用して、該入力電圧を出力電流と比較することにより、該複数の溶液それぞれに関してインピーダンスを計算する工程;
    (c)式zi=b1x2+b2x+cの係数を計算する工程であって、式中、ziはインピーダンスであり、xは既知の標的分析物濃度であり、かつb1、b2、およびcは係数である、工程
    を含む、方法。
  91. (a)請求項26〜60のいずれか一項に記載のコンフォーマル回路;および
    (b)請求項70〜89のいずれか一項に記載のハンドヘルド型計測装置
    を含む、キット。
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