JP2016522177A - ジヒドロピラジノ−ピラジンによる癌治療 - Google Patents

ジヒドロピラジノ−ピラジンによる癌治療 Download PDF

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Abstract

ジヒドロピラジノ-ピラジンの有効量を、染色体11q22の欠失又は血管拡張性失調症変異型発現の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する患者へ投与することを含む、染色体11q22の欠失又は血管拡張性失調症変異型発現の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を治療又は予防する方法が、本明細書において提供される。【選択図】なし

Description

本願は、2013年4月17日に出願された米国特許仮出願第61/813,026号の利益を主張し、これらの内容は、その全体が参照により本明細書中に組み込まれている。
(1. 分野)
ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量を、染色体11qの全て又は一部の欠失、血管拡張性失調症変異(ATM)をコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)を有する患者に投与することを含む、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCを治療又は予防する方法を、本明細書中に提供する。
(2. 背景)
異常なタンパク質リン酸化と疾患の原因又は結果との間の関係は、20年以上の間知られている。従って、プロテインキナーゼは、薬物標的の非常に重要な群となっている。Cohenの文献、Nature, 1:309-315 (2002)を参照されたい。様々なプロテインキナーゼ阻害剤が、癌、並びに糖尿病及び脳卒中を含む慢性炎症性疾患など、多種多様な疾患の治療において臨床的に使用されている。Cohenの文献、Eur. J. Biochem., 268:5001-5010 (2001)、「疾患治療に関するプロテインキナーゼ阻害剤:展望と問題点(Protein Kinase Inhibitors for the Treatment of Disease: The Promise and the Problems)」、Handbook of Experimental Pharmacology, Springer Berlin Heidelberg, 167 (2005)を参照されたい。
プロテインキナーゼは、タンパク質リン酸化を触媒し、細胞シグナル伝達において重要な役割を果たす、大きく且つ多様な酵素のファミリーである。プロテインキナーゼは、それらの標的タンパク質に応じて、ポジティブ又はネガティブな調節効果を及ぼし得る。プロテインキナーゼは、限定はされないが、代謝、細胞周期進行、細胞接着、血管機能、アポトーシス、及び血管新生などの細胞機能を調節する特定のシグナル経路に関与する。細胞シグナル伝達の機能不全は、多くの疾患と関連しており、その最も特徴付けられるものには、癌及び糖尿病を含む。サイトカインによるシグナル伝達の制御、並びにシグナル分子と癌原遺伝子及び腫瘍抑制遺伝子との関連は、十分に実証されている。同様に、糖尿病及び関連の状態と、調節解除されたプロテインキナーゼレベルとの間の関連も示されている。例えば、Sridharらの文献、Pharmaceutical Research, 17(11):1345-1353 (2000)を参照されたい。また、ウイルス感染及びそれと関連の状態も、プロテインキナーゼの調節と関係している。Parkらの文献、Cell 101(7):777-787 (2000)。
プロテインキナーゼは、代謝、細胞増殖、細胞分化及び細胞生存を含むほとんど全ての細胞プロセスを調節するので、これらは、種々の疾患状態に対する治療的介入の魅力的な標的となっている。例えば、プロテインキナーゼが中心的役割を果たす細胞周期制御及び血管新生は、限定はされないが、癌、炎症性疾患、異常血管新生及びそれと関連の疾患、アテローム性動脈硬化症、黄斑変性症、糖尿病、肥満症並びに疼痛などの多数の疾患状態と関連する細胞プロセスである。
プロテインキナーゼは、癌の治療のための魅力的な標的となっている。Fabbroらの文献、Pharmacology & Therapeutics 93:79-98 (2002)。ヒト悪性腫瘍の発達におけるプロテインキナーゼの関与は、以下によって起こり得ることが提示されている:(1) ゲノム再配列(例えば、慢性骨髄性白血病におけるBCR-ABL)、(2) 構成的活性型キナーゼ活性をもたらす変異、例えば、急性骨髄性白血病及び胃腸腫瘍など、(3) 癌遺伝子の活性化又は腫瘍抑制機能の喪失による、キナーゼ活性の調節解除、例えば、癌遺伝子RASによる癌におけるものなど、(4) 過剰発現によるキナーゼ活性の調節解除、EGFRの場合のもの、及び(5) 新生物表現型の発達及び維持の一因となり得る、増殖因子の異所発現。Fabbroらの文献、Pharmacology & Therapeutics 93:79-98 (2002)。
プロテインキナーゼ経路の複雑さ、並びに様々なプロテインキナーゼとキナーゼ経路の中の、及びそれらの間の、関係及び相互作用の複雑性の解明は、複数のキナーゼ又は複数のキナーゼ経路上の有益な活性を有する、プロテインキナーゼの修飾因子、制御因子又は阻害剤として作用することが可能な医薬品を開発することの重要性を強調している。従って、新規キナーゼ修飾因子に対する必要性は依然として存在している。
mTOR(哺乳動物ラパマイシン標的)と命名されたタンパク質(これは、FRAP、RAFTI又はRAPT1とも呼ばれる)は、2549個のアミノ酸のSer/Thrプロテインキナーゼであり、細胞成長及び細胞増殖を調節するmTOR/PI3K/Akt経路において、最も重要なタンパク質の1つであることが示されている。Georgakis及びYounesの文献、Expert Rev. Anticancer Ther. 6(1):131-140 (2006)。mTORは2種類の複合体、mTORC1及びmTORC2で存在する。mTORC1は、ラパマイシン類似体(テムシロリムス又はエベロリムスなど)に感受性があり、mTORC2は、概して、ラパマイシン非感受性である。注目すべきことに、ラパマイシンは、TORキナーゼ阻害剤ではない。いくつかのmTOR阻害剤が、癌治療の臨床試験において、評価されたか又は評価中である。テムシロリムスは、2007年に、腎細胞癌における使用が認可され、シロリムスは、1999年に、腎移植拒絶反応の予防のために認可された。エベロリムスは、2009年に、血管内皮増殖因子受容体阻害剤において進行した腎細胞癌患者に対して、2010年には、治療は必要であるが外科的切除の候補ではない患者における結節硬化症(TS)に随伴した上衣下巨細胞性星状細胞腫(SEGA)に対して、及び2011年には、切除不能な局所的に進行性の又は転移性の疾患を伴う患者における進行性膵神経内分泌腫瘍(PNET)に対して、認可された。依然追加のTORキナーゼ阻害剤の必要性が存在している。
DNA-依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)は、DNA二本鎖切断(DSB)の修復に関与したセリン/トレオニンキナーゼである。DSBは、最も致命的なDNA病変であると考えられ、内因性に又は電離放射線及び化学療法剤に反応して起こる(総説については、Jackson, S. P.、Bartek, J.の文献、「ヒト生物学及び疾患におけるDNA-損傷反応(The DNA-damage response in human biology and disease)」、Nature Rev 2009;461:1071-1078を参照されたい)。DSBは、修復されずに残ると、細胞周期の停止及び/又は細胞死につながる(Hoeijmakers, J. H. J.の文献、「癌予防のためのゲノム維持機構(Genome maintenance mechanisms for preventing cancer)」、Nature 2001;411: 366-374;van Gent, D. C.、Hoeijmakers, J. H.、Kanaar, R.の文献、「染色体の安定性とDNA二本鎖切断の関連(Chromosomal stability and the DNA double-stranded break connection)」、Nat Rev Genet 2001;2: 196-206)。この損傷に対し反応して、細胞は、そのような切断を修復するための複雑な機序を発達させ、且つこれらの機序は、治療抵抗性の基礎を形成し得る。DSBの修復に使用される2つの主要経路である、非-相同末端結合(NHEJ)及び相同組換え(HR)が存在する。NHEJは、DNAの切断された末端を一緒にし、二次鋳型とは無関係に、それらを再度結合させる(Collis, S. J.、DeWeese, T. L.、Jeggo P. A.、Parker, A.R.の文献、「DNA-PKの生と死(The life and death of DNA-PK)」、Oncogene 2005;24: 949-961)。対照的に、HRは、忠実な修復を媒介する鋳型を提供する姉妹染色分体の接近度(proximity)に左右される(Takata, M.、Sasaki, M. S.、Sonoda, E.、Morrison, C.、Hashimoto, M.、Utsumi, H.らの文献、「脊椎動物細胞における染色体完全性の維持において重複する役割を有するDNA二本鎖切断修復の相同組換え及び非相同末端結合の経路(Homologous recombination and non-homorogous end-joining pathways of DNA double-strand break repair have overlapping roles in the maintenance of chromosomal integrity in vertebrate cells)」、EMBO J 1998;17: 5497-5508;Haber, J. E.の文献、「二本鎖切断の修復におけるパートナー及び経路(Partners and pathways repairing a double-strand break)」、Trends Genet 2000;16: 259-264)。NHEJは、DSBの大半を修復する。NHEJにおいて、DSBは、DNA-PKの触媒性サブユニットに結合し、その後これを活性化する、Kuタンパク質により認識される。これは、末端処理酵素、ポリメラーゼ及びDNAリガーゼIVの動員及び活性化に繋がる(Collis, S. J.、DeWeese, T. L.、Jeggo P. A.、Parker, A.R.の文献、「DNA-PKの生と死(The life and death of DNA-PK)」、Oncogene 2005;24: 949-961)。NHEJは、DNA-PKにより主に制御され、結果的にDNA-PKの阻害は、外因的に誘導されたDSBに対する修復反応を修飾する魅力的な方策である。NHEJ経路の構成要素中の細胞欠損は、DSB修復の欠陥であり、且つ電離放射線及びトポイソメラーゼ毒に対し感受性が高い(Smith, G. C. M.、Jackson, S.P.の文献、「DNA-依存性プロテインキナーゼ(The DNA-dependent proteinkinase)」、Genes Dev 1999;13: 916-934;Jeggo, P.A.、Caldecott, K.、Pidsley, S.、Banks, G.R.の文献、「トポイソメラーゼII阻害剤に対するDNA二本鎖切断の修復におけるチャイニーズハムスター卵巣変異体欠損の感度(Sensitivity of Chinese hamster ovary mutants defective in DNA double strand break repair to topoisomerase II inhibitors)」、Cancer Res., 1989;49: 7057-7063により検証)。DNA-PK阻害剤は、治療的に誘導されたDSBに対する癌細胞増感と同じ効果を有することが報告されている(Smith, G. C. M.、Jackson, S.P.の文献、「DNA-依存性プロテインキナーゼ(The DNA-dependent protein kinase)」、Gene DEV. 1999;13: 916-934)。
本願の第2節中のいずれの文献の引用又は特定も、該文献が本願の先行技術であるとの承認として解釈されるものではない。
(3. 概要)
染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、ATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)を治療又は予防する方法であって、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量を、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、ATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCを有する患者へ投与することを含む方法を、本明細書に提供する。
特定の実施態様において、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCを有する患者における、完全奏効、部分奏効又は病状安定の固形癌の奏効評価基準(例えば、RECIST 1.1)を達成する方法であって、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量を、該患者へ投与することを含む方法を、本明細書に提供する。
一部の実施態様において、HNSCCは、染色体11qの全て又は一部の欠失により特徴づけられる。他の実施態様において、HNSCCは、染色体11q22の欠失により特徴づけられる。別に、HNSCCは、ATMコードしている遺伝子の喪失又は変異により特徴づけられる。更に別に、HNSCCは、ATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる。
一部の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、本明細書に記載された化合物である。
本実施態様は、詳細な説明、及び非限定的実施態様を例示することを意図している実施例を参照することによって、より完全に理解することができる。
(4. 詳細な説明)
(4.1 定義)
「アルキル」基は、1〜10の炭素原子、典型的には、1〜8の炭素、又は一部の実施態様においては、1〜6、1〜4若しくは2〜6の炭素原子を有する、飽和した、部分的に飽和した又は不飽和の、直鎖若しくは分枝の非環式炭化水素である。代表的なアルキル基を挙げると、-メチル、-エチル、-n-プロピル、-n-ブチル、-n-ペンチル及び-n-ヘキシルがあり;一方、飽和分枝アルキルを挙げると、-イソプロピル、-sec-ブチル、-イソブチル、-tert-ブチル、-イソペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチルなどがある。不飽和アルキル基の例を挙げると、特に、ビニル、アリル、-CH=CH(CH3)、-CH=C(CH3)2、-C(CH3)=CH2、-C(CH3)=CH(CH3)、-C(CH2CH3)=CH2、-C≡CH、-C≡C(CH3)、-C≡C(CH2CH3)、-CH2C≡CH、-CH2C≡C(CH3)及び-CH2C≡C(CH2CH3)があるが、これらに限定されない。アルキル基は、置換されるか又は非置換であることができる。特定の実施態様において、本明細書記載のアルキル基が「置換されている」と称される場合、これらは、本明細書記載の例証的化合物及び実施態様において認められるもののような任意の一又は複数の置換基、加えてハロゲン(塩素、ヨウ素、臭素又はフッ素);ヒドロキシル;アルコキシ;アルコキシアルキル;アミノ;アルキルアミノ;カルボキシ;ニトロ;シアノ;チオール;チオエーテル;イミン;イミド;アミジン;グアニジン;エナミン;アミノカルボニル;アシルアミノ;ホスホナト;ホスフィン;チオカルボニル;スルホニル;スルホン;スルホンアミド;ケトン;アルデヒド;エステル;尿素;ウレタン;オキシム;ヒドロキシルアミン;アルコキシアミン;アラルコキシアミン;N-オキシド;ヒドラジン;ヒドラジド;ヒドラゾン;アジド;イソシアナート;イソチオシアナート;シアナート;チオシアナート;B(OH)2、又はO(アルキル)アミノカルボニルにより、置換されてよい。
「アルケニル」基は、2〜10の炭素原子、典型的には2〜8の炭素原子を有し、且つ少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含む、直鎖又は分枝の非環式炭化水素である。代表的直鎖及び分枝の(C2-C8)アルケニルを挙げると、-ビニル、-アリル、-1-ブテニル、-2-ブテニル、-イソブテニル、-1-ペンテニル、-2-ペンテニル、-3-メチル-1-ブテニル、-2-メチル-2-ブテニル、-2,3-ジメチル-2-ブテニル、-1-ヘキセニル、-2-ヘキセニル、-3-ヘキセニル、-1-ヘプテニル、-2-ヘプテニル、-3-ヘプテニル、-1-オクテニル、-2-オクテニル、-3-オクテニルなどがある。アルケニル基の二重結合は、別の不飽和基と共役されないか又は共役されることができる。アルケニル基は、非置換又は置換であることができる。
「シクロアルキル」基は、任意に1〜3のアルキル基で置換され得る単一の環又は複数の縮合環若しくは架橋環を有する、炭素原子3〜10の飽和又は部分的に飽和の環状アルキル基である。一部の実施態様において、シクロアルキル基は、3〜8環員を有するのに対し、他の実施態様においては、環炭素原子の数は、3〜5、3〜6、又は3〜7の範囲である。そのようなシクロアルキル基を例として挙げると、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、1-メチルシクロプロピル、2-メチルシクロペンチル、2-メチルシクロオクチルなどの単環構造、又は例えば、アダマンチルなどの、複数の若しくは架橋した環構造がある。不飽和シクロアルキル基の例を挙げると、特に、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニルなどがある。シクロアルキル基は、置換又は非置換であることができる。そのような置換シクロアルキル基を例として挙げると、シクロヘキサノンなどがある。
「アリール」基は、単環(例えば、フェニル)又は複数の縮合環(例えば、ナフチル又はアントリル)を有する、炭素原子6〜14の芳香族炭素環基である。一部の実施態様において、アリール基は、炭素6〜14を含み、他においては、基の環部分に6〜12又は6〜10もの炭素原子を含む。特定のアリールを挙げると、フェニル、ビフェニル、ナフチルなどがある。アリール基は、置換又は非置換であることができる。また語句「アリール基」には、縮合芳香族-脂肪族環系(例えば、インダニル、テトラヒドロナフチルなど)などの縮合環を含む基も含まれる。
「ヘテロアリール」基は、複素芳香族環系の環原子として、1〜4のヘテロ原子を有し、残りの原子は炭素原子である、アリール環系である。一部の実施態様において、ヘテロアリール基は、環原子5〜6を含み、他においては、基の環部分に6〜9又は6〜10もの原子を含む。適当なヘテロ原子を挙げると、酸素、硫黄及び窒素がある。特定の実施態様において、ヘテロアリール環系は、単環式又は二環式である。非限定的例を挙げると、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、フラニル、ベンゾフラニル(例えば、イソベンゾフラン-1,3-ジイミン)、インドリル、アザインドリル(例えば、ピロロピリジル又は1H-ピロロ[2,3-b]ピリジル)、インダゾリル、ベンズイミダゾリル(例えば、1H-ベンゾ[d]イミダゾリル)、イミダゾピリジル(例えば、アザベンズイミダゾリル、3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジル又は1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジル)、ピラゾロピリジル、トリアゾロピリジル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イソオキサゾロピリジル、チアナフタレニル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、キノキサリニル及びキナゾリニル基などの基があるが、これらに限定されない。
「ヘテロシクリル」は、1〜4の環炭素原子が独立して、O、S及びNからなる群のヘテロ原子と置き換えられている、芳香族(ヘテロアリールとも呼ばれる。)又は非芳香族シクロアルキルである。一部の実施態様において、ヘテロシクリル基は、3〜10環員を含むのに対し、他のそのような基は、3〜5、3〜6又は3〜8環員を有する。またヘテロシクリルは、任意の環原子(すなわち、ヘテロシクリル環の任意の炭素原子又はヘテロ原子)で他の基に結合され得る。ヘテロシクロアルキル基は、置換又は非置換であることができる。ヘテロシクリル基は、不飽和の、部分的に飽和した及び飽和した環系、例えば、イミダゾリル、イミダゾリニル及びイミダゾリジニル基などを包含する。語句ヘテロシクリルには、縮合芳香族及び非芳香族基、例えば、ベンゾトリアゾリル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシニル、及びベンゾ[1,3]ジオキソリルなどを含むものを含む、縮合環種がある。この語句には、限定はされないが、キヌクリジルなど、ヘテロ原子を含む架橋多環式環系も含まれる。ヘテロシクリル基の代表的な例を挙げると、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソリル、フラニル、チオフェニル、ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアゾリニル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル(例えば、テトラヒドロ-2H-ピラニル)、テトラヒドロチオピラニル、オキサチアン、ジオキシル、ジチアニル、ピラニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロジチイニル、ジヒドロジチオニル、ホモピペラジニル、キヌクリジル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、アザインドリル(ピロロピリジル)、インダゾリル、インドリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンズチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾジチイニル、ベンゾオキサチイニル、ベンゾチアジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ピラゾロピリジル、イミダゾピリジル(アザベンズイミダゾリル;例えば、1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジル又は1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2(3H)-オニル)、トリアゾロピリジル、イソオキサゾロピリジル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、キノリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、チアナフタレニル、ジヒドロベンゾチアジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロインドリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、テトラヒドロインドリル、テトラヒドロインダゾリル、テトラヒドロベンズイミダゾリル、テトラヒドロベンゾトリアゾリル、テトラヒドロピロロピリジル、テトラヒドロピラゾロピリジル、テトラヒドロイミダゾピリジル、テトラヒドロトリアゾロピリジル、及びテトラヒドロキノリニル基があるが、これらに限定されない。代表的な置換ヘテロシクリル基は、限定はされないが、例えば、下記に記載されるものなどの様々な置換基で、2-、3-、4-、5-若しくは6-位置換された又は二置換されたピリジル又はモルホリニル基など、一置換又は複数置換されていてよい。
「シクロアルキルアルキル」基は、式:-アルキル-シクロアルキルのラジカル(radical)であり、式中、アルキル及びシクロアルキルは、上に規定されたものである。置換シクロアルキルアルキル基は、基のアルキル部、シクロアルキル部、又はアルキルとシクロアルキル部の両方で置換されてもよい。代表的なシクロアルキルアルキル基を挙げると、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、及びシクロヘキシルプロピルがあるが、これらに限定されない。代表的な置換シクロアルキルアルキル基は、一置換又は複数置換されていてよい。
「アラルキル」基は、式:-アルキル-アリールのラジカルであり、式中、アルキル及びアリールは、上に規定されたものである。置換アラルキル基は、基のアルキル部、アリール部、又はアルキルとアリール部の両方で置換されていてよい。代表的なアラルキル基を挙げると、ベンジル及びフェネチル基、並びに4-エチル-インダニルなどの縮合(シクロアルキルアリール)アルキル基があるが、これらに限定されない。
「ヘテロシクリルアルキル」基は、式:-アルキル-ヘテロシクリルのラジカルであり、式中、アルキル及びヘテロシクリルは、上に規定されたものである。置換ヘテロシクリルアルキル基は、基のアルキル部、ヘテロシクリル部、又はアルキルとヘテロシクリル部の両方で置換されていてよい。代表的なヘテロシクリルアルキル基を挙げると、4-エチル-モルホリニル、4-プロピルモルホリニル、フラン-2-イルメチル、フラン-3-イルメチル、ピルジン-3-イルメチル、(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル、(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル、テトラヒドロフラン-2-イルメチル、テトラヒドロフラン-2-イルエチル、及びインドール-2-イルプロピルがあるが、これらに限定されない。
「ハロゲン」は、クロロ、ヨード、ブロモ又はフルオロである。
「ヒドロキシアルキル」基は、1以上のヒドロキシ基で置換された上記のアルキル基である。
「アルコキシ」基は、-O-(アルキル)であり、式中、アルキルは、上に規定されたものである。
「アルコキシアルキル」基は、-(アルキル)-O-(アルキル)であり、式中、アルキルは、上に規定されたものである。
「アミン」基は、式:-NH2のラジカルである。
「ヒドロキシルアミン」基は、式:-N(R)OH又は-NHOHのラジカルであり、式中、Rは、上に規定されている、置換又は非置換のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキル基である。
「アルコキシアミン」基は、式:-N(R)O-アルキル又は-NHO-アルキルのラジカルであり、式中、Rは上に規定されたものである。
「アラルコキシアミン」基は、式:-N(R)O-アリール又は-NHO-アリールのラジカルであり、式中、Rは上に規定されたものである。
「アルキルアミン」基は、式:-NH-アルキル又は-N(アルキル)2のラジカルであり、式中、各アルキルは独立して、上に規定されたものである。
「アミノカルボニル」基は、式:-C(=O)N(R)2、-C(=O)NH(R)又は-C(=O)NH2のラジカルであり、式中、Rは上に規定されたものである。
「アシルアミノ」基は、式:-NHC(=O)(R)又は-N(アルキル)C(=O)(R)のラジカルであり、式中、各アルキル及びRは独立して、上に規定されたものである。
「O(アルキル)アミノカルボニル」基は、式:-O(アルキル)C(=O)N(R)2、-O(アルキル)C(=O)NH(R)、又は-O(アルキル)C(=O)NH2のラジカルであり、式中、各Rは独立して、上に規定されたものである。
「N-オキシド」基は、式:-N+-O-のラジカルである。
「カルボキシ」基は、式:-C(=O)OHのラジカルである。
「ケトン」基は、式:-C(=O)(R)のラジカルであり、式中、Rは上に規定されたものである。
「アルデヒド」基は、式:-CH(=O)のラジカルである。
「エステル」基は、式:-C(=O)O(R)、又は-OC(=O)(R)のラジカルであり、式中、Rは上に規定されたものである。
「尿素」基は、式:-N(アルキル)C(O)N(R)2、-N(アルキル)C(O)NH(R)、-N(アルキル)C(O)NH2、-NHC(O)N(R)2、-NHC(O)NH(R)、又は-NH(C0)NHRのラジカルであり、式中、各アルキル及びRは独立して、上に規定されたものである。
「イミン」基は、式:-N=C(R)2、又は-C(R)=N(R)のラジカルであり、式中、各Rは独立して、上に規定されたものである。
「イミド」基は、式:-C(=O)N(R)C(=O)(R)、又は-N((C=O)(R))2のラジカルであり、式中、各Rは独立して、上に規定されたものである。
「ウレタン」基は、式:-OC(=O)N(R)2、-OC(=O)NH(R)、-N(R)C(=O)O(R)、又は-NHC(=O)O(R)のラジカルであり、式中、各Rは独立して、上に規定されたものである。
「アミジン」基は、式:-C(=N(R))N(R)2、-C(=N(R))NH(R)、-C(=N(R))NH2、-C(=NH)N(R)2、-C(=NH)NH(R)、-C(=NH)NH2、-N=C(R)N(R)2、-N=C(R)NH(R)、-N=C(R)NH2、-N(R)C(R)=N(R)、-NHC(R)=N(R)、-N(R)C(R)=NH、又は-NHC(R)=NHのラジカルであり、式中、各Rは独立して、上に規定されたものである。
「グアニジン」基は、式:-N(R)C(=N(R))N(R)2、-NHC(=N(R))N(R)2、-N(R)C(=NH)N(R)2、-N(R)C(=N(R))NH(R)、-N(R)C(=N(R))NH2、-NHC(=NH)N(R)2、-NHC(=N(R))NH(R)、-NHC(=N(R))NH2、-NHC(=NH)NH(R)、-NHC(=NH)NH2、-N=C(N(R)2)2、-N=C(NH(R))2、又は-N=C(NH2)2のラジカルであり、式中、各Rは独立して、上に規定されたものである。
「エナミン」基は、式:-N(R)C(R)=C(R)2、-NHC(R)=C(R)2、-C(N(R)2)=C(R)2、-C(NH(R))=C(R)2、-C(NH2)=C(R)2、-C(R)=C(R)(N(R)2)、-C(R)=C(R)(NH(R))、又は-C(R)=C(R)(NH2)のラジカルであり、式中、各Rは独立して、上に規定されたものである。
「オキシム」基は、式:-C(=NO(R))(R)、-C(=NOH)(R)、-CH(=NO(R))、又は-CH(=NOH)のラジカルであり、式中、各Rは独立して、上に規定されたものである。
「ヒドラジド」基は、式:-C(=O)N(R)N(R)2、-C(=O)NHN(R)2、-C(=O)N(R)NH(R)、-C(=O)N(R)NH2、-C(=O)NHNH(R)2、又は-C(=O)NHNH2のラジカルであり、式中、各Rは独立して、上に規定されたものである。
「ヒドラジン」基は、式:-N(R)N(R)2、-NHN(R)2、-N(R)NH(R)、-N(R)NH2、-NHNH(R)2、又は-NHNH2のラジカルであり、式中、各Rは独立して、上に規定されたものである。
「ヒドラゾン」基は、式:-C(=N-N(R)2)(R)2、-C(=N-NH(R))(R)2、-C(=N-NH2)(R)2、-N(R)(N=C(R)2)、又は-NH(N=C(R)2)のラジカルであり、式中、各Rは独立して、上に規定されたものである。
「アジド」基は、式:-N3のラジカルである。
「イソシアナート」基は、式:-N=C=Oのラジカルである。
「イソチオシアナート」基は、式:-N=C=Sのラジカルである。
「シアナート」基は、式:-OCNのラジカルである。
「チオシアナート」基は、式:-SCNのラジカルである。
「チオエーテル」基は、式:-S(R)のラジカルであり、式中、Rは、上に規定されたものである。
「チオカルボニル」基は、式:-C(=S)(R)のラジカルであり、式中、Rは、上に規定されたものである。
「スルフィニル」基は、式:-S(=O)(R)のラジカルであり、式中、Rは、上に規定されたものである。
「スルホン」基は、式:-S(=O)2(R)のラジカルであり、式中、Rは、上に規定されたものである。
「スルホニルアミノ」基は、式:-NHSO2(R)、又は-N(アルキル)SO2(R)のラジカルであり、式中、各アルキル及びRは、上に規定されたものである。
「スルホンアミド」基は、式:-S(=O)2N(R)2、又は-S(=O)2NH(R)、又は-S(=O)2NH2のラジカルであり、式中、各Rは独立して、上に規定されたものである。
「ホスホナト」基は、式:-P(=O)(O(R))2、-P(=O)(OH)2、-OP(=O)(O(R))(R)、又は-OP(=O)(OH)(R)のラジカルであり、式中、各Rは独立して、上に規定されたものである。
「ホスフィン」基は、式:-P(R)2のラジカルであり、式中、各Rは独立して、上に規定されたものである。
アルキル基を例外として、本明細書中に記載の基が、「置換された」と記載される場合、それらは、任意の適切な一又は複数の置換基で置換され得る。置換基の実例は、本明細書中に開示される例示的化合物及び実施態様に見られるもの、並びにハロゲン(クロロ、ヨード、ブロモ又はフルオロ);アルキル;ヒドロキシル;アルコキシ;アルコキシアルキル;アミノ;アルキルアミノ;カルボキシ;ニトロ;シアノ;チオール;チオエーテル;イミン;イミド;アミジン;グアニジン;エナミン;アミノカルボニル;アシルアミノ;ホスホナト;ホスフィン;チオカルボニル;スルフィニル;スルホン;スルホンアミド;ケトン;アルデヒド;エステル;尿素;ウレタン;オキシム;ヒドロキシルアミン;アルコキシアミン;アラルコキシアミン;N-オキシド;ヒドラジン;ヒドラジド;ヒドラゾン;アジド;イソシアナート;イソチオシアナート;シアナート;チオシアナート;酸素(=O);B(OH)2、O(アルキル)アミノカルボニル;シクロアルキル(これは、単環式又は縮合若しくは非縮合多環式(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル)であってよい。)、又はヘテロシクリル(これは、単環式又は縮合若しくは非縮合多環式(例えば、ピロリジル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル又はチアジニル)であってよい。);単環式又は縮合若しくは非縮合多環式アリール又はヘテロアリール(例えば、フェニル、ナフチル、ピロリル、インドリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、アクリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチオフェニル又はベンゾフラニル)アリールオキシ;アラルキルオキシ;ヘテロシクリルオキシ;及びヘテロシクリルアルコキシである。
本明細書中に使用される用語「医薬として許容し得る塩」とは、無機酸及び無機塩基、並びに有機酸及び有機塩基を含む、医薬として許容し得る無毒性の酸又は塩基から製造される塩を指す。ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の適当な医薬として許容し得る塩基付加塩を挙げると、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛から製造される金属塩、又はリジン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)及びプロカインから製造される有機塩があるが、これらに限定されない。適当な無毒性酸を挙げると、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロ酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸及びp-トルエンスルホン酸などの無機酸及び有機酸があるが、これらに限定されない。具体的無毒性酸を挙げると、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸及びメタンスルホン酸がある。従って、具体的塩の例には、塩酸塩及びメシル酸塩が含まれる。他のものも当該分野で周知であり、例えば「レミントンの薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」第18版、Mack Publishing, Easton PA (1990)又はRemingtonの文献:「調剤の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」第19版、Mack Publishing, Easton PA (1995)を参照されたい。
別に示さない限り、本明細書中に使用される用語「包接体」とは、その中に捕捉されたゲスト分子(例えば、溶媒又は水)を有する種(例えば、チャンネル)を含む結晶格子、又はジヒドロピラジノ-ピラジン化合物がゲスト分子である結晶格子の形態のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物又はその塩を意味する。
別に示さない限り、本明細書中に使用される用語「溶媒和物」とは、非共有結合性分子間力によって結合した化学量論的な又は非化学量論的な量の溶媒を更に含むジヒドロピラジノ-ピラジン化合物又はその塩を意味する。一実施態様において、溶媒和物は水和物である。
別に示さない限り、本明細書中に使用される用語「水和物」とは、非共有結合性分子間力によって結合した化学量論的な又は非化学量論的な量の水を更に含むジヒドロピラジノ-ピラジン化合物又はその塩を意味する。
別に示さない限り、本明細書中に使用される用語「プロドラッグ」とは、生物学的条件下(インビトロ又はインビボ)で、加水分解、酸化又はその他の方法で反応して、活性化合物、特に、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を提供することができるジヒドロピラジノ-ピラジン化合物誘導体を意味する。プロドラッグの例を挙げると、例えば、生体加水分解性アミド、生体加水分解性エステル、生体加水分解性カルバメート、生体加水分解性カルボナート、生体加水分解性ウレイド及び生体加水分解性ホスファート類似体などの、生体加水分解性部位を含むジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の誘導体及び代謝物があるが、これらに限定されない。特定の実施態様において、カルボキシル官能基を有する化合物のプロドラッグは、カルボン酸の低級アルキルエステルである。該カルボン酸エステルは、分子上に存在するいずれかのカルボン酸部位をエステル化することによって都合よく形成される。典型的に、プロドラッグは周知の方法、例えば、「バーガーの医薬品化学と新薬の発見(Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery)」第6版、(Donald J. Abraham編集、2001, Wiley)、及び「プロドラッグの設計と応用(Design and Application of Prodrugs)」(H. Bundgaard編集、1985, Harwood Academic Publishers Gmfh)に記載されるものを使用して製造することができる。
別に示さない限り、本明細書中に使用される用語「立体異性体」又は「立体異性体として純粋な」とは、化合物の他の立体異性体を実質的に含まない、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の一立体異性体を意味する。例えば、1つのキラル中心を有する立体異性体として純粋な化合物は、該化合物の反対の鏡像異性体を実質的に含まないことになる。2つのキラル中心を有する立体異性体として純粋な化合物は、該化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まない。典型的な立体異性体として純粋な化合物は、約80重量%より多い該化合物の一立体異性体及び約20重量%より少ない該化合物の他の立体異性体、約90重量%より多い該化合物の一立体異性体及び約10重量%より少ない該化合物の他の立体異性体、約95重量%より多い該化合物の一立体異性体及び約5重量%より少ない該化合物の他の立体異性体、又は約97重量%より多い該化合物の一立体異性体及び約3重量%より少ない該化合物の他の立体異性体を含む。ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物はキラル中心を有することができ、且つラセミ化合物、個別の鏡像異性体又はジアステレオマー、及びそれらの混合物として生じ得る。そのような全ての異性体形態は、それらの混合物を含む本明細書中に開示される実施態様内に含まれる。そのようなジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の立体異性体として純粋な形態の使用、並びにこうした形態の混合物の使用は、本明細書中に開示される実施態様によって包含される。例えば、等量又は非等量の特定のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の鏡像異性体を含む混合物を、本明細書中に開示される方法及び組成物に使用することができる。これらの異性体は、不斉合成されるか、又はキラルカラム若しくはキラル分割剤などの標準的な技術を使用して分割され得る。例えば、Jacques, J.らの文献、「鏡像異性体、ラセミ体及び分割(Enantiomers, Racemates and Resolutions)」(Wiley-Interscience, New York, 1981);Wilen, S. H.らの文献、Tetrahedron 33:2725 (1977);Eliel, E. L.の文献、「炭素化合物の立体化学(Stereochemistry of Carbon Compounds)」(McGraw-Hill, NY, 1962);及びWilen, S. H.の文献、「分割剤及び光学分割の表(Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions)」p.268(E.L. Eliel編集、Univ.of Notre Dame Press, Notre Dame, IN, 1972)を参照されたい。
また、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、E及びZ異性体又はそれらの混合物、並びにシス及びトランス異性体又はそれらの混合物を含み得ることに留意すべきである。特定の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、シス又はトランス異性体のいずれかとして単離される。別の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、シス及びトランス異性体の混合物である。
「互変異性体」は、互いに平衡にある化合物の異性体形態を指す。該異性体形態の濃度は、化合物が見出される環境によって決定し、例えば、該化合物が固体であるか、又は有機溶液若しくは水溶液中にあるのかどうかに応じて異なり得る。例えば、水溶液において、ピラゾールは下記の異性体形態を示し、これらは、互いに互変異性体と呼ばれる:
Figure 2016522177
当業者には容易に理解されるように、多種多様な官能基及び他の構造が、互変異性を示すことができ、且つジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の全ての互変異性体は、本発明の範囲内にある。
ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、1以上の原子で非天然の比率の原子の同位体を含むことができることに留意すべきである。例えば、該化合物は、放射性同位元素、例えば、トリチウム(3H)、ヨウ素-125(125I)、硫黄-35(35S)又は炭素-14(14C)などで放射標識することができるか、又は重水素(2H)、炭素-13(13C)又は窒素-15(15N)などによって同位体的に濃縮することができる。本明細書中に使用される「アイソトポログ(isotopologue)」は、同位体的に濃縮された化合物である。用語「同位体的に濃縮された」とは、その原子の天然の同位体組成以外の同位体組成を有する原子を指す。「同位体的に濃縮された」とはまた、その原子の天然の同位体組成以外の同位体組成を有する少なくとも1つの原子を含んでいる化合物を指す。用語「同位体組成」とは、所与の原子に存在する各同位体の量を指す。放射標識され、同位体的に濃縮された化合物は、治療薬(例えば、癌及び炎症の治療薬)、研究用試薬(例えば、結合アッセイ試薬)、及び診断薬(例えば、インビボ用造影剤)として有用である。本明細書中に記載されるジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の全ての同位体変化は、放射性であるか否かにかかわらず、本明細書中に提供される実施態様の範囲内に包含されることを意図する。一部の実施態様においては、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物のアイソトポログを提供し、例えば、該アイソトポログは、重水素、炭素-13又は窒素-15濃縮されたジヒドロピラジノ-ピラジン化合物である。
描かれた構造とその構造の名称の間に齟齬が存在する場合は、描かれた構造により重きをおくべきであることは、留意すべきである。
本明細書において使用される用語「ATM」とは、DNA二本鎖切断により動員され且つ活性化される、血管拡張性失調症変異(ATM)、セリン/トレオニンプロテインキナーゼをいう。ATMは、DNA損傷のチェックポイントの活性化を開始するいくつかの重要なタンパク質をリン酸化し、これは細胞周期の停止、DNA修復又はアポトーシスにつながる。p53、CHK2及びH2AXを含むこれらの標的のいくつかは、腫瘍抑制因子である。ATM遺伝子は、3056個のアミノ酸からなる、350kDaタンパク質をコードしている。
本明細書において使用される用語「11qの欠失」又は「del11q22」とは、腫瘍細胞内のATM遺伝子を含む第11染色体長腕の全て又は一部の欠失をいう。
本明細書中に使用される「治療すること」は、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCC、又はそれらの症状の全体又は一部の軽減、或いは染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCC、又はそれらの症状の又は更なる進行若しくは増悪の遅延若しくは停止を意味する。一部の実施態様において、HNSCCは、染色体11qの全て又は一部の欠失により特徴づけられる。他の実施態様において、HNSCCは、染色体11q22の欠失により特徴づけられる。別に、HNSCCは、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異により特徴づけられる。更に別に、HNSCCは、ATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる。
本明細書において使用される「予防」は、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCC、又はそれらの症状の全体又は一部の開始、再発は伝播の予防を意味する。一部の実施態様において、HNSCCは、染色体11qの全て又は一部の欠失により特徴づけられる。他の実施態様において、HNSCCは、染色体11q22の欠失により特徴づけられる。別に、HNSCCは、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異により特徴づけられる。更に別に、HNSCCは、ATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる。
ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物に結びつけた用語「有効量」とは、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCに関連する症状の全部若しくは一部を軽減すること、又はそれらの症状の更なる進行若しくは悪化を遅らせること若しくは停止させること、或いは染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCの治療又は予防を可能にする量を意味する。例えば、医薬組成物中のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量は、所望の効果を発揮するであろうレベルとすることができ;例えば、経口及び非経口投与の両方についての単位用量において、対象の体重の約0.005mg/kg〜患者の体重の約100mg/kgとすることができる。当業者には明らかであるように、有効量の本明細書中に記載のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、治療されている適応症の重症度によって変化し得ることが予想される。一部の実施態様において、HNSCCは、染色体11qの全て又は一部の欠失により特徴づけられる。他の実施態様において、HNSCCは、染色体11q22の欠失により特徴づけられる。別に、HNSCCは、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異により特徴づけられる。更に別に、HNSCCは、ATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる。
本明細書において使用される用語「患者」及び「対象」とは、限定はされないが、動物、例えば、雌ウシ、サル、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、又はモルモットなどを含む動物、一実施態様においては、哺乳動物、別の実施態様においては、ヒトを含む。一実施態様において、「患者」又は「対象」は、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCを有するヒトである。一実施態様において、患者は、標準の癌治療時に進行している(又は忍容することができない)対象、又は標準の癌治療が存在しない対象を含む、組織学的又は細胞学的に確認された染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCを有するヒトである。一実施態様において、患者は、染色体11q22の欠失により特徴づけられるHNSCCを有するヒトである。別の実施態様において、患者は、ATM発現の喪失により特徴づけられるHNSCCを有するヒトである。一実施態様において、患者は、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)により測定される、染色体11q22の欠失により特徴づけられるHNSCCを有するヒトである。別の実施態様において、患者は、免疫組織化学(IHC)又はウェスタンブロットにより測定される、ATM発現の喪失により特徴づけられるHNSCCを有するヒトである。一実施態様において、患者は、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)又は遺伝子配列決定により測定される、染色体11qの全て又は一部の欠失により特徴づけられるHNSCCを有するヒトである。別の実施態様において、患者は、FISHにより測定される、ATMをコードしている遺伝子の喪失により特徴づけられるHNSCCを有するヒトである。別の実施態様において、患者は、遺伝子配列決定により測定される、ATMをコードしている遺伝子の変異により特徴づけられるHNSCCを有するヒトである。別の実施態様において、患者は、免疫組織化学(IHC)又はウェスタンブロットにより測定される、ATM発現の喪失により特徴づけられるHNSCCを有するヒトである。別の実施態様において、患者は、配列決定により測定される、変異に起因したATM機能喪失により特徴づけられるHNSCCを有するヒトである。別の実施態様において、患者は、染色体11qの全て又は一部の欠失により特徴づけられるHNSCCを有するヒトである。別の実施態様において、患者は、染色体11q22の欠失により特徴づけられるHNSCCを有するヒトである。別の実施態様において、患者は、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異により特徴づけられるHNSCCを有するヒトである。別の実施態様において、患者は、ATM 発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCを有するヒトである。
染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCの状況において、治療は、とりわけ、疾患進行の阻害、腫瘍成長の阻害、原発性及び/若しくは続発性腫瘍(複数可)の退縮、腫瘍-関連症状の緩和、生活の質の向上、原発性及び/若しくは続発性腫瘍(複数可)の遅れた出現、原発性及び/若しくは続発性腫瘍(複数可)の遅い発達、原発性及び/若しくは続発性腫瘍(複数可)の出現の減少、疾患の副作用の遅延若しくは重症度の減少、腫瘍成長の停止、及び/又は腫瘍の退縮により評価することができる。特定の実施態様において、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCの治療は、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物による治療前、治療時及び/又は治療後の、循環血液及び/又は腫瘍細胞及び/又は皮膚生検標本又は腫瘍生検標本/吸引液中のS6RP、4E-BP1及び/又はAKTのリン酸化の阻害により評価することができる。他の実施態様において、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCの治療は、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物治療前、治療時及び/又は治療後の、DNA損傷経路のバイオマーカーとしてのpDNA-PK S2056の量の評価によるなど、皮膚試料及び/又は腫瘍生検標本/吸引液中のDNA-依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)活性の阻害により評価することができる。一実施態様において、皮膚試料は、UV光により照射される。極端には、完全な阻害は、予防又は化学的予防として本明細書において言及される。この文脈において、用語「予防」は、臨床上明白な染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCの開始をまとめて予防すること、又は染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCの前臨床的に明白な段階の開始を予防することのいずれかを含む。この定義により、悪性細胞への悪性転換の予防、或いは前悪性細胞の悪性細胞への進行の停止若しくは逆行が包含されることも意図される。これは、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCの発症のリスクのある患者の発症予防的治療を含む。
特定の実施態様において、癌の治療は、TORキナーゼ阻害剤、例えばジヒドロピラジノ-ピラジン化合物による治療前、治療時及び/又は治療後の、循環血液及び/又は腫瘍細胞、及び/又は皮膚生検標本若しくは腫瘍生検標本/吸引液中の、S6RP、4E-BP1、AKT及び/又はDNA-PKのリン酸化の阻害により評価することができる。例えば、S6RP、4E-BP1、AKT及び/又はDNA-PKのリン酸化の阻害は、B-細胞、T-細胞及び/又は単球において評価される。
他の実施態様において、癌の治療は、DNA損傷経路のバイオマーカーとしてのpDNA-PK S2056の量の評価によるなど、TORキナーゼ阻害剤、例えばジヒドロピラジノ-ピラジン化合物による治療前、治療時及び/又は治療後の、皮膚試料及び/又は腫瘍生検標本/吸引液中のDNA-依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)活性の阻害により評価することができる。一実施態様において、皮膚試料は、UV光により照射される。
極端には、完全な阻害は、予防又は化学的予防として本明細書において言及される。この文脈において、用語「予防」は、臨床上明白な染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCの開始をまとめて予防すること、又は染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCの前臨床的に明白な段階の開始を予防することのいずれかを含む。この定義により、悪性細胞への悪性転換の予防、或いは前悪性細胞の悪性細胞への進行の停止若しくは逆行が包含されることも意図される。これは、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCの発症のリスクのある患者の発症予防的治療を含む。
(4.2 ジヒドロピラジノ-ピラジン)
本明細書に提供する化合物は、一般に「ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物」と称される、TORキナーゼ阻害剤である。一態様において、TORキナーゼ阻害剤は、ラパマイシン又はラパマイシン類似体(ラパログ)を含まない。
一実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、下記式(I)を有する化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、包接体、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、代謝物及びアイソトポログを含み:
Figure 2016522177
(式中:
R1は、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、又は置換若しくは非置換のヘテロシクリルアルキルであり;
R2は、H、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、置換若しくは非置換のヘテロシクリルアルキル、置換若しくは非置換のアラルキル、又は置換若しくは非置換のシクロアルキルアルキルであり;
R3は、H、又は置換若しくは非置換のC1-8アルキルである。)、
ここで特定の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、以下に描かれた7-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(3-メトキシベンジル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンを含まない:
Figure 2016522177
式(I)の化合物の一部の実施態様において、R1は、置換若しくは非置換のアリール又は置換若しくは非置換のヘテロアリールである。例えば、R1は、各々任意に置換された、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ベンズイミダゾリル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジル、インダゾリル、インドリル、1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジル、1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2(3H)-オンイル、3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジル、又はピラゾリルである。一部の実施態様において、R1は、置換又は非置換のC1-8アルキル(例えばメチル)、置換又は非置換のヘテロシクリル(例えば置換又は非置換のトリアゾリル又はピラゾリル)、アミノカルボニル、ハロゲン(例えばフッ素)、シアノ、ヒドロキシアルキル及びヒドロキシからなる群から独立して選択される1以上の置換基により置換されたフェニルである。他の実施態様において、R1は、置換又は非置換のC1-8アルキル(例えばメチル)、置換又は非置換のヘテロシクリル(例えば置換又は非置換のトリアゾリル)、ハロゲン、アミノカルボニル、シアノ、ヒドロキシアルキル(例えばヒドロキシプロピル)、-OR、及び-NR2からなる群から独立して選択される1以上の置換基により置換されたピリジルであり、ここで各Rは、独立してH、又は置換若しくは非置換のC1-4アルキルである。一部の実施態様において、R1は、置換又は非置換のC1-8アルキル、及び-NR2からなる群から独立して選択される1以上の置換基により任意に置換された1H-ピロロ[2,3-b]ピリジル又はベンズイミダゾリルであり、ここでRは、独立してH、又は置換若しくは非置換のC1-4アルキルである。
一部の実施態様において、R1は:
Figure 2016522177
であり、ここで、Rは、各出現において、独立してH、又は置換若しくは非置換のC1-4アルキル(例えばメチル)であり;R’は、各出現において、独立して置換若しくは非置換のC1-4アルキル(例えばメチル)、ハロゲン(例えばフルオロ)、シアノ、-OR、若しくは-NR2であり;mは、0-3であり;並びに、nは、0-3である。当業者により、置換基R’のいずれかは、縮合環系の任意の環の任意の好適な原子に結合され得ることは、理解されるであろう。
式(I)の化合物の一部の実施態様において、R1は:
Figure 2016522177
であり、ここで、Rは、各出現において、独立してH、又は置換若しくは非置換のC1-4アルキルであり;R’は、各出現において、独立して置換若しくは非置換のC1-4アルキル、ハロゲン、シアノ、-OR、又は-NR2であり;mは、0-3であり;並びに、nは、0-3である。
式(I)の化合物の一部の実施態様において、R2は、H、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、置換若しくは非置換のC1-4アルキル-ヘテロシクリル、置換若しくは非置換のC1-4アルキル-アリール、又は置換若しくは非置換のC1-4アルキル-シクロアルキルである。例えば、R2は、各々任意に置換された、H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、(C1-4アルキル)-フェニル、(C1-4アルキル)-シクロプロピル、(C1-4アルキル)-シクロブチル、(C1-4アルキル)-シクロペンチル、(C1-4アルキル)-シクロヘキシル、(C1-4アルキル)-ピロリジル、(C1-4アルキル)-ピペリジル、(C1-4アルキル)-ピペラジニル、(C1-4アルキル)-モルホリニル、(C1-4アルキル)-テトラヒドロフラニル、又は(C1-4アルキル)-テトラヒドロピラニルである。
他の実施態様において、R2は、H、C1-4アルキル、(C1-4アルキル)(OR)、
Figure 2016522177
であり、ここでRは、各出現において、独立してH、又は置換若しくは非置換のC1-4アルキル(例えばメチル)であり;R’は、各出現において、独立してH、又は-OR、シアノ、又は置換若しくは非置換のC1-4アルキル(例えばメチル)であり;並びに、pは、0-3である。
式(I)の化合物の他の実施態様において、R2は、H、C1-4アルキル、(C1-4アルキル)(OR)、
Figure 2016522177
であり、ここでRは、各出現において、独立してH、又は置換若しくは非置換のC1-2アルキルであり;R’は、各出現において、独立してH、-OR、シアノ、又は置換若しくは非置換のC1-2アルキルであり;並びに、pは、0-1である。
式(I)の化合物の他の実施態様において、R3はHである。
一部の本明細書記載のそのような実施態様において、R1は、置換若しくは非置換のアリール、又は置換若しくは非置換のヘテロアリールである。例えば、R1は、各々任意に置換された、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ベンズイミダゾリル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジル、インダゾリル、インドリル、1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン、ピリジル、1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2(3H)-オンイル、3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジル、又はピラゾリルである。一部の実施態様において、R1は、置換又は非置換のC1-8アルキル、置換又は非置換のヘテロシクリル、アミノカルボニル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシアルキル及びヒドロキシからなる群から独立して選択される1以上の置換基により置換されたフェニルである。別に、R1は、C1-8アルキル、置換又は非置換のヘテロシクリル、ハロゲン、アミノカルボニル、シアノ、ヒドロキシアルキル、-OR、及び-NR2からなる群から独立して選択される1以上の置換基により置換されたピリジルであり、ここで各Rは、独立してH、又は置換若しくは非置換のC1-4アルキルである。更に別に、R1は、置換又は非置換のC1-8アルキル、及び-NR2からなる群から独立して選択される1以上の置換基により任意に置換された1H-ピロロ[2,3-b]ピリジル又はベンズイミダゾリルであり、ここでRは、独立してH、又は置換若しくは非置換のC1-4アルキルである。
式(I)の化合物の一実施態様において、R1は、各々任意に置換された、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ベンズイミダゾリル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジル、インダゾリル、又はインドリルである。一部のそのような実施態様において、R1は、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル(例えば置換若しくは非置換のトリアゾリル)、又はハロゲンからなる群から独立して選択される1以上の置換基により置換されたフェニルである。一部の他のそのような実施態様において、R1は、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル(例えば置換若しくは非置換のトリアゾリル)、ハロゲン、アミノカルボニル、ヒドロキシアルキル、-OR、及び-NR2からなる群から独立して選択される1以上の置換基により置換されたピリジルであり、ここで各Rは、独立してH、又は置換若しくは非置換のC1-4アルキルである。一部の他のそのような実施態様において、R1は、置換又は非置換のC1-8アルキル、及び-NR2からなる群から独立して選択される1以上の置換基により任意に置換された1H-ピロロ[2,3-b]ピリジル又はベンズイミダゾリルであり、ここでRは、独立してH、又は置換若しくは非置換のC1-4アルキルである。
式(I)の化合物の一部の実施態様において、R2は、H、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のC1-4アルキル-ヘテロシクリル、置換若しくは非置換のC1-4アルキル-アリール、又は置換若しくは非置換のC1-4アルキル-シクロアルキルである。一部のそのような実施態様において、R2は、各々任意に置換された、H、メチル、エチル、イソプロピル、シクロヘキシル、(C1-4アルキル)-フェニル、(C1-4アルキル)-シクロヘキシル、又は(C1-4アルキル)-テトラヒドロピラニルである。
R2の一部のそのような実施態様において、R1は、各々任意に置換された、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ベンズイミダゾリル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジル、インダゾリル、又はインドリルである。例えば、R1は、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル(例えば置換若しくは非置換のトリアゾリル)、又はハロゲンからなる群から独立して選択される1以上の置換基により置換されたフェニルである。一部の他のそのような実施態様において、R1は、置換又は非置換のC1-8アルキル、置換又は非置換のヘテロシクリル(例えば置換又は非置換のトリアゾリル)、ハロゲン、アミノカルボニル、ヒドロキシアルキル、-OR、及び-NR2からなる群から独立して選択される1以上の置換基により置換されたピリジルであり、ここで各Rは、独立してH、又は置換若しくは非置換のC1-4アルキルである。
特定の実施態様において、式(I)の化合物は、本明細書に記載のR1基及び本明細書に記載のR2基を有する。
式(I)の化合物の一部の実施態様において、該化合物は、TORキナーゼを阻害する。式(I)の化合物の他の実施態様において、該化合物は、DNA-PKを阻害する。式(I)の化合物の特定の実施態様において、該化合物は、TORキナーゼ及びDNA-PKの両方を阻害する。
式(I)の化合物の一部の実施態様において、該化合物は、濃度10μMで、TORキナーゼ、DNA-PK、PI3K、又はそれらの組合せを、少なくとも約50%阻害する。式(I)の化合物は、任意の好適なアッセイ系において、前記キナーゼの阻害剤であることを示すことができる。
式(I)の代表的ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、以下を含む:
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-((トランス-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-(シス-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-((シス-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-エチル-7-(1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-5-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-((シス-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-((トランス-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-((トランス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-(シス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(シス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-(2-メトキシエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-エチル-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-((シス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-インドール-4-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-((トランス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-((シス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-(トランス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-(トランス-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-イソプロピル-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(トランス-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(トランス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(2-メトキシエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-イソプロピル-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-エチル-7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-ヒドロキシピリジン-4-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-イソプロピル-7-(4-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
5-(8-イソプロピル-7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2-イル)-4-メチルピコリンアミド;
7-(1H-インダゾール-4-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-アミノピリミジン-5-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-アミノピリジン-4-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(メチルアミノ)ピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-ヒドロキシピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(4-(1H-ピラゾール-3-イル)フェニル)-1-(2-メトキシエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(ピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-インダゾール-4-イル)-1-(2-メトキシエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-インダゾール-6-イル)-1-(2-メトキシエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(ピリミジン-5-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-メトキシピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(2-メトキシエチル)-7-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-エチル-7-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-エチル-7-(1H-インダゾール-4-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(ピリジン-4-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-アミノピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-メチル-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-5-(8-(トランス-4-メトキシシクロヘキシル)-7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2-イル)ピリジン 1-オキシド;
4-メチル-5-(7-オキソ-8-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2-イル)ピコリンアミド;
5-(8-((シス-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2-イル)-4-メチルピコリンアミド;
7-(1H-ピラゾール-4-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(トランス-4-メトキシシクロヘキシル)-7-(4-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
3-((7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-2-オキソ-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-1(2H)-イル)メチル)ベンゾニトリル;
1-((トランス-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-7-(4-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
3-(7-オキソ-8-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2-イル)ベンズアミド;
5-(8-((トランス-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2-イル)-4-メチルピコリンアミド;
3-((7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-2-オキソ-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-1(2H)-イル)メチル)ベンゾニトリル;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((1S,3R)-3-メトキシシクロペンチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((1R,3S)-3-メトキシシクロペンチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-インダゾール-6-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-(2-モルホリノエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(トランス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(シス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-(2-モルホリノエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-イソプロピル-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-((シス-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(トランス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(シス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
4-(7-オキソ-8-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2-イル)ベンズアミド;
7-(1H-インダゾール-5-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-((1S,3R)-3-メトキシシクロペンチル)-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-((1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル)-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-((1R,3S)-3-メトキシシクロペンチル)-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-((1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル)-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-インドール-5-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-エチル-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-インドール-6-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(4-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)フェニル)-1-(トランス-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-((トランス-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((シス-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(2-メトキシエチル)-7-(4-メチル-2-(メチルアミノ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(7-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-メチル-4-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(2-メトキシエチル)-7-(4-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-7-(2-メチル-4-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(3-フルオロ-4-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(2-メトキシエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(3-フルオロ-4-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(3-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(2-メトキシエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(トランス-4-メトキシシクロヘキシル)-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-(トランス-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(3-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(2-メトキシエチル)-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((トランス-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(シクロペンチルメチル)-7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(4-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)フェニル)-1-(2-メトキシエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
(S)-7-(6-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
(R)-7-(6-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(4-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)フェニル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-(3-(トリフルオロメチル)ベンジル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-(3-メトキシプロピル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(4-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-(2-メトキシエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(4-メチル-2-(メチルアミノ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-アミノ-4-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
(R)-7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-3-メチル-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
(S)-7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-3-メチル-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-3,3-ジメチル-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-アミノ-4-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(4-(1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)フェニル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;及び
1-(2-ヒドロキシエチル)-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン、
並びに、それらの医薬として許容し得る塩、包接体、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、代謝物及びアイソトポログ。
(4.3 ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の製造方法)
ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、標準の周知の合成方法により、入手することができ、例えばMarch, J.の文献、「最新有機化学:反応機構及び構造(Advanced Organic Chemistry;Reactions Mechanisms, and Structure)」、第4版、1992年を参照されたい。従って式(I)の化合物及び中間体の調製に有用な出発材料は、市販されているか、又は公知の合成方法及び試薬を使用し、市販の材料から調製することができる。
式(I)の化合物を調製する特定の方法は、2012年2月7日に発行された米国特許第8,110,578号、及び2013年10月29日に発行された米国特許第8,569,494号に開示されており、各特許はそれらの全体が引用により本明細書中に組み込まれている。
(4.4 使用方法)
染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌(HNSCCとも称される)の治療又は予防の方法であって、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量を、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCを有する患者へ投与することを含む方法を、本明細書に提供する。特定の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、治癒的外科的切除を受入難い、局所的に進行した、再発性又は転移性の、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCを有する患者へ投与される。別の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、少なくとも1回一連の白金ベースの化学療法を受けたことがある、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCを有する患者へ投与される。一部の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、DNA-PK過剰発現を示すHNSCCを有する患者へ投与される。一部の実施態様において、HNSCCは、染色体11qの全て又は一部の欠失により特徴づけられる。他の実施態様において、HNSCCは、染色体11q22の欠失により特徴づけられる。別に、HNSCCは、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異により特徴づけられる。更に別に、HNSCCは、ATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる。
特定の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、染色体11qの全て又は一部の欠失により特徴づけられるHNSCCを有する患者に投与される。特定の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、染色体11q22の欠失により特徴づけられるHNSCCを有する患者に投与される。特定の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異により特徴づけられるHNSCCを有する患者に投与される。特定の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、ATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCを有する患者に投与される。特定の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、染色体11q22の欠失により特徴づけられるHNSCCを有する患者に投与される。一部の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、血管拡張性失調症変異(ATM)発現の喪失により特徴づけられるHNSCCを有する患者に投与される。特定の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、FISH分析により測定される、染色体11q22の欠失により特徴づけられるHNSCCを有する患者に投与される。特定の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、IHC分析又はウェスタンブロットにより測定される、ATM発現の喪失により特徴づけられるHNSCCを有する患者に投与される。
一実施態様において、患者は、嚥下ができないか、又は嚥下困難を有する。一部のそのような実施態様において、患者は、小児患者である。
一実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量を投与することを含む、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCを有する患者において完全奏効、部分奏効又は病状安定の、固形癌における奏効評価基準(例えば、RECIST 1.1)を達成する方法(Eisenhauer E.A.、Therasse P.、Bogaerts J.らの文献、「固形癌における新規奏効評価基準:改訂RECIST指針1.1(New response evaluation criteria in solid tumors: Revised RECIST guideline version 1.1)」、European J. Cancer; 2009; (45) 228-247参照)を、本明細書に提供する。
一実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量を、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する患者へ投与することを含む、該患者において、S6RP、4E-BP1及び/又はAKTのリン酸化を阻害する方法を、本明細書に提供する。一部のそのような実施態様において、リン酸化の阻害は、循環血液及び/又は腫瘍細胞、皮膚生検標本及び/又は腫瘍生検標本若しくは吸引液などの、患者の生体試料において評価される。そのような実施態様において、リン酸化の阻害の量は、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与前と投与後の、ホスホ-S6RP、4E-BP1及び/又はAKTの量の比較により評価される。特定の実施態様において、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する患者へジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量を投与すること、該患者においてリン酸化されたS6RP、4E BP1及び/又はAKTの量を測定すること、並びに該リン酸化されたS6RP、4E BP1及び/又はAKTの量を、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与前の該患者の量と比較することを含む、該患者におけるS6RP、4E-BP1又はAKTのリン酸化の阻害を測定する方法を、本明細書に提供する。
特定の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量を染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する患者に投与すること、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与前及び投与後に得られた患者の生体試料中のリン酸化されたS6RP、4E-BP1及び/又はAKTの量を比較することを含む、該患者の生体試料中のS6RP、4E-BP1又はAKTのリン酸化を阻害する方法を、本明細書に提供し、ここで該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与前に得られた該生体試料中のリン酸化されたS6RP、4E-BP1及び/又はAKTの量と比べ、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与後に得られた該生体試料中のより少ないリン酸化されたS6RP、4E-BP1及び/又はAKTは、阻害を示す。
一実施態様において、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する患者にジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量を投与することを含む、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCを有する患者におけるDNA-依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)活性を阻害する方法を、本明細書に提供する。一部の実施態様において、DNA-PK阻害は、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する患者の皮膚において、一例において該患者のUV光-照射された皮膚試料において、評価される。別の実施態様において、DNA-PK阻害は、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する患者の腫瘍生検標本又は吸引液中で評価される。一実施態様において、阻害は、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与前及び投与後のリン酸化されたDNA-PK S2056(pDNA-PK S2056としても公知)の量を測定することにより、評価される。特定の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量を染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する患者へ投与すること、皮膚試料中に存在するリン酸化されたDNA-PK S2056の量を測定すること、並びに該リン酸化されたDNA-PK S2056の量を、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量の投与前の該患者由来の皮膚試料中の量と比較することを含む、該患者の皮膚試料中のDNA-PK S2056のリン酸化の阻害を測定する方法を、本明細書に提供する。一実施態様において、皮膚試料は、UV光により照射されている。
特定の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量を染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する患者へ投与すること、並びに該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与前及び投与後に得られた患者の生体試料中のリン酸化されたDNA-PKの量を比較することを含む、該患者の皮膚試料中のDNA-依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)活性を阻害する方法を、本明細書に提供し、ここで該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与前に得られた該生体試料中のリン酸化されたDNA-PKの量と比べ、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与後に得られた該生体試料中のより少ないリン酸化されたDNA-PKは、阻害を示す。
一部の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、本明細書記載の化合物である。一実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、化合物1(分子式C16H16N8Oを有する本明細書記載のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物)である。一実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、化合物2(分子式C21H27N5O3を有する本明細書記載のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物)である。一実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、化合物3(分子式C20H25N5O3を有する本明細書記載のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物)である。一実施態様において、化合物1は、1-エチル-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン、又はそれらの互変異性体、例えば、1-エチル-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン、若しくは1-エチル-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンである。一実施態様において、化合物2は、7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((1r,4r)-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ-[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン、或いは7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((トランス)-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン、若しくは7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((1R*,4R*)-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンと称されるものである。別の実施態様において、化合物3は、1-((トランス)-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン、或いは1-((1r,4r)-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンと称されるものである。一実施態様において、化合物3は、化合物2の代謝物である。
ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、放射線治療又は手術と組合せることができる。特定の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、放射線治療を受けている患者、過去に放射線治療を受けたことがある患者又は今後放射線治療を受けるであろう患者へ投与される。特定の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、HNSCC除去手術を受けた患者へ投与される。
更に染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌について先に治療されたが、標準療法に反応しなかった患者、並びに先に治療されていない患者を治療する方法を、本明細書に提供する。更に、問題の状態を治療する試みで手術を受けた患者、並びに受けていない患者を治療する方法を、本明細書に提供する。染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を伴う患者は、均一でない臨床徴候及び一様でない臨床転帰を有し得るので、患者にもたらされる治療は、その患者の予後に応じて変動し得る。熟練した臨床医は、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する個々の患者を治療するために効果的に使用することができる具体的な二次薬物、手術の種類、及び薬物ベースでない標準療法の種類を、過度な実験を行わずに容易に決定することができるであろう。
一実施態様において、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌は、PI3K/mTOR経路が活性化されているものである。特定の実施態様において、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌は、PTEN喪失、PIK3Ca変異又はEGFR過剰発現、又はそれらの組合せのために、PI3K/mTOR経路が活性化されているものである。
一部の実施態様において、HNSCCは、染色体11qの全て又は一部の欠失により特徴づけられる。他の実施態様において、HNSCCは、染色体11q22の欠失により特徴づけられる。別に、HNSCCは、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異により特徴づけられる、更に別に、HNSCCは、ATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる。
(4.5 医薬組成物及び投与経路)
有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を含む組成物、並びに有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物及び医薬として許容し得る担体又はビヒクルを含む組成物を本明細書中に提供する。一部の実施態様において、本明細書中に記載の医薬組成物は、経口投与、非経口投与、粘膜投与、経皮投与又は局所投与に適している。
ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、製剤の従来形態、例えば、カプセル剤、マイクロカプセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤、丸剤、坐剤、注射剤、懸濁剤及びシロップ剤で、経口又は非経口的に患者へ投与することができる。適当な製剤は、従来の有機又は無機添加物、例えば、賦形剤(例えば、スクロース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、グルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシウム、又は炭酸カルシウム)、結合剤(例えば、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリプロピルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、スクロース、又はデンプン)、崩壊剤(例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、又はクエン酸カルシウム)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルク、又はラウリル硫酸ナトリウム)、香味剤(例えば、クエン酸、メントール、グリシン、又はオレンジパウダー)、保存剤(例えば、安息香酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メチルパラベン、又はプロピルパラベン)、安定剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、又は酢酸)、懸濁化剤(例えば、メチルセルロース、ポリビニルピロリクロン(polyvinyl pyrroliclone)、又はステアリン酸アルミニウム)、分散剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、希釈剤(例えば、水)、及び基剤ワックス(例えば、カカオバター、白色ワセリン、又はポリエチレングリコール)を使用して、通常用いられる方法によって製造することができる。医薬組成物中のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量は、所望の作用を発揮するであろうレベル;例えば、経口及び非経口投与の両方の単位用量において、患者の体重の約0.005mg/kg〜患者の体重の約10mg/kgとすることができる。
患者に投与されるジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の用量は、幾分広範に変化しやすく、且つ医療関係者の判断に従い得る。概して、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、患者の体重の約0.005mg/kg〜患者の体重の約10mg/kgの用量で、1日に1〜4回、投与することができるが、上記用量は、患者の年齢、体重、及び医学的状態、並びに投与の形式に応じて適正に変化し得る。一実施態様において、該用量は、患者の体重の約0.01mg/kg〜患者の体重の約5mg/kg、患者の体重の約0.05mg/kg〜患者の体重の約1mg/kg、患者の体重の約0.1mg/kg〜患者の体重の約0.75mg/kg、患者の体重の約0.25mg/kg〜患者の体重の約0.5mg/kg、又は患者の体重の約0.007mg/kg〜患者の体重の約1.7mg/kgである。一実施態様において、1日あたり1用量が投与される。別の実施態様において、1日あたり2用量が投与される。いずれの所与の場合においても、投与されるジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の量は、活性成分の溶解度、使用される製剤、及び投与経路などの因子によって決まるであろう。
別の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の約0.375mg/日〜約750mg/日、約0.75mg/日〜約375mg/日、約3.75mg/日〜約75mg/日、約7.5mg/日〜約55mg/日、約18mg/日〜約37mg/日、約0.5mg/日〜約60mg/日、又は約0.5mg/日〜約128mg/日を、それを必要とする患者へ投与することを含む、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌の治療又は予防方法を、本明細書に提供する。別の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の約0.5mg/日〜約1200mg/日、約10mg/日〜約1200mg/日、約100mg/日〜約1200mg/日、約400mg/日〜約1200mg/日、約600mg/日〜約1200mg/日、約400mg/日〜約800mg/日、又は約600mg/日〜約800mg/日を、それを必要とする患者へ投与することを含む、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌の治療又は予防方法を、本明細書に提供する。特別な実施態様において、本明細書中に開示される方法は、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の0.5mg/日、1mg/日、2mg/日、4mg/日、8mg/日、10mg/日、15mg/日、16mg/日、20mg/日、25mg/日、30mg/日、45mg/日、60mg/日、90mg/日、120mg/日又は128mg/日を、それを必要とする患者に投与することを含む。
別の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物約0.1mg〜約2000mg、約1mg〜200mg、約35mg〜約1400mg、約125mg〜約1000mg、約250mg〜約1000mg、又は約500mg〜約1000mgを含有する単位用量製剤を、本明細書に提供する。
特別な実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物約0.1mg、0.25mg、0.5mg、1mg、2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、15mg、20mg、30mg、35mg、45mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、125mg、140mg、150mg、175mg、200mg、250mg、280mg、300mg、350mg、400mg、500mg、560mg、600mg、700mg、750mg、800mg、1000mg又は1400mgを含有する単位用量製剤を、本明細書に提供する。特別な実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物2.5mg、5mg、7.5mg、8mg、10mg、15mg、20mg、30mg、45mg、50mg、60mg又は100mgを含有する単位用量製剤を、本明細書に提供する。特別な実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物5mg、7.5mg又は10mgを含有する単位用量製剤を、本明細書に提供する。
ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、1日に1、2、3、4回又はそれ以上、投与することができる。
特定の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、サイクルで患者へ投与される。サイクル療法は、ある期間の活性物質の投与、それに続くある期間の休薬、及びこの順次投与の繰り返しに関与している。サイクル療法は、抵抗性の発生を低下し、副作用を回避若しくは減少し、及び/又は治療の有効性を向上することができる。
一実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、約3日間、約5日間、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間(例えば28日間)、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約10週間、約15週間、又は約20週間単回又は分割用量で、毎日投与され、それに約1日〜約10週間の休薬期間が続く。一実施態様において、本明細書に提供する方法は、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約8週間、約10週間、約15週間、又は約20週間のサイクル治療を意図している。一部の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、約3日間、約5日間、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間(例えば28日間)、約5週間、約6週間単回又は分割用量で投与され、それに約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、29、又は30日の休薬期間を伴う。一部の実施態様において、休薬期間は、1日である。一部の実施態様において、休薬期間は、3日である。一部の実施態様において、休薬期間は、7日である。一部の実施態様において、休薬期間は、14日である。一部の実施態様において、休薬期間は、28日である。投薬サイクルの頻度、回数及び長さは、増加又は減少することができる。
ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、便宜のために経口投与することができる。一実施態様において、経口投与される場合、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、食事及び水とともに投与される。別の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、水又はジュース(例えば、リンゴジュース又はオレンジジュース)中に分散され、懸濁液として経口投与される。別の実施態様において、経口投与される場合、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、絶食状態で投与される。
またジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、皮内に、筋肉内に、腹腔内に、経皮的に、静脈内に、皮下に、鼻腔内に、硬膜外に、舌下に、脳内に、腟内に、経真皮的に、直腸に、粘膜に、吸入により、胃内に、又は耳、鼻、眼若しくは皮膚に局所的に投与することができる。投与様式は、医療関係者の裁量に任され、一部、疾患の部位によって決まる。
本明細書記載の方法の一実施態様において、ジヒドロ-ピラジン化合物は、経皮、胃内又は空腸補給チューブを介して投与される。一実施態様において、補給チューブを介して投与される場合、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、溶液中で投与され、ここで該溶液は、例えば、ジヒドロ-ピラジン化合物を含有する錠剤又はカプセル剤を、水中に溶解することにより得られる。
一実施態様において、追加的な担体、賦形剤又はビヒクルを含まない、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を含むカプセル剤を本明細書中に提供する。
別の実施態様において、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物、及び医薬として許容し得る担体又はビヒクルを含む、組成物を本明細書中に提供し、ここで、医薬として許容し得る担体又はビヒクルは、賦形剤、希釈剤、又はそれらの混合物を含むことができる。一実施態様において、該組成物は医薬組成物である。
該組成物は、錠剤、咀嚼錠、カプセル剤、液剤、非経口液剤、トローチ剤、坐剤、及び懸濁剤などの形態とすることができる。組成物は投与単位において、日用量又は日用量の適宜の画分を含むように製剤することができ、該投与単位は、単一の錠剤若しくはカプセル剤、又は適宜量の液剤であってよい。一実施態様において、液剤は、塩酸塩などの水溶性塩から製造される。一般に、組成物の全てが、製薬化学で公知の方法に従って製造される。カプセル剤は、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を適当な担体又は希釈剤と混合すること、及び適切な量の混合物をカプセルに充填することによって製造することができる。通常の担体及び希釈剤を挙げると、不活性粉末状物質、例えば、多くの異なる種類のデンプン、粉末状セルロース、特に結晶性及び微結晶性セルロース、糖類、例えば、フルクトース、マンニトール及びスクロース、穀粉、及び同様の食用粉末があるが、これらに限定されない。
錠剤は、直接圧縮、湿式造粒、又は乾式造粒によって製造することができる。それらの製剤は、通常、希釈剤、結合剤、滑沢剤及び崩壊剤、並びに化合物を混和している。典型的な希釈剤を挙げると、例えば、様々な種類のデンプン、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸カルシウム又は硫酸カルシウム、塩化ナトリウムなどの無機塩、及び粉砂糖がある。粉末セルロース誘導体も有用である。一実施態様において、医薬組成物はラクトースを含まない。典型的な錠剤結合剤は、例えば、デンプン、ゼラチン、及びラクトース、フルクトース、グルコースなどの糖類などの物質である。天然及び合成ゴムも都合がよく、アラビアゴム、アルギナート、メチルセルロース、ポリビニルピロリジンなどを含む。ポリエチレングリコール、エチルセルロース及びワックスも結合剤として作用することができる。
滑沢剤は、錠剤及びパンチが型に付着するのを防止するために、錠剤製剤に必要となり得る。滑沢剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸カルシウム、ステアリン酸などの滑りやすい固形物、並びに硬化植物油から選択することができる。錠剤崩壊剤は、湿潤した場合に膨潤して錠剤を崩壊させ、化合物を放出する物質である。それらを挙げると、デンプン、クレイ、セルロース、アルギン、及びガムがある。より具体的には、例えば、トウモロコシ及びジャガイモデンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、木材セルロース、粉末状天然スポンジ(powdered natural sponge)、陽イオン交換樹脂、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ及びカルボキシメチルセルロースを、ラウリル硫酸ナトリウム同様使用することができる。錠剤は、香料及びシーラントである糖でコーティングするか、又はフィルム形成保護剤でコーティングして、錠剤の溶解特性を変更することができる。また該組成物は、例えば、製剤にマンニトールなどの物質を使用することによって、咀嚼錠として製剤することができる。
ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を坐剤として投与することが望ましい場合、典型的な基剤が使用され得る。カカオバターは、従来の坐剤の基剤であり、ワックスの追加により改良され、その融点をわずかに上昇させることができる。特に様々な分子量のポリエチレングリコールを含む水混和性の坐剤の基剤が、広く使用されている。
ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の効果は、適切な製剤によって遅延させるか、又は延長させることができる。例えば、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の緩徐溶解性ペレットを製造し、錠剤若しくはカプセル剤に組み込むか、又は徐放性埋め込み型デバイスとして組み込むことができる。また該技術は、いくつかの異なった溶解速度のペレットを製造すること、及び該ペレットの混合物をカプセルに充填することを含む。錠剤又はカプセル剤は、予測可能な期間、溶解に耐えるフィルムでコーティングすることができる。非経口製剤でも、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を、血清に徐々に分散させることができる油性又は乳化されたビヒクルに溶解又は懸濁することによって、長時間作用させることができる。
特定の実施態様において、化合物2は、その全体が本明細書中に組み込まれている、2013年6月6日に公開された米国特許出願公開第2013-0142873号に記された製剤において、投与される(特に段落[0323]から段落[0424]、及び段落[0636]から段落[0655]を参照されたい)。他の実施態様において、化合物2は、その全体が本明細書中に組み込まれている、2013年5月29日に出願された米国特許仮出願第61/828,506号に記された製剤において、投与される(特に段落[0246]から段落[0403]、及び段落[0571]から段落[0586]を参照されたい)。
特定の実施態様において、化合物1は、その全体が本明細書中に組み込まれている、2013年4月17日に出願された米国特許仮出願第61/813,064号に記された製剤において、投与される(特に段落[0168]から段落[0189]、及び段落[0262]から段落[0294]を参照されたい)。他の実施態様において、化合物1は、その全体が本明細書中に組み込まれている、2013年12月3日に出願された米国特許仮出願第61/911,201号に記された製剤において、投与される(特に段落[0170]から段落[0190]、及び段落[0264]から段落[0296]を参照されたい)。
(4.6 キット)
特定の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を含むキットを、本明細書に提供する。
他の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物、及び該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与に対する患者奏効をモニタリングする手段を含むキットを、本明細書において提供する。特定の実施態様において、患者は、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する。特別な実施態様において、測定される患者奏効は、疾患進行の阻害、腫瘍成長の阻害、原発性及び/若しくは続発性腫瘍(複数可)の減少、腫瘍-関連症状の緩和、生活の質の向上、原発性及び/若しくは続発性腫瘍の出現の遅延、原発性及び/若しくは続発性腫瘍の発達の緩徐化、原発性及び/若しくは続発性腫瘍の発生の減少、疾患の副次的作用の緩徐化又は重症度の低下、腫瘍成長の停止又は腫瘍退縮である。
他の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物、及び患者におけるS6RP、4E-BP1及び/又はAKTのリン酸化の阻害の量を測定する手段を含むキットを、本明細書に提供する。特定の実施態様において、キットは、患者の循環血液若しくは腫瘍細胞及び/又は皮膚生検標本若しくは腫瘍生検標本/吸引液の中のS6RP、4E-BP1及び/又はAKTのリン酸化の阻害を測定する手段を含む。特定の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物、並びにジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与前、投与時及び/又は投与後のホスホ-S6RP、4E-BP1及び/又はAKTの量の比較により評価する、リン酸化の阻害の量を測定する手段を含むキットを、本明細書に提供する。特定の実施態様において、患者は、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する。
他の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物、及び患者におけるDNA-依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)活性の阻害の量を測定する手段を含むキットを、本明細書に提供する。特定の実施態様において、キットは、患者の皮膚試料及び/又は腫瘍生検標本/吸引液中のDNA-依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)活性の阻害の量を測定する手段を含む。一実施態様において、キットは、患者の皮膚試料及び/又は腫瘍生検標本/吸引液中のpDNA-PK S2056の量を測定する手段を含む。一実施態様において、皮膚試料は、UV光により照射されている。特定の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物、及びジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与前、投与時及び/又は投与後のDNA-依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)活性の阻害の量を測定する手段を含むキットを、本明細書に提供する。特定の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物、及びジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与前、投与時及び/又は投与後のリン酸化されたDNA-PK S2056の量を測定する手段を含むキットを、本明細書に提供する。特定の実施態様において、患者は、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する。
特定の実施態様において、本明細書に提供するキットは、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を治療又は予防するのに有効な量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を含む。特定の実施態様において、本明細書に提供するキットは、化合物1を含む。
特定の実施態様において、本明細書に提供するキットは、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与及び/又はジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与に対する患者奏効のモニタリングなどに関する、使用説明書を更に含む。
(5. 実施例)
(5.1 化合物製剤)
本明細書に提供する方法において有用な化合物1の例証的製剤を、下記表1に示す。
表1:例証的錠剤製剤
Figure 2016522177
本明細書に提供する方法において有用な化合物2の例証的製剤を、下記表2-5に示す。
表2:
Figure 2016522177
表3
Figure 2016522177
表4
Figure 2016522177
表5
Figure 2016522177
(5.2 生物学的実施例)
(5.2.1 生化学アッセイ)
(mTOR HTR-FRETアッセイ) 以下は、試験化合物のTORキナーゼ阻害活性を測定するのに使用することができる、アッセイの実施例である。ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、DMSO中に溶解し、10mMのストック液として調製し、実験用に適宜希釈した。試薬は、以下のように調製した:
「簡易TOR緩衝液」(高グリセロールTOR画分を希釈するのに使用):10mMトリス(pH7.4)、100mM NaCl、0.1%Tween-20、1mM DTT。Invitrogen社mTOR(カタログ番号PV4753)を、アッセイ濃度0.200μg/mLとなるよう、この緩衝液に希釈した。
ATP/基質溶液: 0.075mM ATP、12.5mM MnCl2、50mM Hepes(pH7.4)、50mMβ-GOP、250nM Microcystin LR、0.25mM EDTA、5mM DTT、及び3.5μg/mL GST-p70S6。
検出試薬溶液:50mM HEPES(pH7.4)、0.01% Triton X-100、0.01% BSA、0.1mM EDTA、12.7μg/mL Cy5-αGST Amersham社(カタログ番号PA92002V)、9ng/mLα-ホスホp70S6 (Thr389)(Cell Signaling Mouse Monoclonal♯9206L)、627ng/mLα-マウスLance Eu (Perkin Elmer社カタログ番号AD0077)。
簡易TOR緩衝液20μLへ、DMSO中の試験化合物0.5μLを添加した。反応を開始するために、ATP/基質溶液5μLを、簡易TOR緩衝液(対照)及び先に調製した化合物溶液の20μLに添加した。60分後、60mM EDTA溶液5μLの添加により、アッセイを停止し;その後検出試薬溶液10μLを添加し、この混合物を、少なくとも2時間静置させた後、Perkin-Elmer社Envisionマイクロプレートリーダーセットで読み取り、LANCE Eu TR-FRET(励起320nm、及び発光495/520nm)を測定した。
ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を、mTOR HTR-FRETアッセイにおいて試験し、そこで活性を有することがわかり、特定の化合物はこのアッセイにおいてIC50 10μM以下を有し、一部の化合物はIC50 0.005nM〜250nMを有し、他のものはIC50 250nM〜500nMを有し、他のものはIC50 500nM〜1μMを有し、及び他のものはIC50 1μM〜10μMを有した。
(DNA-PKアッセイ)DNA-PKアッセイは、Promega社DNA-PKアッセイキット(カタログ番号V7870)において供給される手順を用い行った。DNA-PK酵素は、Promega社から購入した(Promega社カタログ番号V5811)。
選択された本明細書記載のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、このアッセイにおいて10μM以下のIC50を有するか、又は有すると予想され、一部の本明細書記載のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、IC50 1μM以下を有し、及び他のものはIC50 0.10μM以下を有した。
(5.2.2 細胞ベースのアッセイ)
(染色体11q22の欠失、又は血管拡張性失調症変異(ATM)発現の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)株の成長阻害アッセイ) 化合物を、以下のように試験することができる:試験化合物(本明細書記載のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物)を、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、10mMストック溶液を調製する。連続滴定を行い、作業濃度範囲1.5μM〜10mMを作製する。最終濃度1.5nM〜10μMを生じるためのアリコートを、空の384-ウェルプレートへ、音響液体分注器(EDC ATS-100)によりスポットする。試験化合物を、このプレート内に、2つ組で、10-点連続希釈様式(3-倍希釈)でスポットする。DMSO濃度は、最終アッセイ濃度0.1%DMSOで一定に保つ。プレートを、異なる細胞株及び試験期間で使用するために再現する。化合物プレートを再現した後、全てのプレートを密封し(Agilent ThermoLoc)、-20℃で最大1ヶ月貯蔵する。試験準備ができたら、プレートをフリーザーから取り出し、解凍し、試験細胞の添加直前に封を剥がす。試験前に、培養フラスコ内で細胞を成長拡大させ、十分な量の出発材料を提供する。その後細胞を、適当な密度に希釈し、試験化合物をスポットした384-ウェルプレートへ直接添加する。細胞を、37℃/5%CO2で72時間成長させる。試験化合物が添加される時点で(t0)、生存細胞において存在するATPにより生成されたルミネセンスのレベルを定量することによる、生存度アッセイ(Cell Titer-Glo)により、最初の細胞数を評価する。72時間後、試験化合物で処理した細胞の細胞生存度を、Cell Titer-Glo及びルミネセンス測定により評価する。細胞株は、少なくとも3回の独立した試験において、試験化合物による、成長阻害についてアッセイする。対照細胞株を、各アッセイに含む。この対照細胞株に対する試験化合物の反応は、アッセイ期間を通じて生じたデータの比較が可能であるように、密にモニタリングする。全てのデータは規準化し、DMSO-処理した細胞の割合として表す。その後結果を、GI50値として表す。GI50値は、ゼロ時点での細胞数について補正する。
(染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCC株に関するアポトーシスアッセイ) 試験前に、培養フラスコ内で細胞を成長拡大させ、十分な量の出発材料を提供する。その後細胞を、それらの所望の密度に希釈し、試験化合物をスポットした384-ウェルプレートに直接添加する。細胞を、5%CO2中で37℃で24時間インキュベーションする。アポトーシス反応を、24-時間の時点で、処理した細胞及び対照細胞において、カスパーゼ3及びカスパーゼ7の活性(カスパーゼ3/7-Glo)を定量することにより評価する。全てのデータを規準化し、DMSO-処理した細胞に対する値として表す。その後結果を、それらの処理期間中にカスパーゼ3/7のレベルをDMSO-処理した細胞のレベルに対し2倍にするのに必要な最小試験化合物濃度であるCalXとして表す。
(5.2.3 インビボアッセイ)
染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられる異なるHNSCCを伴い、及び腫瘍-保有するマウスで、異種移植試験を行う。SCIDマウス又はヌードマウスに、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCC細胞を、右後肢上の側方領域に、皮下接種する。動物の接種後、腫瘍を、約150〜200mm3まで成長させ、その後無作為化する。試験化合物は、水中の0.5%CMC及び0.25%Tween 80中に製剤する(懸濁剤として)。動物に、ビヒクル(CMC-Tween)又は試験化合物を1日1回(QD)、26〜40日間経口投与する。試験化合物の投与量は、1〜5mg/kgの範囲であることができる。腫瘍は、キャリパーを用い、週2回測定し、腫瘍容積を、式:W2 ×L/2 (式中、「W」は腫瘍幅であり、「L」は腫瘍長さである)を用い算出する。
(5.2.4 臨床試験)
(1B相、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCを有する対象へ経口投与された化合物1の、安全性、忍容性、薬物動態及び予備的有効性を評価するための、多施設オープンラベル用量設定試験)
(試験目的)
本試験の主要目的は、以下を決定することである:化合物1が、染色体11qの全て若しくは一部の欠失、或いはATMをコードしている遺伝子の喪失若しくは変異、或いはATM発現又は機能の喪失を特徴とするHNSCCを有する患者へ経口投与された場合の、(1)化合物1の安全性及び忍容性;(2)化合物1の非耐量(NTD);(3)化合物1の最大耐量(MTD);並びに、(4)化合物1の薬物動態(PK)。
本試験の副次的目的は、以下である:(1)化合物1による治療前及び治療時に得られた、血液、皮膚及び/又は腫瘍生検標本/吸引液中の、mTORC1活性に関するS6RP及び/又は4E-BP1並びにmTORC2活性に関するAKT及び/又は他の関連バイオマーカーのリン酸化の阻害の程度を評価すること;(2)化合物1治療前及び治療時に、pDNA-PK S2056及び/又はDNA損傷経路に関する他の関連バイオマーカーを使用し、UV光照射した皮膚試料、及び/又は腫瘍生検標本/吸引液中のDNA-依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)活性の阻害を評価すること;並びに、(3)化合物1の有効性を評価すること。
本試験の探索的目的は、以下である:(1)化合物1治療時のグルコースホメオスタシスを評価すること;(2)血液及び腫瘍中の化合物1の曝露と、反応(mTOR及びDNA-PKバイオマーカーの阻害)の間の相互作用を調べること;(3)血液及び腫瘍中の化合物1の曝露と、臨床転帰及び有害事象(AE)の間の相互作用を調べること;(4)入手可能な場合、治療前及び治療時の腫瘍生検標本中の、アポトーシス及び/又は増殖の阻害を含むバイオマーカーに対する化合物1の効果を調べること;(5)化合物1に対する反応は、非限定的に、PI3K/AKT/mTOR経路、DNA損傷反応経路、及び遺伝子のp53ファミリーの成分を調べることを含む、タンパク質発現又は遺伝子変動の差異により説明されるかどうかを調べること;(6)血漿及び尿中の化合物1の主要な代謝物を同定すること;並びに、(7)mTOR及びDNA-PKバイオマーカーの分子異常及び変化について回収されたCTCを分析すること。
(試験デザイン)
この試験において、化合物1は、染色体11qの全て若しくは一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失若しくは変異、ATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCを有する患者へ経口投与される。
対象は、化合物1の10mg BIDで開始する。対象は、安全性及び抗腫瘍活性について、治療の2/3サイクル毎に評価される。
(試験集団)
染色体11qの全て若しくは一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失若しくは変異、ATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCを伴う18歳以上の男性及び女性であり、標準癌治療時に進行した(又は治療に忍容性がない)対象、又は他の承認された治療が存在しない対象を含む。
(参加基準)
参加基準は、以下である:(1)何らかの試験に関連する査定/手順が行われる以前に、インフォームドコンセント文書を理解し、これに自主的に署名したもの;(2)組織学的又は細胞学的に確認された染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCCを伴う18歳以上の男性及び女性;(3)腫瘍生検標本をスクリーニングすることに同意するもの;(4)ECOG PSが0又は1;(5)下記の臨床検査値:(i)絶対好中球数(ANC)≧1.5×109/L;(ii)ヘモグロビン(Hgb)≧9g/dL;(iii)血小板(plt)≧100×109/L;(iv)正常範囲内の、又は補充物により補正可能なカリウム;(v)AST/SGOT及びALT/SGPT≦2.5×正常値上限(ULN)又は、肝腫瘍が存在する場合は≦5.0×ULN;(vi)血清総ビリルビン≦1.5×ULN;(vii)血清クレアチニン≦1.5×ULN、又は24時間クリアランス≧50mL/分;並びに、(viii)妊娠可能な女性の場合、試験治療開始の72時間前以降の血清又は尿妊娠試験で陰性;(6)試験来院スケジュール及び他のプロトコール要件の順守が可能なもの;(7)腫瘍ブロック又は切片化された/搭載された標本のいずれかで、ホルマリン-固定しパラフィン-包埋した(FFPE)保管用腫瘍組織の検索に同意する対象;(8)組織学的に確認された、染色体11qの全て又は一部の欠失、ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異、或いはATM発現又は機能の喪失により特徴づけられるHNSCC;(9)治癒的外科的切除に適さない、局所的に進行した、再発性又は転移性の頭頸部扁平上皮癌;(10)例えば、RECIST v1.1に従い測定可能な疾患;(11)先行する一連の白金-ベースの化学療法を少なくとも1回受けなければならない;並びに、(12)対のある腫瘍生検(スクリーニング時及び試験時)を受けることに同意しているもの。コホートは、DNA-PK過剰発現した腫瘍を伴う最低5名の対象の登録に拡大されてよい。
(試験の期間)
対象は、化合物1の10mg BIDで開始し、28-日サイクルで毎日治療を受ける。化合物1は、腫瘍進行の証拠が存在する場合には中断してよいが、治験責任医師が対象は恩恵を得ていると判断する限りは、対象は治験薬の受け取りを継続することができる。治療は、容認し難い毒性が存在する場合、又は対象が治験からの離脱を決断した場合には、中断される。
登録は、完了するまで約30ヶ月間を要するとみこまれる。奏効する対象に関する治療の延長及び経過観察は、更に3〜6ヶ月間続けることができる。
(試験治療)
化合物1は、経口投与のためのカプセル剤として、又は利用可能な場合は胃内/空腸補給チューブを介して提供される。ほとんどの対象は、化合物1を、10mg BIDで開始する。
(有効性評価の概要)
全ての治療した対象は、有効性分析に含まれる。主要な有効性変数は、HNSCCに関する固形癌の奏効評価基準(例えば、RECIST 1.1)を使用し、治験責任医師の評価を基にした、腫瘍奏効である。補助的有効性変数(例えば、CTC定量)も、試験される。
(安全性評価の概要)
本試験に関する主要及び探索的安全性変数は、AE、臨床検査変数の包括的パネル(血液学、化学、免疫学及び甲状腺機能、並びにグルコースホメオスタシスを評価する被検体を含む)、中央で分析した12-誘導3回連続心電図(ECG)、左室駆出量(LVEF)評価、理学的検査、ECOG全身状態(ECOG PS)並びにバイタルサインを含む。
安全性検証委員会(SRC)は、適量、用量、又はスケジュールを決定する。SRCは、安全性データを定期的に検証し続け、且つ適宜、試験継続について助言を行う。
(薬物動態評価の概要)
化合物1、及び検出された任意の主要代謝物のPKプロファイルを、入手可能ならば腫瘍組織を含む、一連の血液及び尿の採取物から決定し、且つ可能であるならば、PD結果と相関させる。
(薬力学評価の概要)
探索的評価項目は、循環血細胞中、及び入手可能ならば他の腫瘍細胞及び/又は組織及び吸引液中の、mTOR及びDNA-PKバイオマーカーの阻害、皮膚中のUV-刺激したDNA-PK活性、組織病理学的反応及び薬理遺伝学的知見との相関を含む。対のある(治療前及び治療時)腫瘍生検は、生検に適していると治験責任医師により決定された、腫瘍病変のあるほとんどの対象において行う。分析は、血液、皮膚、及び/又は入手可能ならば腫瘍試料中の、アポトーシス及び増殖のバイオマーカーも含む。
(予測的バイオマーカーの概要)
非限定的にPI3K/mTOR、DNA損傷修復及びp53経路を含む、関連経路の成分の変異及び/又はタンパク質レベルを、可能性のある予測的バイオマーカーの同定のために調べる。
特定の実施態様において、本明細書に提供する臨床プロトコールを受けている患者は、腫瘍成長の阻害又は腫瘍サイズの減少などの、陽性の腫瘍反応を示す。特定の実施態様において、本明細書に提供する臨床プロトコールを受けている患者は、固形癌における奏効評価基準(例えば、RECIST 1.1)の改善を示す。
多数の参考文献が収載されており、これらの開示は、それらの全体が参照により本明細書中に組み込まれている。本明細書中に開示される実施態様は、開示の実施態様のいくつかの態様の実例として意図される実施例に開示された特定の実施態様によって、範囲を限定されるものでなく、機能的に等価であるいかなる実施態様も本開示に包含される。実際、本明細書中に開示される実施態様の様々な変更が、本明細書中に示され、且つ記載されたものに加え、当業者には明らかとなるであろうが、添付の請求項の範囲内にあることを意図する。

Claims (24)

  1. ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量を、染色体11qの全て又は一部の欠失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する患者へ投与することを含む、染色体11qの全て又は一部の欠失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌の治療方法であって、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物が、式(I)の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、包接体、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、代謝物及びアイソトポログである、前記方法:
    Figure 2016522177
    (式中:
    R1は、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、又は置換若しくは非置換のヘテロシクリルアルキルであり;
    R2は、H、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、置換若しくは非置換のヘテロシクリルアルキル、置換若しくは非置換のアラルキル、又は置換若しくは非置換のシクロアルキルアルキルであり;
    R3は、H、又は置換若しくは非置換のC1-8アルキルであり、
    但し、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、7-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(3-メトキシベンジル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンではないことを条件とする。)。
  2. ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量を、血管拡張性失調症変異型(ATM)をコードしている遺伝子の喪失若しくは変異により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する患者へ投与することを含む、ATM発現の喪失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌の治療方法であって、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物が、式(I)の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、包接体、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、代謝物及びアイソトポログである、前記方法:
    Figure 2016522177
    (式中:
    R1は、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、又は置換若しくは非置換のヘテロシクリルアルキルであり;
    R2は、H、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、置換若しくは非置換のヘテロシクリルアルキル、置換若しくは非置換のアラルキル、又は置換若しくは非置換のシクロアルキルアルキルであり;
    R3は、H、又は置換若しくは非置換のC1-8アルキルであり、
    但し、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、7-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(3-メトキシベンジル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンではないことを条件とする。)。
  3. 前記頭頸部扁平上皮癌が、PI3K/mTOR経路が活性化されているものである、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記頭頸部扁平上皮癌が、PTEN喪失、PIK3Ca変異若しくはEGFR過剰発現、又はそれらの組合せに起因した、PI3K/mTOR経路が活性化されているものである、請求項3記載の方法。
  5. 前記患者が、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物約0.5mg/日〜約128mg/日が投与される、請求項1又は2記載の方法。
  6. 前記患者が、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物0.5mg/日、1mg/日、2mg/日、4mg/日、8mg/日、16mg/日、20mg/日、25mg/日、30mg/日、45mg/日、60mg/日、90mg/日、120mg/日又は128mg/日投与される、請求項5記載の方法。
  7. 前記患者が、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物0.1mg、0.25mg、0.5mg、1mg、2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、15mg、20mg、30mg、35mg、45mg、50mg、60mg、70mg、75mg、100mg、125mg、140mg、150mg、175mg、200mg、250mg、280mg、300mg、350mg、400mg、500mg、560mg、600mg、700mg、750mg、800mg、1000mg又は1400mg含有する単位剤形を投与される、請求項1又は2記載の方法。
  8. 染色体11qの全て又は一部の欠失により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する患者における、完全奏効、部分奏効又は病状安定の、固形癌奏効評価基準(RECIST 1.1)を達成する方法であって、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量を、該患者へ投与することを含み、ここで該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物が、式(I)の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、包接体、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、代謝物及びアイソトポログである、前記方法:
    Figure 2016522177
    (式中:
    R1は、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、又は置換若しくは非置換のヘテロシクリルアルキルであり;
    R2は、H、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、置換若しくは非置換のヘテロシクリルアルキル、置換若しくは非置換のアラルキル、又は置換若しくは非置換のシクロアルキルアルキルであり;
    R3は、H、又は置換若しくは非置換のC1-8アルキルであり、
    但し、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、7-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(3-メトキシベンジル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンではないことを条件とする。)。
  9. ATMをコードしている遺伝子の喪失又は変異により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する患者における、完全奏効、部分奏効又は病状安定の、固形癌奏効評価基準(RECIST 1.1)を達成する方法であって、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量を、該患者へ投与することを含み、ここで該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物が、式(I)の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、包接体、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、代謝物及びアイソトポログである、前記方法:
    Figure 2016522177
    (式中:
    R1は、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、又は置換若しくは非置換のヘテロシクリルアルキルであり;
    R2は、H、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、置換若しくは非置換のヘテロシクリルアルキル、置換若しくは非置換のアラルキル、又は置換若しくは非置換のシクロアルキルアルキルであり;
    R3は、H、又は置換若しくは非置換のC1-8アルキルであり、
    但し、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、7-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(3-メトキシベンジル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンではないことを条件とする。)。
  10. 前記頭頸部扁平上皮癌が、PI3K/mTOR経路が活性化されているものである、請求項8又は9記載の方法。
  11. 前記頭頸部扁平上皮癌が、PTEN喪失、PIK3Ca変異若しくはEGFR過剰発現、又はそれらの組合せに起因した、PI3K/mTOR経路が活性化されているものである、請求項10記載の方法。
  12. 染色体11qの全て若しくは一部の欠失又はATMをコードしている遺伝子の喪失若しくは変異により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する患者の生体試料中のS6RP、4E-BP1及び/又はAKTのリン酸化を阻害する方法であって、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量を該患者へ投与すること、並びに該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与前及び投与後に得られた該患者の生体試料中のリン酸化されたS6RP、4E-BP1及び/又はAKTの量を比較することを含み、ここで、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与前に得られた該生体試料中のリン酸化されたS6RP、4E-BP1及び/又はAKTの量と比べ、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与後に得られた該生体試料中のより少ないリン酸化されたS6RP、4E-BP1及び/又はAKTは、阻害を示し、ここで該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物が、式(I)の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、包接体、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、代謝物及びアイソトポログである、前記方法:
    Figure 2016522177
    (式中:
    R1は、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、又は置換若しくは非置換のヘテロシクリルアルキルであり;
    R2は、H、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、置換若しくは非置換のヘテロシクリルアルキル、置換若しくは非置換のアラルキル、又は置換若しくは非置換のシクロアルキルアルキルであり;
    R3は、H、又は置換若しくは非置換のC1-8アルキルであり、
    但し、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、7-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(3-メトキシベンジル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンではないことを条件とする。)。
  13. 前記頭頸部扁平上皮癌が、PI3K/mTOR経路が活性化されているものである、請求項12記載の方法。
  14. 前記頭頸部扁平上皮癌が、PTEN喪失、PIK3Ca変異若しくはEGFR過剰発現、又はそれらの組合せに起因した、PI3K/mTOR経路が活性化されているものである、請求項13記載の方法。
  15. 染色体11qの全て若しくは一部の欠失又はATMをコードしている遺伝子の喪失若しくは変異により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する患者の皮膚試料中のDNA-依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)活性を阻害する方法であって、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量を該患者へ投与すること、並びに該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与前及び投与後に得られた該患者の生体試料中のリン酸化されたDNA-PKの量を比較することを含み、ここで、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与前に得られた該生体試料中のリン酸化されたDNA-PKの量と比べ、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与後に得られた該生体試料中のより少ないリン酸化されたDNA-PKは、阻害を示し、ここで該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物が、式(I)の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、包接体、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、代謝物及びアイソトポログである、前記方法:
    Figure 2016522177
    (式中:
    R1は、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、又は置換若しくは非置換のヘテロシクリルアルキルであり;
    R2は、H、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、置換若しくは非置換のヘテロシクリルアルキル、置換若しくは非置換のアラルキル、又は置換若しくは非置換のシクロアルキルアルキルであり;
    R3は、H、又は置換若しくは非置換のC1-8アルキルであり、
    但し、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、7-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(3-メトキシベンジル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンではないことを条件とする。)。
  16. 前記頭頸部扁平上皮癌が、PI3K/mTOR経路が活性化されているものである、請求項15記載の方法。
  17. 前記頭頸部扁平上皮癌が、PTEN喪失、PIK3Ca変異若しくはEGFR過剰発現、又はそれらの組合せに起因した、PI3K/mTOR経路が活性化されているものである、請求項16記載の方法。
  18. 染色体11qの全て若しくは一部の欠失又はATMをコードしている遺伝子の喪失若しくは変異により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する患者におけるS6RP、4E-BP1又はAKTのリン酸化の阻害を測定する方法であって、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量を該患者へ投与すること、該患者におけるリン酸化されたS6RP、4E-BP1又はAKTの量を測定すること、並びに該リン酸化されたS6RP、4E-BP1又はAKTの量を、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量の投与前の該患者のそれと比較することを含み、ここで該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物が、式(I)の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、包接体、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、代謝物及びアイソトポログである、前記方法:
    Figure 2016522177
    (式中:
    R1は、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、又は置換若しくは非置換のヘテロシクリルアルキルであり;
    R2は、H、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、置換若しくは非置換のヘテロシクリルアルキル、置換若しくは非置換のアラルキル、又は置換若しくは非置換のシクロアルキルアルキルであり;
    R3は、H、又は置換若しくは非置換のC1-8アルキルであり、
    但し、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、7-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(3-メトキシベンジル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンではないことを条件とする。)。
  19. 前記頭頸部扁平上皮癌が、PI3K/mTOR経路が活性化されているものである、請求項18記載の方法。
  20. 前記頭頸部扁平上皮癌が、PTEN喪失、PIK3Ca変異若しくはEGFR過剰発現、又はそれらの組合せに起因した、PI3K/mTOR経路が活性化されているものである、請求項19記載の方法。
  21. 染色体11qの全て若しくは一部の欠失又はATMをコードしている遺伝子の喪失若しくは変異により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有する患者の皮膚試料におけるDNA-PK S2056のリン酸化の阻害を測定する方法であって、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量を該患者へ投与すること、皮膚試料中に存在するリン酸化されたDNA-PK S2056の量を測定すること、並びに該リン酸化されたDNA-PK S2056の量を、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量の投与前の該患者由来の皮膚試料中のそれと比較することを含み、ここで該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物が、式(I)の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、包接体、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、代謝物及びアイソトポログである、前記方法:
    Figure 2016522177
    (式中:
    R1は、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、又は置換若しくは非置換のヘテロシクリルアルキルであり;
    R2は、H、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、置換若しくは非置換のヘテロシクリルアルキル、置換若しくは非置換のアラルキル、又は置換若しくは非置換のシクロアルキルアルキルであり;
    R3は、H、又は置換若しくは非置換のC1-8アルキルであり、
    但し、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、7-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(3-メトキシベンジル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンではないことを条件とする。)。
  22. 前記頭頸部扁平上皮癌が、PI3K/mTOR経路が活性化されているものである、請求項21記載の方法。
  23. 前記頭頸部扁平上皮癌が、PTEN喪失、PIK3Ca変異若しくはEGFR過剰発現、又はそれらの組合せに起因した、PI3K/mTOR経路が活性化されているものである、請求項22記載の方法。
  24. ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物、及び該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の投与に対する患者奏効モニタリングするための手段を備えるキットであって、ここで該患者は、染色体11qの全て若しくは一部の欠失又はATMをコードしている遺伝子の喪失若しくは変異により特徴づけられる頭頸部扁平上皮癌を有し、ここで該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物が、式(I)の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、包接体、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、代謝物及びアイソトポログである、前記キット:
    Figure 2016522177
    (式中:
    R1は、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、又は置換若しくは非置換のヘテロシクリルアルキルであり;
    R2は、H、置換若しくは非置換のC1-8アルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクリル、置換若しくは非置換のヘテロシクリルアルキル、置換若しくは非置換のアラルキル、又は置換若しくは非置換のシクロアルキルアルキルであり;
    R3は、H、又は置換若しくは非置換のC1-8アルキルであり、
    但し、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、7-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(3-メトキシベンジル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンではないことを条件とする。)。
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