JP2016519666A - Hiv治療および予防のための低グリセリン製剤 - Google Patents

Hiv治療および予防のための低グリセリン製剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)、好ましくは[2-(6-アミノ-プリン-9-イル)-1-メチル-エトキシメチル]-ホスホン酸(テノホビル、PMPA)、またはその生理的に機能性の誘導体の製剤であって、低レベルのグリセリンを含有する製剤に関する。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染および関連する疾患は世界中で大きな公衆衛生上の問題である。HIV/AIDSの問題への一対処法はHIVの伝染の危険性を低減すること、およびしたがって新たに感染する個体の数を低減することである。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2013年3月15日に出願の「HIV治療および予防のための低グリセリン製剤」と題した米国仮特許出願第61/793,745号の恩典を主張し、該出願はその全体において参照により本明細書に明示的に組み入れられる。
発明の分野
本発明は、概して、抗ウイルス活性のある、より具体的には抗HIV特性のある化合物の製剤に関する。
発明の背景
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染および関連する疾患は世界中で大きな公衆衛生上の問題である。HIV/AIDSの問題への一対処法はHIVの伝染の危険性を低減すること、したがって新たに感染する個体の数を低減することである。処置法または治療法が利用可能になっても、初期段階における感染の予防がおそらくは第一の防衛線となり続けるであろう。医学的、心理的、および経済的理由のため、AIDS患者を治療するよりもむしろ初期感染を予防することが好ましい。
性感染症(STD)、その伝染機序、およびいわゆる「安全な性交渉(safe-sex)」の手法に関する教育が、性活動を通じたSTDの伝染の危険性を低減することにある程度の見込みがあることを示してきた。輸血用血液のスクリーニングが、輸血および関連する医療行為を経てSTDの病原生物が伝染する危険性を低減するのに役立ってきた。これらにSTDの予防における公知の有効性があっても、多くの理由(例えば、不注意、知識の欠如、不適切な手法、文化的な障壁、計画外または突発的な性活動など)のため、現在の安全な性交渉の手法は必ずしも用いられるとは限らないか、または必ずしも適切に用いられるとは限らない。また、安全な性交渉の手法は、用いられたとしても必ずしも効果的であるとは限らない(自制した場合を除きおそらくは)。
様々な市販の膣クリームおよび軟膏が現在では入手可能である。ノノキシノール-9、オクトキシノール-9、および塩化ベンザルコニウムが、坐薬、挿入剤、クリーム、フィルム、発泡体、およびゲルとして一般に入手可能である。このような市販品の例は、例えば、K-Y Plus(商標)(2.2パーセントノノキシノール-9; Advanced Care Products, Raritan, N.J.); Encare(商標)(3パーセントノノキシノール-9; Thompson Medical Co., West Palm Beach, Fla.); Gynol II (Advanced Care Products, Raritan, N.J.); Ortho Options Conceptrol (Advanced Care Products, Raritan, N.J.); Semicid (Whitehall Robbins Healthcare, Madison, N.J.);およびAdvantage-S (Columbia Laboratories, Aventura, Fla.)を含む。
しかしながら、HIVに対して完全に効果的な製剤は存在していない。さらに、最もよく知られている製剤は高レベルのグリセリンを有しており、そのような製剤が直腸投与されるとグリセリンは患者の直腸に悪影響を及ぼしうる。それ故、グリセリンを含む製剤に関連した刺激に付随する問題も回避しつつ、性活動の際のHIVの伝染および/または感染の危険性を低減する改良された組成物および方法を提供することが望ましい。
本明細書において開示する方法および組成物は、HIV感染の予防における局所(例えば、膣、直腸など)適用に好適な[2-(6-アミノ-プリン-9-イル)-1-メチル-エトキシメチル]-ホスホン酸(テノホビル、PMPA)またはその生理的に機能的な誘導体などのヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)の製剤およびその使用に関する。
特定の態様では、本組成物および方法は、性活動を通じたHIVの伝染の危険性を防止しかつ/または低減するものである。本組成物はあらゆる種類の性行為を行う当事者によって使用することができる。例えば、本発明の組成物は、肛門性交を行う当事者(男性/女性または男性/男性)によって使用することができ、肛門性交における使用を意図した組成物は、直腸において通常見られるpH値に緩衝能が適応するように、および製剤の潤滑性を変更することによって、修飾される。具体的な態様では、本組成物はグリセリンを5%未満含む。別の態様では、本組成物はグリセリンを1%未満含むかまたはグリセリンを含まない。
異性間の膣性交には、本組成物は性交に先立って膣に入れられてもよい。肛門性交(異性間または同性間)には、本組成物は性交に先立って直腸に入れられてもよい。膣性交または肛門性交のいずれにも、本組成物はまた潤滑剤として作用してもよい。さらなる防護のため、本組成物は性交または他の性活動の前に適用することができ、適切であればコンドームを使用することができる。より一層の防護のためには、本組成物は性活動の完了後できるだけ早く再適用するのがよい。
所望であれば、香味剤、香料、芳香剤、および着色剤が、本組成物の安全性または効果を阻害しない限り本組成物に組み込まれてもよい。実際に、本発明の組成物にそのような香味剤、香料、芳香剤、および着色剤を組み込むことによって、本組成物が性活動の際に使用される可能性が高まることがある。
本方法の一つの利点は、異性愛者、両性愛者、および同性愛者による様々な性活動(膣または肛門)の際に本方法が防護のために使用できるということである。HIVの伝染を低減する本方法の別の利点は、挿入されている当事者によって最も容易に実施できかつ/または使用できるということである。したがって、本方法が使用されているかパートナーが認識しているかどうかにかかわらず、女性が自身(および女性のパートナーも)を防護すべく本方法を使用することができる。また、パートナーは、AIDSに罹患していないという彼または彼女のパートナーの主張、または防護のためにコンドームを使用する承諾に頼る必要がないであろう。性活動の当事者のうちどちらかまたは両者(特に女性の参加者)が本方法の使用を開始できかつ実施できる。好ましくは、本方法は、性活動の前、最も好ましくは性活動の前および後の両方で使用される。また、本組成物には、細菌性腟炎または直腸の細菌感染の予防および/または治療にも有用であるというさらなるメリットがある。
例示的な態様の詳細な説明
本明細書において開示する方法および組成物の特定の態様を詳細に参照する。列挙する態様と共に組成物および方法を記載するが、本発明を当該態様に限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。逆に、開示する方法および組成物は、特許請求の範囲内に含まれる選択肢、変形例、および均等物の単なる例示である。
1.定義
特に明記しない限り、本明細書において使用する次の語句は、次の意味を有することを意図するものである。
「生理的に機能的な誘導体」という用語は、所与のNRTIと同等またはほぼ同等の生理的機能性がある薬理学的に活性な化合物を意味する。本明細書において使用する「生理的に機能的な誘導体」という用語は、任意の生理的に許容可能な塩;エーテル;エステル;プロドラッグ;溶媒和物;鏡像異性体、ジアステレオマー、または立体異性的に濃縮されたかもしくはラセミ混合物を含む立体異性体;およびレシピエントへの投与時にこのような化合物またはその抗ウイルス的に活性な代謝物もしくは残渣を提供可能(直接的にまたは間接的に)な任意の他の化合物を含む。
「生物学的利用能」とは、薬理学的に活性な薬剤が体内に導入された後に標的組織に対して利用可能になる度合である。薬理学的に活性な薬剤の生物学的利用能の向上は、より効率的かつ効果的な治療を患者に提供することができ、これは、標的とした組織部位において、薬理学的に活性な薬剤が所与の投与量でより多く利用可能になるためである。
本発明の組み合わせの化合物は、「活性成分」または「薬理学的に活性な薬剤」と呼ばれることがある。
本明細書において使用する「プロドラッグ」という用語は、生物系へ投与されると自発的化学反応、酵素触媒化学反応、および/または代謝的化学反応の結果として薬剤物質すなわち活性成分を生成する任意の化合物を指す。
「プロドラッグ部分」とは、加水分解、酵素分割、または他のプロセスによる、細胞内での全身的な代謝の際に、活性な抑制化合物から分離する易動性の官能基を意味する(Bundgaard, Hans, "Design and Application of Prodrugs" in Textbook of Drug Design and Development (1991), Progsgaard-Larsen and H. Bundgaard, Eds. Harwood Academic Publishers, pp. 113-191)。プロドラッグ部分は、溶解性、吸収、および親油性を向上する働きをすることができ、薬物送達、生物学的利用能、および効果を至適化するものである。したがって「プロドラッグ」とは、治療的に活性な化合物が共有結合的に修飾されたアナログである。
「アルキル」は、元になるアルカン、アルケン、またはアルキンの単一の炭素原子から水素原子を1個除去することにより誘導される飽和または不飽和の分岐、直鎖、分岐、あるいは環状炭化水素ラジカルを意味する。典型的なアルキル基は、ノルマル、第二級、第三級または環状炭素原子などの飽和および/または不飽和炭素1〜18個からなる。例は、メチルまたはMe(-CH3)、エチルまたはEt(-CH2CH3)、アセチレン(-C=CH)、エチレン、ビニル(-CH=CH2)、1-プロピル、n-Pr、n-プロピル(-CH2CH2CH3)、2-プロピル、i-Pr、i-プロピル(-CH(CH3)2)、アリル(-CH2CH=CH2)、プロパルギル(-CH2C=CH)、シクロプロピル(-C3Hs)、1-ブチル、n-Bu、n-ブチル(-CH2CH2CH2CH3)、2-メチル-1-プロピル、i-Bu、i-ブチル(-CH2CH(CH3)2)、2-ブチル、s-ブチル、s-Bu(-CH(CH3)CH2CH3)、2-メチル-2-プロピル、t-Bu、t-ブチル(-C(CH3)3)、1-ペンチルn-ペンチル(-CH2CH2CH2CH2CH3)、2-ペンチル(-CH(CH3)CH2CH2CH3)、3-ペンチル(-CH(CH2CH3)2)、2-メチル-2-ブチル(-C(CH3)2CH2CH3)、シクロ(cydo)ペンチル(-C5H9)、3-メチル-2-ブチル(-CH(CH3)CH(CH3)2)、3-メチル-1-ブチル(-CH2CH2CH(CH3)2)、2-メチル-1-ブチル(-CH2CH(CH3)CH2CH3)、1-ヘキシル(-CH2CH2CH2CH2CH2CH3)、5-ヘキセニル(-CH2-CH2CH2CH2CH=CH2) 1-ヘキシル(-CH(CH3)CH2CH2CH2CH3)、3-ヘキシル(-CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3))、シクロヘキシル(-C6Hn)、2-メチル-2-ペンチル(-C(CH3)2CH2CH2CH3)、3-メチル-2-ペンチル(-CH(CH3)CH(CH3)CH2CH3)、4-メチル-2-ペンチル(-CH(CH3)CH2CH(CH3)2)、3-メチル-3-ペンチル(-C(CH3)(CH2CH3)2)、2-メチル-3-ペンチル(-CH(CH2CH3)CH(CH3)2)、2,3-ジメチル-2-ブチル(-C(CH3)2CH(CH3)2)、および3,3-ジメチル-2-ブチル(-CH(CH3)C(CH3)3を非限定的に含む。
「アリール」は、元の芳香環系の単一の炭素原子から水素原子を1個除去することにより誘導される、炭素原子が6〜20個の1価の芳香族炭化水素ラジカルを意味する。典型的なアリール基は、ベンゼン、置換ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニルなどから誘導されるラジカルを非限定的に含む。
「アリールアルキル」は、炭素原子、典型的には末端炭素原子またはspa炭素原子に結合した水素原子の1つがアリールラジカルと置換した非環式アルキルラジカルを指す。典型的なアリールアルキル基は、ベンジル、2-フェニルエタン-1-イル、2-フェニルエテン-1-イル、ナフチルメチル、2-ナフチルエタン-1-イル、2-ナフチルエテン-1-イル、ナフトベンジル、2-ナフトフェニルエタン-1-イルなどを非限定的に含む。アリールアルキル基の炭素原子6〜20個は、例えば、アリールアルキル基のアルカニル、アルケニル、またはアルキニル基を含むアルキル部分が炭素原子1〜6個であり、アリール部分が炭素原子5〜14個である。
「置換アルキル」、「置換アリール」、および「置換アリールアルキル」は、1つまたは複数の水素原子がそれぞれ独立して置換基で置換されたアルキル、アリール、およびアリールアルキルをそれぞれ意味する。典型的な置換基には、-X、-R、-0-、-OK -SR、-S-、-NR2、-NR〜、=NR、-CX3、-CN、-OCN、-SCN、-N=C=O、-NCS、-NO、-N02.、=N2、-N3、NC(=O)R、-C(=0)R、-C(=0):N'RR、-S(=0)20・、-S(=0)20H、-S(=0)2R、-OS(=0)20R、-S(=0)2NR、-S(=O)R、-OP(=0)02RR、-P(=0)02RR、-P(=0)(0-)2、-P(=O)(OH)2、-C(=O)R、-C(=O)X、-C(S)K -C(0)OR、-C(0)0-、-C(S)OR、-C(O)SR、-C(S)SR、-C(0)NRR、-C(S)NRR、-C(NR)NRRが非限定的に含まれ、ここで各Xは独立してハロゲン:F、Cl、Br、またはIであり;各Rは独立してH、アルキル、アリール、ヘテロ環、またはプロドラッグ部分である。
「ヘテロアリール」および「ヘテロ環」は、1つまたは複数の環原子がヘテロ原子、例えば窒素、酸素、および硫黄(炭素ではなく)である環系を指す。ヘテロ環は次に記載されている:Katritzky, Alan R., Rees, C. W., and Scriven, E. Comprehensive Heterocyclic Chemistry (1996) Pergamon Press; Paquette, Leo A.; Principles of Modern Heterocyclic Chemistry W. A. Benjamin, New York, (1968)、特に第1, 3, 4, 6, 7および9章; "The Chemistry of Heterocyclic Compounds, A series of Monographs" (John Wiley & Sons, New York, 1950 to present)、特に第13, 14, 16, 19および28巻。例示的なヘテロ環は、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-キノリル、3-キノリル、4-キノリル、2-イミダゾール、4-イミダゾール、3-ピラゾール、4-ピラゾール、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、プリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、3-(1,2,4-N)-トリアゾリル、5-(1,2,4-N)-トリアゾリル、5-テトラゾリル、4-(1-O,3-N)-オキサゾール、5-(1-O,3-N)-オキサゾール、4-(1-S,3-N)-チアゾール、5-(1-S,3-N)-チアゾール、2-ベンゾオキサゾール、2-ベンゾチアゾール、4-(1,2,3-N)-ベンゾトリアゾール、およびベンゾイミダゾールを非限定的に含む。
本明細書において使用する立体化学的な定義および規定は、概して次に従うものである。S. P. Parker, Ed., McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms (1984) McGraw-Hill Book Company, New York;および Eliel, E. and Wilen, S., Stereochemistry of Organic Compounds (1994) John Wiley & Sons, Inc., New York。多くの有機化合物が光学的に活性な形態で存在する、つまり平面偏光面を回転させる能力がある。光学的に活性な化合物を記載する際に、接頭辞DおよびL、またはRおよびSは、その不斉中心の周りの分子の絶対配置を示すべく使用される。接頭辞dおよびl、または(+)および(-)は、化合物による平面偏光の旋回の表示を指定すべく採用され、(-)またはlは化合物が左旋性であることを意味する。(+)またはdの接頭辞が付いた化合物は右旋性である。所与の化学構造に関し、立体異性体と称されるこれらの化合物は互いの鏡像であることを除いては同一である。特定の立体異性体は鏡像異性体と呼ばれることもあり、このような異体性の混合物はしばしば鏡像異性体混合物と称される。鏡像異性体の50:50混合物は、ラセミ混合物またはラセミ体と呼ばれる。「ラセミ混合物」および「ラセミ体」という用語は、光学活性を失った、2つの鏡像異性体種の等モル混合物を指す。
「キラル」という用語は、鏡像相手と重ね合わせることができない性質を有する分子を指す一方で、「アキラル」という用語は、鏡像相手と重ね合わせることができる分子を指す。
「立体異性体」という用語は、同一の化学組成を有するが原子または基の空間配置が異なる化合物を指す。
「ジアステレオマー」は、不斉中心が2つ以上あり、分子が互いの鏡像ではない立体異性体を指す。ジアステレオマーは物性、例えば、融点、沸点、分光特性、および反応性が異なる。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動およびクロマトグラフィーなどの高解像度分析法の下で分離することがある。
「鏡像異性体」は、互いに重ね合わすことができない鏡像である、単一化合物の2つの立体異性体を指す。
「ヌクレオシドおよびヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤」または「NRTI」は、HIV逆転写酵素の活性を阻害することによる抗HIV効果を示す化合物を含む。例は、アバカビル(ABC)、ジダノシン(ddI)、エムトリシタビン(FTC)、ラミブジン(3TC)、スタブジン(d4T)、テノホビル(TFV)、ジドブジン(AZT)、およびザルシタビン(ddC)、ならびにこれらの生理的に機能性の誘導体を非限定的に含む。1つまたは複数のNRTIが本発明の製剤に使用されてもよい。
「局所」製剤は、鼻腔、経口、直腸、経皮、および膣投与に好適なものを含む。
2.組成物
PMPAまたはテノホビル(U.S. Pat. Nos.4,808,716、5,733,788、6,057,305)は次の構造を有する。
Figure 2016519666
PMPA、テノホビルの化学名は、(R)-9-(2-ホスホニルメトキシプロピル)アデニン;およびリン酸,[[(1R)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]を含む。CAS登録番号は147127-20-6である。
フマル酸テノホビルジソプロキシル(DF)は、他の抗レトロウイルス剤と組み合わせたHIV-1感染の治療のために米国で承認されたヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤である。フマル酸テノホビルジソプロキシルまたはViread(商標)(Gilead Science, Inc.)は、テノホビルジソプロキシルのフマル酸塩である。Viread(商標)は、2,4,6,8-テトラオキサ-5-ホスファノナン二酸,5-[[(1R)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]-,ビス(1-メチルエチル)エステル,5-オキシド,(2E)-2-ブテン二酸(1:1)と名付けられていることもある。CAS登録番号は202138-50-9である。
テノホビルの生理的に機能性の誘導体は、PMEAおよびPMPAという化合物を含む。PMEAおよびPMPAは次の構造を有する:
Figure 2016519666
ここでPMEA(R3は、Hである)およびPMPA(R3は、C1-C6アルキル、C1-C6置換アルキル、またはCH2OR8であり、ここでR8は、C1-C6アルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、またはC1-C6ハロアルキルである。R6およびR7は、独立してHまたはC1-C6アルキルである。R4およびR5は、独立してH、NH2、NHR、またはNR2であり、ここでRは、C1-C6アルキルである。R1およびR2は、独立してH、C1-C6アルキル、C1-C6置換アルキル、C6-C20アリール、C6-C20置換アリール、C6-C20アリールアルキル、C6-C20置換アリールアルキル、アシルオキシメチルエステル-CH2OC(=O)R.sup.9(例えばPOM) 、または炭酸アシルオキシメチル--CH2OC(=O)OR9(例えばPOC)であり、ここでR9は、C1-C6アルキル、C1-C6置換アルキル、C6-C20アリール、またはC6-C20置換アリールである。例えば、R1およびR2は、ピバロイルオキシメトキシ、POM、-CH2OC(=O)C(CH3)3、またはPOC、--CH2OC(=O)OC(CH3)3であってもよい。また、例えば、テノホビルは、R3がCH3であり、R1、R2、R4、R5、R6およびR7がHである構造を有する。ホスホン酸ジアルキルは、次の方法に従って調製してもよい:Quast et. al. (1974) Synthesis 490; Stowell et. al. (1990) Tetrahedron Lett. 3261; U.S. Pat No. 5,663,159。
PMPAは、鏡像異性的に濃縮されているかまたは精製されていてもよく(単一の立体異性体)、この場合R3のある炭素原子は、RまたはS鏡像異性体であってもよい。PMPAは、ラセミ体すなわちRおよびS立体異性体の混合物であってもよい。
本組成物は、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、PMPAの濃縮立体異性体混合物、およびこれらの生理的に機能性の誘導体をすべて含む。
本組成物および方法は、テノホビルのプロドラッグをすべて含む。ホスホン酸に関して、構造的に多様なプロドラッグが多数記載されている(Freeman and Ross in Progress in Medicinal Chemistry 34: 112-147 (1997)。一般的に使用されるプロドラッグ類はアシルオキシアルキルエステルであり、これは、Farquhar et. al. (1983) J. Pharm. Sci. 72: 324;またU.S. Pat. Nos. 4,816,570、4,968,788、5,663,159および5,792,756により、カルボン酸に関してプロドラッグストラテジーとして最初に使用され、次いで、ホスフェートおよびホスホネートに対して適用されたものである。続いて、アシルオキシアルキルエステルは、細胞膜を介してホスホン酸を送達するためおよび経口的な生物学的利用能を向上させるために使用された。アシルオキシアルキルエステルストラテジーに近い変形例であるアルコキシカルボニルオキシアルキルエステルもまた、本発明の組み合わせの化合物におけるプロドラッグ部分として、経口的な生物学的利用能を向上することがある。リン基のアリールエステル、特にフェニルエステルは、経口的な生物学的利用能を向上すると報告されている(DeLambert et. al. (1994) J. Med. Chem. 37: 498)。ホスフェートに対してオルトにあるカルボン酸エステルを含有するフェニルエステルも記載されている(Khamnei and Torrence, (1996) J. Med. Chem. 39:4109-4115)。ベンジルエステルは、元のホスホン酸を生成すると報告されている。いくつかの場合では、オルト位またはパラ位にある置換基は、加水分解を促進することがある。アシル化フェノールまたはアルキル化フェノールを有するベンジルアナログは、例えばエステラーゼ、オキシダーゼなどの酵素の作用を通じてフェノール化合物を生成することがあり、これが今度はベンジルC-O結合において開裂して、リン酸およびキノンメチド中間体を生成する。この類のプロドラッグの例は、Mitchell et. al. (1992) J. Chem. Soc. Perkin Trans. I 2345; Brook et. al., WO91/19721によって記載されている。ベンジルのメチレンに付いたカルボン酸エステル含有基を含有するさらに別のベンジルプロドラッグが記載されている(Glazier et. al., WO91/19721)。チオ含有プロドラッグは、ホスホン酸薬(phosphonate drug)の細胞内送達に有用であることが報告されている。これらプロエステルは、チオール基がアシル基とエステル化しているかまたは別のチオール基と組み合わされてジスルフィドを形成するエチルチオ基を含有する。ジスルフィドの脱エステル化または還元は、後にリン酸およびエピスルフィドまで分解する遊離チオ中間体を生成する(Puech et. al. (1993) Antiviral Res., 22: 155-174; Benzaria et. al. (1996) J. Med. Chem. 39: 4958)。環状ホスホネートエステルもまた、リン含有化合物のプロドラッグとして記載されている。
本発明によるプロドラッグエステルは、独立して次の群より選択される:(1)テノホビルのモノ-、ジ-、およびトリ-ホスフェートエステル、あるいはヒト対象への投与時に該モノ-、ジ、またはトリホスフェートエステルを(直接的にまたは間接的に)提供可能な任意の他の化合物;(2)カルボン酸エステル;(3)アルキル-またはアラルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル)などのスルホネートエステル;(4)アミノ酸エステル(例えば、アラニン、L-バリル、またはL-イソロイシル);(5)ホスホネート;および(6)ホスホンアミデートエステル。エステル群(1)〜(6)は、直鎖または分岐鎖C1-C18アルキル(例えば、メチル、n-プロピル、t-ブチル、またはn-ブチル);C3-C12シクロアルキル;アルコキシアルキル(例えば、メトキシメチル);アリールアルキル(例えば、ベンジル);アリールオキシアルキル(例えば、フェノキシメチル);C5-C20アリール(例えば、ハロゲン、C1-C4アルキル、またはC1-C4アルコキシなどで任意で置換されているフェニル);またはアミノで置換されていてもよい。このようなエステルにおいて存在する例示的なアリール部分は、フェニル基または置換フェニル基を含む。多くのホスフェートプロドラッグ部分が、U.S. Pat. No. 6,312,662; Jones et. al. (1995) Antiviral Research 27: 1-47; Kucera et. al. (1990) AIDS Res. Hum. Retro Viruses 6:491-501; Piantadosi et. al. (1991) J. Med. Chem. 34: 1408-14; Hosteller et. al. (1992) Antimicrob. Agents Chemother. 36:2025-29; Hostetler et. al. (1990) J. Biol. Chem. 265:611127;およびSiddiqui et. al. (1999) J. Med. Chem. 42:4122-28に記載されている。
薬学的に許容可能なプロドラッグとは、酵素作用によるかあるいは一般的な酸または塩基の加溶媒分解によってホスト内で代謝されて、例えば、加水分解されるかまたは酸化されて活性成分を形成する化合物を指す。本発明の組み合わせの活性成分のプロドラッグの典型例は、活性化合物の官能部分上に生物学的に易動性の保護基を有する。プロドラッグは、酸化、還元、アミノ化、脱アミノ化、エステル化、脱エステル化、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、脱アシル化、リン酸化、脱リン酸化、あるいはプロドラッグ上で化学結合を形成するかまたは切断することを伴う他の官能基変化または変換ができる化合物を含む。
上記化合物のうちのいずれに対するどのような言及も、その生理的に許容可能な塩に対する言及を含むものである。テノホビルの生理的に許容可能な塩および生理的に許容可能な誘導体の例は、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)、アルカリ土類(例えば、マグネシウム)、アンモニウムおよびNX4+(ここでXはC1-C4アルキルである)などの適切な塩基から誘導される塩を含む。水素原子またはアミノ基の生理的に許容可能な塩は、酢酸、安息香酸、乳酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、マロン酸、リンゴ酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸、およびコハク酸などの有機カルボン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、およびp-トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸;塩酸、硫酸、リン酸、およびスルファミン酸などの無機酸の塩を含む。水酸基の化合物の生理的に許容可能な塩は、Na+およびNX4+(ここでXは独立してHまたはC1-C4アルキル基より選択される)などの好適なカチオンと組み合わせた該化合物のアニオンを含む。
治療的な使用には、本明細書において開示する組成物の活性成分の塩が、生理的に許容可能となるであろう、すなわち生理的に許容可能な酸または塩基から誘導された塩となるであろう。しかしながら、生理的に許容可能ではない酸または塩基の塩もまた、例えば、生理的に許容可能な化合物の調製または精製において用途を見出すことがある。生理的に許容可能な酸または塩基から誘導されたか否かにかかわらずすべての塩が本発明の範囲内である。
3.製剤
本明細書において開示する製剤は、鼻腔、経口、直腸、経皮、および膣投与に好適なものを含む(例えば、参照により本明細書に組み入れられるU.S. Appl. Ser. No. 12/893,516を参照されたい)。特定の態様では、製剤は直腸投与に好適である。具体的な態様では、製剤はグリセリンを5%(w/w)未満含む。より具体的な態様では、製剤はグリセリンを1%(w/w)未満含む。さらに具体的な態様では、製剤はグリセリンを1%(w/w)未満含み、直腸または膣の粘膜の刺激を製剤が抑えるようなpHに緩衝化されている。例えば、直腸のpHは5.5〜7.0の範囲でありうる。したがって、本明細書において開示する製剤は、5.5〜7.0の範囲のpHを有することができる。特定の態様では、膣内で使用されるときは、製剤のpHは3.5〜5の範囲であることができる。
口内の局所投与に好適な製剤は、通常はスクロースおよびアカシアまたはトラガカントである風味付けした基剤中に活性成分を含むロゼンジ(lozenge);ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアなどの不活性基材中に活性成分を含むパスティル(pastille);および好適な液体担体中に活性成分を含む洗口剤を含む。膣投与に好適な製剤は、活性成分に加え、適切であることが当技術分野において公知である担体を含有する錠剤、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡体、またはスプレー製剤として提示されてもよい。
直腸投与および/または膣投与のための製剤は、例えばカカオバターを含む好適な基剤を有する坐薬として提示することができる。本明細書において開示する製剤はグリセリンが比較的少ない。このような製剤は、グリセリン濃度が10%(w/w)未満、5%(w/w)未満、および1%(w/w)未満でありうる。本明細書において開示する製剤は、水分を約1.0%〜約75%(w/w)の割合で含みうる。
加えて、本明細書において開示する製剤は広範な組成を有することができる。特定の態様では、製剤は約0.1%(w/w)から約20%(w/w)の間のNRTIを含む。いくつかの態様では、NRTIは約1.0%(w/w)〜約10%(w/w)の量で提供される。具体的な態様では、製剤は、HIV感染を治療するかまたは予防するために有効量のNRTIを含む。有効量は、感染を治療するために必要と見なされる任意の量でありうる。一例としては、有効量は製剤において約50mg以上のNRTIでありうる。有効量はまた、製剤において10mg〜50mgのNRTIでありうる。いくつかの態様では、有効量は約300mg以下のNRTIである。別の態様では、NRTIの有効量は製剤において約300mg〜約1.0gである。患者の必要性に応じて、有効量を1日に1回、2回、または複数回にわたって提供することができる。
製剤は増粘剤を約0.5%(w/w)〜約10%(w/w)含むことができる。具体的な態様では、増粘剤は約1.0%(w/w)〜約5.0%(w/w)の量で提供される。例示的であり非限定的な増粘剤は、ヒドロキシエチルセルロースおよびメチルセルロースを含む。具体的な態様では、ヒドロキシエチルセルロースの添加およびグリセリンの低減によってオスモル濃度が300mOs前後に維持される。より具体的な態様では、ヒドロキシエチルセルロースは約1.0%(w/w)〜約5.0%(w/w)の量である一方、グリセリンは約0.5%(w/w)以下の量である。
いくつかの態様では、製剤は1つまたは複数の防腐剤を、約0.01%(w/w)〜約1.0%(w/w)または約0.02%(w/w)〜約0.05%(w/w)の量で含む。防腐剤の例は、EDTA、プロピルパラベン、およびメチルパラベンを非限定的に含む。
特定の態様では、本明細書において開示する製剤は、1つまたは複数の潤滑剤を約0.1%(w/w)〜約15%(w/w)含む。具体的な態様では、製剤は1つまたは複数の潤滑剤を約1.0%(w/w)〜約10%(w/w)含む。別の態様では、製剤は1つまたは複数の潤滑剤を約0.1%(w/w)〜約1.0%(w/w)含む。潤滑剤の例は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、植物油、グリセリン、鉱油、PEG4000、PEG6000、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、パルミトステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、およびフマル酸ステアリルナトリウムを非限定的に含む。いくつかの態様では、製剤は1つまたは複数の湿潤剤を約0.1%(w/w)〜約10%(w/w)含む。例示的な湿潤剤は、ソルビトール、グリセリン、およびプロピレングリコールを非限定的に含む。
グリセリンを使用する態様では、グリセリンの量は、グリセリンが約10%(w/w)未満でありうる。別の態様では、グリセリン量は約5%(w/w)未満であり、約1.0%(w/w)未満でありうる。具体的な態様では、グリセリンの量は約0.1%(w/w)未満である。より具体的な態様では、製剤はグリセリンを含むものではない。
担体が固形物である直腸投与に好適な医薬製剤は、単位用量坐薬として最も好ましく提示される。好適な担体は、カカオバターおよび当技術分野において一般的に使用される他の材料を含む。坐薬は、軟化させたかまたは溶融させた担体と活性成分との混合に続いて型内での冷却および成形によって都合よく形成され得る。
本発明の文脈において、局所適用という用語は、体腔に対しておよび皮膚に対しての適用を含むことが理解されるものである。したがって、好ましい態様では、NRTIは肛門、口、または膣などの体腔に適用される。特に好ましい態様では、NRTIは膣に適用される。したがって、本方法は、膣性交の結果としてのHIV感染を予防するための膣への局所適用を伴ってもよい。典型的には、局所適用は膣性交の開始前、適切には膣性交の開始0〜60分前、好ましくは0〜5分前に行われる。
NRTIは、エアロゾル、発泡体、ゼリー、クリーム、坐薬、錠剤、タンポンなどを含む数多くの形態で膣および直腸に適用されてもよい。膣への適用に好適な組成物は、参照により本明細書に組み入れられるU.S. Pat. Nos. 2,149,240、2,330,846、2,436,184、2,467,884、2,541,103、2,623,839、2,623,841、3,062,715、3,067,743、3,108,043、3,174,900、3,244,589、4,093,730、4,187,286、4,283,325、4,321,277、4,368,186、4,371,518、4,389,330、4,415,585、および4,551,148に開示されており、本方法は、そのような組成物の形態で膣にNRTIを適用することにより行われてもよい。NRTIを含有する組成物は、任意の従来の様式で膣および直腸に適用されてもよい。膣および直腸に本組成物を適用するために好適な装置は、参照により本明細書に組み入れられるU.S. Pat. Nos.3,826,828、4,108,309、4,360,013、および4,589,880に開示されている。
別の態様では、本発明は肛門へのNRTIの局所投与を伴う。肛門に投与される組成物は、好適には、膣適用に関連して上に記載したものなどの発泡体、クリーム、ゼリーなどである。肛門適用の場合、肛門の全体にわたって組成物を実質的に均一に分配するアプリケーターを使用するのが好ましいことがある。例えば、好適なアプリケーターは、長さが2.5〜25cm、好ましくは5〜10cmのチューブであって、その長さに沿って一定の間隔で配置された穴を有するものである。
本組成物および方法は、HIV感染の拡大を防ぐためにも有用である。上述したように、このような組成物は、発泡体、クリーム、ゼリー、坐薬、錠剤、エアロゾル、含嗽剤、洗口剤などの形態であってもよい。特に好ましいものは膣ゲルである。組成物中のNRTIの濃度は、適用している組成物の種類の通常量を投与時に効果的な局所的肛門、口腔、または膣での濃度を達成するような濃度である。この点で、本組成物が坐薬(腟坐薬を含む)の形態である場合、坐薬は通常1〜5グラム、好ましくは約3グラムであり、坐薬全体が適用されるであろうことが注記される。腟錠は好適には1〜5グラム、好ましくは約2グラムであり、錠剤全体が適用されるであろう。本組成物が膣クリームである場合、クリームは好適には0.1〜2グラム、好ましくは約0.5グラム適用されるであろう。本組成物が水溶性の膣クリームである場合、好適には0.1〜2グラム、好ましくは約0.6グラム適用される。本組成物が膣スプレー発泡体である場合、スプレー発泡体は好適には0.1〜2グラム、好ましくは約0.5グラム適用される。本組成物が肛門クリームである場合、クリームは好適には0.1〜2グラム、好ましくは約0.5グラム適用される。本組成物が肛門スプレー発泡体である場合、スプレー発泡体は好適には0.1〜2グラム、好ましくは約0.5グラム適用される。本組成物が洗口剤または含嗽剤である場合、好適には1〜10ml、好ましくは約5ml適用される。
洗口剤または含嗽剤の場合、NRTIの味および/または臭いをマスキングする薬剤を組成物中に含むのが好ましいことがある。このような薬剤は、スペアミント油、桂皮油などの洗口剤および含嗽剤において典型的に見られる香料を含む。
本組成物はまた、徐放性組成物の形態であってもよい。この態様では、効果的なNRTIの膣または肛門での濃度をもたらす速度で活性成分を放出する組成物中に、NRTIが組み込まれる。徐放性組成物は、すべて参照により本明細書に組み入れられるControlled Release of Pesticides and Pharmaceuticals, D. H. Lew, Ed., Plenum Press, New York, 1981;およびU.S. Pat, Nos. 5,185,155; 5,248,700; 4,011,312; 3,887,699; 5,143,731; 3,640,741; 4,895,724; 4,795,642; Bodmeier et. al., Journal of Pharmaceutical Sciences, vol. 78 (1989); Amies, Journal of Pathology and Bacteriology, vol. 77 (959); およびPfister et. al., Journal of Controlled Release, vol. 3, pp. 229-233 (1986)に開示されている。
本組成物はまた、膣性交または肛門性交などの何らかの事象に応答してNRTIを放出する形態であってもよい。例えば、本組成物は、性交の力学的作用によって破壊される小胞またはリポソーム中にNRTIを含有してもよい。リポソームを含む組成物は、参照により本書に組み入れられるU.S. Pat. No. 5,231,112およびDeamer and Uster, "Liposome Preparation: Methods and Mechanisms", in Liposomes, pp. 27-51 (1983); Sessa et. al., J. Biol. Chem., vol. 245, pp. 3295-3300 (1970); Journal of Pharmaceutics and Pharmacology, vol. 34, pp. 473-474 (1982);およびTopics in Pharmaceutical Sciences, D. D. Breimer and P. Speiser, Eds., Elsevier, N.Y., pp. 345-358 (1985)に記載されている。
本組成物は、子宮内器具(IUD)、膣ダイヤフラム(vaginal diaphragm)、膣スポンジ、ペッサリー、コンドームなどの物品に付随してもよいことも認識されたい。IUDまたはダイヤフラムの場合、徐放性および/または力学的放出性組成物が好ましいことがある一方で、コンドームの場合は力学的放出性組成物が好ましい。
別の態様では、本発明はHIV感染の予防に有用な新規の物品を提供する。特に、本物品は適切な身体部位上または適切な体腔内に配置されるとNRTIを放出する。したがって、本発明は、NRTIを含有するかまたはNRTIに付随するIUD、膣ダイヤフラム、膣スポンジ、ペッサリー、またはコンドームを提供する。
したがって、本物品は、1つまたは複数のNRTIを含有するIUDであってもよい。好適なIUDは、参照により本明細書に組み入れられるU.S. Pat. Nos. 3,888,975および4,283,325に記載されている。本物品は、NRTIを含み、時間的に制御された様式でNRTIを放出する膣内スポンジであってもよい。膣内スポンジは、参照により本明細書に組み入れられるU.S. Pat. Nos. 3,916,898および4,360,013に記載されている。本物品はまた、NRTIを放出する膣ディスペンサであってもよい。膣ディスペンサは、参照により本明細書に組み入れられるU.S. Pat. No. 4,961,931に記載されている。
本物品はまた、NRTIでコーティングされたコンドームであってもよい。好ましい態様では、コンドームは、NRTIを含む潤滑剤または挿入促進剤でコーティングされている。潤滑剤または挿入促進剤は、参照により本明細書に組み入れられるU.S. Pat. Nos. 4,537,776; 4,552,872; 4,557,934; 4,130,667, 3,989,816; 4,017,641; 4,954,487; 5,208,031;および4,499,154に記載されている。

Claims (14)

  1. 有効量のNRTIを、潤滑剤、湿潤剤、防腐剤、および増粘剤のうち1つまたは複数と組み合わせて含み、グリセリンを約5%以下含む、医薬製剤。
  2. 潤滑剤が1.0%(w/w)〜約10%(w/w)の量である、請求項1記載の医薬製剤。
  3. 潤滑剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、植物油、グリセリン、鉱油、PEG4000、PEG6000、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、パルミトステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、およびフマル酸ステアリルナトリウムからなる群より選択される、請求項1記載の医薬製剤。
  4. 増粘剤を約0.5%(w/w)〜約10%(w/w)含む、請求項1記載の医薬製剤。
  5. 増粘剤がヒドロキシエチルセルロースまたはメチルセルロースである、請求項4記載の医薬製剤。
  6. 1種または複数種の防腐剤を約0.01%(w/w)〜約2.0%(w/w)含む、請求項1記載の医薬製剤。
  7. 1種または複数種の防腐剤が、EDTA、プロピルパラベン、およびメチルパラベンからなる群より選択される、請求項6記載の医薬製剤。
  8. 固形物である、請求項1記載の医薬製剤。
  9. ゲル、エアロゾル、または発泡体(form)の形態である、請求項1記載の医薬製剤。
  10. 坐薬である、請求項1記載の医薬製剤。
  11. グリセリンの量が約0.1%(w/w)以下である、請求項1記載の医薬製剤。
  12. NRTIがテノホビルである、請求項1記載の医薬製剤。
  13. NRTIを約300mg含む、請求項1記載の医薬製剤。
  14. 請求項1〜11のいずれか一項記載の製剤を感染動物に投与する工程を含む、感染動物におけるHIV感染の症状または影響の治療のための方法。
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