本明細書に記載の図形傾向記号を実装及び表示するために用いられ得る、図1に図示されるプロセス制御監視システム10は、データベース12、及び1つ以上のホストワークステーションまたはコンピュータ14(任意の形式のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等であり得る)に、例えばイーサネット通信ネットワーク等のネットワークバス31を介して接続される、プロセスコントローラ11を含む。各ワークステーション14は、例えば、図形的表示アプリケーション30を含む複数のアプリケーションを記憶するためのメモリを含み得、ユーザインターフェース13に通信可能に連結され得る。コントローラ11はまた、入力/出力(I/O)カード26及び28を介して、フィールドデバイス15〜22に接続される。データベース12は、任意の所望の形式のメモリ、及びデータを記憶するための任意の所望または既知のソフトウェア、ハードウェア、またはファームウェアを有する、任意の所望の形式のデータ収集ユニットであり得る。システム10はまた、図形傾向記号の生成、及びそれに続くオペレータへの表示に使用するための、プロセス変数値またはプロセス変数データを、データベース12内に記憶し得る。図1において、コントローラ11は、ハードワイヤード通信ネットワーク及び通信方式、または代替として、無線ネットワーク及び無線通信方式を使用して、フィールドデバイス15〜22と通信可能に接続される。
概して、フィールドデバイス15〜22は、センサ、バルブ、送信器、ポジショナ等の任意の形式のデバイスであり得る一方で、I/Oカード26及び28は、Fieldbusプロトコル、HARTプロトコル、4〜20maアナログプロトコル等の任意の所望の通信またはコントローラプロトコルに従う、任意の形式のI/Oデバイスであり得る。図1に図示されるバルブ、センサ、及び他の機器は、例えばFieldbusフィールドデバイス、標準的な4〜20maフィールドデバイス、HARTフィールドデバイス等の任意の所望の種類または形式の機器であり得、任意の所望の様式でコントローラ11に接続され得、かつそれによって制御され得る。また、他のコントローラが、プロセスプラント16に関連付けられた他のデバイスまたは領域を制御するために、例えば、イーサネット通信回線31を介して、コントローラ11に、ならびにワークステーション14に接続され得、そのような追加的なコントローラの運転は、任意の所望または既知の様式で、図1に図示されるコントローラ11の運転と整合され得る。
コントローラ11は、メモリ24に記憶される、1つ以上のプロセス制御ルーチン(または任意のモジュール、ブロック、またはそのサブルーチン)を実装または監督する、プロセッサ23を含む。一般的に言えば、コントローラ11は、任意の所望の様式で、デバイス15〜22、ホストコンピュータ14、及びデータベース12と通信してプロセスを制御する。また、コントローラ11は、機能ブロックと一般に呼ばれるものを使用して、制御戦略または方式を実装し得、各機能ブロックは、(リンクと呼ばれる通信を介して)他の機能ブロックと併せて動作して、プロセス制御監視システム10内でプロセス制御ループを実装する、全体的な制御ルーチンのオブジェクトまたは他の部分(例えば、サブルーチン)である。機能ブロックは、典型的には、例えば、送信器、センサ、もしくは他のプロセスパラメータ測定デバイスに関連付けられた入力機能、例えば、PID、ファジー論理等の制御を実施する制御ルーチンに関連付けられた制御機能、または例えば、バルブ等の一部のデバイスの動作を制御する出力機能のうちの1つを実施して、プロセス制御監視システム10内の一部の物理的機能を実施する。もちろん、ハイブリッド及び他の形式の機能ブロックが存在し、本明細書で活用され得る。機能ブロックは、コントローラ11または以下に記載される他のデバイスに記憶され得、それによって実行され得る。
一般的に言えば、図1のプロセス制御監視システム10は、例えば、オペレータがプラントの空間的に現実的な図形的表現を介してプロセスを監視すること、及びプロセスプラントの階層構造の前後関係内でプロセスプラントの表現の異なる領域にナビゲートすることを、ユーザインターフェース13を介して可能にする、図形表示アプリケーションをワークステーション14のうちの1つが実行する、1つ以上のプロセス制御プラントのプロセスの監視に使用され得る。図1に図示される例示的なプロセス制御監視システムにおいて、そのような図形表示アプリケーション30は、ワークステーション14に常在する。しかしながら、図形表示アプリケーション30は、他のワークステーション14中で、または任意の無線様式を含む、任意の所望の様式でバス31と通信可能に接続される他のコンピュータ中で、記憶及び実行され得る。
図1を再び参照すると、データベース12は、プラント及び機器階層中の機器ユニットのリスト等の機器データ、プラントの様々な領域に関する管理情報、機器ユニットのプラント領域との関連付け、機器の階層的内訳、各フィールドデバイスの場所のデータ等のフィールドデバイスデータ、フィールドデバイスの機器の一部との関連付け、及び他の構成データを含む、構成データを記憶し得る。また、データベース12は、別個のサーバもしくはサーバのグループであり得るか、または、プロセスプラント制御監視ネットワーク10が十分に小さい場合、データベース12は、単に、ワークステーション14のうちの1つのファイルシステムの専用プロセスサービス部として実装され得ることが留意されるであろう。重要なことに、システム10は、現在及び過去両方の、フィールドデバイス15〜22から収集されるプロセス変数値、または例えば図形傾向記号の生成及びオペレータへの表示に使用するためのデータベース12内で図形表示アプリケーション30によって生成されるプロセス変数データを記憶し得る。
一般的には、オペレータは、動作中またはシミュレーション環境において、プロセスプラントの図形的表現内で図形傾向記号を実装及び表示するために、図形表示アプリケーション30を作動または実行し得る。図形表示アプリケーション30は、プロセス変数データ及びプロセス変数傾向データを生成するために、データベース12から特定のプロセス変数に関するプロセス変数情報を回収または受信し得る。図形表示アプリケーションは、図形傾向記号を生成し、プロセスプラントの図形的表現内に表示する際に、これらのプロセス変数データ及びプロセス変数傾向データを使用し得る。
図2に図示されるように、例えば、図形表示アプリケーション30は、表示域52及びナビゲーションペイン54内に表示される、この場合原油ユニット53である、プラント構成要素の図形的表現を含む、例示的なスクリーンショット50をオペレータに提示する。表示された原油ユニットの図形的表現53は、プロセスプラントの全体的な図形的表現(すなわち、P&ID全体)の一部分のみを描写し、特に、プロセスプラントの原油ユニット(例えば、「原油ユニット1」とラベル付けされる)内に含まれる機器のみを描写する。図2に見られるように、図形表示アプリケーションは、原油ユニットを構成するヒーター56、蒸留タワー58、脱塩装置60等の機器の図形的で現実的な描写を含む、プラント中の原油ユニットの空間的に現実的な配置(例えば、P&ID)を含むように、原油ユニットの図形的表現53を表示し得る。図形表示アプリケーションは、機器の一部、識別子ラベル、ならびに機器の一部を機器の他の一部または燃料油、燃料ガス、水源等の他の流入/流出源に連結し得る、任意の配管、接続等の現実的な描写を含むように、表示される機器の各部分を表示し得る。例えば、ヒーター56は、例えば蒸気用入口管57、燃料油用入口管59、燃料油用入口管63、及び原油用出口管65等の、ヒーター56に関連付けられた入力及び出力を示しながら、ヒーター及び識別子ラベル「H−138」の現実的な描写を含む。図形表示アプリケーションは、機器の各部分に関する具体的な、または重要なプロセス変数情報もまた含むように、表示域52内に原油ユニット53の図形的表現を表示し得る。例えば、図2に示されるように、図形表示アプリケーション30は、入口圧力、出口圧力、及び原油温度(下でより詳細に考察される)等の、ヒーター56に関連付けられたいくつかのプロセス変数についてのプロセス変数データを表示する。
ナビゲーションペイン54は、図2に示されるように、プロセスプラントの実際の階層構造を反映する階層的な枠組または構造内の前後関係をオペレータに提供しながら、オペレータがプロセスプラント61全体、または他のプロセスプラントの図形的表現内の図形傾向記号に効率的にナビゲートすることを可能にする。特に、ナビゲーションペイン54は、プロセスプラント61の全体的な表現の前後関係で、またはそれに関して、表示域52内に現在表示される、プロセスプラントの領域または部分をオペレータが素早く認識することを可能にし得る。さらに、ナビゲーションペイン54は、プロセスプラントの表現の、異なる領域の階層レベルに関わらず、プロセスプラントの表現の、異なる領域にオペレータが効率的にナビゲートするように、可能性のある場所ナビゲーションオプションの一部または全てを明確に提供し得る。有利なことに、図形表示アプリケーション30は、スクリーンショット50内の表示域52に対して同一の位置にナビゲーションペイン54を常に一貫して表示して、プロセスプラントの表現内で予測可能かつ効率的なナビゲーションをオペレータに提供し得る。
図2において、ナビゲーションペイン54は、プロセスプラント61と、プロセスプラント61の階層構造中のプロセスプラント61に関連付けられたユニット及び機器とを表し得る。特に、ナビゲーションペイン54は、この実施例において、それぞれ、「原油ユニット1」、「原油ユニット2」、及び「原油ユニット3」とラベル付けされる、1つ以上のユニットセレクタアイコン66、68、70を含む、ユニット選択領域62を含む。ナビゲーションペイン54はまた、実際のプラント中の機器の特定の部分に対応する、1つ以上の機器セレクタアイコン72〜82を含み得る、機器選択領域64も含み得る。例えば「原油ユニット1」ユニットセレクタアイコン66等のユニットセレクタアイコンのうちの1つの選択の受信に応答して、図形表示アプリケーション30は、選択されたユニットに関連付けられた、またはそれの内部に含まれる機器の1つ以上の部分に対応する、1つ以上の機器セレクタアイコン72〜82を、機器選択領域64中に表示する。例えば、図2に示されるように、図形表示アプリケーション30は、「脱塩装置」機器セレクタアイコン72、「貯蔵タンク」機器セレクタアイコン74、「タワー」機器セレクタアイコン76、「塔頂受槽」機器セレクタアイコン80、及び「ヒーター」機器セレクタアイコン82を含む、選択された「原油ユニット1」ユニットセレクタアイコン66に関連付けられた全ての機器を表示する。もちろん、プロセス制御監視システム10のナビゲーションペイン54は、任意の数の階層レベル及び選択領域を含み得、ユニット及び機器を含む2つの階層レベルに限定されない。同様に、例えば「原油ユニット2」ユニットセレクタアイコン68の選択の受信に応答して、図形表示アプリケーション30は、新しく選択されたユニットに関連付けられた、またはそれの内部に含まれる機器セレクタアイコン(図示せず)で、機器選択領域64を埋める。
例として、図2Aは、プロセス制御システム(例えば、図1の例示的なプロセス制御システム10)の少なくとも一部分に関連付けられた、例示的なナビゲーションペイン2600を図示する。例示的なナビゲーションペイン2600は、別個の列2620、2622、2624に分類または配列される、複数のナビゲーションボタン2602、2604、2606、2608、2610、2612、2614、2616、2618を含む。各ナビゲーションボタン2602、2604、2606、2608、2610、2612、2614、2616、2618は、プロセス制御システム内の特定の構成要素(例えば、プラント、領域、ユニット、機器モジュール、制御モジュール等)に対応する。各列2620、2622、2624は、プロセス制御システムの構成要素の階層内の異なるレベルに対応し、したがって、各列2620、2622、2624の階層レベルに対応する構成要素に関連付けられるナビゲーションボタン2602、2604、2606、2608、2610、2612、2614、2616、2618を含有する。図示された実施例において、構成要素のより高いまたはより上のレベル(例えば、親構成要素)は左側に向かい、より低いレベル(例えば、子構成要素、またはサブ構成要素)は右側に向かう。例えば、図2Aの図示された実施例において、左側の列2620は、プロセス制御システムの階層のプラントレベルに対応し、プロセス制御システム中の単一のプラントに対応する、「テキサスプラント」とラベル付けされた単一のナビゲーションボタン2602を含む。図示された実施例の、階層において1つ下のレベル(真ん中の列2622に対応する)は、ユニットレベルであり、これはプロセス制御システムのプラント内の3つのプロセスユニットに対応する、それぞれ、「原油ユニット1」、「原油ユニット2」、及び「原油ユニット3」とラベル付けされたナビゲーションボタン2604、2606、2608を含有する。例示的な階層において1つ下のレベル(及び例示的なナビゲーションペイン2600において列2624で表される最下レベル)は、機器モジュールレベルであり、これはプロセス制御システムの5つのプロセスモジュールに対応する、それぞれ、「貯蔵タンク」、「脱塩装置」、「ヒーター」、「タワー」、及び「塔頂受槽」とラベル付けされたナビゲーションボタン2610、2612、2614、2616、2618を含む。いくつかの実施例において、ナビゲーションペイン2600は、プロセス制御システムの階層内の他のレベルを表すために、より多くの列を含有することができる(例えば、機器モジュールレベル及び/または制御モジュールレベル)。
図示された実施例において、図示された実施例の各列2620、2622、2624は、階層中の共通の親構成要素に関連付けられた子構成要素の単一の分岐に対応する。すなわち、例示的なナビゲーションペイン2600中に示された階層内の低位レベルに関連付けられたナビゲーションボタンは、対応する低位レベルの真上のレベル内のナビゲーションボタンのうちの1つによって表される構成要素のうちの1つの内部に含有される構成要素のサブセットである構成要素に対応する。例えば、右側のレベルの列2624内のナビゲーションボタン2610、2612、2614、2616、2618は、プロセス制御システム内の同じプロセスユニットに全てが関連付けられたプロセスモジュールに対応し得る(例えば、中央の列2622内のナビゲーションボタン2604に関連付けられた第1の原油プロセスユニット)。同様に、中央の列2622内の3つのナビゲーションボタン2604、2606、2608の各々は、同じプラントに全てが関連付けられたプロセスユニットに対応し得る(例えば、左側の列2620内のナビゲーションボタン2602に関連付けられたプラント)。したがって、ナビゲーションボタン2606、2608に関連付けられた原油プロセスユニットは、複数のサブ構成要素(例えば、複数の機器及び/または制御モジュール)を有し得るが、これらは、示されたものではない階層の分岐内にあるため、図2Aに示されるナビゲーションペイン2600中のナビゲーションボタンによって表されない。図示された実施例において、任意の所与の時点でナビゲーションペイン2600中に表示される階層の各レベルの特定の分岐は、プロセス制御システムの現在の表示(例えば、P&ID表示領域302内の現在のプロセス図表304)に基づくことができる。
例えば、ナビゲーションボタン2604)に関連付けられた第1の原油プロセスユニットのナビゲーションボタン2614)に関連付けられたヒーターモジュールが、現在閲覧されている場合、最上位レベル(例えば、ナビゲーションボタン2602に関連付けられたプラント)から下方にヒーターモジュールに関連付けられたレベルまで分岐内の全てのナビゲーションボタンが表示される。図示された実施例に示されるように、階層の各レベルにおける兄弟構成要素(例えば、その階層の1レベル上の同じ親構成要素から直接に分岐する構成要素)もまた、表示される。いくつかの実施例において、(例えば、P&ID表示領域302を介して)現在閲覧されている特定の構成要素に対応するナビゲーションボタンは、他のナビゲーションボタンから図形的に区別される。例えば、図2Aに示されるように、オペレータがプラントの第1のユニットのヒーターモジュールについてのP&IDを閲覧しているとき、ヒーターモジュールに対応するナビゲーションボタン2614は、残りのナビゲーションボタンからそれを判別するために固有の視覚特性(例えば、異なるパターン)を有する。図示された実施例は、固有のパターンを有するナビゲーションボタン2614を示しているが、任意の他の視覚的に独特である特性を代わりに使用してもよい(例えば、陰影付け、色、形状、サイズ、輪郭、向き、記号、表記、縁取り、艶むら、強調表示等)。加えて、または代替として、表示されている階層の最上位レベル(例えば、プラント)から下方の特定の構成要素(例えば、領域、ユニット、モジュール等)までの直接のパスまたはライン内の各ナビゲーションボタンは、他のナビゲーションボタンから区別できるように図形的に変更される。例えば、ナビゲーションボタン2602、2604、2614は、太い縁取りを含むが、任意の他の視覚的に識別可能な特性を代わりに使用することもできる。このようにして、オペレータは、彼らが閲覧しているもの、及びそれがプロセス制御システム内の他の構成要素及びナビゲーションペイン2600内の他のナビゲーションボタンにどのように関連しているか、を迅速に判断することができる。
好ましくは、図形表示アプリケーション30は、例えば、図2に示されるように、選択されたユニットセレクタアイコン(例えば、「原油ユニット1」ユニットセレクタアイコン66)と、機器選択領域64の背景とに影を付けて、機器セレクタアイコン72〜82が選択されたユニットセレクタアイコン66に関連付けられたことを示すことによって、図2のユニットセレクタアイコン66〜70の選択を示してもよい。同様に、図2Bは、図2Aの例示的なナビゲーションペイン2600に表される例示的なプロセス制御システムの同一の部分に関連付けられた、別の例示的なナビゲーションペイン2700を図示する。例示的なナビゲーションペイン2700は、ナビゲーションボタン2602)に関連付けられたプラントを含む、階層中の各分岐が、別個のタブ2702、2704、2706、2708内に配置される点を除いて、例示的なナビゲーションペイン2600と類似する。したがって、図示される実施例において、階層の直接ライン中の各構成要素に関連付けられたタブ2702、2704、2706、2708は、フロントビューに表示され、太い輪郭で強調表示され、及び/または別様に図形的に識別される。表示域52(例えば、ヒーターモジュールに関連付けられたナビゲーションボタン2614)の現在の表示(例えば、図形的表現53)に関連付けられた図2Bのナビゲーションボタンは、視覚的に区別される(例えば、陰影付け、色、パターン、強調表示、輪郭、艶むら等)。このようにして、オペレータはプロセス制御システムの残部に対して、表示域52中に表示される現在のビューの前後関係を視覚的に識別することができる。さらに、タブ2702、2708の輪郭は、3つの原油プロセスユニット(ナビゲーションボタン2604、2606、2608によって表される)の各々が、プラント(ナビゲーションボタン2602によって表される)内のサブ構成要素であることと、5つのプロセスモジュール(ナビゲーションボタン2610、2612、2614、2616、2618によって表される)の各々が、第1の原油プロセスユニット(ナビゲーションボタン2604によって表される)内のサブ構成要素であることと、を図形的に表現するために役立つ。
図2Cは、図2、2A、及び/または2Bの例示的なプロセス制御システムの同一部分に関連付けられた、別の例示的なナビゲーションペイン2800を図示する。しかしながら、他の例示的なナビゲーションペインとは異なり、例示的なナビゲーションペイン2800は、ナビゲーションペインで表されるプロセス制御システムの最上位レベルを特定するタイトル2804(例えば、テキサスプラント)を備えた上部バナー2802を含む。したがって、図2Cの図示される実施例において、左側の列2806は、階層のユニットレベルに対応し、ナビゲーションボタン2604、2606、2608を含有し、真ん中の列2808は、階層のエリアレベルに対応し、ナビゲーションボタン2610、2612、2614、2616、2618を含有する。例示的なナビゲーションペイン2800の右側の列2810は、階層の1つ下のレベル中の構成要素(例えば、機器及び/または制御モジュール)に対応する、ナビゲーションボタン2812、2814、2816を含む。いくつかの実施例において、各列2806、2808、2810は、階層の対応するレベルに関連付けられたより多くのまたはより少ない構成要素に対応できるように調整可能な幅を有し得る。加えて、または代替として、列2806、2808、2810は、いつでも示されるが、対応するスクロールバー2818を使用することによって閲覧され得る、より多くのナビゲーションボタンを含有し得る。例示的なナビゲーションペイン2800は、ナビゲーションペイン2800が追加的な詳細を示し、図2に示されるように表示域52を介して表示されている原油プロセスユニット53の図形的表現よりもむしろ、表示域52を介して表示されるヒーターモジュールに対応するという点を除いて、図2の例示的なナビゲーションペイン54に類似または一致する。
図示された実施例において、例示的なナビゲーションペイン2800に表された特定の高位レベルの構成要素内に含有される低位レベルの構成要素は、各高位レベルのナビゲーションボタンの隣に配置され、かつ階層内の構成要素の直接のラインに対応し、かつ現在表示されている構成要素に関連付けられたナビゲーションボタンに向かって下方を指す、マーカー2820(例えば、三角形または矢印)によって識別される。例えば、ナビゲーションボタン2604の隣のマーカー2820は、下位レベルに表示された全てのナビゲーションボタン(例えば、列2808内のナビゲーションボタン2610、2612、2614、2616、2618及び列2810内のナビゲーションボタン2812、2814、2816)が、プロセス制御システムの第1の原油プロセスユニット(すなわち、ナビゲーションボタン2604に関連付けられた上方の構成要素)内のサブ構成要素に対応することを示す。同様に、ナビゲーションボタン2614の隣のマーカー2820は、ナビゲーションボタン2812、2814、2816が、ヒーターモジュール内の構成要素(すなわち、ナビゲーションボタン2614に関連付けられた上方の構成要素)に対応することを示す。加えて、または代替として、階層の最上位レベルから下方の現在表示されている構成要素への構成要素の直接のパスはまた、直接のパスに沿う対応するナビゲーションボタン(複数可)の外観を変更することにより(例えば、図2Aに関連して上述したもの同様である対応するナビゲーションボタン(複数可)の陰影付け、色、パターン、明るさ、輪郭等を変えることにより)、示すことができる。さらに、図2A及び2Bと同様に、表示域52の現在の表示(例えば、図形的表現53)に関連付けられた図2C内のナビゲーションボタン(例えば、ヒーターモジュールに関連付けられたナビゲーションボタン2614)は、視覚的に区別される(例えば、固有の陰影付け、パターン、色、形状、サイズ、輪郭、向き、記号、表記、艶むら、強調表示等)。もちろん、例えば、選択されたユニットセレクタアイコン(図示せず)中に表示される各機器セレクタアイコン中に、同一の記号インジケータ(例えば、セレクタアイコンの上方角のアスタリスク等)を表示する等、機器セレクタアイコン72〜82及び機器選択領域54が、選択されたユニットセレクタアイコン66と関連付けられることを示す、任意の好適な様式が採用され得る。
以下でより詳細に説明されるが、ナビゲーションボタンの任意の1つを選択する(例えば、マウスクリックを介して)ことは、プロセス制御システムの現在の表示(例えば、表示域52に表示された図形的表現53)を変更して、選択された構成要素に対応させ得る。このようにして、他の構成要素に関連する現在の表示ならびに構成要素の警報状態に関する前後関係の認識をオペレータに提供することに加えて、例示的なナビゲーションペイン2800は、オペレータが、プロセス制御システム内の任意の構成要素に迅速にナビゲートし、さらなる分析のために対応するP&ID及び/または他の情報を表示することを可能にする。他の実施例において、ナビゲーションボタンのうちの1つを選択する(例えば、マウスクリックを介して)ことは、プロセス図表304を即座に選択された構成要素に変更しないで、単にナビゲーションペイン内に選択された構成要素のプレビューを表示するだけでもよい。例えば、オペレータが、図2Cに示されるような例示的なナビゲーションペイン2800を閲覧している際、プロセス制御システムの第3の原油プロセスユニットに対応するナビゲーションボタン2608の警報概要アイコン2626に示された単一の警報の発生源を知ることを望む場合がある。この場合、オペレータは、左側の列2806内のナビゲーションボタン2608を選択して、他の列2808、2810を更新し、図2Dに示されるように第3の原油プロセスユニットのサブ構成要素に関連付けられたナビゲーションボタンを表示させ得る。すなわち、図2Cの例示的なナビゲーションペイン2800内のナビゲーションボタン2608を選択すると、マーカー2820がナビゲーションボタン2608の隣に表示され、中央の列2808が、プロセス制御システムの第3の原油プロセスユニット内の構成要素に対応する新規のナビゲーションボタン2902、2904、2906、2908、2910で再配置されたことを示す。次に、ナビゲーションボタン2904を選択すると(警報概要アイコン2626に基づいて警報の発生源または位置として示される)、右側の列がナビゲーションボタン2912、2914、2916で再配置され、別のマーカー2820が、ナビゲーションボタン2904の隣に表示され、第3の列2810内のナビゲーションボタン2912、2914、2916が、ナビゲーションボタン2904によって表された脱塩装置モジュール内のサブ構成要素に対応することを示す。
図2C及び2Dに示された例示的なナビゲーションペイン2800の間の列2806、2808、2810の内容は異なるが、いくつかの実施例において、図2Dのナビゲーションペイン2800は、第3の原油プロセスユニットの脱塩装置モジュールのプレビューであり、第1の原油プロセスユニットのヒーターモジュールのP&IDは、図形的表現53内の表示に残ることになる。いくつかの実施例において、ナビゲーションペイン2800内のプレビュー表示へのナビゲートは、対応するナビゲーションボタンを第1の様式(例えば、マウスのシングルクリック)で選択することにより達成することができ、プロセスプラントの新規部分への実際のナビゲート(例えば、異なる図形的表現53を伴う)は、対応するナビゲーションボタンを異なる第2の様式(例えば、マウスのダブルクリック)で選択することにより達成することができる。
上述のように、図2Dのナビゲーションボタン2608、2904の隣のマーカー2820及び/または図2Dのナビゲーションボタン2608、2904の独特の外観(例えば、陰影付け、色、パターン、縁取り、表示等に基づく)は、現在表示されている各列2806、2808、2810内のナビゲーションボタンの関係(例えば、階層の分岐及び/またはパス)を示す。しかしながら、プレビューのナビゲーションペインが示されるとき(例えば、図2Dのナビゲーションペイン2800)、図形的表現53に実際に表示されている特定の構成要素に対応するナビゲーションボタンは、隠されることがある(例えば、図2Cのナビゲーションボタン2614)。したがって、図2Dの例示的なナビゲーションペイン2800で示されるように、別のマーカー2918が、図形的表現53内の現在表示されている構成要素に関連付けられたプロセス制御システムの階層の分岐に対応するナビゲーションボタンの隣に表示され得る。さらに、マーカー2918は、上述のマーカー2820とは外観が異なり(例えば、色、パターン、輪郭、形状、表記等に基づく)、マーカー2820、2918の目的を区別し得る。いくつかの実施例において、マーカー2918の固有の視覚的特性は、図形的表現53に対応する構成要素に関連付けられたナビゲーションボタン(例えば、図2Cのナビゲーションボタン2614)の視覚的に区別可能な特徴(例えば、色、パターン、陰影付け、強調表示、縁取り等)に対応し得る。
図2C及び2Dに示されるように、上部バナー2802は、図形的表現53を介して現在表示されているプロセス制御システム内の構成要素に関連付けられたナビゲーションボタンを表示するように、例示的なナビゲーションペイン2800を戻すP&ID表示ボタン2826を含む。例えば、図2Dに示されるプレビューのナビゲーションペイン2800へのナビゲート後、オペレータがP&ID表示ボタン2826を選択(例えば、マウスクリック)した場合、ナビゲーションペイン2800は、P&ID表示領域302に現在表示されているヒーターモジュールに対応する図2Cのナビゲーションペイン2800で示される表示に戻ることができる。いくつかの実施例において、上部バナー2802はまた、バックボタン2828とフォワードボタン2830を含み、オペレータが、ナビゲーションペイン2800を使用している間にナビゲートした異なる表示の間で前後に閲覧することができる。加えて、または代替として、上部バナー2802はまた、現在警報状態にある少なくとも1つのプロセス変数に関連するページ(例えば、表示域52内のプロセスプラントの図形的表現53)の間で前後にスキップするための前の警報ボタン2832及び次の警報ボタン2834を備える。さらに、上部バナー2802は、警報状態下の少なくとも1つのプロセス変数を含む構成要素に関連付けられたナビゲーションボタンのみを表示するようにナビゲーションペイン2800を再構成するための、及び/または高い重要度警報に関連付けられたナビゲーションボタンのみを表示するようにナビゲーションペイン2800をフィルタ処理するための、警報フィルターボタン2836を備えることができる。加えて、または代替として、別個のソートボタンが、ナビゲーションボタンを他の様式(例えば、アルファベット順、操作した順、重要度の順等によってソートする)でソートし、かつ/またはフィルタ処理するように提供され得る。
ここで図3を参照すると、スクリーンショット55は、プロセス変数警報インジケータ84〜98、または表示される機器セレクタアイコン72〜82、ユニットセレクタアイコン66〜70、及びプラント61に関連付けられた、プロセス変数に関して起こる異なる形式の警報を示すバッジをさらに含む、ナビゲーションペイン54の詳細ビューを表示する。例えば、「貯蔵タンク」機器セレクタアイコン74に関連する警報インジケータ84は、プロセスプラント中の貯蔵タンクに関連付けられた特定のプロセス変数に関する緊急性の低い状態を示す、低い優先度の警報である。「貯蔵タンク」機器セレクタアイコン74に関連付けられた警報インジケータ84は低優先度警報に関連付けられたため、図形表示アプリケーション30は、特定の色、陰影付け、記号インジケータ、または低優先度警報を示すために好適な任意の他の様式で警報インジケータ84を表示してもよい。しかしながら、警報インジケータが高優先度警報、例えば「ヒーター」機器セレクタアイコン82に関連付けられた警報インジケータ90等に関連付けられた場合、図形表示アプリケーション30は、低優先度警報とは異なる色、陰影付け、記号インジケータ等で警報インジケータ90を表示し得る。また、1つのセレクタアイコン66〜82は、特定のセレクタアイコンに関連付けられた2つ以上のプロセス変数に関する、低優先度警報及び高優先度警報の両方を示し得る。例えば、図3に示されるように、図形表示アプリケーション30は、「ヒーター」機器セレクタアイコン82に関連付けられた、1つの低優先度警報88と、1つの高優先度警報90とを表示する。もちろん、任意の数の優先度警報レベルが、警報インジケータ84〜98と共に使用され得る。
有利なことに、図形表示アプリケーション30は、各プロセス変数警報を、プロセスプラントの図形的表現内に位置する、対応する図形傾向記号と関連付け、警報レベル優先度によって、ならびに図形傾向記号の場所に対応するプロセスプラント内の階層レベルまたは部分によって、各プロセス変数警報を集計し得る。例えば、図3に示されるように、図形表示アプリケーション30は、3つの低優先度警報84〜88(例えば、「貯蔵タンク」機器セレクタアイコン74に関連付けられた低優先度警報84、「脱塩装置」機器セレクタアイコン72に関連付けられた低優先度警報86、及び「ヒーター」機器セレクタアイコン82に関連付けられた低優先度警報88)を集計し、「原油ユニット1」ユニットセレクタアイコン66に関連付けられた低優先度警報インジケータ92を、「3」でラベル付けして、3つのプロセス変数(及び対応する図形傾向記号)に関連付けられた3つの低優先度警報が、「原油ユニット1」ユニット中で現在起こっていることをオペレータに示す。同様に、例えば、図形表示アプリケーション30は、プロセスプラント中のそれぞれのより高い階層レベルに関する高優先度警報を集計する。例えば、「原油ユニット1」ユニットセレクタアイコン66に関連付けられた機器セレクタアイコン72、74、82のうちのいずれとも関連する唯一の高優先度警報は、「ヒーター」機器セレクタアイコン82に関連付けられた、高優先度警報90である。図形表示アプリケーション30は、「原油ユニット1」ユニットセレクタアイコン66に関連付けられた高優先度警報インジケータ94を「1」でラベル付けすることによって、「ヒーター」機器セレクタアイコン82に関連付けられたこの1つの高優先度警報インジケータ90を表示して、1つのプロセス変数に関連付けられた唯一の高優先度警報が「原油ユニット1」ユニット中で起こっていることをオペレータに示す。その結果、オペレータは、ナビゲーションペイン54内に表される異なる階層実体に関する集計警報インジケータを介して、特定のプラント、ユニット、機器の一部等についてのプロセス変数警報の数、及び優先度レベルを迅速に識別し得る。
図形表示アプリケーション30は、ナビゲーションペインのセレクタアイコンを使用すること、及び図形的表現の一部分または領域を視覚的に関連付けることによって、オペレータが、プロセスプラントの図形的表現の一部分または領域内の特定の図形傾向記号に迅速にナビゲートすることを可能にする。ここで図4のスクリーンショット100を参照すると、例えば、図形表示アプリケーション30は、追加的に、ナビゲーションペイン54内の示されたセレクタアイコンに関連付けられた特定のユニット、機器の一部等を、オペレータがP&ID内で視覚的に識別することを可能にし得る。例えば、ナビゲーションペイン54の「ヒーター」機器セレクタアイコン82付近またはその上でのオペレータ主導のホバーイベント(例えば、マウス、指の接触点、または選択を確定せずにセレクタアイコンを示すために好適な任意の他の方法)の検出に応答して、図形表示アプリケーション30は、表示域52内の原油ユニットの図形的表現53中の、対応するヒーター56の図形的描写の強調表示のみを行う。図形表示アプリケーション30は、追加的に、ヒーター56の図形的描写の強調表示と併せて、ナビゲーションペイン54内の「ヒーター」機器セレクタアイコン82を強調表示して、ナビゲーションペイン54を介してプロセスプラントの階層構造内のヒーターの階層位置を視覚的に伝えることによって、オペレータに前後関係をさらに提供し得る。
図形表示アプリケーション30は、図4に示されるように、例えば強調表示された境界104、102を使用して、機器セレクタアイコン82及びヒーター56の図形的描写を強調表示してもよく、または代わりに、原油ユニット53の図形的表現中に現れる他の色とは異なる色で、機器セレクタアイコン82及び図形的描写56に完全に明暗をつけてもよく、または任意の他の好適な手段を使用して機器セレクタアイコン82及びヒーターの図形的描写56を強調表示してもよい。したがって、オペレータが機器選択領域64中の別の機器セレクタアイコン(すなわち、プロセスプラントの「原油ユニット1」領域の下の階層レベル中に含まれる、またはそこに位置する機器)の付近またはその上でホバーイベントを行った場合、図形表示アプリケーション30は、表示域52内の原油ユニット53の図形的表現内の、対応する図形的描写を強調表示する。このようにして、オペレータは、ナビゲーションペイン上の様々なセレクタアイコン上をホバーすることを介して全体的なプロセスプラントに関する前後関係を維持しながら、図形的表現内の特定の図形傾向記号(または特定の図形傾向記号を含む機器の一部)の場所を、迅速に識別し得る。
また、特定の図形傾向記号の場所の決定に応答して、オペレータは、図形的表現内の特定の図形傾向記号の場所または領域のより詳細なビューを見ることを所望してもよい。有利なことに、オペレータは、所望の領域に関連付けられたセレクタアイコンの選択を確定して、表示域内に表示されたプロセスプラントの図形的表現の一部分の詳細レベルを再配置または変更し得る(例えば、ズームイン、ズームアウト等)。例えば、コマンドまたは制御入力、クリック、タップ動作等を介した、ユニットセレクタアイコン66〜70または機器セレクタアイコン72〜82のうちの1つの確定選択の受信時、図形表示アプリケーション30は、選択されたセレクタアイコンに関連付けられたプロセスプラント61の図形的表現の異なる部分を表示し得る。例えば、「ヒーター」機器セレクタアイコン82の確定選択に応答して、図形表示アプリケーション30は、図5に示されるように、選択された「ヒーター」機器セレクタアイコン82に関連付けられたヒーターの図形的表現112を表示し得る。図5を続けて参照すると、スクリーンショット110は、表示域52内に表示される、確定選択された「ヒーター」機器セレクタアイコン82に関連付けられたヒーターの図形的表現112、ナビゲーションペイン54、プロセス変数概要ペイン130、及び過去のグラフを伴うプロセス変数拡張ペイン150を含む。この実施例において、この図5のヒーターの図形的表現112は、原油ユニット53の図形的表現のサブセットであり、追加的に、原油ユニットの図形的表現において提供されたものよりもより詳細なヒーターの情報を提供する。
重要なことに、オペレータは、プロセスプラントの図形的表現の一部分内の対応する表示された各図形傾向記号を介して、各プロセス変数についての現在の傾向及び値を効率的に監視し得る。また、図形表示アプリケーション30は、プロセスプラントの図形的表現内の空間的に現実的な場所に各図形傾向記号を表示し、それによりオペレータは、プロセスプラント全体に対する、特定のプロセス変数に関連付けられたフィールドデバイスの場所を迅速に認識し得る。例えば、ヒーターの図形的表現112は、ヒーター56への入口57、59、63、及びヒーター56からの出口65、バルブ114、ヒーター56の近くの機器の一部(例えば、脱塩装置60)、プロセス変数データ116、ならびに図形傾向記号118〜122のより詳細なビューを含み得る。各図形傾向記号118〜122は、プロセス制御システム中の監視されるプロセス変数に対応し得、プロセス変数についてのリアルタイム情報を視覚的に表し得る。また、ヒーターの図形的描写112中に表示される図形傾向記号118〜122に加えて、例えば、図形表示アプリケーション30はまた、対応する図形傾向記号128〜132の概要ビューを概要ペイン130中に、対応する図形傾向記号の詳細ビューを詳細ペイン中に(下に記載される)、かつ/または例えば過去の図形を含む、対応する図形傾向記号の拡張ビュー151〜152を拡張ペイン150中に表示し得る。
ここで図6を参照すると、例示的な図形傾向記号160は、プロセス変数に関するプロセス制御情報を図形的に組み込み、この図形的に符号化された情報をオペレータに視覚的に伝える。例えば、図形傾向記号160は、フィールドデバイスに関連付けられたプロセス変数の圧力、温度等を表し得、各々がプロセス変数の異なる属性、及びプロセス変数の正常値または意図値を示す目標値172(例えば、設定点、標的点等)を表す、様々な図形要素162〜170を含み得る。図形要素162〜170は、例えば、プロセス変数の傾向を表す図形傾向要素166〜170、及びプロセス変数の現在値を表す図形値要素162、164の両方を含み得る。これらのプロセス変数の属性は、例えば、目標値(例えば設定点値)からのプロセス変数の規模、目標値に対するプロセス変数の位置、プロセス変数の変化方向、プロセス変数の変化率、プロセス変数の変化の望ましさ等を含み得る。
図形表示アプリケーション30は、プロセス変数データ及びプロセス変数傾向データを生成するために、特定のプロセス変数に関する現在及び過去のプロセス変数値を、データベース12から回収または受信する際、プロセス変数属性に関連付けられたこれらの図形要素162〜170を実装し得る。図形表示アプリケーション30は、プロセス変数データを生成して、目標値からのプロセス変数の規模、目標値に対するプロセス変数の位置等の、プロセス変数の現在の値または位置を示す。同様に、図形表示アプリケーション30は、プロセス変数傾向データを生成して、プロセス変数の変化率、プロセス変数の変化方向、プロセス変数の変化の望ましさ等の、プロセス変数の現在の傾向を示す。図形表示アプリケーション30は、プロセス変数の現在及び/または過去の更新を活用して、図形傾向記号を共に形成する各図形要素を生成及び表示し得る。
例えば、図形傾向記号160は、図6に図示されるように、目標値からのプロセス変数の規模に関連付けられた規模図形値要素162、目標値に対するプロセス変数の位置に関連付けられた位置図形値要素164、プロセス変数の変化方向に関連付けられた変化方向図形傾向要素166、プロセス変数の変化率に関連付けられた変化率図形傾向要素168、及びプロセス変数の変化の望ましさに関連付けられた変化の望ましさの図形傾向要素170を含む。もちろん、任意の数または形式のプロセス変数属性が、図形傾向記号160の実装に使用されてもよい。また、図形表示アプリケーション30は、図形要素162〜170及び目標値172のレイアウトを、任意の配列で表示してもよい。好ましくは、任意の数の図形要素の可能性のある組み合わせが実装され、オペレータに表示され得るように、どの図形要素も任意の他の図形要素を閉塞してはならない。
規模図形値要素162は、図6に示されるように、バー、列、線等として描写されてもよく、相対的な様式で目標値172からのプロセス変数の規模を図形的に表し、それにより例えばより長いバーの描写は、プロセス変数の現在の値におけるより大きな規模を示す。例えば、図形表示アプリケーション30は、図形傾向記号に関連付けられたプロセス変数の現在値をデータベース12から回収し得、現在の生値に基づいて規模図形値要素162を生成し得る。もちろん、図形的表示アプリケーション30は、任意の好適な様式で規模図形傾向要素162を決定または生成し得る。図形表示アプリケーション30は、正規化スケールを使用して、規模の現在の生値の、フィールドデバイスが物理的に読み取ることができるプロセス変数の最大値、またはオペレータが課したプロセス変数の制限、天井値等である最大値に対する比を反映する、正規化値を生成し得る(例えば、現在値がプロセス変数の最大値であるとき、規模図形値要素162は、100%比レベルを反映する)。別の実施例において、図形表示アプリケーション30は、目標値172(例えば、設定点)を50%比レベルに定めてもよく、この50%の目標値172比レベルに対してプロセス変数の現在値を調整し得る。別の実施例のように、1つの規模図形値要素162に関する規模値が別の規模図形値要素162の規模値の2倍の大きさである場合、図形表示アプリケーション30は、第1の規模図形値要素162のバーを、第2の規模図形値要素162のバーの2倍の長さに描写し得る。代替として、図形表示アプリケーション30は、第1の規模図形値要素162のバーを、第2の規模図形値要素162よりも相対的に長く表示し得る。
ここで図7を参照すると、例示的な、規模図形値要素162に関する様々なバーの長さが、プロセス変数属性配列の様々な実施例を行によって含む、プロセス変数属性一覧表200において確認される。第1の行は、プロセス変数の3つの異なる規模値に関する、図形傾向記号160の3つの異なる値を含む。図7に示されるように、例えば、規模図形値要素202の値は、規模図形値要素204、206の値よりも比較的小さい規模値(すなわち、目標値172により近い)を表す。同様に、規模図形値要素204の値は、規模図形値要素206の値よりも比較的小さいが、規模図形値要素202の値よりも大きい規模値を表す。規模図形値要素206の値は、規模図形値要素202、204の他の2つの値と比べて、目標値172から比較的かけ離れた規模値を表す。例えば規模値がある閾値よりも大きい場合、図形表示アプリケーション30は、プロセスシステム内のプロセス変数警報を誘起し得、図3において示されるようなプロセス変数警報インジケータ84〜98内に表示される総数を決定する際、誘起されたプロセス変数警報を組み込み得る。加えて、図形表示アプリケーション30は、規模値の値を2つの異なる閾値と比較して、プロセス変数警報インジケータ84〜98を参照して上に記載されたような、低優先度警報及び高優先度警報を決定し得る。
図6を再び参照すると、位置図形値要素164は、規模バーの位置または場所として、言い換えれば、規模図形値要素164の規模バーが、目標値172の上側、下側、または目標値172にあるかどうか、として描写され得る。例えば、図形表示アプリケーション30は、図形傾向記号に関連付けられたプロセス変数の現在値及び目標値172をデータベース12から回収し得、目標値172に対する現在の生値に基づいて位置図形値要素162を生成し得る。もちろん、図形的表示アプリケーション30は、任意の好適な様式で位置図形傾向要素164を決定または生成し得る。図6の図形傾向記号160において、位置図形値要素164の値は、目標値172の上側に表示され、現在のプロセス変数値が目標値172の上側にあることを示す。図7の一覧表200の第2の行において示されるような実施例のように、図形表示アプリケーション30は、図形傾向記号160を実装するときに、位置図形値要素208の値を目標値172の上側に位置付け、及び描写して、現在のプロセス変数値が目標値172の上側にあることを示し得る。代替として、図形表示アプリケーション30は、位置図形値要素210の値を目標値172の下側に位置付け、及び描写して、現在のプロセス変数値が目標値172の下側にあることを示し得る。加えて、現在のプロセス変数値が目標値172と同一または実質的に近い場合、図形表示アプリケーション30は、目標値172のみを表示し得る。
図6を再び参照すると、変化方向図形傾向要素166は、例えば、プロセス変数の変化方向を指す2つの側方の三角形として描写され得る。もちろん、図形表示アプリケーション30は、任意の他の形状、矢印、反復動画、図形的指示、またはプロセス変数の変化率を示す任意の他の好適な様式を使用して、変化方向図形傾向要素166を作成し得る。例えば、図形表示アプリケーション30は、図形傾向記号に関連付けられたプロセス変数の現在及び1つ以上の過去の値をデータベース12から回収し得、現在の生値と少なくとも1つの過去の生値との間の差異に基づいて変化方向図形値要素166を生成し得る。もちろん、図形的表示アプリケーション30は、任意の好適な様式で変化方向図形傾向要素166を決定または生成し得る。変化方向図形傾向要素166は、各変化方向カテゴリが、目標値172に向かう方向、目標値172から離れる方向、または目標値172に対して動きが無いことを含み得る変化方向値に関連付けられた、複数の変化方向カテゴリのうちの1つを示し得る。例として、図6の変化方向図形傾向要素166は、プロセス変数位置が目標値172の上側にありながら、プロセス変数規模が増加しているため、プロセス変数が目標値172から離れつつあることを示す。図7を参照すると、一覧表200の第3の行において、異なる変化方向グラフ傾向要素214〜218を介した、この変化方向属性のいくつかの例を含む。 例えば、変化方向図形傾向要素214の値は、プロセス変数は増加しており、プロセス変数の位置は目標値172の上側にあるため、プロセス変数の変化方向が目標値172から離れる(したがって、悪化しつつある)ことを示す。代替として、変化方向図形傾向要素218の値は、プロセス変数は減少しており、プロセス変数の位置は目標値172の上側にあるため、プロセス変数の変化方向が目標値172に向かう(したがって、改善しつつある)ことを示す。追加的な例は、プロセス変数の位置が目標値172の上側にあるか、または下側にあるかに関わらず、プロセス変数の変化方向が定常である(したがって、改善も悪化もしていない)ことを示す、変化方向図形傾向要素216の値を含む。
図6を再び参照すると、変化率図形傾向要素168は、例えば、グラフ傾向記号160から突き出る2つのマークとして描写され得る。もちろん、図形表示アプリケーション30は、任意の他の形状、矢印、反復もしくは点滅動画、図形的指示、またはプロセス変数値の変化率を示す任意の他の好適な様式を使用して、変化率図形傾向要素168を作成し得る。例えば、図形表示アプリケーション30は、図形傾向記号に関連付けられたプロセス変数の現在及び1つ以上の過去の値をデータベース12から回収し得、現在の生値と少なくとも1つの過去の生値との間の差異及び時間の経過に基づいて変化率図形値要素168を生成し得る。もちろん、図形的表示アプリケーション30は、任意の好適な様式で変化率図形傾向要素168を決定または生成し得る。変化率図形傾向要素168は、各変化率カテゴリが、具体的な変化率値または変化率値の範囲に関連付けられた、複数の変化率カテゴリのうちの1つを示し得る。例として、図6の変化率図形傾向要素168は、2つの突出するマークのため、プロセス変数が比較的急速に変化していることを示す。ここで図7を参照すると、一覧表200の第4の行は、異なる変化率グラフ傾向要素220〜224において示されるような、この変化率特性の値、カテゴリ等のいくつかの例を提示する。例えば、変化率図形傾向要素220の値は、プロセス変数の変化率が目標値172から絶対的または相対的に定常であることを示す。代替として、図形表示アプリケーション30は、変化方向図形傾向要素222の値を生成して、プロセス変数の変化率が、繰り返しになるが、絶対的に、または目標値172もしくは他の変化率値、もしくは変化率図形傾向要素220、224の他の値に対して、緩徐であることを示し得る。追加的な例として、図形表示アプリケーション30は、変化率図形傾向要素224の値を実装して、プロセス変数の変化率が、変化率図形傾向要素220、222の他の値に対して急速であることを示し得る。変化率の値が絶対的に測定される場合、変化率の値は、変化率の値と特定の範囲との関連付けを介して、または変化カテゴリを決定するための様々な閾値を使用して、特定の変化率カテゴリと関連付けられ得る。
図6を再び参照すると、変化の望ましさの図形傾向要素170は、例えば、変化方向図形傾向要素166及び変化率図形傾向要素168の輪郭等の、図形傾向記号160のより太い線を伴う筆太の表示部分として描写され得る。もちろん、図形表示アプリケーション30は、任意の他の形状、矢印、反復もしくは点滅動画、図形的指示、またはプロセス変数の変化の望ましさの存在を示す任意の他の好適な様式を使用して、変化の望ましさの図形傾向要素170を作成し得る。例えば、図形表示アプリケーション30は、図形傾向記号に関連付けられたプロセス変数の現在及び1つ以上の過去の値をデータベース12から回収し得、現在の生値と少なくとも1つの過去の生値との間の差異に基づいて方向変化の望ましさの図形値要素170を生成し得る。特に、図形表示アプリケーション30は、変化の望ましさの図形傾向要素170を決定する際、他の図形要素162〜168を使用し得る。もちろん、図形的表示アプリケーション30は、任意の好適な様式で変化の望ましさの図形傾向要素170を決定または生成し得る。変化の望ましさの図形傾向要素170は、各変化の望ましさのカテゴリが、改善しているプロセス変数状態状況、悪化しているプロセス変数状態状況、または維持しているプロセス変数状態状況に関連付けられた、複数の変化の望ましさのカテゴリのうちの1つを示し得る。例として、図6の変化の望ましさの図形傾向要素170は、プロセス変数位置が目標値172の上側にありながら、プロセス変数規模が増加している(すなわち、プロセス変数の変化方向は目標値から離れつつある)ため、プロセス変数状態状況が悪化していることを示す(例えば、図形傾向記号160の一部が太い)。
図7に示されるように、一覧表200の第5の行は、異なる変化の望ましさのグラフ傾向要素226〜230において示されるような、この変化の望ましさ属性の値、カテゴリ等のいくつかの例を含む。特に、図形表示アプリケーション30は、表示図形傾向記号内の変化の望ましさ属性の特定の値を実装して、プロセス変数の状況、状態、傾向等が改善、悪化、または維持しているのかをオペレータに示し得る。例えば、変化の望ましさの図形傾向要素226の値は、プロセス変数は減少しており(すなわち、プロセス変数の変化方向は目標値に向かって移動している)、プロセス変数の位置は目標値172の上側にあるため、プロセス変数の変化の望ましさが改善していることを示す。代替として、変化方向図形傾向要素228の値は、プロセス変数は増加しており、プロセス変数の位置は目標値172の上側にあるため、プロセス変数の変化の望ましさが悪化していることを示す。追加的な例は、プロセス変数の位置が目標値172の上側にあるか、または下側にあるかに関わらず、プロセス変数の変化率が増加も減少もしていないため、プロセス変数の変化の望ましさが維持されることを示す、変化の望ましさの図形傾向要素230の値を含む。図形傾向記号160が生成された後、図形表示アプリケーション30は、好ましくは、図5において示されるようにヒーターの図形描写112内に、ならびに上に記載されたように概要ペイン130上中に、図形傾向記号160を表示し得る。
図6及び7の図形傾向記号実装に対する代替的な技術として、図形傾向記号は、下に考察されるようにプロセス変数の異なる状態を表すための様々な図形を使用して実装され得る。例えば、図7Aは、プロセス制御システム(例えば、図1の例示的なプロセス制御システム10)のプロセス変数に関連する状況、特性、傾向、及び/または他の情報を示すための例示的なアイコン402、404、406を示す。具体的には、図7Aに示された実施例において、アイコン402、404、406によって強調された特性及び/または状況は、プロセス変数の現在の状態、プロセス変数の予測された状態、及びプロセス変数の対応する傾向(例えば、方向)を含み、それらは、示された実施例のアイコン402、404、406の形状、向き、及び表記によって表される。例えば、アイコン402は、上向きのピーク408を備える形状の三角形であり、プロセス変数の上昇傾向を視覚的に示す。比較例として、アイコン406も形状が三角形であるが、下向きのピーク410を備え、プロセス変数の下降傾向を視覚的に示す。本明細書に記載された対応するプロセス変数の方向または傾向を示すためのアイコンの形状の特性は、本明細書ではアイコンの傾向識別形状として言及される。
さらに、アイコン402、406は、(1)プロセス変数の現在の状態を視覚的に示すためにピーク408、410の反対側にある現在の状態のセクション412、及び(2)プロセス変数の予測された状態を視覚的に示すためにピーク408、410に隣接する予測された状態のセクション414からなる2つのセクションをそれぞれ含む。図7Aのアイコン404は、概してダイヤモンドまたは菱形の形状(または任意の他の好適な形状)であり、アイコン402、406の三角形の形状から区別することができ、プロセス変数がその現在の状態を維持している(例えば、上向きと下向きとのいずれの傾向もない)ことを視覚的に示す。アイコン402、404の現在の状態のセクション412及び予測された状態のセクション414は、プロセス変数の傾向を有する方向(例えば、ピーク408、410が指す方向)に対応して積み重ねられる方法で配置される。本明細書で使用される場合、プロセス変数の「状態」という用語は、その設定点及び/または任意の警報限界に対する変数の動作状態に対応する。例えば、プロセス変数が許容限界内で動作している場合、プロセス変数の「状態」は、正常、または予期した通りもしくは所望の通りであるだろう。しかしながら、プロセス変数が高警報限界を超えた場合、その後プロセス変数の状態は高警報状態となる。同様に、プロセス変数が対応する低警報限界を下回った場合、警報の状態は低警報状態となり得る。いくつかの事態では、プロセス変数は、深刻度または重要度の様々なレベルに対応する異なる値に設定された複数の警報限界に関連付けることができる(例えば、高警報限界及び高−高警報限界)。
図示された実施例において、プロセス変数の現在及び予測された状態は、対応する現在の状態及び予測された状態のセクション412、414内のテキスト表記または他の視覚的な印により、アイコン402、404、406で視覚的に示される。例えば、図7Aに示されるように、単一の感嘆符は、正常な動作状況外(例えば、プロセス変数が低警報限界を下回る、または高警報限界を超えて上昇する)のプロセス変数の値の範囲に関連付けられた第1の警報状態に対応する動作状態(例えば、アイコン402の現在の状態のセクション412)にあるプロセス変数を示す。2重の感嘆符は、第2の警報限界を通過して(例えば、プロセス変数が低−低警報限界を下回る、または高−高警報限界を超えて上昇する)対応する低−低警報状態または高−高警報状態(例えば、アイコン402の予測された状態のセクション414)に入るプロセス変数を示す。追加的な感嘆符及び/または他の表記は、プロセス変数に関連付けられた他の動作状態(例えば、第3の警報限界の通過)を示すために設けることができる。感嘆符が示されないこと(例えば、アイコン406の予測された状態のセクション414)は、正常な動作状況内で動作するプロセス変数を示す。
図示された実施例のアイコン404は、対応するプロセス変数が特定の状態に維持されている(例えば、それは、状態を変化させる上向きと下向きとのいずれの傾向もない)ことをアイコン404が示すので、セクションに分割されていない。別の言い方をすれば、プロセス変数の現在の状態と予測された状態とが同じである。したがって、単一の表記(例えば、2重感嘆符の単一のセット)のみが、プロセス変数が維持されている対応する状態(例えば、それは高−高警報状態で安定したままである)を示すために、アイコン404内に表される。
上記のように現在の状態、予測された状態、及び関連する傾向を視覚的に表すことは、オペレータが、プロセス変数の現在の状態ならびに予測された状態を含むプロセス変数に関連付けられた状況を迅速かつ直感的に評価することを可能にする。このようにして、オペレータは、プロセス変数が警報限界に接近するときを予見し、警報が始動される前でもこの事態を解決するための措置を積極的に講じることができる。さらに、プロセス変数が所望の値の範囲外の警報状態で動作している場合でも、プロセス変数に関連付けられた現在及び予測された状態の特性を視覚的に示すことは、オペレータが、傾向の定性的状態を迅速に認識することを可能にする(例えば、プロセス変数の状態が改善している(設定点に向かって移動している)または悪化している(設定点から離れる方向に移動している)。同様にして、プロセス変数が単一の側の警報限界(例えば、上限または下限のいずれか)によって制限される場合、現在及び予測された状態は、プロセス変数の値が移動している方向または傾向を特定するために役立つことができる。しかしながら、プロセス変数が両側で制限される場合(例えば、警報上限及び下限の両方を有する)、プロセス変数の傾向は、現在及び予測された状態のみに基づいて直ちに明らかにならないことがある。したがって、図7Aのアイコン402、406は、図7Bでより詳細に示され、説明されるように、プロセス変数が向かっている方向を指すように三角形状に形成される。
図7B〜7Dは、図7Aに関連して上述したプロセス変数に関連する状況、特性、傾向、及び/または情報を示すための他の例示的なアイコン502、504、602、702を示す。具体的には、図7B〜7Dの例示的なアイコンは、プロセス変数の現在及び予測された状態、及びプロセス変数の方向を強調する。図7Bの例示的なアイコン502は、アイコン502が、概して三角形の形状であり、プロセス変数の上向きの傾向を示すために上向きを指すことにおいて、図7Aのアイコン402と同様である。図7Bの例示的なアイコン504もまた、アイコン504が、概して三角形の形状であり、プロセス変数の下向きの傾向を示すための下向きを指すことにおいて、図7Aのアイコン406と同様である。さらに、図7Aのアイコン402、406は、対応するプロセス変数の現在及び予測された状態を示すための感嘆符を含むが、アイコン502、504の現在及び予測された状態は、対応する現在及び予測された状態のセクションの陰影付け(例えば、塗りつぶし)によって表される。異なるパターン、色、陰影付け、形状、サイズ、輪郭、テキストまたは記号表記、艶むら、強調表示等を含むプロセス変数の動作状態を示す他の方法は、代わりに使用することができる。例えば、正常な動作状態は、灰色によって示すことができ、低または高警報状態(比較的低い重要度)は、黄色で示すことができ、及び低−低または高−高警報状態(比較的高い重要度)は、赤色で示すことができる。さらに、いくつかの実施例において、背景または周囲の色は、ゲインズボロ色(例えば、薄い青味がかった灰色)によって示すことができる。より一般的には、いくつかの実施例で実現されるカラースキームは、業界標準の知覚色識別空間(例えば、国際照明委員会(CIE)標準)によって指定される。このようなカラースキームの利点は、色が、色異常(例えば、色盲)ならびに正常(例えば、非色盲)なオペレータによって区別することができることである。図7Bの示された実施例において及び以下の図を通して、高い重要度の状態(例えば、低−低または高−高警報の状態)は、暗い陰影付けで表され、低い重要度の状態(例えば、低または高警報の状態)は、明るい陰影付けで表され、正常な動作状態は、陰影付けをしないで(例えば、白色)表される。
説明の目的で、アイコン502、504は、経時的なプロセス変数の例示的な値を示す対応するプロセス変数のグラフ506の上に示されている。各グラフ506は、プロセス変数が正常の状況下で動作することが可能である設定点または標的値(中心線508によって示される)と、警報限界に対応する破線によって区切られ、かつ対応する警報状態の深刻度に関連付けられた異なる陰影付けで区別される高及び低警報状態または範囲の2つのレベル(本明細書では、高−高警報状態510、高警報状態512、低警報状態514、及び低−低警報状態516と呼ぶ)と、を示す。高及び低警報状態512、514の間の領域内のプロセス変数の状態は、本明細書では正常または標的動作状態と呼ぶ。さらに、各グラフは、ライン520に沿って配置されたプロセス変数の現在の値を表すドット518を含む。ライン520の実線の部分は、現在の値に至るまでの経時的なプロセス変数の値を表す。ライン520の点線の部分は、ライン520の実線の部分の外挿であり、今後のプロセス変数の予測された値を表す。加えて、または代替として、他のアイコン(または図7Bに示されるアイコン502、504上の変形形態)は、グラフ506によって示されない経時的な他の様式で変化する対応するプロセス変数を表すために使用することができる(例えば、設定点を横切る急峻な傾向のライン520)。
図7Bに示されるように、アイコン502は、増加するプロセス変数(例えば、上向きの傾向)に関連付けられた横列522内に配置され、アイコン504は、減少するプロセス変数(例えば、下向きの傾向)に関連付けられた横列524内に配置される。アイコン502、504の傾向識別形状(例えば、上方または下方を指すように向けられた概して三角形の形状)に基づいて、オペレータは、プロセス変数の方向または傾向を容易に識別することができる。さらに、いくつかのそのような実施例において、現在及び予測された状態のセクションによって示された状態の順序に関連する傾向の方向に基づいて、オペレータは、目標値(例えば、設定点等)に対するプロセス変数の相対位置及び示された傾向の定性的状態(例えば、悪化または改善)を推測することができる。例えば、傾向識別形状が下向きの傾向を示し、かつ予測された状態のセクションが現在の状態のセクションよりも悪い警報状態を示す場合、オペレータは、プロセス変数が設定点の下にあり、かつ降下している(すなわち、悪化している)ことを推測することができる。対照的に、傾向識別形状が上記の実施例と同じ現在及び予測された状態によって上向きの傾向を示す場合、オペレータは、プロセス変数が標的値の上にあり、かつさらに悪化するように上昇していることを推測することができる。同様にして、アイコンの現在及び予測された状態のセクションの相対的深刻度が上記の実施例と逆になっている場合、オペレータは、プロセス変数が設定点の上または下にあるかどうか、及びそれが定性的に改善している(すなわち、設定点に向かって移動している)ことを推定することができる。
図7Bに示された実施例において、アイコン502、504は、プロセス変数の状態が目標値(例えば、設定点)に向かって移動している(列526)ことから改善しているか、設定点から離れる方向に移動している(列528)ことから悪化しているか、それとも実質的に一定または安定状態の状況にある(列530)ことから維持されているかに基づいて、別々の列526、528、530にグループ化される。増加の横列522にある改善の列526及び悪化の列528内では、図7Bは、プロセス変数の値が、低−低警報領域から低警報領域へ、低警報領域から正常動作状態へ、正常動作状態から高警報領域へ、及び高警報領域から高−高警報領域へ、移動することが予測される状態間の各々の予測された移行を示す各々の可能なアイコン502を提供する。減少の横列524にある列526、528では、図7Bは、高−高警報範囲から下向きに低−低警報範囲を通る逆の移行に対応する各々のアイコン504を示す。図7Aのアイコン402、406と同様に、図7Bのアイコン502、504に関連付けられたプロセス変数の現在及び予測された状態は、アイコン502、504の現在及び予測された状態のセクションの視覚的に区別可能な特性(例えば、陰影付けまたは塗りつぶし、パターン、色、形状、サイズ、輪郭、テキストまたは記号表記、縁取り、艶むら、強調表示等)に基づく。
状態維持の列530内では、アイコン502、504は、他の列526、528のアイコン502、504と同じ概して三角形の形状を有する(プロセス変数に関連付けられた傾向の方向を示すために)。しかしながら、列526、528内のアイコン502、504と対照的に、状態維持の列530のアイコン502、504は、プロセス変数の単一の状態に対応する単一の色で塗りつぶされる、または陰影付けされる。このようにして、オペレータは、プロセス変数が上方(アイコン502)または下方(アイコン504)のいずれかに移動しているが、この傾向は、予測された状態が現在の状態と同じであるように平衡化していることを認識し得る。いくつかの事態では、プロセス変数は、上方または下方の傾向が存在しないような実質的に経時的に一定であり得る。このような状況下において、プロセス変数の対応する動作状態を視覚的に示すための適切な印(陰影付け、パターン、色、輪郭、テキストまたは記号表記、縁取り、艶むら、強調表示等)を備えた図7Cのアイコン602によって示されるような概して八角形の形状等の異なる形状を表すことができる。概して八角形の形状は、プロセス変数が変化していない(すなわち、停止した)ことを直感的に示すために、一時停止の標識との関連付けにより、設けられる。加えて、または代替として、傾向が変動する場合、またはそうでなければ、傾向が、明らかに上方、下方に移動していない、または安定した状態を維持していない場合、図7Dのアイコン702の形状によって示されるように、異なる形状を使用してプロセス変数のそのような状況を示すことができる。様々な特性(例えば、現在の状態、予測された状態、傾向)を示すために、特定の形状を図7A〜7Dに関連して説明したが、他の好適な形状及びそれらの対応する向きを代わりに使用することができる。例えば、図7Aのアイコン402、406及び図7Bのアイコン502、504の代わりに、矢印または方向を示す他の形状を使用することができる。
追加的な代替的実施例として、図8〜10は、図1の例示的なプロセス制御システム10のプロセス変数に関連付けられた状況、特性、傾向、及び/または他の情報を示すための他の例示的なアイコンを図示する。具体的には、図8〜10に示された実施例は、プロセス変数の現在及び予測された状態、プロセス変数の方向、及びプロセス変数に関連付けられた設定点に対するプロセス変数の関係を強調するアイコンを示す。例えば、図8は、アイコン802、804が現在の状態のセクション806と予測された状態のセクション808とに分割され、予測された状態のセクション808が三角形のアイコン802、804のピーク810に隣接するエッジに沿って延在することを除いて、図7Aの三角形のアイコン402、406と同様である例示的な三角形のアイコン802、804を示す。このようにして、セクション806、808の水平方向の関係(例えば、左から右に見て)は、経時的なプロセス変数の状態の変化を表す。すなわち、現在の状態は、左側に(現在の状態のセクション806によって)示され、予測された状態(すなわち、今後の時点における状態)は、右側に(予測された状態のセクション808によって)示される。さらに、セクション806、808の垂直方向の関係(例えば、ピーク810が指す方向で上方または下方に見ると)は、プロセス変数の方向を表す。図8はまた、概して長方形の形状を有する例示的な安定した状態のアイコン812を示す。安定した状態のアイコン812はまた、増加及び減少傾向のアイコン802、802 との整合性を提供するための2つのセクションを含むが、安定した状態は、関連するプロセス変数の予測された状態がそのプロセス変数の現在の状態と同じであることを意味するので、各セクション806、808は、動作状態の同じ視覚的な印(例えば、陰影付け、パターン、色、輪郭、テキストまたは記号表記、縁取り、艶むら、強調表示等)を有する。したがって、図8の例示的なアイコン802、804、812は、図7A〜7Dに関連して上述したように、プロセス変数の現在及び予測された状態ならびにプロセス変数の傾向に関して同じ情報を提供する。
さらに、例示的なアイコン802、804、812は、プロセス変数に関連付けられた設定点に対するプロセス変数の値の相対位置を示すための設定点インジケータ814(例えば、目標値を意味するライン)を含む。例えば、図8の左側の列では、対応するアイコン802、804、812の各々の設定点インジケータ814は、対応するアイコン802、804、812の他の部分の上(例えば、セクション806、808の上)に配置され、プロセス変数が設定点の下にあることを示す。このようにして、オペレータは、現在の状態のセクション806及び予測された状態のセクション808内の陰影付けの意味とセクション806、808が積み重ねられた順序を人智によって統合しなくても、増加のアイコン802によって表されるプロセス変数が改善している(すなわち、設定点に向かって移動している)ことと、一方で、減少のアイコン804によって表されるプロセス変数が悪化している(すなわち、設定点から離れる方向に移動している)こととを認識することができる。したがって、現在の状態と予測された状態が同じであっても、プロセス変数がその設定点に対してさらに離れていくのか、それとも近づいているのかを、識別することができる。同様にして、図8に示されるように、設定点インジケータ814は、プロセス変数の値が設定点の上にあることを示すために、アイコン802、804、812の他の部分の下に配置され、またプロセス変数の値がほぼ設定点にあるときを示すために、設定点がアイコン802、804、812の他の部分と同じレベルに配置される。図8は、アイコン802、804、810の他の部分の後方にある設定点インジケータ814を示しているが、いくつかの実施例において、設定点インジケータ814は、アイコン802、804、810の他の部分の前方に配置される(すなわち、上に重なる)。
別の実施例として、図9は、アイコン902、904、906が異なる形状を有することを除いて、図8のアイコン802、804、810と同様に機能するアイコン902、904、906を示す。具体的には、プロセス変数の傾向または方向を示すためのアイコン902、904、906の傾向識別形状(例えば、三角形の形状)は、プロセス変数の現在の状態に排他的に関連付けられるが、三角形の辺に沿って延びる別のセクションは、プロセス変数の予測された状態を示すために役立つ。
図10は、図8及び9に関連して上述したものと同様であるさらに他の例示的なアイコン1002、1004、1006を示す。図10では、プロセス変数の現在の状態は、面取りされたエッジ1008を備える概して長方形の形状によって示される。図示された実施例において、エッジ1008の傾斜(左から右に延びる)は、経時的なプロセス変数の傾向の方向を示すために役立つ。図示された実施例のアイコン1004は、面取りされたエッジ1008を有しておらず、それにより、プロセス変数がその現在の値を維持していることを示す。いくつかの実施例において、傾斜の角度は、プロセス変数の値が変化している割合を示す。エッジ1008の使用は、三角形または矢印のように傾向の方向を指さない代替の傾向識別形状を提供するが、それでも経時的にプロットされたグラフを表しているため、直感的である。
図8〜10の例示的なアイコン802、804、810、902、904、906、1002、1004、1006は、設定点に対するプロセス変数の相対位置の指示を提供する(例えば、図8の設定点インジケータ814を介して)が、いくつかの実施例において、プロセス変数の相対位置(すなわち、設定点に対して上、下、または同じ)に加えて、プロセス変数について可能性のある値の範囲全体に関して設定点からのプロセス変数の相対偏差を示すことが望ましい(例えば、設定点に対してどのくらい上または下か)。設定点からのプロセス変数のそのような相対偏差の指示は、以下で詳細に説明されるプロセス変数に関連付けられた状況、特性、傾向、及び/または他の情報の他の指示と共に図11〜17の示された実施例に提供される。
具体的には、図11は、上述のものと同様な形状を有する例示的なアイコン1102、1104、1106、1108を図示する。例えば、アイコン1102、1106の三角形は、それぞれ、プロセス変数の傾向が上方または下方に移動していることを示す。アイコン1104の長方形は、プロセス変数の安定した状態を示し、アイコン1108の波状の長方形は、プロセス変数の変動するまたは不確定のパターンを示す。さらに、各形状の陰影付けは、上述のようにプロセス変数の対応する動作状態(例えば、正常動作状態、高警報状態、低警報状態、高−高警報状態、低−低警報状態等)を示す。
図11に示されるように、形状の各々は、動作範囲インジケータ1110(例えば、実線の垂直ライン)に沿う様々な点に配置される。図示された実施例において、範囲インジケータ1110は、プロセス変数が動作することができる可能性のある値の範囲を表し、プロセス変数インジケータ1112(例えば、各アイコン1102、1104、1106、1108の中心点)は、ライン1110によって表された範囲内のプロセス変数の位置または配置に対応する。したがって、アイコン1104に示されるように、プロセス変数は、可能性のある値の範囲の上端に近くにあり、したがって、高−高警報状態に対応するパターンで示されている。各アイコン1102、1104、1106、1108の水平方向の破線は、範囲インジケータ1110によって示される可能性のある値の範囲に対する設定点を表す設定点インジケータ1114(例えば、破線)である。設定点インジケータ1114は、範囲インジケータ1110の範囲のほぼ中間にあるように図11で示されているが、設定点インジケータ1114は、設定点及び範囲インジケータ1110によって画定された範囲に関連付けられた対応する値に依存して、範囲インジケータ1110に沿ういずれかの位置に位置することができる。このようにして、オペレータは、図8、9のように、設定点に対するプロセス変数の相対位置(例えば、上/下)を即座に決定し得るだけでなく、よりプロセス変数の状況の正確な全体像を得るために、ライン1110によって表されたプロセス変数の値の予期される範囲内のプロセス変数の極値に関して設定点からのプロセス変数の相対偏差を視覚的に評価することもできる。
図12は、図11の例示的なアイコン1102、1104、1106、1108に示されたものと同じ状態及び対応する傾向にそれぞれ対応する例示的なアイコン1202、1204、1206、1208を図示する。しかしながら、例示的なアイコン1202、1204、1206、1208は、設定点及びプロセス変数の可能性のある値の範囲全体に対してプロセス変数の特定の位置を指すために、図11の点1112の代わりに、矢先またはポインタであるプロセス変数インジケータ1210を含む。加えて、例示的なアイコン1202、1206は、傾向が変化することなく予測されたパス上で持続する場合、プロセス変数の傾向の方向及び予見された状態を、視覚的な様式で明白に示すための予測された状態のセクション1212を含む。
図13は、図11の例示的なアイコン1102、1104、1106、1108に関連して示されたものと同じ状態及び対応する傾向にそれぞれ対応する他の例示的なアイコン1302、1304、1306、1308を示す。さらに、図示された実施例に示されるように、図13のアイコン1302、1304、1306、1308は、図11の例示的なアイコン1102、1104、1106、1108と同じ形状に基づく。しかしながら、図13の例示的なアイコン1302、1304、1306、1308では、設定点インジケータ1310(例えば、中心線)及び動作範囲インジケータ1312(例えば、長方形のバー)は、外形内に示されている。設定点及びプロセス変数の可能性のある値の外側限界の対するプロセス変数の相対位置及び相対偏差は、範囲バー1312内のプロセス変数インジケータ1314として機能する黒帯によって示される。このようにして、アイコン1302、1304、1306、1308は、静止したままであり、図11及び12の実施例と比較すると、オペレータ表示で使用されるとき、より大きくかつ一貫したサイズであることができる。
可能性のある値の全範囲内のプロセス変数の配置を設定点に対して示すことに加えて、本明細書で開示されたいくつかの実施例において、1つ以上の警報限界に対するプロセス変数の値の配置または相対距離も示すことができる(以下でより詳細に説明される図14〜16の示された実施例に示される)。例えば、図14は、動作範囲インジケータバー1404上に位置する設定点インジケータ1402(例えば、中央のバーまたはライン)を備えた別の例示的なアイコン1400を図示する。図示された実施例において、範囲インジケータ1404の各端部は、高−高警報状態または低−低警報状態に関連付けられた値のサブ範囲に対応する外側(さらに重要な)警報セクション1406を含む。例示的なアイコン1400の外側警報セクション1406のすぐ内側には、高警報状態または低警報状態に対応する内側警報セクション1408があり、範囲インジケータバー1404の他の部分は、正常動作状態に対応する。設定点、警報限界、及び動作範囲全体に対するプロセス変数の相対位置、偏差、及び距離(ならびにプロセス変数の現在の状態)は、範囲バー1404に沿って動くことができるプロセス変数インジケータライン1410によって、例示的なアイコン1400内に示される。プロセス変数の傾向または方向及び、したがって、プロセス変数の予測された状態は、矢印マーカー1412が範囲1406に沿って指す方向によって示される。
図15は、図15の範囲インジケータバー1510が、実質的により長く、例示的なアイコン1502、1504、1506、1508の各々に関連付けられた傾向識別形状を超えて延在することを除いて、図13の例示的なアイコン1302、1304、1306、1308の範囲インジケータバー1312と同様である動作範囲インジケータバー1510を有する他の例示的なアイコン1502、1504、1506、1508を示す。より長い範囲インジケータ1510は、設定点、範囲、及び/または警報限界に対してプロセス変数の相対位置、偏差、及び/または距離を視覚的に示す際に、可能性のあるプロセス変数の値の範囲が、より高い精度または粒度を提供するように表されるより大きな距離を提供する。さらに、図示された実施例に示されるように、追加の警報限界インジケータ1512(例えば、ライン)は、プロセス変数の警報限界に対応する範囲状の点を表すために範囲インジケータバー1510内に含まれる(例えば、上述の図14の警報セクション1406、1408と同様である)。
図16は、アイコン1602、1604、1606、1608が、プロセス変数の実際の値を識別するテキスト表記1610を含むことを除いて、図15の例示的なアイコン1502、1504、1506、1508と同様である他の例示的なアイコン1602、1604、1606、1608を図示する。他の実施例において、設定点及び/または警報限界の実際の値も示すことができる。
図17は、範囲インジケータによって画定された範囲に沿う様々な位置におけるプロセス変数に対応する図15及び16のものと同様である一連の例示的なアイコン1702、1704、1706を図示する。簡潔性のために、アイコン1702、1704、1706中の異なる陰影付け(例えば、塗りつぶし)が省略されているが、いくつかの実施例において、使用される場合、上述のものと類似の様式で陰影付けされる(または、塗りつぶされる)。最も左側の4つの増加のアイコン1702では、プロセス変数が設定点の上に示され(プロセス変数インジケータ(例えば、黒帯)の配置に基づく)、アイコン1702の傾向識別形状は上向きの三角形である。この結果、示された実施例において、最も左側の4つのアイコン1702は、悪化の状態を示す(例えば、プロセス変数は設定点から離れる方向の傾向を示す)。これは、最も右側の4つの減少のアイコン1706についても同様である。示された実施例に示されるように、定性的に悪化する状態にあるアイコン1702、1706に関連付けられた傾向識別形状(例えば、概して上方または下方を指す三角形の形状)は、オペレータの注意を捉え、かつ/またはプロセスパラメータが悪化していて、そのために是正措置が必要になり得るときをオペレータが迅速に特定することを可能にするために、太い境界線1708で表されている。他の実施例において、悪化の状態に関連付けられたアイコン1702、1704は、艶むら、色、サイズ、輝度、パターン、向き等の変化のような任意の他の好適な様式で、区別することができる。
オペレータに有益であり得るプロセス変数に関連付けられた別の特性は、プロセス変数が変化する割合または速度である。例えば、プロセス変数が警報限界に急速に接近している場合、オペレータは、潜在的問題を回避するために処置を迅速に講じねばならないことを知るという認識から利益を得ることができ、一方プロセス変数が、緩やかなペースで警報限界に向かっている場合、オペレータは、プロセス変数を監視して、処置を講じる前にそれが補正されるかを決定し得る。したがって、図17の図示された実施例において、プロセス変数の値の変化率は、レートインジケータ1710によって示される(例えば、傾向識別形状から延びるラインまたは末尾)。いくつかの実施例において、より多数のレートインジケータ1710は、プロセス変数のより大きな変化率に対応する。図示されるように、レートインジケータ1710はまた、対応するプロセス変数が悪化している状態にあるとき、太い線で表示し得る。
図6〜17に関連して上述した例示的なアイコンは、対応するプロセス変数の特定された特性、傾向、及び/または状況を伝達するために様々な視覚的な印(例えば、陰影付け、パターン、色、形状、サイズ、ライン、ポインタ、輪郭、向き、記号、表記、縁取り、艶むら、強調表示等)を提供するが、同じ特性及び/または状況を伝達するために、他の視覚的な印ならびにそれらの適切な向き及び構成を、上述のものに加えて、またはその代わりに、使用することができる。さらに、上述のアイコンの視覚的な印は、オペレータ側の比較的少ない人智による努力及び/または時間により直感的な様式で、所望の情報を伝達し、かつ顕著な属性をオペレータに目立たせることを可能にするために、異なる方法で組み合わせ、かつ/または本明細書に記載されたものとは異なる意味を与えることができる。本明細書に記載の例示的なアイコンの視覚的な印の目的は、オペレータの効率を向上させ、同時にエラーの可能性を低減する。さらに、図6〜17に関連して上述した異なるアイコン及び対応する視覚的な印は、プロセス変数の属性及び/またはオペレータに強調される対応する傾向情報の態様の点においてトレードオフする。したがって、特定のプロセス制御システムの設定で使用される特定のアイコンは、監視かつ制御される特定の操作の必要性及び/また周囲状況、及び/または特定のプロセス制御システムの関連するオペレータの選好に基づいて、変化することができる。いくつかの実施例において、周囲状況及び/または特定の関心及び/または懸念のあるプロセス属性を迅速に特定する際にオペレータをさらに補助するために、比較的まばらなレイアウトでレンダリングされ、かつオペレータの注意を顕著な問題に引きつける様式で配列された(例えば、水平に整合された、垂直に整合された等)アイコン。例えば、減少していないパラメータを示す複数の他のアイコンのうちの1つの減少しているパラメータを示すアイコンは、容易に見つけられるように、ポップアウトし、またはオペレータの注意を引きつけることができる。アイコンのいくつかのそのような例示的な配列は、以下でより詳細に説明される。
図形傾向記号を図形的表現内に表示することと併せて、図形表示アプリケーション30は、画面空間、危機的な状態におけるプロセス変数等の様々な因子に依存して、詳細の種々のレベルの1つ以上のプロセス変数情報ペインを実装することを決定し得る。図形表示アプリケーションは、図形的表現の現在表示されるビュー内の表示される図形傾向記号に対応する1つ以上のプロセス変数に関する詳細な情報の異なるレベルを表示するように各ペインを実装する。図18をここで参照すると、図形表示アプリケーション30は、図5のスクリーンショット110の詳細ビュー300において示されるように、上に考察されたような図5のヒーターの図形描写112と併せて、概要ペイン130のうちの1つ以上、詳細ペイン140、及び拡張ペイン150を表示し得る。有利なことに、図形表示アプリケーション30は、各ペイン130、140、150に関するより一層多くの詳細を伴って、同一のプロセス変数を各ペイン130、140、150上に表示する。例えば、詳細ペイン140は、概要ペイン130よりも、プロセス変数に関するより詳細なプロセス情報を含み、それを表示する。同様に、拡張ペイン150は、詳細ペイン140よりも、プロセス変数に関するより詳細なプロセス情報を含み、それを表示する。
図18を続けて参照すると、概要ペイン130は、1つ以上の図形傾向記号130〜134と、各図形傾向記号130〜134に対応するプロセス変数表題136〜138とを含み得る。詳細ペイン140は、特定のプロセス変数の各詳細ビューが、図形傾向記号の、より大きく、解像度がより高いバージョン143、145、146と、現在のプロセス変数規模/位置値と目標値との比較図表147〜149と、実際のアクチュエータまたは値位置153、155とを含む、各プロセス変数の詳細ビュー141、142、144を含む。拡張ペイン150は、特定のプロセス変数の各拡張ビューが、詳細ビュー141、142、144、及び過去の傾向グラフ156〜158からの情報を含む、各プロセス変数の拡張ビュー151、152、154を含む。簡潔性のために、概要ペイン130、詳細ペイン140、及び拡張ペイン150に関連付けられた、プロセス変数図形、及び対応するプロセス変数属性は、本明細書内で「基礎的図形」、「中間レベル図形」、及び「詳細図形」と呼ばれ得る。例えば、プロセス変数141に関連付けられた、図形傾向記号143、及び対応する属性(例えば、図表147、値位置153等)は、プロセス変数141が詳細ペイン140中に現れるため、中間レベル図形と呼ばれるであろう。
各ペイン130、140、150は、顕示または非表示であってよいため、図形表示アプリケーション30は、オペレータの使用に応じて、詳細の適切なレベルの表示を決定し得る。例えば、図形表示アプリケーション30は、必要な場合、プロセス変数の全ての完全な詳細を表示し得る。しかしながら、画面空間の制約により、図形表示アプリケーション30は、オペレータが可能な情報の全てを一度に見ることを許容しない、スクロールバーを提供しなければならない場合がある。この場合、図形表示アプリケーション30は、拡張ペイン150のためにより広い画面空間を作成するように、概要ペイン130及び詳細ペイン140を非表示にしてもよい。代替として、図形表示アプリケーション30は、全てのプロセス変数が可視的であるべきであり、かつプロセス変数の一部もしくは全ての拡張ビュー151、152、154、またはプロセス変数の詳細ビュー141、142、144の一部もしくは全てを縮小、または非表示にし得ることを決定し得る。別の実施形態では、図形表示アプリケーション30は、重要なプロセス変数についての全ての情報、または例えばヒーター112の図形的表現内の重要な詳細の表示を決定し得る。この場合、図形表示アプリケーション30は、重要度の低いプロセス変数についてのビュー、または重要度の低い詳細を非表示にし得る。
代替として、図18A〜18Dは、プロセス制御システム(例えば、図1の例示的なプロセス制御システム10)の脱塩装置モジュールの3つのプロセス変数に関連付けられた例示的な図形を含む例示的なプロセス変数の概要ペイン1800を図示する。図形は、図18に関連して上述した図形に対応し得る。図18A〜18Dの各々の図形は、オペレータの必要性及び/または要望に基づいて、プロセス変数に関連する様々な量の情報を提供するための詳細の様々なレベルを含む。より具体的には、図18Aは、例示的な図形傾向記号1802、1804、1806を含む、別の例示的なプロセス変数の概要ペイン130を示す。図18Bは、例示的な図形傾向記号1902、1904、1906を、追加的なプロセス変数属性情報を伴って含む、例示的なプロセス変数詳細ペイン140を図示する。図18Cは、例示的な図形傾向記号2002、2004、2006、及びさらに詳細なプロセス変数属性を含む、例示的なプロセス変数拡張ペイン150を図示する。図18Dは、図形が非表示となる折り畳まれた形態にある概要ペイン1800を示す。
示された実施例に示されるように、基本的な図形1802、1804、1806、中間レベルの図形1902、1904、1906、及び詳細な図形2002、2004、2006の各々は、図18に関連して上述したアイコンと同様である同じアイコン1808、1810、1812をそれぞれ含む。さらに、図18Aに示された実施例の基本的な図形1802、1804、1806は、測定されているプロセス変数またはパラメータの名称1814及び対応する測定のユニット1816などの要約情報を含む。いくつかの実施例において、基本的な図形1802、1804、1806は、一切の追加の情報を伴わないアイコンに限定することができる。
図18に対する別の代替例として、図18Bの中間レベルの図形1902、1904、1906は、基本的な図形1808、1810、1812に提供された同じ概要情報を含むが、さらに追加の詳細が加えられる。例えば、示された実施例の中間レベルの図形1902、1904、1906は、プロセス変数に関連付けられたパラメータコードまたはタグ1910、対応するプロセス変数の設定点または標的値インジケータ1912、対応するプロセス変数の測定値インジケータ1914、適切であれば、プロセス変数に関連付けられた出力インジケータ1916(例えば、制御バルブの出力)、及びプロセスが自動または手動制御下にあるかどうかを示すモードインジケータ1918を含む。例示的な図に示されるように、測定値インジケータ1914は、対応するアイコン1808、1810、1812の傾向インジケータと同じレベルに配置され、一方、設定点値インジケータ1912は、それぞれの設定点インジケータに対応するレベルに配置され、プロセス変数の値が設定点に対して上、下、またはほぼ同じであるかについての第2の視覚的指示を提供する。さらに、測定値インジケータ1914は、対応するアイコン1808、1810、1812の現在の状態のセクションと同じ陰影付けで満たされ、プロセス変数の現在の状態を示す。
図18に対する代替的及び類似の実装形態として、図18Cの詳細な図形2002、2004、2006は、図18Bの中間レベルの図形1902、1904、1906において提供される同一の情報を含むが、また追加的な詳細も付加する。例えば、詳細な図形2002、2004、2006は、ある期間にわたってプロセス変数の値をプロットする傾向グラフ2008を含むことができる。いくつかの実施例において、傾向グラフ2008は、現在の傾向を持続している場合にプロセス変数の予期されるパスを視覚的に表すための予測された傾向の領域2010を含む。図18Cの例示的な傾向グラフ2008に示されるように、設定点ライン2012及び1つ以上の警報ライン2014は、グラフ2008に表示された期間にわたって、設定点及び警報限界に対するプロセス変数の相対位置を視覚的に示すために含まれる。さらに、いくつかの実施例において、傾向グラフ2008は、プロセス変数に関連付けられた警報のタイミング、期間、及び状態を経時的に追跡し、タグ付することを可能にする警報状態部分2016を識別することができる(例えば、異なる陰影付け、パターン、色、または他の視覚的に区別可能な印によって)。
図18A〜18Dの例示的なプロセス変数ペイン130、140、150、及び1800の上部バナー1818は、概要ペイン1800に対応するプロセス制御システムのプラント、領域、ユニット、モジュールまたは他の構成要素に関連付けられたタイトル及び/またはコード1820を提供する。上部バナー1818はまた、プロセス変数の概要ペイン1800に対応するプロセス制御システムの構成要素に関連付けられたプロセス変数に関連付けられた概要データを提供する概要アイコン1822を含む。例えば、示された実施例において、概要アイコン1822は、プロセス制御システムの対応する構成要素に関連付けられたすべてのプロセス変数のうちの最悪の現在の状態を示し(例えば、大きい円の陰影付けまたは他の図形的印によって)、かつ/または最悪の予測された状態を示す(例えば、小さい円の陰影付けまたは他の図形的印によって)。いくつかの実施例において、上部バナー1818は、プロセス制御システムの特定の構成要素に関連付けられた専用の画面(例えば、表示域52を介して表示される図形的表現53)にオペレータを導くことを可能にするナビゲーションボタン1824を含む。示された実施例において、概要ペイン1800の上部バナー1818はまた、プロセス変数の概要ペイン1800を図18Dで示されるように上部バナー1818に完全に折り畳み、または図18Dのプロセス変数の概要ペイン1800を図18A〜18Bに示される拡張ビューのいずれか1つに展開するための折り畳み/展開ボタン1826を含む。
さらに、図18の詳細ビュー300は、事象(例えば、警報)についてのより多く時間的な前後関係をオペレータに提供し、プロセス制御システムの状況の傾向ベース監視及び分析をさらに強化するための事象履歴ボタン(図示せず)を備えてもよい。いくつかの実施例において、オペレータは、事象履歴ボタンを選択して、警報に関する追加の情報及び/またはプロセス制御システム内で監視された他の事象を提供する図18Eに示された実施例の事象概要表3300を開いてもよい。いくつかの実施例において、事象履歴表3300は、図18の詳細ビュー300内に表示することができる。他の実施例において、事象履歴表3300は、ポップアップウィンドウ及び/または他の表示領域に生成することができる。
図18Eに示されるように、事象履歴表3300に提供される情報は、重要な変更、警報、及び/または状況認識及び回復を提供し、オペレータが潜在的な問題を良好に診断し、かつそれらがプロセス制御システムの他の態様にどのように関係しているかを理解するように、経時的にタグ付けされたプロセス制御システム内の事象に、基づく。例えば、事象履歴表3300は、各事象の日付及び時刻(例えば、時間と分)、事象の記述、事象に関連付けられたユニット及び/またはパラメータ、及び事象に関連付けられた、行われるべき、かつ/または既に完了した処置項目を含む。上記の情報に加えて、事象履歴表3300はまた、事象の状態及び/または影響に対応する列を備える。示された実施例に示されるように、事象履歴表3300の状態及び/または影響の列は、上述のオペレータインターフェース全体で使用されている図形に対応する傾向ベース図形3302を組み込む。このようにして、オペレータは、オペレータインターフェース全体に表示されている図形3302に関連付けられたプロセス変数のタイミング及び関係を迅速に識別することができる。
図19をここで参照すると、例示的なスクリーンショット400は、表示域52内に表示される、ヒーターの図形的表現112と、ナビゲーションペイン54と、概要ペイン130、及び拡張ペイン150とを含む。図形表示アプリケーション30は、オペレータが、P&ID及び他のペイン内で、ホバーイベントまたはオペレータの確定選択に関連付けられたプロセス変数を視覚的に識別することを可能にし得る。例えば、概要ペイン130内の「煙道ガス温度」とラベル付けされた、プロセス変数についての図形傾向記号138付近またはその上でのオペレータ主導のホバーイベントの検出に応答して、図形表示アプリケーション30は、表示域52内のヒーターの図形的表現112内の対応する図形傾向記号120を強調表示し、同じプロセス変数に関する対応する図形傾向記号の拡張ビュー151を強調表示し得る。
図2の例示的なオペレータステーション104を実現するための例示的な方法を表すフローチャートは、図20A〜20Bに示される。この実施例において、プロセッサによって実行されるプログラムを含む機械可読命令を使用して、実現することができる。プログラムは、CD−ROM、フロッピーディスク、ハードドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク、またはプロセッサに関連付けられたメモリ等の有形のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたソフトウェアで具体化することができるが、プログラム全体及び/またはその一部は、プロセッサ以外のデバイスによって、代わりに実行することができ、及び/またはファームウェアまたは専用ハードウェアで具体化することができる。さらに、例示的なプログラムは、図20A〜20Bに示されたフローチャート参照して説明されているが、例示的な図形表示アプリケーション30を実現するための多くの他の方法を、代わりに使用することができる。例えば、ブロックの実行の順序を変更することができ、かつ/または上記のブロックのいつくかは、変更、削除、または組み合わせることができる。
図20A〜20Bに図示される方法は、プロセス制御システム(例えば、図1の例示的なプロセス制御システム10)に関連付けられたプロセス変数を監視する図形表示アプリケーション30によって、ブロック3400において始まる。ブロック3402では、図形表示アプリケーション30は、プロセス変数に関連付けられた状況(複数可)、特性(複数可)、及び/または他の情報を決定し、かつ/または記憶する。状況(複数可)、特性(複数可)、及び/または他の情報は、プロセス変数の現在の状態、プロセス変数の予測された状態、プロセス変数の対応する傾向、プロセス変数の変化の方向、プロセス変数の変化率、設定点に対するプロセス変数の相対位置(例えば、設定点に対して上、下、またはほぼ同じ)、プロセス変数の値の動作範囲に対する設定点からのプロセス変数の相対偏差、警報限界に対するプロセス変数の相対距離、プロセス変数の実際の値、及び/または経時的にタグ付けされたプロセス変数の履歴またはアーカイブの値、のうちのいずれかを含むことができる。
ブロック3404では、図形表示アプリケーション30は、プロセス変数に関連付けられた状況(複数可)、特性(複数可)、及び/または他の情報を表すアイコンを生成する。例えば、生成されたアイコンは、図6〜17に関連して上述したアイコンのいずれかに対応することができる。ブロック3406では、図形表示アプリケーション30はまた、プロセス制御システム中の構成要素の階層内の各構成要素に関連付けられた警報概要データを計算する。警報概要データは、構成要素の各々に対応するプロセス変数に関連付けられた活動中の警報の存在、構成要素の各々に関連付けられた活動中の警報の数、対応するプロセス変数の各々の現在の状態、または対応するプロセス変数の各々の予測された状態、のうちの1つ以上に対応する。上述のように、各構成要素は、プラント、サイト、領域、ユニット、モジュール等のうちのいずれかに対応することができ、階層内の高位レベルの構成要素は、複数の低位レベルの構成要素を含むことができる。したがって、各高位レベルの構成要素の警報概要データは、対応する低位レベルの構成要素(例えば、サブ構成要素)の警報概要データを含むことができる。
ブロック3408では、図形表示アプリケーション30は、ディスプレイを介して階層内の構成要素のうちの少なくとも1つを表す図表をレンダリングする。いくつかの実施例において、表示のための構成要素は、ユーザ入力(例えば、オペレータ入力)に基づいて選択される。いくつかの実施例において、図表は、表示のための選択された構成要素の様々な態様及び/またはサブ構成要素を表す複数の要素からなる配管及び計装図(P&ID)である。さらに、図表は、プロセス制御システムの表示された構成要素に対応するプロセス変数に関連付けられた重要なインジケータ及び/または関連する情報を提供することができる。図20A〜20Bの例示的な方法では、オペレータインターフェースが図表をレンダリングするとき、オペレータインターフェースは、重要なインジケータ及び/または他の関連する情報に隣接する、またはそのかわりに、生成されたアイコン(ブロック3404)を含む。例えば、アイコンは、対応するプロセス変数の発生源に対応するP&ID内の要素の隣に表示することができる。加えて、警報状態にあるプロセス変数に関連付けられたアイコンはまた、警報バナー内にレンダリングすることができる。
ブロック3410では、オペレータインターフェースは、レンダリングされた図に対応する表示を介して、ナビゲーションペインをレンダリングする。ナビゲーションペインは、図2A〜2Dに関連して上述したナビゲーションペインのいずれかと同様である階層内の構成要素を表すナビゲーションボタンを含む。そのような実施例において、各ナビゲーションボタンは、計算された警報概要データ(ブロック3406)を表す対応する警報概要アイコンに関連付けることができる。
ブロック3414では、図形表示アプリケーション30は、ナビゲーションペイン内でナビゲートするための要求を受け取ったかどうかを判定する。ナビゲーションペイン内でナビゲートするための要求は、表示されている図(例えば、他の構成要素の関係をプレビューする)によって現在表されている構成要素に関連付けられた階層の直接のパス内にないナビゲーションボタン上で選択する(例えば、マウスクリックを介して)オペレータから発生することがある。図形表示アプリケーション30がそのような要求を受け取ったことを決定すると(ブロック3412)、図形表示アプリケーション30は、ナビゲーションペインを更新する。更新されたナビゲーションペインは、選択されたナビゲーションボタンに関連付けられた構成要素の下の階層内にある低位レベルの構成要素(例えば、子構成要素)に対応する新規のナビゲーションボタンを含むことができる。さらに、現在表示されている図に関連付けられたナビゲーションボタンへの階層内の直接のパスの指示はまた、新規のナビゲーションボタンがパス全体を表すことを妨げる場合、設けることができる。ナビゲーションペインが一旦更新されると(ブロック3414)、制御はブロック3416に進む。図形表示アプリケーション30がナビゲーションペイン内でナビゲートするための要求を受け取っていないことを決定すると(ブロック3412)、制御は即座にブロック3416に進む。
ブロック3416では、図形表示アプリケーション30は、プロセス制御システムの異なる構成要素を表す異なる図表をレンダリングするための要求を受け取ったかどうかを判定する。異なる図表をレンダリングするための要求は、レンダリングされた図によって現在表されている構成要素とは異なる構成要素に対応するナビゲーションボタンを選択する(例えば、マウスのダブルクリックを介して)オペレータから発生することができる。他の実施例において、オペレータは、現在表示されている構成要素内のサブ構成要素に対応する図内の要素を選択する(例えば、マウスのダブルクリックを介して)ことができる。図形表示アプリケーション30が要求を受け取ったことを決定すると(ブロック3412)、図形表示アプリケーション30は、表示器を介して異なる図表をレンダリングする(ブロック3418)。ブロック3408に関連して上述したように、図形表示アプリケーション30は、図表内の新規の図表によって表された構成要素に関連付けられたプロセス変数に対応する異なるアイコンを表示することができる。新規の図表をレンダリングすること(ブロック3418)に加えて、オペレータインターフェースは、ナビゲーションペインを更新し、レンダリングされた異なる図を反映する(ブロック3420)。例えば、新規の図によって表される構成要素に関連付けられたナビゲーションボタンは、上述の他のナビゲーションボタンから視覚的に識別できるように変更することができる。ナビゲーションペインを更新後(ブロック3420)、制御はブロック3422に進む。ブロック3416に戻ると、図形表示アプリケーション30が、異なる図表をレンダリングするための要求を受け取っていないことを決定した場合(ブロック3412)、制御は即座にブロック3422に進む。
ブロック3422では、図形表示アプリケーション30は、プロセス変数の概要ペイン中の情報を表示するための要求を受け取ったかどうかを判定する。プロセス変数の概要ペインは、図18〜18Eに関連して上述したプロセス変数の概要ペインのいずれかと同様であることができる。プロセス変数の概要ペイン内の情報を表示するための要求は、新規のプロセス変数の概要ペインを作成すること要求するオペレータ、または既存のプロセス変数の概要ペインを追加の情報を表示するように拡張すること、を含むことができる。そのような要求を受け取ったことが決定されると(ブロック3422)、図形表示アプリケーション30は、要求された情報を表示するために指定された表示領域内に十分なスペースが存在するかどうかを判定する(ブロック3424)。十分なスペースが存在するかどうかは、指定された表示領域のサイズ、表示されることを要求された情報の量、及びどんな情報が既に表示されているか、に依存する。いくつかの実施例において、指定された表示領域は、例えば、図5のスクリーンショット110の詳細ビュー300等の、画定されたサイズ(例えば、画素の画定された幅及び高さ)を有する出力表示デバイス上の画面空間に対応する。このような実施例において、より多くのプロセス変数が概括され、かつ/またはより多くの情報が表現されるため(例えば、基本的な図形、中間レベルの図形、または詳細な図形)、要求された情報を表示するための、より多くの画面空間が必要となる。このような実施例において、表示される情報の合計の量(どんなものが既に表示されているか、及び要求された追加の情報に基づく)は、画面空間によって画定された利用可能な領域を超える場合があり、オペレータステーションは、要求された情報を表示するために指定された領域内に十分なスペースが存在しないことを決定することになる(ブロック3424)。
他の実施例において、指定された表示領域は、特定のサイズに限定されないが、任意の特定の時点のオペレータの情報要求に基づいて変わることができる。したがって、いくつかの実施例において、指定された表示領域は、指定された表示領域の一部のみが任意の所与の時点で利用可能となるように指定された表示領域をレンダリングする(例えば、上方または下方へのスクロールにより)ことにより、対応する表示画面よりもサイズが大きくてもよい。例えば、表示画面上の詳細ビュー300中に要求された情報を表示するのではなく、いくつかの実施例において、要求された情報は、画面サイズ及び/または解像度が限定された携帯型ハンドヘルドデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット等)のインターフェースを介して表示される。いくつかのそのような実施例において、要求された情報は、本明細書に記載されたアイコン及び関連する図形によって表されるが、表示デバイスの単一の画面内に全てをレンダリングすることができないとき、指定された表示領域の様々な部分の間でスクロールする機能を備えた対応する表示デバイスの画面表示領域の全てまたは実質的に全てを占める独立したインターフェースで表示される(例えば、アイコンは、対応するP&IDを表示せずに示される)。そのような実施例において、オペレーションアプリケーションは、指定された表示領域が画定されたサイズに限定されないので、要求された情報を表示するために指定された表示領域内に十分なスペースが存在することを決定することができる(ブロック3424)。
引き続き例示的なプロセスにおいて、図形表示アプリケーション30が指定された表示領域内に十分なスペースが存在しないことを決定する場合(ブロック3424)、図形表示アプリケーション30は、既存のプロセス変数の概要ペイン(複数可)のズームを調整する(ブロック3426)。例えば、図形表示アプリケーション30は、既存のプロセス変数の概要ペイン(複数可)を詳細の低位レベルに縮小し、かつ/または概要ペインを折り畳んで、上部バナーのみを表示することができる。既存のプロセス変数の概要ペイン(複数可)が一旦調整されると(ブロック3426)、オペレータインターフェースは、表示器を介してプロセス変数の概要ペインを要求された情報でレンダリングする(ブロック3428)。図形表示アプリケーション30が要求された情報を表示するために指定された表示領域(または、表示領域は動的にサイズを変えることができる)内に十分なスペースが存在することを決定すると(ブロック3424)、オペレータインターフェースは、対応するプロセス変数の概要ペインを直接にレンダリングする(ブロック3428)。プロセス変数の概要ペインが一旦レンダリングされると、制御はブロック3430に進む。ブロック3422に戻ると、図形表示アプリケーション30が、プロセス変数の概要ペイン中の情報を表示するための要求を受け取っていないことを決定すると、図20A〜20Bの例示的な方法は、ブロック3430に進む。
ブロック3430では、図形表示アプリケーション30は、特定の要素に対する画面上の要素の関係性(複数可)を特定するための要求を受け取ったかどうかを判定する。画面上の要素は、プロセス制御システム内の構成要素またはサブ構成要素を表す図内の図形的要素、表示された構成要素に対応するプロセス変数に関連付けられた情報を提供する図内のテキスト要素、プロセス変数に対応する図内に表示されたアイコン、警報バナー内の情報、及び/または1つ以上のプロセス変数の概要ペイン内の図形、のうちのいずれかに対応することができる。上記の要素のいずれかの間の関係を特定するための要求は、表示された要素のうちの1つを選択する(例えば、マウスクリック、マウスホバー等を介して)オペレータから発生することができる。図形表示アプリケーション30が、そのような要求を受け取ったことを決定すると(ブロック3430)、オペレータインターフェースは、表示器を介して選択された特定の要素に関連付けられた画面上の要素を特定する(ブロック3432)。すなわち、図表内に表された構成要素は、図2に関連して上述されたナビゲーションペイン中の対応するナビゲーションボタンとともに特定することができる。加えて、または代替として、警報バナーエントリ、図表内のアイコン及び/もしくはテキスト情報、ならびに/または同じプロセス変数に関連付けられた1つ以上のプロセス変数の概要ペイン中の1つ以上の図形は、図3に関連して上述したように特定することができる。
関連する要素が一旦特定されると(ブロック3432)、制御はブロック3434に進む。図形表示アプリケーション30が、要素の関係性(複数可)を特定するための要求を受け取っていないことを決定すると、制御はブロック3434に進む。ブロック3434では、図形表示アプリケーション30は、プロセス制御システムの監視を継続するかどうかを判定する。プロセス制御システムを監視する場合、制御は例示的なプロセスのブロック3400に戻る。図形表示アプリケーション30が、プロセス制御システムの監視を継続しないことを決定すると、図20A〜20Bの例示的なプロセスは終了する。
用語「フィールドデバイス」は、本明細書において、いくつかのデバイスまたはデバイスの組み合わせ(すなわち、送信機/アクチュエータのハイブリッド等の、複数の機能を提供するデバイス)、ならびに制御システム中で機能を実施する任意の他のデバイス(複数可)を含むように、広義で使用される。いずれにせよ、フィールドデバイスは、例えば、入力デバイス(例えば、状態、測定、または例えば温度、圧力、流速等のプロセス制御パラメータを示す他の信号を提供する、センサ及び計器等のデバイス)、ならびにコントローラ及び/または他のフィールドデバイスから受信されるコマンドに応答して動作を実施する制御オペレータまたはアクチュエータを含み得る。
実装された場合、本明細書に記載のソフトウェアのいずれかは、コンピュータまたはプロセッサ等のRAMまたはROM中の、磁気ディスク、レーザーディスク、または他の記憶媒体等の任意のコンピュータ可読メモリ中に記憶され得る。同様に、このソフトウェアは、例えば、コンピュータ可読ディスクもしくは他の移動可能なコンピュータ記憶機構上、または(配信が、移動可能な記憶媒体を介したそのようなソフトウェアの提供と同一、または互換性があるとして見なされる)電話回線、インターネット、ワールドワイドウェブ、任意の他の構内ネットワーク、もしくは広域ネットワーク等の通信チャネル上を含む、任意の既知の、または所望の配信方法を使用して、ユーザ、プロセスプラント、またはオペレータワークステーションに配信され得る。さらに、このソフトウェアは、変調もしくは暗号化無しに直接提供されてもよく、または通信チャネル上で送信される前に、任意の好適な変調搬送波及び/もしくは暗号化技術を使用して、変調及び/もしくは暗号化されてもよい。
本発明は具体的な実施例を参照して説明されてきたが、これは例示的であることのみを意図し、本発明の限定を意図せず、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、開示された実施形態への変更、追加、または削除が為され得ることが、当業者には明らかであろう。