JP2016510310A - 分子の生理活性予測 - Google Patents

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Abstract

本発明は、化合物及びそれらの代謝産物の、分子の生理活性、反応性、及び毒性を予測する方法に関する。【選択図】図6

Description

関連出願
本願は、2012年12月18日に出願された米国特許仮出願第61/738,751号の優先権を主張し、その内容は全体として参照により本願に組み込まれる。
本発明は、化合物及びそれらの代謝産物の、分子の生理活性、反応性、及び毒性を予測する方法に関する。
親分子(例えば親化合物)の代謝経路、生理活性及び変異原性潜在力を解明し予測するために、近年、in silico方法がポピュラーになりつつある。in silico手法を用いることの利点は、この手法が迅速且つ安価であり、動物実験の利用を大幅に削減し、試験用に化合物を合成する必要性が避けられることである。in silico手法は、発がん性1,2、human Ether−a−go−go−Related Gene(hERG)アラート、3,4及びリン脂質症5,6を含む幾つかの重要な毒性学的エンドポイントの予測において信頼性が高いことが、様々な研究において示されている。米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)を含む幾つかの規制機関が、承認済みの(定量的)構造活性相関((Q)SAR)法によりスクリーニングされた場合に変異原性がネガティブであると予測される遺伝子毒性不純物候補を、エームスアッセイにおけるネガティブに等しいと見なすという事実によって、in silico方法の重要性は立証されている。この点に照らして、創薬におけるより早い段階で毒性学的エンドポイントを予期しようと、多くの薬学研究機関が物理化学的特性のスクリーニングを実施している。9−11
Meteor(英国、LeedsのLhasa Ltd)12やMetasite(イタリア、PerugiaのMolecular Discovery)13などの既存ベンダーからのソフトウェアの能力によって、代謝予測プラットフォームはますますポピュラーになってきている。生体内変化は、化合物のバイオアベイラビリティ、効率性、慢性毒性、及び排出レート及び排出ルートに大きく影響し得る。親化合物及びその代謝産物の両方は、内因性代謝又は共投与される他の化合物の代謝に干渉することがある。例えば、シトクロムP450やフラビン含有モノオキシゲナーゼなどの特定の代謝酵素の阻害は、薬物相互作用に関連付けられ得、患者にとって致命的な結果を潜在的に有し得る。この課題に照らして、代謝に関する詳細な知識は、創薬の初期段階において重要な部分である。14
しかしながら、市販の薬物代謝予測ソフトウェアの1つの限界は、関連付けられる代謝産物の、水溶性、安定性、又は反応性などの特定の物理化学的特性(これが化学的生理活性及び毒性の本質的な決定要因であることが多い)の予測が、典型的には提供されないことである。15これらデータの欠如により、薬物開発チームに残された選択肢は、これらの特性の実験による判定に限られるが、これは薬物開発タイムラインを大幅に遅らせ、リソース要件を増大させることがある。したがって、親化合物の代謝産物の特定の物理化学的特性を考慮しこれに対応する、代謝予測方法に対する需要が存在する。
本発明は代謝産物の様々なin vivo挙動を予測するためのin silico方法を提供することにより、一定程度この需要を満たす。具体的には、本発明は、4つの物理化学的パラメータを一体的に分析することにより、薬物又は化合物の代謝産物の特定のin vivo挙動(例えば、生理活性、毒性)が予測され得ることを示す。4つのパラメータは、単位電荷あたりのポテンシャルエネルギーの尺度であり、例えば代謝攻撃部位の尺度である、静電ポテンシャル、分子安定性の尺度である、生成熱、水溶性の尺度である、溶媒エネルギー又は溶媒熱、並びに、分子反応性の尺度である、ELUMO−EHOMO(最低空分子軌道のエネルギーから最高被占分子軌道のエネルギーを引いたものであり、バンドギャップとしても知られる)を含む。これらのパラメータは、溶液中の分子挙動について情報を得るために物理化学者によって用いられてきたが、薬物代謝及び薬物動態(DMPK)、調査毒性学、及び薬理学の分野における応用は限られている。本発明は、これら4つの物理化学的パラメータが、化合物とそれらの代謝産物の反応性、安定性、及び溶解性についての信頼性のある指標として機能し、従って、化合物及びそれらの代謝産物の分子の生理活性及び毒性を予測するのに有益であるということを立証する。
本発明は、特に、化合物及びそれらの代謝産物の様々なin vivo挙動、分子の生理活性、並びに毒性を予測する方法を提供する。
幾つかの態様において、本発明は、化合物及び化合物の代謝産物の生理活性を予測するための、コンピュータに実装される方法を提供し、この方法は、化合物及び化合物の代謝産物の化学構造を受信すること、化合物及び化合物の代謝産物の生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を、一又は複数の記憶されたアルゴリズムに基づいて計算すること、並びに、化合物及び代謝産物の生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を出力することを含む。幾つかの実施形態では、この方法は、親化合物及び親化合物の代謝産物の、生理活性を試験することを更に含む。特定の実施形態では、親化合物及び親化合物の代謝産物の生理活性を試験することは、in vivoで実施される。
他の態様において、本発明は、化合物及び化合物の代謝産物の毒性を予測するための、コンピュータに実装される方法を提供し、この方法は、化合物及び化合物の代謝産物の化学構造を受信すること、化合物及び化合物の代謝産物の、生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を、一又は複数の記憶されたアルゴリズムに基づいて計算すること、並びに、化合物及び代謝産物の生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を出力することを含む。幾つかの実施形態では、この方法は更に、親化合物及び親化合物の代謝産物の毒性を試験することを含む。特定の実施形態では、親化合物及び親化合物の代謝産物の毒性を試験することは、in vivoで実施される。
他の態様において、本発明は、化合物及び化合物の代謝産物の生理活性を予測するための、コンピュータに実装される方法を提供し、この方法は、化合物及び化合物の代謝産物の化学構造を受信すること、化合物及び化合物の代謝産物の、生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を、一又は複数の記憶されたアルゴリズムに基づいて計算すること、並びに、化合物及び代謝産物の生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップ、で構成されるグループから選択された一又は複数の物理化学的パラメータの値を出力することを含む。幾つかの実施形態では、この方法は更に、親化合物及び親化合物の代謝産物の生理活性を試験することを含む。特定の実施形態では、親化合物及び親化合物の代謝産物の生理活性を試験することは、in vivoで実施される。
別の態様において、本発明は、化合物及び化合物の代謝産物の毒性を予測するための、コンピュータに実装される方法を提供し、この方法は、化合物及び化合物の代謝産物の化学構造を受信すること、化合物及び化合物の代謝産物の、生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を、一又は複数の記憶されたアルゴリズムに基づいて計算すること、並びに、化合物及び代謝産物の生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップ、で構成されるグループから選択された一又は複数の物理化学的パラメータの値を出力することを含む。幾つかの実施形態では、この方法は更に、親化合物及び親化合物の代謝産物の毒性を試験することを含む。特定の実施形態では、親化合物及び親化合物の代謝産物の毒性を試験することは、in vivoで実施される。
1つの付加的な態様において、本発明は、化合物及び化合物の代謝産物の分子の生理活性を予測するのに用いられる、データ処理システムを提供し、このシステムは、プロセッサとアクセス可能メモリとを備え、詳細には、化合物及び化合物の代謝産物の化学構造を受信すること、化合物及び化合物の代謝産物の、生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を、一又は複数の記憶されたアルゴリズムに基づいて計算すること、並びに、化合物及び代謝産物の生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を出力すること、という動作を実施するように構成される。
更に別の態様において、本発明は、化合物及び化合物の代謝産物の毒性を予測するのに用いられる、データ処理システムを提供し、このシステムは、プロセッサとアクセス可能メモリとを備え、詳細には、化合物及び化合物の代謝産物の化学構造を受信すること、化合物及び化合物の代謝産物の、生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を、一又は複数の記憶されたアルゴリズムに基づいて計算すること、並びに、化合物及び代謝産物の生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を出力すること、という動作を実施するように構成される。
本発明は更に、化合物及び化合物の代謝産物の、生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を計算し、これら値を、ユーザ、ユーザインターフェースデバイス、モニタ、プリンタ、コンピュータ可読記憶媒体、又はローカルもしくはリモートのコンピュータシステムに出力するための、コンピュータ可読指令を備える、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
本方法の特定の実施形態で、化合物及び化合物の代謝産物の、生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を出力することは、ユーザ、ユーザインターフェースデバイス、モニタ、プリンタ、データ記憶媒体、コンピュータ可読記憶媒体、又はローカルもしくはリモートのコンピュータシステムに対して行われる。他の実施形態では、これら値を出力することは、これら値をデータベース又はライブラリに保存することを含む。更なる実施形態では、これら値を出力することは、化合物及び化合物の代謝産物の、生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を表示することを含む。
本願が優先権を主張する、2012年12月18日に出願された米国特許仮出願第61/738,751号は、カラーで描かれた図面を少なくとも1つ含む。一又は複数のカラー図面を備えた米国特許仮出願第61/738,751号のコピーは、必要な手数料を納入すれば所望に応じてUSPTOより入手可能である。
アニリン及びフェニルアミン含有薬の構造を示す。 アセトアミノフェンの構造を示す。 塩化ビニルの構造を示す。 ネファゾドンの構造を示す。 イミダクロプリドの構造を示す。 シトシンの構造を示す。 アセトアミノフェン(出典:Whysner,J. et al,1996)137及びイミダクロプリド(出典: Ford,K.A.and Casida,J.E.,2007)123の代謝経路を示す。 塩化ビニル(出典:Whysner,J.et al,1996)137及びネファゾドン(出典:Peterman,S.et al,2006)138の代謝経路を示す。代謝産物のアイデンティティは表1に記載されている。 アニリンの静電ポテンシャルマップ(非平面(i)配座及び平面(ii)配座)を示す。 (i)アセトアミノフェン及び(ii)NAPQIの静電ポテンシャルマップを示す。 (i)0029塩化ビニル及び(ii)クロロアセトアルデヒドの静電ポテンシャルマップを示す。 (i)イミダクロプリド及び(ii)イミダクロプリド−NHの静電ポテンシャルマップを示す。 (i)ネファゾドン及び(ii)ネファゾドン−キノンイミンの静電ポテンシャルマップを示す。 シトシンの静電ポテンシャルマップを示す。(ESP等高線は(負から正に)グレースケールで符号化されており、ポテンシャルはkJ/molで示されている)。 A〜Lは、幾つかのDNAの配座異性体の構造及び静電ポテンシャルマップを示す。図4A、4B、4C、及び4Dは、長手方向側面が示された16塩基対B−DNA二本鎖(PDB:3BSE)であり、図4E、4F、4G、及び4Hは、長手方向側面が示された左巻きZ−DNA二重らせん(PDB:2DCG)であり、図4I及び4Jは、A−DNA十量体(PDB:213D)であり、図4K及び4Lは、A−DNA四量体(PDB:1ANA)である。 本明細書に記載のプロセス及び方法を実施するために用いられ得る幾つかのコンポーネントを備えた、コンピューティングシステム1100を示す。メインシステム1102は、入出力(「I/O」)セクション1106を有するマザーボード1104、一又は複数の中央処理装置(「CPU」)1108、並びに、フラッシュメモリカード1112が関連付けられ得るメモリセクション1110を含む。I/Oセクション1106は、ディスプレイ1124、キーボード1114、ディスクストレージユニット1116、及びメディアドライブユニット1118に接続される。メディアドライブユニット1118は、プログラム1122及び/又はデータを含み得るコンピュータ可読媒体1120を読み書き可能である。 本発明の一実施形態による、分子の生理活性を予測するためのプロセスを示すブロック図を示す。
本発明は、特に、化合物及びそれらの代謝産物の、様々なin vivo挙動と分子の生理活性化を予測するためのin silico方法を提供する。
本発明は、静電ポテンシャル(ESP)及びこれに加えて3つの分子の物理化学的パラメータ(生成熱、溶解熱、及びELUMO−EHOMO)が、代謝産物のin vivo挙動の補完指標として機能し得るということを立証する。分子の生理活性の予測におけるこの多面的手法の有用性を示す例として、異なる5つの化合物(アセトアミノフェン、アニリン/フェニルアミン、イミダクロプリド、ネファゾドン、及び塩化ビニル)が提供される。各々の場合において、化合物及びそれらの代謝産物の分子の生理活性の、本明細書に記載の方法を用いた予測は、科学文献に記載の実験データと一致した。
ESPの有用性に関する更なる例は、この物理化学的パラメータの、核酸であるシトシンの攻撃部位についての説明の提供における使用の検討によってもたらされる。DNAの付加体はしばしば変異原性であるので、核酸の攻撃部位の探索は重要である。
定義
「生理活性」又は「生理活性化された」という語は、親化合物の一又は複数の代謝産物が、親化合物と比較して毒性、エネルギー、又は薬理的活性を高められる代謝プロセスを表す。生理活性は、(生成熱によって決定される)化合物の安定性、(溶解熱によって決定される)化合物の溶解性、(バンドギャップとしても知られる、最低空分子軌道のエネルギーと最高被占分子軌道とのエネルギーとの差分によって決定される)化合物の反応性、並びに(代謝攻撃部位の測定値としての)静電ポテンシャルを含む、様々な分子特性に関する代謝の作用を包含し、これら特性の各々は、代謝プロセス中、増加、減少、又は変化せずに維持されることがある。
「親分子」及び「親化合物」という語は、出発化合物を表し、或いは、この場合では、候補薬物や治験用薬物もしくは化合物を表す。
一又は複数の「代謝産物」という語は、代謝プロセス(例えば、代謝)によって形成された分子又は化合物を表し、化合物分解及び化合物排出に関連付けられる、分子又は化合物を含む。
静電ポテンシャル
静電ポテンシャル(ESP)は、分子間及び分子内会合(associations)、並びに、起こり得る求電子及び求核代謝攻撃部位の予測についての情報をもたらす、有用な分子の物理化学的特性である。分子の電荷における、(例えば、分子が存在する溶液のpH変動や、電場における変化に起因する)16,17任意の変化は、より正又は負に帯電した局所環境を生み出すために、周囲の空間の静電エネルギー(又はポテンシャル)を変化させる。18静電ポテンシャル(ESP)は、分子の相互作用において大きな役割を果たす重要な特性であり、単純に、任意の2つの点の間の電荷の差分として定義され得る。静電気学の最も基本的な方程式は、ポアソン方程式19(方程式1)であり、
この方程式は、ポテンシャルΦの位置rの空間的変動を電荷密度分布ρと関係づけ、ここで、自由空間の誘電率は1である。電荷分布が一組の点電荷(q)に関して表される場合、ポアソン方程式はクーロンの法則となり、これが、分子(例えば、標的酵素の活性部位における阻害薬やアミノ酸など)の点電荷間の引力を計算する。クーロンの法則20は、2つの点電荷(q及びq)間の静電力の大きさが、電荷の大きさの積に正比例し、これらの間の距離の二乗(r)に反比例するということを示す。方程式2:
この法則の逆二乗の性質は、電荷の近位性が大きくなるにつれて、これら2つの電荷間の静電引力が増大することを表す。新規な薬物阻害剤の設計において、これは重要な考慮事項であり、無効化合物を生み出す恐れのある高反発の電荷特性を候補阻害剤が有さないことを保証して、これにより酵素の活性部位における相互作用を最大化するために、できる限り努力すべきである。
電荷間の力の方向は、静電気学の原理によって決定づけられ、即ち、同種の電荷(例えば、2つの正電荷)は互いに反発し合うが、異種の電荷(即ち、正電荷と負電荷)は互いに引き付けられる。このような静電気学的原理の薬物研究に対する重要性は、異種の電荷は負であり、より安定化する相互作用、従ってより安定した阻害剤−標的錯体を形成する可能性の増大につながる一方、同種の電荷間の相互作用エネルギーは正であって不安定である。21ポアソン方程式をクーロンの法則に関連して書き換えると、下記が得られる(方程式3)。
ここで、rは位置であり、qはi番目の点電荷の大きさである。基本的に、DNAなどのマクロ分子の調査に用いる静電モデルはすべて、ポアソン方程式に基づいている。分子のある領域が、均一に分布した方式で電場に応答する場合には、分極密度(χ)とその領域の体積に亘る誘起双極子モーメント(P)との間の関係は、方程式4によって表される。
ここでEは、その領域における平均電場である。この領域は均一な方式で応答するので、誘電率係数εは、ポアソン方程式及びクーロン方程式に応用され得る。しかしながら、誘電率が空間に亘り変動する場合には、クーロンの法則は無効となり、ポアソン方程式は方程式5となる。
この場合Φは位置rの関数である。
ESPは、分子の反応挙動の解釈及び予測のための有効なツールとして確立されている。22−24ESPの2つの重要な応用は、求電子又は求核代謝攻撃に対して脆弱な分子の領域の予測(これは薬物代謝研究における貴重なツールとして機能する)、及び、変異原性の予測(これは調査毒性学上のアセスメントにおいて重要である)。求電子試薬25(電子不足の、正に帯電した核種)は、分子の領域に引き付けられる傾向があり、これらは分子の電子の影響が最も支配的である領域であるので、ここでESPは最も負である値(極小値Vmin)を得る。求核試薬25(電子豊富な、負に帯電した核種)は、ESPが最も正である領域(極大値Vmax)に特に引き付けられる。一組の核{Z}に起因するESP及び分子の電子密度ρ(r)は、方程式6で示され、26
ここで、Zは、Rに位置する核A上の電荷である。27−29方程式6の右側の第1項は、核の貢献(正である)を表し、方程式6の右側の第2項は、電子の貢献(負である)を表す。電子密度はab initio(又は半経験的)計算から得られ、従って概算であり、即ち分子のESPの測定値もまた概算である。過去の研究ではHartree−Fock波動関数が、ρ(r)から算出されるESPなどの特性について良好な結果を与えることが示されている。30−32更に、ESPの信頼性の高い測定は、Hartree−Fockの品質には及ばないが、self−consistent−field(SCF)波動関数によっても得られ得ることが、研究によって示されている。33−35ESPは、種々の方法で実験的に判定されることもある36−38が、量子法に基づく本発明における導出が、依然としてより正確な手法である。
酵素及び輸送体を含む、核酸及びタンパク質の双方の構造特性の維持において、ESPは重要な役割を果たす。39−44例えば、塩橋、ファンデルワールス力、及び水素結合などの相互作用、これらはすべて原理的には性質として静電的であり、45−47タンパク質構造の維持及び安定化には重要である。48−50したがって、より効果的な薬剤の設計努力において構造活性相関(SAR)を改善するために、生体分子とその配位子の静電力によって果たされる役割を理解することが不可欠である。
本明細書で立証されるように、ESPマップは、代謝の「ホットスポット」を可視化し分子の変異原性潜在力を解明する、迅速かつ便利な方法をもたらした。Politzerとその研究チームによる初期研究22,24,50−52以来、ESPは、がん、53−55HIV、56−58鬱病、59,60マラリア、61,62細菌感染症、63,64及び癲癇65,66を限定的な例として含む多くの症状のための強力な候補薬物の合成において医薬品化学者を支援するツールとして、常套的に用いられてきた。しかしながら、意思決定を支援するためのESPの使用は、DMPK、調査毒性学、及び薬理学の分野では限定的であった。
生成熱
生成熱(ΔH θ)は、標準状態(即ちT=298K且つP=1atm)にあるすべての物質について、1モルの純物質の元素からの生成に付随するエンタルピー変化である。ΔH θはヘスの法則(総熱量不変の法則としても知られる)により算出され、単一の反応についての熱変化(ΔH)は、生成物のΔH θ及び反応物のΔH θから算出され得ることを証明する67(方程式7):
ΔH θが負であればあるほど化合物がより安定であるので、ΔH θは化合物の熱力学的安定性において重要な役割を果たす。68代謝産物は安定であればあるほど不安定となり難く、従って体内により長く残留する可能性が高いことが明らかであるので、安定性は代謝経路の予測において重要な考慮事項である。
溶解熱
溶解は、溶媒(例えば水)の分子が溶質の分子を引き付けるプロセスである。溶解熱は、溶解が発生するのに要するギブス自由エネルギーであり、溶解熱は、まず溶質内及び溶媒内の結合を切断し、溶媒と溶質との間に新しい結合を形成するために必要となる。化合物が水中に分散されるか否か又は脂質内に蓄えられるか否か、代謝産物が排出されるために第2相抱合を要する可能性があるか否か、及び、化合物(例えば代謝産物)が親分子よりも水溶性であるか否か、従って尿又は胆汁で排出される可能性があるか否か、に影響するので、化合物の溶解熱を知ることは、分布、代謝、及び排出研究の一部として重要である。
LUMO−EHOMO.
最低空分子軌道(LUMO)及び最高被占分子軌道(HOMO)はいわゆるフロンティア軌道と称されるものであり、化学反応性において重要な役割を果たす。69LUMO(ELUMO)のエネルギーとHOMO(EHOMO)のエネルギーとの差分(即ち、ELUMO−EHOMO)はバンドギャップと称される。分子のバンドギャップが小さければ小さい程反応性化合物である可能性が高い。例えば、親分子から代謝産物へのバンドギャップの減少は、代謝産物が親分子よりも高エネルギーであり、従って生理活性化を受ける可能性が高いことを示す。同様に、親分子から代謝産物へのバンドギャップの増加は、代謝産物が親分子よりも低エネルギーであり、従って生理活性化を受ける可能性が低いことを示す。
化合物とその代謝産物のこれら4つの物理化学的パラメータの値を測定することにより、分子の生理活性及び毒性の予測を含む、特定の代謝産物のin vivo挙動予測が可能となることを、本発明は立証する。上述のように、4つの物理化学的パラメータは、単位電荷あたりのポテンシャルエネルギーの尺度であり、例えば代謝攻撃部位の尺度である、静電ポテンシャル、分子安定性の尺度である、生成熱、水溶性の尺度である、溶解熱エネルギー、分子反応性の尺度である、並びにELUMO−EHOMO(バンドギャップとしても知られる、最低空分子軌道のエネルギーマイナス最高被占分子軌道のエネルギー)を含む。
幾つかの態様において、本発明は、化合物と化合物の代謝産物の分子の生理活性を予測する方法を提供する。幾つかの実施形態で、本発明は、化合物及び化合物の代謝産物の生理活性を予測するための、コンピュータに実装される方法を提供し、この方法は、化合物の化学構造及び化合物の代謝産物の化学構造を受信すること、化合物及び化合物の代謝産物の生成熱(安定性の尺度)、溶解熱(溶解性の尺度)、静電ポテンシャル(化合物及び代謝産物の代謝ホットスポットを特定できる)、及びバンドギャップ(反応性の尺度)の値を、計算すること、並びに、化合物及び代謝産物の生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を出力する(例えば、出力を生成する)ことを含む。他の実施形態で、この方法は、これら値をデータベースに保存することを含む。他の実施形態で、この方法は、これら値を表示することを含む。
幾つかの実施形態では、親化合物の代謝産物(及びそれらの化学構造)が既知である。他の実施形態では、親化合物の代謝産物(及びそれらの化学構造)が、当技術分野において標準的な方法を用いて実験により決定される。他の実施形態では、親化合物の代謝産物(及びそれらの化学構造)が、例えば、市販のソフトウェア(例えば、Meteor Metasite)により予測される。
ESPマップは、化合物又は代謝産物内の潜在的な代謝攻撃部位や領域を特定する方法をもたらす。ESP解析に基づき、(親化合物と比較して)正のESPが増大した領域を示す代謝産物は、(親化合物と比較して)求核攻撃に晒され易く、正のESPが減少した領域を示す代謝産物は、(親化合物と比較して)求核攻撃に晒されにくい、ということが示される。ESP解析に基づき、(親化合物と比較して)負のESPが増大した領域を示す代謝産物は、(親化合物と比較して)求電子攻撃に晒され易く、負のESPが減少した領域を示す代謝産物は、(親化合物と比較して)求電子攻撃に晒されにくい、ということが示される。求電子攻撃や求核攻撃に(その親化合物と比較して)晒されやすい代謝産物は、その代謝産物が生理活性化される可能性が高く(即ち潜在性が高く)、従ってその代謝産物が毒性を示すことが予測されるということを示唆する。従って、(その親化合物と比較して)増加した正のESP値を有する領域を示す代謝産物は、その代謝産物が毒性を示す可能性があることを示唆する。
親化合物の値と比較して代謝産物の生成熱の値が高いことは、代謝産物がより安定性が低く、従って(親化合物と比較して)生理活性及び毒性についての潜在性が高いことを示す。親化合物の値と比較して代謝産物の溶解(エネルギー)熱の値が高いことは、代謝産物がより水溶性が低く、従って(親化合物と比較して)生理活性及び毒性についての潜在性が高いことを示す。親化合物の値と比較して代謝産物のバンドギャップの値が低いことは、代謝産物がより高エネルギーであり、従って(親化合物と比較して)生理活性及び毒性についての潜在性が高いことを示す。
生成熱は分子安定性の尺度である。親化合物の値と比較して代謝産物の生成熱の値が低いことは、代謝産物が親化合物と比較して安定性が高い(例えば、反応性が低い)ことを示す。(親化合物と比較して)より安定した代謝産物は、その代謝産物が生理活性化されにくい、又は毒性を示しにくいということが示唆される(従って予測可能である)。従って、代謝産物の生成熱の、親化合物と比べてより負の値は、その代謝産物が生理活性化されにくい、又は毒性を示しにくいということが示唆される(従って予測可能である)。代替的に、代謝産物の生成熱の、親化合物の値と比べてより高い値は、その代謝産物が親化合物と比較して安定性が低い(例えば、反応性が高い)ことを示す。(親化合物と比較して)安定性の低い代謝産物は、その代謝産物が生理活性化され毒性を示す可能性がより高いということを示唆する(従って予測可能である)。従って、代謝産物の生成熱の、親化合物と比べてより高い値は、その代謝産物が生理活性化され、毒性を示す可能性がより高いことが示唆される(従って予測可能である)。
溶解熱又は溶解エネルギーは、水溶性の尺度である。親化合物の値と比較した、代謝産物の溶解熱の値が低いことは、その代謝産物が親化合物と比較して水溶性が高いことを示す。(親化合物と比較して)水溶性の高い代謝産物は、その代謝産物が尿で排出される可能性が高く、従って生理活性化され、毒性を示す可能性がより低いということを示唆する(従って予測可能である)。従って、代謝産物の溶解熱の、親化合物と比べてより負の値は、その代謝産物が生理活性化され、毒性を示す可能性が低いということが示唆される(従って予測可能である)。代替的に、親化合物の値と比較した、代謝産物の溶解熱の値が高いことは、その代謝産物が親化合物と比較して水溶性が低いことを示す。(親化合物と比較して)水溶性の低い代謝産物は、その代謝産物が尿で排出される可能性が低く、従って生理活性化され、毒性を示す可能性がより高いということを示唆する(従って予測可能である)。従って、代謝産物の溶解熱の、親化合物と比べてより高い値は、その代謝産物が生理活性化され、毒性を示す可能性がより高いことが示唆される(従って予測可能である)。
LUMO−EHOMO(又はバンドギャップ)は、化学反応性の尺度である。親化合物の値と比較した、代謝産物のバンドギャップの値が低いことは、その代謝産物が親化合物と比較して反応性が高いことを示す。(親化合物と比較して)反応性の高い代謝産物は、その代謝産物が生理活性化され、毒性を示す可能性がより高いということを示唆する(従って予測可能である)。従って、代謝産物のバンドギャップの、親化合物と比べてより低い値は、その代謝産物が生理活性化され、毒性を示す可能性がより高いことが示唆される(従って予測可能である)。代替的に、親化合物の値と比較した、代謝産物のバンドギャップの値が高いことは、その代謝産物が親化合物と比較して反応性が低いことを示す。反応性の低い、(親化合物と比較して)反応性の低い代謝産物は、その代謝産物が生理活性化され、毒性を示す可能性がより低いということを示唆する(従って予測可能である)。従って、代謝産物のバンドギャップの、親化合物と比べてより高い値は、その代謝産物が生理活性化され、毒性を示す可能性がより低いことが示唆される(従って予測可能である)。
化合物とその代謝産物に関する上述の物理化学的パラメータの各々について得られた値に基づいてweight of evidence(証拠の重み付け)解析が実施され、親化合物と比較した、(代謝産物の生成熱の値の比較による)代謝産物の安定性の高低、(代謝産物の溶解熱の値の比較による)溶解性の高低、(代謝産物のESPマップの比較による)代謝不安定性の高低、又は、(代謝産物のバンドギャップの値の比較による)反応性の高低(例えば、エネルギーの高低)が評価される。
例えば、代謝産物について算出された各値を親化合物について算出された各値と比較することにより、weight of evidenceは、生成熱、溶解熱、及びバンドギャップについて算出された値の各々に下記のように応用される(ここで、エネルギーの各々均等に重み付けを割り振られる)。0(親化合物に対して、生理活性化される及び/又は毒性を有する可能性がない代謝産物);1(親化合物に対して、生理活性化される及び/又は毒性を有する潜在性が低い代謝産物);2(親化合物に対して、生理活性化される及び/又は毒性を有する潜在性が中程度である代謝産物);並びに、3(親化合物に対して、生理活性化される及び/又は毒性を有する潜在性が高い代謝産物)。例えば、化合物の、親化合物と比べて高い代謝産物の生成熱の値にはプラス1が割り当てられ、親化合物と比べて高い代謝産物の溶解熱の値にはプラス1が割り当てられ、親化合物と比べて低い代謝産物のバンドギャップの値にはプラス1が割り当てられる(実施例1、2、3、4、及び5、並びに表1、2、3、4、及び5を参照されたい)。
幾つかの態様において、本発明による方法は、代謝産物がその親化合物よりも高エネルギーであるか低エネルギーであるかを決定することにより、分子の生理活性を予測する手段を提供する。幾つかの実施形態では、代謝産物がその親化合物よりも高エネルギーであるか低エネルギーであるかは、親化合物の一又は複数の物理化学的パラメータの値を、代謝産物の一又は複数の物理化学的パラメータの値と比較することにより決定され、ここで、一又は複数の物理化学的パラメータは、生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップで構成されるグループから選択される。従って、幾つかの実施形態で、本方法は、親化合物のこれらのパラメータのうちの一又は複数の値を、親化合物の代謝産物の値と比較すること、並びに、代謝産物が親化合物よりも高エネルギーであるか低エネルギーであるか(従って生理活性化についての潜在性の高低を)を決定することを含む。
他の態様において、本発明により提供される方法は、例えば、薬剤化合物候補又は治験薬の、in vivoでの毒性試験用に適切な動物種を選択する際に有益である。毒性研究における適切な動物種の選択は重要であり、毒性学者がしばしば直面する難題である。ヒトで生産される代謝産物と比較して毒性学的に最適な代謝産物を生産しない動物種が、毒性研究用に選択された場合には、この動物種の選択は不適切なものであるかもしれない。理想的には、in vivoでの毒性研究用に選択される動物種は、ヒトにより生成される代謝産物と一致するか或いは非常に近い代謝産物の生成という結果をもたらす可能性が高い(又はそれが確信される)動物種である。in vivoでの毒性研究用の動物種の選択は、これら代謝産物のヒトにおける潜在的毒性の、より徹底した且つ適切な分析及び評価を保証する助けとなる。
薬物開発中、候補薬剤化合物の代謝産物は、in vivoでの毒性研究に先立ってin vitroで同定されることが多い。化合物の代謝産物を同定又は予測する方法は、当技術分野でよく知られている。例えば、一方法において、候補薬物(例えば小化学化合物)がヒト、ラット、イヌ、及びサル(例えばカニクイザル)由来の細胞(典型的には肝臓細胞)を含む個々の細胞培養物に添加される。候補薬物は、各動物種の細胞によって化合物の代謝産物が生成されるように、これら様々な動物種からの細胞培養物の各々で個別にインキュベートされる。各動物種からの代謝産物は(例えば、質量分析により)同定され、各動物種から得られた代謝産物プロファイル(即ち、特定の化合物の代謝産物)は、ヒト細胞から得られた代謝産物プロファイルと比較される。
親化合物の一又は複数の代謝産物が例えばin vitro解析によって同定されると、次いで、適切な動物種がin vivoでの毒性研究用に選択される。理想的には、このようなin vivoでの毒性研究用に選択される動物種は、ヒトにより生成される代謝産物と一致するか或いは非常に近い代謝産物の生成という結果をもたらす可能性が高い動物種である。
残念なことに、異なる動物種に関連付けられる代謝酵素の違いにより、動物固有の代謝産物は珍しくない。非ヒト動物(例えば、ラット、イヌ、サル、マウス細胞などの培養物内の非ヒト動物細胞)は、ヒト(例えば、培養物内のヒト細胞)において生産される代謝産物とは異なる一又は複数の代謝産物を生産することがある。この場合、これら非ヒトに固有の代謝産物が、毒性を示すかも知れないが示さないかも知れない、生理活性代謝産物であるか否かについて、不確定性が存在する。これら非ヒト固有代謝産物が何らかの毒性を示すことは、後続するin vivo毒性研究においてはヒトにおける毒性について適切でないことがあり(これら代謝産物はヒトにおいては見られないことがあり)、従って、非ヒト動物及びヒトの双方に共通する代謝産物の毒性度の解析を複雑化してしまう。
種々の動物種からの代謝産物プロファイルを入手すると、薬物開発チーム及び毒性学者は、結局のところ、in vivo毒性研究においてどの動物種を用いるかを、非ヒト固有代謝産物のうちの何れか1つ又は複数が毒性を示すか否かを知ることなく、決定しなければならないことが多い。本発明は、これら代謝産物の分子の生理活性(及び潜在的な毒性)を予測する方法を提供することにより、適切な動物種を選択するための、毒性学者へのガイド手段を提供する。本方法を用いることにより、任意の一又は複数の代謝産物が関心対象である(例えば、毒性を示す)か否かを特定し得、従って、付加的なin vitro又はin vivo試験の必要性が低減或いは除去される。
代替的に、一又は複数の代謝産物は、非ヒト動物(例えば、培養物内の非ヒト動物細胞)においては生産又は観察されず、ヒトにおいて(例えば、培養物内のヒト細胞によって)生産されるか観察されることがある。この場合、ヒト固有代謝産物のうちの何れか1つ又は複数が、潜在的な毒性を伴う生理活性代謝産物であるか否かについて、不確定性が存在する。これらの代謝産物が非ヒト動物において生産又は観察されないので、非ヒト動物におけるin vivo毒性研究は、ヒトに観察される毒性に関し適切な、毒性についての情報を提供しない。本方法は任意の一又は複数の代謝産物が関心対象であるか否かを特定するので、本発明はそのような代謝産物の分子の生理活性を予測し、これにより、適切な動物種の選択において毒性学者をガイドする方法を提供し、従って、付加的なin vitro又はin vivo試験の必要性を低減又は除去する。
化合物とその代謝産物の生理活性化又は毒性を予測する本明細書に記載の方法は、コンピュータに実装可能であり、従って、コンピュータを用いて少なくとも部分的にin silicoで実施され得る。任意の汎用コンピュータが、本明細書に記載の方法向けの機能構成とされ得る。そのようなコンピュータのハードウェアアーキテクチャは当業者によって実現可能であり、一又は複数のプロセッサ(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、内部及び/又は外部データ記憶媒体(例えば、ハードディスクドライブ)を含む、ハードウェアコンポーネントを備え得る。コンピュータは、値を処理しディスプレイ手段に出力するための一又は複数のグラフィックボードを備えることが望ましい。
本方法で用いられるコンピューティングデバイスの例は、デジタル指令を処理するように構成されたデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ネットワーク機器、ワークステーション、又は他のデバイスを含む。システムメモリは、リードオンリメモリ及び/又はランダムアクセスメモリを含み得る。
コンピューティングデバイスはまた、デジタルデータを記憶するためのハードディスクドライブなどの二次ストレージデバイスを含むことがある。二次ストレージデバイスは、二次ストレージインターフェースによってシステムバスに接続される。二次ストレージデバイスとそれらに関連付けられたコンピュータ可読媒体は、(アプリケーションプログラム及びプログラムモジュールを含む)コンピュータ可読指令、データ構造、及びその他のコンピューティングデバイス用データの、不揮発性ストレージを提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク、コンパクトディスクリードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ、又はリードオンリメモリを含む。
コンピューティングデバイスへの入力は、一又は複数の入力デバイスを介して行われ得る。入力デバイスの例は、キーボード、マウス、マイクロフォン、及び(タッチパッドやタッチセンサ式ディスプレイなどの)タッチセンサを含む。入力デバイスは、システムバスに連結される入出力インターフェースを介して処理デバイスに接続されることが多い。入力デバイスは、パラレルポート、シリアルポート、又はユニバーサルシリアルバスなどの任意の数の入出力インターフェースによって接続され得る。例えば、赤外線、BLUETOOTH(登録商標)ワイヤレス技術、802.11a/b/g/n、セルラー、又はその他の無線周波数通信システムを含む、入力デバイスとインターフェースとの間のワイヤレス通信も可能である。
本発明の1つの目的は、記載の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶している記憶媒体を、システム又は装置に供給し、システム又は装置のコンピュータに、記憶媒体に記憶されているプログラムコードを読み出して実行させることによっても達成され得る。この場合、記憶媒体から読み出されるプログラムコードそのものが本明細書に記載の実施形態の機能を実現するので、プログラムコードを記憶している記憶媒体及びプログラムコード自体もまた部分的に本発明を構成する。
以下は本発明の方法の実施例である。上記で提供される一般的な説明を前提として、他の様々な実施形態が実施され得ることが理解される。
一般的方法
本発明は、5つの分子特性(静電ポテンシャル、生成熱、溶解熱、及びELUMO−EHOMO)を、代謝産物のin vivo挙動を予測するための補完指標として分析した。生理活性の予測におけるこの多面的手法の有用性を示すための例として、異なる5つの化合物が下記に示されている。これらの化合物は、アセトアミノフェン(鎮痛剤として重要)、アニリン/フェニルアミン(多くの薬剤に存在する官能基)、イミダクロプリド(幅広く利用されている殺虫剤)、ネファゾドン(肝毒性抗鬱剤)、及び塩化ビニル(ヒト発がん性物質として知られる)を含む。各ケースにおいて、本明細書に記載の方法に基づいた予測データは、科学文献に記載される実験データと一致した。
本明細書に記載の分析に用いられた化合物の構造は、(コネチカット州WallingfordのGaussianによる)Gaussian‘09を用いた6−31+G(d)基底系を組み合わせ、Beckeの3パラメータハイブリッド交換汎関数及びLee‐Yang‐Parr相関関数(B3LYP)による密度汎関数理論(DFT)を用いて、十分に最適化された。70次いで、最低空分子軌道エネルギー(ELUMO)及び最高被占分子軌道エネルギー(EHOMO)が、これらの設定を用いて計算された。気相における標準生成熱(ΔH θ)及び溶解エネルギーが、(カリフォルニア州IrvineのWavefunctionによる)Spartan’10におけるPM3半経験的手法を用いて算出され、すべての値は(オレゴン州BeavertonのCAChe Researchによる)MOPAC2012で同じ設定及び論理レベルを用いて検証された。
本明細書に記載するように、5つの小化合物及び選択されたそれらの代謝産物の静電ポテンシャルマップは、Spartan’10を用いて作成された。Spartan’10は、静電ポテンシャルを、0.002の同密度表面上の選択されたポイントにおいて計算し、この表面をカラーでマッピングし、ここで、異なる色は異なるポテンシャルを特定するように用いられる。静電ポテンシャルは、最も負(赤)から最も正(青)まで、下記のように異なる:赤<オレンジ<黄<緑<青。71
A−DNA、B−DNA及びZ−DNA立体配座の静電ポテンシャルマップは、GAMESS72及びAvogadroオープンソースソフトウェアのバージョン1.0.3を用い、MMFF94の力場及びDNA最小化を用いて、製造者の指示に従い作成された。73Spartan’10と同じカラースケールがGAMESS及びAvogadro解析に使用された。化学構造は、(マサチューセッツ州ケンブリッジのCambridge Softによる)Chem Bio Draw Ultraのバージョン.12.0.2.1076を用いて作成された。
実施例1:フェニルアミン
フェニルアミン(アニリン)族は、抗生剤や麻酔剤を含む多くの医薬化合物に共通の構造成分である(図1A)。図3Aに示すデータは、非平構成及び平面構成にあるアニリンのESPをマッピングし、これは密度関数理論(DFT)法でコンピューティングされる。等高線の値はkJ/molで表され、カラースケールは双方のモデルにおいて同じであるアニリンのESPマップは、アミノ基の3次元構成に応じて異なることが重要である。非平面構造において、非共有電子対は窒素のsp混成軌道をとり、従って、電子密度が最も高い領域は窒素に関連付けられる。一方、平面構造においては、窒素はsp混成とされ、電子対は窒素のp軌道と環のπ系との間で非局在化されている。
非平面構成において電子密度が最も高い領域は、フェニル環とアミノ基の窒素との両方を包含する。エネルギー的により有利なsp混成構成により、アニリンが非平面構成をとるということが、様々な報告から示されており、74,75従って、非平面ESPマップはエネルギー的により有利な表現であると考えられ得る。
これらの結果は、ESPマップの作成において「プラグアンドプレイ」ソフトウェア手法に単純に依存することの重要性を示すのみならず、正確且つ有意義なESPマップをもたらすために最適化された構造及び適切な最小化を用いる必要性を物語っている。
アニリンの非平面構成は、芳香環の上方(Vminが−118.202kJ/mol)及びアミンの下方(Vminが−92.527kJ/mol)に、負のポテンシャル(赤いエリア)の部位を生み出し、このことは、アニリンで治療される或いはアニリンに曝露されるヒトを含む77幾つかの哺乳類種において76(活性アセチル基などの求電子剤のアミンとの抱合に由来する)幾つかのN−抱合第2相代謝物が観察されるための基本メカニズムの提供を、部分的に支援し得る。
実験データ(即ち0.04g/mL)に支持されるように、アニリンの溶解エネルギー(−21.68kJ/mol)はアニリンが水にやや溶けることを示唆した。78更に、N−フェニルアセトアミド及びアニリンのそれぞれの、溶解熱の差分(ΔH θ)(−107.34に対し87.03kJ/mol)及び溶解エネルギーの差分(−27.06に対し−21.68kJ/mol)から推定されるように(下記の表1を参照)、N−アセチル化代謝産物は、アニリンよりも安定且つより水溶性であり、このことは、N−アセチル化代謝産物がヒトに見られるアニリンの主要な尿中代謝物である理由を説明し得る。77N−フェニルアセトアミドは、アニリンよりも反応性がやや低く(ELUMO−E−HOMOがそれぞれ、5.68eVに対し5.64eV)、これは、アニリンの反応性がN−アセチル化によって低下することを示唆する。79同様に、過去に報告されたように、ハロゲン化アニリンはグルタチオンによる求核攻撃によって抱合される。80
実施例2:アセトアミノフェン
アセトアミノフェン(パラセタモル、N−アセチル−パラ−アミノフェノール、図1B)は、幅広く利用されている鎮痛薬及び解熱薬であり、その過剰投与は小葉中心性肝細胞壊死を発生させ得る。81,82アセトアミノフェンの代謝は、実験動物及びヒトにおいて広く研究されてきた(図2)。83,84ヒトにおけるアセトアミノフェンの主要な代謝産物は、硫酸及びグルクロン酸との抱合によって形成され、4−アセトアミドフェノール硫酸塩(代謝産物4)及び4−アセトアミドフェノールグルクロニド(代謝産物5)を生産する、第2相代謝産物である。85N−アセチル−p−ベンゾキノンイミン(NAPQI、代謝産物6)は、アセトアミノフェンの生理活性第1相代謝産物であり、アセトアミノフェンの過剰投与により肝毒性を生ずるので、多くの毒性研究の対象である。86−90別の生理活性第1相アセトアミノフェン代謝産物は、パラ−キノンイミン(代謝産物3)であり、NAPQIよりもin vivoにおいて反応性は高いが安定性は低いことが示されている。91,92
ΔH θ、溶解エネルギー、及びELUMO−E−HOMO値(下記の表2を参照)は、NAPQI及びパラ−キノンイミンがアセトアミノフェンの生理活性代謝産物であるということを示す実験データと一致する。93,94代謝プロセスによって、アセトアミノフェンのΔH θ(−276.67)及び溶解エネルギー(−43.49kJ/mol)は、パラ−アミノフェノール(−74.16及び−43.16kJ/mol)からパラ−キノンイミン(52.28及び−29.69kJ/mol)まで、両方とも増大し、これら2つのキノンイミンの熱力学的不安定性の増大と水溶性の低下とを示している。水溶性の低下は、2つのキノンイミンが(治療用量の9%まで変化せずに排出され得るアセトアミノフェンとは異なり)、尿中で変化せずに排出される可能性がないことを示唆し、95従って、排出されるためには(グルタチオンなどとの)第2相抱合を要することが予測されるが、この予測は実験データと一致している。アセトアミノフェンのこれらキノンイミンへの代謝は、グルタチオンの適度な蓄積の過剰による肝障害に関連付けられる。96アセトアミノフェンの溶解エネルギーは、アセトアミノフェンがやや水溶性の化合物であることを示唆し、このことは実験データにより支持される(即ち、20℃で12.78mg/mL)。97
アセトアミノフェンの及びNAPQIのESPマップ(図3B)は、NAPQIにおける多数の求電子部位(青の領域で示され、Vmaxが119.945kJ/molである)を明確に示し、これらはグルタチオンによる求核攻撃に晒されやすい。ELUMO−E−HOMO値は、(アセトアミノフェンの)5.19eVから(パラ−キノンイミンの)3.27eV及び(NAPQIの)3.61eVまで低下し、これらキノンイミンの反応性がアセトアミノフェンよりも高いことを示す。予想されるように、硫酸塩、グルクロニド、システイン、及びメルカプツール酸代謝産物はすべて高い溶解エネルギーを有し、従ってこれらは水溶性が非常に高く尿中に含まれることが予測され得る。これらの予測は、実験動物データからの尿中のアセトアミノフェン代謝物としての存在と一致する。98−100
実施例3:塩化ビニル
塩化ビニル(クロロエチレン)(図1C)は、樹脂産業におけるポリ塩化ビニル(PVC)の合成で幅広く利用されている有機塩素化合物である。塩化ビニルは、ヒト及び実験動物において血管肉腫を発生させることがあり、従って、国際がん研究機関(IARC)によってClass1化合物と分類されており、このことは、塩化ビニルがヒトに対して発がん性であるという十分なデータがあることを示している。101
塩化ビニルはまず、CYP2E1によって、求電子第1相代謝産物であるクロロエチレン酸化物及びクロロアセトアルデヒド(図2の代謝産物2及び代謝産物3)へと肝臓で代謝され、これらはDNAの窒素塩基と反応して1,N−エテノアデニンなどの変異原性付加体を形成する。102チオジグリコール酸(代謝産物11)は、塩化ビニルに曝露されたヒトの主要な尿中代謝物である。103
塩化ビニルとその代謝産物の、溶解エネルギー及び溶解熱(共にkJ/molで表す)が、下記の表3に示されている。塩化ビニルは、実験データ(即ち、2.7g/L)が立証するように水溶性がかなりある(1.62kJ/mol)104ものの、クロロアセトアルデヒド(−13.85kJ/mol(予測)、≧100mg/mL(実験から導出)、105,106チオグリコール酸(−28.28kJ/mol(予測)、≧100mg/mL(実験から導出)107)、及びS−フォルミルメチルグルタチオン(−217.24kJ/mol)などの一連のグルタチオン由来代謝物を含む、その主要な代謝産物は、すべて可溶性であるということが、溶解エネルギーによって予測された。
クロロエチレン酸化物の溶解熱(−58.14kJ/mol)に対するクロロアセトアルデヒドの溶解熱(−174.68kJ/mol)は、後者の代謝産物が前者よりもはるかに安定性が高いことを示唆する。この調査結果は、クロロエチレン酸化物が自発的に再配列してクロロアセトアルデヒドを形成することを示した実験データと一致する。塩化ビニル(7.1eV)及びクロロエチレン酸化物(8.52eV)における、ELUMO−EHOMOのより大きな差分は、これら化合物が他の代謝産物よりも反応性が低く、生理活性化されるには代謝変換を要することを示唆する。クロロエチレン酸化物に対する、クロロアセトアルデヒド(6.16eV)のELUMO−EHOMOのより小さい差分は、クロロアセトアルデヒドがクロロエチレン酸化物よりも反応性が高く、前者がDNAとの付加体をより形成しやすいことを示唆し、これは実験データと一致する。
クロロアセトアルデヒドの場合、最も負のESPの位置は酸素原子上に位置し(Vminが−128.528kJ/mol)、このエリアが求電子攻撃の対象となることを意味する(図3C)。一方、塩素が結合している炭素は、分子の最も正のESP領域であり(Vmaxが145.814kJ/mol)、この部位が最も求核攻撃に晒されやすい。最も正のESPを有する炭素における、予測されるクロロアセトアルデヒドの求核攻撃は、グルタチオン由来代謝物であるチオジグリコール酸が、ラット及び職業労働者における、クロロアセトアルデヒド及び塩化ビニルの主要な尿中代謝物であることを確定する実験データと一致した。105−109
実施例4:ネファゾドン
ネファゾドン(セルゾン、ネファダール、1−(3−[4−(3−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル]プロピル)−3−エチル−4−(2−フェノキシエチル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン:図1D)は、1994年にBristol−Myers Squibbによって最初に市販された抗鬱剤である。その抗鬱特性は、主としてその5−HT2A受容体(K:26nM)における強力な拮抗剤としての役割による。110http://en.wikipedia.org/wiki/Nefazodone−cite_note−pmid7855217−4
ネファゾドンは、黄疸、肝炎、及び肝細胞壊死を含む肝臓有害事象報告により、2004年に市場から撤退した。111これらの肝毒性効果は、求電子キノンイミン代謝物(代謝産物3;図2)の形成に起因すると考えられる。112
ネファゾドンの代謝は過去に論じられてきた。113簡潔に言えば、CYP2D6によって、ピペラジニル窒素に対してパラ位で芳香族水酸化が生じ、p−ヒドロキシネファゾドン(代謝産物2;図2)を生成する。114代謝産物2の転位は反応性キノンイミン(代謝産物3)の形成につながり、N−デアリル化は2−クロロシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(代謝産物4)を形成する。
ネファゾドンの溶解エネルギーは、−3.15kJ/molであると計算され、これはネファゾドンが低い水溶性を有することを示唆し、実験データ(pH7で6.41mg/L)と一致する。115ネファゾドンの代謝産物の溶解エネルギー(下記の表4を参照)はすべて、親よりも水溶性が高いことが予測される。ネファゾドン(5.17eV)のELUMO−EHOMO値は他の化合物よりも高く、生体内変化中、この化合物が親化合物よりも反応性の高い代謝産物を発生させることを示している。当然ながら、2つのキノン代謝物(代謝産物3及び4)が最も低いELUMO−EHOMO値(それぞれ、4.18eV及び3.88eV)を有し、ネファゾドンよりも反応性の高い化合物であることが予測されるということを示している。代謝産物4が最も低いΔH θ(−279.56kJ/mol)を有し、代謝産物4が安定している可能性があり(報告されたデータと一致する)116、代謝産物の中で不安定性が最も低いということを示している。
対照的に、代謝産物3は最も高いΔH θ(831.42kJ/mol)を有し、比較的不安定であり(例えば、GSHによって)求核攻撃に晒されやすいことを示している。このことは、代謝産物3のESPマップによって更に支持され、マップは、ピペラジン環の電荷を負う窒素(N)の近傍及びその上方の、533.831kJ/molという高いVmaxを有する大きな正のESP(青色)領域を示し、この領域が特に求核攻撃に晒されやすいことを示す(図3)。代謝産物3のグルタチオン抱合は文献で報告されており、ESPを基にしたこれらの予測を支持している。117
実施例5:イミダクロプリド
世界で最も売れている農薬である118、イミダクロプリド(N−[1−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチル]−4,5−ジヒドロイミダゾル−2−イル]ニトラミド;図1E)は、作物中の昆虫集団の制御及びイヌやネコのノミ制御に用いられる浸透殺虫剤である。イミダクロプリドは、昆虫におけるACh透過を妨害することにより速やかに死に至らせる、昆虫のニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)の強力な拮抗剤として作用する、ネオニコチノイドと称される殺虫剤の一種に属する。119哺乳類のαβnAChR(IC50:2600nM)に対して、イミダクロプリドの昆虫に対する500倍を超える選択性(IC50:4.6nM)は、分子のESP分子によるところが大きく、ニトロ基の存在によりもたらされるイミダクロプリドの「先端(tip)」における全体的な負のESPが、昆虫のnAChRへの結合を生じさせるために必要となる。イミダクロプリド先端(赤いエリア)の負のESPは、図3Dに示される。結合における選択性は、nAChRsの活性部位におけるアミノ酸の重要な相違に起因し、昆虫のnAChRは多くの重要な陽イオンアミノ酸(これに負の先端が引き付けられる)を含む一方、哺乳類のnAChRの活性部位は、多くの重要な陰イオンアミノ酸(負の先端に反発する)を含む。120しかしながら、イミダクロプリドがそのグアニジン代謝物(イミダクロプリド−NH;図2)へと代謝される場合、図3Dの正のESP(青色)で確認できるように、先端のESPは負から正へと変化する。結果として、グアニジン代謝物が昆虫のnAChR(IC50:60nM)ではなく哺乳類のαβnAChR(IC50:8.2nM)について選択的となる。従って、イミダクロプリドとそのグアニジン代謝物の3次元構造は非常に似ているにも関わらず、この事例は、ESPが薬理学にいかに直接的に影響し、選択的毒性の判定に重要な役割を果たすかということを明確に示す。このESPアセスメントは、他の研究グループによって実施された静電気計算と完全に一致する。121
植物及びマウスにおけるイミダクロプリドの代謝、毒性学及び薬物動態は、著者とそのチームによって過去に記述されてきた。122−126概説すれば、イミダクロプリドは、吸収されるとイミダゾリジン環のエタノ架橋を経て脱水を介し代謝され、オレフィン化合物(代謝産物2)を形成する。ニトロ基の還元によりニトロソ代謝物(代謝産物4)が得られ、これは、アミノグアニジン及びグアニジン代謝物(それぞれ代謝産物5及び6)へと更に還元される。N−メチレン水酸化により6−クロロ−ニコチン酸(代謝産物3)が形成される。
イミダクロプリドの溶解エネルギーは−51.98kJ/molであると算出され、このことはイミダクロプリドが水溶性化合物であることを示唆し、実験データ(20℃で0.61g/L)と一致する。127イミダクロプリドの代謝産物の溶解エネルギー(下記の表5を参照)はすべて親よりも水溶性が高いことが予測され、この予測は、イミダクロプリド処理を受けたマウス及びラットの尿中に、これら代謝産物が親化合物よりも高い割合でみとめられるということを示す実験データと一致する。123,128イミダクロプリドのELUMO−EHOMO値(5.49eV)は、代謝産物3(5.53eV)を除いては他の化合物の値よりも高い。ニトロソアミン代謝物(代謝産物4)が最も低いELUMO−EHOMO値(4.1eV)を有したことは驚くにあたらず、このことは、この代謝産物がイミダクロプリドよりも反応性の高い(生理活性を示す)化合物であることが予測され得ることを示唆している。更に、代謝産物3は最も低いΔH θ(−275.33kJ/mol)を有し、このことは代謝産物3が代謝産物のうちで安定性が最も高く不安定性が最も低い可能性があることを示唆し、これは実験データと完全に一致する。127
実施例6:分子の変異原性潜在力予測のためのESPの使用
上記の異なる5つの実施例で示したように、ESPの重要な特性は、ESPが確実且つ測定可能な分子の物理化学的特性であるということであり、このことはESPが実験で判定可能であるという事実が立証している。129,130方程式6で定義されるESPは、分子の電子及び核の、その周囲の空間における全体的な静電効果を表すという、重要な物理学的有意性を有する。分子の静電的特徴を定義することにより、ESPは、重要な生体系についての医薬に関するものを含む、小分子の相互作用の研究とその向上において、多大な潜在力をもたらす。候補薬物分子の遺伝毒性スクリーニングの向上における有用性の例として、分子の変異原性潜在力及び化学発がん性の予測においてESPによって果たされる役割が、このセクションで記される。
DNAにおける静電効果は、DNAのリン酸主鎖の負電荷に起因して、タンパク質におけるものとかなり異なり、DNAのA−構成、B−構成及びZ−構成(図4の赤色)に示すように、全体的な負のESPに寄与する。DNAの負電荷は、重合体の3次構造の安定化を支援する対イオンを引き付けるが131、正に帯電した求電子剤もまた負のESPによって引きつけられ、これにより変異原性の高い付加体が形成され得る。132−134化学的変異原性の予測におけるESPの応用を示すために、シトシンのESPが後述される。
シトシン(4−アミノピリミジン−2(1H)−オン;図1F)は、DNA及びRNAにみられる4つの主な塩基の1つである。ワトソン・クリック型塩基対において、シトシンは3H結合を介してグアニンと相互作用する。シトシンのESPマップは、N及びOの双方に近い負のポテンシャルの領域を示し、これは、2つのVmin(即ち、求電子剤が最も強く引き付けられると予測される領域)をもたらし(図3F)、そのうちの1つはN近傍であり、ここでポテンシャルは−115.3kJ/molの値に到達し、他方はOの近傍であり、ポテンシャルは−148.9kJ/molである。負のポテンシャルがはるかに低い領域もアミン窒素N近傍に存在し、Vminは−67.1kJ/molである。このESPマップから、求電子剤がシトシンをN及びOの位置で優先的に攻撃することが予測され、このことは実験から見て取れる。Nは求電子剤によるアルキル化反応の優先的部位である。135DNA(ここでNは水素結合に含まれている)のようにNがアクセス可能でない場合、幾つかの求電子剤は、代わりにO.と反応することが観察されている。136従って、ここで例として選択されたシトシンは、ESPマップから予測される方式と全く同様に、求電子剤に対して挙動することが実験で観察された。
実施例7:コンピューティングシステム
図5は、上述のプロセスのうち任意の1つを実施するように構成された、例示的なコンピューティングシステム1100を示す。この文脈において、コンピューティングシステム1100は、例えば、プロセッサ、メモリ、ストレージ、及び入出力デバイス(例えば、モニタ、キーボード、ディスクドライブ、インターネット接続など)を含んでもよい。しかしながら、コンピューティングシステム1100は、これらプロセスのうちの幾つか又はすべての態様を実行するための回路又は他の専用ハードウェアを含んでもよい。幾つかの動作設定において、コンピューティングシステム1100は、各々がこれらプロセスのうちの幾つか又はすべての態様を、ソフトウェア、ハードウェア、もしくはそれらの組み合わせにおいて実行するように構成された、一又は複数のユニットを含む、システムとして構成されてもよい。
図5は、上述のプロセスを実施するために用いられ得る幾つかのコンポーネントを備えた、コンピューティングシステム1100を示す。メインシステム1102は、入出力(「I/O」)セクション1106を有するマザーボード1104、一又は複数の中央処理装置(「CPU」)1108、並びに、フラッシュメモリカード1112が関連付けられ得るメモリセクション1110を含む。I/Oセクション1106は、ディスプレイ1124、キーボード1114、ディスク記憶装置1116、及びメディアドライブ装置1118に接続される。メディアドライブ装置1118は、プログラム1122及び/又はデータを含み得るコンピュータ可読媒体1120を読み書き可能である。
上述のプロセス及び方法の結果に基づく、化合物とその化合物の代謝産物の生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップのうちの少なくとも幾つかの値が、後で使用するために保存され得る。付加的に、上述のプロセス及び方法のうちの任意のものをコンピュータを用いて実施する、一又は複数のコンピュータプログラムを記憶する(例えば、有形で具象化する)ために、非一時的コンピュータ可読媒体が用いられ得る。コンピュータプログラムは、例えば、汎用プログラミング言語(例えば、Pascal、C、C++、Java)又は何らかの専用アプリケーション特有の言語で書かれてもよい。
例示的な実施形態のみが上記で詳説されたが、本発明の新規な教示内容及び利点から実質的に逸脱することなく、これら例示的な実施形態に対する多くの修正が可能であることを、当業者は容易に理解するであろう。例えば、上記で開示する実施形態の態様は、他の組み合わせで組み合わされて追加の実施形態を形成することが可能である。従って、それらの修正はすべて本発明の範囲に含まれることが意図されている。これらの実施例は、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。本明細書で引用する特許文献及び科学文献の記載は、参照により明示的に本願に組み込まれる。

Claims (11)

  1. 化合物及び前記化合物の代謝産物の生理活性を予測するための、コンピュータに実装される方法であって、
    (a)前記化合物及び前記化合物の前記代謝産物の化学構造を受信すること、
    (b)前記化合物及び前記化合物の前記代謝産物の、生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップで構成されるグループから選択される、一又は複数の物理化学的パラメータの値を、一又は複数の記憶されたアルゴリズムに基づいて計算すること、並びに
    (c)前記化合物及び前記代謝産物の、生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの前記値を出力すること
    を含む方法。
  2. 前記化合物及び前記化合物の前記代謝産物の、生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を、一又は複数の記憶されたアルゴリズムに基づいて計算することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 化合物及び前記化合物の代謝産物の毒性を予測するための、コンピュータに実装される方法であって、
    (a)前記化合物及び前記化合物の前記代謝産物の化学構造を受信すること、
    (b)前記化合物及び前記化合物の前記代謝産物の、生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を、一又は複数の記憶されたアルゴリズムに基づいて計算すること、並びに
    (c)化合物及び代謝産物の生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を出力すること
    を含む方法。
  4. 前記化合物及び前記化合物の前記代謝産物の、生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップで構成されるグループから選択される、一又は複数の物理化学的パラメータの値を、一又は複数の記憶されたアルゴリズムに基づいて計算することを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記値を出力することは、ユーザ、ユーザインターフェースデバイス、モニタ、プリンタ、データ記憶媒体、コンピュータ可読記憶媒体、又はローカルもしくはリモートのコンピュータシステムに対して行われる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記値を出力することは、前記値をデータベース又はライブラリに記憶することを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記値を出力することは、前記化合物及び前記化合物の前記代謝産物の、生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を表示することを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  8. 親化合物及び親化合物の代謝産物の、生理活性を試験することを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
  9. 親化合物及び前記親化合物の代謝産物の、毒性を試験することを更に含む、請求項3又は4に記載の方法。
  10. 化合物及び前記化合物の代謝産物の、分子の生理活性又は毒性を予測するために用いられる、データ処理システムであって、プロセッサ及びアクセス可能メモリを備え、且つ、
    (a)前記化合物及び前記化合物の前記代謝産物の化学構造を受信し、
    (b)前記化合物及び前記化合物の前記代謝産物の、生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を、一又は複数の記憶されたアルゴリズムに基づいて計算し、
    (c)前記化合物及び前記代謝産物の生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を出力する
    動作を実行するように特に構成される、システム。
  11. (a)化合物及び前記化合物の代謝産物の、生成熱、溶解熱、静電ポテンシャル、及びバンドギャップの値を計算し、
    (b)前記値を、ユーザ、ユーザインターフェースデバイス、モニタ、プリンタ、コンピュータ可読記憶媒体、又はローカルもしくはリモートのコンピュータシステムに出力するための、
    コンピュータ可読指令を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
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