JP2016501574A5 - - Google Patents
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Description
眼の瞳孔は、中脳の部分を介する単純な反射により眼の中への光束を調節するカメラのアパーチャーであること以上の多くの機能を持っている。瞳孔機能の追加高度化の一部は、視覚野(視覚皮質)の高次脳領域を含む瞳孔レスポンス(瞳孔反射)(pupillary response)に貢献するさまざまな脳領域からの入力から導出される。これらの多くの個々のレスポンスは、瞳孔が視覚刺激に対して応答するよう、何らかの方法で組み合わせる、すなわち、プールつまり統合する(pool)必要がある。図1Aは、2つの眼1から視交叉3を経由して2つの視蓋前域オリーブ核(PON)4に至る2つの求心性経路(視神経2を含む)と、そこから第2の視交叉を経由してエディンガー・ウェストファル核(動眼神経副核)(EWN)6へ、そして毛様体神経節へと至る遠心性部分とを示している。右側にある図1Bは、これらの経路の簡略化されたバージョンを示している。
外線条皮質(extrastriate visual cortex)内の高位置の中心部(higher centers)が、PONと通信して、その入力神経供給の略半分を提供する(P. D. Gamlin, "The pretectum: connections and oculomotor-related roles (視蓋前域:接続及び眼球運動関連の役割)", Prog Brain Res, 2006, Volume 151, Pages 379-405 再度参照)。この皮質内で処理された種々の信号の中には、特に、両眼間の両眼視差から導出された距離情報がある。これは、物体が我々の近くに現れたときに生じる所謂レスポンスの三つ組つまり三要素(triad) を制御するもので、これにより、両眼は内側に寄り、眼のレンズが調節され、瞳孔が収縮する。恐らく、瞳孔の収縮は、被写界深度を大きくすることで近見を助ける。明らかに、調節力のある三つ組は深度についての情報を必要とし、その情報はその両眼の皮質入力によってPONに供給される。調節性レスポンスは上述の輝度及び赤−緑入力系からの入力を含むことが知られており、それらも視覚野を経由してPONに進む(更なる情報については、F. J. Rucker and P. B. Kruger, "Accommodation responses to stimuli in cone contrast space(コーンコントラスト空間での刺激に対する調節応答)", Vision Res, November 2004, Volume 44 (25), Pages 2931-2944参照)。ヒトの輝度系のスペクトル色感度は、赤及び緑感受性の錐体(cone)入力の合計によって与えられるので、黄色調に対応するネットピーク分光感度から離れる。
以下の説明は、多焦点の方法を特色あるものとする多焦点方法の特徴をまとめたものである。米国特許第5539482号は、両眼からの入力が最初に一緒になるポイントつまり第1の視交差のちょうど後で脳内に生成されるレスポンスを、所謂両眼相互作用カーネル(binocular interaction kernels)を使用して測定するために、両眼に提示されるべき独立の多焦点刺激の使用を開示している。これらの多焦点刺激に対しては他の空間的又は時間的制約は与えられない。米国特許第7006863号は、特定の時間的な制約が最適であることを開示している。特に、米国特許第7006863号は、刺激アンサンブルの任意の一領域における有効な刺激の提示数の平均レートが1秒間当たり0.25〜6であるように、多焦点刺激アレイ内の任意の位置での一時的な(瞬間的な)有効な刺激の提示には、より長い非有効な空刺激が挟み込まれ(インターリーブされ)なければならないことを開示している。これは、一時的な刺激シーケンス内の任意の時間ステップにおいて、有効な刺激が所定の単一の場所に出現する確率は、psingleであり、psingle <<1/2であることを意味している。空間的に近接する任意の2つの近隣領域が互いに対して出現しなければならない時について何の制約もないので、空間的に近接する2つの近隣領域は、確率= ppairで同時に出現し、その確率は、まさに、psingle × psingle = p2 singleに等しい。これらの多焦点刺激は、時間的に疎であると言われている。国際(PCT)公開公報第WO/2005/051193号では、刺激が所定の箇所に出現する時、空間的に近接する一つの刺激が出現する確率psingleは<< p2 singleであり、好ましくは、近接する刺激領域に対してppair=0であるというさらなら制約を与えている。これらの刺激は空間的に疎と言われている。なぜならば、すぐ隣の近隣刺激は、同時に出現(共出現)しない傾向にあるか、または、決して同時には出現(共出現)しないかのいずれかであるからである。前記3方法の全てにおいて、特に空間的に疎の刺激の場合においては、刺激は、視野全体で均等に提示されることがわかり、空間的に近接する刺激クラスターのボレー(一斉射撃)としては殆どあるいは決して起こらない。
本発明の一側面によれば、被験体(被検体)の神経系を評価する方法が提供される。この方法は、少なくとも2つの刺激アンサンブルからなる刺激アンサンブルのセットから選択された個別の刺激のシーケンスを被験体の神経系に提示するステップを備える。前記刺激アンサンブルのそれぞれは、複数の個別の刺激を備えており、1アンサンブル中の前記複数の個別の刺激が、感覚野のサブ領域内の空間的に近接するクラスターを構成する。任意のクラスターアンサンブル内の前記個別の刺激のそれぞれの提示は、統計的に互いに独立した擬似ランダムシーケンスによって支配される。したがって、擬似ランダムシーケンスによる制御は、提示の所定の時間ステップにおいて、アンサンブル内の個別刺激のサブセットだけが提示されることを意味する。したがって、提示された刺激アンサンブルは、感覚野全体に亘って一貫的に表されるパターン、例えば、チェッカーボードまたは他の周期的パターンを作ることはできない。なぜならば、アンサンブルの如何なる提示時においても、そのアンサンブルを形成(定義)するそれらの刺激の異なるサブセットが提示されるからである。如何なるアンサンブルであってもそのアンサンブルの複数の個別刺激自体は、感覚野におけるそれらの領域で周期的パターンを表示できる。擬似ランダムシーケンスによる制御は、所定のアンサンブルの所定の提示の際に、幾つかの個別の刺激を同時に提示することができることを意味する。選択された複数の個別の刺激からなるシーケンスは、前記被験体の少なくとも一つ(片方)の瞳孔における瞳孔レスポンスを誘発する、つまり、引き起こすようになっている。この方法は、センサーを用いて、刺激によって誘発された少なくとも一つ(片方)の瞳孔のレスポンスを検出するステップをさらに備えてもよい。また、この方法は、検出された瞳孔レスポンスを、各アンサンブルの個別の刺激のうちの少なくとも2つの刺激に対する被験体の神経レスポンスの関数に関連づけるステップをさらに備えてもよい。
前記複数の個別の刺激は視覚刺激であってよい。これらの視覚刺激は被験体に対し、被験体の視野内の複数の領域に同時に提示されてもよい。それらの領域は、空間的に近接する刺激クラスターのアンサンブルに制限されている。クラスター化された刺激のアンサンブルは、被験体の眼の視野の中心を取り巻く視野の略弓形部分を形成してもよい。これらの弓形部分は、極座標において、視野の中心から伸びており、第1の内側半径から第2の外側半径まで、そして、第1極角から第2の極角までである。個別の刺激領域のクラスター化された1つのアンサンブルを形成する視野の一弓形部分は、視野の1または複数の象限を画定する境界を有していてもよい。弓形部分の境界は、視野の水平経線及び垂直経線によって画定してもよい。あるいは、個別刺激のクラスターのアンサンブルは、視野内の直線座標上に画定することができるが、同様に、視野の象限または視野の象限の倍数内にある視野部分に制限することができる。直線座標上に画定されたこれらの視野部分の境界は、視野の水平経線および垂直経線を含むことができる。個別視覚刺激のアンサンブルを、被験体の片眼または両眼の視野内の複数のクラスター化されたアンサンブルの範囲内で被験体に提示することができる。これらのアンサンブルの提示は、ラウンドロビン方式または擬似ランダム方式でかわるがわるに行ってもよい。各視覚刺激によって誘発されて生じた一連の瞳孔レスポンスは、片眼又は両眼の視野の検査部分の視覚機能のマップを提供する。したがって、視覚刺激は単眼または両眼に対するものであってよく、しかも、別々に又は同時に提示してもよい。平均刺激間隔期間は1秒/領域と16秒/領域との間、好ましくは約4秒/領域となるように選ぶことができる。替わりに、0.1秒/領域から100秒/領域までの広い範囲を選んでもよい。
両眼視覚刺激は、視野の異なる領域で深さ(奥行き)が変化する物体に追随する(エミュレートする)ように適合させることができる。視野内の物体(対象物)までの距離の測定値(measure of the distance)は、瞳孔レスポンスが被験体の両眼の遠近調節系の機能を表すように被験体の各眼に立体視差手がかり(stereo disparity cues)を提示することによって決定することができる。
図1Aを参照すると、瞳孔システムはそれが進化したとき、視野の任意の大きな一部分において集めて一団とされたつまりクラスター化された光刺激に対するレスポンスを減衰しない傾向にあるゲインコントロールシステムを含むと思われる。これは、本発明の実施形態に関して重要な点である。本発明の実施形態において、刺激は、空間的に近接する刺激クラスターのボレーで(in volleys)提示される。有利なことに、本発明のこれらの実施形態は、EWNのレベル又はその後で作用している特定のゲインコントロールの効果を改善するために、多焦点刺激アンサンブルのサブセットに作用する無関係な空間上の制約に関係する。このゲインコントロールシステムは、複数の(multiple) 視覚刺激が空間的に近接する刺激クラスターのボレーで提示されるとき、時間的または空間的に疎(sparse)の刺激などの以前の方法に比べて、瞳孔のレスポンスをより少ししか減少させない傾向にある。
本発明の実施形態は、既存のシステム及び方法の欠点の1つ以上を実質的に克服または少なくとも改善する、若しくは、少なくとも有用な代替物を提供する、ことを追求するもので、特に、感覚野のサブ領域のアレイ全体に検査刺激(例えば、瞳孔レスポンスを介して検出可能な視覚、聴覚、その他の刺激)を同時に提示するのが望ましい場合にそれを追求するもので、その場合、感覚機能は、ゲインコントロールによって監視されるのであるが、このゲインコントロールは、視野全体にわたって拡散して提示される刺激への瞳孔レスポンスは抑制するが、同数の刺激が、視野の中心から10〜50度の半径範囲にある例えば半視野等の視野の実質的サブセットに集合的に及ぶ空間的に近接する刺激のボレーで送られたときには、瞳孔レスポンスを余り抑制しない。
図7及び図8は、クラスターボレー設計の4つの非制限的代替バージョンを示している。ここで、刺激が潜在的に提示され得る視野の正方形領域の直線的配列(アレイ)が、図7A、7F及び図8A、8Fに示されており、そのアレイを示すこれらの図面は、その下にある図面と簡単に比較できるように2度示されている。図6と同様に、クラスターは、視野の象限を定義(画定)する領域の選択に基づく。図7B〜7Eは、潜在的にアクティブな領域のクラスターの2つの外側視野アンサンブルと2つの内側視野アンサンブルとのセットを画定している。図7G〜図7Jは、領域のクラスターアンサンブルの別のセットを示しており、ここでは、組み合わせの象限が左半視野及び右半視野から引き出されている。図8のためのアンサンブルは同じ直線的な配列(アレイ)に基づくが(図8A及び図8Fを参照)、所定のクラスターアンサンブルに属するように選ばれた領域は、視野の象限内の1本置きの斜線に基づく。図7と同様に、プールしてアンサンブルとすること(pooling into ensembles)に基づく2つの例を示しており、象限が視野の同じ側の半分から引き出された場合を図8B〜8Eに、象限が視野の左半分と右半分とから交互に引き出された場合を図8G〜8Jに示す。別の非制限的設計では、図7及び図8における4アンサンブルのセットは、図4及び図6に示すように、両眼のそれぞれに交互に提示することができる。したがって、図5のフローチャートも、クラスターボレー設計を実施するために図7及び図8に示された4クラスターアンサンブルのセットをどのように使用し得るかについて非制限的設計を説明している。刺激領域は選択行(alternative rows)から選択されている所定のクラスターボレーに入れるために選択されるため、Ppairは殆ど0.5*p2 singleである(但し、近接する刺激が、偶然、水平経線の両側に出現する(一例が図8C及び図8Dに一つずつ示される)時たまの場合を除く。)ことによって、図8B〜8Eの刺激は空間的に略疎である。図8G〜8Jにおいて、選択された象限が垂直中央線の両側にあるために、水平中央線を挟んで互いに近接する刺激は出現しない。また、あるクラスターの境界上にある幾つかの刺激領域は、境界の向こうで近接する刺激領域がないので、平均ではppair < 0.5*p2 singleとなる。これは、クラスターボレー方法と空間的に疎の方法とを合体した方法及び装置を可能とする。
国際(PCT)公開番号WO/2005/051193は、空間的に疎の多焦点刺激タイプを記載している。この文献に開示された概念は、視神経系の網膜部位内でゲインコントロールが働いているということである。脳の感覚部分のほとんどは、神経組織のシート上にレイアウトされており、その神経組織のシートは、多くの場合、頭蓋骨内に適合するように折り畳まれて、ヒトの脳の馴染みの脳回および脳溝を形成している。網膜部位の表象(retinotopic representation)を有するつまり網膜部位を表す脳の感覚部分は、その表面を横切る視野マップを含んでいる。他の種類の感覚野もまた、脳シートの異なる部分にマッピングされている。そのような表象の範囲内において、脳シートを横切る短い距離で相互作用する複数のゲインコントロールが働き得る可能性がある。網膜部位マッピング(retinotopic mapping)は、ゲインコントロールが視野の近接部分の刺激に対するレスポンスに影響を与え得ることを意味している。国際(PCT)公開番号WO/2005/051193は、視野全体にわたって提示された多焦点刺激アレイに応答しての後頭視覚野からの視覚誘発電位を測定する際に、そのような領域ゲインコントロールが働くことを示した。したがって、国際(PCT)公開番号WO/2005/051193は、多焦点刺激シーケンスは、刺激が視覚刺激の小さな一領域に提示されるとき、空間的に近接する領域に他の刺激が同時に提示されるべきではないことを教示しており、したがって、国際(PCT)公開番号WO/2005/051193の刺激は空間的に疎であると言われる。
Claims (30)
- 被験体の神経系を評価するための方法であって、
前記被験体の感覚野に、個別の刺激の交互ボレーの形態で多焦点刺激アレイを提示するステップであって、
前記個別の刺激は、前記被験体の少なくとも1つの瞳孔から瞳孔レスポンスを誘発するようになっている少なくとも2つのクラスター化された刺激アンサンブルから選択され、前記クラスター化された刺激アンサンブルはそれぞれ、前記感覚野の複数の部分にそれぞれ含まれる複数の刺激領域にそれぞれ提示され得る複数の個別の刺激からなり、
前記感覚野の前記複数の部分は、前記感覚野の中心を取り巻くと共に、第1の内側半径から第2の外側半径までの、そして、第1極角から第2の極角までの範囲内に画定されており、
所定のクラスター化された刺激アンサンブルからの個別の刺激が提示される如何なる時間ステップにおいてもこのクラスター化された刺激アンサンブルに含まれる各個別の刺激が提示される確率が約0.5となるよう、選択された複数の個別の刺激は統計的に独立したシーケンスに従って同時に提示される、前記多焦点刺激アレイを提示するステップと、
前記刺激によって誘発された少なくとも片方の瞳孔のレスポンスを、センサーを用いて検出するステップと、
前記瞳孔レスポンスを記録して、これらの瞳孔レスポンスを、前記クラスター化された刺激アンサンブルの個別の刺激に関係づけるステップと、
前記神経系の一部である感覚系の評価のために、記録された前記瞳孔レスポンスから、検査された前記感覚野の前記複数の部分のうちの1以上を含む各領域のための重み関数を推定するステップと
を備えたことを特徴とする方法。 - 請求項1に記載の方法において、
どの刺激領域を前記多焦点刺激アレイを提示するための候補とするかの選択を、擬似ランダムプロセスによって制御することを特徴とする方法。 - 請求項1に記載の方法において、
どの刺激領域を前記多焦点刺激アレイを提示するための候補とするかの選択を、ラウンドロビンプロセスによって制御することを特徴とする方法。 - 請求項1から3までのいずれか1つに記載の方法において、
それぞれが統計的に独立したシーケンスに従って提示される前記個別の刺激は、各刺激領域につき1秒から16秒までの間の平均提示間隔で出現することを特徴とする方法。 - 請求項4に記載の方法において、
前記個別の刺激が出現する平均提示間隔は、各刺激領域につき4秒であることを特徴とする方法。 - 請求項1から5までのいずれか1つに記載の方法において、
前記クラスター化された刺激アンサンブルを提示するために選択される刺激領域は、任意の時間ステップにおいて個別の刺激が任意の1つの刺激領域に出現する確率をpsingleとした場合に、任意の2つの空間的に近接する隣り合う刺激領域に2つの個別の刺激が同時に出現する確率ppair が検査箇所のアレイ全体に亘って平均でp2 single/2以下となるように、選択されることを特徴とする方法。 - 請求項1から6までのいずれか1つに記載の方法において、
前記被験体の両眼は、両眼分離刺激によって同時に刺激され、ここで、前記検査された感覚野の各領域への個別の刺激の提示は統計的に独立したシーケンスによって制御されて、別々の重み関数を推定できるようにしたことを特徴とする方法。 - 請求項7に記載の方法において、
前記被験体の感覚野に提示される個別の刺激として、両眼視覚刺激を用いるか、または単眼視覚刺激及び両眼視覚刺激を交互に用いて、各個別の刺激に対する重み関数を決定し得るようにしたことを特徴とする方法。 - 請求項1から8までのいずれか1つに記載の方法において、
上記多焦点刺激アレイを提示することにより両方の瞳孔を同時に刺激して、直接レスポンス及び共感性レスポンスを各眼について推測できるようにし、求心性及び遠心性の視覚機能を区別できるようにしたことを特徴とする方法。 - 請求項1から9までのいずれか1つに記載の方法において、
瞳孔レスポンスが被験体の両眼の調節システムの機能を表すように、被験体の各眼に前記多焦点刺激アレイの一部として立体視差手がかりを提示することによって、視覚刺激は視野内の物体までの距離を測定するために用いられることができるようになっていることを特徴とする方法。 - 請求項1から9までのいずれか1つに記載の方法において、
前記選択された個別の刺激は、瞳孔のスプリアス調節ニアレスポンスを減らすために、約0.25秒の時間ステップで起きる非線形インタラクションによって生じる立体奥行き手がかりを減らすように設計されていることを特徴とする方法。 - 請求項1から9までのいずれか1つに記載の方法において、
記録された瞳孔レスポンスは経時変化する瞳孔直径ではなく、調節性三つ組つまり三要素(accommodative triad)のうちの別の要素つまり、瞳孔レスポンスと相関し得る輻輳眼球運動または眼のレンズ形状の変化であることを特徴とする方法。 - 請求項1から9までのいずれか1つに記載の方法において、
記録された瞳孔レスポンスは経時変化する瞳孔直径ではなく、統合された神経活動の測定値であり、前記統合された神経活動は、前記クラスター化された刺激アンサンブルによって誘発されて、感覚空間の明確に定義されたトポロジカルマップが存在しない1以上の感覚脳領域から生成されたものであり、前記1以上の感覚脳領域はエディンガー/ウェストファル核(EWN)を含み、
前記瞳孔レスポンスを記録するための装置は、前記瞳孔レスポンスに対応する神経レスポンスを記録するために電気的または磁気的な検出器または機能的磁気共鳴映像法を行う装置を含むことを特徴とする方法。 - 被験体の神経系を評価するためのシステムであって、
個別の刺激の交互ボレーの形態で前記被験体の感覚野に提示される多焦点刺激アレイを生成する手段であって、
前記個別の刺激は、前記被験体の少なくとも1つの瞳孔から瞳孔レスポンスを誘発するようになっている少なくとも2つのクラスター化された刺激アンサンブルから選択され、前記クラスター化された刺激アンサンブルはそれぞれ、前記感覚野の複数の部分にそれぞれ含まれる複数の刺激領域にそれぞれ提示され得る複数の個別の刺激からなり、
前記感覚野の前記複数の部分は、前記感覚野の中心を取り巻くと共に、第1の内側半径から第2の外側半径までの、そして、第1極角から第2の極角までの範囲内に画定されており、
所定のクラスター化された刺激アンサンブルからの個別の刺激が提示される如何なる時間ステップにおいてもこのクラスター化された刺激アンサンブルに含まれる各個別の刺激が提示される確率が約0.5となるよう、選択された複数の個別の刺激は統計的に独立したシーケンスに従って同時に提示される、前記多焦点刺激アレイを生成する手段と、
前記被験体の少なくとも片方の瞳孔に瞳孔レスポンスを生じさせるために、前記多焦点刺激アレイを前記個別の刺激の交互ボレーの形態で被験体の神経系に提示するための表示手段と、
前記刺激によって誘発された少なくとも片方の瞳孔のレスポンスを検出するためのセンサーと、
前記瞳孔レスポンスを記録して、これらの瞳孔レスポンスを、前記クラスター化された刺激アンサンブルの個別の刺激に関係づけると共に、前記神経系の一部である感覚系の評価のために、記録された前記瞳孔レスポンスから、検査された前記感覚野の前記複数の部分のうちの1以上を含む各領域のための重み関数を推定するためのプロセッサと
を備えたことを特徴とするシステム。 - 請求項14に記載のシステムにおいて、
どの刺激領域を前記多焦点刺激アレイを提示するための候補とするかの選択を、擬似ランダムプロセスによって制御することを特徴とするシステム。 - 請求項14に記載のシステムにおいて、
どの刺激領域を前記多焦点刺激アレイを提示するための候補とするかの選択を、ラウンドロビンプロセスによって制御することを特徴とするシステム。 - 請求項14から16までのいずれか1つに記載のシステムにおいて、
それぞれが統計的に独立したシーケンスに従って提示される前記個別の刺激は、各刺激領域につき1秒から16秒までの間の平均提示間隔で出現することを特徴とするシステム。 - 請求項17に記載のシステムにおいて、
前記個別の刺激が出現する平均提示間隔は、各刺激領域につき4秒であることを特徴とするシステム。 - 請求項14から18までのいずれか1つに記載のシステムにおいて、
前記クラスター化された刺激アンサンブルを提示するために選択される刺激領域は、任意の時間ステップにおいて個別の刺激が任意の1つの刺激領域に出現する確率をpsingleとした場合に、任意の2つの空間的に近接する隣り合う刺激領域に2つの個別の刺激が同時に出現する確率ppair が検査箇所のアレイ全体に亘って平均でp2 single/2以下となるように、選択されることを特徴とするシステム。 - 請求項14から19までのいずれか1つに記載のシステムにおいて、
前記被検体の両眼は、両眼分離刺激によって同時に刺激され、ここで、前記検査された感覚野の各領域への個別の刺激の提示は統計的に独立したシーケンスによって制御されて、別々の重み関数を推定できるようにしたことを特徴とするシステム。 - 請求項20に記載のシステムにおいて、
前記被験体の感覚野に提示される個別の刺激として、両眼視覚刺激を用いるか、または単眼視覚刺激及び両眼視覚刺激を交互に用いて、各個別の刺激に対する重み関数を決定し得るようにしたことを特徴とするシステム。 - 請求項14から21までのいずれか1つに記載のシステムにおいて、
上記多焦点刺激アレイを提示することにより両方の瞳孔を同時に刺激して、直接レスポンス及び共感性レスポンスを各眼について推測できるようにし、求心性及び遠心性の視覚機能を区別できるようにしたことを特徴とするシステム。 - 請求項14から21までのいずれか1つに記載のシステムにおいて、
瞳孔レスポンスが被験体の両眼の調節システムの機能を表すように、被験体の各眼に前記多焦点刺激アレイの一部として立体視差手がかりを提示することによって、視覚刺激は視野内の物体までの距離を測定するために用いられることができるようになっていることを特徴とするシステム。 - 請求項14から21までのいずれか1つに記載のシステムにおいて、
前記選択された個別の刺激は、瞳孔のスプリアス調節ニアレスポンスを減らすために、約0.25秒の時間ステップで起きる非線形インタラクションによって生じる両眼立体奥行き手がかりを減らすように設計されていることを特徴とするシステム。 - 請求項14から21までのいずれか1つに記載のシステムにおいて、
記録された瞳孔レスポンスは経時変化する瞳孔直径ではなく、調節性三つ組つまり三要素(accommodative triad)のうちの別の要素、つまり、瞳孔レスポンスと相関し得る輻輳眼球運動または眼のレンズ形状の変化であることを特徴とするシステム。 - 請求項14から21までのいずれか1つに記載のシステムにおいて、
記録された瞳孔レスポンスは経時変化する瞳孔直径ではなく、統合された神経活動の測定値であり、前記神経活動は、前記選択された個別の刺激によって誘発されて、感覚空間の明確に定義されたトポロジカルマップが存在しない1以上の感覚領域から生成されたものであり、前記1以上の感覚脳領域はエディンガー/ウェストファル核(EWN)を含み、
前記瞳孔レスポンスを記録するための装置は、前記瞳孔レスポンスに対応する神経レスポンスを記録するために電気的または磁気的な検出器または機能的磁気共鳴映像法を行う装置を含むことを特徴とするシステム。 - 請求項1に記載の方法において、
前記感覚野の部分はそれぞれ、前記感覚野の水平経線及び垂直経線によって画定された弓形部分であることを特徴とする方法。 - 請求項1に記載の方法において、
前記感覚野は被験体の片方または両方の眼の視野を含むことを特徴とする方法。 - 請求項14に記載のシステムにおいて、
前記感覚野の部分はそれぞれは、前記感覚野の水平経線及び垂直経線によって画定された弓形部分であることを特徴とするシステム。 - 請求項14または29に記載のシステムにおいて、
前記感覚野は被験体の片方または両方の眼の視野を含むことを特徴とするシステム。
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