JP2016223394A - Vane pump - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ベーンポンプに関するものである。 The present invention relates to a vane pump.
特許文献1には、ロータに円周上等角度間隔に複数のスリットが放射方向に形成され、各スリットにカムリングのカム面に先端面が摺接する複数のベーンがそれぞれ摺動可能に収納されたベーンポンプの発明が記載されている。特許文献1に記載のベーンポンプでは、スリットの内方端に背圧溝を介して吐出油が導入され、この吐出油によってベーンがカムリングのカム面に押圧される。また、これらベーンの両端は、サイドプレートとリヤハウジングサイド面にそれぞれ摺接するようになっている。これにより、カムリングのカム面とロータとの間に、隣り合うベーンによって複数のポンプ室が形成される。
In
しかしながら、特許文献1のベーンポンプでは、ポンプの始動時はポンプの吐出圧力が低く、スリットの内方端に導入される圧力も低い。このため、ポンプの始動時には、ポンプの吐出圧力ではベーンをカムリングのカム面に向かって充分に押し出すことができない。特に、ベーンポンプが回転軸が水平方向になるように設置された場合には、ロータの回転が停止すると、ロータの上部にあるベーンが重力によってスリットの奥に下降してしまう。この状態でポンプが始動すると、スリットの内方端に導入される圧力が低いため、ベーンがカムリングのカム面に向かって充分に押し出されずベーンとカムリングのカム面との間に大きな隙間が生じたままロータが回転する。このため、吐出行程においてポンプ室の容積が縮小してもポンプ室内の作動油の一部が吐出されずに隣接するポンプ室へと漏れてしまう。したがって、ポンプの吐出圧力が所定の圧力に達するまでに一定の時間を必要としていた。
However, in the vane pump disclosed in
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ポンプの始動時に吐出圧力を迅速に立ち上げることのできるベーンポンプを提供することを目的とする。 The present invention has been made in view of the above-described problems, and an object of the present invention is to provide a vane pump that can quickly raise the discharge pressure when the pump is started.
第1の発明は、回転駆動されるロータと、ロータの外周に開口部を有して放射状に複数形成されるスリットと、スリットごとに摺動自在に収装されるベーンと、ベーンがスリットから突出する方向の端部であるベーンの先端部が摺接する内周カム面を有するカムリングと、ロータの軸方向一端側に設けられ、ロータ及びカムリングに当接する第一サイド部材と、ロータの軸方向他端側に設けられ、ロータ及びカムリングに当接する第二サイド部材と、ロータとカムリングと隣り合うベーンとの間に画成されるポンプ室と、ポンプ室に吸い込まれる作動流体を導く吸込ポートと、ポンプ室から吐出される作動流体を導く吐出ポートと、スリット内において先端部とは反対側の端部であるベーンの基端部によって区画され、吐出ポートから吐出される作動流体の一部が導かれる背圧室と、第一サイド部材及び第二サイド部材の少なくとも一方の内側面に形成される環状のガイド溝と、を備え、ベーンはガイド溝に嵌合する凸部を備え、凸部がロータの回転に伴ってガイド溝内を移動することで、ベーンの先端部が内周カム面に近接した状態で移動することを特徴とする。 According to a first aspect of the present invention, there is provided a rotor that is rotationally driven, slits that are radially formed with openings on the outer periphery of the rotor, vanes that are slidably accommodated for each slit, and the vanes from the slits. A cam ring having an inner circumferential cam surface that is in sliding contact with a tip of a vane that is an end in a protruding direction, a first side member that is provided on one end side in the axial direction of the rotor and that contacts the rotor and the cam ring, and an axial direction of the rotor A second side member that is provided on the other end side and abuts against the rotor and the cam ring; a pump chamber defined between the rotor and the vane adjacent to the cam ring; and a suction port that guides the working fluid sucked into the pump chamber; The discharge port that guides the working fluid discharged from the pump chamber and the base end of the vane that is the end opposite to the tip in the slit are discharged from the discharge port. A back pressure chamber into which a part of the working fluid is guided, and an annular guide groove formed on the inner surface of at least one of the first side member and the second side member, and the vane is fitted into the guide groove. A protrusion is provided, and the protrusion moves in the guide groove as the rotor rotates, so that the tip of the vane moves in a state of being close to the inner peripheral cam surface.
第1の発明では、ベーンの凸部がロータの回転に伴ってガイド溝内を移動することで、ベーンの先端部が内周カム面に近接した状態で移動する。これにより、吐出行程にあるポンプ室の作動油が隣接するポンプ室へ漏れることが抑制される。 In the first invention, the convex portion of the vane moves in the guide groove with the rotation of the rotor, so that the tip of the vane moves in a state of being close to the inner peripheral cam surface. Thereby, it is suppressed that the hydraulic fluid of the pump chamber in a discharge stroke leaks to the adjacent pump chamber.
第2の発明は、ベーンの凸部がガイド溝の内周側の側壁に接触した状態では、ベーンの先端部とカムリングの内周カム面との間に隙間が存在することを特徴とする。 The second invention is characterized in that a gap exists between the tip of the vane and the inner peripheral cam surface of the cam ring in a state where the convex portion of the vane is in contact with the inner peripheral side wall of the guide groove.
第2の発明では、内周側の側壁の加工にあたってある程度の誤差が許容され、高い加工精度が要求されない。そのため、ガイド溝の加工を簡単なものとすることができる。 In the second invention, a certain degree of error is allowed in processing the inner peripheral side wall, and high processing accuracy is not required. Therefore, the guide groove can be easily processed.
第3の発明は、ベーンの凸部は、ベーンの先端部がカムリングの内周カム面に当接した状態では、ガイド溝の外周側の側壁に接触しないように構成されることを特徴とする。 According to a third aspect of the present invention, the convex portion of the vane is configured not to contact the side wall on the outer peripheral side of the guide groove when the tip of the vane is in contact with the inner peripheral cam surface of the cam ring. .
第3の発明では、背圧室に供給される作動油の圧力によって、ベーンがカムリングの内周カム面に向かって押し出されても、ベーンの凸部はガイド溝の外周側の側壁に接触しない。したがって、凸部に負荷がかかることがないので、凸部が損傷することを防止できる。 In the third invention, even if the vane is pushed out toward the inner peripheral cam surface of the cam ring by the pressure of the hydraulic oil supplied to the back pressure chamber, the convex portion of the vane does not contact the outer peripheral side wall of the guide groove. . Therefore, since the load is not applied to the convex portion, the convex portion can be prevented from being damaged.
本発明によれば、ポンプの始動時に吐出圧力を迅速に立ち上げることができる。 According to the present invention, the discharge pressure can be quickly raised when the pump is started.
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るベーンポンプ100について説明する。
Hereinafter, a
ベーンポンプ100は、車両に搭載される流体圧機器、例えば、パワーステアリング装置や無段変速機等の流体圧供給源として用いられる。作動流体は、オイルやその他の水溶性代替液等である。
The
図1及び図2に示すように、ベーンポンプ100は、ポンプ収容凹部10Aが形成されたポンプボディ10と、ポンプ収容凹部10Aを覆いポンプボディ10に固定されるポンプカバー20と、ポンプボディ10及びポンプカバー20に軸受11、12を介して回転自在に支持される駆動軸1と、駆動軸1に連結されポンプ収容凹部10Aに収容されるロータ2と、ロータ2の外周に開口部2aを有して放射状に形成される複数のスリット2Aと、各スリット2Aに摺動自在に収装されるベーン3と、ロータ2及びベーン3を収容しベーン3の先端部3aが摺接する内周カム面4aを有するカムリング4と、を備える。
As shown in FIGS. 1 and 2, the
ベーンポンプ100は、例えばエンジン(図示せず)等によって駆動され、駆動軸1に連結されたロータ2が、図2の矢印で示すように時計回りに回転駆動されることで流体圧を発生させる。
The
ベーン3は、各スリット2Aに摺動自在に挿入され、スリット2Aから突出する方向の端部である先端部3aと、先端部3aとは反対側の端部である基端部3bと、を有する。スリット2Aの底部側には、ベーン3の基端部3bによって区画され作動流体としての作動油が導かれる背圧室5が形成される。ベーン3は、背圧室5の圧力によってスリット2Aから突出する方向に押圧される。
The
カムリング4は、略長円形状をした内周面である内周カム面4aを有する環状の部材である。ベーン3が背圧室5の圧力によってスリット2Aから突出する方向に押圧されると、ベーン3の先端部3aがカムリング4の内周カム面4aに摺接する。これにより、カムリング4の内部には、ロータ2の外周面と、カムリング4の内周カム面4aと、隣接するベーン3と、によってポンプ室6が画成される。
The
カムリング4の内周カム面4aは略長円形状であるので、ロータ2の回転に伴って内周カム面4aを摺接する各ベーン3間によって区画されるポンプ室6の容積は、拡張と収縮とを繰り返す。ポンプ室6が拡張する吸込領域では作動油が吸入され、ポンプ室6が収縮する吐出領域では作動油が吐出される。
Since the inner
ベーンポンプ100は、図2に示すように、ベーン3が1回目の往復動をする第一の吸込領域、第一の吐出領域と、ベーン3が2回目の往復動をする第二の吸込領域、第二の吐出領域とを有する。ポンプ室6は、ロータ2が1回転する間に、第一の吸込領域にて拡張し、第一の吐出領域にて収縮し、第二の吸込領域にて拡張し、第二の吐出領域にて収縮する。ベーンポンプ100は、2つの吸込領域及び2つの吐出領域を有するが、これに限らず、1つまたは3つ以上の吸込領域及び1つまたは3つ以上の吐出領域を有する構成としてもよい。
As shown in FIG. 2, the
ベーンポンプ100は、ロータ2の軸方向一端側に設けられ、ロータ2及びカムリング4の一方の側面に当接する第一サイド部材としてのボディ側サイドプレート30と、ロータ2の軸方向他端側に設けられ、ロータ2及びカムリング4の他方の側面に当接する第二サイド部材としてのカバー側サイドプレート40と、をさらに備える。
The
ボディ側サイドプレート30は、ポンプ収容凹部10Aの底面とロータ2との間に設けられる。ボディ側サイドプレート30には、ロータ2が摺接するとともにカムリング4が当接する。カバー側サイドプレート40は、ロータ2とポンプカバー20との間に設けられる。カバー側サイドプレート40には、ロータ2が摺接するとともにカムリング4が当接する。このようにして、ボディ側サイドプレート30とカバー側サイドプレート40は、ロータ2及びカムリング4の両側面に対向する状態で配置される。
The
ボディ側サイドプレート30、ロータ2、カムリング4、及びカバー側サイドプレート40は、ポンプボディ10のポンプ収容凹部10Aに収容される。この状態で、ポンプボディ10にポンプカバー20が取付けられることで、ポンプ収容凹部10Aは封止される。
The
ポンプボディ10のポンプ収容凹部10Aの底面側には、ポンプボディ10とボディ側サイドプレート30によって区画された環状の高圧室14が形成される。高圧室14は、吐出通路62を通じてベーンポンプ100の外部の流体圧機器70に連通する。ポンプ収容凹部10Aの内周面には、ポンプカバー20に形成され吸込通路61を通じてタンク60に接続される吸込圧室21と連通する迂回通路13が設けられる。迂回通路13は、カムリング4を挟んで対向する位置に二か所設けられる。
An annular high-
図3に示すように、ボディ側サイドプレート30は、ロータ2の側面が摺接する摺接面30aと、第一及び第二の吐出領域それぞれに対応するように摺接面30aに形成されポンプ室6の作動油を吐出する吐出ポート31と、駆動軸1が挿通する貫通孔32と、ポンプ収容凹部10Aの内周面に設けられた迂回通路13に対応する位置に形成される吸込用凹部33と、を備える。
As shown in FIG. 3, the body-
吐出ポート31は、貫通孔32を挟んで対向する位置に二か所設けられる。各吐出ポート31は、貫通孔32を中心とした円弧状に形成される。吐出ポート31は、ボディ側サイドプレート30を貫通し、ポンプボディ10に形成された高圧室14に連通する。高圧室14に流入した作動油は、吐出通路62を通じてベーンポンプ100の外部の流体圧機器70に供給される(図1参照)。
Two
吸込用凹部33は、第一及び第二の吸込領域に対応するように摺接面30aに形成される。各吸込用凹部33の外周端はボディ側サイドプレート30の外周面まで達しており、径方向外側に開口する凹形状となるように形成される。
The
ボディ側サイドプレート30の摺接面30aには、吐出ポート31からロータ2の回転方向後方へ向けて延びる溝である外側ノッチ36及び内側ノッチ37が形成される。外側ノッチ36は、内側ノッチ37より外周側に配置され、かつ内側ノッチ37よりロータ2の回転方向の長さが長くなるように形成される。
An
外側ノッチ36及び内側ノッチ37は、いずれも吐出ポート31からロータ2の回転方向後方へ行くほどロータ2の径方向の寸法が小さくなる先細り形状に形成される。また、外側ノッチ36及び内側ノッチ37は、ロータ2の外周面より外周側であってカムリング4の内周カム面4aより内周側に配置される。
Both the
ボディ側サイドプレート30は、貫通孔32を挟んで対向するように摺接面30aに形成される一対の第一背圧溝34と、摺接面30aに形成され一対の第一背圧溝34に対して貫通孔32を中心として略90°ずれた位置に設けられる一対の第二背圧溝35と、をさらに備える。
The
第一背圧溝34は、貫通孔32を中心とした円弧状に形成され、背圧室5に連通する。第一背圧溝34は、第一背圧溝34に開口する複数の背圧室5どうしを連通する。また、第一背圧溝34は、ボディ側サイドプレート30を貫通して形成される連通孔38と連通する。これにより、第一背圧溝34は、連通孔38を通じて高圧室14と連通する(図1参照)。第二背圧溝35は、貫通孔32を中心とした円弧状に形成され、背圧室5に連通する。第二背圧溝35は、第二背圧溝35に開口する複数の背圧室5どうしを連通する。
The first
図4に示すように、カバー側サイドプレート40は、外縁部の一部を切り欠くようにして形成され作動油をポンプ室6内に導く吸込ポート41と、ボディ側サイドプレート30の吐出ポート31に対応する位置に形成される吐出用凹部42と、摺接面40aにカムリング4の内周カム面4aと略相似形状に形成された環状のガイド溝43と、駆動軸1が挿通する貫通孔44と、を備える。
As shown in FIG. 4, the cover-
吸込ポート41は、第一及び第二の吸込領域に対応する位置にそれぞれ形成される。各吸込ポート41は、貫通孔44を中心とした円弧状に形成される。吸込ポート41は、ポンプカバー20に形成された吸込圧室21を通じてタンク60に連通する。
The
吐出用凹部42は、溝状に形成され第一及び第二の吐出領域にそれぞれ形成される。各吐出用凹部42は、貫通孔44を中心とした円弧状に形成される。吐出用凹部42はポンプ室6を通じて吐出ポート31と連通するので、吐出用凹部42には、吐出ポート31と同じ圧力が作用する。吐出用凹部42がベーン3を挟んで吐出ポート31と対向するように設けられるので、吐出ポート31内の圧力によってベーン3に作用する力は、吐出用凹部42の圧力によって相殺される。これにより、吐出ポート31内の圧力によってベーン3がカバー側サイドプレート40に押し付けられることを防止できる。
The
ガイド溝43は、ガイド溝43の内周側の側壁43aからカムリング4の内周カム面4aに対するロータ2の径方向の距離が略一定になるように形成される。また、ガイド溝43は、隣り合う背圧室5を連通するように形成される。これにより、各ベーン3の背圧室5はガイド溝43によって連通する。
The
図1及び図5に示すように、ベーン3は、カバー側サイドプレート40に摺接する端面3dから突出するように形成されガイド溝43に収容される凸部3cを有する。ベーン3がロータ2とともに回転すると、凸部3cはガイド溝43内をガイド溝43に沿って移動する。
As shown in FIGS. 1 and 5, the
凸部3cは、ベーン3の基端部3b側に形成される。また、凸部3cのガイド溝43の幅方向における長さL1は、ガイド溝43の幅Laよりも小さくなるように形成される。さらに、凸部3cの内周カム面4a側の端面3eから先端部3aまでの長さL2は、ロータ2の径方向におけるガイド溝43の外周側の側壁43bからカムリング4の内周カム面4aまでの距離よりも大きくなるように形成される。このようにして、ベーン3の凸部3cは、ベーン3の先端部3aがカムリング4の内周カム面4aに当接した状態では、ガイド溝43の外周側の側壁43bに接触しないように構成される。
The
ベーン3の凸部3cは、凸部3cがガイド溝43の内周側の側壁43aに当接したときに、ベーン3の先端部3aがカムリング4の内周カム面4aに近接した状態を維持できる程度に、ガイド溝43内をロータ2の径方向に移動可能に構成される。
The
次に、ベーンポンプ100の動作について説明する。
Next, the operation of the
図示しないエンジンなどの駆動装置の動力によって駆動軸1が回転駆動されることで、ロータ2が図2に矢印で示す方向に回転する。ロータ2の回転に伴って、第一及び第二の吸込領域に位置するポンプ室6は拡張する。これにより、タンク60内の作動油が、図1に矢印で示すように、吸込通路61、吸込圧室21、吸込ポート41及び吸込用凹部33を通ってポンプ室6に吸い込まれる。また、第一及び第二の吐出領域に位置するポンプ室6は、ロータ2の回転に伴って収縮する。これにより、ポンプ室6内の作動油が、吐出ポート31を通って高圧室14に吐出される。高圧室14に吐出された作動油は、吐出通路62を通じて外部の流体圧機器70へと供給される。ベーンポンプ100では、ロータ2が1回転する間に、各ポンプ室6が作動油の吸込、吐出を2度繰り返す。
When the
高圧室14に吐出された作動油の一部は、連通孔38及び第一背圧溝34を通じて背圧室5に供給され、ベーン3の基端部3bを内周カム面4aに向かって押圧する。したがって、ベーン3は、基端部3bを押圧する背圧室5の流体圧力と、ロータ2の回転に伴って働く遠心力と、によってスリット2Aから突出する方向に付勢される。これにより、ベーン3の先端部3aがカムリング4の内周カム面4aに摺接しながら回転するので、ポンプ室6内の作動油は、ベーン3の先端部3aとカムリング4の内周カム面4aとの間から漏れることなく吐出ポート31から吐出される。
Part of the hydraulic oil discharged to the
第一背圧溝34から背圧室5に供給された作動油は、背圧室5を通じてガイド溝43に供給される。このとき、隣り合う背圧室5どうしはガイド溝43によって連通している。また、隣り合う背圧室5どうしは第一背圧溝34及び第二背圧溝35によっても連通している。これにより、各背圧室5には、高圧室14に吐出された作動油が供給される。したがって、ベーンポンプ100の全てのベーン3は、先端部3aがカムリング4の内周カム面4aに摺接しながら回転することになる。
The hydraulic oil supplied from the first
一般的なベーンポンプでは、回転が停止すると高圧室14や背圧室5の圧力が低下する。この状態でベーンポンプが再度始動しても、始動時にはベーンポンプの吐出圧力が低いので、背圧室5に供給される作動油の圧力も低い。したがって、ベーンポンプの始動時には、背圧室5に供給される作動油の圧力ではベーン3をカムリング4の内周カム面4aに向かって充分に押し出すことができない。このため、ベーン3の先端部3aとカムリング4の内周カム面4aとの間に隙間が生じるおそれがある。特に、ベーンポンプが駆動軸1が水平方向になるように設置された場合には、ベーンポンプが停止すると、ロータ2の上部にあるベーン3が重力によってスリット2Aの奥に下降してしまう。この状態でベーンポンプが始動しても、上述のようにベーン3は内周カム面4aに向かって充分に押し出されない。このため、ベーン3と内周カム面4aとの間に大きな隙間が生じたままロータ2が回転することになる。これにより、吐出行程においてポンプ室6の容積が縮小してもポンプ室6内の作動油の一部が吐出されずに、ロータ2の回転方向後方にある隣接するポンプ室6へと漏れてしまう。
In a general vane pump, when the rotation stops, the pressure in the
しかし、本実施形態のベーンポンプ100では、ベーン3の凸部3cがガイド溝43に収容され、凸部3cがロータ2の回転に伴ってガイド溝43内を移動するように構成される。これにより、ベーンポンプ100の停止時に、ロータ2の上部にあるベーン3が重力によってスリット2Aの奥に移動しようとしても、凸部3cがガイド溝43の内周側の側壁43aに当接するので、ベーン3の先端部3aがカムリング4の内周カム面4aに近接した状態が維持される。したがって、ベーンポンプ100が再度始動したときに、背圧室5に供給される作動油の圧力が低く、ベーン3をカムリング4の内周カム面4aに向かって押し出す力が弱くても、ベーン3の先端部3aは内周カム面4aに近接した状態で内周カム面4aに沿って移動することができる。よって、吐出行程において容積が縮小するポンプ室6から隣接するポンプ室6への作動油の漏れを抑制することができる。これにより、ポンプ始動時にベーンポンプ100の吐出圧力を迅速に立ち上げることができる。
However, the
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。 According to the above embodiment, there exist the effects shown below.
ベーンポンプ100は、ベーン3の凸部3cがロータ2の回転に伴ってガイド溝43内を移動することで、ベーン3の先端部3aが内周カム面4aに近接した状態で移動する。このように、ベーン3の先端部3aが内周カム面4aに近接した状態でロータ2が回転することで、ポンプ始動時の背圧室5に供給される作動油の圧力が低い状態でも、吐出行程において容積が縮小するポンプ室6からの漏れを抑制することができる。これにより、ポンプ始動時にベーンポンプ100の吐出圧力を迅速に立ち上げることができる。
The
また、ベーンポンプ100では、ベーン3の凸部がガイド溝43内を移動することで、ベーン3の先端部3aが内周カム面4aに近接した状態を維持できる。このため、ベーン3の先端部3aが内周カム面4aに当接するために移動する距離が小さくて済む。これにより、始動直後の低い回転数による小さな遠心力でもベーン3をカムリング4に当接させることができる。
Moreover, in the
さらに、ベーンポンプ100は、吐出ポート31から吐出された作動油の一部が高圧室14、連通孔38、第一背圧溝34及びガイド溝43を通って背圧室5に供給される。これにより、ベーン3の先端部3aは内周カム面4aに向かって押圧される。よって、定常運転時には、ポンプ室6内の作動油はベーン3の先端部3aとカムリング4の内周カム面4aとの間から漏れることを防止できるので、ベーンポンプ100の効率が向上する。
Further, in the
また、ベーンポンプ100では、ガイド溝43によって隣り合う背圧室5どうしが連通される。つまり、ガイド溝43は、ベーン3の凸部3cをガイドする機能に加えて背圧室5どうしを連通する連通路としての機能も有する。したがって、カバー側サイドプレート40の摺接面40aやロータ2の側面に別途背圧室5どうしを連通する連通路を設ける必要がないので、ベーンポンプ100の加工を減らすことができる。
In the
ベーンポンプ100においては、ベーン3の先端部3aがカムリング4の内周カム面4aに常に接触した状態となるようにガイド溝43の内周側の側壁43aを形成することが望ましい。しかしながら、このような構成では、ガイド溝43をこのような形状に加工するには精密な加工が必要になる。また、ベーン3やカムリング4が熱変化により膨張あるいは収縮した場合にベーン3の凸部3cや先端部3aが変形したり、あるいは破損したりするおそれがある。
In the
このため、ベーンポンプ100では、ベーン3の凸部3cがガイド溝43の内周側の側壁43aに接触した状態では、ベーン3の先端部3aとカムリング4の内周カム面4aとの間に隙間が存在してもよい。これにより、内周側の側壁43aの加工にあたってある程度の誤差が許容され、高い加工精度が要求されない。そのため、ガイド溝43の加工を簡単なものとすることができる。また、ベーン3やカムリング4が熱変化により膨張あるいは収縮した場合に、ベーン3やカムリング4の変形を隙間によって吸収できるので、ベーン3の凸部3cや先端部3aが破損したり、変形したりすることがない。さらに、ベーンポンプ100の組立も、各部材の位置を精密に合わせる必要がないので簡単に行うことができる。
For this reason, in the
また、ベーンポンプ100では、ベーン3の凸部3cは、ベーン3の先端部3aがカムリング4の内周カム面4aに当接した状態では、ガイド溝43の外周側の側壁43bに接触しないように構成される。これにより、背圧室5に供給される作動油の圧力によって、ベーン3がカムリング4の内周カム面4aに向かって押し出されても、凸部3cはガイド溝43の外周側の側壁43bに接触しない。したがって、凸部3cに負荷がかかることがないので、凸部3cが損傷することを防止できる。
Further, in the
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。 The configuration, operation, and effect of the embodiment of the present invention configured as described above will be described together.
ベーンポンプ100は、回転駆動されるロータ2と、ロータ2の外周に開口部2aを有して放射状に形成される複数のスリット2Aと、各スリット2Aに摺動自在に収装されるベーン3と、ベーン3の先端部3aが摺接する内周カム面4aを有するカムリング4と、ロータ2の軸方向一端側に設けられ、ロータ2及びカムリング4に当接する第一サイド部材(ボディ側サイドプレート30)と、ロータ2の軸方向他端側に設けられ、ロータ2及びカムリング4に当接する第二サイド部材(カバー側サイドプレート40)と、ロータ2とカムリング4と隣り合うベーン3との間に画成されるポンプ室6と、ポンプ室6に作動油を導く吸込用凹部33及び吸込ポート41と、ポンプ室6から吐出される作動油が導かれる吐出ポート31と、スリット2A内においてベーン3の基端部3bによって区画され、吐出ポート31から吐出される作動油の一部が導かれる背圧室5と、第一サイド部材(ボディ側サイドプレート30)及び第二サイド部材(カバー側サイドプレート40)の少なくとも一方の内側面に形成され隣り合う背圧室5を連通する環状のガイド溝43と、を備え、ベーン3はガイド溝43に収容される凸部3cを有し、凸部3cがロータ2の回転に伴ってガイド溝43内を移動することで、ベーン3の先端部3aが内周カム面4aに近接した状態で移動することを特徴とする。
The
この構成によれば、ベーン3の凸部3cがロータ2の回転に伴ってガイド溝43内を移動することで、ベーン3の先端部3aが内周カム面4aに近接した状態で移動する。これにより、吐出行程にあるポンプ室6の作動油が隣接するポンプ室6へ漏れることが抑制される。したがって、ベーンポンプ100の始動時に吐出圧力を迅速に立ち上げることができる。
According to this configuration, the
ベーンポンプ100では、ベーン3の凸部3cがガイド溝43の内周側の側壁43aに接触した状態では、ベーン3の先端部3aとカムリング4の内周カム面4aとの間に隙間が存在する。
In the
この構成では、内周側の側壁43aの加工にあたってある程度の誤差が許容され、高い加工精度が要求されない。そのため、ガイド溝43の加工を簡単なものとすることができる。
In this configuration, a certain amount of error is allowed in processing the inner
ベーンポンプ100では、ベーン3の凸部3cは、ベーン3の先端部3aがカムリング4の内周カム面4aに当接した状態では、ガイド溝43の外周側の側壁43bに接触しないように構成される。
In the
この構成では、背圧室5に供給される作動油の圧力によって、ベーン3がカムリング4の内周カム面4aに向かって押し出されても、ベーン3の凸部3cはガイド溝43の外周側の側壁43bに接触しない。したがって、凸部3cに負荷がかかることがないので、凸部3cが損傷することを防止できる。
In this configuration, even if the
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。 The embodiment of the present invention has been described above. However, the above embodiment only shows a part of application examples of the present invention, and the technical scope of the present invention is limited to the specific configuration of the above embodiment. Absent.
例えば、ベーンポンプ100では、ガイド溝43はカバー側サイドプレート40に設けられているが、ボディ側サイドプレート30に設けてもよい。ガイド溝43は、ボディ側サイドプレート30及びカバー側サイドプレート40に設けてもよい。また、ベーンポンプ100は、カバー側サイドプレート40を備えなくてもよい。この場合には、ポンプカバー20にガイド溝43が形成される。
For example, in the
ガイド溝43は、カムリング4の内周カム面4aと略相似形状に形成されているが、内周側の側壁43aが略相似形状であれば、外周側の側壁43bはどのような形状であってもよい。
The
100・・・ベーンポンプ、1・・・駆動軸、2・・・ロータ、2a・・・開口部、2A・・・スリット、3・・・ベーン、3a・・・先端部、3b・・・基端部、3c・・・凸部、4・・・カムリング、4a・・・内周カム面、5・・・背圧室、6・・・ポンプ室 、10・・・ポンプボディ、10A・・・ポンプ収容凹部、13・・・迂回通路、 14・・・高圧室、20・・・ポンプカバー、21・・・吸込圧室、30・・・ボディ側サイドプレート、31・・・吐出ポート、33・・・吸込用凹部、40・・・カバー側サイドプレート、41・・・吸込ポート、42・・・吐出用凹部、43・・・ガイド溝、43a・・・内周側の側壁、43b・・・外周側の側壁、60・・・タンク、61・・・吸込通路、62・・・吐出通路、70・・・流体圧機器 100 ... Vane pump, 1 ... drive shaft, 2 ... rotor, 2a ... opening, 2A ... slit, 3 ... vane, 3a ... tip, 3b ... base End part, 3c ... convex part, 4 ... cam ring, 4a ... inner peripheral cam surface, 5 ... back pressure chamber, 6 ... pump chamber, 10 ... pump body, 10A ... Pump housing recess, 13 ... detour passage, 14 ... high pressure chamber, 20 ... pump cover, 21 ... suction pressure chamber, 30 ... body side plate, 31 ... discharge port, 33 ... Suction recess, 40 ... Cover side plate, 41 ... Suction port, 42 ... Discharge recess, 43 ... Guide groove, 43a ... Inner peripheral side wall, 43b ... Outer peripheral side wall, 60 ... tank, 61 ... suction passage, 62 ... discharge passage, 70 ... fluid pressure device
Claims (3)
回転駆動されるロータと、
前記ロータの外周に開口部を有して放射状に形成される複数のスリットと、
前記各スリットに摺動自在に収装されるベーンと、
前記ベーンの先端部が摺接する内周カム面を有するカムリングと、
前記ロータの軸方向一端側に設けられ、前記ロータ及び前記カムリングに当接する第一サイド部材と、
前記ロータの軸方向他端側に設けられ、前記ロータ及び前記カムリングに当接する第二サイド部材と、
前記ロータと前記カムリングと隣り合う前記ベーンとの間に画成されるポンプ室と、
前記ポンプ室に作動流体を導く吸込ポートと、
前記ポンプ室から吐出される作動流体が導かれる吐出ポートと、
前記スリット内において前記ベーンの基端部によって区画され、前記吐出ポートから吐出される作動流体の一部が導かれる背圧室と、
前記第一サイド部材及び前記第二サイド部材の少なくとも一方の内側面に形成され隣り合う前記背圧室を連通する環状のガイド溝と、を備え、
前記ベーンは前記ガイド溝に収容される凸部を有し、
前記凸部が前記ロータの回転に伴って前記ガイド溝内を移動することで、前記ベーンの前記先端部が前記内周カム面に近接した状態で移動することを特徴とするベーンポンプ。 A vane pump used as a fluid pressure supply source,
A rotor that is driven to rotate;
A plurality of slits formed radially with openings on the outer periphery of the rotor;
Vanes that are slidably received in the slits;
A cam ring having an inner circumferential cam surface with which the tip of the vane is in sliding contact;
A first side member provided on one end side in the axial direction of the rotor and in contact with the rotor and the cam ring;
A second side member provided on the other axial end of the rotor and in contact with the rotor and the cam ring;
A pump chamber defined between the rotor and the vane adjacent to the cam ring;
A suction port for guiding the working fluid to the pump chamber;
A discharge port through which a working fluid discharged from the pump chamber is guided;
A back pressure chamber partitioned by the base end portion of the vane in the slit and guided by a part of the working fluid discharged from the discharge port;
An annular guide groove formed on the inner surface of at least one of the first side member and the second side member and communicating with the adjacent back pressure chamber;
The vane has a convex portion received in the guide groove,
The vane pump, wherein the convex portion moves in the guide groove as the rotor rotates, so that the tip portion of the vane moves in a state of being close to the inner circumferential cam surface.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015112573A JP2016223394A (en) | 2015-06-02 | 2015-06-02 | Vane pump |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015112573A JP2016223394A (en) | 2015-06-02 | 2015-06-02 | Vane pump |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016223394A true JP2016223394A (en) | 2016-12-28 |
Family
ID=57747822
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015112573A Pending JP2016223394A (en) | 2015-06-02 | 2015-06-02 | Vane pump |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016223394A (en) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019094804A (en) * | 2017-11-20 | 2019-06-20 | Kyb株式会社 | Vane pump |
-
2015
- 2015-06-02 JP JP2015112573A patent/JP2016223394A/en active Pending
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JP2019094804A (en) * | 2017-11-20 | 2019-06-20 | Kyb株式会社 | Vane pump |
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