JP2016219582A - 光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法および光ファイバレーザ装置 - Google Patents

光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法および光ファイバレーザ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザ出力設定指示値を出力してからレーザ光出力が得られるまでの時間を大きく変化させることなく、サージ光の強度を調整できる方法及び光ファイバレーザ装置を提供すること。
【解決手段】光ファイバレーザのレーザ出力光の光強度が目標値に近づくように励起レーザ光源をフィードバック制御する制御部を備える光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法であって、レーザ出力光が出力されていない非発光期間に、励起レーザ光源の駆動部に対するレーザ出力設定指示値に対して第1上限リミッタ値を設定し、第1上限リミッタ値の設定後にフィードバック制御のためにレーザ出力設定指示値を駆動部に出力し、レーザ出力設定指示値が第1上限リミッタ値に達したとき、第1上限リミッタ値より小さく該レーザ出力設定指示値に対する上限値となる第2上限リミッタ値を設定し、レーザ出力光が出力されたと判定したとき第2上限リミッタ値の設定を無効にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法および光ファイバレーザ装置に関するものである。
希土類添加光ファイバなどの増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して反射手段を設けて光共振器を形成し、励起光源から増幅用光ファイバに励起光を入力してレーザ発振を行ってレーザ光を出力する光ファイバレーザ装置が開示されている。この種の光ファイバレーザ装置はレーザ加工等に使用される。
この種の光ファイバレーザ装置では、励起光源の立ち上げ時に励起光が増幅用光ファイバに入力されると、増幅用光ファイバにおける増幅媒体の励起状態が過渡的に高まり、尖頭値の高いサージ光が出力される場合がある。被加工物の材料によってはこのようなサージ光により加工が容易になる場合もあるが、材料によっては加工品質が悪化する場合もある。
これに対して、定常動作時の励起光のパワーよりも小さいパワーの励起光を一定時間あらかじめ増幅用光ファイバに入力させておくことで、増幅用光ファイバにおける励起状態が過渡的に高まることを抑え、サージ光の発生を抑制する技術が開示されている(特許文献1、2参照)。
特許第4833791号公報 特許第5354969号公報
特許文献1では、低出力期間、出力上昇期間、高出力期間、出力低下期間を設けて、励起光源である半導体レーザの駆動信号を変調することで、駆動電圧が半導体レーザの閾値を緩やかに通過するようにして、光ファイバレーザ装置でのサージ光の発生を防止している。しかしながら、この場合、高出力期間の前に低出力期間、出力上昇期間を設けるため、光ファイバレーザ装置の制御部がレーザ出力設定指示値を出力してから実際にレーザ光出力が得られるまでの時間が長くなる。その結果、半導体レーザの変調動作および光ファイバレーザ装置の変調動作が制限され、たとえば非発光期間が短い変調動作が困難になる。また、特許文献2においても、出力パワーフィードバック制御を行う場合において、事前に励起光源の電流一定制御による低出力期間を設けている。そのため、特許文献1と同様に、レーザ出力設定指示値を出力してから実際にレーザ光出力が得られるまでの時間が長くなり、変調動作が制限される。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、レーザ出力設定指示値を出力してから実際にレーザ光出力が得られるまでの時間を大きく変化させることなく、サージ光の尖頭値の強度を調整できる光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法および光ファイバレーザ装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法は、増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して設けた反射手段により構成された光共振器と、前記増幅用光ファイバに供給する励起光を出力する励起レーザ光源と、前記励起レーザ光源を駆動する駆動部と、を備える光ファイバレーザと、前記光ファイバレーザから出力されるレーザ出力光の一部を検知する検知器と、前記検知器が検知した光の強度をもとに前記レーザ出力光の光強度が目標値に近づくように前記励起レーザ光源をフィードバック制御する制御部とを備える光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法であって、前記レーザ出力光が出力されていない非発光期間に、前記励起レーザ光源が出力する励起光の強度を設定するための前記駆動部に対するレーザ出力設定指示値に対して第1上限リミッタ値を設定する工程と、前記第1上限リミッタ値の設定後に、前記フィードバック制御を行うために、前記レーザ出力設定指示値を前記駆動部に出力する工程と、前記レーザ出力設定指示値が第1上限リミッタ値に達したとき、前記第1上限リミッタ値より小さい値であり、かつ該レーザ出力設定指示値に対する上限値となる第2上限リミッタ値を設定する工程と、前記検知器の検知結果により前記レーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記第2上限リミッタ値の設定を無効にする工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の一態様に係る光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法は、増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して設けた反射手段により構成された光共振器と、前記増幅用光ファイバに供給する励起光を出力する励起レーザ光源と、前記励起レーザ光源を駆動する駆動部と、を備える光ファイバレーザと、前記光ファイバレーザから出力されるレーザ出力光の一部を検知する検知器と、前記検知器が検知した光の強度をもとに前記レーザ出力光の光強度が目標値に近づくように前記励起レーザ光源をフィードバック制御する制御部とを備える光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法であって、前記フィードバック制御を行うために、前記レーザ出力設定指示値を前記駆動部に出力する工程と、前記レーザ出力設定指示値を出力してから所定の時間が経過したとき、前記レーザ出力設定指示値に対する上限値となる上限リミッタ値を設定する工程と、前記検知器の検知結果により前記レーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記上限リミッタ値の設定を無効にする工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の一態様に係る光ファイバレーザ装置は、増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して設けた反射手段により構成された光共振器と、前記増幅用光ファイバに供給する励起光を出力する励起レーザ光源と、前記励起レーザ光源を駆動する駆動部と、を備える光ファイバレーザと、前記光ファイバレーザから出力されるレーザ出力光の一部を検知する検知器と、前記検知器が検知した光の強度をもとに前記レーザ出力光の強度が目標値に近づくように前記励起レーザ光源をフィードバック制御するフィードバック制御部と、リミッタ処理部と、モニタ判定部とを有する制御部と、を備え、前記フィードバック制御部は、前記フィードバック制御を行うために、前記励起レーザ光源が出力する励起光の強度を設定するためのレーザ出力設定指示値を出力し、前記モニタ判定部は、前記検知器の検知結果により前記光ファイバレーザからレーザ出力光が出力されたか否かを判定し、前記リミッタ処理部は、前記レーザ出力設定指示値を受け付けて前記駆動部に出力するとともに、前記レーザ出力光が出力されていない非発光期間に、前記レーザ出力設定指示値が第1上限リミッタ値に達したとき、前記第1上限リミッタ値より小さい値であり、かつ前記レーザ出力設定指示値に対する上限値となる第2上限リミッタ値を設定し、前記モニタ判定部が前記光ファイバレーザからレーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記第2上限リミッタ値の設定を無効にすることを特徴とする。
本発明の一態様に係る光ファイバレーザ装置は、増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して設けた反射手段により構成された光共振器と、前記増幅用光ファイバに供給する励起光を出力する励起レーザ光源と、前記励起レーザ光源を駆動する駆動部と、を備える光ファイバレーザと、前記光ファイバレーザから出力されるレーザ出力光の一部を検知する検知器と、前記検知器が検知した光の強度をもとに前記レーザ出力光の強度が目標値に近づくように前記励起レーザ光源をフィードバック制御するフィードバック制御部と、経過時間判定部と、リミッタ処理部と、モニタ判定部とを有する制御部と、を備え、前記フィードバック制御部は、前記フィードバック制御を行うために、前記励起レーザ光源が出力する励起光の強度を設定するためのレーザ出力設定指示値を出力し、前記モニタ判定部は、前記検知器の検知結果により前記光ファイバレーザからレーザ出力光が出力されたか否かを判定し、前記経過時間判定部は、前記レーザ出力設定指示値を出力してから所定の時間が経過したか否かを判定し、前記リミッタ処理部は、前記レーザ出力設定指示値を受け付けて前記駆動部に出力するとともに、前記レーザ出力光が出力されていない非発光期間に、前記レーザ出力設定指示値を出力してから所定の時間が経過したとき、前記レーザ出力設定指示値に対する上限値となる上限リミッタ値を設定し、前記モニタ判定部が前記光ファイバレーザからレーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記上限リミッタ値の設定を無効にすることを特徴とする。
本発明の一態様に係る光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法は、増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して設けた反射手段により構成された光共振器と、前記増幅用光ファイバに供給する励起光を出力する励起レーザ光源と、前記励起レーザ光源を駆動する駆動部と、を備える光ファイバレーザと、前記光ファイバレーザから出力されるレーザ出力光の一部を検知する検知器と、前記励起レーザ光源を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記検知器が検知した光の強度をもとに前記レーザ出力光の強度が目標値に近づくように前記励起レーザ光源をフィードバック制御するフィードバック制御モードと、前記駆動部に対して所定のレーザ出力設定指示値を出力して前記励起レーザ光源を駆動電流一定制御する電流一定制御モードと、で制御モードが切り替え可能に構成されている光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法であって、前記レーザ出力光が出力されていない非発光期間に、前記励起レーザ光源が出力する励起光の強度を設定するための前記駆動部に対するレーザ出力設定指示値を出力して、前記フィードバック制御モードで制御を開始する工程と、前記レーザ出力設定指示値が上限リミッタ値に達したとき、前記制御モードを前記電流一定制御モードに切り替えるとともに、前記レーザ出力設定指示値を所定の目標指示値に設定する工程と、前記検知器の検知結果により前記レーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記制御モードを前記フィードバック制御モードに切り替える工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の一態様に係る光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法は、増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して設けた反射手段により構成された光共振器と、前記増幅用光ファイバに供給する励起光を出力する励起レーザ光源と、前記励起レーザ光源を駆動する駆動部と、を備える光ファイバレーザと、前記光ファイバレーザから出力されるレーザ出力光の一部を検知する検知器と、前記励起レーザ光源を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記検知器が検知した光の強度をもとに前記レーザ出力光の強度が目標値に近づくように前記励起レーザ光源をフィードバック制御するフィードバック制御モードと、前記駆動部に対して所定のレーザ出力設定指示値を出力して前記励起レーザ光源を駆動電流一定制御する電流一定制御モードと、で制御モードが切り替え可能に構成されている光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法であって、前記レーザ出力光が出力されていない非発光期間に、前記励起レーザ光源が出力する励起光の強度を設定するための前記駆動部に対するレーザ出力設定指示値を出力して、前記フィードバック制御モードで制御を開始する工程と、前記レーザ出力設定指示値を出力してから所定の時間が経過した場合は、前記制御モードを前記電流一定制御モードに切り替えるとともに、前記レーザ出力設定指示値を所定の目標指示値に設定する工程と、前記検知器の検知結果により前記レーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記制御モードを前記フィードバック制御モードに切り替える工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の一態様に係る光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法は、増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して設けた反射手段により構成された光共振器と、前記増幅用光ファイバに供給する励起光を出力する励起レーザ光源と、前記励起レーザ光源を駆動する駆動部と、を備える光ファイバレーザと、前記光ファイバレーザから出力されるレーザ出力光の一部を検知する検知器と、前記励起レーザ光源を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記検知器が検知した光の強度をもとに前記レーザ出力光の強度が目標値に近づくように前記励起レーザ光源をフィードバック制御するフィードバック制御モードと、前記駆動部に対して所定のレーザ出力設定指示値を出力して前記励起レーザ光源を駆動電流一定制御する電流一定制御モードと、で制御モードが切り替え可能に構成されている光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法であって、前記レーザ出力光が出力されていない非発光期間に、前記励起レーザ光源が出力する励起光の強度を設定するための前記駆動部に対するレーザ出力設定指示値として、設定される前記光強度の目標値に相当する第1設定指示値を出力して、前記電流一定制御モードで制御を開始する工程と、前記第1設定指示値を出力してから所定の時間が経過した場合には、前記出力するレーザ出力設定指示値を前記第1設定指示値より小さい値である第2設定指示値に変更する工程と、前記検知器の検知結果により前記レーザ出力光が出力されたと判定されたとき、前記制御モードを前記フィードバック制御モードに切り替える工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の一態様に係る光ファイバレーザ装置は、増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して設けた反射手段により構成された光共振器と、前記増幅用光ファイバに供給する励起光を出力する励起レーザ光源と、前記励起レーザ光源を駆動する駆動部と、を備える光ファイバレーザと、前記光ファイバレーザから出力されるレーザ出力光の一部を検知する検知器と、前記励起レーザ光源を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記検知器の検知結果により前記光ファイバレーザからレーザ出力光が出力されたか否かを判定するモニタ判定部と、前記励起レーザ光源が出力する励起光の強度を設定するための前記駆動部に対するレーザ出力設定指示値を受け付けて前記駆動部に出力するとともに、前記レーザ出力設定指示値に対する上限値となる上限リミッタ値を設定するリミッタ処理部と、を有し、前記検知器が検知した光の強度をもとに前記レーザ出力光の強度が目標値に近づくように前記励起レーザ光源をフィードバック制御するフィードバック制御モードと、前記駆動部に対して所定のレーザ出力設定指示値を出力して前記励起レーザ光源を駆動電流一定制御する電流一定制御モードと、で制御モードが切り替え可能に構成されており、前記レーザ出力光が出力されていない非発光期間に、前記励起レーザ光源が出力する励起光の強度を設定するための前記駆動部に対するレーザ出力設定指示値を出力して、前記フィードバック制御モードで制御を開始し、前記レーザ出力設定指示値が上限リミッタ値に達したとき、前記制御モードを前記電流一定制御モードに切り替えるとともに、前記レーザ出力設定指示値を所定の目標指示値に設定し、前記モニタ判定部が前記レーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記制御モードを前記フィードバック制御モードに切り替える制御を行うことを特徴とする。
本発明の一態様に係る光ファイバレーザ装置は、増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して設けた反射手段により構成された光共振器と、前記増幅用光ファイバに供給する励起光を出力する励起レーザ光源と、前記励起レーザ光源を駆動する駆動部と、を備える光ファイバレーザと、前記光ファイバレーザから出力されるレーザ出力光の一部を検知する検知器と、前記励起レーザ光源を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記検知器の検知結果により前記光ファイバレーザからレーザ出力光が出力されたか否かを判定するモニタ判定部と、前記レーザ出力設定指示値を出力してから所定の時間が経過したか否かを判定する経過時間判定部とを有し、前記検知器が検知した光の強度をもとに前記レーザ出力光の強度が目標値に近づくように前記励起レーザ光源をフィードバック制御するフィードバック制御モードと、前記駆動部に対して所定のレーザ出力設定指示値を出力して前記励起レーザ光源を駆動電流一定制御する電流一定制御モードと、で制御モードが切り替え可能に構成されており、前記レーザ出力光が出力されていない非発光期間に、前記励起レーザ光源が出力する励起光の強度を設定するための前記駆動部に対するレーザ出力設定指示値を出力して、前記フィードバック制御モードで制御を開始し、前記レーザ出力設定指示値を出力してから所定の時間が経過した場合は、前記制御モードを前記電流一定制御モードに切り替えるとともに、前記レーザ出力設定指示値を所定の目標指示値に設定し、前記モニタ判定部が前記レーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記制御モードを前記フィードバック制御モードに切り替える制御を行うことを特徴とする。
本発明の一態様に係る光ファイバレーザ装置は、増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して設けた反射手段により構成された光共振器と、前記増幅用光ファイバに供給する励起光を出力する励起レーザ光源と、前記励起レーザ光源を駆動する駆動部と、を備える光ファイバレーザと、前記光ファイバレーザから出力されるレーザ出力光の一部を検知する検知器と、前記励起レーザ光源を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記検知器の検知結果により前記光ファイバレーザからレーザ出力光が出力されたか否かを判定するモニタ判定部を有し、前記検知器が検知した光の強度をもとに前記レーザ出力光の強度が目標値に近づくように前記励起レーザ光源をフィードバック制御するフィードバック制御モードと、前記駆動部に対して所定のレーザ出力設定指示値を出力して前記励起レーザ光源を駆動電流一定制御する電流一定制御モードと、で制御モードが切り替え可能に構成されており、前記レーザ出力光が出力されていない非発光期間に、前記励起レーザ光源が出力する励起光の強度を設定するための前記駆動部に対するレーザ出力設定指示値として、設定される前記光強度の目標値に相当する第1設定指示値を出力して、前記電流一定制御モードで制御を開始し、前記第1設定指示値を出力してから所定の時間が経過した場合には、前記出力するレーザ出力設定指示値を前記第1設定指示値より小さい値である第2設定指示値に変更し、前記モニタ判定部が前記レーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記制御モードを前記フィードバック制御モードに切り替える制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、レーザ出力設定指示値を出力してから実際にレーザ光出力が得られるまでの時間を大きく変化させることなく、サージ光の尖頭値の強度を調整できるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1に係る光ファイバレーザ装置の模式的な構成図である。 図2は、制御部のブロック図である。 図3は、駆動電流一定制御を行った場合のレーザ出力設定指示値とレーザ出力光強度の波形との関係を示す図である。 図4は、フィードバック制御を行った場合のレーザ出力設定指示値とレーザ出力光強度の波形との関係を示す図である。 図5は、実施の形態1に係る光ファイバレーザ装置におけるサージ光強度の調整の制御フロー図である。 図6は、レーザ出力設定指示値、励起用LD電流および出力光強度の関係を説明する図である。 図7は、第1上限リミッタ値の設定例を示す図である。 図8は、図7に示す各第1上限リミッタ値とこれに対応する出力光強度の波形との関係を示す図である。 図9Aは、第1上限リミッタ値Sn1とこれに対応するレーザ出力設定指示値、励起用LD電流、およびレーザ出力光強度の波形との関係を示す図である。 図9Bは、第1上限リミッタ値Sn2とこれに対応するレーザ出力設定指示値、励起用LD電流、およびレーザ出力光強度の波形との関係を示す図である。 図9Cは、第1上限リミッタ値Sn3とこれに対応するレーザ出力設定指示値、励起用LD電流、およびレーザ出力光強度の波形との関係を示す図である。 図10は、さらに積分演算部で設定される初期値を変更した場合の、図7に示す各第1上限リミッタ値とこれに対応する出力光強度の波形との関係を示す図である。 図11Aは、初期値を変更した場合の、第1上限リミッタ値Sn1とこれに対応するレーザ出力設定指示値、励起用LD電流、および出力光強度の波形との関係を示す図である。 図11Bは、初期値を変更した場合の、第1上限リミッタ値Sn2とこれに対応するレーザ出力設定指示値、励起用LD電流、および出力光強度の波形との関係を示す図である。 図11Cは、初期値を変更した場合の、第1上限リミッタ値Sn3とこれに対応するレーザ出力設定指示値、励起用LD電流、および出力光強度の波形との関係を示す図である。 図12は、実施の形態2に係る光ファイバレーザ装置の制御部のブロック図である。 図13は、実施の形態2に係る光ファイバレーザ装置におけるサージ光強度の調整の制御フロー図である。 図14は、実施の形態3に係る光ファイバレーザ装置の制御部のブロック図である。 図15は、実施の形態3に係る光ファイバレーザ装置におけるサージ光強度の調整の制御フロー図である。 図16は、実施の形態4に係る光ファイバレーザ装置の制御部のブロック図である。 図17は、実施の形態4に係る光ファイバレーザ装置におけるサージ光強度の調整の制御フロー図である。 図18は、実施の形態5に係る光ファイバレーザ装置におけるサージ光強度の調整の制御フロー図である。 図19は、レーザ出力設定指示値、励起用LD電流および出力光強度の関係を示す図である。 図20は、実施の形態6に係る光ファイバレーザ装置の模式的な構成図である。 図21は、実施の形態7に係る光ファイバレーザ装置の模式的な構成図である。
以下に、図面を参照して本発明に係る光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法および光ファイバレーザ装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付している。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る光ファイバレーザ装置の模式的な構成図である。図1に示すように、光ファイバレーザ装置1Aは、終端部112、光ファイバ104、励起光合波器(TFB(Tapered Fiber Bundle))108、HR106、増幅用光ファイバ105、OC107、励起レーザ光源103、駆動部102、制御部101、融着接続部109、および励起光カットフィルタ110、およびPD(Photo Diode)111を備えている。なお、終端部112、光ファイバ104、励起光合波器108、HR106、増幅用光ファイバ105、OC107、励起レーザ光源103、および駆動部102は光ファイバレーザ2Aを構成している。
終端部112は、例えば、HR106からの漏れ光を検出するPD、または、光ファイバを巻回した光減衰部等によって構成されている。光ファイバ104は、例えば、シングルモード光ファイバによって構成され、光ファイバレーザ2Aがレーザ発振するレーザ光をシングルモードで伝播することができる。
増幅用光ファイバ105は、例えば、増幅媒体としてのEr(Erbium)、Yb(Ytterbium)等の希土類のイオンがシングルモードのコアに添加されたDCF(Double Clad Fiber)によって構成されている。なお、DCFは、クラッドが内側クラッドと外側クラッドとの2層構造になっている。
HR106は、HR−FBG(High Reflectivity Fiber Bragg Grating)と呼ばれる全反射ファイバグレーティングである。HR106には、光ファイバの屈折率を長手方向に周期的に変化させることによりグレーティングが形成されており、光ファイバレーザ2Aで発振させるレーザ光の波長において100%に近い反射率を有する。HR106はDCFによって構成されている。
OC107は、OC−FBG(Output Coupler Fiber Bragg Grating)と呼ばれるものである。OC107には、HR106と同様に、光ファイバの屈折率を長手方向に周期的に変化させることによりグレーティングが形成されており、光ファイバレーザ2Aで発振させるレーザ光の波長の光の一部(例えば、90%)を通過させるとともに、残り(例えば、10%)を反射する。本実施の形態1ではOC107はDCFによって構成されているが、シングルクラッドの光ファイバで構成してもよい。
HR106、OC107は、増幅用光ファイバ105の両端のそれぞれに対して設けた反射手段であり、光共振器を構成している。
励起レーザ光源103は、増幅用光ファイバ105に供給する励起光を出力するものである。励起レーザ光源103は、例えば、光ファイバレーザ装置または複数のマルチモードレーザダイオードによって構成される。出力される励起光は、例えば、波長が915nmで、数W以上の光強度を有する。駆動部102は、励起レーザ光源103を、制御部101の制御に応じて駆動する。
励起光合波器108は、励起レーザ光源103から出力されるレーザ光を、HR106を介して増幅用光ファイバ105に励起光として導入する。これにより光ファイバレーザは前方励起構成となっている。
励起光が増幅用光ファイバ105に供給されると、励起光は増幅用光ファイバ105のコアおよび内側クラッドを伝搬しつつ、コアに添加された希土類イオンを光励起する。希土類イオンは所定の発光帯域で発光する。発光した光のうち光ファイバレーザ2Aで発振させるレーザ光の波長として選択された波長の成分は、HR106、OC107の光共振器としての作用と増幅用光ファイバ105の光増幅作用とによってレーザ発振し、OC107側からレーザ出力光Lとして出力する。希土類イオンがYbの場合、レーザ出力光Lの波長は例えば1080nmである。
OC107の出力側には光ファイバの融着接続部109が設けられている。融着接続部109は、OC107から出力される残留励起光およびレーザ出力光Lの一部を漏れ光として漏洩させる。励起光カットフィルタ110は、漏れ光に含まれる残留励起光(この例では915nmのレーザ光)の成分を減衰させ、レーザ出力光Lの成分を通過させる光学フィルタである。
検知器としてのPD111は、レーザ出力光Lのうち、融着接続部109を介して漏洩する漏れ光を検知し、検知した漏れ光を、その光強度に対応した電気信号に変換して、検知結果として制御部101に出力する。
制御部101は、PD111が検知した光の強度をもとにレーザ出力光Lの光強度が目標値に近づくように励起レーザ光源をフィードバック制御する機能を有する。制御部101は、例えばPI(Proportional Integral)制御やPID(Proportional Integral Derivative)制御を用いたフィードバック制御を行うように構成されうるが、本実施の形態1では、制御部101はPID制御を用いる構成であるとする。
図2は、制御部101のブロック図である。図2に示すように、制御部101は、目標出力設定部201と、偏差検出部202と、微分演算部203と、比例演算部204と、積分演算部205と、加算演算部206と、モニタ変換部207と、リミッタ処理部208と、モニタ判定部209とで構成されている。
なお、制御部101の構成は、制御部101が備える演算部と記憶部の機能により実現される。演算部は、制御のための各種演算処理を行うものであり、たとえばCPU(Central Processing Unit)で構成される。記憶部は、演算部が演算処理を行うために使用する各種プログラムやデータ等が格納される、たとえばROM(Read Only Memory)で構成される部分と、演算部が演算処理を行う際の作業スペースや演算部の演算処理の結果等を記憶する等のために使用される、たとえばRAM(Random Access Memory)で構成される部分とで構成される。
目標出力設定部201は、光ファイバレーザ装置1Aから出力されるレーザ出力光Lの強度の目標値を設定し、偏差検出部202に出力する。なお、目標値は記憶部に記憶されているものを読み出して設定してもよいし、制御部101の外部からの指示に基づき設定してもよい。モニタ変換部207は、PD111から電流信号が入力され、PD111で電流信号に変換された光強度の値を、光ファイバレーザ装置1Aから出力されるレーザ出力光Lの強度に変換し、偏差検出部202に出力する。偏差検出部202は、目標出力設定部201が設定した目標値と、モニタ変換部207が変換した光ファイバレーザ装置1Aから出力されるレーザ出力光Lの強度と、の偏差ΔPを検出し、微分演算部203、比例演算部204、積分演算部205のそれぞれに出力する。
微分演算部203は、微分制御を行うための演算部であり、偏差ΔPに対応した微分ゲインKdを加算演算部206に出力する。比例演算部204は、比例制御を行うための演算部であり、偏差ΔPに対応した比例ゲインKpを加算演算部206に出力する。積分演算部205は、積分制御を行うための演算部であり、偏差ΔPに対応した積分ゲインKiを加算演算部206に出力する。
加算演算部206は、これらのゲインKd、Kp、Kiが入力されると、これらを加算することにより算出した、励起レーザ光源103が出力する励起光の強度を設定するための駆動部102に対するレーザ出力設定指示値Pをリミッタ処理部208に出力する。
目標出力設定部201、偏差検出部202、微分演算部203、比例演算部204、積分演算部205、加算演算部206、およびモニタ変換部207は、レーザ出力光Lの強度が目標値に近づくように、駆動部102を介して励起レーザ光源103をフィードバック制御するフィードバック制御部を構成している。このフィードバック制御は、レーザ出力光Lの強度が目標値に近づくように行うものであり、パワーフィードバック制御とも呼ばれる。本明細書では、フィードバック制御はパワーフィードバック制御を意味するものとする。
リミッタ処理部208は、入力されたレーザ出力設定指示値Pに対して第1または第2の上限リミッタ値を設定する。第2リミッタ値は、第1上限リミッタ値より小さい値であり、かつレーザ出力設定指示値に対する上限値となる値である。そして、リミッタ処理部208は、上限リミッタ値が設定されている場合には、入力されたレーザ出力設定指示値Pが上限リミッタ値以下の値である場合は入力されたレーザ出力設定指示値Pを駆動部102に出力し、上限リミッタ値より大きい値である場合は上限リミッタ値を駆動部102に出力する。すなわち、リミッタ処理部208は、レーザ出力設定指示値を上限リミッタ値に制限する機能を有する。
モニタ判定部209は、PD111から電流信号が入力されるように構成されている。モニタ判定部209は、PD111から電流信号の入力が無いときには、光ファイバレーザ装置1Aからレーザ出力光Lが出力されていないと判定し、PD111から電流信号が入力されると、レーザ出力光Lが出力されたと判定する。モニタ判定部209は、レーザ出力光Lが出力されたか否かの判定結果を積分演算部205およびリミッタ処理部208に出力する。
ここで、リミッタ処理部208は、第1上限リミッタ値が設定されている場合に、モニタ判定部209からの入力をもとに、上限リミッタ値を第2上限リミッタ値に切り替えて設定することができる。また、積分演算部205は、モニタ判定部209からの入力をもとに、積分演算部205における積分ゲインの偏差の積算値をゼロにリセットし、その後所定の初期値に設定することができる。
[公知の光ファイバレーザ装置の制御]
本実施の形態1に係る光ファイバレーザ装置1Aの制御を説明する前に、公知の光ファイバレーザ装置の制御について説明する。公知の光ファイバレーザ装置として、励起レーザ光源の駆動電流一定制御を行う公知例1の光ファイバレーザ装置と、光ファイバレーザ装置1Aからリミッタ処理部208、モニタ判定部209を削除した構成を有し、パワーフィードバック制御を行う公知例2の光ファイバレーザ装置とを説明する。
図3は、公知例1の光ファイバレーザ装置において、駆動電流一定制御を行った場合のレーザ出力設定指示値とレーザ出力光強度の波形との関係を示す図である。励起レーザ光源からの励起光が数十μs以下で立ち上がる光ファイバレーザ装置の場合、図3(a)に示すように、目標のレーザ出力光強度を実現する際に必要な励起光強度に設定するためのレーザ出力設定指示値SAを設定すると、図3(b)に示すようにレーザ出力光波形PAの立ち上がり時に目標のレーザ出力光強度を大きく超えるサージ光が発生する。
図4は、公知例2の光ファイバレーザ装置において、フィードバック制御を行った場合のレーザ出力設定指示値とレーザ出力光強度の波形との関係を示す図である。ここで、目標のレーザ出力光強度への収束時間が短くなるようにフィードバック制御の制御定数(各ゲイン)を調整すると、図4(a)に示すように、レーザ出力設定指示値SBは、レーザ出力光の出力開始時に目標値を超える大きな値となり、図4(b)に示すようにレーザ出力光波形PBの立ち上がり時のサージ光も非常に大きな値となる。
これに対し、励起レーザ光源からの励起光の立ち上がりが遅くなるようにフィードバック制御の制御定数を調整した場合は、図4(a)に示すようにレーザ出力設定指示値SCの立ち上がりが遅くなることで、図4(b)に示すようにレーザ出力光波形PCの立ち上がり時のサージ光は抑制される。しかしながら、この場合はレーザ出力光が出力されるまで(レーザ出力光が出力されたことが検知されるまで)のむだ時間と、目標値に収束するまでの時間が長くなり、高速な動作に対応できなくなる。
レーザ出力光の出力後に制御定数を変更することで収束時間の短縮は可能だが、この方法ではむだ時間を短縮することはできない。また、レーザ出力光が出力されるまでは電流一定制御を行い、出力が検知された後にフィードバック制御に切り替える方法も提案されている(特許文献2)。しかし、この方法においても、むだ時間を短縮することはできない。そのため、サージ光を抑制しつつ、高速動作に対応することができない。
これに対して、以下に説明する実施の形態1に係る光ファイバレーザ装置1Aの制御によれば、制御部101がレーザ出力設定指示値を出力してから実際にレーザ光出力が得られるまで(レーザ出力光が出力されたことが検知されるまで)のむだ時間を大きく変化させることなく、サージ光の強度を調整できるので、サージ光の強度を抑制しつつ、例えば高速パルス変調動作させるなどの高速動作に対応することができる。
[実施の形態1に係る光ファイバレーザ装置の制御]
図5は、実施の形態1に係る光ファイバレーザ装置におけるサージ光強度の調整の制御フロー図である。なお、この制御フローは、光ファイバレーザ装置1Aからレーザ出力光が出力されていない非発光期間に、光ファイバレーザ装置1Aに対して外部からレーザ光出力の指示信号が入力された時点で開始される。また、光ファイバレーザ装置1Aをパルス駆動等の変調動作させるときは、非発光期間と、レーザ出力光が出力される発光期間とが所定の周期で繰り返されるが、制御フローは各非発光期間において開始される。
まず、ステップS101において、制御部101はレーザ光の出力の指示を受け付ける。つづいて、ステップS102において、リミッタ処理部208は、レーザ出力設定指示値に対する第1上限リミッタ値を設定する。第1上限リミッタ値は、目標出力設定部201において設定されるレーザ出力光の光強度の目標値、レーザ出力設定指示値を出力してからPD111の検知結果によりモニタ判定部209がレーザ出力光Lが出力されたと判定するまでのむだ時間、制御部101によるフィードバック制御の制御定数または制御周期、駆動部102の時定数、非発光期間からあらかじめ決められた所定の範囲内の値である。具体的には、第1上限リミッタ値は、レーザ出力光Lが出力されたと判定されるまでにレーザ出力設定指示値が達するような値である。
つづいて、ステップS103において、制御部101はフィードバック制御を開始する。具体的には、目標出力設定部201がレーザ出力光の光強度の目標値を設定することによりフィードバック制御が開始される。フィードバック制御が開始されると、制御部101は、フィードバック制御を行うために、レーザ出力設定指示値Pをリミッタ処理部208を介して駆動部102に出力する。このとき、むだ時間の存在のためにしばらくは光ファイバレーザ装置1Aからレーザ出力光Lは出力されず、偏差検出部202が検出する偏差ΔPは大きいため、レーザ出力設定指示値Pは増加する。
つづいて、ステップS104において、リミッタ処理部208は、レーザ出力設定指示値Pが第1上限リミッタ値に達したか否かを判定する。レーザ出力設定指示値Pが第1上限リミッタ値に達していないと判定すると(ステップS104、No)、ステップS104を繰り返す。第1上限リミッタ値に達したと判定すると(ステップS104、Yes)、ステップS105に進む。
つづいて、ステップS105において、リミッタ処理部208は、第2上限リミッタ値を設定する。これにより、リミッタ処理部208から駆動部102に出力されるレーザ出力設定指示値Pは第2上限リミッタ値に制限され、減少する。
つづいて、ステップS106において、モニタ判定部209は、PD111の検知結果により、レーザ出力光Lが出力されたか否かを判定する。レーザ出力光Lが出力されていないと判定すると(ステップS106、No)、ステップS106を繰り返す。レーザ出力光Lが出力されたと判定すると(ステップS106、Yes)、ステップS107に進む。
つづいて、ステップS107において、積分演算部205は、積分制御における積分ゲインの偏差の積算値をゼロとし、その後ステップS108において積算値を所定の初期値に設定する。
つづいて、ステップS109において、リミッタ処理部208は、第2上限リミッタ値を解除して無効にし、処理を終了する。
上記制御により得られるレーザ出力光Lの波形について、光ファイバレーザ装置の公知例2の制御を参照して説明する。
まず、本実施の形態1の制御では、第1上限リミッタ値と第2上限リミッタ値を設定するにあたり、制御部101における制御定数と制御周期は、フィードバック制御を行ったときにレーザ出力光においてサージ光を除きオーバーシュートが小さく、目標値までの収束時間が短くなる、たとえば図4(b)に示すレーザ出力光波形PBが得られる値とする。このため、レーザ出力光波形PBを実現する際のレーザ出力設定指示値と励起用LD電流を予め測定しておく。励起用LD電流とは、励起レーザ光源の駆動電流値のことである。
図6は、本実施の形態1の制御において、レーザ出力設定指示値、励起用LD電流および出力光強度の関係を説明する図である。図6(a)、(b)、(c)にそれぞれに示すレーザ出力設定指示値SD、励起用LD電流ID、レーザ出力光波形PDは、フィードバック制御を行ったときにレーザ出力光においてサージ光を除きオーバーシュートが小さく、目標値までの収束時間が短くなるように制御定数と制御周期とを設定した場合の例である。ここで、図6に示す例では、サージ光発生後のオーバーシュート量が目標値の10%以内となるような設定を用いている。なお、レーザ出力設定指示値SD、レーザ出力光波形PDは図4のレーザ出力設定指示値SB、レーザ出力光波形PBと同じ波形である。ただし、図6では、時間軸について、レーザ光出力の立ち上がりまでの領域を拡大して示している。また、図6では、横軸については、レーザ出力設定指示値が出力された時間をゼロとしている。
励起用LD電流IDおよびレーザ出力光波形PDは、測定器を用いて簡単に得ることができる。また、フィードバック制御の特性上、レーザ出力設定指示値を出力してからレーザ出力光が出力されたと判定されるまでの時間Tp(むだ時間)の期間では、偏差検出部202が検出する偏差が一定であるため、レーザ出力設定指示値SDの波形については、レーザ出力光Lの光強度の目標値、制御定数、制御周期から求めることができる。
図6(a)に示すように、レーザ出力設定指示値SDに関しては、まず設定されている初期値Saが出力され、その後増加し、時間Tpが経過した時点ではSbとなる。そこで、第1上限リミッタ値としては、所望のサージ光強度に応じてSa〜Sbの範囲で設定することができる。すなわち、第1上限リミッタ値としては、フィードバック制御を行ったときにレーザ出力光においてサージ光を除きオーバーシュート量が10%以内と少なくなるように制御定数と制御周期とを設定した場合における、レーザ出力設定指示値の初期値と、むだ時間Tpが経過した時点でのレーザ出力設定指示値との間の値として設定することができる。
たとえば、第1上限リミッタ値を、Sa〜Sbの範囲内にある、時間Tnでの値Snに設定すると、励起用LD電流値は遅延Tdと時定数とをもつため、Snに相当する電流値よりも小さいInまで立ち上がる。その後、第2上限リミッタ値が設定され、レーザ出力設定指示値の上限リミッタ値が第2上限リミッタ値に切り替えられると、励起用LD電流値は減少する。この減少の程度は、駆動部102の立下りの時定数に依存する。そこで、あらかじめ駆動部102の立下りの時定数を測定しておくことで、Inまで立ち上がった時点からレーザ出力光Lが出力されるまでの時間Tfまでに低下させることのできる最小電流値Ifを求めることができる。ここで、最小電流値Ifは、レーザ出力光Lが出力される時点で励起レーザ光源103に流れる駆動電流であり、サージ光の強度に影響する値であり、第1リミット値の設定により定まる。すなわち、第1上限リミッタ値を決めることで、制御定数に応じた、第1上限リミッタに達するまでの時間が定まり、レーザ出力設定指示値、駆動部102の立ち上がり時定数及びむだ時間Tdに応じた、第1上限リミッタに達してからむだ時間Td経過後の駆動電流値が定まり、駆動部102の立下り時定数、時間Tfに応じた、むだ時間Td経過後の駆動電流値からレーザ出力光Lが出力されるまでの時間に低下させることのできる駆動電流値の最小値Ifが決まるのである。なお、あらかじめレーザ出力設定指示値と励起用LD電流値との関係を測定しておくことで、Ifに相当するレーザ出力設定指示値Sfと励起レーザ光源103の発光閾値の駆動電流値Ithに相当するレーザ出力設定指示値Sthとを求めることができる。このとき、第2上限リミッタ値はSfより小さい値に設定すればよい。しかし、第1上限リミッタ値Snの値によってはSth>Sfの条件となる場合が発生するため、第2上限リミッタ値はSthより大きい値とする。
なお、第1上限リミッタ値をSa〜Sbの範囲で調整することでサージ光の強度調整は可能であるが、Saに近い値に設定した場合、レーザ光出力が得られるまでの時間が長くなる。収束時間を考慮すると、第1上限リミッタ値はSa〜Sbの範囲であり、かつSf>Sthとなる条件が適している。
また、前記の各パラメータは駆動部102の時定数や制御部101の構成により異なり、目標のレーザ出力設定値、制御定数、制御周期、非発光期間の設定によっても異なるが、前記の通り図6のタイミング波形を用いることで第1上限リミッタ値と第2上限リミッタ値を決めることができる。
図6中の線L1、L2、L3は、第1上限リミッタ値をSn、第2リミッタ値をSfに設定した場合のレーザ出力設定指示値、励起用LD電流、レーザ出力光強度の例をそれぞれ示している。この設定例によれば、線L3が示すように、レーザ出力設定指示値を出力してから実際にレーザ光出力が得られるまでの時間を大きく変化させることなく、サージ光の尖頭値の強度を小さくすることができる。
図7は、第1上限リミッタ値の設定例を示す図である。図7において、横軸はレーザ出力光の光強度の目標値、縦軸は目標値に対応するレーザ出力設定指示値である。ここで、目標値が大きくなるほど偏差検出部202が検出する偏差は大きくなるため、第1上限リミッタ値の範囲もこれに比例して大きくなる。ここでは、第1上限リミッタ値をSn1、Sn2、Sn3に設定した例を示す。Sn1、Sn2、Sn3は、設定した或る目標値に対応するものであり、SbからScまでの範囲にある。ここで、Scとは、Sth>Sfの条件を満たす第1上限リミッタ値の下限値である。
図8は、図7に示す各第1上限リミッタ値とこれに対応する出力光強度の波形との関係を示す図である。さらには、図9A、9B、9Cは、それぞれ、第1上限リミッタ値Sn1、Sn2、Sn3とこれに対応するレーザ出力設定指示値(図9A(a)、図9B(a)、図9C(a))、励起用LD電流(図9A(b)、図9B(b)、図9C(b))、およびレーザ出力光強度(図9A(c)、図9B(c)、図9C(c))の波形との関係を示す図である。第1上限リミッタ値をSn1、Sn2、Sn3に設定した時のレーザ出力光強度の波形はそれぞれレーザ出力光波形P1、P2、P3に対応する。図8、9A〜9Cに示すように、第1上限リミッタ値を大きくすることでサージ光の強度を大きくできることがわかる。また、いずれの第1上限リミッタ値の場合も、レーザ出力設定指示値を出力してから実際にレーザ光出力が得られるまでの時間はほとんど変わらず、かつ収束時間も長くないことがわかる。
ところで、図9A〜9Cに示す例では、図5のステップS107において積分演算部205が設定する初期値が、第2上限リミッタ値に相当するレーザ出力設定指示値となる初期値に設置されている。この初期値を大きくすることで、サージ光発生後の収束時間をさらに短縮することが可能である。
図10は、さらに積分演算部で設定される初期値を変更した場合の、図7に示す各第1上限リミッタ値とこれに対応する出力光強度の波形との関係を示す図である。さらには、図11A、11B、11Cは、それぞれ、第1上限リミッタ値Sn1、Sn2、Sn3とこれに対応するレーザ出力設定指示値(図11A(a)、図11B(a)、図11C(a))、励起用LD電流(図11A(b)、図11B(b)、図11C(b))、およびレーザ出力光強度(図11A(c)、図11B(c)、図11C(c))の波形との関係を示す図である。初期値を大きく設定することにより、第1上限リミッタ値Sn1、Sn2、Sn3に対応するレーザ出力光波形P1、P2、P3は、それぞれ、レーザ出力光波形P1´、P2´、P3´になり、収束時間が短くなる。このように、本実施の形態1の制御によれば、図4のレーザ出力光波形PCのように立ち上がりまでの時間と収束時間を延長することなく、収束時間を概ね一定に保った状態のままサージ光の強度を調整することが可能になる。
なお、サージ光の強度は、第2上限リミッタ値をSthよりも大きい値に設定して変化させることでも調整可能だが、その場合のサージ光の強度の調整幅は小さいため、第1上限リミッタ値の設定値の調整のみで十分にサージ光の強度を調整することができる。
ところで、光ファイバレーザ装置1Aが変調動作を行う場合において、動作開始時には増幅用光ファイバ105に添加されている希土類イオンにおける上準位レベルに存在する割合はゼロである。しかしながら、変調が高速であって非発光期間が短い場合は、レーザ出力設定指示値が出力された時点での、希土類イオンにおける上準位レベルに存在する割合が、非発光期間の長さ等に応じて変わってくる。その理由は、動作開始後の最初の発光期間(1パルス目のレーザ光を出力している期間)で上準位レベルに励起された希土類イオンが、次の発光期間(2パルス目のレーザ光を出力している期間)までの非発光期間の間に完全には緩和しない場合があるからである。そのため、第1上限リミッタ値とサージ光強度との関係や、レーザ出力設定指示値を出力してからレーザ出力光が出力されたと判定されるまでの時間Tpも変化する。そのため、高速な変調動作を行う場合は、光ファイバレーザ装置1Aが変調動作を開始してから2番目にパルス状のレーザ出力光を出力する場合に対しても、図6と同様のタイミング波形を測定しておき、図8に示すような第1上限リミッタ値とサージ光強度との関係を測定しておく必要がある。これらより得られる情報をもとに、1パルス目と2パルス目以降とで第1上限リミッタ値の設定を変更することで、高速の変調動作時においてもサージ光強度が同じパルスレーザ出力光を得ることができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る光ファイバレーザ装置について説明する。実施の形態1では、レーザ出力設定指示値が第1上限リミッタ値に達したとき、第2上限リミッタ値を設定している。これに対して、本実施の形態2では、レーザ出力設定指示値を出力してから所定の時間が経過した場合は、上限リミッタ値を設定し、上限リミッタ値の設定後にレーザ出力光が出力されたと判定された場合は、上限リミッタ値の設定を無効にする制御を行うものである。
本実施の形態2に係る光ファイバレーザ装置は、図1に示す実施の形態1に係る光ファイバレーザ装置1Aにおける制御部101を、図12に示す制御部101Aに置き換えた構成を有する。制御部101Aは、制御部101に経過時間判定部210を追加した構成を有する。
経過時間判定部210は、制御部101Aがレーザ出力設定指示値を出力してから所定の時間が経過したか否かを判定するように構成されている。
[実施の形態2に係る光ファイバレーザ装置の制御]
図13は、実施の形態2に係る光ファイバレーザ装置におけるサージ光強度の調整の制御フロー図である。なお、この制御フローは、実施の形態2に係る光ファイバレーザ装置からレーザ出力光が出力されていない非発光期間に、実施の形態2に係る光ファイバレーザ装置に対して外部からレーザ光出力の指示信号が入力された時点で開始される。また、実施の形態2に係る光ファイバレーザ装置をパルス駆動等の変調動作させるときは、非発光期間と、レーザ出力光が出力される発光期間とが所定の周期で繰り返されるが、制御フローは各非発光期間において開始される。
まず、ステップS201において、制御部101Aはレーザ光の出力の指示を受け付ける。つづいて、ステップS202において、経過時間判定部210は、所定の経過時間として、リミッタ設定開始時間を設定する。リミッタ設定開始時間は、レーザ出力設定指示値を出力してからレーザ出力光が出力されたと判定されるまでのむだ時間と非発光期間とから決まる所定の範囲内の値である。
つづいて、ステップS203において、制御部101Aはフィードバック制御を開始する。具体的には、目標出力設定部201がレーザ出力光の光強度の目標値を設定することによりフィードバック制御が開始される。フィードバック制御が開始されると、制御部101Aは、フィードバック制御を行うために、レーザ出力設定指示値Pをリミッタ処理部208を介して駆動部102に出力する。このとき、むだ時間の存在のためにしばらくは光ファイバレーザ装置からレーザ出力光は出力されず、偏差検出部202が検出する偏差ΔPは大きいため、レーザ出力設定指示値Pは増加する。
つづいて、ステップS204において、経過時間判定部210は、制御部101Aがレーザ出力設定指示値を出力してからリミッタ設定開始時間が経過したか否かを判定する。リミッタ設定開始時間が経過していないと判定すると(ステップS204、No)、ステップS204を繰り返す。リミッタ設定開始時間が経過したと判定すると(ステップS204、Yes)、ステップS205に進む。
つづいて、ステップS205において、リミッタ処理部208は、上限リミッタ値を設定する。これにより、リミッタ処理部208から駆動部102に出力されるレーザ出力設定指示値Pは上限リミッタ値に制限される。
つづいて、ステップS206において、モニタ判定部209は、PD111の検知結果により、レーザ出力光Lが出力されたか否かを判定する。レーザ出力光Lが出力されていないと判定すると(ステップS206、No)、ステップS206を繰り返す。レーザ出力光Lが出力されたと判定すると(ステップS206、Yes)、ステップS207に進む。
つづいて、ステップS207において、積分演算部205は、積分制御における積分ゲインの偏差の積算値をゼロとし、その後ステップS208において積算値を所定の初期値に設定する。
つづいて、ステップS209において、リミッタ処理部208は、上限リミッタ値を解除して無効にし、処理を終了する。
本実施の形態2に係る制御によれば、実施の形態1に係る制御の場合と同様に、レーザ出力設定指示値を出力してから実際にレーザ光出力が得られるまでの時間を大きく変化させることなく、サージ光の尖頭値の強度を小さくすることができる。
リミッタ設定開始時間は、実施の形態1の第1上限リミッタ値等と同様に、図6に示すようなタイミング波形を測定し、そこから得ることができる。たとえば、図6と同様のタイミング波形が得られた場合は、リミッタ設定開始時間は、第1上限リミッタ値の範囲に相当する0〜Tpの範囲に設定すればよい。このとき、リミッタ設定開始時間を0〜Tpの範囲内のある値Tn(図6参照)に設定すると、励起用LD電流値は遅延Tdと時定数とをもつため、Tn+Td後にInまで立ち上がる。その後、上限リミッタ値が設定されると、励起用LD電流値は減少する。この減少の程度は、駆動部102の立下りの時定数に依存する。そこで、あらかじめ駆動部102の立下りの時定数を測定しておくことで、Inまで立ち上がった時点からレーザ出力光Lが出力されるまでの時間Tfまでに電流を小さくすることのできる最小電流値Ifを求めることができる。ここで、最小電流値Ifは、サージ光の強度に影響する値であり、リミッタ設定開始時間の設定により定まる。すなわち、リミッタ設定開始時間を決めることで、実施の形態1の場合と同様に、レーザ出力光Lが出力されるまでの時間に低下させることのできる駆動電流値の最小値Ifが決まるのである。なお、あらかじめレーザ出力設定指示値と励起用LD電流値との関係を測定しておくことで、Ifに相当するレーザ出力設定指示値Sfと励起レーザ光源103の発光閾値の駆動電流値Ithに相当するレーザ出力設定指示値Sthとを求めることができる。このとき、上限リミッタ値はSfより小さい値に設定すればよい。しかし、リミッタ設定開始時間Tnの値によってはSth>Sfの条件となる場合が発生するため、上限リミッタ値はSthより大きい値とするのが好ましい。
なお、リミッタ設定開始時間を0〜Tpの範囲で調整することでサージ光の強度調整は可能であるが、0に近い値に設定した場合、レーザ光出力が得られるまでの時間が長くなる。収束時間を考慮すると、リミッタ設定開始時間は0〜Tpの範囲であり、かつSf>Sthとなる条件が適している。
ここで、Sf>Sthの条件を満たすリミッタ設定開始時間の下限値をTcとし、リミッタ設定開始時間をTc〜Tpの範囲で変更した場合、リミッタ設定開始時間を大きくするほどサージ光の強度は大きくなり、実施の形態1と同様にサージ光の強度を調整することができる。さらには、実施の形態1と同様に、積分演算部205における初期値を調整することで、サージ光発生後のレーザ光出力強度の波形の収束時間も調整することができる。さらには、高速な変調動作を行う場合は、本実施の形態2に係る光ファイバレーザ装置が変調動作を開始してから2番目にパルス状のレーザ出力光を出力する場合に対しても、図6と同様のタイミング波形を測定しておき、これらより得られる情報をもとに、1パルス目と2パルス目以降とでリミッタ設定開始時間の設定を変更することで、高速の変調動作時においてもサージ光強度が同じパルスレーザ出力光を得ることができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係る光ファイバレーザ装置について説明する。実施の形態1では、レーザ出力設定指示値が第1上限リミッタ値に達したとき、第2上限リミッタ値を設定している。これに対して、本実施の形態3では、レーザ出力設定指示値が第1上限リミッタ値に達したとき、第2上限リミッタ値を設定する代わりに、制御モードを、フィードバック制御から電流一定制御に切り替えるものである。
本実施の形態3に係る光ファイバレーザ装置は、図1に示す実施の形態1に係る光ファイバレーザ装置1Aにおける制御部101を、図14に示す制御部101Bに置き換えた構成を有する。制御部101Bは、制御部101に電流一定制御部211および出力指示値切替部212を追加した構成を有する。
電流一定制御部211は、駆動部102に対して所定のレーザ出力設定指示値を出力して励起レーザ光源103を駆動電流一定制御する電流一定制御を実行するように構成されている。出力指示値切替部212は、リミッタ処理部208から入力されるフィードバック制御のためのレーザ出力設定指示値と、電流一定制御部211から入力される電流一定制御のためのレーザ出力設定指示値とのどちらか一方を選択して駆動部102に出力することができるように構成されている。出力指示値切替部212は、出力するレーザ出力設定指示値の選択により、本実施の形態3に係る光ファイバレーザ装置の制御部101Bによる制御モードを、フィードバック制御モードと電流一定制御モードとの間で切り替えることができる。
[実施の形態3に係る光ファイバレーザ装置の制御]
図15は、実施の形態3に係る光ファイバレーザ装置におけるサージ光強度の調整の制御フロー図である。なお、この制御フローは、実施の形態3に係る光ファイバレーザ装置からレーザ出力光が出力されていない非発光期間に、実施の形態3に係る光ファイバレーザ装置に対して外部からレーザ光出力の指示信号が入力された時点で開始される。また、実施の形態3に係る光ファイバレーザ装置をパルス駆動等の変調動作させるときは、非発光期間と、レーザ出力光が出力される発光期間とが所定の周期で繰り返されるが、制御フローは各非発光期間において開始される。
まず、ステップS301において、制御部101Bはレーザ光の出力の指示を受け付ける。つづいて、ステップS302において、リミッタ処理部208は、レーザ出力設定指示値に対する上限リミッタ値を設定する。上限リミッタ値は、目標出力設定部201において設定されるレーザ出力光の光強度の目標値、レーザ出力設定指示値を出力してからPD111の検知結果によりモニタ判定部209がレーザ出力光Lが出力されたと判定するまでのむだ時間、制御部101Bによるフィードバック制御の制御定数または制御周期、駆動部102の時定数、非発光期間からあらかじめ決められた所定の範囲内の値である。
つづいて、ステップS303において、制御部101Bはフィードバック制御を開始する。具体的には、目標出力設定部201がレーザ出力光の光強度の目標値を設定することによりフィードバック制御が開始される。フィードバック制御が開始されると、制御部101Bの出力指示値切替部212は、フィードバック制御を行うために、リミッタ処理部208から出力されたレーザ出力設定指示値Pを選択して駆動部102に出力する。このとき、むだ時間の存在のためにしばらくは光ファイバレーザ装置からレーザ出力光Lは出力されず、偏差検出部202が検出する偏差ΔPは大きいため、レーザ出力設定指示値Pは増加する。
つづいて、ステップS304において、リミッタ処理部208は、レーザ出力設定指示値Pが上限リミッタ値に達したか否かを判定する。レーザ出力設定指示値Pが上限リミッタ値に達していないと判定すると(ステップS304、No)、ステップS304を繰り返す。上限リミッタ値に達したと判定すると(ステップS304、Yes)、ステップS305に進む。
つづいて、ステップS305において、制御部101Bは、制御モードを、フィードバック制御モードから電流一定制御モードに切り替える。具体的には、出力指示値切替部212は、電流一定制御部211から出力されたレーザ出力設定指示値を選択して駆動部102に出力する。つづいて、ステップS306において、リミッタ処理部208は、上限リミッタ値を解除し、無効にする。
つづいて、ステップS307において、モニタ判定部209は、PD111の検知結果により、レーザ出力光Lが出力されたか否かを判定する。レーザ出力光Lが出力されていないと判定すると(ステップS307、No)、ステップS307を繰り返す。レーザ出力光Lが出力されたと判定すると(ステップS307、Yes)、ステップS308に進む。
つづいて、ステップS308において、積分演算部205は、積分制御における積分ゲインの偏差の積算値をゼロとし、その後ステップS309において積算値を所定の初期値に設定する。
つづいて、ステップS310において、制御部101Bは、制御モードを、電流一定制御モードからフィードバック制御モードに切り替える。具体的には、出力指示値切替部212は、リミッタ処理部208から出力されたレーザ出力設定指示値を選択して駆動部102に出力する。その後、処理を終了する。
本実施の形態3に係る制御によれば、実施の形態1に係る制御の場合と同様に、レーザ出力設定指示値を出力してから実際にレーザ光出力が得られるまでの時間を大きく変化させることなく、サージ光の尖頭値の強度を小さくすることができる。
ここで、上限リミッタ値は実施の形態1における第1上限リミッタ値と同じ設定範囲内で設定すれば良い。すなわち、上限リミッタ値は、目標出力設定部201において設定されるレーザ出力光の光強度の目標値、レーザ出力設定指示値を出力してからPD111の検知結果によりモニタ判定部209がレーザ出力光Lが出力されたと判定するまでのむだ時間、制御部101Bによるフィードバック制御の制御定数または制御周期、駆動部102の時定数、非発光期間からあらかじめ決められた所定の範囲内の値にすれば良い。また、電流一定制御の実行期間中のレーザ出力設定指示値(電流一定制御部211が出力する電流一定制御のためのレーザ出力設定指示値)は、実施の形態1における第2上限リミッタ値と同じ設定範囲内で設定すれば良い。
本実施の形態3の制御においても、上限リミッタ値を大きくするほどサージ光の強度は大きくなり、実施の形態1の場合と同様にサージ光の強度を調整することができる。さらには、実施の形態1と同様に、積分演算部205における初期値を調整することで、サージ光発生後のレーザ光出力強度の波形の収束時間も調整することができる。さらには、高速な変調動作を行う場合は、本実施の形態3に係る光ファイバレーザ装置が変調動作を開始してから2番目にパルス状のレーザ出力光を出力する場合に対しても、図6と同様のタイミング波形を測定しておき、これらより得られる情報をもとに、1パルス目と2パルス目以降とで上限リミッタ値の設定を変更することで、高速の変調動作時においてもサージ光強度が同じパルスレーザ出力光を得ることができる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4に係る光ファイバレーザ装置について説明する。実施の形態2では、レーザ出力設定指示値を出力してから所定の時間が経過した場合は、上限リミッタ値を設定している。これに対して、本実施の形態4では、所定の時間が経過したとき、上限リミッタ値を設定する代わりに、制御モードを、フィードバック制御から電流一定制御に切り替えるものである。
本実施の形態4に係る光ファイバレーザ装置は、図1に示す実施の形態1に係る光ファイバレーザ装置1Aにおける制御部101を、図16に示す制御部101Cに置き換えた構成を有する。制御部101Cは、図12に示す制御部101Aに電流一定制御部211および出力指示値切替部212を追加し、リミッタ処理部208を削除した構成を有する。
電流一定制御部211および出力指示値切替部212は、実施の形態3に係る制御部101Bが備えるものと同様に構成されている。なお、出力指示値切替部212には、入力されるフィードバック制御のためのレーザ出力設定指示値は加算演算部206から入力される。これにより、出力指示値切替部212は、出力するレーザ出力設定指示値の選択により、本実施の形態4に係る光ファイバレーザ装置の制御部101Cによる制御モードを、フィードバック制御モードと電流一定制御モードとの間で切り替えることができる。
[実施の形態4に係る光ファイバレーザ装置の制御]
図17は、実施の形態4に係る光ファイバレーザ装置におけるサージ光強度の調整の制御フロー図である。なお、この制御フローは、実施の形態4に係る光ファイバレーザ装置からレーザ出力光が出力されていない非発光期間に、実施の形態4に係る光ファイバレーザ装置に対して外部からレーザ光出力の指示信号が入力された時点で開始される。なお、実施の形態4に係る光ファイバレーザ装置をパルス駆動等の変調動作させるときは、非発光期間と、レーザ出力光が出力される発光期間とが所定の周期で繰り返されるが、制御フローは各非発光期間において開始される。
まず、ステップS401において、制御部101Cはレーザ光の出力の指示を受け付ける。つづいて、ステップS402において、経過時間判定部210は、所定の経過時間として、電流一定制御開始時間を設定する。電流一定制御開始時間は、レーザ出力設定指示値を出力してからPD111の検知結果によりモニタ判定部209がレーザ出力光Lが出力されたと判定するまでのむだ時間、駆動部102の時定数、非発光期間からあらかじめ決められた所定の範囲内の値である。
つづいて、ステップS403において、制御部101Cはフィードバック制御を開始する。具体的には、目標出力設定部201がレーザ出力光の光強度の目標値を設定することによりフィードバック制御が開始される。フィードバック制御が開始されると、制御部101Cの出力指示値切替部212は、フィードバック制御を行うために、加算演算部206から出力されたレーザ出力設定指示値Pを選択して駆動部102に出力する。このとき、むだ時間の存在のためにしばらくは光ファイバレーザ装置からレーザ出力光Lは出力されず、偏差検出部202が検出する偏差ΔPは大きいため、レーザ出力設定指示値Pは増加する。
つづいて、ステップS404において、経過時間判定部210は、制御部101Cがレーザ出力設定指示値を出力してから電流一定制御開始時間が経過したか否かを判定する。電流一定制御開始時間が経過していないと判定すると(ステップS404、No)、ステップS404を繰り返す。電流一定制御開始時間が経過したと判定すると(ステップS404、Yes)、ステップS405に進む。
つづいて、ステップS405において、制御部101Cは、制御モードを、フィードバック制御モードから電流一定制御モードに切り替える。具体的には、出力指示値切替部212は、電流一定制御部211から出力されたレーザ出力設定指示値を選択して駆動部102に出力する。
つづいて、ステップS406において、モニタ判定部209は、PD111の検知結果により、レーザ出力光Lが出力されたか否かを判定する。レーザ出力光Lが出力されていないと判定すると(ステップS406、No)、ステップS406を繰り返す。レーザ出力光Lが出力されたと判定すると(ステップS406、Yes)、ステップS407に進む。
つづいて、ステップS407において、積分演算部205は、積分制御における積分ゲインの偏差の積算値をゼロとし、その後ステップS408において積算値を所定の初期値に設定する。
つづいて、ステップS409において、制御部101Cは、制御モードを、電流一定制御モードからフィードバック制御モードに切り替える。具体的には、出力指示値切替部212は、加算演算部206から出力されたレーザ出力設定指示値を選択して駆動部102に出力する。その後、処理を終了する。
本実施の形態4に係る制御によれば、実施の形態1に係る制御の場合と同様に、レーザ出力設定指示値を出力してから実際にレーザ光出力が得られるまでの時間を大きく変化させることなく、サージ光の尖頭値の強度を小さくすることができる。
ここで、電流一定制御開始時間は実施の形態2におけるリミッタ設定開始時間と同じ設定範囲内で設定すれば良い。また、電流一定制御の実行期間中のレーザ出力設定指示値(電流一定制御部211が出力する電流一定制御のためのレーザ出力設定指示値)は、実施の形態2における上限リミッタ値と同じ設定範囲内で設定すれば良い。
本実施の形態4の制御においても、電流一定制御開始時間を長くするほどサージ光の強度は大きくなり、実施の形態2の場合と同様にサージ光の強度を調整することができる。さらには、実施の形態2と同様に、積分演算部205における初期値を調整することで、サージ光発生後のレーザ光出力強度の波形の収束時間も調整することができる。さらには、高速な変調動作を行う場合は、本実施の形態4に係る光ファイバレーザ装置が変調動作を開始してから2番目にパルス状のレーザ出力光を出力する場合に対しても、図6と同様のタイミング波形を測定しておき、これらより得られる情報をもとに、1パルス目と2パルス目以降とで電流一定制御開始時間の設定を変更することで、高速の変調動作時においてもサージ光強度が同じパルスレーザ出力光を得ることができる。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5に係る光ファイバレーザ装置について説明する。実施の形態4では、非発光状態においてフィードバック制御モードで制御を開始している。これに対して、本実施の形態5では、非発光状態において第1設定指示値をレーザ出力設定指示値として電流一定制御モードで制御を開始し、所定の時間が経過したとき、レーザ出力設定指示値として第2設定指示値を設定し、レーザ出力光が出力されたと判定された場合は、制御モードを、電流一定制御からフィードバック制御に切り替えるものである。
本実施の形態5に係る光ファイバレーザ装置は、図1に示す実施の形態1に係る光ファイバレーザ装置1Aにおける制御部101を、図16に示す制御部101Cに置き換えた構成を有する。すなわち、本実施の形態5に係る光ファイバレーザ装置の構成は、実施の形態4に係る光ファイバレーザ装置と同様の構成を有する。
[実施の形態5に係る光ファイバレーザ装置の制御]
図18は、実施の形態5に係る光ファイバレーザ装置におけるサージ光強度の調整の制御フロー図である。なお、この制御フローは、実施の形態5に係る光ファイバレーザ装置からレーザ出力光が出力されていない非発光期間に、実施の形態5に係る光ファイバレーザ装置に対して外部からレーザ光出力の指示信号が入力された時点で開始される。また、実施の形態5に係る光ファイバレーザ装置をパルス駆動等の変調動作させるときは、非発光期間と、レーザ出力光が出力される発光期間とが所定の周期で繰り返されるが、制御フローは各非発光期間において開始される。
まず、ステップS501において、制御部101Cはレーザ光の出力の指示を受け付ける。つづいて、ステップS502において、経過時間判定部210は、所定の経過時間として、レーザ出力設定指示値変更時間を設定する。レーザ出力設定指示値変更時間は、レーザ出力設定指示値を出力してからPD111の検知結果によりモニタ判定部209がレーザ出力光Lが出力されたと判定するまでのむだ時間、駆動部102の時定数、非発光期間からあらかじめ決められた所定の範囲内の値である。
つづいて、ステップS503において、制御部101Cは電流一定制御を開始する。具体的には、目標出力設定部201がレーザ出力光の光強度の目標値を設定すると、電流一定制御部211は、設定された光強度の目標値に相当する第1設定指示値を出力する。出力指示値切替部212は、電流一定制御を行うために、電流一定制御部211から入力された第1設定指示値を駆動部102に出力する。このとき、むだ時間の存在のためにしばらくは光ファイバレーザ装置からレーザ出力光Lは出力されない。
つづいて、ステップS504において、経過時間判定部210は、制御部101Cがレーザ出力設定指示値を出力してからレーザ出力設定指示値変更時間が経過したか否かを判定する。レーザ出力設定指示値変更時間が経過していないと判定すると(ステップS504、No)、ステップS504を繰り返す。レーザ出力設定指示値変更時間が経過したと判定すると(ステップS504、Yes)、ステップS505に進む。
つづいて、ステップS505において、電流一定制御部211は、レーザ出力設定指示値として第2設定指示値を設定し、出力する。出力指示値切替部212は、電流一定制御部211から入力された第2設定指示値を駆動部102に出力する。
つづいて、ステップS506において、モニタ判定部209は、PD111の検知結果により、レーザ出力光Lが出力されたか否かを判定する。レーザ出力光Lが出力されていないと判定すると(ステップS506、No)、ステップS506を繰り返す。レーザ出力光Lが出力されたと判定すると(ステップS506、Yes)、ステップS507に進む。
つづいて、ステップS507において、積分演算部205は、積分制御における積分ゲインの偏差の積算値を所定の初期値に設定する。
つづいて、ステップS508において、制御部101Cは、制御モードを、電流一定制御モードからフィードバック制御モードに切り替える。フィードバック制御が開始されると、制御部101Cの出力指示値切替部212は、フィードバック制御を行うために、加算演算部206から出力されたレーザ出力設定指示値Pを選択して駆動部102に出力する。その後、処理を終了する。
本実施の形態5に係る制御によれば、実施の形態1に係る制御の場合と同様に、レーザ出力設定指示値を出力してから実際にレーザ光出力が得られるまでの時間を大きく変化させることなく、サージ光の尖頭値の強度を小さくすることができる。
第1設定指示値は、レーザ出力指示値とレーザ出力光の光強度との関係をあらかじめ測定しておくことで設定することができる。一方、レーザ出力設定指示値変更時間および第2設定指示値については、目標のレーザ出力光の光強度となるレーザ出力設定指示値を設定して電流一定制御を行った時に得られる、レーザ出力設定指示値と励起用LD電流、レーザ出力光のタイミング波形をあらかじめ測定しておき、これらのタイミング波形から求めることができる。
図19は、本実施の形態5において、レーザ出力設定指示値、励起用LD電流および出力光強度の関係を示す図である。図19(a)、(b)、(c)にそれぞれに示すレーザ出力設定指示値SEは第1設定指示値であり、励起用LD電流IE、レーザ出力光波形PEは、第1設定指示値により電流一定制御を行った場合の波形を示している。図19では、時間軸について、レーザ光出力の立ち上がりまでの領域を拡大して示している。また、図19では、横軸については、レーザ出力設定指示値が出力された時間をゼロとしている。
レーザ出力設定指示値を出力してからレーザ出力光が出力されたと判定されるまでの時間をTp´とすると、レーザ出力設定指示値変更時間は0〜Tp´の範囲で設定すれば良い。このとき、レーザ出力設定指示値変更時間を0〜Tp´の範囲内のある値Tn´に設定すると、励起用LD電流値は遅延Tdと時定数をもつため、Tn´+Td後にIn´まで立ち上がる。その後、第2設定指示値が設定されると、励起用LD電流値は減少する。この減少の程度は、駆動部102の立下りの時定数に依存する。そこで、あらかじめ駆動部102の立下りの時定数を測定しておくことで、In´まで立ち上がった時点からレーザ出力光Lが出力されるまでの時間Tf´までに電流を小さくすることのできる最小電流値If´を求めることができる。ここで、最小電流値If´は、サージ光の強度に影響する値であり、レーザ出力設定指示値変更時間の設定により定まる。すなわち、レーザ出力設定指示値変更時間を決めることで、他の実施の形態の場合と同様に、レーザ出力光Lが出力されるまでの時間に低下させることのできる駆動電流値の最小値が決まるのである。なお、あらかじめレーザ出力設定指示値と励起用LD電流値との関係を測定しておくことで、If´に相当するレーザ出力設定指示値Sf´と励起レーザ光源103の発光閾値の駆動電流値Ithに相当するレーザ出力設定指示値Sthとを求めることができる。このとき、第2設定指示値はSf´より小さい値に設定すればよい。しかし、レーザ出力設定指示値変更時間Tn´の値によってはSth>Sf´の条件となる場合が発生するため、第2設定指示値の下限値はSthより大きい値とするのが好ましい。
なお、レーザ出力設定指示値変更時間を0〜Tp´の範囲で調整することでサージ光の強度調整は可能であるが、0に近い値に設定した場合、レーザ光出力が得られるまでの時間が長くなる。収束時間を考慮すると、レーザ出力設定指示値変更時間は0〜Tp´の範囲であり、かつSf´>Sthとなる条件が適している。
レーザ出力設定指示値変更時間を大きくするほどサージ光の強度は大きくなり、実施の形態1と同様にサージ光の強度を調整することができる。さらには、実施の形態1と同様に、積分演算部205における初期値を調整することで、サージ光発生後のレーザ光出力強度の波形の収束時間も調整することができる。さらには、高速な変調動作を行う場合は、本実施の形態5に係る光ファイバレーザ装置が変調動作を開始してから2番目にパルス状のレーザ出力光を出力する場合に対しても、図19と同様のタイミング波形を測定しておき、これらより得られる情報をもとに、1パルス目と2パルス目以降とでリミッタ設定開始時間の設定を変更することで、高速の変調動作時においてもサージ光強度が同じパルスレーザ出力光を得ることができる。
(実施の形態6)
図20は、実施の形態6に係る光ファイバレーザ装置の模式的な構成図である。本実施の形態6に係る光ファイバレーザ装置1Bは、実施の形態1に係る光ファイバレーザ装置1Aの融着接続部109および励起光カットフィルタ110を削除し、誘電体多層膜ミラーなどの反射手段113を追加した構成を有する。本実施の形態6に係る光ファイバレーザ装置1Bでは、反射手段113は、OC107から出力されるレーザ出力光Lの一部をPD111に反射、その他の大部分を透過する。PD111は、反射手段113により反射されたレーザ出力光Lの一部を検知し、その光強度に対応した電気信号に変換して、検知結果として制御部101に出力する。この光ファイバレーザ装置1Bにおいても、制御部101が実施の形態1と同様の制御を行うことによって、レーザ出力設定指示値を出力してから実際にレーザ光出力が得られるまでの時間を大きく変化させることなく、サージ光の尖頭値の強度を調整できる等の、実施の形態1と同様の効果を奏する。
(実施の形態7)
図21は、実施の形態7に係る光ファイバレーザ装置の模式的な構成図である。本実施の形態7に係る光ファイバレーザ装置1Cは、実施の形態1に係る光ファイバレーザ装置1Aの光ファイバレーザ2Aを光ファイバレーザ2Cに置き換えた構成を有する。光ファイバレーザ2Cは、光ファイバレーザ2Aに駆動部114、励起レーザ光源115、および励起光合波器116を追加したものであり、いわゆる双方向励起構成を有している。この光ファイバレーザ装置1Cにおいても、制御部101が実施の形態1と同様の制御を行うことによって、レーザ出力設定指示値を出力してから実際にレーザ光出力が得られるまでの時間を大きく変化させることなく、サージ光の尖頭値の強度を調整できる等の、実施の形態1と同様の効果を奏する。また、光ファイバレーザ装置1Cから駆動部102、励起レーザ光源103、および励起光合波器108を削除し、後方励起構成の光ファイバレーザ装置としてもよい。
また、実施の形態6、7において、制御部101を制御部101A、101B、101Cの何れかに置き換えてもよい。
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
1A、1B、1C 光ファイバレーザ装置
2A、2C 光ファイバレーザ
101、101A、101B、101C 制御部
102、114 駆動部
103、115 励起レーザ光源
104 光ファイバ
105 増幅用光ファイバ
106 HR
107 OC
108、116 励起光合波器
109 融着接続部
110 励起光カットフィルタ
112 終端部
113 反射手段
201 目標出力設定部
202 偏差検出部
203 微分演算部
204 比例演算部
205 積分演算部
206 加算演算部
207 モニタ変換部
208 リミッタ処理部
209 モニタ判定部
210 経過時間判定部
211 電流一定制御部
212 出力指示値切替部
ID、IE 励起用LD電流
L レーザ出力光
P1、P1´、P2、P2´、P3、P3´、PA、PB、PC、PD、PE レーザ出力光波形
SA、SB、SC、SD、SE レーザ出力設定指示値

Claims (22)

  1. 増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して設けた反射手段により構成された光共振器と、前記増幅用光ファイバに供給する励起光を出力する励起レーザ光源と、前記励起レーザ光源を駆動する駆動部と、を備える光ファイバレーザと、前記光ファイバレーザから出力されるレーザ出力光の一部を検知する検知器と、前記検知器が検知した光の強度をもとに前記レーザ出力光の光強度が目標値に近づくように前記励起レーザ光源をフィードバック制御する制御部とを備える光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法であって、
    前記レーザ出力光が出力されていない非発光期間に、前記励起レーザ光源が出力する励起光の強度を設定するための前記駆動部に対するレーザ出力設定指示値に対して第1上限リミッタ値を設定する工程と、
    前記第1上限リミッタ値の設定後に、前記フィードバック制御を行うために、前記レーザ出力設定指示値を前記駆動部に出力する工程と、
    前記レーザ出力設定指示値が第1上限リミッタ値に達したとき、前記第1上限リミッタ値より小さい値であり、かつ該レーザ出力設定指示値に対する上限値となる第2上限リミッタ値を設定する工程と、
    前記検知器の検知結果により前記レーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記第2上限リミッタ値の設定を無効にする工程と、
    を含むことを特徴とする光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法。
  2. 前記第1上限リミッタ値は、設定される前記光強度の目標値、前記レーザ出力設定指示値を出力してから前記レーザ出力光が出力されたと判定されるまでのむだ時間、前記フィードバック制御の制御定数または制御周期、前記駆動部の時定数、および前記非発光期間から決まる所定の範囲内の値であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法。
  3. 前記第2上限リミッタ値は、前記励起レーザ光源の発光閾値の駆動電流値に相当するレーザ出力設定指示値より大きく、
    前記第1上限リミッタ値の設定により定まる、前記レーザ出力光が出力されたと判定されるまでに低下させることができる駆動電流値の最小値に相当するレーザ出力設定指示値より小さい値であることを特徴とする請求項2に記載の光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法。
  4. 増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して設けた反射手段により構成された光共振器と、前記増幅用光ファイバに供給する励起光を出力する励起レーザ光源と、前記励起レーザ光源を駆動する駆動部と、を備える光ファイバレーザと、前記光ファイバレーザから出力されるレーザ出力光の一部を検知する検知器と、前記検知器が検知した光の強度をもとに前記レーザ出力光の光強度が目標値に近づくように前記励起レーザ光源をフィードバック制御する制御部とを備える光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法であって、
    前記フィードバック制御を行うために、前記レーザ出力設定指示値を前記駆動部に出力する工程と、
    前記レーザ出力設定指示値を出力してから所定の時間が経過したとき、前記レーザ出力設定指示値に対する上限値となる上限リミッタ値を設定する工程と、
    前記検知器の検知結果により前記レーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記上限リミッタ値の設定を無効にする工程と、
    を含むことを特徴とする光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法。
  5. 前記所定の時間は、前記レーザ出力設定指示値を出力してから前記レーザ出力光が出力されたと判定されるまでのむだ時間、前記駆動部の時定数、および非発光期間とから決まる所定の範囲内の値であることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法。
  6. 前記上限リミッタ値は、前記励起レーザ光源の発光閾値の駆動電流値に相当するレーザ出力設定指示値より大きく、
    前記所定の時間の設定により定まる、前記レーザ出力光が出力されたと判定されるまでに低下させることができる駆動電流値の最小値に相当するレーザ出力設定指示値より小さい値であることを特徴とする請求項5に記載の光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法。
  7. 前記フィードバック制御は、少なくとも積分制御を含み、
    前記検知器の検知結果により前記レーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記積分制御における積分ゲインの偏差の積算値をゼロとし、その後所定の初期値に設定する工程を含むことを特徴とする請求項3または6に記載の光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法。
  8. 増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して設けた反射手段により構成された光共振器と、前記増幅用光ファイバに供給する励起光を出力する励起レーザ光源と、前記励起レーザ光源を駆動する駆動部と、を備える光ファイバレーザと、
    前記光ファイバレーザから出力されるレーザ出力光の一部を検知する検知器と、
    前記検知器が検知した光の強度をもとに前記レーザ出力光の強度が目標値に近づくように前記励起レーザ光源をフィードバック制御するフィードバック制御部と、リミッタ処理部と、モニタ判定部とを有する制御部と、
    を備え、
    前記フィードバック制御部は、前記フィードバック制御を行うために、前記励起レーザ光源が出力する励起光の強度を設定するためのレーザ出力設定指示値を出力し、
    前記モニタ判定部は、前記検知器の検知結果により前記光ファイバレーザからレーザ出力光が出力されたか否かを判定し、
    前記リミッタ処理部は、前記レーザ出力設定指示値を受け付けて前記駆動部に出力するとともに、前記レーザ出力光が出力されていない非発光期間に、前記レーザ出力設定指示値が第1上限リミッタ値に達したとき、前記第1上限リミッタ値より小さい値であり、かつ前記レーザ出力設定指示値に対する上限値となる第2上限リミッタ値を設定し、前記モニタ判定部が前記光ファイバレーザからレーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記第2上限リミッタ値の設定を無効にする
    ことを特徴とする光ファイバレーザ装置。
  9. 増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して設けた反射手段により構成された光共振器と、前記増幅用光ファイバに供給する励起光を出力する励起レーザ光源と、前記励起レーザ光源を駆動する駆動部と、を備える光ファイバレーザと、
    前記光ファイバレーザから出力されるレーザ出力光の一部を検知する検知器と、
    前記検知器が検知した光の強度をもとに前記レーザ出力光の強度が目標値に近づくように前記励起レーザ光源をフィードバック制御するフィードバック制御部と、経過時間判定部と、リミッタ処理部と、モニタ判定部とを有する制御部と、
    を備え、
    前記フィードバック制御部は、前記フィードバック制御を行うために、前記励起レーザ光源が出力する励起光の強度を設定するためのレーザ出力設定指示値を出力し、
    前記モニタ判定部は、前記検知器の検知結果により前記光ファイバレーザからレーザ出力光が出力されたか否かを判定し、
    前記経過時間判定部は、前記レーザ出力設定指示値を出力してから所定の時間が経過したか否かを判定し、
    前記リミッタ処理部は、前記レーザ出力設定指示値を受け付けて前記駆動部に出力するとともに、前記レーザ出力光が出力されていない非発光期間に、前記レーザ出力設定指示値を出力してから所定の時間が経過したとき、前記レーザ出力設定指示値に対する上限値となる上限リミッタ値を設定し、前記モニタ判定部が前記光ファイバレーザからレーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記上限リミッタ値の設定を無効にする
    ことを特徴とする光ファイバレーザ装置。
  10. 増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して設けた反射手段により構成された光共振器と、前記増幅用光ファイバに供給する励起光を出力する励起レーザ光源と、前記励起レーザ光源を駆動する駆動部と、を備える光ファイバレーザと、前記光ファイバレーザから出力されるレーザ出力光の一部を検知する検知器と、前記励起レーザ光源を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記検知器が検知した光の強度をもとに前記レーザ出力光の強度が目標値に近づくように前記励起レーザ光源をフィードバック制御するフィードバック制御モードと、前記駆動部に対して所定のレーザ出力設定指示値を出力して前記励起レーザ光源を駆動電流一定制御する電流一定制御モードと、で制御モードが切り替え可能に構成されている光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法であって、
    前記レーザ出力光が出力されていない非発光期間に、前記励起レーザ光源が出力する励起光の強度を設定するための前記駆動部に対するレーザ出力設定指示値を出力して、前記フィードバック制御モードで制御を開始する工程と、
    前記レーザ出力設定指示値が上限リミッタ値に達したとき、前記制御モードを前記電流一定制御モードに切り替えるとともに、前記レーザ出力設定指示値を所定の目標指示値に設定する工程と、
    前記検知器の検知結果により前記レーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記制御モードを前記フィードバック制御モードに切り替える工程と、
    を含むことを特徴とする光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法。
  11. 前記上限リミッタ値は、設定される前記光強度の目標値、前記レーザ出力設定指示値を出力してから前記レーザ出力光が出力されたと判定されるまでのむだ時間、前記フィードバック制御の制御定数または制御周期、前記駆動部の時定数、および前記レーザ出力光が出力されていない非発光期間から決まる所定の範囲内の値であることを特徴とする請求項10に記載の光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法。
  12. 前記所定の目標指示値は、前記励起レーザ光源の発光閾値の駆動電流値に相当するレーザ出力設定指示値より大きく、
    前記上限リミッタ値の設定により定まる、前記レーザ出力光が出力されたと判定されるまでに低下させることができる駆動電流値の最小値に相当するレーザ出力設定指示値より小さい値であることを特徴とする請求項11に記載の光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法。
  13. 増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して設けた反射手段により構成された光共振器と、前記増幅用光ファイバに供給する励起光を出力する励起レーザ光源と、前記励起レーザ光源を駆動する駆動部と、を備える光ファイバレーザと、前記光ファイバレーザから出力されるレーザ出力光の一部を検知する検知器と、前記励起レーザ光源を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記検知器が検知した光の強度をもとに前記レーザ出力光の強度が目標値に近づくように前記励起レーザ光源をフィードバック制御するフィードバック制御モードと、前記駆動部に対して所定のレーザ出力設定指示値を出力して前記励起レーザ光源を駆動電流一定制御する電流一定制御モードと、で制御モードが切り替え可能に構成されている光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法であって、
    前記レーザ出力光が出力されていない非発光期間に、前記励起レーザ光源が出力する励起光の強度を設定するための前記駆動部に対するレーザ出力設定指示値を出力して、前記フィードバック制御モードで制御を開始する工程と、
    前記レーザ出力設定指示値を出力してから所定の時間が経過した場合は、前記制御モードを前記電流一定制御モードに切り替えるとともに、前記レーザ出力設定指示値を所定の目標指示値に設定する工程と、
    前記検知器の検知結果により前記レーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記制御モードを前記フィードバック制御モードに切り替える工程と、
    を含むことを特徴とする光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法。
  14. 前記所定の目標指示値は、前記励起レーザ光源の発光閾値の駆動電流値に相当するレーザ出力設定指示値より大きく、
    前記所定の時間の設定により定まる、前記レーザ出力光が出力されたと判定されるまでに低下させることができる駆動電流値の最小値に相当するレーザ出力設定指示値より小さい値であることを特徴とする請求項13に記載の光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法。
  15. 前記フィードバック制御は、少なくとも積分制御を含み、
    前記検知器の検知結果により前記レーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記積分制御における積算値をゼロとし、その後所定の初期値に設定する工程を含むことを特徴とする請求項14に記載の光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法。
  16. 増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して設けた反射手段により構成された光共振器と、前記増幅用光ファイバに供給する励起光を出力する励起レーザ光源と、前記励起レーザ光源を駆動する駆動部と、を備える光ファイバレーザと、前記光ファイバレーザから出力されるレーザ出力光の一部を検知する検知器と、前記励起レーザ光源を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記検知器が検知した光の強度をもとに前記レーザ出力光の強度が目標値に近づくように前記励起レーザ光源をフィードバック制御するフィードバック制御モードと、前記駆動部に対して所定のレーザ出力設定指示値を出力して前記励起レーザ光源を駆動電流一定制御する電流一定制御モードと、で制御モードが切り替え可能に構成されている光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法であって、
    前記レーザ出力光が出力されていない非発光期間に、前記励起レーザ光源が出力する励起光の強度を設定するための前記駆動部に対するレーザ出力設定指示値として、設定される前記光強度の目標値に相当する第1設定指示値を出力して、前記電流一定制御モードで制御を開始する工程と、
    前記第1設定指示値を出力してから所定の時間が経過した場合には、前記出力するレーザ出力設定指示値を前記第1設定指示値より小さい値である第2設定指示値に変更する工程と、
    前記検知器の検知結果により前記レーザ出力光が出力されたと判定されたとき、前記制御モードを前記フィードバック制御モードに切り替える工程と、
    を含むことを特徴とする光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法。
  17. 前記第2設定指示値は、前記励起レーザ光源の発光閾値の駆動電流値に相当するレーザ出力設定指示値より大きく、
    前記所定の時間の設定により定まる、前記レーザ出力光が出力されたと判定されるまでに低下させることができる駆動電流値の最小値に相当するレーザ出力設定指示値より小さい値であることを特徴とする請求項16に記載の光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法。
  18. 前記所定の時間は、前記レーザ出力設定指示値を出力してから前記レーザ出力光が出力されたと判定されるまでのむだ時間、前記駆動部の時定数、および前記レーザ出力光が出力されていない非発光期間から決まる所定の範囲内の値であることを特徴とする請求項13または16に記載の光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法。
  19. 前記フィードバック制御は、少なくとも積分制御を含み、
    前記検知器の検知結果により前記レーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記積分制御における積算値を所定の初期値に設定する工程を含むことを特徴とする請求項16に記載の光ファイバレーザ装置のサージ光強度の調整方法。
  20. 増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して設けた反射手段により構成された光共振器と、前記増幅用光ファイバに供給する励起光を出力する励起レーザ光源と、前記励起レーザ光源を駆動する駆動部と、を備える光ファイバレーザと、
    前記光ファイバレーザから出力されるレーザ出力光の一部を検知する検知器と、
    前記励起レーザ光源を制御する制御部と、
    を備え、前記制御部は、前記検知器の検知結果により前記光ファイバレーザからレーザ出力光が出力されたか否かを判定するモニタ判定部と、前記励起レーザ光源が出力する励起光の強度を設定するための前記駆動部に対するレーザ出力設定指示値を受け付けて前記駆動部に出力するとともに、前記レーザ出力設定指示値に対する上限値となる上限リミッタ値を設定するリミッタ処理部と、を有し、
    前記検知器が検知した光の強度をもとに前記レーザ出力光の強度が目標値に近づくように前記励起レーザ光源をフィードバック制御するフィードバック制御モードと、前記駆動部に対して所定のレーザ出力設定指示値を出力して前記励起レーザ光源を駆動電流一定制御する電流一定制御モードと、で制御モードが切り替え可能に構成されており、
    前記レーザ出力光が出力されていない非発光期間に、前記励起レーザ光源が出力する励起光の強度を設定するための前記駆動部に対するレーザ出力設定指示値を出力して、前記フィードバック制御モードで制御を開始し、
    前記レーザ出力設定指示値が上限リミッタ値に達したとき、前記制御モードを前記電流一定制御モードに切り替えるとともに、前記レーザ出力設定指示値を所定の目標指示値に設定し、
    前記モニタ判定部が前記レーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記制御モードを前記フィードバック制御モードに切り替える制御を行う
    ことを特徴とする光ファイバレーザ装置。
  21. 増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して設けた反射手段により構成された光共振器と、前記増幅用光ファイバに供給する励起光を出力する励起レーザ光源と、前記励起レーザ光源を駆動する駆動部と、を備える光ファイバレーザと、
    前記光ファイバレーザから出力されるレーザ出力光の一部を検知する検知器と、
    前記励起レーザ光源を制御する制御部と、
    を備え、前記制御部は、前記検知器の検知結果により前記光ファイバレーザからレーザ出力光が出力されたか否かを判定するモニタ判定部と、前記レーザ出力設定指示値を出力してから所定の時間が経過したか否かを判定する経過時間判定部とを有し、
    前記検知器が検知した光の強度をもとに前記レーザ出力光の強度が目標値に近づくように前記励起レーザ光源をフィードバック制御するフィードバック制御モードと、前記駆動部に対して所定のレーザ出力設定指示値を出力して前記励起レーザ光源を駆動電流一定制御する電流一定制御モードと、で制御モードが切り替え可能に構成されており、
    前記レーザ出力光が出力されていない非発光期間に、前記励起レーザ光源が出力する励起光の強度を設定するための前記駆動部に対するレーザ出力設定指示値を出力して、前記フィードバック制御モードで制御を開始し、
    前記レーザ出力設定指示値を出力してから所定の時間が経過した場合は、前記制御モードを前記電流一定制御モードに切り替えるとともに、前記レーザ出力設定指示値を所定の目標指示値に設定し、
    前記モニタ判定部が前記レーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記制御モードを前記フィードバック制御モードに切り替える制御を行う
    ことを特徴とする光ファイバレーザ装置。
  22. 増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバの両端のそれぞれに対して設けた反射手段により構成された光共振器と、前記増幅用光ファイバに供給する励起光を出力する励起レーザ光源と、前記励起レーザ光源を駆動する駆動部と、を備える光ファイバレーザと、
    前記光ファイバレーザから出力されるレーザ出力光の一部を検知する検知器と、
    前記励起レーザ光源を制御する制御部と、
    を備え、前記制御部は、前記検知器の検知結果により前記光ファイバレーザからレーザ出力光が出力されたか否かを判定するモニタ判定部を有し、
    前記検知器が検知した光の強度をもとに前記レーザ出力光の強度が目標値に近づくように前記励起レーザ光源をフィードバック制御するフィードバック制御モードと、前記駆動部に対して所定のレーザ出力設定指示値を出力して前記励起レーザ光源を駆動電流一定制御する電流一定制御モードと、で制御モードが切り替え可能に構成されており、
    前記レーザ出力光が出力されていない非発光期間に、前記励起レーザ光源が出力する励起光の強度を設定するための前記駆動部に対するレーザ出力設定指示値として、設定される前記光強度の目標値に相当する第1設定指示値を出力して、前記電流一定制御モードで制御を開始し、
    前記第1設定指示値を出力してから所定の時間が経過した場合には、前記出力するレーザ出力設定指示値を前記第1設定指示値より小さい値である第2設定指示値に変更し、
    前記モニタ判定部が前記レーザ出力光が出力されたと判定したとき、前記制御モードを前記フィードバック制御モードに切り替える制御を行う
    ことを特徴とする光ファイバレーザ装置。
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