JP2016204526A - 応力発光材料含有インキ及びその印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、応力発光材料含有インキ及びその印刷物の応力発光性を維持しながら耐水性を向上させることである。【解決手段】印刷インキが応力発光材料及びビヒクルを含む。応力発光材料は、リン酸化合物とユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子を混合してスラリーを調製する工程と、スラリーを粉砕して粉砕スラリーとする工程と、粉砕スラリーを乾燥する工程とにより得られる。応力発光材料100重量部と固形分20重量%のビニル系シルク印刷メジウム230重量部を含むシルク印刷インキをシルク印刷版でPETフィルム上に乾燥膜厚が20μmになるようにベタ印刷し、得られた印刷物から20mm×30mmのベタ印刷部を有する印刷片を4つ切り出し、4つの印刷片を40℃の脱イオン水50mlに60分間浸漬した場合に、浸漬直前の脱イオン水に対する浸漬から60分後の浸漬液のpH変化の絶対値が2.0以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、応力発光材料含有インキ及びその印刷物に関する。
外部からの刺激、例えば、紫外線、赤外線、電子線、X線、放射線、電場、プラズマ、熱、力学的刺激等に応じて発光する発光材料が知られている。それらの中でも、力学的刺激、例えば、擦ること、曲げること、引っ掻くこと等により発光する発光材料は、応力発光材料と呼ばれる。
紙幣、有価証券、チケット、カード等には、偽造防止を目的として、応力発光性を有するインキを使用した印刷が部分的に施されている。応力発光性を有するインキは、一般に用いられる印刷インキに応力発光材料を加えることにより形成されることができる。
応力発光材料には、賦活剤(発光中心)としてユーロピウムを使用することにより形成されるアルミン酸ストロンチウム等が用いられている(例えば特許文献1、2)。
従来、アルミン酸塩を母体として含む応力発光材料は、耐水性に乏しく、水に触れると発光強度が低下するという問題が指摘されていた。
例えば、アルミン酸塩を母体として含む応力発光材料は、耐水性に劣るため、バインダー又は印刷方式の種類に制限が生じるという問題があることが知られていた(特許文献3)。さらに、応力発光材料をインキ化し、そのインキで印刷された印刷物についても、水分によって応力発光機能が劣化するという問題があった。
これらの問題を解決するために、アルコキシシラン及び/又はアルコキシシラン縮合物を含むゾル−ゲル溶液を用いて、応力発光材料の粒子表面に撥水性シリカ層を形成することによって、応力発光材料の撥水性を向上させる方法が提案されている(特許文献3)。
さらに、応力発光材料の粒子表面をリン酸塩と反応させることによって、その表面を不溶性又は難溶性にする方法も提案されている(特許文献4)。
特許第3511083号公報 特許第5007971号公報 特開2011−94041号公報 特許第3789193号公報
特許文献3に記載の方法では、アルコキシシラン及び/又はアルコキシシラン縮合物を含むゾル−ゲル溶液を用いて、応力発光材料の粒子表面に撥水性シリカ層を形成するが、得られた応力発光材料の耐水性について未だに改良の余地がある。
特許文献4に記載の方法に従って、アルミン酸塩の粒子表面をリン酸塩と反応させて、耐水性を評価したところ、粒子表面が不溶性又は難溶性ではないという結果が得られた。さらに、特許文献4に記載の方法に従って得られた粒子は、表面層の分布が不均一であるために耐水性が十分ではないという問題がある。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、応力発光材料含有インキ及びその印刷物の応力発光性を維持しながら耐水性を向上させることである。
本発明者らは、リン酸化合物により表面処理されたアルミン酸塩とビヒクルとの組み合わせを使用してインキを得ることによって、応力発光材料含有インキ及びその印刷物の耐水性を向上させることができることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
リン酸化合物とユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子を混合してスラリーを調製するスラリー調製工程と、前記スラリーを粉砕して粉砕スラリーとする粉砕工程と、前記粉砕スラリーを乾燥する乾燥工程とにより得られる応力発光材料;及び
ビヒクル
を含み、かつ
前記応力発光材料100重量部及び固形分20重量%のビニル系シルクスクリーン印刷メジウム230重量部を含むシルクスクリーン印刷インキを調製し、100メッシュのシルクスクリーン印刷版を用いて、前記シルクスクリーン印刷インキをポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥膜厚が20μmになるようにベタ印刷することにより印刷物を形成し、前記印刷物から、20mm×30mmのベタ印刷部を有する印刷片を4つ切り出し、前記4つの印刷片を40℃の脱イオン水50ml中に60分間に亘って浸漬した場合には、浸漬直前の前記脱イオン水に対する浸漬から60分後の浸漬液のpH変化の絶対値が、2.0以下である、
印刷インキ。
[2]
前記pH変化の絶対値が、0.5以下である、[1]に記載の印刷インキ。
[3]
前記応力発光体の合成における粉砕工程が、粉砕媒体撹拌型粉砕機を備えた反応器中で、粉砕媒体に与える相対遠心加速度をG(m/sec)として、0.1≦G≦20の条件下で行われる、[1]又は[2]に記載の印刷インキ。
[4]
前記応力発光体の合成における粉砕工程が、前記相対遠心加速度をG(m/sec)として、0.1≦G≦10の条件下で行われる、[3]に記載の印刷インキ。
[5]
前記応力発光体の合成における粉砕工程が、5分以上180分未満に亘って行われる、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の印刷インキ。
[6]
前記応力発光材料が、前記乾燥工程の後に、120〜300℃の雰囲気下で熱処理される熱処理工程を経て得られる、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の印刷インキ。
[7]
前記リン酸化合物由来のリンが、前記応力発光材料中に、前記ユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子100重量部に対しリン元素として0.2〜5.0重量部含まれる、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の印刷インキ。
[8]
前記ビヒクルが、ビニル樹脂又はウレタン樹脂を含む、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の印刷インキ。
[9]
前記ビヒクルが、ウレタン樹脂を含む、[8]に記載の印刷インキ。
[10]
前記ウレタン樹脂が、2液型ウレタン樹脂である、[9]に記載の印刷インキ。
[11]
前記2液型ウレタン樹脂が、ポリオールとポリイソシアネートの組み合わせである、[10]に記載の印刷インキ。
[12]
偽造防止用である、[1]〜[11]のいずれか1項に記載の印刷インキ。
[13]
基材、及び[1]〜[12]のいずれか1項に記載の印刷インキにより印刷された印刷部を備える印刷物。
[14]
[1]〜[12]のいずれか1項に記載の印刷インキを使用して、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、凹版印刷、オフセット印刷、活版印刷、インクジェット印刷又はフレキソ印刷で印刷物を得る方法。
[15]
リン酸化合物とユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子を混合してスラリーを調製するスラリー調製工程と、前記スラリーを粉砕して粉砕スラリーとする粉砕工程と、前記粉砕スラリーを乾燥する乾燥工程とにより得られる応力発光材料であって、得られた前記応力発光材料中のストロンチウム元素の含有率Aと、温度85℃、相対湿度85%の雰囲気下で前記応力発光材料を168時間保持した後のストロンチウム元素の含有率Bを用い、(A−B)/A×100で算出した変化率が10%以下である応力発光材料;及び
ビヒクル
を含む印刷インキ。
本発明によれば、応力発光材料含有インキ及びその印刷物の応力発光性を維持しながら耐水性を向上させることができ、それにより、応力発光性及び耐水性を両立する印刷インキ、特に偽造防止用印刷インキと、その印刷物とを提供することができる。
基材及び応力発光材料含有インキで印刷された印刷部を備える印刷物の耐水試験結果を示すグラフである。
<印刷インキ>
本発明の印刷インキ(以下、単に「インキ」という)は、応力発光材料及びビヒクルを含む。本発明のインキは、補助剤、着色剤等もさらに含んでよい。
本発明のインキは、応力発光性を利用して印刷物の偽造を防止するために、使用されることができる。本発明のインキは、大型構造物、例えば建物、橋等;建材、例えば床材、壁材、塗装材等;部品、例えば、歯車、タイヤ、ネジ、ボルト、ワッシャ、蓄電デバイス、発光素子等の応力−歪み検出又は応力分布測定に利用されることもできる。さらに、本発明の印刷インキは、ウィグ(wig)、義手、義指、義肢、触診器等に組み込まれる触覚センサ素子として利用することもできる。
本発明のインキは、ビヒクル成分の種類に応じて、油性インキ、紫外線硬化型インキ(以下、「UVインキ」と略記する)、又は油性・紫外線硬化型併用インキ(以下、「油性・UV併用インキ」と略記する)として使用することができる。
油性インキは、ビヒクル成分の酸化重合により硬化可能なインキである。一般に、油性インキは、ビヒクル成分として、溶剤、樹脂等を含む。
UVインキは、ビヒクル成分の光重合により硬化可能なインキである。一般に、UVインキは、ビヒクル成分として、樹脂、光重合性モノマー又はオリゴマー、光重合開始剤等を含むが、溶剤等の揮発成分を含まない。
油性・UV併用インキは、油性インキとUVインキの両方の硬化特性を備えたインキである。
本発明のインキは、ビヒクルとして使用可能な溶剤の種類に応じて、水を主溶剤とする水性インキ、又は有機溶剤を主溶剤とする溶剤インキとして使用することもできる。
水性インキは、水を主溶剤とするインキであるが、有機溶剤を含んでもよい。溶剤インキは、有機溶剤を主溶剤とするインキであるが、実質的に水を含まなくてよい。なお、「実質的に水を含まない」とは、インキ中の水の含有率が0質量%であること、又はインキが1質量%以下の水を不可避的に含むことをいう。
本発明のインキは、一般的な印刷インキとして、例えば、シルクスクリーン印刷インキ、グラビア印刷インキ、凹版印刷インキ、オフセット印刷インキ、活版印刷インキ、インクジェット印刷インク、フレキソ印刷インキ等として使用することができる。なお、凹版印刷インキは、直刻版面又は食刻版面を用いる押圧印刷に使用することができる。
本発明のインキに含まれる応力発光材料、ビヒクル、補助剤及び着色剤について以下に説明する。
[応力発光材料]
応力発光材料は、リン酸化合物とユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子を混合してスラリーを調製するスラリー調製工程と、上記スラリーを粉砕して粉砕スラリーとする粉砕工程と、上記粉砕スラリーを乾燥する乾燥工程とにより得られる。
スラリー調製工程及び粉砕工程によってユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子の表面を改質することができる。より詳細には、ユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子の表面をリン酸化合物と反応させることにより形成された層が、粒子表面に均一かつ緻密に存在するため、上記応力発光材料は、高い耐水性を発揮することできる。
応力発光材料100重量部及び固形分20重量%のビニル系シルクスクリーン印刷メジウム230重量部を含むシルクスクリーン印刷インキを調製し、100メッシュのシルクスクリーン印刷版を用いて、シルクスクリーン印刷インキをポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥膜厚が20μmになるようにベタ印刷することにより印刷物を形成し、印刷物から、20mm×30mmのベタ印刷部を有する印刷片を4つ切り出し、4つの印刷片を40℃の脱イオン水50ml中に60分間に亘って浸漬した場合には、浸漬直前の脱イオン水に対する浸漬から60分後の浸漬液のpH変化の絶対値が、2.0以下、1.5以下、1.0以下、0.5以下、又は0である。
ビニル系シルクスクリーン印刷メジウムとしては、ビニル樹脂を含む1液蒸発乾燥型メジウムを使用してよく、具体的には、ビニールH型ハーフトーン(十条ケミカル株式会社)を使用することができる。シルクスクリーン印刷インキの調製は、3本ロールミル、例えば、RIII−1(株式会社小平製作所)を用いて行なわれる。
100メッシュのシルクスクリーン印刷版は、80mm×30mmのベタパターンを有する。シルクスクリーン印刷は、100メッシュのシルクスクリーン印刷版に加えて、ゴムスキージ(帝国インキ製造株式会社 9mm×50mm×200mm)及びシルク印刷台を用いることにより行なわれる。ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムとして、具体的には、E5100(東洋紡株式会社)を使用する。
脱イオン水50mlを入れた試料ビンを、40℃に設定した温水バスに浸すことにより、脱イオン水の温度を40℃に調整する。
浸漬直前の脱イオン水に対する浸漬から60分後の浸漬液のpH変化の絶対値は、20mm×30mmのベタ印刷部を有する印刷片4つを40℃の脱イオン水50mlに浸漬する直前の脱イオン水のpHと印刷片4つを40℃の脱イオン水50mlに浸漬してから60分後の浸漬液のpHとの差を算出し、算出された差の絶対値を取ることにより求められる。脱イオン水のpH及び浸漬液のpHは、pH計、例えば、「pHep(登録商標)」(HANNA instruments)を用いて測定される。
応力発光材料を含む印刷物が水と接触し、応力発光材料を構成するストロンチウム(Sr)が水と反応して水和物となり、かつアルカリ性を示すSrイオンが印刷物から放出されると、水溶液のpHが上昇する。つまり、水溶液のpH変化は、応力発光材料含有インキで印刷された印刷物が水との反応により劣化する水準を示す評価基準である。
従って、上記で説明した浸漬液のpH変化が2.0以下であると、応力発光材料中のストロンチウムの水和又は応力発光材料からのSrイオンの溶出が抑制され、それにより、応力発光材料含有インキで印刷された印刷物の応力発光性及び耐水性が確保されることが考えられる。
応力発光材料中のストロンチウム元素の含有率Aと、温度85℃、相対湿度85%の雰囲気下で上記応力発光材料を168時間保持した後のストロンチウム元素の含有率Bを用い、(A−B)/A×100で算出した変化率が10%以下である。
応力発光材料におけるリン元素の含有量は、ユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子100重量部に対して、0.2〜5.0重量部であることが好ましい。リン元素の含有量が0.2重量部以上であると、リン酸化合物による被覆が十分となり発光強度が低下する可能性がなく、リン元素の含有量が5.0重量部以下であると、応力発光を阻害してしまうことがない。
まず、ユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子について、説明する。アルミン酸ストロンチウムは、一般式SrAl(式中、0<x、0<y、かつ0<zである)で表される化合物である。特に限定されないが、アルミン酸ストロンチウムの具体例としては、SrAl、SrA1、SrAl1425、SrAl1219、SrAl等の種々の化合物が知られている。
上記アルミン酸ストロンチウムは、θアルミナ、κアルミナ、δアルミナ、ηアルミナ、χアルミナ、γアルミナ、及びρアルミナから選択される少なくとも1種のアルミナを含有するアルミナ原料又は水酸化アルミニウムと、ストロンチウム源とから合成されたものであるのが好ましい。通常「アルミナ」といえば安価で汎用のαアルミナを指す場合が多いが、θアルミナなどのいわゆる活性アルミナ、又は水酸化アルミニウムを原料として用いれば、αアルミナを用いた場合よりも高い発光強度を達成できるためである。
賦活剤としては、ユーロピウム(Eu)イオンを含有する。上記応力発光材料中に含まれるEuイオンの量は特に限定されないが、アルミン酸ストロンチウム1モル当たり、0.0001〜0.01モル、好ましくは0.0005〜0.01モル、より好ましくは0.0005〜0.005モルである。Euイオンの量が少なすぎると十分な発光強度を達成することができず、また多すぎても発光強度は飽和する一方で、別の物性にも影響を及ぼすことがある。
ユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子は、さらに共賦活剤を含んでもよい。共賦活剤としては、特に限定されないが、Eu以外の希土類元素の化合物又はイオンが挙げられる。上記Eu以外の希土類元素の例としては、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等から選択される1種以上の元素が挙げられる。これらはイオン半径や価数の異なる元素で置換することにより格子欠陥が形成され、結晶構造がより歪み易くなる結果、応力発光能が向上するため好ましい。中でも、Nd、Dy、Hoを共賦活剤とした場合には高い発光輝度が得られる点で特に好ましい。
また、上記希土類元素の化合物としては、上記元素の炭酸塩、酸化物、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩等が挙げられる。
続いて、リン酸化合物について説明する。リン酸化合物としては、リン酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、及びリン酸からなる群から選択された少なくとも1種が望ましい。これらのリン酸化合物は、水と混合して撹拌することにより、水溶液又は懸濁液として使用されることが望ましい。
リン酸化合物は、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトンなどの水に溶解するあるいは混和する有機溶媒を含んでいてもよい。
上記水溶液又は懸濁液中のリン酸化合物の濃度は、リン酸化合物が0.01〜20g/水100g、望ましくは、0.5〜5.0g/水100gとなるように調整して使用することが望ましい。リン酸化合物の濃度が0.01g/水100g未満であるとリン酸化合物による被覆が不十分となり発光強度が低下する可能性があり、リン酸化合物の濃度が20g/水100gを超えると、応力発光強度が低下してしまうことがある為、望ましくない。
上記リン酸化合物とユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子を混合してスラリーを調製する方法は特に限定されるものではなく、リン酸化合物を含む水溶液又は懸濁液中にユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子を混合してもよく、ユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子中にリン酸化合物を含む水溶液又は懸濁液を滴下等により混合してもよい。
また、リン酸化合物を含む水溶液又は懸濁液とユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子の混合比率は、リン酸化合物を含む水溶液又は懸濁液100gに対しユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子が5〜200g、望ましくは20〜100gになるようにすることが望ましい。ユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウムの濃度が水溶液又は懸濁液100gに対し5g未満であると、濃度が薄いことで乾燥に時間がかかり、生産効率が低下するため望ましくない。また、水溶液又は懸濁液100gに対し200gを超えると、粘度が高くなり、次工程での撹拌、粉砕が難しくなる為、望ましくない。
スラリーには、その後の粉砕に用いるアルミナボール等の粉砕媒体を混合する。粉砕媒体の種類は、ユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子の粉砕に適したものであれば特に限定されるものではないが、例えば、アルミナボール、ジルコニアボール、窒化珪素ボール、窒化炭素ボール、ガラスビーズ、ナイロン被覆鉄芯ボール等が挙げられ、直径10mm以下のものが主に使用される。なかでもアルミナボールが好ましい。これは、粉砕媒体中の成分が応力発光材料に混入したとしても不純物として作用する影響が小さいためである。
スラリーの粉砕は、公知の粉砕装置により行うことができ、その種類は特に限定されるものではないが、粉砕を効率良く行なうためには粉砕媒体撹拌型粉砕機を備えた反応容器を用いるのが好ましい。ここで、粉砕媒体撹拌型粉砕機とは、粉砕容器内に粉砕媒体を投入し、被粉砕物とともに、粉砕容器を揺動、回転(自転又は公転)させて撹拌するか、粉砕媒体を撹拌部で直接撹拌して、粉砕を行う粉砕機をいう。粉砕媒体撹拌型粉砕機の例としては、特に限定されないが、遊星ミル、ビーズミル、及び振動ミルからなる群から選択されるいずれか1種であるのが好ましい。なかでも、自転、公転を伴う遊星ミルが特に好ましい。
粉砕の条件は特に限定されるものではないが、上記粉砕媒体撹拌型粉砕機の粉砕媒体に与える相対遠心加速度をG(m/sec)として、通常G≦100の条件で行うが、0.1≦G≦20の条件で行うのが好ましく、0.1≦G≦10の条件で行うのが特に好ましい。G<0.1のような低速回転条件では、粉砕に時間が掛かり、表面の改質が不十分となり生産効率が低下する、あるいは、耐水性が不十分となることがあるため望ましくない。G>20のような高速回転条件では、応力発光強度が低下してしまうことがあるため、望ましくない。
上記粉砕は、上記相対遠心加速度Gが0.1≦G≦20の条件であれば粉砕時間に関しても特に制限は無く、粉砕前の応力発光材料の粒子径、粒度分布などを考慮して設定すればよいが、5分以上180分未満で行うことが望ましい。粉砕時間が5分未満であるとリン酸化合物による被覆が不十分となる可能性があり、粉砕時間が180分以上では生産効率が低下することになるため望ましくない。
ここで「遠心加速度」とは、ある物体を回転半径r、回転角速度ωで回転した場合に発生するrωで表される物理量を意味する。一般的に、遠心加速度の単位としては地球の重力加速度との比で表した「相対遠心加速度」を用いる。例として、ある物体が回転軸を中心にN回転しているとすると、ω=2πN/60(rad/s)、かつ地球の重力加速度=9.81(m/s)として、相対遠心加速度Gは、以下の数式(1)で表すことができる。
Figure 2016204526
さらに自転・公転を伴う遊星ミルの場合には、相対遠心加速度Gは以下の数式(2)によって求めることができる。
Figure 2016204526
{式中、rsは公転半径(m)を、rpは容器半径(m)を、iwは自転・公転比を、ωは公転回転数(rpm)をそれぞれ意味する}
リン酸化合物とユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子を混合したスラリーを粉砕することにより、ユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子が粉砕されると同時に、粉砕されたユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子の表面をリン酸化合物と反応させることにより得られた表面処理層が均一かつ緻密に存在してなる応力発光材料が得られる。
得られた応力発光材料とリン酸化合物を混合してスラリーを調製し、更に粉砕を行うことを複数回繰り返してもよい。
上記粉砕工程の後に乾燥工程を行う。ここでいう乾燥とは、スラリーに含まれる水分量が5重量%以下になるまで水分を除くことである。したがって、例えば、スラリー中に含まれる水分を有機溶媒で置換して、水分量を5重量%以下にしてもよい。また、加熱乾燥する場合は、5時間以内、望ましくは1時間以内で乾燥工程を終了することが望ましい。
乾燥後の応力発光材料とリン酸化合物を混合してスラリーを調製し、更に粉砕と乾燥を行うことを複数回繰り返してもよい。
熱処理工程は、乾燥工程の後に、120〜300℃の雰囲気下で熱処理を行う工程であり、乾燥工程の後に熱処理を行うことによって、表面処理層がより緻密化され、さらに長期にわたり充分な耐水性を有する応力発光材料となる。
熱処理時間は1〜6時間とすることが望ましい。
熱処理雰囲気は特に限定されるものではないが、空気雰囲気、不活性ガス雰囲気等の雰囲気下で熱処理すればよい。
熱処理後の応力発光材料とリン酸化合物を混合してスラリーを調製し、更に粉砕と乾燥と熱処理を行うことを複数回繰り返してもよい。
応力発光材料を構成するストロンチウム元素、アルミニウム元素とも水と反応して水和物となりうるが、特にストロンチウム元素が水和物になり易く、水和物の量が増えるに従い応力発光能が低下する。このとき、応力発光材料は、反応した水の分、総重量が増加するとともに、劣化が進行していると考えられる。従って、上記応力発光材料は水と接触してもストロンチウム元素の含有率が変化しないことが望ましい。
具体的には、応力発光材料中のストロンチウム元素の含有率Aと、温度85℃、相対湿度85%の雰囲気下で応力発光材料を168時間保持した後のストロンチウム元素の含有率Bを用い、(A−B)/A×100で算出した変化率が、10%以下である。変化率が10%を超えると応力発光能が大きく低下する。上記変化率は5%以下であることが望ましい。
応力発光材料には、さらに、粒子の分散性を高めるための分散剤が添加されていてもよい。分散剤の例としては、特に限定されないが、アニオン系界面活性剤やノニオン系界面活性剤が用いられる。アニオン系界面活性剤としては、ポリカルボン酸アンモニウム、ポリカルボン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等が挙げられ、ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
応力発光材料には、さらに、粒子の結晶性を高めるためにフラックス成分が添加されていてもよい。上記フラックス成分としては、特に限定されないが、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム、フッ化アンモニウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム等の化合物が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、前記応力発光材料の原料となるユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子の製造方法は特に限定されるものではない。母体となるアルミン酸ストロンチウムはアルミナとストロンチウム化合物を反応させることにより得ることができる。
ストロンチウム化合物の例としては、特に限定されないが、炭酸ストロンチウム、酸化ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、ハロゲン化ストロンチウム(塩化ストロンチウム等)、硫酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、リン酸水素ストロンチウム等が挙げられる。
ユーロピウム化合物としては特に限定されず、例えば炭酸ユーロピウム、酸化ユーロピウム、塩化ユーロピウム、硫酸ユーロピウム、硝酸ユーロピウム、酢酸ユーロピウムなどが挙げられる。
リン酸化合物と混合する前のユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子に、さらに上述した共賦活剤、分散剤、フラックス成分が添加されていてもよい。
前記応力発光材料の製造方法は、リン酸化合物とユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子を混合してスラリーを調製するスラリー調製工程と、上記スラリーを粉砕して粉砕スラリーとする粉砕工程と、上記粉砕スラリーを乾燥する乾燥工程とを含むことを特徴とする。
前記応力発光材料の製造方法は、その説明において説明した各工程を行うことを特徴とする応力発光材料の製造方法であるため、その詳細な説明は省略する。
前記応力発光材料は、様々な環境下において、物理的かつ化学的に安定であり、そして、機械的な外力を加えて変形させることによって、格子欠陥又は格子欠陥と発光中心の、キャリアが励起されて、基底に戻る場合に発光する。このような本発明の応力発光材料を成形して得られる応力発光体は、様々な環境下においても適用することができ、例えば空気中をはじめ、真空中、還元又は酸化雰囲気中においてはもちろん、水、無機溶液、有機溶液などの各種溶液環境下においても、機械的な外力によって発光する。したがって、様々な環境下での応力検知に有効である。
[ビヒクル]
ビヒクルは、応力発光材料及び/又は着色剤を被印刷物に転移させ、かつ印刷後には応力発光材料及び/又は着色剤を被印刷物に固着させる媒体である。本発明に用いられるビヒクルは、印刷に使用されている既知のビヒクル成分、例えば、樹脂、溶剤、光重合成分等を含んでよい。
〔樹脂〕
本発明の実施形態では、印刷に使用されている既知の樹脂を使用してよい。例えば、油性インキに含まれる樹脂、又はUVインキに含まれる樹脂を使用してよい。樹脂は、反応性であることが好ましい。
樹脂は、天然樹脂又は合成樹脂でよく、かつホモポリマー又はコポリマーでよい。油性インキの粘性を確保するためには、樹脂が固形であることが好ましい。樹脂をUVインキ用バインダーとして使用するときには、樹脂の重量平均分子量は、約1000〜約3,000,000であることが好ましい。
天然樹脂としては、例えば、松脂、琥珀、シェラック、ギルソナイト等が挙げられる。
合成樹脂としては、例えば、2液型ウレタン樹脂、1液型ウレタン樹脂、ロジン、フェノール樹脂、変性アルキド樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、石油樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂等のマレイン酸樹脂、環化ゴム、及びその他の合成樹脂が挙げられる。
ストロンチウムが水をキャリアとしてアルミン酸塩の結晶格子の外へ溶出することを抑制するために、水に対する密封性を有する樹脂(以下、「水密性樹脂」という)をビヒクルとして使用することが好ましい。水密性樹脂としては、例えば、2液型ウレタン樹脂が挙げられる。
2液型ウレタン樹脂は、水酸基を有する化合物とイソシアネート基を有する化合物の組み合わせである。水酸基を有する化合物とイソシアネート基を有する化合物が縮合することにより、ウレタン結合を有する重合体を形成することができる。したがって、2液型ウレタン樹脂は、主剤としてのポリオールと硬化剤としてのポリイソシアネートの組み合わせであることが好ましい。
本発明のインキが水性インキであるときには、水性インキは、例えば、水溶性樹脂、コロイダルディスパージョン樹脂、エマルション樹脂等を含んでよい。
上記で列挙した樹脂は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用されることができる。
〔溶剤〕
溶剤としては、有機溶剤、乾性油、半乾性油、鉱物油、水等が挙げられる。
(有機溶剤)
樹脂に対する溶解力、乾燥速度、粘度、流動性、被印刷体への濡れ性、臭気の有無、環境又は人体への影響等の様々な性質を考慮して、本発明のインキには、印刷に使用されている既知の有機溶剤を含有させてよい。また、有機溶剤の様々な性質を調整するために、1種類の有機溶剤を使用するだけでなく、複数の種類の有機溶剤を混合して使用することも好ましい。
(乾性油・半乾性油)
乾性油及び半乾性油は、空気酸化作用により重合して硬化する油系材料である。乾性油とは、130以上のヨウ素価を有する植物油又は植物油由来成分をいう。また、半乾性油とは、100〜130のヨウ素価を有する植物油又は植物油由来成分をいう。
上記で列挙した乾性油又は半乾性油は、それぞれ単独で、又は2種以上を併用して使用することができる。
(鉱物油)
鉱物油としては、スピンドル油、マシン油、白灯油、非芳香族系石油溶剤等が挙げられる。特に、鉱物油は、水と相溶せず、かつ180℃以上の沸点を有する非芳香族系石油溶剤であることが好ましい。非芳香族系石油溶剤の沸点は、200℃以上であることが好ましい。非芳香族系石油溶剤としては、例えば、n−ドデカン鉱油等が挙げられる。
(水)
水は、水性インキの必須成分である。水は、応力発光材料、樹脂、有機溶剤、乾性油、半乾性油、鉱物油、光重合成分、着色剤、補助剤等と共に水性分散体を形成することができる。
水性インキのビヒクルとして使用される水としては、例えば、純水、脱イオン水、蒸留水、飲料水、水道水、海水、地下水、農業用水、工業用水、軟水、硬水、軽水、重水等が挙げられる。
本発明のインキ中の全溶剤量に対する水の含有量は、水性インキに必要な性能のバランスを考慮して、50重量%以上、又は70重量%以上でよく、また、この含有量は、90重量%以下、又は85重量%以下でよい。
〔光重合成分〕
本発明に使用される光重合成分は、モノマー、オリゴマー、光重合開始剤等を含む。
(モノマー・オリゴマー)
モノマーは、従来から光重合に使用されていたエチレン性不飽和結合を有する化合物でよい。また、オリゴマーは、エチレン性不飽和結合を有する化合物を、オリゴマー化することにより得られる。
オリゴマーは、UVインキの基本物性を支配する樹脂である。一方で、モノマーは、主に希釈剤として作用し、インキの粘度、硬化性、接着性等の性質を調整するために使用することができる。
エチレン性不飽和結合を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸系化合物;マレイン酸系化合物;ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリオール系、植物油系化合物等で変性したエチレン性不飽和二重結合を有する化合物等が挙げられる。
これらの中でも、樹脂と相溶し、かつ親油性の高いエチレン性不飽和結合を有する化合物が好ましく、例えば、炭素数が6〜24の長鎖アルキル基を有するエチレン性不飽和結合を有する化合物、ポリブチレングリコール変性されたエチレン性不飽和結合を有する化合物、植物油変性されたエチレン性不飽和結合を有する化合物等が好ましい。
(光重合開始剤)
光重合開始剤は、紫外線照射によって活性酸素等のラジカルを発生する化合物である。本発明のインキには、印刷に使用されている既知の光重合開始剤を含有させてよい。
[補助剤]
本発明のインキには、印刷に使用されている既知の補助剤、例えば、分散剤、架橋剤、乾燥促進剤、ワックス、体質顔料、及びその他の添加剤を含有させてよい。
〔分散剤〕
分散剤は、インキのレベリング性、安定性及び分散性を向上させるための補助剤である。具体的には、分散剤は、ビヒクル成分による応力発光材料又は着色剤の濡れを向上させるか、応力発光材料又は着色剤をビヒクル成分に吸着させるか、かつ/又は、インキ中に分散している応力発光材料又は着色剤の再凝集を防ぐために、使用することができる。
分散剤としては、例えば、低分子分散剤、高分子分散剤、顔料誘導体、カップリング剤等が挙げられる。
低分子分散剤は、応力発光材料又は着色剤への配向性又は吸着性が高い部分、及びビヒクルとの親和性が高い部分を有する低分子量物質であり、界面活性剤又は湿潤剤とも呼ばれる。
高分子分散剤は、応力発光材料又は着色剤の表面に吸着するアンカー基と、ビヒクル中で立体障害効果を発揮するバリアー基とを有する高分子量物質である。一般に、高分子分散剤には、複数のアンカー基を組み込み易いので、高分子分散剤は応力発光材料又は着色剤との多点吸着が可能である。また、高分子分散剤は、低分子分散剤と比べて、バリアー基が、かさ高くなるので、応力発光材料又は着色剤の分散安定性が向上する。
顔料誘導体は、顔料骨格にカルボキシル基、スルホン基、三級アミノ基等の極性基を導入することにより得られる。顔料誘導体の顔料骨格部分は、対応する顔料と吸着し易く、一方で、導入された極性基は、ビヒクル又は他の分散剤との親和性に優れる。
カップリング剤は、応力発光材料又は着色剤の表面に吸着するか、又は化学結合して、応力発光材料又は着色剤とビヒクルとの接着性を向上させる材料である。カップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤は、分子内に、有機材料と反応結合する有機官能基、及び無機材料と反応結合する加水分解性基を有する有機ケイ素化合物である。一般に、有機官能基としては、例えば、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、アミノ基等が挙げられ、かつ加水分解性基としては、例えば、アルコキシ基、クロル基、アセトキシ基等が挙げられる。
加水分解性基が、応力発光材料又は着色剤と結合し、かつ有機官能基がビヒクル成分との親和性又は反応性を有するので、シランカップリング剤は、応力発光材料又は着色剤とビヒクル成分との接着性を向上させることができる。
チタネートカップリング剤は、分子内に、有機材料と反応結合する有機官能基、及び無機材料と反応結合する加水分解性基を有する有機チタン化合物である。また、シランカップリング剤について説明された有機官能基及び加水分解性基を、チタネートカップリング剤に組み込むことができる。
一般に、チタネートカップリング剤は、水への溶解性が低いので、チタネートカップリング剤を有機溶剤に溶解させて使用することが好ましい。
〔架橋剤〕
架橋剤は、上記で説明された樹脂を架橋又はゲル化させるために、ビヒクルに加えることができる。
〔乾燥促進剤〕
乾燥促進剤としては、例えば、乾性油又は半乾性油に含まれる脂肪酸の金属塩、有機カルボン酸の金属塩、無機酸の金属塩等が挙げられる。
〔ワックス〕
ワックスは、印刷面の擦傷を防ぐための補助剤である。具体的には、ワックスは、インキ被膜の表面に耐摩擦性、ブロッキング防止性、スベリ性、スリキズ防止性等の性質を付与することができる。本発明のインキには、印刷に使用されている既知のワックスを含有させてよい。
〔体質顔料〕
体質顔料は、インキの粘度を調整するために使用される顔料であり、屈折率が小さく、かつ着色力が低い。したがって、体質顔料は、インキの粘度が高く、拭きが困難な場合に使用されることが好ましい。本発明のインキには、印刷に使用されている既知の体質顔料を含有させてよい。
体質顔料としては、例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、カオリン、タルク、シリカ、コーン澱粉、二酸化チタン、又はこれらの混合物が挙げられる。
〔その他の添加剤〕
本発明のインキには、所望により、重合禁止剤、例えば、フェノチアジン、t−ブチルヒドロキシトルエン等;乾燥抑制剤;酸化防止剤;整面助剤;裏移り防止剤;消泡剤;又は界面活性剤を含有させてよい。
[着色剤]
着色剤は、インキに色を付ける成分である。本発明のインキには、応力発光材料に加えて、印刷に使用されている既知の着色剤を含有させてよい。着色剤としては、例えば、無機顔料、有機顔料、染料、トナー用有機色素等が挙げられる。
さらに、上記で説明した応力発光材料及び着色剤以外に、機能性顔料、機能性染料等の他の機能性材料を、本発明のインキに配合してもよい。ここで、機能性材料は、無機でも有機でもよく、またインキに機能性を付与する添加剤でもよい。
<インキの組成、粘度及びpH>
本発明のインキにより印刷された印刷部を備える印刷物が、応力発光性を発現し易くなるように、インキ中の応力発光材料の含有量が、印刷方式を問わず、インキの全質量に対して、約5質量%以上又は約20質量%以上、かつ約50質量%以下又は約30質量%以下であることが好ましい。この含有量は、5質量%以上であると、印刷物の応力発光機能による視認性を確保することができ、この含有量は50質量%以下であると、印刷物の応力発光機能を確保しながら、インキの粘度を適切な範囲に保って、印刷適性の低下又は印刷画線部の剥がれという不具合を抑制することができる。
印刷方式に応じたインキの好ましい組成、固形分及び粘度を下記表1及び2に示す。
Figure 2016204526
Figure 2016204526
本発明のインキが油性・UV併用インキである場合には、油性・UV併用インキに含まれる各成分の配合比率については、油性・UV併用インキの粘度を数百Pa・sに調整したときに、溶剤及び樹脂を含む油性インキ用ビヒクルが25〜50質量%であり、樹脂及び光重合成分を含むUVインキ用ビヒクルが25〜50質量%であり、応力発光材料が1.0〜25質量%であり、着色剤が0〜20質量%であり、かつ補助剤が0.25〜20質量%である。油性・UV併用インキは、オフセット印刷又は凹版印刷に使用することが好ましい。
<インキの製造方法>
本発明のインキを製造する方法の一態様では、応力発光材料、ビヒクル、補助剤、着色剤等の成分を任意の順序で混合及び分散することにより、インキを得ることができる。各成分の混合及び分散は、ミキサー、例えば一軸ミキサー及び二軸ミキサー;練肉機(ink mill)、例えば3本ローラーミル、ビーズミル、ボールミル、サンドグラインダー及びアトライター等により行なうことができる。
この態様では、本発明の油性インキ、UVインキ、水性インキ又は油性・UV併用インキを形成してよい。油性・UV併用インキを形成するときには、応力発光材料、溶剤及び樹脂を混合して混合物を得て、この混合物に光重合性モノマー又はオリゴマーを加え、所望により、追加のビヒクル、補助剤又は着色剤も加えて、ビーズミル又は3本ロールミル等の分散機で練肉及び分散することによりインキ用ミルベースを得る。さらに、インキ用ミルベースに、光重合開始剤を加え、所望により、その他の材料も加えて、本発明の油性・UV併用インキを得ることができる。
<印刷物及び印刷方法>
本発明のインキは、基材に印刷されることにより、印刷部を備える印刷物を提供することができる。したがって、印刷物は、基材、及び本発明のインキにより印刷された印刷部を備える。
基材としては、紙基材、例えば、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、フォイル紙、再生紙、含浸紙、可変情報用紙等;フィルム基材、例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム、可変情報用フィルム等;又は布基材、例えば、織布、不織布等を使用してよい。印刷物は、紙幣、有価証券、チケット、カード等でよい。
本発明のインキを使用して、一般的な印刷方式、例えば、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、凹版印刷、オフセット印刷、活版印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷等で印刷物を得ることができる。得られた印刷物は、耐水性及び応力発光性を有してよい。
これらの印刷方式の中でも、印刷物の偽造を防止するために、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、凹版印刷又はオフセット印刷が好ましい。
オフセット印刷で基材上に印刷層を形成するときには、オフセット印刷1回当たりに形成される膜厚が約1μm〜約3μmであるため、複数回のオフセット印刷によって本発明のインキを基材に重ね刷りすることが好ましい。
本発明のインキにより印刷された印刷物は、応力発光性を有するので、本発明の印刷インキを任意のパターンで印刷し、印刷物を応力発光させることにより、各種情報管理等に使用可能となる。例えば、観察対象の印刷物が応力発光するかどうかを確認することによって、その印刷物が、本発明のインキにより印刷された印刷物であるかどうか、真贋を判定することができる。
本発明を実施例でさらに具体的に説明をするが、本発明は、これらによって限定されるものではない。
<ユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウムの製造例>
炭酸ストロンチウム(堺化学工業社製SW−K、23.466g)、酸化ユーロピウム(信越化学社製、0.311g)、及び酸化アルミニウム(岩谷化学製、RA−40、17.933g)を秤量し、水(200mL)中に入れてスラリー化後、3mm径アルミナボール(ニッカトー製、SSA−999W、190g)を粉砕メディアとして使用し、遊星ボールミルを用いて分散・粉砕・混合することによりスラリー状の応力発光材料用組成物を得た。得られた混合スラリーは130℃にて蒸発乾燥し、得られた固形物を乳鉢で解砕して粉末状の応力発光材料組成物を得た。次いで、その応力発光材料組成物をアルミナ製坩堝に20g充填して、還元雰囲気(2%水素含有窒素)中で200℃/時で1200℃まで昇温し、そのまま4時間保持後、200℃/時で室温まで降温した。
上記で得られた焼成物を、遊星ボールミルを用いてアルコール溶媒中で粉砕して整粒し、濾過・乾燥して目的のユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子を粉末として得た。
<耐水性応力発光材料の製造例>
リン酸水素ニアンモニウム(和光純薬工業社製)0.75gを容器に秤量し、更に純水30mLを加えて、撹拌することによりリン酸化合物を含むスラリーを得た。上記製造例で得られたユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子15gを、100mLのポリ容器に投入し、上記スラリーを加えて混合液を調製した後、1.5mm径アルミナボール80gを加え、スラリーを得た。
遊星ボールミル(フリッチュジャパン社製)にて、回転数150rpm条件のもと、上記スラリーを25分間かけて粉砕し、スラリーをステンレス製ザルに通して、アルミナボールを除去し、粉砕スラリーを得た。この時の相対遠心加速度Gは、3.08であった。
上記の粉砕スラリーを4時間撹拌させた後、アトマイザ一式スプレードライヤー(直接加熱方式噴霧乾燥装置)にて乾燥させる乾燥工程を行い、その後、200℃の電気乾燥機にて2時間加熱させる熱処理工程を行うことにより、上記ユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子の表面をリン酸化合物と反応させることで表面処理層が形成された応力発光材料を得た。
得られた応力発光材料からビードサンプラー(製品名:Bead&FuseSampler、東京科学製)を用いてビード試料を作成し、試料をICP発光分光分析装置(製品名:SPS3100、セイコーインスツル株式会社製)を用いて、リン元素、ストロンチウム元素の含有率を測定したところ応力発光材料中のリン元素の含有率は1.26重量%、ストロンチウム元素の含有率Aは32.6重量%であった。この応力発光材料において、ユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子100重量部に対するリン元素の含有量は1.28重量部である。
<耐湿試験後のストロンチウム元素の含有率評価>
上記製造例で得られた応力発光材料をペトリシャーレに入れて85℃、相対湿度85%の恒温恒湿槽に168時間保管して耐湿試験を行い、耐湿試験後の応力発光材料中のストロンチウム元素の含有率Bを、上記製造例における耐湿試験前のストロンチウム元素の含有率Aの測定方法と同様の方法で測定した。
耐湿試験前の応力発光材料中のストロンチウム元素の含有率Aと、耐湿試験後の応力発光材料中のストロンチウム元素の含有率Bから、(A−B)/A×100で変化率を算出したところ、含有率Bは32.2%、変化率は1.2%であった。
<インキの製造>
実施例1
上記で得られた耐水性応力発光材料100g、及びビニル系シルク印刷メジウム(十条ケミカル株式会社 ビニールH型ハーフトーン、1液蒸発乾燥型、固形分:20重量%)を3本ロールミル(小平製作所 RIII−1)によって十分撹拌混合して、シルクスクリーン印刷インキを得た。
実施例2
上記で得られた耐水性応力発光材料100g、ポリウレタン系シルク印刷メジウム(十条ケミカル株式会社 AP2000)、及び硬化剤(十条ケミカル株式会社 JA950)を3本ロールミル(小平製作所 RIII−1)によって十分撹拌混合して、シルクスクリーン印刷インキを得た。
比較例1
上記製造例で使用したユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム100g、及びビニル系シルク印刷メジウム(十条ケミカル株式会社 ビニールH型ハーフトーン、1液蒸発乾燥型、固形分:20重量%)を3本ロールミル(小平製作所 RIII−1)によって十分撹拌混合して、シルクスクリーン印刷インキを得た。なお、上記耐水性応力発光材料の製造例と同様の方法で、耐湿試験前後のユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム中のストロンチウム元素の含有率A、Bを測定したところ、含有率Aは32.7重量%、含有率Bは25.8重量%、その変化率(A−B)/A×100は21.1%であった。
比較例2
シランカップリング剤として、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社、KBM−7103)を、エタノール(試薬1級)と重量比1:1で混合することにより希釈液を得た。
次に、ユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム3.5kgをヘンシェルミキサーに投入し、回転数500rpmで撹拌した。上記希釈液17.5g(応力発光材料100重量部に対して、シランカップリング剤の重量が0.5重量部)を、2分間かけて滴下し、その後5分間さらに撹拌させた。
その後、ヘンシェルミキサーから、被覆された応力発光材料の粉体を取り出し、110℃の雰囲気に設定した乾燥機(ヤマト科学株式会社製DKN601)中で15時間保持することにより、応力発光材料の表面がシランカップリング剤で被覆された疎水性応力発光材料を得た。
上記で得られた疎水性応力発光材料100g、及びビニル系シルク印刷メジウム(十条ケミカル株式会社 ビニールH型ハーフトーン、1液蒸発乾燥型、固形分:20重量%)を3本ロールミル(小平製作所 RIII−1)によって十分撹拌混合して、シルクスクリーン印刷インキを得た。
<印刷手順>
100メッシュのシルクスクリーン印刷版(80mm×80mmのベタパターン)、ゴムスキージ(帝国インキ製造 9mm×50mm×200mm)及びシルク印刷台を用いて、50μmの厚さを有するPETフィルム(東洋紡 E5100)に、実施例1及び2並びに比較例1及び2で得られたインキをそれぞれ印刷して印刷物を得た。
<耐水性測定用サンプルの作製>
上記で得られた印刷物を、20mm×40mmの個片(20mm×10mmの非印刷部を含む)に切り分けて、測定サンプルを得た。
<印刷物の耐水性測定>
コニカルビーカーに40℃の脱イオン水50mlを入れて、40℃に設定した温水バスに浸した。測定サンプルを4枚ずつコニカルビーカーに挿入して、時間経過とともに水溶液のpHを測定した。その測定結果を図1に示す。
応力発光材料を構成するストロンチウム(Sr)が水と反応して水和物となり、同時にアルカリ性を示すSrイオンが放出されると、水溶液のpHが高くなる。つまり、水溶液のpHの上昇は、応力発光材料含有インキで印刷された印刷物が水との反応により劣化する水準を示す評価基準である。
上記評価基準に従うと、図1では、比較例1及び2は、いずれの時間プロットにおいても、応力発光体が溶出し、pHの上昇が見られる。より詳細には、比較例1の印刷物は、Srの溶出が激しく、60分後には水溶液のpHが2.8上昇した。一方で、実施例1の印刷物は、60分後でもpHの上昇が約0.5以下であるため、本発明によって耐水性を向上させる効果が確認された。
<印刷物の発光確認>
明るさが約10ルクスである環境下において、携行型UVランプを用いて、実施例1で得られた印刷物にUV光を30秒間照射し、さらに印刷物を30秒間放置した後、爪で印刷物を引っ掻いたところ、目視で印刷物の発光が観察された。また、耐水性測定後の実施例1で得られた印刷物についても同様に発光が観察された。一方、比較例1及び2で得られた印刷物については、耐水性測定後、ほとんど発光が観察されなかった。

Claims (15)

  1. リン酸化合物とユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子を混合してスラリーを調製するスラリー調製工程と、前記スラリーを粉砕して粉砕スラリーとする粉砕工程と、前記粉砕スラリーを乾燥する乾燥工程とにより得られる応力発光材料;及び
    ビヒクル
    を含み、かつ
    前記応力発光材料100重量部及び固形分20重量%のビニル系シルクスクリーン印刷メジウム230重量部を含むシルクスクリーン印刷インキを調製し、100メッシュのシルクスクリーン印刷版を用いて、前記シルクスクリーン印刷インキをポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥膜厚が20μmになるようにベタ印刷することにより印刷物を形成し、前記印刷物から、20mm×30mmのベタ印刷部を有する印刷片を4つ切り出し、前記4つの印刷片を40℃の脱イオン水50ml中に60分間に亘って浸漬した場合には、浸漬直前の前記脱イオン水に対する浸漬から60分後の浸漬液のpH変化の絶対値が、2.0以下である、
    印刷インキ。
  2. 前記pH変化の絶対値が、0.5以下である、請求項1に記載の印刷インキ。
  3. 前記応力発光体の合成における粉砕工程が、粉砕媒体撹拌型粉砕機を備えた反応器中で、粉砕媒体に与える相対遠心加速度をG(m/sec)として、0.1≦G≦20の条件下で行われる、請求項1又は2に記載の印刷インキ。
  4. 前記応力発光体の合成における粉砕工程が、前記相対遠心加速度をG(m/sec)として、0.1≦G≦10の条件下で行われる、請求項3に記載の印刷インキ。
  5. 前記応力発光体の合成における粉砕工程が、5分以上180分未満に亘って行われる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷インキ。
  6. 前記応力発光材料が、前記乾燥工程の後に、120〜300℃の雰囲気下で熱処理される熱処理工程を経て得られる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷インキ。
  7. 前記リン酸化合物由来のリンが、前記応力発光材料中に、前記ユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子100重量部に対しリン元素として0.2〜5.0重量部含まれる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷インキ。
  8. 前記ビヒクルが、ビニル樹脂又はウレタン樹脂を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷インキ。
  9. 前記ビヒクルが、ウレタン樹脂を含む、請求項8に記載の印刷インキ。
  10. 前記ウレタン樹脂が、2液型ウレタン樹脂である、請求項9に記載の印刷インキ。
  11. 前記2液型ウレタン樹脂が、ポリオールとポリイソシアネートの組み合わせである、請求項10に記載の印刷インキ。
  12. 偽造防止用である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の印刷インキ。
  13. 基材、及び請求項1〜12のいずれか1項に記載の印刷インキにより印刷された印刷部を備える印刷物。
  14. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の印刷インキを使用して、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、凹版印刷、オフセット印刷、活版印刷、インクジェット印刷又はフレキソ印刷で印刷物を得る方法。
  15. リン酸化合物とユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム粒子を混合してスラリーを調製するスラリー調製工程と、前記スラリーを粉砕して粉砕スラリーとする粉砕工程と、前記粉砕スラリーを乾燥する乾燥工程とにより得られる応力発光材料であって、得られた前記応力発光材料中のストロンチウム元素の含有率Aと、温度85℃、相対湿度85%の雰囲気下で前記応力発光材料を168時間保持した後のストロンチウム元素の含有率Bを用い、(A−B)/A×100で算出した変化率が10%以下である応力発光材料;及び
    ビヒクル
    を含む印刷インキ。
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