JP2016198833A - 罫書用治具及び電池セルの分解方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】切削屑の回収が容易で、かつ安定して罫書線を引くことが可能な罫書用治具、及びこのような罫書用治具を用いた電池セルの分解方法を提供する。【解決手段】この罫書用治具1では、支持部材4によって刃部3の刃身12に支持された粘着ローラ5が刃部3の峰部14側に配置されている。したがって、罫書用治具1では、刃部3によって対象物に罫書きを行う際、罫書きによって生じる切削屑Kを粘着ローラ5によって罫書きの直後に捕捉できる。したがって、切削屑Kが散らばることを防止でき、清掃や回収の手間を省くことができるので、工程の作業性を向上できる。また、罫書用治具1では、罫書きの際に刃先13と粘着ローラ5とが対象物に接するので、手元のブレを抑制でき、安定して罫書線Lを引くことができる。【選択図】図1
Description
本発明は、罫書用治具及び電池セルの分解方法に関する。
例えば使用済みの電池セルを分解するにあたり、罫書用治具を用いて電池セルのケースに罫書き(切削)を行い、罫書線に沿ってケースの分解を行う分解方法がある。従来の罫書用治具としては、例えば特許文献1に記載の手工具がある。この手工具は、持ち手に連結された軸部の先端に軸部と略直角となるように固定された刃及び支持台を備えており、刃と支持台との角度や、刃の切っ先の角度などが所定の範囲となるように規定されている。
ところで、上述したような罫書用治具を用いて罫書線を引いた際、切削屑が発生するという問題がある。切削屑が散らばると、清掃や回収の手間が生じ、工程の作業性が低下することが考えられる。また、罫書用治具を用いて手作業で罫書きを行う場合、刃の滑りなどによって罫書線が狙い位置からずれてしまう問題がある。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、切削屑の回収が容易で、かつ安定して罫書線を引くことが可能な罫書用治具、及びこのような罫書用治具を用いた電池セルの分解方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明の一側面に係る罫書用治具は、持手部と、持手部の先端側に設けられた刃部と、支持部材によって刃部の刃身に支持され、刃部の峰部側に配置された粘着ローラと、を備える。
この罫書用治具では、支持部材によって刃部の刃身に支持された粘着ローラが刃部の峰部側に配置されている。したがって、この罫書用治具では、刃部によって対象物に罫書きを行う際、罫書きによって生じる切削屑を粘着ローラによって罫書きの直後に捕捉できる。したがって、切削屑が散らばることを防止でき、清掃や回収の手間を省くことができるので、工程の作業性を向上できる。また、この罫書用治具では、罫書きの際に刃先と粘着ローラとが対象物に接するので、手元のブレを抑制でき、安定して罫書線を引くことができる。
また、罫書用治具は、支持部材を刃身の面内方向に回動自在に取り付ける取付部を更に備えていてもよい。こうすると、罫書線を引きやすい角度に刃部を傾けた場合でも、粘着ローラによる切削屑の回収と手元のブレの抑制とを好適に実施できる。
また、本発明の一側面に係る電池セルの分解方法は、上記罫書用治具を用いて電池セルのケースに罫書線を引く工程と、罫書線に沿ってケースを開封し、ケースから内部要素を取り出す工程と、を備える。
この電池セルの分解方法では、上記罫書用治具を用いることで、安定して罫書線を引くことができると共に、発生した切削屑を粘着ローラによって速やかに回収できる。したがって、ケースから取り出した内部要素に切削屑が付着・混入することを防止できる。
この罫書用治具によれば、切削屑の回収が容易で、かつ安定して罫書線を引くことが可能となる。
以下、図面を参照しながら、罫書用治具の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、罫書用治具の一実施形態を示す斜視図である。同図に示すように、罫書用治具1は、持手部2と、持手部2の先端側に設けられた刃部3と、支持部材4によって刃部3に支持された粘着ローラ5とを備えて構成されている。罫書用治具1は、例えば使用済みの電池セルの分解に供する治具であり、ケースの開封にあたって開封箇所に切削による罫書線を引くために用いられる。
持手部2は、作業者が罫書用治具1を把持する柄部である。持手部2は、木製であっても樹脂製であってもよい。持手部2の断面形状は、円形や楕円形等であってもよく、作業者が握り易いように手の形状に応じた凹部などが形成されていてもよい。また、持手部2の表面には、滑り止めのための表面処理や樹脂等による凹凸などが設けられていてもよい。
刃部3は、対象物を切削して罫書線を形成する部分である。刃部3は、持手部2の軸方向に延びる口金11と、口金11の先端側に口金11から略直角に延びる刃身12とを有している。刃身12の先端部における持手部2側は切削を行う刃先13となっており、持手部2の反対側は峰部14となっている。刃身12の根元側には、後述する取付部21による支持部材4の取り付けに用いられる断面円形の孔部15(図2参照)が設けられている。
粘着ローラ5は、刃部3によって対象物を切削したときに生じる切削屑を捕捉する部分である。粘着ローラ5は、粘着シート16が巻き回されたローラ17を有している。粘着シート16には、長手方向に一定の間隔でミシン目などが設けられており、使用によって粘着力が低下したシートをミシン目に沿って除去することで、未使用のシートを露出させることができるようになっている。
支持部材4は、粘着ローラ5を刃部3に対して支持する部分である。支持部材4は、例えば金属によって鉤状に形成されている。支持部材4の先端側は、粘着ローラ5の幅方向の一端側において粘着ローラ5を回転自在に支持している。粘着ローラ5の幅方向の中央位置は、罫書用治具1の平面視において、持手部2及び口金11の軸方向の延長線上に位置している。また、支持部材4の基端側は、取付部21によって刃身12の根元側の位置に取り付けられている。
取付部21は、図2に示すように、取付板22と、ボルト23と、15とによって構成されている。取付板22は、矩形の薄い金属板である。取付板22の中央部分には、刃身12の根元側に形成された孔部15と略同径の孔部25が設けられている。取付板22の角部は、例えば溶接によって支持部材4の基端側に固定されている。ボルト23としては、例えばつまみ付きボルト(蝶ボルト/ウイングボルト)などを用いることが好適である。
取付部21は、刃身12側の孔部15と取付板22側の孔部25とを一致させた状態でボルト23を孔部15,25に挿通すると共に、ボルト23のネジ部26に刃身12の反対側からナット24を螺合することによって支持部材4を刃身12に対して固定する。これにより、粘着ローラ5は、刃部3の峰部14側において、峰部14から一定の間隔をもって配置される。また、支持部材4の取り付けにあたって、ナット24をボルト23に螺合する前に刃身12に対して取付板22を回転させることにより、支持部材4の向きを刃身12の面内方向に回動自在に調整できる。これにより、刃身12に対する支持部材4及び粘着ローラ5の角度を自在に調整することが可能となっている。
続いて、罫書用治具1を用いた電池セルの分解方法について説明する。
図3は、電池セルの分解方法の一例を示す斜視図である。同図に示す電池セル31は、例えばリチウムイオン二次電池である。電池セル31は、略直方体形状をなすケース32を備えている。ケース32は、例えばアルミニウムによって形成され、有底の本体部33と、本体部33の一面側の開口を塞ぐように本体部33に溶接された蓋部34とを備えて構成されている。ケース32内には、正極及び負極をセパレータを介して交互に積層してなる電極組立体(内部要素)が収容されている。なお、ケース32の蓋部34の外面には、正極に接続される正極端子と、負極に接続される負極端子とが設けられているが、説明の簡単化のため、図示を省略する。
電池セル31の分解にあたっては、事前に電池セル31の放電を実施する。放電を実施した後、図3に示すように、罫書用治具1を用いて本体部33の表面を切削し、罫書線Lを引く。罫書線Lを引く際には刃先13が本体部33の表面を切削する切削位置Pの後段側で粘着ローラ5が本体部33の表面に接するように、予め取付部21によって支持部材4の角度を調整する。
図3の例では、本体部33と蓋部34との接合ラインWと略平行となるように、接合ラインWから所定の間隔をもって罫書線Lを一周させる。このとき、切削位置Pで生じた切削屑Kは、切削位置Pの後段側に位置する粘着ローラ5によって速やかに捕捉される。
罫書線Lの形成の後、図4に示すように、本体部33の隣り合う2つの側面がなす角部41において、ニッパーなどの工具を用いて接合ラインW及び罫書線Lに沿う切れ目を入れ、次いで、角部41に沿って2つの切れ目間をニッパーなどで切断する。そして、この切断箇所にラジオペンチ42を差し込み、接合ラインW及び罫書線L間の本体部33の壁部を帯状にラジオペンチ42に巻き付けていくことにより、接合ラインW及び罫書線Lに沿ってケース32を開封する。その後、ケース32内から電極組立体を取り出すことで、電極組立体の検査・解析等を実施できる。
以上説明したように、罫書用治具1では、支持部材4によって刃部3の刃身12に支持された粘着ローラ5が刃部3の峰部14側に配置されている。したがって、罫書用治具1では、刃部3によって対象物に罫書きを行う際、罫書きによって生じる切削屑Kを粘着ローラ5によって罫書きの直後に捕捉できる。したがって、切削屑Kが散らばることを防止でき、清掃や回収の手間を省くことができるので、工程の作業性を向上できる。粘着ローラ5を用いることで、例えばエアの吸引によって切削屑Kを回収する場合に比べて強い力で切削屑Kを回収することができる。このため、切削屑Kの根元がケース32の表面に残り、バリのような状態となっていたとしても、切削屑Kをケース32の表面から剥離して回収することが可能である。
また、罫書用治具1では、罫書きの際に刃先13と粘着ローラ5とが対象物に接するので、対象物に対する刃先13の角度が固定され、手元のブレを抑制できる。さらに、粘着ローラ5が対象物に接することで、刃先13の横ずれも生じにくくすることができる。したがって、安定して罫書線Lを引くことができる。
また、罫書用治具1では、支持部材4を刃身12の面内方向に回動自在に取り付ける取付部21を備えている。これにより、罫書線Lを引きやすい角度に刃部3を傾けた場合に、これに応じて支持部材4の角度を自在に調整できる。したがって、粘着ローラ5による切削屑Kの回収と手元のブレの抑制とを好適に実施できる。
また、本実施形態に係る電池セル31の分解方法では、上記罫書用治具1を用いることで、安定して罫書線Lを引くことができると共に、発生した切削屑Kを粘着ローラ5によって速やかに回収できる。したがって、ケース32から取り出した電極組立体に切削屑が付着・混入することを防止できる。電極組立体への切削屑の付着・混入を防止することで、取り出した電極組立体の検査・解析に切削屑による不具合が生じることを防止できる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上記実施形態では、取付板22に設けた孔部25は、刃身12の根元側に形成された孔部15と略同径となっているが、孔部15を長孔としてもよい。この場合、角度の調整に加えて、粘着ローラ5の位置を持手部2側から見て奥行方向に調整することが可能となる。
また、上記実施形態では、電池セル31のケース32の罫書きを例示したが、罫書用治具1は、電池セルの分解に限られず、一般の封缶金属容器の開封にも適用可能である。罫書用治具1の用途も、電池セルの検査・解析に限られず、内部要素の分別によるリサイクル等の用途にも適用できる。
1…罫書用治具、2…持手部、3…刃部、4…支持部材、5…粘着ローラ、12…刃身、14…峰部、21…取付部、31…電池セル、32…ケース、L…罫書線。
Claims (3)
- 持手部と、
前記持手部の先端側に設けられた刃部と、
支持部材によって前記刃部の刃身に支持され、前記刃部の峰部側に配置された粘着ローラと、を備えた罫書用治具。 - 前記支持部材を前記刃身の面内方向に回動自在に取り付ける取付部を更に備えた請求項1記載の罫書用治具。
- 請求項1又は2記載の罫書用治具を用いて電池セルのケースに罫書線を引く工程と、
前記罫書線に沿って前記ケースを開封し、前記ケースから内部要素を取り出す工程と、を備えた電池セルの分解方法。
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