本開示のいくつかの実施形態は、部分的に、以下の説明、および類似参照番号が同一または類似部品を指す添付図面を参照することによって、理解され得る。
図1は、ある実施形態による、例示的手持式放射線ベースの治療デバイス10の種々の構成要素を図示する。放射線ベースの治療デバイス10は、エネルギービームを生成するように構成される、放射線源14を含む、放射線源14、一連の走査エネルギービームを皮膚40の治療面積に走査、調整、および/または送達するための光学系15、制御システム18、1つ以上の電源20、および/または1つ以上のファン34を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、デバイス10の主要構成要素は、実質的に、手持式構造または外側筐体24内に内蔵されてもよい。手持式筐体24は、皮膚40の治療面積の治療の間、皮膚(または、他の標的表面)と接触して載置されるように構成される、印加端(または、「治療先端」)42を画定してもよい。印加端42は、走査ビームをユーザに送達するための治療送達インターフェースを含む、種々のユーザインターフェースと、皮膚(または、他の表面)の種々の特性および/またはデバイス10によって送達されたエネルギーを検出するための1つ以上のセンサ26とを含む、あるいは格納してもよい。いくつかの実施形態では、印加端42は、走査ビームが標的表面に送達される、開口または窓44を含んでもよく、または代替として、光学要素16(例えば、レンズ)は、印加端42に位置し、治療の間、皮膚に直接接触または近接するために構成されてもよい。
デバイス10は、本明細書で論じられる機能性または当業者に公知の他の関連機能性のいずれかを提供するために好適な任意の他の構成要素を含んでもよい。
放射線源14は、例えば、1つ以上のレーザ、LED、および/またはフラッシュランプ、超音波デバイス、RFデバイス、またはマイクロ波エミッタ等の1つ以上の放射線源14を含んでもよい。放射線源14としてレーザを含む実施形態は、任意のタイプまたは複数のタイプのレーザ、例えば、1つ以上の端面発光レーザダイオード(単一エミッタ端面発光レーザダイオードまたは複数のエミッタ端面発光レーザダイオード)、レーザダイオードバー、VCSELレーザ(垂直共振器面発光レーザ)、CO2レーザ、エルビウムYAGレーザ、パルス色素レーザ、ファイバレーザ、他のタイプのレーザ、または任意のそれらの組み合わせを含んでもよい。
放射線源14は、1つ以上の放射線源を含んでもよく、それぞれ、放射線のビームを生成するように動作可能である。例えば、放射線源14は、1つ以上のレーザ源、例えば、1つ以上のレーザダイオード、CO2レーザ、エルビウムYAGレーザ、パルス色素レーザ、ファイバレーザ等を備えてもよい。いくつかの実施形態では、放射線源14は、1つ以上の単一エミッタ端面発光レーザダイオード、多重エミッタ端面発光レーザダイオード(例えば、2012年3月21日出願の同時係属中の米国特許出願第13/426,995号「Dermatological Treatment Device with One or More Multi−Emitter Laser Diode」に説明され、本出願の全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれるような)、レーザダイオードバー、またはVCSELレーザを備えてもよい。いくつかの実施形態では、放射線源14は、例えば、1つの非レーザ源、例えば、1つ以上のLEDまたはフラッシュランプを備えてもよい。
便宜上、本開示は、多くの場合、単数の放射線源またはレーザ源(例えば、「ある放射線源」、「該放射線源」、「あるレーザ」、または「該レーザ」)、あるいは単一放射線源または単一レーザ源を含む、デバイスを指す。しかしながら、明示的に別様に記載されない限り、本明細書における単一放射線源のいずれの言及も、少なくとも1つの放射線源またはレーザ源を意味することが意図されることを理解されたい。したがって、例えば、ビームを生成するレーザ源を含む、デバイスの本明細書の開示は、単一ビームを生成する単数のレーザ源を含むデバイス、ならびにそれぞれ個別のビームを生成する、複数のレーザ源を含むデバイスを開示するものと解釈されたい。
いくつかの実施形態では、放射線源から放射されるビームは、少なくとも1つの方向において、発散する。例えば、端面発光レーザダイオードまたは多重放射線源レーザダイオードバーを含む、実施形態では、放射されるビームは、速軸および遅軸の両方において発散してもよい。したがって、そのような実施形態では、光学系15は、以下により詳細に論じられるように、ともにまたは独立してかのいずれかにおいて、速軸および遅軸ビームプロファイルに指向される光学を含んでもよい。VCSELレーザを含む実施形態では、放射されるビームまたは複数のビームは、両軸において対称的に発散してもよい。
いくつかの実施形態では、放射線源14は、所望の皮膚科治療を提供するように任意の好適な波長のために構成され、および/または任意の好適な波長で動作されてもよい。例えば、放射線源14は、例えば、ある光熱融解または他の治療のために、例えば、1400nm〜2000nmの間で、皮膚内の水分によって吸収される波長のために構成され、および/または波長で動作されるレーザであってもよい。いくつかの実施形態では、放射線源14は、例えば、にきび治療またはある部分非切除皮膚治療、例えば、皮膚の若返りまたは表面再生、しわ治療、あるいは色素沈着病変(例えば、染み、そばかす、ほくろ等)の治療のために、1400nm〜1550nmの間の波長のために構成され、および/または波長で動作されるレーザであってもよい。他の実施形態では、放射線源14は、例えば、にきびのような皮脂腺関連治療のために、1700nm〜1800nmの間の波長のために構成され、および/または波長で動作されるレーザであってもよい。なおも他の実施形態では、放射線源14は、例えば、日光黒子のような色素沈着病変治療のために、約1926nmの波長のために構成され、および/または波長で動作されるレーザであってもよい。別の実施例として、放射線源14は、除毛治療またはメラニン系治療を提供するために、約810nmの波長のために構成され、および/または波長で動作されるレーザであってもよい。複数の放射線源を含む、いくつかの実施形態では、異なる放射線源が、異なる波長で発光してもよい。例えば、デバイスは、約1400nm〜1550nmの波長を放射する1つ以上の第1の放射線源と、約1926nmの波長を放射する1つ以上の第2の放射線源とを含んでもよい。別の実施例として、波長は、紫外線内にあってもよく(例えば、DNAまたは微生物に影響を及ぼすため等)、可視スペクトル内にあってもよく(例えば、メラニン、ヘモグロビン、酸素ヘモグロビン、またはミトコンドリアあるいは線維芽細胞のような感光性要素に影響を及ぼすため等)、または赤外線スペクトル内にあってもよい(例えば、メラニン、水分、脂質に影響を及ぼすため等)。同様に、放射線は、超音波スペクトル内(例えば、集束超音波部分皮膚若返りまたは引き締めを行うため等)、または高周波スペクトル内にあってもよい(例えば、部分またはバルク加熱を行うため等)。
放射線源14は、任意の好適なエネルギーまたは電力レベルで構成または動作されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、放射線源14は、送達ビームあたり(すなわち、治療スポットあたり)総エネルギー約2mJ〜約30mJを放射してもよい。例えば、放射線源14は、送達ビームあたり約5mJ〜約20mJを放射してもよい。特定の実施形態では、放射線源14は、送達ビームあたり約10〜15mJを放射してもよい。いくつかの実施形態では、各送達ビームは、パルス状放射線源のパルスから生じ、パルスは、次いで、自動走査システム48によって走査され、送達ビームとして皮膚に送達される、出力ビームを提供する。したがって、そのような実施形態では、放射線源14は、パルスあたり総エネルギー約2mJ〜約30mJ、例えば、パルスあたり約5mJ〜約20mJ、例えば、パルスあたり約10〜15mJを放射してもよい。
いくつかの実施形態では、デバイス10は、特定の実施形態、用途、またはデバイス設定に応じて、連続波(CW)放射線、パルス状放射線として、または任意の他の様式において、放射線を生成するように、放射線源14を制御する。本開示の目的の場合、パルス状または連続波放射線は、放射線源14によって放射される放射線が、自動走査システム48によって、異なる場所に走査されるため、皮膚に送達される放射線ではなく、放射線源14によって放射される放射線を指す。したがって、いくつかの実施形態では、CW放射線として生成される放射線は、CW放射線が、皮膚上の異なる個別治療スポットに高速で走査されるにつれて、本質的に、一連のパルスとして、異なる場所において、皮膚に送達され、各治療スポットは、本質的に、パルスである、短持続時間のCW放射線を受光する。したがって、走査システムを採用する実施形態では、CWおよびパルス状放射線源は両方とも、パルス状様式において、エネルギーを送達してもよい。
したがって、議論を明確にするために、本明細書で使用されるように、「生成パルス」は、パルス状放射線源14によって放射されるパルスを指す一方、「送達パルス」は、デバイス10の印加端42から送達されるパルスを指す。送達パルスはまた、本明細書では、送達ビーム114と称され、走査要素の任意の1つの特定の走査の間、関連走査要素のある偏向セクタから出力される放射線として定義され、デバイス10の印加端42から送達される。したがって、送達パルスは、CWおよびパルス状放射線源の両方によって提供されてもよい。送達パルスは、走査要素の任意の1つの特定の走査の間、走査要素のある偏向セクタから出力され、印加端42から送達される、放射線の単一の連続送達または複数の高周波パルス(例えば、変調パルス、パルス列、またはスーパーパルスの形態)を含んでもよい。
放射線源14がパルス状放射線を生成する実施形態は、任意の好適なパルスパラメータ、例えば、パルス繰り返し数または周波数、パルスオン時間、パルスオフ時間、負荷サイクル、パルスプロファイル等を利用してもよい。いくつかの実施形態では、放射線源14は、0.5〜75Hzの間の割合でパルス化されてもよい。例えば、放射線源14は、2〜30Hzの間の割合でパルス化されてもよい。特定の実施形態では、放射線源14は、10〜20Hzの間、例えば、約15Hzの割合でパルス化されてもよい。所与の治療スポット上の1つのパルスあたりのエネルギーは、単一のパルスによって、または複数の反復パルスによって達成することができる。
本明細書で使用されるように、「治療スポット」は、概して、その場所における皮膚内で所望の治療を提供するために十分な程度まで、送達パルスの間(前述で定義されるような)、放射線源によって照射される皮膚の連続面積を意味する。例えば、レーザ放射線源を含む、いくつかのタイプの放射線源については、治療スポットの境界は、「1/e2幅」によって画定され、すなわち、治療スポットは、皮膚表面上の任意の点における最大放射線強度の少なくとも1/e2(または0.135)倍に等しい放射線強度によって照射される、皮膚表面の連続領域を含む。治療スポットは、照射される表面(または体積)の全範囲を含んでもよい。治療スポットは、照射領域または体積よりも小さくあり得る、あるいは(例えば、熱伝導性により)より大きくあり得る、照射による影響を受けている組織の全範囲を含んでもよい。さらに、「皮膚上の」治療スポットまたは類似用語の言及は、皮膚の表面上で治療効果を生じるかどうかにかかわらず、概して、皮膚内で放射線パターンを生じる、皮膚上の放射線パターンを指す。
治療スポットは、送達パルスの間、例えば、デバイス10の滑動モード動作において、皮膚を横断するデバイス10の移動による、任意の1つ以上の方向における不鮮明化、ぶれ、または他の伸長のため、何らかの増加した面積を含む。例えば、不鮮明化またはぶれの影響のため、各送達ビーム114によって生成される治療スポットは、いくつかの要因に応じて、その送達ビーム114によって瞬間的に照射される皮膚の面積のサイズより10%〜500%大きくなり得る。
光学システム15は、放射線を放射線源14から標的表面(例えば、皮膚)に操作、送達、調整、および/または別様に制御あるいは影響を及ぼすために構成され、そのような機能性を提供するために、任意の数および/またはタイプの光学または光学要素16を含んでもよい。いくつかの実施形態では、光学系15は、(a)入力ビーム(例えば、パルス状またはCW入力ビーム)を皮膚への送達のための一連の連続出力ビームに変換または「走査」するように構成される、任意の好適な光学16を含む、ビーム走査システム48と、(b)走査システム48の上流および/または下流の任意の他の光学要素16(該当する場合)とを含む。走査システム48の光学16は、本明細書では、走査光学62と称される一方、光学系15の他の光学16(該当する場合)は、図3Aを参照して以下により詳細に論じられるように、非走査光学60と称される。
本明細書で使用されるように、「光学」または「光学要素」は、少なくとも1つの軸におけるビームの角度分布プロファイル(例えば、収束、発散、または平行化)に影響を及ぼし、少なくとも1つの軸におけるビームの焦点に影響を及ぼし、ビームの伝搬方向に影響を及ぼし(例えば、反射または偏向によって)、または別様に、放射線の特性に影響を及ぼす、任意の反射性または透過性要素を意味し得る。したがって、光学は、鏡および他の反射性表面等の平面および非平面反射性要素、ならびにレンズ、プリズム、光導波路、格子、フィルタ等の透過性要素を含む。本開示の目的の場合、光学は、概して、透過性窓またはフィルム、例えば、デバイスの内部構成要素を保護するための透過性開口としての機能を果たす、窓またはフィルム等の平面または実質的に平面透過性要素を含まない。本明細書では、「光学」または「光学要素」の言及は、1つ以上の光学要素を意味する。
(制御)
制御システム18は、デバイス10の1つ以上の構成要素(例えば、放射線源14、ビーム走査システム48、ファン34、ディスプレイ32等)を制御するように構成されてもよい。制御システム18は、例えば、以下のうちの任意の1つ以上を含んでもよい:ユーザへの放射線の生成、治療、および送達の側面を制御するための放射線源制御システム、ビームを走査し、面積上に治療スポットのパターンを生成するための自動走査システム48を制御するための走査システム制御システム、例えば、前の治療位置に対して、(例えば、デバイスが治療中に皮膚を横断して滑動させられるにつれて)皮膚を横断するデバイス10の判定された変位に基づいて、デバイス10の側面を制御するための変位ベースの制御システム、温度制御システム、治療放射線への眼(例えば、角膜)の暴露を防止するのに役立つ眼の安全制御システム(眼の安全制御システムは、デバイス10から放射されるレーザ放射線が本質的に眼に安全である実施形態、例えば、デバイス10のある直接暴露実施形態では、省略されてもよい)、および/またはバッテリ/電力制御システム。
制御システム18は、デバイス10とのユーザ相互作用を促進するための1つ以上のセンサ26および/またはユーザインターフェース28、(例えば、センサ26および/またはユーザインターフェース28からの)データを処理し、デバイス10の種々の構成要素を制御するための制御信号を生成するための制御電子機器30を含んでもよい。制御電子機器30は、1つ以上のプロセッサと、論理命令またはアルゴリズムあるいは他のデータを記憶するためのメモリデバイスとを含んでもよい。メモリデバイスは、任意のタイプのRAM、ROM、フラッシュメモリ、あるいは任意の他の好適な揮発性および/または不揮発性メモリデバイス等の、電子データ(論理命令またはアルゴリズムを含む)を記憶するためのいずれか1つ以上のデバイスを含んでもよい。論理命令またはアルゴリズムは、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせとして実装されてもよい。プロセッサは、少なくとも、本明細書で論議されるデバイス10の種々の機能を果たすように、論理命令またはアルゴリズムを実行するために、いずれか1つ以上のデバイス、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサおよび/またはマイクロコントローラを含んでもよい。制御電子機器30は、排他的に、アナログ電子機器、またはアナログおよびデジタル電子機器の任意の組み合わせを含んでもよい。
制御システム18は、センサ26からのフィードバック、ユーザインターフェース28を介して受信されるユーザ入力、および/または論理命令/アルゴリズムに基づいて、デバイス10の構成要素または動作パラメータを制御してもよい。例えば、制御システム18は、デバイス10の1つ以上の動作パラメータを制御するように構成されてもよい。例えば、制御システム18は、治療レベル(例えば、低出力レベル、中出力レベル、または高出力レベル)、または治療モード(例えば、滑動モード対打刻モード、または高速パルスモード対低速パルスモード、初期治療モード対後続治療モード等)、放射線源14の状態(例えば、オン/オフ、パルスオン時間、パルスオフ時間、パルス負荷サイクル、パルス周波数、一時的パルスパターン等)、放射線のパラメータ(例えば、放射線波長、強度、出力、フルエンス等)、1つ以上の光学要素の構成または動作(例えば、後述のように、回転式要素ビーム走査システム48の動作)、および/またはデバイス10の任意の他の側面を制御してもよい。いくつかの実施形態では、制御システム18は、少なくとも、変位センサからのフィードバックに基づいて、放射線源14および/またはビーム走査システム48の構成要素(例えば、回転式走査要素)の動作を制御してもよい。したがって、例えば、制御システム18は、デバイス10または治療先端42が、以前の治療位置から治療面積40を横断して、ある距離だけ平行移動したことを示す、変位センサからの信号に基づいて、放射線源14および/または回転式走査要素を制御してもよい。
センサ26は、デバイス10、ユーザ、動作環境、または任意の他の関連パラメータに関するデータを感知または検出するためのいずれか1つ以上のセンサまたはセンサシステムを含んでもよい。例えば、図2に関して以下でさらに詳細に論議されるように、センサ26は、以下のタイプのセンサのうちの1つ以上、(a)皮膚に対するデバイス10の変位を判定するための1つ以上の変位センサ、(b)皮膚を横断して移動する(「滑動する」)デバイス10のスピード、割合、または速度を判定するための1つ以上の運動/スピードセンサ、(c)ビーム走査システム48のモータのスピードおよび/または回転式走査要素の位置を監視するためのエンコーダセンサ、(d)デバイス10と皮膚との間の適正な接触を検出するための1つ以上の皮膚接触センサ、(e)皮膚に押し付けられたデバイス10の圧力を検出するための1つ以上の圧力センサ、(f)皮膚および/またはデバイス10の構成要素の温度を検出するための1つ以上の温度センサ、(g)皮膚に送達された、または送達されたことを示す、放射線の1つ以上のパラメータ(例えば、強度、フルエンス、波長等)を検出するための1つ以上の放射線センサ、(h)皮膚の色素沈着の色またはレベルを検出するための1つ以上の色/色素センサ、(i)放射線源14からの光への不要な眼の暴露を防止するための1つ以上の眼の安全センサ、(j)デバイスが皮膚に対して静止しているか、または本質的に静止しているかどうかを検出するための1つ以上の滞留センサ、(k)デバイスの変位および/または滑動スピードを検出するための1つ以上のローラ型センサ、および/または任意の(l)他の好適なタイプのセンサを含んでもよい。
ユーザインターフェース28は、デバイス10とのユーザ相互作用を促進するための任意のシステムを含んでもよい。例えば、ユーザインターフェース28は、ボタン、スイッチ、ノブ、スライダ、タッチスクリーン、キーパッド、振動または他の触覚フィードバックを提供するためのデバイス、可聴命令、ビープ音、または他の可聴音を提供するためのスピーカ、あるいはユーザからコマンド、設定、または他の入力を受信し、情報または出力をユーザに提供するための任意の他の方法を含んでもよい。ユーザインターフェース28はまた、1つ以上のディスプレイ32を含んでもよく、そのうちの1つ以上は、ユーザ入力を受信するためのタッチスクリーンであってもよい。1つ以上のユーザインターフェース28またはその一部は、スマート充電ドックまたはパーソナルコンピュータの中等、治療デバイスから別個の筐体の中に含まれてもよく、治療デバイスは、ハードウェア(ケーブルまたはジャック等)、無線方法(赤外線信号、無線信号、またはBluetooth(登録商標)等)、または他の好適な通信方法を介して、別個の筐体と通信してもよい。
電力供給20は、デバイス10の種々の構成要素への電力を生成、調節、または供給するためのいずれか1つ以上のタイプおよび事例の電力供給または電源を含んでもよい。例えば、電力供給20は、1つ以上の再充電可能または非再充電可能バッテリ、コンデンサ、超コンデンサ、DC/DCアダプタ、AC/DCアダプタ、および/またはコンセント(例えば、110V壁コンセント)から電力を受電するための接続を備えてもよい。いくつかの実施形態では、電力供給20は、1つ以上の再充電可能または非再充電可能バッテリ、例えば、1つ以上のLi含有電池、あるいは1つ以上のA、AA、AAA、C、D、角柱、または9V再充電可能または非再充電可能電池を含む。一実施例では実施形態、デバイス10は、Shenzhen Mottcell Battery TEchnology Co.(中国)製LiFeP04 18650XP、3.2V、1100mAh再充電可能バッテリを使用する。
図2は、ある実施形態による、デバイス10の側面を制御するための制御システム18の例示的構成要素を図示する。制御システム18は、制御電子機器30、センサ26、ユーザインターフェース28、およびいくつかの制御サブシステム52を含んでもよい。制御サブシステム52は、デバイス10の1つ以上の構成要素(例えば、放射線源14、ファン34、ディスプレイ32等)を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、制御サブシステム52は、放射線源制御システム128、走査システム制御システム130、変位ベースの制御システム132、有用性制御システム133、ユーザインターフェース制御システム134、温度制御システム136、バッテリ/電力制御システム138、モータ/パルス制御システム139、および/または本明細書で開示される機能性のうちのいずれかを制御するための任意の他の好適な制御システムを含んでもよい。ユーザインターフェース制御システム134は、ユーザインターフェースセンサ制御システム140と、ユーザ入力/ディスプレイ/フィードバック制御システム142とを含んでもよい。
各制御サブシステム52は、任意の好適な制御電子機器30、センサ26、ユーザインターフェース28、および/またはデバイス10に関係する任意の他の構成要素、入力、フィードバック、あるいは信号を利用してもよい。さらに、いずれか2つ以上の制御システムが、少なくとも部分的に統合されてもよい。例えば、制御システム128−139の機能性は、例えば、あるアルゴリズムまたはプロセスが、複数または全ての制御システム128−139に関係するある機能性を提供し得るように、少なくとも部分的に統合されてもよい。
各制御サブシステム52(例えば、サブシステム128−139)は、任意の好適な制御電子機器30、センサ26、およびユーザインターフェース28を利用するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、制御電子機器30は、1つよりも多くまたは全ての制御サブシステム52によって共有されてもよい。他の実施形態では、専用制御電子機器30が、個々の制御サブシステム52によって提供されてもよい。
制御電子機器30は、1つ以上のプロセッサ144と、論理命令またはアルゴリズム148あるいは他のデータを記憶するためのメモリデバイス146とを含んでもよい。メモリデバイス146は、任意のタイプのRAM、ROM、フラッシュメモリ、あるいは任意の他の好適な揮発性および/または不揮発性メモリデバイス等の、電子データ(論理命令またはアルゴリズム148)を記憶するためのいずれか1つ以上のデバイスを含んでもよい。論理命令またはアルゴリズム148は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせとして実装されてもよい。プロセッサ144は、少なくとも、本明細書で論議されるデバイス10の種々の機能を果たすように、論理命令またはアルゴリズム148を実行するために、いずれか1つ以上のデバイス、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサおよび/またはマイクロコントローラを含んでもよい。制御電子機器30は、排他的に、アナログ電子機器、またはアナログおよびデジタル電子機器の任意の組み合わせを含んでもよい。
センサ26は、デバイス10、ユーザ、動作環境、または任意の他の関連パラメータに関するデータを感知または検出するためのいずれか1つ以上のセンサまたはセンサシステムを含んでもよい。例えば、センサ26は、以下のタイプのセンサのうちの1つ以上を含んでもよい。
(a)皮膚40に対するデバイス10の変位を検出、測定、および/または計算するため、あるいは変位が判定される信号を生成するための少なくとも1つの変位センサ200。いくつかの実施形態では、例えば、図40A〜44を参照して以下に論じられるように、変位センサ200は、皮膚における固有の皮膚特徴を識別し、計数することによって、デバイス10の変位を判定するように構成される単一ピクセルセンサであってもよい。他の実施形態では、例えば、図45〜46を参照して以下に論じられるように、変位センサ200は、ピクセルの2次元配列を利用するマウス型光学結像センサ等のマルチピクセルセンサであってもよい。
他の実施形態では、例えば、図48A〜48Gを参照して以下に論じられるように、変位センサ200は、ローラ回転の量がデバイスの直線変位を示す、ローラ型センサ218であってもよい。例えば、ローラ型センサ変位センサ200は、1つ以上の印を有する機械的ローラと、検出デバイスを通り越して回転する際に、そのような印を識別するための検出デバイス(例えば、光学または他のスキャナ)と、そのような印の検出に基づいてデバイス10の変位を判定するための処理電子機器とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ローラはまた、滑動治療を促進するようにモータによって能動的に駆動されてもよい。
なおも他の実施形態では、変位センサ200は、以下に論じられるように、容量センサを備えてもよい。変位センサ200は、デバイス10の変位を検出、測定、および/または計算するように、任意の数の他のデバイスまたは技法を使用してもよい。
変位センサ200は、(i)1つ以上の方向におけるデバイス10の直線変位を検出、測定、および/または計算する、(ii)1つ以上の回転方向でデバイス10によって移動させられる回転の程度を検出、測定、および/または計算する、または(iii)それらの任意の組み合わせのために使用されてもよい。
(b)治療領域40を横断して移動するデバイス10の割合、スピード、または速度(「手動滑動スピード」)を検出、測定、および/または計算するため、あるいは手動滑動スピードが判定される信号を生成するための少なくとも1つの運動/スピードセンサ202。
(c)走査システムモータ120に固定されるエンコーダの回転および/または位置を検出するための少なくとも1つのエンコーダセンサ203(例えば、図68Aおよび68Bに示されるエンコーダホイール121)。例えば、エンコーダセンサ203は、エンコーダがモータ120によって回転されるにつれて、エンコーダの回転および/または位置を読み取るように構成される、光学センサであってもよい。エンコーダセンサ203からの信号は、例えば、走査要素に送達されたビームパルスのタイミングを制御するために、モータスピードおよび/または回転式走査要素の位置を判定するために使用されることができる。
(d)デバイス10と皮膚または治療領域40との間の接触を検出するための少なくとも1つの皮膚接触センサ204。例えば、デバイス10は、ユーザの皮膚との接触を検出するための1つ以上の容量接触センサ204を含んでもよい。
(e)皮膚または治療領域40に対するデバイス10の圧力(または力)を検出するための少なくとも1つの圧力(または力)センサ206。
(f)治療領域40、治療領域40の一部位(治療の前、間、および/または後の治療スポット70等)、デバイス10の構成要素、または他の物体の温度を検出するための少なくとも1つの温度センサ208。
(g)(例えば、光パルスあたり、個別ビーム/治療スポットあたり、走査されたビーム/治療スポット70の送達アレイあたり、特定数の個々の送達されたビーム/治療スポット70またはビーム/治療スポット70の走査アレイあたり、または特定の期間あたり)治療領域40に送達された放射線のレベルまたは他のパラメータ、または治療領域40に送達された放射線を示すレベルまたは他のパラメータを検出するための少なくとも1つの放射線センサ210。例えば、デバイス10は、治療ビームのパルス持続時間を測定するようにフォトダイオードを含んでもよい。(h)治療領域40中の色素沈着の色またはレベルを検出するための少なくとも1つの色/色素センサ212。
(i)治療放射線源14からの光への不要な眼の暴露を防止するのに役立つための少なくとも1つの眼の安全センサ214。例示的眼の安全センサ214は、図48−51を参照して以下で論議される。
(j)デバイス10が皮膚に対して静止しているか、または本質的に静止しているかどうかを検出するための少なくとも1つの滞留センサ216。
(k)デバイス10の変位を示す信号、デバイス10の手動滑動スピード、またはデバイス10の静的状態、あるいは両方を検出するために、変位センサ200、運動/スピードセンサ202、滞留センサ216、または全てとして使用され得る、少なくとも1つのローラベースのセンサ218。
(1)任意の他のタイプのセンサ。
ユーザインターフェース28は、デバイス10とのユーザ相互作用を促進する、例えば、データを表示する、あるいは視覚的および/または聴覚的に、および/または触知可能に(例えば、振動を介して)フィードバックをユーザに提供する、およびユーザからコマンド、選択、または他の入力を受信するための任意のシステムを含んでもよい。例えば、ユーザインターフェース28は、1つ以上のディスプレイ32(そのうちの1つ以上が双方向タッチスクリーンであってもよい)、1つ以上の手動デバイス220(例えば、ボタン、スイッチ、ノブ、スライダ、タッチスクリーン、キーパッド等)、1つ以上のスピーカ222、および/またはデータ、情報、またはフィードバックをユーザに提供するか、あるいはユーザから入力または情報を受信するための任意の他のデバイスを含んでもよい。
制御サブシステム52は、センサ26からのフィードバック、ユーザインターフェース28を介して受信されるユーザ入力、および/または論理命令/アルゴリズム148の実行に基づいて、デバイス10の1つ以上の制御可能な動作パラメータを制御するように構成されてもよい。本明細書で使用されるように、「制御可能な動作パラメータ」は、制御サブシステム52のうちのいずれかによって制御され得る、デバイス10の任意の側面またはパラメータを含んでもよい。
例えば、1つ以上の制御サブシステム52は、例えば、以下等の放射線源14の動作の任意の側面を制御してもよい。
(a)(以下で論議される)治療モードを選択する、および/または切り替えること、
(b)放射線源14のオン/オフ状態(別々に、または群として、個々の光源を制御することを伴い得る)、およびそのようなオン/オフ状態のタイミング、例えば、パルストリガ遅延、パルス持続時間、パルス負荷サイクル、パルス周波数、一時的パルスパターン等を制御すること、
(c)(例えば、放射線源14に供給される電力を制御することによって)放射線の1つ以上のパラメータ、例えば、波長、強度、出力、フルエンス等を制御すること、および/または
(d)放射線源14の任意の他の側面を制御すること。別の実施例として、1つ以上の制御サブシステム52は、例えば、以下等の走査システム48の動作の任意の側面を制御してもよい。
(a)回転式走査要素100の回転の開始/停止を制御すること、
(b)(例えば、モータ120を制御することによって)回転式走査要素100の回転スピードを制御すること、および/または
(c)走査システム48の任意の他の側面を制御すること。
制御サブシステム52(例えば、制御システム128−139)は、センサ26からのフィードバック、ユーザインターフェース28を介して受信されたユーザ入力、および/または論理命令/アルゴリズム148に基づいて、デバイス10の構成要素または側面を制御してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、制御システム128は、1つ以上の変位センサ200および/または皮膚接触センサ204からのフィードバックに基づいて、放射線源14および/またはビーム走査システム48(例えば、走査要素100の回転)の動作を制御してもよい。別の実施例として、制御システム128は、1つ以上の変位センサ200、皮膚接触センサ204、および眼の安全センサ214からのフィードバックに基づいて、放射線源14および/またはビーム走査システム48の動作を制御してもよい。他の実施形態では、制御システム128は、1つ以上の滑動率センサ202および皮膚接触センサ204からのフィードバックに基づいて、放射線源14および/またはビーム走査システム48の動作を制御してもよい。他の実施形態では、制御システム128は、1つ以上の滞留センサ216および皮膚接触センサ204からのフィードバックに基づいて、放射線源14および/またはビーム走査システム48の動作を制御してもよい。他の実施形態では、制御システム128は、1つ以上の他のセンサ204−218に加え、変位センサ200または滞留センサ216および滑動率センサ202の両方からのフィードバックに基づいて、放射線源14および/またはビーム走査システム48の動作を制御してもよい。
(光学系)
前述で論じられるように、デバイス10は、放射線源14から標的表面(例えば、皮膚)への放射線を走査、送達、調整、および/または別様に制御あるいは影響を及ぼすために構成される、光学系15を含んでもよく、そのような機能性を提供するための任意の数および/またはタイプの光学または光学要素16を含んでもよい。光学系15は、(a)入力ビームを走査し、皮膚への送達のための一連の連続出力ビームを生成するための任意の好適なビーム走査光学62を含む、ビーム走査システム48と、(b)走査システム48の上流および/または下流の任意の他の光学要素16(該当する場合)を含んでもよい。
図3Aは、ある実施形態による、デバイス10のための例示的光学系15の一般的構成要素の側面を図示する。そのような実施形態では、光学系15は、ビーム走査システム48のビーム走査光学62と、(随意に)非走査光学60とを含んでもよい。ビーム走査光学62は、入力ビームを出力ビームの連続して送達された一連の、すなわち、アレイとして走査し、治療スポットのパターン70(例えば、スポット、線、または他の形状)を標的面積40内に作成するように構成されてもよい。非走査光学60(該当する場合)は、走査光学62の上流の非走査光学60A、走査光学62の下流の非走査光学60B、または上流の非走査光学60Aおよび下流の非走査60B両方を含んでもよい。いくつかの実施形態は、上流の非走査光学60Aおよび下流の非走査光学60Bを含む。
図3Aを参照すると、放射線源14によって生成されるビームは、本明細書では、生成ビーム108と称される。走査光学62で受光された時点では、ビームは、本明細書では、入力ビーム110と称される。走査光学62は、入力ビーム110を、本明細書では、出力ビーム112と称される、複数の走査ビームとして走査する。デバイス10の印加端42を出射した時点では、走査ビームは、本明細書では、送達ビーム114と称される。
図3Bは、ある実施形態による、デバイス10のための例示的光学系15の一般的構成要素の側面を図示する。特に、図3Bは、光学16が、入射ビームの異なる光学軸に異なって作用する、軸非対称要素を含み得ることを図示する。例えば、光学16は、主に、第1の光学軸における入射ビームに影響を及ぼすように構成される、第1の光学と、主に、第1の軸に直交する第2の光学軸におけるビームに影響を及ぼすように構成される、第2の光学とを含んでもよい。主に、特定の光学軸においてビームに影響を及ぼすステップは、直交する光学軸においてより大きく、特定の光学軸におけるビームの強度プロファイルに影響を及ぼすステップを含んでもよい。本明細書で使用されるように、特定の光学軸に沿ったビームの強度プロファイルは、(a)特定の光学軸に沿った強度プロファイルの形状(例えば、ガウス、上部平坦等)、(b)ビームが、収束、発散、または平行化されるかどうか、(c)ビームの収束または発散の程度等を指す。
いくつかの実施形態では、そのような軸非対称光学要素は、第1の軸(「速軸」と称される)において、比較的に急に発散し、直交する第2の軸(「遅軸」と称される)において、比較的に緩やかに発散する、略長方形断面ビームを生成する、非対称ビームを生成する放射線源14、例えば、レーザダイオードを制御または処理するために使用される。
したがって、図3Bに示される実施例では、非走査光学60は、別個の速軸光学64(または、速軸光学64)および遅軸光学66(または、遅軸光学66)を含む。速軸光学64は、主に、ビームの速軸強度プロファイルに影響を及ぼす(遅軸強度プロファイルに及ぼす影響と比較して)ように構成される、1つ以上の光学要素16を含む一方、遅軸光学66は、主に、ビームの遅軸強度プロファイルに影響を及ぼす(速軸強度プロファイルに及ぼす影響と比較して)ように構成される、1つ以上の光学要素を含む。ある実施形態では、速軸光学64は、実質的に、遅軸強度プロファイルに影響を及ぼさずに、速軸強度プロファイルに影響を及ぼすように構成される。さらに、ある実施形態では、遅軸光学66は、実質的に、速軸強度プロファイルに影響を及ぼさずに、遅軸強度プロファイルに影響を及ぼすように構成される。特定の実施形態では、これらの特徴が両方とも、提供される。すなわち、速軸光学64は、実質的に、遅軸強度プロファイルに影響を及ぼさずに、速軸強度プロファイルに影響を及ぼし、遅軸光学66は、実質的に、速軸強度プロファイルに影響を及ぼさずに、遅軸強度プロファイルに影響を及ぼす。
代替として、速軸光学64および遅軸光学66は、部分的または完全に、統合されてもよい。例えば、特定の光学要素(例えば、鏡またはレンズ)は、速軸および遅軸強度プロファイルの両方に有意に影響を及ぼしてもよい。そのような要素は、多重軸光学要素と称されてもよく、全軸を中心として対称であってもよく、またはそうでなくてもよい(例えば、球状)。いくつかの実施形態は、1つ以上の別個の速軸光学要素を伴う、1つ以上の多重軸光学要素、または1つ以上の別個の遅軸光学要素を伴う、1つ以上の多重軸光学要素、1つ以上の別個の遅軸光学要素および1つ以上の別個の速軸光学要素を伴う、1つ以上の多重軸光学要素、あるいは任意の他のそれらの組み合わせを含んでもよい。
速軸光学64、遅軸光学66、およびビーム走査光学62は、ビーム伝搬の経路に沿って、任意の順序で配列されてもよい。例えば、光学64および66は、ビーム走査光学62の上流、またはビーム走査光学62の下流に配列されてもよく、あるいはビーム走査光学62は、光学64と66との間に配列されてもよく、ビーム走査光学62は、光学64および66の一方または両方として作用してもよい。さらに、ビーム走査光学62がまた、速軸光学64、遅軸光学66、または両方として作用する場合、光学系15はまた、それぞれ、1つ以上の別個の速軸光学64、遅軸光学66、または両方を含んでもよい、
さらに、速軸光学64および遅軸光学66はそれぞれ、ビーム走査光学62と別個または一体であってもよい。換言すると、走査光学62は、速軸および遅軸強度プロファイルの一方または両方に影響を及ぼす、あるいはいずれにも影響を及ぼさなくてもよい。したがって、例えば、走査光学62は、速軸光学64として作用し、遅軸光学66は、別個に提供されてもよい。代替として、走査光学62は、遅軸光学66として作用し、速軸光学64は、別個に提供されてもよい。代替として、走査光学62は、速軸および遅軸強度プロファイルの両方に有意に影響を及ぼしてもよい。
図3Cは、デバイス10の特定の例示的実施形態のための例示的光学系15の一般的構成を図示する。本例示的構成では、光学系15は、上流速軸光学60A、64と、遅軸光学66としても作用する、ビーム走査光学62と、随意に(特定の実施形態に応じて)、下流速軸光学60Bとを含む。上流速軸光学60Aおよび随意の下流速軸光学60Bはそれぞれ、例えば、円筒形または「ロッド」レンズ、非球面レンズ、または任意の他の好適な光学要素を備えてもよい。遅軸光学66としても作用する、ビーム走査光学62は、例えば、回転式多重セクタ走査要素、例えば、以下に論じられる、走査要素100Aまたは100Bを備えてもよい。光学系15はまた、所望に応じて、ビームを指向するように構成される、1つ以上の平面鏡を含んでもよい。例えば、平面鏡は、ビーム走査光学62の下流(および、存在する場合、下流速軸レンズ60Bの上流)に位置付けられ、出力ビーム112の走査アレイをデバイス10の印加端42に向かって指向してもよい。
特定の実施形態では、放射線源14は、パルス状またはCW生成ビーム108を放射するように構成される、レーザダイオードである。上流速軸光学60Aは、速軸における生成ビーム108の発散を低減させ、結果として生じる入力ビーム110は、ビーム走査光学62で受光され、入力ビーム110を走査し、一連の順次出力ビーム112を産生する。いくつかの実施形態では、出力ビーム112は、1つ以上の平面鏡(例えば、以下に論じられる、図3Dに示されるように)によって再指向される、および/またはさらに下流速軸光学60Bによって影響を受けてもよい。他の実施形態では、出力ビーム112は、走査光学62の下流に任意の光学16を伴わずに、送達ビーム114として、皮膚に送達されてもよい。
いくつかの実施形態では、走査光学62(例えば、以下に論じられる、走査要素100Aまたは100B)は、走査方向に、相互から角度オフセットされる、出力ビーム112の順次アレイを提供してもよい。随意の下流速軸光学60Bは、出力ビーム112のアレイを受光し、それに作用するために、走査方向に延在してもよい。例えば、速軸光学60Bは、走査方向に延在し、送達ビーム114として皮膚への送達のための各出力ビーム112の発散を低減し/収束を増加させるように構成される、ロッドレンズを備えてもよい。
図3Dは、図3Cに示される構成に類似するが、例示的実施形態による、平面変向鏡65をさらに含む、構成を図示する。いくつかのそのような実施形態では、走査光学62(例えば、以下に論じられる、走査要素100Aまたは100B)は、走査方向に、相互から角度オフセットされる、出力ビーム112の順次アレイを提供してもよい。出力ビーム112の走査方向は、鏡65によって偏移または変向されてもよい。随意の下流速軸光学60Bは、出力ビーム112のアレイを受光し、それに作用するために、偏移または変向された走査方向と同一の方向に延在してもよい。例えば、速軸光学60Bは、走査方向に延在し、送達ビーム114として皮膚への送達のための各出力ビーム112の発散を低減し/収束を増加させるように構成される、ロッドレンズを備えてもよい。
加えて、以下に論じられる他の実施形態は、光学系15の種々の構成に関する。例えば、図10A−11Bに示される例示的実施形態では、ビーム走査光学62はまた、遅軸光学66に作用する一方、速軸光学64は、別個に提供される。図19および20に示される例示的実施形態では、速軸光学64および遅軸光学66は両方とも、ビーム走査光学62から別個に提供される。
前述で論じられるように、用語「光学」は、本明細書で使用されるように、単一光学要素または複数の光学要素を含んでもよい。いくつかの実施形態、例えば、図10A−10B、1lA−11B、19、および20に示される例示的実施形態では、デバイス10は、単一速軸光学要素64および単一遅軸光学要素66のみを含む。また、下流速軸光学60Bが省略される、図3Cによる実施形態は、単一速軸光学要素64および単一遅軸光学要素66のみを含む。これらの実施形態では、ビーム走査光学62は、遅軸光学66として作用する(例えば、回転式多重セクタ走査要素62の各セクタは、回転式走査要素62の任意の特定の位置で、生成108から送達114へのビームが、単一光学要素、すなわち、回転式走査要素62の個別のセクタのみによって、遅軸において有意に影響を受けるように、主に、遅軸において、入力ビーム110に影響を及ぼす。そのような実施形態はまた、走査光学62と別個の単一速軸光学要素64を含む。
図19および20の実施形態では、速軸光学要素64および遅軸光学要素66は、平面鏡面を利用する、走査光学62から別個であって、したがって、平面偏向を除き、速軸または遅軸のいずれにおけるビームにも影響を及ぼさない。
他の実施形態では、デバイス10は、2つ以上の速軸光学要素64、2つ以上の遅軸光学要素66、または両方を含む。例えば、図10A−10B、11A−11B、19、および20に示される実施形態のいずれかはさらに、1つ以上の速軸光学要素64および/または遅軸光学要素66を含み、個別の軸において、ビームに影響を及ぼしてもよい。
さらに他の実施形態では、デバイス10は、速軸光学64および/または遅軸光学66の代わりに、またはそれに加え、1つ以上の軸対称光学16を含む。例えば、光学系15の光学16は、1つ以上の球状光学要素、軸対称放物線光学要素、および/または任意の他のタイプの軸対称光学要素を含んでもよい。そのような軸対称光学要素は、例えば、ファイバレーザ、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)、LED、またはランプ等の軸対称ビームを生成する放射線源14を利用する、例えば、デバイス10の実施形態において使用されてもよい。1つ以上の軸対称光学要素はまた、例えば、レーザダイオード等の軸非対称ビームを生成する放射線源14を利用する、デバイス10のある実施形態において使用されてもよい。
(例示的デバイス概略)
図4は、ある例示的実施形態による、例示的デバイス10の機能的ブロック図を図示する。示されるように、デバイス10は、放射線源14、ビーム走査システム48を含む光学系15、制御システム18、ディスプレイ32を含むユーザインターフェース28、電源(本実施例では、バッテリ)20、種々のセンサ26、および冷却ファン34を含む、筐体24内に含有される種々の構成要素を含んでもよい。
放射線源14は、放熱板36に連結された放射線源14(本実施例では、レーザダイオード)と、速軸光学要素64とを含む。光学系15は、上流速軸光学要素64、遅軸光学要素66、および随意の下流光学要素16を含んでもよい。本実施例では、速軸光学要素64(例えば、ロッドレンズ)は、放射線源14の放熱板36に搭載されてもよく、したがって、放射線源14の構成要素と見なされてもよい。さらに、本実施例では、遅軸光学要素66は、ビーム走査システム48の多重セクタ回転式走査要素62(例えば、要素100Aまたは100B)である。したがって、本実施例では、回転式走査要素62は、走査要素および遅軸光学要素の両方として作用する。ビーム走査システム48は、走査要素62およびエンコーダ121を回転させるように構成される、モータ120、例えば、走査要素62に固定されたインジケータホイールを含む。動作時、放射線源14は、生成ビーム108を放射し、これが、速軸光学要素64によって影響を受け、入力ビーム110を走査要素62に提供する。入力ビーム110は、多重セクタ回転式走査要素62によって走査され、オフセット出力ビーム112の連続アレイ(例えば、相互から角度オフセットされる)を生成する。出力ビーム112は、さらにビームに影響を及ぼす、下流光学16(例えば、速軸ロッドレンズ)、またはビームに影響を及ぼさない、保護出力窓44を通して、送達ビーム114として、皮膚40に送達され、皮膚上に治療スポットのアレイを生成する。
デバイス10は、1つ以上の変位センサ200、皮膚接触センサ204、および/または眼の安全センサ214(および/または、本明細書で論じられる、任意の他のタイプまたは複数のタイプのセンサ26)を含んでもよい。変位センサ200は、例えば、デバイス10が、滑動モードまたは打刻動作モードにおいて、皮膚を横断して移動されるにつれた、皮膚に対するデバイス10の側方変位を監視してもよい。皮膚接触センサ204は、デバイス10、特に、印加端42が、治療をユーザに提供するために、皮膚に接触しているか、または十分に近接しているかどうかを判定してもよい。眼の安全センサ214は、デバイス10の印加端42(例えば、印加端42における光学要素16または窓44)が、眼への意図されない暴露を防止するために、眼が検出されると、デバイス10が、制御され得る(例えば、放射線源14がオフにされる)ように、皮膚または眼にわたって位置付けられているかどうかを判定してもよい。
前述のように、制御システム18は、デバイス10の種々の構成要素および側面を制御するための任意の好適なサブシステムを含んでもよい。本実施例では、制御システム18は、放射線源制御システム128、走査制御システム130、変位ベースの制御システム132、有用性制御システム133、ユーザインターフェース制御システム134、温度制御システム136、バッテリ/充電器制御システム138、および/またはモータ/パルス制御システム139を含む。各制御サブシステム128−139は、必要に応じて、制御電子機器30、センサ26、およびユーザインターフェース28を利用する、またはそれと相互作用してもよい。
放射線源制御システム128は、放射線源14の種々の側面を監視および制御してもよい。例えば、システム128は、放射線源14をオンおよびオフにし、生成ビームの強度を監視および制御してもよい(例えば、放射線源14への電流を制御することによって)。別の実施例として、放射線源14がパルス状である実施形態または構成では、システム128は、放射線源14からの生成パルスのパルス持続時間、パルスオン時間、パルスオフ時間、トリガ遅延時間、負荷サイクル、パルスプロファイル、または任意の他のパラメータを監視および/または制御してもよい。別の実施例として、システム128は、放射線源14の温度を監視してもよく、そのデータは、例えば、パルス持続時間、モータ120のモータスピード、冷却ファン34の動作等を制御するために、温度制御システム136によって使用されてもよい。加えて、システム128は、放射線源14の監視された温度に基づいて、放射線源14をオフにする、または放射線源14への電力を低減させてもよい(例えば、過熱を防止するため)。放射線源制御システム128は、放射線源14の側面を制御するために、任意の他の制御サブシステム(例えば、走査制御システム130、ユーザインターフェース制御システム134、温度制御システム136、バッテリ/充電器制御システム138、および/またはモータ/パルス制御システム139)からのデータまたは信号を利用してもよい。
走査制御システム130は、レーザ走査システム48の種々の側面、例えば、ある実施形態では、多重セクタ走査要素62を回転させるように構成される、モータ120を監視および制御してもよい。例えば、システム130は、モータ120をオンおよびオフにし、モータ120の回転スピード、回転方向、および/または他のパラメータを監視および制御してもよい。走査制御システム130は、他の制御サブシステム、例えば、放射線源制御システム128、変位ベースの制御システム132、有用性制御システム133、ユーザインターフェース制御システム134、および/またはモータ/パルス制御システム139とデータあるいは信号を通信する、もしくは別様にそれらと協働してもよい。
ユーザインターフェース制御システム134は、変位センサ200、皮膚接触センサ204、眼の安全センサ214、および/または他のセンサ26を監視および制御するために、ユーザインターフェースセンサ制御システム140を含んでもよい。例えば、システム134は、各センサによって検出された信号を受信し、制御信号を各センサに送信してもよい。ユーザインターフェース制御システム134は、ユーザインターフェース28およびディスプレイ32を監視および制御するために、ユーザ入力/ディスプレイ/フィードバック制御システム142を含んでもよい。例えば、システム134は、ユーザ入力データを種々のユーザインターフェース28から受信し、ディスプレイ32を介して、ユーザに通信される情報を制御してもよい(例えば、視覚的に、聴覚的に、触覚的に(例えば、振動によって)、触知可能に等)。走査制御システム130は、他の制御サブシステム、例えば、放射線源制御システム128、走査制御システム130、変位ベースの制御システム132、有用性制御システム133、温度制御システム136、バッテリ/充電器制御システム138、および/またはモータ/パルス制御システム139とデータまたは信号を通信する、あるいは別様にそれらと協働してもよい。
温度制御システム136は、デバイス10、例えば、放射線源14、走査システム48のモータ120、バッテリ20等の1つ以上の構成要素の温度を監視および制御するように構成されてもよい。したがって、温度制御システム136は、データを1つ以上の温度センサ208から受信し、そのようなデータに基づいて、1つ以上のファン34を制御してもよい。制御ファン34に加え、、温度制御システム136は、温度データに基づいて、放射線源14、モータ120等を制御するための制御信号を生成してもよい。例えば、温度制御システム136は、信号を放射線源制御システム128および/または走査システム制御システム130に通信し、検出された温度信号に基づいて、放射線源14および/またはモータ120の動作を制御し、例えば、図63を参照して以下に論じられるように、例えば、レーザ温度の変化と関連付けられた放射波長の変化を動的に補償してもよい。別の実施例として、温度制御システム136は、信号を放射線源制御システム128および/または走査システム制御システム130に通信し、そのような構成要素を所定の性能パラメータ内に維持するために、または任意の他の目的のために、放射線源14および/またはモータ120をオフまたは別様に制御し、そのような構成要素の過熱を回避してもよい(または、検出された過熱に応答して)。温度制御システム136は、放射線源制御システム128、走査制御システム130、ユーザインターフェース制御システム134、バッテリ/充電器制御システム138、および/またはモータ/パルス制御システム139とデータまたは信号を通信する、あるいは別様に、それらと協働してもよい。
バッテリ/充電器制御システム138は、バッテリ20の充電を監視および制御するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、複数のバッテリ20が、デバイス10内に含まれる。いくつかの実施形態では、バッテリ20は、例えば、交換のために、デバイス10から取り外し可能であってもよい。図3に示されるように、デバイス10は、バッテリ20を充電するために、制御電子機器30を介して、壁コンセント充電器720および/または充電スタンド730への接続のために構成されてもよい。システム138は、バッテリ20の電荷および/または温度を監視し、バッテリ20の充電を適宜調整してもよい。バッテリ/充電器制御システム138は、他の制御サブシステム、例えば、ユーザインターフェース制御システム134、および/または温度制御システム136とデータまたは信号を通信する、あるいは別様に、それらと協働してもよい。
モータ/パルス制御システム139は、放射線源14および/または走査システム48の種々の側面を監視および制御してもよく、放射線源制御システム128、走査システム制御システム130、変位ベースの制御システム132、有用性制御システム133、ユーザインターフェース制御システム134、および温度制御システム136の側面を含む、前述で論じられる他のサブシステムの種々の側面を組み込む、あるいは組み合わせてもよい。例えば、モータ/パルス制御システム139は、放射線源14のオンおよびオフ、放射線源14からの生成パルスのパルス持続時間、パルスオン時間、パルスオフ時間、トリガ遅延時間、負荷サイクル、パルスプロファイル、または任意の他のパラメータの制御(例えば、放射線源14の電流を制御することによって)、走査システム48のモータ120の制御(例えば、回転式ビーム走査要素100のスピード、位置等を制御するために)等を行なってもよい。モータ/パルス制御システム139は、種々のセンサ26からの信号に基づいて、および/または回転式ビーム走査要素100の回転および/または位置を示すように配列され得る、エンコーダ121の回転および/または位置を監視することによって、そのようなパラメータを制御してもよい。モータ/パルス制御システム139は、放射線源14および/または走査システム48の側面を制御するために、任意の他の制御サブシステム128−138からのデータまたは信号を利用してもよい。モータ/パルス制御システム139の例示的側面は、図55−59を参照して以下により詳細に論じられる。
デバイス10は、皮膚40に対して載置されるように構成される、本明細書では、印加端42と称される、送達端を含んでもよい。印加端42は、出力ビーム112をユーザに送達するための治療送達インターフェース、ならびに標的表面および/またはデバイス10によって送達される治療の種々の特性を検出するための1つ以上のセンサを含む、種々のユーザインターフェースを含む、または格納してもよい。例えば、図示される実施形態では、印加端42は、1つ以上の変位センサ200、皮膚接触センサ204、および/または眼の安全センサ214のためのインターフェースを提供し、これらのセンサが、皮膚40とインターフェースをとることを可能にする。図4に示されるように、いくつかのセンサ26(例えば、放射線反射ベースの変位センサ200および/または眼の安全センサ214)は、印加端42に提供される光学要素16または窓44を介して、皮膚40とインターフェースをとってもよい一方、他のセンサ26(例えば、静電容量ベースの接触センサ204)は、直接、皮膚40とインターフェースをとってもよい。
(走査システムの一般的動作)
図5Aは、デバイス10が皮膚上に定常に保持された状態において、走査システム48による入力ビーム110の1回の完全走査によって送達された例示的パターンまたは治療スポット70のアレイ(本実施例では、治療スポット70の列72)を図示する。例えば、走査システム48による入力ビーム110の1回の完全走査は、多重セクタ回転式走査要素、例えば、以下に論じられる、走査要素100A、100B、または100Cの1回の完全回転に対応してもよい。本実施例では、走査システム48は、入力ビーム110の単一走査の間、12回の出力ビーム112を送達し、12個の治療スポット70を皮膚上に作成する。したがって、そのような実施形態では、走査システム48は、12個のセクタ回転式走査要素を利用してもよい。
前述で論じられるように、いくつかの実施形態または設定では、デバイス10は、走査放射線を皮膚に送達しながら、デバイスが、手動で、皮膚を横断して移動または滑動される、「滑動モード」で動作されてもよい。走査システム48は、デバイス10が皮膚を横断して滑動されるにつれて、標的面積40上に治療スポット70の列72を繰り返し走査し、したがって、2次元の治療スポットのアレイを皮膚40上に産生してもよい。
他の実施形態では、デバイス10は、デバイス10が、皮膚上の異なる場所に比較的に定常に保持される、「打刻モード」で使用されるように構成され、治療スポット70の1つ以上の走査列またはアレイ(重複するかどうかにかかわらず)が、皮膚上のデバイス10の各場所に送達される。したがって、デバイス10は、皮膚上の第1の場所に位置付けられてもよく、その地点において、デバイス10が比較的に定常に保持されながら、治療スポットの1つ以上の走査列またはアレイ70が、次いで、皮膚に送達されてもよく、その後、所望に応じて、ある皮膚40の面積を被覆するために、デバイス10は、次いで、デバイス10を持ち上げ、それを再位置付けすることによって、または皮膚の表面を横断して、デバイス10を新しい場所に滑動させることによって、移動されてもよく、その地点において、治療スポットの1つ以上の走査列またはアレイが、次いで、この新しい場所で送達される等と続いてもよい。なおも別の実施形態では、さらに、デバイス10が、皮膚上に定常に保持されると仮定して、ビーム走査システム48は、入力ビーム110(または、複数の入力ビーム110)の単一走査において、略2次元の治療スポット70のアレイを提供するように構成される。例えば、走査システム48は、ある方向にビームを走査する、第1の回転式要素と、直交する方向にビームを走査する、第2の回転式要素とを含んでもよい。別の実施例として、単一回転式要素は、以下に論じられるように、単一走査の間、出力ビームの複数の走査列または出力ビームの2次元アレイを提供するように構成されることができる。
他の実施形態では、デバイス10は、ユーザによって選択されるように、「滑動モード」および「打刻モード」の両方で使用するために構成されてもよい。
図5Bは、滑動モードにおいて使用される、例示的デバイス10によって生成される例示的治療スポットのアレイを図示する。特に、図は、滑動方向に、相互に対して整合され、治療スポット70の2次元アレイ71を形成する、列72A、72B、および72Cとして示される、治療スポット70の3つの走査列72を示す。各列72は、各列72内の個々の治療スポット70の連続送達の間、滑動方向におけるデバイス10の移動のため、走査方向に対して略対角線上に延在する。
滑動方向に整合される隣接治療スポット(例えば、治療スポット70Aおよび70B)間の間隔に影響を及ぼし得る、各列72が走査方向に対して対角線上に整合される程度は、1つ以上の種々の要因、例えば、(a)手動滑動スピード(デバイス10が皮膚を横断して滑動されるスピード)、(b)走査率(例えば、治療スポットが皮膚に連続して送達される率および走査間の時間、(c)所定の最小間隔を保証するために、例えば、放射線の送達を中断することによって、滑動方向における隣接列間の所定の最小間隔をもたらし得る、任意の変位ベースの制御、および/または(d)任意の他の関連要因に依存し得る。いくつかの実施形態では、走査率または走査率の特定の側面(例えば、パルスオン時間、パルスオフ時間、パルス周波数等)、および/または変位ベースの制御システムによって制御される列間の所定の最小間隔は、自動的に、制御システム18によって、手動で、ユーザによって、または両方によって、選択可能あるいは調節可能であってもよい。
さらに、走査方向における隣接治療スポット70(例えば、治療スポット70Cおよび70D)間の距離は、1つ以上の種々の要因、例えば、走査率、隣接治療スポットの中心点間の距離、個々の治療スポットのサイズおよび形状等に依存し得、その要因は、ビーム走査光学62、他の光学16の構成、または光学系15の側面、あるいは他の要因によって定義され得る。いくつかの実施形態では、これらの要因のうちの1つ以上は、自動的に、制御システム18によって、手動で、ユーザによって、または両方によって、選択可能あるいは調節可能であってもよい。いくつかの実施形態またはデバイス設定では、走査方向における隣接治療スポットは、非照射皮膚の面積だけ、相互から離間され、したがって、部分治療を提供する。いくつかの実施形態またはデバイス設定では、走査方向における隣接治療スポットは、照射面積の連続列を提供するために、相互に縁間で当接してもよく、または相互に重複してもよい。そのような連続列は、前述で論じられたもの等の種々の要因によって定義されるように、滑動方向に相互から離間されてもよく、相互に縁間で当接してもよく、または相互に重複し、完全被覆(すなわち、非部分)照射を提供してもよく、手動でおよび/または自動的に、選択可能あるいは調節可能であってもよく、もしくはそうでなくてもよい。
したがって、治療スポットが、滑動方向および走査方向の両方において、相互から離間される、図5Bに示される治療スポットの部分パターンは、単に、一例示的パターンであることは明白であるはずである。デバイス10、特に、光学系15(走査システム48を含む)は、例えば、前述のように、かつ図21−25の実施例に示されるように、種々の異なる治療スポットパターンを提供するために構成されてもよく、これは、より詳細に以下に論じられる。
ビーム走査システム48は、個々の放射線ビームをビームの連続送達アレイとして走査し、治療スポットのパターンを皮膚40に形成するための任意の好適なビーム走査光学62および他の構成要素を含んでもよい。例えば、図6−20に関して以下に論じられるように、走査システム48は、単一入力ビーム110を連続的に偏向させ(例えば、偏向に伴って、反射または伝送させ)、連続送達出力ビーム112のアレイを提供する、いくつかの偏向セクタを有する、回転式ビーム走査要素を含んでもよく、これは、相互からオフセットされてもよい(例えば、角度オフセットされる、平行移動オフセットされる、または両方)。走査要素を使用して、入力ビーム110を連続的に偏向させ、連続送達出力ビーム112のアレイを提供する本プロセス(いくつかの側面では、相互からオフセットされる)は、「走査」入力ビーム110と称される。
いくつかの実施形態では、回転式多重セクタ走査要素は、略円盤形状(例えば、図7A−7Cに示されるように)または略カップ形状(例えば、図8A−8Eに示されるように)であってもよい。複数の偏向セクタが、走査要素の円周の周囲に配列されてもよく、相互から角度オフセットされる、異なる角度によって、入射入力ビーム110を連続的に偏向させ、偏向出力ビーム112の連続アレイを提供するように構成されてもよい。角度オフセットされる、出力ビームのアレイ112は、直接、皮膚40に送達されてもよく、または送達ビーム114として皮膚40に送達される前に、さらなる光学16によって影響を受けてもよい。例えば、光学16は、送達ビーム114として標的面積40に送達される前に、出力ビーム112のアレイを並列化する、あるいは個々の出力ビーム112の発散または収束に影響を及ぼすように提供されてもよい。
別の実施例として、図12−20に関して以下に論じられるように、ビーム走査システム48は、入射入力110ビームを連続的に反射させ、相互から平行移動および/または角度オフセットされる、連続出力ビーム112のアレイを提供する、いくつかの反射セクタを伴う、概して、階段状回転式走査要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、走査要素の反射セクタは、相互に平行である、または相互から角度オフセットされるかのいずれかにおいて、相互から平行移動オフセットされる、反射出力ビーム112の連続アレイを提供するために、相互からオフセットされる、平面反射表面を含む。反射出力ビーム112の平行移動(および/または角度)オフセットされたアレイは、直接、皮膚40に送達されてもよく、または送達ビーム114として皮膚40に送達される前に、さらなる光学16によって、影響を受けてもよい。例えば、光学16は、送達ビーム114として標的面積40に送達される前に、出力ビーム112のアレイを並列化する、あるいは個々の出力ビーム112の発散または収束に影響を及ぼすように提供されてもよい。
走査システムは、回転式多重セクタ走査要素を含んでもよい。
図6−20は、走査システム48のある実施形態において使用するための回転式多重セクタビーム走査要素100の種々の側面および実施形態を図示する。より具体的には、図6A−6Cは、入力ビーム110を走査するための回転式多重セクタ走査要素100の一般的構造および動作を図示する一方、図7−20は、走査システム48において使用するための3つの例示的タイプの回転式多重セクタ走査要素100:例示的円盤形状の多重セクタ透過性走査要素100A;例示的カップ形状の多重セクタ透過性走査要素100B;および例示的階段状反射性走査要素100Cを対象とする。
図6Aは、いくつかの実施形態による、回転式要素100の基本構造を図示する。要素100は、軸Aを中心として回転するように構成される、本体102を有する。本体102は、概して、本体12の円周または周縁の周囲に配列され、相互からオフセットされた出力ビーム112のアレイとして入力ビーム110を偏向および/または別様に光学的に影響を及ぼすように構成される、複数のセクタ104を含む。特定の実施形態に応じて、各セクタ104は、例示的矢印112Aに示されるように、入力ビーム110を伝送するが、偏向させる、および/または別様に光学的に影響を及ぼしてもよく(例えば、以下に論じられるように、要素100が、円盤形状の透過性要素100Aまたはカップ形状の透過性要素100Bである場合)、あるいは例示的矢印112Bに示されるように、入力ビーム110を反射させる、および/または別様に光学的に影響を及ぼしてもよい(例えば、以下に論じられるように、要素100が、階段状反射性要素100Cである場合)。いくつかの実施形態では、各個々のセクタ104が、入力ビーム110を通して回転するにつれて、対応する出力ビーム112の角度偏向は、各出力ビーム112が、その出力ビーム112の持続時間の間、デバイス10に対して、定常または実質的に定常であるように、一定または実質的に一定のままであってもよい。そのようなセクタは、本明細書では、「一定角度偏向」セクタと称される。代替として、各出力ビーム112の偏向は、各出力ビーム112が、パターン、例えば、線または弧をトレースするように、入力ビーム110を通した対応するセクタ104の回転の間、変動してもよい。
図6Aに示されるように、軸Aの周囲に円周方向に配列されるセクタ1041−104nは、入力ビーム110を偏向(反射または透過的に偏向)し、オフセットされた出力ビーム112のアレイを産生するように構成される。したがって、回転式要素100が、1回の完全回転(すなわち、入力ビーム110の1回の完全走査)の間、入力ビーム110を通して回転するにつれて、セクタ1041−104nは、出力ビーム112の連続走査アレイを産生し、それぞれ、走査アレイ内の1つ、いくつか、または全ての他の出力ビーム112からオフセットされ、治療スポット70の走査列またはアレイを皮膚40上に提供する。
本明細書で使用されるように、別様に規定されない限り、「アレイ」は、任意の様式、例えば、線形列、非線形列、規則的2次元パターン、不規則的2次元パターン、または任意の他のパターンに配列される、要素の任意のパターン(例えば、出力ビーム112または治療スポット70)を意味する。
さらに、本明細書で使用されるように、別様に規定されない限り、「オフセット」は、角度オフセット(例えば、発散または収束する線)、平行移動オフセット(例えば、オフセットされた平行線)、または角度および平行移動の両方のオフセットを意味する。したがって、相互から「オフセット」される出力ビーム112は、角度オフセットされる(例えば、それぞれ、要素110Aおよび100Bのある実施形態の透過性セクタ104Aおよび104Bによって生成される出力ビーム112)、平行移動オフセットされる(例えば、階段状要素110Cのある実施形態の反射性セクタ104Cによって生成される出力
ビーム112)、または角度および平行移動の両方でオフセットされてもよい(例えば、階段状要素110Cのある実施形態の反射性セクタ104Cによって生成される出力ビーム112)。
図6Bは、要素100の1回転(すなわち、入力ビーム110の1回の走査)によって送達された治療スポットの例示的パターンを図示し、デバイス10は、例証の目的のために、標的面積に対して定常に保持されると仮定する。治療スポットは、1から12として標識され、各治療スポットが産生される順次順序を示し、セクタ1041によって産生される治療スポット1から開始し、セクタ1042によって産生される治療スポット2が続く等となる。本実施例では、各セクタ104は、各セクタ104が、定常または実質的に定常スポット70を皮膚上に産生するように、そのセクタが、入力ビーム110を通して回転するにつれて、一定偏向を提供するように構成されている。
セクタ1041から104nは、治療スポット70のアレイが、例えば、アレイの特定の方向の観点から、任意の所望の順次順序で送達され得るように構成されてもよい。例えば、図6Bに示される実施例では、セクタ1041から10412は、走査方向に沿った順次順序において、治療スポット1−12を産生するように構成される。しかしながら、治療スポットは、例えば、図22−25を参照して以下に論じられるように、要素100の特定の設計および構成に基づいて、任意の他の順次順序で送達されてもよい。
図6Cは、要素100の1回転(すなわち、入力ビーム110の1回の走査)によって送達された治療スポットの例示的パターンを図示し、デバイス10は、実質的に、走査方向に垂直な方向に、標的面積にわたって滑動されると仮定する(例えば、デバイス10は、前述のように、滑動モードで動作する)。図6Bに示される実施例と同様に、図6Cに示される実施例では、セクタ1041から104nは、治療スポットのパターンを走査方向に沿った順次順序で送達するように構成される。要素100の本構成は、滑動方向におけるデバイス10の移動のため、走査方向に対して対角線上に整合される、治療スポットの略線形列を産生する。再び、治療スポットは、以下により詳細に論じられるように、要素100の特定の設計および構成に基づいて、デバイスが、皮膚40を横断して滑動されるにつれて、種々の異なる2次元治療スポットパターンを提供し得る、任意の他の順次順序で送達されてもよいことを理解されたい。
(円盤形状の回転式走査要素)
図7A−7Cは、ビーム走査システム48のある実施形態において使用するための回転式円盤形状の多重セクタビーム走査要素100Aの例示的実施形態を図示する。特に、図7Aは、円盤形状の要素100Aの等角正面(すなわち、上流)図であって、図7Bは、円盤形状の要素100Aの等角背面(すなわち、下流)図であって、図7Cは、円盤形状の要素100Aの側面図である。
示されるように、円盤形状の要素100Aは、軸Aを中心として回転するように構成される、本体102Aを有する(例えば、モータ120によって駆動される)。本実施例では、本体102Aは、軸Aの周囲に円周方向に配列される12個のセクタ104A1から104A12を含む。各セクタ104A1から104A12は、(a)入力ビーム110を異なる角度方向に偏向させ、(b)入力ビーム110を少なくとも1つの軸(例えば、速軸、遅軸、または両方)に集束させる(すなわち、その発散/収束に影響を及ぼす)ように構成される、透過性小型レンズを備える。要素100Aが、入力ビーム110を通して、1回の完全回転(すなわち、1回の完全走査)を回転するにつれて、小型レンズ104A1から104A12は、相互から角度オフセットされ、12個の治療スポットの走査アレイを皮膚40上に提供する、12個の出力ビーム112の連続走査アレイを産生する。
いくつかの実施形態では、各透過性小型レンズ104A1から104A12は、(a)出力ビーム112が、ある軸(例えば、遅軸または速軸)に沿って、相互からオフセットされるように、入力ビーム110を異なる角度方向に偏向させ、(b)実質的に、直交する軸(例えば、遅軸および速軸の他方)に沿って、ビームに影響を及ぼさずに、その同一の軸(例えば、遅軸または速軸)に沿って、入力ビーム110を集束させるように構成される。例えば、例示的実施形態では、各透過性小型レンズは、(a)出力ビーム112が、遅軸方向に、相互からオフセットされるように、入力ビーム110を異なる角度方向に偏向させ、(b)実質的に、ビームの速軸プロファイルに影響を及ぼさずに、ビームの遅軸プロファイルを集束させるように構成される。したがって、そのような例示的実施形態では、走査要素100Aは、例えば、図3Cおよび3Dを参照して前述のように、ビーム走査要素62および遅軸要素66の両方として作用する。
前述で論じられるように、小型レンズ104Aは、治療スポットのアレイが、例えば、1つ以上の特定の方向の観点から、任意の所望の順次順序で生成されるように構成されてもよい。本例示的実施形態では、小型レンズ104A1から104A12は、例えば、図22Cを参照して以下に論じられるように、擬似ランダム順序において、12個の対応する治療スポットが、線形走査方向に沿って送達されるように構成される。
図示される例示的実施形態では、各小型レンズ104Aは、要素100Aの回転軸Aの周囲で断面形状を回転させることによって画定されたトロイド形状を有する。回転断面形状は、断面形状の回転に応じて、小型レンズの対向する表面を形成する、一対の対向する縁によって画定されてもよい。対の対向する縁は、任意の好適な形状を有してもよい。例えば、対の対向する弧は、一対の対向する弧(各弧は、円形または非円形であって、対向する弧は、相互に対して対称または非対称)、弧および対向する非弧(例えば、線形セグメントまたは他の形状)、または断面形状の回転に応じて、小型レンズの所望の表面を形成する任意の他の好適な形状であってもよい。各小型レンズの断面形状の幾何学的「中心線」は、対の対向する縁間に画定されてもよい。さらに、各トロイド小型レンズは、断面形状の縁間方向に、本明細書では、小型レンズの最厚部分として定義される、「小型レンズ頂点」を画定してもよい。
いくつかの実施形態では、各小型レンズは、回転軸Aの周囲で断面形状を回転させることによって画定されたトロイド形状を有し、断面形状は、一対の対向する弧によって画定される。他の実施形態では、各小型レンズは、要素100Aの回転軸Aの周囲で断面形状を回転させることによって画定されたトロイド形状を有し、断面形状は、線形セグメントによって対向される弧によって画定される。
したがって、入力ビーム110が、任意の特定の小型レンズ104Aに入射する間、図9A−9B(以下に論じられる)に示される偏移レンズに類似する様式で影響を受ける。要素100Aの小型レンズ104A1から104A12の異なる形状は、事実上、入力ビーム110から小型レンズ頂点までの半径方向距離を変動させることによって生成され、したがって、ビーム中心と小型レンズ頂点との間に異なる相対的位置を伴う、入射レーザビーム110を呈する。相対的位置付けにおける本差異は、各出力ビーム112が、各セクタに対して異なる角度量で偏向されることをもたらす。本実施例では、デバイス10に対する各出力ビーム112の角度偏向は、出力スポット(線、弧、または他の形状ではなく)が、各セクタから産生されるように、各個別の小型レンズ104が、入力ビーム110を通して回転するにつれて、一定である。したがって、各出力ビーム112は、「一定角度偏向」出力ビーム112と称されてもよい。前述のように、入力ビーム110の偏向に加え、各小型レンズはまた、例えば、遅軸方向に、入力ビーム112を集束させ、所望の焦点面および/または所望のビームプロファイルを皮膚40に提供する。
さらに、本例示的実施形態では、要素100Aの正面または背面図に沿って、各小型レンズ104Aは、本質的に、同一の円周方向または中心角度(本実施例では、30度)を掃引する、円形セクタである。したがって、図7Aを参照すると、各小型レンズに対して、θ=30度である。円盤形状の要素100Aの他の実施形態では、異なる小型レンズは、異なる中心角度を掃引する、円形セクタであってもよい。円盤形状の要素100Aの他の実施形態では、小型レンズは、要素100Aの正面または背面図において、任意の他の好適な形状(すなわち、円形セクタ以外)を有してもよく、異なる小型レンズは、同一または異なる円周方向あるいは中心角度を掃引してもよい。
さらに、図7A−7Cに示される例示的円盤形状の要素100Aは、12個の小型レンズを含むが、他の実施形態では円盤形状の要素100Aは、12を上回るまたは下回る、任意の他の数の小型レンズを含んでもよい。
(カップ形状の回転式走査要素)
図8A−8Eは、走査システム48のある実施形態において使用するための回転式カップ形状の多重セクタビーム走査要素100Bの種々の側面および実施形態を図示する。特に、図8Aは、カップ形状の要素100Bの等角正面(すなわち、上流)図であって、図8Bは、カップ形状の要素100Bの等角背面(すなわち、下流)図であって、図8Cは、カップ形状の要素100Bの側面図であって、図8Dは、カップ形状の要素100Bの正面図であって、図8Eは、カップ形状の要素100Bの背面図である。
カップ形状の回転式要素100Bは、円盤形状の回転式要素100Aに類似し、各小型レンズは、回転軸に向かって、上流方向に「傾斜」され、カップ形状のレンズ要素を形成する。カップ形状の要素100Bは、前述で論じられる、円盤形状の要素100Aと同一の基本原理に従って動作し、各小型レンズは、(a)入力ビーム110を異なる角度方向に偏向させ、(b)入力ビーム110を少なくとも1つの軸(例えば、速軸、遅軸、または両方)に沿って集束させ、所望の治療スポットのパターンを皮膚40上で達成するように伝搬する、一連の順次出力ビーム112を生成する。本明細書で論じられる他の実施形態と同様に、カップ形状の要素100Bは、各小型レンズ104によって産生される角度偏向が、(a)小型レンズ104が、入力ビーム110を通して回転するにつれて、一定のままである(例えば、スポットを皮膚上に産生する)か、または(b)小型レンズ104が、入力ビーム110を通して回転するにつれて、変動する(例えば、線セグメントまたは弧を皮膚上に産生する)かのいずれかであるように構成されることができる。
図8A−8Eに示されるように、カップ形状の要素100Bは、軸Aを中心として回転するように構成される、本体102Bを有する(例えば、モータ120によって駆動される)。本実施例では、本体102Bは、軸Aの周囲に円周方向に配列される、12個のセクタ104B1から104B12を含む。各セクタ104B1から104B12は、(a)入力ビーム110を異なる角度方向に偏向させ、(b)入力ビーム110を少なくとも1つの軸(例えば、速軸、遅軸、または両方)に集束させる(すなわち、その発散/収束に影響を及ぼす)ように構成される、透過性小型レンズを備える。要素100Bが、入力ビーム110を通して、1回の完全回転(すなわち、1回の完全走査)を回転するにつれて、小型レンズ104B1から104B12は、相互から角度オフセットされる、12個の出力ビーム112の連続走査アレイを産生し、12個の治療スポットの走査アレイを皮膚40上に提供する。
いくつかの実施形態では、各透過性小型レンズ104B1から104B12は、(a)出力ビーム112が、ある軸(例えば、遅軸または速軸)に沿って、相互からオフセットされるように、入力ビーム110を異なる角度方向に偏向させ、(b)直交する軸(例えば、遅軸および速軸の他方)に沿って、実質的に、ビームに影響を及ぼさずに、その同一の軸(例えば、遅軸または速軸)に沿って、入力ビーム110を集束させるように構成される。例えば、例示的実施形態では、各透過性小型レンズは、(a)出力ビーム112が、遅軸方向に、相互からオフセットされるように、入力ビーム110を異なる角度方向に偏向させ、(b)実質的に、ビームの速軸プロファイルに影響を及ぼさずに、ビームの遅軸プロファイルを集束させるように構成される。したがって、そのような例示的実施形態では、走査要素100Bは、例えば、図3Cおよび3Dを参照して前述のように、ビーム走査要素62および遅軸要素66の両方として作用する。
前述で論じられるように、小型レンズ104bは、治療スポットのアレイが、例えば、1つ以上の特定の方向の観点から、任意の所望の順次順序で生成され得るように構成されてもよい。本例示的実施形態では、小型レンズ104B1から104B12は、12個の対応する治療スポットが、例えば、図22Cを参照して以下に論じられるように、擬似ランダム順序において、線形走査方向に沿って送達されるように構成される。
例示的円盤形状の要素100Aの小型レンズ104Aと同様に、例示的カップ形状の要素100Bの各小型レンズ104Bは、要素100Bの回転軸Aの周囲で断面形状を回転させることによって画定されたトロイド形状を有してもよい。回転断面形状は、断面形状の回転に応じて、小型レンズの対向する表面を形成する、一対の対向する縁によって画定されてもよい。対の対向する縁は、任意の好適な形状を有してもよい。例えば、対の対向する弧は、一対の対向する弧(各弧は、円形または非円形であって、対向する弧は、相互に対して対称または非対称である)、弧および対向する非弧(例えば、線形セグメントまたは他の形状)、または断面形状の回転に応じて、小型レンズの所望の表面を形成するための任意の他の好適な形状であってもよい。各小型レンズの断面形状の幾何学的「中心線」は、対の対向する縁間に画定されてもよい。さらに、各トロイド小型レンズは、断面形状の縁間方向に、本明細書では、小型レンズの最厚部分として定義される、「小型レンズ頂点」を画定してもよい。
いくつかの実施形態では、各小型レンズは、回転軸Aの周囲で断面形状を回転させることによって画定されたトロイド形状を有し、断面形状は、一対の対向する弧によって画定される。他の実施形態では、各小型レンズは、要素100Bの回転軸Aの周囲で断面形状を回転させることによって画定されたトロイド形状を有し、断面形状は、線形セグメントによって対向される弧によって画定される。
いくつかの実施形態、例えば、図8A−8Eに示される例示的実施形態では、カップ形状の要素100Bの各小型レンズ104Bは、傾斜中心線A’を中心とする一対の円弧によって画定された個別の断面を有する。(各小型レンズに対する対の弧および中心線はまた、図9Bに関して以下に論じられる)。各中心線は、画定された角度(すなわち、要素100Bの各小型レンズ104Bが、円盤形状の要素100Aの小型レンズ104Aと比較して、回転軸Aに向かって「傾斜」される角度)によって、要素100Bの回転軸Aから角度オフセットされるという点において、「傾斜」される。カップ形状の要素100Bの各小型レンズ104Bのトロイド形状は、要素100Bの回転軸Aの周囲で個別の断面(すなわち、傾斜中心線を中心とする対の対向する弧)を回転させることによって画定される。
図8Aは、(a)小型レンズ104B5に対応し、角度α5だけ、回転軸Aから角度オフセットされる、傾斜中心線A’5と、(b)小型レンズ104B6に対応し、角度α6だけ、回転軸Aから角度オフセットされる、傾斜中心線A’6とを図示する。したがって、小型レンズ104B5は、回転軸Aの周囲において、傾斜中心線A’5を中心とする一対の円弧によって画定された断面を回転させることによって画定されたトロイド形状を有する一方、小型レンズ104B6は、回転軸Aの周囲において、傾斜中心線A’6を中心とする一対の円弧によって画定された断面を回転させることによって画定されたトロイド形状を有する。要素100Bの小型レンズ104B1から104B12の異なる形状は、図9Bに関して以下により詳細に説明されるように、小型レンズ頂点の「半径方向」距離(すなわち、小型レンズ断面の最厚部分)を変動させることによって(具体的には、各個別の傾斜中心線に沿って)生成され、したがって、異なる小型レンズに対するビーム中心と小型レンズ頂点との間の異なる相対的位置を伴う、入射ビーム110を呈する。相対的位置付けにおける本差異は、図9Bに関して以下に論じられるように、各出力ビーム112が、異なる角度量によって偏向されることをもたらす。
いくつかの実施形態では、カップ形状の走査要素100Bは、各小型レンズ104Bのトロイド形状が、その小型レンズ104Bが、入力ビーム110を横断して掃引するにつれて、「一定角度偏向」出力ビーム112を提供するように構成される。
本実施形態では、各傾斜中心線Α1からA’12は、同一の角度α(したがって、前述で論じられるA’5およびA’6の場合、α5=α6)だけ、回転軸Aから角度オフセットされる。換言すると、各小型レンズ104Bは、同一の程度だけ、傾斜される。いくつかの実施形態では、αは、80度未満である。ある実施形態では、αは、約30度〜約60度である。特定の実施形態では、αは、約47度である。他の実施形態では、異なる傾斜中心線AからA’12は、異なる角度(例えば、α5≠α6)だけ、回転軸Aから角度オフセットされてもよい。換言すると、各小型レンズ104Bは、異なる程度だけ、傾斜されてもよい。
図8Dおよび8Eは、それぞれ、カップ形状の要素100Bの正面および背面図を図示する。これらの視点から、各小型レンズ104Bは、本質的に、同一の円周方向または中心角度(30度)を掃引する、円形セクタである。したがって、図8Dを参照すると、各小型レンズに対して、θ=30度である。カップ形状の要素100Bの他の実施形態では、異なる小型レンズ104Bは、異なる中心角度を掃引する、非球面セクタであってもよい。カップ形状の要素100Bの他の実施形態では、小型レンズは、要素100Bの正面または背面図において、任意の他の好適な形状(すなわち、非球面セクタ以外)を有してもよく、異なる小型レンズは、同一または異なる円周方向あるいは中心角度を掃引してもよい。
さらに、図8A−8Eに示される例示的カップ形状の要素100Bは、12個の小型レンズを含むが、他の実施形態では、カップ形状の要素100Bは、12を上回るまたは下回る、任意の他の数の小型レンズを含んでもよい。
多重小型レンズ要素100Aおよび100Bの背後にある基本的な例証的理論ならびにそれらが放射線ビームをどのように偏向させるかについては、図9A−9Bに示される。図9Aに示される配向を参照すると、放射線ビームBは、左から入射し、左にあるレンズの中心を通して、逸脱せずに通過する。レンズが、右に示されるように、上方に偏移されると(垂直矢印によって示されるように、ビームに対して軸外)、ビームは、概して、偏移に比例する角度だけ、逸脱される。
小型レンズ104は、ビームに影響を及ぼすために、任意の好適な形状または構成を有してもよい。例えば、以下により詳細に論じられるように、小型レンズ104は、トロイド形状、円形形状、非球面形状、または任意の他の好適な形状または構成を有してもよい。
図9Bは、例示的実施形態による、ビーム走査要素100(例えば、要素100Aまたは100B)の表現を図示する。要素100は、回転軸Aの周囲に配列される、複数の小型レンズ104を含む。本実施例では、各小型レンズ104は、回転軸Aの周囲で一対の弧APを回転させることによって画定されたトロイド形状を有し、各セクタ104内の弧対APの回転は、各セクタ104を通して掃引する破線によって示される(各破線が、回転軸Aを中心とする弧であるように)。ここでは、各弧対APは、例証の目的のために、その実際の配向に直交して示される。弧対APは、円弧または非円弧を備えてもよい。いくつかの実施形態(例えば、円盤形状の走査要素100A)では、各小型レンズ104の中心線Cは、同一の平面、具体的には、要素100の回転平面(すなわち、回転軸Aから90度)に常駐する。他の実施形態(例えば、カップ形状の走査要素100B)では、各小型レンズ104は、各小型レンズ104の中心線Cが、要素100の回転平面と回転軸Aとの間の角度に延在するように、回転平面に対して傾斜される。本傾斜角度は、各小型レンズ104に対して同一であってもよく、または、例えば、カップ形状の走査要素100Bに関して前述のように、異なる小型レンズ104に対して異なってもよい。
示されるように、各小型レンズ104のレンズ頂点(すなわち、最厚点)は、各セクタ104内の破線を通して掃引する。各小型レンズ104に対して、回転軸Aからのレンズ頂点の距離Dは、他の小型レンズ104の一部または全部と異なる。異なる小型レンズ104間の距離Dの本差異は、個別の小型レンズ104によって産生される、出力ビーム112の異なる角度偏向を提供する。
トロイド小型レンズ104は、前述のように、その小型レンズ104が、入力ビーム110を横断して掃引するにつれて、各小型レンズ104によって産生される出力ビーム112の一定角度偏向を提供する。
いくつかの実施形態では、各小型レンズ104は、同一の屈折力または実質的に同一の屈折力を有してもよい。他の実施形態では、小型レンズ104は、(a)皮膚表面に対して、出力ビーム112のアレイのための均一焦点面を提供する(例えば、屈折力、すなわち、個々の小型レンズ104は、各出力ビーム112の異なる角度偏向を補償するように選択されてもよい)、および/または(b)種々の出力ビーム112間の歪み補正を提供するために、若干、異なる屈折力を有してもよい。他の実施形態では、各小型レンズ104は、実質的に、異なる屈折力を有してもよい。
本明細書で具体的に図示され、論じられる、小型レンズ104の具体的形状は、実施例にすぎず、小型レンズ104は、入力ビーム110を異なる角度方向に偏向するために好適な任意の他の形状または構成(トロイド形状であってもよく、またはそうでなくてもよい)を有してもよいことを理解されたい。
(回転式多重小型レンズ走査要素を利用する例示的光学系)
図10および11は、ある実施形態による、回転式多重小型レンズ走査要素100を利用する、例示的光学系15を図示する。
図10Aおよび10Bは、それぞれ、ある実施形態による、例えば、図7A−7Cに関して前述のように、回転式円盤形状の走査要素100Aを含む、光学系15Aの上面図および側面図を図示する。光学系15Aは、放射線源14によって生成される放射線を走査および送達し、治療スポットのパターン70を皮膚40上に形成するように構成される。
本例示的実施形態では、放射線源14は、速軸および直交する遅軸を含む、軸方向非対称ビーム108を生成する、レーザダイオードである。光学16は、速軸光学64と、モータ120によって回転される円盤形状の走査要素100Aとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、光学16はまた、下流速軸光学64’を含んでもよい一方、他の実施形態では、本光学は、省略される。
示されるように、レーザ14は、速軸において比較的に急に発散し(図10Bに示されるように)、遅軸において、比較的に緩やかに発散する(図10Aに示されるように)、ビーム108を生成する。速軸光学64、例えば、ロッドレンズ、非球面レンズ、または任意の他の好適な光学要素は、図10Bに示されるように、標的面積40に向かって、急発散から低発散(例えば、緩やかに発散する、平行化される、または収束する)に、速軸においてビームを変換するように構成される。いくつかの実施形態では、速軸レンズ64は、図10Aに示されるように、遅軸ビーム角度分布プロファイル(例えば、遅軸の収束/発散)に有意に影響を及ぼさない。
速軸光学64は、図10Aに示されるように、一連の連続出力ビーム112を皮膚40に向かって生成する、複数の小型レンズ104を含む、回転式円盤形状の走査要素100Aに入力ビーム110を送達する。種々の出力ビームを走査方向に偏向し、所望の治療スポットのパターンを皮膚40上に形成することに加え、要素100Aの小型レンズ104はまた、ビームを遅軸に集束させ、ビームの遅軸プロファイルを緩発散から緩収束に変換する(または、いくつかの実施形態では、平行化される)。したがって、単一要素100Aは、ビーム走査要素および遅軸光学66の両方として動作し、したがって、そのような機能のための別個の構成要素の数を低減または最小限にし、これは、望ましくあり得る。いくつかの実施形態では、要素100Aの小型レンズ104は、実質的に、図10Bに示されるように、速軸ビームプロファイルに影響を及ぼさない。
要素100Aの速軸光学64および小型レンズ104は、それぞれ、各出力ビーム112が、皮膚の表面またはその若干上方(すなわち、皮膚の外側)に位置する、焦点または焦点面を有するように、ビームを速軸および遅軸に収束させるように構成されてもよい。本明細書で使用されるように、各送達ビーム114の「焦点」または「焦点面」は、最小断面積を有するビーム114の伝搬軸に垂直な平面として画定される。軸方向非対称送達ビーム114を提供する実施形態(例えば、レーザダイオード等の軸方向非対称放射線源14を利用する、実施形態)の場合、最小断面面積は、典型的には、速軸ビームプロファイルの最狭部と遅軸ビームプロファイルの最狭部との間に位置する。
さらに、前述のように、いくつかの実施形態では、下流速軸光学64’は、送達ビーム114として皮膚への送達のための出力ビーム112の付加的集束および/または結像および/または処理のために提供される。他の実施形態は、下流レンズ64’を省略し、したがって、単一速軸光学(要素64)および単一遅軸光学(要素100A)のみを含む。本設計は、したがって、既存のシステムまたは他の実施形態と比較して、光学要素の数を低減または最小限にし得、これは、種々の理由から望ましくあり得る。
図11Aおよび11Bは、それぞれ、ある実施形態による、例えば、図8A−8Eに関して前述のように、回転式カップ形状の走査要素100Bを含む、光学系15Bの上面図および側面図を図示する。光学系15Bは、光学系15Aに類似するが、走査システム48は、円盤形状の要素100Aではなく、カップ形状の走査要素100Bを含む。再び、本実施例では、治療放射線源14は、速軸および直交する遅軸を画定する、軸方向非対称ビーム108を生成する、レーザダイオードであると仮定される。前述で論じられる実施例同様に、下流速軸光学64’は、特定の設計に応じて、含まれてもよく、または省略されてもよい。
示されるように、レーザ14は、速軸において、比較的に急に発散し(図11Bに示されるように)、遅軸において、比較的に緩やかに発散する(図11Aに示されるように)、ビーム108を生成する。速軸光学64、例えば、ロッドレンズ、非球面レンズ、または任意の他の好適な光学要素は、図11Bに示されるように、速軸において、標的面積40に向かって、急発散から低発散(例えば、緩やかに発散する、平行化される、または収束する)にビームを変換するように配列される。いくつかの実施形態では、速軸レンズ64は、図10Aに示されるように、遅軸ビーム角度分布プロファイル(例えば、遅軸の収束/発散)に有意に影響を及ぼさない。
速軸光学64は、図11Aに示されるように、皮膚40に向かって、一連の連続出力ビーム112を生成する、複数の小型レンズ104を含む、回転式カップ形状の走査要素100Bに入力ビーム110を送達する。種々の出力ビームを走査方向に偏向させ、所望の治療スポットのパターンを標的面積40内に形成することに加え、要素100Aの小型レンズ104はまた、ビームを遅軸に集束させ、緩発散から緩収束にビームの遅軸プロファイルを変換する(または、いくつかの実施形態では、平行化される)。したがって、単一要素100Bは、ビーム走査要素62および遅軸光学66の両方として動作し、したがって、そのような機能のための別個の構成要素の数を低減または最小限し、これは、望ましくあり得る。いくつかの実施形態では、要素100Bの小型レンズ104は、実質的に、図10Bに示されるように、かつ図11Bに示されるように、速軸ビームプロファイルに影響を及ぼさい。
要素100Bの速軸光学64および小型レンズ104は、それぞれ、各出力ビーム112が、皮膚の表面またはその若干上方(すなわち、皮膚の外側)に位置する、焦点または焦点面を有する、ビームを速軸および遅軸に収束させるように構成されてもよい。
さらに、前述のように、いくつかの実施形態では、下流速軸光学64’が、送達ビーム114として皮膚への送達のための出力ビーム112の付加的集束および/または結像および/または処理のために提供される。他の実施形態は、下流レンズ64’を省略し、したがって、単一速軸光学(要素64)および単一遅軸光学(要素100B)のみを含む。本設計は、したがって、既存のシステムまたは他の実施形態と比較して、光学要素の数を低減または最小限にし、これは、種々の理由から、望ましくあり得る。
カップ形状の走査要素100Bは、要素100Bの回転軸Aが、軸Xとして示される、入力ビーム110の中心軸に対して、角度σで整合されるように配列される。いくつかの実施形態では、例えば、図11Aに示されるように、角度σは、ゼロを上回り、筐体24の1つ以上の外部寸法が、例えば、円盤形状の走査要素を利用する走査システムまたはある公知の走査システムと比較して、低減され得、走査システム48が、デバイス10の筐体24内に配列されることを可能にし得る。例えば、角度σは、10度を上回ってもよい。ある実施形態では、角度σは、30度を上回る。さらに、角度σは、45度を上回ってもよく、筐体24の1つ以上の外部寸法の特定の低減または他の構成要素パッケージング利点をもたらし得る。特定の実施形態では、角度σは、45〜55度である。一例示的実施形態では、角度σは、約47度である。
さらに、角度σは、図8Aを参照して、角度αとして前述で画定された各小型レンズ104の前傾の角度に関連してもよい。例えば、σ+αは、60〜120度の範囲内であってもよい。いくつかの実施形態では、σ+αは、80〜100度の範囲内であってもよい。特定の実施形態では、σ+αは、90度に等しいまたは略等しい(すなわち、角度σおよびαは、相補的または略相補的角度である)。
代替として、または加えて、要素100Bの回転軸Aは、走査方向、すなわち、方向Yとして示される、小型レンズ104によって生じるビーム偏向の方向に対して、角度βで整合されてもよい。走査方向Yは、特定の実施形態の構成に応じて、入力ビーム110の中心軸Xに垂直であってもよく、またはそうでなくてもよい。
いくつかの実施形態では、例えば、図11Aに示されるように、角度βは、90度未満であって、筐体24の1つ以上の外部寸法が、例えば、円盤形状の走査要素を利用する走査システムまたはある公知の走査システムと比較して、低減され得、走査システム48が、デバイス10の筐体24内に配列されることを可能にし得る。例えば、角度βは、80度未満であってもよい。ある実施形態では、角度βは、60度未満である。さらに、角度βは、45度未満であってもよく、筐体24の1つ以上の外部寸法の特定の低減または他の構成要素パッケージング利点をもたらし得る。特定の実施形態では、角度βは、35〜45度である。一例示的実施形態では、角度βは、約43度である。
さらに、角度βは、図8Aを参照して、角度αとして前述で画定された各小型レンズ104の前傾の角度に関連してもよい。例えば、角度σおよびβは、30度未満だけ、異なってもよい。いくつかの実施形態では、角度αおよびβは、10度未満だけ、異なってもよい。特定の実施形態では、角度αおよびβは、等しいまたは略等しい。
(階段状回転式走査要素)
図12−20は、階段状回転式ビーム走査要素100Cと、階段状走査要素100Cを含む、例示的走査システム48の種々の側面および実施形態を図示する。
図12は、例示的階段状回転式要素100Cを図示する。回転式要素l00Cは、軸Aを中心として回転するように構成される、本体102Cを有する。本体102Cは、軸Aの周囲に円周方向に配列され、それぞれ、略階段状様式に配列される複数の反射表面106C1−106C4を画定する、複数の反射セクタ104C1−104C4を画定する。反射表面106C1−106C4は、回転式要素が、軸Aを中心として回転するにつれて、入力ビーム110が、1つずつ、各反射表面106C1−106C4を連続的に反射させ、出力ビーム112の連続アレイを生成するように、入力ビーム110(直接、放射線源14から、または回転式要素100Cの上流に配列される光学から、または別様に、受光される)を反射するように構成される。
示されるように、反射表面106C1−106C4は、回転軸Aに沿った方向に、相互からオフセットされる。その結果、異なる反射セクタ104C1−104C4は、以下により詳細に説明されるように、相互から平行移動(および/または角度)オフセットされる、オフセットされた出力ビーム112の連続アレイを生成する。
いくつかの実施形態では、反射表面106C1−106C4は、要素l00Cが回転するにつれて、入力放射線ビームが反射表面106C1−106C4に連続して反射することによって産生される、反射出力ビーム112のアレイが、例えば、図13に示される出力ビーム112A−112Dのアレイを参照して論じられるように、平行移動オフセットされ、相互に平行であるように、相互に平行である平面表面である。いくつかの実施形態では、各個別の反射表面106C1−106C4の平面は、回転軸Aに垂直である。他の実施形態では、反射表面106C1−106C4の平面は、相互に平行であってもよいが、回転軸Aに対して任意の非垂直角度で配列される。
他の実施形態では、反射表面106C1−106C4は、反射された放射線ビームのアレイが、相互から平行移動オフセットされ、かつ角度オフセットされる(すなわち、平行ではない)ように、相互に対してある角度で配列される、平面表面である。例えば、ビームの反射アレイ(個々の反射ビームとは対照的に)は、単一線形列とは対照的に、発散または収束し、あるいは複数の治療スポットの列を形成してもよい。
反射表面106C1−106C4を回転軸に垂直な平面表面として形成することは、放射線ビームが、各反射表面106Cに反射される持続時間の間、結果として生じる出力ビーム112の角度方向(デバイス構造または筐体24に対する)が、その持続時間にわたって一定のままである効果を提供し、これは、「一定角度偏向」出力ビーム112と称されてもよい。「一定角度偏向」は、図26A−26Bを参照して以下により詳細に論じられる。したがって、そのような実施形態では、反射セクタ104C1−104C4は、円盤形状およびカップ形状の走査要素100Aおよび100Bのある実施形態に関して前述で論じられる、一定角度偏向小型レンズ104Aおよび104Bと同様に、一定角度偏向反射セクタ104Cと称されてもよい。
いくつかの実施形態では、一部または全部反射表面106C1−106C4は、1つ以上の軸に沿って、非平面、例えば、凹面または凸面であってもよい。そのような実施形態では、各出力ビーム112は、例えば、反射表面106C1−106C4の具体的非平面形状および/または光学16の構成の他の側面に応じて、(a)入力ビーム110が、個別の非平面反射表面106Cに入射する間、デバイス構造または筐体24に対して移動するか、または(b)入力ビーム110が、個別の非平面反射表面106Cに入射する間、デバイス構造または筐体24に対して、実質的に定常のままであるかのいずれかであってもよい。
例えば、反射表面106C1−106C4は、円盤形状およびカップ形状の走査要素100Aおよび100Bのある実施形態に関して前述で論じられる、偏移偏向小型レンズ104Aおよび104Bと同様に、偏移偏向出力ビーム112を提供する、「偏移偏向」表面として成形または構成されてもよい。「偏移偏向」は、図27A−27Bを参照して以下により詳細に論じられる。
前述のように、反射表面106C1−106C4は、軸Aの方向に、相互からオフセットされてもよい。反射表面106C1−106C4は、各表面間で同一の距離だけ、または代替として、異なる距離だけ、軸Aに沿って、相互からオフセットされてもよい。異なる反射表面106C1−106C4間のオフセット距離は、反射表面106C1−106C4から反射された個別の出力ビーム112間に所望の間隔を提供するように選択されてもよい。
図13は、回転式要素l00Cの表現的側面図を図示し、各反射表面106C1−106C4は、例証目的のために、本体102Cの直径を横断して延在する線によって表される。入力ビーム110は、回転式要素l00Cが、軸Aを中心として回転するにつれて、1つずつ、各反射表面106C1−106C4に連続して反射し、出力ビーム112A−112Dの連続アレイを産生する。本実施例では、反射表面106C1−106C4は、反射出力ビーム112A−112Dが、平行移動オフセットされ、相互に平行であって、デバイス構造または筐体24に対して定常である(すなわち、一定角度偏向出力ビーム)ように、平面表面であって、相互に平行である。
図14は、ある実施形態による、要素本体102Cが、テーパ形状を有する、別の回転式要素l00Cの側面図を図示する。図13同様に、各反射表面106C1−106C4は、例証目的のために、本体102Cの直径を横断して延在する線によって表される。本体102Cのテーパ形状は、本体102Cの質量を低減させ得、および/または本体102Cの構造による、入力ビーム110および/または出力ビーム112A−112Dの望ましくない偏向または遮断を防止し得る。
(階段状走査システムのための下流光学)
前述のように、出力ビーム112の連続アレイは、直接、皮膚40に送達ビーム114として送達されてもよく、または皮膚40に送達ビーム114として送達される前に、1つ以上の下流光学60Bによって影響を受けてもよい(図3A参照)。いくつかの実施形態では、1つ以上の下流光学60Bは、出力ビーム112のアレイを再指向および/または別様にそれに影響を及ぼすように構成されてもよい。そのような下流光学60Bは、出力ビーム112の方向、収束/発散、焦点、ビーム強度プロファイル、および/または他の特性を偏向、集束、焦点外し、または別様に影響を及ぼすように構成される、任意の1つ以上の鏡または他の反射性表面、レンズ、または他の光学要素を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、下流光学60Bは、例えば、1つ以上の軸に沿って、強度プロファイルの形状に影響を及ぼす、ビームが、1つ以上の軸に沿って、収束する、発散する、または平行化されるかどうかを変更する、1つ以上の軸に沿った収束または発散の程度を変更する等によって、1つの軸または複数の軸に沿って、個々の出力ビーム112の強度プロファイルに影響を及ぼすように構成されてもよい。例えば、下流光学60Bは、各出力ビーム112に対する焦点または焦点面を皮膚の表面または若干上方(すなわち、皮膚の外側)に画定するように構成されてもよい。下流光学60Bは、各個々の出力ビーム112の強度プロファイルに等しくまたは異なるように影響を及ぼしてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、そのような下流光学は、レンズまたは鏡要素のアレイを含んでもよく、それぞれ、個々の出力ビーム112に対応し、したがって、所望に応じて、個々の出力ビーム112に異なるように影響を及ぼすことを含め、所望に応じて、個々の出力ビーム112に影響を及ぼすように動作可能である。
加えて、または代替として、下流光学60Bは、出力ビーム112を偏向させるように構成されてもよい。下流光学60Bは、相互に対する出力ビーム112の伝搬に影響を及ぼさない様式において、出力ビーム112を偏向させてもよい。例えば、図15Aに示される実施例では、下流光学60Bは、相互に対する出力ビーム112の伝搬に影響を及ぼさずに、出力ビーム112A−112Dのアレイを回転式要素100Cから皮膚40に向かって反射させる、平面鏡150Aを含む。いくつかの実施形態では、下流光学60Bは、出力ビーム112の少なくとも一部を偏向させ、標的表面に対するそのようなビーム112の法線性(すなわち、垂直性)を増加させるように構成されてもよい。他の実施形態では、下流光学は、出力ビーム112の少なくとも一部を偏向させ、標的表面に対して、1つ以上の所定の法線または非法線(すなわち、非垂直)角度でビーム112を送達するように構成されてもよい。
代替として、下流光学60Bは、(a)出力ビーム112のアレイ(個々の出力ビーム112とは対照的に)が、相互に平行に収束、発散、あるいは伝搬するかどうかに影響を及ぼす、および/または(b)出力ビーム112のアレイ(個々の出力ビーム112とは対照的に)相互から収束あるいは発散する程度に影響を及ぼす等、相互に対して、1つ以上の軸において、出力ビーム112の伝搬に影響を及ぼす様式において、出力ビーム112を偏向させてもよい。例えば、そのような下流光学60Bは、1つ以上の方向に、凹面、凸面、または別様に非平面である、1つ以上のレンズまたは鏡要素を含んでもよい。
図15Bおよび15Cは、そのような下流光学の実施例を図示する。図15Bの例示的実施形態では、下流光学は、出力ビーム112A−112Dのアレイの発散を増加させ/収束を減少させる、凸面鏡150Bを含み、したがって、(a)平行アレイを発散アレイに変換するか、(b)発散アレイの発散の程度を増加させるか、(c)収束アレイの収束の程度を減少させるか、または(d)収束アレイを平行または発散アレイに変換するかのいずれかとなる。対照的に、図15Cの例示的実施形態では、下流光学は、出力ビーム112A−112Dのアレイの収束を増加させる、または発散を減少させる、凹面鏡150Cを含み、したがって、(a)平行アレイを収束アレイに変換するか、(b)収束アレイの収束の程度を増加させるか、(c)発散アレイの発散の程度を減少させるか、または(d)発散アレイを平行または収束アレイに変換させるかのいずれかとなる。
いくつかの実施形態では、下流光学60Bは、(a)1つ以上の軸に沿って、個々の出力ビーム112の強度プロファイルに影響を及ぼし、かつ(b)1つ以上の軸に沿って、相互に対する出力ビーム112の伝搬に影響を及ぼしてもよい。
(経路長補償)
ある用途では、皮膚40に送達される各ビームは、等しい総経路長を有することが望ましくあり得、総経路長は、放射線源14から皮膚40までのビームの総進行距離として定義される。例えば、皮膚40に送達される個々のビームが、皮膚40に向かって伝搬する間、収束、発散、または別様に、強度プロファイルの変化を被る(1つ以上の軸において)、実施形態では、各ビームは、放射線源14から皮膚40まで等しい経路長を有し、異なる個々のビームによって作成される、均一サイズ、形状、および/または強度の治療スポットを皮膚40上に提供することが望ましくあり得る。
しかしながら、図13および14の例示的実施形態に示されるように、入力ビーム110は、個別の反射表面1041−104nに反射する前に、異なる距離を進行する。したがって、いくつかの実施形態では、下流光学は、経路長補償光学152を含んでもよい。経路長補償光学152は、等しい総経路長(例えば、放射線源14から皮膚40まで)を提供するために、出力ビーム112A−112Dを反射、偏向、または別様に影響を及ぼすために任意の好適な1つ以上の光学要素を含んでもよい。
図16は、ある実施形態による、経路長補償光学152の実施例を図示する。本実施例では、経路長補償光学152は、放射線源14から光学152までの各ビームの経路長が等しいように、出力ビーム112A−112Dを偏向させるように配列される、単一偏向要素(例えば、鏡またはレンズ)を含む。したがって、本実施例では、経路長OAE=経路長OBF=経路長OCG=経路長ODHである。光学152は、各ビームの総経路長が等しくなるように、皮膚40に平行に配列されてもよい。例えば、光学152は、ページに垂直な各出力ビーム112A−112Dを、ページに略平行に配列される皮膚40の平面に向かって、偏向させてもよい。
他の実施形態では、経路長補償光学152は、皮膚40に非平行に配列されるが、依然として、各ビームの総経路長が等しくなるように提供してもよい。例えば、光学152は、異なる反射表面106C1−106C4上の点Oから点A−Dの経路長差異の一部が、回転式要素30上の点A−Dと光学152上の点E−Hとの間の異なる個別の距離によって補償される一方、経路長差異の残りが、光学152上の点E−Hと皮膚40との間の異なる個別の距離によって補償されるように配列されてもよい。
他の実施形態では、例えば、以下に論じられる図18Bに示されるように、経路長補償光学152は、複数の光学要素を含んでもよく、それぞれ、個々の出力ビーム112に対
応する。
前述で論じられる他の下流光学と同様に、経路長補償光学152は、(a)1つ以上の軸に沿って、個々の出力ビーム112の強度プロファイルに影響を及ぼしてもよく、またはそうでなくてもよく、(b)1つ以上の軸に沿って、相互に対する出力ビーム112の伝搬に影響を及ぼしてもよく、またはそうでなくてもよい。
(例示的階段状ビーム走査要素)
図17および18は、回転式の階段状ビーム走査要素100Cの例示的実施形態を図示する。特に、図17Aは、例示的3次元図を図示し、図17Bは、回転軸Aに沿って見た要素l00Cの例示的端面図を図示し、図18Aは、階段状走査要素l00Cの例示的側面図を図示し、第1の例示的経路長補償光学152(単一要素)を含み、図18Bは、階段状走査要素100Cの別の例示的側面図を図示し、第2の例示的経路長補償光学152(複数の要素)を含む。
図17Aおよび17Bに示されるように、図示される実施例は、12個の反射セクタ104Cを含み、それぞれ、回転式要素100Cの回転軸Aに垂直な平面反射表面106Cを画定し、平面反射表面106Cは、回転軸Aの方向に、相互に平行であって、かつ相互からオフセットされる。さらに、各反射セクタ104Cはまた、反射セクタ104Cがともに、略円錐形の階段状形状を画定するように、テーパ側表面108Cを画定する。
図18Aに示されるように、回転式要素100Cの12個の平面反射表面106Cは、定常入力ビーム110を反射させ、相互から平行移動オフセットされる(かつ、平行である)、12個の出力ビーム112の時間順次アレイを生成してもよい。前述のように、経路長補償光学152は、各出力ビーム112に対して、均一総経路長(例えば、放射線源14から皮膚40まで)を提供するために、回転式要素100Cの異なる反射表面106Cに入射する、入力ビーム110の異なる経路長を補償するように提供されてもよい。本実施形態では、経路長補償光学152は、出力ビームの時間順次アレイ112を皮膚40に向かって(または、皮膚40への送達の前に、さらなる下流光学に向かって)偏向させるように構成される、単一光学要素を備える。
図18Bは、図18Aの代替実施形態を図示し、経路長補償光学152は、光学要素158のアレイを備え、それぞれ、出力ビーム112のうちの1つを皮膚40に向かって(または、皮膚40への送達の前に、さらなる下流光学に向かって)偏向させるために配列される。
(反射セクタ構成)
図17Aおよび17Bに戻ると、図示される実施形態は、104C1、104C2、104C3、...104C12の順序において、円周の周囲に配列される、12個の反射セクタ104C1−104C12を含む。12個の反射セクタは、2セットの反射セクタ104C1−104C6および反射セクタ104C7−104C12を画定し、各セットは、6つの連続昇り階段群を画定し、各セットは、本体102Cの周囲に180度延在する。
他の実施形態では、反射セクタ104Cは、円周の周囲に1セットの連続的に隣接する昇り階段、または円周の周囲に任意の複数セットの連続的に隣接する昇り階段を画定してもよい。
代替として、反射セクタ104Cは、連続的に隣接しないセットとして配列されてもよい。例えば、2セットの反射セクタ104C1−104C6および104C7−104C12は、それぞれ、一連の(連続または非連続)昇り階段を形成し、部分的または完全に、円周の周囲に交互様式に配列されてもよい(例えば、[104C1、104C7、104C2、104C8、...104C6、104C12]または[104C1、104C2、104C3、104C7、104C7、104C9、104C4、104C5、104C6、104C10、104C11、104C12])。
別の実施例として、3セットの反射セクタ104C1−104C4、104C5−104C8、および104C9−104C12は、それぞれ、一連の(連続または非連続)昇り階段を形成し、部分的または完全に、円周の周囲に交互様式で配列されてもよい(例えば、[104C1、104C5、104C9、104C2、104C6、104C10、104C3、104C7、104C11、104C4、104C8、104C12]または[104C1、104C2、104C5、104C6、104C9、104C10、104C3、104C4、104C7、104C8、104C11、104C12])。
代替として、反射セクタ104Cは、連続的に隣接して、または交互順で配列されない、セットを画定してもよい。例えば、反射セクタ104Cのセットは、本体102Cの円周の周囲にランダムに配列されてもよい。例えば、3セットの反射セクタ104C1−04C4、104C5−104C8、および104C9−104C12は、それぞれ、一連の連続昇り階段1−4を形成し、円周の周囲に、交互ランダム様式(例えば、[104C1、104C5、104C10、104C4、104C8、104C12、104C3、104C6、104C11、104C2、104C7、104C9(3セット間に交互する)])、または完全ランダム様式(例えば、[104C7、104C2、104C8、104C5、104C12、104C10、104C3、104C6、104C1、104C11、104C4、104C9])で配列されてもよい。
前述で論じられるように、反射表面106Cは、相互に平行にまたは相互に非平行に、配列されてもよい。図17A−17Bに示される例示的実施形態では、平面反射表面106Cは全て、相互に平行である。平面反射表面106Cが全て、相互に平行である実施形態は、単一走査方向単一列走査または単一走査方向多重列走査のいずれかのために構成されてもよく、その用語は、図23A−24Bを参照して以下に定義される。少なくともいくつかの平面反射表面106Cが、相互に平行ではない実施形態は、多重走査方向走査のために構成されてもよく、これは、図25A−25Bを参照して定義される。
図19および20は、ある実施形態による、階段状回転式走査要素100Cを含む、例示的光学系15を図示する。示されるように、図19および20の例示的光学系15はそれぞれ、(a)速軸光学64、(b)遅軸光学66、(c)階段状走査要素100C、および(d)下流光学60B、具体的には、鏡150を含む。各光学系15は、放射線源14によって生成されるビーム108を受光し、生成ビーム108を処理し、入力ビーム110を階段状走査要素100Cに提供し、入力ビーム110を一連の時間順次出力ビーム112に変換し、さらに出力ビーム112を処理し、送達ビーム114を皮膚40に提供し、治療スポット70のパターンを生成する。生成ビーム108、入力ビーム110、出力ビーム112、および対応する送達ビーム114を含む、任意の特定の治療スポット形成の間、放射線源14から皮膚40まで延在するビームは、本明細書では、ビーム80と称される。
前述で論じられるように、速軸光学64は、主に、ビームの速軸プロファイルに影響を及ぼすように構成される、1つ以上の光学要素を含む一方、遅軸光学66は、主に、ビームの遅軸プロファイルに影響を及ぼすように構成される、1つ以上の光学要素を含む。
ある実施形態では、放射線源14は、速軸および遅軸において、異なるビームプロファイルを有する、軸方向非対称ビーム108を生成してもよい。例えば、放射線源14は、レーザダイオードを備えてもよい。他の実施形態では、放射線源14は、軸方向対称ビームを生成してもよく、例えば、ファイバレーザまたは他の軸方向対称放射線源である。
図19および20に示される例示的実施形態はそれぞれ、単一速軸光学要素64と、速軸光学要素64と異なる単一遅軸光学要素66とを含む。他の実施形態では、デバイス10は、複数の速軸光学要素64と、速軸光学要素64と異なる単一遅軸光学要素66とを含む。他の実施形態では、デバイス10は、単一速軸光学要素64と、速軸光学要素64と異なる複数の遅軸光学要素28とを含む。
さらに他の実施形態では、1つ以上の速軸光学要素64および遅軸光学要素66は、統合されてもよく、すなわち、単一光学要素(または、複数の光学要素)は、実質的に、速軸および遅軸強度プロファイルの両方に作用してもよい。そのような要素は、多重軸光学要素と称されてもよい。そのような実施形態は、ゼロ、1つ、またはそれ以上の速軸光学要素64、およびゼロ、1つ、またはそれ以上の遅軸光学要素28と組み合わせて、1つ以上の多重軸光学要素を含んでもよい。したがって、実施例のみとして、デバイス10は、単一速軸光学要素64、単一遅軸光学要素28、および単一多重軸光学要素を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、速軸光学64(実施形態に応じて、単一要素または複数の要素のいずれか)は、遅軸強度プロファイルに実質的に影響を及ぼさずに、ビーム80(すなわち、入力ビーム110および/または出力ビーム112)の速軸強度プロファイルに影響を及ぼすように構成されてもよく、遅軸光学66(実施形態に応じて、単一要素または複数の要素のいずれか)は、速軸強度プロファイルに実質的に影響を及ぼさずに、ビーム80の遅軸強度プロファイルに影響を及ぼすように構成されてもよい。または、速軸光学64(実施形態に応じて、単一要素または複数の要素のいずれか)は、遅軸強度プロファイルより有意に大きな範囲または程度において、ビーム80の速軸強度プロファイルに影響を及ぼすように構成されてもよく、遅軸光学66(実施形態に応じて、単一要素または複数の要素のいずれか)は、速軸強度プロファイルより有意に大きな範囲または程度において、ビーム80の遅軸強度プロファイルに影響を及ぼすように構成されてもよい。
他の実施形態では、速軸光学64(実施形態に応じて、単一要素または複数の要素のいずれか)または遅軸光学66(実施形態に応じて、単一要素または複数の要素のいずれか)の一方は、実質的に、速軸強度プロファイルまたは遅軸強度プロファイルにのみ影響を及ぼす一方、速軸光学64および遅軸光学66の他方は、実質的に、速軸強度プロファイルおよび遅軸強度プロファイルの両方に影響を及ぼす。または、速軸光学64(実施形態に応じて、単一要素または複数の要素のいずれか)または遅軸光学66(実施形態に応じて、単一要素または複数の要素のいずれか)の一方は、ビーム80の速軸および遅軸強度プロファイルの一方に、速軸および遅軸強度プロファイルの他方より有意に大きな範囲または程度において、影響を及ぼす一方、速軸光学64および遅軸光学66の他方は、実質的に、類似範囲または程度まで、速軸強度プロファイルおよび遅軸強度プロファイルの両方に影響を及ぼす。
他の実施形態では、速軸光学64(実施形態に応じて、単一要素または複数の要素のいずれか)または遅軸光学66(実施形態に応じて、単一要素または複数の要素のいずれか)はそれぞれ、ビーム80の速軸強度プロファイルおよび遅軸強度プロファイルの両方に有意に影響を及ぼすように構成される。
図19および20に戻ると、これらの例示的実施形態はそれぞれ、(a)階段状回転式走査要素100Cを含む、走査システム48と、(b)下流光学60B、具体的には、鏡150とを含み、両方とも、速軸光学要素64および遅軸光学要素66の両方と異なる。本実施形態では、回転式走査要素100Cは、回転式走査要素100Cが、任意の軸において、ビーム80の強度プロファイルに有意に影響を及ぼさないように、平面反射表面106Cを利用する。他の実施形態では、回転式走査要素100Cの反射表面106Cは、1つ以上の軸における強度プロファイル(例えば、速軸強度プロファイルおよび/または遅軸強度プロファイル)に有意に影響を及ぼすように構成されてもよい。
他の実施形態では、階段状回転式走査要素100Cは、速軸光学64および/または遅軸光学66と統合されてもよい。例えば、階段状回転式走査要素100Cは、速軸光学要素64として作用してもよく(速軸光学要素のみとして、または1つ以上の他の速軸光学要素64と組み合わせて)、遅軸光学66は、別個に提供される。代替として、階段状回転式走査要素100Cは、遅軸光学要素66として作用してもよく(遅軸光学要素のみとして、または1つ以上の他の遅軸光学要素66と組み合わせて)、速軸光学64は、別個に提供される。代替として、階段状回転式走査要素100Cは、速軸光学要素64および遅軸光学要素66の両方として作用してもよい(単一の組み合わせられた走査要素/速軸光学要素/遅軸光学要素として、あるいは1つ以上の他の速軸光学要素64および/または1つ以上の他の遅軸光学要素66と組み合わせて)。
速軸光学要素64、遅軸光学要素66、および階段状回転式走査要素100Cは、ビーム80の経路に沿って、任意の順序で配列されてもよい。例えば、速軸光学要素64および遅軸光学要素66は、階段状回転式走査要素100Cの上流(図19および20に示されるように)、または階段状回転式走査要素100Cの下流に配列されてもよく、あるいは階段状回転式走査要素100Cは、光学要素64と66との間に配列されてもよい。さらに、光学要素64および66は、相互に対して任意の順序で配列されてもよい。
入力ビーム110を偏向させ、オフセットされた出力ビーム112(例えば、走査方向に沿ってオフセットされる)のアレイを生成することに加え、各セクタ104はさらに、1つ以上の軸において、入力ビーム110に影響を及ぼしてもよい。例えば、各セクタ104はさらに、透過性円盤またはカップ形状の走査要素に関して前述で提供された実施例同様に、その反射表面に、屈折力を提供する曲率を有することによって、入力ビーム110に影響を及ぼしてもよい。例えば、偏向に加え、各セクタ104はさらに、遅軸光学および/または速軸光学として作用してもよい。いくつかの実施形態では、各セクタ104は、入力ビーム110を遅軸方向に偏向させ、また、入力ビーム110の収束/発散に影響を及ぼしてもよい。例えば、要素100は、遅軸方向に発散する、入力ビーム110を受光してもよく、各セクタ104は、(a)特定の程度だけ、入力ビーム110を偏向させ、かつ(b)例えば、個々の平行化、集束、または擬似集束出力ビーム112が、治療スポットを生成するために、標的面積に送達され得るように、発散ビームを平行化または収束ビームに変換してもよい。
(回転式要素100および対応する治療スポットアレイの例示的構成)
図6A−6Cに関して前述のように、ビーム走査要素100は、種々の治療スポットパターンを皮膚40上に提供するように構成されてもよく、治療スポットは、セクタ1041から104nの特定の構成および配列に基づいて、任意の所望の順次順序で送達されてもよい。
図21Aは、円盤形状の走査要素(例えば、円盤形状の透過性要素100A)、カップ形状の走査要素(例えば、カップ形状の透過性要素100B)、階段状走査要素(例えば、階段状反射性要素100C)、または任意の他のタイプの回転式走査要素として構成され得る、例示的ビーム走査要素100を図示する。要素100は、軸Aを中心として回転するように構成される、本体102を有する。本体102は、概して、本体12の円周または周縁の周囲に配列され、入力ビーム110を相互からオフセットされる出力ビーム112のアレイに偏向させるように構成される、複数のセクタ104を含む。特定の実施形態に応じて、各セクタ104は、例示的矢印112Aによって示されるように、入力ビーム110を伝送するが、偏向させる(例えば、以下に論じられる、円盤形状の透過性要素100Aまたはカップ形状の透過性要素100B)、または例示的矢印112Bによって示されるように、入力ビームを反射させてもよい(例えば、以下に論じられる、階段状反射性要素100C)。
セクタ1041から104nは、治療スポットのアレイが、任意の所望の順次順序で送達され得るように(例えば、特定の方向における、偏向量の観点から)、および/または以下に論じられるように、要素100の各走査の間、1つ、2つ、またはそれ以上の列を産生するように構成されてもよい。
(治療スポットの順次順序
セクタ1041から104nは、治療スポット70のアレイが、例えば、1つ以上の特定の方向に対して、任意の所望の順次順序で送達され得るように構成されてもよい。例えば、図21Aに示される実施例では、セクタ1041から104nは、AからLで標識され、セクタA(セクタ1041)は、最大オフセット(1つ以上の方向に)を産生し、セクタB(セクタ1042)は、次の最大オフセットを産生し、セクタC(セクタ1043)は、次の最大オフセットを産生する等と続く。示されるように、セクタA−Lは、要素100の周縁の周囲に順次順序で配列される。
したがって、図21Bは、要素100の1回の完全回転(すなわち、入力ビーム110の1回の走査)によって送達された治療スポットの順次順序を図示し、デバイス10は、標的面積に対して定常に保持されると仮定する(例えば、デバイス10は、前述のように、打刻モードで動作する)。示されるように、治療スポットは、1から12と標識され、各治療スポットが産生される順次順序を示し、セクタA(セクタ1041)によって産生される治療スポット1から開始し、セクタB(セクタ1042)によって産生される治療スポット2が続く等となる。
さらに、図21Cは、要素100の1回の完全回転(すなわち、入力ビーム110の1回の走査)によって送達された治療スポットの順次順序を図示し、デバイス10は、実質的に、走査方向に垂直方向に、標的面積にわたって、手動で滑動されると仮定する(例えば、デバイス10は、前述のように、滑動モードで動作する)。示されるように、治療スポットは、再び、1から12として標識され、各治療スポットが産生される順次順序を示し、セクタA(セクタ1041)によって産生される治療スポット1から開始し、セクタB(セクタ1042)によって産生される治療スポット2が続く等となる。要素100の本構成は、滑動方向におけるデバイスの移動のため、走査方向に対して対角線上に整合される、治療スポットの略線形列を産生する。
要素100は、任意の他の所望の順次順序において、治療スポットを生成するように構成されてもよい。例えば、図22Aは、前述で論じられる例示的要素100のように、AからKと番号が付与されたセクタ1041から104nを含む、例示的要素100’を図示し、セクタA(セクタ1041)は、最大オフセット(1つ以上の方向に)を産生し、セクタB(セクタ1042)は、次の最大オフセットを産生し、セクタC(セクタ1043)は、次の最大オフセットを産生する等と続く。しかしながら、前述で論じられる要素100と異なり、要素100’のセクタA−Lは、要素100の周縁の周囲に連続して配列されない。むしろ、セクタA−Lは、要素100の周縁の周囲に具体的擬似ランダム順序:A、C、E、I、G、B、D、F、K、J、H、Lで配列される。
図22Bは、要素100’の1回の完全回転(すなわち、入力ビーム110の1回の走査)によって送達された治療スポットの順次順序を図示し、デバイス10は、標的面積に対して定常に保持されると仮定する(例えば、デバイス10は、打刻モードで動作する)。示されるように、治療スポットは、1から12と標識され、各治療スポットが産生される順次順序を示し、セクタA(セクタ1041)によって産生される治療スポット1から開始し、セクタC(セクタ1042)によって産生される治療スポット2が続き、セクタE(セクタ1043)によって産生される治療スポット3が続く等となる。
さらに、図22Cは、要素100’の1回の完全回転(すなわち、入力ビーム110の1回の走査)によって送達された治療スポットの順次順序を図示し、デバイス10は、実質的に、走査方向に垂直方向に、標的面積にわたって滑動されると仮定する(例えば、デバイス10は、滑動モードで動作する)。示されるように、治療スポットは、再び、1から15として標識され、各治療スポットが産生される順次順序を示し、セクタA(セクタ1041)によって産生される治療スポット1から開始し、セクタC(セクタ1042)によって産生される治療スポット2が続き、セクタE(セクタ1043)によって産生される治療スポット3が続く等となる。したがって、要素100’の各走査は、治療スポットの非線形の擬似ランダムパターンを産生する。いくつかの実施形態または用途では、デバイス10の滑動モードにおいて、非線形走査パターン(例えば、図22Cに示されるパターン)を繰り返すことは、線形走査パターン(例えば、図21Cに示されるパターン)によって産生されるものより治療スポットの下層に均一または別様に好ましいアレイを提供(例えば、低疼痛または微小熱ゾーン(MTZ)間の低熱相互作用を生成)し得る。他の実施形態または用途では、滑動モードにおいて、線形走査パターンを繰り返すことは、非線形走査パターンによって産生されるものより均一または別様に好ましい治療スポットのアレイを提供し得る。
図21および26に示される構成および結果として生じる治療スポットパターンは、実施例にすぎず、ビーム走査要素100は、治療スポットを任意の他の所望の順次順序で生成するように構成されてもよいことを理解されたい。さらに、要素100は、要素100の回転あたり任意の他の数(12を上回るまたは下回る)の治療スポットを生成するために、任意の他の数(12を上回るまたは下回る)のセクタを有してもよい。さらに、要素100は、任意の好適な様式で産生されてもよい。例えば、要素100は、単一の一体型要素として形成されてもよい。別の実施例として、個々のセクタ104は、別個に形成され、次いで、相互に固着され、要素100を形成してもよい。さらなる実施例として、要素100が、射出成形、研削、機械加工、電鋳を含め、さらに、研磨、鍍着、またはコーティング等の二次プロセスの有無を含め、多くの公知の加工方法によって産生されてもよいことは、当業者によって理解され得る。
(要素100によって生成される他の例示的治療スポットパターン)
ビーム走査要素100によって生成される治療スポットの順次順序に加え、要素100の各回転(すなわち、入力ビーム110の各走査)によって生成される治療スポット70の列の数は、要素100の構成に基づいて、変動してもよい。例えば、要素100は、以下に論じられるように、「単一走査方向単一列走査」、「単一走査方向多重列走査」、または「多重走査方向多重列走査」を提供するように構成されてもよい。
1.単一走査方向単一列走査
図23A−23Bは、1041、1042、1043...10412の順序で配列される12個のセクタ1041−10412を含む、単一走査方向単一列走査要素100によって生成される、例示的放射線パターンを図示する。セクタ1041−10412は、治療スポットが、列の方向に沿った順序において、単一列に生成される(すなわち、各新しい治療スポットは、以前の治療スポットに隣接する)ように構成される。階段状走査要素100Cの場合、単一走査方向単一列走査は、反射性セクタ104Cが、単一の一連の連続昇り階段として、要素100Cの周縁の周囲に配列されるように提供されることができる。
図23Aは、デバイス10が皮膚40に対して定常に保持される場合に、要素100の1回の完全回転(すなわち、入力ビーム110の1回の走査)の間、皮膚40上に形成される、治療スポットパターンを図示し、生成される治療スポット(1−12)の順次順序および各治療スポットを産生したセクタ1041−10412を示す。図23Bは、デバイス10が、概して、走査方向に垂直な滑動方向における、走査および放射線送達プロセスの間、皮膚40を横断して、比較的に一定スピードで移動される場合に、皮膚40上に形成される治療スポットパターンを図示する。図23Bは、要素100の1回転によって作成される、「走査1」として示される第1の走査と、「走査2」として示される、第2の走査の最初の4つのスポットを示し、ならびに生成された治療スポット(1−16)および各治療スポットを生成したセクタ1041−10412の順次順序を示す。
示されるように、完全走査(すなわち、要素100の完全回転)は、1列の治療スポットを生成する。したがって、そのようなパターンは、本明細書では、「単一走査方向単一列走査パターン」と称される。2次元治療スポットのアレイは、デバイス10が、皮膚40を横断して、物理的に移動されている間、(連続的にまたは非連続的に)単一走査方向単一列走査パターンを繰り返すことによって、皮膚40内に産生されることができる。
2.単一走査方向多重列走査
図24A−24Bは、104l、1042、1043...10412の順序で配列される12個のセクタ1041−10412を含む、単一走査方向多重列走査要素100によって生成される、例示的放射線パターンを図示する。セクタ1041−0412は、治療スポットが、単一列で生成されるが、列の方向に沿って順序がバラバラであるように構成される。図24Aは、デバイス10が皮膚40に対して定常に保持される場合に、要素100の1回転の間、皮膚40上に形成される治療スポットパターンを図示し、生成された治療スポット(1−12)および各治療スポットを産生したセクタ1041−10412の順次順序を示す。
図24Bは、デバイス10が、概して、走査方向に垂直の滑動方向における、走査および放射線送達プロセスの間、皮膚40を横断して、比較的に一定スピードで移動される場合に、皮膚40上に形成された治療スポットパターンを図示する。示されるように、完全走査(すなわち、要素100の完全回転)は、本質的に、2列の治療スポットを生成し、一方は、セクタ1041−1046に対応し、一方は、セクタ1047−10412に対応する。
したがって、図24Bは、要素100の1回転によって作成される、「走査1」として示される、第1の走査と、「走査2」として示される、第2の走査の最初の3つのスポットとを示し、生成された治療スポット(1−15)および各治療スポットを産生したセクタ1041−10412の順次順序を示す。第1の走査は、連続して、走査セクタ1041−1046を走査することによって作成される、第1の列に続き、連続して、走査セクタ1047−10412を走査することによって作成される、第2の列を含むことができる。このように、多重列走査パターンは、単一走査方向スキャナ(例えば、単一走査方向走査要素100)を使用して作成されることができる。そのようなパターンは、本明細書では、「単一走査方向多重列走査パターン」と称される。
任意の他の数の列(すなわち、2つを上回る)を有する、単一走査方向多重列走査パターンも、同様に、作成されることができる。例えば、要素100は、セクタ1041−1044が、第1の列を生成し、セクタ1045−1048が、第2の列を生成し、セクタ1049−10412が、第3の列を生成し得るように構成される、12個のセクタ1041−10412を含んでもよい。したがって、セクタは、1041、1045、1049、1042、1046、10410、1043、1047、10411、1044、1048、10412の順序において、要素100の周囲に配列されてもよい。
さらに、より大きな2次元治療スポットのアレイは、デバイス10が、皮膚40を横断して物理的に移動される間、そのような単一走査方向多重列走査パターンを繰り返す(連続的にまたは非連続的に)ことによって、皮膚40内に産生されることができる。
階段状走査要素100Cの場合、単一走査方向多重列走査は、要素100Cの周縁の周囲において、反射性セクタ104Cを複数の連続昇り階段群に配列することによって、提供されることができ、各連続昇り階段群は、滑動動作の間、治療スポットの列を生成する。例えば、図24Bに示される例示的パターンを産生するために、要素100Cの周縁の周囲に、1041−10412の順序で配列される12個の反射セクタを有する、階段状走査要素100Cは、2つの連続昇り階段群から成ってもよい。すなわち、セクタ1041−1046は、第1のセットの昇り階段(第1の列のスポットを生成する)を画定し、セクタ1047−10412は、第2のセットの昇り階段(第2の列のスポットを生成する)を画定する。図17A−17Bに示される階段状走査要素100Cの実施形態は、そのような構成の実施例を図示する。
他の実施形態では、単一走査方向回転式要素は、例えば、セクタ104のセットの数および配列に基づいて、別様に、走査方向に沿って、任意の他の順次順序でビームを送達するように構成されてもよい。さらに、そのような単一走査方向放射線パターンのいずれかは、より大きな2次元治療スポットのアレイを形成するために、デバイス10が、皮膚40を横断して移動される間、繰り返されてもよい(連続的にまたは非連続的に)。
3.多重走査方向走査
他の実施形態では、多重走査方向回転式要素100が、使用される。多重走査方向回転式要素100は、デバイス10が、走査の間、定常に保持されるときでも、単一走査(すなわち、回転式要素100の単一回転)によって生成された治療スポットが、単一線形列に整合されないように、入力ビーム110を複数の方向に走査する。例えば、多重走査方向回転式要素100は、走査要素の単一回転において、治療スポットの複数のオフセット列を産生するように構成されてもよい。そのような結果として生じるパターンは、本明細書では、「多重走査方向多重列走査パターン」と称される。走査の間、皮膚40を横断してデバイス10を移動させることによって、単一走査において、複数の列を形成するように構成される、単一走査方向要素100とは対照的に、多重走査方向回転式要素100は、デバイス10が、走査の間、皮膚40を横断して移動されるかどうかにかかわらず、ビーム走査自体の結果として、単一走査において、複数の列を形成することができる。例えば、多重走査方向回転式要素100の単一走査は、複数の列の治療スポットを形成してもよく、各列は、一次走査方向に走査され、列は、一次走査方向に直交し得る、二次走査方向において、相互からオフセットされる(例えば、以下に論じられる、図29Aおよび29Bに示されるように)。
いくつかの実施形態では、多重走査方向回転式要素100は、複数のサブセットのセクタ104を含み、それぞれ、デバイス10が、走査の間、皮膚40を横断して移動されるかどうかにかかわらず、異なる治療スポットの列を産生するように構成される。例えば、3列の治療スポットを生成するための要素100(デバイス10が、定常のままである間)は、第1の治療スポットの列を生成するように構成される、第1のセットのセクタ1041−104nと、第2の治療スポットの列を生成するように構成される、第2のセットのセクタ104n+1−1042nと、第3の治療スポットの列を生成するように構成される、第3のセットのセクタ1042n+1−1043nとを含んでもよい。
セクタ104が、小型レンズ(例えば、要素100Aまたは100B)である実施形態では、小型レンズは、入力ビーム110を偏向させ、二次走査方向において、相互からオフセットされる、出力ビーム112の列を形成するように成形または整合されてもよい。階段状要素100Cの実施形態は、複数セットの反射セクタ104を含んでもよく、各セットは、相互に平行であるが、他のセットの反射セクタ104の反射表面106から角度オフセットされる、反射表面106を有する。したがって、各セットのセクタ104は、相互からオフセットされる、別個の治療スポットの列を生成してもよい。実施例は、図29A−29Bに関して、以下に論じられる。そのような多重走査方向回転式要素100のセクタ104は、単一走査の間、任意の好適な数の治療スポットの列を産生するために、任意の好適な数のセットにおいて構成されてもよい。
図25A−25Bは、多重走査方向走査要素100を使用して生成された例示的多重走査方向多重列走査パターンを図示する。図25Aは、前述で論じられる、例示的多重走査方向走査要素100の1回転の間、皮膚40上に形成される、治療スポットパターンを図示し、デバイス10は、皮膚40に対して定常に保持され、生成された治療スポット(1−12)および各治療スポットを産生したセクタ104(1041−10412)の順次順序を示す。
図25Bは、デバイス10が、概して、走査方向に垂直の滑動方向に、走査および放射線送達プロセスの間、皮膚40を横断して一定スピードで移動される場合に、例示的多重走査方向走査要素100によって形成される、治療スポットパターンを図示する。示されるように、各完全走査(すなわち、要素100の完全回転)は、本質的に、2列の治療スポットを生成し、1列ずつ、2セットのセクタ1041−1046および1047−10412のそれぞれに対応する。したがって、図25Bは、要素100の1回転によって生成される、「走査1」として示される完全な第1の走査と、「走査2」として示される完全な第2の走査とを示し、生成された治療スポット(1−24)および各治療スポットを産生したセクタ104(1041−10412)の順次順序を示す。2つの完全走査はそれぞれ、連続して、セクタ1041−1046を走査することによって作成される、第1の列に続く、連続して、セクタ1047−10412を走査することによって作成される、第2の列を含む。
多重走査方向走査要素100は、任意の好適な様式で構成されてもよい。例えば、階段状走査要素(例えば、要素100C)は、多重走査方向走査のために構成されてもよい。そのような走査要素は、図17A−17Bに示される、階段状走査要素100Cに類似してもよいが、2セットのセクタ1041−1046および1047−10412は、デバイス10が、皮膚40に対して定常に保持されるときでさえ、単一走査(すなわち、要素100の単一回転)の間、2つのオフセットされた治療スポットの列を生成するように構成される。図17A−17Bに示される走査要素100同様に、例示的多重走査方向走査要素100の各セットのセクタ1041−1046および1047−10412は、6つの連続昇り階段群を画定する。しかしながら、全12個の反射表面106が、相互に平行である、図17A−17Bの走査要素100Cと異なり、多重走査方向走査要素100の場合、セクタ1041−1046の反射表面1061−1066は、セクタ1047−10412の反射表面1067−10612から角度オフセットされる(すなわち、非平行である)。換言すると、セクタ1041−1046の反射表面1061−1066は、相互に平行であって、セクタ1047−10412の反射表面1067−10612は、相互に平行であるが、2つのセットは、相互から角度オフセットされる。したがって、反射表面1061−1066は、第1の列の6つの治療スポットを生成し、かつ反射表面1067−10612は、第1の列からオフセットされる、第2の列の6つの治療スポットを生成する。
他の実施形態では、多重走査方向回転式要素は、別様に、例えば、セクタ104のセットの数および配列に基づいて、走査方向に沿って、任意の他の順次順序でビームを送達し、所望の2次元治療スポットのアレイを皮膚40上に構成されてもよい。さらに、任意のそのような多重走査方向放射線パターンは、例えば、図25Bを参照して前述のように、より大きな2次元治療スポットのアレイを形成するために、デバイス10が皮膚40を横断して移動される間、繰り返されてもよい(連続的にまたは非連続的に)。
(「一定偏向」および「偏移偏向」セクタ)
前述で論じられる、要素100およびセクタ104の種々の側面に加え、いくつかの実施形態では、個々のセクタ104は、そのセクタ104が、入力ビーム110を通して回転するにつれて、一定偏向(実施形態に応じて、角度または平行移動)、あるいは可変または「偏移」偏向を有する、出力ビーム112を産生するように構成されてもよい。
要素100(例えば、要素100A、100B、または100C)の各セクタ104(または、セクタ104のうちの少なくともいくつか)は、そのセクタ104が、入力ビーム110を通して回転するにつれて、入力ビーム110に対する出力ビーム112の角度偏向が、一定または実質的に一定のままであるように、入力ビーム110を偏向させる、セクタを画定する、「一定角度偏向」セクタであってもよい。換言すると、各出力ビーム112の角度方向は、各対応するセクタ104が、入力ビーム110を通して回転する間、入力ビーム110に対して(および、デバイス10の構造に対して)一定または実質的に一定のままである。要素100のいくつかの実施形態(例えば、透過性要素110Aおよび100Bの実施形態、ならびに反射性階段状要素100Cのある実施形態)は、相互から異なる一定角度で伝搬する、一定角度偏向出力ビーム112のアレイを生成する。要素100の他の実施形態(例えば、反射性階段状要素100Cのある他の実施形態)は、相互から平行移動オフセットされるが、同一の一定角度方向に伝搬する(すなわち、出力ビーム112は、相互に平行である)、一定角度偏向出力ビーム112のアレイを生成する。
したがって、一定角度偏向セクタ104では、デバイス10が、ユーザの皮膚に対して定常に保持される場合、要素の個別のセクタ104によって生成された各出力ビーム112は、皮膚40上の(異なる)特定の点に滞留する。したがって、デバイス10が、ユーザの皮膚に対して定常に保持される場合、複数の一定角度偏向セクタ104は、連続して送達される一連の定常または実質的に定常の治療スポット70を皮膚上に提供し、各定常または実質的に定常治療スポット70は、一定角度偏向セクタ104のうちの1つに対応する。
しかしながら、前述のように、少なくともいくつかの実施形態または動作モードでは、デバイス10は、皮膚を横断して滑動されるシェーバーに類似する様式において、動作の間、皮膚の表面を横断して滑動されるように設計される。したがって、一定角度偏向セクタ104を伴うシステムでは、各出力ビーム112は、各治療スポットが、皮膚に対して移動し、滑動方向に伸長の「不鮮明化」または「ぶれ」をもたらすように、デバイス10が皮膚を横断して滑動するにつれて、皮膚に対して移動する。しかしながら、個々の治療スポットのこのような不鮮明化にもかかわらず、十分な熱エネルギーが、体積あたり送達エネルギーベースで、治療スポットに提供され、少なくとも、動作パラメータの範囲内において、所望の影響を皮膚40に提供し得る。例えば、所望の効果は、デバイス10が、極端に高速で皮膚を横断して滑動されない限り、提供され得る。さらに、不鮮明化の一部は、実際には、選択された設計および/または動作パラメータ(例えば、送達出力ビームのスポットサイズおよび/または形状、ビーム強度、フルエンス、および/または強度プロファイル、パルス持続時間および/または周波数、回転式要素100の回転スピード等)の関数として、照射または影響を受ける組織の所望のレベルの体積あたり送達エネルギーを達成するために有益であり得る。したがって、デバイス10のある実施形態、設定、または使用では、「一定角度偏向」セクタは、所望の治療効果を達成するために使用されてもよい。
いくつかの実施形態では、滑動によって生じる不鮮明化は、部分的または全体的かのいずれかにおいて、補償されてもよい。例えば、セクタ104は、(a)非滑動方向に定常または実質的に定常であって(不鮮明化が存在しない)、(b)滑動と同一の率または略同一の率で、滑動方向にビームを移動させ(通常、不鮮明化が存在する)、それによって、不鮮明化を補償または部分的に補償するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、滑動率センサは、フィードバックをユーザまたはデバイスに提供し、不鮮明化補償が効果的であるように、滑動率が所定の範囲内にあることを保証してもよい。
図26Aおよび26Bは、それぞれ、デバイス10の打刻モードおよび滑動モード動作における、「一定角度偏向」セクタ104を有する要素100によって生成された例示的治療スポットパターンを図示する。本実施例では、皮膚に送達される各出力ビーム112は、円形断面を有すると仮定される。
図26Aは、デバイス10が、皮膚に対して定常に保持されている間(例えば、デバイス10は、打刻モードで動作する)、「一定角度偏向」セクタ104を有する要素100によって生成された3つの治療スポット70の列を図示する。各出力ビーム112は、各結果として生じる治療スポットが、個別の出力ビーム112の円形断面に対応する円形形状を有するように、対応する一定角度偏向セクタ104が、入力ビーム110を通して回転するにつれて、定常または実質的に定常様式において、皮膚にわたって滞留する。
図26Bは、デバイス10が、皮膚に対して定常に保持されている間(例えば、デバイス10は、手動滑動モードで動作する)、「一定角度偏向」セクタ104を有する要素100によって生成された3つの治療スポット70の列を図示する。示されるように、各治療スポットは、伸長または不鮮明化されており、その出力ビーム112の皮膚への送達の間、滑動方向に、皮膚を横断してある距離Xだけ移動する、各個別の出力ビーム112の円形断面に対応する。各治療スポット70の長さLと幅Wの比率は、例えば、皮膚を横断するデバイス10の滑動率、スポットサイズおよび/または形状、ビームパルス持続時間等、種々の要因の関数である。いくつかの実施形態では、そのような要因のうちの1つ以上は、所定の形状またはサイズ(または、形状またはサイズの所定の範囲内)の治療スポットを産生し、所望の効果を組織に提供するために、選択または調節されてもよい。
他の実施形態では、各セクタ104(または、セクタ104の少なくともいくつか)は、その対応するセクタ104が、入力ビーム110を通して回転するように、入力ビーム110に対する出力ビーム112の偏向が、少なくとも1つの方向(例えば、走査方向)において、角度、平行移動のいずれか、または両方において、変化あるいは「偏移」するように、入力ビーム110を偏向させるセクタとして画定される、「偏移偏向」セクタであってもよい。
「偏移偏向」セクタは、ある実施形態では、選択された設計および/または動作パラメータ(例えば、送達出力ビームのビーム幅、強度、フルエンス、および/または強度プロファイル、パルス持続時間および/または周波数、回転式走査要素100の回転スピード等)の関数として、照射または影響を受ける組織の所望のレベルの体積あたり送達エネルギーを達成するために使用されてもよい。したがって、ある実施形態では、偏移偏向セクタは、所望の治療効果を達成するために使用されてもよい。
偏移偏向セクタは、直接、走査方向に、または走査方向と滑動方向との間の方向に(偏移方向が、走査方向に沿って、あるベクトル成分を有し、滑動方向に沿って、別のベクトル成分を有するように)、または滑動方向に、個々の出力ビーム112の偏向を偏移させるように構成されてもよい。
図27Aおよび27Bは、それぞれ、デバイス10の打刻モードおよび滑動モード動作における、「偏移偏向」セクタ104を有する要素100によって生成された例示的治療スポットパターンを図示する。本実施例では、再び、皮膚に送達される各出力ビーム112は、円形断面を有すると仮定される。
図27Aは、デバイス10が、皮膚に対して定常に保持されている間、「偏移偏向」セクタ104を有する要素100によって生成された3つの治療スポット70の列を図示する(例えば、デバイス10は、打刻モードで動作する)。デバイス10は、定常に保持されるが、各MTZは、個別のセクタ104の具体的形状/構成によって生じる偏移偏向のため、距離Yに対して、偏移方向に伸長である。換言すると、いくつかの実施形態では、「偏移偏向」セクタ104は、入射ビームを通したそのセクタ回転の間、スポット上に滞留するのではなく、短線セグメントまたは弧をトレースする。図27Aを参照すると、いくつかの実施形態では、セクタ光学による偏移の距離Y(例えば、滑動による、皮膚に対するデバイス10の任意の移動は別として)は、(a)皮膚で受光された出力ビーム112の幅W以上であるが、(b)走査方向における隣接治療スポット間の分離Sの距離の半分以下である。特定の実施形態では、セクタ光学による偏移の距離Yは、(a)出力ビーム112の幅W以上であるが、(b)走査方向における隣接治療スポット間の分離Sの距離の75%以下である。
さらに、要素100が、入力ビーム110を通した特定のセクタ104の回転の間の特定の時間周期において、相互から角度オフセットされる出力ビーム112を生成する、いくつかの実施形態では(例えば、以下に論じられる、実施例要素100Aおよび100B)、そのセクタ104によって生じる出力ビーム112の角度偏移(デバイス10の移動による任意の角度偏移等は別として)は、その同一の時間周期の間、要素100の回転角度未満である。より単純な観点では、セクタ104によって生じるビームの角度偏移は、特定の時間周期の間、要素100の対応する角度回転未満である。いくつかの実施形態では、セクタ104によって生じるビームの角度偏移は、特定の時間周期の間、要素100の対応する角度回転に有意に満たない。例えば、いくつかの実施形態では、セクタ104によって生じるビームの角度偏移は、特定の時間周期の間、要素100の対応する角度回転の少なくとも50%未満である。特定の実施形態では、セクタ104によって生じるビームの角度偏移は、特定の時間周期の間、要素100の対応する角度回転の少なくとも75%未満である。
図27Bは、デバイス10が、皮膚の表面を横断して移動される間、「偏移偏向」セクタ104を有する要素100によって生成された3つの治療スポット70の列を図示する(例えば、デバイス10は、滑動モードで動作される)。示されるように、各治療スポットは、同時に、偏向偏移方向(距離Yだけ)および滑動方向(距離Xだけ)の両方に伸長であって、略対角線伸長をもたらす。いくつかの実施形態では、そのような要因のうちの1つ以上は、所望の効果を組織に提供するように判定された所定の形状またはサイズ(あるいは、形状またはサイズの所定の範囲内の治療スポットを産生するために、選択または調節されてもよい)。
図27Aおよび27Bに示される実施例では、偏移方向(すなわち、セクタによる偏向偏移の方向)は、走査方向である。しかしながら、偏移方向は、任意の他の好適な方向、例えば、滑動方向または任意の他の角度方向であってもよい。さらに、偏移方向は、図27Aおよび27Bに示される実施例におけるように、線形であってもよく、または非線形であってもよい(例えば、弧または他の非線形経路をトレースする)。
(放射線モード)
放射線源14は、時間に対する任意の好適な様式で、例えば、連続波(CW)放射線、パルス状放射線、または時間に対する任意の他の様式で、放射線を生成してもよい。複数の反射または偏向セクタを有する回転式走査要素100を含む、実施形態(例えば、複数のビーム偏向小型レンズを有する回転式要素100Aまたは100B、あるいは複数のビーム反射セクタを有する回転式要素100C)に関して、放射線は、デバイス10の特定の実施形態、デバイス構成、またはデバイス設定に応じて、以下のモードのうちの任意の1つ以上(および/または以下に網羅されない1つ以上の他のモード)に従って、放射線源14から走査システム48に送達されてもよい。
図28A−28Fは、4つの偏向小型レンズ104A/104Bを有する、例示的円盤形状またはカップ形状の回転式要素100A/100Bに関する、種々の放射線モードを図示する。図29A−29Fは、4つの反射セクタ104Cを有する例示的階段状回転式要素100Cに関する、種々のモードを図示する。
(1)「連続」放射線モード(図28Aおよび29A):放射線源14からの放射線は、回転式走査要素100の1回の完全回転(すなわち、360度の回転)に等しいまたはそれを超える持続時間の間、走査システム48に中断を伴わずに送達される。そのような放射線は、CW放射線(放射線が、要素100の任意の数の複数の回転の間、連続的に送達されるように)として、またはパルス状放射線(例えば、各パルスのパルス持続時間は、要素100の1回の完全回転に対応し、そのようなパルス間にパルスオフ周期を伴う)として、生成されてもよい。
(2)「セクタ間長パルス状」放射線モード(図28Bおよび29B):パルス状放射線は、
(a)個々のパルスの持続時間が、(i)基準点を通して回転する(すなわち、回転式走査要素100上のセクタ104の数によって除算される360度の回転)回転式走査要素100の個々のセクタ104の平均持続時間以上であるが、(ii)回転式走査要素100の1回の完全回転(すなわち、360度の回転)の持続時間未満であって、
(b)個々のパルスが、回転式走査要素100の複数のセクタ104に入射する、すなわち、個々のパルスが、隣接セクタ104間の少なくとも1つの分離または遷移を埋めるように、
走査システム48に送達される。
(3)「セクタ間短パルス状」放射線モード(図28Cおよび29C):パルス状放射線は、
(a)個々のパルスの持続時間が、基準点を通して回転する(すなわち、回転式走査要素100上のセクタ104の数によって除算される360度の回転)回転式走査要素100の個々のセクタ104の平均持続時間未満であって、
(b)個々のパルスが、回転式走査要素100の複数のセクタ104に入射する、すなわち、個々のパルスが、隣接セクタ104間の少なくとも1つの分離または遷移を埋めるように、
走査システム48に送達される。
(4)「セクタ内単一パルス状」放射線モード(図28Dおよび29D):パルス状放射線は、
(a)個々のパルスが、回転式走査要素100の1つのみの反射/偏向セクタに入射する、すなわち、個々のパルスが、隣接セクタ104間の分離または遷移を埋めず、
(b)単一パルスが、回転式走査要素100の回転の間、個々のセクタ104に送達されるように、
走査システム48に送達される。
(5)「セクタ内一定多重パルス状」放射線モード(図28Eおよび29E):放射線源14からの放射線は、
(a)複数のパルスが、回転式走査要素100の回転の間、個々のセクタ104に送達され、
(b)パルス周波数が、回転式走査要素100の回転の間、一定のままであるように、
パルス状様式において、走査システム48に送達される。
(6)「セクタ内非一定多重パルス状」放射線モード(図28Fおよび29F):パルス状放射線は、
(a)複数のパルスが、回転式走査要素100の回転の間に、個々のセクタ104に送達され、
(b)パルス周波数が、回転式走査要素100の回転の間、一定ではないように、
走査システム48に送達される。
前述のように、図28A−28Fは、4つの偏向小型レンズ104A/104Bを有する、例示的円盤形状またはカップ形状の回転式要素100A/100Bに関する種々のモードを図示する。
図28Aは、回転軸Aに沿って見た、例示的円盤形状の走査要素100Aまたはカップ形状の走査要素100Bの正面図を図示しており、放射線は、例示的実施形態による、「連続」放射線モードに従って、走査システム48に送達される。示されるように、回転式要素100A/100Bに入射する放射線ビーム入射は、要素100A/100Bが、完全に1回転を回転する間、要素100A/100Bの全周の周囲に延在する、経路230をトレースする。
図28Bは、例示的円盤形状の走査要素100Aまたはカップ形状の走査要素100Bの正面図を図示しており、放射線は、例示的実施形態による、「セクタ間長パルス状」放射線モードに従って、走査システム48に送達される。示されるように、回転式要素100A/100Bに入射する放射線ビームは、要素100A/100Bの完全回転の間、2つのパルス232Aおよび232Cとして送達され、各パルス232Aおよび232Cは、各個々の小型レンズ1041−1044の対応する弧長より長い経路をトレースする。(または、換言すると、各パルス232Aおよび232Cの持続時間は、基準点を通して回転する(すなわち、本実施形態では、要素100A/100Bの90度の回転)、個々の小型レンズ104nの平均持続時間以上である)。さらに、示されるように、各パルス232Aおよび232Cは、隣接小型レンズ104間の遷移を交差し、したがって、各パルスを「セクタ間」パルスにする。
図28Cは、例示的円盤形状の走査要素100Aまたはカップ形状の走査要素100Bの正面図を図示しており、放射線は、例示的実施形態による、「セクタ間短パルス状」放射線モードに従って、走査システム48に送達される。示されるように、回転式要素100A/100Bに入射する放射線ビームは、要素100A/100Bの完全回転の間、2つのパルス232Aおよび232Cとして送達され、各パルス232Aおよび232Cは、各個々の小型レンズ1041−1044の対応する弧長より短い経路をトレースする。(または、換言すると、各パルス232Aおよび232Cの持続時間は、基準点を通して回転する(すなわち、本実施形態では、要素100A/100Bの90度の回転)、個々の小型レンズ104の平均持続時間未満である。さらに、示されるように、各パルス232Aおよび232Cは、隣接小型レンズ104間の遷移を交差し、したがって、各パルスを「セクタ間」パルスにする。
図28Dは、例示的円盤形状の走査要素100Aまたはカップ形状の走査要素100Bの正面図を図示しており、放射線は、例示的実施形態による、「セクタ内単一パルス状」放射線モードに従って、走査システム48に送達される。示されるように、回転式要素100A/100Bに入射する放射線ビームは、単一パルスが、各小型レンズ1041−1044に送達されるように、かつ各パルス232A−232dによってトレースされる経路が、その対応する小型レンズ104内に位置するように(すなわち、パルス232A−232dは、隣接小型レンズ104間の遷移を交差しない)、パルス232A−232dとして送達され、したがって、各パルスを「セクタ内」パルスにする。
図28Eは、例示的円盤形状の走査要素100Aまたはカップ形状の走査要素100Bの正面図を図示しており、放射線は、例示的実施形態による、「セクタ内一定多重パルス状」放射線モードに従って、走査システム48に送達される。示されるように、回転式要素100A/100Bに入射する放射線ビームは、複数のパルス232が、回転式要素100A/100Bの回転の間、各小型レンズ1041−1044に送達されるように、かつパルス周波数が、要素100A/100Bの回転の間、一定のままであるように送達される。
図28Fは、例示的円盤形状の走査要素100Aまたはカップ形状の走査要素100Bの正面図を図示しており、放射線は、例示的実施形態による、「セクタ内非一定多重パルス状」放射線モードに従って、走査システム48に送達される。示されるように、回転式要素100A/100Bに入射する放射線ビームは、複数のパルス232が、回転式要素100A/100Bの回転の間、各小型レンズ1041−1044に送達されるが、パルス周波数が、要素100A/100Bの回転の間、一定ではないように送達される。本実施例では、3パルスバースト232A−232cが、各小型レンズ1041−1044に送達される。
前述のように、図29A−29Fは、軸Aの方向に、相互からオフセットされる反射表面1061−1064を画定する、4つの反射セクタ104Cを有する、例示的階段状走査要素100Cに関する種々のモードを図示する。
図29Aは、回転軸Aに沿って見た、例示的階段状走査要素100Cの正面図を図示しており、放射線は、例示的実施形態による、「連続」放射線モードに従って、走査システム48に送達される。示されるように、回転式要素100Cに入射する放射線ビームは、要素100Cが、完全に1回転を回転するにつれて、要素100Cの全周の周囲に延在する、経路230をトレースする。反射表面1061−1064は、軸Aの方向に、相互からオフセットされるという事実のため、異なる反射表面1061−1064上でトレースされた放射線ビーム経路230の部分は、中心(すなわち、軸A)から可変距離に位置し、これは、図12−14の図から明白となるはずである。したがって、経路230は、隣接反射表面1061−1064間の閾値を超えるとき、「スキップ」するように見えるが、放射線ビームは、要素100Cの完全回転の間、要素100Cに連続的に送達されることを理解されたい。
図29Bは、回転軸Aに沿って見た、例示的階段状走査要素100Cの正面図を図示しており、放射線は、例示的実施形態による、「セクタ間長パルス状」放射線モードに従って、走査システム48に送達される。示されるように、回転式要素100Cに入射する放射線ビームは、要素100Cの完全回転の間、2つのパルス232Aおよび232Cとして送達され、各パルス232Aおよび232Cは、各個々の反射表面1061−1064の対応する弧長より長い経路をトレースする。(または、換言すると、各パルス232Aおよび232Cの持続時間は、基準点を通して回転する(すなわち、本実施形態では、要素100Cの90度の回転)、個々の反射表面1061−1064の平均持続時間以上である)。さらに、示されるように、各パルス232Aおよび232Cは、隣接反射表面1061−1064間の遷移を交差し、したがって、各パルスを「セクタ間」パルスにする。
図29Cは、回転軸Aに沿って見た、例示的階段状走査要素100Cの正面図を図示しており、放射線は、例示的実施形態による、「セクタ間短パルス状」放射線モードに従って、走査システム48に送達される。示されるように、回転式要素100Cに入射する放射線ビームは、要素100Cの完全回転の間、2つのパルス232Aおよび232Cとして送達され、各パルス232Aおよび232Cは、各個々の反射表面1061−1064の対応する弧長より短い経路をトレースする。(または、換言すると、各パルス232Aおよび232Cの持続時間は、基準点を通して回転する(すなわち、本実施形態では、要素100Cの90度の回転)、個々の反射表面1061−1064の平均持続時間未満である。さらに、示されるように、各パルス232Aおよび232Cは、隣接反射表面1061−1064間の遷移を交差し、したがって、各パルスを「セクタ間」パルスにする。
図29Dは、回転軸Aに沿って見た、例示的階段状走査要素100Cの正面図を図示しており、放射線は、例示的実施形態による、「セクタ内単一パルス状」放射線モードに従って、走査システム48に送達される。示されるように、回転式要素100Cに入射する放射線ビームは、単一パルスが、各反射表面1061−1064に送達されるように、かつ各パルス232A−232dによってトレースされる経路が、その対応する反射表面1061−1064内に位置する(すなわち、パルス232A−232dが、隣接反射表面1061−1064間の遷移を交差しない)ように、パルス232A−232dとして送達され、したがって、各パルスを「セクタ内」パルスにする。
図29Eは、回転軸Aに沿って見た、例示的階段状走査要素100Cの正面図を図示しており、放射線は、例示的実施形態による、「セクタ内一定多重パルス状」放射線モードに従って、走査システム48に送達される。示されるように、回転式要素100Cに入射する放射線ビームは、複数のパルス232が、回転式要素100Cの回転の間、各反射表面1061−1064に送達されるように、かつパルス周波数が、要素100Cの回転の間、一定のままであるように送達される。
図29Fは、回転軸Aに沿って見た、例示的階段状走査要素100Cの正面図を図示しており、放射線は、例示的実施形態による、「セクタ内非一定多重パルス状」放射線モードに従って、走査システム48に送達される。示されるように、回転式要素100Cに入射する放射線ビームは、複数のパルス232が、回転式要素100Cの回転の間、各反射表面1061−1064に送達されるが、パルス周波数が、要素100Cの回転の間、一定ではないように送達される。本実施例では、3パルスバースト232A−232cが、各反射表面1061−1064に送達される。
放射線モードのいずれも、(a)回転式走査要素100の完全回転未満の間(少なくとも1回の完全回転の間、放射線の中断されない送達を要求する、連続モードを除く)、(b)回転式走査要素100の1回の完全回転の間、または(c)回転式走査要素100の複数回の回転の間、中断されずに継続してもよい。
例えば、現在の放射線モードは、回転式走査要素100の各完全回転後、中断されてもよい。別の実施例として、現在の放射線モードは、例えば、回転式走査要素100の所定の数の回転後、所定の時間後、または所定の両方放射線が皮膚40に送達された後、中断されてもよい。いくつかの実施形態では、現在の放射線モードは、例えば、直ちに(すなわち、要素100の特定の回転/入力ビーム110の走査の途中で)、要素100の現在の回転/入力ビーム110の走査終了時、または任意の他の様式において、デバイス10の1つ以上のシステムからのフィードバックに応答して、中断および/または開始あるいは再開されてもよい。例えば、図38−46に関して以下により詳細に論じられるように、現在の放射線モードは、以下に応答して、中断および/または開始あるいは再開されてもよい。
(a)デバイス10の印加端42が、皮膚と接触しているかどうかを示す、1つ以上の皮膚接触センサ204からの信号
(b)例えば、デバイス10が皮膚40を横断して移動した距離を示す、変位監視および制御システム132からの信号
(c)例えば、デバイス10が、皮膚と接触し、皮膚を横断して十分な変位またはスピードを被っている(例えば、1つ以上の変位センサ20および皮膚接触センサ204からの信号に基づく)かどうかを示す、有用性制御システム133からの信号
(d)潜在的非安全条件を示す、1つ以上のセンサ26または安全システムからの信号、および/または
(e)任意の他の好適な自動フィードバック。
さらに、いくつかの実施形態または設定では、現在の放射線モードは、例えば、ユーザが、ボタンを押下する、ボタンを解放する、またはデバイス10を皮膚40との接触から離すことに応答して、ユーザインターフェース28を介して、手動で中断されてもよい。
現在の放射線モードの「中断」は、(a)皮膚40への放射線の送達の中断(例えば、治療放射線源14をオフにすることによって、すなわち、放射線がデバイス10から出力されないように防止することによって、デバイス10内の放射線を遮断または再指向することによって)、(b)異なる放射線モードへの切替、ならびに(c)フルエンス、電力密度、波長、パルス周波数、負荷率、パルスオン時間(パルス幅)、パルスオフ時間、治療スポットサイズおよび/または形状、出口ビーム焦点面等を含む、送達される放射線の1つ以上のパラメータの修正のいずれかを含んでもよい。
現在の放射線モードの中断の持続時間(放射線送達を継続する前の)は、所定の時間、回転式走査要素100の所定の回転(例えば、具体的数の反射セクタをスキップまたは迂回するため)であってもよく、またはデバイス10の1つ以上のシステムからのフィードバックに基づいて、判定されてもよい。例えば、図46に関して、以下により詳細に論じられるように、変位監視および制御システム132または有用性制御システム133(例えば、デバイス10が、皮膚と接触していない、または皮膚40を横断して、閾値距離を移動していないことを示す)からの信号に応答して、特定の放射線モードの中断後、特定の放射線モードは、変位監視および制御システム132または有用性制御システム133(例えば、デバイス10が、皮膚と再接触した、および/または皮膚40を横断して、閾値距離を移動したことを示す)からのさらなる信号に応答して、継続されてもよい。
図28A−28Fおよび29A−29Fに示される例示的実施形態では、各例示的走査要素100は、4つの反射セクタ104を含む。図示される実施形態は、単に、例証的目的のための実施例であることを理解されたい。前述のように、回転式要素100は、任意の数の反射セクタ104を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、回転式要素100は、約6つの反射セクタ104、または約10〜12個の反射セクタ104、または15〜20個の反射セクタ104、20個を上回る反射セクタ104、または任意の他の好適な数の反射セクタ104を含む。
さらに、図28A−28Fおよび29A−29F1に示される例示的実施形態、ならびに図7、8、および13に示されるものでは、反射セクタ104は、個別の走査要素100の周囲に同一の距離で延在する(例えば、図28A−28Fおよび29A−29Fに示される4セクタ走査要素100では、各反射セクタ104は、個別の回転式要素100の周囲90度に延在し、図7および8に示される12セクタ走査要素100では、各反射セクタ104は、個別の回転式要素100の周囲30度に延在する)。再び、図示される実施形態は、単に、例証的目的のための実施例であることを理解されたい。任意の特定の走査要素100の反射セクタ104は、要素100の周囲に同一の距離または角度で延在してもよく、あるいはそうでなくてもよい。したがって、走査要素100は、n個の反射セクタ104を含んでもよく、それぞれ、要素100の周囲に360/n度で延在する。または代替として、n個の反射セクタ104のうちの1つ以上は、要素100の周囲に360/n度を上回ってまたは下回って延在してもよい。いくつかの実施形態では、n個の反射セクタ104は、走査要素100の周囲にxi度で延在してもよく、一連のxi、xi+1、...xn−1、xnは、n次方程式または他の非線形式に従って、線形に増加する。例えば、図30は、それぞれ、要素100の周囲に10度、30度、110度、170度、90度、および110度で延在する、6つの偏向セクタ104C1−104C6を伴う、走査要素100を図示する。
(一定入力/パルス状出力効果を提供するための非伝搬面積の使用)
いくつかの実施形態では、隣接反射セクタ104および/または反射表面106は、皮膚40に向かう伝搬のために、入力ビーム110を反射させない面積によって、相互から分離されてもよく、そのような面積は、例えば、非反射性面積あるいは入力ビーム110を皮膚40に向かう伝搬から反射または偏向させる面積を含む。そのような面積は、本明細書では、「非伝搬面積」と称される。いくつかの実施形態では、非伝搬面積は、その電力またはエネルギーをフォトダイオードで測定するように、あるいは他の目的のために、治療ビームをサンプリングするために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、非伝搬面積は、皮膚40に送達されるべき個々の出力ビーム112の持続時間またはパルス幅を制御するために使用されてもよい。例えば、入力ビーム110は、入力ビーム110を通した複数の反射セクタ104の回転に及ぶ時間周期の間、中断されずに送達されてもよい。非伝搬面積を隣接反射表面106間に含めることによって、中断されない入力ビーム110が、効果的に、出力ビーム112のパルス状アレイに変換され得る。そのような効果は、本明細書では、「一定入力/パルス状出力」効果と称される。反射表面106および非伝搬面積の相対的サイズおよび形状は、少なくとも部分的に、各出力ビーム112の効果的パルスオン時間(すなわち、パルス幅)、ならびに出力ビーム112間のパルスオフ時間、したがって、パルス負荷サイクルを画定し得る。
図31は、例示的実施形態による、4つの非伝搬面積240によって分離される4つの偏向セクタ104を有する、例示的回転式走査要素100(例えば、要素100A、100B、または100C)の回転軸Aに沿った端面図を図示する。
入力ビーム110は、入力ビーム110を通した複数の偏向セクタ104(例えば、小型レンズまたは鏡付きセクタ)の回転に及ぶ時間周期の間、中断されずに送達されてもよい。入力ビーム110は、交互様式において、偏向セクタ104および非伝搬面積240に入射する。各偏向セクタ104は、出力ビーム112を作成し、パルスオン時間(パルス幅)を画定し、各非伝搬面積240は、中断を作成し、連続パルス間のパルスオフ時間を画定する。このように、「一定入力/パルス状出力」効果は、生成されることができる。各出力ビーム112のパルスオン時間(すなわち、パルス幅)、および出力ビーム112間のパルスオフ時間、したがって、パルス負荷サイクルは、(a)図示される実施例では、要素100Cが軸Aを中心として回転するにつれて、入力ビーム110によってトレースされる個別の経路長PLRおよびPLNPによって画定される、偏向セクタ104および非伝搬面積240の相対的サイズおよび形状と、(b)要素100Cの回転スピードとによって画定されてもよい。偏向セクタ104および非伝搬面積240の相対的サイズおよび形状は、要素100Cの所与の回転スピードの間、任意の所望のパルスオン時間およびパルスオフ時間を提供するように選択されてもよい。
図示される実施例では、4つの偏向セクタ104は、同一の形状およびサイズを有し、4つの非伝搬面積240は、パルスオン時間およびパルスオフ時間が、各出力ビーム112に対して同一であるように、同一の形状およびサイズを有し、要素100Cの一定回転スピードを仮定する。他の実施形態では、異なる偏向セクタ104は、異なるサイズおよび/または形状を有してもよく、および/または異なる非伝搬面積240は、異なる出力ビーム112のパルスオン時間および/または異なる出力ビーム112間のパルスオフ時間が、所望に応じて、変動し得るように、異なるサイズおよび/または形状を有してもよい。
非伝搬面積240の使用は、皮膚40に送達されるビームの1つ以上のパラメータを制御するために、任意の好適な様式において、任意の放射線モード、例えば、図28A−28Fおよび29A−29Fを参照して前述で論じられる種々の連続またはパルス状放射線モードのいずれかと組み合わせられてもよい。
(軸上対軸外出力ビーム;随意の下流光学)
ビームの走査アレイは、「軸外」および「軸上」ビームを含んでもよい。「軸外」出力ビーム112は、(個別の小型レンズ104によって)比較的に少量だけ偏向される、または全く偏向されない、「軸上」出力ビームと対照的に、(個別の小型レンズ104によって)比較的に多量に偏向された、アレイにおける出力ビーム112である。いくつかの実施形態では、アレイの中心出力ビームまたは複数のビーム112は、軸上と見なされる一方、外側ビームは、アレイは、軸外と見なされる。例えば、図10Aおよび11Aに示される例示的配列では、出力ビーム112Bは、軸上と見なされる一方、出力ビーム112Aおよび112Cは、軸外と見なされる。
小型レンズ104によって生じる個々の出力ビーム112の偏向は、そのようなビームのビーム強度プロファイルに影響を及ぼし得る。概して、偏向が大きいほど、ビーム強度プロファイルに及ぼす影響が大きくなる。したがって、軸外ビームのビーム強度プロファイルは、概して、軸上ビームのためのプロファイルより影響を受ける。例えば、アレイの軸外出力ビーム112は、同一のアレイ内の軸上ビーム112と比較して、少なくとも1つの方向または軸において、要素100の個別のセクタ104によるそのような軸外出力ビーム112の偏向のため、焦点ぼけまたは広がった強度プロファイルを有し得る。
図32および33は、それぞれ、軸上出力ビーム112および軸外出力ビーム112に対して、皮膚の表面で測定された出力ビーム112の例示的強度プロファイルを図示する。例えば、図18および20に示される配列を参照すると、図32は、概して、軸上出力ビーム112Bに対するビーム強度プロファイルを表し得る一方、図33は、軸外出力ビーム112Aまたは112Cに対するビーム強度プロファイルを表し得る。
示されるように、軸上ビーム112の強度プロファイルは、少なくとも1つの方向(本実施例では、速軸方向)において、より狭くなり、軸外ビーム112の強度プロファイルと比較して、より高い強度ピーク(または、複数のピーク)を有し得る。いくつかの実施形態では、軸上ビーム112の強度プロファイルはまた、軸外ビーム112と比較して、直交する方向(本実施例では、遅軸方向)において、より狭くなり得る。
図34は、標的表面上に画定されたサイズの正方形内で送達される、標的表面に送達されたエネルギー比のグラフ130を図示する。正方形内で送達されたエネルギーは、「正方形内に含まれるエネルギー」と称される。グラフ130は、正方形サイズの関数として、例示的軸上ビーム(例えば、図32に示されるように)および例示的軸外ビーム(例えば、図33に示されるように)に対する正方形内に含まれるエネルギー比を示す。正方形サイズは、強度プロファイル平面の重心からの半値幅、例えば、図32および33に示される強度プロファイル平面内に示される点Cの観点から画定される。したがって、グラフ130内の半値幅50μmは、重心Cを中心とする100μm×100μm正方形を指す。
グラフ130に示されるように、小半値幅(すなわち、より小さい正方形)の場合、軸上ビームに対して正方形内に含まれるエネルギーは、軸外ビームのものより高い。例えば、半値幅50μmでは、軸上ビームに対して正方形内に含まれるエネルギー比は、軸外ビームに対する約0.40と比較して、約0.43である。しかしながら、より大きな半値幅(すなわち、より大きな正方形)の場合、軸上ビームに対して正方形内に含まれるエネルギーは、軸外ビームのものに類似する(実際は、ある半値幅に対して、軸外ビームのものより小さくなり得る)。一実施形態では、約0.2mm(200μm)の治療スポット直径または幅が、所望される。100μm半値幅におけるグラフ130内の破線は、正方形幅0.2mm(200μm)に対応する。示されるように、その寸法に対して正方形内に含まれるエネルギーは、軸上ビームおよび軸外ビームに対して、略同一である。したがって、軸外ビームの焦点ぼけおよび/または広がった強度プロファイル(軸上ビームと比較して)にもかかわらず、約0.2mm(200μm)の幅または直径の治療スポットに送達される総エネルギーは、本実施形態の場合、同一の走査アレイ内の軸上および軸外ビームの両方に対して、略同一である。したがって、所望の効果が、軸外ビームに作用するためのさらなる治療光学を必要とせずに、提供され得る。
各軸に沿った(例えば、レーザダイオードによって生成されるように、例えば、非対称プロファイルビームに対する遅軸および速軸に沿った)各出力ビーム112の強度プロファイルの形状は、少なくとも、治療放射線源14のタイプおよび光学系15の特性の要素によって判定される。したがって、異なる実施形態は、任意の特定の軸において、標的平面(例えば、皮膚の表面)に、種々の強度プロファイルのいずれかを提供し得る。そのような強度プロファイルの実施例として、例えば、ガウス、擬似ガウス、上部平坦、擬似上部平坦等が挙げられ、単一ピーク、2つのピーク、2つを上回るピークを含んでもよく、または有意なピークを含まなくてもよい(例えば、上部平坦)。
いくつかの実施形態では、1つ以上の下流光学要素60B(例えば、図3C参照)。いくつかの例示的下流光学60Bは、以下を含む:(a)例えば、図10A−10Bおよび11A−11Bを参照して前述のように、出力ビーム112の集束、収差補正、および/または結像および/または処理のための下流速軸光学64’(例えば、円筒形レンズ)、(b)出力ビーム112を偏向させるための鏡150A−150C、および(c)階段状走査要素100Cによって生成された出力ビーム112に対して等しい総経路長を提供するための経路長補償要素152。
下流光学60Bは、任意の1つ以上の平面鏡、屈折力を有するレンズまたは鏡、または出力ビーム112に影響を及ぼす他の光学要素(前述で定義されるように)を含んでもよい。下流光学60Bは、種々の目的のために、例えば、所望の角度(例えば、実質的に、標的表面に法線)で標的表面に入射するように、1つ以上の出力ビーム112を偏向させるため、1つ以上の出力ビーム112の焦点に影響を及ぼすため(例えば、標的表面に対して、所望の焦点または焦点面を提供するため)、出力ビーム112の焦点または焦点面において、1つ以上の出力ビーム112のビーム強度プロファイルに影響を及ぼすため、あるいは任意の他の目的のために、提供されてもよい。
例えば、下流速軸光学64’は、例えば、図10および11に示されるように、所望に応じて、出力ビーム112の強度プロファイルの再集束または再結像あるいは制御または調節のために、走査システム48の下流に提供されてもよい。いくつかの実施形態では、そのような下流光学60Bは、特に、前述のように、軸上ビーム112と比較して、そのような出力ビーム112が、焦点ぼけおよび/または広がった強度プロファイルまたは別様に異なる特性を有し得るため、軸外出力ビーム112を再集束あるいは処理するために提供されてもよい。例えば、そのような下流光学60Bは、少なくとも1つの軸に沿って、軸外出力ビーム112の強度プロファイルを狭小化するために提供されてもよい。例えば、ロッドレンズ、非球面レンズ、または任意の他の好適な光学要素を備え得る、例えば、図10および11に示される速軸光学64’は、速軸方向に、軸外ビーム112の強度プロファイルを再集束または狭小化するために提供されてもよい。いくつかの実施形態では、そのような下流光学60Bは、所望の効果を組織に産生する、ビーム強度プロファイルを皮膚に送達するために使用されてもよい。他の実施形態では、所望の効果を皮膚に提供するために十分なビーム強度プロファイルは、そのような下流光学60Bを伴わず(例えば、速軸光学64’を伴わず)、提供される。例えば、レーザダイオードを利用する、いくつかの実施形態では、所望の効果を皮膚に提供するために十分なビーム強度プロファイルは、単一速軸光学要素(例えば、ロッドレンズまたは非球面レンズ)と、遅軸方向におけるビームの走査およびビームの処理の両方を行なう、走査要素のみを使用して、提供される。
デバイス10の他の実施形態は、下流光学60Bを含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、下流ビーム経路に沿った唯一の要素は、クリアガラスまたはプラスチックフィルム、プレート、層、またはブロックから成り得る、印加端42における、窓44である。窓44は、前述のように、デバイス10の内部構成要素を保護するために提供されてもよく、または治療ビームのみが通過し、所望の美容視覚効果を提供することを可能にするためのスペクトルフィルタでもあり得る。出力ビーム112は、走査光学62の下流に光学60Bを伴わずに、走査光学62から、筐体24内のチャンバを通り、窓44を通り、皮膚40に進行してもよい。チャンバは、密閉され、空気または他のガスで充填されてもよく、あるいは、真空を備えてもよい。代替として、チャンバは、例えば、筐体24内の1つ以上の開口部を通して、周囲空気に開放してもよい(例えば、デバイス10からの熱伝達を促すために)。別の実施例として、デバイス10は、出力ビーム112が、任意の下流光学60Bによって影響を受けず、あるいは任意の窓または他の要素を通過せずに、走査光学62から、開放空気チャンバを通り、印加端42内の開口を通って外に進行するように、、印加端42内に、窓44ではなく、開放開口を含んでもよい。
(放射線エンジン)
前述で論じられるように、放射線エンジン12は、皮膚40に送達されるべき放射線を生成するように構成される、任意の数および/またはタイプの放射線源14を含んでもよい。例えば、放射線源14は、1つ以上のレーザダイオード、ファイバレーザ、VCSEL(垂直共振器面発光レーザ)、LED等を含んでもよい。したがって、使用される特定のタイプの放射線源14に応じて、放射線は、各治療放射線源14によって伝搬される放射線が、全軸を中心として対称、すなわち、軸対称(例えば、ファイバレーザによって産生される放射線)、または異なる軸を中心として非対称、すなわち、軸非対称(例えば、レーザダイオードによって産生される放射線)となり得るように等、異なる特性を有してもよい。
図33Aおよび33Bは、放射線源14として、レーザダイオードを含む、放射線エンジン12の例示的実施形態を図示する。本実施例では、放射線エンジン12は、レーザパッケージ250(レーザダイオード14を含む)、放熱板36、レーザパッケージ固着システム252、および速軸光学64(本実施形態では、円筒形レンズ)をレーザダイオード14に対して固着するためのレンズ固着システム254を含む。図33Aは、放射線エンジン12の全体図を図示し、図33Bは、レーザパッケージ250(レーザダイオード14を含む)、レーザパッケージ固着システム252、および速軸レンズ64を固着するためのレンズ固着システム254の特定の配列を図示する、放射線エンジン12の一部の拡大図である。速軸レンズ64は、例証目的のためだけに、図33Aに示されない。
図示される実施形態では、放射線源14は、レーザパッケージ250上に提供される、単一エミッタまたは多重エミッタレーザダイオード14である。レーザパッケージ250は、例えば、特に、図示される例示的レンズ搭載システムと併用するために好適であり得る、Q−MountまたはB−Mountレーザパッケージであってもよい。しかしながら、そのようなレンズ搭載特徴と併用するために好適な他のレーザパッケージとして、とりわけ、平坦セラミックタイプパッケージおよびC−Mountパッケージおよびカスタムパッケージも挙げられる。他の実施形態は、任意の他の好適なタイプの放射線源、例えば、他のタイプのレーザ源(例えば、1つ以上のレーザダイオードバー、VCSEL等)または任意の他のタイプの放射線源も含む。
図33Aに示されるように、レーザダイオード14は、任意の好適な様式において、印刷回路基板(PCB)258に電気的に連結されてもよい。例えば、レーザダイオード14は、電気接続266、例えば、可撓性ケーブルによって、PCB258上の電子機器に連結されてもよい。
図示される実施形態のレーザダイオード14は、ビーム108が放射される、放射縁または表面256を含み得る、単一エミッタを含む。一実施形態では、放射縁/表面256は、約100μm×1μmであって、x−軸方向に、縦方向に延在する。他の実施形態では、レーザ14は、複数のエミッタまたは放射縁/表面256を含んでもよい。
放熱板36は、レーザ14を冷却する機能を果たし、押出成形プロセスを介して、または任意の他の好適な様式において、加工されてもよい。いくつかの実施形態は、1つ以上のファンを含み、レーザ温度を所望のレベルに維持するのに役立つ。放熱板36は、熱伝達を助長するために、ファンまたは他の構造を含んでもよい。いくつかの実施形態では、放熱板36は、受動的であってもよく、および/または伝導のみによって、および/または天然対流と組み合わせて、および/または放射熱伝達と組み合わせて、熱を吸収および/または伝達してもよい。いくつかの実施形態では、完全に組み立てられたデバイス10内の放熱板36は、約2.5℃/W以下の定格を有する。特定の実施形態では、完全に組み立てられたデバイス10内の放熱板36は、約1.5℃/W以下の定格を有する。
いくつかの実施形態では、レーザダイオード14はまた、1つ以上のファン34を含み、放熱板36を能動的に冷却し、レーザダイオード14および/またはデバイス10の他の給電構成要素からの熱伝達をさらに助長する。
レーザパッケージ固着システム252は、例えば、はんだ付け、締め付け、バネ力、または熱的伝導性接着剤の使用を介して、レーザダイオードパッケージ24を放熱板36に固着するために使用される、任意のデバイスを備えてもよい。レーザパッケージ250の底部表面は、直接または熱インターフェース材料(例えば、熱グリース)を使用して、接触放熱板36に接触し、放熱板36への熱伝達を助長してもよい。
レーザパッケージ250は、直接、好適な手段を介して(例えば、はんだ付け、締め付け、または接着剤を介して)、放熱板36に搭載される、または1つ以上のサブ担体(例えば、セラミック、鍍着セラミック、銅ブロック等)に搭載され、とりわけ、電気絶縁および/または熱伝導を提供する、1つ以上のレーザダイオード14を含んでもよい。レーザダイオードエミッタへの電気接続は、デバイス10内の放熱板36または他の電気接続点(例えば、印刷回路基板258)へのワイヤ接合、締め付け、またはエミッタとサブ担体との間の他の好適な手段によって行なわれてもよい。レーザダイオード14を放熱板36に搭載するためのいくつかの例示的配列は、以下に論じられる、図36および37の実施形態に示される。
図示される実施形態では、レーザパッケージ固着システム252は、レーザパッケージ250を放熱板36に固着するために、ネジ262によって、放熱板36に固着される、クリップ260を含む。搭載特徴はまた、放熱板36内に提供され、レーザアセンブリの再現可能位置付けを保証してもよい。レーザ搭載特徴は、種々の標準的産業レーザパッケージに対応するように修正されてもよい。クリップまたはネジを要求しない、レーザパッケージ固着システム252の例示的実施形態は、図34−37を参照して、以下に論じられる。
レンズ固着システム254は、本実施形態では、レーザダイオード14に対して、速軸レンズ64を固定位置に固着するために、速軸レンズ64を放熱板36に固着するために構成される。レーザダイオード14によって放射されるビーム108は、速軸において、比較的に大きな角度発散を有し得る(図33Bでは、y−軸として示される)。したがって、高開口数(高NA)短焦点距離円筒形レンズ(または、「ロッドレンズ」)64が、ビーム108の速軸プロファイルの角度発散を低減させるために提供されてもよい。その高NAのため、レーザダイオード14に対する円筒形レンズ64の正確な位置付けは、比較的に重要であり得る。一実施形態では、円筒形レンズ64は、約12mmの長さであって、直径約2mmである。しかしながら、レンズ64は、任意の他の好適な寸法を有してもよい。さらに、他の実施形態では、レンズ64は、異なる形状のレンズを備えてもよい。例えば、レンズ64は、非球面レンズまたは球状レンズであってもよい。
レンズは、一般に、UV硬化エポキシを使用して、他の構造に取着されてもよい。しかしながら、UV硬化エポキシは、硬化プロセスの間、収縮を被り、これは、レーザに対するレンズの位置を変更し、所望のビーム出力特性に負の影響を及ぼし得る。したがって、レンズ固着システム254は、搭載プロセスの間、例えば、UV硬化プロセスの間を含む、レーザダイオード14に対する光学64の移動を最小限または低減する様式において、速軸光学64を放熱板36に搭載するために構成されてもよい。
図示される実施形態では、レンズ固着システム254は、z−軸方向に、放熱板36の側から延在する、一対のレンズ支持構造270および272を備える。構造270および272は、放熱板36と一体的に形成されてもよい。構造270および272は、z−軸方向に、レーザパッケージ250の正面縁を越えて延在し、x−軸方向に、レーザパッケージ250の幅の1.5倍〜2倍の距離だけ分離されてもよい。構造270および272の幾何学形状は、少なくとも部分的に、放熱板押出成形方向に生成されてもよく、これは、要求される構成要素の数および/または後機械加工の量を最小限化または低減させ、したがって、アセンブリのコストを削減し得る。
いくつかの実施形態では、放熱板36およびレンズ支持構造270および272は、単一押出成形プロセス後、支持構造270および272を含む、延在搭載部分274を形成するための機械加工プロセスを行なうことによって、一体的に形成されてもよい。加えて、レーザパッケージ250のための位置決め特徴278もまた、放熱板36内に機械加工されてもよい。放熱板36、レンズ支持構造270および272、ならびに位置決め特徴278の形成は、レーザ14とレンズ64との間に、強固な構造を一体的に作成する。他の実施形態では、放熱板36は、ダイ成形、鍛造、および/または任意の他の好適な製造プロセスまたは複数のプロセスによって形成されてもよい。
図33Bに示されるように、高NA円筒形レンズ64は、支持構造270と272との間に搭載される。レンズ64は、任意の好適な様式において、支持構造270および272に固着されてもよい。例えば、レンズ64は、構造270と272との間に位置付けられ、UV接着剤276、例えば、UV硬化プロセスを介して硬化される、UVエポキシ276を使用して、構造270および272に接着されてもよい。
レンズ64を搭載するために、少量のUV接着剤276が、レンズ64の両端および/またはレンズ支持構造270および272の内側表面に塗布される。レンズ64は、次いで、レンズ64の各端と個別の支持構造270および272との間に小空間を伴って、支持構造270と272との間に位置付けられる。表面張力が、レンズ64を支持構造270と272との間に位置付ける間、接着剤276を定位置に保持し得る。レンズ64の搭載の間、ビームのリアルタイム監視等の整合ツールおよび方法が、使用されてもよい。適切な場所に来ると、接着剤276は、レンズ支持構造270および272に浸潤し、支持構造270および272とレンズ64の両端との間の間隙を埋める。接着剤276は、次いで、高強度UV放射線源を使用して、硬化される。
硬化の間、エポキシの収縮は、レンズ64および支持構造270および272が、x−軸方向に整合されるにつれて、レンズ64をx−軸方向に移動させ得る。しかしながら、円筒形レンズ64は、x−軸に屈折力を有していないため、x−軸におけるレンズ64の移動は、レーザダイオード14に対するレンズ64のリアルタイム整合後、実質的に、所望のビーム特性を変化させない。
円筒形レンズ64は、レーザ放射縁/表面256から任意の好適な距離において、位置付けられてもよい。一例示的実施形態では、レンズ64は、レーザ放射縁/表面256から約260μmに位置付けられる。
いくつかの実施形態では、前述のように形成または構成される、放射線エンジン12は、ある公知の放射線エンジンと比較して、1つ以上の利点を提供してもよい。例えば、冷却、整合、およびレンズ搭載特徴のための単一構造(放熱板36)の使用は、例えば、構造完全性、熱伝達、小型性、構成要素の数の減少、および/またはコストの削減のために、有利であり得る。別の実施例として、前述で論じられる放射線エンジン12は、要求される部品の機械加工を最小限化または低減させ得る。別の実施例として、前述で論じられる放射線エンジン12は、レンズ支持構造270および272に厳密な公差を要求しなくてもよい。別の実施例として、前述で論じられる放射線エンジン12は、結果として生じるビーム特性に有意に影響を及ぼさずに、エポキシ収縮を可能にし得る。別の実施例として、前述で論じられる放射線エンジン12は、レンズまたはレンズ搭載特徴のいずれかへの接着剤塗布の容易性をもたらし得る。
図34は、放射線エンジン12の別の例示的構成を図示する。本実施形態では、レーザパッケージ250および速軸光学64は、放熱板36内に画定された陥凹282内に位置付けられる。これは、とりわけ、構成要素の数のさらなる減少またはさらなる構造完全性等、図35に示される実施形態と類似および/または付加的利点をもたらし得る。図34の実施形態はまた、一対の金属コネクタ267を印刷回路基板258とレーザパッケージ250との間に含み、レーザダイオード14を通した電気経路を提供する。各コネクタ267は、レーザパッケージ250の関連部分と良好に接触するように、機械的に負荷がかけられてもよい(例えば、バネ、可撓部、屈曲タブ等を使用する)。これは、はんだ付けされた接続、コネクタ、ピグテール、またはフライングリードを要求しないことを含め、いくつかの利点を提供し得る。
図35Aおよび35Bは、放射線エンジン12の別の例示的構成を図示する。図35Aは、放射線エンジン12の全体図を示す一方、図35Bは、レーザパッケージ250の配列の拡大図である。図34の実施形態と同様、本実施形態では、レーザパッケージ250および速軸光学64は、放熱板36内に画定された陥凹282内に位置付けられる。レーザパッケージ250は、印刷回路基板258の底部表面から延在する一対の接続要素267によって、放熱板36に固着され、PCB258とレーザダイオード14との間に電気経路を提供する。各接続要素267は、機械的に負荷がかけられる、またはバネ付勢される要素268を含み、レーザパッケージ250の関連接触部分との良好な接触を保証し、下向き固着力を提供し、レーザパッケージ250を放熱板36に固着させる。
図36A−36Cは、例えば、本明細書に開示される、例示的放射線エンジン12のいずれかにおいて使用され得る、レーザパッケージ250Aの一実施形態を図示する。示されるように、レーザパッケージ250Aは、放熱板36に搭載するために構成され得る、熱的および電気的伝導性サブマウント284(例えば、銅ブロック)に搭載される、ダイオードレーザ14を含む。レーザパッケージ250Aはまた、サブマウント284に搭載される、電気絶縁接触パッド286(例えば、セラミックまたは他の電気絶縁材料から形成される)を含み、絶縁接触パッド286は、金属化または別様に電気伝導性の上部表面290を含んでもよい。ダイオードレーザ14は、いくつかのコネクタ288(例えば、ワイヤ接合)によって、接触パッド286の伝導性上部表面290に電気的に接続されてもよい。
接続要素267Aおよび267Bは、レーザパッケージ250A(特に、レーザダイオード14)を印刷回路基板258に電気的に連結するように提供されてもよい。特に、接続要素267Aは、接触パッド286の伝導性上部表面290に接触してもよく(例えば、機械的に負荷がかけられた、またはバネ付勢された要素268を介して)、接続要素267Bは、伝導性サブマウント284の上部表面に接触してもよく(例えば、機械的に負荷がかけられた、またはバネ付勢された要素268を介して)、したがって、PCB258から、接続要素267A、伝導性表面290、コネクタ(例えば、ワイヤ接合)288、レーザダイオード14、伝導性サブマウント284、接続要素267Bを通して、PCB258に戻る、伝導性経路を確立する。
サブマウント284は、直接または熱インターフェース材料296(例えば、熱グリース)を使用してのいずれかによって、放熱板36に連結され、放熱板36への熱伝達を助長してもよい。サブマウント284は、任意の好適な様式において、例えば、UV硬化エポキシ298を介して、放熱板36に固着されてもよい。
図37は、例えば、本明細書に開示される、例示的放射線エンジン12のいずれかにおいて使用され得る、レーザパッケージ250Bの別の例示的実施形態を図示する。示されるように、レーザパッケージ250Bは、電気絶縁接触パッド286(例えば、セラミックまたは他の電気絶縁材料から形成される)上に搭載され、順に、放熱板36に搭載される、ダイオードレーザ14を含む。電気絶縁接触パッド286の上部表面は、金属化または別様に電気的伝導性ではない非伝導性面積291によって、相互から分離される、金属化または別様に電気的伝導性の上部コーティングまたは表面を有する、第1および第2の伝導性面積290Aおよび290Bを含む。示されるように、伝導性コネクタ(例えば、ワイヤ接合)288は、第1の伝導性面積290Aを第2の伝導性面積290B上に搭載されるレーザダイオード14と接続する。
接続要素267Aおよび267Bは、レーザパッケージ250A(特に、レーザダイオード14)を印刷回路基板258に電気的に連結するために提供されてもよい。特に、接続要素267Aは、接触パッド286の上部表面上の第1の伝導性面積290Aに接触してもよく(例えば、機械的に負荷がかけられる、またはバネ付勢される要素268を介して)、接続要素267Bは、接触パッド286の上部表面上の第2の伝導性面積290Bに接触してもよく(例えば、機械的に負荷がかけられる、またはバネ付勢される要素268を介して)、したがって、PCB258から、接続要素267A、第1の伝導性面積290A、コネクタ(例えば、ワイヤ接合)288、レーザダイオード14、第2の伝導性面積290B、接続要素267Bを通して、PCB258に戻る、伝導性経路を確立する。
接触パッド286は、直接または熱インターフェース材料296(例えば、熱グリース)を使用してのいずれかによって、放熱板36に連結され、放熱板36への熱伝達を助長してもよい。接触パッド286は、任意の好適な様式において、例えば、UV硬化エポキシ298を介して、放熱板36に固着されてもよい。
(変位ベースの制御)
図1に関して前述で論じられるように、デバイス10は、デバイス10の種々の制御可能動作パラメータ(例えば、放射線源14、走査システム48等の動作側面)を制御するように構成される、制御システム18を含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御システム18は、デバイス10が、皮膚の表面を横断して移動されるにつれて、皮膚に対するデバイス10の変位を判定し(例えば、デバイス10を滑動モードまたは打刻モードで動作させている間)、デバイス10の判定された変位に基づいて、デバイス10の1つ以上の制御可能動作パラメータを制御するように構成される、変位ベースの制御システム132を含んでもよい。例えば、変位ベースの制御システム132は、例えば、放射線源14の放射線モードの制御、放射線源14のオン/オフ状態の制御、そのようなオン/オフ状態のタイミング(例えば、パルストリガ遅延、パルス持続時間、パルス負荷サイクル、パルス周波数、一時的パルスパターン等)の制御、放射線のパラメータ(例えば、波長、強度、電力、フルエンス等)の制御、光学16のパラメータの制御、ビーム走査システム48のパラメータの制御(例えば、モータ120のオン/オフ状態、回転スピード、回転方向、または他のパラメータの制御)、および/またはデバイス10の任意の他の制御可能動作パラメータ等、放射線源14の1つ以上の動作側面を制御してもよい。
いくつかの実施形態では、変位ベースの制御システム132はまた、(a)デバイス10の監視された変位、および/または(b)システム132による1つ以上の制御可能動作パラメータの自動制御に基づいて、ディスプレイ32および/または1つ以上の他のユーザインターフェース28を介して、フィードバックをユーザに提供してもよい。例えば、システム132は、システム132によって検出されたデータまたは講じられた措置を示す聴覚的、視覚的、および/または触覚的フィードバック、例えば、デバイス10の変位が、所定の閾値距離を超えるかどうかを示すフィードバック、治療放射線源14または走査システム48(例えば、モータ120)が、オンまたはオフにされたことを示すフィードバック、システム132が、自動的に、治療放射線源14の放射線モードまたは他のパラメータを変更したことを示すフィードバック等をユーザに提供してもよい。
変位ベースの制御システム132は、図2に関して前述で論じられる、制御サブシステム52のうちの任意の1つ以上(例えば、放射線源制御システム128、走査システム制御システム132、有用性制御システム133、ならびにユーザインターフェースセンサ制御サブシステム140およびユーザ入力/フィードバック制御サブシステム142を含む、ユーザインターフェース制御システム134)、ならびに制御電子機器30、任意の1つ以上のセンサ26、ユーザインターフェース28、およびディスプレイ32を含む、利用する、あるいは別様にそれらと協働または通信してもよい。
図38は、ある実施形態による、変位ベースの制御システム132のブロック図を図示する。示されるように、変位ベースの制御システム132は、変位センサ200、制御電子機器30、ならびに治療放射線源14、走査システム48、およびディスプレイ32のうちの1つ以上を含む。種々の放射線ベースのセンサ26を論じる際、放射線源14は、「治療放射線源14」と称され、特定のセンサ26の任意の放射線源と区別される。一般に、変位センサ200は、皮膚40に対するデバイス10の変位に関するデータを収集し、そのようなデータを制御電子機器30に通信し、データを分析する、治療放射線源14、走査システム48、およびディスプレイ32のうちの1つ以上を介して、制御またはフィードバックを提供する。いくつかの実施形態では、制御電子機器30はまた、センサ200から受信されたデータと併せて、1つ以上のユーザインターフェース28を介して受信された特定のユーザ入力を分析してもよい。例えば、制御電子機器30によって提供される適切な制御またはフィードバック(例えば、関連アルゴリズム148によって定義される)は、現在の動作モードおよび/またはユーザによって選択された他の設定に依存してもよい。例えば、制御電子機器30によって特定の応答をトリガするための最小閾値変位は、ユーザによって選択された現在の動作モードに依存してもよい。
制御電子機器30は、変位ベースの制御システム132の種々の機能を行なうために、メモリ152内に記憶され、1つ以上のプロセッサ150によって実行可能な任意の好適な論理命令またはアルゴリズム154を含んでもよい(例えば、図2に関して前述のように)。変位センサ200は、皮膚40に対するデバイス10の変位を検出、測定、および/または計算するために、あるいはデバイス10の変位を判定するための制御電子機器30への信号を生成および通信するために構成されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、図40−43を参照して以下に論じられるように、変位センサ200は、皮膚内の固有の皮膚特徴を識別および計数し、識別された固有の皮膚特徴の数に基づいて、皮膚を横断するデバイス10の変位を判定するように構成される、単一ピクセルセンサであってもよい。本明細書で使用されるように、「固有の皮膚特徴」は、(a)皮膚の表面特徴、例えば、質感的粗度、毛包、およびしわ、ならびに(b)表面下特徴、例えば、血管状態および色素沈着特徴の両方を含む。
他の実施形態では、例えば、図45を参照して以下に論じられるように、変位センサ200は、ピクセルの2次元アレイを利用する、マウス型光学センサ等の複数のピクセルセンサであってもよい。
特定の実施形態に応じて、変位センサ200(または、複数の変位センサ200の組み合わせ)は、(i)1つ以上の方向における、デバイス10の変位を検出、測定、および/または計算する、あるいは(ii)1つ以上の回転方向における、デバイス10によって進行される回転度を検出、測定、および/または計算する、もしくは(iii)任意のそれらの組み合わせのために使用されてもよい。
変位ベースの制御システム132、特に、制御電子機器30は、デバイス10の1つ以上の制御可能動作パラメータ(例えば、治療放射線源14、ファン34、ディスプレイ32等の動作側面)を制御し、種々の目標のいずれかを達成してもよい。例えば、制御電子機器30は、(a)同一の皮膚の面積の過治療を回避するため、(b)隣接または順次治療スポット70またはスポット70のアレイ間に所望の間隔を提供するため、(c)治療スポット70の比較的に均一パターンまたは他の所望のパターンを生成するために、(d)ヒト皮膚等の特性の組織への放射線の送達を制限するため(すなわち、眼または他の非皮膚表面への放射線の送達を回避するため)、(e)および/または任意の他の好適な目標のため、ならびに(f)前述の組み合わせのために、治療放射線源14および/または走査システム48を制御してもよい。
いくつかの実施形態では、変位ベースの制御システム132は、デバイス10の滑動モードおよび打刻モードの両方で使用されてもよい。
図39は、ある実施形態による、デバイス10が、滑動モードまたは打刻モードのいずれかで使用されている間、変位ベースの制御システム132を使用して、デバイス10を制御するための例示的方法400の流れ図を図示する。ステップ402では、デバイス10は、入力ビーム110の第1の走査を行い、第1のアレイ(例えば、列)の治療スポットを皮膚40上に生成する。デバイス10が、滑動モードで使用されている場合、ユーザは、第1の治療スポットのアレイが生成されている間、皮膚を横断してデバイス10を滑動させてもよい。デバイス10が、打刻モードで使用されている間、ユーザは、第1の治療スポットのアレイが生成されている間、デバイス10を皮膚上に定常に保持してもよい。ステップ402としての走査は、本説明では、「第1」の走査と呼ばれるが、方法400は、治療セッション中、連続的に繰り返す、またはループ状のプロセスであって、したがって、「第1」の走査は、治療セッションの間の任意の特定の走査(例えば、プロセスの間の37回目の走査)であってもよいことを理解されたい。
ステップ404では、変位ベースの制御システム132は、第1の監視プロセスを行い、変位センサ200を使用して、皮膚の表面を横断するデバイス10の変位を監視および分析する。例えば、以下に論じられるように、変位ベースの制御システム132は、デバイス10が、皮膚を横断して移動されるにつれて(例えば、第1の治療スポットのアレイの生成の間および/または後、滑動モードにおいて、あるいは第1の治療スポットのアレイの生成後、打刻モードにおいて)、信号360を分析し、皮膚内の表面特徴74を識別および計数する(例えば、単一ピクセル変位センサ200(例えば、以下に論じられる、センサ200A、200B、または200C)を利用する実施形態では)、または異なる時間で走査される画像を比較してもよい(マルチピクセル変位センサ200(例えば、以下に論じられる、センサ200D)を利用する実施形態では)。システム130は、第1の走査の始動時、または任意の他の所定の事象に応じて、または任意の所定の時間において、第1の監視プロセスを開始してもよい。
ステップ406では、ステップ404において判定されたデバイス10の変位(すなわち、第1の監視プロセスの間)に基づいて、変位ベースの制御システム132は、入力ビーム110の第2の走査を制御する(第2の治療スポットのアレイを皮膚40上に生成するために)。例えば、変位ベースの制御システム132は、システム130が、ステップ404において、デバイス10が、皮膚を横断して、所定の最小距離(例えば、1mm)を上回って移動したことを判定した後のみ、第2の走査を始動してもよい。したがって、そのような実施形態では、隣接列72の対応する治療スポット70間の滑動方向における最小間隔(例えば、1mm)は、手動滑動スピードにかかわらず、達成されることができる。
(単一ピクセル変位センサ)
図40Aは、ある実施形態による、変位ベースの制御システム132で使用するための単一ピクセル変位センサ例200Aを図示する。変位センサ200Aは、光源310Aと、光検出器312Aと、入力および出力部分314および316を有する光導波路313と、半ボールレンズ318と、ボールレンズ320と、少なくともレンズ318および320(および/またはセンサ200Aの他の構成要素)を格納するための筐体322と、マイクロコントローラ330とを含む。
光源310Aは、発光ダイオード(LED)または任意の他の好適な光源であってもよい。光源310Aは、ヒトの皮膚の表面または体積において細部を検出するために選択されてもよい。したがって、反射される前に比較的浅い深度で皮膚に浸透する波長が選択されてもよい。例えば、光源310Aは、約560nmの波長を有する青色LED、または約660nmの波長を有する赤色LED、または約940nmの波長を有する赤外LEDであってもよい。赤色または赤外波長LEDは、比較的安価であり、実践において良好に機能する。代替として、半導体レーザまたは他の光源も使用することができる。
光検出器312Aは、フォトダイオード、フォトトランジスタ、または他の光検出器であってもよい。いくつかの実施形態では、フォトトランジスタは、付加的な増幅を必要とすることなく、直接使用可能な信号を提供するように十分な電流利得を有する。
光導波路313は、(入力部分314を介して)光源310Aから光を導き、(出力部分316を介して)皮膚から反射された光を検出器312Aに誘導するように構成される。入力部分314および出力部分316は、光ファイバまたは任意の他の好適な光導波路を備えてもよい。光源310Aおよび検出器312Aが、皮膚表面上に光を直接結像または伝達するように皮膚表面に十分近い、あるいは代替として、皮膚表面上に光源310Aおよび検出器312Aを直接結像または伝達するために好適な光学機器を使用している、いくつかの実施形態では、光導波路313が省略されてもよい。
マイクロコントローラ330は、光源310Aを駆動させ、光検出器312Aから信号を受信して分析するように構成されてもよい。マイクロコントローラ330は、光検出器312Aからのアナログ信号を変換して処理するためのアナログ・デジタル変換器(ADC)332を含んでもよい。
この実施形態の動作中、光源310Aからの光(例えば、可視光または近赤外線エネルギー)は、入力光導波路314を下って、光を皮膚表面38上に集束させる半ボールレンズ318およびボールレンズ320を通って進行する。この光のうちの一部は、皮膚によって反射および/または再放射され、ボールレンズ320、半ボールレンズ318、および出力光導波路316を通って、次いで、マイクロコントローラ330に送達される電気信号に光を変換する光検出器312Aに向かって戻る。光は、局所光源からの一定の背景周囲照明レベルの区別を可能にするように変調されてもよい。
検出器312Aは、(統合ADC332または好適な代替物を使用して)信号をデジタル信号に変換し、皮膚における特徴を識別および計数するように、経時的に記録された信号の振幅に関する計算を行い、以下に論じられるように、適宜デバイス10の相対的な変位を判定し得る、マイクロコントローラ330に、アナログ信号を送達してもよい。
検出器312Aに戻される光の量は、センサ光学機器と皮膚表面38との間の距離「z」の強関数である。表面が存在しないと、非常に小さい信号しか生成されず、これは、光学表面からの入射散乱光によって引き起こされる。変位センサに加えて、この特性は、別の実施形態では、接触センサを提供するために利用することができる。皮膚表面38がレンズ320の焦点距離内にあるとき、はるかに大きい信号が検出される。信号振幅は、距離zならびに表面反射/再放射の関数である。したがって、皮膚表面上の表面質感が、検出器312Aにおいて対応する信号変動を生成する。マイクロコントローラ330は、この信号を分析するようにプログラムされ、特定の基準を満たす固有の皮膚特徴74を識別する。マイクロコントローラ330は、識別された特徴を計数し、以下に論じられるように、一般大衆に対する、または特定の群あるいは層の人々に対する固有の皮膚特徴74間の推定または平均距離の知識に基づいて、x方向における皮膚40に対するセンサ200Aの推定変位(すなわち、側方変位)を判定してもよい。
前述で説明される変位センサ200Aは、単一の信号360、すなわち、単一のピクセルを生成するための単一の反射/再放射光線のみを採用するため、「単一ピクセル」変位センサ200Aと称されてもよい。他の実施形態では、変位センサ200は、2つのピクセル(すなわち、2つの信号360を生成するための2つの反射光線)、3つのピクセル、4つのピクセル、またはそれ以上を採用する、マルチピクセルセンサであってもよい。マルチピクセル変位センサ200は、複数のピクセルが、単一の直線方向に沿って(例えば、滑動方向、走査方向、または任意の他の方向に沿って)、または任意の好適な2次元配列(例えば、円形、長方形、六角形、または三角形のパターン)で配列されるように、構成されてもよい。
図40Bは、ある実施形態による、変位ベースの制御システム132で使用するための別の単一ピクセル変位センサ例200Bを図示する。変位センサ200Bは、光源310Bと、光検出器312Bと、光学機器342と、マイクロコントローラ330とを含む。
光源310Bおよび光検出器312Bは、統合エミッタ・検出器パッケージ340、例えば、Sharp MicroMicroelectronicsによって提供される既製のセンサ、例えば、Sharp GP2S60小型反射フォトインタラプタ内に提供されてもよい。光源310Bは、前述に論じられる光源310A、例えば、発光ダイオード(LED)または任意の他の好適な光源に類似してもよい。光検出器312Bは、前述に論じられる光源310A、例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタ、または他の光検出器に類似してもよい。
光学342は、光源310Bから標的表面上に光を指向するため、および標的表面から反射/再放射された光を光検出器312Bに向かって指向するための1つ以上の光学要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、光学342は、光源光集束部分344と、反射光集束部分346とを含む、単一のレンズ要素342を備える。示されるように、光源光集束部分344は、光源310Bからの光を皮膚表面38上に指向し、集束してもよく、反射光集束部分346は、反射光を検出器312B上に指向し、集束してもよい。レンズ要素342は、所望に応じて、光源光および反射光を指向し、集束するために任意の好適な形状を有してもよい。
マイクロコントローラ330は、光源310Bを駆動させ、光検出器312Bから信号を受信して分析するように構成されてもよい。マイクロコントローラ330は、光検出器312Bからアナログ信号を変換して処理するためのアナログ・デジタル変換器(ADC)332を含んでもよい。
光検出器312Bおよびマイクロコントローラ330の動作を含む、センサ200Bの動作は、図40Aのセンサ200Aを参照して前述で説明されるものに類似してもよい。すなわち、検出器312Bは、標的表面に垂直な距離zに対応する振幅または他の性質、あるいは固有の皮膚特徴を示す他の性質を有する、信号を記録してもよい。検出器312Bは、(統合ADC332を使用して)信号をデジタル信号に変換し、皮膚における特徴を識別および計数するように、経時的に記録された信号に関する計算を行い、適宜デバイス10の相対的な変位を判定し得る、マイクロコントローラ330に、アナログ信号を送達してもよい。
変位センサ200Aのように、変位センサ200Bは、単一の信号360、すなわち、単一のピクセルを生成するための単一の反射光線のみを採用するため、「単一ピクセル」変位センサ200Bと称されてもよい。
図40Cは、ある実施形態による、変位ベースの制御システム132で使用するためのさらに別の例示的単一ピクセル変位センサ200Cを図示する。変位センサ200Cは、概して、図40Bに示される変位センサ200Bに類似するが、変位センサ200Bのレンズ要素342を省略する。
変位センサ200Cは、光源310Cと、光検出器312Cと、光学342と、マイクロコントローラ330とを含む。光源310Cおよび光検出器312Cは、統合エミッタ・検出器パッケージ340、例えば、Sharp MicroMicroelectronicsによって提供される既製のセンサ、例えば、Sharp GP2S60小型反射フォトインタラプタ内に提供されてもよい。光源310Cは、前述に論じられる光源310A/310B、例えば、発光ダイオード(LED)または任意の他の好適な光源に類似してもよい。マイクロコントローラ330は、直流または変調電流を用いて光源310Cを駆動するように構成されてもよい。光検出器312Cは、前述に論じられる光源310A、例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタ、または他の光検出器に類似してもよい。
統合(または非統合)エミッタ・検出器パッケージ340は、窓394(例えば、透明プラスチックまたはガラス)によって覆われる前面に開口392を有する、不透明なエンクロージャ390の中に格納されてもよい。光源310C(例えば、LED)からの赤外光は、開口392を通って発光し、皮膚表面38に影響を及ぼす。(皮膚40から反射/再放射されるとともに、不透明なエンクロージャ390の内部容積から分散された)この光のうちの一部は、開口392を通って戻り、受光した光を電気信号に変換する検出器312C(例えば、光検出器)に到達する。光は、局所光源からの一定の背景周囲照明レベルの区別を可能にするように変調されてもよい。
検出器312Cに戻される光の量は、皮膚表面38と光学開口392との間の距離「z」の強関数である。皮膚表面38が窓394に近い、または窓394と接触しているとき、より大きい信号が検出される。表面が検出器に提示されないと、不透明なマスク390および窓394の表面からの反射、ならびに外部正面源からの背景光により、より小さい光信号が残る。
したがって、検出器312Cによって記録される信号振幅は、z高さ、ならびに皮膚反射/再放射の関数である。表面質感特徴74は、検出器312Cにおいて対応する信号変動を生成する。検出器312Cは、(統合ADC332を使用して)信号をデジタル信号に変換し、(信号振幅に基づいて)皮膚における特徴74を識別するように、経時的に記録された信号に関する計算を行い、そのような識別された特徴74を計数する、あるいは別様に処理し、適宜デバイス10の相対的な変位を判定し得る、マイクロコントローラ330に、記録されたアナログ信号(振幅が少なくともz高さを示す)を送達してもよい。
接近検出器に使用される統合エミッタ・検出器対は、小型、安価、かつ容易に利用可能であり得る。また、別個のエミッタおよび検出器を使用することも可能である。光の任意の好適な波長範囲が使用されてもよいが、検出器312C(例えば、フォトトランジスタ)の感度および検出器上の赤外通過フィルタを用いて可視光を遮断する能力により、赤外線が選択されてもよい。また、異なる皮膚のタイプが、より短い波長よりも赤外線で、より均一な反射レベルを示す。試験結果は、付加的な増幅を必要とすることなく、フォトトランジスタが、直接使用可能な信号をマイクロコントローラ330の統合ADC332に提供するように十分な電流利得を有することを示す。
変位センサ200Aおよび200Bのように、変位センサ200Cは、単一の信号、すなわち、単一のピクセルを生成するための単一の反射光線のみを採用するため、「単一ピクセル」変位センサ200Cと称されてもよい。
図41は、ヒトの手の皮膚表面38より上方で走査されている光学変位センサ200Cの実施形態の一対の実験データプロットを図示する。光検出器信号(y軸)が、任意単位で時間(x軸)と対比して示される。密度の高いピークがない領域は、センサ開口392が皮膚の固定領域に対して保持される時間を示す。アルゴリズムが、デバイス10を制御するために好適な信号である、より低い「検出された出力」プロットを生成するように、入力として光検出器信号を取り込む。例えば、マイクロコントローラ330は、光検出器信号を分析し、例えば、本明細書で開示される種々の技法またはアルゴリズムのうちのいずれか、あるいは任意の他の好適な技法またはアルゴリズムを使用して、特定の基準を満たす固有の皮膚特徴74を識別するようにプログラムされてもよい。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ330は、識別された特徴を計数し、以下に論じられるように、一般大衆に対する、または特定の群あるいは層の人々に対する固有の皮膚特徴74間の推定または平均距離の知識に基づいて、x方向における皮膚40に対するセンサ200Cの推定変位(すなわち、側方変位)を判定してもよい。
単一ピクセル変位センサ200、例えば、前述に論じられるセンサ200A、200B、および/または200Cのある実施形態は、結像型センサと比較して、結像光学を必要としなくてもよい。さらに、単一ピクセル変位センサ200のある実施形態は、電子機器(例えば、マイクロコントローラ)と感知される標的表面との間に近接近を必要としなくてもよい。例えば、光源および/または検出器は、光源/検出器と標的表面との間で光を伝達するために使用される光導波路または中継光学を伴って、標的表面から離間されてもよい。別の実施例として、光源および/または検出器は、標的表面に比較的近く離間されてもよいが、配線によって比較的遠隔のマイクロコントローラに連結されてもよい。
さらに、単一ピクセル変位センサ200、例えば、前述に論じられるセンサ200A、200B、および/または200Cのある実施形態では、能動的構成要素(例えば、光源、検出器等)および能動的感知領域は、(例えば、標準光学マウス型結像センサと比較して)比較的小さい。したがって、単一ピクセル変位センサ200がデバイス10の印加端42に位置する実施形態では、センサ200は、(例えば、標準光学マウス型結像センサと比較して)印加端42上で比較的少しの実面積しか占有しなくてもよく、これは、ある実施形態では有利であり得る、印加端42の全サイズが少なくとも1つの寸法で縮小されることを可能にし得る。
図42は、センサ200A、200B、または200Cが、x方向にヒトの手の皮膚を横断して移動させられるにつれて、検出器312A、312B、または312Cによって生成される信号360の例示的プロット350を表す。プロット350のx軸は、x軸上の信号360の移動が、皮膚を横断するセンサ200A/200B/200Cの移動の距離に合致するように、拡大縮小されてもよい。
信号360の振幅は、多数の固有の皮膚特徴74を含む、皮膚表面の質感と対応する。示されるように、信号360は、一連のピーク362、谷364、および他の特徴を含む。固有の皮膚特徴74は、任意の好適なパラメータまたはアルゴリズムに基づいて、信号360から識別されてもよい。
例えば、以下の基準のうちの1つ以上が、信号360に基づいて固有の皮膚特徴74を識別するために使用されてもよい。
(a)ピーク362の未加工振幅、
(b)1つ以上の他のピーク362(例えば、1つ以上の隣接ピーク362)の振幅に対するピーク362の振幅、
(c)1つ以上の谷364(例えば、1つ以上の隣接谷364)の振幅に対するピーク362の振幅、
(d)谷364の未加工振幅、
(e)1つ以上の他の谷364(例えば、1つ以上の隣接谷364)の振幅に対する谷364の振幅、
(f)1つ以上の谷364(例えば、1つ以上の隣接谷364)の振幅に対する谷364の振幅、
(g)信号360の特定の部分に対する信号362の振幅の増加率(すなわち、信号360の正の傾斜)、
(h)信号362の特定の部分に対する信号360の振幅の減少率(すなわち、信号360の負の傾斜)、
(i)隣接ピーク362(D1、D2、D3等)の間のx方向、
(j)隣接谷364の間のx方向距離、または
(k)任意の他の好適な基準。
アルゴリズム154は、前述で記載される基準のうちのいずれか1つ、または1つよりも多くの任意の組み合わせに基づいて、固有の皮膚特徴74を識別してもよい。そのようなアルゴリズム154は、前述で記載される基準のうちの1つ以上が比較される、(事前定義された、またはリアルタイムで計算された)閾値を含んでもよい。信号360のピーク362に基づいて固有の皮膚特徴74を識別する、いくつかの実施形態では、アルゴリズム154は、重大または大域的ピーク(例えば、ピーク362)と軽微または局所ピーク(例えば、局所ピーク368)を区別でき、固有の皮膚特徴74を識別するために重大または大域的ピーク362のみを使用してもよい。別の実施例として、アルゴリズム154は、重大または大域的谷(例えば、谷364)と軽微または局所谷(例えば、局所谷369)を区別し、固有の皮膚特徴74を識別するために重大または大域的谷364のみを使用してもよい。
固有の皮膚特徴74を識別し、デバイス10の変位を検出するために、単一ピクセル変位センサ(例えば、センサ200A、200B、または200C)とともに使用され得る、ある例示的変位アルゴリズムが、図43を参照して以下で論議される。図43は、3つのデータプロット:未加工信号プロット370、フィルタ処理信号プロット372、および固有皮膚特徴検出プロット374を図示する。例示的変位アルゴリズムは、(反射/再放射対時間を表す)光検出器からの未加工信号を入力として取り込み、変位が検出されたときにデジタルパルス「1」および変位が検出されていないときに「0」を出力として生成する。図43では、各プロット370、372、および374は、水平軸上の時間に対してプロットされた特定信号を示す。
未加工信号プロット370は、皮膚を横断するセンサの変位に対応する振幅変動(皮膚上の固有の皮膚特徴74に対応する振幅変動)と、皮膚上の同一の場所に滞留するセンサに対応する、より平坦な領域とを含む、未加工入力信号「pdl」376を示す。
フィルタ処理信号プロット372に示されるように、アルゴリズムは、未加工入力信号pdlの高域通過フィルタ処理バージョン「diffl」378を抽出し、また、それぞれ、「maxl」380および「mini」382として示される正の追跡および負の追跡包絡線も抽出する。正の包絡線「maxl」380は、現在の高域通過フィルタ処理された正の信号「diflp」のある割合を正の包絡線信号「maxl」の以前の時間ステップ値に追加することによって、各時点で作成され、「diflp」は、以下のように、高域通過フィルタ処理信号「difl」から形成される。
diflp=difl(difl>0)
diflp=0(difl<=0)
同様に、負の包絡線「mini」382も、以下のように、高域通過フィルタ処理された負の信号である、「difln」から同様に作成される。
difln=difl(difl<0)
difln=0(difl>=0)
最終的に、固有皮膚特徴検出プロット374に示されるように、特徴検出信号「dl」384は、「difl」がゼロ交差を有し(すなわち、以前の時間ステップおよび現在の時間ステップが異なる符号を有する)、かつ「maxl」が、閾値を超え、かつ「mini」が、閾値を超える、任意の時間ステップで1に設定される。そうでなければ、「dl」は、0に設定される。区切り値は、ランダムなセンサまたは回路雑音レベルによる、望ましくない出力(例えば、特徴検出の誤検出および/または検出漏れ)を防止するように設計されてもよい。ゼロ交差要件もまた、光センサが最初に表面に対して持ち上げられた(信号が時間とともに大きな増加を示す)、またはそれから除去された(信号が減少する)ときのように、光信号diflが完全に正または負であるとき、望ましくない出力(例えば、特徴検出の誤検出および/または検出漏れ)を防止するように設計されてもよい。
特徴検出プロット374から、皮膚に対するセンサの変位は、検出された特徴74の数を計数することによって判定することができる。次いで、アルゴリズムは、(a)検出された特徴74の数を1つ以上の所定の閾値数と比較することによって(例えば、少なくとも3つの特徴74が検出された場合に継続治療を可能にする)、または(b)(例えば、ミリメートル単位の)変位距離を判定するように、検出された特徴74の数に(例えば、実験的試験に基づいて判定されるような)特徴74の間の既知の公称または平均距離を乗算し、次いで、判定された変位距離を1つ以上の所定の閾値距離と比較することによって(例えば、判定された変位が2mmを超える場合に継続治療を可能にする)、制御の決定を行ってもよい。所望に応じて、本実施形態はまた、速度センサ(進度情報も取得および使用される場合)または滞留センサを作成するために使用できることが、当業者によって理解することができる。
いくつかの実施形態では、例示的アルゴリズムは、単一の検出器(例えば、検出器312Aまたは312B)を有する、単一のセンサ(例えば、単一ピクセル変位センサ200A、200B、または200C)を含むシステムで利用されてもよい。他の実施形態では、例示的アルゴリズムは、1つよりも多くのセンサ(例えば、1つよりも多くのセンサ200A、200B、および/または200C)とともに、あるいは1つよりも多くの検出器312を含むセンサ200(例えば、1つよりも多くの検出器312A、312B、または312Cを含むセンサ200A、200B、または200C)とともに、システムで使用されてもよい。したがって、そのような実施形態は、同じタイプの特徴が検出される、または異なるタイプの特徴が検出される、それぞれ異なるセンサ200または検出器312に対応する、複数の特徴検出信号384を生成してもよい。
複数のセンサ200または検出器312を含む、実施形態では、アルゴリズムは、任意の好適な様式において、複数の特徴検出信号384に基づいて制御の決定を行ってもよい。例えば、アルゴリズムは、複数の特徴検出信号384のうちのそれぞれが、所定数の特徴74(雑音または可能性として考えられる故障状態に対して、比較的優れた抵抗を提供し得る)を検出する場合のみ、制御信号を生成してもよい。または、アルゴリズムは、複数の特徴検出信号384のうちのそれぞれが、所定数の特徴74(より少ない質感およびより小さい振幅の反射率特徴を伴う表面に対して比較的優れた検出感度を提供し得る)を検出する場合に、制御信号を生成してもよい。または、アルゴリズムは、複数の特徴検出信号384によって検出される特徴74の総数に基づいて、制御信号を生成してもよい。アルゴリズムは、(他の特徴検出信号384と比較して)、異常値特徴検出信号384を識別し、少なくとも異常値のままである間に、そのような信号384を無視するように設計することもできる。
ヒトのサンプルが、センサ200Aの特定の実施形態を用いて試験され、前述に論じられる例示的アルゴリズムに従って固有の皮膚特徴74を識別した。試験は、顔または腕の皮膚等の試験対象の皮膚の表面を横断して直線でセンサ200Aを移動させることを伴った。センサ200Aの特定の実施形態を使用した、結果として生じたデータは、隣接する固有の皮膚特徴74(この場合は、質感または粗度)が平均で約0.3〜0.4mm離れて位置することを示した。換言すると、図42を参照すると、試験データは、約0.3〜0.4mmの平均間隔D1、D2、D3等を示した。
デバイス10の変位は、本実験データ、例えば、固有の皮膚特徴74の間の平均間隔を使用して、判定または概算されることができる。例えば、デバイス10の変位は、システム132によって識別された固有の皮膚特徴74の数に、固有の皮膚特徴74の間の実験的に判定された平均間隔を乗算することによって、判定または概算することができる。
したがって、変位ベースの制御システム132(例えば、放射線源制御システム128および/または走査システム制御システム130と協働することによって)は、皮膚を横断するデバイス10の判定または概算された変位に基づいて、デバイス10を制御してもよい。例えば、変位ベースの制御システム132は、皮膚を横断するデバイス10の変位に対して、システム132によって識別された表面特徴74の数に基づいて、デバイス10の1つ以上の制御可能な動作パラメータ(例えば、治療放射線源14および/または走査システム48の動作側面)を制御してもよい。例えば、システム132は、デバイス10が、N個の固有の表面特徴74を識別することによって判定されるにつれて、Xmm変位させられるたびに、ビーム114の1つの走査アレイを送達するようにデバイス10を制御してもよい。例えば、表面特徴74が平均0.4mmだけ離間されることを実験データが示す場合、システム132は、デバイス10が、表面特徴74を識別することによって判定されるにつれて、約1.2mm変位させられるたびに、治療スポットの1つの走査アレイを送達するようにデバイス10を制御してもよく、ビーム114の次の走査アレイは、デバイス10がさらに約1.2mm変位させられるまで/変位させられない限り(すなわち、3つの表面特徴74がシステム132によって識別されるまで)、送達されない。システム132によるデバイス10の制御の付加的な詳細および実施例が、以下に提供される。
したがって、いくつかの実施形態では、変位ベースの制御システム132を含む、制御システム18は、皮膚を横断して移動するデバイス10の割合、スピード、または速度から独立して、皮膚を横断するデバイス10の変位に基づいて、デバイス10の動作側面(例えば、治療放射線源14の動作側面)を制御する。いくつかの実施形態では、変位ベースの制御システム132を含む、デバイス10は、皮膚を横断して移動するデバイス10の割合、スピード、または速度を示す任意のデータを検出または測定するため、あるいは皮膚を横断して移動するデバイス10の割合、スピード、または速度を判定するか、または判定しようとするために構成されない。むしろ、デバイス10は、皮膚に対するデバイス10の側方変位を示すデータを検出または測定するため、例えば、前述に論じられるような、そのようなデータを使用して、デバイス10の側方変位を判定するために構成される。換言すると、デバイス10は、非常に低速を含む、任意の割合で移動させることができ、ビーム114は、十分な距離が特定の以前のビーム114の送達またはある他の所定の事象に対して平行移動させられた場合のみ送達される。
他の実施形態では、デバイス10は、皮膚を横断して移動するデバイス10の割合、スピード、または速度を示すデータを検出または測定するため、およびそのようなデータに基づいて、デバイス10の割合、スピード、または速度を判定するか、または判定しようとするために、例えば、運動/スピードセンサ202を含む、スピード検出システムを含んでもよい。そのようなスピード検出センサまたはシステムは、変位ベースの制御システム132および変位センサ200に加えて、またはそれらの代わりに、提供されてもよい。
他の実施形態では、デバイス10は、デバイス10が静止しているか、または皮膚に対してある公差内で静止しているかどうかを示すデータを測定するための滞留センサ216を含んでもよい。滞留センサ216は、前述で説明される変位センサ200の側面を採用してもよいが、具体的には、デバイス10が静止しているかどうかに関する情報を提供するように構成されてもよい。例えば、単一ピクセル変位センサ200A/200Bに対する前述で説明される例示的アルゴリズムの全部または部分は、(例えば、図43に示される未加工データ信号376において平坦なスポットを認識することによって)デバイス10が実質的に静止しているときを判定するために使用されてもよく、デバイス10は、その情報に基づいて制御されてもよい(例えば、放射線源14は、デバイス10が静止または滞留していると判定された場合に無効にされてもよい)。
図44は、図39の一般的方法400のより具体的な実施例を図示する。具体的には、図44は、ある実施形態による、デバイス10が滑動モードまたは打刻モードのいずれかで使用されている間に、単一ピクセル変位センサ200Aを採用する、変位ベースの制御システム132を使用してデバイス10を制御するための方法420を図示する。
ステップ422では、ステップ402に関して前述のように、デバイス10が、始動し、入力ビーム110の第1の走査を行い、治療スポット70の第1のアレイ(例えば、列72)を皮膚40上に生成する。図39の方法400に関して前述のように、ステップ422における走査は、本説明では、「第1」の走査と呼ばれるが、方法420は、治療セッション中、連続的に繰り返すまたはループ状のプロセスであって、したがって、「第1」走査は、治療セッションの間の任意の特定の走査(例えば、プロセスの間の124回目の走査)であってもよいことを理解されたい。
ステップ424では、変位ベースの制御システム132が、第1の走査の始動に応じて、監視プロセスを始動し、センサ200Aを使用して、皮膚の表面を横断して、デバイス10の側方変位を監視および分析する。変位ベースの制御システム132は、デバイス10が、皮膚を横断して移動されるにつれて(例えば、治療スポット70の第1のアレイ(例えば、列72)の生成の間および/または後に、滑動モードにおいて、あるいは第1の治療スポット70のアレイの生成後、打刻モードにおいて)、信号360を分析し、皮膚内の表面特徴74の数を識別および維持する。
ステップ426では、システム132は、所定の最小数の表面特徴74(デバイス10の最小側方変位に対応する)が、入力ビーム110の第1の走査の完了によって、識別されたかどうかを判定する。そうである場合、方法は、ステップ422に戻り、次(第2)の走査が、第1の走査の完了に応じて、連続的に開始し、プロセスは、継続する。そうではない場合、システム132は、システム132が、所定の最小数の表面特徴74を識別するまで(すなわち、システム132が、デバイス10が最小側方変位を進行したと判定するまで)、第2の走査の始動を遅延させ、第1の監視プロセスを継続する(すなわち、方法は、ステップ424に戻る)。システム132が、所定の最小数の表面特徴74を識別すると、いくつかの実施形態では、デバイス10は、回転式走査要素100の回転位置にかかわらず、入力ビーム108の第2の走査を直ちに始動する(すなわち、第2の走査は、要素100の任意のセクタ104から開始し得る)。他の実施形態では、デバイス10は、回転式走査要素100が、特定の位置に位置付けられ、第2の走査を直ちに開始するまで(例えば、第2の走査が、所定の「第1」のセクタ104から開始するように)、待機する。
本様式では、システム132は、スポット70の各連続的に送達されたアレイ(例えば、列72)が、少なくとも、皮膚内で識別された所定の最小数の表面特徴74に対応する所定の距離だけ、滑動方向に、以前に生成されたアレイ(例えば、列72)から離間されることを保証する。前述のように、本方法は、デバイス10の滑動モードおよび打刻モードの両方に適用されることができる。
本例示的方法では、デバイス10(例えば、治療放射線源14および/または走査システム48の動作側面)は、皮膚を横断して移動するデバイス10の割合、スピード、または速度にかかわらず、皮膚を横断するデバイス10の変位に基づいて、制御される。前述に論じられるように、いくつかの実施形態では、デバイス10は、皮膚を横断して移動するデバイス10の割合、スピード、または速度を示す任意のデータを検出または測定するため、あるいは皮膚を横断して移動するデバイス10の割合、スピード、または速度を判定するか、または判定しようとするために構成されない。
(マルチピクセル変位センサ)
前述のように、いくつかの実施形態では、変位センサ200は、2つのピクセル(すなわち、2つの信号360を生成するための2つの反射光線)、3つのピクセル、4つのピクセル、またはそれ以上を採用する、マルチピクセル変位センサ200である。例えば、いくつかの実施形態は、皮膚に沿って変位を検出するためのコンピュータ入力用の光学マウスで使用されるタイプのマルチピクセル結像相関センサ200Dを採用する。
図45は、ある実施形態による、皮膚に沿って変位を検出するためのコンピュータ入力用の光学マウスで使用されるあるタイプの例示的マルチピクセル結像相関センサ200Dを図示する。変位センサ200Dは、光源310Dと、光検出器312Dと、プロセッサ334とを含んでもよい。
放射線源310Dは、例えば、放射線源310Aに関して前述に論じられるように、発光ダイオード(LED)または任意の他の好適な放射線源であってもよい。放射線源310Dは、図45に示されるように、皮膚表面38に関して斜角で光を送達するように配列されてもよい。
光検出器312Dは、成形レンズ光学336と、結像チップ338とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、センサ200Cは、皮膚が成形レンズ光学336の焦点面内にあり、その焦点面が、図45の距離zによって示されるように、成形レンズ光学336の表面から数ミリメートル離れて位置し得るように、構成される。随意に、外部焦点面から検出器312Dまでの全距離を延在させるように、中継レンズのシステムが、検出器312Dと皮膚表面38との間に追加されてもよい。
検出器312Dは、放射線源310Dによって照射される皮膚表面38の面積の2次元マルチピクセル「画像」を生成するように構成されてもよい。画像は、各ピクセルが、単一ピクセルセンサ200A、200B、または200Cの信号360に類似する信号360を有する、ピクセルの2次元アレイから成ってもよい。結像チップ338は、マルチピクセル信号アレイに対応する、プロセッサ334へのデジタル出力ストリームを生成するように構成されてもよい。
プロセッサ334は、放射線源310Dを駆動させ、光検出器312Dからの信号のマルチピクセルアレイを受信して分析するように構成されてもよい。具体的には、プロセッサ334は、皮膚表面38を横断するセンサ200Dの1つ以上の方向への直線変位、回転変位、および/または側方変位を判定するように、検出器312Dから受信された異なるマルチピクセル画像(例えば、連続的に受信された画像)を比較してもよい。
図46は、ある実施形態による、デバイス10が滑動モードまたは打刻モードのいずれかで使用されている間に、マルチピクセル変位センサ200Cを採用する、変位ベースの制御システム132を使用してデバイス10を制御するための例示的方法440を図示する。
ステップ442では、ステップ402に関して前述のように、デバイス10が、始動し、入力ビーム110の第1の走査を行い、治療スポットの第1のアレイ(例えば、列72)を皮膚40上に生成する。再び、方法400および420に関して前述のように、ステップ442における走査は、本説明では、「第1」の走査と呼ばれるが、方法440は、治療セッション中、連続的に繰り返すまたはループ状のプロセスであって、したがって、「第1」の走査は、治療セッションの間の任意の特定の走査であってもよいことを理解されたい。
ステップ444では、変位ベースの制御システム132が、入力ビーム110の第1の走査の始動に応じて、監視プロセスを始動し、センサ200Cを使用して、皮膚の表面を横断して、側方デバイス10の変位を監視および分析する。変位ベースの制御システム132は、デバイス10が、皮膚を横断して移動されるにつれて(例えば、第1の治療スポットのアレイの生成の間および/または後に、滑動モードにおいて、あるいは第1の治療スポットのアレイの生成後、打刻モードにおいて)、信号360を分析する。
ステップ446では、システム132は、デバイス10が、入力ビーム110の第1の走査の完了によって、皮膚に沿って、所定の最小距離を変位したかどうかを判定する。そうである場合、方法は、ステップ442に戻り、次(第2)の走査が、第1の走査の完了に応じて、連続的に開始し、プロセスは、継続する。そうでない場合、システム132は、システム132が、デバイス10が皮膚を横断して所定の最小距離進行したことを判定するまで、第2の走査の始動を遅延させ、第1の監視プロセスを継続する(すなわち、方法は、ステップ444に戻る)。システム132が、デバイス10が所定の最小距離を進行したことを判定すると、いくつかの実施形態では、デバイス10は、回転式走査要素100の回転位置にかかわらず(すなわち、第2の走査は、要素100の任意のセクタ104から開始し得る)、入力ビーム110の第2の走査を直ちに始動する。他の実施形態では、デバイス10は、回転式走査要素100が、特定の位置に位置付けられ、第2の走査を直ちに始動するまで(例えば、第2の走査が、所定の「第1」のセクタ104から開始するように)、待機する。
本様式では、システム132は、スポット70の各連続的に送達されたアレイ(例えば、列72)が、少なくとも、皮膚内で識別された所定の最小数の表面特徴74に対応する所定の距離だけ、滑動方向に、以前に生成されたアレイ(例えば、列72)から離間されることを保証する。前述のように、本方法は、デバイス10の滑動モードおよび打刻モードの両方に適用されることができる。
本例示的方法では、デバイス10(例えば、治療放射線源14および/または走査システム48の動作側面)は、皮膚を横断して移動するデバイス10の割合、スピード、または速度にかかわらず、皮膚を横断するデバイス10の変位に基づいて、制御される。前述に論じられるように、いくつかの実施形態では、デバイス10は、皮膚を横断して移動するデバイス10の割合、スピード、または速度を示す任意のデータを検出または測定するため、あるいは皮膚を横断して移動するデバイス10の割合、スピード、または速度を判定するか、または判定しようとするために構成されない。
(治療セッション)
いくつかの実施形態では、制御システム18は、(a)皮膚40に生成された治療スポット/MTZの総数、(b)ビーム110の走査の総数、(c)皮膚40に送達されるエネルギーの総量、(d)総治療時間等の1つ以上の「治療区切り」、または任意の他の好適な区切りに基づいて、個々の治療セッションを画定および制御する。
いくつかの実施形態では、治療区切りは、異なる「タイプ」の治療に対して特定される。異なるタイプの治療は、(a)身体の異なる領域(例えば、眼窩周囲領域、口近傍の領域、手の甲、腹、膝等)の治療、(b)異なる治療エネルギーまたは強度レベル(例えば、高エネルギー治療、中エネルギー治療、低エネルギー治療)、(c)マルチセッション治療計画の異なる階段に対する異なる治療(例えば、第1セッション治療、中間階段セッション治療、または最終セッション治療)、または任意の他の異なるタイプの治療を含んでもよい。
さらに、治療区切りは、治療のタイプの異なる組み合わせに対して規定されてもよい。例えば、総治療スポット/MTZ区切りに対する異なる値が、治療面積および治療エネルギーレベルの異なる組み合わせのために規定されてもよい。例えば、デバイス10は、以下の区切り値を実施してもよい:(a)顔全体治療の場合(例えば、仮定面積300cm2に基づく)、高エネルギー顔全体治療に対して、39,000MTZ、中間エネルギー顔全体治療に対して、21,600MTZ、および低エネルギー顔全体治療に対して10,800MTZ、(a)眼窩周囲面積治療の場合(例えば、仮定面積20cm2に基づく)、高エネルギー眼窩周囲治療に対して、2,600MTZ、中間エネルギー眼窩周囲治療に対して、1,440MTZ、および低エネルギー眼窩周囲治療に対して、720MTZ、ならびに(c)両手の治療の場合(例えば、仮定面積150cm2に基づく)、高エネルギー手治療に対して、19,500MTZ、中間エネルギー手治療に対して、10,800MTZ、および低エネルギー手治療に対して、5,400MTZ。
異なる治療タイプ(または、異なる治療タイプの組み合わせ)に対する治療区切りは、デバイス10内に事前定義され、プログラムされる、ユーザインターフェース18を介して、ユーザによって設定または修正される、ユーザ入力、デバイス10内に記憶された設定、および/またはデバイス10内に記憶されたアルゴリズム148に基づいて、デバイス10によって判定される、あるいは任意の他の好適な様式において判定されてもよい。いくつかの実施形態では、異なる治療タイプに対する治療区切りは、実験試験に基づいて判定され、デバイス10に事前にプログラムされてもよい。例えば、実験試験は、顔全体に対する適切な治療セッションが、10,000〜45,000個の治療スポットを伴い、眼窩周囲領域に対する適切な治療セッションが、700〜3,000個の治療スポットを伴い、口腔領域に対する適切な治療セッションが、2,700〜11,000個の治療スポットを伴い、手の甲に対する適切な治療セッションが、5,400〜22,000個治療スポットを伴うと判定し得る。これらの治療区切りは、デバイス10内に記憶され、ユーザが、ユーザインターフェース18を介して、「顔全体の治療」、「眼窩周囲の治療」、「口腔の治療」、または「手の治療」から選択すると、必要に応じて、制御システム18によって実装されてもよい。
治療セッションが、(a)治療スポットの総数、(b)ビーム走査の総数、または(c)標的に送達されるエネルギーの総量によって画定される、治療セッション等、時間ベースではない、治療区切りによって画定される場合、ユーザが皮膚を横断してデバイス10を移動させる割合またはスピード(例えば、滑動スピード)(可能性として、極端に高速の滑動スピードを除く)は、大部分は、または実質的に、少なくとも、デバイス10のある実施形態または構成では、セッションの間に送達される治療の効果に関係なくなり得る。例えば、滑動スピードは、デバイス10が、治療セッションを完了するために、皮膚40を横断して滑動されなければならない回数に影響を及ぼし得る(例えば、滑動スピードが速いほど、より多くの滑動が、セッションを完了するために要求される)が、セッションに対して規定された治療区切り、例えば、治療スポットの総数または皮膚40に送達されるエネルギーの総量に影響を及ぼさない。
さらに、いくつかの実施形態では、治療スポット間の間隔に関連するような治療の効果は、概して、デバイス10の滑動スピードによって影響を受けない。皮膚を横断するデバイス10の判定された変位に基づいて、ビーム送達、したがって、治療スポット生成を制御する、変位ベースの制御システム132を含む実施形態では、システム132は、少なくとも、連続走査される治療スポット列/アレイ間の最小間隔を保証し、任意の面積の過照射の可能性を低減または実質的に排除する。特に、変位ベースの制御システム132は、ゆっくりな滑動スピードの間、滑動スピードの検出または判定を伴わずに、少なくとも、連続走査される治療スポット列/アレイ間の最小間隔を保証し得る。したがって、変位ベースの制御システム132は、非常にゆっくりな滑動スピードの場合でも、任意の特定の面積の過照射の可能性を低減または実質的に排除し得る。
さらに、治療セッションが、皮膚40を横断して、デバイス10の複数回の滑動を伴う場合、異なる滑動の間、生成された治療スポットは、典型的には、他と整合せず、概して、任意の面積の過照射を伴わずに、十分または望ましいランダム性および/または密度均一性を伴う、治療スポットパターンをもたらし、所望の治療効果を提供するであろう。したがって、高速滑動スピードは、ユーザが、より多くの滑動を行い、関連治療区切り(例えば、生成される総治療スポットまたは送達される総エネルギー)に到達することを要求し得るが、高速滑動スピードは、任意の面積の過照射を伴わずに、十分または望ましい治療スポットパターンを提供し得る。
滑動スピードは、個々の治療スポットの形状、例えば、図26Bに関して前述のように、治療スポットの伸長「ぶれ」または「不鮮明化」の範囲に影響を及ぼし得ることに留意されたい。したがって、デバイス10の動作側面は、滑動スピードの合理的範囲内(すなわち、非常に高速な滑動スピード未満)において、治療スポットの伸長または不鮮明化が、実質的に、治療スポットの生理学的効果に影響を及ぼさないように構成されてもよい。デバイス10のいくつかの実施形態または構成では、非常に高速の滑動スピードでは、治療スポットの伸長化または不鮮明化は、治療の効果を有意に低減させ得る。例えば、非常に伸長である治療スポット内のエネルギー密度は、低すぎて、意図された効果を提供し得ない。したがって、ユーザは、所望の治療効果を保証するために、デバイス10を移動させるべき割合またはスピードに関して、一般的指針が提供されてもよい(例えば、ディスプレイ32を介して、またはユーザマニュアルにおいて)。例えば、ユーザは、滑動あたり約3秒の割合またはスピードにおいて、皮膚40を横断してデバイス10を滑動させるように指示されてもよい。
図47は、デバイス10を用いて、治療(例えば、部分治療)をユーザに提供するための治療セッションを実行するための例示的方法460を図示する。ステップ462では、行なわれるべき治療セッションの1つ以上の区切りが、例えば、前述のように、任意の好適な様式で判定される。本議論の目的のために、単一治療区切りが判定されると仮定される。例えば、制御システム18は、ユーザインターフェース18を介して、ユーザによって選択された治療面積(例えば、顔全体または眼窩周囲面積)に基づいて、治療セッションのための治療スポットの所定の総数、例えば、1200個の治療スポットを判定してもよい。(治療スポットの数は、デバイス10によって出力される、出力ビーム112の数に等しいと仮定されてもよい)。
ステップ464では、ユーザが、デバイス10を皮膚40に対して位置付けた後、デバイス10は、治療セッションを開始してもよい。特に、制御システム18は、ビーム114の走査アレイ(例えば、列72)を皮膚40に送達し、したがって、ステップ466において示されるように、治療スポット70のアレイを生成してもよい。デバイスが、滑動モードで動作している場合、デバイス10は、ビーム走査および送達プロセスの間、皮膚を横断して連続的に滑動されてもよい。デバイスが、打刻モードで動作している場合、デバイス10は、各走査の間、定位置に保持され、次いで、皮膚の表面を横断して、次の走査を行なうための次の治療場所に移動または滑動されてもよい。ユーザは、入力ビーム110の各走査が、開始および終了すると、および/またはデバイス10が、次の走査を行なうために十分な距離を移動したかどうか、あるいはそのとき(変位監視および制御システム132によって判定されるように)を指示されてもよい(例えば、聴覚的、視覚的、または触覚的通知によって)。滑動モードまたは打刻モードのいずれでも、ユーザは、治療セッションの間、任意の回数(例えば、所望の皮膚の面積を「塗り潰す」ために)、皮膚40を横断してデバイスを滑動または移動させ得る。
治療セッションの間、ステップ468として示されるように、変位監視および制御システム132は、前述のように、皮膚を横断して移動させるにつれたデバイスの側方変位を監視し、出力ビームの送達/治療スポットの生成を適宜制御してもよい。例えば、システム132は、治療スポットの連続列が、少なくとも、最小距離だけ、滑動方向に、離間されることを保証してもよい。
また、治療セッションの間、制御システム18は、ステップ470に示されるように、ステップ462において判定された治療区切りを監視してもよい。例えば、制御システム18は、治療セッションの間に生成される治療スポットの数の累積数を維持してもよい。ステップ468および470は、治療セッションの持続時間全体を通して、並行して行なわれてもよい。
ステップ472では、制御システム18は、治療区切りが、所定の限界に到達したかどうかを判定する。例えば、制御システム18は、セッションの間に生成された治療スポットの数が、治療スポットのステップ462において判定された所定の数(例えば、1200個の治療スポット)に到達したかどうかを判定してもよい。そうである場合、治療セッションは、ステップ474で完了する。例えば、制御システム18は、治療放射線源14および/または走査システム48をオフにしてもよい。そうでない場合、ステップ466−472は、治療区切りが到達されるまで、継続される。
いくつかの実施形態では、治療(例えば、部分治療)をユーザに提供するための治療セッションは、前述のように、例えば、デバイス10が皮膚を横断して移動される割合またはスピードに関係なく、方法460に従って完了されてもよい。
(ローラ型変位センサまたは運動/スピードセンサ)
いくつかの実施形態では、デバイス10は、変位センサ200、または滞留センサ216、または運動/スピードセンサ202、または全部として機能する、1つ以上のローラベースのセンサ218を含んでもよい。ローラベースのセンサ218は、デバイス10の治療先端42またはその近傍に配列され、筐体24の周囲または隣接部分の先端表面と略同一平面である、または若干そこから前方に突出する、先端表面を有する、ローラ480を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ローラ480の先端表面は、例えば、窓44へのローラ405の近接性および/またはデバイス10がユーザによって皮膚に圧接される力に応じて、皮膚表面からの治療窓44の距離(該当する場合)に影響を及ぼしてもよく、またはそうでなくてもよい、皮膚接触表面74を画定してもよい。
図48A−48Gは、デバイス10のある実施形態において使用され得る、ローラベースのセンサ218A−118Gのいくつかの例示的実施形態を図示する。各実施形態は、(a)デバイス10の変位(例えば、ローラ45の角度回転の検出量に基づく)、または(b)デバイス10の手動滑動スピード(例えば、ローラ45の回転の検出スピードに基づく)、または(c)滞留センサ(例えば、回転に基づく、または基づかない)、または(d)前述の全てを示す信号を生成するように構成される、検出システム482に連結される(例えば、機械的に、光学的に、磁気的、電気的に等)、ローラ480を含む。
デバイス10が、手動で、皮膚を横断して移動されるにつれて、ローラ480は、それぞれ、皮膚表面に対するデバイスの側方変位および手動滑動スピードに対応する角度ならびにスピードだけ、変向または「回転」する。検出システム482は、ローラ480とのその連結または相互作用を介して、側方変位および/または手動滑動スピードを示す信号を生成し、そのような信号をプロセッサ150に通信し、および/またはそのような信号を変換および/または処理し、デバイス10の変位および/または滑動スピードおよび/または定常状態を判定してもよい。デバイス10の判定された変位および/または滑動スピードおよび/または定常状態は、次いで、本明細書に論じられるように、例えば、デバイス10の1つ以上の制御可能動作パラメータ(例えば、放射線源14の制御動作パラメータ)を制御するために使用されてもよい。
いくつかの実施形態では、ローラベースのセンサ218は、変位ベースの制御システム132内で使用するための変位センサ200として動作するように構成され、本明細書で論じられる変位ベースの制御技法のいずれかのために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、ローラベースのセンサ218は、デバイス10の変位を測定、検出、またはそれを示す信号を生成するが、デバイス10の手動滑動スピードを測定、検出、またはそれを示す信号を生成しない。
例示的実施形態では、ローラ480は、ローラ480の29度の回転が、デバイス10の1mmの変位に対応するように、直径約4mmを有する(ローラ480と皮膚との間に滑りが生じないと仮定する)。いくつかの実施形態では、検出システム482は、粒度約1mmまで、デバイス変位に対して敏感であってもよい。
図48Aは、ベルト駆動式光学中断検出システム482Aを含み、デバイス10の変位および/または滑動スピードを示す信号を生成する、例示的ローラベースのセンサ218Aを図示する。
図48Bおよび48Cは、Wheatstoneブリッジを横断して歪みを生じさせ、したがって、デバイス移動に対応する抵抗の変化を生じさせる、物理的アームの撓曲に基づいて、デバイス10の変位および/または滑動スピードを示す信号を生成する、検出システム482Bを含む、例示的ローラベースのセンサ218Bを図示する。
図48Dは、ローラ480の周縁の周囲におけるホール効果センサと1つ以上の磁石との間の相互作用に基づいて、デバイス10の変位および/または滑動スピードを示す信号を生成する、検出システム482Dを含む、例示的ローラベースのセンサ218Dを図示する。
図48Eは、「アンテナ」とギヤまたは他の回転式要素との間で測定された静電容量に基づいて、デバイス10の変位および/または滑動スピードを示す信号を生成する、検出システム482Eを含む、例示的ローラベースのセンサ218Eを図示する。
図48Fは、反射された光学放射線の測定に基づいて、デバイス10の変位および/または滑動スピードを示す信号を生成する、検出システム482Fを含む、例示的ローラベースのセンサ218Fを図示する。
最後に、図48Gは、デバイス10の変位および/または滑動スピードを示す信号を生成する、ギヤ駆動式光学中断検出システム482Gを含む、例示的ローラベースのセンサ218Gを図示する。
(容量センサ)
デバイス10の1つ以上のセンサ26は、容量センサであってもよく、またはそれを含んでもよい。前述のように、皮膚接触センサ204は、容量センサであってもよく、信号振幅が、分析され、センサ204が皮膚と接触または十分に近接するかどうかを判定する。加えて、変位センサ200、運動/スピードセンサ202、および/または滞留センサ216のいずれかは、容量センサであってもよく、または他のタイプのセンサ(例えば、センサ200、202、または216は、所望の機能性を提供するために、例えば、冗長性を提供するために、容量センサに加え、光学反射/再放射センサを含んでもよい)に加え、容量センサを含んでもよい。
皮膚と接触する容量センサ(例えば、デバイス10の印加端42に位置する容量センサ)は、センサと皮膚との間の接触と関連付けられた静電容量の測定値を示す、信号(例えば、高周波信号)を生成してもよい。例えば、容量センサの信号は、センサと標的表面との間の相対的変位に反比例し得る。ヒトの皮膚の表面は、完全に平滑ではないため、および/またはヒトは、デバイス10の手動移動の間、完全に定常動作を達成することができないため、デバイス10と皮膚との間の静的摩擦(摩擦力)および/または他の物理的原理が、皮膚を横断するデバイス10の「付着滑り」移動をもたらし得、これは、センサと皮膚表面との間の微小変位を生じさせる。デバイス10の付着滑り移動による本微小変位は、センサの公称定常静電容量信号に加えられた平行移動信号をもたらし、総静電容量信号を提供し得る。総静電容量信号の振幅および/または他の側面は、デバイスが、皮膚を横断して移動しているかどうか、または同一の場所に滞留しているかどうかを判定するために分析されてもよい。したがって、容量センサは、滞留センサ216として使用されてもよい。そのような分析は、例えば、信号を1つ以上の閾値と比較する、任意の好適なアルゴリズムを含んでもよい。
別の実施例として、総静電容量信号は、皮膚を横断して移動するデバイス10のスピードを判定または推定するために分析されてもよい。したがって、容量センサは、滑動スピードセンサ202として使用されてもよい。別の実施例として、総静電容量信号は、皮膚を横断して移動するデバイス10の変位を判定または推定するために分析されてもよい。したがって、容量センサは、変位センサ200として使用されてもよい。
(有用性制御)
図1に関して前述のように、デバイス10は、デバイス10の種々の制御可能動作パラメータ(例えば、放射線源14、走査システム48等の動作側面)を制御するように構成される、制御システム18を含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御システム18は、デバイス10が、(a)皮膚と接触しており、かつ(b)皮膚を横断して十分に移動している(例えば、デバイス10の最小変位または滑動スピードに基づいて)かどうかに基づいて、デバイス10の動作(例えば、放射線の生成および/または送達)を制御するように構成される、有用性制御システム133を含んでもよい。有用性制御システム133は、特定の実施形態に応じて、変位ベースの制御システム132に加え、または代わりに、提供されてもよい。
いくつかの実施形態では、有用性制御システム133は、例えば、放射線源14の放射線モードの制御、放射線源14のオン/オフ状態の制御、そのようなオン/オフ状態のタイミング(例えば、パルストリガ遅延、パルス持続時間、パルス負荷サイクル、パルス周波数、一時的パルスパターン等)の制御、放射線のパラメータ(例えば、波長、強度、電力、フルエンス等)の制御、光学16のパラメータの制御、ビーム走査システム48のパラメータの制御(例えば、モータ120のオン/オフ状態、回転スピード、回転方向、または他のパラメータの制御)、および/またはデバイス10の任意の他の制御可能動作パラメータ等、放射線源14の1つ以上の動作側面を制御してもよい。
いくつかの実施形態では、有用性制御システム133はまた、(a)デバイス10の監視された皮膚接触および変位状態、および/または(b)システム133による1つ以上の制御可能動作パラメータの自動制御に基づいて、ディスプレイ32および/または1つ以上の他のユーザインターフェース28を介して、フィードバックをユーザに提供してもよい。例えば、システム133は、システム133によって検出されたデータまたは講じられた措置を示す聴覚的、視覚的、および/または触覚的フィードバック、例えば、デバイス10が、皮膚との接触と接触しているかどうかを示す、フィードバック、および/またはデバイス10が、皮膚を横断して十分に移動しているかどうかを示す、フィードバック、あるいはデバイス10が、皮膚に接触しており、かつ皮膚を横断して十分に移動しているかどうかを示す、フィードバック等をユーザに提供してもよい。
有用性制御システム133は、図2に関して前述で論じられる、変位ベースの制御システム132および/または任意の他の制御サブシステム52(例えば、放射線源制御システム128、走査システム制御システム132、およびユーザインターフェースセンサ制御サブシステム140およびユーザ入力/フィードバック制御サブシステム142を含むユーザインターフェース制御システム134)、ならびに制御電子機器30、任意の1つ以上のセンサ26、ユーザインターフェース28、およびディスプレイ32を含む、利用する、あるいは別様にそれらと協働または通信してもよい。
いくつかの実施形態では、有用性制御システム133は、1つ以上の皮膚接触センサ204、1つ以上の変位センサ200、制御電子機器30、ならびに治療放射線源14、走査システム48、およびディスプレイ32のうちの1つ以上を含んでもよい。一般に、皮膚接触センサ204および変位センサ200は、皮膚40に対するデバイス10の印加端42の接触および変位に関するデータを収集し、そのようなデータを制御電子機器30に通信し、データを分析し、放射線源14、走査システム48、およびディスプレイ32のうちの1つ以上の治療を介して、制御またはフィードバックを提供する。いくつかの実施形態では、制御電子機器30はまた、センサ200および204から受信されたデータと併せて、1つ以上のユーザインターフェース28を介して受信された特定のユーザ入力を分析してもよい。例えば、制御電子機器30によって提供される適切な制御またはフィードバック(例えば、関連アルゴリズム148によって定義されるように)は、電流動作モードおよび/またはユーザによって選択された他の設定に依存してもよい。
いくつかの実施形態では、有用性制御システム133は、デバイス10の印加端42が、皮膚と接触しており、かつ放射線の生成および送達を可能にするために十分な変位を伴って、皮膚を横断して移動されているかどうかを示す、1つ以上の皮膚接触センサ204および1つ以上の変位センサ200からの信号に基づいて、放射線送達の開始および停止(例えば、中断)を制御する。換言すると、有用性制御システム133は、デバイス10が、皮膚科治療のために適切に位置付けられ、移動されているかどうかに基づいて、放射線の送達を開始/停止するように構成されてもよい。
いくつかの実施形態では、有用性制御システム133は、特定の動作状況に基づいて、放射線送達を開始/停止するための異なる基準を定義する。例えば、有用性制御システム133は、放射線送達を始動するために要求される、第1のセットの条件(例えば、放射線源14をオンにするために)と、始動後、放射線送達を維持するために要求される、異なる第2のセットの条件とを定義してもよい。別の実施例として、有用性制御システム133は、放射線送達を始動するために要求される、第1のセットの条件(例えば、放射線源14をオンにするために)と、始動後、放射線送達を送達するために要求される、異なる第2のセットの条件と、放射線送達の中断後、放射線送達を再開するために要求される、異なる第3のセットの条件とを定義してもよい。
例示的実施形態では、デバイス10は、例えば、図50に示される例示的配列では、デバイス10の印加端42に、2つの変位センサ200aおよび200bならびに4つの皮膚接触センサ204a−200dを含む。有用性制御システム133は、以下のように、放射線送達を始動、維持、中断、および再開するための条件を定義してもよい。
(1)治療セッションの初期パルス/ビームの生成は、(a)独立して、皮膚との接触を示す、全4つの皮膚接触センサ204からの信号と、(b)独立して、デバイス10が皮膚を横断して所定の変位だけ移動したことを示す、両変位センサ200からの信号とを要求する。
(2)初期パルス後、継続パルス生成/ビーム送達は、(a)皮膚との接触を示す、2つの「底部」皮膚接触センサ204aおよび204b(図50参照)のうちの少なくとも1つからの信号と、(b)皮膚との接触を示す、2つの「上部」皮膚接触センサ204cおよび204d(図50参照)のうちの少なくとも1つからの信号と、(c)独立して、デバイス10が皮膚を横断して所定の変位だけ移動したことを示す、2つの変位センサ200aおよび200bのうちの少なくとも1つからの信号とを要求する。
(3)条件セット(2)における条件のいずれか(すなわち、条件(2)(a)、(2)(b)、または(2)(c)のいずれか)が違反される場合、システム133は、パルス生成を直ちにまたは実質的に直ちに中断する。システム133は、次いで、条件セット(2)の適用を継続し、パルス生成を再開するかどうかを判定する。しかしながら、条件セット(2)における条件のいずれかが、1秒の連続持続時間の間、違反される場合、システム133は、代わりに、パルス生成を再開するために、条件セット(1)のより厳格な条件を適用する。
放射線送達を始動、維持、中断、および再開するために、異なるセットの条件を使用する本アルゴリズムは、センサ200/204と皮膚との間に、ある程度の不完全接触および/または感知インターフェース(例えば、身体の骨状特徴または他の輪郭状特徴にわたって滑動するとき)を可能にし得る(そのような不完全接触によって、放射線送達を中止せずに)。換言すると、デバイスが、最初に、適切な皮膚接触およびデバイス移動を判定すると、アルゴリズムは、皮膚接触/変位検出基準を緩和し、短時間(例えば、1秒未満)の間、皮膚とのある程度の不完全接触を考慮する。これは、放射線送達の開始/停止制御が、実世界用途において、デバイス10の実際の使用により一致し得るように、デバイス10の実践的「有用性」を改善し得る。
図49は、アルゴリズム148として記憶され、例えば、任意の好適な制御電子機器30を使用して、有用性制御システム133によって実装され得る、前述で論じられるアルゴリズムの例示的流れ図を図示する。システム133は、最初に、ステップ572において、現在の制御決定が、放射線源14による初期パルスに関係するかどうかを判定する。そうである場合、ステップ574において、システム133は、全接触センサ204a−204dが、現在、接触を検出しており、全部(両方)の変位センサ200a−200bが、現在、皮膚を横断するデバイス10の所定の最小変位を検出するかどうかを判定する。そうである場合、システム133は、ステップ576において、放射線源14のパルス生成を開始する。そうでない場合、システム133は、ステップ574において、条件が満たされるまで、センサ200および204から信号を受信し、分析を継続する。
初期パルスが送達された後、システム133は、あまり厳格ではない条件を適用し、パルス生成を継続する。特に、ステップ578において、システム133は、少なくとも1つの底部接触センサ204a−204bが、現在、皮膚接触を検出し、少なくとも1つの上部接触センサ204c−204dが、現在、皮膚接触を検出し、少なくとも1つの変位センサ200a−200bが、現在、皮膚を横断するデバイス10の所定の最小変位を検出するかどうかを判定する。これらの条件が満たされる場合、システム133は、580に示されるように、パルス生成を継続する。これらの条件のうちの1つ以上が満たされる場合、システム133は、582において、パルス生成を中断する。ステップ578における条件の違反が、1秒間、連続して継続する場合、システム133は、ステップ574において、パルス生成を再開するために、より厳格な基準に戻る。ステップ578における条件の違反が、1秒間、継続しない場合、システム133は、パルス生成を再開するために、ステップ578において、あまり厳格ではない基準の適用を継続してもよい。
アルゴリズム570は、実施例にすぎず、有用性制御システム133は、任意の他の好適な制御アルゴリズムまたは複数のアルゴリズムを採用してもよいことを理解されたい。図50は、例えば、一実施形態による、変位ベースの制御システム132および/または有用性制御システム133と併用するためのデバイス10の例示的印加端42の端面図(例えば、皮膚側から見られるような)である。本実施例では、印加端42は、走査方向に伸長であって、(a)走査ビーム114が皮膚に送達される伸長光学要素16または窓44と、(b)4つの容量皮膚接触センサ204a−204dと、(c)一対の変位センサ200aおよび200b(それぞれ、光学16または窓44を通して皮膚とインターフェースをとるように構成される)とを含む。他の実施形態では、1つ以上の変位センサ200(および/または他のタイプのセンサ)は、走査ビーム114と同一の光学16または窓44を通して皮膚とインターフェースをとる。
本実施形態では、皮膚接触センサ204a−204dは、印加端42の角近傍に提供される。本配列は、印加端42の任意の縁が皮膚から持ち上げられたことの検出を可能にする。例えば、センサ204aおよび/または204bは、縁Elが皮膚から持ち上げられたかどうかを検出することができ、センサ204cおよび/または204dは、縁E2が皮膚から持ち上げられたかどうかを検出することができ、センサ204aおよび/または204cは、縁E3が皮膚から持ち上げられたかどうかを検出することができ、センサ204bおよび/または204dは、縁E4が皮膚から持ち上げられたかどうかを検出することができる。他の実施形態では、任意の他の数および配列の皮膚接触センサ204が、提供されてもよい。前述のように、接触センサ204は、容量センサまたは皮膚との接触を検出するための任意の他の好適なタイプのセンサであってもよい。
各光学16または窓44は、光を皮膚に送達し、および/または反射された光を皮膚から受光するための任意の好適な光学経路を提供してもよい。代替として、任意のセンサ26および/またはビーム送達開口は、すなわち、印加端42における光学16または窓44を伴わずに、空気に開放されてもよい。図示される実施例では、12個の走査ビーム114が走査方向に延在する線形列パターンにおいて、光学16または窓44を通過する。したがって、光学16または窓44は、12個の走査ビーム114の場所に基づいて、定寸および成形されてもよい。出力窓44を使用する例示的実施形態では、窓44は、種々のセンサ26および/またはローラおよび/または他の特徴を位置付けるために、寸法約20mm長さ(Lw)×2mm幅(Ww)、窓44の両側の幅約3mm(Ws)を伴う、長方形であってもよい。出力光学16を使用する例示的実施形態では、光学16は、直径約5mmおよび長さ(Lw)約20mmを有する、ロッドレンズを備えてもよい。
(眼の安全)
デバイス10のいくつかの実施形態は、例えば、デバイスの印加端42から走査される発散ビーム114を送達することによって、および/または1つ以上の眼の安全センサ214および/または他のタイプのセンサ26を含む、1つ以上のセンサ26を含む、眼の安全制御システムを使用することによって、および/または任意の他の好適な様式によって、眼に安全な放射線を提供する。例えば、いくつかの実施形態または設定では、デバイス10は、IEC60825−1に準拠するクラス1M以上(クラス1等)の眼の安全分類を満たす(本明細書では、便宜上、「レベル1の眼の安全」と称される)。他の実施形態または設定では、デバイスは、関連被曝放射限界(AEL)(1400〜1500nmまたは1800〜2600nm波長放射線の場合)50%未満超える(本明細書では、便宜上、「レベル2の眼の安全」と称される)。さらに他の実施形態または設定では、デバイスは、関連AEL(1400〜1500nmまたは1800〜2600nm波長放射線の場合)を100%未満超える(本明細書では、便宜上、「レベル3の眼の安全」と称される)。IEC60825−1に規定されるような、例えば、1400〜1500nmまたは1800〜2600nm波長放射線の場合の被曝放射限界(AEL)は、以下に論じられる。他の実施形態または設定では、デバイス10は、IEC60825−1に準拠するクラス1M以下の次の最高眼の安全分類、すなわち、クラス3Bを満たす(本明細書では、便宜上、「レベル4の眼の安全」と称される)。
そのような眼の安全レベルは、例えば、以下のうちの1つ以上を含む、要因の組み合わせに基づいて、提供されてもよい。(a)入力ビームの走査、(b)送達ビームの発散(例えば、レーザダイオード放射線源を使用する実施形態において)、(c)放出される電力、(d)送達ビームの波長、(e)パルス持続時間、および(f)送達ビームあたりの総エネルギー。したがって、いくつかの実施形態では、そのような要因のうちの1つ、いくつか、または全部が、前述で定義されたように、レベル1、レベル2、レベル3、またはレベル4の眼の安全を提供するために選択あるいは調節されてもよい。
1400〜1500nmおよび1800〜2600nmの波長範囲では(例えば、ある部分治療を提供するための)、角膜損傷は、典型的には、眼の安全に関する主要懸念である。レーザダイオード源を使用して、そのような波長範囲内で照射するいくつかの実施形態では、本質的に、走査される発散レーザダイオード源によって提供される、ビーム走査および発散は、単独または他の眼の安全特徴と組み合わせて、所望の眼の安全をデバイス10に提供し得る。例えば、他の選択されたパラメータに応じて、レベル1、レベル2、レベル3、またはレベル4の眼の安全を提供してもよい。関連問題の分析は、以下に論じられる。
走査される発散集中放射線源(例えば、あるレーザダイオード源)は、眼に安全な放射線を提供し得る。1400nmを上回るある波長(例えば、部分レーザ治療において使用される典型的波長を含む)の場合、放射線源は、眼の前房内における水吸収によって、大幅に減衰される。したがって、本波長範囲内における網膜への危険は、実質的に、殆どまたは全く存在しない。放射限界は、潜在的角膜損傷によって判定される。さらに、接眼レンズによる集束効果が存在しないため、危険は、ビーム走査によってさらに最小限にされ、角膜表面上におけるレーザエネルギーの合成を回避する。IEC60825−1に準拠するクラス1Mの眼の安全分類の場合、波長範囲1400〜1500nmおよび1800〜2600nm内の被曝放射限界(AEL)は、以下のIEC60825−1:2007の表4における単純式によって説明される。
AEL=4.4t025mJ式1
走査ビームシステムの場合、AELエネルギーは、円形開口1mmの直径を伴う源から100mmにおいて測定される(IEC60825−1:2007の表11に説明される条件3の測定設定、裸眼で見られる走査ビームに適用可能である)。本式では、t(秒単位)は、1ms〜350msの範囲内の源パルスの持続時間である。例えば、走査レーザダイオード源を含む、実施形態では、本パルス持続時間は、1〜10msの範囲内であり得る。対応するAELは、0.8〜1.4mJである。
実際の源AE(アクセス可能エネルギー)は、両軸におけるビームの発散を含む、所与の走査ビーム特性に対して推定されることができる。また、適切な開口絞り(1mm幅)および測定距離(源から100mm)を用いて、実験的に測定されることができる。治療開口から距離100mmにおけるAEは、以下によって求められる(これは、回折制限レーザからのガウスビームの場合、略正確である)。
AE=2.5xl0-5Q/[tan(ΦF/2)tan(Φs/2)]mJ 式2
式中、Q(mJ単位)は、治療平面における源エネルギーであって、ΦFおよびΦsは、それぞれ、速軸および遅軸におけるビーム発散である。クラス1Mの眼の安全分類を達成するために、AEは、対応するパルス持続時間の間、AELを下回らなければならない。
以下の表1は、走査レーザダイオード源14を使用して、1400〜1500nmまたは1800〜2600nm波長範囲(例えば、部分治療のため)内のパルス状放射線(各パルスは、異なる場所に走査される)を提供する、デバイス10のある実施形態に対する、レベル1の眼の安全(標準的IEC60825−1に準拠するクラス1M以上)を提供するためのいくつかの例示的構成およびデバイス設定を提供する。
ある実施形態またはデバイス設定は、前述で論じられるパラメータの適切な選択に基づいて、レベル1、レベル2、レベル3、またはレベル4の眼の安全を提供し得るため、いくつかのそのような実施形態では、眼の安全センサまたはシステムは、省略されてもよい。しかしながら、いくつかのそのような実施形態は、レベル1の眼の安全を提供するものでも、冗長性を提供するために、特定の規制基準を満たすために、または他の理由から、1つ以上の眼の安全センサ(例えば、以下に説明される1つ以上の眼の安全センサ214)および/または眼の安全システムを含んでもよい。
少なくともいくつかの実施形態では、付加的眼の安全が、デバイス10が皮膚と接触するときのみ、放射線源14のパルス生成を有効にする、1つ以上の皮膚接触センサ204を組み込むことによって提供される。したがって、そのような実施形態では、デバイス10が、線形に、眼表面に圧接されない限り、角膜眼傷害の可能性は、低減または実質的に排除され得る。
(眼の安全センサ)
いくつかの実施形態では、デバイス10は、治療放射線源14からの光への意図しない眼の暴露を防止するのに役立つために、デバイス10の治療出力開口の近傍で角膜(または他の眼組織あるいは特徴)の存在を検出するように構成される、光学的な眼の安全センサ214を含む。例えば、光学的な眼の安全センサ214は、皮膚および角膜の存在を区別し、デバイス10が意図した治療領域40のみを治療することを可能にするように構成されてもよい。眼の安全センサ214は、眼の損傷リスクが主に角膜にある、1400nmよりも大きい波長の赤外線治療光にとって、あるいは網膜の危険が存在する紫外線、可視光、および/または近赤外線にとって、特に重要であり得る。いくつかの実施形態では、光学的な眼の安全センサ214は、比較的低費用、小型、かつ手持式のエンクロージャ(例えば、小さくて軽量)内に容易に包装され、かつ一般的に入手可能な部品から組み立てられる。眼の安全センサの別の例示的実施形態は、眼の形状、色、または他の特徴に対するパターン認識を伴う結像センサである。
図51Aは、ある実施形態による、例示的光学的な眼の安全センサ214を図示する。光学的な眼の安全センサ214は、放射線源510と、光検出器512と、検出器光学520と、(いくつかの実施形態では)中継光学522と、マイクロコントローラ530とを含んでもよい。
光源510は、発光ダイオード(LED)または任意の他の好適な光源であってもよい。光源510は、ヒトの皮膚の表面において細部を示すために選択されてもよい。したがって、反射される前に比較的浅い深度で皮膚に浸透する波長が選択されてもよい。例えば、光源510Aは、約560nmの波長を有する青色LED、または約660nmの波長を有する赤色LED、または約940nmの波長を有する赤外LEDであってもよい。赤色または赤外波長LEDは、比較的安価であり、実践において良好に機能する。代替として、半導体レーザを使用することができる。
光検出器512は、フォトダイオード、フォトトランジスタ、または他の光検出器であってもよい。いくつかの実施形態では、フォトトランジスタは、付加的な増幅を必要とすることなく、直接使用可能な信号を提供するように十分な電流利得を有する。光検出光学520、例えば、半ボールレンズが、光検出器512に連結されるか、または光検出器512とともに担持されてもよい。光検出光学520は、光検出器512が標的表面場所を「視認」することを可能にするように構成されてもよい。
さらに、いくつかの実施形態では、センサ214は、光源510からの光を中継するための中継光学522、および/または反射光を検出器512に中継するための中継光学522を含んでもよい。中継光学522は、光源510、検出光学520、および/または検出器512のうちの1つ、いくつか、または全部が、使用中に皮膚表面38の上または近傍に位置付けられるように構成され得る筐体24の開口526から任意の所望の距離に位置し得るように、任意の所望の距離で光を中継するために使用されてもよい。また、マイクロコントローラ530および/またはセンサ214と関連付けられる他の電子機器は、開口526から、および/またはセンサ214の他の構成要素(例えば、光源510、検出器512、検出光学520、および随意的な中継光学522)から任意の所望の距離に位置してもよい。いくつかの実施形態では、開口526から離してセンサ214の構成要素を位置付けることにより、デバイス10の印加端42におけるセンサ214によって占有される空間を縮小または最小限化してもよく、これは、望ましくあり得る、または有利であり得る、印加端42の縮小または最小限化されたサイズを可能にし得る。
他の実施形態では、センサ214の構成要素は、中継光学520が含まれないように、開口526の近傍に(例えば、デバイス10の印加端42の中に)位置してもよい。
光源510が、非常に低い入射角で(例えば、図51Bに示されるθは、約5度〜40度の間であってもよい)表面(例えば、皮膚表面38)を照射するように配向されてもよい一方で、検出器512は、照射された表面に対して法線または略法線入射角で整合させられてもよい。
マイクロコントローラ530は、直流または変調電流を用いて光源510(例えば、LED)を駆動させ、統合ADC532を使用して検出器512からの信号524を記録し、記録された検出器信号524の振幅を分析して、検出器512より下方の表面が皮膚40または角膜500であるかどうかを判定するように構成されてもよい。
検出器512からの信号524は、「反射率フィードバック信号」と称されてもよい。反射率フィードバック信号524の振幅は、検出器512によって受光される光源510からの反射光の強度に対応し、検出器512内に反射される光源510からの光が多いほど、反射率フィードバック信号524の振幅が高くなる。以下に論じられるように、光源510および検出器512の構成により、(比較的拡散性である)皮膚は、(比較的正反射性である)角膜よりも、光源510から多くの光を検出器512内に反射する。したがって、マイクロコントローラ530は、検出器512より下方の表面が皮膚40であるか、または角膜500であるかどうかを判定するように、(例えば、閾値または窓比較を使用して)反射率フィードバック信号524の振幅を分析してもよい。
デバイスの治療窓44が皮膚または角膜より上方に位置するかどうかを示す、マイクロコントローラ530からの信号は、デバイス10の1つ以上の制御可能な動作パラメータを制御するための制御システム18によって使用され得る。
例えば、治療(例えば、治療領域40への放射線の送達)は、治療セッションを開始するため等に開始されてもよく、または例えば、反射性フィードバック信号524が、事前定義された皮膚/角膜閾値を上回る、または皮膚と対応する事前定義された反射率窓内にあることを判定することによって、マイクロコントローラ530が「皮膚の存在」を検出した場合、治療セッション中の中断後に再開されてもよい。そのような状況では、制御システム18は、治療領域40への放射線送達を開始するように、治療光源14を有効にするか、またはその電源をオンにしてもよい(またはデバイス10の他の側面を制御する)。治療は、マイクロコントローラ530が皮膚の存在を検出し続ける限り継続してもよい。治療は、「可能性として考えられる角膜の存在」の検出時に、または他の治療中断事象時に中断されてもよい。
反射率フィードバック信号524が、事前定義された皮膚/角膜を下回るか、または皮膚と対応する反射率窓外であることをマイクロコントローラ530が判定した場合、マイクロコントローラ530は、「可能性として考えられる角膜の存在」(本質的に、例えば、角膜、他の非拡散表面、または標的表面の欠如であり得る、非皮膚表面の検出である)を検出してもよい。制御システム18は、可能性として考えられる意図しない眼の暴露(および可能性として考えられる眼の損傷)を防止するために、マイクロコントローラ530によって検出される、可能性として考えられる角膜の存在に応答して、治療光源14を無効にしてもよい(またはデバイス10の他の側面を制御する)。
センサ214の動作は、図51B−51Cを参照して以下で説明される。図51Bは、光源510、および検出器512の2つの異なる位置を図示する。図51Cおよび51Dは、局所表面法線方向、例えば、異なる形状の角膜を図示する。
検出器512は、より平滑でより正反射性の材料よりも、光散乱により、拡散表面材料から多量の反射光を受光する(したがって、信号524のより大きい振幅を生成する)。皮膚が比較的拡散性である一方で、角膜表面が皮膚よりはるかに低い反射の拡散成分を有するように、角膜表面は、略平滑および正反射性である。この差異は、検出器512が皮膚40の領域を覆って、または角膜500を覆って位置付けられているかどうかを判定するために使用することができる。
単一のビーム源510および単一の検出器512を使用して、拡散性および正反射性材料を区別するというこの技法は、標的表面法線とビーム源510および検出器512の両方との間の角度が、少なくともある程度把握されていると仮定し得る。具体的には、ビーム源510および検出器512が標的表面に対して整合させられる角度は、図51Cおよび51Dに関して以下に論じられるように、角膜曲率の既知の範囲にわたって、皮膚からの反射を角膜からの反射と区別するために、反射率フィードバック信号524を確実に使用することができるように、選択されてもよい。
一般に、表面(例えば、皮膚または角膜表面)の局所表面法線ベクトルは、表面の局所曲率に応じて、より大規模な平均表面法線に対して変化するであろう。例えば、角膜の縁近傍では、局所表面法線は、角膜が曲面であるため、角膜の中心における法線ベクトルから少なくとも数度オフセットされるであろう。
光線源が、略斜入射(約0度)で表面を照射し、検出器が、略法線入射(約90度)でこの表面を視認すると仮定されたい。あまり湾曲していない表面については、局所表面法線は、図51Cに示されるように、90度に比較的近い。曲率が45度の局所表面法線を提供する、図51Dに示される極端な場合では、正反射が検出器内に直接伝搬する。センサ214の目的のために、ビーム源から検出器への直接正反射が、顔に対するセンサ214/デバイス10のいずれの実用的構成にも起こらないように、露出角膜表面が、顔(すなわち、眼に隣接する皮膚)のより大きい表面法線と45度未満の角度を形成すると仮定され得る。また、正常な眼については、角膜縁の近傍の最も極端な角度は、40度未満であることも知られている(例えば、James D. Doss, “Method for Calculation of Corneal ProfileおよびPower Distribution”, Arch Ophthalmol, Vol. 99, July 1981参照)。また、この角度は、角膜中央領域の60%以内で略20度まで急に減少する、すなわち、曲率は、角膜中心近傍では大きくない。したがって、中央の60%角膜領域については、角膜からの正反射は、より大きい利幅を伴う検出器によって傍受されないであろう。
したがって、光源510が十分低い入射角(例えば、約5度〜40度の間の図51Bに示されるθ)で配列されると仮定して、全ての実用的な場合について、角膜は、光源510から検出器512内に直接光を反射しないであろう。したがって、全ての実用的な場合について、角膜は、皮膚よりも光源510から検出器512内により少ない光を反射するであろう。したがって、実用的な場合について、適正な信号振幅閾値がマイクロコントローラ530によって利用されると仮定すると、角膜を皮膚と区別することができる。したがって、要約すると、光源510および検出器512の適正な配向、ならびに反射率フィードバック信号524の振幅を比較するための閾値の適正な選択を仮定して、センサ214は、特に、視覚のために最も重要であり得る角膜中央領域について、皮膚と角膜とを確実に区別することができる。
真皮の散乱係数μms_skinは、角膜の散乱係数μms_corneaよりも大幅に大きいことが実質的に示されている。具体的には、真皮の散乱係数μms_skinが、500nm波長に対して≒60cm−1である(Steven L Jacques,
“Skin Optics”, Oregon Medical Laser Center News, Jan. 1998参照)である一方で、真皮の散乱係数μms_corneaは、500nm波長に対して≒10cm−1である(Dhiraj K. Sardar, "Optical absorptionおよびscattering
of bovine cornea, lens,およびretina in the
visible region", Laser Med. Sci. 24(6),
Nov. 2009参照)。これらのそれぞれの散乱係数に基づいて、角膜の予測拡散反射率が、約8%である一方で、典型的なフィッツパトリックI〜VI型皮膚の予測拡散反射率は、それぞれ、70%〜10%に及ぶ。したがって、ほとんどの皮膚型について、再度、適正な比較閾値または窓がセンサ214によって利用されると仮定して、反射率の対比は、3つの角膜を皮膚と区別するほど十分に大きい。
(多重センサ式眼の安全システム)
いくつかの実施形態では、デバイス10は、1つ以上の眼の安全センサ214と、1つ以上の皮膚接触センサ204とを含む、多重センサ制御/安全システムを含む。
図52は、デバイス印加端42の上または近傍に配列された1つ以上の眼の安全センサ214および1つ以上の皮膚接触センサ204を含む、例示的多重センサ制御/安全システム550を図示する。システム550は、単独で作用する眼の安全センサ214または皮膚接触センサ204と比較して、より確実および/または冗長な眼の安全機能性を提供するように、眼の安全センサ214および皮膚接触センサ204の機能性を組み合わせる。
システム550は、任意の好適な様式において、眼の安全センサ214および皮膚接触センサ204によって行われる独立判定に基づいて、デバイス10を制御する(例えば、治療光源14をオン/オフにする)ように構成されてもよい。眼の安全センサ214および皮膚接触センサ204によって行われる独立判定は、本明細書では「独立判定閾値」と呼ばれる、それぞれの閾値とのそのようなセンサによって検出された信号の比較に基づいてもよい。
例えば、システム550は、(a)眼の安全センサ214が、接触センサ204によるいずれの判定または信号分析からも独立して、「皮膚の存在」(前述に論じられる)を判定した、または(b)全ての接触センサ204が、眼の安全センサ214によるいずれの判定または信号分析からも独立して、皮膚との接触状態を判定した、いずれかの場合に、治療放射線源14をオンにするように制御信号をトリガしてもよい。したがって、システム550は、(a)眼の安全センサ214が、接触センサ204によるいずれの判定または信号分析からも独立して、「可能性として考えられる角膜の存在」(前述に論じられる)を判定した、および(b)少なくとも1つの接触センサ204が、眼の安全センサ214によるいずれの判定または信号分析からも独立して、皮膚との非接触状態を判定した、両方の場合のみ、治療放射線源14をオフにするように制御信号をトリガしてもよい。
代替として、システム550は、(a)眼の安全センサ214が、接触センサ204によるいずれの判定または信号分析からも独立して、「皮膚の存在」(前述に論じられる)を判定した、および(b)全ての接触センサ204が、眼の安全センサ214によるいずれの判定または信号分析からも独立して、皮膚との接触状態を判定した、両方の場合のみ、治療放射線源14をオンにするように制御信号をトリガしてもよい。したがって、システム550は、(a)眼の安全センサ214が、接触センサ204によるいずれの判定または信号分析からも独立して、可能性として考えられる角膜の存在を判定した、または(b)任意の接触センサ204が、眼の安全センサ214によるいずれの判定または信号分析からも独立して、皮膚との非接触状態を判定した、いずれかの場合に、治療放射線源14をオフにするように制御信号をトリガしてもよい。
代替として、または加えて、システム550は、眼の安全センサ214からの信号および皮膚接触センサ204からの信号の相互依存分析に基づいて、デバイス10を制御する(例えば、治療放射線源14をオンまたはオフにする)ように構成されてもよい。例えば、システム550は、特定の制御信号をトリガするかどうかを判定するために、眼の安全センサ214によって検出された信号(例えば、検出器512からの反射率フィードバック信号524)および接触センサ204によって検出された信号(例えば、接触センサ204によって検出された信号552)を分析するアルゴリズムを利用してもよい。例えば、そのようなアルゴリズムは、前述に論じられる独立判定閾値よりも低い閾値を組み込んでもよい。そのような閾値は、本明細書では「相互依存センサ分析閾値」と呼ばれる。
一例として例証するために、システム550は、以下の独立判定閾値を特定してもよい。
(a)10mVの眼の安全閾値:眼の安全センサ214は、反射率フィードバック信号524の振幅が10mVを下回る場合に、可能性として考えられる角膜の存在を判定する、および
(b)50pFの接触センサ閾値:接触センサ204は、接触センサ信号552の振幅が50pFを下回る場合に、非接触状態を判定する。
さらに、システム550は、以下の相互依存センサ分析閾値を特定してもよい。
(a)反射率フィードバック信号524に対する15mVの眼の安全閾値、および
(b)信号552に対する70pFの接触センサ閾値。
システム550は、相互依存センサ分析閾値(15mVおよび70pF)を組み込むアルゴリズム154を利用してもよい。例えば、アルゴリズムは、(a)反射率フィードバック信号524が15mVを下回る、および(b)接触センサ信号552が70pFを下回る、両方の場合に、治療放射線源14をオフにするように制御信号を特定してもよい。
眼の安全センサ214からの信号および皮膚接触センサからの信号552の相互依存分析に基づいて、デバイス10を制御することの別の実施例として、アルゴリズム154は、反射率フィードバック信号524および接触センサ信号552から、本明細書では「眼の安全係数指数」またはESF指数とも称される指数を計算してもよい。アルゴリズムは、任意の好適な様式で反射率フィードバック信号524および接触センサ信号552に加重してもよい。例示的アルゴリズムが、式(1)として提供される。
ESF指数=信号524の振幅*W1+信号552の振幅*W2 (1)
式中、W1およびW2は、任意の好適な定数(0を含む)を表す。
別の例示的アルゴリズムが、式(2)として提供される。
ESF指数=(信号524の振幅+C1)*(信号552の振幅+C2) (2)
式中、C1およびC2は、任意の好適な定数(0を含む)を表す。
任意の他の好適なアルゴリズムが、反射率フィードバック信号524および接触センサ信号552に基づいてESF指数を計算するために使用されてもよい。
次いで、ESF指数は、特定の制御信号をトリガする(例えば、治療放射線源14をオフにする)かどうかを判定するように、事前定義された閾値と比較されるか、または異なる制御信号をトリガするための複数の異なる事前定義された閾値と比較されてもよい。そのようなアルゴリズム(同一または異なる閾値を使用する)は、治療放射線源14をオンにする、治療放射線源14をオンにする、現在の治療モードを変更する、またはデバイス10の任意の制御可能な動作パラメータを調整するための制御信号等の任意の好適な制御信号をトリガするために使用されてもよい。
図53は、ある実施形態による、多重センサ制御/安全システム550を使用してデバイス10を制御する(例えば、治療放射線源14を制御する)ための例示的方法600を図示する。ステップ602では、ユーザが、治療モードおよび/または他の治療パラメータを選択することによって治療セッションを準備し、皮膚に対してデバイス10の印加端42を配置する。
ステップ604では、システム550が、例えば、前述に論じられる技法のうちのいずれか、または任意の他の好適な技法を使用して、印加端42が治療のために皮膚に対して正しく位置付けられているかどうかを判定する。
印加端42が治療のために皮膚に対して正しく位置付けられているとシステム550が判定した場合、システム550は、ステップ606で示されるように、自動的に、または定義されたユーザ入力(例えば、治療ボタンを押す)時に、治療セッションを開始するための制御信号を生成してもよい。制御システム18はまた、定義されたユーザ入力(例えば、治療ボタンを押す)時に、治療が開始されたこと、または治療の開始の準備ができていることを示す、ユーザへのフィードバックを生成してもよい。
次いで、デバイス10は、ステップ608で示されるように、放射線源14を起動し、送達ビーム114として、送達のためのビーム108を皮膚40に生成し、治療スポット70を生成してもよい。ユーザは、デバイス10の構成および/または選択された治療モードに応じて、滑動モードまたは打刻モードで、デバイス10を操作してもよい。
治療中に、システム550は、ステップ610で示されるように、印加端42が依然として治療のために皮膚に対して正しく位置付けられているかどうかを継続的に、または繰り返し判定する。印加端42が治療のために皮膚に対して正しく位置付けられているとシステム550が判定する限り、システム550は、ステップ612で示されるように、治療セッションを続けるための制御信号を生成し続けてもよい(すなわち、制御システム18が、ビーム114を送達し、皮膚40上に治療スポット70を生成し続けるように)。
しかしながら、治療中に、印加端42が治療のために皮膚に対して正しく位置付けられていないとシステム550が判定した場合(例えば、印加端42が角膜を覆って位置するか、または皮膚と接触せずに移動させられたことをシステム550が判定した場合)、システム550は、ステップ614で示されるように、例えば、治療放射線源14をオフにするか、または無効にすることによって、治療セッションを自動的に停止または中断するための制御信号を生成してもよい。制御システム18は、デバイス10の状態を示す、ユーザへのフィードバック、例えば、聴覚または視覚フィードバックを生成してもよい。例えば、制御システム18は、治療が停止または中断されたことを示す一般的フィードバックを提供してもよく、または、例えば、眼の検出、非接触の検出、およびデバイスの機能不全を区別するフィードバック等の、治療が停止または中断された理由を示す、より具体的なフィードバックを提供してもよい。
システム550は、ステップ616で、印加端42の位置付けを監視し続けてもよい。再び、印加端42が治療のために皮膚に対して正しく位置付けられたとシステム550が判定した場合、システム550は、ステップ618で示されるように、例えば、(例えば、治療放射線源14をオンにすることによって)治療を再開するように制御信号を生成し、ステップ608に戻る方法によって示されるように、皮膚における治療スポット70の生成を再開することによって、治療セッションを再開してもよい。
治療セッションは、(図47に関して前述に論じられるような)治療区切りに到達すると、または事前定義された時間後に、または治療セッションを定義する任意の他のパラメータに基づいて、終了してもよい。この実施例および図53は、同様に、接触センサ以外のセンサに適用できることを理解されたい。
(眼の安全センサの較正)
いくつかの実施形態では、眼の安全センサ214は、デバイス10の現在のユーザに対して個別に較正することができる。図54は、1人または複数のユーザのために眼の安全センサ214を較正するための例示的方法650を図示する。較正プロセスが、ステップ652−660で行われる。ステップ652では、ユーザが、例えば、デバイス10からの指示に応じて、ユーザの皮膚に対してデバイス10の印加端42を位置付ける。デバイス10は、身体のある部分、例えば、顔または手の甲に対して印加端42を位置付けるように、ユーザに指示してもよい。センサ214が、ステップ654で起動され、反射/再放射フィードバック信号524を記録する。ステップ656では、ユーザが、例えば、デバイス10からの指示に応じて、皮膚を横断してデバイス10の印加端42を移動させてもよい。センサ214は、ステップ658において、皮膚上の印加端42の種々の場所で反射率フィードバック信号524を記録し続けてもよい。
ステップ660では、マイクロコントローラ530が、センサ214を較正するように、ステップ654、658で記録された信号524を分析してもよい。例えば、マイクロコントローラ530は、皮膚と角膜とを区別するため、例えば、前述に論じられるように、「皮膚の存在」または「可能性として考えられる角膜の存在」を判定するために、1つ以上の適切な閾値(例えば、閾値電圧)を判定する1つ以上のアルゴリズムを実行してもよい。そのような閾値は、センサ214または制御システム18によって記憶されてもよい。
ステップ662では、同一のユーザまたは異なるユーザが、治療セッションのためにデバイス10を起動してもよい。ユーザは、ステップ664において、例えば、名前のリストからスクロールおよび選択すること、または新しい名前を入力することによって、ユーザインターフェース18を介して自分自身を識別してもよい。次いで、デバイス10は、眼の安全センサ214がそのユーザのために較正されているかどうかを判定してもよく、そうである場合、ステップ666において、そのユーザに対して記憶された皮膚/角膜判定閾値にアクセスしてもよい。ユーザが新しいユーザである、または眼の安全センサ214がそのユーザのために較正されていない場合、デバイス10は、ステップ668で、(例えば、ステップ652−660の較正プロセスを通してユーザを誘導することによって)そのユーザに対する皮膚/角膜判定閾値を判定して記憶するように、そのユーザのためにセンサ214を較正してもよい。
ユーザに対する皮膚/角膜判定閾値がアクセスされた(または新しいユーザの場合は判定および記憶された)後に、ユーザは、種々の動作パラメータを選択し、デバイス10を使用して治療セッションを開始してもよい。治療セッション中に、ステップ670において、眼の安全センサ214は、ステップ666または668でアクセスされたユーザ特異的閾値を使用して、印加端42の下の表面を継続的に、または繰り返し監視してもよい。
他の実施形態では、デバイス10は、各治療セッション前に眼の安全センサ214が再較正されることを要求してもよい。
(二重機能センサ)
いくつかの実施形態では、眼の安全機能性を提供することに加えて、眼の安全センサ214はまた、図40−40Cに示される単一ピクセル変位センサ200A、200B、または200Cに関して前述に論じられるように同様に動作する、変位センサとして使用されてもよい。例えば、眼の安全センサ214および変位センサ200A/200B/200Cの機能性は、単一のセンサ200/114に組み込まれてもよい。したがって、単一の放射線源および単一の検出器が、前述で説明される眼の安全および変位監視特徴の両方を提供するために使用されてもよい。統合眼の安全/変位センサ200/214は、1つ以上のマイクロコントローラ、または両方のセンサの機能性を提供するための他のプロセッサを含む。
他の実施形態では、デバイス10は、眼の安全センサ214および1つ以上の変位センサ200(例えば、1つ以上の単一ピクセル変位センサ200A/200B/200Cおよび/または1つ以上のマルチピクセル変位センサ200D)の両方を含んでもよく、眼の安全センサ214は、変位センサ200A/200B/200C/200Dへのバックアップを補完または提供するように、(その眼の安全機能性に加えて)デバイス変位監視機能を提供する。
(放射線パルスおよび走査要素モータ制御)
いくつかの実施形態では、デバイス10は、パルス状レーザ放射線源14およびビーム走査システム48、例えば、走査システムモータ120の動作を監視および制御するように構成される、パルス状レーザ放射線源14およびモータ/パルス制御システム139を含む。モータ/パルス制御システム139は、前述で論じられる種々の制御システム、例えば、放射線源制御システム128、走査システム制御システム130、変位ベースの制御システム132、有用性制御システム133、ユーザインターフェース制御システム134、および温度制御システム136のいずれかの側面を組み合わせてもよい。例えば、モータ/パルス制御システム139は、パルス状レーザ放射線源14を制御し、パルス持続時間、パルスオン時間、パルスオフ時間、トリガ遅延時間、負荷サイクル、パルスプロファイル、または生成パルスの任意の他のパラメータを制御してもよく、走査システム48の走査システムモータ120を制御してもよい(例えば、回転式ビーム走査要素100のスピード、位置等を制御するため)等である。モータ/パルス制御システム139は、種々のセンサ26からの信号に基づいて、および/または回転式ビーム走査要素100の回転および/または位置を示すように配列され得る、エンコーダ121の回転および/または位置を監視することによって、そのようなパラメータを制御してもよい。そのようなエンコーダ121の実施例は、以下に論じられる、図68Aおよび68Bに示される。
モータ/パルス制御システム139は、例えば、レーザパルスあたりのエネルギー用量の正確度を保証するため、ならびに眼の安全および皮膚安全側面を提供するために設定され得る、種々の制御冗長性を提供してもよい。
図55は、例示的実施形態による、例示的モータ/パルス制御システム139の構成要素を図示する。モータ/パルス制御システム139は、レーザ14と、ビーム走査要素100およびエンコーダ121の回転を駆動するように構成される、走査システムモータ120とを制御するための制御電子機器30に入力を提供するために、いくつかのセンサ26を含んでもよい。
システム139のセンサ26は、例えば、皮膚接触を検出するための4つの独立接触センサ204a−204dと、皮膚に対するデバイス10の変位を検出するための2つの独立変位センサ200aおよび200bと、レーザ14の温度またはそれに関連する温度(例えば、レーザパッケージ250または放熱板36の温度)を検出するための温度センサと、走査システムモータ120のスピードを監視し、回転式走査要素100の回転および/または位置を検出するための光学エンコーダセンサ203(監視エンコーダ121を監視することによって)とを含んでもよい。
制御電子機器30は、一次プロセッサまたはコントローラ144Aと、独立二次プロセッサまたはコントローラ144Bと、任意の好適な記憶媒体146内に記憶された実行可能論理またはアルゴリズム148とを含んでもよい。一次コントローラ144Aは、概して、システム139の種々のパラメータを制御するように構成されてもよい一方、二次コントローラ144Bは、完全性検証のために、独立エラーチェックを提供し、したがって、冗長性を提供し、例えば、付加的安全側面を提供してもよい。
各個々のレーザパルスに対する走査システムモータ120のスピードおよびトリガタイミング(例えば、トリガ遅延時間)は、所望のレーザパルス持続時間および動作レーザ温度を含む、複数の要因に応じて、十分に調整されなければならない。したがって、システム139は、図56および57A−57Bに関して以下に論じられるように、適切な温度補償を提供し、正確なパルスエネルギー制御を保証する。
図56は、走査システムモータ120およびレーザ源14のパルス生成を制御するために、モータ/パルス制御システム139によって採用される例示的アルゴリズム800を図示する。例示的アルゴリズム800は、前述で論じられる有用性制御アルゴリズムを採用すると認識され得る。
システム139は、種々の制御要素の適切な機能性を検証するために、初期起動自己試験を通過後、デバイス10が準備ができた状態になると、アルゴリズム800を始動してもよい。ステップ802および804において、システム139は、皮膚との接触を示す、全4つの接触センサ204a−204dと、所定の最小変位閾値(例えば、1mm)を満たす変位を示す、両変位センサ200aおよび200bとを待機する。所定の変位閾値は、例えば、図38−46に関して前述のように、皮膚の識別された表面特徴74の所定の数によって定義されてもよい。両条件は、レーザパルス生成コマンドを始動する前に、満たされなければならない。
両条件が満たされると、アルゴリズムは、ステップ806に進み、一次コントローラ144Aは、(a)適切な走査システムモータスピードと、(b)走査要素の各小型レンズの遷移縁に対する適切なトリガ遅延時間とを計算する。本計算のための入力は、所与の所望のパルスエネルギー出力のための標的レーザパルス持続時間である。モータスピードおよびレーザトリガタイミング(トリガ遅延時間によって定義されるように)は、各レーザパルスが、回転式走査光学の各個別の小型レンズの光学的に使用可能部分内で送達されるために、適切に同期されることが重要である。本プロセスは、図57Aおよび57Bに関して、以下により詳細に論じられる。
ステップ806において、パラメータを計算後、システム139は、ステップ808において、パルス生成レーザ14を開始し、各パルスは、回転式走査要素100の異なるセクタによって偏向され、治療スポットを皮膚上に作成するように送達される個々の出力ビーム112を提供する。レーザパルスは、モータ120によって回転されるエンコーダホイール121を監視するエンコーダセンサ203によって生成される方形波パルス列である、検出された光学エンコーダ信号に対して、適切な走査システムモータスピードおよびトリガ遅延時間で実行される。エンコーダホイール121は、いくつかの検出可能特徴(例えば、スロット付き開口部)を有してもよく、それぞれ、多重セクタ走査要素100の1つのセクタに対応し、それぞれ、対応するセクタの遷移縁(例えば、隣接小型レンズ間の遷移縁)と整合される。したがって、システム139は、エンコーダセンサ203によって生成された光学エンコーダ信号を監視し、特定の場所を通して回転する各検出可能特徴(例えば、スロット付き開口部)を検出し、それによって、回転式走査要素の各セクタの遷移縁を検出することができる。
故に、システム139は、走査要素100の各検出されたセクタに対して、1つのレーザパルスの生成を命令する(エンコーダセンサ203からの信号に基づいて)。レーザパルス生成全体を通して、コントローラ144Aは、ステップ810において示されるように、送達される総パルス数を維持し、ステップ812に示されるように、パルス数が、特定の治療セッションの間、所定のパルスに到達すると、治療の完了を判定する。したがって、治療セッションの間に送達された総エネルギー用量は、デバイス10の滑動スピードと関係ない。
治療セッションの間、コントローラ144Aおよび/または144Bは、種々の安全故障条件を継続してチェックする。例えば、ステップ814において、コントローラ144Aは、モータスピード(例えば、エンコーダセンサ203からの信号に基づいて検出されるように)が、(a)所定の量(例えば、±20%)を上回って、ステップ804において命令されたモータスピードと異なる、または(b)所定の失速閾値(例えば、240rpm)を下回るかのいずれかであるときに検出され得る、モータ失速条件をチェックする。さらに、ステップ816において、二次コントローラ144Bは、種々のレーザパラメータ(例えば、パルス持続時間、電流、および電圧)の独立チェックを提供し、例えば、レーザ過パルス持続時間、レーザ過電流、またはレーザ劣化(レーザダイオード電圧に基づいて)を監視する。故障条件のいずれかが、ステップ814または816において検出される場合、レーザパルス生成は、直ちに停止し、デバイスは、816に示されるように、エラー条件をディスプレイユーザインターフェース上で報告するであろう。ステップ814および/または816におけるチェックは、任意の好適な頻度、例えば、各パルス後、入力ビームの各走査後、あるいはパルスまたは走査周波数に関係ない頻度で(例えば、200ms毎)、行なわれてもよい。
ステップ814または816において、故障条件がないと仮定して、コントローラ144Aは、ステップ820および822において、レーザ14のパルス生成を継続するための有用性制御条件を適用するが、その条件は、例えば、図49の有用性制御アルゴリズムに関して前述のように、初期パルスを可能にするためのステップ802および804における条件ほど厳格ではない。本実施例では、4つの接触センサ204a−204のうちの2つのみからの有効入力(具体的には、「底部」接触センサ204aおよび200bのうちの少なくとも1つからの有効入力および「上部」接触センサ204cおよび200dのうちの少なくとも1つからの有効入力)が、2つの変位センサ200aおよび200bのうちの1つのみからの有効入力と組み合わせて、パルス生成の継続のために要求される。したがって、レーザパルス生成は、臨界走査ビーム縁に沿った任意の対の接触センサが、皮膚との接触を示し、2つの変位センサのうちのいずれか一方が、デバイス10の要求される変位を示す限り、継続するであろう。しかしながら、ステップ820および822における条件が、「信号デバウンシング周期」と称される連続周期(例えば、1秒)の間、満たされない場合、条件は、ステップ824に示されるように、初期パルスを可能にするためのより厳格な基準にリセットし、ステップ802および804に戻る。パルス生成を始動するため、および始動された後にパルス生成を継続するための異なる基準は、皮膚を横断するデバイス10の印加端42の滑動移動のための安全性および有用性の両方を達成し得る。すなわち、予期される治療皮膚曲率およびその下の骨状構造のため、多くの場合、通常、初期接触および移動の間を除き、滑動治療動作において、完全皮膚接触および変位を得ることは困難である。
図示される例示的アルゴリズム800では、システム139はまた、レーザ性能(例えば、出力電力または波長)が、典型的には、温度に伴って変動するという事実による、レーザ14の温度変動を補償する。したがって、システム139によって提供される温度補償は、レーザパルスエネルギー(すなわち、パルスあたりエネルギー出力)の正確な制御を保証し得る。レーザダイオード光学出力電力は、その動作温度に伴って変動する。本変動は、通常、温度上昇℃あたり、約1%の電力降下に対応する。一定のレーザパルスエネルギーを維持するために、レーザ駆動電流またはパルス持続時間のいずれかが、変動され得る。パルス持続時間に対するパルスエネルギーの線形性質(例えば、電流とパルスエネルギーとの間の略非線形関係とは対照的に)のため、レーザパルス持続時間の調節は、特に、補償範囲が大きくない、例えば、25℃温度変化未満であるとき、好ましい選択肢であり得る。本例示的実装では、新しいレーザ電力は、826に示されるように、放熱板36の実際の測定温度に基づいて、各制御ループ内で再計算される。設定標的パルスエネルギーを達成するために、結果として生じる要求されるレーザパルス持続時間は、次いで、ステップ806において、走査システムモータスピードおよびトリガ遅延時間を計算するための入力として、フィードバックされる。リアルタイムで作用するアルゴリズム800全体は、レーザ14の動的動作温度に基づいて、走査システムモータスピードおよびレーザパルス生成パラメータの閉ループ制御を達成するように設計される。
図57Aは、例示的実施形態による、アルゴリズム800のステップ804および806に対応する、例示的アルゴリズム830を図示する。図57Bは、例示的実施形態による、図56の制御アルゴリズム830を参照した、回転式ビーム走査要素100に関する放射線パルスパラメータを図示する。
ステップ832では、デバイス10は、任意の好適なユーザインターフェース28、例えば、治療レベル選択ボタンまたはスイッチ220を介して、治療セッションのためのユーザ設定、例えば、治療レベルまたは「快適レベル」(以下により詳細に論じられる)を受信する。
ステップ834では、モータ/パルス制御システム139は、選択された治療レベルまたは快適レベルに対応する標的エネルギー/MTZを判定する。単なる実施例として、デバイス10は、ユーザが、低レベル治療、中間レベル治療、および高レベル治療間を選択することを可能にしてもよく、それぞれ、5mJ/MTZ、10mJ/MTZ、および12mJ/MTZを送達するようにプログラムされる。
ステップ836では、システム139は、例えば、1つ以上の温度センサ208から、レーザ14の現在の実際の温度またはそれに関連する温度(例えば、レーザパッケージ250または放熱板36の温度)を判定する。
ステップ838では、システム139は、ステップ834において判定された標的エネルギー/MTZを提供するために要求される標的パルス持続時間を計算し、ステップ836において測定された温度に基づいて、例えば、メモリ146内に記憶されたデバイス10の特定のレーザ14に対する既知の温度/性能関係に基づいて、調節する。したがって、システム139は、レーザ14に関連する標的エネルギー/MTZおよび現在の温度に基づいて、標的パルス持続時間を計算する。
計算されたパルス持続時間に基づいて、システム139は、ステップ840において、偏向セクタ140に対する所定の使用可能部分に一致する、回転式走査要素100の偏向セクタ140上にあるパルス弧長を提供するであろう、走査システムモータ120のための標的モータスピードを計算する。要素100の各偏向セクタ140の使用可能部分の長さおよび/または回転場所は、例えば、要素100の物理的幾何学形状に応じて、同一であってもよく、または異なってもよい。いくつかの実施形態では、共通使用可能部分は、全セクタのために事前定義および使用され、制御プロセスを簡略化し得る。
図57Bは、複数の偏向セクタ104(例えば、小型レンズ104)を有する、走査要素100の表現を図示する。特に、図57Bは、特定の偏向セクタ1041のための使用可能部分UPを示す。セクタ1041のための残りの部分は、干渉またはセクタ1041と隣接セクタ104との間の遷移に関連する他の影響のため、対応する出力ビーム112を生成するために使用不可能であり得る。他の実施形態では、各セクタ104の幅全体が、使用可能であってもよい。
したがって、ステップ840では、システム139は、ステップ838において、セクタ140の使用可能部分UPに等しい、パルス弧長PALnormalを偏向セクタ140上に提供するであろうと計算されたパルス持続時間に基づいて、標的モータスピードを計算する。いくつかの実施形態では、デバイス10は、代替動作モード(例えば、「快適」モード)を提供してもよく、治療スポット/MTZ生成の頻度は、モータスピードを低下させるが、法線モード動作のパルス送達パラメータを維持することによって、低減される。したがって、図57Bはまた、パルスパラメータを維持しながら、モータ120のモータスピードが、50%低減される、例示的「快適モード」動作において、セクタ1041に送達される、パルス弧長PALcomfortを示す。
ステップ842では、システム139は、モータ120に、標的モータスピードで動作するように命令する。ステップ844では、システム139は、例えば、空間内の特定の点を通り過ぎるにつれて、エンコーダ121の検出可能特徴を読み取る、光学エンコーダセンサ203からの信号に基づいて、モータ120の実際のスピードを判定する。他の実施形態では、デバイス10は、任意の他の好適なタイプのモータスピードセンサを利用してもよい。
ステップ846では、システム139は、ステップ844において判定された実際のモータスピードをステップ840および842において計算および命令された標的モータスピードと比較し、該当する場合、結果として生じるモータスピードオフセットを判定する。モータスピードオフセットが、所定の閾値(例えば、ゼロ、標的モータスピードの所定のパーセンテージ(例えば、1%)、所定のスピードオフセット(例えば、10rpm)、または任意の他の好適な閾値)を上回る場合、アルゴリズムループは、ステップ836に戻り、現在の温度を判定し、現在の温度に基づいて、ステップ836−844を繰り返す。モータスピードオフセットが、所定の閾値を下回る場合、システム139は、ステップ848において、フィードバックアルゴリズムを適用し、モータスピードを補正し、アルゴリズムループは、ステップ836に戻る。
このように、システム139は、モータ120のモータスピードを制御し、レーザ14の温度変化をリアルタイムで補償するための閉ループアルゴリズムを実行する。
図57Aに示されるように、ステップ842−848におけるモータスピードのコマンドおよび制御と並行して、システム139は、ステップ850−852において、レーザ14に、パルスを生成するように命令する。特に、ステップ850において、システム139は、(ステップ838で計算された持続時間の)送達パルスが、セクタ104間の遷移点とは対照的に、個別のセクタ104の使用可能部分UPの起点から開始するように、パルストリガ遅延時間を計算する。パルストリガ遅延時間の間、セクタ1041が通過する弧は、弧長ALdelayとして、図57Bに示される。システム139は、ステップ840で計算されたモータスピードに基づいて、弧長ALdelayの知識とともに、パルストリガ遅延時間を計算してもよい。
システム139は、次いで、ステップ252においてステップ838および850で判定されたパルス持続時間およびパルストリガ遅延時間に従って、レーザ14をパルス化し、各パルスに対するパルストリガ遅延時間およびパルスアクティブ化は、エンコーダセンサ203からの信号に基づいてトリガされる。例えば、エンコーダセンサ203によるエンコーダ121の検出可能特徴の各検出(例えば、それぞれ、要素100の隣接セクタ104間の遷移点に対応する)は、パルストリガ遅延時間を始動し、その後、レーザ14は、ステップ838において計算された持続時間の間、パルス化される。したがって、そのような実施形態では、エンコーダ121は、各パルスに対するトリガとして動作する。
いくつかの実施形態では、アルゴリズム830の種々のステップはそれぞれ、任意の所望の頻度、例えば、各パルス後、入力ビームの各走査後、あるいはパルスまたは走査周波数に関係ない頻度(例えば、50ms毎)で繰り返されてもよい。例えば、図示される実施例では、パルストリガ遅延時間は、入力ビームの各走査後(すなわち、要素100の各回転後)、アップデートされる。
前述のように、各セクタ104の使用可能部分を充填する、パルス持続時間を計算することによって、システム139は、要素100の使用可能部分を最大限にし得、これは、レーザ14および走査システム48の効率的使用を可能にし、所望の治療を提供し得る。
(レーザ制御回路)
いくつかの実施形態では、デバイス10は、安全冗長性のために、2つ(または、それ以上)の独立レーザ電流スイッチ制御を含んでもよく、一方は、レーザアノード側に接続され、他方は、カソード側に接続される。例えば、図58および59は、レーザアノード側に接続された第1のデジタル制御回路(図58)およびカソード側に接続された第2の調光器型制御回路(図59)を含む、例示的デバイス10の2つの独立レーザ電流スイッチ制御のための電気図を図示する。
図58を参照すると、アノード側スイッチは、センチネルFETスイッチと称される、デジタルスイッチである。回路は、レーザ電流を完全にオンまたはオフに切り替える。本デジタルスイッチは、安全関連エラー条件が検出されるときは常に、レーザを迅速にオフにするために使用されてもよい。対照的に、図59を参照すると、カソード側スイッチは、制御FETと称される、線形調光器制御として機能する。本回路は、レーザ電流を設計範囲内のゼロから任意の設定値に調節することができ、異なるレーザダイオード間の任意の有意な固有の変動(例えば、製造差異に基づく)を補償するための標的レーザ電力を設定するために使用されてもよい。カソード側スイッチはまた、二次安全スイッチとして使用され、アノード側のセンチネルスイッチがオフであるとき、レーザ電流をゼロ値に低下させてもよい。
一定パルス電流制御のある単純であるが、安定した回路実装は、2つのOpAmp段階を伴う概略図に示される。第1のOpAmp IC1Aは、カソード側制御FETを通って流動するレーザ電流感知信号をブーストするために、固定利得前置増幅器であってもよい。第2のOpAmp ICIBは、積分器として作用し、レーザ電流をOpAmpの正の入力側で確立された設定点、すなわち、電位差計または任意の他の手段によって設定された電圧に一致させる、制御段階であってもよい。ICIB入力電圧設定点は、レーザ電流をゼロから設計範囲内の任意の所望の値に調節するために使用されてもよい。例えば、適切なセットの回路構成要素値では、レーザパルス電流は、0.4ms未満のパルス上昇および降下時間に伴って、0〜6Aに調節されることができる。これらは、デバイス10のある実施形態に対して、部分治療レーザダイオード制御のための望ましいまたはさらに理想的である動作条件であり得る。
(治療スポット重複の防止)
前述のように、いくつかの実施形態では、デバイス10は、例えば、1つ以上のセンサ26(例えば、変位センサ200、スピード/運動センサ202、および/または滞留センサ216)からのフィードバックに基づいて、治療スポット重複の発生または可能性を防止、制限、または低減するように構成されてもよい。例えば、前述で論じられる変位ベースの制御システム132および/または有用性制御システム133は、治療スポット重複の発生または可能性を防止、制限、または低減するように動作してもよい。変位ベースの制御システム132および/または有用性制御システム133に加えて、または代替として、デバイス10は、治療スポット重複の発生または可能性を防止、制限、または低減させるためのさらなる制御または特徴を含んでもよい。
例えば、いくつかの実施形態では、パルス繰り返し数は、自動的に、デバイス10によって調節可能である、および/または手動で、ユーザによって調節可能であって、例えば、異なる手動移動スピードおよび/または異なる快適レベルまたはユーザの疼痛耐性レベルに対応してもよい。
いくつかの実施形態は、個々に、または組み合わせて、過剰治療保護を提供し、例えば、パルス蓄積、同一の面積上での発射、過剰治療スポット70密度、または他の望ましくない治療条件を防止する、他のデバイスまたは技法を含む。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス10は、デバイス10の定常条件が検出されると、動作(例えば、ビームの生成または送達)を中止する。定常条件は、1つ以上のセンサ、例えば、任意の1つ以上の変位センサ、運動センサ、スピードセンサ、滞留センサ、振動および傾斜センサ、および/または加速時計を使用して、判定されてもよい。そのようなセンサは、静電容量、光学反射、再放射、散乱変動、音響反射変動、音響インピーダンス、ガルバニック電位、電位、誘電定数変動、または任意の他のパラメータに基づいて、信号を生成してもよい。
いくつかの実施形態では、デバイス10は、局所高温測定(単独または前述の他の技法と組み合わせて)を使用して、定常条件を検出する。治療面積は、皮膚の局所熱結像によって、光学的に測定されてもよく、定常条件は皮膚の局所加熱が、閾値温度または他のパラメータ値を超える場合、検出されてもよい。
いくつかの実施形態では、デバイス10は、定常条件が検出されると、「助長ビーム」または助長ビームの走査列を送達する。例えば、非損傷エネルギーであるが、通常エネルギーより高い(例えば、不快感を生じさせるが、損傷しない)、単一ビームまたはビームの走査列が、定常条件が検出される場合、送達され、ユーザが、デバイス10を移動させることを促してもよい。
定常条件はさらに、例えば、バルク加熱測定によって測定されてもよい。治療送達デバイスの先端あるいは感知された皮膚温度または皮膚温度の領域が、閾値を上回って加熱し始める場合、運動損失が検出される、または面積内の過剰治療が検出される。
別の実施例として、デバイス10は、ある場所における滞留は、不快となり得るため、熱または冷却を皮膚に送達し、運動を促してもよい。別の実施例として、機械的ローラが、使用され、非運動条件を検出してもよい。代替として、モータ式ローラが、皮膚を横断するデバイス10の運動を駆動させ、したがって、非運動条件を物理的に回避してもよい。
いくつかの実施形態では、ビーム特性に基づく生理学的フィードバックが、例えば、治療有効性ならびに治療の存在の知覚のための出力を設計することによって、利用されてもよい。例えば、過剰治療が、過剰治療に伴って増加する疼痛フィードバックによって阻止されるように、不快感が、利用されてもよい。
いくつかの実施形態では、光退色が、固有物、すなわち、異物と併用されてもよい。例えば、皮膚は、処理された面積および潜在的にその周囲面積を退色させるために使用される、治療ビームまたは別個の退色ビームによって光退色される、染料によって処理されてもよい。本実施例では、デバイス10は、退色されていない染料の存在を検出するように構成されてもよく、退色されていない染料を伴う面積上のみ治療を可能にし、したがって、同一の面積上における繰り返し走査を防止するであろう(光退色されないであろうため)。
(部分治療を提供するためのデバイス10の例示的実施形態)
いくつかの実施形態では、デバイス10は、走査ビーム114を皮膚に送達し、例えば、しわ、色素沈着、およびきめの荒い皮膚を治療する、部分皮膚治療デバイスである。各送達ビーム114は、治療スポット70を皮膚40上に作成し、前述のように、対応する微小熱ゾーン(MTZ)を産生する。デバイス印加端42は、皮膚40を横断して(例えば、滑動モードまたは走査モードにおいて)、任意の好適な回数、手動で滑動され、治療スポット70のアレイを作成してもよい。皮膚の治癒応答が、ひいては、皮膚を活性化させる。いくつかの実施形態では、デバイス10は、専門デバイスと同様の結果をもたらすが、日常家庭用モデルを活用して、複数の治療または日数(例えば、30日治療ルーチン)にわたって、単回専門用量の同等物を徐々に送達してもよい。
図60は、皮膚内のMTZのアレイから成る、非切除部分治療のプロセスを図示するための皮膚の体積の3次元断面を示し、各MTZは、デバイス10からの送達ビーム114によって作成される治療スポット70に対応する。各MTZは、概して、柱または伸長ボウルとして成形され、皮膚表面または表面下から、皮膚表面に実質的に直交する方向に、下向きに延在する、変性された(または、光化学または光生物学的等、別様に影響を及ぼされる)表皮および真皮の小体積である。MTZの損傷皮膚は、未治療(したがって、本実施例では、変性されていない)皮膚によって囲繞される。健康な皮膚細胞に近接するため、MTZの損傷皮膚は、比較的に迅速に治癒し(CO2レーザ表面再生等の従来の非部分治療と比較して)、治癒プロセスの一部として、しわ、瘢痕、および/または不均等色素沈着を低減させる。治癒プロセスの間、MENDS(微小表皮壊死組織片)が、形成され得る。MTZは、典型的には、一部のみ被覆する(例えば、皮膚表面の1%〜約70%未満)ため、副作用は、CO2レーザ表面再生等の従来の非部分治療と比較して、実質的に、低減され得る。本開示のいくつかの家庭用使用実施形態では、被覆率は、治療あたり、皮膚の0.25%〜5%であってもよい。いくつかの実施形態では、デバイス10は、MTZのサイズおよび形状(例えば、高さおよび幅および深度)が、真皮乳頭層内の幹細胞およびメラニン細胞の多くを残すように構成される。
図61は、本開示のある実施形態による、例示的手持式デバイス10Aを図示する。デバイス10Aは、放射線源14と、走査ビームを皮膚に送達するための光学16(走査システム48を含む)とを格納する、デバイス筐体24を含む。デバイス10Aは、皮膚と接触するように載置され、治療セッション中、皮膚を横断して滑動するように構成される、先端部分42を含む。先端部分42は、走査ビームが皮膚に送達される、窓(例えば、前述で論じられる窓44)を含んでもよい。
加えて、任意の数およびタイプのセンサ26が、前述のように、例えば、先端部分42上に位置してもよい。例えば、デバイス10Aは、前述で論じられる、単一ピクセルタイプ変位センサ200A、200B、または200C、あるいは前述で論じられる、マウス型変位センサ200D等の変位センサ200を含んでもよい。加えて、1つ以上の皮膚接触センサ204が、レーザパルスの送達に先立って、デバイス印加端42に近接して、標的の存在を検出するために提供されてもよい。いくつかの実施形態では、皮膚接触センサ204は、圧力スイッチ、容量タッチセンサ、または他のセンサ技術を含んでもよい。ある実施形態では、容量タッチセンサは、ユーザの皮膚以外の表面によって作動される可能性が低くあり得るため、好ましい。
いくつかの実施形態では、1つ以上のローラデバイスが、デバイス印加端42上に提供される。治療の走査線性質のため、デバイス10Aは、概して、走査方向に垂直の滑動方向に滑動されることが望ましくあり得る(すなわち、線形切断頭、すなわち、刃を伴う、シェーバーに類似する)。デバイス印加端42上に配向され、皮膚に接触するように構成される、ローラデバイスは、所望の滑動方向における、デバイス10Aの滑動を誘導するのに役立ち得る。また、ローラデバイスは、ユーザ快適性およびレーザパルスの均等印加の両方のために、デバイス10Aが、乾燥皮膚を横断して平滑に滑動するのに役立ち得る。いくつかの実施形態では、ローラデバイスは、デバイス印加端42と皮膚との間の付着を低減させ得る。ローラデバイスはまた、適切な滑動方向の良好な視覚的指示を提供してもよい。
デバイス10Aは、任意の数の異なる治療レベル(例えば、低、中、および高)またはモードを提供するように構成されてもよく、これは、例えば、以下等の1つ以上の異なるパラメータによって定義されてもよい。
・ビーム112あたりのエネルギー:放射線源14を制御することによって。
・ビーム波長:例えば、放射線源14の温度を制御することによって、あるいは選択的に、異なる波長に対して構成される放射線源またはエミッタのアクティブ化を制御することによって。
・治療スポットアレイ密度:例えば、図38−46に関して前述のように、出力ビーム112の送達(したがって、治療スポットの生成)を有効にするために、変位ベースの制御システム132によって使用される最小閾値距離を制御することによって。前述のように、そのような最小閾値距離は、測定された距離または皮膚の識別された表面特徴の数として表されてもよい。
・治療スポットサイズまたは形状:例えば、放射線源14および/または1つ以上の光学要素の位置を調節することによって。
・図47に関して前述のような1つ以上の治療セッション区切り(例えば、治療セッションにおける治療スポットの総数)。
・放射線モード:例えば、図28−29に関して前述で論じられるモードのいずれか。
・ビーム走査スピード、例えば、走査システムモータ120のスピードを制御することによって。
さらに、放射線源14がパルス状である、実施形態/動作モードでは、
・パルスオン時間(すなわち、パルス幅):放射線源14を制御することによって。
・パルスオフ時間(すなわち、パルス遅延):放射線源14を制御することによって。
・パルス周波数:放射線源14を制御することによって。
・パルス波プロファイル(例えば、正方形波、正弦波等):放射線源14を制御することによって。
各選択可能治療レベルまたはモードは、そのようなパラメータのうちの1つ以上または他のパラメータの組み合わせによって、定義されてもよい。いくつかの実施形態では、選択可能治療レベルまたはモードは、治療感覚および疼痛、治療時間、または治療の他の側面に関するユーザ選好範囲に対応するために、事前定義され、デバイス10内に記憶される。例えば、デバイス10は、低、中、および高の選択可能治療レベルを提供してもよい。低レベルは、比較的に低エネルギー/パルスおよび走査列間の比較的に大きい最小距離(例えば、変位ベースの制御システム132によって実施されるように)によって定義され得る一方、高レベルは、比較的に高エネルギー/パルスおよび走査列間の比較的に小さい最小距離(例えば、変位ベースの制御システム132によって実施されるように)によって定義され得る。低レベルは、疼痛に敏感なユーザに好適であり得る一方、高レベルは、より積極的ユーザに好適であり得る。他の実施形態では、治療レベルまたはモードを定義する、個々のパラメータは、ユーザによって、例えば、好適なユーザインターフェース28を介して、選択可能または調節されてもよい。
デバイス10によって提供される治療レベルまたはモードは、任意の好適な様式において、例えば、自動的に、制御システム18によって、またはユーザによって選択されてもよい。制御システム18は、自動的に、任意の好適な情報、例えば、1つ以上のセンサ26からのフィードバックに基づいて、または所定の多重セッション治療計画に従って、または任意の他の関連情報に基づいて、治療レベルまたはモードを選択してもよい。代替として、制御システム18は、ユーザによって行なわれる選択、例えば、治療されるように選択された身体部分、選択された治療時間、選択されたエネルギーレベル等に基づいて、自動的に、治療レベルまたはモードを選択してもよい。
代替として、ユーザは、任意の好適なユーザインターフェース28、例えば、1つ以上のボタン、スイッチ、ノブ、またはタッチスクリーンを介して、現在の治療レベルまたはモードを選択してもよい。例えば、デバイス10Aは、異なる治療レベルまたはモード間の選択ならびにデバイスのオン/オフを可能にする、電力/治療制御ボタン900を含む。例えば、ボタン900は、押下されると、デバイス10をオンにする、単一瞬時プッシュボタン制御であってもよい。後続押下は、次いで、異なる電力設定を表示させる。例えば、ボタン900の押下は、以下の順序の設定シーケンスを通して進行し得る。
[オフ]→[オン:低]→[オン:中]→[オン:高]→[オフ]
別の実施例として、ボタン900の押下は、以下の順序の設定シーケンスを通して進行し得る。
[オフ]→[オン:最後に使用された治療レベル]→[オン:次の治療レベル]...→[オン:次の治療レベル](デバイスをオフに戻すためには、長押しが要求される)。
点灯式設定インジケータ902は、電力/治療制御ボタン900を使用して選択されるにつれて、現在選択された治療レベルまたはモードを示してもよい。一実施形態では、3つの発光ダイオード(LED)のアレイは、以下のコードに従って、オン/オフ状態および治療レベル設定を示す。
全3つがオフ=デバイスオフ;1つがオン=レベル1または低;2つがオン=レベル2または中;全3つがオン=レベル3または高
点灯式バッテリインジケータ904は、デバイス10A内に提供されるバッテリ20の充電状態を示してもよい。いくつかの実施形態では、インジケータ904は、バッテリ状態を示すための多色LED、例えば、赤色/緑色LEDインジケータであって、緑色は、完全/良好な充電を示し、点滅緑色は、間もなく再充電を行なう必要があることを示し、赤色は、バッテリ枯渇を示し/使用に先立って、再充電しなければならない。
いくつかの実施形態では、デバイス10Aは、筐体24内に触覚的フィードバックデバイスを含み、触覚的フィードバック、例えば、振動タイプフィードバックをユーザに提供し、種々の事象(例えば、ボタン押下、適切な使用、特定のセンサフィードバックによる治療セッションの一時停止等)を示す。そのような触覚的フィードバックは、概して、参照番号906によって示される。
デバイス10Aは、鏡の前で使用され、異なるユーザによって、種々の位置に保持される可能性が高いため、汎用可視性を提供する様式において、LED等の視覚的インジケータを設置することは、困難であり得る。したがって、デバイス10Aは、光リング、発光筐体、またはユーザおよびデバイス10Aの広範囲の位置から可視である、他の広域照明デバイス等の1つ以上の「広域」タイプインジケータを含んでもよい。代替として、または加えて、視覚インジケータは、多くの条件下で良好な視認、例えば、眼の周囲を治療するとき、または鏡に向かって治療するとき等、直接可視化および周辺可視化の両方において、皮膚の周囲の発光として見られ得る、例えば、治療ビーム開口の周囲の可視光を提供するために、慎重に設置されてもよい。
デバイス10Aは、任意の好適な様式において、「適切な使用」フィードバックを含み、ユーザに、デバイスを適切に使用しており(例えば、適切な技法を使用して)、デバイスが、適切に動作している(例えば、適切なレーザ出力)ことを示してもよい。例えば、デバイス10は、聴覚的「楽しい音」、LED指示、前述のような直接および広域両方のタイプのインジケータ、触覚的フィードバック906(例えば、振動)、および/または任意の他の好適なフィードバックを提供してもよい。制御システム18は、全センサ26が充足され、レーザパルスが有効になると、そのようなフィードバックを提供してもよい。
デバイス10Aはまた、ペース補助および自動遮断機能性を提供してもよい。所望の顔全体治療は、実質的に、標的面積(例えば、顔)を横断して、均一パターンの治療スポットから成ってもよい。標的面積の均一治療を促進するために、デバイス10Aは、例えば、セッションのための総治療スポットの所定の比が標的面積上に生成された後、ユーザに、標的面積のある領域から別の領域に移動させるべきときを示すフィードバックを提供してもよい。例えば、一実施形態は、300cm2の平均的顔に対して、約10,000個の治療スポットに対応する、36個の治療スポット/cm2を提供する。顔は、4つの四分円から成ると見なされてもよい。10,000個の治療スポットの顔全体治療の場合、2,500個の治療スポットが、均一治療を提供するために、各四分円内に生成されるべきである。したがって、デバイス10Aは、2,500個の治療スポットが生成された後、5,000個の総治療スポットが生成された後、および7,500個の総治療スポットが生成された後、ユーザに、ある四分円から次の四分円への移動を促進するフィードバックを提供してもよい。ユーザは、(例えば、ディスプレイ32を介して、例えば、ユーザマニュアルまたはデバイス10Aによって提供される命令から)各そのようなフィードバックに応じて、四分円毎に移動すべきことを把握してもよい。フィードバックは、聴覚的、視覚的、および/または触覚的フィードバックであってもよい。デバイス10Aは、次いで、完全10,000個の治療スポットの送達後、自動的に、電源が切られてもよい。
いくつかの実施形態では、デバイス10Aは、デバイス10Aのアクティブ化を有効にするために、取り外し可能カートリッジ910または別個のアイテム912との通信を要求してもよい。例えば、局所用溶液の瓶は、デバイス10Aの動作を有効にするために、IDをデバイス10Aに通信するように構成されるRFIDタグ912を含んでもよい。別の実施例として、デバイス10Aは、制限寿命を有する、特殊バッテリを要求してもよく、またはデバイスは、事前に設定された治療数あるいは分または他のパラメータを提供する、ハードウェアカートリッジを有してもよい。さらに他の実施例では、デバイスは、PCモニタ上の可視信号を通したPCモニタあるいはTCP/IPまたは他のプロトコルを通したインターネットのような外部システムとの通信を要求してもよい。局所的消耗品、ハードウェア消耗品、またはこれらのような電子キーは、デバイス使用と関連付けられた経常収益を提供するように構成されてもよい。
いくつかの実施形態では、デバイス10Aは、手持式デバイス10への電気充電器720の誘導結合のためのデバイスを含んでもよい。これは、受台/スタンド式配列730、あるいは治療間の保管のためにハンドピースを置くパッドまたはトレイとして連結されてもよい。そのような構成は、頻繁に再充電するために、デバイス10を手動で差し込む必要性を回避するのに役立ち得る。誘導式充電スタンドまたはパッドでは、壁コンセント充電器の特徴が、充電スタンド730内に組み込まれ、A/C充電電流をデバイス充電回路に誘導的に提供し得る。
図62Aおよび62Bは、ある実施形態による、デバイス10の特定の構成要素の例示的構成を図示する。特に、図62Aおよび62Bは、図34に示されるものに類似する放射線エンジン12、上流光学64、カップ形状の回転式走査要素100B、バッテリ20、および窓44を含む印加端42の例示的配列を図示する。
図63は、ある実施形態による、デバイス10の特定の構成要素の別の例示的構成を図示する。特に、図58は、図33A−33Bに示されるものに類似する放射線エンジン12、上流光学64、カップ形状の回転式走査要素100B、およびデバイスの印加端に近接する随意の下流光学64’の例示的配列を図示する。
図64A−64Dは、ある実施形態による、カップ形状の回転式走査要素100Bを利用する、例示的デバイス10の種々の図を図示する。特に、図64A−64Dは、カップ形状の回転式走査要素100B、図34に示されるものに類似する放射線エンジン12、随意の下流光学64’、バッテリ20、ならびに随意の下流光学64’の周囲に配置される種々のセンサ200、204、および214を含む印加端42の例示的配列を図示する。
図65A−65Dは、ある実施形態による、円盤形状の回転式走査要素100Aを利用する、例示的デバイス10の種々の図を図示する。特に、図65A−65Dは、円盤形状の回転式走査要素100A、図34に示されるものに類似する放射線エンジン12、随意の下流光学64’、バッテリ20、ならびに随意の下流光学64’の周囲に配置される種々のセンサ200、204、および214を含む印加端42の例示的配列を図示する。
図66A−66Bおよび67A−67Bは、種々の実施形態による、図64A−64Dおよび図65A−65Dに示される例示的デバイス10の光学系15の表現を図示する。特に、図66Aおよび66Bは、随意の下流光学64’が省略される実施形態による、図64A−64Dおよび図65A−65Dに示される例示的デバイス10の光学系15を図示する。対照的に、図67Aおよび67Bは、随意の下流光学64’を含む実施形態による、図64A−64Dおよび図65A−65Dに示される例示的デバイス10の光学系15を図示する。
図66Aおよび66Bを参照すると、図66Aは、速軸プロファイルにおける光学系15を示す一方、図66Bは、速軸プロファイルに直交する、遅軸プロファイルにおける光学系15を示す。示されるように、上流光学64は、ビームの速軸プロファイルに影響を及ぼす(収束する)が、ビームの遅軸プロファイルに有意に影響を及ぼさない、ロッドレンズである一方、走査要素100(例えば、要素100Aまたは100B)は、ビームの遅軸プロファイルに影響を及ぼす(収束する)が、速軸プロファイルに有意に影響を及ぼさない。本実施例では、各送達ビーム114は、若干、皮膚40の表面の上方にある、焦点または焦点面を有する。他の実施形態では、各送達ビーム114の焦点または焦点面は、皮膚40の表面と同一平面にあってもよく、または代替として、皮膚40の表面の下方にあってもよい。
次に、図67Aおよび67Bを参照すると、図67Aは、速軸プロファイルにおける光学系15を示す一方、図67Bは、遅軸プロファイルにおける光学系15を示す。示されるように、上流光学64は、ビームの速軸プロファイルに影響を及ぼす(若干、収束または平行化するが、ビームの遅軸プロファイルに有意に影響を及ぼさない、ロッドレンズであって、走査要素100(例えば、要素100Aまたは100B)は、ビームの遅軸プロファイルに影響を及ぼす(収束する)が、速軸プロファイルに有意に影響を及ぼさず、下流光学64’は、ビームの速軸プロファイルをさらに収束させるが、ビームの遅軸プロファイルに有意に影響を及ぼさない、第2のロッドレンズである。前述で論じられる実施例同様に、各送達ビーム114は、若干、皮膚40の表面の上方にある、焦点または焦点面を有する。他の実施形態では、各送達ビーム114の焦点または焦点面は、皮膚40の表面と同一平面であってもよく、または代替として、皮膚40の表面の下方にあってもよい。
いくつかの実施形態では、下流光学64’は、少なくとも50mradのビーム114の発散を提供する。特定の実施形態では、下流光学64’は、少なくとも75mradのビーム114の発散を提供する。具体的実施形態では、下流光学64’は、少なくとも100mradのビーム114の発散を提供する。例えば、下流光学64’は、約100mradのビーム114の発散を提供する、ロッドレンズを備えてもよい。そのような発散は、種々のレベルの固有の眼の安全を提供し得、ビーム発散増加に伴って、眼の安全も増加する。
図68A−68Cは、ある実施形態による、カップ形状の回転式走査要素100Bを利用する、例示的デバイス10の種々の図を図示する。特に、図68Aは、バッテリ20と、ファン34と、放射線エンジン12、上流光学64、カップ形状の回転式走査要素100B、変向鏡65、およびデバイスの印加端42に近接する随意の下流光学64’を含む、放射線生成および送達システムとを含む、デバイス10の内部構成要素の例示的配列を図示する。図68Bは、図68Aの拡大図であって、光学系15および一般的ビーム伝搬方向を示す。最後に、図68Cは、組み立てられたデバイス10を示し、図68Aに示されるアセンブリは、外側筐体24内に含有され、ビーム114は、デバイスの印加端42から送達される状態にあることを示す。
図68Bに示されるように、放射線エンジン12は、放熱板36に搭載され、ダイオードレーザ14を含む、レーザパッケージ250を含む。放射線エンジン12は、図33A−33B、図34、または図35A−35Bに示される配列のいずれかと同様に、あるいは任意の他の好適な様式において、構成されてもよい。示されるように、光学系15は、(a)上流速軸ロッドレンズ64、(b)モータ120によって駆動され、入力ビーム110の伝搬方向に対して非ゼロかつ非90度角度で配列される回転軸を有する、カップ形状の多重セクタ回転式走査要素100B(例えば、図11Aに関して前述のように)、(c)走査要素100Bを回転させることによって、出力ビーム112のアレイ出力を再指向または「変向」させるように構成される、下流平面変向鏡65、ならびに(d)随意の下流速軸ロッドレンズ64’を含む。
例えば、ホイールまたは円盤の形状における、エンコーダ121は、エンコーダホイール121の回転が、要素100Bと同期されたままであるように、回転式走査要素100Bに固定されてもよい。エンコーダホイール121は、走査要素100Bの回転および/または回転位置を検出あるいは監視するために使用されてもよく、その情報は、種々の機能のために、制御システム18によって使用されてもよい。したがって、エンコーダ121は、エンコーダ121の円周または周縁の周囲にいくつかの検出可能特徴を含んでもよい。いくつかの検出可能特徴は、走査要素100Bのセクタの数に等しいまたはその倍数であってもよく、そのようなセクタに対して所望の回転整合において固定されてもよい。したがって、走査要素100Bの回転および/または回転位置に関する情報は、エンコーダ121の検出可能特徴を検出することによって判定または監視されてもよい。
例えば、図56−57に関して前述のように、エンコーダホイール121は、放射線源14から各ビームパルスをトリガするために使用されてもよい。例えば、エンコーダ121が、走査要素100Bの各セクタに対応する1つの検出可能特徴を含む、ある実施形態では、特定の点を通り過ぎる各検出可能特徴の検出が、その検出可能特徴に対応する走査要素100Bのセクタを通して送達されるべき放射線エンジン14からのパルスをトリガするために使用されてもよい。各パルスは、エンコーダ121が回転するにつれて、次の検出可能特徴の検出に応じて、瞬時にトリガされてもよく、あるいは、例えば、図56−57に関して前述のように、次の検出可能特徴の検出後、ある所定または動的に判定された遅延時間後、トリガされてもよい。エンコーダ121はまた、デバイス10の安全特徴のために監視され、例えば、走査要素100Bが回転を停止したと判定される場合、放射線源14を瞬時にオフにしてもよい。
変向鏡65は、デバイス10の所望のサイズ、形状、または形態因子を提供するために、例えば、デバイス10のサイズを縮小し、および/または人間工学的手持式形状を提供するために、出力ビーム112のアレイを再指向または「変向」するために提供されてもよい。図68Cを参照すると、例示的デバイス10は、手によって把持されるように構成される伸長ハンドル部分24Aと、ヘッド部分24Bと、概して、ハンドル部分24Aの伸長方向に垂直方向に、ビーム114を送達するように構成される、光学系15とを含む。さらに、図68Cに示されるように、走査方向は、概して、ハンドル部分24Aの伸長方向と平行に延在する。本構成は、例えば、ビームが、ハンドル部分24Aの伸長方向と同一の方向に、例えば、ユーザインターフェース952−962が位置するデバイスの端部から送達される構成と比較して、ユーザがデバイス10を動作させている間、より快適または人間工学的であり得る。
図69A−69Bおよび70A−70Bは、ある実施形態による、図68A−68Cに示される、例示的デバイス10の光学系15の表現を図示する。特に、図69Aおよび69Bは、随意の下流光学64’が省略される実施形態による、図68A−68Cに示されるデバイス10の光学系15を図示する。対照的に、図70Aおよび70Bは、随意の下流光学64’を含む実施形態による、図68A−68Cに示されるデバイス10の光学系15を図示する。
図69Aおよび69Bを参照すると、図69Aは、速軸プロファイルにおける光学系15を示す一方、図69Bは、速軸プロファイルに直交する、遅軸プロファイルにおける光学系15を示す。示されるように、上流光学64は、ビームの速軸プロファイルに影響を及ぼす(収束する)が、ビームの遅軸プロファイルに有意に影響を及ぼさない、ロッドレンズである一方、走査要素100(例えば、要素100Aまたは100B)は、ビームの遅軸プロファイルに影響を及ぼす(収束する)が、速軸プロファイルに有意に影響を及ぼさない。変向鏡65は、出力ビーム112を再指向するが、それ以外は、影響を及ぼさない、平面鏡であってもよい。本実施例では、各送達ビーム114は、若干、皮膚40の表面の上方にある、焦点または焦点面を有する。他の実施形態では、各送達ビーム114の焦点または焦点面は、皮膚40の表面と同一平面であってもよく、または代替として、皮膚40の表面の下方にあってもよい。
次に、図70Aおよび70Bを参照すると、図70Aは、速軸プロファイルにおける光学系15を示す一方、図70Bは、遅軸プロファイルにおける、光学系15を示す。示されるように、上流光学64は、(若干、収束または平行化する)ビームの速軸プロファイルに影響を及ぼすが、ビームの遅軸プロファイルに有意に影響を及ぼさない、ロッドレンズであって、走査要素100(例えば、要素100Aまたは100B)は、ビームの遅軸プロファイルに影響を及ぼす(収束する)が、速軸プロファイルに有意に影響を及ぼさず、下流光学64’は、ビームの速軸プロファイルをさらに収束させるが、ビームの遅軸プロファイルに有意に影響を及ぼさない、第2のロッドレンズである。再び、変向鏡65は、出力ビーム112を再指向するが、それ以外は、影響を及ぼさない、平面鏡であってもよい。前述で論じられる実施例同様に、各送達ビーム114は、若干、皮膚40の表面の上方にある、焦点または焦点面を有する。他の実施形態では、各送達ビーム114の焦点または焦点面は、皮膚40の表面と同一平面であってもよく、または代替として、皮膚40の表面の下方にあってもよい。
図68Cに戻ると、デバイス10は、デバイス10上の任意の好適な場所に、種々のユーザインターフェース特徴28を含んでもよい。本実施形態では、デバイス10は、使用インジケータ950、電力/モードセレクタ952、選択されたモードインジケータ954、治療完了インジケータ956、バッテリ充電インジケータ958、アラームインジケータ960、およびデバイスロックインジケータ962を含む、ユーザインターフェース特徴950−962を含む。
使用インジケータ950は、デバイス10が、印加端42から放射線を送達しているときを示す、任意のインジケータ(例えば、LED)を備えてもよい。使用インジケータ950は、治療の間、ユーザによって可視である可能性が高い場所において、デバイス10上に位置付けられてもよい。
電力/モードセレクタ952は、デバイス10をオンおよびオフにし、治療セッションのためのデバイス10の動作モードを選択する(例えば、特定の治療モード、電力レベル、「快適レベル」等)ために使用される、任意の好適なインターフェース(例えば、押下可能ボタン、可動スイッチ、容量スイッチ、タッチスクリーン等)であってもよい。例えば、セレクタ952は、押下されると、デバイス10をオンにする、単一瞬時プッシュボタン制御であってもよい。後続押下は、次いで、異なる治療レベルを表示する。例えば、ボタン900の押下は、以下の順序の設定シーケンスを通して進行し得る。
[オフ]→[オン:レベル1動作モード]→[オン:レベル3動作モード]→[オン:高レベル3動作モード]→[オフ] 選択されたモードインジケータ954は、電力/モードセレクタ952を使用して選択されるように、デバイス10の現在選択されている治療動作モード(例えば、特定の治療モード、電力レベル、「快適レベル」等)を示してもよい。一実施形態では、選択されたモードインジケータ954は、3つのLEDを含み、それぞれ、現在選択されている動作モードが、例えば、以下のコードに従って、対応するLEDを点灯することによって、示される得るように、デバイス10の3つの異なる動作モードのうちの1つに対応する。
全3つのLEDがオフ=デバイスオフ;1つのLEDが点灯=レベル1
動作モード;2つのLEDが点灯=レベル2動作
モード;全3つのLEDが点灯=レベル3動作モード
治療完了インジケータ956は、例えば、前述のように、1つ以上の治療セッション区切りに基づいて画定され得る、特定の推奨される治療セッションの正常完了を示すための任意の好適なインターフェースを備える。
バッテリ充電インジケータ958は、デバイス10内に提供されるバッテリ20の充電状態を示してもよい。例えば、インジケータ958は、バッテリ状態を示すための多色LED、例えば、赤色/緑色LEDインジケータであってもよく、緑色は、完全/良好な充電を示し、点滅緑色は、間もなく再充電する必要があることを示し、赤色は、バッテリ枯渇を示し/使用に先立って、再充電しなければならない。別の実施例として、インジケータ958は、バッテリアイコンの対応する比を点灯させることによって、バッテリ20の残り充電の比を示してもよい。
アラームインジケータ960は、デバイス10に関するエラー条件、例えば、任意の制御システム18または電子機器30によって識別されたエラー条件を示すための任意の好適なインターフェースを備えてもよい。例えば、アラームインジケータ960は、異なるエラー条件に対応する異なる色を表示するように構成される、多色LEDを備えてもよい。いくつかの実施形態では、デバイス10はまた、可聴フィードバックを提供し、エラー条件を示してもよい。
デバイスロックインジケータ962は、デバイス10の動作がロックされているかどうかを示す(例えば、チャイルドロック安全特徴)、任意の好適なインターフェースを備えてもよい。いくつかの実施形態では、デバイス10は、1つ以上のユーザインターフェース28との所定のユーザ相互作用によって、ロックおよび/またはロック解除されてもよい。例えば、デバイス10は、ボタンの所定の組み合わせを押下することによって、ロックおよび/またはロック解除されてもよい。別の実施例として、デバイス10は、所定の時間周期によって、1つ以上の所定のボタンを保持することによって、ロックおよび/またはロック解除されてもよく、その時間周期は、視覚的、聴覚的、または触覚的フィードバックによって示されてもよい。例えば、一実施形態では、デバイス10は、以下の様式において、ロックおよび/またはロック解除される。ユーザが、電力/モードボタン952を押下し、保持すると、デバイス10は、各1秒、一連の可聴トーンを発し始める。デバイスは、第4のトーン後、但し、第5のトーン前に、ボタン952を解放することによってロックされることができる。それに応答して、デバイスロックインジケータ962は、照明され、ユーザインターフェース28を含む、デバイス10の動作および使用は、デバイス10のロックが解除されるまで、ロックされる。デバイス10は、デバイスのロックと同様に、電力/モードボタン952を押下および保持し、次いで、4〜5秒の間の周期後、解放することによって、ロック解除されることができる。
前述に加えて、デバイス10は、デバイス10の状態、設定、および/または動作に関して、付加的視覚的、聴覚的、および/または触覚的フィードバックを提供してもよい。例えば、走査システムモータ120が、治療のオン/オフ周期に対応して、オンおよびオフにされる実施形態では、モータ120の回転は、固有の触覚的フィードバック(例えば、微振動)を提供し、ユーザに、デバイスが動作中であることを示してもよい。別の実施例として、デバイス10は、治療セッションの完了時、ならびに治療セッションの所定の部分の完了時、視覚的、聴覚的、および/または触覚的フィードバックを提供するようにプログラムされてもよい。例えば、デバイス10は、治療セッションの各25%後にトーンを発してもよい(例えば、25%完了、50%完了、75%完了、および100%完了を示す)。したがって、例えば、顔全体治療の場合、ユーザは、治療セッションの各25%の間、顔の1つの四分円を治療してもよい。前述のように、治療セッションは、所定の治療セッション区切り、例えば、送達されるビーム114の総数、走査の総数、送達される総エネルギー等によって画定されてもよい。したがって、治療の所定の部分(例えば、25%)は、そのような治療セッション区切りに基づいて、画定されてもよい。例えば、20,000個の総MTZの区切りによって画定された顔全体治療の場合、デバイス10は、各5,000個の送達ビーム114後、トーンを発してもよい。
(動作モード/「快適レベル」)
前述のように、デバイス10は、複数の異なる動作モードに従って、動作するように構成されてもよく、これは、手動で、ユーザによって選択可能である、および/または自動的に、デバイス10の制御システム18によって制御可能であってもよい。動作モードは、例えば、治療モード(例えば、滑動モード対打刻モード)、電力レベル(例えば、低送達エネルギー/MTZ、中間送達エネルギー/MTZ、または高送達エネルギー/MTZ)、「快適レベル」(例えば、快適レベル1、快適レベル2、快適レベル3等)を含んでもよい。デバイス10は、任意の好適な数の選択可能治療モード、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上の選択可能治療モードのために構成されてもよい。
一例示的実施形態では、デバイス10は、以下の表2に従って、3つの選択可能治療レベルを提供するために構成される。
(送達ビームの焦点面)
図71は、ある例示的実施形態による、送達ビーム114の速軸および遅軸ビームプロファイルのグラフおよび断面表現を図示し、皮膚40の表面に対する焦点面(FP)を図示する。例えば、図71は、例えば、図68A−68Cに示される実施形態等、放射線源14として、レーザダイオードを使用し、下流速軸光学(例えば、ロッドレンズ)64’を含む、デバイス10の実施形態に対応し得る。
図71の上側は、速軸光学64’(の下流)を越えた距離の関数として、速軸および遅軸の両方におけるビーム直径を図示するグラフである。図71の下側は、印加端42の外側表面242、速軸光学64’、およびビーム114が皮膚40に送達される、開放陥凹面積244を含む、デバイス10の印加端42の断面表現を示す。印加端42が、皮膚に対して圧接されると、皮膚の部分40Aは、図示されるように、開放陥凹面積244内に圧入し得る。図71の下側はまた、種々の平行平面A−Eを識別しており、平面Aは、光学64’の頂点の平面であって、平面Bは、ビーム114の速軸プロファイルの最小幅または最狭部に対応する平面である。平面Cは、ビーム114の遅軸プロファイルの最小幅または最狭部に対応する平面であって、平面Dは、デバイス10の印加端42の開放陥凹面積244内の皮膚部分40Aの最大貫入に対応する平面であって、平面Eは、印加端42の外側表面242に対応する平面である。
図示される実施例では、下流速軸光学64’、走査要素62、および光学系15の任意の他の光学要素16を含む、デバイス10の光学系15は、各送達ビーム114が、若干、皮膚の表面(すなわち、皮膚の外側)の上方に位置する、焦点または焦点面FPを有するように、それぞれ、速軸および遅軸において、出力ビームを収束させるように構成される。前述のように、各送達ビームの「焦点」または「焦点面」は、最小断面積を有するビームの伝搬軸に垂直な平面として画定される。本実施形態では、焦点面FPは、速軸ビームプロファイル(平面B)の最狭部と遅軸ビームプロファイル(平面C)の最狭部との間にある。
したがって、本実施形態では、ビーム114は、皮膚への入射に応じて、若干発散し、約200−250μm(速軸方向に)×約200−250μm(遅軸方向に)の治療スポットを作成し、これは、例えば、部分治療に好適であり得る。他の実施形態では、デバイス10は、例えば、速軸光学、遅軸光学、光学要素間の距離、光学要素の電力等の詳細を変動させることによって、任意の他の好適な治療スポットサイズおよび/または他の治療スポット形状を提供するように構成されてもよい。
さらに、他の実施形態では、デバイス10は、送達ビーム114の焦点面FPが、例えば、種々のタイプの皮膚科治療に好適であるように、皮膚40の表面にある、または任意の好適な距離だけ、皮膚40の表面を下回るように構成されてもよい。