JP2016189068A5 - - Google Patents
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Description
本発明は宿泊施設の一例であるホテルの部屋の省エネルギー装置に関する。
特許文献1には、カード用スイッチ装置が記載されている。このカード用スイッチ装置は、カードの抜き差しでホテル等の室内(部屋)の照明、エアコン等をオン又はオフするものである。特許文献1の第1図、第2図及び第3図は、特許文献2の実施例形態のカードホルダーの構造と同様である(例えば特許文献2の図5参照)。この種のカード用スイッチ装置は、当業者の間では、「カードホルダー」と称され、部屋内の照明等を点灯・消灯をすることができるのみならず、前記カードを電気錠用のキー(鍵)としても使用することができる「いわゆるカードシステム」として、主にホテルで実用化されている。
しかしならが、「カードホルダー」は、例えばスマホ(登録商標)と称される通信端末をカードの代わりとして利用することができないのみならず、前記カードを前記カードホルダーに差込んだり又は抜き取ったりする手間がかかるという問題点があった。また、いわゆる省エネの観点から改良すべき点もあった。また出願人が提案した上記特許文献2は、宿泊者はカードキー又はICタグのいずれかを選択することができるという利点を有するものの、前記ICタグを利用する場合には紛失しないように、例えば通信端末や身に付ける物に貼り付けたりする必要があった。そこで、このような問題点を解決するために本発明が出現した。
本願発明の主たる目的は、カードをカードホルダーに差込んだり又は抜き取ったりする手間がかかるという欠点を解消すると共に、いわゆる宿泊者の利便性と省エネルギーに寄与することができることである。第2の目的は、宿泊者が部屋にいる場合に、通信端末の電源が切れた場合や通信端末が部屋用制御装置との間で通信圏外になったとしても、そのままスイッチONの状態を維持することができ、一方、「在室」から「不在」になったときは、確実に部屋の電源を切ることができることである。
本発明の宿泊施設の部屋の省エネルギー装置は、宿泊者が泊まる部屋に配備された電気機器に電源を供給するための使用開始スイッチをオン/オフする部屋用制御装置と、この部屋用制御装置との間で近距離通信を行うことができる所持型の通信端末を備え、前記通信端末が、前記部屋用制御装置との間で前記近距離通信が確立した場合、前記部屋用制御装置は前記使用開始スイッチが「オン」の状態になるように制御することを特徴とする。
上記構成に於いて、前記部屋用制御装置は、前記通信端末との間で前記近距離通信が確立しない状態になった場合には、前記使用開始スイッチを「オフ」の状態になるように制御することを特徴とする。また、前記通信端末は宿泊施設側の解錠コード発行部からIDを取得し、該通信端末と前記部屋のドアに設けられた錠前の錠前用制御装置との間でID認証することを特徴とする。
ここでの「通信端末」は、省電力の近距離通信を行うことができると共に通信網を利用することができるスマホ(登録商標)、省電力の近距離通信を行うことができると共にユーザが所持するウェアラブル端末、省電力の近距離通信を行うことができると共にブレードを有する錠前用端末キーが含まれる。
またここで「省電力の近距離通信」の代表例は、Bluetooth(ブルートゥース:登録商標)であり、Bluetooth Low Energy(その略称は「BLE」)は省電力通信を行う規格名である。実施形態の通信端末は、この「BLE」の機能を有するものである。
さらに、ここでの「宿泊施設」には、実施形態のホテルだけではなく、学生寮、職員寮、国、地方公共団体、会社等の従業員用の宿舎など錠前用端末キーを管理する場所の宿が含まれる。
(a)請求項1に記載の発明は、カードをカードホルダーに差込んだり又は抜き取ったりする手間がかかるという欠点を解消すると共に、いわゆる省エネルギーに寄与することができる。また特許文献2の如く、ICダグを通信端末に貼り付けたりする必要はない。
(b)請求項2に記載の発明は、部屋用制御装置は通信端末との間で前記近距離通信が確立しない状態になった場合には、使用開始スイッチを「オフ」の状態になるように制御することから、宿泊者が部屋にいる場合に、通信端末の電源が切れた場合や通信端末が部屋用制御装置との間で通信圏外になったとしても、そのままスイッチONの状態を維持することができ、一方、「在室」から「不在」になったときは、確実に部屋の電源を切ることができる。したがって、前記(a)の効果を達成することができる。
(c)請求項3に記載の発明は、通信端末は宿泊施設側の解錠コード発行部からIDを取得し、該通信端末と部屋のドアに設けられた錠前の錠前用制御装置との間でID認証することから、セキュリティーを保つことができると共に、前記(a)の効果を達成することができる。
(d)その他実施形態如何によっては、セキュリティーを保つことができると共に、宿泊者の利便性が向上する。
(b)請求項2に記載の発明は、部屋用制御装置は通信端末との間で前記近距離通信が確立しない状態になった場合には、使用開始スイッチを「オフ」の状態になるように制御することから、宿泊者が部屋にいる場合に、通信端末の電源が切れた場合や通信端末が部屋用制御装置との間で通信圏外になったとしても、そのままスイッチONの状態を維持することができ、一方、「在室」から「不在」になったときは、確実に部屋の電源を切ることができる。したがって、前記(a)の効果を達成することができる。
(c)請求項3に記載の発明は、通信端末は宿泊施設側の解錠コード発行部からIDを取得し、該通信端末と部屋のドアに設けられた錠前の錠前用制御装置との間でID認証することから、セキュリティーを保つことができると共に、前記(a)の効果を達成することができる。
(d)その他実施形態如何によっては、セキュリティーを保つことができると共に、宿泊者の利便性が向上する。
図1乃至図10は本発明の第1実施形態を示す各説明図、図11及び図12は本発明の第2実施形態を示す各説明図である。
省エネルギー装置の全体構成を示す概略説明図。
通信端末(以下、「端末」とも言う。)の要部を示すブロック図。
錠前用制御装置の要部を示すブロック図。
部屋用制御装置の要部を示すブロック図。
本発明の主要部を漫画的に示すもので、(a)錠前用制御装置とユーザが所持する端末との関係を示す概略説明図、(b)部屋用制御装置とユーザが所持する端末との関係を示す概略説明図。
本発明の利点を漫画的に示すもので、(a)端末の電源が切れた場合でもスイッチONの状態を示す概略説明図、(b)端末が部屋用制御装置との通信圏外でもスイッチONの状態を示す概略説明図。
本発明の利点を漫画的に示すもので、図6の(a)及び(b)のスイッチONの状態を維持することができず、「在室」から「不在」と扱う場合の条件を示す概略説明図。
錠前用制御装置が解錠する場合の処理順序を示すフローチャート。
部屋用制御装置が電気機器に電源を供給する場合の処理順序を示すフローチャート。
部屋用制御装置が電気機器に電源を供給しない場合の処理順序を示すフローチャート。
第2実施形態を示すシステムの全体構成を示す概略説明図。
第2実施形態の所持型の通信端末の要部を示すブロック図。
図1乃至図10は、本発明の第1実施形態の宿泊施設の部屋の省エネルギー装置Xの各説明図である。
(1)全体構成の説明
以下、本発明の実施形態をホテルへの適用を例にして、図面を参照しながら説明する。まず図1において、1はホテルのフロントで、該フロント1の適宜箇所には、宿泊者U(以下、「ユーザ」という。)が泊まる各部屋Rの出入り口の錠前5及び該部屋の電源6を「オン」するための解錠コード(ここでは「ID」という。このIDには使用可能な時間情報が含まれている。)を発行する解錠コード発行部2が設けられている。この解錠コード発行部2は通信網3に接続しており、前記ユーザUが確実に特定している場合には、例えば通信網3を介してユーザUが所持する端末(通信端末)4に予め送信することができる。なお、解錠コード発行部2は、後述する第2実施形態の如く、ブレードを有する錠前用端末キー(電気錠がシリンダ錠を備えている場合、ブレードを前記シリンダ錠の鍵穴に差込んで機械的に解錠をすることができるキー。)をユーザUに手渡すこともできる。
以下、本発明の実施形態をホテルへの適用を例にして、図面を参照しながら説明する。まず図1において、1はホテルのフロントで、該フロント1の適宜箇所には、宿泊者U(以下、「ユーザ」という。)が泊まる各部屋Rの出入り口の錠前5及び該部屋の電源6を「オン」するための解錠コード(ここでは「ID」という。このIDには使用可能な時間情報が含まれている。)を発行する解錠コード発行部2が設けられている。この解錠コード発行部2は通信網3に接続しており、前記ユーザUが確実に特定している場合には、例えば通信網3を介してユーザUが所持する端末(通信端末)4に予め送信することができる。なお、解錠コード発行部2は、後述する第2実施形態の如く、ブレードを有する錠前用端末キー(電気錠がシリンダ錠を備えている場合、ブレードを前記シリンダ錠の鍵穴に差込んで機械的に解錠をすることができるキー。)をユーザUに手渡すこともできる。
また解錠コード発行部2はホテル内の任意場所(たとえば、事務室等)に設置されたセンター処理部7に接続されている。実施形態では、特許文献1や特許文献2の如く「カードキー」ではなく、端末4はユーザUが泊まるホテル側の解錠コード発行部2からIDを取得し、該端末4が錠前用制御装置12の電波圏内(例えばユーザUが泊まる部屋付近)に存在し、かつ該端末4と該錠前用制御装置12との間で無線通信が確立した時、該錠前用制御装置12は前記端末4から前記無線通信で前記IDを取得し、かつ認証処理を行う。
したがって、前記IDは、錠前5がホテルの各部屋Rのドア11の自由端部に取り付けられた、いわゆる電気錠を解錠する鍵情報である場合には、前記錠前用制御装置12は、図3で示すように、「BLE」の機能を有する端末用通信部13、錠制御部14、記憶部15等を有する。
またホテルの各部屋Rの内部の適宜箇所(例えばドア付近の壁やデスク、部屋の床面等)には部屋用制御装置21が設けられ、該部屋用制御装置21は、図4で示すように、使用開始スイッチをONするための電波を受信する「BLE」の端末用通信部22、スイッチ用制御部23、記憶部24等を有する。
次に図2は、端末4の要部を示すブロック図である。図2に於いて、端末4は、例えば「BLE」の機能を有する鍵用電波送受信部31、制御部32、鍵情報を格納した記憶部33、認証部34の他、出力部35、タッチパネル方式のユーザ入力部36、通話・データ通信用送受信部37等を有する。
しかして、周知のように、前記出力部35、制御部32、ユーザ入力部36はそれぞれ、端末4における、出力機能、制御機能(セキュリティロック機能を含む)、ユーザ入力機能を提供する部分である。また前記通話・データ通信用送受信部37は、端末4において、通話やデータ通信などの主要な通信の送受信を行う部分である。
一方、「BLE」の機能を有する鍵用電波送受信部31は、省電力として最適なブルートゥース等の近距離用電波の送受信を行う部分である。端末4は前記鍵用電波送受信部31を利用して錠前用制御装置12と部屋外の電波圏内(部屋Rのドア11の外壁面付近)で省電力の近距離通信を行うことができる。また認証部34は、例えば端末4の唯一の識別情報、ユーザUが所持する或いは身に付けている錠前用端末キー(例えば出願人が近い将来販売予定の「BLE」の機能を有する端末キー)の識別情報、宿泊施設側の解錠コード発行部2から取得したID等が正規のものかどうかについて、記憶部33の唯一の識別情報、ホテルから一時的に取得したID等を使用して認証する部分である。なお、認証部34は、例えば、パスワード認証や生体認証(指紋や声紋等、人体に関する認証)などを行う機能を有する。
次に図3は、錠前用制御装置12の要部を示すブロック図である。図3に於いて、錠前用制御装置12は、前述したように「BLE」の機能を有する端末用通信部13、錠制御部14、記憶部15の他、認証部16等を有し、前記錠制御部14は駆動信号出力部17に駆動信号を出力して電気錠5を解錠乃至施錠する。なお、特に図示しないが、実施形態によっては、前記錠制御部14は駆動信号出力部17を介して扉自動開閉装置を制御する。
しかして、前記端末用通信部13は、端末4から出力されたIDを受信するBLE送受信部13a、前記BLE送受信部で得られた高周波を増幅・検波する増幅・検波部13b、前記増幅・検波部13bにて復調された受信情報を「1」と「0」の所定のコードに変換して出力する1/0変換部13cを有する。また前記錠制御部14は、例えば部屋Rの壁面、その出入り口のドア11、錠箱の内部等のいずれかに配設されている。
また前記記憶部15は、図示しないCPU、ROM及びRAMを有して構成され、ROMにはCPUを制御するためのプログラムと製造番号や端末番号、解錠コード発行部2が発行したIDを特定する登録情報、施・解錠ログ情報等が記憶されている。また前記認証部16は、1/0変換部13cから得られた受信情報(例えばID等)が予め登録されたものか否かを比較・判定し、登録されたものであると判断すると、錠制御部14は電気錠5の解錠及び施錠を制御する。
なお、実施形態によっては、前記錠制御部14は電気錠5の制御と共に、部屋番号、施・解錠ログ情報等を、図示しない信号出力部を介して図1で示すセンター処理部7へ出力する。
次に図4は、部屋用制御装置21の要部を示すブロック図である。図4に於いて、部屋用制御装置21は、前述したように、「BLE」の端末用通信部22、制御部23、記憶部(ID等を格納)24の他、認証部25、計時手段28等が設けられている。そして、該部屋用制御装置21には電灯27a、エアコン27b、テレビジョン27c等の電気機器27が接続している。
しかして、部屋用制御装置21は、端末4が、少なくとも部屋R内に存在し、かつ該端末4と該部屋用制御装置21との間で省電力の近距離通信が確立した場合、該部屋用制御装置21の制御部23は使用開始スイッチ26が「オン」の状態になるように制御する。
したがって、特許文献1や特許文献2の従来技術ではカードホルダーが、そのケースの内部空間の下部に使用開始スイッチとしてのマイクロスイッチを内装し、該マイクロスイッチ等が照明制御部を作動するためのものである点で、本実施形態とは著しく相違する。
付言すると、ユーザUが端末4を所持して電気錠5を解錠した後、部屋Rのドア11を開け、該部屋Rに入り、所定時間(例えば5秒、8秒、10秒、15秒等)内に部屋用制御装置21の電波圏内に入ったならば、該部屋用制御装置21の制御部23は使用開始スイッチ26が「オン」の状態になるように制御する。
したがって、部屋用制御装置21の制御部23は、無線インターフェイスを介して信号を処理する電気素子を有し、必要なCPU、ソフト、記憶部24及び認証部25を含むと共に、さらに、図示しない出力側のリレーを含み、電気素子とは物理的に別個な単数又は複数のマイクロスイッチは含まれない。なお、電気機器27は電源6が適宜に接続している。また特許文献1や特許文献2では、カード挿入口を有するカードホルダーが部屋の出入口付近の室内壁に垂直状態で固定されているが、実施形態は該カードホルダーを積極的に排除するものではなく、該カードホルダーは有っても、なくても良い(本発明の特定要件ではない)。
次に図5乃至図7を参照にして本発明の主要部の処理順序を説明する。図5の(a)は、錠前用制御装置12とユーザUが所持する端末4との関係を示す概略説明図、図5の(b)は、部屋用制御装置21とユーザUが所持する端末4との関係を示す概略説明図である。
図5の(a)に於いて、ユーザUはフロント2からIDをもらって自己の宿泊する部屋(例えば個室)Rに向かう途中である。ユーザUは端末4の記憶部33に前記IDを一時的に格納している。該IDには宿泊可能な条件(日時、時間帯、部屋番号等)が含まれている。部屋用制御装置21の端末用通信部22は、「BLE」の規格の範囲内に電波を流している。図5の(a)では、例えば部屋用制御装置21を床面Fに設置されているものとし、該部屋用制御装置21を中心として略弧状に描かれた範囲が通信圏内(電波圏内)と仮定する。この通信圏内は部屋Rの広さに如何によるが、部屋Rの広く、部屋R内であっても通信圏外の所がある一方、ドア11の外壁面11a付近まで電波が流れているものと仮定する。実施形態ではドア11の外壁面11a付近まで電波が流れるが、その必要はない。つまり、図5の(a)は説明の便宜上のものである。
ユーザUは端末4を所持しながら自分の部屋Rの前記ドア11の外壁面11a付近に至ると、前記端末4は錠前用制御装置12の端末用通信部13のBLE送受信部13aは、「BLE」の規格の範囲内に電波を流しているので、その通信圏内(電波圏内)に入る。その時の処理順序は、例えば後述の図8に示す通りである。電気錠を解錠する処理順序は、本発明の特定事項ではないので、後述する。
図5の(b)は、錠前用制御装置12と端末4の間で通信のやり取りをして電気錠5が解錠し、ドア11を開け、ユーザUが端末4を所持しながら部屋Rに入った所を示す(現在進行形)。そこで、ユーザUが該部屋Rに入り、所定時間(例えば5秒等)内に部屋用制御装置21の電波圏内に入ったならば、該部屋用制御装置21の制御部23は使用開始スイッチ26が「オン」の状態になるように制御し、電灯27aが点灯し、エアコン27b等の使用が可能になる。
以上のように、本発明は、端末4が、少なくとも自分に与えられた部屋R内に存在し、かつ該端末4と前記部屋R内の適宜箇所に配設された部屋用制御装置21との間で省電力の近距離通信が確立した場合、該部屋用制御装置21の制御部23は、その使用開始スイッチ26が「オン」の状態になるように制御するものである。
次に、図6の(a)は、端末4の電源が切れた場合でもスイッチONの状態を示す概略説明図、図6の(b)は、例えばユーザUが比較的広い部屋Rに宿泊することになり、該広い部屋Rに在室中であるものの、自己の端末4を部屋用制御装置21の電波がと届かない通信圏外に置いた場合を示している。このような事態になっても、実施形態では、屋用制御装置21は使用開始スイッチ26のONの状態を維持する。一方、図7は上記図6の(a)及び(b)のスイッチONの状態を維持することができず、「在室」から「不在」と扱う条件を示す。
したがって、部屋用制御装置21は、使用開始スイッチ26が「オン」の状態が成立した後、錠前用制御装置12から錠前5の解錠或いは施錠に関する状態変化信号を取得し、かつ、端末4と該部屋用制御装置21との間で省電力の近距離通信が確立しない状態になった場合には、前記使用開始スイッチ26を「オフ」の状態になるように制御する。
付言すると、「在室」から「不在」と見做す条件を、BLE送受信部31を有する端末4が部屋用制御装置21のBLEの端末用通信部22との間で通信しないこと、及び、錠前用制御装置12の端末用通信部13と端末との通信のやり取りに起因して錠前の施・解錠状態が変化した時、或いは錠前が手動/電動により、「施錠−解錠」や「施錠−解錠−施錠」などに起因して錠前の施・解錠状態が変化した時(いわゆる「AND条件」を充足することにより)、電気機器27に電源6を供給しなくなる。
以上のように、本発明では、実施形態として、部屋用制御装置21は、その使用開始スイッチ26が「オン」の状態が成立した後、錠前用制御装置12から有線又は無線により錠前5の解錠或いは施錠に関する状態変化信号を取得し、かつ、端末4と該部屋用制御装置21との間で省電力の近距離通信が所定時間内に確立しない状態になった場合には、使用開始スイッチ26を「オフ」の状態になるように制御する。
次に図8は、端末4と錠前用制御装置12の間の処理順序を示すフローチャートである。この図8では、図面上方に端末4が存在し、該端末4を所持するユーザUがドア11に接近すると、図面下方の錠前用制御装置12の無線圏内Yに入ることを示す。
まず端末4は、ホテルのフロントに行ったとき、既に電源が入っているものとする。周知のように端末4には電源がONであっても所定時間経過するとスリープの状態になる。また自己の制御部32により、セキュリティロックが掛かっている(ステップS1)。端末4は無断で他人に使用されないように適宜にセキュリティロックが掛かっているので、正規のユーザUは、パスワード、指紋、網膜等の認証により、好きな時にセキュリティロックを解くことができる。
ここでは、正規のユーザUが自己の意思でセキュリティロックを解く前に、端末4はセキュリティロックが掛かっている状態で自己のペア(錠前用制御装置12)を探す(ステップS2)、つまり、通信を開始する(ステップS3)。
端末4と錠前用制御装置12との間で無線(通信)が確立しない場合には、端末4はセキュリティロックのままであり、少なくとも他人はセキュリティロックを解くことができない。そこで、ユーザUは図面下方の宿泊する部屋の扉11の方向へ歩いて行くと、端末4は無線圏内Yに入り、錠前用制御装置12と通信が確立できるに状態になる。端末4は自己のセキュリティロックを自動的に解く(ステップS4)。これにより、端末4は通常の使用状態となる(ステップS5)。
そこで、錠前用制御装置12の質問器と端末4の応答器との間で「呼応」が行われる(ステップS6)。認証の結果、端末4からの応答(ID)が正規の識別情報である場合には認証が成立する(ステップS7)。錠前用制御装置12は電気錠5を解錠する(ステップS8)。なお、図8のフローチャートは本発明の従属的な事項である。
次に図9は、部屋用制御装置21が電気機器27に電源を供給する場合の処理順序を示すフローチャートである。図5の(b)で説明したように、錠前用制御装置12と端末4の間で通信のやり取りをして電気錠5が解錠する(S1)。そこで、ユーザUは部屋のドア11を開け、端末4を所持しながら部屋Rに入る。次に、前記電気錠5が解錠してから所定時間(例えば5秒、10秒等)内に部屋用制御装置21の端末用通信部22の電波圏内Zに前記端末4が入ったか否か判断される(S2)。前記所定時間内に部屋用制御装置21と端末4の間で通信が確立したならば(S3)、端末4から部屋用制御装置21にIDが送信される(S4)。実施形態では、部屋用制御装置21の認証部25は前記IDと記憶部23のIDと比較・認証する(S5)。その結果、認証が成立したならば、部屋用制御装置21の制御部23は使用開始スイッチ26が「ON」の状態になるように制御する(S6)。そこで、電灯27aが点灯し、エアコン27b等の使用が可能になる。
次に図10は、部屋用制御装置21が電気機器27に電源を供給しない場合の処理順序を示すフローチャートである。図9で説明したように、使用開始スイッチ26が「ON」の状態になり、電気機器27に電源を供給中である。実施形態では、図6の(a)と(b)で説明したように「AND条件」を満足しないと、使用開始スイッチ26は「OFF」の状態にはならない。そこで、図10のフローチャートは簡単に示す。
部屋用制御装置21は、使用開始スイッチ26が「オン」の状態が成立した後、部屋用制御装置21は錠前用制御装置12を監視し、錠前用制御装置12から錠前5の解錠或いは施錠についての状態変化信号を取得したか否かを判断する(S11)。
普通一般にユーザUがホテルの部屋Rのドア11を開けて外へ出て行く場合には、例えばドア11の錠前5のサムターン摘みを回して解錠にする場合、ドア11の室内ハンドルを操作してドア11を開け、その後にドア11を閉めると自動的に施錠になる場合等がある。
そこで、部屋用制御装置21は、まず錠前用制御装置12から錠前5の解錠した或いは施錠した信号について、「錠前の状態信号」を取得する(S11)。次に、所定時間内(例えば、20秒、30秒等)内に端末4との通信が不成立になった信号を錠前用制御装置12から取得する(S12)。そこで、部屋用制御装置21は、「AND条件」を満足したので、使用スイッチ27を「OFF」にする(S13)。その結果、電気機器の電灯27aが消灯する。
次に、図11及び図12を参照にして、本発明の第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態の説明に当って、第1実施形態と同一の部分には同一又は同様の符号を付して重複する説明を割愛する。
この第2実施形態が第1実施形態と主に異なる事項は、通信端末(端末)4Aである。図11は第2実施形態を示すシステムX1の全体構成を示す概略説明図であるが、ユーザUが所持する端末は自己が所有する物ではなく、宿泊施設側が所有権を有し、端末としてのブレード42を有する錠前用端末キー4Aは、例えばホテルのフロントでの受付けの際、宿泊施設側が前記ユーザUに手渡す物である。
したがって、第2実施形態では、前記錠前用端末キー4Aが、少なくとも部屋R内に存在し、かつ該錠前用端末キー4Aと部屋用制御装置21との間で省電力の近距離通信が確立した場合、該部屋用制御装置21はその使用開始スイッチ26が「オン」の状態になるように制御する。第2実施形態の説明に必要なフローチャートは、第1実施形態の図9及び図10を援用する。
図12は錠前用端末キー4Aの要部を示すブロック図である。錠前用端末キー4Aは解錠用溝43を有するブレード42に続く摘み状操作部44と、該摘み状操作部に内蔵され、宿泊施設側が付与したID及び前記摘み状操作部の回転操作に基づいて検知部45に検出された最新の施・解錠ログ情報とを記憶する記憶部46と、該記憶部に格納されている情報を処理する制御部47と、この制御部に制御されかつ前記記憶部46に記録されている、少なくとも前記IDを錠前用制御装置12並びに部屋用制御装置21のそれぞれに省電力の近距離無線で自動送信する或いは手動により送信する通信端末用通信部48を有する。
なお、この錠前用端末キー4Aは、出願人が販売中の「checkey、チェッキー(登録商標)」と称する商品を新規に改良したものであることから、スイッチ部材Sを含む施解錠表示機構、施・解錠状態を表示する付加的な窓部49を有する。
付言すると、錠前用端末キー4Aは、鍵としてのブレード42を支持すると共に、スイッチ部材Sを含む施解錠表示機構を有する握り部(摘み状操作部)44を備え、長孔状の窓部49から、例えば色彩(白、橙、文字など)を視認することによって当該錠前用端末キー4Aの現在の情報を知ることができる施・解錠状態の表示鍵である。
錠前用端末キー4Aの電気的構成の説明をする。ここではスイッチ部材Sが作動し、例えば錠前用端末キー4Aが解錠状態になったものと仮定する。この解錠状態は磁石又は可動接片或いは又光電素子等を採用した検知部45によって検出される。つまり、前記スイッチ部材Sは錠前用端末キー4Aの操作信号を物理的に検出するものであるが、前記検知部45は錠前用端末キー4Aの操作信号を電気的に検出する。検知部45によって検出された解錠信号は、最新の施・解錠情報として記憶部46の特定領域に一時的に格納される。前述したように該記憶部46は、錠前用制御装置12並びに部屋用制御装置21のそれぞれに送信するIDを有している。
そこで、制御部47は、前記錠前用制御装置12並びに部屋用制御装置21のそれぞれの電波圏内で通信が可能になると、例えば直ちに又は所定時間経過後のいずれかに前記識別IDを通信端末用通信部48に自動送信するように指示する。つまり、錠前用制御装置12に対して解錠情報等を送信するようにとの動作指示コマンドを与える。したがって、通信端末用通信部48は動作指示コマンドを受けると、錠前用制御装置12に対してID(解錠するために必要な情報)を送信する。
またユーザUが部屋Rに入ると、部屋用制御装置21に使用スイッチ27をONにするためにIDを送信する。このように構成しても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
ところで、上記第2実施形態に於いて、第1実施形態の所持型の通信端末4をさらに加味し、該通信端末4は宿泊施設側の解錠コード発行部2からIDを取得し、該通信端末4が錠前用制御装置12の電波圏内に存在し、かつ該通信端末4と該錠前用制御装置12との間で省電力の近距離通信が確立した時、該錠前用制御装置12は前記通信端末4から前記近距離通信で前記IDを取得するように構成しても良い。このように構成すると、ユーザUは、両方の端末4、4Aを任意に利用することができるので、さらに利便性が向上する。
本発明は、宿泊施設の部屋の省エネルギー装置として利用することができる。
X、X1…宿泊施設の部屋の省エネルギー装置、
Y…錠前用制御装置と端末との通信範囲(第1の圏内)、
Z…部屋用制御装置と端末との通信範囲(第2の圏内)、
R…部屋、
U…宿泊者(ユーザ)、
1…フロント、2…解錠コード発行部、
4、4A…所持型の通信端末(端末)、
5…錠前(電気錠、
6…電源、
11…部屋のドア、
12…錠前用制御装置、
13…「BLE」の機能を有する端末用通信部、
14…錠制御部、
15…記憶部、
16…認証部、
17…駆動信号出力部、
21…部屋用制御装置、
22…「BLE」の端末用通信部、
23…制御部、
24…記憶部(ID等を格納)、
25…認証部、
26…使用開始スイッチ、
27…電気機器、28…計時手段。
Y…錠前用制御装置と端末との通信範囲(第1の圏内)、
Z…部屋用制御装置と端末との通信範囲(第2の圏内)、
R…部屋、
U…宿泊者(ユーザ)、
1…フロント、2…解錠コード発行部、
4、4A…所持型の通信端末(端末)、
5…錠前(電気錠、
6…電源、
11…部屋のドア、
12…錠前用制御装置、
13…「BLE」の機能を有する端末用通信部、
14…錠制御部、
15…記憶部、
16…認証部、
17…駆動信号出力部、
21…部屋用制御装置、
22…「BLE」の端末用通信部、
23…制御部、
24…記憶部(ID等を格納)、
25…認証部、
26…使用開始スイッチ、
27…電気機器、28…計時手段。
Claims (3)
- 宿泊者が泊まる部屋に配備された電気機器に電源を供給するための使用開始スイッチをオン/オフする部屋用制御装置と、この部屋用制御装置との間で近距離通信を行うことができる所持型の通信端末を備え、
前記通信端末が、前記部屋用制御装置との間で前記近距離通信が確立した場合、前記部屋用制御装置は前記使用開始スイッチが「オン」の状態になるように制御する宿泊施設の部屋の省エネルギー装置。 - 請求項1の宿泊施設の部屋の省エネルギー装置に於いて、前記部屋用制御装置は、前記通信端末との間で前記近距離通信が確立しない状態になった場合には、前記使用開始スイッチを「オフ」の状態になるように制御することを特徴とする宿泊施設の部屋の省エネルギー装置。
- 請求項1の宿泊施設の部屋の省エネルギー装置に於いて、前記通信端末は宿泊施設側の解錠コード発行部からIDを取得し、該通信端末と前記部屋のドアに設けられた錠前の錠前用制御装置との間でID認証することを特徴とする宿泊施設の部屋の省エネルギー装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (2)
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Family
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Family Applications (1)
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-
2015
- 2015-03-30 JP JP2015068251A patent/JP2016189068A/ja active Pending
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