JP2016173008A - 建物の採光構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物全体で自然エネルギーである日射光を可視光としてできる限り建物全体で利用することができると共に、建物内の非光透過性部材(床・壁等)における日射光の吸収による温度上昇を抑制して冷房負荷を低減し、従来構造と比較して更なる省エネルギー化を実現することができる採光構造を提供する。【解決手段】採光構造1は、複数階のうちの所定階Aに設けられた窓51Aの近傍に配置され、且つ所定階Aにおける床52Aの一部を構成する光透過性板材11と、該光透過性板材の下方に空間12を介して対向配置され、所定階Aの直下階A’における天井53A’の一部を構成する光透過性板材13とを備える。所定階Aの窓51Aから入射した可視光は、光透過性材料11、空間12及び光透過性板材13をこの順に透過して直下階A’に入射する。【選択図】図1

Description

本発明は、建物の採光構造に関し、特にオフィスビル、工場、商業施設、病院などの建物に適用される採光構造に関する。
これまで、CO排出量の増大に伴う地球温暖化や天災地変に起因する電力逼迫への対策を講じる必要性が年々高まってきていることから、建物における化石燃料などの従来エネルギーの使用の合理化やエネルギー管理、また、上記従来エネルギーに代わる新たなエネルギーの導入が積極的に進められている。
例えば、建物での省エネルギー化を図るべく、建物自体の熱損失を防止するための対策や、建物内の照明、空調設備、電気・電子機器においてエネルギーを効率的に利用するための対策が検討・実施されている。具体的には、建物の外壁(躯体)に熱線反射ガラス・Low−Eガラスなどの複合ガラス材料を使用したり、屋上を緑化することによって、建物の断熱性能を向上させ、また、昼間の自然光を取り入れて人工照明の比率を低減したり、電力需要ピークの生じ易い夏場に自然風を取り入れて冷房を行うことにより、電気エネルギー利用の効率化、自然エネルギーの利用などが行われている。
このうち、Low−Eガラスはガラス表面を酸化スズや銀などの金属膜でコーティングした複層ガラスであり、可視光線での高透過率と赤外線域での低透過率を有する部材である。このため、通常のガラスと同等の自然光を建物内に取り入れることができ、かつ、高断熱作用によって、建物全体の断熱性能を高めることが可能となっている。
オフィスビルの自然採光については、例えば図7に示すような採光システムが提案されている。この採光システム100は、建物101の奥部に存する照射ポイントPに光を導くための複数の採光路102で構成されている。各採光路102は、建物の表面に開口する一つの採光口102aと、建物101の床構造に形成した複数の透光口102bとを、照射ポイントPを通る一つの直線の上に配置させてなる。これにより、採光路102を介して太陽光を直進光として建物内に取り入れることができ、太陽の高さの変化から季節感を感じることができると共に、反射によるエネルギー損失が少ないため良好なエネルギー効率を実現することが可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−48956号公報
しかしながら、上記Low−Eガラスなどの複合ガラス材料を外壁の窓に設ける場合、窓を透過した可視光を窓の近傍領域で利用することはできても、その後可視光は建物内の床や壁等で吸収されるため、天候や季節の変動などによっては、建物の奥側に殆ど到達せず、建物の内部領域で当該可視光を利用することが困難である。また、外壁の窓を透過した可視光は、建物内の床等の非光透過性部材に吸収されると床等の温度が上昇し、これに伴って建物内の空気温度が上昇し、その温度上昇分の冷房負荷が生じる。
また、上記のような採光システムでは、建物の表面に設けられた小孔(採光口)を設けて太陽光を建物内に取り入れるので、光路が小孔からずれた場合には建物内部に太陽光が入射せず、また、季節の移り変わりの時期には太陽光が建物内に入射しない場合があり、照明として十分な光量の可視光を建物内で利用できるとは言えない。
本発明の目的は、建物全体で自然エネルギーである日射光を可視光としてできる限り利用すると共に、建物内の非光透過性部材(床・壁等)における日射光の吸収による温度上昇を抑制して冷房負荷を低減し、従来構造と比較して更なる省エネルギー化を実現することができる採光構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の建物の採光構造は、複数階を有する建物に設けられた窓から採光することにより、該建物内で日射光を建物内非光透過性部材で吸収させることなくできるだけ可視光として使用する建物の採光構造であって、所定階に設けられた窓の近傍に配置され、且つ前記所定階における床の少なくとも一部を構成する第1光透過性板材と、前記第1光透過性板材の下方に対向して配置され、前記所定階の直下階における天井の少なくとも一部を構成する第2光透過性板材とを備え、前記所定階の窓から入射された可視光が、前記第1光透過性板材及び前記第2光透過性板材を透過して、前記直下階に入射することを特徴とする。
また、前記床の他の部分を構成する躯体と前記窓が設けられた外壁との間に、前記所定階と前記直下階とを連通する貫通部が設けられ、前記貫通部の上側開口に前記第1光透過性板材が配置されると共に、前記貫通部の下側開口に前記第2光透過性板材が配置され、前記第1光透過性板材と前記第2光透過性板材との間に空間が形成されてもよい。
また、前記第2光透過性板材が、前記第1光透過性板材に対して前記建物の内側に傾斜して配置されてもよい。
更に、前記第1光透過性板材及び前記第2光透過性板材の少なくとも一方が、光拡散材料からなるものであってもよい。
また、前記第1光透過性板材及び前記第2可視光透過性板材が、それぞれガラスを主成分とする材料、樹脂を主成分とする材料及びこれらの複合材のいずれかからなる。
また、前記第1光透過性板材及び前記第2光透過性板材は、前記建物のペリメータゾーンに配置されるのが好ましい。このとき、前記ペリメータゾーンは、前記建物の壁から2.0m〜5.5mの範囲内の直達日射光が入射する空間領域である。
更に、前記所定階の内部に設置される壁部が、他の光透過性板材もしくは光透過拡散材料からなるのが好ましい。
更に、前記所定階の床の一部を構成する躯体の上面側に第1光反射層が設けられ、前記所定階の天井の一部を構成する躯体の下面側に第2反射層が設けられるのが好ましい。
本発明によれば、所定階の窓から入射した可視光が、第1光透過性材料及び第2光透過性板材をこの順に透過して直下階に入射するので、該直下階にて当該可視光を照明として利用することができる。また、可視光は通常、建物に対して傾斜して窓から入射するため、直下階にて当該可視光を建物の内部領域に到達させることができる。そして、このような採光構造を各階に設けることにより、上層階の窓から入射した可視光を、複数の採光構造を透過して下層階に入射させることができ、建物全体で可視光を有効利用することができる。また、窓から入射した可視光が第1,第2光透過性板材に吸収されないため、これら板材での吸収による温度上昇を抑制することができ、コンクリート製等の床と比較して、建物内での空気温度上昇を抑制することができ、冷房負荷を低減することができる。
また、第2光透過性板材を、第1光透過性板材に対して建物の内側に傾斜して配置し、かつ、第2光透過性板材を光拡散材料とすれば、第2光透過性板材から放射する可視光が拡散透過光となり、直下階の四方に向かって一様に放射されるので、奥側領域も含めた当該直下階におけるいずれの位置でも、ほぼ均一な可視光強度を得ることが可能となる。
特に、上記採光構造をオフィスビルのペリメータゾーンに配置することにより、ペリメータゾーンのみならず、その内側のインテリアゾーンにも可視光を導くことが可能となり、また、ペリメータゾーンの吸収による部材の温度上昇を抑制することができ、オフィスビル全体での更なる省エネルギー化を実現することができる。
本発明の実施形態に係る採光構造の構成を概略的に示す断面図である。 図1における光透過性板材の変形例を示す断面図である。 図1における光透過性板材の他の変形例を示す断面図である。 図1の採光構造が適用される建物の領域の一例を説明する斜視図である。 図1の採光構造をオフィスビル全体に適用した場合の光路を示す断面図である。 図1の採光構造をオフィスビル全体に適用した場合の変形例における光路を示す断面図である。 従来の建物の採光構造を説明するための断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る建物の採光構造の構成を概略的に示す断面図である。本実施形態では、本発明の採光構造を、複数階を有するオフィスビルに適用した場合を説明する。なお、図1の採光構造はその一例を示すものであり、本発明に係る採光構造の構成は、図1のものに限られないものとする。
本実施形態の採光構造1は、オフィスビル50に設けられた窓から採光することにより、該オフィスビル内で昼光を吸収させずできるだけ透過させて可視光として使用する採光構造である。具体的には、採光構造1は、複数階のうちの所定階Aに設けられた窓51Aの近傍に配置され、且つ所定階Aにおける床52Aの一部を構成する光透過性板材11(第1光透過性板材)と、該光透過性板材の下方に空間12を介して対向配置され、所定階Aの直下階A’における天井53A’の一部を構成する光透過性板材13(第2光透過性板材)とを備える。
この採光構造1が適用される躯体構造には、床52Aの他の部分を構成する躯体14と窓が設けられた外壁15との間に、所定階Aと直下階A’とを連通する貫通部16が設けられている。そして、貫通部16の上側開口16aに光透過性板材11が配置されると共に、貫通部16の下側開口16bに光透過性板材13が配置され、光透過性板材11,13の間に空間12が形成される。すなわち、通常のオフィスビルでは、所定階の床全体がコンクリートなどの不透明な躯体によって形成されるが、本実施形態では床全体を躯体で形成せず、その床面積の一部領域に、光透過性板材11、空間12及び光透過性板材13からなる積層構造を配置して、所定階Aと直下階A’とを物理的・熱的に遮断しつつ、可視光のみを透過する構成としている。
光透過性板材11は、可視光(波長約380nm〜780nm)での高透過率を有する板材であり、所定階Aの内部空間Bから入射される可視光が光透過性板材11を透過して空間12に入射する。光透過性板材11は、ガラスを主成分とする材料、樹脂を主成分とする材料及びこれらの複合材のうちのいずれかからなる。上記ガラスの主成分となるSiO、B、Al等は、可視光を吸収しないため、透明性が高く、また、吸収による温度上昇を防止できる点で好適である。光透過性板材11の主成分がガラスである場合、可視光透過性に加えて機械的強度を考慮して、合わせガラス、強化ガラス、合わせ強化ガラスなどの床ガラスを用いることができる。また、光透過性板材11の主成分が樹脂である場合、ポリカーボネート樹脂(PC)、アクリル樹脂などからなる板材を用いることができる。
光透過性板材13は、可視光の高透過率を有する板材であり、空間12から入射される可視光が、光透過性板材13を透過して、正透過光Yとして直下階A’の内部空間B’に入射する。光透過性板材13は、光透過性板材11と同様、ガラスを主成分とする材料、樹脂を主成分とする材料及びこれらの複合材のうちのいずれかとすることができる。
光透過性板材13は、可視光での高透過率を有するものあれば、正透過光以外の透過光を直下階A’の内部空間B’に放射させるものであってもよい。例えば、図2に示すように、光透過性板材23が、光拡散材料からなるものであってもよい。光拡散材料とは、例えばガラスや樹脂を主成分とし、当該主成分と異なる屈折率を有する微粒子を内部に分散配置させてなる材料である。この場合、光透過性板材23に入射した可視光が複数の微粒子界面で反射し、光透過性板材23を透過した可視光が、拡散透過光Y’となって直下階A’の内部空間B’に入射する。この結果、拡散透過光Y’が直下階A’の四方に向かって一様に放射されるので、正透過光Yの場合と比較して、当該直下階におけるいずれの位置でも、ほぼ均一な可視光強度を得ることが可能となる。また、光透過性板材13と同様、光透過性板材11が光拡散材料からなるものであってもよい。
空間12は、光透過性板材11の下面11a、躯体14の側面14a、及び光透過性板材13の上面13aによって画定される空気層である。この空間12に面する側面14aには、可視光のほぼ全てを反射(正反射)する鏡面材17が設けられている。鏡面材17は、シート状あるいは膜状の部材であり、ガラス、樹脂あるいは金属の単体、又は表面に上記材料からなる層を有する積層体である。鏡面材17が金属からなる場合、反射率の観点からステンレス、アルミニウム、銀等が好ましい。
次に、上記のように構成される採光構造1での可視光の伝搬を、光透過性板材11に透明床ガラス、光透過性板材13に光拡散板ガラスを用いた場合を例に挙げて説明する。なお、日射光(太陽光)は、紫外光、可視光、赤外光などの複数の波長領域の光を含むが、説明の便宜上、可視光のみに着目して説明する。また、実際には異なる2媒質の境界面で屈折が生じるが、その記載を省略する。
先ず、外部からオフィスビル50に照射される可視光は、外壁15に設けられた所定階Aの窓51Aを透過し、オフィスビル50の内部空間Bに入射する。日射光に含まれる可視光を100%とした場合、窓51で約8%が反射され、約90%がオフィスビル50内に入射する。その後ビル内に入射した可視光は、光透過性板材11で約7%が反射すると共に(正反射光X)、約81%が透過し、その透過光が空間12を介して光透過性板材13に到達する。このとき、空間12内に入射した可視光のうち、鏡面材17に到達した可視光は、当該鏡面材で正反射するため、躯体14には吸収されない。その後、光透過性板材13に入射した可視光は、当該光透過性板材で約20%が反射すると共に約57%が透過して透過光(正透過光Y)となり、直下階A’の内部空間B’に到達する。なお実際には光透過性板材13の上面での正反射光や、光透過性板材11,13の内部反射光が生じているが、本実施形態では図示しない。
可視光の上記伝搬により、直下階A’の内部空間B’には、正反射光X(約7%)と正透過光Y(約57%)の双方が到達し、日射光に含まれる可視光(100%)のうち、少なくとも約64%の可視光が利用可能となる。一方、通常のオフィスビルの場合、日射光の可視光のうち、約90%の可視光がオフィスビル50内に入射する点は上記と同様であるが、その後、当該可視光は、コンクリート床で約27%が反射し、約63%が吸収されて床温度が上昇する。よって、通常のオフィスビルにおいて所定階の内部空間で利用可能な可視光は、僅か27%となる。また、上記約63%の可視光に相当する熱エネルギーが発生し、内部空気の温度が上昇するため、当該温度上昇分の冷房負荷が生じる。本採光構造1によれば、可視光の利用比率は、通常のコンクリート床での採光構造に対して約2.3倍(64%/27%)となることから、可視光の利用比率を大幅に増大できることが分かる。
このように、本実施形態によれば、所定階Aの窓51Aから入射した可視光が、光透過性材料11、空間12及び光透過性板材13をこの順に透過して直下階A’に入射するので、直下階A’にて当該可視光を照明として利用することができる。また、可視光は通常、オフィスビル50に対して傾斜して窓51Aから入光するため、直下階A’にて当該可視光をオフィスビル50の内部領域に到達させることができる。そして、このような採光構造1を各階に設けることにより、上層階の窓から入射した可視光を、複数の採光構造を透過して下層階に入射させることができ、建物全体で可視光を有効利用することができる。また、窓から入射した可視光が光透過性板材11,13にほとんど吸収されないため、これら板材での吸収による温度上昇を抑制することができ、コンクリート等の床と比較して、オフィスビル50内での空気温度上昇を抑制することができ、冷房負荷を低減することができる。
図3は、図1の光透過性板材13の変形例を示す図である。図1の光透過性板材13は、鉛直方向断面視において光透過性板材11と略平行に配置されるが、図3に示すように、天井53A’の一部を構成する光拡散性を有する光透過性板材33が、光透過性板材11に対して、オフィスビル50の内側に所定角度αで傾斜して配置されてもよい。光透過性板材11は、通常略水平に配置されるため、所定角度αは水平方向に対する俯角である。このとき、光透過性板材11と光透過性板材33との間に空間32が形成されており、可視光は、光透過性板材11、空間32、光透過性板材33を介して内部空間B’に入射する。このとき、所定角度αの傾きに伴って、拡散透過光Y”が正透過光Yよりも水平方向に対して鋭角に放射する。本構成により、光透過性板材33から放射する可視光が拡散透過光となり、直下階の四方に向かって一様に放射されるので、奥側領域も含めた当該直下階におけるいずれの位置でも、ほぼ均一な可視光強度を得ることができる。
図4は、図1の採光構造1が適用される領域の一例を説明する斜視図である。同図に示すように、建物全体の容積は、外光や外気などの外部環境の影響が大きい外周空間Z1と、外部環境の影響が小さい内部空間Z2とに大別することができる。外周空間Z1はペリメータゾーン、内部空間Z2はインテリアゾーンとも呼ばれる。ペリメータゾーンは、建物の大きさにも因るが、建物の壁から2.0m〜5.5mの範囲内の直達日射光が入射する空間領域をいう。この外周空間Z1を、東西南北の各方位に対応する南領域Z1south、北領域Z1north、東領域Z1east及び西領域Z1westに区分けし、本発明の採光構造1を、上記4つの領域の一部又は全部に適用することができる。
このように、図1の採光構造1をペリメータゾーンに配置することにより、当該ペリメータゾーンのみならず、その内側のインテリアゾーンにも可視光を導くことが可能となり、また、ペリメータゾーンの非光透過性部材で吸収される可視光による温度上昇が抑制される。したがって、オフィスビル全体での更なる省エネルギー化を実現することができる。
図5は、図1の採光構造1をオフィスビル50全体に適用した場合の光路を示す断面図である。なお、図5の各階に設けられる採光構造は基本的に同じであるので、説明の便宜上、図1と同一の構成には同一符号を付して説明する。
同図において、採光構造1は、オフィスビル50の外周空間Z1(南領域Z1south及び北領域Z1north)に設けられている。また、オフィスビル50の内部空間Z2においては、所定階の床52の一部を構成する躯体14の上面側に光拡散反射層52a(第1光反射層)が設けられ、当該所定階の天井53の一部を構成する躯体14の下面側に光拡散反射層53a(第2光反射層)がそれぞれ設けられている。光拡散反射層52aは、例えば板材からなり、直接あるいは他の板材を介して躯体14に布設される。光拡散反射層53aは、例えば板材からなり、躯体14から直接吊設されるか、あるいは天井ボードと共に躯体14から吊設される。光拡散反射層52a,53aは、高反射率の材料でかつ、できるだけ可視光を拡散反射する層が望ましい。また、各階のフロアに設置される間仕切りなどの壁部54は、光透過性板材で形成されており、壁部54を光透過性板材11と同じ材料で形成することができる。また、壁部54は光透過拡散材料からなるものであってもよい。
このオフィスビル50では、日射光(昼光)の可視光は、南側(図中S側)の外壁15に設けられた所定階の窓51から南領域Z1southに入射し、更に、採光構造1を透過して、下層階(例えば直下階)の南領域Z1southに入射する。その後、可視光は内部空間Z2に入射し、下層階の床52に設けられた光拡散反射層52aで拡散反射する。その後、光路に壁部54が配置されている場合には壁部54を透過して、可視光は天井53に設けられた光拡散反射層53aで反射する。以後、可視光は光拡散反射層52a,53aでの拡散反射及び壁部54での透過を繰り返して、当該下層階の北領域Z1northに到達する。北領域Z1northに入射した可視光は、採光構造1を透過して、上層階の北領域Z1northに入射し、北側(図中N側)の外壁55に設けられた窓56からオフィスビル50の外部に放射される。このように、可視光を南領域Z1southの採光構造1を介して入射させ、その後北領域Z1northの採光構造1を介して外界に放射させることにより、オフィスビル50の各階での可視光吸収を抑制することができ、オフィスビル全体で、非光透過性部材の可視光吸収による温度上昇を抑制することが可能となる。なお、図中の拡散反射は複雑な図になるため、1本の反射光で示している。
また、本実施形態の採光構造を、図6のような構成でオフィスビルに適用することもできる。図5では採光構造1を外周空間Z1に配置したが、図6では、採光構造が外周空間Z1及び内部空間Z2の双方、すなわち各階の床全体に適用される。
具体的には、オフィスビル60において、採光構造1’は、所定階に設けられた窓51の近傍に配置され、且つ所定階における床52の全部を構成する光透過性板材11’と、該光透過性板材の下方に空間12’を介して対向配置され、当該所定階の直下階における天井53の全部を構成する光透過性板材13’とを備えている。光透過性板材11’,13’の少なくとも一方は光拡散性材料からなり、光透過性板材23と同じ材料で形成することができる。また、各階のフロアに設置される間仕切りなどの壁部54は、図5のオフィスビルと同様、光透過性板材で形成されている。すなわち、図6のオフィスビル60の内部に設置された床、天井及び壁部の全てが、光透過性材料(一部光拡散性を有していてもよい)で形成されている。
このオフィスビル60では、例えば、可視光Lは、南側(図中S側)の外壁15に設けられた4階の窓51Aから南領域Z1southに入射し、採光構造1’を透過して、3階の南領域Z1southに入射する。その後、可視光Lは内部空間Z2に入射し、更に、3階の採光構造1’及び2階の採光構造1’(光路によっては、壁部54)での透過を繰り返して、地面Gに到達する。そして、当該可視光は地面Gに設置された光拡散反射層52aで反射し、1階の北領域Z1northに到達する。北領域Z1northに入射した可視光Lは、2階の採光構造1’を下方から上方に透過して、2階の北領域Z1northに入射し、北側(図中N側)の2階の外壁55に設けられた窓56からオフィスビル60の外部に放射される。また、1〜3階の各階の窓51から入射した可視光も、上記と同様にして窓56から外界に放射される。このように、可視光Lを、1階を除く各階の床全体に設けられた採光構造1’を透過させて外界に放射させることにより、オフィスビル60の各階での可視光吸収を更に抑制することができ、オフィスビル全体で、非光透過性部材の可視光吸収による温度上昇を格段に抑制することが可能となる。なお、図中の拡散反射は複雑な図になるため、1本の反射光で示している。
以上、上記実施形態に係る建物の採光構造について述べたが、本発明は記述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
また、本実施形態では採光構造をオフィスビルに適用しているが、これに限らず、工場、商業施設、病院など、複数階を有する建物に適用してもよい。また、都市計画地域など、所定地域に建設される複数の建物全体に本発明の採光構造を適用することにより、当該地域全体での電気、ガス等の従来エネルギーの消費を抑制し、地域全体の省エネルギー化を図ることが可能となる。
1 採光構造
1’ 採光構造
11 光透過性板材
11a 下面
11’ 光透過性板材
12’ 空間
12 空間
13’ 光透過性板材
13 光透過性板材
13a 上面
14 躯体
14a 側面
15 外壁
16 貫通部
16a 上側開口
16b 下側開口
17 鏡面材
23 光透過性板材
32 空間
33 光透過性板材
50 オフィスビル
51 窓
51A 窓
52 床
52A 床
52a 光拡散反射層
53 天井
53A’ 天井
53a 光拡散反射層
54 壁部
55 外壁
56 窓
60 オフィスビル
A 所定階
A’ 直下階
B 内部空間
B’ 内部空間
G 地面
L 可視光
Y’ 拡散透過光
Y 正透過光
Y” 拡散透過光
Z1 外周空間
Z2 内部空間
Z1south 南領域
Z1north 北領域
Z1east 東領域
Z1west 西領域

Claims (9)

  1. 複数階を有する建物に設けられた窓から採光することにより、該建物内で日射光を可視光として使用する建物の採光構造であって、
    所定階に設けられた窓の近傍に配置され、且つ前記所定階における床の少なくとも一部を構成する第1光透過性板材と、
    前記第1光透過性板材の下方に対向して配置され、前記所定階の直下階における天井の少なくとも一部を構成する第2光透過性板材と、を備え、
    前記所定階の窓から入射された可視光が、前記第1光透過性板材及び前記第2光透過性板材を透過して、前記直下階に入射することを特徴とする建物の採光構造。
  2. 前記床の他の部分を構成する躯体と前記窓が設けられた外壁との間に、前記所定階と前記直下階とを連通する貫通部が設けられ、
    前記貫通部の上側開口に前記第1光透過性板材が配置されると共に、前記貫通部の下側開口に前記第2光透過性板材が配置され、
    前記第1光透過性板材と前記第2光透過性板材との間に空間が形成されることを特徴とする、請求項1記載の採光構造。
  3. 前記第2光透過性板材が、前記第1光透過性板材に対して前記建物の内側に傾斜して配置されることを特徴とする、請求項1又は2記載の建物の採光構造。
  4. 前記第1光透過性板材及び前記第2光透過性板材の少なくとも一方が、光拡散材料からなることを特徴とする、請求項1記載の建物の採光構造。
  5. 前記第1光透過性板材及び前記第2可視光透過性板材が、それぞれガラスを主成分とする材料、樹脂を主成分とする材料及びこれらの複合材のいずれかからなることを特徴とする、請求項1記載の建物の採光構造。
  6. 前記第1光透過性板材及び前記第2光透過性板材は、前記建物のペリメータゾーンに配置されることを特徴とする、請求項1記載の建物の採光構造。
  7. 前記ペリメータゾーンは、前記建物の壁から2.0m〜5.5mの範囲内の空間領域であることを特徴とする、請求項4記載の建物の採光構造。
  8. 前記所定階の内部に設置される壁部が、他の光透過性板材もしくは光透過拡散材料からなることを特徴とする、請求項1記載の建物の採光構造。
  9. 前記所定階の床の一部を構成する躯体の上面側に第1光反射層が設けられ、前記所定階の天井の一部を構成する躯体の下面側に第2反射層が設けられることを特徴とする、請求項1記載の建物の採光構造。
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