JP2016171936A - 感覚異常検出装置、感覚異常検出システム、感覚異常検出装置の制御方法およびプログラム - Google Patents

感覚異常検出装置、感覚異常検出システム、感覚異常検出装置の制御方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザが日常生活の中で感覚の異常の可能性に気づかせる。
【解決手段】感覚異常検出装置(4)は、ある対象物に対するユーザの感覚の程度を示す主観値と、上記対象物がヒトの感覚に及ぼす客観的な程度を示す客観値とを取得するデータ受付け部(411)と、取得した主観値と、取得した客観値に近似した、過去に取得した客観値に対応した主観値とが、乖離しているか否かを判定する異常判定部(414)を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ユーザの感覚の異常を判定する感覚異常検出装置に関する。
ヒトの感覚として、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚があり、それぞれの感覚に対する検査方法が確立されている。例えば、視覚であれば視力を測る視力検査装置を用いる検査、光覚異常検査などが挙げられる。また、聴覚であればオージオグラムを用いた検査方法、触覚であれば知覚検査、嗅覚であれば基準嗅覚検査、味覚であれば電気味覚検査や濾紙ディスク法を用いた検査方法などが知られている。
いずれの検査方法も、患者が日常生活において何らかの違和感を覚え、医療機関を受診し、医師によって感覚器の異常が疑われた場合に行われる検査である。
一方、特許文献1には、ユーザが健康管理を行うための健康管理システムが開示されている。上記健康管理システムは、ユーザの音声データを分析した健康度と、ユーザが健康状態を主観的に申告した結果とをユーザに認識させる。
また、非特許文献1には、ヒトが味を感じる仕組みをまねて、味覚の強弱を数値化できる味認識装置について記載されている。
特開2003−263503号公報(2003年9月19日公開)
田中 大貴、""味の見える化"は食品業界を根底から変える"、[online]、2015年2月22日、[2015年2月23日検索]、インターネット〈URL:http://toyokeizai.net/articles/-/61244〉
しかしながら、上述の特許文献1のような従来技術はユーザの健康度を判定するものであり、ユーザの感覚の異常を判定するものではない。
また、感覚の検査は、医師または医師に準ずる者の監督の下、指定された試薬、指定された試験機器を用いて行われる。そのため、従来技術では、感覚の検査を受けるためには、医療機関を受診する必要がある。
また、感覚に異常がある患者がその異常を自覚できる段階においては、感覚の異常が初期の状態から、さらに進行してしまっている虞もある。そのため、日常生活において感覚の異常を検出することが好ましい。
本発明は上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ユーザが日常生活の中で感覚の異常の可能性に気づくことができる感覚異常検出装置およびシステムを提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る感覚異常検出装置は、対象物に対するユーザの感覚の程度を示す主観値と、上記対象物がヒトの感覚に及ぼす客観的な程度を示す客観値とを対応付けて取得するデータ取得部と、上記データ取得部が取得した現在の客観値との差が所定の範囲内にある過去の客観値を特定し、特定した客観値に対応付いている過去の主観値を基準として主観値正常範囲を設定する主観値正常範囲設定部と、上記データ取得部が取得した現在の主観値が、上記主観値正常範囲に含まれるか否かを判定する異常判定部とを備えている。
本発明の一態様によれば、ユーザに、日常生活の中で感覚の異常の可能性を気づかせることができるという効果を奏する。
本発明の実施形態1に係る感覚異常検出システムの要部構成を示すブロック図である。 (a)から(c)は、本発明の実施形態1に係る主観値取得装置に表示される表示画像を示す図である。 (a)は本発明の実施形態1に係る客観値テーブル、(b)は本発明の実施形態1に係る主観値テーブルを示す図である。 (a)〜(f)は本発明の実施形態1に係る処理に用いられるデータを示す図である。(g)は検体のユークリッド距離を算出する式を示す図である。 (a)および(b)は、本発明の実施形態1に係る表示装置が表示する表示画像の一例を示す図である。 本発明の実施形態1に係る感覚異常検出装置の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態1に係る感覚異常検出装置の感覚異常判定処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態2に係る感覚異常検出システムの要部構成を示すブロックである。 本発明の実施形態2に係る主観値正常範囲設定部が行う主観値正常範囲の修正の例を示す図である。 本発明の実施形態2に係る感覚異常検出装置の感覚異常判定処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態3に係る感覚異常検出システムの要部構成を示すブロックである。 本発明の実施形態3に係る感覚異常検出装置の感覚異常判定処理の流れを示すフローチャートである。 (a)〜(e)は、本発明の実施形態3に係るに係る処理に用いられるデータを示す図である。(f)および(g)は、検体の客観値を示すレーダーチャートである。 本発明の実施形態4に係る表示装置が表示する表示画像の一例を示す図である。
本発明の実施の形態について、図1〜図14に基づいて説明すれば以下のとおりである。以下の特定の実施形態で説明する構成以外の構成については、必要に応じて説明を省略する場合があるが、他の実施形態で説明されている場合は、その構成と同じである。また、説明の便宜上、各実施形態に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
本発明に係る感覚異常検出システムは、ある対象物に対するユーザの感覚の程度を示す主観値、つまり、ユーザが感じた感覚(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)の度合の強さを示す値と、該対象物がヒトの感覚に及ぼす客観的な値である客観値(対象物の測定値など)を対応付けて記憶する。例えば、対象物とは空気、飲食物、音、香りなどであって、ヒトが感知できる全てのものである。
本発明に係る感覚異常検出システムは、継続的に主観値および客観値を対応付けて取得し、取得した客観値に近似した(現在の客観値との差が所定の範囲内にある)過去に取得した客観値を抽出する。そして、抽出した過去の客観値に対応付いている過去の主観値を含むように主観値正常範囲を設定する。設定された主観値正常範囲に取得した主観値が含まれているか否かを判定し、上記判定結果に基づいてユーザの感覚の異常を判断し、ユーザに判定結果を通知する。
また、本明細書においては、主に味覚の異常を判断する構成について例示するが、異常の判断の対象となる感覚は、特に味覚に限定されない。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態について、図1〜図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
(感覚異常検出システム1)
図1は、本発明の実施形態1に係る感覚異常検出システム1の要部構成を示すブロック図である。図1に示すように、感覚異常検出システム1は、主観値取得装置2、客観値取得装置3、感覚異常検出装置4および表示装置(出力装置)5を備えている。また、主観値取得装置2、客観値取得装置3、感覚異常検出装置4および表示装置5は通信部を備えており(主観値取得装置2、客観値取得装置3および表示装置5においては、図示せず)、それぞれの装置間において有線または無線によって通信が行われる。それぞれの装置間の通信の接続は、常時、接続されていてもよいし、通信が必要な場合のみ接続されてもよい。
また、感覚異常検出装置4の筐体内(図示せず)に、主観値取得装置2、客観値取得装置3、表示装置5が備わっており、感覚異常検出システム1を1つの装置とした構成としてもよい。
(主観値取得装置2)
主観値取得装置2は、ユーザからの主観値の入力を受け付け、取得する装置であり、入力部21および表示部22を備えている。
(入力部21)
入力部21は、表示部22に表示される表示画像に対してユーザが入力する対象物に対しての感覚の程度(主観値)を示す入力を受け付けて、当該程度を示す値を感覚異常検出装置4に送信する。
(表示部22)
表示部22は、画像データを表示するための表示画面を有しており、感覚異常検出装置4、客観値取得装置3などから信号を受信し、受信した信号に基づいてその表示画面に画像を表示するものである。表示部22は、画像を表示する機能を備えているものであればよく、例えばLCD(Liquid Crystal Display)表示装置、EL(Electro Luminescence)表示装置等で構成することもできる。
また、主観値取得装置2の表示部22および入力部21は、タッチパネルディスプレイで構成されていてもよい。また、入力部21は、キーボード、マウス、タッチパッド、ジョイスティックなどを備えており、ユーザによる主観値の入力を受け付けてもよい。
図2の(a)〜(c)は、ユーザが主観値を入力するための、表示部22に表示される表示画像の例を示している。
図2の(a)は、感覚異常検出システム1がユーザの聴覚の異常を判定する場合の表示画像P1、(b)はユーザの味覚の異常を判定する場合の表示画像P2、(c)はユーザの嗅覚の異常を判定する場合の表示画像P3を示している。
図2の(a)〜(c)に示すように、表示画像P1〜P3には、それぞれの感覚における複数の評価項目と、その項目に対応した入力用のスケール(定規)が表示されている。
表示画像P1およびP3では、スケールの左端を「最も感覚を感じない場合」とし、その旨を示す文等が表示されている。スケールの右端を「最も感覚を感じる場合」とし、その旨を示す文等が表示されている。
表示画像P2では、スケールの右端を「最も感覚を感じない場合」とし、その旨を示す文等が表示されている。スケールの左端を「最も感覚を感じる場合」とし、その旨を示す文等が表示されている。
図2に示すように、主観値を入力するための表示画像においては、表示画像内のそれぞれの評価項目の「最も感覚を感じる場合」の位置およびそれぞれの評価項目の「最も感覚を感じる場合」の位置が統一されていることが好ましい。
また、図2の(a)〜(c)に示すように、スケール上にはつまみP1a〜P3aが表示されている。ユーザは、つまみP1a〜P3aを操作し、スケール上において各項目の評価(主観値)を入力する。図2の(a)〜(c)に示すように、つまみP1a〜P3aの位置を、スケールの左端からの距離として数字で示してもよい。つまみP1a〜P3aの位置の表示については、スケールの左端からの距離に限定されず、例えば、スケールの右端からの距離としてもよいし、スケールの中点からの距離としてもよい。
また、図2の(a)〜(c)に示すように、表示画像P1〜P3には、「記録」ボタンが表示されている。ユーザの各項目の評価の入力操作の後に、「記録」ボタンの入力を検出すると、主観値取得装置2は入力された主観値を感覚異常検出装置4に送信する。感覚異常検出装置4は、主観値取得装置2から受信した主観値および客観値取得装置3(客観値取得装置3については、詳細を後述する)から受信した客観値を記憶する。なお、本実施形態では、各感覚の主観値について複数の項目(例えば、味覚において「おいしさ」、「しょっぱさ」、「甘さ」、「苦味」、「酸味」)について例示しているが、主観値の項目数および種類はこれに限定されず、適宜変更してもよい。
なお、本実施形態においては、主観値はユーザが主観値取得装置2の入力部21を操作することで得られる構成について例示している。その他の構成として、例えば、脳波計、近赤外分光法などによるユーザの脳活動計測の測定値、ユーザの顔の表情を画像解析することによって算出される値を、主観値としてもよい。ユーザの顔の表情の画像解析としては、例えば、ユーザの顔面の筋肉の表情筋の動きを検出してもよい。
または、主観値取得装置2は、自然音声もしくは音声合成による人工音声で、ユーザの音声入力を促すような質問文を再生し、ユーザに音声で返答させるようにすることによって主観値入力を行う構成としてもよい。例えば、主観値取得装置2は「今日のごはんのおいしさは何点くらいですか?」という音声を出力し、ユーザが「65点」と音声で主観値を入力することなどが挙げられる。
(聴覚に関する主観値の入力表示画像)
聴覚に関する主観値の入力ための表示画像P1について説明する。図2の(a)に示すように、表示画像P1には、特徴的な音声について、ユーザがどれくらいの大きさ(強さ)で聞こえたかを示すスケールおよびユーザがどれくらいの明瞭度で聞こえかを示すスケールが表示されている。特徴的な音声についてはその詳細を後述する。
「大きさ」についてのスケールの左端には「全く聞こえなかった」と表示されており、右端には「うるさかった」と表示されている。
また、明瞭度合(クッキリさ)についてのスケールの左端には「不明瞭に聞こえた」と表示されており、右端には「くっきりと聞こえた」と表示されている。
また、ユーザが日常生活の中で、特徴的な音を認識するのは困難である。そのため、表示画像P1には「先ほどの音の聞こえ具合はどうでしたか?」との表示と、「もう一度再生」のボタンの表示とを含んでいる。「もう一度再生」のボタンの操作を受け付けた場合、例えば、客観値取得装置3から受信した特徴的な音声データを再生する構成としてもよい。上記の構成よって、ユーザに特徴的な音の聞こえ具合を思い出させることができ、ユーザの主観値の入力をサポートすることが可能となる。
また、図2の(a)に示すように、表示画像P1に含まれている「スキップ(Skip)」ボタンの操作入力を受け付けて、当該音声に対する感覚異常検出装置4の主観値および客観値の記憶をキャンセルできる構成としてもよい。
(味覚に関する主観値の入力表示画像)
味覚に関する主観値の入力のための表示画像P2について説明する。図2の(b)に示すように、表示画像P2には、食べたものに対して、ユーザが食べたもの総合的な評価を示す「おいしさ」をどの程度感じたかを示すスケール、「しょっぱさ」、「甘さ」、「苦味」および「酸味」等をどの程度感じたかを示すスケールが表示されている。
「おいしさ」についてのスケールの左端には「とてもおいしかった」と表示されており、右端には「まずくて食べられない」と表示されている。
「しょっぱさ」についてのスケールの左端には「塩辛い」と表示されており、右端には「塩味が全くない」と表示されている。
「甘さ」についてのスケールの左端には「甘ったるい」と表示されており、右端には「甘味が全くない」と表示されている。
「苦味」についてのスケールの左端には「苦くて食べられない」と表示されており、右端には「苦味が全くない」と表示されている。
「酸味」についてのスケールの左端には「酸っぱくて食べられない」と表示されており、右端には「酸味が全くない」と表示されている。
(嗅覚に関する主観値の入力表示画像)
嗅覚に関する主観値の入力表示画像について説明する。図2の(c)に示すように、表示画像P3には、特徴的な匂いについて、ユーザがどれくらいの強さで感じたかを示すスケールおよびユーザの好みの程度を示すスケールが表示されている。強さについてのスケールの左端には「全く感じなかった」と表示されており、右端には「きつい」と表示されている。
また、好みについてのスケールの左端には「嫌い」と表示されており、右端には「好き」と表示されている。
また、図2の(a)に示す表示画像P1と同様に、表示画像P3には「スキップ(Skip)」ボタンの表示が含まれている。
(客観値取得装置3)
図1に示すように、客観値取得装置3は客観値検出部30を備えている。客観値検出部30は対象物がヒトの感覚に及ぼす客観的な程度を示す客観値を検出する。客観値取得装置3は客観値を感覚異常検出装置4に送信する。
詳細には、客観値検出部30は、センサ等で構成されている。例えば、本実施形態の感覚異常検出システム1が聴覚に係るものである場合、客観値検出部30をマイクとしてもよい。客観値取得装置3は、マイクが取得した音声データを分析し、音圧値、周波数構成、スペクトル構成などを客観値として取得する。
また、本実施形態の感覚異常検出システム1が視覚に係るものである場合、客観値検出部30を、例えば、カメラとしてもよい。客観値取得装置3は、カメラが取得した画像データを分析し、色味、スペクトル、被撮像物の輪郭から測定される大きさ等を客観値として取得する。
また、本実施形態の感覚異常検出システム1が味覚に係るものである場合、客観値検出部30を、例えば、膜電位計測法や分光方式による成分分析の方法を採用する装置としてもよい。客観値取得装置3は、当該装置が測定した測定値、味覚成分の濃度(例えば、甘味であれば、グルコースの濃度など)を客観値とする。
また、本実施形態の感覚異常検出システム1が嗅覚に係るものである場合、客観値検出部30を、例えば、ガスセンサとしてもよい。客観値取得装置3は、ガスセンサが検出したガスの濃度を客観値とする。また、ガスの種類、ガスの組成などから客観値を算出する構成としてもよい。
また、本実施形態の感覚異常検出システム1が触覚に係るものである場合、客観値検出部30を、例えば、対象物の表面の微細映像を撮影できる顕微鏡としてもよい。客観値取得装置3は、当該顕微鏡が取得した撮影画像を用いて、対象物の表面の凹凸形状データ、摩擦係数などを算出して客観値とする。
(主観値取得および客観値取得のタイミング)
次に、感覚異常検出システム1の主観値および客観値の取得のタイミングについて説明する。
(聴覚に関する主観値および客観値の取得のタイミング)
聴覚に関する主観値の取得について説明する。
客観値取得装置3および主観値取得装置2は、ユーザの指示によって、主観値および客観値の取得を開始してもよい。例えば、主観値の取得は、主観値取得装置2が図2の(a)に示す表示画像P1を表示することによって開始される。
また、客観値取得装置3は、所定の時間間隔にて周囲の音声を解析し、主観値取得装置2に表示画像P1を表示する指示を送信してもよい。主観値取得装置2は表示画像P1を表示することによって、ユーザの主観値の入力操作を促し、主観値の取得を開始する。
また、客観値取得装置3は、常時或いは所定の時間間隔にて周囲の音声を解析し、特徴的な音声を検出した場合に、主観値取得装置2に表示画像P1を表示する指示を送信してもよい。客観値取得装置3は、当該特徴的な音声の音声データを主観値取得装置2に送信してもよい。主観値取得装置2と客観値取得装置3との通信は、直接行われても、感覚異常検出装置4を介して行われてもよい。
ここで、特徴的な音声の検出について説明する。例えば、客観値取得装置3は、周囲の音声の周波数を解析し、かつ/または、周囲の音声の音圧値を計測し、データを格納している。上記検出の一つの方法として周波数スペクトルを用いる方法がある。客観値取得装置3は、取得したデータの周波数スペクトルの分布と格納されているデータの周波数スペクトルの分布とを比較し、分布の相違があるか否かを判断し、特徴的な音声を検出してもよい。
別の例では、音の周波数と音圧値とを用いる方法がある。ヒトの聴覚特性として、同じ音圧値(デシベル)を示す音でも、低い音か高い音かで感じる「音の大きさ」や「明瞭さ」が異なることが知られている。一般的には低い音より高い音の方が、大きさも明瞭さもより敏感に感じ取ることができる。よって、取得したデータの周波数と音圧値とを取得し、同様の周波数帯の音を格納されているデータから探す。そして、その音圧値と取得したデータの音圧値とを比べ、音圧値の差が予め設定されている閾値を超える場合に「特徴的である」と判断し、特徴的な音声を検出してもよい。この閾値は高音に比べて低音の方が大きく設定されていることが望ましい。
客観値取得装置3は当該判断に応じて、主観値取得装置2に主観値を入力するための図2の(a)に示すような表示画像を表示するように指示する。
(味覚に関する主観値および客観値の取得のタイミング)
次に、味覚に関する主観値の取得について説明する。
ユーザの操作等によって客観値取得装置3が客観値を取得した場合に、主観値取得装置2に主観値入力画像を表示するように指示する。
また、主観値取得装置2は、加速度センサ、角速度センサ、または圧力センサなどのセンサを備えている構成であり、これらのセンサを用いてユーザの嚥下動作、咀嚼動作等を検出した場合に、図2の(b)に示す表示画像P2を表示する構成としてもよい。なお、この構成において、主観値取得装置2は、客観値取得装置3における客観値の取得をユーザに促すメッセージを表示画像P2に表示してもよい。主観値取得装置2と客観値取得装置3との通信は、直接行われても、感覚異常検出装置4を介して行われてもよい。
味覚に関する主観値および客観値の取得は、毎食後に行われてもよい。また、食事時中に味覚値を測定することで客観値を取得し、食後に主観値を測定してもよい。
(嗅覚に関する主観値および客観値の取得のタイミング)
次に、嗅覚に関する主観値および客観値の取得について説明する。
客観値取得装置3および主観値取得装置2は、ユーザの指示によって、主観値および客観値の取得を開始してもよい。例えば、主観値の取得は、主観値取得装置2が図2の(c)に示す表示画像P3を表示することによって開始される。
また、客観値取得装置3は、所定の時間間隔にて周囲の空気を収集し、その組成などを分析し、主観値取得装置2に図2の(c)に示す表示画像P3を表示する指示を送信してもよい。主観値取得装置2は表示画像P3を表示することによって、ユーザの主観値の入力操作を促し、主観値の取得を開始する。
また、客観値取得装置3は、常時或いは所定の時間間隔にて周囲の空気を収集し、その組成などを分析し、特徴的な匂い成分のデータを検出した場合に、主観値取得装置2に表示画像P3を表示する指示を送信してもよい。主観値取得装置2と客観値取得装置3との通信は、直接行われても、感覚異常検出装置4を介して行われてもよい。
ここで、特徴的な匂い成分のデータについて説明する。例えば、客観値取得装置3は、周囲の空気を分析し、データを格納している。客観値取得装置3は取得したデータと格納されているデータとを比較し、取得した空気に含まれる成分のうち、ユーザが体験したことのない成分(これまで取得したデータに含まれていない成分)の検知閾値を超える濃度で検出された場合、「特徴的である」と判断する。上記検知閾値とは、ある成分についてヒトの嗅覚が臭気を検知できる濃度である。ここで、臭気を検知できるとは、ヒトが何かのにおいがすると検知することを示す。また、ヒトが何のにおいであるかを判断できる認知閾値を上記検知閾値の代わりに用いても良い。当該判断に応じて、主観値取得装置2に主観値を入力するための表示画像P3を表示するように指示する。
(感覚異常検出装置4)
次に、感覚異常検出装置4について説明する。図1に示すように、感覚異常検出装置4は、通信部40、制御部41および記憶部42を備えている。
(通信部40)
通信部40は、主観値取得装置2、客観値取得装置3および表示装置5と通信を行う通信デバイスである。
具体的には、通信部40は主観値取得装置2から主観値を受信する。また、客観値取得装置3から客観値を受信する。通信部40は受信した主観値および客観値を、制御部41に送信する。
また、感覚異常検出装置4の通信部40を介して主観値取得装置2と客観値取得装置3との通信が行われてもよい。
(制御部41)
制御部41は、データ受付け部(データ取得部)411、近似データ抽出部(主観値正常範囲設定部)412、主観値正常範囲設定部413、異常判定部414および異常ポイント判定部(異常判定部、出力指示部)415を備えている。
(データ受付け部411)
データ受付け部411は、通信部40から受信した主観値および客観値を対応付けて取得し、記憶部42に記憶させる。詳細には、データ受付け部411は、記憶部42に格納されている客観値テーブルT1および主観値テーブルT2を更新する。データ受付け部411は、通信部40から受信した客観値を近似データ抽出部412に送信する。さらに、データ受付け部411は、通信部40から受信した主観値を異常判定部414に送信する。
ここで、客観値テーブルT1および主観値テーブルT2について、図3を用いて説明する。図3の(a)は客観値テーブルT1の一例を示す図であり、図3の(b)は主観値テーブルT2の一例を示す図である。
図3の(a)および(b)に示すように、客観値テーブルT1および主観値テーブルT2は、感覚異常検出装置が過去に受信した主観値または客観値と、検体(対象物)とが対応付けられて記憶されている。
図3の(a)に示すように、客観値として、客観値取得装置3から受信した塩味感、酸味、甘味、苦味およびうま味の値が客観値テーブルに記録されている。
図3の(b)に示すように、主観値としては、主観値取得装置2から受信した、「しょっぱさ」として入力された塩味感、「酸味」として入力された酸味感、「甘さ」として入力された甘味感、「苦味」として入力された苦味感、および「おいしさ」として入力されたおいしさの値が記録されている(図2の(b)を参照)。
なお、上述の例示においては、1つの検体に対して、一組の客観値と一組の主観値とを記録している構成を例示している。他の構成として、客観値が類似している検体については1つの客観値のみを客観値テーブルT1に記録し、その客観値に対応付けて複数の主観値を主観値テーブルT2に記録する構成としてもよい。上記の構成によれば、記憶部42に記憶されているデータ量の増大を抑制することができる。
また、客観値テーブルT1および主観値テーブルT2に記録される値に幅を持たせてもよい。例えば、図3の(b)に示されている検体Aの塩味感を58から62のように幅を持たせて記録する。なお、主観値テーブルT2は、ユーザごとに管理されていることが望ましいが、類似した味覚傾向を示すユーザ同士をまとめて管理してもよい。
なお、本実施形態では、味覚に関する主観値テーブルおよび客観値テーブルについて例示するが、感覚の種類は特に限定されない。例えば、図2に示すように、聴覚においては音声の大きさおよび明瞭さ、嗅覚においては強さおよび好みを客観値テーブルT1および主観値テーブルT2に記録してもよい。
(近似データ抽出部412)
近似データ抽出部412はデータ受付け部411から客観値を受信し、取得した現在の客観値との差が所定の範囲内にある過去の客観値を特定し、記憶部42の客観値テーブルT1から抽出する。近似データ抽出部412は、例えば、客観値テーブルT1から受信した客観値に最も近似した1つの客観値を抽出してもよい。次に、近似データ抽出部412は、主観値テーブルT2に記録されている主観値であって、抽出した客観値に対応付いている主観値(過去の主観値)を取得する。近似データ抽出部412は取得した過去の主観値を主観値正常範囲設定部413に送信する。
近似データ抽出部412が行う、現在の客観値に近似した過去の客観値の抽出について説明する。上述の抽出は、例えば、ユークリッド距離を用いて現在の客観値に近似した過去の客観値を抽出する。詳細には、現在の客観値と、客観値テーブルにて記憶している過去の客観値との距離を算出し、最もその距離が小さいものを抽出する。また、算出した距離が所定の距離(例えば5、など)を超えていなければ「近似している」と判定してもよい。なお、上述の「所定の距離」とは、「近似している」と判定できる最長距離を示している。
ユークリッド距離の算出方法の詳細について、図4の(g)を用いて説明する。図4の(g)は、検体Uおよび検体Vの客観値である塩味、酸味、甘味、苦味およびうま味の値を座標として示している。
図4の(g)に示すように、検体Uの客観値である塩味、酸味、甘味、苦味およびうま味の値は、X1、Y1、Z1、O1、Q1であり、検体Vの客観値である塩味、酸味、甘味、苦味およびうま味の値は、X2、Y2、Z2、O2、Q2である。
また、図4の(g)は検体Uの座標と検体Vの座標とのユークリッド距離dを算出する式を示している。2点の座標の各座標成分の差を2乗し、それらの値の和の平方根が、ユークリッド距離となる。
上記の算出方法によると、図3の(a)に示す検体Tの客観値と検体Aの客観値との距離は16.7となり、検体Tの客観値と検体Bの客観値との距離は28.9となり、検体Tの客観値と検体Cの客観値との距離は4となる。この場合、検体Tの客観値に近似している客観値は、検体Cの客観値となる。
(主観値正常範囲設定部413)
主観値正常範囲設定部413は、近似データ抽出部412から受信した特定した客観値に対応付いている過去の主観値を基準として主観値正常範囲を設定する。
詳細には、主観値正常範囲は、例えば、受信した過去の主観値に対する所定の割合を幅として有する主観値正常範囲を設定してもよい。例えば、受信した過去の主観値が示す塩味感、酸味感、甘味感、苦味感、おいしさの値に対して、プラス5%からマイナス5%までの値を主観値正常範囲として設定する。また、塩味感、酸味感、甘味感等の項目ごとに、異なる所定の割合の値を主観値正常範囲として設定してもよい。
また、味覚における客観値の値を考慮し、塩味が強調される味である場合には、塩味感のみ過去の主観値の値に対してプラス8%からマイナス8%までの値を主観値正常範囲に設定し、その他の味覚については過去の主観値の値に対してプラス5%からマイナス5%までの値を主観値正常範囲に設定してもよい。
主観値正常範囲設定部413は設定した主観値正常範囲を異常判定部414に送信する。
(異常判定部414)
異常判定部414は、データ受付け部411から受信した主観値(現在の主観値)が、主観値正常範囲設定部413から受信した主観値正常範囲に含まれるか否かを判定する。
異常判定部414は、上記判定結果を異常ポイント判定部415に送信する。
(異常ポイント判定部415)
異常ポイント判定部415は、異常判定部414の判定結果を受信し、その判定結果に基づいてユーザの感覚の異常を判断する。
詳細には、異常ポイント判定部415は、現在の主観値が、主観値正常範囲に含まれていないとする判定結果を受信すると、記憶部42に格納されている異常ポイント情報T3に異常ポイントを加算し更新する。また、異常ポイント判定部415は、現在の主観値が、主観値正常範囲に含まれているとする判定結果を受信すると、異常ポイント情報T3からポイントを減算し更新する。異常ポイント情報T3には、異常判定部414の判定結果に基づいて加算または減算される異常ポイントが記録されている。
異常ポイント判定部415は異常ポイント情報T3が示すポイントが所定の値を超えたと判断した場合、ユーザの感覚が異常であると判断する。また、異常ポイント情報T3が示すポイントが所定の値を超えていないと判断した場合、ユーザの感覚が正常であると判断する。
上記異常ポイント情報T3へ加算する異常ポイントについては、例えば、一律に1ポイントずつとしてもよい。また、主観値有効範囲と現在の主観値数値とのズレの大きさを考慮してポイント数を増減させてもよい。
また、異常ポイント情報T3からの異常ポイントの減らす分を小さくし、異常ポイント情報T3へのポイントの加える分を大きくしてもよい。
また、過去数日間(例えば、3日間)連続で、異常判定部414により主観値が主観値正常範囲に含まれていないと判定された場合、異常ポイント判定部415は異常ポイント情報T3に異常ポイントを加算するという構成にしてもよい。
また、異常判定部414の判定結果に基づいて、日ごとに異常ポイント情報T3にポイントが加算、または、減算される構成であってもよい(例えば、「今日も異常」は1ポイント加算、「今日は正常」は1ポイント減算)。
また、仮異常ポイントを設定し、この仮異常ポイントの積算値が所定の値になった場合に、異常ポイントを加算し、仮正常ポイントの積算値が所定の値になった場合に異常ポイントを減算する構成としてもよい。例えば、現在取得した主観値が、主観値正常範囲に含まれていないと本日はじめて判定された場合、仮異常ポイントを加算する。また、過去数日間(例えば、3日間)連続で、主観値が主観値正常範囲に含まれていないと判定されていたが、本日は主観値が主観値正常範囲に含まれていると判定された場合、仮正常ポイントを加算する構成としてもよい。
異常ポイント判定部415は、ユーザの感覚が異常または正常であるかを示す判定結果の出力の指示を、通信部40を介して表示装置5に送信する。
(記憶部42)
記憶部42は、客観値テーブルT1、主観値テーブルT2および異常ポイント情報T3を格納している。記憶部42は、ハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。
(表示装置5)
次に、表示装置5について説明する。図1に示すように、表示装置5は表示部51を備え、表示部51は画像データを表示するための表示画面を有している。表示部51は、上述した主観値取得装置2の表示部22の構成と同様であるため、ここでの説明を省略する。
表示装置5は感覚異常検出装置4から、ユーザの感覚が異常または正常であるかを示す判定結果を受信し、該判定結果を示す画像を表示部51に表示(出力)する。
判定結果を示す表示画像の例を、図5を用いて説明する。図5の(a)および(b)は、感覚異常検出装置4から受信した判定結果が、ユーザの感覚が異常であることを示す場合に表示される表示画像を示す図である。
図5の(a)に示すように、表示画像P10には、「味覚が鈍ってきている可能性があります。」、「薄味調理を心がけましょう」「何かしらの異常の可能性があります。医療機関の受診をお勧めします。」等、ユーザの味覚の異常をユーザに通知する文章が含まれている。
また、図5の(b)に示すように、表示画像P11には、主観値有効範囲の上限値(点線)および下限値(一点鎖線)と現在取得した主観値(実線)との関係を視覚化したレーダーチャートが含まれている。図5の(b)では、現在取得した主観値が主観値有効範囲の下限値よりも小さくなっている。このため、表示画像P11には、「塩味を感じる力の鈍化を認めます。医療機関の受診をお勧めします。また、薄味調理を心がけましょう。」等、ユーザの味覚の異常をユーザに通知する文章が含まれている。
なお、本実施形態においては、表示装置5が画像を表示する構成として例示したが、表示装置5を、感覚異常検出装置4から受信した判定結果を音声として出力する音声出力装置としてもよい。
(感覚異常検出装置4の処理の流れ)
次に、図4、6および7を用いて、感覚異常検出装置4が行う処理の流れについて説明する。図6は、本実施形態に係る感覚異常検出装置4の処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すように、感覚異常検出装置4のデータ受付け部411は、通信部40を介し、客観値および主観値を取得する(S1およびS2:データ取得ステップ)。S1およびS2は、どちらのステップが先に行われてもよいし、同時に行われてもよい。S2に続き、感覚異常検出装置4は、感覚異常判定処理を行う(S3)。また、S3に続き、データ受付け部411は、記憶部42に現在取得した主観値と客観値とを対応付けて記憶させ(S4:記憶ステップ)、処理を終了する。
(感覚異常判定処理の流れ)
次に、感覚異常判定処理の流れについて説明する。図7は、本実施形態に係る感覚異常検出装置4の感覚異常判定処理の流れを示すフローチャートである。図7は、図6に示す感覚異常判定処理(S3)の詳細を示す図である。図7に示すように、近似データ抽出部412は、データ受付け部411から受信した味覚センサ検出値等の現在の客観値に近似した過去の客観値を抽出し、さらに、抽出した客観値に対応する過去の主観値を取得する(S11)。図4の(a)は、感覚異常検出装置4が現在取得した検体Tの客観値Q1を示す図である。図4の(b)は、感覚異常検出装置4が抽出する現在取得した検体Tの客観値QTに近似した検体Cの客観値QC(過去の主観値)を示す図である。図4の(c)は、検体Cの主観値SCを示す図である。
主観値正常範囲設定部413は、検体Cの主観値SC(過去の主観値)を含む主観値正常範囲を設定する(S12:主観値正常範囲設定ステップ)。図4の(d)は、近似データ抽出部412が設定する、検体Cの主観値を含む主観値正常範囲RCを示す図である。
異常判定部414は、データ受付け部411から受信した現在の主観値が、主観値正常範囲RCの範囲内にあるか否かを判定する(S13:異常判定ステップ)。異常ポイント判定部415は、受信した判定結果が主観値正常範囲の範囲内にないことを示す場合(S13でNO)、異常ポイント情報T3の異常ポイントを加算する(S14)。図4の(f)は、検体Tの主観値の他の一例を示す図である。例えば、図4の(f)に示すように、検体Tの主観値STbの酸味感は42であり、主観値正常範囲RCの酸味感の範囲である60−85の範囲内にない。また、検体Tの主観値STbの甘味感は55であり、主観値正常範囲RCの甘味感の範囲である60−90の範囲内にない。この場合は、上述の「S13でNO」に該当する。
次に、異常ポイント判定部415は、異常ポイント情報T3が示す異常ポイントが所定の値以上であるか否かを判定する(S15:異常判定ステップ)。異常ポイント判定部415は、異常ポイント情報T3が示す異常ポイントが所定の値以上であると判定すると(S15でYES)、ユーザの感覚が異常であることを示す判定結果を、通信部40を介して表示装置5に出力することでユーザに通知を行い(S16:出力指示ステップ)、処理を終了する。
また、異常ポイント判定部415は、異常ポイント情報T3が示す異常ポイントが所定の値以上であると所定の値未満であると判定した場合(S15でNO)、処理を終了する。または、ユーザの感覚が正常であることを示す判定結果を、通信部40を介して表示装置5に送信し、ユーザに通知してから処理を終了してもよい。
なお、異常ポイント判定部415は、受信した判定結果が主観値正常範囲の範囲内にあることを示す場合(S13でYES)、異常ポイント情報T3のポイントを減算する(S17)。図4の(e)は、現在取得した検体Tの主観値の一例を示す図である。例えば、図4の(e)に示すように、主観値STaは、主観値正常範囲RCの範囲内にある場合を示している。この場合は、上述の「S13でYES」に該当する。
上記の構成によれば、感覚異常検出装置4は、現在の客観値との差が所定の範囲内にある過去の客観値を特定し、特定した客観値に対応付いている過去の主観値を基準として主観値正常範囲を設定する。さらに、感覚異常検出装置4は、主観値正常範囲に、現在の主観値が含まれているか否かを判定する。すなわち、感覚異常検出装置4は、現在の対象物に対するユーザの主観値が、現在の対象物に近似した客観値を有する過去の対象物に対する主観値と乖離しているか否かを判定する。近似した客観値を有する対象物に対して、ユーザが過去に示した主観値から乖離した主観値を示した場合、ユーザの感覚に異常が発生している可能性がある。そのため、ユーザに日常生活の中で感覚の異常の可能性を気づかせることができる。
また、値に幅のある主観値正常範囲を設定することによって、ユーザの感覚の誤差による変動を考慮して、感覚の異常の判定を行うことができる。
また、近似データ抽出部412が取得する過去の主観値に対して、取得した日時などの条件を付けることにより、感覚異常判定処理を、以下に示す判定を行う構成としてもよい。
例えば、味覚においては、1か月前までは「おいしい」と感じていたはずの料理が、味気がない、塩気が足りない等の理由から、ここ数日「おいしい」と感じなくなった場合に、ユーザの感覚が異常であると判定する。
例えば、嗅覚においては、1か月前までは「いい匂い」と感じていた匂いを、ここ数日知覚できなくなっている。または、「いい匂い」と感じなくなった場合に、ユーザの感覚が異常であると判定する。
例えば、聴覚においては、昨日までは確実に聞こえていたはずのボリューム(音圧)の音がしっかり聞こえなくなった場合に、ユーザの感覚が異常であると判定する。
例えば、触覚においては、昨日まではさわり心地(テクスチャ)を感じられていた対象に対して、さわり心地を知覚できなくなった場合に、ユーザの感覚が異常であると判定する。
例えば、視覚においては、1か月前までは見えていたものがしっかり見えなくなった場合に、ユーザの感覚が異常であると判定する。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図8〜図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態では、過去に取得した複数の主観値を用いて主観値正常範囲を設定する。
(感覚異常検出システム1)
図8は、本発明の実施形態2に係る感覚異常検出システム1aの要部構成を示すブロック図である。図8に示すように、感覚異常検出システム1aは実施形態1に係る感覚異常検出システム1における感覚異常検出装置4に替わり、感覚異常検出装置4aを備えている。
(感覚異常検出装置4)
次に、本発明の実施形態2に係る感覚異常検出装置4aについて説明する。図8に示すように、感覚異常検出装置4aは、実施形態1に係る制御部41に替わり制御部41aを備えており、また、実施形態1に係る記憶部42に替わり記憶部42aを備えている。
(制御部41a)
制御部41aは、実施形態1に係る近似データ抽出部412に替わり近似データ抽出部(主観値正常範囲設定部)412aを備えており、また、主観値正常範囲設定部413に替わり主観値正常範囲設定部413aを備えている。
(近似データ抽出部412a)
近似データ抽出部412aについて、実施形態1に係る近似データ抽出部412と異なる点について説明する。
近似データ抽出部412aは、データ受付け部411から客観値(現在取得した客観値)を受信し、当該客観値との差が所定の範囲内にある過去の客観値を複数特定し、記憶部42aの客観値テーブルT1から抽出する。また、特定した複数の過去の客観値に対応する複数の過去の主観値を、主観値テーブルT2から取得する。すなわち、近似データ抽出部412aは、過去の複数の客観値を抽出し、それに対応する過去の複数の主観値を取得する。
また、近似データ抽出部412aは、現在取得した客観値に対応する主観値正常範囲を記憶部42aに格納されている主観値正常範囲テーブルT4から取得する。主観値正常範囲テーブルT4には、現在取得した客観値に応じた主観値正常範囲が記録されている。例えば、現在取得した客観値が5に対して、主観値正常範囲が0から10のように設定されている。
近似データ抽出部412aは、取得した過去の複数の主観値および現在取得した客観値に応じた主観値正常範囲を主観値正常範囲設定部413aに送信する。
(主観値正常範囲設定部413a)
主観値正常範囲設定部413aは、近似データ抽出部412aから受信した複数の過去の主観値を基準として主観値正常範囲を設定する。
例えば、主観値正常範囲設定部413aは、現在取得した客観値に近似した過去に取得された複数の客観値のそれぞれに対応している主観値を含むように主観値正常範囲を設定する。
さらに、主観値正常範囲設定部413aは、近似データ抽出部412aから受信した過去の複数の主観値が、主観値正常範囲の上限値付近、または、下限値付近において推移しているか否かを判定し、主観値正常範囲を修正し、設定する。
詳細には、「主観値正常範囲の上限値付近」とは、主観値正常範囲の上限値から下方における値の範囲であって、主観値正常範囲の全体の幅に対する所定の割合の幅の範囲とする。また、主観値正常範囲の下限値付近とは、主観値正常範囲の下限値から上方における値の範囲であって、主観値正常範囲の全体の幅に対する所定の割合の幅の範囲とする。例えば、主観値正常範囲が15から25(幅は10)であり、上述の所定の割合が1割であった場合、上限値付近とは、上限値である25から主観値正常範囲の全体の幅である10の1割の幅である1の範囲となり、24から25の範囲となる。同様に、下限値付近は、15から16の範囲となる。
上限値付近、または、下限値付近において推移していることの判定は、主観値正常範囲設定部413aが受信した過去の複数の主観値のうち所定の割合以上の数の主観値が、上述の「上限値付近」、または、「下限値付近」の範囲内にあることを判定してもよい。
主観値正常範囲設定部413aは、受信した過去の複数の主観値が、主観値正常範囲の上限値付近において推移していると判断した場合、主観値正常範囲を上方修正する。
また、主観値正常範囲設定部413aは、受信した過去の複数の主観値が、主観値正常範囲の下限値付近において推移していると判断した場合、主観値正常範囲を下方修正する。
図9は、主観値正常範囲設定部413aが行う主観値正常範囲の修正の例を示す図である。図9の(a)には、主観値正常範囲R1から主観値正常範囲R2への上方修正が示されている。折れ線グラフの折れ線部は、過去の主観値を示している。図9の(b)には主観値正常範囲R3から主観値正常範囲R4への下方修正が示されている。
また、主観値正常範囲設定部413aは、実施形態1に係る主観値正常範囲設定部413と同様に主観値正常範囲を設定し、設定した主観値正常範囲に対して上述の過去の複数の主観値を用いて修正する構成としてもよい。
(記憶部42a)
記憶部42aは、客観値テーブルT1、主観値テーブルT2、異常ポイント情報T3および主観値正常範囲テーブルT4を備えている。
(感覚異常判定処理の流れ)
次に、本実施形態に係る感覚異常判定処理の流れについて説明する。図10は、本実施形態に係る感覚異常検出装置4の感覚異常判定処理の流れを示すフローチャートである。
図10に示すように、近似データ抽出部412aは、データ受付け部411から受信した現在取得した客観値に近似した過去の複数の客観値を抽出し、対応する過去の複数の主観値および現在の客観値に応じた主観値正常範囲を取得する(S21)。
主観値正常範囲設定部413aは、近似データ抽出部412aから受信した過去の複数の主観値が、主観値正常範囲の上限値付近、または、下限値付近において推移しているか否かを判定する(S22)。過去の複数の主観値が、主観値正常範囲の上限値付近、または、下限値付近において推移していると判定した場合(S22でYES)、主観値正常範囲を修正し(S23)、主観値正常範囲を設定する(S12)。以降の処理ステップについては、実施形態1にて説明したS13〜S17と同様であるため、ここでの説明を省略する。
また、過去の複数の主観値が、主観値正常範囲の上限値付近、または、下限値付近において推移していないと判定した場合(S22でNO)、主観値正常範囲設定部413aは、近似データ抽出部412aから受信した主観値正常範囲を設定する(S12)。
上記の構成によれば、過去に取得した複数の主観値から主観値正常範囲を設定することができる。そのため、過去に取得した複数の主観値を用いることによって、ユーザに適した有効範囲を設定できる。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図11〜図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態においては、現在取得した客観値、または、現在取得した客観値に近似した過去に取得した客観値を用いて主観値正常範囲の幅を修正し、設定する。
(感覚異常検出システム1b)
図11は、本発明の実施形態3に係る感覚異常検出システム1bの要部構成を示すブロック図である。図11に示すように、感覚異常検出システム1bは、実施形態1に係る感覚異常検出システム1における感覚異常検出装置4に替わり、感覚異常検出装置4bを備えている。
(感覚異常検出装置4b)
次に、本発明の実施形態3に係る感覚異常検出装置4bについて説明する。図11に示すように、感覚異常検出装置4bは、実施形態1に係る制御部41に替わり制御部41bを備えている。
(制御部41b)
制御部41bは、実施形態1に係る近似データ抽出部412に替わり近似データ抽出部412bを備えており、また、主観値正常範囲設定部413に替わり主観値正常範囲設定部413bを備えている。
(近似データ抽出部412b)
近似データ抽出部412bについて、実施形態1に係る近似データ抽出部412と異なる点について説明する。
近似データ抽出部412bは、データ受付け部411から客観値(現在取得した客観値)を受信し、記憶部42の客観値テーブルT1から、受信した客観値に近似した(現在の客観値との差が所定の範囲内にある)客観値(過去の客観値)を取得する。次に、近似データ抽出部412bは、抽出した客観値に対応付いている主観値(過去の主観値)を、主観値テーブルT2から取得する。すなわち、本実施形態では、近似データ抽出部412bは抽出した客観値と、対応付いている主観値とを取得する。
近似データ抽出部412bは、取得した過去の客観値およびそれに対応する主観値を主観値正常範囲設定部413bに送信する。
なお、近似データ抽出部412bは現在取得した客観値を主観値正常範囲設定部413bに送信してもよい。
(主観値正常範囲設定部413b)
近似データ抽出部412bについて、実施形態1に係る近似データ抽出部412と異なる点について説明する。
主観値正常範囲設定部413bは、近似データ抽出部412bから受信した特定の味覚(第1の味覚)の客観値が、ヒトが味覚を感じることができる最小値以上の値であり、かつ、特定の味覚に関する客観値と、上記複数の種類の味覚に関する複数の上記客観値であって、上記最小値以上の客観値うちの最小の客観値との差分が第2の所定の値よりも大きい値であるとの条件を満たす場合に、上記特定の味覚に対する主観値正常範囲の幅を、上記条件を満たさない場合よりも狭く設定する。主観値正常範囲設定部413bは、設定した主観値正常範囲を異常判定部414に送信する。
主観値正常範囲設定部413bの処理の詳細について、図12および図13を用いて説明する。
(感覚異常判定処理の流れ)
図12は、本実施形態に係る感覚異常判定処理の流れを示すフローチャートである。なお、S11のステップ、S12〜S17のステップについては、実施形態1と同様であるためここでの説明を省略する。
図13の(a)は、検体Aの客観値QAおよび検体Bの客観値QBを示している。また、図13の(f)および(g)は、検体A及び検体Bの客観値を示すレーダーチャートである。
ここでは、主観値正常範囲設定部413bは、検体AまたはB(検体AおよびBは、例えば、料理)の客観値を受信した例を説明する。
主観値正常範囲設定部413bは、客観値を受信すると、客観値を構成する味覚値のうち、第1の所定の値以上のものがあるか否かを判定し(S31)、第1の所定の値以上の味覚値がある場合(S31でYES)、第1の所定の値以上の味覚値を特定する。ここで、第1の所定値はユーザが味覚を感じることができる最小値としてもよい。例えば、第1の所定の値を10とした場合、図13の(a)、(f)および(g)に示すように、検体Aにおいては塩味、甘味およびうま味が第1の所定の値以上であり、検体Bにおいては塩味およびうま味が第1の所定の値以上である。
次に、主観値正常範囲設定部413bは、第1の所定の値以上であると特定した味覚値のうち、最小の味覚値と、その他の第1の所定の値以上の味覚値の差分を算出する(S32)。
例えば、図13の(a)に示すように、検体Aにおいて第1の所定の値以上の味覚値のうち、最小の味覚値は、塩味の10.5である。したがって、主観値正常範囲設定部413bは、塩味の値と第1の所定の値以上である甘味の値との差分、塩味の値と第1の所定の値以上であるうま味の値との差分を算出する。検体Bの客観値QBを受信した場合にも同様に、うま味の値と第1の所定の値以上である甘味の値の差分値を算出する。図13の(b)は、検体Aにおける上記差分値DAと検体Bにおける上記差分値DBとを示す図である。
次に、主観値正常範囲設定部413bは、算出した差分値に、第2の所定の値以上のものがあるか否かを判定する(S33)。例えば、第2の所定の値を5とした場合、図13の(b)に示すように、検体Aにおいては、算出した差分値に該当するものがない。一方、検体Bにおいては、第1の所定の値以上であり最小の値の味覚値(うま味)と塩味との差分値が、第2の所定の値以上である。
なお、図13の(b)に記載の「(最小)」は、各検体における第1の所定の値以上であり最小の値である味覚を示している。詳細には、第1の所定の値以上であり最小の値は、検体Aにおいては塩味であり、検体Bにおいてはうま味である。
次に、主観値正常範囲設定部413bは、第1の所定の値以上であり最小の値の味覚値との差分値が、第2の所定の値以上である味覚について、主観値正常範囲の幅を狭く調整する(S34)。
図13の(c)は、検体Aの主観値SAおよび検体Bの主観値SBを示している。図13の(d)は、主観値SAおよび主観値SBを含むすべての検体に対して設定される主観値正常範囲の幅Rallを示している。
図13の(e)は、主観値正常範囲設定部413bが、第1の所定の値以上であり最小の値の味覚値との差分値が、第2の所定の値以上であるか否かに応じて、各味覚おける、主観値正常範囲の幅を調整した結果を示している。塩味感においては、通常、主観値に対してプラス10およびマイナス10の主観値正常範囲が設定される。ここで、検体Bの塩味感においては、第1の所定の値以上であり最小の値の味覚値との差分値が、第2の所定の値以上である味覚である。そのため、主観値に対してプラス5およびマイナス5の主観値正常範囲が設定される。
また、主観値に対してプラス10およびマイナス5の主観値正常範囲を設定してもよい。すなわち、主観値正常範囲の下限値のみを高く設定してもよい。
なお、本実施形態に係る構成によって調整される主観値正常範囲は、本実施形態1および本実施形態2に係る構成によって設定された主観値正常範囲であってもよい。
上記の構成によれば、客観値が第1の所定の値より大きい値であり、かつ、他の味覚が示す値との差分が第2の所定の値よりも大きい値との条件を満たす味覚に対する主観値正常範囲の幅の設定を、上記条件を満たさない場合よりも狭く設定することができる。
例えば、特定の味覚の客観値が上記第1の所定の値より大きく、かつ、他の味覚が示す客観値との差分が第2の所定の値よりも大きい対象物において、ユーザは特定の味覚について、他の味覚よりも大きな値の主観値を示す。この時、ユーザが特定の味覚に対して大きな主観値を示さなかった場合、ユーザの感覚に異常が生じている可能性が考えられる。そのため、他の味覚よりも大きな値の客観値を有する特定の味覚に対して主観値正常範囲を狭く設けることで(特に、主観値正常範囲の下限値を高く設定することで)、ユーザの感覚の異常の発見精度を向上させることが可能となる。
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、図14に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本感覚異常検出システムは、近似した客観値を有する対象物に対する、ユーザの感覚の変化を判定し、ユーザの感覚の異常の早期発見に寄与するシステムである。したがって、継続的にユーザの感覚を示すデータ(主観値)を取得する必要がある。そこで、本実施形態では、ユーザが継続的に本システムを使うようにサポートする構成について説明する。
味覚の異常は、亜鉛不足によるもの、精神的ストレスによるもの、服用中の薬物によるものなど、様々な原因によって生じる。しかし、自身の味覚の変化の推移を、常日頃、把握しようとする者は少ない。したがって、味覚の変化の推移を把握するためだけに、食事をするたびに、その食事の味覚データを収集しようとする者もあまりいない。
本システムを用いて、ユーザが味覚データである客観値の収集、および、ユーザの食べた感想である主観値の収集を継続的に行うことを促進するための一例として、本実施形態に係る感覚異常検出システムは、下記の構成を備えている。
図14は、本実施形態に係る表示装置5が表示する表示画像の一例を示す図面である。例えば、ユーザが塩辛いものばかり食べる傾向にあると感覚異常検出装置4、4aおよび4bが判定した場合、表示装置5は表示画像P21の表示指示を感覚異常検出装置4、4aおよび4bから受領し、表示部51に表示する。図14の(a)に示すように、表示画像P21には、「そんな塩辛いものばかり食べて大丈夫ですか?高血圧が心配ですね」という警告のメッセージが含まれている。また、表示画像P21には、1か月前にユーザが「おいしい」と感じた対象物の客観値(破線)と、ここ1週間のユーザが「おいしい」と感じた対象物の客観値(実線)とを示したレーダーチャートG1が含まれている。
また、感覚異常検出装置4、4aおよび4bがユーザの薄味傾向を確認した場合、表示装置5は表示画像P22の表示指示を感覚異常検出装置4から受領し、表示部51に表示する。図14の(b)に示すように、表示画像P22には、「薄味に慣れてきたようですね。いい傾向ではないでしょうか。この調子で頑張りましょう」というメッセージが含まれている。その他にも、「薄味でもおいしく感じられているようですね。あなたの味覚は素晴らしいです」などのメッセージを含ませてもよい。また、表示画像P22には、1か月前にユーザが「おいしい」と感じた対象物の客観値(破線)と、ここ1週間のユーザが「おいしい」と感じた対象物の客観値(実線)とを示したレーダーチャートG2が含まれている。
上記の構成によれば、ユーザに自身の味覚傾向の変化を視覚的に容易に確認させることができる。
また、視覚の異常判定を行うシステムの場合では、「少し目が疲れていませんか?」「少し目を休めてみてはいかがですか?」「温めたおしぼりで目を温めると効果的ですよ」など気遣いを思わせるメッセージを含む表示画像を表示装置5に表示してもよい。
また、聴覚の異常判定を行うシステムの場合では、「○○のような音を聞くとリラックス効果が期待できますよ」などのメッセージを含む表示画像を表示装置5が表示してもよい。
また、嗅覚の異常判定を行うシステムの場合では、時間に応じて「カモミールの香りで気分をリフレッシュ。午後からもお仕事頑張ってください」などの気分転換方法の提案メッセージを含む表示画像を表示装置5が表示してもよい。
また、似たような感覚の傾向を示す別のユーザの感覚異常の克服方法、当該克服過程において取得したデータのグラフ、その詳細を示す文章を表示装置5が表示してもよい。上記の構成によれば、ユーザが自身の感覚を維持するまたは向上させるための情報を受け取ることができる。
上記の構成によれば、本実施形態に係る感覚異常検出装置が、主観値および客観値の入力に応じたレスポンスを表示装置5に表示する。したがって、ユーザは主観値および客観値の入力の継続が有効活用されていることに気付く。よって、ユーザの主観値および客観値の継続的な入力を促進することができる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
感覚異常検出装置4、4a、4bの制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、感覚異常検出装置4、4a、4bは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る感覚異常検出装置(4、4a、4b)は、対象物に対するユーザの感覚の程度を示す主観値(STa、STb)と、上記対象物がヒトの感覚に及ぼす客観的な程度を示す客観値(QT)とを対応付けて取得するデータ取得部(データ受付け部411)と、上記データ取得部が取得した現在の客観値との差が所定の範囲内にある過去の客観値を特定し、特定した客観値に対応付いている過去の主観値を基準として主観値正常範囲を設定する主観値正常範囲設定部(413、413a、413b、近似データ抽出部412、412a、412b)と、上記データ取得部が取得した現在の主観値が、上記主観値正常範囲に含まれるか否かを判定する異常判定部(異常判定部414)と、を備えている。
上記の構成によれば、上記感覚異常検出装置は、現在の客観値との差が所定の範囲内にある過去の客観値を特定し、特定した客観値に対応付いている過去の主観値を基準として主観値正常範囲を設定する。さらに、上記感覚異常検出装置は、上記主観値正常範囲に、現在の主観値が含まれているか否かを判定する。すなわち、上記感覚異常検出装置は、現在の対象物に対するユーザの主観値が、現在の対象物に近似した客観値を有する過去の対象物に対する主観値と乖離しているか否かを判定する。近似した客観値を有する対象物に対して、ユーザが過去に示した主観値から乖離した主観値を示した場合、ユーザの感覚に異常が発生している可能性がある。そのため、ユーザに日常生活の中で感覚の異常の可能性を気づかせることができる。
また、値に幅のある主観値正常範囲を設定することによって、ユーザの感覚の誤差による変動を考慮して、感覚の異常の判定を行うことができる。
本発明の態様2に係る感覚異常検出装置(4a)は、上記態様1において、上記主観値正常範囲設定部(413a)は、上記データ取得部が取得した現在の客観値との差が所定の範囲内にある過去の客観値を複数特定し、特定した複数の過去の客観値に対応する複数の過去の主観値を基準として主観値正常範囲を設定してもよい。
上記の構成によれば、過去に取得した複数の主観値から主観値正常範囲を設定することができる。そのため、過去に取得した複数の主観値を用いることによって、ユーザに適した有効範囲を設定できる。
本発明の態様3に係る感覚異常検出装置(4b)は、上記態様1または2において、上記客観値が複数の種類の味覚の程度を示す値であり、上記主観値正常範囲設定部(413b)は、上記主観値正常範囲を複数の種類の味覚ごとに設定し、上記主観値正常範囲設定部は、さらに、第1の味覚に関する上記現在の主観値に対応する上記客観値、または、現在の客観値との差が所定の範囲内にある過去の客観値(QA、QB)が、ヒトが味覚を感じることができる最小値以上の値であり、かつ、上記第1の味覚に関する上記客観値と、上記複数の種類の味覚に関する複数の上記客観値であって、上記最小値以上の客観値うちの最小の客観値との差分(差分値DA、差分値DB)が第2の所定の値よりも大きい値であるとの条件を満たす場合に、上記第1の味覚に対する上記主観値正常範囲の幅を、上記条件を満たさない場合よりも狭く設定してもよい。
上記の構成によれば、客観値が、ヒトが味覚を感じることができる最小値である第1の所定の値より大きい値であり、かつ、他の味覚が示す値との差分が第2の所定の値よりも大きい値との条件を満たす味覚に対する主観値正常範囲の幅の設定を、上記条件を満たさない場合よりも狭く設定することができる。
例えば、特定の味覚の客観値が上記第1の所定の値より大きく、かつ、他の味覚が示す客観値との差分が第2の所定の値よりも大きい対象物において、ユーザは特定の味覚について、他の味覚よりも大きな値の主観値を示す。この時、ユーザが特定の味覚に対して大きな主観値を示さなかった場合、ユーザの感覚に異常が生じている可能性が考えられる。そのため、他の味覚よりも大きな値の客観値を有する特定の味覚に対して主観値正常範囲を狭く設けることで(特に、主観値正常範囲の下限値を高く設定することで)、ユーザの感覚の異常の発見精度を向上させることが可能となる。
本発明の態様4に係る感覚異常検出装置(4、4a、4b)は、上記態様1から3において、上記異常判定部(異常ポイント判定部415)は、上記データ取得部が取得した現在の主観値が、上記主観値正常範囲に含まれていないと判定するとポイントを加算し、上記ポイントが所定の値を超えた場合に、ユーザの感覚が異常であると判断してもよい。
上記の構成によれば、異常判定部は、上記データ取得部が取得した現在の主観値が、上記主観値正常範囲に含まれていないと判定するとポイントを加算し、上記ポイントが所定の値を超えた場合に、ユーザの感覚が異常であると判断する。すなわち、異常判定部は、ユーザが示す主観値が、主観値正常範囲に含まれているか否かを経時的に判定し、その結果に基づいてユーザの感覚が異常であると判断する。そのため、取得した主観値が主観値正常範囲に含まれているか否かを一度しか判定しない場合に比べて、確実な判定結果をユーザに提供することができる。
本発明の態様5に係る感覚異常検出システム(1、1a、1b)は、上記態様1から4の何れか1つの感覚異常検出装置と、上記主観値を取得し、上記感覚異常検出装置に出力する主観値取得装置(2)と、上記客観値を取得し、上記感覚異常検出装置に出力する客観値取得装置(3)と、上記異常判定部の異常を判断する判定結果を出力する出力装置(5)とを含んでいてもよい。
上記の構成によれば、上記態様1から5の何れか1つの健康管理装置と、上記主観値を取得し、上記感覚異常検出装置に出力する主観値取得装置と、上記客観値を取得し、上記感覚異常検出装置に出力する客観値取得装置と、上記感覚異常検出装置の上記出力指示部の指示に従い、上記異常判定部の異常を判断する判定結果を示す出力装置とを含む感覚異常検出システムを実現することができる。
また、上記構成の感覚異常検出システムであっても、上記態様1から5と同様の効果を奏することができる。
本発明の態様6に係る感覚異常検出装置の制御方法は、対象物に対するユーザの感覚の程度を示す主観値と、上記対象物がヒトの感覚に及ぼす客観的な程度を示す客観値とを対応付けて取得するデータ取得ステップと、上記データ取得ステップが取得した現在の客観値との差が所定の範囲内にある過去の客観値を特定し、特定した客観値に対応付いている過去の主観値を基準として主観値正常範囲を設定する主観値正常範囲設定ステップと、上記データ取得ステップが取得した現在の主観値が、上記主観値正常範囲に含まれるか否かを判定する異常判定ステップと、を含んでいてもよい。
上記の構成によれば、態様1と同様の効果を奏する。
本発明の各態様に係る感覚異常検出装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記感覚異常検出装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記感覚異常検出装置をコンピュータにて実現させる感覚異常検出装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、ユーザの感覚の異常を判定する感覚異常検出装置、およびシステムに利用することができる。
1、1a、1b 感覚異常検出システム
2 主観値取得装置
3 客観値取得装置
4、4a、4b 感覚異常検出装置
411 データ受付け部(データ取得部)
412、412a、412b 近似データ抽出部(主観値正常範囲設定部)
413、413a、413b 主観値正常範囲設定部
414 異常判定部
415 異常ポイント判定部(異常判定部、出力指示部)
42、42a、42b 記憶部
5 表示装置(出力装置)
QC 過去の客観値
QT 客観値
RC、R1〜R4 主観値正常範囲
SC 過去の主観値
STa、STb 主観値

Claims (5)

  1. 対象物に対するユーザの感覚の程度を示す主観値と、上記対象物がヒトの感覚に及ぼす客観的な程度を示す客観値とを対応付けて取得するデータ取得部と、
    上記データ取得部が取得した現在の客観値との差が所定の範囲内にある過去の客観値を特定し、特定した客観値に対応付いている過去の主観値を基準として主観値正常範囲を設定する主観値正常範囲設定部と、
    上記データ取得部が取得した現在の主観値が、上記主観値正常範囲に含まれるか否かを判定する異常判定部と、
    を備えていることを特徴とする感覚異常検出装置。
  2. 上記主観値正常範囲設定部は、上記データ取得部が取得した現在の客観値との差が所定の範囲内にある過去の客観値を複数特定し、特定した複数の過去の客観値に対応する複数の過去の主観値を基準として主観値正常範囲を設定することを特徴とする請求項1に記載の感覚異常検出装置。
  3. 請求項1または2に記載の感覚異常検出装置と、
    上記主観値を取得し、上記感覚異常検出装置に出力する主観値取得装置と、
    上記客観値を取得し、上記感覚異常検出装置に出力する客観値取得装置と、
    上記異常判定部の異常を判断する判定結果を出力する出力装置と
    を含む感覚異常検出システム。
  4. 対象物に対するユーザの感覚の程度を示す主観値と、上記対象物がヒトの感覚に及ぼす客観的な程度を示す客観値とを対応付けて取得するデータ取得ステップと、
    上記データ取得ステップが取得した現在の客観値との差が所定の範囲内にある過去の客観値を特定し、特定した客観値に対応付いている過去の主観値を基準として主観値正常範囲を設定する主観値正常範囲設定ステップと、
    上記データ取得ステップが取得した現在の主観値が、上記主観値正常範囲に含まれるか否かを判定する異常判定ステップと、
    を含んでいることを特徴とする感覚異常検出装置の制御方法。
  5. 請求項1または2に記載の感覚異常検出装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、上記各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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