ところで、印刷装置のプリンタドライバプログラムを起動した端末で、プリンタドライバプログラムに組み込まれた設定リストから印刷設定を選択して入力した場合は、印刷ジョブを受け取った印刷装置が自身の設定リストから、端末で選択されたのと同じ印刷設定を呼び出して適用し、印刷を実行することになる。
このため、例えば印刷装置の管理者が、端末で選択されたのと同じ印刷設定を印刷装置の設定リストから削除してしまっていると、端末で入力された印刷設定通りに画像を印刷することができなくなってしまう。
特に、端末からの印刷ジョブを実行して画像を印刷する際に端末のユーザによる本人認証入力を必要とする印刷装置では、端末が印刷ジョブを出力してからユーザが印刷装置で本人認証入力を行うまでに時間が経過する場合がある。このため、ユーザが端末で選択した印刷設定が印刷ジョブの実行時には印刷装置側の設定リストから削除されてしまっている、ということが起こる可能性は十分にある。
そして、このような場合は、ユーザが端末で入力した印刷設定を印刷装置の操作部から改めて入力し直す必要がある。
また、印刷装置の中には、実行した印刷ジョブの印刷データを記憶させておき、印刷装置の操作部からの入力により記憶させた印刷データを呼び出して再印刷する機能を有したものがある。この種の印刷装置で再印刷を行う場合も、呼び出した印刷データの印刷設定を操作部から入力する必要がある。
このように、印刷装置側で印刷設定を入力する際には、上述した先行文献のように端末で過去の印刷設定を保存していても活用することができない。
また、例えばオフィスでフリーアドレスが導入されている場合は、ユーザが操作する端末が固定化されないので、印刷ジョブを出力した端末に過去の印刷設定を記憶させても、同じユーザが他の端末を操作する際には利用することができない。
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、ネットワーク印刷システム上の装置における印刷設定の入力を容易にすることができる印刷システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様による印刷システムは、
印刷制御装置から出力された印刷ジョブに基づいて、前記印刷制御装置にネットワークを介して接続された印刷装置において印刷処理を行う印刷システムにおいて、
前記印刷制御装置から受信した印刷ジョブに含まれる印刷設定を、該印刷ジョブを出力した前記印刷制御装置のユーザを識別するユーザ識別情報と共に蓄積する蓄積手段と、
前記印刷設定の出力要求に呼応して、出力要求の要求元であるユーザと一致する前記ユーザ識別情報と共に蓄積された前記印刷設定を、前記蓄積手段から前記出力要求の要求元のユーザの印刷制御装置に出力する印刷設定出力手段と、
を備えることを特徴とする。
なお、本発明の第1参考例の態様による印刷システムのように、本発明の第1の態様による印刷システムにおいて、前記印刷制御装置から受信した印刷ジョブに適用する印刷設定を入力する印刷設定入力手段をさらに備えており、前記印刷設定出力手段は、前記出力要求に呼応して前記蓄積装置から出力された前記印刷設定を、前記出力要求の要求元としての前記印刷設定入力手段に、前記印刷制御装置から受信した印刷ジョブに適用する印刷設定の選択肢として出力する構成としてもよい。
また、本発明の第2の態様による印刷システムは、本発明の第1の態様による印刷システムや、本発明の第1参考例の態様による印刷システムにおいて、
前記印刷制御装置は、
所定の要求条件が成立する度に、前記印刷設定の出力要求を前記印刷装置に出力する要求出力手段と、
前記出力要求に呼応して前記印刷装置から出力された前記印刷設定の、前記印刷装置に出力する印刷ジョブに適用する印刷設定の選択肢としての入力を受け付ける印刷設定手段と、
を備えることを特徴とする。
なお、本発明の第2参考例の態様による印刷システムのように、本発明の第2の態様による印刷システムにおいて、前記蓄積手段は、前記ユーザ識別情報に加えてさらに、該ユーザ識別情報に対応する前記ユーザが属するグループを識別するグループ識別情報を、前記印刷設定と共に蓄積しており、前記印刷設定出力手段は、前記印刷制御装置からの出力要求に呼応して、前記特定された印刷制御装置のユーザが属する前記グループに対応する前記グループ識別情報と共に蓄積された前記印刷設定を、前記蓄積手段から前記出力要求の要求元に出力する構成としてもよい。
さらに、本発明の第3の態様による印刷システムは、本発明の第1及び第2の態様による印刷システムや、本発明の第1及び第2参考例の態様による印刷システムににおいて、前記印刷制御装置は、前記印刷装置に出力する前記印刷ジョブに、該印刷ジョブに含まれる前記印刷設定の蓄積を要求するステータスを含めるステータス追加手段をさらに備えており、前記蓄積手段は、前記ステータスが含まれている前記印刷ジョブの前記印刷設定を蓄積することを特徴とする。
なお、本発明の第3参考例の態様による印刷システムのように、本発明の第3の態様による印刷システムにおいて、前記印刷制御装置は、前記ステータスを含み印刷する画像の印刷データを含まない空の前記印刷ジョブを前記印刷装置に出力する空ジョブ出力手段をさらに備える構成としてもよい。
さらに、上記目的を達成するために、本発明の第4参考例の態様による印刷装置のように、
印刷制御装置から受信した印刷ジョブに基づいて印刷処理を行う印刷装置において、
前記印刷ジョブに含まれる印刷設定を、該印刷ジョブを出力した前記印刷制御装置のユーザを識別するユーザ識別情報と共に蓄積する蓄積手段と、
前記印刷設定の出力要求に呼応して、出力要求の要求元であるユーザと一致する前記ユーザ識別情報と共に蓄積された前記印刷設定を、前記蓄積手段から前記出力要求の要求元に出力する印刷設定出力手段と、
を備えることを特徴とする。
また、本発明の第5参考例の態様による印刷装置は、本発明の第4参考例の態様による印刷装置において、前記印刷制御装置から受信した印刷ジョブに適用する印刷設定を入力する印刷設定入力手段をさらに備えており、前記印刷設定出力手段は、前記出力要求に呼応して前記蓄積装置から出力された前記印刷設定の情報を、前記出力要求の要求元としての前記印刷設定入力手段に、前記印刷制御装置から受信した印刷ジョブに適用する印刷設定の選択肢として出力することを特徴とする。
さらに、本発明の第6参考例の態様による印刷装置は、本発明の第4又は第5参考例の態様による印刷装置において、前記印刷設定出力手段は、前記印刷制御装置からの出力要求に呼応して、該出力要求の要求元の前記印刷制御装置のユーザに対応する前記ユーザ識別情報と共に前記蓄積手段に蓄積された前記印刷設定の情報を、前記出力要求の要求元の印刷制御装置に出力することを特徴とする。
また、本発明の第7参考例の態様による印刷装置は、本発明の第6参考例の態様による印刷装置において、前記蓄積手段は、前記ユーザ識別情報に加えてさらに、該ユーザ識別情報に対応する前記ユーザが属するグループを識別するグループ識別情報を、前記印刷設定の情報と共に蓄積しており、前記印刷設定出力手段は、前記印刷制御装置からの出力要求に呼応して、前記特定された印刷制御装置のユーザが属する前記グループに対応する前記グループ識別情報と共に前記蓄積手段に蓄積された前記印刷設定の情報を、前記出力要求の要求元に出力することを特徴とする。
さらに、本発明の第8参考例の態様による印刷装置は、本発明の第4、第5、第6又は第7参考例の態様による印刷装置において、前記蓄積手段は、前記印刷設定の情報の蓄積を要求するステータスが含まれている前記印刷ジョブの前記印刷設定の情報を蓄積することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の第9参考例の態様による印刷制御装置は、
印刷装置に印刷ジョブを出力する印刷制御装置において、
所定の要求条件が成立する度に、前記印刷制御装置のユーザに対応する前記ユーザ識別情報と共に前記印刷装置の蓄積手段に蓄積された前記印刷設定の情報の出力を要求する前記出力要求を前記印刷装置に出力する要求出力手段と、
前記出力要求に呼応して前記印刷装置から出力された前記印刷設定の情報を、前記印刷装置に出力する印刷ジョブに適用する印刷設定の選択肢として、前記印刷装置に出力する印刷ジョブに適用する印刷設定の入力を受け付ける印刷設定手段と、
を備えることを特徴とする。
さらに、本発明の第10参考例の態様による印刷制御装置は、本発明の第9参考例の態様による印刷制御装置において、前記印刷装置に出力する前記印刷ジョブに、該印刷ジョブに含まれる前記印刷設定の情報の蓄積を要求するステータスを含めるステータス追加手段をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明の第11参考例の態様による印刷制御装置は、本発明の第10参考例の態様による印刷制御装置において、前記ステータスを含み印刷する画像の印刷データを含まない空の前記印刷ジョブを前記印刷装置に出力する空ジョブ出力手段をさらに備えることを特徴とする。
本発明によれば、ネットワーク印刷システム上の装置における印刷設定の入力を容易にすることができる。
即ち、本発明の第1の態様による印刷システムと、本発明の第4参考例の態様による印刷装置とによれば、印刷制御装置からの印刷ジョブを印刷装置が受信すると、その印刷ジョブに含まれる印刷設定の情報が、印刷ジョブの送信元の印刷制御装置のユーザの識別情報と共に、印刷装置の蓄積手段に蓄積される。
そして、印刷制御装置のユーザを特定した印刷設定の出力要求を受け取ると、これに呼応した印刷設定出力手段によって、特定された印刷制御装置のユーザに対応するユーザ識別情報と共に蓄積手段に蓄積された印刷設定の情報が、出力要求の要求元に出力される。出力要求の要求元は、例えば、特定したユーザの印刷制御装置である場合もあれば、特定したユーザによって操作された印刷装置自体である場合もある。
そして、出力要求に呼応した印刷設定出力手段によって、特定された印刷制御装置のユーザに対応するユーザ識別情報と共に蓄積手段に蓄積された印刷設定の情報が、出力要求の要求元である印刷装置や印刷制御装置に出力される。
さらに、蓄積手段の印刷設定の情報を要求出力の要求元が受け取ると、その要求元である印刷装置や印刷制御装置で印刷ジョブの印刷設定を入力する際に、受け取った印刷設定の情報が印刷設定の選択肢として提供される。
この提供は、例えば、印刷装置や印刷制御装置のマンマシンインターフェース(設定入力画面等)における印刷設定の入力欄における選択肢の表示(例えば、プルダウンメニュー形式での表示)等によって行うことができる。
したがって、印刷制御装置のユーザが印刷制御装置から印刷装置に出力させた過去の印刷ジョブの印刷設定を、後にそのユーザが、印刷装置や、印刷制御装置を構成する端末(以前に印刷ジョブを出力した際にユーザが操作した端末とは異なる端末でも可)において印刷設定の入力を行う際に、利用させることができる。
これにより、ネットワーク印刷システム上の装置における印刷設定の入力を容易にすることができる。
即ち、蓄積手段に蓄積した印刷設定を利用する形態としては、例えば、印刷制御装置から受信した印刷ジョブに適用する印刷設定を、その印刷ジョブの出力元の印刷制御装置のユーザが印刷装置の印刷設定入力手段から入力する場合がある。
その場合は、本発明の第1参考例の態様による印刷システムや本発明の第5参考例の態様による印刷装置のように、本発明の第1の態様による印刷システムや第4参考例の態様による印刷装置において、そのユーザが印刷制御装置から印刷装置に出力させた過去の印刷ジョブの印刷設定を、印刷制御装置から受信した印刷ジョブに適用する印刷設定の選択肢として蓄積手段から印刷設定入力手段に出力させて、ユーザに利用させることができる。
また、蓄積手段に蓄積した印刷設定を利用する形態としては、例えば、印刷装置に出力する印刷ジョブに適用する印刷設定の入力を、印刷制御手段の印刷設定手段において受け付ける場合がある。
その場合は、本発明の第2の態様による印刷システムや本発明の第6参考例の態様による印刷装置のように、本発明の第1の態様による印刷システム又は本発明の第1参考例の態様による印刷システムや、本発明の第4又は第5参考例の態様による印刷装置において、所定の要求条件が成立する度に印刷制御装置から出力される出力要求に呼応して、出力要求の出力元の印刷制御装置のユーザ識別情報と共に蓄積された印刷設定を印刷装置の蓄積手段から出力させる。
これにより、印刷装置に出力する印刷ジョブに適用する印刷設定を印刷制御装置の印刷設定手段において入力させる際の選択肢として、蓄積手段から出力された印刷設定をユーザに利用させることができる。
なお、所定の要求条件は、例えば、印刷制御装置のマンマシンインターフェース(設定入力画面等)において印刷ジョブの印刷設定を入力する際の要求入力(例えば、設定入力画面上の取得ボタンの操作等)によって、成立するものとすることができる。また、一定時間毎に周期的かつ自動的に所定の要求条件が成立するものとすることもできる。
また、本発明の第2参考例の態様による印刷システムと、本発明の第7参考例の態様による印刷装置とによれば、本発明の第2の態様による印刷システムと、本発明の第6参考例の態様による印刷装置とにおいて、印刷制御装置から出力要求があると、その印刷制御装置のユーザが属するグループに対応するグループ識別情報と共に蓄積された印刷設定が、印刷装置から出力要求の要求元の印刷制御装置に出力される。
したがって、ユーザ自身による過去の印刷ジョブの印刷設定だけでなく、ユーザが属するグループの各ユーザによる過去の印刷ジョブの印刷設定も、印刷装置に出力する印刷ジョブに適用する印刷設定を印刷制御装置の印刷設定手段において入力させる際の選択肢として、ユーザに利用させることができる。
さらに、本発明の第3の態様による印刷システムによれば、本発明の第1及び第2の態様による印刷システムや、本発明の第1及び第2参考例の態様による印刷システムにおいて、印刷設定の情報の蓄積を要求するステータスを含めた印刷ジョブを印刷制御装置が印刷装置に出力すると、これを受け取った印刷装置の蓄積手段に、受け取った印刷ジョブに含まれる印刷設定の情報が蓄積される。
このため、後に再度利用する可能性がある印刷設定の情報のみを選んで印刷装置の蓄積手段に蓄積させるようにして、蓄積手段の容量を有効に活用することができる。
このような効果は、本発明の第8参考例の態様による印刷装置によっても得ることができ、また、本発明の第10参考例の態様による印刷制御装置を用いて実現することができる。
また、本発明の第3参考例の態様による印刷システムと、本発明の第11参考例の態様による印刷制御装置とによれば、本発明の第3の態様による印刷システムと、本発明の第10参考例の態様による印刷制御装置とにおいて、印刷設定と印刷設定の情報の蓄積を要求するステータスとを含む空の印刷ジョブには印刷データが含まれていない。このため、空の印刷ジョブを印刷制御装置から受け取った印刷装置は、印刷データに基づいた画像の印刷を行わず、印刷設定の蓄積手段への蓄積のみを行う。
したがって、印刷装置で画像を印刷させるための印刷ジョブが印刷制御装置において発生しなくても、空の印刷ジョブを印刷制御装置から印刷装置に出力させることで、印刷設定を印刷装置の蓄積手段に蓄積させることができる。
(印刷システムの全体構成)
以下に添付図面を参照して、本発明に係る印刷システムの実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本実施形態に係る印刷システムの概要を示す概念図である。なお、通信ネットワーク4に接続される機器の種類及び台数は、図1に示す例に限定されない。
本実施形態における印刷システムは、図1に示すように、通信ネットワーク4に対して、複数のユーザ端末1(1a及び1b、請求項中の印刷制御装置に相当)と、認証サーバ3と、印刷装置2が接続されている。そして、ユーザ端末1を操作するジョブ出力者5(5a及び5b)が、印刷ジョブを、ユーザ端末1から通信ネットワーク4を介して印刷装置2へ出力する。その後、ジョブ出力者5が、印刷装置2において、自身の識別用のICカード8を用い、先にユーザ端末1から出力した印刷ジョブの印刷処理を実行させるものである。
ユーザ端末1(1a及び1b)は、CPUを備えた演算処理装置であり、各種アプリケーションソフトにより印刷用のデータを作成し、そのデータの印刷処理の実行を指示する機能を備えている。ユーザ端末1は、例えば、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータにより実現することができる。
印刷装置2は、ユーザ操作に基づく印刷指示に従って、通信ネットワーク4を通じてユーザ端末1から受信した印刷ジョブを印刷するネットワークプリンタである。この印刷装置2は、インクジェット方式 、熱転写方式 、感熱方式、又は写真方式など種々の印刷装置を用いることができる。
通信ネットワーク4は、通信プロトコルTCP/IPを用いて種々の通信回線(FTTHなどの光回線、ADSL回線などの公衆回線、専用回線、無線通信網)を相互に接続して構築される分散型のIP網であり、このIP網には、10BASE−Tや100BASE−TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANも含まれる。
認証サーバ3は、通信ネットワーク4上において、印刷処理を実行するユーザの正当性を検証するコンピュータ或いはその機能を持ったソフトウェアである。即ち、本実施形態では、認証サーバ3は、認証部としての機能を備えている。認証部としての認証サーバ3は、通信ネットワーク4或いは無線通信を通じて入力されるICカード8の認証情報と、自身が蓄積している認証情報とを照合し、その一致又は不一致に基づいて認証処理を行う。
ICカード8は、ユーザ(ジョブ出力者5)毎に付与された携帯可能な記録媒体である。ICカード8には、各ユーザを識別するユーザ識別子D2(請求項中のユーザ識別情報に相当)が記録されている。本実施形態においては、ICカード8は、社員証などのカード式の記録媒体であり、図1に示すように、例えば、磁気帯8aや、ICチップ8bを有している。そして、この磁気帯8aや、ICチップ8bにユーザ識別子D2を記憶保持している。
なお、本実施形態において、ICカード8は、カード式の記録媒体としたが、これに限定されるものではなく、ジョブ出力者5の識別情報が記録され、携帯することができればよく、例えば、ICチップを内蔵した携帯電話等の携帯認証装置であってもよい。
(各装置の内部構造)
次いで、各装置の内部構造について説明する。なお、本実施形態中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
(1)ユーザ端末の構成
先ず、ユーザ端末1について説明する。図2はユーザ端末1の内部構成を示すブロック図、図3はユーザ端末1で生成される印刷ジョブの構成を示す説明図、図4はユーザ端末1のディスプレイ16上に表示される印刷設定に関する設定画面を示す説明図である。
図2に示すように、ユーザ端末1は、種々の演算処理を行う演算処理部10と、印刷装置2で印刷する画像の印刷データを生成するためのプリンタドライバプログラム等やデータを保存する記憶部11と、ユーザ端末1に対してデータや操作信号、映像・音声信号等の入出力を行う出力インターフェース12及び入力インターフェース13と、通信ネットワーク4を介して通信を行うための通信インターフェース14と、これらの各モジュールを接続するバス15とを有している。
出力インターフェース12及び入力インターフェース13は、データや映像・音声信号等の入出力を行う外部端子を含むデータ転送モジュールである。これらには、具体的には、ディスプレイ16等の表示装置や、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、記憶部(ハードディスクドライブ)11、マウス13aやキーボード13b等の入力デバイスなど、一般的に用いられているデバイスが接続される。そして、出力インターフェース12及び入力インターフェース13は、各デバイスに適合した信号形式でデータや信号の送受信を行う。
通信インターフェース14は、印刷装置2との間でデータの送受信を行う通信インターフェースであり、例えば、シリアル方式や、USB方式によりデータの通信を行う。
記憶部11は、各種データを蓄積する記憶装置であり、マウス13aやキーボード13b等の入力デバイスから入力されたデータや演算処理部10による演算処理の結果を保存するものである。
また、本実施形態において、記憶部11は、ユーザ(ジョブ出力者5)がユーザ端末1にログインする際に入力したユーザID、即ち、ICカード8に記録されたユーザ識別子D2を記憶している。また、記憶部11は、ユーザ識別子D2に対応するユーザ名及びユーザが属するグループを識別するグループ識別子D3(グループ識別情報に相当)とユーザ識別子D2とを関連付けたテーブルを記憶している。
さらに、記憶部11は、ユーザ端末1及び印刷装置2の装置名称と、各印刷装置2と各印刷装置2のネットワークアドレスであるIPアドレスとを関連付けたテーブルや、各印刷装置2と各印刷装置2において実行可能な印刷機能の情報とを関連付けたテーブルを記憶している。
演算処理部10は、プロセッサやメモリその他の周辺装置によって構成される演算装置である。特に、本実施形態において、この演算処理部10上では、OS(オペレーティングシステム)101が実行され、OS101上でアプリケーション102や、上記各部11〜14の制御を行うプリンタドライバ110が実行される。
プリンタドライバ110は、ユーザ端末1に接続された印刷装置2を制御するために、ユーザ端末1上で実行される印刷制御プログラムである。このプリンタドライバ110は、例えばユーザ端末1内において、文書作成ソフト等のアプリケーション102で作成された原稿データを取得し、ユーザ操作に従って印刷用のイメージデータである図3の印刷データD10を生成する。
また、プリンタドライバ110は、ディスプレイ16に表示される図4の印刷設定画面上でユーザが入力する図3の印刷設定の情報D12を印刷データD10に付加して、印刷ジョブD1を生成する。そして、この印刷ジョブD1を印刷装置2に送出し、印刷装置2において印刷処理を実行させる。印刷設定の情報D12には、印刷設定を登録保存(又は削除)することを示すステータスの情報が含まれている。
印刷設定を保存(又は削除)することを示すステータスは、図4の印刷設定画面上での入力によって設定される。即ち、印刷設定画面には、その下方に「印刷設定を登録する」と「印刷設定を削除する」のチェックボックスが設けられている。
「印刷設定を登録する」のチェックボックスは、印刷設定画面上で入力した印刷設定の情報D12を印刷装置2に登録保存させたい場合にチェックするものである。また、「印刷設定を削除する」のチェックボックスは、既に印刷装置2に登録保存されている、印刷設定画面上で入力した印刷設定の情報D12を、削除させたい場合にチェックするものである。
なお、プリンタドライバ110は、必要に応じて、印刷データD10を省略した印刷ジョブD1を生成する。そのために、図4の印刷設定画面の下方には、「印刷設定のみ送信する」のチェックボックスも設けられている。このチェックボックスは、印刷設定画面上でユーザが入力した印刷設定の情報D12を含み、その印刷設定を適用する印刷データD10をブランク(なし)とした印刷ジョブD1を、印刷装置2に出力させたい場合にチェックするものである。
図4の印刷設定画面の左下には、印刷設定呼出メニューが設けられている。このメニューは「呼出」ボタン161とプルダウンメニュー部163とを有している。「呼出」ボタン161は、印刷装置2に登録保存されている印刷設定の情報D12をユーザ端末1に取り込む際に操作するものである。
また、プルダウンメニュー部163は、印刷設定画面で設定する印刷設定の各項目の内容を、印刷設定のタイトルによって指定する際に操作するものである。プルダウンメニュー部163のタイトルをクリック操作することでプリンタドライバ110は、印刷設定画面の各項目を、そのタイトルに対応する内容にまとめて設定する。
「呼出」ボタン161が操作されるとプリンタドライバ110は、記憶部11に記憶されているユーザ端末1にログインしたユーザのユーザ識別子D2とテーブルとを参照して、ユーザが属するグループのグループ識別子D3を特定する。そして、プリンタドライバ110は、特定したグループ識別子D3を付加した印刷設定の情報D12の出力要求を、通信ネットワーク4を介して印刷装置2に出力する。
この出力要求に呼応した印刷装置2からの、ユーザが属するグループのグループ識別子D3と関連付けて登録された印刷設定の情報D12を受け取ると、プリンタドライバ110は、受け取った印刷設定の情報D12のタイトルリストをプルダウンメニュー部163に表示するタイトルに追加する。
さらに、プリンタドライバ110は、図3に示すように、宛先アドレス情報D11、印刷設定画面で設定した印刷設定の情報D12、ジョブ出力者識別子D13、グループ情報D14を、印刷データD10に付加して印刷ジョブD1として生成する。
宛先アドレス情報D11は、印刷ジョブD1を出力する相手の印刷装置2のIPアドレス及びMACアドレスである。また、ジョブ出力者識別子D13は、ユーザ端末1にログインしたユーザ(ジョブ出力者5)のユーザ識別子D2である。グループ情報D14は、ユーザが属するグループのグループ識別子D3である。プリンタドライバ110が生成した印刷ジョブD1は、通信ネットワーク4を介して印刷装置2に送信される。
(2)印刷装置の構成
次いで、印刷装置2の構成について説明する。図5は印刷装置2の内部構成を示すブロック図である。図5に示すように、印刷装置2には、ネットワークを通じて受信されたデータを印刷するためのモジュールとして、通信インターフェース21と、操作パネル22と、記憶部25(請求項中の蓄積手段に相当)と、演算処理部20と、IC読取部23とを備えている。
通信インターフェース21は、ユーザ端末1との間でデータの送受信を行う通信インターフェースであり、例えば、有線・無線LANやシリアル方式、USB方式等によりデータの通信を行う。操作パネル22は、ユーザによる指示操作や設定操作を受け付けるモジュールであり、本実施形態においては、例えば、記憶部25にスプールされている印刷ジョブD1の中から、印刷すべきデータを選択するための情報を表示したり、認証情報を設定するための情報が表示可能なタッチパネルとなっている。
IC読取部23は、ICカード8内に蓄積されたユーザ識別子D2を読み取るリーダライタ装置である。リーダライタ装置としては、例えば、ICカード8に搭載されたアンテナに弱い電波を送信し、ICチップ8bに記録された識別用のデータで変調された信号を受信しデータを読み取る非接触式を用いることができる。
なお、IC読取部23は、非接触式のリーダライタ装置に限定されず、例えば、ICチップ8b等が搭載されたカードや磁気カードなどをスロットに挿入する接触式を用いてもよく、ユーザ識別子D2を蓄積する媒体に対応した読取装置を用いるようにする。
記憶部25は、各種のデータや、プログラムを記憶保持する記憶装置等であり、この記憶部25には、ユーザ端末1から取得した印刷ジョブD1が保存される。この印刷ジョブD1は、複数の印刷ジョブD1を印刷処理と非同期に受信できるようになっており、ユーザ操作によって、印刷処理の実行指示があるまで記憶部25に蓄積される。
また、記憶部25には、ユーザ端末1から受け取った印刷ジョブD1の、印刷設定を保存することを示すステータスが存在する印刷設定の情報D12が、その印刷ジョブD1のジョブ出力者識別子D13(ユーザ識別子D2)やグループ情報D14(グループ識別子D3)と関連付けて、登録保存されている。
さらに、記憶部25は、ジョブ出力者識別子D13(ユーザ識別子D2)とこれに対応するユーザが属するグループに対応するグループ情報D14(グループ識別子D3)とを関連付けたテーブルを記憶している。
演算処理部20は、CPUやDSP(Digital Signal Prosessor)等のプロセッサ、メモリ、及びその他の電子回路等のハードウェア、或いはその機能を持ったプログラム等のソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成された演算モジュールである。この演算処理部20は、プログラムを適宜読み込んで実行することにより種々の機能モジュールを仮想的に構築し、構築された各機能モジュールによって、画像データに関する処理や、各部の動作制御、ユーザ操作に対する種々の処理を行う。
特に、本実施形態における認証出力機能に関する制御は、操作パネル22、又はユーザ端末1上のプリンタドライバ110を通じて受け付けたユーザ操作の内容に応じて、演算処理部20によって行われる。そのために、認証出力に関するモジュールとして、演算処理部20には、操作信号取得部201と、認証制御部203と、ジョブデータ受信部204と、画像制御部202とが構築される。
ジョブデータ受信部204は、一連の印刷処理単位である印刷ジョブD1を受信するモジュールであり、受信した印刷ジョブD1を記憶部25に受け渡す。また、受信した印刷ジョブD1の印刷設定の情報D12が、その印刷設定を保存することを示すステータスを含んでいる場合に、印刷設定の内容を記憶部25に登録保存させる。
この場合、印刷設定の内容は、印刷ジョブD1のジョブ出力者識別子D13(ユーザ識別子D2)やグループ情報D14(グループ識別子D3)と関連付けて、記憶部25に登録保存される。
また、ジョブデータ受信部204は、受信した印刷ジョブD1の印刷設定の情報D12が、その印刷設定を削除することを示すステータスを含んでいる場合に、既に記憶部25に登録保存されている、受信した印刷ジョブD1の印刷設定の情報D12と同じ内容の印刷設定の情報を、記憶部25から削除させる。
操作信号取得部201は、操作パネル22、及び通信インターフェース21を通じて、ユーザによる操作信号を受信するモジュールであり、受信した操作信号を解析し、ユーザ操作に応じた処理を他のモジュールに実行させる。
特に、本実施形態において、この操作信号取得部201は、通信インターフェース21を介して接続されたプリンタドライバ110や、操作パネル22から、印刷処理の指示操作を受け付けたり、認証出力に関する操作を受け付ける。この操作信号取得部201で受信された操作信号は、制御信号として、認証制御部203に入力される。
また、操作信号取得部201は、通信インターフェース21を介して接続されたプリンタドライバ110からの印刷設定の情報D12の出力要求を受け取ると、その出力要求に付加されたグループ識別子D3(グループ情報D14)と関連付けて登録保存されている印刷設定の情報D12を、出力要求の要求元のユーザ端末1に出力する。
なお、操作信号取得部201には、印刷に用いる用紙のサイズ、種類又は厚さ等の用紙種別等の印刷設定に関する情報を取得する機能も備えられている。印刷設定の情報の取得には、操作パネル22の不図示のディスプレイに表示される印刷設定画面が用いられる。
この印刷設定画面の内容は、ユーザ端末1のディスプレイ16に表示される図4の印刷設定画面の下方に存在する「印刷設定を登録する」、「印刷設定を削除する」及び「印刷設定のみ送信する」の各チェックボックスが省略されている点を除き、図4の印刷設定画面の内容とおおよそ同様である。
したがって、印刷装置2の印刷設定画面において、図4の印刷設定画面における印刷設定呼出メニューの「呼出」ボタン161に相当するボタンを操作すると、記憶部25に登録保存されている印刷設定の情報D12が呼び出されて、印刷設定呼出メニューに設けた図4のプルダウンメニュー部163に相当するメニュー部に選択肢として表示するタイトルに追加される。
記憶部25に登録保存されている印刷設定の情報D12の呼び出しは、認証制御部203が、IC読取部23でICカード8から読み取ったユーザ識別子D2(ジョブ出力者識別子D13)に基づいて行う。
認証制御部203は、印刷システムへのログインを制御するモジュールであり、具体的には、印刷実行の操作信号を取得すると、IC読取部23から取得されたユーザ識別子D2を認証サーバ3へ送信する。また、認証制御部203は、認証サーバ3から送出された認証信号を取得し、認証信号が認証許可であった場合には、印刷システムにログインさせ、記憶部25に記憶された印刷ジョブD1の中から、IC読取部23から取得されたユーザ識別子D2と一致するジョブ出力者識別子D13を有する印刷ジョブD1を検索する。
そして、ユーザ識別子D2と一致するジョブ出力者識別子D13を有する印刷ジョブD1が検索された場合には、その印刷ジョブ名を操作パネル22上に表示させて、ユーザ操作を受け付ける。一方、ユーザ識別子D2と一致するジョブ出力者識別子D13を有する印刷ジョブD1がない場合には、操作パネル22上に印刷ジョブが存在しない旨を表示させる。
また、認証制御部203は、印刷装置2の印刷設定画面において、図4の印刷設定画面における印刷設定呼出メニューの「呼出」ボタン161に相当するボタンが操作されると、ICカード8から読み取ったユーザ識別子D2(ジョブ出力者識別子D13)に対応するグループ情報D14(グループ識別子D3)を、記憶部25のテーブルを用いて特定する。
そして、認証制御部203は、特定したグループ情報D14(グループ識別子D3)と共に登録されている印刷設定の情報D12を記憶部25から呼び出し、印刷設定画面の印刷設定呼出メニューに設けた図4のプルダウンメニュー部163に相当するメニュー部に選択肢として表示するタイトルに追加する。
画像制御部202は、印刷処理に関する処理を制御し、操作パネル22上に表示された印刷ジョブD1の印刷処理を実行するモジュールである。具体的に、画像制御部202は、画像処理に特化したディジタル信号処理を行う機能を有し、印刷の処理単位である印刷ジョブD1を取得する。
また、この画像制御部202は、印刷処理を実行する印字手段24である各インクヘッドの駆動や、搬送経路の駆動手段の動作を制御し、画像形成処理全体を制御し、スケジューリングに従ったタイミング及び印字速度で画像形成を行う。
(3)認証サーバ
次いで、認証サーバ3の内部構成について説明する。図6は認証サーバ3の内部構成を示すブロック図である。認証サーバ3には、通信インターフェース31と、認証部32と、認証情報取得部33と、履歴情報取得部34と、記憶部35とが備えられている。
記憶部35は、認証出力に関する情報を蓄積するメモリ装置である。記憶部35には、ジョブ出力者5を含む印刷システムの各ユーザを識別するユーザ識別子D2、各ユーザが属するグループを識別するグループ識別子D3、各ユーザの使用するユーザ端末1の宛先アドレス、及び使用履歴等が関連付けて蓄積されている。
認証情報取得部33は、印刷装置2によって読み取られたユーザ識別子D2を、通信インターフェース31を介して取得するモジュールである。そして、取得されたユーザ識別子D2は、認証部32に送出される。通信インターフェース31は、印刷装置2との間でデータの送受信を行うインターフェースである。
認証部32は、記憶部35に蓄積されたユーザ識別子と、印刷装置2から取得したユーザ識別子D2とを比較して認証を行い、印刷システムへのログインを許可するモジュールである。具体的には、印刷装置2から取得したICカード8のユーザ識別子D2と一致するユーザ情報が記憶部35内に存在するか否かを判断する。
印刷装置2から取得したユーザ識別子D2と一致するユーザ情報が記憶部35内に存在する場合には、印刷システムへのログインを許可する認証許可の信号を生成する。一方、印刷装置2から取得したユーザ識別子D2と一致するユーザ情報が記憶部35内に存在しない場合には、印刷システムへのログインを禁止する認証不可の信号を生成する。そして、認証部32は、これらの認証に関する信号を印刷装置2の認証制御部203へ送信する。
履歴情報取得部34は、認証出力に関する履歴情報を取得するモジュールであり、例えば、印刷システムへのログイン、ログアウトの情報を取得する。なお、ログインは上述した認証許可信号の印刷装置2への送信をトリガとし、ログアウトは、例えば、ログイン後に印刷装置2で実行された印刷処理の完了をトリガとすることができる。ログイン後に印刷装置2で実行された印刷処理の完了は、印刷装置2から履歴情報取得部34に通知される。
(印刷システムの動作)
以上の構成を有する印刷システムの、特に、ユーザ端末1と印刷装置2とがそれぞれ行う印刷設定の蓄積及び利用に関する動作を説明する。図7はユーザ端末1のプリンタドライバ110が行う印刷設定の蓄積及び利用に関する動作を示すフローチャート、図8及び図9は印刷装置2が行う印刷設定の蓄積及び利用に関する動作を示すフローチャートである。
先ず、ユーザ端末1側の動作処理を説明する。図7に示すように、ジョブ出力者5がユーザ端末1(1a)において、印刷処理を開始する操作を行うと、ユーザ端末1(1a)のプリンタドライバ110は、アプリケーション102で作成されたデータから印刷用のイメージデータである印刷データD10を生成する(ステップS1)。
さらに、プリンタドライバ110は、その印刷データD10に対して印刷設定を受け付ける。具体的には、プリンタドライバ110は、ディスプレイ16上に図4の印刷設定画面を表示させ(ステップS3)、画面中の「呼出」ボタン161が操作されたか否かを確認する(ステップS5)。
操作されていない場合は(ステップS5でNO)、後述するステップS13に移行する。一方、操作された場合は(ステップS5でYES)、ユーザ端末1にログインしているユーザが属するグループのグループ識別子D3を付加した印刷設定の情報D12の出力要求を、通信ネットワーク4を介して印刷装置2に出力する(ステップS7)。
そして、プリンタドライバ110は、その出力要求に呼応して印刷装置2が出力する印刷設定の情報D12を受信し(ステップS9)、受信した印刷設定の情報D12のタイトルリストを、印刷設定画面中のプルダウンメニュー部163に表示するタイトルに反映し追加した後(ステップS11)、ステップS13に移行する。
ステップS13では、プリンタドライバ110は、印刷設定画面上における印刷設定の入力を受け付け、続いて、画面上の「キャンセル」ボタン165(図4参照)が操作されたか否かを確認する(ステップS15)。「キャンセル」ボタン165が操作されていない場合は(ステップS15でNO)、一連の処理を終了し、操作された場合は(ステップS15でYES)、画面上の「OK」ボタン167(図4参照)が操作されたか否かを確認する(ステップS17)。
「OK」ボタン167が操作されていない場合は(ステップS17でNO)、ステップS5にリターンし、操作された場合は(ステップS17でYES)、プリンタドライバ110は、印刷設定画面上で入力された印刷設定の内容に応じた印刷設定の情報D12等を含む印刷ジョブD1を生成する(ステップS19)。そして、プリンタドライバ110は、生成した印刷ジョブD1を、通信ネットワーク4を介して印刷装置2に出力した後(ステップS21)、一連の処理を終了する。
なお、印刷設定画面上で「印刷設定を登録する」のチェックボックスがチェックされている場合は、プリンタドライバ110は、ステップS19において、印刷設定画面上で入力した印刷設定の情報D12を印刷装置2に登録保存させるステータスを含む印刷ジョブD1を生成する。
また、印刷設定画面上で「印刷設定を削除する」のチェックボックスがチェックされている場合は、プリンタドライバ110は、ステップS19において、既に印刷装置2に登録保存されている、印刷設定画面上で入力した印刷設定の情報D12と同じ印刷設定の情報D12を、削除させるステータスを含む印刷ジョブD1を生成する。
さらに、印刷設定画面上で「印刷設定のみ送信する」のチェックボックスがチェックされている場合は、プリンタドライバ110は、ステップS19において、印刷データD10を省略した印刷ジョブD1を生成する。
次に、印刷装置2側の動作処理を説明する。図8に示すように、印刷装置2の演算処理部20の操作信号取得部201は、プリンタドライバ110からの印刷設定の情報D12の出力要求が通信インターフェース21を介して入力されたか否かを確認する(ステップS31)。
入力されていない場合は(ステップS31でNO)、後述するステップS35に進み、入力された場合は(ステップS31でYES)、認証制御部203は、その出力要求に付加されたグループ識別子D3(グループ情報D14)と関連付けて記憶部25に登録保存されている印刷設定の情報D12を記憶部25から抽出し、出力要求の要求元のユーザ端末1に出力した後(ステップS33)、ステップS35に移行する。
ステップS35では、演算処理部20のジョブデータ受信部204は、ユーザ端末1からの印刷ジョブD1が入力されたか否かを確認する。入力されていない場合は(ステップS35でNO)、後述するステップS49に進み、入力された場合は(ステップS35でYES)、入力された印刷ジョブD1の印刷設定の情報D12が、その印刷設定を保存することを示すステータスを含んでいるか否かを確認する(ステップS37)。
保存するステータスを含んでいる場合は(ステップS37でYES)、ジョブデータ受信部204は、入力された印刷ジョブD1に含まれるジョブ出力者識別子D13(ユーザ識別子D2)及びグループ情報D14(グループ識別子D3)と関連付けて、印刷ジョブD1の印刷設定の情報D12を記憶部25に登録保存させた後(ステップS39)、後述するステップS45に移行する。
一方、保存するステータスを含んでいない場合は(ステップS37でNO)、ジョブデータ受信部204は、その印刷設定を削除することを示すステータスを含んでいるか否かを確認する(ステップS41)。削除するステータスを含んでいない場合は(ステップS41でNO)、ステップS45に移行する。
一方、削除するステータスを含んでいる場合は(ステップS41でYES)、ジョブデータ受信部204は、既に記憶部25に登録保存されている、入力された印刷ジョブD1の印刷設定の情報D12と同じ内容の印刷設定の情報を、記憶部25から削除させた後(ステップS43)、ステップS45に移行する。
ステップS45では、ジョブデータ受信部204は、入力された印刷ジョブD1に印刷データD10が含まれているか否かを確認する。含まれていない場合は(ステップS45でNO)、一連の処理を終了し、含まれている場合は(ステップS45でYES)、ジョブデータ受信部204は、入力された印刷ジョブD1の内容を記憶部25に保存させた後(ステップS47)、一連の処理を終了する。
そして、ステップS35でユーザ端末1からの印刷ジョブD1が入力されていない場合(NO)に進むステップS49では、図9に示すように、演算処理部20の操作信号取得部201は、記憶部25に保存された印刷ジョブD1の印刷処理の実行が操作パネル22の操作等により要求されたか否かを確認する。
印刷処理の実行が要求されていない場合は(ステップS49でNO)、一連の処理を終了し、要求された場合は(ステップS49でYES)、認証制御部203は、認証処理がOKであるか否かを確認する(ステップS51)。
この確認に当たっては、操作信号取得部201が印刷実行の操作信号を操作パネル22から受け取った際に、操作信号取得部201が、IC読取部23にユーザのICカード8をかざすように指示するメッセージを操作パネル22に表示させる。さらに、IC読取部23から取得したユーザ識別子D2を認証制御部203が認証サーバ3へ送信し、認証サーバ3からの認証信号が認証許可であるか否かを認証制御部203で確認する。
そして、認証処理がOKでない(認証サーバ3からの認証信号が認証許可でない)場合は(ステップS51でNO)、一連の処理を終了する。一方、認証処理がOKである(認証サーバ3からの認証信号が認証許可である)場合は(ステップS51でYES)、操作信号取得部201は、先に説明した図4の印刷設定画面とほぼ同じ内容の印刷設定画面を操作パネル22に表示させる(ステップS53)。
さらに、操作信号取得部201は、印刷設定画面中の「呼出」ボタンが操作されたか否かを確認し(ステップS55)、操作されていない場合は(ステップS55でNO)、後述するステップS65に移行する。一方、操作された場合は(ステップS55でYES)、操作信号取得部201は、認証されたユーザが属するグループのグループ識別子D3を付加した印刷設定の情報D12の出力を認証制御部203に要求する(ステップS57)。
そして、認証制御部203は、その出力要求に付加されたグループ識別子D3(グループ情報D14)と関連付けて記憶部25に登録保存されている印刷設定の情報D12を記憶部25から抽出する(ステップS59)。さらに、操作信号取得部201は、抽出された印刷設定の情報D12のタイトルリストを、印刷設定画面中のプルダウンメニュー部に表示するタイトルに反映し追加した後(ステップS61)、操作信号取得部201は、印刷設定画面上における印刷設定の入力を受け付ける(ステップS63)。
続いて、操作信号取得部201は、画面上の「キャンセル」ボタンが操作されたか否かを確認する(ステップS65)。「キャンセル」ボタンが操作されていない場合は(ステップS65でNO)、一連の処理を終了し、操作された場合は(ステップS65でYES)、操作信号取得部201は、画面上の「OK」ボタンが操作されたか否かを確認する(ステップS67)。
「OK」ボタンが操作されていない場合は(ステップS67でNO)、ステップS55にリターンし、操作された場合は(ステップS67でYES)、操作信号取得部201は、印刷設定画面上で入力された内容に応じた印刷設定で、印刷データD10の印刷処理を行った後(ステップS69)、一連の処理を終了する。
以上の説明からも明らかなように、本実施形態の印刷システムでは、図8のフローチャートにおけるステップS33が、請求項中の印刷設定出力手段に対応する処理となっている。また、本実施形態の印刷システムでは、操作パネル22の印刷設定画面を表示させる部分が印刷設定入力手段に相当している。
さらに、本実施形態の印刷システムでは、図7のフローチャートにおけるステップS7が、請求項中の要求出力手段に対応する処理となっており、図7のステップS13が、請求項中の印刷設定手段に対応する処理となっている。また、本実施形態の印刷システムでは、図7のステップS19が、請求項中のステータス追加手段に対応する処理となっており、図7のステップS19及びステップS21が、空ジョブ出力手段に対応する処理となっている。さらに、本実施形態の印刷システムでは、ユーザ端末1のディスプレイ16に図4の印刷設定画面を表示させる部分が、請求項中の印刷設定手段に相当している。
以上に説明した本実施形態の印刷システムによれば、ユーザ端末1で印刷設定画面により入力した印刷設定の情報D12を、印刷設定画面上で印刷装置2に登録することを示すチェックボックスをチェックすることで、印刷装置2の記憶部25に登録保存させることができる。登録された印刷設定の情報D12は、ユーザ端末1の印刷設定画面上で「呼出」ボタン161を操作することで、ユーザの属するグループに関連付けられた印刷設定の情報D12を記憶部25から抽出し印刷装置2からユーザ端末1に取り込むことができる。
印刷装置2の記憶部25からユーザ端末1に印刷設定の情報D12が取り込まれると、図4の印刷設定画面のプルダウンメニュー部163に表示される印刷設定の情報D12のタイトルリストが、印刷装置2から取り込まれた印刷設定の情報D12のタイトルを含む内容に更新される。
そして、プルダウンメニュー部163のリストから1つをクリックして選択すると、例えば「設定2」のタイトルの印刷設定を選択した場合、図10に示すように、各設定の内容が、「設定2」のタイトルの印刷設定の情報D12の内容に変更される。したがって、過去に使ったのと同じ内容の印刷設定を行う場合に、各設定項目を一つ一つ過去の設定と同じ内容で入力する必要をなくし、入力の容易化を図ることができる。
また、本実施形態の印刷システムによれば、ユーザ端末1にログインしたユーザやそのユーザが属するグループの各ユーザが過去に印刷装置2に出力して記憶部25に記憶させた印刷ジョブD1の印刷設定の情報D12を、ユーザ端末1に呼び出して利用することができる。
このため、ユーザが別のユーザ端末1で過去に出力した印刷ジョブD1の印刷設定の情報D12であっても、別のユーザ端末1において印刷装置2の記憶部25から呼び出して利用することができる。即ち、フリーアドレスのオフィスでも自分が過去に行った印刷の印刷ジョブD1で設定した印刷設定の情報D12を、容易に利用することができる。
さらに、本実施形態の印刷システムによれば、印刷装置2の記憶部25に登録された印刷設定の情報D12を、印刷装置2で印刷ジョブを実行し印刷処理する際にも、印刷設定を新たに行う際の選択肢として利用することができる。
このように、ユーザ端末1から印刷ジョブD1を出力する際に、その印刷ジョブD1に含まれる印刷設定の情報D12を必要に応じて印刷装置2の記憶部25に登録保存させて、その後必要なときにユーザ端末1や印刷装置2で利用できるようにすることができる。これにより、ネットワーク印刷システム上のユーザ端末1や印刷装置2における印刷設定の入力を容易にすることができる。
なお、本実施形態では、図4の印刷設定画面上で「呼出」ボタン161が操作されることで所定の要求条件が成立し、ユーザ端末1からの印刷設定の情報D12の出力要求が印刷装置2に出力されるものとした。しかし、それ以外のタイミングで印刷設定の情報D12の出力要求をユーザ端末1から印刷装置2に出力する構成としてもよい。
例えば、図4の印刷設定画面をディスプレイ16に表示させることで所定の要求条件が成立して、出力要求がユーザ端末1から印刷装置2に自動的に出力されるようにしてもよく、一定周期毎に所定条件が成立して出力要求を周期的に出力し、印刷設定画面の印刷設定の情報D12のタイトルリストを定期的に更新させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、ユーザ端末1からの印刷ジョブD1に含まれる印刷設定の情報D12の登録保存先が、印刷装置2内の記憶部25であるものとした。しかし、例えば印刷装置の本体とは別体のプリンタサーバが印刷装置の一部として存在する場合に、プリンタサーバ内の記憶部を印刷設定の情報D12の登録保存先としてもよい。
さらに、本実施形態では、同じユーザやそのユーザと同じグループの他のユーザが過去の印刷ジョブD1で使用した印刷設定の情報D12を、印刷装置2の記憶部25からユーザ端末1や印刷装置2に呼び出せるものとした。しかし、同じユーザが過去に使用した印刷設定の情報D12のみを印刷装置2の記憶部25からユーザ端末1や印刷装置2に呼び出せるものとしてもよい。
また、印刷ジョブD1の印刷設定の情報D12に、既に記憶部25に登録保存されている印刷設定の情報D12を削除することが含まれている場合に、印刷ジョブD1の印刷設定の情報D12と同じ内容の印刷設定の情報D12だけでなく、記憶部25に登録保存されているそのユーザの印刷設定情報の全てを、記憶部25から削除させる構成としてもよい。
さらに、印刷ジョブD1の印刷設定の情報D12に、既に記憶部25に登録保存されている印刷設定の情報D12を削除することが含まれている場合に、記憶部25の印刷設定の情報D12を削除させる構成は、省略してもよい。
また、本実施形態では、ユーザ端末1のプリンタドライバ110が印刷データD10が存在しない印刷ジョブD1を印刷装置2に出力できるものとしたが、この構成は省略してもよい。