JP2016146979A - 遮光剤及び目標物表面の遮光装置 - Google Patents

遮光剤及び目標物表面の遮光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽光パネルのような目標物の表面に吹き付けて塗布することで目標物表面に入射する光を迅速に遮断できる遮光剤及び目標物表面の遮光装置を得る。
【解決手段】目標物表面に噴射して塗布することで前記目標物表面に入射する光を遮光するために用いられる遮光剤であって、膨潤性層状粘土鉱物と主にシルトからなる砕屑物とを水に分散させて構成され、チクソトロピー性を有することを特徴とするものである。また、砕屑物は、粘土瓦を粉砕し、平均粒子径がシルトに該当するように生成するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、太陽光パネルのような目標物の表面に塗布することで目標物表面を遮光する遮光剤及び目標物表面の遮光装置に関する。
一般的な住宅用太陽光発電システムでは、住宅の屋根に、直並列に接続された太陽電池モジュールからなる太陽電池アレイ(以下では、この太陽電池アレイのことを太陽光パネルと称す)が設置されている。そして、太陽光パネルからの出力は、中継端子箱を介してパワーコンディショナに接続されており、所望の電力が得られるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−110290号公報
太陽光発電システムが普及する一方で、太陽光発電システムに起因して火災が発生することが問題視されつつある。
太陽光パネルから火災が発生した場合であっても、日照時であれば、太陽光パネルに太陽光が照射されていれば発電が継続される。また、夜間であっても、火災時の炎が太陽光パネルに照射されることで発電が継続されることもある。
太陽光パネルによる発電が継続しているときに消火のための放水を行うと、太陽光パネルよって発電された電気によって消火活動を行っている人間等が感電する恐れがある。
そのため、火災時において、外部から簡易に太陽光パネルを遮光して発電を停止させることのできる遮光剤や遮光装置の開発が望まれていた。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、太陽光パネルのような目標物の表面に塗布することで目標物表面に入射する光を迅速に遮断できる遮光剤及び目標物表面の遮光装置を提供することを目的とする。
太陽光パネルの表面を、例えば火災時において緊急的に遮光するには太陽光パネルの表面に遮光剤を吹き付けて塗布することが考えられる。
しかしながら、太陽光パネルの表面はガラスであり、かつ住宅の屋根の傾斜面に沿うように傾斜して設置されているため、遮光剤に粘性が無い場合には遮光剤を吹き付けても流れ落ちてしまう。
その一方、遮光剤の粘度が強い場合には、噴射して吹き吹き付けることが容易でない。
このように、太陽光パネルの表面のようにガラス質でかつ傾斜しているような表面に吹き付けて塗布する遮光剤としては、噴射時においては粘性が小さく、塗布した後は粘性が高くなるような性状が求められる。
そこで、発明者は、せん断応力を受けると粘度が低下して液状になる性質(チクソトロピー性)を有する物質に着目し、かかる物質を用いて遮光剤を構成することを考えた。
本発明はかかる知見に基づくものであり、具体的には以下の構成を備えてなるものである。
(1)本発明に係る遮光剤は、目標物表面に噴射して塗布することで前記目標物表面に入射する光を遮光するために用いられる遮光剤であって、膨潤性層状粘土鉱物と主にシルトからなる砕屑物とを水に分散させて構成され、チクソトロピー性を有することを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記膨潤性層状粘土鉱物が、ベントナイトまたはスメクタイトであることを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、目標物表面に噴射して塗布することで前記目標物表面に入射する光を遮光するために用いられる遮光剤であって、アクリル酸系重合物を主成分とし、水と混合することで、水の粘性を高める液状の増粘剤と主にシルトからなる砕屑物とを水に分散させてなることを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記砕屑物は、粘土瓦を粉砕し、平均粒子径がシルトに該当するように生成することを特徴とするものである。
(5)また、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のものにおいて、前記砕屑物の割合が、重量比において、当該遮光剤のうち、50%〜70%を占めることを特徴とするものである。
(6)また、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載のものにおいて、前記砕屑物は、黒色系統又は茶色系統の色を有していることを特徴とするものである。
(7)本発明に係る目標物表面の遮光装置は、上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の遮光剤を収納する遮光剤収納部と、先端に放射ノズルを有し前記遮光剤収納部から前記放射ノズルまでの前記遮光剤の送出路と、該送出路の開閉を行う第1開閉弁と、前記遮光剤収納部の前記遮光剤に対して前記放射ノズルから放射する力を付与するための正圧又は負力を加える圧力付加手段と、前記第1開閉弁の開閉を制御する制御部とを備えたことを特徴とするものである。
本発明に係る遮光剤は、目標物表面に噴射して塗布することで前記目標物表面に入射する光を遮光するために用いられる遮光剤であって、膨潤性層状粘土鉱物と主にシルトからなる砕屑物とを水に分散させて構成され、チクソトロピー性を有することにより、貯留状態では粘性が高い状態にあるが、これに圧力等を加えてせん断力を作用させることで、粘性が低下した液状になり、放射が可能となって目標物の表面に噴射することできる。そして、目標物の表面に塗布された後は、粘性が高くなって流れ落ちることなく目標物表面に留まるため、遮光効果を持続できる。
また、砕屑物が主にシルトからなる比較的大きい粒子からなるため、遮光剤が塗布された目標物の表面から遮光剤を取り除く際には、その作業が容易となる。
本発明の実施の形態1に係る遮光装置の構成を説明する説明図である。 本発明の実施の形態2に係る遮光装置の構成を説明する説明図である。 本発明の実施の形態3に係る遮光装置の構成を説明する説明図である。 本発明の実施の形態4に係る遮光装置の構成を説明する説明図である。
[実施の形態1]
本発明の一実施の形態に係る遮光剤は、目標物表面に噴射して塗布することで前記目標物表面に入射する光を遮光するために用いられる遮光剤であって、膨潤性層状粘土鉱物と主にシルトからなる砕屑物とを水に分散させて構成され、チクソトロピー性を有することを特徴とするものである。
以下、詳細に説明する。
<目標物表面>
目標物表面の例としては、太陽光パネルの表面が挙げられる。
<膨潤性層状粘土鉱物>
膨潤性層状粘土鉱物の例としては、スメクタイトやベントナイトが挙げられる。
スメクタイトやベントナイトは、水に分散することでチクソトロピー性を有する物質となる。
「チクソトロピー」とは、ゲルのような塑性固体とゾルのような非ニュートン液体の中間的な物質が示す性質であり、粘度が時間経過とともに変化するものである。具体的には、かき混ぜたり、振り混ぜたりすることにより、所定のせん断力を加えることで、粘度が低下して液状になる一方で、粘度が低下した状態で、ある一定時間放置されることで、粘度が次第に上昇し、最終的に固体状になる特性をいう。
遮光剤にチクソトロピー性を持たせる理由は、例えば太陽光パネルように傾斜したガラス面に噴射によって塗布が可能であり、かつ塗布した後、流れ落ちないようにするためである。
流れ落ちないための粘性を持たせるには、スメクタイトの場合には、1.5重量%〜40重量%の割合で水に分散させるとよい。1.5重量%未満では、粘性が低く塗布したときに流れ落ちてしまうからである。一方、40重量%超では、液状にするためには大きなせん断力が必要となるため、主にシルトからなる砕屑物を、スメクタイトを分散した水に混合することが難しくなるという問題がある。
なお、実施の形態1に係る遮光剤の場合、スメクタイトは6重量%が好ましい。
また、スメクタイトの適切な濃度に関しては、後述する。
<砕屑物>
砕屑物は、実施の形態1では太陽光を遮光するために用いるもので、平均粒子径がシルトとなる土で構成される。ここでシルトとは、直径が4μm〜32μmの粒子からなるもので、シルトより直径が小さいものを粘土、シルトより直径が大きいものを砂と呼ぶ。
平均粒子径が小さい砕屑物を用いた場合、遮光剤の遮光性能は向上するが、太陽光パネルのような目標物に塗布した遮光剤を掃除することが難しくなる。一方、平均粒子径が大きい砕屑物を用いた場合、太陽光パネルのような目標物に塗布した遮光剤を掃除することが容易となるが、遮光剤の遮光性能は低下する。発明者の様々な実験の結果、実施の形態1に係る遮光剤の場合、平均粒子径が5〜10μmの砕屑物が好ましいことが分かった。
実施の形態1で用いる砕屑物は、有色(白色を除く)である方が遮光剤としての遮光性能は向上する。特に、砕屑物が黒色系統又は茶色系統の色を有していると好ましい。ここでは、砕屑物が茶色系統の色を有しているものとして説明する。
実施の形態1で用いる砕屑物は、具体的には粘土瓦をシルト状になるまで粉砕したものであり、茶色の粉末状となる。該茶色の粉末は、平均粒子径はシルトに該当するが、一部は粘土に該当する粒子もあり、砂に該当する粒子はほとんどないものである。
なお、粘土瓦は一般的には、カオリン、木節粘土、蛙目粘土、ケイ石、長石、ドロマイト、骨灰、セリサイト等からなるものである。
<遮光剤>
本実施の形態の遮光剤は、上述したように、膨潤性層状粘土鉱物と主にシルトからなる砕屑物とを水に分散させて構成されている。
水に対し、主にシルトからなる砕屑物を相対的に多く分散させると、チクソトロピー性が高まりすぎ、後述する遮光装置で遮光剤を放射する際の圧力損失が大きくなってしまう。一方、水に対し、主にシルトからなる砕屑物を相対的に少なく分散させると、チクソトロピー性が低下するので、目標物表面に遮光剤が留まらないことになる。そこで、発明者は実験を行った結果、遮光剤の重量を100%とすると、6重量%となるようにスメクタイトを水に分散させた分散液を30%〜50%として、残りを主にシルトからなる砕屑物とすると良いことが分かった。即ち、遮光剤のうち、砕屑物が50%〜70%を占めている。また、発明者の実験の結果、重量比でスメクタイトを分散させた分散水45に対して、主にシルトからなる砕屑物55を添加して分散させた場合が最も好ましいことが分かっている。
分散の方法としては、例えば膨潤性層状粘土鉱物の水溶液を生成し、この水溶液に主にシルトからなる砕屑物を加えて撹拌するようにすればよい。撹拌方法としては、例えばミキサーなどで行う。
なお、遮光剤に有機化合物であるゲル化剤を添加することで、時間の経過と共に遮光剤をゲル化させることができるため、より強力に目標物へ遮光剤を固着させることができる。ゲル化剤を添加する場合、遮光剤を放射ノズルから放射する直前に添加することが好ましい。
上記のような本実施の形態の遮光剤であれば、貯留状態では粘性が高い状態にあるが、これに圧力等を加えてせん断力を作用させることで、粘性が低下した液状となる。遮光剤が液状となることで、放射が可能となり目標物の表面に塗布することができる。
そして、目標物の表面に塗布された後は、粘性が高くなって流れ落ちることなく目標物表面に留まるため、遮光効果を持続できる。
また、膨潤性層状粘土鉱物と主にシルトからなる砕屑物とを水に分散させて構成される遮光剤は、膜厚が薄すぎると遮光剤を塗布した目標物である太陽光パネルが発電を続けてしまい、膜厚が厚すぎると、目標物に塗布された遮光剤の除去が大変となる。発明者の実験の結果、目標物表面において、平均膜厚が0.5mm〜1.5mmとなるように塗布すると良く、より好ましくは1mm〜1.5mmであることが分かった。
本実施の形態の遮光剤は、ほとんどが水分であるため、消火作用も有しており、例えば火災現場において遮光剤として用いると共に消火剤として使用することもできる。
遮光剤に用いる膨潤性層状粘土鉱物としてスメクタイトを用いた場合の適切な濃度を確認するための実験を行ったのでこれについて説明する。
実験は目標物の一例である太陽光パネルを模擬した強化ガラスに、1〜3重量%のスメクタイトの水溶液を0.1ml滴下し、強化ガラスを80度に傾斜させ、10分間の液滴の移動量を測定した。実験結果を表1に示す。
表1に示すように、濃度が1.0重量%では液滴が流下して流れ落ちた。濃度が1.5重量%では液滴は6cm下方に移動した。他方、濃度が2.0重量%以上では液滴は移動することなく滴下した位置にとどまった。
このことから、スメクタイトの濃度を1.5重量%以上にすることで、大部分の遮光剤を目標物の表面上に滞留させることが可能となり、特に、2.0重量%以上にすることで、目標物の表面に塗布された場合にも流れ落ちることがないことが確認された。
なお、遮光剤の構成物質として、チクソトロピー性を有するスメクタイト等の膨潤性層状粘土鉱物を用いていたが、チクソトロピー性を有しない物質であっても、水の粘性を増す増粘剤を、その濃度を調整することで、膨潤性層状粘土鉱物に代えて用いることも可能である。
例えば、アクリル酸系重合物を主成分とし、水と混合することで、水の粘性を高める液状の増粘剤(例えば、センカ社:センカアクトゲルAP200)であれば、水に対して2〜3重量%で混合するようにすればよい。
もっとも、遮光剤を、水、主にシルトからなる砕屑物、アクリル酸系重合物を主成分とする増粘剤で構成する場合、増粘剤の濃度によっては、チクソトロピー性を有する膨潤性層状粘土鉱物を用いる場合に比べて、目標物の表面上に確実に留まるように付着させるのが難しいことが考えられる。
そこで、上記の構成からなる遮光剤に、さらに合成樹脂エマルジョンを主成分とする水性接着剤(例えば、栗田工業社:クリコートC−710)を添加するようにすればよい。この水性接着剤を添加することにより、アクリル酸系重合物を主成分とする増粘剤を混合した遮光剤を目標物の表面上に塗布した際に、前記遮光剤が目標物の表面から流れ落ちることなく目標物の表面に付着して留まるようにできる。
また、水性接着剤は保水性、通気性を兼ね備えるため、目標物上に塗布された遮光剤が、乾燥してひび割れるのを防ぐことができる。これにより、遮光剤が塗布された目標物の一例である太陽光パネルの発電を停止させたまま、その状態を維持することができる。
また、水性接着剤は、膨潤性層状粘土鉱物と主にシルトからなる砕屑物とを水に分散させて構成される遮光剤に添加してもよい。これにより、遮光剤はチクソトロピー性に加えて、接着性も加わるので、目標物の表面に、遮光剤がより留まることができる。
<遮光装置の構成>
次に、上述した遮光剤を用いて、目標物の一例である太陽光パネルを遮光することを実現できる遮光装置について、図1に基づいて説明する。
本実施の形態の遮光装置1は、図1に示すように、遮光剤を収納する遮光剤収納部3と、先端に放射ノズル5を有し遮光剤収納部3から放射ノズル5までの遮光剤の送出路を形成する放射管7と、放射管7の途中に設けられて送出路の開閉を行う第1開閉弁9と、遮光剤収納部3に収納された遮光剤に対して放射する力(以下、放射力と言う。)を付与する圧力を与える加圧手段11と、第1開閉弁9の開閉を制御する制御部13とを備えたことを特徴とするものである。
以下、各構成を詳細に説明する。
<遮光剤収納部>
遮光剤収納部3は、膨潤性層状粘土鉱物と遮光性顔料とを水に分散させてなり、チクソトロピー性を有する遮光剤(実施の形態1又は2に記載の遮光剤)を収納する。遮光装置1を作業者が持ち運ぶことのできる可搬性のあるものとして構成する場合には、この遮光剤収納部3は、例えば、実施の形態2で説明する背負いタンク17のようなものであってもよい。
また、遮光装置1を設置形のものとして構成する場合には、遮光剤収納部3は、例えば据置型の貯留タンクであってもよい。
<放射管>
放射管7は、遮光剤収納部3に連通して先端に放射ノズル5を有し、遮光剤収納部3から放射ノズル5までの遮光剤の送出路を形成する部材である。放射管7は、例えばフレキシブル性のある例えば樹脂製のホースで構成することもできるし、フレキシブル性のない金属製等の配管で構成することもできる。
<第1開閉弁>
第1開閉弁9は、放射管7の途中に設けられて、遮光剤の送出路の開閉を行う弁である。
<加圧手段>
加圧手段11は、遮光剤収納部3の遮光剤に対して放射力を付与する圧力を与えるものであり、例えば、窒素ガスボンベ、給水ポンプあるいは空気圧縮機のようなものである。
<制御部>
制御部13は、第1開閉弁9の開閉を制御する。また、制御部13は、加圧手段11のオンオフを制御する。制御部13に対する操作は、作業者が例えば押ボタンスイッチなどを介して行うようにすればよい。
以上のように構成された遮光装置1の動作を説明する。
作業者が制御部13の押ボタンスイッチを操作するとで、制御部13の指示によって第1開閉弁9が開放されると共に、加圧手段11によって遮光剤収納部3に放射力となる圧力が付加される。第1開閉弁9が開放された状態で圧力が付加されることで、遮光剤が放射管7に向かって移動を開始し、この移動によって遮光剤にせん断力が作用して粘度が低下する。粘度が低下したことで放射が可能となり、放射ノズル5から遮光剤が放射される。放射された遮光剤は目標物、例えば太陽光パネルに付着して、太陽光パネルに入射する光を遮光する。太陽光パネルの表面に付着した遮光剤は、所定時間放置されることで、粘度が次第に上昇し、最終的に固体状となり、太陽光パネルの表面を覆い安定して遮光することができる。
[実施の形態2]
図2は本発明の遮光装置の他の実施形態に係る遮光装置15の説明図であり、図1と同一部分には同一の符号が付してある。また、ここで用いる遮光剤は実施の形態1と同様のものである。
本実施の形態に係る遮光装置15は、遮光剤収納部として背負いタンク17を用い、加圧手段として窒素を封入した窒素ガスボンベ19を用いた例である。窒素ガスボンベ19から窒素ガスを供給する供給管21には第2開閉弁23が設けられている。制御部13aは、第1開閉弁9と第2開閉弁23の開閉制御を行う。
上記のように構成された本実施の形態においては、制御部13aによって第1開閉弁9と第2開閉弁23の開制御により窒素ガスを背負いタンク17に供給することで、背負いタンク17内の遮光剤を液状にすると共に、液状の遮光剤を例えば太陽光パネルに向けて放射することができる。
[実施の形態3]
図3は本発明の遮光装置の他の実施形態に係る遮光装置25の説明図であり、図1又は図2と同一部分には同一の符号が付してある。また、ここで用いる遮光剤は実施の形態1と同様のものである。
実施の形態2においては、遮光剤収納部としての背負いタンク17に収納された遮光剤に対して放射力を与えるものとして窒素ガスボンベ19から窒素ガスを供給する態様を示したが、本実施の形態の遮光装置25においては、図3に示すように、遮光剤を可撓性のある薬剤袋27に入れ、薬剤袋27をタンク29内に収納し、加圧手段としての給水ポンプ31で加圧水をタンク29内に供給するようにしている。
本実施の形態の遮光装置25においては、制御部13は、給水ポンプ31を制御して圧力水を供給管21aを介してタンク29に供給すると共に第1開閉弁9を開放する。供給管21aは、タンク29の内側で、薬剤袋27の外側に圧力水を供給する。薬剤袋27の内側は、放射管7と連通され、タンク29に供給された圧力水が薬剤袋27を圧縮して薬剤袋27内の遮光剤を液状にすると共に放射力を付加し、放射ノズル5を介して目標物である太陽光パネルに対して遮光剤を放射することができる。
[実施の形態4]
図4は本発明の遮光装置の他の実施形態に係る遮光装置33の説明図であり、図1〜図3と同一部分には同一の符号が付してある。
実施の形態1〜3に示した例では、遮光剤収納部に収納された遮光剤に正圧力を付加することで、放射する例を示したが、本発明はこれに限らない。
例えば、図4に示す本実施の形態の遮光装置33のように、放射管7の途中にライン・プロポーショナー35を設け、遮光剤収納部3aには、遮光剤の原液(即ち、膨潤性層状粘土鉱物と遮光性顔料)を収納しておき、給水ポンプ31から水を供給することで、遮光剤原液に負圧を与えて遮光剤原液を放射管7側に吸い出して水と所定の濃度に混合して、遮光剤として放射するようにしてもよい。
なお、実施の形態1で説明したように遮光剤にゲル化剤を添加する場合には、ゲル化剤を遮光剤収納部3とは別の収納部に収納しておき、遮光剤を放射する直前に遮光剤にゲル化剤を添加するようにすればよい。この場合、ゲル化剤の収納部と遮光剤収納部3を配管で連結し、該配管に第3開閉弁を設けて、該第3開閉弁を制御部13で開閉制御するようにすればよい。
なお、本実施の形態の遮光剤を太陽光パネル等の目標物表面に塗布する方法としては、実施の形態1〜4に示すような遮光装置によって放射ノズルから放射することが考えられるが、その他に、例えば、防犯用カラーボールのように目標物に当たることで破裂するようなボール状の容器に遮光剤を封入して目標物に向けて投射することも考えられる。
また、実施の形態1で説明した合成樹脂エマルジョンを主成分とする水性接着剤(例えば栗田工業社:クリコートC−710)を遮光剤に添加する場合について、水性接着剤は、遮光剤に予め混合してから太陽光パネルに向けて噴射してもよいが、遮光剤よりも先に目標物(太陽光パネル)に向けて噴射して予め目標物の表面に付着させておくようにしてもよい。
遮光剤を、水、主にシルトからなる砕屑物、及びアクリル酸系重合物を主成分とする増粘剤で構成する場合、増粘剤を予め水に混合すると粘性が増すため、チクソトロピー性を有する膨潤性層状粘土鉱物を用いる場合に比べて、噴射が難しくなることが考えられる。
そこで、例えば、2つの放射ノズルを有する遮光装置を用い、2つの放射ノズルを目標物(太陽光パネル)に向けて設け、一方の放射ノズルからは水及び主にシルトからなる砕屑物の混合液を噴射し、この混合液の噴射と同時に、他方の放射ノズルからアクリル酸系重合物を主成分とする液状の増粘剤を噴射するようにする。
これにより、目標物(太陽光パネル)上で、前記混合液と増粘剤とが衝突して混合され、水が増粘し、目標物(太陽光パネル)上から遮光剤が流れ落ちず、目標物(太陽光パネル)表面上に遮光剤を容易に塗布することができる。
1 遮光装置、3、3a 遮光剤収納部、5 放射ノズル、7 放射管、9 第1開閉弁、11 加圧手段、13、13a 制御部、15 遮光装置、17 背負いタンク、19 窒素ガスボンベ、21、21a 供給管、23 第2開閉弁、25 遮光装置、27 薬剤袋、29 タンク、31 給水ポンプ、33 遮光装置、35 ライン・プロポーショナー。

Claims (7)

  1. 目標物表面に噴射して塗布することで前記目標物表面に入射する光を遮光するために用いられる遮光剤であって、
    膨潤性層状粘土鉱物と主にシルトからなる砕屑物とを水に分散させて構成され、チクソトロピー性を有することを特徴とする遮光剤。
  2. 前記膨潤性層状粘土鉱物が、ベントナイトまたはスメクタイトであることを特徴とする請求項1記載の遮光剤。
  3. 目標物表面に噴射して塗布することで前記目標物表面に入射する光を遮光するために用いられる遮光剤であって、
    アクリル酸系重合物を主成分とし、水と混合することで、水の粘性を高める液状の増粘剤と主にシルトからなる砕屑物とを水に分散させてなることを特徴とする遮光剤。
  4. 前記砕屑物は、粘土瓦を粉砕し、平均粒子径がシルトに該当するように生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遮光剤。
  5. 前記砕屑物の割合が、重量比において、当該遮光剤のうち、50%〜70%を占めることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遮光剤。
  6. 前記砕屑物は、黒色系統又は茶色系統の色を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の遮光剤。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の遮光剤を収納する遮光剤収納部と、先端に放射ノズルを有し前記遮光剤収納部から前記放射ノズルまでの前記遮光剤の送出路と、該送出路の開閉を行う第1開閉弁と、前記遮光剤収納部の前記遮光剤に対して前記放射ノズルから放射する力を付与するための正圧又は負力を加える圧力付加手段と、前記第1開閉弁の開閉を制御する制御部とを備えたことを特徴とする目標物表面の遮光装置。
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