JP2016140458A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】興趣の低下を抑制することのできる遊技機を提供する。【解決手段】複数の図柄列のそれぞれに付された多数の図柄のうち所定数の図柄からなる図柄群を表示可能な表示領域と、多数の図柄が順に表示される回転表示状態にある図柄列が停止されるよう制御する図柄列停止制御手段と、図柄列が停止したときに所定の有効ラインに表示された図柄組み合わせに基づいて特典を付与可能な特典付与手段と、表示領域に表示される図柄が変更されるよう図柄群を変更可能な図柄群変更手段とを備える。図柄群変更手段は、複数の図柄列が停止したときに表示領域に表示される一の図柄群を、遊技者に有利となる図柄が含まれる他の図柄群に変更する図柄群有利化手段を有する。図柄群有利化手段は、有効ラインに表示された図柄または図柄組合せを維持するかたちで図柄群の変更を行う。【選択図】図5

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称する)や回胴式遊技機(一般的に「スロットマシン」とも称する)等の遊技機に関するものである。
従来、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機は、多数の図柄が配列された図柄列を変動し、この図柄列が停止したときの図柄組み合わせにより抽選の結果が表示される。そして、この図柄組み合わせが当選役に対応する図柄組み合わせであるときには遊技媒体が払い出される。
この種の遊技機として、例えば特許文献1には、フリーズ期間を設定して実行される擬似遊技において、リールを仮停止し、その後に再変動を行うスロットマシンが開示されている。
特開2014−050569号公報
しかしながら、リールの一旦停止および再変動表示を繰り返す制御が行われる従来の遊技機では、抽選結果がなかなか表示されないだけでなく、リールが停止したのか否かの把握が困難であるとともに抽選結果が表示されるまでの過程が煩わしく、興趣が低下するおそれがある。とはいえ、リールの再変動表示が行われない遊技機にあっては、近年では滑り制御が1つに絞られる傾向にあるため、表示領域に表示される図柄がパターン化し、いずれにしても興趣が低下するおそれがある。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、興趣の低下を抑制することを目的とする。
請求項1に記載の遊技機は、回転方向に多数の図柄が付された複数の図柄列と、回転表示状態にある前記図柄列が停止されるよう制御する図柄列停止制御手段と、前記図柄列に付された図柄を表示可能な表示領域とを備える遊技機であって、前記複数の図柄列のそれぞれに付された多数の図柄のうち所定数の図柄からなる図柄群を表示可能な表示領域と、前記多数の図柄が順に表示される回転表示状態にある図柄列が停止されるよう制御する図柄列停止制御手段と、前記図柄列が停止したときに所定の有効ラインに表示された図柄または図柄組み合わせに基づいて特典を付与可能な特典付与手段と、前記表示領域に表示される図柄が変更されるよう前記図柄群を変更可能な図柄群変更手段と、を備え、前記図柄群変更手段は、前記複数の図柄列が停止したときに前記表示領域に表示される一の図柄群を、該複数の図柄列を回転させることなく前記一の図柄群に含まれる図柄よりも遊技者に有利となる図柄が含まれる他の図柄群に変更する図柄群有利化手段を有し、少なくとも前記図柄群有利化手段は、前記一の図柄群から前記他の図柄群への変更を、前記有効ラインに表示された図柄または図柄組合せを維持するかたちで行う手段を有するものである。
この発明によれば、興趣の低下を抑制することができる。
本発明の一実施形態であるスロットマシンにおいて透明部分を不透明として表した正面図である。 図1の状態でスロットマシンを前から見た斜視図である。 スロットマシンを後ろから見た斜視図である。 図1のスロットマシンにおいて透明部分の後方を表した正面図である。 図4の状態でスロットマシンを前から見た斜視図である。 スロットマシンを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 スロットマシンを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 スロットマシンを左右方向中央で切断して右側から見た右側面断面図である。 (a)はスロットマシンにおけるドアユニットを前から見た斜視図であり、(b)はドアユニットを後ろから見た斜視図である。 ドアユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 ドアユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 ドアユニットにおけるトップカバーユニットを左右方向中央で切断して右側から見た右側面断面図である。 トップカバーユニットにおける導光板を発光させた状態を示しており、図柄表示領域Aが基準位置にある場合を示す正面図である。 図柄表示領域Aが最上位置にある場合にスロットマシンを前から見た斜視図である。 図柄表示領域Aが最下位置にある場合にスロットマシンを前から見た斜視図である。 (a)はドアユニットにおける前可動演出ユニットの正面図であり、(b)は(a)の状態から前可動装飾体を下降させた状態で示す前可動演出ユニットの正面図である。 (a)はスロットマシンらおける中ユニットの正面図であり、(b)は中ユニットの背面図である。 中ユニットを前から見た斜視図である。 中ユニットを右後ろから見た斜視図である。 中ユニットを左後ろから見た斜視図である。 中ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 中ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 中ユニットにおける中ユニットベースを前から見た斜視図である。 中ユニットにおける中ユニットベースを後ろから見た斜視図である。 中ユニットにおける上部可動演出ユニットを前から見た斜視図である。 上部可動演出ユニットを後ろから見た斜視図である。 上部可動演出ユニットにおける上横可動演出ユニットの動きを示す上部可動演出ユニットの正面図である。 上部可動演出ユニットにおける上中可動演出ユニットを概略構成で示す正面図である。 (a)は退避状態の上中可動演出ユニットを正面から概略で示す説明図であり、(b)は(a)の状態から途中まで出現した状態の上中可動演出ユニットを正面から概略で示す説明図であり、(c)は出現状態の上中可動演出ユニットを正面から概略で示す説明図である。 上横可動演出ユニットの上横可動装飾体を中央側へ移動させると共に上中可動演出ユニットの上中可動装飾体を出現位置へ移動させた状態で示す上部可動演出ユニットの正面図である。 前可動演出ユニットの前可動装飾体を下降端に位置させた状態で示すスロットマシンの正面図である。 スロットマシンにおける各リールの外周面に備えられている図柄列を展開して示す説明図である。 当たり値判定テーブルである。 スロットマシンにおける基本的な1ゲームの処理手順を示すフローチャートである。 始動処理の処理手順を示すフローチャートである。 フラグ処理の処理手順を示すフローチャートである。 天井設定処理の処理手順を示すフローチャートである。 天井抽選テーブルを示す説明図である。 AT加算設定処理の処理手順を示すフローチャートである。 AT加算抽選テーブル1を示す説明図である。 チャンスゲーム設定処理の処理手順を示すフローチャートである。 (A)AT加算抽選テーブル2を示す説明図であり、(B)チャンス抽選テーブルを示す説明図である。 (A)チャンス前兆抽選テーブルを示す説明図であり、(B)擬似チャンス抽選テーブルを示す説明図である。 天井短縮設定処理の処理手順を示すフローチャートである。 (A)天井短縮抽選テーブルを示す説明図であり、(B)暴走時抽選テーブルを示す説明図である。 暴走ゲーム設定処理の処理手順を示すフローチャートである。 AT関連設定処理の処理手順を示すフローチャートである。 (A)AT直撃抽選テーブルを示す説明図であり、(B)覚醒抽選テーブルを示す説明図であり、(C)覚醒前兆抽選テーブルを示す説明図である。 (A)暴走抽選テーブルを示す説明図であり、(B)暴走前兆抽選テーブルを示す説明図であり、(C)通常時ガセ抽選テーブルを示す説明図である。 リール停止処理の処理手順を示すフローチャートである。
[1.スロットマシンの全体構成]
以下、図面を参照して本発明の遊技機における好適な実施形態について、スロットマシン1を例に図面を参照して説明する。まず、図1乃至図8を参照して本実施形態のスロットマシン1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるスロットマシンにおいて透明部分を不透明として表した正面図であり、図2は図1の状態でスロットマシンを前から見た斜視図であり、図3はスロットマシンを後ろから見た斜視図である。また、図4は図1のスロットマシンにおいて透明部分の後方を表した正面図であり、図5は図4の状態でスロットマシンを前から見た斜視図である。更に、図6はスロットマシンを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図7はスロットマシンを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図8は、スロットマシンを左右方向中央で切断して右側から見た右側面断面図である。
本実施形態のスロットマシン1は、遊技ホール等に設置され前面が開口している箱状の筐体ユニット2と、筐体ユニット2内に収容されている遊技ユニット3と、遊技ユニット3が前方から視認可能となるように筐体ユニット2の前面の開口を開閉可能に閉鎖しているドアユニット4と、ドアユニット4の後側に取付けられている中ユニット5と、を主に備えている。
筐体ユニット2は、詳細は後述するが、箱状の筐体本体10と、遊技を制御するための主制御ユニット20と、遊技媒体としてのメダルの貯留及び払出しをするための払出ユニット30と、主制御ユニット20や払出ユニット30等に電源を供給するための電源ユニット50と、電源の入切や遊技内容に設定を行うためのスイッチユニット60と、を備えている。主制御ユニット20、払出ユニット30、電源ユニット50、及びスイッチユニット60は、筐体本体10内に取付けられている。
遊技ユニット3は、詳細は後述するが、外周面に複数の図柄から図柄列を夫々有し左右に並んだ三つのリール70と、三つのリール70を夫々独立して回転させるリール駆動機構80と、三つのリール70及びリール駆動機構80を筐体ユニット2内に取付けるためのユニットベース90と、を備えている。
ドアユニット4は、詳細は後述するが、筐体ユニット2の前面開口を開閉するドア本体ユニット100と、ドア本体ユニット100の上部に取付けられるトップカバーユニット200と、トップカバーユニット200の後側に取付けられる前可動演出ユニット300と、を備えている。ドア本体ユニット100は、遊技ユニット3の三つのリール70を回転させたり停止させたりして遊技を行うために遊技者が操作する操作ユニット120と、払出ユニット30から払出されたメダルを貯留するための受皿ユニット150と、を備えている。
中ユニット5は、詳細は後述するが、ドアユニット4に取付けられる中ユニットベース400と、演出画像を表示可能なメイン液晶表示装置450と、演出を制御するための周辺制御ユニット470と、上部可動演出ユニット600と、遊技状態を表示するための状態表示器800と、を備えている。
[2.筐体ユニットの全体構成]
続いて、本実施形態のスロットマシン1における筐体ユニット2の全体構成について、主に図6乃至図8を参照して詳細に説明する。筐体ユニット2は、前面が開口した箱状で、内部に遊技ユニット3が収容されると共に、前面の開口がドアユニット4により開閉可能に閉鎖されるものである。この筐体ユニット2は、前面が開口した箱状の筐体本体10と、筐体本体10内の上部に取付けられており遊技内容を制御する主制御ユニット20と、筐体本体10内の下部中央に取付けられており遊技媒体として投入されたメダルを受けると共に遊技結果に応じてメダルを払出す払出ユニット30と、筐体本体10内における払出ユニット30の正面視右側に取付けられており払出ユニット30から溢れたメダルを収納する収納箱40と、筐体本体10内における払出ユニット30の正面視左側に取付けられており電源を制御するため電源ユニット50と、筐体本体10内における電源ユニット50の前側に取付けられているスイッチユニット60と、を備えている。
[2−1.筐体本体]
筐体ユニット2の筐体本体10は、前面が開口し上下に延び箱状に形成されている。筐体本体10は、図示するように、底部を形成する平板状の底板11と、底板11の左右両端辺から夫々上方に立上っている平板状の一対の側板12と、一対の側板12の上端辺同士を連結しており天部を形成している平板状の天板13と、天板13、一対の側板12、及び底板11により形成された正面視長方形状の後端開口を閉鎖している平板状の背板14と、内部を上下に仕切る仕切板15と、を備えており、前面が開口している箱状に形成されている。この筐体本体10は、左右両側に配置された一対の側板の前端辺が、下端よりも上端が後方に位置するように傾斜している。筐体本体10内における仕切板15上に、遊技ユニット3が取付けられる。
また、筐体本体10は、一対の側板12における上下方向の略中央に、前後方向に延びていると共に外側から内側に向かって窪んでいる取っ手16を備えている。また、筐体本体10は、正面視左側の側板12の前端に取付けられておりドアユニット4をヒンジ回転可能に取付けるためのヒンジ金具17と、正面視右側の側板12の前端内側に取付けられておりドアユニット4における施錠ユニット180の施錠フック182が係止される係止片(図示は省略)と、を備えている。
[2−2.主制御ユニット]
筐体ユニット2の主制御ユニット20は、図8に示すように、筐体本体10内において、背板14の前面上部に取付けられている。この主制御ユニット20は、遊技内容の制御と遊技媒体としてのメダルの払出しを制御するための主制御基板21と、主制御基板21を収容している主制御基板ボックス22と、主制御基板21での制御に用いられるプログラムやデータ等を予め記憶した制御ROMを備えているサブ主制御基板23と、サブ主制御基板23を収容しているサブ主制御基板ボックス24と、主制御基板ボックス22及びサブ主制御基板ボックス24が取付けられ、筐体本体10の背板14に取付けられる板状の取付ベース25と、主制御基板ボックス22とサブ主制御基板ボックス24とに跨って取付ベース25に取付けられるボックスカバー26と、を備えている。
詳細な図示は省略するが、主制御基板21は、正面視の形状が左右に延びた長方形に形成されており、前面の下端付近に入出力に用いられる複数のコネクタが取付けられている。主制御基板ボックス22は、主制御基板21の入出力用のコネクタが前方に臨むように、主制御基板21を収容している。また、主制御基板ボックス22は、前後に分割可能に形成されていると共に、分割(開閉)した痕跡が残るように形成されている。この主制御基板ボックス22は、取付ベース25の前面上部に、脱着可能に取付けられる。主制御基板ボックス22と取付ベース25とは、取付け取外しの痕跡が残るように夫々が形成されている。
サブ主制御基板23は、正面視の形状が左右に延びた長方形に形成されており、前面の上端付近に入出力用に用いられる複数のコネクタが取付けられている。サブ主制御基板ボックス24は、サブ主制御基板23の入出力用のコネクタが前方に臨むように、サブ主制御基板23を収容している。また、サブ主制御基板ボックス24は、前後に分割可能に形成されていると共に、開閉した痕跡が残るように形成されている。このサブ主制御基板ボックス24は、主制御基板ボックス22の下側となる取付ベース25の前面下部に、脱着可能に取付けられる。サブ主制御基板ボックス24と取付ベース25とは、取付け取外しの痕跡が残るように夫々が形成されている。
主制御基板ボックス22及びサブ主制御基板ボックス24は、取付ベース25の前面において、上下に並んで取付けられている。ボックスカバー26は、主制御基板ボックス22から前方に臨んでいる主制御基板21の複数のコネクタと、サブ主制御基板ボックス24から前方に臨んでいるサブ主制御基板23の複数のコネクタとを覆うように、取付ベース25に着脱可能に取付けられている。ボックスカバー26と取付ベース25とは、取付け取外しの痕跡が残るように形成されている。
[2−3.払出ユニット]
筐体ユニット2の払出ユニット30は、図6及び図8に示すように、筐体本体10内における左右方向の略中央で、底板11の上面に取付けられており、ドアユニット4の投入口123に投入されてメダルセレクタ170により振分けられた遊技媒体としてのメダルを貯留すると共に、貯留しているメダルをドアユニット4の受皿151に払出すものである。払出ユニット30は、底板11の上面に取付けられるユニット本体31と、ユニット本体31の上部に取付けられており、上方に開放されていると共に下部が下方に向かうに従って窄まっておりメダルを受けることが可能なホッパ32と、ホッパ32内の下端部でユニット本体31に回転可能に取付けられており、周方向に等間隔でメダルの外径よりも若干大きい直径で貫通している複数の収容部33aを有した円盤状の払出回転体33と、払出回転体33を回転駆動させユニット本体31に取付けられている払出モータ34と、払出モータ34の駆動により払出回転体33が回転させられることで収容部33aに収容されたメダルを払出しユニット本体31の前面に開口している払出口35と、を備えている。
払出ユニット30は、ドアユニット4の投入口に投入された後に、セレクタにより振分けられたメダルを、ホッパ32により受けると共に、ホッパ32内に貯留することができる。なお、ホッパ32内がメダルで一杯になった場合、溢れたメダルがホッパ32の排出口(図示は省略)から収納箱40内に排出される。また、払出ユニット30は、ホッパ32内に貯留されたメダルを、主制御基板21からの払出コマンドに応じて、払出モータ34により払出回転体33を回転させて、払出口35からメダルを払出す。払出口35から払出されたメダルは、ドアユニット4の放出口112を通って受皿151内に供給される(払出される)。この払出ユニット30は、払出モータ34の駆動によりメダルを一つずつ払出すことができる。
払出ユニット30のホッパ32から溢れたメダルが排出される収納箱40は、上方が開放された箱状に形成されている。この収納箱40内には、上下に離間した一対の検知棒(図示は省略)が挿入されている。一対の検知棒は、夫々主制御基板21に接続されており、一対の検知棒の間を埋めるように収納箱40内にメダルが貯留されることで、一対の検知棒の間で接触している複数のメダルを通して、一対の検知棒の間で通電が可能となると、主制御基板21において収納箱40内がメダルで満杯になったと判断し、その旨を遊技者や遊技ホール側に報知する。
[2−4.電源ユニット]
筐体ユニット2の電源ユニット50は、主制御ユニット20、払出ユニット30、ドアユニット4や中ユニット5等のスロットマシン1内に備えられている各種電気部品に対して電源を供給するためのものである。この電源ユニット50は、筐体本体10内における正面視左側の側板12の下部に取付けられている。電源ユニット50は、電源を供給するための電源基板(図示は省略)と、電源基板を覆い筐体本体10内の側板12に取付けられる電源基板ボックス52と、を備えている。電源基板は、電源基板ボックス52によって全体が覆われている。
[2−5.スイッチユニット]
筐体ユニット2のスイッチユニット60は、筐体本体10内における電源ユニット50の前方で、正面視左側の側板12の内側下部に取付けられている。このスイッチユニット60は、スロットマシン1の電源スイッチ61と、遊技内容を設定するための設定スイッチ62と、を備えている。電源スイッチ61及び設定スイッチ62は、開閉可能なカバーにより覆われている。
スイッチユニット60の設定スイッチ62は、詳細な図示は省略するが、キースイッチとボタンスイッチとで構成されており、キースイッチに特定のキーを差し込んで回すことにより、OFFからONにすることで、ボタンスイッチの操作が受付可能となる。設定スイッチ62を操作することで、スロットマシン1をリセットしたり、遊技モードを変更したりすることができる。設定スイッチ62により設定された遊技モードは、中ユニット5の状態表示器800の設定表示器810に、アラビア数字で表示される。
[3.遊技ユニット]
続いて、本実施形態のスロットマシン1における遊技ユニット3について、主に図6及び図8を参照して説明する。円筒状の三つのリール70と、各リール70を回転駆動可能に取付けているリール駆動機構80と、各リール70が同軸上となるように三つのリール駆動機構80を支持しており筐体本体10内における仕切板15の上面に取付けられるユニットベース90と、を備えている。遊技ユニット3は、左右方向に並んだ三つのリール70を備えており、正面視左から左リール70L、中リール70M、右リール70R、と称する。
遊技ユニット3のリール70は、詳細な図示は省略するが、円盤状のハブから放射状に延びた複数(本例では5本)のスポークの先端同士を円環状のリムで連結しているリールメインフレーム71と、リールメインフレーム71から軸方向に離間していると共に同軸上に配置されておりリムと外径が同径の円環状のリールサブフレーム(図示は省略)と、リールサブフレームとリールメインフレーム71のリムとを連結しており透光性を有した円筒状のリールシリンダ73と、を備えている。リールメインフレーム71は、複数のスポークのうちの一つからリールサブフレーム側に突出している平板状の検知片を備えている。リール70におけるリールシリンダ73の外周面に、複数の図柄を列状に配列した図柄列(図32を参照)を印刷した透光性を有する図柄シート(図示は省略)が貼付けられている。
遊技ユニット3のリール駆動機構80は、ユニットベース90に取付けられる板状の駆動ベース81と、駆動ベース81の一方の面から直角に突出しておりリール70におけるリールメインフレーム71のハブを回転可能に支持する円柱状の軸部82と、駆動ベース81における軸部82が突出している側と同じ面側に回転軸が突出するように駆動ベース81に取付けられているリールモータ83と、リールモータ83の回転軸に取付けられている駆動ギア(図示は省略)と、駆動ギアと噛合しておりリール70におけるリールメインフレーム71のハブに取付けられる従動ギア85と、駆動ベース81における軸部82が突出している側の面に取付けられておりリール70におけるリールメインフレーム71の検知片を検知可能なリール回転検知センサ86と、を備えている。
また、リール駆動機構80は、駆動ベース81における軸部82が突出している側の面に取付けられており組立てた状態で前面側が開放されている箱状のリフレクタ87と、リフレクタ87の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されているリール装飾基板88と、を備えている。リフレクタ87は、開放されている前面側が、リール70における円筒状のリールシリンダ73の内周面に沿うように湾曲状に形成されている。また、リフレクタ87は、リールシリンダ73の内周面の周方向に対して三つに等分割されている。リール装飾基板88は、リフレクタ87の三つに分割された部位の夫々に対するようにLEDが実装されている。
このリール駆動機構80は、駆動ベース81がリール70の軸方向におけるリールサブフレーム側の外方に位置するように組立てられる。また、組立てた状態では、リフレクタ87が、リール70におけるリールメインフレーム71とリールサブフレームとの間で、リールシリンダ73の内側に位置している。これにより、リール装飾基板88のLEDを発光させると、リールシリンダ73(図柄シート)の一部を内側から発光装飾させることができる。
遊技ユニット3のユニットベース90は、前面が開放された箱状に形成されており、側面視における内周形状が、リール駆動機構80における駆動ベース81の外周形状と略一致している。このユニットベース90は、内部に、夫々にリール70が回転駆動可能に取付けられている三つのリール駆動機構80を、各リール70が左右方向に延びた軸線に対して同軸上に取付けることができる。また、ユニットベース90は、内部にリール駆動機構80を介してリール70を取付けた状態で、リール70における外周面の約1/3が前方に露出するように形成されている。
遊技ユニット3における三つのリール70には、図柄の配列が異なった図柄シートが夫々取付けられている(図32を参照)。それぞれの図柄シートには、周方向(すなわちリール70の回転方向)に複数種別からなる多数の図柄が描かれている。遊技ユニット3は、リールモータ83がステッピングモータとされており、リールメインフレーム71の検知片をリール回転検知センサ86により検知することで、主制御基板21によりリール70の回転角度を正確に制御することができ、リール70(図柄シートに施された図柄)を所望の回転角度で回転停止させることができる。
遊技ユニット3は、左右に並んだ三つのリール70を、リール駆動機構80のリールモータ83により回転させることで、三つのリール70による三つの図柄列を変動表示させることができる。遊技ユニット3は、左右に並んだ三つのリール70を、夫々リールモータ83により正面視において外周面に備えられた複数の図柄(図柄列)が上から下へ移動するように回転させることで、図柄を変動表示させる。また、遊技ユニット3は、各リール70内に配置されているリフレクタ87及びリール装飾基板88により、周方向(上下方向)に並んだ三つ分の図柄を発光装飾させることができ、三つのリール装飾基板88により、左右に三つ並んだ上下三段の合計九つの図柄を発光装飾させることができる。この三つのリール装飾基板88により発光装飾させることが可能な領域が、三つのリール70による図柄表示領域Aとなっている(図4を参照)。
上記の図柄表示領域Aには、全てのリール70が停止状態にあるときに、三つのリール70(左リール70L、中リール70M、右リール70R)のそれぞれに三段(上段・中段・下段)の図柄が表示される。本明細書では、三つのリール70(左リール70L、中リール70M、右リール70R)のそれぞれに描かれた多数の図柄(本例では各リールに20図柄ずつ描かれている)のうち、図柄表示領域Aに区切られる(表示される)「3[1リールあたりに表示される図柄数]×3[リール数]」のブロックを「図柄ブロック」や「図柄群」と称する。
[4.ドアユニットの全体構成]
次に、本実施形態のスロットマシン1におけるドアユニット4の全体構成について、主に図9乃至図11を参照して説明する。図9(a)はスロットマシンにおけるドアユニットを前から見た斜視図であり、(b)はドアユニットを後ろから見た斜視図である。また、図10はドアユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図11はドアユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
スロットマシン1のドアユニット4は、箱状に形成された筐体ユニット2の前面の開口を開閉可能に閉鎖するものである。ドアユニット4は、筐体ユニット2の前面に対して開閉可能に取付けられるドア本体ユニット100と、ドア本体ユニット100の上部前面に取付けられるトップカバーユニット200と、トップカバーユニット200とドア本体ユニット100との間に取付けられる前可動演出ユニット300と、を備えている。前可動演出ユニット300は、トップカバーユニット200を通して遊技者側(前側)から視認可能に取付けられている。
[4−1.ドア本体ユニット]
ドアユニット4におけるドア本体ユニット100について、主に図9乃至図10を参照して詳細に説明する。ドア本体ユニット100は、筐体ユニット2における筐体本体10の前面開口を閉鎖可能な大きさのドアベース110と、ドアベース110の前面に取付けられる操作ユニット120と、操作ユニット120の下側でドアベース110の前面に取付けられている前下装飾ユニット140と、前下装飾ユニット140の下側でドアベース110の前面に取付けられている受皿ユニット150と、を備えている。
また、ドア本体ユニット100は、ドアベース110の後面に取付けられている補強ユニット160と、ドアベース110の後面に取付けられているメダルセレクタ170と、ドアベース110の後面にて取付けられている施錠ユニット180と、ドアベース110の後面に取付けられている低音用スピーカ190と、を備えている。低音用スピーカ190は、ドアベース110の前面における前下装飾ユニット140と受皿ユニット150との間で前方に音を放射(出力)するように取付けられている。
[4−1a.ドアベース]
ドア本体ユニット100のドアベース110は、筐体ユニット2における筐体本体10の前面開口を閉鎖可能な大きさに形成されており、正面視の外形形状が上下に延びた長方形に形成されている。ドアベース110は、上下方向中央よりもやや下寄りの位置から上側に、周縁が細く残るように四角形状で前後に貫通した開口部111を有している。また、ドアベース110は、開口部111よりも下方で正面視左右方向の略中央に、四角形状で前後に貫通している放出口112を更に有している。ドアベース110は、合成樹脂によって一体成型されている。
[4−1b.操作ユニット]
ドア本体ユニット100の操作ユニット120は、ドアベース110の前面における開口部111の下側に取付けられている。操作ユニット120は、ドアベース110の開口部111の下辺から前端側が僅かに低くなるように延出している棚部121と、棚部121の前端から下方に垂下している垂下部122と、を備えており、ドアベース110の前面から前方に膨出している。
また、操作ユニット120は、棚部121における正面視右端付近に遊技媒体としてのメダルを投入するための投入口123と、投入口123の左側で棚部121における正面視左右方向中央に配置されている演出ボタン124と、演出ボタン124の左側で棚部121の前端付近に配置されているMAXベットボタン125と、MAXベットボタン125の後方でやや左寄りに配置されている1ベットボタン126と、1ベットボタン126及びMAXベットボタン125の左側で棚部の左端付近に配置されている十字キー127と、を備えている。
更に、操作ユニット120は、垂下部122における正面視左右方向中央に左右に列設された三つの停止ボタン128と、停止ボタン128の正面視左側に配置され垂下部122から前方に突出している始動レバー129と、始動レバー129の左側で垂下部122の左端付近に配置されている清算ボタン130と、停止ボタン128の正面視右側に配置されている返却ボタン131と、を備えている。
操作ユニット120の投入口123は、円盤状のメダルを、裏表面を前後方向に向けた向きで一つずつ投入することができるように形成されている。投入口123に投入したメダルは、後述するメダルセレクタにより払出ユニット30側に振分けられてホッパ32内に貯留される。また、投入口123に投入されたメダルは、メダルセレクタ170内において検知され、その検知信号が主制御基板21に送られることで、主制御基板21において投入されたメダルの数が計数されて記憶される。
演出ボタン124は、平面視の形状が横長の楕円形に形成されている。この演出ボタン124は、通常の状態では、上面が棚部121の上面から若干上方に突出しており、遊技状態に応じて棚部121の上面よりも高く突出して遊技者が押圧可能な状態となる。演出ボタン124は、遊技状態に応じて行われる演出の際に、遊技者が使用するためのものである。また、演出ボタン124は、図示は省略するが、内部に複数のLEDを備えており、LEDの発光により発光装飾させることができる。
MAXベットボタン125は、平面視の形状が円形で演出ボタン124よりは小さく形成されていると共に、常時押圧可能とされている。MAXベットボタン125は、主制御基板21において投入口123に投入されることで記憶されたメダルの数が三つ以上の時に、押圧操作が受付けられる。MAXベットボタン125の押圧操作が受付けられると、主制御基板21に記憶されている投入されたメダルの数から、1回の遊技に使用するメダルの数として最大である三枚を差し引いて遊技を開始できるようになる。MAXベットボタン125は、内部にLEDを備えており、LEDの発光により発光装飾させることができる。
1ベットボタン126は、平面視の形状が円形で、MAXベットボタン125よりも小さく形成されている。この1ベットボタン126は、受付可能な時に押圧操作をすると、主制御基板21において記憶されているメダルの数から、1回の遊技に使用するメダルの数として1枚を差し引いて遊技を開始できるようになる。
十字キー127は、詳細な図示は省略するが、中央に配置された円形の中ボタン、中ボタンの上側(後側)及び下側(前側)に夫々配置された扇状の上ボタン及び下ボタン、中ボタンの左側及び右側に配置された扇状の左ボタン及び右ボタン、の合計五つのボタンを備えている。この十字キー127は、遊技状態に応じて行われる演出の際に、遊技者が使用するためのものである。
停止ボタン128は、左右に三つ並んでおり、左側から、左停止ボタン128L、中停止ボタン128M、右停止ボタン128Rとされている。これら三つの停止ボタン128は、遊技ユニット3における左右に並んだ三つのリール70(左リール70L、中リール70M、右リール70R)に夫々対応しており、リール70が回転中に押圧操作を行うことで、対応しているリール70の回転を停止させることができる。各停止ボタン128は、夫々LEDを備えており、LEDの発光により発光装飾させることができる。
始動レバー129は、投入口123にメダルを投入した後に、MAXベットボタン125又は1ベットボタン126を操作して遊技を開始することができる状態の時に操作すると、主制御基板21からの制御コマンドに基づいて、遊技ユニット3の三つのリール70を回転させて遊技を開始させるものである。三つのリール70が回転することで、各リール70の外周面に施されている図柄が変動表示されることとなる。
清算ボタン130は、投入口123に投入して主制御基板21に記憶されているメダルの数と同じ数のメダルを、払出ユニット30から受皿151内に払出すと共に、主制御基板21に記憶されているメダルの数を「0」とするものである。返却ボタン131は、メダルセレクタ170内に貯留されているメダルを、受皿に返却するためのものである。
この操作ユニット120は、返却ボタン131の正面視右側に、施錠ユニット180の鍵穴185が臨んでいる。
[4−1c.前下装飾ユニット]
ドア本体ユニット100の前下装飾ユニット140は、操作ユニット120の下側で、操作ユニット120と同様にドアベース110の前面から前方に膨出している。前下装飾ユニット140は、操作ユニット120の垂下部122の下端から下方に延出した透光性を有する前下装飾部141と、前下装飾部141の左右両側に夫々配置されているスピーカ142と、を備えている。
前下装飾ユニット140は、図示は省略するが、前下装飾部141の後側に配置されスロットマシン1のコンセプトに沿った装飾が印刷された透光性を有する装飾パネルと、装飾パネルの後側に配置されており前面に複数のLEDが実装された前下装飾基板と、を備えている。前下装飾基板のLEDを適宜発光させることで、前下装飾部141を発光装飾させることができる。
二つのスピーカ142は、周辺制御基板からの音信号によりステレオでサウンドを出力することができる。また、スピーカ142は、前面にパンチングメタルからなるスピーカカバーにより覆われている。
[4−1d.受皿ユニット]
ドア本体ユニット100の受皿ユニット150は、前下装飾ユニット140の下面から下方に間隔を開けてドアベース110の前面下端に取付けられている。受皿ユニット150は、ドアベース110の前面から前方に膨出していると共に、上方に開放されている皿状の受皿151と、受皿151の正面視左側に配置されている灰皿152と、を備えている。ドアベース110における受皿151の後壁を形成している部位に、放出口112が配置されており、払出ユニット30から払出されたメダルが、放出口112を通って受皿151内に放出される。
[4−1e.補強ユニット]
ドア本体ユニット100の補強ユニット160は、金属板により形成されており、ドアベース110を後側から補強している。補強ユニット160は、ドアベース110の後面における正面視左辺に沿って取付けられており筐体ユニット2における筐体本体10のヒンジ金具17に対してヒンジ回転可能に取付けられる棒状の左補強金具161と、ドアベース110の後面において上辺に沿って取付けられる棒状の上補強金具162と、ドアベース110の後面において開口部111の下辺に沿って取付けられる棒状の中補強金具163と、ドアベース110の後面の前下装飾ユニット140よりも下側となる部位に取付けられる平板状の下部補強板164と、を備えている。
補強ユニット160における左補強金具161、上補強金具162、及び中補強金具163は、帯板状の金属板を屈曲して形成されている。補強ユニット160の上補強金具162及び中補強金具163に、後述する中ユニット5が取付けられる。
[4−1f.メダルセレクタ]
ドア本体ユニット100のメダルセレクタ170は、ドアベース110の後面における開口部111よりも下側で操作ユニット120の投入口123の後方に相当する部位に取付けられている。メダルセレクタ170は、通常の状態では、操作ユニット120の投入口123にメダルが投入されると、投入されたメダルを払出ユニット30側に誘導して検知した上で、払出ユニット30のホッパ32に放出する。
メダルセレクタ170は、操作ユニット120の返却ボタン131を押圧している状態では、メダルセレクタ170内に貯留されているメダル、及び、新たに投入口123に投入されたメダルを、受皿151側に振分けて、ドアベース110放出口112から受皿151内に放出させる。つまり、メダルセレクタ170は、通常の状態では、投入口123に投入されたメダルを、払出ユニット30側に振分けている。
[4−1g.施錠ユニット]
ドア本体ユニット100の施錠ユニット180は、ドアベース110の後面における正面視右辺に沿って取付けられている。施錠ユニット180は、ドアベース110の正面視右辺の長さよりも若干短く形成されておりドアベース110の後面に取付けられる施錠本体181と、施錠本体181の上端と下端付近に夫々左右方向に延びた軸周りに回動可能に取付けられており筐体本体10の係止片(図示は省略)に係止可能な一対の施錠フック182と、一対の施錠フック182を夫々回動させ、施錠本体181にスライド可能に取付けられているスライド棹183と、前後に延びた軸周りに回動することでスライド棹183を施錠本体181に沿ってスライドさせる施錠カム184と、前端に開口している鍵穴185に鍵を差し込むことで施錠カム184を回動可能とすると共に、差し込んだ鍵を回動させることで施錠カム184が回動する施錠シリンダ(図示は省略)と、を備えている。
施錠ユニット180は、筐体ユニット2の開口している前面をドアユニット4により閉鎖すると、一対の施錠フック182が筐体ユニット2の図示しない係止片に夫々係止され、筐体ユニット2に対してドアユニット4が開放不能な状態となる。この状態で、施錠ユニット180の鍵穴185に対応している鍵を差し込んで回動させると、一対の施錠フック182が夫々回動して、係止片との係止が解除され、筐体ユニット2に対してドアユニット4を開放させることができる。
この施錠ユニット180は、施錠本体181等が金属板により形成されており、ドアベース110の後面に取付けることで、補強ユニット160と共にドアベース110を補強している。
[4−2.トップカバーユニット]
続いて、ドアユニット4のトップカバーユニット200について、主に図10乃至図15を参照して詳細に説明する。図12は、ドアユニットにおけるトップカバーユニットを左右方向中央で切断して右側から見た右側面断面図である。図13は、トップカバーユニットにおける導光板を発光させた状態を示しており、図柄表示領域Aが中位置(以下、基準位置という)にある場合を示す正面図である。図14は、図柄表示領域Aが最上位置にある場合にスロットマシンを前から見た斜視図である。図15は、図柄表示領域Aが最下位置にある場合にスロットマシンを前から見た斜視図である。トップカバーユニット200は、ドアベース110の開口部111を閉鎖するように、ドア本体ユニット100の上部前面に取付けられる。
トップカバーユニット200は、ドア本体ユニット100におけるドアベース110の開口部111を閉鎖可能とされ、後方が開放された浅い箱状のトップカバー201と、トップカバー201内に配置されている透明で平板状の透過型液晶表示装置(透過型有機EL表示装置であってもよい)202と、透過型液晶表示装置202の上端辺をトップカバー201に取付けている上押え部材203と、透過型液晶表示装置202の下端辺をトップカバー201に取付けている下押え部材204と、上押え部材203に取付けられており、上側から透過型液晶表示装置202に設けられる導光板(図示しない。以下単に導光板と記載する)の上面に向かって光を照射する複数のLEDが実装された導光板上装飾基板205と、下押え部材204に取付けられており、下側から導光板の下面に向かって光を照射する複数のLEDが実装された導光板下装飾基板206と、を備えている。
トップカバー201は、四隅を除いた略全体が透明に形成されている。このトップカバー201は、スロットマシン1に組立てた時に略垂直に立ち上がり、ドアベース110の開口部111と略同じ大きさの平面状の窓部201aを有している。
透過型液晶表示装置202の表示領域は、トップカバー201の窓部201aと略同じ大きさに形成されていると共に、上押え部材203及び下押え部材204により、窓部201aと平行にトップカバー201に取付けられている。導光板は、詳細な図示は省略するが、一方の面(後面)に微小で透明な複数のドットを有した装飾層を備えている。この導光板は、導光板上装飾基板205及び導光板下装飾基板206の各LEDが発光していない通常の状態では、遊技者側から装飾層のドットを視認することはできず、後方側がそのまま見える透明な状態となっている。導光板における装飾層のドットは、印刷技術によって形成されている。導光板上装飾基板205及び導光板下装飾基板206は、周辺制御基板471によって制御される。
導光板は、導光板上装飾基板205及び導光板下装飾基板206の各LEDによって上面及び下面から内部に光を照射することで、導光板内部を通る光が装飾層のドットにより前方に反射し、各ドットを光らせることができ、これにより透過型液晶表示装置202のバックライトとして機能して、透過型液晶表示装置202の表示領域に絵柄等を表示させることができる(図13を参照)。なお、図13、図14及び図15において、絵柄を表している微小な黒点が、実際には点で光っており、白色の部分を通して後方のものが見えるようになっている。透過型液晶表示装置202は、その表示領域の一部に矩形状の非装飾領域(何も描画しない領域等、つまり透過型液晶表示装置202の透過率に応じてその後方(背部)を視認できるようになっている領域(本例では上部可動演出ユニット600の前方領域と図柄表示領域Aとが該当する))を有するように絵柄等を表示する(図13乃至図15を参照)。従って、透過型液晶表示装置202の表示領域に絵柄等を表示させた時に、少なくとも非装飾領域には絵柄が表示されないため、非装飾領域の後方に配置されているものを良好に視認することができる。
透過型液晶表示装置202の非装飾領域は、遊技ユニット3の左右に並んだ三つのリール70(図柄列)により表示される図柄表示領域Aと対応している。つまり、透過型液晶表示装置202の表示領域は、図柄表示領域Aを除く全ての領域に装飾(絵柄)を表示し、非装飾領域を通して、図柄表示領域Aに表示される「3[1リールあたりに表示される図柄数]×3[リール数]」からなる図柄群を、遊技者側から良好に視認することができるように構成されている(図13乃至図15を参照)。
本実施形態のスロットマシン1では、詳細は後述するが、左右三列で上下三段(3[1リールあたりの図柄数]×3[リール数])からなる図柄表示領域Aが基準位置にある場合において、中段(中段ライン)のみが有効ラインLとされており、中段(有効ラインL)で左右に並んで停止表示された図柄の組合せに応じて後述する特典が付与される。
透過型液晶表示装置202により形成される非装飾領域としての図柄表示領域Aには、最大で、5[1リールあたりに表示される図柄数]×3[リール数]からなる図柄群が表示される。ただし、スロットマシン1の稼働中(電源が投入されているとき)、図柄表示領域Aには、「5[1リールあたりの図柄数]×3[リール数]」からなる図柄群(すなわち15図柄)が表示されることはなく、常に表示されるのは、「3[1リールあたりの図柄数]×3[リール数]」からなる図柄群のみである。
本実施形態のスロットマシン1では、全てのリール70L,70M,70Rが停止されて後述する抽選結果が有効ラインLに停止表示された状態において、図柄表示領域Aの矩形状の形態とその大きさを維持しつつ図柄表示領域Aが上下方向(リールの回転方向)に移動可能となるように、透過型液晶表示装置202の非装飾領域を変更することが可能に構成されている。すなわち、図柄表示領域Aの形態及び大きさを維持しつつリール70に対して図柄表示領域Aが上下方向に移動するように、透過型液晶表示装置202の非装飾領域を変更することが可能となっている。つまり、リール70に対して図柄表示領域Aが上下方向に移動したとしても、各リールに描かれた多数の図柄のうち図柄表示領域Aに表示される図柄の数は「3[1リールあたりの図柄数]×3[リール数]」に維持されることとなる。このようにして、全てのリール70L,70M,70Rの停止が維持された状態で図柄表示領域Aに表示される図柄ブロックの差し替えが行われる。
なお、透過型液晶表示装置202の非装飾領域の変更すなわち図柄表示領域Aの上下方向の移動は、主制御基板21及びサブ主制御基板23からの制御コマンドに基づいて、周辺制御基板471により導光板上装飾基板205及び導光板下装飾基板206の各LEDの発光態様が制御されると共に、表示制御基板473により透過型液晶表示装置202が表示制御されることによって行われる。このように本例では図柄表示領域Aの上下方向の移動を、透過型液晶表示装置202の非装飾領域の変更によって実現可能となるように構成するが、これに限られるものではなく、矩形状の開口を有して該開口により図柄表示領域Aを構成する可動体の位置を変更することによって図柄表示領域Aの上下方向の移動を実現可能となるように構成してもよい。なお、本例では図柄表示領域Aの非装飾領域の変更を主制御基板21からの制御コマンドに基づいて周辺制御基板471が実行する(表示制御基板473に指示して透過型液晶表示装置202を表示制御させて図柄表示領域A(非装飾領域)の位置を変更する)ように構成したが、主制御基板21が実行する(表示制御基板473に指示して透過型液晶表示装置202を表示制御させて図柄表示領域A(非装飾領域)の位置を変更する)ようにしてもよい。
リール70に対する図柄表示領域Aの位置は、図13が基準位置であり、この場合、中段ラインのみが有効ラインLとなっている。図14に示される図柄表示領域Aの位置は、上記の基準位置よりも1図柄分だけ上方向に移動した位置(最上位置)であり、この場合の有効ラインLは下段ラインのみである。図15に示される図柄表示領域Aの位置は、上記の基準位置よりも1図柄分だけ下方向に移動した位置(最下位置)であり、この場合の有効ラインLは上段ラインのみである。このように、最上位置と最下位置とでは、2図柄分だけ上下方向にずれていることとなる。また、図柄表示領域Aの移動(図柄表示領域Aに表示される図柄ブロックの差し替え)は、有効ラインLを変更することなく且つこの有効ラインLが常に図柄表示領域A内に存在するようにして行われる。
ただし、透過型液晶表示装置202の装飾領域には、棚部121に描かれた絵柄と同じモチーフの絵柄が表示されており、図柄表示領域Aが移動されたことを遊技者が把握し難くなるように構成されている。これにより、例えば、リール70の停止状態が維持されているにもかかわらずリール70が変動したのかもしれないといった錯覚や、図柄表示領域Aに表示されていたはずの図柄群を見誤ったかもしれないといった錯覚を、遊技者に与えることが可能となる。
図柄表示領域Aが移動されたことを遊技者から把握され難くするためには、透過型液晶表示装置202の装飾領域における表示と非装飾領域における表示との位置関係を維持しつつ、非装飾領域としての図柄表示領域Aを上下方向に移動させるようにしてもよい。例えば、非装飾領域としての図柄表示領域Aを上下方向に移動させるに際して、この図柄表示領域Aとの位置関係を維持しつつ導光板202の装飾領域における絵柄についても上下方向に移動させることで、図柄表示領域Aが移動されたことを外観で把握し難くすることが可能となる。
また、非装飾領域としての図柄表示領域Aを上下方向に移動させるに際して、図柄表示領域とは異なる場所(図柄表示領域Aの上方等)に遊技者を注視させる演出を行うことで、遊技者の注視が図柄表示領域Aに向かないようにし、図柄表示領域Aが移動されたことを遊技者から把握され難くするようにしてもよい。
なお、図柄表示領域Aが上下方向に移動されたことを遊技者から把握され難くする手法は、棚部121と透過型液晶表示装置202の装飾領域とに同じモチーフの絵柄が表示されるようにする手法、透過型液晶表示装置202の装飾領域における表示と非装飾領域における表示との位置関係を維持しつつ非装飾領域としての図柄表示領域Aを上下方向に移動させる手法、図柄表示領域Aとは異なる場所に遊技者を注視させる演出を行うことで遊技者の注視が図柄表示領域Aに向かないようにする手法及びその他の手法のうち、いずれか1つの手法のみを採用してもよいし、2つ以上の手法を採用してもよい。図柄表示領域Aが上下方向に移動されたことを、必ずしも遊技者から全く把握されないようにすることを必要とするものではなく、僅かながらも遊技者から把握され難くすることができればよい。
また、透過型液晶表示装置202に備えられる導光板は、図示は省略するが、左右両側面に反射層を有している。この反射層により、導光板上装飾基板205及び導光板下装飾基板206の各LEDによって上面及び下面から内部に照射された光が、左右両側面から外部に漏れるのを防止して導光板の内側へ反射させることができ、装飾層の絵柄をより明るく発光装飾させることができると共に、絵柄の全体をより均一に発光装飾させることができる。
導光板上装飾基板205及び導光板下装飾基板206は、図示は省略するが、夫々下面及び上面に、複数のLEDが左右方向へ一列に実装されている。導光板上装飾基板205及び導光板下装飾基板206に夫々実装されているLEDは、高輝度LEDとされている。
[4−3.前可動演出ユニット]
ドアユニット4における前可動演出ユニット300について、主に図10、図11、及び図16を参照して詳細に説明する。図16(a)はドアユニットにおける前可動演出ユニットの正面図であり、(b)は(a)の状態から前可動装飾体を下降させた状態で示す前可動演出ユニットの正面図である。前可動演出ユニット300は、トップカバーユニット200の後側で、ドア本体ユニット100のドアベース110における開口部111の形成されている前面に取付けられるものである。
前可動演出ユニット300は、正面視の形状が略四角形で枠状に形成されているユニットベース301と、ユニットベースの後側に配置されており、少なくとも前面に装飾が施された前可動装飾体310と、前可動装飾体310を遊技状態に応じて昇降させる昇降駆動機構320と、を備えている。
前可動演出ユニット300のユニットベース301は、ドア本体ユニット100におけるドアベース110の開口部111が形成されている上部前面に取付けられる。このユニットベース301は、ドアベース110の開口部111の内周形状よりもやや大きく形成されている。枠状のユニットベース301は、上辺を形成している部位が、他の辺を形成している部位と比較して、幅(上下の寸法)が大きく形成されている。このユニットベース301は、透明に形成されている。
前可動装飾体310は、上下方向が略一定の寸法に形成されていると共に、左右方向がユニットベース301の左右の寸法よりも若干短く形成されており、左右に長く延びている。前可動装飾体310は、上下方向の寸法が、ユニットベース301における上辺を形成している部位の上下方向の寸法と、略同じである。前可動装飾体310は、正面視において、下辺における左端付近が下方に突出した外形形状に形成されている。この前可動装飾体310は、スロットマシン1のコンセプトに沿ったアイテムとして、正面視左側を先端側とするナタ(鉈鎌)を模した形状に形成されている。また、前可動装飾体310は、図示は省略するが、前面に複数のLEDが実装された前可動装飾体装飾基板を備えており、複数のLEDの発光により発光装飾させることができる。
昇降駆動機構320は、枠状のユニットベース301における左右両辺を形成している部位の夫々後側に上下両端が取付けられていると共に、前可動装飾体310の左右両端部を昇降可能に取付けている円柱状のスライドシャフト321と、左右のスライドシャフト321の夫々の上下両端付近で前後に延びた軸周りに回転可能に夫々ユニットベース301に取付けられている上下に離間した一対のプーリ322と、上下に離間している一対のプーリ322に巻き掛けられていると共に、一部が前可動装飾体310の左端部又は右端部に夫々取付けられている駆動ベルト323と、左右のスライドシャフト321の夫々の上端部付近でユニットベース301に取付けられており上下に離間しているプーリ322のうちの上側のプーリ322を夫々回転駆動させる前左駆動モータ324及び前右駆動モータ325と、を備えている。
前可動演出ユニット300における前可動装飾体310の図示しない前可動装飾体装飾基板や、昇降駆動機構320の前左駆動モータ324及び前右駆動モータ325等は、周辺制御基板471によって制御される。
また、前可動演出ユニット300は、枠状のユニットベース301の前面の左右両側に取付けられており、立体的な装飾を有した前サイド装飾部材330を備えている。前サイド装飾部材330は、ユニットベース301の略全高に亘って上下に延びている。また、前サイド装飾部材330は、表面に金属光沢を有するメッキ層が形成されている。左右の前サイド装飾部材330は、ドアユニット4に組立てた状態で、トップカバーユニット200におけるトップカバー201の窓部201aよりも左右両外側に位置しており、窓部201aの左右両側を装飾している。
この前可動演出ユニット300は、通常の状態では、図16(a)に示すように、前可動装飾体310が上昇端に位置している。この状態では、前可動装飾体310の下端が、ユニットベース301における上辺を形成している部位の下辺よりも若干下方に位置している。なお、図示は省略するが、前可動装飾体310は、この状態でも、透明なユニットベース301を通して前方(遊技者側)から視認することができる。
前可動演出ユニット300は、遊技状態に応じて昇降駆動機構320の前左駆動モータ324及び前右駆動モータ325を回転駆動させることで、上昇端に位置している前可動装飾体310を下降端の位置まで下降させることができる(図16(b)を参照)。前可動装飾体310が下降端に位置している状態では、図示するように、前可動装飾体310の下辺における下方に延出した正面視左端付近の部位が、枠状のユニットベース301の下辺を形成している部位の位置まで下降していることから、前可動装飾体310における下辺の殆どの部位は、ユニットベース301の下辺よりも上方に離間している。つまり、前可動装飾体310を下降端に位置させた時に、前可動装飾体310の下辺の下側に、後方が視認可能な左右に延びた略四角形の後方視認可能領域302が形成される。
前可動演出ユニット300における前可動装飾体310の下降により形成される後方視認可能領域302は、遊技ユニット3の左右に並んだ三つのリール70(図柄列)により表示される上下三段の図柄表示領域Aにおける下段の領域と対応している。つまり、前可動装飾体310を下降端に位置させた時に、後方視認可能領域302を通して、三つのリール70により表示される複数の図柄のうち、少なくとも中段に位置する図柄のみについては遊技者側から良好に視認することができる。本実施形態のスロットマシン1では、左右三列で上下三段からなる図柄表示領域Aにおいて、図柄表示領域Aが基準位置にあるときは中段(中段ライン)のみが有効ラインLとされており、前可動装飾体310を下降端に位置させたとき、少なくとも有効ラインL上に位置する図柄については良好に視認できる状態となる。なお、図柄表示領域Aが最下位置にあるときに前可動装飾体310を下降端に位置させると、有効ラインL上に位置する図柄のみを良好に視認できる状態となるので好ましい。
また、前可動演出ユニット300は、周辺制御基板471により前左駆動モータ324及び前右駆動モータ325を適宜制御することで、前可動装飾体310を、上昇端と下降端との間の任意の位置で停止させることができる。従って、様々な昇降位置で前可動装飾体310を停止させたり、様々なパターンで前可動装飾体310を昇降させたりすることができるため、多彩な演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くして遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[5.中ユニットの全体構成]
次に、本実施形態のスロットマシン1における中ユニット5の全体構成について、主に図17乃至図22を参照して説明する。図17(a)はスロットマシンらおける中ユニットの正面図であり、(b)は中ユニットの背面図である。また、図18は中ユニットを前から見た斜視図であり、図19は中ユニットを右後ろから見た斜視図であり、図20は中ユニットを左後ろから見た斜視図である。更に、図21は中ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図22は中ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。中ユニット5は、ドアユニット4のドア本体ユニット100におけるドアベース110の開口部111が形成されている部位の後側に取付けられ、トップカバー201の窓部201aを通して遊技者に演出画像や可動演出等を提示するものである。
中ユニット5は、ドアベース110の後側に取付けられる枠状の中ユニットベース400と、中ユニットベース400の後面上部に着脱可能に取付けられており演出画像を表示可能なメイン液晶表示装置450と、メイン液晶表示装置450の後面に取付けられている周辺制御ユニット470と、中ユニットベース400からのメイン液晶表示装置450の取外しを阻止している防犯部材490と、中ユニットベース400の後面上部でメイン液晶表示装置450の前側に取付けられる上部可動演出ユニット600と、中ユニットベース400の前面下端部に取付けられている状態表示器800と、中ユニットベース400の後面にメイン液晶表示装置450を後側から覆うように着脱可能に取付けられている装飾駆動基板ユニット900と、を備えている。
[5−1.中ユニットベース]
中ユニット5の中ユニットベース400について、主に図17乃至図24を参照して詳細に説明する。図23は中ユニットにおける中ユニットベースを前から見た斜視図であり、図24は中ユニットにおける中ユニットベースを後ろから見た斜視図である。中ユニットベース400は、ドアユニット4のドア本体ユニット100におけるドアベース110の開口部111の後方で、補強ユニット160の上補強金具162及び中補強金具163の後面に取付けられるものである。
中ユニットベース400は、左右に離間しており前後方向が略一定で上下方向に長く延びた平板状の一対の側部401と、一対の側部401の上端同士を連結している上連結部402と、一対の側部401の上下方向略中央同士を連結している中連結部403と、一対の側部401の下端同士を連結している下連結部404と、を備えている。上連結部402は、棒状に形成されており、一対の側部401の上端における後部同士を連結している。中連結部403は、一対の側部401の上下方向において、中央から下寄りで、前後方向の後部側の部位同士を連結している。この中連結部403は、一対の側部401の前後方向中央より前寄りの位置から後方へ水平に延びた上で、その後端から上方へ延びた形態に形成されており、中連結部403は、側面断面形状が、略L字状に形成されている。下連結部404は、一対の側部401の下端における前部同士を連結している。この中ユニットベース400は、正面視の形状が、略「日」の字形の枠状に形成されている。
中ユニットベース400は、上連結部402の左右両端部付近の上面から前方に突出している一対の係止片405と、下連結部404の左右両端の前端から夫々下方に突出している一対の下取付部406と、を備えている。一対の係止片405は、ドアユニット4の補強ユニット160における上補強金具162の上面に係止されるものであり、上補強金具162に係止することで、ドアユニット4に中ユニット5を取付ける際に、ドアユニット4に対して中ユニット5の高さ方向の位置決めを行うことができると共に、中ユニット5を吊下げることができ、取付作業を容易にできるようにしている。この中ユニットベース400は、上連結部402と、一対の下取付部406とが、図示しないネジ(ビス)により補強ユニット160の上補強金具162と中補強金具163とに取付けられる。
また、中ユニットベース400は、図24に示すように、正面視左側の側部401の後側で、上連結部402と中連結部403との間の部位に、メイン液晶表示装置450及び装飾駆動基板ユニット900をヒンジ回転可能に取付けるための複数の軸受部407が上下に複数(ここでは四つ)列設されている。これら四つの軸受部407は、夫々上端が開口している。上下に並んだ四つの軸受部407のうち、上から1番目と3番目の軸受部407が装飾駆動基板ユニット900をヒンジ回転可能に取付けるためのものであり、上から2番目と4番面の軸受部407がメイン液晶表示装置450をヒンジ回転可能に取付けるためのものである。
中ユニットベース400は、正面視右側の側部401の後側に、メイン液晶表示装置450の突出片452を着脱可能に取付けるためのロック機構410を備えている。ロック機構410は、上下にスライドし上部に後方へ向かって開口している開口部411aを有するロックレバー411を備えている。このロック機構410は、ロックレバー411を下方にスライドさせた状態で、正面視左端側を軸受部407によりヒンジ回転可能に取付けられたメイン液晶表示装置450を、その表示画面が正面を向くように(中ユニットベース400における上連結部402と中連結部403との間の開口を閉鎖するように)ヒンジ回転させると、メイン液晶表示装置450の正面視右辺から外方に突出している突出片452が、ロックレバー411の開口部411a内に挿入された状態となる。そして、この状態でロックレバー411を上方にスライドさせると、メイン液晶表示装置450の突出片452の後方への移動が規制された状態となり、中ユニットベース400に対してメイン液晶表示装置450がロックされた状態で取付けられることとなる。
また、中ユニットベース400は、正面視右側の側部401の後側でロック機構410の上側に、装飾駆動基板ユニット900を着脱可能に取付けるための係止溝415と、を備えている。この係止溝415は、後面から前方に向かって窪んだ溝状に形成されており、装飾駆動基板ユニット900の係止部が弾性係止される。
更に、中ユニットベース400は、正面視左側の側部401の後側で、上下に並んだ四つの軸受部407のうち、上から3番目の軸受部407の下側に、つまり、上から3番目の軸受部407と4番目の軸受部407との間に、後面から前方に向かって窪んだ取付凹部420を備えている。この取付凹部420には、防犯部材490が取付けられる。
[5−2.メイン液晶表示装置]
中ユニット5のメイン液晶表示装置450について、主に図21及び図22を参照して説明する。メイン液晶表示装置450は、中ユニットベース400の後面上部に取付けられ、前面に演出画像を表示する表示画面が備えられている。メイン液晶表示装置450は、中ユニットベース400における左右一対の側部401、上連結部402、及び中連結部403により形成される正面視略矩形状の開口を閉鎖可能な、正面視左右に長い長方形状に形成されている。
メイン液晶表示装置450は、正面視左辺に、上下に離間しており、外方に突出した上で下方に向かって円柱状に延びた一対のヒンジ軸部451を備えている。一対のヒンジ軸部451は、中ユニットベース400における四つの軸受部407のうち、上から2番目と4番目の軸受部407に挿入されるものである。また、メイン液晶表示装置450は、正面視右辺に、上下方向略中央から外方に突出している平板状の突出片452を備えている。この突出片452は、中ユニットベース400のロック機構410により中ユニットベース400の後面に取付けられるものである。
メイン液晶表示装置450は、一対のヒンジ軸部451を、中ユニットベース400の軸受部407に挿入することで、中ユニットベース400に対して後方側へ開閉するようにヒンジ回転可能に取付けられる。
[5−3.周辺制御ユニット]
中ユニット5の周辺制御ユニット470について、主に図8、図17、図19、及び図22等を参照して説明する。周辺制御ユニット470は、メイン液晶表示装置450の後面に脱着可能に取付けられている。周辺制御ユニット470は、主制御ユニット20の主制御基板21及びサブ主制御基板23からの制御コマンドに基づいて遊技内容や演出内容等を制御する周辺制御基板471と、周辺制御基板471の後側に取付けられており、周辺制御基板471、主制御基板21及びサブ主制御基板23において実行される制御プログラム、演出画像、演出サウンド、等が予め記憶されたROMを有しているROM基板472と、周辺制御基板471の後側に取付けられており、周辺制御基板471からの制御コマンドに応じてメイン液晶表示装置450に表示される演出画像を制御する表示制御基板473と、周辺制御基板471、ROM基板472、及び表示制御基板473を収容している周辺制御基板ボックス474と、を備えている。
周辺制御基板471は、正面視の形状が左右に長い長方形に形成されており、後面における下部に、下辺に沿って複数の入出力用のコネクタが取付けられている。また、周辺制御基板471は、複数の入出力用のコネクタの間から後方に突出しており、音量を調節するためのボリューム471aを備えている(図17(b)を参照)。
周辺制御基板ボックス474は、周辺制御基板471の入出力用のコネクタ、及びボリューム471aが後方に臨むように形成されている。この周辺制御基板ボックス474は、前後に分割可能に形成されていると共に、分割(開閉)した痕跡が残るように形成されている。この周辺制御基板ボックス474は、メイン液晶表示装置450の後面に対して、詳細は後述する防犯部材490と同じ構成の部材によって取外しの痕跡が残るように取付けられている。
[5−4.防犯部材]
中ユニット5の防犯部材490について、主に図17、図20乃至図22を参照して説明する。防犯部材490は、中ユニットベース400の取付凹部420に取付けることで、中ユニットベース400に取付けられているメイン液晶表示装置450の取外しを防止するためのものである。防犯部材490は、有底角筒状の台座部491と、台座部491の開口している側を閉鎖するキャップ492と、を備えている。防犯部材490の台座部491は、詳細な図示は省略するが、底部にビスが通過可能な貫通孔と、内周面の互いに対面している部位に、窪んだ一対の凹部と、を備えている。
防犯部材490のキャップ492は、台座部491内に挿入可能な有底筒状に形成されている。このキャップ492は、詳細な図示は省略するが、開口している端部付近の外周面において、互いに背向している部位に、突出した一対の突起を備えている。このキャップ492は、開口している側を台座部491側に向けて台座部491内に挿入させると、一対の突起が、弾性変形した後に、台座部491の一対の凹部内に夫々突出した状態となり、突起と凹部とが互いに係合することで、台座部491内にキャップ492を取付けることができる。
この防犯部材490は、中ユニットベース400の軸受部407に、メイン液晶表示装置450のヒンジ軸部451を挿入して、メイン液晶表示装置450を中ユニットベース400に対してヒンジ回転可能に取付けた状態で、防犯部材490の台座部491のみを、その有底側の端部を中ユニットベース400の取付凹部420に向けて、取付凹部420内に挿入し、台座部491の開口している側から挿入したビス(図示は省略)を底部の貫通孔を介して中ユニットベース400に捩じ込み、取付凹部420に台座部491を取付ける。これにより、上から4番目の軸受部407に上側から挿入されているヒンジ軸部451の上側において、角筒状の台座部491が取付凹部420から後方に突出した状態となるため、ヒンジ軸部451の上方への移動が台座部491により阻止された状態となる。これにより、ヒンジ軸部451が軸受部407から抜けなくなるため、中ユニットベース400からメイン液晶表示装置450を取外すことができなくなる。
その後、台座部491内にキャップ492を挿入し、台座部491の凹部にキャップ492の突起を係止させる。このキャップ492を台座部491に取付けることで、台座部491を取付凹部420に取付けているビスを覆うことができ、後側からビスを取外すことができなくなる。台座部491を取付けているビスを取外すためには、台座部491に挿入されているキャップ492を破壊して台座部491から抜く必要がある。
ところで、本実施形態のスロットマシン1では、メイン液晶表示装置450に取付けられている周辺制御ユニット470において、遊技に関わる制御機能やROMを備えていることから、メイン液晶表示装置450を中ユニットベース400から取外して、不正な基板やROMに取替えられた不正なメイン液晶表示装置と交換するような不正行為が行われる恐れがある。これに対して、本実施形態では、中ユニットベース400にメイン液晶表示装置450を取付けた状態で、防犯部材490を取付凹部420に取付けることで、まずは中ユニットベース400からメイン液晶表示装置450を取外し難くすることができるため、メイン液晶表示装置450を取外すような不正行為を躊躇させることができ、不正行為を行い難くすることができる。
また、喩えメイン液晶表示装置450が取外された場合でも、メイン液晶表示装置450を取外すためには、防犯部材490のキャップ492を破壊して台座部491を取外す必要があることから、中ユニットベース400からのメイン液晶表示装置450の取外しの痕跡が残るため、メイン液晶表示装置450(周辺制御ユニット470)の交換と言う不正行為が行われたのを発見することができる。従って、不正行為に対する抑止力を高めることができ、不正行為が行われるのを可及的に防止することができる。
[5−5.上部可動演出ユニットの全体構成]
続いて、中ユニット5の上部可動演出ユニット600について、主に図25乃至図30を参照して詳細に説明する。図25は中ユニットにおける上部可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、図26は上部可動演出ユニットを後ろから見た斜視図であり、図27は上部可動演出ユニットにおける上横可動演出ユニットの動きを示す上部可動演出ユニットの正面図である。また、図28は上部可動演出ユニットにおける上中可動演出ユニットを概略構成で示す正面図である。図29(a)は退避状態の上中可動演出ユニットを正面から概略で示す説明図であり、(b)は(a)の状態から途中まで出現した状態の上中可動演出ユニットを正面から概略で示す説明図であり、(c)は出現状態の上中可動演出ユニットを正面から概略で示す説明図である。また、図30は、上横可動演出ユニットの上横可動装飾体を中央側へ移動させると共に上中可動演出ユニットの上中可動装飾体を出現位置へ移動させた状態で示す上部可動演出ユニットの正面図である。
本実施形態の上部可動演出ユニット600は、中ユニットベース400における一対の側部401、上連結部402、及び中連結部403により囲まれた部位に、後側から取付けられる。上部可動演出ユニット600は、中ユニットベース400に取付けられる正面視枠状のユニットベース601と、ユニットベース601に取付けられている上横可動演出ユニット610と、上横可動演出ユニット610の上部前面に取付けられている上中可動演出ユニット650と、を備えている。
上横可動演出ユニット610は、正面視においてユニットベース601の枠内に配置され遊技者側から常時視認可能な一対の上横可動装飾体612を備えている。一対の上横可動装飾体612は、ユニットベース601の枠内の左右両端と、左右方向の中央付近との間で夫々左右方向へ移動可能とされている。また、上中可動演出ユニット650は、通常の状態では正面視においてユニットベース601の枠外(枠内よりも上方)に配置されて遊技者側から視認不能な半円環状の一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671を備えている。一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671は、遊技状態に応じてユニットベース601の正面視枠内に移動して一つの大きな円環状に合体すると共に、遊技者側から視認可能となる。
上部可動演出ユニット600のユニットベース601は、正面視の形状が、左右に延びた四角い枠状に形成されている。このユニットベース601は、左右の両辺が前後方向に所定幅で上下に延びた帯板状に形成されており、上辺が左右両辺の後端よりも後方に延出した平板状に形成されていると共に、下辺が左右両辺の前端よりも前方に延出した平板状に形成されている。ユニットベース601は、下辺の上面における後端付近に、左右両端から中央へ向かって夫々延びており上方に向かって開口している溝状の一対の下ガイド602が形成されている。この下ガイド602は、後述する上横可動演出ユニット610における一対の上横可動装飾体612の下ガイドピン612aを摺動可能に案内するものである。
[5−5a.上横可動演出ユニット]
上部可動演出ユニット600の上横可動演出ユニット610について、主に図25乃至図27を参照して説明する。上横可動演出ユニット610は、ユニットベース601の上辺の上面に取付けられる上横ベース611と、上横ベース611の前端付近で夫々左右方向に離間していると共に左右方向に移動可能に吊下げられており上下に延びている一対の上横可動装飾体612と、一対の上横可動装飾体612の上端の一部を夫々支持していると共に上横ベース611の上面おいて左右方向にスライド可能に夫々取付けられている一対のスライダ(図示は省略)と、一対のスライダに夫々取付けられておりスライダを左右方向に移動させる一対の上横駆動モータ(図示は省略)と、一対の上横駆動モータ及びスライダを上方から覆うように上横ベース611の上側に取付けられている上部カバー615と、を備えている。
上横ベース611は、図示は省略するが、前端付近で且つ左右両端付近に、上下に貫通していると共に左右に延びており上横可動装飾体612を上下に延びた軸周りに回転可能且つ左右方向へ移動可能に吊下げるための一対の誘導スリットと、一対の誘導スリットの後方で夫々上下に貫通していると共に左右方向に真直ぐ延びている案内スリットと、案内スリットの後側に夫々形成されており左右に延びた一対のラックギアと、を備えている。
誘導スリットは、上横ベース611の左右両端に近い側の端部が、その端部に近付くほど案内スリットから離れるように前方に曲がっており、上横ベース611の左右方向中央に近い側の端部が、案内スリットよりも中央から遠ざかっている。上横ベース611の案内スリットは、上横可動装飾体612から上方に延びている駆動ピンが上方へ突出するように挿通される。
一対の上横可動装飾体612は、枠状のユニットベース601の枠内の高さと略同じ高さで表面が立体的に形成されており、透光性を有している。この上横可動装飾体612は、図示は省略するが、内部に配置され複数のLEDが実装された上横装飾基板と、下端から下方に突出しておりユニットベース601の下ガイド602内に摺動可能に挿入される下ガイドピン612a(図27を参照)と、上端から上方に突出しており上横ベース611の誘導スリットに摺動可能且つ回転可能に吊下げられる吊下げ部と、吊下げ部とは異なる位置から上方に突出しており上横ベース611の案内スリットに挿通される駆動ピンと、を備えている。
図示は省略するが、上横可動装飾体612は、上横装飾基板のLEDを適宜発光させることで、発光装飾することができる。上横可動装飾体612の駆動ピンは、上横ベース611の上面に左右方向へスライド可能に取付けられるスライダに、回転可能な状態で取付けられる。
図示は省略するが、上横駆動モータは、スライダの上面に取付けられており、スライダを貫通している回転軸に上横ベース611のラックギアと噛合する駆動ギアが取付けられている。これにより、上横駆動モータによって駆動ギアを回転駆動させると、スライダが左右方向にスライドする。
次に、上横可動演出ユニット610の動作について説明する。この上横可動演出ユニット610は、通常の状態では、一対の上横可動装飾体612が、左右方向に最も離間した離遠位置に位置しており、ユニットベース601の左右両辺付近に夫々位置している(図27等を参照)。この通常の状態では、中ユニット5に組立てた状態で、一対の上横可動装飾体612が正面視において夫々メイン液晶表示装置450の左右両端に位置しており、メイン液晶表示装置450の左右両辺を装飾している。
この通常の状態では、上横可動装飾体612の吊下げ部と駆動ピンとが、上横ベース611の誘導スリットと案内スリットとによって前後に並ぶように位置した状態となることから、上横可動装飾体612の前面が、真正面に対して約63度傾いている。つまり、通常の状態では、左右の上横可動装飾体612が、その前面が夫々ユニットベース601の枠内の中央を向くように傾斜している。
通常の状態で、図示しない一対の上横駆動モータの駆動により左右のスライダを夫々上横ベース611の左右方向中央側へスライドさせると、夫々のスライダに支持されている上横可動装飾体612の駆動ピンが、上横ベース611の案内スリットに沿って左右方向中央側へ移動することとなり、駆動ピンの移動に伴って上横可動装飾体612の吊下げ部も上横ベース611の誘導スリットに沿って左右方向中央側へ移動することとなる。この際に、上横ベース611の誘導スリットは、中央側へ向かうに従って案内スリットに接近するように後方へ円弧状に曲がった後に案内スリットと平行に延びるように形成されているため、上横可動装飾体612の吊下げ部と駆動ピンとが左右方向に相対的に離れると共に前後方向に接近することとなり、上横可動装飾体612が吊下げ部を中心に回動することとなる。これにより、上横可動装飾体612は、前面が正面を向くように回動しながら上横ベース611の中央側へ移動する。
そして、一対のスライダが左右方向中央側への移動端に到達すると、一対の上横駆動モータの駆動が停止して、一対のスライダの移動が停止する。この状態では、一対の上横可動装飾体612が、その前面を真正面に向けていると共に、ユニットベース601の枠内を左右方向へ三つに分割するように互いに離間した離近位置に位置している(図30を参照)。また、一対の上横可動装飾体612を中央側へ移動させた状態では、一対の上横可動装飾体612がメイン液晶表示装置450の前面に位置している。
[5−5b.上中可動演出ユニット]
次に、上部可動演出ユニット600の上中可動演出ユニット650について、主に図25乃至図29を参照して詳細に説明する。上中可動演出ユニット650は、上横可動演出ユニット610における一対の上横可動装飾体612よりも上側の前面に取付けられている。上中可動演出ユニット650は、上横可動演出ユニット610の前面上部に取付けられる上中ベース651と、上中ベース651の前面に取付けられており前面に装飾が施されている前カバー652と、を備えている。
また、上中可動演出ユニット650は、前カバー652と上中ベース651との間で上中ベース651に左右方向中央よりも右側に回動中心を有するように回動可能に取付けられている半環状の上中左可動装飾体ユニット660と、上中ベース651の後側に左右方向中央よりも左側に回動中心を有するように回動可能に取付けられている半環状の上中右可動装飾体ユニット670と、上中ベース651の左右方向中央で上下にスライド可能に取付けられており、上中左可動装飾体ユニット660の回動を伝達して上中右可動装飾体ユニット670を回動させる伝達スライダ680と、上中ベース651に取付けられており上中左可動装飾体ユニット660を回動させる回動駆動機構690と、を備えている。
上中可動演出ユニット650の上中ベース651は、正面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されている。上中ベース651は、全体が略平板状に形成されており、正面視左右方向中央より左側の部位に対して右側の部位が前方に位置し、左側の部位の右端と右側の部位の左端とが連結された平面視クランク状に形成されている。この上中ベース651の左右方向中央より左側の部位の前方に上中左可動装飾体ユニット660の上中左装飾体661が配置されると共に、中央より右側の部位の後方に上中右可動装飾体ユニット670の上中右装飾体671が配置される。また、上中ベース651により、上中左可動装飾体ユニット660の上中左装飾体661と上中右可動装飾体ユニット670の上中右装飾体671とが、前後方向に対して同じ位置に配置される。
この上中ベース651は、正面視左右方向中央より右側の部位の前面から前方に突出しており上中左可動装飾体ユニット660を回動可能に取付けるための左用軸部651aと、正面視左右方向中央より左側の部位の後面から後方に突出しており上中右可動装飾体ユニット670を回動可能に取付けるための右用軸部651bと、正面視左右方向中央より右側の部位の左端付近で上下に延びていると共に前後に貫通しており伝達スライダ680を上下にスライド可能に取付けるためのガイド溝(図示は省略)と、を備えている。上中ベース651の左用軸部651aと右用軸部651bは、上中ベース651の左右方向中央を境にして左右対称の位置に備えられている。
上中左可動装飾体ユニット660は、半円環状で前面に装飾が施されており透光性を有する上中左装飾体661と、上中左装飾体661を後側から取付けている左装飾体ベース662と、左装飾体ベース662と上中左装飾体661との間に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている上中左装飾基板(図示は省略)と、を備えている。上中左装飾体661は、半円環状に形成されており、上中左装飾基板のLEDを適宜発光させることで発光装飾することができる。
左装飾体ベース662は、前面に上中左装飾体661が取付けられる半円環状の装飾体取付部662aと、装飾体取付部662aの一方の端部から外方に延出している平板状の基板部662bと、基板部662bの先端において上中ベース651の左用軸部651aに回動可能に取付けられる回動軸受部662cと、基板部662bにおける回動軸受部662cと装飾体取付部662aとの間で前後に貫通している長孔状の左伝達スリット662dと、基板部662bにおける回動軸受部662cから左伝達スリット662dの方向に対して略直交する方向に離間した位置で前後に貫通している作用軸受部662eと、作用軸受部662eから回動軸受部662cとは反対方向に延出している平板状の検知片662fと、を備えている。
左装飾体ベース662は、半円環状の装飾体取付部662aの一方の端部において、円弧側とは反対側で半円環の中心から遠ざかる方向に基板部662bが延出している。左装飾体ベース662の基板部662bは、装飾体取付部662aから延出している部位が、一旦前方に延出してから装飾体取付部662aの前面と平行に延びており、平面視の形状がクランク状に形成されている。左装飾体ベース662の左伝達スリット662dには、伝達スライダ680の左伝達ピン681が摺動可能に挿入される。左装飾体ベース662の作用軸受部662eには、回動駆動機構690におけるリンクロッド694の作用ピン694bが回転可能に挿入される。更に、左装飾体ベース662の検知片662fは、上中ベース651に取付けられている回動検知センサ653により検知される。
この上中左可動装飾体ユニット660は、上中左装飾体661と左装飾体ベース662の装飾体取付部662aが、上中ベース651の左右方向中央より左側の部位の前方で右側の部位よりも後方に位置し、左装飾体ベース662の基板部662bが、上中ベース651の左右方向中央より右側の部位の前面に位置している。また、上中左可動装飾体ユニット660は、半円環状の上中左装飾体661の円弧側が、上中ベース651の左用軸部651aを中心に正面視において時計回りの方向に向くように取付けられる。
上中右可動装飾体ユニット670は、半円環状で前面に装飾が施されており透光性を有する上中右装飾体671と、上中右装飾体671を後側から取付けている右装飾体ベース672と、右装飾体ベース672と上中右装飾体671との間に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている上中右装飾基板(図示は省略)と、を備えている。上中右装飾体671は、半円環状に形成されており、上中右装飾基板のLEDを適宜発光させることで発光装飾することができる。
右装飾体ベース672は、前面に上中右装飾体671が取付けられる半円環状の装飾体取付部672aと、装飾体取付部672aの一方の端部から外方に延出している平板状の基板部672bと、基板部672bの先端において上中ベース651の右用軸部651bに回動可能に取付けられる回動軸受部672cと、基板部672bにおける回動軸受部672cと装飾体取付部672aとの間で前後に貫通している長孔状の右伝達スリット672dと、を備えている。
右装飾体ベース672は、半円環状の装飾体取付部672aの一方の端部において、円弧側とは反対側で半円環の中心から遠ざかる方向に基板部672bが延出している。右装飾体ベース672の基板部672bは、装飾体取付部672aから延出している部位が、一旦前後方に延出してから装飾体取付部672aの前面と平行に延びており、平面視の形状がクランク状に形成されている。右装飾体ベース672の右伝達スリット672dには、伝達スライダ680の右伝達ピン682が摺動可能に挿入される。
この上中右可動装飾体ユニット670は、上中右装飾体671と右装飾体ベース672の装飾体取付部672aが、上中ベース651の左右方向中央より右側の部位の後方で左側の部位よりも前方に位置し、右装飾体ベース672の基板部672bが、上中ベース651の左右方向中央より左側の部位の後面に位置している。また、上中右可動装飾体ユニット670は、半円環状の上中右装飾体671の円弧側が、上中ベース651の右用軸部651bを中心に正面視において反時計回りの方向に向くように取付けられる。
上中可動演出ユニット650の伝達スライダ680は、上中ベース651の図示しないガイド溝により上下にスライド可能に取付けられている。この伝達スライダ680は、左装飾体ベース662の左伝達スリット662d内に摺動可能に挿入される左伝達ピン681と、左伝達ピン681の直下で右装飾体ベース672の右伝達スリット672d内に摺動可能に挿入される右伝達ピン682と、を備えている。
伝達スライダ680の左伝達ピン681及び右伝達ピン682は、伝達スライダ680を上中ベース651にスライド可能に取付けた状態で、左用軸部651aと右用軸部651bとの間の中央を通る軸線上に位置するように形成されている。
上中可動演出ユニット650の回動駆動機構690は、上中ベース651における正面視右上隅の後面に回転軸が貫通して前方に突出するように取付けられる上中駆動モータ691と、上中駆動モータ691の回転軸に取付けられる平歯車状の駆動ギア692と、駆動ギア692と噛合する平歯車状の従動ギア部693a、従動ギア部693aから外方へ延出している延出部693b、及び延出部693bの先端で前後方向に貫通している駆動軸受部693cを有しており、前カバー652の後面に回転可能に取付けられるカム部材693と、棒状で一方の端部にカム部材693の駆動軸受部693c内に回転可能に挿入される駆動ピン694aを有すると共に、他方の端部に左装飾体ベース662の作用軸受部662e内に回転可能に挿入される作用ピン694bを有するリンクロッド694と、を備えている。
回動駆動機構690のカム部材693は、従動ギア部693aと同芯上で回転可能に前カバー652に取付けられている。これにより、カム部材693を回転させると、延出部693bの先端の駆動軸受部693cが所定の半径で公転する。
次に、上中可動演出ユニット650の動作について説明する。この上中可動演出ユニット650は、通常の状態では、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670の全体が前カバー652の真後ろに位置しており、遊技者側から視認不能な状態(退避位置の状態)となっている。この退避位置の状態では、図28に示すように、上中ベース651の左用軸部651aに回動可能に取付けられている上中左可動装飾体ユニット660が、左用軸部651a(回動軸受部662c)から正面視斜め左上に左装飾体ベース662の左伝達スリット662dが位置しており、半円環状の先端側(自由端側)が左用軸部651aよりもやや下方に位置している。また、左装飾体ベース662では、回動軸受部662cの正面視斜め右上でカム部材693の回転中心と略同じ高さに作用軸受部662eが位置している。また、左装飾体ベース662の検知片662fは、回動検知センサ653により検知されている。
左装飾体ベース662の作用軸受部662eに作用ピン694bが回転可能に取付けられているリンクロッド694は、作用軸受部662eから正面視右方へカム部材693の後方でその回転中心を跨ぐように略水平に延びており、作用ピン694bとは反対側の端部の駆動ピン694aが、カム部材693の回転中心の正面視右方に位置してカム部材693の駆動軸受部693cに回転可能に取付けられている。これにより、カム部材693の延出部693bが、従動ギア部693aから正面視右方へ略水平に延びている。
また、退避位置の状態では、上中ベース651の右用軸部651bに回動可能に取付けられている上中右可動装飾体ユニット670が、右用軸部651b(回動軸受部672c)から正面視斜め右上に右装飾体ベース672の右伝達スリット672dが位置しており、半円環状の先端側(自由端側)が右用軸部651bよりもやや下方に位置している。右装飾体ベース672の右伝達スリット672dは、左装飾体ベース662の左伝達スリット662dの下側に位置している。左伝達スリット662d及び右伝達スリット672dには、伝達スライダ680における上下に配置された左伝達ピン681及び右伝達ピン682が夫々摺動可能に挿入されている。
この退避位置の状態(通常の状態)で、遊技状態に応じて上中駆動モータ691によりカム部材693が正面視時計回りの方向に回転するように駆動させると、カム部材693の回転中心に対して偏芯している駆動軸受部693cが、正面視左方且つ下方へ移動するように公転する。この駆動軸受部693cが公転することで、駆動軸受部693cに取付けられているリンクロッド694の駆動ピン694aにより、リンクロッド694が全体的に左方へ移動しようとし、リンクロッド694の作用ピン694bを介して左装飾体ベース662の作用軸受部662eが正面視左方へ押圧される。
リンクロッド694により作用軸受部662eが正面視左方へ押圧されると、左装飾体ベース662が左用軸部651aを中心に正面視反時計回りの方向に回動することとなり、左装飾体ベース662の半円環状の装飾体取付部662aの先端側が下方へ移動することとなる。そして、左装飾体ベース662が左用軸部651aを中心にして反時計回りの方向に回動すると、基板部662bに形成されている左伝達スリット662dが下方へ移動するように公転することとなる。この左伝達スリット662dが正面視下方へ移動するように公転すると、左伝達スリット662d内に挿入されている左伝達ピン681が左伝達スリット662dの内周面により下方へ押圧され、左伝達ピン681を介して伝達スライダ680が下方へ真直ぐにスライドすることとなる。
伝達スライダ680が下方へスライドすると、左伝達ピン681の直下に配置されている右伝達ピン682も下方へ移動するため、左伝達ピン681の下方への移動により、右伝達ピン682が挿入されている右装飾体ベース672の右伝達スリット672dが下方へ押圧されることとなる。この右伝達スリット672dが右伝達ピン682により下方へ押圧されると、右装飾体ベース672が、右用軸部651bを中心にして正面視時計回りの方向へ回動することとなり、右装飾体ベース672における半円環状の装飾体取付部672aの先端側が下方へ移動することとなる。
このように、上中駆動モータ691によりカム部材693を正面視時計周りの方向に回動させると、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670が、反時計周りの方向及び時計回りの方向に夫々回動し、半円環状の上中左装飾体661及び上中右装飾体671が回動しながら下方へ移動することとなる(図29(b)を参照)。上中左装飾体661及び上中右装飾体671が回動しながら下方へ移動すると、上中左装飾体661及び上中右装飾体671が夫々先端側から正面視において前カバー652よりも下方(正面視において枠状のユニットベース601の枠内)へ順次移動することとなり、前カバー652よりも下方に位置している部位が遊技者側から視認可能となる(出現する)。
そして、上中駆動モータ691によりカム部材693を更に正面視時計回りの方向に回動させると、半円環状の上中左装飾体661及び上中右装飾体671の先端同士が互いに当接し、上中左可動装飾体ユニット660及び上中右可動装飾体ユニット670の回動が停止すると共に、上中駆動モータ691の回転駆動が停止する。これにより、上中左装飾体661及び上中右装飾体671の全体が前カバー652よりも下方に位置し、遊技者側から視認可能となると共に、前カバー652の下方で上中左装飾体661と上中右装飾体671とにより一つの大きな円環状の装飾体が形成された状態(出現位置の状態)となる(図28(c)を参照)。
[5−5c.上部可動演出ユニットの動作]
次に、上部可動演出ユニット600の動作について、主に図27及び図30を参照して詳細に説明する。上部可動演出ユニット600は、通常の状態では、上横可動演出ユニット610の一対の上横可動装飾体612がユニットベース601の枠内の左右両辺付近に夫々位置していると共に、上中可動演出ユニット650の一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671がユニットベース601の枠内よりも上方に夫々位置している。この通常の状態では、遊技者側からは一対の上横可動装飾体612のみが視認可能となっており、正面視において一対の上横可動装飾体612によりメイン液晶表示装置450の左右両側を装飾している(図17(a)等を参照)。なお、通常の状態では、一対の上横可動装飾体612が、上下に延びた軸周りに対して所定角度回動しており、夫々前面がユニットベース601の枠内の中央側を向いている。
この通常の状態で、上横可動演出ユニット610の図示しない一対の上横駆動モータを駆動させることで、ユニットベース601の枠内の左右両端に位置している一対の上横可動装飾体612を、正面視左右方向中央寄りの位置へ移動させることができる。この際に、一対の上横可動装飾体612は、夫々上下に延びた軸周りに回動し、前面が真正面を向いた状態となる。一対の上横可動装飾体612を中央側へ移動させることで、メイン液晶表示装置450の表示画面を左右方向へ三つに分割することができる。なお、一対の上横可動装飾体612は、夫々独立して左右方向に移動させることができ、両方を同時に移動させたり、一方のみを移動させたりすることで多彩な可動演出を遊技者に提示することができる。
また、通常の状態で、上中可動演出ユニット650の上中駆動モータ691を駆動させることで、ユニットベース601の枠内よりも上方に位置している半円環状の一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671を夫々回動させつつ下降させて、夫々の端部同士を当接させ合体させることができ、正面視においてユニットベース601の枠内に一つの大きな円環状の装飾体を遊技者側から視認可能に出現させることができる(図30を参照)。一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671を出現させた状態では、上中左装飾体661及び上中右装飾体671により形成された円環状の装飾体が、ユニットベース601の枠内の中央に位置しており、遊技者側から目立った状態となる。
この上部可動演出ユニット600は、上横可動演出ユニット610の一対の上横可動装飾体612と、上中可動演出ユニット650の一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671とが、夫々前後方向の異なる位置に配置されているため、例えば、一対の上横可動装飾体612を中央側へ移動させた後に一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671を出現位置に移動させたり、一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671を出現位置に移動させた後に一対の上横可動装飾体612を中央側へ移動させたり、一対の上横可動装飾体612と一対の上中左装飾体661及び上中右装飾体671とを中央側へ移動させたりすることができ、多彩な可動パターンの演出を遊技者に提示して遊技者を飽きさせ難くすることができる。
[5−6.装飾駆動基板ユニット]
次に、中ユニット5における装飾駆動基板ユニット900について、主に図19乃至図22を参照して説明する。装飾駆動基板ユニット900は、中ユニットベース400の後面でメイン液晶表示装置450(周辺制御ユニット470)の後側を覆うように取付けられている。装飾駆動基板ユニット900は、左右に延びた長方形で平板状の装飾駆動基板901と、装飾駆動基板901の前面側が取付けられると共に中ユニットベース400の後面に取付けられる基板ベース902と、基板ベース902の後側に装飾駆動基板901の後面を覆うように取付けられる基板カバー903と、を備えている。
装飾駆動基板901は、周辺制御基板471及び表示制御基板473からの制御コマンドに応じて、上部可動演出ユニット600の駆動モータや装飾基板等を制御する。
基板ベース902は、装飾駆動基板901よりもひとまわり大きい平板状の基板取付部902aと、基板取付部902aの正面視左辺から突出しており中ユニットベース400の後面にヒンジ回転可能に取付けられるヒンジ部902bと、基板取付部902aの正面視右辺の上部から左方に延出しており中ユニットベース400の後面に着脱可能に取付けられる係止部902cと、を備えている。
基板カバー903は、基板ベース902における基板取付部902aの後側に取付けられており、装飾駆動基板901後面に備えられている複数のコネクタが後方に臨むように、装飾駆動基板901の後側を被覆している。
[6.可動演出及び発光演出]
次に、本実施形態のスロットマシン1において、ドアユニット4のトップカバーユニット200、前可動演出ユニット300、及び上部可動演出ユニット600を用いた可動演出及び発光演出について、主に図4、図31を参照して詳細に説明する。図31は、前可動演出ユニットの前可動装飾体を下降端に位置させた状態で示すスロットマシンの正面図である。
本実施形態のスロットマシン1は、通常の状態では、図4に示すように、前可動演出ユニット300の前可動装飾体310が上昇端に位置しており、正面視においてメイン液晶表示装置450よりも上側に位置している。
また、通常の状態では、中ユニット5における上部可動演出ユニット600の一対の上横可動装飾体612が、互いに最も離れた離遠位置に位置しており、正面視においてメイン液晶表示装置450の左右両側に夫々位置している。また、通常の状態では、上部可動演出ユニット600の上中左装飾体661及び上中右装飾体671が夫々退避位置に位置しており、正面視においてメイン液晶表示装置450の上方で前カバー652の後側に位置している。この通常の状態では、上部可動演出ユニット600の上中左装飾体661及び上中右装飾体671が、遊技者側から視認不能となっている。
この通常の状態では、透過型液晶表示装置202の表示領域に装飾が表示されておらず、透明なトップカバー201の窓部201aを通して、後側に配置された遊技ユニット3の三つのリール70(図柄表示領域A)、メイン液晶表示装置450等を、遊技者側から良好に視認することができる。
本実施形態のスロットマシン1は、通常の状態では、正面視上下方向の略中央より上側を占める窓部201a内に、下から、三つのリール70を用いて図柄を表示させる図柄表示領域A、メイン液晶表示装置450を用いて演出画像を表示させるメイン演出表示領域B、前可動装飾体310を用いたロゴ表示領域C、の三つの領域を有している。なお、本例では上記透過型液晶表示装置202の表示領域のうちこれら三つの領域と重複する領域については非装飾領域とされており、図柄表示領域Aに表示される三つのリール70、メイン演出表示領域Bのメイン液晶表示装置450に表示される演出画像、及びロゴ表示領域Cに表示される前可動装飾体310の全てが透過型液晶表示装置202の表示領域を通して視認可能となっている。
この通常の状態で、遊技状態に応じて前可動演出ユニット300の前左駆動モータ324及び前右駆動モータ325を回転駆動させると、上昇端に位置した前可動装飾体310が、図柄表示領域Aの一部を隠すように三つのリール70の前側で下降端の位置まで一気に下降する。これにより、遊技者の目の前で左右に延びた大きな前可動装飾体310が落下するように下降することで、遊技者を驚かせることができる。前可動装飾体310を下降端に位置させたとしても、図柄表示領域Aにおける少なくとも有効ラインLの図柄については良好に視認できる。
この前可動装飾体310の下降端への移動を、図柄の変動中(三つのリール70の少なくとも一つが回転中)に行う場合、所望の図柄が停止表示されるように停止ボタン128を操作する「目押し」の難易度が高くなる。これにより、遊技者に対してチャレンジ精神を喚起させることが可能となり、「目押し」に集中させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
一方、全ての図柄の変動が停止すると同時に、前可動装飾体310を下降端に移動させるようにした場合(とくに図柄表示領域Aが最下位置にあるときに前可動装飾体310を下降端に移動させるようにした場合)、前可動装飾体310により図柄表示領域Aの下段(有効ラインL)に位置した図柄のみが見える状態となるため、遊技者に対して有効ラインL上で停止した図柄を即座に認識させることができ、特典の付与される組合せとなっているか否かを簡単に知ることができる。
更に、通常の状態で、トップカバーユニット200の導光板上装飾基板205及び導光板下装飾基板206のLEDを発光させると、透過型液晶表示装置202の表示領域に絵柄を表示させることができる(図13を参照)。図13に示すように、透過型液晶表示装置202は、トップカバー201の窓部201aのうち図柄表示領域Aを除く略全体に、本スロットマシン1のコンセプトに沿った絵柄を表示する。この状態では、透過型液晶表示装置202の表示領域のうち非装飾領域を除く領域に絵柄が表示され、透過型液晶表示装置202の後方に配置された遊技ユニット3の三つのリール70に描かれた図柄のうち、「3[1リールあたりに表示される図柄数]×3[リール数]」からなる図柄群のみが、図柄表示領域Aにおいて遊技者から視認可能となっている。上記したように透過型液晶表示装置202の表示領域は、絵柄が表示されない非装飾領域を有しており、この非装飾領域が、正面視において図柄表示領域Aと対応している。従って、過型液晶表示装置202の表示領域のうち非装飾領域を除く領域に絵柄を表示させた状態では、各リール70に描かれた多数の図柄のうち、「3[1リールあたりに表示される図柄数]×3[リール数]」からなる図柄群のみを、遊技者に視認させることができる。
そして、例えば、三つのリール70を停止させた状態で、周辺制御基板471により導光板上装飾基板205及び導光板下装飾基板206のLEDの発光態様を制御し、表示制御基板473により透過型液晶表示装置202を表示制御して表示領域に形成される非装飾領域としての図柄表示領域Aを、遊技者に気付かれにくい態様で図13に示される基準位置から図14に示される最上位置又は図15に示される最下位置に移動させることで、リール70の停止状態が維持されているにもかかわらず、図柄表示領域Aに表示される図柄群を変更することができ、これまでにない新たなスロットマシンを提供することが可能となる。
[7.リールの図柄]
次に、本実施形態のスロットマシン1における遊技ユニット3の三つのリール70の外周面に夫々備えられる図柄列について、図32を参照して説明する。図32は、スロットマシンにおける各リールの外周面に備えられている図柄列を展開して示す説明図である。遊技ユニット3における三つのリール70の外周面には、図32に示すように、夫々配列の異なった複数の図柄からなる図柄列が備えられている。また、本実施形態では、一つの図柄列が20個の図柄によって構成されている。
図柄列に用いられる図柄は、赤色で数字の7の字が描かれた「赤7」図柄、青色で数字の7の字が描かれた「青7」図柄、外形が横長長方形状に描かれた黒色の「BAR」図柄、さくらんぼ(チェリー)が描かれた「チェリー」図柄、外形が横長楕円形状に描かれた「リプレイ」図柄、ベル(鐘)が描かれた「ベル」図柄、スイカが描かれた「スイカ」図柄、及び外形がひし形形状に描かれた「ブランク」図柄、がある。各図柄列では、同じ図柄が上下に隣接しないように列設されている。
これらの図柄の中で、「赤7」図柄、「青7」図柄、「BAR」図柄は他の図柄に比べて目立ち易く、識別し易い図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リール70の回転中や、リール70が停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことを言う。「赤7」図柄は、三つのリール70において、夫々一つのみ備えられている(左リール70Lの配列番号13番、中リール70Mの配列番号8番、右リール70Rの配列番号14番)。この「赤7」図柄は、他の図柄に比べて視認し易くなっている。「青7」図柄は、左リール70Lの配列番号4番、5番の二つと、中リール70Mの配列番号3番の一つと、右リール70Rの配列番号7番の一つと、に夫々備えられている。「BAR」図柄は、左リール70Lと右リール70Rとにおいてそれぞれ配列番号17番、19番の二つ備えられ、中リール70Mにおいて配列番号18番の一つ備えられている。
「チェリー」図柄は、左リール70Lと右リール70Rに夫々二つずつ備えられており、中リール70Mに四つ備えられている。「リプレイ」図柄は、左リール70Lと中リール70Mに夫々四つずつ備えられており、右リール70Rに五つ備えられている。「ベル」図柄は、三つのリール70において夫々四つずつ備えられている。
「スイカ」図柄は、左リール70Lと右リール70Rとに夫々四つずつ備えられており、中リール70Mに三つ備えられている。「ブランク」図柄は、左リール70Lと右リール70Rとに夫々一つずつ備えられており、中リール70Mに二つ備えられている。
スロットマシン1では、図柄表示領域A内における有効ラインL上で停止した図柄の組合せが、全て「赤7」図柄であるか、全て「青7」図柄であるか、又は全て「BAR」図柄であるかのいずれかの場合には、特典としてレギュラーボーナス(RB)を付与し、RBゲームにより28枚のメダルを払出す。更に、有効ラインL上に停止した図柄の組合せが、左から「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄であるか、「リプレイ」、「リプレイ」、「ベル」の図柄であるか、「赤7」、「ベル」、「ベル」の図柄であるか、又は「赤7」、「ベル」、「リプレイ」の図柄であるかのいずれかの場合には、特典としてリプレイを付与する。
また、有効ラインL上に停止した図柄の組合せが、左から「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄の時には、特典として7枚のメダルを払出す。更に、有効ラインL上に停止した図柄の組合せが、上記以外の組合せの時には、「ハズレ」として特典を付与しない。
このように、本実施形態のスロットマシン1は、図柄表示領域A内の有効ラインL上で、特定の組合せで図柄を停止させると、停止した図柄の組合せに応じた特典が付与されるため、遊技者に対して所望の組合せで有効ラインL上に図柄が停止するように、三つの停止ボタン128を操作させることができ、所望の図柄の組合せで図柄を有効ラインL上に停止させることができるか否かによって遊技者を楽しませることができる。
[8.当選役と図柄の組み合わせ]
次に、スロットマシン1の当選役(入賞役と呼ばれるものを含む)と、それに対応する図柄の組み合わせについて説明する。図33は、後述するフラグ処理にて当選役に該当するかの判定に用いる当たり値判定テーブルである。
前述したとおり、各リール70L,70M,70Rには、それぞれ多数の図柄が付されている。リールごとに図柄の順番や図柄の種類等はそれぞれ異なっている。
そして、全てのリール70L,70M,70Rを停止させた際に有効ラインLに表示される表示内容(図柄の組み合わせ態様)から所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かが判断される。具体的には、図柄表示領域A内で前述の有効ラインLに所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか否かが判断される。
以下では、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が有効ラインL上に表示された場合のことを、(所定の)当選役に対応する図柄(これを当選役図柄という)の組み合わせが揃う、あるいは当選役図柄が揃った、という。
スロットマシン1の図柄には、図32を参照すると分かるように、「赤7図柄」、「青7図柄」、「BAR図柄」、「チェリー図柄」、「ベル図柄」、「リプレイ図柄」、「スイカ図柄」、さらには「ブランク図柄」がある。このうち、「赤7図柄」、「青7図柄」、「BAR図柄」、は他の図柄に比べて目立ち易く、識別しやすい図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リールの回転中や、リールの停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことをいう。このうち、「赤7図柄」は、各リール70L,70M,70Rに1つしかなく、加えて色彩(赤色)も他の図柄に比べて視認しやすい。「青7図柄」は、左リール70Lに2つ、中リール70Mと右リール70Rとに夫々に1つずつしかなく、色彩(青色)も他の図柄に比べて視認しやすい。また「BAR図柄」は左リール70Lと右リール70Rとに夫々2つずつ、中リール70Mに1つしかなく、加えて色彩(黒色)も他の図柄に比べて視認しやすいものである。これらの図柄はリールの回転中もその色彩や図柄の大きさから、遊技者が目標の図柄にすることが容易である。
これらの図柄はそれだけでは象徴的な図柄(図柄1つだけでは当選役に対応しない)に過ぎないものであるが、所定の組み合わせとなることにより当選役に対応する図柄の組み合わせとなるものである。すなわち、所定の遊技特典が付与される。
[8−1.ボーナス役]
ボーナス役とは、レギュラーボーナスゲームが実行されたときに遊技者に利益が付与されるものであり、同色の7図柄の組み合わせ態様とBAR図柄の組み合わせ態様がボーナス役に対応する図柄の組み合わせ態様である。図33に示すように本例では65536分の1の確率でボーナス役(RB)に当選する。
そして、ボーナス役に当選するとボーナス役に対応する図柄の組み合わせ態様(以下、ボーナス役図柄という)が有効ラインL上に表示されることが許容され、ボーナス役に対応する図柄の組み合わせ態様が有効ラインLに揃うと、レギュラーボーナスゲーム(以下、RBゲームという)という遊技特典が付与される。このRBゲームでは、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われ、規定回数のゲームが実行されるまで又は規定枚数のメダルが払い出されるまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、RBゲームは終了となる。
ボーナス役図柄が揃った場合であっても、当該ゲームではメダルの付与はされず、ボーナスゲームへ移行する契機としての役割のみとなっている。
なお、上記のボーナス役といったリアルボーナス役に代えて、ATゲームといった遊技者に有利となるゲームをボーナスゲームにみたててもよい。
[8−2.リプレイ]
リプレイ役に対応する図柄(リプレイ役図柄)の組み合わせ態様として、「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」、「リプレイ図柄−リプレイ図柄−ベル図柄」、「リプレイ図柄−ベル図柄−ベル図柄」、「赤7図柄−ベル図柄−ベル図柄」、及び「赤7図柄−ベル図柄−リプレイ図柄」が予め決められている。また、図33に示すように本例ではリプレイ役として、通常リプレイ、枠内チャンスリプレイ1、枠内チャンスリプレイ2、枠外チャンスリプレイ1、枠外チャンスリプレイ2、及び枠外チャンスリプレイ3の6種類を備えている。
なお、「通常リプレイ」に対応するリプレイ役図柄の組み合わせ態様として「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」が設定(「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」の条件装置が作動)され、「枠内チャンスリプレイ1」に対応するリプレイ役図柄の組み合わせ態様として「赤7図柄−ベル図柄−ベル図柄」と「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」とが設定(「赤7図柄−ベル図柄−ベル図柄」と「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」の条件装置が作動)されると共にこれら2種類の組み合わせ態様のうち「赤7図柄−ベル図柄−ベル図柄」が優先して停止されるように設定され(左リール70Lにおいて引き込み制御を実行可能な範囲内に赤7図柄が配置されていないため赤7図柄を引き込めない場合にはリプレイ図柄を停止させるようなリール停止制御を行う)、「枠内チャンスリプレイ2」に対応するリプレイ役図柄の組み合わせ態様として「赤7図柄−ベル図柄−リプレイ図柄」が設定(「赤7図柄−ベル図柄−リプレイ図柄」の条件装置が作動)され(左リール70Lにおいて引き込み制御を実行可能な範囲内に赤7図柄が配置されていないため赤7図柄を引き込めない場合には「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」を停止させるようなリール停止制御を行う)、「枠外チャンスリプレイ1」に対応するリプレイ役図柄の組み合わせ態様として「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」と「赤7図柄−ベル図柄−ベル図柄」と「赤7図柄−ベル図柄−リプレイ図柄」とが設定(「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」と「赤7図柄−ベル図柄−ベル図柄」と「赤7図柄−ベル図柄−リプレイ図柄」の条件装置が作動)されると共にこれら3種類の組み合わせ態様のうち「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」が優先して停止されるように設定され、「枠外チャンスリプレイ2」に対応するリプレイ役図柄の組み合わせ態様として「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」と「リプレイ図柄−リプレイ図柄−ベル図柄」とが設定(「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」と「リプレイ図柄−リプレイ図柄−ベル図柄」の条件装置が作動)されると共にこれら2種類の組み合わせ態様のうち「リプレイ図柄−リプレイ図柄−ベル図柄」が優先して停止されるように設定され、「枠外チャンスリプレイ3」に対応するリプレイ役図柄の組み合わせ態様として「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」と「リプレイ図柄−ベル図柄−ベル図柄」と「赤7図柄−ベル図柄−ベル図柄」とが設定(「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」と「リプレイ図柄−ベル図柄−ベル図柄」と「赤7図柄−ベル図柄−ベル図柄」の条件装置が作動)されると共にこれら3種類の組み合わせ態様のうち「リプレイ図柄−ベル図柄−ベル図柄」が優先して停止されるように設定されている。このように上記6種類のリプレイ役にはそれぞれ作動させる条件装置が設定されると共に、設定されている条件装置の中での優先順位も予め設定されている。
上記複数種類のリプレイ役のうち通常リプレイとは、リプレイ役に対応する図柄の組み合わせ態様が有効ラインL上に表示されることを許容するものである。枠内チャンスリプレイ1及び枠内チャンスリプレイ2は、リプレイ役に対応する図柄の組み合わせ態様が有効ラインL上に表示されることが許容され、且つ図柄表示領域Aが基準位置にある場合に図柄表示領域A内の有効ラインL以外のラインに後述するチェリー役図柄が揃うことを許容するものである。枠外チャンスリプレイ1〜枠外チャンスリプレイ3は、リプレイ役に対応する図柄の組み合わせ態様が有効ラインL上に表示されることが許容され、且つ図柄表示領域Aが基準位置にある場合に図柄表示領域Aの枠下最上段(図柄表示領域Aが基準位置から最下位置に移動することで図柄表示領域A内に表示されるライン)に後述するチェリー役図柄が揃うことを許容するものである。このうち枠外チャンスリプレイ3は、更に図柄表示領域Aが基準位置にある場合に図柄表示領域Aの枠上最下段(図柄表示領域Aが基準位置から最上位置に移動することで図柄表示領域A内に表示されるライン)に後述するスイカ役図柄が揃うことを許容するものである。
なお、通常の遊技機ではチェリー役に対応する図柄(チェリー役図柄)については、「チェリー図柄−ANY図柄−ANY図柄」というように、チェリー図柄が1つ(この例では、左リール70Lのみ)あればそれだけでチェリー役図柄が揃ったとみなされる。ここでいう「ANY図柄」とはいずれの図柄でもよいことを示す。そして、チェリー役図柄が揃うと、当該ゲームにて規定枚数(例えば、2枚)のメダルの払い出しが行われる。つまり、チェリー役図柄が揃うと2枚のメダルの払い出しという遊技特典が付与される。一方、本例の遊技機では上記したようにチェリー図柄を設けているものの、有効ラインLにチェリー役図柄が揃うことはなく、上記リプレイ役図柄が有効ラインLに揃った場合に有効ラインL以外にチェリー役図柄が揃った態様を表示するようになっている。そのため、チェリー役図柄が揃うことに起因するメダルの払い出しも行われない。即ち、本例ではチェリー役図柄はそれ自体が揃うことで遊技者に何らかの有利な状態となることを期待させるチャンス目としてのみ用いられるようになっている。
また、上記枠内チャンスリプレイ1と枠内チャンスリプレイ2とは図柄表示領域Aが基準位置にある場合に図柄表示領域A内の有効ラインL以外のラインに揃うチェリー役図柄の態様が異なるものである。具体的には、枠内チャンスリプレイ1は図柄表示領域Aが基準位置にある場合に図柄表示領域A内の有効ラインL以外のラインにチェリー役図柄として「チェリー図柄−ANY図柄−ANY図柄」又は「チェリー図柄−チェリー図柄−ANY図柄」の組み合わせ態様が表示されることを許容し、枠内チャンスリプレイ2は図柄表示領域Aが基準位置にある場合に図柄表示領域A内の有効ラインL以外のラインにチェリー役図柄として「チェリー図柄−チェリー図柄−チェリー図柄」の組み合わせ態様が表示されることを許容している。そのため、枠内チャンスリプレイ1では図柄表示領域Aが基準位置にある場合に図柄表示領域A内の有効ラインL以外のラインに「チェリー図柄−チェリー図柄−チェリー図柄」の組み合わせ態様が表示されることがない一方で、枠内チャンスリプレイ2では図柄表示領域Aが基準位置にある場合に図柄表示領域A内の有効ラインL以外のラインに「チェリー図柄−チェリー図柄−チェリー図柄」の組み合わせ態様が表示される場合があるようになっている。
また、枠外チャンスリプレイ1と枠外チャンスリプレイ2、3とは図柄表示領域Aが基準位置にある場合に図柄表示領域Aの枠外に揃うチェリー役図柄の態様が異なるものであり、枠外チャンスリプレイ2と枠外チャンスリプレイ3とは図柄表示領域Aが基準位置にある場合に図柄表示領域Aの枠上最下段に表示される態様が異なるものである。具体的には、枠外チャンスリプレイ1は図柄表示領域Aが基準位置にある場合に図柄表示領域Aの枠下最上段にチェリー役図柄として「チェリー図柄−ANY図柄−ANY図柄」又は「チェリー図柄−チェリー図柄−ANY図柄」の組み合わせ態様が表示されることを許容し、枠外チャンスリプレイ2及び枠外チャンスリプレイ3は図柄表示領域Aが基準位置にある場合に図柄表示領域Aの枠下最上段にチェリー役図柄として「チェリー図柄−チェリー図柄−チェリー図柄」の組み合わせ態様が表示されることを許容している。また、枠外チャンスリプレイ3は図柄表示領域Aが基準位置にある場合に図柄表示領域Aの枠上最下段にスイカ役図柄として「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」の組み合わせ態様が表示されることを許容し、枠外チャンスリプレイ2は図柄表示領域Aが基準位置にある場合に図柄表示領域Aの枠上最下段にスイカ役図柄が表示されることを許容していない。そのため、枠外チャンスリプレイ1では図柄表示領域Aが最下位置にある場合に下段のラインに「チェリー図柄−チェリー図柄−チェリー図柄」の組み合わせ態様が表示されることがない一方で、枠外チャンスリプレイ2及び枠外チャンスリプレイ3では図柄表示領域Aが最下位置にある場合に下段のラインに「チェリー図柄−チェリー図柄−チェリー図柄」の組み合わせ態様が表示される場合があるようになっている。また、枠外チャンスリプレイ2では図柄表示領域Aが最上位置にある場合に上段のラインに「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」の組み合わせ態様が表示されることがない一方で、枠外チャンスリプレイ3では図柄表示領域Aが最上位置にある場合に上段のラインに「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」の組み合わせ態様が表示される場合があるようになっている。
上記リプレイ役図柄のうちいずれかの組み合わせ態様が有効ラインLに揃うと、リプレイゲームという遊技特典が付与される。このリプレイゲームでは、改めてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく、次回のゲームとして行うゲームを再遊技として実行できる。
また、上記リプレイ役図柄が有効ラインLに揃った際にもメダルは付与されず、リプレイゲームへ移行する契機としての役割を持たせている。このリプレイゲームの遊技特典の特徴は、メダルの払出しを行わない代わりに次回のゲームで新たにメダルを消費する(新たにメダルを掛ける)必要がないことである。またリプレイはメダルの払い出しを伴わない当選役であるため、例えばその当選確率を高くすることにより、当選頻度が高くなったとしてもホールにとって不利益となることは非常に少ないといえる。従って、スロットマシン1では、概ね7回に1回程度は当選する確率としている。これにより、遊技者が消費するメダルの量(一定時間当たりにつき消費するメダル数)をある程度一定の範囲に保つことが可能となる。つまり、リプレイという当選役にゲーム進行における過剰なメダルの消費を抑える役割を持たせることができるということになる。
また、各リール70L,70M,70Rには、停止ボタン128L,128M,128Rが停止操作されてから実際に停止するまでのリール70L,70M,70Rの滑り範囲(例えば4図柄以内)でリプレイ役図柄の組み合わせ態様を表示し得るようにリプレイ役図柄の組み合わせ態様を構成する図柄がそれぞれ満遍なく配置されており(例えば、左リール70Lにおいてリプレイ図柄又は赤7図柄からリプレイ図柄又は赤7図柄までの間に配置する他の図柄(リプレイ図柄及び赤7図柄以外の図柄)が0個から最大でも4個までとされ、中リール70Mにおいてリプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に配置する他の図柄(リプレイ図柄以外の図柄)又はベル図柄からベル図柄までの間に配置する他の図柄(ベル図柄以外の図柄)が最大でも3個とされ、右リール70Rにおいてリプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に配置する他の図柄(リプレイ図柄以外の図柄)が1個から最大でも4個までとされ、ベル図柄からベル図柄までの間に配置する他の図柄(ベル図柄以外の図柄)が最大でも4個とされており)、これにより、リプレイ役図柄を目押しの必要なく揃えることができるようになっている。
[8−3.ベル]
ベル役に対応する図柄(ベル役図柄)の組み合わせ態様は、「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」が予め決められている。
ベル役図柄が有効ラインLに揃うと、規定枚数(例えば、7枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、ベル図柄が揃うと7枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。従って、ベルはゲームを進めるうえでメダルの増加を期待できたり、メダルの消費を抑えることが期待できたりする当選役であるといえる。ただし、通常遊技状態におけるベルの当選確率は、リプレイに比べて低く抑えられている。ベル図柄についても、前述のリプレイ役図柄と同様、各リール70L,70M,70Rに満遍なく配置して目押しの必要なく揃えられるようになっている。
なお、図33に示すようにベル役には、AT専用役(ベル1〜ベル6)と、ALL役とがある。AT専用役とは各々に決められた適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作された場合と、各々に決められた適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作されなかった場合とで、払い出されるメダル枚数が異なるものである。
具体的には、ベル役のAT専用役には、適正な押し順が、「左リール70L→中リール70M→右リール70R」のベル1、「左リール70L→右リール70R→中リール70M」のベル2、「中リール70M→左リール70L→右リール70R」のベル3、「中リール70M→右リール70R→左リール70L」のベル4、「右リール70R→左リール70L→中リール70M」のベル5、「右リール70R→中リール70M→左リール70L」のベル6がある。そして、この適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作された場合には、ベル役図柄が有効ラインLに揃うように制御され、これに基づいて7枚のメダルが払い出される。なお、ベル役図柄を構成するベル図柄は、リールの引き込み制御を実行可能な範囲内に配置されているので、適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作される限り必ずベル役図柄が有効ラインLに揃うように制御される。
一方、ベル役のAT専用役では不適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作された場合には、有効ラインLにベル役図柄は揃わないように制御され、ハズレとなる図柄の組み合わせが有効ラインLに揃うことを許容する。
即ち、ベル役のAT専用役では適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作される限り必ずベル役図柄が有効ラインLに揃うように制御される。ただし、不適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作された場合には、ベル役図柄は有効ラインLに揃わないように制御され、ハズレとなる図柄の組み合わせが有効ラインLに揃うことを許容する。そのため、ベル役のAT専用役に当選した場合に適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rを操作することで7枚のメダルを獲得できるようになる一方、不適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作されるとメダルを獲得することはできないハズレとなる。なお、AT専用役に当選したときに不適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作されたことによってハズレとなる場合であっても、適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作された場合よりも少ない枚数のメダルを払い出すようにしてもよい。例えばAT専用役に当選した場合に不適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作されると、ハズレとして1枚のメダルが払い出される図柄の組み合わせが有効ラインLに揃うことを許容するようにしてもよい。また、この1枚のメダルが払い出される図柄の組み合わせは取りこぼしの可能性があるものであってもよく、1枚のメダルが払い出される図柄の組み合わせが有効ラインLに揃わなかった場合にはメダルの払い出しは行われないようにしてもよい。このようにAT専用役に当選した場合に不適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作されるとメダルの払い出し数に関わらずハズレとなる。なお本例においてハズレとは、メダルの払い出しが全く行われないもの(有効ラインLに停止表示された図柄の組み合わせ態様がいずれの当選役に対応する図柄組み合わせ態様にも該当しないハズレ、AT専用役に当選した場合に不適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作されたもの)や、1枚のメダルしか払い出されないもの(AT専用役に当選した場合に不適正な押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作されたものなど)を示す。
ベル役のALL役とは、いかなる押し順で停止ボタン128L,128M,128Rが操作された場合であっても、ベル役図柄が有効ラインLに揃うように制御され、これに基づいて7枚のメダルが払い出されるものである。上記したとおり、ベル役図柄を構成するベル図柄は、リールの引き込み制御を実行可能な範囲内に配置されているので、ベル役のALL役では必ずベル役図柄が有効ラインLに揃うように制御される。なお本例では極めて高い確率(約1.3分の1の確率)でAT専用役に当選するように後述する当たり値判定テーブルが構成され、通常状態(RBゲーム及びATゲームが実行されていない状態)ではAT専用役に当選していてもメダルを獲得できる理論上の確率は6分の1であるのに対し、ATゲームではAT専用役(ベル1〜ベル6)に当選すると事前に遊技者に停止ボタン128L,128M,128Rの適正な押し順を通知(ナビゲート)することでメダルを100%の確率で獲得できるため、通常状態に比べて多量のメダルを獲得可能な遊技者にとって有利な状態となる。
[8−4.スイカ]
スイカ役に対応する図柄(スイカ役図柄)の組み合わせ態様として、「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」、「ベル図柄−スイカ図柄−チェリー図柄」、及び「ベル図柄−スイカ図柄−赤7図柄」が予め決められている。また、図33に示すように本例ではスイカ役として、スイカ1及びスイカ2の2種類を備えている。
上記2種類のスイカ役のうちスイカ1はスイカ役図柄として「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」の組み合わせ態様が有効ラインL上に表示されることを許容するものであり、スイカ2はスイカ役図柄として「ベル図柄−スイカ図柄−チェリー図柄」と「ベル図柄−スイカ図柄−赤7図柄」とのいずれかの組み合わせ態様が有効ラインL上に表示されることを許容するものである。なお、図柄表示領域Aが基準位置にある場合にスイカ2に対応するスイカ役図柄が有効ラインL上に表示された際には有効ラインL以外のラインに「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」の組み合わせ態様が表示されるようになっている。即ち、スイカ1では図柄表示領域Aが基準位置にある場合に図柄表示領域A内の有効ラインLに「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」の組み合わせ態様が表示されることがある一方で、スイカ2では図柄表示領域Aが基準位置にある場合に図柄表示領域A内の有効ラインLに「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」の組み合わせ態様が表示されることがない。
スイカ役図柄が有効ラインLに揃うと、規定枚数(例えば、6枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、スイカ図柄が揃うと6枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。従って、スイカはゲームを進めるうえでメダルの増加を期待できたり、メダルの消費を抑えることが期待できたりする当選役であるといえる。また、通常遊技状態におけるスイカの当選確率は、リプレイやベルに比べて低く抑えられている。なお、スイカ図柄については、前述のリプレイ役図柄やベル役図柄とは異なり、各リール70L,70M,70Rにおいて停止ボタン128L,128M,128Rが停止操作されてから実際に停止するまでのリール70L,70M,70Rの滑り範囲(例えば4図柄以内)以外にも配置され、スイカ役図柄を揃えるためには目押しが必要であり、目押しが不十分である場合には取りこぼしの可能性がある。
上記のベル及びスイカは、メダルの払い出しという遊技特典に対応した当選役であることから、以下では、必要に応じてこれらをまとめて「小役」と呼ぶ。
なお、上記ではベル及びスイカの2つを小役として説明したが、これらの他にさらに小役を設けることもできる。例えば、ベル図柄及びスイカ図柄とは異なる種類の図柄(例えばプラム図柄)を設けて、これに対応するメダルの払い出し枚数(規定枚数)を異ならせて上記の小役と区別したり、あるいは各リール70L,70M,70Rの図柄の配置数を少なくして、目押しの必要な当選役図柄として難易度をつけたりすることも可能である。
[8−5.ボーナスゲーム専用役]
さらに、ボーナスゲーム中のみ有効となる当選役(後述するRBゲーム中フラグに対応する当たり値判定テーブルにのみ設定され、通常ゲーム中フラグに対応する当たり値判定テーブルには設定されていない当選役)としてボーナスゲーム専用役がある。このボーナスゲーム専用役に対応する図柄(ボーナスゲーム専用役図柄)の組み合わせ態様は「赤7図柄又はリプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」が予め決められている。
ボーナスゲーム中にボーナスゲーム専用役図柄が揃うと、規定枚数(例えば、2枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、ボーナスゲーム専用役図柄が揃うと2枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。つまり、ボーナスゲーム専用役は、ボーナスゲーム中限定の小役ともいえる。そして、ボーナスゲーム中はこのボーナスゲーム専用役を揃いやすくすることにより、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームを集中して実行することができる。従って、ボーナスゲーム専用役図柄の組み合わせを構成する各図柄(赤7図柄、リプレイ図柄)も前述のとおり各リール70L,70M,70Rに満遍なく配置されているため、ボーナスゲーム専用役図柄についても目押しの必要なく揃えることができるものとなっている。なお、ボーナスゲーム中の各ゲームを開始するためには2枚のメダルを投入するか2ベットが必要であり、各ゲームでは必ずボーナスゲーム専用役図柄が揃うため、純増枚数は0枚である(メダルは増えない)。そしてボーナスゲームは28枚のメダルの払い出しが行われた場合に終了する。
[8−6.ハズレ]
有効ラインLに停止表示された図柄の組み合わせ態様がいずれの当選役に対応する図柄組み合わせ態様にも該当しない場合は、ハズレとなる。そして、ハズレとなった当該ゲームではメダルの付与は行われない。なお、小役といったボーナス役以外の当選役については、当選した当該ゲームにおいて揃わなければ、ゲーム結果はハズレとなる。つまり、目押ししなければ揃えられない小役(例えばスイカ)に当選していたにもかかわらず、当該小役に対応する図柄組み合わせ態様が有効ラインLに表示されなかった場合にはハズレとなり、次ゲーム以降に当選結果が持ち越されることはない。ただし、ボーナス役に当選した場合には、当選した当該ゲームにおいて揃わなくても、次ゲーム以降に当選結果が持ち越される(次ゲーム以降にボーナス図柄を揃えることができる)。
なお、図33に示すように本例ではハズレとして、通常のハズレ、ハズレ(チャンス目1)及びハズレ(チャンス目2)の3種類を備えている。この3種類のハズレのうちハズレ(チャンス目1)及びハズレ(チャンス目2)では上記した当選役図柄の組み合わせ態様とは異なる特定の組み合わせ態様が有効ラインL上に表示されることを許容するものであり、ハズレ(チャンス目1)とハズレ(チャンス目2)とでは有効ラインL上に表示されることが許容される組み合わせ態様を異ならせている。例えば、ハズレ(チャンス目1)では特定の組み合わせ態様として「リプレイ図柄−リプレイ図柄−チェリー図柄」の組み合わせ態様が有効ラインL上に表示されることを許容し、ハズレ(チャンス目2)では特定の組み合わせ態様として「ベル図柄−ベル図柄−リプレイ図柄」、「ベル図柄−赤7図柄−リプレイ図柄」、及び「ベル図柄−赤7図柄−赤7図柄」のうちいずれかの組み合わせ態様が有効ラインL上に表示されることを許容するようになっている。また、ハズレ(チャンス目2)では図柄表示領域Aが基準位置にある場合に特定の組み合わせ態様が有効ラインL上に表示されると左リール70Lの上段、中リール70Mの下段、右リール70Rの上段にそれぞれスイカ図柄が表示される。つまりハズレ(チャンス目2)では図柄表示領域Aが基準位置にある場合にスイカ図柄がV字状に表示される。
スロットマシン1の図柄のうち、「ブランク図柄」については、上記のいずれの当選役図柄の組み合わせ態様にも含まれない図柄である。従って、これらの図柄はハズレ図柄でということになる。また上記にいずれかの当選役図柄であっても、図柄の組み合わせ態様としてみた場合に当選役図柄が揃ったとみなされない場合には、ハズレ(ハズレとなる図柄の組み合わせ態様)ということになる。
以上がスロットマシン1におけるそれぞれの当選役と、それぞれの当選役に対応する図柄の組み合わせ態様である。なお、各当選役に対応する図柄組み合わせ態様を異種図柄組み合わせ態様とすることで、有効ラインLには異種図柄組み合わせ態様(いわゆるバラケ目)が表示されるものの、有効ラインL以外のラインに同種図柄組み合わせ態様が表示されるようにして、当選役を外観で把握しやすいようにしてもよい。詳細は後述するが、とくに本実施形態のように図柄表示領域Aを移動するように構成されたスロットマシン1にあっては、各当選役に対応する図柄組み合わせ態様を異種図柄組み合わせ態様とすることで、有効ラインLに停止表示された図柄組み合わせ態様を見ただけでは当選役を把握し難いものの、有効ラインL以外のラインに同種図柄組み合わせ態様が表示されるようにすることで、本願発明特有の顕著な作用効果を奏することとなる。
[9.ゲーム処理]
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、主制御基板21(主にCPU等)にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
図34は、スロットマシン1における基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している。先ずステップS1では、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。
次のステップS2では、投入口123から投入されたメダルの枚数により、又はすでに貯留されているメダルがある場合にはMAXベットボタン125又は1ベットボタン126の押下操作により掛け数が決定され、始動レバー129の操作待ちの状態となる。すなわち、1回のゲームの掛け数が決定され、始動レバー129の操作が可能な状態となるまでがBET処理にて実行される。なお、このステップS2は解決手段に記載の掛け数決定手段の一例に相当する。
ステップS3では、ステップS2において操作待ちの状態となった始動レバー129の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理とは、次のステップS4にて回転を開始する全てのリール70L,70M,70Rが停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、該当する当選役が許容されるのである。
次にステップS4では、ステップS3の内部抽選処理の終了に伴い全てのリール70L,70M,70Rの回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理においては、全てのリール70L,70M,70Rの回転が開始された時点で停止ボタン128L,128M,128Rの操作を有効とし、停止ボタン128L,128M,128Rの操作が有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させるとともに、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプは各リール70L,70M、70Rに対応する停止ボタン128L,128M,128Rにそれぞれ内蔵されるランプである。
ステップS5では、遊技者による停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作が受け付けられて、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応するリール70L,70M,70Rの回転を停止させるリール停止処理を実行する。
次のステップS6では、ステップS5において全てのリール70L,70M,70Rの回転が停止状態になったと判定した時点で、有効ラインL上に表示された表示内容(図柄の組み合わせ態様)と、上記のステップS3において決定された内部抽選の結果として許容されているものを照合して当選役の判定を行う判定処理を実行する。
ステップS7では、ステップS6において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に基づくメダルの払出処理を実行する。また当選役がボーナス役やリプレイ役の場合には、それぞれ遊技状態の変更や再遊技等の各種遊技特典の付与を実行する。
以上が、スロットマシン1の基本的な1ゲームの処理手順である。ここで、ステップS2(BET処理)、ステップS3(内部抽選処理)、ステップS4(リール回転処理)は、一連の操作として遊技者により行われるものである。従って、これらの処理(ステップS2、ステップS3、ステップS4)をまとめて始動処理と呼ぶ。以下ではこの始動処理の具体的な説明をする。
[9−1.始動処理]
図35は、始動処理で行われる各処理を具体的に示したものである。
始動処理では、まずステップS101にてメダルの投入またはベットボタン125,126の操作が待ち受けられる。ベットボタン操作またはメダル投入があると、ステップS101の判定が満たされ、ステップS102に移る。
次のステップS102では、受付処理として、ベット数(この例ではMAXベットのみ)を決定するとともに、有効ラインランプを点灯させる。
ステップS103では、始動レバー129の操作を有効化する。始動レバー129の操作が有効化されると、この始動レバー129の操作が受け付けられるまで操作待ちの状態となり、次のステップS104に移る。
次のステップS104では、始動レバー129の操作が有効化されているか、またその場合は始動レバー129の操作が受け付けられたかを判定する。先のステップS103にて始動レバー129の操作が有効化されている場合、遊技者による始動レバー129の操作が受け付けられると、この判定が満たされ、次のステップS105へ移る。
また、上記のステップS101にて遊技者がベット操作またはメダル投入をしない、あるいはMAXベットに至らないうちはステップS101の判定が満たされず、ステップS104に移る。このときはステップS104の判定も満たされず、ステップS101に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、リプレイゲームでは、新たにメダルのベットを必要としない。これは、後述するリプレイゲーム処理にてMAXベットコマンドがRAM1114に格納されている場合、自動的にMAXベット状態にする。これにより、ステップS101の判定が満たされることになる。
ステップS105では、ステップS104での始動レバー129の操作を受けて、始動レバー129の操作を無効化する。
次にステップS106では、始動レバー129の操作があると、これを契機として乱数の抽出を行う。乱数の抽出を行った後、次のステップS107に移る。なお、このときの乱数を抽出するタイミングについては、始動レバー129の操作後直ぐに行っても所定時間(例えば0.5秒後など)後に行うなど、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
ステップS107では、フラグ処理として、抽出された乱数値(以下では、抽出乱数値という)からいずれの当選役に該当するかを判定(乱数値の照合)する。この判定では、後述する当たり値判定テーブルにて抽出乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは、予め決められた当選役の乱数値に、抽出乱数値が該当(合致、一致)するか否かを判定することである。このとき抽出乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合、該当する当選役に応じたフラグをON(=1)にする。そして、このときON(=1)となった当該当選役に対応するフラグのことを当該当選役当選フラグという。
そして、フラグ処理では、当該ゲームにて抽出乱数値の照合を行う際に、判定の基準となる当たり値判定テーブルを決定する場合、上記RBゲーム中であることを示すRBゲーム中フラグなどのゲーム状態フラグを参照して当該ゲームにおける当たり値判定テーブルを決定する。すなわち、当該ゲームにてON(=1)状態となっているゲーム状態フラグに対応する当たり値判定テーブルをセットして抽出乱数値の照合を行う。ゲーム状態フラグには、RBゲーム中フラグのほか、通常ゲーム中フラグがある。そして、RBゲーム中フラグがOFF(=0)状態となっている場合には、常に通常ゲーム中フラグをON(=1)状態とする。
一方、ステップS107にて、抽出乱数値がいずれの当選役にも該当しないと判定された場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となり、ハズレフラグをONにする。ここで、当選フラグまたはハズレフラグ(これらを総称して成立フラグという)とは、該当する成立フラグがONになっているときに限り、その成立フラグに該当した当選役図柄を揃えることが可能となるものである。従って、ハズレフラグが成立フラグに該当する場合は、いずれの当選役図柄も揃えることができないことになる。上記のステップS106及びステップS107はスロットマシン1の内部にて乱数抽選を行っているということもでき、以下ではこれらのステップのことを、まとめて内部抽選、あるいは内部抽選を行う等という。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは内部抽選(前述の図34のステップS3)に相当する。
次のステップS108では、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの1回前のゲーム)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かを判定する。なお、このウェイトタイマと呼ばれるタイマは、当該ゲームにおいてリールの回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアップ(既に4.1秒経過した)となった場合にはこの判定が満たされ、次のステップS109に移る。また、この判定はウェイトタイマがタイムアップするまでループする。
ステップS109では、全てのリール70L,70M,70Rの回転を開始させる。そして全てのリール70L,70M,70Rの回転の速さが一定となると、それぞれの停止ボタン128L,128M,128Rの操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者は停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作が有効になったことを知ることとなる。
なお、スロットマシン1では、回転を開始したリールは遊技者による停止操作(停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作)が受け付けられるまで上記の一定の速さで回転を維持し続けるものである。
次にステップS110では、ウェイトタイマをリセットするとともに、次回の始動処理までウェイトタイマをスタートさせ始動処理は終了となる。
[9−2.フラグ処理]
次に主制御基板21(主にCPU等)が実行する上記フラグ処理(ステップS107)について図37を参照して説明する。上記したようにフラグ処理では主制御基板21(主にCPU等)が抽出乱数値と図33に示す当たり値判定テーブルに設定されている当たり値とを比較することにより、いずれの当選役に該当するかを判定(乱数値を照合)する(ステップS301)。そして、抽出乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合には、該当する当選役に応じたフラグをONする(ステップS302)。
また、天井カウンタを1加算し(ステップS303)、ATカウンタが0であれば(ステップS304)、天井カウンタ数が規定数(以下天井ゲーム回数という)に達したか否かを判別し(ステップS305)、天井ゲーム回数に達していれば天井設定処理(ステップS306)を実行する。なお、上記天井カウンタはATゲームの実行されていないゲーム数を計数するカウンタであり、ATカウンタとはATゲームが実行されている場合にATゲームの残りゲーム回数を示すカウンタである。本例では天井カウンタが天井ゲーム回数に達するか否かの判別として天井ゲーム回数の設定されたカウンタ(後述する最奥天井カウンタ)との対比によって実行され、天井カウンタが最奥天井カウンタのカウンタ数と一致した場合、言い換えるとATゲームの実行されていないゲーム数が天井ゲーム回数に達した場合には必ずATゲームが実行されるようになっている。また上記天井設定処理はATゲームが実行されることになる、ATゲームの実行されていないゲーム数を設定するための処理を行うものである。
一方、ステップS304でATカウンタが0でない場合やステップS305で天井カウンタ数が天井ゲーム回数に達していない場合には天井設定処理を実行することなくステップS307に進む。
天井設定処理(ステップS306)を実行すると主制御基板21はチャンスゲームカウンタが0でなく(ステップS307でYES)、且つチャンス前兆カウンタが0であれば(ステップS308でYES)、AT加算設定処理を実行し(ステップS309)、その後処理を終了する。なお、上記チャンスゲームカウンタは後述するチャンスゲームが実行されている場合にチャンスゲームの残りゲーム回数を示すカウンタであり、チャンス前兆カウンタとはチャンスゲームを実行することが決定された場合にチャンスゲームを実際に開始するまでに実行されてチャンスゲームが開始されることを示唆するような演出の残りゲーム回数(残りゲーム回数が0になるまで継続して実行するものであってもよいし、残りゲーム回数が0になるまでに実行されるゲームのうち所定回数(1回でもよいし複数回でもよい)実行するものであってもよい))を示すカウンタであり、疑似チャンス前兆カウンタとはチャンスゲームを実行することが決定されていない場合にあたかもチャンスゲームが開始されるかのようなガゼ演出の残りゲーム回数(残りゲーム回数が0になるまで継続して実行するものであってもよいし、残りゲーム回数が0になるまでに実行されるゲームのうち所定回数(1回でもよいし複数回でもよい)実行するものであってもよい))を示すカウンタである。また、AT加算設定処理はチャンスゲームが実行されている場合にATゲームの残りゲーム回数を増加させるための処理を行うものである。
また、チャンスゲームカウンタが0であるか(ステップS307でNO)、又はチャンス前兆カウンタが0であれば(ステップS308でNO)AT加算設定処理(ステップS309)を実行することなくステップS310に進み、上記したATカウンタが0でないか、即ちATゲームが実行されているか否かを判別する(ステップS310)。そして、ATゲームが実行されていれば(ステップS310でYES)、チャンスゲーム設定処理(ステップS311)を実行し、その後処理を終了する。チャンスゲーム設定処理はATゲームが実行されている場合にチャンスゲームを実行するか否かの判定に関わる処理を実行するものである。
ステップS310でATカウンタが0、即ちATゲームが実行されていない場合に、覚醒カウンタが0でなく(ステップS312でYES)、且つ覚醒前兆遊技数カウンタが0であれば(ステップS313でYES)、天井短縮設定処理(ステップS314))を実行し、その後処理を終了する。なお、上記覚醒カウンタとはATゲームが実行されていない通常状態にて、上記天井設定処理(ステップS306)で設定された天井ゲーム回数を短縮させ易い覚醒ゲームが実行されている場合に覚醒ゲームの残りゲーム回数を示すカウンタであり、覚醒前兆遊技数カウンタとは覚醒ゲームを実行することが決定された場合に覚醒ゲームを実際に開始するまでに覚醒ゲームが実行されることを示唆する演出の残りゲーム回数(残りゲーム回数が0になるまで継続して実行するものであってもよいし、残りゲーム回数が0になるまでに実行されるゲームのうち所定回数(1回でもよいし複数回でもよい)実行するものであってもよい))を示すカウンタである。また、天井短縮設定処理は上記した覚醒ゲームが実行されている場合に上記天井設定処理(ステップS306)で設定された天井ゲーム回数を短縮させるための処理を実行するものである。
ステップS312で覚醒カウンタが0であるか、又はステップS313で覚醒前兆遊技数カウンタが0でない場合に、暴走カウンタが0でなく(ステップS315でYES)、且つ暴走前兆遊技数カウンタが0であれば(ステップS316でYES)、暴走状態設定処理を実行し(ステップS317)、その後処理を終了する。なお、上記暴走カウンタはATゲームが実行されていない通常状態にて、上記天井設定処理(ステップS306)で設定された天井ゲーム回数に関係なくATゲームを開始させ易い暴走ゲームが実行されている場合に暴走ゲームの残りゲーム回数を示すカウンタであり、暴走前兆遊技数カウンタとは暴走ゲームを実行することが決定された場合に暴走ゲームを実際に開始するまでに暴走ゲームが開始されることを示唆する演出の残りゲーム回数(残りゲーム回数が0になるまで継続して実行するものであってもよいし、残りゲーム回数が0になるまでに実行されるゲームのうち所定回数(1回でもよいし複数回でもよい)実行するものであってもよい))を示すカウンタである。また、暴走ゲーム設定処理は暴走ゲームが実行されている場合にATゲームを開始させるか否かの判定に関わる処理を実行するものである。
ステップS315で暴走カウンタが0であるか、又はステップS316で暴走前兆遊技数カウンタが0でない場合に、ATゲームが実行されていない通常状態であれば(ステップS318)、通常時ガセゲーム数カウンタを1減算した後(ステップS319)、AT関連設定処理を実行して(ステップS320)、その後処理を終了する。なお、通常時ガセゲーム数カウンタは何らかの演出が開始されることに決定されていないにも関わらず何らかの演出が開始されるかのようなガセ演出(残りゲーム回数が0になるまで継続して実行するものであってもよいし、残りゲーム回数が0になるまでに実行されるゲームのうち所定回数(1回でもよいし複数回でもよい)実行するものであってもよい))を実行可能な残りゲーム回数を示すものであり、AT関連設定処理はATゲームに関連する設定処理を実行するためのものである。
[9−3.天井設定処理]
図37は、上記天井設定処理を示すフローチャートであり、図38は天井設定処理で用いる天井抽選テーブルである。天井設定処理を開始すると主制御基板21はまずATカウンタに40をセットする(ステップS401)。上記したようにATカウンタはATゲームの残りゲーム回数を示すカウンタであるため、ステップS401でATカウンタに40がセットされることにより、40回のゲームが実行されるまではATゲームを継続して実行するようになる。
次いで主制御基板21は天井カウンタに0をセットした後(ステップS402)、天井抽選テーブルと始動処理のステップS106で抽出した乱数値(抽出乱数値)のうち天井乱数とを比較し(ステップS403)、抽選値(上記天井ゲーム回数)を上記最奥天井カウンタにセットする(ステップS404)。これにより、ATゲームが終了して再び通常状態となった場合に天井カウンタによってATゲームの実行されていないゲーム数を計数することが可能になると共に、最奥天井カウンタのカウンタ数とを対比することにより上記天井ゲーム回数に達したか否かの判別を行うことができるようになる。
なお、図38の天井抽選テーブルに示すようにこの例では通常状態で必ずATゲームが開始されることになるゲーム回数として1回から1500回までの38種類が設定されている。
[9−4.AT加算設定処理]
図39は、上記AT加算設定処理を示すフローチャートであり、図40はAT加算設定処理で用いるAT加算抽選テーブル1である。AT加算設定処理を開始すると主制御基板21はまずチャンスゲームカウンタを1減算する(ステップS501)。上記したようにAT加算設定処理はチャンスゲームが実行されている場合に行われるものであるため(フラグ処理のステップS307でチャンスゲームカウンタが0であればAT加算設定処理を実行しない)、ゲームが開始される毎にチャンスゲームの残りゲーム回数を示すカウンタであるチャンスゲームカウンタを1減算する。
次いで主制御基板21はAT加算抽選テーブル1と始動処理のステップS106で抽出した乱数値(抽出乱数値)のうちAT加算乱数とを比較する(ステップS502)。これによりATゲームの残りゲーム回数を加算(上乗せ)するか否か、及び加算する場合には加算するゲーム回数が決定され(以下この処理を上乗せ抽選という)、主制御基板21はこの抽選値(上乗せゲーム数)をATカウンタに加算する(ステップS503)。
なお、図40のAT加算抽選テーブル1に示すようにこの例ではATカウンタに加算されるゲーム数(上乗せゲーム数)として0回から300回までの12種類が設定されている。即ち、AT加算設定処理が行われた場合に必ずATゲームの残りゲーム回数が増加するものではなく、ATゲームの残りゲーム回数が変化しない場合もある。また、本例ではAT加算抽選テーブル1として上記当たり値判定テーブルで判定された当選役毎に異なるテーブルが設けられ、ATカウンタに加算されるゲーム数(上乗せゲーム数)の割合を異ならせている。
また、主制御基板21はステップS301の判定結果が枠外チャンスリプレイ1と枠外チャンスリプレイ2とのいずれかであれば(ステップS504でYES)、図柄表示領域Aを最下位置に変更することを示す枠位置変更フラグ1をセットして(ステップS505)、ステップS508に進む。
一方、ステップS301の判定結果が枠外チャンスリプレイ1と枠外チャンスリプレイ2とのいずれでもない場合に(ステップS504でNO)、枠外チャンスリプレイ3であれば(ステップS506でYES)、図柄表示領域Aを最下位置に変更した後に最上位置に変更することを示す枠位置変更フラグ2をセットして(ステップS507)、ステップS508に進み、ステップS506で判定結果が枠外チャンスリプレイ3でなければ図柄表示領域Aを最下位置に変更した後に最上位置に変更することを示す枠位置変更フラグ2をセットすることなくステップS508に進む。
これにより、チャンスゲームの実行中に当選役(ステップS301の判定結果)が枠外チャンスリプレイ1と枠外チャンスリプレイ2とのいずれかとなると左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全てが停止した後に図柄表示領域Aが最下位置に変更されるように制御し、チャンスゲームの実行中に当選役(ステップS301の判定結果)が枠外チャンスリプレイ3となると左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全てが停止した後に図柄表示領域Aが最下位置に変更された後に最上位置に変更されるように制御するようになっている。
なお、上記した例ではチャンスゲームの実行中に当選役(ステップS301の判定結果)が枠外チャンスリプレイ1と枠外チャンスリプレイ2とのいずれかとなると左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全てが停止した後に必ず図柄表示領域Aを最下位置に変更し、チャンスゲームの実行中に当選役(ステップS301の判定結果)が枠外チャンスリプレイ3となると左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全てが停止した後に必ず図柄表示領域Aを最下位置に変更した後に更に最上位置に変更するように構成したが、ステップS502のATゲームの残りゲーム回数を加算(上乗せ)するか否か、及び加算する場合には加算するゲーム回数の決定結果に応じて図柄表示領域Aの位置を変更する割合を異ならせるようにしてもよい。例えば、ステップS502でATゲームの残り回数を上乗せしない場合(上乗せゲーム数0回に決定した場合)には所定の割合(例えば2分の1の割合)で図柄表示領域Aの位置を変更し、ATゲームの残り回数を上乗せする場合には必ず図柄表示領域Aの位置を変更する等、上乗せゲーム数が多いほど高い割合で図柄表示領域Aの位置を変更するようにしてもよい。
また主制御基板21は各種カウンタのカウンタ数(この場合にはATカウンタ数)を示す情報を含み、遊技機の状態(この場合にはチャンスゲームが実行されていること)を通知する状態コマンドを周辺制御基板471に送信する(ステップS508)。このように周辺制御基板471では主制御基板21から受信する状態コマンドに応じて遊技機の状態(例えばチャンスゲームやATゲームが実行されているか否か等)を認識可能となっている。
[9−5.チャンスゲーム設定処理]
図41は、上記チャンスゲーム設定処理を示すフローチャートであり、図42及び図43はそれぞれチャンスゲーム設定処理で用いるAT加算抽選テーブル2、チャンス抽選テーブル、チャンス前兆抽選テーブル、及び擬似チャンス抽選テーブルである。チャンスゲーム設定処理を開始すると主制御基板21はまずATカウンタを1減算する(ステップS601)。上記したようにチャンスゲーム設定処理はATゲームが実行されている場合に行われるものであるため(フラグ処理のステップS310でATカウンタが0であればチャンスゲーム設定処理を実行しない)、ゲームが開始される毎にATゲームの残りゲーム回数を示すカウンタであるATゲームカウンタを1減算する。
また主制御基板21はチャンス前兆カウンタが0でなければチャンス前兆カウンタを1減算し、チャンス前兆カウンタが0である場合に擬似チャンス前兆カウンタが0でなければ擬似チャンス前兆カウンタを1減算し(ステップS602)、図42(A)に示すAT加算抽選テーブル2と始動処理のステップS106で抽出した乱数値(抽出乱数値)のうちAT加算乱数とを比較する(ステップS603)。これによりATゲームの残りゲーム回数を加算(上乗せ)するか否か、及び加算する場合には加算するゲーム回数が決定され、主制御基板21はこの抽選値(上乗せゲーム数)をATカウンタに加算する(ステップS604)。これにより、ATゲームが実行されている場合にはATゲームの残りゲーム回数を加算できるようになっている。
なお、図42(A)のAT加算抽選テーブル2も図40に示すAT加算抽選テーブル1と同様にATカウンタに加算されるゲーム数(上乗せゲーム数)として0回から300回までの12種類が設定されると共に、上記当たり値判定テーブルで判定された当選役毎に異なるテーブルが設けられ、ATカウンタに加算されるゲーム数(上乗せゲーム数)の割合を異ならせている。また、AT加算抽選テーブル1ではAT加算抽選テーブル2に比べて枠外チャンスリプレイ1〜枠外チャンスリプレイ3においてATゲームの残りゲーム回数が増加し易くなるようになっている。これにより、チャンスゲームの実行中はチャンスゲームの実行されていない場合よりもATゲームの残りゲーム回数が増加し易い遊技者に有利な状態となる。
次いで、主制御基板21は図42(B)に示すチャンス抽選テーブルと始動処理のステップS106で抽出した乱数値(抽出乱数値)のうちチャンス乱数とを比較する(ステップS605)。これにより、上記チャンスゲームを実行するか否かの判定を行う。なお、チャンス抽選テーブルは図42(B)に示すように上記当たり値判定テーブルで判定された当選役毎に異なるテーブルが設けられ、チャンスゲームを実行すると判定される割合を異ならせている。
上記チャンスゲームを実行するか否かの判定の結果(ステップS605)、当選すると判定された場合には(ステップS606でYES)、図43(A)に示すチャンス前兆抽選テーブルと始動処理のステップS106で抽出した乱数値(抽出乱数値)のうちチャンス前兆乱数とを比較し(ステップS607)、抽選値(前兆ゲーム数)を前兆カウンタにセットすると共に(ステップS608)、チャンスゲームカウンタに残りゲーム回数として「10」をセットする(ステップS609)。これにより、前兆カウンタにセットされた前兆ゲーム数が0になるまで(前兆ゲーム数が0になるまで継続して実行するものであってもよいし、前兆ゲーム数が0になるまでに実行されるゲームのうち所定回数(1回でもよいし複数回でもよい)実行するものであってもよい))チャンスゲームを開始することを示唆するような演出が実行された後、10回のゲームに亘ってチャンスゲームを実行可能になる。なお、チャンスゲームのゲーム回数は10回に限られるものではなく、例えば5回、10回、20回との複数種類のゲーム回数の中から抽選によりいずれかのゲーム回数に決定するものであってもよい。また、チャンスゲームのゲーム回数は一桁(10ゲーム回数未満)のゲーム回数や出現頻度が低い小役(希少小役:本例ではチェリー(枠内チャンスリプレイ1,2)、スイカ役、ハズレ(チャンス目1,2))の当選確率の逆数未満(本例では希少小役の当選確率の合計は約40分の1であるためこれらの当選確率の逆数である40回未満)にすることが望ましい。
一方、上記チャンスゲームを実行するか否かの判定の結果(ステップS605)、ハズレと判定された場合には(ステップS606でNO)、図43(B)に示す疑似チャンス抽選テーブルと始動処理のステップS106で抽出した乱数値(抽出乱数値)のうち疑似チャンス乱数とを比較し(ステップS611)、当選すると判定された場合には(ステップS612でYES)、疑似チャンス前兆カウンタに残りゲーム回数(疑似チャンス前兆ゲーム数)として「8」をセットする(ステップS613)。これにより、8回のゲームが実行されるまで(疑似チャンス前兆ゲーム数が0になるまで継続して実行するものであってもよいし、疑似チャンス前兆ゲーム数が0になるまでに実行されるゲームのうち所定回数(1回でもよいし複数回でもよい)実行するものであってもよい))あたかもチャンスゲームが開始されるかのような演出を実行可能になる。なお、疑似チャンス前兆ゲーム数は8回に限られるものではなく、例えば5回、10回、20回との複数種類のゲーム回数の中から抽選によりいずれかのゲーム回数に決定するものであってもよい。また、疑似チャンス前兆ゲーム数は一桁(10ゲーム回数未満)のゲーム回数や出現頻度が低い小役(希少小役:本例ではチェリー(枠内チャンスリプレイ1,2)、スイカ役、ハズレ(チャンス目1,2))の当選確率の逆数未満(本例では希少小役の当選確率の合計は約40分の1であるためこれらの当選確率の逆数である40回未満)にすることが望ましい。
その後、主制御基板21は各種カウンタのカウンタ数(この場合にはATカウンタ数、チャンス前兆カウンタ数、疑似チャンス前兆カウンタ数、及びチャンスゲームカウンタ数のそれぞれ)を示す情報を含み、遊技機の状態(この場合にはATゲームが実行されていること)を通知する状態コマンドを周辺制御基板471に送信して、処理を終了する(ステップS610)。
[9−6.天井短縮設定処理]
図44は、上記天井短縮設定処理を示すフローチャートであり、図45(A)は天井短縮設定処理で用いる天井短縮抽選テーブルである。天井短縮設定処理を開始すると主制御基板21はまず覚醒カウンタを1減算する(ステップS701)。上記したように天井短縮設定処理は覚醒ゲームが実行されている場合に行われるものであるため(フラグ処理のステップS313で覚醒カウンタが0であれば天井短縮設定処理を実行しない)、ゲームが開始される毎に覚醒ゲームの残りゲーム回数を示すカウンタである覚醒カウンタを1減算する。
また主制御基板21は図45(A)に示す天井短縮抽選テーブルと始動処理のステップS106で抽出した乱数値(抽出乱数値)のうち天井短縮乱数とを比較する(ステップS702)。これにより天井ゲーム回数を減算(短縮)するか否か、及び減算する場合には減算するゲーム回数が決定され(以下この処理を天井短縮抽選という)、主制御基板21はこの抽選値(短縮ゲーム数)を天井カウンタから減算する(ステップS703)。これにより、覚醒ゲームが実行されている場合には天井ゲーム回数を減算(短縮)できるようになっている。
なお、図45(A)に示すように天井短縮抽選テーブルとして上記当たり値判定テーブルで判定された当選役毎に異なるテーブルが設けられ、天井ゲーム回数から減算(短縮)されるゲーム数(短縮ゲーム数)の割合を異ならせている。また上記AT加算抽選テーブル1、2は当たり値判定テーブルで判定された当選役のうち通常リプレイ及びベル(ALL役、AT専用役)においてはATゲーム数を加算しないように構成されるが、天井短縮抽選テーブルは当たり値判定テーブルで判定された当選役のうち通常リプレイ及びベル(ALL役、AT専用役)であっても天井ゲーム回数からゲーム数(短縮ゲーム数)を減算(短縮)し得るように構成されている。
次いで、主制御基板21は上記天井カウンタ数が天井ゲーム回数に達しているか否かを判別し(ステップS704)、天井ゲーム回数に達していればATカウンタに「40」をセットし(ステップS705)、天井カウンタ数が天井ゲーム回数に達していなければステップS710に進む。これにより、ATゲームの実行されていないゲーム回数が天井ゲーム回数に達するとATカウンタが0になるまで(この例では少なくとも40回のゲームが行われるまで)ATゲームが実行されるようになる。なお、ATゲームの実行されていないゲーム回数が天井ゲーム回数に達した場合に実行可能なATゲームのゲーム回数は40回に限られるものではなく、例えば10回、50回、100回との複数種類のゲーム回数の中から抽選によりいずれかのゲーム回数に決定するものであってもよい。また、ATゲームの実行されていないゲーム回数が天井ゲーム回数に達した場合に実行可能なATゲームのゲーム回数は出現頻度が低い小役(希少小役:本例ではチェリー(枠内チャンスリプレイ1,2)、スイカ役、ハズレ(チャンス目1,2))の当選確率の逆数未満(本例では希少小役の当選確率の合計は約40分の1であるためこれらの当選確率の逆数である40回未満)にすることが望ましい。
また、主制御基板21はステップS301の判定結果が枠外チャンスリプレイ1と枠外チャンスリプレイ2とのいずれかであれば(ステップS706でYES)、図柄表示領域Aを最下位置に変更することを示す枠位置変更フラグ1をセットして(ステップS707)、ステップS710に進む。
一方、ステップS301の判定結果が枠外チャンスリプレイ1と枠外チャンスリプレイ2とのいずれでもない場合に(ステップS706でNO)、枠外チャンスリプレイ3であれば(ステップS708でYES)、図柄表示領域Aを最下位置に変更した後に最上位置に変更することを示す枠位置変更フラグ2をセットして(ステップS709)、ステップS710に進み、ステップS709で判定結果が枠外チャンスリプレイ3でなければ図柄表示領域Aを最下位置に変更した後に最上位置に変更することを示す枠位置変更フラグ2をセットすることなくステップS710に進む。
これにより、覚醒ゲームの実行中に当選役(ステップS301の判定結果)が枠外チャンスリプレイ1と枠外チャンスリプレイ2とのいずれかとなると左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全てが停止した後に図柄表示領域Aが最下位置に変更されるように制御し、覚醒ゲームの実行中に当選役(ステップS301の判定結果)が枠外チャンスリプレイ3となると左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全てが停止した後に図柄表示領域Aが最下位置に変更された後に最上位置に変更されるように制御するようになっている。
なお、上記した例では覚醒ゲームの実行中に当選役(ステップS301の判定結果)が枠外チャンスリプレイ1と枠外チャンスリプレイ2とのいずれかとなると左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全てが停止した後に必ず図柄表示領域Aを最下位置に変更し、覚醒ゲームの実行中に当選役(ステップS301の判定結果)が枠外チャンスリプレイ3となると左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全てが停止した後に必ず図柄表示領域Aを最下位置に変更した後に更に最上位置に変更するように構成したが、ステップS702の天井ゲーム回数を減算(短縮)するか否か、及び減算する場合には減算するゲーム回数の決定結果に応じて図柄表示領域Aの位置を変更する割合を異ならせるようにしてもよい。例えば、ステップS702で天井ゲーム回数を短縮しない場合(短縮ゲーム数0回に決定した場合)には所定の割合(例えば2分の1の割合)で図柄表示領域Aの位置を変更し、天井ゲーム回数を短縮する場合には必ず図柄表示領域Aの位置を変更する等、短縮ゲーム数が多いほど高い割合で図柄表示領域Aの位置を変更するようにしてもよい。
その後、主制御基板21は各種カウンタのカウンタ数(この場合には天井カウンタ数とATカウンタ数とのそれぞれ)を示す情報を含み、遊技機の状態(この場合には覚醒ゲームが実行されていること)を通知する状態コマンドを周辺制御基板471に送信して、処理を終了する(ステップS710)。
[9−7.暴走ゲーム設定処理]
図46は、上記暴走ゲーム設定処理を示すフローチャートであり、図45(B)は暴走ゲーム設定処理で用いる暴走時抽選テーブルである。暴走ゲーム設定処理を開始すると主制御基板21はまず暴走カウンタを1減算する(ステップS801)。上記したように暴走ゲーム設定処理は暴走ゲームが実行されている場合に行われるものであるため(フラグ処理のステップS315で暴走カウンタが0であれば暴走ゲーム設定処理を実行しない)、ゲームが開始される毎に暴走ゲームの残りゲーム回数を示すカウンタである暴走カウンタを1減算する。
また主制御基板21は図45(B)に示す暴走時抽選テーブルと始動処理のステップS106で抽出した乱数値(抽出乱数値)のうち暴走乱数とを比較する(ステップS802)。これによりATゲームが実行されていない通常状態にて天井ゲーム回数に達しているか否かに関わらずATゲームを実行するか否かの判定が行われ、ATゲームを実行すると判定された場合には(ステップS803でYES)、ATカウンタに「40」をセットし(ステップS804)、ATゲームを実行すると判定されなければステップS809に進む。これにより、ATゲームが実行されていない通常状態に天井ゲーム回数に達していなくてもATカウンタが0になるまで(この例では少なくとも40回のゲームが行われるまで)ATゲームが実行されるようになる。
なお、図45(B)に示すように暴走時抽選テーブルとして上記当たり値判定テーブルで判定された当選役毎に異なるテーブルが設けられ、ATゲームを実行すると判定される割合を異ならせている。
また、主制御基板21はステップS301の判定結果が枠外チャンスリプレイ1と枠外チャンスリプレイ2とのいずれかであれば(ステップS805でYES)、図柄表示領域Aを最下位置に変更することを示す枠位置変更フラグ1をセットして(ステップS806)、ステップS809に進む。
一方、ステップS301の判定結果が枠外チャンスリプレイ1と枠外チャンスリプレイ2とのいずれでもない場合に(ステップS805でNO)、枠外チャンスリプレイ3であれば(ステップS807でYES)、図柄表示領域Aを最下位置に変更した後に最上位置に変更することを示す枠位置変更フラグ2をセットして(ステップS808)、ステップS809に進み、ステップS808で判定結果が枠外チャンスリプレイ3でなければ図柄表示領域Aを最下位置に変更した後に最上位置に変更することを示す枠位置変更フラグ2をセットすることなくステップS809に進む。
これにより、暴走ゲームの実行中に当選役(ステップS301の判定結果)が枠外チャンスリプレイ1と枠外チャンスリプレイ2とのいずれかとなると左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全てが停止した後に図柄表示領域Aが最下位置に変更されるように制御し、暴走ゲームの実行中に当選役(ステップS301の判定結果)が枠外チャンスリプレイ3となると左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全てが停止した後に図柄表示領域Aが最下位置に変更された後に最上位置に変更されるように制御するようになっている。
なお、上記した例では暴走ゲームの実行中に当選役(ステップS301の判定結果)が枠外チャンスリプレイ1と枠外チャンスリプレイ2とのいずれかとなると左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全てが停止した後に必ず図柄表示領域Aを最下位置に変更し、暴走ゲームの実行中に当選役(ステップS301の判定結果)が枠外チャンスリプレイ3となると左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全てが停止した後に必ず図柄表示領域Aを最下位置に変更した後に更に最上位置に変更するように構成したが、ステップS802のATゲームが実行されていない通常状態にて天井ゲーム回数に達しているか否かに関わらずATゲームを実行するか否かの判定結果に応じて図柄表示領域Aの位置を変更する割合を異ならせるようにしてもよい。例えば、ステップS802でATゲームを実行しない場合には所定の割合(例えば2分の1の割合)で図柄表示領域Aの位置を変更し、ATゲームを実行する場合には必ず図柄表示領域Aの位置を変更する等、遊技者に有利な判定結果が得られる程に高い割合で図柄表示領域Aの位置を変更するようにしてもよい。
その後、主制御基板21は各種カウンタのカウンタ数(この場合には天井カウンタ数)を示す情報を含み、遊技機の状態(この場合には暴走ゲームが実行されていること)を通知する状態コマンドを周辺制御基板471に送信して、処理を終了する(ステップS809)。
[9−8.AT関連設定処理]
図47は、上記AT関連設定処理を示すフローチャートであり、図48及び図49はそれぞれAT関連設定処理で用いるAT直撃抽選テーブル、覚醒抽選テーブル、覚醒前兆抽選テーブル、暴走抽選テーブル、暴走前兆抽選テーブル、及び通常時ガセ抽選テーブルである。AT関連設定処理を開始すると主制御基板21はまず図48(A)に示すAT直撃抽選テーブルと始動処理のステップS106で抽出した乱数値(抽出乱数値)のうちAT直撃乱数とを比較する(ステップS901)。これによりATゲームが実行されていない通常状態にて天井ゲーム回数に達しているか否かに関わらずATゲームを実行するか否かの判定が行われ(以下この処理をAT直撃抽選という)、ATゲームを実行すると判定された場合には(ステップS902でYES)、ATカウンタに「40」をセットし(ステップS903)、ステップS923に進む。一方、ATゲームを実行すると判定されなければ(ステップS902でNO)、ステップS904に進む。これにより、ATゲームが実行されていない通常状態に天井ゲーム回数に達していなくてもATカウンタが0になるまで(この例では少なくとも40回のゲームが行われるまで)ATゲームが実行されるようになる。
また、図48(A)に示すようにAT直撃抽選テーブルとして上記当たり値判定テーブルで判定された当選役毎に異なるテーブルが設けられ、ATゲームを実行すると判定される割合を異ならせている。なお、上記ステップS901〜ステップS903は上記暴走ゲーム設定処理(ステップS317)と同様の制御を行うものであるが、AT直撃抽選テーブルでは暴走ゲーム設定処理で用いられる暴走時抽選テーブル(図45(B))に比べてATゲームを実行すると判定される割合が低く設定されている。これにより、暴走ゲームの実行されている期間では暴走ゲームの実行されていない期間に比べてATゲームの実行される確率を高めている。
ステップS902でATゲームを実行しないと判定した場合に、上記覚醒前兆遊技数カウンタが0でなければ(ステップS904でYES)、覚醒前兆遊技数カウンタを1減算し(ステップS905)、覚醒前兆カウンタが0になっていれば(ステップS906でYES)、覚醒カウンタに10をセットした後(ステップS907)、ステップS923に進み、覚醒前兆カウンタが0になっていなければ(ステップS906でNO)、覚醒カウンタに10をセットすることなくステップS923に進む。
上記したように覚醒カウンタとはATゲームが実行されていない通常状態にて、上記天井設定処理(ステップS306)で設定された天井ゲーム回数を短縮させ易い覚醒ゲームが実行されている場合に覚醒ゲームの残りゲーム回数を示すカウンタであり、覚醒前兆遊技数カウンタとは覚醒ゲームを実行することが決定された場合に覚醒ゲームを実際に開始するまでに覚醒ゲームが実行されることを示唆する演出の残りゲーム回数を示すカウンタである。即ち、ステップS904〜ステップS907では覚醒ゲームを実行することが決定されている場合に覚醒ゲームを開始するまでの残りゲーム回数が0になれば10回のゲームに亘って覚醒ゲームが実行されるようにするための設定を行うものである。なお、覚醒ゲームのゲーム回数は10回に限られるものではなく、例えば5回、10回、20回との複数種類のゲーム回数の中から抽選によりいずれかのゲーム回数に決定するものであってもよい。また、覚醒ゲームのゲーム回数は一桁(10ゲーム回数未満)のゲーム回数や出現頻度が低い小役(希少小役:本例ではチェリー(枠内チャンスリプレイ1,2)、スイカ役、ハズレ(チャンス目1,2))の当選確率の逆数未満(本例では希少小役の当選確率の合計は約40分の1であるためこれらの当選確率の逆数である40回未満)にすることが望ましい。
ステップS904で覚醒前兆遊技数カウンタが0であると判定した場合に、上記暴走前兆遊技数カウンタが0でなければ(ステップS908でYES)、暴走前兆遊技数カウンタを1減算し(ステップS909)、暴走前兆カウンタが0になっていれば(ステップS910でYES)、暴走カウンタに10をセットした後(ステップS911)、ステップS923に進み、暴走前兆カウンタが0になっていなければ(ステップS910でNO)、暴走カウンタに10をセットすることなくステップS923に進む。
上記したように暴走カウンタとはATゲームが実行されていない通常状態にて上記天井設定処理(ステップS306)で設定された天井ゲーム回数に関係なくATゲームを開始させ易い暴走ゲームが実行されている場合に暴走ゲームの残りゲーム回数を示すカウンタであり、暴走前兆遊技数カウンタとは暴走ゲームを実行することが決定された場合に暴走ゲームを実際に開始するまでの残りゲーム回数を示すカウンタである。即ち、ステップS908〜ステップS911では暴走ゲームを実行することが決定されている場合に暴走ゲームを開始するまでの残りゲーム回数が0になれば10回のゲームに亘って暴走ゲームが実行されるようにするための設定を行うものである。なお、暴走ゲームのゲーム回数は10回に限られるものではなく、例えば5回、10回、20回との複数種類のゲーム回数の中から抽選によりいずれかのゲーム回数に決定するものであってもよい。また、暴走ゲームのゲーム回数は一桁(10ゲーム回数未満)のゲーム回数や出現頻度が低い小役(希少小役:本例ではチェリー(枠内チャンスリプレイ1,2)、スイカ役、ハズレ(チャンス目1,2))の当選確率の逆数未満(本例では希少小役の当選確率の合計は約40分の1であるためこれらの当選確率の逆数である40回未満)にすることが望ましい。
ステップS908で暴走前兆遊技数カウンタが0であると判定した場合には、図48(B)に示す覚醒抽選テーブルと始動処理のステップS106で抽出した乱数値(抽出乱数値)のうち覚醒乱数とを比較する(ステップS912)。これにより覚醒ゲームを実行するか否かの判定が行われ、覚醒ゲームを実行すると判定された場合には(ステップS913でYES)、図48(C)に示す覚醒前兆抽選テーブルと始動処理のステップS106で抽出した乱数値(抽出乱数値)のうち覚醒前兆乱数とを比較する(ステップS914)。これにより覚醒ゲームが実行されることを示唆する演出の残りゲーム回数が決定され、主制御基板21はこの抽選値(前兆ゲーム数)を覚醒前兆遊技数カウンタにセットして(ステップS915)、ステップS923に進む。
なお、図48(B)及び図48(C)に示すように覚醒抽選テーブル及び覚醒前兆抽選テーブルとして上記当たり値判定テーブルで判定された当選役毎に異なるテーブルが設けられ、覚醒ゲームを実行すると判定される割合、及び前兆ゲーム数を異ならせている。
ステップS913で覚醒ゲームを実行しないと判定された場合には、図49(A)に示す暴走抽選テーブルと始動処理のステップS106で抽出した乱数値(抽出乱数値)のうち暴走乱数とを比較する(ステップS916)。これにより暴走ゲームを実行するか否かの判定が行われ、暴走ゲームを実行すると判定された場合には(ステップS917でYES)、図49(B)に示す暴走前兆抽選テーブルと始動処理のステップS106で抽出した乱数値(抽出乱数値)のうち暴走前兆乱数とを比較する(ステップS918)。これにより暴走ゲームが実行されることを示唆する演出の残りゲーム回数が決定され、主制御基板21はこの抽選値(前兆ゲーム数)を暴走前兆遊技数カウンタにセットして(ステップS919)、ステップS923に進む。
なお、図49(A)及び図49(B)に示すように暴走抽選テーブル及び暴走前兆抽選テーブルとして上記当たり値判定テーブルで判定された当選役毎に異なるテーブルが設けられ、暴走ゲームを実行すると判定される割合、及び前兆ゲーム数を異ならせている。
ステップS917で暴走ゲームを実行しないと判定された場合には、図49(C)に示す通常時ガセ抽選テーブルと始動処理のステップS106で抽出した乱数値(抽出乱数値)のうち通常時ガセ乱数とを比較する(ステップS920)。これによりガセ演出を実行するか否かの判定が行われ、ガセ演出を実行すると判定された場合には(ステップS921でYES)、主制御基板21は通常時ガセゲーム数カウンタに8をセットして(ステップS922)、ステップS923に進む。これにより、8回のゲームが行われるまでガセ演出を実行可能になる。なお、ガセ演出のゲーム回数は8回に限られるものではなく、例えば5回、10回、20回との複数種類のゲーム回数の中から抽選によりいずれかのゲーム回数に決定するものであってもよい。また、ガセ演出のゲーム回数は一桁(10ゲーム回数未満)のゲーム回数や出現頻度が低い小役(希少小役:本例ではチェリー(枠内チャンスリプレイ1,2)、スイカ役、ハズレ(チャンス目1,2))の当選確率の逆数未満(本例では希少小役の当選確率の合計は約40分の1であるためこれらの当選確率の逆数である40回未満)にすることが望ましい。
なお、図49(C)に示すように通常時ガセ抽選テーブルとして上記当たり値判定テーブルで判定された当選役毎に異なるテーブルが設けられ、ガセ演出を実行すると判定される割合を異ならせている。
その後主制御基板21はATカウンタ数、覚醒前兆遊技数カウンタ数、覚醒カウンタ数、暴走前兆遊技数カウンタ数、暴走カウンタ数、覚醒前兆遊技数カウンタ数、暴走前兆遊技数カウンタ数、及び通常時ガセゲーム数カウンタ数のそれぞれを示す情報を含み、遊技機の状態を通知する状態コマンドを周辺制御基板471に送信し(ステップS923)、処理を終了する。
[9−9.リール停止処理]
始動処理が終了すると、一定速度で回転を続けているリールを停止させるための操作(停止操作、つまり停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作)待ちの状態となる。図50では、一例として「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示している。以下では、リール停止制御の処理の流れを説明する。
リール停止処理では、まずステップS201で、当該ゲームでの内部抽選の結果を示す内部抽選フラグにしたがってリール停止制御テーブルを選択する。このリール停止制御テーブルは予め全ての内部抽選フラグについてパターンが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとして主制御基板21での制御に用いられるプログラムやデータ等を予め記憶した制御ROMに格納されている。
上記のステップS201にて内部抽選フラグに基づいてリール停止制御テーブルが選択された状態になると、各停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作が受け付けられるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217)。これらの待ち受け状態で、左リール70L、中リール70M、右リール70Rの各リールがすでに停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグがONとなっていない状態(F=0、つまりOFFの状態)であるか否かを判定するとともに、あわせて停止ボタン128L,128M,128Rのいずれかが押下されたかについても判定する。全ての停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作が受け付けられるまでは、ステップS209の判定が満たされず、ステップS202以降の処理を繰り返す。
ここで、停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作の受け付けられた順番(停止操作手順)を、それぞれ「順押し」、「逆押し」、「中押し」と呼ばれる停止操作手順(または押し順ともいう)に分ける。
上記の「順押し」の停止操作手順とは、左リール70Laを第1番目に停止させる操作手順(つまり、左停止ボタン128Lを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 左リール→中リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 左リール→右リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「順押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「順はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「逆押し」の停止操作手順とは、「順押し」と反対に右リール70Rを第1番目に停止させる操作手順(つまり、右停止ボタン128Rを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 右リール→中リール→左リール 〕、
あるいは、
〔 右リール→左リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「逆押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「逆はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「中押し」の停止操作手順とは、中リール70Mを第1番目に停止させる操作手順(つまり、中停止ボタン128Mを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 中リール→左リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 中リール→右リール→左リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「中押し」と呼ぶ。
ステップS202では、左リール70Lが停止状態となったことを示すフラグ(左リール停止フラグLF)がOFF(LF=0)であり、なおかつ、左停止ボタン128Lの押下操作が受け付けられたかを判定する。ステップS201で、停止ボタン128L,128M,128Rの押下操作の待ち受け状態から「順押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に左停止ボタン128Lが押下されたとすると、ステップS202の判定が満たされ、ステップS203に移る。
ステップS203では、第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。ここでいう「第1リール」とは第1番目に停止操作が受け付けられる、あるいは第1番目に停止するリールのことをいう。この例(「順押し」)では、左リール70Lの停止操作が第1番目に受け付けられるので、第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)となっている。従って、ステップS203の判定は満たされ、次のステップS204に移る。
次のステップS204では、左リール70Lについて第1リール停止処理が行われる。この第1リール停止処理では、内部抽選フラグに対応するリール停止制御テーブルに基づいて内部抽選フラグに対応する当選役図柄の停止位置の制御を実行する。
ステップS206では、残りの中リール70M、右リール70Rのリール停止制御テーブルを決定する。前述のとおり、スロットマシン1の有効ラインLは1ラインのみであるため、この時点で残りのリール(中リール70M、右リール70R)の停止制御テーブルは1つに決定することができる。つまり、第1停止リール(この場合は左リール70L)における有効ライン上の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、有効ラインL上に残りのリール(中リール70M、右リール70R)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。これにより、BB図柄、RB図柄以外の当選役図柄については目押しの必要なく揃えることができることになる(詳細はリール停止制御にて説明する)。
ステップS207では、第1リール停止フラグをON(F=1)として、次のステップS208に移る。
次いでステップS208では、左リール停止フラグLFをON(LF=1)として、ステップS209に移る。
そして、ステップS209では、全てのリール70L,70M,70Rが停止状態となったかを判定する。この例では、まだ左リール停止フラグLFがONとなっただけであり、中リール70M及び右リール70Rはまだ回転中であることから、この判定が満たされず、ステップS202に戻り以降の処理を繰り返し実行する。
そして、再びステップS202以降の処理が実行される場合、すでに左リール70Lは停止状態となっているのでステップS202の判定は満たされず、ステップS210に移る。
ステップS210では、中リール70Mが停止状態となったことを示すフラグ(中リール停止フラグMF)がOFF(MF=0)であり、なおかつ、中停止ボタン128Mの押下操作が受け付けられたかを判定する。ここでは「順押し」の停止操作手順に沿うため、中停止ボタン128Mの押下操作が受け付けられることとなる。従って、ステップS210の判定が満たされ、次のステップS211に移る。
ステップS211では、上記のステップS203と同様に第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。そして、この時点ではすでに第1リール停止フラグはON(F=1)となっているため、この判定が満たされず、ステップS213に移る。
ステップS213では、中リール停止処理として、内部抽選フラグに対応するリール制御テーブル(この場合は上記のステップS206で決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、このとき中リール70Mは第2番目に停止するリール(第2リール)となり、ステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216に移り、中リール停止フラグMFをON(MF=1)としてステップS209に移る。
そして、再度ステップS209では、左リール70L及び中リール70Mが停止状態となっただけであり、まだ右リール70Rは回転中で停止状態(右リール停止フラグRFがOFFとなっている)となっていないので、この判定が満たされず、ステップS202に戻り、再度以降の処理を繰り返し実行する。
さらに、3度目のステップS202以降の処理では、先ずステップS217で右リール停止フラグMFがOFF(MF=0)であり、なおかつ、右停止ボタン128Rの押下操作が受け付けられたかを判定していくことになるが、以降のステップS218,S220等の処理は、上記のステップS210以降の処理(ステップS211,S213)と同様であるため詳細な説明は省略する。
そして、ステップS223にて、右リール停止フラグRFをON(MF=1)として、ステップS209に移る。
最後にステップS209では、この時点において、全てのリール70L,70M,70Rが停止状態となっていることから、この判定が満たされ、リール停止処理が終了する。
なお、「中押し」の停止操作手順の場合も上記と同様の説明ができるため詳細は省略する。ただし、「逆押し」の停止操作手順の場合は上記の説明と一部異なる点があるため、以下に説明する。
「逆押し」の停止操作手順で、上記の「順押し」あるいは「中押し」の停止操作手順と異なる点は、ステップS221(第1リール停止処理の後に残りのリール停止制御テーブルの決定)についてである。すなわち、「逆押し」の停止操作手順では、右リール70Rのみが停止状態となる。従って、ステップS221の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、1ゲームの抽選結果として複数の条件装置が作動した場合には、これら複数の条件装置のうち、停止ボタン128L,128M,128Rの操作態様(停止操作されたタイミング及び停止操作された順序)毎に予め定められた条件装置にかかる図柄組み合わせが有効ラインに引き込まれるようにリール停止制御が行われる。つまり、成立した条件装置が同じであれば、停止ボタン128L,128M,128Rの操作態様が同じである限り、同じ図柄組み合わせが有効ラインに停止されることとなる。また、1ゲームの抽選結果がハズレの場合には、停止ボタン128L,128M,128Rの操作態様毎に予め定められたハズレ図柄の組み合わせが有効ラインに引き込まれるようにリール停止制御が行われる。つまり、抽選結果がハズレであれば、停止ボタン128L,128M,128Rの操作態様が同じである限り、同じハズレ図柄組み合わせが有効ラインに停止されることとなる。
また、主制御基板21はステップS209で全てのリール70L,70M,70Rが停止状態となると、図柄表示領域Aを最下位置に変更することを示す枠位置変更フラグ1がセットされていれば(ステップS224でYES)、図柄表示領域Aを最下位置に変更する5秒経過処理を実行して(ステップS226)、処理を終了する(ステップS227でNO)。この5秒経過処理では周辺制御基板471に制御コマンドを送信すると共に5秒が経過するまで待機状態とする(5秒経過処理を終了しない)ような制御が実行され、周辺制御基板471では主制御基板21から制御コマンドを受信すると、表示制御基板473に透過型液晶表示装置202を表示制御させることにより全てのリール70L,70M,70Rが停止状態となってから5秒経過するまでの期間内に遊技者に気付かれ難いように図柄表示領域Aを最下位置に変更した後、図柄表示領域Aを最下位置に変更したことや有利な状態となること(例えばAT回数の上乗せ:「AT○回上乗せ」等)を示唆するような演出を実行する。なおこの5秒経過処理の実行中にはメダル及びベットボタン125,126の操作を受け付けない停止状態(フリーズ状態)とされて遊技の進行を停止するため、遊技者が図柄表示領域Aを最下位置に変更されたことに気付かない場合であっても遊技が進行していかないこと(特にメダル及びベットボタン125,126の操作を受け付けないこと)で何かが起こったこと、即ち図柄表示領域Aが最下位置に変更されたことを遊技者に気付かせることができる。
また、図柄表示領域Aを最下位置に変更した後に最上位置に変更することを示す枠位置変更フラグ2がセットされていれば(ステップS224でNO、ステップS225でYES)、図柄表示領域Aを最下位置に変更する5秒経過処理を実行した後(ステップS226)、更に図柄表示領域Aを最上位置に変更する3秒経過処理を実行して(ステップS227でYES、ステップS228)、処理を終了する。また3秒経過処理では周辺制御基板471に制御コマンドを送信すると共に更に3秒が経過するまで待機状態とする(3秒経過処理を終了しない)ような制御が実行され、周辺制御基板471では主制御基板21から制御コマンドを受信すると、表示制御基板473に透過型液晶表示装置202を表示制御させることにより5秒経過処理を終了してから(全てのリール70L,70M,70Rが停止状態となってから5秒が経過した後)3秒経過するまでの期間内に図柄表示領域Aを最下位置から最上位置に変更した後、図柄表示領域Aを最上位置に変更したことや有利な状態となること(例えばAT回数の上乗せ:「AT○回上乗せ」等)を示唆するような演出を実行する。なおこの3秒経過処理の実行中にもメダル及びベットボタン125,126の操作を受け付けない停止状態(フリーズ状態)とされて遊技の進行を停止するため、遊技者が図柄表示領域Aを最上位置に変更されたことに気付かない場合であっても遊技が進行していかないこと(特にメダル及びベットボタン125,126の操作を受け付けないこと)で何かが起こったこと、即ち図柄表示領域Aが最上位置に変更されたことを遊技者に気付かせることができる。
これにより、左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全てが停止したときに図柄表示領域Aを最下位置に変更することを示す枠位置変更フラグ1がセットされていれば図柄表示領域Aが最下位置に変更され、図柄表示領域Aを最下位置に変更した後に最上位置に変更することを示す枠位置変更フラグ2がセットされていれば図柄表示領域Aが最下位置に変更された後に最上位置に変更されるようになる。
なお、上記した例では図柄表示領域Aを最下位置に変更することを示す枠位置変更フラグ1がセットされていれば必ず5秒経過処理を実行し、図柄表示領域Aを最下位置に変更した後に最上位置に変更することを示す枠位置変更フラグ2がセットされていれば5秒経過処理を実行した後に更に3秒経過処理を実行するように構成したが、ステップS224で図柄表示領域Aを最下位置に変更することを示す枠位置変更フラグ1がセットされている場合に、上記上乗せ抽選の結果としてATゲームの上乗せゲーム数が0回に決定される(ATゲームの上乗せがないと決定される)か、上記天井短縮抽選の結果として短縮ゲーム数が0回に決定される(天井ゲーム回数を短縮しないと決定される)か、又は上記AT直撃抽選の結果としてATゲームを実行しないと判定された場合には図柄表示領域Aを最下位置に変更しないようにしてもよいし、又は2秒経過処理を実行して図柄表示領域Aを最下位置に変更するものの有利な状態となること(例えばAT回数の上乗せ:「AT○回上乗せ」等)を示唆するような演出を行うことなく処理を終了するようにしてもよい(所謂ガセ)。
また、枠位置変更フラグとして図柄表示領域Aの位置を変更することのみを示すようにすると共に、左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全てが停止したときに枠位置変更フラグがセットされていれば、メダル及びベットボタン125,126の操作を受け付けない停止状態(フリーズ状態)として遊技の進行を停止する期間(以下フリーズ期間という)を抽選により決定し、決定された期間に応じて図柄表示領域Aを最下位置に変更するか、又は図柄表示領域Aを最下位置に変更した後に最上位置に変更するようにしてもよい。例えば、フリーズ期間として2秒、5秒、及び8秒の中から抽選によりいずれかに決定するようにしてもよい。また、この場合にはATゲームの上乗せゲーム数の抽選結果、天井ゲーム回数の短縮ゲーム数の抽選結果、及びATゲームが実行されていない通常状態にて天井ゲーム回数に達しているか否かに関わらずATゲームを実行するか否かの判定結果に応じてフリーズ期間を決定するようにしてもよく、例えば枠位置変更フラグがセットされている場合にATゲームの上乗せゲーム数を0に決定、天井ゲーム回数の短縮ゲーム数を0に決定、ATゲームが実行されていない通常状態に天井ゲーム回数に達しておらず且つATゲームを実行しないと判定、された場合にはフリーズ期間として0秒(図柄表示領域Aを基準位置から移動しない)又は2秒(図柄表示領域Aを最下位置に移動させる)に決定し(例えば3分の2の確率で0秒に決定し、3分の1の確率で2秒に決定する)、それ以外の場合には5秒と8秒とのいずれか一方に決定するようにしてもよい。これにより、遊技者に有利な状態となる場合にはフリーズ期間が長くなるため、遊技者に有利な状態となることを通知する演出(例えば「上乗せゲーム数○回」、や「短縮ゲーム数○回」、「AT40回」等)を実行することができる。
具体的には、枠外チャンスリプレイ1当選時で上乗せゲーム数が0ゲームの場合は、フリーズ期間が0秒を2/3、2秒を1/3の確率で抽選するようにして、0秒であれば図柄表示領域Aを基準位置から移動させることはなく、2秒であれば図柄表示領域Aを基準位置から最下位置へと移動はさせるものの上乗せは発生しないことを通知するようにしてもよい。また上乗せゲーム数が30ゲームの場合は、フリーズ期間が5秒を3/4、8秒を1/4の確率で抽選するようにし、5秒であれば図柄表示領域Aを基準位置から最下位置に移動させて上乗せゲーム数が30ゲームであることを通知し、8秒であった場合には図柄表示領域Aを基準位置から最下位置へと移動させたときに上乗せゲーム数が30ゲームであることを通知し、残りの3秒の間で図柄表示領域Aを最下位置から最上位置へと移動させるものの上乗せは発生しないことを通知するようにすることもできるし、8秒であった場合に図柄表示領域Aを基準位置から最下位置へと移動させたときに上乗せゲーム数が20ゲームであることを通知し、残りの3秒の間で図柄表示領域Aを最下位置から最上位置へと移動させて上乗せゲーム数として更に10ゲームであること(合計30ゲーム)を通知するようにしてもよい。このように、当選役と上乗せゲーム数とに基づいて基準位置を可変させるためのフリーズ期間を決定するようにしてもよい。
なお、上乗せゲーム数や短縮ゲーム数、及びATゲームのゲーム回数は、必ずしも選択されたフリーズ期間の間で通知する必要はなく、一部をフリーズ期間の経過後に通知するものであってもよい。具体的には、30ゲームの上乗せゲーム数に当選したときにフリーズ期間が8秒であった場合、先ず図柄表示領域Aを基準位置から最下位置へ移動させて上乗せゲーム数が10ゲームであることを通知し、次に図柄表示領域Aを最下位置から最上位置へ移動させて上乗せゲーム数を10ゲームであると通知する(ここでフリーズ期間は終了し、遊技を再開させることができる)。つまり、フリーズ期間では合計で20ゲームが上乗せされることを遊技者に通知する(フリーズ期間では合計で20ゲームが上乗せされたと遊技者が認識できるように表示することが望ましい(上乗せ10ゲームの通知を2回行うのみでも良いが、その後に「トータル20ゲーム上乗せ!」などと表示するとより遊技者は状況を把握しやすくなる)。そうした場合には、残り10ゲームが遊技者に通知されていないので、ATカウンタが0になる前であれば、いつでも秘密裏に上乗せされている10ゲームを通知してATゲームを延長することができる(なお、外見上一旦ATゲームが終了したと見せかけた後に実はAT状態であることを報知して、秘密裏に上乗せされているゲーム数を通知しても良い)。このような仕様にすることで、フリーズ期間中に通知されたゲーム数よりも大きなゲーム数が、実は上乗せされているかもしれないという期待感を遊技者に与えることができ、フリーズ期間中に通知された上乗せゲーム数が少ない場合であっても、ガッカリ感を軽減することができる。また、上乗せ通知タイミングの多様化も図れることにより、意外なタイミングで上乗せが発生することで遊技者に新鮮な驚きを与えることができるため、遊技の興趣が高まる。
また、上記秘密裏に上乗せされている10ゲームを通知するときにも、ゲーム終了後にフリーズ状態に制御するものであってもよい。その場合には、上乗せ抽選で30ゲームの上乗せゲーム数に当選したときに、上乗せゲーム数として20ゲームと通知するフリーズ期間(例えば8秒)だけでなく、遊技の再開後に再びフリーズ状態に制御して上乗せゲーム数として10ゲームと通知するフリーズ期間(例えば4秒)も決定することが望ましい。更に、秘密裏に上乗せされている10ゲームを通知する際に、事前に上乗せ通知を示唆する前兆演出を実行するようにしてもよく、これにより遊技者の上乗せへの期待感を高めることができる。また当該前兆演出においてもゲーム終了後にフリーズ状態に制御するようにしてもよいが、実際に上乗せゲーム数を通知する期間よりも短いフリーズ期間であることが望ましい。なお、短縮ゲーム数についても一部をフリーズ期間の経過後に通知するようにしてもよく、この場合にも上記上乗せゲーム数を通知する上記の制御と同様の制御を実行するようにしてもよい。
また、遊技者に有利な状態となることを通知する演出の内容は周辺制御基板471によって決定される。また、遊技者に有利な状態となることを通知する演出として上乗せゲーム数や短縮ゲーム数を通知する場合には、実際と異なる値を通知するようにしてもよい。例えば上乗せゲーム数として100回に決定されている場合に実際に決定された回数よりも少ない上乗せゲーム数(例えば50回)を通知してATゲーム中に更にATゲームの残り回数が上乗せされる演出を実行するようにしてもよい。また短縮ゲーム数として30回に決定されている場合に図柄表示領域Aを最下位置に変更したときに短縮ゲーム数として「10回」を通知し、図柄表示領域Aを最下位置から更に最上位置に変更したときに短縮ゲーム数として「20回」を通知することで実際に決定された短縮ゲーム数を通知するようにしてもよい。
また、本例では図柄表示領域Aを基準位置から最下位置や最上位置に変更した場合には次ゲーム開始を契機に図柄表示領域Aを基準位置に戻すようになっている。また、図柄表示領域Aを基準位置に戻す際には左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全てを図柄表示領域Aの移動方向と同一の方向に回転させることで図柄表示領域Aを基準位置に戻していることを遊技者に気付かれ難くしている。具体的には、図柄表示領域Aが最下位置に変更されていれば次ゲーム開始時に左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全てを一旦上向き方向(通常とは逆向き方向)に回転させると共に左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全ての回転開始に同期して図柄表示領域Aを最下位置から基準位置に戻し、その後に左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全てを通常の下向き方向に回転させ、図柄表示領域Aが最上位置に変更されていれば次ゲーム開始時に左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全てを通常の下向き方向に回転させると共に左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全ての回転開始に同期して図柄表示領域Aを最下位置から基準位置に戻すようにしている。これにより、図柄表示領域Aを基準位置に戻すときには図柄表示領域Aの移動方向と同一の方向に左リール70L、中リール70M、及び右リール70Rの全てを回転させるため、図柄表示領域Aの位置が変更されていること、即ち図柄表示領域Aの位置が基準位置に戻るように変更されていることを遊技者に気付かれ難い。
なお、図柄表示領域Aを基準位置から最下位置や最上位置に変更した場合に一定期間(例えば上記チャンスゲームを終了するまでの期間)に亘って変更後の位置に図柄表示領域Aが保持されるようにしてもよい。これにより図柄表示領域Aの位置が変更されている期間ではATゲームの残り回数の上乗せ等に対する期待を高めることができる。
[9−10.リール停止制御]
上記のリール停止処理では、成立フラグに対応した当選役図柄(該当当選役図柄)を極力有効ラインLに引き込むリール停止制御を行う(いわゆる、引き込み制御といわれる)。具体的には、遊技者によるリールの停止操作が受け付けられた時点で、有効ラインLに停止させることが可能な範囲(該当当選役図柄を引き込むことが可能な範囲、例えば、図柄4個分)を予め決めておき、その範囲内に該当当選役図柄がある場合、これを有効ラインLに引き込んでリールを停止させる制御を実行する。なお、ここでいう「引き込むことが可能な範囲」とは、リールの停止操作が受け付けられてから当該リールが停止するまでに、リールの回転方向にみて移動が可能な図柄の最大数のことをいう。例えば、引き込み可能な範囲を最大で図柄4個分とすれば、当該リールの停止操作が受け付けられた場合、その位置を基点にしてさらに図柄4個分までリールの回転移動が可能となる。
従って、このようなリール停止制御によれば、リールの停止操作が受け付けられた時点で、有効ラインL上に該当当選役図柄がなかったとしても、該当当選役図柄が引き込み可能な範囲内にあれば、その該当当選役図柄を有効ラインLにまで移動させたうえで停止させることが可能となる。また、この引き込み制御を行うことにより、遊技者は該当当選役図柄の目押しのタイミングが多少早かったとしても、引き込み可能範囲内に当該当選役図柄があれば、その当該当選役図柄を有効ラインLに引き込んで停止させることができる。従って、取りこぼし(当該当選役図柄を揃えることができずに当該当選役に対応する遊技特典を獲得できずにその遊技特典が消滅してしまうこと)が生じることを極力抑えることができる。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
そして、リール停止処理が終了すると、有効ラインL上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かについて判定を行う。有効ラインL上に当選役図柄が揃っている場合には、払出ユニット30より規定枚数のメダルが払い出されるとともに、メダルの払出枚数が払出表示器802に表示される。
このように本実施形態のスロットマシン1によると、全てのリール70L,70M,70Rの停止が維持された状態で、図柄表示領域A内に常に有効ラインLが存在するかたちで図柄表示領域Aの形態及び大きさを維持しつつリール70に対して図柄表示領域Aを上下方向に移動させて、図柄表示領域Aに表示される図柄ブロックの差し替えが行われる。すなわち、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインLに停止表示されるようにするといった主制御基板21による制御を変更することなく、さらには有効ラインLに表示されるゲーム結果の視認を妨げることなく、図柄表示領域Aに表示される図柄を変更することが可能となり、これまでにない新たなスロットマシンを提供することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[10.本実施形態の適用例]
上述したとおり、リール70L,70M,70Rの停止制御は主制御基板21により行われるのに対して、図柄表示領域Aに表示される図柄ブロックの差し替え制御(図柄表示領域Aの移動制御)は、主制御基板21及びサブ主制御基板23からの指示(制御コマンド)に基づいて周辺制御基板471が行う(表示制御基板473に透過型液晶表示装置202を表示制御させて図柄表示領域Aの表示位置を変更する)。つまり、主制御基板21によるリール70L,70M,70Rの停止制御は、周辺制御基板471による図柄表示領域Aの移動制御が行われるか否かに影響を受けることなく行われる。しかも、周辺制御基板471による図柄表示領域Aの移動は、矩形状の形態とその大きさを維持しつつ(すなわち「N[1図柄列あたりに表示される図柄数]×M[図柄列数]」が維持された状態で)行われるので、図柄表示領域Aの移動が行われたとしても、視認性が複雑化することもない。このような図柄表示領域Aにおける図柄ブロックの差し替え制御は、以下に説明するゲーム性に適用することができる。
例えば、各当選役に対応する図柄組み合わせ態様を異種図柄組み合わせ態様とすることで、有効ラインLに停止表示された図柄組み合わせ態様を見ただけでは当選役を把握し難くした場合には、図柄表示領域Aを移動する前は他のライン(非有効ライン)を見ても当選役を把握し難いものの、図柄表示領域Aを移動したのちにあらわれるラインを見ると当選役を把握し易い構成にすることが可能となる。例えば、図柄表示領域Aが基準位置にあるときには、有効ラインLに特定の当選役(例えばスイカ役)に対応する異種図柄組み合わせ態様が停止表示されており、他のライン(非有効ライン)にも同種図柄組み合わせ態様が停止表示されていないものの、図柄表示領域Aが最上位置又は最下位置に移動したときには、新たにあらわれたライン(非有効ライン)に同種図柄組み合わせ態様(例えばスイカ図柄の三つ揃い態様)が停止表示されるようにすることで、ゲーム結果を外観で把握できるようにすることができる。すなわち、図柄表示領域Aに表示される図柄ブロックのすりかえを行うことで、すりかえ前は把握し難かったゲーム結果を、すりかえ後は容易に把握することができるといったゲーム性に適用できる。
また、遊技状態が遊技者に有利であるか否かが常には秘匿にされているものの、特定条件が成立したことに基づいて図柄表示領域Aを移動させることによって、秘匿とされていた遊技状態を把握できるようにしても良い。例えば、図柄表示領域Aを常には基準位置とし、特定条件が成立したことに基づいて図柄表示領域Aを最上位置又は最下位置に移動させて、このときに遊技者に有利な遊技状態であれば、図柄表示領域Aの移動によって新たにあらわれたライン(非有効ライン)に特定の同種図柄組み合わせ態様(例えばチェリー図柄の三つ揃い態様)が停止表示されているようにしてもよい。すなわち、図柄表示領域Aに表示される図柄ブロックのすりかえを行うことで、すりかえ前は秘匿にされていた遊技状態を、すりかえ後は開示されるといったゲーム性に適用できる。
また、有効ラインLとは別に、図柄表示領域Aにあらわれた図柄又は図柄の組み合わせ態様に基づいて利益抽選(例えばATの上乗せ抽選など)を行う場合には、例えば、図柄表示領域Aが基準位置にあるときに1回目の利益抽選を行い、図柄表示領域Aを最上位置又は最下位置に移動したときに2回目の利益抽選を行うようにしてもよい。さらには、図柄表示領域Aが基準位置にあるときに1回目の利益抽選を行い、図柄表示領域Aを最上位置又は最下位置に移動したときに2回目の利益抽選を行い、その後さらに図柄表示領域Aを最下位置又は最上位置に移動させて3回目の利益抽選を行うようにすることができる。すなわち、図柄表示領域Aに表示される図柄ブロックのすりかえが行われないときは1ゲームの結果に対して1回の利益抽選しか行わないものの、図柄ブロックのすりかえが行われたときは1ゲームの結果に対して複数回の利益抽選を行うといったゲーム性に適用できる。
なお、本実施形態では、過型液晶表示装置202の非装飾領域の位置を変更することによって図柄表示領域Aを上下方向に移動(図柄表示領域Aに表示される図柄ブロックのすりかえ)が行われるようにしているが、図柄表示領域Aの矩形状の形態及び大きさを変えることなく(同じ数の図柄を表示できる程度の僅かな大きさの変更をも排除する趣旨ではない)、図柄表示領域Aに表示される図柄ブロックのすりかえを行うことができれば、その態様は限られない。例えば、リール70L,70M,70Rの前面に進出させたり退避させたりできる可動部材を設けて、この可動部材を進出させたり退避させたりすることで図柄ブロックのすりかえが行われるようにしてもよい。
また、本実施形態では、全てのリール70L,70M,70Rが停止されて抽選結果が有効ラインLに停止表示された状態において、常には基準位置にある図柄表示領域Aを所定条件の成立に基づいて基準位置から最上位置または最下位置に移動させることで、図柄表示領域Aに表示される図柄ブロックの差し替えが行われる。このように位置が変更された図柄表示領域Aは、所定のタイミングで基準位置に復帰される。例えば、図柄表示領域Aの移動先(最上位置または最下位置)に所定時間だけ待機させ、この所定時間が経過したことに基づいて図柄表示領域Aを基準位置に復帰させる態様や、次ゲームの始動条件が成立したこと(例えば始動レバー129が操作されたこと)に基づいて図柄表示領域Aを基準位置に復帰させる態様などが考えられる。なお、図柄表示領域Aを基準位置に復帰させる制御についても周辺制御基板471によって行われることは言うまでもない。
また、本実施形態では、リール70L,70M,70Rを変動させることで、これらのリール70L,70M,70Rに描かれた図柄が変動表示されるようにしているが、所定の配列で並ぶ図柄が所定方向に順に変動(移動)する図柄列であれば、必ずしもリールに限られない。すなわち、図柄表示領域にランダムに図柄が表示されるようなものは含まないが、所定の配列で並ぶ図柄が所定方向に順に変動(移動)して表示されるものであれば、液晶表示器に表示される図柄列も含む趣旨である。
また、本実施形態では、図柄表示領域Aを上下方向に移動させているが、図柄の変動(移動)方向と同じ方向に図柄列が変動(移動)するものであれば、必ずしも図柄表示領域の移動方向は上下方向に限られない。
なお、本実施形態のスロットマシン1は、以下の技術思想としてあらわすことができる。
[技術思想]
本実施形態に記載されたスロットマシンに代表される遊技機は、回転方向に多数の図柄が付された複数の図柄列と、回転表示状態にある前記図柄列が停止されるよう制御する図柄列停止制御手段と、前記図柄列に付された図柄を表示可能な表示領域とを備える遊技機であって、前記複数の図柄列のそれぞれに付された多数の図柄のうち所定数の図柄からなる図柄群を表示可能な表示領域と、前記多数の図柄が順に表示される回転表示状態にある図柄列が停止されるよう制御する図柄列停止制御手段と、前記図柄列が停止したときに所定の有効ラインに表示された図柄または図柄組み合わせに基づいて特典を付与可能な特典付与手段と、前記表示領域に表示される図柄が変更されるよう前記図柄群を変更可能な図柄群変更手段と、を備え、前記図柄群変更手段は、前記複数の図柄列が停止したときに前記表示領域に表示される一の図柄群を、該複数の図柄列を回転させることなく前記一の図柄群に含まれる図柄よりも遊技者に有利となる図柄が含まれる他の図柄群に変更する図柄群有利化手段を有し、少なくとも前記図柄群有利化手段は、前記一の図柄群から前記他の図柄群への変更を、前記有効ラインに表示された図柄または図柄組合せを維持するかたちで行う手段を有するものである。これにより、有効ラインに表示された抽選結果を変えることなく(すなわち図柄表示領域内の有効ラインに表示された図柄または図柄組み合わせを維持しつつ)、1ゲーム内において、図柄表示領域内に表示される図柄または図柄組み合わせにバリエーションを持たせることができる。しかも、表示領域にゲーム結果が表示されるまでの過程を複雑化することなくシンプルにでき、分かりやすいかたちでゲーム結果を表示することが可能となり、興趣の低下を抑制することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
上記実施形態では、遊技機としてスロットマシン1(パチスロ機)に適用したものを示したが、これに限定するものではない。すなわち、図柄表示領域Aに区切られる(表示される)「N[1図柄列あたりに表示される図柄数]×M[図柄列数]」にゲーム結果が表示される遊技機において、この「N[1図柄列あたりに表示される図柄数]×M[図柄列数]」を移動させるものであれば、パチンコ機、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機、液晶スロット、さらにはカジノに設置されるスロットマシンやゲーム機などに適用した場合であっても、上記と同様の作用効果を奏することができる。
A 図柄表示領域
B メイン演出表示領域
C ロゴ表示領域
L 有効ライン1 スロットマシン
2 筐体ユニット
3 遊技ユニット
4 ドアユニット
5 中ユニット
10 筐体本体
11 底板
12 側板
13 天板
14 背板
15 仕切板
16 取っ手16
17 ヒンジ金具
20 主制御ユニット
21 主制御基板
22 主制御基板ボックス
23 サブ主制御基板
24 サブ主制御基板ボックス
25 取付ベース
26 ボックスカバー
30 払出ユニット
31 ユニット本体
32 ホッパ
33a 収容部
33 払出回転体
34 払出モータ
35 払出口
40 収納箱
50 電源ユニット
52 電源基板ボックス
60 スイッチユニット
61 電源スイッチ
62 設定スイッチ
70 リール
70L 左リール
70M 右リール
70R 右リール
71 リールメインフレーム
73 リールシリンダ
80 リール駆動機構
81 駆動ベース
82 軸部
83 リールモータ
85 従動ギア
86 リール回転検知センサ
87 リフレクタ
88 リール装飾基板
90 ユニットベース
100 ドア本体ユニット
110 ドアベース
111 開口部
112 放出口
120 操作ユニット
121 棚部
122 垂下部
123 投入口
124 演出ボタン
125 MAXベットボタン
127 十字キー
128 停止ボタン
128L 左停止ボタン
128M 中停止ボタン
128R 右停止ボタン
129 始動レバー
130 清算ボタン
131 返却ボタン
140 前下装飾ユニット
141 前下装飾部
142 スピーカ
150 受皿ユニット
151 受皿
152 灰皿
160 補強ユニット
161 左補強金具
162 上補強金具
163 中補強金具
164 下部補強板
170 メダルセレクタ
180 施錠ユニット
181 施錠本体
182 施錠フック
183 スライド棹
184 施錠カム
185 鍵穴
190 低音用スピーカ
200 トップカバーユニット
201 トップカバー
201a 窓部
202 導光板
203 上押え部材
204 下押え部材
205 導光板上装飾基板
206 導光板下装飾基板
300 前可動演出ユニット
301 ユニットベース
302 後方視認可能領域
310 前可動装飾体
320 昇降駆動機構
321 スライドシャフト
322 プーリ
323 駆動ベルト
324 前左駆動モータ
325 前右駆動モータ
330 前サイド装飾部材
400 中ユニットベース
401 側部
402 上連結部
403 中連結部
404 下連結部
405 下取付部
405 係止片
406 下取付部
407 軸受部
410 ロック機構
411 ロックレバー
411a 開口部
415 係止溝
420 取付凹部
450 メイン液晶表示装置
451 ヒンジ軸部
452 突出片
470 周辺制御ユニット
471a ボリューム
471 周辺制御基板
472 基板
473 表示制御基板
474 周辺制御基板ボックス
490 防犯部材
491 台座部
492 キャップ
600 上部可動演出ユニット
601 ユニットベース
602 下ガイド
610 上横可動演出ユニット
611 上横ベース
612a 下ガイドピン
612 上横可動装飾体
615 上部カバー
650 上中可動演出ユニット
651a 左用軸部
651b 右用軸部
651 上中ベース
652 前カバー
653 回動検知センサ
660 上中左可動装飾体ユニット
661 上中左装飾体
662 左装飾体ベース
662a 装飾体取付部
662b 基板部
662c 回動軸受部
662d 左伝達スリット
662e 作用軸受部
662f 検知片
670 上中右可動装飾体ユニット
671 上中右装飾体
672 右装飾体ベース
672a 装飾体取付部
672b 基板部
672c 回動軸受部
672d 右伝達スリット
680 伝達スライダ
681 左伝達ピン
682 右伝達ピン
690 回動駆動機構
691 上中駆動モータ
692 駆動ギア
693 カム部材
693a 従動ギア部
693b 延出部
693c 駆動軸受部
694 リンクロッド
694a 駆動ピン
694b 作用ピン
800 状態表示器
802 払出表示器
810 設定表示器
900 装飾駆動基板ユニット
901 装飾駆動基板
902 基板ベース
902a 基板取付部
902b ヒンジ部
902c 係止部
903 基板カバー

Claims (1)

  1. 回転方向に多数の図柄が付された複数の図柄列と、
    回転方向に多数の図柄が付された複数の図柄列と、回転表示状態にある前記図柄列が停止されるよう制御する図柄列停止制御手段と、前記図柄列に付された図柄を表示可能な表示領域とを備える遊技機であって、
    前記複数の図柄列のそれぞれに付された多数の図柄のうち所定数の図柄からなる図柄群を表示可能な表示領域と、
    前記多数の図柄が順に表示される回転表示状態にある図柄列が停止されるよう制御する図柄列停止制御手段と、
    前記図柄列が停止したときに所定の有効ラインに表示された図柄または図柄組み合わせに基づいて特典を付与可能な特典付与手段と、
    前記表示領域に表示される図柄が変更されるよう前記図柄群を変更可能な図柄群変更手段と、
    を備え、
    前記図柄群変更手段は、
    前記複数の図柄列が停止したときに前記表示領域に表示される一の図柄群を、該複数の図柄列を回転させることなく前記一の図柄群に含まれる図柄よりも遊技者に有利となる図柄が含まれる他の図柄群に変更する図柄群有利化手段を有し、
    少なくとも前記図柄群有利化手段は、
    前記一の図柄群から前記他の図柄群への変更を、前記有効ラインに表示された図柄または図柄組合せを維持するかたちで行う手段を有する
    ことを特徴とする遊技機。
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