実施形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材における例えば上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。
図2は、スティックコントローラ122の構成例を示す側面図である。スティックコントローラ122は、遊技者が把持する操作桿122Aを含み、操作桿122Aの所定位置(例えば遊技者が操作桿122Aを把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタン121が設けられている。トリガボタン121は、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿122Aを操作手(例えば左手など)で把持した状態で所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することによって所定の指示操作ができるように構成されている。
操作桿122Aの内部には、トリガボタン121に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図4を参照)が内蔵されている。スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部には、操作桿122Aに対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123が設けられている。例えば、傾倒方向センサユニット123は、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿122Aの中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿122Aの中心位置よりも右側で遊技盤6の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されている。
なお、下皿におけるスティックコントローラ122の取付位置は、下皿の中央部分に限られず、左右のいずれかに寄せた位置であってもよい。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)に、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、または電磁的に検出できるように構成される。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3および図4を参照)が設けられている。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿および下皿の中央部分において上下の位置関係にあるが、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122の取付位置を、上皿および下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。また、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置の位置関係が上下ではなく、例えば左右の位置関係であってもよい。
スティックコントローラ122に設けられたトリガボタン121は、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿122Aを操作手で把持した状態において、操作指で押引操作することなどにより指示操作ができるように構成されている。プッシュボタン120は、スティックコントローラ122とは別個に上皿を形成するガラス扉枠2の所定位置に設けられ、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿122Aを把持しない状態でも、操作手で押下操作することなどによって指示操作ができるように構成されている。従って、プッシュボタン120に比べて、トリガボタン121に対して、連続的な指示操作となる連打操作がなされることは困難である。
また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126が内蔵されている。この実施の形態では、例えば、バイブレータ用モータ126の軸の重心を偏らせたり軸に重りを取り付け、演出制御用マイクロコンピュータ100によりバイブレータ用モータ126を回転制御することによって振動を生じさせ、スティックコントローラ122を振動動作させるように制御される。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態の遊技機は、2つの特別図柄表示器8a,8bを備えているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えていてもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
また、遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。飾り図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の飾り図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせが停止表示される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として飾り図柄の変動表示が行われるが、演出表示装置9では、例えば、キャラクタ画像を用いる演出や、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいて報知画像を表示するような演出も実行される。
また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、飾り図柄が揃って停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口(第1大入賞口)が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどに限らず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
演出表示装置9の表示画面には、普通図柄の表示結果を示唆するような演出や特別図柄の表示結果および変動パターンの種類を示唆するような演出が行われる演出エリア9Fが表示される。
また、演出表示装置9の左部には、モータ24によって駆動される羽根状の可動部材76が設けられている。可動部材76が左に倒れるような位置に制御されると、遊技球が第2大入賞口に進入可能な状態(開放状態)になる。可動部材76が第2大入賞口を塞ぐような位置に制御されると、遊技球が第2大入賞口に進入不可能な状態(閉鎖状態)になる。第2大入賞口に進入した遊技球は、第2入賞スイッチ71で検出される。
なお、この実施の形態では、15R通常大当りにもとづく大当り遊技中、2R確変大当りにもとづく大当り遊技中、15R確変大当りにもとづく大当り遊技中に、第1大入賞口が開放状態に制御される。また、小当り遊技状態中、突然確変大当りにもとづく大当り遊技中、および突然確変見せかけ大当りにもとづく大当り遊技中に、第2大入賞口が開放状態に制御される。
「15R通常大当り」は、15ラウンド(各ラウンドの開放可能時間は例えば29秒)の大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に通常状態(非確変状態)に移行させる大当りである)。「2R確変大当り」は、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行させる大当りである)。「15R確変大当り」は、15ラウンド(各ラウンドの開放可能時間は例えば29秒)の大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである。
以下、15R確変大当りと15R通常大当りとを「15R大当り」と総称することがある。
「突然確変大当り」は、15R大当りや2R確変大当りと比較して大入賞口(第2大入賞口)の開放回数が少ない回数(この実施の形態では10秒間の開放を2回)まで許容される大当りであるが、突然確変大当りにもとづく大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される。なお、「突然確変大当り」を、「突確大当り」ともいう。
「突然確変見せかけ大当り」は、15R大当りの場合と同様に、大当り遊技中に大入賞口(第2大入賞口)が15回(15ラウンド)開放するが、最初の2回(2ラウンド)については、突然確変大当りの場合と同様に、大入賞口の開放時間は10秒である。よって、突然確変見せかけ大当りにもとづく大当り遊技状態が開始された後の初期の段階では、遊技者は、突然確変大当りが生じたのか突然確変見せかけ大当りが生じたのかを区別できず、遊技の興趣を向上させることができる。また、突然確変見せかけ大当りにもとづく大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される。なお、「突然確変見せかけ大当り」を、「突確見せかけ大当り」ともいう。また、「突然確変見せかけ大当り(突確見せかけ大当り)」を、単に、「見せかけ大当り」ということがある。
また、この実施の形態では、突然確変大当りが発生したときに実行される大当り遊技のラウンド数は2であるが、15R大当りの場合に比べて各ラウンドの開放時間が極めて短ければ、2ラウンドよりも多いラウンド数にしてもよい。例えば、15R大当りが発生したときに実行される大当り遊技のラウンド数と同じにしてもよい。
「小当り」は、大当りと比較して大入賞口(第2大入賞口)の開放回数が少ない回数(この実施の形態では10秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。この実施の形態では、突然確変大当りにもとづく大当り遊技状態と小当り遊技状態とでは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の10秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、本明細書では、小当りについても開放回をラウンドとする。また、見せかけ大当りが発生したときに、第1ラウンドにおいて突然確変大当りおよび小当りのラウンドにおける開放時間と同じ開放時間で2回大入賞口を開放した後大入賞口を長時間開放し、第2ラウンド以降のラウンドでは、15R大当りのラウンドにおける開放時間と同じ開放時間で大入賞口を開放してもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)になる。
また、特別図柄や飾り図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や飾り図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品毎に異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、第2入賞口スイッチ71およびプッシュセンサ124からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。入力ドライバ回路58は、プッシュセンサ124からのプッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および第2大入賞口を形成するための可動部材76を開放状態に制御するモータ24を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および飾り図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、トリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿122Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。なお、プッシュボタン120とプッシュセンサ124は、図3に示す入力ドライバ回路58にのみ検出信号を入力する構成であってもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機にしてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンの種別を決定するための乱数や変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図7は、あらかじめ用意された飾り図柄の変動パターンを示す説明図である。図7に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図7に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。「擬似連」は、全ての図柄表示エリアにおいて飾り図柄を仮停止表示させた後、全ての図柄表示エリアにおいて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回行う変動パターンである。
リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれになる飾り図柄を仮停止させた後に飾り図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図7に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図7において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突確見せかけ大当り、突確大当り、2R確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図7に示すように、突確見せかけ大当り、突確大当り、2R確変大当りおよび小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突確見せかけ大当り、突確大当り、2R確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図7に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められているが(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である。)、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。また、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。その場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意し(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意し)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
また、図7に示すように、この実施の形態では、1つまたは複数のスキップポイントが設けられている変動パターンがある。スキップポイントは、変動パターンの特図変動時間内における変動表示の区切りとなるポイントを示す。例えば、スキップポイントが10であれば、変動表示の開始から10秒後がスキップポイントとして示されている。この実施の形態では、特別図柄の変動表示中に所定の条件が満たされると、満たされた条件に対応するスキップポイント以降の変動表示が実行される(以下、スキップポイントまでスキップするともいう)。
図7に示すように、この実施の形態では、スキップポイントとして、第1スキップポイント、第2スキップポイントおよび最終スキップポイントが設けられている。図7の例では、最も数値の大きいスキップポイント(すなわち最も変動開始からの経過時間が長いスキップポイント)が最終スキップポイントを示し、最も数値の小さいスキップポイント(すなわち最も変動開始からの経過時間が短いスキップポイント)が第1スキップポイントを示し、第1スキップポイントと最終スキップポイントとの間のスキップポイントが第2スキップポイントを示している。
図7の例では、非リーチPA1−4、ノーマルPB2−1、ノーマルPB2−3および特殊PG1−3は、スキップポイントが1つ設定されている。具体的には、非リーチPA1−4、ノーマルPB2−1およびノーマルPB2−3は、最終スキップポイントが10秒に設定されている。また、特殊PG1−3は、最終スキップポイントが15秒に設定されている。
また、図7の例では、ノーマルPB2−2およびノーマルPB2−4は、スキップポイントが2つ設定されている。具体的には、ノーマルPB2−2およびノーマルPB2−4は、第1スキップポイントが5秒に、最終スキップポイントが10秒に設定されている。
また、図7の例では、ノーマルPA3−1、ノーマルPA3−2、ノーマルPA3−3およびノーマルPA3−4は、スキップポイントが3つ設定されている。具体的には、ノーマルPA3−1、ノーマルPA3−2、ノーマルPA3−3およびノーマルPA3−4は、第1スキップポイントが5秒に、第2スキップポイントが10秒に、最終スキップポイントが20秒に設定されている。
なお、この実施の形態では、擬似連演出を伴う変動パターンにのみスキップポイントが設けられているが、その他の変動パターンにもスキップポイントが設けられていてもよいし、1つの変動パターンに4つ以上のスキップポイントが設けられていてもよい。また、全ての変動パターンにスキップポイントが設けられていてもよい。ただし、最終スキップポイントは、変動表示の表示結果が導出表示されるよりも前に設定されることが望ましい。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(大当りの種別)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、15R大当り(15R確変大当りおよび15R通常大当り)である場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、2R確変大当り、突確見せかけ大当りまたは突確大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。
また、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
図6に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図9(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図9(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図9(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図9(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図9(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図9(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図9(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図9(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図9(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図9(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図9(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りに決定しないようにしてもよい。その場合、図9(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が時短状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が高ベース状態であるときにも小当りが発生するようにし、かつ、高ベース状態になるか否かを遊技者に推測させるような演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が高ベース状態であるにも関わらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。しかし、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が高ベース状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変状態であるか否かを推測させるような演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
図10は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図10に示す大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を、「15R通常大当り」、「2R確変大当り」、「突確見せかけ大当り」、「突確大当り」、「15R確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、この実施の形態では、一例として、15R通常大当りになるときには特別図柄の停止図柄は「1」であり、2R確変大当りになるときには特別図柄の停止図柄は「9」であり、突確大当りになるときには特別図柄の停止図柄は「3」であり、突確見せかけ大当りになるときには特別図柄の停止図柄は「5」であり、15R確変大当りになるときには特別図柄の停止図柄は「7」である。すなわち、大当りの種別と特別図柄の停止図柄の種別とは対応している。
図10(A)には、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(低確率時の第1特別図柄用)が示されている。図10(B)には、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)が示されている。
高ベース状態では、遊技球が第1始動入賞口13に入賞することに比べて、遊技球が第2始動入賞口14に入賞する機会が多いので、図10(B)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルが使用される機会が極めて多い。また、低ベース状態では、遊技球が第2始動入賞口14に入賞する機会はないので、図10(A)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルが使用される。
なお、第1特別図柄の変動表示が行われる場合にのみ、「突確見せかけ大当り」および「突確大当り」と決定される場合があるようにし、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、「突確見せかけ大当り」および「突確大当り」と決定されないようにしてもよい。
また、この実施の形態では所定の乱数を用いて大当りの種別を決定するが、所定の乱数を用いて特別図柄の停止図柄を決定し、決定された特別図柄の種別に応じて大当りの種別が決まるようにしてもよい。
また、所定の乱数を用いて特別図柄の停止図柄を決定し、決定された特別図柄の種別に応じて大当りの種別を決定する場合に、ある図柄(1つでもよいし複数でもよい)については、そのときの遊技状態に応じて、大当り遊技の終了後に時短状態に移行させる場合があったり、時短状態に移行させない場合があったりしてもよい。
図11(A),(B)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別が15R大当りである場合には、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aが使用され、それ以外の大当りである場合には大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bが使用される。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。
また、大当り種別が15R大当り以外である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が15R大当りである場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「2R確変大当り」、「突確見せかけ大当り」または「突確大当り」になる場合には、15R大当りの場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
図11(C)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Cを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Cは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図11(C)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図12(A)〜(C)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。図12(A)には、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aが示されている。また、図12(B)には、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが示されている。また、図12(C)には、遊技状態が時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135C:確変状態でも使用される)が示されている。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図12に示す例では、遊技状態が時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B,135Cを用いられるが、時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図12(C)に示す例では、1つの確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが用いられるが、確変/時短状態用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルが用いられるが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、合算保留記憶数の値毎に別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルが用意されていてもよい。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じたはずれ変動パターン種別判定テーブルが使用されるが、第1保留記憶数と第2保留記憶数の各々に応じたはずれ変動パターン種別判定テーブルが使用されるようにしてもよい。
なお、図12(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数に関わらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行される。
また、図12(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数に関わらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行される。すなわち、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)に記憶されている保留記憶の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)に関わらず、共通の判定値(図12(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるように構成されている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
なお、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図12(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択され短縮変動の変動パターンが決定される場合があるが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が時短状態や確変状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図13(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A,137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A,137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各当り変動パターン判定テーブル137A,137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにすることに決定されると、当り変動パターン判定テーブル137Aが選択される。変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにすることに決定されると、当り変動パターン判定テーブル137Bが選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bには、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)が設定されている。
なお、図13(A)に示す当り変動パターン判定テーブル137Aでは、変動パターン種別が、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、図13(B)に示す当り変動パターン判定テーブル137Bでは、変動パターン種別が、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。なお、図13(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。その場合には、例えば、特殊CA4−1が、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2が、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図14は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図15は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図15に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動時間の情報を含む変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図7に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C07(H)は、大当りまたは小当りとするか否か、および大当り種別を特定可能な演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C07(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C07(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8E01(H)は、普通図柄の表示結果が当りになることを示すとともに普通図柄の変動を開始することを示す普通図柄開始指定(当り)コマンドであり、コマンド8E02(H)は、普通図柄の表示結果がはずれになることを示すとともに普通図柄の変動を開始することを示す普通図柄開始指定(はずれ)コマンドである。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A201,A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(以下、大当り開始指定コマンドまたはファンファーレ指定コマンドともいう。)である。大当り遊技または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンドと大当り開始3/小当り開始指定コマンドとがある。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面または小当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技または小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り/小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB001(H)は、遊技状態が低ベース状態であることを示す演出制御コマンド(低ベース状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が高ベース状態であることを示す演出制御コマンド(高ベース状態指定コマンド)である。コマンドB003(H)は、遊技状態が確変状態でないことを示す演出制御コマンド(非確変状態指定コマンド)である。コマンドB004(H)は、遊技状態が確変状態であることを示す演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
なお、低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドおよび確変状態指定コマンドを遊技状態指定コマンドと総称することがある。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンドが送信されるが、保留記憶数そのものを指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。その場合、例えば、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する演出制御コマンドを送信するとともに、保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドとして第1保留記憶数と第2保留記憶数とで共通の演出制御コマンドを送信する。
また、第1保留記憶数を指定する場合と第2保留記憶数を指定する場合とで別々の演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)を送信するようにしてもよい。その場合、例えば、保留記憶数指定コマンドとして、MODEデータとして第1保留記憶数または第2保留記憶数を特定可能な値(例えば、第1保留記憶数を指定する場合には「C0(H)」、第2保留記憶数を指定する場合には「C1(H)」)を含むとともに、EXTデータとして保留記憶数の値を設定した演出制御コマンドを送信する。
また、例えば、同じ第1保留記憶数を指定する場合に、MODEデータを共通にし、EXTデータを異ならせることによって、第1保留記憶数の加算または減算を指定した演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。例えば、共通のMODEデータ「C0(H)」を用い、第1保留記憶数の減算を指定する場合にはコマンドC000(H)を送信するようにし、第1保留記憶数の加算を指定する場合にはコマンドC001(H)を送信するようにしてもよい。さらに、第2保留記憶数を指定する場合にはMODEデータを異ならせて、第2保留記憶数の減算を指定する場合にはコマンドC100(H)を送信するようにし、第2保留記憶数の加算を指定する場合にはコマンドC101(H)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果(始動入賞が生じたときに実行される判定処理の結果)の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施の形態では、入賞時判定処理(図25参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14において始動入賞が生じたときに、その始動入賞にもとづいて大当りとなるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに判定結果を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。
図16は、入賞時判定結果指定コマンドおよびスキップポイント指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。入賞時判定処理において、はずれになると判定された場合には、はずれに応じた入賞時判定結果指定コマンド(図16に示す入賞時判定結果1指定コマンド)が送信される。大当りになると判定された場合には、大当りの種類に応じた入賞時判定結果指定コマンド(図16に示す入賞時判定結果2指定コマンド〜入賞時判定結果6指定コマンド)が送信される。小当りになると判定された場合には、小当りに応じた入賞時判定結果指定コマンド(図16に示す入賞時判定結果7指定コマンド)が送信される。また、特別図柄変動中処理において、スキップ可能なスキップポイントがあると判定された場合には、スキップ可能なスキップポイントに応じたスキップポイント指定コマンドが送信される。具体的には、第1スキップポイントにスキップ可能であると判定された場合には、図16に示すスキップポイント1指定コマンドが送信され、第2スキップポイントにスキップ可能であると判定された場合には、図16に示すスキップポイント2指定コマンドが送信され、最終スキップポイントにスキップ可能であると判定された場合には、図16に示すスキップポイント3指定コマンドが送信される。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞時判定処理において大当りとなるかを判定し、その判定結果を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信するが、始動入賞したときに、特別図柄の表示結果がいずれの表示結果になるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したかとに応じた入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。
その場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値と一致する場合には変動パターン種別を認識できるとともに、表示結果が大当りになるか否かも認識できる。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13への始動入賞時であるか第2始動入賞口14への始動入賞時であるかに関わらず、共通の入賞時判定結果指定コマンドを送信するが、第1始動入賞口13への始動入賞時と第2始動入賞口14への始動入賞時とで異なる入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。その場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1始動入賞口13への始動入賞に対応する第1保留記憶についての演出と、第2始動入賞口14への始動入賞に対応する第2保留記憶についての演出とを異ならせることができる。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図15に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
なお、この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
また、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
次に、CPU56が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)を説明する。図17は、普通図柄プロセス処理を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理において、CPU56は、ゲート32がオン状態となったこと、すなわち遊技球がゲート32を通過したことを検出すると(ステップS411)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS412)を実行する。その後、ステップS400〜S404のいずれかの処理を実行する。
ステップS400〜S404の処理は、以下のような処理である。
普通図柄通常処理(ステップS400):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行されている状態でなく、かつ、可変入賞球装置15の開放状態でない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン設定処理(ステップS401)を示す値(この例では「1」)に更新する。
普通図柄変動パターン設定処理(ステップS401):普通図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(普通図柄の変動時間)に相当する値を普通図柄プロセスタイマにセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS402)に応じた値(この例では「2」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS402):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止する。また、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間に相当する値をセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせ、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止時処理(ステップS403)を示す値(この例では「3」)に更新する。
普通図柄停止時処理(ステップS403):CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるか否か確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS400)を示す値(この例では「0」)に更新する。普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間に相当する値をセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、可変入賞球装置(普通電動役物)15を開放状態にする。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS404)を示す値(この例では「4」)に更新する。
普通電動役物開放中処理(ステップS404):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、可変入賞球装置15を閉鎖状態にして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS400)を示す値(この例では「0」)に更新する。
図18は、普通図柄の当りに関する判定値が設定された普通図柄当り決定テーブルの一例を示す説明図である。図18には、判定値そのものではなく、判定値数が示されている。この実施の形態では、普通図柄当り判定用乱数がとりうる範囲は1〜250であるが、普通図柄当り決定テーブルには、普通図柄当り判定用乱数値と比較され判定値が設定されている。
図18(A)には、低ベース状態で使用されるテーブルが示されている。図18(A)に示すように、低ベース状態では、2/250の確率で当りと判定される。当りと判定された場合には、可変入賞球装置(普通電動役物)15が1回開放(開放時間は5.8秒)する。なお、低ベース状態では、普通図柄の変動時間(可変表示時間)は、10秒である。ただし、普通図柄の変動時間として複数種類の変動時間を用意し、CPU56は、使用する変動時間をそれらのうちから選択するようにしてもよい。また、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間(例えば、5.8秒よりも短い時間)のいずれかまたは双方を複数種類用意し、CPU56は、開放回数および開放時間のいずれかまたは双方を選択するようにしてもよい。
図18(B)には、高ベース状態(時短状態)で使用されるテーブルが示されている。図18(B)に示すように、高ベース状態では、249/250の確率で当りと判定される。当りと判定された場合には、可変入賞球装置(普通電動役物)15が3回開放(各々の開放時間は1.8秒)する。なお、高ベース状態では、普通図柄の変動時間(可変表示時間)は、1.5秒である。図18に示すように、遊技状態が低ベース状態のときは低い確率で当りになり、高ベース状態のときは極めて高い確率(この例では、略100%であるが、100%でもよい。)で当りになる。
図19は、ゲートスイッチ通過処理を示すフローチャートである。ゲートスイッチ通過処理において、CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する(ステップS415)。最大値に達していなければ、CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1し(ステップS416)、ソフトウェア乱数である普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出して、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域に格納する(ステップS417)。また、CPU56は、普通図柄保留記憶表示器41の点灯個数を1増やす(ステップS418)。
CPU56は、ステップS400の普通図柄通常処理において、普通図柄の変動を開始することができる状態であり、かつ、ゲート通過記憶数が0でなければ、保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数の値と図18に示された普通図柄当り決定テーブルとを用いて、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。すなわち、普通図柄当り判定用乱数の値が普通図柄当り決定テーブルに設定されている判定値(当りに対応する判定値)のいずれかの一致する場合に、当りと判定する。当りと判定した場合には、普通図柄当りフラグをセットする。なお、CPU56は、遊技状態が低ベース状態であれば(時短フラグがセットされていなければ)、図18(A)に示されたテーブルを使用し、高ベース状態であれば(時短フラグがセットされていれば)、図18(B)に示されたテーブルを使用する。
図20は、普通図柄プロセス処理における普通図柄変動パターン設定処理(ステップS401)を示すフローチャートである。普通図柄変動パターン設定処理において、CPU56は、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否か確認する(ステップS431)。具体的には、時短フラグがセットされているか否か確認する。高ベース状態である場合には、普通図柄プロセスタイマに1.5秒に相当する値を設定する(ステップS432)。低ベース状態である場合には、普通図柄プロセスタイマに10秒に相当する値を設定する(ステップS433)。
また、普通図柄通常処理で当りに決定されている場合(普通図柄当りフラグがセットされている場合)には(ステップS435)、普通図柄の表示結果を当りにすることに決定されているとともに普通図柄の変動を開始することを示す普通図柄開始指定(当り)コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS436)。普通図柄通常処理ではずれに決定されている場合には、普通図柄の表示結果をはずれにすることに決定されているとともに普通図柄の変動を開始することを示す普通図柄開始指定(はずれ)コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS437)。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS402)に対応した値(具体的には「2」)に更新する(ステップS438)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
また、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動処理(ステップS402)に対応した値であるときに、ステップS33の普通図柄表示制御処理で普通図柄の可変表示(変動)を実行する。
そして、CPU56は、普通図柄変動処理において、普通図柄プロセスタイマの値を1ずつ減算し、普通図柄プロセスタイマの値が0になると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止時処理(ステップS403)に対応した値(具体的には「3」)に更新する。なお、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止時処理に対応した値にする前に、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間(停止図柄を表示する時間)をセットする。
図21は、普通図柄停止時処理(ステップS403)を示すフローチャートである。普通図柄停止時処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS451)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS452)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは、CPU56は、普通図柄当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS453)。
普通図柄当りフラグがセットされているときは、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間(5.8秒または1.8秒)に相当する値をセットする(ステップS454)。
また、CPU56は、可変入賞球装置(普通電動役物)15を開放状態にし(ステップS455)、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS404)を示す値(具体的には「4」)に更新する(ステップS456)。
ステップS453において、普通図柄当りフラグがセットされていないと判定したときは、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS400)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS457)。
CPU56は、普通電動役物開放中処理において、普通図柄プロセスタイマの値を1ずつ減算し、普通図柄プロセスタイマの値が0になると、可変入賞球装置(普通電動役物)15を閉鎖状態にする。そして、普通電動役物作動時間が5.8秒であった場合(1回の開放が行われる場合すなわち低ベース状態の場合)には、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS400)を示す値(具体的には「0」)に更新する。普通電動役物作動時間が1.8秒であった場合(3回の開放が行われる場合すなわち高ベース状態の場合)には、3回の開放が完了しているときには、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS400)を示す値に更新する。3回の開放が完了していないときには、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間(1.8秒)に相当する値をセットし、再び、可変入賞球装置15を開放状態にする。なお、CPU56は、可変入賞球装置15を直ちに開放状態にするのではなく、所定のインターバル時間が経過したときに開放状態にする。
図22は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS321)。また、特別図柄プロセスフラグの値に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄の表示結果が導出表示された後、大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口(第1大入賞口)を開放状態にする。または、モータ24を駆動して、大入賞口(第2大入賞口)を形成する可動部材76を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口(第2大入賞口)を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図23は、ステップS321の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認する(ステップS211A)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212A)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS211Bに移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213A)、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214A)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図24参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215A)。ステップS215Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
図24は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図24に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。RAMに形成されているとは、RAM内の領域であることを意味する。
次いで、CPU56は、入賞時判定処理を行う(ステップS216A)。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS217A)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS211B)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212B)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213B)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214B)。
そして、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215B)。ステップS215Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時判定処理を行う(ステップS216B)。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS217B)。
図25は、ステップS216A,S216Bの入賞時判定処理を示すフローチャートである。
この実施の形態では、特別図柄および飾り図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理において大当りとするか否かや大当り種別を決定するのであるが、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングでも、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、図25に示す入賞時判定処理を実行することによって、大当りになるか否かをあらかじめ判定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りになることを予告するための所定の予告演出を実行する。
なお、入賞時判定処理において、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になるかをあらかじめ判定する場合には、すなわち、特別図柄および飾り図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動パターン種別を判定する場合には、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りなることを予告するための予告演出に加えて、スーパーリーチになることを予告するための予告演出も実行することができる。
入賞時判定処理では、CPU56は、まず、ステップS215A,S215Bの処理で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。大当り判定値と一致する場合には、ステップS223に移行する。ステップS220で大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しないことを確認した場合には、CPU56は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変フラグがセットされている場合には、ステップS215A,S215Bの処理で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。一致する場合には、ステップS223に移行する。
ステップS223では、CPU56は、ステップS215A,S215Bの処理で抽出し保留記憶バッファに保存された大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当たりの種別を判定する。ステップS223では、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図23に示す始動口スイッチ通過処理でステップS216Aの処理を実行している場合)には、図10(A)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別(「15R通常大当り」、「2R確変大当り」、「突確見せかけ大当り」、「突確大当り」または「15R確変大当り」)を判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図23に示す始動口スイッチ通過処理でステップS216Bの処理を実行している場合)には、図10(B)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別を判定する。
そして、図15に示す入賞時判定結果指定コマンドに設定するEXTデータの値を大当りの種別に応じた値にする(ステップS224)。その後、ステップS231に移行する。
ステップS222の処理で大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しないことを確認した場合には、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)がいずれかの小当り判定値と一致するか否か確認する(ステップS228)。いずれの小当り判定値とも一致しない場合には、ステップS231に移行する。
小当り判定値と一致した場合には、図15に示す入賞時判定結果指定コマンドに設定するEXTデータの値を小当りに応じた値にする(ステップS229)。そして、ステップS231に移行する。
小当り判定値と一致しない場合には、入賞時判定結果指定コマンドに設定するEXTデータの値をはずれに応じた値にする(ステップS230)。そして、ステップS231に移行する。
ステップS231では、CPU56は、EXTデータが設定された入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
図26および図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。
なお、CPU56は、ステップS51Aの処理で、合算保留記憶数の値が0になってから所定時間(例えば、1分)が経過したときに客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行う。そのような制御を実現するために、例えば、CPU56は、合算保留記憶数の値が0になったときに所定のタイマをスタートし、合算保留記憶数の値が1に変化した場合にはタイマを停止するが、タイマが停止せずタイマの値が所定値になったときに客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行う。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。つまり、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄保留記憶表示器(第1特別図柄保留記憶表示器18aまたは第2特別図柄保留記憶表示器18b)の点灯個数を1減らす(ステップS57)。また、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタまたは第2保留記憶数カウンタ)の値を1減らす(ステップS58)。また、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS59)。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当りにするか否か決定する。すなわち、大当り判定用乱数の値が大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値(図8参照)のいずれかに一致するか否か判定する(ステップS61)。なお、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とを比較する処理)を行う。具体的には、CPU56は、現在の遊技状態に応じて、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、15R確変大当り、突確見せかけ大当りまたは突確大当りとすることに決定された後大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当りとすることに決定した場合には、ステップS65に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
ステップS61で、ランダムR(大当り判定用乱数)の値がいずれの大当り判定値にも一致しないことを確認した場合には、CPU56は、小当り判定テーブル(図9(B),(C)参照)を使用して小当り判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数の値が図9(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。ランダムRの値が小当り判定値に一致しない場合には、すなわち、はずれである場合には、ステップS73に移行する。なお、ステップS62の処理では、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図9(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図9(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。
そして、大当り判定用乱数の値がいずれかの小当り判定値に一致する場合には(ステップS62)、すなわち、小当りとすることに決定した場合には、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS73に移行する。
ステップS65では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS66)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図10(A)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図10(B)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「15R通常大当り」、「2R確変大当り」、「突確見せかけ大当り」、「突確大当り」、「15R確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS67)。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS68)。例えば、大当り種別が「15R通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、「2R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、「突確見せかけ大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、「突確大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定され、「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「05」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS73)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄である「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄である「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「15R通常大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。「2R確変大当り」に決定した場合には「9」を特別図柄の停止図柄に決定する。「突確見せかけ大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。「突確大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄である「2」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS74)。
図28は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132B(図11(A),(B)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132C(図11(C)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。時短フラグがセットされている場合には、CPU56は、ステップS99に移行する。
時短フラグがセットされていない場合には、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図12(A)参照)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS102に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図12(B)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS102に移行する。
時短フラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図12(C)参照)を選択する(ステップS99)。そして、ステップS102に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S99の処理が実行されることによって、合算保留記憶数が3以上である場合には、図12(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が時短状態である場合には、図12(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、ステップS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図14参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図12(C)参照)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図12(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS95で時短フラグがセットされていると判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図12(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97、S98またはS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図13参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図14参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS107)。
次いで、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、CPU56は、スキップ可否判定処理を行う(ステップS109)。
図29は、スキップ可否判定処理(ステップS109)を示すフローチャートである。スキップ可否判定処理において、CPU56は、決定された変動パターンにスキップポイントが設定されていることを示すスキップ可フラグをオフにする(ステップS1091)。次いで、CPU56は、ステップS105で決定された変動パターンにスキップポイントが設けられているか否かを判定し(ステップS1092)、設けられていると判定した場合には、スキップ可フラグをオンにして(ステップS1093)、スキップ可否判定処理を終了する。また、スキップポイントが設けられていないと判定した場合には、CPU56は、そのままスキップ可否判定処理を終了する。なお、全ての変動パターンにスキップポイントが設定されている場合には、変動パターン設定処理においてスキップ可否判定処理を省略することができる。
スキップ可否判定処理が終了すると、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS110)。
なお、はずれと決定されている場合において、リーチに関わりなく変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S99,S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図12に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図12に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、入賞時判定処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」になるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチになるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。
図30は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果7指定のいずれかの表示結果指定コマンド(図15参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS111)。セットされていない場合には、ステップS113に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別に応じた表示結果指定コマンド(表示結果2指定コマンド〜表示結果5指定コマンドのいずれか)を送信する制御を行う(ステップSS112)。そして、ステップS116に移行する。
ステップS113では、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、表示結果7指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS114)。小当りフラグもセットされていないときは、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。そして、ステップS116に移行する。
ステップS116では、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。ステップS116では、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
また、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS117)。
図31は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄の停止時柄を導出表示し(ステップS127)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS128)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS129)。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS126のN)、CPU56は、プッシュフラグがオンであるか否かを判定し(ステップS12601)、プッシュフラグがオンであると判定した場合には、スキップ可フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS12602)。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動中に遊技者によってプッシュボタン120を押下する操作が行われると、入力ドライバ回路58は、プッシュセンサ124からのプッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える。そして、操作検出信号が与えられると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プッシュフラグをオンにする。
スキップ可フラグがオンであると判定した場合には、CPU56は、スキップ可能なスキップポイントがあるか否かを判定する(ステップS12603)。例えば、CPU56は、図7に示される変動パターンの特別変動時間と変動時間タイマが示す時間との差を求めることで変動開始からの経過時間を算出する。また、CPU56は、算出した経過時間と変動パターンに設定された各スキップポイントとを比較し、経過時間より後に設定されたスキップポイントがあるか否かを判定する。そして、経過時間より後に設定されたスキップポイントがあると判定した場合には、CPU56は、スキップ可能なスキップポイントがあると判定する。なお、経過時間より後に設定されたスキップポイントが複数ある場合には、複数のうち最も数値の小さいスキップポイントをスキップ可能なスキップポイントと判定する。
スキップ可能なスキップポイントがあると判定した場合には、CPU56は、スキップ可能と判定したスキップポイントに応じて、図16に示されるスキップポイント指定コマンドを送信する(ステップS12604)。具体的には、第1スキップポイントにスキップ可能であると判定した場合には、スキップポイント1指定コマンドを送信し、第2スキップポイントにスキップ可能であると判定した場合には、スキップポイント2指定コマンドを送信し、最終スキップポイントにスキップ可能であると判定した場合には、スキップポイント3指定コマンドを送信する。そして、CPU56は、変動時間タイマに、変動パターンの特図変動時間からスキップ可能であると判定したスキップポイントが示す時間を引いた時間に相当する値を設定する(ステップS12605)。その後、CPU56は、プッシュフラグをオフにし(ステップS12606)、特別図柄変動中処理を終了する。また、ステップS12601でプッシュフラグがオンでないと判定された場合、ステップS12602でスキップ可フラグがオンでないと判定された場合、またはステップS12603でスキップ可能なスキップポイントがないないと判定された場合には、ステップS12606に移行した後に、特別図柄変動中処理を終了する。
図32は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が15R通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が見せかけ大当りまたは突確大当りである場合には大当り開始3/小当り指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別は、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)によって判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、15)をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
また、ステップS133で大当りフラグがセットされていないことを確認した場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS140)。セットされている場合には、ステップS147に移行する。確変フラグがセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態ではないが、時短状態である場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。また、低ベース状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS146)。
ステップS147では、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する。小当りフラグがセットされていない場合には、ステップS152に移行する。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始3/小当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS148)。また、大入賞口制御タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS149)。また、開放回数カウンタに開放回数(具体的には、2回)をセットする(ステップS150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS151)。
ステップS152では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する。
図33は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り/小当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、大当りの種別が確変大当(15R確変大当り、2R確変大当り、見せかけ大当りまたは突確大当り)りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS68の処理で大当り種別バッファに設定されたデータによって判定される。確変大当りでない場合には、15R通常大当りであれば(ステップS170)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS171)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS172)。そして、ステップS173に移行する。
確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、2R確変大当り以外の場合には時短フラグをセットする(ステップS168)。そして、ステップS173に移行する。なお、この実施の形態では、2R確変大当りの場合には遊技状態を時短状態に移行させないが、2R確変大当りの場合に時短フラグをセットして時短状態に移行させるようにしてもよい。
ステップS166〜S170の処理が実行されることによって、この実施の形態では、確変大当りにもとづく大当り遊技を終了するときに、2R確変大当り以外が発生した場合に確変状態(高確率状態)に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される(すなわち、高確率/高ベース状態に移行される)。2R確変大当り以外が発生した場合には、高確率/低ベース状態に移行される。
なお、この実施の形態では、ステップS168,S171の処理でセットされた時短フラグは、可変入賞球装置15の開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。また、時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
ステップS173では、CPU56は、現在の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンド(低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドまたは確変状態指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。ステップS173の処理で、CPU56は、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、高ベース状態指定コマンドを送信する制御を行う。時短フラグがセットされていない場合には、低ベース状態指定コマンドを送信する制御を行う。また、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態指定コマンドを送信する制御を行う。確変フラグがセットされていない場合には、非確変状態指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技が終了する度に遊技状態指定コマンドを送信するが、例えば、遊技状態指定コマンドを送信しようとする前に、遊技状態が変化したか否かを判定し、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを送信するようにしてもよい。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS174)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図34は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、ステップS705〜S706の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS705)。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存されている。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101が、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図15および図16参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
図35〜図37は、コマンド解析処理(ステップS705)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS615)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に、デモンストレーション画面を表示する(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS622)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS623)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果7指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS627)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンドまたは大当り開始3/小当り開始指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグまたは大当り開始3/小当り開始指定コマンド受信フラグ)をセットする(ステップS632)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS635)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS636)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS637)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS638)。
受信した演出制御コマンドが大当り/小当り終了指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り/小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。
受信した演出制御コマンドが普通図柄変動開始指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
ステップS644では、演出制御用CPU101は、普通図柄変動開始指定(当り)コマンドを受信した場合には普通図柄変動開始指定(当り)コマンド受信フラグをセットし、普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンドを受信した場合には普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数カウンタの値または第2保留記憶数カウンタの値を+1する(ステップS646)。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示(第1保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合)、または第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示(第2保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合)を更新する(ステップS647)。具体的には、表示数を1増やす。なお、第1保留記憶数カウンタおよび第2保留記憶数カウンタは、RAMに形成されている、
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS648)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数カウンタの値または第2保留記憶数カウンタの値を−1する(ステップS649)。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示(第1保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合)、または第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示(第2保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合)を更新する(ステップS650)。具体的には、表示数を1減らす。
受信した演出制御コマンドがいずれかの入賞時判定結果指定コマンド(図16参照)であれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、受信した入賞時判定結果指定コマンドを入賞時判定結果記憶バッファに保存する(ステップS662)。
受信した演出制御コマンドが遊技状態指定コマンド(低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドまたは確変状態指定コマンド:図15参照)であれば(ステップS670)、演出制御用CPU101は、RAMに確保されている遊技状態データの領域に、受信した遊技状態指定コマンドで特定される遊技状態に応じた値を設定する(ステップS671)。以下、遊技状態データの領域に設定された値を遊技状態データという。
受信した演出制御コマンドがスキップポイント指定コマンド(スキップポイント1指定コマンド、スキップポイント2指定コマンドまたはスキップポイント3指定コマンド:図16参照)であれば(ステップS672)、演出制御用CPU101は、コマンドに応じてスキップポイント指定コマンド受信フラグ(スキップポイント1指定コマンド受信フラグ、スキップポイント2指定コマンド受信フラグまたはスキップポイント3指定コマンド受信フラグ)をセットする(ステップS673)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS674)。そして、ステップS611に移行する。
図38は、遊技状態データの値の一例を示す説明図である。図38に示す例では、低確率低ベース状態(非確変非時短状態)であるときには遊技状態データの値は「01(H)」である。低確率高ベース状態(非確変時短状態)であるときには遊技状態データの値は「02(H)」である。高確率低ベース状態(確変非時短状態)であるときには遊技状態データの値は「03(H)」である。高確率高ベース状態(確変時短状態)であるときには遊技状態データの値は「04(H)」である。
なお、演出制御用CPU101は、ステップS671の処理で、受信した遊技状態指定コマンドとそのときの遊技状態に応じて遊技状態データの値を設定する。一例として、低確率低ベース状態(遊技状態データの値は「01(H)」である。)において高ベース状態指定コマンドを受信した場合には、低確率高ベース状態であることを示す「02(H)」を設定する。高確率高ベース状態(遊技状態データの値は「04(H)」である。)において低ベース状態指定コマンドを受信した場合には、高確率低ベース状態であることを示す「03(H)」を設定する。
図39は、入賞時判定結果(具体的には、入賞時判定結果指定コマンドであるが、そのEXTデータでもよい。)を保存する領域(入賞時判定結果記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図39に示すように、この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動口14への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する入賞時判定結果記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)と第2保留記憶数の上限値(この例では4)との和(すなわち、合算保留記憶数の上限値)に対応した保存領域が確保されている。なお、入賞時判定結果記憶バッファは、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMに形成されている。
演出制御用CPU101は、ステップS662の処理で、入賞時判定結果指定コマンドを、入賞時判定結果記憶バッファにおける合算保留記憶数の値に応じた保存領域に保存する。
図40は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図40に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、擬似連変動時仮停止図柄乱数SR2、および予告演出決定用乱数SR3を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、飾り図柄の可変表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、飾り図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの飾り図柄のことである。なお、飾り図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
擬似連変動時仮停止図柄乱数SR2は、擬似連演出を伴う飾り図柄の変動中に仮停止表示させる図柄(仮停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。
予告演出決定用乱数SR3は、予告演出を実行するか否かと、実行する場合の演出の種類を決定するための乱数である。
図41は、図34に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、飾り図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。
また、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生(または、小当りの発生)を報知するための画面(ファンファーレ画面)を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態(または、小当り遊技状態)が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図42は、図41に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図43は、図41に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した変動パターンコマンド)を読み出す(ステップS820)。また、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)を読み出す(ステップS821)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドと表示結果指定コマンドとにもとづいて、飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS823)。そして、決定された飾り図柄の表示結果を、RAMに形成されている飾り図柄表示結果格納領域に格納する(ステップS824)。
図45は、飾り図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図45に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが15R通常大当りまたは15R確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドまたは表示結果6指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。ただし、受信した表示結果指定コマンドが15R通常通常大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)には、停止図柄として、偶数図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが15R確変大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果6指定コマンドである場合)には、停止図柄として、奇数図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。
具体的には、15R通常大当りまたは15R確変大当りにすることに決定されている場合には、SR1−1を抽出し、SR1−1を用いて左中右の停止図柄(左中右の図柄が揃った飾り図柄の組合せ)を決定する。15R通常大当りにすることに決定されているときには、決定された図柄が奇数図柄であった場合には、例えば1つずらした図柄を停止図柄にする。また、15R確変大当りにすることに決定されているときには、決定された図柄が偶数図柄であった場合には、例えば1つずらした図柄を停止図柄にする。
受信した表示結果指定コマンドが2R確変大当り、突確見せかけ大当り、突確大当りまたは小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンド、表示結果4指定コマンド、表示結果5指定コマンドまたは表示結果7指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄としてチャンス目である「135」の組合せを決定する。
はずれの場合には、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する(下記の擬似連のチャンス目を除く。)。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。
具体的には、演出制御用CPU101は、例えば、はずれ図柄にすることに決定されていない場合であって、かつ、リーチすることに決定されていない場合には、SR1−1〜SR1−3を抽出し、SR1−1を用いて左図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定し、SR1−3を用いて右図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合には、SR1−1〜SR1−2を抽出し、SR1−1を用いて左右図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定する。なお、決定された左中右図柄がチャンス目であった場合には、例えば、左図柄を1図柄ずらす。
そして、演出制御用CPU101は、決定した停止図柄をRAMの保存領域(飾り図柄表示結果格納領域)に保存する(ステップS824)。なお、飾り図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、15R大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
また、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファ(図39参照)の1つ目の格納領域(格納領域1)に格納されている入賞時判定結果指定コマンドを削除し、入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする(ステップS825)。
そして、演出制御用CPU101は、擬似連演出設定処理を行う(ステップS826)。擬似連演出設定処理は、例えば、以下のように実行される。まず、演出制御用CPU101は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが「擬似連」の可変表示演出を実行する場合に対応した擬似連変動パターンであるか否かを判定する。演出制御用CPU101は、例えば、変動パターンが、図7に示す変動パターンのうちの非リーチPA1−4、ノーマルPB2−1、ノーマルPB2−2、ノーマルPA3−1、ノーマルPA3−2、ノーマルPB2−3、ノーマルPB2−4、ノーマルPA3−3、ノーマルPA3−4および特殊PG1−3のいずれかであるか否かを判定すればよい。擬似連変動パターンでないと判定された場合には、演出制御用CPU101は、擬似連演出設定処理を終了する。
また、擬似連変動パターンであると判定された場合には、演出制御用CPU101は、「擬似連」の可変表示演出における1回目の仮停止図柄を決定する。ここでは、演出制御用CPU101は、「擬似連」の可変表示演出における1回目の仮停止図柄として、擬似連チャンス目を構成する演出図柄の組合せを決定する。
図46は、擬似連演出における仮停止図柄を示す説明図である。図46に示すように、この実施の形態では、仮停止図柄として、チャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)が決定される。例えば、図46に示される擬似連チャンス目GC1〜GC8と、乱数の範囲が1〜8であるSR2とを予め対応づけておき、演出制御用CPU101は、SR2を抽出し、抽出したSR2に対応付けられた擬似連チャンス目を仮停止図柄として決定するようにしてもよい。なお、擬似連チャンス目は、図46に例示されるものに限らず、例えば、「123」などでもよい。
このとき、例えば、複数種類の擬似連チャンス目のいずれかに略均等割合で決定されるのではなく、可変表示結果が「大当り」となるか否かや、変動パターン(擬似連変動の回数など)に応じて、異なる割合でいずれかに決定されるようにしてもよい。このようにすることで、いずれの擬似連チャンス目となるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる割合が高いことや、擬似連変動の回数が多くなりやすいことなどを示唆することができるようになる。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンが擬似連変動1回である変動パターンであるか否かを判定する。演出制御用CPU101は、例えば、変動パターンが、図7に示す、非リーチPA1−4、ノーマルPB2−1、ノーマルPB2−3および特殊PG1−3のいずれかであるか否かを判定すればよい。そして、擬似連変動1回である変動パターンであると判定された場合には、演出制御用CPU101は、擬似連演出設定処理を終了する。
また、擬似連変動が1回である変動パターンでないと判定された場合、演出制御用CPU101は、「擬似連」の可変表示演出における2回目の仮停止図柄を決定する。なお、2回目の仮停止図柄の決定割合を1回目と異ならせるようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンが擬似連変動2回である変動パターンであるか否かを判定する。演出制御用CPU101は、例えば、変動パターンが、図7に示す、ノーマルPB2−2およびノーマルPB2−4のいずれかであるか否かを判定すればよい。擬似連変動が2回である変動パターンであると判定された場合には、演出制御用CPU101は、擬似連演出設定処理を終了する。
また、擬似連変動が2回である変動パターンでないと判定された場合には、演出制御用CPU101は、「擬似連」の可変表示演出における3回目の仮停止図柄を決定し、擬似連演出設定処理を終了する。なお、3回目の仮停止図柄の決定割合を1回目や2回目と異ならせるようにしてもよい。
ステップS826にて以上のような擬似連演出設定処理を実行した後には、演出制御用CPU101は、予告演出を実行するか否かと、実行する場合の具体的な演出内容を設定するための予告演出設定処理を実行する(ステップS827)。
この実施の形態では、変動表示を開始させてから表示結果を導出表示させるまでの間に行う予告演出として、キャラクタ等の画像を表示させ、所定タイミングで次々と表示させる画像を切り替えていくステップアップ予告演出を実行する。予告演出設定処理において、演出制御用CPU101は、予告演出決定用の乱数SR3に基づいて、図44に示す予告演出決定テーブルを用いて、予告演出を決定する。具体的には、演出制御用CPU101は、予告演出決定用の乱数SR3の値を抽出し、抽出した乱数値とはずれ時、大当り時にそれぞれ設けられた予告演出決定テーブルに設定されている判定値とを比較する。そして、乱数値と一致する判定値に割り当てられた予告演出(「0段階」、「1段階」・・・)にもとづいて、予告演出の有無と演出態様を決定する。図44に示されるように、はずれ時よりも大当り時の方が、多くのステップアップを含む予告演出が実行される割合が高い。よって、遊技者にとっては、多くのステップアップを含む予告演出が実行されることが望ましい。なお、ステップアップ予告演出は、1回の切り替えのタイミングで1段階上の演出が行われるものに限らず、1回の切り替えのタイミングで2段階上の演出が行われるものであってもよい。すなわち、第1段階の画像が表示された後に、切り替えタイミングで第3段階の画像が表示されてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターン、擬似連演出設定および予告演出設定に応じたプロセステーブル(図47参照)を選択する(ステップS828)。また、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS829)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS830)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS831)。その後、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS832)。
図47は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)の組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。
図47に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや演出種類に応じて用意されている。また、大当りの報知に関する演出や大当り遊技中の演出を実行するためのプロセステーブルも用意されている。
なお、この実施の形態では、飾り図柄の変動に関わる画像データは、プロセステーブルには設定されていない。飾り図柄の変動自体は、演出制御用CPU101によって、プロセステーブルを使用せずに直接制御される。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
図48は、図41に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B)。
次いで、演出制御用CPU101は、スキップポイント指定コマンド受信フラグ(スキップポイント1指定コマンド受信フラグ、スキップポイント2指定コマンド受信フラグまたはスキップポイント3指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否かを判定する(ステップS840C)。そして、スキップポイント指定コマンド受信フラグがセットされていると判定した場合には、演出制御用CPU101は、示唆演出設定処理を行う(ステップS840D)。
図49は、示唆演出設定処理を示すフローチャートである。示唆演出設定処理において、演出制御用CPU101は、スキップポイント3指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS840D1)、スキップポイント3指定コマンド受信フラグがセットされていると判定した場合には、飾り図柄変動開始処理において決定された擬似連演出設定および予告演出設定に応じて、示唆演出パターンを決定し(ステップS840D2)、示唆演出設定処理を終了する。図50は、示唆演出パターン決定テーブルの具体例を示す説明図である。ステップS840D2において、例えば、演出制御用CPU101は、図50に示す示唆演出パターン決定テーブルに基づいて、予告演出におけるステップアップの段階と、擬似連演出における仮停止回数とに対応する示唆演出パターンを決定する。また、スキップポイント3指定コマンド受信フラグがセットされていると判定した場合には、演出制御用CPU101は、そのまま示唆演出設定処理を終了する。
ステップS840Dで示唆演出設定処理が終了すると、演出制御用CPU101は、示唆演出設定(具体的には示唆演出設定パターン)、変動パターンおよびスキップポイント指定コマンドによって特定されるスキップポイントに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS840E)。また、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS840F)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS840G)。
ステップS840Gの処理を実行した後、またはステップS840Cでスキップポイント指定コマンド受信フラグがセットされていないと判定した場合には、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS841)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS842)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS842)。また、その次に設定されている内容(表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データ)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS843)。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS844)。変動時間タイマがタイムアウトしているときには、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS846)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS845)、演出制御用CPU101は、ステップS846の処理を実行する。
図51は、図41に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされていたら確定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS8300)。また、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って演出表示装置9において停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS8301)。
次いで、演出制御用CPU101は、大当りにすることに決定されているか否か確認する(ステップS8302)。大当りにすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りにすることに決定されているか否か確認することもできる。大当りとすることに決定されていない場合には、ステップS8311に移行する。
大当りにすることに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、大当りの開始を報知する演出(ファンファーレ演出)に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8304)。
そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8305)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8306)。
その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8307)。
ステップS8311では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する。
その後、演出制御用CPU101は、図41に示すように、大当り表示処理、ラウンド中処理、ラウンド後処理、大当り終了演出処理(それらの処理を大当り遊技中演出とする。)を順次実行するが、大当り遊技中演出において、以下のような処理を行ってもよい。
すなわち、突然確変大当りまたは小当りであった場合には大当り遊技中演出で、確変潜伏大当り中演出(遊技状態が確変状態になるのか否か不明な演出)を実行した後、確変潜伏演出モード(遊技状態が確変状態であるのか否かを判別不能にするための演出が実行されるモード)への突入演出を実行する。2R確変大当りであった場合には大当り遊技中演出で、2R確変大当り中演出(確変潜伏大当り中演出と同じ演出であってもよい。)を実行した後、突確モード(遊技状態が確変状態であることを判別可能にするための演出が実行されるモード)への突入演出を実行する。突確見せかけ大当りであった場合には大当り遊技中演出で、確変潜伏大当り中演出を実行した後、突確モードへの突入演出を実行するが、突確モードに移行することなく確変状態であることを報知する演出を行う。
次に、この実施の形態の予告演出の具体例を説明する。図52は、ステップアップ予告演出の一例を示す説明図である。ステップアップ予告演出では、図52(a)に例示されるように、演出表示装置9において左中右の飾り図柄が変動(可変表示)している状態から、演出表示装置9の表示画面に1段階目のステップアップを示す気球の画像が表示される制御が行われる(図52(b))。次いで、図52(c)に例示されるように、演出表示装置9の表示画面において、1段階目のステップアップを示す気球の画像から2段階目のステップアップを示すプロペラ機の画像に切り替えて表示される制御が行われる。次いで、図52(d)に例示されるように、演出表示装置9の表示画面において、2段階目のステップアップを示すプロペラ機の画像から3段階目のステップアップを示すジェット機の画像に切り替えて表示される制御が行われる。次いで、図52(e)に例示されるように、演出表示装置9の表示画面において、3段階目のステップアップを示すジェット機の画像から4段階目のステップアップを示すロケットの画像に切り替えて表示される制御が行われる。次いで、図52(f)に例示されるように、演出表示装置9の表示画面において、4段階目のステップアップを示すロケットの画像から5段階目のステップアップを示すUFOの画像に切り替えて表示される制御が行われる。その後、図52(g)に例示されるように、左右の飾り図柄がリーチ状態で停止表示される制御が行われる。なお、左中右の飾り図柄の変動は、図52(a)〜図52(f)に示されるステップアップ予告演出が実行されている期間中継続して実行されている。
次に、この実施の形態の示唆演出の具体例を説明する。図53は、スキップポイントへのスキップが行われた後に示唆演出が行われる変動表示の一例を示す説明図である。図53(a)〜(i)には、スキップが行われることなく、ステップアップ予告演出と擬似連演出とが行われた後にリーチ状態に制御される変動表示が例示されている。具体的には、演出表示装置9において左中右の飾り図柄が変動(可変表示)している状態から(図53(a))、演出表示装置9の表示画面に1段階目のステップアップを示す気球の画像が表示される制御が行われる(図53(b))。そして、演出表示装置9の表示画面に擬似連チャンス目が仮停止表示(1回目)される制御が行われる(図53(c))。
次いで、左右中の飾り図柄が再変動(再可変表示)し(図53(d))、演出表示装置9の表示画面に3段階目のステップアップを示すジェット機の画像が表示される制御が行われる(図53(e))。そして、演出表示装置9の表示画面に擬似連チャンス目が仮停止表示(2回目)される制御が行われる(図53(f))。
次いで、左右中の飾り図柄が再変動(再可変表示)し(図53(g))、演出表示装置9の表示画面に5段階目のステップアップを示すUFOの画像が表示される制御が行われる(図53(h))。その後、演出表示装置9の表示画面に左右の飾り図柄がリーチ状態で停止表示される制御が行われる(図53(i))。
図53(j)〜(p)は、スキップが行われた後の変動表示が例示されている。図53(j)〜(o)は、スキップが行われない場合の変動表示を示す図53(a)〜(i)のうちの図53(c)〜(h)の表示態様にそれぞれ相当する。図53に示されるように、図53(a)〜(b)の期間中にプッシュボタン120の操作検出が行われると、演出表示装置9の表示画面に擬似連チャンス目が仮停止表示(1回目)される制御が行われる(図53(j))。
次いで、左右中の飾り図柄が再変動(再可変表示)し(図53(k))、演出表示装置9の表示画面に3段階目のステップアップを示すジェット機の画像が表示される制御が行われる(図53(l))。そして、演出表示装置9の表示画面に擬似連チャンス目が仮停止表示(2回目)される制御が行われる(図53(m))。
次いで、左右中の飾り図柄が再変動(再可変表示)し(図53(n))、演出表示装置9の表示画面に5段階目のステップアップを示すUFOの画像が表示される制御が行われる(図53(o))。その後、演出表示装置9の表示画面に、変動表示中に実行されるように決定されていたステップアップ予告演出の段階と擬似連演出の仮停止回数とを示す画像を表示する示唆演出を実行するとともに、左右の飾り図柄がリーチ状態で停止表示される制御が行われる(図53(p))。
また、図53に示されるように、図53(c)〜(e)の期間中または図53(j)〜(l)の期間中にプッシュボタン120の操作検出が行われると、演出表示装置9の表示画面に擬似連チャンス目が仮停止表示(2回目)される制御が行われる(図53(m))。
次いで、左右中の飾り図柄が再変動(再可変表示)し(図53(n))、演出表示装置9の表示画面に5段階目のステップアップを示すUFOの画像が表示される制御が行われる(図53(o))。その後、演出表示装置9の表示画面に、変動表示中に実行されるように決定されていたステップアップ予告演出の段階と擬似連演出の仮停止回数とを示す画像を表示する示唆演出を実行するとともに、左右の飾り図柄がリーチ状態で停止表示される制御が行われる(図53(p))。
また、図53に示されるように、図53(f)〜(h)の期間中または図53(m)〜(o)にプッシュボタンの操作検出が行われると、演出表示装置9の表示画面に、変動表示中に実行されるように決定されていたステップアップ予告演出の段階と擬似連演出の仮停止回数とを示す画像を表示する示唆演出を実行するとともに、左右の飾り図柄がリーチ状態で停止表示される制御が行われる(図53(p))。
図53に示すように、左右の飾り図柄がリーチ状態で停止表示される前であれば、いつでも所定のスキップポイントまでスキップさせることができる。また、図53に示す例では、スキップポイントは、擬似連演出の仮停止表示の2つのタイミングと、左右の飾り図柄がリーチ状態で停止表示されるタイミングとに設定されている。具体的には、図53(j)に示すタイミングが、第1スキップポイントに、図53(m)に示すタイミングが、第2スキップポイントに、図53(p)に示すタイミングが、最終スキップポイントに設定されている。したがって、遊技者がプッシュボタン120を押下する操作を行うと、仮停止表示またはリーチ状態まで変動表示がスキップされる。なお、スキップポイントは、図53に示すような仮停止表示のタイミングに限らず、例えばステップアップ予告演出が行われるタイミングに設定されていてもよい。
また、図53に示すように、変動表示中に所定のスキップポイントまでスキップすると、変動表示中に実行されるように決定されていたステップアップ予告演出の段階と擬似連演出の仮停止回数とを示す画像を表示する示唆演出が実行される。例えば、図53(a)に示すタイミングで遊技者がプッシュボタン120を押下する操作を行うと、図53(b)に示すステップアップ予告演出が行われることなくスキップポイント以降の変動表示が行われる。しかし、この実施の形態では、スキップが行われた場合には、示唆演出が実行されるように制御するため、遊技者は予告演出の実行が省略されても予告の段階が示唆されるので期待感を維持することができる。
図54は、図53に示す変動表示に対応したタイムチャートである。図54の例示では、「変動開始」のタイミングが図53(a)に相当し、「ステップアップ(1回目)」のタイミングが図53(b)に相当し、「仮停止表示(1回目)」のタイミングが図53(c)に相当し、「再変動(1回目)」のタイミングが図53(d)に相当し、「ステップアップ(2回目)」のタイミングが図53(e)に相当し、「仮停止表示(2回目)」のタイミングが図53(f)に相当し、「再変動(2回目)」のタイミングが図53(g)に相当し、「ステップアップ(3回目)」のタイミングが図53(h)に相当し、「リーチ演出開始」のタイミングが図53(i)に相当する。
また、図53に示す例と同様に、図54に示すタイムチャートでも、「仮停止表示(1回目)」が第1スキップポイントに、「仮停止表示(2回目)」が第2スキップポイントに、リーチ演出開始」のタイミングが最終スキップポイントに設定されている。したがって、図53に示す例と同様に、図54に示すタイムチャートでも、「変動開始」から「仮停止表示(1回目)」までの第1期間が第1スキップポイントにスキップ可能な期間であり、「仮停止表示(1回目)」から「仮停止表示(2回目)」までの第2期間が第2スキップポイントにスキップ可能な期間であり、「仮停止表示(2回目)」から「リーチ演出開始」までの第3期間が最終スキップポイントにスキップ可能な期間であり。また、図54に示すように、スキップが行われた場合には、最終スキップポイントで示唆演出が実行される。
以上に説明したように、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動表示の実行中に遊技者によるプッシュボタン120の操作が検出されたことに基づいて、変動表示の過程のうち導出表示までを除いた一部の過程を省略するとともに変動パターンによって定められた特図変動時間の経過よりも前に表示結果を導出表示するように制御する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間が省略されたことで予告演出が実行されなかったときに、どのような予告演出を実行すると決定したのかを示唆する示唆演出を実行する。したがって、予告演出が省略されても、予告の段階を示唆する示唆演出が実行されるので、予告演出による期待感を持続させることができる。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、省略されたステップアップ予告演出と擬似連演出との内容を示唆するた示唆演出を実行する。そのため、省略された演出を詳細に示唆する示唆演出が実行されるので、予告演出が省略されても期待感を持続させることができる。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動表示の実行中に遊技者によるプッシュボタン120の操作が検出されたことに基づいて、変動表示の過程のうち導出表示までを除いた一部の過程を省略することを複数回行うように制御することが可能である。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プッシュボタン120の操作が検出されたタイミングに応じたスキップポイントにスキップさせるように制御する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、複数回のスキップが行われる場合に、スキップが行われる毎に示唆演出を実行せず、最終スキップポイントで示唆演出を実行する。そのため、遊技者の操作に応じてスキップを複数回行うことができるとともに、示唆演出が実行されるまで期待感を持続させることができる。
なお、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、複数回のスキップが行われる場合に、スキップが行われる毎に示唆演出を実行せず、最終スキップポイントで示唆演出を実行するが、スキップが行われる毎に示唆演出を実行するようにしてもよい。具体的には、ステップS840D1の処理を省略する構成にすることによって、スキップが行われる毎に示唆演出を実行することができる。そのようにすることで、遊技者の操作に応じてスキップを複数回行うことができるとともに、短縮するたびに示唆演出を実行することで期待感を持続させることができる。
また、上記の実施の形態において、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定遊技状態に制御するための条件として、表示結果が大当り図柄となる条件とは異なる特定条件(ミッション)を提示する条件提示演出を実行するようにし、演出制御コマンドによって特定遊技状態に制御すると決定されている場合に、特定条件を満たす演出である条件充足演出を実行するようにしてもよい。また、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技履歴を記憶し、遊技履歴において特定条件(ミッション:例えば、所定の予告演出を実行する)が満たされた場合に、所定の特典を付与するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動表示の一部がスキップされたことによって条件充足演出が実行されなかったり、変動表示の一部がスキップされなければ特定条件が満たされていた場合に、条件を満たした旨の報知を含む示唆演出を実行するようにしてもよい。そのようにすることで、変動表示が短縮されることによって遊技者が不利益を被ることを防止することができる。
また、上記の実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技者による操作が検出されたタイミングに応じて、態様が異なる示唆演出を実行するようにしてもよい。例えば、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出が実行されたか否かに関わらず、スキップが行われると最終スキップポイントで示唆演出を実行しているが、実行された演出の内容については、示唆演出で示唆しないようにしてもよい。また、例えば、図53(h)に示すように、あらかじめ決定されたステップアップ予告演出のうちの全ての段階目までを実行した後でスキップした場合には、示唆演出を実行しないようにしてもよい。また、例えば、図53(e)に示すタイミングでステップアップ予告演出が第5段階目(すなわち最終段階目)まで実行されて、その後にスキップした場合には、示唆演出において、擬似連演出の仮停止回数のみを示唆し、ステップアップ予告演出の段階については示唆しないようにしてもよい。そのようにすることで、操作のタイミングに注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記の実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、複数回の変動表示にわたって予告演出(例えば、擬似連演出や、次回以降の変動表示の表示結果に対する予告を行う先読み予告演出)を実行するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動表示の実行中に遊技者によるプッシュボタン120の操作が検出されたことに基づいて、操作が検出された変動表示の過程のうち特定タイミングまでの過程を省略し、示唆演出を実行するようにしてもよい。例えば、擬似連(仮停止3回)の変動パターンに決定されているときに、1回目の再変動中に操作が検出されると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2回目の仮停止表示のタイミングまでスキップする。そして、2回目の再変動中に操作が検出されると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、3回目の仮停止表示のタイミングまでスキップする。また、例えば、変動表示の実行中において次々回の変動表示の表示結果に対する先読み予告演出が実行されているときに、遊技者による操作が検出されると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果を導出表示した後に、次回の変動表示を開始する。そして、再度遊技者による操作が検出されると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果を導出表示した後に、次回の変動表示(表示結果に対する先読み予告演出が行われている変動表示)を開始する。そのようにすることで、変動表示期間を短縮できるとともに、擬似連演出や先読み予告演出等の予告演出の段階を追ってみることができ、予告演出による期待感を持続させることができる。
また、上記の実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スキップポイント指定コマンドに基づいて、スキップを行う処理(ステップS840D〜S840G)を実行しているが、演出制御基板80に入力されるプッシュボタン120の操作検索信号に基づいて、実行するようにしてもよい。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力し、入力した操作検出信号に基づいて、スキップ可能か否かを判定する処理(ステップS12602〜S12603に相当)と、スキップを行う処理(ステップS840D〜S840G)とを実行するようにしてもよい。
実施形態2.
次に、本発明の第2の実施の形態を、図面を参照して説明する。この実施の形態は、スキップ可否判定処理が第1の実施の形態と異なる。以下、この実施の形態のスキップ可否判定処理(ステップS109)について説明する。図55は、スキップ可否判定処理を示すフローチャートである。この実施の形態では、スキップ可否判定処理において、CPU56は、決定された変動パターンにスキップポイントが設定されていることを示すスキップ可フラグをオフにする(ステップS1091)。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されているか否かを判定する(ステップS10911)。そして、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されていないと判定した場合には、CPU56は、第2保留記憶数が所定数(例えば1)以下であるか否かを判定する(ステップS10912)。第2保留記憶数が所定数以下であると判定した場合には、CPU56は、スキップ可否判定処理を終了する。
また、ステップS10911で特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されていると判定した場合、またはステップS10912で第2保留記憶数が所定数以下でないと判定した場合には、CPU56は、ステップS105で決定された変動パターンにスキップポイントが設けられているか否かを判定し(ステップS1092)、設けられていると判定した場合には、スキップ可フラグをオンにして(ステップS1093)、スキップ可否判定処理を終了する。また、スキップポイントが設けられていないと判定した場合には、CPU56は、そのままスキップ可否判定処理を終了する。図55に示すように、この実施の形態では、可変表示が行われている特別図柄の種類の応じて、異なる条件でスキップを可能にするか否かを決定するようにできる。このようにすることによって、遊技者に可変表示が行われている特別図柄の種類にも注目させることができる。
また、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示は、第1特別図柄の変動表示と比べて、遊技者にとって有利であり(例えば、大当り時にラウンド数が多い割合が高い、確変割合が高い)、優先的に実行される。この場合には、図55に示すように、第1特別図柄の変動表示は、第1保留記憶数に関わらずスキップ可能であるのに対して、第2特別図柄の変動表示は、第2保留記憶数が所定数以下の場合には、スキップが制限されることで、第2特別図柄の変動表示よりも不利な第1特別図柄の変動表示が実行されることを制限することができ、遊技者が不利益を被ることを防ぐことができる。
次に、この実施の形態の特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)について説明する。図56は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(その1)を示すフローチャートである。この実施の形態では、以下の処理が第1の実施の形態と異なる。
CPU56は、プッシュフラグがオンであるか否かを判定し(ステップS12601)、プッシュフラグがオンであると判定した場合には、高ベース状態(または特別図柄時短状態)であるか否かを判定する(ステップS12601A)。そして、高ベース状態(または特別図柄時短状態)でないと判定した場合には、CPU56は、スキップ可フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS12602)。また、高ベース状態(または特別図柄時短状態)であると判定した場合には、CPU56は、ステップS12606に移行する。
図56に示す例では、変動表示の実行頻度が高い高ベース状態である場合には、スキップが制限される。すなわち、変動表示の実行頻度が高いために変動時間の短縮の必要性が低い状況下では、スキップが制限される。そのため、スキップ処理による処理負担を軽減することができる。
次に、この実施の形態の特別図柄プロセス処理における他の特別図柄変動中処理(ステップS303)について説明する。図57は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(その2)を示すフローチャートである。図57に示す例では、以下の処理が第1の実施の形態と異なる。
CPU56は、プッシュフラグがオンであるか否かを判定し(ステップS12601)、プッシュフラグがオンであると判定した場合には、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されているか否かを判定する(ステップS12601B)。そして、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されていると判定した場合には、CPU56は、トリガフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS12601C)。
ステップS12601Bで特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されていないと判定した場合、またはステップS12601Cでトリガフラグがオンであると判定した場合には、CPU56は、スキップ可フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS12602)。なお、この実施の形態では、図58に示すように、遊技者によってトリガボタン121が操作されると、入力ドライバ回路58は、トリガセンサ125からのトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える。そして、操作検出信号が与えられると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、トリガフラグをオンにする。
また、ステップS12601でプッシュフラグがオンでないと判定された場合、ステップS12601Bでトリガフラグがオンでないと判定した場合、ステップS12602でスキップ可フラグがオンでないと判定された場合、またはステップS12603でスキップ可能なスキップポイントがないないと判定された場合には、プッシュフラグをオフにし(ステップS12606)、トリガフラグをオフにした後に(ステップS12606A)、特別図柄変動中処理を終了する。
以上のように、図57に示す例では、第2特別図柄の変動表示においてスキップを行うためには、プッシュボタン120に加えて、トリガボタン121の操作が検出される必要である。すなわち、第2特別図柄の変動表示におけるスキップは、第1特別図柄の変動表示に比べて、多くの操作をスキップの条件とすることで制限されるている。そのため、第2特別図柄の変動表示よりも不利な第1特別図柄の変動表示が実行されることを制限することができ、遊技者が不利益を被ることを防ぐことができる。
次に、この実施の形態の変動表示におけるスキップの具体例を説明する。図59は、第1特別図柄の変動表示におけるスキップの一例を示す説明図である。
図59(a)に例示されるように、演出表示装置9において左中右の飾り図柄が変動(可変表示)している状態から、演出表示装置9の表示画面に1段階目のステップアップを示す気球の画像が表示される制御が行われる(図59(b))。次いで、図59(c)に例示されるように、演出表示装置9の表示画面において、1段階目のステップアップを示す気球の画像から2段階目のステップアップを示すプロペラ機の画像に切り替えて表示される制御が行われる。次いで、図59(d)に例示されるように、演出表示装置9の表示画面において、2段階目のステップアップを示すプロペラ機の画像から3段階目のステップアップを示すジェット機の画像に切り替えて表示される制御が行われる。次いで、図59(e)に例示されるように、演出表示装置9の表示画面において、3段階目のステップアップを示すジェット機の画像から4段階目のステップアップを示すロケットの画像に切り替えて表示される制御が行われる。次いで、図59(f)に例示されるように、演出表示装置9の表示画面において、4段階目のステップアップを示すロケットの画像から5段階目のステップアップを示すUFOの画像に切り替えて表示される制御が行われる。次いで、図59(f)に例示されるように、左右の飾り図柄がリーチ状態で停止表示される制御が行われ、リーチ演出が実行される(図59(h)、(i))。その後、演出表示装置9の表示画面において、左右中の飾り図柄が停止表示(大当り図柄として停止表示)される制御が行われる(図59(j))。
図59に示すように、第1特別図柄の変動表示中においては、図59(a)〜(i)のいずれのタイミングでもスキップが可能であり、左右中の飾り図柄が停止表示されるタイミング(図59(j))がスキップポイントに設定されている。
また、図60は、第2特別図柄の変動表示におけるスキップの一例を示す説明図である。図60(a)〜(i)のタイミングは、図59(a)〜(i)のタイミングに相当する。しかし、図60に示すように、第2特別図柄の変動表示においては、図60(a)〜(f)の期間にのみスキップが可能であり、左右の飾り図柄がリーチ状態で停止表示されるタイミング(図60(g))がスキップポイントに設定されている。
図59、図60に示すように、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示中においては、左右中の飾り図柄が停止表示されるタイミングにスキップし、第2特別図柄の変動表示中においては、左右の飾り図柄がリーチ状態で停止表示されるタイミングにスキップする。したがって、特別図柄の種類に応じてスキップする際の態様が異なるため、特別図柄の種類にも注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
以上に説明したように、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動表示の実行中に遊技者によるプッシュボタン120の操作が検出されたことに基づいて、変動表示の過程のうち導出表示までを除いた一部の過程を省略するとともに変動パターンによって定められた特図変動時間の経過よりも前に表示結果を導出表示するように制御する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1特別図柄の変動表示であるか第2特別図柄の変動表示であるかに応じて、異なる条件に基づいて特図変動時間を短縮する。そのため、変動表示が実行されている識別情報の種類(具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれであるか)にも注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1特別図柄の可変表示であるか第2特別図柄の可変表示であるかに応じて、異なる態様で特図変動時間を短縮することを特徴とする。具体的には、図59,図60に示すように、スキップ先が異なる。そのようにすることで、可変表示が実行されている識別情報の種類(具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれであるか)にも注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、上記の態様以外にも、第1特別図柄の可変表示であるか第2特別図柄の可変表示であるかに応じて、スキップした際の演出として、図柄の発光色を異ならせたり、エフェクトを異ならせたりしてもよい。そのようにすることで、遊技者がプッシュボタン120を連打したときなどにも、どちらの特別図柄の変動でスキップしたのかを認識することができる。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2保留数記憶手段が記憶する第2保留数が所定数以下であるときには、可変表示期間の短縮を制限する。そのようにすることで、第2特別図柄よりも不利な第1特別図柄の変動表示が実行されることを制限することができ、遊技者が不利益を被ることを防ぐことができる。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、高ベース状態では、スキップを制限する。そのようにすることで、短縮の必要性の低い状況下における特図変動時間の短縮を制限することができ、処理負担を軽減することができる。
また、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1特別図柄の変動表示である場合には、全ての変動表示で変動終了までスキップさせ、第2特別図柄の変動表示である場合には、リーチ状態になる変動表示でのみ(例えば、高ベース状態であっても)スキップさせるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態において、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動表示可能なように構成されていてもよい。例えば、タイマ割込処理において特図プロセス処理S26に代えて、第1特別図柄のプロセス処理を行う第1特別図柄プロセス処理と、第2特別図柄のプロセス処理を行う第2特別図柄プロセス処理とを実行するように構成される。この場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動表示の実行中に遊技者によるプッシュボタン120の操作が検出されたことに基づいて、第1保留数記憶手段が記憶する第1保留数と第2保留数記憶手段が記憶する第2保留数とに応じて、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示のいずれの特別変動時間を優先して短縮するかを決定し、決定結果に基づいて特別変動時間を短縮するようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動表示されているときに、遊技者によるプッシュボタン120の操作が検出されると、保留記憶数の多い方の特別図柄の変動表示を短縮させると決定する。そのようにすることで、特別変動時間の短縮を行うにあたって、保留記憶数にも注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動表示されているときに、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示のいずれの特別変動時間を優先して短縮するかを、遊技者による入力操作に基づいて決定する構成であってもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動表示されているときに、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示のいずれの特別変動時間を優先して短縮するかを、残りの変動時間に基づいて決定する(例えば、残り時間が短い変動表示、または残り時間が長い変動表示を優先して短縮する)構成であってもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動表示されているときに、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示のいずれの特別変動時間を優先して短縮するかを、ランダムに抽選して決定する構成であってもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動表示されているときに、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示のいずれの特別変動時間も同時に短縮する構成であってもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動表示されているときに、大当りの変動表示やリーチ中の変動表示である方を優先して短縮すると決定する構成であってもよい。
また、上記の実施の形態において、電源投入後や、当り後(大当り、小当りを含む)、特定の演出後等から起算して所定回数目の変動表示において、特定の変動パターンを選択するようにしてもよい。例えば、高確率状態が終了する回数目の変動表示には、特定の変動パターンを選択する。このような場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スキップを制限するようにしてもよい。そのようにすることで、遊技者に見せたい可変表示を省略することなく見せることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第1の実施の形態の構成にこの実施の形態の構成や変形例を加えるようにしてもよいし、この実施の形態の構成に第1の実施の形態の構成の各変形例を加えるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば、簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、プッシュボタン120やトリガボタン121は、他のボタン演出を行うための演出用ボタンとして用いられることもあるため、これらの他にスキップ専用の操作部を設けてもよい。また、ボタンの操作の仕方に基づいて、ボタン演出を行うのかスキップ演出を行うのか判定する構成であってもよい。具体的には、ボタンが1回押下(単発押し)された場合にはボタン演出を行い、ボタンが所定期間押下(長押し)された場合にはスキップ演出を行うように構成する。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機や、スロットマシンにも適用することができる。
(1)本発明による遊技機は、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、第1特別図柄や第2特別図柄、飾り図柄など)の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば第1及び第2特別図柄表示器8a、8bや演出表示装置9など)に特定表示結果(例えば、大当り図柄)が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する遊技機であって、遊技者の操作を検出可能な操作検出手段(例えば、プッシュボタン120やトリガボタン121)と、特定遊技状態に制御するか否かを識別情報の表示結果が導出表示される以前に決定する事前決定手段(例えばステップS61等の処理を実行するCPU56など)と、事前決定手段による決定に基づいて、可変表示が行われる可変表示期間を決定する可変表示期間決定手段(例えばステップS105等の処理を実行するCPU56など)と、可変表示期間決定手段によって決定された可変表示期間が経過したときに表示結果を導出表示する可変表示実行手段(例えばステップS8301等の処理を実行する演出制御用CPU101など)と、事前決定手段による決定に基づいて、可変表示の実行中に特定遊技状態に制御される割合に応じて実行される段階が異なるように設定された予告演出を実行するか否か、実行する場合にいずれの段階まで予告演出を実行するかを決定する予告演出決定手段(例えばステップS827等の処理を実行する演出制御用CPU101など)と、予告演出決定手段によって予告演出を実行すると決定されたときに、決定された段階まで予告演出を実行する予告演出実行手段(例えばステップS830やステップS843等の処理を実行する演出制御用CPU101など)とを備え、可変表示実行手段は、可変表示の実行中に操作検出手段によって操作が検出されたことに基づいて、可変表示の過程のうち導出表示までを除いた一部の過程を省略する(例えば、ステップS12601〜S12605等の処理を実行するCPU56など)とともに可変表示期間決定手段によって決定された可変表示期間の経過よりも前に表示結果を導出表示する可変表示期間短縮手段(例えば、ステップS12601〜S12605等の処理結果に従って、ステップS840D〜S840G等の処理を実行する演出制御用CPU101など)を含み、予告演出決定手段が予告演出を実行すると決定したにも関わらず、可変表示期間短縮手段によって該予告演出を含む可変表示の一部の過程が省略されたことで該予告演出が実行されなかったときに、予告演出決定手段がいずれの段階まで予告演出を実行すると決定したのかを示唆する示唆演出(例えば、図59(p)参照)を実行する示唆演出実行手段(例えば、ステップS840D〜S840G等の処理を実行する演出制御用CPU101など)をさらに備えたことを特徴とする。
そのような構成によれば、予告演出が省略されても、予告の段階を示唆する示唆演出が実行されるので、予告演出による期待感を持続させることができる。
(2)上記の(1)の遊技機において、予告演出決定手段は、複数種類の予告演出(例えば、擬似連演出やステップアップ予告演出など)のうちのいずれかまたは複数を実行するか否かを決定し、示唆演出実行手段は、予告演出決定手段によって実行すると決定された予告演出に応じた示唆演出を実行するように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、予告演出に応じて示唆演出が実行されるので、予告演出が省略されても期待感を持続させることができる。
(3)上記の(1)または(2)の遊技機において、可変表示期間短縮手段は、可変表示の実行中に操作検出手段によって操作が検出されたことに基づいて、可変表示の過程のうち導出表示までを除いた一部の過程を省略することを複数回行うことが可能であり(例えば、図54の第1期間、第2期間または第3期間に操作が検出されたことに基づいて、それぞれ、第1スキップポイント、第2スキップポイントまたは最終スキップポイントにスキップする)、示唆演出実行手段は、可変表示期間短縮手段によって可変表示の一部の過程が省略されるごとには示唆演出を実行せず(例えば、示唆演出設定処理(ステップS840D)におけるステップS840D1の処理を実行する部分)、可変表示期間短縮手段によって可変表示の一部の過程を省略することが複数回行われた後に示唆演出を実行するように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、遊技者の操作に応じて可変表示期間の短縮を複数回できるとともに、示唆演出が実行されるまで期待感を持続させることができる。
(4)上記の(1)または(2)の遊技機において、可変表示期間短縮手段は、可変表示の実行中に操作検出手段によって操作が検出されたことに基づいて、可変表示の過程のうち導出表示までを除いた一部の過程を省略することを複数回行うことが可能であり、示唆演出実行手段は、可変表示期間短縮手段によって可変表示の一部の過程が省略されるごとに示唆演出を実行する(例えば、示唆演出設定処理(ステップS840D)においてステップS840D1の処理を省略して実行する)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、遊技者の操作に応じて可変表示期間の短縮を複数回できるとともに、短縮するたびに示唆演出を実行することで期待感を持続させることができる。
(5)上記の(1)〜(4)の遊技機において、特定遊技状態に制御するための条件として、特定表示結果と異なる条件を提示する条件提示手段と、事前決定手段によって特定遊技状態に制御すると決定されている場合に、条件を満たす演出である条件充足演出を実行する特殊演出実行手段とを備え、示唆演出実行手段は、事前決定手段が特定遊技状態に制御すると決定したにも関わらず、可変表示期間短縮手段によって条件充足演出を含む可変表示の一部の過程が省略されたことで該条件充足演出が実行されなかったときに、条件を満たした旨の報知を含む示唆演出を実行するように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、可変表示期間が短縮されることによって遊技者が不利益を被ることを防止することができる。
(6)上記の(1)〜(5)の遊技機において、示唆演出実行手段は、操作検出手段によって操作が検出されたタイミングに応じて、態様が異なる示唆演出を実行する(例えば、スキップされる前に実行された演出の内容は示唆しない示唆演出を実行する)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、操作のタイミングに注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(7)上記の(1)〜(6)の遊技機において、予告演出実行手段は、複数回の可変表示にわたって予告演出(例えば、擬似連演出や先読み予告演出など)を実行可能であり、可変表示期間短縮手段は、可変表示の実行中に操作検出手段によって操作が検出されたことに基づいて、該操作が検出された可変表示の過程のうち特定タイミングまでの過程を省略し、示唆演出実行手段は、可変表示期間短縮手段によって操作が検出された可変表示の過程のうち特定タイミングまでの過程が省略されると示唆演出を実行するように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、可変表示期間を短縮できるとともに、予告演出の段階を追ってみることができ、予告演出による期待感を持続させることができる。