JP2016134933A - エネルギー管理システム、コンピュータプログラム及び運転計画の算出方法 - Google Patents

エネルギー管理システム、コンピュータプログラム及び運転計画の算出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】計画期間中に充電装置が無駄な放電を行うのを回避する運転計画を算出できるエネルギー管理システムを提供する。
【解決手段】発電に費用を要する発電装置8及び電力系統14のうちの少なくとも1つと、負荷装置4、5及び蓄電装置6とを含む管理対象の運転計画を算出するエネルギー管理システム(EMS)2は、計画期間Tp中の管理対象の運転に要する費用であるコストの算出式を含む、管理対象の運転状態をモデル化した複数の制約条件と、制約条件の下で達成すべき目的関数とを取得する入力装置と、取得した制約条件と目的関数を用いて運転計画を算出する計画演算部と、を備える。入力装置が取得するコストの算出式には、蓄電装置6の充電に要した費用が放電時に発生すると見なす放電コストが含まれ、計画演算部は、放電コストを含むコストの最適化を目的関数として運転計画を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電装置を含む電力設備の運転状態を管理するエネルギー管理システムと、エネルギー管理システムに適用するコンピュータプログラムと、エネルギー管理システムが実行する運転計画の算出方法に関する。
この種のエネルギー管理システムとして、線形計画法を利用して電力設備に含まれる電力機器の運転計画を算出するものが知られている(特許文献1及び2参照)。
このエネルギー管理システムは、管理対象である電力機器の時間ステップごとの変数でモデル化した機器条件を含む制約条件を設定し、設定した制約条件の下で、所定の目的関数が最小となるように、時間ステップごとの電力機器の変数の解(運転計画)を線形計画法により算出するものである。
特許文献1及び2に記載の運転計画の算出方法(従来手法)では、電力設備の運転に必要なコスト(費用)の最小化を目的関数として採用し、蓄電装置をモデル化する制約条件として、充電残量の上下限、充放電電力の上下限及び充放電ロスなどを規定している。
特許第5540698号公報 特許第4064334号公報
従来手法では、蓄電装置をモデル化する制約条件として、充電残量の上下限、充放電電力の上下限及び充放電ロスなどを採用している。
これらの制約条件の下で運転計画を作成すると、運転計画の初期値に設定される蓄電装置の充電残量が、無料で使用できる電力として扱われ、運転計画の終了までに充電残量が0となる運転計画を作成しようとする。このため、放電が不要な時でも無駄な放電を行う運転計画となる可能性がある。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、計画期間中に充電装置が無駄な放電を行うのを回避する運転計画を算出できるエネルギー管理システム等を提供することを目的とする。
(1) 本発明の一態様に係るシステムは、発電に費用を要する発電装置及び電力系統のうちの少なくとも1つと、負荷装置及び蓄電装置とを含む管理対象の運転計画を算出するエネルギー管理システムであって、計画期間中の前記管理対象の運転に要する費用であるコストの算出式を含む、前記管理対象の運転状態をモデル化した複数の制約条件と、前記制約条件の下で達成すべき目的関数とを取得する取得部と、取得した前記制約条件と前記目的関数を用いて前記運転計画を算出する制御部と、を備えている。
また、前記取得部が取得する前記コストの算出式には、前記蓄電装置の充電に要した費用が放電時に発生すると見なす放電コストが含まれ、前記制御部は、前記放電コストを含む前記コストの最適化を前記目的関数として前記運転計画を算出する。
(5) 本発明の他の態様は、発電に費用を要する発電装置及び電力系統のうちの少なくとも1つと、負荷装置及び蓄電装置とを含む管理対象の運転計画を算出する、エネルギー管理システムに用いるコンピュータプログラムであって、コンピュータを、計画期間中の前記管理対象の運転に要する費用であるコストの算出式を含む、前記管理対象の運転状態をモデル化した複数の制約条件と、前記制約条件の下で達成すべき目的関数とを取得する取得部、及び、取得した前記制約条件と前記目的関数を用いて前記運転計画を算出する制御部として機能させる。
また、前記取得部が取得する前記コストの算出式には、前記蓄電装置の充電に要した費用が放電時に発生すると見なす放電コストが含まれ、前記制御部は、前記放電コストを含む前記コストの最適化を前記目的関数として前記運転計画を算出する。
(6) 本発明の他の態様は、発電に費用を要する発電装置及び電力系統のうちの少なくとも1つと、負荷装置及び蓄電装置とを含む管理対象の運転計画を、エネルギー管理システムにより算出する方法であって、計画期間中の前記管理対象の運転に要する費用であるコストの算出式を含む、前記管理対象の運転状態をモデル化した複数の制約条件と、前記制約条件の下で達成すべき目的関数とを取得する第1のステップと、取得した前記制約条件と前記目的関数を用いて前記運転計画を算出する第2のステップとを含む。
また、前記第1のステップにおいて取得する前記コストの算出式には、前記蓄電装置の充電に要した費用が放電時に発生すると見なす放電コストが含まれ、前記第2のステップにおいて、前記放電コストを含む前記コストの最適化を前記目的関数として前記運転計画を算出する。
本発明によれば、計画期間中に充電装置が無駄な放電を行うのを回避する運転計画を算出できることができる。
本発明の実施形態として例示する電力システムの全体構成を示すブロック図である。 エネルギー管理システムの構成例を示すブロック図である。 計画期間と計画の刻み幅(ステップ間隔)の説明図である。 計画演算部が扱う入力データと出力データを示す概念図である。 計画演算部の処理内容を示すフローチャートである。 運転計画のシミュレーションに用いた電力設備の構成図である。 運転計画のシミュレーションに用いた需要パターンを示すグラフである。 従来手法に基づく運転計画のシミュレーション結果を示すグラフである。 実施形態に基づく運転計画のシミュレーション結果を示すグラフである。 変形例に係る熱利用設備の構成図である。
<本発明の実施形態の概要>
以下、本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
(1) 本実施形態のエネルギー管理システムは、発電に費用を要する発電装置及び電力系統のうちの少なくとも1つと、負荷装置及び蓄電装置とを含む管理対象の運転計画を算出するエネルギー管理システムであって、計画期間中の前記管理対象の運転に要する費用であるコストの算出式を含む、前記管理対象の運転状態をモデル化した複数の制約条件と、前記制約条件の下で達成すべき目的関数とを取得する取得部と、取得した前記制約条件と前記目的関数を用いて前記運転計画を算出する制御部と、を備える。
また、前記取得部が取得する前記コストの算出式には、前記蓄電装置の充電に要した費用が放電時に発生すると見なす放電コストが含まれ、前記制御部は、前記放電コストを含む前記コストの最適化を前記目的関数として前記運転計画を算出する。
本実施形態のシステムによれば、取得部が取得するコストの算出式に、蓄電装置の充電に要した費用が放電時に発生すると見なす放電コストが含まれ、制御部が、放電コストを含むコストの最適化(最大化又は最小化)を目的関数として管理対象の運転計画を算出するので、明らかに無駄な放電を蓄電装置が行う運転計画が算出されなくなり、コスト面で適切な運転計画を算出することができる。
(2) 本実施形態のシステムにおいて、具体的には、前記制御部が算出する前記運転計画には、前記蓄電装置の充電電力、放電電力及び充電残量と、前記電力系統の受電電力及び前記発電装置の発電電力のうちの少なくとも1つとが含まれる。
(3) 本実施形態のシステムにおいて、前記制御部は、前記計画期間の開始時点における前記蓄電装置の充電残量から、前記計画期間の終了時点における前記蓄電装置の充電残量を減算した差分に、所定の放電単価を乗算することにより、前記放電コストを算出することが好ましい。
その理由は、計画期間の途中で生じる短期的な充電残量の変動に伴うコストは、計画期間中の受電料金などのコストに織り込み済みなので、当該計画期間の全期間中において最終的に変動した充電残量の差分を考慮すれば足りるからである。
(4) 本実施形態のシステムにおいて、前記制約条件には、前記計画期間の終了開始時点における前記蓄電装置の充電残量が、前記計画期間の開始時点における前記蓄電装置の充電残量以下であることが含まれる。
その理由は、算出される放電コストが計画期間中にマイナスにならないようにして、計画期間において蓄電装置が常に充電を行おうとするのを防止するためである。
(5) 本実施形態のコンピュータプログラムは、上述のエネルギー管理システムが行う処理をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。従って、本実施形態のコンピュータプログラムは、上述のエネルギー管理システムと同様の作用効果を奏する。
(6) 本実施形態の算出方法は、上述のエネルギー管理システムにより行われる発電装置の運転計画を算出する方法に関する、従って、本実施形態の算出方法は、上述のエネルギー管理システムと同様の作用効果を奏する。
<本発明の実施形態の詳細>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の詳細を説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係る電力システムの全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の電力システムは、管理対象となる電力設備1と、電力設備1に含まれる各種の電力機器の運転状態を管理するエネルギー管理システム(以下、「EMS」ともいう。)2とを含む。
本実施形態の電力設備1は、例えば工場に設置される電力設備であり、工場内に配線された交流配電線3よりなる配電網と、交流配電線3にそれぞれ接続された負荷装置4,5、蓄電装置6及び発電装置7,8とを備えている。
負荷装置4は、例えば、照明、エアコンなどの消費電力の調整が可能な調整型の負荷装置よりなる。負荷装置5は、工場の生産機械などの電力調整が不可能あるいは可能であっても実際上調整が許されない非調整型の負荷装置よりなる。
これらの負荷装置4,5は、それぞれスマートタップ(図示せず)を介して交流配電線3に接続されている。
蓄電装置6は、例えば、レドックスフロー(RF)電池、リチウムイオン電池、溶融塩電池、鉛蓄電池などよりなる。この蓄電装置6は、DC/ACコンバータ11を介して交流配電線3に接続されている。
発電装置7は、例えば、太陽光や風力などの自然エネルギーを電気エネルギーに変換する自然エネルギー発電装置よりなる。発電装置8は、非常用である化学反応系の発電装置よりなる。本実施形態では、発電装置8は、例えば、ガスやディーゼル油などの燃焼エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置よりなる。
発電装置7は、DC/ACコンバータ11を介して交流配電線3に接続され、発電装置8は、交流配電線3に接続されている。
本実施形態の電力設備1では、スマートメーター(電力量計)15を経由して交流配電線3が商用電源(以下、「電力系統」ともいう。)14と繋がっている。このため、電力設備1は、商用電源14に対する系統連系が可能であり、商用電源14もEMS2の管理対象に含まれる。
EMS2は、有線LAN(Local Area Network)又はその他の通信方式により、通信線16を介して電力設備1の各種の電力機器と通信可能である。なお、EMS2と電力機器との通信は、無線LANなどの無線通信であってもよい。
EMS2は、複数種類の制御指令E1〜E3を電力設備1に含まれる通信可能な電力機器に送信可能である。EMS2は、電力設備1の運転状況を示す現在情報S1を通信可能なそれらの電力機器から受信可能である。
例えば、EMS2は、制御指令E1によって負荷装置4,5が接続されたスマートタップの接続または接続解除することができる。EMS2は、消費電力を調整可能な負荷装置4に対しては、制御指令E1によってその消費電力の調整を行うこともできる。
EMS2は、制御指令E2によって蓄電装置6のDC/ACコンバータ11を接続または接続解除することができる。蓄電装置6のDC/ACコンバータ11には、PWM回路が含まれている。
従って、EMS2は、制御指令E2によって上記PWM回路のデューティー比を可変に設定することができ、これにより、交流配電線3に接続中の蓄電装置6に対する充電電力又は放電電力を調整することができる。
EMS2は、制御指令E3によって発電装置7のコンバータ11を接続または接続解除することができる。EMS2は、発電量を調整可能な発電装置8に対しては、制御指令E3によってその発電量の調整を行うこともできる。
EMS2は、電力設備1に含まれるコンバータ11とスマートタップの接続状況(オン/オフ)、各装置4〜8の稼働状況と電力値などよりなる現在情報S1を、所定時間(例えば1秒)ごとに収集している。
現在情報S1には、電力設備1における現時点の電力需要も含まれる。現時点の電力需要は、スマートメーター15の計測値、すなわち商用電源14から交流配電線3に流れる順潮流方向を正(プラス)とした現時点の電力量である。
〔エネルギー管理システムの構成〕
図2は、エネルギー管理システム2の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、EMS2は、制御装置21と記憶装置22とを含むコンピュータ装置によって構成されている。制御装置21は、CPU(Central Processing Unit)等を含む情報処理装置よりなる。記憶装置22は、RAM(Random Access Memory)等よりなるメモリと、HDD(Hard Disk Drive)等よりなる大容量記憶部とを有する。
EMS2を構成するコンピュータ装置には、通信装置23、入力装置24及び表示装置25が接続されている。
通信装置23は、有線LAN、無線LANあるいはその他の通信方式によって電力設備1に含まれる各種の電力機器と通信する。入力装置24は、電力設備1の管理者が操作入力を行うためのマウスやキーボードなどよりなる。表示装置25は、制御装置21が出力する画像を管理者に提示するための液晶ディスプレイなどよりなる。
制御装置21は、記憶装置22に格納されたコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、通信装置23に対する通信制御、入力装置24及び表示装置25に対するデバイス制御、及び後述のエネルギー管理などの各種の制御を行う。
例えば、通信装置23は、制御装置21の通信制御に基づき、制御指令E1〜E3を電力設備1に含まれる通信可能な電力機器に送信し、電力設備1の運転状況を示す現在情報S1を電力機器から受信して制御装置21に転送する。
通信装置23は、インターネットなどの公衆通信網に接続されており、公衆通信網に繋がる他のサーバー装置(図示せず)と通信することもできる。
入力装置24は、制御装置21の入力に関するデバイス制御に基づき、管理者の操作入力に応じた操作信号を制御装置21に送信する。
表示装置25は、制御装置21の出力に関するデバイス制御に基づき、制御装置21から入力された静止画又は動画よりなる画像信号を自装置の画面に表示させる。
図2に示すように、EMS2の制御装置21は、電力設備1に対するエネルギー管理に関する機能部分として、発電予測部31、需要予測部32、計画演算部33、及び計画実行部34を備えている。
発電予測部31は、気象情報に基づいて、所定の期間の自然エネルギー発電装置7の発電量の予測値を算出する。また、発電予測部31は、算出した予測値を記憶装置22に含まれる発電予測用のデータベースDB1に記録する。
需要予測部32は、電力設備1における過去の電力需要の実績値(スマートメーター15の計測値の時系列データ)及び気象情報などに基づいて、例えば統計的手法により電力設備1における将来の電力需要の予測値を算出する。
需要予測部32は、現時点から所定の予測期間(例えば48時間)だけ先までの電力需要の予測値を単位時間(例えば10分)ごとに算出し、算出した予測値を記憶装置22に含まれる需要予測用のデータベースDB2に記録する。
記憶装置22には、データベースDB1,DB2が含まれている。データベースDB1は、発電量の予測値用のデータベース、すなわち、発電予測部31が算出した発電量の予測値を、年月日データと対応づけて時系列に蓄積するためのデータベースである。
発電予測部31は、算出した発電量の予測値を、その予測日及び予測時刻と対応づけてデータベースDB1に時系列に格納する。
データベースDB2は、電力需要の予測値用のデータベース、すなわち、需要予測部32が算出した電力需要の予測値を、年月日データと対応づけて時系列に蓄積するためのデータベースである。
需要予測部32は、算出した電力需要の予測値を、その予測日及び予測時刻と対応づけてデータベースDB2に時系列に格納する。
計画演算部33は、データベースDB1に記録された発電量の予測値と、データベースDB2に記録された電力需要の予測値と、現在情報S1に含まれる電力機器のステータス情報(状態変数)とを用いて、電力設備1に含まれる各装置4〜8のうちの少なくとも1つの管理対象について、予め設定された所定の計画期間Tpにおける運転計画の演算を、所定の再計画周期ごとに繰り返し実行する。
図3は、計画期間Tpと計画の刻み幅(ステップ間隔)ΔTの説明図である。
図3に示すように、計画演算部33は、現在から未来の所定時間長(例えば45時間)の計画期間Tpを所定時間長の計画の刻み幅(以下、「ステップ間隔」ともいう。)ΔTごとの時間ステップt(t=1〜N:N=Tp/ΔT)に区切る。
そして、計画演算部33は、電力設備1に含まれる電力機器の状態変数(当該装置のオンオフや接続、接続解除、電力量などを表す変数)を、N次元の時間ステップt(時間変数)の関係式に展開する。
その後、計画演算部33は、所定の目的関数が最小(または最大)となる各時間ステップtの変数値を求めることにより、電力設備1の各装置4〜8のうちの少なくとも1つについての、時間ステップtごとの運転計画を演算する。
すなわち、運転計画は、所定の計画期間Tpに含まれる時間ステップtごとの、管理対象の運転状態を表す。計画演算部33による計画演算を行う場合のアルゴリズムは、例えば、線形計画法に代表される数理計画法を用いることができる。
なお、本実施形態では、計画演算部33は、計画期間Tpよりも大幅に短い所定の「再計画周期」(例えば15分)ごとに運転計画を繰り返し算出し、算出した運転計画を計画実行部34に出力する。
計画実行部34は、計画演算部33から運転計画が入力されると、その運転計画に基づいて制御指令E1〜E3を生成し、通信装置23を介して制御指令E1〜E3を電力設備1の電力機器に送信する。
具体的には、計画実行部34は、負荷装置4,5の接続または接続解除や消費電力の調整のための制御指令E1を取得すると、その制御指令E2を、電力設備1内のスマートタップや、消費電力の調整対象である負荷装置4に送信する。
計画実行部34は、蓄電装置6の接続または接続解除や充放電電力の調整のための制御指令E2を取得すると、その制御指令E2を、蓄電装置6用のDC/ACコンバータ11に送信する。
計画実行部34は、発電装置7,8の接続または接続解除や発電量の調整のための制御指令E3を取得すると、その制御指令E3を、発電装置7用のコンバータ11や、発電量の調整対象である発電装置8に送信する。
〔計画演算部の処理内容〕
図4は、計画演算部33が扱う入力データと出力データを示す概念図である。また、図5は、計画演算部33の処理内容を示すフローチャートである。
図4に示すように、計画演算部33の入力データには、「制約条件」、「目的関数」、「予測値」、「現在情報」及び「過去実績」が含まれる。
「制約条件」は、遵守する必要がある「ハード制約」と、遵守しようとされるが、ハード制約に準拠する解決策を見つけるために、必要であれば破ることができる「ソフト制約」とが含まれる。
「ハード制約」の具体例としては、例えば、コンバータ11などの各機器における電力損失などの他、蓄電装置6の充放電容量、蓄電装置6の充電容量の最大値及び最小値、負荷装置4,5ごとに定められた消費電力などの物理的な制約が含まれる。また、系統連系の場合の電気料金の単価などのような条件的な制約も含まれる。
更に、ハード制約には、運転計画の対象機器の動作を所定の目的通りとするために、任意に設定するハード制約もある。
その具体例としては、例えば、平日の夜間や土日の祝日などの非活動の時間帯には、負荷装置4,5をすべてオフにしておくという条件、指定された負荷装置4,5を所定の時間帯にオンにするという条件、指定された発電装置7,8を所定の時間帯にオンにするという条件、蓄電残量を5%以下又は95%以上としないという条件などが含まれる。
「ソフト制約」の具体的としては、例えば、管理対象が蓄電装置6である場合に、蓄電残量が可能である限り50%の±10%の範囲内となるように維持するという条件、管理対象が電力調整可能な負荷装置4である場合に、単位時間当たりの消費電力ができる限り所定の範囲内となるように維持するという条件などが含まれる。
また、ソフト制約としては、電力の需要が商用電源14の契約電力よりも低くなる度に、余剰電力をできる限り蓄電装置6の蓄電に回すという条件も採用し得る。
「目的関数」は、最小化又は最大化したい対象を記述した関数である。本実施形態では、後述の通り、コストを目的関数とする。
「制約条件」と「目的関数」は、入力装置24を通じて管理者(ユーザー)が制御装置21に操作入力する。
「予測値」には、上述の通り、発電予測部31が算出した自然エネルギー発電装置7の発電量の予測値と、需要予測部32が算出した負荷装置4,5における電力需要の予測値が含まれる。
「現在情報」は、電力設備1を構成する各装置のステータス(現状)を表す情報である。現在情報の具体例としては、発電装置7,8又は負荷装置4,5の接続状況、蓄電装置6の蓄電残量などが含まれる。
また、現在情報には、発電装置7,8、負荷装置4,5及び蓄電装置6の装置の状態も含まれる。例えば、状態が故障である装置は運転計画を演算する必要がない。
図5に示すように、計画演算部33は、発電/需要量の予測値の取得(ステップST1)→現在情報の取得(ステップST2)→制約条件の設定(ステップST3)→目的関数の設定(ステップST4)→計画演算(ステップST5)→計画出力(ステップST6)の処理を、所定の演算周期(上述の「再計画周期」:例えば15分)で繰り返し行う。
もっとも、図5において、ステップST1〜ST4までの処理は、入力データの取得と設定の処理であるから、順序が任意に入れ替わってもよい。
〔管理対象に蓄電装置を含むEMSの課題〕
上述のEMS2による電力設備1に対する電力制御において、複数の制約条件のうちの1つとして、計画期間Tp中に管理対象の運転に要する費用(以下、単に「コスト」ともいう。)を定義し、定義したコストの最小化(以下、「コスト最小化」ともいう。)を目的関数として、管理対象の運用計画を線形計画法などの数理計画法により算出する場合を想定する。
この場合、従来では、EMS2に設定する管理対象のモデル化の一環として、蓄電装置6に関する次の制約条件(a)及び(b)が定義される。
なお、以下において、変数iは、蓄電装置6が複数台である場合に各蓄電装置6を識別するための変数であり、変数tは、上述の時間ステップt(図3参照)である。
(a)充電残量の制約条件
充電残量の下限値(i)≦充電残量(i,t)≦充電残量の上限値(i)
(b)充放電電力の制約条件
充電電力の下限値(i)≦充電電力(i,t)≦充電電力の上限値(i)
放電電力の下限値(i)≦放電電力(i,t)≦放電電力の上限値(i)
また、コストとしては、電力系統14から受電する場合の「買電料金」と、発電に費用を要するガス発電機などの発電装置8が電力設備1に含まれる場合における、発電に必要な「燃料費」及び「起動費」などが含まれる。
しかし、従来では、蓄電装置6の放電電力についてはコストに含めない。すなわち、蓄電装置6の放電電力については、過去に蓄電装置6に充電するのに費用がかかっているにも拘わらず、コストの算出要素に含めないのが従来の考え方である。
従って、「コスト最小化」を目的関数として運転計画を算出する場合に、計画演算部33は、運転計画の初期値として与える蓄電装置6の「充電残量」、すなわち、前回の計画期間Tpにおいて充電済みの電力は、今回の計画期間Tpにおいてコスト不要で使用できる電力として扱うことになる。
このため、計画期間Tpの終了時点までに蓄電装置6の充電残量が0となる運転計画が作成され、実際には必ずしも放電の必要がない状況でも、蓄電装置6が無駄な放電を行う運転計画となる可能性がある。
すなわち、コスト最小化を目的関数とする運用計画を数理計画法にて求める場合には、単価(円/kWh)の安い電力供給源が優先的に使用される。
このため、蓄電装置6の制約条件として、上記(a)及び(b)に定義される充電残量の上下限や充放電電力の上下限(その他に「充放電ロス」を考慮する場合もある。)しか考慮しないと、運転計画の初期値となる蓄電装置6の充電残量についてはコスト不要で使用できる電力と見なされ、計画期間Tpの終了時点において充電残量が0となる計画が算出される。
しかし、昼夜間の受電単価が同じ或いはそれほど差がない場合や、充放電効率を考慮すれば、放電単価が昼間の受電単価よりも大きくなる場合には、夜間に充電した電力を昼間に放電する運転計画が必ずしもコスト面で有利であるとは限らない。
このように、時間帯による受電単価の差がない場合や、充放電ロスが大きいために必ずしも放電がコスト面で有利でない場合には、蓄電装置6の放電電力に関して何らかのコストを考慮しておく必要がある。
〔課題の解決原理〕
そこで、本実施形態のEMS2では、蓄電装置6に関する制約条件として、上記の(a)及び(b)の制約条件に加えて、次の(c)及び(d)の制約条件を追加することにより、管理対象に蓄電装置6を含む場合の課題を解決する。
なお、以下において、「放電コスト」とは、蓄電装置6を蓄電するのに要した費用(電力系統14からの受電により充電した場合には、受電電力料金)が放電時に発生すると見なして定義される、放電電力に関する仮想のコストのことを意味する。
(c)放電コストの制約条件
計画期間Tp中に管理対象の運転に要する費用(コスト)の1つとして、次の算出式により求まる「放電コスト」を定義する。
放電コスト(i)
=放電単価(i)×{充電残量(i,tinitial)−充電残量(i,tlast)}
なお、上記の放電コストの算出式において、「tinitial」は運転計画Tpの開始時点であり、「tlast」は運転計画Tpの終了時点である。
また、「放電単価(i)」は、ソルバ(計画演算部33)が数理計画法による演算を実行する前の処理により算出されるが、その算出方法は後述する。
(d)充電残量の制約条件
計画期間Tpの最終時刻における蓄電装置6の充電残量は、計画期間Tpの開始時刻における蓄電装置6の充電残量より小さいものとする。すなわち、次の不等式が成立するものとする。
充電残量(i,tinitial)≧充電残量(i,tlast
そして、コストとしては、電力系統14から受電する場合の「買電料金」と、発電に費用を要するガス発電機などの発電装置8が電力設備1に含まれる場合における、発電に必要な「燃料費」及び「起動費」などの他に、更に上記の「放電コスト」を加える。
このように、本実施形態では、計画演算部33が、「コスト最小化」を目的関数として管理対象の運転計画を算出する場合に、蓄電装置6の放電に関して上記の放電コストを考慮した運転計画を算出する。
具体的には、本実施形態のEMS2では、計画期間Tp中の管理対象の運転に要する費用であるコストの算出式に、「買電料金」、「燃料費」及び「起動費」などの従来のコストに加えて、「放電コスト」を入力装置24により設定することができる。
そして、EMS2の計画演算部33は、放電コストを含むコストの最小化を目的関数として、管理対象の運転計画を算出する。
なお、コストを正数で見積もる場合は、目的関数は「コスト最小化」となるが、コストを負数で見積もって目的関数を「コスト最大化」に設定することにしてもよい。
また、本実施形態において、EMS2の計画演算部33が算出する運転計画には、蓄電装置6の充電電力、放電電力及び充電残量と、電力系統14の受電電力と発電装置7,8の発電電力のうちの少なくとも1つが含まれる。
〔放電単価の算出方法〕
本実施形態のEMS2では、計画演算部33は、今回の時間ステップtの放電単価(t)を、蓄電装置6を充電する際にかかった「平均電力単価」と、前回の時間ステップt−1の放電単価(t−1)とから算出する。
具体的には、計画演算部33は、次の式(x)により「平均電力単価」を算出する。
平均電力単価= (発電料金+買電料金)
÷(受電電力量+発電量1+発電量2) ……(x)
ここで、「発電料金」は、発電装置8の発電に要する燃料費及び起動費のことである。また、「発電量1」は、発電装置8の発電量のことであり、「発電量2」は、発電装置7の発電量のことである。
また、計画演算部33は、上記の式(x)で算出した平均電力単価を次の式(y)に代入することより、今回の時間ステップの「放電単価(t)」を算出する。
放電単価(t)
=[放電単価(t-1)×充電残量(t-1)+平均電力単価×{充電残量(t)−充電残量(t-1)}]
÷充電残量(t) ……(y)
そして、計画演算部33は、上記の式(y)で算出した放電単価(t)を、前述の放電コストの算出式に代入し、今回の時間ステップtにおける放電コストを算出する。
なお、今回の時間ステップtの放電単価(t)は、平均電力単価に応じて厳密に算出するだけでなく、任意に定めた設定値であってもよい。
〔EMSの効果〕
本実施形態のEMS2によれば、入力装置24に対する操作入力などにより、計画期間Tp中の管理対象の運転に要する費用であるコストの算出式を含む、管理対象の運転状態をモデル化した複数の制約条件と、制約条件の下で達成すべき目的関数とを取得し、制御装置21の計画演算部33が、取得した制約条件と目的関数を用いて管理対象の運転計画を算出する。
そして、入力装置24などから操作入力されたコストの算出式に、蓄電装置6の充電に要した費用が放電時に発生すると見なす放電コストが含まれ、制御装置21の計画演算部33が、放電コストを含むコストの最適化(最大化又は最小化)を目的関数として管理対象の運転計画を算出するので、明らかに無駄な放電を蓄電装置6が行う運転計画が算出されなくなり、コスト面で適切な運転計画を算出することができる。
本実施形態のEMS2によれば、上述の制約条件(c)に示す通り、制御装置21の計画演算部33が、計画期間Tpの開始時点における蓄電装置6の充電残量から、計画期間Tpの終了時点における蓄電装置6の充電残量を減算した差分に、所定の放電単価を乗算することにより、放電コストを算出する。
このように、本実施形態では、計画期間Tpの最初と最後の充電残量のみに基づいて放電コストを算出し、計画期間Tpの途中の充電残量の増減については放電コストの算出要素としては考慮してない。
その理由は、計画期間Tpの途中で生じる短期的な充電残量の変動に伴うコストは、計画期間Tp中の受電料金や燃料費としてコストに織り込み済みなので、当該計画期間Tpの全期間中において最終的に変動した充電残量の差分を考慮すれば足りるからである。
本実施形態のEMS2によれば、上述の制約条件(d)に示す通り、運転計画を算出するための制約条件として、計画期間Tpの終了時点における蓄電装置6の充電残量が、計画期間Tpの開始時点における蓄電装置6の充電残量以下であることが含まれる。
その理由は、制約条件(c)によって算出される放電コストがマイナスにならないようにして、計画期間Tpにおいて蓄電装置6が常に充電を行おうとするのを防止するためである。
すなわち、充電残量(i,tinitial)<充電残量(i,tlast)となるのを許容すると、制約条件(c)の放電コストが負値になることが許容される。
従って、当該計画期間Tpにおいて、蓄電装置6が充電するほど、放電コストが低下してコストを全体的に押し下げる方向に作用する。このため、計画期間Tpにおいて蓄電装置6が常に充電を行い易くなる運転計画となり、例えば、電気料金が高額な昼間のピーク時でも無制限に充電が行われるなどの不合理な充電が行われる可能性がある。
これに対して、本実施形態では、充電残量(i,tinitial)≧充電残量(i,tlast)とする上述の制約条件(d)を採用しているので、制約条件(c)の放電コストが負値になることがない。
従って、当該計画期間Tpにおいて、蓄電装置6が充電するほど、放電コストが低下するということがない。このため、計画期間Tpにおいて蓄電装置6が常に充電を行い易くなることがなく、蓄電装置6が不合理な充電を行う運転計画を防止することができる。
〔運転計画のシミュレーション〕
本願発明者は、本実施形態のEMS2の効果を確認するため、運転計画のシミュレーションを実行した。以下、そのシミュレーションの内容と結果を説明する。
図6は、運転計画のシミュレーションに用いた電力設備の構成図である。
図6に示すように、シミュレーションに用いた電力設備の管理対象には、「電力系統」、「蓄電装置」及び「負荷装置」が含まれる。
目的関数は、図6の電力設備に対する「コスト最小化」であり、コストの制約条件などを含む複数の制約条件として、次の(式1)〜(式11)で表す制約条件を設定した。
「コストの制約条件」
コスト[円]=電気料金単価[円/kWh]×受電電力(t)[kW]×計画の刻み幅[h]+放電コスト[円] ……(式1)
「エネルギーバランスの制約条件」
受電電力(t)[kW]=需要電力(t)[kW]−充放電電力(t)[kW] ……(式2)
なお、(式2)において、「充放電電力」とは、「充電電力」と「放電電力」の和を表す変数(後述の(式8)参照)であり、マイナスの場合は蓄電装置の状態が充電であることを意味し、プラスの場合は蓄電装置の状態が放電であることを意味する。
「受電電力の制約条件」
受電電力(t) [kW]≦契約電力 [kW] ……(式3)
(式3)は、契約電力を超える受電電力の供給を受けると、高額なペナルティ料金が電力会社から課されることを考慮した条件である。
「充放電限界の制約条件」
充電限界(t) [kW]≦充放電電力(t) [kW]≦放電限界(t) [kW] ……(式4)
充電限界(t) [kW]×(1−充放電フラグ)≦充電電力(t) [kW]≦0 [kW] ……(式5)
0[kW]≦放電電力(t) [kW]≦放電限界(t) [kW]×充放電フラグ ……(式6)
(式4)〜(式6)において、「充放電フラグ」は、0又は1のいずれかの値をとる変数であり、1の場合は「放電」を意味し、0の場合は「充電」を意味する。
「充電残量の制約条件」
充電残量の下限値[kWh]≦充電残量(t)[kWh]≦充電残量の上限値[kWh] ……(式7)
充電残量(tinitial)[kWh]≧充電残量(tlast)[kWh] ……(式8)
なお、(式8)は上述の充電残量の制約条件(d)と同じである。
「充放電電力の制約条件」
充放電電力(t)[kW]=充電電力(t)[kW]+放電電力(t)[kW] ……(式9)
「充電残量変化量の制約条件」
充電残量(t)[kWh]−充電残量(t-1)[kWh]
=−(充電電力(t)[kW]×充電効率+放電電力(t)[kW]/放電効率)×計画刻み幅[h]
……(式10)
「放電コストの制約条件」
放電コスト
=(充電残量(tinitial) [kWh]−充電残量(tlast) [kWh])×放電単価[円/kWh]
……(式11)
なお、(式11)は上述の放電コストの制約条件(c)と同じである。
図7は、運転計画のシミュレーションに用いた需要パターンを示すグラフである。
図7に示すように、シミュレーションの需要パターンには、t=0〜24までの時間ステップtが含まれる。シミュレーションでは、t=0における初期条件を基にt=1〜24の運転計画を作成する。各時間ステップtにおける需要電力は、運転計画の開始時点で800kwであり、その後、段階的に1100kwまで上昇し、計画期間の終了時点で概ね900kwに低下するものとした。
〔シミュレーションの結果〕
図8は、従来手法に基づく運転計画のシミュレーション結果を示すグラフである。
図9は、実施形態に基づく運転計画のシミュレーション結果を示すグラフである。
図8及び図9のグラフにおいて、各時間ステップに対応する棒グラフの高さは「需要電力」を表す。各棒グラフの白抜き部分は「受電電力」を表し、ハッチング部分は「充放電電力」を表す。また、太い破線は「契約電力」を表し、実線は充電残量を表す。
従来手法に基づく運転計画(図8)では、上記の(式1)〜(式11)のうち、(式1)に「放電コスト」が含まれていない。また、従来手法に基づく運転計画(図8)では、上記(式8)及び(式11)が制約条件に含まれていない。
実施形態に基づく運転計画(図9)では、上記の(式1)〜(式11)がすべて制約条件として設定されている。すなわち、実施形態に基づく運転計画(図9)では、(式1)に「放電コスト」が含まれ、上記(式8)及び(式11)も制約条件に含まれる。
図8に示すように、従来手法に基づく運転計画では、「需要電力≦契約電力」となる時間帯、すなわち、電気料金のペナルティがかかる「需要電力>契約電力」となる時間ステップ13〜18以外の時間帯でも、蓄電装置6が常に放電を行い、最終的に充電残量がゼロになっている。
このように、従来手法に基づく運転計画では、(式1)に放電コストが含まれていないので、すべての時間ステップ1〜24で放電が行われ易い運転計画になるが、かかる運転計画は、蓄電装置の放電単価>受電単価であるような場合は、コスト面で最適であるとは言えない。
図9に示すように、実施形態に基づく運転計画では、電気料金のペナルティがかかる「需要電力>契約電力」となる時間ステップ12〜17だけ放電され、その時間帯以外は、放電が行われていない。
このように、実施形態に基づく運転計画では、(式1)に放電コストが含まれているので、例えば放電コストが比較的高額である場合には、「需要電力>契約電力」となる時間ステップ13〜18を除いて、需要電力を受電電力で賄える期間中は放電されなくなる。かかる運転計画は、蓄電装置の放電単価>受電単価であるような場合は、コスト面で最適となる。
〔変形例に係るEMS〕
図10は、変形例に係る熱利用設備に構成図である。
上述の実施形態では、EMS2の管理対象が電力設備1である場合を例示したが、EMS2が「電力」の代わりに「熱量」を制御することにすれば、上述の実施形態のEMS2を、図10に示す熱利用設備のエネルギー管理システムに適用することもできる。
図10に示すように、熱利用設備は、熱源系統、熱需要装置及び蓄熱装置を含む。これらの管理対象は、例えば、熱媒体である水(水蒸気を含む。)や油などを流通させる配管によって互いに接続されている。
熱源系統は、例えば、ガス会社から供給されたガスの燃焼熱により熱媒体を昇温する加熱装置などの、発熱に費用を要する装置又は設備よりなる。熱源系統は、電力設備1における電力系統14又は発電に費用を要する発電装置8に対応する。
熱需要装置は、例えば、ボイラーや暖房装置などの、配管から供給された熱媒体の熱を利用する装置又は設備よりなる。熱需要装置は、電力設備1の負荷装置4,5における対応する。
蓄熱装置は、例えば、アキュムレータなどの、配管から供給された熱媒体による蓄熱機能と、熱媒体を加熱して放出する放熱機能とを有する装置又は設備よりなる。蓄熱装置は、電力設備1の蓄電装置6に対応する。
図10の熱利用設備のエネルギー管理システムは、発熱に費用を要する熱源系統と、熱需要装置及び蓄熱装置とを含む管理対象の運転計画を算出するエネルギー管理システムとして構成される。
また、熱利用設備のEMSは、計画期間中の管理対象の運転に要する費用であるコストの算出式を含む、管理対象の運転状態をモデル化した複数の制約条件と、制約条件の下で達成すべき目的関数とを取得する取得部と、取得した制約条件と目的関数を用いて運転計画を算出する制御部と、を備える。
そして、上述の実施形態のEMS2と同様の解決原理を図10の熱利用設備のEMSに適用するには、当該熱利用設備のEMSにおいて、取得部が取得するコストの算出式に、蓄熱装置の蓄熱に要した費用が放熱時に発生すると見なす放熱コストを含めることにし、制御部が、放熱コストを含むコストの最適化を目的関数として運転計画を算出するようにすればよい。
〔その他の変形例〕
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
上述の実施形態では、工場の電力設備1の電力需給を管理するEMS2(FEMS:Factory Energy Management System)を例示したが、EMS2は、例えば下記に示す他の種類のEMSであってもよい。
HEMS(Home Energy Management System)
BEMS(Building Energy Management System)
MEMS(Mansion Energy Management System)
CEMS(Community Energy Management System)
上述の実施形態では、EMS2の管理対象である電力設備1として、商用電源14に系統連系された電力設備1を例示したが、電力設備1は商用電源14に繋がっていない自立型の電力設備であってもよい。
また、上述の実施形態において、電力設備1の最小構成としては、少なくとも、EMS2が運転計画を算出する管理対象として、発電に費用を要する発電装置8及び電力系統14のうちの少なくとも1つと、負荷装置4,5及び蓄電装置6とが含まれておればよい。
1 電力設備
2 エネルギー管理システム(EMS)
3 交流配電線
4 調整型の負荷装置
5 非調整型の負荷装置
6 蓄電装置
7 自然エネルギー発電装置
8 非常用の発電装置
11 DC/ACコンバータ
14 商用電源(電力系統)
15 スマートメーター(電力量計)
16 通信線
21 制御装置(制御部)
22 記憶装置
23 通信装置
24 入力装置(取得部)
25 表示装置
31 発電予測部
32 需要予測部
33 計画演算部
34 計画実行部
DB1 データベース
DB2 データベース

Claims (6)

  1. 発電に費用を要する発電装置及び電力系統のうちの少なくとも1つと、負荷装置及び蓄電装置とを含む管理対象の運転計画を算出するエネルギー管理システムであって、
    計画期間中の前記管理対象の運転に要する費用であるコストの算出式を含む、前記管理対象の運転状態をモデル化した複数の制約条件と、前記制約条件の下で達成すべき目的関数とを取得する取得部と、
    取得した前記制約条件と前記目的関数を用いて前記運転計画を算出する制御部と、を備えており、
    前記取得部が取得する前記コストの算出式には、前記蓄電装置の充電に要した費用が放電時に発生すると見なす放電コストが含まれ、
    前記制御部は、前記放電コストを含む前記コストの最適化を前記目的関数として前記運転計画を算出するエネルギー管理システム。
  2. 前記制御部が算出する前記運転計画には、前記蓄電装置の充電電力、放電電力及び充電残量と、前記電力系統の受電電力及び前記発電装置の発電電力のうちの少なくとも1つとが含まれる請求項1に記載のエネルギー管理システム。
  3. 前記制御部は、前記計画期間の開始時点における前記蓄電装置の充電残量から、前記計画期間の終了時点における前記蓄電装置の充電残量を減算した差分に、所定の放電単価を乗算することにより、前記放電コストを算出する請求項1又は請求項2に記載のエネルギー管理システム。
  4. 前記制約条件には、前記計画期間の終了時点における前記蓄電装置の充電残量が、前記計画期間の開始時点における前記蓄電装置の充電残量以下であることが含まれる請求項3に記載のエネルギー管理システム。
  5. 発電に費用を要する発電装置及び電力系統のうちの少なくとも1つと、負荷装置及び蓄電装置とを含む管理対象の運転計画を算出する、エネルギー管理システムに用いるコンピュータプログラムであって、コンピュータを、
    計画期間中の前記管理対象の運転に要する費用であるコストの算出式を含む、前記管理対象の運転状態をモデル化した複数の制約条件と、前記制約条件の下で達成すべき目的関数とを取得する取得部、及び、
    取得した前記制約条件と前記目的関数を用いて前記運転計画を算出する制御部として機能させ、
    前記取得部が取得する前記コストの算出式には、前記蓄電装置の充電に要した費用が放電時に発生すると見なす放電コストが含まれ、
    前記制御部は、前記放電コストを含む前記コストの最適化を前記目的関数として前記運転計画を算出するコンピュータプログラム。
  6. 発電に費用を要する発電装置及び電力系統のうちの少なくとも1つと、負荷装置及び蓄電装置とを含む管理対象の運転計画を、エネルギー管理システムにより算出する方法であって、
    計画期間中の前記管理対象の運転に要する費用であるコストの算出式を含む、前記管理対象の運転状態をモデル化した複数の制約条件と、前記制約条件の下で達成すべき目的関数とを取得する第1のステップと、
    取得した前記制約条件と前記目的関数を用いて前記運転計画を算出する第2のステップとを含み、
    前記第1のステップにおいて取得する前記コストの算出式には、前記蓄電装置の充電に要した費用が放電時に発生すると見なす放電コストが含まれ、
    前記第2のステップにおいて、前記放電コストを含む前記コストの最適化を前記目的関数として前記運転計画を算出する運転計画の算出方法。
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