JP2016129761A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】案内通路を有する遊技機であって同案内通路を流下する遊技球の案内先を好適に変更することができる遊技機を提供する。【解決手段】パチンコ機は、遊技盤が搭載された内枠と上皿及び下皿が設けられた前扉枠とを有している。遊技盤に設けられた各種入賞口へ遊技球が入ると払出装置724から所定数の遊技球が払い出され、それら遊技球が第1払出通路部811を通じて上皿に案内される。第1払出通路部811(詳しくは上下通路部812)の途中位置には開口部818が形成され、同開口部818を通じて下皿用の第2払出通路部815が連なっている。上下通路部812は、遊技球が流下する流下領域と、上下通路部812の通路壁部826において開口部818と対向する部位を凹ませることで形成された拡張領域とを有している。拡張領域は、同領域に流入した遊技球が当該領域と流下領域とに跨って滞留可能となるように形成されている。【選択図】 図46

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機には、前扉枠の上皿に貯留された遊技球が、発射操作に基づいて遊技球発射装置へ案内され、遊技盤の遊技領域へ向けて打ち出されるものがある。そして、例えば遊技領域に配設された入賞口や可変入賞装置等に遊技球が入球した場合には、払出装置から所定数の遊技球が払い出される。払出装置から払い出された遊技球は、遊技機内部に設けられた案内通路を通じて上記上皿や同上皿の下方に設けられた下皿へと案内される。
案内通路は、払出装置と上皿とを繋ぐ第1通路部と、その第1通路部の途中位置から分岐し下皿へ繋がる第2通路部とを有している。それら両通路部は第1通路部に形成された開口部を通じて連通しており、第1通路部にて積み上がった遊技球が開口部に到達した場合には、それら滞留中の遊技球群に対して後続する遊技球が開口部を通じて第2通路部へ流入し、下皿へと案内される(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−200387号公報
しかしながら、上述の如く遊技球の案内先を変更する構成においては、遊技球がうまく開口部へ向けて移動しなかった場合に球詰り等の不都合が生じると懸念され、未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、案内通路を有する遊技機において同案内通路を流下する遊技球の案内先を好適に変更することができる遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明は、
遊技球を案内する案内通路を備え、
前記案内通路は、
遊技球が流下する流下領域と、
前記案内通路の途中位置に設けられ、同案内通路からの遊技球の流出を許容する流出口と、
前記案内通路における前記流出口が設けられた箇所にて前記流下領域を区画している同案内通路の一部が当該案内通路の通路方向に対して交差する方向に拡張されてなり、前記流下領域内にて溜まった遊技球が少なくとも前記流出口に達した状態となって滞留している場合に、それら滞留中の遊技球に対して後続する遊技球が流入可能な流入領域と
を有し、
前記案内通路において前記流出口よりも上流側の上流側通路部は、当該上流側通路部の出口部分が、1の遊技球は通過可能であるが、複数の遊技球が同時に通過することができない開口面積を有するようにして形成されており、
前記流入領域は、同流入領域に流入した遊技球が当該流入領域と前記流下領域とに跨って滞留可能となるように形成されていることを特徴とする。
案内通路を有する遊技機において同案内通路を流下する遊技球の案内先を好適に変更することができる。
一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の構成を示す背面図である。 前扉枠の構成を示す背面図である。 内枠の構成を示す正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 内枠の構成を示す背面図である。 遊技盤の背面構成を示す斜視図である。 主要な構成を分解して示す内枠の正面斜視図である。 図6のA−A線部分断面図である。 図6のB−B線部分断面図である。 遊技盤の着脱の流れを示す概略図である。 遊技盤の着脱の流れを示す概略図である。 ロック装置を内枠から取り外した状態を示す分解斜視図である。 図6のC―C線部分断面図である。 開放された前扉枠と遊技盤及び挿入部との位置関係を示す概略図である。 (a1)〜(c1)は遊技盤の交換の様子を概略的に示す断面図であり、(a2)〜(c2)は遊技盤の交換の様子を概略的に示す正面斜視図である。 (d1),(e1)は遊技盤の交換の様子を概略的に示す断面図であり、(d2),(e2)は遊技盤の交換の様子を概略的に示す正面斜視図である。 内枠からハンドルベースを取り外した状態を示す分解斜視図である。 施錠装置を内枠から取り外した状態を示す斜視図である。 施錠装置を後方から見た斜視図である。 施錠装置を主要構成部品毎に分解して示す分解斜視図である。 前扉枠の開閉途中状態を示す概略図である。 両鉤部材の位置関係を示す概略図である。 操作キーKを時計回りに回動操作した状態を示す概略図である。 操作キーKを反時計回りに回動操作した状態を示す概略図である。 図4のE―E線部分断面図である。 外枠の正面斜視図である。 図8のF―F線部分断面図である。 カム部材及びネジと開口部との関係を示す概略図である。 裏パックユニットの構成を示す正面図である。 裏パックユニットの構成を示す分解斜視図である。 タンク及びタンクレールユニットの平面図である。 タンク及びタンクレールユニットをベース部から取り外した状態を示す斜視図である。 図34のG―G線部分断面図である。 球ストッパの動作を示す概略図である。 上下通路ユニットの構成を示す斜視図である。 上下通路ユニットの構成を示す分解斜視図である。 上下通路ユニットの構成を示す分解斜視図である。 (a)図38のH―H線部分断面図、(b)図38のI―I線部分断面図である。 払出装置の構成を示す分解斜視図である。 図4のM―M線部分断面図である。 図4のN―N線部分断面図である。 図38のJ―J線部分断面図である。 (a)図32のP―P線部分断面図、(b)図44のQ―Q線部分断面図である。 遊技球の振分態様を示す概略図である。 検知機構及びその周辺の構成を示す概略図である。 検知機構の動作を示す概略図である。 シャッタ機構の分解斜視図である。 (a)図43の部分拡大図、(b)図44の部分拡大図である。 シャッタ機構の動作を示す概略図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 遊技球の払い出しに関する電気的構成を示すブロック図である。 払出停止処理を示すフローチャートである。 ロック装置の変形例を示す概略図である。 施錠装置の変形例を示す概略図である。 シャッタ機構の変形例を示す概略図である。 球止め手段の変形例を示す概略図である。 検知機構の変形例を示す概略図である。 遊技球の振り分けに関する構成の変形例を示す概略図である。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、パチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1〜図3を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図5を参照する。図5は、前扉枠14の背面図である。
図2に示すように前扉枠14は内枠13における前面側のほぼ全域を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。
より詳しくは、前扉枠14は、窓部21を囲むようにして設けられたガラスホルダ27を有している。ガラスホルダ27は、前扉枠14の背面から後方に張り出しており、窓部21の左右の縁部に沿って上下に延びる縦ホルダ部27a,27bとそれら両縦ホルダ部27a,27bの下端部を繋いで左右に延びる横ホルダ部27cとを有してなる。各ホルダ部27a〜27cには、前後に並設された2条の溝部が形成されている。縦ホルダ部27a,27bの溝部は上方及び互いに向き合う側(すなわち窓部21の中央側)に開放されており、横ホルダ部27cの溝部は、上方に開放されているとともに、両縦ホルダ部27a,27bの溝部に対して連なっており、それら各溝部に対してガラス22が嵌まることで、遊技領域PEが内外2重に覆われた状態となっている。
図1に示すように窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、窓部21の左右両側には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、中央のエラー表示ランプ部24に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル40が設けられている。遊技球発射ハンドル40が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2及び図5に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路部51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路部52とが形成されてなる。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路部51と前扉側下皿通路部52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路部51及び前扉側下皿通路部52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路部51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路部52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側(図5の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸61,62が設けられている。これら突起軸61,62は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側(図5の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤受け部材63が上下方向に複数並設されている。これら鉤受け部材63は内枠13に対する施錠機構を構成する。なお、施錠機構に関しての詳細な説明は後述する。
なお、通路形成ユニット50の下方には、ウーハ装置58(低音域再生用スピーカ)が装着されており、そのウーハ装置58の背後には同ウーハ装置58を後方から覆うウーハカバー(図示略)が取り付けられている。ウーハカバーは通路形成ユニット50に連結されており、これらウーハカバーおよび通路形成ユニット50によってウーハ室が区画形成されている。
次に、内枠13について詳細に説明する。図6は内枠13の正面図である。なお、図6においては、図2と同様にパチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の前面における回動基端側(図6の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース70前面の略中央部分には、遊技盤80を収容する遊技盤収容部75が形成されている。遊技盤収容部75は、樹脂ベース70の背面側(後方)に凹み、遊技盤80を収容する収容空間を区画しており、樹脂ベース70に取り付けられた遊技盤80がその収容空間に嵌まった状態となっている。本実施の形態においては特に、遊技盤80が樹脂ベース70に対して着脱可能に取り付けられており、メンテナンス作業等の容易化が図られている。
遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が遊技盤収容部75の開放部分を通じて樹脂ベース70の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。以下、図7に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図7は、遊技盤80の正面図である。
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84及び可変表示ユニット85等がそれぞれ設けられている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口86が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口86を通って遊技領域PEから排出される。
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘87が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘87や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確立で発生するように調整されている。
可変入賞装置82は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置82の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、同可変入賞装置82の開放が複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として繰り返されるように設定されている。
可変表示ユニット85は遊技盤80の中央上寄りに配置されており、その下方に作動口83a,83bが配置されている。より詳しくは、作動口83a,83bは、作動口83aを上側、作動口83bを下側として上下に並設されている。可変表示ユニット85及び作動口83a,83bは、遊技性を司る部位であり遊技者の注意が集まりやすい。それら可変表示ユニット85及び作動口83a,83bを遊技機中央において上下に並べて配置することで両者間での視線の移動量を抑え、遊技者の目に生じる負担の低減に貢献している。
可変表示ユニット85は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置94を備えている。図柄表示装置94は、液晶ディスプレイ(表示画面94a)を備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御されている。具体的には、表示画面94aにおいては、上段,中段及び下段に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示される。そして、大当たり発生時には、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示され、特別遊技状態へと移行される。なお、表示画面94aにおける表示態様を以下のように変更してもよい。すなわち、左,中及び右に並べて図柄を表示し、それら図柄を上下スクロールさせるようにして変動表示させてもよい。
また、可変表示ユニット85は、図柄表示装置94を囲むようにして形成されたセンターフレーム95を備えている。センターフレーム95の上部には、第1特定ランプ部96及び第2特定ランプ部97が設けられている。また、センターフレーム95の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部98,99が設けられている。下側の保留ランプ部98は、図柄表示装置94及び第1特定ランプ部96に対応しており、遊技球が作動口83を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部98の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部99は、第2特定ランプ部97に対応しており、遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部99の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
再び図6を用いて説明すれば、樹脂ベース70における遊技盤収容部75の下方には、遊技球発射ハンドル40の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。より詳しくは、樹脂ベース70において遊技盤収容部75の下方には遊技球発射機構110を設置する発射機構設置部79が形成されている。この発射機構設置部79に設置された遊技球発射機構110は、内枠13の回動先端寄りに位置している。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送り機構113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース70に対してネジ止めされることで内枠13に対して一体化されている。なお、球送り機構113は、の上下幅を減縮しつつ、上記ソレノイド111及び発射レール112と前後に重なる位置に配置することで(上下位置を下げることで)、後述する遊技盤80の着脱軌道との干渉が回避されている。
遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向、すなわち発射レール112のレール方向に移動し、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技領域PE、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、後述する遊技領域区画部材480と共に遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって挟まれた領域によって遊技球の誘導通路103が形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(内枠13の回動先端側)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
誘導レール100は、遊技球発射ハンドル40が遊技球を遊技領域PEに到達させることができる程度に操作された場合に、すなわち遊技球発射ハンドル40の操作量が第1の規定量を超えた場合に、発射レール112から打ち出された遊技球が当該誘導レール100の入口部分104、詳しくは外レール102において発射レール112の延長上に位置する特定部位SPに着地するように形成されている。
外レール102は、その特定部位SPにおける接線TLの向きが発射レール112のレール方向と略同一となるように形成されている。発射された遊技球の移動方向と、特定部位SPの接線TL方向を揃えることにより、遊技球の着地によって生じる衝撃を低減するとともに同遊技球の跳ね返りを抑え、誘導レール100によるそれら遊技球の円滑な誘導を可能としている。
なお、外レール102は、当該外レール102を遊技盤80に対して固定する固定手段として複数の固定ピン102aを備えている。固定ピン102aは外レール102に沿って配設されており、それら固定ピン102aの間に上記特定部位SPが設定されている。これにより、特定部位SPでの外レール102の若干の撓み変形(弾性変形)を許容し、同特定部位SPに遊技球が着地した際の衝撃を低減することが可能となっている。
図6に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104(詳しくは特定部位SP)と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路55が配設されている。ファール球通路55は前扉枠14の通路形成ユニット50に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路55内に入ることとなる。ファール球通路55は前扉側下皿通路部52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース70において発射レール112の左方には、払出通路形成部材900が設けられている。払出通路形成部材900は上皿用と下皿用の2条の通路部を有している。払出通路形成部材900の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、内枠13側の払出通路部と前扉枠14側の払出通路部とが連通している(図5参照)。払出通路形成部材900についての詳細は後述する。
次に、図8に基づき内枠13(樹脂ベース70及び遊技盤80)の背面構成について説明する。図8は内枠13の背面図である。
樹脂ベース70における遊技盤収容部75の底部分(後述する対向板部251)には樹脂ベース70の厚さ方向に貫通し同樹脂ベース70の背面側に開放された中央開口76が形成されており、その中央開口76が遊技盤収容部75に収容された遊技盤80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤80の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は中央開口76を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、図9に基づき遊技盤80の背面の構成について詳細に説明する。図9は遊技盤80を後方から見た斜視図である。
遊技盤80の背面には、可変表示ユニット85を遊技盤80に対して搭載する合成樹脂製の台座部材141が固定されている。台座部材141は、遊技盤80側に開放された略箱状をなしており遊技盤80の背面のほぼ全域を覆っている。台座部材141の一部は樹脂ベース70の中央開口76を通じて同樹脂ベース70の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置94と、その図柄表示装置94を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置94及び表示制御装置は前後方向(樹脂ベース70の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、遊技盤80には、表示制御装置の後方に位置するようにして音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
音声ランプ制御装置ユニット142の下方には、台座部材141を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤80の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
台座部材141において遊技盤80の背面と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82,上作動口83a,下作動口83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤80の下方に集合する構成となっている。つまり、台座部材141には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口86についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口86を介して排出通路内に導出される。
また、上記回収通路には、遊技盤80表側の一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する入賞口スイッチと、可変入賞装置82に入賞した遊技球を検知するカウントスイッチと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口スイッチとが装着されており、それら各種スイッチによって入賞検知機構が構成されている。更に、台座部材141において可変表示ユニット85の左右両側には、スルーゲート84を通過する遊技球を検知するゲートスイッチが設けられている。これら各種スイッチは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各スイッチによる検知情報が同主制御装置162に出力される構成となっている。
<遊技盤80の取付構造>
本実施の形態においては、遊技盤80の取付構造(具体的には同遊技盤80の位置決め構造決め及び固定構造)に関して特徴的な構成を備えている。以下、図6に加え図10,図11を用いて遊技盤80の取付構造について詳しく説明する。図10は主要な構成を分解して示す内枠13の正面斜視図、図11は図6のA−A線部分断面図である。
既に説明したように、遊技盤80は、内枠13の遊技盤収容部75に対して同内枠13の正面側から嵌まっている(図6参照)。図10に示すように、遊技盤収容部75は、遊技盤80の背面に対向する平板状の対向板部251と、同対向板部251から起立し遊技盤80の周縁に沿って延びる周壁部261とによって構成されている。対向板部251は、その略中央に上述した中央開口76が形成されており、内枠13の正面視において略矩枠状をなしている。周壁部261は、遊技盤80における上下左右の各端面に対して個々に対向する上側壁部262,下側壁部263,左側壁部264,右側壁部265が連なってなり、全体として遊技盤80を囲む環状をなしている。なお、周壁部261は中央開口76を囲むようにして形成されているとも言える。
対向板部251において前扉枠14の回動基端側となる部位、詳しくは左側壁部264の根元周辺には、遊技盤80を対向板部251から離れる側(内枠13の正面側)に向けて付勢する付勢部材としての板バネ270が同遊技盤80の縁部に添って上下に並設されている。板バネ270は、遊技盤80の上端寄り及び下端寄りにそれぞれ配置されており、遊技盤80に対する付勢力が同遊技盤80の上端側及び下端側にて同等となるように設定されている。これにより、上記付勢力が遊技盤80の上端及び下端のいずれか一方に偏よって作用し、遊技盤80が傾きやすくなること抑制している。
図11に示すように、板バネ270は、対向板部251に対する取付部としてのベース板部271と、遊技盤80の背面を押す押圧部272とを有し、それら両者が折曲部273を介して連なるように長板状の鋼板を折り返して形成されている。押圧部272が折曲部273を基端として撓み変形することにより、上述した付勢力が発揮される。
対向板部251の前面には、内枠13の背面側に凹む板バネ設置部252が形成されている。板バネ270は、ベース板部271が板バネ設置部252に嵌まった状態にて同板バネ設置部252にネジ止めされることで内枠13に対して固定されている。板バネ設置部252の深さ寸法は、ベース板部271の板厚寸法よりも大きく設定されており、ベース板部271と折曲部273とが当該板バネ設置部252内に埋没している。押圧部272は、遊技盤80側に凸となる湾曲状をなし、その頂部272a(遊技盤80に当接する部位)が板バネ設置部252から遊技盤80側に突出した状態となっている。このように頂部272aを突出させておくことにより押圧機能が確保されている。
なお、押圧部272の先端部分は、自由端となっており、遊技盤80を付勢していない自然状態においては同自由端が板バネ設置部252から突出する構成を採用しているが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、板バネ270を、押圧部272の自由端が板バネ設置部252内に常時没するように構成してもよい。これにより、遊技盤80を着脱する際の同遊技盤80と板バネ270の自由端との引っ掛かりを抑制できる。
また、板バネ270は、折曲部273が左側壁部264と対峙するように、すなわち押圧部272の自由端よりも固定端のほうが左側壁部264に対して近くなるように配置されている。このように配置された状態では、ベース板部271が、少なくとも左側壁部264の根元部分に近い位置にて板バネ設置部252の底面に当接している。遊技盤80の付勢に伴って同遊技盤80から受ける反力が押圧部272→折曲部273→ベース板部271を介して対向板部251に伝播した場合に、対向板部251に左側壁部264の根元を基端とする撓み変形が生じることを抑制している。つまり、遊技盤80からの反力を周壁部261の根元付近で受けることで対向板部251の撓み変形を抑え、板バネ270の付勢機能を発揮させやすくしている。
内枠13には、板バネ270による付勢方向の先側から遊技盤80の前面に対して当接することで同遊技盤80の同付勢方向への変位を抑えるストッパ267が設けられている。ストッパ267は、周壁部261の左側壁部264に一体成形されており、同左側壁部264の内壁面から遊技盤収容部75内に張り出している。
ストッパ267と対向板部251との間隔寸法は、遊技盤80の厚み寸法よりも若干大きく、具体的にはそれら両寸法の差が板バネ設置部252からの板バネ270(詳しくは頂部272a)の突出量よりも小さくなる程度に設定されている。このため、板バネ270に押されストッパ267によって前後位置が規定された遊技盤80は、対向板部251に対して僅かに浮いた状態となる。すなわち、遊技盤80と対向板部251との間に隙間が形成される。これは、許容できる遊技盤80の厚さ寸法の範囲を拡張するための工夫である。
ストッパ267は、内枠13の正面視において板バネ270を挟んだ上下両側に2つずつ配置されている。より詳しくは、一対のストッパ267の略中央に板バネ270が配置されている。ストッパ267及び板バネ270の位置を上述の如く規定することで、板バネ270によって押された遊技盤80に対して両ストッパ267のうち一方を支点とした上下方向への回転モーメントが生じることを抑制している。これにより、板バネ270により遊技盤80を付勢する構成において同遊技盤80における上下両端の位置ずれを抑え、当該遊技盤80の位置精度を高めやすくしている。また、一対のストッパ267と板バネ270とによって遊技盤80の位置決め機能が発揮される点に着目すれば、それら一対のストッパ267及び板バネ270によって遊技盤80の位置決め機構が構成され、同位置決め機構が遊技盤80の一辺に沿って複数配置されることで、位置決め機能の向上が図られているとも言える。
位置決め機構(詳しくはストッパ267)の配置に関して補足すれば、これら位置決め機構は上記誘導レール100において遊技盤80の回動基端側に凸となっている部分の上方及び下方に配置されている。これにより、遊技盤80の前面に対して当接するストッパ267と、遊技盤80の前面にて遊技領域PEを区画する誘導レール100とを遊技盤80の前面側にて好適に共存させることが可能となっている。
再び図10を参照して説明すれば、内枠13には、左側壁部264の先端縁に沿って長尺状のプレート部材268が配設されている。プレート部材268は、内枠13の上側枠部13a及び下側枠部13bの両枠部に跨って延びており、同プレート部材268の両端部分が左側枠部13cに対して固定(ネジ止め)されているとともに、同プレート部材268の中間部分が上述したストッパ267に対して固定(ネジ止め)されている。これにより、内枠13において外枠11や前扉枠14に連結されている部分を補強し、更には上述した付勢力等によるストッパ267の変形を抑制している。
以上詳述した板バネ270と同板バネ270の上下に配された一対のストッパ267とによって、遊技盤80の一側部を挿入可能な挿入部280が構築されている(図11参照)。挿入部280は、前扉枠14の回動基端側に配されているとともに、内枠13の回動先端側からの遊技盤80の挿入を許容すべく同内枠13の回動先端側に開放されている。
特に、板バネ270は、押圧部272の頂部272a、すなわち遊技盤80に対して当接する部位がストッパ267よりも前扉枠14が支持されている側から離れるように配されている。つまり、押圧部272の頂部272aとストッパ267との距離寸法D1は、押圧部272の頂部272aとストッパ267との前後方向での間隔寸法D2よりも大きく設定されている。これにより、遊技盤80を挿入部280に対して内枠13の斜め前方から挿入可能としている。また、既に説明したように、ストッパ267と対向板部251との隙間寸法は、遊技盤80の厚さ寸法よりも大きく設定されている。これにより、上述の如く斜め前方から挿入された遊技盤80を、同挿入部280を基端として回動可能としている。なお、ストッパ267の先端部において遊技盤80と対向している部位には面取りが施されており、挿入部280の入口部分が拡張されている。これにより、上記距離寸法D1を大きくし、遊技盤挿入時のストッパ267と遊技盤80とのつかえが抑制されている。なお、図11においては、板バネ270の自然状態(非圧縮状態)を2点鎖線で示している。
再び図10を用いて説明すれば、挿入部280(ストッパ267群)の下方、詳しくは内枠13において左側壁部264と下側壁部263とが交わる位置には、挿入部280に挿入された遊技盤80を仮置き可能な仮置き部290が設けられている。仮置き部290は、内枠13において前扉枠14を支持している部分(詳しくは下側枠部13b)から上方に隆起しており、内枠13における下側枠部13bと同内枠13における左側枠部13cとの両者に繋がっている。
仮置き部290の上端部分は、遊技盤収容部75の下側壁部263よりも上側に位置しているとともに、遊技盤80の下端部に対して対向する平面状をなしている。一方、遊技盤80における回動基端側の下隅部にはこの仮置き部290に対応した下側切欠き部88が形成されている(図6参照)。遊技盤80を挿入部280に挿入し回動開始する初期段階では、この仮置き部290に対して遊技盤80の下側切欠き部88が仮置き(一時的に載置)されることで同遊技盤80の重量の少なくとも一部が両枠部13b,13cによって支えられることとなる。これにより、作業負担を減らし、遊技盤80の回動操作の容易化を図っている。
図6に示すように遊技盤80が装着完了位置に配置されている状態では、遊技盤80の下端部が下側壁部263の上面に載り、上述した仮置き部290と下側切欠き部88との間には僅かな隙間が生じている。遊技盤80は、下側壁部263上に載ることとで、同下側壁部263によって支えられ、その上下位置が規定されることとなる。このように、載置された遊技盤80を下側から支える点に着目すれば、下側壁部263を「載置部263」又は「支持部263」と称することも可能である。
下側壁部263の前端部分には、遊技盤装着時に同遊技盤80を下側壁部263の上面に案内する案内部269が形成されている(図10参照)。案内部269は、遊技盤回動時に当該遊技盤80の下端縁が当接し得る位置に配され、内枠13の正面側に向けて下り傾斜している。遊技盤80を仮置き部290に載せた状態から装着完了位置に向けて回動させると、その途中段階にて遊技盤80の下端部が案内部269に当り、同遊技盤80が案内部269の傾斜に沿って押し上げられる。これにより下側切欠き部88が仮置き部290から離間するとともに遊技盤80の下端部が下側壁部263上に載った状態となり、遊技盤80の重量負荷が仮置き部290から下側壁部263に移ることとなる。
下側壁部263は、遊技球発射機構110と遊技盤80との間に位置しており、遊技球発射機構110に近い位置にて遊技盤80の上下位置が規定される。既に説明したように、誘導レール100の入口部分104と遊技球発射機構110との両者は下側壁部263に添って配されている。これにより、遊技球発射機構110から発射された遊技球の誘導レール100における着地位置のばらつきを抑えやすくなっている。
図10に示すように、対向板部251において下側壁部263の上方には、遊技盤80の左右位置を規定する位置決め突起259が設けられている。位置決め突起259は、下側壁部263の付け根部分の近傍に配され、対向板部251の前面から遊技盤80側に起立している。この位置決め突起259が、遊技盤80に形成された貫通孔91(図6参照)に挿通されることで、遊技盤80の左右方向への移動が阻止される。
ここで、位置決め突起259の配置について補足する。位置決め突起259は対向板部251に一体成形されている。対向板部251は、複数の平板部が連なってなり、それら平板部のうち誘導レール100の入口部分104に最も近いものは周壁部261のコーナ部に連なっている。この平板部に位置決め突起259が配置されている。すなわち、周壁部261を構成する下側壁部263及び左側壁部264に連なる平板部に位置決め突起259が配置されている。このように、隣り合う複数の壁部に対して連なっている平板部においては、同平板部に対して負荷が加わった場合の変形を抑え、1の壁部に連なっている場合と比較して当該平板部の変位量を小さくすることができる。特に、誘導レール100の入口部分104に対して最寄となるコーナ部に連なる平板部に位置決め突起259を配置することで、上述した変位量を好適に低減し、位置決め突起259の位置精度の向上に貢献できる。
遊技盤80に形成された貫通孔91は、位置決め突起259の左右位置のばらつきを抑えつつ上下位置のばらつきを許容可能となるように形成されている。具体的には、位置決め突起259が円柱状をなしているのに対して、貫通孔91は上下方向に拡がる長孔状をなしている。これにより、位置決め突起259に遊技盤80の自重が加わることを回避しやすくし、同位置決め突起259による左右位置の位置精度の低下を抑制している。
図6に示すように、これら位置決め突起259及び貫通孔91は、誘導レール100の入口部分104後方となる位置、具体的には遊技盤80の正面視にて外レール102の背後に重なる位置に配されている。より詳しくは、位置決め突起259及び貫通孔91は、遊技盤80の正面視にて外レール102における上記特定部位SPと前後に重なる位置に配されている。このように、特定部位SPに近い位置にて遊技盤80の左右位置を規定することにより、外レール102の位置ばらつき、ひいては遊技球の着地位置のばらつきを抑えやすくしている。
図12(図6のB−B線部分断面図)に示すように、位置決め突起259の起立量は、貫通孔91の深さ寸法よりも小さく設定されており、貫通孔91の中間位置に位置決め突起259の先端が位置している。これは、内枠13により遊技盤80を回動可能に支持する構成において、貫通孔91と位置決め突起259との合わせを好適なものとするための工夫である。
貫通孔91において位置決め突起259が届いていない部分には、外レール102を支持するレール支持部材107が取り付けられている。つまり、貫通孔91における凡そ前側半分は遊技盤80の位置決め用の領域、同貫通孔91における凡そ後側半分はレール支持部材107の取付用の領域として活用されている。
レール支持部材107は、貫通孔91に嵌合する嵌合部108と、外レール102の外面に対して当接する当接部109とを有し、それら嵌合部108及び当接部109が合成樹脂材料によって一体成形されてなる。遊技球発射機構110から発射された遊技球が外レール102(詳しくは特定部位SP)に着地した際には、遊技球の着地によって生じる衝撃の一部をレール支持部材107及び遊技盤80に分散することができ、外レール102を保護することが可能となっている。
また、レール支持部材107は、上記固定ピン102aの間に配置されている。同レール支持部材107を外レール102に対してレール支持部材107を当接させておくことにより、遊技球の着地に伴う外レール102の振動を抑制することができる。なお、上述の如く貫通孔91は長孔状をなしており、嵌合部108はその外形が同貫通孔91の内形に合わせて形成されている。これにより、レール支持部材107が上述した遊技球衝突時の衝撃等により回動(位置ずれ)することを回避しつつ、遊技盤80に対して上記衝撃を分散させやすくしている。また、そのようにレール支持部材107の位置ずれを生じにくくすることで、上記保護機能の低下が抑えられている。
以上詳述したように貫通孔91を遊技盤80の位置決めと、レール支持部材107の取り付けに活用することで、遊技盤80の位置精度のみならず、レール支持部材107の位置精度及び外レール102の位置精度の向上を図っている。これにより、外レール102における特定部位SPへの遊技球の着地精度を向上させることを可能としている。
また、対向板部251からの位置決め突起259の起立量は、同対向板部251からの下側壁部263の起立量よりも小さく設定されている。これは位置決め突起259を保護するための工夫である。ここで、図13及び図14に基づき遊技盤80を装着完了位置に配置する際の遊技盤80と位置決め突起259との位置関係について、遊技盤80の上下位置と絡めて説明する。図13及び図14は遊技盤の着脱の流れを示す概略図であり、遊技盤80を装着する際には、図13(a)→図13(b)→図14(c)→図14(d)の順に作業が行われる。
図13(a)に示すように、遊技盤80の一側部を挿入部280に挿入し、同遊技盤80(詳しくは下側切欠き部88)を仮置き部290に載せた状態においては、遊技盤80が回動基端側にて下方から支えられることとなる。これにより、遊技盤80の上下位置の大まかなばらつきが抑えられる。但し、この場合、支えられているのは遊技盤80の回動基端側の一側部のみであり、同遊技盤80の回動先端側においては回動基端側と比較して遊技盤80の上下位置のばらつきが生じやすいと想定される。
遊技盤80を装着完了位置に向けて回動させると、遊技盤80の下端部が遊技盤収容部75の下側壁部263の案内部269に当接する。この状態から遊技盤80を更に回動させると、同遊技盤80が案内部269に沿って僅かに持ち上げられ、遊技盤80(詳しくは下側切欠き部88)が仮置き部290から離間する(図13(b)参照)。これにより、遊技盤80は、仮置き部290に載った状態から下側壁部263に載った状態に移行され、上下位置の位置決めがなされる。このように遊技盤80が下側壁部263に載った状態から回動されると、その回動操作に応じて下側壁部263と遊技盤80との接触範囲CEが同遊技盤80の回動先端側に向けて拡がることとなる。この接触範囲CEの拡がりに伴って遊技盤80の上下位置のばらつき、特に回動先端側での位置ばらつきが抑制される。
遊技盤80が所定の位置まで回動されると、遊技盤80の貫通孔91に対して内枠13の位置決め突起259が入り始めるが、この時点では位置決め突起259に対して挿入部280とは反対側となる位置にまで接触範囲CEが拡がることとなる。つまり、左右の位置決めがなされる前に、位置決め突起259の左右両側にて遊技盤80の上下ばらつきが抑えられる(図15(c)参照)。より詳しくは、接触範囲CEが遊技盤80の全重量を支えることのできる範囲まで拡がり、作業者の負担が軽減される。これにより、作業ばらつきに起因した不都合、すなわち位置決め突起259が貫通孔91の上方や下方に衝突し位置決めがうまく行われなくなるといった不都合を生じにくくしている。
更には、遊技盤80はその回動中心位置が固定されているのではない。つまり、遊技盤80の回動に応じて、その回動中心位置を挿入部280内で変位させることが可能となっている。具体的には、遊技盤80を挿入部280に挿入した状態では、遊技盤80が板バネ270(詳しくは押圧部272)に対してその頂部272aよりも折曲部273側に寄った位置で当接する。この状態から遊技盤80が回動されることで、上記当接位置が徐々に頂部272aに向けて移動する。このように遊技盤80を装着完了位置に向けて回動させる過程で遊技盤80と押圧部272との当接位置が徐々に前方に移ることで、同遊技盤80の回動中心位置が変位する。
遊技盤80を回動させることで装着完了位置に配置する構成においては、位置決め突起259の起立方向と、遊技盤80の移動方向とが必ずしも一致するわけではない。これは、位置決め精度の向上と、装着完了位置への円滑な移動との両立を困難なものとする要因となり得る。例えば、位置決め突起259の起立方向を遊技盤80の回動軌跡に合わせて曲げることも可能ではあるが、この場合、位置決め精度を向上させることが難しくなる。
この点、回動中心位置の変位(特に前後方向での変位)を許容することで貫通孔91と位置決め突起259との引っ掛かりを抑制し、貫通孔91への位置決め突起259の入り込みの円滑化を促進している。なお、位置決め突起259の先端部分は先細り状をなしており、当該位置決め突起259と貫通孔91との引っ掛かりが好適に回避されている。
<遊技盤80の固定構造>
図10に示すように、位置決め突起259と同一対象、すなわち内枠13の対向板部251には、遊技盤収容部75からの遊技盤80の取り外しを不可とするロック状態と、同遊技盤80の取り外しを許容するアンロック状態とに切替可能なロック装置400が複数設けられている。ロック装置400には、内枠13において前記挿入部280とは反対側、すなわち右側壁部265寄りに配置されているものと、挿入部280側、詳しくは上記位置決め突起259の近傍に配置されているものとがある。これら各ロック装置400においては、基本構成が共通となっており、同ロック装置400に付随する構成のみが若干異なっている。そこで、先ず図15及び図16に基づきロック装置400の基本構成について説明し、後に個々のロック装置400に付随する構成の差異について説明する。図15はロック装置400を内枠13から取り外した状態を示す分解斜視図、図16は図6のC―C線部分断面図である。なお、図16では便宜上、ロック装置の一部の構成(後述する操作レバー440)についてはパチンコ機10の側方から見た状態で表示している。
図15に示すように、内枠13の対向板部251には、ロック装置400が設置されるロック装置設置部253が設けられている。ロック装置設置部253は、内枠13の背面側に窪む段付きの筒状をなしている(図16参照)。より具体的には、ロック装置設置部253は、内枠13の正面側から背面側に段階的に絞られた3つの筒部254〜256によって構成されている。以下便宜上、正面側の筒部254を「正面側筒部254」、背面側の筒部256を「背面側筒部256」、それら正面側筒部254及び背面側筒部256を繋ぐ筒部255を「中間筒部255」として区別する。
図16に示すように、ロック装置設置部253には軸体410が挿通されている。軸体410は、その外径が背面側筒部256の内径と同等になるように形成されており、同背面側筒部256に嵌まることでロック装置設置部253の中心軸線方向以外の方向への移動が規制されている。
軸体410は、その両端がロック装置設置部253から突出するようにして配置されており、内枠13の背面側に突出している一端には背面側筒部256の端面に対して内枠13の背面側から当接するフランジ411が形成されている。このフランジ411が背面側筒部256の端面に当接することにより軸体410の前後位置が規定されている。
軸体410には、遊技盤80を背面側から押すプッシャ420と、そのプッシャ420を遊技盤80の背面側に向けて付勢する付勢部材としてのコイルバネ430とが組み付けられている。詳しくは、プッシャ420が軸体410の中心軸線方向に延びる角筒状をなすとともに、コイルバネ430が螺旋状に形成されており、それらプッシャ420及びコイルバネ430の内部に軸体410が挿通されている(図15参照)。
プッシャ420は、軸体410の中心軸線方向にスライド移動可能な状態で正面側筒部254に嵌め込まれている。正面側筒部254の内周面はプッシャ420の外周面に合致する角形状をなしており、軸体410を中心とした同プッシャ420の回動が阻止されている。なお、正面側筒部254の内周には、ロック装置設置部253の中心軸線方向に延びる突条部257が形成されており、プッシャ420の外周には同突条部257が嵌まるキー溝421が形成されている。これら突条部257とキー溝421とが嵌合することにより、プッシャ420の取付位置が規定されている。
正面側筒部254に嵌め込まれたプッシャ420と中間筒部255とによって、上記コイルバネ430の収容空間が区画されている。中間筒部255と背面側筒部256との境界部位には、プッシャ420の背面に対向する段差部258が形成されており、コイルバネ430が段差部258とプッシャ420とによって挟まれて常時圧縮された状態となっている。より詳しくは、コイルバネ430の両端側には軸体410に挿通された一対のワッシャ431,432が配されており、それらワッシャ431,432がプッシャ420及び段差部258に対する取付座面として機能している。なお、両ワッシャ431,432を省略し、コイルバネ430がプッシャ420と段差部258とを直接押す構成とすることも可能である。
プッシャ420の厚さ寸法(軸線方向の長さ寸法)は、正面側筒部254の深さ寸法よりも小さくなるように設定されており、ロック装置設置部253からの突出が抑えられ当該プッシャ420の前面が対向板部251の前面に対して面一になる待機位置と、ロック装置設置部253から突出して遊技盤80を前方へ変位させる作用位置とに切替可能となっている。以下、プッシャ420の位置の切替を実現する構成について説明する。
軸体410の先端部(フランジ411とは反対側の端部)はプッシャ420を通ってその前方に突出しており、その突出している先端部には特定の操作に基づいてプッシャ420の位置を切り替える操作レバー440が固定されている。操作レバー440は、軸体410の中心軸線を中心とした回動が許容されており、軸体410が嵌め込まれている円筒状の基部441と、同基部441におけるプッシャ420とは反対側の端部から当該基部441の放射方向両側に突出している操作部446とを有し、全体として略T字状をなしている。
プッシャ420において基部441の端面と対向している部分には同基部441側に起立する突起422が設けられている。一方、基部441の端面には、回動中心軸線と直交する方向(すなわち回動中心軸線の放射方向)に広がる平面状をなすとともに、プッシャ420の突起422が当接した状態で停留可能な一対の停留部442,443が形成されている。それら各停留部442,443は、プッシャ420の前端面からの距離が相違しており、軸体410の周方向に離して配置されている。以下、便宜上プッシャ420の前端面からの距離が大きい一方を「第1停留部442」、同第1停留部442よりも前記距離が小さい他方を「第2停留部443」と称する。
また、基部441の端面にはそれら第1停留部442及び第2停留部443を繋ぐ連結部444が形成されている。連結部444は、第2停留部443から第1停留部442に向けて下る曲面状をなしている。プッシャ420の突起422が連結部444を辿ることで、各停留部442,443での停留状態の切り替えが許容される。なお、連結部444が第2停留部443から第1停留部442向けて傾斜する平面状をなす構成とすることも可能である。
突起422、停留部442,443及び連結部444は、プッシャ420の位置を切り替える切替手段を構成しており、ロック装置400にはこれら各種構成を1組とする切替手段が複数(本実施の形態においては3つ)設けられている。それら切替手段は、軸体410の周方向において等間隔となるよう並べて配置されている。これにより、コイルバネ430の付勢力によって操作レバー440を歪ませるような応力が生じることを抑制している。なお、突起422、停留部442,443及び連結部444の配設対象を入れ替えることも可能である。すなわち、プッシャ420に停留部442,443及び連結部444に相当する構成を配設し、基部441に突起422に相当する構成を配設してもよい。
また、ロック装置400は、操作レバー440の回動操作量を制限する制限手段を備えている(図15参照)。制限手段は、基部441の外周面から突出する突出部445と、プッシャ420に形成され、突出部445が嵌まる溝部423とによって構成されている。溝部423は中心軸線を中心とする円弧状をなしており、これら溝部423及び突出部445によって操作レバー440を切り替える際の回動操作量が制限されている(本実施の形態においては90°以下となるように制限されている)。これにより、上述した各切替手段が相互に干渉することを回避し、複数組みの切替手段を共存させやすくしている。
ロック装置400がアンロック状態である場合には、プッシャ420の各突起422が各第2停留部443に当接することにより、ロック装置設置部253からのプッシャ420の突出が抑えられる。この場合、第2停留部443がコイルバネ430による付勢方向と直交しているため、操作レバー440はアンロック位置で保持された状態となる。操作レバー440がアンロック位置に保持された状態では、操作部446が水平方向(横方向)を向いている。
ロック装置400をロック状態に切り替える場合には、操作レバー440を時計回りに回動させ、操作部446を縦向きにすることで、各突起422が第2停留部443から連結部444を経由して第1停留部442に移る。これにより、プッシャ420がロック装置設置部253から突出し、遊技盤80を背面側から押す状態となる。この場合、第1停留部442がコイルバネ430による付勢方向と直交しているため、操作レバー440はロック位置で保持された状態となる。操作レバー440がロック位置で保持された状態では操作部446が水平方向と鉛直方向との中間を向くように傾いている。
遊技盤80には操作部446に対応する挿通部92が形成されており、操作部446が同挿通部92を通じて遊技盤80の前面よりも前方に張り出している。より具体的には、挿通部92は、遊技盤80の厚さ方向に貫通しているとともに、遊技盤80の回動基端側から回動先端側、詳しくは水平方向に延びており、ロック装置400がアンロック状態にある場合には操作部446の通過を許容し、ロック装置400がロック状態である場合には操作部446の通過を阻止するように形成されている。このため、ロック装置400がロック状態にある場合には、操作部446において遊技盤80の前面と対向する部分が同遊技盤80に対して当接し、上述したコイルバネ430の付勢力による遊技盤80の移動が阻止される。つまり、操作部446は遊技盤80の移動を阻止するストッパ部としての機能を併せ有している。
以上詳述したように、ロック装置400によって遊技盤80の前後位置が規定される点に着目すれば、当該ロック装置400には上記板バネ270及びストッパ267と同様に位置決め機能が付与され、同ロック装置400によって位置決め機構が構成されているといえる。
ここで、図13及び図14に基づきロック装置400及び上記位置決め突起259の関係について説明する。
図13(a)に示すように、ロック装置400は、操作部446の前端部が位置決め突起259の先端よりも前方に位置するように配置されている。このため、遊技盤80を装着完了位置に向けて回動させる場合には、先ずロック装置400の操作部446が遊技盤80の挿通部92に入り(図13(b)参照)、その後、位置決め突起259が遊技盤80の貫通孔91に入ることとなる(図14(c)参照)。より詳しくは、操作部446の少なくとも一部が挿通部92に嵌まっている状態にて、位置決め突起259が貫通孔91に入ることとなる。挿通部92の内形は操作部446の外形よりも僅かに大きく形成されており、挿通部92内での操作部446の移動ばらつきが制限される。つまり、操作部446が挿通部92内に入ることで、遊技盤80の組み付けばらつき(例えば左右方向での位置ばらつき)が抑えられることとなる。このように、遊技盤80の位置ばらつきが抑えられた状態にて、位置決め突起259が貫通孔91に入る構成とすることで、位置決め突起259が貫通孔91に上手く嵌まらないといった不都合を生じにくくしている。
特に、本実施の形態においては、位置決め突起259の左右両側にロック装置400が配置されている。つまり、位置決め突起259が2つのロック装置400(右側のロック装置400R及び左側のロック装置400L)の間に配されている。各ロック装置400R,400Lに対応する挿通部92R,92Lは、左側の挿通部92Lが遊技盤80の回動基端側に開放され、右側の挿通部92Rが遊技盤80の回動先端側に開放されており、その開放されている方向以外の方向へのロック装置400R,400Lの位置ずれを抑える構成となっている。このように各ロック装置400R,400Lに位置ずれ抑制機能を分与することにより、一方のロック装置400に負担が集中することを抑制している。
特に、左側のロック装置400Lに対応する挿通部92Lについては、遊技盤80の下側切欠き部88側に連なるとともに、遊技盤80の回動基端側に開放されている。
ロック装置400が誘導レール100の入口部分104を挟んだ左右両側に配置されている構成においては、両ロック装置400のうち入口部分104よりも遊技盤80の回動基端側に位置する一方によって挿入部280への遊技盤80の挿入が妨げられやすくなることが懸念される。入口部分104を遊技盤80の幅方向における略中央に配置していることで、そのような不都合が顕著になると想定される。
また、本体側上皿通路及び本体側下皿通路が各皿33,34よりも上位に位置することにより遊技球を同皿33,34へ誘導する際にそれら遊技球の自重を利用して同遊技球を移動させることが可能となっている。しかしながら、遊技領域PEが拡張されている本実施の形態においては、このような遊技領域PEの拡張によって本体側上皿通路及び本体側下皿通路の配置が制限されやすくなっている。これは、各皿33,34への遊技球の誘導を難しくする要因となり得る。
この点、本実施の形態においては、遊技盤80に下側切欠き部88を形成することで、上記本体側上皿通路及び本体側下皿通路と遊技盤80との共存が可能となっている。つまり、遊技領域PEを拡張しつつ本体側上皿通路及び本体側下皿通路の位置を各皿33,34よりも上位に配置することが可能となっている。更に、上述の如くこの下側切欠き部88に連なるようにして挿通部92Lを形成し、その挿通部92Lを遊技盤80の回動基端側に開放させることで、挿入部280に遊技盤80を挿入する際のロック装置400Lと挿通部92Lとの干渉を回避することができる。これにより、本体側上皿通路及び本体側下皿通路の配置と遊技領域PEの拡張とを好適に実現し、更には位置決め精度の向上と遊技盤80の挿入作業の容易化とを好適に両立している。
<遊技盤80の把持構造>
また、本実施の形態においては、遊技盤80の把持構造について特徴的な構成を有している。以下、図6及び図7に基づき遊技盤80に設けられた各種構成について補足し、その後、遊技盤80の把持構造について説明する。
図7に示すように、遊技盤80の誘導レール100は遊技盤80の回動先端側に開放された弧状をなしている。遊技盤80の前面には、その開放部位を塞ぎ誘導レール100と共に遊技領域PEを区画するブロック状の遊技領域区画部材480が設けられている。言い換えれば、誘導レール100と遊技領域区画部材480とは、前者が遊技盤80の回動基端側、後者が遊技盤80の回動先端側に配置されることで両者併せて環状をなしており、それら誘導レール100及び遊技領域区画部材480によって区画された領域により遊技領域PEが構成されている。なお、遊技領域区画部材480は、遊技盤80の前面から張り出しており、その前面部がガラス22に対して僅かな隙間(詳しくは遊技球の直径寸法以下の隙間)を隔てて対峙している。これにより、遊技球が遊技領域区画部材480を乗り越えて遊技領域PE外に流出することを回避している。
遊技領域区画部材480は、遊技盤80の回動先端側の端部(左端部)に沿って配置されており、遊技盤80の上端部から下端部に跨って上下に延びている。遊技領域区画部材480において外レール102の先端に隣接する部位、詳しくは遊技領域PEの内側に位置する壁面には、外レール102に沿って移動(飛翔)する遊技球が衝突することにより同遊技球を遊技領域PEの中央側へ跳ね返す返しゴム490が装着されている。
遊技球発射ハンドル40が操作されると、遊技球が遊技球発射機構110の発射レール112に沿って誘導レール100の入口部分104に向けて発射される。遊技球発射ハンドル40の操作量が第2の規定量を上回った場合には、遊技球が外レール102に沿って移動し、可変表示ユニット85(図7参照)の上方を通過する。そして、同遊技球は、外レール102から当該外レール102のレール方向先側に向けて飛び出し、返しゴム490に衝突する。この衝突に基づいて返しゴム490が圧縮され(例えば弾性変形し)、返しゴム490に加わった衝突荷重の一部が遊技領域区画部材480に伝わることとなる。以上の過程を経ることにより、遊技球発射機構110によって遊技球に付与された勢いを弱め、返しゴム490よりも下流側に配された釘87等の各種構成を保護している。
図7に示すように、遊技領域区画部材480は、遊技盤80に対して複数箇所でネジ止めされている。それらネジ491の少なくとも1つは返しゴム490の近傍、具体的には遊技球の衝突方向において返しゴム490よりも先側となる位置に配されている。これにより、上記衝突荷重を遊技盤80に対して分散させやすくし、遊技球の繰り返しの衝突に対する耐久性の向上が図られている。
また、遊技領域区画部材480は、上述したロック装置400Rを遊技盤80の回動基端側から迂回するようにして遊技盤80の下端縁に至っており、同遊技領域区画部材480の下部、詳しくは誘導レール100の右側開放部分よりも下側となる部位には、誘導レール100の内レール101に遊技領域PE外側から対向する対向部485が形成されている。対向部485は、内レール101において遊技盤80のアウト口86と内レール101の下側の開放端との間となる部位に対して下側から若干の隙間を隔てて対向している。すなわち、内レール101と遊技領域区画部材480とが内外に重なっている。
既に説明したように、遊技領域PEに達した遊技球の一部は、同遊技領域PEを流下する過程で一般入賞口81等の入球口に入るが、それら入球口に入らなかった遊技球については内レール101によって排出口としてのアウト口86に導かれる。より具体的には、内レール101は、下方に凸となる円弧状をなしており、その下端部にアウト口86が配置されている。このため、入球口に入らなかった遊技球は、内レール101に衝突した後、内レール101に沿って遊技領域PEの最下部に誘導される。
内レール101については、遊技盤80側の開放端及びその周辺での固定強度が同内レール101における他の部位と比べて低くなりやすい。このため、遊技球の衝突による衝撃の影響が同内レール101の開放端及びその周辺では大きくなりやすいと想定される。仮に、内レール101が変形等した場合には、アウト口86へ向けての遊技球の円滑な誘導が妨げられると懸念される。この点、本実施の形態では、内レール101が下方に押される等した場合に遊技領域区画部材480の対向部485に当たることで、同内レール101の変形や位置ずれ等が抑制されることとなる。故に、遊技領域区画部材480によって内レール101を保護することができ、上記不都合を好適に払拭できる。言い換えれば、遊技領域区画部材480には、内レール101のバックアップ機能が付与されている。
また、遊技領域区画部材480において対向部485を挟んで内レール101とは反対側となる部位には、各パチンコ機毎に固有となる識別情報(製造番号等)が付与された証紙492と同証紙492を収容する透明なケース部材493とからなる識別ユニット494が設けられており、遊技領域区画部材480には識別ユニット494を収容するユニット収容部486が形成されている。このユニット収容部486に識別ユニット494が嵌まった状態で固定されることで、両者が一体化されている。
識別ユニット494はユニット収容部486に対して後方から嵌め込まれており、同ユニット収容部486に形成された開口を介してその一部がパチンコ機10の前方に露出した状態となっている。この開口を介して上記証紙492に付与された識別情報を視認可能となっている。つまり、識別ユニット494を遊技領域区画部材480から取り外すことなく証紙492の識別情報を確認することが可能となっている。
遊技領域区画部材480が対向部485を有する構成を採用した場合には、遊技領域区画部材480における対向部485周りでの強度を向上させることで上述した誘導レールのバックアップ機能を向上することができる。このような強度の向上を実現するには、遊技領域区画部材480を大型化することが1つの手法として考えられる。この点、識別ユニット494を収容するユニット収容部486を遊技領域区画部材480に設け、それらユニット収容部486と対向部485とを併存させることで、遊技領域区画部材480の占有スペースを有効利用している。つまり、遊技領域区画部材480の強度向上と識別手段の設置領域の確保(すなわちスペースの有効利用)を可能とし、実用上好ましい構成を実現している。
また、遊技領域区画部材480については遊技盤80からの着脱を特に必要としない部品であるため、その取り付けを強固にすることが可能である。この遊技領域区画部材480によって識別ユニット494の取り外しを阻止することで、識別ユニット494の不正な取り外し等を抑制し防犯性の向上に貢献できる。例えば、識別ユニット494を遊技領域区画部材480とは別の部材を用いて遊技盤80に装着する構成と比較して、遊技盤80の前面側のスペースを有効利用できる。遊技盤80の前面には遊技領域PEが形成され、遊技領域PE外の領域が限られている点を考慮すれば、遊技領域区画部材480に識別ユニット494用のユニット収容部486を設けることによる技術的貢献度は大きいと考えられる。
遊技領域区画部材480には、ホール管理者等の作業者が遊技盤80を移動させる場合等に把持可能な一対の把持部481,482が設けられている。両把持部481,482は、一方(以下、便宜上「第1把持部481」と称する)が他方(以下、便宜上「第2把持部482」と称する)よりも上方且つ遊技盤80の回動先端寄りとなるように配されている。
第1把持部481は、遊技領域区画部材480の上端部、具体的には遊技領域区画部材480において返しゴム490が装着されている壁面とは反対側の壁面に形成されている。より詳しくは、第1把持部481は、上記ネジ491を挟んで返しゴム490と反対側となる位置に形成されている。第1把持部481が把持された際には、遊技盤80の自重による負荷が第1把持部481(遊技領域区画部材480)に加わりやすくなる。このように負荷が加わりやすい部分においては、それに耐え得る強度が必要になり得る。この点、元来強度の確保が求められる部分、すなわち返しゴム490が設けられている部分の周辺に第1把持部481を設け、強度を確保すべき箇所を集約することで、強度確保のために必要な領域の拡がりを抑えている。これにより、遊技領域区画部材480の大型化等によって遊技領域PEが圧迫されるといった不都合を生じにくくすることができる。
また、第1把持部481は、遊技領域区画部材480における外側の壁面から遊技盤80の回動基端側(すなわち前扉枠14の回動基端側)に凹むとともに、遊技盤80の回動先端側(すなわち上記挿入部280に対する遊技盤80の挿入方向手前側)に開口されている。その開口部分に対して遊技盤80の回動先端側から指を挿入することにより、第1把持部481を把持することができる。
第1把持部481の開口部分は、遊技盤80の回動先端側の縁部よりも内側(回動基端側)となるように奥まった位置に配されている。これにより、第1把持部481を把持している手が右側壁部265に引っ掛かるといった不都合を生じにくくし、同第1把持部481を利用しやすくしている。
第2把持部482は、第1把持部481よりも下側、詳しくは遊技領域区画部材480の下端部に添って、且つ第1把持部481よりも遊技盤80の回動基端側となる位置に配置されている。より詳しくは、第2把持部482は、上記対向部485を挟んで内レール101とは反対側、且つ誘導レール100の入口部分104と右側のロック装置400Rとの間に配置されている。このように、第2把持部482をロック装置400Rよりも遊技盤80の回動基端側、すなわち遊技盤80の中央寄りに配置することで、遊技盤80を把持した際の安定性向上に貢献している。
また、遊技領域区画部材480を固定するネジ491の少なくとも1つは、対向部485と第2把持部482との間に配置されている。これにより、内レール101のバックアップ機能を向上と、把持強度の向上とに貢献している。
第2把持部482は、遊技領域区画部材480における下側の壁面からパチンコ機10の上方に凹むとともに、パチンコ機10の下方に開口されている。その開口部分に対して下方から指を挿入することにより、第2把持部482を把持することができる。
第2把持部482の開口部分は、遊技盤80の下端縁よりも上側となるように奥まった位置に配されている。これにより、第2把持部482を把持している手が下側壁部263に引っ掛かるといった不都合を生じにくくし、同第2把持部482を利用しやすくしている。
ここで、遊技盤80を内枠13に対して着脱する際の作業について説明を補足する。
遊技盤80を内枠13に対して装着する際には、遊技盤80の正面側から両把持部481,482を掴み、同遊技盤80を持ち上げた状態で保持する。この際、図7に示すように遊技盤80の第1把持部481に一方の手RH(指)を挿入するとともに第2把持部482に他方の手LH(指)を挿入する。このように、第1把持部481を右手RHで、第2把持部482を左手LHで保持することにより両の腕の交差が回避された状態で遊技盤80を保持することができ、腕に対する負担を軽減しやくなっている。そして、遊技盤80を保持した状態から内枠13に装着する際には、遊技盤80の重量を左手LHで支えつつ、右手RHで遊技盤80を挿入部280に向けて押し込み、遊技盤80の下側切欠き部88を内枠13の仮置き部290に載せることにより遊技盤80の装着準備が整うこととなる。このように、両手の役割分担を可能とすることにより、遊技盤80の装着作業の円滑化に貢献している。
遊技盤80を仮置きした状態から回動させる際には、両把持部481,482が遊技盤80の回動先端側に配置されているので、同遊技盤80を容易に回動させることができる。つまり、把持部が遊技盤80の回動基端側に配置されている場合と比較して、手と前扉枠14との干渉を回避しやすくし、作業スペースの確保の容易化に貢献している。
遊技盤80を装着完了位置に押し込む際には、各把持部481,482の開口部分が遊技盤収容部75の周壁部261よりも内側に離れているため、指と周壁部261とが引っ掛かりにくくなっている。これにより、配置途中段階にて把持部481,482から指を引き抜いて遊技盤80の持ち替えを行うといった予備的動作を不要とし、遊技盤80の装着作業の簡素化に貢献している。
一方、遊技盤80を内枠13から取り外す際には、遊技盤80の第1把持部481に右手の指を挿入するとともに第2把持部482に左手の指を挿入する。把持部481,482の開口部分は周壁部261から離して設けられているため、指が周壁部261に引っ掛かって把持部481,482を把持できなくなるといった不都合を回避しやすくなっている。
既に説明したように遊技盤80を着脱する際には、内枠13の正面側から作業が行われる。この際、言うまでも無く前扉枠14が開放された状態で作業が行われる。ここで、開放された前扉枠14と遊技盤80及び挿入部280との位置関係について図17を用いて説明を補足する。図17は、開放された前扉枠14と遊技盤80及び挿入部280との位置関係を示す概略図である。
図17に示すように、前扉枠14は内枠13に設けられた上記支持金具71,72によって回動可能に軸支されており、この軸支された部分(回動中心軸線CL)を中心として開閉される構成となっている。支持金具72には前扉枠14の最大開放位置を規定する規定部73が形成されている。前扉枠14が開放され、規定部73に対して当たった場合には、それ以上の開放が不可となる。本実施の形態においては、前扉枠14の最大開放量が凡そ100°に設定されている。これは、パチンコ機10がホール等の島設備に設置された状態にて前扉枠14が開放された場合に、隣接して設けられた他の遊技機等に対して同前扉枠14が干渉しないように、また隣接する遊技機での遊技を妨げないようにするための工夫である。なお、前扉枠14の最大開放量は100°に限定されるものではない。少なくとも遊技盤80の取り外しが許容される範囲であれば任意に設定してよい。
前扉枠14の回動中心軸線CLは、同前扉枠14の前部に位置しており、前扉枠14を閉じた状態にて内枠13の内側に当該前扉枠14が嵌まり込むように既定されている。これにより、前扉枠14と内枠13との境界部位を介して不正具が挿入されるといった不都合を生じにくくし、防犯機能の強化を図っている。
この回動中心軸線CLの後方に上記挿入部280が配置されている。前扉枠14は所定の厚さを有しているため、上述の如く最大開放位置まで開放された場合であってもその背面の一部が挿入部280よりも右側(前扉枠14を支持している側とは反対側)に張り出した状態となる。挿入部280は、その張出部分よりも奥まった位置に存在しているものの、遊技盤80を出し入れする際に当該遊技盤80の通過する軌道PLと前扉枠14及び内枠13との干渉が回避されるようにしてその挿入口がパチンコ機10の斜め前方に開放されている。このように、挿入部280の挿入口を斜め前方に向けることで、遊技盤挿入時に前扉枠14の張出部分及び内枠13と遊技盤80とが干渉することを抑制している。特に、前扉枠14の張出部分との干渉を回避することにより、遊技盤80(詳しくは遊技領域PE)の大きさ対する制限を受けにくくすることが可能となっている。
<配線簡素化>
更に、本実施の形態においては、遊技盤80を内枠13の正面側から取り付ける構成を採用するのに併せて、前扉枠14と内枠13とを電気的に接続するための構成を簡略化している。そこで以下、図2,図3及び図6に基づき前扉枠14と内枠13とを電気的に接続するための構成について説明する。
既に説明したように、前扉枠14にはランプ部23〜25やスピーカ部26等の各種表示機器(言い換えれば演出装置)が搭載されている(図1参照)。これら表示機器を用いることにより、遊技に関する各種演出や、遊技状況の報知等が実効される。ランプ部23等の表示機器は、遊技盤80の背面に搭載された音声ランプ制御装置143と電気的に接続されており、その表示態様が同音声ランプ制御装置143によって制御されている。
より詳しくは、図2に示すように、ランプ部23等に接続されたハーネスHは、前扉枠14の内部にてまとめられ、前扉枠14における回動基端側の上部に形成されたハーネス用開口部36を介して内枠13側に延出している。遊技盤80における回動基端側の上隅部には遊技盤80の回動先端側及びパチンコ機10の下方に凹む「開放部」としての上側切欠き部89が形成されている。
上側切欠き部89は、遊技盤80の厚さ方向両側に開放されており、遊技盤80の正面視において少なくともその一部が遊技盤収容部75の中央開口76に対して重なる大きさを有している(図6参照)。それら上側切欠き部89及び中央開口76によってハーネスHの通過経路が構成され、ハーネスHがそれら上側切欠き部89及び中央開口76を介して遊技盤80の背面側に延びている。
上側切欠き部89には、遊技盤収容部75の上側壁部262に対向するとともに略水平に延びるハーネス支持部89aが形成されており、遊技盤80の背面側に延出するハーネスHが同ハーネス支持部89aに載った状態となっている。
図3に示すように、ハーネスHにおいてランプ部23等に接続されている側とは反対側の端部には、ハーネス側コネクタC1が取り付けられている。このハーネス側コネクタC1に対応して音声ランプ制御装置143には制御装置側コネクタC2が設けられている。ハーネス側コネクタC1が制御装置側コネクタC2に接続されることにより、上記ランプ部23等と音声ランプ制御装置143とが電気的に接続された状態となっている。
制御装置側コネクタC2は、遊技盤80の後方に開口しており、ハーネス側コネクタC1の着脱方向が遊技盤80の厚さ方向と同一となるように規定されている。これにより遊技盤80を装着完了位置から回動することで生じる空間を作業空間として活用しやすくしている。なお、これらコネクタ着脱方向は任意であり、例えば遊技盤80の幅方向と同一方向とすることも可能である。この場合、制御装置側コネクタC2を遊技盤80の回動先端側に開口させ、ハーネス側コネクタC1の着脱を同遊技盤80の回動先端側から行いやすくなるように工夫するとよい。これにより、上述した作業空間を一層好適に活用できる。
本実施の形態においては、上側切欠き部89(詳しくはハーネス支持部89a)は、上記ハーネス用開口部36よりも下側に位置し、制御装置側コネクタC2は上側切欠き部89(詳しくはハーネス支持部89a)よりも下側に位置している。これにより、ハーネスHの取り回し経路を短縮し、つまりハーネスHの前長を短くし、弛み等の発生の回避に貢献している。
<遊技盤80の交換作業の流れ>
以上詳述した電気的な接続に関する構成を踏まえて、図18及び図19に基づき遊技盤交換時の作業の流れについて説明する。図18(a1)〜(c1)及び図19の(d1),(e1)は遊技盤80の交換の様子を概略的に示す断面図であり、図18(a2)〜(c2)及び図19の(d2),(e2)は遊技盤80の交換の様子を概略的に示す正面斜視図である。遊技盤80を取り外す際には、図18(a)→図19(b)→図18(c)→図18(d)→図18(e)の順に作業が行われる。
遊技盤80を取り外す際には、先ず前扉枠14の内枠13に対する施錠を解除し、同前扉枠14を開放する。この際、図18(a)に示すように、前扉枠14を最大開放位置まで回動させておくことで、内枠13の正面側にて遊技盤80取外用の作業スペースを好適に確保できる。
次に、図18(b)に示すように、遊技盤80を閉位置にて固定しているロック装置400がアンロック状態となるように操作レバー440を操作する。ロック装置400が全てアンロック状態に切り替えられると、内枠13の挿入部280を基端とした遊技盤80の回動が許容された状態となる。
図18(b)に示した状態から遊技盤80をパチンコ機10の手前側に回動することで、遊技盤80の背面に搭載された音声ランプ制御装置143が内枠13の正面側に移動される(図18(c)参照)。この状態では、遊技盤80の回動先端部と内枠13との間から音声ランプ制御装置143へのアクセスが可能となる。
その後、音声ランプ制御装置143のコネクタC2とハーネスHのコネクタC1との接続を解除することで、図19(d)に示すように、遊技盤80の挿入部280からの引き出しが許容された状態となる。そして、遊技盤80を当該遊技盤80の回動先端側(右側)に引き出すことにより、遊技盤80の取り外しが完了する(図19(e)参照)。なお、このように遊技盤80内枠13から取り外すことで、ハーネスHが遊技盤80のハーネス支持部89aから脱落し、前扉枠14のハーネス用開口部36から垂れ下がった状態となる。
次に、遊技盤80を装着する際の作業の流れについて説明する。遊技盤80を装着する際には、図19(e)→図19(d)→図18(c)→図18(b)→図18(a)の順に作業が行われる。
内枠13に対して遊技盤80を装着する際には、先ず前扉枠14を開放し、挿入部280に対する遊技盤80の挿入軌道PLを確保する(図19(e)参照)。このように、遊技盤80の挿入軌道PLが確保された後、遊技盤80を挿入部280に挿入するとともに仮置き部290に載せる。この状態では図19(d)に示すように遊技盤80の上側切欠き部89の開放部分が遊技盤収容部75によって覆われていないため、同上側切欠き部89に対してパチンコ機10の上方からアクセス可能である。この状態にて、前扉枠14から垂れ下がったハーネスHを遊技盤80のハーネス支持部89aに載せ、コネクタC1を遊技盤80の背面側に配置する。なお、ハーネスHをハーネス支持部89aに載せておくことにより、遊技盤80を回動させた際のハーネスHの噛み込み等が好適に回避される。
その後、図18(c)に示すように、ハーネスHのコネクタC1と音声ランプ制御装置143のコネクタC2とを接続する。これにより、前扉枠14のランプ部24等と音声ランプ制御装置143とが電気的に繋がった状態となる。
ハーネスHの接続を終えた後は、遊技盤80を装着完了位置に回動させる。この際、作業ミス等により、ハーネスHがハーネス支持部89a上ではなく、遊技盤80の上端部に載っている場合も想定される。本実施の形態においては、ハーネス用開口部36は、遊技盤80の回動中心(挿入部280)とずれた位置、且つ上下方向及び左右方向においてハーネス用開口部36及び制御装置側コネクタC2の中間となる位置に配されている。更には、ハーネスHの全長には余裕代がほとんど付与されていない。このため、ハーネスHは、遊技盤80の回動に伴って徐々に引っ張られ、ハーネス支持部89a側に移動することとなる。これにより、仮に上記作業ミスが発生した場合であってもハーネスHをハーネス支持部89a側に導きやすくし、同作業ミスによるハーネスHの噛み込みを抑制可能となっている。
図18(b)に示すように、遊技盤80が装着完了位置に配置された後は、ロック装置400の操作レバー440を切替操作することで、遊技盤80がロック状態となる(図18(a)参照)。なお、本実施の形態におけるロック装置400は遊技盤80をその背面が内枠13の対向板部251から浮いた状態で固定するものであり、仮に遊技盤80の背面と内枠13の対向板部251との間にハーネスHが挟まった場合であっても断線等の不都合が生じにくくなっている。更には遊技盤80の位置決めを下側壁部263によって行い、遊技盤80の上端と上側壁部262との間に所定の隙間を形成することで、遊技盤80の上端と上側壁部262との間にハーネスHが挟まった場合であっても断線等の不都合が生じにくくなっている。
以上詳述した、配線簡素化に関する構成を有することで、以下の効果を奏する。
本実施の形態においては特に、前扉枠14の演出装置(ランプ部23やスピーカ部26等)と遊技盤80の音声ランプ制御装置143とをハーネスHによって直接繋いでいるため、内枠13(例えば中継基板等)を中継してハーネスを取り回す構成と比較して、遊技盤80を移動させる際の同遊技盤80と内枠13との位置関係がハーネスによって制限されることを好適に抑制できる。これにより、例えば遊技盤80を取り外す際にハーネスHと内枠13とがつかえて、ハーネスHの取り外し作業を行うための作業スペースの確保が難しくなるといった不都合を生じにくくすることができる。更には、ハーネスHに上記作業スペースを確保するための余裕代等を加味する必要がなくなることで、遊技盤80を装着した状態にてハーネスH(詳しくは上記余裕代分)が内枠13の背面側に出っ張ることを抑制できる。内枠13の背面側には裏パックユニット15等が配されており、このようにハーネスHの出っ張りを抑えることで、同ハーネスHと裏パックユニット15等との干渉を好適に抑制することができる。これにより、遊技盤装着時にハーネスHと裏パックユニット15等との位置関係等に過度の注意を払う必要がなくなり、遊技盤80の装着作業の容易化に貢献できる。
また、内枠13の中央開口76と遊技盤80の上側切欠き部89とによってハーネスHの通過領域を区画すれば、少なくとも遊技盤80を装着完了した状態ではハーネスHの位置ばらつきを好適に抑えることができる。更には、上側切欠き部89単独で通過領域を区画する必要がないため、遊技盤80を装着する際のハーネスHの配置作業を容易化できる。具体的には、例えば開放部を遊技盤80の厚さ方向に貫通する孔状に形成した場合、遊技盤着脱時に開放部(孔)に対してハーネスHを挿通させたり引き抜いたりする必要が生じ、ハーネスHの配置作業が煩雑化し得る。この点、開放部を切欠き状とすることで、このような不都合を払拭し、実用上好ましい構成を実現している。因みに、遊技盤80を内枠13から取り外している状態では、上記通過領域によるハーネスHの位置の制限を解除し、遊技盤80とハーネスHとのつかえを好適に抑制できる。
特に、開放部が切り欠き状をなす構成を採用したことで、以下の優れた効果を奏する。すなわち、遊技盤装着の作業初期段階ではハーネスHの弛みにより遊技盤80の移動を妨げにくくしつつ、遊技盤80を装着完了位置に配置した場合には、弛みを減らしてハーネスHの位置ばらつきを抑えることができる。これにより、作業の容易化とハーネスHの保護とを好適に両立できる。
遊技盤80の一側部を挿入部280に挿入した状態で同遊技盤80を回動させることにより、遊技盤80を装着することができる。上側切欠き部89が遊技盤80の回動基端側に開放されているため、遊技盤80の挿入方向への移動に基づいてハーネスHを上側切欠き部89に配置することが可能となる。このように、1の取付動作による遊技盤80の挿入作業とハーネスHの配置作業とを許容することにより、作業の簡素化に貢献することができる。
上述の如く上側切欠き部89を遊技盤80の回動先端側に開放させている構成においては、作業の簡素化に貢献できる反面、挿入部280への遊技盤80の挿入過程にてハーネスHが上側切欠き部89から脱落するといった不都合が生じ得る。このようなハーネスHの脱落は、作業の円滑化を妨げる要因となり得るため好ましくない。この点、本実施の形態においては、ハーネス支持部89aが水平方向に延びるように形成されていることで、同ハーネス支持部89aによって支持されたハーネスHが同ハーネス支持部89aから脱落することを抑制できる。
また、遊技盤80を装着する際にハーネスHをハーネス支持部89aに載せておくことで、例えば同ハーネスHを手で支えるといった予備的動作が必要がなくなる。これにより、遊技盤装着時の作業の煩雑化を抑制できる。
上述の如く遊技盤80を回動させることで装着する構成においては、同遊技盤80の回動に伴ってハーネスHの弛みが変化し得る。この点、ハーネス支持部89aが回動基端側から回動先端側に延びる構成とすることで、遊技盤装着時の遊技盤80の回動に伴うハーネスHの弛みの変化、すなわちハーネスHの変位を許容し、ハーネス支持部89aからのハーネスHの脱落を回避しつつ同ハーネスHの突っ張りを抑えることが可能となる。
遊技盤80を開放し、音声ランプ制御装置143に対するハーネスHの接続部位(コネクタC1,C2)が遊技盤80の回動先端側に露出した状態では、遊技盤80の重量の少なくとも一部が、内枠13(詳しくは下側壁部263や仮置き部290)に預けられた状態となる。これにより、例えば遊技盤80を内枠13から取り外すことなく同遊技盤80が動かないように手を添えた状態にて(遊技盤80の重量の一部を内枠13に預けた状態にて)ハーネスHの着脱作業を行うことが可能となる。故に、作業の容易化を図りつつ、それに伴う作業負担の増加を低減することができる。
ハーネスHによってランプ部23等の演出装置と音声ランプ制御装置143とを直結する構成においては、前扉枠14を開閉した際に、同前扉枠14の回動に伴って遊技盤80の背面側でハーネスHが動くと想定される。このようなハーネスHの動きが大きくなると、遊技盤80の背面側に配された裏パックユニット15等に同ハーネスHが干渉しやすくなると懸念される。この点、上側切欠き部89を前扉枠14の回動基端側に配することにより、ハーネスHに無駄な弛みが生じにくくなるように同ハーネスHを極力短くすることができる。これにより、上記不都合を生じにくくしている。
以上詳述した遊技盤80の着脱作業は、前扉枠14を開放していることを前提として行われるものであるが、前扉枠14を開放することで内枠13の前面(例えば遊技領域PEや遊技球発射機構110)が露出されるため、遊技盤80の着脱のみならず、遊技球発射機構110等のメンテナンスも行いやすくなっている。
但し、本実施の形態における前扉枠14は内枠13の前面全域を覆っているものではなく、同前扉枠14の開放に際してその一部が覆われたままとなる。このため、前扉枠14の開放によって内枠13の前面全域へのアクセスが許容されるわけではない。具体的には、図2に示すように、内枠13における右下の一区画、すなわち遊技球発射ハンドル40が設けられている部分には、内枠13の回動先端側の下隅部を含んだ一部を覆うようにしてハンドルベース41が設けられている。ここで、図20に基づきハンドルベース41について説明する。図20は、内枠13からハンドルベース41を取り外した状態を示す分解斜視図である。
ハンドルベース41は、前扉枠14と併せて内枠13の全域を覆っており、その前面側に遊技球発射ハンドル40が固定されることで同遊技球発射ハンドル40と一体化されている。ハンドルベース41の周縁には内枠13に対する取付部42が突設されている。取付部42は前扉枠14の背側に位置しており、当該取付部42が内枠13に対してネジ止めされることで、それらネジ45へのアクセスが前扉枠14によって妨げられる構成となっている。
また、ハンドルベース41は、前扉枠14とは独立して固定されているため、同前扉枠14が開放された場合であっても、自身の固定位置に留まる構成となっている。故に、上記ネジ45を取り除くためには先ず前扉枠14を開放する必要があり、ハンドルベース41の不正な取り外しを困難なものとしている。なお、ハンドルベース41の固定手段としてネジ45以外の構成、例えば係止ピンや係止爪等を用いることも可能であるが、このような変更を行った場合であってもやはり、固定手段を前扉枠14の背後に配置することが好ましい。
また、ハンドルベース41は、パチンコ機10における施錠装置500の一部を覆っており、ハンドルベース41において遊技球発射ハンドル40よりも上側となる部位には、同施錠装置500の操作手段(詳しくは後述するシリンダ錠520)をパチンコ機10の正面側に露出させる挿通孔43が形成されている。
本実施の形態においては、前扉枠14を内枠13に対して開放不能な状態で施錠する施錠機構と、遊技機主部12を外枠11に対して開放不能な状態で施錠する施錠機構とが一の施錠装置500によって具現化されており、上記操作手段を操作することで、前扉枠14及び遊技機主部12(内枠13)を個別に解錠可能となっている。
<施錠装置500の構造>
以下、図6,図21〜図23に基づき施錠装置500について詳細に説明する。図21は、施錠装置500を内枠13から取り外した状態を示す斜視図、図22は施錠装置500を後方から見た斜視図、図23は施錠装置500を主要構成部品毎に分解して示す分解斜視図である。なお、図22及び図23においては各図22,23の左上がパチンコ機10の前方、右下がパチンコ機10の後方、右上がパチンコ機10の左方、左下がパチンコ機10の右方となっている。
図6に示すように、施錠装置500は、内枠13において前扉枠14と対向している部分、すなわち内枠13の前面に設けられている。具体的には、図21に示すように内枠13において前記遊技盤収容部75よりも遊技機主部12の回動先端側となる部位には内枠13の回動先端側の端部に沿って施錠装置収容部77が形成されており、当該施錠装置収容部77に施錠装置500が収容された状態となっている。
施錠装置収容部77は、内枠13における上側枠部13a及び下側枠部13bの両者に跨って延び、内枠13の正面側に開放された溝状をなしている。施錠装置500は、施錠装置収容部77の開放部分を覆う長尺状の第1基枠510を備えており、当該第1基枠510と施錠装置収容部77とによって施錠装置500に関する各種構成を収容する空間が区画形成されている。
ここで、図14(d)を用いて上記遊技盤収容部75と施錠装置収容部77との関係について補足する。なお、図14(d)においては前扉枠14及びそれに付随する構成を2点差線で示している。遊技盤収容部75と施錠装置収容部77とは左右に並設されており、内枠13に形成された上記右側壁部265によって仕切られている。言い換えれば、右側壁部265は、各収容部75,77の一部を構成している。
右側壁部265の先端部は前扉枠14の上記ガラスホルダ27(詳しくは縦ホルダ部27a)に近接しており、縦ホルダ部27aは、右側壁部265の先端部に沿って上下に延びている。これら右側壁部265及び縦ホルダ部27aによって、内枠13及び前扉枠14によって囲まれた空間が遊技盤80側と施錠装置500側とに区画されている。仮に、内枠13の中央開口76と遊技盤80との隙間からワイヤ等の不正具が挿入された場合であっても、上述の如く空間を区画しておくことにより、施錠装置500側の領域へのアクセスを難しくすることができる。なお、右側壁部265の先端部を前扉枠14のガラスホルダ27に対して当接させる構成としてもよい。
再び図21を参照して説明すれば、施錠装置収容部77には、その奥側の壁部(以下、「奥壁部301」と称する)から起立する複数のボス302が設けられており、第1基枠510にはそれらボス302に固定される基枠固定部511が設けられている。基枠固定部511がボス302の先端部分に当接した状態にてそれらボス302に内枠13の正面側からネジ止めされることにより、施錠装置500と内枠13とが一体化されている。
基枠固定部511は、ボス302を挟んで奥壁部301と対向するとともに、施錠装置収容部77の開放部分に合せて形成された長板状をなしている。この基枠固定部511によって同開放部分が覆われ、施錠装置収容部77の内部空間へのアクセスが妨げられている。
図22に示すように、基枠固定部511の両長辺のうち内枠13の回動基端側の一方(図22における右端縁)には施錠装置500に関する各種構成が取り付けられた部材取付部515が設けられている。部材取付部515は、基枠固定部511の端部を折り曲げて形成されており、奥壁部301側に起立している。また、基枠固定部511の他方の長辺には、部材取付部515と対向するように折り曲げられたフランジ部516が形成されている。つまり、第1基枠510は全体として水平断面略コ字状をなしている。これら部材取付部515及びフランジ部516によって、施錠装置500自体の剛性を確保するだけでなく、内枠13を補強する補強部材としての機能を高めることが可能となっている。
部材取付部515及びフランジ部516は基枠固定部511とほぼ同等の長さを有する長板状をなしており、それら両者の外板面が施錠装置収容部77の内壁面に当接するように形成されている。これにより、第1基枠510を迂回して施錠装置収容部77の内部空間へアクセスするといった不正行為を困難なものとしている。なお、部材取付部515及びフランジ部516が施錠装置収容部77の内壁面に対して当接しない構成とすることも可能である。
基枠固定部511の下端側には、解除操作部たるシリンダ錠520が取り付けられている。図2や図9等に示すように、シリンダ錠520は、基枠固定部511において奥壁部301とは反対側の板面(外面)に取り付けられている台座521と、その台座521からパチンコ機10の前方に向けて延びる円筒状のシリンダ本体522と、そのシリンダ本体522の内部に収容された錠軸部523とを有しており、台座521に対して内枠13の正面側から複数のネジ527が取り付けられることで第1基枠510に一体化されている。それら複数のネジ527のうち少なくとも1つは、前記ハンドルベース41によって内枠13の前方から覆われている(図20参照)。これによりハンドルベース41を取り外すことなくネジ527に対してアクセスすることを不可とし、シリンダ錠520の不正な取り外しを困難なものとしている。
シリンダ本体522の一端及び錠軸部523の一端は、ハンドルベース41の上記挿通孔43を介してパチンコ機10の正面側に露出している(図1参照)。錠軸部523においてパチンコ機10の正面側に露出している側の端部にはキー孔524が形成されている。このキー孔524に対して解錠操作用の操作キーを挿入し、同操作キーを錠軸部523の中心軸線を中心として回動させることで、パチンコ機10外部からの解錠操作が行われる。
錠軸部523の他端は、基枠固定部511に形成された錠軸部523用の開口を介して施錠装置収容部77内に露出しており、その露出している部分にはカム部材530が装着されている。カム部材530は、図23に示すように、内枠13の背面側から螺着されたネジ531によって、錠軸部523に着脱可能な状態で固定されており、上述したキー操作に伴って錠軸部523が回動した場合に同錠軸部523と共に回動する。本実施の形態におけるシリンダ錠520においては特に、操作キーによる解錠操作が行われない限り錠軸部523を回動させることができない内部構造を有しており、カム部材530を指等で直接回動させることが不可となっている。なお、シリンダ錠520として、不正解錠防止機能の高いオムロック(登録商標)を用いる構成としてもよい。
カム部材530は、基枠固定部511と平行な円板状部分を有しており、その円板状部分の周縁において前記部材取付部515側となる部分には、略放射方向に突出する上下一対の爪部532,533が形成されている。
施錠装置500は、カム部材530の動作(詳しくは爪部532,533の変位)に追従して移動する連動杆540を備えている。連動杆540は、第1基枠510に沿って延びる長板状をなすとともに同第1基枠510と同等の長さを有し、部材取付部515によって第1基枠510の長手方向にスライド移動可能な状態で保持されている。また、連動杆540には、カム部材530の爪部532,533と係合する係合孔541,542が形成されている。各爪部532,533が係合孔541,542に係合した状態で回動することで、それら爪部532,533によって連動杆540が第1基枠510の長手方向(すなわち上方及び下方)に押される。つまり、キー操作によって発生する外力が錠軸部523→カム部材530→連動杆540の順に伝達され、連動杆540が上下にスライド移動することとなる。
本実施の形態におけるシリンダ錠520においては、既に説明したようにキー操作によってのみ錠軸部523及びカム部材530の回動が許容される。連動杆540をスライドさせようとしてもカム部材530の爪部532,533と連動杆540の係合孔541,542とが係合することにより、当該連動杆540の移動が阻止される。つまり、施錠装置500においては、カム部材530や連動杆540を動作させる場合にはキー操作が不可欠な構成となっている。
第1基枠510においてシリンダ錠520の上方となる部位、すなわちシリンダ錠520に対して遊技球発射ハンドル40の反対側(すなわちシリンダ錠520の上方)となる部位には、前扉枠14の鉤受け部材63に引っ掛かる施錠位置と、同鉤受け部材63に引っ掛からない施錠解除位置との両位置に切替可能な前扉用第1鉤部材550が複数(詳しくは2つ)設けられている。前扉用第1鉤部材550は基枠固定部511において奥壁部301側を向いた板面に搭載されており、同板面と対向する板状のベース部551と当該ベース部551から前扉枠14側に起立する鉤部555とを備えている。基枠固定部511には、鉤部555の前扉枠14側への突出を許容するスリット512が形成されており、鉤部555において同スリット512から突出している部分は上方に凸となる爪状をなしている。この爪状部分が鉤受け部材63に対して下側から引っ掛かることにより前扉枠14が施錠された状態となっている。
ベース部551には、第1基枠510の長手方向(つまり連動杆540のスライド方向)に延びる長孔552が形成されており、基枠固定部511にはその長孔552に嵌まる軸ピン513が取り付けられている。この軸ピン513によって前扉用第1鉤部材550がスライド移動可能な状態で保持されている。より詳しくは、長孔552は、軸ピン513から上方に延びており、前扉用第1鉤部材550の下方への移動、すなわち鉤受け部材63から離れる側への移動が許容されている。
ベース部551において部材取付部515側の端部には、同部材取付部515に沿って起立する起立部553が形成されている。起立部553が、連動杆540と部材取付部515とによって挟まれることにより、前扉用第1鉤部材550の倒れや位置ばらつき等が抑制されている。
起立部553の先端部分には、連動杆540側に凸となる突起554が形成されており、当該突起554の先端部分が連動杆540に形成された開放部543から突出している。突起554の先端部分には、付勢部材としてのコイルバネ560が取り付けられており、同コイルバネ560によって前扉用第1鉤部材550が施錠位置に向けて(上方に)付勢された状態となっている。この付勢方向の先側から長孔552の下端縁が軸ピン513に対して当接することで、前扉用第1鉤部材550の移動が妨げられ、コイルバネ560の付勢力により前扉用第1鉤部材550が施錠位置にて保持されている。なお、前扉用鉤部材550における付勢部材の取付部としては、上記突起554に代えて孔部等を用いてもよい。
連動杆540がスライド移動すると、開放部543の上端縁によって突起554が押され、前扉用第1鉤部材550がコイルバネ560の付勢力に抗して施錠位置から施錠解除位置に移動することとなる。
前扉用第1鉤部材550は、基枠固定部511において前扉枠14と対向する部位に上下に離して配置されている。詳しくは、それら前扉用第1鉤部材550は、基枠固定部511の上端側とシリンダ錠520側との両端に寄った位置にそれぞれ配置されており、前扉枠14を施錠している状態での同前扉枠14の浮き上がりを抑制しやすくしている。なお、前扉用第1鉤部材550の個数は2つに限定されるものではなく、例えば1つとしてもよいし、3つ以上とすることも可能である。但し、前扉用第1鉤部材550を1つとした場合、一方の手で不正具を操ることで施錠状態が不正に解除され、他方の手で前扉枠14が開放(回動)され得る。この点、前扉用第1鉤部材550を2つ以上とすることで、不正解錠に両の手を必要とし、例えば不正行為者が単独である場合には、前扉枠14の開放を難しくすることができる。これにより、不正行為(いわゆる引っ掛けゴト)を好適に抑制することができる。
第1基枠510よりも下側には、第1基枠510の下端から内枠13の回動基端側に内枠13の下側枠部13bに沿って延びる第2基枠570が設けられている。第2基枠570は長尺状をなし、その一端が上記ハンドルベース41の背後に位置し、他端が前扉枠14の背後に位置するように形成されている。つまり、第2基枠570は、ハンドルベース41に対して前後に重なる領域と、前扉枠14に対して前後に重なる領域との両領域に跨っている。
第2基枠570は、内枠13の前面に対して固定(ネジ止め)されている基枠固定部571と、内枠13の下側枠部13bに対向する長板状の部材取付部575とを有している。第2基枠570(詳しくは部材取付部575)において前扉枠14の背後に位置する端部には、前扉枠14を所定の装着完了位置に案内するガイドフランジ576が形成されている。ガイドフランジ576は、部材取付部575の前端縁からパチンコ機10の前方に延び、パチンコ機10の前方に向けて滑らかに下っている。前扉枠14の背面においてガイドフランジ576に対応する位置には、内枠13側に膨出する膨出部66が形成されており、この膨出部66がガイドフランジ576によって部材取付部575の上面に案内され同上面に載ることで前扉枠14の上下位置のずれ(例えば回動中心軸線を基端とする倒れ)が抑えられることとなる。
部材取付部575において、ガイドフランジ576とハンドルベース41との間、詳しくはハンドルベース41側寄りとなる位置には、前扉枠14の下端部の浮き上がりを抑える前扉用第2鉤部材580が設けられている。前扉用第2鉤部材580は、前扉枠14を内枠13に対して施錠する施錠位置と施錠しない施錠解除位置との両位置に切替可能な状態で第2基枠570によって保持されている。
前扉用第2鉤部材580は、第2基枠570の上面と対向するベース部581を有している。ベース部581は、第2基枠570と同様に内枠13の回動先端側から回動基端側に延びる長板状をなしており、その板面の大部分が第2基枠570の上面に面接触しているとともに同ベース部581の一端が部材取付部575から同第1基枠510側に突出している。ベース部581には、第2基枠570の長手方向に延びる長孔582が形成されており、第2基枠570の部材取付部575には、その長孔582に嵌まる軸ピン577が取り付けられている。この軸ピン577によって前扉用第2鉤部材580がスライド移動可能な状態で保持されているとともに、軸ピン577及び長孔582によって前扉用第2鉤部材580の移動範囲が規定されている。なお、このように規定された移動範囲においては部材取付部575からのベース部581の前記突出が維持されている。
ベース部581の前端縁には、当該ベース部551から前扉枠14側に延出する鉤部585が設けられている。鉤部555の先端は内枠13の回動先端側に凸となる爪状をなしており、この爪状部分が前扉枠14の背面に設けられた鉤受け孔部64に対して内枠13の回動基端側から引っ掛かることにより前扉枠14が内枠13に対して施錠された状態となる。鉤受け孔部64は、図2に示すよう上記膨出部66と左右に並設されている。このように、鉤受け孔部64の高さ位置を膨出部66に合わせることで当該鉤受け孔部64の位置精度を確保しやすくし、前扉用第2鉤部材580が鉤受け孔部64に嵌る際につかえるといった不都合を生じにくくしている。
前扉用第2鉤部材580のベース部551には、当該前扉用第2鉤部材580を施錠位置に向けて付勢する付勢部材としてのコイルバネ590の一端がとりつけられている。コイルバネ590は、ハンドルベース41の背後に配置されているとともに、その他端が第2基枠570において前扉用第2鉤部材580よりも前扉枠14の回動先端側(第1基枠510側)となる部位に固定されている。これにより、前扉用第2鉤部材580は、第1基枠510側に引き寄せられ、上記軸ピン577が長孔582の縁部に当たることでそれ以上の移動が阻止されている。
第2基枠570におけるハンドルベース41によって覆われている部位には、連動杆540の動作に追従して前扉用第2鉤部材580をスライドさせるカム部材600が設けられている。カム部材600は、第2基枠570によって回動可能に軸支されており、連動杆540の下端縁に下方から当接する杆側爪部601と、前扉用第2鉤部材580における第1基枠510側の端部に前扉枠14の回動先端側から当接する鉤側爪部602とを有している。
キー操作によって前扉用第1鉤部材550による施錠が解除される場合には、連動杆540が下方にスライド移動する。この連動杆540の移動によってカム部材600の杆側爪部601が下方に押され、カム部材600が回動する。カム部材600の回動により、鉤側爪部602が前扉用第2鉤部材580を押すこととなり、同前扉用第2鉤部材580がコイルバネ590の付勢力に抗して施錠解除位置にスライド移動する。このように前扉用第2鉤部材580の動きを連動杆540の動作に追従させる構成を採用することで、前扉枠14の解錠操作の簡略化に貢献している。
ここで、図24に基づき、前扉用第2鉤部材580及び鉤受け孔部64と、膨出部66及び部材取付部575(ガイドフランジ576)との関係を前扉枠14の開閉動作を踏まえて説明する。図24は、前扉枠14の開閉途中状態を示す概略図である。
前扉枠14を開閉する際の全区間のうち閉位置を含んだ所定の区間においては膨出部66が第2基枠570の部材取付部575に載り、その区間内にて前扉用第2鉤部材580が鉤受け孔部64内に嵌った状態となるように規定されている。つまり、前扉枠14が開放位置に配された状態から閉位置に向けて回動する場合に、前扉用第2鉤部材580が鉤受け孔部64に嵌るのに要する回動量ANG1は、膨出部66が部材取付部575上に載るのに要する回転角度ANG2よりも大きく設定されている。このため、前扉枠14を閉位置から移動させる際には、膨出部66が第2基枠570の部材取付部575に載った状態にて前扉用第2鉤部材580が鉤受け孔部64から離脱し、その後膨出部66が部材取付部575から離脱する。一方、前扉枠14を閉位置に移動させる際には、先ず前扉用第2鉤部材580が鉤受け孔部64から離脱し、その後膨出部66が部材取付部575から離脱する。
このように、前扉枠14の上下ばらつき(例えば前扉枠14の傾き等)が抑えられた状態にて前扉用第2鉤部材580の抜き差しがなされる構成とすることで、前扉用第2鉤部材580と鉤受け孔部64とのつかえが回避されやすくなっている。
特に、前扉用第2鉤部材580が左右にスライドする構成や、遊技球発射ハンドル40(詳しくはハンドルベース41)に近づけて前扉用第2鉤部材580を配置する構成においては、前扉枠14の自重による傾きの影響を受けやすくなり、同前扉用第2鉤部材580及び鉤受け孔部64のつかえが生じやすくなると想定される。この点、本実施の形態によれば、上述の如く前扉枠14の上下ばらつきを抑えた状態で施錠がなされるため、前扉枠14の傾きによる影響を好適に抑えることができる。また、前扉枠14の上下ばらつきを抑えることができるため、鉤受け孔部64を過度に拡張して動作隙を確保する必要がない。つまり、鉤受け孔部64の狭小化を図り、引っ掛かり部分の露出を抑えやすくしている。これにより、防犯性向上に貢献している。
次に、図3,図21及び図23に基づき遊技機主部12を外枠11に対して閉じた状態で施錠する施錠機構について説明する。
第1基枠510の部材取付部515には、内枠13を外枠11に対して閉じた状態で施錠する施錠状態と施錠解除状態とに切替可能な内枠用鉤部材620が取り付けられている。内枠用鉤部材620は、上側の前扉用第1鉤部材550よりも上方及び下側の前扉用第1鉤部材550(シリンダ錠520)よりも下方、詳しくは第1基枠510の両端にそれぞれ配置されている。
内枠用鉤部材620には、部材取付部515の内板面に対向する板状をなし部材取付部515及び前記連動杆540によって挟まれたベース部621と、ベース部621から後方に延出する鉤部625とが形成されている。施錠装置収容部77の奥壁部301には内枠13の厚さ方向に貫通するスリット303が形成されており、鉤部625が同スリット303を介して内枠13の背面側、詳しくは外枠11側に突出している。
鉤部625において内枠13の背面側に突出している部分(すなわち鉤部555の先端)は、上方に凸となる爪状をなしている。この爪状部分が外枠11に設けられた鉤受け部材350に対して下方から引っ掛かることにより内枠13が外枠11に対して施錠された状態となる。
内枠用鉤部材620は、部材取付部515に固定された軸ピン517によって部材取付部515の板面に沿った回動が許容された状態で軸支されている。ベース部621において、軸ピン517を挟んで鉤部625とは反対側の端部、すなわち基枠固定部511側の端部には、連動杆540側に起立する突起622が形成されている。連動杆540には、突起622との干渉を回避すべく切欠き544が形成されており、同切欠き544を通じて突起622の先端が突出している。
突起622の先端部分には、内枠用鉤部材620を施錠位置に向けて付勢する付勢部材としてコイルバネが取り付けられている。上側の内枠用鉤部材620と、下側の内枠用鉤部材620とではこのコイルバネの取り回しが異なっている。詳しくは、上側の内枠用鉤部材620におけるコイルバネの取り回しが特徴的なものとなっている。そこで以下、図25に基づいて上側の内枠用鉤部材620(以下、便宜上「内枠用上側鉤部材620U」と称する)におけるコイルバネ560(以下、便宜上「上側コイルバネ560U」と称する)の取り回しについて詳しく説明し、後に下側の内枠用鉤部材620(以下、便宜上「内枠用下側鉤部材620L」と称する)におけるコイルバネ630(以下、便宜上「下側コイルバネ630L」と称する)の取り回しについて簡単に説明する。図25は各鉤部材550U,620Uの位置関係を示す概略図である。なお、前扉用第1鉤部材550についても同様に、上側の前扉用第1鉤部材550を「前扉用上側鉤部材550U」と称し、下側の前扉用第1鉤部材550を「前扉用下側鉤部材550L」と称する。
既に説明したように、第1基枠510の上端側においては、前扉用上側鉤部材550Uと内枠用上側鉤部材620Uとが前者が下側、後者が上側となるように隣接して配置されている。内枠用上側鉤部材620Uの突起622に取り付けられた上側コイルバネ560Uの他方の端部は、前扉用上側鉤部材550Uの突起622に取り付けられている。つまり、内枠用上側鉤部材620Uと前扉用上側鉤部材550Uとが上側コイルバネ560Uによって連結されている。
上側コイルバネ560Uは、自身の自由長よりも長くなるように引き伸ばされた状態で取り付けられ、各鉤部材550U,620Uの突起554,622が互いに近づく側に付勢された状態となっている。つまり、上側コイルバネ560Uによって,両鉤部材550U,620Uを施錠位置に付勢する付勢力を常時発生させる構成となっている。
本実施の形態においては特に、前扉用上側鉤部材550Uの突起554は、当該前扉用上側鉤部材550U(詳しくはベース部551)において内枠用上側鉤部材620Uの突起622とは反対側の端部に配置されている。具体的には、当該前扉用上側鉤部材550Uの鉤部555よりも更に下側に配置されている。このように、各鉤部材550U,620Uの突起554,622を遠ざけて配置することにより、上側コイルバネ560Uの全長を長くしやすくしている。なお、前扉用上側鉤部材550Uの突起554と、内枠用上側鉤部材620Uの突起622とをパチンコ機10の平面視にて前後及び左右にずらして配置されており、上記上側コイルバネ560Uの全長拡大を促進している。
特に内枠用上側鉤部材620Uの突起622については、当該内枠用上側鉤部材620Uの回動中心位置よりも僅かに下側となる位置に配置することで、上側コイルバネ560Uの全長を長くしつつ、付勢力による内枠用上側鉤部材620Uの回動の円滑さを損なわれにくくしている。
一方、内枠用下側鉤部材620Lと前扉用下側鉤部材550Lとは、シリンダ錠520を挟んで上下両側に離して配置されている。詳しくは、前扉用下側鉤部材550Lはハンドルベース41との干渉を回避すべく同ハンドルベース41の上方に配置されており、一方の内枠用下側鉤部材620Lは第1基枠510の下端に配置されている。このように、施錠対象の回動先端側にて下限位置に各鉤部材550L,620Lを配置することにより、前扉枠14や内枠13の閉じ切り機能を向上している。これに合わせて、下側の各鉤部材550L,620Lについては別個独立したコイルバネ、つまりコイルバネ560L,630が設けられおり、両鉤部材550L,620Lが個々に付勢されている。
なお、ハンドルベース41を有さない構成を採用し、遊技球発射ハンドル40を前扉枠14に設けた場合には、第1基枠510の下端寄りに両下側鉤部材550L,620Lをまとめて配置することで、上述した浮き上がり抑制機能を向上することができる。この場合、必然的にそれら両下側鉤部材550L,620Lの配置が両上側鉤部材550U,620Uと同様に相互に近づきやすくなる。この場合、それら上側鉤部材550U,620Uと同様に、下側の各鉤部材550L,620Lについても1のコイルバネによってそれら両鉤部材550L,620を連結するとよい。
ここで、操作キーKの回動操作に伴う施錠装置500の動作について図26及び図27に基づき説明する。図26は操作キーKを時計回りに回動操作した状態を示し、図27は操作キーKを反時計回りに回動操作した状態を示している。また、図26(a)及び27(a)は施錠装置500全体をパチンコ機10の後方から見た斜視図、図26(b)及び図27(b)は第1基枠510に搭載された各種構成の動作を示す概略図、図26(c)及び図27(c)は第2基枠570に搭載された各種構成の動作を示す概略図である。
図26では操作キーKをシリンダ錠520に差し込んで、時計回りに回動操作している。すると、操作キーKの回動操作に連動してカム部材530の下側爪部533により連動杆540の下側係合孔542が押し上げられ、連動杆540が上昇する。この連動杆540の上昇に伴って同連動杆540の切欠き544(詳しくはその下端縁)により内枠用鉤部材620の突起622が上方に押される。これにより、各内枠用鉤部材620がコイルバネ560,630の付勢力に抗して回動し、同内枠用鉤部材620と鉤受け部材350との引っ掛かり、すなわち施錠状態が解除される(図26(b)参照)。このように施錠状態が解除されることにより、外枠11に対しての遊技機主部12(内枠13)の開放が許容される。その後、操作キーKの回動操作を止めると、コイルバネ560,630の付勢力により、連動杆540及び内枠用鉤部材620が初期位置に復帰する。
なお、コイルバネ560については、前扉用第1鉤部材550に取り付けられており、前扉用第1鉤部材550の上方への移動が第1基枠510の軸ピン513によって抑えられる。故に、連動杆540及び内枠用鉤部材620を初期位置に復帰させる付勢力が蓄えられるとともに、前扉用鉤部材550,580の施錠が維持される。
図27では操作キーKをシリンダ錠520に差し込んで、反時計回りに回動操作している。すると、操作キーKの回動操作に連動してカム部材530の上側爪部532により連動杆540の上側係合孔541が押し下げられ、連動杆540が下降する。この連動杆540の下降に伴って同連動杆540の開放部543(詳しくはその上端縁)により前扉用第1鉤部材550の突起554が下方に押される(図27(b)参照)。これにより、各前扉用第1鉤部材550がコイルバネ560の付勢力に抗して回動し、同前扉用第1鉤部材550と鉤受け部材63との引っ掛かり解除される。さらに、連動杆540の下降に伴って、第2基枠570に取り付けられているカム部材600の杆側爪部601が同連動杆540により下方に押される。これによりカム部材600が回動し、同カム部材600の鉤側爪部602によって前扉用第2鉤部材580が前扉枠14の回動基端側に押され、前扉用第2鉤部材580がコイルバネ590の付勢力に抗してスライド移動する。結果、前扉用第2鉤部材580と鉤受け孔部64との引っ掛かり解除される。以上の如く、各前扉用鉤部材550,580の引っ掛かりが解除されることで、前扉枠14の施錠状態が解除される。このように施錠状態が解除されることにより、内枠13に対しての前扉枠14の開放が許容される。その後、操作キーKの回動操作を止めると、コイルバネ560の付勢力により、連動杆540及び各前扉用鉤部材550,580が初期位置に復帰する。
施錠装置500の各種構成については、内枠13と前扉枠14とによって囲まれた空間に配置されており、パチンコ機10の外部からの同施錠装置500に対するアクセスが制限されている。つまり、操作キーKを用いて前扉枠14を開放させるといった正規の手順を踏むことなく施錠装置500へアクセスすることを難しくし、防犯機能が強化されている。しかしながら、内枠用鉤部材620については、その構造上、内枠13の背面側(遊技機後方)への露出を完全に抑えることが難しく、前扉用鉤部材550,580と比較して防犯性向上の余地が残るものと想定される。この点、本実施の形態においては、これら内枠用鉤部材620の防犯構造に関して特徴的な構成を有しており、上述した弱点の克服を図っている。以下、図3,図28及び図29に基づきこの防犯構造について説明する。図28は図4のE―E線部分断面図、図29は外枠11の正面斜視図である。なお、図28においては、同図28の上側がパチンコ機10の後方、下側がパチンコ機10の前方、右側が遊技機主部12の回動先端側、左側が遊技機主部12の回動基端側となっている。
既に説明したように、内枠用鉤部材620(詳しくは鉤部625)は内枠13に形成されたスリット303を介して内枠13の背面側に突出している。なお、内枠13の背面部においてスリット303の後方開口部分を含んだ領域は、パチンコ機前方に段差状に凹んでいる(以下便宜上、この凹んでいる部分を凹部304と称する)。凹部304は、内枠13の背面部と右側の枠部とに連なっている。
スリット303は、内枠用鉤部材620の動作を許容し、且つ同内枠用鉤部材620との干渉を回避すべく、内枠用鉤部材620よりも若干大きく形成されている。施錠装置500の連動杆540には、同スリット303と前扉用鉤部材550との間に位置し、スリット303と内枠用鉤部材620との隙間を施錠装置収容部77の内側から覆うフランジが形成されている。これにより、スリット303を通じてワイヤ等の不正具が挿入されることを抑制している。
また、スリット303の周縁において内枠13の回動先端側となる位置には、鉤部625に内枠13の回動先端側から対向する対向壁部305が設けられている。図3の部分拡大図に示すように、対向壁部305は、凹部304の底部から後方に起立しており、鉤部625における鉤受け部材350との引っ掛かり部分を内枠13の回動先端側から覆っている。より詳しくは、対向壁部305は、内枠13における回動先端側の縁部と外枠11との境界部位BPと、内枠用鉤部材620及び鉤受け部材350の引っ掛かり部位との間に配置されており、内枠用鉤部材620が施錠状態から施錠解除状態に切り替えられる場合に、同内枠用鉤部材620の鉤部625が移動する全領域に対して内枠13の回動先端側から重なっている。
対向壁部305は、スリット303の周縁に沿って上下に延びており、内枠用鉤部材620が施錠位置及び施錠解除位置の両位置で切り替えられる場合に、上記引っ掛かり部分の被覆状態が維持されるように形成されている。仮に内枠13における回動先端側の縁部と外枠11との境界部位BPを介してワイヤ等の不正具が挿入された場合であっても、同不正具による内枠用鉤部材620に対するアクセスを妨げることができ、施錠状態が正規の手順を踏むことなく不正に解除されることを抑制できる。
図28に示すように、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態においては、これら内枠用鉤部材620の先端と対向壁部305の先端とが共に鉤受け部材350内に収容されている。これにより対向壁部305の迂回を難しくしている。ここで、鉤受け部材350について詳しく説明する。
図2に示すように、鉤受け部材350は、外枠11において内枠13を軸支している側とは反対側の枠部(すなわち右枠部380)に取り付けられている。鉤受け部材350は、右枠部380側に開放された略箱状の鉤受け部351と、右枠部380に対する取付部としてのベース板部355とを有してなり、同ベース板部355が右枠部380に対してネジ止めされることで外枠11に対して一体化されている。
鉤受け部351においてパチンコ機10の正面側を向いている板部(以下、「前側板部352」と称する)は、上記凹部304内に入り込んでおり、内枠13の前後位置のばらつきを許容可能な程度の隙間を隔てて同凹部304の底面と対向しており、この前側板部352には内枠用鉤部材620の先端部の進入を許容する開口353が形成されている。内枠用鉤部材620の鉤部625が開口353の縁部に対して下側から引っかかることにより上述した施錠状態が実現される。なお、前側板部352と凹部304の底面との隙間を排除し、両者が当接する構成とすることも可能である。
開口353は、内枠用鉤部材620に加え上記対向壁部305の進入を許容する大きさを有しており、その縦幅は、対向壁部305の縦幅とほぼ同等となるように設定されている。仮に内枠13と外枠11との相対位置がばらついた場合であっても、対向壁部305が開口353に嵌り込むことで、そのような位置ばらつきが施錠状態に影響を及ぶすことを抑制しやすくなっている。詳しくは、鉤受け部材350と内枠用鉤部材620との相対位置が変化し、それら両者の掛かり代が減少することを抑制しやすくしている。
また、図29に示すように、鉤受け部351は鋼板を折り曲げて形成されており、後側板部と上側板部及び下側板部との各境界部位(コーナ部)には僅かな間隙354が設けられている。これら間隙354は、鉤部625と前後に重ならない位置に配されており、パチンコ機10の後方から鉤部625に対してアクセスしやすくならないように工夫されている。なお、鉤受け部材350のコーナ部に設けられた上記各間隙を削除することも可能である。
ベース板部355は、前側板部352における外枠11の右枠部380側の端部から前方に延びており、同右枠部380の内面に面接触した状態で固定されている。ベース板部355を固定しているネジは右枠部380の内面側から螺着されており、その頭部が切断されることで取り外し不可となっている。これにより、外枠11からの鉤受け部材350の取り外しが規制されている。それらネジは鉤受け部351の前方に位置しており、内枠13が内枠13に対して閉じられることで、パチンコ機10の外部からのアクセスが困難なものとなる。詳しくは、図28に示すように、パチンコ機10の背後から鉤受け部351によって覆われるとともに、外枠11の右枠部380と内枠13の側部とによって囲まれることで、同ネジの取り外しが更に困難なものとなっている。これにより、鉤受け部材350を外枠11から取り外し、外枠11と内枠13との施錠状態を解除しようとする不正行為の抑制に貢献している。
ベース板部355の前端縁は、右枠部380において鉤受け部材350が設置されている設置面382よりも前方に突出している。より具体的には、設置面382に前端部(詳しくは前端縁を含んだ部分)には右枠部380の厚さ方向に窪む窪み部381が形成されており、窪み部381が形成されることで後退している部分からベース板部355の前端縁がパチンコ機10の前方に突出している。仮に上記境界部位BPから不正具が挿入された場合には、同不正具が内枠13の外面や外枠11の内面に沿って移動すると考えられる。外枠11に沿って移動した不正具が鉤受け部材350に達しベース板部355の先端に当たると、当該ベース板部355を乗り越えて鉤受け部351や内枠用鉤部材620にアクセスすることが困難となる。つまり、鉤受け部材350の配置を工夫することで、ベース板部355に防犯機能を付与することが可能となっている。
特にベース板部355及び窪み部381においては、図29に示すように、鉤受け部351(詳しくは開口353)よりも上方及び下方の両方に延びている。これにより、ベース板部355を迂回して内枠用鉤部材620にアクセスすることを困難なものとし、更なる防犯機能の向上に貢献している。なお、仮にベース板部355と右枠部380との隙間を介して無理やり不正具が挿入され鉤受け部351内部へ侵入された場合であっても、鉤受け部351の内周面に沿って移動した不正具が鉤受け部351の間隙354を介して鉤受け部351の外部(詳しくは後方)に導かれやすくなっているため、内枠用鉤部材620の不正操作が好適に抑制される。因みに、間隙354を、鉤受け部351のコーナ部に配することにより、鉤受け部351の外周面を伝って間隙354にアクセスし同鉤受け部351外部から内部へ不正具が挿入されることを抑制している。これにより、鉤受け部351の内部に挿入された不正具が同鉤受け部351の内周面を伝って移動した場合に外部へ誘導することを容易化しつつ、それに伴う防犯性の低下を抑えている。
ここで、図28に基づき、内枠13の右側枠部13dと外枠11の右枠部380との合わせ構造について補足する。内枠13の右側枠部13dと外枠11の右枠部380において前記設置面382よりも前方となる部位とは、相対向しており(左右に重なっており)、その対向している部分にはそれぞれ複数の段差が形成されている。それら両段差が組み合わせられることで、内枠13と外枠11との境界部位BPが蛇行している。
より具体的には、内枠13の右側枠部13dには、後方に向けて内枠13の回動基端側に階段状に凹む段差部311〜313が設けられている。以下便宜上、これら一連の段差部311〜313のうち前側に位置するものを「第1内側段差部311」、その第1内側段差部311に後続し前記施錠装置収容部77の奥壁部301を構成するものを前側から順に「第2内側段差部312,第3内側段差部313」と称する。
第1内側段差部311は、後方を向く壁面部311aと同壁面部311aにおいて内枠13の回動基端側の縁部から後方に延びる壁面部311bとによって構成されており、この壁面部311aに対して外枠11(詳しくは右枠部380)の前端面が当接している。第2内側段差部312は、壁面部311bの後側の縁部から内枠13の回動基端側に延びる壁面部312aと、同壁面部312aにおいて内枠13の回動基端側の縁部から後方に延びる壁面部312bとによって構成されている。第3内側段差部313は、壁面部312bの後側の縁部から内枠13の回動基端側に延びる壁面部313aと、同壁面部313aにおいて内枠13の回動基端側の縁部から後方に延びるとともに前記対向壁部305に連なる壁面部313bとによって構成されている。
右枠部380には、第1内側段差部311の壁面部311b及び第2内側段差部312の壁面部312aに対応する第1外側段差部385が形成されている。第1外側段差部385は、右枠部380の前端面において内枠13の回動基端側の縁部から後方に延びるとともに第1内側段差部311の壁面部311bに対向する壁面部385aと、同壁面部385aの後側の縁部から内枠13の回動基端側に延びるとともに第2内側段差部312の壁面部312aに対向する壁面部385bとによって構成されている。
また、右枠部380には、第2内側段差部312の壁面部312b及び第3内側段差部313の壁面部313aに対応する第2外側段差部386が形成されている。第2外側段差部386は、第1外側段差部385の壁面部385bにおいて内枠13の回動基端側との縁部から後方に延びるとともに第2内側段差部312の壁面部312bと対向する壁面部386aと、同壁面部386aの後側の縁部から内枠13の回動基端側に延びるとともに第3内側段差部313の壁面部313aに対向する壁面部386bとによって構成されている。第2外側段差部386の壁面部386bには、上記設置面382に連なっており、上記窪み部381はこれら壁面部386b及び設置面382に跨っている。そして、上記第3内側段差部313の壁面部313bは、窪み部381の前方に位置している。
仮に境界部位BPを通じてパチンコ機10の外部から不正具が挿入された場合には、同不正具が蛇行しながら後方に向けて移動すると考えられる。この場合、仮に不正具が上記ベース板部355よりも内枠用鉤部材620側に達すると、上記防犯機能が機能しなくなることが懸念される。本実施の形態においては、上記境界部位BPを蛇行させることで、不正具の侵入経路を限定している。詳しくは、第1内側段差部311の壁面部311aと外枠11の前端面との隙間から挿入された不正具の侵入方向は、内枠13の回動基端側に制限され、第1内側段差部311の壁面部311bに到達する。壁面部311bに到達した不正具は、更に押し込まれることで同壁面部311bに沿って後方に移動し、第1外側段差部385の壁面部385aに当たる。壁面部385aに当たった不正具が更に押し込まれると、同壁面部385aに沿って例えば内枠13の回動基端側に移動する。壁面部385aの延長先には、第2内側段差部312の壁面部312bが位置しており、同壁面部312bに当たることで不正具の進行方向が変化する。つまり、第2内側段差部312の壁面部312bに沿って後方に移動するように不正具の進行方向が規制される。この進行方向先側には上記窪み部381が存在しており、不正具がベース板部355を迂回することが回避される。これにより、上記防犯機能を発揮させやすくすることが可能となる。
窪み部381に到達した不正具は、更なる押し込み操作に基づいてベース板部355に沿って前方に戻り得る。ベース板部355の延長先には、第1内側段差部311の壁面部313aが存在している。この壁面部313aにおいては、第2内側段差部312の壁面部312bとの境界に、内枠13の回動先端側に凸となる円弧状のコーナ部が形成されており、このコーナ部がベース板部355の延長に位置している。このため、ベース板部355に沿って前方に移動した不正具は、同コーナ部に押し付けられることで、第2外側段差部386の壁面部386a側に誘導される。つまり、同不正具は内枠用鉤部材620とは反対側に誘導されることとなる。このように、内枠用鉤部材620へのアクセスを妨げることで、防犯機能の向上が図られている。
以上詳述したように、施錠装置500の露出部分を少なくすることでパチンコ機10の外部からの同施錠装置500に対する不正なアクセスを抑制し、防犯機能の向上に貢献している。しかしながら、このような防犯機能の向上により前扉枠14の開放に操作キーが必要不可欠な構成となれば、緊急時等の前扉枠14の開放が不可となり利便性が低下すると想定され好ましくない。そこで、本実施の形態においては、そのような特殊な状況下において操作キーを用いることなく施錠状態の解除を可能とするための構造が採用されている。以下、図3,図30及び図31に基づきその構造について詳しく説明する。図30は図8のF―F線部分断面図、図31はカム部材530及びネジ531と開口部320との関係を示す概略図である。なお、図30においては、同図30の下側をパチンコ機10の前方、上側をパチンコ機10の後方、右側を内枠13の右方(回動先端側)、左側を内枠13の左方(回動基端側)とし、図31においては、同図31の下側をパチンコ機10の左方(回動基端側)、上側をパチンコ機10の右方(回動先端側)、右側を内枠13の前方、左側を内枠13の後方としている。
図3における下側の部分拡大図に示すように、内枠13には、施錠装置500のカム部材530と同カム部材530を固定しているネジ531とを同内枠13の背面側に露出させる開口部320が設けられている。開口部320は、内枠13の前後に貫通しており、上述した第1内側段差部311及び第2内側段差部312に跨って形成されている。より具体的には、開口部320は、第1内側段差部311において内枠13の厚さ方向(前後方向)に延びる壁面部311bと、第2内側段差部312の両壁面部312a,312bとに跨っている(図30参照)。このように、開口部320が内枠13の厚さ方向に延びる壁面部311b,312bと同内枠13の幅方向に延びる壁面部312aとに跨る構成とすることで、それら厚さ方向及び幅方向の両方向と交差する方向にて開口度合いがもっとも大きくなるように設定されている。言い換えれば、厚さ方向及び幅方向の各方向においては、開口部320の開口度合いを抑えつつ、開口部320の広がりが確保されている。
ここで、図31に基づき、開口部320とカム部材530及びネジ531との位置関係について説明する。右側枠部13d(詳しくは壁面部312b)においてネジ531の取外軌道DPの延長上に位置する部位には、開口部320を部分的に拡張することで開放された拡張部321が形成されている。拡張部321は、開口部320において第2内側段差部312の壁面部312bに位置する縁部が切り欠かれてなり、ネジ531に対して工具Tを差し込む際の挿入軌道の確保を許容する大きさに形成されている。この拡張部321は、ネジ531の中心軸線から若干外れているものの、その外れ量がネジ531を回動させるのに支障が出ないで程度に抑えられている。
拡張部321とネジ531の中心軸線とをずらすことにより、内枠13及び外枠11の合わせ方向と、ネジ531の露出方向とが相違している。これにより、仮に内枠13と外枠11との相対位置にばらつきが生じた場合であっても、ネジ531が露出しやすくなることを回避可能となっている。
開口部320は、ネジ531及びカム部材530に対して内枠13の回動先端側となる位置に拡がっており、ネジ531及びカム部材530の固定が解除された場合にそれら両者を当該開口部320を通じて内枠13の回動先端側に取出可能となる大きさに形成されている。
ここで、図30に基づいて開口部320の形状について補足する。開口部320は、3つに大別される開口部位が連なってなる。
第1内側段差部311の壁面部311bに形成されている開口部位(以下便宜上、第1開口部位と称する)は、内枠13の回動先端側に開放されており、若干の隙間を隔てて第1外側段差部385の壁面部385aと対向している。そして、当該第1開口部位は、同第1開口部位のみを通じたカム部材530の取り出しが不可となるとともに、工具Tを用いた固定解除作業が不可となる大きさで形成されている。
第2内側段差部312の壁面部312aに形成されている開口部位(以下便宜上、第2開口部位と称する)は、パチンコ機後方に開放されており、第1外側段差部385の壁面部385b及び第2外側段差部386の壁面部386bと対向している。そして、当該第2開口部位は、同第2開口部位のみを通じたカム部材530の取り出しが不可となるとともに、工具Tを用いた固定解除作業が不可となる大きさで形成されている。また、上記第1開口部位及び同第2開口部位は、両開口部位を併せることでカム部材530の取り出しは許容されるものの、カム部材530の固定解除作業は不可となるように構成されている。
第2内側段差部312の壁面部312bに形成されている開口部位(以下便宜上、第3開口部位と称する)は、内枠13の回動先端側に開放されており、若干の隙間を隔てて第2外側段差部386の壁面部386aと対向している。そして、当該第3開口部位は、同第3開口部位のみを通じたカム部材530の固定解除作業を許容する一方で、同カム部材530の取り出しが不可となる大きさに形成されている。但し、当該第3開口部位及び上記第2開口部位は、両開口部位を併せることで、作業自体は困難であるが、カム部材530の固定解除作業と同カム部材530の取出作業とを行うことができるように構成されている。
つまり、上記3つの開口部位の少なくとも第2開口部位及び第3開口部位の1方が利用不可となることで、カム部材530の取外作業が不可となり、それら第2開口部位及び第3開口部位の両者が利用可能となることで、カム部材530の取外作業が許容され、更に第1開口部位が利用可能となることで、カム部材530の取外作業が容易化される構成となっている。
図31の2点鎖線に示すように、遊技機主部12(内枠13)が外枠11に対して閉じられている場合には、内枠13の開口部320が外枠11の右枠部380によって覆われている。つまり、この右枠部380によってパチンコ機10の外部への施錠装置500(例えばネジ531及びカム部材530)の露出が規制されている。ここで、同図31に基づき、遊技機主部12を外枠11に対して閉じていない状態と、遊技機主部12を外枠11に対して閉じている状態との各状態において、施錠装置500の解錠パターンについて個別に説明する。
遊技機主部12を外枠11に対して閉じていない状態、すなわち遊技機主部12を外枠11に取り付けていない状態や遊技機主部12を開放している状態においては、開口部320を介してネジ531及びカム部材530が露出している。つまり、開口部320が外枠11の右枠部380によって覆われていない。この状態では、工具Tが拡張部321を介して挿入されることによりネジ531の頭部へのアクセスが許容され、その頭部に形成された工具用の溝部に同工具Tの先端部分を係合可能となる。
ネジ531を緩めると、同ネジ531が工具Tの挿入方向手前側に浮き上がってくる。ネジ531の取り外し軌道DPと各段差部311〜313(詳しくは奥壁部301)との干渉が回避されているため、同ネジ531の取り外しが妨げられることはない。ネジ531が完全に外れた後、同ネジ531を内枠13の回動先端側に引き寄せることで、その取り出しが完了する。このようにネジ531を取り除いた状態では、カム部材530は錠軸部523に対して引っ掛かった状態となっている。そこで、カム部材530を内枠13の背面方向に浮かせることで、その引っ掛かりが解除される。そして、ネジ531と同様に開口部320を介して内枠13の回動先端側に引き寄せることで、その取り外しが完了する。
これらネジ531及びカム部材530を取り外すことにより、連動杆540のスライド規制が解除される。つまり、連動杆540をシリンダ錠520とは独立して移動させることが可能となる。連動杆540を押し下げることで同連動杆540の動きに追従して各前扉用鉤部材550,580が施錠解除状態に切り替えられ、前扉枠14の開放が許容されることとなる。
つまり、遊技機主部12を外枠11に対して閉じていない状態では、操作キーKを用いた解錠操作により前扉枠14が開放可能となるのみならず、同解錠操作より手間は掛かるものの、上記手順を踏むことにより操作キーを用いることなく前扉枠14が開放可能となる。これにより、操作キーが手元にない場合であっても前扉枠14を開放させることが可能となっている。
一方、遊技機主部12を外枠11に対して閉じた後は、内枠13の開口部320が外枠11の右枠部380によって覆われることとなる。これにより、開口部320を通じてのネジ531及びカム部材530に対するアクセスが困難なものとなる。更には、外枠11の右枠部380が工具T等の挿入軌道上に位置することとなるため、同工具Tを用いたネジ531及びカム部材530の取り外しが阻止される。つまり、遊技機主部12を外枠11に対して閉じた後は、連動杆540を直接動かす非常解錠方法の使用が不可となり、前扉枠14及び遊技機主部12の開放に前記操作キーの使用が不可欠となる。
<裏パックユニット15>
次に、図3,図4,図32及び図33に基づき裏パックユニット15の構成について詳細に説明する。図32は裏パックユニット15の正面図、図33は裏パックユニット15の分解斜視図である。
図4に示すように、裏パックユニット15は、内枠13を背面側から覆う裏パック701と、同裏パック701に搭載されているとともに遊技状況等に応じて遊技球を払い出す払出機構部702と、同じく裏パック701に搭載されているとともに各種制御装置が一体化された制御装置集合ユニット704とを備えている。
裏パック701は、図32に示すように、骨格をなすベース部711と同ベース部711からパチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部712とを有している。これらベース部711及び保護カバー部712は、それぞれ別体で形成されて、締結具(例えばネジ)を用いて一体化されている。なお、これらベース部711及び保護カバー部712を一体成形することも可能である。
ベース部711は中央に開口が形成された略矩形枠状をなしており、当該ベース部711の左側枠部711a(図32における右側の枠部)には、上下一対の軸金具713,714が固定されている。これら軸金具713,714に対応させて、樹脂ベース70の背面には軸受け金具131が固定されている(図8参照)。軸受け金具131は内枠13の回動基端に沿って延びる長尺状をなしており、当該軸受け金具131の上部には軸受け部132が、下部には軸受け部133がそれぞれ形成されている。上記軸金具713,714が軸受け部132,133によって支持されることで、裏パックユニット15が、内枠13に対して開閉可能(詳しくは回動可能)に取り付けられた状態となっている。また、内枠13の樹脂ベース70には、裏パックユニット15用の固定レバー134が複数取り付けられており、これら固定レバー134によって裏パックユニット15が内枠13に対して閉じた状態で固定されている(図4参照)。
なお、これら固定レバー134以外の裏パックユニット15を内枠13に対して固定する固定手段を設けることも可能である。例えば、内枠13の前面側に裏パックユニット15を固定する固定手段を設け、前扉枠14を開放して同固定手段による固定を解除することで、裏パックユニット15の開放が許容される構成とすることも可能である。
再び図32を参照して説明すれば、ベース部711の上側枠部711cにおいて軸金具713の上方となる位置には外部端子板715が設けられている。外部端子板715には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に各種信号が出力される。
ベース部711の中央には上述した中央開口の少なくとも一部を覆うようにして、上記保護カバー部712が配置されている。保護カバー部712は中央開口の周縁に沿って形成された起立壁部と、それら起立壁部の先端部分に連なるとともに内枠13の背面と対向する対向板部と、を有してなる。より具体的には、保護カバー部712は、上側枠部121c及び左右の枠部711a,711bに連なっており、左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放されている。また、保護カバー部712は、可変表示ユニット85の全部及び主制御装置ユニット160の一部を囲むのに十分な大きさを有している。このように、保護カバー部712によって可変表示ユニット85等を囲むことでそれら可変表示ユニット85等が保護されている。また、裏パックユニット15を開放させない限り可変表示ユニット85及び主制御装置ユニット160を樹脂ベース70から取り外すことができないようになっている。
なお、ベース部711及び保護カバー部712は、透明性を有する合成樹脂材料(詳しくはポリカーボネート樹脂)を用いて形成されている。これにより、裏パック701を内枠13に取り付けた状態であっても、遊技盤80の背面側(例えば主制御装置ユニット160等)が視認可能となっている。
ベース部711には、保護カバー部712を迂回するようにして上記払出機構部702が配設されている。払出機構部702は、タンク721,タンクレールユニット722,上下通路ユニット723を備えている。タンク721は裏パック701の最上部に設けられているとともに上方に開放されており、当該タンク721に対して遊技ホールの島設備から遊技球が逐次補給される。タンクレールユニット722はタンク721の下方に配されており、同タンク721に対して連なっている。タンクレールユニット722はタンク721から裏パックユニット15の回動基端側に延びており、同タンクレールユニット722においてタンク721とは反対側の端部に上記上下通路ユニット723が連なっている。上下通路ユニット723は上下方向に延びており、その途中位置に遊技球の払い出しを行う払出装置724が設けられている。なお、タンク721及びタンクレールユニット722は、裏パック701に対して個別に固定されているとともに、それら両者の取り外し軌道が交差しないようにして配置されている。また、タンクレールユニット722は、上下及び左右方向での若干の位置ばらつきを許容された状態で取り付けられている。これにより、タンク721と上下通路ユニット723との相対位置のずれをタンクレールユニット722の位置を調整することで許容可能となっている。
また、上下通路ユニット723よりも下流側には、上下通路ユニット723を通過した遊技球を内枠13に導く裏パック側通路部,同裏パック側通路部を通過した遊技球を前扉枠14に導く本体側通路部,当該本体側通路部を通過した遊技球を上皿33及び下皿34に導く前面側通路部が設けられている。つまり、タンク721と、上皿33及び下皿34の球受け皿との間には、タンクレールユニット722,上下通路ユニット723,裏パック側払出通路部,内枠側払出通路部及び上記前扉側通路部51,52からなる誘導通路部が設けられており、タンク721に貯留されている遊技球は当該誘導通路部を通じて上皿33又は下皿34に払い出される。
払出機構部702には、裏パック基板725が設置されている。裏パック基板725には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ(図示略)の切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部711において保護カバー部712よりも下側となる部位、すなわち下側枠部711dには、制御装置集合ユニット704を設置する制御装置設置部716が設けられている。制御装置集合ユニット704は、その制御装置設置部716に対してパチンコ機10の後方から設置された状態でベース部711に固定されることで、裏パック701に対して一体化されている。
なお、裏パック701と制御装置集合ユニット704とを内枠13に対して個別に取り付ける構成としてもよい。また、このような変更を行う場合には、併せて制御装置集合ユニット704と裏パック701とを内枠13に対して個別に開閉可能な構成とすることも可能である。
制御装置集合ユニット704は、横長形状をなす払出制御装置731と電源・発射制御装置732とが、前者が後側、後者が前側となるように前後に重ねた状態で一体化されてなる。
払出制御装置731は、基板ボックス733内に払出装置724を制御する払出制御基板が収容されてなる。なお、払出制御装置731から払出装置724への払出指令の信号は上述した裏パック基板725により中継される。また、払出制御装置731には状態復帰スイッチ734が設けられている。例えば、払出装置724における球詰り等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ734が押されると、球詰りの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置732は、基板ボックス735内に電源・発射制御基板が収容されてなり、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル40の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置732にはRAM消去スイッチ736が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ736を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
ベース部711の下側枠部711dにおいて上記制御装置設置部716と反対側、すなわち内枠13と対向する側には、排出通路盤705が固定されている。
排出通路盤705において制御装置集合ユニット704と対向する面には、後方に開放された排出通路741が形成されており、当該排出通路741の開放部が制御装置集合ユニット704によって塞がれている。排出通路741は遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した各種入賞口等から排出通路741に導出された遊技球は当該排出通路741を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
<タンクレールユニット722>
ここで、図34〜図36に基づきタンクレールユニット722及びそれに付随する構成について詳細に説明する。図34はタンク721及びタンクレールユニット722の平面図、図35はタンク721及びタンクレールユニット722を裏パック701から取り外した状態を示す分解斜視図、図36は図34のG―G線部分断面図である。なお、図34においては便宜上、裏パック201を2点鎖線で示している。
図35に示すように、タンクレールユニット722は上方に開口した樋状をなすタンクレール750を有している。タンクレール750は左右に延びているとともに、その左右両端にて裏パック701のベース部711(詳しくは上側枠部711c)に固定されている。また、タンクレール750は、裏パックユニット15の回動先端側から回動基端側に緩やかに下っており、その上流部には上方に開口された略球面状の球受部755が形成されている。球受部755はタンク721に形成された流出口721aの下方に位置しており、タンク721から落下してきた遊技球が同球受部755を通じてタンクレール750内に円滑に取り込まれるようになっている。
図34に示すように、タンクレール750には、当該タンクレール750の長手方向に延びる仕切壁756が設けられている。仕切壁756は、タンクレール750の底板部751から起立するとともに、タンクレール750を形成する前側壁部752及び後側壁部753の中間に位置している。つまり、タンクレール750の通路部分は仕切壁756によって同タンクレール750の幅方向(前後方向)に2分されており、同仕切壁756によってタンクレール750に流入した遊技球が二手に分流されるようになっている。なお、底板部751からの仕切壁756の起立量は、少なくとも遊技球の直径寸法よりも大きく設定されており、同仕切壁756を跨いで遊技球が移動することを抑制している。
仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。各球通路の底面(底板部751)において遊技球と接触する部位を除いた領域、すなわち同球通路の幅方向における中央部位を除いた領域には、複数の開口部757が形成されている。言い換えれば、各球通路の底面には遊技球を案内する1条の案内部758が設けられ、同案内部758を挟んだ前後両側に複数の開口部757が設けられている。このように開口部757を設けることで、同開口部757を通じた塵埃の落下を許容し、タンクレール750内に塵埃が溜まることを抑制している。
図36に示すように、タンクレール750の下流部において仕切壁756の上方となる位置には、当該タンクレール750からの遊技球の流出を阻止する阻止状態と、遊技球の流出を許容する許容状態に切替可能な球止め部材770が設けられている。
球止め部材770は、底板部751に対して同仕切壁756を挟んで上方から対向するベース部771を有している。ベース部771は、タンクレール750の両壁部752,753によって挟まれた領域に配されており(図34参照)、それら両壁部752,753に沿ってタンクレール750の上流側から下流側に延びる長板状をなしている。
また、球止め部材770は、タンクレール750の両壁部752,753によって回動可能に保持されている。具体的には、図35に示すように、ベース部771において各壁部752,753と対向している部位(詳しくはベース部771における各長辺の中間となる部位)には各壁部752,753側に突出する一対の第1突起775が設けられている。それら第1突起775は、略円柱状をなしており、通路方向とは異なる方向(詳しくは前後方向)に延びている。以下便宜上、前側の第1突起775を「前側第1突起775F」と称し、後側の第1突起775を「後側第1突起775R」と称する。
前側壁部752において前側第1突起775Fと対向している部位には、同前側第1突起775Fが挿通される挿通孔761が形成されている。一方、後側壁部753において後側第1突起775Rと対向している部位には、同後側壁部753の厚さ方向に凹む凹部762が形成されている。凹部762の底部には、後側第1突起775Rが挿通される挿通孔763が形成されている。両挿通孔761,763は丸孔状をなしており、それら挿通孔761,763に各第1突起775F,775Rが嵌まることで、同第1突起775F,775Rを中心とした球止め部材770の回動が許容されている。このようにタンクレール750に球止め部材770が取り付けられて両者が一体化されることで、タンクレールユニット722が構成されている。
ベース部771において第1突起775よりも上流側となる部位には、第2突起776が形成されている。第2突起776は、第1突起775と同様に、球止め部材770の長辺から各壁部752,753に向けて突出しており、僅かに先細りした略円柱状をなしている。以下便宜上、前側の第2突起776を「前側第2突起776F」と称し、後側の第2突起776を「後側第2突起776R」と称する。
前側壁部752において前側第2突起776Fと対向している部位には、同前側第2突起776Fが挿通される挿通孔765が形成されている。一方、後側壁部753において後側第2突起776Rと対向している部位には、同後側壁部753の厚さ方向に凹む凹部766が形成されている。凹部766の底部には、後側第2突起776Rが挿通される挿通孔767が形成されている。それら各挿通孔765,767に各第2突起776F,776Rが嵌まることで、球止め部材770の回動が抑えられた状態となっている。
このように球止め部材770の回動が抑えられた状態では、ベース部771において第1突起775よりも上流側となる部位(以下便宜上、上流側対向部772と称する)が仕切壁756の先端に当接しているとともに、同ベース部771において第1突起775よりも下流側となる部位(以下便宜上、下流側対向部773と称する)が仕切壁756の先端に対して所定の隙間を隔てて対峙している。つまり、上流側対向部772が同仕切壁756に近づく側への球止め部材770の回動は、上記第2突起776及び挿通孔765,767のみならず仕切壁756によって抑えられている。
ベース部771の下流側対向部773には、底板部751側に凸となる爪部777が各球通路に1対1で対応させて設けられている。より詳しくは、爪部777は、ベース部771の下流側の端部に配されているとともに、上述の如く球止め部材770の回動が抑えられた状態では球通路における遊技球の流下領域の外に位置している。このように、爪部777が遊技球の流出を妨げない位置に存在することでタンクレール750からの遊技球の流出が許容された状態(すなわち上記許容状態)が実現され、更には第2突起776及び挿通孔765,767によって球止め部材770の回動が抑えられることにより同球止め部材770が許容状態に維持されている。
また、球止め部材770の上流側対向部772は、下流側ほどタンクレール750内の球通路高さを制限するように弓なりに反っている。言い換えれば、上流側対向部772はタンクレール750の上流側に向けて凸となる湾曲状をなしており、同上流側対向部772によって下流側ほど球通路高さが低く抑えられている。
上流側対向部772は、その上流側の端部においては底板部751との隙間が遊技球の直径の2倍よりも大きく設定されているとともに、同隙間が下流側に向けて徐々に減縮され、第1突起775寄りの最も隙間が小さくなる部位では同隙間が遊技球の直径の2倍よりも小さく、詳しくは遊技球の直径よりも僅かに大きく設定されている。これにより、タンクレール750内を流れる各遊技球は最終的には通路高さ方向での積み重なりが抑えられた状態で第1突起775よりも下流側に流下する。つまり、ベース部771には遊技球の積み重なりを抑える整流機能が付与されている。
ここで、球止め部材770の取付構造について補足説明する。第1突起775F,775Rと挿通孔761,763との掛かり代は、各壁部752,753を同壁部752,753の根元部分を基端として撓ませることで、各第1突起775F,775Rを挿通孔761,763から引き抜き可能となるように設定されている。つまり、工具等を使用することなく、球止め部材770をタンクレール750に対して容易に着脱可能となっている。このように球止め部材770を着脱可能とすることにより、球通路の清掃等の各種メンテナンス作業の容易化を図っている。
なお、図34の部分拡大図に示すように、前側第1突起775Fの長さ寸法L1は、凹部762の深さ寸法L2よりも小さく設定されている。これにより、球止め部材770が裏返された状態で取り付けられることを不可とし、誤組付防止に貢献している。また、凹部762は、後側壁部753の先端側(上方)に開放されており、球止め部材770を着脱する際の前側第1突起775Fと前側壁部752とのつかえを抑制している。
第2突起776F,776Rと挿通孔765,767との掛かり代についても同様に、各壁部752,753を撓ませることで、各第2突起776F,776Rを挿通孔765,767から引き抜き可能となるように設定されている。つまり、それら第2突起776F,776R及び挿通孔765,767によって球止め部材770が仮止めされており、工具等を使用することなく同仮止めを容易に解除することが可能となっている。特に、第2突起776F,776Rと挿通孔765,767との掛かり代は、第1突起775F,775Rと挿通孔761,763との掛かり代よりも小さく設定されている。これにより、上記仮止めを解除する際に各壁部752,753が撓んだ場合であっても、第1突起775F,775Rと挿通孔761,763との引っ掛かりは担保され、球止め部材770の脱落が回避されやすくなっている。
なお、球止め部材770を遊技球の流出を許容する位置に仮止めする機能に着目すれば、第2突起776F,776R及び挿通孔765,767によって仮止め手段が構成されているといえる。また、第1突起775F,775Rと挿通孔761,763とによって球止め部材770が着脱可能に取り付けられている点に着目すれば、これら第1突起775F,775R及び挿通孔761,763によって仮止め手段が構成されているともいえる。
<球止め部材770の操作>
ここで、図37に基づき球止め部材770の切替操作について説明する。図37(a)は許容状態を示す概略図、図37(b)は阻止状態を示す概略である。
先ず球止め部材770を阻止状態から許容状態に切り替える場合の操作について説明する。図37(a)に示すように球止め部材770が許容状態である場合には、タンク721→タンクレール750→上下通路ユニット723に連なる遊技球列が形成される。それら待機中の遊技球は、例えば上記払出装置724の払出動作に応じて下流側へ移動する。
タンクレール750の球通路はタンク721及び球止め部材770によって覆われている部分を除き上方に開放されている。このため、タンク721からタンクレール750に流入した遊技球は、球受部755から球止め部材770までの上方に開放されている区間においては通路の高さ方向に積み上がりやすくなっている。但し、図34に示すように、タンクレール750の上流部においては、当該タンクレール750の開放部分がタンク721によって塞がれており、タンクレール750に流入した遊技球の積み上がりがタンク721によって遊技球2つ程度に抑えられている。
このように高さ方向に2列となるように積み上がった遊技球は、球止め部材770の上流側対向部772と底板部751との間を通過することで1列に抑えられている。つまり、遊技球は1列に整流された状態にて上下通路ユニット723へ流入する。
また、許容状態においては、球止め部材770が第2突起776及び挿通孔765,767によって仮止めされている。このため、ベース部771が遊技球によって押されることによって、球止め部材770が所定方向(パチンコ機10の背面視において時計回り)に回動することが抑制されている。つまり、上記整流機能を発揮しつつ、それに起因した許容状態の解除が好適に抑制されている。
このようにタンクレール750からの遊技球の流出が許容された状態から同タンクレール750からの遊技球の流出を阻止する状態への切り替えを行う場合、球止め部材770を指等で摘んで所定方向に回動させる。このような回動操作が行われることで、第2突起776F,776Rによって挿通孔765,767が押され、同第2突起776F,776Rの傾斜に沿ってタンクレール750の壁部752,753が互いに離れる側に撓む。これにより、第2突起776F,776Rが挿通孔765,767から離脱し、前側第2突起776Fが前側壁部752の内壁面に当接するとともに後側第2突起776Rが凹部766の底面に当接した状態となる。これにより、球止め部材770の仮止めが解除される。なお、このように仮止めが解除された状態では各壁部752,753が撓んだままとなっており、同壁部752,753が互いに近づく側へ付勢されている。
仮止めが解除された後、球止め部材770が更に回動されると、上流側対向部772が底板部751から遠ざかる側に移動する。これにより、上流側対向部772による遊技球の積み上がり規制が緩和される。このような上流側対向部772の移動に併せて下流側対向部773が底板部751に近づく側へ移動することで、第1突起775よりも下流側での天井が下がるとともに、爪部777が遊技球の流下領域へ向けて移動する。なお、このように球止め部材770の回動が継続されている間は、第2突起776が壁部752,753上を摺動し、各壁部752,753が付勢されたまま維持されることとなる。
球止め部材770の回動操作量が所定量(本実施の形態においては約10°)に達すると、図37(b)に示すように、爪部777が流下領域内に到達し、当該爪部777によってタンクレール750の出口部分が遊技球の流出を不可となるように狭められた状態となる。言い換えれば、爪部777がタンクレール750の最下流に位置する遊技球に対して下流側から当接可能な状態となる。これと同時又は僅かに先行して、前側第2突起776Fが前側壁部752の上方へ移動するとともに、後側第2突起776Rが凹部766の上方へ移動する。これにより、各壁部752,753が上記付勢力によって撓み変形する前の位置に復帰し、前側第2突起776Fが前側壁部752の上端縁、後側第2突起776Rが後側壁部753の上端縁にそれぞれ載った状態となる。
このように阻止状態に切り替えがなされた後は、第2突起776F,776Rが各壁部752,753の上端縁に上方から当接した状態となる。これら第2突起776及び壁部752,753により、球止め部材770の所定方向への回動は許容されつつ、所定方向とは反対の方向への回動が抑えられることとなる。このように所定方向への回動を許容しつつ所定方向とは反対側への回動を抑えた状態で仮止めすることで、以下の効果を享受することができる。
例えばタンク721から連なる遊技球の球圧が大きくなった場合、爪部777が遊技球によって押されて底板部751から遠ざかる側に変位することが想定される。この点、本実施の形態によれば、上流側対向部772に加わる球圧を利用して、爪部777を底板部751側に付勢することができる。これにより、球圧が増大した場合であっても、それに起因した遊技球の流出阻止機能の低下を好適に抑制することができる。
より詳しくは、阻止状態においては、下流側対向部773が底板部751と略平行となり、それら両者間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも僅かに大きい程度に抑えられる。この際、上流側対向部772と底板部751との隙間寸法は、少なくとも下流側対向部773と底板部との隙間よりも大きく且つ上流側に徐々に大きくなる。このため、下流側対向部773に加わる球圧は、上流側対向部772に加わる球圧よりも小さく抑えられやすくなっている。故に、球止め部材770を所定方向へ回動させるように作用する付勢力と同球止め部材770を所定方向とは反対の方向へ回動させるように作用する付勢力とを比較すると前者が大きくなりやすく、上述した流出阻止機能を発揮させやすくなっている。
ここで、流出阻止に関する構成について補足する。球止め部材770における第1突起775からベース部771の上流側の端部までの長さ寸法は、同球止め部材770における第1突起775から同ベース部771の下流側の端部までの長さ寸法よりも長く設定されている。言い換えれば、タンクレール750の通路方向における上流側対向部772の長さ寸法は、同方向における下流側対向部773の長さ寸法よりも大きく設定されている。これにより、上流側対向部772に加わる球圧を下流側対向部773に加わる球圧よりも大きくすることが容易となり、上記流出阻止機能の向上が期待できる。
特に、下流側対向部773が底板部751と平行である(すなわち上流側を向く成分を有さない)のに対して上流側対向部772はタンクレール750の上流側を向く成分を有している。このため、タンクレール750に待機している遊技球は上流側対向部772に当たりやすくなっており、上流側対向部772に加わる球圧を下流側対向部773に加わる球圧よりも大きくすることが容易となっている。故に、遊技球の球圧を利用して球止め部材770を阻止状態に維持しやすくなっており、球圧の増大による流出阻止機能の低下を好適に抑制することができる。
以上詳述したように、球止め部材770を阻止状態に切り替えることで、タンクレール750よりも下流側に位置する各種構成(例えば上下通路ユニット723や払出装置724)への遊技球の流入を回避し、それら各種構成のメンテナンス作業の容易化に貢献できる。
次に、球止め部材770を阻止状態から許容状態に切り替える場合の操作について説明する。
図37(b)に示すように球止め部材770が阻止状態となっている場合、球止め部材770を上記所定方向とは反対の方向へ(パチンコ機10の背面視にて反時計回りに)回動させることで許容状態への切替えを行うことができる。この際、球止め部材770の回動に基づき、タンクレール750の両壁部752,753が第2突起776F,776Rの傾斜に沿って互いに離れる側に押される。両壁部752,753が撓み変形することで、第2突起776F,776Rと各壁部752,753の上端縁との引っ掛かりが解除され、前側第2突起776Fが前側壁部752の内壁面に当接し、後側第2突起776Rが凹部766の底面に当接した状態となる。これに伴って、下流側対向部773の爪部777が底板部751から遠ざかる側に移動する。
球止め部材770によってタンクレール750の高さ制限を行う構成においては、通路高さの変化が大きい部分すなわち上流側対向部772と底板部751とによって挟まれた領域にて遊技球の塊が生じやすいと想定される。球止め部材770が更に回動されると、上流側対向部772が底板部751に対して近くづく側に移動し、当該上流側対向部772と底板部751との間に積み上がっている遊技球が底板部751側へ押される。これにより、遊技球の塊が崩されることとなる。特に、上流側対向部772はタンクレール750の上流側に凸となるように湾曲している。このため、上流側対向部772によって押された遊技球は底板部751に近づく際に下流側ではなく上流側に移動しやすくなる。このように、許容状態への切替時に、遊技球を上流側へ押し戻すことで、上流側対向部772によって遊技球を底板部751側へ押さえつつそれに起因して爪部777に加わる球圧が増大することを抑制できる。これにより、爪部777や下流側対向部773等に変形が生じることを抑制し、流出阻止機能の低下を抑えることができる。
球止め部材770の回動操作量が所定量(本実施の形態においては10°)に達すると、図37(a)に示すように、爪部777が流下領域内から離れて、タンクレール750からの遊技球の流出が許容される。そして、第2突起776F,776Rが挿通孔765,767に到り、各壁部752,753が元の状態に復帰することで、それら第2突起776F,776Rが挿通孔765,767に嵌まった状態となる。これら第2突起776及び挿通孔765,767によって所定方向及び同所定方向とは反対方向への球止め部材770の回動が抑えられる。つまり、球止め部材770が仮止めされ、許容状態に維持されることとなる。また、許容状態への切替時に、遊技球を上流側へ押し戻すことで、タンクレール750から遊技球が勢いよく流出することを抑制し、同タンクレール750よりも下流側に配置された各種構成の保護に貢献できる。
なお、このように許容状態に切り替えられた場合、球止め部材770の上流側対向部772が仕切壁756に対して当接することとなる。つまり、球止め部材770が上記所定量を超えて回動されることを同仕切壁756によって制限することができる。上述の如く、上流側対向部772によって遊技球を押す構成においては、同上流側対向部772が勢いに任せて押し込まれる等することで、第2突起776等の変形が発生し得る。これは、球止め部材770の正常な動作を妨げる要因となり得るため好ましくない。この点、仕切壁756によってそのような過剰な押し込みを回避することで、上記不都合の発生を好適に抑制でき、実用上好ましい構成を実現できる。
以上詳述した許容状態への切替操作により、以下の効果を奏する。球通路において通路の大きさが変化している部分においては遊技球の塊が形成されやすいと想定される。このような塊りが形成されている部分では各遊技球の流れが乱れる等して遊技球同士が噛み込んだような状態となり、球詰りが生じやすいと懸念される。特に、球止め部材770が阻止状態から許容状態に切り替えられた場合にそのような球詰りが残存すると、許容状態であるにも関わらず遊技球が流れないといった不都合が生じ得る。この点、球止め部材770を許容状態に切り替える場合に、そのような球詰りが発生しやすいと想定される位置で遊技球を押すことにより、球詰りの解消に貢献できる。
確かに、球詰りが発生している部分を指等で押したり、タンクレール750(パチンコ機10)を揺すったりして外力を加えることで、球詰りを解消することも可能であるが、このような予備的作業は切替作業の煩雑化を招来すると考えられる。この点、上記球止め部材770においては、阻止状態から許容状態への切り替えに伴って、遊技球に外力を加えることができ、上述した予備的作業の需要を抑えることができる。これにより、作業を簡素化することができ、作業のやりやすさを向上させることができる。
<上下通路ユニット723>
以下、図38〜図41に基づき上下通路ユニット723の構成について詳細に説明する。図38は上下通路ユニット723の斜視図、図39及び図40は上下通路ユニット723の分解斜視図、図41(a)は図38のH−H線部分断面図、図41(b)は図38のI−I線部分断面図である。
上下通路ユニット723は、複数のハウジングが組み合わせられた状態で通路ユニット設置部717に設置されている。既に説明したように、上下通路ユニット723の途中位置には払出装置724が設けられている。図38に示すように、上下通路ユニット723は、払出装置724と、同払出装置724よりも上流側の上流側通路部801と、同払出装置724よりも下流側の下流側通路部802とが一体化されてなり、前扉枠14の上皿33及び下皿34へ通じる誘導通路部の一部を構成している。また、上流側通路部801及び下流側通路部802によって、タンク721に貯留されている遊技球を島設備に排出するための排出通路部の一部が構成されている。
上流側通路部801は、図39及び図40に示すように、裏パック701のベース部711側に位置する第1ハウジング820と当該第1ハウジング820に対してパチンコ機10の後方から重なる第2ハウジング830とが組み合わせられることで構成されている。なお、これら各ハウジング820,830の組み合わせ方向は任意であり、例えば各ハウジングの組み合わせ方向を左右方向とすることも可能である。また、上流側通路部801を構成するハウジングの数は2つに限定されるものではなく、例えば上流側通路部を3つ以上のハウジングによって構成してもよい。
第1ハウジング820は払出装置724を跨いで上下両側に延びており、その上部、詳しくは払出装置724よりも上方となる部位には、通路ユニット設置部717に対して遊技球の直径よりも僅かに大きな隙間を隔てて対向する上側平板部821と、その上側平板部821から通路ユニット設置部717側に起立する上側通路壁部822とが形成されている。上側通路壁部822は、所定の隙間(遊技球の直径よりも僅かに大きい隙間)を隔てて相対向する左右一対の壁部によって構成されており、それら上側平板部821と上側通路壁部822とによって通路ユニット設置部717側に開放された溝が形成されている。その溝の開放部分が通路ユニット設置部717によって塞がれることで一条の通路部(以下、第1ケースレール部804と称する)が構成されている。
第2ハウジング830は、払出装置724の上方に配されている。また、第2ハウジング830は、第1ハウジング820の上側平板部821に対して遊技球の直径よりも僅かに大きな隙間を隔てて対向する対向板部831と、同対向板部831から上側平板部821に向けて起立する通路壁部832とを有している。通路壁部832は、所定の隙間(遊技球の直径よりも僅かに大きい隙間)を隔てて相対向する左右一対の壁部によって構成されており、それら対向板部831及び通路壁部832によって、第1ハウジング820側に開放された溝が形成されている。その開放部分が第1ハウジング820の上側平板部821によって塞がれることで一条の通路部(以下、第2ケースレール部805)が構成されている。
これら第1ケースレール部804及び第2ケースレール部805は、前後に並設されており、共に上記誘導通路部の一部を構成している。すなわち、それらケースレール部804,805はタンクレール750の2条の球通路にそれぞれ連通しており、同タンクレール750と払出装置724とを繋いでいる。
ここで、各ケースレール部804,805の入口部分とタンクレール750の出口部分との関係について、図35及び図36(b)に基づいて補足説明する。図36(b)はケースレール804,805の入口部分とタンクレール750の出口部分との関係を示す概略図である。
図35に示すように、タンクレール750の下流部においては、各球通路の底面(底板部751)における上記案内部758を挟んだ前後両側となる部位に凹部768が形成されている。凹部768は、図36(b)に示すように、上下通路ユニット723の入口側に開放されており、その開放されている部分が上下通路ユニット723の外周面(詳しくは第1ハウジング820及び第2ハウジング830の外周面)に対向している。案内部758は、両ケースレール部804,805における入口部分の下端縁よりも上側に位置しているとともに、凹部768の底部は同入口部分の下端縁よりも下側に位置している。言い換えれば、案内部758と凹部768の底部との間に、上下通路ユニット723における入口部分の下端縁が位置している。このように遊技球の流下経路を確保しつつ上記出口部分の下端を上記入口部分の下端よりも下方にずらすことにより、タンクレール750の底板部751に溜まった塵埃が、同底板部751に沿って上下通路ユニット723内に流入することを抑制している。
再び図38を参照すれば、上流側通路部801(詳しくは各ケースレール部804,805)の途中位置には、タンク721の球無状態を検知する球無検知センサ851が設けられている。球無検知センサ851の検知結果は上記払出制御装置731に出力され、払出制御装置731では球無検知センサ851の検知結果に基づいて球無状態か否かの特定を行う。
上流側通路部801には、図41等に示すように、第1ケースレール部804及び第2ケースレール部805の他に、上側排出通路部806,807が設けられている。上側排出通路部806,807は、第1ケースレール部804及び第2ケースレール部805の両方に対してそれらの途中位置、具体的には上記球無検知センサ851よりも下流側となる部位から分岐している。
上流側通路部801における各ケースレール部804,805と上側排出通路部806,807との分岐箇所、すなわち上側排出通路部806,807の入口部分には、切替部材852が設けられている。切替部材852は、当該切替部材852よりも上流側の遊技球を各ケースレール部804,805内をそのまま流下させる払出誘導状態と、同切替部材852よりも上流側の遊技球を上側排出通路部806,807側に導く排出誘導状態とに切替可能に設けられている。
切替部材852が払出誘導状態である場合には、タンク721から遊技球が供給されることで、払出装置724からケースレール部804,805及びタンクレール750を介してタンク721に連なる2条の遊技球列が形成される。切替部材852が排出誘導状態に切り替えられると、上側排出通路部806,807内への遊技球の流入が許容される。つまり、切替部材852よりも上流側に待機していた遊技球が上側排出通路部806,807に導かれることとなる。例えば、球無検知センサ851のメンテナンスを行う際には、先ず上記球止め部材770を用いてタンクレール750から各ケースレール部804,805への遊技球の流入を阻止し、その後、切替部材852を排出誘導状態に切り替えてケースレール部804,805に待機中の遊技球を排出することで作業の容易化に貢献できる。
次に、図38〜図42に基づき払出装置724について説明する。図42は払出装置724の分解斜視図である。
払出装置724は、図38に示すように、上流側通路部801と下流側通路部802との間、詳しくは、第1ハウジング820の下方に配されており、同第1ハウジング820及び第2ハウジング830に対して固定されている。図39及び図40に示すように払出装置724は、複数の部材が組み合わされてなるハウジング861を備えており、ハウジング861内には遊技球通路862が形成されている(図41参照)。遊技球通路862は、誘導通路部の一部を構成しており、一対の入口側通路部863a,863bと、単一の出口側通路部864とを備えている。入口側通路部863a,863bは、ケースレール部804、805の出口部分と同様に前後に並設されており、いずれもハウジング861の上面にて開放されている。図41に示すように、これら入口側通路部863a,863bのうち、一方が第1ケースレール部804と連通しており、他方が第2ケースレール部805と連通している。入口側通路部863a,863bは、その最下流部にて出口側通路部864に合流している。出口側通路部864は、ハウジング861の下面にて開放されている。
図41及び図42に示すように、払出装置724には、入口側通路部863a,863bから出口側通路部864へ流れる遊技球を入口側通路部863a,863b側にて一旦停止させるための球止め手段として、回転体865が設けられている。回転体865は、図15に示すように、各入口側通路部863a,863bに対応させて一対の球誘導板866,867を備えており、各球誘導板866,867が対応する入口側通路部863a,863bの下流部に収容されるようにして回転体865が配置されている。回転体865はその中心が払出モータ868の出力軸868aに固定されている。
払出モータ868は、ステッピングモータにより構成されており、出力軸868aは所定方向に回転駆動される。これにより、回転体865は、その所定方向に回転し、それに伴って各球誘導板866,867が各入口側通路部863a,863b内にて回転する。出力軸868aは、1パルスの駆動信号を与えることにより1step進み、360パルスの駆動信号を与えることにより1回転するように設定されている。なお、払出モータ868はハウジング861内に収容されている。
図41に示すように、各球誘導板866,867の周縁には、180°間隔で2箇所に、凹部866a,867aが形成されている。但し、一対の入口側通路部863a,863b間では、凹部866a,867aの位置が相互に90°ずらして形成されている。回転体865が回転していない場合には、一対の入口側通路部863a,863bの両方において遊技球の流下が一旦停止される。また、回転体865が回転している場合には、凹部866a,867a上に入り込んだ遊技球のみが出口側通路部864に導出される。
遊技球の払出しが停止し、払出装置724内に遊技球が待機している状態では、入口側通路部863a,863b内にて最下流に位置する遊技球が、球誘導板866,867の外周部、詳しくは凹部866a,867aを除いた部位に当接した状態となる。
出口側通路部864は、その上流側部分では両球誘導板866,867からの遊技球の流入を許容するように、且つその下流側部分では各球誘導板866,867によって誘導された遊技球を合流させるように通路幅が徐々に減縮されている。そして、出口側通路部864の出口部分を含んだ部分においては、当該出口側通路部864の通路幅が遊技球の直径よりも僅かに大きい程度に抑えられている。
出口側通路部864において通路幅が1の遊技球の通過を許容するように狭められている部分には、図42に示すように、略平板状をした払出検知センサ869が設置されている。払出検知センサ869は、周知の磁気検知タイプの近接センサにて構成されており、貫通孔を遊技球が通過したことによる磁界の変化を電気信号に変換して出力する。この払出検知センサ869により、払出装置724を介して払い出された遊技球の数が確認できるようになっている。
次に、下流側通路部802について説明する。
下流側通路部802は、図38に示すように、上記第1ハウジング820と、当該第1ハウジング820に対してパチンコ機10の後方から重なる第3ハウジング840とが組み合わせられることで構成されている。
図39に示すように、第1ハウジング820の下部、詳しくは払出装置724よりも下方となる部位には、通路ユニット設置部717に対して対向する下側平板部823が設けられている。下側平板部823は通路ユニット設置部717に対して面接触しており、当該下側平板部823において同通路ユニット設置部717と接触している側とは反対の板面には、第3ハウジング840側に起立する下側通路壁部824〜826が形成されている。それら下側平板部823及び下側通路壁部824〜826によって通路ユニット設置部717とは反対側(すなわち第3ハウジング840側)に開放された溝が形成されている。
第3ハウジング840には、下側平板部823と対向し、上記溝の開放部分を塞ぐ対向板部841が設けられており(図40参照)、同開放部分が対向板部841によって塞がれることで誘導通路部の一部を構成する通路部(以下、払出通路部808と称する)が形成されている。
払出通路部808は、上下に延びており、その上流側の開口が払出装置724の出口側通路部864の出口部分に連通している。払出装置724から払い出された遊技球は同開口を通じて払出通路部808内に流入することとなる。払出通路部808の途中位置から下流側にかけては、当該払出通路部808が左右2列に分岐している。分岐された2列の通路部のうち、一方(以下便宜上、上皿用払出通路部と称する)により遊技球が上皿33へ誘導され、他方(以下便宜上、下皿用払出通路部と称する)により遊技球が下皿34へ誘導される。
下流側通路部802には、払出通路部808以外にも下側排出通路部809が形成されている。下側排出通路部809は上下に延びており、払出通路部808に対して裏パック701の回動基端側に位置している。また、下側排出通路部809は、払出通路部808よりも上方に延びており、上流側通路部801の上側排出通路部806,807に連通している。上側排出通路部806,807へ誘導された遊技球は、下側排出通路部809へ流入することとなる。上記切替部材852が排出誘導状態に切り替えられた場合、同切替部材852よりも上流側にある遊技球が、これら上側排出通路部806,807及び下側排出通路部809を通じてパチンコ機10外の島設備に向けて誘導されることとなる。
なお、上下通路ユニット723を構成する各ハウジング820,830,840は、透明性を有する合成樹脂材料を用いて形成されており、上記各通路部内の様子、例えば遊技球の存在等を通路外部から確認可能となっている。また、上下通路ユニット723の各ハウジング820,830,840は、何れも導電性を有する合成樹脂材料、例えば導電性ポリカーボネート樹脂材料を用いて成形され、同上下通路ユニット723の一部がアースされている(上記軸金具714に接続されている)。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
下流側通路部802(詳しくは第3ハウジング840)には、既に説明した裏パック基板136が搭載されている。裏パック基板725には、図39に示すように、球抜きボタン725aが設けられている。本パチンコ機10では、上記のとおり球無検知センサ851が設けられており、球無検知センサ851にて球無状態が検知されている状況では払出装置724の払出動作が停止される。この場合に、球抜きボタン725aが操作されることにより払出装置724の動作停止状態が解除され、同払出装置724の払出動作が可能となる。
ここで、上記ケースレール部804,805や払出通路部811,815と共に上記誘導通路部の一部を構成し、払出通路部811,815と上皿33及び下皿34とを繋いでいる他の通路部について図33,図43及び図44に基づき説明する。図43は図4のM−M線部分断面図、図44は図4のN−N線部分断面図である。なお、図43及び図44においては同図の右側がパチンコ機10の前方、左側がパチンコ機10の後方となっている。
図33に示すように、裏パック701には、上皿用払出通路部に連通する裏パック側払出通路部718と、下皿用払出通路部に連通する裏パック側払出通路部719とが左右に並設されている。両裏パック側払出通路部718,719は、裏パック701の厚さ方向両側に貫通しているとともに、裏パック701の背面側(後方)から前面側(前方)に向けて僅かに下り傾斜している。
図43及び図44に示すように、裏パック側払出通路部718,719の傾斜先側には排出通路盤705が位置しており、同排出通路盤705には、裏パック側払出通路部718に連通する通路盤側払出通路部742と、裏パック側払出通路部719に連通する通路盤側払出通路部743とが左右に並設されている。それら通路盤側払出通路部742,743は、裏パック側払出通路部718,719と同一方向に延びており、同通路盤側払出通路部742,743に流入した遊技球は、それら通路盤側払出通路部742,743の傾斜に沿って流下し、内枠13側へ導かれることとなる。
なお、裏パック側払出通路部718,719及び通路盤側払出通路部742,743の境界となる部位には、通路盤側払出通路部742,743に流入した遊技球が接触するようにして鉄製のプレート部材720が配設されている。このプレート部材720の一部はアースされており(詳しくは上記軸金具714に接続されており)、遊技球が同プレート部材720に接触することで同遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制される。
内枠13(詳しくは樹脂ベース70)において通路盤側払出通路部742,743の傾斜先側となる位置には同内枠13の厚さ方向両側に貫通する開口部331が形成されており、当該開口部331に払出通路形成部材900が嵌め込まれた状態で固定されている。払出通路形成部材900には、上記通路盤側払出通路部742に連通する内枠側払出通路部901と、通路盤側払出通路部743に連通する内枠側払出通路部902が左右に並設されている。これら内枠側払出通路部901,902は内枠13の背面側から前面側に延びており、それら内枠側払出通路部901,902出口部分が上記前扉側通路部51,52の受口部53に上方から対向している。
なお、払出通路形成部材900は、透明性を有する合成樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂材料)を用いて形成されており、内枠側払出通路部901,902内の様子、例えば遊技球の存在等を通路外部から確認可能となっている。
払出装置724から払い出された遊技球は、上下通路ユニット723の払出通路部811,815→裏パック701の裏パック側払出通路部718,719→排出通路盤705の通路盤側払出通路部742,743→内枠13の内枠側払出通路部901,902→前扉側通路部51,52の順に流下し、各皿33,34に誘導される。
<各皿33,34への遊技球の振り分けに関する構成>
既に説明したように、払出通路部808はその途中位置で2条に分岐しており、それら2条の通路部のうち一方が上皿用の払出通路部、他方が下皿用の払出通路部となっている。本実施の形態においては、上皿33が満杯になり上皿用の払出通路部に遊技球が積み上がっている状態にて更に遊技球が払い出された場合等に、それら後続して払い出された遊技球が下皿用の払出通路部を通じて下皿34へ導かれる構成が採用されている。ここで、図45及び図46に基づき上皿33及び下皿34への遊技球の振り分けに関する構成について説明する。図45は図38のJ−J線部分断面図、図46(a)は図32のP−P線部分断面図、図46(b)は図32のQ−Q線部分断面図である。なお、図45においては同図45の右側がパチンコ機10の左方、左側がパチンコ機10の右方となっており、図46においては同図46の右側がパチンコ機10の前方、左側がパチンコ機10の後方となっている。
図45に示すように、払出通路部808は、払出装置724の出口側通路部864に連なる第1払出通路部811と、その第1払出通路部811の途中位置から分岐する第2払出通路部815とを備え、それら第1払出通路部811及び第2払出通路部815が左右に並設されてなる。第1払出通路部811は、上下に延びる上下通路部812を有している。上下通路部812の途中位置には同通路部の内外に貫通する開口部818が設けられている。
開口部818は、第1払出通路部811を形成している左右一対の通路壁部825,826のうち第2払出通路部815側の一方に配されており、遊技球の通過が可能となる大きさに形成されている。この開口部818を通じて第1払出通路部811と第2払出通路部815とが連通しており、同開口部818を通じた第1払出通路部811から第2払出通路部815への遊技球の流入が許容されている。以下便宜上、開口部818が形成されている左側の通路壁部を「左側通路壁部825」と称し、同左側通路壁部825とは反対側の通路壁部を「右側通路壁部826」と称する。
なお、左側通路壁部825には第2払出通路部815を形成する通路壁部としての機能が付与されており、その左側通路壁部825によって払出通路部808の一部が左右に2分されていることに着目すれば、同左側通路壁部825を「仕切壁部825」と称することも可能である。因みに、図46(b)においては仕切壁部825にドットハッチングを付与しており、そのドットハッチングが途切れている部分が開口部818を表している。
図45に示すように、上下通路部812において開口部818の直上流側となる部分(以下便宜上、上流側通路部812aと称する)は鉛直方向に延びており、第1払出通路部811と第2払出通路部815との並設方向(左右方向)における当該上流側通路部812aの通路幅寸法が遊技球の直径寸法よりも僅かに大きい程度に抑えられている。具体的には、左側通路壁部825と右側通路壁部826とが遊技球の直径寸法よりも僅かに大きな隙間を隔てて相対向している。このため、上流側通路部812aを通過した遊技球は、左右への移動が抑えられた状態で落下する。つまり、上流側通路部812aには、遊技球の左右方向への移動を規制する規制手段としての機能が付与されている。
上下通路部812において開口部818の直下流側となる部分(以下便宜上、下流側通路部812bと称する)は、上流側通路部812aの延長上に位置し、当該上流側通路部812aと同一方向(鉛直方向)に延びている。
第1払出通路部811及び第2払出通路部815の並設方向における下流側通路部812bの通路幅は、同並設方向における上流側通路部812aの通路幅と比べて大きく設定されている。具体的には、左側通路壁部825において開口部818よりも下流側となる部分(以下便宜上、下壁部825bと称する)が鉛直方向に延びているとともに第2払出通路部815側(左方)へオフセットされており、右側通路壁部826において下壁部825bと対向している部分が同下壁部825bから遠ざかる側(右方)に凹むことで、上述した通路幅の拡張が図られている。より詳しくは、上下通路部812には遊技球が流下する流下領域RAが設けられている。流下領域RAは、上下通路部812に沿って延びている。上流側通路部812aの通路領域はその流下領域RAの上流部分によって構成され、下流側通路部812bの通路領域は流下領域RAの下流部分と、その流下領域RAの下流部分に連なるとともに左側通路壁部825側へ拡がる第1拡張領域EA1と、同流下領域RAの下流部分に連なるとともに第1拡張領域EA1とは反対側(すなわち右側通路壁部826側)へ拡がる第2拡張領域EA2とによって構成されている。故に、下流側通路部812bは両拡張領域EA1,EA2の分だけ幅広となっている。
なお、下流側通路部812bの通路幅寸法D3は、上流側通路部812aの通路幅寸法D4に対して2倍よりも大きくなるように設定されており、その幅方向に2つの遊技球が当接した状態で並んでいる場合には、両通路壁部825,826のうち少なくとも一方との間に若干の隙間が生じる。
図46(a)に示すように、第1払出通路部811には、上下通路部812と同第1払出通路部811の出口部分とを繋ぐとともに、第1払出通路部811及び第2払出通路部815の並設方向とは異なる方向(詳しくは前後方向)に蛇行する蛇行通路部813が設けられている。上流側通路部812aを通過した遊技球は、上流側通路部812aの延長先へ向けて落下し、第1払出通路部811に遊技球が待機していない場合には、開口部818の横を通過した後、下流側通路部812bに流入する。下流側通路部812b(詳しくは流下領域RA)を経由して蛇行通路部813へ到達した遊技球は、蛇行通路部813を通過することでその勢いが弱められた後、上下通路ユニット723から流出する。つまり、鉛直に延びる上下通路部812を採用したことに起因する遊技球の流下速度の上昇を抑え、遊技球が勢いよく上皿33等に流入することを抑制している。
上記上皿33に貯留されている遊技球を先頭として、前扉側通路部51→内枠側払出通路部901→通路盤側払出通路部742→裏パック側払出通路部718→第1払出通路部811に積み上がった遊技球群が上下通路部812に達した場合には、後続の遊技球が先行して待機している遊技球に衝突することで上下通路部812(詳しくは下流側通路部812b)の通路全体に拡がりながら積み上がることとなる。
具体的には、図45に示すように、上述した並設方向における第1拡張領域EA1の幅寸法及び第2拡張領域EA2の幅寸法は、遊技球の直径寸法よりも小さく設定されている。このため、例えば第1拡張領域EA1に流入した遊技球は、その第1拡張領域EA1内に没することなく、同第1拡張領域EA1と流下領域RAとに跨る位置にて待機することとなる。これと同様に、第2拡張領域EA2に流入した遊技球は、その第2拡張領域EA2内に没することなく、同第2拡張領域EA2と流下領域RAとに跨る位置にて待機することとなる。つまり、先行している遊技球が上流側通路部812aによって規定された落下経路に対して両通路壁部825,826のうち一方寄りとなる位置に待機することで、後続する遊技球がその先行する遊技球に当たった際に上記両通路壁部825,826のうち他方寄りとなる位置に誘導される。このような後続する遊技球の誘導を繰り返すことで、下流側通路部812b内にて左右に散らばりながら遊技球が積み上がることとなる。
特に、第1拡張領域EA1の上記幅寸法(拡張の度合い)は、第2拡張領域EA2の上記幅寸法(拡張の度合い)よりも小さく設定されている。すなわち、下流側通路部812bの通路領域は、流下領域RAを中心として左右非対称となるように拡張されている。このため、同第1拡張領域EA1に流入した遊技球の流下領域RAとの最小重なり代は、第2拡張領域EA2に流入した遊技球の流下領域RAとの最小重なり代よりも大きくなりやすくなっている。これにより、遊技球が拡張領域EA1,EA2に張り出すことなく流下領域RA内に収まった状態で待機することを抑制している。
既に説明したように、下流側通路部812bにおいては右側通路壁部826が左側通路壁部825から遠ざかる側に凹んでいる。この凹みは、右側通路壁部826において開口部818と対向する部位にまで拡がっている。本実施の形態においては特に、右側通路壁部826において開口部818に対向している部分には、上下通路部812に積み上がった遊技球群が開口部818に到達した場合に、それら遊技球群に対して後続する遊技球群によって開口部818側に傾く仮想壁が形成されるように遊技球の積み上がりを規制する積上規制部814が設けられている。以下、この積上規制部814について説明する。
右側通路壁部826において左側通路壁部825の下壁部825bと対向している部分(下流側対向壁部826b)よりも上流側となる部分には、同下流側対向壁部826bに滑らかに連続するとともに、通路上流に向けて開口部818側に湾曲する第1規制部827が設けられている。第1規制部827は、上記流下領域RAに対して遊技球の直径寸法よりも小さい隙間を隔てて対峙しており、その上端部が開口部818の下端縁(下壁部825bの上端縁)よりも上位に位置するように形成されている。より詳しくは、第1規制部827は、その上端部が上下通路部812の通路方向において開口部818の下端縁よりも少なくとも遊技球1個分上位となるように配されている。
第1規制部827の上端部には、当該端部から上流側に延びる第2規制部828が形成されている。第2規制部828は、開口部818と対向する平板状をなしており、第1規制部827と同様に上記流下領域RAに対して遊技球の直径寸法よりも小さい隙間を隔てて対峙している。第2規制部828の上端部は、右側通路壁部826において上壁部825aと対向している部分(上流側対向壁部826a)に段差部を介して繋がっている。
上記積上規制部814はこれら第1規制部827及び第2規制部828を有してなり、当該積上規制部814を設けることにより、下流側通路部812bのみならず、上流側通路部812aと下流側通路部812bとの間となる部分(分岐位置)においても上下通路部812が拡張されている。また、このようにして拡張された第3拡張領域EA3は、上記第2拡張領域EA2と連なっており、両領域EA2,EA3を通じた遊技球の積み上がりの円滑化が図られているとともに、第3拡張領域EA3への遊技球の流入が容易化されている。
ここで、図45に基づき開口部818の大きさ及び位置について補足説明する。開口部818の上端部は、第2規制部828よりも上流側に位置しており、第2規制部828に当接している遊技球、すなわち第3拡張領域EA3に流入している遊技球に対して後続球が衝突した際の同後続球の反射経路と左側通路壁部825(詳しくは上壁部825a)との干渉が回避されている。第2規制部828の上下高さ寸法は、遊技球の直径よりも大きく設定されており、先行して滞留している遊技球の積み上がりパターンによって当該第2規制部828のどの位置に遊技球が当接するかは不確定である。この点、上述の如く、少なくとも第2規制部828の上端に当接している遊技球に対して後続球が衝突した場合の反射経路が確保されていることで、上記積み上がりパターンのばらつきを許容し、後続球の開口部818への案内機能を好適に担保することができる。
また、上下通路部812の通路方向における開口部818の開口幅(上下幅)は、少なくもと上記第3拡張領域EA3が設けられている部分での左右の通路幅よりも大きく形成されている。拡張領域EA1,EA3を設けることで、開口部818側への遊技球の案内機能の向上が図られているものの、それら拡張領域EA1,EA3によって遊技球の積み上がりパターンが一層多様化すると考えられる。そこで、開口部818をある程度大きく形成し、それら積み上がりパターンのばらつきを許容しやすくしている。つまり、第2払出通路部815側への遊技球の反射経路のばらつき、すなわち開口部818における通過ポイントのばらつきを許容し、実用上好ましい構成を実現している。
しかしながら、開口部818が過度に大きくなると、遊技球の積み上がりが発生していないにも関わらず、同開口部818への遊技球の流入が生じたり、そもそも開口部818の配設領域を確保するために通路自体が大型化したりすると想定される。これは、遊技球の案内先の切り替え精度向上や周辺部品との共存等の観点から好ましくない。
この点、本特徴における開口部818は、その下端部が第1規制部827の下端部と同一の高さ位置となるように形成されている。つまり、開口部818の下端部を第2拡張領域EA2と対向する位置に配するのではなく、第3拡張領域EA3と対向する位置に配している。第1規制部827は、既に説明したように開口部818側へ湾曲しており、下流側から積み上がった遊技球群(例えば列)を開口部818側へ傾ける機能を有している。開口部818側への遊技球の案内が促進されている部分と対向するようにしてに開口部818の下端を配することで、開口部818の過度の大型化を抑制しつつ、同開口部818への案内機能を確保しやすくなっている。
また、開口部818の下端部は、第1拡張領域EA1の上端部と同じ高さ位置となっている。つまり、上述の如く下壁部825bをオフセットさせることで、開口部818の直下流となる位置においても、第3拡張領域EA3への遊技球の流入を促進することができる。
更には、下壁部825bを上壁部825aに対して第2払出通路部815側へオフセットさせることにより、開口部818の上端部と下端部とを左右にずらしている。つまり、開口部818は、あたかも同開口部818が上記仮想壁に沿う方向へ傾くように構成され、通路方向における拡がりを抑えつつ、実際の開口幅(上端部から下端部までの長さ)寸法を拡大している。これにより、第1払出通路部811を遊技球が流下している場合にはそれら遊技球が開口部818へ誤って流入することを抑制し、第1払出通路部811での遊技球の流れが滞り上記仮想壁が形成された場合には同仮想壁に沿った同開口部818への遊技球の流入を促進することが可能となっている。
以下、図47に基づき、払出通路部808における遊技球の振分態様について説明する。図47(a)は上皿33へ遊技球が払い出されている状態を示す概略図、図47(b)は下皿34へ遊技球が払い出されている状態を示す概略図である。
上皿33→前扉側通路部51→内枠側払出通路部901→通路盤側払出通路部742→裏パック側払出通路部718→第1払出通路部811の上下通路部812に連なる遊技球列が形成されていない場合には、払出装置724から払い出された遊技球は、第1払出通路部811を通じて上皿33へと誘導される。
詳しくは、図47(a)に示すように、払出装置724から払い出された遊技球は、上流側通路部812aを通過することにより左右方向への移動が規制される。このようにして左右方向への移動が規制された遊技球は、上流側通路部812aの延長先側に向けて、すなわち流下領域RA内を流下(落下)することで、第2払出通路部815への流入口としての開口部818と上記積上規制部814との間を素通りする。
開口部818の横を通過した遊技球は、下流側通路部812bに流入する。下流側通路部812bに流入した遊技球は、引き続き流下領域RA内を流下し、そのまま蛇行通路部813に流入する。同遊技球は、蛇行通路部813を通過する際に同蛇行通路部811bの通路壁に当たることによって流下方向が変化し、流下の勢いが弱められることとなる。このようにして勢いが弱められた遊技球は、裏パック側払出通路部718→通路盤側払出通路部742→内枠側払出通路部901→前扉側通路部51を通じて上皿33へ払い出される。
一方、上皿33が満杯になる等して同上皿33への遊技球の流入が不可となっている状態にて、払出装置724から遊技球が払い出された場合には、それら遊技球が上皿33→前扉側通路部51→内枠側払出通路部901→通路盤側払出通路部742→裏パック側払出通路部718→第1払出通路部811の蛇行通路部813の順に積み上がることとなる。こうして積み上がった遊技球群が上下通路部812に達すると、後続の遊技球が上下通路部812に溜まり始める。
この場合、流下領域RAに沿って落下した遊技球は、先行して溜まっている遊技球に当接することで又は後続する遊技球によって押されることで第1拡張領域EA1や第2拡張領域EA2に流入することとなる。図47(b)に示すように、例えば第1拡張領域EA1に流入した遊技球は後続する遊技球の球圧等によって下壁部825bに当接し、第2拡張領域EA2に流入した遊技球は後続する遊技球の球圧等によって下流側対向壁部826bに当接する。このようにして下流側通路部812bの通路幅いっぱいに広がりながら遊技球が溜まる場合、それら遊技球は各通路壁部825,826に沿って積み上がりやすいと想定される。各通路壁部825,826に当接している遊技球の一部は、流下領域RA内に張り出すことなり、同遊技球に対して流下領域RAを流下してきた遊技球が左右にずれて衝突することとなる。これにより、後続の遊技球も先行する遊技球と同様に落下位置(すなわち流下領域RA内)からずれるようにして左右に振り分けられるため、通路領域(特に流下領域RA)内にて遊技球が真上に積み上がることが回避される。
下流側通路部812b内に溜まった遊技球が同下流側通路部812bの入口部分に達すると、後続の遊技球の積み上がり方が変化する。つまり、左側通路壁部825においては遊技球が開口部818に達することで下壁部825bによる支えが期待できなくなり、右側通路壁部826においては遊技球が第1規制部827に当接することで、右方への移動が抑えられることとなる。
第1規制部827は、開口部818側に凸となっているため上下通路部812の通路幅が狭くなっている。しかしながら、同第1規制部827は湾曲しており、下流側を向いているため、同第1規制部827での球詰りの発生が抑制されている。特に、第3拡張領域EA3に対して流下領域RAを挟んだ反対側には開口部818が位置しており、球詰り抑制機能が強化されている。また、第2拡張領域EA2と第3拡張領域EA3と連なっているため、後続の遊技球が第2拡張領域EA2に流入している遊技球を足がかりとして、第3拡張領域EA3へ円滑に流入しやすくなっている。
開口部818が存在することで左側通路壁部825(詳しくは下壁部825b)に沿った遊技球の積み上がりが不可となる。特に後続の遊技球が第2規制部828に達している場合には、左側通路壁部825による支えが期待できなくなることで、同第2規制部828に当接している遊技球に対して他の遊技球が横並びとなる位置に待機することが困難となる。すなわち、少なくとも上下通路部812において開口部818とは反対側には遊技球を支える壁(第1規制部827や第2規制部828)が存在しているため、後続の遊技球は、開口部818側を低位、規制部827,828側を高位として積み上がることとなる。故に、最上流に位置する遊技球群は、開口部818側に傾くようにして並び、それら遊技球群によって開口部818側に傾く仮想誘導壁IWが形成されることとなる。
最上流に位置する遊技球は、第3拡張領域EA3と流下領域RAと跨って存在しているため、その中心が、上流側通路部812aによって定められる遊技球の中心の通過経路FPに対して開口部818とは反対側にずれた位置に存在する。このため、後続の遊技球は、最上位の遊技球の左部分に衝突し、上記仮想誘導壁に沿って開口部818へ向けて移動する。開口部818を通じて第2払出通路部815に流入した遊技球は、当該第2払出通路部815→裏パック側払出通路部719→通路盤側払出通路部743→内枠側払出通路部902→前扉側通路部52→を経由して下皿34に導かれることとなる。そして、同下皿34が満杯になる等して当該下皿34への流入が不可となった場合には、下皿34を先頭に、前扉側通路部52→内枠側払出通路部902→通路盤側払出通路部743→裏パック側払出通路部719→第2払出通路部815の順に下皿用の誘導通路部内にて遊技球が積み上がることとなる。
<検知機構880>
下皿用の誘導通路部には、遊技球が流下する流下領域と、下皿34から積み上がった遊技球が誘導通路の特定位置まで積み上がった場合にそれら待機中の遊技球に後続する遊技球が流入する流入領域とが設けられ、上下通路ユニット723には、その流入領域に流入した遊技球を検知する検知機構880が設けられている。以下、図38〜図40,図44,図46及び図48を用いて、検知機構880及びそれに付随する構成について説明する。図48は図46(b)の部分拡大図である。
図44に示すように、下皿用の誘導通路部の途中位置、詳しくは第2払出通路部815と裏パック側払出通路部719との境界部位には同誘導通路部をなだらかにする曲がり部が形成されている。具体的には、第2払出通路部815は鉛直方向に延びているとともに、その出口部分がパチンコ機10の前方に開放されている。この出口部分の上流側には第2払出通路部815に沿って鉛直に落下した遊技球を出口部分に向けて誘導する曲がり部819が設けられている。
曲がり部819は、図48に示すように、第1ハウジング820と第3ハウジング840とに跨って形成されており、斜め下方に凸となるように形成されている。より詳細には、第1ハウジング820の下側平板部823には、開口部818の下端縁から後方に突出し上側を向いた下流側曲がり部829が形成されているとともに、第3ハウジング840の対向板部841には、下流側曲がり部829に対して上流側から連続する上流側曲がり部843が形成されており、これら下流側曲がり部829及び上流側曲がり部843によって曲がり部819が構成されている。この曲がり部819を経由することで、第2払出通路部815の出口部分における遊技球の流出方向が水平に近づくこととなる。そして、出口部分から流出した遊技球は、その流出方向先側に延びている上記裏パック側払出通路部719に流入する。
第2払出通路部815を形成している壁部において裏パック側払出通路部719の延長上に位置する部位には、すなわち第3ハウジング840の対向板部841において裏パック側払出通路部719の延長上に位置する部位には、上記流入領域が配されている。具体的には、対向板部841において第2払出通路部815を形成している部分には、通路外側(後方)へ凹む凹部845が形成されており、このように第2払出通路部815の流下領域REを部分的に拡張させることで、上記流入領域としての拡張領域EEが形成されている。
拡張領域EEはその全域にて流下領域REと連通しており、それら両領域RE,EE間での遊技球の行き来が許容されている。特に、凹部845はその深さ寸法が遊技球の半径寸法よりも小さくなるように形成されている。これにより、拡張領域EE内に流入した遊技球の流下領域RE側への復帰が容易化されている。
第2払出通路部815において拡張領域EEよりも上流側となる部分(以下便宜上、上流側通路部816と称する)は、鉛直方向に延びているとともに、通路幅寸法D4が遊技球の直径寸法よりも僅かに大きい程度に抑えられている。このため、上流側通路部816を通過した遊技球は、水平方向への位置ばらつきが抑えられ、鉛直方向に流下する(落下する)こととなる。
一方、第2払出通路部815において拡張領域EEよりも下流側となる部分(以下便宜上、下流側通路部817と称する)は、曲がり部819を介してなだらかになっているとともに、通路高さ寸法D5が上記通路幅寸法D4よりも大きくなっている。これは、拡張領域EEにより拡大された第2払出通路部815のゆとり(余裕代)を維持するための工夫である。これにより、下流側通路部817においては遊技球の位置ばらつきが許容されやすくなっており、同下流側通路部817内に遊技球が滞留する際に、それら遊技球が当該下流側通路部817内にて蛇行可能となっている。なお、このような通路の拡がりは、曲がり部819よりも下流側、詳しくは裏パック側払出通路部719の下流部に向けて減縮されている。つまり、裏パック側払出通路部719は、その上流部が下流側通路部817と同様に上下に拡げられており、裏パック側払出通路部719の下流部は通路高さ寸法が遊技球の直径寸法よりも僅かに大きい程度となるように狭められている。
なお、拡張領域EEは、第1払出通路部811及び第2払出通路部815の並設方向とは異なる方向に拡張されている。このため、仮に開口部818を通じて流入した遊技球に同並設方向への移動成分が残り、その並設方向に蛇行しながら上流側通路部816を通過した場合であっても、同遊技球が拡張領域EEへ流入することが抑制される(図45の2点鎖線参照)。つまり、拡張領域EEは対向板部841に設けられていることにより、上流側通路部816を通過する遊技球が下側通路壁部824や仕切壁部825から跳ね返えった場合であっても、それら遊技球は拡張領域EEの前方を通過し、同拡張領域EEへ向けて流入することが抑制される。
ここで、上記検知機構880について説明する。検知機構880は、拡張領域EE内に流入した遊技球が当接する当接部材881を有している。当接部材881は、拡張領域EEに配されており、流下領域REへの突出が抑えられている。詳しくは、当接部材881は、拡張領域EEにおいて裏パック側払出通路部719の延長上から外れた領域に配されている。
当接部材881は、第2払出通路部815に沿って延びる(鉛直方向に延びる)長板状をなし、その片側の板面が流下領域RE側を向くように配置されている。凹部845の周壁部には、上下に貫通するスリット846が形成されており、当該スリット846を通じて当接部材881の上端が凹部845の外側に突出している。
また、当接部材881の上端部には、当該当接部材881の短手方向(左右方向)に延びる軸部882が形成されている。軸部882が対向板部841に形成された軸受け部847によって保持されることで、当接部材881が第3ハウジング840に対して回動可能な状態で一体化されている。このように一体化された状態では、当接部材881において流下領域RE側を向いている板面が対向板部841に対して同流下領域REとは反対側から(すなわちパチンコ機10の後方から)当接しており、当接部材881において流下領域REとは反対側を向いている板面が凹部845の底面に対して隙間を隔てて対向している。これにより、当接部材881の下端部が流下領域REから遠ざかる側(すなわち後方)に移動可能となっている。
当接部材881の回動先端部には流下領域REとは反対側に凸となる突起883が形成されている。突起883は、凹部845の底部に形成された貫通孔848を通じてパチンコ機10の後方に突出している。
対向板部841の背面側には、主制御装置162に電気的に接続された検知センサユニット890が設けられている。検知センサユニット890は、上記突起883の変位を検知する接触式の検知センサ891と、当該検知センサ891を覆うセンサカバー895とを有し、同センサカバー895が対向板部841に対して固定されることで、第3ハウジング840に対して一体化されている。
検知センサ891は、突起883の先端が当接するスイッチ892を有している。スイッチ892は、検知センサ891によって凹部845に近づく側と同凹部845から遠ざかる側とに変位可能に支持されており、上記突起883の動きに追従して変位する。スイッチ892は、凹部845に近づく側に付勢されており、突起883によって凹部845から遠ざかる側に押されることで付勢力に抗して変位する。この変位に基づく検知情報が検知センサ891から主制御装置162へ出力される。
なお、当接部材881を省略するとともに、スイッチ892を拡張領域EEに突出させ、同拡張領域EEに流入した遊技球が当該スイッチ892に対して直接当たる構成とすることも可能である。
ここで、図49に基づき検知機構880の動作について説明する。図49(a)は非検知状態を示す概略図、図49(b)は検知状態を示す概略図である。
図49(a)に示すように、下皿34への遊技球の流入が許容されている場合には、仕切壁部825の開口部818を通じて下皿用の誘導通路部へ流入した遊技球が、流下領域内に沿って下皿34へ誘導される。より具体的には、第2払出通路部815に流入した遊技球は、上流側通路部816を通過することで、前後方向への移動が抑えられ、その流下方向が鉛直方向又は略鉛直方向となるように規定される。このように流下方向が規定された遊技球は、拡張領域EE内へ流入することなく流下領域RE内を流下し、曲がり部819(上流側曲がり部843や下流側曲がり部829)に衝突する。
曲がり部819は誘導通路部の下流側に向けて下っているため、遊技球の跳ね返り方向は拡張領域EE側とは反対側、すなわち第2払出通路部815の出口部分側となる。このため、曲がり部819に衝突した遊技球は、裏パック側払出通路部719側へ誘導され、拡張領域EEへ向けて跳ね返りが抑制されることとなる。このように、拡張領域EE内への遊技球の流入が回避されている場合、当接部材881及びスイッチ892が上記付勢力により初期位置にて維持される。
例えば下皿34が満杯となっている場合に更に遊技球が下皿用の誘導通路部へ流入すると、それら遊技球は、下皿34を先頭に、前扉側通路部52→内枠側払出通路部902→通路盤側払出通路部743→裏パック側払出通路部719の順に列状をなして積み上がることとなる。特に、裏パック側払出通路部719においては、当該裏パック側払出通路部719に流入した遊技球が裏パック側払出通路部719に沿って積み上がり、遊技球列が裏パック側払出通路部719の延長上に位置する拡張領域EEに向けて延びることとなる。そして、積み上がった遊技球群が、第2払出通路部815の曲がり部819に達すると、通路の拡がりに合わせて遊技球列が乱れることとなる。つまり、曲がり部819においては流入した遊技球が前後にずれながら積み上がり、遊技球列が前後に蛇行した状態となる(図49(b)参照)。
既に説明したように、上流側通路部816によって規定された落下経路上に先行する遊技球が待機していない場合、第2払出通路部815に流入した遊技球は上流側通路部816によって規定された方向に流下する。これに対して、同落下経路上に先行する遊技球が待機している場合、後続する遊技球の落下が妨げられることとなる。具体的には、曲がり部819が上記落下経路よりも裏パック側払出通路部719の延長方向(後方)に延びているため、曲がり部819に沿って積み上がった遊技球は落下経路に対して前後方向にずれた位置に待機することとなり、上流側通路部816から落下してきた遊技球は、待機中の遊技球に当たって前後に移動することとなる。つまり、後続する遊技球のうち一部の遊技球は、先行する遊技球によって拡張領域EEへ誘導される。つまり、第2払出通路部815に形成される遊技球列が蛇行し、同遊技球列の一部が拡張領域EE内に入り込むこととなる。
拡張領域EEに流入した遊技球が当接部材881に当たると、当該遊技球の自重や同遊技球に対して後続する遊技球から伝わる球圧により、スイッチ892の付勢力に抗して当接部材881が凹部845の奥側へ押されることとなる。そして、当接部材881の回動に連動してスイッチ892が変位することで遊技球が流入している旨の情報が検知センサ891にて取得され、この検知情報が同検知センサ891から主制御装置162に出力される。
図49(b)に示す待機状態から、遊技球の流下が再開されると、拡張領域EE内に流入していた遊技球が、順次下流側へ流れ始める。そして、拡張領域EEの直下流側に待機していた遊技球が下流側へ移動すると、支えを失った拡張領域EE内の遊技球は後続の遊技球に押されて、下流側へ移動する。この際、拡張領域EEの深さが遊技球の半径寸法よりも小さく設定されているため、同拡張領域EE内に遊技球が残留しにくくなっている。また、当接部材881は、スイッチ892の付勢力によって流下領域RE側へ付勢されている。このため、当接部材881に当接していた遊技球は、流下領域RE側へ押される。これにより、同流下領域REへの復帰がより確実なものとなっている。
ここで、当接部材881と同当接部材881に対向する下側平板部823との関係、すなわち拡張領域EEが設けられている部分での通路幅について補足説明する。図49(b)に示すように、当接部材881と下側平板部823との隙間の最大値DMAXは、遊技球の直径寸法よりも大きく、且つ遊技球の半径R×(2+SQRT(2))で算出される値よりも小さく設定されている。これにより、当接部材881に当接している遊技球が後続の遊技球によって押されたとしても、その球圧によりそれら両遊技球が当接部材881と下側平板部823との間で詰まることを抑制できる。故に、拡張領域EEから流下領域REへ遊技球を復帰させる場合に当接部材881と下側平板部823との間で球詰りが発生することを好適に抑制することができる。
また、当接部材881が検出位置に回動した状態では、当該当接部材881の回動先端部分が回動基端部分よりも流下領域REから遠ざかっている。このため、当接部材881に当接している遊技球はその当接部材881によって下流側から支えられることがない。言い換えれば、当接部材881に当接している遊技球の流下がその当接部材881によって妨げられることがない。これにより、拡張領域EEから流下領域REへ遊技球を復帰させる場合に当接部材881と下側平板部823との間で球詰りが発生することを好適に抑制することができる。
以上詳述したように、上皿33に連なる誘導通路部と下皿34に連なる誘導通路部とは、それら誘導通路部内に遊技球を貯めることが可能となっている。このように両皿33,34のみならず、誘導通路部内に遊技球を貯留可能とすることで、遊技球の貯留量を増すことができる。
各誘導通路部は、図43及び図44に示すように、前扉枠14と内枠13とに跨っている。本実施の形態に示すパチンコ機10は、前扉枠14を開放した際に内枠側払出通路部901,902の出口部分からの遊技球の流出を阻止するシャッタ機構910を備えており、例えば誘導通路部内に前扉枠14から内枠13に続く遊技球列が形成されている場合であっても遊技球の零れを抑制しながら前扉枠14を開放可能としている。これにより、メンテナンス作業の容易性を担保しつつ、例えば遊技球の貯留量を増すことが可能となっている。以下、図2,図5,図50,図51に基づきシャッタ機構910及びそれに付随する構成について説明する。図50はシャッタ機構910及び払出通路形成部材900を内枠13から取り外した状態を示す斜視図、図51(a)は図43の部分拡大図、図51(b)は図44の部分拡大図である。
<払出通路形成部材900>
先ず払出通路形成部材900に関して補足説明する。既に説明したように、内枠13(詳しくは樹脂ベース70)には、払出通路形成部材900が嵌め込まれる開口部331が設けられている。開口部331は、内枠13において前扉枠14を回動可能に支持している側(支持金具71,72)寄りに、具体的には遊技盤80の下側切欠き部88の下方に配されている(図6参照)。開口部331は横長矩形状をなしており、その下方には当該開口部331の下端縁から前方に延出する延出部332が設けられている。延出部332は略平板上をなしており、その上面がパチンコ機10の前方に向けて緩やかに下り傾斜している。
上記払出通路形成部材900は、開口部331を下側及び左右両側から囲む略枠状の取付ベース部903を有しており、その取付ベース部903が内枠13に対してネジ止めされることで、同内枠13に一体化されている。取付ベース部903の上部には、延出部332に対して上方から対向する対向部904が形成されており、それら延出部332と対向部904との間には遊技球の直径寸法よりも僅かに大きな隙間が確保されている。これにより、延出部332と対向部904との間を遊技球が通過可能となっている。
対向部904は板状をなしており、対向部904の左右両端縁には、延出部332側に起立し、同対向部を挟んで相対向する側壁部905,906が形成されている。側壁部905,906の先端は延出部332に当接しており、対向部904と延出部332との間を通過する遊技球の左右への零れが防止されている。
それら両側壁部905,906の間には、両側壁部905,906、対向部904、延出部332によって囲まれた領域を2分する仕切部907が設けられている。言い換えれば、仕切部907によって同領域を区分けすることで、上記内枠側払出通路部901,902が形成されている。
対向部904の前端は延出部332の前端よりも前方に延びている。対向部904の前部は、当該対向部904の前端が延出部332と同一高さとなるように上記隙間を確保しながら下方に湾曲している。これにより各内枠側払出通路部901,902の出口部分が下方に開口されている。
内枠側払出通路部901,902の出口部分は、内枠13の前面から前方に突出しており、その出口部分の下方に、既に説明した前扉枠14の前扉側通路部51,52の入口部分が入り込んでいる。前扉側通路部51,52の入口部分は内枠側払出通路部901,902の出口部分に対して下方から対向している。つまり、内枠側払出通路部901,902と前扉側通路部51,52とが連なり、内枠側払出通路部901,902の出口部分から流出した遊技球が前扉側通路部51,52の入口部分に流入する構成となっている。
前扉側通路部51,52の入口部分の後方、且つ上記延出部332の下方に、上記シャッタ機構910が配されている。以下、シャッタ機構910について説明する。
<シャッタ機構910>
シャッタ機構910は、上皿用の内枠側払出通路部901(以下便宜上、第1払出通路部901と称する)の出口部分に対応する第1シャッタ機構920と,同第1シャッタ機構920とは別個独立して設けられ下皿用の内枠側払出通路部902(以下便宜上、第2払出通路部902と称する)の出口部分に対応する第2シャッタ機構930とを備えている。これら各シャッタ機構920,930は同様の構成を有しているため、先ず第1シャッタ機構920について説明し、後に第2シャッタ機構930について簡単に説明する。
図51(a)に示すように、第1シャッタ機構920は、第1払出通路部901の出口部分に対して突出可能に設けられた第1シャッタ部材921を備えており、当該第1シャッタ部材921が出口部分に対して突出することで遊技球の流出を阻止する阻止状態となり、同第1シャッタ部材921の突出が抑えられることで遊技球の流出を許容する許容状態に切り替えられる構成となっている。
第1シャッタ部材921は、延出部332の下方に配されているとともに、同延出部332の下面に沿ってスライド移動可能な状態で内枠13に取り付けられている。より詳しくは、内枠13において延出部332の下方となる部位には、後方に凹む第1シャッタ収容部333が設けられている。第1シャッタ部材921は、第1シャッタ収容部333の奥壁側に開口された箱状の本体部922を有しており、その本体部922の側面及び下面には前後方向に延びる突条部923が形成されている。これら突条部923が、第1シャッタ収容部333に形成された溝部334に嵌まることで、第1シャッタ部材921のスライド方向が延出部332の延出方向(前後方向)と同一となるように規定されている。
取付ベース部903は、本体部922の外形に合わせて形成された開口部908を有している。この開口部908を通じて、本体部922の一部及び本体部922から前方に突出する爪部924が前扉枠14側に露出している。一方、突条部923は本体部922の前面から後退した位置に配されており、その先端が取付ベース部903に対して第1シャッタ収容部333の奥側(後方)から対向している。突条部923が取付ベース部903に当接することで、第1シャッタ部材921の前方への移動が阻止される。つまり、取付ベース部903によって、第1シャッタ部材921の第1シャッタ収容部333からの脱落が阻止されている。なお、取付ベース部903によって、第1シャッタ部材921のスライドが規制される点に着目すれば、同取付ベース部903を「ストッパ部903」と称することも可能である。
爪部924は、本体部922の前面における上端縁に配されており、上記延出部332に沿って延びる平板状をなしている。第1シャッタ部材921が前方にスライド移動し、突条部923が取付ベース部903に当接した場合には、第1払出通路部901の出口部分に対して爪部924が突出することとなる。
爪部924の最大突出量は、当該爪部924が突出した状態において同爪部924と対向部904とにより遊技球を挟持可能な程度に抑えられている。このように、爪部924単独で遊技球を止めるのではなく、爪部924及び対向部904によって遊技球を挟む構成とすることで、第1シャッタ部材921(爪部924)に加わる遊技球の重量負荷の増加を抑制している。
また、第1シャッタ機構920は、第1シャッタ部材921(爪部924)を突出位置へ向けて付勢する「付勢手段」としてのコイルバネ928を備えている。コイルバネ928は第1シャッタ部材921と共に第1シャッタ収容部333に収容されており、本体部922と第1シャッタ収容部333の奥壁との間に挟まれることで圧縮されている。このコイルバネ928によって第1シャッタ部材921が突出位置に向けて常時付勢された状態となっている。
第1シャッタ部材921は、前扉枠14が閉じられている状態、すなわち第1払出通路部901と前扉側上皿通路部51とが連なっている状態においてはその突出が抑えられる構成となっている。具体的に説明すれば、前扉側上皿通路部51を形成している通路壁部51aにおいて第1シャッタ部材921の本体部922と対抗している部分には操作突起51bが形成されており、この操作突起51bによって本体部922が第1シャッタ収容部333の奥側(後方)に押圧されることで、第1シャッタ部材921(爪部924)の突出が抑えられ、第1払出通路部901から前扉側上皿通路部51への遊技球の受け渡しが許容されている。
第2シャッタ機構930は、第1シャッタ機構920と同様に、第2シャッタ部材931とコイルバネ938とを備えており、同第2シャッタ部材931は本体部932,突条部933,爪部934を有している。また、内枠13には上記第1シャッタ収容部333とは別に第2シャッタ機構930用の第2シャッタ収容部335が形成されている。第2シャッタ収容部335は、内枠側払出通路部902の出口部分に合わせて、第1シャッタ収容部333よりも前扉枠14の回動基端寄りに配されている。より詳しくは、前扉枠14の回動中心軸線CLから内枠側払出通路部902の出口部分までの距離寸法は、前扉枠14の回動中心軸線CLから内枠側払出通路部901の出口部分までの距離寸法の凡そ半分になるように設定されており、これに合わせて、回動中心軸線CLから第2シャッタ収容部335(第2シャッタ部材931)までの距離寸法は、回動中心軸線CLから第1シャッタ収容部333(第1シャッタ部材921)までの距離寸法の凡そ半分となるように設定されている。
第2シャッタ収容部335には、上記第2シャッタ部材931及びコイルバネ938が収容されている。第2シャッタ部材931のスライド方向は、突条部933と、シャッタ収容部335に形成された溝部336とによって規定されており、同第2シャッタ部材931はコイルバネ938によって突出側へ常時付勢されている。また、第2シャッタ部材931の本体部932及び爪部934は、払出通路形成部材900の取付ベース部903に形成された開口部909を介して前扉枠14側に露出している。前扉枠14の前扉側下皿通路部52の通路壁部52aには、本体部932を押圧する操作突起52bが形成されている。操作突起52bは、第2シャッタ部材931の正面に位置し、回動中心軸線CLから操作突起52bまでの距離寸法が回動中心軸線CLから内枠側払出通路部902の出口部分(第2シャッタ部材931)までの距離寸法と同等となるように構成されている。
以上詳述したように、第1シャッタ機構920の動作系統と、第2シャッタ機構930の動作系統を分けることにより、第1シャッタ機構920の切替動作と、第2シャッタ機構930の切替動作とが独立している。
<シャッタ機構910の動作>
ここで、図52に基づき前扉枠14を開放する際のシャッタ機構910の動作について説明する。図52(a)群は第1シャッタ機構920の動作を示す概略図、図52(b)群は第2シャッタ機構930の動作を示す概略図である。なお、図52(1)群は前扉枠14の開放量が同一である場合の(すなわち前扉枠14開放時の同一タイミングでの)各シャッタ機構の状態を示しており、(2)〜(4)群についても同様である。つまり、前扉枠14を開放する場合には、図52(a1),(b1)→図52(a2),(b2)→図52(a3),(b3)→図52(a4),(b4)の順に各シャッタ機構920,930が動作する。
図52(a1),(b1)に示すように、前扉枠14が内枠13に対して閉じている状態では、第1払出通路部901と前扉側上皿通路部51とが連なっているとともに、第2払出通路部902と前扉側下皿通路部52とが連なっている。また、前扉側通路部51,52の操作突起51b,52bにより各シャッタ部材921,931がコイルバネ928,938の付勢力に抗してシャッタ収容部333,335の奥側へ押されている。これにより、各払出通路部901,902の出口部分への爪部924,934の突出が抑えられ、各シャッタ機構920,930が許容状態に維持されている。
前扉枠14を開放すると、図52(a2)に示すように、第1払出通路部901の出口部分と前扉側上皿通路部51の入口部分との相対位置が変化することで、第1払出通路部901から前扉側上皿通路部51への遊技球の受け渡しが許容されにくくなる。このような相対位置の変化に併せて第1シャッタ機構920が動作する。具体的には、前扉枠14の移動に併せて、操作突起51bが前方に移動し、これに伴って第1シャッタ部材921がコイルバネ928の付勢力によって前方へスライド移動する。操作突起51bの移動量(すなわち出口部分と入口部分との相対位置の変化量)が所定値DA2に達すると、突条部923が取付ベース部903に当接することで、爪部924の突出量が最大となる。これにより、第1シャッタ機構920が阻止状態に切り替わり、第1払出通路部901の出口部分からの遊技球の流出が阻止される。
第1シャッタ部材921が阻止状態に切り替わったタイミングでは、第1払出通路部901の出口部分から前扉側上皿通路部51の入口部分への遊技球の受け渡しは完全に不可とはならないものの、遊技球の零れが発生する可能性は高くなる。一方、図52(b2)に示すように、同タイミングでの第2払出通路部902の出口部分と前扉側下皿通路部52の入口部分との相対位置の変化量は上記移動量DA2の凡そ半分程度となる。このため第1払出通路部901及び前扉側上皿通路部51と比較して第2払出通路部902の出口部分から前扉側下皿通路部52の入口部分への遊技球の受け渡しは、第1払出通路部901の出口部分から前扉側上皿通路部51の入口部分への遊技球の受け渡しと比較して余裕がある。このタイミングでの操作突起52bの移動量DB2は上記移動量DA2の凡そ半分程度となっており、爪部934が第2払出通路部902の出口部分に対して突出してはいるものの、その突出量が遊技球の流出を阻止するのに十分な量に達していない。つまり、第2シャッタ機構930は阻止状態への切り替え途中となり、第2払出通路部902の出口部分から前扉側下皿通路部52の入口部分への遊技球の受け渡しが継続される。
図52(a2),(b2)に示す状態から、前扉枠14が更に開放されると、図52(a3)に示すように、第1払出通路部901と前扉側上皿通路部51との連なりが完全に解除される。このタイミングにおける操作突起51bの移動量DA3は、第1シャッタ部材921の最大移動量よりも大きくなり、同操作突起51bが同第1シャッタ部材921から離間する。この状態では、第1シャッタ部材921がコイルバネ928の付勢力によって突出位置に保持されることとなる。
第1払出通路部901と前扉側上皿通路部51との連なりが完全に解除されたタイミングにおいては、第2払出通路部902の出口部分と前扉側下皿通路部52の入口部分との相対位置の変化が大きくなり、同出口部分から同入口部分への遊技球の受け渡しは完全に不可とはならないものの、遊技球の零れが発生する可能性は高くなる(図52(b3)参照)。このような相対位置の変化に併せて第2シャッタ機構930が阻止状態へと切り替わる。具体的には、前扉枠14の移動に併せて、操作突起52bが前方に移動し、これに伴って第2シャッタ部材931がコイルバネ938の付勢力によって前方へスライド移動する。操作突起52bの移動量(すなわち出口部分と入口部分との相対位置の変化量)が所定値DB3に達し、突条部933が取付ベース部903に当接することで、爪部934の突出量が最大となる。これにより、第2シャッタ機構930が阻止状態に切り替わり、第2払出通路部902の出口部分からの遊技球の流出が阻止される。
図52(a3),(b3)に示した状態から、前扉枠14の開放が進むと、図52(b4)に示すように、第2払出通路部902と前扉側下皿通路部52との連なりが完全に解除される。このタイミングにおける操作突起52bの移動量DB4は、第2シャッタ部材931の最大移動量よりも大きくなり、同操作突起52bが同第2シャッタ部材931から離間する。この状態では、第2シャッタ部材931がコイルバネ938の付勢力によって突出位置に保持されることとなる。つまり、第2シャッタ機構930が阻止状態で維持されることとなる。なお、第1シャッタ機構920については、図52(a4)に示すように、阻止状態が継続される。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図53のブロック図に基づき説明する。図53では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板951には、主制御回路952と停電監視回路953とが内蔵されている。主制御回路952には、MPU961が搭載されている。MPU961には、当該MPU961により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM962と、そのROM962内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM963と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM963は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御装置243に設けられた電源・発射制御基板971からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
MPU961には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路952の入力側には、主制御基板951に設けられた停電監視回路953、払出制御装置242に設けられた払出制御基板972及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路953には電源・発射制御基板971が接続されており、主制御回路952には停電監視回路953を介して電力が供給される。
一方、主制御回路952の出力側には、停電監視回路953、払出制御基板972及び中継端子板973が接続されている。払出制御基板972には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板973を介して主制御回路952から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板974に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路953は、主制御回路952と電源・発射制御基板971とを中継し、また電源・発射制御基板971から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板972は、払出装置724により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU981は、そのMPU981により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM982と、ワークメモリ等として使用されるRAM983とを備えている。
払出制御基板972のRAM983は、主制御回路952のRAM963と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御基板971からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板972のMPU981には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板972の入力側には、主制御回路952、電源・発射制御基板971、及び裏パック基板725が接続されている。また、払出制御基板972の出力側には、主制御回路952及び裏パック基板725が接続されている。
電源・発射制御基板971は、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路952や払出制御基板972等に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル40の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板974は、各種ランプ部23〜25やスピーカ部26、及び表示制御装置975を制御するものである。演算装置であるMPU991は、そのMPU991により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM992と、ワークメモリ等として使用されるRAM993とを備えている。
音声ランプ制御基板974のMPU991にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板974の入力側には中継端子板973に中継されて主制御回路952が接続されており、主制御回路952から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25、スピーカ部26、及び表示制御装置975を制御する。表示制御装置975は、音声ランプ制御基板974から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置94を制御する。
次に、遊技球の払い出しに関する電気的構成について、図55のブロック図に基づいて説明する。
主制御基板951の入力側には、遊技球の検知スイッチである入賞口スイッチ147,カウントスイッチ148及び作動口スイッチ149が接続されている。入賞口スイッチ147は一般入賞口81に入った遊技球を検知し、カウントスイッチ148は可変入賞装置82に入った遊技球を検知し、作動口スイッチ149は作動口84に入った遊技球を検知する。
主制御基板951は、上記各スイッチ147〜149から検知信号を入力した場合には、その検知信号を入力したスイッチ147〜149に対応した賞球コマンドを払出制御基板972に出力する。
払出制御基板972は、主制御基板951から賞球コマンドを入力することにより、その賞球コマンドに含まれる賞球情報に応じた数の遊技球の払い出しを実行するよう払出装置224を駆動制御する。これにより、賞球の払い出しが実行される。
以上のように主制御基板951からの賞球コマンドに基づいて遊技球の払い出しが実行される一方、主制御基板951からの払出停止コマンドに基づいて遊技球の払い出しが停止される。かかる構成について説明すると、主制御基板951の入力側には、前扉枠14が内枠13に対して開放されたことを検知する前扉開放スイッチ275、及び下皿34が満杯状態となったことを検知する検知センサ891(検知機構880)が接続されている。
主制御基板951は、前扉開放スイッチ275又は検知センサ891から検知信号を入力した場合には、その入力に基づいて払出停止コマンドを払出制御基板972に出力する。つまり、前扉枠14が開放された場合、及び下皿34が満杯状態となった場合に、払出停止コマンドを出力する。
払出制御基板972は、主制御基板951から払出停止コマンドを入力することにより、遊技球の払い出しを行っている途中であったとしても当該払い出しを停止するよう払出装置224を停止制御する。これにより、前扉枠14が開放されたにも関わらず遊技球の払い出しが継続されることが防止され、また下皿34が満杯状態であるにも関わらず遊技球の払い出しが継続されることが防止される。
次に、主制御基板951のMPU961により実行される払出停止処理を図55のフローチャートを参照しながら説明する。
払出停止処理では、先ずステップS101にてRAM963に設けられた払出停止中フラグ格納エリアに払出停止中フラグがセットされているか否かを判定する。かかる払出停止中フラグは、払出制御基板972に対して払出停止コマンドを出力することによりセットされ、払出制御基板972に対して停止解除コマンドを出力することによりクリアされるフラグである。
払出停止中フラグがセットされていない場合には、ステップS101にて否定判定をし、ステップS102〜ステップS104の払出停止設定処理を実行する。当該払出停止設定処理では、ステップS102にて前扉開放スイッチ275から検知信号を入力しているか否かを判定し、ステップS103にて検知センサ891から検知信号を入力しているか否かを判定する。前扉開放スイッチ275及び検知センサ891のいずれからも検知信号を入力していない場合には、ステップS102及びステップS103の双方にて否定判定をし、そのまま本処理を終了する。
前扉開放スイッチ275又は検知センサ891のいずれかから検知信号を入力していた場合には、ステップS102又はステップS103のいずれかで肯定判定をし、ステップS104に進む。なお、検知センサ891から検知信号を入力している場合には、その入力により即座に肯定判定をするのではなく、所定期間に亘って検知信号を入力した場合に肯定判定をする。
ステップS104では、払出制御基板972に対して払出停止コマンドを出力するとともに、払出停止中フラグをセットする。その後、本処理を終了する。払出制御基板972においては、当該払出停止コマンドを入力することにより払出装置224を停止制御する。また、主制御基板951から後述する停止解除コマンドを入力する前に、当該主制御基板951から賞球コマンドを入力したとしても、払出装置224の駆動制御を開始しない。
一方、払出停止中フラグがセットされている場合には、ステップS101にて肯定判定をし、ステップS105及びステップS106の払出停止解除処理を実行する。当該払出停止解除処理では、ステップS105にて前扉開放スイッチ275及び検知センサ891のいずれからも検知信号を入力していないか否かを判定し、いずれかから検知信号を入力している場合には否定判定をし、そのまま本処理を終了する。
前扉開放スイッチ275及び検知センサ891のいずれからも検知信号を入力していない場合には肯定判定をし、ステップS106に進む。ステップS106では、払出制御基板972に対して停止解除コマンドを出力するとともに、払出停止中フラグをクリアする。その後、本処理を終了する。払出制御基板972においては、当該停止解除コマンドを入力することにより、賞球が残っている場合には払出装置224の駆動制御を開始する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技盤80を内枠13の正面側から着脱可能とすることにより、内枠の背面側から遊技盤を着脱する構成と比較して、作業の容易化を促進できる。遊技盤を内枠の背側から着脱する構成を想定した場合、内枠を開放した状態で遊技盤の着脱を行う必要が生じる。この場合、例えば内枠が移動しないように同内枠の移動を手で押さえることで、遊技盤の装着作業を円滑に行うことができる。しかしながら、遊技盤の着脱作業の円滑化のために、内枠を手で押える等した場合には、作業が煩雑化し得る。特に、上記実施の形態に示したように、遊技盤を所定の位置に付勢する構成を採用すると、付勢力によって内枠と遊技盤とが離れる方向に移動しやすくなるため、上述した内枠を押える等の予備的動作を排除することが難しくなり得る。この点、上記実施の形態に示したように内枠13を外枠11に対して閉じた状態で遊技盤80の着脱作業が可能であれば、押し込み操作力や、板バネ270の付勢力等によって内枠13が移動することを回避できる。これにより、遊技盤80の着脱作業時に内枠13を手で押さえるといった予備的作業を不要とし、作業の容易化に貢献できる。なお、裏パックユニット15の開閉操作を省略することが可能となるため、作業手順の簡略化を図ることもできる。
このように遊技盤80を内枠13の正面側から取り付ける構成においては、内枠の背面側から遊技盤の取り付けを行う構成と比較して、遊技盤の前面の位置精度(例えば前後方向の位置精度)を向上させることが難しくなると想定される。この点、本実施の形態においては、板バネ270によって遊技盤80を正面側に押すとともに、ストッパ267を遊技盤80の前面に当接させることによって同遊技盤80の移動を抑えることで、遊技盤80の前面を対象とした位置決めを可能としている。これにより、遊技盤80の背面を基準としての前後の位置決めを行う構成と比較して、遊技盤80の前面における位置精度を高やすくなっている。
このように遊技盤80の前面の位置精度を高めることにより、遊技球発射機構110から発射された遊技球の誘導レール100に対する着地位置がばらつくことを抑えている。これにより、誘導レール100を通過する際の遊技球の暴れを抑制し、遊技領域PEへの誘導の円滑化に貢献している。特に、誘導レール100が遊技盤80の前面から起立している構成においては、同誘導レール100の先端側に遊技球が着地すると、衝突時の負荷が大きくなり、誘導レール100の根元部分(詳しくは固定ピン102a等)に変形等が生じやすくなると想定される。これは、遊技球の円滑な誘導を妨げる要因となり得るため好ましくない。この点、遊技盤80の前面の前後位置精度を向上することで、遊技球の着地位置が前後にばらつくことを抑制し、上述した不都合の発生を好適に回避できる。
上記ストッパ267と板バネ270とを、板バネ270による付勢方向とは異なる方向(詳しくは上下方向)にずらして配置し、同板バネ270の付勢力が及ぶ範囲を拡げている。これにより、少数の板バネ270による広域での位置決めを可能とし、部品点数の増加を抑えつつ、遊技盤80の位置決め機能を向上している。
板バネ270を挟んだ上下両側にストッパ267を配置することにより、板バネ270の付勢力によって1のストッパ267を支点とした回動が生じることを回避している。また、板バネ270と各ストッパ267との距離を同等とすることにより、遊技盤80に生じる回転モーメントが偏って作用することを抑制でき、位置決め時の安定性向上に貢献している。
本実施の形態においては特に、遊技盤80の上端側と下端側とに板バネ270をそれぞれは位置することで、位置決め精度の向上を図っている。これら各板バネ270を挟んだ上下両側にストッパ267をそれぞれ配し、それら1対のストッパ267及び板バネ270をグループ化し付勢力が及ぶ範囲を限定している。つまり、一方のグループにて利用されている付勢力が、他のグループに伝播することを回避している。これにより、一部のストッパ267に負荷が集中することを抑制し、位置決め精度の低下を抑えている。
遊技盤80の前面においては誘導レール100によって遊技領域PEが区画形成されている。上述の如く遊技盤80の前面側にストッパ267を配する構成では、それら誘導レール100(遊技領域PE)とストッパ267とを共存させる必要がある。そこで、誘導レール100において遊技盤80の回動基端側に凸となっている部分の上下にストッパ267を配置することで、遊技領域PEを拡張しつつ、遊技盤80の位置決め機能の安定化を図っている。
板バネ270によって遊技盤80を付勢する構成においては、同板バネ270の付勢力の強さが遊技盤80の位置決め精度を左右する要因となり得る。つまり、板バネ270の付勢力を弱めると遊技盤80の位置決め精度を高めにくくなり、同板バネ270の付勢力を強めると遊技盤80の位置決め精度を高めやすくなる。しかしながら、位置決め精度の向上を目指して板バネ270の付勢力を強めに設定すると、遊技盤80の装着作業が困難なものとなり得る。この点、板バネ270を遊技盤80の回動先端側に配置することにより、上記不都合を払拭している。具体的には、遊技盤80を装着する際には、挿入部280に遊技盤80の回動基端側の端部を挿入するが、押圧部272の頂部272aとストッパ267との距離寸法D1すなわち挿入部280の入口部分の開口寸法は、遊技盤80の厚み寸法よりも若干大きく設定されている。このため、遊技盤80の挿入操作が妨げられることはない。また、遊技盤80の回動先端部等を手で押すと、力点から支点までの距離が作用点から支点までの距離よりも大きいため、付勢力に抗した遊技盤の移動を容易化できる。これにより、位置決め精度の向上と遊技盤80の装着作業の容易化とを好適に両立している。
なお、板バネ270を遊技盤80の回動基端側に寄りに配置することにより、同板バネ270の付勢力によって遊技盤80が内枠13の正面側に飛び出しにくくなっている。これにより、遊技盤80が不意に移動して作業者の手等と干渉することを抑制している。
内枠13において少なくとも遊技盤80の回動先端側となる位置にロック装置400を配置し、このロック装置400によって遊技盤80の移動を規制する構成とした。ロック装置400を遊技盤80の回動基端側に配置する場合と比較して、同ロック装置400の操作スペースを確保しやすくし、作業のやりやすさを向上している。
ロック装置400の操作レバー440を操作することにより、遊技盤80の取り外しを不可とするロック状態に切り替えられる。この際、操作レバー440の操作に伴って、プッシャ420が遊技盤80の背面を押し、遊技盤80の前面が操作部446に当接することで、同遊技盤80の位置決めがなされる。このように、遊技盤80の装着方向の手前側基準で位置決めを行うことにより、同遊技盤80の厚み寸法のばらつきによる影響を抑え、遊技盤80の前面の位置精度を向上できる。
プッシャ420は、操作レバー440がアンロック状態からロック状態に切り替えられた場合に遊技盤80を押すように構成されている。より具体的には、操作レバー440の操作部446が遊技盤80の前面と対向する位置に移動した後、プッシャ420が遊技盤80側に突出する構成としている。このため、操作レバー440の切替に関係なくプッシャが遊技盤を押す構成と比較して、操作レバー440の切替操作が同プッシャによって妨げられるといった不都合を生じにくくすることができる。これにより、上述した位置決め精度の向上を図る構成を採用しつつ、それによって遊技盤の取り付けが困難になることを抑制できる。
ロック装置400の操作部446は、アンロック状態では遊技盤80の回動中心軸線の放射方向を向き、遊技盤80にはその状態での操作部446の通過を許容するようにして挿通部92が形成されている。操作部446をロック状態に切り替えた場合には、操作部446の根元に近い位置に遊技盤80が当たることとなる。これにより、操作レバー440の基部441等に生じる応力を低減し、上記付勢力を受けて操作レバー440が変形することを抑制できる。これにより、遊技盤80の位置精度を維持しやすくしている。
遊技盤80の取り外しに際してロック装置400をロック状態からアンロック状態に切り替える場合には、操作レバー440を回動させると操作部446が遊技盤80の前面に当接している状態にてプッシャ420が遊技盤80から離れる側に移動し、その後、操作部446が遊技盤80の前面と対向しない位置に移動する。このため、ロック装置400の切り替え操作によって遊技盤80が前方に飛び出すといった不都合を好適に抑制できる。本実施の形態に示すように、操作部446が操作手段としての機能とストッパとしての機能を併せ有している場合、仮にアンロック状態への切り替えによって遊技盤80が飛び出すと操作部446を把持している指に対して遊技盤80が衝突するといった不都合が生じ得る。この点、上述の如く、遊技盤80の付勢を事前に終了させておくことにより、そのような不都合の発生を抑え、作業のやりやすさを向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、遊技盤80等の機種毎に固有となる部品を入れ替えることで、機種変更が可能となっている。つまり、部品の一部を機種間で流用可能とすることで、リユース性の向上に貢献している。上述したロック装置400は、流用部品としての内枠13に一体化され、機種間での流用が可能となっている。これにより、ロック装置400を遊技盤80に取り付ける構成と比較して、リユース性の向上を図っている。
ロック装置400のプッシャ420はコイルバネ430によって付勢されている点に着目すれば、遊技盤80は上記板バネ270及びコイルバネ430によって同遊技盤80の回動基端側及び回動先端側の両端にて付勢されているといえる。このように、遊技盤80をその両端にて付勢するとともに、それぞれの端部にてストッパ267及び操作部446による移動規制を行うことにより、遊技盤80の広域にて位置精度を高めやすくしている。
遊技盤80を装着する際には、同遊技盤80を内枠13の仮置き部290に載せた状態で回動させることが可能となっている。つまり、遊技盤80の重量の少なくとも一部を内枠13側に預けることができるため、同遊技盤80を支えたまま回動させる必要がない。これにより、作業負担の軽減を図っている。
遊技盤80を仮置き部290に載せた状態から装着完了位置に向けて回動させると、同遊技盤80が内枠13の下側壁部263上に載り、遊技盤80の上下位置が規定される。作業者が遊技盤80を内枠13に装着する際には、始めから下側壁部263に載せるのではなく、一度仮置き部290に載せることで、遊技盤80を載せた際の衝撃が下側壁部263に加わることを抑制している。つまり、下側壁部263を保護し、遊技盤80の上下位置を規定する機能が低下することを抑制している。
下側壁部263の下側には、遊技球発射機構110が配されており、その発射レール112から射出された遊技球は、下側壁部263を横切って遊技盤80の誘導レール100(詳しくは外レール102)の入口部分104付近に着地する。発射レール112と誘導レール100の入口部分104とは、下側壁部263を挟んで上下に配されている。これにより、遊技盤80の位置ばらつきによる影響が、遊技球の着地位置に及ぶことを抑制し、着地位置のばらつきを抑えている。特に、誘導レール100は、遊技盤80によって片持ちされており、その強度確保が難しくなっている。遊技球の衝突位置が特定できない場合には、誘導レール100を無駄に補強する必要が生じ、構成が煩雑化すると想定される。これは、製造を難しくするだけでなく、遊技領域PEを圧迫する要因となり得るため好ましくない。この点、上述の如く、遊技球の着地位置を限定できれば、効果的に補強を行うことができ、上記不都合を払拭することが可能となる。
また、遊技盤80を内枠13に装着する際には、内枠13の対向板部251に形成された位置決め突起259が遊技盤80の貫通孔91に嵌ることで、同遊技盤80の左右位置が規定される。遊技盤80を装着完了位置に向けて回動させる場合には、位置決め突起259の左右両側で、遊技盤80の上下位置が規定された後、位置決め突起259が貫通孔91に嵌る。このように、上下位置のばらつきが抑えられた状態にて位置決め突起259が貫通孔91に嵌ることで、位置決め突起259が遊技盤80の背面に衝突するといった不都合を生じにくくしている。これにより、位置決め突起259の保護を図っている。
位置決め突起259が貫通孔91に嵌る前には、遊技盤80の全重量が内枠13によって支えられる範囲まで、同遊技盤80と下側壁部263との接触部位が拡張される。このように、作業者が遊技盤80を支える必要がなくなることで、作業ばらつきに起因して遊技盤80の上下位置がばらつき、上記位置決め突起259が遊技盤80の背面に衝突することを回避しやすくしている。
遊技盤80を回動させることで、装着完了位置に導く構成とすることにより、遊技盤80を前後にスライドして装着する構成と比較して、下側壁部263と遊技盤80との接触区間を長くしやすくなっている。特に、パチンコ機においてはその設置領域が限られている場合が多く、パチンコ機の厚み関して制限が生じやすい。つまり、遊技盤80を前後にスライドさせる構成を採用した場合には、そのストロークの確保が難しくなり、短いストロークの中で、上下・左右・前後の位置決めを行う必要が生じる。これは、上述の如く位置決め突起を有する構成においては、位置決めがうまくいかなかった場合のリスクがおおきくなり得る。この点、本実施の形態に示したように、遊技盤80を回動させることで装着する構成においては、パチンコ機10の厚みの増加を抑えつつ、ストロークを確保しやすくできる。これにより、上下位置の精度を十分に高めた後に左右位置を規定することが可能となっている。
上記複数のロック装置400のうち2つは、下側壁部263に沿って配置されており、それら両ロック装置400の間に位置決め突起259が配されている。遊技盤80を装着する際に、遊技盤80が左右にばらついている場合には、遊技盤80の挿通部92にロック装置400の操作部446が入らず、同遊技盤80と操作部446とが干渉することとなる。この際、位置決め突起259は遊技盤80の背面との衝突が回避される。このように、遊技盤80の左右の位置ずれを段階的に抑えることで、位置決め突起259と遊技盤80との衝突を生じにくくしている。故に、位置決め突起259の保護を図り、位置決め機能を担保しやすくなっている。
ロック装置400により遊技盤80を装着完了位置に固定する構成においては、仮にロック装置400と位置決め突起259との相対位置がばらつくと、遊技盤80を固定することで位置決め突起259に対して応力が加わった状態のまま固定され得る。これは、位置決め突起の変形等を招来する要因となり得るため好ましくない。この点、本実施の形態においては、ロック装置400と位置決め突起259とを同一の対象(内枠13の対向板部251)に配置することで両者の相対位置のずれを抑制している。これにより、遊技盤80を固定することに起因して位置決め突起259に負荷が加わることを抑制している。
本実施の形態においては、遊技盤80を内枠13の正面側から取り付ける構成を採用することにより、遊技盤80を内枠13の背面側から取り付ける構成と比較して、位置決め突起259の配置自由度を高め、特に位置精度が要求される範囲での位置精度を担保しやすくしている。具体的には、遊技盤を内枠の背面側から取り付ける構成においては、例えば遊技領域PEに対して前後に重なる位置や、遊技盤に装着されている各種遊技部品等に対して前後に重なる位置には位置決め突起を配置することが困難であるが、遊技盤80を内枠13の正面側から取り付ける構成においては、位置決め突起259の配置に上述したような制限が生じることを抑制できる。このように位置決め突起259の配置自由度を向上し、特に誘導レール100の入口部分104の近傍に位置決め突起を設けることにより、例えば遊技球発射機構110から発射された遊技球を受け入れる際の引っ掛かり等を抑えたり、同遊技球の着地位置のばらつきを抑制したりしやすくできる。これにより、遊技球が誘導レール100(詳しくは外レール102)に衝突した際の衝撃が想定以上に大きくなることを抑制し、誘導レール100や同誘導レール100の取り付け構造の強化を回避しつつ、誘導レール100の耐久性を向上できる。故に、構造の煩雑化を抑制しつつ誘導レール100の耐久性を向上することが可能となっている。
遊技球発射機構110から発射された遊技球は、内レール101及び外レール102の間を通過することで遊技領域PEに導かれる。この場合、同遊技球は遠心力により外レール102に添って移動しやすくなる。本実施の形態においては、その外レール102の背後に位置決め突起259を配置することにより、外レール102の位置精度を一層好適に向上でき、上述した遊技球の着地位置のばらつきを好適に抑制することが可能となる。これにより、外レール102の耐久性向上に一層好適に貢献できる。
特に、遊技球発射ハンドル40の操作量が第1の規定量を上回っている場合には、遊技球発射機構110から発射された遊技球が、外レール102において遊技球発射機構110の発射レール112の延長上となる特定部位SPに着地しやすくなる。位置決め突起259は、この特定部位SPの背後に位置しているため、特に位置精度が要求される部位にて位置精度を向上でき、上記耐久性の更なる向上に貢献できる。
上述した実施の形態においては、位置決め突起259とロック装置400とを対向板部251に設けた。これにより、位置決め突起259とロック装置400との相対位置のばらつきを抑制し、例えばロック装置400によって遊技盤80を固定することにより位置決め突起259に応力が加わることを抑制できる。このように、位置決め突起259を保護することで、遊技盤80の位置精度の向上を図っている。また、位置決め突起259及びロック装置400の相対位置のばらつきを抑制することで、位置決め突起259と遊技盤80の貫通孔91との掛かり代が小さくり、位置決めが正常に行われなくなるといった不都合を生じにくくすることができる。
遊技盤80を着脱する際には、同遊技盤80(詳しくは遊技領域PE)の正面側から作業が行われることとなる。つまり、遊技盤80の着脱作業時には作業者側に釘87等の遊技に関する各種構成が露出することとなる。遊技盤80にはその着脱作業に際して把持可能な把持部481,482が設けられている。このように、把持部481,482を設けることで、釘87等の各種構成が掴まれる機会を減らしている。
釘87等は遊技性を左右する構成である。このため、仮に変形等が生じると、遊技球の流下経路が変化し、遊技者やホール等に不測の不利益をもたらしかねない。特に、図柄表示装置94や各種制御装置143等が搭載され、その総重量が増していることで上記不都合が発生しやすいと想定される。この点、遊技盤80の着脱作業時に上記釘87以外に把持しやすい部分(すなわち把持部481,482)を設けることで、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
把持部481,482は、内枠13において前扉枠14を支持している側とは反対側寄りに配置されている。特に、第1把持部481に関しては、遊技領域PEに配された各種構成よりも回動先端側寄りに配置されている。このため、前扉枠14を開放し、遊技盤80へアクセスする際には、それら把持部481,482へのアクセスが遊技領域PEに配された各種構成へのアクセスと比較して容易なものとなっている。これにより、把持部481,482の使用を促進している。
更に、把持部481,482は、遊技盤80の回動先端側に寄せて配置されている。これにより、遊技盤80を回動させる際の初期負荷の低減のみならず、作業スペースの確保を容易なものとし、遊技盤80を回動させる際の作業のやりやすさ向上に貢献している。
一般的に、何かを掴む場合には、その対象への距離と、その対象へ手を運ぶ際の障害等の有無によって、選択されやすさに差が生じ得る。この点、把持部481,482においては、釘87や誘導レール100と同様に遊技盤80の前面から突出させるとともに、指の入口部分を遊技盤80の周縁よりも内側に控えることで、それら把持部481,482を把持対象として選択されやすくしている。
施錠装置500の前扉用鉤部材550,580,カム部材530,600,連動杆540等を、内枠13及び前扉枠14によって囲まれた空間内に収容することにより、それら鉤部材550等の露出を抑え同鉤部材550等に対する不正なアクセスを困難なものとすることができる。これにより、施錠が不正に解除され、遊技領域PEに対して不正なアクセスがなされることを回避できる。例えば、施錠装置の鉤部材等を内枠13の背面等に配置する構成においても、それら鉤部材を覆うカバー等を設けることにより、類似の効果を奏することができる。しかしながら、このような対応を行った場合には、カバーが取り外されることを回避するための工夫等が必要となり得る。この点、本実施の形態に示したように内枠13及び前扉枠14によって囲まれた空間内に鉤部材等を収容する構成とすれば、カバー等の追加を必ずしも必要とすることなく防犯性を向上でき、実用上好ましい構成を実現することができる。
また、施錠装置500における鉤部材550等の配置を変えて防犯性を向上させることで、例えば施錠装置の数を増やしたり施錠の手順を複雑化したりする構成と比較して、ホール管理者等によって正規の手順で扉体が開放される場合の作業性の低下を抑制でき、メンテナンスの容易性の確保と防犯性の向上とを好適に両立できる。
遊技盤80の内枠13における背面側からの取り外しが不可となっている。このため、遊技盤80を取り外して内枠13及び前扉枠14によって囲まれた空間を不正に露出させるといった行為を抑制することができる。これにより、中央開口76を通じた施錠装置500(詳しくは前扉用鉤部材550等)へのアクセスを困難なものとし、防犯性の向上に貢献できる。
また、前扉枠14を内枠13に対して閉じた状態で施錠することにより遊技盤80の取り外しを不可とすることができる。これにより、遊技領域PEに対する不正なアクセスを困難なものとし、防犯性の向上に貢献できる。故に、例えば遊技機主部12が輸送されている際に遊技領域PEに対してアクセスし、釘87等を変形させることで一般入賞口81等への入賞確率が変更されるといった不正行為を好適に抑制することができる。
このように防犯性を向上した場合であっても、遊技領域PEへのアクセスや遊技盤80の着脱は、前扉枠14を開放することによって許容されるため、メンテナンス時等の作業性が低下することを抑制できる。
仮に中央開口76を通じて不正具が挿入された場合であっても、対向板部251や周壁部261によって同不正具の移動を制限し、施錠装置500(例えば前扉用鉤部材550)への到達を困難なものとすることができる。具体的には、遊技盤80と周壁部261との隙間を通過する不正具を遊技領域PE及び施錠装置500の両者から離れる側、すなわち前扉枠14のガラス22側に誘導することができる。これにより、更なる防犯性の向上に貢献できる。
遊技盤80が配置されている領域と施錠装置500が配置されている領域を区画することで、仮に中央開口76を通じて不正具が挿入された場合であっても、同不正具が施錠装置500に達することを抑制できる。
遊技盤80を内枠13に対して固定しているロック装置400(詳しくは操作レバー440)を前扉枠14と内枠13とによって囲まれた空間内に配置しているため、前扉枠14が内枠13に対して閉じ他状態で施錠されている場合には、同前扉枠14を開放することなくロック装置400にアクセスすることが困難になる。これにより、遊技盤80の固定が不正に解除され、施錠装置500や遊技領域PE等へのアクセス経路が確保されやすくなるといった不都合を好適に抑制できる。
遊技盤80を内枠13の前面側から取り付ける構成を採用した場合、遊技盤80が仮に前扉枠14側に押されると、遊技盤80と内枠13(中央開口76)との隙間が拡張されやすくなると想定される。この点、本実施の形態によれば、ロック装置400を遊技盤80における施錠装置500側の端部寄りに配置することにより、上述したような不都合を好適に回避できる。つまり、ロック装置400を施錠装置500側の端部寄りに配置することにより、同施錠装置500に近い側での遊技盤80と内枠13との隙間の拡がりを抑えることができる。これにより、上記隙間を通じて挿入された不正具により、施錠装置500に対して不正なアクセスがなされることを好適に抑制できる。特に、ロック装置400を遊技盤80における施錠装置500側の端部に沿って複数配置することで、上記防犯効果の更なる向上が図られている。
仮に中央開口76を通じて不正具等が挿入された場合であっても、その挿入軌道上にロック装置400の操作レバー440が位置しないため、同不正具による固定解除操作を困難なものとすることができる。これにより、遊技盤80の固定が不正に解除され、同遊技盤80と内枠13との隙間を拡げることで、同隙間を通じた施錠装置500や遊技領域PEへの不正なアクセスが容易化されることを好適に抑制できる。
また、上述したロック装置400の操作レバー440は遊技盤80の前面に沿って回動し、その回動方向が周壁部261の起立方向と相違している。このため、仮に遊技盤80及び内枠13の境界部位を介して不正具等が挿入された場合であっても、同不正具による操作レバー440の不正操作を抑制できる。つまり、操作レバー440を遊技盤80の端面や周壁部261に沿って挿入した不正具によってロック位置からアンロック位置に移動させようとしても、不正具を押し引きする方向と操作レバー440の操作方向とが異なるため、そのような行為を困難なものとすることができる。
本実施の形態においては、遊技領域PEが誘導レール100及び遊技領域区画部材480によって区画されており、それら両者とガラス22との隙間が遊技球の直径以下となるように構成されている。これら誘導レール100及び遊技領域区画部材480は、遊技領域PEに対するアクセスを妨げる障害物として機能するだけでなく、不正を行うための作業スペースの確保を困難なものとする隙埋め部材として機能する。また、仮に作業スペースを拡大すべく、遊技盤80が内枠13の背面側に引っ張られた場合には、内枠13(詳しくは対向板部251)と遊技盤80との隙間が減縮され不正具の移動が制限されやすくなる。以上の理由から、遊技盤80に対する不正を行いづらくし、防犯機能の向上に貢献している。
パチンコ機10を搬送している際、すなわち遊技ホールの島設備等に設置する以前は、内枠13の開口部320を通じた施錠装置500におけるカム部材530の取り外しが許容されている。このカム部材530を取り外すことにより、連動杆540の移動が許容され、前扉用鉤部材550,580を解錠状態に切り替えることで、前扉枠14を開放することができる。このように、手間はかかるものの、操作キーを使用することなく解錠操作を可能とすることで、緊急時の前扉枠14の開放が可能となっている。一方、内枠13(遊技機主部12)を外枠11に対して閉じた状態では、開口部320を通じたカム部材530の取り外し軌道上に外枠11の右枠部380が位置する。これにより、同開口部320を通じたカム部材530の取り外しが困難又は不可となり、カム部材530が取り外されて各前扉用鉤部材550,580が施錠解除状態に切り替えられることを抑制できる。故に、搬送時等の前扉枠14の緊急開放を可能としつつ、内枠13(遊技機主部12)を設置した状態での前扉枠14の不正開放行為を困難なものとすることができる。すなわち、利便性を向上しつつ、防犯性の低下を抑えることができる。
開口部320使用時の利便性向上を考慮すると、同開口部340はある程度大きく形成することが好ましい。しかしながら、単に開口部340を大きくしただけでは、同開口部340を通じて不正具が挿入されるといった不都合が生じやすくなる。この点、上記実施の形態によれば、遊技機主部12を外枠11に対して閉じた状態にて開口部320と外枠11の右枠部380とを対向させることにより、開口部320へのアクセス経路を減縮している。これにより、開口部320を通じたカム部材530や鉤部材550等への不正なアクセスを抑制し、防犯機能の低下を抑えつつ、利便性の向上に貢献している。
仮に1の壁面部に開口部を形成した場合を想定すると、開口部と外枠11とが向き合っている方向に内枠13(遊技機主部12)が押される等して、開口部と外枠11との隙間が拡がった場合、同開口部における防犯機能が一気に低下すると考えられる。この点、本実施の形態によれば、開口部320を異なる方向を向いた壁面部311b,312a,312bに跨るように形成することで、位置ばらつきの影響による防犯機能の低下を抑えやすくしている。具体的には、内枠13が左右に押される等して、内枠13における壁面部311bの第1開口部位と外枠11の壁面部385aとの間隔が拡がっても、壁面部312aの第2開口部位と外枠11の壁面部385b,386bとの間隔の拡がりは回避される。また、内枠13が前後に押し引きされる等して、壁面部312aの第2開口部位と外枠11の壁面部385b,386bとの間隔が拡がった場合であっても、内枠13における壁面部311bの第1開口部位と外枠11の壁面部385aとの間隔の拡がりは回避される。これにより、内枠13と外枠11との相対位置ばらつき等に起因して、防犯機能が一気に低下することを抑制でき、実用上好ましい構成を実現できる。
また、開口部320を構成する各開口部位は、1の開口部位を通じてのカム部材530の取り外しが不可となるように構成されている。このため、上述の如く内枠13と外枠11との相対位置をずらして、カム部材530の取り外しを容易化するといった不正行為を好適に抑制できる。また、防犯性を担保しつつ、開口部320を拡げることによるカム部材530の緊急取外作業の容易化に貢献できる。
施錠装置500は、内枠13の回動先端側となる位置に配置されており、施錠状態におけるそれら内枠13の浮き上がりを抑制しやすくしている。この場合、内枠13と外枠11との境界部位BPの近傍に施錠装置500が位置するため、同境界部位BPを介して不正具が挿入され同施錠装置500に対して不正なアクセスがなされることが懸念される。この点、本実施の形態においては、内枠用鉤部材620が内枠13に形成されたスリット512から外枠11の鉤受け部材350側に突出する構成としたことで、同内枠用鉤部材620の露出を抑え、上記不正具に狙われやすい箇所を減縮している。これにより、防犯性の向上が図られている。
なお、仮に同スリット303を通じて遊技機主部12内に不正具が挿入された場合であっても、施錠装置収容部77の開放部位が施錠装置500の第1基枠510によって覆われていることで、遊技領域PE等への到達を困難なものとすることができる。
また、本実施の形態においては、前扉枠14を閉じた状態で施錠する前扉用鉤部材550Uと内枠13を閉じた状態で施錠する内枠用鉤部材620Uとを1のコイルバネ560によってふせいすることで、それぞれ施錠状態に維持する構成とした。これにより、施錠に関する構成の簡略化を実現している。
このように、コイルバネを共用する構成とした場合、仮に各鉤部材550U,620Uの動作時に同鉤部材550U,620Uとコイルバネ560とが干渉すると(例えば引っ掛かると)施錠状態への切替が妨げられたり、付勢機能が低下したりすると想定される。例えば同一平板上にそれら両鉤部材550U,620Uを配置することも可能である。しかしながら、このような構成を採用した場合には、前扉用鉤部材の取付部(突起)が内枠用鉤部材とは反対側に設けられているため、両鉤部材を繋ぐコイルバネが前扉用鉤部材に近づきやすくなると想定される。これは、上述したコイルバネと前扉用鉤部材との干渉を発生させる要因となり得る。この点、本実施の形態によれば、第1基枠510の基枠固定部511に前扉用鉤部材550Uを取り付けるとともに、同第1基枠510の部材取付部515に内枠用鉤部材620を取り付け、前扉用鉤部材550Uの取付部(突起622)を部材取付部515が起立している側と同一側に突出させることで、コイルバネ560と前扉用鉤部材550Uとの間に隙間を設定することが容易となっている。故に、上述した干渉の発生を抑え、動作不良等の不都合を好適に回避することができる。
また、基枠固定部511及び部材取付部515に前扉用鉤部材550U及び内枠用鉤部材620Uを分けて配することで、各鉤部材550U,620Uの動作領域を確保しつつ、それら鉤部材550U,620Uを一層近づけることが可能となる。これにより、前扉枠14や内枠13の浮き上がり抑制機能を向上させることができる。
施錠装置500は、内枠13に取り付けられているため、前扉枠14のみを開放させたり、内枠13のみを開放させたりすることが容易となり、メンテナンス等を行う際の作業の容易化に貢献できる。
また、前扉用鉤部材550U及び内枠用鉤部材620Uの第1基枠510における長手方向でのずれを減らし、それら両鉤部材550U,620Uを好適に近づけて配置することが可能となる。このように、両鉤部材550U,620Uを近づけて配置可能な構成において、上述の如くコイルバネ560の取付位置を工夫すれば、同コイルバネ560の動作ストロークを好適に確保でき、コイルバネ560の設置領域確保のために両鉤部材550U,620Uを近づけにくくなるといった不都合を好適に抑制できる。
1のコイルバネによって2つの鉤部材を繋ぐ構成を採用した場合、付勢力の作用する方向と各鉤部材の動作方向とが異なると、各鉤部材が動作する際に回転モーメントが発生しやすくなると想定される。この回転モーメントは、鉤部材の円滑な動作を妨げる要因となり得るため、できるだけ小さくすることが好ましい。しかしながら、例えば各鉤部材をスライド式とした場合には、両鉤部材の動作軌道を揃える等する必要が生じ、鉤部材のレイアウトに制約が生じやすくなる。これは、両鉤部材を第1基枠510の端部に近づけて配置することを困難にし、浮き上がり抑制機能の向上に反することとなるため好ましくない。この点、本実施の形態に示すように、両鉤部材の一方を回動式とすれば、上記回転モーメントによる影響を抑えやすくでき、上述したレイアウト上の制約を低減できる。これにより、構成の簡略化と浮き上がり抑制機能の向上とを好適に両立できる。
上下にずらして配置された前扉用鉤部材550U及び内枠用鉤部材620Uをコイルバネ560によって繋ぐ場合、鉤受け部材63,350に対する各鉤部材550U,620Uの引っ掛かり態様によっては、施錠状態への切り替えが円滑に行われなくなる可能性が生じる。具体的に説明すれば、前扉枠14や内枠13が回動可能に支持されている構成においては、それら前扉枠14や内枠13が自重等によって下方に傾きやすくなると想定される。このような傾きに基づく位置ずれの度合いは、回動先端側にて大きくなる。仮に、各鉤部材が鉤受け部材に対して上方から引っ掛かる構成を採用した場合には、上記位置ずれによって鉤部材の位置が下がることで前扉枠14や内枠13を閉じる際に鉤部材と鉤受け部材とが強干渉し得る。これは、鉤部材に過度な負荷を生じさせ、同鉤部材の施錠機能を損なう要因となり得るため好ましくない。特に、上述の如く各鉤部材をコイルバネによって繋いだ場合、それら両鉤部材の付勢方向が逆向きになるため、一方の鉤部材においては鉤受け部材に対して上側から引っ掛かりやすくなると懸念される。
この点、本実施の形態においては、内枠用鉤部材620Uを回動式、前扉用鉤部材550Uをスライド式とすることで、前扉用鉤部材550Uにおける鉤部555の付勢方向をそのままに、内枠用鉤部材620Uの鉤部625の付勢方向を逆転させている。つまり、内枠用鉤部材620Uにおいては、コイルバネ560が取り付けられている突起622を、回動中心軸線に対して鉤部625とは反対側に配することで、同鉤部625の付勢方向を逆転させている。そして、各鉤部材550U,620Uの鉤部555,625が各鉤受け部材63,350に対して下側から引っ掛かる構成とすることで、上記位置ばらつきが生じた場合であっても、各鉤部材550U,620Uと各鉤受け部材63,350とが強干渉することを抑制し、施錠に関する構成の保護に貢献している。
内枠13には、内枠用鉤部材620の鉤部625が施錠位置から施錠解除位置に移動する場合に通過する領域(以下便宜上通過領域と称する)に対して同内枠13の対向壁部305が回動先端側から重なる構成とした。これにより、仮に内枠13と外枠11との境界部位BPからワイヤ等の不正具が挿入された場合であっても、その不正具による鉤部625へのアクセスを困難なものとし、同不正具によって鉤部625が施錠解除位置に移動され、施錠が不正に解除されるといった不都合を生じにくくすることができる。すなわち、防犯性の向上に貢献することができる。
また、内枠用鉤部材620の配設対象と同一の対象(すなわち内枠13)に対向壁部305を形成したことで、仮に内枠13が閉位置にて位置ずれ等した場合であっても、対向壁部305と鉤部625との位置関係の変化を好適に抑制できる。つまり、内枠13の外枠11に対する位置ずれ等に起因した防犯性の低下を抑えることができる。例えば、不正行為者が内枠13を押す等して同内枠13の位置を故意にずらし、そのずらした状態にて鉤部625へのアクセスを試みた場合であっても、そのような予備的作業によって鉤部625の移動が容易になることを抑制できる。
内枠13を外枠11に対して閉じた状態では対向壁部305の先端部分が外枠11の鉤受け部材350内に収容される。これにより、仮に上記境界部位BPから不正具が挿入された場合であっても、同不正具を操作して対向壁部305を迂回させることが困難なものとなっている。
対向壁部305と鉤受け部351の開口353との隙間において鉤部625が施錠解除位置へ移動する場合の移動方向先側における隙間は、鉤部625と鉤受け部351との掛かり代よりも小さく設定した。このため、内枠13が施錠解除位置側に位置ずれした場合であっても、対向壁部305と鉤部625の上記通過領域との重なりを好適に担保することができる。
内枠13のスリット303を通じて鉤部625を露出させる構成とすれば、施錠装置500全体における露出部分を減縮することができる。これにより、鉤部625を移動させる構成等が不正なアクセスの対象となることを抑制できる。しかしながら、鉤部625を移動可能とするには、スリット303がその移動を許容する程度の大きさを有する必要が生じ、スリット303の小型化には限度がある。つまり、スリット303を通じた不正行為を抑制するには、スリット303のサイズ変更だけで対応するのは困難であると想定される。この点、本実施の形態においては、対向壁部305をスリット303の開口縁に沿って形成することにより、仮に内枠13と外枠11との境界部位BPを通じて不正具が挿入された場合であっても、同対向壁部305により同不正具のスリット303内への侵入を妨げることができる。これにより、スリット303を通じた不正行為を好適に抑制できる。
施錠装置500と対向壁部305とを個別に設けた場合、両者の製造ばらつきや組付ばらつき等の累積によって、内枠用鉤部材620の鉤部625と対向壁部305との位置関係がばらつきやすくなると想定される。このようなばらつきは、対向壁部305による防犯機能を低下させる要因となり得るため好ましくない。この点、本実施の形態においては、上記対向壁部305と施錠装置500を内枠13に対して取り付けるボス302とを内枠13に対して一体成形したことにより上記ばらつきを抑え、実用上好ましい構成を実現できる。
また、対向壁部305を内枠13に対して一体成形することで、同対向壁部305と内枠13とを別体で設ける場合と比較して、更なる防犯性の向上が期待できる。つまり、対向壁部と内枠13との隙間を通じて対向壁部が迂回されるといった不都合を払拭し、対向壁部の防犯機能を好適に発揮させることができる。
前扉枠14が開放された場合に、遊技球発射ハンドル40を内枠13に残す構成とすることで、遊技球発射ハンドル40と電源・発射制御装置243とを繋ぐ配線の取り回しの容易化が実現されている。
前扉枠14を開放する際にはハンドルベース41が内枠13側に残留する構成となっている。このようにハンドルベース41が残留する構成においては、同ハンドルベース41周辺での前扉枠14の浮き上がりが発生しやすくなると懸念される。例えば、前扉枠14におけるハンドルベース41周辺を引っ張る等して、内枠13と前扉枠14との隙間(境界部位)が拡張され、その隙間を介してワイヤ等の不正具が挿入されることで、遊技領域PE等へのアクセスが容易になると懸念される。
そこで、内枠13においてハンドルベース41が設けられている側に前扉用第1鉤部材550を配置し、更にはハンドルベース41と内枠13の回動中心軸線CLとの間に前扉用第2鉤部材580を配置することで、内枠13からの前扉枠14の浮き上がりを抑制している。これにより、ハンドルベース41周辺での防犯機能の低下を抑えることが可能となっている。
前扉枠14を回動可能に支持する構成においては、回動基端側に比べて回動先端側での浮き上がりが顕著になりやすい。そこで、前扉用第2鉤部材580をハンドルベース41寄りに配置することで、上述した前扉枠14の浮き上がりを好適に抑制している。
前扉用第2鉤部材580及びハンドルベース41を内枠13の下端に沿って並設することにより、上記境界部位の拡がりを好適に抑えている。更に、前扉用第2鉤部材580が内枠13の下端に沿って動作する構成とすることで、同前扉用第2鉤部材580の動作スペースを確保しつつ上記境界部位に対して当該前扉用第2鉤部材580を近づけることができる。これにより、前扉枠14の浮き上がりを好適に抑制し、防犯機能の向上に貢献できる。
前扉用第2鉤部材580の施錠位置が施錠解除位置よりもハンドルベース41寄りとなる構成とした。これにより、施錠解除位置が施錠位置よりもハンドルベース41側となるように構成した場合と比較して、ハンドルベース41に対してより近い位置にて前扉枠14の浮き上がりを抑えることが可能となる。故に、上述した両領域の境界部位を介して行われる不正行為を一層困難なものとすることができる。
前扉枠14を内枠13に対して閉じる際には、膨出部66及び第2基枠570によって前扉枠14の上下位置が規定されている状態にて、前扉用第2鉤部材580が施錠解除状態から施錠状態に切り替えられる。このため、前扉枠14の傾き等による影響を受けにくくし前扉用第2鉤部材580の切り替えが妨げられることを抑制できる。特に、前扉枠14は上皿33,下皿34,ガラス22,ランプ部23〜25,スピーカ部26等を有していることでその重量がかさみやすくなっており、回動中心軸線を基端とした傾きが発生しやすいが、このような重量による影響を受けにくくすることで、前扉用第2鉤部材580を回動先端寄りに配置しやすくしている。これにより、前扉用第2鉤部材580の施錠機能を好適なものとすることができる。
ハンドルベース41は、前扉枠14とは異なり、都度の開放を考慮する必要がないため、内枠13に対して強固に固定することができる。故に、ハンドルベース41と内枠13との境界部位を通じて不正具が挿入されることを抑制しやすくなっている。このように、防犯性に優れた部材の背後にカム部材530やシリンダ錠520を固定するネジ527等が配置されていることで、同カム部材530等に対する不正なアクセスを抑制し、防犯性の向上に貢献している。
ハンドルベース41を内枠13において前扉枠14の回動先端側に配置することにより、前扉枠14とハンドルベース41との合わせを好適なものとしている。つまり、前扉枠14が回動する際に、ハンドルベース41の正面側を通過することはなく、ハンドルベース41と前扉枠14との境界部位は、ハンドルベース41における前扉枠14の回動先端側及び下側の端部を除いた部分に限定されている。これにより、ハンドルベース41と内枠13との境界部位がハンドルベース41の周縁全域に広がることを抑え、同境界部位を通じて不正具を挿入するといった不正行為を行いにくくしている。
前扉枠14は、前扉用第2鉤部材580によってハンドルベース41と前扉枠14の回動中心軸線との間にてその浮き上がりが抑えられている。これにより、前扉枠14と内枠13の下側枠部13bとの隙間が拡がりやすくなることを抑制している。
前扉用第2鉤部材580は、シリンダ錠520における解錠操作に基づいて、施錠解除状態に切り替えられる。つまり、前扉用第1鉤部材550の切り替えに連動する構成となっている。これにより、閉じ切り機能を向上しつつ、施錠解除操作の煩雑化を抑え、実用上好ましい構成を実現している。
また、本実施の形態においては、払出機構部702のタンクレール750に球止め部材770を設けるとともに、上下通路ユニット723に切替部材852を設けた、タンクレールユニット722のメンテナンスを行う場合には、球止め部材770によって同タンクレールユニット722への遊技球の流入を阻止し、その後切替部材852を排出誘導状態に切り替えることによりタンクレールユニット722に貯留されている遊技球を排出することで、待機中の遊技球によってメンテナンス作業が妨げられることを抑制できる。すなわち、メンテナンス作業の容易化に貢献できる。また、メンテナンス等を終えた後は、球止め部材770を許容状態に切り替えるとともに、切替部材852を払出誘導状態に切り替えることで、払出装置724へ向けての遊技球の流下が許容される。
しかしながら、球止め部材770を有する構成においては、同球止め部材770の阻止状態への切り替えに起因して、タンクレール750の出口部分よりも上流側の遊技球(例えば遊技球の塊り)が互いに噛み込んだような状態となり、同タンクレール750内にて遊技球の詰まりが生じる可能性がある。仮にこのような球詰りが発生すると、球止め部材770が許容状態へ切り替えられた後も、タンクレール750内にて遊技球の流れが滞ったままとなり、遊技球が上下通路ユニット723側へ流下しないといった不都合が生じ得る。このような不都合は、パチンコ機10(例えば裏パックユニット15)を揺すったり、球詰りが生じている部分を指等で押したりすることで解消できるが、同不都合の解消にこのような予備的作業が必要となることは好ましくない。
この点、上記実施の形態によれば、球止め部材770を許容状態に切り替えた場合に、同球止め部材770の上流側対向部772がタンクレール750に滞留している遊技球に対して近づく側に移動し、当該上流側対向部772によって遊技球を押すことが可能となる。このように上流側対向部772によって遊技球を押すことで、上述した球詰りの解消に貢献できる。つまり、上記予備的作業への依存を抑え、切替作業の円滑化を図ることができる。
また、許容状態への切り替えがなされた場合に上流側対向部772によってタンクレール750の通路領域を狭める構成とすることで、上記球詰り解消機能を好適に発揮させることができる。具体的には、上述した遊技球が噛み込んだような状態を遊技球の塊りのうちどの箇所を押すことで好適に解消できるかは、その時々によって相違すると想定され、同箇所を完全に予測することは困難である。そこで、本特徴に示すように上流側対向部772が底板部751と対抗する板状をなし、通路領域を狭める構成とすれば、押すべき箇所のばらつきを好適に許容することができる。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
また、許容状態への切り替えに基づいて上流側対向部772を底板部751から遠ざかる側に移動させることにより部分的に通路高さを変化させ、遊技球群の盛り上がりが発生しやすい箇所を作り出すことが可能となっている。故に、遊技球群の盛り上がりを崩すのに効果的な箇所にて遊技球を押すことが可能となり、上記球詰り解消機能を好適に発揮させることができる。
遊技球を球止め部材770の爪部777によりタンクレール750の出口部分にて堰き止める場合、同爪部777が通路領域へ突出することによって当該爪部777により遊技球が上流側に押され得る。仮にこのように遊技球の押し戻しが発生する場合には、上流側に連なる遊技球の球圧に逆らって出口部分に位置する遊技球を上流側移動させる必要が生じ得る。これは切替作業を困難にする要因となり得る。この点、上記実施の形態における球止め部材770においては、阻止状態への切り替えに基づいて上流側対向部772が底板部751から遠ざかる側に移動することで、遊技球の逃げ場を作ることができる。すなわち、上記逃げ場への遊技球の移動を許容することにより、阻止状態への切り替えに伴って遊技球が上流側に押された場合に発生する抵抗の軽減に貢献できる。故に、阻止状態への切替操作の円滑化に貢献できる。
また、球止め部材770を回動式とすることにより、以下の効果を享受できる。すなわち、ベース部771を上流側対向部772と爪部777との間にて回動可能に支持することにより、構成の複雑化を抑えつつ、すなわち複雑なリンク構造の採用を回避しつつ、それら両者を連動させることができる。つまり、球止め部材770をシーソーのように動かすことで、上流側対向部772及び爪部777に対して底板部751に対して逆の動きを与えることが可能となる。これにより、簡素な構成により、球止め部材770に対して球詰り解消機能と球止め機能を付与することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
上流側対向部772が遊技球によって押された場合、同上流側対向部772に加わる球圧が爪部777を底板部751側に近づけるように作用することとなる。これにより、爪部777の底板部751からの離れを抑え、阻止状態の維持に貢献できる。また、上流側からの球圧が大きくなった場合には、遊技球の流下経路のばらつきも大きくなり得るが、このように球圧が大きくなれば、その分、爪部777を押し下げる力も強まる。故に、球圧の増加によりタンクレール750の出口部分に位置する遊技球が爪部777をすり抜けて脱落するといった不都合、すなわち阻止状態が解除されるといった不都合を生じにくくすることができる。
特に、下流側対向部773と底板部751との隙間は、遊技球の通過が許容されるとともに、それら下流側対向部773と底板部751との間での遊技球の積み上がりが制限されるように設定され、上流側対向部772と底板部751との隙間は、下流側対向部773と底板部751との隙間よりも大きくなるようにタンクレール750の上流側に向けて拡大されている。このため、上流側対向部772に加わる球圧を、下流側対向部773に加わる球圧よりも大きくすることが容易となり、上記維持機能を好適なものとすることができる。
また、ベース部771の回動中心軸線から上流側対向部772の上端までの距離寸法は、同回動中心軸線から爪部777までの距離寸法よりも大きく設定されているため、上流側対向部772に加わる球圧を、下流側対向部773に加わる球圧よりも大きくすることが容易となり、上記維持機能を好適なものとすることができる。
上流側対向部772の下面は、タンクレール750の上流側に向けて凸となる曲面状をなしているため、許容状態への切替操作に基づいて、遊技球をタンクレール750の上流側に押し戻すことが容易となる。故に、爪部777に加わる球圧(遊技球列の球圧)を弱めつつ、許容状態への切り替えを行うことができる。特に、上流側に連なる遊技球からの球圧により、出口部分に待機していた遊技球が下流側に押され、勢いよく流れることを抑制できる。これにより、流下し始めた遊技球が上下通路ユニット723の払出装置724等に衝突した際の衝撃力を小さくし、同払出装置724の保護に貢献できる。
球止め部材770の回動中心軸線からベース部771の上端までの距離を同回動中心軸線から爪部777までの距離よりも大きく設定することで、上流側対向部772の移動ストロークを大きくすることができ、同上流側対向部772によって遊技球を押す際の操作性向上に貢献することができる。更には、ベース部771の上端を押し引きすることにより、爪部777を通路領域内(例えば遊技球列)に対して割り込ませる際の抵抗の軽減を期待することができる。
球止め部材770が阻止状態に切り替えられている場合に、タンクレール750に待機している遊技球によって上流側対向部772が押されると、その球圧を阻止状態の維持に好適に活用することができる。故に、上流側対向部772に当接している遊技球を介して伝わる球圧が増大した場合に、タンクレール750の出口部分に待機している遊技球が爪部777を押しのけて下流側へ移動するといった不都合、すなわち遊技球の零れを好適に抑制することができる。
払出装置724から払い出された遊技球は誘導通路部を通じて上皿33及び下皿34へ誘導される。上皿33に空きスペースがあり、同上皿33への遊技球の流入が許容されている状態では、払出装置724から払い出された遊技球が、上皿用の誘導通路部を通じて同上皿33へ誘導され、当該上皿33にそれら遊技球が溜まる。上皿33が満杯になり、遊技球の流入が不可となると、余剰となった遊技球が上皿用の誘導通路部内にて積み上がり、それら積み上がった遊技球が下皿用の誘導通路部との分岐に達すると、後続する遊技球が仕切壁部825の開口部818を通じて、下皿用の誘導通路部に流入することとなる。そして下皿34が満杯となり、同下皿34への遊技球の流入が不可となると、余剰となった遊技球が下皿用の誘導通路部にて積み上がる。積み上がった遊技球が流下領域REと拡張領域EEとが並んでいる位置に達すると、後続する遊技球が同拡張領域EEに流入し、当該拡張領域EEに流入した遊技球が検知機構880によって検知される。この検知機構880による検知情報に基づいて、下皿34が満杯になっていることを特定することが可能となる。
誘導通路部に流下領域RE及び拡張領域EEを設け、後者に流入した遊技球を検知する構成としたことで、遊技球が流下領域REを流下している状態にて検知機構880によって遊技球が検知されることを抑制し、例えば下皿34が満杯になっていないにも関わらず、あたかも満杯になっているかのように主制御装置162にて誤認(誤検知)が生じることを抑制できる。
例えば流入領域と拡張領域とを壁等で仕切り、同拡張領域の入口部分及び出口部分のみを流下領域と連通させることにより上記効果を享受することも可能である。すなわち、拡張領域を流下領域とは別に設けられた迂回用通路とすることも可能である。しかしながら、パチンコ機10がホールの島設備等の限られたスペースに設置されることを想定すれば、流下領域と拡張領域とを個別に設けることは好ましくない。具体的には、流下領域と拡張領域とを分けて設けることで、少なくとも両領域にて遊技球が移動可能となる通路幅を確保する必要が生じるため、誘導通路部のレイアウトに対して制約が生じやすくなると懸念される。
特に近年では、誘導通路部を蛇行させる等して、同誘導通路部内での球荷重の分散や、遊技球の減勢等を図っている遊技機が多いが、上述の如くレイアウトに対する制約が強まるとそれら各種工夫を施しにくくなり得る。この点、上記実施の形態に示したように通路方向とは交差する方向、すなわち通路の外側に向けて通路壁を凹ませて誘導通路部を部分的に拡張することで拡張領域EEを形成することにより、誘導通路部の専有スペースの拡がりを抑えつつ、上記効果を享受することができる。
例えば誘導通路部において1の方向に延びている部分の途中位置に流入領域(拡張領域)を配する構成とした場合、遊技球が流下領域内を流下している状態にてそれら遊技球の流入領域への移動を抑えつつ、遊技球が流下領域内に滞留している状態にて一部の遊技球を流入領域へ移動させることは難しいと想定される。つまり、単に通路の一部を拡張しただけでは、それら2つの機能を同時に満足させることは難しく、依然として改良の余地が存在すると考えられる。上記実施の形態においては、誘導通路部の途中位置に曲がり部819を設けることにより、遊技球の案内方向を変化させている。これにより、誘導通路部(流下領域RE)内に遊技球が溜まっている場合に曲がり部819に位置する遊技球を通路方向とは異なる方向付勢することが可能となる。そして、この曲がり部819とそれよりも上流側の通路部分とに跨るようにして拡張領域EEを配することにより、遊技球が流下領域RE内を流下している状態での流入を抑えつつ、遊技球が滞留した状態での拡張領域EEへの流入を促すことができる。
誘導通路部内にて遊技球が滞留している場合、それら遊技球が自重や自身よりも上流側に位置する遊技球の荷重によって曲がり部819の凸となっている側に付勢されやすくなる。つまり、上記付勢力によって同遊技球列が曲がり部819の凸となっている側に押しやられると想定される。ここで、本特徴に示すように、拡張領域EEを誘導通路部の壁面部において凸となっている側に配することで、上記付勢力を利用して、それら遊技球を流入領域に導くことが可能となる。
曲がり部819よりも上流側となる通路部を下流側となる通路部よりも鉛直に近づけることで、流下領域REに遊技球が滞留している状態での拡張領域EEへの遊技球の流入に際し、曲がり部819よりも上流側に位置する遊技球列の球圧を好適に利用することが可能となる。これにより、流下領域REに遊技球が滞留している状態での拡張領域EEへ遊技球の誘導されやすくなり、球検知の正確さ向上に貢献できる。
曲がり部819に対して下流側から連なる裏パック側払出通路部719へ至った遊技球は同裏パック側払出通路部719に沿って下皿34に移動することとなる。裏パック側払出通路部719に到達した遊技球は、自重によって裏パック側払出通路部719の下流側、すなわち第2払出通路部815から離れる側に移動する。このため、裏パック側払出通路部719に到達した遊技球は、同裏パック側払出通路部719の上流側へ移動しにくい。つまり、同裏パック側払出通路部719の上流側への延長上に拡張領域EEが位置することで、流下領域REを遊技球が流下している場合にそれら遊技球が勢いに任せて拡張領域EEへ入ることを抑制できる。これにより、例えば誘導通路部内での遊技球の移動速度を過度に抑制する必要がなくなり、下皿34への案内の迅速化に貢献できる。
また、流下領域REに遊技球が溜まると、裏パック側払出通路部719に沿って遊技球が積み上がることとなる。遊技球が積み上がって行く先に拡張領域EEが形成されていることで、遊技球を同拡張領域EEへと誘導することが可能となる。
内枠13に対して前扉枠14を閉じている場合には、内枠側払出通路部901,902と前扉側通路部51,52とが連通することにより、各皿33,34への遊技球の供給経路が確保される。一方、内枠13に対して前扉枠14を開いている場合には、内枠側払出通路部901,902と前扉側通路部51,52との連通が解除され、それら両通路を通じた遊技球の供給が不可となる。この場合、シャッタ機構910によって内枠側払出通路部901,902の出口部分からの遊技球の流出が阻止されることとなる。
また、各内枠側払出通路部901,902は、前扉枠14の回動中心軸線CLからそれら各内枠側払出通路部901,902の出口部分までの距離が相違するように配置されている。このため、各々の内枠側払出通路部901,902において、前扉側通路部51,52との連通が解除され内枠側払出通路部901,902から前扉側通路部51,52への遊技球の受け渡しが不可となるタイミングが相違すると想定される。上記実施の形態によれば、各出口部分における上記タイミングのずれに合わせてシャッタ機構910による流出阻止のタイミングをずらすことが可能である。具体的には、個別に動作する第1シャッタ機構920及び第2シャッタ機構930を有する構成とし、各出口部分における阻止タイミングを個別に設定している。これにより、それら出口部分からの遊技球の零れを好適に抑制できる。故に、遊技球の供給を許容する状態から阻止する状態への切り替えを円滑なものとすることができる。
第1シャッタ機構920の第1シャッタ部材921は、コイルバネ928及び操作突起51bによって動作し、第2シャッタ機構930の第2シャッタ部材931はコイルバネ938及び操作突起52bによって動作する。このように各シャッタ機構920,930の動作系統を分けることにより、阻止状態への切替時のそれら各シャッタ機構920,930の動作を簡略化することができる。
前扉枠14が閉じている状態にて各内枠側払出通路部901,902から流出した遊技球は、自重により前扉側通路部51,52の入口部分へ流入する。前扉枠14が開放されると、内枠側払出通路部901,902の出口部分と前扉側通路部51,52の入口部分とが前後に離れ、これに伴って各シャッタ部材921,931が突出する。つまり、内枠側払出通路部901,902の出口部分に対して前扉側通路部51,52の入口部分が対向している状態から同出口部分に対してシャッタ部材921,931が対向している状態に切り替わる。このように、入口部分に変わってシャッタ部材921,931が対向する構成を採用することにより、前扉枠14の開放動作に対するシャッタ部材921,931の動作遅れを抑制し、出口部分からの遊技球の零れを好適に抑制できる。
特に、出口部分と入口部分及びシャッタ部材921,931とを上下に配置し(すなわち前扉枠14の回動中心軸線が延びている方向にずらして配置し)、それらシャッタ部材921,931、操作突起51b,52b、入口部分を回動中心軸線からの距離が同等となるように並べることで、阻止状態への切替時の応答性を向上することができる。
また、前扉枠14が移動する側と同じ側にシャッタ部材921,931が移動する構成とすることで、シャッタ部材921,931の動作に関する構成を簡素化することができ、更には各シャッタ部材921,931の動作スペースの上下・左右への拡がりを抑えることができる。これにより、内枠側払出通路部901,902と前扉側通路部51,52とを左右に並設して通路構成(通路壁等)の共有化を図りつつ、それら各通路に合わせて第1シャッタ機構920及び第2シャッタ機構930を並設することを容易なものとすることができる。
各シャッタ部材921,931に対応させてコイルバネ928,938を設けた場合、同コイルバネ928,938の付勢力によって、前扉枠14の閉作業が妨げられることが懸念される。この点、各シャッタ機構920,930(詳しくはコイルバネ928,938)を前扉枠14の回動基端寄りに配置することで、前扉枠14を閉じる際の付勢力による影響を抑え、上記不都合を払拭することができる。
以上詳述したように、各皿33,34に対応する誘導通路には、様々な工夫が施されている。本実施の形態においては、それら各皿33,34への遊技球の振り分けに関しても、遊技球の振り分けが円滑に行われるように各種工夫が施されている。以下、これらの各種工夫による効果について説明する。
上皿33が満杯になる等して、上皿用の誘導通路に遊技球が積み上がった状態で滞留し、それら遊技球群が第1払出通路部811の上下通路部812(詳しくは開口部818)に到達すると、同滞留中の遊技球に対して後続する遊技球が第3拡張領域EA3に流入可能となる。第3拡張領域EA3へ流入して同第3拡張領域EA3と流下領域RAとに跨って滞留している遊技球に後続球が衝突すると、その後続球は開口部818に向けて跳ね返ることとなる。これにより、それら後続球の開口部818(詳しくは第2払出通路部815)への流入を促すことが可能となる。
つまり、開口部818まで遊技球が積み上がっていない場合には、払出装置724から払い出された遊技球が開口部818の傍を素通し、開口部818まで遊技球が積み上がっている場合には払出装置724から払い出された遊技球を同開口部818へ向けて移動させることができる。故に、遊技球の案内先を好適に変更することができる。これにより、例えば下皿34への遊技球の払出が行われることなく、第1払出通路部811内を遊技球が積み上がり続け、それら遊技球群が払出装置724に到達することを好適に抑制できる。これにより、払出装置724の保護に貢献できる。
特に、第2払出通路部815の途中位置に両皿33,34が満杯であることを検知可能な検知機構880(詳しくは検知センサ891)を設け、同検知機構880からの検知情報に基づいて払出装置724の動作を制限する構成を採用しているため、第2払出通路部815に遊技球が流入しない場合には、上記制限機能が正常に作用しない可能性が生じる。つまり、上述の如く積み上がった遊技球群が払出装置724に到達した場合であっても、同払出装置724における払出動作が継続されることとなる。これは、払出装置724の故障の要因となり得る。この点、本実施の形態に示すように、下皿34用の払出通路部815への遊技球の流入をより確実なものとすることで、実用上好ましい構成を実現している。
流入領域としての第3拡張領域EA3を開口部818と向かい合わせて配していることで、第3拡張領域EA3から突出している部分に衝突した後続球は開口部818へ向けて跳ね返りやすくなっている。これにより、第3拡張領域EA3を開口部818と隣り合わせて配する場合と比較して、開口部818への遊技球の案内機能を好適に向上できる。
第3拡張領域EA3の奥行き寸法を遊技球の直径寸法以下とすることで、同第3拡張領域EA3に流入した遊技球は、全て流下領域RAへ突出する構成とした。これにより、案内先変更時の応答性向上に貢献している。例えば、第3拡張領域EA3へ流入した複数の遊技球が通路方向と交差する方向に連なることによりそれら複数の遊技球のうち1の遊技球が流下領域RAへ突出する構成とすることも可能である。しかしながら、このように複数の遊技球が第3拡張領域EA3内で連なる構成を採用した場合には、案内先の変更に要する時間が嵩みやすくなる。これは、案内先が変更されることなく遊技球積み上がりが継続される要因となり得る。この点、本実施の形態によれば、案内先変更時の応答性を高めることで、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
以上詳述したように、第3拡張領域EA3を設けることで、開口部818へ遊技球を好適に案内できるが、このような効果を享受するには、同第3拡張領域EA3への遊技球の流入が必要となる。言い換えれば、上記効果を享受するには、第3拡張領域EA3への遊技球の流入を促進することが望ましい。この点、本実施の形態においては、第3拡張領域EA3以外に拡張領域EA1,EA2を設けることで、第3拡張領域EA3への遊技球の流入を促進している。
例えば、第3拡張領域EA3と第2拡張領域EA2とを連通させることで、以下の効果が期待される。積み上がった遊技球群が開口部818に到達するよりも前に、それら遊技球群の一部を拡張領域EA2に流入させることができる。その先行して第2拡張領域EA2に流入している遊技球を足がかりとして第3拡張領域EA3への遊技球の流入を促すことが可能となっている。これにより、第3拡張領域EA3への遊技球の流入を促進することができる。
また、第3拡張領域EA3の拡張度合いを第2拡張領域EA2の拡張度合いよりも小さくすることで、第3拡張領域EA3の拡張度合いを第2拡張領域EA2の拡張度合いよりも大きくする場合と比較して、それら両拡張領域EA2,EA3に沿った遊技球の積み上がりを促進することができる。
第2拡張領域EA2に対して流下領域RAを挟んだ反対側に第1拡張領域EA1を設け、同第1拡張領域EA1に流入した遊技球は当該第1拡張領域EA1と流下領域RAとに跨って滞留する構成とした。このため、第1拡張領域EA1と流下領域RAとに跨る位置にて滞留している遊技球が存在している場合に、その滞留中の遊技球に後続する遊技球が流下領域RAに沿って流下すると、同後続が滞留中の遊技球に衝突することで流入領域側へ跳ね返ることとなる。これにより、流下領域に沿って遊技球が積み上がることを抑制するとともに、第2拡張領域EA2への遊技球の流入を促進することができる。
第1拡張領域EA1の拡張度合いと第2拡張領域EA2の拡張度合いとを相違させることにより、上下通路部812にて遊技球が積み上がる際にそれら遊技球群が流下領域RAに沿って真っ直ぐに積み上がることを抑制し、遊技球が流下領域RAからずれて拡張領域EA1,EA2に流入する機会を増やしている。
このように拡張領域EA1〜EA3を有する構成においては、案内先の切り替えを好適なものとすることができる反面、上下通路部812(払出通路部808)が大型化し得る。これは、保護カバー部712等との共存を難しくする要因となり得る。この点、本特徴においては、第1拡張領域EA1の拡張度合いを拡張領域EA2,EA3の拡張度合いよりも小さく設定することで、案内通路の大型化を抑制しつつ、開口部818への案内機能の向上を図っている。
第1拡張領域EA1については、当該第1拡張領域EA1に待機している遊技球によって後続球を拡張領域EA2,EA3側へ跳ね返せば十分であり、すなわち後続球の少なくとも一部を流下領域RAから突出させれば十分であり、必ずしも同後続球を流入領域EA2,EA3へ到達させる必要はない。一方、第3拡張領域EA3に滞留中の遊技球は後続球の勢いを減じた状態で開口部818に到達させることが好ましく、これを実現するには例えば当該第3拡張領域EA3に滞留中の遊技球の流下領域RAへの突出量を大きくすることが好ましい。そこで、本実施の形態においては、第1拡張領域EA1の拡張度合いを、第3拡張領域EA3の拡張度合いよりも小さく設定することで、払出通路部808を無暗に拡張することなく、開口部818への遊技球案内機能を向上させ、実用上好ましい構成を実現している。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(a1)上記実施の形態では、「付勢手段」としての板バネ270を上下に設け、それら両板バネ270の間にストッパ267を配置したが、それら板バネ270の間のストッパ267を省略することも可能である。すなわち、各板バネ270は2つのストッパ267の間に配置されていればよく、必ずしもそれら板バネ270の間にストッパ267を配置する必要はない。また、板バネ270は、2つのストッパ267の間に配置するのであればその個数を任意に設定してよい。例えば、上記実施の形態において両板バネ270の間に第3の板バネを追加することも可能である。この場合、その第3の板バネを上記両板バネ270の間に配置されている2つのストッパ267の中間位置に配置するとよい。
(a2)上記実施の形態では、板バネ270の頂部272aがストッパ267よりも遊技盤80の回動先端側に位置する構成としたがこれに限定されるものではない。例えば、内枠13の平面視において頂部272aがストッパ267の背後に位置する構成としてもよい。
(a3)上記実施の形態では、板バネ270及びストッパ267を内枠13において遊技盤80の回動基端側となる位置に配置したが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、それら板バネ270及びストッパ267を内枠13において遊技盤80の回動先端側となる位置に配置することも可能であり、内枠13において遊技盤80の上端又は下端に沿う位置に配置することも可能である。更には、板バネ及びストッパを遊技盤80の外周に沿って配置することも可能である。但し、遊技盤80を回動して装着する場合、ストッパがその回動軌道上に張り出すと、遊技盤80の装着作業が難しくなり得る。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したように、板バネ及びストッパを遊技盤の回動基端寄りに配置し、その他の部位ではロック装置400に示すように切替え式の位置決め手段を用いるとよい。
(a4)上記実施の形態では、一対のストッパ267及びその間に配置された板バネ270からなる1組の位置決め機構を、遊技盤80の上端側及び下端側に1組ずつ配したが、これら位置決め機構の組数は2組に限定されるものではない。本実施の形態において特に、遊技球発射機構110から発射された遊技球が、遊技盤80の下端側にて誘導レール100に着地する構成を採用しており、この着地位置周辺での位置精度を向上することが好ましい。故に、少なくとも1組の位置決め機構を遊技盤80の下端側に配置し、所望とする位置での位置精度を確保できればよい。
(a5)上記実施の形態では、一対のストッパ267の丁度真ん中となる位置に板バネ270を配置したが、これを変更し、板バネ270をどちらか一方のストッパ267寄りに配置することも可能である。
(a6)上記実施の形態では、遊技盤80の回動基端側の縁部に沿って配置された一対のストッパ267とその間に配置された板バネ270によって1組の位置決め手段を構成したが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、上記一対のストッパ267に加え、回動先端側にオフセットして設けられた第3のストッパ267を設け、内枠13の正面視においてそれら3つのストッパ267により囲まれた範囲内に板バネ270を配置し、これら3つのストッパ267及び1つの板バネ270によって1組の位置決め手段を構成することも可能である。これにより、1のストッパ267を基端とした遊技盤80の回動を好適に抑制でき、位置決め精度の向上に貢献できる。なお、3つのストッパ267によって囲まれた範囲内に複数の板バネ270を配置することも可能である。
(a7)上記実施の形態では、「付勢手段」として鋼板を略U字状に折り返して形成した板バネ270を用いたが、「付勢手段」はそれに限定されるものではない。例えば、鋼板を略く字状に折り曲げて別種の板バネを形成してもよい。また、板バネ270に変えて、コイルバネやゴムクッション等を用いることも可能である。
(a8)上記実施の形態では、板バネ270の折曲部273が左側壁部264と対峙するように同板バネ270を配置したが、同板バネ270を折曲部273が左側壁部264とは反対側を向くように配置してもよい。但し、対向板部251に板バネ270を設置する構成においては、遊技盤80からの反力を左側壁部264に近い位置で受けることにより、同対向板部251の撓み変形を抑え、付勢機能を担保しやすくできるといったメリットがある。この点、上述した変更を行った場合には、このメリットを享受しにくくなると想定される。故に、好ましくは上記実施の形態に示した構成を採用するとよい。
なお、板バネ270の設置対象は、対向板部251に限られたものではなく、同板バネ270に相当する構成を左側壁部264に設置することも可能である。
(a9)上記実施の形態では、ストッパ267を内枠13に一体成形したがストッパを内枠13とは別体で設けることも可能である。但し、この場合、ストッパの製造ばらつきや装着ばらつき等の誤差が累積することに起因して位置決め精度が低下しやすくなると想定される。故に、望ましくはストッパを内枠13に対して一体成形し、そのような不都合を回避するとよい。
(a10)上記実施の形態では、ストッパ267の補強機能を有するプレート部材268と板バネ270とを別体で設けたが、これら両者を一体成形してもよい。この場合、ストッパ267に結合されている結合部と板バネ部とを繋ぐ繋ぎ部を内枠13(例えば左側壁部264)の内側又は外側に配置することが可能であるが、遊技盤80との干渉回避を考慮すれば、左側壁部264の外側に配置するのが望ましい。このように、繋ぎ部を左側壁部264の外側に配する場合には、左側壁部264又は対向板部251に板バネ部を内枠13の内側に突出させる開口等を形成するとよい。
(a11)上記実施の形態では、プレート部材268によってストッパ267を補強する構成としたが、このプレート部材268を省略することも可能である。この場合、ストッパ267を大型化する等して、同ストッパ267自身の強度を向上させることが好ましい。しかしながら、ストッパ267の強度向上を図ると同ストッパ267の成形が困難になるだけでなく、その位置精度の確保も難しくなると想定される。故に、好ましくはストッパ267については精度確保を優先し、強度不足が懸念される場合にはその不足分をプレート部材268によって補う構成とすることが好ましい。
(b1)上記実施の形態では、遊技盤80の四隅にて同遊技盤80を内枠13の正面側に付勢する構成としたが、遊技盤80の付勢箇所は同遊技盤80の両端側に少なくとも1箇所ずつ設定されていれば他は任意である。例えば、遊技盤80の上端側の板バネ270及びロック装置400(詳しくはコイルバネ430)を省略することも可能である。
(b2)上記実施の形態では、遊技盤80の回動基端側の付勢態様と回動先端側での付勢態様が異なる構成としたが、それら両者を統一することも可能である。例えば、板バネ270及びストッパ267に代えて、ロック装置400を配置することも可能である。但し、既に説明したように、本実施の形態においては前扉枠14との干渉を回避しつつ同遊技盤80の小型化を回避すること等を目的とし、遊技盤80の取り付けに回動方式を採用している。仮に、遊技盤80の回動先端側にロック装置400を配置すると、遊技盤80を回動可能とするための構成が煩雑化すると想定される。また、ロック装置400に代えて板バネ270及びストッパ267に相当する構成を配置することも可能であるが、この場合であってもやはり、遊技盤80の回動を阻害しないようにするための配慮が必要となる。故に、構成の煩雑化を抑えつつ、遊技盤80をその両端にて付勢するには、回動基端側に板バネ270及びストッパ267を配し、回動先端側にロック装置400を配することが好ましい。
(b3)上記実施の形態では、遊技盤80を回動させることにより内枠13に対して着脱する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、遊技盤80をスライド移動させることにより同内枠13に対して着脱する構成としてもよい。
(c1)上記実施の形態では、ロック装置400の操作部446を回動させることでロック状態とアンロック状態とを切り替える構成としたが、これを変更し、操作部を特定方向にスライド移動させることでロック状態とアンロック状態とを切り替える構成としてもよい。
(c2)上記実施の形態では、ロック装置400による固定対象を遊技盤80としたが、固定対象は同遊技盤80に限定されるものではない。例えば、裏パックユニット15や遊技球発射機構110を固定対象としてもよい。
(c3)ロック装置400の配置は任意である。例えば遊技盤80の回動基端に寄せて配置することも可能である。但し、前扉枠14の回動基端側に寄せて配置している場合には、ロック装置400を回動させるための作業スペースの確保が難しくなり得る。故に、好ましくは前扉枠14の回動先端側、すなわち遊技盤80の回動先端側に寄せて配置するとよい。
(c4)上記実施の形態では、操作部446の操作量が所定量に達すると、遊技盤80を押すプッシャ420が一気に突出する構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、操作部446の操作量の増加に応じてプッシャ420の突出量が徐々に増加する構成としてもよい。以下、図56に基づきその具体例について説明する。図56はロック装置の変形例を示す概略図である。
図56に示すように、ロック装置1000は、内枠13の後側筒部1011に嵌っている軸体1001と、その軸体1001に挿通されたプッシャ1002と、同軸体1001の先端部に固定された操作レバー1003とを有している。軸体1001において操作レバー1003とは反対側の端部には、後側筒部1011の後端面に当接するフランジ1004が形成されており、内枠13の背面にはそのフランジ1004を後側筒部1011の後端面との間に挟み込むようにしてストッパ部材1008が固定されている。このストッパ部材1008及び後側筒部1011の後端面によって軸体1001の自身の軸線方向への移動が阻止されている。
軸体1001においてプッシャ1002が挿通されている部分には、所定の範囲に亘ってネジ山が形成されている。一方、プッシャ1002の内周面には、このネジ山に対応するネジ溝が形成されている。プッシャ1002は、上記実施の形態と同様に、その外周が多角状をなしており、内枠13の前側筒部1012に回動が規制された状態で嵌っている。
操作レバー1003を所定の方向に回動させると、それに併せて軸体1001が回動する。この際、軸体1001のネジ山とプッシャ1002のネジ溝とが噛み合うことで、プッシャ1002が軸体1001の軸線方向に移動する。具体的には、操作レバー1003を時計回りに回動させることにより遊技盤80側に移動し(すなわち前側筒部1012から突出し)、同操作レバー1003を反時計回りに回動させることにより遊技盤80から離れる側に移動する(すなわち前側筒部1012内に没入する)。
遊技盤80を内枠13に対して取り付ける際には、操作レバー1003を時計回りに回動させることで、同遊技盤80が操作レバー1003の操作部1005側に押される。これにより、遊技盤80の前面が操作部1005に当接し、操作レバー1003の更なる回動操作が不可となるとともに、同遊技盤80の前後位置が規定される。
なお、上記実施の形態に示したコイルバネ430と同等の構成を追加することも可能である。この場合、コイルバネ430の付勢力によって、プッシャ1002の遊技盤80からの離れ、すなわち緩みを抑制し、位置決め状態を好適に維持することができる。
また、上記構成に追加して、前扉枠14等に操作部1005の移動を阻止する阻止手段を設けることも可能である。これにより、位置決め状態が意図せず解除されることを抑制しやすくできる。例えば、阻止手段として前扉枠14に操作部1005と嵌合する嵌合凹部等を設けるとよい。操作部1005の回動を防止することで、位置決め機能の低下を抑制することもできる。
但し、遊技盤80の位置をその前面を基準として規定する構成においては、各遊技盤80の厚みの差によって操作部1005の回動位置が相違し得る。機種変更等で遊技盤の厚みが変わった際に操作部1005と遊技盤80との係り代を確保できなくなる可能性がある。更には、上記嵌合凹部等を追加しても上記阻止機能を正常に発揮させることが困難になり得る。故に、好ましくは上記実施の形態に示したように、遊技盤80の厚み差に影響されることなく操作部1005のロック位置が同一となる構成を採用するとよい。
(c5)上記実施の形態では、操作部446がアンロック位置から遊技盤80の前面に対して当接する位置まで回動した場合に、プッシャ420が遊技盤80を押す構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、操作部446がアンロック位置から遊技盤80の前面に対して当接する位置まで回動する前の時点で、プッシャ420が遊技盤80を押す構成とすることも可能である。但し、このような変更を行った場合には、操作部446の操作がプッシャ420に押された遊技盤80によって妨げられやすくなると想定される。これは、ロック装置400の切替操作をやりにくくする要因となり得る。この点、上記実施の形態に示すように、操作部446が遊技盤80によって邪魔されない位置まで回動した後、プッシャ420が遊技盤80を押す構成とすれば、確かに操作部446と遊技盤80との間に摩擦は生じるものの、操作部446が遊技盤80(詳しくは挿通部92の内面)につかえるといった不都合を回避することができる。
(c6)上記実施の形態では、操作レバー440の停留部442、443及び連結部444とプッシャ420の突起422とによってプッシャ420の位置規制を実現し、構成の簡略化を図った。しかしながら、この構成では、プッシャ420を押すコイルバネ430の付勢力によって操作部446は、作業者が意図していない方向に移動する可能性がある。これに対して、例えば別のリンク部材等を介することで操作部に加わった操作力をプッシャに伝えるとともにコイルバネ430の付勢力が操作部に伝播することを抑制可能な構成を採用してもよい。この場合、構造は複雑化するものの、操作のやりやすさを向上させることができる。但し、ロック装置400を配置できるスペースが限られており、同スペースの増大が遊技盤80の配置領域の縮小を招来し得る点に着目すれば、上記実施の形態に示した構成のほうが実用上好ましい構成であると考えられる。
(c7)上記実施の形態では、ロック装置400がアンロック状態である場合に、操作部446の長手方向と、遊技盤80の回動中心軸線に直交する方向とが一致する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、操作部446の長手方向と、遊技盤80の回動中心軸線に直交する方向とが相違する構成としてもよい。但しこの場合、遊技盤80が回動する構成であるが故に、挿通部92における操作部446の通過隙を大きく設定する必要が生じる。これは、操作部446において遊技盤80に当接する部位を操作レバー440の基部441から遠ざける要因となる。すなわち、遊技盤80との掛かり代を減少させるとともに操作レバー440に加わる応力を増大させる要因となり得る。故に、望ましくは、アンロック状態においては操作部446の長手方向を遊技盤80の回動中心軸線に直交する方向に揃えるとよい。
(c8)上記実施の形態では、操作レバー440の操作部446が基部441の中心軸線を中心として対称形状をなす構成としたが、必ずしもそのように対称形状を成す必要はなく、中心軸線を挟んだ両側で形状が異なっていてもよい。
また、操作部446が基部441を挟んだ上下両側にて遊技盤80の前面と当接する構成としたが、これを変更し、基部441の上下両側のうち一方で遊技盤80の前面と当接する構成とすることも可能である。例えば操作レバー440をT字状からL字状に変形し、遊技盤80の前面に対する当接箇所を減らすことも可能である。
(c9)上記実施の形態では、各操作レバー440が同一形状をなす一方で遊技盤80の挿通部92はそれぞれ異なる形状をなす構成としたが、これを変更し、各操作レバー440と同様に各挿通部92の形状を統一してもよい。
(c10)上記実施の形態では、操作レバー440の回動範囲を凡そ90°に制限し、その範囲内でロック状態とアンロック状態とが切り替えられる構成としたが、操作レバー440の回動範囲はこれに限定されるものではない。例えば180°としてもよいし360°としてもよい。
また、アンロック状態から時計回りに回動させることでロック状態に切り替えられ、ロック状態から反時計回りに回動させることでアンロック状態に切り替えられる構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、同一方向への回動操作によりロック状態とアンロック状態との切り替えがなされる構成としてもよい。例えば、時計回りに180°回動させる毎にロック状態とアンロック状態とが切り替わる構成とすることも可能である。これにより、(c7)に示した遊技盤80と操作部446との掛かり代を確保しやすくできる。
(c11)上記実施の形態では、コイルバネ430によってプッシャ420を遊技盤80側に付勢する構成としたが、コイルバネ430に代えて板バネ等の別種のバネ部材を用いてもよいし、ゴム等の弾性部材を用いてもよい。
(c12)上記実施の形態では、ロック装置400の操作レバー440を内枠13及び前扉枠14によって挟まれた領域内に収容する構成としたが、操作レバー440が同領域から露出する構成としてもよい。但し、この場合、遊技盤80の不正な取り外しが容易になり、防犯機能が低下する可能性がある。故に、防犯機能の向上を配慮するならば、操作レバー440をパチンコ機10の外部からのアクセスが不可又は困難な位置に配置することが望ましい。
(d1)上記実施の形態では、遊技盤80の第1把持部481及び第2把持部482を1の遊技領域区画部材480に配設したが、それら把持部481,482の配設対象を異なるものとすることも可能である。例えば、遊技領域区画部材を2つ設け、それら遊技領域区画部材の一方に第1把持部を設け、他方に第2把持部を設けてもよい。
(d2)上記実施の形態では、把持部481,482を遊技盤80の回動先端側に配置したが、把持部481,482の位置はそれに限定されるものではなく、例えば回動基端側に配置することも可能である。しかしながら、上記実施の形態にて示したように、遊技盤80の回動基端と、前扉枠14の回動基端とが同一側となっている場合、前扉枠14によって把持部へのアクセスが妨げられやすくなると想定される。これでは、把持部481,482を活用しにくくなり、結果として遊技領域PE内の各種構成が掴まれやすくなると懸念される。故に、望ましくは、把持部を遊技領域PEよりも回動先端側となる位置に配された遊技機部品(例えば遊技領域区画部材480)に配するとよい。
(d3)上記実施の形態では、第1把持部481を遊技領域区画部材480において遊技盤80の回動先端側を向いた壁部に設けたが、同第1把持部481の位置は任意である。例えば、遊技領域区画部材480において下側を向いた壁部に第2把持部482と並べて配することも可能である。しかしながら、両把持部481,482を並設すると、仮に把持部を2つ設けたとしても遊技盤80を把持した際の安定性を向上させることが困難であると想定される。故に、望ましくは各把持部を異なる方向を向いた壁部に配するとよい。
(d4)上記実施の形態では、各把持部481,482の開放部分が、遊技盤80の周縁よりも内側に位置する構成としたが必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、各把持部481,482の開放部分が遊技盤80の周縁よりも外側に位置する構成とすることも可能である。しかしながら、この場合、把持部を把持する際の作業スペース(詳しくは指を把持部に差し込むスペース)の確保が難しくなり得る。具体的には、遊技盤80を内枠13の正面側から取り付ける構成においては、同遊技盤80の正面側には当該遊技盤80を着脱するための軌道が確保されている。この軌道上に把持部を把持するための作業スペースを確保することにより周辺部品と指との干渉を好適に回避できるが、上述の如く把持部の開放部分が遊技盤80の外側に位置している場合、作業スペースを別途形成する必要が生じる。これは、遊技盤80の周辺部品や周辺構造との共存を難しくする要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、把持部481,482の開放部分は遊技盤80の周縁よりも内側に配するとよい。
(d5)上記実施の形態では、把持部481,482を凹状としそれら把持部481,482への指の挿入を可能とするとしたが、把持部の形状はこれに限定されるものではなく任意である。例えば、把持部を遊技盤80の正面側に突出する突起状とし、それら把持部を指で摘めるようにしてもよい。
(d6)第1把持部481及び第2把持部482のうちいずれか一方を省略することも可能である。しかしながら、このように把持部を1つだけに限定すると、以下の不都合が生じ得る。つまり、遊技盤80には可変表示ユニット85等の各種構成が搭載されていることでその総重量が嵩んでいるため、遊技盤80を片手のみで保持するのは効率的でなく、遊技盤80を内枠13から取り外した際に、把持部を掴んでいないほうの手で遊技盤80の他の部位が把持されやすくなると想定される。この場合、仮に釘87等の遊技性に関わる構成が把持されると、遊技性に変化が生じ得るため好ましくない。故に、把持部は、両の手に対応すべく2つ設けるとよい。
(d7)第1把持部481を返しゴム490に対する遊技球の移動経路の延長上に配することも可能である。この場合、同延長上にネジ491を配するとよい。なお、遊技領域区画部材480の固定手段として、ネジ491以外の構成又は手段を用いることも可能である。例えば、係止ピンや接着剤等を用いてもよい。
(d8)上記実施の形態では、遊技領域区画部材480が返しゴム490を有する構成としたが、同返しゴム490を省略することも可能である。
(d9)上記実施の形態では、第1把持部481を第2把持部482よりも上方且つ遊技盤80の回動先端側となるように配置したが、これら各把持部481,482の配置は任意である。また、各把持部481,482の凹み方向についても任意である。
(d10)上記実施の形態では、遊技領域区画部材480に内レール101に対向する対向部485を設けたが、同様の構成を外レール102に適用することも可能である。
また、対向部485やユニット収容部486を省略することも可能であるが、第2把持部482の強度確保のためには、遊技領域区画部材480を小型化することは困難であると想定される。この点、遊技領域区画部材480の第2把持部482の周辺に、対向部485やユニット収容部486を配すれば、遊技盤80の前面での限られたスペースを有効に活用し、遊技領域PEとの共存を好適なものとすることができる。
(d11)上記実施の形態では、右側ロック装置400Rよりも遊技盤80の回動基端側となる位置に第2把持部482を配置したが、両者の位置を入れ替えることも可能である。しかしながら、ロック装置400は位置決め機能向上の観点から遊技盤80の端寄りに配置することが好ましく、第2把持部482は遊技盤80を支えている状態での安定性向上の観点から遊技盤80の中央寄りに配置することが好ましい。この点、上記変更を行うと、第2把持部482及び右側ロック装置400Rの各機能が低下し得る。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したように、第2把持部482よりもロック装置400を回動先端側に寄せて配置するとよい。
(e1)上記実施の形態では、「平板部」としての対向板部251が環状(詳しくは矩形枠状)をなす構成としたが、対向板部は遊技盤80の背面に対向する平板状をなしていればよく、その外形は必ずしも環状でなくてもよい。例えば、「平板部」を内枠13の左側枠部13c及び右側枠部13dに跨って延びる長板状に形成してもよい。
また、対向板部251に補強や部材取付等を目的としたリブや凹み等の凹凸を有する構成としたが、それら凹凸等を有さない構成とすることも可能である。
(e2)上記実施の形態では、対向板部251と周壁部261によって遊技盤収容部75を構成したが、同遊技盤収容部75は必須ではない。少なくとも対向板部251に相当する構成を有していればよく、周壁部261を省略することも可能である。
(e3)上記実施の形態では、遊技盤80を固定する左右のロック装置400R,400Lの間に同遊技盤80の左右位置を規定する位置決め突起259を配置したが、ロック装置400R,400L及び位置決め突起259の位置関係は任意であり、2つのロック装置400R,400Lの間に位置決め突起259を配置する必要はない。また、位置決め突起259を左側のロック装置400Lに寄せて配置したが、同位置決め突起を右側のロック装置400Rに寄せて配置することも可能である。
(e4)上記実施の形態では、遊技盤80を装着完了位置に配置する過程で、先ずロック装置400の操作部446が遊技盤80の挿通部92に入り、その後、位置決め突起259が遊技盤80の貫通孔91に入る構成としたが、これを変更し、位置決め突起259が貫通孔91に入った後、操作部446が挿通部92に入る構成とすることも可能である。但し、この場合、遊技盤80の左右位置が大きくばらついた状態にて位置決め突起259が貫通孔91には入ろうとするため、同位置決め突起259が貫通孔91に嵌らず遊技盤80の背面等に衝突することが懸念される。これは、位置決め突起259を変形させ、位置決め精度の低下を招く要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したように、先ず操作部446及び挿通部92によって遊技盤80の大まかな位置ずれを抑え、ある程度位置決めの目処が立った状態にて位置決め突起259が貫通孔91に入る構成とするとよい。
(e5)上記実施の形態では、位置決め突起259が円柱状をなす構成としたが、同位置決め突起を角柱状とすることも可能である。また、位置決め突起259の先端部分を縮径したが、これを省略することも可能である。
(e6)上記実施の形態では、対向板部251を構成する平板部のうち、周壁部261のコーナ部のうち誘導レール100の入口部分104から最寄となるコーナ部に連なる平板部に位置決め突起259及びロック装置400を配設したが、それら位置決め突起259及びロック装置400を他の平板部に配設することも可能である。
また、対向板部251を構成する平板部のうち、前扉枠14を支持する支持金具71,72が取り付けられている左側枠部13cに連なる平板部に位置決め突起259及びロック装置400を配設したが、それら位置決め突起259及びロック装置400を他の平板部に配設することも可能である。
更には、位置決め突起259及びロック装置400を配設された平板部が、周壁部261を構成する壁部262〜265のうち複数の壁部263,264に連なる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば同平板部が1の壁部にのみ連なる構成とすることも可能である。
(f1)上記実施の形態では、遊技盤80の左右位置を規定する位置決め突起259を同遊技盤80の外レール102の背後に配置したが、これを変更し、位置決め突起259をパチンコ機10の正面視において外レール102よりも内側又は同外レール102よりも外側に配置することも可能である。但し、このように位置決め突起259の配置を変更する場合であっても、特定部位SPになるべく近づけて配置することが好ましい。
(f2)上記実施の形態では、誘導レール100の入口部分104を遊技盤80の下端寄りに配したが、同入口部分104を遊技盤80の上端寄りに配することも可能である。但し、このような変更を行った場合には、入口部分104と遊技球発射機構110との間隔が拡がることで、遊技球の着地位置のばらつきが大きくなると想定される。この場合、入口部分104の近傍にて位置決め突起によって位置ばらつきを抑えたとしても、遊技球の発射ばらつきが支配的となり、位置決め突起による着地位置の安定化機能の恩恵を十分に享受できなくなると懸念される。故に、望ましくは、誘導レール100の入口部分104を遊技盤80の下端、すなわち遊技球発射機構110に近づけては位置するとよい。
また、誘導レール100の入口部分104を遊技盤80の中央付近に配したが、例えば入口部分104を遊技盤80の回動基端側の端部に寄せて配することも可能である。この場合、遊技球発射機構110についても同一側に寄せて配置するとよい。
(f3)上記実施の形態では、遊技球発射機構110から発射された遊技球が、遊技盤80の下端縁すなわち内枠13の下側壁部263を斜めに横切る構成とした。言い換えれば、誘導レール100の入口部分104と遊技球発射機構110における発射レール112の先端部分とが、下側壁部263を挟んで斜めに対峙する構成とした。これを変更し、誘導レール100の入口部分104と遊技球発射機構110における発射レール112の先端部分とを下側壁部263を挟んで上下に配置し、遊技球発射機構110から発射された遊技球が、遊技盤80の下端縁すなわち内枠13の下側壁部263を縦に横切る構成としてもよい。但し、この場合には、遊技球が内レール101側に逸れる可能性が生じ、遊技球の着地位置を特定するのが困難なものとなり得る。故に、望ましくは、遊技球の飛翔方向をわずかにでも外レール102側に傾けるのがよい。
(f4)上記実施の形態では、外レール102が円弧状をなし、同外レール102の特定部位SPにおける接線TLが発射レール112のレール方向と同一方向とすることにより、遊技球着地時の衝撃を和らげるとともに、外レール102に沿った円滑な誘導を可能とした。これを以下のように変更してもよい。すなわち、外レール全体を円弧状にするのではなく、上記特定部位SPを含んだ一部が発射レール112のレール方向と同一方向に延びる構成としてもよい。これにより、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
(f5)上記実施の形態では、位置決め突起259が挿通される貫通孔91にレール支持部材107を取り付けたが、このレール支持部材107を省略することも可能である。また、貫通孔91以外の孔等を用いてレール支持部材107を取り付けることも可能である。
(f6)遊技盤80の厚さ方向に貫通している貫通孔91に代えて、遊技盤80の厚さ方向に貫通していない穴部又は凹部を用いることも可能である。更には、貫通孔が上下に拡張された長孔状をなし、位置決め突起259の上下方向への移動を許容する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば貫通孔91の内形を位置決め突起259の外形に合わせて形成し、それら貫通孔91及び位置決め突起259に上下方向の位置決め機能を付与することも可能である。しかしながら、このような変更を行った場合、位置決め突起259に生じる負担が大きくなり、同位置決め突起259の変形等を生じやすくなると想定される。これは、位置決め機能の低下を招く要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、貫通孔91を、遊技盤80の上下の位置ばらつきを許容する隙間が位置決め突起259との間に生じるように形成するとよい。
(f7)上記実施の形態では、内枠13に位置決め突起259を設けるとともに遊技盤80に同位置決め突起259が挿通される貫通孔91を設けたが、これら位置決め突起259及び貫通孔91を入れ替えることも可能である。すなわち、内枠13に貫通孔を設けるとともに遊技盤80に同貫通孔に挿通される位置決め突起を設けることも可能である。
(f8)上記実施の形態では、誘導レール100を内レール101及び外レール102によって構成したが、必ずしもそれら両レールを必須とするものではない。少なくとも外レール102に相当するレールを有していればよい。また、内レール101及び外レール102を別体で設ける必要はなく、両者を一体的に設けること(例えば一体成形すること)も可能である。
(f9)上記実施の形態では、遊技球発射ハンドル40の操作量が第1規定量以上となった場合に、遊技球が外レール102の特定部位SPに着地する構成としたが、これを変更し、操作量が第2規定量以上となった場合に、遊技球が外レール102の特定部位SPに着地する構成とすることも可能である。遊技球発射ハンドル40の操作量が増せば、遊技球の発射速度も増加する。遊技球の発射速度が、返しゴム490に到達するレベルまで高まると、外レール102に着地した際の衝撃も大きくなると想定される。少なくとも、このような高い発射速度で打ち出された遊技球の衝突位置のばらつきを抑制することで、外レール102の耐久性向上に貢献しやすくできる。
(f10)上記実施の形態では、位置決め突起259が内枠13の対向板部251から常時突出する構成としたが、同位置決め突起を可動式とし、位置決め位置と非位置決め位置とに切り替え可能としてもよい。具板的には、位置決め突起を対向板部に対して出没自在としてもよい。
(g1)上記実施の形態では、「載置部」としての下側壁部263が平板状をなす構成としたが、これに限定されるものではない。「載置部」は少なくとも遊技盤80の下端面と対峙し、同遊技盤80を下側から支えることで、当該遊技盤80の上下位置のばらつきを抑えることができるものであればよい。例えば、「載置部」を面状ではなく、線状又は点状とすることも可能である。
(g2)上記実施の形態では、下側壁部263が遊技盤80の下端面全域に対して当接する構成としたが、これを変更し、遊技盤80の下端面のうち左右両側の一部に対して当接する構成としてもよい。少なくとも、それら当接箇所が遊技盤80の左右への傾きを抑えることができる程度の間隔で設定されていれば、遊技盤80の上下位置を規定する機能は担保される。
(g3)上記実施の形態では、遊技盤80が下側壁部263に載って上下位置が規定された後、位置決め突起259によって左右位置が規定される構成としたが、この位置決めの順序を逆にしてもよい。また、上下位置の規定と左右位置の規定とが同時に行われる構成とすることも可能である。但し、下側壁部263と比べて位置決め突起259の強度を確保することは困難であると想定される。このように、強度の劣る位置決め突起259にて先に位置決めを行った場合には、遊技盤80の重量が位置決め突起259に加わる等して、位置決め突起259の変形等が発生しやすくなると懸念される。これは、位置決め精度の低下を招く要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、遊技盤80を装着する過程においては、先ず下側壁部263による上下位置の規定を可能とするとよい。
特に、上記実施の形態においては、内枠13に仮置き部290を形成し、遊技盤80の装着初期段階にて遊技盤80の上下位置のばらつきを抑え、遊技盤80を回動させることで同遊技盤80が下側壁部263上に案内されて更に上下位置のばらつきが抑えられる構成とした。そして、遊技盤80が下側壁部263に載った状態で位置決め突起259が貫通孔91に挿通される構成とした。つまり、上下位置が規定されるよりも先に、位置決め突起259が貫通孔91に挿通されることを抑制した。しかしながら、この仮置き部290に関しては必須の構成ではなく、省略することも可能である。
(g4)上記実施の形態では、載置部としての下側壁部263が略平面状をなす構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、前後に延びる突起によって遊技盤80を支える構成としてもよい。
(g5)上記実施の形態では、遊技盤80の回動中心を変位可能な構成としたが、同遊技盤80の回動中心を固定する構成としてもよい。例えば、内枠13によって遊技盤80を回動可能に軸支するとよい。特に、遊技盤80の上下方向への移動を許容した状態で軸支し、下側壁部263による位置決めがなされた後の軸部への負担を軽減するとよい。
(g6)上記実施の形態では、位置決め突起259を下側壁部263側に寄せて配置したが、位置決め突起259を上側壁部262側に寄せて配置することも可能である。しかしながら、遊技盤80の上下位置の位置決め精度が下側壁部263近傍で最も高くなる(例えば遊技盤80が左右に傾いた場合のばらつきは下側壁部263近傍で最も小さくなる)ことを想定すれば、位置決め突起259は下側壁部263側に寄せて配置することが望ましい。
(h1)上記実施の形態では、施錠装置500を「遊技機本体」としての内枠13に取り付けたが、これを変更し、「扉体」としての前扉枠14に取り付けてもよい。
(h2)上記実施の形態では、施錠装置500を前扉枠14の回動先端側に配置したが、施錠装置の位置を任意に変更してもよい。例えば、施錠装置を前扉枠14の上端及び下端に沿って配置することも可能である。なお、前扉枠14は必ずしも回動可能に設ける必要はなく、スライド移動可能に設けてもよい。
(h3)上記実施の形態では、施錠装置500が前扉枠14を内枠13に対して閉じた状態で施錠するとともに、内枠13を外枠11に対して閉じた状態で施錠する構成としたが、これに限定されるものではない。施錠装置500は、少なくとも前扉枠14を閉じた状態で施錠する機能を有していればよく、内枠13を閉じた状態で施錠する機能を省略することも可能である。但し、この場合、内枠13を外枠11に対して閉じた状態で施錠する施錠装置を別途設けることが好ましい。また、施錠装置500に、裏パックユニット15を内枠13に対して閉じた状態で施錠する機能を付与することも可能である。
(h4)上記実施の形態では、前扉枠14及びハンドルベース41によって内枠13の前面を覆うとともに、そのハンドルベース41に遊技球発射ハンドル40を装着する構成としたが、このハンドルベース41を省略し、前扉枠14に遊技球発射ハンドル40を装着することも可能である。
(h5)上記実施の形態では、前扉枠14及びハンドルベース41の両者によって施錠装置500を覆う構成としたが、これを変更し、前扉枠14によってのみ施錠装置500を覆う構成としてもよい。
(h6)上記実施の形態では、内枠13に施錠装置収容部77を形成し、その前方開放部分を施錠装置500における「ベース部材」としての第1基枠510によって覆う構成としたが、必ずしも第1基枠510によって覆う必要はない。例えば、その開放部分をカバー部材等によって覆う構成としてもよいし、同開放部分を覆わない構成とすることも可能である。仮に、開放部分を覆わない場合であっても、施錠装置500が内枠13及び前扉枠14によって覆われているため、従来の構成(施錠装置を内枠13の背面に搭載する構成)と比較すれば、少なからず防犯機能を向上させることができる。
(h7)上記実施の形態では、遊技盤80を内枠13の正面側から着脱する構成としたが、これを変更し、遊技盤を内枠の背面側から着脱する構成としてもよい。但し、このような変更を行う場合には、併せて以下の変更を行うことが好ましい。前扉枠を開放することにより、遊技盤を内枠に対して固定するロック装置の解除操作が可能となるように変更する。例えば、ロック装置の操作部を内枠の正面側に配置したり、内枠13が外枠11に対して開放されていない場合にロック装置の切り替え操作を阻止する阻止手段を前扉枠に設けたりするとよい。これにより、遊技盤が取り外され、釘87等の遊技部品に対して容易にアクセスされるといった不都合を生じにくくすることができる。
(h8)上記実施の形態では、遊技盤80を内枠13の正面側から着脱する構成としたが、これと同じ思想を内枠に搭載されている他の遊技機部品に適用することも可能である。例えば本実施の形態においては、遊技球発射機構110が内枠13に形成された貫通孔等を介して内枠の背面側に設けられた制御装置と接続されているが、その取り外しを内枠13の正面側から行う構成とすることで、遊技球発射機構110が取り除かれ、上記貫通孔を介して不正が行われやすくなるといった不都合を好適に抑制できる。
(h9)上記実施の形態では、遊技盤収容部75(詳しくは周壁部261)及び挿入部280によって遊技盤80の着脱軌道を特定し、前扉枠14を閉じた状態では、この軌道上に同前扉枠14が存在することで、遊技盤80の取り外しを不可としたが、これら遊技盤収容部75及び挿入部280を省略することも可能である。
(h10)上記実施の形態では、前扉枠14が内枠13に対して閉じた状態では、「区画手段」としての前扉枠14のガラスホルダ27と内枠13の右側壁部265とによって、内枠13及び前扉枠14によって囲まれた空間を遊技盤80側の領域と施錠装置500側の領域とに区画する構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、前扉枠14の背面に内枠13の前面に向けて延びる仕切部を設けてもよいし、内枠13の前面に前扉枠14の背面に向けて延びる仕切部を設けてもよい。
更には、内枠13及び前扉枠14によって囲まれた空間を遊技盤80側の領域と施錠装置500側の領域とに区画する必要は必ずしもなく、同空間を両領域に区画しない構成とすることも可能である。但し、この場合、上記実施の形態と比較して防犯機能が低下しやすくなる。
(h11)前扉枠14に、「固定手段」としてのロック装置400の操作部446の切り替えを阻止する阻止手段を設けることも可能である。例えば、ロック状態に切り替えられた状態の操作部446が嵌る凹部を形成したり、操作部446がアンロック状態に切り替えられる場合の回動方向先側から同操作部446に対して当接するストッパを形成したりするとよい。これにより、遊技盤80の不正な取り外しを抑制し、更なる防犯機能の強化に貢献できる。
(h12)上記実施の形態では、各鉤部材550,620が施錠装置収容部77から突出する構成としたが、これら各鉤部材550,620が施錠装置収容部77から突出しない構成とすることも可能である。以下、図57に基づきその具体例について説明する。図57は、施錠装置及びそれに付随する構成を示す概略図である。
図57に示すように、前扉枠14には、内枠13側に突出する鉤部材1021が設けられている。施錠装置1040の第1基枠1041において前扉枠14の背面と対向している前板部1042には鉤部材1021が挿通される挿通孔1043が形成されている。前板部1042の背面側には鉤部材1021に対応する前扉用鉤受け部材1044が設けられている。前扉用鉤受け部材1044には孔部1045が形成されており、この孔部1045に対して鉤部材1021が引っ掛かることで前扉枠14が施錠された状態となる。
同様に、外枠11には、内枠13側に突出する鉤部材1031が設けられている。施錠装置1040において施錠装置収容部77の奥壁部301と対向している後板部1046には鉤部材1031の通過を許容する挿通孔1047が形成されている。後板部1046の前面側には鉤部材1031に対応する内枠用鉤受け部材1048が設けられている。内枠用鉤受け部材1048には孔部1049が形成されており、この孔部1049に対して鉤部材1031が引っ掛かることで内枠13が外枠11に対して施錠された状態となる。
以上詳述したように、前扉枠14の鉤部材1021が施錠装置収容部77内に入り込むことで同施錠装置収容部77の内部領域にて鉤部材1021と前扉用鉤受け部材1044とが引っ掛かる構成とし、且つ外枠11の鉤部材1031が施錠装置収容部77内に入り込むことで同施錠装置収容部77の内部領域にて鉤部材1031と内枠用鉤受け部材1048とが引っ掛かる構成とすることにより、施錠装置収容部77外への各鉤受け部材1044,1048の露出を抑え、同鉤受け部材1044,1048に対してのパチンコ機外部からのアクセスを第1基枠1041によって妨げることができる。このような変更を行うことで更なる防犯性の向上に貢献することができる。
(h13)上記実施の形態では、内枠13のスリット303を通じて内枠用鉤部材620が同内枠13の背面側に露出し、それらスリット303と内枠用鉤部材620との隙間を連動杆540のフランジ545によって施錠装置収容部77の内側から覆う構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、連動杆540以外の部材等によって上記隙間を覆う構成としてもよい。特に、上記隙間を、内枠用鉤部材における鉤部以外の部分で覆う構成とすれば、同内枠用鉤部材が動作した場合に、上記隙間を好適に塞ぐことができる。
(h14)上記実施の形態では、施錠装置500の第1基枠510が部材取付部515及びフランジ部516を有する構成としたが、これら両者を省略することも可能である。この場合、部材取付部515に取り付けられている各種構成を基枠固定部511に取り付けるとよい。但し、上記実施の形態においては、それら部材取付部515及びフランジ部516によって施錠装置500の着脱軌道を規定していた。前扉枠14が閉じられた状態では、同着脱軌道上に前扉枠14が存在することにより、同施錠装置500の取り外しを抑制していた。上述の如く部材取付部515及びフランジ部516を省略する場合、例えば、施錠装置収容部77の周壁を前扉枠14側に延出させ、第1基枠510の取り外し軌道を捻出するとよい。これにより、防犯機能の低下を抑制できる。
(h15)上記実施の形態では、内枠13に施錠装置500のカム部材600に対応する開口部320を形成したが、この開口部320を省略することも可能である。但し、このような変更を行った場合、操作キーなしで前扉枠14を開放することが不可となり、利便性が低下し得る。
(h16)上記実施の形態では、内枠13の中央開口76を遊技盤80によって覆う構成としたが、遊技盤80によって塞ぐ構成とすることも可能である。この場合、遊技盤80の背面を内枠13の対向板部251に当接させることで同遊技盤80の前後位置の位置決めを行うとよい。なお、中央開口76は必須の構成ではなく、これを省略することも可能である。
(h17)上記実施の形態では、挿入部280に遊技盤80の一側部を挿入し、同遊技盤80を回動させることで装着完了位置に移動させる構成としたが、遊技盤80を前後にスライド移動させることで装着完了位置に移動させる構成としてもよい。このような変更を行う場合、例えば挿入部280を省略し、遊技盤を遊技盤収容部の周壁部によって同遊技盤のスライド方向を規定するとよい。
(h18)上記実施の形態では、施錠装置500が「ベース部材」としての第1基枠510にシリンダ錠520,連動杆540,前扉用鉤部材550,内枠用鉤部材620を取り付ける構成としたが、同第1基枠510を省略し、内枠13や前扉枠14に対して上記各種構成を取り付ける構成とすることも可能である。
(i1)上記実施の形態では、施錠装置500において「第1施錠部材」としての前扉用鉤部材550U及び「第2施錠部材」としての内枠用鉤部材630Uを施錠位置に向けて付勢する「付勢部材」としてコイルバネ560Uを用いたが、これを以下のように変更してもよい。コイルバネ560U(引っ張りコイルバネ)に代えて圧縮コイルバネや板バネ等を用いることも可能であり、同コイルバネ560Uに代えてゴム等の弾性部材を用いることも可能である。
(i2)上記実施の形態では、前扉用鉤部材550Uにおける突起554を「第1取付部」とし、内枠用鉤部材620における突起622を「第2取付部」としたが、これらを逆にすることも可能である。すなわち、内枠用鉤部材620Uの突起を同内枠用鉤部材620Uにおいて前扉用鉤部材550Uとは反対側となる部位に配設することも可能である。特に、両鉤部材550U,620Uにおいて各突起554,622を相手とは反対側にそれぞれ形成することで、コイルバネ560Uの自由長の確保を更に容易なものとすることができる。
また、内枠用鉤部材620Uが前扉用鉤部材550Uよりも上位となるように配置したが、これら両鉤部材550U,620Uを上下逆にすることも可能である。
(i3)上記実施の形態では、「ベース部材」としての第1基枠510の上端側に配置された前扉用鉤部材550U及び内枠用鉤部材620Uをコイルバネ560Uで繋ぐ構成としたが、これを変更し、第1基枠510の下端側に配置された前扉用鉤部材550L及び内枠用鉤部材620Lをコイルバネ560Lで繋ぐ構成とすることも可能である。但し、上記実施の形態においては、遊技球発射ハンドル40によって前扉用鉤部材550の配置が限定されているため、敢えて内枠用鉤部材620を前扉用鉤部材550に寄せる必要はない。
(i4)上記実施の形態では、各鉤部材550,620の突起554,622を互いに近づく側に付勢することで、それら各鉤部材550,620を施錠位置に維持する構成としたが、この付勢方向を逆にすることも可能である。すなわち、各鉤部材550,620の突起554,622を互いに遠ざかる側に付勢することで、それら各鉤部材550,620を施錠位置に維持する構成とすることも可能である。しかしながら、このような変更を行った場合には、両鉤部材550,620を近づけて配置することが難しくなると懸念される。故に、望ましくは上記実施の形態に示した構成を採用するとよい。
(i5)上記実施の形態では、前扉用鉤部材550の突起554を起立部553に設けたが、同突起をベース部551に設けることも可能である。
(i6)上記実施の形態では、前扉用鉤部材550及び内枠用鉤部材620を第1基枠510の異なる部位に配置した。すなわち、前扉用鉤部材550を第1基枠510の基枠固定部511に取り付けるとともに、内枠用鉤部材620を第1基枠510の部材取付部515に取り付ける構成とした。これを変更し、各鉤部材550,620を同一対象に取り付ける構成としてもよい。
(i7)上記実施の形態では、前扉用鉤部材550をスライド移動可能に設けるとともに、内枠用鉤部材620を回動可能に設けた。これら各鉤部材550,620の移動態様については任意であり、例えば両鉤部材550,620をスライド移動可能としてもよいし、回動可能としてもよい。
(i8)上記実施の形態では、施錠装置500の下端側に遊技球発射ハンドル40を固定するハンドルベース41を設け、このハンドルベース41との重なりを回避すべく前扉用鉤部材550Lをハンドルベース41の上方に配置した。このハンドルベース41を省略することも可能であり、これに併せて前扉用鉤部材550Lを施錠装置500(内枠13)の下端に寄せて配置することで、前扉枠14の浮き上がりを一層好適に抑制できる。この場合、前扉用鉤部材550L及び内枠用鉤部材620Lの位置が近づくと想定されるが、これら両鉤部材550L,620Lのコイルバネ560L,630の代わりに1のコイルバネを用いて両鉤部材550L,620Lを付勢することで実用上好ましい構成を実現できる。
(i9)上記実施の形態では、施錠装置500を内枠13の正面側に配置したが、これを変更し、同施錠装置を内枠13の背面側に配置することも可能である。
(i10)上記実施の形態では、各鉤部材550,620が連動杆540の動きとは独立した施錠解除位置への移動を許容する構成とした。これを変更し、各鉤部材550,620が連動杆540の動きに追従することによってのみ施錠解除位置への移動が許容される構成としてもよい。
(i11)上記実施の形態では、施錠装置500に鉤部材550,620を配するとともに前扉枠14及び外枠11に鉤受け部材63,350を配したが、これを変更し、施錠装置に鉤受け部材を配するとともに前扉枠14及び外枠11に鉤部材を配してもよい。つまり、「施錠部材」は、鉤部材に限定されるものではなく鉤受け部材としてもよい。なお、鉤部材及び鉤受け部材の両者を同等の関係とみなせば、例えば施錠装置側の施錠部材を施錠装置側係止部材、前扉枠及び外枠側の施錠部材を前扉側係止部材,外枠側係止部材と称することも可能である。
(i12)上記実施の形態では、各鉤部材550,620を1のシリンダ錠520を用いて操作可能としたが、各鉤部材550,620に個別に対応してシリンダ錠を2つ設け、それら各シリンダ錠を用いて各鉤部材550,620を個々に操作可能としてもよい。
(j1)上記実施の形態では、「開閉体」としての内枠13における「貫通孔」としてのスリット303を介して施錠装置500の内枠用鉤部材620が同内枠13の背面側に露出する構成とし、そのスリット303の周縁に沿って「壁部」としての対向壁部305を形成したが、同対向壁部305をスリット303の周縁から離して形成することも可能である。
(j2)内枠用鉤部材620は内枠13の上端及び下端に寄せて配置され、内枠13の外枠11からの浮き上がりを抑えやすくしている。この場合、例えば、上側の鉤部材620Uに対応するスリット303においては、同スリット303の上端縁に沿うようにして上記対向壁部305を延長することにより、内枠13の上側枠部13aと前扉枠14との境界部からの不正なアクセスを抑制しやすくできる。これと同様の変更を下側の対向壁部305に適用することも可能である。
(j3)上記実施の形態では、対向壁部305の起立量を内枠用鉤部材620の引っ掛かり部分を覆える程度に設定したが、これを変更し、内枠用鉤部材620のスリット303からの突出量と同等に設定してもよい。
(j4)上記実施の形態では、対向壁部305の先端部分が外枠11の鉤受け部材350に形成された開口353に入る構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、同開口353に入らない構成とすることも可能である。但し、この場合、対向壁部305の迂回が容易になり、防犯機能が低下すると懸念される。そこで、対向壁部305が開口353に入らない構成を採用する場合には、同対向壁部305の先端を鉤受け部材350の前側板部352に近接又は当接させるとよい。これにより、防犯機能の低下を抑えることができる。なお、実際にこのような変更を適用する場合には、対向壁部305の先端を前側板部352に近接又は当接させることが、装着位置のばらつき等により困難になりえる。そして、このような不都合を解消する場合、構成が煩雑化しやすくなる。故に、好ましくは、上記実施の形態に示したように、対向壁部305の先端が開口353内に入る構成を採用するとよい。
(j5)上記実施の形態では、対向壁部305が内枠13の回動先端側から内枠用鉤部材620の移動範囲全域に重なる構成としたが、必ずしもこれに限定されない。対向壁部は、前記移動範囲の一部に重なる構成とすることで、内枠用鉤部材620の施錠解除状態への切り替えを困難なものとすることができる。
(j6)上記実施の形態では、対向壁部305をスリット303に対して内枠用鉤部材620の解除方向(下方)に僅かにずらして配置したが、必ずしもこのようにずらして配置する必要はない。また、対向壁部305の縦幅は、内枠用鉤部材620をその移動範囲全域で覆うことができるのであれば、スリット303の縦幅に合わせる必要はない。但し、スリット303についても不正具の侵入経路として狙われやすいと想定されるため、望ましくは、スリット303に合わせて対向壁部を形成するとよい。
(j7)対向壁部305は、施錠状態の内枠用鉤部材620に対して施錠側に延びている必要はなく、少なくとも施錠解除位置側に延びていればよい。これにより、内枠用鉤部材620にワイヤ等の不正具を引っ掛けて施錠解除状態に切り替えるといった行為を抑制することができる。
(j8)上記実施の形態では、対向壁部305の起立方向を、スリット303からの内枠用鉤部材620の突出方向と同一としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、内枠用鉤部材620の突出方向に対して傾けることも可能である。但し、このような変更を行う場合であっても、同対向壁部において内枠13の回動先端側を向いた面を前記突出方向と平行又は内枠用鉤部材620の先端側にて同内枠用鉤部材620から離れるように傾斜させることが好ましい。
なお、対向壁部において内枠13の回動先端側を向いた面は曲面であってもよい。
(k1)上記実施の形態では、「開口」としての開口部320が遊技機側方及び遊技機後方に連続する構成としが、開口部が遊技機側方及び遊技機後方いずれか一方を向く構成とすることも可能である。言い換えれば、開口部320が相互に異なる方向を向いた複数の壁面部312a,312bに跨る構成とした。これに限定されるものではく、複数の壁面部に跨らない構成とすることも可能である。
例えば、開口部をパチンコ機10の後方を向く壁面部に形成してもよい。但し、このような変更を行った場合、「規制部位」としてのカム部材530やネジ531の取り外し作業が容易になる反面、外枠11によって開口部320を覆うことが難しくなり得る。
また、開口部を内枠13の回動先端側を向く壁面部に形成することも可能である。但し、このような変更を行った場合、外枠11によって開口部を覆いやすくなる反面、ネジ531の取り外し作業が難しくなると想定される。
故に、望ましくは、上記実施の形態に示したように、開口部320をパチンコ機10の後方を向く壁面部312aと内枠13の回動先端側を向く壁面部312bとに跨るように形成し、作業のやりやすさと防犯性の確保とを両立するとよい。
(k2)上記実施の形態では、開口部320を介してのカム部材530及びネジ531の取り出しを許容する構成としたが、これを変更し、それらカム部材530及びネジ531の取り出しを不可とする構成としてもよい。但し、このような変更を行った場合には、取り外されたカム部材530及びネジ531が施錠装置収容部77内に残留することで、それらカム部材530やネジ531が引っ掛かる等して解錠操作が妨げられる可能性が生じる。本実施の形態においては、前扉用鉤部材550U,550Lをカム部材530よりも上側に配置しているため、カム部材530等との引っ掛かりは回避されやすいが、前扉枠14の解錠時に連動杆540が下方に移動する構成であるため当該連動杆540と施錠装置収容部77の下側壁部等との間にカム部材530等が挟まるといった不都合は十分発生し得る。そこで、上記変更に併せて、前扉枠14の解錠時の連動杆540の動作方向を逆にする等の対策を講じることが望ましい。
(k3)上記実施の形態では、両前扉用鉤部材550U,550Lをカム部材530の上方に配置したが、これら前扉用鉤部材550U,550Lの配置を以下のように変更することも可能である。例えば、両前扉用鉤部材550U,550Lをカム部材530の下方に配置してもよいし、前扉用鉤部材550Uをカム部材530の上方、前扉用鉤部材550Lをカム部材530の下方に配置することも可能である。特にカム部材530の一方側にまとめて配置することにより、カム部材530から遠い側の前扉用鉤部材550への不正なアクセス(開口部320を介しての不正解錠)をカム部材530から近い側の他方の前扉用鉤部材550によって妨げるといった防犯機能の向上が見込まれる。
(k4)上記実施の形態では、開口部320の特定部分を部分的に拡張する拡張部321を形成し、ドライバ等の工具を挿入する際の目安及びガイドとして利用可能としたが、開口部320を全体的に拡張し工具の挿入軌道が確保されるのであれば、拡張部321を省略することもできる。
また、上記実施の形態では、ネジ531の取り外し作業を行うための拡張部321を、カム部材530及びネジ531を取り出しを許容する開口部320に対して、一体的に設けたが、同拡張部321に相当する構成(例えば貫通孔や開口)を開口部320とは別個独立して設けることも可能である。
(k5)上記実施の形態では、外枠11によって開口部320を覆う構成としたが、同外枠11によって開口部320を塞ぐ構成としてもよい。これにより、更なる防犯機能の向上に貢献できる。
(k6)上記実施の形態では、施錠装置500のカム部材530を固定する「固定具」としてネジ531を用いたが、このネジ531に代えて、係止ピンやCリング等の係止部材を用いることも可能である。
また、内枠13を閉じることにより、外枠11又はそれに付随する構成が「固定具」の取り外し軌道上位置する構成としてもよい。特に、係止ピンやCリング等の係止部材によってカム部材530を固定する構成との組み合わせにおいては、シリンダ錠520の軸線方向と、固定具の取り外し方向とを交差させ、具体的には取り外し方向が内枠13の回動先端側を向くようにすることが容易となる。これにより、本変形例を好適に実現できる。
(k7)上記実施の形態では、連動杆540によってカム部材530の動作を前扉用鉤部材550に伝達する構成としたが、この連動杆540を省略し、カム部材530によって前扉用鉤部材550を直接動作させる構成としてもよい。
(l1)上記実施の形態では、「遊技機本体」としての内枠13の施錠装置500が「第2施錠部材」としての前扉用第2鉤部材580を有するとともに、前扉枠14が鉤受け部材63を有する構成としたが、両者を入れ替えることも可能である。すなわち、施錠装置500が鉤受け部材を有するとともに、前扉枠14が鉤部材を有する構成とすることも可能である。この場合、鉤部材が押し込まれることで、鉤受け部材が施錠解除状態から施錠状態に切り替わる構成とすればよい。
(l2)上記実施の形態では、「第2施錠部材」としての前扉用第2鉤部材580が「第1施錠部材」としての前扉用第1鉤部材550の施錠解除状態への切り替えと連動して施錠解除状態に切り替えられる構成としたが、両鉤部材550,580を連動させる必要はない。例えば、前扉用第2鉤部材580に対応するシリンダ錠520を別途設け、解錠操作を個別に行う構成とすることも可能である。但し、この場合、前扉枠14の開放作業が煩雑なものとなり、メンテナンス性の悪化を招来し得る。故に、望ましくは、前扉用第1鉤部材550と前扉用第2鉤部材580とを連動させ、1の解錠操作によって、それら両鉤部材550,580が施錠解除状態に切り替えられる構成とするとよい。
(l3)上記実施の形態では、前扉用第2鉤部材580を「扉体」としての前扉枠14の回動先端側に配置したが、同前扉用第2鉤部材580を前扉枠14の回動基端側に配置することも可能である。
また、前扉用第2鉤部材580を「遊技用操作部」を構成するハンドルベース41寄りに配置したが、同前扉用第2鉤部材580を前扉枠14の回動中心軸線寄りに配置することも可能である。
(l4)上記実施の形態では、前扉用第2鉤部材580の施錠位置が前扉枠14の回動先端側(ハンドルベース41側)、施錠解除位置が前扉枠14の回動基端側となるように構成したが、これら施錠位置と、施錠解除位置とを逆にしてもよい。但し、ハンドルベース41との境界部位付近での前扉枠14の浮き上がりを抑えるには、施錠位置をハンドルベース41寄りに設定することが望ましい。
(l5)上記実施の形態では、施錠装置500(詳しくは第2基枠570や前扉用第2鉤部材580)を内枠13の正面側に配置したが、これを変更し、内枠13の背面側に配置することも可能である。なお、施錠装置500を内枠13に設置したが、前扉枠14に設置することも可能である。
(l6)上記実施の形態では、前扉用第2鉤部材580においては連動杆540とは独立した施錠解除位置への移動を許容する構成とした。これを変更し、施錠解除位置への移動が必ず連動杆540の動きに追従する構成とすることも可能である。
(l7)上記実施の形態では、前扉枠14の鉤受け孔部64及び膨出部66を、前者が後者よりもハンドルベース41に近くなるように配置したが、後者が前者よりも同ハンドルベース41に近くなるように配置することも可能である。
また、膨出部66を省略することも可能である。
(l8)上記実施の形態では、パチンコ機10の正面視においてハンドルベース41を施錠装置500と重なる位置に配置したが、重ならない位置に配置することも可能である。
(l9)上記実施の形態では、ハンドルベース41と前扉枠14との境界がハンドルベース41の周縁の一部となるようにそれらハンドルベース41と前扉枠14とを併存させたが、ハンドルベース41の全周に亘って両者の境界が形成されるようにハンドルベース41と前扉枠14とを併存させることも可能である。
(l10)内枠13によってハンドルベース41を開閉可能に保持してもよい。例えば、内枠13において前扉枠14の回動先端側となる端部にてハンドルベース41を回動可能に軸支するとよい。
(l12)上記実施の形態では、前扉用第2鉤部材580を1つ有する構成としたが、前扉用第2鉤部材580を複数有する構成としてもよい。この場合、第2基枠570の長手方向にそれら前扉用第2鉤部材580を並べて配置するとともに、連動杆540と同様の構成を追加することにより各前扉用第2鉤部材580を連動させるとよい。
(l13)上記実施の形態では、前扉用第2鉤部材580が左右にスライドすることで、施錠状態と施錠解除状態とが切り替えられる構成としたが、これを変更し、前扉用第2鉤部材が上下にスライドすることで、施錠状態と施錠解除状態とが切り替えられる構成としてもよい。また、前扉用第2鉤部材580を、内枠用鉤部材620と同様に、回動することで施錠状態と施錠解除状態とが切り替えられる構成とすることも可能である。
(m1)上記実施の形態では、「支持枠」としての外枠11に固定された鉤受け部材350のベース板部355を、右枠部380の設置面382に窪み部381を形成することにより設置面382よりも前方に突出させたが、この窪み部381を省略し、鉤受け部材350全体を前出しすることにより同ベース板部355を設置面382から突出させてもよい。
(m2)上記実施の形態では、「壁面部」としてのベース板部355が、鉤受け部材350を外枠11に取り付けるための取付部としての機能を有する構成としたが、これを変更し、ベース板部355が取付部としての機能を有さない構成とすることも可能である。この場合、鉤受け部材350に別途取付部を設けるとよい。
但し、ベース板部355が、外枠11と内枠13との境界部位BPから不正具が挿入された場合に、同不正具が当たることでそれ以上の侵入を妨げる機能を有している点に着目すれば、ベース板部355を外枠11に固定することで、ベース板部355の変形を抑え防犯機能の向上が期待できる。故に、望ましくは、ベース板部355を外枠11に対して固定する構成を採用することで、同ベース板部355が取付機能と防犯機能とを併せ有する構成とするとよい。
(m3)上記実施の形態では、ベース板部355が鉤受け部材350の開口353の上端よりも更に上方且つ同開口353の下端よりも更に下方に延びる構成としたが、これに限定されるものではない。ベース板部355は、少なくとも鉤受け部材350の引っ掛かり部分(すなわち開口353の上端縁)を境界部位BP側から覆っていればよく、その縦幅は任意である。但し、同ベース板部355の迂回や開口353内への侵入を難しくし、防犯機能を充実させる点に着目すれば、上記実施の形態に示すように、ベース板部355を少なくとも開口353よりも上方及び下方に延びる構成とすることが好ましい。
(m4)上記実施の形態では、ベース板部355を、内枠13の第2内側段差部312の壁面部312bよりも同内枠13の回動基端側となるように配置したが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、ベース板部355及び壁面部312bの左右位置を同一としてもよいし、ベース板部355が壁面部312bよりも内枠13の回動先端側となるように配置してもよい。但し、このような変更を行った場合には、仮に不正具が壁面部312bに沿って後方に移動すると、ベース板部355が迂回されやすくなると懸念されるため、防犯機能向上の観点から見れば、上記実施の形態に示した配置が好ましい。
(m5)上記実施の形態では、外枠11(右枠部380)の設置面382における前端縁が外枠11と内枠13との境界部位BPよりも後方に位置する構成としたが、設置面382の前端縁が境界部位BPよりも前方に位置する構成としてもよい。但し、この場合、仮に不正具の前方に移動し、ベース板部355の突出方向と一致した場合、同ベース板部355の迂回が容易なものとなり得る。これは、ベース板部355の防犯機能を低下させる要因となり得る。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したように、設置面382の前端縁が境界部位BPよりも後方となる構成を採用するとよい。
(m6)内枠13に、後方に突出して外枠11の窪み部381に嵌る突起等を形成するとよい。これにより、更なる防犯機能の強化に貢献できる。
(m7)上記実施の形態では、施錠装置500を内枠13の右側枠部13dに沿って配置したが、同施錠装置500を内枠13の上側枠部13aに沿って配置することも可能である。この場合、外枠11の鉤受け部材350を同外枠11の上枠部に配置するとともに、窪み部381及び設置面382に相当する構成を同上枠部に形成するとよい。また、施錠装置500を内枠13の下側枠部13bや左側枠部13cに沿って配置するとともに、それに併せて鉤受け部材350,設置面,窪み部の配置を外枠11の下枠部や左枠部に配することも可能である。
(m8)上記実施の形態では、内枠13の右側枠部13dに複数の段差部311〜313を形成することにより、不正具の侵入を難しくするとともに、仮に侵入された場合であってもその侵入経路が限定されやすくした。しかしながら、それら段差部311〜313については、必ずしも必要な構成ではなく省略することも可能である。但し、段差部311〜313を省略する場合には、外枠11の窪み部381の前方に位置する第2内側段差部312の壁面部312bに相当する構成を残すことが望ましい。外枠11と内枠13との境界部位BPから挿入された不正具は、内枠13等の壁面に沿って移動しやすく、その移動経路がそれら壁面によって規定されやすい。故に、上述の如く第2内側段差部312の壁面部312bに相当する構成を残すことで、境界部位BPから侵入した不正具を窪み部381に誘導しやすくできる。これにより、鉤受け部材350のベース板部355の防犯機能を発揮させやすくできる。
(m9)上記実施の形態では、鉤受け部材350を固定する固定手段として、破断ネジを用いたが、これら破断ネジを通常のネジ、釘及び係止ピン等で置き換えることも可能である。このように固定手段を変更する場合であっても、それら固定手段の取り付け位置は、外枠11と内枠13によって囲まれる又は覆われる領域内であることが望ましい。
(m10)上記実施の形態では、鉤受け部材350の鉤受け部351において各板部の境界部位に間隙354を形成したが、これら間隙を省略することも可能である。
(m11)上記実施の形態では、鋼板を折り曲げることで鉤受け部材350を形成したが、同鉤受け部材350の材質は鋼板に限定されるものではなく、他の金属板を用いてもよいし、合成樹脂を用いてもよい。なお、合成樹脂材料を使用する場合には、鉤受け部材の内部が視認困難又は不可となるように有色不透明のものを用いるとよい。
(n1)上記実施の形態では、遊技盤80の上側切欠き部89によって「開放部」を構成したが、「開放部」を遊技盤80の厚さ方向に貫通する貫通孔によって構成することも可能である。但し、貫通孔を採用した場合には、ハーネスHを挿通させる際の作業が煩雑なものとなり得る。故に、望ましくは上記実施の形態に示したように「開放部」が切欠き状をなす構成を採用するとよい。
(n2)上記実施の形態では、上側切欠き部89を上側及び遊技盤80の回動基端側に開放させたが、これを変更し、上側切欠き部が上側及び回動基端側のいずれか一方に開放させてもよい。
また、「開放部」は必ずしも遊技盤80の上側隅部に形成する必要はなく、遊技盤80の下側隅部に形成してもよいし、遊技盤80の上端及び下端の中間位置に形成してもよい。但し、ハーネスHを開放部に配置し、その配置された状態を維持するには、同開放部は遊技盤の上側隅部(詳しくは回動基端側の隅部)に配することが好ましい。
(n3)上記実施の形態では、上側切欠き部89にハーネスHを支持するハーネス支持部89aを設け、遊技盤80の着脱作業中及び遊技盤80を装着した後は同ハーネス支持部89aによってハーネスHを支持する構成としたが、ハーネス側コネクタC1と制御装置側コネクタC2とを接続したり、遊技盤80を装着完了位置に配置したりすることで、ハーネスHがハーネス支持部89aから離間する構成としてもよい。つまり、ハーネス支持部89aによって常時ハーネスHを支持する必要はない。
(n4)上記実施の形態では、「開口部」としての中央開口76を設けたが、中央開口76とは別にハーネス用の開口を設けてもよい。
(n5)上記実施の形態では、音声ランプ制御装置143(詳しくは制御装置側コネクタC2)よりも上位となる位置に上側切欠き部89を設け、その上側切欠き部89よりも更に上位となる位置にハーネス用開口部36を設けたが、これら、各種構成36,89,143の位置関係はこれに限定されるものではない。例えば、ハーネス用開口部36を上側切欠き部89よりも下位となる位置に設けてもよい。
(n6)上記実施の形態では、遊技盤80の回動中心軸線と前扉枠14の回動中心軸線とをずらすことにより、遊技盤80の装着完了位置への移動に伴って、ハーネスHの弛みが減少する構成としたが、それら両中心軸線を一致させることも可能である。この変形例を採用することで、ハーネスHの余裕代を更に小さくすることができる。故に、併せてハーネスHの全長を、上側切欠き部89を経由することなく各コネクタC1,C2の接続が不可となるように設定するとよい。これにより、作業ばらつきによってハーネスHが内枠13,前扉枠14及び遊技盤80の三者間にて挟まるといった不都合を生じにくくすることができる。
(n7)上記実施の形態では、前扉枠14のハーネス用開口部36と音声ランプ制御装置143の制御装置側コネクタC2と遊技盤80の上端部との三者を結んだ最短経路上に上側切欠き部89を形成したが、上側切欠き部89をこの最短経路から外れた位置に形成することも可能である。但し、この場合、遊技盤80を装着完了位置に向けて回動させることでハーネスHの弛みが減少し、同ハーネスHが上側切欠き部89側に移動するといった位置合わせ機能を享受することが難しくなると想定される。
(n8)上記実施の形態では、遊技盤80を回動させることにより装着完了位置に配置する構成としたが、同遊技盤80をスライドさせることで装着完了位置に配置する構成としてもよい。
また、遊技盤80の回動中心を前扉枠14の回動基端側と同一側に設定したが、遊技盤80の回動中心を前扉枠14の回動基端側とは反対側に設定することも可能である。
なお、前扉枠14については、内枠13によって回動可能に支持される構成としたが、同内枠13によってスライド移動可能に支持される構成とすることも可能である。
但し、上記3つの変形例を採用した場合には、上記実施の形態に示した構成と比較してハーネスHの余裕代を増加させる必要が生じる。このため、周辺部品との干渉等による断線等の不具合を生じやすくなると想定される。故に、ハーネスHの余剰撓み分を逃がすためのスペースの確保等を行うことが好ましい。
(n9)上記実施の形態では、前扉枠14のハーネス用開口部36を同前扉枠14の回動基端側の端部に寄せて設けたが、同ハーネス用開口部36の配置は任意である。例えば、ハーネス用開口部36を同前扉枠14の回動先端側に設けることも可能である。この場合、ハーネスHを前扉枠14の背面に沿って回動基端側に案内し、回動基端側の端部に寄った位置で保持するクランプ等を設けることが好ましい。
(n10)上記実施の形態では、前扉枠14が「演出装置」として環状電飾部23及びスピーカ部26を有する構成としたが、これら両者の一方を省略することも可能である。また、前扉枠14が「演出装置」として液晶ディスプレイ等の表示装置を有する構成としてもよい。
更には、「演出装置」として、図柄表示装置94等によって行われる演出の態様を変化させる操作部等を前扉枠14に配することも可能である。
(p1)上記実施の形態では、内枠13の内枠側払出通路部901,902と前扉枠14の前扉側通路部51,52とが前扉枠14の開放に伴って分離される構成とし、内枠側払出通路部901,902からの遊技球の流出を「阻止手段」としてのシャッタ機構910によって阻止する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば内枠13の内枠側払出通路部901,902と裏パック701の裏パック側払出通路部718,719とが裏パックユニット15の回動に伴って分離される構成において、上記シャッタ機構に相当する構成を裏パックユニット15に配設し、同シャッタ機構によって裏パック側払出通路部718,719からの遊技球の流出を阻止する構成としてもよい。
更には、島設備から供給される遊技球を裏パックユニット15のタンク721に貯留する構成としたが、この貯留タンクを外枠11に配設してもよい。このような変更を行った場合、同貯留タンクから延びる外枠側通路部と裏パック側通路部とを前者を上流側、後者を下流側として連通させるとともに、外枠通路側に上記シャッタ機構に相当する構成を配設するとよい。同シャッタ機構によって裏パックユニット15を開放した際の外枠側通路部からの遊技球の流出を阻止することで、実用上好ましい構成を実現できる。
なお、外枠11の貯留タンクを省略し、外枠11に設けた取込通路部にたいして、島設備から供給される遊技球が直接流入する構成とすることも可能である。この場合取込通路部に対して上記シャッタ機構を適用するとよい。
(p2)上記実施の形態では、「供給通路」としての誘導通路部を分離可能とし、同払出通路部に対して「阻止手段」としてのシャッタ機構910を適用したが、これを以下のように変更することも可能である。例えば、排出通路部が裏パックユニット15及び内枠13に跨って形成され、同排出通路部を裏パックユニット15の開放に基づいて分離可能としている場合には、同排出通路部に対して「阻止手段」を適用することも可能である。
(p3)上記実施の形態では、「開閉体」としての前扉枠14が支持金具71,72の中心軸線(詳しくは回動中心軸線CL)を中心として回動することにより開閉される構成としたが、これに限定されるものではない。すなわち、前扉枠14をリンク機構を介して内枠13に取り付け、回動中心が変位しながら前扉枠14が開閉される構成としてもよい。
(p4)上記実施の形態では、「下流側通路部」として前扉側上皿通路部51及び前扉側下皿通路部52を有する構成とした。すなわち「下流側通路部」を複数有する構成とした。これを変更し、「下流側通路部」を1つにすることも可能である。この場合、例えば「上流側通路部」としての内枠側払出通路部901,902から流出する遊技球が1の前扉側通路部に流入する構成にするとよい。なお、このような変更に併せて、例えば上皿33及び下皿34を統合し、パチンコ機10が1の貯留皿を有する構成とすることも可能である。
(p5)上記実施の形態では、前扉枠14の回動基端寄りに内枠側払出通路部901,902及び前扉側通路部51,52を配置したが、これに限定されるものではない。例えば、それら各通路部51,52,901,902を前扉枠14の回動先端寄りに配置することも可能である。
更には、上皿用の誘導通路部と下皿用の誘導通路部とを隣接して設けたが、これを変更し、それら両誘導通路部の一方を前扉枠14の回動基端よりに配設し、他方を回動先端寄りに配設することも可能である。また、必ずしも両誘導通路部(詳しくは内枠側払出通路部の出口部分)の高さ位置を揃える必要はなく、上下にずらすことも可能である。
(p6)上記実施の形態では、内枠側払出通路部901,902の出口部分が下方を向く構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、それら出口部分がパチンコ機10の前方を向く構成とすることも可能である。
(p7)上記実施の形態では、「阻止手段」としてのシャッタ機構910が各内枠側払出通路部901,902の出口部分に個別に対応する第1シャッタ機構920及び第2シャッタ機構930を有する構成としたが、必ずしもシャッタ機構を分ける必要はない。例えば、1のシャッタ部材によって2つの出口部分からの遊技球の流出を阻止する構成としてもよい。以下、図58に基づき具体例を示す。図58(a)は内枠13の前面側からみたシャッタ機構の概略図、図58(b)は図58(a)のS−S線部分断面図である。
図58(a)に示すように、内枠13の通路形成部材1050の下方にはシャッタ機構1060が設けられている。シャッタ機構1060は、両内枠側払出通路部1051,1052の出口部分に対して突出するシャッタ部材1061を有している。シャッタ部材1061は左右に延びる略箱状をなしており、通路形成部材1050の取付ベース部1053には、このシャッタ部材1061の前面部を前扉枠14側に露出させる開口部1054が形成されている。
シャッタ部材1061の本体部1062には、その両側面から突出するリブ1063が形成されており、樹脂ベース70のシャッタ収容部1080には、これらリブ1063が嵌まる溝部1081が形成されている。図58(b)に示すように、リブ1063は溝部1081の底部に向けて凸となる湾曲状をなしており、同底部との間に隙間が形成される大きさに形成されている。
シャッタ収容部1080の内部において内枠側払出通路部1051の出口部分の真下となる位置にはコイルバネ1071が配設されているとともに、内枠側払出通路部1052の出口部分の真下となる位置にはコイルバネ1072が配設されている。コイルバネ1071,1072はシャッタ部材1061とシャッタ収容部1080の奥壁部との間に挟まれており、各コイルバネ1071,1072によってシャッタ部材1061が左右両側で別個独立して付勢されている。
図58(b)に示すように、前扉枠14の通路形成ユニット50における操作突起51b,52bは、シャッタ部材1061において各コイルバネ1071,1072が当接している部分の正面側に当接している。前扉枠14が開放された場合に操作突起51bの変位に対して操作突起52bの変位が遅れるが、このような変位の差に合わせてシャッタ部材1061が回動しながら前方に突出することとなる。具体的には、シャッタ部材1061は、操作突起52bと当接している部分を中心として、操作突起52b側の端部が前方に移動するようにして回動する。これにより、内枠側払出通路部1051の出口部分に対する突出量と、内枠側払出通路部1052の出口部分に対する突出量とが相違することとなる。詳しくは、両突出量のうち前者が後者よりも大きくなるように、傾いた状態で突出する。なお、既に説明したように、シャッタ部材1061の左右両側のリブ1063は湾曲状をなしており、溝部1081との間に若干の隙間が形成されている。このため、シャッタ部材1061の回動が、これらリブ1063及び溝部1081によって妨げられることはない。
以上詳述した変形例においては、上記実施の形態のシャッタ機構910と同様に、各内枠側払出通路部の出口部分からの遊技球の零れを好適に抑制することができる。しかしながら、本変形例に示すように、1のシャッタ部材1061によって複数の出口部分からの流出阻止を行う場合、各出口部分でのシャッタ部材1061の動作を完全に独立させることが難しくなる。故に、阻止タイミングの最適化の観点からすれば、上記実施の形態に示すシャッタ機構910のほうが優れていると想定される。
(q1)上記実施の形態では、「球止め手段」としての球止め部材770により「案内通路」としてのタンクレール750を流下する遊技球の移動を阻止する構成とした。これを以下のように変更することも可能である。「球止め手段」によって上下通路ユニットの払出通路部や排出通路部を流下する遊技球の移動を阻止する構成とすることも可能である。
(q2)上記実施の形態では、「突出部」としての爪部777を有し、同爪部777が遊技球に対して下流側から引っ掛かることで、それら遊技球の流出を阻止する構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。爪部777を省略するとともに、下流側対向部773が流下領域内に突出する構成とし、当該下流側対向部773が遊技球に対して下流側から当接することで、それら遊技球の流出を阻止する構成としてもよい。つまり、下流側対向部773を「突出部」として活用することも可能である。
(q3)上記実施の形態では、球止め部材770が「可動部」としての上流側対向部772と「突出部」としての爪部777とを併せ有する構成とした。すなわち、「可動部」及び「突出部」を一体的に設けたが、これら「可動部」及び「突出部」を別体で設けることも可能である。例えば、「可動部」と「突出部」とをリンク構造等を用いて連結し、それら両者を連動させる構成としてもよい。
(q4)上記実施の形態では、「球止め手段」としての球止め部材770を回動可能に支持する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば球止め手段をスライド移動可能に支持する構成としてもよい。しかしながら、このような構成を採用した場合、阻止状態と許容状態との切り替え時に「可動部」と「突出部」とをタンクレール750の底板部751に対して逆の動きをさせることが難しくなると想定される。例えば、両者の動きを逆転させるようなリンク構造を採用することで、このような不都合は解消可能であるが、これは構造の複雑化や球止め手段の大型化を招き、同球止め手段の配置に制約が生じやすくなるため好ましくない。故に、望ましくは、1の球止め部材を回動可能に設け、且つ「可動部」と「突出部」との間に回動中心を設定するとよい。
(q5)上記実施の形態では、「可動部」としての上流側対向部772がタンクレール750の底板部751側に移動する構成とした。すなわち底板部751に載っている遊技球群を上方から押す構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、「可動部」が前後方向に移動する構成とし、遊技球群を前方又は後方から壁部752,753側へ押す構成としてもよい。
(q6)上記実施の形態では、「可動部」が板状をなす構成としたが、「可動部」は少なくとも遊技球を押すことが可能であればよく、例えば同「可動部」が突起状をなす構成とすることも可能である。
(q7)上記実施の形態では、阻止状態への切り替えに伴って、「可動部」としての上流側対向部772が徐々にタンクレール750の底板部751側に移動する構成としたが、阻止状態への切り替えが完了したことを契機とし、「可動部」が底板部751側に移動する構成としてもよい。
(q8)上記実施の形態では、「案内通路」としてのタンクレール750が上方に開放された溝状をなす構成としたが、これを変更し、案内通路が筒状をなす構成とすることも可能である。
この場合、例えば案内通路が上下に延びる構成とするが容易となり、案内通路の取り回し自由度が向上される。このように、上下に延びる通路に対して「阻止手段」を適用することも可能である。以下、図59に基づき具体例を示す。図59は、阻止手段の変形例を示す概略図である。
図59に示すように、案内通路1100は上下に延びる筒状をなしている。案内通路1110は、鉛直方向に延びる上流側通路部1101と、その上流側通路部1101に対して下流側から連なるの拡張通路部1102と、同拡張通路部1102に対して下流側から連なるとともに鉛直方向に延びる下流側通路部1103とを有している。拡張通路部1102は、水平方向に膨らんでおり、当該拡張通路部1102を形成している通路壁部1104には内外に貫通する開口部1105が形成されている。
この開口部1105を覆うようにして球止め部材1111が配設されている。球止め部材1111は案内通路1100に沿って上下に延びる長板状をなしており、その構成は上記実施の形態の球止め部材770と同様である。故に、球止め部材1111に関する詳細な説明は省略する。
拡張通路部1102の通路壁部1104において、開口部1105の上方となる部位は、球止め部材1111の上流側の端部の移動経路に沿うように通路外側へ向けて張り出している。これにより、球止め部材1111の切替操作に伴って、開口部1105から遊技球が零れることを回避することができる。特に、球止め部材1111の上流側の端部は回動中心軸線よりも通路外側にて移動する構成となっており、上記通路壁部1104において球止め部材1111の上流側の端部の移動経路に沿っている部分は、斜め下方を向いている。これにより、球止め部材1111の切替操作を行う場合に、通路壁部1104とベース部1112との間に遊技球が挟まって同切替操作が妨げられることを抑制できる。
(q9)上記実施の形態では、「案内通路」としてのタンクレール750が2条の球通路を有する構成としたが、これに限定されるものではない、例えば1条の球通路を有する構成としてもよいし、3条以上の球通路を有する構成としてもよい。
(q10)上記実施の形態では、上流側対向部772の下面がタンクレール750の上流側に凸となる曲面状をなす構成としたが、これを変更し、上流側対向部の下面が平面状をなす構成としてもよい。
(q11)上記実施の形態では、球止め部材770を阻止状態に切り替えた場合に、各壁部752,753と第2突起776とによって所定方向への回動を許容しつつ、所定方向とは反対側への回動を規制する構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、所定方向及び同所定方向とは反対の方向への回動を規制することも可能である。
(q12)上記実施の形態では、タンクレール750の通路方向における上流側対向部772の長さ寸法を下流側対向部773の長さ寸法よりも大きく設定したが、これを逆にすることも可能であるし、両寸法を同一とすることも可能である。但し、このような変更を行った場合、球止め部材770を阻止状態にて維持する機能が低下すると懸念される。故に、望ましくは上記実施の形態に示したようにタンクレール750の通路方向における上流側対向部772の長さ寸法を下流側対向部773の長さ寸法よりも大きく設定するとよい。
(q13)上記実施の形態では、「球止め手段」としての球止め部材770にタンクレール750を流下する遊技球を整流する整流機能を付与したが、これに限定されるものではない。「球止め手段」に整流機能を付与しない構成とすることも可能である。
(r1)上記実施の形態では、「案内通路」としての第2払出通路部815の一部を拡張させて「流入領域」としての拡張領域EEを形成し、同拡張領域EEがその全域にて流下領域REに連なる構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、「流入領域」はその全域にて「流下領域」に連なっている必要はない。例えば、「流入領域」を「流下領域」とは別の通路として形成し、その下流側の端部にて「流下領域」と連なる構成としてもよい。以下、図60(a)を参照してその具体例について説明する。図60(a)は、流入領域の変形例を示す概略図である。
図60(a)に示すように、下皿用払出通路部1120は、斜めに傾斜する上流側通路部1121と、当該上流側通路部1121に連通するとともに鉛直方向に延びる下流側通路部1122とを有している。下流側通路部1122の上流部分は仕切壁部1123によって2条に分けられており、上流側通路部1121寄りの一方が流下領域RE2、他方が流入領域EE2となっている。それら流下領域RE2の入口部分及び流入領域EE2の入口部分は上流側通路部1121の延長方向に並んでいるが、上流側通路部1121から流下した遊技球の勢いでは、流下領域RE2の入口部分を飛び越えて、流入領域EE2の入口部分に流入することが回避される構成となっている。
流下領域RE2での遊技球の流下が許容されている状態では、遊技球が流下領域RE2の入口部分に嵌まり、同流下領域RE2内を流下する。一方、流下領域RE2での遊技球の流れが滞り、同領域内に遊技球が積み上がると、流下領域RE2の入口部分が遊技球によって埋まり、上流側通路部1121から流下した遊技球は、流下領域RE2の入口部分を越えて、流入領域EE2の入口部分に到る。これにより、後続する遊技球が順次流入領域EE2に流入することとなる。
流入領域EE2には、当該流入領域EE2に流入した遊技球を検知する検知機構1130が設けられている。この検知機構1130によって検知された遊技球の検知情報が主制御装置162に出力される。
流下領域RE2に積み上がっていた遊技球が、再び流下し始めると、流入領域EE2に待機していた遊技球が、流下領域RE2側に流れ込むこととなる。
なお、下流側通路部1122を、上流側通路部1121との連通部分を基端として、当該上流側通路部1121の延長方向先側に傾斜させることで、流下領域RE2に遊技球が積み上がる際にそれら遊技球が流入領域EE2の出口部分を通じて同流入領域EE2に流入することを好適に抑制することができる。
(r2)上記実施の形態では、第2払出通路部815において流下領域REと拡張領域EEとが併存している部分が鉛直方向に延びる構成としたが、これに限定されるものではく、以下のように変更してもよい。例えば、第2払出通路部815において流下領域REと拡張領域EEとが併存している部分が斜めに傾斜する構成としてもよい。斜めに傾斜している通路部においては、遊技球が円滑に流下している場合には底側の通路壁面に沿って遊技球が移動する。そこで、この底側の壁面とは反対側となる壁面に流入領域を形成することで、遊技球が流下している場合の流入流域への遊技球の入り込みを抑制しつつ、遊技球が積み上がった場合には後続の遊技球を流入領域へと導くことが可能となる。
(r3)上記実施の形態では、誘導通路部の途中位置に曲がり部819を設けたが、この曲がり部819を省略することも可能である。また、「流入領域」を曲がり部819に跨るようにして配する必要はく、曲がり部から外れた部分に配することも可能である。但し、流入領域に遊技球が滞留した場合に、後続する遊技球を流入領域へ導きやすくするには、上述した曲がり部を用いて、遊技球の積み上がりを乱すことが好ましい。
(r4)上記実施の形態では、誘導通路部の途中位置に「曲がり部」を設け、流入領域を誘導通路部の壁面部において凸となっている側に配したが、これに限定されるものではない。例えば誘導通路部の壁面部において凸となっている側とは反対側に「曲がり部」を配することも可能である。但し、このような変更を行った場合、流入領域への遊技球の誘導機能が低下すると懸念される。故に、望ましくは、流入領域を誘導通路部の壁面部において凸となっている側に配するとよい。
(r5)上記実施の形態では、「曲がり部」に対して上流側から連なる通路部(第2払出通路部815において曲がり部819の上流側に連なる部分)と、「曲がり部」に対して下流側から連なる通路部(裏パック側払出通路部719)とが直線状に延びる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、それら各通路部815,719を湾曲させることも可能である。
(r6)上記実施の形態では、「曲がり部」に対して上流側から連なる第2払出通路部815が、「曲がり部」に対して下流側から連なる裏パック側払出通路部719よりも水平面に対する傾きが大きくなる構成としたが、これを逆にすることも可能である。
例えば図60(b)に示す変形例を参照して説明すれば、下皿用払出通路部1140において曲がり部1141に対して上流側から連なる上流側通路部1142を斜めに傾斜させるとともに、同曲がり部1141に対して下流側から連なる下流側通路部1143を鉛直方向に延びるように形成することも可能である。このような変更を行った場合には、下流側通路部1143の延長上に拡張領域EE3を設け、同拡張領域EE3内に検知スイッチ1150を配するとよい。
(r7)上記実施の形態では、下皿用の誘導通路部において「曲がり部」の凸となっている側の通路壁部に凹部845(拡張領域EE)を形成したが、これを以下のように変更することも可能である。図60(c)に示すように、誘導通路部1160が曲がり部1161を有している構成を採用している場合には、同誘導通路部1160の通路壁部において、曲がり部1161により凸となっている側とは反対側となる部位に凹部1162(拡張領域EE4)を設けるとともに、同拡張領域EE4に検知スイッチ1170を配することも可能である。
但し、(r6)及び(r7)に示す変形例を採用した場合には、流下領域RE3,RE4に遊技球が積み上がった際の拡張領域EE3,EE4への遊技球の誘導機能が低下し得る。これは、検知精度の低下を招来する要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したように、曲がり部を通じて誘導通路部がなだらかになるとともに、同曲がり部に対して下流側から連なる下流側通路部の延長上に拡張領域が位置する構成を採用するとよい。
(r8)上記実施の形態では、「検知手段」としての検知機構880が接触式センサを有する構成としたが、これに代えて、磁気センサや光学センサ等の非接触式センサを有する構成としてもよい。但し、このような変更を行った場合には、遊技球を拡張領域EEから流下領域REに復帰させる機能が低下すると想定される。すなわち、上記実施の形態においては、スイッチ892の付勢力を利用して遊技球を流下領域RE側に押し戻すことが可能であったのに対し、このような効果を享受することができなくなる。故に、好ましくは、接触式センサを採用するとよい。
(r9)上記実施の形態では、裏パック側払出通路部719の延長上から外れた位置に当接部材881を配置したが、その当接部材881を、裏パック側払出通路部719の延長上に配置することも可能である。
(s1)上記実施の形態では、「壁面部」としての右側通路壁部826に第1規制部827及び第2規制部828を設けることにより「流入領域」としての拡張領域EA3を形成したが、これに限定されるものではない。それら両規制部827,828のうち一方を省略することも可能である。
例えば、第2規制部828を省略するとともに第1規制部827を上流側に延長し、当該第1規制部827を右側通路壁部826の上流側対向壁部826aに繋ぐことも可能である。第1規制部827は上流に向けて開口部818側に湾曲しているため、下流側の拡張領域EA2に流入している遊技球を足がかりとした拡張領域EA3への流入は円滑に行われると想定される。しかしながら、その反面、流下領域RAに沿って流下した遊技球が衝突した場合に、その衝撃を通路壁へ分散させることが困難になる。つまり、衝突によって球詰りが発生しやすくなると懸念される。
一方、第1規制部827を省略するとともに第2規制部828を下流側に延長し、例えば当該第2規制部828を右側通路壁部826の下流側対向壁部826bと左右に重なるように変更することも可能である。しかしながら、このような変更を行った場合、後続球が衝突した際の衝撃の分散を図り、球詰りを抑制するという機能は担保されるものの、下流側の拡張領域EA2に流入している遊技球を足がかりとした拡張領域EA3への流入の円滑さは低下すると考えられる。
以上詳述したように、第1規制部827と第2規制部828には個別の機能が付与されているため、望ましくはそれら両規制部827,828を併用するとよい。
(s2)上記実施の形態では、「流入領域」としての拡張領域EA3を「流出口」としての開口部818と対向する位置に配したが、これに限定されるものではない。「流入領域」は、第1払出通路部811において例えば開口部818と同じ高さ位置に配されていればよい。以下、図61(a),(b)に基づき具体例について説明する。図61(a)は、変形例の縦断面図、図61(b)は変形例の横断面図である。
図61(a)に示すように、上下通路部812において上流側通路部812aよりも下流側には、パチンコ機10の前方に向けて拡張された拡張領域EA5が設けられている。拡張領域EA5は、第1ハウジング820の下側平板部823をパチンコ機10の前方に凹ませることで形成されている。その凹部1201は、当該凹部1201に流入した遊技球が開口部818とは反対側、すなわち右側通路壁部826寄りとなる位置で滞留するように構成されている。詳しくは、凹部1201を構成している周壁部のうち右側通路壁部826側を向いている側壁部1202は、当該凹部1201の奥側に向けて同右側通路壁部826に近づくように傾いている。このため、凹部1201の奥部においては、上記周壁によって左右方向への遊技球の移動制限が強まることとなる。
このように拡張領域EA5に流入した遊技球の左右方向への移動が抑えられた状態では、図61(b)に示すように、同遊技球が右側通路壁部826寄りとなる位置で滞留する。このため、後続する遊技球が流下領域RAに沿って流下すると、滞留中の遊技球において開口部818側となる部位に衝突することとなる。これにより、後続の遊技球は、開口部818側へ跳ね返る。
なお、以上詳述した変形例に限定されることはなく、同様の拡張領域を第3ハウジング840の対向板部841に設けてもよい。また、個々に独立した拡張領域を複数設けることも可能である。
(s3)上記実施の形態では、「案内通路」としての払出通路に遊技球の案内先を変更する構成を適用したが、これに限定されるものではない。遊技球を排出する排出通路や遊技球を回収通路に遊技球の案内先を変更する構成を適用することも可能である。
また、払出装置724よりも下流側の払出通路部に遊技球の案内先を変更する構成を適用したが、同払出装置724よりも上流側の払出通路部に遊技球の案内先を変更する構成を適用することも可能である。
(s4)上記実施の形態では、「案内通路」としての第1払出通路部811(詳しくは上下通路部812)が角筒状をなす構成としたが、これを変更し、円筒状をなす構成としてもよい。
(s5)上記実施の形態では、第2流入領域RA2を有する構成としたが、これを省略することも可能である。この場合、図61(c)の変形例に示すように、上下通路部812の右側通路壁部826において開口部818と対向している部分を同開口部818とは反対側に凹ませることで凹部1211を形成し、その凹部1211を形成することで拡張された拡張領域EA6を「流入領域」として活用するとよい。
(s6)上記実施の形態では、「案内通路」としての上下通路部812が上下に延びる構成としたが、これに限定されるものではなく、案内通路部が斜めに傾斜する構成とすることも可能である。以下、図61(d)に基づき具体的につてい説明する。図61(d)は案内通路の変形例を示す概略図である。
図61(d)に示すように、第1払出通路部1220は、斜めに下る下側壁部1221と、その下側壁部1221に対して遊技球の直径寸法よりも僅かに大きな隙間を隔てて対向する上側壁部1222とを有している。第1払出通路部1220に流入した遊技球は、それら両壁部1221,1222によって挟まれた流下領域RA2内を、下側壁部1221に沿って流下する。
第1払出通路部1220の上方には、当該第1払出通路部1220と並べて第2払出通路部1230が設けられている。それら第1払出通路部1220及び第2払出通路部1230は上側壁部1222によって仕切られており、上側壁部1222には両払出通路部1220,1230を連通させる開口部1223が形成されている。上側壁部1222において開口部1223と対向している部分には、上側壁部1222から遠ざかる側へ凹む段差部1224が形成されている。このように段差部1224を形成することで、第1払出通路部1220が開口部1223とは反対側に拡げられ、拡張領域EA7が形成されている。
段差部1224の段差寸法は、遊技球の直径寸法よりも小さく設定されており、下側壁部1221に沿って流下した遊技球は拡張領域EA7に流入することで、その遊技球の一部が流下領域RA2へ突出することとなる。
第1払出通路部1220内に遊技球が積み上がり、同滞留中の遊技球群が開口部1223(詳しくは段差部1224の上流側の端部)に達すると、それら滞留中の遊技球群に後続する遊技球が、流下領域RA2を流下し、同滞留中の遊技球に衝突する。これにより、それら後続の遊技球は開口部1223側へ跳ね返り、同開口部1223を通じて第2払出通路部1230へ流入することとなる。
更には、「案内通路」が水平に延びる構成とすることも可能である。この場合、例えば開口部よりも上流側の通路部分を鉛直又は略鉛直とし、案内通路の流下領域に沿って移動する遊技球が開口部側や流入領域側へ逸れないように、同遊技球に勢いをつけることが好ましい。
(s7)上記実施の形態では、「案内通路」としての上下通路部812を流下する遊技球が複数列とならない構成、すなわち当該上下通路部812の特定箇所(例えば出口部分)を複数の遊技球が同時に通過しない構成としたが、これに限定されるものではない。上下通路部812の流下領域RAを流下する遊技球が複数列となる構成とすることも可能である。但し、開口部818が開放されている方向(左右方向)においては、遊技球列が複数となることで、拡張領域RE3に滞留中の遊技球を用いた同開口部818への遊技球誘導機能を享受しにくくなると懸念される。故に、流下領域RAを拡げて複数の遊技球が水平方向に並んで流下可能な構成を採用する場合には、それら遊技球が前後方向に複数列となる構成を採用することが望ましい。
(s8)上記実施の形態では、開口部818の先に第2払出通路部815を配したが、これに限定されるものではない。例えば、開口部818から流出した遊技球が直接貯留部に流入する構成としてもよい。
(s9)上記実施の形態においては、「流出口」としての開口部818の上端部と下端部とを上下通路部812の通路方向と交差する方向(左右方向)にずらす構成としたが、これに限定されるものではない。開口部の上端部と下端部とを左右方向にずらさない構成とすることも可能である。
また、左側通路壁部825の下壁部825bを上壁部825aよりも左側に配置することで、第1拡張領域EA1を形成したが、この第1拡張領域EA1を省略することも可能である。
(s10)上記実施の形態では、「流入領域」としての第3拡張領域EA3に流入した全ての遊技球の一部が同第3拡張領域EA3と流下領域RAとへ跨る位置にて滞留する構成としたが、これに限定されるものではない。複数の遊技球が第3拡張領域EA3に流入する構成においては、それら遊技球のうち1の遊技球が第3拡張領域EA3と流下領域RAとに跨る位置にて滞留する構成としてもよい。
また、「流入領域」としての第3拡張領域EA3は必ずしも複数の遊技球の流入を許容する大きさに形成する必要はなく、1の遊技球のみが流入可能となる大きさに形成することも可能である。
(s11)上記実施の形態では、「案内通路」を有する第1払出通路部811と第2払出通路部815を左右に並設したが、これを変更し、両払出通路部を左右に並設することも可能である。
(t1)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤を着脱可能に支持する支持枠(内枠13)と
を備え、
前記支持枠に対して前記遊技盤が遊技機前方から取り付けられている遊技機において、
前記支持枠に設けられ、前記遊技盤の前面に当接する複数の当接部(ストッパ267)と、
前記支持枠に設けられ、前記遊技盤を当該遊技盤の背面側から押すことにより同遊技盤を遊技機前方に向けて付勢する付勢手段(板バネ270)と
を備え、
前記複数の当接部は、前記付勢手段の付勢力による1の当接部を支点とした前記遊技盤の回動を他の当接部によって抑えることができる位置にそれぞれ配置されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、遊技盤を支持枠の前方(すなわち支持枠の正面側)から取り付け可能とすることにより、支持枠の背面側から遊技盤の取り付けを行う場合と比較して、作業の容易化を促進できる。このように遊技盤を支持枠の正面側から取り付ける構成においては、支持枠の背面側から遊技盤の取り付けを行う構成と比較して、遊技盤の前面の位置精度(例えば前後方向の位置精度)を向上させることが難しくなると想定されるが、本特徴においては、当接部及び付勢手段によって遊技盤の前面を対象として位置決めを行うことにより、同前面の位置精度を高めやすくしている。
付勢手段によって遊技盤を付勢する構成においては、例えば遊技盤において付勢手段によって押される位置と、当接部によって止められる位置とをずらすことにより、付勢手段の付勢力の及ぶ範囲を拡げやすくし、構成の煩雑化を抑えつつ同遊技盤の位置決め機能を向上することができる。しかしながら、単にこのような構成を適用した場合には、遊技盤が当接部を支点として回動しやすくなると想定される。更には、仮に遊技盤の回動が阻止されている場合であっても、同遊技盤に対して回転モーメントが作用しやすい状態となり得る。これらは、位置決め時の安定性を低下させ、同遊技盤の位置決め精度の向上を妨げる要因となり得るため好ましくない。そこで、本特徴においては、複数の当接部を、付勢手段の付勢力による1の当接部を支点とした遊技盤の回動を他の当接部によって抑えることができる位置に配置することで、上述した不都合を払拭することが可能となっている。これにより、遊技盤の取り付けを容易化しつつ、同遊技盤の位置精度の向上に貢献できる。
また、当接部を複数設けることで、例えば上述した複数の当接部を包括するような大型の当接部を設ける場合と比較して、当接部の成形の容易化及び同当接部による位置決め精度の確保の容易化に貢献できる。
特徴A2.前記複数の当接部は特定方向に並べて配置されており、
前記付勢手段は、前記特定方向において、前記当接部群の両端に配置された2つよりも内側となる位置に配置されていることを特徴とするA1に記載の遊技機。
特徴A2に示すように当接部群の配置方向(特定方向)において両端に配置された2つよりも内側となる位置に付勢手段を配置する構成とすれば、遊技盤の回動を好適に抑制することができ、位置決め精度の向上に貢献できる。
特徴A3.前記付勢手段を複数有し、
前記当接部は、遊技機の正面視においてそれら個々の付勢手段の両側にそれぞれ配置されていることを特徴とするA1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、付勢手段を複数設け、遊技盤を押す位置を増やすことにより、位置決めをしやすくできる反面、各付勢手段と当接部との位置関係によっては、特定の当接部に加わる負荷が極端に大きくなることが懸念される。これは当接部の変形等を促進させ遊技盤の各所における位置決めの精度にばらつきが生じる要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴においては、遊技機の正面視においてそれら付勢手段の両側に当接部を各々配置することにより、上記デメリットを抑えつつ上記メリットを好適に享受できる。これにより、遊技盤の位置決め精度の更なる向上に貢献している。
特徴A4.前記付勢手段は、同付勢手段の両側にある前記当接部のほぼ中央に配置されていることを特徴とするA3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、付勢手段の付勢力によって各当接部に加わる負荷の差を小さくすることができる。これにより、例えば一方の当接部が変形しやすくなるといった不都合を生じにくくし、位置決め精度の低下を抑制しやすくできる。
なお、本特徴に示す構成を「前記付勢手段は、前記遊技盤において当該付勢手段によって押されている部位から当該付勢手段の両側にある前記当接部のうち一方の当接部及び前記遊技盤が当たっている部位までの距離と、前記遊技盤において当該付勢手段によって押されている部位から当該付勢手段の両側にある前記当接部のうち他方の当接部及び前記遊技盤が当たっている部位までの距離とがほぼ同等となる位置に配置されていることを特徴とするA3に記載の遊技機」と置き換えることも可能である。
特徴A5.前記支持枠に設けられているとともに前記遊技盤よりも下側に配置され、遊技球を発射する遊技球発射装置(遊技球発射機構110)を備え、
前記遊技球発射装置は、遊技球の発射方向を規定する発射レール(発射レール112)を有し、
前記遊技盤の前面に取り付けられ、前記発射レールから発射された遊技球を前記遊技領域に導く誘導レール(誘導レール100)と、
前記支持枠の前面に設けられ、前記発射レールが設置される設置面(発射機構設置部79)と
を備え、
前記当接部と前記設置面とが一体成形されていることを特徴とするA1乃至A4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1等に示したように遊技盤の前面にて位置決めを行う構成においては、その位置決め精度が当接部、詳しくは当接部において遊技盤が当接する面(以下便宜上、当接面と称する)の位置によって左右されることとなる。仮に、当接面と設置面との位置がばらつくと、発射レール及び遊技盤の前面(詳しくは誘導レール)の前後位置がばらつきやすくなる。これにより、誘導レールにおける遊技球の着地位置がばらつくと想定される。これは遊技球の円滑な誘導を妨げる要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴に示すように、当接部及び設置面を一体成形することにより、当接部と設置面との位置ばらつきを抑えることが可能となる。これにより、上記不都合を生じにくくし、遊技球の誘導を円滑なものとすることができる。
特徴A6.前記遊技領域は略円形状をなしており、
前記遊技盤の前面に設けられ、遊技球発射装置(遊技球発射機構110)から発射された遊技球を同遊技領域に導く誘導レール(誘導レール100)を備え、
前記誘導レールは、前記遊技領域の外縁において前記遊技盤の一辺側となる部位に沿って延びているとともに、前記遊技盤の一辺側に凸となる円弧状をなしており、
前記当接部は、前記誘導レールにおいて前記一辺側に凸となっている部分の上方及び下方にそれぞれ配置されていることを特徴とするA1乃至A5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A6によれば、誘導レールにおいて遊技盤の一辺側に凸となっている部位の上下に当接部を配置することで、遊技領域と当接部とを遊技盤の前面側にて好適に共存させることが可能となる。
なお、特徴A5との組み合わせにおいては特に、本特徴における「遊技球発射装置」,「誘導レール」を特徴A5における「遊技球発射装置」及び「誘導レール」と同一のものとしてもよい。
特徴A7.前記当接部及び前記付勢手段は前記遊技盤の一辺に沿って配置されていることを特徴とするA1乃至A6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1等に示したように、遊技盤の前面側に遊技領域が形成されている構成において、更に同遊技盤の前面に対応する当接部を有する構成とした場合、それら当接部の配置によって遊技領域の拡がりが制限されることは好ましくない。この点、特徴A7に示すように、当接部及び付勢手段を遊技盤の一辺に沿って配置し、位置決めに関する構成の占有領域の拡がりを抑える構成とすれば、上記不都合を抑制し、当接部と遊技領域とを好適に共存させることが可能となる。
特徴A8.前記支持枠によって回動可能に支持され、前記遊技盤を前方から覆う扉体(前扉枠14)を備え、
前記当接部及び前記付勢手段は、前記遊技盤において前記支持枠により支持されている側と同一側の一辺に沿って配置されており、
前記遊技盤は、前記当接部と前記付勢手段との間に挿入された状態にて、その挿入された部分を中心として回動されることにより前記支持枠に対して着脱されるものであることを特徴とするA1乃至A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8に示すように支持枠に扉体が設けられている場合には、扉体を開放した状態で遊技盤を遊技機前方から真っ直ぐ押し込んで取り付けるのは難しくなり得る。特に、遊技機が遊技ホールの島設備に設置されている場合には、扉体の回動基端側において遊技盤を取り付ける際の作業スペースの確保や取付軌道の確保が困難になりやすいと想定される。この点、本特徴によれば、遊技盤を挿入部に挿入した後で、支持枠に対して回動させることにより取付完了位置に配置することができるため、上述した不都合を好適に払拭することができる。
このような構成において、仮に遊技盤を所定の取り付け位置に配置した後、当接部を遊技盤に当接する位置に移動させる等の別途操作が必要である場合には、上述の如く作業スペースの確保が難しい等の理由から作業が煩雑化すると想定される。故に、遊技盤の回動基端側においては、別操作を必要としない固定式の当接部を採用するこが好ましい。これにより、遊技盤の取り付け作業の更なる容易化が期待できる。
特徴A9.前記当接部は、前記付勢手段において前記遊技盤の背面に当接する部位よりも前記遊技盤の回動基端側となる位置に配置されていることを特徴とするA8に記載の遊技機。
特徴A8に示したように、当接部と付勢手段との間に遊技盤を挿入する構成においては、仮に遊技盤の挿入角度が小さくなると同遊技盤が支持枠に対してひっかかりやすくなると懸念される。この点、本特徴においては、当接部が付勢手段において遊技盤の背面に当接する部位よりも遊技盤の回動基端側に配置されていることで、挿入口を遊技機前側に向けることが可能となる。これにより、上記挿入角度を大きくでき挿入作業の容易化に貢献できる。
また、遊技盤を遊技機前方に付勢する構成を採用した場合、その付勢力をある程度高めに設定することにより、位置決め精度の向上を図ることができる。しかしながら、付勢力を強めると遊技盤の装着作業が難しくなり得る。この点、本特徴によれば、当接部と付勢手段の当接部位とをずらして配置することで、付勢力を大きくした場合にその付勢力が遊技盤を挿入する際の抵抗となることを抑制でき、位置決め精度の向上と挿入作業の容易化と好適に両立できる。
特徴A10.前記当接部は、前記支持枠に固定された第1当接部であり、
前記付勢手段は、第1付勢手段であり、
前記支持枠において前記第1当接部よりも前記遊技盤取り付け時における当該遊技盤の回動先端側に設けられ、前記遊技盤の前面に当接する状態と、同遊技盤の前面に当接しない状態とに切替え可能な第2当接部(ロック装置400の操作部446)と、
前記支持枠において前記第2当接部と同一側に設けられ、前記遊技盤を当該遊技盤の背面側から押すことにより同遊技盤を遊技機前方に向けて付勢する第2付勢手段(ロック装置400のプッシャ420及びコイルバネ430)と
を備えていることを特徴とするA8又はA9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、遊技盤の位置決め精度の向上が期待できる。例えば、遊技盤の回動基端側では固定式の第1当接部を採用し、遊技盤の回動先端側では可動式の第2当接部を採用することで、遊技盤の前方の作業スペースを有効活用し遊技盤の着脱作業を容易化できる。
特徴A11.前記第1付勢手段は、前記遊技盤が回動される過程にて同遊技盤を付勢可能に形成されており、
前記第2付勢手段は、前記第2当接部の前記当接しない状態から前記当接する状態への切替えに基づいて前記遊技盤を付勢するように構成されていることを特徴とするA10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、第1付勢手段によって回動中の遊技盤を付勢する構成とすることで遊技盤を回動させる際の操作ばらつきを抑制でき、例えば遊技盤が支持枠に引っ掛かって回動操作が妨げられるといった不都合を生じにくくすることができる。また、遊技盤の回動先端側に配置した第2付勢手段は、遊技盤を装着完了位置に配置した後、第2当接部を上記当接する状態へ切り替えることによって、遊技盤を付勢することとなる。故に、第2付勢手段の付勢力を強め位置精度の向上を図ったとしても、それにより遊技盤の装着作業が妨げられやすくなることは無い。つまり、作業の容易化と位置決め精度の両立に貢献できる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤を支持する支持枠(内枠13)と
を備え、
前記支持枠に対して前記遊技盤が遊技機前方から取付可能な遊技機において、
前記支持枠に設けられ、前記遊技盤の前面に当接する当接部(例えばストッパ267やロック装置400の操作部446)と、
前記支持枠に設けられ、前記遊技盤を当該遊技盤の背面側から押すことにより同遊技盤を遊技機前方に向けて付勢する付勢手段(例えば板バネ270やコイルバネ430)と
を備え、
前記当接部及び前記付勢手段は、前記支持枠において前記遊技盤の一端側となる位置及び同遊技盤の他端側となる位置にそれぞれ配置されていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、遊技盤を支持枠の前方(すなわち前面側)から取付可能とすることにより、支持枠の背面側から遊技盤の取り付けを行う場合と比較して、同遊技盤の着脱作業の容易化を促進できる。但し、このように遊技盤を支持枠前方から取り付ける構成においては、支持枠の背面側から遊技盤を取り付ける構成と比較して、遊技盤前面の遊技盤取付方向(前後方向)における位置精度を向上させるのは難しくなると想定される。
この点、本特徴においては、付勢手段によって遊技機前方へ遊技盤を押し、同遊技盤の移動を当接部によって阻止することにより、同遊技盤の前後位置を規定できる。特に、これら当接部及び付勢手段を遊技盤の両端側に配置することにより、上記付勢力によって遊技盤が傾いたり回動したりすることを抑制しやすくしている。これにより、遊技盤(詳しくはその前面)の位置精度向上に貢献できる。
なお、本特徴においては、一端側の付勢手段及び当接部を、同付勢手段の付勢力による当該当接部を中心とした遊技盤の回動を阻止可能なとなるように配置することが望ましい。例えば、同付勢手段の前方や同付勢手段の両側等に当接部を配置するとよい。また、他端側の付勢手段及び当接部についても同様に、同付勢手段の付勢力による当該当接部を中心とした遊技盤の回動を阻止可能となるように配置することが望ましい。
特徴B2.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成されているとともに、背面に前記遊技領域を通過した遊技球を回収する回収通路(台座部材141の回収通路)が設けられている遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤を支持する支持枠(内枠13)と
を備え、
前記遊技盤は、前記支持枠に対して遊技機前方からの取り付けが許容されているとともに、前記支持枠に形成された開口を通じて前記回収通路が当該支持枠の後方に露出した状態で配置されている遊技機において、
前記支持枠に設けられ、前記遊技盤の前面に当接する当接部(例えばストッパ267やロック装置400の操作部446)と、
前記支持枠に設けられ、前記遊技盤を当該遊技盤の背面側から押すことにより同遊技盤を遊技機前方に向けて付勢する付勢手段(例えば板バネ270やコイルバネ430)と
を備え、
前記当接部及び前記付勢手段は、前記支持枠における前記開口を挟んだ両側にそれぞれ配置されていることを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、遊技盤を支持枠の前方(すなわち前面側)から取付可能とすることにより、支持枠の背面側から遊技盤の取り付けを行う場合と比較して、同遊技盤の取付作業の容易化を促進できる。但し、このように遊技盤を支持枠前方から取り付ける構成においては、支持枠の背面側から遊技盤を取り付ける構成と比較して、遊技盤前面の遊技盤取付方向(前後方向)における位置精度を向上させるのは難しくなると想定される。
この点、本特徴においては、付勢手段によって遊技機前方へ遊技盤を押し、同遊技盤の移動を当接部によって阻止することにより、同遊技盤の前後位置を規定できる。特に、これら当接部及び付勢手段を開口を挟んだ両側にそれぞれ配置することにより、上記付勢力によって遊技盤が傾いたり回動したりすることを抑制でき、遊技盤(詳しくはその前面)の位置精度向上に貢献できる。
なお、本特徴においては、開口の一方側に位置する付勢手段及び当接部を、同付勢手段の付勢力による当該当接部を中心とした遊技盤の回動を阻止可能なとなるように配置することが望ましい。例えば、同付勢手段の前方や同付勢手段の両側等に当接部を配置するとよい。また、開口を挟んだ反対側に位置する付勢手段及び当接部についても同様に、同付勢手段の付勢力による当該当接部を中心とした遊技盤の回動を阻止可能なとなるように配置することが望ましい。
特徴B3.前記当接部及び前記付勢手段は、前記遊技盤の周縁に沿って配置されていることを特徴とするB1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3に示すように当接部及び付勢手段を遊技盤の周縁に沿って配置することにより、広範囲にて遊技盤の位置精度を高めることが可能となる。
特に特徴B2に示したように遊技盤の前面側に遊技領域,背面側に回収通路が設けられている場合には、それら遊技領域及び回収通路と当接部及び付勢手段とを好適に共存させることができる。
特徴B4.前記支持枠によって、前記遊技盤を前方から覆う扉体(前扉枠14)が開閉可能に支持されており、
前記扉体には、前記遊技領域の前方に位置するとともに透明性を有し、前記遊技領域が視認可能となるように形成されたパネル部材(ガラス22)が設けられており、
前記遊技領域には、前記遊技盤から前記パネル部材に向けて突出し、同パネル部材に対して遊技球の直径よりも小さな隙間を隔てて対峙する遊技部品(センターフレーム95等)が設けられており、
前記当接部及び前記付勢手段は、前記遊技盤が前記当接部に当接している状態にて、前記付勢手段側への同遊技盤の変位を許容するものであることを特徴とするB1乃至B3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B4によれば、扉体のパネル部材を介して遊技領域内を移動する遊技球の動きが視認可能となっている。パネル部材と遊技部品との間に隙間を設けることで、遊技球がパネル部材に衝突するといった不都合が生じにくくなっている。扉体が開閉可能な遊技機においては、遊技領域内にて遊技球の移動が滞る等した場合に同扉体を開放することで遊技領域へのアクセスが可能となる。このように扉体を開放することにより、遊技球の詰まり等の解消作業を行うことができる。作業後に扉体を閉じる場合、仮に遊技球が遊技部品とパネル部材との間に挟まると、遊技球を介して遊技部品とパネル部材とが干渉した際の衝撃等によりそれら遊技部品やパネル部材の変形等が発生し得る。
この点、本特徴においては、遊技盤の後方への変位を許容している。これにより、遊技部品とパネル部材との間に遊技球が挟まった場合に付勢手段の付勢力に抗して遊技盤(遊技部品)が変位することによりその衝撃を弱めることができる。故に、遊技部品やパネル部材の変形等を好適に抑制することができる。すなわち、遊技部品等を保護することが可能となる。特に、当接部及び付勢手段を遊技盤の両端にそれぞれ配置することで、位置決め機能を向上し、更には遊技盤の広域にて遊技部品の保護機能を享受することが可能となり、遊技部品の大型化や同遊技部品の配置の多様化等に好適に対応できる。
特徴B5.前記遊技部品は、前記遊技盤の一端側に位置する前記付勢手段と同遊技盤の他端側に位置する前記付勢手段との間に配置されていることを特徴とするB4に記載の遊技機。
特徴B5に示すように遊技部品を挟んだ両側に付勢手段を配置することで、特徴B4に示した遊技部品及びパネル部材の保護機能の更なる向上が期待できる。特に、特徴B3との組み合わせ(当接部及び付勢手段を遊技盤の周縁に沿って配置する構成)においては、遊技領域(遊技部品)や回収通路等との共存を図りつつ、保護機能を享受でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B6.前記支持枠に設けられているとともに前記遊技盤よりも下側に配置され、遊技球を発射する遊技球発射装置(遊技球発射機構110)を備え、
前記遊技球発射装置は、遊技球の発射方向を規定する発射レール(発射レール112)を有し、
前記遊技盤には、当該遊技盤の前面から起立し、前記遊技球発射装置から発射された遊技球を前記遊技領域に誘導する誘導レール(誘導レール100)が設けられており、
前記誘導レールの入口部(入口部分104)は、前記遊技盤の下端寄りに配されており、
前記当接部及び前記付勢手段は、前記遊技盤の下端寄りに配置されていることを特徴とするB1乃至B5のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技球発射装置から発射された遊技球を誘導レールによって遊技領域に導く構成においては、誘導レールにおける遊技球の着地位置のばらつきに起因して、同遊技球の着地時に誘導レールに生じる衝撃が大きくなり得る。この様な衝撃の増大は、例えば誘導レールに歪み等を生じさせ、遊技球の円滑な誘導が損なわれる要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴に示すように、誘導レールの入口部を遊技盤の下端寄りに配置するとともに当接部及び付勢手段を同じく遊技盤の下端寄りに配置することにより、入口部の位置精度を向上できる。これにより、上述した着地位置のばらつきを抑制でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B7.前記当接部及び前記付勢手段は、前記遊技盤の幅方向において前記誘導レールの入口部を挟んだ両側にそれぞれ配置されていることを特徴とするB6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、遊技盤の位置精度を誘導レールの入口部にて更に向上させることができ、特徴B6に示した効果を更に顕著なものとすることができる。
特徴B8.前記支持枠によって回動可能に支持され、前記遊技盤を前方から覆う扉体(前扉枠14)を備え、
前記当接部は、
前記支持枠において前記扉体が支持されている側と同じ側に設けられているとともに同支持枠に固定されている第1当接部(例えばストッパ267)と、
前記支持枠において前記扉体が支持されている側とは反対側に設けられているとともに前記遊技盤の前面に当接する状態及び同遊技盤の前面に当接しない状態の両状態に切替え可能な第2当接部(例えばロック装置400の操作部446)と
を有し、
前記遊技盤には、前記遊技盤の前面及び背面に開放され、前記第2当接部が前記当接しない状態である場合に同第2当接部の挿通を許容する挿通部(挿通部92等)が形成されており、
前記付勢手段は、
前記支持枠において前記扉体が支持されている側と同じ側に設けられている第1付勢手段(例えば板バネ270)と、
前記支持枠において前記扉体が支持されている側とは反対側に設けられている第2付勢手段(例えばコイルバネ430)と
を有し、
前記遊技盤は、前記第1当接部と前記第1付勢手段との間に挿入された状態にて、その挿入された部分を中心として回動されることにより前記支持枠に対して着脱されることを特徴とするB1乃至B7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B8に示すように支持枠に扉体が設けられている場合には、扉体を開放した状態で遊技盤を遊技機前方から真っ直ぐ押し込んで取り付けることが難しくなると想定される。特に、遊技機が遊技ホールの島設備に設置されている場合には、扉体の回動基端側において遊技盤を取り付ける際の作業スペースの確保や取付軌道の確保が困難になりやすいと考えられる。この点、本特徴によれば、遊技盤を第1当接部と第1付勢手段との間に挿入した後、支持枠に対して回動させることにより取付完了位置に配置することができるため、回動基端側で作業スペースを確保する必要がなく、上述した不都合を好適に払拭することができる。
一方、遊技盤の回動先端側では、仮に回動基端側と同様に当接部を固定式とすると同当接部が遊技盤の配置作業の妨げになり得る。この点、第2当接部を遊技盤の前面に当接する状態及び同遊技盤の前面に当接しない状態に切替可能とし、この第2当接部が当接しない状態である場合に挿通される挿通部を遊技盤に形成することで、上述した配置作業上の不都合を払拭している。そして、遊技盤を取付完了位置に配置した後は、第2当接部を当接しない状態から当接する状態に切り替えることで、回動先端側での位置決めがなされる。遊技盤の回動先端側においては、回動先端側と比べて作業スペースの確保が容易であるため、上述した当接部の切替作業を行いやすくできる。
以上詳述したように、回動基端側の第1当接部を固定式とし、回動先端側の第2当接部を可動式とすることで、作業の容易化を図り、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B9.前記第1付勢手段は、前記遊技盤が回動される過程にて同遊技盤を付勢可能に形成されており、
前記第2付勢手段は、前記第2当接部の前記当接しない状態から前記当接する状態への切替えに基づいて前記遊技盤を付勢するように構成されていることを特徴とするB8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、第1付勢手段によって回動中の遊技盤を付勢する構成とすることで遊技盤を回動させる際の操作ばらつきを抑制でき、例えば遊技盤が支持枠に引っ掛かって同遊技盤の回動操作が妨げられるといった不都合を生じにくくすることができる。また、第2付勢手段は、遊技盤を装着完了位置に配置した後、第2当接部の当接する状態への切替操作を行うことによって、遊技盤を付勢することとなる。故に、第2付勢手段の付勢力を強め位置精度の向上を図ったとしても、それにより遊技盤の装着作業が妨げられやすくなることは無い。つまり、作業の容易化と位置決め精度の両立に貢献できる。
特徴B10.前記第1当接部は、前記第1付勢手段において前記遊技盤の背面に当接する部位よりも前記遊技盤の回動基端側となる位置に配置されていることを特徴とするB8又はB9に記載の遊技機。
特徴B8等に示したように、第1当接部と第1付勢手段との間に遊技盤を挿入する構成においては、仮に遊技盤の挿入角度が小さくなると同遊技盤が支持枠に対してひっかかりやすくなると懸念される。この点、本特徴においては、第1当接部が第1付勢手段において遊技盤の背面に当接する部位よりも遊技盤の回動基端側に配置されていることで、遊技盤の挿入口を遊技機前側に向けることが可能となる。これにより、上記挿入角度を大きくでき挿入作業の容易化に貢献できる。
また、遊技盤を遊技機前方に付勢する構成を採用した場合、その付勢力をある程度強めに設定することにより、位置決め精度の向上を図ることができる。しかしながら、付勢力を強めると遊技盤の装着作業が難しくなり得る。この点、本特徴によれば、第1当接部と第1付勢手段の当接部位とをずらして配置することで、付勢力を大きくした場合にその付勢力が遊技盤を挿入する際の抵抗となることを抑え、位置決め精度の向上と挿入作業の容易化と好適に両立できる。
特徴B11.前記第2当接部は、遊技盤の前面に沿って所定方向に延びており、前記当接しない状態では当該第2当接部の長手方向が遊技盤の回動基端側から回動先端側に向き、前記当接する状態ではそれとは異なる方向を向くように、前記支持枠に対して回動可能に取り付けられており、
前記挿通部は、当該遊技盤の回動基端側から回動先端側に延び、前記当接しない状態での前記第2当接部の通過を許容するとともに前記当接する状態での同第2当接部の通過を不可とするように形成されていることを特徴とするB8乃至B10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B8等に示した構成においては、遊技盤回動時の同遊技盤と第2当接部との干渉を回避すべく挿通部の開放部位を大きくすると、第2当接部と遊技盤との掛かり代を確保しにくくなる。特に第2当接部を回動式とした場合には、回動中心から掛かり部分までの距離が大きくなると、遊技盤の押えが難しくなり、上記第2付勢手段の付勢力によってかえって遊技盤の位置決め精度が低下し得る。
この点、本特徴によれば、挿通部の開放部位の大きさを第2当接部に対して無駄に大きくしなくてもよくなり、第2当接部と遊技盤との掛かり代を確保しやすくできる。更には、第2当接部の回動中心から掛かり部分までの距離を小さくすることができる。これにより、第2当接部の変形等を抑え。位置決め精度の向上に貢献できる。
特徴B12.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤を支持する支持枠(内枠13)と
を備え、
前記支持枠に対して前記遊技盤が遊技機前方から取付可能な遊技機において、
前記支持枠には、前記遊技盤を支持する支持機構(例えばロック装置400)が複数設けられており、
前記支持機構は、
前記遊技盤の前面に当接する当接部(例えばストッパ267やロック装置400の操作部446)と、
前記遊技盤を当該遊技盤の背面側から遊技機前方に向けて付勢する付勢部(例えば板バネ270やコイルバネ430)と
をそれぞれ備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B12によれば、遊技盤を支持枠の前方(すなわち前面側)から取付可能とすることにより、支持枠の背面側から遊技盤の取り付けを行う場合と比較して、同遊技盤の着脱作業の容易化を促進できる。但し、このように遊技盤を支持枠前方から取り付ける構成においては、支持枠の背面側から遊技盤を取り付ける構成と比較して、遊技盤前面の遊技盤取付方向(前後方向)における位置精度を向上させるのは難しくなると想定される。
この点、本特徴においては、付勢手段によって遊技機前方へ遊技盤を押し、同遊技盤の移動を当接部によって阻止することにより、同遊技盤の前後位置を規定できる。例えば、支持機構を遊技盤の両端側に配置することにより、上記付勢力によって遊技盤が傾いたり回動したりすることを抑制できる。これにより、遊技盤(詳しくはその前面)の位置精度向上に貢献できる。
なお、本特徴に特徴B2乃至特徴B11に示した技術的思想を適用することも可能である。特に特徴B8乃至特徴B11との組み合わせにおいて、第1当接部及び第1付勢手段によって第1支持機構を構成し、第2当接部及び第2付勢手段によって第2支持機構を構成するとよい。
<特徴C群>
特徴C1.取付対象(内枠13)に対して着脱可能な遊技部品(遊技盤80)と、
前記取付対象に設けられ、前記遊技部品を位置決めする位置決め手段(ロック装置400)と
を備え、
前記位置決め手段は、
前記遊技部品の一方側に設けられ、同遊技部品を位置決めする位置決め状態及び同遊技部品を位置決めを解除する位置決め解除状態の各状態に切替可能な操作部(操作レバー440の操作部446)と、
前記遊技部品の他方側に設けられ、前記操作部が前記位置決め解除状態から前記位置決め状態に切り替えられた場合に、前記遊技部品を前記操作部側に向けて押さえる押え部(プッシャ420)と
を備え、
前記位置決め状態では、前記押え部に押された前記遊技部品が前記操作部に対して同押え部側から当接することにより、当該操作部側への同遊技部品の移動が規制されることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、操作部を位置決め解除状態から位置決め状態に切り替えることで、同操作部と押え部とによって遊技部品が挟まれる。この際、遊技部品は、操作部によって押え部側に押されるのではなく、押え部によって操作部側に押されることとなる。これにより、操作部、詳しくは同操作部において遊技部品と当接している部位を基準として同遊技部品の位置決めを行うことができる。
特徴C2.前記操作部が前記位置決め解除状態から前記位置決め状態に切り替えられることに基づいて前記押え部が前記操作部に近づくことを特徴とするC1に記載の遊技機。
遊技部品の位置ずれ等を抑制しようとすれば、押え部による押え力をある程度大きくすることが望ましい。しかしながら、この押え力が操作部の切替操作を行う初期段階で作用すると、操作部と遊技部品とがつかえる等して同操作部の切替操作が難しくなると想定される。この点、本特徴によれば、操作部の切替操作によって押え部が同操作部に近づく構成とすることにより、例えば操作部が位置決め解除状態にある場合には、それら押え部と操作部との間に遊技部品の移動や位置ばらつき許容する隙間を設けることが可能となる。これにより、押え部の押え力によって操作部の切替操作が難しくなることを抑制できる。例えば、押え部を操作部に近づく側に変形又は変位可能に形成するとよい。
特徴C3.前記押え部は、前記操作部側に付勢された状態となっており、
前記操作部が前記位置決め解除状態の場合にはその付勢力による前記遊技部品側への変位を規制し、前記操作部が前記位置決め状態の場合にはその付勢力による前記遊技部品側への変位を許容する規制手段(プッシャ420の突起422、操作レバー440の停留部442,443及び連結部444)を備えていることを特徴とするC1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3に示すように、押え部を操作部側に付勢された状態とし、その付勢力の作用を規制手段によって規制することで、遊技部品の取り付けの容易化と遊技部品の位置精度の向上とを好適に両立できる。
例えば、押え部を付勢する付勢部材を設けることで上記付勢状態が実現されてもよいし、押え部自身の弾性力によって付勢状態が実現されてもよい。
特徴C4.前記位置決め手段は、前記取付対象から前記遊技部品に向けて起立した状態で延びる軸部(軸体410)を有し、
前記遊技部品には、前記軸部が挿通される挿通部(挿通部92)が形成されており、
前記操作部は、前記軸部の先端部分から当該軸部と交差する方向に延出するようにして形成されているとともに、前記軸部の中心軸線を中心とした回動が許容されており、
前記挿通部は、前記位置決め解除状態である場合の前記操作部の長手方向と同一方向に延びているとともに、同操作部の通過を許容するものであり、
前記操作部が前記位置決め状態に切り替えられている場合には、前記操作部の長手方向と、前記挿通部の長手方向とが相違することを特徴とするC1乃至C3のいずれか1つに記載の遊技機。
操作部と遊技部品とが当接した場合に、軸部に生じる応力は、両者の当接箇所が軸部から近ければ近いほど小さくなる。本特徴においては、挿通部を操作部と同一方向に延びる長孔状とすることで、遊技部品装着時の操作部及び遊技部品の干渉を回避しつつ、軸部に近い位置にて操作部と遊技盤とを当接させることが可能となる。これにより、上記応力を低減し、位置決め精度の向上に貢献できる。
例えば、操作部が同操作部の回動中心軸線を挟んだ両側にて遊技部品の一側に対向する構成とすることで、更なる位置決め精度の向上に貢献できる。
特徴C5.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤を支持する支持枠(内枠13)と、
前記遊技盤の位置を規定する位置決め手段(ロック装置400)と
を備え、
前記遊技盤を前記支持枠に対して遊技機前方から取付可能な遊技機であって、
前記遊技盤には、前記遊技盤の厚さ方向に貫通する挿通部(挿通部92)が形成されており、
前記位置決め手段は、
前記挿通部を通って前記遊技盤の前面側に突出して設けられ、前記遊技盤の前面に対向し当該遊技盤の前面と当接することで同遊技盤の遊技機前方への移動を不可とする位置決め状態、及び前記遊技盤の遊技機前方への移動を許容する位置決め解除状態の両状態に切替可能に設けられた操作部(操作レバー440の操作部446)と、
前記遊技盤の後方に設けられ、前記操作部が前記位置決め解除状態から前記位置決め状態に切り替えられた場合に同遊技盤の背面を前記操作部側に向けて押える押え部(プッシャ420)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C5によれば、位置決め手段の操作部を位置決め状態に切り替えることにより、操作部が遊技盤の前面に対向する位置に配置され、且つ遊技盤が押え部によって遊技機前方に向けて押されることとなる。遊技盤の前方には操作部が位置しているため、同遊技盤は操作部に押えつけられることとなる。これにより、遊技盤の前後位置が規定される。
このように、遊技盤を前方から取り付ける構成において同遊技盤の前面基準で位置決めを行う構成とすれば、遊技盤の背面基準で位置決めを行う構成と比較して、同遊技盤の前面(すなわち上記遊技領域)の位置精度を向上できる。詳しくは、遊技盤の背面基準で位置決めをした場合、遊技盤における厚み等の製造ばらつきの影響により、遊技盤の前面の位置精度が低下しやすくなる。この点、本特徴においては、このような不都合を好適に払拭し、位置精度の向上に貢献できる。
なお、特徴C1乃至特徴C4に示した技術的思想を本特徴に適用することも可能である。
特徴C6.前記支持枠によって回動可能に支持され、前記遊技盤を前方から覆う扉体(前扉枠14)と、
前記支持枠において前記扉体が支持されている側と同一側に設けられているとともに、前記扉体が支持されている側とは反対側に開放されており、同扉体が支持されている側とは反対側から前記遊技盤が挿入される挿入部(挿入部280)と
を備え、
前記遊技盤は、前記挿入部に挿入された状態で当該挿入部を中心として回動されることにより前記支持枠に対して着脱されるものであり、
前記位置決め手段は、前記支持枠に設けられているとともに、当該支持枠において前記挿入部が設けられている側とは反対に配置され、
前記挿通部は、前記遊技盤を取付完了位置へ回動させる過程において前記操作部の通過を許容するものであることを特徴とするC5に記載の遊技機。
特徴C6によれば、支持枠に位置決め手段を設けたことで、例えば遊技盤を交換することにより機種変更を行うタイプの遊技機においては、位置決め手段の機種間での使いまわしが可能となり、リユース率の向上に貢献できる。更には、位置決め手段を支持枠に設けることにより、遊技盤ごとに位置決め精度がばらつくことを抑制可能となっている。
また、支持枠に扉体が設けられている場合には、扉体を開放した状態で遊技盤を遊技機前方から真っ直ぐ押し込んで取り付けるのは難しくなり得る。特に、遊技機が遊技ホールの島設備に設置されている場合には、扉体の回動基端側において遊技盤を取り付ける際の作業スペースの確保や取付軌道の確保が困難になりやすいと想定される。この点、本特徴によれば、遊技盤を挿入部に挿入した後で、支持枠に対して回動させることにより取付完了位置に配置することができるため、上述した不都合を好適に払拭することができる。
しかしながら、仮に上記位置決め手段を扉体の回動基端側(すなわち挿入部側)に配置すると、遊技盤を挿入する際に位置決め手段が引っ掛かりやすくなったり、上記操作部を操作しにくくなったりし得る。そこで、本特徴においては、位置決め手段を支持枠において挿入部が設けられている側とは反対に配置した。これにより、位置決め手段が遊技盤の取付作業の妨げとなることを抑制している。
特徴C7.前記挿入部は、前記遊技盤の前方に位置し同遊技盤の前面に当接する当接部(ストッパ267)と、前記遊技盤の後方に位置し同遊技盤を前方へ付勢する付勢部(板バネ270)とを有してなることを特徴とするC6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、遊技盤の回動先端側及び回動基端側の両側にて位置決め可能となり、同遊技盤の位置決め精度の向上に貢献できる。
特に、遊技盤を回動させて着脱する構成においては、挿入部に近い位置に上記位置決め手段を配置することが困難になりやすい。つまり、操作部等によって挿入部への挿入軌道が制限されやすくなるため、遊技盤取付作業の容易化を優先させると位置決め手段を回動基端側に配置することが難しくなる。また、固定式の当接部及び付勢部を回動先端側に配置すると、当接部を遊技盤に当接させることが難しくなる。
この点、回動基端側に固定式の付勢部及び当接部を配置し、回動先端側に可動式の上記位置決め手段を配置すれば、上述した各種不都合を払拭し、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴C8.前記位置決め手段には、前記支持枠から前記遊技盤に向けて起立し、前記挿通部に沿って延びる軸部(軸体410)が設けられ、
前記操作部は、前記軸部において前記挿通部から突出している先端部分から当該軸部と交差する方向に延出するようにして形成されているとともに、前記位置決め解除状態では当該操作部の長手方向が遊技盤の回動基端側から回動先端側に向き、前記位置決め解除状態ではそれとは異なる方向を向くように前記軸部の中心軸線を中心とした回動が許容されており、
前記挿通部は、当該遊技盤の回動基端側から回動先端側に延び、前記位置決め解除状態での前記操作部の通過を許容するように形成されていることを特徴とするC6又はC7に記載の遊技機。
特徴C6及びC7に示した構成においては、遊技盤を回動させた場合の同遊技盤と位置決め手段との干渉を回避すべく挿通部の開放部位を大きくすると、操作部と遊技盤との掛かり代を確保しにくくなる。特に位置決め手段を回動式とした場合には、回動中心から掛かり部分までの距離が大きくなると、遊技盤の押えが難しくなり、上記押え部の押え力によってかえって遊技盤の位置決め精度が低下し得る。
この点、本特徴によれば、挿通部の開放部位の大きさを操作部に対して無駄に大きくしなくてもよくなり、操作部と遊技盤との掛かり代を確保しやすくできる。更には、操作部の回動中心から掛かり部分までの距離を小さくすることができる。これにより、操作部(詳しくは位置決め手段)の変形を抑え。位置決め精度の向上に貢献できる。
特徴C9.前記支持枠によって、前記遊技盤を前方から覆う扉体(前扉枠14)が回動可能に支持されており、
前記扉体には、前記遊技領域の前方に位置するとともに透明性を有し、前記遊技領域が視認可能となるように形成されたパネル部材(ガラス22)が設けられ、
前記支持枠において前記扉体の回動基端側の枠部(左側枠部13c)には、同扉体を軸支する軸部(支持金具71,72)と、前記遊技盤と対向する位置に延出し前記位置決め手段が設置される設置部(対向板部251)とが設けられていることを特徴とするC5乃至C8のいずれか1つに記載の遊技機。
扉体によって遊技盤(詳しくは遊技領域)を覆う構成においては、扉体と遊技盤との位置がばらついた場合、例えばパネル部材と遊技盤とが近づくことにより遊技領域を移動中の遊技球がパネル部材に当たりやすくなると想定される。この点、本特徴においては、支持枠において扉体の回動基端側の枠部に軸部及び設置部を併設することで、扉体と遊技盤との位置ばらつきを生じにくくすることができる。これにより、パネル部材に対する遊技球の衝突等を回避しやすくできる。
なお、特徴C7等(当接部及び枠部を有する構成)との組み合わせにおいては、前記当接部を前記支持枠の前記枠部に設け、前記付勢部を前記設置部に設けることで、更なる位置精度の向上が期待できる。
特徴C10.前記支持枠に設けられているとともに、前記遊技盤よりも下側に配置されており、前記遊技領域に遊技球を発射する遊技球発射装置(遊技球発射機構110)を備え、
前記位置決め手段は、前記遊技盤の下端寄りに配置されていることを特徴とするC5乃至C9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C10によれば、少なくとも遊技球発射装置側の端部近傍における遊技盤の位置精度を向上することができる。これにより、例えば遊技球の着地位置のばらつきを抑えやすくできる。例えば、遊技盤の下端縁に沿って複数の位置決め手段を配列するとよい。
特徴C11.前記遊技盤には、当該遊技盤の前面から起立し、前記遊技球発射装置から発射された遊技球を前記遊技領域に誘導する誘導レール(誘導レール100)が設けられており、
前記誘導レールの入口部は、前記遊技盤の下端寄りに配されており、
前記位置決め手段は、少なくとも前記入口部(入口部分104)周辺に配置されていることを特徴とするC10に記載の遊技機。
遊技球発射装置から発射された遊技球を誘導レールによって遊技領域に導く構成においては、誘導レールにおける遊技球の着地位置のばらつきに起因して、同遊技球の着地時に誘導レールに生じる衝撃が大きくなり得る。この様な衝撃の増大は、例えば誘導レールに歪み等を生じさせ、遊技球の円滑な誘導が損なわれる要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴に示すように、位置決め手段を誘導手段の入口部周辺に配置することにより、上記着地位置のばらつきを抑制でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴C12.前記位置決め手段は、前記誘導レールの入口部を挟んだ左右両側にそれぞれ配置されていることを特徴とするC11に記載の遊技機。
特徴C12よれば、遊技盤の位置精度を誘導レールの入口部にて更に向上させることができ、特徴C11に示した効果を更に顕著なものとすることができる。
特徴C13.前記支持枠によって回動可能に支持され、前記遊技盤を前方から覆う扉体(前扉枠14)と、
前記支持枠において前記扉体が支持されている側と同一側に設けられているとともに、前記扉体を支持されている側とは反対側に開放されており、同扉体が支持されている側とは反対側から前記遊技盤が挿入される挿入部(挿入部280)と
を備え、
前記遊技盤は、前記挿入部に挿入された状態で当該挿入部を中心として回動されることにより前記支持枠に対して着脱されるものであり、
前記扉体に設けられ、遊技球を貯留する貯留皿(上皿33や下皿34)と、
前記遊技盤において前記入口部の回動基端側となる部位に形成され、当該遊技盤の回動基端側に開放された開放部(下側切欠き部88)と、
前記開放部を通じて前記支持枠及び前記扉体に跨って設けられているとともに、前記貯留皿よりも上位に配置され、遊技球を前記貯留皿に導く誘導通路部(通路形成部121等)と
を備え、
前記挿通部は、前記開放部に連なるとともに前記遊技盤の回動基端側に開放されていることを特徴とするC12に記載の遊技機。
特徴C12に示したように位置決め手段が入口部を挟んだ両側に配置されている場合には、両位置決め手段のうち入口部よりも回動基端側に位置する一方によって挿入部への遊技盤の挿入が妨げられやすくなることが懸念される。特に、入口部を遊技盤の幅方向における中央に配置している場合には、そのような不都合が顕著になると想定される。
また、誘導通路が貯留皿よりも上位に位置することにより遊技球を同貯留皿へ誘導する際にそれら遊技球の自重を利用して同遊技球を移動させることが可能となる。しかしながら、近年においては遊技領域が拡張される傾向にあり、これによって誘導通路の配置が制限されやすくなっている。つまり、誘導通路が遊技領域(遊技盤)の拡張によって下方へと押しやられることが懸念される。これは、貯留皿への遊技球の誘導を難しくする要因となり得る。
この点、本特徴においては、遊技盤に開放部を設けることで、上記誘導通路と遊技盤との共存が可能となっている。つまり、遊技領域を拡張しつつ誘導通路の位置を貯留皿よりも上位に配置することが可能となっている。更に、この開放部に連なるようにして回動基端側の位置決め手段用の挿通部を形成し、その挿通部を回動基端側に開放させることで、遊技盤を挿入する際の同位置決め手段と同挿通部との干渉を回避することができる。これにより、誘導通路の配置と遊技領域の拡張とを好適に実現し、更には位置決め精度の向上と遊技盤の挿入作業の容易化とを好適に両立することができる。
例えば、遊技盤における回動基端側の下隅部にて回動基端側及び下側に開放された切欠きによって前記開放部を構成するとよい。
なお、本特徴に示す「扉体」及び「挿通部」は、特徴C6等に示した「扉体」及び「挿通部」と同一のものとしてもよい。
特徴C14.前記操作部と前記押え部とが前記遊技盤を挟んで対峙していることを特徴とするC5乃至C13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C17によれば、遊技盤を操作部と押え部とで挟み込むことで遊技盤の位置決め精度の向上に貢献できる。
特徴C15.前記押え部は、前記操作部が前記位置決め解除状態から前記位置決め状態に切り替えられた場合に、前記遊技盤を当該遊技盤の背面側から押す状態から、同遊技盤を押さない状態に切り替えられるものであることを特徴とするC5乃至C14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C15によれば、操作部を位置決め解除状態に切り替えることにより、遊技盤の取り外しが可能となる。この際、操作部を操作することで、押え部による遊技盤の押えが回避されるため、位置決め解除後に遊技盤が押え部に押されて移動することを抑制できる。これにより、例えば操作部を操作している手等が遊技盤に干渉するといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴C16.前記押え部は、前記操作部が前記遊技盤の前面と対向している状態において、前記遊技盤を当該遊技盤の背面側から押す状態と、同遊技盤を押さない状態との切り替えがなされるものであることを特徴とするC5乃至C15のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C16によれば、操作部が遊技盤と対向している状態にて、同遊技盤を押す状態と押さない状態との切り替えがなされる。これにより、遊技盤を装着する際の抵抗を抑えることができ、更には遊技盤を取り外す際に同遊技盤が押え部に押されて不意に移動して手等に干渉するといった不都合を生じにくくできる。
<特徴D群>
特徴D1.前面側に遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤80)を備え、
前記遊技盤を着脱可能に支持する支持枠(内枠13)に対して、同遊技盤が遊技機前方から取り付けられている遊技機において、
前記遊技盤の前面から突出した状態で同遊技盤に固定されているとともに、前記遊技領域を区画する遊技領域区画部材(遊技領域区画部材480)と、
前記遊技領域区画部材における前記遊技領域外の部位に設けられ、前記遊技盤の前面側から把持可能な把持部(把持部481,482)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技盤を支持枠前方から着脱する構成を採用した場合、遊技盤の着脱を容易化できる反面、以下の不都合が生じやすくなると想定される。つまり、遊技盤の遊技領域に配された釘や可変表示装置等の各種構成が作業者側を向くことで、遊技盤を支持枠の背面側から着脱する構成と比較して、それら各種構成が遊技盤着脱時の把持の対象として選択されやすくなる。遊技領域内の構成が把持されることは、遊技性の意図せぬ変化等を招く要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴によれば、装着時及び取外時の両方にて把持可能な部位を遊技領域外に設けることで遊技領域内に配置されている釘等の各種構成が把持の対象として選択される機会を減らすことができる。すなわち、遊技領域内に配置された各種構成が把持されることを抑制し、遊技盤の着脱作業に起因した遊技性の変化等を抑えることができる。
特徴D2.前記支持枠に設けられ、前記遊技盤の一側部が挿入される挿入部(挿入部280)を備え、
前記遊技盤は、前記挿入部に挿入された状態で当該挿入部を中心として回動されることにより前記支持枠に対して着脱されるものであり、
前記把持部は、前記遊技盤における回動先端側に配されていることを特徴とするD1に記載の遊技機。
遊技盤に対して、単に把持部を設けただけでは、作業者が同把持部を積極的に活用してもらえるとは限らない。この点、本特徴によれば、把持部を活用することによる遊技盤の装着作業の容易化を明らかなものとし、同把持部を活用することによるメリットを更に高めることで、作業者に対して把持部の活用を促がすことができる。
例えば、遊技盤を装着する際には床等に置かれた遊技盤の把持部を把持したまま同遊技盤を持ち上げて、支持枠の挿入部に遊技盤を挿入する。把持部は、遊技盤の回動先端側に配置されているので、遊技盤の持ち替えを必要とすることなく、遊技盤を容易に回動させることができる。このため、把持部が、遊技盤の回動基端側に配置されている場合と比較して、遊技盤の回動作業が行いやすくなる。このように、把持部の利用によるメリットを高めることで、遊技領域内の各種構成が把持される機会を低減できる。
特徴D3.前記支持枠によって回動可能に支持され、前記遊技盤を前方から覆う扉体(前扉枠14)を備え、
前記挿入部は、前記支持枠において前記扉体が支持されている側と同一側に設けられているとともに、同支持枠において前記扉体が支持されている側とは反対側に開放されており、その開放されている側から前記遊技盤が挿入されるものであり、
前記把持部は、前記遊技盤において前記挿入部に挿入される側とは反対側に設けられていることを特徴とするD2に記載の遊技機。
扉体によって遊技盤(詳しくは遊技領域)を遊技機前方から覆う構成においては、遊技盤の着脱が同扉体によって邪魔されることで、作業を行いづらくなると想定される。このような構成に、特徴D2を適用することで、上記不都合を払拭し実用上好ましい構成を実現できる。
具体的には、扉体の回動基端側に設けられた挿入部に対して遊技盤を挿入し、同遊技盤を回動させることで装着作業が行われる。把持部が遊技盤において挿入部に挿入される側とは反対側(すなわち遊技盤の回動先端側)に設けられていることで、作業スペースの確保が容易なものとなる。例えば、遊技ホールの島設備等では、隣り合う遊技機等によって扉体の回動範囲が制限を受けやすくなるが、このような場合であっても、扉体との干渉を回避し、上記作業スペースを容易に確保できる。
また、遊技盤の取外作業時においても同様に、扉体との干渉を回避し、遊技盤を移動させるための作業スペースを容易に確保できる。このように、遊技盤の着脱作業を容易化できる位置に把持部を配することで、同把持部の活用を促進し、遊技領域内に配された各種構成が把持される可能性を減らすことができる。
特徴D4.前記遊技盤において前記遊技領域区画部材よりも同遊技盤の回動基端側に設けられ、同遊技領域区画部材と共に前記遊技領域を区画し、遊技球発射装置(遊技球発射機構110)から発射された遊技球を同遊技領域に導く誘導レール(誘導レール100)を備えていることを特徴とするD2又はD3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、遊技球発射装置から発射された遊技球は誘導レールに着地した後、同誘導レールによって遊技領域に導かれる。誘導レールにおいては、遊技球の着地位置や角度によって同誘導レールによる遊技球の誘導態様が変化する可能性がある。つまり、誘導レールの位置がばらついて遊技球の着地位置精度が低下することで、それら遊技球の円滑な誘導が妨げられるおそれがある。そこで、本特徴においては、誘導レールと遊技領域区画部材とを別体で設けることにより、把持部が把持された場合に発生する負荷によって誘導レールの位置精度が低下することを抑制可能としている。また、遊技盤を挿入部に挿入した後回動させる構成において、誘導レールを遊技領域区画部材よりも回動基端側、すなわち遊技領域区画部材を誘導レールよりも回動先端側に配置することで、遊技盤の回動作業の容易化に貢献している。
誘導レールは、遊技領域内に配された各種構成と比較して同等以上に把持対象として選択されやすいと想定されるが、上述した遊技球の着地位置精度向上の観点から誘導レールが把持されることは好ましくない。この点、特徴D3(扉体を有する構成)との組み合わせにおいては特に、誘導レールと比較して把持部へのアクセスを容易化できる。言い換えれば、誘導レールが把持対象として選択される可能性を低減できる。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴D5.前記把持部は、個別に設けられた第1把持部(第1把持部481)及び第2把持部(第2把持部482)を有してなり、
前記第1把持部は、前記遊技盤において前記挿入部に挿入される側とは反対の端部寄りに配置されており、
前記第2把持部は、前記遊技盤において自身の回動基端側から回動先端側に延びる端部寄りに配置されていることを特徴とするD2乃至D4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D5によれば、第1把持部及び第2把持部を個別に設けることで、遊技領域内に配された各種構成が触れられる機会を更に低減することができる。遊技盤は例えば上記各種構成として多数の釘(釘87)や表示装置(可変表示ユニット85)等を備えていることが多く、その重量が嵩む傾向にある。このように重量が嵩んでいる場合、仮に把持部を1つだけ設定すると、作業者は遊技盤を支える際に把持部を把持している手と反対の手で遊技盤の任意の箇所を把持すると想定される。この点、予め第1把持部及び第2把持部を設定しておけば、そのような機会を減らすことができる。
特に、第1把持部を遊技盤において挿入部に挿入される側と反対の端部寄りに配置し、第2把持部を遊技盤において自身の回動基端側から回動先端側に延びる端部寄りに配置することで、遊技盤の重みを支えやすくしつつ、遊技盤を持った際に両手が交差することを抑制できる。これにより、作業の容易化を目的として遊技領域内の各種構成が作業者によって積極的に把持されるといった可能性を低くすることができる。
特徴D6.前記第1把持部は、前記遊技盤の上端側に配置され、
前記第2把持部は、前記遊技盤の下端側に配置されていることを特徴とするD5に記載の遊技機。
特徴D5に示した構成を実現するには、本特徴に示すように第1把持部を遊技盤の上端側、第2把持部を遊技盤の下端側に配置するとよい。これにより、遊技盤を把持している腕が遊技領域の前方に位置することを抑制し、遊技領域に配された各種遊技部品に対して腕が当たるといった不都合を生じにくくすることができる。また、両把持部を上下に離して配置することで、遊技盤を把持した際のバランス向上に貢献できる。
特徴D7.前記遊技領域区画部材は、
当該遊技領域区画部材において前記遊技領域側を向いている部分に設けられ、前記遊技盤の誘導レール(誘導レール100)に沿って打ち出された遊技球が衝突した場合にその衝突によって発生する衝撃の一部を吸収するとともに、同遊技球を跳ね返す返し部(返しゴム490)を備え、
前記返し部及び前記第1把持部は、同返し部を前記遊技領域の内側、同第1把持部を前記遊技領域の外側として同遊技領域の内外に並設されていることを特徴とするD5又はD6に記載の遊技機。
遊技盤が持ち上げられた状態では同遊技盤の自重による負荷は、把持部(遊技領域区画部材)に集中しやすいと想定される。このように負荷が集中しやすい部分においては、それに耐え得る強度が必要になる。この点、本特徴によれば、返し部と第1把持部とを遊技領域の内外に並設することで、すなわち元来強度の確保が求められる部分(返し部が設けられている部分)に近づけて第1把持部を設けることで、強度を確保すべき箇所を集約し、強度確保に必要な領域の広がりを抑えることができる。これにより、遊技領域区画部材によって遊技領域が圧迫されるといった不都合を生じにくくすることができる。
なお、特徴D4等(誘導レールを有する構成)との組み合わせにおいては、本特徴に示した「誘導レール」を特徴D4等の「誘導レール」と同一のものとしてもよい。
因みに、本特徴に示した技術的思想を特徴D1乃至D4等に適用することも可能である。この場合、本特徴を変更し「前記遊技領域区画部材は、当該遊技領域区画部材において前記遊技領域側を向いている部分に設けられ、前記誘導レールに沿って打ち出された遊技球が衝突した場合にその衝突によって発生する衝撃の一部を吸収するとともに、同遊技球を跳ね返す返し部(返しゴム490)を備え、前記返し部及び前記把持部は、同返し部を前記遊技領域の内側、同把持部を前記遊技領域の外側として前記遊技領域の内外に並設されていることを特徴とするD1乃至D4のいずれか1つに記載の遊技機」とするとよい。
特徴D8.前記遊技盤に対して前記遊技領域区画部材を固定する第1固定手段(ネジ491)を備え、
前記第1固定手段は、前記返し部と前記第1把持部との間に配されていることを特徴とするD7に記載の遊技機。
特徴D8によれば、返し部と第1把持部との間に第1固定手段を配することで、同第1固定手段を返し部の強度確保用及び第1把持部の強度確保用として兼用することができる。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴D9.前記遊技盤に設けられた誘導レール(誘導レール100)は、前記遊技領域を流下した遊技球を前記遊技盤に形成された排出口(アウト口86)に導くとともに、その排出口よりも上側にて前記遊技盤の回動先端側に開放されており、
前記遊技領域区画部材は、前記誘導レールの開放部分を覆っており、
更に、前記遊技領域区画部材には、前記誘導レールにおける下側の開放端と前記排出口との間にて、同誘導レールに下側から対向する対向部(対向部485)を有しており、
前記第2把持部は、前記対向部に対して前記誘導レールとは反対側に配置されていることを特徴とするD5乃至D8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D9によれば、遊技領域に達した遊技球の一部は遊技領域を流下する過程で例えば入球口(一般入賞口81等)に入球するが、同入球口に入球しなかった遊技球については誘導レールによって排出口に導かれることとなる。この誘導レールについては、遊技盤の回動先端側に開放されており、その開放端及びその周辺での強度が同誘導レールにおける他の部位と比べて低くなりやすい。また、遊技領域を流下した遊技球が衝突することで、誘導レールに負荷が加わりやすくなると想定される。仮に、誘導レールが変形等した場合には、遊技球の円滑な排出が妨げられると懸念される。
この点、本特徴においては、遊技領域区画部材が誘導レールに対して下側から対向する対向部を有している。すなわち、遊技領域区画部材の一部(対向部)が誘導レールと内外に重なっている。例えば誘導レールが対向部に当接した場合に同誘導レールの変形や位置ずれ等を抑えることが可能であり、誘導レールの誘導機能をバックアップし、上述した不都合を好適に払拭できる。
なお、特徴D4等(誘導レールを有する構成)との組み合わせにおいては、本特徴に示した「誘導レール」を特徴D4等の「誘導レール」と同一のものとしてもよい。
特徴D10.前記遊技盤に対して前記遊技領域区画部材を固定する第2固定手段(ネジ491)を備え、
前記第2固定手段は、前記対向部と前記第2把持部との間に配されていることを特徴とするD9に記載の遊技機。
特徴D10によれば、対向部と第2把持部との間に第2固定手段を配することで、同第2固定手段を誘導レールのバックアップ用及び第2把持部の強度確保用として兼用することができる。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴D11.遊技機毎に固有となる識別情報が付与された識別手段(証紙492)を備え、
前記遊技領域区画部材は、前記識別手段を設置する設置部(ユニット収容部486)を有し、
前記設置部は、前記対向部に対して前記誘導レールとは反対側に配されていることを特徴とするD9又はD10に記載の遊技機。
特徴D9に示したように、遊技領域区画部材が対向部を有する構成を採用した場合には、遊技領域区画部材における対向部周りでの強度を向上させることで上述した誘導レールのバックアップ機能を向上することができる。このような強度の向上を実現するには、遊技領域区画部材を大型化することが1つの手法として考えられる。この点、識別手段用の設置部を遊技領域区画部材に設け、その設置部と対向部とを併存させることで、遊技領域区画部材の占有スペースを有効利用できる。つまり、遊技領域区画部材の強度向上と識別手段の設置部確保(すなわちスペースの有効利用)が可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
なお、遊技領域区画部材については遊技盤からの着脱を特に必要としない部品であるため、その取り付けを強固にしたり、装着した後の取り外しを不可としたりすることも可能である。この遊技領域区画部材によって識別手段の取り外しを阻止することで、識別手段の不正な取り外し等を抑制し防犯性の向上に貢献できる。例えば、識別手段を遊技領域区画部材とは別の部材を用いて遊技盤に装着する構成と比較して、遊技盤の前面側のスペースを有効利用できる。遊技盤の前面には遊技領域が形成され、遊技領域外の領域が限られている点を考慮すれば、遊技領域区画部材に識別手段用の設置部を設けることによる技術的貢献度は大きいと考えられる。
特徴D12.前記遊技盤の下方に設けられ、遊技球を発射する遊技球発射装置(遊技球発射機構110)を備え、
前記遊技球発射装置から発射された遊技球を前記遊技盤の誘導レールによって前記遊技領域に導く遊技機であって、
前記遊技領域の外に設けられているとともに、前記遊技盤の回動先端側の下側隅部に配置され、前記遊技盤の前記支持枠からの取り外しを規制する規制手段(ロック装置400)を備え、
前記遊技領域区画部材は、前記遊技盤における回動先端側の縁部に沿って上下に延びるとともに、その下側の端部が前記規制手段を前記遊技領域側から迂回して前記遊技盤の下端部に達しており、
前記第2把持部は、前記遊技領域区画部材において前記規制手段に対して前記遊技盤の回動基端側となる位置に配されていることを特徴とするD5乃至D11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D12によれば、同遊技盤の回動基端側の下側隅部に配置された規制手段によって遊技盤の取り外しを規制することで、同遊技盤の下端側での位置ずれ等を好適に抑制できる。これにより、遊技球発射装置から発射された遊技球の誘導レールにおける着地位置のばらつきを好適に抑えることができる。
また、遊技盤を回動させて装着する構成においては、その回動先端側での位置ばらつき等が回動基端側に比べて顕著になると想定される。故に、規制手段を回動基端側の端部に寄せて配置することが好ましい。本特徴においては、第2把持部を規制手段よりも回動基端側に配置することで、規制手段の回動先端側へ寄せやすくできる。また、第2把持部に関しては、遊技盤着脱時のアクセスの容易化を考慮すれば、遊技盤の周縁(詳しくは下端縁)に寄せて配置することが好ましい。つまり、規制手段のみならず第2把持部についても、遊技盤の下端に寄せて配置するこが好ましい。この点、遊技領域区画部材が規制手段を迂回して延びていることで、第2把持部を遊技盤中央に近づけることが可能となるだけでなく、遊技盤の下端縁に寄せて配置することが可能となっている。そして、同第2把持部を規制手段に対して回動基端側となる位置に配置することで、遊技盤を持ち上げている状態での安定性向上を図り、更には遊技盤の下端側に配置することで第2把持部へのアクセス容易化を図っている。故に、第2把持部と規制手段とを好適に共存させることができる。
特徴D13.前記遊技盤の下方に設けられ、遊技球を発射する遊技球発射装置(遊技球発射機構110)を備え、
前記遊技球発射装置から発射された遊技球を前記遊技盤の誘導レールによって前記遊技領域に導く遊技機であって、
前記遊技領域外に設けられているとともに、前記遊技盤の回動先端側に配置され、前記遊技盤の前記支持枠からの取り外しを規制する規制手段(ロック装置400)を備え、
前記誘導レールの入口部(入口部分104)及び前記規制手段は、同入口部が同規制手段よりも前記遊技盤の回動基端側となるようにして同遊技盤の下端縁に沿って並設されており、
前記第2把持部は、前記規制手段と前記入口部との間に配されていることを特徴とするD5乃至D11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D13によれば、規制手段及び誘導レールの入口部を遊技盤の下端縁に沿って並設することで誘導レールの入口部の位置ばらつきを抑制できる。これにより、誘導レールにおける遊技球の着地位置のばらつき抑制に貢献でき、遊技球の誘導の円滑化に貢献できる。
また、第2把持部を規制手段と誘導レールの入口部との間に配置することで、遊技球発射装置から誘導レールへの遊技球の移動を許容しつつ、遊技盤を持ち上げている際のバランス維持機能と遊技盤の位置ずれ抑制機能とを好適に向上させることができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴D14.前記第1把持部及び前記第2把持部のうち一方は、前記遊技盤における回動先端側に開放され、同回動先端側から回動基端側に凹んでいることを特徴とするD5乃至D13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D14によれば、把持部(凹み部分)に指を差し込むことにより、指の差し込み方向と、挿入部への遊技盤の挿入方向が同一となる。これにより、遊技盤の差し込み作業を容易化できる。
また、把持部を突起等によって構成し、遊技盤の着脱作業時には同突起を摘まんだり握ったりする構成と比較すると、遊技盤の重量の支えやすさ及び回動させやすさの点で本特徴に示す構成の方が優れていると考えられる。言い換えれば、突起等の構成を採用した場合、遊技盤の着脱作業の過程で、持ち替えの行われる可能性が高くなると想定される。更には、遊技盤を着脱する過程においてはまだしも、遊技盤を輸送する過程では、突起以外の部位が把持される可能性が高まると懸念される。以上の理由から、把持部に対して本特徴に示す技術的思想を採用するメリットは大きいと考えられる。
特徴D15.前記第1把持部は、前記遊技盤における回動先端側に開放され、同回動先端側から回動基端側に凹み、
前記第2把持部は、前記遊技盤の下方に開放され、上方に凹んでいることを特徴とするD5乃至D14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D15によれば、特徴D3に示した構成を好適に実現できる。具体的には、遊技盤に正対した状態で、同遊技盤の挿入方向先側の手で下側の第2把持部を把持し、反対側の手で上側の第1把持部を把持する。この状態で、遊技盤を支持枠に装着するならば、遊技盤の重量を第2把持部側の手で支えつつ、第1把持部側の手で遊技盤を挿入部に押すことにより、遊技盤の装着作業を円滑に行うことができる。
特徴D16.前記第2把持部は、前記第1把持部よりも前記遊技盤の回動基端側に寄っていることを特徴とするD5乃至D15のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D16によれば、各把持部を把持した場合に、両の手が交差することを抑制でき、遊技盤の持ちやすさ向上にも貢献できる。
遊技盤を支持枠から取り外すと、作業者が遊技盤の重量を支える必要が生じる。仮に遊技盤の挿入操作&回転操作のみを考慮して把持部を配置すると、遊技盤の重量を支えにくくなり得る。これに対処して作業者が持ち替えを行った場合は、持ちやすさを向上できる反面、作業効率は悪化すると想定される。特に、このような持ち替えが行われる場合には、遊技領域内の構成が掴まれるといった不都合の発生頻度が高まると懸念される。この点、本特徴によれば、各把持部の配置を上述の如く工夫することで、そのような不都合を回避できる。
また、第1把持部と比べて、第2把持部は遊技盤の重量を支える役割が大きい部分である。この第2把持部を第1把持部よりも回動基端側(例えば遊技盤の中央寄り)に配置することで、遊技盤を支えやすい構成を実現できる。
特徴D17.前記支持枠には、前記遊技盤の背面に対向するベース部(対向板部251)と、そのベース部から前方に起立する起立壁部(周壁部261)とによって区画されてなる遊技盤収容部(遊技盤収容部75)が形成されており、
前記把持部は、前記遊技盤収容部に前記遊技盤が収容された状態にて、前記遊技盤収容部から突出していることを特徴とするD1乃至D16のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D17によれば、遊技盤を取り外す際に支持枠によって把持部へのアクセスが妨げられるといった不都合を生じにくくすることができる。また、遊技盤を装着する際には、把持部を把持したまま遊技盤を押し込んだとしても、把持部を把持している手と支持枠の遊技盤収容部とが干渉するといった不都合を好適に回避できる。これにより、作業時の持ち替えを回避し、作業効率の向上に貢献できる。
特徴D18.前記支持枠は、支持対象(外枠11)によって開閉可能に支持されており、
前記遊技盤は、少なくとも前記支持枠が前記支持対象に対して閉じられている状態にて、遊技機前方からの着脱が許容されていることを特徴とするD1乃至D17のいずれか1つに記載の遊技機。
仮に遊技盤を支持枠の背面側から着脱する構成を採用した場合、遊技盤を着脱する前に支持枠を開放する必要が生じると考えられる。この場合、遊技盤を着脱する際に、支持枠が動き、同遊技盤の着脱作業が円滑に行えない可能性がある。これは、特に遊技盤を装着する際に発生しやすい想定される。一方、このような不都合を解消すべく、片方の手で支持枠を抑えつつ、他方の手で遊技盤を装着しようとすれば、作業負担が増大し得る。この場合、遊技盤のバランスをとろうとすると、どうしても遊技盤の中央部分を把持する必要が生じる。これに対応すべく、予め把持部の位置を片手作業に対応したものにしようとすれば、把持部の配置自由度を低下することとなる。
この点、遊技盤を支持枠の前面側から着脱する構成とし、支持枠を支持対象に閉じた状態のまま同遊技盤の着脱作業を可能とすれば、作業者は両手で遊技盤を把持することが可能となる。この場合、片手で遊技盤を把持する場合と比較して、同遊技盤のバランスをとることが容易となり、各把持部の配置に生じる制限を抑えることができる。故に、特徴D2等に示したように遊技盤の中央から外れた位置に把持部を設定したとしても、同遊技盤の着脱時の作業がやりにくくなることを回避でき、実用上好ましい構成を実現できる。
<特徴E群>
特徴E1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤を着脱可能に支持する支持枠(内枠13)と、
前記支持枠に設けられ、前記遊技盤の板面に対向する平板部(対向板部251)と、
前記平板部に設けられ、前記遊技盤を前記支持枠に固定する固定手段(ロック装置400)と、
前記平板部に設けられ、前記遊技盤に形成された挿通部(貫通孔91)に挿通されることにより前記遊技盤の前記支持枠に対しての取付位置を規定する突起(位置決め突起259)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、遊技盤を支持枠に対して着脱可能な構成とすることにより、同遊技盤のメンテナンス作業の容易化等に貢献することができる。遊技盤を支持枠に取り付ける場合には、遊技盤の挿通部に支持枠の突起を挿通させることによりその位置決めを行い、固定手段によって遊技盤を支持枠に固定する。本特徴においては特に、遊技盤を固定する固定手段と位置決めを行う突起とを同一の平板部に配置している。これにより、固定手段と突起との相対位置のずれを抑制し、例えば遊技盤を固定することで突起に負荷が加わることを抑制できる。このように、突起の保護を図ることで、遊技盤の位置精度向上に貢献することができる。
特徴E2.前記遊技領域は、前記遊技盤の前面に形成されており、
前記遊技盤は、前記支持枠に対して遊技機前方から着脱され、当該遊技盤の背面が前記平板部に対向した状態で固定されていることを特徴とするE1に記載の遊技機。
特徴E2においては、遊技盤を支持枠に対して遊技機前方から着脱する構成とすることにより、同遊技盤の着脱作業の容易化に貢献している。しかしながら、遊技盤の前方からの着脱を可能とした場合には、遊技盤を支持枠の後方から着脱する構成と比較して、遊技盤(詳しくはその前面)の位置精度の確保が難しくなると想定される。このような構成に、特徴E1に示した構成を適用すれば、同遊技盤の位置精度を高めることができ実用上好ましい構成を実現できる。
特徴E3.前記支持枠には、前記平板部と、当該平板部から前記遊技盤側に起立するとともに同遊技盤を囲む囲み部(周壁部261)と、によって区画されてなる遊技盤収容部(遊技盤収容部75)が形成されていることを特徴とするE1又はE2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、平板部は囲み部とともに遊技盤収容部を形成している。この遊技盤収容部に遊技盤を収容することにより、同遊技盤が突起の突出方向と交差する方向に押されるといった不都合を生じにくくできる。また、平板部に同平板部から起立する囲み部が形成されていることにより、平板部の剛性の確保に貢献できる。これにより、平板部の変形等によって固定手段と突起との相対位置がばらつくことを抑制できる。
特徴E4.前記遊技盤は、略矩形状をなし、
前記囲み部は、前記遊技盤の四辺に沿って形成された起立壁部(周壁部261を構成している壁部262〜265)がコーナ部を通じて連結されてなり、
前記固定手段及び前記突起は、前記複数の起立壁部のうち1つ(例えば下側壁部263)に沿って配置されているとともに、当該起立壁部からの距離が同等となるように構成されていることを特徴とするE3に記載の遊技機。
特徴E4に示すように、固定手段及び突起を起立壁部に沿って配置することにより上記特徴E3に示した剛性確保の恩恵を好適に享受できる。また、起立壁部及び固定手段の距離と同起立壁部及び突起との距離を同等とすることにより、仮に平板部が起立壁部の根元部分を基端として撓んだ場合であっても、固定手段及び突起の相対位置のずれを抑制できる。これにより、突起に対して負荷が加わりにくくし、遊技盤の位置決め機能の担保に貢献できる。
特徴E5.前記固定手段及び前記突起は、それら両者が沿って設けられた一の前記起立壁部に連結されている他の起立壁部に対して、前記突起よりも前記固定手段の方が近くなるように配置されていることを特徴とするE4に記載の遊技機。
固定手段及びその取付部分には、固定操作等に伴って負荷が加わりやすいと想定される。固定手段と突起とは同一の平板部に配されているため、固定手段の負荷が平板部に伝わると、突起の位置決め精度も低下してしまう。この点、本特徴によれば、固定手段を、上記他の起立壁部に対して前記突起よりも近くなるように配置することで、負荷を起立壁部に分散させ、平板部の変形等を抑制可能としている。これにより、固定手段及び突起を同一の対象に設ける構成においても、固定手段に発生する負荷に起因して突起の位置決め精度が低下することを好適に回避できる。
特徴E6.前記支持枠に設けられているとともに記遊技盤よりも下側に配置されており、前記遊技領域に遊技球を発射する遊技球発射装置(遊技球発射機構110)を備え、
前記遊技盤には、当該遊技盤の前面から起立し、前記遊技球発射装置から発射された遊技球を前記遊技領域に誘導する誘導レール(誘導レール100)が設けられており、
前記誘導レールの入口部(入口部分104)は、前記遊技盤の下端寄りに配されており、
前記固定手段及び前記突起は、前記遊技盤の下端寄りに配置されていることを特徴とするE1乃至E5のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技球発射装置から発射された遊技球を誘導レールによって遊技領域に導く構成においては、遊技球が誘導レールに着地する位置のばらつきに起因して、遊技球の円滑な誘導が妨げられると懸念される。特に、着地位置のばらつきは同遊技球の着地時に誘導レールに生じる衝撃が大きくなる要因となり得え、このような衝撃の増大によって、仮に誘導レール等に歪み等が生じた場合には、上述した遊技球の円滑な移動が困難になると懸念される。この点、本特徴によれば、誘導レールの入口部を遊技盤の下端寄りに配置するとともに、固定手段及び突起についても同様に遊技盤の下端よりに配置することで、遊技盤の下端の位置ばらつき、すなわち誘導レールの入口部の位置ばらつきを抑え、同入口部の位置精度向上に貢献できる。このように、入口部の位置精度を向上することで、遊技球発射装置から発射された遊技球の誘導レールでの着地位置のばらつきを低減し、上述した不都合を払拭することができる。
特徴E7.前記固定手段及び前記突起は、前記誘導レールにおける前記入口部の近傍に設けられていることを特徴とするE6に記載の遊技機。
特徴E7によれば、固定手段及び突起を誘導レールの入口部近傍に配置することにより、同入口部での位置精度の更なる向上に貢献できる。これにより、上述した着地位置のばらつきを抑制し、誘導レールの保護や遊技球の誘導の円滑化に貢献できる。
特徴E8.前記遊技盤は、略矩形状をなし、
前記支持枠に設けられているとともに、記遊技盤よりも下側に配置されており、前記遊技盤側へ遊技球を発射する遊技球発射装置(遊技球発射機構110)を備え、
前記遊技盤には、当該遊技盤の前面から起立し、前記遊技球発射装置から発射された遊技球を前記遊技領域に誘導する誘導レール(誘導レール100)が設けられており、
前記誘導レールの入口部(入口部分104)は、前記遊技盤の下端寄りに配されており、
前記固定手段及び前記突起は、前記遊技盤の下端寄りに配置されており、
前記支持枠には、前記遊技盤の四辺に沿って形成された複数の壁部(周壁部261を構成している壁部262〜265)がコーナ部を通じて連結されてなり、前記遊技盤を囲む周壁(周壁部261)が形成されており、
前記平板部は、前記周壁において前記誘導レールの前記入口部から最も近いコーナ部から連続していることを特徴とするE1乃至E5のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技球発射装置から発射された遊技球を誘導レールによって遊技領域に導く構成においては、遊技球が誘導レールに着地する位置のばらつきに起因して、遊技球の円滑な誘導が妨げられると懸念される。特に、着地位置のばらつきは同遊技球の着地時に誘導レールに生じる衝撃が大きくなる要因となり得え、このような衝撃の増大によって、仮に誘導レール等に歪み等が生じた場合には、上述した遊技球の円滑な移動が困難になると懸念される。この点、本特徴によれば、誘導レールの入口部を遊技盤の下端寄りに配置するとともに、固定手段及び突起についても同様に遊技盤の下端よりに配置することで、遊技盤の下端の位置ばらつき、すなわち誘導レールの入口部の位置ばらつきを抑え、同入口部の位置精度向上に貢献できる。このように、入口部の位置精度を向上することで、遊技球発射装置から発射された遊技球の誘導レールでの着地位置のばらつきを低減し、上述した不都合を払拭することができる。
また、支持枠に形成された周壁によって遊技盤が囲まれており、その周壁部において誘導レールの入口部から最も近いコーナ部から平板部が連続している。周壁部が遊技盤側に向けて押されるとうした場合の遊技盤側への壁部の変形量は、壁部中央と比較して壁部同士の境界、すなわち上記コーナ部において小さくなる。このように、変位量の小さくなる部位に対して平板部を連続させることで、平板部の位置精度、すなわち突起及び固定手段の位置精度の向上に貢献できる。
特徴E9.前記平板部は、前記誘導レールの前記入口部から最も近い前記コーナ部を介して隣り合っている2つの壁部に連続していることを特徴とするE8に記載の遊技機。
特徴E9によれは、平板部がコーナ部を介して隣り合う2つの壁部に連なっていることで、周壁の強度向上と、平板部の強度向上とに貢献できる。これにより、更なる遊技盤の位置決め精度向上に貢献できる。
また、例えば相対向する2つの壁部に跨るようにして平板部を形成する場合と比較して、平板部の占有領域を小さくでき、例えば遊技盤の中央側への張り出しを好適に抑えることができる。これにより、遊技盤に搭載される各種構成(例えば制御装置や遊技球回収通路等)との共存を容易なものとすることができる。
特徴E10.前記支持枠の枠部(左側枠部13c)には、前記遊技盤を前方から覆う扉体(前扉枠14)が開閉可能に支持されており、
前記突起は、前記支持枠において前記扉体を支持している側の枠部に寄りに配置されており、
前記平板部は、前記複数の壁部のうち少なくとも前記扉体が支持されている側と同じ側の1つに連続していることを特徴とするE8又はE9に記載の遊技機。
遊技盤の位置精度を向上するには、平板部の強度を向上することが効果的である。しかしながら、仮に平板部や周壁(壁部)を大型化したり、それら平板部等にリブ等を形成して補強を行ったりすれば、それら平板部等の占有領域が拡大する。遊技機が遊技ホール等の島設備に設置されることを考慮すれば、支持枠の大きさには制限があり、上述した平板部等の占有領域の拡大は、支持枠に搭載される他の周辺部品(例えば施錠部材等)との共存を困難にする要因となり得るため好ましくない。
支持枠において扉体を支持している枠部は、扉体を支持するのに十分な強度が要求される部分である。この枠部と、平板部が繋がる壁部の1つとが同一側である場合には、例えばそれら両者を一体化することで、占有領域の拡大を抑えつつ、強度向上を図ることができる。つまり、強度が要求される部分を同じ側に集合させることで、強度確保のために必要な領域の拡がりを好適に抑制できる。これにより、強度確保のための占有領域の拡大を抑えつつ、遊技盤の位置精度を向上でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴E11.前記支持枠において前記遊技盤及び前記遊技球発射装置の間となる部位に前記遊技盤の下端部と対向して設けられ、前記遊技盤が載置されることにより同遊技盤の上下位置を規定する載置部(下側壁部263)を備え、
前記誘導レールの前記入口部及び前記遊技球発射装置は前記載置部を跨いで対峙しており、
前記固定手段及び前記突起は、前記載置部に沿って配されていることを特徴とするE6乃至E10のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技盤の位置精度を向上しようとすれば突起を多数設定することが好ましい。しかしながら、突起の数が増せば、遊技盤の装着作業等が煩雑なものとなり、作業性が低下すると考えられる。この点、遊技盤において特に位置決め精度が必要となる誘導レールの入口部や載置部の近傍において突起による位置決め精度の向上及び固定手段による位置ばらつきの抑制を行えば、突起や固定手段の設定数を無駄に増加させることなく、すなわち作業性の悪化を抑えつつ、位置決め精度を所望とする箇所で向上させることができる。また、遊技盤の重みを載置部によって支えることで、固定手段や突起に加わる重量負荷を抑えることが可能となり、位置決め精度の担保が期待できる。
特徴E12.前記載置部は、前記平板部から起立していることを特徴とするE11に記載の遊技機。
載置部を有する構成においては、位置決め精度の向上を図ることができる反面、仮に位置ずれが発生した場合に固定手段や突起に加わる負荷が大きくなると想定される。この点、載置部と固定手段及び突起とを平板部に設けることにより、それら各種構成の相対位置のずれを抑制しやすくできる。つまり、例えば遊技盤の重みによって載置部が沈んだ場合、その沈みに追従して突起や固定手段も変位しやすくなる。これにより、載置部と固定手段及び突起との相対位置をずれにくくし、突起や固定手段への負荷の集中を好適に抑制できる。
なお、特徴E4(平板部及び起立壁部によって遊技盤収容部が形成されている構成)との組み合わせにおいては、「載置部」と「起立壁部」とが別体であってもよいし、一体であってもよい。また、特徴E8(コーナ部を介して連続する複数の壁部からなる周壁によって遊技盤が囲まれている構成)との組み合わせにおいては、「載置部」と「壁部」とが一体であってもよいし、別体であってもよい。
特徴E13.前記固定手段は、前記遊技盤の前面に当接する当接部(操作レバー440の操作部446)と、前記遊技盤を前記平板部から離れる側に押す押し部(プッシャ420)とを有し、
前記遊技盤が前記押し部に押され前記当接部に当接している状態では、当該遊技盤と前記平板部との間に隙間が形成されることを特徴とするE1乃至E12のいずれか1つに記載の遊技機。
突起による位置決め精度を向上させようとすれば、挿通部と突起とのクリアランスを小さくし、突起を挿通部内に完全に埋没させるとよい。しかしながら、このような構成を採用した場合、遊技盤の位置をずらすような負荷が僅かにでも加わると、その負荷が突起の根元部分に集中しやすくなると想定される。この負荷は例えば突起をせん断させるように作用するため、突起の耐久性の確保に課題が生じると想定される。この点、本特徴においては平板部と挿通部との間に隙間を形成し、突起の根元部分を挿通させない構成とすることで、突起の撓み(弾性変形)を利用して上述した負荷による同突起のせん断や折れ等の発生を抑制できる。これにより、位置決め手段による位置精度の向上を図りつつ同位置決め手段の耐久性を好適に向上させることができ、繰り返しの使用に耐え得る構成の実現に貢献できる。
例えば、押し部における前記平板部の板面からの突出量を、突起の同板面からの突出量よりも小さく設定するとよい。
特徴E14.前記固定手段は、前記遊技盤を固定する固定状態、及び同遊技盤の固定を解除する固定解除状態に切替可能な操作部(操作レバー440の操作部446)を備え、
前記遊技盤には、前記操作部が固定解除状態である場合に同操作部の通過を許容する通過部(挿通部92)が形成されており、
前記操作部は、前記操作部が前記通過部内に位置しているとともに前記突起が前記挿通部外に位置している場合には、前記通過部によって前記操作部の前記固定解除状態への切り替えが阻止されることを特徴とするE13に記載の遊技機。
特徴E14によれば、遊技盤を装着完了位置に配置する場合に、例えば遊技盤の位置が決まっていない状態であるにもかかわらず無理に固定操作が行われることを回避できる。これにより、無理な切替操作によって突起に負荷が加わり、同突起が変形するといった不都合の発生を抑えることができる。故に、突起の保護機能を向上させ、位置決め精度の担保に貢献できる。
特徴E15.前記支持枠に設けられ、前記遊技盤の一側部が挿入される挿入部(挿入部280)を備え、
前記遊技盤は、前記挿入部に挿入された状態で当該挿入部を中心として回動されることにより前記支持枠に対して着脱されるものであり、
前記突起及び前記挿通部は、同挿通部に同突起が挿通されることにより、前記遊技盤の幅方向への同遊技盤の移動を規制するものであり、
前記固定手段の前記操作部は、前記突起よりも前記遊技盤の回動基端側に配置されているとともに、当該操作部の前記平板部からの突出量が前記突起の同平板部からの起立量よりも大きくなるように形成されており、
前記通過部は、少なくとも前記幅方向においては前記固定状態の前記操作部よりも僅かに大きく形成されていることを特徴とするE14に記載の遊技機。
特徴E15によれば、遊技盤を回動させて装着する過程では、突起が挿通部に挿通されるよりも先に、固定手段の操作部が通過部を通過する。通過部は、操作部が固定解除状態であることにより、その通過を許容する。この際、遊技盤(詳しくは操作部)が幅方向に位置ずれしていると、そのずれが僅かである場合を除いて通過が不可となる。これにより以下の効果が期待できる。
つまり、特徴E14に示したように固定状態への切替操作を位置決め後に行なう構成においては、突起が挿通部にうまく嵌まらない状態で遊技盤が押し込まれ、同突起が遊技盤の背面に衝突するおそれがある。これは、突起の変形を招来し、位置精度の担保が難しくなる要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴においては、遊技盤の位置ずれが操作部及び通過部によってある程度抑えられた状態にて、突起が挿通部に挿通されるため、上述した不都合を生じにくくすることが可能となる。これにより、突起の位置決め機能の保全に貢献できる。
例えば、操作部が通過部を通過している過程にて、突起が挿通部に挿通される構成とするとよい。
特徴E16.前記固定手段が複数設けられており、
前記突起は、それら固定手段のうち2つの間に配置されていることを特徴とするE1乃至特徴E15のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E16によれば、2つの固定手段の間に突起を配置することにより、遊技盤の位置ずれ等によって発生する負荷を分散させやすくすることができ、突起の位置決め機能を好適に担保できる。
特徴E17.前記突起及び前記挿通部は、同挿通部に同突起が挿通されることにより、前記遊技盤の幅方向への同遊技盤の移動を規制するものであり、
前記固定手段は、前記突起に対して前記幅方向に並べて配置されていることを特徴とするE1乃至E16のいずれか1つに記載の遊技機。
仮に、固定手段を上記幅方向とは異なる方向に並べて配置した場合、遊技盤を幅方向へ動かすような負荷が加わった場合に、固定手段によってその一部を分散させることは可能であるが、同固定部を中心とした回転モーメントの発生を抑制することは難しい。このため、突起に対する負荷の分散効率を高めることは困難であると想定される。この点、本特徴によれば、突起及び固定手段を遊技盤の幅方向に並べて配置することにより、上述した回転モーメントの発生を抑制し、上記負荷の分散効率を高めることができる。これにより、突起の保護機能を更に向上させることができる。
<特徴F群>
特徴F1.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤を着脱可能に支持する支持枠(内枠13)と
を備え、
前記支持枠に対して前記遊技盤が遊技機前方から取り付けられている遊技機において、
前記支持枠に設けられているとともに、前記遊技盤の下方に配置され、予め定められた方向に遊技球を発射する遊技球発射装置(遊技球発射機構110)と、
前記遊技盤の前面から起立する壁状をなし、前記遊技球発射装置から発射された遊技球がその壁面に沿って移動することにより同遊技球を前記遊技領域に誘導する誘導手段(誘導レール100)と、
前記誘導手段において前記遊技球発射装置から発射された遊技球が入る入口部(入口部分104)の近傍に設けられ、前記遊技盤の前記支持枠に対しての取付位置を規定する位置決め手段(内枠13の位置決め突起259及び遊技盤80の貫通孔91)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、遊技球発射装置から発射された遊技球は、誘導手段によって遊技領域に導かれる。この際、例えば誘導手段に対して遊技球が着地する位置には、遊技球の衝突による衝撃が発生し得る。仮にこのような衝撃が大きくなると誘導手段が変形等し、遊技球の誘導が円滑に行われなくなるおそれがある。
本特徴においては、遊技盤を支持枠の前面側から取り付ける構成を採用することにより、遊技盤を支持枠の背面側から取り付ける構成と比較して、位置決め手段の配置自由度を高め、特定の位置における位置精度を担保しやすくしている。具体的には、遊技盤を支持枠の背面側から取り付ける構成においては、例えば遊技領域に対して前後に重なる位置や、遊技盤に装着されている各種遊技部品等に対して前後に重なる位置には位置決め手段を配置することが困難であるが、遊技盤を支持枠の前面側から取り付ける構成においては、位置決め手段の配置に上述したような制限が生じることを抑制できる。このように位置決め手段の配置自由度を向上し、特に誘導手段の入口部の近傍に位置決め手段を設けることにより、入口部の位置精度を向上し、遊技球の着地位置のばらつきを抑制することが可能となる。これにより、誘導手段による遊技球の誘導の円滑化に貢献できる。また、遊技球着地時の衝撃が想定以上に大きくなることを抑制し、誘導手段や同誘導手段の取り付け構造の強化を回避しつつ、誘導手段の耐久性を向上できる。故に、構造の煩雑化を抑制しつつ誘導手段の耐久性を向上することが可能となる。
特徴F2.前記遊技球発射装置は、遊技球の発射方向を規定する発射レール(発射レール112)を備え、
前記位置決め手段は、前記発射レールの略延長上に配置されていることを特徴とするF1に記載の遊技機。
遊技球発射装置から発射された遊技球は、発射レールに沿って移動し、同発射レールの延長先に向けて移動する。この場合、同遊技球は、位置決め手段において発射レールの延長上に位置する部分(特定部位SP)に着地しやすくなると想定される。本特徴においては特に、位置決め手段を発射レールの略延長上に配置することにより、遊技球の着地想定位置の近くにて位置決めを行うことが可能となる。これにより、特徴F1に示した各種効果を更に高めることができる。
特徴F3.前記誘導手段は、遊技球が通過可能な隙間を隔てて内外二重に設けられた内レール(内レール101)及び外レール(外レール102)によって構成されており、
それら内レール及び外レールは、前記遊技領域の外方に凸となる湾曲状に形成されており、
前記位置決め手段は、遊技機の正面視において前記外レールと前後に重なる位置に配置されていることを特徴とするF1又はF2に記載の遊技機。
特徴F3によれば、位置決め手段を、遊技機の正面視において外レールと前後に重なる位置に配置することにより、遊技球発射装置に対する誘導手段の位置精度を一層好適に向上でき、特徴F1に示した効果を更に高めることができる。
特徴F4.前記位置決め手段は、前記支持枠に形成されている突起(位置決め突起259)と、前記遊技盤に形成され、前記突起が挿通される挿通部(貫通孔91)とを有していることを特徴とするF3に記載の遊技機。
特徴F4に示すように支持枠の突起が遊技盤の挿通部に挿通される構成とすることで、外レールの背後に位置決め手段を配置でき、特徴F3に示した構成を好適に実現することができる。
特徴F5.前記挿通部は、前記遊技盤の厚さ方向に貫通する孔状をなし、
前記挿通部において前記突起が挿入される側とは反対には、前記外レールに対して前記内レールと対向している側とは反対から当接することにより、同外レールの変形を規制する規制部材(レール支持部材107)が取り付けられていることを特徴とするF4に記載の遊技機。
特徴F5によれば、規制部材によって外レールの変形を規制する構成とすることにより、外レールに遊技球が着地した際の衝撃を分散することが可能となる。特に、この規制部材を位置決め用の貫通孔に取り付けることにより、規制部材を例えば遊技球の着地位置に対応して配置しやすくできる。つまり、位置決め用の貫通孔を利用して規制部材を取り付けることで、より的確な位置にて外レールの変形を抑えることが可能となる。
なお、貫通孔を規制手段の取付孔として活用することにより、構成の煩雑化を最小限に留めることができる。
特徴F6.前記外レールに沿って配置され、当該外レールを前記遊技盤に固定する複数の固定部(固定ピン102a)を備え、
前記規制部材は、前記複数の固定部の間にて前記外レールに対して当接していることを特徴とするF5に記載の遊技機。
特徴F6によれば、外レールの撓み変形を許容しつつ、過度な変形(例えば塑性変形)を規制部材によって規制することができる。これにより、遊技球が着地(衝突)した際の接触時間を長くすることができ、同遊技球の着地によって発生する衝撃力を低減することができる。
なお、外レールの撓み変形を許容する構成とした場合には、外レールが復元した際に振動が残留しやすくなると想定される。そこで、規制部材を外レールとは異なる固有振動値を有するように形成するとよい。これにより、誘導手段の緩衝機能と制振機能とを強化でき、実用上好ましい構成を実現可能となる。
特徴F7.前記位置決め手段は、前記挿通部に前記突起が挿通されることで、前記遊技盤の左右位置を規定するものであり、
前記誘導手段の入口部は、前記遊技盤の下端寄りに配置されており、
前記支持枠において前記遊技盤及び前記遊技球発射装置の間となる部位に前記遊技盤の下端部と対向して設けられ、前記遊技盤が載置されることにより同遊技盤の上下位置を規定する載置部(下側壁部263)を備えていることを特徴とするF4乃至F6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F7によれば、遊技盤は支持枠の載置部に載置された状態にてその上下位置が規定されている。詳しくは遊技球発射装置に近い側で上下位置が規定されている。これにより、誘導手段の入口部の位置精度を高めることができ、遊技球発射装置から発射された遊技球の誘導手段に対する着地位置の精度向上に貢献できる。
また、遊技盤はその左右位置が突起によって規定されていることで、上述した着地位置の精度向上を更に好適なものとしている。左右の位置決めに、遊技盤と支持枠とが対向している部位に設けられた突起を採用することにより、誘導手段の位置精度を向上しやすい位置に同突起を配置可能となっている。但し、このように突起による位置決めを行う場合には、その突起に対して過度の負荷が加わると、位置決め精度が低下し、本来の目的に逆行することになり得る。
この点、本特徴においては、上述したように遊技盤の重みを載置部によって支え、突起に対して遊技盤の重みが加わることを抑制できる。これにより、遊技盤(詳しくは誘導手段)の位置精度を向上させ、誘導手段に対して遊技球が着地した際の着地位置のばらつきを好適に抑制している。故に、誘導手段の取付構造等を複雑化することなく、誘導手段による遊技球の円滑な誘導を実現することができる。
特徴F8.前記遊技盤が前記支持枠に装着される場合に、前記載置部によって前記遊技盤の上下位置が規定された状態にて、前記突起により前記遊技盤の左右位置が規定されることを特徴とするF7に記載の遊技機。
特徴F8によれば、遊技盤の装着作業を行う際には、先ず遊技盤を載置部に載せることでその重量の少なくとも一部を支持枠側に預けることができる。このように遊技盤を取り付ける過程でその重み載置部によって支えることにより、遊技盤が勢いに任せて装着されるといった不都合を生じにくくすることができる。これにより、仮に突起と遊技盤とが干渉した場合であっても、同突起に過度な負荷が加わることを抑制できる。つまり、突起の変形等を生じにくくし位置精度を高めることで、遊技球の円滑な誘導の実現に貢献している。
例えば、遊技盤が取付完了位置まで移動される区間に、上下方向の位置決めを行う第1位置決め区間と、上下方向及び左右方向の位置決めを行う第2位置決め区間とを、第1位置決め区間が手前側、第2位置決め区間が奥側となるように設定するとよい。
特徴F9.前記突起は、前記支持枠に設けられており、
前記載置部の前端縁は、前記突起の先端よりも前記遊技盤の装着方向における手前側に位置していることを特徴とするF8に記載の遊技機。
特徴F8に示した構成を実現するには、本特徴に示すように、突起の先端が載置部の前端縁よりも遊技盤の取付方向における手前側に突出しない構成とするとよい。これにより、上下位置のずれを抑えた状態にて左右位置を規定でき、突起の保護に貢献できる。
特徴F10.前記支持枠に設けられ、前記遊技盤の一側部が挿入される挿入部(挿入部280)を備え、
前記遊技盤は、前記挿入部に挿入された状態で当該挿入部を中心として回動されることにより前記支持枠に対して着脱されるものであり、
前記遊技盤は、少なくとも前記挿入部に挿入されている状態においては、前記載置部に載置可能となることを特徴とするF8又はF9に記載の遊技機。
支持枠に対して遊技盤を装着する構成においては、遊技盤の装着に要するストローク(載置部に載ってから装着完了位置までのストローク)が小さいと特徴F8や特徴F9に示したような位置決めの順序の明確化が困難になると想定される。この場合、載置部に対して遊技盤が載る前等、上下の位置決めが不正確な状態にて、左右の位置決めがなされる可能性を排除できない。例えば、回胴式遊技機の交換ユニットの取り付けに関する構成を適用し、遊技盤を自身の厚み方向にスライドさせることで装着が行われる構成を採用した場合には、遊技機の厚みを増加させることは好ましくないという観点から、そのスライドストロークの確保が難しくなり、上記不都合を回避することが困難になり得る。
この点、本特徴に示すように、遊技盤を回動装着式にすることで、遊技機の厚みの増加を抑えつつ、上記ストロークを確保することが可能となる。このようにストロークの確保が可能であれば、載置部によって上下の位置決め精度を高めた状態にて左右の位置決めを行うことができ、突起の干渉等を好適に抑制できる。
特徴F11.前記支持枠には前記遊技盤の背面に対向する平板部(対向板部251)が設けられているとともに、前記突起は当該平板部に配されており、
前記支持枠に設けられ、前記遊技盤の前面に当接する当接部(ストッパ267やロック装置400の操作部446)と、
前記支持枠に設けられ、前記遊技盤を前記当接部側に押す押し部(板バネ270やプッシャ420)と
を備え、
前記遊技盤が前記押し部に押され前記当接部に当接している状態では、前記平板部と前記挿通部との間に隙間が形成されることを特徴とするF4乃至F10のいずれか1つに記載の遊技機。
突起による位置決め精度を向上させようとすれば、挿通部と突起とのクリアランスを小さくし、突起を挿通部内に完全に埋没させるとよい。しかしながら、このような構成を採用した場合、遊技盤の位置をずらすような負荷が僅かにでも加わると、その負荷が突起の根元部分に集中しやすくなると想定される。この負荷は例えば突起をせん断させるように作用するため、突起の耐久性の確保に課題が生じると想定される。この点、本特徴においては平板部と挿通部との間に隙間を形成し、突起の根元部分を挿通させない構成とすることで、突起の撓み(弾性変形)を利用して上述した負荷による同突起のせん断や折れ等の発生を抑制できる。これにより、位置決め手段による位置精度の向上を図りつつ同位置決め手段の耐久性を好適に向上させることができ、繰り返しの使用に耐え得る構成の実現に貢献できる。
例えば、当接部及び押し部によって遊技盤の前後位置を規定するとよい。
特徴F12.前記載置部は、前記平板部から起立していることを特徴とするF11に記載の遊技機。
載置部を有する構成においては、位置決め精度の向上を図ることができる反面、仮に位置ずれが発生した場合に固定手段や突起に加わる負荷が大きくなると想定される。この点、載置部及び突起を平板部に設けることにより、それら各種構成の相対位置のずれを抑制しやすくできる。つまり、例えば遊技盤の重みによって載置部が沈んだ場合、その沈みに追従して突起も変位しやすくなる。これにより、載置部と突起との相対位置をずれにくくし、突起への負荷の集中を好適に抑制できる。
特徴F13.前記支持枠において前記遊技盤及び前記遊技球発射装置の間となる部位に前記遊技盤の下端部と対向して設けられ、前記遊技盤が載置されることにより同遊技盤の上下位置を規定する載置部(下側壁部263)と、
前記平板部に設けられ、前記遊技盤を前記支持枠に固定する固定手段(ロック装置400)と
を備え、
前記固定手段及び前記突起は、前記載置部に沿って配されていることを特徴とするF11又はF12に記載の遊技機。
遊技盤の位置精度を向上しようとすれば突起を多数設定することが好ましい。しかしながら、突起の数が増せば、遊技盤の装着作業等が煩雑なものとなり、作業性が低下すると考えられる。この点、遊技盤において特に位置決め精度が必要となる誘導手段の入口部や載置部の近傍において突起による位置決め精度の向上及び固定手段による位置ばらつきの抑制を行えば、突起や固定手段の設定数を無駄に増加させることなく、すなわち作業性の悪化を抑えつつ、位置決め精度を所望とする箇所で向上させることができる。また、遊技盤の重みを載置部によって支えることで、固定手段や突起に加わる重量負荷を抑えることが可能となり、位置決め精度の担保が期待できる。
なお、特徴F6等との組み合わせにおいては、特徴F6等に示す「載置部」と、本特徴に示す「載置部」とを同一のものとしてもよい。
特徴F14.前記固定手段が複数設けられており、
前記突起は、それら固定手段のうち2つの間に配置されていることを特徴とするF13に記載の遊技機。
特徴F14によれば、2つの固定手段の間に突起を配置することにより、遊技盤の位置ずれ等によって発生する負荷を分散させることができ、突起の位置決め機能を好適に担保できる。
特徴F15.前記固定手段は、前記遊技盤を固定する固定状態、及び同遊技盤の固定を解除する固定解除状態に切替可能な操作部(操作レバー440の操作部446)を備え、
前記遊技盤には、前記操作部が固定解除状態である場合に同操作部の通過を許容する通過部(挿通部92)が形成されており、
前記操作部は、前記操作部が前記通過部内に位置しているとともに前記突起が前記挿通部外に位置している場合には、前記通過部によって前記操作部の前記固定解除状態への切り替えが阻止されることを特徴とするF13又はF14に記載の遊技機。
特徴F15によれば、遊技盤を装着完了位置に配置する場合に、例えば遊技盤の位置が決まっていない状態であるにもかかわらず無理に固定操作が行われることを回避できる。これにより、無理な切替操作によって突起に負荷が加わり、同突起が変形するといった不都合の発生を抑えることができる。故に、突起の保護機能を向上させ、位置決め精度の担保に貢献できる。
特徴F16.前記支持枠に設けられ、前記遊技盤の一側部が挿入される挿入部(挿入部280)を備え、
前記遊技盤は、前記挿入部に挿入された状態で当該挿入部を中心として回動されることにより前記支持枠に対して着脱されるものであり、
前記突起及び前記挿通部は、同挿通部に同突起が挿通されることにより、前記遊技盤の幅方向への同遊技盤の移動を規制するものであり、
前記固定手段の前記操作部は、前記突起よりも前記遊技盤の回動基端側に配置されているとともに、当該操作部の前記平板部からの突出量が前記突起の同平板部からの起立量よりも大きくなるように形成されており、
前記通過部は、少なくとも前記幅方向においては前記固定状態の前記操作部よりも僅かに大きく形成されていることを特徴とするF15に記載の遊技機。
特徴F16によれば、遊技盤を回動させて装着する過程では、突起が挿通部に挿通されるよりも先に、固定手段の操作部が通過部を通過する。通過部は、操作部が固定解除状態であることにより、その通過を許容する。この際、遊技盤(詳しくは操作部)が幅方向に位置ずれしていると、そのずれが僅かである場合を除いて通過が不可となる。これにより以下の効果が期待できる。
つまり、特徴F15に示したように固定状態への切替操作を位置決め後に行なう構成においては、突起が挿通部にうまく嵌まらない状態で遊技盤が押し込まれ、同突起が遊技盤の背面に衝突するおそれがある。これは、突起の変形を招来し、位置精度の担保が難しくなる要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴においては、遊技盤の位置ずれが操作部及び通過部によってある程度抑えられた状態にて、突起が挿通部に挿通されるため、上述した不都合を生じにくくすることが可能となる。これにより、突起の位置決め機能の保全に貢献できる。
例えば、操作部が通過部を通過している過程にて、突起が挿通部に挿通される構成とするとよい。
なお、特徴F10等との組み合わせにおいては、特徴F10等に示す「挿入部」と本特徴に示す「挿入部」とを同一のものとしてもよい。
特徴F17.前記挿通部は、前記突起が挿通された状態にて、同突起との間にそれら突起及び挿通部の上下方向での相対移動を許容する隙間が形成されるように形成されていることを特徴とするF4乃至F16のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F17によれば、仮に遊技盤の上下位置がばらついた場合であっても、そのばらつきによる影響が突起に及ぶことを抑制できる。つまり、上下位置のばらつきに伴って左右位置もばらつきやすくなるといった不都合を生じにくくすることができる。これにより、上述した遊技盤(詳しくは誘導手段)の位置精度の低下を極力抑えることができる。
特に特徴F5や特徴F6(規制部材を有する構成)との組み合わせにおいては、例えば挿通部が上下に拡がる長孔状とし、同挿通部に規制部材の取付部分が嵌合する構成とすることで、以下の効果を享受できる。すなわち、規制部材の位置ずれ等を好適に抑制し、例えば、外レールから規制部材に負荷が伝播した場合に同規制部材が挿通部を中心に回動して誘導手段(詳しくは外レール)に対する規制位置がずれることを抑制できる。このように簡素な構成によって、規制部材の位置ずれを抑えることで実用上好ましい構成を実現できる。
<特徴G群>
特徴G1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤を着脱可能に支持する支持枠(内枠13)と、
前記支持枠に設けられているとともに、前記遊技盤よりも下側に配置されており、前記遊技盤側に遊技球を発射する遊技球発射装置(遊技球発射機構110)と、
前記遊技盤に設けられ、前記遊技球発射装置から発射された遊技球を前記遊技領域に導く誘導手段(誘導レール100)と、
前記支持枠において前記遊技盤及び前記遊技球発射装置の間となる部位に前記遊技盤の下端部と対向して設けられ、前記遊技盤が載置されることにより同遊技盤の上下位置を規定する載置部(下側壁部263)と、
前記載置部よりも上側において前記遊技盤及び前記支持枠が対向している部位に設けられ、遊技盤の左右位置を規定する突起(位置決め突起259)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、遊技球発射装置から発射された遊技球は、誘導手段によって遊技領域に導かれる。遊技盤は支持枠の載置部に載置された状態にてその上下位置が規定されている。詳しくは遊技球発射装置に近い側で上下位置が規定されている。これにより、遊技盤(詳しくは誘導手段)の位置精度を高めることができ、遊技球発射装置から発射された遊技球の誘導手段に対する着地位置の精度向上に貢献できる。
また、遊技盤はその左右位置が突起によって規定されていることで、上述した着地位置の精度向上を更に好適なものとしている。特に、左右の位置決めに、遊技盤と支持枠とが対向している部位に設けられた突起を採用することにより、誘導手段の位置精度を向上しやすい位置に同突起を配置可能となっている。但し、このように突起による位置決めを行う場合には、その突起に対して過度の負荷が加わると、位置決め精度が低下し、本来の目的に逆行することになり得る。
この点、本特徴においては、上述したように遊技盤の重みを載置部によって支え、突起に対して遊技盤の重みが加わることを抑制できる。これにより、遊技盤(詳しくは誘導手段)の位置精度を向上させ、誘導手段に対して遊技球が着地した際の着地位置のばらつきを好適に抑制している。故に、誘導手段の取付構造等を複雑化することなく、誘導手段による遊技球の円滑な誘導を実現することができる。
特徴G2.前記遊技盤が前記支持枠に装着される場合に、前記載置部によって前記遊技盤の上下位置が規定された状態にて、前記突起により前記遊技盤の左右位置が規定されることを特徴とするG1に記載の遊技機。
特徴G2によれば、遊技盤の装着作業を行う際には、先ず遊技盤を載置部に載せることでその重量の少なくとも一部を支持枠側に預けることができる。このように遊技盤を取り付ける過程でその重み載置部によって支えることにより、遊技盤が勢いに任せて装着されるといった不都合を生じにくくすることができる。これにより、仮に突起と遊技盤とが干渉した場合であっても、同突起に過度な負荷が加わることを抑制できる。つまり、突起の変形等を生じにくくし位置精度を高めることで、遊技球の円滑な誘導の実現に貢献している。
例えば、遊技盤が取付完了位置まで移動される区間に、上下方向の位置決めを行う第1位置決め区間と、上下方向及び左右方向の位置決めを行う第2位置決め区間とを、第1位置決め区間が手前側、第2位置決め区間が奥側となるように設定するとよい。
特徴G3.前記突起は、前記支持枠に設けられており、
前記載置部の前端縁は、前記突起の先端よりも前記遊技盤の装着方向における手前側に位置していることを特徴とするG2に記載の遊技機。
特徴G2に示した構成を実現するには、本特徴に示すように、突起の先端が載置部の前端縁よりも遊技盤の取付方向における手前側に突出しない構成とするとよい。これにより、上下位置のずれを抑えた状態にて左右位置を規定でき、突起の保護に貢献できる。
特徴G4.前記支持枠に設けられ、前記遊技盤の一側部が挿入される挿入部(挿入部280)を備え、
前記遊技盤は、前記挿入部に挿入された状態で当該挿入部を中心として回動されることにより前記支持枠に対して着脱されるものであり、
前記遊技盤は、少なくとも前記挿入部に挿入されている状態においては、前記載置部に載置可能となることを特徴とするG2又はG3に記載の遊技機。
支持枠に対して遊技盤を装着する構成においては、遊技盤の装着に要するストローク(載置部に載ってから装着完了位置までのストローク)が小さいと特徴G2や特徴G3に示したような位置決めの順序の明確化が困難になると想定される。この場合、載置部に対して遊技盤が載る前等、上下の位置決めが不正確な状態にて、左右の位置決めがなされる可能性を排除できない。例えば、回胴式遊技機の交換ユニットの取り付けに関する構成を適用し、遊技盤を自身の厚み方向にスライドさせることで装着が行われる構成を採用した場合には、遊技機の厚みを増加させることは好ましくないという観点から、そのスライドストロークの確保が難しくなり、上記不都合を回避することが困難になり得る。
この点、本特徴に示すように、遊技盤を回動装着式にすることで、遊技機の厚みの増加を抑えつつ、上記ストロークを確保することが可能となる。このようにストロークの確保が可能であれば、載置部によって上下の位置決め精度を高めた状態にて左右の位置決めを行うことができ、突起の干渉等を好適に抑制できる。
特徴G5.前記載置部は、前記遊技盤の下端縁に沿って延びており、
前記突起は、前記遊技盤の幅方向における前記載置部の中間部位の上方に配置されており、
前記遊技盤が、前記支持枠に対して装着される場合には、前記載置部において前記突起に対して前記挿入部側となる部位及び同挿入部とは反対側となる部位に前記遊技盤が載った状態にて、前記突起による位置決めがなされることを特徴とするG4に記載の遊技機。
特徴G5によれば、載置部を遊技盤の下端縁に沿って形成することで、上下の位置決め精度を装着完了位置への移動に応じて高めることができる。例えば位置決め精度を最初から最大とする構成においては、突起の保護の観点から一見して好ましいように見受けられるが、遊技盤がつかえやすくなる等して、無理な押し込み等を誘発させると想定される。これは、突起保護すなわち位置精度の確保の観点から好ましくない。この点、特徴G4に示したように遊技盤装着のストロークの確保が容易な遊技機において、そのストロークに合わせて位置精度を高める構成とすることで、位置精度の向上と遊技盤の装着作業の容易化とを好適に両立できる。
また、遊技盤を装着完了位置に移動させる過程にて突起による位置決めがなされる前に同突起の両側にて載置部に遊技盤が載ることで、突起及びその周辺にて遊技盤の上下位置精度を高めた状態で突起による左右の位置決めがなされる。これにより、遊技盤の上下位置のばらつきに起因して、突起による位置決めが難しくなるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴G6.前記遊技盤は、前記遊技盤が装着完了位置に回動される際の同遊技盤の回動中心位置の変位が許容された状態で前記挿入部によって保持されていることを特徴とするG4又はG5に記載の遊技機。
特徴G4等に示したように、遊技盤の着脱作業時に同遊技盤を回動させる構成を採用した場合、位置決め用の突起の保護が容易となる反面、位置決めの精度を高めることが難しくなりやすい。具体的には、遊技盤が回動する構成においては、突起が前後に延びていると遊技盤の回動に支障が生じやすい。これを回避すべく、例えば特徴G2に示した突起の挿通孔を拡張すれば、位置決め精度が低下し得る。これは、上述した誘導手段の誘導機能を低下させる要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴においては、遊技盤の回動中心位置を変位させることにより、遊技盤の回動に伴う突起の強干渉を好適に抑制できる。これにより、位置決め精度を確保しつつ、突起の干渉を回避でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴G7.前記支持枠は、支持対象(外枠11)によって開閉可能に支持されており、
前記遊技盤は、前記支持枠に対して正面側から取り付けられているとともに、前記支持枠が前記支持対象に対して閉じた状態で、着脱可能となっていることを特徴とするG1乃至G6のいずか1つに記載の遊技機。
仮に遊技盤を支持枠の背面側から着脱する構成を採用した場合、遊技盤を回動させると支持枠が一緒に回動する可能性がある。これだと位置決めがうまくできない。この作業において想定されるのは、片手で支持枠を持って、他方の手で遊技盤を押し込む動作だが、これだと遊技盤の装着軌道がばらついて同遊技盤と支持枠とが衝突しやすくなると懸念される。この点、遊技盤を支持枠の正面側から取り付ける構成においては、支持枠を支持対象に対して閉じた状態のまま作業できるので、そのような不都合を生じにくくすることができる。
特徴G8.前記載置部は、前記遊技盤の下端部において少なくとも前記突起よりも右側となる部位及び同突起よりも左側となる部位を支えるものであることを特徴とするG1乃至G7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴G8によれば、載置部に載った遊技盤が左右に傾いたり倒れたりすることを抑制できる。これにより、遊技盤を装着する際に突起が強干渉したり、遊技盤が装着完了された状態にて突起に過度の負荷が加わったりすることを回避できる。
特徴G9.前記遊技盤の前面から起立し、前記遊技球発射装置から発射された遊技球を前記遊技領域に誘導する誘導手段(誘導レール100)を備え、
前記突起は前記誘導手段における遊技球の入口部(入口部分104)の近傍に配置されていることを特徴とするG1乃至G8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴G9によれば、誘導手段の入口部の近傍に突起を配置することにより、同入口部の位置精度を向上することがでる。これにより、例えば遊技球の着地位置のばらつきを抑え、誘導手段による円滑な誘導の実現に貢献できる。
特徴G10.前記誘導手段の入口部は、前記遊技盤の下端寄りに配置されていることを特徴とするG9に記載の遊技機。
特徴G10に示すように、誘導手段の入口部を遊技盤の下端より、すなわち載置部寄りに配置することで、入口部の更なる位置精度向上が期待できる。これにより、誘導手段による遊技球の誘導を一層好適なものとすることができる。
特徴G11.前記支持枠及び前記遊技盤の一方には他方に対向する対向部(対向板部251)が設けられているとともに、前記突起は当該対向部に配されており、
前記支持枠及び前記遊技盤の他方に設けられ、前記突起が挿通される挿通部(貫通孔91)と、
前記支持枠に設けられ、前記遊技盤の前面に当接する当接部(ストッパ267やロック装置400のプッシャ420)と、
前記支持枠に設けられ、前記遊技盤を前記当接部側に押す押し部(板バネ270やロック装置400のプッシャ420)と
を備え、
前記遊技盤が前記押し部に押され前記当接部に当接している状態では、前記対向部と前記挿通部との間に隙間が形成されることを特徴とするG1乃至G10のいずれか1つに記載の遊技機。
突起による位置決め精度を向上させようとすれば、挿通部と突起とのクリアランスを小さくし、突起を挿通部内に完全に埋没させるとよい。しかしながら、このような構成を採用した場合、遊技盤の位置をずらすような負荷が僅かにでも加わると、その負荷が突起の根元部分に集中しやすくなると想定される。この負荷は例えば突起をせん断させるように作用するため、突起の耐久性の確保に課題が生じると想定される。この点、本特徴においては平板部と挿通部との間に隙間を形成し、突起の根元部分を挿通させない構成とすることで、突起の撓み(弾性変形)を利用して上述した負荷による同突起のせん断や折れ等の発生を抑制できる。これにより、位置決め手段による位置精度の向上を図りつつ同位置決め手段の耐久性を好適に向上させることができ、繰り返しの使用に耐え得る構成の実現に貢献できる。
特徴G12.前記突起は、前記遊技盤及び前記支持枠の何れか一方に設けられ、
前記遊技盤及び前記支持枠の他方には前記突起が挿通される挿通部(貫通孔91)が設けられており、
前記挿通部においては、前記突起が挿通された状態にて、同突起との間にそれら突起及び挿通部の上下方向での相対移動を許容する隙間が形成されていることを特徴とするG1乃至G11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴G12によれば、仮に遊技盤の上下位置がばらついた場合であっても、そのばらつきによる影響が突起に及ぶことを抑制できる。つまり、上下位置のばらつきに伴って左右位置もばらつきやすくなるといった不都合を生じにくくすることができる。これにより、上述した遊技盤(詳しくは誘導手段)の位置精度の低下を極力抑えることができる。
因みに、特徴B1乃至特徴B12,特徴C1乃至特徴C16,特徴D1乃至特徴D18,特徴E1乃至特徴E17,特徴F1乃至特徴F17,特徴G1乃至特徴G12のいずれか1つ又はそれらの組み合わせを上記特徴A1乃至A11に適用してもよいし、それら特徴B1乃至特徴B12,特徴C1乃至特徴C16,特徴D1乃至特徴D18,特徴E1乃至特徴E17,特徴F1乃至特徴F17,特徴G1乃至特徴G12を相互に組み合せてもよい。
また、上記特徴A1乃至A11,特徴B1乃至特徴B12,特徴C1乃至特徴C16,特徴D1乃至特徴D18,特徴E1乃至特徴E17,特徴F1乃至特徴F17,特徴G1乃至特徴G12のいずれか1つ又はそれらの組み合わせを、下記特徴H1乃至H14,下記特徴I1乃至I11,下記特徴J1乃至J7,下記特徴K1乃至K12,下記特徴L1乃至L11,下記特徴M1乃至M8のいずれか1にて限定した構成に適用してもよい。
上記特徴A群,B群,C群,D群,E群,F群,G群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技盤を枠体に搭載してなる遊技機本体を備えているものがある。遊技盤の前面にはレール部材が設けられており、同遊技盤の前面のうちこのレール部材によって囲まれた領域が遊技領域となっている。遊技機本体の前面側には当該遊技機本体を覆う扉体が設けられており、同扉体において遊技盤の前方となる位置に配設された透明パネルを介して遊技領域が視認可能となっている。遊技者により遊技球発射ハンドルが操作されると遊技球発射装置から遊技球が発射される。遊技球発射装置は遊技球の発射方向を規定する発射レールを有している。この発射レールから発射された遊技球は、上記レール部材に沿って移動することにより遊技領域に導かれることとなる。
一般的に、このような遊技機においては遊技盤が枠体に対して着脱可能に取り付けられており、遊技盤の着脱を可能とすることで遊技盤等のメンテナンス作業の容易化や機種変更時における同遊技盤の入替作業の容易化が図られている。特に、近年では遊技盤を枠体の前方から着脱可能とする遊技機が提案されており、上述した遊技盤着脱作業の更なる容易化が図られている。
しかしながら、遊技盤を枠体の前方から取り付けるタイプの遊技機においては、遊技盤の取付容易性,取付位置精度,取付安定性等、未だ改善の余地がある。
<特徴H群>
特徴H1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80)を有してなる遊技機本体(内枠13)と、
前記遊技機本体を同遊技機本体の前面側から覆うとともに、当該遊技機本体に対して開閉可能に取り付けられている扉体(前扉枠14)と、
前記扉体を前記遊技機本体に対して閉じた状態で施錠する施錠装置(施錠装置500)と
を備え、
前記施錠装置は、
前記扉体を施錠する施錠状態及び施錠しない施錠解除状態に切替可能に設けられた施錠部材(例えば前扉用鉤部材550)と、
外部操作手段(例えばシリンダ錠520及びそれに挿入して操作される操作キーK)の操作に連動して前記施錠部材を施錠解除状態に切り替える切替手段(例えばカム部材530や連動杆540)と
を有し、
少なくとも前記施錠部材及び前記切替手段は、前記扉体と前記遊技機本体とによって囲まれた空間内に収容されていることを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、施錠装置の施錠部材及び切替手段を扉体と遊技機本体とによって囲まれた空間内に収容することにより、それら施錠部材や切替手段の露出を抑え同施錠部材等に対する不正なアクセスを困難なものとすることができる。これにより、施錠が不正に解除され、遊技領域に対して不正なアクセスがなされることを回避できる。例えば、施錠装置を遊技機本体の背面等に配置する構成においても、同施錠装置を覆うカバー等を設けることにより、類似の効果を奏することができる。しかしながら、このような対応を行った場合には、カバーが取り外されることを回避するための工夫等が必要となり得る。この点、本特徴に示した構成においては、そのような構成の追加等を必ずしも必要としない点で優れている。
また、施錠装置(詳しくは施錠部材及び切替手段)の配置を変えて防犯性を向上させることで、例えば施錠装置の数を増やしたり施錠の手順を複雑化したりする構成と比較して、ホール管理者等によって正規の手順で扉体が開放される場合の作業性の低下を抑制でき、メンテナンスの容易性の確保と防犯性の向上とを好適に両立できる。
特徴H2.前記遊技機本体には前記空間を開放する開口部(中央開口76)が形成されており、
前記遊技機本体には前記遊技盤が前記遊技機本体の前面側からのみ着脱可能に取り付けられており、
前記遊技盤が前記遊技機本体に取り付けられた状態にて、前記開口部が同遊技盤により覆われていることを特徴とするH1に記載の遊技機。
特徴H2によれば、遊技機本体に設けられ、上述した空間形成の一端を担っている遊技盤においては、上記空間の外部、すなわち遊技機本体の背面側からの取り外しが不可となっているため、同空間を不正に露出させるといった行為を抑制することができる。これにより、開口部を通じた施錠装置へのアクセスを困難なものとし、防犯性の向上に貢献できる。
また、扉体を閉じることにより遊技盤の取り外しを不可とすることができる。つまり、扉体が遊技機本体に対して閉じた状態で施錠されている場合には、遊技領域に対するアクセスが容易になることを抑制し、防犯性の向上に貢献できる。これにより、例えば釘(釘87)が変形され入賞口(一般入賞口81や作動口83)等への入賞確率が変更されるといった不都合を生じにくくすることができる。
このように防犯性を向上した場合であっても、遊技領域へのアクセスや同遊技盤の着脱は、扉体を開放することによって許容されるため、メンテナンス時等の作業性が低下することを抑制できる。
特徴H3.前記遊技盤の背面には、前記遊技領域に設けられた入球口(一般入賞口81や作動口83等)を通じて当該遊技盤の背面側に誘導された遊技球を回収する回収通路(台座部材141の回収通路)が設けられており、
前記回収通路は、前記開口部を介して前記遊技機本体の背面側に露出されていることを特徴とするH2に記載の遊技機。
特徴H3によれば、開口部を介して遊技盤に搭載されている構成等を遊技機本体の背面側に露出させることが可能となる。これにより、扉体と遊技機本体とによって囲まれた空間(例えば遊技領域)に導かれた遊技球を入球口を通じて、同空間の外部、例えば遊技ホール等の島設備に返却する返却経路の確保が可能となる。
しかしながらその反面、開口部を設けることで同開口部を介して遊技領域への不正なアクセスが行われやすくなったり、遊技盤の不正な取り外しがなされやすくなったりすると想定される。この点、遊技盤によって開口部を覆うことにより、不正具等の侵入を抑制することができ、更には開口部を通じた遊技盤の取り外しを不可とすることにより、同遊技盤の不正な入れ替えや不正な改造等を好適に抑制できる。
特徴H4.前記遊技機本体は、
前記遊技盤の背面に対向しているとともに、前記開口部が形成された対向部(対向板部251)と、
前記対向部から前記扉体側に起立するとともに、前記遊技盤の周縁に沿って形成された周壁部(周壁部261)と
を有し、
それら対向部及び周壁部によって、前記遊技盤を収容する遊技盤収容部(遊技盤収容部75)が構成されており、
前記施錠装置は、前記遊技盤収容部外に配されていることを特徴とするH2又はH3に記載の遊技機。
特徴H4によれば、仮に開口部を通じて不正具が挿入された場合であっても、対向部や周壁部によって同不正具の移動を制限し、施錠装置への到達を困難なものとすることができる。具体的には、遊技盤と周壁部との隙間を通過する不正具を遊技領域及び施錠装置の両者から離れる側、すなわち扉体側に誘導することができる。これにより、更なる防犯性の向上に貢献できる。
特徴H5.前記扉体及び前記遊技機本体の少なくとも一方には、同扉体と同遊技機本体とによって囲まれた空間において前記遊技盤が配置されている領域と前記施錠部材及び前記切替手段が配置されている領域とを区画する区画手段(ガラスホルダ27及び右側壁部265)が設けられていることを特徴とするH2乃至H4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴H5によれば、遊技盤が配置されている領域と施錠装置が配置されている領域を区画することで、仮に開口部(遊技盤と遊技機本体との隙間)を通じて不正具が挿入された場合であっても、同不正具が施錠装置に達することを抑制できる。
特徴H6.前記遊技盤を前記遊技機本体に固定する固定手段(ロック装置400)を備え、
前記固定手段は、前記遊技盤を固定する固定位置及び同遊技盤の固定を解除する固定解除位置に切替可能な操作部(操作レバー440)を有し、
少なくとも前記操作部は、前記扉体と前記遊技機本体とによって囲まれた空間内に配されていることを特徴とするH2乃至H5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴H6によれば、固定手段の操作部が扉体と遊技機本体との間に位置しているため、扉体が遊技機本体に対して閉じられている状態では、同扉体を開放することなく固定手段に対するアクセスすることが困難になる。これにより、遊技盤の固定が不正に解除され、施錠装置や遊技領域等へのアクセス経路が確保されやすくなるといった不都合を好適に抑制できる。
特徴H7.前記遊技盤及び前記施錠装置は、前記遊技機本体の前面に沿って並べて配置されており、
前記遊技盤における前記施錠装置側の端部寄りに配され、前記遊技盤を前記遊技機本体に固定する固定手段(ロック装置400)を備え、
前記固定手段は、前記遊技盤を固定する固定位置及び同遊技盤の固定を解除する固定解除位置に切替可能な操作部(操作レバー440)を有し、
少なくとも前記操作部は、前記扉体と前記遊技機本体とによって囲まれた空間内に配されていることを特徴とするH2乃至H5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴H7によれば、特徴H6に示した効果に加え以下の効果を奏する。すなわち、遊技盤を遊技機本体の前面側から取り付ける構成を採用した場合、遊技盤が仮に扉体側に押されると遊技盤と遊技機本体との隙間が拡張されやすくなると想定される。この点、本特徴によれば、固定手段を遊技盤における施錠装置側の端部寄りに配置することにより、上述したような不都合を好適に回避できる。つまり、固定手段を施錠装置側の端部寄りに配置することにより、同施錠装置に近い側での遊技盤と遊技機本体との隙間の拡がりを抑えることができる。これにより、上記隙間を通じて挿入された不正具により、施錠装置に対して不正なアクセスがなされることを好適に抑制できる。例えば、固定手段を遊技盤における施錠装置側の端部に沿って複数配置するとよい。
特徴H8.前記遊技盤を前記遊技機本体に固定する固定手段(ロック装置400)を備え、
前記固定手段は、前記遊技盤を固定する固定位置及び同遊技盤の固定を解除する固定解除位置に切替可能な操作部(操作レバー440)を有し、
少なくとも前記操作部は、前記扉体と前記遊技機本体とによって囲まれた空間において前記周壁部と前記遊技盤との境界の延長上から離れた位置に配置されていることを特徴とするH5に記載の遊技機。
特徴H8によれば、特徴H6に示した効果に加え以下の効果を奏する。仮に遊技盤及び遊技機本体の境界部位を介して不正具等が挿入された場合であっても、その挿入軌道上に固定手段が位置しないため、同不正具による固定手段の切替操作を困難なものとすることができる。これにより、遊技盤の固定が不正に解除され、同遊技盤と遊技機本体との隙間を拡げることで、同隙間を通じた施錠装置や遊技領域への不正なアクセスが容易化されることを好適に抑制できる。
特徴H9.前記扉体には、当該扉体が前記遊技機本体に対して閉じた状態にて、前記操作部の固定解除位置への移動を阻止する阻止手段が設けられていることを特徴とするH6乃至H8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴H9によれば、扉体が閉じている状態においては、操作部の切替を阻止することができる。これにより、例えば遊技盤の固定が不正に解除されるといった不都合を好適に回避でき、更なる防犯性の向上を図ることができる。また、メンテナンス等で遊技盤を脱着した場合の固定忘れ等を抑制でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴H10.前記施錠部材は、扉用施錠部材であり、
前記遊技機本体は、支持枠(外枠11)によって開閉可能に支持されており、
前記遊技機本体の前面には、前記扉体とは反対側に凹み、前記施錠装置の少なくとも一部が収容される施錠装置収容部(施錠装置収容部77)が形成されており、
前記施錠装置は、
前記施錠装置収容部の底部に形成された貫通孔(スリット303)によって同遊技機本体の背面側に露出し、前記遊技機本体を前記支持枠に対して施錠する施錠状態及び施錠しない施錠解除状態に切替可能に設けられた本体用施錠部材(内枠用鉤部材620)と、
前記扉用施錠部材,前記切替手段及び前記本体用施錠部材が取り付けられているベース部材(第1基枠510)と
を有し、
前記施錠装置収容部において前記扉体側に開放されている部位が前記ベース部材によって覆われていることを特徴とするH1乃至H9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴H10によれば、本体用施錠部材の露出を抑えることができ、支持枠に対して遊技機本体を閉じた状態での防犯性を向上できる。
また、仮に貫通孔を通じて不正具が挿入された場合であっても、施錠装置収容部の開放部位がベース部材によって覆われていることで、遊技領域等へのアクセスを困難なものとすることができる。
特徴H11.前記切替手段と前記扉用施錠部材の少なくとも一部とは、前記施錠装置収容部と前記ベース部材とによって区画された空間に収容されていることを特徴とするH10に記載の遊技機。
特徴H11によれば、切替手段と扉用施錠部材の少なくとも一部とが遊技機本体とベース部材とによって区画された空間内に収容されている。このため、仮に遊技機本体と扉体との境界部位等から不正具等が挿入された場合であっても同不正具によって扉用施錠部材や切替手段にアクセスされることを抑制でき、更なる防犯性の向上を期待できる。
特徴H12.前記遊技機本体は前記支持枠によって回動可能に支持されており、
前記扉体は前記遊技機本体の回動基端側にて同遊技機本体により回動可能に支持されており、
前記施錠装置は、前記遊技機本体の回動先端側に配されており、
前記ベース部材は前記遊技機本体の回動先端部に沿って延びており、
前記扉用施錠部材及び前記本体用施錠部材は、前記ベース部材の長手方向の一端寄りに配されており、
前記施錠装置は、前記貫通孔と前記扉用施錠部材との間に位置するとともに、前記貫通孔の少なくとも一部を前記施錠装置収容部の内側から覆う壁面部(連動杆540のフランジ545)を有していることを特徴とするH11に記載の遊技機。
特徴H11に示したように、扉用施錠部材を施錠装置収容部に収容する構成においては、貫通孔を通じて前扉施錠装置にアクセスされる可能性が生じ得る。特に、扉体と遊技機本体との各施錠部材を回動先端側、詳しくはベース部材の長手方向の一端寄りに配置した場合、扉体及び遊技機本体の浮き上がりを好適に抑制できる反面、上記貫通孔を通じての扉用施錠部材に対するアクセスが容易になり得る。この点、本特徴に示すように、貫通孔と扉用施錠部材との間に壁面部を設け、同壁面部によって貫通孔の少なくとも一部を覆うことで、各施錠部材を近づけて配置したとしても貫通孔を通じて扉用施錠部材に対する不正なアクセスがなされることを抑制できる。扉体や遊技機本体の浮き上がりを抑えつつ、それ起因して防犯性が低下することを抑制できる。
特徴H13.前記扉体が、前記遊技機本体に対して閉じられている状態においては、前記施錠装置収容部からの前記ベース部材の取り外し軌道上に当該扉体が位置していることを特徴とするH10乃至H12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴H13によれば、扉体が閉じている状態にて施錠装置(詳しくはベース部材及びそれに取り付けられた施錠部材等の各種構成)が取り外されることを抑制でき、特徴H10等に示した防犯効果を好適に享受できる。
特徴H14.前記遊技機本体の前面には、前記遊技盤を設置する遊技盤設置部(遊技盤収容部75)と、前記施錠装置を設置する施錠装置設置部(施錠装置収容部77)と、それら遊技盤設置部及び施錠装置設置部を仕切る仕切り部(右側壁部265)とが形成されていることを特徴とするH2乃至H13のいずか1つに記載の遊技機。
特徴H14によれば、仮に遊技機本体及び扉体の境界部位等から不正具が挿入された場合であっても、遊技盤設置部及び施錠装置設置部間での不正具の移動を仕切り部によって妨げることができる。これにより、不正具が挿入される経路を遊技領域や施錠装置等の各種不正対象ごとに分断させることが可能となる。故に、どの経路でどの対象が狙われやすくなるかを絞り、想定される各侵入経路に応じた不正対策の有効性を好適に高めることができる。
なお、特徴H4等(遊技盤収容部を有する構成)との組み合わせにおいては、「遊技盤収容部」と「遊技盤設置部」と置き換えることも可能である。また、特徴H10等(施錠装置収容部)との組み合わせにおいては、「施錠装置収容部」を「施錠装置設置部」と置き換えることも可能である。
上記特徴H群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤を搭載してなる遊技機本体を備えているものがある。遊技機本体は、遊技ホールの島設備に固定されている支持対象(例えば外枠)に対して開閉可能に取り付けられており、メンテナンス等の際には同遊技機本体を開放することにより、その背面側へアクセスしやすくなっているものが一般的である。また、遊技機本体には上記遊技領域等を前方から覆う扉体が取り付けられており、遊技領域の露出が回避されている。この扉体についても遊技機本体と同様に開閉可能にとなっているものが多く、メンテナンス時等の遊技領域へのアクセスの容易化が図られている。
このように、メンテナンス性の向上を図った遊技機においては、遊技機本体の背面側に配置されている各種制御装置や上記遊技領域に対しての不正なアクセスが容易となるのは好ましくない。そこで、一般的には、そのような不都合を回避すべく遊技機本体を外枠に対して閉じた状態で開放不能に施錠するとともに、扉体を遊技機本体に対して閉じた状態で開放不能に施錠する施錠装置が設けられていることが多い。
しかしながら、かかる施錠装置を採用した場合であっても、遊技機本体及び外枠の施錠が不正に解除されると遊技盤等の背面側が露出されることとなり、遊技機本体と扉体との施錠が不正に解除されると遊技領域等が露出されることとなる。このような施錠装置の不正な解錠がなされることで、遊技領域や制御装置が露出し、両者に対するアクセスが容易なものとなり得る。つまり、単に施錠装置を設けただけで上記制御装置や遊技領域等に対する不正行為を撲滅することは容易ではなく、依然として防犯性の向上には改善の余地があると考えられる。特に、遊技領域等においては、制御装置と比較して不正の有無を確認すべき箇所が多くなりやすいと想定され、仮に不正の痕跡を見落としてしまった場合にはその発見が遅れがちになると懸念される。
<特徴I群>
特徴I1.支持枠(外枠11)によって回動可能に支持される遊技機本体(遊技機主部12の内枠13)と、
前記遊技機本体をその前面側から覆うとともに、前記遊技機本体の回動基端側にて同遊技機本体により回動可能に支持されている扉体(前扉枠14)と、
前記遊技機本体の回動先端側に設けられ、前記遊技機本体を前記支持枠に対して閉じた状態で施錠するとともに、前記扉体を前記遊技機本体に対して閉じた状態で施錠する施錠装置(施錠装置500)と
を備え、
前記施錠装置は、
前記遊技機本体の回動先端部に沿って延びるベース部材(第1基枠510)と、
前記ベース部材の長手方向の一端側に設けられ、前記遊技機本体及び前記扉体の一方を閉じた状態で施錠する施錠状態及び施錠しない施錠解除状態に切替可能な状態で前記ベース部材に取り付けられている第1施錠部材(前扉用鉤部材550)と、
前記ベース部材において前記第1施錠部材と前記長手方向の同一側に設けられているとともに、同第1施錠部材とは前記ベース部材の長手方向にずらして配されており、前記遊技機本体及び前記扉体の他方を閉じた状態で施錠する施錠状態及び施錠しない施錠解除状態に切替可能な状態で前記ベース部材に取り付けられている第2施錠部材(内枠用鉤部材620)と、
前記第1施錠部材及び前記第2施錠部材を繋ぐ付勢部材(コイルバネ560)と
を有し、
前記第1施錠部材及び前記第2施錠部材は、前記第1施錠部材に形成された前記付勢部材の取付部(突起622)と前記第2施錠部材に形成された前記付勢部材の取付部(突起554)とが同付勢手段により互いに逆向きとなるように付勢されることでそれぞれ施錠状態に維持され、
前記第1施錠部材の前記取付部は、当該第1施錠部材において前記第2施錠部材とは反対側となる部位に配されていることを特徴とする遊技機。
特徴I1によれば、第1施錠部材及び第2施錠部材をベース部材の長手方向における一端側にそれぞれ配置することにより、その一端側における支持枠からの遊技機本体の浮き上がり及び遊技機本体からの扉体の浮き上がりを抑制することができる。例えば、これら各施錠部材をベース部材の両端側にそれぞれ配置することで、防犯性の向上を図ることができる。
また、第1施錠部材及び第2施錠部材を付勢部材によって繋ぐことにより、個々の施錠部材に対応した個別の付勢部材を設ける場合と比較して、施錠装置の構成の簡略化を実現している。本特徴においては特に、第1施錠部材の取付部と第2施錠部材の取付部とが互いに逆向きとなるように付勢されることで、第1施錠部材及び第2施錠部材がそれぞれ施錠状態に維持される構成とした。これにより、付勢部材の共通化を図りつつ、同付勢部材の取り回しを簡素化している。しかしながら、このように付勢部材を共通化した場合には、各施錠部材を近づけて配置することで、同付勢部材の動作ストロークの確保が難しくなる。付勢部材の動作ストロークの確保が難しくなると、付勢部材の配置が困難になるだけでなく、各施錠部材の円滑な切替が困難になると想定される。この点、本特徴においては、第1施錠部材の取付部を、当該第1施錠部材において前記第2施錠部材とは反対側となる部位に設けることにより、両付勢部材を近づけて配置しつつ、上記動作ストロークを好適に確保することができる。故に、支持枠からの遊技機本体の浮き上がりと遊技機本体からの扉体の浮き上がりとを抑制しつつ、施錠装置の構成を簡略化することができる。
特徴I2.前記第1施錠部材及び前記第2施錠部材は、前記第1施錠部材の前記取付部と前記第2施錠部材の前記取付部とが互い近づく側に付勢されることで施錠状態に維持されていることを特徴とするI1に記載の遊技機。
特徴I2よれば、各取付部が互いに近づく側に付勢されている。施錠解除状態に切り替える際には両取付部の少なくとも一方が、付勢されている方向とは反対側、すなわち両取付部の他方から離れる側に移動する。言い換えれば、施錠解除される場合には両施錠部材が遠ざかるものの、少なくとも施錠状態においては、それら両者を近づけておくことができる。これにより、例えば第1施錠部材及び第2施錠部材を第1施錠部材の取付部と第2施錠部材の取付部とを互い遠ざかる側に付勢することで施錠状態に維持している場合と比較して、両施錠部材の浮き上がり抑制機能の差を小さくすることができる。
特徴I3.前記第2施錠部材は、前記第1施錠部材よりも、前記ベース部材の長手方向における前記一端寄りに配置されていることを特徴とするI1又はI2に記載の遊技機。
特徴I3によれば、第2施錠部材を第1施錠部材よりもベース部材の一端寄りに配置することで、特徴I1等に示したように付勢部材の動作ストロークを拡げつつ、それら両施錠部材をベース部材の端部に近づけて配置することが容易となる。このように両施錠部材をベース部材の端部に近づけて配置することで、扉体及び遊技機本体の浮き上がりを一層好適に抑制することができる。
特徴I4.前記ベース部材は、
当該ベース部材の長手方向に延びる長板状をなし、その片側の板面に前記第1施錠部材が取り付けられている第1ベース部(基枠固定部511)と、
前記第1ベース部において前記第1施錠部材が取り付けられている側の板面から起立する板状の第2ベース部(部材取付部515)と
を有してなり、
前記第2施錠部材は、前記第2ベース部において前記第1施錠部材側を向いている板面に取り付けらており、
前記第1施錠部材の前記取付部は、前記第1ベース部とは前記第2ベース部が起立している側と同一側に突出していることを特徴とするI1乃至I3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴I1等に示した構成においては、仮に各施錠部材の動作時に同施錠部材と付勢部材とが干渉すると(例えば引っ掛かると)施錠状態への切替が妨げられたり、付勢機能が低下したりすると想定される。特徴I1に示した構成を実現するには、例えば同一平板上に第1施錠部材及び第2施錠部材を配置することも可能である。しかしながら、このような構成を採用した場合には、第1施錠部材の取付部が第2施錠部材とは反対側に設けられているため、両施錠部材を繋ぐ付勢部材が第1施錠部材に近づきやすくなると想定される。これは、上述した付勢部材と施錠部材との干渉を発生させる要因となり得る。
この点、本特徴によれば、第1ベース部に第1施錠部材を取り付けるとともに、第2ベース部に第2施錠部材を取り付け、第1施錠部材の取付部を第2ベース部が起立している側と同一側に突出させることで、付勢部材と第1施錠部材との間に隙間を設定することが可能となる。故に、上述した干渉の発生を抑え、動作不良等の不都合を好適に回避することができる。
また、各ベース部に第1施錠部材及び第2施錠部材を分けて配することで、各施錠部材の動作領域を確保しつつ、それら施錠部材を一層近づけることが可能となる。これにより、扉体や遊技機本体の浮き上がり抑制機能を向上させることができる。
特徴I5.前記第1施錠部材及び前記第2施錠部材は、前記第1施錠部材の前記取付部と前記第2施錠部材の前記取付部とが互い近づく側に付勢されることで施錠状態に維持されており、
前記第2施錠部材の前記取付部は、前記第1施錠部材の前記取付部よりも前記第1ベース部と前記第2ベース部との境界寄りに配置されており、
前記付勢部材は、前記ベース部材の長手方向に対して交差する方向に延びていることを特徴とするI4に記載の遊技機。
特徴I5によれば、付勢部材をベース部材の長手方向に対して傾けて設けることができ、付勢部材の動作ストロークの拡張に貢献できる。この場合、仮に第1施錠部材の取付部が施錠解除時に第2施錠部材側に移動すると、第1施錠部材と付勢部材とが干渉しやすくなると懸念される。この点、本特徴に示すように、第1施錠部材及び第2施錠部材を、第1施錠部材の取付部と第2施錠部材の取付部とが互い近づく側に付勢されることで施錠状態に維持する構成とすれば、第1施錠部材を施錠解除状態に切り替える際に、同第1施錠部材の取付部は第2施錠部材から遠ざかる側に変位することなる。これにより、第2施錠部材の取付部を両ベース部の境界寄りに配置したとしても、付勢部材と第1施錠部材との干渉を好適に回避することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴I6.前記施錠装置は、前記遊技機本体に取り付けられていることを特徴とするI1乃至I5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴I6によれば、扉体のみを開放させたり、遊技機本体のみを開放させたりすることが容易となり、メンテナンス等を行う際の作業の容易化に貢献できる。
また、第1施錠部材及び第2施錠部材のベース部材における長手方向でのずれを減らし、それら両施錠部材を好適に近づけて配置することが可能となる。このように、両施錠部材を近づけて配置可能な構成に、上記特徴I1等を適用すれば、付勢部材の動作ストロークを好適に確保でき、付勢部材の設置領域確保のために両施錠部材を近づけることができなくなるといった不都合を生じにくくできる。
特徴I7.前記施錠装置は、前記遊技機本体と前記扉体とによって挟まれた領域に配されており、
前記遊技機本体の前面側には、後方に凹むとともに前記扉体側に開放された施錠装置収容部(施錠装置収容部77)が形成されており、
前記施錠装置が前記施錠装置収容部内に収容された状態にて、前記第1ベース部及び前記第2ベース部のいずれか一方により、前記施錠装置収容部の開放部分が塞がれており、
前記第1ベース部及び前記第2ベース部の他方は、前記遊技機本体の背面側に向けて延びていることを特徴とするI4又はI5に記載の遊技機。
特徴I7によれば、施錠装置を遊技機本体と扉体とによって挟まれた領域に配することで、同施錠装置に対する不正なアクセスを抑制することができる。
また、施錠装置を施錠装置収容部に収容した状態にて、同施錠装置収容部の開放部分が第1ベース部又は第2ベース部の一方によって覆われることで、更なる防犯性の向上が期待できる。また、第1ベース部及び第2ベース部の他方が遊技機本体の背面側に延びている。このため、扉体に近い側のベース部に取り付けられた施錠部材により扉体を施錠し、支持枠に近い側のベース部に取り付けられた施錠部材により遊技機本体を施錠することで、施錠部材が過度に大きくなることを抑制でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴I8.前記第1施錠部材及び前記第2施錠部材のうち、少なくとも一方は回動可能に設けられていることを特徴とするI1乃至I5のいずれか1つに記載の遊技機。
1の付勢部材によって第1施錠部材及び第2施錠部材を繋ぐ構成を採用した場合、付勢力の作用する方向と各施錠部材の動作方向とが異なると、各施錠部材が動作する際に回転モーメントが発生しやすくなると想定される。この回転モーメントは、施錠部材の円滑な動作を妨げる要因となり得るため、できるだけ小さくすることが好ましい。しかしながら、例えば第1施錠部材及び第2施錠部材をスライド式とした場合には、両施錠部材の動作軌道を揃える等する必要が生じ、施錠部材のレイアウトに制約が生じやすくなる。これは、両施錠部材をベース部材の端部に近づけて配置することを困難にし、本来の目的たる浮き上がり抑制機能の向上に反することとなるため好ましくない。この点、本特徴に示すように、両施錠部材の少なくとも一方を回動式とすれば、上記回転モーメントによる影響を抑えやすくでき、上述したレイアウト上の制約を低減できる。これにより、構成の簡略化と浮き上がり抑制機能の向上とを好適に両立できる。
特徴I9.支持枠(外枠11)によって回動可能に支持される遊技機本体(遊技機主部12の内枠13)と、
前記遊技機本体をその前面側から覆うとともに、前記遊技機本体の回動基端側にて同遊技機本体により回動可能に支持されている扉体(前扉枠14)と、
前記遊技機本体の回動先端側に設けられ、前記遊技機本体を前記支持枠に対して閉じた状態で施錠するとともに、前記扉体を前記遊技機本体に対して閉じた状態で施錠する施錠手段(鉤受け部材63,350及び施錠装置500)と
を備え、
前記遊技機本体の回動中心軸線及び前記前扉枠の回動中心軸線は上下に延びており、
前記施錠手段は、
前記遊技機本体及び前記扉体の一方に取り付けられ、その一方の回動先端部に沿って延びるベース部材(第1基枠510)と、
前記遊技機本体及び前記扉体の他方に固定されている第1固定係止具(例えば鉤受け部材63)と、
前記支持枠に固定された第2固定係止具(例えば鉤受け部材63)と、
前記第1固定係止具及び前記第2固定係止具の一方に対して係止される第1係止部(例えば鉤部625)を有し、当該第1係止部が係止される係止状態及び係止解除状態に切替可能な状態で前記ベース部材に取り付けられている第1可動係止具(例えば内枠用鉤部材620)と、
前記第1固定係止具及び前記第2固定係止具の他方に対して係止される第2係止部(例えば鉤部555)を有し、当該第2係止部が係止される係止状態及び係止解除状態に切替可能な状態で前記ベース部材に取り付けられているとともに、前記第1可動係止具とは前記ベース部材の長手方向にずらして配置されている第2可動係止具(例えば前扉用鉤部材550)と、
前記第1可動係止具及び前記第2可動係止具を繋ぐ付勢部材(コイルバネ560)と
を有し、
前記第1可動係止具は、
前記ベース部材の長手方向とは異なる方向に延びる中心軸線を中心として回動可能に設けられており、その回動により前記係止状態と前記係止解除状態との切り替えがなされるとともに、
同第1可動係止具の回動中心軸線に対して前記第1係止部とは反対側に形成され前記付勢部材が取り付けられている第1取付部(突起622)を有し、
前記第2可動係止具は、
前記ベース部材に沿ったスライド移動が可能となるようにして設けられており、そのスライド移動により前記係止状態と前記係止解除状態との切り替えがなされるとともに、
前記付勢部材が取り付けられている第2取付部(突起554)を有し、
前記第1可動係止具及び前記第2可動係止具は、前記第1取付部と前記第2取付部とが前記付勢手段によって互いに逆向きとなるように付勢されることによりそれぞれ係止状態に維持され、
さらに、前記第1可動係止具においては、前記付勢部材の付勢力により前記第1取付部が変位することにより前記第1係止部が前記第1固定係止具及び前記第2固定係止具の一方に対して下側から引っ掛かり、
前記第2可動係止具においては、前記付勢部材の付勢力によって前記第2取付部が変位することにより前記第2係止部が前記第1固定係止具及び前記第2固定係止具の他方に対して下側から引っ掛かることを特徴とする遊技機。
特徴I9によれば、施錠手段を遊技機本体(扉体)の回動先端側に配することで、遊技機本体や扉体の閉位置からの浮き上がりを好適に抑制することができる。また、遊技機本体及び扉体の回動中心軸を同一側に配置することで、それら遊技機本体及び扉体に対応した施錠手段の各種構成をまとめることができ、施錠手段における構成の簡略化が図られている。
遊技機本体や扉体を施錠する場合、各係止具をそれら遊技機本体や扉体の上下両端部に配置することが好ましい。上端寄り及び下端寄りに係止具をそれぞれ配置することで、上述した浮き上がりを一層好適に抑制することができる。この場合、各係止具の配置が似通いやすくなると想定される。そこで、本特徴に示すように第1可動係止具と第2可動係止具とを付勢部材によって繋ぎ付勢部材の共用化を図ることで、各可動係止具に対応する付勢部材を個別に設ける場合と比較して施錠装置の構成を簡素化することができる。この場合であっても、各可動係止具をベース部材の長手方向(すなわち上下方向)にずらしておくことで、各係止具の相互干渉を回避し、可動係止具の動作スペースを好適に確保することができる。
しかしながら、上下にずらして配置された各可動係止具を付勢部材によって繋ぐ場合、固定係止具に対する可動係止具の係止態様によっては、係止状態への切り替えが円滑に行われなくなる可能性が生じる。具体的に説明すれば、扉体や遊技機本体が回動可能に支持されている構成においては、それら扉体や遊技機本体が自重等によって下方に傾きやすくなると想定される。このような傾きに基づく位置ずれの度合いは、回動先端側にて大きくなる。仮に、可動係止具が固定係止具に対して上方から引っ掛かる構成を採用した場合には、上記位置ずれによって可動係止具の位置が下がることで扉体や遊技機本体を閉じる際に可動係止具と固定係止具とが強干渉し得る。これは、可動係止具に過度な負荷を生じさせ、同可動係止具の係止機能を損なう要因となり得るため好ましくない。特に、上述の如く各可動係止具を付勢部材によって繋いだ場合、それら両係止具の付勢方向が逆向きになるため、一方の可動係止具においては固定係止具に対して上側から引っ掛かりやすくなると懸念される。
この点、本特徴においては、第1可動係止具を回動式、第2可動係止具をスライド式とすることで、第2可動係止具における第2係止部の付勢方向をそのままに、第1可動係止具の第1係止部の付勢方向を逆転させている。つまり、第1可動係止具においては、付勢部材が取り付けられている第1取付部を、回動中心軸線に対して前記第1係止部とは反対側に配することで、第1係止部の付勢方向を逆転させている。そして、各係止部が各固定具に対して下側から引っ掛かることで、上記位置ばらつきが生じた場合であっても、各可動係止具と各固定係止具とが強干渉することを抑制でき、施錠手段の保護に貢献することができる。
特徴I10.支持枠(外枠11)によって回動可能に支持される遊技機本体(遊技機主部12の内枠13)と、
前記遊技機本体をその前面側から覆うとともに、前記遊技機本体の回動基端側にて同遊技機本体により回動可能に支持されている扉体(前扉枠14)と、
前記遊技機本体の回動先端側に設けられ、前記遊技機本体を前記支持枠に対して閉じた状態で施錠するとともに、前記扉体を前記遊技機本体に対して閉じた状態で施錠する施錠手段(鉤受け部材63,350及び施錠装置500)と
を備え、
前記遊技機本体の回動中心軸線及び前記前扉枠の回動中心軸線は上下に延びており、
前記施錠手段は、
前記遊技機本体に取り付けられ、同遊技機本体の回動先端部に沿って延びるベース部材(第1基枠510)と、
前記支持枠及び前記扉体の一方に固定された第1固定係止具(例えば鉤受け部材350)と、
前記第1固定係止具に対して係止される第1係止部(例えば鉤部625)を有し、当該第1係止部が係止される係止状態及び係止解除状態に切替可能な状態で前記ベース部材に取り付けられている第1可動係止具(例えば内枠用鉤部材620)と、
前記支持枠及び前記扉体の他方に固定された第2固定係止具(例えば鉤受け部材63)と、
前記第2固定係止具に対して係止される第2係止部(例えば鉤部555)を有し、当該第2係止部が係止される係止状態及び係止解除状態に切替可能な状態で前記ベース部材に取り付けられているとともに、前記第1可動係止具とは前記ベース部材の長手方向にずらして配置されている第2可動係止具(例えば前扉用鉤部材550)と、
前記第1可動係止具及び前記第2可動係止具を繋ぐ付勢部材(コイルバネ560)と
を有し、
前記第1可動係止具は、
前記ベース部材の長手方向とは異なる方向に延びる中心軸線を中心として回動可能に設けられており、その回動により前記係止状態と前記係止解除状態との切り替えがなされるとともに、
当該第1可動係止具の回動中心軸線に対して前記第1係止部とは反対側に形成され、前記付勢部材が取り付けられている第1取付部(突起622)を有し、
前記第2可動係止具は、
前記ベース部材に沿ったスライド移動が可能となるようにして設けられており、そのスライド移動により前記係止状態と前記係止解除状態との切り替えがなされるとともに、
前記付勢部材が取り付けられている第2取付部(突起554)を有し、
前記第1可動係止具及び前記第2可動係止具は、前記第1取付部と前記第2取付部とが前記付勢手段によって互いに逆向きとなるように付勢されることによりそれぞれ係止状態に維持され、
さらに、前記第1可動係止具においては、前記付勢部材の付勢力により前記第1取付部が変位することにより前記第1係止部が前記第1固定係止具に対して下側から引っ掛かり、
前記第2可動係止具においては、前記付勢部材の付勢力によって前記第2取付部が変位することにより前記第2係止部が前記第2固定係止具に対して下側から引っ掛かることを特徴とする遊技機。
特徴I10によれば、施錠手段を遊技機本体の回動先端部に取り付けることで、遊技機本体や扉体の閉位置からの浮き上がりを好適に抑制することができる。
遊技機本体や扉体を施錠する場合、各係止具をそれら遊技機本体や扉体の上下両端寄りに配置することが好ましい。本特徴によれば、ベース部材及び可動係止具を扉体と支持枠との中間に位置する遊技機本体に配置することで、それら各種構成を扉体に配置する場合と比較して、第1可動係止具及び第2可動係止具を好適に近づけることが可能となる。つまり、それら両可動係止具を共に上端寄り及び下端寄りに配置することができ、上述した浮き上がりを一層好適に抑制することができる。この場合、各係止具の配置が似通いやすくなると想定される。そこで、本特徴に示すように第1可動係止具と第2可動係止具とを付勢部材によって繋ぎ同付勢部材の共用化を図ることで、各可動係止具に対応する付勢部材を個別に設ける場合と比較して施錠装置の構成を簡素化することができる。この場合であっても、各可動係止具をベース部材の長手方向(すなわち上下方向)にずらしておくことで、各係止具の相互干渉を回避し、可動係止具の動作スペースを好適に確保することができる。
しかしながら、上下にずらして配置された各可動係止具を付勢部材によって繋ぐ場合、固定係止具に対する可動係止具の係止態様によっては、係止状態への切り替えが円滑に行われなくなる可能性が生じる。具体的に説明すれば、扉体や遊技機本体が回動可能に支持されている構成においては、それら扉体や遊技機本体が自重等によって下方に傾きやすくなると想定される。このような傾きに基づく位置ずれの度合いは、回動先端側にて大きくなる。仮に、可動係止具が固定係止具に対して上方から引っ掛かる構成を採用した場合には、上記位置ずれによって可動係止具の位置が下がることで扉体や遊技機本体を閉じる際に可動係止具と固定係止具とが強干渉し得る。これは、可動係止具に過度な負荷を生じさせ、同可動係止具の係止機能を損なう要因となり得るため好ましくない。特に、上述の如く各可動係止具を付勢部材によって繋いだ場合、それら両係止具の付勢方向が逆になるため、一方の可動係止具においては固定係止具に対して上側から引っ掛かりやすくなると懸念される。
この点、本特徴においては、第1可動係止具を回動式、第2可動係止具をスライド式とすることで、第2可動係止具における第2係止部の付勢方向をそのままに、第1可動係止具の第1係止部の付勢方向を逆転させている。つまり、第1可動係止具においては、付勢部材が取り付けられている第1取付部を、回動中心軸線に対して前記第1係止部とは反対側に配することで、第1係止部の付勢方向を逆転させている。そして、各係止部が各固定具に対して下側から引っ掛かることで、上記位置ばらつきが生じた場合であっても、各可動係止具と各固定係止具とが強干渉することを抑制でき、施錠手段の保護に貢献することができる。
なお、特徴I9及び特徴I10に示した技術的特徴を特徴I1乃至特徴I8のいずれか1つに適用することも可能である。
特徴I11.前記遊技機本体に設けられ、絵柄を可変表示する絵柄表示装置(図柄表示装置94)と、
前記遊技機本体に設けられ、前記絵柄表示装置を制御する制御装置(表示制御装置975)と、
前記扉体に設けられ、遊技球を貯留する球受け皿(上皿33や下皿34)と、
前記扉体に設けられ、光を発する発光手段(ランプ部23〜25)と
を備えていることを特徴とするI9又はI10に記載の遊技機。
特徴I11に示すように、遊技機本体が絵柄表示装置や制御装置を有し、扉体が球受け皿や発光手段を有する構成においては、それら遊技機本体や扉体の重量が比較的嵩みやすい。このような構成においては、特徴I9等に示した、遊技機本体や扉体の位置ずれが大きくなりやすいと考えられる。本特徴に示す構成に対して特徴I9や特徴I10を適用することで、実用上好ましい構成を実現できる。
上記特徴I群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤を搭載してなる遊技機本体を備えているものがある。遊技機本体は、遊技ホールの島設備に固定されている支持枠(例えば外枠)に対して開閉可能に取り付けられており、メンテナンス等の際には同遊技機本体を開放することにより、その背面側へアクセスしやすくなっているものが一般的である。また、遊技機本体には上記遊技領域等を前方から覆う扉体が取り付けられており、遊技領域の露出が回避されている。この扉体についても遊技機本体と同様に開閉可能にとなっているものが多く、メンテナンス時等の遊技領域へのアクセスの容易化が図られている。
このようにメンテナンス性の向上を図った遊技機においては、遊技機本体の背面側に配置されている各種制御装置や上記遊技領域に対しての不正なアクセスが容易となるのは好ましくない。そこで、一般的には、そのような不都合を回避すべく遊技機本体を支持枠に対して閉じた状態で開放不能に施錠するとともに、扉体を遊技機本体に対して閉じた状態で開放不能に施錠する施錠装置が設けられていることが多い。
施錠装置は、遊技機本体及び支持枠に対応する第1施錠部材と、扉体及び遊技機本体に対応する第2施錠部材と、それら各施錠部材が施錠位置及び施錠解除位置に各々移動可能な状態で取り付けられているベース部材とを有している。近年ではベース部材等の各施錠部材に関連する構成を共有化することにより、構成の簡略化やメンテナンスの容易化等が図られているものが提案されている。
上述した第1施錠部材及び第2施錠部材は、扉体や遊技機本体の回動先端側に配置することが好ましく、特に各施錠部材を上端寄り、及び下端寄りにそれぞれ配することで、閉位置からの浮き上がり等を好適に抑制することが可能となる。
しかしながら、浮き上がり抑制を念頭においた場合には第1施錠部材及び第2施錠部材の好ましい配置領域は似通いやくなり互いに配置の制約を受けやすくなり、狭い領域にてそれら両施錠部材を共存させる必要が生じると想定される。但し、狭い領域で両者を共存させることは、両施錠部材に関連する部品の配置を難しくする要因となり得るだけでなく、上述した施錠装置の構成の簡略化を妨げる要因となり得るため好ましくない。
<特徴J群>
特徴J1.支持対象(外枠11)によって回動可能に支持されている開閉体(遊技機主部12の内枠13)と、
前記開閉体の回動先端側に配されているとともに、その開閉体に対して同開閉体の前面側から取り付けられ、当該開閉体を前記支持対象に対して閉じた状態で開放不能に施錠する施錠装置(施錠装置500)と
を備え、
前記施錠装置には、前記開閉体に形成された貫通孔(スリット303)を通じて、遊技機後方に突出し、同支持対象に設けられた鉤受け部(鉤受け部材350の鉤受け部351)に引っ掛かる引っ掛かり位置及び同鉤受け部に引っ掛からない引っ掛かり解除位置を含んだ範囲を移動可能な鉤部(内枠用鉤部材620の鉤部625)が設けられており、
前記開閉体には、前記貫通孔よりも前記開閉体の回動先端側に配され、前記鉤部が前記引っ掛かり位置から前記引っ掛かり解除位置に移動する場合に通過する領域に対して前記開閉体の回動先端側から重なる壁部(対向壁部305)が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴J1によれば、施錠装置が開閉体の回動先端側に配されているため、施錠状態における開閉体の支持対象からの浮き上がりを好適に抑えることができる。また、開閉体には、鉤部が引っ掛かり位置から引っ掛かり解除位置に移動する場合に通過する領域(以下便宜上通過領域と称する)に対して同開閉体の回動先端側から重なる壁部が形成されている。このため、仮に開閉体と支持対象との隙間(詳しくは回動先端側の隙間)からワイヤ等の不正具が挿入された場合であっても、その不正具による鉤部へのアクセスを困難なものとし、同不正具によって鉤部が引っ掛かり解除位置に移動され、施錠が不正に解除されるといった不都合を生じにくくすることができる。すなわち、防犯性の向上に貢献することができる。
また、施錠装置の配設対象と同一の対象(すなわち開閉体)に壁部を設けることで、仮に開閉体が閉位置にて位置ずれ等した場合であっても、壁部と鉤部との位置関係の変化を好適に抑制できる。つまり、開閉体の支持対象に対する位置ずれ等に起因した防犯性の低下を抑えることができる。例えば、不正行為者が開閉体を押す等して同開閉体の位置を故意にずらし、そのずらした状態にて鉤部へのアクセスを試みた場合であっても、そのような予備的作業によって鉤部の移動が容易になることを抑制できる。
特徴J2.前記鉤受け部には、前記開閉体が前記支持対象に対して閉じられている場合に、前記壁部の少なくとも先端部位が挿入される挿入部(鉤受け部351の開口353)が形成されていることを特徴とするJ1に記載の遊技機。
特徴J2によれば、壁部の先端部位が挿入部に挿入されることにより、同壁部を迂回して鉤部にアクセスすることを一層困難なものとすることができる。これにより、更なる防犯性の向上に貢献できる。
特徴J3.前記鉤受け部は前記鉤部側に開放された略箱状をなし、
前記開閉体が前記支持対象に対して閉じられている場合には、少なくとも前記鉤部における引っ掛かり部分の一部及び前記壁部の先端部位が当該鉤受け部の開放部分を通じて前記鉤受け部内に収容されることを特徴とするJ1に記載の遊技機。
特徴J3によれば、鉤受け部が略箱状をなし、その内部に少なくとも鉤部の引っ掛かり部分の一部及び壁部の先端部位が収容されることにより、鉤受け部外からの鉤部へのアクセスを抑制できる。
特に、壁部の先端部位が鉤受け部内に収容されることで、同壁部及び鉤受け部の両者をかわして鉤部にアクセスすることを困難なものとすることができる。
特徴J4.前記壁部と前記鉤受け部の開放部分との隙間において前記鉤部が前記引っ掛かり解除位置へ移動する場合の移動方向先側における隙間は、前記鉤部と前記鉤受け部との掛かり代よりも小さく設定されていることを特徴とするJ3に記載の遊技機。
特徴J4によれば、開閉体が引っ掛かり解除位置側に位置ずれした場合であっても、壁部と鉤部の上記通過領域との重なりを好適に担保することができる。例えば開閉体を揺することにより同開閉体と支持対象との位置をずらして壁部の防犯機能を低下させようとしても、そのような予備的行為による防犯性の低下を抑えることができる。故に、同予備的作業によって鉤部に対する不正なアクセスが容易化されるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴J5.前記壁部は、前記貫通孔の開口縁に沿って形成されていることを特徴とするJ1乃至J4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴J1等に示したように開閉体の貫通孔を通じて鉤部を露出させる構成とすれば、施錠装置全体の露出部分を減縮することができる。これにより、鉤部を移動させる構成等が不正なアクセスの対象となることを抑制できる。しかしながら、鉤部を移動可能とするには、貫通孔がその移動を許容する程度の大きさを有する必要が生じ、貫通孔の小型化には限度がある。つまり、貫通孔を通じた不正行為を抑制するには、貫通孔のサイズ変更だけで対応するのは困難であると想定される。この点、本特徴によれば、壁部を貫通孔の開口縁に沿って形成することにより、仮に開閉体と支持対象との隙間を通じて不正具が挿入された場合であっても、同壁部により同不正具の貫通孔内への侵入を妨げることができる。これにより、貫通孔を通じた不正行為を好適に抑制できる。
特徴J6.前記開閉体の前面側には、当該開閉体を覆う扉体が設けられ、
前記施錠装置は、前記扉体と前記開閉体とによって挟まれた領域に配置されていることを特徴とする特徴J1乃至J7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴J6によれば、施錠装置を開閉体と扉体とによって挟まれた領域に配置することで、施錠装置の露出を抑え、同施錠装置に対する不正なアクセスを好適に抑制できる。このように施錠装置の露出を抑えた構成に、特徴J1等に示した構成を適用することで、防犯性に優れた遊技機の実現に貢献することができる。
特徴J7.前記開閉体は、前記施錠装置を取り付ける取付部(ボス302)を有し、
前記取付部及び前記壁部は、前記開閉体に対して一体成形されていることを特徴とするJ1乃至J6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴J1等に示したように、施錠装置と壁部とを個別に設けた場合、両者の製造ばらつきや組付ばらつき等の累積によって、鉤部と壁部との位置関係がばらつきやすくなると想定される。このようなばらつきは、壁部による防犯機能を低下させる要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴に示すように、取付部と壁部とを開閉体に対して一体成形すれば、上記ばらつきを抑え、実用上好ましい構成を実現できる。
また、壁部を開閉体に対して一体成形することで、同壁部と開閉体とを別体で設ける場合と比較して、更なる防犯性の向上が期待できる。つまり、壁部と開閉体との隙間を通じて壁部が迂回されるといった不都合を払拭し、壁部の防犯機能を好適に発揮させることができる。
上記特徴J群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技ホールの島設備に固定されている支持対象(例えば外枠)に対して回動可能に取り付けられた開閉体(例えば遊技盤が搭載されてなる遊技機本体)を備えているものがある。メンテナンス等の際には開閉体を開放することにより、同開閉体の背面側等に設けられた各種制御装置等へのアクセスが許容される構成となっているものが多い。
一般的にこのような開閉体を有する遊技機においては、同開閉体を支持対象に対して閉じた状態で開放不能に施錠する施錠装置を設けることにより、上記各種制御装置等への不正なアクセスが抑制されている。施錠装置は、支持対象に設けられた鉤受け部に対して引っ掛かる位置と引っ掛からない位置とに移動可能な鉤部を有し、それら鉤部と鉤受け部とが引っ掛かることにより開閉体が施錠された状態となるとともに、所定のキー操作等によって鉤部と鉤受け部との引っ掛かりが解除されることで開閉体の開放が許容されるように構成されている。
上述した施錠装置は開閉体の回動先端側に配されることが多く、そのように施錠装置の配置を工夫することで、支持対象からの開閉体の浮き上がり等を好適に抑制している。しかしながら施錠装置を開閉体の回動先端側に配する構成においては、開閉体の浮き上がりを好適に抑制できる反面、以下の不都合を生じやすくなると想定される。すなわち、施錠装置が開閉体と支持対象との隙間(回動先端側での隙間)に近づけて配置されることで、同隙間を通じた施錠装置への不正アクセスが行われやすくなると懸念される。より具体的には、上記隙間等から挿入したワイヤ等の不正具を鉤部に引っ掛けて同鉤部を移動させることにより開閉体の施錠を解除するといった不正行為が行われやすくなると懸念される。
<特徴K群>
特徴K1.支持枠(外枠11)に対して開閉可能に設けられている遊技機本体(遊技機主部12の内枠13)と、
前記遊技機本体の前面側に設けられ、当該遊技機本体に対して開閉される扉体(遊技機主部12の前扉枠14)と、
前記扉体を前記遊技機本体に対して閉じた状態で施錠する施錠装置(施錠装置500)と
を備え、
前記施錠装置は、
前記遊技機本体及び前記扉体によって挟まれた空間に設けられているとともに前記扉体の前方に露出し、遊技機外部から操作される操作部(シリンダ錠520)と、
前記遊技機本体及び前記扉体によって挟まれた空間に設けられ、前記扉体を施錠する施錠状態及び施錠しない施錠解除状態に切り替え可能に設けられた施錠部材(前扉用鉤部材550,580)と、
前記遊技機本体及び前記扉体によって挟まれた空間に設けられ、前記操作部が操作された場合には当該操作に基づいて動作することにより前記施錠部材を前記施錠状態から前記施錠解除状態に切り替えるとともに、前記操作部が操作されていない場合には前記施錠部材の前記施錠状態から前記施錠解除状態への切り替えを規制する規制部材(カム部材530)と
を有し、
前記遊技機本体には、遊技機側方及び遊技機後方に連続し、前記規制部材の取り外しを許容する開口(開口部320)が形成されており、
前記遊技機本体を前記支持枠に対して閉じた状態では、当該支持枠が前記開口のうち少なくとも側方への開口部位と対向するとともに、当該開口部位を通じた前記規制部材の取り外し軌道上に位置することで、前記開口を通じた前記規制部材の取り外しが困難又は不可となることを特徴とする遊技機。
特徴K1によれば、施錠装置の施錠部材や規制部材を遊技機本体と扉体とによって挟まれた空間に配することにより、遊技機外部からの施錠部材等へのアクセスを抑制している。つまり、操作部を操作することによる扉体の開放を可能としつつ、施錠部材等の露出を抑えることにより、不正開放(不正解錠)を行いにくくしている。
遊技機を搬送している際、すなわち遊技ホールの島設備等に設置する以前は、遊技機本体の開口を通じた規制部材の取り外しが許容されている。この規制部材を取り外すことにより、施錠部材の切り替えが許容され、扉体を開放することができる。このように、手間はかかるものの、操作部を使用することなく解錠操作を可能とすることで、緊急時の扉体の開放が可能となっている。一方、遊技機本体を支持枠に対して閉じた状態では、支持枠が開口のうち少なくとも側方への開口部位と対向するとともに、当該開口部位を通じた前記規制部材の取り外し軌道上に位置することで、開口を通じた規制部材の取り外しが困難又は不可となる。これにより、規制部材が取り外されて施錠部材が施錠解除状態に切り替えられることを抑制できる。故に、搬送時等の扉体の緊急開放を可能としつつ、遊技機本体を設置した状態での扉体の不正開放行為を困難なものとすることができる。すなわち、利便性を向上しつつ、防犯性の低下を抑えることができる。
特徴K2.支持枠(外枠11)に対して開閉可能に設けられている遊技機本体(遊技機主部12の内枠13)と、
前記遊技機本体の前面側に設けられ、当該遊技機本体に対して開閉される扉体(遊技機主部12の前扉枠14)と、
前記扉体を前記遊技機本体に対して閉じた状態で施錠する施錠装置(施錠装置500)と
を備え、
前記施錠装置は、
前記遊技機本体及び前記扉体によって挟まれた空間に設けられているとともに前記扉体の前方に露出し、遊技機外部から操作される操作部(シリンダ錠520)と、
前記遊技機本体及び前記扉体によって挟まれた空間に設けられ、前記扉体を施錠する施錠状態及び施錠しない施錠解除状態に切り替え可能に設けられた施錠部材(前扉用鉤部材550,580)と、
前記遊技機本体及び前記扉体によって挟まれた空間に設けられ、前記操作部が操作された場合には当該操作に基づいて動作することにより前記施錠部材を前記施錠状態から前記施錠解除状態に切り替えるとともに、前記操作部が操作されていない場合には前記施錠部材の前記施錠状態から前記施錠解除状態への切り替えを規制する規制部材(カム部材530)と
を有し、
前記遊技機本体には、当該遊技機本体の側方への前記規制部材の取り外しを許容する開口(開口部320)が形成されており、
前記遊技機本体を前記支持枠に対して閉じた状態では、当該支持枠が前記開口を通じた前記規制部材の取り外し軌道上に位置することで、前記開口を通じた前記規制部材の取り外しが困難又は不可となることを特徴とする遊技機。
特徴K2によれば、施錠装置の施錠部材や規制部材を遊技機本体と扉体とによって挟まれた空間に配することにより、遊技機外部からの施錠部材等へのアクセスを抑制している。つまり、操作部を操作することによる扉体の開放を可能としつつ、施錠部材等の露出を抑えることにより、不正開放(不正解錠)を行いにくくしている。
遊技機を搬送している際、すなわち遊技ホールの島設備等に設置する以前は、遊技機本体の開口を通じた規制部材の取り外しが許容されている。この規制部材を取り外すことにより、施錠部材の切り替えが許容され、扉体を開放することができる。このように、手間はかかるものの、操作部を使用することなく解錠操作を可能とすることで、緊急時の扉体の開放が可能となっている。一方、遊技機本体を支持枠に対して閉じた状態では、開口を通じた規制部材の取り外し軌道上に支持枠が位置することで、同開口を通じた規制部材の取り外しが困難又は不可となる。これにより、規制部材が取り外されて施錠部材が施錠解除状態に切り替えられることを抑制できる。故に、搬送時等の扉体の緊急開放を可能としつつ、遊技機本体を設置した状態での扉体の不正開放行為を困難なものとすることができる。すなわち、利便性を向上しつつ、防犯性の低下を抑えることができる。
特徴K3.支持枠(外枠11)に対して開閉可能に設けられている遊技機本体(遊技機主部12の内枠13)と、
前記遊技機本体の前面側に設けられ、当該遊技機本体に対して開閉される扉体(遊技機主部12の前扉枠14)と、
前記扉体を前記遊技機本体に対して閉じた状態で施錠する施錠装置(施錠装置500)と
を備え、
前記施錠装置は、
前記遊技機本体及び前記扉体によって挟まれた空間に設けられているとともに前記扉体の前方に露出し、遊技機外部から操作される操作部(シリンダ錠520)と、
前記遊技機本体及び前記扉体によって挟まれた空間に設けられ、前記扉体を施錠する施錠状態及び施錠しない施錠解除状態に切り替え可能に設けられた施錠部材(前扉用鉤部材550,580)と、
前記遊技機本体及び前記扉体によって挟まれた空間に設けられ、前記操作部が操作された場合には当該操作に基づいて動作することにより前記施錠部材を前記施錠状態から前記施錠解除状態に切り替えるとともに、前記操作部が操作されていない場合には前記施錠部材の前記施錠状態から前記施錠解除状態への切り替えを規制する規制部材(カム部材530)と
を有し、
前記遊技機本体には、当該遊技機本体の背面側への前記規制部材の取り外しを許容する開口(開口部320)が形成されており、
前記遊技機本体を前記支持枠に対して閉じた状態では、当該支持枠が前記開口を通じた前記規制部材の取り外し軌道上に位置することで、前記開口を通じた前記規制部材の取り外しが困難又は不可となることを特徴とする遊技機。
特徴K3によれば、施錠装置の施錠部材や規制部材を遊技機本体と扉体とによって挟まれた空間に配することにより、遊技機外部からの施錠部材等へのアクセスを抑制している。つまり、操作部を操作することによる扉体の開放を可能としつつ、施錠部材等の露出を抑えることにより、不正開放(不正解錠)を行いにくくしている。
遊技機を搬送している際、すなわち遊技ホールの島設備等に設置する以前は、遊技機本体の開口を通じた規制部材の取り外しが許容されている。この規制部材を取り外すことにより、施錠部材の切り替えが許容され、扉体を開放することができる。このように、手間はかかるものの、操作部を使用することなく解錠操作を可能とすることで、緊急時の扉体の開放が可能となっている。一方、遊技機本体を支持枠に対して閉じた状態では、開口を通じた規制部材の取り外し軌道上に支持枠が位置することで、同開口を通じた規制部材の取り外しが困難又は不可となる。これにより、規制部材が取り外されて施錠部材が施錠解除状態に切り替えられることを抑制できる。故に、搬送時等の扉体の緊急開放を可能としつつ、遊技機本体を設置した状態での扉体の不正開放行為を困難なものとすることができる。すなわち、利便性を向上しつつ、防犯性の低下を抑えることができる。
特徴K4.前記遊技機本体を前記支持枠に対して閉じた状態では、当該支持枠が前記開口に対向していることを特徴とするK2又はK3に記載の遊技機。
開口使用時の利便性向上を考慮すると、同開口はある程度大きく形成することが好ましい。しかしながら、単に開口を大きくしただけでは、開口を通じて不正具が挿入されるといった不都合が生じやすくなる。この点、本特徴によれば、遊技機本体を支持枠に対して閉じた状態にて開口と支持枠とを対向させることにより、開口へのアクセス経路を減縮することができる。これにより、規制部材や施錠部材等への不正なアクセスを抑制することができ、防犯機能の低下を抑えつつ、利便性の向上に貢献できる。
特徴K5.前記遊技機本体は、前記支持枠により回動可能に支持され、前記支持枠に対して閉じている場合には当該遊技機本体の回動先端側の一部が同支持枠の内側に嵌った状態で同支持枠を遊技機前方から覆っており、
前記施錠装置は、前記遊技機本体の回動先端側に配されており、
前記遊技機本体において前記支持枠内に嵌っている部分には、前記遊技機本体における回動基端側とは反対側を向いた第1壁部(壁面部311b,312b)、及び同第1壁部に連なるとともに後側を向いた第2壁部(壁面部312a)が形成されており、
前記開口は、前記第1壁部及び前記第2壁部の両壁部に跨るように形成されており、
前記支持枠は、前記開口において前記第1壁部に形成されている部位に対向する第1対向部(壁面部385a,386a)と、前記開口において前記第2壁部に形成されている部位に対向する第2対向部(壁面部385b,386b)とを有していることを特徴とするK1乃至K4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴K5によれば、遊技機本体の回動先端側に施錠装置を配することで、支持枠に対して閉じた状態での遊技機本体の浮き上がりを好適に抑制できる。このように遊技機本体を回動可能に設けた場合、支持枠と同支持枠に嵌まっている遊技機本体の一部との間に動作隙を設けることが好ましい。特に、回動先端側では、回動基端側と比べて遊技機本体の位置ばらつき等が大きくなりやすいため、上記動作隙はある程度大きく設定するとよい。また、遊技機本体によって遊技機前方から支持枠を覆う構成においては、それら遊技機本体と支持枠との前後位置のばらつきが生じやすいと想定される。特徴K1等に示したように、緊急時等における開口を通じた規制部材の取り外しを可能とした場合、開口の大きさをある程度大きくすることで作業の容易化を図ることができる。しかしながら、単に開口を大きくしたのでは、作業の容易化に伴って防犯性が低下すると懸念される。例えば、遊技機本体をずらすことにより同遊技機本体と支持枠との隙間が拡張された場合、開口を通じた規制部材の取り外しが容易になったり、同開口を通じて不正具等が挿入されやすくなったりすると想定される。特に1の壁部に開口を形成した場合を想定すると、開口と支持枠とが向き合っている方向に遊技機本体が押される等して、開口と支持枠との隙間が拡がると、開口における防犯機能が一気に低下すると考えられる。
この点、本特徴においては、開口を第1壁部及び第2壁部に跨るように形成することで、位置ばらつきの影響による防犯機能の低下を抑えやすくしている。具体的には、第1壁部における開口の一部と第1対向部との間隔が拡がっても、第2壁部における開口の一部と第2対向部との間隔の拡がりを抑えることができる。また、第2壁部における開口の一部と第2対向部との間隔が拡がっても、第1壁部における開口の一部と第1対向部との間隔の拡がりを抑えることができる。これにより、遊技機本体の位置ばらつき等に起因して、防犯機能が一気に低下することを抑制でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴K6.前記開口において前記第1壁部に形成されている部位と、前記第2壁部に形成されている部位とは、それら両部位を通じての前記規制部材の取り外しを許容するとともに、それら両部位の一方を通じての前記規制部材の取り外しが不可となるように形成されていることを特徴とするK5に記載の遊技機。
特徴K6によれば、開口において第1壁部に形成されている部位(以下便宜上、第1開口部位と称する)及び第2壁部に形成されている部位(以下便宜上、第2開口部位と称する)は、それら両部位の一方を通じての前記規制部材の取り外しが不可となるように形成されている。第2開口部位と第2壁部とが対向している方向へ遊技機本体が押される等した場合、第2開口部位と第2壁部との隙間は拡がりやすくなるものの、第1開口部位と第1壁部との隙間の拡がりを抑えることは可能である。第2開口部位と第2壁部との隙間が拡がったとしても、第2開口部位のみを通じた規制部材の取り外しは不可となっていることで、防犯機能を発揮することができる。また、第1開口部位と第1壁部とが対向している方向へ遊技機本体が押される等した場合、第1開口部位と第1壁部との隙間は拡がりやすくなるものの、第2開口部位と第2壁部との隙間の拡がりを抑えることは可能である。第1開口部位と第1壁部との隙間が拡がったとしても、第1開口部位のみを通じた規制部材の取り外しは不可となっていることで、防犯機能を発揮することができる。故に、防犯性の低下を抑えつつ、開口を拡げることによる作業の容易化に貢献できる。
特徴K7.前記施錠装置には、前記操作部が操作された場合に前記規制部材に連動して解錠側へ移動し、前記施錠部材を前記施錠状態から前記施錠解除状態へ切り替える移動部材(連動杆540)が設けられていることを特徴とするK1乃至K6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴K1等に示したように、施錠装置(詳しくは規制部材)へのアクセスを許容する開口が形成されている場合、当該開口を介して規制部材以外の構成、例えば施錠部材にアクセスされることは好ましくない。本特徴においては、移動部材を介して規制部材と施錠部材とを連動させることにより、開口から施錠部材を遠ざけて配置することが可能となる。これにより、同開口を通じての施錠部材へのアクセスを困難なものとすることができる。故に、利便性を向上しつつ、防犯性の低下を抑制できる。
特徴K8.前記施錠部材は、前記遊技機本体の一側部に沿って並設された第1施錠部材及び第2施錠部材を有してなり、
前記第1施錠部材を施錠位置に向けて付勢する第1付勢手段(コイルバネ560)と、
前記第2施錠部材を施錠位置に向けて付勢する第2付勢手段(コイルバネ560)と
を備え、
前記各施錠部材は、前記移動部材が解錠側へ移動していない場合には前記各付勢手段の付勢力により、それぞれ独立して前記施錠状態に維持され、
前記開口は、前記第1施錠部材及び前記第2施錠部材の一方寄りに配されていることを特徴とするK7に記載の遊技機。
特徴K8によれば、各施錠部材を個別に施錠状態に維持しておくことで、仮に開口を通じてそれら施錠部材にアクセスされた場合であっても、一度に両方の施錠部材を施錠解除状態に切り替えることが難しくなっている。これにより、防犯性の向上を図っている。特に、開口を第1施錠部材及び第2施錠部材の一方寄りに配することで、少なくとも開口から遠い他方に対してのアクセスを難しくすることができる。これにより、扉体の不正開放を好適に抑制できる。
なお、移動部材を用いた施錠部材の施錠解除状態への切り替えは施錠部材の数に関わらず一遍に執り行うことができる。つまり、正規の手順で規制部材を取り外した後は、移動部材を移動させることにより、全ての施錠部材の切り替えが可能となる。これにより、防犯性を向上しつつ作業の煩雑化を抑制でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴K9.前記施錠部材は、前記開閉体の一側部に沿って複数並設され、
前記各施錠部材を、施錠位置に向けて付勢する付勢手段(コイルバネ560)を備え、
前記各施錠部材は、前記移動部材が解錠側へ移動していない場合には前記付勢手段の付勢力により、それぞれ独立して施錠状態で維持され、
前記開口は、前記施錠部材の並設方向において、前記施錠部材群の両端に配置された2つよりも外側となる位置に配されていることを特徴とするK7に記載の遊技機。
特徴K9によれば、仮に開口を通じて一方の施錠部材にアクセスされた場合であっても、その施錠部材によって他の施錠部材へのアクセスを妨げることができる。つまり、開口に近い一の施錠部材を、他の施錠部材へのアクセス経路上の障害物として利用できる。また、各々の施錠部材が独立して切り替え可能となっているため、扉体を開放するには全ての施錠部材の切り替えを行う必要が生じるが、上述の如く、少なくとも1の施錠部材に対するアクセスを困難なものとすることで、扉体の不正開放を好適に抑制できる。
なお、移動部材を用いた施錠部材の施錠解除状態への切り替えは施錠部材の数に関わらず一遍に執り行うことができる。つまり、正規の手順で規制部材を取り外した後は、移動部材を移動させることにより、全ての施錠部材の切り替えが可能となる。これにより、防犯性を向上しつつ作業の煩雑化を抑制でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴K10.前記施錠部材は前記扉体を閉じた状態で施錠する扉体用施錠部材であり、
前記施錠装置には、前記遊技機本体及び前記扉体によって挟まれた空間に設けられているとともに、同遊技機本体に形成された貫通孔(スリット303)を介して前記支持枠側に露出しており、前記遊技機本体を前記支持枠に対して閉じた状態で施錠する本体用施錠部材(内枠用鉤部材620)が複数設けられており、
前記開口は、前記本体用施錠部材の間に配置されていることを特徴とするK1乃至K9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴K10によれば、開口を本体用施錠部材の間に配置することにより、遊技機本体が支持枠に対して閉じられている状態での、開口周辺における支持枠と遊技機本体との境界の拡がりを抑制できる。これにより、開口を通じての施錠装置に対する不正なアクセスを抑制し、防犯性の更なる向上に貢献できる。
特徴K11.前記本体用施錠部材を、施錠位置に向けて付勢する本体用付勢手段(コイルバネ560)を備え、
前記各本体用施錠部材は、前記本体用付勢手段の付勢力により、それぞれ独立して施錠状態に維持され、
前記本体用施錠部材のうち少なくとも1つは、前記開口に対して前記扉体用施錠部材を挟んだ反対側に配されていることを特徴とするK10に記載の遊技機。
特徴K10に示したように本体用施錠部材を有する構成においては、同本体用施錠部材が解錠されることにより開口が露になる。仮に本体用施錠部材が不正に解錠されると、規制部材の不正な取り外しを回避することが困難となる。そして、規制部材が取り外されることで、扉体が不正に開放され得る。
この点、本特徴においては、本体用施錠部材と開口との間に扉体用施錠部材を少なくとも1つ配置することで、同扉体用施錠部材によって開口を通じた同本体用施錠部材への不正なアクセスを抑制できる。各本体用施錠部材は、互いに独立して施錠状態に維持されているため、少なくとも1つが施錠状態で維持されていることで、不正開放を妨げることができる。そして、本体用施錠部材と開口との間に配置された扉体用施錠部材によって同本体用鉤部材へのアクセスを妨げることで、当該本体用鉤部材の解錠を困難なものとすることができる。故に、遊技機本体が不正開放され、支持枠による防犯機能が損なわれるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴K12.前記規制部材を前記遊技機本体に固定する固定具(ネジ531)を備え、
前記遊技機本体が前記支持枠に対して閉じた状態では、前記支持枠が前記固定具の取り外し軌道上に位置していることを特徴とするK1乃至K11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴K12によれば、遊技機本体を支持枠に対して閉じた状態では、固定具の取り外しが不可となる。これにより規制部材の取り外しを不可とする構成と比較して更なる防犯性の向上が期待できる。具体的には、規制部材を取り外すのではなく、同規制部材を遊技機本体内でずらすといった行為を困難なものとすることができる。
上記特徴K群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技盤が搭載されてなる遊技機本体と、遊技機本体を前面側から覆う扉体とを備えているものがある。扉体は遊技機本体によって開閉可能に支持されており、メンテナンス等の際には同扉体を開放することにより、遊技盤に形成された遊技領域等へのアクセスが許容される構成となっている。
また、このような遊技機は、扉体を遊技機本体に対して閉じた状態で開放不能に施錠する施錠装置を備え、所定のキー操作等によって施錠が解除され開閉体の開放を許容するように構成されているのが一般的である。施錠装置は、遊技機前方にキーの差し込み口が露出しているキーシリンダ,同キーシリンダに差し込まれるキーの回動操作に連動して回動されるカム,同カムの回動に連動して移動する移動部材等を備えている。カムは、上述したキー操作による動作が許容されているものの、キーを用いることなく同カムを直接動かすことが不可となるように形成されているものが多い。これにより防犯性の向上が図られている。
近年では、施錠装置に対する不正なアクセス等を抑制すべく、同施錠装置を扉体と遊技機本体との間に配置し、上記カムや移動部材等の露出を抑えたものがある。しかしながら、施錠装置を覆い隠し、同施錠部材に対する不正なアクセスを抑制する構成を採用した場合には確かに防犯性は向上するものの、それに起因して緊急時等の扉体の開放が不能となり得る。これは、正規の目的で遊技機を取り扱う者(製造業者やホール管理者等)にとっては不便となり得るため好ましくない。
<特徴L群>
特徴L1.遊技機本体(遊技機主部12の内枠13)と、
前記遊技機本体の一側部に設けられ、遊技に関しての所定の操作が行われる遊技用操作部(遊技球発射ハンドル40)と、
前記遊技機本体における前記遊技用操作部とは反対側の側部にて回動可能に支持され、同遊技機本体において前記遊技用操作部が設けられている領域以外の領域を遊技機前方から覆うとともに、前記遊技用操作部を前記遊技機本体に残留させたまま開閉可能な扉体(前扉枠14)と、
前記扉体を前記遊技機本体に対して閉じた状態で施錠する施錠装置(施錠装置500)と
を備え、
前記施錠装置は、
前記遊技用操作部が設けられた前記遊技機本体の一側部に、当該遊技用操作部と共に並べて配置されている第1施錠部材(前扉用第1鉤部材550)と、
前記遊技機本体における前記扉体を支持している側の側部及び前記遊技用操作部の間に配置されている第2施錠部材(前扉用第2鉤部材580)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴L1によれば、遊技機本体に対して遊技用操作部及び扉体を個別に設けており、扉体を開放する際には遊技用操作部が遊技機本体に残留する構成となっている。このように遊技用操作部が残留する構成においては、同遊技用操作部周辺での扉体の浮き上がりが発生しやすくなると懸念される。例えば、扉体における遊技用操作部周辺を引っ張る等して、遊技機本体と扉体との隙間(境界部位)が拡張され、その隙間を介してワイヤ等の不正具が挿入されることで、遊技領域等へのアクセスが容易になると懸念される。
この点、本特徴においては、遊技用操作部が設けられている側に第1施錠部材を配置し、更には遊技用操作部と遊技機本体において扉体を支持している側の側部との間に第2施錠部材を配置することで、遊技機本体からの扉体の浮き上がりを抑制している。これにより、遊技用操作部周辺での防犯機能の低下を抑えることが可能となっている。
特徴L2.前記第2施錠部材は、前記扉体の回動中心軸線(中心軸線CL)と前記遊技用操作部との両者のうち前記遊技用操作部側に偏倚して配置されていることを特徴とするL1に記載の遊技機。
特徴L1に示したように扉体を回動可能に支持する構成においては、回動基端側に比べて回動先端側での浮き上がりが顕著になりやすい。この点、第2施錠部材を遊技用操作部側に偏倚して配置することにより、上述した扉体の浮き上がりを好適に抑制できる。これにより、特徴L1に示した防犯機能の更なる向上が期待できる。
特徴L3.前記第2施錠部材及び前記遊技用操作部は、前記遊技機本体において前記扉体を支持している側から前記第1施錠部材が設けられている側に延びている端部(下側枠部13b)に沿って並設されていることを特徴とするL1又はL2に記載の遊技機。
上述したように扉体と遊技機本体との境界部位は、ワイヤ等の不正具の侵入口として狙われやすい。本特徴においては、第2施錠部材及び遊技用操作部を遊技機本体の端部に沿って並設することにより、上記境界部位の拡がりを好適に抑えることができる。これにより、防犯機能の更なる向上が期待できる。
特徴L4.前記第2施錠部材は、前記遊技機本体において前記扉体を支持している側から前記第1施錠部材が設けられている側に延びている端部に沿って動作することにより、前記開閉体を施錠する施錠状態と施錠しない施錠解除状態とに切り替えられるものであることを特徴とするL3に記載の遊技機。
特徴L3に示したように施錠位置を設定する際には、なるべく遊技機本体と扉体との境界部位に近づけることが好ましい。この点、本特徴においては、第2施錠部材が遊技機本体の端部に沿って動作する構成とすることで、同第2施錠部材の動作スペースを確保しつつ上記境界部位に対して当該第2施錠部材を好適に近づけることができる。これにより、扉体の浮き上がりを好適に抑制し、防犯機能の向上に貢献できる。
特徴L5.前記第2施錠部材の施錠位置は、施錠解除位置よりも前記遊技用操作部側となるように設定されていることを特徴とするL4に記載の遊技機。
扉体によって遊技用操作部が設けられている領域以外の領域を覆う構成においては、それら両領域の境界部位(例えば合わせ部分)が不正具の侵入口として狙われやすくなると想定される。本特徴においては、第2施錠部材の施錠位置が施錠解除位置よりも遊技用操作部側となるように設定した。これにより、施錠解除位置が施錠位置よりも遊技用操作部側となるように設定した場合と比較して、遊技球操作部に対してより近い位置にて扉体の浮き上がりを抑えることが可能となる。故に、上述した両領域の境界部位を介して行われる不正行為を一層困難なものとすることができる。
特徴L6.前記扉体は、
遊技媒体を貯留する貯留部(上皿33や下皿34等)と、
遊技状況に応じて発光する発光部(ランプ部23〜25)と、
当該扉体の背面側に設けられた表示部(例えば図柄表示装置94)を視認可能とする透過部(ガラス22)と
を有し、
前記扉体の回動中心軸線は、上下に延びており、
前記扉体の上下位置を規定する規定部(膨出部66及び部材取付部575)を備え、
前記扉体が前記遊技機本体に対して閉じられる場合には、前記規定部によって前記扉体の上下位置が規定されている状態にて、前記第2施錠部材が施錠解除状態から施錠状態に切り替えられることを特徴とするL4又はL5のいずれか1つに記載の遊技機。
防犯性向上の観点から、各施錠部材は、なるべく遊技機本体の端部寄りに配置することが好ましい。しかしながら、扉体は貯留部,発光部,透過部等を有していることでその重量がかさみやすくなっており、回動中心軸線を基端とした傾きが発生しやすい。特徴L4等によれば、第2施錠部材が端部に沿って動作するため、仮に上記傾きが発生すると第2施錠部材と扉体とが引っ掛かる等して、同第2施錠部材の正常な動作が妨げられやすくなると想定される。特に、このような不都合は第2施錠部材を扉体の回動中心軸線から遠ざけて、すなわち遊技用操作部寄りに配置することで顕著なものとなり得る。
この点、本特徴においては、扉体を遊技機本体に対して閉じる際には、規定部によって扉体の上下位置が規定されている状態にて、第2施錠部材が施錠解除状態から施錠状態に切り替えられる。このため、扉体の傾き等による影響を受けにくくし第2施錠部材の切り替えが妨げられることを抑制できる。これにより、第2施錠部材の施錠機能を好適に担保することができる。
特徴L7.前記施錠装置は、
前記扉体の前方に露出し、遊技機外部から解錠操作がなされることにより動作する解錠用操作部(シリンダ錠520)と、
前記解錠用操作部の動作に追従して移動するとともに、前記解錠用操作部の動力を前記第1施錠部材に伝えることにより同第1施錠部材を前記施錠状態から前記施錠解除状態へ切り替える第1伝達部材(カム部材530や連動杆540)と、
前記解錠用操作部の動作に追従して移動するとともに、前記解錠用操作部の動力を前記第2施錠部材に伝えることにより同第2施錠部材を前記施錠状態から前記施錠解除状態へ切り替える第2伝達部材(カム部材600)と
を備えていることを特徴とするL1乃至L6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴L7によれば、各伝達部材を用いて解錠操作部の動力を第1施錠部材及び第2施錠部材に伝える構成とすることにより、それら各施錠部材を個別に解錠するといった作業を必要とせず、同一操作によってそれら各施錠部材を施錠解除状態に切り替えることが可能となっている。故に、防犯性を向上しつつ、それに起因して作業者の負担が増加するといった不都合を好適に回避できる。
特徴L8.前記施錠装置は、前記遊技機本体の前面側に設置されており、
前記第1伝達部材は、少なくともその一部が前記遊技用操作部の背後に位置するようにして配置されており、
前記第2伝達部材は、前記第1伝達部材を介して前記解錠用操作部の動力が伝えられるものであり、
それら第1伝達部材及び第2伝達部材の連絡部分が前記遊技用操作部によって覆われているとともに、同遊技用操作部が前記遊技機本体に固定されていることを特徴とするL7に記載の遊技機。
特徴L8によれば、施錠装置を遊技機本体の前面側に配置し、第1伝達部材と第2伝達部材との連絡部分を遊技用操作部によって覆う構成とした。これにより、同連絡部分へのアクセスを好適に抑制できる。具体的には、第1伝達部材及び第2伝達部材が互いに関連して動作する構成においては、仮にそれら両者の連絡部分にアクセスされると、各施錠部材がそれぞれ施錠解除状態に切り替えられやすくなると想定される。つまり、各施錠部材の不正解錠操作が容易なものとなり得る。この点、本特徴に示すように、遊技用操作によって両伝達部材の連絡部分を覆う構成とすれば、上記不都合を好適に払拭できる。つまり、遊技用操作部を遊技機本体に固定する構成においては、遊技用操作部を移動可能とする構成と比較して、遊技機本体に対する取付を強固なものとし、両者間に生じる隙間やがたつき等を減縮しやすい。このように、不正に対する防御に優れた構成によって上記連絡部分を覆う構成とすれば、同連絡部分に対するアクセスを難しくし、防犯性の向上が期待できる。
特徴L9.前記扉体は、当該扉体の一部が、前記第2施錠部材の施錠位置と前記遊技用操作部との間にて同遊技用操作部に対して遊技機前方から重なっていることを特徴とするL8に記載の遊技機。
特徴L9によれば、扉体が施錠されている状態では、同扉体によって遊技用操作部の浮き上がりを押さえることができる。これにより、特徴L8に示した各伝達部材の連絡部分に対するアクセスを好適に一層好適に抑制できる。
特徴L10.前記遊技機本体は遊技機正面視において略矩形状をなし、その隅部に前記遊技用操作部が配置されており、
前記扉体は前記遊技機本体において前記遊技用操作部が配置されている前記隅部を除いた領域を覆うものであることを特徴とするL1乃至L9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴L10によれば、遊技用操作部を遊技機本体の隅部に配置することにより、扉体と遊技用操作部との合わせを好適なものとすることができる。また、扉体と遊技機操作部との境界部位が長くなることを抑制でき、防犯性の低下を抑制できる。
特徴L11.前記施錠装置は、遊技機本体の前面側に設置されており、
前記遊技用操作部は、前記施錠装置の取り外し軌道上に配置されているとともに、前記遊技機本体に対して固定されていることを特徴とするL1乃至L10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴L1等に示したように遊技用操作部を有する構成においては、必ずしも遊技用操作部を開閉可能に支持する必要がない。かかる構成において遊技用操作部を遊技機本体に固定するとともに、同遊技用操作部を施錠装置の取り外し軌道上に配置することで施錠装置の不正な取り外しを抑制できる。これにより更なる防犯性の向上を期待できる。
上記特徴L群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技球発射ハンドルが操作された場合に遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射装置とが搭載されてなる遊技機本体を備えているものがある。遊技機本体の前面側には、少なくとも遊技領域等を覆う扉体が設けられており、同扉体に設けられた透過部を通じて同遊技領域が視認可能となっている。
扉体は、遊技機本体によって回動可能に支持されており、メンテナンス等の際には同扉体を開放することにより、遊技盤に形成された遊技領域等へのアクセスが許容される構成となっている。また、遊技機には、扉体を遊技機本体に対して閉じた状態で開放不能に施錠する施錠装置が設けられ、所定のキー操作等によって施錠が解除され開閉体の開放を許容するように構成されていることが一般的である。このように施錠装置を設けることにより、上述した遊技領域等への不正なアクセスを抑制している。
近年では、遊技球発射ハンドルを扉体ではなく遊技機本体に取り付けるパチンコ機が提案されている。より詳しくは、遊技球発射ハンドルを扉体を支持している側と反対の端部に寄せて配置することで、扉体の回動を妨げにくくするとともに、同扉体との合わせを好適なものとする工夫がなされている。
しかしながら、このように発射ハンドルを遊技機本体に取り付ける構成を採用した場合、上述した施錠装置の配置が制限されやすくなり、発射ハンドル周辺にて同遊技機本体から扉体が浮き上がりやすくなると懸念される。このような浮き上がりは、例えば扉体と遊技機本体との境界部位を拡がりやすくし、同境界部位を介しての遊技領域への不正なアクセスを容易なものとする要因となり得るため好ましくない。
<特徴M群>
特徴M1.支持枠(外枠11)によって開閉可能に支持される開閉体(遊技機主部の内枠13)と、
前記開閉体の一側部に設けられ、前記開閉体を前記支持枠に対して閉じた状態で施錠する施錠装置(施錠装置500)と
を備え、
前記施錠装置には、前記開閉体から前記支持枠側に延び、同支持枠に設けられた鉤受け部(鉤受け部351の前側板部352)に引っ掛かる引っ掛かり位置及び同鉤受け部に引っ掛からない引っ掛かり解除位置を含んだ範囲を移動可能な鉤部材(内枠用鉤部材620)が設けられ、
前記支持枠は、
前記鉤受け部を後方から覆う覆い部(鉤受け部351における前側板部352以外の部位)と、
前記支持枠の内側を向くように形成され、前記覆い部が設置される設置面(設置面382)と
を有し、
前記覆い部は、
前記鉤受け部と前記設置面との間に位置し、同設置面に対して当接する壁面部(ベース板部355)を有するとともに、
前記壁面部の前端が前記設置面の前端よりも遊技機前方に突出した状態で配されていることを特徴とする遊技機。
特徴M1によれば、覆い部によって鉤受け部(詳しくは鉤受け部及び鉤受け部材の引っ掛かり部位)を後方から覆うことにより、開閉体が支持枠に対して閉じた状態での鉤受け部や鉤部材への不正なアクセスを困難なものとすることができる。これにより、開閉体の不正開放を抑制し、防犯機能の向上を図ることができる。
また、覆い部を、壁面部の前端が支持枠の設置面の前端よりも前方に突出するようにして配したことにより以下の効果を奏する。例えば開閉体と支持枠との境界部位(例えば隙間)から挿入された不正具が鉤部材側に押し込まれる等した場合、その不正具が壁面部に当たることにより同不正具の鉤部材側への移動を妨げることができる。これにより、鉤部材(詳しくは鉤部材及び鉤受け部の引っ掛かり部位)へのアクセスを抑制できる。故に、不正解錠を困難なものとし、防犯機能の向上に貢献することができる。
特徴M2.支持枠(外枠11)によって回動可能に支持される開閉体(遊技機主部の内枠13)と、
前記開閉体における回動先端側の端部に設けられ、前記開閉体を前記支持枠に対して閉じた状態で施錠する施錠装置(施錠装置500)と
を備え、
前記施錠装置には、前記開閉体から前記支持枠側に延び、前記支持枠に設けられた鉤受け部(鉤受け部351の前側板部352)に引っ掛かる引っ掛かり位置及び同鉤受け部に引っ掛からない引っ掛かり解除位置を含んだ範囲を移動可能な鉤部材(内枠用鉤部材620)が設けられ、
前記支持枠は、
前記鉤受け部を後方から覆う覆い部(鉤受け部351における前側板部352以外の部位)と、
前記開閉体の背面側に位置するとともに、当該支持枠において同開閉体を支持している側を向くように形成され、前記覆い部が設置される設置面(設置面382)と
を有し、
前記覆い部は、
前記鉤受け部に対して前記開閉体の回動先端側となる位置に配されているとともに、前記設置面に対して当接する壁面部(ベース板部355)を有し、
さらに、その壁面部の前端が前記設置面の前端よりも遊技機前方に突出した状態で配されていることを特徴とする遊技機。
特徴M2によれば、回動可能に設けられた開閉体をその回動先端側にて施錠することで、支持枠に対する開閉体の浮き上がりを好適に抑制できる。また、覆い部によって鉤受け部(詳しくは鉤受け部及び鉤受け部材の引っ掛かり部位)を後方から覆うことにより、開閉体が支持枠に対して閉じた状態での鉤受け部や鉤部材への不正なアクセスを困難なものとすることができる。これにより、開閉体の不正開放を抑制し、防犯性の向上を図ることができる。
また、覆い部を、壁面部の前端が支持枠の設置面の前端よりも前方に突出するようにして配したことにより以下の効果を奏する。例えば開閉体と支持枠との境界部位から挿入された不正具が鉤部材側に押し込まれる等した場合に、その不正具が壁面部当たることにより更なる鉤部材側への移動を妨げることができる。これにより、鉤部材(詳しくは鉤部材及び鉤受け部の引っ掛かり部位)へのアクセスを抑制できる。故に、不正解錠を困難なものとし、防犯機能の向上に貢献することができる。
特徴M3.前記開閉体が前記支持枠に対して閉じている状態では、前記壁面部の前方に当該開閉体が位置していることを特徴とするM1又はM2に記載の遊技機。
特徴M3によれば、開閉体が閉状態にて壁面部の前方に位置することで、壁面部を越えた位置、すなわち壁面部よりも回動基端側となる位置を狙って不正具が挿入されることを抑制できる。これにより、壁面部による防犯機能を享受しやすい構成を実現できる。
特徴M4.前記支持枠において前記壁面部と対向している部位には、当該壁面部とは反対側に凹むとともに、遊技機前方に開放された凹部(窪み部381)が形成され、
前記設置面は、前記壁面部と対向している部位のうち前記凹部よりも後側の部位によって構成されているとともに、
前記凹部において前記壁面部側に開放されている部分を当該壁面部によって覆うことにより、同壁面部の前端が前記設置面の前端よりも前方に突出していることを特徴とするM1乃至M3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴M1等に示した防犯機能を享受するには、単に壁面部を設置面よりも前方に突出させる構成としてもよい。しかしながら、このような構成においては、壁面部に当接した不正具が、壁面部に沿って移動することで、同壁面部が迂回されやすくなると懸念される。この点、本特徴によれば、壁面部に衝突した不正具が支持枠の凹部に達することにより、不正具の移動方向を限定しやすくし、壁面部の迂回を難しくすることができる。これにより、更なる防犯機能の向上が期待できる。
また、壁面部の前端が設置面の前端よりも開閉体側に突出する構成においては、同壁面部の突出量を大きくすることにより、防犯機能を向上することが可能である。しかしながらその反面、開閉体を閉じる際に、壁面部が同開閉体と干渉しやすくなると想定される。これは、壁面部等の変形等を招来し、結果として上記防犯機能を低下させる要因となり得るため好ましくない。ここで、壁面部を積極的に前出しするのではなく、設置面の前端を支持枠の前端面から後退させ、結果として設置面から壁面部を突出させるのであれば、それら設置面の前端と壁面部の前端とを前後にずらしつつ、支持枠全体における壁面部の開閉体側への突出を抑制することが可能となる。これにより、設置面の前端からの壁面部の突出量を確保することで防犯機能を高めつつ、壁面部と開閉体との干渉に起因した防犯機能の低下を好適に抑制することができる。
特徴M5.前記壁面部の前端は、前記凹部の開口部位と同一平面上に位置し、
前記凹部及び前記壁面部によって形成された開口部位において少なくとも前記壁面部寄りの一部が前記開閉体の背面部(例えば第3内側段差部313の壁面部313a)によって覆われていることを特徴とするM4に記載の遊技機。
特徴M4に示したように支持枠に形成された凹部によって壁面部の迂回を妨げる構成においては、開口部位において少なくとも壁面部寄りの一部を開閉体の背面部によって覆うことで、壁面部の迂回を一層困難なものとすることができる。
また、壁面部の前端が凹部の開口縁と同一平面状に位置しているため、同凹部の開放部分を支持枠によって覆いやすくし、迂回抑制機能の向上に貢献することができる。
特徴M6.前記開閉体の背面部において前記壁面部の前方に位置する部位には、前記壁面部に沿って前記背面部に到達した不正具を前記鉤部材とは反対側に誘導する誘導部(壁面部312aと壁面部313bとのコーナ部)が形成されていることを特徴とするM5に記載の遊技機。
特徴M6によれば、壁面部に沿って開閉体側に移動した不正具は、開閉体の誘導部に当たった状態で更に押し込まれることで、鉤部材とは反対側に誘導される。これにより、鉤部材へのアクセスを好適に抑制できる。
特徴M7.前記壁面部が前記設置面に固定されることにより前記覆い部と前記支持枠とが一体化されていることを特徴とするM1乃至M6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴M1等に示したように不正具の移動を壁面部によって妨げる構成においては、仮に壁面部が変形又は変位すると同壁面部が迂回されやすくなると想定される。この点、本特徴によれば、壁面部(すなわち覆い部)を設置面に対して固定することにより覆い部と支持枠とを一体化することで、覆い部の固定作業の煩雑化を回避しつつ、防犯機能の向上に貢献できる。
なお、鉤受け部と覆い部とを一体成形することで部品点数の増加を抑える場合、取付部位を共用可能となる。この場合でも、本特徴に示すように、壁面部を設置面に対して固定することが好ましい。
特徴M8.前記施錠装置は、
前記開閉体の前面側に設けられ、遊技機外部から解錠操作を行うための外部操作手段(シリンダ錠520)と、
前記開閉体の前面側に設けられ、前記外部操作手段の解錠操作に連動して解錠側へ移動することにより、前記鉤部材を前記引っ掛かり解除位置に移動させる移動部材(カム部材530や連動杆540)と
を有し、
前記鉤部材は、前記開閉体の前面側に設けられているとともに、前記開閉体に形成された開口部(スリット303)を通じて当該開閉体の背面側に突出していることを特徴とするM1乃至M7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴M1等に示した構成においては、仮に移動部材等の施錠に関する構成が開閉体の背面側に露出していると、鉤部材に対する不正なアクセスを抑制することで、移動部材等の構成が不正解錠の対象として狙われやすくなると想定される。これに対応して、覆い部の壁面部を大型化する構成とすることも可能ではあるが、これは覆い部と周辺部品との共存の妨げとなるため好ましくない。そこで、本特徴に示すように、移動部材等の施錠装置の動作に関連する構成の露出を抑えることで、防犯のための占有スペースの拡がりを抑えつつ、防犯機能を向上させることができる。
特に、特徴M3等に示すように開閉体(例えば背面部)によって壁面部の迂回を妨げる構成においては、本特徴と組み合わせることで、実用上好ましい構成を実現できる。
上記特徴M群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技ホールの島設備に固定されている支持枠(例えば外枠)に対して開閉可能に取り付けられた開閉体(例えば遊技盤が搭載されてなる遊技機本体)を備えているものがある。メンテナンス等の際には開閉体を開放することにより、同開閉体の背面側等に設けられた各種制御装置等へのアクセスが許容される構成となっているものが多い。
このように開閉体を有する遊技機においては、同開閉体を支持枠に対して閉じた状態で開放不能に施錠する施錠装置が設けられ、上記各種制御装置等への不正なアクセスを抑制しているものが一般的である。詳しくは、施錠装置は、支持枠に設けられた鉤受け部材に対して引っ掛かる位置と引っ掛からない位置とに移動可能な鉤部材を有し、それら鉤部材と鉤受け部材とが引っ掛かることにより開閉体が施錠された状態となるとともに、所定のキー操作等によって鉤部材と鉤受け部材との引っ掛かりが解除され開閉体の開放が許容されるように構成されている。
上述した施錠装置は開閉体と支持枠との境界部位に沿って配置されることが多く、そのように施錠装置の配置を工夫することで、支持枠からの開閉体の浮き上がり等を抑制しやすくしている。しかしながらその反面、施錠装置が境界付近に存在することで、同施錠装置に対する不正なアクセスが行われやすくなるという不都合も生じやすくなっている。具体的には、開閉体と支持枠との境界部位からワイヤ等の不正具を挿入することにより、鉤部材の一部に不正具を引っ掛け、その不正具によって鉤部材を移動させることで開閉体の施錠を解除するといった不正行為がなされることがある。
<特徴N群>
特徴N1.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤を着脱可能に支持する支持枠(内枠13)と、
少なくとも前記遊技領域を前記支持枠の前面側から覆うとともに、同支持枠に対して開閉可能に取り付けられている扉体(前扉枠14)と、
前記扉体に設けられ、遊技に関する演出を行う場合に用いられる演出装置(ランプ部23〜25やスピーカ部26等)と、
前記遊技盤の背面に搭載され、前記演出装置による演出を制御する制御装置(音声ランプ制御装置143)と
を備え、
前記遊技盤は、前記支持枠に対して同支持枠の前面側から取り付けられており、
さらに、前記遊技盤は、当該遊技盤の厚さ方向両側に開放された一連の開放部(上側切欠き部89)を有し、
前記支持枠に前記遊技盤が取り付けられている状態にて、前記開放部を通り、前記演出装置及び前記制御装置を繋ぐ配線(ハーネスH)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴N1によれば、扉体を開放することにより、支持枠の前面側(例えば遊技機前方)から遊技盤の着脱作業を行うことができる。遊技盤を支持枠の背面側から着脱する構成と比較して、同遊技盤の着脱作業を行う際の作業スペースの確保が容易となる。また、例えば、支持枠を遊技ホール等の島設備(詳しくは支持対象)に開閉可能に取り付ける構成においては、支持枠を支持対象に対して閉じた状態にて遊技盤の着脱作業を行うことができるため、同遊技盤の着脱作業に際して同支持枠を動かないように手で押えるといった補助的作業を行う必要がなくなる。これにより、遊技盤の着脱作業の容易化を促進できる。
また、本特徴においては特に、扉体の演出装置(例えば、発光する発光装置,音声を出力する音声装置,遊技演出を変化させる演出操作部等)と遊技盤の制御装置とを配線によって直接繋いでいるため、支持枠(例えば中継基板等)を中継して配線を取り回す構成と比較して、遊技盤を移動させる際の同遊技盤と支持枠との位置関係が配線によって制限されることを好適に抑制できる。これにより、例えば遊技盤を取り外す際に配線と支持枠とがつかえて、配線の取り外し作業を行うための作業スペースの確保が難しくなるといった不都合を生じにくくすることができる。更には、演出装置及び制御装置を繋ぐ配線に上記作業スペースを確保するための余裕代等を加味する必要がなくなることで、遊技盤を装着した状態にて配線(詳しくは上記余裕代分)が支持枠の背面側(遊技盤の背面側)に出っ張ることを抑制できる。一般的に、支持枠の背面側には各種遊技部品(裏パック201等)が配されることが多く、このように配線の出っ張りを抑えることで、配線と遊技部品等との干渉を好適に抑制することができる。これにより、遊技盤装着時に配線と遊技部品との位置関係等に過度の注意を払う必要がなくなり、遊技盤の装着作業の容易化に貢献できる。
特徴N2.前記支持枠には、前記制御装置を同支持枠の背面側に露出させる開口部(中央開口76)が形成されており、
前記開放部は、前記遊技盤における周縁の一部を構成する切り欠き状をなし、当該開放部の少なくとも一部が前記開口部に対して前方から重なるように形成されており、
それら開口部及び開放部によって前記配線が通る通過領域が区画されていることを特徴とするN1に記載の遊技機。
遊技盤を支持枠に対して装着完了した状態では、配線の位置ばらつきを抑制することが好ましい。配線の位置ばらつきを抑えることにより、メンテナンス等で扉体を開閉した際に配線が支持枠の背面側に設けられた各種遊技部品等に干渉したり引っ掛かったりすることを抑制できる。例えば開放部を遊技盤の厚さ方向に貫通する孔状に形成した場合、遊技盤着脱時に開放部(孔)に対して配線を挿通させたり引き抜いたりする必要が生じ、配線の配置作業が煩雑化し得る。更には、遊技盤を移動させる際の配線の動きが制限される(例えば配線がつかえる)といった不都合が生じやすくなると想定される。
この点、開放部を切り欠き状とし、支持枠の開口部と遊技盤の開放部とによって配線の通過領域を区画すれば、少なくとも遊技盤を装着完了した状態では配線の位置ばらつきを好適に抑えることができる。更には、開放部単独で通過領域を区画する必要がないため上記不都合を好適に払拭することができる。つまり、遊技盤を装着する際の配線の配置作業を容易化できる。また、遊技盤を支持枠から取り外している状態では、上記通過領域による配線位置の制限を解除し、遊技盤と配線とのつかえを好適に抑制できる。
特徴N3.前記遊技盤は、前記支持枠に設けられた挿入部(挿入部280)に同遊技盤の一側部が挿入された状態で当該挿入部を中心として回動されることにより前記支持枠に対して着脱されるものであり、
前記開放部は、前記遊技盤における回動基端側に配されていることを特徴とするN1又はN2に記載の遊技機。
特徴N3によれば、配線の余裕代を極力小さくすることができ支持枠の背面側に設けられた上記遊技部品等との干渉を好適に抑制できる。
特に、特徴N2との組み合わせ(開放部が孔状ではなく切り欠き状をなす構成)においては、以下の優れた効果を奏する。すなわち、遊技盤装着の作業初期段階では配線の弛みにより遊技盤の移動を妨げにくくしつつ、遊技盤を装着完了位置に配置した場合には、弛みを減らして配線の位置ばらつきを抑えることができる。これにより、作業の容易化と配線の保護とを好適に両立できる。
特徴N4.前記遊技盤は、前記支持枠に設けられた挿入部(挿入部280)に同遊技盤の一側部が挿入された状態で当該挿入部を中心として回動されることにより前記支持枠に対して着脱されるものであり、
前記開放部は、前記遊技盤の回動基端側に開放されていることを特徴とするN1乃至N3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴N4によれば、遊技盤の一側部を挿入部に挿入した状態で遊技盤を回動させることにより、遊技盤を装着することができる。開放部が回動基端側に開放されているため、遊技盤の挿入方向への移動に基づいて配線を開放部に配置することが可能となる。このように、1の取付動作による遊技盤の挿入作業と配線の配置作業とを許容することにより、作業の簡素化に貢献することができる。
特徴N5.前記開放部は、前記配線に対して下方から当接することにより同配線を支える支持部(ハーネス支持部89a)を有し、
前記遊技盤の回動中心軸線は上下に延びており、
前記支持部は、水平方向に延びるように又は前記遊技盤の回動基端側から同遊技盤の回動先端側に向けて下り傾斜するように形成されていることを特徴とするN4に記載の遊技機。
特徴N4に示したように開放部を遊技盤の回動先端側に開放させている構成においては、作業の簡素化に貢献できる反面、挿入部への遊技盤の挿入過程にて配線が開放部から脱落するといった不都合が生じ得る。このような配線の脱落は、作業の円滑化を妨げる要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴に示すように、支持部が水平方向に延びるように又は前記遊技盤の回動基端側から同遊技盤の回動先端側に向けて下り傾斜するように形成されていることで、同支持部によって支持された配線が支持部から脱落することを抑制できる。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴N6.前記開放部は、前記配線に対して下方から当接することにより同配線を支える支持部(ハーネス支持部89a)を有していることを特徴とするN1乃至N4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴N6によれば、遊技盤を装着する際に配線を支持部に載せておくことで、例えば同配線を手で支えるといった予備的動作が必要がなくなる。これにより、遊技盤装着時の作業の煩雑化を抑制できる。
特徴N7.前記遊技盤は、前記支持枠に設けられた挿入部(挿入部280)に同遊技盤の一側部が挿入された状態で当該挿入部を中心として回動されることにより前記支持枠に対して着脱されるものであり、
前記遊技盤の回動中心軸線は上下に延びており、
前記支持部は、前記遊技盤の回動基端側から回動先端側に延びていることを特徴とするN6に記載の遊技機。
遊技盤を回動させることで装着する構成においては、遊技盤の回動に伴って配線の弛みが変化し得る。そこで、本特徴に示すように、支持部が回動基端側から回動先端側に延びる構成とするとよい。これにより、遊技盤装着時の遊技盤の回動に伴う配線の弛みの変化、すなわち配線の変位を許容し、支持部からの配線の脱落を回避しつつ同配線の突っ張りを抑えることが可能となる。
特徴N8.前記支持枠には、前記制御装置に対する前記配線の接続部位(例えばハーネス側コネクタC1)が前記遊技盤の回動先端側において同遊技盤と前記支持枠との間から当該遊技盤の回動先端側に露出している状態にて、前記遊技盤が載る載置部(下側壁部263や仮置き部290)が設けられていることを特徴とするN1乃至N7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴N8によれば、遊技盤を開放し、制御装置に対する配線の接続部位が遊技盤の回動先端側に露出した状態では、遊技盤の重量の少なくとも一部が、支持枠(詳しくは載置部)に預けられた状態となる。これにより、例えば遊技盤を支持枠から取り外すことなく同遊技盤が動かないように手を添えた状態にて(遊技盤の重量の一部を支持枠に預けた状態にて)配線の着脱作業を行うことが可能となる。故に、作業の容易化を図りつつ、それに伴う作業負担の増加を低減することができる。
特徴N9.前記遊技盤は、前記支持枠に設けられた挿入部(挿入部280)に同遊技盤の一側部が挿入された状態で当該挿入部を中心として回動されることにより前記支持枠に対して着脱されるものであり、
前記遊技盤の回動中心軸線は、上下に延びており、
前記支持枠には、前記遊技盤が前記挿入部に挿入された状態にて、前記遊技盤が載る載置部(下側壁部263や仮置き部290)が設けられており、
前記載置部は、前記支持枠と前記遊技盤の上端部との間に前記配線の移動を許容する隙間が形成されるように前記遊技盤の上下位置を規定するものであり、
前記開放部は、上方に開放されていることを特徴とするN1乃至N8のいずれか1つに記載の遊技機。
開放部が上方に開放されている構成においては、同開放部に対して情報から配線を入れることが可能となる。例えば、開放部が孔状をなしている場合と比較して、配線の配置作業の容易化を図ることができる。しかしながら、配線の配置作業の容易化に貢献できる一方で、配線の保護という観点においては改善の余地がある。例えば、作業者が配線を開放部から外れた遊技盤の上端に載せたまま遊技盤を装着しようとすると、遊技盤と支持枠とによって配線が挟まれ、断線等の不都合が発生しやすくなると懸念される。この点、本特徴においては、遊技盤の上端部と支持枠との間には配線が移動できる隙間が形成されるため、そのような不都合を好適に抑制できる。
なお、上記発明群の利点を活かし配線の余裕代を小さくしている場合には、遊技盤の回動に基づき配線を開放部に向けて導くことが可能となる。例えば遊技盤の上端に載った配線を開放部に導くことで、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴N10.前記支持枠は、前記遊技盤の一側部が挿入される挿入部(挿入部280)を有し、
前記遊技盤は、前記挿入部に挿入された状態で当該挿入部を中心として回動されることにより前記支持枠に対して着脱されるものであり、
前記扉体は、前記支持枠における前記挿入部と同一側にて回動可能に支持されており、
前記開放部は、前記遊技盤において前記扉体の回動基端側に配されていることを特徴とするN1乃至N9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴N1等に示したように、配線によって演出装置と制御装置とを直結する構成においては、扉体を開閉した際に、同扉体の回動に伴って遊技盤の背面側で配線が動くと想定される。このような配線の動きが大きくなると、遊技盤の背面側に設けられた遊技部品等に配線が干渉しやすくなると懸念される。この点、開放部を扉体の回動基端側に配することにより、配線に無駄な弛みが生じにくくなるように同配線を極力短くすることができる。これにより、上記不都合を生じにくくし、実用上好ましい構成を実現できる。
上記特徴N群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤を枠体に搭載してなる遊技機本体と、遊技機本体の前面側に取り付けられているとともにランプやスピーカ等の演出装置を有してなる扉体とを備え、扉体の透明パネルを介して遊技領域が視認可能となっているものがある。遊技盤の背側には、扉体の演出装置を制御する制御装置が設けられており、同制御装置によって演出態様が制御される。これら演出装置及び制御装置は、枠体に設けられた中継基板を介して電気的に接続されるのが一般的である。
近年では、遊技盤や扉体に遊技機固有となる各種構成等を集約するとともに、これら扉体や遊技盤を交換することによる機種変更を可能とし、各種部品のリユース性を高めた遊技機が提案されている。また、遊技盤を枠体に対して同枠体の正面側(すなわち遊技機前方)から取付可能とすることにより、上記機種変更時やメンテナンス時等の遊技盤の着脱作業が容易化されているものも提案されている。詳しくは、遊技ホール等の島設備に固定された外枠によって開閉可能に支持された遊技機本体を同外枠に対して閉じた状態のまま、遊技盤の取り外しを可能とすることで、作業の容易化が図られているものが提案されている。
しかしながら、遊技盤を枠体の正面側から取り付ける構成においては、遊技盤自身の着脱は容易化されるものの、上述した制御装置及び演出装置を繋ぐ配線等の着脱が行いづらくなる可能性がある。例えば上記中継基板を有する構成においては、中継基板と制御装置とを繋ぐ配線等がつかえる等した場合、遊技盤の取り外しや配線の取り外し等が難しくなり得る。確かに遊技盤の着脱作業等を考慮して制御装置及び中継基板間の配線の余裕代を予め長めに設定しておくことでそのような不都合は解消されやすくなるが、その反面、配線の余剰部分が引っ掛かりやすくなり断線等の不都合を招来しやすくなると想定される。このような不都合を回避すべく、慎重な作業が要求されることになれば、結果として遊技盤の着脱作業が行いづらくなると懸念される。
特徴P1.枠体(外枠11や内枠13)と、
前記枠体によって回動可能に支持され、同枠体に対して閉じた閉位置及び同枠体に対して開いた開位置に切り替えられる開閉体(遊技機主部12,前扉枠14及び裏パックユニット15)と、
前記枠体及び前記開閉体の両者に跨って設けられ、前記枠体及び前記開閉体の一方から他方に遊技球を供給する供給通路(払出機構部702の球誘導通路部)と
を備え、
前記供給通路は、
前記枠体及び前記開閉体のいずれか一方に設けられ、前記供給通路の上流側を構成する複数の上流側通路(内枠側払出通路部901,902)と、
前記枠体及び前記開閉体の他方に設けられ、前記供給通路の下流側を構成するとともに、前記開閉体が閉位置に配置されている状態にて前記各上流側通路に連通し、前記開閉体が開位置に配置されている状態にて各上流側通路との連通が解除される下流側通路(前扉側上皿通路部51,前扉側下皿通路部52)と、
を有し、
前記各上流側通路は、前記開閉体の回動基端からそれら各上流側通路の出口部分までの距離が相違するように配置されており、
前記開閉体の開位置への移動に基づいて、前記各出口部分からの遊技球の流出を異なるタイミングで阻止する阻止手段(シャッタ機構910)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴P1によれば、枠体に対して開閉体を閉じている場合には、上流側通路と下流側通路とが連通することにより、それら両通路を通じた遊技球の供給が可能となる。一方、枠体に対して開閉体を開いている場合には、上流側通路と下流側通路との連通が解除され、それら両通路を通じた遊技球の供給が不可となる。この場合、阻止手段によって上流側通路の出口部分からの遊技球の流出が阻止されることとなる。
また、各上流側通路は、開閉体の回動基端からそれら各上流側通路の出口部分までの距離が相違するように配置されている。このため、各々の上流側通路において下流側通路との連通が解除され上流側通路から下流側通路への遊技球の受け渡しが不可となるタイミングが相違すると想定される。本特徴においては、各出口部分における上記タイミングのずれに合わせて阻止手段による流出阻止のタイミングをずらすことが可能である。このように各出口部分における阻止タイミングを個別に設定することにより、それら出口部分からの遊技球の零れを好適に抑制できる。故に、遊技球の供給を許容する状態から阻止する状態への切り替えを円滑なものとすることができる。
特徴P2.枠体(外枠11や内枠13)と、
前記枠体によって回動可能に支持され、同枠体に対して閉じた閉位置及び同枠体に対して開いた開位置に切り替えられる開閉体(遊技機主部12,前扉枠14及び裏パックユニット15)と、
前記枠体及び前記開閉体の両者に跨って設けられ、前記枠体及び前記開閉体の一方から他方に遊技球を供給する供給通路(払出機構部702の球誘導通路部)と
を備え、
前記供給通路は、
前記枠体及び前記開閉体のいずれか一方に設けられ、前記供給通路の上流側を構成する上流側通路(内枠側払出通路部901,902)と、
前記枠体及び前記開閉体の他方に設けられ、前記供給通路の下流側を構成するとともに、前記開閉体が閉位置に配置されている状態にて前記上流側通路に連通し、前記開閉体が開位置に配置されている状態にて当該上流側通路との連通が解除される下流側通路(前扉側上皿通路部51,前扉側下皿通路部52)と
を有し、
前記上流側通路は、
前記開閉体の回動基端から出口部分までの距離が相違するように配置された第1上流側通路(内枠側払出通路部901)及び第2上流側通路(内枠側払出通路部902)を有し、
前記開閉体の開放に基づいて、前記第1上流側通路の出口部分からの遊技球の流出を許容する許容状態から遊技球の流出を阻止する阻止状態に切り替えられる第1阻止手段(第1シャッタ機構920)と、
前記第1阻止手段とは別に設けられ、前記開閉体の開放に基づいて、前記第2上流側通路の出口部分からの遊技球の流出を許容する許容状態から遊技球の流出を阻止する阻止状態に切り替えられる第2阻止手段(第2シャッタ機構930)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴P2によれば、枠体に対して開閉体を閉じている場合には、上流側通路と下流側通路とが連通することにより、それら両通路を通じた遊技球の供給が可能となる。一方、枠体に対して開閉体を開いている場合には、上流側通路と下流側通路との連通が解除され、それら両通路を通じた遊技球の供給が不可となる。この場合、各阻止手段によって上流側通路の出口部分からの遊技球の流出が阻止されることとなる。
また、第1上流側通路及び第2上流側通路は、一方の出口部分が他方の出口部分よりも回動基端寄りとなるように配置されている。このため、第1上流側通路及び下流側通路の連通が解除され同第1上流側通路から下流側通路への遊技球の受け渡しが不可になるタイミングと、第2上流側通路及び下流側通路の連通が解除され同第2上流側通路から下流側通路への遊技球の受け渡しが不可になるタイミングとが相違すると想定される。本特徴においては、第1上流側通路に対応する第1阻止手段と第2上流側通路に対応する第2阻止手段とを個別に設けることで、両出口部分における連通解除のタイミングのずれに合わせて流出阻止のタイミングを容易にずらすことができる。このように各出口部分に対応させて阻止タイミングを個別に設定することにより、それら出口部分から遊技球の零れを好適に抑制できる。故に、遊技球の供給を許容する状態から阻止する状態への切り替えを円滑なものとすることができる。
特徴P3.前記第1阻止手段は、
前記一方に設けられ、前記第1上流側通路の出口部分からの遊技球の流出を阻止する第1阻止位置とその流出を許容する第1許容位置とに移動可能な第1可動部材(第1シャッタ部材921)と、
前記一方に設けられ、前記第1可動部材を前記第1阻止位置に向けて付勢する第1付勢部材(コイルバネ928)と、
前記他方に設けられ、前記開閉体が前記閉位置にある場合に前記第1付勢部材の付勢力に抗して前記第1可動部材を押圧する第1押圧部(操作突起51b)と、
を備えており、
前記第2阻止手段は、
前記一方に設けられ、前記第2上流側通路の出口部分からの遊技球の流出を阻止する第2阻止位置とその流出を許容する第2許容位置とに移動可能な第2可動部材(第2シャッタ部材931)と、
前記一方に設けられ、前記第2可動部材を前記第2阻止位置に向けて付勢する第2付勢部材(コイルバネ938)と、
前記他方に設けられ、前記開閉体が前記閉位置にある場合に前記第2付勢部材の付勢力に抗して前記第2可動部材を押圧する第2押圧部(操作突起52b)と、
を備えていることを特徴とするP2に記載の遊技機。
特徴P3によれば、特徴P2に示した構成を好適に実現できる。具体的には、第1可動部材は第1付勢部材及び第1押圧部によって動作し、第2可動部材は第2付勢部材及び第2押圧部によって動作する。このように各阻止手段の動作系統を分けることにより、阻止状態への切替時のそれら阻止手段の動作を簡略化することができる。これにより、各出口部分からの遊技球の流出を好適に抑えることができる。
特徴P4.前記開閉体の回動基端は上下に延びており、
前記第1上流側通路の出口部分及び前記第2上流側通路の出口部分は、下方に開放されており、
前記下流側通路の入口部分は、上方に開放されているとともに、前記両出口部分に対して下側から対向しており、
前記第1可動部材は、前記第1上流側通路の下方に配置されているとともに、前記下流側通路に対向しており、前記阻止状態への切り替えに基づいて前記下流側通路の入口部分側に突出することで前記第1上流側通路の出口部分に対して下側から対向するものであり、
前記第2可動部材は、前記第2上流側通路の下方に配置されているとともに、前記下流側通路に対向しており、前記阻止状態への切り替えに基づいて前記下流側通路の入口部分側に突出することで前記第2上流側通路の出口部分に対して下側から対向するものであることを特徴とするP3に記載の遊技機。
特徴P4によれば、開閉体が閉じている状態にて各上流側通路から流出した遊技球は、自重により下流側通路の入口部分へ流入する。開閉体が開放されると、上流側通路の出口部分と下流側通路の入口部分とが前後に離れ、これに伴って各可動部材が突出する。つまり、上流側通路の出口部分に対して下流側通路の入口部分が対向している状態から同出口部分に対して可動部材が対向している状態に切り替わる。このように、入口部分に変わって可動部材が対向する構成を採用することにより、開閉体の開放動作に対する可動部材の動作遅れを抑制し、出口部分からの遊技球の零れを好適に抑制できる。
特に、出口部分と入口部分及び可動部材とを上下に配置し(すなわち開閉体の回動基端が延びている方向にずらして配置し)、それら可動部材,押圧部,入口部分を回動基端からの距離が等しい位置に並べることで、阻止状態への切替時の応答性を向上することができる。また、開閉体が移動する側と同じ側に可動部材が移動する構成とすることで、可動部材の動作に関する構成を簡素化することができ、更には各可動部材の動作スペースの上下・左右への拡がりを抑えることができる。これにより、第1上流側通路と第2上流側通路とを左右に並設して通路構成(通路壁等)の共有化を図りつつ、それら各通路に合わせて第1阻止手段及び第2阻止手段を並設することを容易なものとすることができる。
特徴P5.前記第1上流側通路の出口部分及び前記第2上流側通路の出口部分は、前記開閉体の回動基端寄りに配置されており、
前記第1阻止手段及び前記第2阻止手段は、前記開閉体の回動基端寄りに配置されていることを特徴とするP3又はP4に記載の遊技機。
特徴P3等に示したように、可動部材に対応させて付勢部材を設ける場合、同付勢部材の付勢力によって、開閉体の閉作業が妨げられることを抑制できる。特に、阻止手段を複数有し、各阻止手段が付勢部材を個々に有する構成においては、上記不都合が顕著になりやすいと想定される。そこで、本特徴に示すように各阻止手段(詳しくは付勢部材)を開閉体の回動基端寄りに配置するとよい。これにより、付勢力による影響を抑え、上記不都合を払拭することができる。
特徴P6.枠体(外枠11や内枠13)と、
前記枠体によって回動可能に支持され、同枠体に対して閉じた閉位置及び同枠体に対して開いた開位置に切り替えられる開閉体(遊技機主部12,前扉枠14及び裏パックユニット15)と、
前記枠体及び前記開閉体の両者に跨って設けられ、前記枠体及び前記開閉体の一方から他方に遊技球を供給する供給通路(払出機構部702の球誘導通路部)と
を備え、
前記供給通路は、
前記枠体及び前記開閉体のいずれか一方に設けられ、前記供給通路の上流側を構成する複数の上流側通路(内枠側払出通路部901,902)と、
前記枠体及び前記開閉体の他方に設けられ、前記供給通路の下流側を構成するとともに、前記開閉体が閉位置に配置されている状態にて前記各上流側通路に連通し、前記開閉体が開位置に配置されている状態にて各上流側通路との連通が解除される下流側通路(前扉側上皿通路部51,前扉側下皿通路部52)と、
を有し、
前記各上流側通路は、前記開閉体の回動基端からそれら各上流側通路の出口部分までの距離が相違するように配置されており、
前記開閉体の開位置への移動に基づいて、前記出口部分からの遊技球の流出を阻止する阻止手段(シャッタ機構910)を備え、
前記阻止手段は、前記各出口部分と前記開閉体の回動基端との距離に応じて動作態様が個別に設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴P6によれば、枠体に対して開閉体を閉じている場合には、上流側通路と下流側通路とが連通することにより、それら両通路を通じた遊技球の供給が可能となる。一方、枠体に対して開閉体を開いている場合には、上流側通路と下流側通路との連通が解除され、それら両通路を通じた遊技球の供給が不可となる。この場合、阻止手段によって上流側通路の出口部分からの遊技球の流出が阻止されることとなる。
また、各上流側通路は、開閉体の回動基端からそれら各上流側通路の出口部分までの距離が相違するように配置されている。このため、各々の上流側通路において下流側通路との連通が解除され上流側通路から下流側通路への遊技球の受け渡しが不可となるタイミングが相違すると想定される。本特徴においては、各出口部分と開閉体の回動基端との距離に応じて阻止手段の動作態様が個別に設定されている。このため、各出口部分における連通解除のタイミングのずれに合わせて阻止手段による流出阻止のタイミングをずらすことが可能である。このように各出口部分に対応させて阻止タイミングを設定することにより、それら出口部分からの遊技球の零れを好適に抑制できる。故に、上流側通路及び下流側通路を通じた遊技球の供給を許容する状態から阻止する状態への切り替えを円滑なものとすることができる。
特徴P7.前記開閉体は、前記枠体を当該枠体の前面側から覆うものであり、
前記開閉体に設けられ、遊技球を貯留する貯留部(上皿33や下皿34)と、
前記枠体に設けられ、遊技球の払い出しを行う払出装置(払出装置724)と
を備え、
前記供給通路は、前記払出装置から払い出された遊技球を前記貯留部に導くものであることを特徴とするP1乃至P6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴P7によれば、払出装置から払い出された遊技球は供給通路(詳しくは枠体に配された上流側通路及び開閉体に配された下流側通路)を通じて貯留部に導かれる。このような構成に対して、特徴P1等に示した技術的思想を適用することで実用上好ましい構成を実現できる。
上記特徴P群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤を枠体に搭載してなる遊技機本体と、遊技機本体の前面側に取り付けられた前扉枠とを備えているものがある。前扉枠には遊技球発射ハンドルが設けられており、この遊技球発射ハンドルが操作されると遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域には、入賞口及び入賞装置等の入賞に関する構成や、遊技領域に至った遊技球がそれら入賞口等に適度な確率で入賞するように遊技球の流下経路をばらつかせる釘等の各種構成が配設されている。入賞口等への入賞が発生した場合には予め設定された個数の遊技球が前扉枠に設けられた球受け皿に払い出される。具体的には、球受け皿は供給通路を通じて遊技機本体の払出装置に繋がっており、同払出装置から払い出された遊技球は同供給通路を経由して球受け皿に導かれる。
供給通路の多くは、遊技機本体に設けられた本体側供給通路と、前扉枠に設けられた前扉側供給通路とを有している。それら本体側供給通路及び前扉側供給通路は、前扉枠が遊技機本体に対して閉じている場合には連通しており、遊技機本体から前扉枠への遊技球の供給が許容される。また、本体側供給通路の出口部分には、出口部分からの遊技球の流出を阻止する阻止状態と遊技球の流出を許容する許容状態とに切替可能なシャッタ機構が設けられているものがある。本体側供給通路及び前扉側供給通路の連通が前扉枠の開放によって解除された場合には、そのシャッタ機構によって本体側供給通路からの遊技球の零れが阻止される。
また、上述した球受け皿が上下に並設された上皿及び下皿によって構成され、これに併せて本体側供給通路及び前扉側供給通路が仕切り等によって左右に二分され、一方が上皿、他方が下皿に繋がるように構成されているものがある。このような遊技機における払出球については、通常は上皿に供給され、上皿が満タンになっている場合にはその余剰分が下皿に供給されることとなる。
しかしながら、前扉枠が回動可能に設けられた遊技機において供給通路を左右に二分すると、前扉枠の回動基端から各本体側供給通路の出口部分までの距離が相違することにより、以下の不都合が生じやすくなると想定される。例えば、上記シャッタ機構によって各出口部分からの遊技球の流出を同時に阻止する場合、本体側供給通路と前扉側供給通路との連通が解除されて両通路間での遊技球の受け渡しが不可となる連通解除タイミングが各供給通路において相違するのに対して、シャッタ機構による各出口部分からの遊技球の流出を阻止する阻止タイミングがそれら出口部分にて同一となる。故に、シャッタ機構による阻止タイミングを両供給通路の連通解除タイミングに合わせることが困難となり、阻止状態に切り替えられる際に上記出口部分からの遊技球の零れが生じ得ると想定される。すなわち、各出口部分において阻止状態への切り替えが円滑に行われない可能性があり、依然として改良の余地があると考えられる。
特徴Q1.遊技球を案内する案内通路(タンクレール750)と、
前記案内通路における特定位置よりも下流側への遊技球の移動を阻止する阻止状態、及び前記特定位置よりも下流側への遊技球の移動を許容する許容状態に切替可能な球止め手段(球止め部材770)と、
前記球止め手段が前記許容状態に切り替えられた場合に、前記特定位置よりも上流側に滞留している遊技球に対して近づく側に移動する可動部(上流側対向部772)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴Q1によれば、球止め手段を阻止状態に切り替えることにより、特定位置よりも下流側への遊技球の移動が阻止される。これにより、球止め手段よりも下流側に配された各種構成(例えば上下通路ユニット723の球無検知センサ851や払出装置724等)のメンテナンス等の容易化に貢献できる。例えば、特定位置よりも下流側の遊技球を排出することで、遊技球が作業の妨げになるといった不都合を回避することができる。メンテナンス等を終えた後は、球止め手段を許容状態に切り替えることにより、遊技球の流下が許容される。
しかしながら、球止め手段を有する構成においては、同球止め手段の阻止状態への切り替えに起因して、特定位置よりも上流側の遊技球(例えば遊技球の塊り)が互いに噛み込んだような状態となり、案内通路内にて遊技球の詰まりが生じる可能性がある。仮にこのような球詰りが発生すると、球止め手段が許容状態へ切り替えられた後も、案内通路内にて遊技球の流れが滞ったままとなり、遊技球が案内通路を流下しないといった不都合が生じ得る。このような不都合は、遊技機(例えば案内通路)を揺すったり、球詰りが生じている部分を指等で押したりすることで解消できるが、同不都合の解消にこのような予備的作業が必要となることは好ましくない。
この点、本特徴においては、球止め手段を許容状態に切り替えた場合に、特定位置よりも上流側に滞留している遊技球に対して近づく側に移動する可動部によって遊技球を押すことが可能である。このように可動部によって遊技球を押すことで、上述した球詰りの解消に貢献できる。つまり、上記予備的作業への依存を抑え、切替作業の円滑化を図ることができる。
特徴Q2.前記可動部は、前記球止め手段が前記許容状態に切り替えられた場合に、前記案内通路において前記特定位置よりも上流側となる領域を狭めるものであることを特徴とするQ1に記載の遊技機。
特徴Q2によれば、許容状態への切り替えがなされた場合に可動部によって特定位置よりも上流側の領域を狭める構成とすることで、特徴Q1に示した球詰りの解消機能を好適に発揮させることができる。
具体的には、上述した遊技球が噛み込んだような状態を遊技球の塊りのうちどの箇所を押すことで好適に解消できるかは、その時々によって相違すると想定され、同箇所を完全に予測することは困難である。そこで、本特徴に示すように可動部が特定位置よりも上流側となる領域を狭める構成とすれば、押すべき箇所のばらつきを好適に許容することができる。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴Q3.前記球止め手段は、前記阻止状態に切り替えられた場合に前記特定位置へ向けて突出する突出部(爪部777)を有し、
前記案内通路は、溝状をなしており、
前記可動部は、前記案内通路の溝底部(底板部751)に対向して配置されており、
さらに、前記可動部は、前記阻止状態への切り替えにより前記溝底部から遠ざかる側に移動し、前記許容状態への切り替えにより前記溝底部へ近づく側へ移動することを特徴とするQ1又はQ2に記載の遊技機。
案内通路が溝状をなす構成においては、溝開口側(具体的には上方)へ遊技球群が盛り上がるように滞留して遊技球が互いに噛み込むことにより、球詰りが発生し得る。本特徴においては、許容状態への切替時に溝底部へ近づく側へ移動する可動部によって遊技球群の盛り上がりを溝底部側へ押すことで、同遊技球群の盛り上がり崩し、上記球詰りを解消することが可能となる。
また、本特徴においては、許容状態への切り替えに基づいて可動部を溝底部から遠ざかる側に移動させることにより部分的に通路高さを変化させ、遊技球群の盛り上がりが発生しやすい箇所を作り出すことが可能となっている。故に、遊技球群の盛り上がりを崩すのに効果的な箇所にて遊技球を押すことが可能となり、特徴Q1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
更には、例えば遊技球を特定位置で堰き止める場合、突出部が特定位置へ突出することによって同突出部により遊技球が上流側に押され得る。仮にこのように遊技球の押し戻しが発生する場合には、特定位置よりも上流側に位置する遊技球の球圧に逆らって遊技球を移動させる必要が生じ、切替作業が困難になると想定される。この点、本特徴においては、阻止状態への切り替えに基づいて可動部が溝底部から遠ざかる側に移動することで、遊技球の逃げ場を作ることができる。すなわち、上記逃げ場への遊技球の移動を許容することにより、阻止状態への切り替えに伴って遊技球が上流側に押された場合に発生する抵抗の軽減に貢献できる。故に、阻止状態への切替操作の円滑化に貢献できる。
特徴Q4.前記球止め手段は、前記案内通路に沿って延びるベース部(ベース部771)を備え、
前記ベース部は、前記可動部及び前記突出部を有するとともに、それら可動部及び突出部の間にて回動可能に支持されており、
前記ベース部の回動に基づいて前記突出部が前記溝底部側に移動するとともに前記可動部が前記溝底部とは反対側に移動することにより、前記球止め手段が前記阻止状態へ切り替えられ、
前記阻止状態への切替時とは反対側への前記ベース部の回動に基づいて前記突出部が前記溝底部とは反対側に移動するとともに前記可動部が前記溝底部側に移動することにより、前記球止め手段が前記許容状態へ切り替えられることを特徴とするQ3に記載の遊技機。
特徴Q3に示した構成を実現するには、球止め手段のベース部を回動可能とすればよい。ベース部を可動部及び突出部の間にて回動可能に支持することにより、構成の複雑化を抑えつつ、すなわち複雑なリンク構造の採用を回避しつつ、可動部及び突出部を連動させることができる。つまり、可動部及び突出部をシーソーのように動かすことで、それら両者に、溝底部に対して逆の動きをさせることが可能となる。これにより、簡素な構成により、球止め手段に対して球詰り解消機能と球止め機能を付与することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴Q5.前記ベース部において当該ベース部の回動中心部よりも下流側となる下流側部位(下流側対向部773)は、前記溝底部側を向く面状をなしており、
前記下流側部位と前記溝底部との隙間は、遊技球の通過が許容されるとともに、当該下流側部位と当該溝底部との間での遊技球の積み上がりが制限されるように設定されており、
前記可動部は前記溝底部側を向く面状をなしており、
当該可動部と前記溝部との隙間は、前記下流側部位と前記溝底部との隙間よりも大きくなるように前記案内通路の上流側に向けて拡大されていることを特徴とするQ4に記載の遊技機。
特徴Q5によれば、可動部においてベース部の回動中心部よりも溝底部に対して離れている部分が遊技球によって押された場合、同可動部に加わる球圧が突出部を溝底部側に近づけるように作用することとなる。これにより、突出部の溝底部からの離れを抑え、阻止状態の維持に貢献できる。また、上流側からの球圧が大きくなった場合には、遊技球の流下経路のばらつきも大きくなり得るが、このように球圧が大きくなれば、その分、突出部を押し下げる力も強まる。故に、球圧の増加により特定位置の遊技球が突出部をすり抜けて脱落するといった不都合、すなわち阻止状態が解除されるといった不都合を生じにくくすることができる。
特に、下流側部位と溝底部との隙間は、遊技球の通過が許容されるとともに、下流側部位と溝底部との間での遊技球の積み上がりが制限されるように設定され、可動部と溝底部との隙間は、下流側部位と溝底部との隙間よりも大きくなるように案内通路の上流側に向けて拡大されている。このため、可動部に加わる球圧を、下流部位に加わる球圧よりも大きくすることが容易となり、上記維持機能を好適なものとすることができる。
特徴Q6.前記ベース部において当該ベース部の回動中心よりも下流側となる下流側部位(下流側対向部773)は、前記溝底部側を向く面状をなしており、
前記突出部は、前記下流側部位に配されており、
前記可動部は、前記溝底部側を向く面状をなしており、
前記ベース部の回動中心部から前記可動部の上端までの距離寸法は、同回動中心部から前記突出部までの距離寸法よりも大きく設定されていることを特徴とするQ4又はQ5に記載の遊技機。
特徴Q6によれば、可動部においてベース部の回動中心部よりも溝底部に対して離れている部分が遊技球によって押された場合、同可動部に加わる球圧が突出部を溝底部側に近づけるように作用することとなる。これにより、突出部の溝底部からの離れを抑え、阻止状態の維持に貢献できる。また、上流側からの球圧が大きくなった場合には、遊技球の流下経路のばらつきも大きくなり得るが、このように球圧が大きくなれば、その分、突出部を押し下げる力も強まる。故に、球圧の増加により特定位置の遊技球が突出部をすり抜けて脱落するといった不都合、すなわち阻止状態が解除されるといった不都合を生じにくくすることができる。
特に、ベース部の回動中心部から前記可動部の上端までの距離寸法は、同回動中心部から前記突出部までの距離寸法よりも大きく設定されているため、可動部に加わる球圧を、下流部位に加わる球圧よりも大きくすることが容易となり、上記維持機能を好適なものとすることができる。
特徴Q7.前記可動部は、前記案内通路の上流側に向けて凸となる曲面状をなしていることを特徴とする特徴Q4乃至Q6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴Q7によれば、可動部は、案内通路の上流側に向けて凸となる曲面状をなしているため、許容状態への切替操作に基づいて、遊技球を案内通路の上流側に押し戻すことが容易となる。故に、特定位置の遊技球を介して突出部に加わる球圧(遊技球列の球圧)を弱めつつ、許容状態への切り替えを行うことができる。特に、上流側に連なる遊技球からの球圧により、特定位置に待機していた遊技球が下流側に押され、勢いよく流れることを抑制できる。これにより、流下し始めた遊技球が特定位置よりも下流側に位置する構成に衝突した際の衝撃力を小さくし、それら下流側の構成の保護に貢献できる。
例えば、可動部において前記溝底部側を向いている部位と案内通路の溝底部とを、それら両者の距離が案内通路の上流側に向けて徐々に増すように、且つ同距離の増加率が上流側にて増すように構成するとよい。
特徴Q8.前記ベース部は、前記案内通路に沿って延びる長板状をなし、
前記突出部は、前記ベース部に対して一体的に設けられているとともに、前記溝底部側に凸となる突起状をなし、
前記可動部は、前記ベース部において前記溝底部と対向している側の板面のうち前記ベース部の回動中心部よりも上流側の少なくとも一部によって構成されており、
前記ベース部の回動中心部から前記可動部における上流側の端部までの距離は、同回動中心部から前記突出部までの距離よりも大きく設定されていることを特徴とするQ4乃至Q7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴Q8によれば、例えば同ベース部の上流側又は下流側の端部を指等で摘んで回動させることにより、上記阻止状態及び許容状態への切り替えを行うことができる。特に、突出部をベース部に対して一体的に設けることで、上記回動操作に基づいた突出部の移動を簡素な構成によって容易に実現できる。
ベース部の回動中心部から可動部における上流側の端部までの距離を同回動中心部から突出部までの距離よりも大きく設定することで、可動部の移動ストロークを大きくすることができ、同可動部によって遊技球を押す際の操作性向上に貢献することができる。更には、ベース部における上流側の端部、すなわち可動部側の端部を押し引きすることにより、突出部を案内通路内(例えば遊技球列)に対して割り込ませる際の抵抗の軽減を期待することができる。
例えば、ベース部における上流側(可動部側)の端部を、案内通路から常時突出させるとよい。
特徴Q9.前記球止め手段は、前記ベース部が所定方向へ回動されることにより、前記阻止状態から前記許容状態に切り替えられるものであり、
前記阻止状態において、前記ベース部の前記所定方向とは反対方向への回動を許容するとともに、前記所定方向への回動を抑える第1仮止め手段(球止め部材770の第2突起776及びタンクレール750における壁部752,753の上端部)を備えていることを特徴とするQ5又はQ6に記載の遊技機。
特徴Q9によれば、阻止状態におけるベース部の所定方向とは反対の方向への回動が許容されるとともに、所定方向への回動を抑えられる。これにより、案内通路に待機している遊技球が可動部を押した場合に、その球圧を阻止状態の維持に好適に活用することができる。故に、可動部に当接している遊技球を介して伝わる球圧が増大した場合に、特定位置に留まっている遊技球が突出部を押しのけて下流側へ移動するといった不都合、すなわち遊技球の零れを好適に抑制することができる。
特徴Q10.前記可動部は、少なくとも前記許容状態においては、前記案内通路の溝底部との間隔が前記案内通路の上流側から下流側に向けて徐々に狭くなるように構成されており、
前記球止め手段が前記許容状態に切り替えられた状態にて、前記ベース部の回動を抑える第2仮止め手段(第2突起776及び挿通孔765,767や仕切壁756)を備えていることを特徴とするQ4乃至Q9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴Q10によれば、ベース部(詳しくは可動部)と溝底部との間を通過することで、遊技球の流下経路のばらつきを抑えることができる。この場合、ベース部に対して遊技球が当たりやすくなるが、阻止手段を有することで、球止め手段が遊技球の球圧により阻止状態に切り替えられることを抑制できる。
また、特徴Q8との組み合わせにおいては特に、ベース部と溝底部とによって遊技球のばらつきを抑えた状態で同遊技球を特定位置に導くことができる。これにより、突出部の突出量を小さく抑えることができ実用上好ましい構成を実現できる。
特徴Q11.前記阻止手段は、前記ベース部の回動中心部よりも上流側に配されていることを特徴とするQ10に記載の遊技機。
特徴Q11によれば、ベース部(詳しくは可動部)の変位を好適に抑えることができ、上記ばらつき抑制機能の向上に貢献できる。
特徴Q12.遊技球を底部(底板部751)に沿って案内する案内通路(タンクレール750)と、
前記案内通路における特定位置よりも下流側への遊技球の移動を阻止する阻止状態、及び当該突出が抑えられ前記特定位置よりも下流側への遊技球の移動を許容する許容状態に切替可能な球止め手段(球止め部材770)と、
前記球止め手段が前記許容状態に切り替えられた場合に、前記特定位置よりも上流側にて前記底部に対して近づく側に移動する可動部(上流側対向部772)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴Q12によれば、球止め手段を阻止状態に切り替えることにより、特定位置よりも下流側への遊技球の移動が阻止される。これにより、球止め手段よりも下流側に配された各種構成(例えば上下通路ユニット723の球無検知センサ851や払出装置724等)のメンテナンス等の容易化に貢献できる。例えば、特定位置よりも下流側の遊技球を排出することで、遊技球が作業の妨げになるといった不都合を回避することができる。メンテナンス等を終えた後は、球止め手段を許容状態に切り替えることにより、遊技球の流下が許容される。
しかしながら、球止め手段を有する構成においては、同球止め手段の阻止状態への切り替えに起因して、特定位置よりも上流側の遊技球(例えば遊技球の塊り)が互いに噛み込んだような状態となり、案内通路内にて遊技球の詰まりが生じる可能性がある。仮にこのような球詰りが発生すると、球止め手段が許容状態へ切り替えられた後も、案内通路内にて遊技球の流れが滞ったままとなり、遊技球が案内通路を流下しないといった不都合が生じ得る。このような不都合は、遊技機(例えば案内通路)を揺すったり、球詰りが生じている部分を指等で押したりすることで解消できるが、同不都合の解消にこのような予備的作業が必要となることは好ましくない。
この点、本特徴においては、球止め手段を許容状態に切り替えた場合に、特定位置よりも上流側にて底部に対して近づく側に移動する可動部によって遊技球を押すことが可能である。このように可動部によって遊技球を押すことで、上述した球詰りの解消に貢献できる。つまり、上記予備的作業への依存を回避し、切替作業の円滑化を図ることができる。
なお、本特徴に特徴Q2乃至Q11に示した技術的思想を適用することも可能である。特に、特徴Q3等に示す技術的思想を適用する場合には、「溝底部」を「底部」に置き換えることも可能である。
上記特徴Q群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤を枠体に搭載してなる遊技機本体と、遊技機本体の前面側に取り付けられた前扉枠とを備えているものがある。前扉枠には遊技球発射ハンドルが設けられており、この遊技球発射ハンドルが操作されると遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域には、入賞口及び入賞装置等の入賞に関する構成や、遊技領域に至った遊技球がそれら入賞口等に適度な確率で入賞するように遊技球の流下経路をばらつかせる釘等の各種構成が配設されている。
また、遊技機本体には、島設備から供給された遊技球を貯留する球タンクと、その球タンクに貯留されている遊技球を払い出す払出装置とが設けられており、例えば遊技球が入賞口や入賞装置などに入賞した場合には予め設定された個数の遊技球が前扉枠の球受け皿に払い出されることとなる。
払出装置は、払出した遊技球を検出する検出スイッチ等の各種構成を有している。例えば、払出装置の清掃や検出スイッチの動作チェック等のメンテナンスを行うことにより、払出機能を好適に維持することができる。このようなメンテナンス作業を行う際に、球タンクと払出装置との間の案内通路にて遊技球を堰き止めるとともに、それよりも下流側の遊技球を排出することにより、同作業を容易に行うことができるように便宜を図った遊技機が提案されている。このような遊技機においては、案内通路に球止め部材等を配置し、この球止め部材を操作することで遊技球の流下を阻止する阻止状態と遊技球の流下を許容する許容状態とに切り替えができるように構成されているものが一般的である。
しかしながら、球止め部材によって遊技球の流下を阻止する構成においては、球タンクから連なる遊技球の球圧等により、球止め部材よりも上流側にて遊技球の流動性が低下する可能性がある。仮に、遊技球が詰まってしまった場合には、球止めを解除した後も遊技球がうまく流れず、案内通路内での遊技球の流下が滞るといった不都合が生じ得る。確かに、指等で球が詰まっている部分を押したり、案内通路を揺すったりすれば、上記不都合は解消されるかもしれないが、これは作業の円滑化を阻害する要因となり得るため好ましくない。また、仮に球詰りを見落とした場合には、遊技に支障をきたすことも考えられるため、作業者の確認作業にのみ依存することも好ましくない。
特徴R1.遊技球を貯留する貯留部(下皿34)と、
前記貯留部に遊技球を案内する案内通路(払出機構部702における下皿用の誘導通路部)と
を備え、
前記案内通路は、
遊技球が流下する流下領域(流下領域RE)と、
前記貯留部から積み上がった遊技球が前記流下領域に達している場合に、同流下領域に滞留中の遊技球に対して後続する遊技球が流入する流入領域(拡張領域EE)と
を有し、
前記流入領域に流入した遊技球を検知する検知手段(検知機構880)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴R1によれば、案内通路の流下領域を流下した遊技球は、貯留部に導かれ、同貯留部に溜まる。貯留部が満杯になると同貯留部への遊技球の流入が困難となり、余剰となった遊技球が同貯留部から案内通路(詳しくは流下領域)へと積み上がることとなる。このように、遊技球が積み上がり流下領域にて遊技球が滞留すると、後続の遊技球が案内通路の流入領域に流入し、同流入領域に流入した遊技球が検知手段によって検知される。この検知手段による検知情報に基づいて、例えば貯留部が満杯になっていることを特定することが可能となる。
本特徴においては特に、案内通路に流下領域及び流入領域を設け、後者に流入した遊技球を検知する構成とした。これにより、遊技球が流下領域を流下している状態にて検知手段によって遊技球が検知されることを抑制し、例えば貯留部が満杯になっていないにも関わらず、あたかも満杯になっているかのように制御装置(主制御装置162)等にて誤認(誤検知)が生じることを抑制でき、検知精度の向上が期待できる。
特徴R2.前記流入領域の少なくとも下流側の端部が前記流下領域に連通されており、
前記流入領域に流入した遊技球は、前記流下領域に滞留している遊技球の流下が再開された場合に同流下領域へ戻ることを特徴とするR1に記載の遊技機。
特徴R2によれば、流入領域に流入した遊技球は、流下領域に滞留中の遊技球の流下が再開されることで流入領域と流下領域との連通部分を通じて流下領域へ戻り、貯留部へと導かれる。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。例えば、流下領域及び流入領域を、同流入領域を経由した遊技球の同流下領域への回帰を許容するように、検知手段よりも下流側にて連通させるとよい。
特徴R3.前記流入領域は、前記案内通路を形成している壁面部(対向板部841)を当該案内通路の通路方向に対して交差する方向に凹ませることにより部分的に拡張された領域であることを特徴とするR1又はR2に記載の遊技機。
特徴R1等に示した構成においては、例えば流入領域と流下領域とを仕切り、同流入領域の入口部分及び出口部分のみを流下領域と連通させることにより上記効果を享受することも可能である。すなわち、流入領域を流下領域とは別に設けられた迂回用通路とすることも可能である。しかしながら、遊技機がホールの島設備等の限られたスペースに設置されることを想定すれば、流下領域と流入領域とを個別に設けることは好ましくない。具体的には、流下領域と流入領域とを分けて設けることで、少なくとも両領域にて遊技球が移動可能となる通路幅を確保する必要が生じるため、案内通路のレイアウトに対して制約が生じやすくなると懸念される。特に近年では、通路を蛇行させる等して、通路内での球荷重の分散や、遊技球の減勢等を図っている遊技機が多いが、上述の如くレイアウトに対する制約が強まるとそれら各種工夫を施しにくくなり得る。この点、本特徴に示すように通路方向とは交差する方向、すなわち通路の外側に向けて壁面部を凹ませて案内通路を部分的に拡張することで流入領域を形成することにより、案内通路の専有スペースの拡がりを抑えつつ、特徴A1等に示した効果を享受することができる。
例えば、凹み量を遊技球の半径以下とするとよい。これにより、一旦流入領域に入った遊技球を流下領域に戻すことが容易となり、特徴R2に示した構成を好適に実現できる。
特徴R4.前記案内通路はその途中位置にて曲がっており、
前記流入領域は、前記案内通路における曲がり部(例えば曲がり部819)と、同案内通路において同曲がり部よりも上流側となる通路部分(第2払出通路部815の一部)とに跨っていることを特徴とするR3に記載の遊技機。
例えば案内通路において1の方向に延びている部分の途中位置に流入領域(拡張された領域)を配する構成とした場合、遊技球が流下領域内を流下している状態にてそれら遊技球の流入領域への移動を抑えつつ、遊技球が流下領域内に滞留している状態にて一部の遊技球を流入領域へ移動させることは難しいと想定される。つまり、単に通路の一部を拡張しただけでは、それら2つの機能を同時に満足させることは難しく、依然として改良の余地が存在すると考えられる。本特徴においては、案内通路の途中位置に曲がり部を設けることにより、遊技球の案内方向を変化させている。これにより、案内通路(流下領域)内に遊技球が溜まっている場合に曲がり部に位置する遊技球を通路方向とは異なる方向付勢することが可能となる。そして、この曲がり部とそれよりも上流側の通路部分とに跨るようにして流入領域を配することにより、遊技球が流下領域内を流下している状態での流入を抑えつつ、遊技球が滞留した状態での流入領域への流入を促すことができる。
例えば、「曲がり部」を円弧状や折曲状(例えばL字状)に形成するとよい。
特徴R5.前記案内通路には所定方向に凸となる曲がり部(例えば曲がり部819)が形成されており、
前記流入領域は、前記曲がり部を形成している前記案内通路の壁面部において凸となっている側に配されていることを特徴とするR3又はR4に記載の遊技機。
案内通路内にて遊技球が滞留している場合、それら遊技球が自重や自身よりも上流側に位置する遊技球の荷重によって曲がり部の凸となっている側に付勢されやすくなる。つまり、上記付勢力によって同遊技球列が曲がり部の凸となっている側に押しやられると想定される。ここで、本特徴に示すように、流入領域を案内通路の壁面部において凸となっている側に配することで、上記付勢力を利用して、それら遊技球を流入領域に導くことが可能となる。
なお、特徴R5との組み合わせにおいては、特徴R5における「曲がり部」と本特徴における「曲がり部」とを同一のものとすることも可能である。
特徴R6.前記案内通路は、
前記曲がり部よりも上流側に位置し、同曲がり部に対してその上流側から連なる上流側通路部(第2払出通路部815において曲がり部819よりも上流側となる部分)と、
前記曲がり部よりも下流側に位置し、同曲がり部に対してその下流側から連なる下流側通路部(裏パック側払出通路部719)と
を有し、
前記上流側通路部の水平面に対する傾きが、前記下流側通路部の水平面に対する傾きよりも大きく設定されていることを特徴とするR4又はR5に記載の遊技機。
特徴R6によれば、上流側通路部を下流側通路部よりも鉛直に近づけることで、流下領域に遊技球が滞留している状態での流入領域への遊技球の流入に際し、曲がり部よりも上流側に位置する遊技球列の球圧を好適に利用することが可能となる。これにより、流下領域に遊技球が滞留している状態での流入領域へ遊技球の誘導されやすくなり、球検知の正確さ向上に貢献できる。
特徴R7.前記曲がり部は、前記案内通路を下流側に向けてなだらかにするものであることを特徴とするR4又はR5に記載の遊技機。
特徴R7によれば、流下領域に遊技球が滞留している状態での流入領域への遊技球の流入に際し、曲がり部よりも上流側に位置する遊技球列の球圧を好適に利用することが可能となる。これにより、流下領域に遊技球が滞留している状態での流入領域へ遊技球の誘導されやすくなり、球検知の正確さ向上に貢献できる。
特徴R8.前記案内通路は、
上流側通路部と、
前記上流側通路部に対して前記案内通路の下流側から連なるとともに、同上流側通路部とは異なる方向に延びる下流側通路部と
を有し、
前記流入領域は、前記下流側通路部の上流側への延長上に配されていることを特徴とするR3に記載の遊技機。
上流側通路部を流下し、下流側通路部へ至った遊技球は同下流側通路部に沿って貯留部側に移動することとなる。下流側通路部に到達した遊技球は、自重によって下流側通路部の下流側、すなわち上流側通路部から離れる側に移動する。このため、下流側通路部に到達した遊技球は、下流側通路部の上流側へ移動しにくい。つまり、同下流側通路部の上流側への延長上に流入領域が位置することで、流下領域を遊技球が流下している場合にそれら遊技球が勢いに任せて流入領域へ入ることを抑制できる。これにより、例えば案内通路内での遊技球の移動速度を過度に抑制する必要がなくなり、貯留部への案内の迅速化に貢献できる。
また、流下領域に遊技球が溜まると、下流側通路部に沿って遊技球が積み上がることとなる。遊技球が積み上がって行く先に流入領域が形成されていることで、遊技球を流入領域へと誘導することが可能となる。
なお、検知手段(詳しくはその検知領域)を下流側通路部の延長上に配することで、更なる検知精度の向上に貢献できる。これにより、球検知の正確さ向上に貢献できる。
特徴R9.前記検知手段は、
前記流入領域に配されているとともに、第1位置及び前記第1位置よりも前記流下領域寄りの第2位置に変位可能な可動片(当接部材881)と、
前記可動片を前記第2位置に向けて付勢する付勢部と、
前記可動片の前記第2位置からの変位を検知するセンサ部(検知センサ891)と
を有していることを特徴とするR1乃至R8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴R9によれば、流入領域内に流入した遊技球によって検知手段の可動片が押されることで同可動片が付勢力に抗して第1位置に変位する。第2位置からの変位がセンサ部によって検知されることで、例えば貯留部が満杯になっていることを特定することができる。なお、可動片は流入領域内に配されているため、流下領域を流下している遊技球と同可動片との接触が抑制されている。
また、貯留部への遊技球の移動が許容された場合に、可動部及び付勢部によって検知済みの遊技球を流下領域側へ押し戻すことができる。これにより、特徴R2に示した構成を好適に実現できる。つまり、検知手段を例えば光学センサを採用する場合と比較して、流下領域への遊技球の戻りを好適なものとすることができる。
なお、特徴R6との組み合わせにおいては、特徴R6の「当接部」を本特徴に示す「可動片」と同一のものとすることも可能である。
特徴R10.前記案内通路は、鉛直又は略鉛直に延びる通路部を有し、
前記流入領域は、前記通路部の途中位置に配されているとともに、前記通路部の一部を水平又は略水平方向に拡張することで形成されていることを特徴とするR1乃至R9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴R10によれば、通路部が鉛直又は略鉛直に延びているため、同通路部における流下領域を流下する遊技球は、同流下領域に沿って鉛直又は略鉛直に落下することとなる。流入領域は、通路部の途中位置に配されているとともに、同通路部の一部を水平又は略水平方向に拡張されてなるため、上述の如く落下している遊技球は、流入領域に対して流入することが抑制される。一方、流下領域内を流入領域と並ぶ位置まで遊技球が積み上がると、通路部の拡がっているため後続の遊技球が水平方向へ移動しやすくなる。つまり、同遊技球を流入領域に導きやすくすることができる。
特徴R11.前記案内通路は、上流側から下流側に斜め下る通路部を有し、
前記流入領域は、前記通路部を形成している壁面部において上側を向いた底部に対向する天井部の一部を通路方向に対して交差する方向へ拡張することで形成されていることを特徴とするR1乃至R9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴R11によれば、通路部が斜めに下っているため、同通路部を流下する遊技球は、底部に沿って移動することとなる。天井部を拡張して流入領域を形成することにより、遊技球が流下している状態では、それら遊技球が流入領域側へ向けて移動することを抑制できる。一方、遊技球が通路部(詳しくは流下領域)内に積み上がると、その遊技球群のうち最上流に位置する遊技球が流入領域に並ぶ位置に達すると、通路部が拡がっているため、後続の遊技球が同通路部の拡がりに合わせて流入領域側へ移動しやすくなる。つまり、同遊技球を流入領域に導きやすくすることができる。
なお、通路部を鉛直に近づけることで、遊技球の流下が停止した際の底部側から天井部側への遊技球の移動、すなわち流入領域側への遊技球の移動を容易化することができる。
特徴R12.前記通路部において前記流入領域より上流側の上流側領域は、前記流入領域よりも下流側の下流側領域よりも狭く形成されていることを特徴とするR10に記載の遊技機。
特徴R10や特徴R11に示した構成においては、遊技球が流下領域内にて積み上がる際に、後続する遊技球が流入領域に入ることなく先行する遊技球に対し落下経路に沿ってきれい積み重なる可能性がある。また、遊技球の落下経路がばらつくことで、それら遊技球が流入領域へ向けて移動することが懸念される。
この点、本特徴に示すように、上流側領域を狭めて遊技球の落下経路を限定することで、流入領域へ向けた遊技球の流下を抑制するとともに、下流側領域を拡げておくことで遊技球が積み上がる際に水平方向へ移動することを促進できる。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴R13.遊技球の払い出しを行う払出装置(払出装置724)を備え、
前記案内通路は、前記払出装置から払い出された遊技球を前記貯留部に案内するものであることを特徴とするR1乃至R12のいずれか1つに記載の遊技機。
払出装置から払い出された遊技球を案内通路を通じて貯留部に案内する構成に対して、特徴R1等に示した構成を適用することで実用上好ましい構成を実現できる。
特徴R14.前記検知手段によって特定された情報に基づき、前記払出装置による遊技球の払い出しを制限する制限手段(払出停止処理S101,S103〜S106)を備えていることを特徴とするR13に記載の遊技機。
本特徴に示す制限手段を特徴R13に適用することで、実用上好ましい構成を実現できる。例えば貯留部が満杯であるにも関わらず遊技球の払い出しが継続されることを回避できる。これにより、払出装置や案内通路の変形等を回避し、払出機能の保全に貢献できる。
上記特徴R群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、前扉枠の上皿(貯留部)に貯留された遊技球が、発射操作に基づいて遊技球発射装置へ案内され、遊技盤の遊技領域へ向けて打ち出されるものがある。そして、例えば遊技領域に配設された入賞口や可変入賞装置等に遊技球が入球した場合には、払出装置から所定数の遊技球が払い出される。払出装置から払い出された遊技球は遊技機内部に設けられた払出通路を通じて、上記上皿に導かれる。
また、前扉枠には、上皿の下方に下皿(貯留部)が設けられており、当該上皿に遊技球が満杯になっている状態にて遊技球の払い出しが行われる場合にはその余剰球が上記払出通路を通じて同下皿へ払い出されることとなる。
払出通路の途中位置には満杯検知センサが設けられており、制御装置において満杯検知センサの検知結果に基づき下皿が満杯状態になっていると判断される。より詳細には、下皿が満杯状態になっていると、払出通路を通じて流れる遊技球が下皿内に流入することができず払出通路内にて滞留し、この滞留した遊技球を検知することで、満杯検知センサから制御装置に検知信号が出力される。そして、制御装置において同検知信号に基づき下皿が満杯状態になっていると判断された場合には、同制御装置によりそれ以上の遊技球の払い出しが行われないように満杯状態処理が実行される。これにより、払出装置の故障等が防止される。
しかしながら、かかる構成においては、実際に下皿が満杯状態になっていないにも関わらず制御装置にて下皿が満杯状態になっていると判断されるおそれがある。例えば大当たり中などといった多量の遊技球が払い出される場合には払出通路を遊技球が連続して通過し、それら遊技球の一部が満杯検知センサによって検知されることで、検知信号が出力され得る。特に、遊技球の払い出しに要する時間を短縮化すべく遊技球の払出周期が速められた構成においては、払出通路内にて遊技球の流下経路がばらつきやすくなり上記不都合が生じやすくなると想定される。
特徴S1.遊技球を案内する案内通路(第1払出通路部811)を備え、
前記案内通路は、
遊技球が流下する流下領域(流下領域RA)と、
前記案内通路の途中位置に設けられ、同案内通路からの遊技球の流出を許容する流出口(開口部818)と、
前記案内通路における前記流出口が設けられた箇所にて前記流下領域を区画している同案内通路の一部が当該案内通路の通路方向に対して交差する方向に拡張されてなり、前記流下領域内にて溜まった遊技球が少なくとも前記流出口に達した状態となって滞留している場合に、それら滞留中の遊技球に対して後続する遊技球が流入可能な流入領域(例えば第3拡張領域EA3)と
を有し、
前記流入領域は、同流入領域に流入した遊技球が当該流入領域と前記流下領域とに跨って滞留可能となるように形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴S1によれば、案内通路の流下領域に遊技球が溜まり(例えば積み上がり)、それら遊技球群が少なくとも流出口に到達すると、それら滞留中の遊技球に対して後続する遊技球が流入領域に流入可能となる。流入領域へ遊技球が流入した場合、同流入領域に流入した遊技球は当該流入領域と流下領域とに跨って滞留する。このようにして両領域に跨って存在している遊技球に対して後続の遊技球が衝突すると、その後続の遊技球は通路方向に対して交差する方向に跳ね返ることとなる。これにより、それら後続の遊技球の流出口側への移動を促すことが可能となる。つまり、滞留する遊技球群が流出口に到達して(例えば積み上がって)いない場合には同流出口の傍を素通りさせることで案内通路の最下流部位へ向けての遊技球の移動を促し、滞留する遊技球群が流出口に到達して(例えば積み上がって)いる場合には同流出口へ向けての遊技球の移動を促すことができる。故に、遊技球の案内先を好適に変更することができる。
例えば、案内通路の壁面部(例えば右側通路壁部826)を同案内通路の通路方向に対して交差する方向に凹ませて同案内通路を部分的に拡張することで上記流入領域を形成するとよい。
特徴S2.前記流出口は、前記流入領域と前記流下領域とに跨って滞留中の遊技球に対して後続する遊技球が、前記流下領域を流下して同滞留中の遊技球に衝突した場合に跳ね返る側に配されていることを特徴とするS1に記載の遊技機。
特徴S2によれば、流入領域と流下領域とに跨って滞留中の遊技球に対して後続する遊技球が衝突すると、同後続の遊技球は流出口側へ跳ね返ることとなる。これにより、特徴S1に示した機能を一層好適なものとすることができる。
特徴S3.前記流入領域は、前記案内通路を形成している壁面部(例えば右側通路壁部826)において少なくとも前記流出口と対向している部分に設けられていることを特徴とするS1又はS2に記載の遊技機。
特徴S2に示したように流入領域と流下領域とに跨った状態で滞留している遊技球により後続の遊技球を流出口側へ跳ね返すには、本特徴に示すように案内通路を形成している壁面部において少なくとも流出口と対向している部分に流入領域を設けるとよい。このように流入領域を流出口と向かい合わせて配置すれば、同流入領域を流出口と隣り合わせて配置する場合と比較して、流出口側への遊技球の案内機能を好適に向上できる。
特徴S4.前記流入領域は、当該流入領域に流入した遊技球が前記案内通路において当該流入領域を形成している壁面部に当接している状態にて、その遊技球の一部が前記流下領域に突出するように形成されていることを特徴とするS1乃至S3のいずれか1つに記載の遊技機。
例えば、流入領域へ流入した複数の遊技球が通路方向と交差する方向に連なることによりそれら複数の遊技球のうち1の遊技球が流下領域へ突出する構成とすることも可能である。しかしながら、このように複数の遊技球が流下領域内で連なる構成を採用した場合には、案内先の変更に要する時間が嵩むことで、案内先が変更されることなく遊技球の堆積(例えば積み上がり)が継続されやすくなると想定される。このように遊技球の堆積が継続されると、遊技球群が流出口よりも上流側へ達すると懸念される。これは、流出口からの遊技球の流出を妨げる要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴によれば、案内先変更時の応答性を高め、上記不都合を好適に払拭できる。
例えば、案内通路の拡張量を遊技球の直径寸法よりも小さく設定するとよい。
特徴S5.前記流入領域は、前記案内通路において前記流出口よりも下流側へ拡がっていることを特徴とするS1乃至S4のいずれか1つに記載の遊技機。
案内通路を拡張して流入領域を形成している構成においては、同流入領域への遊技球の流入が、先行して溜まった(例えば積み上がった)遊技球の溜まり方によって左右されやすい。そこで、本特徴に示すように、流入領域を通路方向に拡げることで同流入領域への流入の確実性を高めることができる。特に、流入領域を流出口よりも下流側へ拡げることで、滞留する(例えば積み上がった)遊技球群が流出口に到達するよりも前に、それら遊技球群の一部を流入領域に流入させることができる。その先行して流入した遊技球を足がかりとして流出口と対向する位置における流入領域への遊技球の流入を促すことが可能となる。故に、特徴S1等に示した効果を好適に享受できる。
特徴S6.前記流入領域は、前記流出口よりも下流側となる下流領域(第2拡張領域EA2)と、当該下流領域よりも上流側の上流領域(第3拡張領域EA3)とを有してなり、
前記上流領域の拡張度合いは、前記下流側領域の拡張度合いよりも小さく設定されていることを特徴とするS5に記載の遊技機。
特徴S6によれば、案内通路の上流側へ向けて流入領域が狭くなることで、同流入領域に沿った遊技球の堆積(例えば積み上がり)を促すことができる。すなわち、遊技球群が溜まる際にそれら遊技球群の一部が下流領域に流入することで、その下流領域に流入した遊技球を足がかりとした上流領域への遊技球の流入が期待できる。
特徴S7.前記案内通路において前記流入領域に対向する部分には、前記流入領域とは反対側に拡張されてなり、前記流下領域に連通する拡張領域(第1拡張領域EA1)が設けられており、
前記拡張領域は、同拡張領域に流入した遊技球が当該拡張領域と前記流下領域とに跨って滞留し、当該滞留中の遊技球に対して後続する遊技球が前記流下領域に沿って流下して同滞留中の遊技球に衝突することで前記流入領域側へ跳ね返るようにして形成されていることを特徴とするS5又はS6に記載の遊技機。
特徴S7によれば、拡張領域と流下領域とに跨って滞留している遊技球が存在している場合に、その滞留中の遊技球に後続する遊技球が流下領域に沿って流下すると、同後続の遊技球が滞留中の遊技球に衝突することで流入領域側へ跳ね返ることとなる。これにより、流下領域に沿って遊技球が堆積する(例えば積み上がる)ことを抑制し、流入領域への遊技球の流入を促進することができる。
特に、特徴S3との組み合わせ(流入領域と流出口とが相対向している構成)においては、拡張領域を前記流出口の下流側となる位置に配するとよい。
特徴S8.前記流入領域の拡張度合いと、前記拡張領域の拡張度合いとが相違していることを特徴とするS7に記載の遊技機。
特徴S8によれば、流入領域の拡張度合いと拡張領域の拡張度合いとを相違させることにより、案内通路にて遊技球が溜まる(例えば積み上がる)際にそれら遊技球群が流下領域に沿って真っ直ぐに堆積(例えば積み上がる)ことを抑制し、遊技球が流下領域からずれて拡張領域や流入領域に流入する機会を増やすことができる。
特徴S9.前記拡張領域の拡張度合いは、前記流入領域の拡張度合いよりも小さく設定されていることを特徴とするS7又はS8に記載の遊技機。
拡張領域及び流入領域を有する構成においては、案内先の切り替えを好適なものとすることができる反面、案内通路が大型化し得る。これは、周辺機器との共存を難しくする要因となり得る。この点、本特徴においては、拡張領域の拡張度合いを流入領域の拡張度合いよりも小さく設定することで、案内通路の大型化を抑制しつつ、特徴S7等に示した効果を享受することが可能となっている。以下、より詳細に説明する。
拡張領域については、当該拡張領域に待機している遊技球によって後続の遊技球を流入領域側へ跳ね返せば十分であり、すなわち後続の遊技球の少なくとも一部を流下領域から突出させれば十分であり、必ずしも同後続の遊技球を流入領域へ到達させる必要はない。一方、流入領域に停留中の遊技球は後続の遊技球の勢いを減じた状態で流入口に到達させることが好ましく、これを実現するには例えば流下領域への突出量を大きくするとよい。そこで、本特徴に示すように、拡張領域の拡張度合いを、前記流入領域の拡張度合いよりも小さく設定するとよい。これにより、案内通路を無暗に拡張することなく、特徴S7等に示した効果を享受でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴S10.前記拡張領域は、前記案内通路の壁面部において前記流出口の下流側の端部を含んでいる部分(上壁部825a)が同流出口の上流側の端部よりも前記流下領域から遠ざかるようにして形成されていることを特徴とするS9に記載の遊技機。
特徴S10によれば、流出口の直下流において、後続する遊技球の流入領域への流入を促すことができ、案内先の変更をより確実なものとすることができる。
また、仮に壁面部において流出口の下端部を含んでいる部分に沿って遊技球が溜まった(例えば積み上がった)場合には、その堆積先(例えば積み上がり先)に流出口の上端部が位置することで、それ以上の堆積(例えば積み上がり)が妨げられることとなる。これにより、流出口から流出すべき遊技球が、案内通路内に溜まることを抑制できる。
特徴S11.前記流出口の上流側の端部は、前記流入領域よりも上流側に位置していることを特徴とするS1乃至S10のいずれか1つに記載の遊技機。
通路内での遊技球の溜まり方は一義的に決まりにくく、上述の如く通路を拡張すること一層不確定になり得る。このため、流出口における遊技球の通過ポイントも堆積した(例えば積み上がった)遊技球群のうち最上流の遊技球によって左右されやすくなると想定される。この点、本特徴に示すように流出口の上流側の端部を流入領域よりも上流側に配することで、流入領域の上端部分に流入した遊技球に対して後続の遊技球が衝突した場合であっても、流出口を通じた同後続の遊技球の流出を好適に許容でき、上記溜まり方のばらつきを好適に許容できる。
特徴S12.前記流出口は、前記案内通路に沿って下流側へ延びていることを特徴とするS11に記載の遊技機。
特徴S11に示したように流出口における遊技球の通過ポイントが不確定になり得る構成においては、本特徴に示すように流出口が案内通路に沿って下流側に延びる構成を採用するとよい。これにより、拡張領域を有する構成において流出口への遊技球の案内機能を好適なものとすることができる。
特徴S13.前記案内通路において前記流出口よりも上流側の上流側通路部(上流側通路部812a)は、当該上流側通路部の出口部分が、1の遊技球は通過可能であるが、複数の遊技球が同時に通過することができない開口面積を有するようにして形成されていることを特徴とするS1乃至S12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴S1等に示した構成においては、流下領域を流下する遊技球の流下経路のばらつきが大きくなることで、流下経路を流下する遊技球が流入領域と流下領域とに跨って停留している遊技球に対してうまく衝突しない可能性がある。この点、本特徴に示すように、上流側通路部の出口部分を1の遊技球は通過可能であるが、複数の遊技球が同時に通過することができない構成とすることで、上記不都合の発生を抑制することが可能となる。
特徴S14.遊技球の払い出しを行う払出装置(払出装置724)と、
遊技球を貯留する貯留部(上皿33)と
を備え、
前記案内通路は、前記払出装置から払い出された遊技球を前記貯留部に案内するものであることを特徴とするS1乃至S13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴S14によれば、払出装置から払い出された遊技球は案内通路によって貯留部に案内される。貯留部が満杯になる等して案内通路内に遊技球が溜まる(例えば積み上がる)こととなる。このように払出装置と貯留部とを有する遊技機に対して、特徴S1等に示した構成を適用することで実用上好ましい構成を実現できる。
特徴S15.遊技球を貯留する第1貯留部(上皿33)及び第2貯留部(下皿34)と、
遊技球が自重により流下することにより同遊技球を前記第1貯留部へ案内する第1案内通路(第1払出通路部811)と、
前記第1案内通路の途中位置に設けられ、当該第1案内通路からの遊技球の流出を許容する流出口(開口部818)と、
前記第1案内通路から分岐し、前記流出口を通じて同第1案内通路から流出した遊技球を前記第2貯留部へ案内する第2案内通路(第2払出通路部815)と
を備え、
前記第1案内通路は、
遊技球が流下する流下領域(流下領域RA)と、
前記第1案内通路における前記流出口が設けられた箇所にて前記流下領域を区画している同第1案内通路の一部が当該第1案内通路の通路方向に対して交差する方向に拡張されてなり、前記流下領域内にて溜まった遊技球が少なくとも前記流出口に達した状態となって滞留している場合に、それら滞留中の遊技球に対して後続する遊技球が流入可能な流入領域(例えば第3拡張領域EA3)と
を有し、
前記流入領域は、同流入領域に流入した遊技球が当該流入領域と前記流下領域とに跨って滞留可能となるように形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴S15によれば、遊技球は自重により第1案内通路内を流下することで第1貯留部に案内される。第1貯留部が満杯になる等して第1案内通路(詳しくは流下領域)内に遊技球が溜まり(例えば積み上がり)、同遊技球群が流出口に達すると、流入領域に流入した遊技球に対して後続の遊技球が衝突することにより、それら後続の遊技球が流出口から当該第1案内通路外へ流出する。このようにして流出した遊技球は、第2案内通路へと流入し、当該第2案内通路を通じて第2貯留部へと案内される。
本特徴においては特に、流出口からの遊技球の流出がうまくいかず、流出口よりも上流側へ遊技球が堆積する(例えば積み上がる)ことを好適に抑制できる。これにより、遊技球の案内先の変更が妨げられることを抑制できる。
なお、特徴S2乃至S14に示した技術的思想を本特徴に適用することも可能である。
特徴S16.遊技球を案内する案内通路(第1払出通路部811)を備え、
前記案内通路は、
遊技球が流下する流下領域(流下領域RA)と、
前記案内通路の途中位置に設けられ、同案内通路からの遊技球の流出を許容する流出口(開口部818)と、
前記案内通路における前記流出口が設けられた箇所にて前記流下領域を区画している同案内通路の一部が当該案内通路の通路方向に対して交差する方向に拡張されてなり、前記流下領域内にて積み上がった遊技球が少なくとも前記流出口に達した状態となって滞留している場合に、それら滞留中の遊技球に対して後続する遊技球が流入可能な流入領域(例えば第3拡張領域EA3)と
を有し、
前記流入領域は、同流入領域に流入した遊技球が当該流入領域と前記流下領域とに跨って滞留可能となるように形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴S16によれば、案内通路の流下領域に遊技球が積み上がり、それら遊技球群が少なくとも流出口に到達すると、それら滞留中の遊技球に対して後続する遊技球が流入領域に流入可能となる。流入領域へ遊技球が流入した場合、同流入領域に流入した遊技球は当該流入領域と流下領域とに跨って滞留する。このようにして両領域に跨って存在している遊技球に対して後続の遊技球が衝突すると、その後続の遊技球は通路方向に対して交差する方向に跳ね返ることとなる。これにより、それら後続の遊技球の流出口側への移動を促すことが可能となる。つまり、滞留する遊技球群が流出口に到達して積み上がっていない場合には同流出口の傍を素通りさせることで案内通路の最下流部位へ向けての遊技球の移動を促し、滞留する遊技球群が流出口に到達して積み上がっている場合には同流出口へ向けての遊技球の移動を促すことができる。故に、遊技球の案内先を好適に変更することができる。
例えば、案内通路の壁面部(例えば右側通路壁部826)を同案内通路の通路方向に対して交差する方向に凹ませて同案内通路を部分的に拡張することで上記流入領域を形成するとよい。
なお、特徴S2乃至S15に示した技術的思想を本特徴に適用することも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル40)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110のソレノイド111)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘87等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(作動口83等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…遊技機としてのパチンコ機、811…第1払出通路部、812…案内通路としての上下通路部、812a…上流側通路部、812b…下流側通路部、818…流出口としての開口部、RA…流下領域、EA1,EA2…拡張領域、EA3…流入領域としての拡張領域。

Claims (1)

  1. 遊技球を案内する案内通路を備え、
    前記案内通路は、
    遊技球が流下する流下領域と、
    前記案内通路の途中位置に設けられ、同案内通路からの遊技球の流出を許容する流出口と、
    前記案内通路における前記流出口が設けられた箇所にて前記流下領域を区画している同案内通路の一部が当該案内通路の通路方向に対して交差する方向に拡張されてなり、前記流下領域内にて溜まった遊技球が少なくとも前記流出口に達した状態となって滞留している場合に、それら滞留中の遊技球に対して後続する遊技球が流入可能な流入領域と
    を有し、
    前記案内通路において前記流出口よりも上流側の上流側通路部は、当該上流側通路部の出口部分が、1の遊技球は通過可能であるが、複数の遊技球が同時に通過することができない開口面積を有するようにして形成されており、
    前記流入領域は、同流入領域に流入した遊技球が当該流入領域と前記流下領域とに跨って滞留可能となるように形成されていることを特徴とする遊技機。
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