JP2016121777A - ドリルねじ - Google Patents
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Abstract
【課題】一端側のドリル部2と他端側の頭部3とこれらの間に設けられたねじ部4とを有し、被締結部材が分厚いときにドリル部2やねじ部4を長く形成させるに際して、締め付けトルクが増大したり締め付けトルク不足が生じたりすることがないようにし、また頭部3が他部材と接触干渉するのを可及的に防止して汎用性を高められるようにする。【解決手段】ドリル部2及びねじ部4は、ねじ部4の外径よりも分厚い被締結部材を含んで設定される総締結距離Rと同等以上の長さで形成されており、頭部3とねじ部4との間にはねじ部4側から頭部3裏面側へ向けて拡径するテーパ首部5が形成されており、頭部3はねじ部4の軸方向に対して垂直となる周方向外方へ向けてテーパ首部5の全周で張り出す平坦座面12を有して形成されており、テーパ首部5の軸方向長さhはねじ部4の1.5ピッチ以上3ピッチ以下で形成されている。【選択図】図1
Description
本発明はドリルねじに関する。
形鋼と金具、又は形鋼と板材など、複数の素材をボルト等によって締結するに際し(以下、このような素材を「被締結部材」と言う)、これらの被締結部材にわざわざ下孔加工を施工せずとも、穿孔及びタッピングを自ら行いつつ、最終的なねじ止めまでを一気に完結できるようにしたドリルねじは公知である(例えば、特許文献1など参照)。
この種のドリルねじは、一端側に設けられたドリル部と他端側に設けられた頭部とこれらドリル部と頭部との間に設けられたねじ部とを有したものである。
この種のドリルねじは、一端側に設けられたドリル部と他端側に設けられた頭部とこれらドリル部と頭部との間に設けられたねじ部とを有したものである。
従来公知のドリルねじにおいて、被締結部材が分厚いものであるときは、ドリル部やねじ部を被締結部材の肉厚と同等以上の長さに形成させておくことが必要となっている。この場合、当然に締結距離(締結する全ての被締結部材に対してドリルねじのねじ部が貫通する距離)も長くなる。そのため、タッピングにより発生する微細な切り屑がねじ部に絡む量も必然的に多くなり、それだけタッピングに要する締め付けトルクも増大することになる。この締め付けトルクの増大傾向は、締結距離が長くなればなるほど(すなわち被締結部材の肉厚が分厚くなればなるほど)顕著となり、甚だしい場合にはねじ止め作業の効率低下に繋がる。
このようなことから、長い締結距離に対応させてドリル部やねじ部を長く形成させたものでは、大きな締め付けトルクを伝達できるように、頭部は六角頭に形成したものしか存在していなかった。しかし、六角頭は軸方向の厚さが分厚くなるので、使用箇所によっては他部材と接触干渉し(要するに、他部材の取り付けに邪魔となり)、その結果、このドリルねじを使用できないことがあった。このような場合では、溶接による接合を採用せざるを得ず、作業効率が甚だ低下するという問題があった。
一方で、タッピングで発生した切り屑の一部は、ねじ部に沿って頭部側へ向けても巻き上げられるようになり、被締結部材の表面に露出して、頭部直下の首部まわりに堆積することがある。そのため、頭部直下の被締結部材に予め大きめの通孔が形成されていない場合(通孔不形成の場合を含む)では、頭部とその直下の被締結部材との間に切り屑が挟まり、規定されるトルクで増締めを行っても被締結部材に対して頭部下面を密着させることができない、といったねじ止め不良(締め付けトルク不足)を起こすおそれもあった。
更に増締め時には、ねじ部が焼き入れによって硬質化されていることから、被締結部材に形成したボルト孔の内面(すなわち、タッピングで形成された雌ねじ部)を頭部下面へ向けて引き寄せるような変形作用が生じる。この作用で、ボルト孔の内面(雌ねじ部のねじ山)が実際に変形するようなことがあると、この変形がねじ部や首部を外周から締め付けるようになるので、この点でも締め付けトルクの増大を助長させることがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ドリルねじにおいて、被締結部材が分厚いものであるときにドリル部やねじ部を長く形成させるに際して、締め付けトルクが増大したり締め付けトルク不足が生じたりすることがないようにし、しかも、頭部が他部材と接触干渉するのを可及的に防止して汎用性を高められるようにしたドリルねじを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係るドリルねじは、一端側に設けられたドリル部と他端側に設けられた頭部とこれらドリル部と頭部との間に設けられたねじ部とを有するドリルねじにおいて、
前記ドリル部及び前記ねじ部はそれぞれの軸方向長さが前記ねじ部の外径よりも分厚い被締結部材を含んで設定される総締結距離と同等以上の長さで形成されており、前記頭部と前記ねじ部との間には当該ねじ部側から頭部裏面側へ向けて拡径するテーパ首部が形成されており、前記頭部は前記ねじ部の軸方向に対して垂直となる周方向外方へ向けて前記テーパ首部の全周で張り出す平坦座面を有して形成されており、前記テーパ首部の軸方向長さは前記ねじ部の1.5ピッチ以上3ピッチ以下で形成されていることを特徴とする。
即ち、本発明に係るドリルねじは、一端側に設けられたドリル部と他端側に設けられた頭部とこれらドリル部と頭部との間に設けられたねじ部とを有するドリルねじにおいて、
前記ドリル部及び前記ねじ部はそれぞれの軸方向長さが前記ねじ部の外径よりも分厚い被締結部材を含んで設定される総締結距離と同等以上の長さで形成されており、前記頭部と前記ねじ部との間には当該ねじ部側から頭部裏面側へ向けて拡径するテーパ首部が形成されており、前記頭部は前記ねじ部の軸方向に対して垂直となる周方向外方へ向けて前記テーパ首部の全周で張り出す平坦座面を有して形成されており、前記テーパ首部の軸方向長さは前記ねじ部の1.5ピッチ以上3ピッチ以下で形成されていることを特徴とする。
前記テーパ首部の外面はねじ無し平滑面によって形成されたものとするのがよい。
前記頭部の軸方向に沿った厚さは前記ねじ部の外径に対する半分以下で形成されていると共に、当該頭部の頭頂面には軸方向において前記テーパ首部内へ及ぶ深さで上方開放の工具係合凹部が形成されたものとするのが好適である。
前記テーパ首部は、前記ねじ部寄りの最小径が当該ねじ部の軸径と同等とされており前記頭部の平坦座面に接する位置にて前記ねじ部の外径よりも径大な最大径に形成されたものとするのが好適である。
前記頭部の軸方向に沿った厚さは前記ねじ部の外径に対する半分以下で形成されていると共に、当該頭部の頭頂面には軸方向において前記テーパ首部内へ及ぶ深さで上方開放の工具係合凹部が形成されたものとするのが好適である。
前記テーパ首部は、前記ねじ部寄りの最小径が当該ねじ部の軸径と同等とされており前記頭部の平坦座面に接する位置にて前記ねじ部の外径よりも径大な最大径に形成されたものとするのが好適である。
本発明に係るドリルねじは、被締結部材が分厚いものであるときにドリル部やねじ部を長く形成させるに際して、締め付けトルクが増大したり締め付けトルク不足が生じたりすることがなく、しかも、頭部が他部材と接触干渉するのを可及的に防止して汎用性を高められる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1及び図2は、本発明に係るドリルねじ1の第1実施形態を示している。このドリルねじ1は、軸方向の一端側(図1右側)に設けられたドリル部2と、他端側(図1左側)に設けられた頭部3と、これらドリル部2と頭部3との間に設けられたねじ部4とを有している。加えて、このドリルねじ1は、頭部3とねじ部4との間に設けられたテーパ首部5を有している。
図1及び図2は、本発明に係るドリルねじ1の第1実施形態を示している。このドリルねじ1は、軸方向の一端側(図1右側)に設けられたドリル部2と、他端側(図1左側)に設けられた頭部3と、これらドリル部2と頭部3との間に設けられたねじ部4とを有している。加えて、このドリルねじ1は、頭部3とねじ部4との間に設けられたテーパ首部5を有している。
各部の概要は次のようになっている。すなわち、ねじ部4は、螺合時にタッピングネジとしての作用を奏するものとして形成されている。ねじ部4の外径d1(ねじ山の位置での外径)や谷径d2,リード角等は、被締結部材の材質や肉厚などに応じて適宜設定すればよい。
ドリル部2は、このねじ部4から円柱状に延出してその先端を三角錐状に尖らせたものである。このドリル部2には、先端から円柱状外周面にかけて溝状にえぐったドリル溝7が、少なくとも周方向に1本、好ましくは2本形成されており、このドリル溝7の一方の(回転方向において後流側となる方の)縁部に、互いに連続する切れ刃8及びリーマ刃9が形成されている。
ドリル部2は、このねじ部4から円柱状に延出してその先端を三角錐状に尖らせたものである。このドリル部2には、先端から円柱状外周面にかけて溝状にえぐったドリル溝7が、少なくとも周方向に1本、好ましくは2本形成されており、このドリル溝7の一方の(回転方向において後流側となる方の)縁部に、互いに連続する切れ刃8及びリーマ刃9が形成されている。
テーパ首部5は、ねじ部4側から頭部3の裏面側へ向けて次第に拡径するようにして形成されたものである。従って、テーパ首部5は頭部3の裏面に接続される位置で最も径大となるが、この位置での最大径d3は、ねじ部4の外径d1よりも更に径大となるように形成されている。反対に、テーパ首部5はねじ部4に接続される位置で最も径小となるが、この位置での最小径d3は、ねじ部4の軸径と同等(径小方向及び径大方向における小数点以下の微差は含める)となるように形成されている。
ここにおいて「ねじ部4の軸径」は、ねじ部4を形成する前の素材径を言うものとする
。すなわち、テーパ首部5とねじ部4との間には、製造上、ねじ山の形成されないねじ無し部が必ず(短いながらも)残存することになり、このねじ無し部の直径としての「軸径」をテーパ首部5の最小径とおくのが妥当だからである。なお、テーパ首部5とねじ部4との間に、意図的にねじ無し部(ストレートの首部)を形成させることも可能であり、このような場合も、軸径をテーパ首部5の最小径とおくのが好都合と言える。
。すなわち、テーパ首部5とねじ部4との間には、製造上、ねじ山の形成されないねじ無し部が必ず(短いながらも)残存することになり、このねじ無し部の直径としての「軸径」をテーパ首部5の最小径とおくのが妥当だからである。なお、テーパ首部5とねじ部4との間に、意図的にねじ無し部(ストレートの首部)を形成させることも可能であり、このような場合も、軸径をテーパ首部5の最小径とおくのが好都合と言える。
このテーパ首部5の外面にねじ山は形成されておらず平滑面として形成されている。要するに、このテーパ首部5はねじ部4とは異なって、タッピング作用や締結作用は有していない。
頭部3は、ねじ部4の軸方向に対してその周方向外方へ向けて全周で張り出して形成されたものである。言うまでもなく、頭部3の外径d4はテーパ首部5の最大径d3を超えたものとされている。頭部3においてテーパ首部5から張り出す部分の下面は、ねじ部4の軸方向に対して垂直を成す方向とされており、なお且つ、円環状の平坦座面12として形成されている。
頭部3は、ねじ部4の軸方向に対してその周方向外方へ向けて全周で張り出して形成されたものである。言うまでもなく、頭部3の外径d4はテーパ首部5の最大径d3を超えたものとされている。頭部3においてテーパ首部5から張り出す部分の下面は、ねじ部4の軸方向に対して垂直を成す方向とされており、なお且つ、円環状の平坦座面12として形成されている。
前記したように、テーパ首部5は頭部3へ向けて次第に拡径化されているので、頭部3に形成された平坦座面12とテーパ首部5の外周面との交差角は、直角より広い鈍角となっている。そのため、この交差角周部ではドリルねじ1を製造する際の冷間転造時に加工硬化が生じ難く、頭部3の折損不良(歩留まり低下)などに繋がるおそれはない。また、ドリルねじ1の使用に際して高トルクの締め込みを行った場合でも、この交差角部分で応力集中が起こり難く、頭部3の折損を抑制できる利点がある。
この頭部3には、ねじ部4の軸方向に垂直な頭頂平面13が形成されており、この頭頂平面13に対して上方開放の工具係合凹部14が形成されている。この工具係合凹部14は、本第1実施形態ではプラスビットやプラスドライバー等に対応させた十文字型の凹部としてある。この他、マイナスビット等に対応させた一文字型の凹部や、六角ビット等に対応させた六角凹部などとしてもよい。
なお、この工具係合凹部14は、頭部3の頭頂平面13から軸方向に向けた形成深さDが、テーパ首部5の内部まで及ぶ寸法として形成されている。このようにしても、テーパ首部5が頭部3寄りで径大化されたものである(工具係合凹部14の周辺に充分な肉厚を確保してある)ことから、ねじ部4と頭部3との間での強度低下は生じない。そのため、この形成深さDを充分に確保して、工具係合凹部14に対する工具の係合面積を増大させることができる。これにより本発明のドリルねじ1は、工具(ドリルビット等)に対するカムアウトの防止を図ったり、高トルク締め付けを可能にしたりする効果が得られる。
このドリルねじ1は、冷間転造によってねじ山を形成した後、浸炭、焼入、焼戻し等を施し、更に必要に応じて表面処理(メッキ処理やその後のベーキング処理、クロメート処理など)を行って製造する。
ところで、このドリルねじ1は、例えば図5に例示するように、折板屋根20で屋根葺きするような簡易タイプの建物等を建設するに際し、水平に架設したH形鋼21の上に、折板屋根20支持用のタイトフレーム22を固定する目的で使用することができる。この使用例では、図3及び図4に示すように、H形鋼21のフランジ25と、このフランジ25上面に重ね合わせるタイトフレーム22の下板26とに対してドリルねじ1を貫通状に螺合させることで、H形鋼21に対するタイトフレーム22の締結を行うことになる。
ところで、このドリルねじ1は、例えば図5に例示するように、折板屋根20で屋根葺きするような簡易タイプの建物等を建設するに際し、水平に架設したH形鋼21の上に、折板屋根20支持用のタイトフレーム22を固定する目的で使用することができる。この使用例では、図3及び図4に示すように、H形鋼21のフランジ25と、このフランジ25上面に重ね合わせるタイトフレーム22の下板26とに対してドリルねじ1を貫通状に螺合させることで、H形鋼21に対するタイトフレーム22の締結を行うことになる。
ここにおいて、H形鋼21のフランジ25及びタイトフレーム22の下板26は、いずれもドリルねじ1のねじ部4が貫通する「被締結部材」に該当する。また、H形鋼21のフランジ25の肉厚に、タイトフレーム22の下板26の肉厚を加えた寸法が、総締結距離R(図4参照)となる。
このような使用例において、本発明に係るドリルねじ1は、ねじ部4の外径d1として呼び径で6mm又は5mmのものを用いるのが好適である。すなわち、H形鋼21のフランジ25はねじ部4の外径d1よりも分厚く、従って当然に、総締結距離Rもねじ部4の外径d1よりも大きいことになる。
このような使用例において、本発明に係るドリルねじ1は、ねじ部4の外径d1として呼び径で6mm又は5mmのものを用いるのが好適である。すなわち、H形鋼21のフランジ25はねじ部4の外径d1よりも分厚く、従って当然に、総締結距離Rもねじ部4の外径d1よりも大きいことになる。
なお、タイトフレーム22には下板26に対して上下に貫通する孔27が形成されたものや、孔27が不形成のものなど、種々ある。この孔27は、H形鋼21の代わりに肉厚
の薄いチャンネル材(C形条材)や木材が使用される場合に、一般的に市販されている軸径の細いタッピングねじや木ネジ等を挿通するのに利用される。しかしながら、図5に例示する建物等で使用するH形鋼21は、フランジ25の肉厚が10mmを超えるような大型のものが多い。従って総締結距離Rが15mmを超えることも珍しくない。
の薄いチャンネル材(C形条材)や木材が使用される場合に、一般的に市販されている軸径の細いタッピングねじや木ネジ等を挿通するのに利用される。しかしながら、図5に例示する建物等で使用するH形鋼21は、フランジ25の肉厚が10mmを超えるような大型のものが多い。従って総締結距離Rが15mmを超えることも珍しくない。
それ故、市販のタッピングねじや木ネジ等による固定は不可能である。そこで一般的には、専ら、下板26の孔27を利用してH形鋼21に溶接を行っているのが実情である。なお、特許文献1で示した六角頭付きドリルねじの使用は、前述の各種問題がネックとなり(殊に六角頭が折板屋根20の取り付けに邪魔となることが原因となって)、不採用となっていたのである。
本発明に係るドリルねじ1は、前記したように一端部にドリル部2を有しているため、タイトフレーム22の下板26はもとより、H形鋼21のフランジ25に対してわざわざ下孔加工を施工せずとも、穿孔及びタッピングを自ら行いつつ、最終的なねじ止めまでを一気に完結できるものである。
ここにおいて、ドリル部2の軸方向長さL2は、少なくともH形鋼21のフランジ25の肉厚を超えるものとするのが好適であり、更に好ましくは総締結距離Rと同等以上の長さで形成するのが好適である。本第1実施形態では、総締結距離Rが14〜15mmの場合を想定してL2=15mmとした。
ここにおいて、ドリル部2の軸方向長さL2は、少なくともH形鋼21のフランジ25の肉厚を超えるものとするのが好適であり、更に好ましくは総締結距離Rと同等以上の長さで形成するのが好適である。本第1実施形態では、総締結距離Rが14〜15mmの場合を想定してL2=15mmとした。
またねじ部4の軸方向長さL1についても総締結距離Rよりも長く形成するのが好適である。本実施形態では介在物を挟み込む場合にも対応できるように、余裕をもたせてL1=35mmとした。
テーパ首部5の軸方向長さhは、ねじ部4の1.5ピッチ以上(ピッチの1.5倍を含んでそれより大きく)3ピッチ以下(ピッチの3倍を含んでそれより小さく)で形成されている。ピッチは、隣り合うネジ山間の軸方向距離である(図1中の符号P)。
テーパ首部5の軸方向長さhは、ねじ部4の1.5ピッチ以上(ピッチの1.5倍を含んでそれより大きく)3ピッチ以下(ピッチの3倍を含んでそれより小さく)で形成されている。ピッチは、隣り合うネジ山間の軸方向距離である(図1中の符号P)。
h<1.5ピッチとした場合は、タッピングにより発生した微細な切り屑がねじ部4に沿って頭部3側へ巻き上げられたときに、テーパ首部5まわりで堆積し、その結果、規定されるトルクで増締めを行ったとしても、頭部3の平坦座面12をタイトフレーム22の下板26等に対して密着させることができない、といったねじ止め不良(締め付けトルク不足)を起こすおそれがある。またタッピングで形成された雌ねじ部が増締め時に頭部3側へ向けて変形したときにも、この変形を吸収できず、テーパ首部5を外周から締め付けて、締め付けトルクの増大を助長するおそれも生じる。
反対に、3ピッチ<hとした場合は、テーパ首部5がタイトフレーム22の下板26等の肉厚を超えてしまい、場合によってはH形鋼21のフランジ25側へもはみ出すようになって、その結果、H形鋼21のフランジ25に対してねじ部4が充分に螺合しない問題に繋がることがある。
なお、本第1実施形態では、タッピング時における締め付けトルクの軽減化を目指して、ねじ部4のピッチを、通常のM6ボルト(呼び径が6mmのJIS規格のメートル並目ねじ)と同じ1mmに設定した。そこで、テーパ首部5の軸方向長さhは2mmとした。
なお、本第1実施形態では、タッピング時における締め付けトルクの軽減化を目指して、ねじ部4のピッチを、通常のM6ボルト(呼び径が6mmのJIS規格のメートル並目ねじ)と同じ1mmに設定した。そこで、テーパ首部5の軸方向長さhは2mmとした。
頭部3については、本第1実施形態ではその軸方向に沿った厚さBをねじ部4の外径d1に対する半分以下で形成した。このようにすることで、タイトフレーム22の下板26上に折板屋根20を固定したときに、この下板26上で突出している頭部3が折板屋根20と接触干渉することがないようにできる。それだけ、ドリルねじ1としての汎用性を高めることができる。
図6は、本発明に係るドリルねじ1の第2実施形態を示している。本第2実施形態のドリルねじ1では、ねじ部4をその外周部及び軸方向に沿って螺旋状に取り巻く螺旋溝30を設けてある。この螺旋溝30は、ネジ山の一部を切断して、この切断箇所をねじ部4のまわりで螺旋配置となるように繋げたものである。この螺旋溝30を設けることで、タッピング時に生じる微細な切り屑を効率よく排除する効果や、タッピング作用を促進させる効果が得られる。
本第2実施形態におけるその他の構成、作用効果等は第1実施形態と略同様であるため、同一作用を奏するものに同一符号を付することをもって、ここでの詳説は省略する。
ところで、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば、頭部3に頭頂平面13を形成させることは限定されるものではなく、ナベ型、トラス型、丸型などとしてもよい。また、場合によってはその外周面に二面幅を取って六角頭などに形成してもよい。
ところで、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば、頭部3に頭頂平面13を形成させることは限定されるものではなく、ナベ型、トラス型、丸型などとしてもよい。また、場合によってはその外周面に二面幅を取って六角頭などに形成してもよい。
ドリル部2やねじ部4の外径、長さなどは、被締結部材の厚さなどに関連する限定事項を満足させたものであれば、その他は適宜変更可能である。頭部3やテーパ首部5についても同様である。
1 ドリルねじ
2 ドリル部
3 頭部
4 ねじ部
5 テーパ首部
7 ドリル溝
8 切れ刃
9 リーマ刃
12 平坦座面
13 頭頂平面
14 工具係合凹部
20 折板屋根
21 H形鋼
22 タイトフレーム
23 フランジ
26 下板
27 孔
30 螺旋溝
2 ドリル部
3 頭部
4 ねじ部
5 テーパ首部
7 ドリル溝
8 切れ刃
9 リーマ刃
12 平坦座面
13 頭頂平面
14 工具係合凹部
20 折板屋根
21 H形鋼
22 タイトフレーム
23 フランジ
26 下板
27 孔
30 螺旋溝
Claims (4)
- 一端側に設けられたドリル部と他端側に設けられた頭部とこれらドリル部と頭部との間に設けられたねじ部とを有するドリルねじにおいて、
前記ドリル部及び前記ねじ部はそれぞれの軸方向長さが前記ねじ部の外径よりも分厚い被締結部材を含んで設定される総締結距離と同等以上の長さで形成されており、
前記頭部と前記ねじ部との間には当該ねじ部側から頭部裏面側へ向けて拡径するテーパ首部が形成されており、
前記頭部は前記ねじ部の軸方向に対して垂直となる周方向外方へ向けて前記テーパ首部の全周で張り出す平坦座面を有して形成されており、
前記テーパ首部の軸方向長さは前記ねじ部の1.5ピッチ以上3ピッチ以下で形成されている
ことを特徴とするドリルねじ。 - 前記テーパ首部の外面はねじ無し平滑面によって形成されていることを特徴とする請求項1記載のドリルねじ。
- 前記頭部の軸方向に沿った厚さは前記ねじ部の外径に対する半分以下で形成されていると共に、当該頭部の頭頂面には軸方向において前記テーパ首部内へ及ぶ深さで上方開放の工具係合凹部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のドリルねじ。
- 前記テーパ首部は、前記ねじ部寄りの最小径が当該ねじ部の軸径と同等とされており前記頭部の平坦座面に接する位置にて前記ねじ部の外径よりも径大な最大径に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のドリルねじ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014262566A JP2016121777A (ja) | 2014-12-25 | 2014-12-25 | ドリルねじ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=56328280
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016121777A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108730301A (zh) * | 2018-07-24 | 2018-11-02 | 徐燕 | 一种螺丝 |
-
2014
- 2014-12-25 JP JP2014262566A patent/JP2016121777A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108730301A (zh) * | 2018-07-24 | 2018-11-02 | 徐燕 | 一种螺丝 |
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