図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態によるポンプ10は、ポンプチャンバ12を有するポンプハウジング14と、ポンプチャンバ12と流体連通する入口16及び出口18と、ポンプチャンバ12に回転可能に設けられるインペラ20と、インペラ20を駆動するためのモータ22とを含む。モータ22は、ステータと、ステータに対して相対的に回転可能なロータ26とを含む単相同期モータであることが好ましい。
図3〜図5を参照すると、ロータ26は、回転軸28と、回転軸28に固定される磁石30とを含む。例示の実施形態では、ロータ26は、互いに極性が逆の2つの極を形成する2つの永久磁石30を含む。永久磁石30は、オーバーモールド成形品32によって、回転軸28に固定される。オーバーモールド成形品32は、内側リング34と、外側リング36と、内側及び外側リング34,36の対向する軸方向の端部を互いに連結するように設けられる2つのエンドプレート38とを含む。外側リング36は、磁石30上にオーバーモールド成形され、回転軸28と同心の外面を有する。内側リング34は、回転軸28上にオーバーモールド成形される。2つの磁石30は、内側リング34と外側リング36との間に半径方向に固定され、2つのエンドプレート38間に軸方向に固定される。回転軸28の外面に、凹凸構造39が形成されて、オーバーモールド成形品32と回転軸28との間の結合力を強化する。各磁石30は、円周方向に沿って、円周の半分を覆い、半径方向外面40と、半径方向内面42と、磁石30の両端で半径方向外面40と半径方向内面42とを連結する2つの共面連結面44とを含む。半径方向外面40は、円弧部46と、円弧部46の円周方向の両端から連結面44に延在する2つの平面部48とを含む。磁石30は、粉末材料から焼結することができる。平面部48を用いて、形成した磁石30を位置決めして、研削などの後続の処理を行うことができる。外面40の円弧部46は、半径方向内面42と同心状である。2つの磁石30の半径方向内面42は、協働して、回転軸28が貫通するための内孔50を形成する。オーバーモールド成形品32の内側リング34は、半径方向内面42と回転軸28との間に形成される。
各磁石30の極円弧角(pole arc angle)θと180度の角度との比は、0.75〜0.95の範囲内であることが好ましく、より好ましくは、0.9〜0.95の範囲内である。ここで用いる「極円弧角」という語は、半径方向外面40の円弧面部46の2つの円周方向の端部と回転軸28の中心軸とを連結する仮想線によって形成される角度を意味する。同一側の2つの磁石30の半径方向外面40の2つの平面部48は、同一平面にある。2つの同一平面の平面部48の2つの円周方向の端部間の距離d1は、2mm〜9.5mmの範囲内である。2つの共面連結面44の2つの外端間の距離d2とオーバーモールド成形品32の外面の距離d3との比は、0.82〜0.95の範囲内である。一実施形態では、磁石30の極円弧角θは、166度よりも大きく、2つの同一平面の平面部48の2つの円周方向の端部間の距離d1は、2mm〜2.5mmの範囲内である。オーバーモールド成形品32の外側リング36の軸方向の端部は、少なくとも2つの位置決め溝52を形成し、位置決め溝52は、円周方向に互いに離間して設けられ、オーバーモールド成形品32の形成処理時に2つの磁石30を位置決めするようになっている。各位置決め溝52は、2つの磁石30の同じ側の2つの平面部48が完全に露出した状態で、2つの磁石30が互いに接触する領域に設けられる。
従来の円弧状磁石と比較して、本実施形態のロータの磁石の極円弧角は大きくなり、これにより、モータのコギングトルクを低減し、ロータをより滑らかに回転させる。リング状磁石と比較して、本実施形態の円弧状磁石は、コストを削減する。
図6及び図7を参照すると、ステータは、ステータコア54と、ステータコア54の周りに巻き付けられるステータ巻線56とを含む。本実施形態では、ステータコア54は、底部58と、底部58の両端から延在する2つの分岐部60と、2つの分岐部60に形成される1対の対向する極62とを含む。底部58は棒状であり、2つの分岐部60は、底部58の両端から並列に延在し、2つの極62は、2つの分岐部60の底部58から離れた両端に形成されることが好ましい。各極62は、対応する分岐部60から延在し、底部58に対して実質的に平行な2つの側面64,65と、2つの側面64,65間の凹状の極円弧面66とを含む。ロータの外面は、極円弧面66に対向し、両者間にエアギャップが形成される。
底部58及び2つの分岐部60は、別個に形成できることが好ましい。底部58は、多数の板状の底部材の積層体によって形成することができ、分岐部60は、多数の板状の分岐部材の積層体によって形成することができる。底部材及び分岐部材の各々は、積層した板状部材を一緒に取り付けるための組立穴68を形成する。底部58に隣接する各分岐部60の端部の端面から、突起70が突出し、これに対応して、底部58の両端は、2つの凹部72を形成する。底部材及び分岐部材が組み付けられて、それぞれの積層構造を形成した後、2つの分岐部60の突起70は、底部58の2つの凹部72とスナップ連結されて、ステータコアを形成する。代替例として、突起70を底部58に形成し、凹部72を分岐部60に形成することができる。本実施形態では、底部58の最大幅b1は、互いに接合した後の2つの分岐部60間の最小距離b2以下である。底部58の最大長b3は、底部に対向する分岐部60の側面64と、底部に隣接する分岐部60の端部の最も遠い点(本実施形態では、突起70の末端)との間の最大距離b4以下である。上記の構成のステータコアでは、底部58は、分岐部60の形成処理時に除去された2つの分岐部60間の材料によって形成することができるので、材料の節約、ひいてはコスト削減ができる。更に、底部58の最大長b3は、底部58に対向する分岐部60の側面64と、底部58に隣接する分岐部60の端部の端面との間の距離b5よりも大きくすることができる。
2つのステータ極62は、ステータ極の2つの円周方向の端部の各々に、対向する円周方向の端部74を形成する。対向する円周方向の端部間に、開口スロット75が形成され、これにより、大きな磁気抵抗が生じ、磁気漏洩を低減させる。ステータ極62の極円弧面66及びロータ26の外面は、両者間に、実質的に均一なエアギャップを形成する。「実質的に均一なエアギャップ」という表現は、ステータの大部分とロータの大部分との間に、均一なエアギャップが形成され、エアギャップのごく一部のみが不均一である状態を意味する。ステータ極の極円弧面66は、ロータと同心であることにより、均一な主エアギャップ76を形成することが好ましい。各極円弧面66は、内側に凹んだ始動溝78を形成して、始動溝78とロータ26の外面との間に、不均一なエアギャップが形成されるようになっている。2つの極62の極円弧面の2つの始動溝78は、ロータの直径に対して対称であり、各々、円周方向の端部74のうちの対応する1つから延在することが好ましい。この構成によって、ロータ26の静止時に、ロータ26の極軸S1(図5)が、確実にステータ極62の中心軸S2からずれることができて、ロータが、モータの電源投入毎に、一定の始動方向を有するようになっている。極軸とは、2つの異なる磁極(本実施形態では、2つの磁石)間の境界を意味し、ステータ極の中心軸とは、2つの極62の中心を通る線を意味する。
2つのステータ極の2つの対向する円周方向の端部74間の距離a1と、極円弧面とロータとの間の最小エアギャップ(本実施形態では、極円弧面とロータとの間の主エアギャップ)との比は、2未満であることが好ましい。
本実施形態では、2つの開口スロット75は、同じ且つ均一の幅を有し、分岐部60の長さ方向に対して平行である。代替例として、各開口スロット75は、不均一な幅を有することができる。この場合、上記の2つの対向する円周方向の端部74間の距離a1は、開口スロット75の最小幅を指す。
本実施形態のモータの構成によって、ロータが確実に一定の始動方向を有することができ、同時に、モータのコギングトルクを低減することにより、ロータをより滑らかに回転させることができる。
図8及び図9を参照すると、ステータは、ステータコア54の2つの分岐部60の絶縁巻線ブラケット80の周りにそれぞれ巻き付けられる1対のステータ巻線56を含むことが好ましい。モータは、更に、分岐部60に対して平行な方向に絶縁巻線ブラケット80に取り付けられる回路基板82(図2)を含む。回路基板82には、過熱保護部84が取り付けられる。過熱保護部84は、回路基板82と2つのステータ巻線56との間に設けられ、巻線56のいずれかの温度が高くなり過ぎた場合、電力供給を遮断することができる。2つのステータ巻線56は、2つの別個の導線86を巻き付けた後、互いに電気的に接続することによって、形成することができる。各導線86は、入力端子88及び出力端子90を有する。2つの巻線は、2つの導線86を同時に巻き付けることによって、形成することができ、これによって、時間が節約される。2つのステータ巻線56の2つの入力端子88は、平行な分岐部60の長手方向の端部に設置され、巻線の内層に配置される。2つの出力端子90は、平行な分岐部60の他方の長手方向の端部に設置され、巻線の外層に配置される。絶縁巻線ブラケット80は、管状部92と、管状部92の両端から外方に延在する端壁94とを含む。管状部92の半径方向の外面と2つの端壁94の軸方向に対向する面との間に、巻線空間95が形成されて、巻線56を受け入れるようになっている。
入力端子88が設けられる側の2つの絶縁巻線ブラケット80の端壁94は、各々、配線案内スロット96を形成する。2つのステータ巻線56の2つの入力端子88は、巻線ブラケット80の外側から、配線案内スロット96を通って、巻線ブラケット80の内側の巻線空間95に至る。配線案内スロット96と巻線ブラケットの内側の巻線空間95との間に、分離壁98が形成される。分離壁98は、管状部92の外面まで延在する。入力端子88は、分離壁98によって阻止され、管状部92の外面に到達するまで、巻線空間に入らない。したがって、入力端子88は、巻線空間95内の各コイル層から分離されるので、導線の絶縁層を剥離させる入力端子と巻線空間内のコイルとの摩擦接触によるコイルの短絡が回避される。2つの出力端子90は、回路基板82にはんだ付けされ、電気的に接続されて、2つの巻線56を直列に接続できるようになっていることが好ましい。2つの巻線56の2つの入力端子88には、外部の単相交流電源によって電力供給することができる。図9に示すように、2つの絶縁巻線ブラケット80は、一体に形成され、長さ方向に配置されて、棒形状を有することが好ましい。2つの巻線56が巻線ブラケット80の周りに巻き付けられた後、棒状の2つの巻線ブラケット80は、互いに平行になるように屈曲される。そして、2つの平行な巻線ブラケット80は、ステータコア54の2つの平行な分岐部60の周囲に取り付けられる。2つの巻線56の2つの入力端子は、互いに離れた棒状の2つの巻線ブラケット80の2つの末端に設けられるか、又は、棒状の2つの巻線ブラケット80の中央部において、これらのブラケットの2つの隣接する端部に設けられ、2つの巻線の巻線方向は、互いに逆であることが好ましい。このように、一旦2つの巻線ブラケットが互いに平行になるように屈曲されると、2つの巻線の2つの入力端子は、同じ端部に設けられ、直列に接続される2つの巻線によって発生する磁界は、互いに打ち消し合うことはない。
図10〜図12を参照すると、ポンプハウジング14は、カバー本体100と、カバー本体100に取り付けられる底板102とを含む。カバー本体100は、封止リング104によって、底板102に密封連結される。封止リング104は、底板102の半径方向の溝106に配置されて、カバー本体100が底板102に取り付けられる前に、封止リング104が底板102から外れるのを防止するようになっていることが好ましい。カバー本体100は、上板108と、上板108と底板102とを互いに連結する密閉側板110とを含む。入口16は、上板108から、概ね軸方向外方に延在し、出口18は、密閉側板110から、軸方向に対して概ね垂直な方向に延在する。カバー本体100及び底板102は、両者間にポンプチャンバ12を形成し、インペラ20は、ポンプチャンバ12に回転可能に設けられる。
カバー本体100と底板102との間に、スナップ係止構造が形成される。スナップ係止構造は、底板102とカバー本体100との間の相対的な円周方向の回転によって、互いにスナップ係止することができる。底板102の外周縁に、複数の円周方向に延在する係止スロット112が形成され、これに対応して、カバー本体100の外面に、複数の円周方向に延在する突起113が形成されることが好ましい。円周方向に延在する突起113の軸方向の幅は、円周方向に延在する係止スロット112内への挿入方向に、徐々に小さくなる。底板102の外周縁に、弾性アーム114が形成され、斜め上方に延在する。弾性アームは、アームの本体に対して下方に凹んだ段部116を有する自由端を有する。カバー本体100の外面に、ブロック118が形成される。カバー本体100が時計回り方向に回転されると、カバー本体100の円周方向に延在する突起113は、底板102のそれぞれの円周方向に延在する係止スロット112に挿入され、ブロック118は、弾性アーム114上を摺動する。一旦、円周方向に延在する突起113が回転して、それぞれの係止スロット112との締まり嵌めを形成すると、ブロック118は、段部116に摺動するだけで、カバー本体100の逆回転を防止する。
底板102は、開口部120を有するポンプチャンバ底壁122と、開口部120から一体に軸方向外方に延在するロータハウジング124とを含む。開口部120に隣接するロータハウジング124の一端に、固定エンドキャップ126が取り付けられる。回転軸28の一端は、エンドキャップ126を通って、ポンプチャンバ12に入り、インペラ20に連結して、インペラ20を回転駆動するようになっている。回転軸28の両端は、それぞれ、エンドキャップ126に設けられる軸受128、及び開口部120から離れたロータハウジング124の他端に設けられる軸受130によって支持することができる。
軸受128は、緩衝器132を介してエンドキャップ126に取り付けられることが好ましい。軸受128は、円筒形状であり、軸受128の外面に円周方向に延在する隆起134を含む。緩衝器132の内面は、隆起134と係合するための溝136を形成する。この構成によって、軸受128とロータとの同心性を確保することができる。軸受130は、ロータハウジング124と一体に形成される軸受座138によって支持することができる。軸受座138の内面に、複数の内歯140が形成され、これにより、軸受座138の内面と軸受130の外面との不連続接触が生じる。この構成によって、作動時にモータによって発生する振動を低減することができる。
ロータハウジング124は、2つのステータ極62間に固定される。ロータ26の外面とロータハウジング124との間に、隙間が形成されて、ロータ26が、ロータハウジング124に対して相対的に回転できるようになっている。ロータハウジング124の外面に、軸方向に延在するリブ142(図11に示す)が形成される。各ステータ極62に隣接する各端部の2つの絶縁巻線ブラケット80の2つの隣接する側は、協働して、リブ144(図6)を形成する。リブ142及びリブ144は、それぞれ、2つの極62の円周方向の端部74間の2つの開口スロット75に挿入されることにより、ステータコア54の相対的な円周方向の回転を制限する。ロータハウジング124のリブ142の外面は、底部58から離れたステータ極62の側面65よりも高くないことが好ましい。
図11及び図13を参照すると、モータは、更に、ステータ巻線56及び回路基板82を覆うモータカバー本体146を含む。モータカバー本体146は、底壁148と、底壁148から延在する2つの側壁150とを含む。2つの側壁150は、ステータコア54の2つの側に設けられる。回路基板82は、底壁148とステータ巻線56との間に設けられる。
本実施形態では、モータカバー本体146及びポンプハウジング14は、側壁150の突出ブロック152と、底板102から下方に延在するフック154とを含むスナップ係止構造によって互いに取り付けられる。突出ブロック152は、フック154にスナップ係合される。底板102は、2つの側壁150に対応する少なくとも1対の位置決め突起156を含む。側壁150の各々は、対応する一方のフック154と、対応する一方の位置決め突起156との間に挟持される。各位置決め突起156は、対応するフック154の空洞部分と位置合わせされ、対応する側壁150を空洞部分に向かって変形するように位置決め突起156によって加圧できるようになっていることが好ましい。このように、モータカバー本体146とポンプハウジング14との間の取り付け力が強化され、これによってモータの作動時の振動が低減される。
本実施形態では、フック154は、同時に、位置決め突起156として機能することもできる。もちろん、位置決め突起対156は、フック154から独立して、別個に設けることもできる。例示の実施形態では、複数対の位置決め突起156が、両側壁に形成される。代替例として、1対の位置決め突起156を、両側に形成してもよい。複数対の位置決め突起156の場合、各位置決め突起対156は、他の位置決め突起対156から独立して、別個に設けることができる。代替例として、側壁の内側又は外側に対応する位置に、棒状の突起156が形成され、2対又は3対以上の位置決め突起156は、この棒状の突起156を共有する。
中国特許出願201410404474.2号及び201410404755.8号は、全て、この引用により本開示に含まれる。本実施形態のモータは、上記中国特許出願のいずれかに記載の駆動回路又は他の適当な駆動回路と併用される場合、ロータが、始動時毎に、確実に同じ方向に回転することができる。このように、ファンや水ポンプなどの用途では、ロータによって駆動されるインペラは、湾曲ブレードを利用することにより、ファン又は水ポンプの水力効率を向上させることができる。したがって、より小型のモータを用いて、同レベルの出力を得ることができ、これにより、エネルギ消費を低減することができる。駆動回路は、回路基板82に設けることができる。位置センサ158(図2)によって検出された磁極位置情報に基づいて、モータの電源投入毎に、ロータが確実に一定の始動方向を有するような所定の方法で、ステータ巻線56が付勢される。本実施形態では、位置センサ158は、ロータが静止しているときのロータの極軸S1の垂線と、ステータの中心軸S2の垂線との間に形成される鋭角の範囲内に設けられる。位置センサ158は、ロータハウジング124の外側に設けられ、モータカバー本体146によって覆われる。
図14は、中国特許出願番号201410404474.2号の同期モータ用駆動回路のブロック図を示す。駆動回路220では、2つのノードA及びB間にステータ巻線56及びAC電源210が直列に接続される。AC電源210は、50Hz又は60Hzなどの固定周波数を有する商用AC電源とすることができ、供給電圧は、例えば、110V、220V又は230Vであることが好ましい。2つのノードA及びB間には、制御可能な双方向ACスイッチ220と、直列に接続されたステータ巻線56及びAC電源210とが並列に接続されることが好ましい。制御可能な双方向ACスイッチ220はトライアックであり、その2つの陽極が2つのノードA及びBにそれぞれ接続されることが好ましい。或いは、制御可能な双方向ACスイッチ220を、逆向きに並列に接続された2つのシリコン制御整流器とし、これに対応して、制御回路を、2つのシリコン制御整流器を予め設定した方法で制御するように構成することもできると理解することができる。2つのノードA及びB間には、AC−DC変換回路230と、制御可能な双方向ACスイッチ220とが並列に接続される。2つのノードA及びB間のACは、AC−DC変換回路230によって低電圧DCに変換される。位置センサ158には、同期モータ22の永久磁石ロータの磁極位置を検出して対応する信号を出力するように、AC−DC変換回路230によって低電圧DC出力を給電することができる。AC−DC変換回路230、位置センサ158及び制御可能な双方向ACスイッチ220にはスイッチ制御回路240が接続され、モータの始動位相中にステータ巻線56がロータを引き寄せて上述した一定の始動方向のみに回転させるように、位置センサによって検出された永久磁石ロータの磁極位置と、AC−DC変換回路230から取得できるAC電源210の極性情報とに基づいて、制御可能な双方向ACスイッチ220を予め設定した方法でスイッチオン状態とスイッチオフ状態との間で切り替えるように制御するよう構成される。本発明の実施形態によれば、制御可能な双方向ACスイッチ220がオンになった場合、2つのノードA及びBが短絡し、AC−DC変換回路230に電流が流れないのでAC−DC変換回路230は電気エネルギを消費せず、したがって電気エネルギの利用効率を大幅に高めることができる。
図15を参照すると、インペラ20は、回転軸28に固定して取り付けられ、回転軸28と共に同期回転するようになっている。インペラ20は、プラスチック材料から形成することができ、基板160と、円周方向に互いに離間して基板160に取り付けられる複数のブレード162とを含む。インペラ20のブレード162は、円弧状であり、長ブレード群164と、短ブレード群166とを含むことが好ましい。代替例として、2つのブレード群は、円周方向において、基板160の外周縁に設けられる。ポンプチャンバ12の内面とインペラ20との間に、螺旋状の流路168(図11)が形成される。流路168の半径方向の断面積は、出口18に向かって、円周方向に、徐々に大きくなる。ロータが一定の始動回転方向を有する状態では、円弧状のブレード及び螺旋状の流路によって、水力効率を向上させることができる。基板160の中央領域に、取付ポスト170が設けられる。回転軸28の一端は、軸スリーブ172を介して取付ポスト170に固定される。軸スリーブ172は、金属材料から形成することができる。モータから離れた取付ポスト170の軸方向の端部において、取付ポスト170、軸スリーブ172、及び射出成形部174は、半径方向内側に配置され、協働して連続閉端面を形成することが好ましい。射出成形部174及び取付ポスト170は、ブリッジ部176を介して連結される。代替実施形態では、インペラ20は、直線型ブレードを利用することができる。
本明細書に記載のポンプ10は、特に、食器洗浄機や洗濯機などの洗浄装置用の排水ポンプとして用いるのに適しているが、これに限定されるものではない。図16は、本発明の一実施形態による排水ポンプを備える食器洗浄機176を示す。食器洗浄機は、洗浄チャンバ178と、洗浄チャンバ178に洗浄水を供給するための給水路180と、排水のための排水路182と、洗浄チャンバ178内の洗浄水を循環させるための循環路184と、排水ポンプ10及び循環ポンプ186を有する制御システム188とを含む。排水ポンプ10は、排水路182に洗浄チャンバ178内の洗浄水を送り、循環ポンプ186は、循環路184に洗浄チャンバ178内の洗浄水を送る。本発明の各実施形態で説明したモータは、他の用途にも用いることができることを理解されたい。
本出願の説明及び請求項において、動詞「備える(comprise)」、「含む(include)」、「含む(contain)」及び「有する(have)」、並びにその変形形態は、説明する要素の存在を規定するために包括的な意味で使用され、追加の要素の存在を排除するものではない。
本発明は、1つ以上の好ましい実施形態を参照して説明されるが、当業者であれば、種々の変更が可能であるものと理解される。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲を参照することにより決定されるべきである。