JP2016115948A - 無線通信システム、端末装置、基地局装置、無線通信方法および集積回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】効率よく間欠受信の制御を行う無線通信システム、端末装置、基地局装置、無線通信方法および集積回路を提供する。【解決手段】基地局装置が、既定の条件を満たす場合に端末装置が測定および/あるいは報告を行わないセル(GrayCell)の情報を含む測定設定メッセージを端末装置に通知し、端末装置が、測定報告メッセージを基地局装置に通知し、測定報告メッセージがGrayCellに関する報告である場合は、予め通知された長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長する。【選択図】図7
Description
本発明は、無線通信システム、端末装置、基地局装置、無線通信方法および集積回路に関連し、より詳細には、マクロセルとスモールセルとが配置される無線通信システムと、前記無線通信システムにおける端末装置、基地局装置、無線通信方法および集積回路に関する。
3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、W−CDMA方式が第三世代セルラー移動通信方式として標準化され、順次サービスが開始されている。また、通信速度を更に上げたHSDPAも標準化され、サービスが行われている。
一方、3GPPでは、第三世代無線アクセスの進化(Evolved Universal Terrestrial Radio Access;以下、「EUTRA」と呼称する。)の標準化も行われ、サービスが開始されている。EUTRAの下りリンクの通信方式として、マルチパス干渉に強く、高速伝送に適したOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式が採用されている。また、上りリンクの通信方式として、端末装置のコストと消費電力を考慮し、送信信号のピーク対平均電力比PAPR(Peak to Average Power Ratio)を低減できるシングルキャリア周波数分割多重方式SC−FDMA(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access)のDFT(Discrete Fourier Transform(離散フーリエ変換))−spread OFDM方式が採用されている。
また、3GPPでは、EUTRAの更なる進化のAdvanced−EUTRAの標準化作業も行なわれている。Advanced−EUTRAでは、上りリンクおよび下りリンクでそれぞれ最大100MHz帯域幅までの帯域を使用して、最大で下りリンク1Gbps以上、上りリンク500Mbps以上の伝送レートの通信を行なうことが想定されている。
Advanced−EUTRAでは、局所的に発生する通信トラフィックを効率よくサポートするために、Heterogeneous Network(以下、HetNetと呼称する)が検討されている。HetNetとは、従来のマクロセルに加え、ピコセルやフェムトセルなどのスモールセルを、マクロセルとセルエリアが(同一の周波数や異なる周波数で)重なるように配置した階層型ネットワークであり、マクロセルに在圏するスモールセル近辺の端末装置の通信を前記スモールセルに移すことで通信トラフィックを分散させることが可能となる。そのため3GPPでは、マクロセルに在圏する端末装置が効率的にスモールセルを検出できる仕組みを検討している(非特許文献1)。
3GPP TR(Technical Report)36.839、V11.1.0、Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E−UTRA); Mobility enhancements in heterogeneous networks
R2−122905,Pantech,"Discussion on HetNet mobility and DRX",3GPP TSG-RAN WG2#78,Prague,21−25 May 2012
3GPP TS(Technical Specification)36.331、V11.2.0、Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E−UTRA); Radio Resource Control (RRC); Protocol specification
R2−122371,Nokia Siemens Networks,Nokia Corporation,"Improved Mobility Robustness using Enhanced Mobility State Estimation",3GPP TSG-RAN WG2#78,Prague,21−25 May 2012
現状、EUTRAおよびAdvanced−EUTRAでは、端末装置が間欠受信(Discontinuous Reception; DRX)することにより消費電力を低減する仕組みがあるが、この受信間隔が長くなることにより、基地局装置との通信に遅延が生じて、HetNet環境ではハンドオーバ失敗となる確率が上がることが非特許文献1および非特許文献2に示されている。非特許文献2では、ハンドオーバが発生する状況、すなわち、端末装置が基地局装置によって設定された条件を満たす隣接セルを検出して前記基地局装置に報告する状況において、長間隔の間欠受信(Long DRX)状態に一定の期間遷移せずにハンドオーバ指示を待つことが提案されている。しかしながら、非特許文献2の提案では、非HetNet環境においても消費電力が増えてしまうという問題がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、効率よく間欠受信の制御を行う無線通信システム、端末装置、基地局装置、無線通信方法および集積回路を提供することである。
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の実施形態における無線通信システムは、基地局装置と端末装置とが通信を行う無線通信システムであって、前記基地局装置は、前記端末装置が既定の条件を満たす場合に測定および/あるいは報告を行わないセル(GrayCell)の情報を含む測定設定メッセージを前記端末装置に通知し、
前記端末装置は、前記測定設定メッセージに基づく測定を実施し、測定報告メッセージを前記基地局装置に通知し、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告である場合に、予め通知された長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長する手段を備える無線通信システムである。
前記端末装置は、前記測定設定メッセージに基づく測定を実施し、測定報告メッセージを前記基地局装置に通知し、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告である場合に、予め通知された長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長する手段を備える無線通信システムである。
(2)また、本発明の実施形態における端末装置は、基地局装置と通信する端末装置であって、前記基地局装置から、前記端末装置が既定の条件を満たす場合に測定および/あるいは報告を行わないセル(GrayCell)の情報を含む測定設定メッセージを受信し、前記測定設定メッセージに基づく測定の結果を測定報告メッセージとして前記基地局装置に通知し、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告である場合に、予め自端末装置に通知された長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長する手段を備える端末装置である。
(3)また、本発明の実施形態における端末装置において、前記端末装置は、自端末装置の在圏セルがスモールセルである場合には、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告であるか否かにかかわらず、予め自端末装置に通知された長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長する手段を備える端末装置である。
(4)また、本発明の実施形態における基地局装置は、端末装置と通信する基地局装置であって、前記端末装置に対し、前記端末装置が既定の条件を満たす場合に測定および/あるいは報告を行わないセル(GrayCell)の情報を含む測定設定メッセージを送信し、前記端末装置から前記測定設定メッセージに基づく測定の結果を測定報告メッセージとして受信し、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告である場合に、予め前記端末装置に通知した長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長する手段を備える基地局装置である。
(5)また、本発明の実施形態における基地局装置において、前記基地局装置は、前記端末装置の在圏セルがスモールセルである場合には、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告であるか否かにかかわらず、予め前記端末装置に通知した長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長する手段を備える基地局装置である。
(6)また、本発明の実施形態における無線通信方法は、基地局装置と端末装置とが通信を行う無線通信システムに適用される無線通信方法であって、前記基地局装置が、前記端末装置が既定の条件を満たす場合に測定および/あるいは報告を行わないセル(GrayCell)の情報を含む測定設定メッセージを前記端末装置に通知するステップと、前記端末装置が、前記測定設定メッセージに基づく測定を実施し、測定報告メッセージを前記基地局装置に通知するステップと、前記端末装置が、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告である場合に、予め通知された長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長するステップを少なくとも含む無線通信方法である。
(7)また、本発明の実施形態における無線通信方法は、基地局装置と通信する端末装置に適用される無線通信方法であって、前記基地局装置から、前記端末装置が既定の条件を満たす場合に測定および/あるいは報告を行わないセル(GrayCell)の情報を含む測定設定メッセージを受信するステップと、前記測定設定メッセージに基づく測定の結果を測定報告メッセージとして前記基地局装置に通知するステップと、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告である場合に、予め自端末装置に通知された長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長するステップを少なくとも含む無線通信方法である。
(8)また、本発明の実施形態における無線通信方法は、端末装置と通信する基地局装置に適用される無線通信方法であって、前記端末装置に対し、前記端末装置が既定の条件を満たす場合に測定および/あるいは報告を行わないセル(GrayCell)の情報を含む測定設定メッセージを送信するステップと、前記端末装置から前記測定設定メッセージに基づく測定の結果を測定報告メッセージとして受信するステップと、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告である場合に、予め前記端末装置に通知した長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長するステップを少なくとも含む無線通信方法である。
(9)また、本発明の実施形態における集積回路は、基地局装置と通信する端末装置に搭載される集積回路であって、前記基地局装置から、前記端末装置が既定の条件を満たす場合に測定および/あるいは報告を行わないセル(GrayCell)の情報を含む測定設定メッセージを受信する機能と、前記測定設定メッセージに基づく測定の結果を測定報告メッセージとして前記基地局装置に通知する機能と、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告である場合に、予め自端末装置に通知された長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長する機能を前記端末装置に発揮させる集積回路である。
(10)また、本発明の実施形態における集積回路は、端末装置と通信する基地局装置に搭載される集積回路であって、前記端末装置に対し、前記端末装置が既定の条件を満たす場合に測定および/あるいは報告を行わないセル(GrayCell)の情報を含む測定設定メッセージを送信する機能と、前記端末装置から前記測定設定メッセージに基づく測定の結果を測定報告メッセージとして受信する機能と、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告である場合に、予め前記端末装置に通知した長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長する機能を前記基地局装置に発揮させる集積回路である。
以上、説明したように、本発明によれば、効率よく間欠受信の制御を行う無線通信システム、端末装置、基地局装置、無線通信方法および集積回路を提供することができる。
本発明の各実施形態を説明する前に、本発明の各実施形態に関わる技術について以下に簡単に説明する。
[物理チャネル]
EUTRAおよびAdvanced EUTRAで使用される主な物理チャネル(または物理シグナル)について説明を行なう。チャネルとは信号の送信に用いられる媒体を意味し、物理チャネルとは信号の送信に用いられる物理的な媒体を意味する。物理チャネルは、EUTRA、およびAdvanced EUTRAにおいて、今後追加、または、その構造やフォーマット形式が変更または追加される可能性もあるが、変更または追加された場合でも本発明の各実施形態の説明には影響しない。
EUTRAおよびAdvanced EUTRAで使用される主な物理チャネル(または物理シグナル)について説明を行なう。チャネルとは信号の送信に用いられる媒体を意味し、物理チャネルとは信号の送信に用いられる物理的な媒体を意味する。物理チャネルは、EUTRA、およびAdvanced EUTRAにおいて、今後追加、または、その構造やフォーマット形式が変更または追加される可能性もあるが、変更または追加された場合でも本発明の各実施形態の説明には影響しない。
EUTRAおよびAdvanced EUTRAでは、物理チャネルのスケジューリングについて無線フレームを用いて管理している。1無線フレームは10msであり、1無線フレームは10サブフレームで構成される。さらに、1サブフレームは2スロットで構成される(すなわち、1スロットは0.5msである)。また、物理チャネルが配置されるスケジューリングの最小単位としてリソースブロックを用いて管理している。リソースブロックとは、周波数軸を複数サブキャリア(例えば12サブキャリア)の集合で構成される一定の周波数領域と、一定の送信時間間隔(1スロット)で構成される領域で定義される。
同期シグナル(Synchronization Signals)は、3種類のプライマリ同期シグナルと、周波数領域で互い違いに配置される31種類の符号から構成されるセカンダリ同期シグナルとで構成され、プライマリ同期シグナルとセカンダリ同期シグナルの信号の組み合わせによって、基地局装置を識別する504通りのセル識別子(物理セルID(Physical Cell Identity; PCI))と、無線同期のためのフレームタイミングが示される。端末装置は、セルサーチによって受信した同期シグナルのセルIDを特定する。
物理報知情報チャネル(Physical Broadcast Channel; PBCH)は、セル内の端末装置で共通に用いられる制御パラメータ(報知情報やシステム情報)を通知する目的で送信される。物理報知情報チャネルで通知されない報知情報は、物理下りリンク制御チャネルで無線リソースが通知され、物理下りリンク共用チャネルによってレイヤ3メッセージ(システムインフォメーション)で送信される。報知情報として、セル個別の識別子を示すセルグローバル識別子(Cell Global Identifier; CGI)、ページングによる待ち受けエリアを管理するトラッキングエリア識別子(Tracking Area Identifier; TAI)、ランダムアクセス設定情報(送信タイミングタイマーなど)、共通無線リソース設定情報などが通知される。
下りリンク基準信号は、その用途によって複数のタイプに分類される。例えば、セル固有基準信号(Cell-specific reference signals; CRS)は、セル毎に所定の電力で送信されるパイロット信号であり、所定の規則に基づいて周波数領域および時間領域で周期的に繰り返される下りリンク基準信号である。端末装置は、セル固有基準信号を受信することでセル毎の受信品質を測定する。また、端末装置は、セル固有基準信号と同時に送信される物理下りリンク制御チャネル、または物理下りリンク共用チャネルの復調のための参照信号としても下りリンクセル固有基準信号を使用する。セル固有基準信号に使用される系列は、セル毎に識別可能な系列が用いられる。
また、下りリンク基準信号は下りリンクの伝搬路変動の推定にも用いられる。伝搬路変動の推定に用いられる下りリンク基準信号のことをチャネル状態情報基準信号(Channel State Information Reference Signals; CSI-RS)あるいはCSI基準信号と称する。また、端末装置毎に個別に設定される下りリンク基準信号は、UE specific Reference Signals(URS)またはDedicated RS(DRS)と称され、物理下りリンク制御チャネル、または物理下りリンク共用チャネルの復調に用いられる。
物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel; PDCCH)は、各サブフレームの先頭からいくつかのOFDMシンボルで送信され、端末装置に対して基地局装置のスケジューリングに従った無線リソース割り当て情報や、送信電力の増減の調整量を指示する目的で使用される。端末装置は、下りリンクデータや下りリンク制御データであるレイヤ3メッセージ(ページング、ハンドオーバーコマンドなど)を送受信する前に自装置宛の物理下りリンク制御チャネルを監視(モニタ)し、自装置宛の物理下りリンク制御チャネルを受信することで、送信時には上りリンクグラント、受信時には下りリンクグラント(下りリンクアサインメント)と呼ばれる無線リソース割り当て情報を物理下りリンク制御チャネルから取得する必要がある。なお、物理下りリンク制御チャネルは、上述したODFMシンボルで送信される以外に、基地局装置から端末装置に対して個別(dedicated)に割り当てられるリソースブロックの領域で送信されるように構成することも可能である。
物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel; PUCCH)は、物理下りリンク共用チャネルで送信されたデータの受信確認応答(Acknowledgement/Negative Acknowledgement; ACK/NACK)や下りリンクの伝搬路情報(チャネル状態情報)の通知、上りリンクの無線リソース割り当て要求(無線リソース要求)であるスケジューリングリクエスト(Scheduling Request; SR)を行なうために使用される。チャネル状態情報(CSI)は、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、PTI(Precoding Type Indicator)、RI(Rank Indicator)を含む。各Indicatorは、Indicationと表記される場合もあるが、その用途と意味は同じである。
物理下りリンク共用チャネル(Physical Downlink Shared Channel; PDSCH)は、下りリンクデータのほか、ページングや物理報知情報チャネルで通知されない報知情報(システムインフォメーション)をレイヤ3メッセージとして端末装置に通知するためにも使用される。物理下りリンク共用チャネルの無線リソース割り当て情報は、物理下りリンク制御チャネルで示される。
物理上りリンク共用チャネル(Physical Uplink Shared Channel; PUSCH)は、主に上りリンクデータと上りリンク制御データを送信し、下りリンクの受信品質やACK/NACKなどの制御データを含めることも可能である。また、上りリンクデータの他、上りリンク制御情報をレイヤ3メッセージとして基地局装置に通知するためにも使用される。また、下りリンクの場合と同様に物理上りリンク共用チャネルの無線リソース割り当て情報は、物理下りリンク制御チャネルで示される。
上りリンク基準信号(Uplink Reference Signal)(上りリンクパイロット信号、上りリンクパイロットチャネルとも呼称する)は、基地局装置が、物理上りリンク制御チャネルPUCCHおよび/または物理上りリンク共用チャネルPUSCHを復調するために使用する復調基準信号(Demodulation Reference Signal; DMRS)と、基地局装置が、主に、上りリンクのチャネル状態を推定するために使用するサウンディング基準信号(Sounding Reference Signal; SRS)が含まれる。また、サウンディング基準信号には、周期的サウンディング基準信号(Periodic SRS)と非周期的サウンディング基準信号(Aperiodic SRS)とがある。
物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel; PRACH)は、プリアンブル系列を通知するために使用されるチャネルであり、ガードタイムを有する。プリアンブル系列は、64種類のシーケンスを用意して6ビットの情報を表現するように構成されている。物理ランダムアクセスチャネルは、端末装置の基地局装置へのアクセス手段として用いられる。端末装置は、物理上りリンク制御チャネル未設定時の無線リソース要求や、上りリンク送信タイミングを基地局装置の受信タイミングウィンドウに合わせるために必要な送信タイミング調整情報(タイミングアドバンス(Timing Advance; TA)とも呼ばれる)を基地局装置に要求するために物理ランダムアクセスチャネルを用いる。
具体的には、端末装置は、基地局装置より設定された物理ランダムアクセスチャネル用の無線リソースを用いてプリアンブル系列を送信する。送信タイミング調整情報を受信した端末装置は、報知情報によって共通的に設定される(またはレイヤ3メッセージで個別に設定される)送信タイミング調整情報の有効時間を計時する送信タイミングタイマーを設定し、送信タイミングタイマーの有効時間中(計時中)は送信タイミング調整状態、有効期間外(停止中)は送信タイミング非調整状態(送信タイミング未調整状態)として上りリンクの状態を管理する。レイヤ3メッセージは、端末装置と基地局装置のRRC(無線リソース制御)層でやり取りされる制御平面(Control−plane)のメッセージであり、RRCシグナリングまたはRRCメッセージと同義の意味で使用される。なお、それ以外の物理チャネルは、本発明の各実施形態に関わらないため詳細な説明は省略する。
[測定]
図14は、EUTRAにおける、端末装置ならびに基地局装置の無線リソース管理(radio resource management; RRM)測定設定の管理方法について説明するためのシーケンスチャート図である。
図14は、EUTRAにおける、端末装置ならびに基地局装置の無線リソース管理(radio resource management; RRM)測定設定の管理方法について説明するためのシーケンスチャート図である。
図14の例において、基地局装置は、自局が運用する周波数としてF1とF2という異なる2つの周波数を使用可能であるとし、端末装置と基地局装置は、周波数F1において無線接続が確立された状態(無線リソース制御接続状態(Radio Resource Control Connected:RRC_Connected))である。ここで、基地局装置は、端末装置に対して通信中のセル(在圏セル)並びにその他セル(周辺セル)の受信品質を測定させるために測定設定を含むメッセージ(以降、測定設定メッセージと称する)を送信する(ステップS141)。測定設定メッセージには、測定される周波数(周波数F1と周波数F2)毎に少なくとも一つの測定設定情報が含まれている。測定設定情報は、測定IDと、測定対象(measurement object)と、測定対象に対応する測定対象IDと、測定イベントを含んだ報告設定と、報告設定に対応する報告設定IDとで構成される。一つの測定対象IDに対し複数の報告設定IDがリンクされるように構成されていても良い。同様に、複数の測定対象IDに対して一つの報告設定IDがリンクされるように構成されていても良い。
また、測定設定メッセージには測定ギャップ設定(measGapConfig)及びs−Measureと呼ばれる閾値を含めることができる。
測定ギャップ設定とは、端末装置が異周波数のセルあるいは異なる無線通信技術のシステムの周辺セルを測定するために、基地局装置が、在圏セルで端末装置宛の送信を行わない期間(ギャップ期間)を設定して端末装置に通知することにより、端末装置が在圏セルでの受信動作を中断して異周波数の隣接セルあるいは異なる無線通信技術のシステムの隣接セルを測定できるようにするものである。この測定ギャップ設定では、ギャップパターン識別子(gp0またはgp1)と、ギャップパターン識別子の値(ギャップオフセット)というパラメータが通知される。通知されたギャップパターン識別子に基づいて、測定ギャップ長(MGL)、測定ギャップ繰り返し周期(MGRP)、480ms期間中の最低測定時間(Tinter1)が決定され、通知されたギャップオフセットに基づいて、測定ギャップの開始タイミングが決定される。上記MGL、MGRP、Tinter1、ギャップオフセットをまとめて本願では測定ギャップ関連パラメータと呼称する。また、この測定ギャップ設定は端末装置に対して1つ設定することができ、端末装置はすべての異周波数および異なる無線通信技術のシステムに対する測定をこのギャップ期間を用いて行う。また、測定ギャップ設定や測定対象の異周波数の数や無線通信技術の種類、その他の設定に基づき、セルを検出および測定するための時間が規定されており、端末装置は、この規定された時間内にセルの検出および測定をおこなう必要がある。例えば、周波数分割複信(FDD)システムで間欠受信(DRX)が設定されていない場合、Nfreq個の異周波数で測定を行う端末装置は、Tidentify_inter=480×480÷Tinter1×Nfreq[ms(ミリ秒)]内に各周波数に存在するEUTRAのセルを検出できる必要がある。
s−Measureとは、在圏セルの受信電力が閾値(s−Measure)を下回る場合に隣接セル測定を行うように設定するためのパラメータであり、在圏セルの通信品質が良い場合にハンドオーバのための不要な隣接セル測定を防ぐことができる。このs−Measureは端末装置に対して1つ設定することができ、0に設定された場合、または設定されない場合、端末装置は、在圏セルの品質に関わらず常に設定された測定を行う。
次に測定設定メッセージについて具体的な例を挙げて説明する。ここでは、2つの測定対象(周波数F1と周波数F2)と3つの報告設定が通知され、前記測定対象と報告設定との組み合わせに対して3つの測定IDが設定される場合について図15を用いて説明する。
例えば、基地局装置は、測定対象として、周波数F1と周波数F2に、それぞれ識別子0と1を測定対象IDとして割り当てて端末装置に通知する。また、基地局装置は、報告設定として、報告設定1と報告設定2と報告設定3に、それぞれ識別子0,1,2を報告設定IDとして割り当てて端末装置に通知する。さらに基地局装置は、前記測定対象の識別子と前記報告設定の識別子との組み合わせに対して紐付けされる(リンクされる)測定IDを端末装置に通知する。また、基地局装置は必要に応じて測定ギャップ設定やs−Measureなども端末装置に通知する。
図15では、測定ID#0として、識別子0の測定対象(周波数F1)と識別子0の報告設定との組み合わせが指定されている。同様に、識別子0の測定対象(周波数F1)と識別子1の報告設定との組み合わせが測定ID#1に指定され、識別子1の測定対象(周波数F2)と識別子2の報告設定との組み合わせが測定ID#2に指定されている。
また、測定イベント情報とは、例えば、在圏セルのセル固有基準信号の受信品質が所定の閾値よりも下回った/上回ったとき、周辺セルのセル固有基準信号の受信品質が在圏セルよりも下回ったとき、周辺セルの受信品質が所定の閾値よりも上回ったとき、などの条件を示す測定イベントと、当該条件を判定するために用いるパラメータから構成される情報である。パラメータには、閾値、オフセット値、測定イベントの成立に必要な時間などの情報が設定される。非特許文献3では、例えば測定イベントA1として、サービングセルの受信品質が閾値よりも良くなった場合に報告することが定義されている。また、測定イベントA3として、隣接セルの受信品質が、サービングセルの受信品質にオフセット値を加えたものよりも良くなった場合に報告することが定義されている。また、測定イベントA4として、隣接セルの受信品質が、閾値よりも良くなった場合に報告することが定義されている。
端末装置は、ステップS142において、基地局装置から設定(通知)された測定設定情報を内部情報として保存する。そして、誤り無く測定設定情報を設定できた場合、端末装置は、ステップS143において測定設定の完了を示すメッセージ(測定設定完了メッセージ)を基地局装置へ送信する。端末装置は前述のように測定IDと測定対象IDと報告設定IDとを一つにリンクされるよう対応付けて管理し、各IDに対応する測定情報に基づいて測定を開始する。これらの3つのIDが一つにリンクされている場合、有効とみなして関連する測定を開始し、これらの3つのIDが一つにリンクされていない場合(いずれかのIDが設定されていない場合)、無効とみなして関連する測定は開始されない。端末装置は、異周波数や異なる無線通信技術のシステムの測定が設定された場合、測定ギャップ設定に基づき、ギャップ期間を利用して測定を行う。また、端末装置は、s−Measureが通知されている場合は、在圏セルの受信電力が閾値(s−Measure)を下回った場合にのみ周辺セルの測定を行うようにしてもよい。
そして、端末装置において、設定された測定イベントのいずれかがパラメータに従い条件を満たした場合、当該測定イベントがトリガ(trigger)されたとして、測定報告メッセージを基地局装置に対して送信する(ステップS144)。測定報告メッセージには、少なくともトリガされた測定イベントの報告設定IDにリンクした測定IDと、必要であれば関連するセルの測定結果が設定されて報告される。基地局装置は測定IDがどの測定イベントの報告設定IDにリンクしているかを把握しているため、端末装置は測定報告メッセージで報告設定IDを通知する必要はない。
[間欠受信]
PDCCH及びPDSCHの受信には、連続受信モードと間欠受信(Discontinuous Reception; DRX)状態がある。図16に示すように、間欠受信モードは、基地局装置と接続中の端末装置が、受信動作を行う期間を限定することにより、端末装置の消費電力を抑えることができる。
PDCCH及びPDSCHの受信には、連続受信モードと間欠受信(Discontinuous Reception; DRX)状態がある。図16に示すように、間欠受信モードは、基地局装置と接続中の端末装置が、受信動作を行う期間を限定することにより、端末装置の消費電力を抑えることができる。
端末装置は、基地局装置から間欠受信に関するパラメータ(受信ON期間やDRX間隔、DRX開始位置など)が指定された後、連続受信状態で自端末装置宛のPDCCH及びPDSCHの受信がなくなるとDRX開始位置から間欠受信状態に移行する。
間欠受信状態に入ると、端末装置は、基地局装置から指定された受信ON期間においてPDCCHを受信(モニタ)して、該PDCCHに自端末装置宛のデータが含まれるか否かを判断する。該PDCCHに自端末装置宛のデータが含まれる場合、受信ON期間を延長し、PDCCHやPDSCHの受信を継続する。ここで、受信ON期間が延長される場合、その分受信OFF期間が短くなる。
間欠受信状態には、短間隔の間欠受信(Short DRX)と長間隔の間欠受信(Long DRX)とがある。Short DRXはLong DRXに比べ、DRX間隔が短いDRXである。端末装置は、基地局装置から長間隔の間欠受信に関するパラメータに加え、この短間隔の間欠受信に関するパラメータ(短間隔間欠受信間隔(shortDRX−Cycle)、短間隔間欠受信タイマー(drxShortCycleTimer))が通知されてもよい。短間隔間欠受信に関するパラメータが通知される場合、端末装置は、最初にShort DRXから間欠受信状態に入る。そして、ある一定期間(短間隔間欠受信タイマーで指定される期間)、PDCCHに自端末装置宛のデータが含まれない場合に、Short DRXからLong DRXに自動的に移行する。図17に連続受信とShort DRXとLong DRXの関係を示す。尚、Short DRX間隔は2ms〜640msの間隔があり、Long DRX間隔は10ms〜2560msの間隔があり、それぞれが基地局装置から指定される。
間欠受信に関するパラメータには、前述のように、DRX間隔、PDCCHの受信をおこなう期間を示す受信ON期間、前記受信ON期間内にPDCCHを受信した場合に受信ON期間を延ばすための受信ON延長期間、DRX開始位置、再送時の受信ON期間、短間隔間欠受信タイマーなどがあり、RRCレイヤ(Radio Resource Control Layer)のメッセージで端末装置に送られる。
以上の事項を考慮しつつ、以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明の実施形態の説明において、本発明の実施形態に関連した公知の機能や構成についての具体的な説明が、本発明の実施形態の要旨を不明瞭にすると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について以下に説明する。
本発明の第1の実施形態について以下に説明する。
図1は、本発明の実施形態による基地局装置1の一例を示すブロック図である。本基地局装置1は、受信部101、復調部102、復号部103、制御部104、符号部105、変調部106、送信部107、ネットワーク信号送受信部108、上位レイヤ部109で構成される。
上位レイヤ部109は、下りリンクトラフィックデータと下りリンク制御データを符号部105へ出力する。符号部105は、入力された各データを符号化し、変調部106へ出力する。変調部106は、符号部105から入力された信号の変調を行なう。また、変調部106において変調された信号は、下りリンク基準信号が多重され、周波数領域の信号としてマッピングされる。送信部107は、変調部106から入力された信号を時間領域の信号へ変換し、変換した信号を既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行なうと共に送信する。下りリンク制御データが配置される下りリンクデータチャネルは、典型的にはレイヤ3メッセージ(RRC(Radio Resource Control)メッセージ)を構成する。
また、受信部101は、端末装置2(図2参照)からの受信信号をベースバンドのデジタル信号に変換する。受信部101で変換されたデジタル信号は、復調部102へ入力されて復調される。復調部102で復調された信号は、続いて復号部103へ入力されて復号される。復号部103は、受信信号を上りリンクトラフィックデータと上りリンク制御データに適切に分離し、それぞれ上位レイヤ部109へ出力する。
これら各ブロックの制御に必要な基地局装置制御情報は、上位レイヤ部109より制御部104へ入力され、制御部104からは、送信に関連する基地局装置制御情報が送信制御情報として、符号部105、変調部106、送信部107の各ブロックに、受信に関連する基地局装置制御情報が受信制御情報として、受信部101、復調部102、復号部103の各ブロックに適切に入力される。
一方、ネットワーク信号送受信部108は、複数の基地局装置1間(または制御局装置(MME)、ゲートウェイ装置(Gateway)、MCE)と基地局装置1との間の制御メッセージの送信または受信を行なう。制御メッセージはネットワーク回線を経由して送受信される。制御メッセージは、S1インターフェースやX2インターフェースやM1インターフェースやM2インターフェースと呼ばれる論理インターフェース上でやり取りされる。図1において、その他の基地局装置1の構成要素は本実施形態に関係ないため省略する。
図2は、本発明の実施形態に係る端末装置2の一例を示すブロック図である。本端末装置2は、受信部201、復調部202、復号部203、測定部204、制御部205、ランダムアクセス処理部206、符号部207、変調部208、送信部209、上位レイヤ部210で構成される。
受信に先立ち、上位レイヤ部210は、端末装置制御情報を制御部205に出力する。制御部205は、受信に関する端末装置制御情報を受信制御情報として、受信部201、復調部202、復号部203、測定部204へ適切に出力する。受信制御情報は、受信スケジュール情報として、復調情報、復号化情報、受信周波数帯域の情報、各チャネルに関する受信タイミング、多重方法、無線リソース配置情報などの情報が含まれている。
受信部201は、受信制御情報で通知された周波数帯域で、図示しない一つ以上の受信機を通じて、後述する基地局装置1から信号を受信し、受信した信号をベースバンドのデジタル信号に変換して、復調部202へ出力する。また、受信部201は受信した基準信号を測定部204へ出力する。復調部202は、受信信号を復調して復号部203へ出力する。復号部203は、受信制御情報に基づき復調された信号を正しく復号し、下りリンクトラフィックデータと下りリンク制御データに適切に分離し、それぞれ上位レイヤ部210へ出力する。上位レイヤ部210は復号部203で復号された信号に測定設定メッセージが含まれる場合、前記測定設定メッセージで指定される測定・報告設定を測定部204へ通知する。測定部204は、受信した基準信号のRSRPやRSRQなどを測定し、測定結果を上位レイヤ部210へ出力する。
また、送信に先立ち、上位レイヤ部210は、制御部205へ端末装置制御情報を出力する。制御部205は、送信に関する端末装置制御情報を送信制御情報として、ランダムアクセス処理部206、符号部207、変調部208、送信部209へ適切に出力する。送信制御情報は、送信信号の上りリンクスケジューリング情報として、符号化情報、変調情報、送信周波数帯域の情報、各チャネルに関する送信タイミング、多重方法、無線リソース配置情報などの情報が含まれている。
上位レイヤ部210は、符号部207へ上りリンクトラフィックデータと上りリンク制御データを上りリンクチャネルに応じて適切に出力する。符号部207は送信制御情報に従い、各データを適切に符号化し、変調部208に出力する。変調部208は、符号部207で符号化された信号の変調を行なう。また、変調部208は、変調された信号に対して下りリンクリファレンスシグナルを多重し、周波数バンドにマッピングする。
送信部209は、変調部208から出力された周波数バンドの信号を時間領域の信号へ変換し、変換した信号を既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行なうと共に図示しない1つ以上の送信機から送信する。
図2において、その他の端末装置2の構成要素は本実施形態に関係ないため省略してある。
次に、基地局装置と端末装置との間の無線インターフェースプロトコルの構造を示す。図3はユーザ平面(user plane; U-plane)の無線プロトコル構造(radio protocol architecture)を示すブロック図である。また、図4は制御平面(control plane; C-plane)の無線プロトコル構造を示すブロック図である。ユーザ平面は、ユーザデータ送受信のためのプロトコルスタック(protocol stack)であり、制御平面は、制御信号送受信のためのプロトコルスタックである。
図3及び図4において、第1の階層(レイヤ1)である物理層(Physical layer; PHY)では、異なる物理階層間、すなわち、送信側と受信側の物理層間で前述の物理チャネルを用いて通信がおこなわれる。物理層は、上位にある媒体アクセス制御(Medium Access Control; MAC)層にトランスポートチャネル(Transport channel)を介して連結されており、このトランスポートチャネルを介して物理層はMAC層に情報転送サービス(information transfer service)を行なう。
第2の階層(レイヤ2)のMAC層では、論理チャネル(logical channel)とトランスポートチャネルのマッピング、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)によるエラー訂正、論理チャネル間の優先度に基づいた転送処理などがおこなわれる。MAC層は、論理チャネルを介して上位階層である無線リンク制御(Radio Link Control; RLC)層と連結される。
第2の階層のRLC層は、データ転送の信頼性をサポートする。RLC層にはデータの送信方法に応じて透過モード(Transparent Mode; TM)、非応答モード(Unacknowledged Mode; UM)及び応答モード(Acknowledged Mode; AM)の3種類の動作モードが存在する。AMでは、ARQによるエラー訂正やプロトコルエラー検出などがおこなわれる。
第2の階層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、IPパケットヘッダサイズを減らすヘッダ圧縮(header compression)やデータの暗号化、暗号の復号化などを行なう。
第3の階層(レイヤ3)の無線リソース制御(Radio Resource Control; RRC)層は、制御平面でのみ定義される。RRC層は、NAS(non-access stratum)やAS(access stratum)関連情報の報知や、RRC接続の管理(Establishment/maintenance/release)、無線ベアラ(Radio Bearer; RB)の設定(configuration)、再設定(re-configuration)及び解放(release)、モビリティ(ハンドオーバ)、測定の管理とレポート、QoS管理などを行なう。
RRC層の上位に位置するNAS層は、セッション管理やモビリティ管理などを行なう。
ここで、基地局装置1のMAC層およびRRC層は、上位レイヤ部109の一部として存在する。また、端末装置2のMAC層は、ランダムアクセス処理部206および上位レイヤ部210の一部として存在し、端末装置2のRRC層は、測定部204および上位レイヤ部210の一部として存在する。
続いて、本実施形態における測定設定(Measuement Configuration)について説明を行なう。
本実施形態における測定設定は、前述の従来のRRM測定設定と同様に、測定IDと、測定対象(measurement object)と、測定対象に対応する測定対象IDと、測定イベントなどの報告設定と、報告設定に対応する報告設定IDとで構成される。さらに本実施形態では、端末装置2が既定の条件を満たす場合に測定および/または報告を行わないセル(GrayCell)の識別子情報(GrayCell情報)を、測定対象に設定できるようにする。具体的には、測定対象の設定にGrayCellの追加や削除をするための要素を含める。ここで前記既定の条件は、GrayCellとして示されるセルが例えばオフロード目的のスモールセルである場合には、在圏セルの受信電力および/あるいは受信品質が設定された閾値以上であるとき、または、該端末装置が高速に移動しているとき、または、在圏セルの受信電力および/あるいは受信品質が設定された閾値以上であり、かつ該端末装置が高速に移動しているなど、端末装置が当該セルにハンドオーバする有用性がないことを条件とすることが望ましい。さらに、端末装置が在圏セルへハンドオーバしてきた後の一定時間や、在圏セルで半永続スケジューリング(Semi-Persistent Scheduling; SPS)が割り当てられている場合や、在圏セルがスモールセルの周波数にある場合など、あるいは在圏セルの受信電力や受信品質や端末装置の移動速度などを含めた複数の条件の組み合わせを既定の条件としてもよい。なお、非特許文献4では、端末装置が、在圏セルの受信電力および受信品質が閾値以上であり、自端末装置が高速に移動している場合に、基地局装置に報告を行わないセルとしてGray Listed cellsを定義し、測定対象に含めることが記載されている。
測定設定として、2つの測定対象を定義する例を図5に示す。測定設定には、測定対象のほかに報告設定が含まれ、前記測定対象と報告設定との組み合わせに対して測定IDが設定されている。
図5では、測定ID#0として、識別子0の測定対象(周波数F2、GrayCell情報)と識別子0の報告設定1との組み合わせが指定される。同様に、測定ID#1として、識別子1の測定対象(周波数F3、GrayCell情報)と、識別子0の報告設定1との組み合わせが指定される。また、ここでは、報告設定1として前述のイベントA3が測定イベントとして指定されるものとする。
続いて、本実施形態における測定部204について、図6を用いて説明を行なう。
測定部204はRRC層基準信号測定部61とPHY層基準信号測定部62とを含む。PHY層基準信号測定部62は、受信部201から入力される基準信号のRSRPやRSRQ、チャネル状態などを測定し、RRC層基準信号測定部61へ通知する。RRC層基準信号測定部61は、上位レイヤ部210から通知される測定設定によって設定された測定対象において、PHY層基準信号測定部62から通知された個々の測定結果を必要であれば平均化し、報告設定に合致するか否かの判断をおこない、測定結果を上位レイヤ部210へ通知する。ここで、測定部204は、上位レイヤ部210から通知される測定設定の測定対象にGrayCell情報が含まれる場合、予め設定された条件を満たす場合には該GrayCell情報に含まれるセルの測定および/または報告を行わないようにする。すなわち、測定部204は、予め設定された条件を満たす場合に測定および/または報告を行わない第1のセルと、予め設定された条件を満たすか否かに関わらず測定および報告を行う第2のセルと、の測定結果を上位レイヤ部210へ通知する。
上述のように測定部204で測定された結果は上位レイヤ部210へ通知され、上位レイヤ部210は、設定された測定イベントの条件を満たす場合に、基地局装置1に対して送信する測定報告メッセージを生成し、生成された測定報告メッセージが基地局装置1へ送信される。測定報告メッセージには、少なくともトリガされた測定イベントの報告設定IDにリンクした測定IDと、必要であれば関連するセルの測定結果が設定されて報告される。
前記測定報告メッセージを送信した後の端末装置2の動作(間欠受信制御)の一例を、図7のフローチャートを用いて説明する。
図7において、まず、測定報告メッセージを基地局装置1に送信した端末装置2は、自端末装置に短間隔の間欠受信の設定がなされているかを確認する(ステップS71)。
ステップS71において、短間隔の間欠受信の設定がなされていない場合は処理を終了する。ステップS71において、短間隔の間欠受信の設定がなされている場合、ステップS72に遷移する。
ステップS72において、端末装置2は、測定対象に含まれるGrayCellが測定イベントの条件を満たすセルに含まれるか否かを確認する。ステップS72において、GrayCellが測定イベントの条件を満たすセルに含まれない場合は処理を終了する。ステップS72において、GrayCellが測定イベントの条件を満たすセルに含まれる場合、ステップS73に遷移する。
ステップS73において、端末装置2は自端末装置に設定されている短間隔間欠受信タイマー値を(設定されている値よりも大きくなるように)変更して、通常設定されているよりも長い期間、長間隔の間欠受信状態への移行を行わないようにして処理を終了する。
なお、上述のフローチャートは一例であり、ステップS71とステップS72の順序は逆であっても動作に支障はない。また、測定報告メッセージを送信する前にこの処理を行うようにしてもよい。
次に、前記測定報告メッセージを受信する基地局装置1の動作(メッセージ送信制御)の一例を、図8のフローチャートを用いて説明する。
図8において、測定報告メッセージを端末装置2から受信した基地局装置1は、該端末装置2に対して短間隔の間欠受信の設定がなされているかを確認する(ステップS81)。
基地局装置1は、ステップS81において、該端末装置2に対して短間隔の間欠受信の設定がなされていない場合は処理を終了する。ステップS81において、該端末装置2に対して短間隔の間欠受信の設定がなされている場合、ステップS82に遷移する。
基地局装置1は、ステップS82において、測定報告がGrayCellに関するか否かを確認する。ステップS82において、測定報告がGrayCellに関しない場合は処理を終了する。ステップS82において、測定報告がGrayCellに関する場合、ステップS83に遷移する。
基地局装置1は、ステップS83において、該端末装置2に設定されている短間隔間欠受信タイマー値を変更して(すなわち、該端末装置2が通常設定されているよりも長い期間、長間隔の間欠受信状態への移行を行わないものとして)、該端末装置に対するメッセージ送信制御(該端末装置2に対するメッセージ送信のタイミング制御)を行う。
なお、上述のフローチャートは一例であり、ステップS81とステップS82の順序は逆であっても動作に支障はない。
上述のように、測定対象にGrayCell情報を含む測定における測定報告が該GrayCellに関するものであるとき(測定報告の隣接セル測定情報にGrayCellが含まれる場合や測定対象がGrayCellのみである場合など)にのみ短間隔間欠受信タイマー値を(設定されている値よりも大きくなるように)変更して、基地局装置1からのモビリティ(ハンドオーバ)に関する指示などを遅延なく受信できるようにすることにより、端末装置2の不必要な消費電力の増加を抑える効率的な間欠受信の制御を行うことが可能となる。
なお、前述の変更後の短間隔間欠受信タイマー値は、使用される通信システムによって一意に定義される値でもよいし、システム情報として報知されてもよいし、RRCシグナリング(例えば測定設定)によって通知されてもよい。
例えば、変更後の短間隔間欠受信タイマー値については既定の値が設定されており、その値を適用するか否かを示す1ビットの情報が測定設定に含まれるようにしてもよい。あるいは、前記1ビットの情報を測定設定に含めるのではなく、特定の測定イベントに対して、前記値が適用されるように定義してもよい。あるいは、測定対象にGrayCell情報が含まれる場合に、前記値が適用されるように定義してもよい。
ここで前記特定の測定イベント(ここでは測定イベントA3)に対して前記変更後の短間隔間欠受信タイマー値が適用される一例を示す。図13に測定設定の一例を示す。図13では、測定ID#0として、識別子0の測定対象(周波数F2、GrayCell情報)と識別子0の報告設定1(測定イベントA1)との組み合わせが指定される。同様に、測定ID#1として、識別子0の測定対象(周波数F2、GrayCell情報)と、識別子1の報告設定2(測定イベントA3)との組み合わせが指定される。端末装置2がこの測定設定に基づき、基地局装置1に測定報告する。測定ID#0の報告をする場合、測定イベントA1に対する測定報告であるので、測定報告後に短間隔間欠受信タイマー値を変更しない。測定ID#1の報告をする場合、測定イベントA3に対する測定報告であるので、測定報告がGrayCellに関するもの(測定報告の隣接セル測定情報にGrayCellが1つ以上含まれる場合や測定対象がGrayCellのみで構成されている場合など)であれば、短間隔間欠受信タイマー値を変更する。
ここで変更された短間隔間欠受信タイマー値は、一度長間隔の間欠受信に移行することで元の値に戻すように制御してもよいし、基地局装置1からの明示的なコマンドにより元の値に戻すように制御してもよいし、基地局装置1が間欠受信に関するパラメータを再設定することにより短間隔間欠受信タイマー値を上書きするようにしてもよいし、これらの組み合わせにより制御してもよい。
あるいは、短間隔間欠受信タイマー値を変更するのではなく、短間隔の間欠受信動作時に、短間隔間欠受信タイマーの計時を休止(Suspend)や停止(Stop)するように制御してもよい。この場合、基地局装置1は、長間隔の間欠受信を再開させるために、再開を指示できるようにしてもよい。再開の指示は例えばMAC層でのコマンド(再開のための新たに定義するコマンドや既存のDRXへの移行を指示するDRXコマンドなど)によって実現することができる。
あるいは、短間隔間欠受信タイマー値を用いずに、長間隔の間欠受信の設定を一定期間無効にする(予め設定された長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長する)ように制御してもよい。以下に測定設定によって長間隔の間欠受信の設定を無効にする期間を通知する一例を示す。
図9は、長間隔の間欠受信の設定を無効にする期間を報告設定に含めて通知する一例を示した図である。図9では、測定ID#0として、識別子0の測定対象(周波数F2、GrayCell情報)と識別子0の報告設定1(無効期間情報)との組み合わせが指定される。同様に、測定ID#1として、識別子1の測定対象(周波数F3、GrayCell情報)と、識別子0の報告設定2との組み合わせが指定される。
前記測定設定がなされた端末装置2は、測定ID#1の測定報告を行う場合は、測定報告がGrayCellに関するものであっても、無効期間情報が含まれないため、長間隔の間欠受信の設定を無効にしない。端末装置2が測定ID#0の測定報告を行う場合は、測定報告がGrayCellに関するものであれば、報告設定で指定された無効期間情報に従って、一定期間長間隔の間欠受信の設定を無効にする(予め設定された長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長する)。
ここでは報告設定に無効期間情報を含める例を示したが、測定対象に含めるようにしてもよい。
また、ここでは測定設定に長間隔の間欠受信の設定を無効にする期間が含まれる例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、長間隔の間欠受信の設定を無効にする期間については既定の値が設定されており、その値を適用するか否かを示す1ビットの情報が測定設定に含まれるようにしてもよい。あるいは、前記1ビットの情報を測定設定に含めるのではなく、特定の測定イベントに対して、前記既定の値が適用されるように定義してもよい。あるいは、測定対象にGrayCell情報が含まれる場合に、前記既定の値が適用されるように定義してもよい。
このように、測定報告がGrayCellに関するものであるときに、短間隔間欠受信タイマー値の変更や、長間隔の間欠受信の一時無効化を、測定対象や報告設定(測定イベント)に応じて設定できるようにすることで、端末装置2の不必要な消費電力の増加を抑える効率的な間欠受信の制御を行うことが可能となる。また、測定イベントの種類と間欠受信制御とを関連づけることにより、基地局装置1から端末装置2へのシグナリング量を低減することもできる。
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では測定設定に含まれるGrayCellに関する測定報告であるか否かに基づいて短間隔間欠受信タイマー値の変更や、長間隔の間欠受信の一時無効化を制御する例を示したが、本実施形態では、それに加えて、端末装置2が在圏するセルに基づいて前記制御を行う例を示す。
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では測定設定に含まれるGrayCellに関する測定報告であるか否かに基づいて短間隔間欠受信タイマー値の変更や、長間隔の間欠受信の一時無効化を制御する例を示したが、本実施形態では、それに加えて、端末装置2が在圏するセルに基づいて前記制御を行う例を示す。
本実施形態の説明で用いる通信システム(基地局装置1および端末装置2)は、第1の実施形態における、図1、および図2とそれぞれ同様であるので詳細な説明は繰り返さない。
なお、本実施形態において、端末装置2は、自端末装置が在圏するセルが既定の条件を満たすセル(ここではスモールセル)か否かを認識しているものとする。例えば、基地局装置1から報知される情報にスモールセルであるか否かの情報が含まれていてもよく、基地局装置1から端末装置2に対して個別に通知される情報に含まれていてもよい。あるいは、基地局装置1から報知または通知される送信電力の大きさに基づいて在圏セルがスモールセルであるか(送信電力が既定の閾値未満か)否かを端末装置2が判断するようにしてもよい。
本実施形態における測定設定について、図10を用いて説明を行なう。ここでは一例として長間隔の間欠受信の設定を無効にする例を示すが、これに限定されるものではなく、第1の実施形態と同様、短間隔間欠受信タイマー値を用いてもよい。
図10では、測定ID#0として、識別子0の測定対象(周波数F2、GrayCell情報)と識別子0の報告設定1との組み合わせが指定される。同様に、測定ID#1として、識別子1の測定対象(周波数F3、GrayCell情報)と、識別子0の報告設定1との組み合わせが指定される。ここで、報告設定1および報告設定2には、長間隔の間欠受信の設定を無効にするか否かを示す1ビットの情報(無効化情報)が含まれる。
端末装置2の測定部204は第1の実施形態と同様に、前記測定設定に基づいた測定結果を上位レイヤ部210へ通知し、上位レイヤ部210は、設定された測定イベントの条件が満たされる場合に、基地局装置1に対して送信する測定報告メッセージを生成し、生成された測定報告メッセージが基地局装置1へ送信される。
前記無効化情報が含まれる報告設定とリンクされた測定IDに対する測定報告メッセージを基地局装置1に送信した後の端末装置2の動作(間欠受信制御)の一例を、図11のフローチャートを用いて説明する。
図11において、まず、測定報告メッセージを基地局装置1に送信した端末装置2は、自端末装置に短間隔の間欠受信の設定がなされているかを確認する(ステップS111)。
ステップS111において、短間隔の間欠受信の設定がなされていない場合は処理を終了する。ステップS111において、短間隔の間欠受信の設定がなされている場合、ステップS112に遷移する。
ステップS112において、端末装置2は、在圏セルがスモールセルか否かを確認し、在圏セルがスモールセルでなければステップS113に遷移し、在圏セルがスモールセルであればステップS114に遷移する。
ステップS113において、端末装置2は、測定対象に含まれるGrayCellが測定イベントの条件を満たすセルに含まれるか否かを確認する。ステップS113において、GrayCellが測定イベントの条件を満たすセルに含まれない場合は処理を終了する。ステップS113において、GrayCellが測定イベントの条件を満たすセルに含まれる場合、ステップS114に遷移する。
ステップS114において、端末装置2は自端末装置に設定されている長間隔の間欠受信の設定を一時的に無効として(予め設定された長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長して)、長間隔の間欠受信状態への移行を行わないようにして処理を終了する。
なお、上述のフローチャートは一例であり、ステップS111をステップS114の直前に実施しても動作に支障はない。また、測定報告メッセージを送信する前にこの処理を行うようにしてもよい。
次に、前記測定報告メッセージを受信する基地局装置1の動作(メッセージ送信制御)の一例を、図12のフローチャートを用いて説明する。
図12において、測定報告メッセージを端末装置2から受信した基地局装置1は、該端末装置2に短間隔の間欠受信の設定がなされているかを確認する(ステップS121)。
基地局装置1は、ステップS121において、該端末装置2に対して短間隔の間欠受信の設定がなされていない場合は処理を終了する。ステップS121において、該端末装置2に対して短間隔の間欠受信の設定がなされている場合、ステップS122に遷移する。
基地局装置1は、ステップS122において、該端末装置2と通信している自セルがスモールセルか否かを確認し、自セルがスモールセルでなければステップS123に遷移し、自セルがスモールセルであればステップS124に遷移する。
基地局装置1は、ステップS123において、測定報告がGrayCellに関するか否かを確認する。ステップS123において、測定報告がGrayCellに関しない場合は処理を終了する。ステップS123において、測定報告がGrayCellに関する場合、ステップS124に遷移する。
基地局装置1は、ステップS124において、該端末装置2に設定されている長間隔の間欠受信の設定を一時的に無効とみなして(すなわち、該端末装置2が長間隔の間欠受信状態への移行を行わないものとして)、該端末装置2に対するメッセージ送信制御(該端末装置2に対するメッセージ送信のタイミング制御)を行う。
なお、上述のフローチャートは一例であり、ステップS121をステップS124の直前に実施しても動作に支障はない。
上述のように、長間隔の間欠受信の設定を無効にする無効化情報が含まれる報告設定とリンクされた測定IDに対する測定報告を端末装置2が行う際に、在圏セルがスモールセルである場合、あるいは測定報告メッセージがGrayCellに関するものである場合に、長間隔の間欠受信の設定を一時的に無効にして、基地局装置1からのモビリティ(ハンドオーバ)に関する指示などを遅延なく受信できるようにすることにより、端末装置2の不必要な消費電力の増加を抑える効率的な間欠受信の制御を行うことが可能となる。
なお、前述の長間隔の間欠受信の設定を無効にする期間は、第1の実施形態と同様に、使用される通信システムによって一意に定義される期間でもよいし、RRCシグナリング(例えば測定設定)によって通知されてもよい。
本実施形態では報告設定に無効化情報を含める例を示したが、無効化情報を測定対象に含めるようにしてもよいし、あるいは、特定の測定イベントに対して、前述の長間隔の間欠受信の設定を無効にする期間を適用するように定義してもよい。例えば、GrayCell情報を含む測定対象と、特定のイベント(例えばここでは測定イベントA3と測定イベントA5)の報告設定とがリンクされている場合に、前述の長間隔の間欠受信の設定を無効にする期間を適用するようにしてもよい。図13に測定設定の一例を示す。図13では、測定ID#0として、識別子0の測定対象(周波数F2、GrayCell情報)と識別子0の報告設定1(測定イベントA1)との組み合わせが指定される。同様に、測定ID#1として、識別子0の測定対象(周波数F2、GrayCell情報)と、識別子1の報告設定2(測定イベントA3)との組み合わせが指定される。端末装置2がこの測定設定に基づき、基地局装置1に測定報告する。測定ID#0の報告をするときには、測定イベントA1に対する測定報告であるので、測定報告後に長間隔の間欠受信の設定を無効にしない。測定ID#1の報告をするときには、測定イベントA3に対する測定報告であるので、在圏セルがスモールセルである場合、あるいは測定報告がGrayCellに関するものである場合に、長間隔の間欠受信の設定を一時的に無効にする。このように、測定イベントの種類と間欠受信制御とを関連づけることにより、基地局装置1から端末装置2へのシグナリング量を低減することができる。
上述の各実施形態では、短間隔間欠受信タイマー値の一時変更や、長間隔の間欠受信の一時無効化について述べたが、長間隔の間欠受信の設定を無効にするのではなく、長間隔の間欠受信の間隔を変更(短くなるように制御)してもよい。すなわち、上述の各実施形態では、長間隔の間欠受信への移行を行わない(長間隔の間欠受信の設定を無効にする)期間を設定する例を挙げたが、長間隔の間欠受信の間隔を変更する期間を設定するようにしてもよい。また、変更後の間欠受信の間隔は、使用される通信システムによって一意に定義されてもよいし、システム情報として報知されてもよいし、RRCシグナリング(例えば測定設定)によって通知されてもよい。また、変更された長間隔の間欠受信の間隔を適用する期間は、上述のように設定されるのではなく、基地局装置による明示的な指示(MAC層における適用解除のコマンドなど)があるまで継続するようにしてもよい。
また、上述の各実施形態では、長間隔の間欠受信について述べたが、これに限らず、短間隔の間欠受信(Short DRX)への移行を制御するようにしてもよい。
また、上述の各実施形態では、基地局装置1と端末装置2が1つのセルで通信をおこなう例を示したが、これに限らず、複数のセルを用いて通信をおこなうシステムに適用することも可能である。例えば、キャリアアグリゲーションと呼ばれる1つのプライマリセル(PCell)と1または複数のセカンダリセル(SCell)とを用いて通信を行うようなシステムであっても、間欠受信の設定がPCellとSCellで共通であれば、上述の各実施形態と同様の制御をおこなえばよい。また、間欠受信の設定がPCellとSCellとで異なる場合であっても、少なくともモビリティ(ハンドオーバ)に関するメッセージを送受信する特定のセル(例えばPCell)において、上述の各実施形態と同様の間欠受信の制御をおこなえばよい。
また、本発明に係る実施形態で示される各パラメータの名称は、説明の便宜上呼称しているものであって、実際に適用されるパラメータ名称と本発明のパラメータ名称とが異なっていても、本発明が主張する発明の趣旨に影響するものではない。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
また、前述した実施形態の端末装置2は、可搬型あるいは可動型の移動局装置のみならず、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器や測定機器、車載装置などにも適用できる。端末装置は、ユーザ端末、移動局装置、通信端末、移動機、端末、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)とも称される。基地局装置は、無線基地局装置、基地局、無線基地局、固定局、NB(Node−B)、eNB(evolved Node−B)、BTS(Base Transceiver Station)、BS(Base Station)とも称される。
また、説明の便宜上、実施形態の基地局装置1および端末装置2を機能的なブロック図を用いて説明したが、基地局装置1および端末装置2の各部の機能またはこれらの機能の一部を実現するための方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、またはこれら2つを組み合わせたものによって、直接的に具体化され得る。もしソフトウェアによって実装されるのであれば、その機能は、コンピュータ読み取り可能な媒体上の一つ以上の命令またはコードとして保持され、または伝達され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータプログラムをある場所から別の場所への持ち運びを助ける媒体を含むコミュニケーションメディアやコンピュータ記録メディアの両方を含む。
そして、一つ以上の命令またはコードをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録された一つ以上の命令またはコードをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより基地局装置1や端末装置2の制御を行なっても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
本発明の各実施形態に記載の動作をプログラムで実現してもよい。本発明の各実施形態に関わる基地局装置1および端末装置2で動作するプログラムは、本発明の各実施形態に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。また、プログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の各実施形態の機能が実現される場合もある。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、半導体媒体(例えば、RAM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるディスクユニット等の記憶装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上記各実施形態に用いた基地局装置1および端末装置2の各機能ブロック、または諸特徴は、本明細書で述べられた機能を実行するように設計された汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向けあるいは一般用途向けの集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイシグナル(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものによって、実装または実行され得る。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであっても良いが、代わりにプロセッサは従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであっても良い。汎用用途プロセッサ、または前述した各回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。
プロセッサはまた、コンピューティングデバイスを組み合わせたものとして実装されても良い。例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと接続された一つ以上のマイクロプロセッサ、またはその他のそのような構成を組み合わせたものである。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
以上、本発明の実施形態について特定の具体例に基づいて詳述してきたが、本発明の趣旨ならびに特許請求の範囲は、これら特定の具体例に限定されないことは明らかである。すなわち、本明細書の記載は例示説明を目的としたものであり、本発明に対して何ら制限を加えるものではない。
1…基地局装置
2…端末装置
101、201…受信部
102、202…復調部
103、203…復号部
104、205…制御部
105、207…符号部
106、208…変調部
107、209…送信部
108…ネットワーク信号送受信部
109、210…上位レイヤ部
204…測定部
206…ランダムアクセス処理部
61…RRC層基準信号測定部
62…PHY層基準信号測定部
2…端末装置
101、201…受信部
102、202…復調部
103、203…復号部
104、205…制御部
105、207…符号部
106、208…変調部
107、209…送信部
108…ネットワーク信号送受信部
109、210…上位レイヤ部
204…測定部
206…ランダムアクセス処理部
61…RRC層基準信号測定部
62…PHY層基準信号測定部
Claims (10)
- 基地局装置と端末装置とが通信を行う無線通信システムであって、
前記基地局装置は、前記端末装置が既定の条件を満たす場合に測定および/あるいは報告を行わないセル(GrayCell)の情報を含む測定設定メッセージを前記端末装置に通知し、
前記端末装置は、前記測定設定メッセージに基づく測定を実施し、測定報告メッセージを前記基地局装置に通知し、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告である場合に、予め通知された長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長する
ことを特徴とする無線通信システム。 - 基地局装置と通信する端末装置であって、
前記基地局装置から、前記端末装置が既定の条件を満たす場合に測定および/あるいは報告を行わないセル(GrayCell)の情報を含む測定設定メッセージを受信し、前記測定設定メッセージに基づく測定の結果を測定報告メッセージとして前記基地局装置に通知し、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告である場合に、予め自端末装置に通知された長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長することを特徴とする端末装置。 - 請求項2に記載の端末装置であって、
自端末装置の在圏セルがスモールセルである場合には、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告であるか否かにかかわらず、予め自端末装置に設定された長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長することを特徴とする端末装置。 - 端末装置と通信する基地局装置であって、
前記端末装置に対し、前記端末装置が既定の条件を満たす場合に測定および/あるいは報告を行わないセル(GrayCell)の情報を含む測定設定メッセージを送信し、前記端末装置から前記測定設定メッセージに基づく測定の結果を測定報告メッセージとして受信し、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告である場合に、予め前記端末装置に通知した長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長することを特徴とする基地局装置。 - 請求項4に記載の基地局装置であって、
前記端末装置の在圏セルがスモールセルである場合には、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告であるか否かにかかわらず、予め前記端末装置に設定した長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長することを特徴とする基地局装置。 - 基地局装置と端末装置とが通信を行う無線通信システムに適用される無線通信方法であって、
前記基地局装置が、前記端末装置が既定の条件を満たす場合に測定および/あるいは報告を行わないセル(GrayCell)の情報を含む測定設定メッセージを前記端末装置に通知するステップと、
前記端末装置が、前記測定設定メッセージに基づく測定を実施し、測定報告メッセージを前記基地局装置に通知するステップと、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告である場合に、予め通知された長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長するステップを少なくとも含むことを特徴とする無線通信方法。 - 基地局装置と通信する端末装置に適用される無線通信方法であって、
前記基地局装置から、前記端末装置が既定の条件を満たす場合に測定および/あるいは報告を行わないセル(GrayCell)の情報を含む測定設定メッセージを受信するステップと、前記測定設定メッセージに基づく測定の結果を測定報告メッセージとして前記基地局装置に通知するステップと、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告である場合に、予め自端末装置に通知された長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長するステップを少なくとも含むことを特徴とする無線通信方法。 - 端末装置と通信する基地局装置に適用される無線通信方法であって、
前記端末装置に対し、前記端末装置が既定の条件を満たす場合に測定および/あるいは報告を行わないセル(GrayCell)の情報を含む測定設定メッセージを送信するステップと、前記端末装置から前記測定設定メッセージに基づく測定の結果を測定報告メッセージとして受信するステップと、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告である場合に、予め前記端末装置に通知した長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長するステップを少なくとも含むことを特徴とする無線通信方法。 - 基地局装置と通信する端末装置に搭載される集積回路であって、
前記基地局装置から、前記端末装置が既定の条件を満たす場合に測定および/あるいは報告を行わないセル(GrayCell)の情報を含む測定設定メッセージを受信する機能と、前記測定設定メッセージに基づく測定の結果を測定報告メッセージとして前記基地局装置に通知する機能と、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告である場合に、予め自端末装置に通知された長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長する機能を前記端末装置に発揮させることを特徴とする集積回路。 - 端末装置と通信する基地局装置に搭載される集積回路であって、
前記端末装置に対し、前記端末装置が既定の条件を満たす場合に測定および/あるいは報告を行わないセル(GrayCell)の情報を含む測定設定メッセージを送信する機能と、前記端末装置から前記測定設定メッセージに基づく測定の結果を測定報告メッセージとして受信する機能と、前記測定報告メッセージが前記GrayCellに関する報告である場合に、予め前記端末装置に通知した長間隔の間欠受信状態へ移行するまでの短間隔の間欠受信期間を延長する機能を前記基地局装置に発揮させることを特徴とする集積回路。
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JP2013072402A JP2016115948A (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | 無線通信システム、端末装置、基地局装置、無線通信方法および集積回路 |
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JP2013072402A JP2016115948A (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | 無線通信システム、端末装置、基地局装置、無線通信方法および集積回路 |
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