JP2016113350A - 水素発生装置及び水素発生方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1は、バリウム、ジルコニウム、酸素及び窒素の元素で構成された、光励起半導体に関するものであり、可視光照射により励起して、光触媒として機能できると記載されている。
非特許文献2は、InVO4の可視光による水の分解で、水素の発生のみを確認した報告であり、その水素生成速度は毎時約3マイクロモル程度である。
非特許文献3はBiVO4による水の可視光照射による分解に関するものである。また、非特許文献4はWO3による水の可視光照射による分解に関するものである。これらの文献では、酸素の生成は確認されているものの、水素の生成は確認されていない。
本発明は、以下の構成を有する。
(水素発生装置)
まず、本発明の第1の実施形態である水素発生装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態である水素発生装置の一例を示す図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態である水素発生装置11は、反応容器21と、反応容器21内に貯蔵された懸濁液22と、を有して概略構成されている。
懸濁液22は、反応液24と、反応液24中に分散された光触媒33と、からなる。
反応液24は水又は有機溶媒含有水溶液である。有機溶媒としては、水酸基を有するものが好ましく、アルコールを挙げることができる。メタノール等の低級アルコールがその典型例である。これにより、可視光を触媒表面に照射することにより、光触媒33の表面で反応液24に含有された水あるいは水酸基を有する有機溶媒の分解反応をさせて、水素を発生させることができる。なお、反応液24は、分解反応により水素ガスを発生し、消滅した水あるいは水酸基を有する有機溶媒を触媒表面に常に十分な量を供給できるだけの量の水あるいは水酸基を有する有機溶媒を含有していることを要する。
光触媒33は半導体粒子23からなる粉末である。
[粒径]
半導体粒子23は、粒径100μm以下の粒子である。粒径100μm以下であれば、系において、各粒子で光を有効に吸収して、触媒反応させることができる。粒径が大きいと材料コストの点で不経済でもある。
板状粒子を利用する場合は、膜厚100μm以下とすることが好ましい。材料コストの観点から薄いことが望まれるためである。大抵の半導体の屈折率は反応液の屈折率より大きいが、その場合は、厚みがその半導体中の光学波長の4分の1の偶数倍であれば反射光を小さくでき、反射損失を小さくできる。一方、その半導体中の光学波長の4分の1の奇数倍の厚みであれば、薄膜の反射率が高くなり反射損失が大きくなる。例えば、波長630nmの可視光を利用する場合、その波長に対するダイヤモンド構造の半導体Si膜の屈折率は約3.9であることが知られている。これから、光学波長の4分の1の2倍のSiの厚みは、(630nm÷4×2)÷3.9=80.8nmとなり、その波長の光に対する反射損失はその厚みで相当に小さくできる。また、光の当たる面にだけ、その半導体と異なる屈折率の膜を形成し、その厚みを調節して、反射率を下げる工夫をしても良い。この場合、水素は膜が形成されていない面から発生することになる。
半導体粒子23のイオン結合性は小さい。
イオン結合性が小さいとは、「その半導体の構成原子のポーリングの電気陰性度で最大のものと最少のものとの差が1以下」のものと規定した。1以下の中でもイオン結合性がより小さい方が好ましく、例えば、0.7以下がより望ましい。
半導体粒子23のバンドギャップは2.95eV未満である。バンドギャップより大きいエネルギー領域の光照射により、価電子帯から伝導帯に電子を励起することができる。
例えば、シリコンのバンドギャップエネルギーEgは約1.2eVなので、1.59〜2.95eV(420nm−780nm)の光子エネルギー域の可視光照射により、価電子帯の電子を伝導帯に励起することができる。
特に、GaN、ZnOは、バンドギャップ2.95eV以上であり、かつ、イオン結合性も大きいので、本願の半導体材料ではない。
具体的には、SixC1−x化合物半導体(0<x<1)、SixGe1−x化合物半導体(0<x<1)、GexC1−x化合物半導体(0<x<1)、GexSiyC1−x−y化合物半導体(xとyはともに正であり、かつ、0<x+y<1)、GaP化合物半導体あるいは、GaP化合物半導体と以下、C、SiあるいはGeから選択されるいずれか一又は二以上の元素との化合物からなる複合化合物半導体、から選択されるいずれか一又は二以上の半導体からなる。
光触媒の結晶構造の特徴として、その表面部分を除けば、以下(イ)あるいは(ロ)の特徴を有する構造を持つ。
ダイヤモンド構造をとる、一般的な立方晶Si単体半導体を例にとり、表面構造について説明する。
図2は、立方晶でダイヤモンド構造のSi単体半導体の結晶構造概略図である。
図2(a)は、Si単結晶及び表面緩和していない(001)面を表し、図2(b)は、室温環境における表面緩和のため、表面原子が再配列した様子を表す図であり、量子分子動力学理論を用いて計算した構造である。
表面緩和がなければ、この(001)面で切断した面では、表面のSi原子は近隣に2原子を配位させる構造となるが、この切断表面の原子配列は不安定であるため、室温程度の温度環境下では、周辺の原子を引き寄せ、より安定な構造を取ろうとし、その結果、図2(b)にみられるように、3配位の構造になる場合が多い。
図2(c)はこの様子を表す図であり、図2(b)同様、量子分子動力学理論を用いて計算した構造である。これにより、可視光励起された電子が、−Si−H構造を通じてH+に供給され、還元されてH2ガスが効率よく発生することになる。先に述べたように、よく知られた光触媒物質TiO2の場合、イオン結合性が大きく、水素イオンは表面に露出したTi原子近くではなく、表面に露出した酸素原子近くに吸着する傾向が強く、表面に形成される−O−H構造のHと表面に露出したTiサイトとの距離が大きくなる(Ti−Hの距離はおおよそ2.4Å程度である。)。さらに、水素原子の1s軌道のエネルギーが、TiO2の伝導帯底部を形成するd軌道のエネルギーから比較的離れていることもあり、表面Tiサイト周辺に励起されがちな光励起電子を吸着水素イオンが受け取り難くなる致命的な欠点があった。本発明ではこの欠点が本質的に改善されている。
例えば、シリコン半導体単結晶の電子構造の特徴は、その価電子帯上部と伝導帯底部の電子波動関数がいわゆるsp3混成軌道で構成されることになる。しかし、粒子にして、その粒子を構成するシリコン原子の全原子数に対し、表面に露出したシリコン原子の数が比較的多くなると、表面近傍のシリコン原子配列が単結晶時のものと異なるため、その粒子の価電子帯上部と伝導帯底部の電子波動関数はsp3混成軌道から少しずれた形になる。しかしながら、波動関数の主成分が、s軌道やp軌道であることに変わりはない。一方、その粒子が、反応液、例えば水に接していて、その表面に水分子の吸着が起こると、一部に−Si−H構造(Si−Hの距離はおおよそ1.5Å程度)を形成することになるため、伝導帯底部の波動関数成分が変化し、その伝導帯底部の成分中に水素原子の1s軌道成分が増えることになる。これは、Si−Hの距離が近いためのみならず、水素原子のs軌道のエネルギーが、シリコン半導体の伝導帯底部を形成するs軌道とp軌道混成軌道のエネルギーと比較的近いことにも起因する。そのため、価電子帯から励起された電子はプロトンに行き渡り易くなり、水素イオンが水素へ還元されやすくなる。シリコン以外でも、C、 Ge、GaP等で同様の傾向が見られる。光励起された電子の無効再結合を防ぎキャリア寿命を延ばすため、間接遷移型の半導体の使用が望ましい。
C単体、Si単体、Ge単体、あるいはそれら元素少なくとも2つ以上の化合物、組成比1:1のGaP化合物、また、GaとP原子が同数含まれる、C、Si、Ge元素の少なくとも1つの元素で構成される単体か2つ以上の元素で構成される化合物とGaP化合物の複合化合物の結晶構造が、その表面部分を除いて以下(イ)あるいは(ロ)の特徴を有する構造を持てば、ごく少数の例外を除き半導体となる。
反応液24中の半導体粒子23の濃度は、例えばSi粒子の場合、0.5g/200cc以上2g/200cc以下とすることが好ましい。懸濁液22に可視光照射して水素発生させる方法では、濃度を上げた場合、濃度1g/200cc位まではリニアに水素生成量が増加し、濃度2g/200ccぐらいまではリニアではないが水素生成量が増加する。一方、濃度2g/200cc超とすると、懸濁液22中の半導体粒子23の量が多くなり、半導体粒子23自体が日陰を作り、水素生成量が飽和する。
Si粒子の場合、0.5g/200cc以上2g/200cc以下で懸濁液は、濃いグレー色になる。なお、望ましい粒子濃度は粒子の直径分布や粒子半導体材料の密度に依存するため、適宜調整すれば良い。
[可視光透過性]
反応容器21は、懸濁液22を貯蔵可能な容器であって、内部に貯蔵した反応液24及び光触媒33とからなる懸濁液22に外部から可視光照射可能とされている容器である。反応容器21として、図1に示すように、例えば、三口フラスコを用いることができる。三口フラスコは、可視光に対して透明なガラス製であるので、反応容器21の全体が可視光に対し透明な材料で作製されており、いずれの方向からでも、内部に貯蔵した懸濁液22に外部から可視光を照射でき、光触媒による水の分解反応を発生させることができる。これに限られるものではなく、反応容器21の一部が可視光領域の光に対し透明な材料で作製されていてもよい。例えば窓部が形成されてもよい。これにより、窓部を介して可視光を通過させて、懸濁液22に外部から可視光照射できる。
反応容器21は、内部が外部に対して閉鎖系とされていることが好ましい。これにより、触媒活性の低下を抑制でき、発生した水素ガスを洩れなく回収できる。三口フラスコを用いる場合には、例えば、3つの口にはバルブ(図示略)を取り付けて、内部を閉鎖系とする。また、例えば、反応容器21の管21cに、バルブを介して、ガス排出管(図示略)の一端を取り付け、ガス排出管の他端にガス貯蔵容器(図示略)を取り付ける。これにより、このバルブを開として、発生した水素ガスを洩れなく、ガス貯蔵容器に貯蔵することができる。
次に、本発明の実施形態である水素発生方法を、図3を用いて、説明する。
本発明の実施形態である水素発生方法は、懸濁液調製工程S1と、閉鎖系とする工程S2と、可視光照射工程S3と、を有する。
この工程では、水又は有機溶媒含有水溶液からなる反応液24に、イオン結合性が1以下であり、バンドギャップが2.95eV未満である半導体粒子23からなる粉末の光触媒33を分散して、懸濁液22を調製する。例えば、間接遷移型でバンドギャップ約1.2eV、その価電子帯と伝導帯がsp3混成軌道で構成される結晶構造がダイヤモンド構造のSi粒子(光触媒)を用いる。
この工程では、可視光の各波長の透過率が70%以上である光透過性材料からなる反応容器21の内部に、懸濁液22を貯蔵し、前記反応容器の内部を閉鎖系とする。例えば、透明なガラス製の3つ口フラスコに、水を入れ、Si粒子(光触媒)をいれて撹拌し、懸濁液22を貯蔵し、口21a、21b、21cにバルブをつけて、閉鎖系とする。
この工程では、反応容器21の外部から光懸濁液22に可視光31を照射する。例えば、左側面方向から、底面に平行な方向で、可視光照射する。
図3は、可視光照射したときの様子を示す図である。光触媒33の表面で反応液24である水を分解して水素ガス27が発生する。なお、発生させた水素ガス27は、口21cのバルブを開として、矢印28の方向に吸引して、水素ガス貯蔵タンク(図示略)に貯蔵する。
1.59〜2.95eV(420nm−780nm)の光子エネルギー域の可視光照射が、例えば、シリコン微粒子に照射されると、シリコンのバンドギャップエネルギーEgである1.2eV以上であるので、伝導帯に電子が励起され、表面に吸着したプロトンに電子を供給し、水素イオンを還元して水素が生成される。
本発明の第2の実施形態である水素発生装置について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態である水素発生装置の一例を示す図であって、可視光照射したときの様子を示す図である。
図4に示すように、本発明の第2の実施形態である水素発生装置12は、反応液として、電解質35である塩MXを溶解した水を用いた他は、第1の実施形態と同様の構成とされている。
反応液24が、電解質35を含むことが好ましい。
電解質(塩)35は、反応液24中で陽イオンと陰イオンとして存在する。陽イオンはH1sの空の軌道成分のエネルギーを下げる。一方、陰イオンはSi由来の非占有準位を上げる。したがって、反応液24が電解質35を含むことにより、非占有準位の底部周辺の波動関数成分に於けるH1s成分が増え、水素生成効率は高くなる。
溶解させた塩MXのイオンM+が、その周辺に水分子を配位させ、また、イオンX−が光触媒表面近くに存在する場合がある他は、第1の実施形態と同様の構成となる。このことにより、光触媒と反応液とで構成されるその組み合わせ独特の表面構造と電子構造が形成され、水素生成にとって有利となる。
本発明の第3の実施形態である水素発生装置について説明する。
図6は、本発明の第3の実施形態である水素発生装置の一例を示す図であって、可視光照射したときの様子を示す図である。
図6に示すように、本発明の第3の実施形態である水素発生装置13は、助触媒37を用いた他は、第2の実施形態と同様の構成とされている。
光触媒半導体薄膜あるいは光触媒粒子にCo、Ni、Cu、Ag、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Auの群中の単体金属、あるいはそれらの少なくとも2種類以上の金属からなる合金から選択されるいずれか一又は二以上の助触媒37を担持することが好ましい。光励起された電子が助触媒37に分離され、電子とホールの無効再結合による失活を回避させる効果や、光触媒表面の耐久性を高める効果が期待できる。
光触媒表面上に助触媒Ptが担持され、光触媒の表面に−Si−Pt構造を形成している他は、第2の実施形態と同様の構成とされている。このことにより、光触媒と助触媒と反応液とで構成されるその組み合わせ独特の表面構造と電子構造が形成され、水素生成にとって有利となる。
まず、純水220ccに、Si結晶粉末0.5gを縣濁させた。
100μm以下の粉末径のものを使用した(以下、実施例2〜9、13、14でも同様)。
次に、300Wのキセノンランプの可視光成分のみの光(波長420nmより長い)を照射した。1時間で約0.27ミリモルの水素が発生した。光を照射しない場合、1時間で水素はほとんど生成されないことを確認した。
まず、純水220ccに炭酸ナトリウムNa2CO3を溶かし、濃度を0.33mol/Lに調整してから、その溶液中に、Si結晶粉末0.1gを縣濁させた。
次に、300Wのキセノンランプの可視光成分のみの光(波長420nmより長い)を照射した。1時間で約0.11ミリモルの水素が発生した。この水素量は、触媒量が0.5gとして換算すると、1時間で0.75ミリモルに相当する。
まず、純水220ccに硝酸ナトリウムNaNO3を溶かし、濃度を0.42mol/Lに調整してから、その溶液中に、Si結晶粉末0.5gを縣濁させた。
次に、300Wのキセノンランプの可視光成分のみの光(波長420nmより長い)を照射した。1時間で約2.6ミリモルもの水素が発生した。
まず、純水220ccに硝酸カリウムKNO3を溶かし、濃度を0.42mol/Lに調整してから、その溶液中に、Si結晶粉末0.5gを縣濁させた。
次に、300Wのキセノンランプの可視光成分のみの光(波長420nmより長い)を照射した。1時間で約3.0ミリモルもの水素が発生した。
まず、純水220ccに硝酸リチウムLiNO3を溶かし、濃度を0.42mol/Lに調整してから、その溶液中に、Si結晶粉末0.5gを縣濁させた。
次に、300Wのキセノンランプの可視光成分のみの光(波長420nmより長い)を照射した。1時間で約4.8ミリモルもの水素が発生した。
まず、純水220ccに硫酸ナトリウムNa2SO4を溶かし、濃度を0.21mol/Lに調整してから、その溶液中に、Si結晶粉末0.5gを縣濁させた。
次に、300Wのキセノンランプの可視光成分のみの光(波長420nmより長い)を照射した。1時間で約1.2ミリモルもの水素が発生した。
まず、純水220ccに硫酸マグネシウムMgSO4を溶かし、濃度を0.10mol/Lに調整してから、その溶液中に、Si結晶粉末0.5gを縣濁させた。
次に、300Wのキセノンランプの可視光成分のみの光(波長420nmより長い)を照射した。1時間で約0.50ミリモルもの水素が発生した。
まず、純水220ccに亜硝酸ナトリウムNaNO2を溶かし、濃度を0.42mol/Lに調整してから、その溶液中に、Si結晶粉末0.5gを縣濁させた。
次に、300Wのキセノンランプの可視光成分のみの光(波長420nmより長い)を照射した。1時間で約6.0ミリモルもの水素が発生した。
まず、純水170mlとメタノール18mlとアセトン32mlを混合し、その溶液中に、Si結晶粉末0.5gを縣濁させた。
次に、300Wのキセノンランプの可視光成分のみの光(波長420nmより長い)を照射した。1時間で約4.0マイクロモルの水素が発生し、可視光応答性が確認された。
まず、純水220ccに、粒径50μm以下のα−SiC (6H 六方晶構造)粉末0.5gを縣濁させた。
次に、300Wのキセノンランプの可視光成分のみの光(波長420nmより長い)を照射した。1時間で約0.53マイクロモルの水素が発生し、可視光応答性が確認された。
まず、純水220ccに、粒径50μm以下のGe結晶粉末0.5gを縣濁させた。
次に、300Wのキセノンランプの可視光成分のみの光(波長420nmより長い)を照射した。1時間で約0.23マイクロモルの水素が発生し、可視光応答性が確認された。
まず、純水220ccに硝酸ナトリウムNaNO3を溶かし、濃度を0.42mol/Lに調整してから、その溶液中に、粒径50μm以下のGaP結晶粉末0.2gを縣濁させた。
次に、300Wのキセノンランプの可視光成分のみの光(波長420nmより長い)を照射した。1時間で約0.61マイクロモルの水素が発生し、可視光応答性が確認された。この水素量は、触媒量が0.5gとして換算すると、1時間で1.5マイクロモルに相当する。
まず、純水220ccに、Si結晶粉末0.5gを縣濁させて、さらに濃度約1wt%の塩化白金酸H2PtCl6・6H2O溶液0.67mlを入れ、300Wのキセノンランプを約30分照射し、Pt助触媒を光触媒粒子表面に光電着した。
次に、300Wのキセノンランプの可視光成分のみの光(波長420nmより長い)を照射した。1時間で約28マイクロモルの水素が発生した。
まず、硝酸アルミニウム九水和物Al(NO3)3・9H2Oを純水に溶かし、濃度0.42mol/Lの220cc硝酸アルミニウム水溶液を調整してから、その溶液にSi結晶粉末0.5gを縣濁させた。
次に、300Wのキセノンランプの可視光成分のみの光(波長420nmより長い)を照射した。1時間で約3.2マイクロモルの水素が発生した。
まず、純水220ccに硝酸ナトリウムNaNO3を溶かし、濃度を0.42mol/Lに調整してから、その溶液中に、厚み250μmのSi結晶薄片1.2gを分散させた。
次に、300Wのキセノンランプの可視光成分のみの光(波長420nmより長い)を照射した。1時間で約13マイクロモルもの水素が発生した。この水素量は、触媒量が0.5gとして換算すると、1時間で約6マイクロモルに相当する。
まず、純水220ccに、TiO2結晶粉末0.5gを縣濁させた。50μm以下の粉末径のものを使用した(以下、比較例3〜7でも同様)。
次に、300Wのキセノンランプの可視光成分のみの光(波長420nmより長い)を照射した。水素は発生しなかった。
まず、純水220ccに硝酸カリウムKNO3を溶かし、濃度を1.67mol/lに調整してから、その溶液中に、白金助触媒を担持したTiO2結晶粉末0.5gを縣濁させた。
次に、300Wのキセノンランプの可視光成分のみの光(波長420nmより長い)を照射した。水素は発生しなかった。
まず、純水220ccに、白金助触媒を担持したTiO2結晶粉末0.5gを縣濁させた。
次に、300Wのキセノンランプの可視光成分のみの光(波長420nmより長い)を照射した。水素は発生しなかった。
まず、純水220ccに、TiO2結晶粉末0.5gを縣濁させた。
次に、300Wのキセノンランプの光(紫外線成分をも含んだ光)を照射した。1時間で僅か約0.6マイクロモルの水素しか発生しなかった。
まず、純水220ccに硝酸カリウムKNO3を溶かし、濃度を1.67mol/lに調整してから、その溶液中に、白金助触媒を担持したTiO2結晶粉末0.5gを縣濁させた。
次に、300Wのキセノンランプの光(紫外線成分をも含んだ光)を5時間35分照射した。水素は発生しなかった。
まず、純水220ccに、白金助触媒を担持したTiO2結晶粉末0.5gを縣濁させた。
次に、300Wのキセノンランプの光(紫外線成分をも含んだ光)を照射した。1時間で僅か約14マイクロモルの水素しか発生しなかった。
実施例1、10、11、比較例2の結果は、半導体粒子の特性の違いによってもたらされたものである。つまり、TiO2は、バンドギャップが大きいので、420nm以上の可視光を照射しても、価電子帯の電子を伝導帯に励起できず、光触媒作用を発揮させることができなかったことが、結果の主な要因の一つである。TiO2は、イオン結合性が強く(電気陰性度の差が1.0以下でないことに関連する。)、H+が陽イオンの表面Tiに近づくことができず、かつ、伝導帯底部の波動関数の広がりが比較的小さいため(伝導帯底部のs軌道とp軌道成分の和が50%未満であること、Tiに酸素が6配位することに関連する。)、伝導帯底部の波動関数に対する水素原子の1s軌道成分が少ないことも水素を発生しなかったという結果の要因である。そのため比較例5に示されるように、420nm以下の光を含む光を照射しても水素生成効率は低いことになる。
実施例3と比較例1の水素生成速度の差は、半導体粒子の大きさが違うための表面積の違いによってもたらされたものである。半導体粒子の微細化が非常に重要であることがわかる。
実施例1と実施例9の結果を比較すると、実施例1の方が水素を発生させたことから、有機溶媒含有水溶液を用いるよりも純水のみの方が水素を発生させるという結果が得られた。有機溶媒は、水素を発生させる際に阻害要因となったと考えられる。
実施例1〜8を比較することにより、電解質を加えると、水素発生量が増加する結果が得られた。NaNO2がベストであり、LiNO3が二番目であった。実施例1と実施例14の比較から硝酸アルミニウムは、水素生成を阻害していると考えられるものの、助触媒なしの純水に対する酸化チタンにおける水素生成能力(比較例5)を凌駕している。
実施例1と実施例13を比較すると、一見Pt助触媒が水素発生を阻害しているように見える。しかし、実施例13は、投入した白金量が多かったため、光触媒表面の大部分がPt薄膜で被覆されてしまい、光触媒機能が劣化してしまったものと考えられる。20〜2000Åの厚みで被覆された可能性が高い。被覆が薄い部分は光が通るため、光触媒として機能する。しかしながらなおもって酸化チタン光触媒より水素生成能力は高い。比較例5と比較例7の比較により、Pt助触媒を加えると、水素発生量が増加した。
比較例6と比較例7の比較により、KNO3電解質を加えると、Pt助触媒の効果を阻害した。
Claims (16)
- 反応容器と、前記反応容器内に貯蔵された懸濁液と、を有し、前記懸濁液は、反応液と、前記反応液中に分散された光触媒とからなり、前記反応液が水又は有機溶媒含有水溶液であり、前記光触媒が半導体粒子からなる粉末であり、前記半導体粒子は、イオン結合性が1以下であり、バンドギャップが2.95eV未満であることを特徴とする水素発生装置。
- 前記半導体粒子が粒径100μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の水素発生装置。
- 前記半導体粒子がIV族半導体材料、III−V族化合物半導体材料又は前記IV族半導体材料と前記III−V族化合物半導体材料が混合化合した複合化合物半導体材料のいずれか一の材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の水素発生装置。
- 前記IV族半導体材料がC、Si、Geの群から選択されるいずれか一又は二以上の元素であることを特徴とする請求項3に記載の水素発生装置。
- 前記III−V族化合物半導体材料がIII族半導体材料とV族半導体材料の化合物であり、前記III族半導体材料がB、Al、Gaの群から選択されるいずれか一又は二以上の元素であり、前記V族半導体材料がN、P,Asの群から選択されるいずれか一又は二以上の元素であることを特徴とする請求項3に記載の水素発生装置。
- 前記半導体粒子が間接遷移型半導体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水素発生装置。
- 前記半導体粒子が、Co、Ni、Cu、Ag、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Auの群から選択されるいずれか一の金属又は二以上の金属からなる合金からなる助触媒を担持することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の水素発生装置。
- 前記有機溶媒含有水溶液が、有機溶媒を含む水溶液であり、
前記有機溶媒が水酸基を含む有機化合物からなることを特徴とする請求項1に記載の水素発生装置。 - 前記反応液が電解質を含むことを特徴とする請求項1に記載の水素発生装置。
- 前記電解質が、水溶性であって、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びアルミニウムの群から選択される一又は二以上の金属元素の硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、亜硝酸塩又は亜硫酸塩のいずれか一又は二以上の塩であることを特徴とする請求項9に記載の水素発生装置。
- 前記電解質が、LiNO3、NaNO3、KNO3、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2、Al(NO3)3、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、Li2SO4、Na2SO4、K2SO4、MgSO4、Al2(SO4)3、Na3PO4、K3PO4、LiNO2、NaNO2、KNO2、Mg(NO2)2、Ca(NO2)2、Li2SO3、Na2SO3、K2SO3、MgSO3の群から選択されるいずれか一又は二以上の塩であることを特徴とする請求項9に記載の水素発生装置。
- 前記反応液が中性又は弱酸性であることを特徴とする請求項1に記載の水素発生装置。
- 前記反応容器の内部が外部に対し閉鎖系とされていることを特徴とする請求項1に記載の水素発生装置。
- 前記懸濁液に前記反応容器の外部から可視光照射可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の水素発生装置。
- 前記反応容器の少なくとも一部が可視光の各波長の透過率が70%以上である光透過性材料で作製されていることを特徴とする請求項14に記載の水素発生装置。
- 水、有機溶媒含有水溶液又は電解質溶液からなる反応液に、イオン結合性が1以下であり、バンドギャップが2.95eV未満である半導体粒子からなる粉末の光触媒又は助触媒を担持した光触媒を分散して、懸濁液を調製する工程と、可視光の各波長の透過率が70%以上である光透過性材料からなる反応容器の内部に、前記懸濁液を貯蔵し、前記反応容器の内部を閉鎖系とする工程と、前記反応容器の外部から前記光懸濁液に可視光を照射する工程と、を有することを特徴とする水素発生方法。
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