JP2016109578A - 変位検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 管体の内径の測定において、より高い精度で測定子の変位を伝達することができる変位検出装置を提供する。【解決手段】 構造物の第1部分と第1部分に対向する構造物の第2部分との距離の変位を検出する変位検出装置1であって、第1部分の方向へ付勢されて第1部分に当接され、導電部102bを有する測定子102と、測定子102を第1部分の方向へ付勢して支持するとともに第2部分に当接される支持部101に設けられ、第1部分により付勢力に抗して変位した測定子102の導電部102bとの距離の変位を検出する渦電流センサ104とを備えた。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、構造物において互いに対向する部材間の距離を測定する技術に関する。
従来、互いに対向する内壁を有する構造物である管体の内径を測定する装置として、内径を機械的な変位として検出するシリンダゲージが知られている(例えば、非特許文献1参照)。ここで、図を参照してこのシリンダゲージについて説明する。図5は、従来のシリンダゲージの構成を示す概略図である。図5に示すように、シリンダゲージ9は、換えロッド900、測定子901、及び伝導子902を内蔵する本体90と、本体90と接続され、押棒910をその内部で支持して内蔵する外筒91と、外筒91と接続される握り92と、握り92に接続される取付部93と、取付部93に取り付けられる指示器94とを備える。ここで、握り92は測定を行う作業者がシリンダゲージ9を保持するための持ち手であり、取付部93は、握り92に指示器94を取り付ける部材であり、指示器94は測定値を作業者に示すものである。作業者は、本体90を管体内に入れることにより内径の測定を行う。
換えロッド900は、本体90に対して非可動な部材であり、測定の際に管体の内壁に本体90を保持するために、内壁に換えロッド900の先端が当接される。測定子901は、本体90に対して可動な部材であり、管体の内径における径方向に変位されることにより、換えロッド900が当接される内壁と対向する内壁にその先端が当接される。伝導子902は、内壁と当接される際の測定子901の変位を直交する変位に変換して押棒910に伝達する。押棒910は、伝導子902により伝達された変位を指示器94へ伝達し、指示器94は押棒910により伝達された変位量を表示する。
JIS B 7515 1982、「シリンダゲージ」
上述したシリンダゲージ9によれば、内径が小さな管体の測定を行うためには、本体90の大きさ、具体的には換えロッド900の先端から測定子901の先端までの長さを小さく構成する必要がある。また、長尺の管体の内径を測定するためには、図5において握り下長さLとして示される、換えロッド900及び測定子901の先端位置から外筒91の握り92側端部までの距離が大きくなるように構成する必要があり、この場合、外筒91及び押棒910の長さを伸ばすこととなる。したがって、シリンダゲージ9を内径が小さく且つ長尺な管体の内径を測定可能に構成した場合、測定子901及び伝導子902と比較して押棒910の質量が相対的に大きくなり、結果として押棒910とこれを支持する外筒91の内壁との摩擦が相対的に大きくなり、この摩擦が押棒910を伝導子902が押す際に反力となってしまう。この場合、小さく構成されているために測定子901及び伝導子902の剛性は小さく、結果として測定子901及び伝導子902が変形し、測定子901の変位は押棒910に正確に伝達されない。また、押棒910についても、長尺に構成されることに起因して、押棒910自体に撓みや弾性変形が生じ、伝導子902により伝達された変位を指示器94に正確に伝達することができない。つまり、シリンダゲージ9のように機械的に内径を計測する測定装置によれば、長尺且つ内径が小さい管体の内径を測定する場合において測定子901の変位が正確に伝達されないという問題があり、そのため、高い精度で測定することが困難であった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、管体の内径の測定において、より高い精度で測定子の変位を伝達することができる変位検出装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明の一態様は、構造物の第1部分と第1部分に対向する構造物の第2部分との距離の変位を検出する変位検出装置であって、第1部分の方向へ付勢されて第1部分に当接され、導電部を有する測定子と、測定子を第1部分の方向へ付勢して支持するとともに第2部分に当接される支持部に設けられ、第1部分により付勢力に抗して変位した測定子の導電部との距離の変位を検出する渦電流センサとを備える。
本発明によれば、管体の内径の測定において、より高い精度で測定子の変位を伝達することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。まず、本実施の形態に係る変位検出装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る変位検出装置の構成を示す概略図である。なお、図1は、測定対象である管体に挿入された測定装置を側方から見た状態を示し、一部を側断面として示したものである。ここで、側方とは、測定装置の管体への挿入方向と、管体において内壁が互いに対向し、本実施の形態において距離を測定する方向である測定方向とに直交する方向を示すものとする。
本実施の形態に係る変位検出装置1は、図1に示すように、本体10、本体10を先端に接続する外筒11、ケーブル12、アンプ13、ケーブル14、データロガー15を備え、管状に構成された管体内に本体10が挿入されて、後述する測定子の変位を検出することにより、互いに対向する管体の内壁8間の距離を管体の内径として測定するものである。
本体10は、支持部101、測定子102、シリコンゴム103、渦電流センサ104、固定部105を備える。支持部101は、内部に測定子102、シリコンゴム103、渦電流センサ104、固定部105を収容する筐体であり、その底部に内壁8に当接する当接部101aを有し、管体の内径方向において当接部101aに対向する位置には測定子102の一部を挿通させる開口101bが設けられている。測定子102は、支持部101の開口101bに挿通される凸部の先端に位置して内壁8に当接される当接部102aと、支持部101の内部に位置して過電流センサ104に面する導電部102bとを有し、管体の内径を測定する方向である測定方向に可動となるように支持部101に支持されている。シリコンゴム103は、測定方向における当接部102a側へ測定子102を付勢する弾性体であり、測定子102はその当接部102aが内壁8に当接するとシリコンゴム103の付勢力に抗して後述する導電部‐渦電流センサ間距離dが変位する。渦電流センサ104は、測定子102における導電部102bとの距離、具体的には図1において導電部‐渦電流センサ間距離dとして示される、導電部102と渦電流センサ104における導電部102に対向する面との距離の変位を検出して、この変位に応じた電気信号としてセンサ電圧を出力する。固定部105は、支持部101内における所定位置に渦電流センサ104を固定する。
外筒11は、筒状に構成された長尺の部材であり、長手方向一端が本体10による測定方向と長手方向とが直交するように本体10に接続され、内部にはケーブル12が挿通される。ケーブル12は、一端が本体10の渦電流センサ104に接続され、他端がアンプ13に接続され、渦電流センサ104により出力されたセンサ電圧をアンプ13へ伝達する。アンプ13は、渦電流センサ104から伝達されたセンサ電圧を増幅して出力する。ケーブル14は、一端がアンプ13に接続され、他端がデータロガー15に接続され、アンプ13により出力されたセンサ電圧をデータロガー15へ伝達する。
データロガー15は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、メモリ及びA/Dコンバータを有し、アンプ13から伝達されたセンサ電圧をA/D変換してセンサ電圧値としてメモリに蓄積し、メモリに蓄積されたセンサ電圧値に基づいてCPUにより管体の内径の算出を行う。
次に、管体の内径の算出について説明する。図2は、測定子と底部との間の距離と出力電圧との関係を示すグラフである。図3は、端部からの距離と出力電圧との関係を示すグラフである。図4は、端部からの距離と内径との関係を示すグラフである。なお、図2において縦軸は図1にDとして示される測定子‐底部間距離、横軸はセンサ電圧値を示し、図3において縦軸はセンサ電圧値、横軸は管体の端部からの距離を示し、図4において縦軸は管体の内径、横軸は管体の端部からの距離を示す。
まず、管体の内径の測定に先立って、検定データの作成がなされる。この検定データは、図2に示すような、測定子102の先端に位置する当接部102aから支持部101の底部に位置する当接部101aまでの距離である測定子‐底部間距離のそれぞれと、各測定子‐底部間距離におけるセンサ電圧値を記録したものである。この検定データは、互いに対向する2枚の平行板の間に本体10を挿入して平行板間の距離を測定することにより作成され、平行板間の距離は予め定めた所定の距離に複数回変更される。このようにして得られた各距離測定子‐底部間距離とこれに対応する実測値としてのセンサ電圧値とに基づいて、D=a×E+bの式により示される近似曲線を算出する。ここでDは測定子‐底部間距離を示す変数であり、aは所定単位、例えば1Vに対応して増加する測定子‐底部間距離の変位を示す定数であり、Eはメモリに蓄積されるセンサ電圧値、即ち検出されたセンサ電圧値を示す変数であり、bは所定のセンサ電圧値、具体的には0Vの場合の測定子‐底部間距離の変位を示す定数である。データロガー15は、このような近似曲線とメモリに蓄積されたセンサ電圧値とに基づいて測定子‐底部間距離を算出する。つまり、データロガー15は、上式におけるEに測定時に得られたセンサ電圧値を代入することにより管体の内径を算出する。
このような変位検出装置によれば、内径の測定対象とする管体の端部開口から本体10を管体内部に投入して奥へ挿入していくと、図3に示すように、管体の端部からの管軸方向における異なる位置毎にセンサ電圧値を得ることができ、このセンサ電圧値に基づいて、図4に示すように管体の管軸方向の位置毎に内径を測定することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る変位検出装置よれば、測定子の変位の検出を渦電流センサにより行うため、機械的に内径の測定を行うシリンダゲージが測定子の変位を伝達するために要する伝導子や押し棒のような、摩擦、撓み、弾性変形などの物理的な誤差要因を測定子の変位を伝達する過程で生じさせる構成を不要とすることができる。その結果として、小口径の管体の測定のため、測定子を備えた本体を小型にした結果、剛性が低い部材により構成することとなった場合であっても、構成部品の変形の影響を受けず、測定子の変位の検出を正確に行うことができる。
また、データロガーのような記録装置、または測定値を作業者に示す表示器に対して測定子の変位を電気信号により伝達するため、本体と記録装置または表示器との距離が長い場合であっても、上述の物理的な誤差要因の影響を受けずに、測定子の変位を正確に伝達することができる。その結果として、測定対象とする管体が管軸方向に長い場合であっても、測定子の変位を正確に伝達することができる。したがって、以上の効果を奏する変位検出装置によれば、管体の内径の測定、特に小口径且つ管軸方向に長く構成された管体の内径の測定において、従来のシリンダゲージと比較して、より高い精度で変位を伝達することができる。
本発明は、その要旨または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
1 変位検出装置、8 内壁、101 支持部、102 測定子、102b 導電部、104 渦電流センサ。
Claims (3)
- 構造物の第1部分と該第1部分に対向する前記構造物の第2部分との距離の変位を検出する変位検出装置であって、
前記第1部分の方向へ付勢されて該第1部分に当接され、導電部を有する測定子と、
前記測定子を前記第1部分の方向へ付勢して支持するとともに前記第2部分に当接される支持部に設けられ、前記第1部分により付勢力に抗して変位した前記測定子の導電部との距離の変位を検出する渦電流センサと
を備える変位検出装置。 - 前記渦電流センサにより検出された変位に基づいて出力される電気信号と、予め測定された前記測定子における当接部と前記支持部における当接部との距離である測定距離の変位量と前記電気信号との相関性とに基づいて、前記第1部分と前記第2部分との距離を算出する算出部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の変位検出装置。
- 前記算出部は、前記電気信号における所定単位に対応して増加する前記測定距離の変位量である第1変位量と、前記電気信号の大きさが所定値である場合の前記測定距離の変位量である第2変位量とに基づいて、前記第1部分と前記第2部分との距離を算出することを特徴とする請求項2に記載の変位検出装置。
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JP2014247980A JP2016109578A (ja) | 2014-12-08 | 2014-12-08 | 変位検出装置 |
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Cited By (1)
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CN112197731A (zh) * | 2020-11-30 | 2021-01-08 | 江苏集萃精凯高端装备技术有限公司 | 一种内径检测组件 |
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2014
- 2014-12-08 JP JP2014247980A patent/JP2016109578A/ja active Pending
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