JP2016107344A - 連続的相転移と放射による超分子構造の生成 - Google Patents

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Abstract

【課題】 化学合成によらないで超分子構造を合成するために、物理的な共鳴で誘発される同期が形成される構造のグローバルと局所的な幾何学的パラメータを管理する。強い化学的および非化学的に弱い結合は、プロセスの一部として形成されるが、しかし、形状、大きさ、およびシステムの基本的な構造パラメータを決定する、参加する分子間のワイヤレスエネルギー交換がある。【解決する手段】 超分子構造は、分子集合体の連続相転移により形成されるものである。これら分子は、適切な外部の電磁的または機械的な信号ポンピングの適用の下に二次元または三次元の幾何学的形状に集合する。この信号ポンピングは、参加する分子の共鳴振動で誘発される同期をトリガーする。【選択図】図1

Description

本発明は、超分子構造(supramolecular architecture)に関し、特に電磁共鳴誘導された振動が合成前の構造を生成するために使用されるものに関する。合成前の構造は、その出発分子の構造中にプログラムされた最終的な構造を生成するために、エネルギーの放出とともに自動の連続的構造転移を起こすものである。
散逸構造の歴史は長く、それは1978年にハーケンにより提案された。このアイデアは、それが平衡からは程遠い状態で、即ち、これはゼロケルビンでなく、高温においても、安定性は有機分子で達成できることを意味する。それらが平衡に達する理由について、彼は説明していなかった。我々は、平衡から離れた自然発生な安定性の出現について統合された説明を提供してきた。この安定性は、コヒーレント状態であり、これは、すべての参加の分子の振動の振幅および位相が、電磁信号によって誘導された共鳴振動によって、同じになることを意味する。ハーケン・プリゴジンの崩壊の理念は、この業績のために重要なひらめきとなっているものの、私たちは、この理念の基本的な実施に関して、いくつかの根本的な変更を行った(非特許文献1)。ハーケンは不可逆的な熱力学を論じており、これは化学軌道の結合によっては結合されていない材料の新しい種類の開発で重要な目標となっている。ここで言及されるべきである1つの系は、ブラッセレータ(brussellator; ブラッセルと発振器の混成語)と呼ばれているものである(http://www.isss.org/lumprig.htm)。それは反応拡散系であり、いくつかの化学反応では、反応速度論の法則は無効である。当該系が、出発点に関係なく、周期的な軌跡をたどる場合、自分自身を作成し破壊する構造を作成する「自発的な出現」の可能性がある(非特許文献2)。
上記で、我々は散逸構造を解説したが、散逸構造は自然に系内で起こるものである。もっとも実際の分子スケールの散逸系は実現されていないが、しかし、散逸構造は常に新技術を発明するのに用いられる現象であった。静電的な材料は特許権を得ており[特許文献1]、散逸は少なくとも2枚の接触した分子層を必要とする[特許文献2]。散逸現象が使われた事案は2つのケースだけである。既存の発明はこの特許出願の目的からほど遠い。そこで、ハーケン・プリゴジンの散逸構造の基本的な基準を満たす真の散逸構造を実現したい。
平衡状態での「壊れた対称性」を有する平衡相転移に対するプリゴジンの理論的な扱い方は、科学者には簡単に受け入れられるものだが、「平衡から遠い」ものではない。平衡状態では、再び、均一な状態が不安定となり、自由エネルギーを最小にするために、パターン化された、コヒーレント状態に系を追い込むことであり、これはプリゴジンの理念である。第1種の数学とこれに関連する原理が、すでに存在する。大部分のプリゴジンの数学的なアプローチは古典的であり、懐疑論者は彼の理念と実際の数学的な処理とが合わないと示唆する。分子自己組織化(self-assembly)は広く使われていて、ハーケン・プリゴジン崩壊の第1歩である。 全ての論点が、秩序が混沌から生じるような「平衡からほど遠い」現象に関する為、エントロピーは常に自己組織化に対する重要な懸念であった(非特許文献3)。凝縮化学反応は散逸系としばしば誤認されるが、しかし、それらはそうではなく、突然の沈殿さえ散逸崩壊を保証しない(非特許文献4)。したがって、分子自己組織化の特許権では、エネルギー移動の散逸部分を慎重に避けている[特許文献3]。
外力と外部エネルギーの注入によって、自己組織化を特定の方向へ駆動できる。自己組織化の場合には、多くの場合、光の形態での電磁ポンピング、磁場やラジオ/マイクロ波でのポンピングは、化学反応をトリガーすることがわかる。平衡から遠い状態で、外部のポンピングは、自己組織化に向けられるか又は誘導される有効なトリガーとして機能する。誘発されるか指示される自己組織化でのエントロピーの役割は、散逸構造の基本的な基盤を提供することである(非特許文献5、6)。純粋なエントロピーは化学反応を推進することができ、これは古い概念であるものの、多くの人々はそれを信じたくない。しばしば尋ねられる疑問は、そのような状況が存在するならば、誰が遠距離に達するすべての分子を引きつけ、それらを一緒に保持するかである。これは、圧力効果によって起こる。「エントロピー駆動の自己組織化」の課題に関して、莫大な研究がなされており、大部分のこれらの研究は直接の自己組織化によって直接的に製品を作成することに限られる。
本発明の1つの重要な側面はらせん構造を生成することである。この理由は、アルファヘリックスがらせんであり、そして、らせん形は生体系の至る所にあるからである(非特許文献6)。らせん形の1つの例は、第4の回路要素である。近年、第4の回路要素メモリスタ(memristor)が、発明された(非特許文献7)。我々は、この散逸構造を用いて、基本的な生物学的構造上の類似物をつくる計画である。
米国特許第5914191号公報 『静電アプリケーションのための多層包装材料』 米国特許公開第20120125726号公報 『散逸構造およびそれに関連する方法』 CN101245162B号公報 『調節可能な構造を有する自己組織化多価アルコール・コロイドの結晶を製造する方法』
Kondepudi, Dilip; Prigogine, Ilya (1998). Modern Thermodynamics: From Heat Engines to Dissipative Structures. Wiley. ISBN 978-0-471-97394-2. B. H. Gilding and R. Kersner, Travelling Waves in Nonlinear Diffusion Convection Reaction, Birkhauser (2004) Entropy driven self-assembly of nonamphiphilic colloidal membranes, Edward Barry and Zvonimir Dogic. 10348-10353 l PNAS l June 8, 2010 l vol. 107 l no. 23 Entropically driven self-assembly and interaction in suspension A. G. Yodh, K. Lin, J. C. Crocker, A. D. Dinsmore, R. Verma and P. D. Kaplan Phil. Trans. R. Soc. Lond. A 15 May 2001 vol. 359 no. 1782 921-937. Yoshidome, T. General Framework of Pressure Effects on Structures Formed by Entropically Driven Self-Assembly. Entropy 2010, 12, 1632-1652 Royer, C.A. Revisiting volume changes in pressure-induced protein unfolding. Biochim. Biophys. Acta. 2002, 1575, 201-209. Circuit elements with memory, memristor memcapacitor and meminductorhttp://arxiv.org/PS_cache/arxiv/pdf/0901/0901.3682v1.pdf
本発明の目的は、化学合成によらずに形成された超分子構造を確立することであるが、しかし、物理的な共鳴で誘発される同期は形成される構造のグローバルおよび局所的な幾何学的なパラメータを支配する。本発明は強い化学結合と非化学的な弱い結合を含むもので、参加している分子の間の共鳴非放射エネルギー交換は系の形状、大きさおよび基本的な構造パラメータを決定する。
本発明の発明者は、ある部分では化学反応速度論の法則が有効であり、このプロセスのある部分ではこの法則は無効である新しい超分子構造を着想した。第1に、共鳴振動で誘発された対称性と物理的なエネルギー交換は、重要な役割を演ずる。第2に、マルチバンドのエネルギー移動と相転移は、構造体の作製プロセスの不可欠な部分である。第3に、当該プロセスは、コヒーレンスを誘発するために、基本的に始めは、エネルギーを吸収して、相転移の最後の段階でエネルギーを放出する。
最初に、本発明は超分子構造を提供するものであって、ここでのその構成要素は化学結合によって通常起こるような化学結合ではなく、水素結合、弱い双極子−双極子結合、誘導された双極性結合、および誘導によって誘導される双極性結合のようなむしろ弱い相互作用の力によって融合する。
この明細書において、いくつかのエネルギー領域と多重チャンネルのエネルギー経路が合成プロセスに加わることから、我々は「化学反応速度論を越えたワイヤレス合成」または単に「多相多次元散逸合成」とこの技術を呼ぶ。
本発明の第1の態様は、共通の周波数で参加する分子の同期を誘発させる共鳴振動をトリガーするような、外部の電磁的または機械的な信号ポンピングの適用の下で、分子集合体の連続的対称性の破壊によって形成される超分子構造である。この明細書において、「対称性の破壊」は、分子の集合体の1つの秩序が別のものに変化することを意味する。
本発明の第2の態様は、第1の態様の超分子構造において、合成が二つの工程をへて起こるものであって、合成前の幾何学的形状に達する第1の工程と、参加分子の結合につながる連続的相転移をする第2の工程を有することを特徴とする。
この明細書において、「相転移」は、対称性の破壊を誘導するために分子の原子の多数が物理的に変わる、大幅な対称性の破壊を意味する。
(a) 本発明の第2の態様の超分子構造において、最初の主要な対称性の破壊の前であっても、複雑な構造は上記第1の工程のそれ自体で最終的な形状を導出することを特徴とする。
(b) 本発明の第2の態様の超分子構造において、化学的結合と非化学的結合の両方が、同時にまたは別々に発生することを特徴とする。
(c) 本発明の第2の態様の超分子構造において、エネルギーの入力ポンピングは、電磁的または機械的であることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様の超分子構造において、前記分子集合体の形成または合成前の幾何学的形状の構造を制御する主要な分子成分は、異なる小さな分子を吸収し、この吸収が前記合成前の幾何学的形状とその連続的相転移を変更し、又は変更しないことを特徴とする。
(a) 本発明の第3の態様の超分子構造において、新たな構造を作成するために、従属する分子は異なるサイトに固定するように形状および大きさを変化することを特徴とする。
(b) 本発明の第3の態様の超分子構造において、従属する分子は成長の速度を制御し、あるいは前記超分子構造の構造を破壊することを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第1乃至第3の態様の少なくとも何れか一つの超分子構造において、合成前の構造は、化学反応速度の法則に準拠し巨大な有機、無機または有機金属の超分子構造を形成するために、弱い非結合性の引力や強い化学結合により生成され、
その後、連続的相転移は、電磁エネルギーを放出することによって発生し、
化学反応速度の法則には従わずに、むしろフラクタルに似た化学反応速度の法則に従うことを特徴とする。
(a) 本発明の第4の態様の超分子構造において、環境の形状に応じて、入力エネルギーは出力の構造を変えることになる別の役割を演じることを特徴とする。構造は、環境の関数である。
(b) 本発明の第4の態様の超分子構造において、構築中の構造は、自動化された構築プロセスの異なる段階で、環境から追加の材料を取ることを特徴とする。
(c) 本発明の第4の態様の超分子構造において、構築の間に、追加のエネルギーポンピングが構造の成長の速度と形状を調節することを特徴とする。
本発明の第5の態様は、第1乃至第4の態様の少なくとも何れか一つの超分子構造において、分子集合の開始時に、複数の分子および/またはAC周波数は、二次元または三次元の幾何学的構造の形成をもたらす同期プロセスを制御するために用いられることを特徴とする。
(a) 本発明の第5の態様の超分子構造において、複数の分子は、第3の態様に記載のマトリックス分子に設けられたいくつかの分子ポケット中に閉じ込められることを特徴とする。当該複数の分子は、弱い非結合相互作用または強い化学結合により純粋に閉じ込められている。
(b) 本発明の第5の態様の超分子構造において、追加された分子または典型的な交流周波数の信号によって同期の変調に依存することによって、大きさおよび形状に関する制限長さやその他のパラメータが調整されることを特徴とする。
本発明の第6の態様は、第1乃至第5の態様の少なくとも何れか一つの超分子構造において、合成前の幾何学的形状は、多くの可能な崩壊のいずれかを選択することによって、最終的な構造に崩壊するような幾つかの複雑なルートを進むことを特徴とする。
(a) 本発明の第6の態様の超分子構造において、複数の競争的崩壊経路の間の集団的共同作業が、複数の速度定数を切り替えることにより、合成の非化学的反応速度経路(non-chemical kinetic pathway)を制御することを特徴とする。
(b) 本発明の第6の態様の超分子構造において、前記の可能な経路は、時間とともに非直線的に速度定数を変化させることを特徴とする。
本発明の第7の態様は、第1乃至第6の態様の少なくとも何れか一つの超分子構造において、合成前の構造は、エネルギーの放射に関連付けられており、
同期の状態が超分子構造の異なる領域の中で非局在化および局在化し、
単離された化学反応は、複雑な非周期的または周期的な経路を進んで、構造進化のシーケンスを生成する、複数の形式のエネルギーを使用することを特徴とする。
(a) 本発明の第7の態様の超分子構造において、電磁的、磁気的及び機械的なエネルギーの異なる形態がポンピング入力として使用されることを特徴とする。
(b) 本発明の第7の態様の超分子構造において、崩壊の間に放射されるエネルギーが、成長の次の段階のための同期処理に役に立ち、系の熱雑音でさえ成長過程に役に立つことを特徴とする。
以下に、すべての有利な変化をまとめる。本発明の各々の態様には、当該有利な変化の少なくとも1つがある。
(1) 本発明は、新しい種類の材料を実質的に実現するもので、超分子構造の形成のために化学ルートと非化学ルートの両方が同時に使われる。かつては、化学ルートと非化学ルートの融合は、決して着想されなかったが、そこではある分子が強い化学反応、あるものが弱い結合、およびあるものが超弱い結合を経て、やがてそれらは一つの統合した構造を形成する。
(2) 本発明は、我々に原子スケールでの巨大な超分子構造の形成の間、その形成速度、形状および大きさを物理的にコード化することを可能にする。この構造で最も注目に値する部分は、崩壊が始まる前でさえ、巨大な構造のすべての構成要素が一体となることである。そして、これは特定の構造をプログラムする最も便利な方法である。
(3) 本発明は、離れた環境中の材料を送ることを可能にする合成製品に関する。そして、系は、その特定の環境で許される最も適当な構造を生み出すために、最も適当な合成方法を自動的にとる。
(4) 本発明は、環境から材料を自然発生的に摂取をすることによって、巨大な古典的なスケールの構造に天文学的成長をするための、原子的な正確さでの材料の吸収をコントロールできる。それゆえに、材料について心配する必要はない。
(5) 本発明は、構造形成の構築と処理の間、異なるエネルギー範囲を見事に管理する。同時に、それは異なる周波数範囲でエネルギーを交換することによって、同じ構造の複数の局所的な部分を発達させる。
(6) 本発明は、ある構造から次の構造まで放散されるエネルギーを利用すると共に熱雑音を使うことによって、次々と発達する複数の構造を可能にする。これは、エネルギーを利用する最もすばらしい方法である。
(7) 本発明は、化学反応速度論の法則を越えた化学合成の新しい世界を開けるもので、合成前の構造の連続的相転移が、最終的な構造への処理を一元管理のために用いられる。
図1は、超分子構造形成の二段階プロセスの構成図である。第一工程は合成前の構造形成であり、そして、次の工程は固体の構造形成である。 図2は、相転移前と相転移後の合成前の構造の周波数帯域構造の構成図であり、ここで相転移の前後で周波数帯構造は変わる。 図3は、共通の準安定状態が全ての参加している発振器で利用できる場合に、合成前の構造が同期誘導される結合を介して生成されることを示している。 図4は、発振器の形状制御要因の構成図である。発振器形状がマトリックス分子とカプセル化された小さな分子によって決定され、保持されている。 図5は、マトリックスの空洞中の異なる小さな分子が異なる吸収周波数帯を有することを示す構成図である。 図6Aは、共鳴誘導性の同期と連続的な相転移が、最終的な形状に至るまで、次々といくつかの合成前の構造を生成することを示す構成図である。 図6Bは、連続的な相転移が固体構造の形成に達するための分子間距離の階段を下ることを示す構成図である。 図7は、エネルギー放射プロセスと関連した連続的な相転移を示す。 図8は、同じ発振器から異なる固体構造をつくるために、異なる合成前の構造を誘導させる異なる周波数領域を示す。
これまで、化学反応速度論の域を越えるような合成は反応拡散系(reaction diffusion systems)とフラクタル化学反応速度論をつくることに制限されていた。 しかし、我々はそれを多層有機構造の構築まで広げる。永久サイクルの代わりに、ここでは、本発明は「崩壊」問題に集中する。そこでは、いくつかの分子は溶液中で物理的に一緒になり、構造を形成する。
本発明の合成部分は2つの部分を有する。第一は、化学反応駆動であり、分子間の共鳴エネルギー移動が自己組織化を促進するように同期を可能にすると、相転移ベースのプロセスが引き継ぐ。最初のものは反応または化学反応速度の主導であり、そして、第二段階はエントロピー主導である。本発明はルシャトリエの原理を用いるもので、ルシャトリエの原理は圧力増加によって所与の平衡が最も少ない容積を占める側へ移動すると述べている。
この容積の縮小によって、我々がここで提案した連続的な相転移を始める。分子が一緒になる理由は、同期性とエネルギー移動最小化のための好ましい方向だからである。本発明は、構造形成をコントロールするために、量子化された方法でエネルギーの散逸と相転移を説明する。本発明は、エントロピー主導の自己組織化が引き継げる状態に達するための実在の技術的ルートを説明する。
本発明で取り上げられる関心事は、以下の(i)〜(iv)である:
(i) 平衡から離れた安定性がどのように存在できるか?我々の発明が説明するところでは、外部のエネルギー汲み上げを通しての、分子系の位相と周波数のロッキングが、誘発された安定性の理由である。
(ii) なぜ、特定の三次元配列が分子に好まれるか?どんな構造を合成する場合でも、例えそれらが溶液に浮いているときでも、すべての分子を溶液それ自体の中の三次元構造の形態に至らせる。その意味するところは、分子が拡散運動を止めて、近傍でより近くなって、配列のような安定した構造を作ることである。我々の発明が意味するものは、この理由が共鳴的に振動している分子の対称性であることである。ここで、この共鳴的振動分子は好ましい配列をつくるもので、この配列はそれらが最小限のエネルギー量を交換して、同期性を維持することを可能にする。これは、「平衡から離れた」状態または「動的な平衡状態」である。これは純粋の平衡状態ではなく、動的なパラメータがすべての分子の対称的配列を保持し、すべての分子間の交換エネルギーの大きさを一定にする。
(iii) 「平衡から離れた」状態では、どんな引力が散逸構造を誘導できるか?上述したように、本発明では圧力の役割を説明している。上述のように、分子が近付いてくると、分子によって付与される圧力は、分子分布の容積を減らす。
(iv) 対称性が平衡状態のみで壊れることをよく学んだ場合に、どのように系が、対称性を壊すことができるか、そして、平衡から離れた状態で残りの相転移を経るか?ここでは、本発明は、圧力で誘導された連続的相転移という概念を導入した。圧力が増加しているとき、偽平衡状態を維持するために、系がより少ない容積で存続できるように、分子の配列は対称性を壊して、新しい対称性に適応させる必要がある。このように、分子が最も近い位置に達するとき、特異性が物理的に達成されて、構造形成は完全に止まる。
本発明は、解決されなかった特定の長期にわたる問題を解決するために、複数の既存の概念をまとめたものである。同時に、本発明は、科学で別々に発展した明らかに異なった思想を結合して、新しい概念を導入した。たとえば、非反転分布(non-population inversion)レーザー概念は、平衡から離れた状態で原子的に正確な平衡構造を生成するものである(Harris, S. E. Lasers with inversion: Interference of lifetime-broadened resonances. Phys. Rev. Lett. 62, 1033-1036 (1989))。分子はダイナミックであり、まさに特定の規則に従って等しいエネルギー量を交換する。このダイナミックな平衡状態は、我々が平衡状態と呼んだものである。それから、本発明は新しい概念、即ち対称性配列の役割は分子系中の組織的なエネルギー移動に関与することである、を導入するが、それは分子系への圧力を増やす場合における動的平衡の基本的な基礎である。本発明が導入する第3と最後の新しい現象は、エネルギーを放射することによる一回だけの崩壊に代わる、連続的相転移である。
我々は、特許請求の範囲の記載に準拠して、本発明を詳細に説明する。
本発明の第1の態様に関しては、特別に設計された分子発振器の電気的または電気機械的な共鳴振動が、局所的に同期性に達するか、または同じ位相と周波数(コヒーレント)で振動を開始させるような特定の領域の中での全ての参加分子と結合するように、自己組織化プロセスの間に物理的な状況を生み出す。この同期の振動は系を好ましい幾何学的形状と大きさで配置させて、全参加分子の間のコヒーレントが維持される。この時までは、プロセスは化学反応速度論の制限の範囲内である。
しかし、その後、分子間距離は減少し、幾何学的形状がかなり変化するので、我々はこのプロセスを相転移と呼ぶ。1つのステップは、最も好ましい幾何学的形状からエネルギー最小化の方へ変化し、相転移が起きる。状況に従い、一つ以上の連続した相転移が起こり、それは不安定な幾何学的形状を安定した固体構造に変える。そこで、構造の形成を支配する2つの異なったプロセスがある。第1は、近い周辺にいくつかの材料を持ってきて、幾何学的形状をつくる。第2には、最終的な構造に崩壊する。
本発明の第2の態様に関しては、複数の異なった分子が一緒にされて、共鳴振動が引き起こされ、そして、各々の特定の種類の分子は振動で誘発された特定の種類の共鳴を経て、分子自身の平衡に達する状況を記述している。通常、分子は別々に分子固有の構造を形成する必要がある。しかし、個々の準安定状態が共通のエネルギー準位を有しているならば、全系が単一のエネルギー最低限の方へ駆動されて、複数の構造の代わりに、単一の構造が好まれる。
第2の態様が指し示すところでは、複数の分子構成要素の場合には、混沌とした配列からの最初の幾何学的な平衡にある。もし、ある特定の種類の分子単体を密接に観察するならば、それは固有の対称性を採用している。すべての分子が一緒になって、独特の構造を形成する。しかし、それは、分子によって採用される個々の異なった対称性の総体である。我々は、この独特のプロセスを、共存している協力的な対称性への適合と呼ぶ。したがって、分子の選択は、厳格な設計規則に従う。
参加している分子は、外部のエネルギーを吸収した後に振動を開始する。この振動により、この状況であるときはいつでも、我々は分子発振器という用語を使用してきた。しかし、常に、すべての参加型の分子系は、発振器である。
化学的なビーカー中で分子参加者は拡散する。そして、外部のエネルギーが印加されるならば、分子参加者は、結局自己組織化の後にできる構造に類似したものを溶液中で再編成する。それが意味するものは、系の相転移をより容易にするようなプレ構造に、分子が溶液中で自分自身を配置するように、いろいろな分子間の同期するエネルギー交換によって、構造中での対称性の平面を正しい位置に置くことである。
例えば、1つの分子が自己組織化によって円筒をつくる。そこで、自己組織化に先立って、外部のエネルギーポンピングの直後に、円筒と類似しているように見えるが、しかし、分子の結合されていない構造を観察できる。我々がそのような構造を研究して、AFM(原子間力顕微鏡)またはSTM(走査型トンネル顕微鏡)の先端とともにそれを動かすならば、我々は分子が離れ離れであることを見出すが、それは最終的な構造のように見えるが、しかし実際の化学結合で生じると思われたものが、実際には起きなかったことを意味する。
参加した分子が最終的な構造に自己組織化するとき、化学的および非化学的な結合の両方が、同時に起こることがありえる。この文は、重要な隠れた意義を有する。2つの分子が化学的に結合されるとき、2つの分子は実際に1つの分子だけになり、そして、製品の電子物性は完全に変換される。他方、2つの分子が非化学的結合を形成するならば、系の組み合わせ特性は、反応分子の両方の特性の合計であり、そして、追加の特性は分子配列の形状に独占的に加算される。エネルギー伝達に関して、両方の系は非常に異なる方法で応答する。
エネルギーの入力ポンピングは電磁的または機械的である可能性があり、それは光と音の両方が一緒に、または独立して材料の自己組織化を修正することを意味する。機械的振動が単独で、または電磁振動と一緒に同期をトリガーすることができる。
本発明の第2と第3の態様に関しては、これらには差異がある。両方の態様が最終的な幾何学的な構造で共同して働く対称性の共存を説明しているが、二つの態様の間に微妙な違いがある。本発明による第3の態様は、これらの成分の分子の少なくとも一つは、その空洞内に一又は複数の他のより小さい大きさの分子を吸収する能力を有すると見做している。
タンパク質やデンドリマーは、このような空洞が存在する潜在的な分子の例である。もし分子が複数の空洞を有する場合には、空洞に許された空間の幾何学的形状及び吸収される分子構造に応じて、特定の配列がエネルギー的にドープ分子に許容される。それは対称性の基礎となっており、最終的に合成前の幾何学的な形状の分子は、対称性を順応させる。
これらの分子の形状は、いくつかの分子の吸収後にも変化しない。したがって、吸収によってホスト分子が基本的な構造変化を行わない場合は、合成前の幾何学的形状は変更されない。したがって、第三の態様は、そのままの形状を維持しつつ構造特性を修正するための技術的な経路を示している。必要に応じて、その後、我々は、ドープ分子が合成前の集合体形状を修正する場合の、一般的なコンフォメーション変化を誘導できる。
これらの超分子構造を構築するために、通常は内部に複数の空洞を有する一次的な分子(中央制御分子)が使用される。追加の二次的な分子がドーパントとして添加される。このドーパントは空洞内に入って、自己組織化プロセスを調節する。ドーピング分子が、自己組織化構造を作成するために、中央制御分子内部の異なる部位に固定するように、形状と大きさを変化させることができる。
ドーピング分子は成長の速度を制御し、あるいは構造を破壊する可能性さえある。これは可能であるが、その理由はドーピング分子が積極的に同期プロセスに参加すると共に、化学反応の速度定数は時間とともに変化するという規則による。
通常の化学反応では、速度定数は一定である。速度定数が時間と共に変化するので、これは速度定数は「定数」ではなく係数であるような、化学反応類似のフラクタルの特定種類である。
本発明による第4の態様は、同期に基づく構造調整を制御するために、エネルギーレベルの変調方式が記載されている。分子がAC信号を吸収すると、それは共鳴振動を開始する。複数の分子が近くに来るとき、同期のプロセスとして、相互にエネルギーの交換を開始する。その後、すべての参加の分子は共通の振動エネルギーレベルに達し、大部分は個々の分子振動子の準安定状態である。
準安定な振動エネルギーのレベルは、二つの極値の間に一つまたは2つの可能性がある。したがって、4つのエネルギーレベルは、分子の基本的なシナプス前幾何学的集合体を構成している。まず、エネルギー交換の大きさが徐々に周波数の変動を停止して、対称性の遷移が作用し始めて、これが位相変動を最小限にする。このようにして、分子系にはコヒーレント状態が現れる。
本発明による第4の態様は、分子設計を変更することにより、準安定状態を操作する可能性を目的とする。分子の振動状態は容易に測定することができ、構造の対称性に応じて、振動エネルギーの大部分は、特定のエネルギーレベルに方向づけられる。分子が同じ種類ではない場合は、いくつかの振動レベルが共通であるか、上部または下部の準安定状態を構成する必要がある。構造の収束のために、全体の系は、2つの準安定状態の間で切り替える必要がある。巨大な超分子構造を合成するための分子を選択するとき、すべての参加の分子が同期の下で統合された系のように動作するように、上部または下部の共通の振動状態を選択する必要がある。
この種類の合成方法で前述したように、化学反応の速度定数は時間と共に変化する。速度定数変調の主なメカニズムの一つは、反応物の相互作用を調節する幾何学的な制約である。したがって、環境の形状に応じて、入力エネルギーも異なる相互作用をし、出力の構造さえ変更する。入力エネルギーは、ポット(pot)の境界付近で反射されて、その周りで数回を反射される。その結果、最初に平衡構造が変更される。その後、分子内部の原子配列の面は、非常に異なったエネルギーと同期される。このようにして、この構造の対応する形状が変更される。したがって、構造は、環境の関数でもある。
構築中の構造は、自動構築プロセスの異なる段階で、環境からの追加的な新しい種類の物質を摂取する可能性がある。これが起きるのは、多相の成長が続くように、我々が構造中にエンコードする対称性の不完全が理由である。この不完全性が意味するのは、構造が成長するときに、環状の周期性を完結しておらず、その結果、周期性を完了するために、持続的な駆動が系内に常に存在することである。
継続的な成長は不完全性によって駆動されるものであり、成長プロセス中で完全に生成することができる任意の分子構造は、成長プロセス中に多くの材料を結合し続ける。新材料を摂取する一つの理由は、継続中の周波数フラクタル構造が対称性を完了することを可能にすることである。周波数フラクタルは、成長下の材料の電磁気的及び又は機械的な共振周波数が、連続的な構造の成長中に同様の共振帯域を示すであろうことを意味する。これは「周波数ピーク」の自己相似性であるため、私たちは「周波数フラクタル」と呼ぶ。
自己組織化の間に、追加のエネルギーポンピングによって、製造された材料の形状と成長構造の速度が調節される。これは可能であるが、その理由は、全体の成長過程では、連続的相転移の間でさえ、同期が成長の鍵であると共に、同期を調整する任意のパラメータは、構造、速度および形状を決定する基本的な要因である速度定数の変化率を制御するからである。
本発明による第5の態様は、超分子構造の形状制御パラメータを扱っている。同期性によって誘発されたコヒーレンスは、構造を構築するための鍵であることから、幾何学的形状の対称性がコヒーレンス存続のための強力な決定要因パラメータである。エネルギー伝搬経路が分子集合体で閉ループを完了した場合、コヒーレンスが存続する。分子の組成物と交流周波数のセットの選択は、両方ともに、コヒーレンスが存続すべき最大の長さと対称性を制御する。巨大な参加分子や独立の参加分子の空洞内に吸収された分子は、それらのすべては中立であるが、正同期性または負同期性を高めるために働く可能性がある。従って、生成される超分子構造の大きさや形状を制御できる。
本発明による第6の態様は、合成前の構造の連続的相転移に対して我々が有する制御に対応している。超分子構造形成プロセスのこの特定領域は、化学反応速度の法則に従っていない。同期プロセスが達成されると、2次元または3次元の幾何学的形状が作成され、連続的相転移のプロセスは、2つの許された相の間の最小エネルギーギャップを選択することで支配される。大量のエネルギーを失うことによってある径路が選択されると、当該径路は再び遡及されない。従って、連続的な相転移の経路が好まれる場合、環境中の偶発的変更によってさえ、後ろを振り返って見ることはない。誤った構造が作製される。
一方、我々は少し環境条件を変更することにより、相転移を停止させて、別のルートへの相転移の経路をそらすことを生じさせる論理演算を許すことができる。超分子構造が作成されるような自然環境または化学ビーカーでは、系は、環境を感知し、特定の環境で最も適切である構造を作成することができる。
本発明による第7の態様は、系が外部環境と熱力学的にどのように相互作用するかの問題に対処する。系は同期プロセスを誘導するために環境から最初にエネルギーを吸収し、同期プロセスが開始されると、系は外部環境から隔離される。そして、ついに構造は、次から次へと系からエネルギーを放出(量子化されたエネルギー放出)することによって形成を開始し、再び系は環境と相互作用する。外部エネルギーの吸収および外部系へのエネルギーの放出は、両者ともに一致するか、放出が吸収を超えているものである。命じた構造が作成されるから、系のエントロピーが低下し、従って、その過剰なエネルギーが環境に放出されて、宇宙の温度を少し上昇させる。
エネルギー交換のこのプロセスでは、巨大な超分子の空洞中の吸収された分子および他の小さな分子は、局所的な同期化および非同期化のプロセスを受ける。また、この請求項は、この局所的な同期化プロセス中の典型的なエネルギー交換変調の領域をカバーしている。複数の局所的な同期化処理を並列に実行することができ、したがって、異なる量子化されたエネルギーは、相転移を起こすために、系によって放出され得る。従って、系全体が一つの活動領域のように動作し、ここでは異なる局所の領域が異なる反応点であるが、系全体は調和して動作する。
自己組織化の成長プロセスについて、同期をトリガーするのに使用されるエネルギーの種類に関しては、何の制限もない。電磁気的、磁気的、機械的エネルギーの異なる形態を、ポンピング入力として使用できる。このような構造の美しさは、成長プロセス中に次々と続いている多くのステップが存在するということである。この成長は、ちょうど、数学的には反復関数系(iterative function systems)と呼ばれる木のような表面上にあるか、あるいはまた、数学的に脱出時間(escape time)フラクタル系と呼ばれるシード構造上に次から次に層が成長している可能性がある。
自己配列された分子が永久に特定の形状に縮小したときに、エネルギーが放射されるが、本明細書では、これを崩壊が成長の次のステップのための同期処理に役に立つと呼ぶ。エネルギーのその形態は任意の周波数範囲である可能性があるが、系の熱雑音でさえ、成長プロセスに役に立つ。これは成長のエネルギー管理の一部である。数学的には、この放射は、同期プロセスをスピードアップすることが示されている。
図1は、特定の外部エネルギー102を吸収する、自己組織化プロセスの分子発振器101のまさに開始時に、結合を誘導させるエネルギー伝達を開始することを示す構成概略図である。従って、発振器のランダム動作が、位相と周波数のロッキングで誘起される同期に変更され、それは系を良好な幾何学的形状103に向けて駆動する。これは、系がすべての参加発振器間のコヒーレンスを維持することを支援する。その後、相転移と呼ばれる発振器の幾何学的形状の変化に伴って、発振器の間の分子間距離が大きく減少する。このプロセスは、不安定な幾何学的形状が消え、固体構造104が形成されるまで続行する。
図2は、参加する分子発振器が外部エネルギーを吸収した後に振動を始めるときに、この振動に起因して、複数の異なる分子発振器が一緒にされると共鳴振動が誘導されることを示している。この振動で誘導された共振が平衡に達し、合成前の構造が形成される。この段階では、全ての個々の参加発振器は、共通のエネルギー同期に達するが、ここで単一の周波数帯域201が生成される。
その後、次の現象が開始されて、相転移と共通の周波数は異なる周波数202、203及び204に分配される。
図3は、共通の準安定状態がすべての参加発振器で利用可能であるとき、合成前の構造が同期誘導された結合を介して生成されたものを示している。複数の発振器301、302、303が外部のエネルギー吸収によって一緒にされると共に、共鳴振動がトリガーされると、その後各々の特定種類の分子は、共鳴誘発性の平衡振動を起こす。この平衡状態では、それらは別々の合成前の構造を作成できる。しかし、すべての種類の発振器が、すべてに共通する一般的なエネルギーレベルを有する場合、それらは共通の準安定状態に到達し、一般的な合成前の構造304を形成する。発振器の特定のタイプに関する図では、その独立した固有のエネルギーレベル305、306;307、308;309、310を保有する。しかし311は、すべての種類の発振器に存在する共通の準安定エネルギーレベルである。
図4は、発振器の形状制御要因の概略図である。ここで、発振器の形状が決定され、マトリックス分子とカプセル化された小分子によって維持される。発振器の基本的な構造形状は、マトリックス分子401の形状であり、合成前の構造の幾何学的形状を決定する。これは、マトリックスで利用可能な空洞部406の内部に吸収された小さな分子402、403、404、405によって制御される。小分子は空洞407、408、409、410の内側に占有されており、小分子の特性は、効果的に、マトリクスの大きさと形状411、412を決定するもので、これは合成前の構造の形状の重要な決定要因である。
図5は、マトリックスの空洞内部の異なる小分子は異なる吸収周波数帯域を有することを示す構成図である。マトリックス分子の空洞中では、異なる特定の種類の小分子501、502、503、504は、異なる周波数領域506、507、508、509での吸収を有する。しかし、特定の周波数を吸収した後に、合成前の構造の形状を支配するエネルギー同期に到達するように、それらは内部エネルギー移動プロセスに入る。
図6Aは、共鳴で誘導された同期及び連続的相転移は、最終的な形状が達成されるまで、次々といくつかの合成前の構造を生成することを示す構成図である。同期が達成された後、ランダム分子の発振器601がそれらを連続的相転移によって配向し、次々と異なる合成前の構造602、603を作成する。そして、最終的には超分子の固体構造を生成し、最終的な構造604に到達する。
図6Bは、固体構造の形成に到達するために、連続的相転移が分子間距離の階段を降りることを示す、構成図である。異なる合成前の構造を生成する連続的相転移は、エネルギー放出および分子間距離の短縮に関連する下降階段605に似たプロセスを進む。発振器が位相ステップ1から5に賢く変化して、最終的な合成前の構造を形成する。
図7は、エネルギー放射プロセスに関連付けられた連続的相転移を示している。ある合成前の構造701が形成された後で、参加発振器はエネルギー放出プロセス705、706、707および708に沿って相変化702、703、704を受ける。放出されたエネルギーは光709、音710、マイクロ波711および赤外線712のようなさまざまな形態のエネルギーとして放射する。
図8は、同じ発振器から異なる固体構造を作成するために、異なる合成前の構造で誘発される異なる周波数領域を示している。特定タイプの発振器が、異なる外部エネルギー801、802によって別々に誘導される場合には、同じ発振器は別の合成前の構造803、804を作成できる。固体構造の形成プロセスは、合成前の構造から、放出試験(emission study)805、806から認識できる。そして、SEM(走査型電子顕微鏡)研究807、808、809及び810から、固体形態の構造の形状及び大きさは明確に区別される。
本発明の複数の実施形態を説明したが、上述のものは例示に過ぎず、また限定的なものではなく、例示のためにのみ提示されたことは、当業者には明らかである。多数の別の実施形態および変形例は、本書に添付の特許請求の範囲によって定義される、本発明の範囲内に入ると考えられる。
本発明は、コンピューティング、医療、生産、ロボット産業に使用できる。本発明は、特定の構成中で数個の原子を適切に選択することにより、大規模な複雑な構造の構築をプログラムすることができる。その後、シード材料が適当な環境内に配置された場合、最終的な複合構造は少数の原子の初期セットから自動的に形成される。また、本発明は、原子スケールで、増々繊細で、難しくなり、時間のかかり、誤りのある精密工学の問題を克服するための、原子レベルのエンジニアリングを提供できる。

Claims (21)

  1. 共通の周波数で参加する分子の同期を誘発させる共鳴振動をトリガーするような、外部の電磁的または機械的な信号ポンピングの適用の下で、分子集合体(an assembly of molecules)の連続的対称性の破壊により形成されることを特徴とする超分子構造。
  2. 合成が、
    合成前の幾何学的形状に達する第1の工程と、
    参加分子の結合につながる連続的相転移をする第2の工程の、
    二つの工程をへて起こることを特徴とする請求項1に記載の超分子構造。
  3. 最初の大幅な対称性の破壊の前であっても、複雑な超分子構造は第1の工程のそれ自体で最終的な形状を導出することを特徴とする請求項2に記載の超分子構造。
  4. 化学的結合と非化学的結合の両方が、同時にまたは別々に発生することを特徴とする請求項2に記載の超分子構造。
  5. エネルギーの入力ポンピングは、電磁的または機械的であることを特徴とする請求項2に記載の超分子構造。
  6. 分子集合体の形成または合成前の幾何学的形状の構造を制御する主要な分子成分は、異なる小さな分子を吸収し、
    この吸収が合成前の幾何学的形状とその連続的相転移を変更し、又は変更しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の超分子構造。
  7. 超分子構造を作成するために、ドーピング分子は異なるサイトに固定するように形状および大きさを変化することを特徴とする請求項6に記載の超分子構造。
  8. ドーピング分子は成長の速度を制御し、あるいは超分子構造の構造を破壊することを特徴とする請求項6に記載の超分子構造。
  9. 合成前の超分子構造は、化学反応速度の法則に準拠して巨大な有機、無機または有機金属の超分子構造を形成するために、弱い非結合性の引力や強い化学結合により生成され、
    その後、連続的相転移は、電磁エネルギーを放出することによって発生し、
    化学反応速度の法則には従わずに、むしろフラクタルに似た化学反応速度の法則に従うことを特徴とする請求項1、2又は6に記載の超分子構造。
  10. 環境の形状に応じて、入力エネルギーは出力構造の構造を調整することを特徴とする請求項9に記載の超分子構造。
  11. 構築中の構造は、自動化された構築プロセスの異なる段階で環境から追加の材料を取ることを特徴とする請求項9に記載の超分子構造。
  12. 構築の間に、追加のエネルギーポンピングが構造の成長の速度と形状を調節することを特徴とする請求項9に記載の超分子構造。
  13. 分子集合の開始時に、複数の分子および/またはAC周波数は、二次元または三次元の幾何学的構造の形成をもたらす同期プロセスを制御するために用いられることを特徴とする請求項1、2、6又は9に記載の超分子構造。
  14. 複数の分子は、請求項6に記載のマトリックス分子に設けられたいくつかの分子ポケット中に閉じ込められると共に、弱い非結合相互作用または強い化学結合により純粋に閉じ込められていることを特徴とする請求項13に記載の超分子構造。
  15. 追加された分子または典型的な交流周波数の信号によって同期の変調に依存することによって、大きさおよび形状に関する制限長さやその他のパラメータが調整されることを特徴とする請求項13に記載の超分子構造。
  16. 合成前の幾何学的形状は、多くの可能な崩壊のいずれかを選択することによって、最終的な構造に崩壊するような幾つかの複雑なルートを進むことを特徴とする請求項1、2、6、9又は13に記載の超分子構造。
  17. 複数の競争的崩壊経路の間の集団的共同作業が、複数の速度定数を切り替えることにより、合成の非化学的反応経路(non-chemical kinetic pathway)を制御することを特徴とする請求項16に記載の超分子構造。
  18. 前記の可能な径路は、時間とともに非直線的に速度定数を変化させることを特徴とする請求項16に記載の超分子構造。
  19. 合成前の構造は、エネルギーの放射に関連付けられており、
    同期の状態が超分子構造の異なる領域の中で非局在化および局在化し、
    単離された化学反応は、複雑な非周期的または周期的な経路を進んで、超分子構造の進化のシーケンスを生成する、複数の形式のエネルギーを使用することを特徴とする請求項1、2、6、9、13又は16に記載の超分子構造。
  20. 電磁的、磁気的及び機械的なエネルギーの異なる形態がポンピング入力として使用されることを特徴とする請求項19に記載の超分子構造。
  21. 崩壊の間に放射されるエネルギーが、成長の次の段階のための同期処理に役に立ち、
    システムの熱雑音でさえ成長過程に役に立つことを特徴とする請求項19に記載の超分子構造。

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