JP2016106948A - 歩数計測装置、歩行機能判定装置および歩数計測システム - Google Patents
歩数計測装置、歩行機能判定装置および歩数計測システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016106948A JP2016106948A JP2014249268A JP2014249268A JP2016106948A JP 2016106948 A JP2016106948 A JP 2016106948A JP 2014249268 A JP2014249268 A JP 2014249268A JP 2014249268 A JP2014249268 A JP 2014249268A JP 2016106948 A JP2016106948 A JP 2016106948A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- angular velocity
- rotation angle
- walking
- user
- sensor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
Abstract
【課題】精度よく歩数を計測する歩数計測装置を提供する。【解決手段】歩数計測装置3は、ユーザの腰に装着され、ユーザの腰の回旋運動によって生じた回旋角速度を検出するセンサ機器2と通信可能であり、センサ機器2が検出した当該回旋角速度を反映した角速度データ(回旋角速度)を用いて、腰の回旋角度を算出する角速度解析部311と、角速度解析部311が算出した回旋角度を用いて、ユーザの歩数を計測する歩数計測部312と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、ユーザの歩数を計測する歩数計測装置等に関する。
従来から、加速度センサによって、被測定者の歩行状態を測定する様々な装置が開発されている。そのような装置として、例えば特許文献1〜6が挙げられる。
特許文献1、2には、加速度センサを備える歩行計が開示されている。特許文献1の技術は、加速度センサによって、被測定者の歩行に伴って生じる加速度を検出することにより、被測定者の歩行状態を判定するものである。特許文献2の技術は、加速度センサが今回検出した加速度のピークレベルを、過去に検出したピークレベルと比較することにより、加速度センサが検出した加速度が、歩行によって生じたものか否かを判定するものである。
特許文献3には、検出した加速度から算出された歩行周期に基づいて、パーキンソン病の状態を評価する評価装置が開示されている。特許文献4には、両大腿部に装着された角速度センサが測定した大腿部の角速度波形から算出された足踏み周期から、歩行周期を算出する歩数解析方法が開示されている。
特許文献5には、脛骨近部位と踵近部位とにそれぞれ装着された加速度センサが検出した、歩行時に垂直方向に生じる2つの加速度信号の2つのピーク点の時刻差に基づき、変形性膝関節症の判定を行う判定装置が開示されている。なお、特許文献6には、荷重センサが検出する、使用者の荷重の位置変化およびその大きさを示す荷重態様に基づいて、膝関節への負荷の低減を図った膝屈伸運動を可能にする運動補助装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜3および5の技術は、加速度を用いて種々の判定または評価を行うものであるが、腰の回旋運動によって生じた角速度を用いて歩数計測を行うものではない。特に、加速度を用いて歩数計測を行った場合、角速度を用いた場合よりも、歩数を精度よく計数できない可能性がある。また、特許文献6には、角速度を用いて上記計測を行うことについては開示されていない。
また、特許文献4の技術は、歩行周期の算出のために、足踏みによって生じた両大腿部の角速度を検出して足踏み周期を算出するものであるが、腰の回旋運動によって生じた角速度を用いてはいない。また、特許文献4には、歩数計測を行うことについては開示されていない。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、精度よく歩数を計測可能な歩数計測装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る歩数計測装置は、
ユーザの歩数を計測する歩数計測装置であって、
上記歩数計測装置は、ユーザの腰に装着され、当該ユーザの腰の回旋運動によって生じた角速度を検出するセンサと通信可能であり、
上記センサが検出した当該角速度を反映した角速度データを用いて、当該腰の回旋角度を算出する角度算出部と、
上記角度算出部が算出した上記回旋角度を用いて、上記ユーザの歩数を計測する歩数計測部と、を備える。
ユーザの歩数を計測する歩数計測装置であって、
上記歩数計測装置は、ユーザの腰に装着され、当該ユーザの腰の回旋運動によって生じた角速度を検出するセンサと通信可能であり、
上記センサが検出した当該角速度を反映した角速度データを用いて、当該腰の回旋角度を算出する角度算出部と、
上記角度算出部が算出した上記回旋角度を用いて、上記ユーザの歩数を計測する歩数計測部と、を備える。
本発明の一態様によれば、精度よく歩数を計測することができるという効果を奏する。
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態に係る歩数計測装置3およびその制御方法について、図1〜図7を用いて説明する。
本発明の一実施形態に係る歩数計測装置3およびその制御方法について、図1〜図7を用いて説明する。
<歩数計測システム1>
まず、図1〜図3を用いて、歩数計測システム1の構成例について説明する。図1は、本実施形態に係る歩数計測システム1の概略構成を示すブロック図である。図2は、センサ機器2(センサ)の装着位置の一例を示す図である。図3は、歩行状態と腰の回旋角度との関係を示す図である。
まず、図1〜図3を用いて、歩数計測システム1の構成例について説明する。図1は、本実施形態に係る歩数計測システム1の概略構成を示すブロック図である。図2は、センサ機器2(センサ)の装着位置の一例を示す図である。図3は、歩行状態と腰の回旋角度との関係を示す図である。
一般的な歩数計の多くは、加速度センサを備えたものである。この歩数計では、加速度センサが、ユーザの歩行によって上下方向(鉛直方向)に生じる加速度を検出し、予め設けられた閾値を超えた回数を歩数として計測している。しかし、歩行機能(歩く速さ、歩く強さ等の歩行能力)が低下したユーザの場合、歩行しているにもかかわらず、閾値を超える加速度が検出されず、正確に歩数を計測できない可能性がある。
歩数計測システム1は、この可能性を回避すべく、歩行に伴う腰の回旋運動に着目し、ユーザ(被測定者)の歩行時における歩数を計測するものであり、主として、センサ機器2および歩数計測装置3を備えている。
<センサ機器2>
図1に示すように、センサ機器2は、ユーザの腰において生じる加速度および角速度を検出するものであり、加速度センサ21および角速度センサ22を備えている。また、図2に示すように、センサ機器2は、ユーザの腰に装着されるものである。図2では、ユーザの腰背部に装着されているが、腰であれば、その装着位置は問わない。
図1に示すように、センサ機器2は、ユーザの腰において生じる加速度および角速度を検出するものであり、加速度センサ21および角速度センサ22を備えている。また、図2に示すように、センサ機器2は、ユーザの腰に装着されるものである。図2では、ユーザの腰背部に装着されているが、腰であれば、その装着位置は問わない。
一般に、歩行によって可動範囲が大きくなる身体の動作のひとつが、腰の回旋動作である。また、センサ機器2の装着位置によっては、センサ機器2の存在が歩行動作の邪魔になる可能性もあるが、センサ機器2を腰に装着しても、歩行動作の邪魔になる可能性は低い。したがって、センサ機器2を腰に装着することにより、歩行動作を邪魔することなく、歩数計測装置3において、歩行によって可動範囲が一番大きくなる部位のひとつである腰の回旋動作についての解析を行うことを可能にする。
また、センサ機器2は、例えばbluetooth(登録商標)等によって歩数計測装置3と通信可能に接続されたワイヤレスモーションセンサで実現されるが、これに限らず、歩数計測装置3と有線で接続されていてもよい。本実施形態では、加速度センサ21および角速度センサ22のサンプリング周波数は、例えば100Hzであるが、これに限らず、歩数を計測できる程度に設定されていればよい。
加速度センサ21は、ユーザの歩行に伴って生じる加速度を検出するものである。加速度センサ21としては、例えば、互いに直交するx軸方向、y軸方向、z軸方向のそれぞれにおける加速度を検出可能な3軸加速度センサが用いられる。具体的には、静電容量検出方式、ピエゾ抵抗方式、熱検知方式等の加速度センサが用いられる。
角速度センサ22は、ユーザの歩行によって生じる角速度を検出するものである。角速度センサ22としては、例えば図2に示すように、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸のそれぞれを回転軸(基準軸)として、各回転軸に対して発生する歩数計測装置3の角速度を検出可能な3軸角速度センサが用いられる。具体的には、光ファイバジャイロセンサ、シリコン振動構造ジャイロセンサ、圧電振動ジャイロセンサ等が用いられる。一般に、X軸周りに発生する角速度成分がRoll方向成分、Y軸周りに発生する角速度成分がPitch方向成分、Z軸周りに発生する角速度成分がYaw方向成分と規定される。
ここで、ユーザが歩行するとき、腰を回旋することになる。例えば図3に示すように、ユーザの腰を通る水平面(図3に示すX−Y平面)に含まれる仮想的な直線を基準線Lとしたとき、健常者の場合、歩行によって、一般に基準線Lから±5°の間において腰の回旋が生じる。センサ機器2は、このユーザの歩行に伴う腰の回旋運動によって生じた角速度を検出するものである。また、センサ機器2は、角速度を継続して検出するものであり、継続的に算出された複数の角速度を反映した角速度データを、歩数計測装置3に出力する。
具体的には、センサ機器2は、角速度センサ22が検出した角速度成分(角速度のYaw方向成分)から、センサ機器2を装着したユーザが静止状態のときの重力方向の軸周りのYaw方向成分として回旋角速度を算出する。
より具体的には、角速度センサ22は、加速度センサ21の各軸に対する角速度を検出するように配置されている。これにより、角速度センサ22は、加速度センサ21の各軸に対する角速度を検出することができる。また、角速度センサ22は、加速度センサ21が検出した3軸成分を合成した合成値s(s=√{(x成分)2+(y成分)2+(z成分)2}がほぼ1となる状態)を算出し、当該合成値s≒1が一定時間継続して算出できたときに、センサ機器2を装着したユーザが静止状態であると判定する。そして、角速度センサ22は、上記静止状態のときの重力方向を、Z軸として規定する。
これにより、角速度センサ22は、重力方向の軸周りのYaw方向成分を算出することができる。そのため、重力方向と角速度センサ22のZ軸方向とを略一致させた状態で(すなわち、ユーザの姿勢を考慮して)、重力方向の軸周りのYaw方向成分を算出することができる。そして、センサ機器2は、算出した重力方向の軸周りのYaw方向成分を、センサ機器2の算出結果として、角速度解析部311(角度算出部)に出力する。
なお、上記一定時間とは、上記静止状態が検出可能な値に設定されていればよく、例えば、5秒程度であればよい。5秒間に設定されている場合、例えば100Hzでサンプリングしている場合であれば、5×100=500サンプルの加速度データを用いて上記静止状態の判定を行うことになる。また、角速度センサ22の3軸成分の合成値がほぼ0となる場合を上記静止状態の条件とすれば、当該静止状態の判定をより確度が高く行うことができる。
換言すれば、加速度センサ21および角速度センサ22を備えたセンサ機器2は、ユーザの腰に装着されることにより、当該ユーザの歩行に伴う腰の回旋運動によって生じた重力方向の軸周りのYaw方向成分を算出するものといえる。また、センサ機器2は、当該重力方向の軸周りのYaw方向成分を継続的に算出するものといえる。
このように、センサ機器2は、加速度センサ21および角速度センサ22を備え、かつ腰に装着されることにより、歩行による可動範囲が大きい腰の重力方向の軸周りのYaw方向成分の角速度(回旋角速度)を算出することができる。歩数計測装置3による歩数の計測を、容易にかつ正確に行うことを可能にする。
なお、上述のように、センサ機器2は、角速度センサ22が検出するYaw方向成分から、重力方向の軸周りのYaw方向成分を算出する。そのため、角速度センサ22は、少なくともYaw方向の角速度を検出可能な1軸角速度センサであればよい。
また、上記では、センサ機器2は、センサ機器2の算出結果として、重力方向の軸周りのYaw方向成分を角速度解析部311に出力しているが、これに限らず、加速度センサ21の検出結果、および角速度センサ22の検出結果を出力してもよい。この場合、角速度解析部311が、重力方向の軸周りのYaw方向成分を算出する。
換言すれば、センサ機器2または角速度解析部311において、角速度センサ22が検出した角速度成分から、重力方向の軸周りの角速度成分である回旋角速度が、上記角速度データとして算出される。そして、角速度解析部311は、後述するように、この算出された回旋角速度を用いて、回旋角度を算出する。換言すれば、角速度データは上記回旋角速度を含み、角速度解析部311は、当該回旋角速度を用いて回旋角度を算出する。
また、センサ機器2は、加速度センサ21を必ずしも備えている必要はない。この場合、角速度センサ22が検出した角速度のYaw方向成分が、そのまま重力方向の軸周りのYaw方向成分として出力される。ただし、Z軸が重力方向と略一致していない場合でも、当該Yaw方向成分として出力されるので、正確な歩数計測(正確な歩数計測のための角度算出)を考慮すれば、センサ機器2は、加速度センサ21を備えていることが好ましい。
<歩数計測装置3>
図1に示すように、歩数計測装置3は、センサ機器2から送信されるデータを解析することにより、ユーザの歩行時における歩数を計測するものであり、主として、制御部31、記憶部32および表示部33を備えている。
図1に示すように、歩数計測装置3は、センサ機器2から送信されるデータを解析することにより、ユーザの歩行時における歩数を計測するものであり、主として、制御部31、記憶部32および表示部33を備えている。
制御部31は、歩数計測装置3を統括的に制御するものであり、角速度解析部311、歩数計測部312、および表示制御部313を備えている。
角速度解析部311は、センサ機器2の算出結果である重力方向の軸周りのYaw方向成分(角速度データ)を解析し、解析結果を歩数計測部312に送信する。具体的には、角速度解析部311は、継続的に算出された複数の重力方向の軸周りのYaw方向成分を、時間軸で積分することにより、腰の回旋角度を算出する。換言すれば、角速度解析部311は、重力方向の軸周りのYaw方向成分を用いて、腰の回旋角度を算出する角度算出部としての機能を有する。
また、角速度解析部311は、継続的に積分を行うことにより、複数の回旋角度を算出してもよい。この場合、角速度解析部311は、測定時刻の変化(時間経過)に伴う回旋角度の変化を示す角度変化データ((時間経過に伴う)回旋角度の波形)を算出する。これにより、ある程度周期性を有する波形を取得することができるため、歩数の計測を行うことが可能となる。また、算出した回旋角度の波形に対して、バンドパスフィルタを適用する。これにより、回旋角度の波形を整形することができるので、ユーザの歩行の周期成分を精度よく抽出することができる。それゆえ、歩数計測部312における歩数の計測を容易に、かつより正確に行うことが可能となる。
本実施形態では、バンドパスフィルタとしては、例えば0.25Hz以上1.0Hz以下の値が用いられる。このバンドパスフィルタの値は、測定対象となるユーザの歩行状態に応じて変更されるものであり、ユーザごとに設定可能な値である。例えば、1秒間に1歩分歩くユーザの回旋角度の波形に対しては、1.0Hzがバンドパスフィルタの最適値として選択され、1秒間に0.5歩(2秒で1歩)分歩くユーザの回旋角度の波形に対しては、0.5Hzがバンドパスフィルタの最適値として選択される。
角速度解析部311は、バンドパスフィルタが適用された後の回旋角度の波形について、当該回旋角度の絶対値を算出し、当該絶対値を歩数計測部312に送信する。なお、バンドパスフィルタを必ずしも適用する必要はなく、バンドパスフィルタ適用前の回旋角度の波形を、歩数計測部312による計測対象としてもよい。また、上記絶対値を算出する必要は必ずしもなく、絶対値算出前の回旋角度の波形を歩数計測部312による計測対象としてもよい。ただし、歩数計測部312における計測の正確性および容易化を考慮すれば、バンドパスフィルタを適用し、かつ絶対値を算出した後の回旋角度の波形を上記計測対象とすることが好ましい。
歩数計測部312は、角速度解析部311の解析結果に基づいて、ユーザの歩数を計測する。すなわち、歩数計測部312は、角速度解析部311が算出した回旋角度を用いて、ユーザの歩数を計測する。具体的には、歩数計測部312は、解析結果として受信した回旋角度の値(絶対値)を所定の閾値と比較し、所定の閾値を超えた回旋角度の数を計数することにより、歩数を計測する。そして、計測結果を表示制御部313に送信する。
この所定の閾値は、バンドパスフィルタ適用後の回旋角度の波形における極大値を取得できる程度の値に設定されていればよい。なお、バンドパスフィルタ適用前の回旋角度の波形を用いて歩数計測を行う場合には、当該波形に対応した値が設定されればよい。
ここで、本実施形態において、歩行の1周期(1歩)は、一方の足(例えば右足)の接地から、次に他方の足(対足、例えば左足)が接地するまでとする。この場合、歩行周期の始点は一方の足が接地したとき(他方の足を踏み出そうとしているとき)となる。これに限らず、例えば持ち上げた方の足が最も地面から離れているときを、歩行周期の始点としてもよい。すなわち、歩行周期の始点は、計測態様に応じて、任意に設定することができる。
図3に示すように、本実施形態の場合、基準線Lからの腰の回旋角度が最大またはその近傍の値となる。そのため、受信した回旋角度の値が最大またはその近傍の値となる度に歩数が計測される。回旋角度の絶対値を用いて歩数計測を行う場合には、閾値として例えば+1°が設定され、当該絶対値が+1以上となる度に歩数が計測される。また、上記回旋角度の値自体(絶対値ではない)を用いて歩数計測を行う場合には、閾値として例えば±1°が設定され、上記回旋角度の値が+1°以上または−1°以下となる度に歩数が計数される。
一方、例えば持ち上げた方の足が最も地面から離れているときと歩行周期の始点の場合、基準線Lからの腰の回旋角度が最小またはその近傍の値となる。そのため、閾値として例えば0°が設定され、受信した回旋角度の値が0°となる度に歩数が計測される。
このように、歩数計測部312は、歩行によって可動範囲が大きくなる部位のひとつである腰の回旋角度を所定の閾値と比較するだけで、歩数計測を行うことができる。すなわち、歩数計測部312は、容易に、かつ正確に歩数計測を行うことができる。特に、バンドパスフィルタを適用した回旋角度の波形は、整形された回旋角度の波形である。そのため、バンドパスフィルタ適用後の回旋角度を用いて歩数の計測を行う場合、当該計測を精度よく行うことができる。
表示制御部313は、歩数計測部312の計測結果を表示部33に表示させる。これにより、ユーザは、歩行に伴う歩数を確認することができる。
記憶部32は、制御部31が実行する各種の制御プログラム等を記憶するものであり、例えばハードディスク、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置によって構成される。
表示部33は、各種画像を表示するものであり、例えばLCD(Liquid crystal display)で構成される。また、歩数計測装置3は、ユーザ操作を取得可能な操作部(例えばタッチパネル)(不図示)を備えていてもよい。
なお、本実施形態では、歩数計測装置3が制御部31、記憶部32および表示部33を備えるものとして説明したが、少なくとも制御部31を備えていればよい。すなわち、表示部33および記憶部32は、それぞれ歩数計測装置3とは異なる外部装置にて実現され、歩数計測装置3と通信可能に接続されていてもよい。
<処理フロー>
図4を用いて、歩数計測システム1における処理の流れの一例について説明する。図4は、歩数計測システム1における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4を用いて、歩数計測システム1における処理の流れの一例について説明する。図4は、歩数計測システム1における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、ユーザは、腰にセンサ機器2を装着する(S1)。センサ機器2は、加速度センサ21が検出した加速度、および角速度センサ22が検出した角速度に基づいて、角速度の重力方向の軸周りのYaw方向成分を算出し、センサ機器2の検出結果として当該Yaw方向成分を角速度解析部311に送信する(S2)。
角速度解析部311は、継続的に算出された上記Yaw方向成分を時間軸で積分して、腰の回旋角度を算出する(S3;角度算出ステップ)。その後、時間経過に伴う回旋角度の変化を示す角度変化データ(回旋角度の波形)に対して、ユーザの歩行状態に応じて設定されたバンドパスフィルタを適用することにより、当該バンドパスフィルタ適用後の回旋角度(絶対値)の周期波形を取得する(S4)。角速度解析部311は、当該周期波形を示すデータ(上記絶対値)を歩数計測部312に送信する。
歩数計測部312は、周期波形が示す回旋角度のうち、所定の閾値を超えた回旋角度の数を計数することにより歩数を計測し、計測結果を表示制御部313に送信する(S5;歩数計測ステップ)。表示制御部313は、受信した計測結果を表示部33に表示させる(S6)。
<歩行周期と重力方向の軸周りのYaw方向成分との関係>
図5を用いて、歩行周期と重力方向の軸周りのYaw方向成分との関係について説明する。図5は、上記関係を説明するためのグラフである。
図5を用いて、歩行周期と重力方向の軸周りのYaw方向成分との関係について説明する。図5は、上記関係を説明するためのグラフである。
図5の(a)は、センサ機器2(加速度センサ21)により検出された加速度(重力方向、上下方向)の波形を示すグラフであり、図5の(b)は、図5の(a)の加速度の波形の一部を示すグラフである。図5の(a)および(b)において、縦軸は加速度(m/s2)、横軸はサンプル数(サンプリング周波数で除算すると時間(秒)に換算可能)である。上記加速度の値は、一歩ごとに大きく変動する。すなわち、歩行時には加速度の値は大きく変動する一方、静止状態においては、ほぼ1(一定の値)となる。図5の(a)の場合、サンプリング周波数が200Hzであるため、約2000〜4400(サンプル)、言い換えれば10秒〜22秒の間、歩行状態となっており、それ以外の期間については静止状態となっている。
図5の(c)は、図5の(b)の加速度の波形に、回旋角度の波形を重畳したときのグラフである。縦軸は加速度(m/s2)、回旋角度(°)であり、横軸はサンプル数(サンプリング周波数で除算すると時間(秒)に換算可能)である。図5の(c)では、加速度の波形を一点鎖線で示し、回旋角度の波形を実線で示している。また、回旋角度の波形は、図5の(b)の期間において歩数計測装置3により算出された、フィルタ適用後の回旋角度の波形である。
図5の(a)に示すように、加速度の波形においては、一歩ごとに極大値および極小値をとる。すなわち、加速度の波形の1周期は、一歩分に対応する。一方、図5の(c)に示すように、回旋角度の波形においては、加速度の波形の1周期で、1つのピーク(極大値または極小値)をとる。すなわち、回旋角度の波形の1周期は、加速度の波形の2周期分に対応する。つまり、回旋角度の波形の1周期は、一歩分ではなく、二歩分に対応する。
<計測例>
図6および図7を用いて、歩数計測装置3における各種計測結果について説明する。図6は、歩数計測装置3における計測結果の一例を示すグラフである。図6の(a)は、センサ機器2における算出結果、すなわち重力方向の軸周りのYaw方向成分の波形の一例を示すグラフである。図6の(b)は、角速度解析部311によって、図6の(a)に示すYaw方向成分を時間軸で積分して算出された回旋角度の波形の一例を示すグラフである。図6の(c)は、角速度解析部311によって、図6の(b)に示す回旋角度の波形に対して、バンドパスフィルタを適用した後の回旋角度の一例を示すグラフである。
図6および図7を用いて、歩数計測装置3における各種計測結果について説明する。図6は、歩数計測装置3における計測結果の一例を示すグラフである。図6の(a)は、センサ機器2における算出結果、すなわち重力方向の軸周りのYaw方向成分の波形の一例を示すグラフである。図6の(b)は、角速度解析部311によって、図6の(a)に示すYaw方向成分を時間軸で積分して算出された回旋角度の波形の一例を示すグラフである。図6の(c)は、角速度解析部311によって、図6の(b)に示す回旋角度の波形に対して、バンドパスフィルタを適用した後の回旋角度の一例を示すグラフである。
角速度解析部311は、重力方向の軸周りのYaw方向成分に対して積分を行い、積分して算出された回旋角度の波形に対してバンドパスフィルタを適用することにより、図6の(c)に示すように、整形された周期波形を取得することができる。そのため、複雑な閾値設定をすることなく、歩数を計測できることがわかる。
また、図6の(c)に示す波形の、実際の歩行状態と一致度について、図7を用いて説明する。図7の(a)は、比較例としての歩数計測装置による算出結果の一例を示すグラフである。この比較例による算出結果は、腰に装着された加速度センサによって検出された重力方向の加速度の経時変化(波形)を示すグラフである。図7の(b)は、本実施形態に係る歩数計測装置3による算出結果、すなわちバンドパスフィルタ適用後の回旋角度の経時変化の一例を示すグラフである。図7の(c)は、大腿部の動きの一例を示すグラフである。この大腿部の動きは、センサ機器2を大腿部に装着することにより検出される。すなわち、センサ機器2が、y軸方向周りのPitch方向成分の角速度を継続的に算出し、算出した複数の角速度を時間軸で積分することにより算出した角度の経時変化の一例が、図7の(c)に表されている。
一般に、歩行によって可動範囲が大きくなる身体の動作のひとつが大腿部の動きであるため、この大腿部の動きの変化を検出することにより、歩行状態を正確に把握することができる。そのため、この大腿部の動きの変化を解析することで、真の歩数を計数することができる。しかし、大腿部にセンサ機器を取り付けた場合、歩行の妨げになる可能性もある。そこで、本実施形態では、歩行によって可動範囲が大きくなる身体の動作のひとつである腰の回旋運動を検出する(回旋角速度を算出する)ために、センサ機器2は、腰に装着されている。
図7の(a)〜(c)は、歩行機能の一部に障害を有するパーキンソン病患者の歩行時のデータを示すものである。パーキンソン病は歩行機能を低下させる疾病のひとつである。歩行機能が低下した場合、歩行によって生じる加速度が弱くなる。そのため、図7の(a)に示すように、比較例の波形は、図7の(c)に示す大腿部の動き、すなわち真の歩数を示す波形と一致していないことがわかる。したがって、比較例の波形(加速度の値)から、正確に歩数を計測することは困難であることがわかる。特に、歩行機能が低下したユーザの歩行においては、正確に歩数を計測することは困難であるといえる。
一方、図7の(b)と(c)とを比較すると、歩数計測装置3によって得られた腰の回旋角度の波形は、真の歩数を示す波形と、極大値および極小値となる測定時刻が略一致していることがわかる。この比較から、歩数計測装置3では、正確に歩数を計測することができることがわかる。特に、歩行機能が低下したユーザの歩行においても、正確に歩数を計測することができる。
このように、歩数計測装置3では、重力方向の軸周りのYaw方向成分から算出した腰の回旋角度を用いて歩数を計測することにより、容易に、かつ正確に当該計測を行うことができる。
<効果>
以上のように、歩数計測装置3およびその制御方法では、腰に装着されたセンサ機器2によって検出された、ユーザの歩行に伴う腰の回旋運動によって生じた角速度を反映した角速度データ(回旋角速度)から算出された回旋角度を用いて、ユーザの歩数を計測する。すなわち、歩行によって可動範囲が一番大きくなる部位のひとつである腰の回旋運動に伴い算出される回旋角度を用いて、歩数を計測する。
以上のように、歩数計測装置3およびその制御方法では、腰に装着されたセンサ機器2によって検出された、ユーザの歩行に伴う腰の回旋運動によって生じた角速度を反映した角速度データ(回旋角速度)から算出された回旋角度を用いて、ユーザの歩数を計測する。すなわち、歩行によって可動範囲が一番大きくなる部位のひとつである腰の回旋運動に伴い算出される回旋角度を用いて、歩数を計測する。
したがって、容易にかつ正確に歩数を計測することができる。特に、歩行機能が低下したユーザの歩数について、容易にかつ正確に計測することができる。
また、歩数の計測に複雑な処理を要することなく、当該計測を迅速に行うことができる。すなわち、上記構成によれば、迅速かつ正確に歩数の計測を行うことができる。
さらに、歩数計測装置3と、当該歩数計測装置3に接続されたセンサ機器2を備える歩数計測システム1についても、上記と同様の効果が得られる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図8〜図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本発明の他の実施形態について、図8〜図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
<歩行機能判定システム10>
まず、図8を用いて、歩行機能判定システム10の構成例について説明する。図8は、本実施形態に係る歩行機能判定システム10の概略構成を示すブロック図である。
まず、図8を用いて、歩行機能判定システム10の構成例について説明する。図8は、本実施形態に係る歩行機能判定システム10の概略構成を示すブロック図である。
一般に、歩行機能を低下させる疾病に罹患した可能性がある場合、X線検査等により、障害が生じている可能性がある運動器が撮像される。この撮像によって得られた撮像画像から、当該疾病に罹患しているか否かが判断される。しかし、このX線検査等では、上記疾病の中には、撮像画像からは異常が確認できない疾病もある。例えば、パーキンソン病が挙げられる。パーキンソン病は、脳機能障害の一種であり、運動機能に障害が現れる疾病として知られている。具体的には、腕振り運動及び腰回旋運動といった歩行運動(歩行動作)が低下することが知られている。また、変形性膝関節症の初期において、腱または筋といった部位に痛みが生じることがある。この場合、歩行状態に異常が認められても、X線検査では当該部位の異常を発見できない場合がある。
歩行運動は、左右の足が作り出す周期運動である。一般的に、運動機能(歩行機能)に障害が無い場合には、歩行による左右の足の軌跡の形状が互いに略一致するが、運動機能に障害が生じた場合には、両軌跡の形状が一致しなくなり、その不一致を補償するために代償動作が行われることが知られている。
歩行機能判定システム10は、上記疾病による、歩行時の左右の足の軌跡の形状の違いに着目して、ユーザ(被測定者)の歩行機能の判定を行うものであり、主として、センサ機器2および歩行機能判定装置5を備えている。
<センサ機器2>
本実施形態についても、実施形態1と同様、図2に示すように、センサ機器2がユーザの腰に装着されている。センサ機器2が腰のどの位置に装着されても、歩行機能の判定を行うことができる。
本実施形態についても、実施形態1と同様、図2に示すように、センサ機器2がユーザの腰に装着されている。センサ機器2が腰のどの位置に装着されても、歩行機能の判定を行うことができる。
センサ機器2は、加速度センサ21および角速度センサ22を備え、かつ、ユーザの腰に装着され、ユーザの歩行に伴う腰の回旋運動によって生じた角速度を検出する。そして、歩行による可動範囲が大きい部位のひとつである腰の重力方向の軸周りのYaw方向成分(角速度データ、回旋角速度)を算出し、当該算出結果を歩行機能判定装置5に送信する。歩行機能判定装置5において、上記Yaw方向成分を解析して歩行機能の判定を行うことにより、当該判定を容易にかつ正確に行うことができる。
なお、センサ機器2の具体的構成については、実施形態1にて説明したので、その説明を省略する。本実施形態においても、加速度センサ21および角速度センサ22のサンプリング周波数は、例えば100Hzであるが、これに限らず、歩行機能を判定できる程度に設定されていればよい。
また、実施形態1と同様、重力方向の軸周りのYaw方向成分の算出は、センサ機器2ではなく、角速度解析部511で行われてもよい。
<歩行機能判定装置5>
図8に示すように、歩行機能判定装置5は、センサ機器2から送信されるデータを解析することにより、ユーザの歩行機能の判定を行うものであり、主として、制御部51、記憶部32および表示部33を備えている。
図8に示すように、歩行機能判定装置5は、センサ機器2から送信されるデータを解析することにより、ユーザの歩行機能の判定を行うものであり、主として、制御部51、記憶部32および表示部33を備えている。
制御部51は、歩行機能判定装置5を統括的に制御するものであり、角速度解析部511(角度算出部)、自己相関係数算出部512、歩行機能判定部513および表示制御部514を備えている。本実施形態では、角速度解析部511および自己相関係数算出部512が、センサ機器2から送信されるデータ(センサ機器2の算出結果)を解析する解析部として機能する。
角速度解析部511は、実施形態1の角速度解析部311と同様、ユーザの腰に装着され、当該ユーザの歩行に伴う腰の回旋運動によって生じた角速度を検出するセンサ機器2が検出した当該角速度を反映した角速度データ(回旋角速度)に対する解析を行う。
具体的には、角速度解析部511は、継続的に算出された複数の重力方向の軸周りのYaw方向成分を、時間軸で積分することにより、腰の回旋角度を算出する。換言すれば、角速度解析部511は、角速度データとしての重力方向の軸周りのYaw方向成分を用いて、腰の回旋角度を算出する角度算出部としての機能を有する。また、角速度解析部511は、上記回旋角度を継続的に算出することにより、時間経過に伴う回旋角度の変化を示す角度変化データ(回旋角度の波形)を算出する。また、角速度解析部511は、当該回旋角度の波形を整形するために、当該回旋角度の波形に対してバンドパスフィルタを適用してもよい。
なお、角速度解析部511の処理内容は、実施形態1の角速度解析部311と同じであるので、その具体的な説明については省略する。ただし、本実施形態では、バンドパスフィルタとしては、例えば0.5Hz以上1.6Hz以下の値が用いられる。
自己相関係数算出部512は、角速度解析部511によって算出された回旋角度の波形(または、回旋角度の絶対値の波形)について、自己相関係数を算出する。本実施形態では、バンドパスフィルタが適用された回旋角度の波形について自己相関係数を算出しても、バンドパスフィルタ適用前の回旋角度の波形について自己相関係数を算出してもよい。ただし、歩行機能の低下の判定をより正確に行うことを考慮すれば、バンドパスフィルタが適用された回旋角度の波形(すなわち、整形された波形)を用いることが好ましい。
自己相関係数を算出することにより、上記回旋角度の波形の周期性の度合いを判定することが可能となる。当該回旋角度の波形は、歩行動作によって形成される右足の周期および左足の周期に対応付けられた波形となるため、当該波形の周期性の度合いを判定することにより、歩行動作が周期的に行われているかどうかを判定することが可能となる。すなわち、後段の歩行機能判定部513による、ユーザの歩行状態(後述の「左右対称性」および「再現性」)の正確な評価を可能とする。
本実施形態では、自己相関係数(アンバイアスの自己相関係数)は次式にて算出される。
上記式において、Aunbiasedは、角速度解析部311によって算出された回旋角度の波形と、当該回旋角度の波形をmの値分だけ位相をずらした後の回旋角度の波形とを比較したときに算出される自己相関係数である。すなわち、自己相関係数は、上記式にて算出される。また、上記式において、xは回旋角度の値である。xiはi番目の回旋角度の値、xi+mは(i+m)番目の回旋角度の値である。
自己相関係数は、周期性を有する場合には、xiの値と、xiからmだけずらしたxi+mの値との間に一定の関係性がある。従って、これらの積の時間平均の値は、mによりその値が異なるが、0ではない値になる。上述のように、歩行運動は右足と左足とを交互に繰り出す周期運動であることから、例えば、mの値を、1歩分(例えば右足接地時を基点とする場合は左足接地時に)ずらしたときの値とした場合には、後述の「左右対称性」(右足と左足とが形成する軌跡(波形)を比較した値)を得ることができる。
自己相関係数算出部512は、自己相関係数を算出するために、上記位相をずらした後の回旋角度の波形を算出する。また、Nは、加速度センサ21および角速度センサ22が測定時間内に検出した総データ数(総サンプル数)である。すなわち、測定時間内に検出された加速度および角速度に基づき算出された回旋角度の値の数(すなわち、測定時刻数)である。
上記式において、mは位相遅れであり、整数値をとる。本実施形態では、加速度センサ21および角速度センサ22が測定時間内に検出したデータ群(ここでは、当該データ群から算出された回旋角度のデータ群)を時系列順に(測定時刻=0から順に)見たときに得られる最小限の単位を1サンプルとする。また、本実施形態では、加速度センサ21および角速度センサ22のサンプリング周波数が100Hzである。例えばm=1の場合、自己相関係数算出部512は、回旋角度の波形の先頭(測定時刻=0(s))を1サンプル分ずらして、測定時刻=1/100(s)を先頭にした回旋角度の波形を生成する。すなわち、回旋角度の波形について、mの値分だけ位相をずらした波形を生成する。なお、m=0のとき、位相のずれがない2つの波形(同一の波形)を比較することになるので、算出される自己相関係数は1となる。また、2つの波形が半周期ずれるようにmの値が設定された場合には、算出される自己相関係数は−1となる。
mの値は、任意に設定可能である。本実施形態では、自己相関係数算出部512は、上記1サンプル分(1/100(s))ずらした回旋角度の波形を順次生成するように、mの値を順次設定する。そして、当該複数の波形のそれぞれを、ずらす前の回旋角度の波形と比較することにより、当該複数の波形のそれぞれについての自己相関係数を算出する。この場合、自己相関係数算出部512は、例えば図11に示すような、時間経過に伴う(すなわち、位相変化に伴う)自己相関係数の波形を作成する。
すなわち、自己相関係数算出部512は、角度変化データが示す回旋角度の波形(バンドパスフィルタが適用された回旋角度の波形でもよい)と、当該波形を1歩分に相当する位相分ずらしたときの波形とを用いて、左右対称性評価用の自己相関係数を算出する。これにより、歩行機能判定部513において、歩行時に右足が形成する軌跡と、左足が形成する軌跡との一致度合いを判定することが可能となる。また、角度変化データが示す回旋角度の波形と、当該波形を2歩分に相当する位相分ずらしたときの波形とを用いて、再現性評価用の自己相関係数を算出する。これにより、歩行機能判定部513において、歩行時における、右足が形成する1歩ごとの軌跡どうしの一致度合い、または、左足が形成する1歩ごとの軌跡どうしの一致度合いを判定することが可能となる。
歩行機能判定部513は、自己相関係数算出部512が算出した自己相関係数に基づいて、左右対称性および再現性を評価することにより、ユーザの歩行機能が低下しているかどうかについての判定を行う。換言すれば、歩行機能判定部513は、角速度解析部511が算出した回旋角度を用いて、ユーザの歩行機能が低下しているかどうかを判定する。
ここで、本実施形態における「左右対称性」とは、歩行による右足の軌跡の形状と左足の軌跡の形状との一致度合いを示す指標である。これは、角速度解析部511によって算出された回旋角度の波形と、1歩分ずらすようにmの値を設定した時の回旋角度の波形とを比較したときに算出される自己相関係数によって判定される。すなわち、左右対称性とは、上記式において、mの値を片足分(一足分)の動作に相当する値としたときの自己相関係数を算出することにより評価されるものである。
また、本実施形態における「再現性」とは、歩行によって右足が形成する1歩ごとの軌跡どうしの形状、または左足が形成する1歩ごとの軌跡どうしの形状の一致度合いを示す指標である。すなわち、歩行によって同足が形成する1歩ごとの軌跡どうしの形状の一致度合いを示す指標である。これは、角速度解析部511によって算出された回旋角度の波形と、2歩分ずらすようにmの値を設定した時の回旋角度の波形とを比較したときに算出される自己相関係数によって判定される。すなわち、再現性とは、上記式において、mの値を二足分の動作に相当する値としたときの自己相関係数を算出することにより評価されるものである。
本実施形態では、歩行機能判定部513は、自己相関係数算出部512により算出された複数の自己相関係数から、mの値が片足分の動作に相当する値のときの自己相関係数を抽出することにより、左右対称性を評価する。また、歩行機能判定部513は、上記複数の自己相関係数から、mの値が二足分の動作に相当する値のときの自己相関係数を抽出することにより、再現性を評価する。
歩行機能判定部513は、左右対称性評価用の自己相関係数に基づき、1歩分の左足の軌跡と右足の軌跡との重ね合わせ(対足の重ね合わせ)を評価する。具体的には、左右対称性評価用の自己相関係数と所定の閾値とを比較し、当該自己相関関数が所定の閾値よりも低いと判定した場合に、上記歩行機能が低下していると判定する。
自己相関係数が1に近いほど、ずらす前の回旋角度の波形(角速度解析部511が算出した回旋角度の波形)と、ずらした後の回旋角度の波形(自己相関係数算出部512が算出した回旋角度の波形)との一致度が高いといえる。すなわち、自己相関係数が1に近いほど、上記2つの軌跡の一致度が高いといえる。例えば、所定の閾値を0.8とした場合、歩行機能判定部513は、上記自己相関係数が0.8より低くなった場合に、左右の足の軌跡が一致しない、すなわち歩行機能が低下していると判定する。
また、歩行機能判定部513は、再現性評価用の自己相関係数に基づき、右足の1歩分どうしの軌跡、または左足の1歩分どうしの軌跡の重ね合わせ(同足の重ね合わせ)を評価する。具体的には、再現性評価用の自己相関係数と所定の閾値とを比較し、当該自己相関関数が所定の閾値よりも低いと判定した場合に、上記歩行機能が低下していると判定する。
再現性の場合も、自己相関係数が1に近いほど、上記1歩分どうしの軌跡が一致しているといえる。例えば、所定の閾値を0.8とした場合、歩行機能判定部513は、上記自己相関係数が0.8より低くなった場合に、上記1歩分どうしの軌跡が一致しない、すなわち歩行機能が低下していると判定する。
また、歩行機能判定部513は、左右対称性評価用の自己相関係数、および再現性評価用の自己相関係数に基づき、歩行機能が低下していると判定してもよい。例えば、当該2つの自己相関係数が所定値以上異なる場合、歩行時における左右のバランスが大きく崩れているといえる。例えば、所定値が0.2で、左右対称性評価用の自己相関係数が0.9であり、再現性評価用の自己相関係数が0.7である場合、上記左右のバランスが大きく崩れているといえる。したがって、歩行機能判定部513は、この場合も歩行機能が低下していると判定する。
なお、上記では、歩行機能判定部513が、(i)左右対称性評価用の自己相関係数、(ii)再現性評価用の自己相関係数、並びに、(iii)左右対称性評価用の自己相関係数、および再現性評価用の自己相関係数に基づき、歩行機能が低下しているかどうかを判定しているが、これに限られない。すなわち、(i)〜(iii)のいずれかによって歩行機能が低下しているかどうかを判定すればよい。また、歩行機能判定部513にて用いられる閾値および所定値は、一般に歩行機能が低下していると判断する程度の値に設定されていればよい。
また、図3を用いて実施形態1にて説明したように、健常者の場合、歩行によって、一般に基準線Lから±5°の間において腰の回旋が生じる。そのため、この範囲内において腰の回旋が行われていれば健常者と判断し、範囲外(+5°より大きい範囲、または−5°より小さい範囲)において腰の回旋が行われれば、歩行機能が低下していると判断することができる。しかし、健常者であっても、歩行中に一時的に腰の回旋が上記範囲外になる可能性があるため、上記範囲外になったからといって、直ちに歩行機能が低下したと判断することはできない。
本実施形態では、歩行機能判定部513は、測定時間全体における回旋角度の波形を用いて算出された自己相関係数に基づいて、歩行機能の低下を判定する。そのため、歩行機能判定部513は、健常者の一時的な歩行機能の低下については、歩行機能が低下していると判定することはなく、パーキンソン病等の疾病による歩行機能の低下(歩行機能が低下した状態が比較的長時間続いている場合)のみを、歩行機能が低下していると判定することができる。
表示制御部514は、歩行機能判定部513による判定結果を表示部33に表示させる。これにより、ユーザは、歩行機能が低下しているかどうかを確認することができる。
<処理フロー>
図9を用いて、歩行機能判定システム10における処理の流れの一例について説明する。図9は、歩行機能判定システム10における処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、S11〜S14の処理は、図4に示すS1〜S4の処理と同様のため、ここでの説明を省略する。なお、S13は、重力方向の軸周りのYaw方向成分を用いて、腰の回旋角度を算出する角度算出ステップである。
図9を用いて、歩行機能判定システム10における処理の流れの一例について説明する。図9は、歩行機能判定システム10における処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、S11〜S14の処理は、図4に示すS1〜S4の処理と同様のため、ここでの説明を省略する。なお、S13は、重力方向の軸周りのYaw方向成分を用いて、腰の回旋角度を算出する角度算出ステップである。
S14において、角速度解析部511は、バンドパスフィルタ適用後の回旋角度の周期波形を示すデータを、自己相関係数算出部512に送信する。自己相関係数算出部512は、当該周期波形について自己相関関数を算出し、当該算出結果を歩行機能判定部513に送信する(S15)。
歩行機能判定部513は、上記算出結果に基づき、歩行機能が低下しているかどうかについて判定する。換言すれば、回旋角度を用いて、歩行機能が低下しているかどうかについて判定する(S16;歩行機能判定ステップ)。そして、当該判定結果を表示制御部313に送信する。表示制御部313は、受信した判定結果を表示部33に表示させる(S17)。
<計測例>
図10および図11を用いて、歩行機能判定装置5における各種計測結果について説明する。図10は、歩行機能判定装置5における計測結果の一例を示すグラフである。図10の(a)は、健常者(高齢者)の歩行時に算出された、バンドパスフィルタを適用した後の回旋角度の波形の一例を示すグラフである。図10の(b)は、パーキンソン病患者の歩行時に算出された、バンドパスフィルタを適用した後の回旋角度の波形の一例を示すグラフである。図10の(a)および(b)を比較すれば、健常者の歩行により得られた回旋角度の波形と、パーキンソン病患者の歩行により得られた回旋角度の波形との間には大きな相違があることがわかる。したがって、歩行機能が低下しているかどうかの判定に上記回旋角度を用いることにより、容易にかつ正確に当該判定を行うことができることがわかる。
図10および図11を用いて、歩行機能判定装置5における各種計測結果について説明する。図10は、歩行機能判定装置5における計測結果の一例を示すグラフである。図10の(a)は、健常者(高齢者)の歩行時に算出された、バンドパスフィルタを適用した後の回旋角度の波形の一例を示すグラフである。図10の(b)は、パーキンソン病患者の歩行時に算出された、バンドパスフィルタを適用した後の回旋角度の波形の一例を示すグラフである。図10の(a)および(b)を比較すれば、健常者の歩行により得られた回旋角度の波形と、パーキンソン病患者の歩行により得られた回旋角度の波形との間には大きな相違があることがわかる。したがって、歩行機能が低下しているかどうかの判定に上記回旋角度を用いることにより、容易にかつ正確に当該判定を行うことができることがわかる。
そして、これらの回旋角度を用いて自己相関係数を算出した結果を示すグラフを、図11に示す。図11は、歩行機能判定装置5の計測結果の一例を示すグラフであり、(a)は、健常者(高齢者)に対する測定結果として得られた自己相関係数の波形の一例を示すグラフ、および、パーキンソン病患者に対する測定結果として得られた自己相関係数の波形の一例を示すグラフである。図11において、実線は健常者(高齢者)、一点鎖線はパーキンソン病患者のものである。
自己相関係数算出部512は、mの値を1/100(s)ずつ変更して、角速度解析部511によって算出された回旋角度の波形と比較対象となる複数の波形を生成する。そして、生成した複数の波形のそれぞれを、上記回旋角度の波形と比較することにより、当該複数の波形のそれぞれについての自己相関係数を算出する。自己相関係数算出部512は、縦軸を自己相関係数の値、横軸をmの値(すなわち、測定時刻)とする座標系に、算出した複数の自己相関係数をプロットすることにより、図11に示すような波形を作成する。すなわち、図11に示す波形は、時間経過に伴う自己相関係数の変化を示すデータである。
歩行機能判定部513は、作成した波形中の複数の極大値および極小値のうち、最初(横軸x>0)の極小値が得られるとき、mの値が一足分の動作に相当する値となっていると判定する。すなわち、このときの自己相関係数が、左右対称性評価用の自己相関係数であると判定する。また、この極小値の次に現れる極大値が得られるとき、mの値が二足分の動作に相当する値となっていると判定する。すなわち、このときの自己相関係数が、再現性評価用の自己相関係数であると判定する。
一歩の動作にかかる時間は、ユーザごとに異なる。そのため、図11に示すように、健常者とパーキンソン病患者との間において、自己相関係数の波形におけるピークの出現位置が異なる。上記2つの自己相関係数の判定は、そのピークの出現位置に依存することなく、上述のように、極大値または極小値の大きさ、すなわちピークの値の大きさで行われる。つまり、当該ピークの値を用いて、左右対称性および再現性が判定される。
図11では、左右対称性評価用の所定の閾値を−0.5とした場合、健常者の自己相関係数の波形(実線)において、左右対称性評価用の自己相関係数(当該波形の極小値)は当該所定の閾値より小さい。また、再現性評価用の所定の閾値を0.5とした場合、当該波形において、再現性評価用の自己相関係数(当該波形の極大値)は当該所定の閾値より大きい。すなわち、両自己相関係数ともに、当該所定の閾値を超えている。したがって、この波形の場合、歩行機能判定部513は、歩行機能が低下していないと判定する。
一方、パーキンソン病患者の自己相関係数の波形(一点鎖線)において、左右対称性評価用の自己相関係数は所定の閾値よりも大きく、再現性評価用の自己相関係数は所定の閾値よりも小さい。すなわち、両自己相関係数ともに、上記所定の閾値を超えていない。したがって、この波形の場合、歩行機能判定部513は、歩行機能が低下していると判定する。
なお、歩行運動は、左右の足の交互の周期運動であるため、歩行機能判定部513は、複数の極小値を左右対称性評価用の自己相関係数、および、複数の極大値を再現性評価用の自己相関係数として抽出してもよい。例えば、2番目の極小値を左右対称性評価用の自己相関係数、2番目の極大値を再現性評価用の自己相関係数としてもよい。この場合、歩行機能判定部513は、例えば、複数の左右対称性評価用の自己相関係数の平均値または最低値を、歩行機能判定用の自己相関係数としてもよい。同様に、例えば、複数の再現性評価用の自己相関係数の平均値または最低値を、歩行機能判定用の自己相関係数としてもよい。
このように、歩行機能判定装置5では、重力方向の軸周りのYaw方向成分から算出した腰の回旋角度を用いて、歩行機能の判定を行うことにより、健常者と、歩行機能を低下させる疾病の罹患者とを、容易にかつ正確に判定することを可能にする。
<効果>
例えば、特許文献1〜3および5の技術は、加速度を用いて種々の判定または評価が行うものであるが、腰の回旋運動によって生じた角速度を用いて歩行機能の評価を行うものではない。特に、加速度を用いて歩行機能の評価を行った場合、角速度を用いた場合よりも、その精度が劣る可能性がある。また、特許文献6には、角速度を用いて上記評価を行うことについては開示されていない。
例えば、特許文献1〜3および5の技術は、加速度を用いて種々の判定または評価が行うものであるが、腰の回旋運動によって生じた角速度を用いて歩行機能の評価を行うものではない。特に、加速度を用いて歩行機能の評価を行った場合、角速度を用いた場合よりも、その精度が劣る可能性がある。また、特許文献6には、角速度を用いて上記評価を行うことについては開示されていない。
また、特許文献4の技術は、歩行周期の算出のために、足踏みによって生じた両大腿部の角速度を検出して足踏み周期を算出するものであるが、腰の回旋運動によって生じた角速度を用いてはいない。また、特許文献4には、歩行機能の評価を行うことについては開示されていない。
これに対して、歩行機能判定装置5およびその制御方法では、上述したように、腰に装着されたセンサ機器2が検出した、ユーザの歩行に伴う腰の回旋運動によって生じた角速度が反映された角速度データを用いて算出された腰の回旋角度を用いて、ユーザの歩行機能が低下しているかどうかを判定する。すなわち、歩行によって可動範囲が一番大きくなる部位のひとつである腰の回旋運動に伴い算出される回旋角度を用いて、上記判定を行う。
したがって、容易にかつ正確に歩行機能が低下しているかどうかを判定することができる。
また、歩行機能の判定に複雑な処理を要することなく、当該判定を迅速に(早期に)行うことができる。すなわち、上記構成によれば、迅速かつ正確に歩行機能が低下しているかどうかの判定を行うことができる。
さらに、歩行機能判定装置5およびその制御方法では、歩行により検出された腰の角速度を反映した角速度データを評価することにより、左右対称性および/または再現性を定量的に評価する。すなわち、センサ機器2が算出した単位時間あたりの角度変化の周期性と、当該角度変化(回旋角速度)を時間軸で積分した回旋角度とを評価する。これにより、腰の回旋方向における可動範囲を精度よく推定することができる。したがって、当該可動範囲の縮小、すなわち歩行機能の低下を早期に判定することができる。
そして、歩行機能が低下しているかどうかを、早期にかつ正確に判定することができるので、この判定結果を確認した者(例えば、医師等)は、被測定者であるユーザが健常者であるかどうかの判断(推定)を、早期にかつ精度高く行うことができる。
例えば、図11に示す健常者から得られた自己相関係数の波形の場合であれば、歩行機能判定装置5によって歩行機能が低下していないと判定される。したがって、その判定結果を確認した医師等は、ユーザが健常者であると適切に判断することができる。一方、例えば、図11のパーキンソン病患者から得られた自己相関係数の波形の場合であれば、歩行機能判定装置5によって歩行機能が低下していると判定される。したがって、その判定結果を確認した医師等は、ユーザが歩行機能を低下させる疾病に罹患している疑いがある(例えば、パーキンソン病の疑いがある)と的確に推定することができる。したがって、疾病を確認するための他の検査を早期に行うことができ、疾病の確定、および当該疾病に対する処方を早期に行うことができる。
このように、歩行機能判定装置5およびその制御方法のような、回旋角度を用いた歩行機能の低下の判定は、歩行機能を低下させる疾病の診断の一つのツールとして有用である。換言すれば、撮像画像からは異常が確認できない、歩行機能を低下させる疾病の判定支援が可能となる。
また、歩行機能判定装置5と、当該歩行機能判定装置5に接続されたセンサ機器2を備える歩行機能判定システム10についても、上記と同様の効果が得られる。
<変形例>
上記では、実施形態1の歩数計測装置3および本実施形態の歩行機能判定装置5は、別個の装置として説明したが、これに限らず、両装置の機能を併せ持つ装置も実現可能である。例えば、歩行機能判定装置5が、歩数計測装置3の構成(特に、歩数計測部312)を備えることにより実現されてもよい。この場合、センサ機器2を腰に装着したユーザの歩数計測結果を算出できるとともに、当該ユーザの歩行機能が低下しているかどうかの判定結果を算出することができる。そのため、歩数計測結果および判定結果の両方をユーザに提示可能な装置を実現することが可能となる。
上記では、実施形態1の歩数計測装置3および本実施形態の歩行機能判定装置5は、別個の装置として説明したが、これに限らず、両装置の機能を併せ持つ装置も実現可能である。例えば、歩行機能判定装置5が、歩数計測装置3の構成(特に、歩数計測部312)を備えることにより実現されてもよい。この場合、センサ機器2を腰に装着したユーザの歩数計測結果を算出できるとともに、当該ユーザの歩行機能が低下しているかどうかの判定結果を算出することができる。そのため、歩数計測結果および判定結果の両方をユーザに提示可能な装置を実現することが可能となる。
<付記事項>
上記では、自己相関係数算出部512は、mの値を順次変更して、比較対象となる波形を複数作成して、図11に示すような自己相関係数の波形を作成するが、これに限られたものではない。mの値として、一足分の動作に相当する値、および/または二足分の動作に相当する値が予め設定可能であれば、自己相関係数算出部512は、例えば、当該グラフを作成せず、それぞれのmの値のときの自己相関係数(すなわち、左右対称性評価用の自己相関係数、および/または再現性評価用の自己相関係数)のみを算出してもよい。この場合、歩行機能判定部513は、上記自己相関係数の値を所定の閾値を比較して、歩行機能が低下しているかどうかを判定する。
上記では、自己相関係数算出部512は、mの値を順次変更して、比較対象となる波形を複数作成して、図11に示すような自己相関係数の波形を作成するが、これに限られたものではない。mの値として、一足分の動作に相当する値、および/または二足分の動作に相当する値が予め設定可能であれば、自己相関係数算出部512は、例えば、当該グラフを作成せず、それぞれのmの値のときの自己相関係数(すなわち、左右対称性評価用の自己相関係数、および/または再現性評価用の自己相関係数)のみを算出してもよい。この場合、歩行機能判定部513は、上記自己相関係数の値を所定の閾値を比較して、歩行機能が低下しているかどうかを判定する。
なお、一足分および二足分の動作に相当する値を予め設定可能な場合、一足分の動作に相当する値としては、例えば、角速度解析部511が算出した回旋角度の波形における先頭の1周期中に含まれるデータ数(検出回数)、または、全データ数を周期の個数で除算した値を用いることができる。二足分の動作に相当する値としては、例えば、上記一足分の動作に相当する値を2倍した値を用いることができる。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図12〜図15に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本発明の他の実施形態について、図12〜図15に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
<膝状態判定システム20>
まず、図12を用いて、膝状態判定システム20の構成例について説明する。図12は、本実施形態に係る膝状態判定システム20の概略構成を示すブロック図である。
まず、図12を用いて、膝状態判定システム20の構成例について説明する。図12は、本実施形態に係る膝状態判定システム20の概略構成を示すブロック図である。
実施形態2において説明したように、X線検査等では、歩行機能を低下させる疾病の中には、撮像画像からは異常が確認できない疾病もあり、そのような疾病として、例えば変形性膝関節症が挙げられる。そして、変形性膝関節症等の局所的な痛みを伴う疾病の場合、膝部位の上下運動において、健常な膝と罹患している膝との間で大きな相違がみられる。
膝状態判定システム20は、足踏み時の膝部位の動きに着目して、ユーザ(被測定者)の膝状態の判定を行うものであり、主として、センサ機器2および膝状態判定装置7を備えている。
<センサ機器2>
本実施形態では、センサ機器2は、図13に示すように、ユーザの腰背部、左大腿部、右大腿部、左下腿部および右下腿部の5箇所に装着されている。すなわち、膝状態判定システム20は、複数のセンサ機器2を備えている。左大腿部および左下腿部、並びに、右大腿部および左大腿部(すなわち、左膝および右膝それぞれの上下位置)にセンサ機器2が装着されている。なお、ユーザの腰、左大腿部、右大腿部、左下腿部および右下腿部の5箇所にセンサ機器2が装着されていれば、腰、左大腿部、右大腿部、左下腿部および右下腿部のそれぞれのどの位置に装着されているかは問わない。
本実施形態では、センサ機器2は、図13に示すように、ユーザの腰背部、左大腿部、右大腿部、左下腿部および右下腿部の5箇所に装着されている。すなわち、膝状態判定システム20は、複数のセンサ機器2を備えている。左大腿部および左下腿部、並びに、右大腿部および左大腿部(すなわち、左膝および右膝それぞれの上下位置)にセンサ機器2が装着されている。なお、ユーザの腰、左大腿部、右大腿部、左下腿部および右下腿部の5箇所にセンサ機器2が装着されていれば、腰、左大腿部、右大腿部、左下腿部および右下腿部のそれぞれのどの位置に装着されているかは問わない。
複数のセンサ機器2のそれぞれは、加速度センサ21および角速度センサ22を備え、かつ、少なくともユーザの大腿部および下腿部に装着され、ユーザの足踏みに伴う大腿部および下腿部の回旋運動によって生じた角速度を検出する。そして、角速度を反映した角速度データ(回旋角速度)を膝状態判定装置7に送信する。これにより、膝のねじれ具合(同足の大腿部と下腿部とのねじれ具合)を、容易にかつ正確に定量化することができる。また、センサ機器2は、上記角速度を継続的に検出し、上記回旋角速度を継続的に算出している。
なお、センサ機器2の具体的構成については、実施形態1にて説明したので、その説明を省略する。本実施形態においても、加速度センサ21および角速度センサ22のサンプリング周波数は、例えば100Hzであるが、これに限らず、膝状態を判定できる程度に設定されていればよい。
また、実施形態1と同様、大腿部および下腿部に装着された各センサ機器2から検出された角速度を用いて算出される重力方向の軸周りのYaw方向成分は、センサ機器2ではなく、角速度解析部711で算出されてもよい。
<膝状態判定装置7>
図12に示すように、膝状態判定装置7は、センサ機器2から送信されるデータを解析することにより、ユーザの膝状態の判定を行うものであり、主として、制御部71、記憶部32および表示部33を備えている。
図12に示すように、膝状態判定装置7は、センサ機器2から送信されるデータを解析することにより、ユーザの膝状態の判定を行うものであり、主として、制御部71、記憶部32および表示部33を備えている。
制御部71は、膝状態判定装置7を統括的に制御するものであり、角速度解析部711、動作図作成部712、有病膝判定部713(判定部)および表示制御部714を備えている。
角速度解析部711は、ユーザの大腿部および下腿部に装着され、当該ユーザの足踏みに伴う大腿部および下腿部の回旋運動によって生じた角速度を検出するセンサ機器2が検出した当該角速度を反映した角速度データを解析する。また、角速度解析部711は、ユーザの腰に装着され、ユーザの足踏みに伴う腰の回旋運動によって生じた角速度を検出するセンサ機器2から出力された検出結果についても解析する。
具体的には、角速度解析部711は、左右大腿部および左右下腿部に装着されたセンサ機器2によって継続的に算出された重力方向の軸周りのYaw方向成分(角速度データ、回旋角速度)を受信すると、各重力方向の軸周りのYaw方向成分について、角速度変化データ(回旋角速度の波形)を算出する。角速度変化データとは、時間経過に伴う重力方向の軸周りのYaw方向成分の変化を示すデータ(時間経過に伴う角速度データの変化を示すデータ)である。
角速度解析部711は、算出した角速度変化データのそれぞれに対して、バンドパスフィルタを適用する。これにより、回旋角速度の波形を整形することができるので、ユーザの足踏みの周期成分を抽出することができる。それゆえ、足踏み動作に対応した各回旋角速度の値(例えば、接地時の各回旋角速度の値)を正確に抽出することができる。
本実施形態では、バンドパスフィルタとしては、例えば0.1Hz以上5Hz以下の値が用いられる。このバンドパスフィルタの値は、測定対象となるユーザの足踏み状態に応じて変更されるものであり、実施形態1と同様、ユーザごとに設定可能な値である。
なお、バンドパスフィルタを必ずしも適用する必要はなく、バンドパスフィルタ適用前の回旋角速度の波形を、動作図の作成対象の値として選択してもよい。ただし、動作図の正確性を考慮すれば、バンドパスフィルタを適用することが好ましい。
また、角速度解析部711は、有病膝を判定するために用いる上記Yaw方向成分を選択する範囲として、例えば、左足(または右足)の大腿部の所定の足踏み回数である第1所定回数(例えば10回目)のときの、大腿部の角速度のPitch方向成分(屈曲角速度)の最大値から、同足の大腿部の所定の足踏み回数である第2所定回数(例えば20回目)のときの、大腿部の角速度のPitch方向成分の最大値までの範囲を選択する。すなわち、動作図作成部712が動作図を作成するために必要とされる上記Yaw方向成分を抽出する区間である抽出対象区間を設定する。したがって、上記バンドパスフィルタの適用は、当該抽出対象区間内の上記Yaw方向成分に対してのみ行われればよい。
ここで、足踏み運動は、単脚支持(片足立ち)を交互に繰り返す周期性のある運動である。本実施形態の膝状態判定装置7は、足踏み運動時にセンサ機器2で検出されたデータを解析して、膝状態の判定を行うものである。そのため、動作図作成部712が作成する動作図には、単脚支持時の上記Yaw方向成分が反映されればよい。したがって、角速度解析部711は、足踏みしている状態である(両足が開きすぎていない状態)と想定される、大腿部の角速度のPitch方向成分の所定の範囲(例えば、−10deg/sec以上50deg/sec以下)内の上記Yaw方向成分に対して、バンドパスフィルタを適用すればよい。
このように、本実施形態では、角速度解析部711の解析対象は、左右大腿部および左右下腿部については、上記Yaw方向成分および上記Pitch方向成分である。そのため、左右大腿部および左右下腿部に装着された各センサ機器2において、加速度センサ21は、少なくとも重力方向の加速度を検出可能な1軸加速度センサであり、角速度センサ22は、少なくともYaw方向成分およびPicth方向成分の角速度を検出可能な2軸角速度センサであればよい。
また、角速度解析部711は、腰に装着されたセンサ機器2の加速度センサ21の検出結果を受けて、ユーザが足踏みを行っているかどうか(すなわち、足踏みを開始したかどうか)を判定してもよい。具体的には、角速度解析部711は、加速度センサ21の検出結果である加速度の値が0、または0近傍の値(すなわち、所定の範囲以下)であれば、足踏みを行っていない状態(すなわち、両脚支持状態)であると判定する。この所定の範囲は、足踏みを行っているかどうかを判定できる程度に設定されていればよい。一方、当該所定の範囲を超えた加速度の値を検出した場合には、足踏みを行っている状態(すなわち、単脚支持状態)であると判定する。
角速度解析部711は、足踏みを行っている状態であると判定したときに、測定を開始する。すなわち、当該判定した時点から、左右大腿部および左右下腿部に装着された各センサ機器2から送信されたデータを取得し、上記抽出対象区間内の上記Yaw方向成分に対して、バンドパスフィルタを適用する。
なお、腰に装着されるセンサ機器2については、加速度センサ21および角速度センサ22の両方を備えている必要は必ずしもなく、加速度センサ21のみを備えた構成であってもよい。また、ユーザが足踏みを行っているかどうかを判定できるのであれば、加速度センサ21は、例えば1軸加速度センサで構成されてもよい。また、当該判定を行えればよいため、腰に装着されている必要は必ずしもなく、例えば頭部、胸部等であってもよい。
角速度解析部711は、左右大腿部および左右下腿部に装着された各センサ機器2から取得し、バンドパスフィルタを適用した上記Yaw方向成分を、動作図作成部712に送信する。なお、センサ機器2が装着される位置を示す位置情報と、バンドパスフィルタ適用後の上記Yaw方向成分とは、対応付けて記憶部32に記憶されている。角速度解析部711は、上記Yaw方向成分を送信するときに、上記位置情報もあわせて動作図作成部712に送信する。これにより、動作図作成部712は、受信したYaw方向成分が、どのセンサ機器2に対応するものか(すなわち、どの足に対応するものか)を判断することができる。
動作図作成部712は、受信した上記Yaw方向成分を用いて、膝状態の動作状態を示す動作図(図15参照)を作成する。
具体的には、動作図作成部712は、大腿部に装着されたセンサ機器2によって検出される上記Yaw方向成分をX軸(第1軸)とし、当該X軸に直交する、下腿部に装着されたセンサ機器2によって検出される上記Yaw方向成分をY軸(第2軸)とした座標系を準備する。この座標系を、左足および右足のそれぞれについて準備する。そして、動作図作成部712は、これらの座標系に、左右大腿部および左右下腿部にそれぞれ装着された各センサ機器2で検出された上記Yaw方向成分(本実施形態では、バンドパスフィルタ適用後の上記Yaw方向成分の波形から得られる値)をプロットすることにより、動作図を作成する。
なお、第1所定回数および第2所定回数は、足踏みとして有効な左右の足の動作を捉えることができる程度の値に設定されていればよい。また、図15では、(a)が左足の動作図、(b)が右足の動作図である。
動作図作成部712は、動作図を作成した後、当該動作図を示すデータを有病膝判定部713に送信する。
有病膝判定部713は、上記動作図を示すデータを受信すると、各動作図に基づいて、ユーザの膝に異常があるかどうかについて判定(評価)し、当該判定結果を表示制御部714に送信する。換言すれば、有病膝判定部713は、左右大腿部および左右下腿部に装着された各センサ機器2から出力された重力方向の軸周りのYaw方向成分を用いて、ユーザの膝の異常判定を行う。
具体的には、各動作図の第2象限においてプロットされた値(プロットされた上記Yaw方向成分)のうち、大腿部の上記Yaw方向成分の値(X値)が所定の第1角速度(例えば−20deg/sec)以下、下腿部の上記Yaw方向成分の値(Y値)が所定の第2角速度(例えば20deg/sec)以上である値を計数する。また、各動作図の第4象限においてプロットされた値のうち、大腿部の上記Yaw方向成分の値(X値)が所定の第3角速度(例えば20deg/sec)以上であり、下腿部の上記Yaw方向成分の値(Y値)が所定の第4角速度(例えば−20deg/sec)以下である値を計数する。
そして、各動作図において、それぞれ計数された第2象限および第4象限の値の合計値が、所定の閾値以上であるか否かを判定し、所定の閾値以上である場合には、膝に異常があると判定する。例えば、左足の動作図において計数された値が所定の閾値以上であり、右足の動作図において計数された値が所定の閾値未満である場合、左足の膝に異常があると判定される。なお、第1〜第4角速度および所定の閾値は、膝の異常判定ができる程度の値に設定されていればよい。
動作図において、第1象限および第3象限にプロットされた上記Yaw方向成分は、同足の大腿部と下腿部とが略同一方向に旋回しており、第2象限および第4象限にプロットされた上記Yaw方向成分は、同足の大腿部と下腿部とが略逆方向に旋回している(膝のねじれ具合が大きい)と想定される。そのため、有病膝判定部713では、第2象限および第4象限にプロットされた上記Yaw方向成分が、膝が異常であるかどうかの判定対象として用いられる。
換言すれば、有病膝判定部713は、動作図の所定の領域へのプロット数を計数し、当該個数が所定の閾値を超えた場合に、膝に異常があると判定する。この所定の領域とは、ねじれ具合が大きいと推定できる領域であり、具体的には、第2象限における所定の第1角速度以下、所定の第2角速度以上の範囲、および、第4象限における所定の第3角速度以上、所定の第4角速度以下の範囲である。
表示制御部714は、有病膝判定部713の判定結果を表示部33に表示させる。これにより、ユーザは、自身の膝状態に異常がないかどうかを確認することができる。
<処理フロー>
図14を用いて、膝状態判定装置7における処理の流れの一例について説明する。図14は、膝状態判定装置7における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図14を用いて、膝状態判定装置7における処理の流れの一例について説明する。図14は、膝状態判定装置7における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、ユーザは、腰、左右大腿部および左右下腿部のそれぞれ(5箇所)にセンサ機器2を装着する(S21)。左右大腿部および左右下腿部のそれぞれに装着されたセンサ機器2は、加速度センサ21が検出した加速度、および角速度センサ22が検出した角速度に基づいて、角速度の重力方向の軸周りのYaw方向成分を算出する。そして、各センサ機器2は、上記Yaw方向成分をそれぞれ、角速度解析部311に送信する(S22)。
一方、腰に装着されたセンサ機器2は、加速度センサ21が検出した加速度を、当該センサ機器2の検出結果として角速度解析部711に送信する。角速度解析部711は、上記検出結果としての加速度の値が所定の範囲を超えたかどうかを判定することにより、足踏みが開始されたかどうかを判定する(S23)。なお、S23でNOの場合、S23の処理が繰り返される。
角速度解析部711は、上記加速度の値が所定の範囲を超えたと判定した場合(S23でYES)、上記抽出対象区間における、左右大腿部および左右下腿部にそれぞれ装着されたセンサ機器2によって算出された角速度の重力方向の軸周りのYaw方向成分に対して、バンドパスフィルタを適用する(S24)。そして、角速度解析部711は、バンドパスフィルタ適用後の上記Yaw方向成分を、動作図作成部712に送信する。
動作図作成部712は、バンドパスフィルタ適用後の重力方向の軸周りのYaw方向成分の値を上記座標系にプロットすることにより動作図を作成し、当該動作図を示すデータを有病膝判定部713に送信する(S25)。
有病膝判定部713は、左右の膝に異常があるかどうかを判定する(S26;判定ステップ)。具体的には、有病膝判定部713は、左足の動作図の第2象限における所定の領域、および第4象限における所定の領域にプロットされた値を計数する。そして、その数が所定の閾値を超えたかどうかを判定し、超えている場合には、左膝に異常があると判定する。右足の動作図についても同様に、上記計数および判定を行う。
換言すれば、上記判定ステップでは、ユーザの大腿部および下腿部に装着された各センサ機器2によって算出される、重力方向の軸周りのYaw方向成分を用いて、ユーザの膝に異常があるかどうかが判定される。
有病膝判定部713は、左右の膝のそれぞれについての判定結果を、表示制御部714に送信する。表示制御部714は、当該判定結果を表示部33に表示させる。このとき、上記動作図をあわせて表示させてもよい。
<計測例>
図15を用いて、膝状態判定装置7における計測結果について説明する。図15は、角速度解析部711が作成した動作図である。
図15を用いて、膝状態判定装置7における計測結果について説明する。図15は、角速度解析部711が作成した動作図である。
本計測例では、腰背部に装着されるセンサ機器2は第3腰椎近傍に、左大腿部および右大腿部に装着されるセンサ機器2は各膝蓋骨上約10cmの位置に、左下腿部および右下腿部に装着されるセンサ機器2は脛骨粗面の略直上の位置に、それぞれ装着された。
また、ユーザが左右30歩の足踏み運動を行ったときの、11歩目から20歩目(11回目から20回目)までの10回分の値について、左足および右足のそれぞれについて評価を行った。
また、抽出対象区間としては、第1所定回数を10回目、第2所定回数を20回目とし、左足の大腿部の足踏み回数が10回目のときの、当該大腿部の角速度のPitch方向成分の最大値から、左足の大腿部の足踏み回数が20回目のときの、当該大腿部の角速度のPitch方向成分の最大値までの範囲を設定した。右足についても同様である。すなわち、当該範囲の、左右大腿部および左右下腿部のそれぞれに装着されたセンサ機器2から取得された重力方向の軸周りのYaw方向成分を用いて、有病膝判定部713による膝の異常判定を行った。
また、センサ機器2で検出された大腿部の角速度のPitch方向成分のうち、−10deg/sec以上50deg/sec以下の範囲における上記重力方向の軸周りのYaw方向成分を、動作図の作成対象(上記座標系へのプロット対象)とした。
また、動作図作成部712は、各動作図の第2象限においてプロットされた値のうち、大腿部の上記Yaw方向成分の値(X値)が−20deg/sec以下、下腿部の上記Yaw方向成分の値(Y値)が20deg/sec以上である値を計数した。また、各動作図の第4象限においてプロットされた値のうち、大腿部の上記Yaw方向成分の値(X値)が20deg/sec以上であり、下腿部の上記Yaw方向成分の値(Y値)が−20deg/sec以下である値を計数した。そして、各動作図において、これらの計数の合計値が5個以上であるかどうかを判定した。
図15の(a)に示すように、上記範囲内にプロットされた値は無い。そのため、有病膝判定部713は、左足については、膝に異常がないと判定する。一方、図15の(b)では、第2象限の上記範囲内にプロットされた値の存在が認められる。そして、その値は5個以上であることもわかる。したがって、有病膝判定部713は、右足については、膝に異常があると判定する。
このように、膝状態判定装置7によれば、大腿部および下腿部における角速度の重力方向の軸周りのYaw方向成分の解析により、容易に、かつ正確に膝状態の判定を行うできることがわかる。
<効果>
例えば、特許文献1〜3、5の技術では、加速度を用いて種々の判定または評価が行うものであるが、大腿部および下腿部の回旋運動によって生じた角速度を用いて、変形性膝関節症の判定を行うものではない。特に、変形性膝関節症の判定を、加速度を用いて行った場合、角速度を用いた場合よりも、その精度が劣る可能性がある。また、特許文献6には、角速度を用いて上記判定を行うことについては開示されていない。
例えば、特許文献1〜3、5の技術では、加速度を用いて種々の判定または評価が行うものであるが、大腿部および下腿部の回旋運動によって生じた角速度を用いて、変形性膝関節症の判定を行うものではない。特に、変形性膝関節症の判定を、加速度を用いて行った場合、角速度を用いた場合よりも、その精度が劣る可能性がある。また、特許文献6には、角速度を用いて上記判定を行うことについては開示されていない。
また、特許文献4の技術は、足踏みによって生じた両大腿部の角速度を検出して足踏み周期を算出して歩行周期を算出するものであるが、上記判定を行うものではない。また、足踏みによって生じた大腿部および下腿部の角速度(すなわち、膝の上下位置の角速度)を検出するものではないため、上記検出された角速度を用いて上記判定を行っても、精度よく行うことができない可能性がある。
これに対して、本実施形態の膝状態判定装置7およびその制御方法では、上述のように、ユーザの足踏みに伴う大腿部および下腿部の回旋運動によって生じた角速度を反映した角速度データを用いて、ユーザの膝に異常があるかどうかを判定する。
上述のように、変形性膝関節症等の局所的な痛みを伴う疾病の場合、膝の上下運動において、健常な膝と罹患している膝との間で大きな相違がみられる。膝状態判定装置7は、膝の上下位置である大腿部および下腿部に(すなわち、評価対象となる膝を挟むように)装着されたセンサ機器2によって検出された角速度を反映した角速度データを取得することにより、この大きな相違がみられる膝の上下運動を定量的に抽出する。これにより、膝のねじれ具合を、容易にかつ正確に定量化することができる。
したがって、容易にかつ正確に膝に異常があるかどうかを判定することができる。換言すれば、精度よく当該判定を行うことができ、膝に与えられる影響を評価することができる。
また、膝の異常判定に複雑な処理を要することなく、当該判定を迅速に(早期に)行うことができる。すなわち、上記構成によれば、迅速かつ正確に当該判定を行うことができる。
そして、上記判定を、早期にかつ正確に判定することができるので、この判定結果を確認した者(例えば、医師等)は、被測定者であるユーザの膝が健常な膝であるかどうかの判断(推定)を、早期にかつ精度高く行うことができる。
例えば図15の(a)の場合であれば、医師等は、左膝を健常な膝であると判断することができる。一方、例えば図15の(b)の場合であれば、医師等は、右膝を有病膝であると判断することができる。例えば、変形性膝関節症の疑いがあると推定することができる。ユーザが歩行機能を低下させる疾病に罹患している疑いがある(例えば、パーキンソン病の疑いがある)と推定することができる。したがって、疾病を確認するための他の検査を早期に行うことができ、疾病の確定、および当該疾病に対する処方を早期に行うことができる。
また、膝状態判定装置7と、当該膝状態判定装置7に接続されたセンサ機器2を備える膝状態判定システム20についても、上記と同様の効果が得られる。
<付記事項>
上記では、センサ機器2は、ユーザの腰、左右大腿部および左右下腿部の5箇所に装着されているが、少なくとも左右大腿部および左右下腿部のそれぞれに装着されていればよい。すなわち、センサ機器2は、腰に必ずしも装着されている必要はない。
上記では、センサ機器2は、ユーザの腰、左右大腿部および左右下腿部の5箇所に装着されているが、少なくとも左右大腿部および左右下腿部のそれぞれに装着されていればよい。すなわち、センサ機器2は、腰に必ずしも装着されている必要はない。
ただし、腰にセンサ機器2が装着されることにより、実施形態2で説明した「左右対称性」および/または「再現性」を評価することができる。
具体的には、角速度解析部711は、角速度解析部511と同様、腰に装着されたセンサ機器2によって継続的に算出された重力方向の軸周りのYaw方向成分を時間軸で積分することにより、測定時刻の経過に伴う当該Yaw方向成分の回旋角度を算出する。そして、この回旋角度を継続的に算出することにより、回旋角度の波形(角度変形データ)を算出し、当該回旋角度の波形に対してバンドパスフィルタを適用する。
また、制御部71は自己相関係数算出部512を備え、自己相関係数算出部512は、角速度解析部711によって算出された、バンドパスフィルタ適用後の回旋角度について、自己相関係数を算出する。これにより、膝に異常があるかどうかに加え、実施形態2と同様、「左右対称性」および/または「再現性」を評価することによって、歩行機能が低下しているかどうかを判定することも可能である。この点を考慮すれば、センサ機器2が腰にも装着されていることが好ましい。
また、上述したように、腰に装着されたセンサ機器2が検出する加速度を用いることにより、単脚支持状態であるか、両脚支持状態であるかを正確に判定することができる。この点を考慮すれば、少なくとも加速度センサ21を備えるセンサ機器2が腰に装着されていることが好ましい。
また、センサ機器2は、左右大腿部および左右下腿部のそれぞれに装着されているが、これに限らず、同足のみ、すなわち(i)左大腿部および左下腿部、または(ii)右大腿部および右下腿部に装着されているだけであってもよい。この場合、装着した足の膝状態の判定を行うことができる。
また、動作図のX軸とY軸とが逆に設定されていてもよい。この場合、動作図作成部712は、下腿部に装着されたセンサ機器2によって検出される上記Yaw方向成分をX軸とし、大腿部に装着されたセンサ機器2によって検出される上記Yaw方向成分をY軸とした座標系を用いて、左右の足の動作図を作成する。そして、有病膝判定部713は、各動作図の第2象限および第4象限の上記所定の領域内にプロットされた値を計数して、その数が所定の閾値を超えたかどうかによって、左右の膝に異常があるかどうかを判定する。
〔ソフトウェアによる実現例〕
歩数計測装置3、歩行機能判定装置5、および膝状態判定装置7の制御ブロック(特に制御部31、51、71の各部)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
歩数計測装置3、歩行機能判定装置5、および膝状態判定装置7の制御ブロック(特に制御部31、51、71の各部)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、歩数計測装置3、歩行機能判定装置5、および膝状態判定装置7は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る歩数計測装置(3)は、
ユーザの歩数を計測する歩数計測装置であって、
上記歩数計測装置は、ユーザの腰に装着され、当該ユーザの腰の回旋運動によって生じた角速度を検出するセンサ(センサ機器2)と通信可能であり、
上記センサが検出した当該角速度を反映した角速度データを用いて、当該腰の回旋角度を算出する角度算出部(角速度解析部311、511)と、
上記角度算出部が算出した上記回旋角度を用いて、上記ユーザの歩数を計測する歩数計測部(312)と、を備えている。
本発明の態様1に係る歩数計測装置(3)は、
ユーザの歩数を計測する歩数計測装置であって、
上記歩数計測装置は、ユーザの腰に装着され、当該ユーザの腰の回旋運動によって生じた角速度を検出するセンサ(センサ機器2)と通信可能であり、
上記センサが検出した当該角速度を反映した角速度データを用いて、当該腰の回旋角度を算出する角度算出部(角速度解析部311、511)と、
上記角度算出部が算出した上記回旋角度を用いて、上記ユーザの歩数を計測する歩数計測部(312)と、を備えている。
一般に、歩行によって可動範囲が大きくなる身体の動作のひとつが、腰の回旋動作である。上記構成によれば、腰に装着されたセンサから出力された、ユーザの腰の回旋運動によって生じた角速度を反映した角速度データを用いて算出された腰の回旋角度を用いて、ユーザの歩数を計測する。すなわち、歩行によって可動範囲が一番大きくなる部位のひとつである腰の回旋運動に伴い算出される回旋角度を用いて、歩数を計測する。
したがって、容易にかつ正確に歩数を計測することができる。換言すれば、精度よく歩数を計測することができる。
さらに、本発明の態様2に係る歩数計測装置は、態様1において、
上記角度算出部は、上記センサによって継続的に検出された複数の上記角速度を時間軸で積分することにより、上記回旋角度を算出してもよい。
上記角度算出部は、上記センサによって継続的に検出された複数の上記角速度を時間軸で積分することにより、上記回旋角度を算出してもよい。
上記構成によれば、継続的に検出された複数の角速度を時間軸で積分することによって、回旋角度を算出することができる。
さらに、本発明の態様3に係る歩数計測装置は、態様1または2において、
上記角度算出部は、時間経過に伴う上記回旋角度の変化を示す角度変化データに対して、バンドパスフィルタを適用してもよい。
上記角度算出部は、時間経過に伴う上記回旋角度の変化を示す角度変化データに対して、バンドパスフィルタを適用してもよい。
上記構成によれば、時間経過に伴う回旋角度の変化を示す角度変化データ(回旋角度の波形)を整形することができるので、ユーザの歩行の周期成分を精度よく抽出することができる。したがって、歩数の計測を容易に、かつより正確に行うことが可能となる。
さらに、本発明の態様4に係る歩数計測装置は、態様1から3のいずれかにおいて、
上記歩数計測部は、上記回旋角度のうち、所定の閾値を超えた上記回旋角度の数を計数することにより、上記歩数を計測してもよい。
上記歩数計測部は、上記回旋角度のうち、所定の閾値を超えた上記回旋角度の数を計数することにより、上記歩数を計測してもよい。
上記構成によれば、容易な手法で歩数の計測を行うことができる。
さらに、本発明の態様5に係る歩数計測装置は、態様1から4のいずれかにおいて、
上記角速度データは、重力方向の軸周りの角速度成分として回旋角速度を含み、上記角度算出部は、当該回旋角速度を用いて、上記回旋角度を算出してもよい。
上記角速度データは、重力方向の軸周りの角速度成分として回旋角速度を含み、上記角度算出部は、当該回旋角速度を用いて、上記回旋角度を算出してもよい。
この重力方向の軸周りのYaw方向成分(回旋角速度)は、ユーザの姿勢を考慮して得られた値である。そのため、上記構成によれば、重力方向の軸周りのYaw方向成分を用いて回旋角度を算出することにより、ユーザの姿勢を考慮した上で歩数の計測を行うことができるので、より精度よく当該計測を行うことができる。
さらに、本発明の態様6に係る歩行機能判定装置(5)は、
態様1から5のいずれかに記載の歩数計測装置を備え、さらに、
上記角度算出部(角速度解析部511)が算出した上記回旋角度を用いて、上記ユーザの歩行機能が低下しているかどうかを判定する歩行機能判定部(513)を備えていてもよい。
態様1から5のいずれかに記載の歩数計測装置を備え、さらに、
上記角度算出部(角速度解析部511)が算出した上記回旋角度を用いて、上記ユーザの歩行機能が低下しているかどうかを判定する歩行機能判定部(513)を備えていてもよい。
上記構成によれば、ユーザの腰の回旋運動によって生じた角速度を反映した角速度データから算出された回旋角度を用いて、ユーザの歩行機能が低下しているかどうかを判定する。すなわち、歩行によって可動範囲が一番大きくなる部位のひとつである腰の回旋運動に伴い算出される回旋角度を用いて、上記判定を行う。
したがって、容易にかつ正確に歩行機能が低下しているかどうかを判定することができる。換言すれば、精度よく当該判定を行うことができる。
さらに、本発明の態様7に係る歩行機能判定装置は、態様6において、
上記角度算出部は、
継続的に検出された複数の上記角速度を時間軸で積分することにより、上記回旋角度を算出し、
上記回旋角度を継続的に算出することにより、時間経過に伴う上記回旋角度の変化を示す角度変化データを算出するものであり、
上記角度変化データについて自己相関係数を算出する自己相関係数算出部(512)をさらに備えてもよい。
上記角度算出部は、
継続的に検出された複数の上記角速度を時間軸で積分することにより、上記回旋角度を算出し、
上記回旋角度を継続的に算出することにより、時間経過に伴う上記回旋角度の変化を示す角度変化データを算出するものであり、
上記角度変化データについて自己相関係数を算出する自己相関係数算出部(512)をさらに備えてもよい。
上記構成によれば、継続的に検出された複数の角速度を時間軸で積分することによって、回旋角度を算出することができる。また、この算出が継続的に行われることにより、上記角度変化データ(回旋角度の波形)を算出することができる。
さらに、上記角度変化データについて自己相関係数を算出することにより、回旋角度の波形の周期性の度合いを判定することが可能となる。そして、当該波形の周期性の度合いを判定することにより、歩行動作が周期的に行われているかどうかを判定することが可能となる。
したがって、上記自己相関係数の算出により、精度よく歩行機能の低下を判定することができる。
さらに、本発明の態様8に係る歩行機能判定装置は、態様7において、
上記自己相関係数算出部は、上記角度変化データが示す回旋角度の波形と、当該波形を1歩分に相当する位相分ずらしたときの波形とを用いて、上記自己相関係数(左右対称性評価用の自己相関係数)を算出してもよい。
上記自己相関係数算出部は、上記角度変化データが示す回旋角度の波形と、当該波形を1歩分に相当する位相分ずらしたときの波形とを用いて、上記自己相関係数(左右対称性評価用の自己相関係数)を算出してもよい。
上記構成によれば、回旋角度の波形と、1歩分ずらした波形とを比較して自己相関係数を算出する。したがって、歩行時に右足が形成する軌跡と、左足が形成する軌跡との一致度合いを判定することが可能となる。
さらに、本発明の態様9に係る歩行機能判定装置は、態様7または8において、
上記自己相関係数算出部は、上記角度変化データが示す回旋角度の波形と、当該波形を2歩分に相当する位相分ずらしたときの波形とを用いて、上記自己相関係数(再現性評価用の自己相関係数)を算出してもよい。
上記自己相関係数算出部は、上記角度変化データが示す回旋角度の波形と、当該波形を2歩分に相当する位相分ずらしたときの波形とを用いて、上記自己相関係数(再現性評価用の自己相関係数)を算出してもよい。
上記構成によれば、回旋角度の波形と、2歩分ずらした波形とを比較して自己相関係数を算出する。したがって、歩行時における、同足によって形成される1歩ごとの軌跡どうしの一致度合いを判定することが可能となる。
さらに、本発明の態様10に係る歩行機能判定装置は、態様7から9のいずれかにおいて、
上記歩行機能判定部は、上記自己相関係数を所定の閾値を比較することにより、上記歩行機能が低下しているかどうかを判定してもよい。
上記歩行機能判定部は、上記自己相関係数を所定の閾値を比較することにより、上記歩行機能が低下しているかどうかを判定してもよい。
上記構成によれば、自己相関係数を用いて上記の判定を行うため、当該判定を精度よく行うことができる。特に、上述した(i)左右対称性評価用の自己相関係数、(ii)再現性評価用の自己相関係数、並びに、(iii)左右対称性評価用の自己相関係数、および再現性評価用の自己相関係数のいずれかに基づいて、上記の判定を行うことにより、容易に、かつ正確に当該判定を行うことができる。
さらに、本発明の態様11に係る歩数計測装置(3)の制御方法は、
ユーザの歩数を計測する歩数計測装置の制御方法であって、
上記歩数計測装置は、ユーザの腰に装着され、当該ユーザの腰の回旋運動によって生じた角速度を検出するセンサ(センサ機器2)と通信可能であり、
上記センサが検出した角速度を用いて、当該腰の回旋角度を算出する角度算出ステップ(S3)と、
上記角度算出ステップにおいて算出された上記回旋角度を用いて、上記ユーザの歩数を算出する歩数計測ステップ(S5)と、を含んでいる。
ユーザの歩数を計測する歩数計測装置の制御方法であって、
上記歩数計測装置は、ユーザの腰に装着され、当該ユーザの腰の回旋運動によって生じた角速度を検出するセンサ(センサ機器2)と通信可能であり、
上記センサが検出した角速度を用いて、当該腰の回旋角度を算出する角度算出ステップ(S3)と、
上記角度算出ステップにおいて算出された上記回旋角度を用いて、上記ユーザの歩数を算出する歩数計測ステップ(S5)と、を含んでいる。
上記方法においても、態様1と同様、精度よく歩数を計数することができる。
さらに、本発明の態様12に係る歩数計測システム(1)は、
態様1から5のいずれかにおける歩数計測装置と、
上記歩数計測装置と通信可能な上記センサと、を備えていてもよい。
態様1から5のいずれかにおける歩数計測装置と、
上記歩数計測装置と通信可能な上記センサと、を備えていてもよい。
上記システムにおいても、態様1と同様、精度よく歩数を計数することができる。
さらに、本発明の各態様に係る歩数計測装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記歩数計測装置が備える上記角度算出部および上記歩数計測部として動作させることにより上記歩数計測装置をコンピュータにて実現させる、本発明の態様13に係る歩数計測装置の歩数計測プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
さらに、本発明の態様14に係る歩行機能判定装置(5)は、
ユーザの歩行機能を判定する歩行機能判定装置であって、
上記歩行機能判定装置は、ユーザの腰に装着され、当該ユーザの腰の回旋運動によって生じた角速度を検出するセンサ(センサ機器2)と通信可能であり、
上記センサが検出した当該角速度を反映した角速度データを用いて、当該腰の回旋角度を算出する角度算出部(角速度解析部511)と、
上記角度算出部が算出した上記回旋角度を用いて、上記ユーザの歩行機能が低下しているかどうかを判定する歩行機能判定部(513)と、を備えている。
ユーザの歩行機能を判定する歩行機能判定装置であって、
上記歩行機能判定装置は、ユーザの腰に装着され、当該ユーザの腰の回旋運動によって生じた角速度を検出するセンサ(センサ機器2)と通信可能であり、
上記センサが検出した当該角速度を反映した角速度データを用いて、当該腰の回旋角度を算出する角度算出部(角速度解析部511)と、
上記角度算出部が算出した上記回旋角度を用いて、上記ユーザの歩行機能が低下しているかどうかを判定する歩行機能判定部(513)と、を備えている。
上記構成によれば、ユーザの腰の回旋運動によって生じた角速度を反映した角速度データを用いて算出された回旋角度を用いて、ユーザの歩行機能が低下しているかどうかを判定する。すなわち、歩行によって可動範囲が一番大きくなる部位のひとつである腰の回旋運動に伴い算出される回旋角度を用いて、上記判定を行う。
したがって、容易にかつ正確に歩行機能が低下しているかどうかを判定することができる。換言すれば、精度よく当該判定を行うことができる。
さらに、本発明の態様15に係る歩行機能判定装置(5)の制御方法は、
ユーザの歩行機能を判定する歩行機能判定装置の制御方法であって、
上記歩行機能判定装置は、ユーザの腰に装着され、当該ユーザの歩行に伴う腰の回旋運動によって生じた角速度を検出するセンサ(センサ機器2)と通信可能であり、
上記センサが検出した当該角速度を反映した角速度データを用いて、当該腰の回旋角度を算出する角度算出ステップ(S13)と、
上記角度算出ステップにて算出された上記回旋角度を用いて、上記ユーザの歩行機能が低下しているかどうかを判定する歩行機能判定ステップ(S16)と、を含んでいる。
ユーザの歩行機能を判定する歩行機能判定装置の制御方法であって、
上記歩行機能判定装置は、ユーザの腰に装着され、当該ユーザの歩行に伴う腰の回旋運動によって生じた角速度を検出するセンサ(センサ機器2)と通信可能であり、
上記センサが検出した当該角速度を反映した角速度データを用いて、当該腰の回旋角度を算出する角度算出ステップ(S13)と、
上記角度算出ステップにて算出された上記回旋角度を用いて、上記ユーザの歩行機能が低下しているかどうかを判定する歩行機能判定ステップ(S16)と、を含んでいる。
上記方法によれば、態様14と同様、精度よく歩行機能の判定を行うことができる。
さらに、本発明の態様16に係る膝状態判定装置(7)は、
ユーザの膝状態を判定する膝状態判定装置であって、
ユーザの大腿部および下腿部に装着され、当該ユーザの大腿部および下腿部の回旋運動によって生じた角速度を検出する複数のセンサ(センサ機器2)と通信可能であり、
上記センサが検出した当該角速度を反映した角速度データを用いて、当該ユーザの膝に異常があるかどうかを判定する判定部(有病膝判定部713)と、を備えている。
ユーザの膝状態を判定する膝状態判定装置であって、
ユーザの大腿部および下腿部に装着され、当該ユーザの大腿部および下腿部の回旋運動によって生じた角速度を検出する複数のセンサ(センサ機器2)と通信可能であり、
上記センサが検出した当該角速度を反映した角速度データを用いて、当該ユーザの膝に異常があるかどうかを判定する判定部(有病膝判定部713)と、を備えている。
上記構成によれば、ユーザの大腿部および下腿部の回旋運動によって生じた角速度を反映した角速度データを用いて、ユーザの膝に異常があるかどうかを判定(評価)する。
そのため、膝のねじれ具合を、容易にかつ正確に定量化することができるので、容易にかつ正確に膝に異常があるかどうかを判定することができる。換言すれば、精度よく当該判定を行うことができる。
さらに、本発明の態様17に係る膝状態判定装置は、態様16において、
上記センサによって上記角速度が継続的に検出されることにより算出される、時間経過に伴う上記角速度データの変化を示す角速度変化データに対して、バンドパスフィルタを適用する角速度解析部(711)をさらに備えてもよい。
上記センサによって上記角速度が継続的に検出されることにより算出される、時間経過に伴う上記角速度データの変化を示す角速度変化データに対して、バンドパスフィルタを適用する角速度解析部(711)をさらに備えてもよい。
上記構成によれば、大腿部および下腿部における、時間経過に伴う角速度データの変化を示す角速度変化データ(回旋角速度の波形)を整形することができるので、ユーザの足踏みの周期成分を精度よく抽出することができる。
さらに、本発明の態様18に係る膝状態判定装置は、態様16または17において、
上記大腿部に装着されたセンサによって検出される角速度を反映した角速度データを第1軸とし、当該第1軸に直交する、上記下腿部に装着されたセンサによって検出される角速度を反映した角速度データを第2軸とした座標系に、各センサで検出された角速度を反映した角速度データをプロットすることにより、膝状態の動作状態を示す動作図を作成する動作図作成部(712)をさらに備えてもよい。
上記大腿部に装着されたセンサによって検出される角速度を反映した角速度データを第1軸とし、当該第1軸に直交する、上記下腿部に装着されたセンサによって検出される角速度を反映した角速度データを第2軸とした座標系に、各センサで検出された角速度を反映した角速度データをプロットすることにより、膝状態の動作状態を示す動作図を作成する動作図作成部(712)をさらに備えてもよい。
上記構成によれば、各センサで検出された角速度を反映した角速度データを、上記座標系にプロットして動作図を作成する。これにより、上記座標系の象限ごとに想定される特徴(例えば、大腿部および下腿部の回旋方向の違い)に基づいて、膝に異常があるかどうかの判定を行うことが可能となる。したがって、動作図を評価するという容易な手法にて、上記判定を行うことができる。
さらに、本発明の態様19に係る膝状態判定装置は、態様18において、
上記判定部は、上記動作図の所定の領域へのプロット数を計数し、その数が所定の閾値を超えた場合に、膝に異常があると判定してもよい。
上記判定部は、上記動作図の所定の領域へのプロット数を計数し、その数が所定の閾値を超えた場合に、膝に異常があると判定してもよい。
所定の領域とは、同足の大腿部および下腿部の回旋方向が略逆方向である(すなわち、膝のねじれ具合が大きい)と推定できる領域であり、例えば、動作図の第2象限および第4象限の一部領域である。所定の領域へのプロット数が多いほど、膝のねじれ具合が大きい状態を多く測定しているといえる。
上記構成によれば、所定の領域へのプロット数が所定の閾値を超えた場合に、膝に異常があると判定する。したがって、動作図を用いることにより、容易に上記判定を行うことができる。
さらに、本発明の態様20に係る膝状態判定装置(7)の制御方法は、
ユーザの膝状態を判定する膝状態判定装置であって、
ユーザの大腿部および下腿部に装着され、当該ユーザの足踏みに伴う大腿部および下腿部の回旋運動によって生じた角速度を検出する複数のセンサ(センサ機器2)と通信可能であり、
上記センサが検出した当該角速度を反映した角速度データを用いて、当該ユーザの膝に異常があるかどうかを判定する判定ステップ(S26)と、を含んでいる。
ユーザの膝状態を判定する膝状態判定装置であって、
ユーザの大腿部および下腿部に装着され、当該ユーザの足踏みに伴う大腿部および下腿部の回旋運動によって生じた角速度を検出する複数のセンサ(センサ機器2)と通信可能であり、
上記センサが検出した当該角速度を反映した角速度データを用いて、当該ユーザの膝に異常があるかどうかを判定する判定ステップ(S26)と、を含んでいる。
上記方法によれば、態様16と同様、精度よく歩行機能の判定を行うことができる。
さらに、本発明の態様21に係る歩行機能判定システム(10)は、態様6から10、14のいずれかにおける歩行機能判定装置と、当該歩行機能判定装置と通信可能な上記センサと、を備えていてもよい。
上記システムにおいても、態様6または14と同様、精度よく歩行機能の判定を行うことができる。
さらに、本発明の態様22に係る歩行機能判定システム(20)は、態様16から19のいずれかにおける膝状態判定装置と、当該膝状態判定装置と通信可能な上記センサと、を備えていてもよい。
上記システムにおいても、態様16と同様、精度よく膝の異常判定を行うことができる。
さらに、本発明の各態様に係る歩行機能判定装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記歩行機能判定装置が備える上記角度算出部および歩行機能判定部として動作させることにより、上記歩行機能判定装置をコンピュータにて実現させる歩行機能判定装置の歩行機能判定プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
さらに、本発明の各態様に係る膝状態判定装置についても、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記膝状態判定装置が備える上記判定部として動作させることにより、上記膝状態判定装置をコンピュータにて実現させる膝状態判定装置の膝状態判定プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明に係る歩数計測装置は、精度よく歩数を計測可能であり、例えば歩数計に好適に利用することができる。また、本発明に係る歩行機能判定装置は、精度よく歩行機能が低下しているかどうかを判定可能であり、例えば歩行分析計、パーキンソン病評価装置に好適に利用することができる。また、本発明に係る膝状態判定装置は、精度よく膝に異常があるかどうかを判定可能であり、例えば膝負担分析計、変形性膝関節症評価装置に好適に利用することができる。
1 歩数計測システム
2 センサ機器(センサ)
3 歩数計測装置
5 歩行機能判定装置
21 加速度センサ(センサ)
22 角速度センサ(センサ)
311 角速度解析部(角度算出部)
312 歩数計測部
511 角速度解析部(角度算出部)
512 自己相関係数算出部
513 歩行機能判定部
2 センサ機器(センサ)
3 歩数計測装置
5 歩行機能判定装置
21 加速度センサ(センサ)
22 角速度センサ(センサ)
311 角速度解析部(角度算出部)
312 歩数計測部
511 角速度解析部(角度算出部)
512 自己相関係数算出部
513 歩行機能判定部
Claims (7)
- ユーザの歩数を計測する歩数計測装置であって、
上記歩数計測装置は、ユーザの腰に装着され、当該ユーザの腰の回旋運動によって生じた角速度を検出するセンサと通信可能であり、
上記センサが検出した当該角速度を反映した角速度データを用いて、当該腰の回旋角度を算出する角度算出部と、
上記角度算出部が算出した上記回旋角度を用いて、上記ユーザの歩数を計測する歩数計測部と、を備えることを特徴とする歩数計測装置。 - 上記角度算出部は、上記センサによって継続的に検出された複数の上記角速度を時間軸で積分することにより、上記回旋角度を算出することを特徴とする請求項1に記載の歩数計測装置。
- 上記角度算出部は、時間経過に伴う上記回旋角度の変化を示す角度変化データに対して、バンドパスフィルタを適用することを特徴とする請求項2に記載の歩数計測装置。
- 上記角速度データは、重力方向の軸周りの角速度成分として回旋角速度を含み、上記角度算出部は、当該回旋角速度を用いて、上記回旋角度を算出することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の歩数計測装置。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の歩数計測装置を備え、さらに、
上記角度算出部が算出した上記回旋角度を用いて、上記ユーザの歩行機能が低下しているかどうかを判定する歩行機能判定部を備えることを特徴とする歩行機能判定装置。 - 上記角度算出部は、
継続的に検出された複数の上記角速度を時間軸で積分することにより、上記回旋角度を算出し、
上記回旋角度を継続的に算出することにより、時間経過に伴う上記回旋角度の変化を示す角度変化データを算出するものであり、
上記角度変化データについて自己相関係数を算出する自己相関係数算出部をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の歩行機能判定装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の歩数計測装置と、
上記歩数計測装置と通信可能な上記センサと、を備えることを特徴とする歩数計測システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014249268A JP2016106948A (ja) | 2014-12-09 | 2014-12-09 | 歩数計測装置、歩行機能判定装置および歩数計測システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014249268A JP2016106948A (ja) | 2014-12-09 | 2014-12-09 | 歩数計測装置、歩行機能判定装置および歩数計測システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016106948A true JP2016106948A (ja) | 2016-06-20 |
Family
ID=56122583
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014249268A Pending JP2016106948A (ja) | 2014-12-09 | 2014-12-09 | 歩数計測装置、歩行機能判定装置および歩数計測システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016106948A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018211550A1 (ja) * | 2017-05-15 | 2018-11-22 | 富士通株式会社 | 情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法 |
WO2018211713A1 (ja) | 2017-05-19 | 2018-11-22 | 富士通株式会社 | 情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法 |
JP2020513203A (ja) * | 2017-01-10 | 2020-05-07 | ウニバズィトゥ パリ デカルトUniversite Paris Descartes | ロコグラムソフトウェア:ウォーキング運動の分析用ツール |
CN113876316A (zh) * | 2021-09-16 | 2022-01-04 | 河南翔宇医疗设备股份有限公司 | 下肢屈伸活动异常检测系统、方法、装置、设备及介质 |
WO2022019386A1 (ko) * | 2020-07-21 | 2022-01-27 | 한국해양대학교 산학협력단 | 파킨슨 환자의 재활을 위한 스마트 걸음 보조 장치 및 방법 |
JP2022525750A (ja) * | 2019-06-05 | 2022-05-19 | テンセント・アメリカ・エルエルシー | パーキンソン病検出のためのユーザデバイスの作動方法、ユーザデバイス、及びプログラム |
WO2023079942A1 (ja) * | 2021-11-05 | 2023-05-11 | 学校法人浪商学園 | 下肢制御能力測定装置、下肢制御能力測定システム、下肢制御能力測定プログラム、下肢制御能力測定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、及び下肢制御能力測定方法 |
-
2014
- 2014-12-09 JP JP2014249268A patent/JP2016106948A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020513203A (ja) * | 2017-01-10 | 2020-05-07 | ウニバズィトゥ パリ デカルトUniversite Paris Descartes | ロコグラムソフトウェア:ウォーキング運動の分析用ツール |
WO2018211550A1 (ja) * | 2017-05-15 | 2018-11-22 | 富士通株式会社 | 情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法 |
JPWO2018211550A1 (ja) * | 2017-05-15 | 2020-05-14 | 富士通株式会社 | 情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法 |
WO2018211713A1 (ja) | 2017-05-19 | 2018-11-22 | 富士通株式会社 | 情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法 |
JPWO2018211713A1 (ja) * | 2017-05-19 | 2019-12-19 | 富士通株式会社 | 情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法 |
EP3626170A4 (en) * | 2017-05-19 | 2020-03-25 | Fujitsu Limited | INFORMATION PROCESSING DEVICE, INFORMATION PROCESSING SYSTEM AND INFORMATION PROCESSING METHOD |
JP2022525750A (ja) * | 2019-06-05 | 2022-05-19 | テンセント・アメリカ・エルエルシー | パーキンソン病検出のためのユーザデバイスの作動方法、ユーザデバイス、及びプログラム |
WO2022019386A1 (ko) * | 2020-07-21 | 2022-01-27 | 한국해양대학교 산학협력단 | 파킨슨 환자의 재활을 위한 스마트 걸음 보조 장치 및 방법 |
CN113876316A (zh) * | 2021-09-16 | 2022-01-04 | 河南翔宇医疗设备股份有限公司 | 下肢屈伸活动异常检测系统、方法、装置、设备及介质 |
CN113876316B (zh) * | 2021-09-16 | 2023-10-10 | 河南翔宇医疗设备股份有限公司 | 下肢屈伸活动异常检测系统、方法、装置、设备及介质 |
WO2023079942A1 (ja) * | 2021-11-05 | 2023-05-11 | 学校法人浪商学園 | 下肢制御能力測定装置、下肢制御能力測定システム、下肢制御能力測定プログラム、下肢制御能力測定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、及び下肢制御能力測定方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2016106948A (ja) | 歩数計測装置、歩行機能判定装置および歩数計測システム | |
Cho et al. | Evaluation of validity and reliability of inertial measurement unit-based gait analysis systems | |
Washabaugh et al. | Validity and repeatability of inertial measurement units for measuring gait parameters | |
Wong et al. | Clinical applications of sensors for human posture and movement analysis: a review | |
JP6183906B2 (ja) | 歩容推定装置とそのプログラム、転倒危険度算出装置とそのプログラム | |
Aminian et al. | Capturing human motion using body‐fixed sensors: outdoor measurement and clinical applications | |
KR102010898B1 (ko) | 관성센서를 이용한 보행 분석 시스템 및 방법 | |
WO2018066422A1 (ja) | 認知機能評価装置、認知機能評価方法及びプログラム | |
Brennan et al. | Quantification of inertial sensor-based 3D joint angle measurement accuracy using an instrumented gimbal | |
Staab et al. | Accelerometer and gyroscope based gait analysis using spectral analysis of patients with osteoarthritis of the knee | |
WO2017014294A1 (ja) | 歩行解析方法および歩行解析システム | |
Furrer et al. | Validation of a smartphone-based measurement tool for the quantification of level walking | |
Hafer et al. | Measuring markers of aging and knee osteoarthritis gait using inertial measurement units | |
Martinez-Ramirez et al. | Wavelet analysis based on time–frequency information discriminate chronic ankle instability | |
US20150032034A1 (en) | Apparatus and method for quantifying stability of the knee | |
KR101739647B1 (ko) | 관성 센서를 이용한 경직 및 간대성 경련 평가 보조 장치 및 방법 | |
KR20080102466A (ko) | 운동, 균형 및 보행측정방법 및 치료시스템 | |
Cimolin et al. | Computation of spatio-temporal parameters in level walking using a single inertial system in lean and obese adolescents | |
Varela et al. | A kinematic characterization of human walking by using CaTraSys | |
Tien et al. | Results of using a wireless inertial measuring system to quantify gait motions in control subjects | |
Simoni et al. | Relationship between lower limb kinematics and upper trunk acceleration in recreational runners | |
Hu et al. | An inertial sensor system for measurements of tibia angle with applications to knee valgus/varus detection | |
Rantalainen et al. | Reliability and concurrent validity of spatiotemporal stride characteristics measured with an ankle-worn sensor among older individuals | |
Berner et al. | Kinematics and temporospatial parameters during gait from inertial motion capture in adults with and without HIV: a validity and reliability study | |
Huang et al. | Wearable Sensor for Measurement of Gait Walking and Running Motion. |