JP2016106556A - 植物栽培システム - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽エネルギーを有効に活用して省エネルギー化を図りつつ効率的な促成栽培を可能とする植物栽培システムを提供する。【解決手段】農作物を栽培するハウス10に隣接して設けられる太陽熱温水器20と、太陽熱温水器20で温められる温水を貯留する蓄熱プール30と、蓄熱プール30内の温水を圧送して太陽熱温水器20の内部に循環させる太陽熱用循環ポンプ21と、ハウス10の内部に設けられて蓄熱プール30に貯留される温水を循環させる温調パイプ11と、蓄熱プール30内の温水を温調パイプ11へと圧送する温調用循環ポンプ12と、を有し、蓄熱プール30は、その周囲壁に断熱材層を有し太陽熱温水器20の下方の地中に埋設される。これにより、少ない設置面積で大容量の蓄熱プール30を構築でき、夏季の太陽熱を冬季の暖房に利用して促成栽培の省エネルギー化を図ることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、植物栽培システムに関し、特に、太陽熱を利用してハウス内の暖房を行う植物栽培システムに関する。
従来、この種の植物栽培システムとして、特許文献1に開示された温室の加温システムが知られている。同文献に記載された温室の加温システムは、太陽熱温水器と、該太陽熱温水器にて温められた温水を一時的に貯留する貯湯タンクと、該貯湯タンク内に貯留された温水を通過させることにより温室の内部を暖める放熱装置と、を備えている。これにより、温室の温度が高い間に太陽エネルギーを温水に蓄え、温室の温度が低い間に蓄えた太陽エネルギーを利用して温室の暖房を行うことができる。
また、同文献の温室加温システムは、化石燃料の燃焼熱によって温水を加熱するボイラを備えている。これにより、前記貯湯タンクから前記放熱装置へと流れる温水を加熱して、太陽熱のみによる加熱では不足する分の熱量を補うことができる。
特開2008−220217号公報(第4−6頁、第1図)
しかしながら、上記した従来技術では、自然エネルギーの利用効率を高めて更なる省エネルギー化を図る観点から改善の余地があった。
具体的には、太陽熱温水器を備えて太陽熱を利用するシステムでは、気温が低下する冬季の夜間等に暖房のための熱量が不足するという問題点があった。そのため、特許文献1に開示された従来技術のように、化石燃料を使用する燃焼式のボイラ等を備えて不足する熱量を補う必要があった。
この熱量不足に対応するため、太陽熱温水器の設置面積(集熱面積)及び貯湯タンクの蓄熱容量を増大させると、農作物への日射量や農作物を栽培するための耕作面積が減少してしまう。他方、気温が上昇する夏季には、暖房の必要がなくなるので、太陽熱温水器で集熱され加温された温水は有効に利用されなかった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、太陽エネルギーを有効に活用して省エネルギー化を図りつつ効率的な促成栽培を可能とする植物栽培システムを提供することにある。
本発明の植物栽培システムは、農作物を栽培するハウスと、前記ハウスに隣接して設けられる太陽熱温水器と、前記太陽熱温水器で温められる温水を貯留する蓄熱プールと、前記蓄熱プール内の温水を圧送して前記太陽熱温水器の内部に循環させる太陽熱用循環ポンプと、前記ハウスの内部に設けられて前記蓄熱プールに貯留される温水を循環させる温調パイプと、前記蓄熱プール内の温水を前記温調パイプへと圧送する温調用循環ポンプと、を有し、前記蓄熱プールは、その周囲壁に断熱材層を有し前記太陽熱温水器の下方の地中に埋設されることを特徴とする。
本発明の植物栽培システムによれば、太陽熱温水器で温められる温水を貯留する蓄熱プールは、その周囲壁に断熱材層を有し、前記太陽熱温水器の下方の地中に埋設される。このように、蓄熱プールの周囲壁に断熱材層を設け、且つ地中に埋設することにより、蓄熱プールの断熱性能を高めて放熱損失を低減することができる。
また、太陽熱温水器の下方の領域を有効に活用して蓄熱プールを配設し、且つ該蓄熱プールを地中に埋設しているので、少ない設置面積で大容量の蓄熱プールを構築することができる。
このように、断熱性能に優れ熱容量の大きい蓄熱プールを構築できるので、従来有効に利用されていなかった夏季の太陽熱を蓄熱プールに蓄え、その熱を冬季の暖房に利用することができる。これにより、化石燃料、その他暖房用エネルギーの消費量を削減して省エネルギー化を図りつつ、効率的な促成栽培で農作物の生産量を高めることができる。
また、夏季に温水として蓄えた太陽エネルギーによって、冬季の暖房熱量の略全てを賄うことも可能となるので、ボイラ等の加熱設備が不要になり、設備費用を削減することができる。
また、ハウスに隣接して設けられる太陽電池パネルと、該太陽電池パネルで発電された電力を蓄える蓄電装置と、を更に設け、前記蓄電装置に蓄えられた電力を利用して太陽熱用循環ポンプ及び温調用循環ポンプを駆動しても良い。これにより、外部からの電力供給を不要とし、循環ポンプ等の補機用電力を含む略全ての暖房用エネルギーを自然エネルギーによって賄うことができる。
また、蓄熱プールに貯留される温水を熱源として駆動されるヒートポンプ装置を備え、該ヒートポンプ装置によって冷却される冷水をハウス内の温調パイプに循環させても良い。これにより、太陽熱温水器によって集熱される太陽熱を有効に利用して、ハウス内の冷房を行うことができる。
また、ハウス内の温度を検出する温度センサと、蓄電装置に蓄えられた電力を利用して駆動される換気装置と、前記温度センサで検出されるハウス内の検出温度に基づき温調用循環ポンプ、ヒートポンプ装置及び換気装置の駆動を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置によって、前記検出温度が所定の暖房設定温度よりも低い場合に温調用循環ポンプを駆動し、前記検出温度が所定の冷房設定温度よりも高い場合にヒートポンプ装置を駆動し、前記検出温度が所定の換気設定温度よりも高く且つ冷房設定温度以下である場合に換気装置を駆動することとしても良い。これにより、自然エネルギーを利用した高効率な温度制御が可能となる。
本発明の実施形態に係る植物栽培システムの概略を示す構成図である。 同上、配置を示す平面図である。 同上、配置を示す側面断面図である(図2に示すA−A線断面)。 同上、蓄熱プールの周囲壁を示す断面図である(図3に示すB部拡大図)。 同上、電力系統を示すブロック図である。 同上、電力系統の配線の概略を表した構成図である。 同上、温度及び照度の制御系統を示すブロック図である。 同上、温度制御を示すフロー図である。 同上、運転モード別の制御動作を示す説明図である。 同上、充放電制御を示すフロー図である。 同上、バッテリ残量検出の動作を示す図である。 同上、開閉器の切り替えパターンの一例を示す図である。 同上、電源選択制御を示すフロー図である。 同上、出力用開閉器の切り替え制御を示すフロー図である。 同上、バッテリ残量検出の動作を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る植物栽培システムの電力系統の概略を示すブロック図である。 同上、切替装置の配線系統を表した構成図である。 同上、切替装置の切り替えパターンの一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る植物栽培システムを図面に基づき詳細に説明する。
図1は、植物栽培システム1の概略を示す構成図である。図1に示すように、植物栽培システム1は、ハウス10と、太陽熱温水器20と、蓄熱プール30と、ヒートポンプ50と、を有する。
ハウス10は、その内部で農作物を栽培するいわゆる農業用ビニールハウス等である。ハウス10の天面及び側面は、太陽光を透過する、例えば、ポリ塩化ビニルやポリオレフィン等の合成樹脂またはガラス等によって構成されている。これにより、農作物の育成に必要な太陽光をハウス10の内部に取り入れることができる。
ハウス10の内部には、ハウス10内を加熱若しくは冷却するための温調パイプ11が配設されている。温調パイプ11は、例えば、塩化ビニル等の合成樹脂からなる管であり、その内部には、蓄熱プール30から供給される温水、若しくはヒートポンプ50から供給される冷水が循環される。
温調パイプ11は、栽培される農作物の特性に応じて、ハウス10内の地中に埋設されても良いし(図3参照)、ハウス10内の空間に配設されても良い。また、温調パイプ11を金属材料から構成し、その外面に伝熱フィンを設けても良い。また更に、温調パイプ11における伝熱を促進するために温調パイプ11の周辺に送風ファンを設けても良い。
ハウス10は、電照栽培用の照明装置15を備えている。照明装置15は、例えば、LED照明等であり、後述する太陽電池パネル40(図2参照)からの電力を利用する。これにより、太陽エネルギーを利用して、農作物の育成を調整(促成若しくは抑制)することができる。
また、ハウス10は、換気装置16を備えている。換気装置16も太陽電池パネル40からの電力によって稼働される。これにより、ハウス10内の温度が上昇した際に、太陽エネルギーを利用して外気を取り入れ、過熱による農作物の栽培不良を抑制できる。
太陽熱温水器20は、その内部に循環若しくは貯留される水(温水)を、太陽エネルギーを利用して温めるものである。また、蓄熱プール30は、太陽熱温水器20で温められる温水を貯留するものである。太陽熱温水器20は、配管22及び配管23を介して蓄熱プール30に接続される。これにより、蓄熱プール30の内部に貯えられる温水(低温度の温水)を太陽熱温水器20の内部に循環させて温めるための循環経路が形成される。
蓄熱プール30から太陽熱温水器20に温水を供給する配管22には、蓄熱プール30内の温水を圧送して太陽熱温水器20の内部に循環させる太陽熱用循環ポンプとしての循環ポンプ21が設けられる。
ここで、蓄熱プール30から太陽熱温水器20に温水を流す配管22の吸込口は、蓄熱プール30内部の下部に形成される。これにより、蓄熱プール30の下部から比較的温度の低い温水(水)を太陽熱温水器20へと供給することができ、太陽熱温水器20における効率的な加熱を行うことができる。
他方、太陽熱温水器20から蓄熱プール30に温水を戻す配管23の吐出口は、蓄熱プール30内部の上部に形成され、前記吸込口よりも上方に位置する。これにより、太陽熱温水器20で温められた高温の温水を蓄熱プール30の上部に戻すことができる。その結果、蓄熱プール30の内部において、温水を温度成層状(高温の温水を上部に、低温の温水を下部に)に貯えることができ、高温の温水と低温の温水とが混合されることによる熱損失を抑えることができる。
ヒートポンプ50は、蓄熱プール30に貯留される温水を熱源として駆動される熱駆動方式のヒートポンプ装置である。ヒートポンプ50としては、例えば、吸収式冷凍機や吸着式冷凍機を採用し得る。ヒートポンプ50を備えることにより、太陽熱温水器20によって集熱される太陽熱を有効に利用して、ハウス10内の冷房を行うことができる。特に、夏季における温水の有効利用が可能になるという優れた効果が期待できる。
ヒートポンプ50の熱源となる温水は、ヒートポンプ50と蓄熱プール30とを繋ぐ配管46、47を介して供給(循環)される。蓄熱プール30から温水を供給するための配管46には、温水を圧送して循環させるための循環ポンプ45が設けられる。
ここで、ヒートポンプ50に温水を供給するための配管46の吸込口は、蓄熱プール30内部の上部に形成される。これにより、蓄熱プール30の上部から高温の温水をヒートポンプ50へと供給することができ、ヒートポンプ50における効率的な冷却運転を行うことができる。
他方、ヒートポンプ50から蓄熱プール30に温水を戻す配管47の吐出口は、蓄熱プール30内部の下部に形成され、前記吸込口よりも下方に位置する。これにより、ヒートポンプ50の駆動源として利用され温度が低下した温水を蓄熱プール30の下部に戻すことができる。その結果、蓄熱プール30の内部における高温の温水と低温の温水との混合による熱損失を抑えることができる。
ヒートポンプ50には、配管57、58を介して、放熱源としてのクーリングタワー55が接続される。また、配管57には、循環ポンプ56が介挿される。クーリングタワー55に冷却水を循環させることにより、該冷却水から大気への放熱が行われる。
ヒートポンプ50によって冷却される冷水を循環させるための配管53及び配管54は、温調パイプ11に繋がる配管13及び配管14に夫々接続される。具体的には、冷却された冷水を送り出すための配管53は、切替弁51を介して、蓄熱プール30から温調パイプ11に温水を供給するための配管13に接続される。また、ヒートポンプ50に冷水を戻すための配管54は、切替弁52を介して、温調パイプ11から蓄熱プール30に温水を戻すための配管14に接続される。
切替弁51、52は、例えば、3方切替弁であり、温調パイプ11に繋がる流路を、蓄熱プール30側の循環路若しくはヒートポンプ50側の循環路(配管53、54)の何れかに択一的に接続する。
温調パイプ11と蓄熱プール30とを繋ぐ配管13には、蓄熱プール30内の温水を温調パイプ11へと圧送する温調用循環ポンプとしての循環ポンプ12が設けられる。詳しくは、循環ポンプ12は、切替弁51よりも温調パイプ11側に介挿される。これにより、循環ポンプ12は、ヒートポンプ50で冷却された冷水を温調パイプ11へと圧送して循環させるためにも用いられる。
ここで、蓄熱プール30から温調パイプ11に温水を供給するための配管13の吸込口は、蓄熱プール30内部の上部に形成される。これにより、蓄熱プール30の上部から高温の温水を温調パイプ11へと供給することができ、ハウス10における効率的な暖房効果を得ることができる。
他方、温調パイプ11から蓄熱プール30に温水を戻す配管14の吐出口は、蓄熱プール30内部の下部に形成され、前記吸込口よりも下方に位置する。これにより、温調パイプ11にて放熱して温度が低下した温水を蓄熱プール30の下部に戻すことができる。その結果、蓄熱プール30内部の温度成層の乱れを抑止して熱損失を抑えることができる。
また、温調パイプ11から蓄熱プール30に温水を戻す配管14には、浄水器39が介挿される。浄水器39は、例えば、フィルター式の浄水器である。これにより、蓄熱プール30に貯留される熱媒としての温水の質を好適に維持して、蓄熱及び伝熱の効率低下を抑えることができる。
ハウス10には、その内部の温度を検出する温度センサTS1や、照度を検出する照度センサSS1等のセンサ類が夫々複数箇所に設けられる。また、太陽熱温水器20には、その内部を循環する温水の温度を検出する温度センサTS2が設けられる。蓄熱プール30には、その内部に貯留される温水の温度を検出する温度センサTS3が複数箇所に設けられる。
図2は、植物栽培システム1の配置を示す平面図である。図2に示すように、太陽熱温水器20は、ハウス10に隣接して配設される。これにより、ハウス10において農作物を栽培するために必要な日射を確保しつつ太陽熱温水器20において太陽熱を吸収することができる。
また、植物栽培システム1は、ハウス10に隣接して設けられる太陽電池パネル40を有する。太陽電池パネル40によって発電される電力を利用して、ハウス10内を暖房若しくは冷房するために必要な補機用の電力や、照明用の電力を賄うことができる。
ここで、例えば、ハウス10の設置領域は、幅W1約55m、奥行D1約26mである。太陽熱温水器20の設置領域は、幅W2約36m、奥行D2約6mである。太陽電池パネル40の設置領域は、幅W4約6.6m(×2箇所)、奥行D4約6mである。
太陽熱温水器20の設置面積は、ハウス10の設置面積に対して15%程度である。本実施形態では、大容量で高断熱の蓄熱プール30(図1参照)を備えているので、このように太陽熱温水器20の設置面積比率が比較的小さくても、ハウス10に要求される暖房負荷の略全てを太陽熱温水器20にて集熱される太陽熱で賄うことができる。
図3は、植物栽培システム1の配置を示す側面断面図であり、図2に示すA−A線断面を示している。図3に示すように、太陽熱温水器20は、地面5に設置される支持構造物24の上方に配設される。支持構造物24は、例えば、H形鋼、角型鋼、アルミニウム押出形材等の各種構造部材から成るトラス構造やラーメン構造の構造物である。なお、太陽電池パネル40も支持構造物24と同様の構造を有する支持構造物の上方に配設される。
蓄熱プール30は、太陽熱温水器20の下方の地中に埋設される。蓄熱プール30の幅W3(図2参照)は、太陽熱温水器20の幅W2(図2参照)と略等しく、約36mである。蓄熱プール30の奥行D3は、約5m、有効深さH3(標準的貯水量における底面から水面までの高さ)は、約1.5mである。
このように太陽熱温水器20の下方の領域を有効に活用して蓄熱プール30を配設することにより、農作物を栽培するハウス10の設置面積を広く確保しつつ大容量の蓄熱プール30を構築することができる。また、蓄熱プール30を地中に埋設しているので、蓄熱プール30の断熱性が向上し、放熱損失を低減することができる。
断熱性能に優れ熱容量の大きい蓄熱プール30を構築することにより、従来有効に利用されていなかった夏季の太陽熱を蓄熱プール30に蓄え、その熱を冬季の暖房に利用することができる。これにより、化石燃料、その他暖房用エネルギーの消費量を削減して省エネルギー化を図りつつ、自然エネルギーを効率的に活用した促成栽培で農作物の生産量を高めることができる。
ここで、蓄熱プールの有効貯湯容積は、太陽熱温水器の設置面積1平方メートル当たり少なくとも0.25立方メール以上、またはハウスの設置面積1平方メートル当たり少なくとも0.06立方メール以上であることが望ましい。
これにより、夏季に温水として蓄えた太陽エネルギーによって、冬季の暖房熱量を略全て賄うことも可能となる。その結果、化石燃料等の暖房用エネルギーが不要になり、更なる省エネルギー化を図ることができる。また、ボイラ等の加熱設備も不要になるので、設備費用を削減することができる。
図4は、蓄熱プール30の周囲壁31を示す断面図であり、図3に示すB部拡大図である。図4に示すように、蓄熱プール30の周囲壁31は、鉄筋コンクリート構造の構造壁33と、構造壁33の内面に設けられる断熱材層34と、断熱材層34の内面に形成される防水層35と、を有する。
断熱材層34は、例えば、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂材料から成る発泡材(フォーム材)である。また、断熱材層34として、前記発泡材の両主面に鋼板若しくは合成樹脂板等の表面材を設けても良い。つまり、断熱材層34として、裏表一対の表面材と、その表面材の間に発泡成形される発泡材と、を有する断熱板材を採用しても良い。このように、蓄熱プール30の周囲壁31に断熱材層34を設けることにより、蓄熱プール30の断熱性能を更に高めて放熱損失を低減することができる。
ここで、断熱材層34を構成する発泡材は、内部の気泡が互いに連通していない独立気泡タイプの発泡材であることが望ましい。これにより、断熱材層34の気泡内部に水分が浸入することを抑止でき、水分浸入による断熱性能の低下を抑制することができる。
防水層35は、例えば、軟質塩化ビニル等の合成樹脂製シート材であり、断熱材層34の内面に接着される。防水層35を設けることにより、断熱材層34の内部に水分が浸入することを防止でき、且つ断熱材層34を保護して劣化等を抑制することができる。これにより、断熱材層34の高い断熱性能を維持することができる。なお、合成樹脂製シート材を用いる方式に代えて、塗装等によって防水層35を形成しても良い。
図5は、植物栽培システム1の電力系統を示すブロック図である。図5に示すように、植物栽培システム1は、太陽電池パネル40と、太陽電池パネル40によって発電される電力を蓄えるバッテリモジュール41と、インバータ43と、を有する。
バッテリモジュール41は、太陽電池パネル40による発電を制御すると共に、発電される電力を蓄えてインバータ43へと供給する装置である。バッテリモジュール41は、第1の充電器としての太陽光充電器74と、第2の充電器としてのパルス充電器75と、パルス発振器76と、検出器72と、開閉手段としての充放電切替装置80と、鉛蓄電池であるバッテリ71から構成される蓄電装置42と、を有する。
太陽光充電器74は、太陽電池パネル40に接続され、例えば、最大電力点追従制御(MPPT:Maximum Power Point Tracking)等を実行して太陽電池パネル40の発電を好適に制御する。そして、太陽光充電器74は、太陽電池パネル40で発電される電力を変換して蓄電装置42のバッテリ71を充電する。なお、太陽光充電器74は、出力に4000〜7000Hzのパルス状電圧を付加する機能を有していても良い。これにより、バッテリ71におけるサルフェーションの発生を抑制することができる。
パルス充電器75は、例えば、商用電源等の外部電源120、121に接続され、その外部電源120、121によって蓄電装置42のバッテリ71を充電する。なお、パルス充電器75は、出力に4000〜7000Hzのパルス状電圧を付加する機能を有し、これにより、バッテリ71におけるサルフェーションの発生を抑制することができる。また、パルス充電器75を設けず、外部電力120、121を利用しない独立電源型のシステム構成を採用することも可能である。
パルス発振器76は、パルス状電圧を発生させるものであり、充放電切替装置80を介して蓄電装置42に接続される。具体的には、パルス発振器76は、バッテリ71の電力で作動して、バッテリ71の電圧に対してマイナスとなる4000〜7000Hzのパルス状電圧を発生し、バッテリ71に印加する。これにより、バッテリ71に対してサルフェーションの発生を抑制でき、またはサルフェーションの除去(電極に付着した硫酸鉛の除去)を行うことができる。なお、太陽光充電器74がパルス状電圧を出力する機能を備えている場合には、パルス発信器76を省略したシステム構成も可能である。
検出器72は、蓄電装置42の残存容量を検出するものであり、充放電切替装置80を介して蓄電装置42のバッテリ71に接続される。詳しくは、検出器72は、バッテリ71の電圧を検出し、デジタル信号に変換して、後述する制御装置77(図6参照)へと出力する。バッテリ71の残存容量は、電圧と残存容量との相関により求めることができる。
蓄電装置42は、太陽電池パネル40によって発電される電力を蓄える装置であり、鉛蓄電池から構成されて複数の系列に分けられるバッテリ71を有する。バッテリ71は、充放電切替装置80を介して、太陽光充電器74、パルス充電器75、パルス発振器76、検出器72及びインバータ43に選択的に接続される。
インバータ43は、蓄電装置42のバッテリ71に蓄えられた電力を所定の電圧及び周波数の交流に変換して負荷側回路へと供給する装置であり、バッテリモジュール41の出力側に接続される。インバータ43の出力側には、インバータ43の出力側回路及び外部電源120の何れか1つを選択して負荷側回路に接続する出力用開閉器90が設けられる。なお、出力用開閉器90を省略して、外部電力120を利用しない独立電源型のシステムを構築することも可能である。
負荷側回路に接続される設備としては、植物栽培システム1の全体を制御する制御装置60、温調用の循環ポンプ12、太陽熱用の循環ポンプ21、照明装置15、換気装置16及びヒートポンプ50等である。
これにより、太陽電池パネル40で発電されて蓄電装置42に蓄えられた電力によって太陽熱用の循環ポンプ21及び温調用の循環ポンプ12を駆動して、暖房及び冷房用の補機電力を賄うことができる。つまり、太陽熱温水器20(図1参照)によって集熱される太陽熱と、太陽電池パネル40によって発電される電力と、を利用して、暖房及び冷房用の略全てのエネルギーを自然エネルギーによって賄うことができる。
また更に、照明装置15においても太陽電池パネル40からの電力を利用することができる。これにより、電照栽培用の電力を含む略全てのエネルギーを、外部からのエネルギー供給なしに、自然エネルギーによって自給することができる。
図6は、植物栽培システム1の電力系統の配線の概略を表した構成図である。図6に示すように、蓄電装置42のバッテリ71は、3つの系列(バッテリ71a、バッテリ71b、バッテリ71c)に分割される。なお、蓄電装置42は、少なくとも3つの系列を有することが好ましいが、蓄電装置42に4つ以上の系列を設けても良い。
各系列のバッテリ71には、充放電切替装置80を構成する3つの開閉器83、84、85が夫々接続される。開閉器83は、バッテリ71を充電側の回路(太陽光充電器74若しくはパルス充電器75の出力側の回路)に接続する充電用の開閉器である。開閉器84は、バッテリ71を負荷側の回路(インバータ43の入力側の回路)に接続する放電用の開閉器である。開閉器85は、バッテリ71をパルス発振器76若しくは検出器72側の回路に接続する検査用兼サルフェーション抑制用の開閉器である。
ここで、1つの系列に接続される開閉器83、開閉器84及び開閉器85は、択一的に閉じられる。例えば、バッテリ71aにつながる開閉器83a、開閉器84a及び開閉器85aは、何れか1つのみが選択され閉じられる。換言すれば、1つの系列のバッテリ71は、充電側の回路、負荷側の回路及び検出器72側の回路から選択される何れか1つの回路に接続される。
また、充電用の開閉器83は、1つの系列のバッテリ71に対してのみ閉じられる。即ち、開閉器83a、開閉器83b及び開閉器83cは、択一的に閉じられる。例えば、開閉器83aが閉じられる場合、開閉器83b及び開閉器83cは遮断される。同様に、放電用の開閉器84a、開閉器84b及び開閉器84cも択一的に閉じられる。また、検査用兼サルフェーション抑制用の開閉器85a、開閉器85b及び開閉器85cも、同じように択一的に閉じられる。
つまり、充放電切替装置80によって、複数の系列から選択される1つの系列のバッテリ71(例えば、バッテリ71a)は、太陽光充電器74若しくはパルス充電器75の出力側の回路に接続され、他の系列のバッテリ71(例えば、バッテリ71b)は、インバータ43の入力側の回路に接続され、更に他の系列のバッテリ71(例えば、バッテリ71c)は、検出器72若しくはパルス発振器76に接続される。
太陽光充電器74の出力側と各系列の開閉器83とをつなぐ充電側の回路には、開閉器81が介装される。また、パルス充電器75と各系列の開閉器83とをつなぐ充電側の回路には、開閉器82が介装される。開閉器81及び開閉器82は、択一的に閉じられる。即ち、開閉器81が閉じられる場合、開閉器82は開かれ、開閉器82が閉じられる場合、開閉器81が開かれる。
パルス充電器75の入力側には、開閉器87を介して外部電源120が、開閉器88を介して外部電源121が接続される。外部電源120は、例えば、一般の商用電源であり、外部電源121は、夜間電力契約による商用電源である。開閉器87及び開閉器88は、択一的に閉じられるよう構成され、これにより、外部電源120からの通常の電力または外部電源121からの夜間電力がパルス充電器75に供給される。
インバータ43の出力側に設けられる出力用開閉器90は、インバータ43の出力側と負荷側回路とを接続する開閉器91と、外部電源120と負荷側回路とを接続する開閉器92と、を有する。開閉器91及び開閉器92は、択一的に閉じられるよう構成され、これにより、バッテリモジュール41から供給される電力及び外部電源120から供給される電力の何れか一方が負荷側回路に供給される。
開閉器85につながる検査用兼サルフェーション抑制用の回路には、バッテリ71を検出器72及びパルス発振器76の何れか一方に接続する切替器86が設けられる。
また、バッテリモジュール41は、太陽電池パネル40による発電状態を検出する発電量検出器73を備えている。発電量検出器73は、例えば、太陽電池パネル40の出力電圧を検出し、デジタル信号に変換して、制御装置77へ出力する。なお、発電量検出器73として、日射量センサ等を利用して太陽電池パネル40の発電状態を検出しても良い。
制御装置77は、バッテリモジュール41の充放電制御を行う装置である。具体的には、制御装置77は、検出器72によって検出されるバッテリ71の残存容量及び発電量検出器73によって検出される発電状態に基づいて所定の演算を実行し、開閉器81〜85、87、88、91、92の開閉及び切替器86の切り替えを制御する。
図7は、植物栽培システム1の温度及び照度の制御系統を示すブロック図である。図7に示すように、植物栽培システム1は、ハウス10内の温度や照度を制御する制御装置60を有する。制御装置60は、システムの運転、停止等の指示や各種設定値の入力等の操作を行うための操作部61と、各部の温度等の各種入力値や各種設定値等を表示する表示部62と、各種入力値及び設定値等に基づき所定の演算を実行して出力する演算部63と、時間演算を実行するタイマ64と、を有する。
制御装置60には、ハウス10内の温度を検出する温度センサTS1、太陽熱温水器20の温水温度を検出する温度センサTS2、蓄熱プール30の温水温度を検出する温度センサTS3、ハウス10内の照度を検出する照度センサSS1等の各種センサが接続される。そして、制御装置60には、前記各種センサからの検出値が入力される。
また、制御装置60には、操作対象となる、温調用の循環ポンプ12、太陽熱用の循環ポンプ21、照明装置15、換気装置16、ヒートポンプ50及び切替弁51、52等の各機器が接続される。そして、制御装置60は、前記の各種入力値及び各種設定値に基づき所定の演算を実行し、操作対象の各機器を制御するための信号を出力する。
次に、図1及び図7を参照して、植物栽培システム1の制御装置60による温水の加熱に関する制御動作について説明する。制御装置60は、温度センサTS2によって検出される太陽熱温水器20内の温水温度(温度T2)及び温度センサTS3によって検出される蓄熱プール30内の温水温度(温度T3)に基づき、太陽熱温水器20による温水の加熱を制御する。
具体的には、制御装置60は、太陽熱温水器20内の温水の温度T2と蓄熱プール30内の温水の温度T3とを比較し、温度T2と温度T3との温度差が所定の値(例えば、5℃)を超えて温度T2が上昇したら、太陽熱用の循環ポンプ21を駆動する。
これにより、太陽熱温水器20における効率的な温水加熱が可能になると共に、循環ポンプ21の不必要な稼働を減らし、消費電力を削減することができる。また、蓄熱プール30においては、高温と低温の温水が混合されることが抑えられ、熱損失の少ない効率的な蓄熱が可能となる。
次に、図1及び図7を参照して、植物栽培システム1の制御装置60による照度制御の動作について説明する。制御装置60は、タイマ64の時間演算に基づき、照明装置15の点灯、消灯を制御する。照明装置15による点灯時間等については、栽培される農作物の種類に応じて、その生育を促成若しくは抑制するよう予め設定される。
また、制御装置60は、前述のタイマ64に基づく照度制御に加えて、照度センサSS1によって検出されるハウス10内の照度S1に基づき、照明装置15の点灯、消灯を制御する。これにより、天気の変化による日射量の変化に対応して、不足する光量を照明装置15で補い、農作物の栽培に適した光量を維持することができる。
なお、前述のとおり、照明装置15は、太陽電池パネル40(図5参照)によって発電されて蓄電装置42(図5参照)に蓄えられる電力を利用するので、外部からの電力供給なしに、効率的な電照栽培を行うことができる。
次に、図1並びに図8及び図9を参照して、植物栽培システム1の制御装置60によるハウス10内の温度制御について詳細に説明する。図8は、植物栽培システム1のハウス10内の温度制御を示すフロー図である。図9は、植物栽培システム1の運転モード別の制御動作を示す説明図である。
図8に示すように、ハウス10内の温度制御を開始すると(S0)、制御装置60は、予め設定されて記憶された暖房設定温度TL、換気設定温度TH1及び冷房設定温度TH2を読み込む(S10)。
ここで、暖房設定温度TLは、暖房運転開始の基準となる温度であり、栽培される農作物の種類に応じて、冷害の防止若しくは促成に適した所定の値に設定される。換気設定温度TH1は、換気運転開始の基準となる温度であり、ハウス10内の温度が農作物の生育に適した温度に維持されるように、暖房設定温度TLよりも高い所定の値に設定される。また、冷房設定温度TH2は、冷房運転開始の基準となる温度であり、農作物の熱害を防止すべく、換気設定温度TH1よりも高い所定の値に設定される。
次に、制御装置60は、温度センサTS1によってハウス10内の温度(温度T1)を検出する(S20)。なお、温度センサTS1を複数箇所設けた場合には、制御装置60は、各温度センサTS1による検出値を平均する演算を行い、その平均化された温度T1に基づいて以降の制御を行う。
次に、制御装置60は、ハウス10内の温度T1と暖房設定温度TLとを比較し(S30)、温度T1が暖房設定温度TLよりも低ければ(S30のYES)、暖房運転を行う(S40)。
具体的には、暖房運転(S40)では、制御装置60は、図9に示すように、切替弁51、52を蓄熱プール30側の循環路に切り替えて、温調パイプ11(図1参照)と蓄熱プール30とを連通した状態で、温調用の循環ポンプ12を駆動する。その際、ヒートポンプ50及び換気装置16は、停止している。これにより、図1を参照して、蓄熱プール30内に貯留される温水を温調パイプ11の内部に循環させて、温調パイプ11を介した放熱によってハウス10内を暖房する。
ここで、循環ポンプ12として、例えば、インバータによって駆動される回転数制御可能なポンプを用いており、制御装置60は、温度T1と暖房設定温度TLとの偏差に基づく比例制御によって循環ポンプ12による吐出量を制御する。これにより、循環ポンプ12の消費電力を抑え、且つ蓄熱プール30に蓄えられた熱を有効に利用する熱損失の少ない高効率な暖房運転が可能となる。なお、循環ポンプ12の回転数制御に代えて、別途、流量調整弁等を設けて温調パイプ11への温水循環量を制御しても良い。
図8を参照して、ステップS30において、温度T1が暖房設定温度TL以上であれば(S30のNO)、制御装置60は、ハウス10内の温度T1と冷房設定温度TH2とを比較する(S50)。そして、温度T1が冷房設定温度TH2よりも高ければ(S50のYES)、制御装置60は、冷房運転を実行する(S60)。
図9を参照して、冷房運転(S60)では、制御装置60は、切替弁51、52をヒートポンプ50側の循環路に切り替えて、温調パイプ11(図1参照)とヒートポンプ50とを連通した状態で、温調用の循環ポンプ12及びヒートポンプ50を駆動する。なお、ヒートポンプ50に関連する、図1に示す、循環ポンプ45、56及びクーリングタワー55の送風機等も同時に運転される。その際、換気装置16は、稼働されない。
これにより、図1を参照して、ヒートポンプ50によって冷却される冷水を温調パイプ11の内部に循環させてハウス10内を冷房する。前述のとおり、ヒートポンプ50は、蓄熱プール30に貯留される温水を熱源として駆動されるので、太陽熱温水器20にて集熱される太陽熱を有効に利用してハウス10内の冷房を行うことができる。
ここで、制御装置60は、温度T1と冷房設定温度TH2との偏差に基づく比例制御によって循環ポンプ12による吐出量を制御する。また、ヒートポンプ50は、出力される冷水の温度が所定の目標温度になるよう制御される。これにより、自然エネルギーを利用した高効率な冷房運転が行われる。
図8に示すように、S50において、温度T1が冷房設定温度TH2以下であれば(S50のNO)、制御装置60は、ハウス10内の温度T1と換気設定温度TH1とを比較する(S70)。そして、温度T1が換気設定温度TH1よりも高ければ(S70のYES)、制御装置60は、換気運転を実行する(S80)。即ち、制御装置60は、温度T1が換気設定温度TH1よりも高く、冷房設定温度TH2以下である場合に、換気運転(S80)を行う。
図9を参照して、換気運転(S80)では、制御装置60は、循環ポンプ12及びヒートポンプ50を停止した状態で、換気装置16を稼働する。その際、切替弁51、52の切り替え制御は不要であり、温調パイプ11(図1参照)は、蓄熱プール30側の循環路若しくはヒートポンプ50側の循環路の何れに連通していても良い。
換気装置16を稼働させることにより、温度の低い外気をハウス10内に取り入れると共に、温度が上昇したハウス10内の空気を外部へと排出して、ハウス10内の温度を下げることができる。これにより、蓄熱プール30に蓄えられる熱エネルギーの消費を抑えて、高効率な温度調節を行うことができる。
図8を参照して、S70において、温度T1が換気設定温度TH1以下であれば(S70のNO)、制御装置60は、ハウス10内を加熱若しくは冷却する動作を行わない(S90)。即ち、制御装置60は、温度T1が暖房設定温度TLよりも高く、換気設定温度TH1以下である場合に、循環ポンプ12、ヒートポンプ50及び換気装置16の何れも稼働させない。これにより、温度調節のためのエネルギー消費量を抑えることができる。
そして、温度制御を停止する操作が行われず、その他異常等の発生がなければ(S100のYES)、制御装置60は、上記の温度制御を繰り返し実行する。これにより、自然エネルギーを利用した高効率な温度制御が行われる。
次に、図10ないし図15を参照して、図6に示す植物栽培システム1の電力系統の制御動作について詳細に説明する。
先ず、図6及び図10を参照して充放電制御の全体的な流れを説明する。図10は、植物栽培システム1の充放電制御を示すフロー図である。
図6及び図10に示すように、システムの運転を開始すると(S200)、制御装置77は、蓄電装置42のバッテリ71の残存容量を検出する(S210)。ここでは、複数設けられる各系列について残存容量を検出する。
次に、制御装置77は、検出された系列毎のバッテリ71の残存容量に基づき、充放電の組み合わせを決定し、開閉器83〜85を開閉する(S220)。
そして、制御装置77は、バッテリ71の残存容量及び太陽電池パネル40の発電状況に応じて、バッテリ71を充電するための好適な電源を選択して開閉器81、82、87、88を切り替える(S230)。
更に、制御装置77は、バッテリ71の残存容量に基づき、バッテリ71の放電を行うか否かを判別し、負荷側回路に電力を供給するための開閉器91、92を切り替える(S250)。
次に、制御装置77は、蓄電装置42の系統毎のバッテリ71の残存容量を再度検出する(S260)。なお、開閉器81〜85、87、88、91、92の開閉動作や切替器86の切り替え動作が頻繁に行われることを防止するために、残存容量を検出する制御動作に適度な待ち時間(ディレイ時間)を設けても良い。例えば、10分毎にバッテリ71の残存容量を検出することとし、10分経過するまでは、ステップS260をスキップしても良い。
そして、システムの異常等が発生せず、利用者による停止の指示等がなければ(S280のYES)、制御装置77は、S220〜S260の制御動作を繰り返し実行する。これにより、太陽電池パネル40による発電と、その発電される電力及び外部電源120、121による蓄電装置42への充電、並びに蓄電装置42に蓄えられた電力及び外部電源120による安定した給電が行われる。
次に、図10に示すステップS210〜S260について各々詳細に説明する。
図11は、植物栽培システム1のバッテリ71の残存容量を検出する動作を示す図であり、図10におけるステップS210の詳細を示すものである。
図6及び図11を参照して、制御装置77は、切替器86を検出器72側に切り替え、図11に示す順序(S211〜S217)で、開閉器83〜85を順次切り替える。
即ち、制御装置77は、開閉器83〜85が全て開放された状態(S211)から、バッテリ71aにつながる開閉器85aを閉じる(S212)。これにより、バッテリ71aが検出器72に接続され、バッテリ71aの残存容量(電圧)が検出される。
次に、制御装置77は、開閉器85aを遮断した後(S213)、バッテリ71bにつながる開閉器85bを閉じる(S214)。これにより、バッテリ71bが検出器72に接続され、バッテリ71bの残存容量(電圧)が検出される。
次に、制御装置77は、開閉器85bを遮断した後(S215)、バッテリ71cにつながる開閉器85cを閉じる(S216)。これにより、バッテリ71cが検出器72に接続され、バッテリ71cの残存容量(電圧)が検出される。そして、制御装置77は、開閉器85cを遮断する(S217)。
このように、充放電切替装置80の開閉器83〜85を切り替えることにより、蓄電装置42の各系列(バッテリ71a、71b、71c)を検出器72に順次接続して系列毎の残存容量を検出することができる。
これにより、検出器72を複数設けることなく、1つの検出器72で各系列の残存容量を検出することができるので、システムのコストを削減することができる。
なお、制御装置77は、バッテリ71の残存容量を検出した後、切替器86をパルス発振器76側に切り替える。
図12は、図10に示すステップS220における植物栽培システム1の開閉器83〜85の切り替えパターンの一例を示す図である。図12は、バッテリ71aの残存容量が最も多く、次いでバッテリ71bの残存容量が多く、バッテリ71cの残存容量が最も少ない場合の例を示している。
図6及び図12に示すように、検出された系列毎のバッテリ71の残存容量に基づき、制御装置77は、充放電の組み合わせを決定し、開閉器83〜85を開閉する。
具体的には、残存容量の最も少ない系列のバッテリ71cを太陽光充電器74若しくはパルス充電器75に接続して充電する。即ち、制御装置77は、残存容量の最も少ない系列のバッテリ71cにつながる充電用の開閉器83cを選択的に閉じる。
このように残存容量の少ない系列を優先して充電することにより、バッテリ71の過放電が抑止され、サルフェーションの発生を抑えることができる。その結果、長期に亘って十分な蓄放電容量を維持することができる。
また、残存容量の少ない系列のバッテリ71を優先して充電することにより、十分な日射量が得られる状態においては、太陽エネルギーの利用効率を向上させることができる。即ち、太陽電池パネル40で発電される電力を、蓄電可能な容量が大きい系列のバッテリ71に蓄えることができるので、太陽電池パネル40の発電量を低下させずに好適な発電状態を維持することができる。
他方、制御装置77は、残存容量の最も多い系列のバッテリ71aを負荷側回路に接続して放電させる。即ち、制御装置77は、残存容量の最も多い系列のバッテリ71aつながる放電用の開閉器84aを選択して閉じる。
そして、充電及び放電を行っていない残りの系列のバッテリ71bをパルス発振器76に接続してパルス電圧を印加する。即ち、制御装置77は、開閉器83b及び開閉器84bの双方が遮断されている系列のバッテリ71bについて開閉器85bを閉じる。なお、バッテリ71の系列が4つ以上あり、充電若しくは放電を行っていない系列のバッテリ71が複数存在する場合には、充放電を行っていない残りの各系列に対して開閉器85を順番に開閉させても良い。
このように、蓄電装置42を構成する1つの系列のバッテリ71cについて充電を行いつつ、他の系列のバッテリ71aから負荷側回路への給電を行い、且つ、更に他の系列のバッテリ71bにパルス状電圧を印加してサルフェーションの発生を抑止することができる。
つまり、太陽光発電による充電や負荷側回路への給電を中断することなく、充電若しくは放電を行っていない系列のバッテリ71をパルス発振器76に接続してサルフェーションの発生防止若しくは除去を行うことができる。これにより、バッテリ71の劣化を防止して更なる高寿命化を図ることができる。
図13は、植物栽培システム1の電源選択制御を示すフロー図であり、図10のステップS230の詳細を示している。
図6及び図13に示すように、制御装置77は、発電量検出器73で検出される発電の情報(電圧)に基づき、太陽光発電による充電の可否を判断する(S232)。太陽光発電による充電が可能であると判断した場合(S232のYES)、制御装置77は、パルス充電器75の出力側につながる開閉器82を開き(S233)、太陽光充電器74の出力側につながる開閉器81を閉じる(S234)。これにより、太陽光充電器74の出力側が開閉器83を介してバッテリ71に接続され、太陽電池パネル40の出力によって蓄電装置42のバッテリ71を充電することができる。
このように、発電量検出器73によって検出される太陽電池パネル40の発電状況に基づき太陽電池パネル40による充電を優先して行うことにより、太陽エネルギーの利用効率を向上させることができる。
他方、ステップS232において、太陽電池パネル40の出力が小さく、太陽光発電による充電ができないと判断した場合(S232のNO)、制御装置77は、太陽光充電器74の出力側の開閉器81を開く(S235)。
そして、ステップS236では、バッテリ71が通常の使用可能状態であるか否かが判別される。即ち、制御装置77は、検出器72によって検出されたバッテリ71の残存容量が所定の基準値(第1基準値)以上であるかを判断する。詳しくは、全ての系列のバッテリ71の残存容量が第1基準値以上であるか否かを判断する。
具体的には、制御装置77は、検出器72によって検出されるバッテリ71の電圧が残存容量の第1基準値に相当する電圧値(第1基準電圧値)以上であるかを判別する。なお、バッテリ71の残存容量の第1基準値は、例えば、全充電容量の約25%であり、第1基準電圧値は、約12Vである。
全ての系列のバッテリ71の残存容量が第1基準値以上であれば(S236のYES)、制御装置77は、開閉器82を開く(S237)。つまり、この場合、開閉器81及び開閉器82が共に遮断されるので、バッテリ71の充電は行われない。
他方、ステップS236において、少なくとも1つの系列のバッテリ71の残存容量が第1基準値よりも小さい場合(S236のNO)、制御装置77は、夜間電力を利用できる時間帯であるか否かを判断する(S238)。
夜間電力を利用できる場合(S238のYES)、制御装置77は、通常電力である外部電源120用の開閉器87を開き(S239)、夜間電力である外部電源121用の開閉器88を閉じる(S240)。そして、制御装置77は、パルス充電器75の出力側の開閉器82を閉じる(S243)。これにより、外部電源121から供給される夜間電力を利用してバッテリ71の充電が行われる。
他方、夜間電力を利用できない場合(S238のNO)、制御装置77は、夜間電力である外部電源121用の開閉器88を開き(S241)、通常電力である外部電源120用の開閉器87を閉じる(S242)。そして、制御装置77は、パルス充電器75の出力側の開閉器82を閉じる(S243)。これにより、通常電力である外部電源120によるバッテリ71の充電が行われる。
このように、バッテリ71の残存容量が第1基準値を下回った場合にのみ外部電源120、121による充電を行うことにより、外部電力の利用を最小限に抑えて太陽光発電のための蓄電容量を確保しつつ、蓄電池の過放電を抑止することができる。また、夜間電力を利用できる場合には、夜間電力を優先して利用するので、電力コストを抑えることができる。
図14は、植物栽培システム1の出力用開閉器90の切り替え制御を示すフロー図であり、図10におけるステップS250の詳細を示している。
図6及び図14に示すように、制御装置77は、蓄電装置42が放電禁止状態であるか否かを判別する。即ち、制御装置77は、検出器72によって検出されたバッテリ71の残存容量が所定の基準値(第2基準値)以上であるかを判断する(S252)。詳しくは、少なくとも1つの系列のバッテリ71の残存容量が第2基準値以上であれば、蓄電装置42は放電禁止状態ではないと判断される。
具体的には、制御装置77は、検出器72によって検出されるバッテリ71の電圧が残存容量の第2基準値に相当する電圧値(第2基準電圧値)以上であるかを判別する。なお、バッテリ71の残存容量の第2基準値は、前述の第1基準値よりも低い値であり、例えば、全充電容量の約20%、第2基準電圧値は、約11.7Vである。
少なくとも1つの系列のバッテリ71の残存容量が第2基準値以上であれば(S252のYES)、制御装置77は、外部電源120を接続する開閉器92を開き(S253)、インバータ43の出力側につながる開閉器91を閉じる(S254)。これにより、バッテリ71に蓄えられた電力が負荷側回路に供給される。
他方、ステップS252で全ての系列のバッテリ71の残存容量が第2基準値を下回っている場合(S252のNO)、制御装置77は、インバータ43の出力側につながる開閉器91を開き(S255)、外部電源120につながる開閉器92を閉じる(S256)。即ち、インバータ43の出力側回路と負荷側回路とを遮断して(S255)、外部電源120と負荷側回路とを接続する(S256)。これにより、外部電源120から負荷側回路に電力が供給される。
このように、蓄電装置42の残存容量が第2基準値を下回った場合には、バッテリ71の放電を停止して過放電を防止できるので、サルフェーションの発生を抑えてバッテリ71の劣化を防止することができる。また、蓄電装置42の残存容量が低下して放電を中止した場合であっても、外部電源120を利用して負荷側回路に電力を供給することができるので、安定した電力供給が可能となる。
図15は、植物栽培システム1のバッテリ残量検出の動作を示す図であり、図10におけるステップS260の詳細を示すものである。図15は、バッテリ71aの残存容量が最も多く、次いでバッテリ71bの残存容量が多く、バッテリ71cの残存容量が最も少ない場合の例を示している。
図6及び図15を参照して、例えば、検出器72で検出されたバッテリ71の残存容量が「バッテリ71a>バッテリ71b>バッテリ71c」の関係にある場合、残存容量の最も多いバッテリ71aは放電中、次に多いバッテリ71bは待機中(サルフェーション抑制中)、最も少ないバッテリ71cは充電中になっている。即ち、バッテリ71aにつながる放電用の開閉器84a、バッテリ71bにつながる検査用兼サルフェーション抑制用の開閉器85b及びバッテリ71cにつながる充電用の開閉器83cが閉じられ、その他の開閉器83〜85は、遮断されている(S261)。
制御装置77は、切替器86を検出器72側に切り替え、図15に示す順序(S261〜S276)で、開閉器83〜85を順次切り替える。切替器86が検出器72側に切り替えられると、検査用兼サルフェーション抑制用の開閉器85bが閉じられているバッテリ71bが検出器72に接続されて、その残存容量が検出される(S262)。そして、バッテリ71bにつながる開閉器85bを開放する(S263)。
次に、ステップS264〜S269で、制御装置77は、バッテリ71aの残存容量を検出するための動作を実行する。具体的には、バッテリ71bにつながる放電用の開閉器84bを閉じた後(S264)、バッテリ71aにつながる放電用の開閉器84aを開く(S265)。これにより、バッテリ71aの残存容量を検出する間、バッテリ71bから負荷側回路への給電を行うことができる。
この状態で、制御装置77は、バッテリ71aにつながる検査用兼サルフェーション抑制用の開閉器85aを閉じて(S266)、バッテリ71aの残存容量を検出した後、開閉器85aを開放する(S267)。そして、制御装置77は、バッテリ71aにつながる放電用の開閉器84aを閉じた後(S268)、バッテリ71bにつながる放電用の開閉器84bを開放して(S269)、バッテリ71aによる放電に切り替える。
このように、蓄電装置42から負荷側回路への給電を中断することなく、放電中のバッテリ71aの残存容量を検出することができる。なお、放電させるバッテリ71を切り替える際、ステップS264、S268のように、瞬時的に(例えば、10ms程度)、開閉器84aと開閉器84bとを同時に閉状態にすることにより、瞬時的な停電を発生させることなく、連続的な給電が行われる。
次に、ステップS270〜S275で、制御装置77は、バッテリ71cの残存容量を検出するための動作を実行する。具体的には、バッテリ71bにつながる充電用の開閉器83bを閉じた後(S270)、バッテリ71cにつながる充電用の開閉器83cを開く(S271)。これにより、バッテリ71cの残存容量を検出する間、太陽電池パネル40で発電される電力等をバッテリ71bに蓄えることができる。
この状態で、制御装置77は、バッテリ71cにつながる検査用兼サルフェーション抑制用の開閉器85cを閉じて(S272)、バッテリ71cの残存容量を検出した後、開閉器85cを開放する(S273)。そして、制御装置77は、バッテリ71cにつながる充電用の開閉器83cを閉じた後(S274)、バッテリ71bにつながる充電用の開閉器83bを開放して(S275)、バッテリ71cの充電を継続する。
このように、蓄電装置42の充電を中断することなく、充電中のバッテリ71cの残存容量を検出することができる。なお、充電させるバッテリ71を切り替える際にも、ステップS270、S274のように、瞬時的に(例えば、10ms程度)、開閉器83bと開閉器83cとを同時に閉状態にして、連続的な充電を行っている。
次に、制御装置77は、バッテリ71bにつながる検査用兼サルフェーション抑制用の開閉器85bを閉じて(S276)、切替器86をパルス発振器76側に切り替え、残量検査開始前の状態に戻す。
このように、本実施形態では、蓄電装置42を構成する1つの系列のバッテリ71について充電を行いつつ、他の系列のバッテリ71から負荷側回路(インバータ43等)への給電を行い、且つ、更に他の系列のバッテリ71の残存容量を検出することができる。
そして、充放電切替装置80の開閉器83〜85を切り替えることにより、太陽光発電による充電や負荷側回路への給電を中断することなく、蓄電装置42の各系列(バッテリ71a、71b、71c)を検出器72に順次接続して系列毎の残存容量を正確に検出することができる。これにより、蓄電装置42の充放電状況の管理が容易になり、バッテリ71の過放電を抑止してサルフェーションの発生を抑え、バッテリの高寿命化を図ることができる。
また、バッテリ71の残存容量を検出する際に、蓄電装置42への充電を中断しないので、十分な日射量が得られる状態においては、太陽光発電を中断することなく太陽エネルギーを有効に利用することができる。
また、バッテリ71として安価な鉛蓄電池を採用することができ、且つバッテリ71の劣化を抑止して長寿命化を図ることができるので、システムの初期費用及びバッテリ71を交換する等の維持費用を大幅に低減することができる。
次に、図16ないし図18を参照して、実施形態を変形した例について詳細に説明する。なお、図16ないし図18において、既に説明した実施形態と同一若しくは同様の作用、効果を奏する構成要素については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図16は、本発明の他の実施形態に係る植物栽培システム101の概略を示すブロック図である。図16に示すように、植物栽培システム101は、夫々蓄電装置42(図5参照)を有する複数のバッテリモジュール41(バッテリモジュール41A、バッテリモジュール41B、バッテリモジュール41C)を備えている。
また、植物栽培システム101は、複数の系統X、Y、Zに分割される負荷側回路に夫々対応させて、複数のインバータ43(インバータ43x、インバータ43y、インバータ43z)と、複数の負荷検出器79(負荷検出器79x、負荷検出器79y、負荷検出器79z)と、複数の出力用開閉器90(出力用開閉器90x、出力用開閉器90y、出力用開閉器90z)と、を有する。
更に、植物栽培システム101は、負荷側の各系統X、Y、Zに対応するインバータ43にバッテリモジュール41の出力側回路を択一的に接続する切替装置95を備えている。なお、負荷側回路の系統数やバッテリモジュール41等の数は、4つ以上でも良い。
図17は、植物栽培システム101の切替装置95の配線系統を表した構成図である。図17に示すように、植物栽培システム101は、3つのバッテリモジュール41(41A、41B、41C)を有し、3つの系統X、Y、Zに分割される負荷側回路に接続される。各系統X、Y、Zの負荷側回路には、各々出力用開閉器90を構成する開閉器91を介してインバータ43の出力側が接続される。
各系統X、Y、Zに対応するインバータ43の入力側には、切替装置95を構成する3つの開閉器96、97、98が夫々接続される。開閉器96は、バッテリモジュール41Aの出力側につながる開閉器である。開閉器97は、バッテリモジュール41Bの出力側につながる開閉器である。開閉器98は、バッテリモジュール41Cの出力側につながる開閉器である。
ここで、1つのインバータ43に接続される開閉器96、開閉器97及び開閉器98は、択一的に閉じられる。例えば、インバータ43xにつながる開閉器96x、開閉器97x及び開閉器98xは、何れか1つのみが選択され閉じられる。換言すれば、系統X、Y、Zの1つにつながるインバータ43は、バッテリモジュール41A、バッテリモジュール41B及びバッテリモジュール41Cから選択される何れか1つのバッテリモジュール41に接続される。
また、1つのバッテリモジュール41に接続される開閉器96、開閉器97若しくは開閉器98は、夫々1つの系統のインバータ43に対してのみ閉じられる。即ち、バッテリモジュール41Aにつながる開閉器96x、開閉器96y及び開閉器96zは、択一的に閉じられる。例えば、開閉器96xが閉じられる場合、開閉器96y及び開閉器96zは遮断される。
同様に、バッテリモジュール41Bにつながる開閉器97x、開閉器97y及び開閉器97zも択一的に閉じられる。また、バッテリモジュール41Cにつながる開閉器98x、開閉器98y及び開閉器98zも、同じように択一的に閉じられる。
つまり、切替装置95によって、複数設けられるバッテリモジュール41と、各系統の負荷側回路に接続されるインバータ43とは、夫々1対1で対応するように接続される。
また、各系統X、Y、Zにつながるインバータ43の出力側には、夫々出力用開閉器90が設けられる。出力用開閉器90の構成及び動作は、既に説明した実施形態と同等である。ここでは、各系統X、Y、Zの出力用開閉器90は、その系統X、Y、Zに接続されるバッテリモジュール41のバッテリ71(図5参照)の残存容量に応じて制御される。
負荷検出器79は、各系統X、Y、Zの電力負荷を検出する装置であり、各インバータ43の入力側に設けられる。詳しくは、負荷検出器79は、インバータ43の入力側回路に設けられるシャント抵抗の電圧を検出し、デジタル信号に変換して、制御装置88へと出力する。
制御装置88は、バッテリモジュール41と負荷側回路の各系統X、Y、Zとの切替制御を行う装置である。制御装置88には、負荷検出器79から電力負荷に関する信号が入力されると共に、制御装置77(図6参照)から各バッテリモジュール41のバッテリ71の残存容量に関する信号が入力される。
制御装置88は、負荷検出器79によって検出される各系統X、Y、Zの電力負荷、及び検出器72(図6参照)によって検出されて制御装置77から送信される各バッテリモジュール41のバッテリ71の残存容量に基づいて所定の演算を実行し、開閉器96〜98、91、92の開閉を制御する。
図18は、植物栽培システム101の切替装置95の切り替えパターンの一例を示す図である。図18は、負荷側回路の電力負荷が「系統X>系統Y>系統Z」の関係にあり、バッテリモジュール41の残存容量が「バッテリモジュール41A>バッテリモジュール41B>バッテリモジュール41C」の関係にある場合の例を示している。
図17及び図18に示すように、制御装置88は、各系統X、Y、Zの電力負荷及び各バッテリモジュール41の残存容量に基づき、電力負荷の大きい系統X、Y、Zから順に残存容量の大きいバッテリモジュール41を対応させて接続する。
即ち、図18の例では、電力負荷が最も大きい系統Xに対しては、開閉器96xを閉じて、残存容量の最も多いバッテリモジュール41Aを接続する。次いで電力負荷が大きい系統Yに対しては、開閉器97yを閉じて、2番目に残存容量の大きいバッテリモジュール41Bを接続する。そして、電力負荷が最も小さい系統Zに対しては、開閉器98zを閉じて、残存容量の最も少ないバッテリモジュール41Cを接続する。
なお、バッテリモジュール41の残存容量としては、各バッテリモジュール41に備えられるバッテリ71(図6参照)の夫々の残存容量の検出値をバッテリモジュール41毎に平均化した値を用いている。
以上説明の如く、本実施形態によれば、複数のバッテリモジュール41を組み合わせることにより、安価な鉛蓄電地を利用して大容量の蓄電システムを構築することができる。また、切替装置95を用いた上記の切替制御を実行することにより、蓄電装置42(図6参照)のバッテリ71の過放電を抑止してバッテリ71の高寿命化を図りつつ、高効率で安定した電力供給を行うことができる。
なお、以上説明の本実施形態では、蓄熱プール30に貯留される温水を直接的に太陽熱温水器20、温調パイプ11及びヒートポンプ50に循環させる構成であるが、蓄熱プール30に貯留される温水と太陽熱温水器20等に循環される熱媒とを分離しても良い。即ち、配管22、23に繋がる熱交換器、配管46、47に繋がる熱交換器、若しくは配管13、14に繋がる熱交換器を設け、それら熱交換器を蓄熱プール30の内部に浸漬するよう配設しても良い。前記熱交換器としては、例えば、コイル状に成形される金属管等を採用し得る。
このように太陽熱温水器20、温調パイプ11及びヒートポンプ50に循環される熱媒を蓄熱プール30に貯留される温水と分離することにより、夫々使用条件に適した熱媒を採用することが可能となる。例えば、熱媒としてエチレングリコールや防錆剤等の添加剤を所定の比率で混合した不凍液等を利用して、太陽熱温水器20、温調パイプ11及びヒートポンプ50における凍結を防止すると共に熱交換効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、ヒートポンプ50によってハウス10内の冷房を行うこととしたが、これに代えて、地下水を利用した冷房を行っても良い。即ち、地下水を汲み上げて温調パイプ11の内部に循環させることによってハウス10内を冷却することができる。また、クーリングタワー55を利用して大気に放熱する構成に代えて、ヒートポンプ50の放熱源として地下水を利用することも可能である。これにより、外気温が高い状態であっても高効率な冷房運転を行うことができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。
1 植物栽培システム
10 ハウス
11 温調パイプ
12 循環ポンプ
15 照明装置
16 換気装置
20 太陽熱温水器
21 循環ポンプ
30 蓄熱プール
31 周囲壁
34 断熱材層
40 太陽電池パネル
41 バッテリモジュール
42 蓄電装置
43 インバータ
50 ヒートポンプ
51 切替弁
52 切替弁
60 制御装置
74 太陽光充電器
75 パルス充電器
76 パルス発振器
80 充放電切替装置
90 出力用開閉器
95 切替装置
TS1 温度センサ
TS2 温度センサ
TS3 温度センサ

Claims (4)

  1. 農作物を栽培するハウスと、
    前記ハウスに隣接して設けられる太陽熱温水器と、
    前記太陽熱温水器で温められる温水を貯留する蓄熱プールと、
    前記蓄熱プール内の温水を圧送して前記太陽熱温水器の内部に循環させる太陽熱用循環ポンプと、
    前記ハウスの内部に設けられて前記蓄熱プールに貯留される温水を循環させる温調パイプと、
    前記蓄熱プール内の温水を前記温調パイプへと圧送する温調用循環ポンプと、を有し、
    前記蓄熱プールは、その周囲壁に断熱材層を有し前記太陽熱温水器の下方の地中に埋設されることを特徴とする植物栽培システム。
  2. 前記ハウスに隣接して設けられる太陽電池パネルと、
    前記太陽電池パネルで発電された電力を蓄える蓄電装置と、を有し、
    前記蓄電装置に蓄えられた電力を利用して前記太陽熱用循環ポンプ及び前記温調用循環ポンプを駆動することを特徴とする請求項1に記載の植物栽培システム。
  3. 蓄熱プールに貯留される温水を熱源として駆動されるヒートポンプ装置と、を有し、
    前記ヒートポンプ装置によって冷却される冷水を前記温調パイプに循環させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の植物栽培システム。
  4. 前記ハウス内の温度を検出する温度センサと、
    前記ハウスに設けられて前記蓄電装置に蓄えられた電力を利用して駆動される換気装置と、
    前記温度センサで検出される前記ハウス内の検出温度に基づき前記温調用循環ポンプ、前記ヒートポンプ装置及び前記換気装置の駆動を制御する制御装置と、を有し、
    前記制御装置は、前記検出温度が所定の暖房設定温度よりも低い場合に前記温調用循環ポンプを駆動し、前記検出温度が所定の冷房設定温度よりも高い場合に前記ヒートポンプ装置を駆動し、前記検出温度が所定の換気設定温度よりも高く且つ前記冷房設定温度以下である場合に前記換気装置を駆動することを特徴とする請求項3に記載の植物栽培システム。
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