JP2016099928A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】実際の物を見た時と同じような感覚で認識させることのできる画像を生成するための技術を提供する。【解決手段】画像形成方法が、第1の画像をフーリエ変換する第1のステップと、第1のステップの結果に対し、第1のコントラスト感度関数の値を掛ける第2のステップと、第2のステップの結果を、前記第1のコントラスト感度関数とは異なる第2のコントラスト感度関数の値で割る第3のステップと、前記第3のステップの結果を逆フーリエ変換することで、前記第1の画像と異なる第2の画像を形成する第4のステップと、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、画像を見た感覚を実際の物を見た感覚に近づけるための技術に関する。
従来より、実際の物と印刷又は表示された画像の見えを近づけたり、人による見えの違いを補正しようとする研究が多くなされている。典型的なアプローチは、人間の網膜上に形成される像のコントラスト(ぼけ感)や色を近づけることで、異なる対象の見え方をできるだけ同じにしようとするものである。
例えば、網膜上の画像の輪郭を強調すれば、形状がはっきりした画像として認識され、反対に輪郭をぼかせば、形状がぼやけた画像として認識される。また、網膜上に形成される画像の色を変えることで、異なる印象の画像を形成できる。このことを利用した例として、絵画などの二次元画像のぼけ感やはっきりした感じや色変化などを生じる画像処理技術がある。標準的な画像処理ソフトでは、輪郭をぼかすフィルタとエッジを強調するフィルターがそれぞれ独立に用意されている。
人間の視覚の周波数特性を考慮した画像形成の例として、人間の視覚の波長感度特性の加齢による変化をシミュレートする特許文献1の画像処理装置が知られている。特許文献1によれば、若年者の視覚の波長感度と老齢者の視覚の波長感度の比を用いて、提示する画像の色を補正した画像に、エッジ強調処理により画像のぼけを補正することで、高齢者が若年時と同様の画像を認識できるとしている。
また、特許文献2では、印刷された画像を観察する際に、撮影時に撮影者が感じたコントラスト感を再現するための方法が提案されている。特許文献2の方法では、まず、撮像時に、その場にいる人間の視覚のコントラスト感度を推定する。次に、撮像画像を印字した画像を観察する時に、観察者の視覚のコントラスト感度を推定する。さらに、撮像装置の受光感度と印刷装置の出力濃度を一致させるための補正を行う補正係数を求める。その後、撮像装置を撮像操作をしている人間の視覚のコントラスト感度の最大値に対応する周波数で、印刷画像を観察する者の視覚のコントラスト感度を求め、後者を前者で割ることで両者の比を求め、前記の補正係数と掛けてから、印字物を出力する。この結果、撮像装置の操作者が感受するコントラストの視覚刺激が最大の画像領域で、印字物観察者が感受するコントラストの視覚刺激を一致させることができるとしている。
特開平9−97333号公報 特開2011−4009号公報
特許文献1の方法では、若年者には自然に見える画像に対して、色の補正と同時に輪郭強調によりボケを補う。例えば、一般的な画像処理ソフトにあるアンシャープマスクと呼ばれるフィルタ処理で画像の輪郭を強調する場合は、処理対象とする画素範囲、処理対象とするコントラスト範囲、処理する重み付け量を個別に調整することになる。しかしながら、これは、特定の画素範囲の成分だけを増幅する画像処理であるため、非可逆な処理過程であり、画質の劣化を伴う。さらに、これらは試行錯誤で適切とされるパラメータを求めるため、周波数の重み付けに統一的な基準がなく、その時ごとに試行錯誤で作るか、場
合によっては思ったように画像が形成できないことがある。また、その他のシャープフィルタでも、視覚の特性を考慮していないため適切な変換を行う根拠がないため、色の補正量とエッジ強調量の関係が確かでない。従って、被写体の輪郭を強調しながら質感を損なう画像を形成することになり、色の補正と同時にエッジ強調によりボケを補正した画像を若年時に見た自然な画像に近づけることは困難であるか不可能である。
また、特許文献2の方法では、全てのコントラストに対して、撮像時の視覚刺激と観察時の視覚刺激を一致させることはできないため、機械的な処理に基づく誤差分が発生する。すなわち、実物を見た時と印字物を見た時に異なる視覚の差が生じることになり、観察者に実在する物体を見ていない感覚を生じさせる。
ところで、従来のアプローチは、いずれも、網膜上に形成される像(網膜像)を同じにすれば、人間には同じものとして認識される、という前提に立っている。しかしながら、本発明者の研究により、この前提が成立しない場合が多くあり、従来のアプローチには限界があることが分かってきた。
人間の視覚には、コントラスト感度とよばれる特性があり、明暗や色が周期的に変化する画像を水晶体のレンズ機能により網膜上に結像した時に、その周期に応じて感度が異なる。このため、人間は外界の物体を見る時に、その網膜像を構成する周波数ごとにコントラスト感度を乗じた結果を再合成して、被写体を見ていると考えられる。すなわち、人間は、外界の物理的な状態をコントラスト感度により歪んで補正した視覚情報として認識しているのである。そのため、仮に、網膜像を完全に一致させることができたとしても、人間が認識する視覚情報が異なり、違うものとして感じる場合があり得る。ここに、網膜像(つまり「見え」)を一致させようとする従来のアプローチの限界(課題)がある。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、実際の物を見た時と同じような感覚で認識させることのできる画像を生成するための技術を提供することを目的とする。
本発明の第1態様は、第1の画像をフーリエ変換する第1のステップと、第1のステップの結果に対し、第1のコントラスト感度関数の値を掛ける第2のステップと、第2のステップの結果を、前記第1のコントラスト感度関数とは異なる第2のコントラスト感度関数の値で割る第3のステップと、前記第3のステップの結果を逆フーリエ変換することで、前記第1の画像と異なる第2の画像を形成する第4のステップと、を含む画像形成方法を提供する。
本発明の第2態様は、本発明の第1態様に係る画像形成方法の各ステップをコンピュータに実行させるプログラムを提供する。
本発明の第3態様は、第1の画像を取得する画像取得部と、第1のコントラスト感度関数及び第2のコントラスト感度関数の条件を入力する条件入力部と、前記画像取得部で取得された前記第1の画像と、前記条件入力部で入力された前記第1のコントラスト感度関数及び前記第2のコントラスト感度関数を用い、本発明の第1態様に係る画像形成方法により、前記第1の画像と異なる第2の画像を形成する変換部と、を有する画像形成装置を提供する。
本発明によれば、実際の物を見た時と同じような感覚で認識させることのできる画像を生成することができる。
本発明の画像形成装置の一構成例を示すブロック図。 画像形成処理の流れを示すフローチャート。 画像形成方法の原理を模式的に示す図。 ミューラー・リヤーの錯視の例を示す図。 第1の画像から第2の画像を生成する画像形成処理を模式的に示す図。 実施例2の画像形成方法の手順を模式的に示す図。 実施例3の画像形成方法の手順を模式的に示す図。
前述した従来のアプローチの課題を解決するため、本発明では、人間の視覚の生理現象をモデルとする。人間は、水晶体をレンズとして外界を網膜上に結像し、網膜像を視細胞が感受するが、視細胞には光の波長ごとに感度が異なり、色を感知する三種類の錐体視細胞と明暗のみに反応する桿体細胞がある。これら視細胞から得られた情報は脳に伝達されるが、この伝達過程で網膜像の情報には視覚のコントラスト感度による変換が行われている。そのため、仮に、網膜像を完全に一致させることができたとしても、人間が認識する視覚情報が異なり、違うものとして感じる場合があり得る。
このことは、逆の見方をすれば、たとえ網膜像が異なっていたとしても、脳に伝達される情報が同じであれば、人間は被写体を同じものだと見なすことになる。従って、視覚のコントラスト感度による変換が行われた結果が同じになるようにすることで、人間に被写体を同じものだと認識させることができることになる。本発明は、この原理を用いて、観察者に所望の感覚(認識、知覚)を与えるための画像を生成する方法を提案する。
本発明に係る方法は、人間の視覚の生理現象をモデルとしているため、従来の色補正とエッジ強調フィルタの組み合わせのように人間の視覚特性を曖昧な要素に分離する必要はなく、また機械的な処理に基づく誤差分を生じることもない。そして、本発明に係る方法によれば、コントラスト感度を考慮して、脳に伝達される情報を一致させるようにするので、実物を見た時と同じような感覚を抱かせる画像を生成することができる。すなわち、人間が被写体を観察した時の生理的、心理的な印象や、錯視や立体感などを含んだ画像を生成し、提示することができる。なお、本発明者らは、本発明の原理を用いて、へリング錯視の図形から形を錯視する現象をシミュレーションすることに成功し、また濃淡画像のシミュレーションからマッハバンドが生まれる錯視や原色と異なる色に錯視するシミュレーションなどに成功した。
以下、本発明に係る画像形成方法の具体例について説明する。
<実施例1>
図1は、本発明の画像形成装置の一構成例を示すブロック図である。
この画像形成装置1は、原画像をある条件(第1の条件)で見た時に人が感じる印象と、変換画像を別の条件(第2の条件)で見た時に人が感じる印象とが同じになるように、原画像から変換画像を生成する装置である。この画像形成装置1は、画像取得部10、条件入力部11、コントラスト感度DB(データベース)12、変換部13、表示部14などの機能を有して構成されている。
画像取得部10は、変換元の画像(原画像)のデータを取得する機能である。条件入力部11は、ユーザから画像変換処理の条件(パラメータ)を受け付ける機能である。コントラスト感度DB12は、さまざまな条件のコントラスト感度関数のデータが登録されているデータベースである。コントラスト感度関数は、人(観察者)ごとに違いがあり、厳密にいうと、同じ人でも右眼と左眼で違いがある。また、観察者と被写体の間の距離や環
境光(明るさ)などの観察条件によっても、コントラスト感度関数に違いがでる。よって、コントラスト感度DB12には、人、眼(右眼・左眼)、観察条件(距離、環境光)などの条件ごとに、コントラスト感度関数が用意されているとよい。変換部13は、原画像に対し、与えられた条件のコントラスト感度関数を考慮した変換処理を行い、変換画像を生成する機能である。表示部14は、原画像や変換画像の表示、条件入力用のGUIの表示などを行うための機能である。
画像形成装置1は、CPU(中央演算処理装置)、RAM(主記憶装置)、補助記憶装置(ハードディスクドライブなど)、入力装置(マウス、キーボードなど)、表示装置、通信IFなどを具備した汎用のコンピュータにより構成することができる。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)などの基本プログラムの他、以下に述べる画像形成方法を実現するためのプログラムが格納されている。画像形成装置1の稼働時には、CPUがこれらのプログラムを読み込み、実行することで、図1に示す各ブロックの機能が実現される。ただし、ここで述べた構成は一例であり、図1に示す機能の一部又は全部をASICやFPGAなどの回路で実現したり、ネットワーク上のサーバ(クラウド含む)で実現しても構わない。
図2は、画像形成処理の流れを示すフローチャートである。図2に沿って、画像形成装置1の動作を説明する。
まず、画像取得部10が、ユーザによって指定された原画像のデータを読み込む(ステップS20)。画像データの取得先は、装置内部の記憶装置、外部装置や記憶媒体、ネットワークストレージなどどこでもよい。あるいは、撮像装置やスキャナなどの画像入力デバイスから画像データを取得してもよい。
次に、条件入力部11が、表示部14を介して、ユーザに条件入力を促す(ステップS21)。例えば、原画像を見る時の第1の条件と変換画像を見る時の第2の条件のそれぞれについて、プルダウンメニューやリストなどから条件を指定できるようなGUIを用いるとよい。このとき、人、眼、距離、環境光など、複数の項目について個別に条件を指定できるようにしてもよい。あるいは、例えば、「最大視野角30度で観察」、「D65光源下で2mの距離から観察」、「AdobeRGBのディスプレイで表示」のように、想定される観察系ごとに、あらかじめ条件を設定したパラメータセットを用意しておいてもよい。
なお、原画像を見る時の第1の条件の情報が、原画像のデータに付加されていてもよい。例えば、原画像のヘッダに、第1の条件を表すデータ又はそれに対応するコントラスト感度関数のデータが埋め込まれているとよい。その場合には、ステップS21において、第1の条件を入力する必要がない。
以上のように、変換元の原画像と変換条件が特定されると、変換部13による画像変換処理が行われる。ステップS22では、変換部13は、原画像(第1の画像)に対し高速フーリエ変換(FFT)を施し、空間周波数に分解する。ステップS23では、変換部13は、コントラスト感度DB12から第1の条件に対応するコントラスト感度関数のデータを読み込む。コントラスト感度関数のデータは、空間周波数fごとのコントラスト感度C(f)の値が定義されたルックアップテーブルなどで与えられる。ステップS24では、変換部13は、原画像の周波数成分ごとに、対応する第1のコントラスト感度の値を掛けることで、眼から脳に伝達される情報を擬似的に生成する。このように生成された情報は、第1の条件で規定される観察系において観察者が原画像を見た時に感じる情報(以下、「認識情報」と呼ぶ)に相当する。ステップS25以降では、認識情報から第2の条件に対応する画像情報を生成する処理を行う。
ステップS25において、変換部13は、コントラスト感度DB12から第2の条件に対応するコントラスト感度関数のデータを読み込む。そして、変換部13は、認識情報を周波数成分ごとに対応する第2のコントラスト感度の値で割り(ステップS26)、その後、逆フーリエ変換により周波数合成することで、変換画像(第2の画像)を生成する(ステップS27)。
以上の処理によって、原画像を第1の条件で見た時に観察者が感じる印象と、変換画像を第2の条件で見た時に観察者が感じる印象とが(理想的には)一致するような、変換画像を形成することができる。
図3(A)と図3(B)は、上述した画像形成方法の原理を模式的に示す図である。図3(A)を参照して、画像を人間が単眼で見た時に、網膜に形成される情報と脳に送られる情報を説明する。ここでは、画像として、2次元濃淡画像を想定している。
図3(A)のレンズ30は、眼の水晶体に相当する。レンズ30から距離sだけ離れた位置にある第1の画像Aを見ている状態を示す。第1の画像Aの見込み角をΦ(A,s)とする。見込み角とは、被写体が張る視角である。第1の画像Aは網膜31上に結像され、視神経を経由し、第1の画像Aのフーリエ変換された情報F(A,s,f)に第1のコントラスト感度関数C(f)が乗算され、認識情報V1として脳に伝達される。
図3(B)は、図3(A)と同じ被写体を異なる距離で見た場合の観察系を示している。図3(B)のレンズ32も眼の水晶体に相当し、レンズ32から距離tだけ離れた位置にある第2の画像A2を見ている。第2の画像A2の見込み角をΦ(A2,t)とする。第2の画像A2は網膜33上に結像され、視神経を経由し、第2の画像A2のフーリエ変換された情報F(A2,t,g)に第2のコントラスト感度関数C(g)が乗算され、認識情報V2として脳に伝達される。
図3(A)と図3(B)では、第1の画像Aの網膜像と第2の画像A2の網膜像はレンズの原理から大きさが異なるが、もし脳に伝達される認識情報V1とV2が同じであるならば、第1の画像Aと第2の画像A2は同じものと認識されることになる。同じものと認識されるとは、第1の画像Aの見え方と第2の画像A2の見え方が同じということではなく、第1の画像Aを距離tの位置に置くと第2の画像A2のように見える、ということである。
この原理を錯視の現象から説明する。図4(A)と図4(B)はよく知られたミューラー・リヤーの錯視の例である。図4(A)の図形と図4(B)の図形では、水平線の物理的な長さは同じため、網膜像の大きさは同じとなる。しかし、人間の脳は、図4(A)の図形の方が図4(B)の図形に比べて短いと認識する。これは、人間の脳が、背景に依存して被写体の大きさを判断していることを示している。すなわち、人間の眼は、網膜像の大きさが同じであっても、異なる大きさや距離の情報を脳に伝達するのである。これを逆に考えると、視覚のコントラスト感度特性を考慮した変換が行われた結果(認識情報)が同じならば、人間は被写体を同じものだと認識する(区別がつかない)ことになる。
以上より、「情報V1=情報V2」の関係を用いることで、既知の画像Aから、画像Aと同じ被写体を別の条件で観察した状態を表す未知の画像A2を形成できることが分かる。これが本実施例の画像形成方法の原理である。
図5に、第1の画像Aから第2の画像A2を生成する処理を模式的に示す。図5では、空間周波数をωで表すときの視覚のコントラスト感度関数をC(ω)と表す。
2次元濃淡画像で与えられる第1の画像Aを距離sで観察した時の見込み角をΦ(A,s)、見込み角Φ(A,s)の最大値と最小値の範囲内で定義される空間周波数をfとし、画像Aの明度をフーリエ変換した結果をF(A,s,f)とする。一方、第2の画像A2を距離tで観察した時の見込み角をΦ(A2,t)、見込み角Φ(A2,t)の最大値と最小値の範囲内で定義される空間周波数をgとし、画像A2の明度をフーリエ変換した結果をF(A2,t,g)とする。そうすると、
g=f×Φ(A,s)÷Φ(A2,t) (式1)
F(A2,t,g)=F(A,s,f)×C(f)÷C(g) (式2)
である。
式1は、空間周波数(f)の座標に実数(Φ(A,s)÷Φ(A2,t))を掛けて、第2の画像の観察系での空間周波数(g)を計算する式であり、第1の画像と第2の画像の間のスケール調整を行う操作に相当する。第1の画像と第2の画像の見込み角が同じ場合には、g=fとなるため、式1の操作は必要ない。式2で得られるF(A2,t,g)を空間周波数gにより逆フーリエ変換すると、画像A2を形成することができる。
なお、本実施例では、2次元濃淡画像を例示したが、原画像がカラー画像である場合には、原画像を所定の色空間において複数の濃淡画像(カラープレーン)に分解し、それぞれの濃淡画像に対して上述した変換処理を行えばよい。色空間としては、例えば、CIELab色空間を用い、L*、a*、b*の各軸の濃淡画像を用いるとよい。他にも、RGB、HSV、XYZなど、どのような色空間を用いてもよい。カラー画像を複数の濃淡画像に分解し、各画像に対し変換処理を行い、得られた変換画像を合成することで、遠近感や色や濃度が実際の物を見た状況に近いカラー画像を得ることができる。
<実施例2>
図6は、本発明の実施例2の画像形成方法の手順を模式的に示す図である。実施例2では、若年者が若年者用の画像を最大視野角1で見る時に脳で受け取る刺激と、高齢者が高齢者用の画像を同じ最大視野角1で見る時に脳で受け取る刺激とが等しくなるように画像形成する。すなわち、観察者から被写体までの距離は同じであるが、観察者が異なる、という条件である。なお、画像形成装置の構成は実施例1と同様のため、説明を割愛する。また、画像形成処理の流れは図2のフローチャートと同じため、以下の説明では同じステップ番号を用いる。
まず、画像取得部10が、若年者用の画像Aのデータを読み込む(ステップS20)。次に、条件入力部11が、ユーザに条件入力を促す(ステップS21)。ここでは、第1の条件として、「若年者が最大視野角1で観察」との条件が、第2の条件として、「高齢者が最大視野角1で観察」との条件が入力されるものとする。
変換部13は、若年者用の画像に対し高速フーリエ変換を施し、周波数分解を行う(ステップS22)。そして、変換部13は、コントラスト感度DB12から「若年者、最大視野角1」に対応するコントラスト感度関数のデータを読み込み(ステップS23)、若年者用の画像の周波数成分ごとにコントラスト感度の値を乗算する(ステップS24)。続いて、変換部13は、コントラスト感度DB12から「高齢者、最大視野角1」に対応するコントラスト感度関数のデータを読み込み(ステップS25)、ステップS24の結果をそのコントラスト感度の値で割る(ステップS26)。その後、変換部13は、逆フーリエ変換により周波数合成することで、高齢者用の画像を形成する(ステップS27)。
以上の処理によって、若年者用の画像を最大視野角1となる距離で見た時に若年者が感
じる印象と、高齢者用の画像を同じ距離で見た時に高齢者が感じる印象とが(理想的には)一致するような、画像を形成することができる。
なお、本実施例では、異なる観察者として、若年者と高齢者の組み合わせを例示したが、観察者の組み合わせはこれに限られない。例えば、異なる人種や民族の組み合わせであってもよいし、男性と女性の組み合わせであってもよいし、大人と子供の組み合わせであってもよい。すなわち、視覚特性が違う観察者どうしであれば、本実施例の方法を好ましく適用できる。
<実施例3>
図7は、本発明の実施例3の画像形成方法の手順を模式的に示している。実施例3では、観察者Aが画像を見た時に得る感覚を異なる観察者Bが得るための画像形成方法の一例を示す。なお、装置構成などは実施例1と同じであるため、詳しい説明は割愛する。
観察者Aが観察者A用の画像を最大視野角1で見た時と、観察者Bが観察者B用の画像を同じ最大視野角1で見た時とで、観察者Aと観察者Bが同じ印象を抱くように、観察者A用の画像から観察者B用の画像を形成する例を示す。
まず、観察者Aが観察者A用の画像を最大視野角1で見た時に網膜上に形成される網膜像をFFTで周波数分解し、空間周波数に応じた観察者Aのコントラスト感度を掛ける。そして、最大視野角2の観察者Aのコントラスト感度で割り、逆FFTで周波数合成することで、最大視野角2の中間画像を形成する。
ここで、最大視野角2は十分に小さく、観察者A用の画像が遠方にある場合に相当する。この変換で中間画像をCIELab色空間に分解した場合、L*、a*、b*のいずれのカラーチャネルでも、画素のヒストグラムが概略ガウス分布を形成することが実験によりわかっている。また、観察者Aは中間画像と観察者A用の画像を同じものと認識することは本発明の原理から明らかである。
次に、観察者B用の画像を形成する処理工程について説明する。まず、観察者Bが中間画像を最大視野角2で見た時に網膜上に形成される画像をFFTで周波数分解し、空間周波数に応じた観察者Bのコントラスト感度を掛ける。そして、最大視野角1の観察者Bのコントラスト感度で割り、逆FFTで周波数合成することで、最大視野角1の観察者B用の画像を形成する。
ここで、観察者A用の画像から観察者B用の画像へと変換する処理は逆変換可能な可逆過程である。よって、観察者B用の画像の画質の劣化は無い。さらに、観察者Bは中間画像と観察者B用の画像を同じものと認識するため、観察者Aと観察者Bは同じ中間画像を最大視野角2で見る状態を共有する。中間画像は、観察者Aにとっても観察者Bにとっても、それぞれに提示された画像から認知する想像物であり、観察者Aも観察者Bも同じ感覚を受け取ることが可能となる。
ここで、最大視野角2が十分に小さいということは中間画像が十分に遠くにあるということであり、これによって、例えば観察者Aと観察者Bは遠方の空の青さを同じ青さとして意識することが可能となる。
また、画素のヒストグラムが多少異なる形であっても、濃度の順序と画素位置の関係が保たれる限り、画像から受け取る印象が変わらないことも実験によりわかっている。このことを利用して、中間画像の画素濃度を変えて、観察者Aの視力と観察者Bの視力が異なることを補正することも可能である。
<変形例>
上記各実施例において、第1の画像(原画像)と第2の画像(変換画像)は、異なる画像出力デバイスで出力されていてもよい。例えば、第1の画像を加色混合画像出力デバイスであるディスプレイで形成し、第2の画像を減色混合画像出力デバイスであるプリンタで形成してもよい。この場合、第1の画像に適用するコントラスト感度は、第1の画像の観察者のディスプレイに対するコントラスト感度であり、第2の画像に適用するコントラスト感度は第2の画像(プリンタによる印刷物)に対するコントラスト感度である。また、同種のデバイスの異なる機種間(例えば、PCのディスプレイとスマートフォンのディスプレイなど)での画像変換に本発明を適用してもよい。
また、第1のコントラスト感度関数として右眼と左眼のうち一方の眼のコントラスト感度関数を用い、第2のコントラスト感度関数として他方の眼のコントラスト感度関数を用いてもよい。これにより、右眼で見る映像と左眼で見る映像の印象を一致させることができる。例えば、右眼と左眼に異なる映像を入力することで立体映像を構成する方式のディスプレイにおいて、この方法を適用すれば、右眼と左眼のコントラスト感度特性の違いを吸収し、高品位な立体映像を観察することが可能となる。
また、変換画像として得られた第2の画像を、当該画像の観察距離に合わせてスケール変換(拡大又は縮小)してもよい。具体的には、画像の見込み角が同じになるように、観察距離が大きい場合は画像サイズも大きく、観察距離が小さくなるほど画像サイズを小さくするのである。見込み角が同じ場合、(遠近感を無視すれば)観察者に同じものと認識させることができる。例えば、10mの距離で映画館のスクリーンで観察することを想定して第2の画像を生成した場合に、その画像を家庭用TV装置で見るのであれば、観察距離が4m程度と近くなるのでそれに合わせて画像サイズを縮小すればよい。これにより、TV装置映画館のスクリーンで見た場合と家庭用TV装置の画面で見た場合とで観察者に同じ印象を抱かせることができる。なお、拡大又は縮小する際には、画像の縦横比を維持したまま変換するとよい。
1:画像形成装置、10:画像取得部、11:条件入力部、13:変換部、14:表示部

Claims (12)

  1. 第1の画像をフーリエ変換する第1のステップと、
    第1のステップの結果に対し、第1のコントラスト感度関数の値を掛ける第2のステップと、
    第2のステップの結果を、前記第1のコントラスト感度関数とは異なる第2のコントラスト感度関数の値で割る第3のステップと、
    前記第3のステップの結果を逆フーリエ変換することで、前記第1の画像と異なる第2の画像を形成する第4のステップと、
    を含むことを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記第1のコントラスト感度関数として、第1の画像を観察する人の視覚のコントラスト感度関数を用い、
    前記第2のコントラスト感度関数として、第2の画像を観察する人の視覚のコントラスト感度関数を用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記第1のコントラスト感度関数として、右眼と左眼のうち一方の眼のコントラスト感度関数を用い、
    前記第2のコントラスト感度関数として、右眼と左眼のうち他方の眼のコントラスト感度関数を用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  4. 前記第1のコントラスト感度関数として、第1の観察条件のコントラスト感度関数を用い、
    前記第2のコントラスト感度関数として、前記第1の観察条件とは異なる第2の観察条件のコントラスト感度関数を用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  5. 前記第1の画像を出力するデバイスと前記第2の画像を出力するデバイスとが互いに異なる
    ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6. 第1の画像をA、
    第1の画像を距離sだけ離れた位置から観察したときの見込み角をΦ(A,s)、
    第1の画像の空間周波数をf、
    第1のコントラスト感度関数をC(f)、
    第1の画像Aのフーリエ変換をF(A,s,f)、
    第2の画像をA2、
    第2の画像を距離tだけ離れた位置から観察したときの見込み角をΦ(A2,t)、
    第2の画像の空間周波数をg、
    第2のコントラスト感度関数をC(g)とした場合に、
    前記第4のステップでは、
    g=f×Φ(A,s)÷Φ(A2,t) (式1)
    F(A2,t,g)=F(A,s,f)×C(f)÷C(g) (式2)
    で得られるF(A2,t,g)を空間周波数gにより逆フーリエ変換することで、第2の画像A2を形成する
    ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. 前記第2の画像を観察するときの距離に応じて、前記第2の画像を拡大又は縮小するス
    テップをさらに含む
    ことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の画像形成方法。
  8. 前記第1の画像および前記第2の画像は、2次元の濃淡画像である
    ことを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の画像形成方法。
  9. カラー画像が与えられた場合に、前記カラー画像を所定の色空間において複数の濃淡画像に分解し、各濃淡画像を第1の画像として前記第1のステップから第4のステップの処理を行い、各濃淡画像から形成された複数の第2の画像を合成することで、元のカラー画像と異なるカラー画像を形成する
    ことを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の画像形成方法。
  10. 前記所定の色空間は、CIELab色空間である
    ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成方法。
  11. 請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の画像形成方法の各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  12. 第1の画像を取得する画像取得部と、
    第1のコントラスト感度関数及び第2のコントラスト感度関数の条件を入力する条件入力部と、
    前記画像取得部で取得された前記第1の画像と、前記条件入力部で入力された前記第1のコントラスト感度関数及び前記第2のコントラスト感度関数を用い、請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の画像形成方法により、前記第1の画像と異なる第2の画像を形成する変換部と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
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