JP2016092494A - 符号化装置、符号化方法、及び、プログラム - Google Patents

符号化装置、符号化方法、及び、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】符号化情報量の消費を抑制し、映像全体の画質低下を抑制する動画像符号化装置、動画像符号化方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】ダミー量子化値挿入部60は、符号化対象のCU(Coding Unit)が先頭CUである場合に、レート制御量子化値で量子化された量子化変換係数の全てがゼロであるか否かを判定し、量子化変換係数が全てゼロの場合に、いずれかの係数を非ゼロにした無歪み係数付加量子化変換係数を生成する。そして、非ゼロ係数に対応するTU(Transform Unit)に基づいて、復号予測誤差ブロックの値がゼロとなる量子化値を無歪み量子化値として選択する。符号化対象の先頭CUの予測誤差に対する、先頭CUが属する量子化設定単位の他のCUの予測誤差の大きさに応じて、無歪み量子化値より大きな値の補正最適量子化値を生成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、符号化装置、符号化方法、及び、プログラムに関する。
これまでCentral Processing Unit(CPU)やLarge Scale Integrated(LSI)では動作周波数の増加により処理能力を向上させてきた。しかし、消費電力等の要因から動作周波数の増加による処理能力の向上が難しくなり、複数CPUコアや並列処理により処理能力の増加を行うようになってきている。
また、符号化技術では、さらなる圧縮率の向上を実現するために、複雑で処理負荷の高いアルゴリズムが採用されてきている。そのため、符号化装置では、負荷の高い処理を高速化するために、符号化対象の画像を画面内で分割して並列処理する等の並列処理が行われている。
画像符号化の国際標準であるMPEG−4 AVC(ISO/IEC 14496−10|ITU−T H.264)(以下、単にH.264という)及びHigh Efficiency Video Coding(HEVC,ISO/IEC 23008−2|ITU−T H.265)(以下、単にHEVCという)に準拠した動画像符号化装置では、入力された原画像は、符号化単位となる矩形のブロックに分割される。そして、画像の空間的・時間的類似性(相関)を利用したイントラ予測(フレーム内予測)あるいはインター予測(フレーム間予測)により生成される予測ブロック(イントラ予測ブロックあるいはインター予測ブロック)を、各ブロックから減算して、空間的・時間的冗長性が取り除かれた予測誤差ブロックを生成する。
そして、予測誤差ブロックに対し、空間的な相関が高いことを利用して冗長性を低減する周波数変換を行い、その後、量子化を行うことで、量子化変換係数を生成する。そして、量子化変換係数に対し、可変長符号化を行い、符号化データストリームとして出力する。また、量子化変換係数に対して、逆量子化・逆周波数変換を行うことで予測誤差ブロックを復元し、復元した予測誤差ブロックに予測ブロックを加算することで、復号ブロックを生成する。そして、復号ブロックに対して、デブロッキングフィルタ処理を適用し、局所復号ブロックを生成する。局所復号ブロックは、以降に符号化される画像のインター予測(フレーム間予測)時に参照される。
ここで、H.264とHEVCの規格の相違点について簡単に説明する。まず、符号化を行う処理単位である符号化単位は、H.264では、図21Aに示すように、マクロブロックである。マクロブロックは、16画素×16画素の矩形ブロックである。これに対し、HEVCでは、図21Bと図21Cに示すように、符号化対象の画像をCoding Tree Unit(CTU)に分割し、CTUを更に分割したCoding Unit(CU)を符号化単位としている。CTUは、16画素×16画素、32画素×32画素、64画素×64画素から選択可能である。また、CUは、図21Cに示すように、CTUを再帰的に四分木分割したものである。CUのサイズは、属するCTUのサイズと等しいか又はそれ以下のサイズであり、8画素×8画素、16画素×16画素、32画素×32画素、64画素×64画素から選択可能である。なお、図21Aは、H.264の場合の符号化単位を説明するための図であり、図21Bと図21Cは、いずれも、HEVCの場合の符号化単位を説明するための図である。
周波数変換を行う処理単位である周波数変換単位は、H.264では、図22Aに示すように、マクロブロックを4画素×4画素に分割したブロックである。なお、符号化対象の画面が大きい場合には、8画素×8画素も可能となっている。HEVCでは、図22Bに示すように、周波数変換単位はTransform Unit(TU)と称されており、CUを再帰的に分割した構造となっている。TUのサイズは、属するCUのサイズ以下であり、4画素×4画素、8画素×8画素、16画素×16画素、32画素×32画素から選択することが可能である。図22Bの例では、例えば、32画素×32画素のCUを、16画素×16画素と8画素×8画素のTUに分割した場合を示している。なお、図22Aは、H.264の場合の周波数変換単位を説明するための図であり、図22Bは、HEVCの場合の周波数変換単位を説明するための図である。
変換係数の量子化処理の調整を行うパラメータである量子化値(Quantization Parameter(QP))を符号化する処理単位である量子化設定単位(Quantization Group(QG))は、H.264では、図23Aに示すように、マクロブロック単位である。これに対し、HEVCでは、図23Cに示すように、1つの量子化値QPを複数のCUが共用することが可能である。量子化設定単位QGのサイズは、最小CUサイズからCTUサイズの間で、8画素×8画素、16画素×16画素、32画素×32画素、64画素×64画素から選択可能である。図23Bの例は、CTUが64画素×64画素で、量子化設定単位QGが16画素×16画素の場合の例であり、図23Cは、量子化設定単位QGが32画素×32画素の場合の例である。量子化設定単位QGが32画素×32画素の場合、量子化値QP2と量子化値QP3は、複数のCUで共用されている。なお、図23Aは、H.264の場合の量子化設定単位QGを説明するための図であり、図23Bと図23Cは、いずれも、HEVCの場合の量子化設定単位QGを説明するための図である。
H.264では、画面内を並列に符号化処理する場合には、図24に示すように、符号化単位であるマクロブロックの水平ライン(以下、マクロブロックラインという)を単位として、符号化対象の画像を垂直方向に分割して処理することが一般的である。分割されたマクロブロックラインを(物理的に、あるいは、論理的に)複数のCPUに割り当てることで、並列に符号化処理を行っている。各マクロブロックラインの先頭のマクロブロックの量子化値QPを予め決めておき、CPUが各々担当するマクロブロックラインの符号化を並行して行う。可変長符号化処理において、符号化データストリームに符号化する量子化値情報は、直前の符号化単位の量子化値QPとの差分値である。例えば、図24を参照して、上から2番目のマクロブロックラインの先頭のマクロブロックMB_Currで符号化される量子化値情報は、直前のマクロブロックライン(一番上のマクロブロックライン)の最後のマクロブロックMB_Prevの量子化値をQPAEND、MB_Currの量子化値をQPとすると、QP−QPAENDとなる。なお、図24は、符号化処理を並列に行った場合の、従来技術の問題点を説明するための図である。
H.264では、符号化対象のマクロブロックに非ゼロの量子化変換係数が1つもない場合には、このマクロブロックにおいては量子化値情報が符号化されない。この場合、符号化データストリームの復号時にこのマクロブロックに適用する量子化値は、符号化時の量子化値ではなく、処理順で直前のマクロブロックの量子化値と同じ値とすることが規定されている。
例えば、図24を参照して、符号化対象のマクロブロックが、マクロブロックラインの先頭のマクロブロックであるMB_Currである場合、処理順で直前のマクロブロックは、一番上のマクロブロックラインの最後のマクロブロックMB_Prevとなる。つまり、画面内を並列処理した結果、マクロブロックラインの先頭のマクロブロックにおいて量子化変換係数が全て“0”になった場合、符号化装置と復号装置とで異なった量子化値でデブロッキングフィルタ処理が行われてしまう。そのため、符号化装置の局所復号ブロックと復号装置の局所復号ブロックが異なってしまう。その結果、符号化装置で予測に用いた画像と異なる画像が、復号装置側で復号した予測誤差に加算されるため、復号装置の復号画像の画質が劣化するという問題がある。
この問題は、例えば、符号化対象のマクロブロックにおいて非ゼロ係数を含む量子化変換係数を発生させることで解決することができる(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1で提案されている方法は、マクロブロックラインの先頭のマクロブロックに非ゼロの量子化変換係数が1つもない場合に、いずれか1つの量子化変換係数(通常はDC成分の係数)を非ゼロの整数(例えば、“1”)に置換すると共に、非ゼロ係数を付加した量子化変換係数を逆量子化・逆周波数変換しても予測誤差ブロックの画素値が全て“0”となる小さな量子化値(ダミー量子化値)に、適用する量子化値を変更する。適用する量子化値をダミー量子化値に変更することにより、量子化値情報を符号化することが可能になる。また、量子化変換係数を置換しない場合と同一の局所復号ブロックを得ることができるため、非ゼロ係数の付加に起因するノイズが発生を抑えることが可能となる。更に、非ゼロの量子化変換係数を発生させることで、符号化装置と復号装置の局所復号ブロックの相違を抑制し、画質劣化を抑制することが可能となる。
特開2007−251758号公報
しかしながら、特許文献1で提案されている方法では、非ゼロ係数による情報量と、量子化値情報量(直前の量子化設定単位QG(H.264の場合は、符号化単位)の量子化値QPとの差分)が増加してしまうことが多いという問題(第1の問題)がある。このように量子化値情報量が増加するのは、逆量子化・逆周波数変換を行っても予測誤差が全て“0”になるような量子化値QPは非常に小さいため、符号化制御により決定される量子化値QPとの差分が大きくなることが多いためである。
第1の問題については、符号化装置における符号時の復号画像と復号装置における復号画像のミスマッチを抑制するために設定するダミー量子化値を、非ゼロ係数の付加に起因する画質劣化を抑えつつ、なるべく大きくすることで解決することができる。つまり、この問題は、非ゼロ係数の付加に起因する画質劣化と、量子化値を小さくすることで増加する符号化情報量とのトレードオフを考慮して、最適な量子化値を決定することで解決することができる。しかしながら、このような量子化値は依然として小さいため、先頭CUの予測誤差と比較して、CU_Followの予測誤差が大きいと、多くの符号化情報量を消費してしまい、映像全体における画質が低下してしまう。
また、特許文献1で提案されている方法を、HEVCに適用した場合、HEVCでは上述したように、複数のCUに対して1つの量子化値を割り当てる場合がある。例えば、符号化対象の画像を分割したスライスの先頭のCTUの最初のCU(以下、先頭CUという)が属する量子化設定単位QGに先頭CU以外のCU(以下、CU_Followという)が存在する場合、つまり、先頭CUのサイズが量子化設定単位QGより小さい場合を想定する。この場合、先頭CUの量子化変換係数が全て“0”だとすると、小さく変更された量子化値QP(ダミー量子化値)は、先頭CUが属する量子化設定単位QGの他のCU(CU_Follow)に対しても適用されることとなる。そのため、先頭CUの予測誤差と比較して、CU_Followの予測誤差が大きいと、通常の場合と比較して、非ゼロの量子化変換係数が多く発生しまう。そのため、通常の場合と比較して、多くの符号化情報量を消費するため、映像全体における画質が低下してしまう(第2の問題)。
一つの側面では、符号化対象の画像を分割したスライスの先頭のCUの量子化変換係数が全て“0”の場合に、非ゼロ係数を付加するCU(先頭のCU)が属する量子化設定単位QGの他のCU(CU_Follow)の予測誤差が、先頭のCUの予測誤差と比較して大きくても、符号化情報量の消費を抑制し、映像全体の画質低下を抑制することを可能とする符号化装置、符号化方法、及び、プログラムを提供することを課題とする。
一態様における符号化装置は、符号化対象の画像を複数のブロックに分割し、複数のブロックから構成される領域毎に並列に符号化処理し、ブロックを分割した符号化を行う単位である第1サブブロックのサイズとブロックを分割した量子化幅を確定する量子化値が符号化される単位である第2サブブロックのサイズとが異なる符号化装置であって、第1量子化値に基づいて第1サブブロックを符号化する第1符号化手段と、符号化対象の第1サブブロックが、属するブロックの符号化処理順において先頭の第1サブブロックであるか否かを判定する第1判定手段と、符号化対象の第1サブブロックが先頭の第1サブブロックである場合に、第1符号化手段により量子化された変換係数である量子化変換係数の全てがゼロであるか否かを判定する第2判定手段と、量子化変換係数の全てがゼロである場合に、量子化変換係数のいずれかの係数に非ゼロの値を付加した第1係数付加量子化変換係数を生成する第1付加手段と、非ゼロの値を付加した係数に対応する、逆量子化して復元される予測誤差ブロックである復号予測誤差ブロックの値がゼロとなる量子化値を第1候補値として選択する第1選択手段と、符号化対象の先頭の第1サブブロックの予測誤差に対する、該先頭の第1サブブロックが属する第2サブブロックの他の第1サブブロックの予測誤差の大きさに応じて、第1候補値より大きな値の第2量子化値を生成する生成手段と、第1係数付加量子化変換係数と第2量子化値とを符号化データとして設定する設定手段と、量子化変換係数に非ゼロの値を付加した場合に、第2量子化値に基づいて、符号化対象の先頭の第1サブブロックが属する第2サブブロックの他の第1サブブロックを符号化する第2符号化手段と、を備えることを特徴としている。
一態様における符号化方法は、符号化対象の画像を複数のブロックに分割し、複数のブロックから構成される領域毎に並列に符号化処理し、ブロックを分割した符号化を行う単位である第1サブブロックのサイズとブロックを分割した量子化幅を確定する量子化値が符号化される単位である第2サブブロックのサイズとが異なる符号化装置の符号化方法であって、第1量子化値に基づいて第1サブブロックを符号化し、符号化対象の第1サブブロックが、属するブロックの符号化処理順において先頭の第1サブブロックであるか否かを判定し、符号化対象の第1サブブロックが先頭の第1サブブロックである場合に、第1量子化値で量子化された変換係数である量子化変換係数の全てがゼロであるか否かを判定し、量子化変換係数の全てがゼロである場合に、量子化変換係数のいずれかの係数に非ゼロの値を付加した第1係数付加量子化変換係数を生成し、非ゼロの値を付加した係数に対応する、逆量子化して復元される予測誤差ブロックである復号予測誤差ブロックの値がゼロとなる量子化値を第1候補値として選択し、符号化対象の先頭の第1サブブロックの予測誤差に対する、該先頭の第1サブブロックが属する第2サブブロックの他の第1サブブロックの予測誤差の大きさに応じて、第1候補値より大きな値の第2量子化値を生成し、第1係数付加量子化変換係数と第2量子化値とを符号化データとして設定し、量子化変換係数に非ゼロの値を付加した場合に、第2量子化値に基づいて、符号化対象の先頭の第1サブブロックが属する第2サブブロックの他の第1サブブロックを符号化する、ことを特徴としている。
一態様におけるプログラムは、符号化対象の画像を複数のブロックに分割し、複数のブロックから構成される領域毎に並列に符号化処理し、ブロックを分割した符号化を行う単位である第1サブブロックのサイズとブロックを分割した量子化幅を確定する量子化値が符号化される単位である第2サブブロックのサイズとが異なる符号化装置のコンピュータに、第1量子化値に基づいて第1サブブロックを符号化し、符号化対象の第1サブブロックが、属するブロックの符号化処理順において先頭の第1サブブロックであるか否かを判定し、符号化対象の第1サブブロックが先頭の第1サブブロックである場合に、第1量子化値で量子化された変換係数である量子化変換係数の全てがゼロであるか否かを判定し、量子化変換係数の全てがゼロである場合に、量子化変換係数のいずれかの係数に非ゼロの値を付加した第1係数付加量子化変換係数を生成し、非ゼロの値を付加した係数に対応する、逆量子化して復元される予測誤差ブロックである復号予測誤差ブロックの値がゼロとなる量子化値を第1候補値として選択し、符号化対象の先頭の第1サブブロックの予測誤差に対する、該先頭の第1サブブロックが属する第2サブブロックの他の第1サブブロックの予測誤差の大きさに応じて、第1候補値より大きな値の第2量子化値を生成し、第1係数付加量子化変換係数と第2量子化値とを符号化データとして設定し、量子化変換係数に非ゼロの値を付加した場合に、第2量子化値に基づいて、符号化対象の先頭の第1サブブロックが属する第2サブブロックの他の第1サブブロックを符号化する、処理を実行させることを特徴としている。
一つの側面では、符号化対象画像の左端に位置し、共通の量子価値を適用する複数のサブブロック(QG単位)での先頭のサブブロック(先頭のCU)の量子化変換係数が全て“0”の場合に、非ゼロ係数を付加する先頭のサブブロックが属する他のサブブロック(CU_Follow)の予測誤差が、先頭のサブブロックの予測誤差と比較して大きくても、符号化情報量の消費を抑制し、映像全体の画質低下を抑制することが可能となる。
実施形態における動画像符号化装置の構成例を示す機能ブロック図である。 実施形態における制御部内の情報の概略的な流れを示す図である。 実施形態における量子化値範囲管理テーブルの例を示す図である。 実施形態における符号化部の構成例を示す機能ブロック図である。 実施形態における一つの符号化部に注目した場合の制御部内の情報の概略的な流れを示す図である。 実施形態における符号化対象画像の分割態様の例を示す図である。 実施形態における符号化対象画像の分割態様の別の例を示す図である。 実施形態におけるダミー量子化値挿入部の構成例を示す機能ブロック図である。 実施形態におけるダミー量子化値挿入部内の情報の概略的な流れを示す図である。 実施形態における量子化値候補生成部の構成例を示す機能ブロック図である。 実施形態における符号化条件選択部の構成例を示す機能ブロック図である。 実施形態における量子化値補正部の構成例を示す機能ブロック図である。 AとBは、いずれも、実施形態における補正最適量子化値の特定方法を説明するための図である。 実施形態における符号化処理のフローを説明するためのフローチャートの例である。 実施形態におけるダミー量子化値挿入処理のフローを説明するためのフローチャートの例である。 実施形態における最適量子化値特定処理のフローを説明するためのフローチャートの例である。 実施形態におけるイントラ処理のフローを説明するためのフローチャートの例である。 実施形態におけるインター処理のフローを説明するためのフローチャートの例である。 実施形態における局所復号ブロック生成処理のフローを説明するためのフローチャートの例である。 実施形態における動画像符号化装置のハードウェア構成の例を示す図である。 Aは、H.264の場合の符号化単位を説明するための図であり、BとCは、いずれも、HEVCの場合の符号化単位を説明するための図である。 Aは、H.264の場合の周波数変換単位を説明するための図であり、Bは、HEVCの場合の周波数変換単位を説明するための図である。 Aは、H.264の場合の量子化設定単位を説明するための図であり、BとCは、いずれも、HEVCの場合の量子化設定単位を説明するための図である。 符号化処理を並列に行った場合の、従来技術の問題点を説明するための図である。
以下に本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態における動画像符号化装置1の構成例を示す機能ブロック図である。図2は、本実施形態における制御部40内の情報の概略的な流れを示す図である。
本実施形態における動画像符号化装置1は、例えばHEVCのように入力された動画像の各画像を多段階に分割して符号化することが可能な符号化方式に従って、符号化対象の各画像を符号化する装置である。つまり、本実施形態における動画像符号化装置1は、例えばHEVCであれば、CTUライン毎に、並列に符号化処理する装置である。本実施形態における動画像符号化装置1は、図1に示すように、入力部10と、記憶部20と、出力部30と、制御部40と、を含んでいる。
入力部10は、例えば、カメラを接続するための機器インターフェース、あるいは、通信モジュールなどで構成され、外部装置から処理対象の動画像の画像を順次受け付ける。そして、入力部10は、受け付けた画像を、分割部41(詳しくは後述)に出力する。この際、入力部10は、受け付けた画像をバッファ(不図示)に順次格納し、分割部41は、符号化処理のタイミングに合わせてバッファから処理対象の画像を順次取得してもよい。
記憶部20は、例えば、Random Access Memory(RAM)、Read Only Memory(ROM)、Hard Disk Drive(HDD)などを備えている。記憶部20は、制御部40が備える、例えば、CPUのワークエリア、動画像符号化装置1全体を制御するための動作プログラムなどの各種プログラムを格納するプログラムエリアとして機能する。また、記憶部20は、量子化された変換係数(以下、量子化変換係数という)の周波数ごとの重みを調整するための行列であるスケーリングリスト(ScalingList)や、量子化値範囲管理テーブルT1(詳しくは後述)などの各種データを格納するデータエリアとして機能する。
また、記憶部20は、図1に示すように、局所復号画像記憶部21として機能する。局所復号画像記憶部21は、デブロッキングフィルタ59(詳しくは後述)により生成された局所復号ブロックを格納する。格納されている局所復号ブロックは、予測ブロックを生成する際に参照される。
ここで、図3を参照して、本実施形態における量子化値範囲管理テーブルT1について説明する。図3は、本実施形態における量子化値範囲管理テーブルT1の例を示す図である。量子化値範囲管理テーブルT1は、逆量子化・逆周波数変換処理より復元された予測誤差ブロックの値rij(詳しくは後述)が“0”になる量子化値QPの範囲(以下、QP範囲という)をスケーリングリストDCの値毎に管理しているテーブルである。
量子化値範囲管理テーブルT1のTUサイズとQP範囲の対応関係からわかるように、TUサイズが大きいほどQP範囲の最大値が大きくなる。また、画像内では、局所的には空間的相関があるため、符号化対象のCUのレート制御量子化値QPrcは、周囲のCUにおいて使用されるレート制御量子化値QPrcと近い値となる。つまり、選択可能なTUサイズの内で最大のTUサイズにおけるQP範囲の最大値を無歪み量子化値QPndとすることで、量子化値の符号化情報量の増加を抑制することが可能となる。
出力部30は、例えば、通信モジュールなどを備えており、結合部43(詳しくは後述)により生成された符号化データストリームを出力する。
制御部40は、例えば、CPUなどを備えており、記憶部20のプログラムエリアに格納されている動作プログラムを実行する。動作プログラムを実行することで、制御部40は、図1に示すように、分割部41と、複数の符号化部42(42−1〜42−n)と、結合部43としての機能を実現する。また、制御部40は、動画像符号化装置1全体を制御する制御処理や詳しくは後述の符号化処理などの処理を実行する。なお、以下において、各符号化部42−1〜42−nを区別する必要がない場合には、符号化部42として総称する。
分割部41は、動画像の各画像を、水平方向にCTUが並んだCTUラインごとに分割する。そして、分割部41は、図2に示すように、各CTUラインのデータを、それぞれ、符号化部42−1〜42−nの何れかに出力する。なお、分割対象の画像は、フレーム又はフィールドの何れであってもよい。フレームは、動画像中の一つの静止画像であり、フィールドは、フレームから奇数行のデータあるいは偶数行のデータのみを取り出すことにより得られる静止画像である。
符号化部42は、入力されたCTUラインに含まれる各CTUを符号化する。そして、符号化部42は、図2に示すように、入力されたCTUラインに含まれる各CTUの符号化データを結合部43に出力する。なお、符号化部42については、更に詳細に後述する。
結合部43は、入力された各CTUの符号化データに基づいて、動画像の符号化データストリームを生成し、出力部30を介して、生成した符号化データストリームを出力する。
より具体的には、結合部43は、入力された各CTUの符号化データを、一番上のCTUラインに含まれるCTUの符号化データからラスタスキャン順に結合する。そして、結合部43は、そのデータストリームに含まれる各種の符号化データを、生起確率が高い信号値ほど短くなるように可変長符号化する。この際、可変長符号化として、結合部43は、例えば、コンテキスト適応可変長符号化(Context−based Adaptive Variable Lenght Coding(CAVLC))、あるいはコンテキスト適応バイナリ算術符号化(Context−based Adaptive Binary Arithmetic Coding(CABAC))を用いることができる。
結合部43は、可変長符号化により生成されたデータストリームに所定の符号化データのフォーマットに従ってヘッダ情報などを付加することで、符号化対象の画像の符号化データストリームを生成する。また、結合部43は、画像毎の符号化順序に従って、各画像の符号化データストリームを結合し、結合した符号化データストリームに所定の符号化データのフォーマットに従ってヘッダ情報などを付加することで、動画像の符号化データストリームを生成する。
次に、図4と図5を参照して、本実施形態における符号化部42について詳細に説明する。図4は、本実施形態における符号化部42の構成例を示す機能ブロック図である。図5は、本実施形態における一つの符号化部42に注目した場合の制御部40内の情報の概略的な流れを示す図である。
符号化部42のそれぞれは、図4に示すように、イントラ予測部51と、インター予測部52と、予測ブロック選択部53と、予測誤差ブロック生成部54と、符号化制御部55と、変換・量子化部56と、逆量子化・逆変換部57と、復号ブロック生成部58と、デブロッキングフィルタ59と、ダミー量子化値挿入部60と、を含んでいる。
イントラ予測部51は、予測対象ブロックに対しイントラ予測(フレーム内予測)を適用し、イントラ予測ブロックを生成する。そして、イントラ予測部51は、図5に示すように、生成したイントラ予測ブロックを予測ブロック選択部53に出力する。イントラ予測は、符号化済みの隣接ブロックの画素値から予測対象ブロックの画素値を予測することでイントラ予測ブロックを生成するものである。
インター予測部52は、局所復号画像記憶部21に格納されている局所復号ブロックを参照画像として、予測対象ブロックに対しインター予測(フレーム間予測)を適用し、インター予測ブロックを生成する。そして、インター予測部52は、図5に示すように、生成したインター予測ブロックを予測ブロック選択部53に出力する。インター予測は、時間的相関を利用してインター予測ブロックを生成するものである。
予測ブロック選択部53は、従来技術に従って、入力されたイントラ予測結果とインター予測結果を比較し、より適切な予測ブロックを選択する。そして、予測ブロック選択部53は、図5に示すように、選択した予測ブロックを、予測誤差ブロック生成部54と復号ブロック生成部58とダミー量子化値挿入部60に出力する。また、予測ブロック選択部53は、選択した予測ブロックの予測タイプを示す選択情報を生成し、生成した選択情報を変換・量子化部56とダミー量子化値挿入部60に出力する。
予測誤差ブロック生成部54は、原画ブロックから入力された予測ブロックを減算して予測誤差ブロックを生成する。そして、予測誤差ブロック生成部54は、図5に示すように、生成した予測誤差ブロックを、変換・量子化部56とダミー量子化値挿入部60に出力する。
符号化制御部55は、直前のCUにおける符号化情報量に基づいて、量子化値の予測値であるレート制御量子化値QPrcを生成する。そして、符号化制御部55は、図5に示すように、生成したレート制御量子化値QPrcを変換・量子化部56とダミー量子化値挿入部60などに出力する。
変換・量子化部56は、選択情報に基づいて、入力された予測誤差ブロックを適切なサイズのTUに分割し、TU毎に周波数変換することで、予測誤差ブロックの水平方向と垂直方向の周波数成分を表す変換係数を求める。例えば、HEVCにおいては、周波数変換として、離散コサイン変換(Discrete Cosine Transform(DCT))あるいは離散サイン変換(Discrete Sine Transform(DST))が適応的に選択され用いられる。
そして、変換・量子化部56は、TU毎の変換係数を量子化し、量子化変換係数を求める。より具体的には、変換・量子化部56は、以下の式1に従って、入力されたレート制御量子化値QPrcに基づいて、量子化ステップQstep(QP)を算出する。なお、本実施形態においては、量子化変換係数が置換されたCU(詳しくは後述)が属する量子化設定単位QGの他のCU(CU_Follow)に対しては、レート制御量子化値QPrcの替わりに、ダミー量子化値挿入部60より入力される補正最適量子化値QPcor(詳しくは後述)に基づいて量子化が行われる。これは、上述したように、量子化設定単位QG内では一度しか量子化値QPを通知することができないからである。
そして、変換・量子化部56は、以下の式2に従って、算出した量子化ステップQstep(QP)と上述したスケーリングリストとに基づいて算出される量子化幅で変換係数を量子化する。そして、変換・量子化部56は、量子化変換係数とTUの分割形態を示すTU分割情報を逆量子化・逆変換部57とダミー量子化挿入部60に出力する。
なお、式2中のc’ijは(i,j)成分の変換係数をcijとした場合の対応する量子化変換係数であり、SL(i,j)はスケーリングリストの(i,j)成分の値である。また、式2中のRound()は整数へ丸める関数であり、Sign()は正負の符号を出力する、いわゆる符号関数である。また、式2中のAbs()は絶対値を出力する関数であり、演算子‘a>>b’はパラメータaを下位方向にbビットシフト(bビット右シフト)させるシフト演算子である。
逆量子化・逆変換部57は、各TUの量子化変換係数を逆量子化し、復元された変換係数に対して逆周波数変換を行うことで、予測誤差ブロックを復元する。そして、逆量子化・逆変換部57は、図5に示すように、復元した予測誤差ブロックを復号ブロック生成部58に出力する。例えば、変換・量子化部56が周波数変換としてDCTを用いている場合には、逆量子化・逆変換部57は、逆周波数変換として逆DCT処理を行う。これにより、逆量子化・逆変換部57は、TU毎に、符号化前の予測誤差ブロックと同程度の情報を有する予測誤差ブロックを復元する。なお、以下において、復元された予測誤差ブロックを復号予測誤差ブロックと称する。
なお、本実施形態においては、量子化変換係数が置換されたCUが属する量子化設定単位QGに対しては、レート制御量子化値QPrcの替わりに、ダミー量子化値挿入部60より設定される補正最適量子化値QPcor(ダミー量子化値)に基づいて、変換・量子化部56より入力された量子化変換係数あるいはダミー量子化値挿入部60より入力された非ゼロ係数が付加された量子化変換係数の逆量子化が行われる。これは、上述したように、量子化設定単位QG内では一度しか量子化値QPを通知することができないからである。
逆量子化・逆変換部57は、より具体的には、以下の式3に従って変換係数dijを復元する。なお、式3中の演算子“a<<b”は、パラメータaを上位方向へbビットシフト(bビット左シフト)させるシフト演算子である。
復号ブロック生成部58は、TU毎に、入力された予測ブロックの各画素値に復号予測誤差ブロックの対応する値を加算することで、復号ブロックを生成する。そして、復号ブロック生成部58は、図5に示すように、生成した復号ブロックをデブロッキングフィルタ59に出力する。
デブロッキングフィルタ59は、入力された復号ブロックに対して、符号化によって生じたブロック境界の歪み(ブロックノイズ)を低減するために、デブロッキングフィルタ処理を行う。そして、デブロッキングフィルタ59は、復号ブロックに対してデブロッキングフィルタ処理を施すことにより生成される局所復号ブロックを、参照画像として局所復号画像記憶部21に格納する。これにより、インター予測時に、ブロックノイズを含んだ復号ブロックを参照することで、画質の劣化がフレーム間で伝播してしまうのを防ぐことができる。
HEVCの場合、従来では、デブロッキングフィルタ59は、量子化変換係数の1つ以上が非ゼロのCU、すなわち、量子化値QPが符号化されるCUについては、そのCU自身の量子化値QPに基づいて、デブロッキングフィルタの強度を設定する。一方、量子化変換係数の全てが“0”であるCUについては、デブロッキングフィルタ59は、既に符号化されている他のCUの量子化値QPに基づいて、デブロッキングフィルタの強度を設定する。
これに対し、本実施形態においては、デブロッキングフィルタ59は、後述するように、量子化変換係数が置換されたCU(量子化変換係数の全てが“0”であるCU)については、ダミー量子化値挿入部60により設定された補正最適量子化値QPcor(ダミー量子化値)に基づいて、例えば、HEVCの規格に従ってデブロッキングフィルタの強度を設定する。これにより、動画像符号化装置1と復号装置とで異なった量子化値QPに基づいてデブロッキングフィルタ処理させることに起因する復号装置における復号画像の画質劣化を解決することが可能となる。
ダミー量子化値挿入部60は、符号化対象の画像を分割したスライスの先頭のCTUの最初のCU(以下、先頭CUという)の量子化変換係数が全て“0”の場合に、符号化制御部55が生成するレート制御量子化値QPrcとは異なる補正最適量子化値QPcor(ダミー量子化値)を符号化処理などで用いる量子化値(符号化量子化値ともいう)として設定する。また、ダミー量子化値挿入部60は、非ゼロ係数を付加した最適量子化変換係数を生成する。そして、ダミー量子化値挿入部60は、補正最適量子化値QPcor(ダミー量子化値)を変換・量子化部56と逆量子化・逆変換部57とデブロッキングフィルタ58と結合部43に出力する。また、ダミー量子化値挿入部60は、非ゼロ係数を付加した最適量子化変換係数を逆量子化・逆変換部57と結合部43に出力する。
なお、符号化対象の画像の分割態様は任意であり、上述の図24に示したような符号化対象画像を8分割した分割態様以外であってもよい。例えば、図6に示すように、符号化対象画面を2分割したような分割態様であってもよい。また、図7に示すように、符号化対象画面を3分割したような分割態様であってもよい。さらに、図7に示すように、分割した領域の一部において、その領域の先頭のCTUが画像の左端以外になるような分割態様であってもよい。ここで、図6は、本実施形態における符号化対象画像の分割態様の例を示す図である。図7は、本実施形態における符号化対象画像の分割態様の別の例を示す図である。
一方、符号化対象の画像を分割したスライスの先頭CUの量子化変換係数が全て“0”ではない場合には、ダミー量子化値挿入部60は、補正最適量子化値QPcor(ダミー量子化値)の設定及び非ゼロ係数を付加した最適量子化変換係数の生成を行わない。この場合、ダミー量子化値挿入部60は、変換・量子化部56より入力された量子化変換係数を結合部43に出力する。
次に、図8乃至図12を参照して、ダミー量子化値挿入部60について更に詳細に説明する。図8は、本実施形態におけるダミー量子化値挿入部60の構成例を示す機能ブロック図である。図9は、本実施形態におけるダミー量子化値挿入部60内の情報の概略的な流れを示す図である。
ダミー量子化値挿入部60は、図8に示すように、量子化値候補生成部61と、RDコスト算出部62と、符号化条件選択部63と、量子化値補正部64と、を含んでいる。
図10は、本実施形態における量子化値候補生成部61の構成例を示す機能ブロック図である。量子化値候補生成部61は、ダミー量子化値の候補を生成する機能部であり、図10に示すように、無歪み係数付加量子化変換係数生成部61Aと、無歪み量子化値選択部61Bと、RD量子化値候補算出部61Cと、を含んでいる。
無歪み係数付加量子化変換係数生成部61Aは、符号化対象の画像を分割したスライスの先頭CUの量子化変換係数が全て“0”の場合に、無歪み係数付加量子化変換係数を生成する。そして、無歪み係数付加量子化変換係数生成部61Aは、図9に示すように、生成した無歪み係数付加量子化変換係数を符号化条件選択部63に出力する。無歪み係数付加量子化変換係数は、復号予測誤差ブロックの値rijが“0”となる無歪み量子化値QPnd(詳しくは後述)が無歪み量子化値選択部61Bにより選択されるTUの量子化変換係数を置換したものである。
より具体的には、無歪み係数付加量子化変換係数生成部61Aは、入力された選択情報に基づいて、符号化対象のCUがイントラCUかインターCUかを判定する。そして、インターCUの場合には、無歪み係数付加量子化変換係数生成部61Aは、分割形態を変更し、HEVCの規格においてとりうるTUサイズの中で最大サイズのTUを選択する。これは、符号化対象の画像を分割したスライスの先頭CUの量子化変換係数が全て“0”であると、インターCUの場合、分割形態を変更しても問題は生じないからである。一方、イントラCUの場合には、無歪み係数付加量子化変換係数生成部61Aは、入力されたTU分割情報が示す分割形態の中で最大サイズのTUを特定する。イントラCUの場合に、分割形態を変更せずにTUを選択するのは、分割形態を変更するとイントラ予測に用いる画素が変わってしまうからである。
そして、無歪み係数付加量子化変換係数生成部61Aは、選択したTUのDC成分を表す係数を非ゼロ(“1”又は“−1”)の値に置換することで、無歪み係数付加量子化変換係数を算出する。なお、量子化変換係数の内のどの周波数成分を表す係数が非ゼロの値に置換されてもよいが、結合部43での可変長符号化に要するビット数が少ない点で、DC成分を表す係数を非ゼロの値に置換することが好ましい。同様に、置換する非ゼロの値も、“0”以外の任意の整数値とすることができるが、結合部43での可変長符号化に要するビット数が少ない点で、“1”又は“−1”とすることが好ましい。
次に、最大サイズのTUを選択する理由について説明する。量子化変換係数のいずれかの係数が“0”から“1”に置換された場合、逆量子化・逆周波数変換により得られる、復号予測誤差ブロックの値rijも“0”から他の値に変化する。量子化変換係数のいずれかの係数を置換した場合の復号予測誤差ブロックと量子化変換係数の係数を置換しない場合の復号予測誤差ブロックとの差は、量子化変換係数の置換により生じるノイズとみなすことができる。したがって、量子化変換係数の置換により生じるノイズが、復号後の画質に影響しないように、そのノイズは小さいほうが好ましい。よって、量子化変換係数の置換により生じるノイズが小さくなるように、量子化変換係数を置換するTUを選択することが好ましい。
量子化変換係数のDC成分を表す係数(すなわち、i=0,j=0)の値を“1”に置換したとき、逆量子化・逆周波数変換後の復号予測誤差ブロックの値rijは、量子化値QPと、TUサイズと、そのTUサイズに対応するスケーリングリストのDC成分の値であるscalingListDCと、に基づいて求めることができる。すなわち、TUの量子化変換係数c’ijの全てが“0”である場合に、c’00を“1”に置換としたときの逆量子化後の変換係数のDC成分d’00は、以下の式4に従って算出される。
そして、DC成分が“1”の場合に逆周波数変換(この例では、逆DCT)により復元される復号予測誤差ブロックの値rijは、d’00に基づいて、以下の式5に従って算出される。
DC成分の量子化変換係数c’00の値が置換されなければrij=0なので、rijの絶対値が小さくなるようにDC成分の量子化変換係数c’00の値を置換するTUを選択することで、ノイズを低下できる。つまり、式4と式5から明らかなように、rijを小さくするには、d00を小さくすればよい。
すなわち、式3から明らかなように、TUサイズが大きいほどdijが小さくなるので、ノイズを可能な限り低減するためには、無歪み係数付加量子化変換係数生成部61Aは、選択可能なTUサイズの内で最大サイズのTUを選択すればよいことがわかる。
無歪み量子化値選択部61Bは、無歪み係数付加量子化変換係数生成部61Aにより選択されたTUにおいて、復号予測誤差ブロックの値rijが“0”になるQP範囲内、つまり、歪みが発生しないQP範囲内で、レート制御量子化値QPrcに最も近い値、すなわち、最大の値を無歪み量子化値QPndとして選択する。より具体的には、無歪み量子化値選択部61Bは、量子化値範囲管理テーブルT1を参照して、対応するQP範囲を特定し、特定したQP範囲の最大値を無歪み量子化値QPndとして選択する。なお、特定したQP範囲の最大値がレート制御量子化値QPrc以上である場合には、無歪み量子化値選択部61Bは、レート制御量子化値QPrcの値を無歪み量子化値QPndとして選択してもよい。
そして、無歪み量子化値選択部61Bは、選択した無歪み量子化値QPndを符号化条件選択部63に出力する。また、インターCUの場合には、無歪み量子化値選択部61Bは、この最大サイズのTUの無歪み量子化値QPndをRD量子化値候補算出部61Cに出力する。
このように、レート制御量子化値QPrcに最も近い値をダミー量子化値の候補として選択することで、量子化値の符号化情報量を削減することが可能となる。
また、無歪み量子化値選択部61Bは、イントラCUの場合には、更に、分割形態における最後のTUにおいて、復号予測誤差ブロックの値rijが“0”になるQP範囲の最大値を無歪み量子化値QPndとして選択する。そして、無歪み量子化値選択部61Bは、最後のTUの無歪み量子化値QPndをRD量子化値候補算出部61Cに出力する。
RD量子化値候補算出部61Cは、入力されたレート制御量子化値QPrcと無歪み量子化値QPndとに基づいて、RD量子化値候補を算出する。より具体的には、RD量子化値候補算出部61Cは、レート制御量子化値QPrcと無歪み量子化値QPndとその間の値(例えば、レート制御量子化値QPrcと無歪み量子化値QPndとの平均値)をRD量子化値候補として算出する。そして、RD量子化値候補算出部61Cは、算出したRD量子化値候補をRDコスト算出部62に出力する。
RDコスト算出部62は、以下の式6により、入力された各RD量子化値候補に対するRate Distortion(RD)コストCを算出する。式6中のλは、ラグランジュ乗数である。このRDコストは、符号化情報量の推定値である符号化コストである。つまり、RDコスト算出部62は、各RD量子化値候補に対し、非ゼロ係数を付加した場合の符号化コストを算出する。
式6の符号化誤差(CU全体の歪み)は、以下のように求めることができる。まず、画素iにおいて、予測ブロックの画素値をpred_pxl(i)とすると、復号されたCUにおける画素値Idec_pxl(i)は、以下の式7で表される。なお、式7中のdcval(QP)は、逆量子化・逆周波数変換により得られる復号予測誤差ブロックの値rijであり、このrijは、画素位置に依らず全て同一の値となる。
ここで、原画ブロックの画素iの画素値をorg_pxl(i)とすると、予測誤差ブロックの画素値diff_pxl(i)は、以下の式8で表される。
符号化誤差は、原画像の画素と復号画像の対応画素との間の画素値の誤差の2乗和で表すことができる。したがって、式7と式8を用いて、符号化誤差は、以下の式9で表される。
つまり、逆量子化・逆周波数変換を行わなくても、予測誤差ブロックの画素値の2乗和Σ(diff_pxl(i))と、予測誤差ブロックの画素値の和Σdiff_pxl(i)を算出しておくことにより、RDコスト算出部62は、符号化誤差を算出できる。
また、Σdiff_pxl(i)は、周波数変換におけるDC成分の計算過程で算出されるため、RDコスト算出部62は、変換・量子化部56からΣdiff_pxl(i)を受け取ってもよい。
また、RDコスト算出部62は、入力されたRD量子化値候補に対応するTUの量子化変換係数のDC成分を非ゼロに置換したRD係数付加量子化変換係数を生成する。そして、RDコスト算出部62は、RD量子化値候補と、そのRDコストと、そのRD係数付加量子化変換係数と、を対応付けた候補組み合わせを、符号化条件選択部63に出力する。
図11は、本実施形態における符号化条件選択部63の構成例を示す機能ブロック図である。符号化条件選択部63は、複数の候補の中から最適量子化値QPidと最適係数付加量子化変換係数を特定する機能部であり、図11に示すように、最適RD量子化値特定部63Aと、最適量子化値特定部63Bと、を含んでいる。
最適RD量子化値特定部63Aは、入力された候補組み合わせの中から、最小のRDコストの候補組み合わせを特定する。そして、最適RD量子化値特定部63Aは、特定した候補組み合わせのRD量子化値候補とRD係数付加量子化変換係数を、最適RD量子化値QPrdと最適RD係数付加量子化変換係数として、最適量子化値特定部63Bに出力する。
最適量子化値特定部63Bは、無歪み量子化値選択部61Bより入力された無歪み量子化値QPndと最適RD量子化値QPrdとレート制御量子化値QPrcの中から、最適量子化値QPidを特定する。また、最適量子化値特定部63Bは、無歪み係数付加量子化変換係数と最適RD係数付加量子化変換係数の内で、最適係数付加量子化変換係数を特定する。そして、最適量子化値特定部63Bは、特定した最適量子化値QPidを量子化値補正部64に出力する。また、最適量子化値特定部63Bは、特定した最適係数付加量子化変換係数を逆量子化・逆変換部57と結合部43に出力する。
より具体的には、最適量子化値特定部63Bは、入力された選択情報に基づいて、予測タイプがイントラであるか否かを判定する。そして、予測タイプがイントラの場合には、つまり、符号化対象のCUがイントラCUの場合には、最適量子化値特定部63Bは、更に、レート制御量子化値QPrcが無歪み量子化値QPnd以下であるか否かを判定する。
レート制御量子化値QPrcが無歪み量子化値QPnd以下である場合には、最適量子化値特定部63Bは、レート制御量子化値QPrcを最適量子化値QPidとして特定すると共に、無歪み係数付加量子化変換係数を最適係数付加量子化変換係数として特定する。つまり、無歪み量子化値QPndを選択した時点で、無歪み量子化値QPndとレート制御量子化値QPrcとを比較して、レート制御量子化値QPrcが無歪み量子化値QPnd以下である場合には、RD量子化値候補の選択などを行うことなく、最適量子化値特定部63Bは、レート制御量子化値QPrcを最適量子化値QPidとして特定すると共に、無歪み係数付加量子化変換係数を最適係数付加量子化変換係数として特定してもよい。
一方、レート制御量子化値QPrcが無歪み量子化値QPndより大きい場合には、最適量子化値特定部63Bは、更に、最適RD量子化値QPrdが無歪み量子化値QPnd以下であるか否かを判定する。そして、最適RD量子化値QPrdが無歪み量子化値QPnd以下である場合には、最適量子化値特定部63Bは、無歪み量子化値QPndを最適量子化値QPidとして特定すると共に、無歪み係数付加量子化変換係数を最適係数付加量子化変換係数として特定する。
一方、最適RD量子化値QPrdが無歪み量子化値QPndより大きい場合には、最適量子化値特定部63Bは、最適RD量子化値QPrdを最適量子化値QPidとして特定すると共に、最適RD係数付加量子化変換係数を最適係数付加量子化変換係数として特定する。
予測タイプがインターの場合には、つまり、符号化対象のCUがインターCUの場合には、最適量子化値特定部63Bは、更に、レート制御量子化値QPrcが無歪み量子化値QPnd以下であるか否かを判定する。
そして、レート制御量子化値QPrcが無歪み量子化値QPnd以下である場合には、最適量子化値特定部63Bは、レート制御量子化値QPrcを最適量子化値QPidとして特定すると共に、無歪み係数付加量子化変換係数を最適係数付加量子化変換係数として特定する。つまり、無歪み量子化値QPndを選択した時点で、無歪み量子化値QPndとレート制御量子化値QPrcとを比較して、レート制御量子化値QPrcが無歪み量子化値QPnd以下である場合には、RD量子化値候補の選択などを行うことなく、最適量子化値特定部63Bは、レート制御量子化値QPrcを最適量子化値QPidとして特定すると共に、無歪み係数付加量子化変換係数を最適係数付加量子化変換係数として特定してもよい。
一方、レート制御量子化値QPrcが無歪み量子化値QPndより大きい場合には、最適量子化値特定部63Bは、最適RD量子化値QPrdを最適量子化値QPidとして特定すると共に、最適RD係数付加量子化変換係数を最適係数付加量子化変換係数として特定する。
以上のように、インターCUの場合とイントラCUの場合とで、処理が異なるのは、インターCUでは、ダミー量子化値の候補とする無歪み量子化値QPndと最適RD量子化値QPrdを同じTUで求め、イントラCUでは、ダミー量子化値の候補とする無歪み量子化値QPndと最適RD量子化値QPrdをそれぞれ異なるTUで求める場合があるからである。そして、インターCUでは、無歪み量子化値QPndと最適RD量子化値QPrdを同じTUで求めていることから、常に、最適RD量子化値QPrdは無歪み量子化値QPnd以上となる。一方、イントラCUでは、無歪み量子化値QPndと最適RD量子化値QPrdをそれぞれ異なるTUで求めていることから、最適RD量子化値QPrdと無歪み量子化値QPndとを比較して、より大きい方の値を最適量子化値QPidとして特定する。
図12は、本実施形態における量子化値補正部64の構成例を示す機能ブロック図である。量子化値補正部64は、量子化設定単位QGの非ゼロ係数を付加するCU以外のCU(CU_Follow)の予測誤差が、非ゼロ係数を付加するCUの予測誤差と比較して大きい場合であっても、符号化情報量の増加を抑制するように、符号化条件選択部63により特定された最適量子化値QPidを補正して大きくする機能部である。
量子化値補正部64は、図12に示すように、第1複雑度算出部64Aと、第2複雑度算出部64Bと、量子化上限値算出部64Cと、量子化目標値算出部64Dと、補正部64Eと、を含んでいる。
第1複雑度算出部64Aは、非ゼロ係数を付加するCU(以下、CU_Currという)、つまり、符号化対象の画像を分割したスライスの先頭CUであって量子化変換係数が全て“0”となるCUの原画ブロックの画素値org_pxl(i)に基づいて、原画ブロックの複雑度を算出する。そして、第1複雑度算出部64Aは、算出した原画ブロックの複雑度を量子化上限値算出部64Cに出力する。この複雑度は画像の複雑さを示す指標であり、複雑度としては、例えば、画素値の分散Var、あるいは、画素値の平均値との差分絶対値和Actを用いることができる。なお、第1複雑度算出部64Aは、予測ブロックの複雑度を算出してもよい。
画素値の分散Varは、以下の式10に従って、算出することができる。なお、式10中のAvePxlは、以下の式11で表される原画ブロックの画素値org_pxl(i)の平均値である。
画素値の平均値AvePxlとの差分絶対値和Actは、以下の式12に従って、算出することができる。
第2複雑度算出部64Bは、第1複雑度算出部64AがCU_Currの原画ブロックに対して行ったように、CU_CurrとCU_Followの予測誤差ブロックの複雑度を算出する。そして、第2複雑度算出部64Bは、算出したCU_Currの予測誤差ブロックの複雑度とCU_Followの予測誤差ブロックの複雑度を量子化目標値算出部64Dに出力する。
量子化上限値算出部64Cは、最適量子化値QPidとレート制御量子化値QPrcとCU_Currの原画ブロックの複雑度とに基づいて、CU_Currが属する量子化設定単位QGに適用するダミー量子化値の上限(以下、量子化上限値QP_Upperという)を算出する。そして、量子化上限値算出部64Cは、算出した量子化上限値QP_Upperを補正部64Eに出力する。このように量子化上限値QP_Upperを設定するのは、CU_Currの画像が複雑な場合には、非ゼロ係数を付加することに起因するノイズは目立ちにくいため、CU_Currが属する量子化設定単位QGに適用する量子化値QPを最適量子化値QPidより大きな値に設定しても問題ないからである。つまり、量子化上限値QP_Upperは、非ゼロ係数を付加することに起因するノイズが目立ちにくい状態を維持できる量子化値QPの上限である。
具体的には、量子化上限値算出部64Cは、以下の式13に従って、量子化上限値QP_Upperを算出する。式13は、CU_Currにおける画像の複雑度が所定の閾値β(β>0)以上である場合に、複雑度に比例してCU_Currが属する量子化設定単位QGに適用する最適量子化値QPid(ダミー量子化値)を大きくできることを示している。なお、式13は、複雑度が画素値の分散Varの場合の式である。また、γは、Var<βの場合には、γ=0であり、Var≧βの場合には、γ=(Var−β)である。
量子化値目標値算出部64Dは、CU_Currの予測誤差ブロックの複雑度とCU_Followの予測誤差ブロックの複雑度と最適量子化値QPidとレート制御量子化値QPrcとに基づいて、CU_Currが属する量子化設定単位QGにおける量子化目標値QP_Targetを算出する。そして、量子化値目標値算出部64Dは、算出した量子化目標値QP_Targetを補正部64Eに出力する。量子化目標値QP_Targetを設定するのは、CU_Currの予測誤差ブロックの複雑度と比較して、CU_Followの予測誤差ブロックの複雑度が大きい場合に、最適量子化値QPidで量子化するとCU_Followの符号化情報量が増加してしまうためである。したがって、量子化値目標値算出部64Dは、CU_Followの符号化情報量の増加を抑制できるように、CU_Currが属する量子化設定単位QGに適用する量子化値QPが最適量子化値QPidより大きくなるように量子化目標値QP_Targetを設定する。つまり、量子化目標値QP_Targetは、CU_Followの符号化情報量の増加を抑制できるようにするための目標値である。
具体的には、量子化値目標値算出部64Dは、以下の式14に従って、量子化目標値QP_Targetを算出する。式14は、CU_Followの予測誤差ブロックがCU_Currの予測誤差ブロックと比較して複雑であり、CU_Followを最適量子化値QPidで量子化した場合に発生する符号化情報量が多いと推定される場合には、CU_Currが属する量子化設定単位QGに適用する最適量子化値QPid(ダミー量子化値)を大きくすることを示している。なお、式14中のκは正の定数であり、Var_CurrとVar_Followは、それぞれ、CU_Currの予測誤差ブロックの画素値の分散(複雑度)、CU_Followの予測誤差ブロックの画素値の分散(複雑度)である。
補正部64Eは、量子化上限値QP_Upperと量子化目標値QP_Targetとに基づいて、CU_Currにおける非ゼロ係数付加に起因するノイズによる画質劣化を目立ちにくい状態に保ちつつも、CU_Followにおける符号化情報量の増加を抑制することを可能とする補正最適量子化値QPcorを算出する。具体的には、補正部64Eは、以下の式15に従って、補正最適量子化値QPcorを算出する。
図13を参照して、量子化目標値QP_Targetが量子化上限値QP_Upperより大きい場合には、量子化目標値QP_Targetにするとノイズによる画質劣化が目立つため、図13Aに示すように、補正部64Eは、量子化上限値QP_Upperを補正最適量子化値QPcorとして算出する。一方、量子化上限値QP_Upperが量子化目標値QP_Targetより大きい場合には、量子化目標値QP_Targetとしてもノイズによる画質劣化は目立たないため、図13Bに示すように、補正部64Eは、量子化目標値QP_Targetを補正最適量子化値QPcorとして算出する。なお、図13Aと図13Bは、いずれも、本実施形態における補正最適量子化値QPcorの特定方法を説明するための図である。
そして、ダミー量子化値挿入部60は、この補正最適量子化値QPcorを、CU_Currが属する量子化設定単位QGに適用するダミー量子化値(符号化量子化値)として設定する。そのため、補正部64Eは、算出した補正最適量子化値QPcorを、変換・量子化部56と逆量子化・逆変換部57とデブロッキングフィルタ59と結合部43に出力する。
次に、図14を参照して、本実施形態における符号化処理の流れについて説明する。図14は、本実施形態における符号化処理のフローを説明するためのフローチャートの例である。
予測ブロック選択部53は、イントラ予測部51によるイントラ予測結果(イントラ予測ブロック)とインター予測部52によるインター予測結果(インター予測ブロック)とを比較し、より適切な予測ブロックを選択する(ステップS001)。そして、予測誤差ブロック生成部54は、原画ブロックから予測ブロック選択部53により選択された予測ブロックを減算して予測誤差ブロックを生成する(ステップS002)。
そして、変換・量子化部56は、選択情報に基づいて、生成された予測誤差ブロックを適切なサイズのTUに分割し、TU毎に周波数変換して変換係数を求める(ステップS003)。そして、変換・量子化部56は、符号化量子化値(レート制御量子化値QPrcあるいは補正最適量子化値QPcor)に基づいて、TU毎の変換係数を量子化し、量子化変換係数を求める(ステップS004)。
そして、ダミー量子化値挿入部60は、符号化対象のCUが符号化対象の画像を分割したスライスの先頭CUであるか否かを判定する(ステップS005)。符号化対象のCUが符号化対象の画像を分割したスライスの先頭CUであると判定した場合には(ステップS005;YES)、ダミー量子化値挿入部60は、更に、符号化対象の先頭CUの量子化変換係数が全て“0”であるか否かを判定する(ステップS006)。
符号化対象の先頭CUの量子化変換係数が全て“0”であると判定した場合には(ステップS006;YES)、ダミー量子化値挿入部60は、ダミー量子化値挿入処理を実行して、最適係数付加量子化変換係数を特定すると共に、補正最適量子化値QPcorを算出し、算出した補正最適量子化値QPcorを先頭CUが属する量子化設定単位QGにおける符号化量子化値として設定する(ステップS007)。そして、処理は後述のステップS008へと進む。
一方、ダミー量子化値挿入部60により、符号化対象の先頭CUの量子化変換係数は全て“0”ではないと判定された場合には(ステップS006;NO)、処理は後述のステップS008へと進む。
ステップS005の処理において、ダミー量子化値挿入部60により、符号化対象のCUが符号化対象の画像を分割したスライスの先頭CUではないと判定された場合には(ステップS005;NO)、デブロッキングフィルタ59は、逆量子化・逆変換57と復号ブロック生成部58と連係して、局所復号ブロック生成処理を実行して、局所復号ブロックを生成する(ステップS008)。
そして、結合部43は、動画像の符号化データストリームを生成し、出力部30を介して、生成した符号化データストリームを出力する(ステップS009)。そして、本処理は終了する。
次に、図15を参照して、本実施形態におけるダミー量子化値挿入処理の流れについて説明する。図15は、本実施形態におけるダミー量子化値挿入処理のフローを説明するためのフローチャートの例である。本ダミー量子化値挿入処理は、符号化処理のステップS007の処理に対応する処理である。
無歪み係数付加量子化変換係数生成部61Aは、無歪み係数付加量子化変換係数を生成する(ステップS101)。そして、無歪み量子化値選択部61Bは、無歪み係数付加量子化変換係数生成部61Aにより選択されたTUにおいて、復号予測誤差ブロックの値rijが“0”になるQP範囲の最大値を無歪み量子化値QPndとして選択する(ステップS102)。
そして、RD量子化値候補算出部61Cは、レート制御量子化値QPrcと無歪み量子化値QPndとに基づいて、RD量子化値候補を算出する(ステップS103)。RD量子化値候補を算出する際に用いられる無歪み量子化値QPndは、インターCUの場合には、無歪み係数付加量子化変換係数生成部61Aにより選択された最大サイズのTUにおける無歪み量子化値QPndであり、イントラCUの場合には、TU分割情報が示す分割形態での最後のTUにおける無歪み量子化値QPndである。
そして、RDコスト算出部62は、各RD量子化値候補に対するRDコストを算出すると共に(ステップS104)、RD量子化値候補に対応するTUの量子化変換係数のDC成分を非ゼロに置換したRD係数付加量子化変換係数を生成する(ステップS105)。
そして、最適RD量子化値特定部63Aは、候補組み合わせの中から、最小のRDコストの候補組み合わせを特定する(ステップS106)。そして、最適量子化値特定部63Bは、最適量子化値特定処理を実行して、最適量子化値QPidを特定すると共に、最適係数付加量子化変換係数を特定する(ステップS107)。
そして、第1複雑度算出部64Aは、CU_Currの原画ブロックの画素値org_pxl(i)に基づいて、原画ブロックの複雑度を算出する(ステップS108)。そして、量子化上限値算出部64Cは、最適量子化値QPidとレート制御量子化値QPrcとCU_Currの原画ブロックの複雑度とに基づいて、量子化上限値QP_Upperを算出する(ステップS109)。
そして、第2複雑度算出部64Bは、CU_CurrとCU_Followの予測誤差ブロックの複雑度を算出する(ステップS110)。そして、量子化値目標値算出部64Dは、CU_Currの予測誤差ブロックの複雑度とCU_Followの予測誤差ブロックの複雑度と最適量子化値QPidとレート制御量子化値QPrcとに基づいて、CU_Currが属する量子化設定単位QGにおける量子化目標値QP_Targetを算出する(ステップS111)。
そして、補正部64Eは、量子化上限値QP_Upperと量子化目標値QP_Targetとに基づいて、CU_Currにおける非ゼロ係数付加に起因するノイズによる画質劣化を目立ちにくい状態に保ちつつも、CU_Followにおける符号化情報量の増加を抑制することを可能とする補正最適量子化値QPcorを算出する(ステップS112)。そして、ダミー量子化値挿入部60は、この補正最適量子化値QPcorを、CU_Currが属する量子化設定単位QGに適用するダミー量子化値(符号化量子化値)として設定する(ステップS113)。そして、本処理は終了し、符号化処理のステップS008の処理へと移行する。
次に、図16を参照して、本実施形態における最適量子化値特定処理の流れについて説明する。図16は、本実施形態における最適量子化値特定処理のフローを説明するためのフローチャートの例である。本最適量子化値特定処理は、ダミー量子化値挿入処理のステップS107の処理に対応する処理である。
最適量子化値特定部63Bは、選択情報に基づいて、予測タイプがイントラであるか否かを判定する(ステップS201)。そして、予測タイプがイントラであると判定した場合(ステップS201;YES)、つまり、符号化対象のCUがイントラCUの場合には、最適量子化値特定部63Bは、イントラ処理を実行する(ステップS202)。そして、本処理は終了して、ダミー量子化値挿入処理のステップS108の処理へと移行する。
一方、予測タイプがインターであると判定した場合(ステップS201;NO)、つまり、符号化対象のCUがインターCUの場合には、最適量子化値特定部63Bは、インター処理を実行する(ステップS203)。そして、本処理は終了して、ダミー量子化値挿入処理のステップS108の処理へと移行する。
次に、図17を参照して、本実施形態におけるイントラ処理の流れについて説明する。図17は、本実施形態におけるイントラ処理のフローを説明するためのフローチャートの例である。本イントラ処理は、最適量子化値特定処理のステップS202の処理に対応する処理である。
最適量子化値特定部63Bは、レート制御量子化値QPrcが無歪み量子化値QPnd以下であるか否かを判定する(ステップS301)。そして、レート制御量子化値QPrcが無歪み量子化値QPnd以下であると判定した場合には(ステップS301;YES)、最適量子化値特定部63Bは、レート制御量子化値QPrcを最適量子化値QPidとして特定すると共に、無歪み係数付加量子化変換係数を最適係数付加量子化変換係数として特定する(ステップS302)。そして、本処理は終了する。
一方、レート制御量子化値QPrcが無歪み量子化値QPndより大きいと判定した場合には(ステップS301;NO)、最適量子化値特定部63Bは、更に、最適RD量子化値QPrdが無歪み量子化値QPnd以下であるか否かを判定する(ステップS303)。そして、最適RD量子化値QPrdが無歪み量子化値QPnd以下であると判定した場合には(ステップS303;YES)、最適量子化値特定部63Bは、無歪み量子化値QPndを最適量子化値QPidとして特定すると共に、無歪み係数付加量子化変換係数を最適係数付加量子化変換係数として特定する(ステップS304)。そして、本処理は終了する。
一方、最適RD量子化値QPrdが無歪み量子化値QPndより大きいと判定した場合には(ステップS303;NO)、最適量子化値特定部63Bは、最適RD量子化値QPrdを最適量子化値QPidとして特定すると共に、最適RD係数付加量子化変換係数を最適係数付加量子化変換係数として特定する(ステップS305)。そして、本処理は終了する。
次に、図18を参照して、本実施形態におけるインター処理の流れについて説明する。図18は、本実施形態におけるインター処理のフローを説明するためのフローチャートの例である。本インター処理は、最適量子化値特定処理のステップS203の処理に対応する処理である。
最適量子化値特定部63Bは、レート制御量子化値QPrcが無歪み量子化値QPnd以下であるか否かを判定する(ステップS401)。そして、レート制御量子化値QPrcが無歪み量子化値QPnd以下であると判定した場合には(ステップS401;YES)、最適量子化値特定部63Bは、レート制御量子化値QPrcを最適量子化値QPidとして特定すると共に、無歪み係数付加量子化変換係数を最適係数付加量子化変換係数として特定する(ステップS402)。そして、本処理は終了する。
一方、レート制御量子化値QPrcが無歪み量子化値QPndより大きいと判定した場合には(ステップS401;NO)、最適量子化値特定部63Bは、最適RD量子化値QPrdを最適量子化値QPidとして特定すると共に、最適RD係数付加量子化変換係数を最適係数付加量子化変換係数として特定する(ステップS403)。そして、本処理は終了する。
次に、図19を参照して、本実施形態における局所復号ブロック生成処理の流れについて説明する。図19は、本実施形態における局所復号ブロック生成処理のフローを説明するためのフローチャートの例である。本局所復号ブロック生成処理は、符号化処理のステップS008の処理に対応する処理である。
逆量子化・逆変換部57は、符号化量子化値(レート制御量子化値QPrc又は補正最適量子化値QPcor)に基づいて、各TUの量子化変換係数(含む、最適係数付加量子化変換係数)を逆量子化して変換係数を復元する(ステップS501)。そして、逆量子化・逆変換部57は、復元された変換係数に対して逆周波数変換を行い、復号予測誤差ブロックを生成する(ステップS502)。
そして、復号ブロック生成部58は、TU毎に、予測ブロックの各画素値に復号予測誤差ブロックの値rijを加算することで、復号ブロックを生成する(ステップS503)。そして、デブロッキングフィルタ59は、復号ブロックに対して、符号化によって生じたブロック境界の歪み(ブロックノイズ)を低減するために、デブロッキングフィルタ処理を行い、局所復号ブロックを生成する(ステップS504)。そして、デブロッキングフィルタ59は、生成した局所復号ブロックを、参照画像として局所復号画像記憶部21に格納する(ステップS505)。そして、本処理は終了し、処理は符号化処理のステップS009の処理へと移行する。
上記実施形態によれば、動画像符号化装置1は、符号化対象の画像を分割したスライス毎に並列に符号化処理を行う際に、符号化対象の画像を分割したスライスの先頭CUの量子化変換係数が全て“0”である場合に、量子化変換係数のいずれかを非ゼロの値に置換して無歪み係数付加量子化変換係数を生成する。そして、動画像符号化装置1は、非ゼロの値に置換した係数に対応するTUに基づいて、非ゼロの係数を付加した量子化変換係数を逆量子化・逆周波数変換して得られる復号予測誤差ブロックの値rijが“0”となるQP範囲を特定し、特定したQP範囲の最大値を無歪み量子化値QPndとして選択する。そして、動画像符号化装置1は、無歪み量子化値QPndとレート制御量子化値QPrcとに基づいて、RD量子化値候補を算出し、算出した各RD量子化値候補のRDコスト(符号化コスト)を算出する。また、動画像符号化装置1は、RD量子化値候補を算出する際に用いた無歪み量子化値QPndに対応するTUの量子化変換係数のいずれかを非ゼロの値に置換したRD係数付加量子化変換係数を生成する。
そして、動画像符号化装置1は、算出したRDコストが最小のRD量子化値候補を最適RD量子化値QRrdとして特定すると共に、対応するRD係数付加量子化変換係数を最適RD係数付加量子化変換係数として特定する。そして、動画像符号化装置1は、レート制御量子化値QPrcが無歪み量子化値QPnd以下の場合には、レート制御量子化値QPrcを最適量子化値QPidとして特定すると共に、無歪み係数付加量子化変換係数を最適係数付加量子化変換係数として特定する。一方、レート制御量子化値QPrcが無歪み量子化値QPndより大きい場合には、動画像符号化装置1は、無歪み量子化値QPndと最適RD量子化値QRrdの内でより大きい方の値を最適量子化値QPidとして特定すると共に、大きい方の値に対応する係数付加量子化変換係数を最適係数付加量子化変換係数として特定する。そして、動画像符号化装置1は、最適係数付加量子化変換係数を符号化データとする。
また、動画像符号化装置1は、先頭CUが属する量子化設定単位QGの他のCUの予測誤差が、非ゼロ係数を付加した先頭CUの予測誤差と比較して大きい場合に増加する符号化情報量を抑えるために最適量子化値QPidをより大きな値に補正した補正最適量子化値QPcorを算出する。そして、動画像符号化装置1は、算出した補正最適量子化値QPcorを先頭CUが属する量子化設定単位QGのダミー量子化値(符号化量子化値)として設定する。
こうすることで、符号化対象の画像を分割したスライスの先頭CUの量子化変換係数が全て“0”の場合に、非ゼロ係数を付加する先頭CUが属する量子化設定単位QGの他のCUの予測誤差が、先頭CUの予測誤差と比較して大きくても、符号化情報量の消費を抑制し、映像全体の画質低下を抑制するが可能となる。
また、上記実施形態によれば、動画像符号化装置1は、非ゼロ係数を付加するCUの原画ブロックの画素値org_pxl(i)に基づいて画像の複雑度を算出し、算出した原画ブロックの複雑度と最適量子化値QPidとレート制御量子化値QPrcとに基づいて、非ゼロ係数を付加することに起因するノイズが目立ちにくい状態を維持できる量子化値QPの上限である量子化上限値QP_Upperを算出する。そして、動画像符号化装置1は、算出した量子化上限値QP_Upperを超えないように最適量子化値QPidをより大きな値に補正した補正最適量子化値QPcorを算出する。
こうすることで、非ゼロ係数付加に起因するノイズによる画質劣化を目立ちにくい状態に保ちつつも、先頭CUが属する量子化設定単位QGの他のCUにおける符号化情報量の増加を抑制することが可能となる。
また、上記実施形態によれば、動画像符号化装置1は、DC成分を表す係数を非ゼロに置換する。また、動画像符号化装置1は、置換する非ゼロの値を、“1”又は“−1”とする。こうすることで、符号化情報量を削減することが可能となる。
また、上記実施形態によれば、動画像符号化装置1は、非ゼロ係数を付加する量子化変換係数に対応するTUを選択する際に、選択可能なサイズの内で最大サイズのTUを選択する。こうすることで、レート制御量子化値QPrcにより近い大きな値を無歪み量子化値QPndとして選択可能となる。したがって、量子化値の符号化情報量を削減することが可能となる。
図20は、本実施形態における動画像符号化装置1のハードウェア構成の例を示す図である。図1などに示す動画像符号化装置1は、例えば、図20に示す各種ハードウェアにより実現されてもよい。図20の例では、動画像符号化装置1は、CPU201、RAM202、ROM203、HDD204、カメラを接続するための機器インターフェース205、通信モジュール206、読取装置207を備え、これらのハードウェアはバス208を介して接続されている。
CPU201は、HDD204に格納されている動作プログラムをRAM202にロードし、RAM202をワーキングメモリとして使いながら各種処理を実行する。CPU201は、動作プログラムを実行することで、図1などに示す制御部40の各機能部を実現することができる。
なお、上記動作を実行するための動作プログラムを、フレキシブルディスク、Compact Disk−Read Only Memory(CD−ROM)、Digital Versatile Disk(DVD)、Magneto Optical disk(MO)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体209に記憶して配布し、これを動画像符号化装置1の読取装置207で読み取ってコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行するように構成してもよい。さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等に動作プログラムを記憶しておき、通信モジュール206を介して、動画像符号化装置1のコンピュータに動作プログラムをダウンロード等するものとしてもよい。
なお、実施形態に応じて、RAM202、ROM203、HDD204以外の他の種類の記憶装置が利用されてもよい。例えば、動画像符号化装置1は、Content Addressable Memory(CAM)、Static Random Access Memory(SRAM)、Synchronous Dynamic Random Access Memory(SDRAM)などの記憶装置を有してもよい。
なお、実施形態に応じて、動画像符号化装置1のハードウェア構成は図20とは異なっていてもよく、図20に例示した規格・種類以外のその他のハードウェアを動画像符号化装置1に適用することもできる。
例えば、図1などに示す動画像符号化装置1の制御部40の各機能部は、ハードウェア回路により実現されてもよい。具体的には、CPU201の代わりに、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのリコンフィギュラブル回路や、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)などにより、図1などに示す制御部40の各機能部が実現されてもよい。もちろん、CPU201とハードウェア回路の双方により、これらの機能部が実現されてもよい。
以上において、いくつかの実施形態について説明した。しかしながら、実施形態は上記の実施形態に限定されるものではなく、上述の実施形態の各種変形形態及び代替形態を包含するものとして理解されるべきである。例えば、各種実施形態は、その趣旨及び範囲を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できることが理解されよう。また、前述した実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより、種々の実施形態を成すことができることが理解されよう。更には、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除して又は置換して、或いは実施形態に示される構成要素にいくつかの構成要素を追加して種々の実施形態が実施され得ることが当業者には理解されよう。
以上に説明した実施形態を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
符号化対象の画像を複数のブロックに分割し、複数の前記ブロックから構成される領域毎に並列に符号化処理し、前記ブロックを分割した符号化を行う単位である第1サブブロックのサイズと前記ブロックを分割した量子化幅を確定する量子化値が符号化される単位である第2サブブロックのサイズとが異なる符号化装置であって、
第1量子化値に基づいて前記第1サブブロックを符号化する第1符号化手段と、
符号化対象の前記第1サブブロックが、属するブロックの符号化処理順において先頭の第1サブブロックであるか否かを判定する第1判定手段と、
符号化対象の前記第1サブブロックが前記先頭の第1サブブロックである場合に、前記第1符号化手段により量子化された変換係数である量子化変換係数の全てがゼロであるか否かを判定する第2判定手段と、
前記量子化変換係数の全てがゼロである場合に、前記量子化変換係数のいずれかの係数に非ゼロの値を付加した第1係数付加量子化変換係数を生成する第1付加手段と、
前記非ゼロの値を付加した係数に対応する、逆量子化して復元される予測誤差ブロックである復号予測誤差ブロックの値がゼロとなる量子化値を第1候補値として選択する第1選択手段と、
符号化対象の前記先頭の第1サブブロックの予測誤差に対する、該先頭の第1サブブロックが属する前記第2サブブロックの他の第1サブブロックの予測誤差の大きさに応じて、前記第1候補値より大きな値の第2量子化値を生成する生成手段と、
前記第1係数付加量子化変換係数と前記第2量子化値とを符号化データとして設定する設定手段と、
前記量子化変換係数に非ゼロの値を付加した場合に、前記第2量子化値に基づいて、符号化対象の前記先頭の第1サブブロックが属する前記第2サブブロックの他の第1サブブロックを符号化する第2符号化手段と
を備える、
ことを特徴とする符号化装置。
(付記2)
前記第1候補値と前記第1量子化値との間で複数の候補量子化値を選択する第2選択手段と、
前記候補量子化値のそれぞれに対し、前記量子化変換係数に非ゼロの値を付加した場合の符号化情報量の推定値である符号化コストを算出する第1算出手段と、
算出された前記符号化コストの内で最小の符号化コストに対応する候補量子化値を第2候補値として特定する第1特定手段と、
前記第2候補値に対応する前記量子化変換係数に非ゼロの値を付加した第2係数付加量子化変換係数を生成する第2付加手段と、
前記第1候補値と前記第2候補値とを比較して、値がより大きい候補値を最適候補値として特定する第2特定手段と、
を、更に、備え、
前記生成手段は、符号化対象の前記先頭の第1サブブロックの予測誤差に対する、該先頭の第1サブブロックが属する前記第2サブブロックの他の第1サブブロックの予測誤差の大きさに応じて、前記最適候補値をより大きな値に補正した第2量子化値を生成し、
前記設定手段は、前記第1係数付加量子化変換係数と前記第2係数付加量子化変換係数との内で前記最適候補値に対応する非ゼロの値を付加した係数付加量子化変換係数と前記第2量子化値とを符号化データとして設定する、
ことを特徴とする付記1に記載の符号化装置。
(付記3)
周波数変換対象である予測誤差ブロックを生成する際に用いられる予測ブロックは、イントラ予測によるイントラ予測ブロックとインター予測によるインター予測ブロックの2種類あり、
符号化対象の前記先頭の第1サブブロックに対応する予測ブロックがイントラ予測ブロックである場合に、該先頭の第1サブブロックに属する、前記第1サブブロックを分割した周波数変換処理の単位である第3サブブロックの内で周波数変換処理順が最後の第3サブブロックに基づいて、前記復号予測誤差ブロックの値がゼロとなる量子化値の範囲を特定し、特定した範囲の内で略最大の値を第3候補値として選択する第3選択手段を、更に、備え、
前記第2選択手段は、符号化対象の前記先頭の第1サブブロックに対応する予測ブロックがイントラ予測ブロックである場合に、前記第3候補値と前記第1量子化値との間で複数の前記候補量子化値を選択する、
ことを特徴とする付記2に記載の符号化装置。
(付記4)
符号化対象の前記先頭の第1サブブロックに対応する原画ブロックの画像の複雑さを示す指標である複雑度に基づいて、前記量子化変換係数に非ゼロの値を付加することに起因する前記復号予測誤差ブロックにおけるノイズが目立たない状態を維持できる量子化値の上限値を算出する第2算出手段を、更に、備え、
前記生成手段は、前記上限値を超えないように前記第1候補値又は前記最適候補値を補正して前記第2量子化値を生成する、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか一に記載の符号化装置。
(付記5)
前記生成手段は、符号化対象の前記先頭の第1サブブロックの予測誤差における前記複雑度に対する、該先頭の第1サブブロックが属する前記第2サブブロックの他の第1サブブロックの予測誤差における前記複雑度の比率に基づいて、前記第1候補値又は前記最適候補値をより大きな値に補正する、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか一に記載の符号化装置。
(付記6)
符号化に起因するブロック境界におけるブロックノイズを低減するためのデブロッキングフィルタを、更に、備え、
前記デブロッキングフィルタは、前記量子化変換係数に非ゼロの値を付加した場合に、前記第2量子化値に基づいて、符号化対象の前記先頭の第1サブブロックが属する前記第2サブブロックにおけるフィルタ強度を設定する、
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれか一に記載の符号化装置。
(付記7)
前記第1付加手段は、符号化対象の前記先頭の第1サブブロックに属する前記第3サブブロックの内で最大サイズの第3サブブロックを特定し、特定した前記第3サブブロックに対応する前記量子化変換係数のいずれかの係数に非ゼロの値を付加した前記第1係数付加量子化変換係数を生成する、
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれか一に記載の符号化装置。
(付記8)
周波数変換対象である予測誤差ブロックを生成する際に用いられる予測ブロックは、イントラ予測によるイントラ予測ブロックとインター予測によるインター予測ブロックの2種類あり、
前記第1付加手段は、符号化対象の前記先頭の第1サブブロックに対応する前記予測ブロックが前記インター予測ブロックである場合には、符号化方式において選択し得る最大サイズの第3サブブロックを特定する、
ことを特徴とする付記7に記載の符号化装置。
(付記9)
符号化対象の画像を複数のブロックに分割し、複数の前記ブロックから構成される領域毎に並列に符号化処理し、前記ブロックを分割した符号化を行う単位である第1サブブロックのサイズと前記ブロックを分割した量子化幅を確定する量子化値が符号化される単位である第2サブブロックのサイズとが異なる符号化装置の符号化方法であって、
第1量子化値に基づいて前記第1サブブロックを符号化し、
符号化対象の前記第1サブブロックが、属するブロックの符号化処理順において先頭の第1サブブロックであるか否かを判定し、
符号化対象の前記第1サブブロックが前記先頭の第1サブブロックである場合に、前記第1量子化値で量子化された変換係数である量子化変換係数の全てがゼロであるか否かを判定し、
前記量子化変換係数の全てがゼロである場合に、前記量子化変換係数のいずれかの係数に非ゼロの値を付加した第1係数付加量子化変換係数を生成し、
前記非ゼロの値を付加した係数に対応する、逆量子化して復元される予測誤差ブロックである復号予測誤差ブロックの値がゼロとなる量子化値を第1候補値として選択し、
符号化対象の前記先頭の第1サブブロックの予測誤差に対する、該先頭の第1サブブロックが属する前記第2サブブロックの他の第1サブブロックの予測誤差の大きさに応じて、前記第1候補値より大きな値の第2量子化値を生成し、
前記第1係数付加量子化変換係数と前記第2量子化値とを符号化データとして設定し、
前記量子化変換係数に非ゼロの値を付加した場合に、前記第2量子化値に基づいて、符号化対象の前記先頭の第1サブブロックが属する前記第2サブブロックの他の第1サブブロックを符号化する、
ことを特徴とする符号化方法。
(付記10)
符号化対象の画像を複数のブロックに分割し、複数の前記ブロックから構成される領域毎に並列に符号化処理し、前記ブロックを分割した符号化を行う単位である第1サブブロックのサイズと前記ブロックを分割した量子化幅を確定する量子化値が符号化される単位である第2サブブロックのサイズとが異なる符号化装置のコンピュータに、
第1量子化値に基づいて前記第1サブブロックを符号化し、
符号化対象の前記第1サブブロックが、属するブロックの符号化処理順において先頭の第1サブブロックであるか否かを判定し、
符号化対象の前記第1サブブロックが前記先頭の第1サブブロックである場合に、前記第1量子化値で量子化された変換係数である量子化変換係数の全てがゼロであるか否かを判定し、
前記量子化変換係数の全てがゼロである場合に、前記量子化変換係数のいずれかの係数に非ゼロの値を付加した第1係数付加量子化変換係数を生成し、
前記非ゼロの値を付加した係数に対応する、逆量子化して復元される予測誤差ブロックである復号予測誤差ブロックの値がゼロとなる量子化値を第1候補値として選択し、
符号化対象の前記先頭の第1サブブロックの予測誤差に対する、該先頭の第1サブブロックが属する前記第2サブブロックの他の第1サブブロックの予測誤差の大きさに応じて、前記第1候補値より大きな値の第2量子化値を生成し、
前記第1係数付加量子化変換係数と前記第2量子化値とを符号化データとして設定し、
前記量子化変換係数に非ゼロの値を付加した場合に、前記第2量子化値に基づいて、符号化対象の前記先頭の第1サブブロックが属する前記第2サブブロックの他の第1サブブロックを符号化する、
処理を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
(付記11)
符号化対象の画像を複数のブロックに分割し、複数の前記ブロックから構成される領域毎に並列に符号化処理し、前記ブロックを分割した符号化を行う単位である第1サブブロックのサイズと前記ブロックを分割した量子化幅を確定する量子化値が符号化される単位である第2サブブロックのサイズとが異なる符号化装置のコンピュータに、
第1量子化値に基づいて前記第1サブブロックを符号化し、
符号化対象の前記第1サブブロックが、属するブロックの符号化処理順において先頭の第1サブブロックであるか否かを判定し、
符号化対象の前記第1サブブロックが前記先頭の第1サブブロックである場合に、前記第1量子化値で量子化された変換係数である量子化変換係数の全てがゼロであるか否かを判定し、
前記量子化変換係数の全てがゼロである場合に、前記量子化変換係数のいずれかの係数に非ゼロの値を付加した第1係数付加量子化変換係数を生成し、
前記非ゼロの値を付加した係数に対応する、逆量子化して復元される予測誤差ブロックである復号予測誤差ブロックの値がゼロとなる量子化値を第1候補値として選択し、
符号化対象の前記先頭の第1サブブロックの予測誤差に対する、該先頭の第1サブブロックが属する前記第2サブブロックの他の第1サブブロックの予測誤差の大きさに応じて、前記第1候補値より大きな値の第2量子化値を生成し、
前記第1係数付加量子化変換係数と前記第2量子化値とを符号化データとして設定し、
前記量子化変換係数に非ゼロの値を付加した場合に、前記第2量子化値に基づいて、符号化対象の前記先頭の第1サブブロックが属する前記第2サブブロックの他の第1サブブロックを符号化する、
処理を実行させるプログラムを記憶した記録媒体。
1 動画像符号化装置
10 入力部
20 記憶部
21 局所復号画像記憶部
30 出力部
40 制御部
41 分割部
42 符号化部
51 イントラ予測部
52 インター予測部
53 予測ブロック選択部
54 予測誤差ブロック生成部
55 符号化制御部
56 変換・量子化部
57 逆量子化・逆変換部
58 復号ブロック生成部
59 デブロッキングフィルタ
60 ダミー量子化値挿入部
61 量子化値候補生成部
61A 無歪み係数付加量子化変換係数生成部
61B 無歪み量子化値選択部
61C RD量子化値候補算出部
62 RDコスト算出部
63 符号化条件選択部
63A 最適RD量子化値特定部
63B 最適量子化値特定部
64 量子化値補正部
64A 第1複雑度算出部
64B 第2複雑度算出部
64C 量子化上限値算出部
64D 量子化目標値算出部
64E 補正部
43 結合部
T1 量子化値範囲管理テーブル
201 CPU
202 RAM
203 ROM
204 HDD
205 機器インターフェース
206 通信モジュール
207 読取装置
208 バス
209 記録媒体

Claims (10)

  1. 符号化対象の画像を複数のブロックに分割し、複数の前記ブロックから構成される領域毎に並列に符号化処理し、前記ブロックを分割した符号化を行う単位である第1サブブロックのサイズと前記ブロックを分割した量子化幅を確定する量子化値が符号化される単位である第2サブブロックのサイズとが異なる符号化装置であって、
    第1量子化値に基づいて前記第1サブブロックを符号化する第1符号化手段と、
    符号化対象の前記第1サブブロックが、属するブロックの符号化処理順において先頭の第1サブブロックであるか否かを判定する第1判定手段と、
    符号化対象の前記第1サブブロックが前記先頭の第1サブブロックである場合に、前記第1符号化手段により量子化された変換係数である量子化変換係数の全てがゼロであるか否かを判定する第2判定手段と、
    前記量子化変換係数の全てがゼロである場合に、前記量子化変換係数のいずれかの係数に非ゼロの値を付加した第1係数付加量子化変換係数を生成する第1付加手段と、
    前記非ゼロの値を付加した係数に対応する、逆量子化して復元される予測誤差ブロックである復号予測誤差ブロックの値がゼロとなる量子化値を第1候補値として選択する第1選択手段と、
    符号化対象の前記先頭の第1サブブロックの予測誤差に対する、該先頭の第1サブブロックが属する前記第2サブブロックの他の第1サブブロックの予測誤差の大きさに応じて、前記第1候補値より大きな値の第2量子化値を生成する生成手段と、
    前記第1係数付加量子化変換係数と前記第2量子化値とを符号化データとして設定する設定手段と、
    前記量子化変換係数に非ゼロの値を付加した場合に、前記第2量子化値に基づいて、符号化対象の前記先頭の第1サブブロックが属する前記第2サブブロックの他の第1サブブロックを符号化する第2符号化手段と
    を備える、
    ことを特徴とする符号化装置。
  2. 前記第1候補値と前記第1量子化値との間で複数の候補量子化値を選択する第2選択手段と、
    前記候補量子化値のそれぞれに対し、前記量子化変換係数に非ゼロの値を付加した場合の符号化情報量の推定値である符号化コストを算出する第1算出手段と、
    算出された前記符号化コストの内で最小の符号化コストに対応する候補量子化値を第2候補値として特定する第1特定手段と、
    前記第2候補値に対応する前記量子化変換係数に非ゼロの値を付加した第2係数付加量子化変換係数を生成する第2付加手段と、
    前記第1候補値と前記第2候補値とを比較して、値がより大きい候補値を最適候補値として特定する第2特定手段と、
    を、更に、備え、
    前記生成手段は、符号化対象の前記先頭の第1サブブロックの予測誤差に対する、該先頭の第1サブブロックが属する前記第2サブブロックの他の第1サブブロックの予測誤差の大きさに応じて、前記最適候補値をより大きな値に補正した第2量子化値を生成し、
    前記設定手段は、前記第1係数付加量子化変換係数と前記第2係数付加量子化変換係数との内で前記最適候補値に対応する非ゼロの値を付加した係数付加量子化変換係数と前記第2量子化値とを符号化データとして設定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  3. 周波数変換対象である予測誤差ブロックを生成する際に用いられる予測ブロックは、イントラ予測によるイントラ予測ブロックとインター予測によるインター予測ブロックの2種類あり、
    符号化対象の前記先頭の第1サブブロックに対応する予測ブロックがイントラ予測ブロックである場合に、該先頭の第1サブブロックに属する、前記第1サブブロックを分割した周波数変換処理の単位である第3サブブロックの内で周波数変換処理順が最後の第3サブブロックに基づいて、前記復号予測誤差ブロックの値がゼロとなる量子化値の範囲を特定し、特定した範囲の内で略最大の値を第3候補値として選択する第3選択手段を、更に、備え、
    前記第2選択手段は、符号化対象の前記先頭の第1サブブロックに対応する予測ブロックがイントラ予測ブロックである場合に、前記第3候補値と前記第1量子化値との間で複数の前記候補量子化値を選択する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の符号化装置。
  4. 符号化対象の前記先頭の第1サブブロックに対応する原画ブロックの画像の複雑さを示す指標である複雑度に基づいて、前記量子化変換係数に非ゼロの値を付加することに起因する前記復号予測誤差ブロックにおけるノイズが目立たない状態を維持できる量子化値の上限値を算出する第2算出手段を、更に、備え、
    前記生成手段は、前記上限値を超えないように前記第1候補値又は前記最適候補値を補正して前記第2量子化値を生成する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の符号化装置。
  5. 前記生成手段は、符号化対象の前記先頭の第1サブブロックの予測誤差における前記複雑度に対する、該先頭の第1サブブロックが属する前記第2サブブロックの他の第1サブブロックの予測誤差における前記複雑度の比率に基づいて、前記第1候補値又は前記最適候補値をより大きな値に補正する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の符号化装置。
  6. 符号化に起因するブロック境界におけるブロックノイズを低減するためのデブロッキングフィルタを、更に、備え、
    前記デブロッキングフィルタは、前記量子化変換係数に非ゼロの値を付加した場合に、前記第2量子化値に基づいて、符号化対象の前記先頭の第1サブブロックが属する前記第2サブブロックにおけるフィルタ強度を設定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の符号化装置。
  7. 前記第1付加手段は、符号化対象の前記先頭の第1サブブロックに属する前記第3サブブロックの内で最大サイズの第3サブブロックを特定し、特定した前記第3サブブロックに対応する前記量子化変換係数のいずれかの係数に非ゼロの値を付加した前記第1係数付加量子化変換係数を生成する、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の符号化装置。
  8. 周波数変換対象である予測誤差ブロックを生成する際に用いられる予測ブロックは、イントラ予測によるイントラ予測ブロックとインター予測によるインター予測ブロックの2種類あり、
    前記第1付加手段は、符号化対象の前記先頭の第1サブブロックに対応する前記予測ブロックが前記インター予測ブロックである場合には、符号化方式において選択し得る最大サイズの第3サブブロックを特定する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の符号化装置。
  9. 符号化対象の画像を複数のブロックに分割し、複数の前記ブロックから構成される領域毎に並列に符号化処理し、前記ブロックを分割した符号化を行う単位である第1サブブロックのサイズと前記ブロックを分割した量子化幅を確定する量子化値が符号化される単位である第2サブブロックのサイズとが異なる符号化装置の符号化方法であって、
    第1量子化値に基づいて前記第1サブブロックを符号化し、
    符号化対象の前記第1サブブロックが、属するブロックの符号化処理順において先頭の第1サブブロックであるか否かを判定し、
    符号化対象の前記第1サブブロックが前記先頭の第1サブブロックである場合に、前記第1量子化値で量子化された変換係数である量子化変換係数の全てがゼロであるか否かを判定し、
    前記量子化変換係数の全てがゼロである場合に、前記量子化変換係数のいずれかの係数に非ゼロの値を付加した第1係数付加量子化変換係数を生成し、
    前記非ゼロの値を付加した係数に対応する、逆量子化して復元される予測誤差ブロックである復号予測誤差ブロックの値がゼロとなる量子化値を第1候補値として選択し、
    符号化対象の前記先頭の第1サブブロックの予測誤差に対する、該先頭の第1サブブロックが属する前記第2サブブロックの他の第1サブブロックの予測誤差の大きさに応じて、前記第1候補値より大きな値の第2量子化値を生成し、
    前記第1係数付加量子化変換係数と前記第2量子化値とを符号化データとして設定し、
    前記量子化変換係数に非ゼロの値を付加した場合に、前記第2量子化値に基づいて、符号化対象の前記先頭の第1サブブロックが属する前記第2サブブロックの他の第1サブブロックを符号化する、
    ことを特徴とする符号化方法。
  10. 符号化対象の画像を複数のブロックに分割し、複数の前記ブロックから構成される領域毎に並列に符号化処理し、前記ブロックを分割した符号化を行う単位である第1サブブロックのサイズと前記ブロックを分割した量子化幅を確定する量子化値が符号化される単位である第2サブブロックのサイズとが異なる符号化装置のコンピュータに、
    第1量子化値に基づいて前記第1サブブロックを符号化し、
    符号化対象の前記第1サブブロックが、属するブロックの符号化処理順において先頭の第1サブブロックであるか否かを判定し、
    符号化対象の前記第1サブブロックが前記先頭の第1サブブロックである場合に、前記第1量子化値で量子化された変換係数である量子化変換係数の全てがゼロであるか否かを判定し、
    前記量子化変換係数の全てがゼロである場合に、前記量子化変換係数のいずれかの係数に非ゼロの値を付加した第1係数付加量子化変換係数を生成し、
    前記非ゼロの値を付加した係数に対応する、逆量子化して復元される予測誤差ブロックである復号予測誤差ブロックの値がゼロとなる量子化値を第1候補値として選択し、
    符号化対象の前記先頭の第1サブブロックの予測誤差に対する、該先頭の第1サブブロックが属する前記第2サブブロックの他の第1サブブロックの予測誤差の大きさに応じて、前記第1候補値より大きな値の第2量子化値を生成し、
    前記第1係数付加量子化変換係数と前記第2量子化値とを符号化データとして設定し、
    前記量子化変換係数に非ゼロの値を付加した場合に、前記第2量子化値に基づいて、符号化対象の前記先頭の第1サブブロックが属する前記第2サブブロックの他の第1サブブロックを符号化する、
    処理を実行させる、
    ことを特徴とするプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115243041A (zh) * 2018-05-03 2022-10-25 Lg电子株式会社 图像编码和解码方法及解码装置、存储介质和发送方法
CN115243041B (zh) * 2018-05-03 2024-06-04 Lg电子株式会社 图像编码和解码方法及解码装置、存储介质和发送方法

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