以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が可変表示される。この演出図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rでは演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、演出図柄の可変表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。
図1に示すパチンコ遊技機1の構成例では、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
第1特図保留記憶数は、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ1加算(インクリメント)される。これにより、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。
第2特図保留記憶数は、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ1加算(インクリメント)される。これにより、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。
第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。このように、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや演出図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態または小当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときには、可変表示の保留が発生する。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
第1保留表示器25Aや第2保留表示器25Bとともに、あるいは、これらの保留表示器に代えて、画像表示装置5の表示領域に始動入賞記憶数表示エリアを設けてもよい。すなわち、始動入賞記憶表示エリアでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
例えば遊技領域の左下部といった、遊技領域の内部または外部における所定位置には、複数のセグメントランプを用いて形成された装飾セグメントランプ30が設けられている。装飾セグメントランプ30は、例えば四角格子状(網目状)といった、マトリクス状に配置された複数の演出用ランプを含み、点灯/消灯/点滅などにより、パチンコ遊技機1における遊技に関する演出の一部が実行される。装飾セグメントランプ30には、ミッション達成報知ランプ30Aが含まれている。ミッション達成報知ランプ30Aは、予め定められたミッションを成功(達成)させる特定演出が実行されるときに、通常の演出時とは異なる点灯態様で点灯することにより、ミッションが成功(達成)したことを遊技者が認識可能に報知する。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、ミッション達成報知ランプ30Aを含む装飾セグメントランプ30、その他の装飾用LEDといった、演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾セグメントランプ30(ミッション達成報知ランプ30Aを含む)および装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾セグメントランプ30(ミッション達成報知ランプ30Aを含む)および装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾セグメントランプ30(ミッション達成報知ランプ30Aを含む)および装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、演出図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)する始動入賞(第1始動入賞)が発生したときに、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより、第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)する始動入賞(第2始動入賞)が発生したときに、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる演出図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において演出図柄の可変表示結果となる確定演出図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄とは異なる小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」(特殊表示結果)となり、特定遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄と小当り図柄のいずれも導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「14」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となり、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「突確」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。一方、大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となる短期開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第2特定遊技状態ともいう。
大当り種別が「突確」である場合の大当り遊技状態では、短期開放ラウンドにて特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放ラウンドにおける第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放ラウンドにて大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御される以外は、通常開放ラウンドが実行される場合と同様の制御が行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放ラウンドが実行される場合には、ラウンド遊技の実行回数が、通常開放ラウンドの実行回数である第1ラウンド数(例えば「14」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。すなわち、短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に比べて、各ラウンド遊技にて大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンド遊技の実行回数が第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
このような短期開放ラウンドが実行される場合には、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば14個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間が第2期間(0.1秒間など)であることなどにより、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態となる。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となり、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放ラウンドと同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を開放状態として遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態とする動作が繰返し実行される。小当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が維持されればよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。
一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」または「突確」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態となる。小当り遊技状態が終了した後には、小当り遊技状態となる以前の遊技状態が継続する。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、確変状態や時短状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、確変状態や時短状態が終了して通常状態になることがある。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。例えば高開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となり確変制御が行われるものの、高開放制御が行われないようにしてもよい。なお、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる以前の遊技状態が確変状態や時短状態であって高開放制御を伴う時短制御が行われていたときには、大当り遊技状態の終了後も高開放制御を伴う時短制御が行われるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「14」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の可変表示が開始される。そして、演出図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定演出図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、演出図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。なお、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部が大当り組合せの全部を構成しながら同期して変動している表示態様のリーチ態様を全回転リーチ態様という。
また、リーチ態様となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマルリーチAやノーマルリーチB、スーパーA〜D、全回転リーチA〜Cといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルリーチのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、全回転リーチのリーチ演出が実行された場合には、100%大当りとなる。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定演出図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の演出図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定演出図柄が導出表示されればよい。一方、大当り種別が「突確」となる場合には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に所定の短期開放チャンス目を構成する演出図柄が停止表示されることにより、特殊表示結果となる確定演出図柄が導出表示されることがある。また、大当り種別が「突確」となる場合には、演出図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が導出表示されることもある。特図表示結果が「小当り」となるときには、短期開放チャンス目を構成する演出図柄が停止表示されることにより、特殊表示結果となる確定演出図柄が導出表示される。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定演出図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定演出図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定演出図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定演出図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定演出図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。
確定演出図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる演出図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる演出図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、演出図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる演出図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、演出図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する演出図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定演出図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、演出図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する演出図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定演出図柄が導出表示されることもある。
このように、画像表示装置5の画面上では、例えば「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて演出図柄の可変表示が行われて可変表示結果となる確定演出図柄が導出される。また、演出図柄の可変表示態様がリーチ態様となったときには、リーチ演出を実行するために、画像表示装置5の画面上にて演出画像の表示などが行われる。その他にも、演出図柄の可変表示中には、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)を示唆する予告演出を実行するために、画像表示装置5の画面上にて演出画像の表示などが行われる。したがって、画像表示装置5における表示画面は、パチンコ遊技機1における遊技の進行に伴い遊技者の注目が最も向けられやすく、画像表示装置5は遊技に関する主要な演出を行う主要演出手段となる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、変動パターン決定用の乱数値MR2とが含まれていればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR2は、特別図柄や演出図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かが判定される。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数を更新するための第1始動入賞処理が行われる。一方、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数を更新するための第2始動入賞処理が行われる。
一例として、第1始動入賞処理では、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第1特図保留記憶数が上限値に達していれば、第1始動入賞処理を終了する。一方、第1特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第1特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。
第2始動入賞処理では、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第2特図保留記憶数が上限値に達していれば、第2始動入賞処理を終了する。一方、第2特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第2特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や演出図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、演出図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、演出図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、特別図柄表示装置4において特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、特別図柄表示装置4にて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。小当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「小当り」であることに基づく小当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。大当りフラグや小当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。この処理では、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
大当り終了処理において、CPU103は、RAM102の所定領域から大当り種別バッファ値を読み出すことにより、大当り種別が「非確変」、「確変」または「突確」のいずれであったかを特定する。このとき特定された大当り種別が「確変」または「突確」である場合には、確変制御の開始により遊技状態を確変状態とするための設定を行う。例えば、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。また、特定された大当り種別が「非確変」または「確変」である場合には、時短制御を開始するための設定を行う。例えば、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグをオン状態にセットするとともに、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた時短回数カウンタに所定のカウント初期値(例えば「100」)を設定すればよい。時短回数カウンタは、時短制御が終了するまでに実行可能な特図ゲームの残り回数をカウントする。なお、大当り種別が「確変」であることに対応して、次に可変表示結果が「大当り」となるまで時短制御を継続させる場合には、時短回数カウンタのカウント初期値を設定せずに、確変フラグと時短フラグとをいずれもオン状態にセットすればよい。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、開放回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に再び大入賞口を開放状態とするまで待機する処理などが実行される。大入賞口の開放回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図4は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されない。すなわち、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過(進入)した順番で、特図ゲームが実行されるようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図5(A)は、ステップS239の処理による特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図5(A)に示す決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグがオンである場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。
図5(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により、大当り種別が「確変」または「突確」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。また、図5(A)に示す決定例では、変動特図が第1特図である場合に、所定割合で特図表示結果が「小当り」に決定される。一方、変動特図が第2特図である場合には、特図表示結果が「小当り」に決定されることがない。
遊技状態が確変状態や時短状態であるときには、高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利開放態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させることがある。こうした高開放制御が行われているときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて特図表示結果が「小当り」に決定されないように制限することで、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合よりも低い割合で、特図表示結果が「小当り」に決定されることがあってもよい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図5(B)は、ステップS242の処理による大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。より具体的に、変動特図が第1特図である場合に、所定割合で大当り種別が「突確」に決定される。一方、変動特図が第2特図である場合には、大当り種別が「突確」には決定されない。すなわち、大当り種別が「突確」に決定されるのは、変動特図が第1特図のときだけになる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、異なる大当り種別に決定されてもよい。また、大当り種別が「確変」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
遊技状態が確変状態や時短状態であるときには、高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利開放態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させることがある。こうした高開放制御が行われているときに、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別が「突確」に決定されないように制限することで、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合よりも低い割合で、大当り種別が「突確」に決定されることがあってもよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合には(ステップS240;No)、その特図表示結果は「小当り」であるか否かを判定する(ステップS244)。このとき、特図表示結果が「小当り」である場合には(ステップS244;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS245)。
ステップS244にて特図表示結果が「小当り」ではない場合や(ステップS244;No)、ステップS243、S245の処理のいずれかを実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240、S244にて特図表示結果が「大当り」や「小当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。ステップS244にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、小当り図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図6(A)は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図6(A)に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS263)。そして、小当りフラグがオンである場合には(ステップS263;Yes)、特図表示結果が「小当り」となる小当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS264)。一方、小当りフラグがオフである場合には(ステップS263;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS265)。
図6(B)は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」や「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図7(A)は、大当り時における変動パターンの決定例を示している。例えば図6(A)に示すステップS262の処理では、変動パターン決定用の乱数値MR2に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意された大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、図7(A)に示すような決定割合で可変表示結果が「大当り」となる場合の変動パターンが決定されればよい。
図7(B)は、小当り時における変動パターンの決定例を示している。例えば図6(A)に示すステップS264の処理では、変動パターン決定用の乱数値MR2に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意された小当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、図7(B)に示すような決定割合で可変表示結果が「小当り」となる場合の変動パターンが決定されればよい。
図7(A)に示す決定例では、大当り種別が「非確変」または「確変」の場合に、変動パターンPA3−1といった、ノーマルのリーチ演出だけが実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA3−2や変動パターンPA3−3といったスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも低くなるように設定されている。一方、図7(C)に示す決定例では、変動パターンPA2−1といった、ノーマルのリーチ演出だけが実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA2−2や変動パターンPA2−3といったスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも高くなるように設定されている。また、大当り時には、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも高くなるように設定されている。これにより、スーパーリーチのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高められる。また、図7(A)に示すように、大当り時に全回転リーチのリーチ演出が実行される変動パターンPA3−4に決定される割合は、他の変動パターンに比べて最も低くなっている。したがって、全回転リーチのリーチ演出は、滅多に実行されない演出となっている。また、図7(C)には全回転リーチのリーチ演出が実行される変動パターンが設定されていない。したがって、全回転リーチのリーチ演出が実行された場合には、100%大当りとなるため、遊技者の全回転リーチへの期待感を向上させることができる。なお、この実施の形態では、滅多に実行されない演出(特定の種類の特定演出)の一例として全回転リーチを示しているが、全回転リーチでなくても、例えば、プレミア画像を表示するなどといった演出であってもよい。また、全回転リーチ演出以外のリーチ演出、リーチ前予告演出、リーチ中演出(カットイン演出等)、保留変化・アクティブ表示変化演出(保留表示や実行中の可変表示に対応する画像の表示態様変化演出)、大当り中演出、保留連演出、確変又は高ベース中演出(連荘中演出)、でもよい。
図6(A)に示すステップS262、S264、S265の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図6(B)に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や演出図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS267の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される演出図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や演出図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図8のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図8に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファ(受信コマンドバッファ)に格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、メニュー処理を実行する(ステップS75)。メニュー処理では、例えば図9(A)に示すようなメニュー画面を画像表示装置5の画面上に表示可能とし、さらには、図9(B)に示すようなパスワード入力や、図9(C)に示すようなコード出力も可能にする。
ステップS75におけるメニュー処理に続いて、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。ステップS76の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9や装飾セグメントランプ30および装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型(可動部材)における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図10は、図8のステップS75にて実行されるメニュー処理の一例を示すフローチャートである。図10に示すメニュー処理において、演出制御用CPU120は、まず、特図ゲームの保留記憶数(特図保留記憶数)が「0」であるか否かを判定する(ステップS301)。このとき、保留記憶数が「0」である場合には(ステップS301;Yes)、特別図柄や演出図柄の可変表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。例えばステップS302の処理では、演出プロセスフラグの値が「0」以外であるか否かにより、可変表示中であるか否かを判定すればよい。
ステップS302にて可変表示中ではない場合には(ステップS302;No)、所定のメニュー操作処理を実行するメニュー操作処理中であるか否かを判定する(ステップS303)。そして、メニュー操作処理中ではないときには(ステップS303;No)、例えばスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する所定操作による指示入力の検出結果などに基づいて、メニュー画面の表示を要求するメニュー表示要求があったか否かを判定する(ステップS304)。一例として、スティックコントローラ31Aにおける所定方向(例えば手前方向など)への傾倒操作またはプッシュボタン31Bにおける押下操作が、所定時間(例えば1秒間)にわたり継続して検出されたときには、メニュー表示要求があったと判定すればよい。
ステップS304にてメニュー表示要求がないときには(ステップS304;No)、メニュー処理の実行を終了する。一方、メニュー表示要求があったときには(ステップS304;Yes)、所定のメニュー画面表示制御を行うことにより、図9(A)に示すようなメニュー画面を画像表示装置5に表示させる制御を行う(ステップS305)。例えば演出制御用CPU120は、ROM121の所定領域に予め記憶させるなどして用意されたメニュー画面表示用の演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、表示制御部123に表示制御指令を送ることなどにより、画像表示装置5にメニュー画面を表示させればよい。
ステップS303にてメニュー操作処理中であるときや(ステップS303;Yes)、ステップS305の処理を実行した後には、メニュー操作処理を実行してから(ステップS306)、メニュー処理の実行を終了する。
ステップS305の表示制御により表示されるメニュー画面には、例えば図9(A)に示すように、「パスワード入力」、「コード表示」、「データクリア」、「全回転一覧」、「終了」といった項目が設けられている。このメニュー画面が表示されたときには、スティックコントローラ31Aに対する所定操作(例えば操作桿の傾倒操作)により選択対象の項目(白黒反転で表示)を変更することができる。また、スティックコントローラ31Aに対する所定操作(例えばトリガボタンの押引操作)あるいはプッシュボタン31Bに対する所定操作(例えば押下操作)により、選択対象として表示された項目の選択が確定され、その項目に応じた処理が実行される。
図11は、図10のステップS306にて実行されるメニュー操作処理の一例を示すフローチャートである。図11に示すメニュー操作処理において、演出制御用CPU120は、まず、パスワードの入力要求があったか否かを判定する(ステップS321)。例えば図9(A)に示すメニュー画面において、「パスワード入力」という項目の選択が確定したときに、パスワードの入力要求があったと判定すればよい。
ステップS321にてパスワードの入力要求があったときには(ステップS321;Yes)、パスワードの入力を受け付けるための制御が行われる(ステップS322)。一例として、ステップS322の処理では、図9(B)に示すパスワード入力画面が表示されて、パスワードの受付けを可能にする。パチンコ遊技機1に入力されるパスワードは、例えばパチンコ遊技機1にて表示された2次元コードなどに基づいて、所定のネットワークアドレス(具体例としてURLやIPアドレスなど)を指定してアクセスした管理サーバにて発行されたものであればよい。あるいは、パチンコ遊技機1にて表示された2次元コードを遊技者が所持する端末装置(携帯端末)で撮影することにより発行されたものであってもよい。あるいは、パチンコ遊技機1にて画像表示装置5の画面上にパスワードが表示されてもよい。あるいは、所定の管理サーバから端末装置にダウンロードされて実行された遊技機アプリにより、パスワードが出力されてもよい。
図9(B)に示すパスワード入力画面には、入力したパスワード(記号列)が表示されるパスワード入力欄と、入力する記号を選択するために記号一覧が表示された入力選択欄と、パスワード入力欄に表示された記号列から一文字を消去する「一文字消去」の項目と、パスワード入力欄に表示された記号列を入力するパスワードとして確定(決定)する「決定」の項目と、パスワードの入力を中止してメニュー画面に戻す「戻る」の項目とが設けられている。パスワード入力画面が表示されたときには、スティックコントローラ31Aに対する所定操作などによる指示入力の検出結果に基づいて、パスワード入力欄に表示させる記号が入力選択欄から選択され、「決定」という項目の選択が確定することで、パスワード入力欄に表示された記号列が入力するパスワードとして決定される。
ステップS322の処理に続いて、パスワードの入力が完了したか否かを判定する(ステップS323)。例えば図9(B)に示す「決定」という項目の選択が確定することにより、パスワードの入力が完了したときには(ステップS323;Yes)、入力されたパスワードが有効なものであるか否かを判定する(ステップS324)。図9(B)に示すパスワード入力画面にて受付可能なパスワードとなる記号列は、予め定めたフォーマットに応じた所定記号数(例えば16記号)となるときに、有効なパスワードの入力であると判定される。
例えば演出制御基板12に搭載されたROM121の所定領域には、パスワードを構成する記号(英数字:10種類、ローマ字[大文字]:26種類、ローマ字[小文字]:26種類の合計62種類)に対応して「0」〜「61」の数値を定めるパスワード解析テーブルが記憶されている。パスワード入力画面にて受け付けたパスワードは、このパスワード解析テーブルを参照して対応する数値(10進数)に置き換えられる。こうして置き換えられた数値(10進数)を、さらに6桁(6ビット)の2進数に変換することなどにより、遊技者IDや共通データ、固有データが抽出される。遊技者IDは、パチンコ遊技機1を用いた遊技を行う遊技者を識別するための情報である。共通データには、このパスワード(あるいはパスワードを含む2次元コード)を発行したパチンコ遊技機1などを特定可能な機種情報や、例えば可変表示回数および大当り回数等といった、パチンコ遊技機1の機種によらず共通して利用可能な遊技履歴情報などのデータが含まれていればよい。固有データは、パスワードが同一機種のパチンコ遊技機1などから出力された場合に利用可能となり、例えば演出出現状況および指示入力履歴等といった、パチンコ遊技機1の機種に応じて利用可能な演出履歴情報などのデータが含まれていればよい。このようにパスワードから抽出される各種情報に基づいて、パチンコ遊技機1におけるミッションの達成状況を特定することができればよい。
ステップS324にて入力されたパスワードが有効なものと判定されたときには(ステップS324;Yes)、このパスワードに基づいて特定された全回転リーチの実行状況や達成フラグの状況に対応して、全回転管理テーブルおよび達成フラグの設定を行うとともに、遊技履歴を管理すべき(記憶すべき)ことを示す履歴管理遊技実行フラグの設定を行う(ステップS325)。全回転管理テーブルは、例えば図12に示すように、「全回転リーチ」の項目に示される全回転A〜Cの演出ごとに、実行済みか否かを「1」と「0」で示すテーブルデータから構成されている。演出制御用CPU120は、例えばROM121の所定領域から「全回転リーチ」と「実行済み」のフィールドデータを読み出し、RAM122の所定領域(例えば演出制御バッファ設定部の全回転管理テーブルバッファ)に書き込んで記憶させる。そして、入力されたパスワードに基づいて特定された全回転リーチの実行状況に応じて、実行済みか否かのフィールドデータを設定する。また、詳しくは後述するが、達成フラグは、全回転A〜Cの全ての演出が実行された場合にオン状態に設定されるフラグである。ステップS325にて、演出制御用CPU120は、パスワードに基づいて特定された達成フラグの状況に対応して、達成フラグの設定をする。
図11に示すステップS321にてパスワードの入力要求がないときや(ステップS321;No)、ステップS325の処理を実行した後には、履歴管理遊技実行フラグがオンに設定されているか否かを判定する(ステップS326)。履歴管理遊技実行フラグがオンである場合(ステップS326;Yes)、パチンコ遊技機1での遊技履歴に応じたコード出力を要求するコード出力要求があったか否かを判定する(ステップS327)。例えば図9(A)に示すメニュー画面において、「コード出力」という項目の選択が確定したときには、コード出力要求があったと判定すればよい。履歴管理遊技実行フラグがオフである場合(ステップS326;No)、メニュー操作処理の実行を終了する。
ステップS327にてコード出力要求があったときには(ステップS327;Yes)、全回転管理テーブルおよび達成フラグをチェックする(ステップ328)。こうしたチェック結果に基づいて、遊技履歴に応じたコードを出力するための制御が行われる(ステップS329)。一例として、ステップS329の処理では、図9(C)に示すコード出力画面が表示されて、所定規格(具体例としてJIS X 0510規格あるいはISO/IEC 18004規格など)に適合する2次元コードを出力する。この2次元コードには、パチンコ遊技機1の機種を示す機種情報や遊技者IDの他に、可変表示回数や大当り回数、全回転リーチの実行状況や達成フラグの状況などといった演出出現状況などを特定可能な情報、および、遊技者が所持する端末装置(携帯端末)を用いて管理サーバにアクセスするためのネットワークアドレスなどが含まれていればよい。
図9(C)に示すようなコード出力画面で出力される2次元コードには、パチンコ遊技機1が発行したパスワードを示すパスワード情報が含まれてもよい。あるいは、2次元コードとは別個に、パチンコ遊技機1が発行したパスワードを、コード出力画面にて表示してもよい。すなわち、パチンコ遊技機1における全回転リーチの実行結果などに応じて発行されたパスワードは、遊技者が所持する端末装置(携帯端末)を用いて撮影可能な2次元コードに含まれてもよいし、2次元コードとは異なる情報として提供されてもよい。パチンコ遊技機1がパスワードを発行するものに限定されず、2次元コードを撮影した端末装置を用いて管理サーバにアクセスすることにより、管理サーバで発行されたパスワードを取得できるようにしてもよい。あるいは、2次元コードを撮影した端末装置にて所定のパスワード発行プログラムが実行されることにより、端末装置にてパスワードが発行されるようにしてもよい。2次元コードやパスワードなどの情報は、パチンコ遊技機1にて画像表示装置5の画面上に表示して出力するものに限定されず、例えば2次元コードやパスワードを印刷したチケットを発行して出力するものであってもよい。あるいは、パチンコ遊技機1と端末装置との間で無線または有線により通信を行い、パチンコ遊技機1から出力された2次元コードやパスワードといった情報が、端末装置へと伝送されてもよい。
ステップS329にてコード出力の制御を行った後には、遊技が終了したと判定し、全回転管理テーブル、履歴管理遊技実行フラグ、および達成フラグを初期化する(ステップS330)。
図11に示すステップS326にてコード出力要求がないときや(ステップS326;No)、ステップS330の処理を実行した後には、全回転リーチの実行履歴(達成フラグの設定も含む)などを示すデータの初期化を要求するデータクリア要求があったか否かを判定する(ステップS331)。例えば図9(A)に示すメニュー画面において、「データクリア」という項目の選択が確定したときに、データクリア要求があったと判定すればよい。
ステップS331にてデータクリア要求があったときには(ステップS331;Yes)、全回転管理テーブル、履歴管理遊技実行フラグ、および達成フラグを初期化する(ステップS332)。例えば演出制御用CPU120は、図12に示す全回転管理テーブルにおける「実行済(1)/未実行(0)」のフィールドデータをクリアして、いずれの演出についても「0」(未実行)となるように設定すればよい。また、達成フラグについても、オフ状態に初期化すればよい。こうして全回転管理テーブルを初期化することなどにより、パチンコ遊技機1などにおいて特定演出が実行された履歴を示す演出履歴情報を、消去することができる。なお、ステップS332の処理では、履歴管理遊技実行フラグについて初期化されなくてもよい。さらに、全回転管理テーブルと達成フラグのうちいずれか一方のみが初期化されるようにしてもよい。この場合、遊技者の選択により初期化されればよい。
ステップS331にてデータクリア要求がないときや(ステップS331;No)、ステップS332の処理を実行した後には、全回転リーチの実行状況について、一覧表示を要求する全回転一覧要求があったか否かを判定する(ステップS333)。例えば図9(A)に示すメニュー画面において、「全回転一覧」という項目の選択が確定したときに、全回転一覧要求があったと判定すればよい。全回転一覧要求がないときには(ステップS333;No)、メニュー操作処理の実行を終了する。
ステップS333にて全回転一覧要求があったときには(ステップS333;Yes)、全回転管理テーブルおよび達成フラグをチェックして(ステップS334)、全回転リーチごとに実行状況を一覧表示するための制御と達成フラグによる達成度表示を行うための制御を行い(ステップS335)、メニュー操作処理の実行を終了する。
図13は、全回転一覧の表示例を示している。より具体的には、図12に示す全回転管理テーブルにより示される全回転リーチの実行状況に対応した全回転一覧の表示例を示している。全回転一覧は、例えば複数の全回転リーチごとに、実行されたか否かを遊技者が認識可能に表示すればよい。図13に示す例では、全回転リーチAが既に実行された場合の例を示している。なお、図示する例では、全回転リーチAに対応する表示部分に「済」のマークを表示することにより、実行されたことを視認可能に表示する例を示しているが、例えば、実行されていない全回転リーチを明るく表示し、実行された全回転リーチを暗く表示してもよいし、実行されていない全回転リーチのみ表示するようにしてもよい。また、図示する例では、達成フラグがオン状態に設定されており(全回転リーチA〜Cが実行されたことを示す設定がなされており)、達成度を「星」の画像により示している。この実施の形態では、図示する「星」の画像が表示されているか否かにより全回転リーチA〜Cの全てが実行されたか否かを示しているが、全回転リーチA〜Cの全てが実行される度に「星」の数を増加して、達成度がアップ(全回転リーチA〜Cの全てが実行された回数を認識可能と)するようにしてもよい。この場合、達成フラグを(オンとオフの2種類ではなく)カウンタとして設けておき、全回転リーチA〜Cの全てが実行される度にインクリメントしてカウント値を増加させればよい。そして、当該カウンタ(達成フラグ)のカウント値に応じた数の「星」を表示して、全回転リーチA〜Cの全てが実行された回数を遊技者が認識可能に表示すればよい。また、達成度に応じた達成フラグを複数設けておいてもよい。なお、達成度に応じて背景画像を変化させるようにしてもよい。さらに、当該カウンタ(達成フラグ)のカウント値が1〜5である場合にはレベル1、6〜10である場合にはレベル2、といったようにして、レベルを表示するようにしてもよい。これによれば、遊技者のレベルアップに対する意欲を向上させることができる。
図14は、図8に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS76)の一例を示すフローチャートである。図14に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜ステップS807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、画像表示装置5の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801)は、演出図柄(演出図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(ステップS802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(ステップS803)は、演出図柄(演出図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(ステップS804)は、変動時間の終了後、画像表示装置5に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(ステップS805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(ステップS806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(ステップS807)は、画像表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU120は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態の開始時から大当り遊技状態の終了時までの予め定められた演出制御期間中において、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって画像表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(演出図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、画像表示装置5の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU120は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図15は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(ステップS601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、可変表示結果通知コマンドによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には(ステップS601;Yes)、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(ステップS602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合(ステップS602;Yes)、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(ステップS604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
ステップS604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
ステップS602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は(ステップS602;No)、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(ステップS605)、ステップS616へ進む。ステップS605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(ステップS601;No)、演出制御用CPU120は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(ステップS603)、ステップS616へ進む。
ステップS603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、結果演出の種類の決定やリーチ演出の種類等の処理)を行なう演出設定処理(ステップS616)を実行した後、ステップS617に進む。演出設定処理の処理内容については、図16を用いて後述する。
ステップS617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。ステップS617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、ステップS616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、画像表示装置5の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、ステップS617で選択した演出制御パターンに応じたプロセスデータをセットする(ステップS618)。設定されたプロセスデータは、後述する図19の演出図柄変動中処理において用いられる。そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS619)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にし(ステップS620)、演出図柄変動開始処理を終了する。
図16は、リーチ演出決定テーブルの構成例などを示す図である。リーチ演出決定テーブルは、演出設定処理(ステップS616)においてリーチ演出の種類を決定するときに用いられるデータテーブルである。リーチ演出決定テーブルは、ROM102に記憶されている。図16(A)に示すリーチ演出決定テーブル(履歴管理遊技実行フラグ設定有り)は、履歴管理遊技実行フラグの設定がなされている場合に選択されるテーブルであり、図16(B)に示すリーチ演出決定テーブル(履歴管理遊技実行フラグ設定無し)は、履歴管理遊技実行フラグの設定がなされていない場合に選択されるテーブルである。図16(A)および(B)に示すリーチ演出決定テーブルでは、変動パターンに応じていずれのリーチ演出を実行するかが設定されている。具体的に、図16(A)に示すリーチ演出決定テーブル(履歴管理遊技実行フラグ設定有り)と図16(B)に示すリーチ演出決定テーブル(履歴管理遊技実行フラグ設定無し)とでは、PA2−1とPA3−1の変動パターンである場合、ノーマルリーチAとノーマルリーチBを交互に実行し、PA2−2とPA3−2の変動パターンである場合、図16(C)に従ってスーパーリーチA〜Cのいずれかを実行するように設定されている。図16(C)は、PA2−2またはPA3−2の変動パターンの場合にスーパーリーチA〜Cのいずれのリーチ演出を実行するかを、回数(PA2−2またはPA3−2の変動パターンに決定された回数)に応じて決定するための決定例を示している。図16(C)に示す例では、1回〜3回の例を示しているが、4回〜6回についても、すなわち、n回目、n+1回目、n+2回目(nは整数)についても図示する決定割合と同様である。図16(A)および(B)に示すリーチ演出決定テーブルでは、PA2−3とPA3−3の変動パターンである場合、スーパーリーチDのリーチ演出を実行するように設定されている。図16(A)に示すリーチ演出決定テーブル(履歴管理遊技実行フラグ設定有り)では、全回転リーチのリーチ演出を実行するPA3−4の変動パターンである場合、図16(D)に示す決定例に従うのに対し、図16(B)に示すリーチ演出決定テーブル(履歴管理遊技実行フラグ設定無し)では、全回転リーチを実行するPA3−4の変動パターンである場合、図16(D)に示す決定例には従わず、全回転A〜Cのいずれかが3分の1で実行される。図16(D)は、履歴管理遊技実行フラグが設定されている場合に、全回転リーチを実行するときの全回転リーチの種類を決定するための決定例を示している。図16(D)に示す例では、回数(全回転リーチの実行回数)に応じて全回転A〜Cのいずれが実行されるかといった決定割合が異なっている。例えば、1回目に全回転リーチが実行される場合には、全回転A〜Cのいずれかがそれぞれ3分の1の割合で決定される。そして、1回目に全回転Aの全回転リーチが実行された場合、2回目には、1回目に実行されなかった全回転リーチBまたはCがそれぞれ2分の1の割合で決定される。そして、2回目に全回転Bの全回転リーチが実行された場合、3回目には、未だ実行されていない全回転Cの全回転リーチが実行される。なお、4回目以降は、再度1回目と同様に、全回転A〜Cのいずれかがそれぞれ3分の1の割合で決定されればよい。
図17は、演出設定処理を示すフローチャートである。演出設定処理において、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドを確認するなどにより、リーチ演出を実行する変動パターン(リーチ変動パターン)であるか否かを判定する(ステップS621)。リーチ変動パターンである場合(ステップS621;Yes)、履歴管理遊技実行フラグの設定がなされているか否かを判定する(ステップS622)。履歴管理遊技実行フラグの設定がなされている場合(ステップS622;Yes)、演出制御用CPU120は、図16(A)に示すリーチ演出決定テーブル(履歴管理遊技実行フラグ設定有り)を、リーチ演出決定用の使用テーブルとしてセットする(ステップS623)。一方、履歴管理遊技実行フラグの設定がなされていない場合(ステップS622;No)、演出制御用CPU120は、図16(B)に示すリーチ演出決定テーブル(履歴管理遊技実行フラグ設定無し)を、リーチ演出決定用の使用テーブルとしてセットする(ステップS624)。
ステップS623またはステップS624の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップS623またはステップS624にてセットしたリーチ演出決定テーブルにしたがって、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに応じたリーチ演出を決定し、実行すべきリーチ演出を設定する(ステップS625)。例えば、図11のステップS325の処理にて図12に示す全回転管理テーブルが設定されると、ステップS625にて全回転リーチの実行設定を行う場合、図16(D)の「回数」の項目として「2回目」を参照し、未だ実行されていない全回転Bまたは全回転Cのいずれかを2分の1で決定する。すなわち、ステップS325の処理にて全回転リーチの実行設定を行う場合(履歴管理遊技実行フラグの設定がなされている場合に限る)、全回転管理テーブルにおける「実行済(1)/未実行(0)」の項目が「1」である数に対応する回数を参照し、実行する全回転リーチの種類を決定すればよい。換言すると、全回転管理テーブルにおける「実行済(1)/未実行(0)」の項目が「0」に対応する種類の全回転リーチの中から実行する全回転リーチの種類を決定すればよい(「0」の数が3つであれば3分の1の割合で決定し、「0」の数が2つであれば2分の1で決定し、「0」の数が1つであれば1分の1(100%)の割合で決定すればよい)。
ステップS625の処理を実行した後は、ステップS625にて全回転リーチを実行すると決定したか否かを判定する(ステップS626)。全回転リーチを実行すると決定した場合(ステップS626;Yes)、全回転管理テーブルの内容を更新する(ステップS627)。具体的に、ステップS627の処理では、ステップS625にて実行すると決定した種類(全回転A〜Cのいずれか)に対応する「実行済(1)/未実行(0)」の項目を「1」とする。なお、ステップS627の処理では、例えば、履歴管理遊技実行フラグを確認し、当該フラグの設定がなされている場合には全回転管理テーブルの内容を更新する一方で、履歴管理遊技実行フラグの設定がなされていない場合には、全回転管理テーブルの内容を更新しないようにしてもよい。
ステップS626の処理を実行した後、または、ステップS621にてリーチ変動パターンでないと判定した場合(ステップS621;No)、可変表示中におけるその他の演出の実行設定を行い(ステップS628)、演出設定処理を終了する。一例として、ステップS628の処理では、図18に示す決定割合に従って、可変表示結果に応じて「擬似連」、「ステップアップ」、「会話予告」といった複数種類の可変表示中演出からいずれかを決定し設定する。なお、図示する例では、3種類の演出を示しているが、より多くの種類の演出があってもよいし、いずれか複数を組み合わせてもよい。
また、ステップS628の処理では、例えば可変表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ8L、8Rから所定の効果音(例えばアラーム音やチャイム音、サイレン音など)が出力されるような態様の演出や、遊技効果ランプ9などに含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部または全部を含む所定態様の演出を実行することにより、可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、可変表示中演出として、可変表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像(プレミアム画像)を表示する演出が実行されてもよい。また、ステップS628の処理では、可変表示結果が「大当り」となる可能性などにはかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われる。より具体的には、遊技効果ランプ9に含まれる所定のランプが光るような態様の演出や、ミニキャラとなる所定の演出画像を表示する演出といった、所定態様の演出を実行できればよい。なお、ステップS628にて実行設定がされる「擬似連」、「ステップアップ」、「会話予告」といった演出を特に、可変表示中演出(予告演出)とし、賑やかしのために所定態様の演出をその他の演出として区別するものとする。
図18に示す「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、演出図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて演出図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて演出図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、演出図柄の可変表示が開始されてから全部の演出図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて演出図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する演出図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、演出図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。図17のステップS628にて「擬似連」の可変表示演出を実行すると決定した場合には、その後、擬似連変動の回数が決定されればよい。なお、擬似連変動の回数が多い程大当りの信頼度が高くなるように擬似連変動の回数を決定すればよい。
図18に示す「ステップアップ」の可変表示演出は、予告の態様(表示、音、ランプ(LEDを含む)、可動物等による)が複数段階に変化するような予告のことである。一般には、変化する回数(ステップ数)が多いほど、大当りの信頼度が高くなる。予告の対象になるのは、大当りやリーチであるが、確変大当り、特定の態様のリーチ、確変への昇格等を予告する演出であってもよい。さらに、ステップ数によって予告の対象が変化するようにしてもよい。例えば、ステップ3まで進むと「リーチ確定」、ステップ4まで進むと「スーパーリーチ確定」、ステップ5まで進むと「大当り確定」となるようなものでもよい。また、予告態様の変化は、この実施の形態における異なるキャラクタが順に出現することに限られず、1つのキャラクタの液状や色等が変化することであってもよい。つまり、予告する手段(表示、音、ランプ(LEDを含む)、可動物等)の状態が段階的に変化したと遊技者が認識可能であれば、「ステップアップ」の可変表示演出は、出現キャラクタが変わっていくことに限られない。図17のステップS628にて「ステップアップ」の可変表示演出を実行すると決定した場合には、その後、変化する回数が決定されればよい。
図18に示す「会話予告」の可変表示演出は、複数のキャラクタが登場して複数の会話を行う態様の予告のことである。図17のステップS628にて「会話予告」の可変表示演出を実行すると決定した場合には、その後、会話内容が複数種類(大当りの信頼度が高いものや低いもの)から決定されればよい。なお、会話内容だけでなく、登場するキャクタの種類や会話数に応じて大当りの信頼度が異なっていてもよい。
図18に示す例では、可変表示結果に応じて実行される演出の種類が異なっている。したがって、全回転リーチが実行されるか否か、および、実行される全回転リーチの種類に関わらず、共通の選択割合で実行される演出が決定される。そのため、全回転リーチが実行されるか否かや、全回転リーチの種類に応じて演出パターンを複数用意する必要がなく、全回転リーチが実行される場合における処理を簡易化することができる。また、全回転リーチの種類に応じた演出パターンを予め用意しておくと、遊技者に予告パターンを把握されてしまうおそれがあり、却って遊技興趣を低下させてしまうおそれがあり、このようなおそれを防止することができる。なお、図18に示す例では、「擬似連」、「ステップアップ」、「会話予告」のいずれかが実行される例を示しているが、「実行なし」に決定されることがあってもよい。この場合には、大当りの信頼度がいずれかが実行される場合よりも低くなるように決定割合が設定されればよい。
図19は、演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば、変動表示時間タイマの値を1減算する(S501A)。そして、変動時間タイマがタイムアウトしているか否かを判定する(S501B)。
ステップS501Bにてタイムアウトしていない場合には(ステップS501B;No)、図17のステップS628で決定した可変表示中演出(予告演出)を実行するための予告演出期間であるか否かを判定する(ステップS502)。予告演出期間は、例えば図17のステップS628で決定した可変表示中演出(予告演出)に応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS502にて予告演出期間であるときには(ステップS502;Yes)、図17のステップS628で決定した可変表示中演出(予告演出)を実行ための予告演出動作制御を行う(ステップS503)。一例として、ステップS503の処理では、演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データなど)に応じて、所定の演出態様による可変表示中演出(予告演出)を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123などに対して伝送させればよい。
ステップS503の処理を実行した後、またはステップS502にて予告演出期間でないと判定した場合(ステップS502;No)、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS504)。リーチ演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS504にてリーチ演出実行期間であるときには(ステップS504;Yes)、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS505)。ステップS505の処理では、図17のステップS625の処理にて設定されたリーチ演出が実行されればよい。
ステップS505の処理を実行した後、またはステップS504にてリーチ演出実行期間でないと判定した場合(ステップS504;No)、賑やかしのための所定態様の演出を含めたその他の演出動作制御を行ってから(ステップS506)、演出図柄変動中処理を終了する。
ステップS501Bにて変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS501B;Yes)、演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファ内に図柄確定指定コマンドが格納されているかいないかに基づいて、図柄確定指定コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS507)。このとき、図柄確定指定コマンドの受信がなければ(ステップS507;No)、演出図柄変動中処理を終了して待機する。なお、変動時間がタイムアウトした後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS507にて図柄確定指定コマンドを受信していると判定した場合(ステップS507;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、演出図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定演出図柄)を導出表示させる演出図柄導出停止制御を行う(ステップS508)。演出図柄導出停止制御において、演出制御用CPU120は、現在仮停止している演出図柄を完全に停止する処理を実行する。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS509)。なお、ステップS509の処理は、演出図柄変動停止処理にて行われてもよい。
ステップS509の処理を実行した後は、全回転管理テーブルを確認し、全回転A〜Cの全ての種類が実行されたか(全種類達成されたか)否かを判定する(ステップS510)。具体的には、全回転A〜Cに対応する「実行済(1)/未実行(0)」の項目が全て「1」(実行済)となっているか否かを確認することにより、全種類達成されたか否かを判定する。全種類達成されたと判定した場合(ステップS510;Yes)、達成フラグをオン状態にセットする(ステップS511)。ステップS511の処理を実行した後は、図13に示す全回転一覧と同様に、全回転A〜Cの全てが実行されたことを示す(特定条件が成立したことを示す)達成表示(「星」の画像の表示)を行い(ステップS512)、全回転管理テーブルを更新する(ステップS513)。ステップS512の処理では、達成表示に加え、ミッション達成報知ランプ30Aを通常の演出時とは異なる点灯態様で点灯することにより、ミッションが成功した(全種類達成された)ことを遊技者が認識可能に報知してもよい。なお、達成表示は、予め定められた時間が経過した際に消去されればよい。また、達成表示は、演出図柄変動停止処理内にて消去されてもよい。ステップS513の処理では、全回転管理テーブルの「実行済(1)/未実行(0)」の項目をクリアして初期化する処理(全て「0」とする処理)が行われればよい。このように、この実施形態によれば、全回転リーチA〜Cの全てが実行されたという特定条件が成立した場合に、その旨が表示されるため(「星」の画像が表示されるため)、遊技者が当該特定条件を視認でき、遊技興趣を向上させることができる。なお、図19に示す例では、履歴管理遊技実行フラグが設定されているか否かに関わらずステップS512の処理にて達成表示が行われる例を示したが、例えば、ステップS510の前に履歴管理遊技実行フラグがオン状態に設定されているか否かを判定し、設定されている場合にのみステップS510の処理に移行してもよい。
ステップS513の処理を実行した後、またはステップS510にて全種類達成されていないと判定した場合(ステップS510;No)、演出プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理に対応した値に更新してから(ステップS514)、演出図柄変動中処理を終了する。なお、図17のステップS627や図19のステップS511にて更新または設定された全回転管理テーブルや達成フラグは、図11のステップS330やS332の処理の他、デモ画面表示が所定時間行われたタイミング、電源の再起動が行われたタイミングなどで初期化されればよい。
以上説明したように、この実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、以下の効果を奏することができる。
演出制御用CPU120は、履歴管理遊技実行フラグが設定されている場合(遊技者によるパスワード入力が行われた場合)、図16(D)に示す決定例に従って実行すべき全回転リーチの種類を決定する。図16(D)に示す決定例では、全回転リーチの実行状況に応じて決定割合が異なっている。一方、履歴管理遊技実行フラグが設定されていない場合(遊技者によるパスワード入力が行われていない場合)には、いずれの種類の全回転リーチについても実行割合は同一となっている(図16(A)参照)。したがって、遊技者によるパスワード入力が行われた場合の特定の種類の全回転リーチが実行される可能性を高めることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、演出制御用CPU120は、図16(D)に示すように、1回目に全回転Aの全回転リーチを実行した場合、2回目には、1回目で実行しなかった全回転リーチBまたはCをそれぞれ2分の1の割合で決定する。そして、2回目に全回転Bの全回転リーチを実行した場合、3回目には、未だ実行されていない全回転Cの全回転リーチを実行する。したがって、全回転リーチの実行状況に応じて特定の種類の全回転リーチが実行される可能性を高めることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、演出制御用CPU120は、図19のステップS512にて全回転A〜Cの全てが実行されたことを示す(特定条件が成立したことを示す)達成表示を行う。したがって、特定条件が成立したことを遊技者が認識できるため、遊技興趣を向上させることができる。
また、図7に示すように、全回転リーチのリーチ演出が実行される変動パターンPA3−4に決定される割合は、他の変動パターンに比べて最も低くなっているため、全回転リーチのリーチ演出は、滅多に実行されない演出となっている。そのため、特定演出としての全回転リーチが実行されることで遊技者に特別感を与えることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、図6に示すように、主基板11の側にて特定演出としての全回転リーチを実行するか否かを決定し、これに伴い、演出制御基板12の側にて実行する全回転リーチの種類を決定する(図15等参照)。したがって、実行する全回転リーチの種類の調整が容易になるとともに、データ容量を削減することができる。
また、演出制御用CPU120は、実行される全回転リーチの種類に関わらず、共通の選択割合で実行される演出(「擬似連」、「ステップアップ」、「会話予告」といった予告演出)を決定する。そのため、全回転リーチが実行されるか否かや、全回転リーチの種類に応じて演出パターンを複数用意する必要がなく、全回転リーチが実行される場合における処理を簡易化することができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。また、下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせてもよい。
上記実施の形態では、図19に示す演出図柄変動中処理を実行する例を示したが、これは一例である。例えば、図20に示す演出図柄変動中処理を実行するようにしてもよい。
図20は、変形例における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、図19に示す演出変動中処理と同様に、表示時間タイマの値を1減算し(ステップS841)、変動時間タイマがタイムアウトしているか否かを判定する(ステップS842)。変動時間タイマがタイムアウトするまで(ステップS842;No)は、ステップS843のミッション判定処理に進む。ミッション判定処理については、図22において後述する。ミッション判定処理を実行した後に、演出制御用CPU120は、図15のステップS618で設定された演出制御プロセスデータに基づいて演出動作制御を実行する(ステップS844)。そして、処理を終了する。
ステップS844では、設定された演出制御プロセスデータの内容(表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データ)にしたがって演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する。たとえば、表示制御実行データにしたがって、画像表示装置5において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、ば表示制御部123のVDPに指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプ制御基板14に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L、8Rからの音声出力を行なわせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。なお、プロセスデータは複数設定されており、一つのプロセスデータにおけるプロセスタイマがタイムアウトするごとに次のプロセスデータへの切替えが行なわれる。
ステップS842において変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS842;Yes)、演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファ内に図柄確定指定コマンドが格納されているかいないかに基づいて、図柄確定指定コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS845)。このとき、図柄確定指定コマンドの受信がなければ(ステップS845;No)、演出図柄変動中処理を終了して待機する。
ステップS845において図柄確定指定コマンドを受信していると判定した場合(ステップS845;Yes)に、演出制御用CPU120は、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、演出図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定演出図柄)を導出表示させる演出図柄導出停止制御を行う(ステップS846)。演出図柄導出停止制御において、演出制御用CPU120は、現在仮停止している演出図柄を完全に停止する処理を実行する。なお、図19に示すステップS509に対応する処理は、図20に示す例では、演出図柄変動停止処理内にて実行されるものとする。次いで、演出制御用CPU120は、ミッション表示フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS847)。ミッション表示フラグがオンでなければ、ステップS850の処理へ移行する。なお、ミッション表示フラグとは、後述する図22のステップS906において設定されるフラグである。ミッション表示フラグは、図21に示すように、設定されたミッションが達成された際に、ミッション番号に基づいて立てられるフラグである。
ミッション表示フラグがオンであれば(ステップS847;Yes)、演出制御用CPU120は、ミッション達成表示を消去する(ステップS848)。次いで、ミッション表示フラグをオフにする(ステップS849)。ステップS849の処理では、ミッションが複数達成されていれば、複数のミッション表示フラグをオフにする。ステップS849の処理を実行した後、またはステップS847にてミッション表示フラグがオフであると判定した場合(ステップS847;No)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新して(ステップS850)演出図柄変動中処理を終了する。
図21は、本変形例におけるミッションの内容の一例を示す表である。ここで、ミッションとは、例えば、変動中に予告が実行されたこと、スーパーリーチが実行されたこと等がミッションに相当する。つまり、ミッションとは、予め設定された課題のことである。そして、ミッションがクリアされることによりミッション達成条件が成立する。また、ミッション達成条件が成立することによりミッション達成表示が実行される。本変形例におけるミッションには、たとえばミッション番号が第1番から第10番の複数のミッションが含まれる。図21に示すように、ミッション番号ごとにミッション内容が予め定められている。そして、各ミッションに対応するミッション達成条件が成立した際には、それぞれのミッション達成表示の表示タイミングにおいて、ミッション達成表示が実行される。
第1番のミッションは、ミッション内容が「予告Aを見た」ということを達成することであり、達成条件が、当該予告Aが実行されたときという条件であり、ミッションクリア(ミッションが達成したこと)の表示タイミングが、変動終了の所定時間前である。なお、予告を見たとは、予告が表示されることを示し、単に遊技者が見ることではない。
第2番のミッションは、ミッション内容が「予告Bを見た」ということを達成することであり、達成条件が、当該予告Bが実行されたときとの条件であり、ミッションクリアの表示タイミングが、変動終了の所定時間前である。
第3番のミッションは、ミッション内容が「予告Cを見た」ということを達成することであり、達成条件が、当該予告Cが実行されたときという条件であり、ミッションクリアの表示タイミングが、変動終了の所定時間前である。
第4番のミッションは、ミッション内容が「スーパーリーチAを見た」ということを達成することであり、達成条件が、スーパーリーチAが実行されたときという条件であり、ミッションクリアの表示タイミングが、変動終了の所定時間前である。
第5番のミッションは、ミッション内容が「スーパーリーチBを見た」ということを達成することであり、達成条件が、スーパーリーチBが実行されたときという条件であり、ミッションクリアの表示タイミングが、変動終了の所定時間前である。
第6番のミッションは、ミッション内容が「変動の総回数が100回」ということを達成することであり、達成条件が、100回目の変動が開始されたという条件であり、ミッションクリアの表示タイミングが、変動終了の所定時間前である。
第7番のミッションは、ミッション内容が「変動の総回数が300回」ということを達成することであり、達成条件が、300回目の変動が開始されたという条件であり、ミッションクリアの表示タイミングが、変動終了の所定時間前である。
第8番のミッションは、ミッション内容が「大当りの回数が5回」ということを達成することであり、達成条件が、5回目の大当りが開始されたという条件であり、ミッションクリアの表示タイミングが、大当り終了演出時である。
第9番のミッションは、ミッション内容が「確変大当りが連続3回」ということを達成することであり、達成条件が、3回連続で確変大当り開始されたという条件であり、ミッションクリアの表示タイミングが、大当り終了演出時である。
第10番のミッションは、ミッション内容が「時短中に復活演出を見た」ということを達成することであり、達成条件が、復活演出が実行されたときという条件であり、ミッションクリアの表示タイミングが、変動終了の所定時間前である。
なお、復活演出とは、一旦はずれ表示結果を示唆する演出(失敗演出)を実行した後、大当り表示結果を示唆する演出(復活演出)を実行することにより、演出内容が復活するような態様で実行される演出をいう。本変形例では、大当り遊技後の時短状態において、キャラクタ同士が対決するバトル演出が実行される場合がある。そのバトル演出に味方キャラクタが勝利すれば、再度確変状態が継続されるが、負けると確変状態が終了してしまうことが示唆される。そのようなバトル演出で途中まで負けていたキャラクタが復活する復活演出をミッション達成の一つの条件とすることが可能である。このようにミッションは、通常変動中の予告、リーチ、変動回数だけではなく、大当りが連続して発生している状態(連チャン)中における大当りの回数、連チャン中の確変の継続回数、時短状態中において実行される様々な演出など、遊技に関連する種々の演出において設定することができる。
図22は、ミッション判定処理(図20のステップS843の処理)を示すフローチャートである。まず、演出制御用CPU120は、ミッション番号に基づいたフラグがオンしているか否かを判定する(ステップS901)。ミッション番号に基づいたフラグがオンしていない場合には(ステップS901;No)、受信コマンドバッファ内に短縮変動パターンを示す変動パターン指定コマンドが格納されているかいないかに基づいて、今回実行されるのが、短縮変動パターンであるか否かを判定する。
今回実行されるのが短縮変動パターンである場合(ステップS902;Yes)には、演出制御用CPU120は、変動表示時間タイマの値に基づいて変動終了の2秒前であるか否かを判定する(ステップS903)。変動終了の2秒前でなければ(ステップS903;No)、処理を終了する。一方、変動終了の2秒前であれば(ステップS903;Yes)、ステップS905の処理へ移行する。
演出制御用CPU120は、ステップS902において、今回実行されるのが、短縮変動パターンではない、つまり、非短縮変動パターン(保留数短縮制御または時短状態の通常変動はずれ以外の変動パターン)であると判定した場合(ステップS902;No)には、変動時間を経時するための変動表示時間タイマの値に基づいて変動終了の3.1秒前であるか否かを判定する(ステップS904)。変動終了の3.1秒前でなければ(ステップS904;No)、処理を終了する。一方、変動終了の3.1秒前であれば(ステップS904;Yes)、ステップS905の処理へ移行する。
ステップS905の処理において、演出制御用CPU120は、演出図柄変動開始処理で決定されたミッションが実行されるか否かを判定する(ステップS905)。例えば、ステップS905の処理では、演出図柄変動開始設定処理で実行設定がなされた演出が予め定められたミッションを達成するか否かを判定すればよい。演出図柄変動開始処理で決定されたミッションが実行されない場合(ステップS905;No)には、処理を終了する。
演出図柄変動開始処理で決定されたミッションが実行される場合(ステップS905;Yes)には、演出制御用CPU120は、決定されたミッション番号に基づいたミッション表示フラグをオンにする(ステップS906)。なお、ミッションが複数達成された場合には、複数のミッション達成フラグがオンされる。次いで、演出制御用CPU120は、達成したミッションを出力用遊技履歴として更新する(ステップS907)。達成したミッションは、所定の格納領域で更新され、図11のステップS329における2次元コードの出力に用いられてもよい。その後、演出制御用CPU120は、ミッション番号に基づいて、決定されたミッションに対応するミッション達成表示を実行する(ステップS908)。そして、処理を終了する。
ステップS901において、演出制御用CPU120は、ミッション番号に基づいたフラグがオンしている場合(ステップS901;Yes)には、変動表示時間タイマの値に基づいて変動終了0.1秒前であるか否かを判定する(ステップS909)。変動終了の0.1秒前でなければ(ステップS909;No)、処理を終了する。一方、変動終了の0.1秒前であれば(ステップS909;Yes)、演出制御用CPU120は、ステップS908の処理で表示されていたミッション達成表示を消去する(ステップS910)。次いで、ミッション表示フラグをオフにする(ステップS911)。ミッションが複数達成された場合には、複数のミッション表示フラグをオフにする。そして、処理を終了する。
演出制御用CPU120は、図23に示すように、非短縮変動パターンの場合には、ミッション達成表示を、変動終了の3.1秒前から表示し、演出図柄が停止する0.1秒前に消去する。それに対し、短縮変動パターンの場合には、ミッション達成表示を変動終了の2秒前から表示する。そして、短縮変動パターンの場合には、図23、図24に示すように変動時間タイマがタイムアウトし、図柄確定指定コマンドを受信している場合にミッション達成表示が消去される。なお、演出図柄自体は、完全に停止した後も次の変動が開始されるまでの所定時間の間、画像表示装置5において表示するように制御される。
このように、ミッション達成表示は、演出図柄よりも優先して表示されるので、目立つ表示とすることができる。また、演出図柄が停止する際には、ミッション達成表示が消去されるので、導出表示される演出図柄の視認性を担保することができる。
また、短縮変動パターンでは、非短縮変動パターンで表示されるミッション達成表示の表示時間である3秒よりも短い期間である2秒間ミッション達成表示が表示されてから消去される。このミッション達成表示の消去は、図柄確定指定コマンドを受信したことに基づいて実行される。よって、短縮変動パターンにおいて導出される演出図柄の視認性を担保することができる。また、非短縮変動パターンでは、演出図柄が停止する0.1秒前にはミッション達成表示が消去されるので、非短縮変動パターンの場合にも導出される演出図柄の視認性を担保することができる。
このように、演出制御用CPU120は、変動終了の0.1秒前になったこと、または、図柄確定指定コマンドを受信したことのうち、少なくとも一方が成立したことに基づいてミッション達成表示を消去する。よって、導出表示される演出図柄の視認性を担保させながらミッション達成表示を行なうことができる。
図23は、ミッション達成条件とミッション達成表示との関係を示すタイミングチャートである。本変形例では、上述したように、遊技に関する特定条件であるミッション達成条件が成立することで特定表示としてのミッション達成表示が実行される。また、ミッション達成条件が成立することによりミッション達成表示が実行される。具体的には、後述する図24に示すように、演出図柄の表示と重なる位置に特定のミッション達成条件が成立したことを示すミッション達成表示が行なわれる。
図23(a)は非短縮変動でのミッション達成条件とミッション達成表示との関係を示すタイミングチャートであり、図23(b)は短縮変動でのミッション達成条件とミッション達成表示との関係を示すタイミングチャートである。
図23(a)に示すように、非短縮変動での1回の変動中(グラフの低レベルは変動の停止、高レベルは変動中であることを示す)に複数のミッション達成条件が成立した場合は、ミッション達成表示が次のように表示される。たとえば、ミッションとしての予告Aが実行され、その後、予告Bが実行され、さらにその後、スーパーリーチAが実行されたとする。このような3つのミッションが達成されたことにより、これらのミッションが達成したことを示すミッション達成表示が3秒間表示される。非短縮変動の場合、ミッション達成表示は、変動停止の3.1秒前から表示され、変動停止の0.1秒前に消去される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことに基づいて、演出図柄の変動が停止する。なお、演出図柄の変動は、次の演出図柄変動が開始されるまで所定時間の間、画像表示装置5上に停止表示される。なお、予告Aや予告Bの予告演出は、図17のステップS628の処理にて実行有無が決定されればよい。
ここで、点線で示すようにミッション達成表示が表示されている最中に、何らかの拍子に正規のタイミングとは異なる非正規タイミングで図柄確定指定コマンドが受信されたとする。このような場合には、ミッション達成表示は、3秒間表示されずに、非正規タイミングでの図柄確定指定コマンドを受信したタイミングで消去される。このようにミッション達成表示は、所定時間が経過したこと、または、図柄確定指定コマンドを受信したことのいずれか一方の条件が成立したときに消去される。
図23(b)に示すように、短縮変動での1回の変動中(グラフの低レベルは変動の停止、高レベルは変動中であることを示す)にミッション達成条件が成立した場合は、ミッション達成表示が次のように表示される。短縮変動では、非短縮変動に比べ変動時間が短いため、変動中に実行される予告の数は少ない種類が選択されやすい(例えば短縮変動の場合と非短縮変動の場合とで予告演出を決定するための図18に示すようなテーブルを2つ用意しておき、短縮変動の場合には、非短縮変動の場合と比較して複数の予告が実行されることがないようにテーブルの乱数値が割振られていればよい)。図23(b)に示すようにミッションとして予告Aが実行されたとき、その後ミッション達成表示が2秒間表示される。短縮変動では、ミッション達成表示は、通常の表示時間である3秒間は表示されず、図柄確定指定コマンドを受信したことにより消去される。このように、ミッション達成表示は、非短縮変動の場合には、所定時間表示され、短縮変動の場合には、所定時間よりも短い時間表示される。
図24は、画像表示装置5におけるミッション達成表示の表示例を示す説明図である。図24(a)に示すように変動表示が開始される際は、「左」,「中」,「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、演出図柄の変動表示が実行される。このような場合に、演出図柄の表示結果を予告する予告A60が実行される。予告A60は、ある特定のキャラクタが画像表示装置5の画面上に表示されることで、演出図柄の表示結果を予告する演出である。その後、当該変動表示が非短縮変動のパターンである場合には、図24(b)〜(e)のような演出が実行され、当該変動表示が短縮変動のパターンである場合には、図24(f)〜(g)のような演出が実行される。
図24(b)に示す非短縮変動の変動表示のパターンでは、図24(a)おいて予告A60が実行された後に、予告B61が実行される。予告B61は、予告A60とは異なるキャラクタが画像表示装置5の画面上に表示されることで、演出図柄の表示結果を予告する演出である。
図24(c)は、予告B61の実行後に「左」,「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rに、「7」図柄が仮停止(表示結果を導出表示する変動表示の終了タイミングよりも前のタイミングで、図柄を一旦停止表示した状態)され、スーパーリーチ62が実行された場合を示している。また、スーパーリーチは、通常のリーチ演出から発展した場合に実行される演出であり、変動時間が長く大当り表示結果となる期待度が高い演出である。さらに、図24(c)で示すスーパーリーチは、スーパーリーチA〜Dの4種類のスーパーリーチのうち、スーパーリーチAの場合を示している。
その後、図24(d)に示すように、ミッション達成表示が実行される。本変形例では、ミッション達成表示は、「右」の演出図柄表示エリア5Rに仮停止されている「7」図柄と重なる位置に表示される。ミッション達成表示として「予告Aを見た!」という文字が表示されるミッション達成表示63、「予告Bを見た!」という文字が表示されるミッション達成表示64、「スーパーリーチAを見た!」という文字が表示されるミッション達成表示65が画像表示装置5の表示領域に一斉に表示される。このようなミッション達成表示は、「右」の演出図柄表示エリア5Rにおいて、3秒間表示される。また、ミッション達成表示が実行されている間、「左」,「中」,「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいては、演出図柄が微少に揺れる仮停止状態となる(図23(d)では、はずれ図柄の組合せが仮停止状態で表示されている)。そして、ミッション達成表示は、表示されてから3秒後に消去される。その後、図23(e)に示すように、演出図柄が完全に停止し、演出図柄の表示結果が導出表示される。
図23(f)に示す短縮変動の変動表示のパターンでは、図23(a)において予告A60が実行された後に、ミッション達成表示が実行される。本変形例では、ミッション達成表示は、「右」の演出図柄表示エリア5Rに仮停止されている「6」図柄と重なる位置に表示される。ミッション達成表示として「予告Aを見た!」という文字が表示されるミッション達成表示63が表示される。このようなミッション達成表示は、「右」の演出図柄表示エリア5Rにおいて、2秒間表示される。また、ミッション達成表示が実行されている間、「左」,「中」,「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいては、演出図柄が微少に揺れる仮停止状態となる(図23(f)では、はずれ図柄の組合せが仮停止状態で表示されている)。そして、ミッション達成表示は、表示されてから2秒後に消去される。その後、図23(g)に示すように、演出図柄が完全に停止し、表示結果が導出表示される。
図23(d)、(f)に示したように、ミッション達成表示は、演出図柄の変動表示よりも手前に表示される。つまり、ミッション達成表示は、演出図柄の変動表示よりも優先して表示される。このように表示されることで、遊技者は、いずれのミッションが実行されたのかを演出図柄の停止前に容易に認識することが可能となる。
なお、優先して表示されるとは、遊技者から視認し易い位置で表示されることである。たとえば、ミッション達成表示が演出図柄の変動表示よりも手前で演出図柄に重なる位置で表示されることで、遊技者はミッション達成表示が演出図柄の変動表示よりも視認し易くなる。また、演出図柄が確定停止(仮停止後に演出図柄が完全に停止した状態)されるときには、ミッション達成表示が消去される(非優先となる)ことで、遊技者はミッション達成表示よりも演出図柄の変動表示を視認し易くなる。ここで、演出図柄が確定停止する際に、演出図柄を優先させて手前に表示させ、演出図柄の後方にミッション達成表示が非優先となるように重ねて表示するようにしてもよい。このように表示することでも、演出図柄の仮停止段階ではミッション達成表示を優先させて表示させ、演出図柄の確定停止時には、演出図柄を優先させて表示することができる。
ここで、従来ミッションの達成表示は、常に画像表示装置5の表示画面上の端において表示されていた。しかしながら、そのように表示した場合、ミッション達成表示はあまり目立たなく、遊技者にとって意味のない表示となるおそれがあった。そこで、ミッション達成表示を演出図柄の変動表示よりも優先して手前に表示させることで、目立たせることが可能となる。また、演出図柄が停止する際には、演出図柄を優先的に表示させ、ミッション達成表示を非優先的に消去するので、演出図柄の表示が妨げられることもない。このように、ミッション達成表示を目立つ表示とするとともに演出図柄の視認を妨げることのない2つの態様を両立できる。
また、図23(d)、(f)に示すようにミッション達成表示は、演出図柄の表示領域と少なくとも一部が重複するように同時に表示される。このようにすれば、複数のミッション達成表示が同時に行なわれた場合にも演出図柄の変動停止に至る時まではミッション達成表示が優先的に表示され視認し易く、演出図柄の変動停止時には、導出表示される演出図柄が優先的に表示され、演出図柄の視認性を担保することができる。なお、この例では、ミッション達成表示を「右」の演出図柄表示エリア5Rにおいて行う例を示したが、例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lや「中」の演出図柄表示エリア5Cにおいて行うようにしてもよい。また、ミッション達成表示が複数表示される場合には、その一部のみが演出図柄と重なる位置に表示されるようにしてもよい。たとえば、ミッション達成表示が3つ表示される場合に、2つは、演出図柄と重ならない位置に表示されるが、1つは演出図柄と重なる位置に表示されるようにしてもよい。このようにミッション達成表示のうち、少なくとも1つが演出図柄と重なる位置に表示されるようにしてもよい。また、ミッション達成表示は、演出図柄の停止時に、非優先な表示として演出図柄の背面側に表示するようにしてもよい。また、ミッション達成表示を優先して表示画面の中央で表示させることにより遊技者に視認しやすく表示させ、演出図柄の停止時には、ミッション達成表示を演出図柄と重ならない位置に非優先に表示するようにしてもよい。さらに、「左」,「中」,「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに表示される演出図柄のすべてと重なる位置にミッション達成表示が表示(全画面で表示など)されるようにしてもよい。このような場合には、第1特別図柄の変動表示に同期して変動表示が行なわれる第1特別図柄用の第4図柄と、第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示が行なわれる第2特別図柄用の第4図柄とを設けることが望ましい。第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されたりすることはないため、常に視認することができる。よって、遊技者は、第4図柄を確認することで、いずれの特図が変動中であるのかをミッション達成表示が全画面で表示されている場合においても確認することができる。
さらに、ミッション達成表示が複数表示される場合に、その上限数は特に指定されていなかったが、ミッション達成表示は3つまで表示し、4つ目以降は表示されないようにしてもよい。このように、ミッション達成表示が所定数までしか表示されないように制御することで、所定数を超過するミッション達成表示が同時に複数表示されることで遊技者の混乱を招く事態を防止しつつ、適切な数のミッション達成表示を行なうことができる。例えば、演出制御用CPU120は、複数のミッション達成条件が成立した場合に、3つまでのミッション達成表示(特定表示)は同時に行ない、4つ以上のミッション達成表示を新たに行なう場合には、最も古くから表示しているミッション達成表示(最も先に実行されたミッションに基づくミッション達成表示)と入れ替えて、最も古くから表示しているミッション達成表示を消去し、新たなミッション達成表示を行なうようにしてもよい。具体的には、変動終了の所定時間前にミッションが4つ以上達成されると判定した場合には、本来3秒の表示時間であるところを2秒に短縮するなどして、4つ目以降のミッションに関するミッション達成表示が行なわれるようにしてもよい。また、ミッション達成表示毎に順に表示してもよく、その場合には、4つ目を表示しようとしたタイミングですでに3つ表示されているときに、4つ目の表示を遅らせて、1つ目の表示が消去された後に4つ目の表示を開始するようにしてもよい。
また、ミッション達成表示が複数表示される場合にミッション達成表示は3つまで表示し、4つ目以降は表示されないように表示制御される場合には、ミッション毎に予めミッション達成の難易度を設け、難易度順にSランク>Aランク>Bランク>Cランクと設定されているとよい。そして、複数のミッション達成条件が成立した場合には、ミッション達成条件の難易度の高い順に3つのミッション達成条件に対応するミッション達成表示を行なうようにしてもよい。なお、1変動中にたとえば10個のミッションが達成し、順次ミッション達成表示が行なわれる場合では、ミッション達成表示を実行する表示時間が足りず、すべてのミッション達成表示を表示できない場合がある。しかし、難易度の高いミッション達成表示を3つ同時に表示する場合には、達成難易度の高いミッション達成表示のみを知ることができる。なお、達成した順に上(下)から並んでミッション達成表示が行なわれるようにしてもよい。このような場合には、変動表示回数が何回転達成、いずれかの予告を見た、いずれかのリーチを見たというミッションの達成順に上(下)から並んでミッション達成表示が行なわれるようにすればよい。また、ミッション達成表示が複数表示される場合に次のようにミッション達成表示を実行するようにしてもよい。例えば、ミッション達成表示毎に順番に表示される場合には、3つ目を表示しようとしたタイミングでは、演出図柄の停止のタイミングとミッション達成のタイミングが重ならず、4つ目以上のミッションで演出図柄の停止のタイミングとミッション達成のタイミングが重なる場合がある。このような場合には、3つ目のミッション達成表示までは、演出図柄の表示よりミッション達成表示を優先して表示させ、演出図柄の停止のタイミングとミッション達成のタイミングが重なる4つ目以上のミッション達成表示のみ、演出図柄の表示よりも非優先となるように表示すればよい(例えば、演出図柄と重ならない位置に表示する)。
また、このようなミッションの一例として、全ての全回転リーチを見たことをミッションの内容として組み込み、達成条件を達成フラグがオンに設定されたことを条件とし、表示時間を変動終了の所定時間前、としてもよい。これによれば、全ての全回転リーチが実行されたことを遊技者が視認可能となるとともに、導出表示される表示結果の視認性を担保することができる。
なお、変形例の構成によれば、演出図柄が停止するまでは、図24(d)に示したように、ミッション達成表示が、演出図柄の変動表示よりも手前に表示される。つまり、ミッション達成表示は、演出図柄の変動表示よりも優先して表示される。その後、図24(d),(e),図22のステップS909、S910に示すように、演出図柄が停止する0.1秒前にミッション達成表示が消去され、演出図柄の変動表示が優先して表示される。よって、導出表示される演出図柄の視認性を担保することができる。
また、図20、図22に示すように、短縮変動パターンでは、非短縮変動パターンでのミッション達成表示時間である3秒よりも短い期間である2秒のミッション達成表示時間でミッション達成表示が実行された後、ミッション達成表示が消去される。このミッション達成表示の消去は、図柄確定指定コマンドを受信したことに基づいて実行される。よって、短縮変動パターンにおいて導出される演出図柄の視認性を担保することができる。また、非短縮変動パターンでは、演出図柄が停止する0.1秒前にはミッション達成表示が消去されるので、非短縮変動パターンの場合にも導出される演出図柄の視認性を担保することができる。
また図24に示すように、演出図柄が停止するまでに複数のミッション達成表示を演出図柄の表示と少なくとも一部が重複するように表示されるので、複数のミッション達成表示同時に行なわれた場合にもミッション達成表示が視認し易い。また、演出図柄の停止時には、複数のミッション達成表示が消去されるので、導出表示される演出図柄の視認性を担保することができる。
さらに、図20、図22に示すように、演出制御用CPU120は、変動終了の0.1秒前になったこと、または、図柄確定指定コマンドを受信したことのうち、少なくとも一方が成立したことに基づいてミッション達成表示を消去する。よって、導出表示される演出図柄の視認性を担保させながらミッション達成表示を行なうことができる。
なお、本変形例では、短縮変動と非短縮変動とで、ミッション達成表示の制御態様が異なっていたが、これらの表示のうち短縮変動の表示については大当り後の時短中(高ベース中)に行なわれるようにしてもよい。また、本変形例では、変動終了の所定時間前であるミッション達成表示のタイミングにおいて、ミッションを達成しているか否かの判定を行なうことを示した(図22のステップS903〜ステップS905)。しかしながら、対象となる予告演出が実行されたときなどのミッションを達成したタイミングにおいて、ミッション達成フラグを立てておいて、ミッション達成の表示タイミングとなったときに、ミッション達成フラグがオンである場合に、対象となるミッション達成表示を行なうようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、図11のメニュー操作処理により、遊技者により有効なパスワード入力が行われた場合に履歴管理遊技実行フラグが設定される例を示したが、これは一例である。履歴管理遊技実行フラグが設定される条件は、遊技者によるパスワード入力に限られず、例えば、パチンコ機1に遊技者の所有する携帯端末に表示されたコードを読み取り可能な読み取り機(カメラなど)を設けておき、遊技者からコードを読み取るための動作(有効なコードの提示)がなされた場合に履歴管理遊技実行フラグが設定されてもよい。また、パチンコ機1にマイクを設けておき、遊技者による音声や遊技者の携帯端末から出力される音声を読み取ることで履歴管理遊技実行フラグが設定されてもよい。さらに、パチンコ機1にICリーダライタを設けておき、遊技者の携帯端末により非接触通信が行われた場合に履歴管理遊技実行フラグが設定されてもよい。また、パチンコ機1に赤外線カメラなどを設けておき、遊技者による所定の動きを検知した場合に履歴管理遊技実行フラグが設定されてもよい。
また、この他にも、パスワード入力などといった遊技者の動作が行われなくとも遊技履歴を記憶する簡単スタートなどといったモードで遊技が開始された場合には、履歴管理遊技実行フラグを設定してもよい。この場合、例えば、図9に示すメニュー画面において簡単スタートが選択可能となっていればよく、簡単スタートが選択された場合、履歴管理遊技実行フラグが設定されればよい。
また、上記実施の形態では、PA2−2またはPA3−2の変動パターンである場合、図16(C)に示す割合でスーパーリーチA〜Cのいずれかに決定する例を示したが、これは一例である。例えば、今回PA3−2の変動パターン(大当り変動パターン)である場合、前回PA2−2の変動パターン(はずれ変動パターン)により実行されたリーチ演出の種類と同種類のリーチ演出を実行してもよい。この場合、PA2−2の変動パターンであったときに実行されたリーチ演出を記憶しておき、PA3−2の変動パターンであった場合に、前回のリーチ演出が記憶されているときには、当該記憶されている種類と同種類のリーチ演出を実行し、記憶されていないときには、図16(C)に示す決定割合に従ってリーチ演出の種類を決定すればよい。
また、上記実施の形態では、履歴管理遊技実行フラグの設定がなされている場合、図16(D)に示すように、2回目の全回転リーチが実行される場合には、1回目に実行されなかった種類の全回転リーチが2分の1の割合で決定され、3回目の全回転リーチが実行される場合には、未だ実行されていない種類の全回転リーチが実行される例を示したが、これは一例である。例えば、2回目の全回転リーチが実行される場合、1回目に実行された種類の全回転リーチが実行されてもよい。また、3回目の全回転リーチが実行される場合に、1回目および2回目で実行された種類の全回転リーチが実行されてもよい。この場合、例えば、1回目に全回転Aの全回転リーチが実行された場合、2回目の全回転リーチが実行されるときには、全回転Aが10%、全回転BおよびCがそれぞれ45%の実行割合で実行される、といったように、実行済みの種類の全回転リーチが、未実行の全回転リーチよりも低い実行割合となればよい。3回目の全回転リーチが実行される場合にも同様である。また、例えば、同一の変動パターンに対応するリーチ演出として、Aグループに属する特定演出を3種類、Bグループに属する特定演出を3種類、といったように特定演出の種類を合計で6種類用意しておき、遊技者の選択に応じてグループ単位で実行割合が変化するカスタム機能を設けてもよい。具体的には、遊技者がAグループを選択した場合には、Aグループに属する3種類の特定演出の実行割合をBグループに属する特定演出の実行割合よりも高め、かつ、Aグループに属する3種類の特定演出の実行割合を、実行履歴に応じて変化させればよい。この場合、Bグループに属する3種類の特定演出の実行割合(Bグループ内での実行割合)について変化させなければよい。これによれば、遊技者の演出嗜好に合わせた演出を実行することができ、遊技興趣を向上させることができる。なお、Bグループを選択した場合についてもAグループを選択した場合と同様にして、Bグループに属する特定演出の実行割合を変化させればよい。また、Aグループに属する特定演出の実行割合(Aグループ内での実行割合)のみを変化させて、Bグループに属する特定演出の実行割合については変化させなくてもよい。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、可変表示について、変動中に表示されるものは1種類の外れ図柄だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を繰り返すようにしてもよい。さらに変動中に表示されるものが当該図柄の停止時に表示されるものでなくてもよい。例えば表示機器が7セグメントの場合に、変動中は真ん中の横棒の点灯と消灯の繰り返しだが、表示結果としては真ん中の横棒だけが表示されることはないようにしてもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機、さらには1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(たとえば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(たとえばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされたスロットマシンにも適用できる。このようなスロットマシンにおいて、可変表示装置である複数のリールとは別に液晶表示装置を設けて、その液晶表示装置上でリールに対応する図柄を回転させ、その回転した図柄と重なる位置にミッション達成表示を行なうようにしてもよい。また、リールの前面に液晶表示装置が設けられたスロットマシンにおいて、リールの図柄と重なる位置にミッション達成表示を行なうようにしてもよい。これらのスロットマシンにおいて、図柄の停止時にミッション達成表示を消去するようにすればよい。
図25は、スロットマシン500の正面図であり、主要部材のレイアウトを示す。スロットマシン500は、大別して、前面が開口する筐体と、この筐体の側端に回動自在に枢支された前面扉とから構成されている。スロットマシン500の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリールRL、RC、RRを水平方向に並設した可変表示装置501が設置されている。リールRL、RC、RRの外周部には、例えば「黒7」、「網7」、「白7」、「白BAR」、「黒BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「オレンジ」、「スイカ」、「チェリー」といった、互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。リールRL、RC、RRの外周部に描かれた図柄は、各々上中下三段に表示されている。
スロットマシン500では、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスなどの特別遊技状態に移行している場合に、通常遊技状態よりも多くのメダルを遊技者が獲得でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、特別遊技状態はレギュラーボーナスやビッグボーナスなどに限らず、通常遊技状態に比べて遊技者が多くのメダルを獲得することが期待でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利度が高い遊技状態であればよい。
このような通常遊技状態よりも遊技者にとって有利度が高い遊技状態としては、例えば、リールの導出条件(例えば停止順や停止タイミング)が満たされることを条件に発生する報知対象入賞の導出条件を満たす操作手順が報知される遊技状態(いわゆるアシストタイム)や、少なくともいずれか1つのリールの引込範囲を制限することで、ストップスイッチ506L、506C、506Rが操作された際に表示されている図柄が停止しやすいように制御し、遊技者が目押しを行うことで入賞図柄の組合せを導出させることが可能となるチャレンジタイム(CT)、特定の入賞(例えばリプレイ入賞やシングルボーナス入賞等)の発生が許容される確率が高まる遊技状態(いわゆるリプレイタイムや集中状態)等、さらには、これらを組み合わせた遊技状態などであればよい。
加えて、リプレイタイムとなった後、所定の転落役に当選して該転落役に対応する終了図柄組合せが導出されることによりリプレイタイムを終了させる場合に、リプレイタイムとなってから終了図柄組合せが導出されることなく所定数のゲームを消化したことを条件として、転落役に当選したときに当該転落役を回避するための情報を報知する報知期間(ART)に制御してもよい。あるいは、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが終了した後、直ちにARTへの制御が開始されてもよい。
このようなスロットマシン500において、上記実施の形態と同様にして、複数種類の特定演出の実行状況に応じて、実行される特定演出の種類を決定してもよい。この場合、例えば、レギュラーボーナスやビッグボーナスやアシストタイム等の遊技者にとっての有利な有利状態となる割合が高い役である中段チェリーといった役に入賞した場合に、各リールの回転をロングフリーズ(仮停止)させ、演出制御基板620にて実行する演出を決定する際に、上記実施の形態と同様にして、実行する特定演出を決定すればよい。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1といった遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。