JP2016087277A - 光干渉断層撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な構成で、反射部材の反射面における複数の直線偏光成分の光の位相差の発生を低減すること。
【解決手段】 光干渉断層撮影装置が、参照光の光路に設けられた反射部材の反射面に参照光が入射する方向と反射面で反射する方向とで定義される面に対して、平行な振動方向の直線偏光成分の光と垂直な振動方向の直線偏光成分の光とのいずれかの光が、反射部材の反射面に入射されるように構成される。
【選択図】 図2
Description
本発明は、偏光断層画像を取得する光干渉断層撮影装置に関する。
近年、低コヒーレンス光による干渉を利用した光断層画像撮像(Optical Coherence Tomography:OCT)装置(以下、OCT装置と記載)が実用化されている。これは、被検査物の断層画像を高分解能で且つ非侵襲に取得する事ができる。そのため、OCT装置は、特に眼科領域において、被検眼の眼底の断層画像を得るうえで、必要不可欠な装置になりつつある。また、眼科領域以外でも、皮膚の断層観察や、内視鏡やカテーテルとして構成して、消化器、循環器の壁面断層画像撮像等が試みられている。
眼科用OCT装置においては、眼底組織の形状をイメージングする通常のOCT画像(輝度画像とも言う)に加えて、眼底組織の光学特性や動き等をイメージングする機能OCT画像の取得が試みられている。特に偏光OCT装置は、光の偏光パラメータを利用して信号を取得する事で、複屈折性を有する神経線維層や偏光を解消する性質を有する網膜層の描出が可能な機能OCT装置の一つとして開発されている。偏光OCT装置は、緑内障や加齢黄斑変性などを対象とした研究が進められている。
偏光OCT装置は、眼底組織の光学特性の一つである偏光パラメータ(リターデーションとオリエンテーション)を用いて偏光OCT画像を構成し、眼底組織の区別やセグメンテーションを行う事ができる。一般的に、偏光OCT装置は波長板(例えば、1/4波長板や1/2波長板)を用いる事で、OCT装置の測定光の偏光状態と参照光の偏光状態とを任意に変化させられるように光学系が構成されている。このとき、光源から出射される光の偏光を制御し、試料を観察するための測定光を所定の偏光状態に変調し、偏光ビームスプリッタにより干渉光を2つの直交する直線偏光成分の光に分割する。そして、2つの直交する直線偏光成分の光を検出し、偏光OCT画像を生成する(非特許文献1)。
ここで、非特許文献1には、マッハツェンダ系の干渉計が開示されている。この干渉計の参照光学系は、1/2波長板により、偏光ビームスプリッタの反射面に対して、直線偏光成分の光を所定の振動方向(例えば45°)に調整した後、一対のミラーを用いて参照光を折り返す構成である。このとき、参照光を一対のミラーで折り返す構成を採用することにより、装置を小型化することができる。
J.Biomed.Opt.18(2),026008(Feb 01,2013),Teresa Torzichy et al."Retinal polarization−sensitive optical coherence tomography at 1060 nm with 350 kHz A−scan rate using an Fourier domain mode locked laser"
このとき、ミラー等の反射部材を用いて、光路を折り返す構成において、反射部材に入射する光が直交する2つの直線偏光成分(s偏光成分とp偏光成分)の合成から成る場合、反射部材における反射により2つの直線偏光成分の光に位相差が生じる。この位相差は、反射部材の反射面に対して光が垂直方向から入射する場合には生じないが、反射面に対して光が垂直方向以外の方向から入射する場合に、生じるものである。この位相差が生じる理由は、s偏光成分の光とp偏光成分の光とで、反射部材における反射の特性において異なる角度依存性があるためであり、その結果として、位相の変化量が異なるためである。ここで、2つの直線偏光成分の光は、反射部材の反射面に光が入射する方向と反射面で反射する方向とで定義される面に対して、平行な振動方向の直線偏光成分(p偏光成分)の光と垂直な振動方向の直線偏光成分(s偏光成分)の光のことである。
例えば、非特許文献1に記載の装置では、1/2波長板により参照光を所定の振動方向に調整した後、一対のミラーで参照光を折り返す際に、2つの直線偏光成分の光に位相差が発生してしまう。被検査物とは異なる原因で2つの直線偏光成分の光に位相差が発生すると、被検査物の偏光状態を精度良く画像化できないだけでなく、誤った情報が画像に表示されてしまう可能性があるため、誤診断につながる可能性がある。
以上より、本発明の目的の一つは、簡単な構成で、反射部材の反射面における複数の直線偏光成分の光の位相差の発生を低減することである。
本発明に係る光干渉断層撮影装置の一つは、測定光を照射した被検査物からの戻り光と前記測定光に対応する参照光とが干渉した干渉光を異なる複数の偏光成分の光に分割する分割手段と、前記複数の偏光成分の光を検出する検出手段と、前記参照光の光路に設けられ、前記参照光を反射する反射部材と、を有し、前記反射部材の反射面に前記参照光が入射する方向と前記反射面で反射する方向とで定義される面に対して、平行な振動方向の直線偏光成分の光と垂直な振動方向の直線偏光成分の光とのいずれかの光が、前記反射部材の反射面に入射されるように構成される。
本発明の一つによれば、簡易な構成で、反射部材の反射面における複数の直線偏光成分の光の位相差の発生を低減することができる。
本実施形態に係る光干渉断層撮影装置は、測定光を照射した被検査物からの戻り光と測定光に対応する参照光とが干渉した干渉光が分割されて得た異なる複数の偏光成分の光を検出する検出手段を有する。これにより、偏光断層画像(偏光OCT画像)を取得することができる。なお、偏光断層画像は、例えば、被検査物の偏光位相差を示す画像(リターデーション画像)や偏光解消を示す画像(DOPU画像:Degree Of Polarization Uniformity画像)である。また、本実施形態に係る光干渉断層撮影装置は、参照光の光路に設けられ、参照光を反射する反射部材を有する。ここで、複数の直線偏光成分の光は、反射部材の反射面に光が入射する方向と反射面で反射する方向とで定義される面に対して、平行な振動方向の直線偏光成分の光と垂直な振動方向の直線偏光成分の光のことである。
そして、本実施形態に係る光干渉断層撮影装置は、反射部材の反射面に参照光が入射する方向と反射面で反射する方向とで定義される面に対して、平行な振動方向の直線偏光成分の光と垂直な振動方向の直線偏光成分の光とのいずれかの光が、反射部材の反射面に入射されるように構成される。すなわち、複数の直線偏光成分の光のいずれかの光が反射部材の反射面に入射するように構成される。これにより、複数の直線偏光成分の光が反射部材の反射面に入射することがないため、簡単な構成で、反射部材の反射面における複数の直線偏光成分の光の位相差の発生を低減することができる。なお、本発明において、平行な振動方向や垂直な振動方向とは、定義される面に対して略平行な振動方向や略垂直な振動方向を含む意味で使用されており、これによる効果を大きく損なわない範囲で多少のずれを許容するものである。
ここで、参照光を射出する第1のファイバ端を有する第1のファイバと、反射部材で反射した参照光を受ける第2のファイバ端を有する第2のファイバと有することが好ましい。このとき、反射部材の反射面は、第1のファイバ端から射出された参照光を反射する。これにより、反射部材の反射面における複数の直線偏光成分の光の位相差の発生を低減するための構成を、更に簡易に構成することができる。例えば、第1のファイバ端から射出された光が、平行な振動方向の直線偏光成分の光と垂直な振動方向の直線偏光成分の光とのいずれかの光になるように、反射部材の反射面に対して第1のファイバ端の向きが調整されて配置されることが好ましい(図2(a)の151)。なお、第1のファイバ端から射出された光の偏光を調整する第一の偏光調整手段を用いて構成されても良く、また、これらの構成を併用しても良い。また、例えば、第2のファイバ端により受けられる光が、平行な振動方向または垂直な振動方向とは異なる所定の振動方向である直線偏光成分の光になるように、反射部材の反射面に対して第2のファイバ端の向きが調整されて配置されるが好ましい(図2(a)の155)。なお、第2のファイバ端により受けられる光の偏光を調整する第二の偏光調整手段を用いて構成されても良く、また、これらの構成を併用しても良い。もちろん、本発明は、ファイバ光学系に限定されるものではなく、ファイバを一部用いたバルク光学系や、ファイバを全く用いないバルク光学系でも適用可能である。
また、反射部材を含むマッハツェンダ干渉系の参照光路が構成されることが好ましい。例えば、反射部材は、2つのミラーを含み、第1のファイバ端から2つのミラーの一方までの光路と、2つのミラーの他方から第2のファイバ端までの光路とが平行になるように構成されることが好ましい。これにより、参照光路を簡単に構成することができる。例えば、測定光と参照光との光路長差を変更する変更手段の一例として、2つのミラーを可動ステージに設ける構成が考えられる。このとき、可動ステージを参照光路の光軸に沿って移動する構成とすることができるため、比較的簡単に構成することができる。ここで、本実施形態において、これらの光路が平行であるとは、略平行の意味で使用されており、これによる効果が大きく損なわない範囲で多少のずれを許容するものである。以下、本発明の実施形態に係る光干渉断層撮影装置について、図面を用いて詳細に説明する。
[第1の実施形態:ファイバ系]
本実施形態に係る光干渉断層撮影装置の一例である偏光OCT装置の構成について、図1から図5を用いて説明する。尚、便宜上、各図に示す通りX軸、Y軸、Z軸を設定して説明する。まず、本実施形態における偏光OCT装置の全体構成の概略図を図1に示す。この偏光OCT装置は、SS(Swept Source)−PS(Polarization sensitive)−OCT装置を、干渉手段としてマッハツェンダ干渉系で構成する例である。SS−PS−OCT装置100の構成について説明する。本実施形態では、導光手段として、光ファイバを用いる。
本実施形態に係る光干渉断層撮影装置の一例である偏光OCT装置の構成について、図1から図5を用いて説明する。尚、便宜上、各図に示す通りX軸、Y軸、Z軸を設定して説明する。まず、本実施形態における偏光OCT装置の全体構成の概略図を図1に示す。この偏光OCT装置は、SS(Swept Source)−PS(Polarization sensitive)−OCT装置を、干渉手段としてマッハツェンダ干渉系で構成する例である。SS−PS−OCT装置100の構成について説明する。本実施形態では、導光手段として、光ファイバを用いる。
光源101は、周期的に光の発振波長が変化する波長掃引光源を用いて構成され、例えば、心波長1040nm、バンド幅100nmの光を出射する。光源101から出射された光は、シングルモード(Single Mode)ファイバ(以下SMファイバと記載)102で導光する。SMファイバ102には、偏光制御器103を設ける。偏光制御器103は、光源101から射出する光の偏光を所定の偏光状態になるように制御する。偏光制御器103は例えばファイバ型の偏光制御器であればよい。ファイバをコイル状に巻いたパドルを作り、各パドルを傾倒する事で偏光を制御するパドル型や、ファイバを圧迫、回転させ偏光を制御するインライン型などが挙げられる。また、ファイバから光を空間に出射し、1/2波長板及び1/4波長板を用いて偏光を制御するバルク型でも良い。本実施形態では偏光制御器103で光源101からの光は直線偏光に制御する。
SMファイバ102は、コネクタ104を介してポラライザ105と接続する。ポラライザ105を配置する事で、光源101より出射した光の偏光度を上げる事ができる。光源101からの光の偏光度が高い場合、ポラライザ105は省略してもよい。また、偏光制御器103を制御する事で、ポラライザ105の透過光量を制御する事も可能である。また、偏光制御器103を配置せず、SMファイバ102にコネクタ104を介してポラライザ105を接続する構成にする事も可能である。
なお、ポラライザ105以降のファイバは偏波保持ファイバ(以下PMファイバと記載)で構成する事で、偏光状態を維持する事が可能である。ポラライザ105はコネクタ106を介してビームスプリッタ107と接続する。ビームスプリッタ107は測定光出射用コリメータ108、参照光出射用コリメータ109、コネクタ110とそれぞれ接続する。ビームスプリッタ107の分岐比は、90(参照光):10(測定光)である。尚、分岐比はこれらの値に限定されるものではなく、他の値とする事も可能である。
ビームスプリッタ107で分岐した測定光は、測定光出射用コリメータ108によりコリメート光として空間に出射する。測定光は、1/4波長板111を通過し、瞳位置において測定光をY方向に走査するY走査用ガルバノスキャナ112とX走査用ガルバノスキャナ113にて反射する。ガルバノスキャナ112、113によって進路を変えた測定光は、更にダイクロイックミラー114、115で反射した後、スキャンレンズ116、対物レンズ117を介して被検査物の一例である被検眼118に入射する。本実施形態では被検眼118において円偏光となるように1/4波長板111を配置する。また、対物レンズ117はステージ119上に固定されており、ステージ119により光軸方向に動く事で、被検眼の視度調整を行う事が出来る。図示していないが、ガルバノスキャナ112、113とステージ119は駆動制御部によって制御し、被検眼118の所定の範囲(断層画像の取得範囲、断層画像の取得位置、測定光の照射位置とも言う)で測定光を走査する事が出来る。
測定光は、被検眼118に入射し、眼底に照射する。眼底を照射した測定光は各網膜層で反射・散乱し、上述の光学経路を辿りビームスプリッタ107、コネクタ110を介して後述するビームスプリッタ125へ入射する。
一方、ビームスプリッタ107で分岐した参照光は、投光手段の一例である参照光出射用コリメータ109によりコリメート光として空間に出射する。本発明における第一の偏光調整手段の一例として、参照光出射用コリメータ109は光軸周りに回転可能な構成で保持する。なお、参照光出射用コリメータ109を回転する代わりに、偏光制御器103及びポラライザ105で偏光調整を可能な構成としてもよい。また、参照光出射用コリメータ109は、ファイバが光軸周りに相対的に回転できればよい。従って、参照光出射用コリメータ109を構成するレンズや筺体は固定であってもよい。また、参照光出射用コリメータ109を回転させる動力は、手動であってもよいし、モータ等であってもよい。
参照光は、分散補償ガラス120、NDフィルタ121を介し、コヒーレンスゲートステージ122上のミラー123a、123bで反射する。反射部材の一例であるミラー123a、123bは参照光に対する入射面が同一となるように配置する。入射面は、光線が媒質境界(ミラー)に入射するとき、媒質境界の反射面に垂直で入射光線と反射光線を含む面である。ミラー123a、123bとしては、例えば、金属膜がコーティングされたミラーを使用する事ができる。また、表面に誘電体の保護膜があってもよい。あるいは、直角プリズムなどでもよい。コヒーレンスゲートステージ122は、被検者の眼軸長の相違等に対応する為、駆動制御部にて制御する。図1においてコヒーレンスゲートステージ122がX方向に動く事で調整を行う事が出来る。
ミラー123a、123bで反射した参照光は、受光手段の一例である参照光受光用コリメータ124にて受光し導光手段であるPMファイバに導光する。本発明における第二の偏光調整手段の一例として、参照光受光用コリメータ124は光軸周りに回転可能に保持する。なお、参照光出射用コリメータ109と同様、参照光受光用コリメータ124もファイバが光軸周りに相対的に回転できればよい。従って、参照光受光用コリメータ124を構成するレンズや筺体は固定であってもよい。また、参照光受光用コリメータ124を回転させる動力は、手動であってもよいし、モータ等であってもよい。
コリメータで投受光する参照光学系の偏光状態の模式図を図2(a)に示す。図2(a)において、ミラー123a、123bへの参照光の入射面は紙面と平行方向となる。また、図中の直交する矢印は、ミラー123a、123bへの入射面に対して、それぞれ垂直の振動方向(s偏光成分図中の垂直平方向の矢印)及び、平行の振動成分(p偏光成分同水平方向の矢印)を表す。また、両矢印は偏光の状態(図2(a)では直線偏光)を表す。ただし、参照光受光用コリメータ124に受光後の矢印は後述する偏光ビームスプリッタ127、129の入射面を基準とする(ミラー123a、bの入射面とは必ずしも一致しない)。
参照光出射用コリメータ109から出射する参照光はミラー123a、123bの入射面に対し、垂直または平行の何れかの振動方向を持つように光の振動方向(方位角)を変更する。図2(a)では、垂直の振動方向(s偏光成分)を持つ直線偏光の例で示す。第一の偏光調整手段の例として、参照光出射用コリメータ109を光軸周りに回転する事、及び偏光制御器103やポラライザ105を調整することが挙げられる。参照光(150)の偏光状態は、偏光制御器103やポラライザ105で直線偏光及び振動方向(方位角)を規定する事ができる。
また、直線偏光(151)の振動方向は、参照光出射用コリメータ109を光軸周りに回転する事で変更する事ができる。参照光出射用コリメータ109を回転可能にする事で、光学系を構成した後からでも簡易な構成で振動方向を変更する事ができる。
参照光(152、153)はミラー123a、123bの入射面に対して垂直の振動方向(s偏光成分)あるいは平行の振動方向(p偏光成分)いずれかの成分を持つ為、反射によるs偏光成分とp偏光成分の間の位相差は発生しない。従って、ミラーで反射しても偏光状態を一定に保つ事が可能である。
説明の為、従来例の参照光学系の偏光状態の模式図を図2(b)に示す。図2(b)において、偏光の振動方向を表す矢印は図2(a)と同様の振動方向を表す。参照光出射用コリメータ501から出射する参照光はミラー123a、123bの入射面に対し、垂直または平行の何れかの振動方向を持つように、予め光の振動方向(方位角)が調整されている(160)。参照光はλ/2波長板503により偏光の振動方向を調整する。λ/2波長板503は例えば光軸周りに45°の傾きを持たせておく。λ/2波長板503透過後の参照光の振動の方向は、45°の直線偏光となる(161)。ミラー123aで反射した参照光は、s偏光成分とp偏光成分とで反射の際に生じる位相の変化の仕方が異なる為、位相にずれが生じ楕円偏光となってしまう(162)。さらに、ミラー123bの反射でも位相のずれが生じる(163)。従って、参照光受光用コリメータ502で受光される参照光は、45°の直線偏光からずれた楕円偏光となってしまう(164)。参照光が楕円偏光となってしまうと、偏光OCTの感度や測定値にずれが生じてしまう。
また、第二の偏光調整手段の一例として、参照光受光用コリメータ124を光軸周りに回転する事が挙げられる。参照光受光用コリメータ124は、後述する偏光ビームスプリッタ127、129に所定の振動方向(方位角)の直線偏光が入射するように、参照光の光軸周りに回転する(154)。例えば、光ビームスプリッタ127、129に45°の直線偏光が入射するように参照光受光用コリメータ124を回転する。このような構成とする事で、従来必要であった波長板を省く事ができる。
以上のような構成にする事で、参照光受光用コリメータ124で受光した参照光を、所定の振動方向の直線偏光にする事ができる(155)。また、参照光受光用コリメータ124を回転する代わりに、第二の偏光調整手段としてミラー123bと参照光受光用コリメータ124の間に1/2波長板を配置してもよい。ここで、別の本実施形態について図3に示す。図3において、1/2波長板201を、参照光受光用コリメータ124の手前に配置する。出射用のコリメータとミラーとの間に1/2波長板を設ける従来例に対し、ミラー123a、123bで反射した後に、波長板を配置する事で、反射による偏光のずれの影響を受ける事なく、所定の偏光状態で導光する事ができる。
次に、測定光と参照光とを合波する以降の構成について図1を用いて説明する。ビームスプリッタ125に入射した測定光と参照光は合波されて干渉光となり、ビームスプリッタ125で分岐比50:50に分割する。分割する干渉光は、振幅の位相が互いに反転した干渉光(以下、正の成分および負の成分と表現する)となる。正の干渉光はコネクタ126を介して偏光ビームスプリッタ127へ導き、負の干渉光はコネクタ128を介して偏光ビームスプリッタ129へ導く。
分割手段の一例である偏光ビームスプリッタ127、129では直交する二つの偏光軸に合わせて干渉光が分割され、水平(Horizontal)偏光成分(以下、H成分)と、垂直(Vertical)偏光成分(以下、V成分)の二つの光に分割する。偏光ビームスプリッタ127、129で分割した正負それぞれの干渉光のH成分は、検出器130に入射し、ここで差動検出する。同様に、干渉光のV成分は検出器131に入射し、作動検出する。干渉信号検出手段の一例である検出器130、131でそれぞれ受光した光は、光の強度に応じた検出信号として出力される。
尚、本実施形態では、直交する二つの偏光軸に対して参照光を45°の直線偏光とする事で、H成分およびV成分に同等の光が分割される。また、本実施形態では測定光を円偏光とする事により、被検眼118の眼底の細胞や繊維の方向に関係なく同時に取得する事が出来る。従って、一度の撮影でH成分とV成分のデータを取得する事が可能である。算出する偏光状態としては、リターデーション(試料のH成分およびV成分の位相差)やオリエンテーション(異方性の向き)、偏光解消度が挙げられる。取得したデータから被検眼118の偏光状態を算出するには、既知の方法を使う事ができる。
偏光OCTでは、参照光の偏光状態を制御し、偏光ビームスプリッタの反射面に入射する参照光には位相差がない(もしくは既知)として、干渉光の偏光成分から試料の偏光パラメータを算出する。従って、参照光に位相ずれが発生すると、誤った偏光パラメータが算出さてしまう可能性がある。例えば、偏光特性が無い試料であっても、偏光特性があると算出されてしまう。あるいは、偏光特性がある試料であっても、参照光の位相ずれにより試料の偏光特性が相殺(あるいは増幅)されて、本来の値よりも小さく(あるいは大きく)算出されてしまう可能性がある。本実施形態では、反射による位相ずれを発生させることなく参照光を所定の振動方向の直線偏光にする事ができるので、被検査物の偏光特性を高精度に測定する事が出来る。
以上、ファイバ系の構成で説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。偏光の向きを規定出来れば、一部をバルク系で構成する事も可能である。
[第2の実施形態:バルク系]
次に、第2の実施形態に係る撮影装置について、図4を用いて説明する。本実施形態は、ファイバ系で構成されていた第1の実施形態に対して、一部をバルク系で構成する点が異なる。なお、ファイバ系と同様の構成については、説明を省略する。光源101から射出した光は、投光手段の一例であるコリメータ301で、空間に出射する。第一の偏光調整手段の一例であるコリメータ301を光軸方向に回転する事で、ミラー123の入射面に対し垂直または平行の何れかの振動方向の直線偏光となるようにする。
次に、第2の実施形態に係る撮影装置について、図4を用いて説明する。本実施形態は、ファイバ系で構成されていた第1の実施形態に対して、一部をバルク系で構成する点が異なる。なお、ファイバ系と同様の構成については、説明を省略する。光源101から射出した光は、投光手段の一例であるコリメータ301で、空間に出射する。第一の偏光調整手段の一例であるコリメータ301を光軸方向に回転する事で、ミラー123の入射面に対し垂直または平行の何れかの振動方向の直線偏光となるようにする。
ビームスプリッタ302により、光を測定光と参照光とに分岐する。被検眼118からビームスプリッタ302に戻ってきた測定光は、ビームスプリッタ302を経由してコリメータ303で受光する。コリメータ303は光軸周りに回転可能に保持する。コリメータ303を回転する事により、偏光ビームスプリッタ127、129に対し、測定光の振動方向を調整する事ができる。例えば、測定対象が偏光特性を持たない場合に、測定光がビームスプリッタ127、129に水平方向の直線偏光として入射するように、コリメータ303を回転すればよい。また、受光手段の一例である参照光受光用コリメータ124は、偏光ビームスプリッタ127、129に所定の振動方向の直線偏光(例えば45°の直線偏光)が入射するように、参照光の光軸周りに回転する。このような構成にすることでファイバを減らす事ができ、ファイバに起因する波長分散や、複屈折のずれ、温度変動による偏光のずれを抑制する事ができ、より高精度に測定する事ができる。
また、測定光と参照光とを合波し干渉光を得る光学系をバルク系で構成することも可能である。図5にバルク系で構成した例を示す。なお、図4と同様の部分は省略する。参照光は第二の偏光調整手段である1/2波長板201により偏光の向きを調整する。測定光と参照光は、ビームスプリッタ401で合波し干渉光を得る。ビームスプリッタ401で干渉光は分岐し、それぞれ偏光ビームスプリッタ402及び、偏光ビームスプリッタ403へ入射する。偏光ビームスプリッタ402、403で偏光成分毎に分岐し受光用のコリメータ404、405、406,407で受光し、検出器130、131でそれぞれ検知する。このような構成にすることでファイバをさらに減らす事ができ、より高精度に測定する事ができる。
[第3の実施形態:ミラーの替わりに偏光ビームスプリッタ]
また、第3の実施形態に係る撮影装置について、図6を用いて説明する。本実施形態では、第1の実施形態におけるミラー123bを、第二の偏光分割手段の一例である偏光ビームスプリッタ501に置き換えた点が異なる。参照光は、ミラー123aの反射面に対し、少なくとも垂直の振動方向(s偏光成分)を持つとする。偏光ビームスプリッタ401の反射面において、参照光に含まれる平行の振動方向(p偏光成分)は透過する為、s偏光成分のみが参照光受光用コリメータ124に入射する。このような構成にする事で、参照光の振動方向に多少のずれがあっても、実質的に垂直の振動方向(s偏光成分)を反射面に入射させる事と同じ効果をもつ。また、第1の実施形態におけるミラー123aを偏光ビームスプリッタに置き換えても同様の効果を有する。
また、第3の実施形態に係る撮影装置について、図6を用いて説明する。本実施形態では、第1の実施形態におけるミラー123bを、第二の偏光分割手段の一例である偏光ビームスプリッタ501に置き換えた点が異なる。参照光は、ミラー123aの反射面に対し、少なくとも垂直の振動方向(s偏光成分)を持つとする。偏光ビームスプリッタ401の反射面において、参照光に含まれる平行の振動方向(p偏光成分)は透過する為、s偏光成分のみが参照光受光用コリメータ124に入射する。このような構成にする事で、参照光の振動方向に多少のずれがあっても、実質的に垂直の振動方向(s偏光成分)を反射面に入射させる事と同じ効果をもつ。また、第1の実施形態におけるミラー123aを偏光ビームスプリッタに置き換えても同様の効果を有する。
なお、本実施形態は、反射体は1個でも複数個であってもよい。例えば、二対の反射体を対向させて、光を折り返す構成でもよい。また、参照光学系以外でも、一対の投受光手段(コリメータ)で空間に光を投受光し、投受光手段の間に反射体を配置し、光を反射する光路においても、同様に適用する事ができる。更に、マッハツェンダ型の干渉計であれば、スペクトラルドメイン方式(SD方式)で構成されるSD−PS−OCTであってもよい。
以上、説明した構成によれば、参照光学系で参照光を反射体で折り返しても、参照光に位相ずれを生じさせずに所定の振動方向にする構成としたため、被検査物の偏光特性を簡単な構成で、高精度に測定する事が出来る。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
Claims (9)
- 測定光を照射した被検査物からの戻り光と前記測定光に対応する参照光とが干渉した干渉光を異なる複数の偏光成分の光に分割する分割手段と、
前記複数の偏光成分の光を検出する検出手段と、
前記参照光の光路に設けられ、前記参照光を反射する反射部材と、を有し、
前記反射部材の反射面に前記参照光が入射する方向と前記反射面で反射する方向とで定義される面に対して、平行な振動方向の直線偏光成分の光と垂直な振動方向の直線偏光成分の光とのいずれかの光が、前記反射部材の反射面に入射されるように構成されることを特徴とする光干渉断層撮影装置。 - 前記参照光を射出する第1のファイバ端を有する第1のファイバと、
前記反射部材で反射した参照光を受ける第2のファイバ端を有する第2のファイバと、を更に有し、
前記反射部材の反射面は、前記第1のファイバ端から射出された参照光を反射することを特徴とする請求項1に記載の光干渉断層撮影装置。 - 前記第1のファイバ端から射出された光が、前記平行な振動方向の直線偏光成分の光と前記垂直な振動方向の直線偏光成分の光とのいずれかの光になるように、前記反射部材の反射面に対して前記第1のファイバ端の向きが調整されて配置されることを特徴とする請求項2に記載の光干渉断層撮影装置。
- 前記第1のファイバ端から射出された光の偏光を、前記平行な振動方向の直線偏光成分の光と前記垂直な振動方向の直線偏光成分の光とのいずれかの光になるように、調整する偏光調整手段を更に有することを特徴とする請求項2または3に記載の光干渉断層撮影装置。
- 前記第2のファイバ端により受けられる光が、前記平行な振動方向または前記垂直な振動方向とは異なる所定の振動方向である直線偏光成分の光になるように、前記反射部材の反射面に対して前記第2のファイバ端の向きが調整されて配置されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の光干渉断層撮影装置。
- 前記第2のファイバ端により受けられる光の偏光を、前記平行な振動方向または前記垂直な振動方向とは異なる所定の振動方向である直線偏光成分の光になるように、調整する偏光調整手段を更に有することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の光干渉断層撮影装置。
- 前記反射部材は、2つのミラーを含み、
前記第1のファイバ端から前記2つのミラーの一方までの光路と、前記2つのミラーの他方から前記第2のファイバ端までの光路とが平行になるように構成されることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の光干渉断層撮影装置。 - 前記反射部材を含むマッハツェンダ干渉系の参照光路が構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光干渉断層撮影装置。
- 前記被検査物は、被検眼であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光干渉断層撮影装置。
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JP2014227613A JP2016087277A (ja) | 2014-11-08 | 2014-11-08 | 光干渉断層撮影装置 |
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- 2014-11-08 JP JP2014227613A patent/JP2016087277A/ja active Pending
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