JP2016082259A - クロック同期システムおよびクロック同期方法 - Google Patents

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Masayuki Kawagishi
正幸 川岸
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Abstract

【課題】階層化されてカスケード接続されたネットワーク上の複数のデバイスのクロックを高精度で同期させ、カスケード接続による同期誤差を解消させる。【解決手段】元の同期プロトコル1を使用して同期を取る際に、同期精度を高める制御を行うクロックバイパス同期支援機構4と、前記複数のデバイスから、同期可能な親クロック候補デバイスを検索し、それに対して前記同期支援機構4の制御を行って同期が取れるか否かを識別し、同期の取れる親クロック候補デバイスを収集する親クロック候補収集機構3と、前記収集された親クロック候補デバイスのうち、自デバイス間との同期品質の高いデバイスを親クロックデバイスとして選択する同期距離判定器5と、前記同期距離判定の際にコストを計算するコスト計算機6とを備え、前記選択された親クロックデバイスにおける同期結果を、自デバイスおよび近隣のデバイスの内部クロック2に反映させる。【選択図】図2

Description

本発明は、階層化されてカスケード接続されたネットワーク上に配置された複数のデバイスのクロックを同期させるクロック同期システムおよび方法に関する。
ネットワーク上に分散しているデバイスの内部クロックを同期させる方法のひとつとして、同ネットワークを介する通信により、ネットワーク上で最も高精度のクロックを持つデバイスに同期させる方式が考案されている。例えばNTP(ネットワーク時間プロトコル)やIEEE1588高精度時間プロトコルである。
上記方式では、最高精度のクロックを持つデバイス(以下、グランドマスターと称する)と、それ以外のデバイス(以下、スレーブと称する)の同期を取るために、グランドマスターとスレーブの間で同期手続き用のパケットの授受が行われる。ネットワークを流れるパケットによって同期を取るので、伝送系への新規投資が不要であるか、あるいは最小限で済むことが当方式の利点である。
しかし、この方式では、ネットワークの規模が拡大するにつれてグランドマスター側の同期制御パケットの量が多くなり、スケーラビリティの面で難が出てくる。そこで、同期を取るネットワークを幾つかの階層に分け、各階層をカスケード接続することにより、グランドマスターと直接同期を取るスレーブの数を抑える試みがなされる。
尚、大規模ネットワーク上の精密なクロック分配を可能にするシステムおよび方法は、例えば特許文献1に記載されている。
特開2012−222833号公報
階層化されてカスケード接続された同期ネットワークにおいては、マスターは第1階層(以下、TIER1と称する)のスレーブの代表者(以下、境界デバイスと称する)だけと同期を取る(境界デバイスの内部クロックを境界クロックと称する)。TIER1の境界デバイスは、TIER1の各スレーブデバイスおよび自身の配下にある第2階層(以下、TIER2と称する)の境界デバイスと同期を取る。TIER2以下の境界デバイスも同様である。
階層化された理想同期ネットワークでは、スケールの制限がなくなり、カスケード数を増やせば幾らでもスレーブデバイスを増設することが可能である。しかし、実際には、カスケードが深くなればなるほど、グランドマスターとの理論的な距離が増え、介在する中間の境界デバイスが増え、誤差の蓄積が無視できなくなってくる。
また、この誤差は、ネットワークの伝送特性等の影響を受けるため、蓄積誤差の傾向と対策の見極めが困難である。そのため、ネットワーク上で均一の誤差補償制度を導入することが難しく、誤差の問題がネットワーク規模拡大の足かせとなる。結局のところ、スケーラビリティに制約が生じやすい状態にあると言える。
本発明は上記課題を解決するものであり、その目的は、ネットワーク上のデバイスを、カスケードの上、下にかかわらず同期品質(精度)の高いクロックを持つデバイスに同期させることができ、カスケード接続による同期誤差を解消することができるクロック同期システムおよび方法を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1に記載のクロック同期システムは、グランドマスタークロックを有したグランドマスターデバイスと、階層化されてカスケード接続されたネットワーク上に配置され、各々内部クロックを有した複数のデバイスを備え、前記複数のデバイスのクロックを同期させるクロック同期システムであって、前記デバイスに設定された元の同期プロトコルを使用して同期を取る際に、クロックの同期精度を高める制御を行うクロックバイパス同期支援手段と、前記複数のデバイスから、同期を取ろうとする自デバイスがクロックの同期を取ることのできる親クロック候補デバイスを検索し、該検索されたデバイスに対して前記クロックバイパス同期支援手段の制御を行って同期を取ることができるか否かを識別し、同期を取ることができる親クロック候補デバイスを収集する親クロック候補収集手段と、前記親クロック候補収集手段によって収集された親クロック候補デバイスと自デバイス間の同期品質の高さを判定し、同期品質の高いデバイスを親クロックデバイスとして選択する同期距離判定手段と、前記同期距離判定手段により選択された親クロックデバイスにおける、前記クロックバイパス同期支援手段で行われたクロックの同期精度を高める制御に基づく同期結果を、自デバイスおよび近隣のデバイスの内部クロックに反映させるクロック反映手段と、を備えたことを特徴としている。
また、請求項3に記載のクロック同期システムは、請求項1又は2において、前記複数のデバイスは、前記グランドマスターデバイスにカスケード接続されたネットワークの各階層に配置された複数のデバイスをスレーブデバイスとし、前記複数のスレーブデバイスのうち、各階層を代表する各々一つのデバイスを境界デバイスとして構成されており、前記自デバイスは、ある階層の境界デバイスであり、前記親クロック候補デバイスは、前記グランドマスターデバイスおよび前記ある階層以外の階層の境界デバイスのうち、自デバイスと同期を取ることができるデバイスであることを特徴としている。
また、請求項12に記載のクロック同期方法は、グランドマスタークロックを有したグランドマスターデバイスと、階層化されてカスケード接続されたネットワーク上に配置され、各々内部クロックを有した複数のデバイスを備えたシステムにおける、前記複数のデバイスのクロックを同期させるクロック同期方法であって、親クロック候補収集手段が、前記複数のデバイスから、同期を取ろうとする自デバイスがクロックの同期を取ることのできる親クロック候補デバイスを検索するステップと、親クロック候補収集手段が、クロックバイパス同期支援手段を用いて、前記検索されたデバイスに対して、該デバイスに設定された元の同期プロトコルを使用して同期を取るときのクロックの同期精度を高める制御を実施し、同期を取ることができるか否かを識別し、同期を取ることができる親クロック候補デバイスを収集する親クロック候補収集ステップと、同期距離判定手段が、前記親クロック候補収集手段によって収集された親クロック候補デバイスと自デバイス間の同期品質の高さを判定し、同期品質の高いデバイスを親クロックデバイスとして選択する同期距離判定ステップと、クロック反映手段が、前記同期距離判定手段により選択された親クロックデバイスにおける、前記親クロック候補収集ステップで実施されたクロックの同期精度を高める制御に基づく同期結果を、自デバイスおよび近隣のデバイスの内部クロックに反映させるステップと、を備えたことを特徴としている。
また、請求項14に記載のクロック同期方法は、請求項12又は13において、前記複数のデバイスは、前記グランドマスターデバイスにカスケード接続されたネットワークの各階層に配置された複数のデバイスをスレーブデバイスとし、前記複数のスレーブデバイスのうち、各階層を代表する各々一つのデバイスを境界デバイスとして構成されており、前記自デバイスは、ある階層の境界デバイスであり、前記親クロック候補デバイスは、前記グランドマスターデバイスおよび前記ある階層以外の階層の境界デバイスのうち、自デバイスと同期を取ることができるデバイスであることを特徴としている。
上記構成によれば、ネットワーク上のデバイスを、カスケードの上、下にかかわらず同期品質(精度)の高いクロックを持つデバイスに同期させることができ、カスケード接続による同期誤差を解消することができる。
また、クロックバイパス同期支援手段によって、遠隔のデバイス間であっても同期を取る際に同期品質を上げることができる。このクロックバイパス同期支援手段は必ずしもネットワーク全体の機器が対応する必要は無く、グランドマスターデバイスから最も遠いデバイスへの到達経路上の中継装置だけが対応していればよいので、投資を抑えて同期品質向上効果を得ることができる。
また、請求項2に記載のクロック同期システムは、請求項1において、前記同期距離判定手段は、親クロック候補デバイスがグランドマスターデバイスである場合に他のデバイスよりもコストを高く設定し、自デバイスとの間の距離が遠い親クロック候補デバイスほどコストを高く設定するコスト計算機を備え、コストの低い親クロック候補デバイスを親クロックデバイスとして選択することを特徴としている。
また、請求項13に記載のクロック同期方法は、請求項12において、前記同期距離判定手段はコスト計算機を備え、前記同期距離判定ステップは、親クロック候補デバイスがグランドマスターデバイスである場合に他のデバイスよりもコストを高く設定し、自デバイスとの間の距離が遠い親クロック候補デバイスほどコストを高く設定し、コストの低い親クロック候補デバイスを親クロックデバイスとして選択することを特徴としている。
上記構成によれば、コスト計算機のコストを適切に設定することで、特定のデバイス、例えばグランドマスターデバイスや、多くの子階層を持つ親階層の境界デバイスへの同期負荷集中を防止することができ、グランドマスターデバイスと直接同期を取るスレーブデバイスの数を抑制できるというカスケード接続の効果を損なうことなく、同期品質とのバランスを図ることができる。
また、請求項4に記載のクロック同期システムは、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記クロックバイパス同期支援手段が行うクロックの同期精度を高める制御は、同期イーサネット(登録商標;Synchronous Ethernet)により前記グランドマスターデバイスから自デバイスまでを接続し、元の同期プロトコルに代えて同期イーサネットにてクロック同期を取ることで実施されることを特徴としている。
また、請求項15に記載のクロック同期方法は、請求項12ないし14のいずれか1項において、前記親クロック候補収集ステップにおけるクロックの同期精度を高める制御は、同期イーサネットにより前記グランドマスターデバイスから自デバイスまでを接続し、元の同期プロトコルに代えて同期イーサネットにてクロック同期を取ることで実施されることを特徴としている。
上記構成によれば、自デバイスの元の同期プロトコル自身がグランドマスターデバイスと同期を取る手続を実行しなくても、高精度のクロック同期が得られる。
また、請求項5に記載のクロック同期システムは、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記クロックバイパス同期支援手段が行うクロックの同期精度を高める制御は、クロック同期を取る時刻に、自デバイスと親クロック候補デバイスの間の伝送経路上をスパニングツリーブロッキング状態にし、元の同期プロトコルの同期パケットをBPDU(Bridge Protocol Data Unit)にカプセル化したパケットを、自デバイスと親クロック候補デバイス間で搬送させ、当該パケットの授受が済み次第前記スパニングツリーブロッキングを解除することで実施されることを特徴としている。
また、請求項16に記載のクロック同期方法は、請求項12ないし14のいずれか1項において、前記親クロック候補収集ステップにおけるクロックの同期精度を高める制御は、クロック同期を取る時刻に、自デバイスと親クロック候補デバイスの間の伝送経路上をスパニングツリーブロッキング状態にし、元の同期プロトコルの同期パケットをBPDU(Bridge Protocol Data Unit)にカプセル化したパケットを、自デバイスと親クロック候補デバイス間で搬送させ、当該パケットの授受が済み次第前記スパニングツリーブロッキングを解除することで実施されることを特徴としている。
また、請求項6に記載のクロック同期システムは、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記クロックバイパス同期支援手段が行うクロックの同期精度を高める制御は、自デバイスと親クロック候補デバイスの間の伝送路に伝送する同期パケットの伝送優先度を高く設定することで実施されることを特徴としている。
また、請求項17に記載のクロック同期方法は、請求項12ないし14のいずれか1項において、前記親クロック候補収集ステップにおけるクロックの同期精度を高める制御は、自デバイスと親クロック候補デバイスの間の伝送路に伝送する同期パケットの伝送優先度を高く設定することで実施されることを特徴としている。
また、請求項7に記載のクロック同期システムは、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記各デバイスにはパケットをカットスルー転送する専用回路が設けられ、前記クロックバイパス同期支援手段が行うクロックの同期精度を高める制御は、前記専用回路を通して自デバイスと親クロック候補デバイスの間で同期パケットを伝送することで実施されることを特徴としている。
また、請求項18に記載のクロック同期方法は、請求項12ないし14のいずれか1項において、前記各デバイスにはパケットをカットスルー転送する専用回路が設けられ、前記親クロック候補収集ステップにおけるクロックの同期精度を高める制御は、前記専用回路を通して自デバイスと親クロック候補デバイスの間で同期パケットを伝送することで実施されることを特徴としている。
また、請求項8に記載のクロック同期システムは、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記クロックバイパス同期支援手段は、同期パケット送出時刻を、予め評価した同期パケット遅延時間を含めた時刻とする回路を備えていることを特徴としている。
また、請求項19に記載のクロック同期方法は、請求項12ないし14のいずれか1項において、前記親クロック候補収集ステップにおけるクロックの同期精度を高める制御は、予め評価した同期パケット遅延時間を含めた時刻に、自デバイスと親クロック候補デバイス間の伝送路に同期パケットを送出することで実施されることを特徴としている。
上記構成によれば、同期パケットの伝送遅延時間を一定、又は略一定にすることができ、同期品質を上げることができる。
また、請求項9に記載のクロック同期システムは、請求項4において、前記同期距離判定手段は、前記同期イーサネットによりグランドマスターデバイスとクロック同期を取っている親クロック候補デバイスを、同期品質が高いと判定することを特徴としている。
また、請求項20に記載のクロック同期方法は、請求項15において、前記同期距離判定ステップは、前記同期イーサネットによりグランドマスターデバイスとクロック同期を取っている親クロック候補デバイスを、同期品質が高いと判定することを特徴としている。
上記構成によれば、実際の同期を取る手続きを実行しなくても事前に同期品質(精度)を評価することができる。
また、請求項10に記載のクロック同期システムは、請求項5ないし9のいずれか1項において、前記同期距離判定手段は、自デバイスと親クロック候補デバイス間のパケット伝播遅延時間を同期パケットを使って測定し、そのパケット伝播遅延時間の統計をとり、その統計結果に基づいて、パケット伝播遅延時間が一定であれば同期品質は高いと判定し、パケット伝播遅延時間の揺らぎが大きいほど同期品質は低いと判定することを特徴としている。
また、請求項21に記載のクロック同期方法は、請求項16ないし20のいずれか1項において、前記同期距離判定ステップは、自デバイスと親クロック候補デバイス間のパケット伝播遅延時間を同期パケットを使って測定し、そのパケット伝播遅延時間の統計をとり、その統計結果に基づいて、パケット伝播遅延時間が一定であれば同期品質は高いと判定し、パケット伝播遅延時間の揺らぎが大きいほど同期品質は低いと判定することを特徴としている。
また、請求項11に記載のクロック同期システムは、請求項5ないし10のいずれか1項において、前記同期距離判定手段は、自デバイスと、親クロック候補デバイスのうちのいずれかのデバイスとの間で、お互いがマスター/スレーブであると想定して相互にクロック同期を取る処理を、すべての親クロック候補デバイスについて実行し、クロック同期の誤差が少ないデバイスを同期品質が高いと判定することを特徴としている。
また、請求項22に記載のクロック同期方法は、請求項16ないし21のいずれか1項において、前記同期距離判定ステップは、自デバイスと、親クロック候補デバイスのうちのいずれかのデバイスとの間で、お互いがマスター/スレーブであると想定して相互にクロック同期を取る処理を、すべての親クロック候補デバイスについて実行し、クロック同期の誤差が少ないデバイスを同期品質が高いと判定することを特徴としている。
上記構成によれば、同期品質の良し悪しを判定することができる。
(1)請求項1〜22に記載の発明によれば、ネットワーク上のデバイスを、カスケードの上、下にかかわらず同期品質(精度)の高いクロックを持つデバイスに同期させることができ、カスケード接続による同期誤差を解消することができる。
また、クロックバイパス同期支援手段によって、遠隔のデバイス間であっても同期を取る際に同期品質を上げることができる。このクロックバイパス同期支援手段は必ずしもネットワーク全体の機器が対応する必要は無く、グランドマスターデバイスから最も遠いデバイスへの到達経路上の中継装置だけが対応していればよいので、投資を抑えて同期品質向上効果を得ることができる。
(2)請求項2、13に記載の発明によれば、コスト計算機のコストを適切に設定することで、特定のデバイスへの同期負荷集中を防止することができ、グランドマスターデバイスと直接同期を取るスレーブデバイスの数を抑制できるというカスケード接続の効果を損なうことなく、同期品質とのバランスを図ることができる。
(3)請求項4、15に記載の発明によれば、自デバイスの元の同期プロトコル自身がグランドマスターデバイスと同期を取る手続きを実行しなくても、高精度のクロック同期が得られる。
(4)請求項5、6、7、8、16、17、18、19に記載の発明によれば、同期パケットの伝送遅延時間を一定、又は略一定にすることができ、同期品質を上げることができる。
(5)請求項9、20に記載の発明によれば、実際の同期を取る手続きを実行しなくても事前に同期品質(精度)を評価することができる。
(6)請求項10、11、21、22に記載の発明によれば、同期品質の良し悪しを判定することができる。
本発明の実施形態例におけるカスケード接続されたネットワークを示す構成図。 本発明の実施形態例におけるクロック同期システムの構成図。 本発明の実施形態例における同期距離判定器の一実施例である同期検証法を示す説明図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。図1は、本発明が適用される、階層化されてカスケード接続されたネットワークと各階層に配置されたデバイスの様子を表している。
図1において、GMは、最高精度のクロックを持つグランドマスターデバイスを示し、最上位である第1階層(TIER−1)のネットワークから最下位の第N階層(TIER−N)のネットワークまでがカスケード接続されている。
第1階層(TIER−1)ネットワークにはスレーブデバイスS11〜S13および当階層の代表スレーブである境界デバイスB1が設けられている。
第2a階層(TIER−2a)ネットワークにはスレーブデバイスS2a1,S2a2および当階層の代表スレーブである境界デバイスB2aが設けられ、第2b階層(TIER−2b)ネットワークにはスレーブデバイスS2b1,S2b2および当階層の代表スレーブである境界デバイスB2bが設けられている。
第N−1階層(TIER−N−1)ネットワークにはスレーブデバイスSN-11,SN-12および当階層の代表スレーブである境界デバイスBN-1が設けられている。第N階層(TIER−N)ネットワークにはスレーブデバイスSN1,SN2および当階層の代表スレーブである境界デバイスBNが設けられている。
前記各スレーブデバイスは各々に内部クロックを有しており、各スレーブデバイスは同一階層の境界デバイスと同期を取る。
図1の構成において、本実施形態例のクロック同期システムは、以下のような機能を実現する。
(1)カスケードの深い階層にある境界デバイスがグランドマスターデバイスと直接同期を取ることを(条件付きで)許す。例えば図1の最下層の境界デバイスBNは、階層構造を飛ばしてグランドマスターデバイスGMと直接同期を取る。
(2)各階層の境界デバイスは、通常ならば一つ上の境界デバイスと同期を取るべきところを、上位と下位の境界デバイスのクロック同期距離(物理的な距離に、伝送系の特性による重み付けを行った値)の近い方を選んで同期を取ることができる。例えば図1の境界デバイスBN-1は、上位の境界デバイスBN-2ではなく、より小さな誤差の見込める下位の境界デバイスBNと同期を取る。
(3)グランドマスターデバイスGMと階層的に遠隔の境界デバイスとの間で質の高い同期を支援する伝送系の仕組み。
次に、本実施形態例のクロック同期システムの構成を図2とともに説明する。図2において、1は同期を取ろうとする自デバイスに設定された元の同期プロトコル、例えばNTP(RFC1305)、PTP(IEEE1588)を示し、2は同期を取るべき(取ろうとする)自デバイスの内部クロックを示しており、本実施形態例のクロック同期システム100は、親クロック候補収集手段としての親クロック候補収集機構3と、クロックバイパス同期支援手段としてのクロックバイパス同期支援機構4と、同期距離判定手段としての同期距離判定器5およびコスト計算機6と、クロック反映手段(図示省略)とを備えている。
親クロック候補収集機構3は、例えば図1の各デバイスから、同期を取ろうとする自デバイスがクロックの同期を取ることのできる親クロック候補デバイスを検索し、該検索されたデバイスに対して後述するクロックバイパス同期支援機構4の制御を行って同期を取ることができるか否かを識別し、同期を取ることができる親クロック候補デバイスを収集する機能を有している。
クロックバイパス同期支援機構4は、前記デバイスに設定された元の同期プロトコル1を使用して同期を取る際に、クロックの同期精度を高める制御を行う機能を有している。
同期距離判定器5は、前記親クロック候補収集機構3によって収集された親クロック候補デバイスと自デバイス間の同期品質の高さを判定し、同期品質の高いデバイスを親クロックデバイスとして選択する機能を有している。
コスト計算機6は、親クロック候補デバイスがグランドマスターデバイスである場合に他のデバイスよりもコストを高く設定し、自デバイスとの間の距離が遠い親クロック候補デバイスほどコストを高く設定する等の機能を有した計算機である。
クロック同期システム100のクロック反映手段は、前記同期距離判定器5により選択された親クロックデバイスにおける、前記クロックバイパス同期支援機構4で行われたクロックの同期精度を高める制御に基づく同期結果(クロック)を、自デバイスおよび近隣のデバイスの内部クロックに反映させる機能を有している。
図2のBは、クロック同期システム100の前記クロック反映手段によって同期結果が反映された近傍境界デバイス(元の同期プロトコル+同期支援機構=10)を示し、B´はクロック同期システム100を適用しないときのレガシーな近傍境界デバイス(元の同期プロトコル1)を示している。
前記クロック同期システム100は、例えばコンピュータにより構成され、通常のコンピュータのハードウェアリソース、例えばROM、RAM、CPU、入力装置、出力装置、表示装置、通信インターフェース、ハードディスク、記録媒体およびその駆動装置を備えている。
このハードウェアリソースとソフトウェアリソース(OS、アプリケーションなど)との協働の結果、クロック同期システム100は、図2に示すように、親クロック候補収集機構3、クロックバイパス同期支援機構4、同期距離判定器5、コスト計算機6およびクロック反映手段を実装する。
クロック同期システム100の前記各部(3〜6)の処理時の各種データや後述する同期評価テーブルは、ハードディスクあるいはRAMなどの保存手段・記憶手段に格納されるものとする。
前記クロック同期システム100は、図1の各境界デバイスに設けられるか、又はグランドマスターデバイスから最も遠い境界デバイスへの到達経路上の中継装置(図示省略)に設けられる。
次に、クロック同期システム100の各部の機能の詳細を表1とともに説明する。
Figure 2016082259
(1)元の同期プロトコル1
同期を取るためのネイティブのプロトコルであり、例えばNTPやPTPなどである。
(2)内部クロック2
同期を取るべきクロック(ハードウェア部品)である。
(3)親クロック候補収集機構3
同期を取ろうとする自デバイスがクロックの同期を取ることのできるデバイスを検索し、リストアップする。同期対象デバイスは、境界デバイス又はグランドマスターデバイスである。また、前記検索されたデバイスのうち、クロックバイパス同期支援機構4を使って同期を取ることができるか否かを識別し、同期を取ることのできる親クロック候補デバイスを収集する。
(4)クロックバイパス同期支援機構4
この機能は、元の同期プロトコル1を使って同期を取る際に、伝送路上あるいはデバイス上の設定等を制御することにより、同期精度が通常よりも高くなるように取り計らうための手続・設定・専用回路などから構成される機構である。
この機能の目的は、遠隔デバイス間でも高精度の同期を取ることを可能とさせることである。
尚、通常の同期に比べ、どの程度精度が向上したかについては、機能5(同期距離判定器5)が判定を行う。この判定に基づき、最も同期精度の良好な親クロックデバイスが選択され、その同期結果が当該デバイスの内部クロックに反映される。
この同期支援機構4を系全体がサポートしていれば、カスケード接続による同期誤差は十分に小さくなり、他のサブシステムは不要になるであろう。しかし、系全体でサポートさせるには、機器への投資が大きくなりすぎる。そこで、これを部分的に導入し、そのメリットが系全体に及ぶようにさせるものであり、このクロックバイパス同期支援機構4は、例えばグランドマスターデバイスから最も遠い境界デバイスへの到達経路上の中継装置のみ対応しているように構成する。
以下、クロックバイパス同期支援機構4の具体的な実施例を説明する。
(実施例1)同期イーサネット法
同期イーサネット(ITU−TG.8262 Synchronous Ethenet;以下SyncEと表記する)により、グランドマスターデバイスGMからある深階層のデバイスまでを接続する。この経路上のデバイスはSyncEにてクロック同期が取られる。この例では、元の同期プロトコル1自身がグランドマスターデバイスGMと同期を取る手続きを実行しなくても、高精度のクロック同期が得られる。よって、これらのデバイスは、近隣の境界デバイスにとって高精度の親クロックデバイスとして、同期基準クロックを提供することができる。
(実施例2)極短時間ブロッキング法
元の同期プロトコル1の同期品質を下げる要因の一つは、伝送路上のパケット搬送遅延、およびその遅延が揺らぐこと(ジッター)、および上り/下りで遅延が異なることである。
このような遅延を防止するため、元の同期プロトコル1が同期を取る瞬間だけ、当該伝送路上をスパニングツリーブロッキング状態にする。ブロッキング状態にすると、当該経路上ではBPDUだけが通行できる。そこで、元の同期プロトコルのタイムスタンプ付きの同期パケットをBPDUにカプセル化し、この同期パケットを親クロックデバイスとの間で搬送させる。
他の一般パケットはブロッキングポート上でブロックされるので、BPDUは誰にも邪魔されずに通行することができる。言わば、貸切の高速道路といった趣きである。
この方式を採るには、自デバイスと同期相手の親クロックデバイスとの間で、同期を取るべき時刻を予め決めておく必要がある。当該時刻が訪れたら、双方が所定のポートをブロッキング状態とする。その瞬間に、同期パケットをやり取りし、パケット授受が済み次第、直ちにブロッキングを解除する。
このブロッキング状態の時間が短いほど、一般パケットのロスを低減できる。もし、十分に短い時間であれば、バッファリングによって救われるので、パケットロスをゼロに抑えることも(理論上は)可能である。また、どうしてもこの間のパケットロスが気になる場合には、ブロッキング中に各エッジポートからフロー制御のポーズフレームを送出することで、パケットの入りを抑え、パケットロスを防止するようにしてもよい。
尚、ブロッキングするタイミングが一致するように、自デバイスと同期相手親クロックデバイスは、同期の取れた時計を持っておく必要があるが、これには同期を取っている内部クロックそのものを使えばよい(クロックの同期を取ることが目的なので、必ず、ある程度同期の取れたクロックを持っている)。
(実施例3)QoS(Quality of Service)法
これは同期パケットの優先度を高く設定する方法である。
CoS(Class of Service)キュー設定や帯域予約により、同期パケットが優先的に通行できるようにする。これで同期精度の要件が満たせるのであれば、この方法はメリットが大である。
(実施例4)バッファーバイパス法(カットスルー法)
一般に、イーサネットスイッチはストア&フォワードでパケットスイッチを行う。これは、壊れたパケットの破棄には役立つが、パケットを一旦バッファに溜め込むため、転送遅延が生じる。スイッチエンジンによっては、カットスルーモードに出来るものもあるが、ただ単にカットスルーモードにしたのではストア&フォワードのメリットを全て失う。
そこで、ある予約されたパケット(同期パケット)のみ所定のポートにカットスルー転送させるための専用回路をスイッチエンジンの周辺回路として実装する。この専用回路を持つデバイスを経由した場合には、パケットの伝送遅延がほぼ一定となるため、遅延のジッターや上下差がなくなり、元の同期プロトコル1による同期精度を向上させることができる。
(実施例5)送信タイミングコントロール
送信遅延は小さい方が望ましいが、それが担保できない場合には、せめて送信遅延が一定であることが要求される。そこで、予め見込まれる遅延の最大値を評価しておき、同期パケットが物理層に送出される時刻を、この遅延を含めた時刻にする仕組みである。したがって、同期パケット送出時刻を、遅延を含めた時刻となるようにする専用回路を各デバイスに設ける。
(5)同期距離判定器5
グランドマスターデバイスGMとの同期精度がどの程度高いかを判定する機能を有し、前記検索された親クロック候補デバイスに対して、クロックバイパス同期遅延機構4のクロックの同期精度を高める制御(前記実施例1〜実施例5のいずれか1つ又は複数の組合せ)を行うことにより、親クロック候補収集機構3が収集した、同期を取ることができる親クロック候補デバイスと同期を取ったときに、どれが一番同期品質が高いかを判定する機構である。
同期を取る場合、一般に物理的な距離が近いほど、同期精度も高い。しかし、実際にはネットワークの伝送特性などの影響もあるので、同期誤差∝物理的な距離、とも限らない。そのため、同期精度という観点で見た場合の距離(つまり、物理的な距離に伝送系の特性による、ある種の重み付けを行った値)を計算する。同期距離は、当該デバイスが同期を取る際の親クロックデバイスの選択に使われる。
同期距離判定器5の判定アルゴリズムの例を以下に示す。本実施形態例では、下記の実施例を単体又は組み合わせて同期品質の評価を行う。
(実施例1)静的評価
前記クロックバイパス同期支援機構4の実施例(1)〜(5)、およびこれらの例以外にも様々な方式がありえるが、いずれの方式を選択したにせよ、事前に同期精度が評価できる場合がある。例えば、SyncEでグランドマスターデバイスGMと同期が取れているデバイスは、高い同期精度が見込まれるので、そのデバイスを同期品質が高いと判定する。このように、事前に精度が評価できる場合には、これを設定値として精度評価をフィックスさせる。
(実施例2)遅延揺らぎ法
同期パケットを使って測定されたデバイス間パケット伝播遅延の統計を取り、一定であるならば高品質、揺れが大きいほど低品質とする判定。すなわち、自デバイスと親クロック候補デバイス間のパケット伝播遅延時間を同期パケットを使って測定し、そのパケット伝播遅延時間の統計をとり、その統計結果に基づいて、パケット伝播遅延時間が一定であれば同期品質は高いと判定し、パケット伝播遅延時間の揺らぎが大きいほど同期品質は低いと判定する。
(実施例3)同期検証法
あるネットワークにおいて、N台の境界デバイスがあるとする。各境界デバイスは、既に同期の取れた内部クロックを持っているはずであると仮定し、これらN台の境界デバイス間でクロックの同期を取ってみる(お互いがマスター/スレーブになったと想定して相互に同期を取る)。
その結果、既存の同期との誤差が少ない場合には、双方とも良好な同期が得られていると判断し、評価点を加点する。誤差が大きい場合には、どちらかが悪いと思われるが、どちらが悪いかの判別がつかないので、同期評価の加点は行わない。
以下に、この同期検証法の具体例を図3および表2〜表5とともに説明する。図3はカスケード接続されたネットワーク上に配置された境界デバイスBX,BY,BZおよびグランドマスターデバイスGMを表している。
Figure 2016082259
表2は図3における境界デバイスBXについての、現在の境界デバイスBX,BY,BZのクロックソースである1つ上の階層の境界デバイスBX-1,BY-1,BZ-1に対する同期評価テーブルを表している。尚、この同期評価テーブルは同期距離判定器5内のメモリなどに構築される。
まず、境界デバイスBXは、境界デバイスBYがマスター、自デバイスBXがスレーブの役割で、BY→BXで同期を取ってみる。境界デバイスBYから通知された時刻に、BY−BX間のパケット伝播遅延を加算した値と自身(BX)の内部クロックの現在時刻を比較する。
この値が一致すれば、デバイスBY、BXは同期品質が高いか、又はどちらも全く同じ誤差を持っていることになる。一般に誤差というものはランダムになりがちとの前提を導入すると、この差分が小さい場合には同期品質が高いと判断してよい。
次に、マスターとスレーブの役割を入れ替えてBX→BYで前記同様に同期を取って同期品質を判断する。
仮に、誤差が少ないとすれば、お互いのクロックソースに対して、所定の評点を加算する。ここでは1点を与えるとすると、表3のようになる。
Figure 2016082259
上記の手続きを他の境界デバイスとも行う。
すなわち、境界デバイスBXは、境界デバイスBZがマスター、自デバイスBXがスレーブの役割でBZ→BXで同期を取って前記同様に同期品質を判断し、次にマスターとスレーブの役割を入れ替えてBX→BZで前記同様に同期を取って同期品質を判断し、表4のように評点を加算する。
Figure 2016082259
表4では、BZ→BXで同期を取った結果、同期誤差が小さいので表3のNo.1の評点「1」に1点加算されて評点が「2」となり、BX→BZで同期を取った結果、同期誤差が小さいので表3のNo.3の評点「0」に1点加算されて評点が「1」となっている。
また、上記手続きを境界デバイスBY→BZ間で実行する。
すなわち、境界デバイスBYは、境界デバイスBZがマスター、自デバイスBYがスレーブの役割でBZ→BYで同期を取って前記同様に同期品質を判断し、次にマスターとスレーブの役割を入れ替えてBY→BZで前記同様に同期を取って同期品質を判断し、表5のように評点を加算する。
Figure 2016082259
表5では、BZ→BYで同期を取った結果、同期誤差が小さいので表4のNo.2の評点「1」に1点加算されて評点が「2」となり、BY→BZで同期を取った結果、同期誤差が小さいので表4のNo.3の評点「1」に1点加算されて評点が「2」となっている。
これを多数の境界デバイス(図3のBX,BY,BZ以外のデバイス)で繰り返すと、同期品質の特に悪いデバイスをあぶりだすことができる。その境界デバイスにはマイナスの評点を与える。
このようにして求められた評点を、クロックソース選択の際の重み付けとして利用する。すなわち、自デバイスと、親クロック候補デバイスのうちのいずれかのデバイスとの間で、お互いがマスター/スレーブであると想定して相互にクロック同期を取る処理を、すべての親クロック候補デバイスについて実行し、クロック同期の誤差が少ないデバイスを同期品質が高いと判定する。
(6)コスト計算機6
前記表1の機能No.1〜No.5により、各境界デバイスが、同期品質のより高いクロックソースと同期を取ろうとすると、同期を取るソースがかぶってしまい、カスケード接続した効果がスポイルされる恐れがある。例えば、グランドマスターデバイスGMへの同期が増えて、カスケード接続した意味がなくなる恐れがある。このため、グランドマスターなど、特定のデバイスへの同期負荷集中を防止するため、コストの概念を導入する。
すなわち、親クロック候補デバイスがグランドマスターデバイスである場合に他のデバイスよりもコストを高く設定し、自デバイスとの間の距離が遠い親クロック候補デバイスほどコストを高く設定するコスト計算機を備え、コストの低い親クロック候補デバイスを親クロックデバイスとして選択する。
また、本発明のクロック同期方法の実施形態例は、例えば図1、図2の構成において、前記表1の機能No.1〜No.6を実施するものであり、例えば次のような手順で実行される。
<ステップS1>
親クロック候補収集機構3は、図1の複数の境界デバイスから、同期を取ろうとする自デバイスがクロックの同期を取ることのできる親クロック候補デバイスを検索する。
<ステップS2>
親クロック候補収集機構3は、前記検索されたデバイスに対して、該デバイスに設定された元の同期プロトコル1を使用して同期を取るときのクロックの同期精度を高める制御を行って(クロックバイパス同期支援機構4を使って行う)、同期を取ることができるか否かを識別し、同期を取ることができる親クロック候補デバイスを収集する。
<ステップS3>
同期距離判定器5およびコスト計算機6は、前記親クロック候補収集機構3によって収集された親クロック候補デバイスと自デバイス間の同期品質の高さを判定し、同期品質の高いデバイスを親クロックデバイスとして選択する。
<ステップS4>
クロック反映手段(クロック同期システム100内の手段)は、前記同期距離判定器5により選択された親クロックデバイスにおける、前記親クロック候補収集ステップ(ステップS2)で実施されたクロックの同期精度を高める制御に基づく同期結果(クロック)を、自デバイスおよび近隣のデバイスの内部クロックに反映させる(領布する)。
以上のように、本実施形態例によれば次のような効果が得られる。
(1)カスケード接続した際の同期誤差を解消できる。
(2)同期を取るデバイスをカスケードの一つ上の境界デバイス以外にも設定できるので、グランドマスターはもちろん、多くの子階層を持つ親階層の境界デバイスへの負荷集中を緩和できる。
(3)同期を取る際に、遠隔のデバイス間であっても、同期の品質を上げることができる。また、これを実現するために必要な同期支援手段は、必ずしもネットワーク全体の機器が対応する必要はなく、例えばグランドマスターから最も遠い境界デバイスへの到達経路上の中継装置だけが対応していればよく、投資を抑えて効果をあげることが可能である。
1…元の同期プロトコル
2…内部クロック
3…親クロック候補収集機構
4…クロックバイパス同期支援機構
5…同期距離判定器
6…コスト計算機
100…クロック同期システム

Claims (22)

  1. グランドマスタークロックを有したグランドマスターデバイスと、階層化されてカスケード接続されたネットワーク上に配置され、各々内部クロックを有した複数のデバイスを備え、前記複数のデバイスのクロックを同期させるクロック同期システムであって、
    前記デバイスに設定された元の同期プロトコルを使用して同期を取る際に、クロックの同期精度を高める制御を行うクロックバイパス同期支援手段と、
    前記複数のデバイスから、同期を取ろうとする自デバイスがクロックの同期を取ることのできる親クロック候補デバイスを検索し、該検索されたデバイスに対して前記クロックバイパス同期支援手段の制御を行って同期を取ることができるか否かを識別し、同期を取ることができる親クロック候補デバイスを収集する親クロック候補収集手段と、
    前記親クロック候補収集手段によって収集された親クロック候補デバイスと自デバイス間の同期品質の高さを判定し、同期品質の高いデバイスを親クロックデバイスとして選択する同期距離判定手段と、
    前記同期距離判定手段により選択された親クロックデバイスにおける、前記クロックバイパス同期支援手段で行われたクロックの同期精度を高める制御に基づく同期結果を、自デバイスおよび近隣のデバイスの内部クロックに反映させるクロック反映手段と、
    を備えたことを特徴とするクロック同期システム。
  2. 前記同期距離判定手段は、親クロック候補デバイスがグランドマスターデバイスである場合に他のデバイスよりもコストを高く設定し、自デバイスとの間の距離が遠い親クロック候補デバイスほどコストを高く設定するコスト計算機を備え、コストの低い親クロック候補デバイスを親クロックデバイスとして選択することを特徴とする請求項1に記載のクロック同期システム。
  3. 前記複数のデバイスは、前記グランドマスターデバイスにカスケード接続されたネットワークの各階層に配置された複数のデバイスをスレーブデバイスとし、前記複数のスレーブデバイスのうち、各階層を代表する各々一つのデバイスを境界デバイスとして構成されており、
    前記自デバイスは、ある階層の境界デバイスであり、前記親クロック候補デバイスは、前記グランドマスターデバイスおよび前記ある階層以外の階層の境界デバイスのうち、自デバイスと同期を取ることができるデバイスであることを特徴とする請求項1又は2に記載のクロック同期システム。
  4. 前記クロックバイパス同期支援手段が行うクロックの同期精度を高める制御は、
    同期イーサネット(Synchronous Ethernet)により前記グランドマスターデバイスから自デバイスまでを接続し、元の同期プロトコルに代えて同期イーサネットにてクロック同期を取る
    ことで実施されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のクロック同期システム。
  5. 前記クロックバイパス同期支援手段が行うクロックの同期精度を高める制御は、
    クロック同期を取る時刻に、自デバイスと親クロック候補デバイスの間の伝送経路上をスパニングツリーブロッキング状態にし、元の同期プロトコルの同期パケットをBPDU(Bridge Protocol Data Unit)にカプセル化したパケットを、自デバイスと親クロック候補デバイス間で搬送させ、当該パケットの授受が済み次第前記スパニングツリーブロッキングを解除する
    ことで実施されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のクロック同期システム。
  6. 前記クロックバイパス同期支援手段が行うクロックの同期精度を高める制御は、
    自デバイスと親クロック候補デバイスの間の伝送路に伝送する同期パケットの伝送優先度を高く設定する
    ことで実施されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のクロック同期システム。
  7. 前記各デバイスにはパケットをカットスルー転送する専用回路が設けられ、
    前記クロックバイパス同期支援手段が行うクロックの同期精度を高める制御は、前記専用回路を通して自デバイスと親クロック候補デバイスの間で同期パケットを伝送することで実施されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のクロック同期システム。
  8. 前記クロックバイパス同期支援手段は、同期パケット送出時刻を、予め評価した同期パケット遅延時間を含めた時刻とする回路を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のクロック同期システム。
  9. 前記同期距離判定手段は、前記同期イーサネットによりクランドマスターデバイスとクロック同期を取っている親クロック候補デバイスを、同期品質が高いと判定することを特徴とする請求項4に記載のクロック同期システム。
  10. 前記同期距離判定手段は、
    自デバイスと親クロック候補デバイス間のパケット伝播遅延時間を同期パケットを使って測定し、そのパケット伝播遅延時間の統計をとり、その統計結果に基づいて、パケット伝播遅延時間が一定であれば同期品質は高いと判定し、パケット伝播遅延時間の揺らぎが大きいほど同期品質は低いと判定する
    ことを特徴とする請求項5ないし9のいずれか1項に記載のクロック同期システム。
  11. 前記同期距離判定手段は、
    自デバイスと、親クロック候補デバイスのうちのいずれかのデバイスとの間で、お互いがマスター/スレーブであると想定して相互にクロック同期を取る処理を、すべての親クロック候補デバイスについて実行し、クロック同期の誤差が少ないデバイスを同期品質が高いと判定する
    ことを特徴とする請求項5ないし10のいずれか1項に記載のクロック同期システム。
  12. グランドマスタークロックを有したグランドマスターデバイスと、階層化されてカスケード接続されたネットワーク上に配置され、各々内部クロックを有した複数のデバイスを備えたシステムにおける、前記複数のデバイスのクロックを同期させるクロック同期方法であって、
    親クロック候補収集手段が、前記複数のデバイスから、同期を取ろうとする自デバイスがクロックの同期を取ることのできる親クロック候補デバイスを検索するステップと、
    親クロック候補収集手段が、クロックバイパス同期支援手段を用いて、前記検索されたデバイスに対して、該デバイスに設定された元の同期プロトコルを使用して同期を取るときのクロックの同期精度を高める制御を実施し、同期を取ることができるか否かを識別し、同期を取ることができる親クロック候補デバイスを収集する親クロック候補収集ステップと、
    同期距離判定手段が、前記親クロック候補収集手段によって収集された親クロック候補デバイスと自デバイス間の同期品質の高さを判定し、同期品質の高いデバイスを親クロックデバイスとして選択する同期距離判定ステップと、
    クロック反映手段が、前記同期距離判定手段により選択された親クロックデバイスにおける、前記親クロック候補収集ステップで実施されたクロックの同期精度を高める制御に基づく同期結果を、自デバイスおよび近隣のデバイスの内部クロックに反映させるステップと、
    を備えたことを特徴とするクロック同期方法。
  13. 前記同期距離判定手段はコスト計算機を備え、
    前記同期距離判定ステップは、親クロック候補デバイスがグランドマスターデバイスである場合に他のデバイスよりもコストを高く設定し、自デバイスとの間の距離が遠い親クロック候補デバイスほどコストを高く設定し、コストの低い親クロック候補デバイスを親クロックデバイスとして選択することを特徴とする請求項12に記載のクロック同期方法。
  14. 前記複数のデバイスは、前記グランドマスターデバイスにカスケード接続されたネットワークの各階層に配置された複数のデバイスをスレーブデバイスとし、前記複数のスレーブデバイスのうち、各階層を代表する各々一つのデバイスを境界デバイスとして構成されており、
    前記自デバイスは、ある階層の境界デバイスであり、前記親クロック候補デバイスは、前記グランドマスターデバイスおよび前記ある階層以外の階層の境界デバイスのうち、自デバイスと同期を取ることができるデバイスであることを特徴とする請求項12又は13に記載のクロック同期方法。
  15. 前記親クロック候補収集ステップにおけるクロックの同期精度を高める制御は、
    同期イーサネット(登録商標;Synchronous Ethernet)により前記グランドマスターデバイスから自デバイスまでを接続し、元の同期プロトコルに代えて同期イーサネットにてクロック同期を取る
    ことで実施されることを特徴とする請求項12ないし14のいずれか1項に記載のクロック同期方法。
  16. 前記親クロック候補収集ステップにおけるクロックの同期精度を高める制御は、
    クロック同期を取る時刻に、自デバイスと親クロック候補デバイスの間の伝送経路上をスパニングツリーブロッキング状態にし、元の同期プロトコルの同期パケットをBPDU(Bridge Protocol Data Unit)にカプセル化したパケットを、自デバイスと親クロック候補デバイス間で搬送させ、当該パケットの授受が済み次第前記スパニングツリーブロッキングを解除する
    ことで実施されることを特徴とする請求項12ないし14のいずれか1項に記載のクロック同期方法。
  17. 前記親クロック候補収集ステップにおけるクロックの同期精度を高める制御は、
    自デバイスと親クロック候補デバイスの間の伝送路に伝送する同期パケットの伝送優先度を高く設定する
    ことで実施されることを特徴とする請求項12ないし14のいずれか1項に記載のクロック同期方法。
  18. 前記各デバイスにはパケットをカットスルー転送する専用回路が設けられ、
    前記親クロック候補収集ステップにおけるクロックの同期精度を高める制御は、
    前記専用回路を通して自デバイスと親クロック候補デバイスの間で同期パケットを伝送する
    ことで実施されることを特徴とする請求項12ないし14のいずれか1項に記載のクロック同期方法。
  19. 前記親クロック候補収集ステップにおけるクロックの同期精度を高める制御は、
    予め評価した同期パケット遅延時間を含めた時刻に、自デバイスと親クロック候補デバイス間の伝送路に同期パケットを送出する
    ことで実施されることを特徴とする請求項12ないし14のいずれか1項に記載のクロック同期方法。
  20. 前記同期距離判定ステップは、前記同期イーサネットによりグランドマスターデバイスとクロック同期を取っている親クロック候補デバイスを、同期品質が高いと判定することを特徴とする請求項15に記載のクロック同期方法。
  21. 前記同期距離判定ステップは、
    自デバイスと親クロック候補デバイス間のパケット伝播遅延時間を同期パケットを使って測定し、そのパケット伝播遅延時間の統計をとり、その統計結果に基づいて、パケット伝播遅延時間が一定であれば同期品質は高いと判定し、パケット伝播遅延時間の揺らぎが大きいほど同期品質は低いと判定する
    ことを特徴とする請求項16ないし20のいずれか1項に記載のクロック同期方法。
  22. 前記同期距離判定ステップは、
    自デバイスと、親クロック候補デバイスのうちのいずれかのデバイスとの間で、お互いがマスター/スレーブであると想定して相互にクロック同期を取る処理を、すべての親クロック候補デバイスについて実行し、クロック同期の誤差が少ないデバイスを同期品質が高いと判定する
    ことを特徴とする請求項16ないし21のいずれか1項に記載のクロック同期方法。
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