JP2016071008A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】見易い表示装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、表示装置は、スイッチ液晶部と、表示部と、制御部と、を含む。スイッチ液晶部は、複数の光学素子を含む。表示部は、スイッチ液晶部に重ねられ視差画像を含む表示光を出射する。制御部は、観視者の位置に関する情報に基づいて複数の光学素子から構成される開口パターンを切り替える。制御部は、観視者が表示部に対して移動しているとき、第1開口パターンから第2開口パターンへ切り替え、第1開口パターンおよび第2開口パターンから視認される輝度が略等しい観視者の位置を最適切り替え位置としたとき、観視者が最適切り替え位置に移動する前に切り替え動作を開始する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、表示装置に関する。
裸眼により立体画像を視認可能な表示装置がある。例えば、液晶素子等の光学素子を用いた視差バリア方式の表示装置がある。ヘッドトラッキング技術を採用することで、観視者の位置に応じて、適正な画像が提供される。表示装置において、見易さの向上が求められる。
特開2013−24957号公報
本発明の実施形態は、見易い表示装置を提供する。
本発明の実施形態によれば、表示装置は、スイッチ液晶部と、表示部と、制御部と、を含む。前記スイッチ液晶部は、光透過状態である開口部と、前記光透過状態よりも透過率が低い遮光部と、を含む開口パターンを複数の光学素子により切り替える。前記表示部は、前記スイッチ液晶部に重ねられ右目用画像および左目用画像を有する視差画像を表示する。前記制御部は、観視者の位置に関する位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて、前記開口パターンの位置を制御する。前記制御部は、前記観視者が前記表示部に対して移動しているとき、前記観視者の右目が前記右目用画像を常時視認し、左目が前記左目用画像を常時視認するように前記開口パターンを、第1開口パターンから第2開口パターンへ切り替え、前記第1開口パターンおよび前記第2開口パターンから視認される輝度が略等しい前記観視者の位置を最適切り替え位置としたとき、前記観視者が前記最適切り替え位置に移動する前に切り替え動作を開始する。
第1の実施形態に係る表示装置を例示するブロック図である。 第1の実施形態に係る表示装置の一部を例示する模式的断面図である。 第1の実施形態に係る表示装置の一部を例示する模式的断面図である。 第1の実施形態に係る表示装置の一部を例示する回路図である。 図5(a)及び図5(b)は、第1の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。 図6(a)及び図6(b)は、表示装置の動作を例示する模式図である。 図7(a)〜図7(c)は、第1の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。 第1の実施形態に係る表示装置の輝度特性の一例を例示する図である。 図9(a)〜図9(c)は、第1の実施形態に係る表示装置の開口パターンを例示する模式図である。 第1の実施形態に係る表示装置の輝度特性の他の一例を例示する図である。 第1の実施形態に係る表示装置の動作を例示するフローチャート図である。 第5の実施形態に係る電子装置を例示する模式図である。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る視差立体画像を視認可能な表示装置を例示するブロック図である。
表示装置100には、例えば、記憶部15と、バックライト20と、表示部30と、スイッチ液晶部40と、制御部50と、撮像部60と、が設けられる。スイッチ液晶部40は、例えば、液晶を用いたパララックスバリアで構成される。尚、視差バリアは、透過状態あるいは遮光状態に切り替えることが可能な光学スイッチであるスイッチ液晶であり、スイッチ液晶としては、視差バリアに限らず、レンチキュラレンズ等を用いてもよい。
制御部50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、を含む。制御部50は、表示部30と、スイッチ液晶部40、及びバックライト20の動作を制御する。制御部50は、表示部30に表示制御信号を供給する。制御部50は、例えば、撮像部60で撮影した観視者の位置を演算し、観視者の位置に応じて、スイッチ液晶部40の開口部の位置を制御する。開口部とは、光透過領域(光透過状態の領域)である。スイッチ液晶部40により裸眼での立体映像を視認可能にするために、スイッチ液晶部40は、表示部30の動作と連携して制御される。制御部50は、外部から供給される映像信号に基づいて、バックライト20の輝度を制御させることも可能である。
バックライト20は、表示部30に向けて光を出射する。バックライト20の光源には、例えば、LED(Light Emitting Diode)が用いられる。バックライト20の光源として、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)を用いても良い。
スイッチ液晶部40は、表示部30の内部の各画素に対応して、右眼あるいは左眼のみに各々の画素が視認できるように複数の遮光領域(光透過状態よりも透過率が低い非光透過状態)及び複数の光透過領域(光透過状態の領域)を有し、観視者の位置に応じて複数の遮光領域と複数の光透過領域とを切り替えることが可能な構成となっている。スイッチ液晶部40は、例えば、光学素子として液晶を用いた液晶バリアである。スイッチ液晶部40は、観視者の位置に応じて動作する。スイッチ液晶部40は、複数の光学素子で構成され、各光学素子に電極が設けられ、電極に印加する電圧を変更することで、電極間の液晶分子の配向が制御される。これにより、観視者の位置の変化に応じて、遮光領域と、光透過領域と、が切り替えられる。光学素子の例については、後述する。
表示部30は、各画素の位置が各々のスイッチ液晶部40を構成する光透過部および遮光部に対応するように重ねられる。具体的には、右眼用の画像を表示する画素は、スイッチ液晶部40の遮光領域及び光透過領域により右眼のみで視認できるように重ねられる。左眼用の画像を表示する画素は、スイッチ液晶部40の遮光領域及び光透過領域により左眼のみで視認できるように重ねられる。表示部30は、視差画像を含む表示光を出射する。表示部30として、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)が用いられる。表示部30は、液晶表示素子によりバックライト20から出射された光を変調することで、表示を行う。表示部30として、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Elecrtro Luminescence Display)を用いても良い。
撮像部60は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子を含む。撮像部60は、表示装置100の表示を見る観視者を撮像し、観視者の画像を取得する。制御部50では、撮像部60で取得した画像に基づいて、観視者の位置(角度)を算出する。表示装置100は、観視者の顔を認識する顔認識機能を有しても良い。これにより、画像中の観視者の特定が容易になる。
観視者の位置として、例えば、観視者と表示装置100との間の相対的な角度を用いても良い。例えば、表示装置100の表示画面の基準点における表示画面の法線と、観視者と、の間の角度を、観視者の位置として用いても良い。観視者の位置として、表示画面を含む平面に観視者の位置を投影した点と、表示画面の基準点と、の間の距離を用いても良い。
記憶部15としては、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの不揮発性のメモリが用いられる。記憶部15に、表示装置100の制御に必要なデータやプログラムなどが格納される。
図2は、第1の実施形態に係る表示装置の一部を例示する模式的断面図である。
図2は、バックライト20、表示部30及びスイッチ液晶部40を例示している。
この例では、スイッチ液晶部40、表示部30、バックライト20の順に重ねられる。バックライト20から出射された光は、表示部30及びスイッチ液晶部40を介して観視者に到達する。表示部30、スイッチ液晶部40、バックライト20の順に重ねられてもよい。
図3は、第1の実施形態に係る表示装置の一部を例示する模式的断面図である。
図3は、バックライト20、表示部30及びスイッチ液晶部40を例示している。
表示部30において、特に限定するものではないが、例えば、TFT(Thin Film Transistor)基板31aと対向基板33bとの間に液晶層32が設けられ、液晶層32と接する面には配向膜が設けられる。液晶分子の配向を制御するための複数の電極のペアは、液晶のモードに応じて、TFT基板31a及び対向基板33bに設けられてもよいし、TFT基板31aのみに設けられてもよい。
スイッチ液晶部40において、特に限定するものではないが、例えば、偏光板41と偏光板33aとの間に第1基板42が設けられる。偏光板33aと第1基板42との間に第2基板46が設けられる。第1基板42と第2基板46との間に液晶層44が設けられ、液晶層44と接する面には、配向膜が設けられる。液晶層44を駆動するための複数の電極のペアは、液晶のモードに応じて、第2基板46及び第1基板42に設けられてもよいし、第2基板46のみに設けられてもよい。このように、複数の透明電極のペアが設けられることで、複数の光学素子47が形成され、複数の光学素子47を選択的に透過あるいは非透過にすることでスイッチ液晶が形成される。
図4は、第1の実施形態に係る表示装置の一部を例示する回路図である。
図4は、表示部30の画素の回路を例示している。
画素70は、TFT素子Trと、液晶素子LCと、を含む。TFT素子Trは、例えば、MOS−FET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。TFT素子Trのゲートが走査線GCLに接続される。TFT素子Trのソースが画素信号線SGLに接続される。液晶素子LCの一端が、TFT素子Trのドレインに接続される。液晶素子LCの他端が、対向電極33dに接続される。
図5(a)及び図5(b)は、第1の実施形態に係るスイッチ液晶を用いたヘッドトラッキング3D表示装置の動作を例示する模式図である。
これらの図は、スイッチ液晶部40のヘッドトラッキング動作を例示している。
表示部30においては、例えば、左眼用画像を表示する左眼用画素Lと、右眼用画像を表示する右眼用画素Rと、が交互に配置される。
スイッチ液晶部40は、非光透過状態の複数の光学素子47を含む遮光領域40aと、光透過状態の複数の光学素子47を含む光透過領域40bと、を含む。「LRLR」のときは、「LR」で1周期となる。「LLRRLLRR」のときは、「LLRR」で1周期となる。光透過領域40bに設けられる光学素子47の数は3以上であることが好ましい。これにより、細かな移動ができ、自然な表示が実施できる。
スイッチ液晶部40には、図5(a)に示すように、遮光領域40aと、光透過領域40bとが形成される。この配置によれば、観視者80の左眼が表示部30の左眼用画素Lを視認でき、右眼用画素Rは視認できなくなる。また、同様に、右眼もスイッチ液晶部40により右眼用画素Rを視認でき、左眼用画素Lは視認できなくなる。観視者80の移動に応じて、遮光領域40aの位置と、光透過領域40bの位置とが変化する。図5(a)の例では、少なくとも1つ以上の光学素子40b1は、光透過領域40bに含まれ、少なくとも1つ以上の光学素子40a1は、遮光領域40aに含まれる。
図5(b)に示すように、観視者80の移動により、観視者80の左眼が図中の矢印81の向きに移動する。このとき、観視者80の左眼が表示部30の左眼用画素Lを視認できるように、スイッチ液晶部40に含まれる複数の光学素子47が制御され、観視者80の移動に応じて、遮光領域40a及び光透過領域40bの位置が切り替わる。図5(a)においては光学素子40b1は光透過状態であり、観視者80の移動に応じて、図5(b)のように光学素子40b1は非光透過状態に変更される。また、図5(a)においては光学素子40a1は非光透過状態であり、観視者80の移動に応じて、図5(b)のように光学素子40a1は光透過状態に変更される。
制御部50は、撮像部60により観視者80の位置に関する情報(観視者80の画像)を取得し、取得した情報に基づいて、スイッチ液晶部40に含まれる複数の光学素子47のそれぞれを光透過状態あるいは非光透過状態に切り替える。これにより、観視者80の位置が移動した場合に、観視者80は適正に立体視を認識することができる。
図6(a)及び図6(b)は、表示部において画素を制御するヘッドトラッキング3D表示装置の動作を例示する模式図である。
これらの図は、表示部30の画像シフト動作を例示している。
表示部30において、左眼用画像を表示する左眼用画素領域30Lと、右眼用画像を表示する右眼用画素領域30Rとが交互に配置される。本例の場合、左眼用画素領域30Lは3つの左眼用画素Lを含み、右眼用画素領域30Rは3つの右眼用画素Rを含む。スイッチ液晶部40は、非光透過状態の複数の光学素子を含む遮光領域40cと、光透過状態の複数の光学素子を含む光透過領域40dと、を含む。
スイッチ液晶部40には、図6(a)に示すように、遮光領域40cと、光透過領域40dと、が交互に配置される。この配置によれば、観視者80の左眼が表示部30の左眼用画素領域30Lを視認でき、右眼用画素領域30Rは視認できなくなる。図6(a)及び図6(b)に係るスイッチ液晶部40は、固定式のスイッチ液晶であり、遮光領域40cと、光透過領域40dと、がそれぞれ固定されている。表示部30は、観視者80の移動に応じて、表示部30の左眼用画素領域30Lの位置と、右眼用画素領域30Rの位置とを変化させる。
図6(b)には、観視者80の移動により、観視者80の左眼が図中矢印81の向きに移動した状態を示す。この場合、観視者80の左眼が表示部30の左眼用画素領域30Lを視認できるように、表示部30に表示させる画像の位置を制御する。つまり、図6(a)において、左眼用画素領域30Lを図中左向きに1画素分移動させ、右眼用画素領域30Rを図中左向きに1画素分移動させる。これにより、図6(a)に示す左眼用画素領域30Lは、図6(b)に示す位置に移動する。
図7(a)〜図7(c)は、第1の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。
これらの図は、表示装置100に対して観視者が移動する様子を例示している。
表示装置100の所定位置に、撮像部60が設けられている。観視者80と、表示装置100の表示画面101と、の間の距離を距離Dとする。観視者80は、この距離D離れた位置において、表示装置100の表示画面101と水平な方向(図中矢印81の方向)に移動する。観視者80の位置としては、例えば、表示装置100の表示画面101の基準点における表示画面101の法線と、観視者80と、の間の角度を、用いても良い。表示画面101の基準点とは、例えば、表示画面101の水平及び垂直方向の中心である。
撮像部60は観視者80の画像を撮像する。制御部50は、撮像部60で撮像した観視者80の画像に基づき上記の観視角度θ、表示画面101からの距離などの位置を算出する。制御部50は、観視者80の観視角度θ(位置)の変化に応じて、スイッチ液晶部40に含まれる複数の光学素子で形成される遮光領域および光透過領域を切り替える。また、眼間の中央の位置、左右各々の眼の位置などを算出し、各々の眼の観視角度θ(位置)に最適になるようにスイッチ液晶部40を制御してもよい。
図8は、第1の実施形態に係る表示装置の輝度特性の一例を例示する図である。
図8は、一方の眼におけるスイッチ液晶部40の開口パターン毎の輝度特性を示す。あるいは、一方の眼の画像を白表示、他方の眼の画像を黒表示としたときの輝度プロファイルを示す。
図中、横軸は観視角度θ、縦軸は輝度Brを示す。
観視角度θとは、上述したように、表示画面101の基準点における表示画面101の法線と、観視者80と、のなす角度である。輝度Brとは、左眼用画像(または右眼用画像)を表示画面101に表示させたときの観視者80から観察した画面輝度(以下、単に輝度という)である。
図8において、第1輝度特性91aは、スイッチ液晶部40の所定の第1開口部における観視者80の観視角度θと観視者80から見た輝度Brとの関係を示す。第2輝度特性92aは、所定の第1開口部に隣接する第2開口部における観視者80の観視角度θと観視者80から見た輝度Brとの関係を示す。第3輝度特性93aは、第2開口部に隣接する第3開口部における観視者80の観視角度θと観視者80から見た輝度Brとの関係を示す。
観視者80の観視角度θが角度a〜角度bの場合、スイッチ液晶部40は所定の第1開口部が光透過状態とされ、第1開口部以外の領域は遮光状態とされる。角度b〜角度cの場合、スイッチ液晶部40は第2開口部が光透過状態とされ、第2開口部以外の領域は遮光状態とされる。角度c〜角度dの場合、スイッチ液晶部40は第3開口部が光透過状態とされ、第3開口部以外の領域は遮光状態とされる。つまり、観視者80の観視角度θに応じて、スイッチ液晶部40の開口部が決定される。
トラッキング制御では、観視者80の位置の変化(移動)を検知して最適な開口パターンとする制御が行われる。最適な開口パターンとは、観視者80の右眼が視認する右眼用画素の輝度が略最大となり、観視者80の左眼が視認する左目眼画素の輝度が略最大となる開口パターンである。本願発明者の検討によると、トラッキング制御が適正でない場合、表示が見難くなることが分かった。例えば、観視者80の位置の変化(移動)に伴って光学素子の切り替え時に、観視者80が輝度変化を認識してしまう場合があることを見出した。このような輝度変化を認識すると、見易さが低下することになる。
例えば、観視者80の位置が角度aから角度dに変化した時、撮像部60で取得した観視者80の画像に基づき観視者80の角度(位置)を算出し、スイッチ液晶部40の光学素子を最適な開口部に切り替えるのにある程度の時間を要する。このため、観視者80の動きに対して最適な開口部が光透過状態となるまでに遅延が生じる。具体的には、観視者80が角度bからcの範囲に移動した時点で、スイッチ液晶部40の第3開口部が完全に光透過状態に切り替わっておらず、第2開口部が光透過状態のままである。その後、観視者80が角度cからdに移動している途中で開口部が第2開口部から第3開口部に切り替わる。このため、観視者80が観察する輝度特性は、角度cからdの観視範囲において第2輝度特性92aから第3輝度特性93aに切り替わり、大きな輝度変化を認識してしまう。
また、観視者80が角度aから角度bの位置に移動した時点で、第1開口部から第2開口部に切り替えることができ、角度cの位置に移動した時点で、第2開口部から第3開口部に切り替えることができれば、切り替え時の輝度変化は小さく、観視者80は輝度変化を認識し難い。しかし、スイッチ液晶部40の光学素子の切り替えの遅延時間により、観視者80の移動速度等によっては、観視者80が所定の位置に移動したときに最適な開口パターンに切り替わっておらず、その後、最適な開口パターンに切り替わることで、観視者80は大きな輝度変化を認識してしまう可能性がある。
図9(a)〜図9(c)は、第1の実施形態に係る表示装置の開口パターンを例示する模式図である。
図9(a)〜図9(c)は、スイッチ液晶部40において遮光領域及び光透過領域で形成される開口パターンを示す。尚、スイッチ液晶部40において開口部とは光透過領域とされる。
スイッチ液晶部40には、例えば、図9(a)、図9(b)、図9(c)に示す3つの開口パターンが観視角度θに応じて予め設定される。これら3つの開口パターンそれぞれは、スイッチ液晶部40に含まれる複数の光学素子のそれぞれについて所定の電圧を印加するか否かにより設定される。この設定値は、開口パターン毎に、データテーブルとして、記憶部15に格納しておいてもよい。また、設定値が電圧印加(ON)のときに光透過状態、設定値が非電圧印加(OFF)のときに遮光状態となる。設定値が電圧印加(ON)のときに遮光状態、設定値が非電圧印加(OFF)のときに光透過状態としてもよい。
スイッチ液晶部40は、例えば、12個の光学素子1〜12が、一方向(図中、左から右)に、光学素子1、2、3、…、12の順に配列される。光学素子の数はこれに限定されるものではない。本例では、第1光学素子は光学素子1である。第2光学素子は光学素子2である。第3光学素子は光学素子3である。第4光学素子は光学素子4である。
図9(a)の第1開口パターン91では、光学素子1から光学素子12のうち、光学素子1が遮光状態、光学素子2から光学素子7までが光透過状態、光学素子8から光学素子12までが遮光状態とされる。
図9(b)の第2開口パターン92では、光学素子1から光学素子12のうち、光学素子1及び光学素子2が遮光状態、光学素子3から光学素子8までが光透過状態、光学素子9から光学素子12までが遮光状態とされる。
図9(c)の第3開口パターン93では、光学素子1から光学素子12のうち、光学素子1から光学素子3までが遮光状態、光学素子4から光学素子9までが光透過状態、光学素子10から光学素子12までが遮光状態とされる。
図10は、第1の実施形態に係る表示装置の輝度特性の他の一例を例示する図である。
図10は、スイッチ液晶部40の図9の各々の開口パターンに対応する輝度特性を示す。
図中、横軸は観視角度θ、縦軸は観視者から見た輝度Brを示す。
観視者80が角度Aから角度Fに向けて移動する。第1輝度特性91bは、図9(a)の第1開口パターン91のときの観視角度θと輝度Brとの関係を示す。第2輝度特性92bは、図9(b)の第2開口パターン92のときの観視角度θと輝度Brとの関係を示す。第3輝度特性93bは、図9(c)の第3開口パターン93のときの観視角度θと輝度Brとの関係を示す。
ここで、観視者80が角度A(第1角度)から角度D(第4角度)へ移動しているとき、角度B(第2角度)の時点において第1輝度特性91bから第2輝度特性92bに切り替われば、観視者80から見た輝度の変化は生じない。しかし、撮像部60により撮影した画像を解析して観視者80が角度Bの位置に移動したと判断した時点で、第1開口パターン91から第2開口パターン92への切り替え動作を開始すると、撮影から画像解析までのシステムでの演算や液晶の応答速度等による遅延時間により角度Bのタイミングですぐに切り替わらない場合がある。すなわち、システムでの演算や液晶の応答速度等による遅延時間後に、第1開口パターン91から第2開口パターン92への切り替えが完了する。観視者80が角度Bから角度Dの方向に離れた位置に移動したときに、第1開口パターン91から第2開口パターン92への切り替えが完了する。例えば、観視者80が角度Dの位置に移動したときに、第1開口パターン91から第2開口パターン92に切り替わると、角度Dの位置での第1輝度特性91bによる輝度と、第2輝度特性92bによる輝度との差を輝度変化として認識することになる。観視者80の位置が角度B(第2角度)から離れるに従い、第1輝度特性91bと第2輝度特性92bの差が大きくなり、観視者80が認識する輝度の変化も大きくなる。
そこで、制御部50は、観視者80の位置が角度A(第1角度)から角度D(第4角度)に移動するときに、角度B(第2角度)に移動したタイミングで第1開口パターン91から第2開口パターン92への切り替えの完了を行うように制御する。角度Bの位置では、図10に示すように、第1輝度特性91bと第2輝度特性92bの輝度は、ほぼ等しいため、観視者80は、輝度の変化を認識することはない。しかし、制御部50において観視者80が角度B(第2角度)に移動したと判断してから、第1開口パターン91から第2開口パターン92への切り替えを開始すると、システムでの遅延時間および液晶分子の配向速度等による遅延時間により、開口パターンが切り替わったときには、観視者80は、例えば、既に角度Dの地点付近に移動している場合がある。この時、観視者80から見た第1開口パターン91による輝度と、第2開口パターン92による輝度との差は大きくなっており、観視者80は、輝度の変化を認識することになる。
従って、観視者80が角度A(第1角度)から角度D(第4角度)の方向に移動するときは、角度B(第2角度)の位置に到達する前に、第1開口パターン91から第2開口パターン92への切り替えを開始するように設定する。これにより、実際に切り替えが完了するタイミングを、角度D(第4角度)よりも角度B(第2角度)により近い位置になるようにして、切り替えた時に視認する輝度の変化を小さくすることが可能となる。
また、観視者80が角度F(第6角度)から角度E(第5角度)の方向に移動するときは、角度C(第3角度)に到達する前に、第3開口パターン93から第2開口パターン92への切り替えを開始するように設定する。これにより、切り替えが完了するタイミングが角度Cの近傍となり、同様に、切り替えが完了した時点において視認する輝度の変化を小さくすることが可能となる。
観視者80が角度A(第1角度)から角度D(第4角度)の方向に移動しているか、あるいは、角度F(第6角度)から角度E(第5角度)の方向に移動しているかの判断は、例えば、以下のように実施する。
撮像部60は、所定の間隔のタイミングにて観視者80の撮影を行う。制御部50は、撮像部60が撮影した各々の時刻における観視者80の角度(位置)を算出することで、観視者80の移動方向を算出する。
制御部50は、撮像部60が撮影した各々の時刻における観視者80の位置情報より現時点の位置を算出し、観視者80が角度A(第1角度)から角度D(第4角度)の方向に移動しているときに、角度B(第2角度)に到達する前の所定の位置に観視者80が移動したと判断した時に、第1開口パターン91から第2開口パターン92への切り替えを開始する。また、観視者80が角度Fから角度E(第5角度)の方向に移動しているときに、角度C(第3角度)に到達する前の所定の位置に観視者80が移動したと判断した時に、第3開口パターン93から第2開口パターン92への切り替えを開始する。
開口パターンの切り替えを開始する所定の位置は、予め制御部50あるいは記憶部15等に設定しておく。
開口パターンをより精度よく切り替えるためには、例えば、下記の処理を実施する。
撮像部60は、所定の間隔のタイミングにて観視者80の撮影を行う。制御部50は、撮像部60が撮影した各々の時刻における観視者80の角度(位置)を取得することで、観視者80の移動方向、移動速度、現時点の角度(位置情報)を算出する。制御部50または記憶部15等に、システムの遅延時間と液晶分子の配向速度等による遅延時間等の合計を遅延時間情報として記憶しておく。尚、液晶分子の配向速度がシステムの遅延時間に比べて無視できる程度であれば、遅延時間情報はシステムの遅延時間としてもよい。
観視者80が角度A(第1角度)から角度D(第4角度)の方向に移動しているとき、制御部50は、移動速度および遅延時間情報に基づいて、どのタイミング(観視者80の位置または時刻)で第1開口パターン91から第2開口パターン92への切り替えを開始すれば、観視者80が角度Bに移動した時点で開口パターンの切り替えが完了するかを算出する。すなわち、切り替え開始ポイントの算出(切り替えを開始する観視者80の位置または時刻)を実行する。制御部50は、算出された切り替え開始ポイントにおいて、第1開口パターン91から第2開口パターン92への切り替え動作を開始することにより視認者80がほぼ角度B(第2角度)の位置に移動した時点で開口パターンの切り替えが完了する。
観視者80が角度F(第6角度)から角度E(第5角度)の方向に移動している場合も同様に、制御部50は、移動速度および遅延時間情報に基づいて、どのタイミングで第3開口パターン93から第2開口パターン92への切り替えを開始すれば、観視者80が角度Cに移動した時点で開口パターンの切り替えが完了するかを算出する。制御部50は、算出された切り替え開始ポイントにおいて、第3開口パターン93から第2開口パターン92への切り替え動作を開始することにより視認者80がほぼ角度C(第3角度)の位置に移動した時点で開口パターンの切り替えが完了する。
撮像部60が観視者80を撮影する所定のタイミングは、1フレーム毎のタイミングでもよいし、複数フレームに1回のタイミングもよいし、1フレームに複数回撮影してもよく、システムの特性に応じて適宜設定される。各々のタイミングで撮影された観視者80の位置から観視者80の移動速度が算出され、各々の時刻における観視者80の位置が算出され、最適なタイミングでスイッチ液晶部40の制御を行うことができる。
尚、開口パターンの切り替えにおいて、観視者80から視認される輝度の変化が略最小となる観視者80の位置を最適切り替え位置としたとき、第1開口パターン91と第2開口パターン92への切り替えにおける最適切り替え位置は、角度B(第2角度)となり、第2開口パターン92から第3開口パターン93への切り替え時における最適切り替え位置は、角度C(第3角度)となり、第1開口パターン91と第3開口パターン93への切り替え時における最適切り替え位置は角度Eとなる。
図11は、第1の実施形態に係る表示装置の動作を例示するフローチャート図である。 図11のフローは、立体表示するためのヘッドトラッキング3D動作を例示する。
なお、スイッチ液晶部40の開口パターンは、各々のパターン毎に複数のテーブルとして格納されている。
表示装置100の制御部50は、ヘッドトラッキング3D動作を開始する信号を受信すると、ヘッドトラッキング3D動作を開始する(ステップS11)。
制御部50は、撮像部60で撮像した観視者80の画像に基づいて、観視者80の角度(位置)を検出する(ステップS12)。
制御部50は、ステップS12で撮影した次のタイミングでの撮影画像から移動角度(位置)を検出する(ステップS13)。
制御部50は、撮影タイミングと移動位置に基づいて観視者80の移動速度を算出する(ステップS14)。尚、撮影するタイミングは、フレーム毎のタイミングでもよいし、複数フレーム単位でもよいし、1フレーム内に複数回撮影タイミングを設けてもよい。
制御部50は、観視者80の移動速度が閾値(所定の移動速度)より速いか遅いかを判断する(ステップS15)。観視者80の移動速度が閾値より遅いと判断した場合(NOの場合)、観視者80の位置、移動速度に応じた最適なバリアテーブルAが選択され、観視者80が角度B(第2角度)あるいは角度C(第3角度)に移動したと判断した時点でバリアテーブルAに対応した開口パターンへの切り替えを開始する(ステップS16)。バリアテーブルAに対応した開口パターンへの切り替えが完了すると、ステップS20に移行する。
制御部50は、ステップS15において、観視者80の移動速度が閾値より速いと判断した場合(YESの場合)、ステップS17に移行し、移動方向の正負判定を実施する。制御部50は、観視者80の移動角度(方向)が正方向か負方向かを判定する(ステップS17)。正方向と判定した場合(YESの場合)、その移動方向、移動速度に応じた最適なバリアテーブルBが選択され、上述したように観視者80が角度B(第2角度)あるいは角度C(第3角度)に移動したときに輝度変化が略最小となるように、遅延時間情報に基づいて、先立ってバリアテーブルBに対応した開口パターンへの切り替えを行う(ステップS18)。また、ステップS17において負方向と判定した場合(NOの場合)、バリアテーブルAに対してバリアテーブルBとは反対方向の最適な開口位置を持ったバリアテーブルCが選択され、上述したように観視者80が角度C(第3角度)あるいは角度B(第2角度)に移動したときに輝度変化が略最小となるように、遅延時間情報に基づいて、先立ってバリアテーブルCに対応した開口パターンへの切り替えを行う(ステップS19)。
ステップS18あるいはステップS19において、バリアテーブルBあるいはバリアテーブルCに対応した開口パターンへの切り替えが完了すると、ステップS20に移行する。正負の方向は、システムに応じて適宜設定されるが、図10の角度Aから角度Fに向かう方向を正方向とした場合は、角度Fから角度Aに向かう方向が負方向とされる。
ステップS20において、制御部50は、複数のテーブルから最適なテーブルを選択すると、ヘッドトラッキング3D動作を継続するか否かを判断し、継続不要と判断した場合(NOの場合)、ヘッドトラッキング3D動作を終了する。また、ステップS20において継続要と判断した場合(YESの場合)、ステップS12に戻る。尚、継続要か不要かの判断は、ヘッドトラッキング3D動作を開始する信号の有無によって判断してもよいし、その他種々の条件を設定し、その条件に基づいて判断してもよい。上述した切り替えを開始するポイントは、予め観視者80の移動速度に応じた観視者80の位置あるいは切り替え開始時刻をテーブル等で設定しておいてもよい。
更に、スイッチ液晶部80は、視差バリアに限らず、レンチキュラレンズ等を用いて右眼用画素領域及び左眼用画素領域の切り替えを実施してもよい。この場合も、観視者80が移動しているとき、同様にシステムの遅延時間、液晶の配向速度等を考慮して切り替わる前後の画像の輝度差が最小になるように先立ってレンチキュラレンズの切り替えの開始を実施する。また、液晶の配向速度がシステムの遅延時間に比べて無視できる場合は、システムの遅延時間のみを遅延時間情報としてもよい。
(第2の実施形態)
次に、制御部50が開口パターンの切り替えを開始しても観視者80の位置に応じて最適な切り替えができない場合を考察する。この場合の表示装置の構成は第1の実施形態と同様である。前述の図9及び図10を参照して説明する。
例えば、図10に示すように、観視者80が角度A(第1角度)から角度D(第4角度)の方向に移動しているときに、観視者80の移動速度が速すぎて、開口パターンを、角度A(第1角度)と角度Bとの間のいずれかの位置で第1開口パターン91から第2開口パターン92へ切り替えたとしても、観視者80が角度B(第2角度)に移動した時点で切り替えが完了しない場合がある。このような場合を考慮して、制御部50は、以下の制御を実行してもよい。
撮像部60が撮影した各々の時刻における観視者80の位置情報より算出された観視者80の移動速度に基づいて、観視者80が角度B(第2角度)に移動した時点で第2開口パターン92への切り替えを完了することが可能か否かを判断する。切り替えが不可能と判断した場合は、制御部50は、観視者80の移動速度およびシステムの遅延時間および液晶の配向速度等による遅延時間情報に基づいて、観視者80が角度E(第5角度)に移動した時点で第1開口パターン91から第3開口パターン93への切り替えが完了するように第1開口パターン91から第3開口パターン93への切り替えを開始する。液晶の配向速度がシステムの遅延時間に比べて無視できる場合は、システムの遅延時間のみを遅延時間情報としてもよい。このときの切り替え開始ポイントは、角度E(第5角度)に観視者80が移動した時点で切り替えが完了するような位置となる。ここで、角度E(第5角度)においては、第1開口パターン91による第1輝度特性91bおよび第3開口パターン93による第3輝度特性93bによる輝度はいずれも角度B(第2角度)における輝度よりも低くなっているが、輝度差は観視者80が輝度の変化として認識しない範囲の小さい輝度差となっている。
観視者80が角度F(第6角度)から角度E(第5角度)の方向に移動しているときも同様に、撮像部60が撮影した各々の時刻における観視者80の位置情報より、観視者80の移動速度を算出し、観視者80の位置が角度F(第6角度)から角度C(第3角度)にあるときに第3開口パターン93から第2開口パターン92への切り替えを完了することが可能か否かを判断する。切り替えが不可能と判断した場合は、制御部50は、観視者80が角度E(第5角度)に移動した時点で第3開口パターン93から第1開口パターン91への切り替えが完了するような切り替え開始ポイントを算出し、算出された切り替え開始ポイントにおいて切り替えを開始する。
尚、切り替えを開始するポイントは、予め観視者80の移動速度に応じた観視者80の位置あるいは切り替え開始時刻をテーブル等で設定しておいてもよい。
(第3の実施形態)
以上のとおり、第1の実施形態および第2の実施形態においては、立体表示を行うにあたり、スイッチ液晶部40の光透過領域および遮光領域を、観視者80の位置、あるいは、位置と移動速度に基づき最適に切り替えることにより、観視者80が切り替え時の輝度差を認識し難くした。これに対して、スイッチ液晶部40の開口パターンの切り替えは行わずに、観視者80の位置、あるいは、位置と移動速度に応じて、表示部30の右眼用画素領域及び左眼用画素領域の位置を変化させてもよい。この場合の表示装置の構成は、第1の実施形態と同様であるが、図6に示すように、スイッチ液晶部40の開口パターンは固定とされ、表示画像の位置が切り替えられる。具体的には、観視者80が移動しているとき、同様にシステムの遅延時間、液晶の配向速度等を考慮して、観視者80から見て、切り替わる前後の画像の輝度差が略最小となるように、先立って右眼用画素領域30R及び左眼用画素領域30Lの切り替えの開始を実施する。
例えば、制御部50は、観視者80の位置に関する位置情報を取得し、位置情報に基づいて、右眼用画像および左眼用画像の表示画像パターンを制御する。観視者80が表示部30に対して移動しているとき、観視者80の右眼が右眼用画像を常時視認し、左眼が左眼用画像を常時視認するように、表示画像パターンを第1表示画像パターンから第2表示画像パターンへ切り替える。そして、第1表示画像パターンおよび前記第2表示画像パターンから視認される輝度が略等しい観視者80の位置を最適切り替え位置としたとき、観視者80が最適切り替え位置に移動する前に切り替え動作を開始する。
制御部50は、第1表示画像パターンから第2表示画像パターンへの切り替わり開始から切り替わり完了までのシステムの遅延時間および液晶の配向速度等に基づく遅延時間情報を有している。所定のタイミングで取得した観視者80の位置情報に基づいて、観視者80の移動速度を算出し、観視者80の移動速度および遅延時間情報に基づいて、観視者80が最適切り替え位置に移動したときに、表示画像パターンの切り替えが完了するように、切り替えを開始することで高精度に切り替え動作を実行することが可能となる。
更に、制御部50は、観視者80の移動速度が速すぎて、観視者80が最適切り替え位置に移動したときに、第1表示画像パターンから第2表示画像パターンへの切り替えを完了させることができないと判断したとき、第1表示画像パターンから、第2表示画像パターンを基準に第1表示画像パターンとは逆方向の第3表示画像パターンへの切り替えを行う。このとき、観視者80から見て、第1表示画像パターンによる輝度と第3表示画像パターンによる輝度の差が略最小となる位置で切り替えが完了するように切り替えを開始する。切り替えを開始する位置は、第1表示画像パターンから第3表示画像パターンへの切り替え開始から切り替え完了までのシステムの遅延時間および液晶の配向速度等に基づく遅延時間情報を用いる。所定のタイミングで取得した観視者80の位置情報に基づいて、観視者80の移動速度を算出し、観視者80の移動速度および遅延時間情報に基づいて、観視者80が最適切り替え位置に移動したときに切り替えが完了するように、切り替えを開始することで高精度に切り替え動作を実行することが可能となる。
尚、液晶の配向速度がシステムの遅延時間に比べて無視できる場合は、システムの遅延時間のみを遅延時間情報としてもよい。
(第4の実施形態)
更に、スイッチ液晶部40は、視差バリアに限らず、レンチキュラレンズ等を用いてもよい。例えば、観視者80の右眼が常時右眼用画素領域を視認し、左眼が常時左眼用画素領域を視認するように、スイッチ液晶部40によるレンチキュラレンズの屈折方向の切り替えを行う。この場合も観視者80が移動しているとき、同様にシステムの遅延時間、液晶の配向速度等を考慮して、切り替わる前後の画像の輝度差が最小になるように先立ってレンチキュラレンズの切り替えの開始を実施する。
あるいは、レンチキュラレンズの屈折方向は固定にして、第3の実施形態と同様に表示画像パターンの切り替えを行うように制御してもよい。この場合の表示画像パターンの切り替え動作は、第3の実施形態と同様である。
また、液晶の配向速度がシステムの遅延時間に比べて無視できる場合は、システムの遅延時間のみを遅延時間情報としてもよい。
上記のような固定スイッチ液晶に視差バリアを用いて画像の位置を変化させてヘッドトラッキング3D表示を実行する場合、及び、固定スイッチ液晶にレンチキュラレンズを用いる場合においても、図11に示したような立体表示するためのヘッドトラッキング3D動作を例示するフローを適用できる。
なお、固定スイッチ液晶を用いて画像の位置を変化させてヘッドトラッキング3D表示を行う場合、複数のバリアテーブルは複数の画像表示パターンとされ、その他のフローは、図11のフローと同様である。
(第5の実施形態)
図12は、第5の実施形態に係る電子装置を例示する模式図である。
電子装置には、前述の各実施形態における表示装置が設けられる。電子装置は、液晶ディスプレイとして例示される。液晶ディスプレイは、映像表示画面部510と、フロントパネル511と、フィルターガラス512と、を含む。
これらの液晶ディスプレイは、自動車のインストルメントパネル、カーナビゲーション、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等に使用される。
実施形態によれば、見易い表示装置が提供できる。
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、表示装置に含まれるスイッチ液晶部、表示部、制御部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
本発明の実施の形態として上述した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
1〜12…光学素子、 15…記憶部、 20…バックライト、 30…表示部、 30R…右眼用画素領域、 30L…左眼用画素領域、 31a…TFT基板、 32、44…液晶層、 33a、41…偏光板、 33b…対向基板、 33d…対向電極、 40…スイッチ液晶部、 40a、40c…遮光領域、 40b、40d…光透過領域、 42…第1基板、 46…第2基板、 47…光学素子、 50…制御部、 60…撮像部、 70…画素、 80…観視者、 81…矢印、 91…第1開口パターン、 91a、91b…第1輝度特性、 92…第2開口パターン、 92a、92b…第2輝度特性、 93…第3開口パターン、 93a、93b…第3輝度特性、 100…表示装置、 101…表示画面、 510…映像表示画面部、 511…フロントパネル、 512…フィルターガラス

Claims (6)

  1. 光透過状態である開口部と、前記光透過状態よりも透過率が低い遮光部と、を含む開口パターンを複数の光学素子により切り替えるスイッチ液晶部と、
    前記スイッチ液晶部に重ねられ右眼用画像および左眼用画像を有する視差画像を表示する表示部と、
    観視者の位置に関する位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて、前記開口パターンの位置を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記観視者が前記表示部に対して移動しているとき、前記観視者の右眼が前記右眼用画像を常時視認し、左眼が前記左眼用画像を常時視認するように前記開口パターンを、第1開口パターンから第2開口パターンへ切り替え、前記第1開口パターンおよび前記第2開口パターンから視認される輝度が略等しい前記観視者の位置を最適切り替え位置としたとき、前記観視者が前記最適切り替え位置に移動する前に切り替え動作を開始することを特徴とする表示装置。
  2. 前記制御部は、前記第1開口パターンから前記第2開口パターンへの切り替わり開始から切り替わり完了までの遅延時間情報を有し、
    所定のタイミングで取得した前記観視者の位置情報に基づいて、前記観視者の移動速度を算出し、
    前記観視者が前記最適切り替え位置に移動したときに、前記開口パターンの切り替えが完了するように、切り替えを開始することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記制御部は、前記観視者が前記最適切り替え位置に移動したときに、前記第1開口パターンから前記第2開口パターンへの切り替えを完了させることができないと判断したとき、前記第2開口パターンを基準に前記第1開口パターンとは逆方向の第3開口パターンへの切り替えを行うことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
  4. 光透過状態である開口部と、前記光透過状態よりも透過率が低い遮光部と、を含む表示画像パターンを複数の光学素子により切り替えるスイッチ液晶部と、
    前記スイッチ液晶部に重ねられ右眼用画像および左眼用画像を有する視差画像を表示する表示部と、
    観視者の位置に関する位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて、前記右眼用画像および左眼用画像の表示画像パターンを制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記観視者が前記表示部に対して移動しているとき、前記観視者の右眼が前記右眼用画像を常時視認し、左眼が前記左眼用画像を常時視認するように、前記表示画像パターンを第1表示画像パターンから第2表示画像パターンへ切り替え、前記第1表示画像パターンおよび前記第2表示画像パターンから視認される輝度が略等しい前記観視者の位置を最適切り替え位置としたとき、前記観視者が前記最適切り替え位置に移動する前に切り替え動作を開始することを特徴とする表示装置。
  5. 前記制御部は、前記第1表示画像パターンから前記第2表示画像パターンへの切り替わり開始から切り替わり完了までの遅延時間情報を有し、
    所定のタイミングで取得した前記観視者の位置情報に基づいて、前記観視者の移動速度を算出し、
    前記観視者が前記最適切り替え位置に移動したときに、前記開口パターンの切り替えが完了するように、切り替えを開始することを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
  6. 前記制御部は、前記観視者が前記最適切り替え位置に移動したときに、前記第1表示画像パターンから前記第2表示画像パターンへの切り替えを完了させることができないと判断したとき、前記第2表示画像パターンを基準に前記第1表示画像パターンとは逆方向の第3表示画像パターンへの切り替えを行うことを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
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