JP2016067636A - 非電動能動義手 - Google Patents

非電動能動義手 Download PDF

Info

Publication number
JP2016067636A
JP2016067636A JP2014200722A JP2014200722A JP2016067636A JP 2016067636 A JP2016067636 A JP 2016067636A JP 2014200722 A JP2014200722 A JP 2014200722A JP 2014200722 A JP2014200722 A JP 2014200722A JP 2016067636 A JP2016067636 A JP 2016067636A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
forearm
arm
arm portion
outer arm
prosthetic hand
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014200722A
Other languages
English (en)
Inventor
貴彦 森
Takahiko Mori
貴彦 森
優弥 田中
Yuya Tanaka
優弥 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Institute of National Colleges of Technologies Japan
Original Assignee
Institute of National Colleges of Technologies Japan
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Institute of National Colleges of Technologies Japan filed Critical Institute of National Colleges of Technologies Japan
Priority to JP2014200722A priority Critical patent/JP2016067636A/ja
Publication of JP2016067636A publication Critical patent/JP2016067636A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Prostheses (AREA)

Abstract

【課題】肩甲骨や肩関節の動きを、ワイヤ等によって伝達して手先具の動きをさせる従来の非電動能動義手と異なり、前腕切断端者自身の残存している前腕の動きに基づく直感的、かつ簡易な動作で手先具の開閉動作ができるようにする。
【解決手段】前腕Faの切断端Saに被せて取付けるためのソケット105を備える内側腕部101と、これに被せられ、この内側腕部が相対的にその周方向へ回転できるように配置され、肘Ea又は上腕に取付けられる外側腕部120と、を含む構成とし、外側腕部120に対する内側腕部101の周方向への回転運動を変換して、手先具151の把持部150の開閉を行う運動変換機構を含む把持部開閉機構を備えるものとした。この構成により、使用者は、自身の前腕Faの回旋による肘Eaに対する切断端Saの回転角に応じ、ソケット105の回転が得られ、その回転に応じて把持部150を開閉できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、義手の使用者自身の意思に基づいて、自身の前腕の動きを利用して手先具(作業手)を開閉操作する非電動(外部の動力を使わない)方式の能動義手に関し、詳しくは、上肢を手首の関節で離断した者や、その関節寄り部位や中間部位等において前腕を切断した人(以下、前腕切断端者)に好適な非電動能動義手に関する。
義手は大別すると、上肢本来の機能である「物をつかむ(把持する)」といった操作が、自身の意思に基づいて随意又は自在にできる義手と、見た目を重視し、そのような操作のできない装飾義手とに分けられる。このうち、前腕切断端者に使用されており、自身で「物をつかむ、離す」といった操作のできる義手についてみると、機能が残された自分の体の一部(体幹)の動き(運動)だけを使って操作する従来の義手(非電動義手)と、自分の体に加え、モータ等の動力(電力)を使ってその操作をするようにした義手(電動義手)とがある(特許文献1)。
前記したような「物をつかむ、離す(以下、単に、物をつかむ、ともいう)」といった操作のできる義手のうち、非電動義手(能動義手ともいわれる)は、ハーネス(義手の懸垂用部品)と呼ばれるバンド等を上体にたすき掛けするなどし、使用者(前腕切断端者)自身の肩甲骨や肩関節などの動きを、コントロール用のワイヤ等の巻掛け伝動装置や、リンク手段(リンク、カム或いは歯車等の機構的な仕組み、構造からなる運動変換機構。)を介して変換して、義手の先端の手の部分(手先具といわれる物をつかむ具。以下、単に手先具ともいう)を開閉させるなどの動きをさせるようにした義手である。
これに対して電動義手は、使用者自身の腕に存在する各部位、各種の筋(筋肉)を利用して、電気モータをON,OFF操作(制御)するなどして手先具を動かすようにした義手(例えば、筋電義手)である。この筋電義手は、脳からの命令として筋肉を収縮して体を動かすとき発生する微弱な電位(表面筋電位)を、体(断端部)の表面で検知し、その電位出力に基づいて義手に内蔵されたモータを駆動、制御することで手先具を開閉するようにしたものが代表的なものとして知られている。より詳しくは、前腕切断端者の切断箇所(断端の長さ)によっても異なるが、例えば、掌側に手首を曲げようとするときに残存している筋に発生する表面筋電位を「物をつかむ」ときの信号として設定しておき、これと逆に、手の甲側に手首を曲げる時に残存している筋に発生する表面筋電位を「物を離す」ときの信号として設定しておき、その各電位出力(信号)が、それぞれ一定の閾値を超えることで、スイッチをON,OFF操作してモータを駆動させる制御を行い、手先具の指等に相当する把持用の開閉機構部位を開閉操作する、というものである。
特開2012−6133号公報
前記した電動義手はモータ駆動であるからパワーはあるが、構成上、モータや制御装置の必要等に基づき、非電動義手に比べると重量が増し、大型化しやすい。このために使用者の負担が大きく、しかも、無骨となりがちである。その上に、自身の意のままに自在に手先具を開閉できるように使いこなせるようになるには、医療機関等において、医師や作業療法士等による長時間の指導や、多数回の指導を受ける必要がある。また、使用者自身による相当期間のトレーニング(練習)をも要する。というのは、手先具を開動、又は閉動しようとするその意思に対応する動作に応じた所定の筋電位を、その通りに発生させることは容易でないためである。しかも、例え一応の使用法を習得した者でも、誤動作の発生が多いというのが実情である。こうしたことから、電動義手の使用が適する使用者は、義手使用者のうちの数パーセント(2〜3%)といわれており、それを所有する者でも、実際には使用されないことが多い、というのが実情である。
一方、上記した非電動義手は、電動義手に比べると物をつかむときの把持力等のパワーは落ちるが、軽く、また、誤操作も少なく安全であるというメリットがある。反面、ハーネスを上体にたすき掛け等して装着するものであることや、肩甲骨等の動きを運動変換機構を介して伝達して手先具の動きを制御する方式である。このため、その動きの伝達や制御のためのワイヤを含む巻掛け伝動装置やリンク装置等を構造的に要することから、無骨となりがちであり、見た目(外観)に難がある。また、肩甲骨や肩関節の動きを、ワイヤー等を介して変換して、遠位にある手先具を開閉操作するものであるから、その動きは直感的でない。この意味で、このような非電動義手を使いこなすのも、実際には容易ではなく、相当程度のトレーニングが必要となっていた。
本発明は、前腕切断端者に好適な非電動能動義手(手動能動義手)を提供することをその目的としてなされたもので、肩甲骨や肩関節の動きを、ワイヤ等によって伝達して遠位にある手先具の動きをさせるという従来技術とは全く異なり、前腕切断端者自身において残存している前腕の直感的かつ簡易な動作に基づき、手先具(把持部)の開閉動作ができる非電動能動義手(以下、能動義手、又は単に義手ともいう)を提供することをその目的とする。
請求項1に記載の本発明は、手首又は前腕を途中で切断してなる切断端を有する前腕切断端者に使用される非電動能動義手であって、
前記前腕の切断端に被せて取付けるためのソケットを備える内側腕部と、
該内側腕部に被せられ、該内側腕部が相対的にその周方向へ回転できるように配置される外側腕部であって、前腕切断端者の前腕の基部をなす肘又は上腕に取付けられる外側腕部と、を含んでおり、
該外側腕部の先端には開閉する把持部を有する手先具を備え、前記外側腕部に対する前記内側腕部の周方向への回転運動を変換して前記把持部の開閉を行う運動変換機構を含む把持部開閉機構を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、前記内側腕部は、前記外側腕部の内側において、1、又は先後に間隔をおいて配置された複数の軸受を介して周方向への回転ができるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の非電動能動義手である。
請求項3に記載の本発明は、前記軸受は、内輪と外輪とを含むベアリングからなり、前記内側腕部の外周面に該内輪が、前記外側腕部の内周面に該外輪が、それぞれ固定されるように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の非電動能動義手である。
請求項4に記載の本発明は、前記外側腕部に対する前記内側腕部の回転を停止し、又はその停止の解除ができる解除手段付きのブレーキ手段又はロック手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非電動能動義手である。
請求項5に記載の本発明は、前記外側腕部に対する前記内側腕部の回転を停止し、又はその停止の解除ができる解除手段付きのブレーキ手段又はロック手段を、前記軸受をなす外輪と内輪の間に設けたことを特徴とする請求項3に記載の非電動能動義手である。
本発明の非電動能動義手においては、内側腕部のソケットを、前腕切断端者の前腕の切断端に取付け、外側腕部を内側腕部に被せると共に、その基部を介して肘又は上腕に取付ける(固定する)。この状態で、使用者が前腕をその回旋(周方向に捩るように回転)させると、上記構成に基づき、該内側腕部は、肘等に固定された外側腕部に対し、ある角度、回転する。この回転運動は、前記運動変換機構で変換されて、この運動変換機構を含む把持部開閉機構を動かし、手先具の把持部を開閉(開動、又は閉動)させる。このように、本発明の非電動能動義手によれば、モータ等の動力を要することなく、しかも、簡易な構造であるにもかかわらず、物をつかみ、又は離すという、義手の基本的な重要動作が得られる。なお、本発明において、前腕切断端者には、誕生時より前腕が切断状態である人も含まれる。
すなわち、本発明の非電動能動義手は、肩甲骨や肩関節の動きを利用することなく、残存する前腕を回旋させる(肘に対して前腕の周りに捩じる)ことで、前腕の遠位の部位(切断端)において得られる肘に対する、回内、又は回外の回旋による捩じり角を利用して手先具の把持部を開閉する機構としたものである。これにより、非電動でありながら、しかも、ハーネス等やそれらの装着手段を要することもなく、簡易な構成、手段により、自身の前腕の回旋という直感的な動作で、物をつかみ、又は離すという、基本的重要動作が簡易に得られるため、前腕切断端者に福音となる。以下、本発明の作用、効果について詳述する。
人の前腕は、橈骨と尺骨との2本の骨、筋(筋肉)、及び皮膚を含む構造を有しており、掌又は手首を前腕の周りに回旋(回転)させる際には、肘よりも先方の前腕は、橈骨と尺骨とのねじれにより、肘又は上腕に対して最遠位の手首において最大の回旋(回転)角をなすように、肘を基点として回旋する(捩じられる)。最遠位の手首(2本の骨の先端部位)の回旋(回転)角は人によっても異なるが、平均的には、中立(中間)位置から回内、回外(内転、外転)できる角度は、それぞれ最大で、90度程度ある。前腕切断端者は、残存する橈骨と尺骨の長さが短くなっている分、その角度は小さくなるものの、自己の意思で、その前腕を回旋させることができる。
本発明の非電動能動義手は、この前腕の回旋に着目してなされたものである。すなわち、その取付状態において、使用者が、残存する前腕をその回旋すると、ソケットを介して切断端に被せられる内側腕部が、外側腕部に対して、それと略同角度、外側腕部の回りに回転する。そして、この回転運動が、前記運動変換機構で変換され、この運動変換機構を含む把持部開閉機構を動かし、手先具の把持部を開閉(開動、又は閉動)させることができる。これにより、例えば、前腕を中間位置(中立状態)から回内に回旋(内転)させるとき、把持部が閉動し、逆に回外に回旋させるときに、把持部が開動するようにした前記把持部開閉機構を用いることで、使用者は、自己に意思に基づき、回内、又は回外動作をすることで、物をつかみ、又は離すことができる。このように、本発明に係る非電動能動義手においては、これを装着した前腕切断端者は、自身の意思に基づいて直感的に、残存する自身の前腕の回旋動作をするだけで、物をつかんだり、離したりする所望とする動作ができる。
このように、本発明では、軽く、また、誤操作も少なく安全であるという非電動能動義手のメリットを生かし、しかも、従来の非電動能動義手のように、ハーネスを上体にたすき掛け等して装着する必要もなく、また、肩甲骨等の動きを伝達して手先具の動きを制御するためのワイヤを含む巻掛け伝動装置やリンク装置等も要しない。しかも、発明の構成上、殆どの場合、上腕より先の部位においてその構成を具体化できるから、構造の小型、簡易化が図られる。さらに、上記したように、前腕の回旋動作のみで、手先具の把持部を開閉操作できるから、直感的、かつ容易にその操作ができるため、その使いこなしのためのトレーニング期間も短かくてすむため、前腕切断端者にとって使い勝手の良い義手となる。
本発明の非電動能動義手は、前腕の回旋によって切断端において得られる回転角に応じて、回転運動を変換する運動変換機構を含む把持部開閉機構を設定すればよい。すなわち、手首での切断端者や長断端の人(切断した残りの前腕の部分が長い人)と、短断端の人では、切断端において得られる回旋角が異なるため、それらに応じて、回転運動を変換する運動変換機構を含む把持部開閉機構を選択すればよい。例えば、前腕長が2/3の切断端者で、得られる回旋角が60度であれば、この角度範囲内で把持部の開閉ができるようにすればよい。なお、回転運動を変換する運動変換機構を含む把持部開閉機構は、手先具の把持部に、必要な開閉動作をさせ得る機構であればよく、公知のリンク装置、カム装置、歯車装置、或いは巻掛け伝動装置、又はこれらの組み合わせによる公知の機構、装置を用いればよい。
前記内側腕部を構成するソケットの先端から、前記外側腕部の先端に備えられた手先具までの寸法は、切断端の位置により異なるものとしてもよい。この場合、短断端者のようにその寸法(前記内側腕部を構成するソケットの先端から、前記外側腕部の先端に備えられた手先具までの寸法)が大きくなるときは、内側腕部におけるソケットの先端に、先方に向けて突出する突出状軸体を設ける等すればよい。この場合は、この突出状軸体の先端が内側腕部の先端となる。また、本発明では、前記内側腕部は、肘又は上腕に取付けられる前記外側腕部内においてその周方向に回転できる必要があり、その回転はできるだけ容易、円滑になるのが好ましいから、請求項2に記載のように、軸受を設けるのがよい。ただし、軸受としては、例えば、フッ素樹脂からなるリングを、内側腕部の外周面、又は外側腕部の内周面との間に配置し、すべり接触における摩擦を低減することで、その回転の円滑化を得ることもできるが、請求項3に記載のような軸受構造とするのがよい。
また、本発明では、請求項4に記載のような解除手段付きのブレーキ手段(機構)又はロック手段(機構)を備えるものとするのがよい。理由は次のようである。本発明の非電動能動義手では、上記したように前腕の回旋により、内側腕部を外側腕部に対して回転させることで手先具の把持部の開閉をするという効果が得られるが、そのときの開状態、又は閉状態を保持するためには、その前腕の回旋状態を、使用者自身で一定に保持しないといけない。このため、テーブル上に置かれている物をつかんで、隣のテーブル上に運び、所定の位置に置こうとする動作をするとき、その移動過程においては、前腕の回旋状態を一定に保持し続ける必要がある。もし、前腕の微妙な動きにより、意に反してその回旋状態に変化が出ると、つかんでいる物を落してしまうなどの誤作動を招くことがある。これに対し、ブレーキ手段又はロック手段が設けられていれば、こうした不具合の発生を容易に防止できる。なお、このような手段を設ける場合には、請求項5に記載のように設けることで、ブレーキ構造の安定が図られるので好ましい。
本発明の非電動能動義手を具体化した実施形態例1(第1実施例)の説明用斜視図。 図1の非電動能動義手を内側腕部の軸線を通る平面で切断した図(平断面図)。 図1の非電動能動義手の装着、又は組立て過程を説明する、図1の矢印A方向から見た図であって、前腕に取り付けた内側腕部含む部位と、外側腕部に手先具を取り付けた状態の図。 図1の非電動能動義手を装着し、カバー(外側腕部カバー)を取り付ける前の説明図。 ブレーキ手段、又はロック手段を説明する図2における接続部材の箇所の断面図。 ブレーキ手段、又はロック手段の別例を説明する図2における接続部材の箇所の断面図。 ブレーキ手段、又はロック手段の別例を説明する図4における部分図及びその要部拡大図。 運動変換機構を含む手先具開閉機構の実施形態例2を説明する平断面図。 運動変換機構を含む手先具開閉機構の実施形態例3を説明する平断面図。 運動変換機構を含む手先具開閉機構の実施形態例4を説明する平断面図。 運動変換機構を含む手先具開閉機構の実施形態例5を説明する平断面図。
本発明の非電動能動義手を具体化した実施形態例1について、図1〜図4を参照しながら詳細に説明する。図中、100は、非電動能動義手であり、内側腕部101と、これに被せられる筒状の外側腕部120と、この先端123に取り付けられる手先具151、そして、この手先具151の把持部を開閉する把持部開閉機構等を主体として構成されている。以下、これらについて詳述する。
内側腕部101は、前腕切断端者(使用者)の前腕Faの切断端(側)Saに被せて取付けるためのソケット105を備えている。このソケット105の先端(有底部)106には、本例では、先方に向けて突出する、樹脂製又は木製の円軸状の突出状軸体108が設けられている。そして、突出状軸体108の後端に設けられたフランジ109をソケット105の先端106に当接するようにして、例えば、図示はしないがねじ部材で固定(小ネジ、ナットによるネジ締め)されている。ソケット105は、前腕Faの切断端Saに、図示しない軟質材を介して被せられ、取付けられるように、やや先細りのテーパをなす横断面円形のカップ(円筒)形状をなしている。ソケット105は、例えば、適度の弾性ないし柔軟性を有する樹脂製とされている。また、このソケット105は、要すれば、図示はしないが、バンド(ベルト)で締められ、切断端Saに対して適度の固定状態で取り付けられるように構成されている。ただし、その固定は、切断端Saの近傍で行われる。なお、このソケット105の開口端側は、前腕Faの挿入を容易とするため、周方向においてスリット110が切り込まれている。
一方、外側腕部120は、適度の弾性を有する樹脂製で、使用者の前腕Faに対応するように、太さが内側腕部101より一回り大きい異径筒構造をなし、内側腕部101を内挿するようにして、これに被せたとき、内側腕部101が相対的にその周方向へ回転できるように、すなわち、空間が保持される太さに形成されている。ただし、本例において外側腕部120は、横断面が、1/2程度、ないし、2/3程度のC字形断面(樋形状)の外側腕部本体121と、これと同様の横断面形状で、内側腕部101等を配置し、あるいは使用者に義手を装着したときに、その外側腕部本体121の開口側に被せて、ベルト締め等することで取付けられるように形成された外側腕部カバー121aとから構成されている。以下、外側腕部本体121、又は外側腕部カバー121aを含めて、外側腕部120ともいう。結果、本例では外側腕部120は、樋形状に2分割したものを合わせて筒構造となる構成とされているが、ヒンジで開閉できるようにしておいてもよいなど、義手の組み立てや使用者への装着に支障がないように構成されていればよい。また、異径の状態は、その基端部(上腕側)124が、使用者の肘Eaにフィットするように、先端(手首)123側に対し相対的に大径とされており、先後の中間部位が、詳しくは後述するが、本例では軸受を配置するため、局部的に、大径をなす中間大径部125が設けられている。
外側腕部120は、前腕Faに取付けられる内側腕部101に被せられた状態で、使用者の肘Ea又は上腕Uaで固定されるものである。このため、本例では、前腕Faが肘E(関節部位)aを外側に張出す形で曲げられたとき、その曲げに支障が出ないように、外側腕部本体121の基部124のうち、肘Eaの内側をカバーする部位に切欠き状の窓(開口)127が設けられており、肘Ea(肘角)がこの窓127において露出するような設定とされている。すなわち、外側腕部本体121のうち、肘Eaの外側をカバーする部位は、肘Eaへ違和感なくフィットし、かつ肘Ea又は上腕Uaに取付られるようにされている。なお、肘Ea又は上腕Uaへの取付用のため、外側腕部本体121の基部124には、ベルト等の取付手段(図示せず)が設けられている。
さて、本例では、内側腕部101に外側腕部120を被せた状態において、内側腕部101が外側腕部120に対して円滑に回転できるようにするため、両者の間に軸受130を配置する設定とされている。本例では、外側腕部120が内側腕部101に被さっているときにおいて、外側腕部120における中間大径部125は、内側腕部101におけるソケット105の先端寄り部位に位置するように設定されている。ただし、軸受130は、前腕Faの先後方向のうち、切断端Saに近い位置となるように設けられている。本例では、リング状をなす軸受130が、内側腕部101をなすソケット105の外周面105aと、筒状体からなる外側腕部120におけるこの中間大径部125の内周面125aとの間に配置されている。軸受130は、内輪131と外輪133と、複数の球135とからなるラジアルベアリングであり、内輪131の内周面がソケット105の外周面105aに拘束ないし固定され、外輪133の外周面が中間大径部125の内周面125aにて拘束ないし固定される設定とされている。なお、内輪131の内周面をソケット105の外周面105aに拘束ないし固定する手段は、ソケット105が先細りテーパのため、これを切断端Saへ被せた状態で、このテーパの中間部位に食いつくようにしてもよいが、別途、固定手段(例えば、接着剤)で固定するようにしてもよい。また、軸受130の先後方向の位置決め、又はその位置の調節のため、本例では、外側腕部120における中間大径部125の先後方向の空間幅寸法が、軸受130の幅より大きく設定されている。このため、軸受130の装着状態(切断端者への装着時)において、その位置が安定するように、カラーリング等の環状体137が配置されている。
なお、軸受130は、外側腕部120内における内側腕部101の安定と共に、その回転を円滑にするため、先後方向に複数個所設けるのが好ましい。このため、本例では、上記したのと同様構造の軸受140を、突出状軸体108の外周面と、外側腕部120の内周面120aとの間にも設置している。ただし、外側腕部120の内周面120aと、軸受140の外周面との間には、径の調整のためのリング149が介在されている。なお、外側腕部120内において、内側腕部101が容易に回転できるように、その内外周面の間に十分な空隙があり、或いは、空隙がなくとも、円滑かつ安定してその回転ができるような場合には、軸受130、140はなくともよい。また、軸受といっても、本例におけるような内輪131と外輪133とを含むベアリングのほか、摩擦係数の小さい、フッ素樹脂等からなる単なるリング(二重リング)を設けることとしてもよい。なお、ラジアル軸受を先後に複数配置する場合には、自動調心タイプのものとするのが好ましい。
一方、外側腕部120の先端123には、開閉する把持部150を有する手先具151が、これと一体をなす支持体(支持部)153を介して取り付けられている。把持部150は、対向するように配置された一対のつかみ片150a,150bからなっており、本例では、一方のつかみ片(指相当部位)150aは支持体153と一体をなし、他方のつかみ片が、L字状の可動リンクとされ、その角が、支持体153にピン止めされている。そして、この他方のつかみ片150bのうち、把持側でない端部に、クランク状のリンク161の先端がピン止めされており、このクランク状のリンク161の後端が、外側腕部120の先端123内に配置、取り付けられた保持器171の先端側壁173に設けられた穴(リンク摺動穴)内を先後に摺動するように配置された摺動リンク163の先端にピン止めされており、スライダクランク(連鎖)機構を構成している。
他方、保持器171内には、外側腕部120の先端123のうち、外側腕部120をなす筒の中心を軸とする回転軸(回転用軸部材)174を有する円筒カム(確動円筒カム)176が、先端側壁173と、後端側壁178とに回転自在に軸支されて配置されている。そして、この円筒カム(以下、単にカムともいう)176の溝には、摺動リンク163の後端に設けられた突起が嵌り込まされている。なお、この溝は、カム176の回転(右回転、又は左回転)に従い、摺動リンク(従動子)163を、所定量、先後動(前進、又は後退)させるように設けられている。
そして、保持器171内の円筒カム176の回転軸174の基端(後端)は、内側腕部101におけるソケット105の先端において先方に向けて突出するように設けられた突出状軸体108の先端(内側腕部の先端)と、その各側に設けられる接続部材(継手)181、181を介して同軸状に接続されている。これにより、本例では、突出状軸体108、すなわち、ソケット105(内側腕部101)をその周方向に回転させることにより、円筒カム176を回転させ、その回転運動を、摺動リンク(従動子)163の前進、又は後退運動に変換させる運動変換機構が構成されており、この摺動リンク163の前進、又は後退により、クランク状のリンク161を介してつかみ片151bを可動させ、それによって、把持部150を開閉させる構成とされている。このように本例では、この運動変換機構と上記したスライダクランク(連鎖)機構とで、把持部開閉機構を構成している。なお、円筒カム176は、使用者に応じて得られる、前腕Faの先端(切断端Sa)の回旋角度(回転)により、把持部150に必要な開閉が得られる設定とされている。
このような構成の本例の非電動能動義手100の使用者への装着は次のようである(図3、図4参照)。内側腕部101のソケット105と、突出状軸体108とに、それぞれ軸受130、140等を一応、組み付け、その内側腕部101のソケット105に使用者の前腕Faを挿入して、要すればバンドで締め付ける等してこれを前腕Faに被せる形で取付ける(図3参照)。ただし、その固定は、なるべく切断端Saの近傍で行われるようにして、前腕の回旋が有効に得られるようにする。そして、この状態の内側腕部101を、これら以外の手先具151、及び円筒カム176を含む保持器171等を組み付けてなる外側腕部本体121に組み込むようにする。そして、円筒カム176の回転軸174の基端(後端)に、ソケット105の先端106の突出状軸体108の先端を、接続部材(継手)181、181を介して接続する(図4参照)。次いで、外側腕部カバー121aを、外側腕部本体121に被せる。このとき、外側腕部本体121における基部124(肘Eaあて部)において、前腕切断端者の肘Eaに、外側腕部120が周方向に回転しないように、図示しない締め付けバンド等により取付ける。なお、外側腕部カバー121aを、外側腕部本体121に被せた状態において、図1に示したように、これらを例えば、外側腕部カバー121aに取り付けられた適数のバンドB1,B2,B3で締め付ける等して分離しないようにする。なお、要すれば、長い手袋状の人工皮膚を装着する。こうして、使用者に義手を装着する。
ただし、このような本例の義手100の装着においては、例えば、前腕Faを最大の角度、回内に回旋させたときに把持部150が閉じるように、内側腕部101と外側腕部120との相対回転角(位置)を調整する。こうすることで、肘Eaに対して回転しないように取り付けられている外側腕部120内において、前腕Faを、最大の角度、回外に回旋させることで、円筒カム176の回転によって摺動リンク163が後退し、把持部150が開き、逆に回旋することで把持部150が閉じ、そして、回旋の中立状態では半開きとなる。かくして、使用者は、前腕Faのかかる回旋のみで、把持部150、すなわち、つかみ片150a、150bを開閉できるから、物をつかみ、離すという動作が、直感的にしかも簡易にできる。なお、使用者により、例えば、回旋の中立状態で把持部150が閉じるようにしたいのであれば、装着時に、その設定の下で装着すればよい。本例では、上記したように、2か所の軸受130が配置されているので、円滑な回転を得ることができる。
なお、円筒カム176の回転軸174の基端(後端)に、ソケット105の先端の突出状軸体108の先端を接続する接続部材(継手)181には、伸縮継手又は自在屈曲継手の少なくともいずれかを含む継手機構を用いるのがよい。というのは、この接続部には、軸力のほか、横方への外力がかかりやすいため、ある程度フレキシブルにしておくべきだからである。なお、この接続部に構造の複雑化を招かないためには、例えば、ゴムなどの弾性体を介在させて、両軸を接続するようなカップリングを用いるのがよい。本例では、ソケット105の先端において先方に向けて突出する突出状軸体108を設けたが、例えば、手首での切断端者では、このような突出状軸体108を設ける必要はなく、したがって、ソケットが内側腕部をなすものとしてもよい。
なお、上記もしたように、本例では前腕Faの回旋次第で、把持状態に変化が出てしまうことがあり、つかんだ物を落とすなどの課題もある。このため、任意の角度の回旋状態に、使用者自身において、外側腕部120に対し内側腕部101が回転しないように、ブレーキを掛け、又はロックをすることができ、かつ、その解除ができるようにするのがよい。このようなブレーキ手段又はロック手段(以下、ブレーキ手段ともいう)は、公知のブレーキ手段を、外側腕部120の内周面120aと、内側腕部101の外周面との間に設けることでよい。公知のいずれの手段でもよく、例えば、図5に示したように、接続部材181の位置において、外側腕部120の筒壁に、貫通する雌ネジを設けておき、この雌ネジに外から中に向けて、ねじ部材190をねじ込んでおき、常時は、その先端が、接続部材181の外周面との間で微小な空隙があるようにしておき、ブレーキを掛けたいときは、ねじ部材190をねじ込む方に回転させて、その先端が接続部材181の外周面に押し付けられることとしてもよい。外側腕部120の外周面に例えばそのねじ部材190の後端にレバー193を取り付けておくことで、容易にその操作ができる。また、図6に示したように、偏心カム195を矢印方向に回転(搖動)させることで、これを内側腕部と共に回転する例えば接続部材181の外周面に押さえつけ得るように、外側腕部120に取り付けておいてもよい。カム195にレバー197を設け、これを外側腕部120の外に突出させるようにしておき、偏心カム195が所定角度回転するように、これを動かすことで、そのカム195により、ロック、アンロックをすることとしてもよいなど、各種の公知のブレーキ手段を用いることができる。なお、このブレーキ手段を設ける先後位置は、外側腕部120に対する内側腕部101の回転が止められる位置であればよい。
一方、好ましいブレーキ手段、又はロック手段としては、図7に示したように、軸受130をなす外輪133と内輪131の間の相対回転を停止し、又はその停止の解除ができる構成としたものものがあげられる。以下、図7に基づき説明する。これは、軸受130のうち、その内輪131を上記例における内側腕部101のソケット105の外周面105aに装着したとき、その内輪131の両端(ソケット105の先後方向に対応する両端)において、それぞれ、先後方向に適量突出させ、その端においてべアリングの半径方向外向きに、外輪133より、外方に突出するアーム(L形部材)201、201が固定状に設けられている。そして、この両アーム201,201の突出端寄り部位に、外輪133の外側においてその先後の端を跨ぐ配置で、帯状の板バネ205を配置してある。ただし、この板バネ205は、その長手方向の中間部位が、外向き又は内向きに膨らむ撓み弾性変形状態に、適度の外力の付与によって切換できるように、その板バネ205の面が外輪133の外周面に対向するように取り付けられている。
本例では、板バネ205の先後方向の中間部位のうち、外輪133の外周面と対面する面には、ブレーキパッド材207が設けられている。ただし、板バネ205の中間部位が外向きに膨らむ撓み弾性変形状態の時、このブレーキパッド材207と、外輪133の外周面との間には空隙が保持される設定(アンブレーキ状態が確保される設定)とされている。一方、このアンブレーキ状態において、その中間部位を外側から適度の力で押圧した時、その中間部位が、外輪133の外周面側に向けて、すなわち、内向きに膨らむ撓み弾性変形し、ブレーキパッド材207が、外輪133の外周面に押付けられてブレーキ状態が確保されるように設定されている。なお、外輪133は外側腕部120に固定状に取り付けられる。
このようなブレーキ手段構成により、外側腕部120に対し、内側腕部101を回転させたいときは、板バネ205を、その中間部位が外向きに膨らむ撓み弾性変形状態に保持しておき、ブレーキを掛けたいときは、その中間部位を外側から適度の力で押圧することで、ブレーキがかかった状態となり、その回転が止められる。そして、その状態の解除をしたいときは、板バネ205の中間部位が外向きに膨らむ撓み弾性変形状態にもどせばよい。板バネ205によるこのようなブレーキ作用が得られるようにするためには、両アーム201,201間、及び板バネ205等の寸法、バネ性等に基づいて、そのブレーキ構造を設計すればよい。なお、外輪133の外周面には、外側腕部120が存在するわけであるが、このブレーキ操作ができるように、それには適当な大きさの窓(開口)を設けておくか、人工皮膚のような変形容易な膜を取付けておけばよい。また、内輪131は、外側腕部120に対し、内側腕部101の回転とともに回転するため、前腕の回旋とともに、アーム201も回転するが、その回転角(回旋角)は、中間状態から、回内、回外にそれぞれ最大でも90度程度であるから、この角度を考慮して、その窓(開口)等を設けておけばよい。
なお、このブレーキ手段においてブレーキ解除するため、すなわち、板バネ205の中間部位が外向きに膨らむ撓み弾性変形状態にもどすための適宜の手段を設けておけばよい。この手段としては、図7に示したように、帯状の板バネ205の外周面側(ブレーキパッド材207の設置側と反対側)のうちの、中間部位に、ブレーキ解除用のレバー210の一端を、例えば、溶接で固着しておくとよい。ただし、そのレバー210は、板バネ205の中間部位が押え付けられてブレーキがかかっている状態から、そのレバー210の他端側を押し下げたとき、上記アーム201のうちの少なくとも一方の上端を支点として、そのレバー210の一端に固定されている板バネ205の中間部位が、テコの作用により引き上げられて、該中間部位がアンブレーキ時の外向きに膨らむ撓み弾性変形状態に戻るように設定しておくとよい。レバー210は、図示のように、アンブレーキ時に、アーム201に干渉しないように、適宜の形状に曲げ形成しておけばよい。なお、外側腕部120に設ける窓(開口)は、このレバー210もアーム201と共に回転できるようにすればよい。
すなわち、前記構成のブレーキ手段では、外側腕部120に対する内側腕部101の回転が自在の状態から、ブレーキをかけたいときは、外側腕部120に設けられる窓(開口)等から、板バネ205の中間部位を押さえつけることにより、該中間部位は、外向きに膨らむ撓み弾性変形状態から、内向きに膨らむ撓み弾性変形状態となり、外輪133は内輪131に対して固定され、ブレーキがかかる。 一方、ブレーキを解除したいときは、レバー210の他端(自由端)を押さえつけることで、板バネ205の中間部位は、元位置に復帰するから、アンブレーキ状態が確保される。これにより、使用者は、他方の健常な上肢の手などで、押さえつけるという、単純、簡易な操作の繰り返しで、任意に、ブレーキ(ロック)、又はその解除の操作をすることができる。また、「押え付け」操作だけですむから、人工皮膚の外部からでもその操作ができるし、構造の複雑化も招かないので、故障や誤作動の防止にも極めて有効である。なお、ブレーキは、ブレーキパッド材207と、外輪133の外周面との間との摩擦に依存するものであるから、外輪133の外周面は、必要なブレーキ作用が得られるように、適宜、粗面化しておくとよい。ただし、大きなブレーキ力を要する場合には、外輪133の外周面には周方向において、ブレーキパッド材207との嵌合が得られる凹凸等を設けておき、その嵌合にてブレーキがかかるようにしておいてもよい。
本発明において、外側腕部120に対する内側腕部101の周方向への回転運動を変換して把持部150の開閉を行う運動変換機構を含む把持部開閉機構は各種のものを用いることができる。以下、把持部開閉機構に、他の実施形態例を採用した非電動能動義手100b,100c,100d,100eについて、図8〜図11に基づいて説明する。ただし、上記実施形態例1における非電動能動義手100とは、この把持部開閉機構のみが異なるだけであるため、その相違点のみ説明し、同一部位、又は共通(又は対応)する部位には、同一の符号を付すに止め、その説明を省略する。以下の他の実施形態例についても前例との相違点のみ説明し、同一部位、又は共通(又は対応)する部位には、同一の符号を付すに止める。
上記実施形態例1では、把持部150の開閉をさせる摺動リンク163の先後動を、円筒カム(確動カム)176にて行わせるものとしたが、これは、図8に示した実施形態例2のように、傾板カム176を用いることとしてもよい。ただし、この場合には、摺動リンク163の後端が常にその傾板カム176に圧接するように、例えば、保持器171内にて、圧縮バネ(コイルスプリング)179を設けている。
また、上記実施形態例1では、把持部150が、支持体153に設けられた一方のつかみ片150bのみが可動するものとして具体化したが、これは、図9に示した実施形態例3のように、対向する一対のつかみ片(2つのつかみ片)150a,150bともに、開動、又は閉動をする動きをするようなリンク装置としてもよい。すなわち、このものでは、支持体153を介して取り付けられている把持部150は、対向するように配置され、それぞれ搖動するようにピン止めされた一対のつかみ片150a,150bからなっており、支持体153を固定リンクとし、この固定リンクに対し、ピン止めされた2つのつかみ片(一対のつかみ片)150a,150bと、この2つのつかみ片150a,150bを、ピン止めで繋ぐ連結リンク155とからなり、つかみ片をなす一方(リンク)150bの基端を、摺動リンク163の先後動によってその先端にピン止めされたクランク状のリンク161で搖動することで、把持部150、すなわち、一対のつかみ片150a,150bを開閉する機構(4節回転連鎖)としたものである。
実施形態例3では、円筒カム176により摺動リンク163を先後動させ、この先端に設けたクランク状のリンク161による搖動で、一方のつかみ片150bを搖動させ、連結リンク155の動きによって、対向する一対のつかみ片(2つのつかみ片)150a,150bが、共に動いて、開動、又は閉動するようにしたが、このようなリンク装置において、一方のつかみ片150bを搖動させるのに、図10に示した実施形態例4のような、ワイヤの巻き取り機構を用いたものとしてもよい。すなわち、本例では、一方のつかみ片150bの搖動が、その基端に固着されたワイヤ156を後方に引っ張ることで、把持部150が開く構成とされている。そして、その引張は、外側腕部120の先端123に固定された先端部材11に対し、内側腕部101におけるソケット105の先端の突出状軸体108に、同軸で回転するように軸支された回転用軸部材13の先端に設けられたプーリ15に、そのワイヤ156を巻き取ることで行われる設定とされている。
すなわち、この回転用軸部材13は、先端部材11に対し、先後方向に回転軸を有するように配置されており、これを一方に回転することで、支持体153に設けられた方向変換ガイド部材17に沿ってワイヤ156が摺動されて後方に引き寄せられ、プーリ15に巻き取られる構成とされている。これにより、その巻取りにより把持部150を開くように構成されている。なお、本例では、方向変換ガイド部材17と、ワイヤ156を固着するリンク(一方のつかみ片)150bの端との間に、圧縮コイルバネ19が配置され、常時は、ワイヤ156の巻き取りを解除し、把持部150が閉じる設定とされている。図10では、内側腕部101の回転運動が、運動変換機構を介してワイヤ156の巻き取り、引き寄せ運動に変換され、その巻取りが把持部150を開かせ、逆の回転によるワイヤ156の弛みがバネ19により防止され、閉じるようされた把持部開閉機構とされている。
なお、このようにワイヤの巻き取りにより、把持部150を閉じる構成としては、図11に示した実施形態例5のように、把持部150をパンタグラフ構造としておき、一対のつかみ片をなすリンク150a,150bにおける支持ピン箇所(回り対偶箇所)を外側腕部120の先端123に設けた支持体(例えば筒体)153内の先端寄りにピン止めし、その後方においてピン止めされた2つのリンク21,22の端(ピン止め箇所)に先後に摺動する棒25を配置しておき、その棒25の後端にワイヤ156を繋いで、このワイヤ156を適所に設けた方向転換ガイド(又はローラ)27を介して、内側腕部101の回転運動により、ソケット105の先端に設けたプーリ15に巻き取らせることで、把持部150を閉じるようにしてもよい。なお、この場合も、逆の回転によるワイヤ156の弛みが圧縮コイルバネ19によって防止されるようにしておけばよい。
上記したように、本発明に係る非電動能動義手において、前記外側腕部に対する前記内側腕部の周方向への回転運動を変換して前記把持部の開閉を行う運動変換機構を含む把持部開閉機構は、各種の機構を採用できる、上記例におけるものに限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変更して具体化できる。また、上記例では、外側腕部の固定は、肘としたが、肘よりも肩甲骨寄りの上腕の部位で固定してもよい。また、把持部を含む手先具の形状構造も、適宜のものとすることができる。物をつかみ、又は離すことのできる開閉機構であればよいから、各種の公知の手先具を適用できる。また、上記例では、軸受を設けた場合で説明したが、回転自在が確保されるならば、これはなくともよい。
100、100b,100c,100d,100e 非電動能動義手
101 内側腕部
105 ソケット
105a ソケットの外周面
120 外側腕部
120a 外側腕部の内周面
121 外側腕部本体
121a 外側腕部カバー
123 外側腕部の先端
130、140 軸受
131軸受の内輪
133軸受の外輪
150 把持部
151 手先具
Fa 前腕
Sa 切断端
Ea 前腕の基部をなす肘
Ua 上腕

Claims (5)

  1. 手首又は前腕を途中で切断してなる切断端を有する前腕切断端者に使用される非電動能動義手であって、
    前記前腕の切断端に被せて取付けるためのソケットを備える内側腕部と、
    該内側腕部に被せられ、該内側腕部が相対的にその周方向へ回転できるように配置される外側腕部であって、前腕切断端者の前腕の基部をなす肘又は上腕に取付けられる外側腕部と、を含んでおり、
    該外側腕部の先端には開閉する把持部を有する手先具を備え、前記外側腕部に対する前記内側腕部の周方向への回転運動を変換して前記把持部の開閉を行う運動変換機構を含む把持部開閉機構を備えることを特徴とする非電動能動義手。
  2. 前記内側腕部は、前記外側腕部の内側において、1、又は先後に間隔をおいて配置された複数の軸受を介して周方向への回転ができるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の非電動能動義手。
  3. 前記軸受は、内輪と外輪とを含むベアリングからなり、前記内側腕部の外周面に該内輪が、前記外側腕部の内周面に該外輪が、それぞれ固定されるように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の非電動能動義手。
  4. 前記外側腕部に対する前記内側腕部の回転を停止し、又はその停止の解除ができる解除手段付きのブレーキ手段又はロック手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非電動能動義手。
  5. 前記外側腕部に対する前記内側腕部の回転を停止し、又はその停止の解除ができる解除手段付きのブレーキ手段又はロック手段を、前記軸受をなす外輪と内輪の間に設けたことを特徴とする請求項3に記載の非電動能動義手。
JP2014200722A 2014-09-30 2014-09-30 非電動能動義手 Pending JP2016067636A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014200722A JP2016067636A (ja) 2014-09-30 2014-09-30 非電動能動義手

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014200722A JP2016067636A (ja) 2014-09-30 2014-09-30 非電動能動義手

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016067636A true JP2016067636A (ja) 2016-05-09

Family

ID=55863475

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014200722A Pending JP2016067636A (ja) 2014-09-30 2014-09-30 非電動能動義手

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016067636A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106361474A (zh) * 2016-10-28 2017-02-01 上海科生假肢有限公司 一体化智能电动肘关节
CN107097212A (zh) * 2017-04-28 2017-08-29 温州职业技术学院 弹簧式便携助残机械手
JP2019136225A (ja) * 2018-02-08 2019-08-22 独立行政法人国立高等専門学校機構 能動義手
RU2721540C1 (ru) * 2019-11-21 2020-05-19 Общество с ограниченной ответственностью «Сколиолоджик.ру» Гильза-лайнер протеза для культи плеча

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106361474A (zh) * 2016-10-28 2017-02-01 上海科生假肢有限公司 一体化智能电动肘关节
CN106361474B (zh) * 2016-10-28 2024-04-16 上海科生假肢有限公司 一体化智能电动肘关节
CN107097212A (zh) * 2017-04-28 2017-08-29 温州职业技术学院 弹簧式便携助残机械手
CN107097212B (zh) * 2017-04-28 2020-09-29 温州职业技术学院 弹簧式便携助残机械手
JP2019136225A (ja) * 2018-02-08 2019-08-22 独立行政法人国立高等専門学校機構 能動義手
JP7078926B2 (ja) 2018-02-08 2022-06-01 独立行政法人国立高等専門学校機構 能動義手
RU2721540C1 (ru) * 2019-11-21 2020-05-19 Общество с ограниченной ответственностью «Сколиолоджик.ру» Гильза-лайнер протеза для культи плеча

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2018006722A1 (zh) 仿生假肢手
US4258441A (en) Dual operated lateral thumb hand prosthesis
EP3638461B1 (en) Device for moving an arm and a method of operating the device
RU2735674C2 (ru) Протезное устройство
JP2016067636A (ja) 非電動能動義手
US7341295B1 (en) Prehensor device and improvements of same
EP3414061B1 (en) A device for enhancing a user's grasping capability
WO2017075884A1 (zh) 假肢手
JP6371064B2 (ja) 指部残存機能を利用した義指屈伸機構
CN206063263U (zh) 仿生假肢手
US2445711A (en) Mechanical movement
RU160806U1 (ru) Протез кисти руки
CN209933083U (zh) 穿戴式弹性刚性复合杆件假肢手指
CN106236504B (zh) 一种可搭载于康复轮椅的手指康复装置
CN209827112U (zh) 一种驱动绳索与四连杆机构组合式欠驱动仿生假肢手指
Ghadage et al. A review on current technological advancements in prosthetic arms
JP6172651B2 (ja) 電動把持装置
CN214382426U (zh) 一种仿生上肢假肢
RU189912U1 (ru) Приспособление к протезу кисти человека
US1319884A (en) Punooearm
RU199579U1 (ru) Модуль искусственной кисти
RU2759777C1 (ru) Палец тягового протеза и устройство протеза кисти и протеза предплечья с такими пальцами
RU2416380C2 (ru) Протез предплечья
US20220323247A1 (en) Soft active hand orthosis
TWM622713U (zh) 手指義肢裝置