JP2016063690A - 蓄電システム - Google Patents

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Makoto Onozawa
誠 小野澤
宮本 真
Makoto Miyamoto
真 宮本
渡辺 均
Hitoshi Watanabe
均 渡辺
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Abstract

【課題】利用環境に適合しやすい蓄電システムを提供する。
【解決手段】蓄電システム1Aは、複数の機器を1つの配置方向に並べた状態で支持するフレーム20と、フレーム20により囲まれる空間から外へ空気を排出する排気口22と、空間へ空気を取り入れる吸気口と、空間において、配置方向に並んでフレーム20により支持される複数の機器とを備える。複数の機器は、蓄電池を含む蓄電ユニット12と、変換器ユニット11とを含む。変換器ユニット11は、蓄電池ユニット12の蓄電池と接続され、外部から入力された交流電力を直流電力へ変換して前記蓄電池へ出力する変換器を有する。変換器ユニット11は、蓄電ユニット12よりも排気口に近い位置に配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電池を用いた蓄電システムの技術に関する。
蓄電池を用いた蓄電システムとして、外部電源に停電などのトラブルが発生した場合に、蓄電池を利用して電源を負荷機器へ安定供給するシステムが開発されている。例えば、下記特許文献1には、商用電源、燃料電池装置、又は、電源装置といった外部電源から電力供給される負荷機器に接続された蓄電装置が開示されている。この蓄電装置は、外部電源からの電力供給が停止した場合、外部電源に代わって負荷機器へ電力を供給する。
特開2014−108008号公報
例えば、電気自動車、住宅、商業施設等に設置される蓄電装置は大型化される傾向にあるため、設置できる場所が制限される。また、蓄電装置を利用するためには、商用電源、他の電源装置、負荷等を含む外部のシステムと接続する必要がある。そのため、蓄電装置を設置する際には、蓄電装置を利用環境に合わせるための設計及び工事等の特別な作業が必要となる。そこで、本願は、利用環境に適合しやすい蓄電システムを開示する。
本発明の1つの実施形態における蓄電システムは、複数の機器を1つの配置方向に並べた状態で支持するフレームと、前記フレームにより囲まれる空間から外へ空気を排出する排気口と、前記空間へ空気を取り入れる吸気口と、前記空間において、前記配置方向に並んで前記フレームにより支持される複数の機器とを備える。前記複数の機器は、蓄電池を含む蓄電ユニットと、変換器ユニットとを含む。前記変換器ユニットは、前記蓄電池ユニットの蓄電池と接続され、外部から入力された交流電力を直流電力へ変換して前記蓄電池へ出力する変換器を有する。前記変換器ユニットは、前記蓄電ユニットよりも前記排気口に近い位置に配置される。
本願開示によれば、利用環境に適合しやすい蓄電システムを実現できる。
図1は、実施形態1における蓄電システム1Aの構成例を示す斜視図である。 図2Aは、図1に示す蓄電システム1Aを正面から見た模式図である。 図2Bの(a)は、図2Aに示す蓄電システム1Aを底面側(Z軸負方向)から見た模式図であり、図2Bの(b)は、図2Aに示す蓄電システム1Aを上面側(Z軸正方向)から見た模式図である。 図2Cは、図2Aに示す蓄電システム1AをII−II線で切断した断面を示す模式図である。 図3は、フレーム20の変形例を示す斜視図である。 図4は、図3に示すフレーム20の支柱部分の拡大図である。 図5は、排気口及び吸気口の変形例を示す図である。 図6Aは、実施形態2における蓄電システム1Bを正面から見た模式図である。 図6Bは、図6Aに示す蓄電システム1BをII−II線で切断した断面を示す模式図である。 図7は、UPS機能(無停電電源)を実現する蓄電システムの構成例を示す図である。 図8は、系統電力及び創電システムと連係する機能を持つ蓄電システムの構成例を示す図である。 図9は、図8に示す蓄電システムの蓄電池の容量を増やした場合の構成例を示す図である。 図10は、エネルギー管理機能を有する蓄電システムの構成例を示す図である。 図11は、図10に示すフレーム20に設けられるユニットの各部及びフレーム20の外部の機器との関係を示す機能ブロック図である。 図12は、蓄電装置の電池容量を変化させたときの体積エネルギー密度と、従来製品の体積エネルギー密度とを表したバブルチャートである。 図13は、非絶縁型電圧変換器の一例であるトランスレスインバータを含む変換器ユニット11の構成例を示すブロック図である。 図14は、インバータ113の回路構成の一例を示す図である。 図15は、蓄電ユニット12の構成例を示すブロック図である。 図16Aは、電池セル1210の平面図である。 図16Bは、図16Aに示す電池セル1210をI−I線で切断した断面図である。 図17は、蓄電装置の体積エネルギー密度のシミュレーション結果を示す図である。 図18は、蓄電装置の体積エネルギー密度のシミュレーション結果を示す図である。 図19は、蓄電装置の体積エネルギー密度のシミュレーション結果を示す図である。 図20は、蓄電装置の体積エネルギー密度のシミュレーション結果を示す図である。
本発明の1つの実施形態における蓄電システムは、複数の機器を1つの配置方向に並べた状態で支持するフレームと、前記フレームにより囲まれる空間から外へ空気を排出する排気口と、前記空間へ空気を取り入れる吸気口と、前記空間において、前記配置方向に並んで前記フレームにより支持される複数の機器とを備える。前記複数の機器は、蓄電池を含む蓄電ユニットと、変換器ユニットとを含む。前記変換器ユニットは、前記蓄電池ユニットの蓄電池と接続され、外部から入力された交流電力を直流電力へ変換して前記蓄電池へ出力する変換器を有する。前記変換器ユニットは、前記蓄電ユニットよりも前記排気口に近い位置に配置される。
上記構成によれば、蓄電ユニットと変換器ユニットが、1つの方向、すなわち配置方向に並んで配置されるので、蓄電システムが占める空間の広がりを1つの方向にまとめることができる。そのため、スペースを有効に活用することができる。また、蓄電ユニットと変換器ユニットが配置される空間は、吸気口及び排気口を通じて外部とつながっているので、蓄電ユニットと変換器ユニットの熱を外へ放散しやすい。変換器ユニットを蓄電ユニットより排気口に近い位置に配置することで、蓄電ユニットに比べて発熱量が多い変換器ユニットから効率よく放散させることができる。さらに、フレームにより複数の機器が支持される構成なので、蓄電ユニットの増設又は蓄電システムに接続される他の機器の増設が容易になる。そのため、設置する環境に合わせて必要な機器を1つの配置方向に並べて配置することが容易になる。その結果、利用環境に適合しやすい蓄電システムが得られる。
前記吸気口及び前記排気口は、前前記フレームの前記配置方向における両端部にそれぞれ設けることができる。これにより、蓄電ユニットと変換器ユニットが配置される空間内の換気を効率よく行うことができる。
前記排気口には、ファンが設けられてもよい。これにより、放熱機能をさらに向上させることができる。
前記複数の機器は、分電盤ユニットをさらに含んでもよい。前記分電盤ユニットは、前記変換器ユニットの変換器に接続することができる。この場合、前記変換器ユニットの前記変換器は、前記分電盤から入力された交流電力を直流電力に変換して前記蓄電ユニットの前記蓄電池へ出力するとともに、前記蓄電池から出力された直流電力を交流電力に変換する構成とすることができる。これにより、分電盤と蓄電システムを1箇所にまとめて設置することができ、設置作業効率が向上する。また、系統電力との連携機能を備える蓄電システムの構築が容易になる。
前記変換器は、外部の創電システムから入力された直流電力を、交流電力に変換するパワーコンディショナーを含むことができる。これにより、創電システムとの連携を実現するための構成要素を変換器ユニットに含めることができる。そのため、創電システムとの連携機能を持つ蓄電システムの構築が容易になる。
前記複数の機器は、外部の通信ネットワークに接続される通信機器をさらに含むことができる。そのため、通信機器を含む蓄電システムの構築が容易になる。
前記蓄電ユニットと、前記変換器ユニットは、互いに独立した機器として前記フレームに支持される態様とすることができる。これにより、蓄電システムの構成要素を配置方向に分散して配置することができる。
前記蓄電池は、リチウムイオン蓄電池とすることができる。これにより、例えば鉛蓄電池等の他の蓄電池を用いる場合に比べて蓄電システムを小型化できる。
前記フレーム内の前記機器が配置される空間の幅を19インチとし、前記フレームの奥行きを45cm以下にすることができる。
これにより、蓄電システムを、例えば、屋内の限られた空間に設置するのに適したサイズにすることができる。さらに、奥行きを30cm以下にすることもできる。これにより、蓄電システムが占めるスペースをさらに小さくすることができる。ここでフレーム内の機器が配置される空間の幅が19インチである場合として、この幅が19インチに対して誤差がある場合も含むものとする。例えば、EIA又はJIS等の19インチラックについての規格で許容される範囲の誤差があってもよい。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
[実施形態1]
図1は、実施形態1における蓄電システム1Aの構成例を示す斜視図である。図2Aは、図1に示す蓄電システム1Aを正面から見た模式図である。図2Bの(a)は、図2Aに示す蓄電システム1Aを底面側(Z軸負方向)から見た模式図であり、図2Bの(b)は、図2Aに示す蓄電システム1Aを上面側(Z軸正方向)から見た模式図である。また、図2Cは、図2Aに示す蓄電システム1AをII−II線で切断した断面を示す模式図である。
図1及び図2A〜図2Cに示す蓄電システム1Aは、フレーム20と、フレーム20によって支持された変換器ユニット11及び蓄電ユニット12を備える。蓄電システム1Aでは、外部から入力された交流電力を変換器ユニット11が直流電力に変換して蓄電ユニット12に蓄電する。また、蓄電ユニット12から出力された直流電力を変換器ユニット11が交流電力に変換して外部へ出力する。蓄電システム1Aは、蓄電装置と称することもできる。
蓄電ユニット12は、蓄電池を有する。変換器ユニット11は、変換器、交流入力端子、及び、交流出力端子を有する。変換器は、交流入力端子、交流出力端子、及び、蓄電ユニット12が有する蓄電池に接続される。変換器は、外部から交流入力端子を介して入力された交流電力を直流電力へ変換して蓄電ユニット12の蓄電池へ出力する。また、変換器は、蓄電池から出力された直流電力を交流電力に変換し、交流出力端子から出力する。
変換器ユニット11の変換器は、例えば、インバータを用いて構成することができる。変換器の構成は特定のものに限定されない。例えば、交流を直流に変換する整流器と、直流を交流へ変換するインバータとの組み合わせ、又は、双方向インバータ等により、変換器を構成することができる。なお、変換器で変換された交流電力は、交流出力端子から、例えば、負荷機器へ供給される。
一例として、交流入力端子は、外部の分電盤等に接続され、交流出力端子は、外部の負荷機器に接続される形態とすることができる。この場合、蓄電システム1Aは、分電盤から供給される交流電力を受けて電力を蓄積するとともに、負荷機器に対して一定規格の電力を供給する無停電電源装置(UPS)の機能を有することができる。
蓄電ユニット12の蓄電池には、リチウムイオン蓄電池、鉛蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、その他、エネルギーを蓄えることが可能な二次電池を用いることができる。また、蓄電池は、複数の電池の組み合わせであってもよい。蓄電池は、変換器ユニットの変換器からの直流電力によって充電される。また、蓄電池は、蓄積したエネルギーを直流電力として変換器へ出力する。
フレーム20は、複数の機器を、1方向(本例では、垂直方向すなわちz方向)に並べた状態で支持することができるラックである。フレーム20は、例えば、垂直方向に延びる少なくとも4本の支柱と、これらの支柱間を繋ぐ梁により形成することができる。フレーム20の側面には、パネル24が設けられてもよい。なお、支柱と側面のパネルは一体的に形成することもできる。また、梁の替わりに天板を設けることもできる。また、フレーム20は、支柱に沿う方向に所定の間隔で並ぶ複数の穴25の列を有する取付板26を備える。取付板26は、4本の支柱それぞれに対応して4つ設けることができる。取付板26の穴25に通したねじ、ボルト、又は棒等の固定部材を、棚21または機器に繋げることによって、棚21又は機器をフレーム20に対して固定することができる。このように、支柱に沿う方向に並ぶ複数の穴又は突出部を有する取付板をフレーム20に設けることで、棚21又は機器の配置を自在に変えることができる。図1に示す例では、穴25に通したねじにより棚21を固定している。棚21に変換器ユニット11又は蓄電ユニット12等の機器が置かれる。
フレーム20のサイズ及び穴25の間隔は、例えば、EIA(Electronic Industries Alliance:米国電子工業会)、JIS(日本工業規格)、IEC(国際電気標準会議)、又はDIN(ドイツ連邦規格)等の規格に適合させることができる。例えば、EIA規格(ANSI/EIA-310-D)に合わせる場合は、フレーム20内の機器を収納する空間の幅は、484.2±0.8mm、高さが44.5mm(1.75インチ=1U)の倍数とすることができる。これにより、フレーム20内に482.6mm(19インチ)の幅を持つ機器が収納できる空間が確保される。取付板26の穴25の幅ピッチは、465.1mmとなる。穴25の高さピッチは、15.875mm、15.875mm、12.7mmの繰り返しであるユニバーサルピッチ、又は、31.75mm、12.7mmの繰り返しであるワイドピッチを採用することができる。
また、JIS規格(ANSI/EIA-310-D)に合わせる場合は、フレーム20内の機器を収納する空間の幅を485mm(最小値)、高さを40mm(1J)の倍数とすることができる。また、取付板26の穴25の幅ピッチは、465mmとし、高さピッチを50mmとすることができる。
フレーム20の奥行きは、フレーム20の機器を収納する空間の幅よりも小さくすることができる。例えば、フレーム20の機器を収納する空間の幅を上記のEIA規格、又はJIS規格に沿うようにした場合、フレーム20の奥行きは、450mm以下にするのが好ましい。さらに、フレーム20の奥行きを、300mm以下とすることで、蓄電システムをより小型化することができる。
図1及び図2Bに示すように、フレーム20の底面20a及び上面20bには、通気口22、23が設けられる。本例では、通気口22、23は、フレーム20のz方向すなわち機器が配置される方向における両端部にそれぞれ設けられる。上面20bの通気口23には、ファン30が設けられる。具体的には、ファン30を載せたトレイ31が、通気口23にはめ込まれる。ファン30は、回転羽根とモータ(いずれも図示略)を有し、フレーム20の外部から電力の供給を受け、フレーム20内の空気を通気口23から外部へ排出する。この場合、通気口23を排気口、通気口22を吸気口とすることができる。逆に、ファン30が、フレーム20の外部の空気を内部の空間へ取り込むものである場合は、通気口23が吸気口、通気口22が排気口となる。
(フレーム20の変形例)
図3は、フレーム20の変形例を示す斜視図である。図4は、図3に示すフレーム20の支柱部分の拡大図である。図3及び図4に示す例では、フレーム20の角の支柱20cから突出した取付板26に、支柱20cに沿う方向に並ぶ複数の穴25が設けられる。支柱20cは、例えば、断面がL字型又はH字型の板の組み合わせで構成することができる。支柱20cに取付板26を接続することで、支柱20cの強度を高めることができ、また、取付板26に取り付けられた機器の支持をより安定させることができる。なお、支柱20cは、4本に限らず、例えば、8本設けられてもよい。同様に、取付板26の数も4つに限定されない。
また、図3に示す例では、フレーム20の上面、底面、及び側面のいずれも開口部すなわち通気口がある。これらの上面、底面、及び側面のうち少なくとも1つの面をパネルで覆ってもよい。その場合、パネルに通気口を設けることができる。また、パネルに開閉可能な窓又はドアを設けることもできる。
図4に示すように、変換器ユニット11等の機器は、側面の端部に突出した板状の取付部111を有する。取付部111には、フレーム20の取付板26の穴25と同じ幅ピッチ及び高さピッチの穴112が設けられる。フレーム20の取付板26の穴25と、変換器ユニット11の取付部111の穴112の位置が合うように、変換器ユニット11をフレーム20に対して配置して、これらの穴25、111にねじ27を貫通させる。これにより、変換器ユニット11がフレーム20に固定される。
図1、図2A及び図2Cに示す例では、変換器ユニット11は、ファン30が設けられた上面20bの通気口23すなわち排気口に対して、蓄電ユニット12よりも近い位置に配置される。変換器ユニット11は、発熱量が蓄電ユニット12より多くなる傾向にある。変換器ユニット11を蓄電ユニット12より通気口23に近い位置に配置することにより、放熱効率を高めることができる。
また、本例では、変換器ユニット11は、吸気口より排気口に近い位置に配置されている。これによっても放熱効率を高めることができる。また、フレーム20内に複数の機器を配置する場合、変換器ユニット11は、フレーム20内に配置された機器の中で最も排気口に近い位置に配置することができる。これにより、放熱効率を高めることができる。
また、図1、図2A、図2B及び図2Cに示す例のように、変換器ユニット11をフレーム20の最上段に配置し、ファン30を有する排気口を変換器ユニット11の下面よりも上に配置することで、フレーム20内部において、下から上に上昇する空気の流れを発生させることができる。そのため、放熱効率をさらに高めることができる。この場合、吸気口を最下段のユニット(図2Aに示す例では蓄電ユニット12)の上面よりも下に配置することで、さらに空気の流れが生じやすくなる。
なお、排気口及び吸気口の構成は、上記の例に限られない。例えば、ファン30及び通気口23は、フレーム20の側面に配置することもできる。また、排気口に必ずしもファンを設けなくてもよい。例えば、フレーム20内部の温度分布によって生じるフレーム20内の空間における空気の流れ、又は、フレーム20が外部からうける風(自然風又は外部の送風機による風を含む)によって生じるフレーム20内の空気の流れによって排気口及び吸気口の位置が決められてよい。
図5は、排気口及び吸気口の変形例を示す図である。図5に示す例では、フレーム20の側面のパネル24に、通気口24aが設けられる。また、フレーム20の上面20bにも通気口22が設けられる。この例では、フレーム20内の空間において、変換器ユニット11の発熱により、変換器ユニット11周辺の空気は温まって上昇する。すなわち、変換器ユニット11から上面20bへ向かう空気の流れが生じる(F1)。また、蓄電ユニット12の発熱により、蓄電ユニット12から上方への空気の流れも生じる(F2)。これらの空気の流れにより、フレーム20側面のパネル24の通気口24aからフレーム20内へ空気が入る(F3)。この場合、フレーム20の上面20bの通気口22が排気口であり、フレームの側面の通気口24aが吸気口になる。なお、通気口24aは、1つの開口部で構成されるが、これに限られない。例えば、複数の穴またはメッシュ状の板で通気口24を構成することもできる。
上記の例では、変換器ユニット11と蓄電ユニット12の間に、1ユニット分以上のスペースが設けられる。このように、変換器ユニット11と蓄電ユニット12とを1ユニット以上離して配置することにより、変換器ユニット11の熱が蓄電ユニット11の蓄電池に及ぼす影響を抑えることができる。
また、上記のフレーム20は、変換器ユニット11及び蓄電ユニット12の他にも機器を収納できる空間を有している。例えば、フレーム20のサイズ及び穴25の配置をEIA規格に沿ったものとした場合、変換器ユニット11及び蓄電ユニット12は、出力電力、蓄電容量にもよるが、重量や運搬の容易さを考慮して、例えば、5ユニットから10ユニット以内収まるように設定することができる(1ユニットは、幅462.1mm、高さ44.5mm、奥行きは任意)。例えば、フレーム20を高さ1800mm、幅600m、奥行き300mmとすることができる。この場合、フレーム20内部に、36ユニットを収納できる高さ1600.20mm、と幅485mmを持つ空間を確保することができる。例えば、フレーム20の高さは、必要に応じて、1800mm〜2400mmとすることができる。
このように、複数の機器を1つの方向に並べた状態で支持できるフレーム20に、蓄電システム1Aの構成要素をユニット化して設置することで、蓄電システム1Aの利用環境に応じて構成要素をカスタマイズすることが容易になる。例えば、さらに蓄電池ユニット12をフレーム20に追加することで、容易に蓄電池の容量を増やすことができる。また、蓄電システム1Aと外部電源又は負荷機器とを接続するための機器(例えば、分電盤等)や、蓄電システム1Aと外部との通信インタフェースを担う通信機器を、フレーム20のユニットとして追加することができる。このように、フレーム20に変換器ユニット11及び蓄電ユニット12を配置して蓄電システム1Aを構成することにより、蓄電システム1Aの機能拡張が容易になる。また、蓄電システム1Aを導入する際、工事又は機器の設置の場所をフレーム20に集中させることができる。そのため、工事又は機器の設置の作業効率が向上する。
また、上記例のように、蓄電池を含む蓄電ユニットと、変換器を含む変換器ユニットとを、それぞれ独立したユニットとして縦方向に並べて配置することにより、横方向に占める面積を小さくすることができる。そのため、例えば、壁に沿って垂直方向へ蓄電池と変換器を並べて配置することで、蓄電システムが占める床面積が小さくなり、スペースを有効に活用することができる。そのため、蓄電システム1Aの設置可能な場所が、室外に限定されなくなる。すなわち、室内にも蓄電システム1Aを設定しやすくなる。なお、変換器と蓄電池の構成は、上記例に限定されず、蓄電ユニットの蓄電池と変換器ユニットの変換器を1つの筐体(ユニット)に含める構成も可能である。
[実施形態2]
図6Aは、実施形態2における蓄電システム1Bを正面から見た模式図である。図6Bは、図6Aに示す蓄電システム1BをII−II線で切断した断面を示す模式図である。図6Aに示す例では、変換器ユニット11、蓄電ユニット12に加えて、分電盤14が、フレーム20内にさらに設けられる。分電盤14は、フレーム20の最上段の棚21に設けられる。分電盤14には、例えば、系統電力を供給する幹線に接続される一次側配線14aと、負荷機器等へ接続される二次側配線14bが接続される。分電盤14は、一次側配線14aに接続される主幹と、二次側配線14bが接続される分岐遮断器を有する。主幹には、例えば、配線用遮断機又は漏電遮断機等が用いられる。一次側配線14a及び二次側配線14bは、フレーム20の上面20bの開口部を通って外部へ引き出される。
変換器ユニット11の変換器は、例えば、分電盤14の二次側配線14bに接続することができる。これにより、分電盤14から交流電力の供給を受けることができる。
図6A及び図6Bに示す例では、ファン30は、フレーム20の側面の通気口28に対向する位置に設けられる。この例では、ファン30は、分電盤14に対向する位置に設けられているが、変換器ユニット11に対向する位置に設けることもできる。
本実施形態では、分電盤14が、蓄電ユニット12及び変換器ユニット11と同じフレーム20内に、これらと並んで配置される。そのため、分電盤14の下又は上のスペースに変換器ユニット11及び蓄電ユニット12を設置することができる。そのため、スペースを有効に活用することができる。また、変換器ユニット11及び蓄電ユニット12が、分電盤14と同じフレーム20に収容されるので、蓄電システム1Bを設置、保守、撤去する際の作業効率が向上する。
[実施形態3]
本実施形態は、フレーム20に設けられる機器の組み合わせの変形例である。蓄電システムの目的に応じた機器の組み合わせをフレーム20内に収納することができる。
(UPSパッケージの例)
図7は、UPS機能(無停電電源)を実現する蓄電システムの構成例を示す図である。図7に示す例では、フレーム20に、変換器ユニットとして、UPS機能付きインバータユニット11aが設けられる。また、1.4kWh〜4.2kWhの蓄電容量を持つ蓄電ユニット12が設けられる。さらに、漏電ブレーカ及び切替スイッチを含むユニット13も設けられる。漏電ブレーカは、例えば、変換器ユニットの交流出力端子と、負荷機器との間に設けることができる。
UPS機能付きインバータユニット11aは、変換器と切替部を含むことができる。変換器は、交流入力端子から入力された交流電力を直流電力に変換して蓄電ユニット12の蓄電池へ出力するとともに、この蓄電池から出力された直流電力を交流電力に変換する。切替部は、交流入力端子から入力された交流電力から得られる交流電力を負荷へ供給する外部電力供給モードと、蓄電池を電源とする直流電力を変換器が交流に変換することにより得られる交流電力を負荷へ供給する電池電力供給モードとを切り替える。
切替部は、例えば、分電盤からの交流電力の低下または停止を検出した場合に、分電盤と負荷との間の接続を切ることで、上記モードを切り替えることができる。なお、外部電力供給モードでは、分電盤から入力された交流電力を直流に変換せずに交流のまま負荷へ供給することができる。又は、外部電力供給モードにおいて、交流電力を直流電力に変換し、直流電力を所定の条件を満たす交流電力に変換して負荷へ供給することもできる。
無停電電源としての動作方式は、特定のものに限定されない。例えば、分電盤から交流電力が正常に供給されるときは、分電盤の交流電力を負荷へ供給するとともに、変換器により交流電力を直流電力に変換して蓄電池を充電することができる。分電盤からの交流電力の異常時には、切替部が、分電盤を切り離して、蓄電池の直流電力を変換部によって交流に変換して負荷に供給する状態に切り替えることができる。或いは、正常時に、変換器が、分電盤の交流電力から変換した直流電力を、蓄電池へ充電するとともに、蓄電池からの直流電力を再び負荷に応じた交流電力に変換して出力する方式であってもよい。
(系統連系蓄電システムパッケージの例)
図8は、系統電力及び創電システムと連係する機能を持つ蓄電システムの構成例を示す図である。図8に示す例では、フレーム20に、変換器ユニットとして、インバータユニット11bが設けられる。また、4.2kWhの蓄電容量を持つ蓄電ユニット12及び、漏電ブレーカ及び切替スイッチを含むユニット13も設けられる。
図8に示すインバータユニット11bは、外部の創電システム、負荷機器及び電力系統と接続される。例えば、インバータユニット11bは、外部の創電システムで発電された電力を入力する電力入力端子、負荷機器へ交流電力を出力する負荷用交流出力端子及び、電力系統へ交流電力を出力する系統用交流出力端子を備えることができる。創電システムとして、例えば、太陽光発電システム、燃料電池装置、又は、電気自動車等が挙げられる。インバータユニット11bの変換器は、外部の創電システムから入力された直流電力を、交流電力に変換するパワーコンディショナーを含むことができる。これにより、インバータユニット11bは、創電システムから得られる電力を、所定の条件を満たす安定した交流電力として、負荷機器又は電力系統へ出力することができる。
また、インバータユニット11bのパワーコンディショナーは、蓄電ユニット12の蓄電池から出力される直流電力を交流電力に変換することができる。この場合、パワーコンディショナーは、変換する電力の入力元を、創電システム又は蓄電池で切り替え可能であり、さらに、変換した出力先を、負荷機器又は電力系統で切り替え可能とすることができる。ここで、パワーコンディショナーの入力元及び出力先の切り替えを制御する制御部も、インバータユニット11bに設けられてもよい。これにより、例えば、創電システムから入力された電力を変換して負荷機器へ出力する系統電力使用モード、創電システムから入力された電力を変換して電力系統へ出力する系統出力モード、及び、蓄電池から出力された電力を変換して負荷機器へ出力する電池使用モードの切り替えを制御することができる。
図9は、図8に示す蓄電システムの蓄電池の容量を増やした場合の構成例を示す図である。図9に示す例では、4.2kWhの蓄電容量を持つ蓄電ユニット12が2つフレーム20に設けられる。このように、フレーム20に蓄電ユニット12を設ける構成とすることにより、蓄電池の容量を容易に調節することが可能になる。また、図9に示す構成において、さらに、4.2kWhの蓄電容量を持つ蓄電ユニット12を増設して、3つの蓄電ユニット12をフレーム20に設置することもできる。これにより、例えば、業務用の大容量蓄電システムパッケージを提供することができる。
(エネルギー管理機能を有する蓄電システムパッケージの例)
図10は、エネルギー管理機能を有する蓄電システムの構成例を示す図である。図10に示す例では、フレーム20に、変換器ユニットとして、インバータユニット11c、分電盤14、通信機器17及び管理装置15等を含むユニット13、並びに、4.2kWhの蓄電容量を持つ蓄電ユニット12が設けられる。
インバータユニット11cには、入力電力を必要に応じて変換する変換器3、変換器3の動作モードを切り替える切替部5、蓄電池の状態や外部から取得したデータに基づいて切替部5及び蓄電池4の動作を制御する制御部8、及び外部とのデータ通信を行う通信部7が含まれる。切替部5は、例えば、変換器3への電力の入力を、分電盤14からの電力にするか、蓄電池4からの電力にするかを切り替えるスイッチを含むことができる。また、切替部5は、変換器3で変換された電力の出力先を、蓄電池4にするか、負荷機器にするかを切り替えるスイッチを含むこともできる。
ユニット13は、通信機器17、管理装置15、漏電ブレーカ18、切替スイッチs1を含む。通信機器17は、例えば、ルータ、ハブ又はONU(Optical Network Unit)等の外部(広域)ネットワークと蓄電システムが設置される施設内(域内)ネットワークとを接続する通信機器を含むことができる。管理装置15は、分電盤14、負荷機器等の住宅内の機器とデータ通信を行い、これらの機器を監視又は制御する。管理装置15は、通信機器を介して外部ネットワークに接続することもできる。また、管理装置15は、インバータユニット11cの通信部7を介して制御部8とデータ通信を行うこともできる。
蓄電ユニット12は、例えば、リチウムイオン蓄電池4のセルを複数組み合わせた電池パックを含むことができる。電池パックには、電池パックに含まれるリチウムイオン蓄電池4の状態を監視する監視部6を設けることができる。監視部6は、例えば、リチウムイオン蓄電池4の温度、電流、電圧、残量等の状態を検出する。検出されたリチウムイオン蓄電池4の状態を示す信号又はデータは、例えば、インバータユニット11cの制御部8に送信される。制御部8は、監視部6からリチウムイオン蓄電池4の状態を示す情報を取得し、この情報に基づいて、リチウムイオン蓄電池4の充放電を制御することができる。
制御部8は、蓄電ユニット12の蓄電池4に対する充放電を制御することができる。例えば、汎用又は専用のプロセッサにより制御部8を構成することができる。制御部8は、例えば、蓄電ユニット12の監視部6から、蓄電池4の温度、電流、電圧、又は残量等の値を、通信部7を介して取得することができる。制御部8は、これらの蓄電池4の状態を示す値に基づいて、蓄電池4の充放電を制御することができる。
一例として、蓄電池4を複数のリチウムイオン電池で構成する場合、各電池を監視、制御するBMU(バッテリマネージメントユニット)によって監視部6の少なくとも一部を実現できる。また、複数の電池からデータを収集し、複数の電池を制御するBMS(バッテリマネージメントシステム)によって制御部8の少なくとも一部を実現することができる。
インバータユニット11cの通信部7は、インバータユニット11cが外部とデータ通信を行うための通信インタフェースである。通信部7は、例えば、蓄電池4の状態を示すデータを外部へ送信することができる。又は、通信部7は、蓄電ユニット12の動作を制御するための制御データを受信することもできる。制御部8は、通信部7が受信した制御データに基づいて、蓄電池4の動作を制御する。
通信部7と外部機器との通信は、無線通信によって行われてもよい。また、通信部7は、ユニット13の通信機器17(例えば、ルータ)を介して、インターネットなどのネットワークに接続された外部機器との通信を可能にすることができる。
図11は、図10に示すフレーム20に設けられるユニットに含まれる各部及びフレーム20の外部の機器との関係を示す機能ブロック図である。図11は、フレーム20に構築される蓄電システムを住宅に設置する場合の例を示す。図11に示す例では、ユニット13に設けられる管理装置15は、インバータユニット11cの制御部8と、通信部7を介して通信することができる。また、管理装置15は、制御部8へ、例えば制御データを送信することができる。
分電盤14は、商用電源である交流電源に接続される。この場合、分電盤14は、交流電源からの電力を屋内に伝達するための屋内配線を纏めて各種ブレーカ等を付加した構成とすることができる。商用電源の交流電力は、分電盤14を経てフレーム20が設置される住宅内の負荷(例えば、機器A〜E)へ分配される。
蓄電システムのフレーム20は、例えば、住宅等の屋内に設置することができる。変換器ユニットの変換器3は、分電盤14に接続される。また、変換器3は、第1のコンセント群c1に接続することができる。この場合、変換器ユニット11の交流入力端子が分電盤14に接続され、変換器ユニット11の交流出力端子が第1のコンセント群c1に接続される。第2のコンセント群c2は、分電盤14に直接接続される。第1のコンセント群c1は、例えば、分電盤14を介して供給される交流電力に異常が生じても常に安定して電力の供給が要求される負荷を接続するための重要負荷コンセントとすることができる。なお、変換器3と、第1のコンセント群c1との間には、ユニット13の漏電ブレーカ等が配置されてもよい。
変換器3と第1のコンセント群c1との間に、スイッチs1が設けられる。スイッチs1は、例えば、インバータユニット11c又はユニット13に設けることができる。このスイッチs1は、分電盤14と第1のコンセント群c1とを直接繋げる経路と、分電盤14から変換器3を介して第1のコンセント群c1へ繋げる経路とを切り替えるスイッチである。例えば、保守点検等で、変換器3を停止させる場合に、分電盤14から変換器3を介さずに第1のコンセント群c1へ繋げる経路に切り替えることができる。
ユニット13の管理装置15は、分電盤14との通信により、分電盤14を介して供給される電力を示すデータを取得することができる。例えば、分電盤14には、分電盤14を介して供給される電力を計測する電力量計を設けることができる。管理装置15は、この電力量計で計測される電力量のデータを、分電盤14から受信することができる。
管理装置15は、インバータユニット11cの制御部8から、蓄電池4の温度、電流、電圧及び残量等の状態を示すデータを定期的に受信することができる。これにより、蓄電ユニット12の蓄電池の異常の有無を監視することができる。また、管理装置15は、分電盤14を介して供給される電力と、蓄電池の状態を示すデータを用いて、蓄電池の動作を決定し、制御部8を介して制御することができる。例えば、管理装置15は、住宅の屋内全体における電力の消費状況及び蓄電池の状態を考慮して、全体として効率がよくなるように、商用電源と、蓄電池電源との切り替えタイミングを決定することができる。例えば、管理装置15は、変換器3が出力する交流電力の電源を、商用電源にするか蓄電池とするかを示すデータを、制御データとして、制御部8へ送信することができる。制御部8は、制御データに基づいて切替部5の動作を制御する。これにより、切替部5による外部電力供給モード及び電池電力供給モードの動作の切り替えを、管理装置15により制御することができる。
上記蓄電システムは、無停電電源装置(UPS)として機能することで、第1のコンセント群c1に接続される機器A〜機器Dに対して安定した交流電力を供給することができる。さらに、無停電電源に、電池状態の監視及び管理装置との通信を組み合わせることで、電池の内部状態及び屋内の電力供給状態のいずれにも対応した、適切な電源切替が蓄電システムにおいて可能になる。
(システムの変形例)
管理装置15は、負荷機器としてインバータユニット11cの変換器3から電力の供給を受けて動作する機器A〜D及び、分電盤14から直接電力の供給を受けて動作する機器Eと通信可能とすることもできる。管理装置15は、機器A〜Dの状態を示すデータを機器A〜Dから受信し、受信したデータに基づいて、インバータユニット11cの制御部8へ制御データを送信する。これにより、機器A〜Dの動作に連携して、変換器3から供給する電力を制御することが可能になる。また、管理装置15は、蓄電ユニット12の蓄電池の状態又は分電盤14からの電力の供給状態に応じて、機器A〜Dの動作を制御することも可能である。
上記例では、フレーム20のユニット13に設置された管理装置15が、蓄電ユニットの蓄電池の動作を制御する構成である。蓄電池の制御構成はこれに限定されない。例えば、管理装置15は、屋外の機器で構成されてもよいし、複数の機器で構成されてもよい。或いは、管理装置15とルータ17a及びネットワークNを介して通信が可能な管理サーバ16が、蓄電池の制御データを生成する構成であってもよい。
また、上記システムにおいて、HEMS(Home Energy Management System)を導入することもできる。例えば、管理サーバ16をHEMS管理サーバとし、管理装置15をHEMSコントローラとすることもできる。この場合、管理装置15とインバータユニット11cとの通信、管理装置15と機器A〜Eそれぞれとの通信、及び管理装置15と管理サーバ16との通信は、いずれも、特定のプロトコルを用いて行うことができる。HEMSの通信プロトコルとしては、例えば、SEP2.0(Smart Energy Profile 2.0)、ECHONET Lite等が挙げられる。
このように、フレーム20に構築された蓄電システムが、UPSの機能を持ち、かつHEMSを用いた制御を可能とすることで、マンション等の集合住宅においても容易に蓄電システムを導入することができる。この場合、蓄電ユニット12の蓄電池にリチウムイオン蓄電池を採用することで、蓄電ユニット12の小型化及び安定した制御が可能になる。したがって、リチウムイオン蓄電池を備える蓄電システムは、集合住宅への蓄電システムの導入をより容易にする。
また、図10及び図11に示す例では、蓄電池4の状態を監視する監視部6と、監視部6で検出された情報を用いて蓄電池4を制御する制御部8とが、それぞれ異なるユニットに配置される。これにより、複数の蓄電ユニット12がある場合であっても、制御部8は、複数の蓄電ユニットの監視部6からそれぞれの蓄電池4の状態を示す情報を受信し、各蓄電池4の情報に基づいて、複数の蓄電池4それぞれの充放電動作を制御することができる。この構成により、制御部8が、複数の蓄電ユニット12に対応することが可能となるので、制御部蓄電ユニット12の増設がより容易になる。
なお、図10及び図11に示すインバータユニット11cは、さらに、図9に示すインバータユニット11cのような系統連系機能を有していてもよい。例えば、図10及び図11に示す変換器3及び切替部5が、図9に示すパワーコンディショナー及び制御部の機能をさらに備えることができる。
図1のフレーム20の具体例として、例えば、19型ラックを用いることができる。この19型ラックは、従来、情報通信機器等の収納に用いられていたラックと同様に構成することができる。情報通信機器用の19型ラックは、奥行寸法が60cm以上のものが多く、家庭内に配置するには大きなスペースを要する。本実施形態の蓄電システムでは、上記のように変換器ユニット11と蓄電ユニット12が縦方向に並べて配置される。そのため、従来に比べて小型化が可能になる。その結果、19型ラックの奥行寸法を小さくすることができ、家庭における玄関やクローゼット等の屋内の限られたスペースに配置することが可能になる。
本実施形態の蓄電システムでは、小型化のための上記技術を適用し、上記19型ラックにおけるフレーム20の奥行寸法45cm以下、さらには、奥行寸法30cm以下を実現することができる。
例えば、フレーム20の奥行寸法を45cm以内にすることにより、玄関の下駄箱に蓄電システムを隣接させることが容易になる。また、クローゼット内に蓄電システムを配置した場合でも違和感を最小限に抑えことができる。さらに、フレームの奥行寸法を30cm以内にすることにより、玄関、クローゼット等への蓄電システムの配置をより容易に行うことができる。また、近年、玄関に設置されるスリムタイプの収納家具や、薄型シューズボックスは、奥行きが30cm〜45cmのものが多い。このような場所をとらない収納家具と同程度の奥行きのフレーム20で蓄電システムを構成することができる。
(体積エネルギー密度の比較)
次に、上記の実施形態1〜3における蓄電装置の体積エネルギー密度について述べる。ここでは、蓄電装置は、蓄電ユニット12及び変換器ユニット11で構成されるものとする。図12は、蓄電装置の電池容量を変化させたときの体積エネルギー密度と、従来製品の体積エネルギー密度とを表したバブルチャートである。
図12において、横軸はリチウムイオン電池の容量、縦軸は体積エネルギー密度を各々示している。図12における黒色の円(P1〜P5)は、本実施形態の蓄電装置の体積エネルギー密度を表し、白色の円は、従来製品の体積エネルギー密度を表している。各円の大きさは蓄電装置の重量に比例している。なお、図12において、蓄電装置及び従来製品ともに、系統連系方式のインバータを用いた例を示している。
体積エネルギー密度Zは、以下の式(1)によって求められる。
体積エネルギー密度Z=(c×x)/(a×x+b) ・・・式(1)
c:蓄電ユニット12単体の容量(kWh)
x:蓄電ユニット12の数
a:蓄電ユニット12単体の体積(L)
b:変換器ユニット11の体積(L)
本実施形態では、蓄電ユニット12の体積は、蓄電ユニット12の外形を形成する筐体の体積とする。変換器ユニット11の体積も、同様に、変換器ユニット11の外形を形成する筐体と体積としている。ここでは、蓄電ユニット12及び変換器ユニット11が収容されるフレームの体積については考慮していない。
蓄電装置は、蓄電ユニット12の台数を増やすことで、より大きな容量に対応できるように、蓄電ユニット12と変換器ユニット11とが分離された構成となっている。この例において、変換器ユニット11の出力電力は3kVAであり、その体積bは31.0Lである。また、蓄電ユニット12におけるリチウムイオン電池の電池セルの体積エネルギー密度は338Wh、蓄電ユニット12単体の容量cは2.8kWh、蓄電ユニット12単体の体積aは30.0Lである。
図12に示す円P1〜P5は、蓄電ユニット12を1台から5台まで増やした場合の体積エネルギー密度Zの値をプロットした結果である。また、白色の円で示す従来製品は、出力電力が2kWh以上の系統連系方式のインバータを備えるものを対象としている。
図12において、原点とP1とを結ぶ直線L1と、P2〜P5を線形近似した直線L2との交点P0は、リチウムイオン電池の容量が3.2kWhであり、体積エネルギー密度が57Wh/Lである。
蓄電装置は、図12に示すリチウムイオン電池の容量の全域において、従来製品よりも高い体積エネルギー密度を得ることができる。特に、リチウムイオン電池の容量が3.2kWh以上において、蓄電装置の体積エネルギー密度は57Wh/L以上であるが、従来製品の体積エネルギー密度は35Wh/L以下となっている。また、容量が3.2kWh以上において、P2〜P5の円の大きさは従来製品の円と同等又は小さくなっている。従って、実施形態に係る蓄電装置は、リチウムイオン電池の容量3.2kWh以上において、従来製品よりも高い体積エネルギー密度を得ることができ、従来製品よりも小型化及び軽量化することができる。このように、従来製品より高い体積エネルギー密度を持つ蓄電装置を、例えば、上記の19型ラックに収容することができる。これにより、住宅の屋内等、従来製品では設置が難しかった場所に蓄電システムを設置することが容易になる。
上記の蓄電装置の体積エネルギー密度を達成するために、例えば、蓄電ユニット12は、正極活物質がリン酸鉄リチウムからなるリチウムイオン電池よりも高い体積エネルギー密度を有するリチウムイオン電池を含み、変換器ユニット11は、変換器として、交流電力が入力される入力端子とリチウムイオン電池との間を絶縁しないで接続する非絶縁型電圧変換器を含む構成にすることができる。
(非絶縁型変換器を含む変換器ユニットの構成例)
ここで、非絶縁型電圧変換器を含む変換器ユニット11の構成例について説明する。なお、変換器ユニット11の構成は下記の例に限られない。図13は、非絶縁型電圧変換器の一例であるトランスレスインバータを含む変換器ユニット11の構成例を示すブロック図である。変換器ユニット11は、交流入力端子111(111a,111b)、交流出力端子112(112a,112b)、インバータ113、DC/DCコンバータ114、及び整流回路115を有する。
交流入力端子111は、例えば、分電盤14(図6A、図6B参照)と接続されており、分電盤14から交流電力を受け取る。整流回路115は、交流入力端子111から入力される交流電力を直流に変換してインバータ113へ出力する。インバータ113は、トランスレス型のインバータである。インバータ113は、整流回路115、交流出力端子112、DC/DCコンバータ114と接続されている。インバータ113は、整流回路115から入力される直流電力をDC/DCコンバータ114へ出力する。また、インバータ113は、DC/DCコンバータ114から入力された直流電力を交流に変換して交流出力端子112から負荷33へ出力する。また、インバータ113は、整流回路115から入力される直流電力を交流に変換し、所定の電圧レベルに変換して交流出力端子112から負荷33へ出力する。
DC/DCコンバータ114は、トランスレスのDC/DCコンバータである。DC/DCコンバータ114は、後述する蓄電ユニット12におけるリチウムイオン電池121(図15参照)と接続されている。DC/DCコンバータ114は、インバータ113で出力された直流電力の電圧を、リチウムイオン電池121(図15参照)に適合する電圧に変換してリチウムイオン電池121に出力する。また、DC/DCコンバータ114は、リチウムイオン電池121から出力される直流電力の電圧を変えてインバータ113へ出力する。
つまり、変換器ユニット11は、交流入力端子111から入力される交流電力を直流に変換して蓄電ユニット12におけるリチウムイオン電池121へ出力し、リチウムイオン電池121から出力される直流電力を交流に変換して、交流出力端子112から負荷3へ出力する変換部として機能する。本実施形態において、変換器ユニット11の体積出力密度は72VA/Lであるが、変換器ユニット11は、体積出力密度が60VA/L以上となるように構成されていればよい。
ここで、図14に、インバータ113の回路構成の一例を示す。この例では、トランスレス方式のフルブリッジインバータが用いられている。図14に示すように、インバータ113は、交流入力端子111a,111bと、リチウムイオン電池121の端子121a,121bとの間に、フルブリッジ型のインバータ回路1131を有する。交流入力端子111a,111bと、インバータ回路1131との間には、スイッチング素子S1,S2が設けられる。インバータ回路1131は、スイッチング素子S3〜S6を有する。スイッチング素子S1〜S6は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、又はMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)等の半導体スイッチング素子が用いられる。
図14に示すように、スイッチング素子S3とS4は直列に接続され、スイッチング素子S5とS6は直列に接続されている。スイッチング素子S3及びS4と、スイッチング素子S5及びS6とは、いずれもリチウムイオン電池121に対して並列に接続されている。スイッチング素子S3とS4の間のノードN1は、交流入力端子111bと交流出力端子112bとを接続する配線上のノードN3に接続されている。スイッチング素子S5とS6の間のノードN2は、コイルLを介して、交流入力端子111aと交流出力端子112aとを接続する配線上のノードN5に接続されている。また、交流入力端子111aと交流出力端子112aとを接続する配線上のノードN6と、交流入力端子111bと交流出力端子112bとを接続する配線上のノードN4との間には、容量Cが接続されている。つまり、インバータ回路1131と交流出力端子112a,112bとの間には、コイルLが直列に接続され、容量Cは並列に接続される。
図14において、スイッチング素子S1〜S6のオンオフを制御することにより、インバータ回路1131を、順変換回路又は逆変換回路として動作させることができる。つまり、例えば、スイッチング素子S1,S2がオンのときに、インバータ回路1131を順変換回路として動作させることができる。この場合、インバータ113は、交流入力端子111a,111bから入力される交流電力を直流に変換して、リチウムイオン電池121を端子121a,121bを介して充電するとともに、交流出力端子112a,112bへ交流電力を出力する。また、スイッチング素子S1,S2がオフのときに、インバータ回路1131を逆変換回路として動作させることができる。この場合、インバータ113は、リチウムイオン電池121の放電によって出力された直流電力を交流に変換し、交流出力端子112a,112bから出力する。
図14の回路構成において、コイルLに替えて、トランスを設けることも考えられるが、その場合、図14の回路と比べて回路規模が大きくなる。図14において、インバータ113は、コイルL、容量C、及びスイッチング素子S1〜S6を含み、トランスを含まない構成のため、インバータ113を小型化することができるので、変換器ユニット11の体積出力密度を向上させることができる。
なお、図14の回路構成では、リチウムイオン電池121に交流入力端子111a,111bの電圧がかかることになる。そのため、リチウムイオン電池121と、リチウムイオン電池121が収容されるケース(図示略)との間が基礎絶縁されていることが好ましい。
(蓄電ユニットの構成例)
次に、蓄電ユニット12の構成について説明する。なお、下記の蓄電ユニット12の構成は一例であり、リチウムイオン電池の構成及び材料は、下記の例に限られない。図15は、蓄電ユニット12の構成例を示すブロック図である。図15に示すように、蓄電ユニット12は、リチウムイオン電池121、監視部122、及びリレー123を有する。リチウムイオン電池121は、複数の電池セル1210が直列に接続された電池セル群と、電池セル群が収容されるケース(図示略)とを有する。電池セル群とケースとは基礎絶縁されている。本実施形態において、各電池セル1210の体積エネルギー密度は338Wh/Lであるが、リチウムイオン電池121の体積エネルギー密度が300Wh/L以上となるようにリチウムイオン電池121が構成されていればよい。
ここで、電池セル1210の構成について具体的に説明する。図16Aは、電池セル1210の平面図であり、図16Bは、図16Aに示す電池セル1210をI−I線で切断した断面図である。
図16A及び16Bを参照して、電池セル1210は、シート状正極1211と、シート状負極1212と、セパレータ1213と、ラミネートフィルム1214と、正極外部端子1215と、負極外部端子1216とを備える。すなわち、リチウムイオン電池121の電池セル1210は、セパレータ1213を介して正極と負極とを積層して構成されている。
シート状正極1211、シート状負極1212、及びセパレータ1213は、積層され、積層体1210aを構成する。シート状正極1211は、電池セル1210の面内方向(XY平面)において、シート状負極1212よりも小さいサイズを有する。また、シート状負極2は、面内方向(XY平面)において、セパレータ3よりも小さいサイズを有する。そして、シート状正極1211、シート状負極1212、及びセパレータ1213は、面内方向(Y軸方向)において、セパレータ1213の両端がシート状負極1212の両端よりも外側に位置し、シート状負極1212の両端がシート状正極1211の両端よりも外側に位置するように配置される。
ラミネートフィルム1214は、略四角形の平面形状を有し、積層体1210aを収納する。そして、ラミネートフィルム1214は、その縁部がシールされている。正極外部端子1215は、平面状の形状を有する。正極外部端子1215の一方端は、シート状正極1211に、直接又はリード体1217を介して接続され、他方端は、ラミネートフィルム1214を介して外部に引き出される。
負極外部端子1216は、平面状の形状を有する。負極外部端子1216の一方端は、シート状負極1212に、直接又はリード体(図示せず)を介して接続され、他方端は、ラミネートフィルム1214を介して外部に引き出される。
なお、正極外部端子1211及び負極外部端子1216は、ラミネートフィルム1214の同一辺から引き出されているが、これに限らず、正極外部端子1215及び負極外部端子1216は、ラミネートフィルム1214の異なる辺から引き出されていてもよい。
シート状正極1211は、例えば、正極活物質、導電助剤、及びバインダ等を含有する正極合剤からなる層(正極合剤層)を集電体の片面または両面に形成した構造からなる。正極活物質は、リチウム、ニッケル、マンガン、コバルトからなるリチウム含有遷移金属酸化物で構成される。正極の集電体は、例えば、アルミニウム箔、及びアルミニウム合金箔のいずれかからなる。
シート状負極1212は、例えば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、及び炭素繊維等のリチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素系材料の1種または2種以上の混合物からなる。また、負極活物質は、例えば、Si,Sn,Ge,Bi,Sb,In等の元素、Si,Sn,Ge,Bi,Sb,Inの合金、リチウム含有窒化物、及びリチウム酸化物等のリチウム金属に近い低電圧で充放電できる化合物(LiTi12等)、リチウム金属、及びリチウム/アルミニウム合金のいずれかで構成されてもよい。
これらの負極活物質に導電助剤(正極の導電助剤と同じ材料からなる)と、バインダ(PVDF、スチレンブタジエンゴム(SBR)のようなゴム系バインダと、カルボキシメチルセルロース(CMC)との混合バインダ等)とを、適宜、添加した負極合剤を、集電体を芯材として成形体(負極合剤層)に仕上げたもの、または、上述した各種の合金、またはリチウム金属の箔を集電体の表面に積層したもの等がシート状負極1212として用いられる。
負極外部端子1216は、ニッケル、ニッケルメッキをした銅、及びニッケル−銅クラッド等の金属の箔、又はリボンからなる。
セパレータ1213は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンとの融合体、ポリエチレンテレフタレート、およびポリブチレンテレフタレート等で構成された多孔質フィルム又は不織布からなる。
電池セル1210に用いられる電解液は、例えば、高誘電率溶媒、又は有機溶媒にLiPF,LiBF等の溶質を溶解した溶液(非水電解液)からなる。高誘電率溶媒は、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、及びγ−ブチロラクト ン(BL)などを用いることができる。有機溶媒は、直鎖状のジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、及びメチルエチルカーボ ネート(EMC)等の低粘度溶媒からなる。なお、電解液溶媒には、上述した高誘電率溶媒と、低粘度溶媒との混合溶媒を使用することが好ましい。
図15に戻り、説明を続ける。監視部122は、リチウムイオン電池121の各電池セル1210の容量、電圧、電流、及び温度を計測する。リレー123は、DC/DCコンバータ114とリチウムイオン電池121とに接続されている。監視部122は、電池セル1210の電圧、電流、及び温度のいずれかが所定の閾値範囲外であるとき、リレー123をオフにしてリチウムイオン電池121の出力を停止させる。また、監視部122は、リチウムイオン電池121の容量が満充電時の容量よりも小さい所定割合となるように、リレー123のオンオフを制御して、DC/DCコンバータ114からの入力を調整し、リチウムイオン電池121を充電する。
上記実施形態における蓄電装置は、正極活物質としてリチウム、ニッケル、マンガン、コバルトからなるリチウムイオン電池121を備える。そのため、リチウムイオン電池121は、正極活物質がリン酸鉄リチウムからなるリチウムイオン電池よりも体積エネルギー密度を高くすることができる。また、変換器ユニット11は、インバータ113とDC/DCコンバータ114を備え、トランスを用いない構成のため、トランスを用いる場合よりもその体積を小さくすることができ、蓄電装置としての体積を小さくすることができる。その結果、リチウムイオン電池121の全容量を蓄電装置の体積(変換器ユニット11の体積と蓄電ユニット12の体積との和)で除算して得られる体積エネルギー密度を向上させることができる。
上記の例では、リチウムイオン電池121は、ニッケル、マンガン、コバルト、リチウムを正極活物質として用い、リン酸鉄リチウムを正極活物質として用いる場合よりも体積エネルギー密度が高い。さらに、変換器ユニット11は、トランスを備えず小型化されている。つまり、蓄電装置は、正極活物質としてリン酸鉄リチウムイオンを用いたリチウムイオン電池よりも体積エネルギー密度が高いリチウムイオン電池121を有する蓄電ユニット12と、交流入力端子111と蓄電ユニット12との間を絶縁しないで接続するトランスレスインバータを含む変換器ユニット11とを備えている。
従って、上記の実施形態における蓄電装置は、正極活物質がリン酸鉄リチウムからなるリチウムイオン電池よりも高い体積エネルギー密度を有するリチウムイオン電池を含む蓄電ユニットと、交流電力が入力される入力端子を有し、前記入力端子に入力された交流電力を直流電力に変換して前記リチウムイオン電池へ供給するとともに、前記蓄電ユニットにおけるリチウムイオン電池から出力される直流電力を交流電力に変換して負荷へ供給する変換部と、備え、前記変換部は、前記入力端子と前記リチウムイオン電池との間を絶縁しないで接続する非絶縁型電圧変換器を有し、前記蓄電ユニットの全容量が3.2kWh以上であるとき、前記全容量を前記変換部と前記蓄電ユニットの体積で除算して得られる体積エネルギー密度が57Wh/L以上である。
(蓄電ユニット及び変換器ユニットの体積エネルギー密度の設定例)
ここで、図17に、蓄電ユニット12の体積aを変化させたときの体積エネルギー密度のシミュレーション結果を示す。図17における曲線Aは、蓄電装置における変換器ユニット11の体積bを31.0L、蓄電ユニット12単体の体積aを30.0L、エネルギー容量cを2.8kWhとした場合の蓄電装置の体積エネルギー密度Zを示している。曲線AにおけるP1〜P5は、図12に示すP1〜P5と同じである。また、図17における曲線B〜Eは、蓄電ユニット12の体積aを変化させたときの体積エネルギー密度のシミュレーション結果である。曲線B〜Eの各々は、蓄電ユニット12の体積aを40.0L、50.0L、60.0L、75.0Lにした場合を示している。
蓄電ユニット12の単位体積当たりのエネルギー容量(以下、単位エネルギー容量)Zaは、以下の式(2)によって求められる。
単位エネルギー容量Za=c/a ・・・式(2)
図17において、蓄電ユニット12の体積aが75.0L(曲線E)における蓄電ユニット12の単位エネルギー容量Zaは37.3Wh/Lである。また、蓄電ユニット12の体積aが30.0L(曲線A)における蓄電ユニット12の単位エネルギー容量Zaは93.0Wh/Lである。
図17に示すように、蓄電ユニット12の体積aが75.0Lのとき(曲線E)、蓄電ユニットの全容量が約12.0kWhにおいて、蓄電装置は、従来製品と同等の体積エネルギー密度となるが、蓄電ユニット12の体積aが75.0L未満において、従来製品よりも高い体積エネルギー密度が得られる。つまり、蓄電装置は、蓄電ユニット12の単位エネルギー容量Zaが37.3<Za≦93.0[Wh/L]である場合において、従来製品よりも高い体積エネルギー密度を得ることができる。
また、図18において、蓄電ユニット12の単位エネルギー容量Zaを93.0Wh/L(a=30.0L、c=2.8kWh)とし、変換器ユニット11の体積bを50.0L、70.0L、90.0L、120.0L、170.0Lとしたときの蓄電装置の体積エネルギー密度Zのシミュレーション結果を曲線F〜Jで示す。
図18の曲線Jで示されるように、変換器ユニット11の体積bが170.0Lの場合、蓄電ユニットの全容量が約7.0kWhにおいて、蓄電装置は、従来製品と同等の体積エネルギー密度となるが、変換器ユニット11の体積bが170.0L未満において、従来製品よりも高い体積エネルギー密度が得られることが分かる。つまり、単位エネルギー容量Zaが93.0Wh/Lの場合、変換器ユニット11の体積bは、31.0≦b<170.0[L]であることが好ましい。
また、図19において、変換器ユニット11の体積bを50.0Lとし、蓄電ユニット12の単位エネルギー容量Zaを93.0Wh/L〜40.0Wh/Lの範囲で変化させた体積エネルギー密度のシミュレーション結果を曲線K〜Nで示す。なお、図19に示す曲線K〜Nは、以下の条件を満たす。
曲線K:Za=93.0Wh/L(a=30.0L、c=2.8kWh)
曲線L:Za=70.0Wh/L(a=40.0L、c=2.8kWh)
曲線M:Za=56.0Wh/L(a=50.0L、c=2.8kWh)
曲線N:Za=40.0Wh/L(a=70.0L、c=2.8kWh)
図19において、曲線Nで示すように、変換器ユニット11の体積bが50.0Lであって、単位エネルギー容量Zaが40.0Wh/Lである場合、すなわち、蓄電ユニット12の体積aが70.0Lである場合、従来製品と同等の体積エネルギー密度となるが、単位エネルギー容量Zaが40.0<Za≦93.0[kWh]において、従来製品よりも高い体積エネルギー密度を得ることができる。つまり、変換器ユニット11の体積bが50.0Lの場合、蓄電ユニット12の体積aは、30.0≦a<70.0[L]であることが好ましい。
また、図20は、蓄電ユニット12単体の体積aを30.0Lから40.0Lにした場合の体積エネルギー密度のシミュレーション結果である。曲線Pは、蓄電ユニット12の体積aが40.0Lであり、変換器ユニット11の体積bが100.0Lの場合を示している。また、曲線Qは、蓄電ユニット12の体積aが40.0Lであり、変換器ユニット11の体積bが150.0Lの場合を示している。
図20に示すように、変換器ユニット11の体積bが150.0Lのとき、蓄電ユニットの全容量が約7.0kWhにおいて従来製品と同等の体積エネルギー密度となるが、変換器ユニット11の体積bが150.0L未満の場合に従来製品よりも高い体積エネルギー密度を得ることができる。従って、蓄電ユニット12単体の体積aを30.0Lから10.0L増やした場合、変換器ユニット11の体積bの上限は170.0L未満から150.0L未満となり、蓄電ユニット12単体の体積aが30.0Lの場合よりも小さくなる。
つまり、本実施形態における蓄電装置は、蓄電ユニット12の単位エネルギー容量Zaが、37.3<Za≦93.0[Wh/L]である場合において、変換器ユニット11の体積(b)が、31.0≦b<bmax[L]を満たす。なお、bmaxは、50.0≦bmax<170.0[L]である。
このように、蓄電装置は、蓄電ユニット12の単位エネルギー容量Zaが37.3<Za≦93.0[Wh/L]の範囲において、変換器ユニット11の体積bの上限を50.0L以上、170.0L未満の範囲に設定することで、従来製品よりも高い体積エネルギー密度を得ることができる。そのため、従来製品と同等の蓄電ユニット12の容量としても、従来製品と比べて蓄電装置の小型化及び軽量化を図ることができる。その結果、大きな電池容量が必要とされる電気自動車、住宅、商業施設等の蓄電装置として用いられる場合であっても、屋内や比較的狭小な空間に設置することができる。特に、上記実施形態1〜4フレーム1に蓄電ユニットと変換器ユニットを収納した場合に、フレーム1のサイズを小さくすることが容易になる。例えば、上記の蓄電ユニット12及び変換器ユニット11を含む19型ラックのフレーム20において、奥行寸法45cm以下、さらには、奥行寸法30cm以下を実現することが容易になる。
1A、1B 蓄電システム
3 変換部
4 蓄電池
5 切替部
6 監視部
7 通信部
8 制御部
11 変換器ユニット
12 蓄電ユニット
14 分電盤
15 管理装置
20 フレーム

Claims (11)

  1. 複数の機器を1つの配置方向に並べた状態で支持するフレームと、
    前記フレームにより囲まれる空間から外へ空気を排出する排気口と、
    前記空間へ空気を取り入れる吸気口と、
    前記空間において、前記配置方向に並んで前記フレームにより支持される複数の機器とを備え、
    前記複数の機器は、
    蓄電池を含む蓄電ユニットと、
    前記蓄電ユニットの蓄電池と接続され、外部から入力された交流電力を直流電力へ変換して前記蓄電池へ出力する変換器を有する変換器ユニットとを含み、
    前記変換器ユニットは、前記蓄電ユニットよりも前記排気口に近い位置に配置される蓄電システム。
  2. 前記吸気口及び前記排気口は、前記フレームの前記配置方向における両端部にそれぞれ設けられる、請求項1に記載の蓄電システム。
  3. 前記排気口には、ファンが設けられる、請求項1又は2に記載の蓄電システム。
  4. 前記複数の機器は、分電盤ユニットをさらに含み、
    前記分電盤ユニットは、前記変換器ユニットの変換器に接続され、
    前記変換器ユニットの前記変換器は、前記分電盤から入力された交流電力を直流電力に変換して前記蓄電ユニットの前記蓄電池へ出力するとともに、前記蓄電池から出力された直流電力を交流電力に変換する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電システム。
  5. 前記変換器は、外部の創電システムから入力された直流電力を、交流電力に変換するパワーコンディショナーを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電システム。
  6. 前記複数の機器は、外部の通信ネットワークに接続される通信機器をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄電システム。
  7. 前記蓄電ユニットと、前記変換器ユニットは、互いに独立した機器として前記フレームに支持される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓄電システム。
  8. 前記蓄電池は、リチウムイオン蓄電池である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の蓄電システム。
  9. 前記フレーム内の前記機器が配置される空間の幅は19インチであって、前記フレームの奥行きが45cm以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載の蓄電システム。
  10. 前記フレームの奥行きが30cm以下である請求項9に記載の蓄電システム。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の蓄電システムであって、
    前記蓄電ユニットの容量を当該蓄電ユニットの体積で除算して得られる単位エネルギー容量Zaが、37.3<Za≦93.0[Wh/L]である場合において、前記変換器ユニットの体積bは、31.0≦b<bmax[L]を満たし、50.0≦bmax<170.0[L]である、蓄電システム。
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