JP2016062701A - 導電性構造体及び導電性融合体、導電性構造体及び導電性融合体の製造方法、並びに導電性可塑性素材 - Google Patents
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Abstract
【課題】空洞を金属で囲む導電性構造体、炭化物芯を金属で囲む導電性融合体を提供する。
【解決手段】導電性構造体は、パラジウム核吸着層12とニッケル膜14とで空洞10を囲んだ構成であり、非導電性の芯素材に対して導電性有機化合物によって導電性を付与する第1工程と、パラジウム核を吸着させる第2工程と、金属をメッキする第3工程と、芯素材を燃焼させる第4工程を含む製造方法によって製造される。一方、導電性融合体は、パラジウム核吸着層とニッケル膜とで炭化物芯16を囲んだ構成であり、第1〜第3工程を共通として第4工程を芯素材の炭化工程とする製造方法によって製造される。
【選択図】図1
【解決手段】導電性構造体は、パラジウム核吸着層12とニッケル膜14とで空洞10を囲んだ構成であり、非導電性の芯素材に対して導電性有機化合物によって導電性を付与する第1工程と、パラジウム核を吸着させる第2工程と、金属をメッキする第3工程と、芯素材を燃焼させる第4工程を含む製造方法によって製造される。一方、導電性融合体は、パラジウム核吸着層とニッケル膜とで炭化物芯16を囲んだ構成であり、第1〜第3工程を共通として第4工程を芯素材の炭化工程とする製造方法によって製造される。
【選択図】図1
Description
この発明は、天然もしくは合成の繊維、糸、粉体、天然樹脂もしくは合成樹脂、並びに天然もしくは合成の非導電性無機材料に代表される芯素材の表面に導電性有機化合物を付着させた導電性素材にパラジウム核を吸着させ更に当該パラジウム核に金属をメッキして、芯素材を燃焼させて空洞化させて形成される導電性構造体、及び芯素材を酸化させて形成される導電性融合体に関する。
近年、コンデンサーの電極に利用する素材(例えば、特許文献1参照)、あるいは蓄電池等の電極に利用する素材(例えば、特許文献2、3参照)、あるいは冷蔵庫内の悪臭成分や浮遊するカビ胞子を除去する脱臭抗菌触媒への応用(例えば、特許文献4参照)等において、共通して素材の表面積の広さが大きいことが求められる。すなわち、単位体積あたりの表面積が大きいことによって、導電性が確保でき、あるいは、液体等との接触面積が広いことによって触媒効果が大きくなる等の効果が期待されている。
このような要請に応える素材として考えられるのは、空洞を備えた微小金属粉末あるいは、空洞を備えた微小の金属管等である。
一方、繊維あるいは糸の基材となる部分が高分子有機化合物等の非導電性素材であって、その基材の表面に導電性有機化合物(導電性重合体)を付着させた導電性素材、もしくは更に金属を吸着させて導電性複合体として形成する方法が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
これらの導電性素材や導電性複合体を非導電性の素材に練り込めば、導電性の可塑性素材が実現される。導電性を付与されたこれらの素材は、その導電性を生かすことにより広い用途が見込まれる。
更に、ノイズシールド等を目的とする製品にあっては、高い導電率を必要とするので、この導電率を実現させるために金属製の素材が利用される。しかしながら、金属製の素材はその重量が大きいという問題がある。そこで、特許文献5に開示された導電性素材や導電性複合体を利用すれば、その重量の軽減が可能となる。
コンデンサーの電極に利用する素材、蓄電池等の電極に利用する素材、あるいは冷蔵庫内の悪臭成分や浮遊するカビ胞子を除去する脱臭抗菌触媒等に利用される素材としては、その構成素材が金属だけで形成されていることが望まれる。そのため、特許文献5に開示された繊維等の非導電性素材を芯とする導電性重合体、もしくは導電性複合体をそのまま利用することはできない。
また、放熱シートにあっては接触熱抵抗のより一層の低減化が求められ、ノイズシールド等を目的とする製品にあっては電気抵抗の一層の低減化が求められる。そこで、特許文献5に開示された繊維等の非導電性素材を芯とする導電性重合体もしくは導電性複合体に比べて、接触熱抵抗が一層低く電気抵抗の一層の低減化が実現されることが望ましい。
そこで、この出願の発明者は、特許文献5に開示された繊維等の非導電性素材を芯とする導電性複合体に対して芯素材を燃焼させること、及び、酸素の供給を遮断して芯素材を炭化させることを試みた。
芯素材を燃焼させれば、金属だけで形成される空洞を備えた微小金属粉末あるいは、空洞を備えた微小の金属管空洞が形成されることを確認した。また、酸素の供給を遮断して芯素材を炭化させれば、芯素材を構成している繊維等の非導電性素材が炭化されるので、接触熱抵抗のより一層の低減化及び電気抵抗の一層の低減化が実現されることが期待される。
そこで、この発明の目的は、芯素材を燃焼させて空洞化させて形成される導電性構造体、及び芯素材を炭化させて形成される導電性融合体の製造方法、及びこの方法で形成される空洞を備えた微小金属粉末(導電性構造体)あるいは、空洞を備えた微小の金属管(導電性構造体)を提供することにある。また、空洞を備えた微小金属粉末あるいは空洞を備えた微小の金属管を可塑性素材に練り込んで形成される導電性可塑性素材を提供することにある。
上述の理念に基づくこの発明の要旨によれば、以下の導電性構造体の製造方法、導電性融合体の製造方法が提供される。
導電性構造体の製造方法は、第1工程と、第2工程と、第3工程と第4工程を含む。第1工程は、天然もしくは合成セルロース繊維、天然もしくは合成セルロース繊維を引き揃えて撚りをかけて線状に連続させた糸、及び天然もしくは合成セルロース粉体、天然樹脂もしくは合成樹脂、並びに天然もしくは合成非導電性無機材料に代表される芯素材を用意し、導電性有機化合物によって導電性を付与する工程である。第2工程は、導電性が付与された芯素材を、塩化パラジウム溶液に浸し、当該芯素材の表面にパラジウム核を吸着させる工程である。第3工程は、導電性が付与され、かつ表面にパラジウム核が吸着した芯素材に金属をメッキし、導電性複合体を形成する工程である。第4工程は、導電性複合体を構成している芯素材を燃焼させる工程である。
導電性融合体の製造方法は、第1〜第3工程は上述の導電性構造体の製造方法と共通し、第4工程が導電性複合体を構成している芯素材を炭化させる工程に置き換えられていることが異なる。
導電性可塑性素材は、導電性構造体の製造方法で作製された導電性構造体、または導電性融合体の製造方法で作製された導電性融合体を非導電性の可塑性素材に練り込むことによって形成される導電性可塑性素材である。
この発明の導電性構造体の製造方法で作製された導電性構造体は、芯素材を燃焼させることによって製造されるので、芯素材を形成していた被導電性素材は燃焼し芯の部分は空洞となる。したがって、この導電性構造体は金属だけで形成されるので、コンデンサーの電極に利用する素材、蓄電池等の電極に利用する素材、あるいは冷蔵庫内の悪臭成分や浮遊するカビ胞子を除去する脱臭抗菌触媒等に利用される素材として利用して好適である。
この発明の導電性融合体の製造方法で作製された導電性融合体は、第1〜第3工程によって形成された導電性複合体の芯素材を形成していた被導電性素材が、第4工程において炭化されることによって新素材の接触熱抵抗及び電気抵抗が、被導電性素材であった場合と比較して低減化される。したがって、放熱シートあるいはノイズシールド等に利用される素材として利用して好適である。
以下、この発明の実施形態につき説明するが、この発明の実施形態は単なる好適例であり、この発明はこの発明の実施の形態のみに限定されるものではない。
<導電性構造体及び導電性融合体の製造方法の概略>
この発明の導電性構造体の製造方法は、芯素材に対して導電性有機化合物によって導電性を付与する第1工程と、パラジウム核を吸着させる第2工程と、金属をメッキする第3工程と芯素材を燃焼させる第4工程を含む方法である。また、導電性融合体の製造方法は、第1〜第3工程は上述の導電性構造体の製造方法と共通し、第4工程が芯素材を炭化させる工程に置き換えられていることを特徴とする方法である。
この発明の導電性構造体の製造方法は、芯素材に対して導電性有機化合物によって導電性を付与する第1工程と、パラジウム核を吸着させる第2工程と、金属をメッキする第3工程と芯素材を燃焼させる第4工程を含む方法である。また、導電性融合体の製造方法は、第1〜第3工程は上述の導電性構造体の製造方法と共通し、第4工程が芯素材を炭化させる工程に置き換えられていることを特徴とする方法である。
このように、この発明の導電性構造体の製造方法及び導電性融合体の製造方法は第1〜第3工程を共通の工程として含んでいる。そこで、共通する第1〜第3工程をまず説明し、その後で、導電性構造体の製造方法の第4工程、及び導電性融合体の製造方法の第4工程について説明する。
<第1〜第3工程の概略>
第1工程は、天然もしくは合成セルロース繊維、天然もしくは合成セルロース繊維を引き揃えて撚りをかけて線状に連続させた糸、及び天然もしくは合成セルロース粉体、天然樹脂もしくは合成樹脂、並びに天然もしくは合成非導電性無機材料に代表される芯素材を用意し、導電性有機化合物によって導電性を付与し導電性芯素材を形成する工程である。
第1工程は、天然もしくは合成セルロース繊維、天然もしくは合成セルロース繊維を引き揃えて撚りをかけて線状に連続させた糸、及び天然もしくは合成セルロース粉体、天然樹脂もしくは合成樹脂、並びに天然もしくは合成非導電性無機材料に代表される芯素材を用意し、導電性有機化合物によって導電性を付与し導電性芯素材を形成する工程である。
第2工程は、導電性芯素材を、塩化パラジウム溶液に浸し、この芯素材の表面にパラジウム核を吸着させる工程である。
第3工程は、第2工程で形成された表面にパラジウム核が吸着した導電性芯素材に金属をメッキし、導電性複合体を形成する工程である。
<導電性構造体及び導電性融合体>
第1〜第4工程の詳細は後述するとして、この発明の導電性構造体の製造方法によって得られる導電性構造体、及び導電性融合体の製造方法によって得られる導電性融合体について、図1を参照して説明する。
第1〜第4工程の詳細は後述するとして、この発明の導電性構造体の製造方法によって得られる導電性構造体、及び導電性融合体の製造方法によって得られる導電性融合体について、図1を参照して説明する。
導電性構造体は、図1(A)に示すように、金属層(パラジウム核吸着層12及びニッケル膜14)によって空洞10を囲んで構成されている。空洞10は、後述するように、第1〜第3工程を実施することで得られる導電性複合体を酸素雰囲気中で加熱することによって、導電性複合体の導電性芯素材が燃焼して消失することによって形成されたものである。
また、導電性融合体は、図1(B)に示すように、炭化物芯16を金属(パラジウム核吸着層12及びニッケル膜14)で囲んで構成されている。炭化物芯16は、第1〜第3工程を実施することで得られる導電性複合体の導電性芯素材が炭化されて形成される。
<第1〜第3工程の詳細な説明>
引き続いて、以下に第1〜第3工程の詳細を説明する。
引き続いて、以下に第1〜第3工程の詳細を説明する。
≪第1工程≫
芯素材は、天然もしくは合成の非導電性高分子有機化合物、あるいは天然もしくは合成の非導電性無機材料である。非導電性高分子有機化合物として、セルロース、澱粉、コットン、あるいは毛髪等を利用することができる。非導電性無機材料としては、酸素雰囲気中で加熱すると燃焼し残渣がほとんど残らない物質であり、また酸素を遮断した雰囲気中で加熱すると炭化する物質が適宜利用できる。更に、芯素材の形状としては、繊維状あるいは粉体状のいずれでもよい。
芯素材は、天然もしくは合成の非導電性高分子有機化合物、あるいは天然もしくは合成の非導電性無機材料である。非導電性高分子有機化合物として、セルロース、澱粉、コットン、あるいは毛髪等を利用することができる。非導電性無機材料としては、酸素雰囲気中で加熱すると燃焼し残渣がほとんど残らない物質であり、また酸素を遮断した雰囲気中で加熱すると炭化する物質が適宜利用できる。更に、芯素材の形状としては、繊維状あるいは粉体状のいずれでもよい。
≪第2工程≫
塩化パラジウムは固体の中では、各パラジウム中心の周りに4個の塩素が平面四配位型構造の形で配位し、それぞれの塩素はさらに別のパラジウム中心にも配位した架橋となっている。この架橋構造が重合体状に連続した無限構造のため、そのままの形では水に不溶である。そこで塩化パラジウムに塩化物イオンを添加させる等の手法によってパラジウムがテトラクロロパラデートイオンPdCl4 2-の形で重合体構造を分解し水に溶解するように手当てする。
塩化パラジウムは固体の中では、各パラジウム中心の周りに4個の塩素が平面四配位型構造の形で配位し、それぞれの塩素はさらに別のパラジウム中心にも配位した架橋となっている。この架橋構造が重合体状に連続した無限構造のため、そのままの形では水に不溶である。そこで塩化パラジウムに塩化物イオンを添加させる等の手法によってパラジウムがテトラクロロパラデートイオンPdCl4 2-の形で重合体構造を分解し水に溶解するように手当てする。
芯素材を塩化パラジウム溶液に浸し表面にパラジウム核を吸着させるには、既に知られたキャラクタライザー・アクセラレータ法、あるいはセンシタイザー・アクチベータ法等を利用することができる。キャラクタライザー・アクセラレータ法は、Sn2+とPd2+を混合することによってパラジウムコロイド液としてこの液に芯素材を浸し、次に塩酸溶液に浸して表面にパラジウム核を吸着させる。また、センシタイザー・アクチベータ法は、芯素材をSn2+を含む溶液に浸し、次にPd2+を含む溶液に浸して表面にパラジウム核を吸着させる。
一般に、水溶液中にPdイオンとそれを還元する還元剤(例えば、ジメチルアミン−ボラン(DMAB)、ヒドラジン、または次亜リン酸塩)を混入させておくと、芯素材の表面にパラジウム核を析出させることができる。
≪第3工程≫
表面にパラジウム核が吸着した導電性芯素材に無電解メッキ法で金属をメッキするには、パラジウム核が吸着したこれらの高分子有機化合物を、パラジウムの標準電極電位よりも低い標準電極電位を有する金属を用いて、還元剤の存在下で金属メッキする。標準電極電位が−1.0V〜+1.0Vの金属が好適であり、具体的には、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ、鉛、銅、クロム、銀、または金が挙げられる。特にニッケルが好ましい。
表面にパラジウム核が吸着した導電性芯素材に無電解メッキ法で金属をメッキするには、パラジウム核が吸着したこれらの高分子有機化合物を、パラジウムの標準電極電位よりも低い標準電極電位を有する金属を用いて、還元剤の存在下で金属メッキする。標準電極電位が−1.0V〜+1.0Vの金属が好適であり、具体的には、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ、鉛、銅、クロム、銀、または金が挙げられる。特にニッケルが好ましい。
更に、ニッケル化合物の溶液(例えば、塩化ニッケル、硫酸ニッケルなど、好ましくは、塩化ニッケル)および還元剤(例えば、DMAB、ヒドラジン、または次亜リン酸塩)を使用して、ニッケルメッキするのがよい。また、pHを10.5〜11.0、好適には10.8にするために、アンモニアを使用してもよい。一般に、この化学メッキは、外界温度で、または外界温度近くで行われてもよく、また、約20分〜1時間、具体的には30分間行ってもよい。得られた金属(例えば、ニッケル)コーティングは、少なくとも厚さ200Å、好ましくは300-1000Å、具体的には、約400Å以上、さらに好ましくは約600Åであると都合がよい。この金属メッキ段階においては、特に還元剤としてDMABを使用することが好ましい。この還元剤は、重合体粒子の金属コーティングに、特に良好である。なお、ここでは、表面にパラジウム核が吸着した繊維、糸、粉体もしくは非導電性無機材料に無電解メッキ法で金属をメッキする方法について説明したが、電解メッキ法によって金属をメッキしてもよい。また、金属をメッキするに当たっては、単層のメッキに限定されることはなく、複数の金属で多層にメッキしてもよい。
<芯素材へ導電性重合体を付着させる方法>
次に、芯素材に対して導電性重合体を付着させて導電性を付与する方法を説明する。導電性重合体を付着させるための工程として、上述の第1工程のサブ工程として、以下の(i)〜(vi)のいずれかの工程を実施する。
(i) 芯素材に、酸化剤である塩化第二鉄又は塩化第二銅を用いて重合されたポリピロール重合体を付着させる工程
(ii) 芯素材に、酸化剤である芳香族スルホン酸第二鉄又は塩化第二鉄を用いて重合された含硫黄π共役系導電性重合体を付着させる工程
(iii) 芯素材に、酸化剤である芳香族スルホン酸第二銅又は塩化第二銅を用いて重合された含硫黄π共役系導電性重合体を付着させる工程
(iv) 芯素材に、酸化剤である芳香族スルホン酸第二鉄を用いて重合されたピロール導電性重合体を付着させる工程
(v) 芯素材に、酸化剤である芳香族スルホン酸第二銅を用いて重合されたピロール導電性重合体を付着させる工程
(vi) 芯素材に、導電性重合体溶液を用いて導電性重合体を付着させる工程
以下、上述の(i)〜(vi)のサブ工程について説明する。なお、以下の説明では、酸化剤として、サブ工程(i)で塩化第二銅を、サブ工程(ii)で芳香族スルホン酸第二鉄を、サブ工程(iii)で芳香族スルホン酸第二銅をそれぞれ利用するが、サブ工程(i)及び(ii)で塩化第二鉄を、サブ工程(iii)で塩化第二銅を利用しても同様にこれらのサブ工程は実施できる。
次に、芯素材に対して導電性重合体を付着させて導電性を付与する方法を説明する。導電性重合体を付着させるための工程として、上述の第1工程のサブ工程として、以下の(i)〜(vi)のいずれかの工程を実施する。
(i) 芯素材に、酸化剤である塩化第二鉄又は塩化第二銅を用いて重合されたポリピロール重合体を付着させる工程
(ii) 芯素材に、酸化剤である芳香族スルホン酸第二鉄又は塩化第二鉄を用いて重合された含硫黄π共役系導電性重合体を付着させる工程
(iii) 芯素材に、酸化剤である芳香族スルホン酸第二銅又は塩化第二銅を用いて重合された含硫黄π共役系導電性重合体を付着させる工程
(iv) 芯素材に、酸化剤である芳香族スルホン酸第二鉄を用いて重合されたピロール導電性重合体を付着させる工程
(v) 芯素材に、酸化剤である芳香族スルホン酸第二銅を用いて重合されたピロール導電性重合体を付着させる工程
(vi) 芯素材に、導電性重合体溶液を用いて導電性重合体を付着させる工程
以下、上述の(i)〜(vi)のサブ工程について説明する。なお、以下の説明では、酸化剤として、サブ工程(i)で塩化第二銅を、サブ工程(ii)で芳香族スルホン酸第二鉄を、サブ工程(iii)で芳香族スルホン酸第二銅をそれぞれ利用するが、サブ工程(i)及び(ii)で塩化第二鉄を、サブ工程(iii)で塩化第二銅を利用しても同様にこれらのサブ工程は実施できる。
サブ工程(i)
このサブ工程は、芯素材に塩化第二銅を用いて重合されたポリピロール重合体を付着する工程であって、次のように実行される。例えば、芯素材を2モル/リットルの濃度の塩化第二銅の水溶液中に浸して十分に塩化第二銅を染み込ませる。引き続き実施する工程は、塩化第二銅が含侵されたこれら芯素材に気体状態のピロールを接触させる工程であって、次のように実行される。例えば、ピロールを80℃に加熱して気化させ、この気化したピロールの蒸気に、塩化第二銅を染み込ませた芯素材を10分間かざすことによってポリピロール重合体が付着された芯素材を形成する。
このサブ工程は、芯素材に塩化第二銅を用いて重合されたポリピロール重合体を付着する工程であって、次のように実行される。例えば、芯素材を2モル/リットルの濃度の塩化第二銅の水溶液中に浸して十分に塩化第二銅を染み込ませる。引き続き実施する工程は、塩化第二銅が含侵されたこれら芯素材に気体状態のピロールを接触させる工程であって、次のように実行される。例えば、ピロールを80℃に加熱して気化させ、この気化したピロールの蒸気に、塩化第二銅を染み込ませた芯素材を10分間かざすことによってポリピロール重合体が付着された芯素材を形成する。
このサブ工程(i)によって芯素材に導電性を付与させることが可能であるが、付着しないで残るポリピロール重合体が存在し、効率よく導電化が図られない場合もある。その場合は、以下のサブ工程(i-1)あるいは(i-2)を実行させればよい。
サブ工程(i-1)
酸化的触媒である塩化第二鉄又は塩化第二銅を芯素材に付着させ、ピロール単量体(モノマー)を気化させ気相反応させてポリピロール重合体を付着させるのがよい(気相反応)。
酸化的触媒である塩化第二鉄又は塩化第二銅を芯素材に付着させ、ピロール単量体(モノマー)を気化させ気相反応させてポリピロール重合体を付着させるのがよい(気相反応)。
サブ工程(i-2)
芯素材と酸化的触媒である塩化第二鉄又は塩化第二銅を、水あるいはエタノール等の溶媒に縣濁させ(スラリー化させ)、このスラリー液に低温のピロールモノマーのエタノール液で希釈した液を数時間かけて滴下させて、ポリピロール重合体を付着させてもよい(スラリー化反応)。
芯素材と酸化的触媒である塩化第二鉄又は塩化第二銅を、水あるいはエタノール等の溶媒に縣濁させ(スラリー化させ)、このスラリー液に低温のピロールモノマーのエタノール液で希釈した液を数時間かけて滴下させて、ポリピロール重合体を付着させてもよい(スラリー化反応)。
サブ工程(ii)
このサブ工程は、芯素材に酸化剤である芳香族スルホン酸第二鉄を用いて重合された含硫黄π共役系導電性重合体を付着する工程である。
このサブ工程は、芯素材に酸化剤である芳香族スルホン酸第二鉄を用いて重合された含硫黄π共役系導電性重合体を付着する工程である。
酸化剤である芳香族スルホン酸第二鉄としては、パラトルエンスルホン酸第二鉄、ベンゼンスルホン酸第二鉄、メトキシベンゼンスルホン酸第二鉄、ドデシルベンゼンスルホン酸第二鉄、ナフタレンスルホン酸第二鉄、アントラセンスルホン酸第二鉄、アントラキノンスルホン酸第二鉄、テトラリンスルホン酸第二鉄またはフェノールスルホン酸第二鉄の何れか一種を利用することが可能であるが、ここではパラトルエンスルホン酸第二鉄を利用する場合を取り上げて説明する。なお、以下の説明に基づいて、パラトルエンスルホン酸第二鉄以外の物質であっても、酸化剤として上述した物質の何れをも同様に利用可能である。
また、含硫黄π共役系導電性重合体を形成するための単量体としては、3,4-エチレンジオキシチオフェン、チオフェン誘導体、チオフェン、3-アルキルチオフェン、3-アルコキシチオフェン、3,4-ジアルキルチオフェン、3,4-ジアルコキシチオフェンの何れか一種を利用することが可能であるが、ここでは3,4-エチレンジオキシチオフェンを利用する場合を取り上げて説明する。なお、以下の説明に基づいて、3,4-エチレンジオキシチオフェン以外の単量体であっても、上述の単量体の何れをも同様に利用可能である。
酸化剤であるパラトルエンスルホン酸第二鉄を、第1溶媒で希釈した溶液を第1基材(芯素材)に付着させて第2基材(第1基材に第1溶媒で希釈した溶液に浸したもの)を生成する酸化剤付着工程は以下のとおりに行った。
第1溶媒には、純度99.8%エチルアルコールを利用した。また、エチルアルコールで希釈された50%濃度のパラトルエンスルホン酸第二鉄溶液6gと第1溶媒である純度99.8%エチルアルコール4gを容器内で混合し調合した30%濃度のパラトルエンスルホン酸第二鉄溶液に第1基材としてセルロース基材を5分浸して第2基材を生成した。
第2基材から第1溶媒であるエチルアルコールを蒸発させた後に、この第2基材を、含硫黄π共役系導電性重合体形成物質を第2溶媒で希釈した溶液に浸して0〜80℃の温度範囲で重合反応させて第3基材を生成する重合反応工程を以下のとおりに行った。
パラトルエンスルホン酸第二鉄が付着した第2基材を含硫黄π共役系導電性重合体形成物質である50%濃度の3,4-エチレンジオキシチオフェン溶液に浸し、室温大気中で放置することで化学重合反応を起こさせて、含硫黄π共役系導電性重合体であるポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)が第2基材に付着された第3基材を生成した。3,4-エチレンジオキシチオフェンの溶媒である第2溶媒はエチルアルコールである。化学重合反応が終了した後第2溶媒を蒸発させる溶媒除去工程を実行する。
ここで、重合反応工程は、上述のように室温で行ったが、この温度に限定されることはなく、0℃〜80℃の範囲で適宜実施することが可能である。以下、説明する同種の重合反応工程においても同様に、室温で行うことに限定されることはなく、0℃〜80℃の範囲で適宜実施することが可能である。
溶媒除去工程に引き続いて、この第3基材を重合反応で生成された重合体以外の残渣を除去するため、蒸留水あるいはエチルアルコールで洗浄し室温大気中で放置乾燥することで、この蒸留水あるいはエチルアルコールを除去して、含硫黄π共役系導電性重合体であるポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)が基材に付着された導電性重合体付着基材を形成した。
第3基材は、既に含硫黄π共役系導電性重合体付着基材として利用可能な状態であるが、さらに導電性を高めるために、上述の酸化剤付着工程、重合反応工程及び溶媒除去工程を経て、蒸留水あるいはエチルアルコールで洗浄するまでの工程を3回繰り返し実行した。こうして含硫黄π共役系導電性重合体付着基材を完成させた。
上述のサブ工程(ii)によって芯素材に導電性を付与させることが可能であるが、付着しないで残る含硫黄π共役系導電性重合体が存在し、効率よく導電化が図られない場合もある。その場合は、以下のサブ工程(ii-1)あるいは(ii-2)を実行させればよい。
サブ工程(ii-1)
酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二鉄又は塩化第二鉄を芯素材に付着させ、含硫黄π共役系導電性単量体を気化させ気相反応させて含硫黄π共役系導電性重合体を付着させるのがよい(気相反応)。
酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二鉄又は塩化第二鉄を芯素材に付着させ、含硫黄π共役系導電性単量体を気化させ気相反応させて含硫黄π共役系導電性重合体を付着させるのがよい(気相反応)。
サブ工程(ii-2)
芯素材と酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二鉄又は塩化第二鉄を、水あるいはエタノール等の溶媒に縣濁させ(スラリー化させ)、このスラリー液に低温の含硫黄π共役系導電性単量体のエタノール液で希釈した液を数時間かけて滴下させて、含硫黄π共役系導電性重合体を付着させてもよい(スラリー化反応)。
芯素材と酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二鉄又は塩化第二鉄を、水あるいはエタノール等の溶媒に縣濁させ(スラリー化させ)、このスラリー液に低温の含硫黄π共役系導電性単量体のエタノール液で希釈した液を数時間かけて滴下させて、含硫黄π共役系導電性重合体を付着させてもよい(スラリー化反応)。
サブ工程(iii)
このサブ工程は、芯素材に、酸化剤である芳香族スルホン酸第二銅を用いて重合された含硫黄π共役系導電性重合体を付着する工程である。
このサブ工程は、芯素材に、酸化剤である芳香族スルホン酸第二銅を用いて重合された含硫黄π共役系導電性重合体を付着する工程である。
酸化剤である芳香族スルホン酸第二銅としては、パラトルエンスルホン酸第二銅、ベンゼンスルホン酸第二銅、メトキシベンゼンスルホン酸第二銅、ドデシルベンゼンスルホン酸第二銅、ナフタレンスルホン酸第二銅、アントラセンスルホン酸第二銅、アントラキノンスルホン酸第二銅、テトラリンスルホン酸第二銅またはフェノールスルホン酸第二銅の何れか一種を利用することが可能であるが、ここではパラトルエンスルホン酸第二銅を利用する場合を取り上げて説明する。なお、以下の説明に基づいて、パラトルエンスルホン酸第二銅以外の物質であっても、酸化剤として上述した物質の何れをも同様に利用可能である。
また、含硫黄π共役系導電性重合体を形成するための単量体としては、3,4-エチレンジオキシチオフェン、チオフェン誘導体、チオフェン、3-アルキルチオフェン、3-アルコキシチオフェン、3,4-ジアルキルチオフェン、3,4-ジアルコキシチオフェンの何れか一種を利用することが可能であるが、ここでは3,4-エチレンジオキシチオフェンを利用する場合を取り上げて説明する。なお、以下の説明に基づいて、3,4-エチレンジオキシチオフェン以外の単量体であっても、上述の単量体の何れをも同様に利用可能である。
酸化剤であるパラトルエンスルホン酸第二銅を、第1溶媒で希釈した溶液を第1基材に付着させて第2基材を生成する酸化剤付着工程は以下のとおりに行った。
第1溶媒には、純度99.8%エチルアルコールを利用した。また、エチルアルコールで希釈された50%濃度のパラトルエンスルホン酸第二銅溶液6gと第1溶媒である純度99.8%エチルアルコール4gを容器内で混合して調合した30%濃度のパラトルエンスルホン酸第二銅溶液に第1基材としてセルロース基材を5分浸し付着させて第2基材を生成した。
第2基材から第1溶媒であるエチルアルコールを蒸発させた後に、この第2基材を、含硫黄π共役系導電性重合体形成物質を第2溶媒で希釈した溶液に浸して0〜80℃の温度範囲で重合反応させて第3基材を生成する重合反応工程を以下のとおりに行った。
パラトルエンスルホン酸第二銅が付着した第2基材を、含硫黄π共役系導電性重合体形成物質である50%濃度の3,4-エチレンジオキシチオフェン溶液に浸し、室温大気中で放置することで化学重合反応を起こさせて、含硫黄π共役系導電性重合体であるポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)が第2基材に付着された第3基材を生成した。3,4-エチレンジオキシチオフェンの溶媒である第2溶媒はエチルアルコールである。化学重合反応が終了した後第2溶媒を蒸発させる溶媒除去工程を実行する。
溶媒除去工程に引き続いて、この第3基材を重合反応で生成された重合体以外の残渣を除去するため、蒸留水あるいはエチルアルコールで洗浄し室温大気中で放置乾燥することで、この蒸留水あるいはエチルアルコールを除去して、含硫黄π共役系導電性重合体であるポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)が基材に付着された導電性重合体付着基材を形成した。
第3状基材は、既に含硫黄π共役系導電性重合体付着基材として利用可能な状態であるが、さらに導電性を高めるために、上述の酸化剤付着工程、重合反応工程及び溶媒除去工程を経て、蒸留水あるいはエチルアルコールで洗浄するまでの工程を3回繰り返し実行した。こうして含硫黄π共役系導電性重合体付着基材を完成させた。
上述のサブ工程(iii)によって芯素材に導電性を付与させることが可能であるが、付着しないで残る含硫黄π共役系導電性重合体が存在し、効率よく導電化が図られない場合もある。その場合は、以下のサブ工程(iii-1)あるいは(iii-2)を実行させればよい。
サブ工程(iii-1)
酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二銅又は塩化第二銅を芯素材に付着させ、含硫黄π共役系導電性単量体を気化させ気相反応させて含硫黄π共役系導電性重合体を付着させるのがよい(気相反応)。
酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二銅又は塩化第二銅を芯素材に付着させ、含硫黄π共役系導電性単量体を気化させ気相反応させて含硫黄π共役系導電性重合体を付着させるのがよい(気相反応)。
サブ工程(iii-2)
芯素材と酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二銅又は塩化第二銅を、水あるいはエタノール等の溶媒に縣濁させ(スラリー化させ)、このスラリー液に低温の含硫黄π共役系導電性単量体のエタノール液で希釈した液を数時間かけて滴下させて、含硫黄π共役系導電性重合体を付着させてもよい(スラリー化反応)。
芯素材と酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二銅又は塩化第二銅を、水あるいはエタノール等の溶媒に縣濁させ(スラリー化させ)、このスラリー液に低温の含硫黄π共役系導電性単量体のエタノール液で希釈した液を数時間かけて滴下させて、含硫黄π共役系導電性重合体を付着させてもよい(スラリー化反応)。
サブ工程(iv)
このサブ工程は、繊維、糸、粉体あるいは非導電性無機材料に、酸化剤である芳香族スルホン酸第二鉄を用いて重合されたピロール導電性重合体を付着する工程である。
このサブ工程は、繊維、糸、粉体あるいは非導電性無機材料に、酸化剤である芳香族スルホン酸第二鉄を用いて重合されたピロール導電性重合体を付着する工程である。
酸化剤である芳香族スルホン酸第二鉄としては、パラトルエンスルホン酸第二鉄、ベンゼンスルホン酸第二鉄、メトキシベンゼンスルホン酸第二鉄、ドデシルベンゼンスルホン酸第二鉄、ナフタレンスルホン酸第二鉄、アントラセンスルホン酸第二鉄、アントラキノンスルホン酸第二鉄、テトラリンスルホン酸第二鉄またはフェノールスルホン酸第二鉄の何れか一種を利用することが可能であるが、ここではパラトルエンスルホン酸第二鉄を利用する場合を取り上げて説明する。なお、以下の説明に基づいて、パラトルエンスルホン酸第二鉄以外の物質であっても、酸化剤として上述した物質の何れをも同様に利用可能である。
酸化剤であるパラトルエンスルホン酸第二鉄を、第1溶媒で希釈した溶液を第1基材に付着させて第2基材を生成する酸化剤付着工程は以下のとおりに行った。
第1溶媒には、純度99.8%エチルアルコールを利用した。また、エチルアルコールで希釈された50%濃度のパラトルエンスルホン酸第二鉄溶液6gと第1溶媒である純度99.8%エチルアルコール4gを容器内で混合して調合した30%濃度のパラトルエンスルホン酸第二鉄溶液に第1基材としてセルロース基材を5分浸して第2基材を生成した。
第2基材から第1溶媒であるエチルアルコールを蒸発させた後に、この第2基材を、ピロール導電性重合体形成物質を第2溶媒で希釈した溶液に浸して0〜80℃の温度範囲で重合反応させて第3基材を生成する重合反応工程を以下のとおりに行った。ここで、ピロール導電性重合体形成物質を希釈した第2溶媒は、エチルアルコールである。
パラトルエンスルホン酸第二鉄が付着した第2基材を、純度99.8%のエチルアルコール5gと100%濃度のピロール5gを混合して調合した50%濃度のピロール溶液に浸し、室温大気中で放置することで化学重合反応を起こさせて、ピロール導電性重合体が第2基材に付着された第3基材を生成した。化学重合反応が終了した後第2溶媒を蒸発させる溶媒除去工程を実行する。
溶媒除去工程に引き続いて、この第3基材を重合反応で生成された重合体以外の残渣を除去するため、蒸留水あるいはエチルアルコールで洗浄し室温大気中で放置乾燥することで、この蒸留水あるいはエチルアルコールを除去して、ピロール導電性重合体が基材に付着された導電性重合体付着基材を形成した。
第3基材は、既にピロール導電性重合体付着基材として利用可能な状態であるが、さらに導電性を高めるために、上述の酸化剤付着工程、重合反応工程及び溶媒除去工程を経て、蒸留水あるいはエチルアルコールで洗浄するまでの工程を3回繰り返し実行した。こうしてピロール導電性重合体付着基材を完成させた。
上述のサブ工程(iv)によって芯素材に導電性を付与させることが可能であるが、付着しないで残るピロール導電性重合体が存在し、効率よく導電化が図られない場合もある。その場合は、以下のサブ工程(iv-1)あるいは(iv-2)を実行させればよい。
サブ工程(iv-1)
酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二鉄を芯素材に付着させ、ピロール単量体を気化させ気相反応させてピロール導電性重合体を付着させるのがよい(気相反応)。
酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二鉄を芯素材に付着させ、ピロール単量体を気化させ気相反応させてピロール導電性重合体を付着させるのがよい(気相反応)。
サブ工程(iv-2)
芯素材と酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二鉄を、水あるいはエタノール等の溶媒に縣濁させ(スラリー化させ)、このスラリー液に低温のピロール単量体のエタノール液で希釈した液を数時間かけて滴下させて、ピロール導電性重合体を付着させてもよい(スラリー化反応)。
芯素材と酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二鉄を、水あるいはエタノール等の溶媒に縣濁させ(スラリー化させ)、このスラリー液に低温のピロール単量体のエタノール液で希釈した液を数時間かけて滴下させて、ピロール導電性重合体を付着させてもよい(スラリー化反応)。
サブ工程(v)
このサブ工程は、芯素材に、酸化剤である芳香族スルホン酸第二銅を用いて重合されたピロール導電性重合体を付着する工程である。
このサブ工程は、芯素材に、酸化剤である芳香族スルホン酸第二銅を用いて重合されたピロール導電性重合体を付着する工程である。
酸化剤である芳香族スルホン酸第二銅としては、パラトルエンスルホン酸第二銅、ベンゼンスルホン酸第二銅、メトキシベンゼンスルホン酸第二銅、ドデシルベンゼンスルホン酸第二銅、ナフタレンスルホン酸第二銅、アントラセンスルホン酸第二銅、アントラキノンスルホン酸第二銅、テトラリンスルホン酸第二銅またはフェノールスルホン酸第二銅の何れか一種を利用することが可能であるが、ここではパラトルエンスルホン酸第二銅を利用する場合を取り上げて説明する。なお、以下の説明に基づいて、パラトルエンスルホン酸第二銅以外の物質であっても、酸化剤として上述した物質の何れをも同様に利用可能である。
酸化剤であるパラトルエンスルホン酸第二銅を、第1溶媒で希釈した溶液を第1基材に付着させて第2基材を生成する酸化剤付着工程は以下のとおりに行った。
第1溶媒には、純度99.8%エチルアルコールを利用した。また、エチルアルコールで希釈された50%濃度のパラトルエンスルホン酸第二銅溶液6gと第1溶媒である純度99.8%エチルアルコール4gを容器内で混合し調合した30%濃度のパラトルエンスルホン酸第二銅溶液に第1基材としてセルロース基材を5分浸して第2基材を生成した。
第2基材から第1溶媒であるエチルアルコールを蒸発させた後に、この第2基材を、ピロール導電性重合体形成物質を第2溶媒で希釈した溶液に浸して0〜80℃の温度範囲で重合反応させて第3基材を生成する重合反応工程を以下のとおりに行った。ここで、ピロール導電性重合体形成物質を希釈した第2溶媒は、エチルアルコールである。
パラトルエンスルホン酸第二銅が付着した第2基材を、純度99.8%のエチルアルコール5gと100%濃度のピロール5gを混合して調合した50%濃度のピロール溶液に浸し、室温大気中で放置することで化学重合反応を起こさせて、ピロール導電性重合体が第2基材に付着された第3基材を生成した。化学重合反応が終了した後第2溶媒を蒸発させる溶媒除去工程を実行する。
溶媒除去工程に引き続いて、この第3基材を重合反応で生成された重合体以外の残渣を除去するため、蒸留水あるいはエチルアルコールで洗浄し室温大気中で放置乾燥することで、この蒸留水あるいはエチルアルコールを除去して、ピロール導電性重合体が基材に付着された導電性重合体付着基材を形成した。
第3基材は、既にピロール導電性重合体付着基材として利用可能な状態であるが、さらに導電性を高めるために、上述の酸化剤付着工程、重合反応工程及び溶媒除去工程を経て、蒸留水あるいはエチルアルコールで洗浄するまでの工程を3回繰り返し実行した。こうしてピロール導電性重合体付着基材を完成させた。
上述のサブ工程(v)によって芯素材に導電性を付与させることが可能であるが、付着しないで残るピロール導電性重合体が存在し、効率よく導電化が図られない場合もある。その場合は、以下のサブ工程(v-1)あるいは(v-2)を実行させればよい。
サブ工程(v-1)
酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二銅を芯素材に付着させ、ピロール単量体を気化させ気相反応させてピロール導電性重合体を付着させるのがよい(気相反応)。
酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二銅を芯素材に付着させ、ピロール単量体を気化させ気相反応させてピロール導電性重合体を付着させるのがよい(気相反応)。
サブ工程(v-2)
芯素材と酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二銅を、水あるいはエタノール等の溶媒に縣濁させ(スラリー化させ)、このスラリー液に低温のピロール単量体のエタノール液で希釈した液を数時間かけて滴下させて、ピロール導電性重合体を付着させてもよい(スラリー化反応)。
芯素材と酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二銅を、水あるいはエタノール等の溶媒に縣濁させ(スラリー化させ)、このスラリー液に低温のピロール単量体のエタノール液で希釈した液を数時間かけて滴下させて、ピロール導電性重合体を付着させてもよい(スラリー化反応)。
サブ工程(vi)
このサブ工程は、芯素材に、導電性重合体溶液を用いて導電性重合体を付着する工程である。
このサブ工程は、芯素材に、導電性重合体溶液を用いて導電性重合体を付着する工程である。
導電性重合体溶液としては、導電性ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)のポリスチレンスルホン酸系水分散液、導電性ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)の有機溶媒分散液、導電性ポリアニリン系水分散液、メタノールを分散媒とする高導電性ポリアニリン系有機溶媒分散液、メチルエチルケトンを分散媒とする高導電性ポリアニリン系有機溶媒分散液、メチルエチルケトンを分散媒とする高導電性ポリピロール有機溶媒分散液からなる群から選択される何れか一種を利用できる。
例えば、導電性重合体溶液として、導電性ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)のポリスチレンスルホン酸系水分散液5g、純度99.8%エチルアルコール5gとエチレングリコール5体積%を混合した溶液を使用する。この導電性ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)のポリスチレンスルホン酸系水分散液に、芯素材を5分浸すことによって導電性重合体を付着させる。この導電性重合体が付着した基材から分散媒を蒸発させる分散媒除去工程を実行することにより、導電性重合体付着基材を完成させる。
<導電性複合体の製造例>
第1〜第3工程を実施することによって、非導電性芯素材を導電性有機化合物によって導電性を付与した後、芯素材の表面にパラジウム核を吸着させ更に金属メッキして得られる導電性複合体を試作した例を、図2及び図3を説明する。
第1〜第3工程を実施することによって、非導電性芯素材を導電性有機化合物によって導電性を付与した後、芯素材の表面にパラジウム核を吸着させ更に金属メッキして得られる導電性複合体を試作した例を、図2及び図3を説明する。
図2(A)及び図3(A)は、それぞれ、繊維状導電性複合体及び紛体状導電性複合体の外見の形状を示している。また、図2(B)及び図3(B)は、電子顕微鏡の観察中に、それぞれ繊維状導電性複合体及び紛体状導電性複合体に対して、電子ビームを照射してこれら導電性複合体の一部を蒸散させて断面を露出して観察したものである。図2(B)及び図3(B)においてこれら導電性複合体の中心部分が黒っぽく一様に写っている。この黒っぽく一様に写っている外側が、パラジウム核に金属(Ni)がメッキされた金属部分である。
図2及び図3に示すように、導電性が付与され表面にパラジウム核が吸着した芯素材に金属(Ni)をメッキして形成された繊維状導電性複合体及び紛体状導電性複合体は、導電性複合体の芯素材の表面は単純な球面ではなく複雑な形状をしていることが分かる。すなわちその表面積が十分に大きいことが見てとれる。
<第4工程の詳細な説明>
空洞を金属で囲む導電性構造体を製造するには、第4工程を、非導電性芯素材を導電性有機化合物によって導電性を付与した後、芯素材の表面にパラジウム核を吸着させ更に金属メッキして得られる導電性複合体の芯素材を燃焼させる工程とする。
空洞を金属で囲む導電性構造体を製造するには、第4工程を、非導電性芯素材を導電性有機化合物によって導電性を付与した後、芯素材の表面にパラジウム核を吸着させ更に金属メッキして得られる導電性複合体の芯素材を燃焼させる工程とする。
芯素材を燃焼させるには、金属メッキされている導電性複合体を、酸素に触れさせながら高温(金属が溶融しない範囲で芯素材の燃焼が可能な、例えば数百℃)加熱すればよい。
図4及び図5を参照して、第4工程を芯素材の燃焼工程として形成された導電性構造体の試作例について説明する。
図4(A)及び図5(A)は、それぞれ、繊維状導電性構造体及び紛体状導電性構造体の外見の形状を示している。また、図4(B)及び図5(B)は、電子顕微鏡の観察中に、それぞれ繊維状導電性構造体及び紛体状導電性構造体に対して、電子ビームを照射してこれら導電性構造体の一部を蒸散させて断面を露出して観察したものである。図4(B)及び図5(B)においてこれら導電性構造体の中心部分が空洞10となっていることが見て取れる。また、この空洞10を囲んで、第1工程から第3工程の実行中に、パラジウム核に金属(Ni)がメッキされた金属部分である。
炭化物芯16を金属で囲む導電性融合体を製造するには、第4工程を、非導電性芯素材を導電性有機化合物によって導電性を付与した後、芯素材の表面にパラジウム核を吸着させ更に金属メッキして得られる導電性複合体の芯素材を炭化させる工程とする。
芯素材を炭化するには、金属メッキされている導電性複合体を、酸素を遮断して高温(例えば数百℃)加熱すればよい。具体的には、酸素を遮断するためにアルゴン雰囲気中に導電性複合体を置き、高温(金属が溶融しない範囲で芯素材の炭化が可能な、例えば数百℃)加熱する。
図6(A)及び図7(A)は、それぞれ、繊維状導電性融合体及び紛体状導電性融合体の外見の形状を示している。また、図6(B)及び図7(B)は、電子顕微鏡の観察中に、それぞれ繊維状導電性融合体及び紛体状導電性融合体に対して、電子ビームを照射してこれら導電性融合体の一部を蒸散させて断面を露出して観察したものである。図6(B)及び図7(B)においてこれら導電性融合体の中心部分が黒っぽく一様に写っている。この黒っぽく一様に写っている部分が炭化物芯16である。炭化物芯16外側が、第1工程から第3工程の実行中に、パラジウム核に金属(ニッケル膜14)がメッキされた金属部分である。
第4工程を芯素材の燃焼工程として製造される導電性構造体の電気抵抗を測定した結果、同種の外形形状のNi粉体と比較して小さかった。これは加熱中に酸素が存在することによって、ニッケル膜14が酸化されたためと考えられる。電気抵抗の低減化を図るには、例えば、芯素材の燃焼工程である第4工程を終了させた後、水素雰囲気中で導電性構造体を加熱して金属部分の表面を還元処理すればよい。還元処理を行うことによって、電気抵抗をより低減化されることが期待される。
また、空洞を金属で囲む導電性構造体とすることによって構成素材が金属だけで形成されていることとなるので、コンデンサーの電極に利用する素材、蓄電池等の電極に利用する素材、あるいは冷蔵庫内の悪臭成分や浮遊するカビ胞子を除去する脱臭抗菌触媒等に利用されることが期待される。
一方、第4工程を芯素材の炭化工程として製造される導電性融合体の電気抵抗を測定した結果、同種の外形形状のNi粉体と比較してほぼ同程度の値が得られた。この場合にあっても、上述と同様に還元処理を行うことによって、特許文献5に開示された繊維等の非導電性素材を芯とする導電性複合体の電気抵抗をより低減化されることが期待される。
<導電性構造体又は導電性融合体の応用>
上述の導電性構造体又は導電性融合体を非導電性の可塑性素材中に練り込んで導電性を持たせたせることによって、導電性可塑性素材を製造することが可能で得ある。
上述の導電性構造体又は導電性融合体を非導電性の可塑性素材中に練り込んで導電性を持たせたせることによって、導電性可塑性素材を製造することが可能で得ある。
特許文献(特開2003-176327号公報)に説明されているように、近年、環境問題、エネルギー問題の観点から燃料電池が、水素と酸素を使用して水の電気分解の逆反応で発電し、水以外の排出物がなくクリーンな発電装置として注目されているが、ここで導電性硬化性樹脂組成物は大きな役割を担うことができる。中でも固体高分子型燃料電池は、低温で作動するため、自動車や民生用として最も有望である。燃料電池は、高分子固体電解質、ガス拡散電極、触媒、セパレータから構成された単セルを積層することによって高出力の発電が達成できる。
この単セルを仕切るために用いられるセパレータは、通常、燃料ガスと酸化剤ガスが供給される溝があり、これらのガスを完全に分離できる高い気体不透過性が要求され、また、内部抵抗を小さくするために高い導電性が要求される。さらには、熱伝導性、耐久性、強度などに優れていることが要求される。また、燃料電池等に使用されているニッケル電極板においては、電極板の反応面積が広いことが求められる。この発明の導電性構造体をニッケル電極表面に溶射(Thermal spraying)等で付着させることで電極板の反応面積を大きくできる。従って、この発明の導電性構造体によれば、同一サイズの電極より高出力で高効率の良い電極板が得られるため燃料電池の小型化や高出力化、高効率化に寄与する。
また、この発明の導電性構造体又は導電性融合体は、バインダー樹脂や接着剤等と混合、混練することにより、例えば、異方導電性ペースト、異方導電性インク、異方導電性接着剤、異方導電性フィルム、異方導電性シート等の異方導電性材料として用いて好適である。特許文献(特開2009-174042号公報)に記載されているように、これらの異方導電性材料は液晶ディスプレイパネルのITO(Indium Tin Oxide)電極と駆動用LSI(large-scale integration)との接続、LSIチップと回路基板との接続、微細パターン電極間の接続など電子機器類の微小部位間の電気的接続に利用可能である。
この発明の導電性構造体又は導電性融合体を、熱硬化性、熱可塑性などの非導電性樹脂を主成分とするバインダーに混練してペースト状またはシート状にすることにより、導電性無電解メッキ粉体を導電性フィラーとする異方導電性材料または導電性材料を得ることができる。異方導電性材料または導電性材料としては、例えば、対向する接続回路を導通接着するための異方導電性膜、異方導電性接着剤、異方導電性ペースト、異方導電性インク、異方導電性粘着剤層、異方導電性フィルム、異方導電性シート等の異方導電性材料、並びに、導電性膜、導電性接着剤、導電性ペースト、導電性インク、導電性粘着剤層、導電性フィルム、導電性シート等の導電性材料が挙げられる。バインダーとして使用される非導電性樹脂としては、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂などから選ばれた1種以上が挙げられる。また、異方導電性材料または導電性材料には、必要に応じて架橋剤、粘着付与剤、酸化防止剤、劣化防止剤、各種カップリング剤、増量剤、軟化材、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、有機溶媒等の各種添加剤を添加してもよい。
この発明の導電性構造体又は導電性融合体をゴム等の非導電性素材中に練り込んで、導電性を持たせたゴムを製造するには、ゴム状の弾力性を有する工業用材料であるエラストマー(elastomer)を準備する。エラストマーには、熱硬化性エラストマー、及び熱可塑性エラストマーがある。熱硬化性エラストマーはゴムと呼ばれる素材で天然ゴム、合成ゴムが知られている。一方、熱可塑性エラストマーは熱を加えると軟化して流動性を示し、冷却すればゴム状弾性体に戻る性質を持つエラストマーである。
これらエラストマーが可塑性を有している状態で、この発明の導電性構造体又は導電性融合体を練り込む工程を実行し、それぞれのエラストマーの性質に応じて硬化する工程を実行すればよい。
10:空洞
12:パラジウム核吸着層
14:ニッケル膜
16:炭化物芯
12:パラジウム核吸着層
14:ニッケル膜
16:炭化物芯
Claims (27)
- 天然もしくは合成セルロース繊維、天然もしくは合成セルロース繊維を引き揃えて撚りをかけて線状に連続させた糸、及び天然もしくは合成セルロース粉体、天然樹脂もしくは合成樹脂、並びに天然もしくは合成非導電性無機材料に代表される芯素材を用意し、導電性有機化合物によって導電性を付与する第1工程と、
導電性が付与された前記芯素材を、塩化パラジウム溶液に浸し、当該芯素材の表面にパラジウム核を吸着させる第2工程と、
導電性が付与され、かつ表面にパラジウム核が吸着した前記芯素材に金属をメッキし、導電性複合体を形成する第3工程と、
前記導電性複合体を構成している前記芯素材を燃焼させる第4工程
を含むことを特徴とする導電性構造体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記芯素材に、酸化的触媒である塩化第二鉄又は塩化第二銅を付着させる工程と、ピロール単量体を気化させ気相反応させてポリピロール重合体を付着させる工程とを順に実行する工程である
ことを特徴とする請求項1に記載の導電性構造体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記芯素材と、酸化的触媒である塩化第二鉄又は塩化第二銅を溶媒に懸濁させてスラリー液とする工程と、前記スラリー液に、ピロールモノマーをエタノールで希釈した液を滴下させてポリピロール重合体を付着させる工程とを順に実行する工程である
ことを特徴とする請求項1に記載の導電性構造体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記芯素材に、酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二鉄又は塩化第二鉄を付着させる工程と、含硫黄π共役系導電性単量体を気化させ気相反応させて含硫黄π共役系導電性重合体を付着させる工程とを順に実行する工程である
ことを特徴とする請求項1に記載の導電性構造体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記芯素材と、酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二鉄又は塩化第二鉄を溶媒に縣濁させてスラリー液とする工程と、前記スラリー液に含硫黄π共役系導電性単量体のエタノールで希釈した液を滴下させて含硫黄π共役系導電性重合体を付着させる工程とを順に実行する工程である
ことを特徴とする請求項1に記載の導電性構造体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記芯素材に、酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二銅又は塩化第二銅を付着させる工程と、含硫黄π共役系導電性単量体を気化させ気相反応させて含硫黄π共役系導電性重合体を付着させる工程とを順に実行する工程である
ことを特徴とする請求項1に記載の導電性構造体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記芯素材と、酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二銅又は塩化第二銅を溶媒に縣濁させてスラリー液とする工程と、前記スラリー液に含硫黄π共役系導電性単量体のエタノールで希釈した液を滴下させて含硫黄π共役系導電性重合体を付着させる工程とを順に実行する工程である
ことを特徴とする請求項1に記載の導電性構造体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記芯素材に、酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二鉄を付着させる工程と、ピロール単量体を気化させ気相反応させてピロール導電性重合体を付着させる工程とを順に実行する工程である
ことを特徴とする請求項1に記載の導電性構造体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記芯素材と、酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二鉄を溶媒に縣濁させてスラリー液とする工程と、前記スラリー液にピロール単量体のエタノールで希釈した液を滴下させてピロール導電性重合体を付着させる工程とを順に実行する工程である
ことを特徴とする請求項1に記載の導電性構造体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記芯素材に、酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二銅を付着させる工程と、ピロール単量体を気化させ気相反応させてピロール導電性重合体を付着させる工程とを順に実行する工程である
ことを特徴とする請求項1に記載の導電性構造体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記芯素材と、酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二銅を溶媒に縣濁させてスラリー液とする工程と、前記スラリー液にピロール単量体のエタノールで希釈した液を滴下させてピロール導電性重合体を付着させる工程と
を順に実行する工程である
ことを特徴とする請求項1に記載の導電性構造体の製造方法。 - 請求項1〜11のいずれか一項に記載の製造方法で作製されたことを特徴とする導電性構造体。
- 天然もしくは合成セルロース繊維、天然もしくは合成セルロース繊維を引き揃えて撚りをかけて線状に連続させた糸、及び天然もしくは合成セルロース粉体、天然樹脂もしくは合成樹脂、並びに天然もしくは合成非導電性無機材料に代表される芯素材を用意し、導電性有機化合物によって導電性を付与する第1工程と、
導電性が付与された前記芯素材を、塩化パラジウム溶液に浸し、当該芯素材の表面にパラジウム核を吸着させる第2工程と、
導電性が付与され、かつ表面にパラジウム核が吸着した前記芯素材に金属をメッキし、導電性複合体を形成する第3工程と、
前記導電性複合体を構成している前記芯素材を炭化させる第4工程
を含むことを特徴とする導電性融合体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記芯素材に、酸化的触媒である塩化第二鉄又は塩化第二銅を付着させる工程と、ピロール単量体を気化させ気相反応させてポリピロール重合体を付着させる工程とを順に実行する工程である
ことを特徴とする請求項13に記載の導電性融合体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記芯素材と、酸化的触媒である塩化第二鉄又は塩化第二銅を溶媒に懸濁させてスラリー液とする工程と、前記スラリー液に、ピロールモノマーをエタノールで希釈した液を滴下させてポリピロール重合体を付着させる工程とを順に実行する工程である
ことを特徴とする請求項13に記載の導電性融合体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記芯素材に、酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二鉄又は塩化第二鉄を付着させる工程と、含硫黄π共役系導電性単量体を気化させ気相反応させて含硫黄π共役系導電性重合体を付着させる工程とを順に実行する工程である
ことを特徴とする請求項13に記載の導電性融合体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記芯素材と、酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二鉄又は塩化第二鉄を溶媒に縣濁させてスラリー液とする工程と、前記スラリー液に含硫黄π共役系導電性単量体のエタノールで希釈した液を滴下させて含硫黄π共役系導電性重合体を付着させる工程とを順に実行する工程である
ことを特徴とする請求項13に記載の導電性融合体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記芯素材に、酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二銅又は塩化第二銅を付着させる工程と、含硫黄π共役系導電性単量体を気化させ気相反応させて含硫黄π共役系導電性重合体を付着させる工程とを順に実行する工程である
ことを特徴とする請求項13に記載の導電性融合体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記芯素材と、酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二銅又は塩化第二銅を溶媒に縣濁させてスラリー液とする工程と、前記スラリー液に含硫黄π共役系導電性単量体のエタノールで希釈した液を滴下させて含硫黄π共役系導電性重合体を付着させる工程とを順に実行する工程である
ことを特徴とする請求項13に記載の導電性融合体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記芯素材に、酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二鉄を付着させる工程と、ピロール単量体を気化させ気相反応させてピロール導電性重合体を付着させる工程とを順に実行する工程である
ことを特徴とする請求項13に記載の導電性融合体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記芯素材と、酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二鉄を溶媒に縣濁させてスラリー液とする工程と、前記スラリー液にピロール単量体のエタノールで希釈した液を滴下させてピロール導電性重合体を付着させる工程とを順に実行する工程である
ことを特徴とする請求項13に記載の導電性融合体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記芯素材に、酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二銅を付着させる工程と、ピロール単量体を気化させ気相反応させてピロール導電性重合体を付着させる工程とを順に実行する工程である
ことを特徴とする請求項13に記載の導電性融合体の製造方法。 - 前記第1工程は、前記芯素材と、酸化的触媒である芳香族スルホン酸第二銅を溶媒に縣濁させてスラリー液とする工程と、前記スラリー液にピロール単量体のエタノールで希釈した液を滴下させてピロール導電性重合体を付着させる工程と
を順に実行する工程である
ことを特徴とする請求項13に記載の導電性融合体の製造方法。 - 天然もしくは合成セルロース繊維、天然もしくは合成セルロース繊維を引き揃えて撚りをかけて線状に連続させた糸、及び天然もしくは合成セルロース粉体、天然樹脂もしくは合成樹脂、並びに天然もしくは合成非導電性無機材料に代表される芯素材が炭化されて形成された炭化物芯に金属膜が付着されている
ことを特徴とする導電性融合体。 - 請求項13〜23のいずれか一項に記載の製造方法で作製されたことを特徴とする導電性融合体。
- 請求項12に記載の導電性構造体が、非導電性の可塑性素材に練り込まれていることを特徴とする導電性可塑性素材。
- 請求項24又は25に記載の導電性融合体が、非導電性の可塑性素材に練り込まれていることを特徴とする導電性可塑性素材。
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