JP2016061572A - 磁界センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】
小型・軽量・堅牢・高感度・高精度・低消費電力を同時に持ち合わせる磁界センサを,磁性材とコイルの性質を応用して,使いこなされ信頼性の高い電磁誘導によって実現する.
【解決手段】
コイルの軸が互いに垂直になるように配置された,ソレノイド巻きの励磁コイル2と,ソレノイド巻きの検出コイル3とを有し,磁気異方性の有る磁性材の容易磁化軸が,前記励磁コイル2の軸方向から,前記検出コイル3の軸方向に傾いている傾斜磁気コア1aと,該傾斜磁気コア1aの傾斜方向に対して,前記励磁コイル2が発生する磁束の向きを基準にして,前記励磁コイル2の軸方向から反対向きに傾いた容易磁化軸を持つ傾斜磁気コア1bと,を一対とする傾斜磁気コア対1を少なくとも1対有し,前記励磁コイル2と前記傾斜磁気コア対1とを磁気結合させ,且つ該傾斜磁気コア対1と前記検出コイル3とを磁気結合させる.
【選択図】図1

Description

本発明は,磁界の強さを計測するセンサであって,高透磁率磁性材を用いれば超高感度になり,心磁計や高感度非破壊検査機,あるいは食品や医薬品に混入した微小な異物の検出に利用でき,低透磁率の磁性材を用いれば強磁界の計測が可能で,NMRや電子加速器などの漏れ磁界監視に利用でき,さらに,軽量,小型,堅牢,低消費電力で,且つ耐放射線性の高い材料のみで構成できることから,惑星科学探査機用磁力計などの宇宙空間における利用や,深海探査,原子力設備など極限環境における利用,および火山活動観測・洋上観測,地滑り監視など,低消費電力で長期間稼働が求められる分野などの使用が可能な,応用範囲の広い高性能な磁界センサに関するものである.
磁界を計測する手段で一般的によく知られているものは,コイル,ホール素子,磁気抵抗効果素子,磁気インピーダンス素子,フラックスゲート方式,ファラディー素子,ウィーガントワイヤ,プロトン磁力計,超伝導量子干渉素子(SQUID),などがあるが,直流磁界とその向きが計測できて汎用性があるものは,ホール素子,磁気インピーダンス素子,フラックスゲート方式に絞られ,さらに高感度なものに絞れば,磁気インピーダンス素子とフラックスゲート方式がよく知られている.
高感度な磁界の計測は,磁気を媒体として様々な事象の検知や計測を可能にする.例えば,微弱な漏電の計測,微小な磁性材片の検出,金属や磁性材の傷や亀裂あるいは不均一性の検出や計測,生体磁界(生体電流)の計測による診断,磁気マーカを用いた腫瘍の探索あるいは移動体の検出や介護補助システムの構築,地磁気変動計測による地震予知,火山活動の監視,航空機による地下資源探査,海中における船舶の接近検出,惑星科学探査機による惑星の磁力探査,等々実に多くの用途がある.これらの用途では高感度,堅牢,小型,低コスト,高安定,などの要求がより一層高まっている.
磁気インピーダンス素子(特許文献1)や高感度なフラックスゲート方式(特許文献2)では,直径が10μm から100μm 程度のアモルファスワイヤを用い,その断面を通過する磁束を計測しているが,磁路の断面積が小さいために磁束量も少なく,感度の向上を電子回路の性能に頼るところが大きい.これらは高透磁率のアモルファスワイヤを用いることにより,高磁束密度を得て高感度化には成功しているものの,アモルファスワイヤの細さから総磁束量の増大には限界があり高感度化にも限界がある.
さらに,磁気インピーダンス素子では磁束により変化する電気的インピーダンスを計測するが,インピーダンスは方向性を持たないために,基本的には磁界の方向を検出することはできない.そこで,直流の磁気バイアスをかけて方向を検出している(特許文献1).よって,磁気バイアスの安定性が重要で,このような方法には本来のセンサの性能以外に性能を支配する要因が増える欠点がある.また,磁気抵抗効果素子も磁界の大きさしか計測できないので磁界の方向を検出するために,前記の磁気インピーダンス素子と同様に直流磁気バイアスを使用せざるを得ず同じ欠点を持っている.
一方,フラックゲート方式には,被計測磁界の向きと励磁磁界発生の向きが同軸上にある平行フラックスゲート方式と,被計測磁界の向きと励磁磁界発生の向きが直角になる直交フラックゲート方式とがある.フラックスゲート方式は磁気コアが磁気飽和するように励磁するのが一般的ではあるが,磁気飽和させなくても検出機能を持たせることができる.近年はそのような磁界センサも提案されており,これらも広い意味でフラックスゲート方式に含めることがある.しかし,前者は磁気飽和させて透磁率を下げることにより磁気抵抗を上げて,磁気回路を開閉するイメージからゲート方式と呼ぶに相応しいが,後者は磁気回路を開閉するほどの透磁率変化が起らないためにゲート方式と呼ぶのは相応しくない.このような事情から,フラックスゲート方式と呼ぶと前者だけと判断する者と,両者も含めると判断する者とが居り誤解を生みかねない.そこで,飽和させない弱い励磁方式も飽和させる強い励磁方式も含める目的で,本明細書ではこれ以降,被計測磁界の向きと励磁磁界発生の向きが同軸上にある励磁方式を「平行励磁方式」と呼び,その励磁を「平行励磁」と呼ぶ.さらに被計測磁界の向きと励磁磁界発生の向きが直角になる励磁方式を「直交励磁方式」と呼び,その励磁を「直交励磁」と呼ぶことにする.また,フラックスゲート方式と言う場合は磁気飽和させる方式だけを指すものとする.
平行励磁方式と直交励磁方式にはそれぞれ長所と短所がある.平行励磁方式は被計測磁界による残留磁化を励磁磁界により消磁する作用があり,残留磁化によるオフセットが生じない長所がある.しかし,励磁コイルと検出コイルとが同じ向きに配置されているために,検出コイルに励磁信号が直接誘起される短所がある.この課題を解決するために一つの検出コイル内に2つのコアを設けて,それぞれ反対向きに励磁して相殺する方法もある.一方,直交励磁方式では,被計測磁界と励磁磁界とが直角であるために,被計測磁界による残留磁化が励磁磁界によって消磁される作用が働かず,被計測磁界が零になってもオフセットが残る短所がある.さらに,直交励磁方式は検出コイルと励磁磁界が直角で,原理的には励磁磁束は検出コイルと鎖交しないために,励磁信号が検出出力に直接現れることは無いが,実際には磁気コアの磁気異方性により励磁磁束が直角からずれて,励磁磁束の一部が検出コイルと鎖交して励磁信号が検出出力に現れる欠点がある.
特開平7-181239号公報 特開2013-57645号公報 特開2013-238500号公報
太田恵造著 「磁気工学の基礎」 共立全書 1973年6月 井口恭介,松岡彩子 「デルタシグマDACを応用した衛星搭載用高精度デジタル方式フラックスゲート磁力計の開発」宇宙航空研究開発機構研究開発報告 宇宙航空研究開発機構 2013年3月
本発明が解決しようとする課題は,直流磁界の強さとその向きを計測できて汎用的で高感度な従来の磁界センサが内包している問題点であって,
1)磁路の断面積を広くできないために磁束を増やすことが難しく,感度を上げられない点.
2)磁界の方向を計測するために直流磁気バイアスが必要になる点.
3)残留磁化によりオフセットが生じる点.
4)磁気異方性によりオフセットが生じる点.
5)励磁信号が検出信号に重畳する点.
である.従来の技術でもこれらの課題をそれぞれ解決することは可能であるが,全てを同時に解決することはできなかった.本発明が解決しようとする課題はこの点である.
励磁コイルと検出コイルを垂直に配置して,磁気異方性の容易磁化軸が励磁コイルに対しても検出コイルに対しても傾斜した磁気コア(以下「傾斜磁気コア」と言う)を設け,この傾斜磁気コアを介して励磁コイルと検出コイルとを磁気結合させることで課題の解決を可能にした.
本発明の傾斜磁気コアには,様々な磁性材を使うことができるために,磁気コアの断面積を広くすることは容易で,そのようにすれば磁性材中の磁束密度が同じであっても磁束量が多くなり,あるいは,磁束密度が小さくても磁束量を多くすることが可能で,その結果検出コイルの起電力も強くなって感度を向上させることができる.ちなみに,誘導起電力は変化する磁束量に比例する.
本発明はコイルの誘導起電力を利用しており,被計測磁界の向きにより検出コイルの起電力の位相が反転する仕組みになっている.したがってこの位相を判断することにより,直流バイアスを導入しなくても磁界の方向を検出することができる.
本発明は励磁コイルと検出コイルとが相互に垂直に配置されるために,コイル間の磁気結合はなく,励磁信号が検出信号に重畳しないようにすることが可能である.さらに傾斜磁気コア内では平行励磁になるために,残留磁化によるオフセットが生じない.詳細については,発明を実施するための形態の中で説明する.
磁気異方性によるオフセット現象は直交励磁の場合に起り,磁気異方性が励磁磁束に垂直か平行であれば起らない.しかし,アモルファスワイヤを用いた直交励磁型のセンサではアモルファスワイヤの磁気異方性は一様ではなく,全体が平行か垂直であることは現実的にはあり得ない.従って磁気異方性によるオフセットが生じる.本発明では磁気コアに明確な磁気異方性を持たせ,これを積極的に活用する.この磁気異方性の活用により,コイルは直交していてもコア内では平行励磁となり,磁気異方性によるオフセットは生じない.
以上のように,本発明は本発明が解決しようとする課題を解決する効果がある.
本発明の要素とその基本的配置例の図 図1に示した要素の配置を同図の視点Pから見た図 個体磁性材の透磁率μ対磁束密度Bの関係の模式的グラフ 傾斜磁気コア対の励磁磁束Φeと被計測磁束Φxを示した図 傾斜磁気コア内の磁束の変化を時間軸で示した模式的な波形図 内部構造が解るように構成部品の一部を切除した実施例1の図 実施例1に用いたアモルファスリボンによる傾斜磁気コアの形状の図 内部構造が解るように励磁コイルを一部省いた実施例2の図 螺旋状の傾斜磁気コアが被計測磁界 Hx 中に置かれた時の磁束の経路を説明するための概略図 螺旋状の傾斜磁気コアが傾斜磁気コア対を形成することを説明するための螺旋状の傾斜磁気コア1sの側面図. 図4の傾斜磁気コア内の磁束をベクトルで示した図 ベクトル合成磁束Φcのベクトル軌跡と,ΦcのY方向成分Φcyを示した図
本発明の動作原理は次の通りである.図1に本発明の要素とその基本的配置例を示す.本発明の要素は,傾斜磁気コア対1と励磁コイル2と検出コイル3である.さらに,これらの配置も重要である.なお,図1における傾斜磁気コア対1とは,磁気異方性の有る磁性材の容易磁化軸が,励磁コイル2の軸方向つまりX軸方向から,検出コイル3の軸方向つまり+Y軸方向に傾いている傾斜磁気コア1aと,この傾斜磁気コア1aの傾斜方向に対して,前記励磁コイルが発生する磁束の向きを基準にして,前記励磁コイル2の軸方向つまりX軸方向から反対向き,つまり-Y方向に傾いた容易磁化軸を持つ傾斜磁気コア1bと,からなる一対の磁気コアである.
図1では励磁コイル2と検出コイル3は直交している.また,図1では傾斜磁気コア対1は励磁コイル2の内側に配置してあるが,必ずしも内側である必要は無く,請求項に記載の要件は励磁コイルの外側でも成立する.なお,この図に示す傾斜磁気コアの磁気異方性の発現要因は形状磁気異方性である.磁気異方性の発現要因はこの他にも,結晶磁気異方性や誘導磁気異方性などがあり,本発明ではその発現要因を問わない.また,容易磁化軸の傾斜角度は一つの実施において全てが同じ角度である必要は無く,角度を部分的に,あるいは連続的に変えて,被計測磁界対出力の特性を必要に応じて操作することができる.
図2は図1に示した要素の配置を図1の点Pから見た図である.図1及び図2では便宜のため励磁コイル2の軸をX軸,検出コイル3の軸をY軸として,これらに直交する軸をZ軸とする.図2におけるZ軸の向きは紙面の裏から表に向う方向である.
図3のグラフは個体磁性材の透磁率μ対磁束密度Bの関係を模式的に表した図である.このグラフのように,個体磁性材の透磁率は磁束密度ゼロ付近では小さく,磁束密度の増加とともに徐々に大きくなり,ある磁束密度で最大に達し,そこを越えると磁束密度が増えるにつれて徐々に小さくなる(非特許文献1の33ページ参照).図3のグラフは磁束密度Bを磁界の強さHに置き換えても模式的には同じであり,文献によってはそのような表示や説明がある.この基本的特性は個体磁性材では共通している.本発明では透磁率が最大になる磁束密度以下の領域における動作と,それを越えた領域の動作には多少の違いがあるがどの領域でも動作する.後者の領域では検出コイルの出力の歪みが大きくなる性質がある.ここでは動作が単純な前者の領域で説明する.
前記の,動作する領域について,磁束密度が最大透磁率 μmax 以下の正弦波であった場合,それによって誘起される電圧は正弦波に近い形になる.しかし,最大透磁率を越えると計測には不要な高調波成分が大きくなりエネルギーの無駄が生じる.これは低消費電力の観点からは不利になる.ただし,フラックスゲートや本発明では三次高調波は電子回路で排除するので計測に支障が出る訳ではない.
本発明は磁界センサであるために,それが置かれた環境に磁界が有るか無いかで磁気作用が異なる.無磁界中では前記したように励磁磁束に起因した起電力は検出コイル3には生じない.しかし,磁界中では検出コイル3に励磁磁束に起因した起電力が生じる.この磁界センサが置かれた環境の磁界を被計測磁界 Hx と呼ぶことにする.また,傾斜磁気コア1a内の被計測磁束をΦxa,傾斜磁気コア1b内の被計測磁束をΦxbとし,傾斜磁気コア1aおよび傾斜磁気コア1bの内部の励磁磁束をそれぞれ,Φea,Φeb,とする.これらを図示したのが図4であり,その磁束ベクトルを示したのが図11である.
本発明では励磁コイル2に交流の励磁電流を流すが,この動作原理説明では励磁電流Ieは図1に示す向きを正の方向とする.図4及び図11において励磁磁界 He はX軸に平行で極性もX座標と同じである.この励磁磁界 He による励磁磁束 Φe は,傾斜磁気コア内で高密度になり,図4に示すように Φea,Φeb,になる.この際,傾斜磁気コア1aと傾斜磁気コア1bのX軸に対する傾斜角の絶対値が同じで,その磁気コアの磁気特性が同じであれば,Φea と Φeb の大きさは同じになる.
一方この磁界センサ置かれた環境の磁界すなわち環境磁界がどの方向に向いているかは未知であるが,図4及び図11においては,本磁界センサが計測するのはその環境磁界中のY方向成分なので,動作原理の説明を目的としているここでは,環境磁界がY方向を向いているとして説明する.この際この環境磁界を被計測磁界 Hx とする.この被計測磁界 Hx による傾斜磁気コア1aおよび1b内の磁束を図4に示すように,それぞれ Φxa,Φxb,とする.
ここで,傾斜磁気コア1aに着目すると Φea と Φxa は同じ方向を向いている.一方,傾斜磁気コア1bでは Φeb と Φxb は反対方向を向いている.ΦxaとΦxb,および ΦebとΦxb はそれぞれ同一磁気コア内の磁束成分だから,実際には一つである.そこで Φea と Φxa の合成磁束を Φcaとし,Φeb と Φxb の合成磁束を Φcb とすると,Φca の方が Φcb よりも大きくなる(Φca>Φcb).
図11のベクトル図において,Φca と Φcb は傾斜磁気コア内の磁束なので,ベクトルの方向は固定されていて大きさのみが変化する.Φca と Φcb のベクトル合成が Φc で,この Φc のY成分が Φcy である.Φcy は検出コイル3と鎖交する成分であって,この磁束の変化分が検出コイル3に起電力を生じさせる.この起電力がこの磁界センサの出力である.
そして,この Φcy がどのように変化するかを示したのが図12である.図12では,Φc がX座標のプラス側の最大の時をΦc+と表記し,マイナス側の最大の時をΦc-と表記した.また,X座標上のゼロ点にある時をΦc0と表記した.
図12において,Φc は Φc+ と Φc- をX座標上で交互に移動するが,これは励磁磁界 He によるものであり,励磁磁界 He が交流だからである.また,Y方向成分は被計測磁界 Hx によるものであり,被計測磁界 Hx がゼロの場合はΦcのベクトルはY成分がゼロになる.さらに,被計測磁界 Hx が反対向きである場合は図12のベクトル図を上下反転させた状態になる.
図12において,Hx が一定であったとすると,He が変化しても,Hx と He の合成磁界のY方向成分は常にHxであって変化はしない.しかし,磁束はそのようにはならない.つまり Hx が一定であっても,He が変化すると Hx 方向(Y方向)の磁束は一定ではない.それは次の理由による.
He の絶対値が大きくなると Hx との合成磁界も大きくなる.磁界が強く(ベクトル的表現では「大きく」)なると磁束も大きくなる.磁路(ここでは傾斜磁気コア)の断面積が一定であれば磁束密度が上がる.磁束密が上がると図3に示したように透磁率μが大きくなる.つまり磁気抵抗が小さくなって,磁界の強さの増加率よりも磁束の強さの増加率の方が大きくなる.端的にいえば,磁界の強さと磁束の大きさの比例関係は非線型だと言うことである.
この磁束の変化を図12で確認すると,Φc+ や Φc- ではY方向成分の磁束は大きくなり,He が最大の時にはY方向成分の磁束も最大値の Φcy_max になる.また,He がゼロの時磁束 Φc0 は透磁率が下がるために小さくなって Φcy_min になる.
He が正弦波の場合の一周期を追ってみると,He = 0(位相角 0°)で Φcy_min,He = Φc+(位相角 90°)で Φcy_max,He = 0(位相角 180°)で Φcy_min,He = Φc-(位相角 270°)で Φcy_max,He = 0(位相角 360°)で Φcy_min,となる.つまり,励磁磁界 He の1波で Φc は2波になる.従って,検出コイル3からは励磁周波数の2倍の周波数が出力される.
これを時間軸の波形で示したのが図5である.図5の(a)は被計測磁界 Hx がゼロの時で,同図(b)は被計測磁界 Hx がプラスの値の時である.被計測磁界 Hx が反対向きの時は同図(b)の上下が反転する.検出コイル3の出力は Φcy の変化に比例した値である.つまり,磁束 Φcy の変化が検出コイル3に起電力をもたらす.従って変化のない直流成分は出力されない.このように,被計測磁界 Hx がゼロの時は Φcy の変化がないので出力はゼロになり,被計測磁界 Hx が反対向きの時は Φcy の変化も逆向きになるので出力も逆になる.つまり位相が反転するともいえる.
以上説明の通り,本発明は被計測磁界 Hx の大きさと方向を検出または計測できる.なお,本発明の磁界センサを駆動するためには電子回路が必要であるが,それに必要な要素は,発信器,増幅器,位相検波器(ロックインアンプともいう),フィルタなどであり,これらは全て既知の技術である.従って説明の必要は無い.
図6に,内部構造が解るように構成部品の一部を切除した実施例1を示す.実施例1では傾斜磁気コアが4個あり,傾斜磁気コア対が2対あることになる.対と見なす組み合せは一通りではないが,前記した対の条件を満たしていればどれを対と見なそうが動作に影響はない.
実施例1には基板4があり,この基板4の両面にアモルファスリボンをスリット状にした傾斜磁気コアを配置し固定する.固定の方法は任意であり本実施例では粘着材で貼付けた.本実施例における基板4の目的は,アモルファスリボンや後記するコイルを固定するためのものであって,原理的に必要なものではない.基板4を用いる場合はその材質はプラスチック,セラミック,アルミニウム,チタンなど非磁性材が良い.本実施例ではプラスチック板を用いた.実施例1のアモルファスリボンで製作した傾斜磁気コアの形状を図7に示す.この外形寸法は一辺が 12mm の正方形で,厚さが 25μm である.製法はエッチングで行った.この傾斜磁気コアは積層することができて,積層することにより磁路の断面積を広げ感度を上げることができる.この傾斜磁気コアの傾斜角度は45度にしたが,この角度で励磁磁界対被計測磁界の特性が決まるために求める性能により決定するものである.実施例1では,基板の上面の傾斜磁気コア1aと,図では見えていないが下面の傾斜磁気コア1bとを傾斜方向が反対向きになるように配置して傾斜磁気コア対とした.
傾斜磁気コア対1を配置した基板4に励磁コイル2を巻回する.実施例1では傾斜磁気コア対1全体を覆うように均一に巻回している.傾斜磁気コア対全体を覆うように均一に巻くことにより,磁気コア全体に,より均一な励磁磁束が生じることになり,センサの安定性を向上させることができる.
次に,実施例1では励磁コイル2の外側にさらに傾斜磁気コアを配置した.励磁コイル2の外側にも透磁率の高い領域を設けることにより,励磁磁路の磁気抵抗を下げて漏れ磁束の抑制や励磁電流の効率向上を図ることができる.さらに,外側の磁路も傾斜磁気コアにすれば検出機能を持たせて感度を向上させることもできる.励磁コイル2の外側の傾斜磁気コアは,図6の上面と下面の励磁コアの外側に貼付けて,この両者で傾斜磁気コア対をなすようにしている.励磁コイル2の内側の傾斜磁気コアと外側の傾斜磁気コアの,隣接するコア同士の傾斜方向の関係は,内側同士と外側同士でそれぞれ対をなせば,同じ方向でも反対方向でも良い.
図6の基板4から見て同じ側にあり,励磁コイル2の内側の傾斜磁気コアと外側の傾斜磁気コアとは,空間的には反対向きに傾いているが,請求項で言う「励磁コイルが発生する磁束の向きを基準にして」言えば同じ方向に傾斜している.それは,励磁コイル2の内側と外側では磁束の向きが空間的には反対向きになるからである.
傾斜磁気コアの傾斜方向が同じか反対かの判断は次のようにする.まず,X-Yの直交座標を想定して励磁コイルの軸をX軸に合わせ,比較する2つの傾斜磁気コアにこの励磁コイルによる磁束が生じた場合,傾斜磁気コア内の磁束のY成分の向きが同じであれば同じ向きの傾斜である,とする.なお,磁束の方向は磁界の方向と同じとしている.
最後に,励磁コイル2の外側の傾斜磁気コアの外側に検出コイル3を巻回する.検出コイル3も励磁コイル2と同様に磁気コア全体を覆うように一様に巻回する.この際,検出コイル3の方向は原理の通り励磁コイル2と垂直方向になるように巻く.そして,励磁コイル2と検出コイル3からリード線を引出せば完成である.
実施例1の励磁コイル2は線径0.1mmの巻線用被覆線を170回巻き,検出コイル3は線径0.03mmの巻線用被覆線を2000回巻いた.実施例1の動作試験においては,励磁コイル2に周波数が 10kHz の正弦波電流を 5mA 流して励磁した.検出コイル3の出力は水平南北方向の地磁気に対して,おおよそ 58mV であった.国土地理院の発表によると,実験を行った福岡県の地磁気の強さは水平方向で概ね 32μT(32000nT)である.よって本発明の磁界センサの感度は概ね 1.8mV/μT( = 1.8μV/nT)である.ただし,この計測値は一般的な実験室で得たものできわめて大雑把である.また,センサの評価に欠かせない S/N 比も考慮に入れていないので注意されたい.
検出コイル3の出力は図5でも説明した通り励磁周波数の2倍の周波数である.そこで,励磁周波数の2倍の周波数を参照信号とするロックインアンプで検波して直流電圧を得る.実用においてはアナログ信号処理や,高速ADコンバータを用いたデジタル信号処理をする方法がある.ちなみに前記の実験結果はデジタル処理のロックインアンプで得たものである.
実施例1の寸法は最大外形で 20 mm × 20 mm × 5.7 mm で,重量は 2.3 gであった.また消費電力は 約2.75 mWである.非特許文献2(13,18ページ)のフラックスゲート磁力計と比較すると,寸法,質量,消費電力ともに優位である.ちなみに惑星科学探査用では,極限環境においても信頼性のある動作原理でなければ使用されず,現在では様々な磁界センサがある中でもフラックスゲートしか使われていない.
図8に,内部構造が解るように励磁コイルの一部を取り省いた実施例2の図を示す.この実施例は特許請求の範囲の請求項2に基づくものである.この図の座標は前記の原理説明や実施例1の座標とは異なる.そこで,混同しないように座標軸名を小文字のx,y,z で表した.
実施例2には検出コイルが2つあり,それぞれの検出コイルはその検出コイルの軸方向の磁界成分に感度を持っている.具体的には,検出コイル3aはy方向成分に感度があり,検出コイル3bはx方向成分に感度がある.つまり,この磁界センサは2軸センサである.
実施例2の内部には磁性材を螺旋状にした螺旋状の傾斜磁気コア1sがある.螺旋状の傾斜磁気コア1sは,実施例1の様な対を成す独立した傾斜磁気コアを見いだせないが,機能的には傾斜磁気コア対が存在する.このことを,まず検出コイル3aについて確認すると次のようになる.
図8によると検出コイル3aの軸はy方向であり,y方向の磁界に感度がある.そこで,一様磁界がy方向に存在しているとすると,その磁束は空間中では一様であるが,螺旋状の傾斜磁気コア1sのところでは,磁気抵抗の小さい螺旋状の傾斜磁気コア1sに集中する.磁束は磁位の高い方から低い方に繋がるので,螺旋状の傾斜磁気コア1sにおける磁束は螺旋状の傾斜磁気コア1sを左右に分かれて通ることになる.この際,左右に分かれる位置は,一様磁界中で最も磁位の高いところであり,図9では分岐線Ly1の線上になる.
図9は螺旋状の傾斜磁気コアが被計測磁界 Hx 中に置かれた時の磁束の経路を説明するための概略図である.分岐線Ly1で左右に分かれた磁束は螺旋状の傾斜磁気コア1sを半周して出会い,再び空間の磁束に繋がる.この際,磁束が出会う位置は磁位が最も低い位置であり,図9では分岐線Ly2の線上になる.この分岐線Ly1と分岐線Ly2はy-z平面上に存在する.なお,被計測磁束は分岐線Ly1と分岐線Ly2に集中して出入りするのではなく,その途中に分布して出入りする.換言すれば分岐線Ly1や分岐線Ly2を越えて反対側に繋がる磁界はないと言うことにもなる.
前記の分岐された磁束を,+x側を迂回する磁束 Φxb とし,-x側を迂回する磁束 Φxa とする.この様子を+x側から見た螺旋状の傾斜磁気コア1sの側面図である図10で見ると,螺旋状の傾斜磁気コア1sの手前側と向こう側とが互いに反対向きに傾斜していることがわかる.これは分岐線Ly1と分岐線Ly2を含むy-z平面で分割された2つの傾斜磁気コアと見なすことができ,この2つの傾斜磁気コアは互いに反対向きに傾斜しており,前記の動作原理で説明し請求項1にも記載した,傾斜磁気コア対を形成している.したがって,傾斜磁気コア対と励磁コイルと検出コイルの関係が成立して,前記で説明した動作原理に従ってy方向磁界成分の磁界検出および計測が可能になる.
図10には,前記の動作原理との関係を解りやすくする目的で,励磁磁束と被計測磁束 を記入した.この磁束らは,図が見にくくならないように,別々のコア上に記入したが,全ての磁気コア上で同時に存在するものである.また記入した磁束はベクトルとして示したものではないので,大きさはの比較は考慮に入れていない.
以上の通り励磁コイル2と検出コイル3aによって,y方向の磁界を計測できることが解った.このメカニズムは検出コイル3bにもあてはまり,x方向の磁界成分についても同様に計測できることが解る.つまり,実施例2の磁界センサは,螺旋状の傾斜磁気コアと励磁コイルと2つの検出コイルとで二方向の磁界成分を計測できる.
なお,検出コイル同士は必ずしも直角の関係でなくてもよく,また三つ以上有っても良い.その際はそれぞれの検出コイルの軸方向成分を検出できる.勿論検出コイルは一つでも構わない.
請求項2に記載した柱状体または筒状体は,螺旋状の磁路を確保するために側面の形状が必要なのであって,螺旋状の傾斜磁気コア1sがこの側面の形状に沿って螺旋状になっていればよく,螺旋状の傾斜磁気コアが自立していたり,非磁性在中に埋没していても構わない.つまり,柱状体や筒状体が実存する必要は無い.また,この柱状体や筒状体の底面の形状は,円形や偶数辺の多角形が好ましい.しかし,たとえば指向性を持たせたいなどの目的があれば,それに合わせて長方形や楕円,あるいは奇数辺の多角形などの様々な形状が利用可能である.
本発明は電磁誘導を利用したもので,電気磁気学的には最も基本的な原理で動作し,磁気コアとコイルだけで構成できる.よって信頼性が高く,極限環境下において使用する場合でも,故障モードの予測が容易で事前の対策が的確にできる.つまり,宇宙空間・深海・核汚染環境下において高い信頼性で使用できる.また,低消費電力であることから,火山活動観測・海洋上観測,地滑り監視など,電源が乏しく頻繁なメンテナンスもできないところにおける長期間の使用などにも向く.さらに,単純構造に加えて汎用的な材料でできる特徴もあり,安価に製造できることも長所である.感度は原理的にはフラックスゲートと同程度であるが,動作メカニズムや磁性材の性質を活かした使い方により,従来のフラックスゲート方式の製品よりも高感度にできた.また,他の長所も総合すれば性能が秀でて優位であり,本発明は産業上の利用可能性が明確である.
1a 傾斜磁気コア
1b 傾斜磁気コア
1s 螺旋状の傾斜磁気コア(螺旋状傾斜磁気コア)
1 傾斜磁気コア対
2 励磁コイル
3a 検出コイル
3b 検出コイル
3 検出コイル
4 基板
He 励磁磁界
Hx 被計測磁界
Ie 励磁電流
B 磁束密度
P 説明のためのマーク
t 時間
Φ 磁束
Φc Φca と Φcb のベクトル合成磁束
Φc0 励磁電流がゼロの時のΦcのベクトル
Φc- 1周期の励磁のなかで負の最大になる Φc のベクトル
Φc+ 1周期の励磁のなかで正の最大になる Φc のベクトル
Φca 傾斜磁気コア1a内の Φea と Φxa のベクトル合成磁束
Φcb 傾斜磁気コア1b内の Φeb と Φxb のベクトル合成磁束
Φcy ΦcのY方向成分
Φcy_min 1周期の励磁の Φcyの最小値
Φcy_max 1周期の励磁の Φcyの最大値
Φe 励磁磁束
Φea 傾斜磁気コア1a内の励磁磁束
Φeb 傾斜磁気コア1b内の励磁磁束
Φx 被計測磁束
Φxa 傾斜磁気コア1a内の被計測磁束
Φxb 傾斜磁気コア1b内の被計測磁束
Φxsa 螺旋状傾斜磁気コアの存在により被計測磁束が迂回するイメージ
Φxsb 螺旋状傾斜磁気コアの存在により被計測磁束が迂回するイメージ
μi 磁性材の初透磁率
μmax 磁性材の最大透磁率
Ly1 螺旋状の傾斜磁気コアで被計測磁束の方向に分岐する分岐線
Ly2 螺旋状の傾斜磁気コアで被計測磁束の方向に分岐する分岐線
X,x 任意な3次元空間直交座標系,の一軸
Y,y 任意な3次元空間直交座標系,の一軸
Z,z 任意な3次元空間直交座標系,の一軸

Claims (2)

  1. コイルの軸が互いに垂直になるように配置された,ソレノイド巻きの励磁コイルと,ソレノイド巻きの検出コイルとを有し,磁気異方性の有る磁性材の容易磁化軸が,前記励磁コイルの軸方向から,前記検出コイルの軸方向に傾いている傾斜磁気コアと,該傾斜磁気コアの傾斜方向に対して,前記励磁コイルが発生する磁束の向きを基準にして,前記励磁コイルの軸方向から反対向きに傾いた容易磁化軸を持つ傾斜磁気コアと,を一対とする傾斜磁気コア対を少なくとも1対有し,前記励磁コイルと前記傾斜磁気コア対とが磁気結合し,且つ該傾斜磁気コア対と前記検出コイルとが磁気結合していることを特徴とする磁界センサ.
  2. 磁気異方性の有る磁性材の容易磁化軸が,柱状体の側面の形状に沿って螺旋状になるように配置した傾斜磁気コアを有し,この傾斜磁気コアの上から,該柱状体の側面の形状に沿って巻回した励磁コイルを有し,該柱状体形状を縦に巻回した第一検出コイルと,該柱状体形状を縦に該第一検出コイルと垂直になるように巻回した第二検出コイルとを有することを特徴とする請求項1の磁界センサ.
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