JP2016061263A - ロケットエンジン高空燃焼試験設備、及びロケットエンジン高空燃焼試験設備の運転方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃焼ガスを噴射するロケットエンジン5を収容する低圧室2と、燃焼ガスの流路をなす排気装置3と、を有するロケットエンジン高空燃焼試験設備1であって、排気装置3は、低圧室2に接続されて燃焼ガスの流れ方向に沿って流路断面積が一定とされたスロート部15と、スロート部15の下流側に設けられ燃焼ガスの流れ方法の下流側に向かうに従って流路断面積が拡大する拡大部16と、を有するディフューザ10と、スロート部15に設置され、スロート部15の周壁からガスを噴出するアニュラ型エジェクタ11と、を有し、ロケットエンジン停止時のブローバックを低減するロケットエンジン高空燃焼試験設備1を提供する。
【選択図】図1
Description
ロケットエンジン高空燃焼試験設備101は、ディフューザ10(超音速ディフューザ)とともに、2段式の大型の蒸気エジェクタ12,13(センターボディ型エジェクタ)をディフューザ10の下流側に有する排気方式を採用している。蒸気エジェクタ12,13には、アキュムレータなどの蒸気供給部18から蒸気が供給される。
ロケットエンジン燃焼試験を行う際は、ロケットエンジン5に液化酸素/液化水素が供給される。ロケットエンジン5から排出される燃焼排気ガスは、ディフューザ10で圧力回復した後、蒸気エジェクタ12,13から噴出される蒸気を用いて連続的に吸引され、消音塔9より大気放出される。
少なくする必要がある。しかし、ディフューザによる圧力回復を少なくする場合は、より多くの蒸気を消費する巨大な2段式の蒸気エジェクタが必要となり、より大きな装置となってしまう。
このような構成によれば、ロケットエンジン停止後かつ、アニュラ型エジェクタ停止前においてバルブを閉状態とすることによって、アニュラ型エジェクタ停止時に発生するブローバックを低減することができる。
このような構成によれば、ロケットエンジン試験中にロケットエンジンの燃焼ガスが噴射口に衝突することにより発生する圧力回復を抑制することができる。
本実施形態のロケットエンジン高空燃焼試験設備は、例えば人工衛星打ち上げ用ロケットに用いられる液体酸素(液化酸素)・液体水素(液化水素)エンジンであるロケットエンジンのための試験設備である。ロケットエンジンは、噴射ノズルから高温、高圧の燃焼排気ガス(以下、燃焼ガスという)を噴射するエンジンである。ロケットエンジン高空燃焼試験設備は、この様な宇宙空間などの高空雰囲気の下で使用されるロケットエンジンの燃焼試験を、地上にて行うための装置である。
なお、ロケットエンジンは、液体燃料を推進剤として用いるものに限らず、固体燃料を推進剤として用いるロケットエンジンでもよい。
ロケットエンジン5は、図示しない架台を介して低圧室2に設置されている。また、ロケットエンジン5には、図示しない燃料供給装置が接続されている。
排気装置3は、低圧室2に対して燃焼ガスの流れ方向F下流側に接続された排気トンネル8と、排気トンネル8の下流側に設けられた消音塔9と、を有している。
排気トンネル8は、最も上流側に設けられ、アニュラ型エジェクタ11(第一エジェクタ)が設けられたディフューザ10と、ディフューザ10の下流側に接続されたセンターボディ型エジェクタ12(第二エジェクタ)と、を有している。即ち、本実施形態の排気装置3は、ディフューザ10と二段のエジェクタ11,12を有する排気方式を採用している。
スロート部15の断面積は、長手方向(燃焼ガスの流れ方向F)に沿って完全に同一ではなく、アニュラ型エジェクタ11の設置位置より下流側でやや拡大している。この拡大については後述する。
蒸気供給部18としてはアキュムレータや、蒸気発生器等の蒸気源を採用することができる。また、エジェクタ11,12から噴出されるガスは蒸気に限ることはなく、例えば、窒素ガスを採用してもよい。
スロート部15におけるアニュラ型エジェクタ11の第一エジェクタ噴射ノズル17より下流側は、蒸気の噴射を妨げないように、やや拡大されている(符号15b)。
また、拡大された部位15bより下流側は、アニュラ型エジェクタ11の蒸気の噴射を妨げない範囲で、アニュラ型エジェクタ11の第一エジェクタ噴射ノズル17より上流側(符号15a)と同じになるように縮小されている(符号15c)。なお、第一エジェクタ噴射ノズル17よりも下流側のスロート部15b,15cの断面積を第一エジェクタ噴射ノズル17より上流側の断面積よりも小さくしてもよい。
即ち、本実施形態のスロート部15は、符号Sで示される範囲であり、スロート部15の標準となる直径で形成された部位(15a,15c)、及び当該部位よりもやや拡大された部位(符号15b)を含む。もちろん、符号Sで示される範囲における燃焼ガスの流れ方向Fに沿う断面積を一定にしてもよい。
L/D<4 ・・・(1)
ブロックオフバルブ23は、ブロックオフバルブ23を閉状態とすることによって、ディフューザ10におけるブロックオフバルブ23の上流側と下流側とを遮断することができる仕切弁である。
また、ディフューザ10には、ブロックオフバルブ23の上流側と下流側とをバイパスするバイパスライン33が設けられている。バイパスライン33には、バイパスライン33を遮断することができるバイパス弁34が設けられている。
また、ブロックオフバルブ23は、燃焼ガスの冷却を行う冷却水を噴射するスプレイ冷却装置27よりも上流側に配置されている。スプレイ冷却装置27については後述する。
(設備始動方法)
ロケットエンジン高空燃焼試験設備1の始動時においては、ロケットエンジン5を起動する前に低圧室2を低圧にする。具体的には、ブロックオフバルブ23を閉状態としてエジェクタ(アニュラ型エジェクタ11、及びセンターボディ型エジェクタ12)を作動させて、ブロックオフバルブ23の下流側の領域の排気処理を行う。
次いで、低圧室2が十分に低圧となった状態(例えば100Torr,13332Pa)でブロックオフバルブ23を開状態とするとともに、バイパス弁34を閉状態として、更に低圧室2を10Torr(1333Pa)程度にまで低圧にする。
ロケットエンジン高空燃焼試験設備1の停止時におけるオペレーションについて説明する。
ロケットエンジン高空燃焼試験設備1の停止時において、制御装置4は、アニュラ型エジェクタ11、及びセンターボディ型エジェクタ12を作動させた状態でエンジン燃焼を停止させる(ロケットエンジン停止工程)。ロケットエンジン5から排出される燃焼ガスが完全に流れた後、制御装置4は、ブロックオフバルブ23を閉状態にする命令を発する。
ブロックオフバルブ23が、ディフューザ10のスロート部15において上流側と下流側とを遮断することにより、アニュラ型エジェクタ11の停止時に発生するブローバックを防止することができる。
次いで、制御装置4は、アニュラ型エジェクタ11及びセンターボディ型エジェクタ12の二つのエジェクタを停止させる(エジェクタ停止工程)。次いで、低圧室2内を大気圧に圧力復帰させる。
また、ロケットエンジン燃焼試験中は、アニュラ型エジェクタ11の駆動蒸気による壁面冷却効果で高温の燃焼ガスから熱負荷を低減し、必要な冷却水流量を低減することができる。
また、アニュラ型エジェクタ11の第一エジェクタ噴射ノズル17をスロート部15の内周面22よりも径方向外側に配置したことによって、ロケットエンジン燃焼試験中にロケットエンジン5の燃焼ガスがノズルに衝突することにより発生する圧力回復を防止することができる。
2 低圧室
3 排気装置
4 制御装置
5 ロケットエンジン
7 真空ポンプ
8 排気トンネル
9 消音塔
10 ディフューザ
11 アニュラ型エジェクタ
12 センターボディ型エジェクタ
14 縮小部
15 スロート部
16 拡大部
17 第一エジェクタ噴射ノズル(噴射口)
18 蒸気供給部
19 蒸気配管
20 バルブ
22 内周面(周壁)
23 ブロックオフバルブ(バルブ)
24 ディフューザ壁面冷却装置
25 第一冷却水供給装置
26 第一冷却水配管
27 スプレイ冷却装置
28 冷却水ノズル
29 第二冷却水供給装置
30 第二冷却水配管
32 第二エジェクタ噴射ノズル
33 バイパスライン
34 バイパス弁
F 流れ方向
Claims (6)
- 燃焼ガスを噴射するロケットエンジンを収容する低圧室と、前記燃焼ガスの流路をなす排気装置と、を有するロケットエンジン高空燃焼試験設備であって、
前記排気装置は、
前記低圧室に接続されて前記燃焼ガスの流れ方向に沿って流路断面積が一定とされたスロート部と、前記スロート部の下流側に設けられ前記燃焼ガスの流れ方法の下流側に向かうに従って流路断面積が拡大する拡大部と、を有するディフューザと、
前記スロート部に設置され、前記スロート部の周壁からガスを噴出するアニュラ型エジェクタと、
を有し、ロケットエンジン停止時のブローバックを低減することを特徴とするロケットエンジン高空燃焼試験設備。 - 前記アニュラ型エジェクタは、前記スロート部における前記ロケットエンジンの燃焼ガス噴射による圧力回復の発生位置よりも上流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のロケットエンジン高空燃焼試験設備。
- 前記アニュラ型エジェクタに蒸気を供給する蒸気源を有し、
前記アニュラ型エジェクタから噴出される蒸気により前記ディフューザの壁面を冷却する請求項1又は請求項2に記載のロケットエンジン高空燃焼試験設備。 - 前記低圧室の下流側、かつ、前記アニュラ型エジェクタの上流側に配置され、前記流路を閉塞可能なバルブが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のロケットエンジン高空燃焼試験設備。
- 前記アニュラ型エジェクタの噴射口は、前記アニュラ型エジェクタの上流側における前記スロート部の内周面よりも径方向外側に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のロケットエンジン高空燃焼試験設備。
- 請求項4又は請求項5に記載のロケットエンジン高空燃焼試験設備の運転方法であって、
前記アニュラ型エジェクタを作動させた状態で前記ロケットエンジンを停止するロケットエンジン停止工程と、
前記バルブを閉状態とするバルブ閉鎖工程と、
前記アニュラ型エジェクタを停止するエジェクタ停止工程と、
を有し、ロケットエンジン停止時のブローバックを低減することを特徴とするロケットエンジン高空燃焼試験設備の運転方法。
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