JP2016051011A - 撮像装置及び撮像方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な処理構成によって、光学系間における撮影光の干渉の影響を実際の撮影状況に応じて低減することができる撮像装置及び撮像方法を提供する。
【解決手段】撮像装置30は、独立した特性を有する第1の光学系21及び第2の光学系22を含む撮影光学系11と、第1の光学系21及び第2の光学系22のうち対応の光学系を通過した光を瞳分割して受光する複数の受光センサ25a、25bを有する撮像素子24と、第1の光学系21に対応する受光センサ25aから出力される撮像信号から第1の撮影画像を生成し、第2の光学系22に対応する受光センサ25bから出力される撮像信号から第2の撮影画像を生成する画像生成部36と、第1の光学系21及び第2の光学系22の各々のフォーカス状態を独立して調整するフォーカス調整部32と、重要度情報に基づいてフォーカス調整部32を制御するフォーカスコントローラ34とを備える。
【選択図】図11

Description

本発明は、光学特性が異なる複数種類の光学系を使って撮影を行う撮像装置及び撮像方法に係り、特に光学系間における撮影光の干渉(クロストーク)によって低下しうる撮影画像の画質を改善する技術に関する。
撮像装置の技術分野では、撮影条件を変えて撮影を複数回行ったり、複数の特性を有する光学系を用いて撮影を行ったりすることで、複数種類の画像を取得する技術が知られている。
例えば特許文献1は、曲率半径が異なる多重曲率面を有する多重曲率レンズと単一曲率レンズとを含む撮像レンズ群を介してイメージセンサ上に結像されて取得される画像(イメージ)の復元処理を行うことにより、様々な物体距離の画像を取得する光学システムを開示する。また特許文献2は、使用レンズの内側領域及び外側領域の曲率に基づく全系の焦点距離と、入射瞳面上の面積とを調整することで、可動部無しで、距離が異なる二つの物点を同時に撮像する撮像光学系を開示する。
また特許文献3は、上述のような多彩な光学特性を有するレンズを使って撮影した画像の画質を改善することができる撮像装置を開示する。この撮像装置では、多様レンズと指向性センサとが組み合わされ、瞳分割が利用されて焦点距離及び合焦距離のうち少なくともいずれか一方が異なる複数の撮影画像が取得される。この撮像装置によれば、撮影レンズの複数領域のうちの「一の領域」に対応して生成された画像から、この「一の領域」以外の領域を通過した光束の影響が除去される。
特開2007−122055号公報 特開2003−270526号公報 国際公開第2013/146506号
上述のように、光学特性の異なる複数種類の光学系を使って複数種類の画像の撮影を同時的に行う場合、画像相互間で撮影光が混入することで画質が低下することがある。特に瞳分割を利用した撮影では、瞳選択特性(光分離性)が良好ではないと、複数種類の画像の成分が混在する多重画像が生成される。
そのような画像において不要成分の影響を低減する手法が上述の特許文献3には開示されているが、画像相互間で混入した撮影光の影響を完全に除去することは非常に難しい。特に、使用するイメージセンサの線形性が悪いケース、イメージセンサに受光される撮影光の強度が強過ぎたり又は弱過ぎたりするケース、イメージセンサの隣接画素に画像光(撮像信号)が漏れているケース、或いは被写体像が鋭いエッジ(輪郭)成分を持つケースでは、特許文献3に開示されているような画像処理の処理強度を強くすると、混入した撮影光が却って強調されてしまい画質が十分に改善されないことがある。
また光学系間における撮影光の干渉(クロストーク)の影響を低減及び除去する画像処理を行う際には、そのような画像処理に必要な演算時間(処理時間)、コスト及び画像処理回路や画像処理プログラムの実装に伴うシステム上の影響を考慮する必要がある。例えば演算処理に長時間を要したり、画像処理を実現するためのコストが高かったり、画像処理回路や画像処理プログラムの実装が面倒だったりすることは、そのような画像処理の実現を阻害する要因となり好ましくない。
したがって光学系間における撮影光の干渉の影響を低減するための新たな技術が、従来の技術とは異なる観点から提案されることが望まれている。特に、実際の撮影の際に求められる画像の種類及び画質の程度は状況に応じて変化しうるものであるため、実際の撮影状況に適応した簡素な構成の画質改善技術が新たに提案されることが望まれている。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、簡素な処理構成によって、光学系間における撮影光の干渉の影響を実際の撮影状況に応じて低減することができる撮像手法及びその応用技術を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、相互に独立した特性を有する第1の光学系及び第2の光学系を含む撮影光学系と、第1の光学系及び第2の光学系の各々に対応して設けられる複数の受光センサであって、第1の光学系及び第2の光学系のうち対応の光学系を通過した光を瞳分割して選択的に受光する複数の受光センサを有する撮像素子と、第1の光学系に対応する受光センサから出力される撮像信号から第1の撮影画像を生成し、第2の光学系に対応する受光センサから出力される撮像信号から第2の撮影画像を生成する画像生成部と、第1の光学系及び第2の光学系の各々のフォーカス状態を独立して調整するフォーカス調整部と、第1の撮影画像及び第2の撮影画像の重要度を示す重要度情報を取得し、重要度情報に基づいてフォーカス調整部を制御するフォーカスコントローラと、を備える撮像装置に関する。
本態様によれば、重要度情報に基づいて、第1の光学系及び第2の光学系の各々のフォーカス状態を独立して調整することができる。そのため、実際の撮影状況に応じて重要度情報が定められることで、第1の光学系及び第2の光学系の各々のフォーカス状態を実際の撮影状況に応じて調整することができる。一方、瞳分割方式を採用する本態様の撮像装置では、第1の光学系及び第2の光学系の各々のフォーカス状態を調整することで、光学系間における撮影光の干渉の影響をコントロールすることができる。したがって本態様によれば、実際の撮影状況に応じて定められる重要度情報を用いることで、光学系間における撮影光の干渉の影響を実際の撮影状況に応じて低減することが可能になる。また本態様では、特別なハードウェアを追加する必要がないだけではなく複雑な演算処理も必要とされないため、簡素な処理構成によって、光学系間における撮影光の干渉の影響を実際の撮影状況に応じて低減することが可能である。
なお重要度情報の具体的な内容は特に限定されず、「第1の撮影画像及び第2の撮影画像のうちいずれの撮影画像の方が重要か」を直接的に示す情報であってもよいし、間接的に示す情報であってもよい。
ここでいう「相互に独立した特性を有する第1の光学系及び第2の光学系」とは、例えば異なる光学特性を有する第1の光学系及び第2の光学系によって具体化可能である。すなわち、ここでいう「相互に独立した」という表現は「(相互に)異なる」という意味を包含する概念であり、またここでいう「特性」という表現は「光学特性」という意味を包含する概念である。
望ましくは、フォーカスコントローラは、第1の撮影画像の方が第2の撮影画像よりも重要度が高いことを重要度情報が示す場合には、フォーカス調整部を制御して第2の光学系をデフォーカス状態とし、第2の撮影画像の方が第1の撮影画像よりも重要度が高いことを重要度情報が示す場合には、フォーカス調整部を制御して第1の光学系をデフォーカス状態とする。
本態様によれば、第1の撮影画像の方が第2の撮影画像よりも重要度が高い場合には第2の光学系がデフォーカス状態とされ、第2の撮影画像の方が第1の撮影画像よりも重要度が高い場合には第1の光学系がデフォーカス状態とされる。このように第1の光学系及び第2の光学系のフォーカス状態をコントロールすることで、第1の撮影画像及び第2の撮影画像のうち重要度の低い方の撮影画像の高周波成分が低減される。このように重要度の低い方の撮影画像は視認性の高い高周波成分が低減されることで、第1の光学系と第2の光学系との間で撮影光が干渉しても、重要度の低い方の撮影画像が重要度の高い方の撮影画像に及ぼす視覚上の影響を効果的に抑制することができる。
望ましくは、第1の光学系のデフォーカス状態は、フォーカスコントローラがフォーカス調整部を制御して、第1の光学系の点像分布関数の半値全幅を複数の受光センサの画素ピッチ以上とすることにより実現され、第2の光学系のデフォーカス状態は、フォーカスコントローラがフォーカス調整部を制御して、第2の光学系の点像分布関数の半値全幅を複数の受光センサの画素ピッチ以上とすることにより実現される。
本態様によれば、第1の光学系のデフォーカス状態及び第2の光学系のデフォーカス状態が、第1の光学系及び第2の光学系の点像分布関数の半値全幅を受光センサの画素ピッチ以上に調整することにより実現される。これにより、第1の撮影画像及び第2の撮影画像のうち、重要度の低い方の撮影画像の高周波成分を効果的に低減することができる。
望ましくは、撮像装置は、ユーザからの指示情報を取得する指示情報取得部を更に備え、フォーカスコントローラは、指示情報取得部が取得したユーザからの指示情報に基づいて重要度情報を取得する。
本態様によれば、ユーザからの指示情報に基づいて重要度情報を定めることができる。したがって、例えばユーザが実際の撮影状況を判断し、第1の撮影画像及び第2の撮影画像のうちいずれの撮影画像の方が重要か否かを決定して重要度情報を定めることが可能である。
望ましくは、撮像装置は、撮影シーンを解析するシーン解析部を更に備え、フォーカスコントローラは、シーン解析部による解析結果に基づいて重要度情報を取得する。
本態様によれば、実際の撮影シーンに応じて重要度情報を定めることができる。
望ましくは、シーン解析部は、第1の撮影画像及び第2の撮影画像のうちの少なくともいずれか一方に基づいて撮影シーンにおける追尾対象を検出して追尾対象の経時的な挙動を解析し、フォーカスコントローラは、シーン解析部によって解析される追尾対象の経時的な挙動に基づいて重要度情報を取得する。
本態様によれば、追尾対象の経時的な挙動に基づいて重要度情報を定めることができる。なお、追尾対象の決め方は特に限定されず、任意の手法によって追尾対象を決定することが可能である。
望ましくは、撮像装置は、第1の撮影画像及び第2の撮影画像の補正を行う画像補正部であって、第1の撮影画像における第2の光学系を通過した光の影響を低減し、第2の撮影画像における第1の光学系を通過した光の影響を低減する画像補正部を更に備える。
本態様によれば、第1の撮影画像及び第2の撮影画像において、本来意図していない光学系を通過した光の影響を低減し、画質を向上させることができる。
望ましくは、画像補正部は、第1の撮影画像及び第2の撮影画像の検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列の逆行列に基づいて補正を行う。
本態様によれば、検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列の逆行列に基づく補正によって、第1の撮影画像及び第2の撮影画像の画質を向上させることができる。
なお検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布は、第1の光学系を通過した撮影光及び第2の光学系を通過した撮影光の各々に関する分布情報である。検出ゲイン分布は、本来意図した受光センサによって適切に受光された撮影光の分布(情報データ)を示す。例えば「第1の光学系を通過した撮影光のうち、第1の光学系に対応する受光センサによって受光される撮影光の分布(情報データ)」及び「第2の光学系を通過した撮影光のうち、第2の光学系に対応する受光センサによって受光される撮影光の分布(情報データ)」によって検出ゲイン分布が表される。一方、混信ゲイン分布は、本来意図していない受光センサによって不適切に受光された撮影光の分布(情報データ)を示す。例えば「第1の光学系を通過した撮影光のうち、第2の光学系に対応する受光センサによって受光される撮影光の分布(情報データ)」及び「第2の光学系を通過した撮影光のうち、第1の光学系に対応する受光センサによって受光される撮影光の分布(情報データ)」によって混信ゲイン分布が表される。
望ましくは、第1の光学系及び第2の光学系は、焦点距離及び合焦距離のうち少なくとも一方が異なる。
本態様によれば、焦点距離及び合焦距離のうち少なくとも一方が異なる第1の光学系と第2の光学系との間で生じる撮影光の干渉の影響を、実際の撮影状況に応じて低減することができる。
望ましくは、第2の光学系は、第1の光学系の周辺に設けられ、第1の光学系と同一の光軸を有する。
本態様によれば、例えば同心円を形成するように配置される第1の光学系と第2の光学系との間で生じる撮影光の干渉の影響を、実際の撮影状況に応じて低減することができる。
望ましくは、一体的に設けられる撮影光学系の複数の領域のうち、第1の領域が第1の光学系によって構成され、第2の領域が第2の光学系によって構成される。
本態様によれば、一体的に設けられる第1の光学系と第2の光学系との間で生じる撮影光の干渉の影響を、実際の撮影状況に応じて低減することができる。
本発明の他の態様は、相互に独立した特性を有する第1の光学系及び第2の光学系を含む撮影光学系と、第1の光学系及び第2の光学系の各々に対応して設けられる複数の受光センサであって、第1の光学系及び第2の光学系のうち対応の光学系を通過した光を瞳分割して選択的に受光する複数の受光センサを有する撮像素子と、第1の光学系に対応する受光センサから出力される撮像信号から第1の撮影画像を生成し、第2の光学系に対応する受光センサから出力される撮像信号から第2の撮影画像を生成する画像生成部と、第1の光学系及び第2の光学系の各々のフォーカス状態を独立して調整するフォーカス調整部とを備える撮像装置における撮像方法であって、第1の撮影画像及び第2の撮影画像の重要度を示す重要度情報を取得するステップと、重要度情報に基づいてフォーカス調整部を制御するステップと、を含む撮像方法に関する。
本発明によれば、実際の撮影状況に応じて重要度情報が定められることで、瞳分割を利用した簡素な処理構成によって、光学系間における撮影光の干渉の影響を実際の撮影状況に応じて低減することができる。
図1は、本発明を適用可能なデジタルカメラ(撮像装置)の一例を示す斜視図である。 図2は、本発明を適用可能な自動追尾撮像装置(撮像装置)の一例を示す斜視図である。 図3は、第1実施形態に係る撮影光学系の断面構成を示す。 図4は、図3に示す撮像素子の具体的な断面構成例を示す図である。 図5は、図3に示す撮影光学系(特に第1の光学系)及び撮像素子(特に第1の撮像素子(図4参照))に入射する広角画像光の光路を示す図である。 図6は、図3に示す撮影光学系(特に第2の光学系)及び撮像素子(特に第2の撮像素子(図4参照))に入射する望遠画像光の光路を示す図である。 図7は、第1の光学系と第2の光学系との間における撮影光の干渉(クロストーク)による画質の低下の影響を受けた広角画像(図7(a)参照)及び望遠画像(図7(b)参照)の一例を示す。 図8は、光学系間における撮影光の干渉(クロストーク)のメカニズムを説明するための概略図である。 図9は、第1実施形態に係る撮影画像例を示す図であり、「広角画像のみが必要とされ望遠画像は不要なタイミング」で撮影取得された出力広角画像及び出力望遠画像を示す。 図10は、第1実施形態に係る撮影画像例を示す図であり、「広角画像は不要で望遠画像のみが必要なタイミング」で撮影取得された出力広角画像及び出力望遠画像を示す。 図11は、第1実施形態に係る撮像装置の機能構成を示すブロック図である。 図12は、撮影光学系(レンズ)の一般的な点拡がり現象を説明するための図であり、(a)は点光源からの光が撮影光学系を介して撮像素子に到達するシステムの概略を示す断面図であり、(b)は撮像素子によって受光される光の点像分布関数(PSF:Point Spread Function)を概略的に示す図である。 図13は、図12(b)に示す点像分布関数(PSF)の半値全幅(FWHM)を説明するための図である。 図14は、第1実施形態における撮影光学系(第1の光学系及び第2の光学系)のフォーカスコントロール(撮像方法)の一例を示すフローチャートである。 図15は、真の広角画像、真の望遠画像、出力広角画像、出力望遠画像及び検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列の関係を示す図である。 図16は、図15に示す行列式に対して「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列」の逆行列を適用して得られる行列式を示す図である。 図17は、図16の行列式を簡略化して表した行列式を示す。 図18は、図17に示す「W1(真の広角画像の画素成分(画素値))」を構成する要素w1_11〜w1_mnを示す。 図19は、図17に示す行列式に基づいて導出される「w1_ij」の算出式を示す。 図20は、図17に示す行列式に基づいて導出される「t1_ij」の算出式を示す。 図21は、第1実施形態に係る「撮影光学系のフォーカスコントロール」を行わずに第2実施形態に係る「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列の逆行列に基づく補正処理」を行った場合の画像例を示し、(a)は広角画像例を示し、(b)は望遠画像例を示す。 図22は、第1実施形態に係る「撮影光学系のフォーカスコントロール」を行った後に第2実施形態に係る「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列の逆行列に基づく補正処理」を行った場合の画像例を示し、(a)は広角画像例を示し、(b)は望遠画像例を示す。 図23は、第3実施形態に係る撮影光学系の外観図である。 図24は、第3実施形態に係る撮像素子の一部を示す拡大断面図である。 図25は、第3実施形態に係る撮影光学系を使用した撮影メカニズムを説明するための図である。 図26は、本発明の撮像装置の一実施形態であるスマートフォンの外観を示す図である。 図27は、図26に示すスマートフォンの構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
本発明は、複数種類の光学特性を有する撮影光学系を使って複数種類の画像を撮影可能な撮像装置、撮像方法及びそれらの応用技術に対して広く適用可能であり、その適用可能な技術分野は特に限定されない。例えば、ユーザ操作に応じて撮影を行う撮像装置だけではなく、自動的に撮影を行う撮像装置に対しても本発明は適用可能であり、また静止画を撮影する撮像装置だけではなく、動画を撮影する撮像装置に対しても本発明は適用可能である。
図1は、本発明を適用可能なデジタルカメラ10(撮像装置30)の一例を示す斜視図である。図1に示す例では、デジタルカメラ10のカメラ本体の前面に撮影光学系11及びフラッシュ13等が設けられ、カメラ本体の上面にレリーズボタン12等が設けられている。図1の符号「L」は、撮影光学系11の光軸を表す。
図2は、本発明を適用可能な自動追尾撮像装置14(撮像装置30)の一例を示す斜視図である。図2に示す自動追尾撮像装置14では、ギア19を含む保持部18と保持部18に取り付けられた撮影光学系11とが、装置本体15上に設けられる台座16に固定的に据え付けられている。台座16は、装置本体15の垂直方向Zの軸を中心に回転自在に設けられており、図示しないパン駆動部により垂直方向Zの軸を中心にしたパン動作が行われる。ギア19は水平方向Xの軸と同軸上に設けられ、図示しないチルト駆動部からギア19を介して駆動力が伝達されることにより、撮影光学系11が上下方向に回動させられてチルト動作が行われる。これらの撮影光学系11、保持部18(ギア19)及び台座16は、防塵及び防滴用のドームカバー17によって覆われている。
以下に説明する本発明の各実施形態及び各変形例は、例えば図1に示すようなデジタルカメラ10に対して適用されてもよいし、図2に示すような自動追尾撮像装置14に対して適用されてもよい。
<第1実施形態>
図3は、第1実施形態に係る撮影光学系11及び撮像素子24の断面構成を示す図である。
撮影光学系11は、相互に独立した特性を有する第1の光学系21及び第2の光学系22を含み、特に本実施形態では焦点距離の異なる光学系によって第1の光学系21及び第2の光学系22が構成される。すなわち本実施形態の撮影光学系11は、「広角画像撮影レンズ群」によって構成される第1の光学系21と、「望遠画像撮影レンズ群」によって構成される第2の光学系22とを含み、撮像素子24によって広角画像及び望遠画像が同時的に撮影される。
図3に示す第1の光学系21は、同一の光軸L上に配置される第1広角用レンズ21a、第2広角用レンズ21b、第3広角用レンズ21c、第4広角用レンズ21d及び共通レンズ23を含む。一方、第2の光学系22は、第1望遠用レンズ22a、第1望遠用反射ミラー22cが設けられる第1望遠用反射体22b、第2望遠用反射ミラー22eが設けられる第2望遠用反射体22d、及び共通レンズ23を含む。第1の光学系21(特に第1広角用レンズ21a、第2広角用レンズ21b、第3広角用レンズ21c及び第4広角用レンズ21d)が中央光学系を形成する。一方、第2の光学系22(特に第1望遠用レンズ22a、第1望遠用反射体22b、第1望遠用反射ミラー22c、第2望遠用反射体22d及び第2望遠用反射ミラー22e)は、第1の光学系21が形成する中央光学系の周辺部において設けられ、第1の光学系21が形成する中央光学系とともに同心円を形成する。なお共通レンズ23は、光軸L上に配置され、第1の光学系21と第2の光学系22との間で共用される。
このように第2の光学系22は、第1の光学系21を構成するレンズ群(第1広角用レンズ21a〜第4広角用レンズ21d及び共通レンズ23)の周辺に設けられるレンズ群(第1望遠用レンズ22a及び共通レンズ23)及び反射ミラー群(第1望遠用反射ミラー22c(第1望遠用反射体22b)及び第2望遠用反射ミラー22e(第2望遠用反射体22d))を含み、第1の光学系21と同一の光軸Lを有するが、第1の光学系21とは異なる焦点距離を有する。
撮像素子24は、光軸Lと垂直を形成する方向に関し、複数の受光センサ25が2次元的に配置されることで構成される。特に本実施形態の撮像素子24は、第1の光学系21を介して照射される広角画像光と第2の光学系22を介して照射される望遠画像光とを同時に受光し、広角画像(第1の撮影画像)を生成するための撮像信号と望遠画像(第2の撮影画像)を生成するための撮像信号とを出力可能な指向性センサを構成する。すなわち本実施形態の撮像素子24は、第1の光学系21及び第2の光学系22の各々に対応して設けられる複数の受光センサ25であって、第1の光学系21及び第2の光学系22のうち対応の光学系を通過した光を瞳分割して選択的に受光する複数の受光センサ25を有する。
図4は、図3に示す撮像素子24の詳細な断面構成例を示す図である。
本例の撮像素子24を構成する複数の受光センサ25は、第1の光学系21に対応する「広角画像用の第1の受光センサ25a」と、第2の光学系22に対応する「望遠画像用の第2の受光センサ25b」とを含み、これらの第1の受光センサ25a及び第2の受光センサ25bは2次元的に交互に配置される。撮像素子24に含まれる複数の第1の受光センサ25aが「第1の光学系21を経た広角画像光を受光するための第1の撮像素子24a」を構成し、広角画像を生成するための撮像信号を出力する。また撮像素子24に含まれる複数の第2の受光センサ25bが「第2の光学系22を経た望遠画像光を受光するための第2の撮像素子24b」を構成し、望遠画像を生成するための撮像信号を出力する。
第1の受光センサ25a及び第2の受光センサ25bの各々は、マイクロレンズ26、フォトダイオード29、及びマイクロレンズ26とフォトダイオード29との配置される中間層27を有する。中間層27には遮光マスク28が設けられており、第1の受光センサ25aではフォトダイオード29の受光面の周辺部に遮光マスク28が配置され、また第2の受光センサ25bではフォトダイオード29の受光面の中央部に遮光マスク28が配置される。遮光マスク28の配置は、第1の光学系21及び第2の光学系22のうちのいずれに対応するかに応じて決定され、各遮光マスク28は、対応しない光学系からの光をブロックする一方で対応する光学系からの光をブロックすることなくフォトダイオード29に受光させる。
本例では、遮光マスク28を含む受光センサ25によって、第1の光学系21及び第2の光学系22のうち対応の光学系を通過した光を瞳分割して選択的に受光する複数の受光センサが実現されているが、他の手段によって瞳分割が実現されてもよい。例えば、マイクロレンズ26の前段(例えばマイクロレンズ26と共通レンズ23(図3参照)との間)に遮光マスク28が設けられてもよいし、遮光マスク28以外の遮光手段(例えば液晶シャッター等)が用いられてもよい。
なお、中間層27には遮光マスク28以外の部材が設けられてもよく、例えばRGB(赤緑青)等のカラーフィルタや配線・回路類が中間層27に設けられてもよい。
図5は、図3に示す撮影光学系11(特に第1の光学系21)及び撮像素子24(特に第1の撮像素子24a(図4参照))に入射する広角画像光Wの光路を示す図である。本実施形態において広角画像光Wは、第1の光学系21の第1広角用レンズ21a、第2広角用レンズ21b、第3広角用レンズ21c、第4広角用レンズ21d及び共通レンズ23を順次通過し、撮像素子24上に広角画像が結像する。
図6は、図3に示す撮影光学系11(特に第2の光学系22)及び撮像素子24(特に第2の撮像素子24b(図4参照))に入射する望遠画像光Tの光路を示す図である。本実施形態において望遠画像光Tは、第1望遠用レンズ22aを通過(透過)し、第1望遠用反射ミラー22c及び第2望遠用反射ミラー22eの各々により反射された後に共通レンズ23を通過し、撮像素子24上に望遠画像が結像する。このように、第1望遠用反射ミラー22c及び第2望遠用反射ミラー22eの各々により反射されて光路が折り返されることにより、焦点距離の長い望遠画像撮影用の第2の光学系22の光軸Lの方向に関する長さを短くすることができる。
次に、上述の撮影光学系11及び撮像素子24によって取得される広角画像(第1の撮影画像)及び望遠画像(第2の撮影画像)において生じうる画質の低下について説明する。
図7は、第1の光学系21と第2の光学系22との間における撮影光の干渉(クロストーク)による画質の低下の影響を受けた広角画像(図7(a)参照)及び望遠画像(図7(b)参照)の一例を示す。
撮影光学系11及び撮像素子24において、第1の光学系21を経て撮像素子24に到達する広角画像光と第2の光学系22を経て撮像素子24に到達する望遠画像光との瞳分割の性能が十分ではない場合、広角画像光と望遠画像光との分離が不十分となって、広角画像と望遠画像とが重畳的に混在した画像が得られる。すなわち、広角画像光のみを受光することが意図された第1の撮像素子24a(第1の受光センサ25aのフォトダイオード29(図4参照))に望遠画像光が漏れ込むと、図7(a)に示すように、望遠画像成分の一部が重畳された広角画像が得られる。同様に、望遠画像光のみを受光することが意図された第2の撮像素子24b(第2の受光センサ25bのフォトダイオード29(図4参照))に広角画像光が漏れ込むと、図7(b)に示すように、広角画像成分の一部が重畳された望遠画像が得られる。
このように第1の光学系21を経た撮影光(広角画像光)と第2の光学系22を経た撮影光(望遠画像光)との間において干渉があると、撮像素子24を構成する各受光センサ25の出力には、本来分離されて受光されないはずの画像成分の信号が混ざり込んでしまう。
図8は、光学系間における撮影光の干渉のメカニズムを説明するための概念図である。
図8において符号「Iw1」は真の広角画像を示し、符号「It1」は真の望遠画像を示す。ここで言う「真の広角画像Iw1」及び「真の望遠画像It1」は、第1の光学系21を通過する撮影光と第2の光学系22を通過する撮影光との間で干渉が起きていない状態で撮影取得される画像である。一方、符号「Iw2」は第1の撮像素子24a(第1の受光センサ25a)から実際に出力される撮像信号から生成される出力広角画像を示し、「It2」は第2の撮像素子24b(第2の受光センサ25b)から実際に出力される撮像信号から生成される出力望遠画像を示す。
図3に示す撮影光学系11及び撮像素子24を具備する撮像装置30(図1及び図2参照)によって広角画像及び望遠画像を撮影する場合に、撮像装置30(特に撮像素子24の遮光マスク28)が十分な瞳分割性能を有していれば、図8に示す真の広角画像Iw1及び真の望遠画像It1を表す撮像信号が撮像素子24から出力される。しかしながら上述のように、瞳分割性能が十分ではなく広角画像光と望遠画像光との間において干渉がある場合には、図8に示す出力広角画像Iw2及び出力望遠画像It2のように、広角画像及び望遠画像が混在した多重画像を表す撮像信号が第1の撮像素子24a及び第2の撮像素子24bの各々から出力される。
例えば図8に示すように、真の広角画像Iw1の撮影光のうち、第1の撮像素子24a(第1の受光センサ25a)によって適切に受光される成分を示す分布情報(指標)を「広角検出ゲイン分布D1」とし、第2の撮像素子24b(第2の受光センサ25b)によって不適切に受光される成分を示す分布情報を「広角混信ゲイン分布D2」とする。また真の望遠画像It1の撮影光のうち、第1の撮像素子24a(第1の受光センサ25a)によって不適切に受光される成分を示す分布情報を「望遠混信ゲイン分布D3」とし、第2の撮像素子24b(第2の受光センサ25b)によって適切に受光される成分を示す分布情報を「望遠検出ゲイン分布D4」とする。
この場合、真の広角画像Iw1に対して広角検出ゲイン分布D1を適用することで得られる広角画像成分であって第1の撮像素子24a(第1の受光センサ25a)に受光される広角画像成分を「真広角画像成分E1」とする。また真の望遠画像It1に対して望遠混信ゲイン分布D3を適用することで得られる望遠画像成分であって第1の撮像素子24a(第1の受光センサ25a)に受光される望遠画像成分を「混信望遠画像成分E2」とする。また真の広角画像Iw1に対して広角混信ゲイン分布D2を適用することで得られる広角画像成分であって第2の撮像素子24b(第2の受光センサ25b)に受光される広角画像成分を「混信広角画像成分E3」とする。また真の望遠画像It1に対して望遠検出ゲイン分布D4を適用することで得られる望遠画像成分であって第2の撮像素子24b(第2の受光センサ25b)に受光される望遠画像成分を「真望遠画像成分E4」とする。
この場合、第1の撮像素子24a(第1の受光センサ25a)から出力される撮像信号によって生成される出力広角画像Iw2は、真広角画像成分E1と混信望遠画像成分E2とを加算して得られる画像に基づく。また第2の撮像素子24b(第2の受光センサ25b)から出力される撮像信号によって生成される出力望遠画像It2は、混信広角画像成分E3と真望遠画像成分E4とを加算して得られる画像に基づく。
撮像装置の瞳分割性能が優れているほど、広角画像光と望遠画像光とは精度良く分離されて撮像素子24により受光され、混信望遠画像成分E2及び混信広角画像成分E3の成分割合はゼロ(ブランク)に近づき、出力広角画像Iw2は真の広角画像Iw1に近づき、出力望遠画像It2は真の望遠画像It1に近づく。一方、撮像装置の瞳分割性能が劣るほど、広角画像光と望遠画像光とは十分に分離されずに撮像素子24により受光され、混信望遠画像成分E2及び混信広角画像成分E3の成分割合は増え、出力広角画像Iw2において混信望遠画像成分E2の比重が大きくなり、出力望遠画像It2において混信広角画像成分E3の比重が大きくなる。
このように光学系間で撮影光の干渉がある場合に撮像素子24から出力される撮像信号は、真の画像に検出ゲイン分布を適用して得られる画像成分と、別チャンネルの画像に混信ゲイン分布を適用して得られる画像成分とが加算されたものに相当する。このような指向性センサ(撮像素子24)における混信(クロストーク)により、広角画像及び望遠画像が重なった画像(撮像信号)が出力されるため、瞳分割性能が十分ではない撮像装置からは画質劣化した撮影画像が出力されることとなる。
本件発明者は、上述の事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、広角画像(第1の撮影画像)及び望遠画像(第2の撮影画像)の重要度に応じて、第1の光学系21及び第2の光学系22の各々のフォーカス状態を独立して調整することで、光学系間における撮影光の干渉の影響を実際の撮影状況に応じて効果的に低減することができるという知見を得るに至った。
すなわち本実施形態のように広角画像及び望遠画像を同時撮影可能な撮像装置30において広角画像及び望遠画像の両画像が必要とされる場合には、両画像の各々のピントが合うように撮影光学系11(第1の光学系21及び第2の光学系22)のフォーカスコントロール(合焦制御)が行われる。その一方で、広角画像及び望遠画像を同時撮影可能なカメラを使用した撮影であっても、「広角画像のみが必要とされ望遠画像は不要なタイミング」或いは「広角画像は不要で望遠画像のみが必要なタイミング」がある。
本件発明者は、これらの実際の撮影状況に応じて撮影光学系11(第1の光学系21及び第2の光学系22)のフォーカス状態をコントロールすることで、所望画像の画質低減を効果的に抑制することができることを新たに見いだした。
すなわち「広角画像のみが必要とされ望遠画像は不要なタイミング」では、広角画像を撮影するための第1の光学系21のフォーカス状態は所望の被写体にピントが合わせられた状態に調整されるが、望遠画像を撮影するための第2の光学系22のフォーカス状態が意図的にピンボケ状態(デフォーカス状態)に調整される。一方、「広角画像は不要で望遠画像のみが必要なタイミング」では、望遠画像を撮影するための第2の光学系22のフォーカス状態は所望の被写体にピントが合わせられた状態に調整されるが、広角画像を撮影するための第1の光学系21のフォーカス状態が意図的にピンボケ状態(デフォーカス状態)に調整される。このように撮影光学系11(第1の光学系21及び第2の光学系22)のフォーカス状態を撮影状況に応じて適応的にコントロールすることで、撮像素子24(受光センサ25)に受光される光成分の空間周波数の観点から以下の技術的恩恵がもたらされる。
すなわち、広角画像(第1の撮影画像)及び望遠画像(第2の撮影画像)のうち必要とされる画像に関しては、ピントが合わせられた状態で撮影が行われるので、低い空間周波数成分だけではなく高い空間周波数成分まで撮像素子24(受光センサ25)に伝達される。そのため、広角画像及び望遠画像のうち必要とされる画像については、エッジ成分等についても視認可能な精細な画像データ(撮像信号)が撮像素子24(受光センサ25)から出力される。
一方、広角画像及び望遠画像のうち不要とされる画像に関しては、ピンボケ状態で撮影が行われるので、低い空間周波数成分だけが撮像素子24(受光センサ25)に伝達され、高い空間周波数成分は撮像素子24(受光センサ25)に伝達されない。そのため、広角画像及び望遠画像のうち不要とされる画像については、視認されやすいエッジ成分等が不鮮明となった状態で撮像素子24(受光センサ25)上に結像し、ピンボケ画像のデータ(撮像信号)が撮像素子24(受光センサ25)から出力される。
これにより、図8に示すように光学系間で撮影光の干渉が生じて本来意図していない撮影光が各受光センサ25によって受光される場合であっても、必要とされる画像に対する不要な画像の撮影光の影響を低減することができる。すなわち、撮影光学系11のフォーカス状態のコントロールによって、不要な画像の撮影光については高い空間周波数成分が撮像素子24(受光センサ25)に到達しない。そのため、たとえ必要とされる画像の撮影光が不要な画像の撮影光と干渉しても、「高い空間周波数成分を含まない視認性の低い目立ち難い不要画像成分」が「必要とされる画像の撮影光」に混入することになる。したがって、この撮影光の干渉による「必要とされる画像」の視認性に対する影響は比較的小さいものとなる。
図9は、第1実施形態に係る撮影画像例を示す図であり、「広角画像のみが必要とされ望遠画像は不要なタイミング」で撮影取得された出力広角画像Iw2及び出力望遠画像It2を示す。本例では、広角画像を撮影するための第1の光学系21のフォーカス状態は所望の被写体(本例では中央部の車両)にピントが合わせられた状態に調整されるが、望遠画像を撮影するための第2の光学系22のフォーカス状態が意図的にピンボケ状態(デフォーカス状態)に調整されて撮影が行われた。したがって、第1の光学系21によって伝達される真の広角画像Iw1は本来的に鮮鋭な画像となるが、第2の光学系22によって伝達される真の望遠画像It1は本来的にピントがボケた画像となる。そのため、本実施形態において撮像素子24(特に第1の撮像素子24a)から出力される撮像信号によって生成される出力広角画像Iw2(必要とされる画像)は、図8に示す従来の出力広角画像Iw2と比べ、鮮明な画像となる。なお図9に示す出力望遠画像It2は不鮮明な画像となるが、本ケースでは出力望遠画像It2は「不要な画像」であるため、この出力望遠画像It2の鮮明さは実際上問題とならない。
図10は、第1実施形態に係る撮影画像例を示す図であり、「広角画像は不要で望遠画像のみが必要なタイミング」で撮影取得された出力広角画像Iw2及び出力望遠画像It2を示す。本例では、望遠画像を撮影するための第2の光学系22のフォーカス状態は所望の被写体(本例では中央部の車両)にピントが合わせられた状態に調整されるが、広角画像を撮影するための第1の光学系21のフォーカス状態が意図的にピンボケ状態(デフォーカス状態)に調整されて撮影が行われた。したがって、第2の光学系22によって伝達される真の望遠画像It1は本来的に鮮鋭な画像となるが、第1の光学系21によって伝達される真の広角画像Iw1は本来的にピントがボケた画像となる。そのため、本実施形態において撮像素子24(特に第2の撮像素子24b)から出力される撮像信号によって生成される出力望遠画像It2(必要とされる画像)は、図8に示す従来の出力望遠画像It2と比べ、鮮明な画像となる。なお図10に示す出力広角画像Iw2は不鮮明な画像となるが、本ケースでは出力広角画像Iw2は「不要な画像」であるため、この出力広角画像Iw2の鮮明さは実際上問題とならない。
次に、上述の本実施形態に係る撮像装置30の具体的な機能構成例について説明する。
図11は、第1実施形態に係る撮像装置30の機能構成を示すブロック図である。
本例の撮像装置30は、上述の撮影光学系11及び撮像素子24の他に、フォーカス調整部32、フォーカスコントローラ34、画像生成部36、シーン解析部37、指示情報取得部38、画像補正部39、画像記憶部40、表示コントローラ42及び表示部43を有する。
画像生成部36は、第1の光学系21に対応する第1の受光センサ25aから出力される撮像信号から広角画像(第1の撮影画像)を生成し、第2の光学系22に対応する第2の受光センサ25bから出力される撮像信号から望遠画像(第2の撮影画像)を生成する。
画像補正部39は、画像生成部36によって生成される広角画像(第1の撮影画像)及び望遠画像(第2の撮影画像)の補正を行って、所望の画像を生成する。画像補正部39における画像補正処理は特に限定されず、例えば広角画像及び望遠画像からノイズ成分を除去するための処理及び広角画像及び望遠画像に特殊効果を付加するための処理等が画像補正部39で行われてもよい。なお、図11に示す例では画像生成部36よりも後段に画像補正部39が設けられているが、画像生成部36よりも前段に画像補正部39が設けられていてもよい。
また「画像生成部36が生成した広角画像及び望遠画像」のデータ及び/又は「画像補正部39における画像補正処理後の広角画像及び望遠画像」のデータは、画像記憶部40に記憶されてもよい。
表示コントローラ42は表示部43を制御し、「画像生成部36が生成した広角画像及び望遠画像」及び/又は「画像補正部39における画像補正処理後の広角画像及び望遠画像」を表示部43に表示させる。なお表示コントローラ42は、表示部43に表示させる画像のデータ(以下、「表示画像データ」とも称する)を任意の手法で取得することができ、画像記憶部40から表示画像データを取得してもよいし、画像生成部36及び画像補正部39から直接的に表示画像データを取得してもよい。また表示画像データは、光学画像及び望遠画像以外の他のデータ画像が含まれていてもよい。
指示情報取得部38は、ユーザからの指示情報を取得して、その指示情報を撮像装置30の各部(例えばフォーカスコントローラ34、画像生成部36及び表示コントローラ42等)に送信する。指示情報取得部38が取得するユーザからの指示情報は特に限定されず、撮像装置30の各部(例えばフォーカスコントローラ34、画像生成部36及び表示コントローラ42等)における処理に必要な情報や、後述の「広角画像(第1の撮影画像)及び望遠画像(第2の撮影画像)の重要度を示す重要度情報」が指示情報取得部38によって取得されてもよい。この指示情報取得部38は、任意の要素によって構成可能であり、ユーザとのインターフェースを形成する各種のデバイス(例えばボタン類(図1のレリーズボタン12等)及びタッチパネル等)を含んでいてもよい。
シーン解析部37は、撮影シーンを解析して、その解析結果を撮像装置30の各部(例えばフォーカスコントローラ34、画像補正部39及び表示コントローラ42等)に送信する。シーン解析部37は、解析対象の画像データを任意の手法によって取得することができ、例えば撮像素子24(第1の受光センサ25a及び第2の受光センサ25b)から出力される撮像信号を使用してもよいし、画像生成部36によって生成された画像データを使用してもよいし、画像補正部39による補正後の画像データを使用してもよいし、画像記憶部40に記憶されている画像データを使用してもよい。また撮影シーンの解析手法は特に限定されず、撮像装置30の各部(例えばフォーカスコントローラ34、画像生成部36及び表示コントローラ42等)における処理に必要な情報や、後述の「広角画像(第1の撮影画像)及び望遠画像(第2の撮影画像)の重要度を示す重要度情報」の基礎を構成する情報が、シーン解析部37の解析によって得られてもよい。
フォーカス調整部32は、第1のフォーカスアクチュエータ33a及び第2のフォーカスアクチュエータ33bを含み、第1の光学系21及び第2の光学系22の各々のフォーカス状態を独立して調整する。すなわち第1のフォーカスアクチュエータ33aは第1の光学系21のフォーカス状態を調整することができ、また第2のフォーカスアクチュエータ33bは第2の光学系22のフォーカス状態を調整することができる。これらの第1のフォーカスアクチュエータ33a及び第2のフォーカスアクチュエータ33bは、フォーカスコントローラ34によって相互に独立して駆動可能である。
第1のフォーカスアクチュエータ33a及び第2のフォーカスアクチュエータ33bによる第1の光学系21及び第2の光学系22の駆動手法は特に限定されない。例えば、第1の光学系21及び第2の光学系22の各々を構成するレンズ群及びミラー群の一部又は全部が、第1のフォーカスアクチュエータ33a及び第2のフォーカスアクチュエータ33bの各々によって移動させられることで、第1の光学系21及び第2の光学系22のフォーカス状態を調整することが可能である。この場合、第1の光学系21と第2の光学系22との間で共用される光学要素以外の他の光学要素を移動させることで、第1の光学系21及び第2の光学系22のフォーカス状態を調整することが好ましい。すなわち本例では、第1のフォーカスアクチュエータ33a及び第2のフォーカスアクチュエータ33bの各々が、第1の光学系21と第2の光学系22との間で共用される共通レンズ23以外の他の光学要素を移動させることで、第1の光学系21及び第2の光学系22のフォーカス状態を調整することが好ましい。
フォーカスコントローラ34は、フォーカス調整部32(第1のフォーカスアクチュエータ33a及び第2のフォーカスアクチュエータ33b)を制御して、第1の光学系21及び第2の光学系22のフォーカス状態をコントロールする。特に本実施形態のフォーカスコントローラ34は、広角画像(第1の撮影画像)及び望遠画像(第2の撮影画像)の重要度を示す重要度情報を取得し、その重要度情報に基づいてフォーカス調整部32を制御する。
フォーカスコントローラ34は、重要度情報を任意の手法で取得することができる。例えば撮像装置30のユーザは、「広角画像の方が望遠画像よりも重要度(優先度)が高い」或いは「望遠画像の方が広角画像よりも重要度が高い」と認識する場合、そのような認識を反映した指示情報を指示情報取得部38に直接的又は間接的に入力してもよい。そのような場合、フォーカスコントローラ34は、指示情報取得部38が取得したユーザからの指示情報に基づいて重要度情報を取得することができる。
またフォーカスコントローラ34は、シーン解析部37による解析結果に基づいて重要度情報を取得してもよい。例えば、シーン解析部37による撮影シーンの解析の結果から「広角画像の方が望遠画像よりも重要度(優先度)が高い」撮影が行われる或いは「望遠画像の方が広角画像よりも重要度が高い」撮影が行われるとフォーカスコントローラ34によって判定される場合、そのような判定に応じた重要度情報をフォーカスコントローラ34は取得することができる。
シーン解析部37は、例えば広角画像(第1の撮影画像)及び望遠画像(第2の撮影画像)のうちの少なくともいずれか一方に基づいて撮影シーンにおける追尾対象(主要被写体等)を検出し、その追尾対象の経時的な挙動を解析してもよい。この場合、フォーカスコントローラ34は、シーン解析部37によって解析される追尾対象の経時的な挙動に基づいて重要度情報を取得してもよい。例えば、撮影シーンに含まれる被写体(主要被写体)の動きがシーン解析部37によって解析され、撮影対象の被写体(主要被写体)の動きが比較的激しいと判定される場合にはそのような被写体の追跡を優先させる観点から「広角画像の方が望遠画像よりも重要度が高い」と判定されてもよい。一方、撮影対象の主要被写体の動きが比較的穏やかであると判定される場合には、主要被写体の詳細な撮影を優先させる観点から「望遠画像の方が広角画像よりも重要度が高い」と判定されてもよい。
なお、ここでいう「主要被写体」或いは「追尾対象」は、任意の観点から特定可能な「主たる撮影対象」を意味する。したがって例えば、フォーカスエリア内にある被写体、画像中央部に存在する被写体、動きのある人等の被写体、或いはこれらの複数の観点から特定される被写体を、主要被写体或いは追尾対象としうる。
フォーカスコントローラ34は、このようにして得られる重要度情報に基づいて、第1のフォーカスアクチュエータ33a及び第2のフォーカスアクチュエータ33bを独立して制御し、第1の光学系21のフォーカス状態及び第2の光学系22のフォーカス状態を調整する。
すなわち広角画像(第1の撮影画像)の方が望遠画像(第2の撮影画像)よりも重要度が高いことを重要度情報が示す場合、フォーカスコントローラ34は、フォーカス調整部32(第2のフォーカスアクチュエータ33b)を制御して第2の光学系22をデフォーカス状態とする。この場合、第1の光学系21のフォーカス状態は、フォーカスコントローラ34によって制御される第1のフォーカスアクチュエータ33aにより調整され、所望の合焦状態で広角画像が撮影される。
一方、望遠画像(第2の撮影画像)の方が広角画像(第1の撮影画像)よりも重要度が高いことを重要度情報が示す場合には、フォーカスコントローラ34は、フォーカス調整部32(第1のフォーカスアクチュエータ33a)を制御して第1の光学系21をデフォーカス状態とする。この場合、第2の光学系22のフォーカス状態は、フォーカスコントローラ34によって制御される第2のフォーカスアクチュエータ33bにより調整され、所望の合焦状態で望遠画像が撮影される。
なお重要度情報が「広角画像(第1の撮影画像)の重要度と望遠画像(第2の撮影画像)の重要度との間に差がない」ことを直接的又は間接的に示す場合には、フォーカス調整部32による通常のフォーカスコントロールが行われ、所望の合焦状態で広角画像及び望遠画像が撮影される。
ここで「第1の光学系21をデフォーカス状態」とするフォーカスコントロール及び「第2の光学系22をデフォーカス状態」とするフォーカスコントロールは、不要とされる画像(特にエッジ成分)が目立たなくなるように行われる。したがって例えば、第1の光学系21又は第2の光学系22をデフォーカス状態とすることで、不要とされる画像のボケ量を、撮像素子24(受光センサ25)の画素ピッチに応じて定められる特定量以上に調整してもよい。より具体的には、第1の光学系21のデフォーカス状態は、フォーカスコントローラ34がフォーカス調整部32(第1のフォーカスアクチュエータ33a)を制御し、第1の光学系21の点像分布関数(PSF:Point Spread Function)の半値全幅(FWHM:Full Width at Half Maximum)を、撮像素子24を構成する複数の受光センサ25の画素ピッチ以上とすることにより実現されてもよい。同様に、第2の光学系22のデフォーカス状態は、フォーカスコントローラ34がフォーカス調整部32(第2のフォーカスアクチュエータ33b)を制御して、第2の光学系22の点像分布関数(PSF)の半値全幅(FWHM)を撮像素子24を構成する複数の受光センサ25の画素ピッチ以上とすることにより実現されてもよい。
図12は、撮影光学系11(レンズ)の一般的な点拡がり現象を説明するための図であり、(a)は点光源48からの光が撮影光学系11を介して撮像素子24に到達するシステムの概略を示す断面図であり、(b)は撮像素子24によって受光される光の点像分布関数(PSF)を概略的に示す図である。図13は、図12(b)に示す点像分布関数(PSF)の半値全幅(FWHM)を説明するための図である。撮影光学系11の点像分布関数(PSF)は、点光源48に対するインパルス応答を表す関数であり、撮影光学系11の分解能を示す。図12(b)及び図13は、撮像素子24(受光センサ25)が受光した点光源48からの光の明るさ(光強度:h(x))を一次元方向(x方向)に関して示す点像分布関数(PSF)を表す。
フォーカスコントローラ34は、フォーカス調整部32(第1のフォーカスアクチュエータ33a及び第2のフォーカスアクチュエータ33b)を制御し、第1の光学系21又は第2の光学系22の点像分布関数(PSF)の半値全幅(FWHM:図13参照)を受光センサ25の画素ピッチ以上とすることで、第1の光学系21又は第2の光学系22のデフォーカス状態を実現してもよい。
なお、上述の第1の光学系21のデフォーカス状態及び第2の光学系22のデフォーカス状態は、他の基準に基づいて実現されてもよい。例えば、フォーカス調整部32(第1のフォーカスアクチュエータ33a及び第2のフォーカスアクチュエータ33b)によって、「不要な画像」の撮影に使用される光学系の合焦位置を、合焦位置の調整可能範囲における最至近位置又は最望遠位置に設定することで、第1の光学系21又は第2の光学系22のデフォーカス状態が実現されてもよい。この場合、「不要な画像」のボケ量が最大となる位置に「不要な画像」の撮影に使用される光学系の合焦位置を設定することで、第1の光学系21又は第2の光学系22がデフォーカス状態に調整されることが好ましい。
次に、本実施形態における撮影光学系11(第1の光学系21及び第2の光学系22)のフォーカスコントロールに関する処理フローについて説明する。
図14は、第1実施形態における撮影光学系11(第1の光学系21及び第2の光学系22)のフォーカスコントロール(撮像方法)の一例を示すフローチャートである。
まず、第1の撮影画像(広角画像)及び第2の撮影画像(望遠画像)の重要度を示す重要度情報がフォーカスコントローラ34によって取得される(図14のS11)。そして、この重要度情報に基づいてフォーカス調整部32がフォーカスコントローラ34によって制御され、撮影光学系11(第1の光学系21及び第2の光学系22)のフォーカス状態がコントロールされる。
すなわち、第1の撮影画像(広角画像)の重要度が第2の撮影画像(望遠画像)の重要度よりも高い場合(S12のY)、フォーカスコントローラ34が第2のフォーカスアクチュエータ33bを制御して、第2の撮影画像(望遠画像)の撮影に使用される第2の光学系22がデフォーカス状態に調整される(S13)。この場合、フォーカスコントローラ34は第1のフォーカスアクチュエータ33aを制御して、第1の撮影画像(広角画像)の撮影に使用される第1の光学系21が合焦状態に調整される。
一方、第1の撮影画像(広角画像)の重要度が第2の撮影画像(望遠画像)の重要度よりも高くなく(S12のN)、第2の撮影画像(望遠画像)の重要度が第1の撮影画像(広角画像)の重要度よりも高い場合(S14のY)、フォーカスコントローラ34が第1のフォーカスアクチュエータ33aを制御し、第1の撮影画像(広角画像)の撮影に使用される第1の光学系21がデフォーカス状態に調整される(S15)。この場合、フォーカスコントローラ34は第2のフォーカスアクチュエータ33bを制御して、第2の撮影画像(望遠画像)の撮影に使用される第2の光学系22が合焦状態に調整される。
第1の撮影画像(広角画像)の重要度が第2の撮影画像(望遠画像)の重要度よりも高くなく、第2の撮影画像(望遠画像)の重要度が第1の撮影画像(広角画像)の重要度よりも高くない場合(S14のN)、フォーカスコントローラ34は第1のフォーカスアクチュエータ33a及び第2のフォーカスアクチュエータ33bを制御して、第1の光学系21及び第2の光学系22を合焦状態に調整する(S16)。
上述の一連のフォーカスコントロールによって、相互に独立した特性を有する第1の光学系21及び第2の光学系22のうち、重要度が低い方の光学系がデフォーカス状態に調整されて撮影が行われる。これにより、図9及び図10に示すように撮影光の干渉(クロストーク)の影響が低減され、重要度が高い方の光学系で撮影される画像の視認性の悪化を効果的に抑制することができる。
以上説明したように本実施形態によれば、重要度情報に基づいて第1の光学系21及び第2の光学系22のフォーカス状態がコントロールされ、第1の光学系21と第2の光学系22との間における撮影光の干渉の影響を、実際の撮影状況に応じて低減することができる。
特に上述の撮影コントロールは、既存の装置構成を使って低コスト且つ簡便に実現することが可能であり、また複雑な演算処理を必要としないため簡素な処理構成によって実現することが可能である。
<第2実施形態>
本実施形態において、上述の第1実施形態と同一又は類似の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態に係る撮像装置30は、上述の第1実施形態に係る撮像装置30と同様の装置構成を有し、上述の第1実施形態と同様に重要度情報に基づいて、広角画像(第1の撮影画像)及び望遠画像(第2の撮影画像)のうち重要度が相対的に低い画像の撮影に使用される第1の光学系21又は第2の光学系22が意図的にデフォーカス状態に調整され、重要度が相対的に高い画像の画質が向上される(図9及び図10参照)。
さらに本実施形態では、画像補正部39(図11参照)が広角画像(第1の撮影画像)及び望遠画像(第2の撮影画像)を補正し、広角画像における第2の光学系22を通過した光の影響を低減し、望遠画像における第1の光学系21を通過した光の影響を低減する。すなわち画像補正部39は、画像生成部36又は画像記憶部40から取得した広角画像データ及び望遠画像データの補正処理を行って、「広角画像に混入した望遠画像成分(すなわち第2の光学系22を通過して第1の受光センサ25aにより受信された望遠画像の撮影光成分)」の影響又は「望遠画像に混入した広角画像成分(すなわち第1の光学系21を通過して第2の受光センサ25bにより受信された広角画像の撮影光成分)」の影響を抑制する。
画像補正部39において行われる補正処理の具体的な手法は特に限定されず、例えば、画像補正部39は、広角画像(第1の撮影画像)及び望遠画像(第2の撮影画像)の検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列の逆行列に基づいて広角画像及び望遠画像の補正処理を行うことができる。
以下、検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列の逆行列に基づく画像補正処理の具体例について説明する。
図15は、真の広角画像Iw1、真の望遠画像It1、出力広角画像Iw2、出力望遠画像It2及び検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列Mの関係を示す図である。なお図15に示す「真の広角画像Iw1、真の望遠画像It1、出力広角画像Iw2及び出力望遠画像It2」は、それぞれ図8〜図10に示す「真の広角画像Iw1、真の望遠画像It1、出力広角画像Iw2及び出力望遠画像It2」に対応する。
撮像素子24(第1の受光センサ25a及び第2の受光センサ25b)から出力される撮像信号から生成される出力広角画像Iw2及び出力望遠画像It2は、図15に示すように、「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列M」と、「第1の光学系21及び第2の光学系22の各々を通過した撮影光によって生成される本来の広角画像及び望遠画像である真の広角画像Iw1及び真の望遠画像It1」との積で表される。
検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列Mは、図15に示すように、広角検出ゲイン分布D1、広角混信ゲイン分布D2、望遠混信ゲイン分布D3及び望遠検出ゲイン分布D4によって構成される2×2行列である。なお図15に示す「広角検出ゲイン分布D1、広角混信ゲイン分布D2、望遠混信ゲイン分布D3及び望遠検出ゲイン分布D4」は、それぞれ図8〜図10に示す「広角検出ゲイン分布D1、広角混信ゲイン分布D2、望遠混信ゲイン分布D3及び望遠検出ゲイン分布D4」に対応する。
図16は、図15に示す行列式に対して「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列M」の逆行列M−1を適用して得られる行列式を示す図である。図16に示すように、「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列M」の逆行列M−1と「撮像素子24(第1の受光センサ25a及び第2の受光センサ25b)から出力される撮像信号から生成される出力広角画像Iw2及び出力望遠画像It2」との積によって、「本来の広角画像及び望遠画像である真の広角画像Iw1及び真の望遠画像It1」を取得することができる。
図17は、図16の行列式を簡略化して表した行列式を示す。図17において「W1」は真の広角画像Iw1の画素成分(画素値)を集合的に表し、「T1」は真の望遠画像It1の画素成分を集合的に表し、「W2」は出力広角画像Iw2の画素成分を集合的に表し、「T2」は出力望遠画像It2の画素成分を集合的に表す。また図17において「A」、「B」、「C」及び「D」は、それぞれ広角検出ゲイン分布D1、望遠混信ゲイン分布D3、広角混信ゲイン分布D2及び望遠検出ゲイン分布D4を構成する要素を集合的に表す。
図18は、図17に示す「W1」を構成する要素w1_11〜w1_mnを示す。すなわち「W1」は、真の広角画像Iw1の画素成分(画素値)に対応する要素w1_11〜w1_mnによって構成される。なお「m」及び「n」はそれぞれ2以上の整数を示し、「m」と「n」とは同じであってもよいし異なっていてもよい。
同様に、図17に示す「W2」、「T1」及び「T2」も、それぞれ出力広角画像Iw2、真の望遠画像It1及び出力望遠画像It2の画素成分(画素値)に対応する要素w2_11〜w2_mn、t1_11〜t1_mn及びt2_11〜t2_mnによって構成される(図示省略)。また図17に示す「A」、「B」、「C」及び「D」も、それぞれ広角画像及び望遠画像の各画素に応じて定められる要素a11〜amn、b11〜bmn、c11〜cmn及びd11〜dmnによって構成される(図示省略)。
図19は、図17に示す行列式に基づいて導出される「w1_ij」の算出式を示す。図20は、図17に示す行列式に基づいて導出される「t1_ij」の算出式を示す。図19及び図20において「i」は1〜mのうちのいずれかの整数を示し、「j」は1〜nのうちのいずれかの整数を示す。図19及び図20に示すように、真の広角画像Iw1の画素成分(画素値)に対応する要素w1_11〜w1_mn及び真の望遠画像It1の画素成分(画素値)に対応する要素t1_11〜t1_mnは、出力広角画像Iw2及び出力望遠画像It2と逆行列M−1とから演算により算出することができる。
本実施形態の画像補正部39は、図19及び図20により表される演算式に基づいて、画像生成部36又は画像記憶部40から取得した広角画像データ及び望遠画像データの補正処理を行うことで、「広角画像に混入した望遠画像成分」の影響又は「望遠画像に混入した広角画像成分」の影響を低減することができる。
厳密に補正処理を行う観点からは、検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布は広角画像及び望遠画像の各々を構成する画素の数と同じ数の要素によって構成され、検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布を構成する要素毎(対応画素毎)の逆行列M−1が画像補正部39において用いられることが好ましい。ただし、シェーディングが小さい場合等のように「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布を構成する要素」が「広角画像及び望遠画像を構成する画素の一部又は全部」において近似するケースでは、計算コストを優先させる観点から、その近似範囲において共通の代表値によって「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布を構成する要素」を表してもよい。したがって「広角画像及び望遠画像を構成する画素の全部」が近似する場合には、検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布を単一の代表値によって表すことができ、「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列の逆行列に基づく補正処理」を簡素且つ高速に行うことが可能になる。
なお広角検出ゲイン分布D1、広角混信ゲイン分布D2、望遠混信ゲイン分布D3及び望遠検出ゲイン分布D4に基づく行列M(図15〜17の「A」、「C」、「B」及び「D」参照)は、撮影に使用する撮影光学系11及び撮像素子24によって定められる。画像補正部39は、この行列Mから予め導出される逆行列M−1の要素を記憶保持しており、その記憶保持している逆行列M−1の要素を出力広角画像Iw2及び出力望遠画像It2に適用することで、広角画像における望遠画像の撮影光の影響を低減し、望遠画像における広角画像の撮影光の影響を低減することができる。
また上述の画像補正部39における「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列Mの逆行列M−1に基づく補正処理」は、図11に示す構成例では画像生成部36又は画像記憶部40から取得される広角画像データ及び望遠画像データに対して行われるが、これに限定されない。例えば、撮像素子24(第1の受光センサ25a及び第2の受光センサ25b)から出力される撮像信号に対し、画像補正部39における「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列の逆行列に基づく補正処理」が行われてもよく、画像生成部36は画像補正部39による補正処理後の画像データから広角画像及び望遠画像を生成してもよい。
また上述の画像補正部39における「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列Mの逆行列M−1に基づく補正処理」は、実際には、広角画像データ及び望遠画像データを構成する色チャンネル毎に行われる。画像補正部39は、その色チャンネルの各々に関する「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列Mの逆行列M−1」を記憶保持する。例えば、撮像素子24(第1の受光センサ25a及び第2の受光センサ25b)がRGB(赤緑青)のカラーフィルタを有し、RGBデータによって構成される広角画像データ及び望遠画像データが撮像信号として撮像素子24から出力される場合、画像補正部39は、RGBの各々の色チャンネルに関する「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列Mの逆行列M−1」を保持して出力広角画像Iw2及び出力望遠画像It2に適用する。
図21は、第1実施形態に係る「撮影光学系11のフォーカスコントロール」を行わずに第2実施形態に係る「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列Mの逆行列M−1に基づく補正処理」を行った場合の画像例を示し、(a)は広角画像例を示し、(b)は望遠画像例を示す。図22は、第1実施形態に係る「撮影光学系11のフォーカスコントロール」を行った後に第2実施形態に係る「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列Mの逆行列M−1に基づく補正処理」を行った場合の画像例を示し、(a)は広角画像例を示し、(b)は望遠画像例を示す。
したがって図21(a)及び図22(a)は、いずれも「広角画像(第1の撮影画像)の方が望遠画像(第2の撮影画像)よりも重要度が高いことを重要度情報が示す場合」の広角画像例であるが、図21(a)は望遠画像用の第2の光学系22が合焦状態に調整された状態で撮影が行われた広角画像例を示すのに対し、図22(a)は第2の光学系22がデフォーカス状態に調整された状態で撮影が行われた広角画像例を示す。一方、図21(b)及び図22(b)は、いずれも「望遠画像(第2の撮影画像)の方が広角画像(第1の撮影画像)よりも重要度が高いことを重要度情報が示す場合」の望遠画像例であるが、図21(b)は広角画像用の第1の光学系21が合焦状態に調整された状態で撮影が行われた望遠画像例を示すのに対し、図22(b)は第1の光学系21がデフォーカス状態に調整された状態で撮影が行われた望遠画像例を示す。
図21(a)に示す広角画像例では、望遠画像成分のうち明るい画素成分の混在が多少目立つ。また図21(b)に示す望遠画像例では、広角画像成分のうち鋭い輪郭成分の混在が多少目立つ。一方、本実施形態に係る図22(a)に示す広角画像例及び図22(b)に示す望遠画像例では、図21(a)に示す広角画像例及び図21(b)に示す望遠画像例で目立った混在成分が低減され、全体として視認性に優れた高画質の画像となっている。
以上説明したように、上述の第1実施形態に係る「撮影光学系11(第1の光学系21及び第2の光学系22)のフォーカスコントロール」に加え、上述の第2実施形態に係る「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列の逆行列に基づく補正処理」を行うことで、より高画質の所望画像を取得することができる(図22(a)及び図22(b)参照)。
特に上述の第2実施形態に係る「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列Mの逆行列M−1に基づく補正処理」は、上述の第1実施形態に係る「撮影光学系11のフォーカスコントロール」と好適に組み合わせ可能である。すなわち、上述の第1実施形態に係る「撮影光学系11のフォーカスコントロール」によって高周波成分が除外された干渉光(不要撮影光)が撮像素子24(第1の受光センサ25a又は第2の受光センサ25b)により受光されるため、第2実施形態に係る「補正処理」による除去誤差が目立ち難い。したがって第2実施形態に係る「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列Mの逆行列M−1に基づく補正処理」を第1実施形態に係る「撮影光学系11のフォーカスコントロール」と組み合わせることで、第2実施形態に係る「補正処理」による画質低下のリスクを低減しつつ、第2実施形態に係る「補正処理」による干渉光(不要撮影光)の除去による画質改善のメリットを享受することができる。
<第3実施形態>
本実施形態において、上述の第1実施形態と同一又は類似の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
上述の第1実施形態では「焦点距離」の異なる第1の光学系21及び第2の光学系22を備えた撮像装置30について説明したが、他の光学特性が異なる第1の光学系21及び第2の光学系22を備えた撮像装置30に対しても本発明は適用可能である。本実施形態では、「合焦距離」の異なる第1の光学系21及び第2の光学系22を備えた撮像装置30の一例について説明する。
図23は、第3実施形態に係る撮影光学系11の外観図である。
本実施形態の撮影光学系11はレンズ形状を有し、合焦距離が相対的に長い領域(以下、「遠合焦領域」という)60aと、遠合焦領域60aより短い合焦距離を有する領域(以下、「近合焦領域」という)60bとを有する。この一体的に設けられる撮影光学系11の複数の領域(遠合焦領域60a及び近合焦領域60b)のうち、第1の領域(遠合焦領域60a)が第1の光学系21によって構成され、第2の領域(近合焦領域60b)が第2の光学系22によって構成される。図23に示す例では、撮影光学系11を正面から見て、レンズ中心O1を含む水平の境界を境とした下側の半月型領域が遠合焦領域60aであり第1の光学系21に相当し、上側の半月型領域が近合焦領域60bであり第2の光学系22に相当する。なお本例では、第1の光学系21(遠合焦領域60a)及び第2の光学系22(近合焦領域60b)は、同一の焦点距離を有するが、異なる焦点距離を有していてもよい。すなわち第1の光学系21及び第2の光学系22は、焦点距離及び合焦距離のうち少なくとも一方が異なっていればよく、第1の光学系21及び第2の光学系22の各種の特性値は同じであってもよいし異なっていてもよく、撮影目的及び撮影条件等に応じて具体的な特性値を設定可能である。
図23の例では第1の光学系21及び第2の光学系22が半月型に形成されているが、第1の光学系21及び第2の光学系22の形状は特に限定されない。例えば同心円を形成する第1の光学系21及び第2の光学系22が用いられてもよく、第1の光学系21及び第2の光学系22のうちの一方をレンズ中心O1を中心とする円形領域とし、他方をその周辺の円環領域としてもよい。また第1の光学系21及び第2の光学系22の表面積比及び体積比も特に限定されない。
このような構成の撮影光学系11を使用することにより、本実施形態に係る撮像装置30は、合焦距離の異なる2種類の画像を同時に取得することができる。
図24は、第3実施形態に係る撮像素子24の一部を示す拡大断面図である。本実施形態の撮像素子24の各受光センサ25も、上述の第1実施形態の撮像素子24の各受光センサ25と基本的には同様の構成を有するが、本実施形態の遮光マスク28はフォトダイオード29の受光面の半分を覆うように配置される。すなわち第1の受光センサ25aの遮光マスク28は、フォトダイオード29の2分割された受光面のうちの一方を覆うように配置され、第2の受光センサ25bの遮光マスク28は、フォトダイオード29の2分割された受光面のうちの他方を覆うように配置される。このような配置を有する遮光マスク28によって不要な撮影光が遮断されて瞳分割が行われ、第1の光学系21を通過した撮影光は第1の受光センサ25aによって受光され、第2の光学系22を通過した撮影光は第2の受光センサ25bによって受光される。
なお第1の受光センサ25a及び第2の受光センサ25bの数の比は、第1の光学系21(遠合焦領域60a)及び第2の光学系22(近合焦領域60b)における撮影光の受光面の面積比と等しいことが好ましい。したがって第1の光学系21及び第2の光学系22の受光面の面積が等しい場合には、第1の受光センサ25a及び第2の受光センサ25bの数も同じであることが好ましい。また第1の受光センサ25a及び第2の受光センサ25bは、生成される画像の特定の領域及び特定の方向に関して画質が劣化しないように配置されることが好ましく、第1の受光センサ25a及び第2の受光センサ25bを混在させることで補間処理等により画素データの欠落を補うことができる。
図25は、第3実施形態に係る撮影光学系11を使用した撮影メカニズムを説明するための図である。
図25において、各参照符号が示す内容は以下の通りである。
a1:第1の光学系21(遠合焦領域60a)のレンズ−受光面間距離
a2:第2の光学系22(近合焦領域60b)のレンズ−受光面間距離
b1:第1の光学系21(遠合焦領域60a)のレンズ−被写体間距離
b2:第2の光学系22(近合焦領域60b)のレンズ−被写体間距離
FD1:第1の光学系21(遠合焦領域60a)の合焦距離
FD2:第2の光学系22(近合焦領域60b)の合焦距離
Q1A、Q1B及びQ2:被写体
なお本実施形態において「合焦距離」とは、撮像素子24の受光センサ25の受光面から受光センサ25と合焦関係にある被写体までの距離を指し、図25に示す例では「FD1=a1+b1」及び「FD2=a2+b2」の関係が成立する。また第1の光学系21(遠合焦領域60a)の焦点距離を「f1」とし、第2の光学系22(近合焦領域60b)の焦点距離を「f2」とすると、「1/f1=(1/a1)+(1/b1)」及び「1/f2=(1/a2)+(1/b2)」の関係が成立する。
このような「合焦距離の異なる第1の光学系21及び第2の光学系22」を具備する撮像装置30おいても、第1実施形態と同様の機能構成(図11参照)によって、第1の光学系21と第2の光学系22との間における撮影光の干渉の影響を、実際の撮影状況に応じて低減することができる。すなわち重要度情報に基づいてフォーカス調整部32がフォーカスコントローラ34によって制御され、撮影光学系11(第1の光学系21及び第2の光学系22)のフォーカス状態がコントロールされる。
なお本実施形態における「フォーカス調整部32による撮影光学系11(第1の光学系21及び第2の光学系22)のフォーカス状態の調整」は任意の手段によって実現可能である。例えば印加電圧を変えることによって焦点距離等の光学特性を変更可能な部材により撮影光学系11(第1の光学系21及び第2の光学系22)が構成される場合、フォーカス調整部32の第1のフォーカスアクチュエータ33a及び第2のフォーカスアクチュエータ33bは第1の光学系21及び第2の光学系22に印加する電圧を調整することで、第1の光学系21及び第2の光学系22の「デフォーカス状態」及び「合焦状態」を実現することが可能である。またフォーカス調整部32の第1のフォーカスアクチュエータ33a及び第2のフォーカスアクチュエータ33bは、「撮影画像を暈かすための光学部材」を必要に応じて光路上に配置することで、第1の光学系21及び第2の光学系22の「デフォーカス状態」を実現することも可能である。また第1の光学系21(遠合焦領域60a)及び第2の光学系22(近合焦領域60b)が分離構造を有する場合、フォーカス調整部32の第1のフォーカスアクチュエータ33a及び第2のフォーカスアクチュエータ33bは第1の光学系21及び第2の光学系22を独立駆動して配置を調整することで「デフォーカス状態」及び「合焦状態」を実現することが可能である。
<他の変形例>
本発明は上述の実施形態及びその変形例に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば上述の実施形態同士を適宜組み合わされてもよく、「合焦距離の異なる第1の光学系21及び第2の光学系22」を具備する上述の第3実施形態に係る撮像装置30に、上述の第2実施形態に係る「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列の逆行列に基づく補正処理」を適用してもよい。
また上述の実施形態では、2種類の光学系(第1の光学系21及び第2の光学系22)によって撮影光学系11が構成される例について説明したが、3種類以上の光学系によって撮影光学系11が構成されてもよい。
また、上述の各構成及び各機能は、任意のハードウェア、ソフトウェア、或いは両者の組み合わせによって適宜実現可能である。例えば、上述の処理ステップ(処理手順)をコンピュータに実行させるプログラム、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(非一時的記録媒体)、或いはそのようなプログラムをインストール可能なコンピュータに対しても本発明を適用することが可能である。
また、本発明を適用可能な態様は図1に示すデジタルカメラ10及び図2に示す自動追尾撮像装置14には限定されず、撮像を主たる機能とするカメラ類の他に、撮像機能に加えて撮像以外の他の機能(通話機能、通信機能、或いはその他のコンピュータ機能)を備えるモバイル機器類に対しても本発明を適用することが可能である。本発明を適用可能な他の態様としては、例えば、カメラ機能を有する携帯電話機やスマートフォン、PDA(Personal Digital Assistants)及び携帯型ゲーム機が挙げられる。以下、本発明を適用可能なスマートフォンの一例について説明する。
<スマートフォンの構成>
図26は、本発明の撮像装置の一実施形態であるスマートフォン101の外観を示す図である。図26に示すスマートフォン101は、平板状の筐体102を有し、筐体102の一方の面に表示部としての表示パネル121と、入力部としての操作パネル122とが一体となって形成される表示入力部120が設けられる。また、その筐体102は、スピーカ131と、マイクロホン132と、操作部140と、カメラ部141とを備える。なお、筐体102の構成はこれに限定されず、例えば、表示部と入力部とが独立して設けられる構成を採用したり、折り畳み構造やスライド機構を有する構成を採用することもできる。
図27は、図26に示すスマートフォン101の構成を示すブロック図である。図27に示すように、スマートフォン101の主たる構成要素として、無線通信部110と、表示入力部120と、通話部130と、操作部140と、カメラ部141と、記憶部150と、外部入出力部160と、GPS(Global Positioning System)受信部170と、モーションセンサ部180と、電源部190と、主制御部100とを備える。また、スマートフォン101の主たる機能として、基地局装置と移動通信網とを介した移動無線通信を行う無線通信機能を備える。
無線通信部110は、主制御部100の指示に従って、移動通信網に接続された基地局装置との間で無線通信を行う。その無線通信が使用されて、音声データ及び画像データ等の各種ファイルデータや電子メールデータなどの送受信、及びWebデータやストリーミングデータなどの受信が行われる。
表示入力部120は、表示パネル121及び操作パネル122を備えるいわゆるタッチパネルであり、主制御部100の制御により、画像(静止画像及び動画像)や文字情報などを表示して視覚的にユーザに情報を伝達し、また表示した情報に対するユーザ操作を検出する。
表示パネル121は、LCD又はOELD(Organic Electro−Luminescence Display)などを表示デバイスとして用いる。操作パネル122は、表示パネル121の表示面上に表示される画像が視認可能な状態で設けられ、ユーザの指や尖筆によって操作される一又は複数の座標を検出するデバイスである。そのデバイスがユーザの指や尖筆によって操作されると、操作パネル122は、操作に起因して発生する検出信号を主制御部100に出力する。次いで、主制御部100は、受信した検出信号に基づいて、表示パネル121上の操作位置(座標)を検出する。
本発明の撮像装置の一実施形態として図26に例示されるスマートフォン101の表示パネル121と操作パネル122とは一体となって表示入力部120を構成し、操作パネル122が表示パネル121を完全に覆うような配置となっている。その配置を採用した場合、操作パネル122は、表示パネル121外の領域についても、ユーザ操作を検出する機能を備えてもよい。換言すると、操作パネル122は、表示パネル121に重なる重畳部分についての検出領域(以下、「表示領域」と称する)と、それ以外の表示パネル121に重ならない外縁部分についての検出領域(以下、「非表示領域」と称する)とを備えていてもよい。
なお、表示領域の大きさと表示パネル121の大きさとを完全に一致させてもよいが、両者を必ずしも一致させる必要はない。また、操作パネル122が、外縁部分及びそれ以外の内側部分の2つの感応領域を備えていてもよい。さらに、その外縁部分の幅は、筐体102の大きさなどに応じて適宜設計されるものである。更にまた、操作パネル122で採用される位置検出方式としては、マトリクススイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、及び静電容量方式などが挙げられ、いずれの方式が採用されてもよい。
通話部130は、スピーカ131及びマイクロホン132を備え、マイクロホン132を通じて入力されたユーザの音声を主制御部100にて処理可能な音声データに変換して主制御部100に出力したり、無線通信部110或いは外部入出力部160により受信された音声データを復号してスピーカ131から出力したりする。また、図26に示すように、例えば、スピーカ131を表示入力部120が設けられた面と同じ面に搭載し、マイクロホン132を筐体102の側面に搭載することができる。
操作部140は、キースイッチなどを用いたハードウェアキーであって、ユーザからの指示を受け付ける。例えば、図26に示すように、操作部140は、スマートフォン101の筐体102の側面に搭載され、指などで押下されるとスイッチオン状態となり、指を離すとバネなどの復元力によってスイッチオフ状態となる押しボタン式のスイッチである。
記憶部150は、主制御部100の制御プログラムや制御データ、アプリケーションソフトウェア、通信相手の名称や電話番号などを対応づけたアドレスデータ、送受信した電子メールのデータ、WebブラウジングによりダウンロードしたWebデータ、及びダウンロードしたコンテンツデータ等を記憶し、またストリーミングデータなどを一時的に記憶する。また、記憶部150は、スマートフォン内蔵の内部記憶部151と着脱自在な外部メモリスロットを有する外部記憶部152とにより構成される。なお、記憶部150を構成する内部記憶部151及び外部記憶部152のそれぞれは、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、MicroSD(登録商標)メモリ等)、RAM(Random Access Memory)、或いはROM(Read Only Memory)などの格納媒体を用いて実現される。
外部入出力部160は、スマートフォン101に連結される全ての外部機器とのインターフェースの役割を果たし、通信等(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、IEEE1394など)又はネットワーク(例えば、インターネット、無線LAN、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association:IrDA)(登録商標)、UWB(Ultra Wideband)(登録商標)、ジグビー(ZigBee)(登録商標)など)により他の外部機器に直接的又は間接的に接続する。
スマートフォン101に連結される外部機器としては、例えば、有線/無線ヘッドセット、有線/無線外部充電器、有線/無線データポート、カードソケットを介して接続されるメモリカード(Memory card)やSIM(Subscriber Identity Module Card)/UIM(User Identity Module Card)カード、オーディオ・ビデオI/O(Input/Output)端子を介して接続される外部オーディオ・ビデオ機器、無線接続される外部オーディオ・ビデオ機器、有線/無線接続されるスマートフォン、有線/無線接続されるパーソナルコンピュータ、有線/無線接続されるPDA、有線/無線接続されるパーソナルコンピュータ、及びイヤホンなどがある。外部入出力部160は、このような外部機器から伝送を受けたデータをスマートフォン101の内部の各構成要素に伝達したり、スマートフォン101の内部のデータが外部機器に伝送されたりするように構成されてもよい。
GPS受信部170は、主制御部100の指示に従って、GPS衛星ST1、ST2〜STnから送信されるGPS信号を受信し、受信した複数のGPS信号に基づく測位演算処理を実行し、スマートフォン101の緯度、経度及び高度によって特定される位置を検出する。GPS受信部170は、無線通信部110及び/又は外部入出力部160(例えば、無線LAN)から位置情報を取得できる場合には、その位置情報を用いて位置を検出することもできる。
モーションセンサ部180は、例えば、3軸の加速度センサなどを備え、主制御部100の指示に従って、スマートフォン101の物理的な動きを検出する。スマートフォン101の物理的な動きを検出することにより、スマートフォン101の動く方向や加速度が検出される。その検出の結果は、主制御部100に出力される。
電源部190は、主制御部100の指示に従って、スマートフォン101の各部に、バッテリ(図示しない)に蓄えられる電力を供給する。
主制御部100は、マイクロプロセッサを備え、記憶部150が記憶する制御プログラムや制御データに従って動作し、スマートフォン101の各部を統括して制御する。また、主制御部100は、無線通信部110を通じて音声通信及びデータ通信を行うために、通信系の各部を制御する移動通信制御機能と、アプリケーション処理機能とを備える。
アプリケーション処理機能は、記憶部150が記憶するアプリケーションソフトウェアに従って主制御部100が動作することにより実現される。アプリケーション処理機能としては、例えば、外部入出力部160を制御することで対向機器とデータ通信を行う赤外線通信機能や、電子メールの送受信を行う電子メール機能、及びWebページを閲覧するWebブラウジング機能などがある。
また、主制御部100は、受信データやダウンロードしたストリーミングデータなどの画像データ(静止画像や動画像のデータ)に基づいて、映像を表示入力部120に表示する等の画像処理機能を備える。画像処理機能とは、主制御部100が、上記画像データを復号し、その復号結果に画像処理を施して、その画像処理を経て得られる画像を表示入力部120に表示する機能のことをいう。
さらに、主制御部100は、表示パネル121に対する表示制御と、操作部140や操作パネル122を通じたユーザ操作を検出する操作検出制御とを実行する。
表示制御の実行により、主制御部100は、アプリケーションソフトウェアを起動するためのアイコンや、スクロールバーなどのソフトウェアキーを表示したり、或いは電子メールを作成するためのウィンドウを表示する。なお、スクロールバーとは、表示パネル121の表示領域に収まりきれない大きな画像などについて、画像の表示部分を移動する指示を受け付けるためのソフトウェアキーのことをいう。
また、操作検出制御の実行により、主制御部100は、操作部140を通じたユーザ操作を検出したり、操作パネル122を通じて、上記アイコンに対する操作や、上記ウィンドウの入力欄に対する文字列の入力を受け付けたり、或いは、スクロールバーを通じた表示画像のスクロール要求を受け付ける。
さらに、操作検出制御の実行により主制御部100は、操作パネル122に対する操作位置が、表示パネル121に重なる重畳部分(表示領域)に該当するか、或いはそれ以外の表示パネル121に重ならない外縁部分(非表示領域)に該当するかを判定し、操作パネル122の感応領域やソフトウェアキーの表示位置を制御するタッチパネル制御機能を備える。
また、主制御部100は、操作パネル122に対するジェスチャ操作を検出し、検出したジェスチャ操作に応じて、予め設定された機能を実行することもできる。ジェスチャ操作とは、従来の単純なタッチ操作ではなく、指などによって軌跡を描いたり、複数の位置を同時に指定したり、或いはこれらを組み合わせて、複数の位置から少なくとも1つについて軌跡を描く操作を意味する。
カメラ部141は、CMOSなどの撮像素子を用いて電子撮影するデジタルカメラである。また、カメラ部141は、主制御部100の制御により、撮像によって得た画像データを例えばJPEGなどの圧縮した画像データに変換し、その画像データを記憶部150に記録したり、外部入出力部160や無線通信部110を通じて出力したりすることができる。図26に示すようにスマートフォン101において、カメラ部141は表示入力部120と同じ面に搭載されているが、カメラ部141の搭載位置はこれに限らず、表示入力部120が設けられる筐体102の表面ではなく筐体102の背面にカメラ部141が搭載されてもよいし、或いは複数のカメラ部141が筐体102に搭載されてもよい。なお、複数のカメラ部141が搭載されている場合には、撮影に供するカメラ部141を切り替えて単独のカメラ部141によって撮影が行われてもよいし、或いは、複数のカメラ部141を同時に使用して撮影が行われてもよい。
また、カメラ部141はスマートフォン101の各種機能に利用することができる。例えば、カメラ部141で取得した画像が表示パネル121に表示さてもよいし、操作パネル122の操作入力手法の一つとして、カメラ部141で撮影取得される画像が利用さてもよい。また、GPS受信部170が位置を検出する際に、カメラ部141からの画像が参照されて位置が検出されてもよい。さらには、カメラ部141からの画像が参照されて、3軸の加速度センサを用いずに、或いは、3軸の加速度センサと併用して、スマートフォン101のカメラ部141の光軸方向を判断することや、現在の使用環境を判断することもできる。勿論、カメラ部141からの画像をアプリケーションソフトウェア内で利用することもできる。
その他、GPS受信部170により取得された位置情報、マイクロホン132により取得された音声情報(主制御部等により、音声テキスト変換を行ってテキスト情報となっていてもよい)、及びモーションセンサ部180により取得された姿勢情報等などを静止画又は動画の画像データに付加して得られるデータを、記憶部150に記録したり、外部入出力部160や無線通信部110を通じて出力したりすることもできる。
なお上述の画像生成部36、シーン解析部37、画像補正部39、表示コントローラ42及びフォーカスコントローラ34等(図11参照)は、例えば主制御部100によって実現可能であり、また上述のフォーカス調整部32等(図11参照)は、例えばカメラ部141によって実現可能である。
10…デジタルカメラ、11…撮影光学系、12…レリーズボタン、13…フラッシュ、14…自動追尾撮像装置、15…装置本体、16…台座、17…ドームカバー、18…保持部、19…ギア、21…第1の光学系、22…第2の光学系、23…共通レンズ、24…撮像素子、24a…第1の撮像素子、24b…第2の撮像素子、25…受光センサ、25a…第1の受光センサ、25b…第2の受光センサ、26…マイクロレンズ、27…中間層、28…遮光マスク、29…フォトダイオード、30…撮像装置、32…フォーカス調整部、33a…第1のフォーカスアクチュエータ、33b…第2のフォーカスアクチュエータ、34…フォーカスコントローラ、36…画像生成部、37…シーン解析部、38…指示情報取得部、39…画像補正部、40…画像記憶部、42…表示コントローラ、43…表示部、48…点光源、60a…遠合焦領域、60b…近合焦領域、100…主制御部、101…スマートフォン、102…筐体、110…無線通信部、120…表示入力部、121…表示パネル、122…操作パネル、130…通話部、131…スピーカ、132…マイクロホン、140…操作部、141…カメラ部、150…記憶部、151…内部記憶部、152…外部記憶部、160…外部入出力部、170…GPS受信部、180…モーションセンサ部、190…電源部

Claims (12)

  1. 相互に独立した特性を有する第1の光学系及び第2の光学系を含む撮影光学系と、
    前記第1の光学系及び前記第2の光学系の各々に対応して設けられる複数の受光センサであって、前記第1の光学系及び前記第2の光学系のうち対応の光学系を通過した光を瞳分割して選択的に受光する複数の受光センサを有する撮像素子と、
    前記第1の光学系に対応する前記受光センサから出力される撮像信号から第1の撮影画像を生成し、前記第2の光学系に対応する前記受光センサから出力される撮像信号から第2の撮影画像を生成する画像生成部と、
    前記第1の光学系及び前記第2の光学系の各々のフォーカス状態を独立して調整するフォーカス調整部と、
    前記第1の撮影画像及び前記第2の撮影画像の重要度を示す重要度情報を取得し、当該重要度情報に基づいて前記フォーカス調整部を制御するフォーカスコントローラと、を備える撮像装置。
  2. 前記フォーカスコントローラは、
    前記第1の撮影画像の方が前記第2の撮影画像よりも重要度が高いことを前記重要度情報が示す場合には、前記フォーカス調整部を制御して前記第2の光学系をデフォーカス状態とし、
    前記第2の撮影画像の方が前記第1の撮影画像よりも重要度が高いことを前記重要度情報が示す場合には、前記フォーカス調整部を制御して前記第1の光学系をデフォーカス状態とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記第1の光学系の前記デフォーカス状態は、前記フォーカスコントローラが前記フォーカス調整部を制御して、前記第1の光学系の点像分布関数の半値全幅を前記複数の受光センサの画素ピッチ以上とすることにより実現され、
    前記第2の光学系の前記デフォーカス状態は、前記フォーカスコントローラが前記フォーカス調整部を制御して、前記第2の光学系の点像分布関数の半値全幅を前記複数の受光センサの画素ピッチ以上とすることにより実現される請求項2に記載の撮像装置。
  4. ユーザからの指示情報を取得する指示情報取得部を更に備え、
    前記フォーカスコントローラは、前記指示情報取得部が取得したユーザからの指示情報に基づいて前記重要度情報を取得する請求項1〜3のいずれか一項に記載の撮像装置。
  5. 撮影シーンを解析するシーン解析部を更に備え、
    前記フォーカスコントローラは、前記シーン解析部による解析結果に基づいて前記重要度情報を取得する請求項1〜3のいずれか一項に記載の撮像装置。
  6. 前記シーン解析部は、前記第1の撮影画像及び前記第2の撮影画像のうちの少なくともいずれか一方に基づいて前記撮影シーンにおける追尾対象を検出して当該追尾対象の経時的な挙動を解析し、
    前記フォーカスコントローラは、前記シーン解析部によって解析される前記追尾対象の経時的な挙動に基づいて前記重要度情報を取得する請求項5に記載の撮像装置。
  7. 前記第1の撮影画像及び前記第2の撮影画像の補正を行う画像補正部であって、前記第1の撮影画像における前記第2の光学系を通過した光の影響を低減し、前記第2の撮影画像における前記第1の光学系を通過した光の影響を低減する画像補正部を更に備える請求項1〜6のいずれか一項に記載の撮像装置。
  8. 前記画像補正部は、前記第1の撮影画像及び前記第2の撮影画像の検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列の逆行列に基づいて前記補正を行う請求項7に記載の撮像装置。
  9. 前記第1の光学系及び前記第2の光学系は、焦点距離及び合焦距離のうち少なくとも一方が異なる請求項1〜8のいずれか一項に記載の撮像装置。
  10. 前記第2の光学系は、前記第1の光学系の周辺に設けられ、前記第1の光学系と同一の光軸を有する請求項1〜9のいずれか一項に記載の撮像装置。
  11. 一体的に設けられる前記撮影光学系の複数の領域のうち、第1の領域が前記第1の光学系によって構成され、第2の領域が前記第2の光学系によって構成される請求項1〜9のいずれか一項に記載の撮像装置。
  12. 相互に独立した特性を有する第1の光学系及び第2の光学系を含む撮影光学系と、前記第1の光学系及び前記第2の光学系の各々に対応して設けられる複数の受光センサであって、前記第1の光学系及び前記第2の光学系のうち対応の光学系を通過した光を瞳分割して選択的に受光する複数の受光センサを有する撮像素子と、前記第1の光学系に対応する前記受光センサから出力される撮像信号から第1の撮影画像を生成し、前記第2の光学系に対応する前記受光センサから出力される撮像信号から第2の撮影画像を生成する画像生成部と、前記第1の光学系及び前記第2の光学系の各々のフォーカス状態を独立して調整するフォーカス調整部とを備える撮像装置における撮像方法であって、
    前記第1の撮影画像及び前記第2の撮影画像の重要度を示す重要度情報を取得するステップと、
    当該重要度情報に基づいて前記フォーカス調整部を制御するステップと、を含む撮像方法。
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